特表2021-520981(P2021-520981A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-520981(P2021-520981A)
(43)【公表日】2021年8月26日
(54)【発明の名称】鼻プロテーゼの製作方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/18 20060101AFI20210730BHJP
【FI】
   A61F2/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2021-514261(P2021-514261)
(86)(22)【出願日】2018年8月31日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月16日
(86)【国際出願番号】KR2018010143
(87)【国際公開番号】WO2019221338
(87)【国際公開日】20191121
(31)【優先権主張番号】10-2018-0056637
(32)【優先日】2018年5月17日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520449286
【氏名又は名称】エニメディ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】520449297
【氏名又は名称】ベク、ジョン ファン
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベク、ジョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、グク ベ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、スン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ユン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ド ユン
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA29
4C097BB01
4C097CC05
4C097MM03
4C097MM07
(57)【要約】
本発明は、鼻プロテーゼの製作方法に関するものであって、本発明に係る鼻プロテーゼの製作方法は、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を取得する段階、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像に鼻骨と鼻腔と鼻軟骨との間の解剖学情報を適用して、鼻軟骨をモデリングする段階及び鼻骨の3次元映像及びモデリングされた鼻軟骨からプロテーゼが安着される内形をモデリングする段階を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を取得する段階、
(b)前記鼻骨の3次元映像及び前記鼻腔の3次元映像に前記鼻骨と前記鼻腔と鼻軟骨との間の解剖学情報を適用して前記鼻軟骨をモデリングする段階、及び
(c)前記鼻骨の3次元映像及びモデリングされた前記鼻軟骨からプロテーゼが安着される内形をモデリングする段階を含む鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項2】
前記(a)段階は、
CT映像を取得する段階、及び
前記CT映像から前記鼻骨の3次元映像及び前記鼻腔の3次元映像をセグメンテーションする段階を含む請求項1に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項3】
前記(b)段階は、
前記鼻腔の3次元映像にオフセット(offset)を適用して一定比率で拡大させる段階、及び
拡大された鼻腔の3次元映像と前記鼻骨の3次元映像を比較して拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するかを比較する段階を繰り返して、
拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するようにする第1オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階を含む請求項1に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項4】
前記(b)段階の前に、
前記鼻腔の3次元映像で左右の鼻腔のうち解剖学的に正常に近い鼻腔の形態を基準として左右対称になるように複製する段階をさらに含む請求項3に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項5】
前記鼻腔の3次元映像に前記第1オフセットから鼻軟骨の厚さに該当する値が差し引かれた第2オフセットを適用して一定比率で拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階、
