特表2021-520581(P2021-520581A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-520581ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-520581(P2021-520581A)
(43)【公表日】2021年8月19日
(54)【発明の名称】ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20210726BHJP
   H01Q 13/22 20060101ALI20210726BHJP
   H01Q 3/30 20060101ALI20210726BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20210726BHJP
   G06F 30/20 20200101ALI20210726BHJP
【FI】
   G06F17/50 680Z
   H01Q13/22
   H01Q3/30
   H01Q21/06
   G06F17/50 612G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-563447(P2020-563447)
(86)(22)【出願日】2018年12月28日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月11日
(86)【国際出願番号】CN2018124556
(87)【国際公開番号】WO2019214257
(87)【国際公開日】20191114
(31)【優先権主張番号】201810431413.3
(32)【優先日】2018年5月8日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519461336
【氏名又は名称】クアンチー インスティテュート オブ アドヴァンスト テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KUANG−CHI INSTITUTE OF ADVANCED TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ルオペン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,ジーヤ
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,フア
【テーマコード(参考)】
5B046
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5B046AA07
5B046JA10
5J021AA02
5J021AA05
5J021AA07
5J021AA09
5J021AB05
5J021CA02
5J021DB03
5J021FA13
5J021GA01
5J021JA10
5J045AA05
5J045DA04
5J045FA02
5J045HA01
(57)【要約】
本発明は、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法及び装置を開示している。該設計方法は、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式、スロット単位のオン/オフ状態のビーム制御コードなどのキー制御要素を量子化することにより、異なるスロット単位の組み合わせ及び制御するアレイアンテナの遠視野パターンを評価することで、アレイアンテナの各電気特性指標を評価することができ、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンを重み付け計算可能にし、スロット単位の形態、スロット単位の組み合わせ及び配列方式などを含むキー情報をグローバルに最適化することができ、アンテナ設計においてスロット単位の選択、配列、組み合わせ、間隔などの面への最適化を大幅に節約し、スロット単位の構造形式の設計に焦点を当てて、また、さらにビーム指向偏向要求に基づいて、各スロット単位に対応するオン/オフ状態のビーム制御コードを計算し、ビーム指向の制御に指導を提供し、ビームの迅速なフォーミング及び切り替えを実現する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏れ波が生じる複数のスロット単位を含むビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法であって、
シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、前記シングルスロット導波路の総伝送行列及び前記スロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するステップS1と、
前記複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、前記配列及び組み合わせ方式、前記ビーム指向制御コード、及び前記シングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するステップS2と、
左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、前記左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、前記右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及び前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいて前記ビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するステップS3とを含むことを特徴とするビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項2】
ステップS2における前記スロット単位の配列及び組み合わせ方式は、各スロットの間隔、スロット単位の形態及びそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項3】
ステップS1で前記シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列を取得することは、
シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得することと、
前記シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいて前記シングルスロット導波路の総伝送行列を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項4】
ステップS1でスロットレス導波路の伝送行列を取得することは、
スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得することと、
前記スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、前記スロットレス導波路の伝送行列を取得することと、を含むか、又は
ステップS1ではスロットレス導波路の伝送行列を取得することは、
スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得することと、
前記スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、前記スロットレス導波路の伝送行列を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項5】
