(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-520269(P2021-520269A)
(43)【公表日】2021年8月19日
(54)【発明の名称】携帯型乾式真空掃除機用の吹出口システム
(51)【国際特許分類】
A47L 9/00 20060101AFI20210726BHJP
A47L 5/24 20060101ALI20210726BHJP
【FI】
A47L9/00 B
A47L5/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-561671(P2020-561671)
(86)(22)【出願日】2019年4月24日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月31日
(86)【国際出願番号】EP2019060509
(87)【国際公開番号】WO2019214945
(87)【国際公開日】20191114
(31)【優先権主張番号】18171424.7
(32)【優先日】2018年5月9日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100123342
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 承平
(72)【発明者】
【氏名】ソニア ヴェルツ
【テーマコード(参考)】
3B006
【Fターム(参考)】
3B006BA01
(57)【要約】
本発明は、乾式真空掃除機によって吸入された吸気を排気として環境内に排出できる、携帯型乾式真空掃除機用の吹出口システムに関し、この吹出口システムは、乾式真空掃除機のハウジング内に配置され且つ任意選択的にエアクリーナカートリッジ又は排気アダプタが内部に収容され得る、収容ベイを有し、排気アダプタは、送風機ホースが接続する排気取付具を有し、且つエアクリーナカートリッジはこの種の出口取付具を含まない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入された吸気(SL)を排気(AL)として周囲(U)に排出できる、携帯型の乾式真空掃除機(100)用の吹出口システム(50)であって、
前記吹出口システム(50)は、前記乾式真空掃除機(100)のハウジング(90)内に配設され且つ任意選択的にエアフィルタカートリッジ(25)又は出口アダプタ(27)が収容され得る、収容ベイ(23)を有し、前記出口アダプタ(27)は、送風機ホース(290)の接続用の出口取付具(29)を有し、且つ前記エアフィルタカートリッジ(25)がこの種の出口取付具を含まない
ことを特徴とする、吹出口システム。
【請求項2】
前記エアフィルタカートリッジ(25)及び/又は前記出口アダプタ(27)が、前記吹出口システム(50)のモジュール部品であることを特徴とする、請求項1に記載の吹出口システム。
【請求項3】
前記収容ベイ(23)がディフューザを形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の吹出口システム。
【請求項4】
前記出口アダプタ(27)を固定するための少なくとも1つの保持ドーム(24)が、前記収容ベイ(23)内に設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吹出口システム。
【請求項5】
前記エアフィルタカートリッジ(25)が、複数のフィルタ開口(24’)を有するフレーム(24)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吹出口システム。
【請求項6】
前記吹出口システム(50)の前記収容ベイが、前記乾式真空掃除機(100)の前記ハウジング(90)内に配設され、且つ前記乾式真空掃除機(100)が、前記ハウジングに配設され且つ動作中に吸気(SL)が吸入される、吸入ホース(210)の接続用に設計される、入口取付具(10)を更に有し、前記収容ベイ(23)が、前記ハウジング(90)の角部(E)を横切って延びる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吹出口システム(50)を有する乾式真空掃除機。
【請求項7】
前記乾式真空掃除機(100)の前記ハウジング(90)が、略立方体設計を有することを特徴とする、請求項6に記載の乾式真空掃除機。
【請求項8】
前記収容ベイ(23)が、前記ハウジング(90)の全高(GH)の少なくとも25パーセントにわたって延びることを特徴とする、請求項6又は7に記載の乾式真空掃除機。
