(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-519879(P2021-519879A)
(43)【公表日】2021年8月12日
(54)【発明の名称】流動性製品を分注するためのポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04C 5/00 20060101AFI20210716BHJP
A61M 60/279 20210101ALI20210716BHJP
【FI】
F04C5/00 341C
A61M1/10 139
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-552243(P2020-552243)
(86)(22)【出願日】2019年3月28日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月18日
(86)【国際出願番号】GB2019050898
(87)【国際公開番号】WO2019186176
(87)【国際公開日】20191003
(31)【優先権主張番号】1805144.1
(32)【優先日】2018年3月29日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】517203589
【氏名又は名称】ホッジズ アンド ドレイク デザイン リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HODGES & DRAKE DESIGN LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】特許業務法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(72)【発明者】
【氏名】ワイルド,ロナン
(72)【発明者】
【氏名】ホッジズ,ケビン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077DD07
(57)【要約】
流動性製品を分注するためのポンプ装置1は、第一および第二の蠕動ポンプ12,14を含む。第一の蠕動ポンプ12は、少なくとも1つの押圧部材20を有する第一のロータ18と、内部で第一のロータ18が回転可能な円筒状の第一のステータ19と、第一の内壁19aに接触して第一のステータ19の周囲を周方向に延びる第一の可撓性チューブ30とを含む。第二の蠕動ポンプ14は、少なくとも1つの押圧部材46を有する第二のロータ42と、内部で第二のロータ42が回転可能な円筒状の第二のステータ44と、第二の内壁44aに接触して第二のステータ44の周囲を周方向に延びる第二の可撓性チューブ54とを含む。第一の内壁19aは第一の半径r1を有し、第二の内壁44aは第二の半径r2を有し、第一の半径r1は第二の半径r2よりも大きい。ステータ19,44の少なくとも一方は、ステータ19,44の他方に対して相対的に移動可能である。
【選択図】
図1a,
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第一のロータと、
内部で前記第一のロータが回転可能な円筒状の第一のステータであって、第一の半径を有する円周状の第一の内壁を備えた第一のステータと、
入口側と出口側を有し、前記第一の内壁に接触して前記第一のステータの周囲を周方向に延びている第一の可撓性チューブと、
を含む第一の蠕動ポンプと、
少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第二のロータと、
内部で前記第二のロータが回転可能な円筒状の第二のステータであって、第二の半径を有する円周状の第二の内壁を備えた第二のステータと、
入口側と出口側を有し、前記第二の内壁に接触して前記第二のステータの周囲を周方向に延びている第二の可撓性チューブと、
を含む第二の蠕動ポンプと、を含んでおり、
前記第一の半径が前記第二の半径よりも大きくされていると共に、前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が該第一のステータおよび該第二のステータの他方に対して相対的に移動可能である
ことを特徴とする流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項2】
ポンプハウジングを更に含んでいる請求項1に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項3】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が、該第一のステータおよび該第二のステータの他方に対して相対的に移動するように前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項4】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの両方が、互いに対して相対的に移動するように前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2または3に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項5】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が前記ポンプハウジングによって形成されていると共に、該第一のステータおよび該第二のステータの他方が、該ポンプハウジングに対して相対的に移動するように該ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2または3に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項6】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの移動可能とされた前記少なくとも一方が、前記ポンプハウジングに対して相対的に移動可能なステータブロックを含んでいる請求項2〜5のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項7】
前記ステータブロックを前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に保持するための保持手段を含んでおり、該保持手段が、該ポンプハウジングに対する該ステータブロックの相対的な移動を許容するように配置されている請求項6に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項8】
前記ポンプハウジングが、互いに相対的に移動可能な第一のハウジング部品および第二のハウジング部品を含んでおり、前記第一のステータおよび前記第二のステータが該第一のハウジング部品および該第二のハウジング部品によって形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項9】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも20%大きくされている請求項1〜8のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項10】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも50%大きくされている請求項1〜9のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項11】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも100%大きくされている請求項1〜10のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項12】
前記第一の可撓性チューブと前記第二の可撓性チューブが同じ内径を有している請求項1〜11のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項13】