ステップS3は、
前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいて前記シングルスロット単位の等価入力、出力割合を得ることと、
左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得することと、
前記左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、前記右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及び前記シングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいて前記合成指向性パターンを得ることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項6】
前記ビーム指向調整可能なアンテナは1次元又は2次元アレイ構造であることを特徴とする請求項1に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法。
【請求項7】
順に接続されている、
シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、前記シングルスロット導波路の総伝送行列及び前記スロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するためのスロット伝送行列取得モジュールと、
複数の前記スロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、前記配列及び組み合わせ方式、前記ビーム指向制御コード、及び前記シングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するためのアンテナ伝送行列取得モジュールと、
左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、前記左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、前記右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及び前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいて前記ビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するためのアンテナ指向性パターン生成モジュールと、を含むことを特徴とするビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置。
【請求項8】
前記スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、
シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得するためのシングルスロット導波路シミュレーションサブモジュールと、
前記シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいて前記シングルスロット導波路の総伝送行列を取得するためのシングルスロット導波路伝送行列取得サブモジュールと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置。
【請求項9】
前記スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、
スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得するためのスロットレス導波路シミュレーションサブモジュールと、
前記スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、前記スロットレス導波路の伝送行列を得るための第1スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュールとを含むか、又は
前記スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、
スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得するためのスロットレス導波路等価サブモジュールと、
前記スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、前記スロットレス導波路の伝送行列を得るための第2スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュールと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置。
【請求項10】
前記アンテナ指向性パターン生成モジュールは順に接続されている、
前記ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいて前記シングルスロット単位の等価入力、出力割合を得るための等価入出力割合取得サブモジュールと、
左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得するためのシングルスロット導波路指向性パターン取得サブモジュールと、
前記左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、前記右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及び前記シングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいて前記合成指向性パターンを得るためのアンテナ指向性パターン生成サブモジュールと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ技術分野に関し、具体的には、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
導波管に基づくビーム指向調整可能なアンテナ(漏れ波アンテナ)は、そのコストが低く、耐用年数が長く、かつ低背型、全遮蔽などの利点を有して内部の複雑な散乱を解消する。ビーム指向調整可能なアンテナを設計する重要な要素は、スロット単位の構造形式、スロット単位の間隔、スロット単位の組み合わせ、スロット単位の配列、スロット単位のオン/オフ制御、ビーム合成及び指向偏向コードなどを含む。動作周波数帯域内の特定ビーム指向の精確な制御、ビーム低サイドローブのフォーミング及び帯域外低散乱の制御などを実現するには、上記各重要な要素をグローバルに最適化する必要がある。
【0003】
従来のビーム指向調整可能な漏れ波アンテナの設計方法は成熟しており、スロット寸法、間隔などの要素はその形成されるアンテナパターンに関連しており、形式は直観的である。しかし、オン/オフ機能を持たず、ビーム指向偏向を実現することができない。
【0004】
ランダムスロットのビーム指向調整可能なアンテナの設計方法は、シミュレーションソフトウェアに大きく依存し、グローバル最適化に時間がかかり、エンジニアリング適用が困難である。
【0005】
ビーム可変システムについては、一般的にフェーズドアレイ原理を参考にし、アレイは同じであるが、そのビーム制御は各アレイを正確に位相調整することによって実現され、マルチスロット単位のビーム指向調整可能なアンテナと比べ、制御メカニズムが異なり、ビーム指向調整可能なアンテナについては、各スロット単位のオン又はオフ状態コードを制御しにくい。
