(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-520588(P2021-520588A)
(43)【公表日】2021年8月19日
(54)【発明の名称】対話式ボリューム限界を定める3Dカーソルを用いた放射線医支援機械学習
(51)【国際特許分類】
G06T 15/08 20110101AFI20210726BHJP
G16H 50/20 20180101ALI20210726BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20210726BHJP
【FI】
G06T15/08
G16H50/20
A61B5/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2021-503696(P2021-503696)
(86)(22)【出願日】2019年3月26日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月1日
(86)【国際出願番号】US2019023968
(87)【国際公開番号】WO2019195022
(87)【国際公開日】20191010
(31)【優先権主張番号】62/651,934
(32)【優先日】2018年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/748,555
(32)【優先日】2018年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520384323
【氏名又は名称】ダグラス,デイヴィッド,バイロン
(71)【出願人】
【識別番号】520277106
【氏名又は名称】ダグラス,ロバート,イー.
(71)【出願人】
【識別番号】520277117
【氏名又は名称】ダグラス,キャスリーン,エム.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,デイヴィッド,バイロン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,ロバート,イー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス,キャスリーン,エム.
【テーマコード(参考)】
4C117
5B080
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XB09
4C117XD03
4C117XD26
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5B080AA17
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5L099AA04
(57)【要約】
コンピュータ化された医療診断システムが放射線医フィードバックに基づいて更新される訓練データセットを使用する。放射線医が3Dカーソルを断面撮像研究に対するチェックリストアプローチに組み込む。CAA/AIアルゴリズムがサブボリュームに対して実行される。セグメント化およびフィルタリングを通じた妨げのない視認を介してAI/CADアルゴリズムによって特定される所見を放射線医に提示することができる。「仮想バケット」を用いてALと放射線医との間の不一致を調整するプロセスが用いられる。放射線医は画像マークアップを行い、所見用語、診断および確実性レベルで画像をラベル付けし、次に、各バケットにサブボリュームを加えることによって、訓練データセットを後続のAIアルゴリズムのために拡張する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械学習能力を有する医療画像診断コンピュータで医療画像データを分析する間に訓練データセットを連続的に更新することを含む方法であって、
前記連続的に更新することは、
三次元カーソルを使用して、医療画像のサブボリュームを選択するステップであって、選択されるサブボリュームは、診断チェックリスト上の項目に対応する、使用するステップと、
前記選択されるサブボリュームを分析して、人間生成分析を作成するステップと、
該人間生成分析を用いて、前記訓練データセットを更新するステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記訓練データセットを用いて前記選択されるサブボリュームを分析して、前記選択されるサブボリュームを手作業で分析する前に前記診断コンピュータで機械生成分析を作成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に、前記人間生成分析と前記機械生成分析との間の不一致を解消することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記機械生成分析のためにコンピュータ作成説明を生成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に、前記説明に基づいて前記人間生成分析を更新することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記人間生成分析および機械生成分析のコンセンサス検討を促すことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に、前記コンセンサス検討に基づいて前記人間生成分析を更新することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記人間生成分析の作成を促進するために、前記診断コンピュータが前記チェックリスト上の前記項目に関連する患者特異的データを抽出し且つ提示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記人間生成分析を作成することは、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを作成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記機械生成分析を作成することは、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを作成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
所見と関連しない前記選択されるサブボリューム内の組織をフィルタリングして除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記選択されるサブボリューム内の組織に対してセグメント化を実行することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所見と関連する組織を包含するために、前記三次元カーソルを自動的にサイズ変更することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記チェックリストは、複数の項目を含み、それらの各々は、分析され、前記人間生成分析に基づいて報告書を生成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記人間生成分析と前記機械生成分析との間の不一致の表示を含めることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
診断の信頼性または危険性を視覚的に示す前記三次元カーソルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
所見と関連する組織を仮想容器内に配置することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
正常所見容器、疾患特異的容器、および鑑別診断容器から仮想容器を選択することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
医療画像データを分析しながら訓練データセットを連続的に更新するコンピュータプログラム論理を格納する非一時的媒体を含む、機械学習能力を有する医療画像診断コンピュータを含み、該医療画像診断コンピュータは、
三次元カーソルで医療画像のサブボリュームを選択する品目選択論理であって、前記選択されるサブボリュームは、診断チェックリスト上の品目に対応する、品目選択論理と、
前記選択されるサブボリュームの人間生成分析を作成する入力を受信する入力論理と、
前記人間生成分析に基づいて前記訓練データセットを更新する更新論理とを含む、
装置。
【請求項20】