前記第一の可撓性チューブと前記第二の可撓性チューブが異なる内径を有している請求項1〜11のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項14】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が、前記第二の可撓性チューブの前記内径よりも大きくされている請求項13に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項15】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも20%異なっている請求項13または14に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項16】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも50%異なっている請求項13〜15のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項17】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも100%異なっている請求項13〜16のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項18】
前記第一の可撓性チューブの前記出口側で出口軸を有する第一の製品出口コネクタと、前記第二の可撓性チューブの前記出口側で出口軸を有する第二の製品出口コネクタを含んでおり、該第一の製品出口コネクタと該第二の製品出口コネクタの該出口軸は、前記第一のロータおよび前記第二のロータの回転軸と実質的に平行であると共に、該第一の製品出口コネクタと該第二の製品出口コネクタが、前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられて該ポンプハウジングに対して相対的に移動可能である請求項1〜17のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項19】
前記第一の製品出口コネクタおよび前記第二の製品出口コネクタがプッシュフィットコネクタを含んでいる請求項18に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項20】
前記第一の可撓性チューブが前記出口側に第一の製品出口を備えていると共に、前記第二の可撓性チューブが前記出口側に第二の製品出口を備えており、該第一の製品出口および該第二の製品出口が、流動性製品を直接、容器に分注するように構成されている請求項1〜17のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項21】
前記第一の製品出口と前記第二の製品出口が同じ内径を有している請求項20に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項22】
前記第一の製品出口と前記第二の製品出口が異なる内径を有している請求項20に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項23】
前記第一の製品出口の前記内径が、前記第二の製品出口の前記内径よりも大きくされている請求項22に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項24】
前記第一の製品出口が第一の分注ノズルを含んでおり、前記第二の製品出口が第二の分注ノズルを含んでいる請求項20〜23のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項25】
単一の流動性製品源を更に含んでおり、前記第一の可撓性チューブの前記入口側と前記第二の可撓性チューブの前記入口側が、それぞれ該単一の流動性製品源と連通している請求項1〜24のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項26】
前記単一の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいる請求項25に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項27】
前記単一の流動性製品源が、流動性製品を収容する、気密性のある可撓性パウチを含んでいる請求項25または26に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項28】
第一の流動性製品源と、該第一の流動性製品源と連通していない第二の流動性製品源を更に含んでおり、
前記第一の可撓性チューブの前記入口側が前記第一の流動性製品源と連通していると共に、
前記第二の可撓性チューブの前記入口側が前記第二の流動性製品源と連通している
請求項1〜24のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項29】
前記第一の流動性製品源と前記第二の流動性製品源が同じ流動性製品を収容している請求項28に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項30】
前記第一の流動性製品源と前記第二の流動性製品源が異なる流動性製品を収容している請求項28に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項31】
前記第一の流動性製品源および/または前記第二の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいる請求項28〜30のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項32】
前記第一の流動性製品源および/または前記第二の流動性製品源が気密性のある可撓性パウチを含んでいる請求項28〜31のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流動性製品の分注に係り、特に流動性製品を分注するためのポンプ装置に関する。本発明の実施形態は、特に、比較的粘性を有する液体の分注に関するものであるが、これに限定されない。本発明の実施形態は、異なる直径を有する第1および第2の蠕動ポンプを使用して、正確な量の流動性製品を分注するためのポンプ装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
蠕動ポンプは、当技術分野でよく知られており、一般に液体を送液するために使用されている。従来の蠕動ポンプでは、可撓性チューブがステータと1つ以上の押圧部材を有するロータとの間で圧縮され、液体はロータの回転に伴って蠕動作用によって可撓性チューブを通って搬送される。蠕動ポンプは様々な用途に使用することができ、特に、液体の流れを慎重に計量する必要があり、液体の汚染を避ける必要がある場合に有用である。蠕動ポンプは、例えば患者に静脈内液体を投与するための医療用途に広く使用されており、また食品や飲料用途において、例えば飲料や液体香料などの飲料の成分を所定量分注するためにも使用されている。蠕動ポンプは、粘性を有する液体を送液するのにも適している。
【0003】
例えば、米国特許第7997448号明細書において、少なくとも2つの蠕動ポンプを有するポンプ装置によって、より正確に分注できる場合があることが、先に提案されている。米国特許第7997448号明細書では、蠕動ポンプのロータは同軸上に位置合わせされ、クラッチを使用して単一のシャフトによって駆動されるため、複雑でかさばる装置になっている。本発明は、改良されたポンプ装置を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0004】
第一の態様は、少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第一のロータと、内部で第一のロータが回転可能な円筒状の第一のステータであって、第一の半径を有する円周状の第一の内壁を備えた第一のステータと、入口側と出口側を有し、第一の内壁に接触して第一のステータの周囲を周方向に延びている第一の可撓性チューブと、を含む第一の蠕動ポンプと、少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第二のロータと、内部で第二のロータが回転可能な円筒状の第二のステータであって、第二の半径を有する円周状の第二の内壁を備えた第二のステータと、入口側と出口側を有し、第二の内壁に接触して第二のステータの周囲を周方向に延びている第二の可撓性チューブと、を含む第二の蠕動ポンプと、を含んでおり、第一の半径が第二の半径よりも大きくされていると共に、第一のステータおよび第二のステータの少なくとも一方が第一のステータおよび第二のステータの他方に対して相対的に移動可能であることを特徴とする流動性製品を分注するためのポンプ装置を提供するものである。
【0005】
第一のステータの半径が第二のステータの半径よりも大きいポンプ装置を設けることにより、第一の蠕動ポンプは、比較的短時間で大量の流動性製品を分注するように動作させることができる一方、第二の蠕動ポンプは、通常は第一の蠕動ポンプの動作終了後に、より少量の流動性製品をより高精度に分注するように動作させることができる。