【0006】
ビーム指向偏向を実現することができず、シミュレーションソフトウェアへの依存性が大きく、フェーズドアレイ原理がスロット単位へのオン又はオフ状態コードを制御しにくいという従来技術の問題に対して、有効な解決策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来技術における上記問題点に鑑みてなされたものであって、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンを重み付け計算可能にするとともに、各キーパラメータをグローバル最適化して、ビームの高速フォーミング及び指向の高速切り替えなどを実現することができるビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の技術的解決手段は、次のように達成される。
【0009】
本発明の一態様によれば、漏れ波が生じる複数のスロットを含むビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法を提供し、ステップS1、S2及びS3を含み、
S1、シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、シングルスロット導波路の総伝送行列及びスロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するステップ、
S2、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、配列及び組み合わせ方式、ビーム指向制御コード、及びシングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するステップ、
S3、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及びビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいてビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するステップ。
【0010】
本発明の一実施例によれば、ステップS2におけるスロット単位の配列及び組み合わせ方式は、各スロットの間隔、スロット単位の形態及びそれらの組み合わせを含む。
【0011】
本発明の一実施例によれば、ステップS1ではシングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列を取得することは、シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得することと、シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいてシングルスロット導波路の総伝送行列を取得することとを含む。
【0012】
本発明の一実施例によれば、ステップS1ではスロットレス導波路の伝送行列を取得することは、スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得することと、スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、スロットレス導波路の伝送行列を取得することとを含むか、又は
ステップS1ではスロットレス導波路の伝送行列を取得することは、スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得することと、スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、スロットレス導波路の伝送行列を取得することとを含む。
【0013】
本発明の一実施例によれば、ステップS3は、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価入力、出力割合を得ることと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得することと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及びシングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいて合成指向性パターンを得ることとを含む。
【0014】
本発明の一実施例によれば、ビーム指向調整可能なアンテナは1次元又は2次元アレイ構造である。
【0015】
本発明の他の態様によれば、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置を提供し、順に接続されている、
シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、シングルスロット導波路の総伝送行列及びスロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するためのスロット伝送行列取得モジュールと、
複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、配列及び組み合わせ方式、ビーム指向制御コード、及びシングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するためのアンテナ伝送行列取得モジュールと、
左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及びビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいてビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するためのアンテナ指向性パターン生成モジュールとを含む。
【0016】
本発明の一実施例によれば、スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得するためのシングルスロット導波路シミュレーションサブモジュールと、シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいてシングルスロット導波路の総伝送行列を取得するためのシングルスロット導波路伝送行列取得サブモジュールとを含む。
【0017】
本発明の一実施例によれば、スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得するためのスロットレス導波路シミュレーションサブモジュールと、スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、スロットレス導波路の伝送行列を取得するための第1スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュールとを含むか、又は
スロット伝送行列取得モジュールは順に接続されている、スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得するためのスロットレス導波路等価サブモジュールと、スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、スロットレス導波路の伝送行列を取得するための第2スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュールとを含む。
【0018】