【請求項9】
前記入口取付具(10)及び前記収容ベイ(23)が、前記ハウジング(90)の互いに対向する側部に位置する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の乾式真空掃除機。
【請求項10】
前記乾式真空掃除機(100)が、バッテリ駆動設計を有し、且つ/又は10キログラム未満の重量の携帯型設計を有することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の乾式真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾式真空掃除機用の吹出口システムに関する。乾式真空掃除機によって吸入された吸気は、吹出口システムを通して、排気として周囲に排出することができる。本発明は、同様に、この種の吹出口システムを有する乾式真空掃除機に関する。導入部で述べた種類の吹出口システム及び乾式真空掃除機は、原則的に従来技術から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の目的は、乾式真空掃除機のコンパクトで可撓性のある構造に適した吹出口システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本目的は、吹出口システムが、乾式真空掃除機のハウジング内に配設され且つ任意選択的にエアフィルタカートリッジ又は出口アダプタが内部に収容され得る、収容ベイを有することによって達成され、出口アダプタは送風機ホースの接続用の出口取付具を有し、且つエアフィルタカートリッジはこの種の出口取付具を含まない。
【0004】
本発明による吹出口システムは、乾式真空掃除機の基礎をなし、この吹出口システムによって、吸入モードでは、入口取付具を通して吸気を吸入することができ、且つこの吸気を排気として周囲に排出することができる。エアフィルタカートリッジが、本発明にしたがって設けられた収容ベイ内に収容される場合、排気は、エアフィルタカートリッジによって濾過された後に周囲に排出される。反対に、エアフィルタカートリッジではなく出口アダプタが収容ベイ内に収容される場合には、乾式真空掃除機の送風モード用の送風機ホースを前記アダプタの出口取付具に接続することができる。よって、入口取付具を通って流入した吸気は、出口取付具と、出口取付具に接続された任意の送風機ホースとを通って排気として周囲に流入する。
【0005】
本発明による吹出口システムは、特にコンパクトな設計の乾式真空掃除機の基礎をなす。
【0006】
この種の乾式真空掃除機は、本発明による吹出口システムを備え、吹出口システムの収容ベイは、乾式真空掃除機のハウジング内に配設され、且つ乾式真空掃除機は、ハウジングに配設され且つ動作中に吸気が吸入される、吸入ホースの接続用に設計される、入口取付具を更に有し、収容ベイはハウジングの角部を横切って延びる。
【0007】
この点に関して、従来技術で知られている乾式真空掃除機が、そのハウジング後端部に、例えば、送風機ホースの挿入に好適である吹出口を有し得ることが認識されている。これによって、乾式真空掃除機を「送風機」として使用することが可能となる。出口開口の断面積が小さいほど、排気の出口速度も速くなるので、周囲の塵埃の望ましくない渦も大きくなることが問題として認識されている。同様に、そのような乾式真空掃除機の周囲の使用者又は人々に空気が不快感をもたらすように衝突する可能性がある。説明した高い出口速度は、特にコンパクトな乾式真空掃除機の場合には問題である。
【0008】
これを始まりとして、本発明による乾式真空掃除機は、ハウジングの角部を横切って延びる収容ベイを有する。このように角部を横切って位置決めされることよって、乾式真空掃除機のハウジングにおける空間を節約することができ、又は、比較的大きな流れ断面を有する出口を実現することができる。エアフィルタカートリッジ及び/又は出口アダプタが吹出口システムのモジュール部品である場合に有利であると分かっている。
【0009】
特に好ましい一態様では、収容ベイは、ディフューザとして設計される。したがって、排気の流出速度の低下を達成することが既に可能である。
【0010】
出口アダプタを固定できる、少なくとも1つの保持ドームを収容ベイ内に設けることができる。2つの保持ドームは、好ましくは、収容ベイの容積部内に設けることができる。よって、出口アダプタは、1つ若しくは2つの差し込み又はクランプピンを有することができ、これによって、出口アダプタを1つ若しくは複数の保持ドーム上に固定することができる。代案として、出口アダプタは、ねじ継手によって収容ベイ内にしっかりと固定することができる。