【0006】
第一および第二のロータはそれぞれ回転軸を有していてもよく、回転軸は互いに実質的に平行であってもよいし、互いに離間していてもよい。第一および第二のロータは、別体の第一および第二の外部駆動部によって係合可能であってもよく、第一および第二の外部駆動部の回転軸もまた、互いに実質的に平行であってもよいし、互いに離間していてもよい。少なくとも一方のステータ、ひいてはそれに関連付けられたロータを、他方のステータおよびそれに関連付けられたロータに対して相対的に移動可能に取り付けることにより、第一および第二のロータと第一および第二の外部駆動部との正確な係合を保証することができる。これにより、ポンプ装置の製造中に、第一および第二のステータ、ひいては第一および第二のロータの厳密な位置決めおよび位置合わせの必要性がなくなる。
【0007】
少なくとも一方のステータは、他方のステータに向かって、あるいは離れて移動可能であってもよい。少なくとも一方のステータは、他方のステータに対して、同一平面内で相対的に移動可能であってもよい。第一および第二のステータは、同一平面上にあってもよい。第一および第二のロータは、同一平面上にあってもよい。
【0008】
ポンプ装置は、ポンプハウジングを含んでいてもよい。
【0009】
第一のステータおよび第二のステータの少なくとも一方が、第一のステータおよび第二のステータの他方に対して相対的に移動するようにポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられていてもよい。少なくとも一方のステータが移動することにより、それに関連付けられたロータの移動が許容され、それゆえ、ロータと第一および第二の外部駆動部との位置合わせおよび係合を保証することができる。
【0010】
第一のステータおよび第二のステータの両方が、互いに対して相対的に移動するようにポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられていてもよい。両方のステータが移動することにより、それらに関連付けられたロータの移動が許容され、ロータと第一および第二の外部駆動部との位置合わせおよび係合が更に容易になり得る。
【0011】
第一のステータおよび第二のステータの少なくとも一方がポンプハウジングによって形成されていると共に、第一のステータおよび第二のステータの他方が、ポンプハウジングに対して相対的に移動するようにポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられていてもよい。少なくとも一方のステータ、すなわち移動不可能なステータがポンプハウジングによって形成される構成により、ポンプ装置の製造が簡略化され得る。
【0012】
第一のステータがポンプハウジングによって形成され、第二のステータがポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられていてもよい。これにより、第一の蠕動ポンプに関連付けられたより大径のステータがポンプハウジングによって形成されると共に、第二の蠕動ポンプに関連付けられたより小径のステータがポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられ得る。あるいは、第一のステータがポンプハウジング上にまたはポンプハウジング内に取り付けられ、第二のステータがポンプハウジングによって形成されていてもよい。これにより、第一の蠕動ポンプに関連付けられたより大径のステータがポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられると共に、第二の蠕動ポンプに関連付けられたより小径のステータがポンプハウジングによって形成され得る。
【0013】
第一のステータおよび第二のステータの移動可能とされた少なくとも一方が、ポンプハウジングに対して相対的に移動可能なステータブロックを含んでいてもよい。ポンプ装置が、ステータブロックをポンプハウジング上またはポンプハウジング内に保持するための保持手段を含んでおり、保持手段が、ポンプハウジングに対するステータブロックの相対的な移動を許容するように配置されていてもよい。移動可能なステータとしてのステータブロックを設けることにより、ポンプ装置の製造が簡略化され得る。
【0014】
ポンプハウジングが、互いに相対的に移動可能な第一のハウジング部品および第二のハウジング部品を含んでいてもよい。第一のステータおよび第二のステータが第一のハウジング部品および第二のハウジング部品によって形成されていてもよい。これにより、第一および第二のハウジング部品が移動することで、前述の、第一および第二のステータおよびそれらに関連付けられたロータの相対移動が許容され、ロータと第一および第二の外部駆動部との位置合わせおよび係合が容易になる。
【0015】
第一の半径が、第二の半径よりも少なくとも20%大きくされていてもよい。第一の半径が第二の半径よりも少なくとも50%大きくされていてもよい。第一の半径が第二の半径よりも少なくとも100%大きくされていてもよい。第一の半径と第二の半径の比率は、より大きな半径の第一の蠕動ポンプが比較的大量の流動性製品を比較的短時間で分注する性能と、より小さな半径の第二の蠕動ポンプがより少量の流動性製品をより高精度に分注する性能との間で相反関係を提供するように選択されてもよい。
【0016】
第一の可撓性チューブと第二の可撓性チューブは同じ内径を有していてもよい。従って、第一および第二の蠕動ポンプのポンプ特性は、第一および第二のステータ、ならびにそれらに関連付けられた第一および第二のロータの異なる直径によってのみ決定される。
【0017】
第一の可撓性チューブの直径、特に内径は、第二の可撓性チューブの直径とは少なくとも20%、異なっていてもよいし、大きくされていてもよい。第一の可撓性チューブの直径は、第二の可撓性チューブの直径とは少なくとも50%、異なっていてもよいし、大きくされていてもよい。第一の可撓性チューブの直径は、第二の可撓性チューブの直径とは少なくとも100%、異なっていてもよいし、大きくされていてもよい。より大径の可撓性チューブは、より大きなステータ半径を有する第一の蠕動ポンプが比較的大量の流動性製品を比較的短時間で分注する性能に寄与し得ると共に、より小径の可撓性チューブは、より小さなステータ半径を有する第二の蠕動ポンプがより少量の流動性製品をより高精度に分注する性能に寄与し得る。
【0018】
ポンプ装置は、第一の可撓性チューブの出口側に第一の製品出口コネクタを含んでいてもよく、第二の可撓性チューブの出口側に第二の製品出口コネクタを含んでいてもよい。第一の製品出口コネクタが出口軸を有していてもよく、第二の製品出口コネクタが出口軸を有していてもよい。第一の製品出口コネクタおよび第二の製品出口コネクタの出口軸は、第一のロータおよび第二のロータの回転軸と実質的に平行であってもよい。第一の製品出口コネクタと第二の製品出口コネクタが、ポンプハウジング上またはポンプハウジング内に取り付けられてポンプハウジングに対して相対的に移動可能であってもよく、例えば、移動可能な第一および/または第二のステータと同一平面内で移動可能であってもよい。第一および第二の製品出口コネクタをポンプハウジングに対して、ひいては第一および/または第二のステータおよびそれ(ら)に関連付けられたロータに対して相対的に移動可能に取り付けることにより、第一および第二の製品出口コネクタと、外部に取り付けられて協働する第一および第二の製品入口コネクタとの正確な位置合わせを保証することができる。第一および第二の製品出口コネクタと、外部に取り付けられた、それぞれ対応する第一および第二の製品入口コネクタとの間の液密な連結が保証され、位置ずれに起因する損傷または摩耗を回避することができるか、または少なくとも最小限に抑えることができる。更に、第一および第二の製品出口コネクタをポンプハウジングに対して移動可能に取り付けることにより、ポンプ装置の製造中に、第一および第二の製品出口コネクタの厳密な位置決めおよび位置合わせの必要性がなくなる。
【0019】
第一の製品出口コネクタがプッシュフィットコネクタを含んでいてもよく、第二の製品出口コネクタがプッシュフィットコネクタを含んでいてもよい。この形態のコネクタは、外部に取り付けられて協働する第一および第二のプッシュフィット製品入口コネクタと共に使用するのに特に適している場合がある。
【0020】