前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像の表面から鼻翼軟骨(Lower lateral cartilage or Alar cartilage)及び外側鼻軟骨(Upper lateral cartilage)の外郭ラインを生成する段階、及び
前記外郭ラインに前記鼻軟骨の厚さを適用して、前記鼻翼軟骨と前記外側鼻軟骨の3次元形態をモデリングする段階をさらに含む請求項3に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項6】
前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階の後に、前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像に対して解剖学的な構造によって鼻腔の形態を補正する段階をさらに含む請求項5に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項7】
前記鼻腔の3次元映像から第3オフセットを適用して、鼻中隔軟骨(septal nasal cartilage)の両側面をモデリングする段階、及び前記モデリングされた外側鼻軟骨の先端の位置と鼻中隔骨の先端を連結するラインに沿って、前記鼻中隔軟骨の鼻背ラインをモデリングして、前記鼻中隔軟骨の3次元形態をモデリングする段階をさらに含む請求項5に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項8】
前記(c)段階は、
前記鼻骨の3次元映像での骨ライン及びモデリングされた鼻軟骨ラインを連結させて、プロテーゼの内形ラインを生成させる段階、
前記骨ラインと鼻軟骨ラインが連結された映像に粘膜の厚さに該当する第4オフセットを適用して一定比率で拡大させる段階、及び
前記第4オフセットを適用して一定比率で拡大された映像から前記プロテーゼの内形をモデリングする段階を含む請求項5または7に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項9】
前記プロテーゼの外形をモデリングする段階を含んでプロテーゼ全体をモデリングする段階、
前記モデリングされたプロテーゼの形状を製作するためのモールドをモデリングする段階、
前記モールドを製作する段階、及び
前記モールドにシリコンを注入して前記鼻プロテーゼを製作する段階をさらに含む請求項1に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項10】
前記プロテーゼの外形をモデリングする段階は、
前記プロテーゼの鼻長さ方向に垂直な各断面に対して、
整形手術前のスキンと整形手術後のスキンとの間の鼻背地点の高さの差から前記プロテーゼの内形と外形との間の高さを求める段階、及び
前記プロテーゼの鼻背地点と前記プロテーゼの内形の縁との間を前記整形手術後のスキンの形態に応じて、自由曲線モデリングをする段階を含む請求項9に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【請求項11】
前記モールドを製作する段階は、3Dプリンタを用いて製作する請求項9に記載の鼻プロテーゼの製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻プロテーゼ(nasal prosthesis)の製作方法に関する。より詳細には、鼻の整形手術に使用されるプロテーゼを患者テーラーメイド(tailor−made)で製作することができる鼻プロテーゼの製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、美容への関心の増加と共に整形への関心も爆発的に増加している。顔の部分のうち、鼻の整形も以前から今まで広く盛んに行われているが、鼻の整形は、鼻の内部にシリコンのような人工のプロテーゼを挿入して鼻の外形を高くする隆鼻術が一般的に多く使用される。
【0003】
従来の鼻の整形手術は、様々な長さ及び厚さを有するプロテーゼセットから患者の鼻の形状に合致するプロテーゼを施術者が選択し、手術中に鼻骨及び軟骨の屈曲を確認してプロテーゼが安着する内形を手術者が直接切削して製作する方法で進行された。
【0004】
