(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
低プロファイル表面フィーチャを視覚的に隠すため、また高プロファイル表面フィーチャの光学特性を確立するためにコーティング系が使用される。コーティング系は、3次元印刷を使用して製作された物品の表面の造形ラインを隠すのに有用である。コーティング系を使用して、パターンおよびテクスチャなどの意図的な表面フィーチャの光学特性を改質して、所望の光学効果を達成し得る。本発明によれば、コーティングされた物品は、(a)表面を含む物品であって、表面が、複数の低プロファイルフィーチャを含み、複数の低プロファイルフィーチャが、10μm〜200μmの表面領域粗さを有する、物品と、(b)表面を被覆するコーティング系であって、コーティング系が、1層以上のコーティング層を含み、コーティングされた表面が、10μm未満の表面領域粗さを有する、コーティング系と、を含む。
前記コーティング系が、前記複数の低プロファイルフィーチャの前記表面領域粗さの±50%以内である平均厚さを、前記低プロファイルフィーチャ間に有する、請求項1に記載のコーティングされた物品。
前記基材が、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャをさらに含み、前記複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、前記低プロファイルフィーチャの平均高さの400%〜1,000%である平均高さを有する、請求項1に記載のコーティングされた物品。
前記複数の低プロファイルフィーチャが、視覚的に明らかでなく、前記複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、視覚的に明らかである、請求項14に記載のコーティングされた物品。
前記1層以上のコーティング層の各々が、独立して、プライマーコーティング、ベースコート層、中間コート層、顔料層、トップコート層、または外側コーティング層を含む、請求項1に記載のコーティングされた物品。
前記1層以上のコーティング層が、独立して、透明コート、特殊効果コーティング、力覚コーティング、ソフトタッチコーティング、耐摩耗性コーティング、防汚性コーティング、膨張性コーティング、つや消し仕上げコーティング、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、請求項1に記載のコーティングされた物品。
前記意図的な3次元パターンが、皮革テクスチャ、木目パターン、規則的なパターン、不規則なパターン、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、請求項22に記載のコーティングされた物品。
前記物品が、熱可塑性物質、熱硬化性物質、金属、合金、複合材料、セラミックス、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、請求項1に記載のコーティングされた物品。
前記複数の低プロファイルフィーチャが、10μm超の表面領域粗さを有し、前記塗布されたコーティング系が、前記表面領域粗さの+/−50%以内である総厚さを有する、請求項31に記載の方法。
物品の表面上の複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャを強調する方法であって、前記表面が、複数の低プロファイルフィーチャを含み、コーティング系を前記表面上に塗布して、コーティングされた表面を提供することを含み、前記低プロファイルフィーチャが、前記コーティングされた表面上で視覚的に明らかではない、方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の詳細な説明の目的のために、本開示によって提供される実施形態は、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスを想定し得ることを理解されたい。さらに、任意の実施例以外、または別様に示される場合以外、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数は、すべての例において用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、また、均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0014】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータは、近似値であるにもかかわらず、特定の例において記載される数値は、できる限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準変動から必然的に得られる特定の誤差を本質的に含有する。
【0015】
また、本明細書に記載される任意の数値範囲は、その中に包含されるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることを理解されたい。例えば、「1〜10」の範囲は、記載された最小値である1および記載された最大値である10の間の(記載された値を含む)、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する、すべてのサブ範囲を含むことが意図される。
【0016】
3次元印刷された物品などの「物品」とは、例えば、物体、部品、組立体、サブ組立体、構造体、または装置を指す。物品は、サイズに限定はない。例えば、物品としては、ハンドヘルドデバイス、自動車ビークル部品、航空宇宙部品、建築物体、およびエンジニアリング構造が挙げられる。物品は、3次元印刷を使用するなど付加製造を使用して製作され得る任意の物体を含む。物品は、3次元印刷を使用するなど付加製造を使用して製作された表面または表面の一部を含む物体を含む。
【0017】
「付加製造」は、ロボット製造方法を広く包含する。付加製造の例としては、ステレオリソグラフィー、直接光処理、溶融堆積モデリング、溶融フィラメント製作、マルチジェットモデリング、3次元印刷、および選択的レーザー焼結が挙げられる。付加製造処理としては、例えば、材料押出、有向エネルギー堆積、材料ジェット、バインダージェット、シート積層、VAT重合、および粉末床溶融が挙げられる。付加製造法で使用される材料としては、熱可塑性物質、金属、セラミックス、および生化学物質が挙げられる。本明細書では、3次元印刷が具体的に言及されるが、本開示によって提供される材料および方法は、本段落で言及される任意の付加製造法を含む、付加製造を使用して製作される任意の物品に適用可能であることが理解されるであろう。
【0018】
「表面領域粗さ」は、プロフィロメータを使用して、または共焦点顕微鏡を使用して決定される。表面領域粗さは、例えば、キーエンスVR−3200マクロスコープなどの広域3D光学測定系を使用して決定され得る。表面領域粗さは、Ra(ラインの算術平均高さ)の表面への拡張である。表面領域粗さは、表面の算術平均と比較した各点の高さの差を表す。
【0019】
平行な印刷ラインおよびトポグラフィカルフィーチャなどのフィーチャの高さおよび平均高さは、プロフィロメータを使用して、またはキーエンスVR−3200マクロスコープを使用するなどの共焦点顕微鏡を使用して測定され得る。
【0020】
「視覚的に滑らか」とは、表面フィーチャが、少なくとも12インチ(30.5cm)の距離から表面を見ている人には見えないことを意味する。
【0021】
「視覚的に明らか」とは、表面フィーチャが、少なくとも12インチ(30.5cm)の距離から表面を見ている人に見えることを意味する。
【0022】
「印刷ラインを視覚的に隠す」とは、印刷ラインが、少なくとも12インチ(30.5cm)の距離から表面を見ている人には見えないことを意味する。
【0023】
「ソフトタッチコーティング」とは、様々な触覚感触、例えば、ベルベットのような触覚もしくは感触、絹のような触覚もしくは感触、またはゴムのような触覚もしくは感触を基材に付与し得るコーティングを指す。ソフトタッチコーティングはまた、良好な化学的および機械的耐性、ならびにコーティングで所望される他の特性も示し得る。
【0024】
「1K」組成物とは、共反応性構成要素が、出荷および貯蔵中などの使用前に組み合わされ、使用直前および/または使用中に反応が開始する組成物を指す。反応は、例えば、熱エネルギー、音響エネルギー、機械的エネルギーなどのエネルギーの付与、および/または化学線によって開始され得る。1K組成物は、塗布の直前および/または塗布中に活性化される潜伏性触媒を含み得る。潜伏性触媒の例としては、水分活性化触媒、コア/シェル封入剤、光開始触媒、光不安定性触媒、および他の潜在性触媒が挙げられる。1Kコーティングの例としては、UV照射を使用するなど、化学線によって硬化可能であるコーティングが挙げられる。
【0025】
「2K」とは、2つの別個の構成部分が、使用の直前または使用中に組み合わされる2液型コーティングを指す。2液型コーティングは、第1の構成部分と第2の構成部分とを含み、第1の構成部分は第1の反応性構成要素を含み、第2の構成部分は第2の反応性構成要素を含み、第1の構成要素は第2の構成要素に対して反応性である。塗布前に組み合わされると、第1および第2の構成要素は、共反応して共反応性組成物を形成する。共反応性構成要素の反応速度は、触媒を含むことによって、または熱エネルギーなどのエネルギーの付与によって変更され得る。反応性構成要素は、反応性官能基を有する化合物、ならびに例えば、触媒、充填剤、レオロジー制御剤、溶媒、着色剤、光開始剤、難燃剤、水分制御剤、および上記のうちのいずれかの組み合わせなどの1種以上の追加の構成要素を含み得る。2Kコーティングの例としては、ウレタンおよびポリオール構成要素が分離しており、噴霧プロセス中に組み合わされて硬化性コーティングを提供する、噴霧可能なウレタン/ポリオールコーティングが挙げられる。
【0026】
共反応性組成物は、1つ以上の第1の官能基を有する第1の化合物、および1つ以上の第2の官能基を有する第2の化合物を含み得、1つ以上の第1の官能基は、1つ以上の第2の官能基に対して反応性である。共反応性組成物では、第1の共反応性化合物は、1つ以上の第1の官能基を含み得、第2の共反応性化合物は、1つ以上の第1の官能基の各々が、1つ以上の第2の官能基の各々に対して反応性である、1つ以上の第2の官能基を含み得る。1つ以上の第1の官能基の各々は、同一であり得るか、または第1の官能基の少なくともいくつかは、他の第1の官能基と異なり得る。1つ以上の第2の官能基の各々は、同一であり得るか、または第2の官能基の少なくともいくつかは、他の第2の官能基と異なり得る。
【0027】
共反応性組成物は、少なくとも1種の第3の共反応性化合物を含み得、少なくとも1種の第3の共反応性化合物は、2つ以上の第3の官能基などの1つ以上の第3の官能基を含み得る。1つ以上の第3の官能基の各々は、同一であり得るか、または第3の官能基の少なくともいくつかは、他の第3の官能基と異なり得る。1つ以上の第3の官能基の各々は、1つ以上の第1の官能基の各々に対して反応性であり得、1つ以上の第3の官能基の各々は、1つ以上の第2の官能基の各々に対して反応性であり得、1つ以上の第3の官能基の各々は、1つ以上の第1の官能基の各々および1つ以上の第2の官能基の各々に対して反応性であるか、または1つ以上の第3の官能基のうちの少なくとも1つは、1つ以上の第1の官能基のうちの少なくとも1つに対して反応性であり、1つ以上の第3の官能基のうちの少なくとも1つは、1つ以上の第2の官能基のうちの少なくとも1つに対して反応性である。
【0028】