【0011】
エアフィルタカートリッジが、複数のフィルタ開口を有するフレームを有する場合に、有利であると分かっている。それによって、空気が直線状に流出することを達成することが可能であり、さもなければ、ディフューザとして設計された収容ベイから空気が乱流として流れ出る。
【0012】
乾式真空掃除機は、好ましくは、略立方体のハウジングを有する。収容ベイがハウジングの全高の少なくとも25%にわたって延びる場合に有利であることが分かっている。収容ベイは、共通の角部に隣接する2つのハウジング表面部分の断面積と略等しい大きさの断面積を占有することが好ましい。換言すれば、収容ベイは、略立方体設計の乾式真空掃除機ハウジングの角部を横切って対称に形成することができる。
【0013】
乾式真空掃除機の入口取付具及び収容ベイがハウジングの互いに対向する側部に位置する場合に有利であると分かっている。
【0014】
特に好ましい一態様では、乾式真空掃除機は、バッテリ駆動設計を有する。特に好ましい態様として、乾式真空掃除機は、バッテリ駆動専用設計を有する。別の好ましい構成では、乾式真空掃除機は、10キログラム未満の重量の携帯型設計を有する。これには、好ましくは、乾式真空掃除機を動作させるために設けられた充電式バッテリ(好ましくは22Vのバッテリ)の重量が含まれる。
【0015】
以下の図の説明においてさらなる利点を見出すことができる。図には、本発明の様々な実施例が示されている。図、説明及び特許請求の範囲は、多数の特徴を組み合わせて含む。当業者もまた、有用なさらなる組み合わせを形成するために、適宜、特徴を個別に検討し、それらを組み合わせるであろう。
【0016】
図面において、同一の構成要素及び同一種類の構成要素は、同一の参照符号によって表される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】吹出口システムを有する携帯型乾式真空掃除機の好ましい実施例を示す図である。
【
図2】出口アダプタが収容ベイ内に収容される、
図1の実施例を示す図である。
【
図3】エアフィルタカートリッジが収容ベイ内に収容される、
図1の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による乾式真空掃除機100の好ましい実施例を
図1に示す。
図1の乾式真空掃除機100は、この場合は、バッテリ駆動専用である、コンパクトな携帯型乾式真空掃除機として設計される。
図1に示すバッテリベイ80は、好ましくは22Vの電圧を有する、充電式給電バッテリ(ここでは図示せず)を収容する役割を果たす。
図1は、乾式真空掃除機100の後面斜視図を示している。
【0019】
乾式真空掃除機100は、この場合に示す実施例では立方体設計を有する、ハウジング90を有する。ハウジング90には、吸入ホース210(ここでは概略的にのみ示す)を接続するために使用される、入口取付具10が配設される。入口取付具10は、乾式真空掃除機100の前側に位置し、よって、
図1では部分的にしか視認できない。ハウジング90の入口取付具10とは反対の側部に、すなわち
図1の最前面に、乾式真空掃除機100の送風システム50が配設される。吹出口システム50は、角部E(鉛直方向の破線は角部Eを表す)を横切って延びる、収容ベイ23を有する。換言すれば、収容ベイ23は、ハウジング90の角部Eを横切って延びる。この配置では、収容ベイ23は、ハウジング90の全高GHの少なくとも25%にわたって延びる。
【0020】
乾式真空掃除機100の動作中に、空気は、吸気SLとして周囲Uから入口取付具10又は入口取付具10に接続された吸入ホース210に吸入される。この吸気SLは、乾式真空掃除機100内で分離された、塵埃粒子を搬送する。乾式真空掃除機100内のフィルタ(具体的には図示せず)は、塵埃粒子を分離する役割を担う。次いで、吸入された吸気SLは、排気ALとして周囲Uに吹き出される。この吹き出しは、吹出口システム50を通して、又は、より正確に言うと、ここで示す収容ベイ23を通して行われる。
【0021】
図1から分かるように、収容ベイ23は、ディフューザとして設計され、それゆえ、流出した排気ALは、既に減速している。
【0022】
吹出口システム50は、2つのモジュール構成要素、すなわち、出口アダプタ27(
図2を参照)と、エアフィルタカートリッジ25(
図3及び
図4を参照)とを有する。カートリッジが内部に収容されていない収容ベイ23は、