しかし、この方法は、切削するのに多くの時間がかかり、手作業による切削で所望の形状のプロテーゼを製作することが容易ではないという問題点があった。また、プロテーゼが鼻骨及び軟骨に密着するように安着されず、間に空間を形成するようになると、感染、位置変形などの副作用が発生することになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、CT映像から確認されない鼻軟骨の形状を、CT映像からセグメンテーションされた鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像から解剖学情報を適用して軟骨の形状をモデリングし、モデリングされた軟骨の形状を反映して、プロテーゼが安着されるプロテーゼの内形を患者テーラーメイドでモデリングすることで、手術時間を短縮し、鼻骨及び軟骨に密着させることができるため、感染、位置変形などの副作用が発生しない鼻プロテーゼの製作方法を提供することにある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、本発明により、(a)鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を取得する段階、(b)前記鼻骨の3次元映像及び前記鼻腔の3次元映像に前記鼻骨と前記鼻腔と鼻軟骨との間の解剖学情報を適用して前記鼻軟骨をモデリングする段階、及び(c)前記鼻骨の3次元映像及びモデリングされた前記鼻軟骨からプロテーゼが安着される内形をモデリングする段階を含む鼻プロテーゼの製作方法によって達成されることができる。
【0008】
ここで、前記(a)段階は、CT映像を取得する段階、及び前記CT映像から前記鼻骨の3次元映像及び前記鼻腔の3次元映像をセグメンテーションする段階を含むことができる。
【0009】
ここで、前記(b)段階は、前記鼻腔の3次元映像にオフセット(offset)を適用して一定比率で拡大させる段階、及び拡大された鼻腔の3次元映像と前記鼻骨の3次元映像を比較して拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するかを比較する段階を繰り返して、拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するようにする第1オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階を含むことができる。
【0010】
ここで、前記(b)段階の前に、前記鼻腔の3次元映像で左右の鼻腔のうち解剖学的に正常に近い鼻腔の形態を基準として左右対称になるように複製する段階をさらに含むことができる。
【0011】
ここで、前記鼻腔の3次元映像に前記第1オフセットから鼻軟骨の厚さに該当する値が差し引かれた第2オフセットを適用して一定比率で拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階、前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像の表面から鼻翼軟骨(Lower lateral cartilage or Alar cartilage)及び外側鼻軟骨(Upper lateral cartilage)の外郭ラインを生成する段階、及び前記外郭ラインに前記鼻軟骨の厚さを適用して、前記鼻翼軟骨と前記外側鼻軟骨の3次元形態をモデリングする段階をさらに含むことができる。
【0012】
ここで、前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像を求める段階の後に、前記第2オフセットが適用された拡大された鼻腔の3次元映像に対して解剖学的な構造によって鼻腔の形態を補正する段階をさらに含むことができる。
【0013】
ここで、前記鼻腔の3次元映像から第3オフセットを適用して、鼻中隔軟骨(septal nasal cartilage)の両側面をモデリングする段階、及び前記モデリングされた外側鼻軟骨の先端の位置と鼻中隔骨の先端を連結するラインに沿って、前記鼻中隔軟骨の鼻背ラインをモデリングして、前記鼻中隔軟骨の3次元形態をモデリングする段階をさらに含むことができる。
【0014】
ここで、前記(c)段階は、前記鼻骨の3次元映像での骨ライン及びモデリングされた鼻軟骨ラインを連結させて、プロテーゼの内形ラインを生成させる段階、前記骨ラインと鼻軟骨ラインが連結された映像に粘膜の厚さに該当する第4オフセットを適用して一定比率で拡大させる段階、及び前記第4オフセットを適用して一定比率で拡大された映像から前記プロテーゼの内形をモデリングする段階を含むことができる。
【0015】
ここで、前記プロテーゼの外形をモデリングする段階を含んでプロテーゼ全体をモデリングする段階、前記モデリングされたプロテーゼの形状を製作するためのモールドをモデリングする段階、前記モールドを製作する段階、及び前記モールドにシリコンを注入して前記鼻プロテーゼを製作する段階をさらに含むことができる。
【0016】
ここで、前記プロテーゼの外形をモデリングする段階は、前記プロテーゼの鼻長さ方向に垂直な各断面に対して整形手術前のスキンと整形手術後のスキンとの間の鼻背地点の高さの差から前記プロテーゼの内形と外形との間の高さを求める段階、及び前記プロテーゼの鼻背地点と前記プロテーゼの内形の縁との間を前記整形手術後のスキンの形態に応じて、自由曲線モデリングをする段階を含むことができる。
【0017】
ここで、前記モールドを製作する段階は、3Dプリンタを用いて製作することができる。
【発明の効果】
【0018】
上記のような本発明の鼻プロテーゼの製作方法によれば、3次元イメージ技術を用いて、患者一人一人のテーラーメイドで鼻プロテーゼを製作することができるという長所がある。