本発明の一実施例によれば、アンテナ指向性パターン生成モジュールは順に接続されている、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価入力、出力割合を得るための等価入出力割合取得サブモジュールと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得するためのシングルスロット導波路指向性パターン取得サブモジュールと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及びシングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいて合成指向性パターンを得るためのアンテナ指向性パターン生成サブモジュールと、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式、スロット単位の間隔、スロット単位のオン/オフ状態のビーム制御コードなどのキー制御要素を量子化することにより、異なるスロット単位の組み合わせ及び制御するアレイアンテナの遠視野パターンを評価し、さらにアレイアンテナの各電気特性指標を評価することができ、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンを重み付け計算可能にし、スロット単位の形態、スロット単位の組み合わせ及び配列方式などを含むキー情報をグローバルに最適化することができ、アンテナ設計においてスロット単位の選択、配列、組み合わせ、間隔などの面への最適化を大幅に節約し、スロット単位の構造形式の設計に焦点を当てて、また、さらにビーム指向偏向要求に基づいて、各スロット単位に対応するオン/オフ状態のビーム制御コードを計算し、ビーム指向の制御に指導を提供し、ビームの迅速なフォーミング及び切り替えを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下、本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例において使用する必要がある添付図面を簡単に説明し、以下に説明する図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【0021】
図1図1は本発明の実施例に係るビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法のフローチャートである。
図2図2は本発明の具体的な実施例に係るビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法のフローチャートである。
図3図3はデュアルスロット導波路アンテナの概略図である。
図4図4は本発明で計算したデュアルスロット導波路散乱パラメータの振幅及び位相とシミュレーション結果との比較を示す図である。
図5a図5aはシミュレーションで得られたシングルスロット導波路の左端ポートに励振される遠視野シミュレーション結果を示す図である。
図5b図5bはシミュレーションで得られたシングルスロット導波路の右端ポートに励振される遠視野シミュレーション結果を示す図である。
図5c図5cはシミュレーションで得られたシングルスロット導波路の両端ポートに励振される遠視野シミュレーション結果を示す図である。
図6図6は本発明で計算した両端ポートに励振される遠視野振幅及び位相とシミュレーション結果との比較を示す図である。
図7図7は本発明で計算した遠視野結果とシミュレーション結果との比較を示す図である。
図8図8は本発明の実施例に係るビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例における添付図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明する。説明される実施例は本発明の実施例のすべてではなく、その一部に過ぎないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が得られるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
本発明の実施例によれば、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法を提供する。
【0024】
図1に示すように、本発明の実施例に係るビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法は、以下のステップS101、S103及びS105を含み、
S101、シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、シングルスロット導波路の総伝送行列及びスロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するステップ、
S103、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、配列及び組み合わせ方式、ビーム指向制御コード、及びシングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するステップ、
S105、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及びビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいてビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するステップ。さらに、アレイアンテナの各電気特性指標、例えば、ビーム指向角、メインローブ3dBビーム幅、第1零点幅、サイドローブレベル、前後比などを評価することができる。
【0025】
本発明の前記技術的解決手段は、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式、スロット単位の間隔、スロット単位のオン/オフ状態のビーム制御コードなどのキー制御要素を量子化することにより、異なるスロット単位の組み合わせ及び制御するアレイアンテナの遠視野パターンを評価し、さらにアレイアンテナの各電気特性指標を評価することができ、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンを重み付け計算可能にし、スロット単位の形態、スロット単位の組み合わせ及び配列方式などを含むキー情報をグローバルに最適化することができ、アンテナ設計においてスロット単位の選択、配列、組み合わせ、間隔などの面への最適化を大幅に節約し、スロット単位の構造形式の設計に焦点を当てて、また、さらにビーム指向偏向要求に基づいて、各スロット単位に対応するオン/オフ状態のビーム制御コードを計算し、ビーム指向の制御に指導を提供し、ビームの迅速なフォーミング及び切り替えを実現する。
【0026】
一実施例において、ステップS101では、シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列を取得することは具体的に、シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得することと、シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいてシングルスロット導波路の総伝送行列を取得することとを含むことができる。
【0027】
一実施例において、ステップS101では、スロットレス導波路の伝送行列を取得することは具体的に、スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得することと、スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、スロットレス導波路の伝送行列を取得することとを含むことができる。
