(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-519877(P2021-519877A)
(43)【公表日】2021年8月12日
(54)【発明の名称】水流中芳香族製品拡散装置及び付属拡散器本体
(51)【国際特許分類】
E03C 1/046 20060101AFI20210716BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20210716BHJP
E03C 1/042 20060101ALI20210716BHJP
【FI】
E03C1/046
A47K3/28
E03C1/042 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-554446(P2020-554446)
(86)(22)【出願日】2019年3月14日
(85)【翻訳文提出日】2020年9月30日
(86)【国際出願番号】FR2019050558
(87)【国際公開番号】WO2019202225
(87)【国際公開日】20191024
(31)【優先権主張番号】1853286
(32)【優先日】2018年4月16日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520380749
【氏名又は名称】シリュス シャワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CIRRUS SHOWER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ルニョー,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】デコニック,フィリップ
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BC00
2D060CC11
2D132FA02
2D132FF00
2D132FK00
(57)【要約】
本発明は、水流(F)中芳香族製品(A)の拡散装置(100)に関するものであり、前記水流の水路(10c)により互いに接続されている水流の入口(10a)と出口(10b)を備え、前記本体(10)は、それぞれ前記水流の分配装置の出口とシャワー導管の入口の間にある前記入口(10a)と前記出口(10b)に応じて水回路上に搭載されるもので、前記分配装置からシャワー導管への前記水路(10c)を通って前記水流の循環を可能し、その中で前記本体(10)には水路(10c)内に前記拡散対象芳香族製品の拡散器本体(200)を収納し配置するよう構成された収納ハウジング(11)が備わっており、前記拡散器本体(200)は、少なくとも部分的には前記水路(10c)を塞ぐことから、開位置では前記分配装置の出口から流れ出た前記水流(F)は前記水路(10c)内を通過する際に前記拡散器本体(20)を通り抜け、それにより前記芳香族製品(A)は水流(F)中に拡散し、したがって香水(FA)が流れる前記シャワー導管内に到達できるようになる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流(F)中での芳香族製品(A)の拡散装置(100)用の拡散器本体(200)で、前記拡散装置(100)は前記水流の分配装置の出口とシャワー導管の入口の間で水回路上に搭載され、前記分配装置からシャワー導管への前記水流(F)の循環が可能となること、
互いに嵌合し、水流(F)内で拡散する芳香族製品(A)を収納する容器(203)を形成するよう互いに寸法を調整した第1中空管(201)と第2中空管(202)を備えた前記拡散器本体(200)、
その中では前記第1中空管(201)と第2中空管(202)が2つの位置(P1,P2)となるよう協働するのに適しており、そのうち前記第1閉位置(P1)では容器(203)が密閉しており芳香族製品(A)の水流(F)とのいかなる接触も回避され、前記第2開位置(P2)では前記容器(203)が開いており、その容器(203)を通る水流(F)の循環が可能となり、芳香族製品(A)と接触すること。
【請求項2】
第1チューブ(201)は上蓋(201a)を備え、第2チューブ(202)は底部(202b)を備えている、又はその逆である、請求項1に記載の拡散器本体(200)。
【請求項3】
前記第1チューブ(201)及び第2チューブ(202)が、底部方向(202a)に向かって上蓋(201a)に圧力を加えるかその逆となることで閉位置(P1)から開位置(P2)への移行が始動するように互いに構成されている、請求項2に記載の拡散器本体(200)。
【請求項4】
チューブ(201,202)を閉位置(P1)及び/又は開位置(P2)での所定位置に維持するように構成された位置維持手段(210)を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項5】
チューブ(201,202)の位置維持手段(210)に以下が備わっている、請求項4に記載の拡散器本体(200):
- 少なくとも部分的にはチューブ(201,202)いずれか1つの上部の周縁部に広がる溝(211)、及び