前記人間生成文政期が生成される前に前記訓練データセットを用いて前記選択されるサブボリュームを分析して機械生成分析を作成する診断論理を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に前記人間生成分析と前記機械生成分析との間の不一致を解消する解消論理を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記機械生成分析のためのコンピュータ作成説明を生成する仮想教師を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記解消論理は、前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に前記説明に基づいて前記人間生成分析を更新する、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記解消論理は、前記人間生成分析および前記機械生成分析のコンセンサス検討を促す、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記解消論理は、前記人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に前記コンセンサス検討に基づいて前記人間生成分析を更新する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記人間生成分析の生成を促進するために、前記診断コンピュータが前記チェックリスト上の前記項目に関連する患者特異的データを抽出し且つ提示することを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
前記人間生成分析は、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および前記所見または前記診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項28】
前記機械生成分析は、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および前記所見または前記診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項29】
所見と関連しない前記選択されるサブボリューム内の組織を画像から除去するフィルタリング論理を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項30】
前記選択されるサブボリューム内の組織をセグメント化するセグメント化論理を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記所見と関連する組織を包含するために前記三次元カーソルをサイズ変更する論理を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項32】
前記チェックリストは、複数の項目を含み、それらの各々は分析され、前記人間生成分析に基づいて報告書を生成する論理を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項33】
前記報告書を生成する前記論理は、前記報告書中の前記人間生成分析と前記機械生成分析との間の不一致の表示を含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
診断の信頼性または危険性を視覚的に示す前記三次元カーソルを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項35】
所見と関連する組織が配置される仮想容器を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項36】
前記仮想容器は、正常所見容器、疾患特異的容器、及び鑑別診断容器から選択される、請求項35に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示の態様は、一般的には、医療分野におけるコンピュータ支援検出(CAD)および人工知能(AI)の使用に関し、より具体的には、診断放射線学における機械学習に関する。
【背景技術】
【0002】
AIおよびCADは、医用撮像分野を急速に変化させている。一例として、多くのマンモグラフィ実施者は、CADを使用して、2D撮像上の乳癌の検出を助けている。しかしながら、CADシステムは、臨床的影響についての最適化の欠如および性能効率の定量化の欠如を含む、限界を有する。
【発明の概要】
【0003】
この文書で述べる全ての例、態様および構成を、技術的に着想可能な任意の方法で組み合わせることができる。
【0004】
ある態様によれば、方法が、機械学習能力を有する医療画像診断コンピュータで医療画像データを分析する間に訓練データセットを連続的に更新することを含み、連続的に更新することは、三次元カーソルを使用して、医療画像のサブボリュームを選択するステップであって、選択されるサブボリュームは、診断チェックリスト上の項目に対応する、使用するステップと、選択されるサブボリュームを分析して、人間生成分析を作成するステップと、人間生成分析を用いて、訓練データセットを更新するステップとを含む。幾つかの実装は、訓練データセットを用いて選択されるサブボリュームを分析して、選択されるサブボリュームを手作業で分析する前に診断コンピュータで機械生成分析を作成することを含む。幾つかの実装は、人間生成分析を用いて訓練データセットを更新する前に、人間生成分析と機械生成分析との間の不一致を解消することを含む。幾つかの実装は、機械生成分析のためにコンピュータ作成説明を生成することを含む。幾つかの実装は、人間生成分析を用いて訓練データセットを更新する前に、説明に基づいて人間生成分析を更新することを含む。幾つかの実装は、人間生成分析および機械生成分析のコンセンサス検討を促すことを含む。幾つかの実装は、人間生成分析を用いて訓練データセットを更新する前に、コンセンサス検討に基づいて人間生成分析を更新することを含む。幾つかの実装は、人間生成分析の作成を促進するために、診断コンピュータがチェックリスト上の項目に関連する患者特異的データを抽出し且つ提示することを含む。幾つかの実装において、人間生成分析を作成することは、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを作成することを含む。幾つかの実装において、機械生成分析を作成することは、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを作成することを含む。幾つかの実装は、所見と関連しない選択されるサブボリューム内の組織をフィルタリングして除去することを含む。幾つかの実装は、選択されるサブボリューム内の組織に対してセグメント化を実行することを含む。幾つかの実装は、所見と関連する組織を包含するために、三次元カーソルを自動的にサイズ変更することを含む。幾つかの実装において、チェックリストは、複数の項目を含み、それらの各々は、分析され、方法は、人間生成分析に基づいて報告書を生成することを含む。幾つかの実装は、人間生成分析と機械生成分析との間の不一致の表示を含めることを含む。幾つかの実装は、診断の信頼性または危険性を視覚的に示す三次元カーソルを含む。幾つかの実装は、所見と関連する組織を仮想容器内に配置することを含む。幾つかの実装は、正常所見容器、疾患特異的容器、および鑑別診断容器から仮想容器を選択することを含む。
【0005】
ある態様によれば、装置が、機械学習能力を有する医療画像診断コンピュータを含み、診断コンピュータは、医療画像データを分析しながら訓練データセットを連続的に更新するコンピュータプログラム論理を格納する非一時的媒体を含み、三次元カーソルで医療画像のサブボリュームを選択する品目選択論理であって、選択されるサブボリュームは、診断チェックリスト上の品目に対応する、品目選択論理と、選択されるサブボリュームの人間生成分析を作成する入力を受信する入力論理と、人間生成分析に基づいて訓練データセットを更新する更新論理とを含む。幾つかの実装は、人間生成文政期が生成される前に訓練データセットを用いて選択されるサブボリュームを分析して機械生成分析を作成する診断論理を含む。幾つかの実装は、人間生成分析を用いて訓練データセットを更新する前に人間生成分析と機械生成分析との間の不一致を解消する解消論理を含む。幾つかの実装は、機械生成分析のためのコンピュータ作成説明を生成する仮想教師を含む。幾つかの実装において、解消論理は、人間生成分析を用いて前記訓練データセットを更新する前に説明に基づいて人間生成分析を更新する。幾つかの実装において、解消論理は、人間生成分析および機械生成分析のコンセンサス検討を促す。幾つかの実装において、人間生成分析を用いて訓練データセットを更新する前にコンセンサス検討に基づいて人間生成分析を更新する。幾つかの実装は、人間生成分析の生成を促進するために、診断コンピュータがチェックリスト上の前記項目に関連する患者特異的データを抽出し且つ提示することを含む。幾つかの実装において、人間生成分析は、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実装において、機械生成分析は、所見または診断を記述する用語、マークされたピクセルまたはボクセル、および所見または診断の確実性の表示のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実装は、所見と関連しない選択されるサブボリューム内の組織を画像から除去するフィルタリング論理を含む。幾つかの実装は、選択されるサブボリューム内の組織をセグメント化するセグメント化論理を含む。幾つかの実装は、所見と関連する組織を包含するために三次元カーソルをサイズ変更する論理を含む。幾つかの実装において、チェックリストは、複数の項目を含み、それらの各々は分析され、方法は、人間生成分析に基づいて報告書を生成する論理を含む。幾つかの実装において、報告書を生成する論理は、報告書中の人間生成分析と機械生成分析との間の不一致の表示を含む。幾つかの実装は、診断の信頼性または危険性を視覚的に示す三次元カーソルを含む。幾つかの実装は、所見と関連する組織が配置される仮想容器を含む。幾つかの実装において、仮想容器は、正常所見容器、疾患特異的容器、及び鑑別診断容器から選択される。
【0006】