【0028】
他の実施例において、ステップS101では、スロットレス導波路の伝送行列を取得することは具体的に、スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得することと、スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、スロットレス導波路の伝送行列を取得することとを含むことができる。
【0029】
一実施例において、ステップS103におけるスロット単位の配列及び組み合わせ方式は、各スロットの間隔、スロット単位の形態及びそれらの組み合わせを含む。したがって、個々のスロット単位の組み合わせ形態及び隣接する単位の間隔をグローバルに最適化することができる。
【0030】
一実施例において、ステップS105は具体的に、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価入力、出力割合を得ることと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得することと、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及びシングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいてアンテナの指向性パターンを得ることとを含むことができる。
【0031】
図2に示すように、本発明に係るビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法の具体的な実施例であり、以下図2を参照しながら本発明のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法を説明する。
【0032】
ステップS201において、シングルスロット導波路をシミュレーションしてn個のシングルスロット導波路の総散乱パラメータSnを取得し、該総散乱パラメータSnは異なるスロット単位のオン状態での散乱パラメータSn1及びオフ状態での散乱パラメータSn0を含む。つまり、異なるスロット単位のオン状態での散乱パラメータSn=Sn1とオフ状態での散乱パラメータSn=Sn0をシミュレーション方法により抽出する。
【0033】
ステップS202において、シングルスロット導波路の総散乱パラメータSnに基づいてシングルスロット導波路の総伝送行列を得、該総伝送行列は伝送行列Tn1、Tn0を含み、Tn1はオン状態での散乱パラメータSn1に基づいて換算して得られた伝送行列であり、Tn0はオフ状態での散乱パラメータSn0に基づいて換算して得られた伝送行列である。
【0034】
ステップS203において、スロットレス導波路をシミュレーションしてスロットレス導波路の散乱パラメータSndを取得する。
【0035】
ステップS204において、スロットレス導波路の散乱パラメータSndに基づいてスロットレス導波路の伝送行列Tndを得る。
【0036】
ステップS205において、シングルスロット導波路の総伝送行列Tn1、Tn0及びスロットレス導波路の伝送行列Tndに基づいてスロット単位の等価伝送行列Tsを取得する。
【0037】
ステップS206において、各スロット単位のオン状態を示すビーム制御コードfln=1又はオフ状態を示すビーム制御コードfln=0を取得する。
【0038】
ステップS207において、複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式、スロット単位の間隔(1次元アレイをdn、2次元アレイをそれぞれdnl、dnwとする)を取得する。
【0039】
ステップS208において、前記配列及び組み合わせ方式、ビーム制御コードに基づき、伝送行列カスケードの形態によりビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列Taをシミュレートする。
【0040】
ステップS209において、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列Taに基づいてシングルスロット単位の等価入力、出力割合、即ちシングルポート、単位励振でn番目のスロット単位の両端ポート等価ネットワークで入力端1の入力割合a1n、出力端2の入力割合a2nを算出する。
【0041】
ステップS210において、スロット単位の右端単位励振、オン及びオフ状態での右端励振指向性パターンデータEnrを取得し、該右端励振指向性パターンデータEnrは、オン状態での右端励振指向性パターンデータEnr1、及びオフ状態での右端励振指向性パターンデータEnr0を含む。
【0042】
ステップS211において、スロット単位の左端単位励振、オン及びオフ状態の左端励振指向性パターンデータEnlを取得し、該左端励振指向性パターンデータEnは、オン状態での左端励振指向性パターンデータEnl1と、オフ状態での左端励振指向性パターンデータEnl0とを含む。
【0043】
ステップS212において、右端励振指向性パターンデータ、左端励振指向性パターンデータ、及び単一の開口部の等価入力、出力割合に基づいてビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンを重み付け計算する。
【0044】
ステップS206及びS207の順序は入れ替えても同時に行ってもよく、ステップS210及びS211の順序も入れ替えても同時に行ってもよい。
【0045】
所望により、同様に図2に示すように、さらに以下のステップによってスロットレス導波路の伝送行列Twgを取得することができる。
【0046】
S2031:スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得する。
【0047】
S2032:スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、スロットレス導波路の伝送行列を取得する。
【0048】
図2に示すビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法において、入力信号は、シングルスロット導波路の総散乱パラメータSn、スロットレス導波路の散乱パラメータSnd、スロット単位の配列及び組み合わせ方式、ビーム制御コード、右端励振指向性パターンデータ、及び左端励振指向性パターンデータを含み、出力信号はビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンである。上記の各入力情報は、シミュレーション方法によって取得することができる。
【0049】
一実施例において、ビーム指向調整可能なアンテナは1次元又は2次元アレイ構造である。本発明のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法は、複数種のスロット単位の組み合わせに適用でき、1次元及び2次元アレイに対して同様に適用するため、強いエンジニアリング適用価値を有する。
【0050】
以下、本発明のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法により得られたアンテナパターンとシミュレーションにより得られたアンテナパターンとを比較することにより、その効果を説明する。
【0051】
図3に示すように、簡単なデュアルスロット導波路アンテナの概略図であり、標準矩形導波管30が広側開口に矩形構造の開口スロット単位が形成されている。
【0052】
まず、シミュレーションと計算とにより得られるデュアルスロット導波路の散乱パラメータを比較する。図4に示すように、計算したデュアルスロット導波路散乱パラメータS11及びS21の振幅及び位相とシミュレーション結果との比較を示す図である。