第一の可撓性チューブがその出口側に第一の製品出口を備えていてもよく、第二の可撓性チューブがその出口側に第二の製品出口を備えていてもよい。第一の製品出口および第二の製品出口が、流動性製品を直接、容器に、特に、共通の容器に分注するように構成されていてもよい。第一および第二の可撓性チューブのそれぞれの出口側の第一および第二の製品出口から流動性製品を直接、分注することにより、分注動作を行うための外部チューブ(すなわち、ポンプ装置の一部を形成しないチューブ)の必要性を回避し、それにより、異なる流動性製品を分注するために使用される状況において、外部チューブを洗浄したり、衛生的にしたりする必要性を回避することができる。
【0021】
第一の製品出口と第二の製品出口が同じ内径を有していてもよい。このことは、第一の可撓性チューブと第二の可撓性チューブが同じ内径を有する実施形態において有利となり得る。
【0022】
第一の製品出口と第二の製品出口が異なる内径を有していてもよい。このことは、第一の可撓性チューブと第二の可撓性チューブが異なる内径を有する実施形態において有利となり得る。
【0023】
第一の製品出口の内径が、第二の製品出口の内径よりも大きくされていてもよい。このことは、第一の可撓性チューブの内径が第二の可撓性チューブの内径よりも大きい実施形態において有利となり得る。
【0024】
第一の製品出口の内径は、少なくとも20%、場合によっては少なくとも50%、さらに場合によっては少なくとも100%、第二の製品出口の内径よりも大きくされていてもよい。
【0025】
第一の製品出口が第一の分注ノズルを含んでおり、第二の製品出口が第二の分注ノズルを含んでいてもよい。第一の分注ノズルが第一の分注針を含んでおり、第二の分注ノズルが第二の分注針を含んでいてもよい。
【0026】
第一および第二の製品出口は、支持体に取り付け可能であってもよい。ポンプシステムを形成するために複数のポンプ装置が設けられてもよい。各ポンプ装置の第一および第二の製品出口が支持体に取り付け可能であってもよく、それにより、共通の容器に直接、流動性製品を分注するように配置され得る第一および第二の製品出口の配列が形成される。
【0027】
ポンプ装置が単一の流動性製品源を含んでいてもよく、第一の可撓性チューブの入口側と第二の可撓性チューブの入口側が、それぞれ単一の流動性製品源と連通していてもよい。これにより、単一の流動性製品源から流動性製品を分注するための簡易で便利な構成が提供される。
【0028】
単一の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいてもよい。単一の流動性製品源が、流動性製品を収容する、気密性のある可撓性パウチを含んでいてもよい。
【0029】
単一の流動性製品源は、ポンプハウジングに着脱可能に取り付けられていてもよい。単一の流動性製品源内の流動性製品の供給が底をついた場合は、当該製品源をポンプハウジングから取り外すことができ、交換用の単一の流動性製品源をポンプハウジングに取り付けることができる。これにより、使い切った単一の流動性製品源を廃棄しつつ、ポンプハウジングおよびそれに関連付けられた第一および第二の蠕動ポンプを更なる分注操作のために使用することができる。
【0030】
単一の流動性製品源は、ポンプハウジングに恒久的に取り付けられていてもよい。単一の流動性製品源およびポンプハウジングは、硬質素材、例えば段ボールで形成された容器内に配設されてもよい。単一の流動性製品源内の流動性製品の供給が底をついた場合は、容器を取り外すことにより、第一および第二のロータを第一および第二の外部駆動部から係合解除することができる。その後、単一の流動性製品源およびそれに関連付けられたポンプハウジングを含む交換用の容器を配設することにより、第一および第二の蠕動ポンプの第一および第二のロータを第一および第二の外部駆動部と係合させることができる。
【0031】
ポンプ装置は、第一の流動性製品源と、第一の流動性製品源と連通していない第二の流動性製品源を含んでいてもよい。第一の可撓性チューブの入口側が第一の流動性製品源と連通していてもよいし、第二の可撓性チューブの入口側が第二の流動性製品源と連通していてもよい。これにより、別々の流動性製品源からの流動性製品の分注が可能となる。第一の流動性製品源と第二の流動性製品源は同じ流動性製品を収容していてもよい。あるいは、第一の流動性製品源と第二の流動性製品源は異なる流動性製品を収容していてもよい。
【0032】
第一の流動性製品源および/または第二の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいてもよい。第一の流動性製品源および/または第二の流動性製品源が気密性のある可撓性パウチを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1a】ポンプ装置の第一の実施形態を示す図である。
【
図1b】ポンプ装置の第一の実施形態を示す図である。
【
図2】
図1aおよび
図1bに示されたポンプ装置のステータブロックの移動を示す図である。
【
図3】ポンプ装置の第二の実施形態を示す図である。
【
図4】ポンプ装置の第三の実施形態を示す図である。
【
図5】ポンプ装置の第四の実施形態を示す図である。
【
図6】ポンプ装置の第五の実施形態を示す図である。
【
図7】ポンプ装置の第六の実施形態を示す図である。
【
図8】ポンプ装置の第七の実施形態を示す図である。
【
図9】ポンプ装置の第八の実施形態を示す図である。
【
図10】
図1aおよび
図1bに示されたポンプ装置の第一の実施形態を、着脱可能に連結可能な単一の流動性製品源と組み合わせて示す図である。
【
図11】
図1aおよび
図1bに示されたポンプ装置の第一の実施形態を、連結済みの単一の流動性製品源と組み合わせて示す図である。
【
図12】ポンプ装置の第九の実施形態を示す図である。
【
図13】
図12に示されたポンプ装置の第九の実施形態を、連結済みの単一の流動性製品源と組み合わせて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
先ず、
図1aおよび
図1bを参照すると、ポンプ装置1は、第1の蠕動ポンプ12、第2の蠕動ポンプ14、およびポンプハウジング16を含んでいる。
【0036】
第一の蠕動ポンプ12は、一般に、成形された実質的に硬質のプラスチック材料で形成された第一のロータ18と、内部に第一のロータ18が回転可能に取り付けられた円筒状の第一のステータ19とを備えている。第一のロータ18は、複数の押圧部材20としての丸い突出部22を備えており、丸い突出部22は、第一のスピンドル24と一体的に形成され、第一のスピンドル24から半径方向外側に突出し、第一のスピンドル24の周上で等間隔に配置されている。本実施形態では、第一のロータ18は、3つの丸い突出部22を備えているが、第一のロータ18は、任意の適切な数の丸い突出部22を備え得ることが理解されるであろう。また、他のタイプの押圧部材20、例えばローラが使用され得ることも理解されるであろう。第一のスピンドル24は、電気モータの駆動シャフトなどの第一の外部回転駆動部28a(
図10および
図11)によって係合可能な中央駆動開口部26を備えている。
【0037】
第一の蠕動ポンプ12は、ポリ塩化ビニルなどの任意の適切な弾力性のあるプラスチック材料で形成され得る第一の可撓性チューブ30を備えている。第一の可撓性チューブ30は、粘性を有する液体などの流動性製品が第一の蠕動ポンプ12に送達される入口側32と、流動性製品が第一の蠕動ポンプ12から送達される出口側34とを有する。入口側32および出口側34は、第一のロータ18の回転の順方向(
図1aでは時計回り)に対して指定されている。入口側32は、出口多岐管38の第一の出口ポート38aに連結され、出口側34は、第一の製品出口コネクタ40に連結されている。第一の可撓性チューブ30は、内壁19aに接触して円筒状の第一のステータ19の周囲を周方向に延びており、入口側32および出口側32は、円筒状の第一のステータ19から実質的に半径方向に離隔して外側に延びている。
【0038】
第二の蠕動ポンプ14は、一般に、成形された実質的に硬質のプラスチック材料で形成された第二のロータ42と、内部に第二のロータ42が回転可能に取り付けられた円筒状の第二のステータ44とを備えている。第二のロータ42は、複数の押圧部材46としての丸い突出部48を備えており、丸い突出部48は、第二のスピンドル50と一体的に形成され、第二のスピンドル50から半径方向外側に突出し、第二のスピンドル50の周上で等間隔に配置されている。本実施形態では、第二のロータ42は、3つの丸い突出部48を備えているが、第二のロータ42は、任意の適切な数の丸い突出部48を備え得ることが理解されるであろう。また、他のタイプの押圧部材46、例えばローラが使用され得ることも理解されるであろう。第二のスピンドル50は、電気モータの駆動シャフトなどの第二の外部回転駆動部28b(
図10および
図11)によって係合可能な中央駆動開口部52を備えている。
【0039】