共反応性官能基の例は周知である。例えば、第1の官能基は、チオール基であり得、第2の官能基は、チオール基、アルケニル基、アルキニル基、エポキシ基、マイケル受容体基、イソシアネート基、または上記のうちのいずれかの組み合わせであり得る。これらの硬化化学は、長い可使時間または有用な作業時間と、高速硬化速度とのバランスを提供するように適合させ得る。有用な硬化化学の例としては、ヒドロキシル/イソシアネート、アミン/イソシアネート、エポキシ/エポキシ、およびマイケル受容体/マイケル受容体反応が挙げられる。したがって、第1の官能基は、イソシアネートを含み得、第2の官能基は、ヒドロキシル基、アミン基、またはこれらの組み合わせを含み得る。第1の官能基は、エポキシ基を含み得、第2の官能基は、エポキシ基を含み得る。第1の官能基は、マイケル受容体基を含み得、第2の官能基は、マイケル受容体基を含み得る。第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、マレイン酸基、またはフマル酸基などのマイケル受容体基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基または第二級アミン基であり得る。第1の官能基は、イソシアネート基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基、第二級アミン基、ヒドロキシル基、またはチオール基であり得る。第1の官能基は、環状カーボネート基、アセトアセテート基、またはエポキシ基であり得、第2の官能基は、第一級アミン基または第二級アミン基であり得る。第1の官能基は、チオール基であり得、第2の官能基は、アルケニル基、ビニルエーテル基、または(メタ)アクリレート基であり得る。第1の官能基は、(メタ)アクリレート基、シアノアクリレート、ビニルエーテル、ビニルピリジン、またはα、β不飽和カルボニル基などの、マイケル受容体基であり得、第2の官能基は、マロン酸基、アセチルアセトネート、ニトロアルカン、または他の活性アルケニル基であり得る。第1の官能基は、チオール基であり得、第2の官能基は、アルケニル基、エポキシ基、イソシアネート基、アルキニル基、またはマイケル受容体基であり得る。第1の官能基は、マイケルドナー基であり得、第2の官能基は、マイケル受容体基であり得る。第1の官能基および第2の官能基の両方は、チオール基であり得る。第1の官能基および第2の官能基の両方は、アルケニル基であり得る。第1の官能基および第2の官能基の両方は、(メタ)アクリレート基などのマイケル受容体基であり得る。第1の官能基はアミンであり得、第2の官能基は、エポキシ基、イソシアネート基、アクリロニトリル、エステルおよび無水物を含むカルボン酸、アルデヒド、またはケトンから選択され得る。好適な共反応性官能基は、例えば、Noomen,Proceedings of the XIIIth International Conference in Organic Coatings Science and Technology,Athens,1987,page 251、およびTilletら,Progress in Polymer Science,36(2011),191−217に記載されている。
【0029】
本開示によって提供されるコーティング系は、低プロファイル表面フィーチャを視覚的に隠し、高プロファイル表面フィーチャの光学特性を確立および/または強調するように設計される。
【0030】
表面は、表面の所望の視覚的外観を損なう、妨害する、かつ/または妥協する低プロファイルフィーチャを含み得る。低プロファイルフィーチャがあると、表面がくすんだりまたはかすんだりする場合がある。低プロファイルフィーチャは、表面上にランダムに、表面上に不均一に、表面上に均一に分散され得る。低プロファイルフィーチャは、不規則であり得るか、または低プロファイルフィーチャは、不規則であり得る。低プロファイルフィーチャは、意図しないものであり得る。例えば、低プロファイルフィーチャは、製造プロセスの人工物であり得る。例えば、特定の鋳造操作は、粗い表面を有する物品を生成し得る。3次元印刷などの付加製造は、印刷ラインを有する表面を生成し得る。印刷ラインは、材料層の逐次堆積から得られる平行なフィーチャであり得る。印刷ラインの高さおよび隣接する印刷ライン間の分離は、各層に堆積した材料の体積、印刷速度、材料粘度、堆積した材料の硬化速度または固化速度、材料温度、材料が熱可塑性物質または熱硬化性物質であるかどうかなどの堆積している材料の種類、堆積した層の厚さ、および/または堆積した層の幅などの多数の要因に依存し得る。
【0031】
低プロファイル表面フィーチャは、そうでなければ実質的に滑らかな表面上に配置され得る。あるいは、低プロファイル表面フィーチャは、意図的な表面トポグラフィを有する表面上に組付けられ得る。例えば、物品の表面は、意図的なテクスチャおよび/またはパターンを含み得る。意図的なテクスチャは、表面に触覚特性および/または視覚特性を提供し得る。意図的な表面トポグラフィは、例えば、成形、熱成形、エンボス加工、またはインプリントなどの方法によって生成され得る。3次元印刷などの付加製造法を使用して、意図的な表面トポグラフィが生成され得る。意図的な表面フィーチャは、低プロファイル表面フィーチャよりも高いプロファイルを有し得る。例えば、低プロファイル表面フィーチャは、表面の公称平面よりも上の第1の高さを有し得、高プロファイルフィーチャは、表面の公称平面よりも上の第2の高さを有し得、第2の高さは、第1の高さよりも高い。第2の高さは、例えば、第1の高さよりも0.5倍、1倍、2倍、3倍、5倍、10倍、20倍、50倍、または100倍高くなり得る。低プロファイル表面フィーチャは、高プロファイル表面フィーチャの視覚特性をマスキングまたは妨害し得る。
【0032】
3次元印刷を含む付加製造を使用して製作された物品などの物品の表面は、逐次堆積プロセスから得られる、印刷ラインとも称される造形ラインなどの低プロファイル表面フィーチャを含み得る。そのような物品の表面は、望ましくない場合がある平行な筋を特徴とし得る。印刷ラインは、視覚的および/または触覚的に粗い表面をもたらし得る。印刷ラインは、隣接するラインが、長さ全体にわたってほぼ同じ距離で離れていることを意味する、実質的に平行であり得る。平行な印刷ラインは、線形または非線形であり得る。付加製造はまた、意図的な表面トポグラフィを有する表面を製作するためにも使用され得る。意図的な表面トポグラフィは、例えば、パターン化された形状または表面に付与されるテクスチャの形状をとり得る。意図的な表面フィーチャは、造形ラインなどの低プロファイル表面フィーチャのプロファイルよりも大きいプロファイルを特徴とし得る。
【0033】
本開示によって提供されるコーティング系は、低プロファイル表面フィーチャを視覚的に隠し得るか、または視覚的に滑らかにし得、高プロファイルフィーチャの光学特性を確立するために使用され得る。例えば、1層以上のコーティング層は、表面フィーチャが視覚的に明らかでないように、低プロファイルフィーチャを有する表面に塗布され得る。加えて、コーティングは、高プロファイルトポグラフィカルフィーチャの視覚的外観を改質するために使用され得る。改質の例としては、意図的な表面フィーチャを強調すること、意図的な表面フィーチャの反射および/または反射角を改質すること、および/または意図的な表面フィーチャのコントラストを改質することが挙げられる。光学特性としては、電磁スペクトルの紫外線領域、可視光領域、および/または赤外線領域の特性を挙げることができる。光学特性としては、意図的な表面フィーチャを有する表面を見ている人には明らかであろうように、電磁スペクトルの可視光領域内の光学特性を挙げることができる。
【0034】
本開示によって提供される多層コーティングとしては、プライマーコーティング、シーラーコーティング層、ベースコート層、中間コート層、トップコート層、外側コーティング層、または上記のうちのいずれかの組み合わせを挙げることができる。コーティング化学としては、ウレタン/ポリオールコーティング化学およびエポキシコーティング化学などの好適なコーティング化学を挙げることができる。コーティングは、噴霧を含む任意の好適な方法を使用して表面に塗布され得る。好適な多層コーティング化学としては、自動車再仕上げコーティングなどの再仕上げコーティングが挙げられる。個々のコーティング層の化学は、他のコーティング層の化学とは異なり得る。特定のコーティング層は、水性であり得る。
【0035】
プライマーコーティング層が選択されて、下地基材への接着を提供し得る。プライマーコーティング層が選択されて、下地基材への接着を増強し得る。例えば、プライマーコーティング層は、ウレタン系プライマーコーティング層またはエポキシ系プライマーコーティング層であり得る。
【0036】
シーラーコーティング層は、環境から下地プライマーコーティング層への溶媒および水の拡散を防止または最小化し得る。シーラーコーティング層はまた、基材の構成成分の拡散が、多層コーティングの上層への移行するのを防止または最小化し得る。例えば、シーラーコーティング層は、ウレタン系シーラーコーティング層またはエポキシ系シーラーコーティング層であり得る。
【0037】
ベースコートおよび中間コートは、多層コーティングの外観および色を改質するために使用され得る。ベースコートおよび中間コートは、透明であり得、顔料を含有し得、かつ/または光散乱添加剤を含有し得る。
【0038】
トップコートは、最上部のコーティング層であり得る。トップコートは、例えば、透明であり得るか、光沢コーティングであり得るか、またはつや消し仕上げを示し得る。トップコートは、例えば、耐摩耗性であり得る。
【0039】
外側コーティング層は、1種以上の所望のフィーチャを多層構造に付与し得る。例えば、外側コーティング層は、耐擦傷性、耐摩耗性、防汚性、耐指紋性、洗浄液耐性であり得、審美品質を付与し得、かつ/または触覚特性を付与し得る。後者の例として、外側コーティング層は、ソフトタッチコーティングなどの力覚コーティングであり得る。
【0040】
層の機能および特性は、単一の層に組み合わせることができ、必ずしも相互に排他的ではない。一般に、多層コーティングは、第1のコーティング層を有し得、第1のコーティング層は、低プロファイルトポグラフィカルフィーチャを滑らかにする、または視覚的に隠すため、かつ基材と、多層コーティング系の1つ以上の被覆層との間の接着を提供するために下地基材に塗布され得る。
【0041】
本開示によって提供されるコーティング系は、金属表面、合金表面、導電性熱可塑性物質表面、または導電性熱硬化性物質表面に塗布され得る電着コートコーティング系を含み得る。基材は、電着コーティング工程によって膜形成する樹脂を含むコーティング組成物と接触し得、電着組成物は、電着によって導電性基材上に堆積する。電着プロセスでは、処理された導電性基材は、電極として機能し、導電性対電極は、イオン性電着組成物と接触して配置され得る。電極および対電極が電着組成物と接触している間に、電極と対電極との間に電流が通過すると、電着組成物の粘着膜は、実質的に連続的に金属基材上に堆積し得る。電着は、50〜500ボルトなどの1ボルト〜数千ボルトの範囲内の一定電圧で実施され得る。電流密度は、1.0A/ft
2〜15A/ft
2(10.8A/m
2〜161.5A/m
2)であり得、電着プロセス中に減少し得、連続自己絶縁膜の形成を示す。電着組成物は、水性媒体中に分散している樹脂相を含み得、樹脂相は、(a)活性水素基含有イオン電着樹脂と、(b)(a)の活性水素基と反応する官能基を有する硬化剤と、を含む。電着組成物は、主要な膜形成ポリマーとして、活性水素含有イオン性、多くの場合カチオン性電着樹脂を含み得る。電着コーティングの例は、例えば、米国出願公開第2016/00204055号および米国出願公開第2019/0040530号に開示され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0042】
コーティング系は、低プロファイル表面フィーチャを視覚的に隠し、パターンおよびテクスチャなどの高プロファイル表面フィーチャの光学特性を確立することが望ましい任意の好適な物品の表面に塗布され得る。
【0043】
物品は、例えば、熱可塑性物質、熱硬化性物質、金属、合金、セラミック、複合材料、またはこれらの組み合わせであり得る。物品は、3次元印刷によるなど付加製造を使用して製作され得る。物品は、表面を含む物品であり得、表面は、3次元印刷によるなど付加製造を使用して製作される。例えば、物品は、金属を含む基材と、3次元印刷を使用して堆積した熱可塑性物質を含む表面と、を含み得る。
【0044】
好適な熱可塑性物質の例としては、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリビニルカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、熱可塑性エラストマー、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0045】
好適な熱硬化性物質の例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ尿素、フェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン、ジアリル−フタレート、エポキシ、ベンゾオキサジン、ポリイミド、ビスマレイミド、シアネートエステル、シリコーン、ビニルエステル、および上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0046】
好適な金属の例としては、アルミニウム、クロム、銅、ニッケル、鉄、マグネシウム、チタン、コバルト、亜鉛、および上記のうちのいずれかの合金が挙げられる。
【0047】
プラスチックは、中でも自動車、工業、航空宇宙、および家電市場に使用する成形された物品の調製のために、幅広い種類の成形用途で使用されている。例えば、ビークルには、ミラーケーシング、フェンダー、バンパーカバー、スポイラー、ダッシュボード、およびインテリアトリムなどのプラスチックから構成される多くの内装物品および外装物品およびアタッチメントが含まれる。商用航空機などの航空宇宙ビークルはまた、ポリマー材料から製作される外装物品および内装物品も含む。そのような物品の調製は、一般に、物品を成形する工程、成形された物品に1層以上の膜形成コーティング層を塗布して、物品を保護および/または着色する工程を含む。
【0048】
ますます、そのような物品は、3次元印刷などの付加製造技術を使用して製作されている。金属および複合材料物品も、様々な付加製造技術を使用して製作されている。
【0049】
