特表2021-521116(P2021-521116A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-521116ヒノキチオール類似体、それらの調製方法及び医薬組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-521116(P2021-521116A)
(43)【公表日】2021年8月26日
(54)【発明の名称】ヒノキチオール類似体、それらの調製方法及び医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/61 20060101AFI20210730BHJP
   C07C 49/753 20060101ALI20210730BHJP
   C07C 49/733 20060101ALI20210730BHJP
   C07C 45/29 20060101ALI20210730BHJP
   C07C 45/63 20060101ALI20210730BHJP
   C07C 45/68 20060101ALI20210730BHJP
   C07C 49/717 20060101ALI20210730BHJP
   B01J 31/22 20060101ALI20210730BHJP
   B01J 31/26 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20210730BHJP
   A61P 7/06 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/423 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/341 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/44 20060101ALI20210730BHJP
   A61K 31/351 20060101ALI20210730BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20210730BHJP
【FI】
   C07C45/61
   C07C49/753 BCSP
   C07C49/733
   C07C45/29
   C07C45/63
   C07C45/68
   C07C49/717
   B01J31/22 Z
   B01J31/26 Z
   A61K31/122
   A61P7/06
   A61K31/7048
   A61K31/423
   A61K31/341
   A61K31/44
   A61K31/351
   C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】431
(21)【出願番号】特願2020-554896(P2020-554896)
(86)(22)【出願日】2019年4月12日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月30日
(86)【国際出願番号】US2019027314
(87)【国際公開番号】WO2019200314
(87)【国際公開日】20191017
(31)【優先権主張番号】62/657,127
(32)【優先日】2018年4月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】513016884
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ イリノイ
【氏名又は名称原語表記】THE BOARD OF TRUSTEES OF THE UNIVERSITY OF ILLINOIS
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】バーク,マーティン ディー
(72)【発明者】
【氏名】グリッロ,アンソニー エス
(72)【発明者】
【氏名】チオフィ,アレクサンダー ジー
(72)【発明者】
【氏名】サンタマリア,アナ
(72)【発明者】
【氏名】ブレア,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA07
4C086CA01
4C086CA03
4C086EA15
4C086GA07
4C086GA09
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA08
4C086NA05
4C086ZA55
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206CB25
4C206CB28
4C206MA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA05
4C206NA14
4C206ZA55
4G169AA06
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BB04B
4G169BC32B
4G169BC66B
4G169BC72A
4G169BC72B
4G169BE27A
4G169BE27B
4G169CB02
4G169CB70
4G169DA02
4H006AA01
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB20
4H006AC13
4H006AC44
4H006BC10
4H006BE01
4H006BE03
4H006BE12
4H006BE13
4H006BE33
4H039CA10
4H039CL25
(57)【要約】
ヒノキチオールの類似体、それらの調製方法、及びそれらの医薬組成物を開示する。また、鉄関連疾患の治療に使用される方法も開示する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
ブレンステッド塩基及び7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を組み合わせることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成する工程を含む、前記方法。
【請求項2】
前記塩基が、無機塩基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基が、炭酸塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記塩基が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、またはそれらの組み合わせである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を調製し、
メチル化剤及び7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を組み合わせて、混合物を形成することによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記メチル化剤が、ヨウ化メチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
無機塩基をさらに含む、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記無機塩基が、炭酸塩である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記炭酸塩が、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、またはそれらの組み合わせである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
約80℃を超える温度(例えば、約90℃)で前記混合物を加熱することをさらに含む、請求項5〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を調製し、
酸化剤及び7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を組み合わせることによって、7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オンまたはその塩を形成する工程をさらに含む、請求項5〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化剤が、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、炭酸銀、またはそれらのいずれかの混合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記酸化剤が、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬をさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを前記酸化剤と接触後に塩基性アミンと接触させる、請求項11〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記塩基性アミンが、第三級アミンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記塩基性アミンが、トリエチルアミンである、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約5℃未満の温度で前記酸化剤と接触させる、請求項11〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で前記酸化剤と最初に接触させる、請求項11〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
温度を約0℃に温めることをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法が、4−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ない、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
以下の構造式の化合物:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩をハロゲン化剤と反応させることによって、前記化合物を形成することを含み、
式中、Rが、Hまたはメチルであり、Xが、ハロゲンである、前記方法。
【請求項22】
前記ハロゲン化剤が、臭素化剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記臭素化剤が、N−ブロモスクシンイミド(NBS)または臭化水素酸である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成することを含む、前記方法。
【請求項25】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール及び前記酸化剤を、塩基と組み合わせることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記塩基が、アミンである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記アミンが、第三級アミンである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で前記酸化剤と最初に接触させる、請求項24〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
温度を約0℃に温めることをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,4−ジオール:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成することを含む、前記方法。
【請求項32】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,4−ジオールを、約−78℃の温度で前記酸化剤と最初に接触させる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
温度を約0℃に温めることをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記酸化剤が、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、または炭酸銀のうちの1つ以上を含む、請求項31〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記酸化剤が、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む、請求項31〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール及び前記酸化剤を、塩基と組み合わせることをさらに含む、請求項31〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記塩基が、アミン塩基である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記塩基が、第三級アミン塩基である、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項36〜38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
以下の構造式の化合物:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、2−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の化合物を得ることを含み、
式中:
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで任意選択で置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項41】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
が、
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
構造式の化合物:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
が、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項45】
構造式の化合物:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
が、
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項47】
構造式の化合物:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化26-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化26-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、前記反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項40〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項48〜50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項48〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
構造式の化合物:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み;
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、前記方法。
【請求項56】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項55〜57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項55〜58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項55〜59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
構造式を有する化合物:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得る、請求項55〜60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
構造式の化合物:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項55〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
構造式の化合物:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項55〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
構造式の化合物:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化37-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化37-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項55〜61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
構造式の化合物:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)構造式の化合物:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ること;及び
(2)構造式を有する化合物:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み;
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項66】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記方法の工程(1)が、前記反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項65または66に記載の方法。
【請求項68】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項67〜69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項67〜70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項65〜73のいずれか1項に記載の方法。
【請求項75】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項65〜74のいずれか1項に記載の方法。
【請求項76】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項65〜75のいずれか1項に記載の方法。
【請求項77】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項65〜76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項65〜76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
が、
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項65〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項80】
構造式の化合物:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項65〜79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
構造式の化合物:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項65〜80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
が、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項65〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
構造式の化合物:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項65〜78及び82のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
構造式の化合物:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項65〜78、82及び83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
が、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項65〜78のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
構造式の化合物:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化56-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化56-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項65〜78及び85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
構造式の化合物:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化58-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化58-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項65〜78、85及び86のいずれか1項に記載の方法。
【請求項88】
構造式の化合物:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項89】
前記方法が、前記反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項89または90に記載の方法。
【請求項92】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項89〜91のいずれか1項に記載の方法。
【請求項93】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項89〜92のいずれか1項に記載の方法。
【請求項94】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項93または94に記載の方法。
【請求項96】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項88〜95のいずれか1項に記載の方法。
【請求項97】
が、
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項88〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
構造式の化合物:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項88〜97のいずれか1項に記載の方法。
【請求項99】
が、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項88〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
構造式の化合物:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項88〜96及び99のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
が、
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される、請求項88〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
構造式の化合物:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化71-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化71-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項88〜96及び101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
構造式の化合物:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、前記方法。
【請求項104】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項103または104に記載の方法。
【請求項106】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項103〜105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項107】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項103〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項103〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
構造式を有する化合物:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含む、請求項103〜108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
構造式の化合物:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項103〜109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
構造式の化合物:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項103〜109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
構造式の化合物:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化82-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化82-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項103〜109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
構造式の化合物:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、臭素化剤と反応させることによって、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項114】
前記方法の工程(2)が、前記反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項114または115に記載の方法。
【請求項117】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項114〜116のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項114〜117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項118または119に記載の方法。
【請求項121】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項103〜110のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項113〜121のいずれか1項に記載の方法。
【請求項123】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項113〜122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項113〜123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項113〜124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項113〜125のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
が、
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項113〜126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
構造式の化合物:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項113〜127のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
構造式の化合物:
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項113〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
が、
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項113〜126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
構造式の化合物:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項113〜126及び130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
構造式の化合物:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項113〜126、130及び131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
が、
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項113〜126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
構造式の化合物:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化103-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化103-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項113〜126及び133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
構造式の化合物:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化105-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化105-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項113〜126、133及び134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
構造式の化合物:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項137】
前記方法が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項137または138に記載の方法。
【請求項140】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項137〜139のいずれか1項に記載の方法。
【請求項141】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項139〜140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項141または142に記載の方法。
【請求項144】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項136〜143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
が、
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項136〜144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
構造式の化合物:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項136〜145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
が、
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項136〜144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項148】
構造式の化合物:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項136〜144及び147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
が、
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項136〜144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項150】
構造式の化合物:
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化118-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化118-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項136〜144及び149のいずれか1項に記載の方法。
【請求項151】
構造式の化合物:
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、前記方法。
【請求項152】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項151または152に記載の方法。
【請求項154】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項151〜153のいずれか1項に記載の方法。
【請求項155】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項153〜154のいずれか1項に記載の方法。
【請求項156】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項153〜155のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
構造式を有する化合物:
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含む、請求項153〜156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項158】
構造式の化合物:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項153〜157のいずれか1項に記載の方法。
【請求項159】
構造式の化合物:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項153〜157のいずれか1項に記載の方法。
【請求項160】
構造式の化合物:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化129-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化129-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項153〜157のいずれか1項に記載の方法。
【請求項161】
構造式の化合物:
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成することを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項162】
前記方法の工程(1)では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で前記酸化剤と最初に接触させる、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
温度を約0℃に温めることをさらに含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記酸化剤が、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む、請求項162または163に記載の方法。
【請求項165】
前記酸化剤が、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む、請求項162〜164のいずれか1項に記載の方法。
【請求項166】
前記方法の工程(1)が、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール及び前記酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む、請求項161〜165のいずれか1項に記載の方法。
【請求項167】
前記塩基が、アミン塩基である、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記塩基が、第三級アミン塩基である、請求項166または167に記載の方法。
【請求項169】
前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項166〜168のいずれか1項に記載の方法。
【請求項170】
前記方法の工程(2)が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項161〜169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項171】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項170または171に記載の方法。
【請求項173】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項170〜172のいずれか1項に記載の方法。
【請求項174】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項170〜173のいずれか1項に記載の方法。
【請求項175】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項174に記載の方法。