第二の蠕動ポンプ14は、ポリ塩化ビニルなどの任意の適切な弾力性のあるプラスチック材料で形成され得る第二の可撓性チューブ54を備えている。第二の可撓性チューブ54は、粘性を有する液体などの流動性製品が第二の蠕動ポンプ14に送達される入口側56と、流動性製品が第二の蠕動ポンプ14から送達される出口側58とを有する。入口側56および出口側58は、第二のロータ42の回転の順方向(
図1aでは時計回り)に対して指定されている。入口側56は、出口多岐管38の第二の出口ポート38bに連結され、出口側58は、第二の製品出口コネクタ60に連結されている。第二の可撓性チューブ54は、内壁44aに接触して円筒状の第二のステータ44の周囲を周方向に延びており、入口側56および出口側58は、円筒状の第二のステータ44から実質的に半径方向に離隔して外側に延びている。
【0040】
円筒状の第一のステータ19は第一の半径r1を有し、円筒状の第二のステータ44は第二の半径r2を有する。第一の半径r1は、第二の半径r2よりも大きく、一般的には少なくとも20%大きい。さらに、本実施形態では、第一の可撓性チューブ30は、第二の可撓性チューブ54の直径、特に内径よりも大きい直径、特に内径を有する。本明細書で先に説明したように、第一および第二のステータ19,44、およびそれらに関連付けられた第一および第二のロータ18,42の直径が異なること、ならびに、必要に応じて第一および第二の蠕動ポンプ12,14の第一および第二の可撓性チューブ30,54の直径が異なることにより、各蠕動ポンプ12,14が異なる送液特性を有することになる。特に、より大径の第一の可撓性チューブ30を備えた、より大きな第一の蠕動ポンプ12は、比較的短時間で大量の液体または他の流動性製品を送達することが可能であるのに対し、より小径の第二の可撓性チューブ54を備えた、より小さな第二の蠕動ポンプ14は、液体または他の流動性製品を、より少量ではあるが、より高精度に送達することが可能である。
【0041】
第一および第二の蠕動ポンプ12,14は同一平面上にあり、特に第一および第二のロータ18,42が同一平面上にある。第一および第二のステータ19,44も同様に同一平面上にある。第一および第二のロータ18,42は、互いに実質的に平行であり、かつ互いに離間している回転軸を有している。
【0042】
ポンプハウジング16は、一般に、成形された実質的に硬質のプラスチック材料で形成されている。
図1aおよび
図1bに示された実施形態では、第一のステータ19、特に第一の内壁19aは、ポンプハウジング16内に円形の凹部62aとしてポンプハウジング16によって形成されている。第二のステータ44は、ポンプハウジング16における相補的な形状の凹部66a内に取り付けられたステータブロック64aを含んでいる。ステータブロック64aの寸法は、凹部66aの寸法よりも僅かに小さくされており、それによりステータブロック64aが凹部66a内で、ひいてはポンプハウジング16内で横方向に移動可能とされている。この横方向の移動により、
図2(a)〜
図2(d)に図示されているように、第二のステータ44およびそれに関連付けられた第二のロータ42が、第一のステータ19およびそれに関連付けられた第一のロータ18に対して、同一平面内で相対的に移動することが可能になる。ポンプ装置1は、第一のステータ19に対する上述の横方向の相対移動を許容する一方で、ステータブロック64aをポンプハウジング16の凹部66a内に保持するための保持手段(図示せず)を備えている。
【0043】
第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、それぞれ、第一および第二のロータ18,42の回転軸と実質的に平行な出口軸を有する。これにより、ポンプ装置10、特に第一および第二のロータ18,42を、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと容易に係合および係合解除させることができる。また、これにより、ポンプ装置10、特に第一および第二の製品出口コネクタ40、60を、外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a、72b(
図10および
図11)に係合させることができる。第一および第二の製品出口コネクタ40,60と外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとの位置合わせを容易にするために、第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、ポンプハウジング16の凹部74a,74bに取り付けられている。凹部74a,74bは、それぞれ対応するコネクタ40,60の外径よりも大きい直径を有している。それゆえ、横方向に移動可能な第二のステータ44およびそれに関連付けられた横方向に移動可能な第二のロータ42と同じ平面内で、コネクタ40,60が、ポンプハウジング16の凹部74a,74b内で横方向に移動することができる。
【0044】
次に、
図3には、第二の実施形態として、ポンプ装置2が示されている。ポンプ装置2は、
図1a〜
図2を参照して上述したポンプ装置1と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0045】
ポンプ装置2では、第二のステータ44、特に第二の内壁44aは、ポンプハウジング16内に円形の凹部62bとしてポンプハウジング16によって形成されている。第一のステータ19は、ポンプハウジング16における相補的な形状の凹部66b内に取り付けられたステータブロック64bを含んでいる。ステータブロック64bの寸法は、凹部66bの寸法よりも僅かに小さくされており、それによりステータブロック64bがポンプハウジング16の凹部66b内で横方向に移動可能とされている。この横方向の移動により、第一のステータ19およびそれに関連付けられた第一のロータ18が、第二のステータ44およびそれに関連付けられた第二のロータ42に対して、同一平面内で相対的に移動することが可能になる。ポンプ装置2は、第二のステータ44に対する上述の横方向の相対移動を許容する一方で、ステータブロック64bをポンプハウジング16の凹部66b内に保持するための保持手段(図示せず)を備えている。
【0046】
次に、
図4には、第三の実施形態として、ポンプ装置3が示されている。ポンプ装置3は、
図1a〜
図3を参照して上述したポンプ装置1,2と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0047】
ポンプ装置3では、第一のステータ19は、ポンプハウジング16における相補的な形状の凹部66b内に取り付けられたステータブロック64bを含んでいる。ステータブロック64bの寸法は、上述したように、凹部66bの寸法よりも僅かに小さくされており、それによりステータブロック64bがポンプハウジング16の凹部66b内で横方向に移動可能とされている。第二のステータ44もまた、ポンプハウジング16における相補的な形状の凹部66a内に取り付けられたステータブロック64aを含んでいる。ステータブロック64aの寸法は、上述したように、凹部66aの寸法よりも僅かに小さくされており、それによりステータブロック64aがポンプハウジング16の凹部66a内で横方向に移動可能とされている。本実施形態では、ステータブロック64a,64bの両方がそれぞれ対応する凹部66a,66b内で横方向に移動することにより、第一および第二のステータ19,44、ならびにそれらに関連付けられた第一および第二のロータ18,42が同一平面内で互いに対して相対的に移動可能とされていることが理解されるであろう。
【0048】
次に、
図5には、第四の実施形態として、ポンプ装置4が示されている。ポンプ装置4は、
図1a〜
図2を参照して上述したポンプ装置1と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0049】
ポンプ装置4では、第一のステータ19、特に第一の内壁19aは、ポンプハウジング16内に円形の凹部62aとしてポンプハウジング16によって形成されている。第二のステータ44は、ステータブロック64cを含んでおり、ステータブロック64cは、
図5の矢印で図示されるように、ポンプハウジング16に対して相対的に横方向に移動するように、ポンプハウジング16の湾曲した端部に取り付けられている。前述のように、この横方向の移動によって、第二のステータ44およびそれに関連付けられた第二のロータ42が、第一のステータ19およびそれに関連付けられた第一のロータ18に対して、同一平面内で相対的に移動することが可能になる。ポンプ装置4は、ポンプハウジング16および第一のステータ19に対する上述の横方向の移動を許容する一方で、ステータブロック64cをポンプハウジング16の端部上の所定位置に保持するための保持手段(図示せず)を備えている。