コーティング系の1層以上の層は、熱硬化性ポリマー組成物を含むコーティング組成物から堆積し得る。熱硬化性組成物とは、硬化または架橋時に不可逆的に「セット」されるポリマー組成物を指し、ポリマー構成要素のポリマー鎖は、共有結合によって一緒に結合する。この特性は、通常、例えば、熱または放射線によって多くの場合誘導される組成物構成成分の架橋反応に関連する。硬化または架橋反応はまた、周囲条件下で実施され得る。硬化または架橋すると、熱硬化性樹脂は、熱の印加時に溶融せず、溶媒に不溶である。他の実施形態では、保護および装飾コーティング系の1層以上の層は、熱可塑性ポリマー組成物を含むコーティング組成物から堆積し得る。熱可塑性物質とは、共有結合によって結合されず、それによって加熱時に液体流動を受ける場合があり、溶媒に可溶であるポリマー構成要素を含むポリマー組成物を指す。
【0050】
コーティング系の1層以上の層は、ポリマー組成物および希釈剤、すなわち、水系または溶媒系を含む液体組成物から堆積し得る。好適な希釈剤としては、有機溶媒、水、および水/有機溶媒混合物が挙げられる。そのようなポリマー組成物が分散され得る有機溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、グリコールエーテル、エステル、およびこれらの混合物が挙げられる。希釈剤は、例えば、30重量%〜50重量%などの5重量%〜80重量%の量で存在し得、ここで、重量%は、組成物の総重量に基づく。
【0051】
コーティング系の1層以上の層は、例えば、ヒドロキシルもしくはカルボン酸含有アクリルコポリマー、ヒドロキシルもしくはカルボン酸含有ポリエステルポリマーおよびオリゴマー、イソシアネートもしくはヒドロキシル含有ポリウレタンポリマー、ならびに/またはアミンもしくはイソシアネート含有ポリ尿素を含むポリマー組成物を含むコーティング組成物から堆積し得る。
【0052】
アクリルポリマーとしては、アクリル酸、またはメタクリル酸、またはヒドロキシエチルメタクリレートまたはヒドロキシプロピルアクリレートなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステルと、メチルメタクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートを含むアクリル酸のアルキルエステルなどの1種以上の他の重合性エチレン性不飽和モノマー、ならびにスチレン、α−メチルスチレン、およびビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物とのコポリマーが挙げられる。反応物質の比および反応条件は、ペンダント型ヒドロキシルまたはカルボン酸官能性を有するアクリルポリマーをもたらすように選択される。
【0053】
コーティング系の1層以上の層は、ポリエステルポリマーまたはオリゴマーを含むポリマー組成物を含むコーティング組成物から堆積し得る。そのようなポリマーは、多価アルコールとポリカルボン酸との縮合によって既知の様式で調製され得る。好適な多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールが挙げられる。
【0054】
好適なポリカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、およびヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。上記のポリカルボン酸に加えて、それらが存在する無水物などの酸、またはメチルエステルなどの酸の低級アルキルエステルの官能性当量が使用され得る。また、ステアリン酸などの少量のモノカルボン酸が使用され得る。
【0055】
ヒドロキシル含有ポリエステルオリゴマーは、ヘキサヒドロフタル酸無水物などのジカルボン酸の無水物を、ネオペンチルグリコールなどのジオールと、1:2のモル比で反応させることによって調製され得る。
【0056】
空気乾燥を増強することが望まれる場合、好適な乾燥油脂肪酸が使用され得、例えば、亜麻仁油、大豆油、トール油、脱水ヒマシ油、または桐油に由来するものが挙げられる。
【0057】
ポリエステルは、例えば、さらなる架橋反応に利用可能である遊離末端ヒドロキシルおよび/またはカルボキシル基を含有し得る。
【0058】
末端イソシアネートまたはヒドロキシル基を含有するポリウレタンポリマーも、コーティング系の1種以上の層が堆積するコーティング組成物中に存在し得る。使用され得るポリウレタンポリオールまたはNCO末端化ポリウレタンとしては、例えば、ポリマーポリオールを含むポリオールをポリイソシアネートと反応させることによって調製されるものが挙げられる。使用され得る末端イソシアネートまたは第一級もしくは第二級アミン基を含有するポリ尿素としては、例えば、ポリマーポリアミンを含むポリアミンをポリイソシアネートと反応させることによって調製されるものが挙げられる。ヒドロキシル/イソシアネートまたはアミン/イソシアネート当量比が調節され、反応条件が選択されて、所望の末端基を得ることができる。好適なポリイソシアネートの例としては、米国特許第4,046,729号、欄5行26〜欄6行に記載されているものが挙げられる。好適なポリオールの例としては、米国特許第4,046,729号、欄7行52〜欄10行35に記載されているものが挙げられる。好適なポリアミンの例としては、米国特許第4,046,729号、欄6行61〜欄7行32、および米国特許第3,799,854号、欄3行13〜行50に記載されているものが挙げられる。
【0059】
コーティング系の1層以上の層は、OHおよびCOOH、ならびにアミドおよびカルバメート官能基含有材料用の硬化剤として、アミノプラスト樹脂およびフェノプラスト樹脂、ならびにこれらの混合物などの硬化剤を含む硬化性コーティング組成物から堆積し得る。そのような硬化性組成物中の硬化剤として好適なアミノプラストおよびフェノプラスト樹脂の例としては、米国特許第3,919,351号、欄5行22〜欄6行25に記載されているものが挙げられる。
【0060】
ヒドロキシルならびに第一級および/または第二級アミノ基含有材料用の硬化剤として有用なポリイソシアネートおよびブロック化ポリイソシアネートは、当該技術分野において周知である。好適なポリイソシアネートおよびブロック化イソシアネートの例としては、米国特許第4,546,045号、欄5行16〜行38、および米国特許第5,468,802号、欄3行48〜行60に記載されているものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0061】
OHならびに第一級および/または第二級アミノ基含有材料用の硬化剤として無水物は、当該技術分野において周知である。好適な無水物の例としては、米国特許第4,798,746号、欄10行16〜行50、および米国特許第4,732,790号、欄3行41〜行57に記載されているものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0062】
COOH官能基含有材料用の硬化剤としてポリエポキシドは、当該技術分野において周知である。好適なポリエポキシドの例としては、米国特許第4,681,811号、欄5行33〜行58に記載されているものが挙げられ、それらは、参照によりその全体が組み込まれる。
【0063】
エポキシ官能基含有材料用の硬化剤としてポリ酸は、当該技術分野において周知である。好適なポリ酸の例としては、米国特許第4,681,811号、欄6行45〜欄9行54に記載されているものが挙げられ、それらは、参照によりその全体が組み込まれる。
【0064】
ポリオール、すなわち、1分子当たり平均2つ以上のヒドロキシル基を有する材料は、NCO官能基含有材料および無水物およびエステル用の硬化剤として使用され得、当該技術分野において周知である。好適なポリオールの例としては、米国特許第4,046,729号、欄7行52〜欄8行9、欄8行29〜欄9行66、および米国特許第3,919,315号、欄2行64〜欄3行33に記載されているものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0065】
ポリアミンもまた、NCO官能基含有材料用、ならびにカーボネートおよびアンヒンダードエステル用の硬化剤として使用され得、当該技術分野において周知である。好適なポリアミンの例としては、米国特許第4,046,729号、欄6行61〜欄7行26に記載されているものが挙げられ、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0066】
コーティング系の1つ以上の層は、記載される構成要素に加えて、様々な他のアジュバント材料を含むコーティング組成物から堆積し得る。得られるコーティング組成物が、用途、物理的性能、および外観特性に関して悪影響を受けない限り、必要に応じて、他のポリマー組成物は、上記のポリマー組成物と併せて利用され得る。
【0067】
コーティング系の1層以上の層は、硬化反応を促進する触媒を含むコーティング組成物から堆積し得る。好適な触媒の例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキシド、およびジブチルスズジアセテートなどの有機スズ化合物が挙げられる。アミノプラスト硬化剤と、熱硬化性物質分散体の反応性ヒドロキシルおよび/またはカルバメート官能基との間の硬化反応を促進するのに好適な触媒としては、酸性材料、例えば、フェニル酸ホスフェートなどの酸ホスフェート、およびドデシルベンゼンスルホン酸またはパラトルエンスルホン酸などの置換または非置換スルホン酸などが挙げられる。
【0068】
コーティング系の1層以上の層は、染料、顔料、界面活性剤、流動制御剤、チキソトロピー剤、充填剤、抗ガス剤、有機共溶媒、触媒、および他の慣習的な助剤などの表面コーティングを配合する当該技術分野において周知であるものを含む1種以上の他の添加剤成分を含むコーティング組成物から堆積し得る。これらの材料および好適な量の例は、米国特許第4,220,679号、同第4,403,003号、同第4,147,769号、および同第5,071,904号に記載され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0069】
コーティング系は、物品の表面に塗布され得、コーティング系は、接着促進剤を含むコーティング組成物から堆積するコーティング層を含む。接着促進剤または接着促進剤の組み合わせは、コーティング系が塗布されている表面に基づいて選択され得る。そのような組成物は、接着促進剤と相溶性である樹脂を含み、任意の適切な塗布技法によって塗布され得る。これらの実施形態では、組成物は、上記のように、相溶化物質をポリオレフィン上にグラフト化することによって変性されるハロゲン化ポリオレフィンを含み得る。例えば、プライマー層が、保護および装飾コーティング系に存在する場合、そのような層が堆積する組成物は、そのような接着促進剤を含み得る。あるいは、そのような層が存在しない場合、接着促進剤は、多層コーティング系のベースコート中に存在し得るか、または単層コーティング系の単層コートが堆積する組成物中に存在し得る。接着促進剤は、保護および装飾コーティング系の2層以上の層に存在し得る。
【0070】
したがって、本発明の特定の方法は、(a)接着促進剤を含む組成物を、第1の塗布技法によって、物品の表面の少なくとも一部に塗布する工程と、(b)保護および装飾コーティング系を、工程(a)で塗布された組成物の少なくとも一部の上に塗布する工程と、を含む。本発明のこれらの方法では、保護および装飾コーティング系は、(i)特定の実施形態で、相溶化物質をポリオレフィン上にグラフト化することによって変性され得るハロゲン化ポリオレフィンを含む接着促進剤と、(ii)接着促進剤と相溶性である樹脂と、を含むコーティング組成物から堆積するコーティング層を含む。そのような樹脂は、本明細書に記載される熱硬化性または熱可塑性ポリマー組成物のいずれかを含み得る。さらに、そのようなコーティング層は、第1の塗布技法と同一であるか、または異なる塗布技法によって堆積し得る。
【0071】
コーティング系のコーティング層は、例えば、1.0重量%〜5.0重量%の接着促進剤を含み得、ここで重量%は、組成物の総重量に基づく。そのようなコーティング組成物中に存在する接着促進剤の量は、記載された値を含む、これらの値の任意の組み合わせの間の範囲であり得る。
【0072】
コーティング系の1層以上の層が堆積するコーティング組成物は、中でも、はけ塗り、噴霧、浸漬、または流動などの任意の従来のコーティング技法によって塗布され得る。ある特定の実施形態では、そのような組成物は、噴霧によって塗布される。さらに、そのような組成物を塗布するための手段は、スプレーガンまたはエアゾール缶を含み得る。
【0073】
本開示により提供されるコーティング系は、物品の表面を被覆するプライマーコーティングを含み得る。
【0074】
プライマーコーティングは、ウレタン系プライマー組成物またはエポキシ系プライマー組成物などの任意の好適なプライマー組成物を含み得る。
【0075】
好適なウレタン系プライマー組成物の例としては、PPGインダストリーズ社から入手可能である2Kウレタン系プライマー組成物である、ECP 15が挙げられる。