【請求項176】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項174または175に記載の方法。
【請求項177】
が、
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項161〜176のいずれか1項に記載の方法。
【請求項178】
構造式の化合物:
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項161〜177のいずれか1項に記載の方法。
【請求項179】
が、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項161〜176のいずれか1項に記載の方法。
【請求項180】
構造式の化合物:
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項161〜176及び179のいずれか1項に記載の方法。
【請求項181】
が、
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項161〜176のいずれか1項に記載の方法。
【請求項182】
構造式の化合物:
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化144-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化144-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項161〜176及び181のいずれか1項に記載の方法。
【請求項183】
構造式の化合物:
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項184】
前記方法が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項184または185に記載の方法。
【請求項187】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項184〜186のいずれか1項に記載の方法。
【請求項188】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項184〜187のいずれか1項に記載の方法。
【請求項189】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項188に記載の方法。
【請求項190】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項188または189に記載の方法。
【請求項191】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項183〜190のいずれか1項に記載の方法。
【請求項192】
が、
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項183〜191のいずれか1項に記載の方法。
【請求項193】
構造式の化合物:
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項183〜192のいずれか1項に記載の方法。
【請求項194】
が、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項183〜191のいずれか1項に記載の方法。
【請求項195】
構造式の化合物:
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項183〜191及び194のいずれか1項に記載の方法。
【請求項196】
が、
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項183〜191のいずれか1項に記載の方法。
【請求項197】
構造式の化合物:
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化157-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化157-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項183〜191及び196のいずれか1項に記載の方法。
【請求項198】
構造式の化合物:
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、前記方法。
【請求項199】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項198に記載の方法。
【請求項200】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項198または199に記載の方法。
【請求項201】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項198〜200のいずれか1項に記載の方法。
【請求項202】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項198〜201のいずれか1項に記載の方法。
【請求項203】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項198〜202のいずれか1項に記載の方法。
【請求項204】
構造式を有する化合物:
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得る、請求項198〜203のいずれか1項に記載の方法。
【請求項205】
構造式の化合物:
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項198〜204のいずれか1項に記載の方法。
【請求項206】
構造式の化合物:
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項198〜204のいずれか1項に記載の方法。
【請求項207】
構造式の化合物:
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化168-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化168-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項198〜204のいずれか1項に記載の方法。
【請求項208】
構造式の化合物:
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール:
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(2)構造式の化合物:
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成することを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項209】
前記方法の工程(1)が、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール及び前記酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む、請求項208に記載の方法。
【請求項210】
前記塩基が、アミン塩基である、請求項209に記載の方法。
【請求項211】
前記塩基が、第三級アミン塩基である、請求項209または210に記載の方法。
【請求項212】
前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項209〜211のいずれか1項に記載の方法。
【請求項213】
前記方法の工程(2)が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項208〜212のいずれか1項に記載の方法。
【請求項214】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項213に記載の方法。
【請求項215】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項213または214に記載の方法。
【請求項216】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項213〜215のいずれか1項に記載の方法。
【請求項217】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項213〜216のいずれか1項に記載の方法。
【請求項218】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項217に記載の方法。
【請求項219】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項217または218に記載の方法。
【請求項220】
が、
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項208〜219のいずれか1項に記載の方法。
【請求項221】
構造式の化合物:
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項208〜220のいずれか1項に記載の方法。
【請求項222】
が、
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項208〜219のいずれか1項に記載の方法。
【請求項223】
構造式の化合物:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項208〜219及び222のいずれか1項に記載の方法。
【請求項224】
が、
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項208〜219のいずれか1項に記載の方法。
【請求項225】
構造式の化合物:
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化183-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化183-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項208〜219及び224のいずれか1項に記載の方法。
【請求項226】
構造式の化合物:
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項227】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項226に記載の方法。
【請求項228】
前記方法が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項226または227に記載の方法。
【請求項229】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項228に記載の方法。
【請求項230】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項228または229に記載の方法。
【請求項231】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項228〜230のいずれか1項に記載の方法。
【請求項232】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項228〜231のいずれか1項に記載の方法。
【請求項233】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項232に記載の方法。
【請求項234】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項232または233に記載の方法。
【請求項235】
構造式の化合物:
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
が、
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
または−Sn(C1−6−アルキル)であり;及び
が、ハロまたは擬ハロである、前記方法。
【請求項236】
が、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフラート、メシラート、またはホスホネートである、請求項235に記載の方法。
【請求項237】
が、
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中、nが、1〜20の整数であり、Rが、水素、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、またはC1−6−アルコキシである、請求項235または236に記載の方法。
【請求項238】
構造式の化合物:
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、金属触媒の存在下で、構造式の化合物:
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させる、請求項235〜237のいずれか1項に記載の方法。
【請求項239】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項238に記載の方法。
【請求項240】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項238または239に記載の方法。
【請求項241】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項238〜240のいずれか1項に記載の方法。
【請求項242】
構造式の化合物:
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項243】
前記方法が、前記反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項242に記載の方法。
【請求項244】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項243に記載の方法。
【請求項245】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項243または244に記載の方法。
【請求項246】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項243〜245のいずれか1項に記載の方法。
【請求項247】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項243〜246のいずれか1項に記載の方法。
【請求項248】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項247に記載の方法。
【請求項249】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項247または248に記載の方法。
【請求項250】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項242〜249のいずれか1項に記載の方法。
【請求項251】
が、
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項242〜250のいずれか1項に記載の方法。
【請求項252】
構造式の化合物:
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項242〜251のいずれか1項に記載の方法。
【請求項253】
が、
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項242〜250のいずれか1項に記載の方法。
【請求項254】
構造式の化合物:
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項242〜250及び253のいずれか1項に記載の方法。
【請求項255】
が、
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項242〜250のいずれか1項に記載の方法。
【請求項256】
構造式の化合物:
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩が、
【化208-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化208-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項242〜250及び255のいずれか1項に記載の方法。
【請求項257】
構造式の化合物:
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、前記方法。
【請求項258】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項257または258に記載の方法。
【請求項260】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項257〜259のいずれか1項に記載の方法。
【請求項261】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項257〜260のいずれか1項に記載の方法。
【請求項262】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項257〜261のいずれか1項に記載の方法。
【請求項263】
構造式を有する化合物:
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化213】
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またはその塩を得る、請求項257〜262のいずれか1項に記載の方法。
【請求項264】
構造式の化合物:
【化214】
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またはその塩が、
【化215】
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またはそれらの塩から選択される、請求項257〜263のいずれか1項に記載の方法。
【請求項265】
構造式の化合物:
【化216】
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またはその塩が、
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項257〜263のいずれか1項に記載の方法。
【請求項266】
構造式の化合物:
【化218】
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またはその塩が、
【化219-1】
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【化219-2】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項257〜263のいずれか1項に記載の方法。
【請求項267】
構造式の化合物:
【化220】
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またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化221】
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またはその塩を、塩基と接触させることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化222】
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またはその塩を形成すること;
(2)構造式の化合物
【化223】
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またはその塩を、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化224】
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またはその塩を得ること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化225】
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またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化226】
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またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択及び独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、前記方法。
【請求項268】
前記方法の工程(1)では、7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オンを、約−78℃の温度で前記酸化剤と最初に接触させる、請求項267に記載の方法。
【請求項269】
温度を約0℃に温めることをさらに含む、請求項268に記載の方法。
【請求項270】
前記酸化剤が、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、または炭酸銀のうちの1つ以上を含む、請求項267〜269のいずれか1項に記載の方法。
【請求項271】
前記酸化剤が、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む、請求項267〜270のいずれか1項に記載の方法。
【請求項272】
前記方法の工程(1)が、7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン及び前記酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む、請求項267〜271のいずれか1項に記載の方法。
【請求項273】
前記塩基が、アミン塩基である、請求項272に記載の方法。
【請求項274】
前記塩基が、第三級アミン塩基である、請求項272または273に記載の方法。
【請求項275】
前記塩基が、トリエチルアミンである、請求項272〜274のいずれか1項に記載の方法。
【請求項276】
前記方法の工程(2)が、前記化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む、請求項267〜275のいずれか1項に記載の方法。
【請求項277】
前記金属触媒が、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である、請求項276に記載の方法。
【請求項278】
前記金属触媒が、有機パラジウム触媒である、請求項276または277に記載の方法。
【請求項279】
前記金属触媒が、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される、請求項276〜278のいずれか1項に記載の方法。
【請求項280】
前記反応が、プロモーターをさらに含む、請求項276〜279のいずれか1項に記載の方法。
【請求項281】
前記プロモーターが、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である、請求項280に記載の方法。
【請求項282】
前記プロモーターが、酸化銀である、請求項280または281に記載の方法。
【請求項283】
1’及びR2’が両方とも水素である、請求項267〜282のいずれか1項に記載の方法。
【請求項284】
前記脱メチル化剤が、酸である、請求項267〜283のいずれか1項に記載の方法。
【請求項285】
前記脱メチル化剤が、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである、請求項267〜284のいずれか1項に記載の方法。
【請求項286】
前記脱メチル化剤が、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである、請求項267〜285のいずれか1項に記載の方法。
【請求項287】
前記脱メチル化剤が、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である、請求項267〜286のいずれか1項に記載の方法。
【請求項288】
前記脱メチル化剤が、硫酸である、請求項267〜286のいずれか1項に記載の方法。
【請求項289】
が、
【化227】
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からなる群から選択される、請求項267〜288のいずれか1項に記載の方法。
【請求項290】
構造式の化合物:
【化228】
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またはその塩が、
【化229】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項267〜289のいずれか1項に記載の方法。
【請求項291】
構造式の化合物:
【化230】
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またはその塩が、
【化231】
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またはそれらの塩から選択される、請求項267〜290のいずれか1項に記載の方法。
【請求項292】
が、
【化232】
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からなる群から選択される、請求項267〜288のいずれか1項に記載の方法。
【請求項293】
構造式の化合物:
【化233】
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またはその塩が、
【化234】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項267〜288及び292のいずれか1項に記載の方法。
【請求項294】
構造式の化合物:
【化235】
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またはその塩が、
【化236】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項267〜288、292及び293のいずれか1項に記載の方法。
【請求項295】
が、
【化237】
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からなる群から選択される、請求項267〜288のいずれか1項に記載の方法。
【請求項296】
構造式の化合物:
【化238】
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またはその塩が、
【化239-1】
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【化239-2】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項267〜288及び295のいずれか1項に記載の方法。
【請求項297】
構造式の化合物:
【化240】
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またはその塩が、
【化241-1】
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【化241-2】
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またはその塩からなる群から選択される、請求項267〜288、295及び296のいずれか1項に記載の方法。
【請求項298】
式(I):
【化242】
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(I)
による構造を有する化合物またはその塩であって、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;及び
が、水素またはメチルであり、但し、前記化合物が、ヒノキチオールではない、前記化合物またはその塩。
【請求項299】
前記化合物が、:
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される、請求項298に記載の化合物。
【請求項300】
が、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルであり、但し、前記化合物が、ヒノキチオールではない、請求項298または299に記載の化合物。
【請求項301】
が、
【化244】
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からなる群から選択される、請求項298〜300のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項302】
が、
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項298または299に記載の化合物。
【請求項303】
が、
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される、請求項298または299に記載の化合物。
【請求項304】
【化247-1】
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【化247-2】
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【化247-3】
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【化247-4】
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またはそれらの塩から選択される、化合物。
【請求項305】
前記化合物が、
【化248】
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またはそれらの塩から選択される、請求項304に記載の化合物。
【請求項306】
前記化合物が、
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項304に記載の化合物。
【請求項307】
前記化合物が、
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項304に記載の化合物。
【請求項308】
前記化合物が、
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項304に記載の化合物。
【請求項309】
前記化合物が、
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される、請求項304に記載の化合物。
【請求項310】
【化253-1】
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【化253-2】
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及びそれらの塩からなる群から選択される、化合物。
【請求項311】
【化254-1】
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【化254-2】
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及びそれらの塩からなる群から選択される、化合物。
【請求項312】
【化255-1】
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【化255-2】
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及びそれらの塩からなる群から選択される、化合物。
【請求項313】
請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物またはその塩;及び薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項314】
鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる疾患または状態の治療方法であって、
トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される治療有効量の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項315】
鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる前記疾患または状態が、低色素性小球性貧血である、請求項314に記載の方法。
【請求項316】
トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、経上皮鉄輸送の増進方法。
【請求項317】
トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、生理機能の増進方法。
【請求項318】
トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、ヘモグロビン化の増進方法。
【請求項319】
トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、鉄放出の増進方法。
【請求項320】
アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトールからなる群から選択される1つ以上のさらなる化合物の有効量を投与することをさらに含む、請求項314〜319のいずれか1項に記載の方法。
【請求項321】
前記化合物が、全身投与される、請求項314〜320のいずれか1項に記載の方法。
【請求項322】
前記化合物が、経口投与される、請求項314〜320のいずれか1項に記載の方法。
【請求項323】
前記化合物が、静脈内投与される、請求項314〜320のいずれか1項に記載の方法。
【請求項324】
前記対象が、哺乳動物である、請求項314〜323のいずれか1項に記載の方法。
【請求項325】
前記対象が、ヒトである、請求項324に記載の方法。
【請求項326】
前記対象が、二価金属トランスポーター1(DMT1)が欠乏している、請求項314〜325のいずれか1項に記載の方法。
【請求項327】
細胞中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のインビトロ増進方法であって、
前記細胞を、トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量と接触させることを含む、前記方法。
【請求項328】
前記細胞を、アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のさらなる化合物の有効量と接触させることをさらに含む、請求項327に記載の方法。
【請求項329】
臓器中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のエクスビボ増進方法であって、
前記臓器を、トロポロン及び請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物からなる群から選択される化合物の有効量と接触させることを含む、前記方法。
【請求項330】
前記臓器を、アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のさらなる化合物の有効量と接触させることをさらに含む、請求項329に記載の方法。
【請求項331】
前記化合物が、トロポロンである、請求項314〜330のいずれか1項に記載の方法。
【請求項332】
前記化合物が、請求項298〜312のいずれか1項に記載の化合物である、請求項314〜330のいずれか1項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/657,127号に基づく優先権の利益を主張し、この内容はその全体を参照により本明細書に組み込まれている。
【政府の支援】
【0002】
本発明は、国立衛生研究所から付与された助成金第GM118185号に基づく連邦政府の支援を受けて行われた。連邦政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
鉄恒常性は、身体の正常機能に不可欠である。鉄はヘモグロビン産生の中心となるので、不十分なレベルの鉄は、鉄欠乏性貧血を生じる。鉄過剰負荷はまた、腸からの鉄吸収を不適切に増加させることにより鉄のバランスを乱す可能性もある。この増加は、多くの場合、肝臓、膵臓、心臓、下垂体及び他の臓器において鉄の沈着を生じ、組織損傷及びこれらの臓器の正常な機能障害を引き起こす。
【0004】
鉄関連障害のための現在の治療選択には、エポエチンアルファ、エポエチンベータ及びダルベポエチンなどの赤血球生成剤の投与が含まれる。さらなる治療には、経口または非経口の鉄療法及び/または輸血が含まれる。しかしながら、鉄療法は限られた効能しかなく、通常、一部の患者には勧められていない。さらに、輸血は多臓器機能不全について進行中の問題があり、救命治療患者において死亡率が高くなっている。したがって、十分な様式でエポエチン及びこの関連する類似体に反応しない対象にとって非常に特異的で、良好な忍容性を示し、有用な治療として役立ち得る、鉄関連疾患を治療する新規方法についての必要性が存在している。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、ヒノキチオールの類似体、それらの調製方法、及び鉄関連疾患の治療に使用されるそれらの医薬化合物を提供する。
【0006】
したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
ブレンステッド塩基、及び7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を組み合わせることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成する工程を含む、方法である。
【0007】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、以下の構造式の化合物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、ハロゲン化剤と反応させることによって、化合物を形成することを含み、式中、Rが、Hまたはメチルであり、Xが、ハロゲンである、方法である。
【0008】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成することを含む、方法である。
【0009】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成することを含む、方法である。
【0010】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、以下の構造式の化合物:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、2−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、独立して任意選択で、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0011】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0012】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)構造式の化合物
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ること;及び