特許または出願書類は,色を付けて作成した少なくとも1つの図面を含む。(複数の)有色図面を備えるこの特許又は特許出願公開の写しは、請求及び必要な手数料の納付後に、特許商標庁によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】統合的な放射線医支援機械学習プロセスのための鍵となる構成要素を図示している。
【0008】
【
図2】放射線医支援機械学習のためのチェックリストベースのボリューム毎3Dカーソルアプローチを図示する一般化されたフロー図である。
【0009】
【
図3】3Dカーソル内のボリュームが「正常」であるとAIが結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習についてのフロー図を図示している。
【0010】
【
図4】3Dカーソル内のボリュームが「特異的診断」であるとAIが結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習についてのフロー図を図示している。
【0011】
【
図5】3Dカーソル内のボリュームが各診断の尤度を伴う「鑑別診断」であるとAIが結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習についてのフロー図を図示している。
【0012】
【
図6】AIが検査を検討し且つ更なる撮像推奨を提供するシナリオについての放射線医支援機械学習のフロー図を図示している。
【0013】
【
図7】AIが検査を検討し且つ更なる管理推奨を提供するシナリオについての放射線医支援機械学習のフロー図を図示している。
【0014】
【
図8】検査されている関心領域に関連することがある電子カルテを通じてAI検索を介して特定された関連データの提示を図示している。
【0015】
【
図9】放射線医支援機械学習と共に3Dカーソルを使用することについてのフロー図および例示を提供している。
【0016】
【
図10】合成ボリュームと、サブボリュームと、ボリュームで境界を定める3Dカーソルとの間の関係を図示している。
【0017】
【
図11】拡張現実ヘッドセットを通じて見ていない放射線医ワークステーション(上)および張現実ヘッドセットを通じて見ている放射線医ワークステーション(下)を図示しており、放射線医は拡張現実(AR)ディスプレイを通じて見ているときにのみ仮想バケットを見ることができる。
【0018】
【
図12】3Dカーソルの外観がどのように変化してサブボリューム内の撮像所見の確実性レベルおよび重大度レベルを示すことができるかについての例を図示している。
【0019】
【
図13】放射線医支援するトレーニングの「正常な解剖学的バケット」態様内に正常なサブボリュームを配置することを図示している。
【0020】
【
図14】3Dカーソルによって境界を定められたボリュームを分析段階中に1つのバケットから次のバケットに移動させることができるような、仮想バケットシステムの使用を図示している。
【0021】
【
図15】3Dカーソルと放射線医支援機械学習報告技法とを組み込んだ放射線医学報告書を図示している。
【0022】
【
図16】放射線医支援機械学習のための標準化された用語、放射線医画像マークアップおよび放射線科医割当て済み重み付け係数を組み込むことによって、放射線医承認済み機械学習訓練データセットを作成するプロセスを図示している。
【0023】
【
図17】放射線医支援機械学習のための用語および重み付け係数を用いたラベル付けを介して放射線医支援機械学習と共に使用されるセグメンテーションを支援するための複数の3Dカーソルの使用のフロー図および例示である。
【0024】
【
図18】放射線医支援機械学習と共に画像マークアップおよび用語割当てを図示している。
【0025】
【
図19】撮像検査が放射線医の検討を必要とするかどうかをAIが決定する基準のサンプルセットを図示している。
【0026】
【
図20】深層学習アルゴリズムにおける放射線医画像マークアップおよび3Dカーソルの利用を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に記載の幾つかの態様、構成および実装は、コンピュータのようなマシン、電子部品、光学部品、およびコンピュータ実装ステップのようなプロセスを含んでよい。コンピュータ実装ステップが非一時的なコンピュータ可読媒体にコンピュータ実行可能な命令として格納されてよいことが、当業者に明らかであろう。更に、コンピュータ実行可能な命令が様々な有形プロセッサデバイスで実行されてよいことが、当業者によって理解されるであろう。説明の容易さのために、コンピュータまたはデータ格納システムの一部であることがある、あらゆるステップ、デバイスまたはコンポーネント(構成要素)が、ここに記載されているわけではない。当業者は、本開示の教示および当業者に一般的に利用可能な知識の観点から、そのようなステップ、デバイスおよびコンポーネントを認識するであろう。従って、対応するマシン及びプロセスは、使用可能であり、本開示の範囲内にある。
【0028】
この開示で使用される用語は、主題事項の適格性の範囲内で広義に解釈されることを意図する。「論理的(logical)」および「仮想的(virtual)」という用語は、他の構成の抽象化である構成、例えば、非限定的に、有形構成の抽象化である構成を指すために使用される。「物理的(physical)」という用語は、有形構成を指すために使用される。例えば、複数の仮想コンピューティングデバイスは、1つの物理的なコンピューティングデバイス上で同時に作動することができる。「論理(ロジック)(logic)」という用語は、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納され且つ多目的有形プロセッサによって実装される特別目的の物理回路要素およびソフトウェア命令を指すために使用される。更に、「3Dカーソル(3D cursor)」という用語は、ボリューム(容積)(volume)の境界を定める(subtends)カーソルのタイプを指すことを意図する。「サブボリューム(sub-volume)」という用語は、3Dカーソルと共に、3Dカーソル内のボリュームが、医療画像全体のボリュームの一部分のみを表すことを示すために使用されてよい(例えば、肝臓は、腹部および骨盤CTスキャン撮像ボリューム全体の3Dカーソルまたはサブボリュームに含められる)。
【0029】
2018年10月22日に出願された「A METHOD AND APPARATUS FOR RADIOLOGIST ASSISTED MACHINE LEARNING」という名称の特許文献1を参照により援用する。2018年4月3日に出願された「A METHOD TO OPTIMIZE THE INTERACTION BETWEEN A RADIOLOGIST AND ARTIFICIAL INTELLIGENCE COMPUTER SYSTEM THROUGH INTERACTIVE, VOLUME-SUBTENDING 3D CURSOR USE TO IMPROVE DIAGNOSTIC ACCURACY」という名称の特許文献2参照により組み込まれている。
【0030】
図1は、放射線医支援機械学習能力に関連する撮像および診断システムを図示している。一般に、機械学習は、コンピュータが、タスクのあらゆる態様を実行するように明示的にプログラムされることなく、タスクのパフォーマンスを漸進的に改善することを可能にする。画像処理および診断コンピュータ102上で作動するCADおよび/またはAIプログラム100は、医療診断を部分的に自動化し、放射線医の考察から学習する。システムは、コントローラ104およびヘッドセット106のような外部デバイスを含む。IOデバイス108(入出力デバイス)が、複数の2Dモニタを有する視認ステーションを含む。通信リンケージ(リンク装置)が、コントローラと画像処理および診断コンピュータとの間のリンク、画像処理および診断コンピュータとヘッドセットとの間のリンク、および画像処理および診断コンピュータの間のリンク、断面画像112を表示することができる画像アーカイブ通信システム(PACS)110のような、上記要素のいずれかの要素の間のリンクを含むことがある。特許文献3に従って画像を処理して、3Dボリューム113を形成することができる。患者医療記録117をモニタに表示することもできる。また、画像処理および診断コンピュータ116上のプログラムとして作動するのは、参照により援用する、コントローラからのコマンド、報告生成器、および質問書への回答を含むことがある患者医療記録およびPACSからのデータ抽出のためのAIに基づく3D画像生成および画像操作についての、2018年2月23日に出願された「PROCESSING 3D MEDICAL IMAGES TO ENHANCE VISUALIZATION」についての特許文献4である。関心のある解剖学的構造114の2D医療画像112が生成される。撮像能力116は、例えば、非限定的に、X線、超音波、マンモグラム、コンピュータ断層撮影法、磁気共鳴映像法、陽電子放出断層撮影法、単一光子放出コンピュータ断層撮影法、またはトモシンセシスを含んでよい。2D医療画像112は、プロセッサ118(例えば、CPUおよびGPU)、揮発性メモリ120(例えば、RAM)、および不揮発性記憶装置122(例えば、HDDおよびSSD)を含む、画像処理および診断コンピュータ100に提供される。画像プロセッサ上で作動するプログラム124は、放射線医支援機械学習(RAML)を達成するために、この特許に記載するステップのうちの1つ以上(1つ又はそれよりも多く)を実施する。医療画像は、IOデバイス126上に表示され、放射線医によってマークアップされる。IOデバイスは、単独でまたは組み合わせにおいて、仮想または拡張現実ヘッドセット106、モニタ、タブレットコンピュータ、PDA(個人情報端末)、携帯電話、または多種多様なデバイスのうちのいずれかを含んでよい。IOデバイスは、タッチスクリーンを含んでよく、キーボード、マウス、および様々な入力を受信するための多種多様なデバイスのうちのいずれかのような、(128によって表す)外部デバイスからの入力を受け入れてよい。最後に、対話式ボリュームの境界を定める3Dカーソル130(volume-subtending 3D cursors)および仮想バケット132を含む一連の仮想オブジェクトも、このシステムに不可欠である。