【0053】
次に、シングルスロット導波路のシングル、両端ポート励振での遠視野パターンの計算を検証する。シミュレーションで得られたシングルスロット導波路の左端ポート、右端ポート、両端ポートに励振される遠視野シミュレーション結果は図5a、図5b及び図5cに示すとおりである。計算した両端ポートに励振される遠視野振幅及び位相とシミュレーション結果との比較は図6に示すとおりであり、シミュレーション結果は計算値と高度に一致していることが分かる。
【0054】
最後に、多次元1次元行列に対して計算を行い、その遠視野のシミュレーションと計算値との比較は図7に示すとおりである。図7から分かるように、シミュレーション結果と計算された指向性パターン幅との一致度が高く、各スロットのスロットコードを切り替えることにより、ビーム偏向を実現することができ、偏向角の角度誤差は1°未満である。
【0055】
以上説明したように、本発明のビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算方法は、n個のスロット単位の配列及び組み合わせ方式、スロット単位の間隔(1次元アレイをdnとし、2次元アレイをそれぞれdnl、dnwとする)、スロット単位のオン状態のビーム制御コード(fln=1)及びオフ状態のビーム制御コード(fln=0)などの重要な制御要素を量子化することにより、異なるスロット単位の組み合わせ及び制御するアレイアンテナの遠視野パターンを評価し、さらにアレイアンテナの各電気特性指標(例えば、ビーム指向角、メインローブ3dBビーム幅、第1零点幅、サイドローブレベル、前後比など)を評価する。シミュレーションの方法などにより異なるスロット単位のオン状態での散乱パラメータ(Sn=Sn1)とオフ状態での散乱パラメータ(Sn=Sn0)を抽出し、任意の長さのスロットレス導波路を結合して散乱パラメータ(Snd)を計算又はシミュレーションし、さらに換算して伝送行列(Tn1、Tn0、Tnd)を得、スロット単位の等価伝送行列(Tn)を抽出し、さらに異なるスロット単位、単位の間隔、ビーム制御コード情報に基づき、伝送行列カスケードの形式により、ビーム指向調整可能なアンテナの総伝送特性(Ta)をシミュレーションし、さらにシングルポート、単位励振でn番目のスロット単位の両端ポート等価ネットワークで入力端1の入力割合a1n、出力端2の入力割合a2nを算出し、さらにシミュレーションを結合し、各種のスロット単位の左、右端のそれぞれ単位励振、オン及びオフ状態での指向性データ(左端励振EnlはそれぞれEnl1、Enl0であり、右端励振EnrはそれぞれEnr1、Enr0である)、ビーム指向の調整可能なアンテナ方向図を重み付け計算可能にし、また様々な最適化アルゴリズムを結合して、スロット単位の形態、スロット単位の組み合わせ及び配列方式などを含むキー情報をグローバルに最適化して、アンテナ設計においてスロット単位の選択、配列、組み合わせ、間隔などの面への最適化を大幅に節約し、スロット単位構造形式の設計に焦点を当てて、また、ビーム指向偏向要求に基づき、各スロット単位に対応するオン/オフ状態のビーム制御コードを計算し、ビーム指向の制御に指導を提供し、ビームの迅速なフォーミング及び切り替えを実現する。
【0056】
図8に示すように、本発明の実施例によれば、ビーム指向調整可能なアンテナの指向性パターンの計算装置をさらに提供し、順に接続されている、
シングルスロット単位に対応するシングルスロット導波路の総伝送行列、及びスロットレス導波路の伝送行列を取得するとともに、シングルスロット導波路の総伝送行列及びスロットレス導波路の伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価伝送行列を取得するためのスロット伝送行列取得モジュール810と、
複数のスロット単位の配列及び組み合わせ方式と、各スロット単位のオン又はオフ状態を示すビーム指向制御コードとを取得するとともに、配列及び組み合わせ方式、ビーム指向制御コード、及びシングルスロット単位の等価伝送行列に基づいて、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式を取得するためのアンテナ伝送行列取得モジュール820と、
左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターンとを取得するとともに、左端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路構造の指向性パターン及びビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列カスケード方式に基づいてビーム指向調整可能なアンテナの合成指向性パターンを取得するためのアンテナ指向性パターン生成モジュール830とを含む。
【0057】
本発明の一実施例によれば、スロット伝送行列取得モジュール810は順に接続されている、シングルスロット導波路をシミュレーションしてシングルスロット導波路の総散乱パラメータを取得するためのシングルスロット導波路シミュレーションサブモジュール(図示せず)と、シングルスロット導波路の総散乱パラメータに基づいてシングルスロット導波路の総伝送行列を取得するためのシングルスロット導波路伝送行列取得サブモジュール(図示せず)とを含む。
【0058】
一実施例において、スロット伝送行列取得モジュール810は順に接続されている、スロットレス導波路のシミュレーションモデルを取得するためのスロットレス導波路シミュレーションサブモジュール(図示せず)と、スロットレス導波路のシミュレーションモデルに基づいて電磁界シミュレーションを行って、スロットレス導波路の伝送行列を取得するための第1スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュール(図示せず)とを含む。
【0059】
他の実施例において、スロット伝送行列取得モジュール810は順に接続されている、スロットレス導波路の等価伝送線路モデルを取得するためのスロットレス導波路等価サブモジュール(図示せず)と、スロットレス導波路の等価伝送線路モデル及び伝送線路行列理論に基づいて計算して、スロットレス導波路の伝送行列を取得するための第2スロットレス導波路伝送行列取得サブモジュール(図示せず)とを含む。
【0060】
一実施例において、アンテナ指向性パターン生成モジュール830は順に接続されている、ビーム指向調整可能なアンテナの伝送行列に基づいてシングルスロット単位の等価入力、出力割合を得るための等価入出力割合取得サブモジュール(図示せず)と、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンと右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターンとを取得するためのシングルスロット導波路指向性パターン取得サブモジュール(図示せず)と、左端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、右端に励振されるシングルスロット導波路の指向性パターン、及びシングルスロット単位の等価入力、出力割合に基づいてアンテナ指向性パターンを得るためのアンテナ指向性パターン生成サブモジュール(図示せず)と、を含む。
【0061】
一実施例において、ビーム指向調整可能なアンテナは1次元又は2次元アレイ構造である。
【0062】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の精神及び原則内で行われるあらゆる修正、同等置換及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
【国際調査報告】