(2)構造式を有する化合物:
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0013】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0014】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0015】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、臭素化剤と反応させることによって、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0016】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0017】
さらに別の実施形態では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0018】
さらに別の態様では、提供されるのは、構造式の化合物:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成することを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0019】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0020】
さらに別の実施形態では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0021】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(2)構造式の化合物:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成することを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0022】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0023】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
が、
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
または−Sn(C1−6−アルキル)であり;及び
が、ハロまたは擬ハロである、方法である。
【0024】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式の化合物:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0025】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0026】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、塩基と接触させることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:

またはその塩を形成すること;
(2)構造式の化合物:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0027】
また、本明細書で提供されるのは、天然物であるヒノキチオールの類似体である化合物である。本発明の例示の化合物としては、
【化85-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化85-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化85-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化85-4】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩が挙げられる。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、医薬組成物として提供される。
【0029】
本明細書で開示される化合物及び医薬組成物は、鉄欠乏、Al、及び鉄過剰を含むが、これらに限定されない任意の鉄関連障害の治療に使用され得る。過剰な鉄に起因する障害の他の例としては、肝硬変、肝がん、変形性関節症、骨減少症、骨軟化症、糖尿病、不整脈、心臓発作、甲状腺機能低下症、不妊症、勃起不全、うつ病、性腺機能低下症、及びブロンズまたはアシェングレーの肌の変色が挙げられる。本発明に従って診断して、治療し得る他の鉄関連障害の例としては、例えば、ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、後天性鉄過剰、鎌状赤血球貧血、サラセミア、アフリカ鉄沈着症、晩発性皮膚ポルフィリン症、鉄欠乏性貧血、フリードライヒ運動失調症、フェロポーチン病、高フェリチン血症、無トランスフェリン血症、及び鉄芽球性貧血が挙げられる。鉄関連障害としては、例えば、心不全、溶血性貧血、及び神経障害がさらに挙げられる。
【0030】
また、本明細書で提供されるのは、鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる疾患または状態の治療方法であって、治療有効量のトロポロンまたは本明細書で開示される化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。いくつかのかかる実施形態では、鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる前記疾患または状態が、低色素性小球性貧血である。
【0031】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、経上皮鉄輸送の増進方法である。
【0032】
さらに他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、生理機能の増進方法である。
【0033】
さらに他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、ヘモグロビン化の増進方法である。
【0034】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、鉄放出の増進方法である。
【0035】
また、本明細書で提供されるのは、細胞中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のインビトロ増進方法であって、細胞を、本明細書で開示される化合物の有効量と接触させることを含む、方法である。
【0036】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、臓器中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のエクスビボ増進方法であって、臓器を、本明細書で開示される化合物の有効量と接触させることを含む、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1A】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(A)膜貫通鉄輸送を自律的に行う小分子は、タンパク質鉄トランスポーターが欠如している家系において選択的に蓄積する不安定な鉄プールの局所イオン勾配を抑えると仮定される。茶色の球は、イオン性鉄と、クエン酸塩などの小分子に弱く結合した鉄との両方を含む不安定な鉄を表す。
図1B】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(B)ヒノキチオール(Hino)及び輸送不活性誘導体C2−デオキシヒノキチオール(C2deOHino)の構造。
図1C】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(C)10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で縞模様になったfet3Δftr1Δ細胞のヒノキチオールによるディスク拡散は、中間濃度の小分子で酵母細胞増殖を回復させた。
図1D】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(D)ヒノキチオールの不在下で、fet3Δftr1Δ酵母細胞増殖の低下は、連続10倍希釈プレート法(OD600=1.0から)によって、10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレートで観察された。同一条件下で、細胞増殖の回復は、10μM ヒノキチオールを含有する同じ低鉄SD寒天プレートで観察された。
図1E】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(E)10μM ヒノキチオールの不在下または存在下で、10μM FeClを含有する液体SD培地における酵母細胞増殖。N=3。(E〜G)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図1F】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。(F)ヒノキチオールは、fet3Δftr1Δ酵母の増殖を回復させた一方、C2deOHinoは、回復させなかった。N=3。(E〜G)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図1G】A〜Gは、鉄トランスポーター欠乏生物に対する生理機能の回復を示す。ヒノキチオールは、55Feのfet3Δftr1Δ酵母への流入を増加させる一方、C2deOHinoは、増加させない。N=3。(E〜G)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図2A】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(A)デフェリプロンなどの水溶性キレート剤とは逆に、ヒノキチオール−鉄錯体は、無極性溶媒に分配する。
図2B】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(B)FeClの増加に伴ったヒノキチオールのUV−Vis滴定試験は、ヒノキチオールが鉄に結合することを示す。矢印は、0:1 Fe:Hinoから6:1 Fe:Hinoへの鉄の増加に伴ったUVスペクトルの変化を示す。
図2C】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(C及びD)水溶性鉄キレート剤及びC2deOHinoとは対照的に、ヒノキチオールは、モデルPOPCリポソームからの(C)第一鉄及び(D)第二鉄の流出を自律的に促進する。N=3。(C、D)グラフは、3つの独立した実験の代表的なランを示す。
図2D】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(C及びD)水溶性鉄キレート剤及びC2deOHinoとは対照的に、ヒノキチオールは、モデルPOPCリポソームからの(C)第一鉄及び(D)第二鉄の流出を自律的に促進する。N=3。(C、D)グラフは、3つの独立した実験の代表的なランを示す。
図2E】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(E)C1対称性Fe(Hino)錯体のX線結晶構造。
図2F】A〜Fは、ヒノキチオール結合及び輸送の物理的特性を示す。(F)100mV/s走査速度による500μM Hino及び100μM Fe(NOを用いた、pH=7.2での1:1 MeOH:HO中の0.1Mトリス緩衝液における鉄ヒノキチオール錯体のサイクリックボルタモグラム。(F)グラフは、4つの独立した実験の代表的なランを示す。
図3A】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(A)55FeのDMT1欠乏Caco−2単層及び(B)経上皮輸送(頂端側から側底側)への取り込みは、ヒノキチオール(500 nM)が正常な鉄吸収を回復させたことを示した。N=3。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3B】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(A)55FeのDMT1欠乏Caco−2単層及び(B)経上皮輸送(頂端側から側底側)への取り込みは、ヒノキチオール(500nM)が正常な鉄吸収を回復させたことを示した。N=3。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3C】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(C)ヒノキチオール促進55Fe輸送は、腸内の滞留時間に見合った時間で生じる。N=3。
図3D】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(D)sh対照及びヒノキチオール処理(1μM)DMT1欠乏MEL細胞からの細胞ペレットは、ヘモグロビンの特性であるピンクに見える一方、DMT1欠乏細胞ペレットは、そうではなかった。
図3E】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(E)o−ジアニシジンで茶色に染色したMEL細胞のImageJ定量化。点線は、sh対照レベルを表す。N=6〜48。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3F】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(F)ヒノキチオール救出DMT1欠乏MEL細胞におけるヘムへの55Feの組み込み。点線は、sh対照レベルを表す。N=3〜23。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3G】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(G)ヒノキチオールは、o−ジアニシジン染色されたMfrn1欠乏MEL細胞の数を増加させる。点線は、DS19レベルを表す。N=21〜48。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3H】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(H)ヒノキチオール(1μM)は、鉄の取り込みに影響を与えることなく、FPN1欠乏Caco−2単層(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3I】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(I)を横断する55Fe経上皮輸送を回復させる。N=12。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3J】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(J)ヒノキチオール(5μM)は、ヘプシジン処理FPN1欠乏J774マクロファージからの55Feの放出を促進する(t=2時間)。N=6〜20。(A、B、E〜J)NS、有意ではない;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図3K】A〜Kは、ヒノキチオールが哺乳動物細胞の生理機能を回復させることを示す。(K)ヒノキチオール及びC2deOHinoで処理したまたは処理しなかった野生型及びFPN1欠乏J774マクロファージからの55Feの時間依存性放出。N=6〜20。
図4A】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(A)相対エンドソーム、サイトゾル、及びミトコンドリア鉄レベルをそれぞれ検出するため、oxyburstグリーン、カルセイングリーン、及びRPAを用いた、ヒノキチオール(1μM)の不在下または存在下での分化sh対照及びDMT1欠乏MEL細胞の代表的な蛍光画像。不安定な鉄の蓄積は、ヒノキチオール処理後に放出された、DMT1欠乏細胞のエンドソームで観察された。スケールバー=10μm(A)。
図4B】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(B及びC)細胞内不安定鉄の蓄積は、カルセイングリーン蛍光の消失によって、200μM FeSOで処理したFPN1欠乏J774マクロファージで観察される。N=3。スケールバー=20μm(B、H)。
図4C】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(B及びC)細胞内不安定鉄の蓄積は、カルセイングリーン蛍光の消失によって、200μM FeSOで処理したFPN1欠乏J774マクロファージで観察される。N=3。(C〜E)**P≦0.01;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図4D】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(D)50μM FeClによる鉄(III)のJ774マクロファージへの取り込みは、55Feを放射性トレーサーとして用いた4時間後に、FPN1欠乏細胞における総細胞内鉄の蓄積を同様に見せた。N=8。(C〜E)**P≦0.01;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図4E】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(E)細胞外鉄(III)レベルの増加は、55Feを放射性トレーサーとして用いて、ヒノキチオール(1μM)で処理した場合に、鉄のJ774マクロファージへの取り込みの速度を増加させた。N=3。(C〜E)**P≦0.01;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図4F】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(F及びG)リポソーム内(F)第一鉄及び(G)第二鉄の増加は、ヒノキチオール(10μM)の存在下で、鉄流出速度の増加をもたらす。ヒノキチオールの不在下で流出は観察されなかった。N=3。(F、G)グラフは、3つの独立した実験の平均を示す。
図4G】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(F及びG)リポソーム内(F)第一鉄及び(G)第二鉄の増加は、ヒノキチオール(10μM)の存在下で、鉄流出速度の増加をもたらす。ヒノキチオールの不在下で流出は観察されなかった。N=3。(F、G)グラフは、3つの独立した実験の平均を示す。
図4H】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(H)反対方向における、J774マクロファージの人工的に作られた鉄勾配を用いた、カルセイングリーンによるサイトゾル鉄の蛍光イメージング。細胞にFeSO(200μM)を負荷し、濯いだ後、ヒノキチオール(100μM)をt=5分で添加した。蛍光の増加が観察され、これは、細胞内不安定鉄の減少と合致する。その後、100μM FeClを培地にt=12分で添加することで、これらの同じ細胞における勾配は逆転した。蛍光消失が観察され、これは、鉄の取り込みと合致する。
図4I】A〜Iは、ヒノキチオールが蓄積鉄勾配を活用することを示す。(I)DMSO、ヒノキチオール、またはC2deOHinoをt=5分で添加、及びFeClをt=12分間で添加による、鉄負荷J774細胞におけるカルセイングリーン蛍光の代表的なImageJ定量化。(I)6つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図5A】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(A)鉄吸収及び調節に関与するタンパク質の代表的なウェスタンブロット画像は、貧血状態がshDMT1 Caco−2単層で観察され、最大鉄吸収を促進することを示す。
図5B】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(B)ヒノキチオール(500nM)及び55Fe 放射性トレーサーの頂端側または側底側への添加による、shDMT1 Caco−2単層における一方向性ヒノキチオール媒介輸送。N=3。スケールバー=20μm(H)。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5C】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(C)Caco−2単層における免疫沈降フェリチンの55Feレベルの決定。N=3。スケールバー=20μm(H)。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5D】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(D)ケルセチンによるshDMT1 Caco−2単層におけるFPN1のノックダウンは、ヒノキチオール媒介輸送を抑制する。N=3。スケールバー=20μm(H)。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5E】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(E)4時間後のDMSOまたはヒノキチオール(500nM)で処理した鉄の濃度の変化に伴うCaco−2輸送の速度。輸送速度は、鉄濃度の増加に伴って横ばいになる。N=3。スケールバー=20μm(H)。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5F】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(F)ヒノキチオールの用量増加は、25μM FeClで頂端側から処理したshDMT1 Caco−2単層への取り込みを増加させ;しかしながら、バイモーダル効果は、5μMヒノキチオールでの経上皮鉄輸送で観察される。N=3。スケールバー=20μm(H)。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5G】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(G)ヒノキチオール及び25μM FeClの増加に伴った、処理後の鉄吸収及び調節に関与するタンパク質の代表的なウェスタンブロット画像。バイモーダル効果は、鉄吸収及び調節に関与するタンパク質レベルで同様に観察された。
図5H】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(H)中間濃度のヒノキチオールは、1時間後に、25μM FeClで処理したshDMT1単層における有意なカルセイングリーン消失をもたらし、これは、不安定な鉄の増加と合致する。この効果は、高用量のヒノキチオールで逆になった。スケールバー=20μm(H)。
図5I】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(I及びJ)これらの単層におけるカルセイングリーン蛍光のImageJ定量化。N=3〜6。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図5J】A〜Jは、内因性ネットワークがヒノキチオール媒介Caco−2輸送に関与することを示す。(I及びJ)これらの単層におけるカルセイングリーン蛍光のImageJ定量化。N=3〜6。(B〜F、I、J)NS、有意ではない;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図6A】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(A及びB)1.5mg/kgヒノキチオールの強制経口投与は、1時間後に、59Feの(A)DMT1欠乏ベオグラード(b/b)ラット及び(B)FPN1欠乏Flat鉄(ffe/+)マウスへの腸吸収を促進する。N=4〜7。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6B】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(A及びB)1.5mg/kgヒノキチオールの強制経口投与は、1時間後に、59Feの(A)DMT1欠乏ベオグラード(b/b)ラット及び(B)FPN1欠乏Flat鉄(ffe/+)マウスへの腸吸収を促進する。N=4〜7。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6C】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(C)24hpfでの胚への水に対するヒノキチオール処理(1μM)、及びさらに48時間のインキュベーションは、GFP標識赤血球系を含有するトランスジェニックフィッシュを用いて、DMT1欠乏モルファントゼブラフィッシュにおけるFACS分析によるGFP陽性赤血球系の数を増加させる。N=7〜17。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6D】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(D)ヒノキチオールは、o−ジアニシジン染色によって決定された、+/cdyフィッシュのヘテロ接合性交差からの貧血のフィッシュの数を減少させる一方、C2deOHinoは、減少させない。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6E】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(E)ヒノキチオール(1μM)は、Mfrn1欠乏モルファントゼブラフィッシュにおけるGFP陽性赤血球の数を増加させる。N=12〜13。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6F】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(F)ヒノキチオールは、+/frsフィッシュのヘテロ接合性交差からの非貧血胚の数を増加させる。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6G】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(G)+/frsフィッシュのヘテロ接合性交差からの胚は、BsrIによる制限酵素消化によって遺伝子型にした。レーン4及び5は、ヒノキチオールで48時間処理したfrs/frsフィッシュに対応する。(A〜F)NS、有意ではない;*P≦0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;グラフは、(A〜C、E)平均±SEMまたは(D、F)重量平均±SEMを示す。
図6H】A〜Hは、ヒノキチオールが鉄トランスポーター欠乏動物における生理機能を回復させることを示す。(H)ヒノキチオール処理したfrs/frsフィッシュは、o−ジアニシジンで茶色に染色される一方、貧血frs/frsフィッシュは染色されず、これは、ヒノキチオール処理後のヘモグロビンレベルの増加を示す。
図7A】A〜Cは、小分子媒介増殖が親油性担体に一般的であることを示す。(A)ヒノキチオール及び他の親油性α−ヒドロキシケトンは、10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で縞模様になったfet3Δftr1Δ酵母への増殖を回復させる一方、(B)他の鉄キレート剤及び(C)他のイオンの小分子トランスポーターは、同一条件下で増殖を回復させない。
図7B】A〜Cは、小分子媒介増殖が親油性担体に一般的であることを示す。(A)ヒノキチオール及び他の親油性α−ヒドロキシケトンは、10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で縞模様になったfet3Δftr1Δ酵母への増殖を回復させる一方、(B)他の鉄キレート剤及び(C)他のイオンの小分子トランスポーターは、同一条件下で増殖を回復させない。
図7C】A〜Cは、小分子媒介増殖が親油性担体に一般的であることを示す。(A)ヒノキチオール及び他の親油性α−ヒドロキシケトンは、10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で縞模様になったfet3Δftr1Δ酵母への増殖を回復させる一方、(B)他の鉄キレート剤及び(C)他のイオンの小分子トランスポーターは、同一条件下で増殖を回復させない。
図8A】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(A)ヒノキチオール(10μM)の不在下または存在下で、10μM FeClを含有する低鉄SG寒天プレート上での鉄欠乏酵母(fet3Δftr1Δ)の10倍連続希釈プレート法(OD600=1.0から)。
図8B】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(B)ヒノキチオール(10μM)はまた、10μM FeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で、全ての公知のシデロホアタンパク質トランスポーター(fet3Δarn1−4Δ)が欠如している鉄欠乏酵母への増殖を回復させる。
図8C】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(C)fet3Δftr1Δ酵母への増殖回復は、100日を超えて維持することができ、ヒノキチオールに継続的に依存している。N=8。(C〜E、G)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図8D】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(D及びE)ヒノキチオール処理したfet3Δftr1Δ酵母の倍加時間は、野生型酵母と同様である。N=3。(C〜E、G)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図8E】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(D及びE)ヒノキチオール処理したfet3Δftr1Δ酵母の倍加時間は、野生型酵母と同様である。N=3。(C〜E、G)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図8F】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(F)輸送不活性誘導体、C2−デオキシヒノキチオール(C2deOHino)は、ヒノキチオールから2段階で、マルチグラムスケールで合成された。
図8G】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(G)fet3Δftr1Δ酵母のヒノキチオール促進増殖回復は、培地中の鉄レベルに依存する。N=3。(C〜E、G)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図8H】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(H)環境鉄レベルの増加は、代わりに毒性が生じる前にヒノキチオール促進増殖が観察されるレスキューウィンドウを広くする。試験したいずれの鉄濃度で、ヒノキチオールの不在下で、fet3Δftr1Δ酵母の増殖は観察されなかった。N=3。(H、I)グラフは、3つの独立した実験の平均を示す。
図8I】A〜Iは、ヒノキチオールが鉄欠乏酵母への増殖を回復させることを示す。(I)fet3Δftr1Δ酵母への増殖を回復させるまたは回復させない他の鉄キレート剤の鉄錯体のオクタノール/水分配係数。N=3。(H、I)グラフは、3つの独立した実験の平均を示す。
図9A】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(A)ヒノキチオールは、小分子に弱く結合したイオン性鉄(III)及び鉄(III)の供給源を用いて、鉄(III)に結合する。
図9B】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(B)C2deOHinoは、鉄に結合しない。
図9C】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(C)ヒノキチオールは、鉄(II)との錯体を同様に形成する。
図9D】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(D)ICP−MSによるヒノキチオール結合鉄の抽出後に有機層中の鉄含有量によって決定されるように、鉄は、pH=7.0での溶液中でヒノキチオールに定量的に結合する。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9E】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(E)競合キレート剤ヒノキチオールの用量の増加に伴った、鉄(II)に結合したフェロジンのUV−Visスペクトル。高用量のヒノキチオールは、フェロジンから鉄を大きく除去する。
図9F】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(F)ヒノキチオールは、フェロジン競合試験から得たEC50値によって決定されるように、デフェリプロンに比べて鉄(II)に強く結合する。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9G】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(G)競合キレート剤EDTAの用量の増加に伴った、鉄(III)に結合したヒノキチオールのUV−Visスペクトル。高用量のEDTAは、ヒノキチオールから鉄を大きく除去する。
図9H】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(H)ヒノキチオールは、EDTA競合試験から得たEC50値によって決定されるように、デフェリプロンに比べて鉄(III)に強く結合する。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9I】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(I)鉄で飽和したトランスフェリン(100μM)は、酢酸エチルで抽出後に変性されない。
図9J】(J及びK)ヒノキチオールは、55Feを放射性トレーサーとして用いて、用量依存的に(J)トランスフェリン(1nM)及び(K)フェリチン(2.5ngフェリチン/mL)から鉄を除去する。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9K】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(J及びK)ヒノキチオールは、55Feを放射性トレーサーとして用いて、用量依存的に(J)トランスフェリン(1nM)及び(K)フェリチン(2.5ngフェリチン/mL)から鉄を除去する。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9L】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(L)ヒノキチオールの387nmでのピークの吸光度の増加は、pHの増加に伴って増加する。明確な等吸収点が、(365nMで)観察され、ヒノキチオールのプロトン化形態と脱プロトン化形態の間の種形成を示唆する。Abs387/Abs240対OriginPro上のpHのプロットのロジスティック適合を介して、pKaを算出した(R2=0.996)。
図9M】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(M)化学量論イオン性55Feを、pH=7.0で10mM Mes/トリス緩衝液中に予め形成された56Feヒノキチオール錯体を含有する溶液に添加した。55Feヒノキチオール錯体と56Feヒノキチオール錯体の間の平衡は、1時間以内に達成した。N=3。(D、F、H、J、K、M)NS、有意ではない;グラフは、平均±SEMを示す。
図9N】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(N及びO)鉄及びヒノキチオールによる滴定試験は、3:1 Hino:Fe比での420nmの(N)λmax及び(O)吸光度の飽和によって示されるように、3:1 Hino:Fe錯体がpH=7.0の10mM Mes/トリス緩衝液中で主に形成されることを支援する。鉄の量の増加は、UV−Visスペクトルの変化をもたらさない。
図9O】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(N及びO)鉄及びヒノキチオールによる滴定試験は、3:1 Hino:Fe比での420nmの(N)λmax及び(O)吸光度の飽和によって示されるように、3:1 Hino:Fe錯体がpH=7.0の10mM Mes/トリス緩衝液中で主に形成されることを支援する。鉄の量の増加は、UV−Visスペクトルの変化をもたらさない。
図9P】A〜Pは、鉄及びヒノキチオールの結合における生物物理学的試験を示す。(P)第2のC1対称性Fe(Hino)錯体のX線結晶構造。
図10A】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10B】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10C】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10D】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10E】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10F】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10G】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10H】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10I】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10A〜Iは、ヒノキチオールが、リポソームにおいて、FeIIよりも10倍以上CuIIに競合的に結合し、FeIIよりも80倍速くCuIIを輸送したが、銅の低アクセシビリティが、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性があることを示す。
図10J】A〜Jは、ヒノキチオールが、多数の二価金属に結合して、輸送することができる広域スペクトルメタロフォアであることを示す。図10Jは、ヒノキチオールによるfet3Δftr1Δ酵母を処理する際に、細胞内鉄レベルが、ビヒクル処理対照に比べて増加した一方、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、及び銅のレベルが変化しなかったことを示す。
図11A】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(A)鉄及び鉄ヒノキチオール錯体のサイクリックボルタモグラム(CV)。2つの異なる酸化還元波が、ヒノキチオールのボルタモグラムに存在する。N=4。グラフは、平均±SEMを示す。
図11B】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(B)E1と同一条件下で、異なる走査速度で得られたCV。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11C】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(C)拡散律速線形挙動は、E1の走査速度の平方根に対して観察された。Randles−Sevcik方程式(参照文献85を参照)を利用して得られた電子の数は、電気化学的還元プロセスでは1.1、酸化プロセスでは0.9であり、この酸化還元対が、FeIII(Hino)錯体の1つの電子還元であることを示唆する。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11D】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(D)E2と同一条件下で、異なる走査速度で得られたCV。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11E】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(E)非線形挙動が、E2の走査速度の平方根に対して観察された。これは、より負の電位での表面限定電極位置プロセスと合致しており、生物系における鉄ヒノキチオール錯体の電気化学的特性とは関係ない。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11F】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(F)Hino:Fe比のE01に対する効果。3つの独立した実験の代表的な痕跡。グラフは、平均±SEMを示す。