【0031】
図2は、放射線医支援機械学習のためのチェックリストベースのボリューム毎3Dカーソルアプローチ(volume-by-volume 3D cursor approach)を図示する一般化されたフロー図である。準備ステップは、PACSから検討のための症例をダウンロードすること、および特許文献3に概説されるような2D画像スライスのセットから3Dボリュームを作成することを含んでよい。追加的な準備ステップが、画像化された組織を別個の組織タイプにセグメント化することを含んでよい。ステップ200に示すように、放射線医(または他の医師)は、連続的に検討される鍵となる身体部分のチェックリストに従う。例えば、腹部/骨盤のCTスキャンについて、チェックリストは、肺底部、心臓、肝臓、胆嚢、脾臓、膵臓などを含んでよい。ステップ202に示すように、放射線医またはCPUは、対話型のボリュームの境界を定める3Dカーソルで第1のチェックリスト項目(例えば、肝臓)を選択する。ステップ204に示すように、AIは、検査される関心領域(すなわち、肝臓)に関連することがある患者情報について電子カルテ(電子医療記録)を検索する。これは画像の検討中に放射線医に提示される(例えば、テキストが、肝臓の画像に隣接して現れる)。例えば、重要な情報は、肝臓の検査中の最新の肝機能試験を含んでよい。ステップ206に示すように、3Dカーソル内のボリュームは、AIおよび/またはCADアルゴリズムによって分析される。アルゴリズムは、患者の以前のスキャンおよび既存のデータベースと比較する。AIは、3つの可能な結論を有する。第1に、AIは、3Dカーソル内の組織が正常であることを決定してよい。第2に、AIは、3Dカーソル内の組織が特異的な疾患であることを決定してよい。第3に、AIは、3Dカーソル内の組織が、診断のうちの各診断の特定の可能性を有する複数の疾患(すなわち、鑑別診断(differential diagnosis))を表し得ることを決定してよい。各シナリオで、AIは、臨床シナリオおよび撮像に合わされた推奨の撮像および/または(複数の)管理推奨を提供する。同時に、放射線医は、この通常の方法においてあるいは先進の視覚化技法を用いて、3Dカーソルボリューム内の組織の検討208を実行する。彼/彼女は、患者の以前のスキャンおよび既存のデータベースと比較する。放射線医は、3Dカーソル内の組織が正常であるか、特異的な疾患であるか、あるいは各診断の特定の可能性を有する鑑別診断であるかを決定してよい。放射線医は、推奨の撮像および/または(複数の)管理推奨を心の中で決定する。ステップ210に示すように、AI/CADおよび放射線医は、同じ結論に達することも、達しないこともある。(不一致が存在する場合に)不一致を解決する方法および放射線医支援機械学習プロセスを強化するためにサブボリュームを戦略的に利用する方法については
図3−7を参照のこと。ステップ212に示すように、放射線医は、チェックリスト上の次の項目に移動し、チェックリストが完了するまでプロセスを繰り返す。次に、所見の一致度、DDx、管理計画を検討し、(当て嵌まるならば)(複数の)注文/治療医師に報告し、通知する。
【0032】
図3は、AIが3Dカーソル内のボリュームが「正常」であると結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習のフローチャートを図示している。300で示すように、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームが正常であるというAIの結論に同意してよい。放射線医が同意するならば、3Dボリュームは「仮想正常所見バケット(virtual normal finding bucket)」内に配置されることができる(304)。放射線医は、チェックリスト上のこの項目が正常であると述べる(306)。放射線医は、同意した正常な所見を標準データベースに追加する選択肢を有する(308)。しかしながら、放射線医は、AIに同意しないこともある(302)。この場合、3Dボリュームは「仮想TBDバケット(virtual TBD bucket)」内に配置される(310)。ここでは、「仮想教師(virtual guru」が、理論的根拠(rationale)を提供する(例えば、仮想正常所見バケットから類似の症例を表示する)よう求められる。仮想教師の理論的根拠に基づいて、放射線医は、ここで、3Dカーソル内のボリュームが正常であると考え(312)、放射線医は、3Dボリュームを「仮想正常所見バケット」内に配置する(304)。放射線医が、仮想教師の説明にも拘わらず、依然として3Dカーソル内のボリュームが異常であると考えるならば(314)、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームを「仮想協力バケット(virtual collaborative bucket)」内に配置する(316)。この時点で、解釈する放射線医は、他の放射線医と協力して、3Dカーソル内の疑われた異常性を評価する。これは正式な放射線医学会議または非公式な「カーブサイドの(curveside)」放射線医と放射線医との間の協議の形式を取ることができる。放射線医学コンセンサスが、3Dカーソル内のボリュームが正常であることで仮想教師と一致するならば、ボリュームは、「仮想正常所見バケット」内に配置される(304)。放射線医学コンセンサスが、仮想教師と一致せず、単一の特異的診断があると信じるならば(320)、3Dボリュームは、「仮想疾患特異的バケット(virtual disease-specific bucket」内に配置される(322)。次に、報告書は、特異的疾患(または病理学実体)を議論する(324)。追加的なオプションは、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/または3Dボリュームを疾患特異的病理学データベースに追加することを含む(326)。放射線医学コンセンサスが仮想教師と一致せず、むしろ3Dカーソル内のボリュームが正常であると考えるならば、鑑別診断での異常性がある(328)。3Dボリュームは、「仮想ミステリーバケット(virtual mystery bucket)」内に配置される(330)。報告書は、放射線医および放射線医コンセンサスグループによって決定されるような特定の順序で鑑別診断を述べる。次に、最終的に3Dボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置するという目的を有する放射線医チャレンジグループのための選択肢がある。例えば、グループは、生検結果を追跡し、次に、サブボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置する(322)。
【0033】
図4は、AIが3Dカーソル内のボリュームが「特異的疾患」と結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習のフローチャートを図示している。400に示すように、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームが特異的疾患であるというAIの結論に同意することがある。放射線医が同意するならば、3Dボリュームは、「仮想疾患特異的バケット」内に配置されることができる(404)。放射線医学報告書は、特異的疾患を述べる(406)。AIプロセスは、正常な解剖学的構造および病理学の両方を正確に記述する能力も有さなければならないことに留意のこと。3Dカーソルおよび「仮想バケット」の使用を通じてこの特許において設計されるものに類似するフィードバックを用いて、AIによって実行される記述を向上させることができる。放射線医は、同意された3Dボリュームを疾患特異的データベースに追加する選択肢を有する(408)。しかしながら、放射線医は、AIに同意しないこともある(402)。この場合、3Dボリュームは、「仮想TBDバケット」内に配置される(410)。ここで、「仮想教師」が、理論的根拠を提供する(例えば、仮想疾患特異的バケットから類似の症例を表示する)ように求められる。仮想教師の理論的根拠に基づいて、3Dカーソル内のボリュームが前記特異的疾患を表すと放射線医が考えるならば(412)、放射線医は、3Dボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置する(404)。仮想教師の説明にも拘わらず、放射線医が依然として仮想教師に同意しないならば(414)、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームを「仮想協力バケット」内に配置する(416)。この時点で、解釈する放射線医は、他の放射線医と協力して、3Dボリュームを評価する。