【0019】
また、鼻軟骨とプロテーゼとの間の隙間を最小化して密着させることができるので、炎症、位置変形などの副作用を最小化することができるという長所もある。
【0020】
また、手術中に手術者がプロテーゼを切削する必要がないので、手術時間を短縮させることができるという長所もある。
【0021】
また、3次元イメージを基盤に鼻プロテーゼを製作するので、患者の手術結果をより正確に予測することができるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】顔の側面及び顎の下からのCT映像をそれぞれ示す図である。
図2図1のCT映像をセグメンテーションして取得した皮膚、骨及び鼻腔の3次元映像を示す図である。
図3】本発明の一実施例により、鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨をモデリングする過程の一部を示す図である。
図4】第1オフセットを適用して拡大された鼻腔の3次元映像と鼻骨の3次元映像から拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するかを比較する映像の図である。
図5図3に続いて鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨をモデリングする過程の一部を示す図である。
図6】本発明の一実施例によりモデリングされた鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨と実際の鼻軟骨写真を比較して示す図である。
図7】本発明の一実施例により、鼻中隔軟骨をモデリングする過程の一部を示す図である。
図8図7により鼻中隔軟骨の両側面をモデリングした後、鼻背ラインをモデリングして、最終的にモデリングされた鼻中隔軟骨をモデリングされた鼻翼軟骨と外側鼻軟骨と共に示す図である。
図9】本発明の一実施例によりモデリングされた軟骨を用いて、プロテーゼが安着される内形の基準形状をモデリングする過程の一部を示す図である。
図10】粘膜をモデリングした後に外側鼻軟骨の間のくぼみの部分をふっくらするように修正する前後の姿を示す図である。
図11図10の過程を説明するための図である。
図12図10での基準形状により、プロテーゼの内形をモデリングする過程を示す図である。
図13】整形前の鼻の3次元の姿及び整形後に要求される鼻の3次元の姿をモデリングして共に示す図である。
図14】鼻プロテーゼの外形をモデリングする過程を説明するための図である。
図15】本発明の一実施例により最終的にモデリングされた鼻プロテーゼを示す図である。
図16図15の鼻プロテーゼを製作するためにモデリングされたモールドを示す図である。
図17】従来の鼻プロテーゼと本発明による鼻プロテーゼを鼻に安着させた姿を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【0024】
本発明の利点および特徴、そしてそれを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0025】
以下、本発明の実施例によって、鼻プロテーゼの製作方法を説明するための図面を参考して、本発明について説明することにする。
【0026】
本発明の一実施例に係る鼻プロテーゼの製作方法は、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を取得する段階、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を用いて、鼻軟骨をモデリングする段階及び鼻骨の3次元映像及びモデリングされた鼻軟骨からプロテーゼが安着される内形をモデリングする段階を含んで構成されることができる。また、プロテーゼの外形を含んでプロテーゼ全体をモデリングする段階、モデリングされたプロテーゼの形状を製作するためのモールドをモデリングする段階、モールドを製作する段階、及びモールドにシリコンを注入して鼻プロテーゼを製作する段階をさらに含むことができる。
【0027】
図1は、顔の側面及び顎の下からのCT映像をそれぞれ示し、図2は、図1のCT映像をセグメンテーションして取得した皮膚、骨及び鼻腔の3次元映像を示す。
【0028】
図1(a)は、顔の側面を、図1(b)は、顎の下から撮影したCT映像を示しているが、一般的にCT映像から骨、体内の空いた空間、皮膚は把握することはできるが、軟骨は把握されない。参考までに、ここで骨とは軟骨でなく、CT上で把握される硬骨を意味する。従って、本発明においては、後述のようにCT映像で確認されない鼻軟骨の形状を、CT映像から把握される映像に対して解剖学的要素を適用してモデリングし、モデリングされた鼻軟骨を基礎に鼻プロテーゼの安着面である内形をモデリングするようにする。
【0029】