【0050】
次に、
図6には、第五の実施形態として、ポンプ装置5が示されている。ポンプ装置5は、上述したポンプ装置と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0051】
ポンプ装置5では、ポンプハウジング16は、第一、第二および第三のハウジング部品16a〜16cを含んでいる。第一および第二のステータ19,44、特にそれぞれの第一および第二の内壁19a,44aは、第一および第二のハウジング部品16a,16b内に円形の凹部62a,62bとして第一および第二のハウジング部品16a,16bによって形成されている。第一および第二のハウジング部品16a,16bは、第三のハウジング部品16cに移動可能に取り付けられており、
図6の矢印で図示されるように、同一平面内で互いに相対的に移動可能である。より具体的には、第一および第二のハウジング部品16a,16bは共に、可撓性マウント70a,70bによって、第三のハウジング部品16cの互いに反対側の端部に取り付けられている。可撓性マウント70a,70bは、一般にゴムなどの弾力性のある材料を含んでいる。第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、第三のハウジング部品16cに取り付けられている。
【0052】
次に、
図7には、第六の実施形態として、ポンプ装置6が示されている。ポンプ装置6は、
図6を参照して上述したポンプ装置5と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0053】
ポンプ装置6では、ポンプハウジング16は、第一、第二および第三のハウジング部品16a〜16cを含んでいる。第一および第二のステータ19,44、特にそれぞれの第一および第二の内壁19a,44aは、第一および第二のハウジング部品16a,16b内に円形の凹部62a,62bとして第一および第二のハウジング部品16a,16bによって形成されている。第一の製品出口コネクタ40は第二のハウジング部品16bに取り付けられ、第二の製品出口コネクタ60は第一のハウジング部品16aに取り付けられている。
【0054】
第一、第二および第三のハウジング部品16a〜16cは、シャーシまたは弾力性マウント90内において、同一平面内で互いに相対移動するように取り付けられている。シャーシまたは弾力性マウント90は、一般にゴムなどの弾力性のある材料を含んでいる。
【0055】
次に、
図8には、第七の実施形態として、ポンプ装置7が示されている。ポンプ装置7は、
図7を参照して上述したポンプ装置6と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0056】
ポンプ装置7では、ポンプハウジング16は、第一〜第五のハウジング部品16a〜16eを含んでいる。第一および第二のステータ19,44、特にそれぞれの第一および第二の内壁19a,44aは、第一および第二のハウジング部品16a,16b内に円形の凹部62a,62bとして第一および第二のハウジング部品16a,16bによって形成されている。第一の製品出口コネクタ40は第三のハウジング部品16cに取り付けられ、第二の製品出口コネクタ60は第四のハウジング部品16dに取り付けられている。
【0057】
ハウジング部品16a〜16eは、シャーシまたは弾力性マウント90内において、同一平面内で互いに相対移動するように取り付けられている。シャーシまたは弾力性マウント90は、一般にゴムなどの弾力性のある材料を含んでいる。
【0058】
次に、
図9には、第八の実施形態として、ポンプ装置8が示されている。ポンプ装置8は、上述したポンプ装置と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0059】
ポンプ装置8では、ポンプハウジング16は、第一および第二のハウジング部品16a,16bを含んでいる。第一および第二のステータ19,44、特にそれぞれの第一および第二の内壁19a,44aは、第一および第二のハウジング部品16a,16b内に円形の凹部62a,62bとして第一および第二のハウジング部品16a,16bによって形成されている。第一および第二のハウジング部品16a,16bは、シャーシまたは弾力性マウント90内において、同一平面内で互いに相対移動するように取り付けられている。シャーシまたは弾力性マウント90は、一般にゴムなどの弾力性のある材料を含んでいる。
【0060】
第一および第二の製品出口コネクタ40,60もまた、シャーシまたは弾力性マウント90内において、互いに対して相対的に、かつ第一および第二のステータ19,44に対して相対的に移動するように独立して取り付けられている。
【0061】
次に
図10aおよび
図10bを参照すると、第一の実施例では、ポンプ装置1は、流動性製品を収容する、気密性のある可撓性パウチ80に着脱可能に連結可能とされている。可撓性パウチ80から流動性製品を送達するために、ポンプ装置1は、先ず、
図10aに概略的に示されているように、分注装置82上に位置決めされ得る。位置決めの間、第一および第二のロータ18,42の第一および第二のスピンドル24,50における中央駆動開口部26,52は、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bとそれぞれ係合する。第二のステータ44、ひいては第二のロータ42が、第一のステータ19、ひいては第一のロータ18に対して横方向に相対的に移動可能であることから、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと中央駆動開口部26,52とが正確に係合されることが保証される。
【0062】
また、第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、ポンプ装置1の分注装置82上での位置決めの間、外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとそれぞれ係合する。上述したように、第一および第二の製品出口コネクタ40,60が、ポンプハウジング16の標準より大きな凹部74a,74b内で横方向に移動可能であることから、第一および第二の製品出口コネクタ40,60と第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとが正確に位置合わせおよび係合されることが保証される。
【0063】
図10bに示すように、ポンプ装置1が分注装置82上に位置決めされると、可撓性パウチ80をポンプ装置1に連結することができ、特に可撓性パウチ80の出口84を出口多岐管38の入口ポート38cに連結することができる。出口多岐管38により、第一の可撓性チューブ30の入口側32と第二の可撓性チューブ54の入口側56の両方が、可撓性パウチ80内の流動性製品と同時に連通することが確実になる。可撓性パウチ80は、例えば段ボールで形成された硬質容器86内に取り付けることができるが、これは厳密には必要ではないことが理解されるであろう。
【0064】
次に
図11を参照すると、第二の実施例では、
図10aおよび
図10bを参照して上述した方法で、ポンプ装置1が流動性製品を含む気密性を有する可撓性パウチ80に連結されている。この第二の実施例では、ポンプ装置1および連結された可撓性パウチ80の両方が硬質容器86内に配設されている。硬質容器86は、同様に、段ボール素材で形成されていてもよい。
【0065】
可撓性パウチ80から流動性製品を送達するために、
図11に概略的に示されているように、硬質容器86は、分注装置82上に位置決めされる。位置決めの間、第一および第二のロータ18,42の第一および第二のスピンドル24,50における中央駆動開口部26,52は、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bとそれぞれ係合する。第二のステータ44、ひいては第二のロータ42が、第一のステータ19、ひいては第一のロータ18に対して横方向に相対的に移動可能であることから、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと中央駆動開口部26,52とが正確に係合されることが保証される。
【0066】
また、第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、硬質容器86の分注装置82上での位置決めの間、外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとそれぞれ係合する。上述したように、第一および第二の製品出口コネクタ40,60が、ポンプハウジング16の標準より大きな凹部74a,74b内で横方向に移動可能であることから、第一および第二の製品出口コネクタ40,60と第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとが正確に位置合わせおよび係合されることが保証される。