【0076】
好適なエポキシ形プライマー組成物の例としては、いずれもPPGインダストリーズ社から入手可能である2Kエポキシ系プライマー組成物である、DP 50LFおよびVP 2050が挙げられる。
【0077】
エポキシ系プライマーコーティングが選択されて、所望の接着性を物品の表面に提供し得る。
【0078】
プライマーコーティングは、任意の好適な厚さに塗布され得る。
【0079】
例えば、プライマーコーティングは、5μm〜80μm、10μm〜60μm、15μm〜50μm、20μm〜30μm、または40μm〜70μmの厚さを有し得る。
【0080】
3次元印刷を使用して製作された物品の表面は、造形ラインまたは印刷ラインの形状で低プロファイルフィーチャを有し得る。造形ラインおよび印刷ラインは、例えば10μm〜200μm、55μm〜150μmなどの50μm〜200μmの高さを有し得、例えば10μm〜200μm、10μm〜100μm、または15μm〜50μmで離れ得る、ほぼ平行なフィーチャを特徴とする。平行な造形ラインは、溝または筋のある外観を有する表面を生成する。造形ラインを視覚的に隠して、実質的に視覚的に滑らかな表面を生成することが望ましい場合がある。これは、プライマーコーティング層および1層以上の追加のコーティング層を十分な厚さに塗布して、隆起部または高い点間の凹みまたはフィーチャを充填することによって、造形ラインを効果的に隠すことによって達成され得る。
【0081】
コーティング層を表面に塗布した後、コーティングは、研磨またはサンディングされ得る。塗布されたコーティング層は、表面の低プロファイル、および存在する場合、高プロファイルフィーチャに実質的に適合し得る。低プロファイルおよび/または高プロファイル表面フィーチャを被覆するコーティング層の一部は、コーティング層を研磨することによって除去され得る。コーティング層は、表面フィーチャの間の凹みにおけるコーティング層の厚さを実質的に低減させることなく、表面フィーチャを被覆するコーティング層の厚さが低減するように研磨され得る。このようにして、コーティング層は、表面フィーチャ間の凹みを充填し、それによって表面の表面領域粗さを低減させる。コーティング層は、下地低プロファイルまたは高プロファイル表面フィーチャが研磨される程度までは研磨されない。このプロセスにおいて、個々の表面層の厚さは、低プロファイル表面フィーチャの高さの10%未満、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、または60%未満などの低プロファイル表面フィーチャの高さ未満である。
【0082】
図12A〜12Dは、3次元印刷を使用して製作されたポリカーボネート/ABS物品の表面トポグラフィを示す。表面は、約25μm離れており、共焦点顕微鏡を使用して測定された場合、約60μmの高さを有する平行なフィーチャを特徴とする(
図12A)。
図12Bに示されるように、表面は、視覚的に溝があった。
【0083】
2Kウレタン系プライマー(ECP15)の25μm厚さのコーティングを、
図12Aおよび12Bに示される表面に塗布した後、
図12Cに示すように、造形ラインの平均高さを約15μmに低減させた。
図12Dに示されるように、表面は、プライマーコーティングのない、より深い溝のある表面ではなく、視覚的に筋を示す。
【0084】
図12Eに示されるように、50μm〜65μm厚さの2Kエポキシ系プライマーコーティング(VP2050)を、
図12Aおよび12Bに示されるコーティングされた表面に塗布した後、表面トポグラフィを約8μmに低減させ、規則的に間隔を置いた筋をもはや視覚的に特徴としない。
図12Fに示されるように、表面は、視覚的に滑らかに見える。
【0085】
図13A〜13Fは、
図12A〜12Fに一致する2Kウレタン系プライマーコーティングおよび2Kエポキシ系プライマーコーティングで表面をコーティングする前および後に、3次元印刷を使用して製作されたUltem(登録商標)9085(ポリエーテルイミド)物品について同様の結果を示す。コーティングされていないUltem(登録商標)9085表面は、約100μm離れており、22μmの高さを有するフィーチャを特徴とする。表面領域粗さ(Sa)を、2Kウレタンエポキシプライマー(ECP15)で25μm厚さのコーティングを塗布することによって、14.4μm(
図13A〜13B)から7.5μmに低減させ(
図13C〜13D)、50μm厚さ〜65μm厚さの2Kエポキシプライマー(VP2050)を塗布した後に1.5μmに低減させた(
図13E〜13F)。
【0086】
表面が視覚的に滑らかに見えるように印刷ラインを視覚的に隠すために、コーティング系は、例えば、印刷ラインの平均高さの+/−50%以内、例えば、+/−40%以内、+/−30%以内、+/−20%以内、+/−15%以内、+/−10%以内、または+/−5%以内である総厚さを有し得る。印刷ラインを隠すためのコーティング系は、1層以上の層を含み得、層の各々は、独立して、同一であっても異なっていてもよい。層の各々は、独立して、例えば、1μm〜50μm、2μm〜40μm、5μm〜35μm、または10μm〜30μmの厚さを有し得る。印刷ラインを隠すためのコーティング系は、例えば、1〜10層、2〜8層、または3〜6層を有し得る。
【0087】
コーティング系の塗布後、複数の平行なフィーチャは、10μm未満、8μm未満、6μm未満、または4μm未満の平均フィーチャ高さを有し得る。コーティング系の塗布後、表面は、10μm未満、8μm未満、6μm未満、または4μm未満の平均表面領域粗さを特徴とし得る。コーティング系の塗布前、表面は、10μm未満、8μm未満、6μm未満、または4μm未満の平均表面領域粗さを特徴とし得る。印刷ラインなどの低プロファイルフィーチャを視覚的に隠すために、コーティング系は、低プロファイルフィーチャの上に延在し、平坦な表面を提供するのに十分な厚さである必要はない。コーティング系は、低プロファイルフィーチャ間の間隔を優先的に充填することができる。印刷ラインなどの低プロファイルフィーチャの視覚効果は、表面領域粗さが10μm未満で視覚的に隠れ得る。
【0088】
造形ラインと印刷ラインは、付加製造で使用される逐次プロセスの人工物であり得る。造形ラインおよび印刷ラインは、一般的に望ましくなく、様々な方法が、フィーチャを除去するまたは隠すために使用される。典型的な方法は、表面を研磨またはサンディングして、印刷ラインを除去すること、または印刷ラインをコーティングで完全に被覆することを含む。印刷ラインと意図的な高プロファイルトポグラフィカルフィーチャとの両方を含有する製作時の表面では、高プロファイル表面トポグラフィに悪影響を与えることなく、印刷ラインの研磨を達成することは困難であり得る。例えば、高プロファイル表面フィーチャ間の印刷ラインなどの低プロファイルフィーチャは、摩耗によって除去することが困難であり得る。
【0089】
トポグラフィカルフィーチャを3次元印刷された物品の表面に意図的に組み込むことが望ましい場合がある。そのようなフィーチャは、規則的または不規則なパターンの形態をとって、意図的な視覚効果を生み出し得る。これらのフィーチャは、例えば、造形ラインの約4倍超、6倍超、8倍超、または10倍超である高さを有し得る。パターンは、造形ラインのものよりもはるかに大きい特徴的な平面内寸法(表面平面内)を有し得る。例えば、特徴的な平面内寸法は、500μm超、1,000μm超、または2,000μm超であり得る。フィーチャ寸法が造形ラインのものよりもはるかに大きいにもかかわらず、造形ラインは、3次元印刷された物品の表面の視覚的外観を支配し得る。トポグラフィカルフィーチャは、皮革テクスチャ加工された表面などの不規則なパターンを含み得る。トポグラフィカルフィーチャは、規則的なパターンを含み得る。例えば、複数の規則的なトポグラフィカルフィーチャは、平行な印刷ライン間の分離よりも大きい距離で分離し得る。場合によっては、印刷ラインを強調することもまた望ましい場合がある。例えば、印刷ラインは、木目外観を模造する隆起したフィーチャを含み得る。コーティングに応じて、木目フィーチャは、物品の表面に対して視覚的に同一平面であるように見え得るか、または物品の表面上に視覚的に隆起しているように見え得る。したがって、コーティング系は、印刷ラインを視覚的に隠すか、または必要に応じて印刷ラインを視覚的に強調するように選択され得ることが理解され得る。強調されることが意図される印刷ラインは、意図的なフィーチャの範囲内に含まれる。
【0090】
これは、
図14A〜14Dに示される。表面を、小さなおよび大きなボックス様フィーチャからなるパターンを含むように意図的に製作した。
図14Aは、3次元印刷を使用して製作されたポリカーボネート/ABS物品の表面トポグラフィを示す。意図的なフィーチャは、約3,000μm離れた約523μmの高さを有する。
図14Bに示されるように、意図的なボックスパターンは、造形ラインによって視覚的にマスキングされる。
図14C〜14Dに示されるように、2Kエポキシ系プライマー(VP2050)の50μm〜65μm厚さの層の塗布後、造形ラインは、完全に視覚的にマスキングされ、意図的なフィーチャは、滑らかであるが維持される。意図的なフィーチャの高さは、プライマーコーティングの結果として、523μm〜480μmに低減する。実際には、コーティング層は、意図的なフィーチャ間を充填する。
図14Dに示されるように、造形ラインを隠すことによって、意図的な表面フィーチャが解決され、小さなおよび大きなボックス様構造の規則的なパターンとして容易に明らかになる。コーティングされた表面は、研磨されていなかった。意図的なトポグラフィックフィーチャの間で、コーティング層は、低プロファイル印刷ラインを被覆するのに十分な厚さであった。
【0091】
多層コーティングの表面への追加を増強するために使用されるプライマーに加えて、プライマー上に様々な追加のコーティング層が塗布され得る。
【0092】
例えば、これらの追加の層としては、シーラー、ベースコート、および中間コートベースコート、およびトップコートを挙げることができる。
【0093】
シーラーは、下地プライマー/物品界面への溶媒移動に対するバリアを提供することによって、コーティング系の表面接着性を改善するために使用され得る。好適なシーラーの例としては、ECS25が挙げられる。
【0094】
ベースコートは、顔料または色効果材料などの着色剤を含み得る。
【0095】
中間ベースコート層は、特殊効果顔料を含み得、ベースコートに加えて、被覆して塗布され得る。好適な中間ベースコートの一例としては、PPGインダストリーズ社から入手可能であるAndaro(登録商標)特殊効果コーティングがある。Andaro(登録商標)は、着色剤を含むコーティング組成物の一例であり、ナノ粒子分散体などの分散体の形態であり得る。ナノ粒子分散体は、所望の可視色および/または不透明度および/または視覚効果を生成する1種以上の高度に分散したナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含み得る。ナノ粒子分散体は、70nm未満、または30nm未満などの、150nm未満の粒子径を有する顔料または染料などの着色剤を含み得る。ナノ粒子は、0.5mm未満の粒子径を有する粉砕媒体で原料の有機顔料または無機顔料を粉砕することによって生成され得る。ナノ粒子分散体およびそれらの作製方法の例は、例えば、米国特許第6,875,800 B2号および米国出願公開第2005/0287354号に開示され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。ナノ粒子分散体はまた、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学摩損、すなわち、部分溶解によっても生成され得る。隠さない、色付与有機顔料ナノ粒子の分散体は、特に有用な審美特性を提供する。低レベルの青色ナノ顔料は、膜形成組成物の硬化中に生じ得る任意の黄色化を相殺し得る。青色または黒色ナノ顔料は、特に基材上の黒色下層上で、アンチグレアコーティングの外観を増強する。さらに、着色されたナノ顔料は、物品の下地色を増強または補完するように選択され得る。
【0096】
トップコートは、多層コーティング系の外側コーティング層として塗布され得る。トップコートは、耐摩耗性、耐擦傷性、防汚性、耐指紋性、膨張性を含む多数の目的に、または洗浄を容易にするために役割を果たし得る。トップコートはまた、視覚的に透明であるか、または反射を低減させるためにつや消し仕上げを有するなどの所望の光学特性を付与し得る。好適な透明コートの例としては、PPGインダストリーズ社から入手可能であるDC4000が挙げられる。好適なつや消しトップコートの例としては、D8115が挙げられる。好適なコーティング化学の例としては、イソシアネート系およびエポキシ系コーティングが挙げられる。
【0097】
コーティング層の選択および厚さは、意図的にテクスチャ加工された表面の視覚的外観に劇的に影響を与え得る。これらの効果は、
図7および