- 少なくとも部分的には他方のチューブ(202,201)の上部の周縁部に広がるビード(212)。
前記溝(211)の寸法は前記ビード(212)を収納できるよう調整されており、前記溝(211)内での前記ビード(212)の収納により容器(203)の気密性が保証される。
【請求項6】
前記チューブ(201,202)が少なくとも部分的に変形可能な弾性材料で形成されているため、上蓋(201a)に加えられる圧力が管(201,202)の変形を引き起こし前記溝(211)のビード(212)が外れ、容器(203)の閉位置(P1)から開位置(P2)への移行が可能となる、請求項3に添付の請求項5又は4に記載の拡散器本体(200)。
【請求項7】
前記第1チューブ(201)及び第2チューブ(202)が、それらの周壁(201b,202b)上にそれぞれ複数の貫通窓(204,205)を備えている、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項8】
第1チューブ(201)及び第2チューブ(202)のそれぞれの貫通窓(204,205)が以下のとおりになるよう互いに配置されている、請求項7に記載の拡散器本体(200)。
- 閉位置(P1)では、貫通窓(204,205)が互いにずれており、容器(203)の内部で水流(F)の通過を妨げる、及び
- 開位置(P2)では、貫通窓(204,205)が互いに向かい合っており、容器(203)の内部への水流(F)の通過が可能となる。
【請求項9】
容器(203)の内部に配置される拡散対象の芳香族製品(A)が芳香族塩を含有する、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項10】
容器(203)の内部に配置される拡散対象の芳香族製品(A)が、前記拡散対象芳香族製品(A)で浸されたフェルトを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項11】
容器(203)の内部に配置される拡散対象の芳香族製品(A)が、拡散対象の前記芳香族製品(A)に浸されたスポンジを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項12】
容器(203)の内部に配置された拡散対象の芳香族製品(A)が、拡散対象の前記芳香族製品(A)を含有する多孔質石を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)。
【請求項13】
水流(F)中での芳香族製品(A)の拡散装置(100)で、
前記装置(100)には、前記水流の水路(10c)により互いに接続された水流の入口(10a)及び出口(10b)を備えた本体(10)が含まれ、前記本体(10)は、前記水路(10c)を通る前記分配装置からシャワー導管への前記水流の循環を可能にするため、前記水流の分配装置の出口とシャワー導管の入口の間でそれぞれ前記入口(10a)及び前記出口(10b)に応じて水回路に取り付けられるようになっており、
その中で、前記本体(10)には、拡散対象の前記芳香族製品(A)を収納する容器(203)を備えた着脱式の拡散器本体(200)を水路(10c)内に収納し配置するように構成された収納ハウジング(11)が含まれ、前記拡散器本体(200)は、前記水路(10c)を少なくとも部分的に塞ぎ、容器(203)が密閉され芳香族製品(A)の水流(F)とのあらゆる接触が回避される前記第1閉位置(P1)と、前記容器(203)が開き前記分配装置の出口から流れ出る前記水流(F)が前記水路(10c)内を通過する際に前記容器(203)を通り抜けるため、前記芳香族製品(A)が水流(F)内に拡散し、そのため香水(FA)が流れる前記シャワー導管内に到達できるようになる前記第2開位置(P2)を含む2つの位置(P1,P2)を有するのに適している。
【請求項14】
収納ハウジング(11)はほぼ円筒形であり、装置(100)には収納ハウジングの周壁(11a)にぴったり合うように適合させた円環状の浄化フィルター(20)が含まれ、その中央部(20d)の寸法が拡散器本体(200)を収納するよう調整されている、請求項13に記載の装置(100)。
【請求項15】
浄化フィルター(20)が内周壁(20a)及び外周壁(20b)を備え、前記の内壁(20a)及び外壁(20b)によりそれらの間にあるボリューム(20c)が定められ、その中に剛球が配置される、請求項14に記載の装置(100)。
【請求項16】
剛球が少なくとも部分的にはセラミックで形成されている、請求項15に記載の装置(100)。
【請求項17】
浄化フィルター(20)の内周壁(20a)には、前記フィルター(20)を通る前記水流(F)の循環を可能にするためその間に配置されている複数の貫通孔(22)が備わっている、請求項15又は16に記載の装置(100)。
【請求項18】
貫通孔(22)の形状はそれぞれ三角形であり、互いに絡み合っている、請求項17に記載の装置(100)。
【請求項19】
貫通孔(22)がほぼ長方形であり少し傾いているため、フィルター(20)を通る水流(F)の通過時に水の乳濁化が促進されている、請求項17に記載の装置(100)。
【請求項20】
貫通孔(22)が前後2列に配置されている、請求項18又は19に記載の装置(100)。