まず、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像を取得する。さらに、鼻プロテーゼの外形をモデリングするために、皮膚の3次元映像も取得することができる。このとき、CT映像でHU(Housefield Unit)値を調節してセグメンテーションする方法で、図2に示されているように、鼻の周りの3次元皮膚映像(図2(a))、3次元鼻骨映像(図2(b))及び3次元の鼻腔映像(図2(c))を取得することができる。HU値を調節して映像を取得する方法は、公知の技術を用いるもので、これに関する詳細な説明は省略することにする。
【0030】
次に、鼻骨の3次元映像及び鼻腔の3次元映像に解剖学情報を適用して鼻軟骨をモデリングする。鼻軟骨をモデリングする過程は、図3図8を参照して以下に詳述することにする。
【0031】
図3は、本発明の一実施例により、鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨をモデリングする過程の一部を示し、図4は、第1オフセットを適用して拡大された鼻腔の3次元映像と鼻骨の3次元映像から拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致するかを比較する映像の図であり、図5は、図3に続いて鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨をモデリングする過程の一部を示し、図6は、本発明の一実施例によりモデリングされた鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨と実際の鼻軟骨写真を比較して示し、図7は、本発明の一実施例により、鼻中隔軟骨をモデリングする過程の一部を示し、図8は、図7により鼻中隔軟骨の両側面をモデリングした後、鼻背ラインをモデリングして最終的にモデリングされた鼻中隔軟骨をモデリングされた鼻翼軟骨と外側鼻軟骨と共に示す。
【0032】
鼻軟骨は、鼻翼軟骨(Lower lateral cartilage or Alar cartilage)、外側鼻軟骨(Upper lateral cartilage)及び鼻中隔軟骨(septal nasal cartilage)で構成されるが、まず、鼻翼軟骨と外側鼻軟骨をモデリングする過程を説明することにする。
【0033】
本発明においては、CT映像からセグメンテーションして取得した鼻腔の3次元映像及び鼻骨の3次元映像を用いて鼻軟骨をモデリングする。図3(a)に示すように、CT映像から取得した鼻腔の映像が左右対称にならない場合、左右の鼻腔の映像のうち解剖学的に正常に近い形態の鼻腔を中心に左右対称になるように、鼻腔の映像を複製することができる(図3(b))。図3では、右側の鼻腔(被施術者の左側鼻腔に該当)形態が解剖学的に正常に近い形態を有するので、左側の鼻腔を右側に対称になるように複製させるようにした。
【0034】
次に、図3(b)映像に適正な値のオフセット(offset)を適用して、鼻腔の映像を一定比率で拡大させて鼻腔の大きさを拡大させる(図3(c))。このとき、図4に示されているように、鼻骨の3次元映像とオフセットを適用して拡大させた鼻腔の映像を重畳させた状態で、拡大された鼻腔が鼻骨の高さが一致するかを比較(図4で丸で表示された部分)し、拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致(これは、拡大された鼻腔と鼻骨が段差なく自然に連結されることを意味し得る。)するように、オフセット値を調整して拡大された鼻腔の映像を取得する。
【0035】
解剖学的に鼻骨と鼻軟骨は、自然に延長される形態を有し、鼻軟骨は、所定の厚さ(約0.5mm)の薄い膜の形態で鼻腔の縁の形態と類似した形態を有する。したがって、前記オフセットを適用して拡大された鼻腔の面は、鼻軟骨の外側面のモデリング形状を含むことができる。
【0036】
このとき、オフセットの値は、1.5mm内外の値を有することができるが、これは臨床によって平均的に鼻腔の映像に1.5mmオフセットを適用して映像を拡大させる場合、拡大された鼻腔が鼻骨の高さと一致することを確認して得た結果である。したがって、1.5mm値を基準にオフセット値を調整し、前記条件の拡大された鼻腔の映像を取得することができる。以下の説明においては、鼻骨と鼻腔の高さが一致するように鼻腔の映像を拡大したときに適用されるオフセット値を第1オフセットと称し、以下に説明することにする。
【0037】
次に、第1オフセットから鼻軟骨の厚さに該当する所定の値を差し引いた第2オフセットを図3(b)映像に適用して、また他の拡大された鼻腔の映像を取得することができる(図3(d))。このとき、鼻軟骨の厚さの値として0.5mmを設定することができるが、これは臨床で確認された鼻翼軟骨と外側鼻軟骨の平均厚さによった値である。したがって、第2オフセットは、第1オフセットから0.5mmを差し引いた値であり得る。例えば、第1オフセットの値が1.5mmである場合、第2オフセットの値は1mmであり得る。
【0038】
したがって、図3(d)は、鼻軟骨の底面が位置する基準面を形成し、前述した図3(c)は、鼻軟骨の上面が位置する基準面を形成するもので、2つの基準面の間にモデリングされた鼻軟骨が位置することになる。
【0039】