図8に示される。効果は、意図的なトポグラフィを増幅することと、方向性反射率を改質することとを含む。中間ベースコートが、PPGインダストリーズ社から入手可能である、Crystal Peal(商標)およびCrystallance(登録商標)製品ラインならびにAndaro(登録商標)顔料を含むVibrance Collection(登録商標)などの、特殊効果顔料を含有する場合、効果は増強され得る。
【0098】
外側コーティングは、触覚特性または力覚特性を提供するコーティングを含み得る。例えば、コーティングは、ソフトタッチ感触を付与し得る。
【0099】
例えば、好適なソフトタッチコーティングは、国際出願公開第WO 2016/201103号、および米国出願公開第2014/0220354号、および米国出願公開第2015/0307738号に開示され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0100】
本開示によって提供されるコーティング系は、着色剤を含有し得る。着色剤は、コーティング層のうちの1層以上に存在し得る。例えば、着色剤は、プライマーコーティング、シーラーコーティング層、ベースコート層、中間コート層、または上記のうちのいずれかの組み合わせ中に存在し得る。コーティング系内のコーティング層は、1種以上の着色剤を含み得る。コーティング層は、別のコーティング層中の着色剤と同一または異なる着色剤を含み得る。
【0101】
着色剤とは、コーティング系に色および/または他の視覚効果を付与する物質を指す。着色剤は、個別の粒子、分散体、溶液、および/またはフレークなどの任意の好適な形態でコーティングに添加され得る。コーティング層には、単一の着色剤または2種以上の着色剤の混合物が使用され得る。
【0102】
着色剤の例としては、顔料、染料、およびチント、例えば、塗料業界で使用されるもの、および/またはDry Color Manufacturers Association(DCMA)に記載されるもの、ならびに特殊効果組成物および材料が挙げられる。着色剤は、例えば、使用条件下で不溶性であるが、湿潤可能である、細かく分割された固体粉末を含み得る。着色剤は有機であっても無機であってもよく、凝集または非凝集であってもよい。着色剤は、粉砕または単純混合によってコーティングに組み込まれ得る。着色剤は、アクリル粉砕ビヒクルなどの粉砕ビヒクルの使用によって、粉砕によってコーティングに組み込まれ得る。
【0103】
好適な顔料および/または顔料組成物の例としては、カルバゾールジオキサジン粗顔料、アゾ、モノアゾ、ジアゾ、ナフトールAS、塩型(レーキ)、ベンジミダゾロン、縮合体、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリンおよび多環式フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、アントラキノン、インダンスロン、アントラピリミジン、フラバンスロン、ピランスロン、アンサンスロン、ジオキサジン、トリアリールカルボニウム、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロールレッド(DPPBOレッド)、カーボンブラック、ならびに上記のうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。
【0104】
好適な染料の例としては、添加染料、アゾ染料、塩基性染料、直接染料、分散染料、反応性染料、溶媒染料、硫黄染料、モルダント染料、例えば、バナジン酸ビスマス、アントラキノン、ペリレン、アルミニウム、キナクリドン、チアゾール、チアジン、アゾ、インジゴイド、ニトロ、ニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、キノリン、スチルベン、キニザリンブルー(D&CバイオレットNo.2)、およびトリフェニルメタンなどの溶媒系および/または水系であるものが挙げられる。
【0105】
好適なチントの例としては、デグサから市販されているAqua−chem(登録商標)896、イーストマンケミカルのAccurate Dispersions部門から市販されているCharisma Colorants(登録商標)およびMaxitoner(登録商標)Industrial Colorantsなどの水系キャリアまたは水混和性キャリア中に分散している顔料が挙げられる。
【0106】
着色剤は、例えば、ナノ粒子分散体を含む分散体の形態であり得る。ナノ粒子分散体は、所望の可視色および/または不透明度および/または視覚効果を生成する1種以上の高度に分散したナノ粒子着色剤および/または着色剤粒子を含み得る。ナノ粒子分散体は、70nm未満、または30nm未満などの、150nm未満の粒子径を有する顔料または染料などの着色剤を含み得る。ナノ粒子は、0.5mm未満の粒子径を有する粉砕媒体で原料の有機顔料または無機顔料を粉砕することによって生成され得る。ナノ粒子分散体およびそれらの作製方法の例は、米国特許第6,875,800 B2号、米国出願公開第2005/0287354号、米国出願公開第2009/0326098号、および米国出願公開第2006/0251896号に特定され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。ナノ粒子分散体はまた、結晶化、沈殿、気相凝縮、および化学摩損(すなわち、部分溶解)によっても生成され得る。コーティング内のナノ粒子の再凝集を最小限に抑えるために、樹脂コーティングされたナノ粒子の分散体が使用され得る。「樹脂コーティングされたナノ粒子の分散体」とは、ナノ粒子およびナノ粒子上の樹脂コーティングを含む、目立たない「複合材料微粒子」が分散している連続相を指す。
【0107】
隠さない、色付与有機顔料ナノ粒子の分散体は、エレクトロニクス工業において特に有用な審美特性を提供する。そのような顔料分散体は、Andaro(登録商標)の商標でPPGインダストリーズ社から入手可能である。低レベルの青色ナノ顔料は、膜形成組成物の硬化中に生じ得る任意の黄色化を相殺し得る。青色または黒色ナノ顔料は、特に物品上の黒色下層上で、アンチグレアコーティングの外観を増強する。さらに、着色されたナノ顔料は、付加製造された物品などの物品の下地色を増強または補完するように選択され得る。ナノ粒子分散体は、(i)テトラアルコキシシラン、(ii)エポキシ官能性トリアルコキシシラン、(iii)金属含有触媒、(iv)溶媒構成要素、および(v)非酸化物粒子を含む、本発明の硬化性膜形成ゾル−ゲル組成物での使用に特に好適である。
【0108】
他の好適な特殊効果着色剤としては、例えば、Crystal Pearl、Crystallance(登録商標)、Ditzler(登録商標)、Flamboyance(登録商標)、Harlequin(登録商標)、Liquidmetal(登録商標)、Starfire(登録商標)、およびRadiance(登録商標)を含む、PPGインダストリーズ社から入手可能であるVibrance Collection(登録商標)に含まれるものが挙げられる。
【0109】
使用され得る特殊効果組成物の例としては、反射率、真珠光沢、金属光沢、リン光、蛍光、フォトクロミズム、感光性、サーモクロミズム、ゴニオクロミズム、および/または色変化などの1つ以上の外観効果を生成する顔料および/または組成物が挙げられる。追加の特殊効果組成物は、不透明度またはテクスチャなどの他の知覚可能な特性を提供し得る。特殊効果組成物は、コーティングが異なる角度で見られる場合、コーティングの色が変化するように、カラーシフトを生成し得る。色効果組成物の例は、例えば、米国特許第6,894,086号に開示されている。追加の色効果組成物としては、透明コーティングされた雲母および/または合成雲母、コーティングされたシリカ、コーティングされたアルミナ、透明液晶顔料、液晶コーティング、ならびに/または任意の組成物を挙げることができ、干渉は、材料内の屈折率の差から生じ、材料の表面と空気との間の屈折率の差によるものではない。
【0110】
一般的には、着色剤は、所望の特性、視覚および/または色効果を付与するのに十分な任意の量でコーティング層中に存在し得る。例えば、着色剤は、3重量%〜40重量%または5重量%〜35重量%などの、1重量%〜65重量%の量で存在し得、ここで、重量%は、コーティング層を形成するために使用されるコーティング組成物の総重量に基づく。
【0111】
本開示によって提供されるコーティング系と共に使用され得る材料の他の例としては、可塑剤、耐摩耗性粒子、耐食性粒子、腐食抑制添加剤、雲母、タルク、粘土、ならびに無機鉱物などの充填剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン光安定剤、UV光吸収剤および安定剤、界面活性剤、流動および表面制御剤、チキソトロピー剤、有機共溶媒、反応性希釈剤、触媒、反応抑制剤、難燃剤、および接着促進剤が挙げられる。
【0112】
コーティングは、広範囲の物品に塗布され得る。例えば、コーティング系は、例えば、自動車物品、航空宇宙物品、工業物品、包装物品、木製フローリングおよび家具、建築表面、衣類、筐体および回路基板を含むエレクトロニクス、ガラスおよび透明物、ならびにスポーツ装置に塗布され得る。これらの物品は、例えば、金属性または非金属性であり得る。金属物品としては、例えば、スズ、鋼(中でも、電気亜鉛めっき鋼、冷間圧延鋼、熱浸亜鉛めっき鋼を含む)、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛−アルミニウム合金、亜鉛−アルミニウム合金でコーティングされた鋼、およびアルミニウムめっき鋼が挙げられる。非金属物品としては、例えば、ポリマー化合物、プラスチック、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、セルロース化合物、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、EVOH、ポリ乳酸、他の「環境に優しい」ポリマー物品、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリカーボネート、ポリカーボネートアクリロニトリルブタジエンスチレン(PC/ABS)、ポリアミド、木材、ベニア、木製複合材料、パーティクルボード、中密度ファイバーボード、セメント、石、ガラス、紙、段ボール、織物、皮革、ならびに合成物および天然物の両方が挙げられる。
【0113】
コーティング系は、自動車内装、航空宇宙ビークル内装、および家庭用電化製品に見られる物品に塗布され得る。例えば、コーティングは、計器パネル、ドアパネル、アームレスト、ヘッドレスト、エアバッグカバー、グローブコンパートメントカバー、センターコンソール、ラップトップ、タブレット、携帯電話、および他のハンドヘルド電子デバイスに見られる物品に塗布され得る。
【0114】
本開示によって提供されるコーティング系は、ビークルの表面を含む物品をコーティングするために使用され得る。ビークルは最も広い意味で使用され、あらゆる種類の航空機、宇宙船、船舶、および地上ビークルが挙げられる。例えば、ビークルとしては、自家用航空機、ならびに小型、中型、または大型商用旅客、貨物、および軍用航空機を含む飛行機などの航空機、自家用、商用、および軍用ヘリコプターを含むヘリコプター、ロケットおよび他の宇宙船を含む航空宇宙ビークルを挙げることができる。ビークルとしては、例えば、トレーラー、車、トラック、バス、バン、建設ビークル、ゴルフカート、オートバイ、自転車、列車、および鉄道車などの地上ビークルを挙げることができる。ビークルとしてはまた、例えば、船、ボート、およびホバークラフトなどの船舶も挙げることができる。
【0115】
本開示によって提供されるコーティング系は、(マクドネル・ダグラス/ボーイングおよびノースロップ製の)F/A−18ジェット、またはF/A−18EスーパーホーネットおよびF/A−18Fなどの関連する航空機において、(ボーイング商用飛行機製の)ボーイング787ドリームライナー、737、747、717ジェット旅客機、関連する航空機において、(NAVAIRおよびシコルスキー製の)V−22オスプレイ、VH−92、S−92、および関連する航空機において、(ガルフストリーム製の)G650、G600、G550、G500、G450、および関連する航空機において、(エアバス製の)A350、A320、A330、および関連する航空機において、使用され得る。本開示によって提供されるコーティング系は、任意の好適な商用、軍用、または一般航空機、例えば、Canadair Regional Jet(CRJ)および関連する航空機などのボンバルディアおよび/またはボンバルディア・エアロスペースによって生産されるもの、F−22ラプター、F−35ライトニング、および関連する航空機などのロッキード・マーティンによって生産されるもの、B−2スピリットおよび関連する航空機などのノースロップ・グラマンによって生産されるもの、ピラタス・エアクラフト社によって生産されるもの、エクリプス・アビエーション・コーポレーションによって生産されるもの、またはエクリプス・エアロスペース(ケストレル・エアクラフト)によって生産されるものなどに使用され得る。
【0116】