【請求項21】
収納ハウジング(11)を被覆し、前記拡散器本体(200)が前記ハウジング(11)内に挿入された場合に収納ハウジング(11)を密閉するのに適している、着脱式であり密封された保護カバー(30)を含む、請求項13〜20のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項22】
保護カバー(30)には、その前面に目に見えるようにするほぼ平坦な上部(30a)が備わっており、前記拡散器本体(20)に付属の芳香族製品(A)に関する情報を表示するためのマーキング領域を備えた、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記本体(10)の入口(10a)及び出口(10b)には、それぞれ前記水流分配装置の出口及び前記シャワー導管の入口と協働するのに適しており、本体(10)を前記分配装置及び前記シャワー導管と一体的に組み立てることができる、請求項13〜22のいずれか一項に記載の装置(100)。
【請求項24】
第1組立手段(12)と第2組立手段(13)が前記本体(10)を前記分配装置及び前記シャワー導管とねじ留めにより組み立てるよう構成されている、請求項23に記載の装置(100)。
【請求項25】
前記本体(10)の入口と分配装置の出口の間及び前記本体(10)の出口と前記シャワー導管の入口の間にそれぞれシール継手が備わっている、請求項23又は24に記載の装置(100)。
【請求項26】
以下を含む一式:
- 請求項13〜25のいずれか一項に記載の拡散装置(100)、及び
- 水流(F)内に拡散させる芳香族製品(A)を伴う請求項1〜12のいずれか一項に記載の拡散器本体(200)少なくとも1つ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマセラピー(芳香療法)分野に関するものである。
【0002】
本発明は、とりわけ、例えばお風呂の水、シャワーの水などの水道水の流れの中に芳香族(アロマ)製品を拡散させる装置に関するものである。
【0003】
本発明の枠内での用語「シャワー」には、原則として、シャワーヘッド、ハンドシャワー及び/又は身体の水中マッサージ用のノズルを備えたものなどのシャワー類が含まれる。ただし、この「シャワー」という用語には、ハンドシャワー、又は身体の水中マッサージ用のノズルを備えた浴槽、さらに浴室、台所或いは芳香族製品拡散装置を装備できるその他の場所にある他の衛生設備すべても含まれる。
【0004】
本稿では、アロマセラピーとは、広義的には皮膚又は健康にとって有益な特性を示す製品を水道水の流れの中に拡散させることと解釈することができる。アロマセラピーの原理とは、例えば気道を通じて芳香族分子により効用をもたらす/手入れを行うものである。これは治療するのではなく、例えば香水に含まれているエッセンシャルオイル(精油)の効用を利用して満足感をもたらそうとするものである。
【0005】
そのため、本発明では、個人とホテル業界(温泉等)双方での温泉療法の分野で好都合な多数の用途を見出すことになる。
【背景技術】
【0006】
既存の技術水準では、シャワージェル、シャンプー、エッセンシャルオイル又は使い捨てカプセルの形で包装された他種製品などの拡散装置を明らかにした国際公開第2011/107221号が知られている。
【0007】
この文書の中では、そのようなカプセルの収納を目的とするケースが用意されている。
【0008】
このケースには、上蓋又はネジで外せない栓が付いており、この上蓋を開けてから、ケース内にカプセルを挿入することができる。このケースには、そのケースを閉じる際にカプセルに穴を開ける手段も備わっている。
【0009】
次に、ポンプ又は吸引装置が備わっており、カプセル内に格納された製品が排出され、装置内を通過する水流とその製品を混合させることができる。
【0010】
出願者は、カプセルを適正に配置しケース内に挿入する操作を行うのは比較的複雑である点を認めている。
【0011】
その一方、この提案装置では、穿孔されることになるカプセルが必要となるが、このカプセルは再充填不可能である。
【0012】
また、国際公開第2014/174191号の技術水準では、穿孔することになるカプセルの原理を用いながら水流中で拡散させる製品の拡散装置も提案されていることが知られている。
【0013】
この国際公開第2014/174191号では、より正確には、水流中に拡散させる製品を格納した周縁フランジ付カプセルを前面で収納するための拡散装置を明らかにしている。
【0014】
フランジ付カプセルは、装置本体により支えられ、フランジを収納するよう構成されたハウジング(筐体)の表面を形成し、前記表面上にカプセルをねじ込む螺旋状部分となるつまみが付いている支持面上に固定されるようになる。
【0015】
そのような装置により、設置スペースの節減が可能となる。つまり、この装置では、国際公開第2011/107221号にあるようなハウジング(筐体)開口部の上蓋が不要となり、カプセルはハウジング開口部により装置前面に直接挿入され、つまみが一回転するだけで装置を閉じることができる。
【0016】
本文書では、ハウジング開口部によりカプセルをハウジング内に簡単かつ迅速に挿入できる。
【0017】