図11G】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(G)MeOHの濃度の減少は、E01を減少させた。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11H】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(H)得られたE01対MeOH濃度の外挿は、水溶液中のFe(Hino)の酸化還元電位が、NHEに対して、−361mVまで低下すると推定される。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11I】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(I)pHのFe(Hino)の酸化還元電位に対する効果。N=1〜2。グラフは、平均±SEMを示す。
図11J】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(J)Fe(Hino)酸化還元電位は、pHの増加に伴って減少する。N=1。グラフは、平均±SEMを示す。
図11K】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(K)強還元アスコルビン酸塩(62.5mM)緩衝液中で、鉄(III)は、562nmでのフェロジン−FeII錯体の吸光度によって決定されるように、鉄(II)に瞬時に還元される。予め形成されたFeIII(Hino)は、還元速度を大幅に減衰させた、しかしながら、鉄(II)は、同じアスコルビン酸塩緩衝液を用いて、1時間後に主に存在した。グラフは、平均±SEMを示す。
図11L】A〜Lは、ヒノキチオール鉄錯体の電気化学的試験を示す。特に明記しない限り、全てのCVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、ならびに100μM Fe(NO及び500μMヒノキチオールを用いて、Hg電極及びAg/AgCl基準及びグラファイト補助による100mV/s走査速度で得られた。(L)同じ強還元アスコルビン酸塩緩衝液における鉄(III)還元速度の経時的な定量化。N=3。グラフは、平均±SEMを示す。
図12A】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(A)qRT−PCRを介して定量化したDmt1 mRNAレベルは、sh対照細胞単層と比較して、shDMT1 Caco−2単層で低下する。N=9。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図12B】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(B及びC)ウェスタンブロットの定量的デンシトメトリー分析は、shDMT1 Caco−2単層におけるDMT1タンパク質レベルの減少を示した。ヒノキチオール(500nM)処理は、DMT1発現を誘導しなかった。N=13〜14。
図12C】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(B及びC)ウェスタンブロットの定量的デンシトメトリー分析は、shDMT1 Caco−2単層におけるDMT1タンパク質レベルの減少を示した。ヒノキチオール(500nM)処理は、DMT1発現を誘導しなかった。N=13〜14。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図12D】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(D)DMSO、ヒノキチオール(500nM)、またはC2deOHino(500nM)で処理したCaco−2単層の経上皮電気抵抗(TEER)値は、実験の過程にわたって一貫したままである。N=3。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図12E】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(E)ヒノキチオール(500nM)は、十二指腸全体に見られるpHの範囲で、shDMT1 Caco−2単層における輸送を促進する。N=3。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図12F】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(F及びG)ヒノキチオールとは対照的に、鉄キレート剤であるデフェリプロン、PIH、SIH、及びデフェロキサミンは、同一条件下(pH=5.5頂端側、pH=7.4側底側)で、(F)DMT1欠乏Caco−2単層への取り込みまたは(G)DMT1欠乏Caco−2単層を横断する経細胞輸送を同時に回復させない。点線は、sh対照レベルを表す。輸送の僅かな増加が、SIH処理細胞において観察された一方、取り込みの低下が観察され、傍細胞鉄輸送と合致しており、経細胞鉄輸送と合致していない。小分子ごとに使用した濃度は、0、0.01、0.1、1、及び10μMであった。N=3。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図12G】A〜Gは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏Caco−2細胞における取り込み及び輸送を促進することを示す。(F及びG)ヒノキチオールとは対照的に、鉄キレート剤であるデフェリプロン、PIH、SIH、及びデフェロキサミンは、同一条件下(pH=5.5頂端側、pH=7.4側底側)で、(F)DMT1欠乏Caco−2単層への取り込みまたは(G)DMT1欠乏Caco−2単層を横断する経細胞輸送を同時に回復させない。点線は、sh対照レベルを表す。輸送の僅かな増加が、SIH処理細胞において観察された一方、取り込みの低下が観察され、傍細胞鉄輸送と合致しており、経細胞鉄輸送と合致していない。小分子ごとに使用した濃度は、0、0.01、0.1、1、及び10μMであった。N=3。(A、C−G)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図13A】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(A)Dmt1 mRNA(N=12〜16)及び(B)DMT1タンパク質レベルは、終末分化のDMSO誘導後に、sh対照に比べて、shDMT1 MEL細胞(クローン1、2、及び4)において低下する。N=13。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13B】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(A)Dmt1 mRNA(N=12〜16)及び(B)DMT1タンパク質レベルは、終末分化のDMSO誘導後に、sh対照に比べて、shDMT1 MEL細胞(クローン1、2、及び4)において低下する。N=13。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13C】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(C)分化MEL細胞におけるDMT1タンパク質レベルの代表的なウェスタンブロット画像。
図13D】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(D及びE)ヒノキチオール(3日間で1μM)は、ヘモグロビン化細胞をo−ジアニシジンで茶色に染色させることから明らかなように、分化を視覚的に回復させる。
図13E】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(D及びE)ヒノキチオール(3日間で1μM)は、ヘモグロビン化細胞をo−ジアニシジンで茶色に染色させることから明らかなように、分化を視覚的に回復させる。
図13F】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(F)ヒノキチオール(1μM)は、鉄の分化shDMT1 MEL細胞のへの取り込みを回復させる一方、C2deOHino(1μM)は、回復させない。N=6〜25。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13G】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(G及びH)ヒノキチオール(1μM)は、(G)時間依存的及び(H)用量依存的に、shDMT1 4細胞の分化を回復させる。N=3〜27。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13H】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(G及びH)ヒノキチオール(1μM)は、(G)時間依存的及び(H)用量依存的に、shDMT1 4細胞の分化を回復させる。N=3〜27。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13I】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(I)小分子(1μM)で処理したDMT1欠乏MEL細胞におけるヘモグロビンレベルの定量化。N=3。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13J】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(J)DMSO、ヒノキチオール(1μM)、またはC2deOHino(1μM)で処理した分化MEL細胞におけるグロビンレベルの代表的なウェスタンブロット画像。
図13K】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(K)誘導されたshDMT1 MEL細胞に対する3日間のヒノキチオール(1μM)処理は、MEL細胞計数を減少させなかった。N=3〜15。(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図13L】A〜Lは、ヒノキチオールが、DMT1欠乏MEL細胞における分化を促進することを示す。(L)DMSO誘導しないヒノキチオール(1μM)処理MEL細胞において、分化は観察されない。N=4〜6。スケールバー=100μm(E)(A、B、F〜I、K、L)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14A】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(A)Mfrn1 mRNAレベルは、終末分化の誘導後に、野生型細胞に比べて、CRISPR由来のMfrn1ノックダウンMEL細胞において低下する。N=3。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14B】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(B及びC)ヒノキチオール(1μM)は、55Fe放射性トレーサーを用いて、Mfrn1欠乏MEL細胞における正常な(B)鉄の取り込み及び(C)ヘムへの鉄の組み込みを回復させる。N=5〜25。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14C】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(B及びC)ヒノキチオール(1μM)は、55Fe放射性トレーサーを用いて、Mfrn1欠乏MEL細胞における正常な(B)鉄の取り込み及び(C)ヘムへの鉄の組み込みを回復させる。N=5〜25。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14D】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(D〜F)予想した通り、ヒノキチオール(1μM)は、ポルフィリン生合成に関与するタンパク質が欠如しているDMSO誘導TMEM14CΔ MEL細胞における(D)分化(o−ジアニシジン染色後のImageJ分析を介して定量化した)、(E)鉄の取り込み、または(F)鉄ヘム組み込みを回復させることができない。N=8〜25。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14E】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(D〜F)予想した通り、ヒノキチオール(1μM)は、ポルフィリン生合成に関与するタンパク質が欠如しているDMSO誘導TMEM14CΔ MEL細胞における(D)分化(o−ジアニシジン染色後のImageJ分析を介して定量化した)、(E)鉄の取り込み、または(F)鉄ヘム組み込みを回復させることができない。N=8〜25。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14F】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(D〜F)予想した通り、ヒノキチオール(1μM)は、ポルフィリン生合成に関与するタンパク質が欠如しているDMSO誘導TMEM14CΔ MEL細胞における(D)分化(o−ジアニシジン染色後のImageJ分析を介して定量化した)、(E)鉄の取り込み、または(F)鉄ヘム組み込みを回復させることができない。N=8〜25。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14G】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(G及びH)18時間のケルセチンインキュベーションは、Caco−2細胞におけるFPN1タンパク質レベルをノックダウンさせる;ヒノキチオール(1μM)は、FPN1レベルを増加させない。N=8。
図14H】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(G及びH)18時間のケルセチンインキュベーションは、Caco−2細胞におけるFPN1タンパク質レベルをノックダウンさせる;ヒノキチオール(1μM)は、FPN1レベルを増加させない。N=8。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14I】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(I及びJ)ヘプシジンは、J774マクロファージにおけるFPN1レベルを低下させ;ヒノキチオール(5μM)は、FPN1レベルを増加させない。N=20。
図14J】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(I及びJ)ヘプシジンは、J774マクロファージにおけるFPN1レベルを低下させ;ヒノキチオール(5μM)は、FPN1レベルを増加させない。N=20。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14K】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(K)ヒノキチオール(1μM)は、野生型単層に見合った速度で、FPN1欠乏Caco−2単層を横断する経上皮鉄輸送を回復させる。N=3。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14L】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(L)ヒノキチオール(1μM)またはC2deOHino(1μM)の不在下または存在下における野生型単層及びケルセチン処理FPN1欠乏単層は、一貫した経上皮電気抵抗(TEER)値から明らかなように、実験の期間中に無傷のままである。N=3。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図14M】A〜Mは、ヒノキチオールが、他の鉄トランスポーター欠乏系におけるインビトロ生理機能を回復させることを示す。(M)ヒノキチオールは、2時間後に、用量依存的にFPN1欠乏J774細胞における鉄放出を促進する。N=6〜20。(A〜F、H、J〜M)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図15A】A〜Cは、細胞内鉄レベルを視覚化するための鉄感受性蛍光色素の使用のことを示す。(A及びB)閉鎖型プローブの構造。それぞれ、(A)サイトゾルの不安定な鉄レベルの視覚化に使用したカルセイングリーン、及び(B)ミトコンドリアの不安定な鉄レベルの視覚化に使用したRPA。蛍光消失は、鉄結合後に観察される。
図15B】A〜Cは、細胞内鉄レベルを視覚化するための鉄感受性蛍光色素の使用のことを示す。(A及びB)閉鎖型プローブの構造。それぞれ、(A)サイトゾルの不安定な鉄レベルの視覚化に使用したカルセイングリーン、及び(B)ミトコンドリアの不安定な鉄レベルの視覚化に使用したRPA。蛍光消失は、鉄結合後に観察される。
図15C】A〜Cは、細胞内鉄レベルを視覚化するための鉄感受性蛍光色素の使用のことを示す。(C)エンドソームにおけるH及び不安定なFeによる酸化後のBSAコンジュゲートOxyBurstグリーン蛍光。
図16A】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(A)エンドソームに局在したoxyburstグリーン(緑色、左)、サイトゾルに局在したカルセイングリーン(緑色、中)、及びミトコンドリアに局在したRPA(赤色、右)からの蛍光の代表的な共焦点顕微鏡画像は、sh対照細胞に比べて、DMT1欠乏MEL細胞における不安定なエンドソーム鉄の蓄積を支援する。ヒノキチオール(1μM)処理は、エンドソームoxyburstグリーン蛍光を減少させ、かつ、カルセイングリーン及びRPA蛍光を消失させ、エンドソームからサイトゾルへの不安定な鉄のヒノキチオール媒介放出、及びその後のミトコンドリア利用を示唆する。C2deOHino(1μM)は効果を有さない。スケールバー=10μm(A)
図16B】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(B)エンドソームoxyburstグリーン蛍光のImageJ定量化。N≧40。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。(
図16C】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(C及びD)oxyburstグリーンで染色されたMEL細胞のフローサイトメトリーは、ヒノキチオールが、エンドソームから鉄を放出することを支援する。N=6。(C、F、I)3つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図16D】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(C及びD)oxyburstグリーンで染色されたMEL細胞のフローサイトメトリーは、ヒノキチオールが、エンドソームから鉄を放出することを支援する。N=6。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図16E】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(E)サイトゾルにおけるカルセイングリーン蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(F及びG)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、サイトゾルの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図16F】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(E)サイトゾルにおけるカルセイングリーン蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(F及びG)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、サイトゾルの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(C、F、I)3つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図16G】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(E)サイトゾルにおけるカルセイングリーン蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(F及びG)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、サイトゾルの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図16H】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(H)ミトコンドリアにおけるRPA蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(I及びJ)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、ミトコンドリアの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図16I】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(H)ミトコンドリアにおけるRPA蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(I及びJ)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、ミトコンドリアの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(C、F、I)3つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図16J】A〜Jは、DMT1欠乏MEL細胞におけるエンドソーム鉄の部位選択的蓄積のことを示す。(H)ミトコンドリアにおけるRPA蛍光のImageJ定量化(N=23〜67)及び(I及びJ)フローサイトメトリー分析は、shDMT1 MEL細胞へのヒノキチオール処理が、ミトコンドリアの不安定な鉄レベルを増加させることを支援する。N=6。(B、D、E、G、H、J)NS、有意ではない;*P<0.05;**P≦0.01;***P≦0.001;****P≦0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図17A】A〜Eは、鉄勾配の関数としてヒノキチオール輸送を示す。(A及びB)ヒノキチオールは、一定濃度の鉄(30mM)による用量依存的に、POPCリポソームからの(A)第一鉄及び(B)第二鉄の放出を増加させる。N=3。(A、B)3つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図17B】A〜Eは、鉄勾配の関数としてヒノキチオール輸送を示す。(A及びB)ヒノキチオールは、一定濃度の鉄(30mM)による用量依存的に、POPCリポソームからの(A)第一鉄及び(B)第二鉄の放出を増加させる。N=3。(A、B)3つの独立した実験からの代表的なグラフ。
図17C】A〜Eは、鉄勾配の関数としてヒノキチオール輸送を示す。(C及びD)ヒノキチオール処理(10μM)POPCリポソームからの鉄放出の速度はまた、リポソームの内部の(C)第一鉄及び(D)第二鉄の量の関数として増加する。N=3。(C、D)グラフは、平均±SEMを示す。
図17D】A〜Eは、鉄勾配の関数としてヒノキチオール輸送を示す。(C及びD)ヒノキチオール処理(10μM)POPCリポソームからの鉄放出の速度はまた、リポソームの内部の(C)第一鉄及び(D)第二鉄の量の関数として増加する。N=3。(C、D)グラフは、平均±SEMを示す。
図17E】A〜Eは、鉄勾配の関数としてヒノキチオール輸送を示す。(E)人工的な勾配を用いてJ774マクロファージの膜を横断するヒノキチオール促進方向選択的鉄輸送の簡略図。FeSO(200μM)をJ774細胞に最初に負荷し、細胞外液を低鉄培地(<500nM)に置き換えた後、ヒノキチオール(100μM)をt=5分で添加する。ヒノキチオールは、鉄を細胞外液に放出する。その後、細胞外FeCl(100μM)をt=12分で添加することで、勾配を逆にする。あるいは、ヒノキチオールは、鉄のJ774マクロファージへの取り込みを促進し、予め形成された鉄勾配の方向に依存して、方向選択的輸送と合致する。
図18A】A〜Cは、ヒノキチオールが、膜貫通鉄勾配の関数として、鉄を指向的に輸送することを示す。(A〜C)サイトゾルの不安定な鉄レベルの変化を経時的に検出するためのカルセイングリーン蛍光の代表的なImageJ定量化。野生型J774細胞をFeSO(200μM)に負荷した。t=0分で、細胞外培地を低鉄培地(<500nM)に置き換えた後、(A)DMSO、(B)100μMヒノキチオール、または(C)100μM C2deOHinoを5分で添加した。カルセイングリーン蛍光の増加は、ヒノキチオール処理細胞において観察され、これは、これらの細胞からの鉄のヒノキチオール媒介放出と合致する。その後、FeCl(100μM)を同じ細胞に12分で細胞外添加することで、勾配を逆にし、あるいは、蛍光消失は、ヒノキチオール処理細胞で観察された。このデータは、鉄負荷J774細胞からの鉄の最初のヒノキチオール媒介放出、続いて、t=12分での細胞外鉄の添加後のヒノキチオール媒介の鉄の取り込みと合致する。
図18B】A〜Cは、ヒノキチオールが、膜貫通鉄勾配の関数として、鉄を指向的に輸送することを示す。(A〜C)サイトゾルの不安定な鉄レベルの変化を経時的に検出するためのカルセイングリーン蛍光の代表的なImageJ定量化。野生型J774細胞をFeSO(200μM)に負荷した。t=0分で、細胞外培地を低鉄培地(<500nM)に置き換えた後、(A)DMSO、(B)100μMヒノキチオール、または(C)100μM C2deOHinoを5分で添加した。カルセイングリーン蛍光の増加は、ヒノキチオール処理細胞において観察され、これは、これらの細胞からの鉄のヒノキチオール媒介放出と合致する。その後、FeCl(100μM)を同じ細胞に12分で細胞外添加することで、勾配を逆にし、あるいは、蛍光消失は、ヒノキチオール処理細胞で観察された。このデータは、鉄負荷J774細胞からの鉄の最初のヒノキチオール媒介放出、続いて、t=12分での細胞外鉄の添加後のヒノキチオール媒介の鉄の取り込みと合致する。
図18C】A〜Cは、ヒノキチオールが、膜貫通鉄勾配の関数として、鉄を指向的に輸送することを示す。(A〜C)サイトゾルの不安定な鉄レベルの変化を経時的に検出するためのカルセイングリーン蛍光の代表的なImageJ定量化。野生型J774細胞をFeSO(200μM)に負荷した。t=0分で、細胞外培地を低鉄培地(<500nM)に置き換えた後、(A)DMSO、(B)100μMヒノキチオール、または(C)100μM C2deOHinoを5分で添加した。カルセイングリーン蛍光の増加は、ヒノキチオール処理細胞において観察され、これは、これらの細胞からの鉄のヒノキチオール媒介放出と合致する。その後、FeCl(100μM)を同じ細胞に12分で細胞外添加することで、勾配を逆にし、あるいは、蛍光消失は、ヒノキチオール処理細胞で観察された。このデータは、鉄負荷J774細胞からの鉄の最初のヒノキチオール媒介放出、続いて、t=12分での細胞外鉄の添加後のヒノキチオール媒介の鉄の取り込みと合致する。
図19A】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(A)予想した通り、ヒノキチオール(10μM)の存在下で増殖させた野生型及びfet3Δftr1Δ酵母は、細胞壁生合成の阻害剤であるカスポファンギンに等感受性であり、これは、鉄の取り込みの経路外である。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19B】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(B及びC)陽子動力発生ポンプである、(B)エブセレンによるPma1及び(C)バフィロマイシンによるV−ATPaseの阻害は、ヒノキチオール処理した野生型酵母に比べて、ヒノキチオール救出されたfet3Δftr1Δ酵母の感受性増加をもたらす。これは、これらのタンパク質が、酵母細胞増殖のヒノキチオール媒介回復に役割を果たすことを示唆する。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19C】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(B及びC)陽子動力発生ポンプである、(B)エブセレンによるPma1及び(C)バフィロマイシンによるV−ATPaseの阻害は、ヒノキチオール処理した野生型酵母に比べて、ヒノキチオール救出されたfet3Δftr1Δ酵母の感受性増加をもたらす。これは、これらのタンパク質が、酵母細胞増殖のヒノキチオール媒介回復に役割を果たすことを示唆する。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19D】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19E】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19F】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19G】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19H】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19I】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19J】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19K】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(D〜K)shDMT1 Caco−2単層における鉄関連タンパク質のタンパク質レベルのウェスタンブロットまたはELISA定量化は、他のタンパク質が、細胞鉄状態の変化に対する転写及び翻訳フィードバック機構を介して応答することを示唆する。重要なことに、(E)フェリチンの減少及び(I)FPN1レベルの増加が観察され、恐らくは、小分子媒介鉄輸送に有利な環境を生成する。N=3〜16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19L】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(L)免疫沈降フェリチンへの55Feの組み込みはまた、sh対照に比べて、DMT1欠乏Caco−2単層を減少させる。N=14。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19M】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(M)shDMT1単層へのヒノキチオール促進(500nM)取り込みは、一方向である。55FeCl及びヒノキチオール(500nM)の頂端側への添加は、細胞内部の鉄の有意レベルをもたらした一方、同じ濃度の55FeCl及びヒノキチオールの側底側への添加は、取り込みをもたらさなかった。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19N】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(N及びO)18時間のケルセチン(250μM)処理は、ウェスタンブロット分析によって、shDMT1 Caco−2単層におけるFPN1レベルを減少させた。N=16。
図19O】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(N及びO)18時間のケルセチン(250μM)処理は、ウェスタンブロット分析によって、shDMT1 Caco−2単層におけるFPN1レベルを減少させた。N=16。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19P】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(P)Caco−2単層におけるFPN1のケルセチン媒介ノックダウンは、ヒノキチオール(1μM)の存在下または不在下で、これらの細胞への鉄の取り込みに影響しなかった。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図19Q】A〜Qは、鉄の取り込み及び輸送に関与する内因性タンパク質を示す。(Q)Caco−2単層における相対鉄輸送対取り込みの定量化は、ヒノキチオールが、これらの細胞における正常な鉄恒常性を回復させることを支援する。N=3。(A〜M、O〜Q)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;’K’K’K’K P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図20A】A及びBは、鉄関連タンパク質の翻訳及び転写調節簡略図を示す。(A)十二指腸腸細胞における翻訳調節は、いくつかの鉄関連タンパク質のmRNAの5’または3’末端に位置する鉄応答エレメント(IRE)を介して媒介される。鉄の不在下で、鉄応答タンパク質(IRP1及びIRP2)は、5’−または3’−IREに結合して、それぞれ、翻訳を遮断するかまたはmRNAを安定化させる。鉄結合の際に、IRP1/2は、IRE(及びIRP2は分解している)から解離し、翻訳が生じる(5’−IRE)かまたはmRNAが分解して(3’−IRE)、鉄の取り込み及び輸送に関与するタンパク質の鉄感受性を調節することができる。
図20B】A及びBは、鉄関連タンパク質の翻訳及び転写調節簡略図を示す。(B)Hif2αを介したFPN1の転写調節は、FPN1の翻訳抑制を回避するために生じる。Hif2αは、鉄欠乏条件下でFpn1転写を活性化させる、しかしながら、鉄及びOの存在下で、Hif2αは分解しているため、FPN1タンパク質レベルを減少させる。
図21】ヒノキチオール及び鉄の増加に伴うCaco−2輸送の速度を示す。広範囲のヒノキチオール濃度にわたって分化shDMT1 Caco−2単層を横断する鉄の経上皮輸送の速度は、鉄の増加に伴って増加する。鉄輸送の速度は、高濃度の鉄で横ばいになり、鉄の取り込み及び輸送の恒常性調節と合致して、正常な恒常性を維持し、鉄関連毒性を予防する。N=3。グラフは、平均±SEMを示す。
図22A】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(A及びB)FeCl(25μM)及び(細胞内鉄を増加させる)ヒノキチオールによるshDMT1単層の4時間の処理の際に、(A)フェリチン(5’−IRE)レベルの増加(N=6〜21)及び(B)免疫沈降フェリチンへの55Feの組み込みの増加が、最大5μMのヒノキチオールで観察された。N=11〜15。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22B】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(A及びB)FeCl(25μM)及び(細胞内鉄を増加させる)ヒノキチオールによるshDMT1単層の4時間の処理の際に、(A)フェリチン(5’−IRE)レベルの増加(N=6〜21)及び(B)免疫沈降フェリチンへの55Feの組み込みの増加が、最大5μMのヒノキチオールで観察された。N=11〜15。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22C】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(C)同様に、TfR1(3’−IRE)レベルは、最大5μMのヒノキチオールで減少する。N=8。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22D】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(D及びE)予想した通り、(D)IRP1レベルは、変化しなかった(N=14)一方、(E)IRP2タンパク質レベルの減少が観察され、不安定な鉄レベルのヒノキチオール媒介増加と合致して、フェリチン及びTfR1の翻訳調節をもたらす。N=12。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22E】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(D及びE)予想した通り、(D)IRP1レベルは、変化しなかった(N=14)一方、(E)IRP2タンパク質レベルの減少が観察され、不安定な鉄レベルのヒノキチオール媒介増加と合致して、フェリチン及びTfR1の翻訳調節をもたらす。N=12。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22F】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(F及びG)FPN1のHif2α媒介転写調節と合致して、(F)FPN1タンパク質の減少(N=16)及び(G)Fpn1 mRNAレベルの減少は、最大5μMのヒノキチオールで処理した際に観察された。N=9〜12。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22G】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(F及びG)FPN1のHif2α媒介転写調節と合致して、(F)FPN1タンパク質の減少(N=16)及び(G)Fpn1 mRNAレベルの減少は、最大5μMのヒノキチオールで処理した際に観察された。N=9〜12。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22H】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(H及びI)Hif1α及びHif2αレベルは、最大5μMのヒノキチオールによる不安定な鉄の増加に応答する。N=4〜13。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22I】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(H及びI)Hif1α及びHif2αレベルは、最大5μMのヒノキチオールによる不安定な鉄の増加に応答する。N=4〜13。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22J】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(J)恐らくは、shRNA標的化DMT1により、DMT1の翻訳調節は、最大5μMのヒノキチオールで観察されなかった。N=6。(A〜J)これらの効果は、高用量のヒノキチオール(最大で50μM)による処理の際に適度に逆転し、恐らくは、高用量ヒノキチオールによる不安定な鉄の競合キレート化によるものである。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22K】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(K)鉄シャペロンPCBP1のIRE独立タンパク質レベル(N=6)及び(L)Hif2α独立Fth1 mRNAレベルは、同一条件下で、ヒノキチオールで処理した際に変化しなかった。N=16。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22L】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(K)鉄シャペロンPCBP1のIRE独立タンパク質レベル(N=6)及び(L)Hif2α独立Fth1 mRNAレベルは、同一条件下で、ヒノキチオールで処理した際に変化しなかった。N=16。(A〜L)shDMT1 Caco−2単層における実験は、前述のように、pH=5.5の頂端緩衝液及びpH=7.4の側底緩衝液中に25μMの頂端FeClの存在下で、ヒノキチオールの4時間の頂端側添加(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を使用した。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図22M】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(M及びN)ヒノキチオールで処理したFPN1レベルの変化は、添加鉄の不在下で観察されず、観察された変化が、動的な細胞鉄状態に対する翻訳及び転写応答によるという結論を支援する。N=6〜8。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。