【0067】
次に、
図12には、第九の実施形態として、ポンプ装置9が示されている。ポンプ装置9は、
図1a〜
図2を参照して上述したポンプ装置1と類似しており、対応する部材は同一の符号が付されている。
【0068】
ポンプ装置9では、第一および第二の可撓性チューブ30,54は、それぞれ、その出口側34,58において、第一および第二の製品出口100,102としての第一および第二の分注針104,106を備えている。第一および第二の分注針104,106は、取付部材110によって支持体(図示せず)に取り付け可能な分注ユニット108を形成する。これにより、第一および第二の分注針104,106は、共通の容器に直接、流動性製品を分注することができる。
【0069】
第一の分注針104は、第二の分注針106の直径、特に内径よりも大きな直径、特に内径を有する。より大径の第一の分注針104は、より大径の第一の可撓性チューブ30を備えた、より大きな第一の蠕動ポンプ12の動作中に、比較的短時間で大量の液体または他の流動性製品を分注するのに適しているのに対し、より小径の第二の分注針106は、より小径の第二の可撓性チューブ54を備えた、より小さな第二の蠕動ポンプ14の動作中に、液体または他の流動性製品を、より少量ではあるが、より高精度に分注するのに適していることが理解されるであろう。
【0070】
次に
図13を参照すると、ポンプ装置9は、
図11を参照して上述したのと同様に、流動性製品を収容する気密性を有する可撓性パウチ80に連結されている。
【0071】
可撓性パウチ80から流動性製品を送達するために、
図13に概略的に示されているように、硬質容器86は、分注装置82上に位置決めされる。位置決めの間、第一および第二のロータ18,42の第一および第二のスピンドル24,50における中央駆動開口部26,52は、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bとそれぞれ係合する。上述したように、第二のステータ44、ひいては第二のロータ42が、第一のステータ19、ひいては第一のロータ18に対して横方向に相対的に移動可能であることから、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと中央駆動開口部26,52とが正確に係合されることが保証される。
【0072】
第一および第二の可撓性チューブ30,54は、第一および第二の蠕動ポンプ12,14から硬質容器86を通って、可撓性パウチ80に沿って巧く離れて延びており、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと中央駆動開口部26,52との係合を妨げないようになっている。上述したように、第一および第二の分注針104,106を含んでいる分注ユニット108は、支持体(図示せず)に取付部材110を係合させることにより、支持体に取り付けることができる。
【0073】
代表的な実施形態を前の段落で説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解されたい。したがって、特許請求の範囲の広さおよび範囲は、上述の代表的な実施形態に限定されるべきではない。
【0074】
上記特徴の全ての考え得る変形における任意の組み合わせは、特に断りのない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明に含まれる。
【0075】
文脈から明らかにそうでないことを要求していない限り、明細書および特許請求の範囲全体を通して、「備えるまたは含む」,「備えているまたは含んでいる」などの語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的に解釈されるべきである。すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味である。
【手続補正書】
【提出日】2020年12月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第一のロータと、
内部で前記第一のロータが回転可能な円筒状の第一のステータであって、第一の半径を有する円周状の第一の内壁を備えた第一のステータと、
入口側と出口側を有し、前記第一の内壁に接触して前記第一のステータの周囲を周方向に延びている第一の可撓性チューブと、
を含む第一の蠕動ポンプと、
少なくとも1つの押圧部材を有する駆動可能な第二のロータと、
内部で前記第二のロータが回転可能な円筒状の第二のステータであって、第二の半径を有する円周状の第二の内壁を備えた第二のステータと、
入口側と出口側を有し、前記第二の内壁に接触して前記第二のステータの周囲を周方向に延びている第二の可撓性チューブと、
を含む第二の蠕動ポンプと、を含んでおり、
前記第一の半径が前記第二の半径よりも大きくされていると共に、前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が該第一のステータおよび該第二のステータの他方に対して相対的に移動可能である
ことを特徴とする流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項2】
ポンプハウジングを更に含んでいる請求項1に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項3】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が、該第一のステータおよび該第二のステータの他方に対して相対的に移動するように前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項4】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの両方が、互いに対して相対的に移動するように前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2または3に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項5】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの少なくとも一方が前記ポンプハウジングによって形成されていると共に、該第一のステータおよび該第二のステータの他方が、該ポンプハウジングに対して相対的に移動するように該ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられている請求項2または3に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項6】
前記第一のステータおよび前記第二のステータの移動可能とされた前記少なくとも一方が、前記ポンプハウジングに対して相対的に移動可能なステータブロックを含んでいる請求項2〜5のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項7】
前記ステータブロックを前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に保持するための保持手段を含んでおり、該保持手段が、該ポンプハウジングに対する該ステータブロックの相対的な移動を許容するように配置されている請求項6に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項8】
前記ポンプハウジングが、互いに相対的に移動可能な第一のハウジング部品および第二のハウジング部品を含んでおり、前記第一のステータおよび前記第二のステータが該第一のハウジング部品および該第二のハウジング部品によって形成されている請求項2〜7のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項9】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも20%大きくされている請求項1〜8のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項10】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも50%大きくされている請求項1〜9のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項11】