本文書で提案する解決策(ソリューション)とは、主として、カプセル内に格納されている製品が装置を通り抜ける水流と接触するようにするためユーザーが行うべき操作の数が限定されており、簡単に使用できる装置を提供しようとするものである。
【0018】
ただし、出願者は、カプセル内に封入した製品を水流中に拡散させるという原理が満足なものではないことを認めている。
【0019】
本文書の中で提案しているカプセル配置でも、時間的に限られたユーザー体験しかもたらされない。
【0020】
実際、わずか数回シャワーを浴びた後でそのカプセルを新しいカプセルに交換することが必要となる。
【0021】
さらに、出願者は、製品の水流中での拡散が最適ではないことも観察している。
【0022】
国際公開第2011/107221号で提案されているものなどの拡散装置の利用は体裁が悪く、例えば粘度率が比較的高い塩分型或いは更にエッセンシャルオイル型芳香族化合物の使用が必要となるアロマセラピーには適さない。
【0023】
出願者は、先行技術でこれまでに提案された解決策は、ユーザーにとっては不満足であり、アロマセラピーには適合していない点を認めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】国際公開第2011/107221号
【特許文献2】国際公開第2014/174191号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の目的とは、上記の状況を改善しようとするものである。
【0026】
本発明の目標の一つとして、同時に以下の点を提案しながら、上記のさまざまな不便を改善することが挙げられる。
- 新しい形状であり、芳香族製品の良好な注入と水流中への良好な拡散を保証する拡散器(ディフューザ)本体、及び
- 使用しやすく、容易に水回路に統合され、ユーザーが装置を取り替える必要なしに数回シャワーを浴びることができるよう十分に長い間芳香族製品を拡散できるそのような拡散器本体を収納するのに適した拡散装置
【課題を解決するための手段】
【0027】
この目的のため、本発明の対象は、第一の態様に従って、芳香族製品を水流中に拡散する装置の拡散器本体に関するものとなる。
【0028】
本発明に従って、分配装置からシャワー導管への水流の循環を可能にするため、拡散装置は水流分配装置出口とシャワー導管入口の間にある水回路上に搭載されることとなる。
【0029】
有利なことに、拡散器本体には、互いに寸法を合わせた第1・第2中空管が備わっており、互いに嵌合して芳香族製品を収納する容器を形成する。
【0030】
有利なことに、第1・第2チューブは、協働しながら以下のような内訳である2つ以上の位置をもたらすのに適している。
- 容器が密閉され、芳香族製品の水流とのあらゆる接触が回避される前記第一閉位置、及び
- 容器が開き、その容器を通る水流の循環が可能となり、芳香族製品と接触するようになる前記第二開位置
【0031】
このような拡散器本体の設計により、再充填可能なカプセルという形となり水流中への芳香族製品の良好な拡散を可能にする二重機能容器(貯蔵及び拡散)を備えることができるようになる。
【0032】
他方、そのような拡散器本体により芳香族製品の良好な拡散が確実になり、ユーザー体験が向上する。
【0033】
好ましくは、第1チューブには上蓋が付いており、第2チューブには底部が付いている、或いはその逆となっている。
【0034】
ここでは、上蓋と底部の存在により、容器の閉じた容積(ボリューム)が定められることが理解される。したがって、芳香族製品を収納・貯蔵できるケースを整えることができる。
【0035】
有利なことに、第1・2チューブは、閉位置から開位置への移行が始動し、底部方向への圧力を上蓋に加える、又はその逆となるよう互いに構成されている。
【0036】
上蓋の付いたこの形状により、装置を起動させ期待されるアロマセラピー体験を得るためのユーザーの操作が容易になる。収納ハウジング内へのカプセルの配置は、既存のソリューションで発生しているようなカプセルの穿孔を必ずしも引き起こすわけではない。ここでは、カプセルを押すことにより、装置が始動する。
【0037】
有利なことに、拡散器本体には、チューブの位置を閉位置及び/又は開位置に維持するよう構成された位置維持手段が備わっている。
【0038】
別の有利な実施形態では、チューブ位置維持手段として、以下のようなものが備わっている。
- 少なくとも部分的に一方のチューブ上部の周辺に広がる溝、及び
- 少なくとも部分的に他方のチューブ上部の周辺に広がるビード(詰め物)
【0039】
好ましくは、溝の寸法はビードを収納できるよう調整されており、溝内へのビードの収納により容器の気密性が確保される。
【0040】
有利なことに、これらのチューブは少なくとも部分的には変形可能な弾性材料で構成されているため、上蓋に加わる圧力によりチューブの変形が引き起こされ、前記溝のビードが外れ、閉位置から開位置への移行が可能となる。
【0041】
ここでは、容器底部に向かって上蓋に圧力を加えることで、チューブの内壁面が変形し、溝のビードが自由になり閉位置から開位置への移行が確実になることが理解される。
【0042】