図5(a)は、図3(d)と同じく、第2オフセットを適用して拡大された鼻腔が示された映像を示し、本実施例では、第2オフセットが適用されて拡大された鼻腔の3次元映像を、鼻腔の解剖学的な構造によって鼻腔の形態を補正することができる(図5(b))。このとき、一般的に知られた鼻腔の解剖学構造と比較して過度にくぼんだり歪んだ部分は、ゆがんでない部分の先端を連結し、自然にボリュームを与えて滑らかな形態に補正させることができる。
【0040】
次に、補正された映像から3次元映像の表面で最も目立って突出した領域を基準にして、鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨の外郭ラインを生成する(図5(c))。
【0041】
次に、前述したように、臨床の平均によると、軟骨の厚さは0.5mmであるので、前記外郭ラインに厚さ0.5mmを適用して最終的に鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨をモデリングすることができる。
【0042】
図6は、本発明によりモデリングされた鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨と実際の鼻軟骨写真を比較して示したが、本発明によりモデリングされた鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨は、実際の鼻軟骨と解剖学的にほぼ同一にモデリングされることを確認することができる。
【0043】
本実施例においては、鼻翼軟骨と外側鼻軟骨を全体モデリングする過程を図面と共に説明したが、実際の鼻プロテーゼが安着されるのは鼻翼軟骨と外側鼻軟骨の上面であるので、図4に示すように、第1オフセットが適用された映像から鼻軟骨の上面のみモデリングして、後述するように鼻プロテーゼの内形をモデリングするのに用いることもできる。
【0044】
以下、鼻中隔軟骨をモデリングする過程を説明することにする。
【0045】
解剖学的に鼻プロテーゼが安着される内形の面のほとんどは、鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨から支持されるが、本実施例では、鼻プロテーゼのモデリングの正確度を高めるために鼻中隔軟骨をモデリングする過程をさらに含むことができる。
【0046】
図7(a)に示されているように、CT映像から先立ってモデリングされた鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨を表示すようにし、両側の鼻腔の間に鼻中隔軟骨が位置することができる領域を選択する(図7(b))。次に、両側の鼻腔の縁の線に第3オフセットを適用して鼻中隔軟骨の両側面をモデリングすることができる(図7(c))。このとき、鼻中隔軟骨は、0.5〜1mmの厚さを有するので、前記映像でこれを考慮して第3オフセットを設定することができる。両側の鼻腔の間に位置する鼻中隔軟骨の場合にも鼻中隔軟骨に隣接する両側の鼻腔の縁の線とほぼ一致するという解剖学的内容を反映して、本実施例では鼻腔の両側面をモデリングする。
【0047】
次に、図8に示すように、鼻中隔軟骨の鼻背ラインの上部は、両側の外側鼻軟骨の間に所定の高さで若干突出するように形成され、鼻中隔軟骨の鼻背ラインの下部は、モデリングされた外側鼻軟骨の下部先端の位置と鼻中隔骨の先端を連結するラインで切断する方法でモデリングされることができる。図8では、前記のような方法で、最終的にモデリングされた鼻中隔軟骨及び先立ってモデリングされた鼻翼軟骨と外側鼻軟骨を共に示す。
【0048】
前述した方法で鼻軟骨をモデリングした後に、鼻骨の3次元映像及びモデリングされた鼻軟骨の形状を用いてプロテーゼが安着される内形をモデリングする。
【0049】
図9は、本発明の一実施例によりモデリングされた軟骨を用いて、プロテーゼが安着される内形の基準形状をモデリングする過程の一部を示し、図10は、粘膜をモデリングした後に外側鼻軟骨の間のくぼみの部分をふっくらするように修正する前後の姿を示し、図11は、図10の過程を説明するための図であり、図12は、図10での基準形状により、プロテーゼの内形をモデリングする過程を示し、図13は、整形前の鼻の3次元の姿及び整形後に要求される鼻の3次元の姿をモデリングして共に示す図であり、図14は、鼻プロテーゼの外形をモデリングする過程を説明するための図であり、図15は、本発明の一実施例により最終的にモデリングされた鼻プロテーゼを示し、図16は、図15の鼻プロテーゼを製作するためにモデリングされたモールドを示す。
【0050】
まず、図9(a)に示すように、鼻骨の3次元映像及びモデリングされた軟骨を重畳させて位置させ、鼻骨と軟骨とのラインを連結して一体化させる方法(merge)で、図9(b)に示すようにプロテーゼの内形ラインを生成させる。
【0051】
前述したように、第1オフセットによって鼻腔を拡大した映像は、プロテーゼが安着される鼻翼軟骨及び外側鼻軟骨の上面を形成するので、第1オフセットによって拡大した映像と骨の映像を連結して一体化させるようにしてプロテーゼの内形ラインを生成させることもできる。