図22N】A〜Nは、鉄関連タンパク質レベルの翻訳及び転写調節が、Caco−2上皮へのヒノキチオール媒介鉄の取り込みに応答することを示す。(M及びN)ヒノキチオールで処理したFPN1レベルの変化は、添加鉄の不在下で観察されず、観察された変化が、動的な細胞鉄状態に対する翻訳及び転写応答によるという結論を支援する。N=6〜8。(M及びN)実験は、500nM Feを用いて、同一条件を利用した。(A〜L、N)NS、有意ではない;*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23A】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(A)DMSOまたはヒノキチオール(500nM)で処理したsh対照Caco−2単層における経上皮鉄輸送。N=3。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23B】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(B)ヒノキチオール(1μM)の存在下または不在下で、DMSO誘導後のo−ジアニシジンで陽性染色された、相対的なsh対照MEL細胞集団。N=12〜48。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23C】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(C)ヒノキチオール(5μM)の存在下または不在下で、野生型J774マクロファージからの鉄放出。N=6〜18。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23D】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(D)DMT1欠乏及びsh対照単層にヒノキチオールを添加する際の、DMSO対照に対するCaco−2輸送の変化。N=3。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23E】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(E)分化のために誘導されたMfrn1欠乏及びsh対照MEL細胞にヒノキチオールを添加する際の、DMSO対照に対するo−ジアニシジン染色の変化。N=6〜48。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図23F】A〜Fは、ヒノキチオールが、正常系に軽微な効果を有することを示す。(F)FPN1欠乏及び野生型J774細胞にヒノキチオールを添加する際の、DMSO対照に対する鉄放出の変化。N=6〜20。(A〜F)NS、有意ではない;**P<0.01;****P<0.0001;グラフは、平均±SEMを示す。
図24A】A〜Eは、鉄輸送タンパク質が欠如している動物における試験を示す。(A)ビヒクル、ヒノキチオール(1.5mg/kg)、またはC2deOHino(1.5mg/kg)で処理したベオグラード(b/b)及び健康(+/+または+/b)ラットにおける時間依存性の腸鉄吸収。N=4〜7。(A〜C)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図24B】A〜Eは、鉄輸送タンパク質が欠如している動物における試験を示す。(B)ヒノキチオール処理(1.5mg/kg)されたFPN1欠乏フラットアイアン(flatiron)マウスにおける腸吸収の速度の増加は、ビヒクル処理マウスに比べて、2時間後に観察された。N=4。(A〜C)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図24C】A〜Eは、鉄輸送タンパク質が欠如している動物における試験を示す。(C)ヒノキチオール(1.5mg/kg)の存在下または不在下で、野生型(+/+)マウスにおける59Feの時間依存性の腸吸収。N=6〜8。(A〜C)NS、有意ではない;*P<0.05;グラフは、平均±SEMを示す。
図24D】A〜Eは、鉄輸送タンパク質が欠如している動物における試験を示す。(D)ローティングコントロールとしてβアクチンによる半定量的RT−PCRによって決定されるように、Tg(グロビンLCR:eGFP)フィッシュにおける定常状態Dmt1 mRNAのモルホリノ媒介ノックダウン。
図24E】A〜Eは、鉄輸送タンパク質が欠如している動物における試験を示す。(E)ヒノキチオール(1μM)及びC2deOHino(1μM)は、小分子処理の48時間後に、+/sauフィッシュ72 hpfのヘテロ接合性交差からのAlas2欠乏ソーテルヌ(sauternes)ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を促進しない。(E)グラフは、重量平均±SEMを示す。
図25A】A〜Dは、タンパク質鉄トランスポーター機能の欠如を置き換える活性について、トロポロン環上の炭化水素置換基の適最サイズのウィンドウを特定する構造−活性関係試験の結果を示す。(A)ヒノキチオールは、低濃度で鉄トランスポーター欠乏酵母(Fet3Ftr1)の増殖を救出し、高濃度でのみ野生型酵母(WT)を殺傷する。
図25B】A〜Dは、タンパク質鉄トランスポーター機能の欠如を置き換える活性について、トロポロン環上の炭化水素置換基の適最サイズのウィンドウを特定する構造−活性関係試験の結果を示す。(B)トロポロンは、高濃度でのみFet3Ftr1酵母の救出を示し、野生型酵母または救出Fet3Ftr1酵母のいずれかへの毒性を示さない。
図25C】A〜Dは、タンパク質鉄トランスポーター機能の欠如を置き換える活性について、トロポロン環上の炭化水素置換基の適最サイズのウィンドウを特定する構造−活性関係試験の結果を示す。(C)鉄に結合しないまたは鉄を輸送しないC2deOHinoは、いずれかの酵母株における生物活性を有さない。
図25D】A〜Dは、タンパク質鉄トランスポーター機能の欠如を置き換える活性について、トロポロン環上の炭化水素置換基の適最サイズのウィンドウを特定する構造−活性関係試験の結果を示す。(D)伸長アルキル鎖(5個の炭素、ヒノ側鎖に挿入された2つのメチレン)を有する合成誘導体である4−イソペンチルトロポロンは、Fet3Ftr1酵母の救出を示さず、野生型酵母に最も有毒である。
図26A】A〜Eは、フラットアイアンマウスにおけるヒノキチオールの急性注入の結果を示す。野生型(+/+)及びI(ffe/+)マウスに、IP注射によってヒノキチオールを投与し、4時間後に犠牲にし、鉄含有量を測定した。(A)平均±SEM(n=48/群)を提示する。*P<0.05、**P<0.005、及び***P<0.001。
図26B】A〜Eは、フラットアイアンマウスにおけるヒノキチオールの急性注入の結果を示す。野生型(+/+)及びI(ffe/+)マウスに、IP注射によってヒノキチオールを投与し、4時間後に犠牲にし、鉄含有量を測定した。(B)〜(E)平均±SEM(n=2/群)を提示する。*P<0.05、**P<0.005、及び***P<0.001。
図26C】A〜Eは、フラットアイアンマウスにおけるヒノキチオールの急性注入の結果を示す。野生型(+/+)及びI(ffe/+)マウスに、IP注射によってヒノキチオールを投与し、4時間後に犠牲にし、鉄含有量を測定した。(B)〜(E)平均±SEM(n=2/群)を提示する。*P<0.05、**P<0.005、及び***P<0.001。
図26D】A〜Eは、フラットアイアンマウスにおけるヒノキチオールの急性注入の結果を示す。野生型(+/+)及びI(ffe/+)マウスに、IP注射によってヒノキチオールを投与し、4時間後に犠牲にし、鉄含有量を測定した。(B)〜(E)平均±SEM(n=2/群)を提示する。*P<0.05、**P<0.005、及び***P<0.001。
図26E】A〜Eは、フラットアイアンマウスにおけるヒノキチオールの急性注入の結果を示す。野生型(+/+)及びI(ffe/+)マウスに、IP注射によってヒノキチオールを投与し、4時間後に犠牲にし、鉄含有量を測定した。(B)〜(E)平均±SEM(n=2/群)を提示する。*P<0.05、**P<0.005、及び***P<0.001。
図27A】A〜Eは、急性貧血の炎症(AI)のモデルにおけるヒノキチオールの有効性を示す。マウス(雄;C57BL/6;7週齢;n=8〜10)にテレピン油(TO)(5mL/kg)または生理食塩水を投与し、注射の3、6、12、16、24時間後に安楽死させた。(A)qPCRによって測定されたヘプシジンmRNA。(B)ウェスタンブロット分析によって定量化されたタンパク質。(C)バソフェナントロリン比色分析によって測定された組織及び血清非ヘム鉄。(D)ヘパリン化されたキャピラリーの遠心分離によって測定されたヘマトクリット。(E)化合物を与えられたマウスは、3日間、1日1回表示した。3日目に、マウスに生理食塩水またはTOを注射し、注射の16時間後に安楽死させた。
図27B】A〜Eは、急性貧血の炎症(AI)のモデルにおけるヒノキチオールの有効性を示す。マウス(雄;C57BL/6;7週齢;n=8〜10)にテレピン油(TO)(5mL/kg)または生理食塩水を投与し、注射の3、6、12、16、24時間後に安楽死させた。(A)qPCRによって測定されたヘプシジンmRNA。(B)ウェスタンブロット分析によって定量化されたタンパク質。(C)バソフェナントロリン比色分析によって測定された組織及び血清非ヘム鉄。(D)ヘパリン化されたキャピラリーの遠心分離によって測定されたヘマトクリット。(E)化合物を与えられたマウスは、3日間、1日1回表示した。3日目に、マウスに生理食塩水またはTOを注射し、注射の16時間後に安楽死させた。
図27C】A〜Eは、急性貧血の炎症(AI)のモデルにおけるヒノキチオールの有効性を示す。マウス(雄;C57BL/6;7週齢;n=8〜10)にテレピン油(TO)(5mL/kg)または生理食塩水を投与し、注射の3、6、12、16、24時間後に安楽死させた。(A)qPCRによって測定されたヘプシジンmRNA。(B)ウェスタンブロット分析によって定量化されたタンパク質。(C)バソフェナントロリン比色分析によって測定された組織及び血清非ヘム鉄。(D)ヘパリン化されたキャピラリーの遠心分離によって測定されたヘマトクリット。(E)化合物を与えられたマウスは、3日間、1日1回表示した。3日目に、マウスに生理食塩水またはTOを注射し、注射の16時間後に安楽死させた。
図27D】A〜Eは、急性貧血の炎症(AI)のモデルにおけるヒノキチオールの有効性を示す。マウス(雄;C57BL/6;7週齢;n=8〜10)にテレピン油(TO)(5mL/kg)または生理食塩水を投与し、注射の3、6、12、16、24時間後に安楽死させた。(A)qPCRによって測定されたヘプシジンmRNA。(B)ウェスタンブロット分析によって定量化されたタンパク質。(C)バソフェナントロリン比色分析によって測定された組織及び血清非ヘム鉄。(D)ヘパリン化されたキャピラリーの遠心分離によって測定されたヘマトクリット。(E)化合物を与えられたマウスは、3日間、1日1回表示した。3日目に、マウスに生理食塩水またはTOを注射し、注射の16時間後に安楽死させた。
図27E】A〜Eは、急性貧血の炎症(AI)のモデルにおけるヒノキチオールの有効性を示す。マウス(雄;C57BL/6;7週齢;n=8〜10)にテレピン油(TO)(5mL/kg)または生理食塩水を投与し、注射の3、6、12、16、24時間後に安楽死させた。(A)qPCRによって測定されたヘプシジンmRNA。(B)ウェスタンブロット分析によって定量化されたタンパク質。(C)バソフェナントロリン比色分析によって測定された組織及び血清非ヘム鉄。(D)ヘパリン化されたキャピラリーの遠心分離によって測定されたヘマトクリット。(E)化合物を与えられたマウスは、3日間、1日1回表示した。3日目に、マウスに生理食塩水またはTOを注射し、注射の16時間後に安楽死させた。
図28A】A〜Eは、慢性貧血の炎症(AI)の動物モデルの発達を示す。(A)マウス(C57BL/6;8週齢;n=3〜6)に、生理食塩水またはテレピン油(TO)を毎週、最大3回注射して注入し、最後の注射の1、4、7、14、及び21日後に安楽死させた。
図28B】A〜Eは、慢性貧血の炎症(AI)の動物モデルの発達を示す。(B)ヘプシジンmRNAは、qPCRによって測定され、血清非ヘム鉄は、バソフェナントロリンを用いた比色分析によって測定された。
図28C】A〜Eは、慢性貧血の炎症(AI)の動物モデルの発達を示す。(C)タンパク質レベルは、ウェスタンブロット分析によって測定された。(D)組織非ヘム鉄レベルは、バソフェナントロリンを用いて測定した。(E)ヘモグロビンレベルは、キャピラリーチューブの遠心分離を介して、ドラブキン試薬及びヘマトクリットを用いた比色分析によって測定された。
図28D】A〜Eは、慢性貧血の炎症(AI)の動物モデルの発達を示す。(D)組織非ヘム鉄レベルは、バソフェナントロリンを用いて測定した。(E)ヘモグロビンレベルは、キャピラリーチューブの遠心分離を介して、ドラブキン試薬及びヘマトクリットを用いた比色分析によって測定された。
図28E】A〜Eは、慢性貧血の炎症(AI)の動物モデルの発達を示す。(E)ヘモグロビンレベルは、キャピラリーチューブの遠心分離を介して、ドラブキン試薬及びヘマトクリットを用いた比色分析によって測定された。
図29A】A〜Bは、マウスにおけるヒノキチオールの単回用量のインビボ薬物動態を示す。C57BL/6及び129/Svバックグラウンドが混成したマウス(2〜3ヵ月齢)に、様々な濃度のヒノキチオール(30または100mg Hino/kg体重)を、2つの異なる経路(A)腹腔内注射及び(B)強制経口投与で投与した。血漿試料を様々な時点(5〜360分間)で回収し、HPLCによる薬物測定をした。
図29B】A〜Bは、マウスにおけるヒノキチオールの単回用量のインビボ薬物動態を示す。C57BL/6及び129/Svバックグラウンドが混成したマウス(2〜3ヵ月齢)に、様々な濃度のヒノキチオール(30または100mg Hino/kg体重)を、2つの異なる経路(A)腹腔内注射及び(B)強制経口投与で投与した。血漿試料を様々な時点(5〜360分間)で回収し、HPLCによる薬物測定をした。
【発明を実施するための形態】
【0038】
異なる部位及び方向で膜貫通型鉄フラックスを減少させる、鉄輸送タンパク質機能の遺伝性または後天性欠乏から多数のヒト疾患を引き起こす。他の鉄輸送タンパク質は活性のままである一方、不安定な鉄勾配は、対応するタンパク質欠乏膜を横断して蓄積する。ある特定の化学化合物は、そのような勾配を抑えて、細胞への、細胞内及び/または細胞外への鉄輸送を回復させることができる(例えば、実施例1を参照)ため、貧血、嚢胞性線維症、及び不整脈、並びに神経、骨格筋、内分泌、及び腎障害などの、受動イオン輸送タンパク質の欠乏に関連する状態の治療に有用であり得る。
【0039】
同化合物は、DMT1欠乏ラット及びフェロポーチン欠乏マウスにおける腸鉄吸収、並びにDMT1−及びマイトフェリン欠乏ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を促進する。これらの所見は、鉄輸送の小分子媒介部位及び方向選択的回復における一般的な機構の枠組みを示す。これらの所見はまた、鉄のタンパク質トランスポーター、あるいは、他のイオンを欠かせる機能を部分的に模倣する小分子が、ヒト疾患を治療する可能性を有し得ることを示唆する。したがって、本明細書で提供されるのは、化合物(すなわち、ヒノキチオールの類似体)、その調製方法、及び鉄関連疾患の治療に使用されるその医薬化合物である。
【0040】
定義
本明細書で使用される場合、用語「生理学的条件」は、温度、pH、イオン強度、粘度、及び、生きている生物に適合する、及び/または、典型的には生きている哺乳動物の細胞における細胞内に存在する、同様の生化学的パラメーターを指す。
【0041】
用語「プロドラッグ」は、本明細書で使用される場合、生理学的条件下で治療的に活性な薬剤に変換される化合物を網羅する。プロドラッグを製造する一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を露呈する、選択部分を含めることである。他の実施形態では、プロドラッグは宿主動物の酵素活性によって転換される。
【0042】
語句「薬学的に許容される賦形剤」または「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用される場合、対象化学を、身体の1つの器官または部位から、身体の別の器官または部位に運搬もしくは輸送することに関与する、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料などの薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の原料に適合性であり、患者にとって有害ではなく、実質的に非発熱性であるという意味で「許容」されなければならない。薬学的に許容される担体としての役割をし得る材料のいくつかの例としては、(1)乳糖、ブドウ糖及びショ糖などの糖類;(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなどのデンプン;(3)ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバター及び坐剤蝋(坐剤ワックス)などの賦形剤;(9)ピーナツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;(10)プロピルレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去水;(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;及び(21)医薬製剤に用いられる他の毒性のない適合物質が挙げられる。ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、非発熱性であり、すなわち、患者に投与した場合に著しい温度上昇を誘導しない。
【0043】
用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の、比較的毒性のない無機及び有機の酸付加塩を指す。これらの塩は、化合物(複数可)の最終単離及び精製中にその場で、あるいは適切な有機または無機の酸とともに遊離酸の形で精製した化合物(複数可)を、別々に反応すること、及びこのようにして形成された塩を単離することで調製可能である。代表的な塩には、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、及びラウリル硫酸塩などが挙げられる。例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照されたい。
【0044】
他の場合には、本発明の方法で有用な化合物は、1つ以上の酸性官能基を含有することができ、従って、薬学的に許容される塩基と薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの例における用語「薬学的に許容される塩」は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機及び有機の塩基付加塩を意味する。これらの塩は、同様に、化合物(複数可)の最終単離及び精製中にその場で、あるいは薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩のような適切な塩基とともに遊離酸の形で精製した化合物(複数可)を、アンモニアと、または薬学的に許容される有機第一級、第二級または第三級アミンと別々に反応することにより、調製可能である。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。(例えば、Berge et al.,前出を参照されたい)。
【0045】
治療における使用に対する化合物の「治療有効量」とは、例えば、医学的治療に適用できる合理的なベネフィット/リスク比での、治療される障害または状態、または美容目的のための臨床的に許容できる基準に従って、兆候を緩和し、症状を改善し、または疾患状態の発現を遅延させる目的とする(哺乳動物、好ましくはヒトへの)所望の投薬計画の一部として投与される場合の、製剤中の化合物の量を指す。
【0046】
用語「予防的または治療的」は、当該技術分野で認識されており、被組成物の1つ以上の宿主への投与を含む。望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床症状の前に投与される場合、治療は予防的である(すなわち、宿主が望ましくない状態を発症するのを防ぐ)一方、望ましくない状態が現れた後に投与される場合、治療は治療的である(すなわち、それは既存の望ましくない状態またはその副作用を減少させる、改善する、または安定させることを意図する)。
【0047】
本発明で使用されるファルマコフォアは、対応する薬物が有効である通常の目的に有効であり、ある特定の実施形態では、薬物を特に有益である所望の細胞に輸送する、アジド糖標的指向化部分に固有の、能力のために優れた有効性を有する。
【0048】
本実施形態に使用するのに好ましい治療剤は、がん治療に使用されるような細胞傷害性薬物である。そのような薬物には、一般に、アルキル化剤、代謝拮抗剤、アントラサイクリンなどの抗腫瘍抗生物質、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、及びコルチコステロイドが含まれる。
【0049】
当業者は、本発明のコンジュゲートを調製する目的で、その化合物の反応をより簡便にするために、所望の化合物を化学修飾することができる。
【0050】
本発明のある特定の化合物は、特定の幾何学的形状または立体異性体で存在し得る。本発明は、本発明の範囲内に含まれる、シス型及びトランス型異性体、R−及びS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、それらのラセミ混合物、及びそれらの他の混合物を含めた全ての化合物を意図している。さらなる非対称性性の炭素原子がアルキル基などの置換基に存在していてもよい。このような異性体、ならびにそれらの混合物は全て、本発明に含まれることが意図されている。
【0051】
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーを所望する場合、それは不斉合成により、またはキラル補助基を用いる誘導体化により調製することができ、この場合、得られたジアステレオマーの混合物は分離され、補助基を切断して純粋な所望のエナンチオマーが提供される。あるいは、分子がアミノなどの塩基性官能基またはカルボキシルなどの酸性官能基を含有している場合、ジアステレオマー塩は適切な光学活性な酸または塩基を用いて形成され、続いて、こうして形成されたジアステレオマーは、当該技術分野で公知の分別結晶化法またはクロマトグラフ法によって分割され、その後、純粋なエナンチオマーが回収される。
【0052】
肪族鎖は、以下に定義されるアルキル、アルケニル及びアルキニルの種類を含む。脂脂肪族直鎖は、非分岐の炭素鎖部分に限られる。本明細書で使用される場合、用語「脂肪族基」は、直鎖、分岐鎖、または環状脂肪族炭化水素基を指し、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基などの飽和及び不飽和の脂肪族基が含まれる。
【0053】
「アルキル」とは、規定された炭素原子数、または規定されていない場合には最大30までの炭素原子を有する、完全に飽和した、環式または非環式の、分岐または非分岐の炭素鎖部分を指す。例えば、1〜8炭素原子のアルキルとは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルなどの部分、及びそれらの部分の位置異性体である部分を指す。10〜30の炭素原子のアルキルとして、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル及びテトラコシルが挙げられる。ある特定の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に30以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC−C30、分岐鎖ではC−C30)、さらに好ましくは20以下の炭素原子を有する。
【0054】
炭素数が別に規定されない限り、「低級アルキル」は、本明細書で使用される場合、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びtert−ブチルなど、その骨格構造に、1〜10の炭素、さらに好ましくは1〜6の炭素原子を有する先に定義したアルキル基を意味する。同様に、「低級アルケニル」及び「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。本願を通じて、好ましいアルキル基は低級アルキルである。ある特定の実施形態では、本明細書でアルキルとして指定される置換基は、低級アルキルである。
【0055】
「シクロアルキル」とは、各々が3〜12の炭素原子を有する、単環式または二環式、または架橋した飽和または非飽和炭素環式環(すなわち、非芳香族構成において1つ以上の二重結合を含む)を意味する。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造に5〜12の炭素原子を有し、さらに好ましくは環構造に6〜10の炭素を有する。
【0056】
「アルケニル」とは、規定された炭素原子数、または炭素原子数の限定が特に規定されていない場合には最大26までの炭素原子数を有し;その部分に1つ以上の二重結合を有する、環式のまたは非環式の、分岐したまたは非分岐の不飽和の炭素鎖部分を指す。6〜26の炭素原子のアルケニルは、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、エイコセニル、ヘニコセニル(heneicosoenyl)、ドコセニル、トリコセニル、及びテトラコセニルのさまざまな異性体に例示され、ここで、不飽和結合(複数可)はその部分のどこかに位置すればよく、二重結合(複数可)について(Z)または(E)配置のいずれかを有し得る。
【0057】
「アルキニル」とは、部分において1つ以上の三重結合を有する、アルケニルの範囲のヒドロカルビル部分を指す。
【0058】
用語「アルコキシル」または「アルコキシ」は、本明細書で使用される場合、結合した酸素部分を有する、以下に定義されるアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシなどが含まれる。「エーテル」は、酸素によって共有結合的に連結した2つの炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにするアルキルの置換基は、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−アルキニル、−O−(CH−Rのうちの1つで表すことができるようなアルコキシルであるかアルコキシルに類似しているものであり、ここで、Rは、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、またはポリシクリルを表し;mは、0〜約10の値を有する整数である。
【0059】
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、環の各原子が炭素である(すなわち、炭素環式アリール)か、または1つ以上の原子がヘテロ原子である(すなわち、ヘテロアリール)、3員環〜12員環の置換または非置換の単環の芳香族基を含む。好ましくは、アリール基は、5員環〜12員環、さらに好ましくは6員環〜10員環を含む。ある特定の実施形態では、アリールは、(C−C10)アリールを含む。用語「アリール」は、2つ以上の環式環を有する多環式の環系も含み、ここで、2つ以上の炭素を2つの隣接する環で共有しており、ここで、環のうち少なくとも1つは芳香族環であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及び/またはヘテロシクリルであり得る。炭素環式アリール基には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどが含まれる。
【0060】
ヘテロアリール基には、環構造内に1〜4つのヘテロ原子を含んだ、置換または非置換の芳香族の3員環〜12員環構造が含まれ、さらに好ましくは5員環〜12員環、さらに好ましくは6員環〜10員環の構造のことをいう。ある特定の実施形態では、ヘテロアリールは、(C−C)ヘテロアリールを含む。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどが挙げられる。
【0061】
用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されたアルキル基を介して、親の分子部分に追加された、本明細書で定義された少なくとも1つのハロゲンを意味する。ハロアルキルの代表的な例としては、クロロメチル、2−フルオロエチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、及び2−クロロ−3−フルオロペンチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用される場合、用語「置換(した)」は、有機化合物の全ての許容される置換基の全てを含むことが意図されている。広範な態様では、許容される置換基には、有機化合物における非環式の及び環式の、分岐及び非分岐の、炭素環式及び複素環式の、芳香族及び非芳香族の置換基が含まれる。実例となる置換基としては、例えば、本明細書で先に説明したものが挙げられる。許容される置換基は、適切な有機化合物に1つ以上存在して差し支えなく、同一または異なっていて構わない。本発明の目的では、窒素などのヘテロ原子は、そのヘテロ原子の価数を満たす、本明細書に記載される有機化合物の水素置換基及び/または任意の許容される置換基を有していてもよい。本発明は、いかなる方法によっても、有機化合物の許容される置換基により制限されることを意図しない。「置換」または「〜で置換された」には、このような置換は、置換された原子及び置換基の許容される価数に従い、例えば、転位、環化、脱離などの変換を自発的に生じない、安定な化合物を生じるという暗黙の条件が含まれることが理解されよう。
【0063】
本発明の目的では、化学元素は、CASバージョンのHandbook of Chemistry及びPhysics,67th ed.,1986−87の内表紙の元素周期表に従って識別される。
【0064】
本発明の化合物
有名な日本の化学者である野副鉄男が、1936年にタイワンヒノキの木(Chamaecyparis taiwanensis)からトロポロンモノテルペノイドヒノキチオールを最初に単離した。
【化86】
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【0065】
それ以来、日本のヒノキでは見られないが、Cupressaceae科の他の木で見つかっている。本発明は、一部は、ヒノキチオールの重要な医療用途、すなわち、動物における不規則な鉄輸送を克服することに関する。
【0066】
本開示に含まれるのは、ヒノキチオールの類似体、具体的には、式(I)による構造を有する化合物:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩であり;
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;及び
が、水素またはメチルであり、但し、化合物が、ヒノキチオールではない。
【0067】
例えば、いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
及びそれらの塩からなる群から選択され、
式中、
が、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルであり、但し、化合物が、ヒノキチオールではない。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(II)による構造を有する化合物:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩である。
【0069】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(IIa)または(IIb)による構造を有する化合物:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩である。
【0070】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(III)による構造を有する化合物:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩である。
【0071】
ある特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式(IIIa)または(IIIb)による構造を有する化合物:
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩である。
【0072】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0073】
他の実施形態では、Rは、
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【化96-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化96-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化96-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化96-4】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0075】
ある特定の実施形態では、化合物は、
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0076】
ある特定の他の実施形態では、化合物は、
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0077】
ある特定の他の実施形態では、化合物は、
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0078】
ある特定の他の実施形態では、化合物は、
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0079】
ある特定の他の実施形態では、化合物は、
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0080】
また、本明細書で提供されるのは、
【化102-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化102-2】
[この文献は図面を表示できません]
及びそれらの塩からなる群から選択される化合物である。
【0081】
また、本明細書で提供されるのは、
【化103-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化103-2】
[この文献は図面を表示できません]
及びそれらの塩からなる群から選択される化合物である。
【0082】
また、本明細書で提供されるのは、
【化104-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化104-2】
[この文献は図面を表示できません]
及びそれらの塩からなる群から選択される化合物である。
【0083】
本発明の化合物の調製方法
本開示に含まれるのは、以下に記載の本発明の化合物(すなわち、式(I)による構造を有する化合物)の調製方法である。
【0084】
方法A
本明細書で提供されるのは、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化105】
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またはその塩の調製方法であって、
ブレンステッド塩基、及び7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化106】
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またはその塩を組み合わせることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはそれらの塩を形成する工程を含む、方法である。
【0085】
いくつかの実施形態では、塩基は、炭酸塩などの無機塩基である。例示の炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
いくつかの実施形態では、方法は、7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を調製し、
メチル化剤及び7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オンまたはその塩を組み合わせて、混合物:
【化108】
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を形成することによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはそれらの塩を形成する工程をさらに含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、メチル化剤は、ヨウ化メチルである。
【0088】
いくつかの実施形態では、方法は、無機塩基を加えることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、無機塩基は、炭酸塩である。例示の炭酸塩としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
いくつかの実施形態では、方法は、約80℃を超える温度(例えば、約90℃)で混合物を加熱することをさらに含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、方法は、7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を調製し、
酸化剤を、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と組み合わせることによって、7,7−ジブロモ−3−ヒドロキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オンまたはそれらの塩を形成する工程をさらに含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、酸化剤は、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、炭酸銀、またはそれらのいずれかの混合物を含む。いくつかのかかる実施形態では、酸化剤は、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬をさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを酸化剤と接触後に塩基性アミンと接触させる。いくつかのかかる実施形態では、塩基性アミンは、トリエチルアミンなどの第三級アミンである。
【0093】