有利なことに、第1チューブと第2チューブには、そのそれぞれの周壁上に複数の貫通窓が含まれている。
【0043】
好ましくは、第1・第2チューブそれぞれの貫通窓は、以下のとおりになるよう互いに配置されている。
- 閉位置では、貫通窓は互いにずれており、容器内部への水流の通過が妨げられる、及び
- 開位置では、貫通窓は互いに向かい合っており、容器内部への水流の通過が可能となる。
【0044】
ここでは、上蓋に圧力を加えることで、ビードがハウジングから外れ下向きにずれるため、窓が互いに整列し、水路開口部が生み出され容器内への水流の通過が可能となることが理解される。
【0045】
好ましくは、貫通窓は長方形である。
【0046】
好ましくは、容器内部に配置される拡散対象の芳香族製品は、芳香族塩を含有している。
【0047】
第一の別の代替実施形態では、容器内部に配置される拡散対象の芳香族製品には、拡散対象の芳香族製品で浸したフェルトが含まれている。そのようなフェルトを使用することにより、導管内での水流の通過を抑制することなく長時間持続する良好な拡散能力を実現する。
【0048】
第二の別の代替実施形態では、容器内部に配置される拡散対象の芳香族製品には、拡散対象の芳香族製品で浸したスポンジが含まれている。
【0049】
第三の別の代替実施形態では、容器内部に配置される拡散対象の芳香族製品は、拡散対象の芳香族製品を含有する多孔質の石を備えている。
【0050】
第四の別の代替実施形態では、容器内部に配置される拡散対象の芳香族製品には、エッセンシャルオイル型の芳香族化合物が含まれている。
【0051】
これらの異なる実施形態を、必要に応じて互いに組み合わせることができることが理解される。
【0052】
本発明の対象は第二の態様に沿って水流中に芳香族製品を拡散する装置に関するものであり、前記の装置には、水路によりその間で接続されている水流の入口と出口を伴う本体が含まれている。
【0053】
本発明に従って、本体は、分配装置の水路を通ってシャワー導管に向かう水流の循環を可能にするため、それぞれ水流分配装置の出口とシャワー導管の入口の間にあるその入口と出口に応じて水回路上に取り付けられるものとする。
【0054】
有利なことに、この本体には、拡散させる芳香族製品の拡散器本体を収納し水路内に配置するよう構成された収納ハウジングが備わっている。
【0055】
ここでは、拡散器本体は着脱式であるため、例えば交換又は再充填することができる。
【0056】
或いは、拡散装置を、例えばシャワーヘッド等の拡散ノブ内に直接組み込むことができるものと理解される。例えば、本発明に従った装置をシャワーヘッド内に取り付けることができ、ハウジング開口部はシャワーヘッドの拡散ヘッドの反対側に位置している。
【0057】
好ましくは、拡散器本体を収納ハウジング内に配置し、少なくとも部分的に水路を塞ぐようにする。
ここでは、拡散器本体は、以下のような構成である2つの位置をもたらすのに適している。
- 芳香族製品の水流とのあらゆる接触を回避するため容器がしっかりと閉じている第一閉位置、及び
- 分配装置出口から流れ出た水流がその水路内を通過する際に容器を通り抜けるように容器が開いている第二開位置
【0058】
したがって、拡散器本体を通る水流の通過時には、芳香族製品が水流中に拡散し、芳香の付いた水流からなるシャワー導管内に到達できるようになる。
【0059】
本発明に特徴的であるこうした技術的手段を整備したおかげで、特に水の流路を塞ぐ拡散器本体の存在により、簡単に操作できる拡散装置を利用でき、良好な拡散容量をもたらし耐用期間が長くなるため、ユーザーは、カートリッジの原理を伴う先行技術で発生する装置の交換を行うことなく複数回のシャワーを浴びることができるようになる。
【0060】
有利なことに、本装置には、その装置を通る水流の通過時における浄化フィルターの機能も備わっている。
【0061】
特定の実施形態では、収納ハウジングはほぼ円筒形の形状をなしており、ここでは、本装置には, 収納ハウジングの周壁をぴったり合わせるのに適した円環状の浄化フィルターを備えており、その中央部の寸法は拡散器本体を収納できるよう調整されている。
【0062】
そのため、拡散器本体は、フィルターに取り囲まれている。
【0063】
有利なことに、浄化フィルターには内部周壁と外部周壁があり、前記の内部・外部仕切壁によりその間の容積が定まり、その中には例えば少なくとも部分的にはセラミックで構成されている剛球等の金属球が配置されている。
【0064】
好ましくは、浄化フィルターの内部周壁には、その間に配置された複数の貫通孔が含まれており、そのフィルターを通る前記水流の循環を可能にしている。
【0065】
第一の別の実施形態では、貫通孔はそれぞれ三角形の形状をなしており、互いに絡み合っている。
【0066】
この絡み合った三角形の構成により、拡散器本体を通る水流の通過時には芳香族製品の良好な拡散が可能となる。
【0067】
第二の別の実施形態では、貫通孔はほぼ長方形で少し傾いているため、フィルターを通る水流の通過時に水の乳濁化が促進される。
【0068】
好ましくは、貫通孔は二列に配置され、場合によっては前後方向になっている。
【0069】
出願者は、前後方向に配置されているそのような貫通孔の形状が本体内で水を乳濁させることができ、これが水流中での芳香族製品の拡散を促進していることを確認した。