コーティングは、例えば、ビークルの表面、建築表面、消費材、電子製品、海洋装置、および工業装置を含む、任意の好適な表面に塗布され得る。コーティング系は、自動車内装および家庭用電化製品に塗布される場合、特に有用である。例えば、本発明のコーティングは、ラップトップ、タブレット、携帯電話、他のハンドヘルド電子デバイスなどに見られる物品に塗布され得る。したがって、本発明は、本明細書に記載されるコーティング組成物で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有する電子デバイスまたは電子部品をさらに含む。本明細書で使用される場合、電子デバイスとは、任意の外部エンティティにまたは任意の外部エンティティから送信または受信されるデータを処理することが可能な任意の種類のデバイスを指す。電子部品とは、電子デバイスに関連付けられた部品または電子デバイスの一部を指す。
【0117】
本開示により提供されるコーティング系は、3次元印刷などの付加製造技術を使用して製作された物品および物体と共に使用され得る。付加製造では、材料の連続層が堆積して、3次元物体を生成する。視覚的に明らかな不連続性は、連続層間で生じる場合があり、造形ラインまたは印刷ラインと称され得る。そのような可視的な筋またはラインは、滑らかに仕上げられた表面が所望され得る最終製品にとって望ましくない場合がある。本開示により提供されるコーティング系は、印刷ラインを滑らかにし、造形ラインが視覚的に明らかでないように表面を平坦化するために、印刷された表面に塗布され得る。次いで、追加のコーティング層が、第1のコーティング(複数可)に塗布されて、色、特殊表面特性などの追加の機能性をコーティング系に提供し得るか、または表面に組み込まれた意図的なテクスチャもしくは意図的なパターンなどの意図的な表面構造の光学特性を確立し得る。付加製造技術は、複雑な表面詳細を有する表面を有する物品を製作するために使用され得、本開示によって提供されるコーティング系は、意図的な表面フィーチャの光学特性を強調、増幅、調整、制御、増大させるために、および/またはそれ以外の場合光学特性を改質するために使用され得る。このようにして、付加製造法を使用して製作される表面フィーチャと組み合わせて、本開示によって提供されるコーティング系は、所望の視覚的および/または力覚的審美効果を生成し得る。
【0118】
本発明のコーティング組成物から形成されるコーティングは、例えば、電着コーティング、噴霧、静電噴霧、浸漬、ローリング、およびはけ塗りなどの任意の好適な方法によって物品に塗布され得る。コーティング層の各々は、例えば、0.1ミル〜5ミル(2.54μm〜127μm)、0.5ミル〜3ミル(12.7μm〜76.2μm)、1ミル〜1.5ミル(25.4μm〜38.1μm)、2ミル〜2.5ミル(50.8μm〜63.5μm)の乾燥膜厚さに塗布され得る。例えば、コーティングは、10μm〜100μm、12μm〜70μm、または15μm〜45μmの乾燥膜厚さに塗布され得る。各コーティング層は、コーティング層を形成するために、単一コーティングとして塗布され得るか、または多層として塗布され得る。例えば、プライマーコーティング層は、例えば、1〜10層の個々のコーティング層を含み得る。
【0119】
コーティング組成物は、物品に塗布され、硬化して、柔らかく、滑らかな触覚または感触を有するコーティングを形成し得る。例えば、特定の実施形態では、本明細書に記載される水系コーティング組成物から堆積したコーティングは、Fischerscope(登録商標)HM2000スタイラス微小硬度測定器によって、Fischerscope(登録商標)HM2000マニュアル(「Fischer微小硬度試験」)に記載されている指示に従って測定される場合、15N/mm
2未満、10N/mm
2未満、もしくは8N/mm
2未満のFischer微小硬度、Dynisco Polymer Test−1055摩擦係数試験器によって、ASTM法D1894に準拠してフェルト接触を利用して測定される場合、0.01〜0.80、もしくは0.01〜0.5、もしくは0.1〜0.3の範囲の摩擦係数、および/またはTaylor Hobson Precision Surtronic(登録商標)Duoプロフィロメータによって、Taylor Hobson Precision Surtronic(登録商標)Duoマニュアル(表面粗さ試験)に記載されている指示に従って測定される場合、1マイクロインチ〜60マイクロインチ、もしくは10マイクロインチ〜40マイクロインチ、もしくは20マイクロインチ〜30マイクロインチの表面粗さを示すことが見出された。本明細書で使用される場合、フィッシャー微小硬度とは、材料の変形に対する硬度を指し、「摩擦係数」とは、物体と表面との接触を維持する力と、物体の動きに抵抗する摩擦力との比率を指し、表面粗さとは、理想的な形態からの表面の垂直偏差によって定量化される、コーティングの表面のテクスチャなどの表面のテクスチャを指す。
【0120】
柔らかい感触に加えて、コーティングは、良好な化学的および機械的抵抗を示し得る。例えば、コーティングは、ASTM D5402に準拠して、50μmの乾燥膜厚さでメチルエチルケトン(MEK)の50回の二重摩擦に抵抗し得る。コーティングは、例えば、ASTM F2357に準拠して、50μmの乾燥膜厚さで50サイクルを超える研磨媒体に耐え得る。
【0121】
外側コーティングは、良好な防汚性を示し得る。例えば、本明細書に記載されるコーティング組成物から形成されるコーティングは、少なくとも168時間の曝露後に、マスタードおよび口紅汚れについて20未満、15未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、2未満、または1未満のΔEを示すことが見出された。加えて、本明細書に記載されるコーティング組成物から形成されるコーティングはまた、少なくとも168時間の曝露後に、日焼け止め、ハンドローション、コーヒー、ケチャップ、スタンプインク、コーラ、および皮脂汚れについて3未満、2未満、または1未満のΔEを示すことも見出された。ΔE値は、クールホワイト蛍光光源を有するグレタグマクベスColor−Eye(登録商標)2145分光光度計によって決定された。ΔE値は、L*a*b*座標を使用したCIE94カラー系に基づいており、本明細書で使用される場合、汚れていないコーティング試料の色と汚れたコーティング試料の色との間の差を指す。ΔE値は、以下の方法を使用して測定される。(1)本明細書に記載されるコーティング組成物を使用して、コーティングを物品に塗布し、(2)汚れていないコーティングされた物品の色を測定し、(3)上記のようなものなどの物質を塗布して、コーティング上に汚れを誘導し、(4)168時間の暴露などの一定時間後、コーティングされた試料から、イソプロパノールまたは石鹸溶液で汚れ物質を軽く拭き取り、(5)汚れていないコーティングと汚れたコーティングとの間の色変化からDE値を計算する。コーティングによって示されるDE値が低いほど、コーティングによって提供される防汚性が大きくなる。記載された方法は、「汚れ試験法」とも称される。
【0122】
したがって、本明細書に記載されるコーティング組成物は、ソフトタッチ、良好な防汚性、およびコーティングにおいて所望される他の特性を有するコーティングを形成するために物品に塗布され得る。
【0123】
本開示によって提供されるコーティング系は、可燃性、煙、および毒性に関する航空宇宙仕様を含む航空宇宙内装コーティングの要件を満たし得る。
【実施例】
【0124】
本開示によって提供される特定のコーティングおよびそのようなコーティングの使用を記載する以下の実施例を参照することによって、本開示によって提供される実施形態をさらに例示する。本開示の範囲から逸脱することなく、材料および方法の両方に対する多くの変更が実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0125】
実施例1
テクスチャ加工された模造皮革試験パネル
テクスチャ加工された模造皮革表面を有する試験パネルを、3次元印刷によって調製した。
【0126】
Ultem(登録商標)9085(ストラタシスから入手可能であるポリエーテルイミド熱可塑性物質)試験パネルを、3次元印刷によって製作し、それは、模造皮革テクスチャを有する表面を含む。皮革テクスチャフィーチャは、試験パネルの公称表面より約50μm〜150μm上であった。パネルを洗浄し、SU4901(プラスチック接着系の工程1、PPGインダストリーズ社)で擦り付けた。次いで、パネルを、プラスチック接着助剤を含有するSU4902で拭いた。乾燥後、パネルを、エアゾールプラスチック接着促進剤(SUA4903)でコーティングした。接着促進剤コーティングが乾燥した後、2Kウレタン系プライマー(ECP15、Envirobase(登録商標)プライマーサーフェーサー、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、1.8mmのノズルが装着された3M Accuspray(登録商標)HVLPを使用して塗布した。プライマーコーティングを乾燥させた後、追加のコーティング層を塗布した。
【0127】
皮革様テクスチャ加工が施された表面を有する黒色パネルを調製するために、Envirobase(登録商標)Mazda Greyベースコートの2層のコート(約0.1ミル(2.54μm)乾燥/コート、PPGインダストリーズ社)を、WSBノズルが装着されたSATAjet(登録商標)4000 B HVLPを使用して塗布した。ベースコートが乾燥した後、D8115(Global(登録商標)つや消し透明コート、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、1.3mmのノズルが装着されたSATAjet(登録商標)5000 B RPを使用して、25psi(172kPa)の圧力でベースコート上に塗布した。パネルを、室温(25℃)で乾燥させた。コーティング済の皮革テクスチャ加工された黒色パネルの例を、
図1〜3に示す。
【0128】
皮革様テクスチャ加工が施された表面を有する白色パネルを調製するために、ECS21シーラーの1層のコート(1ミル(25.4μm)乾燥/コート、PPGインダストリーズ社)を、1.8mmのノズルが装着された3M Accuspray(登録商標)HVLPを使用して塗布した。シーラーが乾燥した後、GM 8624 White Envirobase(登録商標)ベースコートの2層のコート(約0.1ミル(2.54μm)乾燥/コート、PPGインダストリーズ社)を、WSBノズルが装着されたSATAjet(登録商標)4000 B HVLPを使用して塗布した。ベースコートが乾燥した後、D8115(Global(登録商標)つや消し透明コート、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、1.3mmのノズルが装着されたSATAjet(登録商標)5000 B RPを使用して、25psi(172kPa)の圧力でベースコート上に塗布した。次いで、パネルを、室温(25℃)で乾燥させた。コーティング済の皮革テクスチャ加工された白色パネルの例を、
図4に示す。
【0129】
実施例2
模造木目試験パネル
模造木目外観を有する試験パネルを、3次元印刷によって調製した。
【0130】
試験パネルを、赤色顔料ベースコート、特殊効果のあるAndaro顔料を有する中間コーティング、およびトップコートでコーティングした。木目パネルの写真を
図5に示し、つや消し仕上げトップコート(左)および透明光沢トップコート(右)を有する部分を有する表面を示す。
図5に示される図では、木目のコントラストが強調されている。光沢透明トップコートと組み合わせた光の角度が、木目の3次元プロファイルを強調する別の図が、
図15に示される。
【0131】
実施例3
テクスチャ加工された試験パネル
異なる意図的な表面トポグラフィを有する断面を有するポリカーボネート/ABS試験パネルを、3次元印刷を使用して製作した。試験パネルを、プライマーコーティング、シーラー、ベースコート、中間コート、およびトップコートを含む様々な再仕上げコーティング系でコーティングした。
【0132】
試験パネルを洗浄し、SU4901で(プラスチック接着系の工程1、PPGインダストリーズ社)で擦り付けた。次いで、洗浄された試験パネルを、プラスチック接着助剤が含まれるSU4902で拭いた。乾燥後、試験パネルを、エアゾールプラスチック接着促進剤(SUA4903、PPGインダストリーズ社)でコーティングした。接着促進剤が乾燥した後、ECP15(Envirobase(登録商標)プライマーサーフェーサー、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、接着促進剤層上に塗布した。次いで、試験パネルを、60℃で30分間焼き、次いで冷却し、320Pの粗粒子で軽く研磨した。ECP15の追加の4層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、非テクスチャ加工側に塗布し、試験パネルを焼き、次いで、先と同様に研磨した。この手順に従うと、印刷ラインが見えなくなった。ECS25(Envirobase(登録商標)シーラー、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を塗布し、次いで、30分間フラッシュ乾燥させた。