いくつかの実施形態では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約5℃未満の温度で酸化剤と接触させる。いくつかのかかる実施形態では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で酸化剤と最初に接触させる。方法のある特定の実施形態では、温度を次いで約0℃に温める。
【0094】
いくつかの実施形態では、方法は、4−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ない。
【0095】
方法B
また、本明細書で提供されるのは、以下の構造式の化合物:
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、ハロゲン化剤と反応させることによって、化合物を形成することを含み、式中、Rが、Hまたはメチルであり、Xが、ハロゲンである、方法である。
【0096】
いくつかの実施形態では、ハロゲン化剤は、臭素化剤である。いくつかのかかる実施形態では、臭素化剤は、N−ブロモスクシンイミド(NBS)または臭化水素酸である。
【0097】
方法C
また、本明細書で提供されるのは、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化115】
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またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはそれらの塩を形成することを含む、方法である。
【0098】
いくつかの実施形態では、方法は、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール及び酸化剤を、塩基と組み合わせることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、塩基は、アミンである。ある特定の実施形態では、アミンは、トリエチルアミンなどの第三級アミンである。
【0099】
いくつかの実施形態では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で酸化剤と最初に接触させる。方法のある特定の実施形態では、温度を次いで約0℃に温める。
【0100】
方法D
また、本明細書で提供されるのは、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化116】
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またはその塩の調製方法であって、
7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール:
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と組み合わせることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オンまたはその塩を形成することを含む、方法である。
【0101】
いくつかの実施形態では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオールを、約−78℃の温度で酸化剤と最初に接触させる。方法のある特定の実施形態では、温度を次いで約0℃に温める。いくつかの実施形態では、酸化剤は、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、または炭酸銀のうちの1つ以上を含む。他の実施形態では、酸化剤は、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、方法は、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール及び酸化剤を、塩基と組み合わせることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、塩基は、アミン塩基である。ある特定の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基である。
【0103】
方法E
また、本明細書で提供されるのは、以下の構造式の化合物:
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
以下の構造式の化合物:
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、2−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、独立して任意選択で、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0104】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0105】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0106】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0107】
他の実施形態では、Rは、
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0108】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0109】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0110】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化130-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化130-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0111】
いくつかの実施形態では、方法は、反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0112】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0113】
方法F
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
構造式を有する化合物:
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0114】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0115】
いくつかの実施形態では、構造式を有する化合物:
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩を得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0117】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0118】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化141-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化141-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0119】
方法G
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)構造式の化合物:
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ること;及び
(2)構造式を有する化合物:
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0120】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0121】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)は、反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0122】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0123】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0124】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0125】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0126】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0127】
他の実施形態では、Rは、
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0128】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0129】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0130】
さらに他の実施形態では、Rは、
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0131】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化160-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化160-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0132】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化162-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化162-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0133】
方法H
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0134】
いくつかの実施形態では、方法は、反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0135】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0136】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0137】
いくつかの実施形態では、Rは、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0138】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化169-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化169-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0139】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0140】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0141】
他の実施形態では、Rは、
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0142】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0143】
さらに他の実施形態では、Rは、
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0144】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化178-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化178-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0145】
方法I
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0146】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0147】
いくつかの実施形態では、構造式を有する化合物:
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩を得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0149】
他の実施形態では、構造式の化合物:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0150】
さらに他の実施形態では、構造式の化合物:
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化189-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化189-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0151】
方法J
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、臭素化剤と反応させることによって、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0152】
いくつかの実施形態では、方法の工程(2)は、反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0153】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0154】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0155】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0156】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物またはその塩:
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
は、
【化200-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化200-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0157】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化202-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化202-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0158】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0159】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0160】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0161】
他の実施形態では、Rは、
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0162】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0163】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0164】
方法K
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0165】
いくつかの実施形態では、方法は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0166】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0167】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0168】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化219-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化219-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0169】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0170】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化222】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0171】
他の実施形態では、Rは、
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0172】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0173】
方法L
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化226】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0174】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0175】
いくつかの実施形態では、構造式を有する化合物:
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩を得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化232-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化232-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0177】
いくつかの他の実施形態では、構造式の化合物:
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0178】
他の実施形態では、構造式の化合物:
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0179】
方法M
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール:
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること、
(2)構造式の化合物:
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、4−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0180】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)では、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオールを、約−78℃の温度で酸化剤と最初に接触させる。方法のある特定の実施形態では、温度を次いで約0℃に温める。いくつかの実施形態では、酸化剤は、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、または炭酸銀のうちの1つ以上を含む。他の実施形態では、酸化剤は、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)は、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2,3−ジオール及び酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、塩基は、アミン塩基である。ある特定の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基である。
【0182】
いくつかの実施形態では、方法の工程(2)は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0183】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0184】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。したがって、構造式の化合物:
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化245-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化245-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0185】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0186】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0187】
他の実施形態では、Rは、
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0188】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0189】
方法N
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0190】
いくつかの実施形態では、方法は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0191】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0192】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0193】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。したがって、構造式の化合物:
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化258-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化258-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される。
【0194】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0195】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0196】
他の実施形態では、Rは、
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0197】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0198】
方法O
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0199】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0200】
いくつかの実施形態では、構造式を有する化合物:
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩を得る。
【0201】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化270】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化271-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化271-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される。
【0202】
いくつかの他の実施形態では、構造式の化合物:
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0203】
他の実施形態では、構造式の化合物:
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0204】
方法P
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,4−ジオール:
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、酸化剤と接触させることによって、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成すること;及び
(2)構造式の化合物:
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、5−ブロモ−2−ヒドロキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を形成することを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0205】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)は、7,7−ジブロモビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3、4−ジオール及び酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、塩基は、アミン塩基である。ある特定の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基である。
【0206】
いくつかの実施形態では、方法の工程(2)は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0207】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0208】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、Rは、
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。したがって、いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化284-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化284-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩からなる群から選択される。
【0209】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0210】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化286】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化287】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0211】
他の実施形態では、Rは、
【化288】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0212】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化289】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0213】
方法Q
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化292】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化293】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化294】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0214】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0215】
いくつかの実施形態では、方法は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0216】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0217】
方法R
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、構造式の化合物:
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
が、水素またはメチルであり;
が、
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
または−Sn(C1−6−アルキル)であり;及び
が、ハロまたは擬ハロである、方法である。
【0218】
いくつかの実施形態では、Xは、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフラート、メシラート、またはホスホネートである。
【0219】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、nは、1〜20の整数であり、Rは、水素、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、またはC1−6−アルコキシである。
【0220】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、金属触媒の存在下で、構造式の化合物:
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させる。
【0221】
いくつかの実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0222】
方法S
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化303】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式の化合物:
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、3−ブロモ−7−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩と反応させることによって、構造式の化合物:
【化306】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0223】
いくつかの実施形態では、方法は、反応化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0224】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0225】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0226】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0227】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0228】
他の実施形態では、Rは、
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0229】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化312】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0230】
いくつかの実施形態では、Rは、
【化313】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される。
【0231】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化315-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化315-2】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0232】
方法T
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩の調製方法であって、構造式を有する化合物:
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を、脱メチル化剤と組み合わせることによって、構造式の化合物:
【化318】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される、方法である。
【0233】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0234】
いくつかの実施形態では、構造式を有する化合物:
【化319】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩を脱メチル化剤と接触させて、沸騰するまで加熱することによって、構造式の化合物:
【化320】
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またはそれらの塩を得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩から選択される。
【0236】
他の実施形態では、構造式の化合物:
【化323】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0237】
さらに他の実施形態では、構造式の化合物:
【化325】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化326-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化326-2】
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またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0238】
方法U
また、本明細書で提供されるのは、構造式の化合物:
【化327】
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またはその塩の調製方法であって、
(1)7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン:
【化328】
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またはその塩を、塩基と接触させることによって、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン:
【化329】
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またはその塩を形成すること;
(2)構造式の化合物:
【化330】
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またはその塩を、6−ブロモ−2−メトキシシクロヘプタ−2,4,6−トリエン−1−オン、またはその塩と反応させることによって、構造式を有する化合物:
【化331】
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またはその塩を得ること;及び
(3)構造式を有する化合物:
【化332】
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またはその塩を、脱メチル化剤と接触させることによって、構造式の化合物:
【化333】
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またはその塩を得ることを含み、
式中、
が、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C2−20−アルキニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々が、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換され;
1’及びR2’が、各々独立して、水素またはC1−6−アルキルであり;または
1’及びR2’が、それらが結合する原子と一緒になって、2〜4個の炭素原子を有する環を形成し、各々が、任意選択かつ独立して、C1−3−アルキルまたはC=Oで置換され;及び
Bが、sp混成を有するホウ素原子である、方法である。
【0239】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)では、7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オンを、約−78℃の温度で酸化剤と最初に接触させる。方法のある特定の実施形態では、温度を次いで約0℃に温める。いくつかの実施形態では、酸化剤は、重クロム酸カリウム、クロロクロム酸ピリジニウム、デス−マーチンペルヨージナン、塩化オキサリル、ジメチルスルホキシド、アルミニウムアルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、トリメチルアルミニウム、カリウム tert−ブトキシド、または炭酸銀のうちの1つ以上を含む。他の実施形態では、酸化剤は、ジメチルスルホキシド、及びカルボジイミド、無水トリフルオロ酢酸、塩化オキサリル、及び三酸化硫黄ピリジン錯体からなる群から選択される1つ以上のさらなる試薬を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、方法の工程(1)は、7,7−ジブロモ−3−メトキシビシクロ[4.1.0]ヘプタ−3−エン−2−オン及び酸化剤を、塩基と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、塩基は、アミン塩基である。ある特定の実施形態では、塩基は、トリエチルアミンなどの第三級アミン塩基である。
【0241】
いくつかの実施形態では、方法の工程(2)は、化合物を金属触媒と接触させることをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、金属触媒は、パラジウム触媒またはパラジウムナノ材料ベースの触媒である。ある特定の実施形態では、金属触媒は、有機パラジウム触媒である。例えば、特定の実施形態では、金属触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、塩化パラジウム、及び酢酸パラジウム(II)からなる群から選択される。
【0242】
いくつかの実施形態では、金属触媒との反応は、プロモーターをさらに含む。いくつかのかかる実施形態では、プロモーターは、タリウム(I)エトキシドまたは酸化銀である。好ましい実施形態では、プロモーターは、酸化銀である。
【0243】
いくつかの実施形態では、R1’及びR2’が両方とも水素である。
【0244】
いくつかの実施形態では、脱メチル化剤は、酸である。いくつかのかかる実施形態では、脱メチル化剤は、鉱酸、有機酸、またはそれらの組み合わせである。ある特定の実施形態では、脱メチル化剤は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、酢酸、またはそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、脱メチル化剤は、酢酸中の臭化水素酸または塩酸である。あるいは、脱メチル化剤は、硫酸である。