【0070】
有利なことに、本装置には、着脱式の保護カバーと収納ハウジングを覆うシール(封止剤)が備わっており、拡散器本体がハウジング内に挿入された時点で収納ハウジングを密閉するのに適している。
【0071】
有利なことに、保護カバーは、目に見えるようにするためのほぼ平らな上部が前面にあり、前記拡散器本体に付属の芳香族製品に関する情報を表示するためのマーキング(刻印)領域がある。
【0072】
或いは、拡散器本体の上蓋を可視化できる透明な上部を備えることができ、その上に芳香族製品に関する情報を表示する。
【0073】
有利なことに、本体の入口と出口には、それぞれ水流分散装置の出口とシャワー導管の入口との協働に適した第1・第2組立手段がそれぞれ備わっており、本体を分配装置及びシャワー導管と一体的に組み立てることができる。
【0074】
好ましくは、第1・第2組立手段は、本体を分配装置及びシャワー導管とねじ留めにより組み立てるよう構成される。
【0075】
好ましくは、本発明に従った装置には、それぞれ本体の入口と分配装置の出口の間及び前記本体の出口とシャワー導管の入口の間にシール継手が備わっている。
【0076】
最後に、本発明の対象は、第三の態様に従って、以下を含む一式に関するものとなる。
- 上記のもののような拡散装置、及び
- 水流F内で拡散する芳香族製品Aを含む上記のものなどの少なくとも1個の拡散器本体
したがって、本発明の目的とは、上記のようなそのさまざまな機能的・構造的態様により、ユーザーが水回路に接続されシャワー導管内で芳香族製品を拡散できる拡散ツールを使用でき、芳香の付いた水道水のシャワーを浴びることができるようにすることである。
【0077】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付の
図1〜5A−5Bを参照しながら下記の記載より明らかとなるが、その図には限定的な性格を帯びていない実施形態を例示しており、以下のようなものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】本発明の実施形態に適合した芳香族製品の拡散装置についての上面略図を表す。
【
図2】本発明の実施形態に適合した芳香族製品の拡散装置の透視断面略図を表す。
【
図3】本発明の実施形態に適合した浄化フィルターの透視断面略図を表す。
【
図4A.4B】それぞれ、本発明の実施例に従った閉位置での拡散器本体の透視断面略図を表す。
【
図5A.5B】それぞれ、本発明の実施例に従った開位置での拡散器本体の透視断面略図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
ここでは、有利な実施例に従った芳香族製品の拡散装置並びに付属の拡散器本体を記載するが、同時に
図1〜5A−5Bを参照しながら進めることとする。
【0080】
前述のとおり、本発明の目的とは、水回路上での設置が簡単で、例えば国際公開第2011/107221号及び国際公開第2014/174191号にあるもののような既存のソリューションにまさしく当てはまる複数回のシャワー終了後におけるカートリッジ装置交換の必要性が生じることなく使用時間が延長され、アロマセラピー型又は類似の体験をユーザーに提供できる拡散装置を設計することである。
【0081】
これは、下記のような本発明の実施例により、可能となる。
【0082】
本項に記載する例では、シャワー装置型の水回路上に取り付ける拡散装置100を使用する。
【0083】
本項に記載する例では、拡散装置100は、芳香族製品Aを水流F内に効率的かつ長期的に拡散するよう特別に設計されている。
【0084】
ここでは、芳香族製品Aには、芳香族塩が含まれている。
【0085】
ここでは、他の芳香族製品を本発明の枠内で使用できることが理解される。
【0086】
本例では、装置100は、特に水流の入口10aと出口10bを有する本体10を備えている。
【0087】
ユーザーは、取付業者なしでも装置100を水回路上に自ら取り付けることができる。
【0088】
本例では、ユーザーは本体10を回路上に取り付け、本体10の入口10aを水流分配装置の出口(例えば混合器の出口に、本稿には表示せず)に接続し、本体10の出口10bをシャワー導管の入口(本稿には表示せず)に接続する。
【0089】
図2に示すとおり、この目的のために、本体10の入口10aと出口10bにそれぞれ配置され、本体10を分配装置及びシャワー導管と一体的に組み合わせるために分配装置の出口とシャワー導管の入口それぞれと協働するのに適している、第1組立手段12と第2組立手段13を備えることができる。
【0090】
好ましくは、この組立はねじ留めにより行われる。
【0091】
本例では、第1組立手段12と第2組立手段13にはそれぞれタッピング型のらせん部分が備わっており、ねじ留めによる組み立てを行える。
【0092】
ここでは、ユーザーは、本体10の入口10aと分配装置の出口の間、及び本体10の出口10bとシャワー導管の入口の間にシール継手(本稿では表示せず)を配置することが好ましい。そのような継手により、装置の気密性が確保される。
【0093】
そのため、本例では、本体10はシャワー装置の回路上に一体的に取り付けられる。