これは正式な放射線医会議または非公式な「カーブサイドの」放射線医と放射線医との間の協議の形式であることができる。放射線医コンセンサスが、3Dカーソル内のボリュームが前記特異的疾患であることで、仮想教師と同意するならば(418)、ボリュームは、「仮想疾患特異的バケット」内に配置される(404)。放射線医学コンセンサスが仮想教師と同意しないで、3Dボリュームは正常であると信じるならば(420)、3Dボリュームは。「仮想正常所見バケット」内に配置される(422)。次に、報告書は、チェックリスト上の項目が正常であると述べる(424)。選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/またはサブボリュームを「仮想正常所見バケット」に追加することを含む。放射線医学コンセンサスが仮想教師428と同意しないで、3Dボリュームは特異的疾患であると信じるならば(428)、3Dボリュームは「仮想特異的疾患バケット」内に配置される(430)。次に、報告書は、特異的疾患を述べる(432)。選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/または3Dカーソルボリュームを疾患特異的病理学データベースに追加することを含む(434)。最終的に、放射線学コンセンサスグループは仮想教師と同意しないで、3Dカーソル内のボリュームが鑑別診断であり得る信じることがある。この場合、3Dボリュームは、「仮想ミステリーバケット」内に配置される(438)。報告書は、議論した各診断の可能性を有する鑑別診断を述べる(440)。選択肢は、最終的に「仮想疾患特異的バケット」内に配置するという目標で、放射線学チャレンジグループに3Dカーソルを送信する(例えば、グループは、生検結果を追跡し、次に、サブボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置する(430))ことを含む。選択肢は、診断質問のサブボリュームおよび総撮像ボリュームの両方を放射線学チャレンジグループに送信することを含む。
【0034】
図5は、AIが、3Dカーソル内のボリュームが各疾患の特定の可能性を有する「複数の可能な疾患の鑑別診断」であると結論付けるシナリオについての放射線医支援機械学習のフローチャートである。500に示すように、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームが前記鑑別診断であるというAIの結論に同意することがある。放射線医が同意するならば、3Dボリュームは「仮想ミステリーバケット」内に配置されることができる(504)。放射線医学報告書は、特定の順序で鑑別診断を記述する(506)。AIプロセスは、正常な解剖学的構造および病理学の両方の撮像所見を正確に記述する能力も有さなければならないことに留意のこと。更に、AIシステムは、1つの鑑別診断が他の鑑別診断よりも好ましい理由についての撮像用語を用いることができなければならない。3Dカーソルおよび「仮想バケット」の使用を通じてこの特許において設計されるものと類似のフィードバックを用いて、AIによって実施される記述を向上させることもできる。放射線医は、同意した3Dボリュームを鑑別診断(DDx)データベースに加える選択肢を有する(508)。追加的な選択肢は、総撮像ボリュームの有無にかかわらず、問題のサブボリュームを放射線医チャレンジグループに送信することであり、チャレンジグループは、最終的に3Dボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置するという目標を有する。しかしながら、放射線医は、AIに同意しないこともある(502)。この場合、3Dボリュームは、「仮想TBDバケット」内に配置される(510)。ここでは、「仮想教師」が、理論的根拠を提供する(例えば、「仮想ミステリーバケット」から類似の症例の表示する)ように求められる。仮想教師の理論的根拠に基づいて、放射線医が、3Dカーソル内のボリュームが鑑別診断512の順序を含む前記鑑別診断を表すと考えるならば(512)、放射線医は、3Dボリュームを「仮想ミステリーバケット」内に配置する(504)。仮想教師の説明にも拘わらず、放射線医が依然として仮想教師に同意しないならば(514)、放射線医は、3Dカーソル内のボリュームを「仮想協力バケット」内に配置する(516)。この時点で、解釈する放射線医は、他の放射線医と協力して、3Dボリュームを評価する。これは正式な放射線医会議または非公式な「カーブサイドの」放射線医と放射線医との間の協議の形式であることができる。放射線医コンセンサスグループが、3Dカーソル内のボリュームが鑑別診断であり、鑑別診断の同意した可能性を有することを、仮想教師と同意するならば、ボリュームは「仮想ミステリーバケット」内に配置される(504)。放射線コンセンサスグループは、仮想教師と同意しないで、3Dカーソル内のボリュームが鑑別診断(異なる順序、異なるセットの診断、またはそれらの組み合わせ)であり得る信じることもある。この場合、3Dボリュームは、異なる「仮想ミステリーバケット」内に配置される(522)。報告書は、議論した各診断の可能性を有する鑑別診断を述べる(524)。選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、3Dカーソルを鑑別診断データベースに追加すること(526)、および/または(総撮像ボリューム及び臨床データ要素を備えるまたは備えない)サブボリュームを(最終的には「仮想疾患特異的バケット」内に配置するという目標を持って)放射線医学チャレンジグループに送信すること(例えば、グループが生検結果を追跡し、次に、サブボリュームを「仮想疾患特異的バケット」内に配置する(530))ことである。選択肢は、診断質問のサブボリュームおよび総撮像ボリュームの両方を放射線学チャレンジグループに送信することを含む。最終的に、放射線学コンセンサスが仮想教師と一致せず、3Dボリュームが正常であると信じるならば(536)、次に、3Dボリュームは「仮想正常所見バケット」内に配置される(538)。次に、報告書は、チェックリスト上の項目が正常であると述べる(540)。選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/またはサブボリュームを仮想正常所見データベースに加えることを含む(542)。
【0035】
図6は、AIが検査を検討して更なる撮像推奨を提供するシナリオのための放射線医支援機械学習のフロー図を図示している。放射線医がAIに同意するならば(600)、(複数の)3Dボリュームおよび追加の関連データ(例えば、電子カルテ(EMR)からのデータ)が「仮想撮像推奨バケット」内に一緒に配置される(604)。放射線医学報告書は、撮像推奨を述べる(606)。次に、選択肢は、ボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素を撮像推奨データベースに加えることである(608)。もし放射線医がAIに同意しないならば(602)、(複数の)3Dボリュームおよび追加的な関連データ要素は、「仮想TBDバケット」内に配置される(610)。ここでは、仮想教師が、理論的根拠を提供する(例えば、撮像フォローアップガイドラインを表示する)ように求められる。ここで、放射線医がAIに同意するならば(611)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、「仮想撮像推奨バケット」に加えられる(604)。仮想教師の論理的根拠にも拘わらず、放射線医が仮想教師に依然として同意しないならば(612)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、「仮想協力バケット」内に配置される(614)。放射線コンセンサスグループがAIと一致するならば(616)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、仮想撮像推奨バケットに加えられる(604)。放射線医学コンセンサスグループが同意しないで、代替的な撮像推奨が必要であると信じるならば(618)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、異なる「仮想撮像推奨バケット」内に配置される(620)。次に、放射線医学報告書は、撮像推奨を議論する(622)。この時点での選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/または(複数の)サブボリュームおよび(複数の)関連する関連データ要素を撮像推奨データベース内に配置することである(624)。
【0036】