【0245】
いくつかの実施形態では、Rが、C1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、またはC3−4−シクロアルキルである。いくつかのかかる実施形態では、R
【化334】
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からなる群から選択される。
【0246】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化335】
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またはその塩は、
【化336-1】
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【化336-2】
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またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0247】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化337】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化338-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化338-2】
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またはそれらの塩から選択される。
【0248】
いくつかの他の実施形態では、Rは、
【化339】
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からなる群から選択される。
【0249】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化340】
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またはその塩は、
【化341】
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またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0250】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化342】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化343】
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またはそれらの塩から選択される。
【0251】
他の実施形態では、Rは、
【化344】
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からなる群から選択される。
【0252】
いくつかのかかる実施形態では、構造式の化合物:
【化345】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩は、
【化346】
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またはそれらの塩からなる群から選択される。
【0253】
いくつかの実施形態では、構造式の化合物:
【化347】
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またはその塩は、
【化348】
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またはその塩からなる群から選択される。
【0254】
治療方法
いずれかの対象において、対象が、当該技術分野において公知の定型的な技術を用いて、鉄代謝関連障害を有するかどうかについての評価を行うことができる(例えば、このような評価には、ヘモグロビンレベル、赤血球カウント、網状赤血球カウント、血清フェリチン、血清鉄、飽和血清トランスフェリン、血清ヘプシジン、血清RGMなどを決定するために1つ以上の血液検査が含まれ得る)。対象が鉄欠乏または鉄過剰負荷に関連する鉄関連障害を有するかどうかについての評価を行うことができ、従って、この評価は、予防的療法、維持療法または調節療法などの適切な治療方針を示すことができる。参考として、血液専門医は、患者が、正常なレベルの対応するパラメーターを有することを示すために、以下の参照番号を用いることができる。表Aを参照されたい。
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【0255】
したがって、本明細書で提供されるのは、鉄代謝の疾患を治療、予防、調節または軽減するための方法である。本明細書で開示される化合物は、それを必要とする対象に投与することができる。本明細書で開示される化合物は、対象に治療的に有効な量で投与されてもよく、前記量は当業者によって容易に決定することができる。
【0256】
鉄代謝の疾患または障害は、鉄恒常性が対象においてひどく乱れている任意の疾患または障害であってもよい。この恒常性は、適切な血漿鉄レベルの適切な調節に依存している。鉄は、細胞への鉄送達のためのビヒクルであるトランスフェリンに結合し、血漿中を循環する。血漿トランスフェリンは、通常、鉄で約30%飽和されている。したがって、トランスフェリン飽和は、鉄消費に関与する経路からの様々なシグナルに応じて、適切な生理学的レベルで維持されなければならない。
【0257】
対象は、疲労、関節痛、骨または関節疾患(変形性関節症、骨粗鬆症)、関節リウマチ、炎症性腸疾患、息切れ、不整脈、肝臓障害、糖尿病、不妊症、勃起不全、うつ病、気分または精神障害、低い認知技能または神経変性疾患、ACD、鉄剤不応性鉄欠乏性貧血、慢性腎臓病の貧血、赤血球生成促進剤に対する耐性、再生不良性貧血、二価金属トランスポーター1(DMT1)、骨髄異形成症候群、鉄芽球性貧血、低形成貧血、発作性夜間血色素尿症、フォンヴィレブランド病、血友病遺伝性出血性毛細血管拡張症、赤血球酵素異常症;グルコース−6リン酸脱水素酵素(G6PD)またはピルビン酸キナーゼ欠損症(PKD)、無トランスフェリン血症または低トランスフェリン血症、無セルロプラスミン血症または低セルロプラスミン血症、CDAII(先天性赤血球異形成貧血)(HEMPAS(酸溶血試験陽性の遺伝性多核赤芽球症)とも呼ばれる)などの疾患もしくは障害を有するまたはそのリスクがある場合がある。好ましい実施形態では、対象は、二価金属トランスポーター1(DMT1)が欠乏している。
【0258】
鉄代謝の疾患は、体内で鉄が非常に少ないものであり得る。例えば、血清鉄が60μg/dl未満、55μg/dl未満、50μg/dl未満、45μg/dl未満または40μg/dl未満であると判明された場合、対象は、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象の総鉄結合能(「TIBC」)が50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%よりも低い場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象が、鉄欠乏でない対象と比較して、フェリチンレベルが増加している場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。対象が、ヘモグロビンレベルが15.5、15、14.5、14、13.5、13、12.5、12、11.5、11、10.5、10、9.5、9、8.5、8、7.5、7、6.5または6g/dlよりも低い場合、鉄欠乏であると診断される場合がある。25%未満、20%未満、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%または7%未満のトランスフェリン飽和率は、鉄欠乏を指示することがある。対象は、上記される1つ以上の因子に基づいて、鉄欠乏症を有するものとして診断されてもよい。
【0259】
成長及び発育の重要なタイミングでの鉄欠乏は、早産、低出生体重児、成長及び発育遅延、ならびに正常な乳児の活動及び運動の遅滞をもたらす可能性がある;鉄欠乏は、学校、仕事、軍隊またはレクリエーションにおける能力不足をもたらす記憶力低下または認知能力(精神機能)低下をもたらすことがある。低IQは、成長の重要な時期において生じる鉄欠乏に結びついている。
【0260】
鉄欠乏性貧血(「IDA」)は、対象が身体の要求を満たすために不十分な量の鉄を有している状態である。IDAは、鉄が少なすぎる対象に関連する、血液中の赤血球量の減少に起因する。IDAは、鉄が不十分な食事によって、または失血から生じることがある。IDAは、貧血の最も一般的な形態である。女性の約20%、妊婦の50%、男性の3%が鉄欠乏である。
【0261】
鉄不応性鉄貧血(「IRIDA」)を罹患した対象は、小球性貧血を患っており、不適切に高いヘプシジンレベルのため、経口療法に反応せず、部分的に、非経口鉄に対して難治性である。IRIDAは、膜結合性RGMcを切断することによって、ヘプシジン発現を負に制御するセリンプロテアーゼをコードするマトリプターゼ−2遺伝子(TMPRSS6)における突然変異によって引き起こされる。
【0262】
したがって、本明細書で開示される化合物は、鉄欠乏、Al、及び鉄過剰を含むが、これらに限定されない任意の鉄関連障害の治療に使用され得る。過剰な鉄に起因する障害の他の例としては、肝硬変、肝がん、変形性関節症、骨減少症、骨軟化症、糖尿病、不整脈、心臓発作、甲状腺機能低下症、不妊症、勃起不全、うつ病、性腺機能低下症、及びブロンズまたはアシェングレーの肌の変色が挙げられる。本発明に従って診断して、治療し得る他の鉄関連障害の例としては、例えば、ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、後天性鉄過剰、鎌状赤血球貧血、サラセミア、アフリカ鉄沈着症、晩発性皮膚ポルフィリン症、鉄欠乏性貧血、フリードライヒ運動失調症、フェロポーチン病、高フェリチン血症、無トランスフェリン血症、及び鉄芽球性貧血が挙げられる。鉄関連障害としては、例えば、心不全、溶血性貧血、及び神経障害がさらに挙げられる。
【0263】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる疾患または状態の治療方法であって、治療有効量のトロポロンまたは本明細書で開示される化合物を、それを必要とする対象に投与し、前記疾患及び状態を治療することを含む、方法である。いくつかのかかる実施形態では、鉄トランスポーターの欠乏または欠陥により特徴付けられる疾患または状態は、低色素性小球性貧血である。
【0264】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、経上皮鉄輸送の増進方法である。
【0265】
さらに他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、生理機能の増進方法である。
【0266】
さらに他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、ヘモグロビン化の増進方法である。
【0267】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、トロポロンまたは本明細書で開示される化合物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、鉄放出の増進方法である。
【0268】
いくつかの実施形態では、方法は、アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトールからなる群から選択される1つ以上のさらなる化合物の有効量を投与することをさらに含む。
【0269】
また、本明細書で提供されるのは、細胞中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のインビトロ増進方法であって、細胞を、本明細書で開示される化合物の有効量と接触させることを含む、方法である。いくつかのかかる実施形態では、方法は、細胞を、アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の化合物の有効量と接触させることをさらに含む。
【0270】
他の実施形態では、本明細書で提供されるのは、臓器中の経上皮鉄輸送、生理機能、またはヘモグロビン化のエクスビボ増進方法であって、臓器を、本明細書で開示される化合物の有効量と接触させることを含む、方法である。いくつかのかかる実施形態では、方法は、臓器を、アムホテリシンB(AmB)、カルシマイシン、ノナクチン、デフェリプロン、プルプロガリン、及びマルトール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の化合物の有効量と接触させることをさらに含む。
【0271】
医薬組成物
また、本発明の化合物、または薬学的に許容されるその塩、及び薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、医薬組成物を提供する。また、そのような医薬組成物の作製方法を提供する。方法は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を、薬学的に許容される賦形剤または担体に載置することを含む。
【0272】
本発明の化合物及び本発明の医薬組成物は、対象におけるがんの治療に有用である。ある特定の実施形態では、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を、それを必要とする対象に投与することによって、がんを治療する。
【0273】
本明細書で使用される場合、「阻害する(inhibit)」または「阻害する(inhibiting)」は、対照と比較して、客観的に測定可能な量または程度だけ低減することを意味する。一実施形態では、阻害する(inhibit)または阻害する(inhibiting)は、対照と比較して、少なくとも統計学的に有意な量だけ低減することを意味する。一実施形態では、阻害する(inhibit)または阻害する(inhibiting)は、対照と比較して、少なくとも5パーセントだけ低減することを意味する。様々な個々の実施形態では、阻害する(inhibit)または阻害する(inhibiting)は、対照と比較して、少なくとも10、15、20、25、30、33、40、50、60、67、70、75、80、90、または95パーセントだけ低減することを意味する。
【0274】
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」及び「治療する(treating)」という用語は、(a)状態または疾患を発症する危険性があるか、またはそれを有する素因があり得るが、未だそれを有すると診断されていない対象において、状態または疾患が発生するのを予防すること、(b)状態または疾患を阻害すること、例えば、その発症を緩徐化または停止すること、あるいは(c)状態または疾患を緩和または改善させること、例えば、状態または疾患の退行を引き起こすこと、をもたらす介入を実行することを指す。一実施形態では、本明細書で使用される場合、「治療する(treating)」及び「治療する(treat)」という用語は、(a)状態または疾患を阻害すること、例えば、その発症を緩徐化または停止すること、あるいは(b)状態または疾患を緩和または改善させること、例えば、状態または疾患の退行を引き起こすこと、をもたらす介入を実行することを指す。
【0275】
本明細書で使用される場合、「対象」とは、生きた哺乳動物を指す。様々な実施形態では、対象は、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、ウシ、または非ヒト霊長類を非限定的に含む、非ヒト哺乳動物である。一実施形態では、対象は、ヒトである。
【0276】
ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。
【0277】
本明細書で使用される場合、「投与する」は、その通常の意味を有し、静脈内、筋肉内、腹腔内、鞘内、眼内(例えば、硝子体内)、皮下、(例えば、腫瘍内への)直接注射、粘膜、吸入、経口、及び局所を非限定的に含む、任意の好適な投与経路によって投与することを網羅する。
【0278】
一実施形態では、投与は、静脈内である。
【0279】
一実施形態では、投与は、経口である。
【0280】
本明細書で使用される場合、「有効な量」という語句は、所望される生物学的効果を達成するのに十分な任意の量を指す。
【0281】
本発明の化合物は、他の治療剤と組み合わせることができ、または、本発明の他の化合物と併用してもよい。本発明の化合物及び他の治療剤は、同時投与しても、または逐次投与してもよい。他の治療剤を同時投与する場合、それらは、同じまたは別個の製剤において投与することができるが、それらは実質的に同時に投与される。他の治療剤及び本発明の化合物の投与が時間的に離れる場合、他の治療剤は互いに及び本発明の化合物と逐次投与される。これら化合物の投与間の時間の分離は、ほんの数分であるか、あるいはそれより長くてもよい。
【0282】
他の治療剤の例としては、抗生物質、抗ウイルス剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗不整脈剤、ベータ遮断薬、鎮痛剤、及び抗がん剤が挙げられる。
【0283】
上記で述べられた「有効量」は、所望の生物学的効果を達成するのに十分な任意の量を指す。本明細書で提供される教示と相まって、様々な活性化合物の中から選択し、さらに、例えば効力、相対的バイオアベイラビリティ、患者の体重、有害な副作用の重篤性、及び好ましい投与方法等の因子を熟慮して、実質的な望ましくない毒性を生じずかつ特定の対象を治療するのに有効である、有効な予防的または治療的な処置計画をたてることができる。任意の特定の適用のための有効量は、治療される疾患または状態、投与される本発明の特定の化合物、対象のサイズ、または疾患または状態の重篤性等の因子によって変化し得る。当業者は、本発明の特定の化合物及び/または他の治療剤の有効量を、過度の実験を必要としないで経験によって決定できる。時には、最大用量を用いることが好ましく、すなわち、それはいくつかの医学的判断に従う最大安全用量である。1日当たり複数回投与は、化合物の適切な全身レベルを達成するのに熟慮され得る。適切な全身レベルは、例えば、患者の薬物のピークまたは持続血漿レベルの測定によって決定できる。「用量」と「投与量」は、本明細書において交換可能に用いられる。
【0284】
一般的に、活性化合物の1日の経口用量は、ヒト対象に関して、1日当たり約0.01mg/kgから1日当たり1000mg/kgまでである。1日当たり1または数回の投与で、0.5〜50mg/kgの範囲での経口用量が所望の結果をもたらすことが予測される。投与量は、局所または全身、投与方法に依存して、所望の薬物レベルを達成するように適切に調整され得る。例えば、静脈内投与は、1桁から数桁低い1日当たりの用量であろうことが予測される。そのような用量で対象における応答が不十分であるような場合には、より高い用量(または異なるより局所化された送達経路によって有効なより高い用量)を、患者の耐性が許す限りにおいて、用いることができる。1日当たり複数回投与が、化合物の適切な全身レベルを達成するために熟慮される。
【0285】
一実施形態では、本発明の化合物の静脈内投与は、典型的には0.1mg/kg/日〜20mg/kg/日であり得る。
【0286】
本明細書に記載されている任意の化合物に関して、治療有効量を最初に動物モデルから決定してもよい。治療有効用量は、ヒトにおいて試験された本発明の化合物に関して、及び他の関連活性薬剤のような類似の薬理学的活性を示すことが知られている化合物に関して、ヒトデータからも決定することができる。非経口投与にはより高い用量が必要となり得る。投与される化合物の相対的バイオアベイラビリティ及び効力に基づき、適用される用量を調整できる。上記の方法及び当業界で周知の他の方法に基づき最大効果を達成するために用量を調整することは、当業者の能力の範囲内である。
【0287】
本発明の製剤は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存料、適合可能な担体、アジュバント、及び必要に応じて他の治療成分を通常含み得る、薬学的に許容される溶液中において投与してもよい。
【0288】
治療での使用のために、有効量の本発明の化合物を、本発明の化合物を所望の位置または表面に送達する任意の方法で対象に投与することができる。本発明の医薬組成物の投与は、当業者に公知の任意の手段により達成することができる。投与経路として、限定はされないが、経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直接注入(例えば、腫瘍または膿瘍内に)、粘膜、吸入、及び局所が挙げられる。
【0289】
静脈内及び他の非経口投与経路では、化合物は、、デスオキシコール酸を有する凍結乾燥調製物として、リポソーム挿入または封入活性化合物の凍結乾燥調製物として、水性懸濁液中の脂質複合体として、またはコレステロール硫酸複合体として製剤化され得る。凍結乾燥製剤は、一般的に好適な水性溶液中で、例えば、無菌水または生理食塩水中で投与直前に再構成される。
【0290】
経口投与のため、化合物(すなわち、本発明の化合物、及び他の治療剤)は、活性化合物(複数可)を、当該技術分野において周知である薬学的に許容される担体と組み合わせることによって容易に製剤化され得る。そのような担体は、本発明の化合物が、治療される対象による経口摂取用の錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、及び懸濁液などとして製剤化されることを可能にする。経口用途用の薬学的調製物は固体賦形剤として得ることができ、得られた混合物を任意で粉砕し、所望される場合、好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得る。好適な賦形剤は、具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/またはポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。所望される場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤が添加されてもよい。任意で、経口製剤はまた、生理食塩水または緩衝剤(例えば、体内酸状態を中和するためのEDTA)中に製剤化されてもよく、またはいかなる担体もなくして投与されてもよい。
【0291】
上記の成分(複数可)の経口剤形もまた特に企図される。成分(複数可)は、誘導体の経口送達が効果的であるように化学修飾されてもよい。一般的に、企図される化学修飾は、少なくとも1つの部分の、成分分子自体への結合であり、該部分は、(a)酸加水分解の阻害、及び(b)胃または腸からの血流内への取り込みを容認する。成分(複数可)の全体的な安定性の増加、及び体内循環時間の増加もまた所望される。そのような部分の例としては、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びポリプロリンが挙げられる。Abuchowski and Davis,“Soluble Polymer−Enzyme Adducts”,In:Enzymes as Drugs,Hocenberg and Roberts,eds.,Wiley−Interscience,New York,N.Y.,pp.367−383(1981)、Newmark et al.,J Appl Biochem 4:185−9(1982)。使用され得る他のポリマーは、ポリ−1,3−ジオキソラン及びポリ−1,3,6−チオキソカンである。上に示すように、薬学的使用のために好ましいのは、ポリエチレングリコール部分である。
【0292】
成分(または誘導体)について、放出場所は、胃、小腸(十二指腸、空腸、もしくは回腸)または大腸であってもよい。当業者は、胃内で溶解しないが、十二指腸または腸内の他の場所で材料を放出する入手可能な製剤を有する。好ましくは、放出は、本発明の化合物(もしくは誘導体)の保護、または腸におけるような胃環境を超える生物活性材料の放出のいずれかによって胃環境の有害作用を避ける。
【0293】
完全な胃抵抗性を確保するためには、少なくともpH5.0に対して不透過性のコーティングが必須である。腸内コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分の例は、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP50、HPMCP55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、セルロースアセテートフタレート(CAP)、Eudragit L、Eudragit S、及びシェラックである。これらのコーティングは、混合薄膜として使用されてもよい。
【0294】
コーティングまたはコーティングの混合物はまた、錠剤に使用されてもよく、これは、胃に対する保護を意図するものではない。これは、糖コーティングまたは錠剤の嚥下をより容易にするコーティングを含み得る。カプセルは、乾燥治療剤(例えば、粉末)の送達用の硬質シェル(ゼラチンなど)からなってもよく、液体形態では、軟質ゼラチンシェルが使用されてもよい。カシェ剤のシェル材料は、濃厚デンプンまたは他の食用紙であり得る。丸剤、ロゼンジ、湿製錠剤、または擦り込み錠剤には、湿潤塊化技術が使用され得る。
【0295】
治療剤は、約1mmの粒径の顆粒またはペレットの形態の微細な多微粒子として製剤中に含まれ得る。カプセル投与用の材料の製剤はまた、粉末、軽く圧縮されたプラグ、または錠剤としてでさえあってもよい。治療剤は、圧縮によって調製され得る。
【0296】
着色剤及び香味剤が全て含まれてもよい。例えば、本発明の化合物(または誘導体)は、(リポソームまたはマイクロスフェアの封入などによって)製剤化され、次いで、着色剤及び香味剤を含有する冷蔵飲料などの食用品中に更に含有されてもよい。
【0297】
不活性材料によって治療剤の体積を希釈しても、それを増加させてもよい。これらの希釈剤としては、炭水化物、特にマンニトール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、修飾デキストラン、及びデンプンが挙げられ得る。三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、及び塩化ナトリウムを含む特定の無機塩もまた、充填剤として使用されてもよい。いくつかの商業的に入手可能な希釈剤は、Fast−Flo、Emdex、STA−Rx1500、Emcompress、及びAvicellである。
【0298】
治療剤の製剤中、固体剤形の中に、崩壊剤が含まれてもよい。崩壊剤として使用される材料としては、デンプンに基づく商業的崩壊剤であるExplotabを含むデンプンが挙げられるが、これに限定されない。デンプングリコール酸ナトリウム、Amberlite、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸カルボキシメチルセルロース、天然スポンジ、及びベントナイトが、全て使用されてもよい。崩壊剤の別の形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。崩壊剤及び結合剤として粉末ゴムが使用されてもよく、これらは、寒天、カラヤ、またはトラガカントなどの粉末ゴムを含み得る。アルギン酸及びそのナトリウム塩もまた、崩壊剤として有用である。
【0299】
結合剤は、治療剤をともに保持して、硬質錠剤を形成するために使用され得、アカシア、トラガカント、デンプン、及びゼラチンなどの天然物からの材料を含む。他のものとしては、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、及びカルボキシメチルセルロース(CMC)が挙げられる。ポリビニルピロリドン(PVP)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)はともに、治療剤を顆粒化するためにアルコール溶液中で使用されてもよい。
【0300】
製剤プロセス中の固着を予防するために、治療剤の製剤中に抗摩擦剤が含まれてもよい。治療剤とダイ壁との間の層として、滑沢剤が使用されてもよく、これらの滑沢剤としては、ステアリン酸(そのマグネシウム塩及びカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油、及びワックスが挙げられるが、これらに限定されない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000及び6000などの好適な滑沢剤もまた使用されてもよい。
【0301】
製剤化中の薬物の流動特性を改善し得、圧縮中の再配置を助けるための滑剤が添加されてもよい。滑剤としては、デンプン、タルク、発熱シリカ、及び水和シリコアルミネートが挙げられ得る。
【0302】
水性環境への治療剤の溶解を助けるために、湿潤剤として界面活性剤が添加されてもよい。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホサクシネート、及びジオクチルナトリウムスルホネートなどの陰イオン性洗剤が挙げられ得る。陽イオン性洗剤が使用されてもよく、塩化ベンザルコニウム及び塩化ベンゼトニウムが挙げられ得る。界面活性剤として製剤中に含まれ得る潜在的非イオン性洗剤としては、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油10、50、及び60、グリセロールモノステアレート、ポリソルベート40、60、65、及び80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらの界面活性剤は、本発明の化合物または誘導体の製剤中に、単独でまたは異なる比率の混合物として存在し得る。
【0303】
経口使用され得る薬学的調製物としては、ゼラチン製のプッシュフィットカプセル、及びゼラチン及び可塑剤(グリセロールまたはソルビトールなど)製の軟質密封カプセルが挙げられる。プッシュフィットカプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、任意で安定剤との混合において、活性成分を含有し得る。軟質カプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解もしくは懸濁され得る。更に、安定剤が添加されてもよい。経口投与用に製剤化されたマイクロスフェアもまた、使用されてもよい。そのようなマイクロスフェアは、当該技術分野において明確に定義されている。経口投与のための全ての製剤は、そのような投与に好適な投与量であるべきである。
【0304】
頬側投与では、組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤またはロゼンジの形態を取り得る。
【0305】
吸入による投与では、本発明に従う使用のための化合物は、好適な噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガス)を使用して、便宜的に加圧パックまたは噴霧吸入器からのエアロゾルスプレー形の形態で送達されてもよい。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、定量を送達するバルブを提供することによって決定され得る。吸入器または気腹器における使用のための、例えばゼラチンのカプセル及び薬包は、化合物と好適な粉末ベース(ラクトースまたはデンプンなど)との粉末混合物を含有して製剤化されてもよい。
【0306】
本発明の化合物(またはその誘導体)の肺送達もまた、本明細書に企図される。本発明の化合物(または誘導体)は、吸入中に哺乳動物の肺に送達され、肺上皮内層を横切って血流へと横断する。吸入された分子についての他の報告としては、Adjei et al.,Pharm Res 7:565−569(1990)、Adjei et al.,Int J Pharmaceutics 63:135−144(1990)(酢酸ロイプロリド)、Braquet et al.,J Cardiovasc Pharmacol 13(suppl.5):143−146(1989)(エンドセリン−1)、Hubbard et al.,Annal Int Med 3:206−212(1989)(α1−アンチトリプシン)、Smith et al.,1989,J Clin Invest 84:1145−1146(a−1−プロテイナーゼ)、Oswein et al.,1990,“Aerosolization of Proteins”,Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II,Keystone,Colorado,March,(組み換えヒト増殖ホルモン)、Debs et al.,1988,J Immunol 140:3482−3488(インターフェロン−ガンマ及び腫瘍壊死因子アルファ)、及びPlatzらの米国特許第5,284,656号明細書(顆粒球コロニー刺激因子)が挙げられる。全身的作用のための薬物の肺送達のための方法及び組成物は、1995年9月19日にWongらに対して発行された米国特許第5,451,569号明細書に説明される。
【0307】
本発明の実施における使用のために、噴霧吸入器、定用量吸入器、及び粉末吸入器(その全てが当業者に知られる)を含むが、これらに限定されない、治療製品の肺送達用に設計された多種多様な機械装置が企図される。
【0308】
本発明の実施に好適な商業的に入手可能な装置のいくつかの具体的な例は、Mallinckrodt,Inc.,St.Louis,Mo.製造のUltravent噴霧吸入器、Marquest Medical Products,Englewood,Colo.製造のAcorn II噴霧吸入器、Glaxo Inc.,Research Triangle Park,North Carolina製造のVentolin定用量吸入器、及びFisons Corp.,Bedford,Mass.製造のSpinhaler粉末吸入器である。
【0309】
全てのそのような装置は、本発明の化合物(または誘導体)の吐出に好適な製剤の使用を必要とする。典型的には、各製剤は、用いられる装置の種類に特異的であり、治療において有用である通常の希釈剤、アジュバント、及び/または担体に加えて、適切な噴霧剤材料の使用に関与し得る。また、リポソーム、マイクロカプセル、もしくはマイクロスフェア、包接複合体、または他の種類の担体の使用が企図される。化学修飾された本発明の化合物はまた、化学修飾の種類または用いられる装置の種類によって、異なる製剤中に調製され得る。
【0310】
ジェットまたは超音波のいずれかの噴霧吸入器との使用に好適な製剤は、典型的には1mLの溶液当たり、本発明の生物活性化合物の約0.1〜25mgの濃度で水中に溶解した本発明の化合物(または誘導体)を含むであろう。製剤はまた、緩衝剤及び単純糖を含んでもよい(例えば、本発明の化合物では、浸透圧の安定化及び制御)。噴霧吸入器製剤はまた、エアロゾル形成時の溶液の微粒化によって引き起こされる本発明の化合物の表面誘起凝集を低減または予防するために、界面活性剤を含有してもよい。
【0311】
定用量吸入器装置での使用のための製剤は、一般的に、界面活性剤の助けを借りて噴霧剤中に懸濁した本発明の化合物(またはその塩)を含有する微細に分割された粉末を含むであろう。噴霧剤はまた、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン、もしくはこれらの組み合わせを含む、クロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、またはヒドロカーボンなどの、この目的のために用いられる任意の従来の材料であってもよい。好適な界面活性剤としては、ソルビタントリオレエート及び大豆レシチンが挙げられる。オレイン酸もまた、界面活性剤として有用であり得る。
【0312】
粉末吸入器装置から吐出するための製剤は、本発明の化合物(または誘導体)を含有する微細に分割された乾燥粉末を含み、装置からの粉末の分散を促進する量(例えば、製剤の50〜90重量%)のラクトース、ソルビトール、スクロース、またはマンニトールなどの増量剤もまた含んでもよい。本発明の化合物(または誘導体)は、肺深部への最も効果的な送達のため、10マイクロメートル(μm)未満、最も好ましくは0.5〜5μmの平均粒径を有する微粒子形態で有利に調製されるべきである。
【0313】
本発明の医薬組成物の経鼻送達もまた、企図される。経鼻送達は、製品を肺内に沈着させる必要性なく、治療製品の鼻への投与直後に、本発明の医薬組成物が血流へと通過することを可能にする。経鼻送達用の製剤としては、デキストランまたはシクロデキストランを有するものが挙げられる。
【0314】
経鼻投与では、有用な装置は、定用量スプレー器が取り付けられる小型硬質ビンである。一実施形態では、定用量は、本発明の溶液の医薬組成物を規定体積のチャンバー内へと引くことによって送達され、このチャンバーは、チャンバー内の液体が圧縮されるときにスプレーを形成することによって、エアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法形成された開口を有する。チャンバーが圧縮されて、本発明の医薬組成物が投与される。特定の一実施形態では、チャンバーはピストン配置である。そのような装置は、商業的に入手可能である。
【0315】
あるいは、圧搾されるときにスプレーを形成することによって、エアロゾル製剤をエアロゾル化するように寸法形成された開口または開口部を有するプラスチック圧搾ビンが使用される。開口部は通常ビンの上部に見られ、上部は一般的に、エアロゾル製剤の効率的な投与のため、鼻道内に部分的に適合するように細くなる。好ましくは、経鼻吸入器は、定用量の薬物の投与のために定量のエアロゾル製剤を提供するであろう。
【0316】
化合物は、それらを全身的に送達することが望ましい場合、注射による(例えば、ボーラス注射または持続注入による)非経口投与用に製剤化されてもよい。注射用の製剤は、単位剤形で、例えば、保存剤が添加されたアンプルまたは複数用量容器中に提供されてもよい。本組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、またはエマルジョンなどの形態を取ってもよく、懸濁液、安定剤、及び/または分散剤などの製剤用剤を含有してもよい。
【0317】
非経口投与用の医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水性溶液を含む。更に、活性化合物の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製されてもよい。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増加させる物質を含有してもよい。任意で、懸濁液はまた、好適な安定剤または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有して、高濃度の溶液の調製を可能にしてもよい。
【0318】
あるいは、活性化合物は、好適なビヒクル(例えば、発熱物質を含有しない水)による構成のために、使用前には粉末形態であってもよい。
【0319】
化合物はまた、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤ベースを含有する、坐剤もしくは停留浣腸剤などの直腸組成物または腟組成物中に製剤化されてもよい。
【0320】
上述する製剤に加えて、化合物はまた、デポー調製物として製剤化されてもよい。そのような長時間作用性製剤は、(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)好適なポリマー材料もしくは疎水性材料によって、またはイオン交換樹脂として、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤化されてもよい。
【0321】
医薬組成物はまた、好適な固相もしくはゲル相の担体または賦形剤を含んでもよい。そのような担体または賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及びポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0322】
好適な液体または固体医薬組成物形態は、例えば、吸入用の水溶液または生理食塩水溶液、マイクロカプセル化されたもの、蝸牛状化(encochleated)されたもの、微視的金粒子上にコーティングされたもの、リポソームに含有されたもの、噴霧化されたもの、エアロゾル、皮膚内への埋め込み用のペレット、または皮膚に擦り付けられるように鋭利な物体上に乾燥されたものである。医薬組成物はまた、顆粒、粉末、錠剤、コーティングされた錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、エマルジョン、懸濁液、クリーム、液滴、または活性化合物を遅延放出する調製物を含み、これらの調製において、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、滑沢剤、香味剤、甘味剤、もしくは可溶化剤などの賦形剤及び添加剤及び/または補助剤が、上述の通り習慣的に使用され得る。医薬組成物は、様々な薬物送達系における使用に好適である。薬物送達のための方法の簡潔な概説については、Langer R,Science 249:1527−33(1990)(参照によって組み込まれる)を参照されたい。