【0094】
或いは、本発明の枠内で設計されたものなどの拡散装置100を、例えばシャワーヘッド等の拡散ノブ内に直接統合させることもできることが理解される。
【0095】
本項に記載する実施例において、及び
図1に示すとおり、装置100の入口10aと出口10bは、水路10cにより互いに接続されている。ここでは、水路10cにより入口10aから出口10bに向かう水流Fの通過が可能となることが理解される。
【0096】
ユーザーが分配装置を作動させると、水回路内の水流Fを、水路10cを経て分配装置からシャワー導管まで循環させることが可能となる。
【0097】
拡散装置100は本発明に特徴的なものであり、ユーザーにはアロマセラピーの体験を提供しながら、今日まで遭遇している問題点を解決することができる。
【0098】
本例では、装置100には、その中心部に形状がほぼ円筒形である収納ハウジング11を備えた本体10を搭載している。
【0099】
そのようなハウジング11は、水路10cの中心部で浄化フィルター20並びに拡散器本体200を収納し配置するように形成されている。
【0100】
図2及び3に示すとおり、浄化フィルター20は円環状であり、その形状から「ドーナツ」とも呼ばれている。
【0101】
そのため、そのようなフィルター20は、そのフィルターの周壁11aに寄せながら収納ハウジング11内に配置されるようになる(
図2)。
【0102】
装置の入口10aから出口10bへの水流の流れを確実にするため、開口部23と24が設けられる。
【0103】
図3に示すとおり、浄化フィルター20はダブルスキン、つまりここでは、内周壁20aと外周壁20bを備え、前記周壁20a−20bによりその間で中空リング形のボリューム(容量)20cが定まり、その中にセラミック製鋼球が配置される。
【0104】
これらの鋼球(本稿では表示せず)には、水を浄化する特性が備わっている。
【0105】
水路10cを通り循環する水流は必ず浄化フィルター20を通過するため、装置100から出た水は濾過される。
【0106】
フィルター20の円環形状により、その中心部20d内に拡散器本体200を配置できるようになる(
図2)。
【0107】
図3に見られるように、フィルター20の内周壁20b上には 複数の貫通孔22が設けられ、フィルター20と拡散器本体200の間での伝達が確実になる。
【0108】
拡散器本体200がフィルター20の中心部20d内に配置されると、同時に前記フィルター20と拡散器本体200を通って水流Fを循環させることができる。したがって、水路10cを通過する水流Fはフィルター20の中心部20d(つまりこの中心部内に配置されている拡散器本体200)及びフィルター20のボリューム20cを通り抜ける。したがって、水流はフィルター20と拡散器本体200を通過する。
【0109】
本項に記載し
図3に示す例では、貫通孔22は、次の2つの列に沿って配置される。つまり、その列はほぼ長方形であり、少し傾いている。
【0110】
そのような形状により、良好な流れ、芳香族製品Aの良好な拡散が保証され、さらに本体10の出口10bへの水の乳濁化が可能となる。
【0111】
したがって、実用的な面では、ユーザーは拡散器本体200を擁し、これを専用のフィルター20の中心部20d内に配置する。
【0112】
そのため、拡散器本体20は、少なくとも部分的に水路10cを塞ぐためユーザーが本体10内に配置する。
【0113】
本項に記載する実施例では、収納ハウジングはほぼ約18〜22mmの間に収まる直径と、ほぼ約23〜27mmの間に収まる高さを有する。有利なことに、拡散器本体200とフィルター20の寸法は、ハウジング11内に挿入でき、そのハウジングにより定まる容積の全部又は一部を占めるような大きさに調整される。
【0114】
拡散器本体200は、閉位置P1と開位置P2という2つの位置をもたらすことができる特別な設計となっている。
【0115】
本項に記載し、
図4A−4B及び5A−5Bに示す実施例では、閉位置(4A−4B)と開位置(5A−5B)を見分けることができる。
【0116】
図4A−4Bに示す閉位置P1は、密閉されており芳香族製品の水流とのあらゆる接触を回避する本体200の形状に相当する。そのような形状により、本体200の格納が可能となり、容器内に含まれている製品Aの芳香性の良好な保全が保証される。
【0117】
図5A−5Bに示す開位置P2については、これは開いているため本体を通る水流の通過が可能となり、水流中への芳香族製品の注入を行える本体200の形状に相当する。
【0118】
そのような位置P2は、本体200が拡散装置100内に配置されている場合には有利である。
【0119】
作動中の構成での装置の良好な機能発揮を保証し、長時間製品Aの芳香性を維持することが、本発明の目的の一つとなっている。
【0120】
そのため、P1/P2位置内又はその他の位置内にあるチューブ201及び202の位置の維持を保証する位置維持手段210が設けられている。
【0121】
したがって、本実施例では、拡散器本体200には第1中空管201と第2中空管202が備わっており、互いにぴったり嵌合し、ここでは例えば浴用塩など水流F内で拡散する芳香族製品Aを収納する容器203を形成するよう寸法が互いに調整されている。