【0133】
次いで、EHP 407ベースコート(Envirobase(登録商標)ハイパフォーマンス)の3層(約0.1ミル(2.54μm)乾燥/コート)をシーラー上に塗布した。DC4000(Deltron(登録商標)グラマー透明コート、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1.2ミル(30.5μm)乾燥/コート)を、試験パネルの非テクスチャ加工側に塗布した。透明コートを塗布した後、試験パネルを、60℃で30分間焼き、次いで、800Pの粗粒子サンドペーパーで研磨した。次いで、D8115(Global(登録商標)つや消し透明コート、PPGインダストリーズ社)の2層のコート(約1ミル(25.4μm)乾燥/コート)を、パネルに塗布した。
【0134】
図6〜7は、コーティング済のテクスチャ加工された試験パネルの写真を示す。
【0135】
赤色パネル(
図8)を、Vibrance(登録商標)赤色チントを有する色合いをつけられた透明コート(DC4000中のVM4350、PPGインダストリーズ社)でコーティングした。色合いをつけられた透明コートを塗布した後、DC4000透明コートまたはD8115つや消しコーティングの1層のコーティング(約1ミル、乾燥)を、色合いをつけられた透明コート上に塗布した。
【0136】
ECP15を、1.7mmノズルを有するSATAjet(登録商標)100 BF HVLPを使用して塗布した。ECS25を、1.4mmノズルを有するSATAjet(登録商標)100 BF HVLPを使用して塗布した。Envirobase(登録商標)EHP 407ベースコートを、WSBノズルが装着されたSATAjet(登録商標)4000 B HVLPを使用して塗布した。色合いをつけられた透明コートを、1.3mmノズルおよびTE20エアキャップが装着されたDevilbiss TEKNA(登録商標)Pro Liteを使用して塗布した。すべてのコーティングを、約29psi(200kPa)の圧力で塗布した。つや消しおよび光沢透明コートを、1.3mmノズルが装着されたSATAjet(登録商標)5000 B RPを使用して、25psi(172kPa)の圧力で塗布した。
【0137】
試験パネル上のコーティングの要約を、表1に提供する。
【表1】
1ECP15:PPGインダストリーズ社から入手可能であるポリウレタンプライマー
2ECS25:PPGインダストリーズ社から入手可能であるポリウレタンシーラーコーティング
3EHP T407:PPGインダストリーズ社から入手可能であるアクリルラテックス系コーティング
4DC4000:PPGインダストリーズ社から入手可能であるポリウレタン系光沢透明コート
5内装グレー
6D8115つや消し:PPGインダストリーズ社から入手可能であるつや消し仕上げを有するポリウレタン系コーティング
7Crystallance(登録商標)スモーキングガン:PPGインダストリーズ社から入手可能であるDC4000ポリウレタン系光沢透明コート中のVibrance(登録商標)Collection顔料
8Vibrance(登録商標):PPGインダストリーズ社から入手可能であるDC4000ポリウレタン系光沢透明コート中の顔料VM4350
【0138】
実施例4
耐候性試験
実施例3のテクスチャ加工された試験パネルの光学品質を、SAE J2527(耐候性試験)に準拠して、水および光のサイクルへの曝露後に評価した。試料を、6,000時間の総試験時間のために耐候性用チャンバに配置し、1,000時間間隔で評価した。明サイクル中、耐候性用チャンバを、70℃の黒色パネル温度、47℃のチャンバ温度、および50%RHの相対湿度に設定した。試料を、340nmのカットオフおよび0.55W/cm
2の強度を有するUV光源で照射した。暗サイクル中、耐候性用チャンバを、38℃および95%RHの相対湿度に設定した。曝露条件は、4つの段階であることを特徴とする。第1段階は、照射なし、水噴霧ありで、60分間持続する暗サイクルであった。60分間持続した第2段階では、試料を、1,320ジュールに曝露し、水噴霧しなかった。60分間持続する第3段階では、試料を、660ジュールに曝露し、水噴霧した。60分間持続する第4段階では、試料を、1,980ジュールに曝露し、水噴霧しなかった。
【0139】
結果を、表2および表3に提示する。
【表2】
【表3】
【0140】
色差を、CIE L*a*b座標に基づいて評価し、ΔLとは、明度/暗度の差を指し、Δaとは、赤色/緑色座標の差を指し、Δbとは、黄色/青色座標の差を指し、ΔEは、総色差(ΔL
2+Δa
2+Δb
2)
1/2である。
【0141】
実施例5
自動車用再仕上げコーティングを有するテクスチャ加工された試験パネル
テクスチャ加工された試験パネルを、標準的な自動車再仕上げコーティングで調製した。コーティング系は、プライマーコーティング(CMPP3700A、PPGインダストリーズ社)、白色ベースコート(DBC 930774/1、PPGインダストリーズ社)、透明中間コート(DBC930774/2、PPGインダストリーズ社)、および透明コート(TKU2000CS、APAD Flex 2K、PPGインダストリーズ社)を含んでいた。コーティング層を、実施例4に記載されたものと同様の厚さで、同様の方法を使用して塗布した。塗布されたコーティングを、80℃で30分焼いた。
【0142】
図10は、表面全体に標準的な自動車の再仕上げが塗布されたテクスチャ加工された試験パネルの写真を示す。
【0143】
実施例6
ソフトタッチ試験パネル
ソフトタッチ表面コーティングを有する試験パネルを調製した。Ultem(登録商標)9085パネルを、褐色、黒色、およびミディアムグレー色で調製した。各パネルは、3層のコーティングを有した。第1のコーティング(プライマー)は、15μm〜20μmの厚さであり、褐色、黒色、またはミディアムグレー顔料を含んでいた。第2層(ベースコート)は、10μm〜20μmの厚さであり、褐色、黒色、またはミディアムグレー顔料を含んでいた。第3の層(ソフトタッチ)は、50μm〜60μmの厚さのソフトタッチ透明コートであった。コーティングを、60℃〜80℃で6時間〜8時間焼いた。
【0144】
図11は、パネルの写真を示す。試験パネルのテクスチャ加工された部分の上部および下部は、異なるソフトタッチトップコートを含んでいた。
【0145】
本発明の態様
本発明は、以下の態様によってさらに定義される。
【0146】
態様1.コーティングされた基材であって、表面を含む基材であって、表面が、第1の高さを特徴とする複数の第1のトポグラフィカルフィーチャと、第2の高さを有する複数の第2のトポグラフィカルフィーチャと、を含み、第2の高さが、第1の高さより高い、基材と、表面を被覆するコーティング系であって、コーティング系が、複数の第1のトポグラフィカルフィーチャを視覚的に隠すように構成されている第1のコーティング層を含む、コーティング系と、を含む、コーティングされた基材。
【0147】
態様2.基材が、付加製造を使用して製作され、複数の第1のトポグラフィカルフィーチャが、印刷ラインを含む、態様1に記載のコーティングされた基材。
【0148】
態様3.複数の第2のトポグラフィカルフィーチャが、意図的な表面トポグラフィを含む、態様1〜2のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0149】
態様4.意図的な表面トポグラフィが、パターン、テクスチャ、またはこれらの組み合わせを含む、態様3に記載のコーティングされた基材。
【0150】
態様5.複数の第1のトポグラフィカルフィーチャが、第1の高さを特徴とし、複数の第2のトポグラフィカルフィーチャが、第2の高さを特徴とし、第2の高さが、第1の高さより高い、態様1〜4のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0151】
態様6.第1のコーティング層が、第1の高さの+/−20%以内である厚さを特徴とする、態様1〜5のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0152】
態様7.第1のコーティング層が、表面を平坦化するように構成されている、態様1〜6のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0153】
態様8.第1のコーティング層が、プライマーコーティングを含む、態様1〜7のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0154】
態様9.プライマーコーティング層が、ウレタン系プライマーコーティングまたはエポキシ系プライマーコーティングを含む、態様8に記載のコーティングされた基材。
【0155】
態様10.プライマーコーティングが、航空宇宙の可燃性、煙、および毒性の仕様の要件に適合する、態様8に記載のコーティングされた基材。
【0156】
態様11.コーティング系が、2層以上の第2のコーティング層を含む、態様1〜10のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0157】
態様12.2層以上の第2のコーティング層が、複数の第2のトポグラフィカルフィーチャの光学特性を確立するように構成されている、態様11に記載のコーティングされた基材。
【0158】
態様13.光学特性が、視覚特性を含む、態様12に記載のコーティングされた基材。
【0159】
態様14.2層以上の第2のコーティング層が、複数の第2のトポグラフィカルフィーチャを強調するように構成されている、態様11〜13のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0160】
態様15.第1のコーティング層が、プライマーコーティングを含み、2層以上の第2のコーティング層が、ベースコート層、中間コート層、顔料層、トップコート層、外側コーティング層、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様11〜14のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0161】
態様16.2層以上の第2のコーティング層のうちの少なくとも1層が、特殊効果顔料を含む、態様11〜15のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0162】
態様17.2層以上の第2のコーティング層が、外側力覚コーティングを含む、態様11〜16のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0163】
態様18.力覚コーティングが、ソフトタッチコーティングを含む、態様17に記載のコーティングされた基材。
【0164】
態様19.基材が、熱可塑性物質、熱硬化性物質、金属、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様1〜18のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0165】
態様20.基材が、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエーテルイミド、ポリウレタン、ポリ尿素、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様1〜19のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0166】
態様21.付加製造が、3次元印刷を含む、態様1〜20のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0167】
態様22.コーティング系が、基材を被覆するプライマーコーティング、プライマーコーティングを被覆するベースコート、およびベースコートを被覆する力覚コーティングを含む、態様1〜21のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0168】
態様23.コーティング系が、特殊効果顔料を含むコーティング層を含む、態様1〜22のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0169】
態様24.基材が、金属を含み、コーティング系が、2層電着コート系を含む、態様1〜23のいずれか1つに記載のコーティングされた基材。
【0170】
態様25.態様1〜24のいずれか1つに記載のコーティングされた基材を含むビークル。
【0171】
態様26.ビークルが、航空宇宙ビークルである、態様25に記載のビークル。
【0172】
態様27.多層コーティング系であって、第1のコーティング層であって、第1のコーティング層が、表面を視覚的に平坦化するように構成されており、表面が、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャを含む、第1のコーティング層と、第1のコーティング層を被覆する1層以上の第2のコーティング層であって、1層以上のコーティング層が、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャの光学特性を確立するように構成されている、第2のコーティング層と、を含む、多層コーティング系。