図1で容易に視認できる。収容ベイ23の内腔内に位置する保持ドーム24は、保持ドーム24に対応する、クランプピンによって出口アダプタ27を固定するために使用される。より正確に言うと、2つの保持ドーム24(下側の保持ドーム24のみを視認できる)は、収容ベイ23内に配設される。
【0023】
次に、
図2は、出口アダプタ27が吹出口システム50内に収容される、乾式真空掃除機100を示している。出口アダプタ27は、送風機ホース290(ここでは概略的に示す)の接続用の出口取付具29を有する。そして、入口取付具10によって吸入された吸気SLは、出口取付具29を通って又は出口アダプタ27に接続される送風機ホース290を通って周囲Uに流出する。
【0024】
図2から分かるように、出口アダプタ27は、収容ベイ23内に正確な嵌合で配設される。
【0025】
出口アダプタ27は、オフセットストッパ28を有する円筒状開口を有する。送風機ホース290の一方のホース端部29’は、この開口に正確な嵌合で挿入することができ、対向ストッパ28’は、出口アダプタ27のストッパ28に対して停止接触する。出口アダプタ27の内部開口は、ホース端部29’に対応する円筒状設計を有する。代案として、出口アダプタ27とホース端部29’との間にテーパ状継手を設置することができる。
【0026】
図2から容易に視認できるように、収容ベイ23内に収容された出口アダプタ27もまた、角部Eを横切って延び、乾式真空掃除機100のハウジング90の後側の及び側部の表面の一部を占有する。出口アダプタ27は、
図1に示す保持ドーム24内に係合する、2つのクランプピン26’によって収容ベイ23内に確実に保持される。
【0027】
図3は、エアフィルタカートリッジ25が吹出口システム50の収容ベイ23(ここでは隠れている)内に収容される、乾式真空掃除機100を示している。
図2に示す出口アダプタ27とは対照的に、
図3のエアフィルタカートリッジ25は、出口取付具を全く含まない。換言すれば、送風機ホースなどをエアフィルタカートリッジ25に接続することは意図されていない。反対に、乾式真空掃除機によって吸入された吸気SLは、排気ALとしてエアフィルタカートリッジ25から周囲Uに流出する。この流出は、エアフィルタカートリッジ25のフレーム24によって画定される、多数のフィルタ開口24’を通して生じる。
【0028】
図3から分かるように、フレーム24は、フィルタ開口24’の背後に視認できるフィルタマットと共に、ハウジング90の角部Eを横切って位置する。同様に
図3から分かるように、ハウジング90の側部と後側の両方にフィルタ開口24’があり、それによって、排気ALのための比較的大きな流出断面を提供する。ここでも、収容ベイ23と、収容ベイ23内に正確な嵌合で収容されたエアフィルタカートリッジ25が、ハウジング90の全高GHの少なくとも25%にわたって延びることは明確に明らかである。エアフィルタカートリッジ25は、フレーム24と共に、クリップ留め具22によってハウジング90に固定される。
【0029】
最後に、
図4は、乾式真空掃除機100の後面図を示している。エアフィルタカートリッジ25が、フレーム24及びフィルタ開口24’と共に、角部Eを横切って形成されることは明確に明らかである。換言すれば、排気ALは、フィルタカートリッジ25から(
図4の画像の平面から)後方に且つ側方(
図4の左側)に流れる。2つのハウジング壁にわたって分配配置される、フィルタ開口24’は、一緒になって、排気ALのための比較的大きな流出断面を提供する。したがって、所望により、排気ALの流速を低下させる。排気ALの流れ部分が後側と側部の両方から(側部は後側とは異なる)流れ出ることによって、乾式真空掃除機の周囲の使用者への空気の不快な衝突が大幅に低減される。
【0030】
図4から分かるように、収容ベイ23は、ハウジング90に設けられたバッテリベイ80を抱持し、それによって、乾式真空掃除機100の特にコンパクトな構造が確保される。
【符号の説明】
【0031】
10 入口取付具
20 吹出口
22 クリップ留め具
23 収容ベイ
24 フレーム
24’ フィルタ開口
25 エアフィルタカートリッジ
26 保持ドーム
26’ クランプピン
27 出口アダプタ
28 ストッパ
28’ 対向ストッパ
29 出口取付具
29’ ホース端部
50 吹出口システム
80 バッテリベイ
90 ハウジング
100 乾式真空掃除機
210 吸入ホース
290 送風機ホース
AL 排気
E ハウジングの角部
GH ハウジングの全高
SL 吸気
U 周囲
【国際調査報告】