【0122】
ケースを形成するため、上蓋201aと底部202aも設けられる。
【0123】
本項に記載する実施形態では、ユーザーが底部202aの方向で上蓋201aに圧力を加えると、ケースの壁面に弾性変形を引き起こし、内管を覆う上蓋201a縁部の内側周縁部の周囲に用意された溝211の外管の外側周縁部の周囲に設けられたビード212が外れる。
【0124】
容器の底部202aの方向で上蓋201aに圧力を加えるだけで、ビード212が溝211から外れ、閉位置P1(
図4A−4B)から開位置(
図5A−5B)に移行する。
【0125】
ここでは、溝211に係合するビード212の協働により、容器の気密性が保証される点を指摘することができる。
【0126】
本項に記載し
図2に示す例の中で、外管はかなり口の広がった形をしており、フィルター20の上部外周クラウン20eに寄りかかるように上蓋に圧力を加えたときに可能となることに留意されたい。このクラウンにこのように寄りかかることで、ユーザーが閉位置P1から開位置P2へと移行するのがより簡単になる。
【0127】
本項に記載し
図4A−4Bと5A−5Bに示す例の中で、チューブの周壁201bと202b上に複数の貫通窓204及び205が設けられている。
【0128】
この例では、貫通窓204及び205は、それぞれ以下となるように互いに配置されている。
- 閉位置P1では、貫通窓204及び205は互いにずれており、容器203の内部への水流Fの通過が妨げられる(
図4A−4B参照)、及び
- 開位置P2では、貫通窓204及び205は互いに向かい合っており水路開口部を形成し、容器203の内部への水流Fの通過が可能となる(
図5A−5B参照)。
【0129】
そのため、上蓋201aに圧力を加えることで、窓204と205がずれ、互いに整列し水路開口部が形成され、容器を通る水流の循環が可能となる。
【0130】
拡散器本体200が正しく収納ハウジング11内に配置されたら、ユーザーは保護カバー30を再び閉じ、収納ハウジング11を密閉する。
【0131】
ここでは、上蓋201aを押して閉位置P1から開位置P2への移行を引き起こすのは、保護カバー30の閉止であると想定されうることに留意されたい。
【0132】
最後に、
図2に示すとおり、保護カバー30には、前面にほぼ平坦な上部0aが備わっていることに留意されたい。この部分は、目に見えている。次に、拡散器本体20に付属の芳香族製品Aに関する情報の表示を可能にするマーキング領域が用意されている。
【0133】
或いは、拡散器本体200の上蓋201aの上部が目に見えるようにする透明部分を備えた前面(ファサード)を設けることができる。
【0134】
したがって、本発明により、ユーザーが利用でき、かつ水流中に拡散させる芳香族製品を含有し着脱式で再充填可能な拡散器本体を格納する収納ハウジングを自由に利用できるようにすることで使用しやすくなる、配水回路上に容易に取り付けられる拡散装置100が存在するおかげで、ユーザーは家庭(又は例えばホテル)での日常的なアロマセラピー体験を享受できるようになる。
【0135】
拡散器本体の設計は、場合によっては再充填可能な密閉カプセルの形を取るという点で本発明に特徴的なものであり、その動作原理は、同時に貯蔵と拡散両方の二重構成を備えた装置にある。
【0136】
第一の構成では、長期的に気密性が高く耐久性のある貯蔵が確保され、芳香族製品を格納して水流とのあらゆる接触を回避できるようになるが、第二の構成では、前記芳香族製品の水流との接触が確保され、水流中への製品の注入と拡散を行える。
【0137】
互いに接合されたこの中空管系統のおかげで、拡散器本体の設計により、単に圧力を加えるだけである構成から別の構成への移行が確実になる。
【0138】
したがって、ユーザーがこうしたアロマセラピー体験を得るには、そのカプセル又は拡散器本体200を拡散装置100内に配置し、構成P1から別の構成P2への移行を作動させるだけで十分である。
【0139】
この詳細な説明は本発明の特定の実施例に関するものであるが、どの場合でも、この説明は決して本発明の目的にいかなる限定的な特性をも課すものではないこと、それどころか、本説明は、下記請求項のあらゆる偶発的な不正確又は誤解の可能性を取り除くためのものである点に留意すべきである。
【0140】
また、以下の特許請求の範囲での括弧内に付記された参照記号は、決して限定的な特性を帯びているわけではなく、これらの記号の目的とは唯一、以下の特許請求の範囲の分かりやすさと理解、並びに求められる保護の範囲を改善することである点にも注意すべきである。
【符号の説明】
【0141】
10 本体
10a 入口
10b 出口
10c 水路
11 収納ハウジング
12 第1組立手段
13 第2組立手段
20 浄化フィルター
20a 内周壁
20b 外周壁
20c ボリューム(容量)
20d 中心部
20e 上部外周クラウン
22 貫通孔
23、24 開口部
30 保護カバー
100 拡散装置
200 拡散器本体
201、202 チューブ
201a 上蓋
202a 底部
203 容器
204、205 貫通窓
210 位置維持手段
211 溝
212 ビード
A 芳香族製品
F 水流
P1 閉位置
P2 開位置
【国際調査報告】