図7は、AIが検査を検討して管理推奨を提供するシナリオについての放射線医支援機械学習のフロー図を図示している。放射線医がAIに同意するならば(700)、(複数の)3Dボリュームおよび追加的な関連データ(例えば、電子カルテ(EMR)からのデータ)が、「仮想管理推奨バケット」内に一緒に配置される(704)。放射線医学報告書は、管理推奨を述べる(706)。次に、選択肢は、ボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素を管理推奨データベースに加えることである(708)。放射線医がAIに同意しないならば(602)、(複数の)3Dボリュームおよび追加的な関連データ要素は、「仮想TBDバケット」内に配置される(710)。ここでは、「仮想教師」が、理論邸根拠を提供する(例えば、管理ガイドラインを表示する)ように求められる。ここで、放射線医がAIに同意するならば(711)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データは「仮想管理推奨バケット」に加えられる(704)。仮想教師の理論的根拠にも拘わらず、放射線医が依然として同意しないならば(712)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、「仮想協力バケット」内に配置される(714)。放射線医学コンセンサスグループがAIに同意するならば(716)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素が、「仮想管理推奨バケットに加えられる(704)。放射線医学コンセンサスグループが同意しないで、代替的な管理推奨が必要とされると信じるならば(718)、(複数の)3Dボリュームおよび(複数の)追加的な関連データ要素は、異なる「仮想管理推奨バケット」内に配置される(720)。次に、放射線医学報告書は、管理推奨を議論する(722)。この時点で、選択肢は、AIアルゴリズムを再訓練すること、および/または(複数の)サブボリュームおよび(複数の)関連データ要素を管理推奨データベース内に配置することである(724)。
【0037】
図8は、検査されている関心領域に関連することがある電子カルテを通じてAI検索を介して特定された関連データの提示を図示している。テキストボックスは、グレーで示されており(800)、画像の上方に位置している(802)。この図示において、AIは画像を処理し、肺癌の脳転移を含む鑑別診断を有する。従って、それはグレーボックス内に肺癌に関連する複数の潜在的なデータ要素を提示している。他の鑑別診断に関連するデータ要素も、AIアルゴリズムによって持ち込まれることができる。このプロセスは、多くの医療施設内の運用システムにおける潜在的な欠陥の一部を緩和するのに役立つ。第1に、医療画像を注文する医師は、患者の状態に影響する全ての関連因子を列挙することができないことがある。次に、放射線医は、患者の診療記録を得るために、異なる情報を得るために作業を変更しなければならない。関連することがあるデータを抽出するために医療記録を注入することは時間がかかる。現在開示しているシステムにおいて、AIプログラムは、患者に関連する情報を得るために、非限定的に、医療施設への入院時に記入された医療記録および患者質問票を含む記録を取得し、処理する。次に、このデータは、従来的な2Dモニタまたはヘッドセットに表示されることができ、キーボードまたはコントローラを介して放射線医によって操作されることができる。
【0038】
図9は、放射線医支援機械学習と共に3Dカーソルを使用するためのフロー図および図示を提供する。第1に、900に示すように、医療画像112の2D画像スライスは、特許文献3に従って3Dボリューム113を生成する。2Dスライスは、非限定的に、MRI、CT、PET、SPECTを含んでよい、タイプの医療画像である。2D画像は、既知のピクセル間隔および既知のスライス間隔を有するピクセルを含む。各ピクセルの周りを中心にして、ピクセル間の間隔に等しいXY平面内の寸法およびスライス間の間隔に等しいZ方向を備える3Dボクセル(例えば、立方体)が作成される。次に、902に示すように、3Dカーソル130でサブボリュームを選択し、カプセル化する。この時点での選択肢は、3Dカーソル130内の関心対象の組織を隔離することであり、それは、特許文献5に従って、セグメンテーション(すなわち、ボリューム内のボクセルを別個の組織タイプに分類すること)を行い、次に、フィルタリング(すなわち、関心のないボクセルを除去することによって、拡張現実、混合現実または仮想現実3D撮像アプローチを採る際に深部構造の視覚化を向上させること)を実行することを介して実行されることができる。904に示すように、コンピュータ支援検出(CAD)/人工知能(AI)は、3Dカーソル130内で境界を定められたボリュームに対して実行される。図示するように、肝臓を除いて、黒色破線3Dカーソル330内の全ての組織は、セグメント化され、フィルタリングされる(すなわち、取り除かれる)。肝臓内に小さな異常910を見ることができる。906に示すように、CAD/AIで識別された異常は、放射線医に提示される。例えば、従来的な断面画像112および/または基準線を備える追加的な3Dカーソル仮想現実/拡張現実/混合現実ディスプレイ106。更なるセグメント化およびフィルタリングを行うことができ、隔離された異常は、より小さな緑色破線の、立方体の形状の3Dカーソル130に提示されることに留意のこと。危険レベルおよび確実性レベルも、
図12に詳述されるように提供されることに留意のこと。最後に、908に示すように、(複数の)放射線医は、画像所見を分析し、機械学習のためのフィードバックを実行する。
【0039】
図10は、複合ボリュームと、サブボリュームと、ボリュームの境界を定めるDカーソルとの間の関係を図示している。図示において、灰色の様々な陰影の複数の形状は、1000によって示すような(複合撮像ボリュームとも呼ぶ)総撮像ボリュームにおける腹部および骨盤の臓器を表わしている。複数の3Dカーソル130が示されており、各3Dカーソルは、サブボリューム(すなわち、複合撮像ボリュームの一部)を表示している。例えば、1つの3Dカーソル130は、3Dカーソル130内の全ての他の組織がセグメント化およびフィルタリング(すなわち、除去)された状態の肝臓1002のサブボリュームを含む。サブボリュームを視覚化および分析する好ましい方法は、3Dカーソル内に含まれる各サブボリュームを維持することであるが、1003に示すように、3Dカーソル130に含められないで、サブボリュームを視覚化および分析することも可能である。別の例は、3Dカーソル130内の全ての他の組織がセグメント化およびフィルタリング(すなわち、除去)された状態の脾臓1004のサブボリュームを含む3Dカーソル130を含む。別の例は、3Dカーソル130内の全ての他の組織がセグメント化およびフィルタリング(すなわち、除去)された状態の膵臓1006のサブボリュームを含む3Dカーソル130を含む。最後に、別の例は、3Dカーソル130内の全ての他の組織がセグメント化およびフィルタリング(すなわち、除去)された状態の左腎1006のサブボリュームを含む3Dカーソル130を含む。サブボリュームは、それぞれ、従来的なスライス毎断面アプローチにおいてまたは拡張現実ヘッドセット106のような先進の3D視認を介して注意深く検査されることができる。診断システムは、チェックリストに従って検討されるボリュームを通じてサブ領域毎に1つのサブ領域を検討する能力(すなわち、効率的な検討のために放射線医によって指定されるサイズの3Dカーソル)を放射線医に提供する。更に、放射線医は、別個の臓器毎チェックリストを用いないで、総撮像ボリュームを通じてボリュームの境界を定める3Dカーソルを移動させることを決定してよい。この状況では、カーソルを初期視認位置に再位置決めすることおよび3Dボリュームを通じるカーソル経路の複合ビューを実行することができる。AI/CADアルゴリズムが特定されるとき、検討を行う放射線医は、これらの領域に特別な注意を払う。これらの領域は、この特許を通じて記載する構成に従って仮想報告バケット(virtual report bucket)(または他のバケット)に送信される。検討が完了した後に、放射線医は、3Dカーソルの全ての位置の表示を同時に誘発することによって、検討の完全性を検証することができる。この構成は、放射線医が、検討中に見逃したことがある撮像ボリュームの任意の一部を見て、必要に応じて戻って、検討の完全性を保証することを可能にする。このプロセスは、検討の低い誤差率を保証するのを助ける。
【0040】
図11は、放射線医がARディスプレイを見ているときにのみ仮想バケットを見ることができる、拡張現実ヘッドセットを通じて見ていない(上)放射線医ワークステーションおよび拡張現実ヘッドセットを通じて見ている(下)放射線医ワークステーションを図示している。放射線医は、選択したサブボリュームを総ボリュームから仮想的に引き出して、次に、それを仮想バケット内に配置する能力を有する。好ましいアプローチは、放射線医が自分のワークステーション上またはその付近に仮想バケットを見ることができる、拡張現実眼メガネ106を利用することである。しかしながら、放射線医ワークステーションが拡張現実メガネを持たないならば、「仮想バケット」を表すアイコンを従来的な2Dモニタ上で使用することができる。
【0041】