前記第一の半径が前記第二の半径よりも少なくとも100%大きくされている請求項1〜10のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項12】
前記第一の可撓性チューブと前記第二の可撓性チューブが同じ内径を有している請求項1〜11のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項13】
前記第一の可撓性チューブと前記第二の可撓性チューブが異なる内径を有している請求項1〜11のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項14】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が、前記第二の可撓性チューブの前記内径よりも大きくされている請求項13に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項15】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも20%異なっている請求項13または14に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項16】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも50%異なっている請求項13〜15のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項17】
前記第一の可撓性チューブの前記内径が前記第二の可撓性チューブの前記内径と少なくとも100%異なっている請求項13〜16のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項18】
前記第一の可撓性チューブの前記出口側で出口軸を有する第一の製品出口コネクタと、前記第二の可撓性チューブの前記出口側で出口軸を有する第二の製品出口コネクタを含んでおり、該第一の製品出口コネクタと該第二の製品出口コネクタの該出口軸は、前記第一のロータおよび前記第二のロータの回転軸と実質的に平行であると共に、該第一の製品出口コネクタと該第二の製品出口コネクタが、前記ポンプハウジング上または該ポンプハウジング内に取り付けられて該ポンプハウジングに対して相対的に移動可能である請求項1〜17のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項19】
前記第一の製品出口コネクタおよび前記第二の製品出口コネクタがプッシュフィットコネクタを含んでいる請求項18に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項20】
前記第一の可撓性チューブが前記出口側に第一の製品出口を備えていると共に、前記第二の可撓性チューブが前記出口側に第二の製品出口を備えており、該第一の製品出口および該第二の製品出口が、流動性製品を直接、容器に分注するように構成されている請求項1〜17のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項21】
前記第一の製品出口と前記第二の製品出口が同じ内径を有している請求項20に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項22】
前記第一の製品出口と前記第二の製品出口が異なる内径を有している請求項20に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項23】
前記第一の製品出口の前記内径が、前記第二の製品出口の前記内径よりも大きくされている請求項22に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項24】
前記第一の製品出口が第一の分注ノズルを含んでおり、前記第二の製品出口が第二の分注ノズルを含んでいる請求項20〜23のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項25】
単一の流動性製品源を更に含んでおり、前記第一の可撓性チューブの前記入口側と前記第二の可撓性チューブの前記入口側が、それぞれ該単一の流動性製品源と連通している請求項1〜24のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項26】
前記単一の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいる請求項25に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項27】
前記単一の流動性製品源が、流動性製品を収容する、気密性のある可撓性パウチを含んでいる請求項25または26に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項28】
第一の流動性製品源と、該第一の流動性製品源と連通していない第二の流動性製品源を更に含んでおり、
前記第一の可撓性チューブの前記入口側が前記第一の流動性製品源と連通していると共に、
前記第二の可撓性チューブの前記入口側が前記第二の流動性製品源と連通している
請求項1〜24のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項29】
前記第一の流動性製品源と前記第二の流動性製品源が同じ流動性製品を収容している請求項28に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項30】
前記第一の流動性製品源と前記第二の流動性製品源が異なる流動性製品を収容している請求項28に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項31】
前記第一の流動性製品源および/または前記第二の流動性製品源が流動性製品リザーバを含んでいる請求項28〜30のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【請求項32】
前記第一の流動性製品源および/または前記第二の流動性製品源が気密性のある可撓性パウチを含んでいる請求項28〜31のいずれか一項に記載の流動性製品を分注するためのポンプ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
第一の蠕動ポンプ12は、ポリ塩化ビニルなどの任意の適切な弾力性のあるプラスチック材料で形成され得る第一の可撓性チューブ30を備えている。第一の可撓性チューブ30は、粘性を有する液体などの流動性製品が第一の蠕動ポンプ12に送達される入口側32と、流動性製品が第一の蠕動ポンプ12から送達される出口側34とを有する。入口側32および出口側34は、第一のロータ18の回転の順方向(
図1aでは時計回り)に対して指定されている。入口側32は、出口多岐管38の第一の出口ポート38aに連結され、出口側34は、第一の製品出口コネクタ40に連結されている。第一の可撓性チューブ30は、内壁19aに接触して円筒状の第一のステータ19の周囲を周方向に延びており、入口側32および出口側
34は、円筒状の第一のステータ19から実質的に半径方向に離隔して外側に延びている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、それぞれ、第一および第二のロータ18,42の回転軸と実質的に平行な出口軸を有する。これにより、ポンプ装置
1、特に第一および第二のロータ18,42を、第一および第二の外部回転駆動部28a,28bと容易に係合および係合解除させることができる。また、これにより、ポンプ装置
1、特に第一および第二の製品出口コネクタ40、60を、外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a、72b(
図10および
図11)に係合させることができる。第一および第二の製品出口コネクタ40,60と外部に取り付けられた第一および第二の製品入口コネクタ72a,72bとの位置合わせを容易にするために、第一および第二の製品出口コネクタ40,60は、ポンプハウジング16の凹部74a,74bに取り付けられている。凹部74a,74bは、それぞれ対応するコネクタ40,60の外径よりも大きい直径を有している。それゆえ、横方向に移動可能な第二のステータ44およびそれに関連付けられた横方向に移動可能な第二のロータ42と同じ平面内で、コネクタ40,60が、ポンプハウジング16の凹部74a,74b内で横方向に移動することができる。
【国際調査報告】