【0052】
次に、図9(b)映像で粘膜の厚さに該当する第4オフセットを適用して、前述した方法と同様の方法で一定比率で拡大させる(図9(c))。これは、鼻骨と軟骨の上に所定の厚さの粘膜が形成されるが、これを考慮するためである。臨床の平均によると、粘膜の厚さは0.3mmであり得る。
【0053】
したがって、鼻骨とモデリングされた軟骨の3次元イメージを連結させて一体化させ、第4オフセットを適用して拡大された映像(図9(c))が最終的に鼻プロテーゼの内形の基準面になることができる。
【0054】
好ましくは、図10図11に示されているように、モデリングされた外側鼻軟骨の間にくぼみの部分を、図11に示されているように、周りの粘膜(外側鼻軟骨)のラインに沿って自然に延長してふっくらするように補正することができる。
【0055】
次に、図12に示されているように、鼻根から鼻先まで延長されるプロテーゼベース100を生成し、粘膜の厚さを考慮して最終的にモデリングされたプロテーゼ内形の基準面を重畳させて、重畳する部分を除去する方法でプロテーゼの内形をモデリングすることができる。
【0056】
プロテーゼの内形がモデリングされた後にプロテーゼの外形をモデリングすることになるが、鼻プロテーゼの外形は、整形手術後の鼻の外部形態を決定するものであって、被施術者の要求事項及び/または施術者の意見を反映してデザインすることができる。
【0057】
このとき、内形がモデリングされたプロテーゼの内形を基準に所定の厚さ(例えば、4mm内外の厚さ)を生成させるようにし、被施術者の要求事項及び/または施術者の意見が反映されたプロテーゼの外形の形態を導出してモデリングすることができる。この過程で、鼻の手術前の鼻と鼻の手術後の形態でモデリングされた鼻の間の体積の差を求め、増加した体積をプロテーゼの体積と類似した値を有するようにプロテーゼの外形を設計することが好ましい。
【0058】
鼻プロテーゼの外形をモデリングする一実施例としては、まず図13に示されているように、整形前の3次元映像及び被施術者の要求事項及び/または施術者の意見が反映された整形後の3次元映像をモデリングして、これを重畳させて表示すことができる。
【0059】
次に、プロテーゼの鼻長さ方向に垂直な各断面に対して、プロテーゼの外郭ラインをモデリングする。図14では、整形前の皮膚と整形後の皮膚及び整形前の皮膚から整形後の皮膚に変形させるために、前述した方法で内形がモデリングされたプロテーゼが粘膜の上に安着された断面を示しており、鼻背地点について整形前と整形後との間の高さの差を求めることができ、これから鼻背地点に対応するプロテーゼの高さを求めることができる。次に、前記の方法で求められたプロテーゼの鼻背地点と前記方法でモデリングされたプロテーゼの内形の縁との間を整形手術後のスキンの形態を基準に自由曲線モデリングをする方法で鼻プロテーゼの外郭ラインをモデリングすることができる。このような方法で、各断面について外郭ラインをモデリングし、各断面に対して求められた外郭ラインをスムーズに延長する方法で鼻プロテーゼの外形を最終的にモデリングすることができる。
【0060】
図15は、前記の方法で最終的にモデリングされた鼻プロテーゼ200形状の一実施例を示す。
【0061】
次に、モデリングされた鼻プロテーゼ200の形態に鼻プロテーゼを製作するためのモールド300を図16に示すようにモデリングする。プロテーゼモールド300の上下位置には、それぞれ鼻プロテーゼを製作するためのシリコンを注入して排出させる注入口310及び排出口320が形成されることができる。上記のようにモデリングされたモールド300は、3Dプリンタを用いて製作されることができるが、これに限定されるものではない。
【0062】
図17は、従来の鼻プロテーゼと本発明に係る鼻プロテーゼを鼻に安着させた姿を示す。図17(a)は、従来の鼻プロテーゼセットから選ばれた鼻プロテーゼを鼻に安着させた姿を示し、図17(b)は、本発明により、患者テーラーメイドで製作された鼻プロテーゼを鼻に安着させた姿を示しているが、従来の場合、鼻プロテーゼが軟骨の上に密着できず、間に空間を形成するのに反して、本発明の場合、患者テーラーメイドで製作された鼻プロテーゼを軟骨の上に密着させることができるため、炎症または位置変形などの副作用を最小化することができる。
【0063】
本発明の権利範囲は、前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内で様々な形態の実施例で具現することができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも変形可能な多様な範囲まで本発明の請求範囲の記載の範囲内にあるものとみなす。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図3(d)】
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16(a)】
図16(b)】
図17(a)】
図17(b)】
【国際調査報告】