図12は、3Dカーソル外観がどのように変化して、サブボリューム内の撮像所見の確実性レベルおよび重大度レベルを示すことができるかの例を図示している。AIおよび/またはCADは、画像セットの初期分析を行う。放射線医が知る必要がある2つの鍵となる情報は、所見の危険性および所見の確実性レベルである。これらの2つの重要な部分は、カーソルの外観を変えることによって伝達されることができる。3Dカーソルの縁(margins)を定義する線は、(死を引き起こす合理的な可能性と定義される)危険な所見1200を示す赤、(症状を引き起こす可能性は高いが死を引き起こす可能性は低いと定義される)中間の所見を示す黄、および(症状または死を引き起こす可能性は低いと定義される)良性の所見1204を示す緑のように、所見の危険レベルに対応するように色分けされることができる。加えて、3Dカーソルの縁を定義する線は、高いレベルの確実性1206に対応するような実線、中間レベルの確実性1208に対応するような破線、または低いレベルの確実性1210に対応するような点線で現れることができる。よって、複数の組み合わせがある。赤色の中実の3Dカーソル1214は、高い確実性の危険な所見を示す。黄色の中実の3Dカーソル1216は、高い確実性の中間の所見を示す。緑色の中実の3Dカーソル1218は、高い確実性の良性の所見を示す。赤色の破線の3Dカーソル1220は、中間の確実性の危険な所見を示す。黄色の破線の3Dカーソル1222は、中間の確実性の中間の所見を示す。緑色の破線の3Dカーソル1224は、中間の確実性の良性の所見を示す。赤色の点線の3Dカーソル1226は、低い確実性の危険な所見を示す。黄色の点線の3Dカーソル1228は、低い確実性の中間の所見を示す。緑色の点線の3Dカーソル1230は、低い確実性の良性の所見を示す。好ましい選択肢は、チェックリスト項目(例えば、臓器)が正常の所見を有するならば、3Dカーソルが表示されないことである。放射線医は、新たな症例を開くとき、放射線医は、生命を脅かす所見があるかどうかを知るために「全ての赤いカーソルを示す」を選択し、当て嵌まるならば、注文医師に直ちに通知する。検討プロセスの間に、(複数の)放射線医は、自分の裁量で、AI/CADシステムを無効にし、注文医師が3DカーソルのAIセットおよび放射線医が調整した3Dカーソルのセットの両方を見ることができるように、外観(線のスタイルまたは色)を変更することができる。
【0042】
図13は、放射線医支援トレーニングの「通常の解剖学的バケット」態様内に正常なサブボリュームを配置することを図示している。腹部を通じて軸方向1300および画像1302コントラスト増強されたコンピュータ断層撮影(CT)画像。軸方向画像および冠状画像の両方は、起始部分と近位部分とを含む上腸間膜動脈(SMA)の部分を示す。図示のように、3Dカーソル130を使用して、関連組織をカプセル化して、腹部検査のCT内の総撮像ボリュームからサブボリュームを隔離する。SMAの起始部分および近位部分のカプセル化の後に、放射線医は、通常のSMAを含む3Dカーソル内のサブボリュームの複製コピーを生成し、3Dカーソル130内のコピーされたサブボリュームを仮想バケット132内に移動させることができ(1304)、この場合、仮想バケット132は、通常のSMA原点コントラスト増強CT仮想バケット132である。検査の総撮像ボリュームをサブボリュームに分割し、サブボリュームを特定のバケット内に配置するこのプロセスは、放射線医が承認した訓練データセットを作成するために使用されることができ、訓練データセットは、次に、機械学習アルゴリズムを訓練するために使用されることができる。
【0043】
図14は、3Dカーソルで境界を定められたボリュームを分析段階中に1つのバケットから次のバケットへ移動することができる、仮想バケットシステムの使用を図示している。放射線医検討の間に、関心/懸念組織の複数のクラスタおよび関心のない組織の複数のクラスタが発生することがある。このシナリオにおいて、AIは、総撮像ボリューム1400が正常であると決定するが、放射線医は、異常があると考えるが(1402)、それが何であり得るか不確かである。従って、放射線医は、サブボリュームおよび関心構造1402を含む3Dカーソル130を「仮想TBDバケット」1406内に配置する(1404)。放射線医は、3Dカーソル130によって収納されたサブボリューム内の組織を特異的に分析するように、「仮想教師」に求める。このシナリオにおいて、「仮想教師」は、3Dカーソル130に収納されたサブボリュームが正常であると結論付ける。放射線医は、次に、3Dカーソル130及びそのコンテンツを「仮想協力バケット」1410内に配置する(1408)。ここで、放射線医のグループは集まり、3Dカーソル内の関心構造1402が良性の椎骨血管腫であることで合意する。彼ら、すなわち、放射線医は、3Dカーソル内のサブボリュームを「良性椎骨血管腫」仮想バケット1414内に配置する(1412)。放射線医は、用語(例えば「コーデュロイ信号(corduroy sign)」および「椎骨血管腫」)重み付け因子(例えば「95%の確実性」)を割り当てることを選択してもよい(詳細について
図16を参照のこと)。このアプローチの別の鍵となる利点は、放射線医ピア検討プロセス(radiologist peer review processes)のための「バケット」システムの利用である。ピアは、正確性のために「正常解剖学的構造バケット」を検討することができる。代替的に、彼らは、正確性のために「仮想疾患特異的バケット」を検討することができる。バケット精度は、放射線医の技能レベルを決定する鍵となる要因である
【0044】
図15は、3Dカーソルおよび放射線医支援機械学習報告技法を組み込んだ例示的な放射線医学報告書を図示している。左手部分は、各チェックリスト項目を含む。右手の行は、チェックリスト上の各所見の結果を示している。各々の異常所見について、セグメント化され且つフィルタリングされたチェックリスト項目の画像が3Dカーソルを用いて表示され、危険レベルおよび確実性レベルを示す外観が異常時に表示される。右手部分は、異常所見の記述を含む。コンピュータで報告書を検討するならば、ヘッドセットメガネは、3Dカーソル内にカプセル化された異常および臓器を含むボリュームへのハイパーリンクを提供する。腹部所見には一貫性がなければならないことに留意することが重要である。例えば、円形のセンチメートル以下のリンパ節は、最初のチェックの間に、AIアルゴリズムによって通過させられてよい。次に、AIアルゴリズムは、チェックリスト上の後の項目で、癌性腫瘍を診断することがある。次に、AIアルゴリズムは、癌性腫瘍に照らして全ての構造を再評価するために、追加の時間をチェックリストに戻るべきである。例えば、9mmの丸いリンパ節は、初回通過時にAIアルゴリズムによって良性と特徴付けられることがある。次に、癌が診断される。次に、2回目の通過で、同じ9mmの円形リンパ節は、転移疾患の疑いがあると特徴付けられる。
【0045】
図16は、放射線医支援機械学習のために、標準化された用語、放射線医画像マークアップおよび放射線医割当て重み付け係数を組み込むことによって、放射線医が承認した機械学習訓練データセットを作成するプロセスを図示している。機械学習は、放射線医検討および診断検討を部分的に自動化するために使用されるAI/CADに基づいてよい。ステップ1600では、画像所見および診断のために用語のデータベースが作成される。ステップ1602において、放射線医は、放射線撮像および診断システムを使用して標準的な方法で診断撮像検査を視認する。ステップ1604において、放射線医は、放射線撮像および診断システムを使用して、撮像検査上の(複数の)診断にリンクされることがある所見を特定する。ステップ1606において、放射線医は、所見に関連する画像の1つ以上のピクセルまたはボクセルをマークする。これは、ボリュームの境界を定める3Dカーソルの使用、エリアまたはボリュームの周囲の領域の強調表示、または描画を通じて行われることができる。ステップ1608において、放射線医は、重み付け係数を、マークされたピクセルまたはボクセルのセットに割り当てる。ステップ1610において、放射線医は、マークされたピクセルまたはボクセルのセットを、上記ステップ1600における所見または診断に対応する用語にリンクさせる。ステップ1612では、報告書、放射線医によってマークされ且つ重み付け係数と関連付けられたピクセルおよび/またはボクセル、および用語が、撮像および診断システムによる機械学習のための訓練データセットに追加される。選択肢は、総撮像ボリューム、サブボリューム、または放射線医によってマークされたピクセルまたはボクセルのみを追加することを含む。最終的な結果は、関連する重み付け係数および用語を用いて放射線医によってマークアップされた特定のピクセルまたはボクセルを有する訓練データセットである。これは機械学習アルゴリズムの精度を向上させるために使用されることができる。
【0046】
図17は、放射線医支援機械学習のための用語および重み付け係数によるラベル付けを介して、放射線医支援機械学習と共に使用されるセグメント化を支援するための、複数の3Dカーソルの使用のフロー図および図示である。これは、AIシステムが、1つの病理(例えば、脳腫瘍)が複数の成分(構成要素)(例えば、非増強成分および増強成分)を有し得ることを理解し始めるのを助け得る。効率的なセグメント化アルゴリズムが、臨床実践へのRAMLの採用を助ける。図示の例は、腫瘍を有する脳1700の2D MRIスライスである。セグメント化アルゴリズムは、腫瘍材料の解剖学的構造および/または異なる成分(構成要素)を定義するために適用されることができる。コントローラを使用して、放射線医は、懸念組織および/またはチェックリスト項目と関連する組織を表示するように構成する。第1のステップ1700は、3Dカーソル130を、関心対象全体、例えば、腫瘍、および関心を持たない付加的な組織を含む、大きなボリューム/エリアの上に配置することである。これを達成するために、放射線医は、脳腫瘍全体を包含するのに十分な大きさの領域に亘って、ボリュームの境界を定める3Dカーソル130を移動させ、サイズ決定し、成形することができる。これを行うに際して、正常な脳組織、脳脊髄液、頭蓋骨、頭皮および頭部の外側の空気の成分(構成要素)が、典型的には、ボリュームの境界を定める3Dカーソル130の内側に含められる。第2のステップ1704、すなわち、3Dカーソル130を利用は、3Dカーソル130内にある構造にのみセグメント化アルゴリズムを適用することによって、このプロセスに効率および精度を加えることができる。次に、腫瘍の異なる成分(構成要素)の縁が、(放射線医またはコンピュータセグメント化アルゴリズムのいずれかによって)定義されることができる。例えば、セグメント化アルゴリズムは、腫瘍を非増強成分1708と増強成分1710とに分割することができる。腫瘍を隔離するのを更に助けるために、他の構造がラベル付けされることができ、引き続き、フィルタリングされることができる。例えば、小さな3Dカーソルは、脳脊髄液1712をマークする。また、小さな3Dカーソルは、正常な白質1714をマークする。セグメント化された成分は、RAMLプロセスにおいて仮想バケットシステムを介して将来のAIアルゴリズムを訓練するために使用されることができる。セグメント化を実行した後に、関心のある組織は、用語、重み付け係数を割り当てられ、人工知能アルゴリズム1706を改良するために使用されることができる。一例として、関心のない(複数の)ピクセルまたは(複数の)ボクセルを含む3Dカーソル1712は、用語(例えば、「Tl−FSPGR造影後シーケンス上の正常なCSF外観」など)および重み付け係数(例えば、神経放射線医の経験に基づく100%)でラベル付けされることができる。また、関心のセグメント化されたピクセル(またはボクセル)(すなわち、脳腫瘍1708の増強成分および脳腫瘍1710の非増強成分)は、用語(例えば、「多形性膠芽腫の増強成分」および「多形性膠芽腫の非増強成分」)および重み付け因子(例えば、100%の所与の生検および照明された病理)でラベル付けされることができる。