【0173】
態様28.第1のコーティング層が、プライマーコーティングを含む、態様27に記載の多層コーティング系。
【0174】
態様29.1層以上の第2のコーティング層が、ベースコート層、中間コート層、トップコート層、外側コーティング層、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様27〜28のいずれか1つに記載の多層コーティング系。
【0175】
態様30.1層以上の第2のコーティング層のうちの少なくとも1層が、特殊効果顔料を含む、態様27〜29のいずれか1つに記載の多層コーティング系。
【0176】
態様31.1層以上の第2のコーティング層が、力覚コーティングを含む、態様27〜30のいずれか1つに記載の多層コーティング系。
【0177】
態様32.態様27〜31のいずれか1つに記載の多層コーティング系を含む表面。
【0178】
態様33.表面が、付加製造を使用して製作された物品の表面を含む、請求項32に記載の表面。
【0179】
態様34.表面をコーティングする方法であって、表面が、第1の高さを特徴とする複数の第1のトポグラフィカルフィーチャと、第2の高さを特徴とする複数の第2のトポグラフィカルフィーチャと、を含み、第2の高さが、第1の高さよりも高く、方法が、第1のコーティング層を表面に塗布して、第1のトポグラフィカルフィーチャを視覚的に隠すことと、少なくとも1層の第2のコーティング層を第1のコーティング層上に塗布して、複数の第2のトポグラフィカルフィーチャの光学特性を確立することと、を含む、方法。
【0180】
態様1A.コーティングされた物品であって、(a)表面を含む物品であって、表面が、複数の低プロファイルフィーチャを含み、複数の低プロファイルフィーチャが、10μm〜200μmの表面領域粗さを有する、物品と、(b)表面を被覆するコーティング系であって、コーティング系が、1層以上のコーティング層を含み、コーティングされた表面が、10μm未満の表面領域粗さを有する、コーティング系と、を含む、コーティングされた物品。
【0181】
態様2A.コーティング系が、複数の低プロファイルフィーチャの表面領域粗さの±50%以内である平均厚さを、低プロファイルフィーチャ間に有する、態様1Aに記載のコーティングされた物品。
【0182】
態様3A.複数の低プロファイルフィーチャが、複数の平行なラインを含む、態様1A〜2Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0183】
態様4A.複数の平行なフィーチャが、10μm〜200μm離れている、態様1A〜3Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0184】
態様5A.コーティング系が、複数の低プロファイルフィーチャの表面領域粗さの±20%以内である総厚さを有する、態様1A〜4Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0185】
態様6A.コーティングされた物品が、視覚的に滑らかである、態様1A〜5Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0186】
態様7A.複数の低プロファイルフィーチャが、視覚的に明らかではない、態様1A〜6Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0187】
態様8A.1層以上のコーティング層が、1〜10層のコーティング層を含む、態様1A〜7Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0188】
態様9A.物品が、付加製造を使用して製作される、態様1A〜8Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0189】
態様10A.付加製造が、3次元印刷を含む、態様9に記載のコーティングされた物品。
【0190】
態様11A.物品が、付加製造を使用して製作された表面を含む、態様1A〜10Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0191】
態様12A.付加製造が、3次元印刷を含む、態様11Aに記載のコーティングされた物品。
【0192】
態様13A.複数の低プロファイルフィーチャが、3次元印刷ラインを含む、態様1A〜12Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0193】
態様14A.基材が、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャをさらに含み、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、低プロファイルフィーチャの平均高さの400%〜1,000%である平均高さを有する、態様1A〜13Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0194】
態様15A.複数の低プロファイルフィーチャが、視覚的に明らかでなく、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、視覚的に明らかである、態様14Aに記載のコーティングされた物品。
【0195】
態様16A.複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、視覚的に強調される、態様14A〜15Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0196】
態様17A.コーティング系が、複数の平行なフィーチャを視覚的に隠すように構成されている、態様14A〜16Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0197】
態様18A.コーティング系が、複数のトポグラフィカルフィーチャの光学効果を増強するように構成されている、態様14A〜17Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0198】
態様19A.コーティング系が、エポキシ系コーティング系、ウレタン系コーティング系、またはこれらの組み合わせを含む、態様14A〜18Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0199】
態様20A.1層以上のコーティング層の各々が、独立して、プライマーコーティング、ベースコート層、中間コート層、顔料層、トップコート層、または外側コーティング層を含む、態様1A〜19Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0200】
態様21A.1層以上のコーティング層が、独立して、透明コート、特殊効果コーティング、力覚コーティング、ソフトタッチコーティング、耐摩耗性コーティング、防汚性コーティング、膨張性コーティング、つや消し仕上げコーティング、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様1A〜20Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0201】
態様22A.表面およびコーティングされたものが、意図的な3次元パターンを含む、態様1A〜21Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0202】
態様23A.意図的な3次元パターンが、皮革テクスチャ、木目パターン、規則的なパターン、不規則なパターン、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様22Aに記載のコーティングされた物品。
【0203】
態様24A.意図的な3次元パターンが、3次元印刷を使用して製作される、態様22A〜23Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0204】
態様25A.物品が、熱可塑性物質、熱硬化性物質、金属、合金、複合材料、セラミックス、または上記のうちのいずれかの組み合わせを含む、態様1A〜24Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0205】
態様26A.物品が、導電性であり、コーティング系が、電着コーティング系を含む、態様1A〜25Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0206】
態様27A.コーティングされた物品が、ビークル部品を含む、態様1A〜26Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0207】
態様28A.ビークル部品が、航空宇宙ビークル部品を含む、態様27Aに記載のコーティングされた物品。
【0208】
態様29A.ビークル部品が、自動車ビークル部品を含む、態様27Aに記載のコーティングされた物品。
【0209】
態様30A.物品が、3次元印刷を使用して製作される、態様1A〜30Aのいずれか1つに記載のコーティングされた物品。
【0210】
態様31A.物品の表面上の複数の低プロファイルフィーチャを視覚的に隠す方法であって、コーティング系を表面上に塗布して、コーティングされた表面を提供することを含み、コーティング系が、1層以上のコーティング層を含み、コーティングされた表面が、10μm未満の表面領域粗さを有する、方法。
【0211】
態様32A.複数の低プロファイルフィーチャが、10μm超の表面領域粗さを有し、塗布されたコーティング系が、表面領域粗さの+/−50%以内である総厚さを有する、態様31Aに記載の方法。
【0212】
態様33A.複数の低プロファイルフィーチャが、10μm〜200μmの第1の平均フィーチャ高さを有する、態様31A〜32Aのいずれか1つに記載の方法。
【0213】
態様34A.複数の低プロファイルフィーチャが、複数の平行なラインを含む、態様31A〜33Aのいずれか1つに記載の方法。
【0214】
態様35A.複数の低プロファイルフィーチャが、複数の印刷ラインを含む、態様31A〜34Aのいずれか1つに記載の方法。
【0215】
態様36A.物品が、付加製造を使用して製作される、態様31A〜35Aのいずれか1つに記載の方法。
【0216】
態様37A.物品が、付加製造を使用して製作された表面を含む、態様31A〜36Aのいずれか1つに記載の方法。
【0217】
態様38A.塗布されたコーティング層を、別のコーティング層を塗布する前に研磨することをさらに含む、態様31A〜37Aのいずれか1つに記載の方法。
【0218】
態様39A.態様31A〜38Aのいずれか1つに記載の方法によって調製されたコーティングされた物品。
【0219】
態様40A.物品が、3次元印刷を使用して製作される、態様39Aに記載のコーティングされた物品。
【0220】
態様41A.物品の表面上の複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャを強調する方法であって、表面が、複数の低プロファイルフィーチャを含み、コーティング系を表面上に塗布して、コーティングされた表面を提供することを含み、低プロファイルフィーチャが、コーティングされた表面上で視覚的に明らかではない、方法。
【0221】
態様42A.複数の低プロファイルフィーチャが、10μm〜200μmの表面領域粗さを有し、複数の意図的なトポグラフィカルフィーチャが、複数の低プロファイルフィーチャの表面領域粗さの400%〜1,000%である第2の平均フィーチャ高さを有する、態様41Aに記載の方法。
【0222】
態様43A.コーティング系が、1層以上のコーティング層を含む、態様41A〜42Aのいずれか1つに記載の方法。
【0223】
態様44A.塗布されたコーティング系が、複数の低プロファイルフィーチャの表面領域粗さの+/−50%以内である総厚さを有する、態様41A〜43Aのいずれか1つに記載の方法。
【0224】
態様45A.物品が、3次元印刷を使用して製作された表面を含む、態様41A〜44Aのいずれか1つに記載の方法。
【0225】
態様46A.塗布されたコーティング層を、別のコーティング層を塗布する前に研磨することをさらに含む、態様41A〜45Aのいずれか1つに記載の方法。
【0226】
態様47A.態様41A〜46Aのいずれか1つに記載の方法によって調製されたコーティングされた物品。
【0227】
態様48A.物品が、3次元印刷を使用して製作される、態様46Aに記載のコーティングされた物品。
【0228】
最後に、本明細書に開示される実施形態を実施する代替の方法が存在することに留意されたい。したがって、本実施形態は、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲は、本明細書に与えられる詳細に限定されるべきではなく、これら全範囲およびその等価物に権利がある。