【0047】
図18は、放射線医支援機械学習と共に、画像マークアップおよび用語割当てを図示している。この図では、脳の3つの異なるMRIシーケンスが得られた。左上は拡散重み付け画像1800である。左中央は、造影後のTl重み付け画像1802である。左下は、T2重み付けFLAIR画像1804である。拡散画像上の鍵となるピクセルは、放射線医によってマークアップされ(1806)、関連する確実性レベルで(すなわち、マークされたピクセルが真正の「中枢性拘束拡散(central restricted diffusion)」を表す95%の確実性がある)、撮像所見用語(「中枢性拘束拡散」)が割り当てられ、撮像用語所見に基づく関連する確実性レベルで(すなわち、文献では、(「脳膿瘍(brain abscess)」の診断のための「中枢性拘束拡散」の撮像所見の感度(sensitivity)および特異度(specificity)が、それぞれ96%および96%であることが報告されている)、診断用語(すなわち、「脳膿瘍」)が割り当てられる。同様に、造影後のTl重み付け画像上の鍵となるピクセルは、放射線医によってマークアップされ(1808)、関連する確実性レベルで(すなわち、造影後のTl重み付けMRI上のマークアップされたピクセルが真正の「末梢性増強」を表す99%の確実性がある)、画像所見用語(すなわち、「末梢性増強」)が割り当てられ、撮像用語所見に基づく関連する確実性レベルで(すなわち、文献では、脳転移、脳膿瘍、神経膠腫、梗塞、挫傷、脱髄性疾患、および放射線後の変化を含む様々な状態が末梢性増強を引き起こしうる)、診断用語(すなわち、「脳膿瘍」)が割り当てられる。従って、特異度は低い。経験豊富な放射線医コンセンサスグループは、正確な感度および特異度に関して文献中にデータがない穴を埋めるのに役立つ)。最後に、T2重み付けFLAIR画像上の鍵となるピクセルは、放射線医によってマークアップされ(1810)、関連する確実性レベルで(すなわち、放射線医は、T2重み付けFLAIR画像上のマークアップされたピクセルが真正の「周囲血管性浮腫(surrounding vasogenic edema)」を表すことに90%確証を持っている)、撮像所見用語(すなわち、「周囲血管性浮腫」)が割り当てられ、撮像用語所見に基づく関連する確実性レベルで(すなわち、文献では、脳膿瘍、挫傷、および他の多くのものを含む様々な状態が、血管性浮腫を引き起こし得る)、診断用語(すなわち、「脳膿瘍」)が割り当てられる。従って、この撮像所見は、非特異的である。しかしながら、脳膿瘍は、脳内で炎症反応を誘発するため、血管性浮腫を有することは極めて一般的であり、脳膿瘍の診断についての血管性浮腫の感度は高い。最後に、関連する臨床データ(例えば、白血球数、バイタルサインなど)1812が、仮想バケット132内に配置される。脳神経外科を介した脳膿瘍の疑われる診断の確認後に、撮像検査、3Dカーソル、マークアップ、および関連する臨床データを、疾患特有の病理学のデータベースに加えることができ、それを用いて機械学習および人工知能アルゴリズムを精緻化することができる。
【0048】
図19は、撮像検査が放射線医の検討を必要とするかどうかをAIが決定する、提案される基準のセットを図示している。極めて短期的には、AIが正常所見の宣言において極めて正確である場合があることを着想可能であることに留意のこと。これらのそのような状況では、(
図3から更新される)改訂プロセスは、放射線医による検討を必要としないAIおよび/またはCADアルゴリズムで構成されることがある。しかしながら、(AIが100%の検出率に近づいていない)現状では、全ての症例が放射線医に渡される。システムは、異常が特定されないとAIおよび/またはCAD検討が結論付けるときに(1902)、高い程度の確実性と分類された良性の所見がある場合に(1904)、または以前の診断検査から変更されていない有意な所見がある場合に(1906)、システムが放射線医検討を促さないように設計されることができる。第1の症例の各因子は、高度の確実性、患者の来院理由の情報、および/または疑いを生じさせる医療記録の情報に依存して決定される。指定された状態が満たされているならば、システムは放射線医による検討を必要としない。全ての他の症例1910については、放射線医検討が促される。例えば、中間の確実性を有する所見は、放射線医によって検討される。別の例は、特定の診断の異常所見が放射線医によって検討されることである。更に別の例は、鑑別診断を伴う異常所見が放射線医によって検討されることである。AIおよび/またはCADは、初期診断を実施し、どの症例が放射線医検討を受けるかを決定するために決定基準を用いる。適用されることがある2つの因子は、AIおよび/またはCAD所見の危険性レベルおよび確実性レベルである。全ての危険な症例は、更なる検討のために放射線医に提供される。如何なる高い確実性の良性の症例も、放射線医による検討のために送信されない。他の組み合わせは、医療施設にとって政策的な問題である。しかしながら、AIおよび/またはCADが中間の所見について非常に信頼できることが証明されるまでは、これらの症例を放射線医に渡すことが賢明である。今日まで、AIおよび/またはCAD結果を検討することは、異なる身体部位について異なるレベルの精度を示すので、チェックリストが適用されるとき、異なるレベルの確実性が異なる身体部位に伴って生じる。
【0049】
図20は、深層学習アルゴリズムにおける放射線医画像マークアップおよび3Dカーソルの利用を図示している。最初の行では、脳2000の単一の軸方向MRI画像、または脳112の軸方向MRI画像のスタックを、隠れ層2001で構成される深層学習アルゴリズムに入力して、出力2003を生成することができ、上位3つの(またはそれよりも多くの)鑑別診断は、関連するランク順または確率と共に示されている。第2の行では、用語および重み付け係数2008に関連する放射線医によってマークアップされたピクセルの一部を有する脳の単一の軸方向MRI画像、または脳2009のマークアップされた軸方向MRI画像のスタックを、隠れ層2010で構成される深層学習アルゴリズムに入力して、出力2011を生成することができ、上位3つの(またはそれよりも多くの)鑑別診断は、関連するランク順または確率と共に示されている。第3の行では、脳2008の単一の軸方向MRI画像が、画像所見をマークする3Dカーソルで図示されている。サブボリューム2009をカプセル化する3Dカーソルを、隠れ層2010で構成される深層学習アルゴリズムに入力して、出力2011を生成することができ、上位3つの(またはそれよりも多くの)鑑別診断が、関連するランク順位または確率と共に示されている。第4の行には、放射線医による画像マークアップおよび3Dカーソルの両方を用いて、脳2012の単軸MRI画像が図示されている。サブボリューム2013をカプセル化する3Dカーソルを、隠れ層2014で構成される深層学習アルゴリズムに入力して、出力2015を生成することができ、上位3つの鑑別診断が、関連するランク順序または確率と共に示されている。(平均化を介した)単一または組み合わせアプローチを放射線医の裁量で実施して、自分の報告書中の最終的な報告されたランクリストを決定することができる。例えば、2つのアプローチ(例えば、マークされていない画像セットを利用する上行アルゴリズム、およびマークされた画像セットおよびサブボリュームを利用する下行アルゴリズム)を選択することができる。マークされていない画像セットアプローチは、膿瘍(85%の確率)および腫瘍(15%の確率)の鑑別診断を伴う1/3の重み付け係数が与えられる。放射線医がマークするサブボリュームアプローチは、膿瘍(95%の確率)および腫瘍(5%の確率)の鑑別診断を伴う2/3の重み付け因子が与えられる。よって、放射線医報告書において報告される組み合わせ確率は、膿瘍91.7%の確率および腫瘍8.3%の確率である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】米国仮特許出願第62/748,555号明細書
【特許文献2】米国仮特許出願第62/651,934号明細書
【特許文献3】米国特許第8,384,771号明細書
【特許文献4】米国特許出願第15/904,092号明細書
【特許文献5】米国特許出願第15/878,463号明細書
【国際調査報告】