【0323】
本発明の化合物及び任意で他の治療剤は、それ自体(未希釈)で、または薬学的に許容される塩の形態で投与され得る。医薬において使用される場合、塩は薬学的に許容されるべきであるが、その薬学的に許容される塩を調製するために、薬学的に許容されない塩が便宜的に使用されてもよい。そのような塩としては、以下の酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸、及びベンゼンスルホン酸から調製される塩が挙げられるが、これらに限定されない。また、そのような塩は、カルボン酸基のナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩などのアルカリ金属またはアルカリ土類塩として調製され得る。
【0324】
好適な緩衝剤としては、酢酸及び塩(1〜2%w/v)、クエン酸及び塩(1〜3%w/v)、ホウ酸及び塩(0.5〜2.5%w/v)、ならびにリン酸及び塩(0.8〜2%w/v)が挙げられる。好適な保存剤としては、塩化ベンザルコニウム(0.003〜0.03%w/v)、クロロブタノール(0.3〜0.9%w/v)、パラベン(0.01〜0.25%w/v)、及びチメロサール(0.004〜0.02%w/v)が挙げられる。
【0325】
本発明の医薬組成物は、有効な量の本発明の化合物及び任意で薬学的に許容される担体中に含まれる治療剤を含有する。「薬学的に許容される担体」という用語は、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に好適である、1つ以上の適合する固体もしくは液体充填剤、希釈剤、または封入物質を意味する。「担体」という用語は、適用を促進するために活性成分が組み合わされる、天然もしくは合成の有機または無機成分を表す。医薬組成物の成分はまた、所望される薬学的効率を実質的に損なう相互作用が存在しないような様式で、本発明の化合物と、及び互いに混成されることができる。
【0326】
本発明の化合物を特に含むが、これらに限定されない治療剤(複数可)は、粒子で提供されてもよい。本明細書で使用される場合、粒子は、全体もしくは一部分が本発明の化合物または本明細書に説明する他の治療剤(複数可)からなる、ナノ粒子もしくはマイクロ粒子(またはいくつかの場合より大きな粒子)を意味する。粒子は、腸内コーティングを含むが、これに限定されないコーティングに包まれたコアに、治療剤(複数可)を含有してもよい。治療剤(複数可)はまた、粒子を通して分散されてもよい。治療剤(複数可)はまた、粒子内に吸収されてもよい。粒子は、ゼロ次放出、1次放出、2次放出、遅延放出、持続放出、即時放出、及びこれらの任意の組み合わせなどを含む、任意の次数の放出速度論のものであり得る。粒子は、治療剤(複数可)に加えて、侵食性、非侵食性、生分解性、もしくは非生分解性材料、またはこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない、薬学及び医学の当該技術分野において通例使用されるこれらの材料のうちのいずれかを含んでもよい。粒子は、溶液中の、または半固体状態の本発明の化合物を含有するマイクロカプセルであってもよい。粒子は、実質的にいかなる形状のものであってもよい。
【0327】
非生分解性または生分解性ポリマー材料の両方が、治療剤(複数可)を送達するための粒子の製造において使用され得る。そのようなポリマーは、天然ポリマーまたは合成ポリマーであり得る。ポリマーは、放出が所望される期間に基づいて選択される。特に対象となる生体付着性ポリマーは、Sawhney H S et al.(1993)Macromolecules 26:581−7に説明される生侵食性ヒドロゲルを含み、その教示は本明細書に組み込まれる。これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(イソブチルメタクリレート)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(イソデシルメタクリレート)、ポリ(ラウリルメタクリレート)、ポリ(フェニルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(イソプロピルアクリレート)、ポリ(イソブチルアクリレート)、及びポリ(オクタデシルアクリレート)が挙げられる。
【0328】
治療剤(複数可)は、制御された放出系内に含有されてもよい。「制御された放出」という用語は、製剤からの薬物放出の様式及びプロファイルが制御される、任意の薬物含有製剤を指すことが意図される。これは、即時及び非即時放出製剤を指し、非即時放出製剤としては、持続放出製剤及び遅延放出製剤が挙げられるが、これらに限定されない。「持続放出」という用語(「徐放」とも呼ばれる)は、その従来の意味において使用されて、長期間にわたって薬物の徐々の放出を提供し、必然的ではないものの、好ましくは、長期間にわたって実質的に一定の薬物の血中レベルをもたらす薬物製剤を指す。「遅延放出」という用語は、その従来の意味において使用されて、製剤の投与とそこからの薬物の放出との間に時間遅延が存在する薬物製剤を指す。「遅延放出」は、長期間にわたる薬物の徐々の放出に関与しても、しなくてもよいため、「持続放出」であっても、なくてもよい。
【0329】
長期間の持続放出埋め込み剤の使用は、慢性病態の治療に特に好適であり得る。「長期間の」放出は、本明細書で使用される場合、埋め込み剤が、少なくとも7日間、好ましくは30〜60日間、治療レベルの活性成分を送達するように構築され、配置されることを意味する。長期間の持続放出埋め込み剤は、当業者に周知であり、上述する放出系のいくつかを含む。
【0330】
本明細書に説明される組成物及び方法に対する好適な修飾及び適合は、当業者に既知である情報に照らして、本明細書に含まれる本発明の説明から容易に明らかであり、本発明またはその任意の実施形態の範囲から逸脱することなくなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【実施例】
【0331】
ここまで概して本発明を説明しているが、それは、本発明の特定の態様及び実施形態の説明のみのために含まれ、本発明を限定することが意図されない、以下の実施例への参照により、よりはっきりと理解されるであろう。
【0332】
実施例1:小分子による鉄輸送の回復は、動物における吸収及びヘモグロビン化を促進する
概要
本実施例は、小分子天然物のヒノキチオールが、そのような勾配を抑えて、細胞への、細胞内及び/または細胞外への鉄輸送を回復させることができることを示す。同じ化合物は、DMT1欠乏ラット及びフェロポーチン欠乏マウスにおける腸鉄吸収、並びにDMT1−及びマイトフェリン欠乏ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を促進する。これらの所見は、鉄輸送の小分子媒介部位及び方向選択的回復における一般的な機構の枠組みを示す。これらの所見はまた、鉄のタンパク質トランスポーター、あるいは、他のイオンを欠かせる機能を部分的に模倣する小分子が、ヒト疾患を治療する可能性を有し得ることを示唆する。
【0333】
部位及び方向選択的膜貫通イオン輸送は、局所電気化学的勾配を生成する能動イオン輸送タンパク質と、それらを使用する受動イオン輸送タンパク質との協調的機能を介して、ほとんどの生体系において達成される(1)。受動イオン輸送タンパク質の欠乏は、貧血、嚢胞性線維症、不整脈、及び神経、骨格筋、内分泌、及び腎障害を含む多くのヒト疾患を引き起こす(2〜5)。対応する能動イオン輸送タンパク質は、典型的には、機能を維持するため、これらの欠如しているタンパク質を正常に提供する膜の上流のイオン勾配を蓄積し得る。これらの堅牢なネットワークが、多くのイオン輸送タンパク質の非選択的な性質にもかかわらず、イオン選択的輸送を達成する能力に留意すると(1、2)、イオン輸送を自律的に行うことができる小分子は、そのような勾配を活用して、膜貫通イオンフラックスを部位及び方向選択的に回復させることができたと仮説を立てた(図1A)。
【0334】
鉄恒常性は、能動及び受動鉄輸送タンパク質と、本質的な使用が可能なそれらの調節物質との動的ネットワークによって維持される一方、この酸化還元活性金属の毒性を最小限にする(2)。鉄排泄の既知の調節機構は存在しないため(6)、全身の鉄レベルは、食事に含まれる鉄吸収の厳格な調節を通じて主に制御される(2、6)。鉄輸送、恒常性、または代謝に関与するタンパク質の欠乏または機能不全は、細胞への、細胞内及び/または細胞外への鉄の移動を妨げることが多く(図1A)、25個を超えるメンデル病と関連している(表S1)(6〜9)。小分子鉄トランスポーターが、そのような状況において選択的に蓄積する不安定な鉄プール(2)の膜貫通勾配を活用して、細胞への、細胞内及び/または細胞外への鉄の移動を回復させることで、内因性の鉄依存性生理学的プロセスにおけるその使用が可能になるかどうかが問題であった(図1A)。
【0335】
異なる方向、細胞位置、及び組織における鉄移動を混乱させる3つの疾患関連鉄トランスポーター欠乏を、この試験のために具体的に選択した(2、6)。二価金属トランスポーター1(DMT1、aka Nramp2、DCT1、SLC11A2)の欠乏は、十二指腸腸細胞の頂端側の鉄取り込みを低下させ、赤血球前駆細胞におけるエンドソーム鉄放出を予防する(2、6)。ミトコンドリア内膜におけるマイトフェリン(Mfrn1、aka SLC25A37)欠乏は、ミトコンドリア基質への鉄流入を損なう(10、11)。フェロポーチン(FPN1、aka IReg1、MTP1、SLC40A1)欠乏は、腸上皮及び細網内皮系マクロファージからの鉄流出を低下させる(12〜15)。
【0336】
以前の報告は、デフェリプロン及びピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン(PIH))などの、高用量の親水性鉄キレート剤、並びにサリシルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾン(SIH)などの親油性の高い誘導体が、過剰な鉄に結合して、再配置させ得ることを示唆している(16、17)。しかしながら、これらのキレート剤のうちの多くの対応する錯体は、限られた膜透過を示し、共局在タンパク質が鉄動員を達成する働きを必要とする場合がある(18、19)。あるいは、膜貫通鉄輸送を自律的に行って、上述のタンパク質の各々が欠如している細胞及び動物における生理機能を促進することができる親油性小分子を特定しようとした。
【0337】
酵母における小分子媒介機能的相補性
そのような分子を見つけるため、修正された機能的相補性実験(20)を設計し、ここで、鉄に結合すると知られているかまたは予測される候補化合物を、鉄輸送錯体FetFtr1(fet3Δftr1Δ)が欠如しているSaccharomyces cerevisiae株への増殖を回復させる能力を試験した(21)。デフェリプロン、PIH、及びSIHは、増殖救出を示さなかった(図7B)。これに対し、Chamaecyparis taiwanensis(タイワンヒノキ)木の精油から野副によって最初に単離された、天然物ヒノキチオール(Hino、β−ツヤプリシン、図1B)(22)は、非常に効果的であった(図1C〜E及び図8A)。この天然物は、広範な他の生物活性を発揮する鉄及び他の金属の強力なキレート剤(23〜26)として以前に特徴付けられている(25〜31)。ヒノキチオールは、発酵及び呼吸状態下(図1D及び図8A)、かつ、公知のシデロホアトランスポーターに非依存的に(図8B)、鉄トランスポーター欠乏酵母への増殖を回復させた(21、32)。ヒノキチオールは、同様の倍加時間により野生型レベルへの増殖を持続的に回復させる(図1E及び図8C〜E)。
【0338】
水素化分解によるC−2酸素原子の合成除去により、C2−デオキシヒノキチオールが得られた(C2deOHino、図1B及び図8F)。ヒノキチオールとは対照的に、C2deOHinoは、鉄に結合するかまたは鉄を輸送することができないため、陰性対照として機能させた(図9A、B)。ヒノキチオールは、酵母増殖を用量依存的に回復させる一方、C2deOHinoは、回復させない(図1F)。ヒノキチオールはまた、C2deOHinoではなく、鉄流入を回復させ(図1G)、ヒノキチオール媒介増殖は、鉄依存性である(図8G、H)。増殖回復は、他の親油性α−ヒドロキシケトンで同様に観察されたが、親水性α−ヒドロキシケトンでも、他のイオンを輸送する小分子でも観察されなかった(図7A〜C及び図8I)。
【0339】
ヒノキチオールによる鉄結合及び輸送の特徴付け
ヒノキチオールが、第一鉄及び第二鉄に結合して、脂質膜を横断して第一鉄及び第二鉄を輸送する能力をより良く理解するために、生物物理実験を行った。この天然物は、第二鉄または第一鉄を添加する際の色及びUV−Visスペクトルの急激な変化から明らかなように、鉄に速やかに結合して、ヒノキチオール:鉄錯体を形成する(図2A、B及び図9A、C)。水溶性鉄キレート剤(17)と異なり、ヒノキチオール:鉄錯体は、水上の無極性溶媒中に優勢的に分配する(図2A及び図8I)。例えば、95%超のヒノキチオール:鉄錯体は、水上のオクタノール中に分配する一方、デフェリプロン:鉄錯体は、あるいは、水中に95%超の分配を呈する(図8I)。これは、ICP−MS分析を介して決定されたように、水性層から有機層へのヒノキチオール:鉄錯体の定量的抽出と合致する(図9D)。
【0340】
ヒノキチオールは、第一鉄及び第二鉄に強く結合し、第一鉄では、K=5.1×1015、第二鉄では、K=5.8×1025であり、後者は、デフェリプロンよりも一桁を超えて強力である(図9E〜H及び表2)。その高親和性と合致して、ヒノキチオールは、不安定な鉄プールを構成する鉄クエン酸錯体から鉄を除去する(図9A)。緩衝溶液中で、競合実験は、ヒノキチオールが、鉄結合タンパク質であるトランスフェリン及びフェリチンから鉄を除去することもできるが、ヒノキチオールを、トランスフェリンに比べて1,000倍超過剰に、フェリチンに比べて1,000,000倍超過剰に使用した場合のみであることを示す(図9I〜K)。ヒノキチオールは、pKa=7.33を有し、中性及び陰イオン状態の両方が、生理学的条件下でアクセス可能であることを示唆する(図9L)。さらに、ヒノキチオールに結合した56Feは、溶液中の55Feと容易に置換され、20%超の置換が、10分以内に観察された(図9M)。従って、生理学的条件下のヒノキチオールによる鉄の結合は、非常に動的であると予想され、ヒノキチオール錯体から鉄結合タンパク質への鉄の簡単に放出、及び鉄関連生理学的プロセスにおけるその後の使用を可能にし得る。
【0341】
ヒノキチオールは、モデルリポソーム膜を横断して第一鉄及び第二鉄の両方を自律的に輸送する一方、C2deOHino、デフェリプロン、及びPIHは、最小輸送を示す(図2C、D)。輸送活性錯体はまだ特定されていないが、種形成研究は、水性緩衝液中の3:1 Hino:FeIII錯体の優勢的な形成と合致する(図9N、O)。トリス(ヒナコラト)鉄(III)のX線結晶構造分析は、一対のC−対称錯体を明らかにし、各々は、親水性の鉄結合中心コアを包み込む親油性の外側シェルからなった(図2E及び図9P)。
【0342】
ヒノキチオールは、多数の二価金属に結合し、輸送することができる広域のスペクトルメタロフォアである(図10A〜I、及び表S3)。ヒノキチオールは、FeIIよりもCuIIに10倍以上競合的に結合し、リポソーム中でFeIIよりもCuIIを80倍速く輸送したが、銅の低アクセシビリティは、インビボでの高い鉄選択性をもたらす可能性がある。具体的に、サイトゾルの不安定な銅プールは、鉄よりも100億倍低い(表S3)(33〜35)。これは、並外れた親和性及び選択性でCuIIに結合するトランスポーター、シャペロン、貯蔵タンパク質、流出タンパク質、及び調節物質の堅牢なネットワークによるものである(35)。例えば、酵母銅恒常性の調節に不可欠である転写活性物質Mac1は、9.7×10−20MのKで銅に結合する(35)。ヒノキチオールによるfet3Δftr1Δ酵母を処理する際に、細胞内鉄レベルは、ビヒクル処理対照に比べて増加した一方、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛、及び銅のレベルは、変化しなかった(図10J)。
【0343】
水性系におけるFe(Hino)の酸化還元電位は、遊離鉄の+770mVと比較して、−361mVまで低下すると推定される(図2F図11A〜J、及び表S2、4〜6)。これと合致して、還元環境において、鉄(III)の還元は、ヒノキチオールの存在下で遅くなるが、2時間未満ではまだほぼ定量的である(図11K、L)。さらに、酸化還元電位は、pHの減少及びヒノキチオール濃度の減少に伴って増加する(図11F、I、J及び表S4、5)。まとめると、これらのデータは、第二鉄及び第一鉄の両方が、生理学的条件下で、ヒノキチオールの存在下で容易にアクセスできる必要があることを示唆する。
【0344】
鉄輸送の回復は、細胞における吸収及びヘモグロビン化を促進する
従って、ヒノキチオールが、DMT1、Mfrn1、またはFPN1が欠乏している哺乳動物細胞への、哺乳動物細胞内及び/または哺乳動物細胞外への鉄移動を促進することができたかどうか仮説を立てた。安定したshRNAトランスフェクション(図12A〜C)を介して確立された、分化DMT1欠乏Caco−2腸上皮単層(図S1A)における鉄の取り込み及び経上皮輸送(36、37)について最初に試験した。野生型対照に比べて、DMT1欠乏単層は、55FeClの頂端側への添加後に、細胞への鉄の取り込みの低下、及び側底液への経上皮鉄輸送の低下を示した(図3A、B)。ヒノキチオール(500nM)の頂端側への添加は、腸内の滞留時間に見合った時間枠で取り込み及び輸送(図3A、B)を回復させた(図3C)。ヒノキチオールは、単層の一体性を混乱させなかったが(図12D)、観察可能な毒性を引き起こさず(表S7)、及び基底DMT1発現に影響を及ぼさなかった(図12B、C)。ヒノキチオール媒介輸送は、十二指腸全体に見られるpHの範囲にわたって生じ、pHの減少に伴って増加する(図12E)。ヒノキチオールが、広範囲の濃度にわたって取り込み及び輸送を促進する一方、C2deOHino、及び準毒性濃度の鉄キレート剤:デフェリプロン、デフェロキサミン、PIH、及びSIHは、取り込み及び輸送の両方を促進しなかった(図12F、G及び表S7)。高濃度のこれらのより親水性の鉄キレート剤は、あるいは、DMT1欠乏単層への鉄の取り込みを減少させた(図12F)。
【0345】
DMT1が、欠如、欠失、または低形質である場合には、赤血球系前駆細胞のエンドソームからの細胞内鉄(II)流出は除外されるため、ヘモグロビン化を予防する(図S1B)(2、6、38)。ヒノキチオールの不在下または存在下で、DS19マウス赤白血病(MEL)細胞(39)、並びにshRNAトランスフェクトDMT1欠乏MEL細胞におけるDMSO誘導分化及びヘモグロビン化を試験した(図13A〜C)。対照細胞は、細胞ペレットにおけるヘモグロビンの特徴的なピンク色(図3D)、及びo−ジアニシジンによるヘモグロビン化細胞の茶色染色によって示されるように、3日後に正常に分化した(図13D、E)。ヘモグロビン化の低下は、DMT1欠乏細胞において観察された(図3D〜F、及び図13D〜F)。3日間のヒノキチオール処理(1μM)は、観察可能な毒性を有さずに、55Fe取り込み(図13F)、55Fe−ヘム組み込み(図3F)、及びヘモグロビン化(図3D及び図13D〜J)を回復させた一方(図13K及び表S7)、C2deOHinoは、効果がなかった(図3E、F及び図13F、I、J)。予想した通り、分化は、ヒノキチオール処理(図13L)の有無に依らず、DMSOの不在下で観察されなかった。
【0346】
DMT1欠乏細胞へのかつDMT1欠乏細胞内への鉄のヒノキチオール媒介輸送が観察された後、同じ小分子を、他の鉄輸送タンパク質と置き換えることができるかどうかも仮説を立てた。ミトコンドリア内膜中のMfrn1は、鉄をミトコンドリア基質に流入させて、ヘモグロビン化させる(図S1C)(2、10)。CRISPR−Cas9媒介ノックアウトを介して発育させたMfrn1欠乏MEL細胞(図14A)は、DMSO誘導後に、o−ジアニシジン染色(図3G)、55Fe取り込み(図14B)、及び55Fe−ヘム組み込み(図14C)によるヘモグロビン化の低下を呈した。ヒノキチオール(1μM)は、ヘモグロビン化を回復させた一方、C2deOHinoは、効果を示さず(図3G及び図14B、C)、鉄のヒノキチオール媒介ミトコンドリア送達を示唆する。予想した通り、ヒノキチオールは、ポルフィリン生合成に関与するタンパク質があるいは欠乏しているMEL細胞(TMEM14CΔ)へのヘモグロビン化を促進しなかった(図14D〜F)。
【0347】
FPN1欠乏は、腸上皮の側底側膜を横断する鉄流出(図S1D)、及び老化赤血球から鉄を再利用する細網内皮系マクロファージからの鉄流出(図S1E)を低下させる(13、14)。ケルセチン(40)及びヘプシジン(41)を使用して、分化Caco−2上皮単層及びJ774マクロファージ(41)のFPN1レベルをそれぞれ一時的に減少させた(図14G〜J)。ヒノキチオール(1μM)は、鉄の取り込みに影響を与えることなく(図3I)、かつ、単層の一体性を破壊することなく(図14L)、FPN1欠乏Caco−2単層における経上皮鉄輸送を回復させた(図3H及び図14K)。ヒノキチオールはまた、観察可能な毒性なく、FPN1欠乏J774マクロファージからの鉄放出を時間依存的かつ用量依存的に回復させた(図3J、K、図14M、及び表S7)。
【0348】
鉄勾配の部位及び方向選択的蓄積及び放出
その後、ヒノキチオールが、トランスポーター欠乏系における蓄積膜貫通鉄勾配を抑えることによって、部位及び方向選択的鉄移動を促進するという機構仮説(図1A)について調査した。DMT1欠乏MEL細胞におけるコンパートメント化された鉄を蛍光色素で最初に視覚化した(図15A〜C)(42、43)。oxyburstグリーン−BSAコンジュゲートは、鉄媒介酸化の際にエンドソーム蛍光に局在し(図15C)、サイトゾル及びミトコンドリアにそれぞれおける閉鎖型プローブのカルセイングリーン(図15A)及びRPA(図15B)からの蛍光発光は、鉄結合の際に消失される。比較的低いエンドソーム、高いサイトゾル、及び高いミトコンドリア鉄レベルは、誘導sh対照MEL細胞で観察された(図4A及び図16A、B、E、H)。DMT1欠乏MEL細胞における鉄促進oxyburstグリーン蛍光の2倍増加は、サイトゾル及びミトコンドリア鉄の低下(図4A及び図16A、E、H)と共に観察された(図4A及び図16A、B)。ヒノキチオール処理は、oxyburstグリーン蛍光を2.1倍減少させて、カルセイングリーン及びRPA蛍光を付随して消失した(図4A及び図16A〜J)。任意の1つの特定の理論に束縛されることなく、これらのデータは、エンドソーム鉄の蓄積プールのサイトゾルへのヒノキチオール媒介放出、及びその後のミトコンドリアの取り込みを支援する。
【0349】
カルセイングリーン及び55Fe試験はまた、野生型細胞に比べて、FPN1欠乏J774マクロファージにおける不安定な鉄の蓄積を明らかにした(図4B〜D)。ヒノキチオールは、高い細胞外または細胞内鉄の存在にそれぞれ依存して、J774マクロファージからの鉄流入(図4E)及び流出(図3J及び図14M)の両方を方向選択的に促進する。さらに、リポソームからのヒノキチオール媒介鉄(II)及び鉄(III)流出、及びJ774マクロファージへの鉄(III)の取り込みは、膜貫通鉄勾配に正比例する(図4E〜G及び図17A〜D)。最終的に、J774マクロファージに鉄を負荷し、細胞を濯いで、細胞外鉄を除去し、カルセイングリーンで染色した(図17E)。ヒノキチオール添加(t=5分)は、カルセイングリーン蛍光を急速に増加させた一方、ビヒクル及びC2deOHinoは、効果がなかった(図4H、I、図18A〜C、及び動画S1)。その後、FeCl(t=12分)の外部添加を介して、これらの同じ細胞における勾配が逆転した(図17E)。DMSOまたはC2deOHino処理細胞は、効果がなかった(図4I及び図18A、C)一方、カルセイングリーン蛍光の消失は、ヒノキチオール処理で観察された(図4H、I、図18B)。これらの結果は、細胞内鉄レベルが高い場合のJ774マクロファージからの鉄の最初のヒノキチオール媒介放出、その後、この膜貫通勾配が細胞外鉄の添加により逆転する場合にこれらのマクロファージへの鉄のヒノキチオール媒介取り込みと合致する(図17E)。
【0350】
鉄恒常性を維持する機構
次に、鉄トランスポーター欠乏細胞における他のイオン輸送タンパク質及び調節物質(2)の内因性ネットワークが、小分子ヒノキチオールと協働して、部位及び方向選択的鉄輸送の回復を促進しながら、なお鉄恒常性の維持に役立つかどうかについて仮説を立てた。酵母では、鉄の細胞内移動及び貯蔵は、プロトン駆動力として知られるプロトン勾配に依存し、血漿及び液胞膜それぞれにおけるATP依存性能動イオン輸送タンパク質Pma1及びV−ATPaseによって生成される(21、35)。このプロトン駆動力におけるヒノキチオール媒介鉄輸送の依存性と合致して、ヒノキチオール救出fet3Δftr1Δ酵母は、Pma1及びV−ATPaseの化学的阻害に非常に敏感であるが、オフ経路阻害剤には敏感ではない(図19A〜C)。
【0351】
腸上皮では、鉄輸送タンパク質を転写的及び翻訳的に調節して、全身の鉄レベルを維持する一方、過負荷を回避する(2、44)。具体的に、過剰鉄、側底側の流出タンパク質FPN1、及びトランスフェリン受容体1(TfR1)の隔離を担うフェリチンの頂端側のH/Fe2+共輸送体DMT1、重(FTH1)及び軽(FTL1)鎖のレベルは、対応するmRNA転写産物の5’−及び3’−非翻訳領域に位置する短鎖ヘアピン鉄応答エレメント(IRE)を介して翻訳的に調節される(図20A)(2)。鉄感受性鉄応答タンパク質(IRP1及びIRP2)は、これらのIREに結合して、鉄飢餓下で、翻訳(5’−IRE、Fth1、Ftl1、Fpn1)を遮断するかまたはmRNA(3’−IRE、Dmt1、TfR1)を安定化させる(図20A)。鉄刺激及び結合の際に、IRPは、mRNAから解離し、記載されている効果を逆転させる。転写調節は、転写活性化物質の低酸素誘導性因子2−α(Hif2α)を通じて達成され、O及び鉄媒介プロリン水酸化後に分解される(図20B)(2)。Hif2αは、Fpn1の転写を活性化して、鉄欠乏下でIRE媒介翻訳抑制を回避する(2)。
【0352】
これらの恒常性機構と合致して、貧血状態(45)は、フェリチンレベルの減少及びFPN1レベルの増加に伴って、DMT1欠乏Caco−2単層に最初に観察されるため(図5A及び図19D〜L)、小分子媒介鉄輸送に対して好ましい細胞環境を提供する。これらの内因性タンパク質との機能的協働に支援を提供することで、DMT1欠乏Caco−2単層を横断するヒノキチオール媒介鉄の取り込み及び輸送は、一方向である(図5B及び図19M)。低用量のヒノキチオール(500nM)による頂端側の処理により、フェリチンへの55Feの組み込みが可能になり(図5C)、高親和性の鉄シャペロンポリ(rC)結合タンパク質1(PCBP1)によって媒介される可能性がある(2)。最終的に、FPN1(40)のケルセチン媒介ノックダウンは、頂端側の取り込みに影響を与えることなく、ヒノキチオール媒介膜貫通輸送を拮抗する(図5D及び図19N〜P)。
【0353】
さらに、DMT1欠乏単層における経上皮輸送の速度の増加は、頂端側FeClの濃度の増加に伴って観察されたが、これらの効果は、高濃度の鉄で横ばいになる(図5E)。さらに、膜貫通輸送の同様のレベリングは、持続的な鉄の勾配(25μM FeCl)で、かつ、ヒノキチオールの濃度を増加させて、同じ単層を処理する場合に観察される(図5F)。この現象は、広範囲のヒノキチオール及び鉄濃度にわたって観察された(図21)。次いで、内因性系が、持続的な鉄の勾配の存在下で、細胞鉄状態のヒノキチオール媒介変化にどのように応答するか確かめた。IRP媒介翻訳調節と合致して、IRP2の減少、フェリチンサブユニット(5’−IRE)の増加、及びTfR1(3’−IRE)タンパク質レベルの減少は、持続的な鉄の勾配の存在下で、最大5μMのヒノキチオール濃度の関数として観察された(図5G及び図22A〜E)。転写因子Hif1α及びHif2αは、Fpn1 mRNA及びタンパク質レベルの減少と共に同様に減少した(図5G及び図22F〜I)。予想した通り、サイトゾル鉄シャペロンPCBP1及びHif2α非依存性Fth1 mRNAレベルのIRE非依存的発現は変化せず、鉄の不在下でヒノキチオールを添加した際に、FPN1の変化は観察されなかった(図5G及び図22K〜N)。これらの効果の軽度の逆転は、高濃度のヒノキチオールで観察された(図5G及び図22A〜J)。カルセイングリーンによるサイトゾル鉄の視覚化は、ヒノキチオールの増加に伴ったDMT1欠乏Caco−2単層のインキュベーションが、不安定な鉄の最大5μMへの増加をもたらしたことを示した(図5H〜J)。さらには、ヒノキチオールの増加は、蛍光消失を予防し、恐らくは、高用量の強結合メタロフォアによる不安定な鉄の競合細胞内キレート化によるものであった(図5H〜J)。まとめると、これらの結果は、内因性恒常性ネットワークが、小分子ヒノキチオールと協働して、鉄輸送の促進に役立ちながら、その恒常性を維持し、鉄毒性を予防することができるという結論を支援する。
【0354】
この機構の枠組みに基づいて、ヒノキチオールが、野生型細胞において、比較的最小の効果を有すると仮説を立てた。同濃度のヒノキチオールが、正常なCaco−2単層、MEL細胞、及びJ774細胞のそれぞれにおける経上皮鉄輸送、ヘモグロビン化、及び鉄放出を乱す能力を試験した(図23A〜F)。対応するタンパク質欠乏系で観察された経上皮鉄輸送(図3B)、ヘモグロビン化(図3G)、及び鉄放出(図3J)のヒノキチオール促進増加とは対照的に、軽微な影響が、同一条件下で、ヒノキチオール処理した野生型系において観察された(図23A〜F)。まとめると、これらの結果は、ヒノキチオールが、特異的鉄トランスポータータンパク質が欠如している脂質膜を横断して選択的に蓄積する勾配を抑えることによって、部位及び方向選択的鉄輸送を回復させることと合致する。
【0355】
動物における腸鉄吸収及び末梢ヘモグロビン化の回復
その後、ヒノキチオールが、これらの鉄トランスポーター欠乏の動物モデルにおける腸鉄吸収及びヘモグロビン化を回復させることができたかどうかを確かめた。十二指腸腸細胞におけるDMT1欠乏及びFPN1欠乏は、細胞の頂端側の鉄取り込み、及び血液の側底側の流出をそれぞれ混乱させることによって、腸内での鉄吸収の速度を低下させる(2、6、12〜15)。強制経口投与を介した単回用量の59Fe及び1.5mg/kgのヒノキチオールを投与する際のDMT1欠乏ベオグラード(b/b)ラット(6)及びFPN1欠乏フラットアイアン(ffe/+)マウス(14、15)における腸鉄吸収を試験した。高用量のヒノキチオールは、2年間の慢性経口投与の際に、ラットにおいて非毒性であることが報告される(46)。b/bラットで以前に報告された鉄吸収の低下(47)と同様に、59Fe吸収の2倍低下が、兄弟対照(+/+または+/b)に比べて、C2deOHino処理b/bラットで観察された(図6A及び図24A)。ヒノキチオールによるb/bラットの処理は、59Fe吸収を増加させて、1時間後に対照レベルに戻した(図6A及び図24A)。以前の結果(15)と合致して、ffe/+マウスはまた、鉄を低速度で吸収した(図6B)。ヒノキチオールは、1時間及び2時間後に、ffe/+マウスにおける59Fe吸収を増加させた(図6B及び図24B)。59Fe吸収の速度における統計的に有意な増加は、1時間後にヒノキチオール処理した野生型マウスで観察されたが、2時間後には観察されなかった(図24C)。
【0356】
相補性RNAによるMfrn1タンパク質の異所性発現を介した、Mfrn1欠乏ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化の回復が以前に示されている(10)。Danio rerioは、造血試験における強力なモデル生物として十分に確立されている。(48)、あるいは、これを採用して、小分子鉄トランスポーターによる長期処理が、DMT1欠乏及びMfrn1欠乏におけるヘモグロビン化を回復させることができたかどうかを試験した(10、49)。最初に、GFP標識赤血球を発現するTg(グロビンLCR:eGFP)ゼブラフィッシュ株におけるDMT1のモルホリノ媒介の一時的なノックダウンを行った(50)。未成熟Dmt1 mRNAのエクソン4/イントロン4接合部を標的化する設計されたアンチセンスモルホリノの注入は、定常状態Dmt1レベルを低下させ(図24D)、FACS分析によるGFP陽性赤血球系細胞の数を減少させた(図6C)。受精後24時間(hpf)のヒノキチオールの水への添加、及びさらに2日間のインキュベーションは、観察可能な毒性なく、これらのDMT1欠乏モルファントゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を促進した一方、C2deOHinoは、効果がなかった(図6C)。ヒノキチオールが、遺伝的に変異したシャルドネ(Chardonnay)(cdyte216)ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を同様に回復させることができたかどうかさらに試験した。このゼブラフィッシュは、短縮DMT1につながるナンセンス突然変異を含むため、重度の低色素性小球性貧血を呈する(49)。+/cdyフィッシュのヘテロ接合性交配は、72hpfのo−ジアニシジン染色後の各クラッチ中の約75%健常(+/+及び+/cdy)胚及び約25%貧血(cdy/cdy)胚のメンデル分布をもたらした(図6D)。2日間のヒノキチオール処理は、高ヘモグロビンレベルを呈するフィッシュの数を増加させた一方、C2deOHinoは、効果がなかった(図6D)。
【0357】
また、Mfrn1欠乏モルファントTg(グロビンLCR:eGFP)ゼブラフィッシュ(10、50)におけるヘモグロビン化を試験した。48時間のヒノキチオール処理は、これらのモルファントにおけるヘモグロビン化及びGFP陽性赤血球の数をもう一度回復させた(図6E)。最終的に、ヒノキチオールを試験して、遺伝的に突然変異したフラスカティ(Frascati)(frstq223)ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化を回復させることができたかどうか確認した。このゼブラフィッシュは、不活性Mfrn1ミトコンドリアタンパク質及び胚発生中の重度の貧血につながるミスセンス突然変異を含む(10、11)。+/frsフィッシュのヘテロ接合性交配から回収した胚のヒノキチオール処理は、貧血表現型を救出した(図6F)。遺伝子型(図6G)の健常な仔フィッシュ(+/+及び+/frs)は、o−ジアニシジンによる茶色染色を呈する一方、未処理frs/frsフィッシュは、茶色染色を呈しない(図6H)。ヒノキチオール処理は、frs/frsフィッシュへの茶色染色を回復させた(図6H)。予想した通り、ヒノキチオールは、ポルフィリン生合成(Alas2)に関与する初期酵素が欠乏しているソーテルヌ(sautb223)ゼブラフィッシュ(51)を救出せず(図24E)、鉄輸送の欠陥への救出の特異性を示す。
【0358】
展望
従って、小分子は、3つの異なる鉄輸送タンパク質が欠乏している異なる細胞における部位及び方向選択的鉄輸送を回復させることができ、同じ化合物は、対応する動物モデルにおける食事による腸鉄吸収または末梢ヘモグロビン化を促進することができる。機構的試験は、鉄トランスポーターが欠如している家系において蓄積する膜貫通イオン勾配の役割を支援し、ヒノキチオールは、部位及び方向選択的膜貫通鉄輸送を回復させることができる。さらに、内因性タンパク質に基づく恒常性機構は、この不完全な小分子と連結して、他の細胞プロセスを混乱させることなく鉄関連生理学的プロセスを促進する。
【0359】
ヒノキチオールと同様に、多くのイオン輸送タンパク質は、不完全に選択的である。しかしながら、異なるイオンの相対的存在度は、生体系における選択性の増加に寄与する。例えば、タンパク質クロライドチャンネルは、ブロミド及びヨージドに対して、クロリドに対して主に非選択的であるが、後者のハロゲンの低天然存在度は、インビボでのクロリド選択性に有利である(1、52)。示差イオンアクセシビリティは、多くの不完全なイオン輸送タンパク質に観察されたインビボ選択性をさらに増強させる(33〜35)。ヒノキチオールと同様に、DMT1及びFPN1は、Co2+、Mn2+、Zn2+、及び/またはCu2+を輸送する(6、13、15)。しかしながら、高親和性金属タンパク質は、これらの他の金属の不安定なプールを著しく減少させて、高いアクセシビリティよるインビボでの鉄の選択的結合及び輸送につながる(33〜35)。
【0360】
これらの所見はまた、概念的枠組み及び概念実証のデモンストレーションを提供して、小分子の追跡が、多くのヒト疾患の根底にある欠如または機能不全の鉄輸送タンパク質の代わりになることを支援する。FPN1の後天性欠乏が、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、及び炎症性腸疾患を含む多くの一般的な疾患に罹患している患者において頻繁に発生する慢性炎症性貧血(AI)の根底にあることが最近認識されている(9)。さらに、このアプローチは、多くの多様な鉄過剰障害において組織(例えば、肝臓または脳)中に蓄積する過剰鉄の急速な排泄を促進する可能性を有し得る。
【0361】
材料及び方法
細胞株及び増殖条件
野生型(DEY1457)及び同質遺伝子fet3Δftr1Δ S.cerevisiaeは、D.Kosman(53)から得た。野生型(YPH499)及び同質遺伝子fet3Δarn1−4Δ S.cerevisiaeは、C.Philpott(54)から得た。20g/Lの寒天なし(液体培地)またはあり(固体培地)で、10g/Lの酵母抽出物、20g/Lのペプトン、及び20g/Lのデキストロースを含有する標準YPD培地上で酵母を維持した。特に断りのない限り、酵母の増殖回復アッセイは、20g/Lの寒天なし(液体培地)またはあり(固体培地)で、pH=7.0の50mM MES/トリス緩衝液中の1.91g/Lの鉄遊離YNB−FeCl(ForMedium CYN 1201)、0.79g/LのComplete Supplement Mixture(Sunrise Science Products 1001−010)、5g/Lの硫酸アンモニウム(Sigma A4418)、20g/Lのデキストロース、10μMのFeCl(Sigma 451649)、及び10μMのヒノキチオール(β−Thujaplicin、Sigma 469521)からなる低鉄SD培地を使用した。ろ過滅菌した水中の40%w/vデキストロース溶液、調製したてのDMSO中の無菌10mMヒノキチオールストック、及び調製したての無菌水中の10mM FeClストックからの高圧蒸気滅菌後に、デキストロース、ヒノキチオール、及びFeClをそれぞれ添加した。非発酵性の増殖回復には、30g/Lのグリセロールをデキストロースの代わりに使用したことを除いては、同じ合成培地を使用した。
【0362】
ヒトCaco−2細胞(HTB−37)及びマウスマクロファージ(J774A.1)は、ATCCから得て、10%のHI FBS(Gibco 16000−036)、4mM グルタミン(Lonza BE17−605E)、100μg/mLのPEN−STREP(Lonza DE17−602E)、及び1%のMEM NEAA(Fisher 11140−050)を含有するDMEM(Gibco 10313−021)で培養した。トランスフェクトCaco−2細胞株は、800mg/LのG418(Santa Cruz sc−29065B)を含有するこの培地上で維持した。フレンド(Friend)マウス赤白血病細胞(MEL、DS19サブクローン)は、Arthur Skoultchi(Albert Einstein College of Medicine,Bronx,NY)から得て、10%のHI FBS、2mM グルタミン、100μg/mLのPEN−STREP、及び1%MEMのNEAAを含有するDMEMで培養した。トランスフェクトsh対照及びshDMT1 MEL細胞株は、1g/LのG418を含有するこの培地上で維持した。
【0363】
Caco−2細胞(継代18〜50)をT75フラスコ中で≧90%密集度に増殖させた後、0.25%トリプシン−EDTA(Fisher 25200−056)でトリプシン処理して、G418なし(野生型)またはG418あり(トランスフェクト)で、Caco−2培地中で、10:1希釈で継代した。2×10個の細胞/ウェルでの6ウェルコンパニオンプレート(Fisher 08−771−24)中に、0.4μmのPET細胞培養挿入物(Fisher 08−771)上にCaco−2細胞(継代20〜50)を播種することによって、単層を増殖させて、21〜28日間で完全に分化させた後、3〜4日ごとに培地を変えて実験を行った。
【0364】
MEL細胞を、T25フラスコ中の懸濁液で約1×10個の細胞/mLになるまで増殖させて、G418の有無に依らず、MEL完全培地中に、1×10個の細胞/mLで新しいT25フラスコに再播種した。毎月の培養で、MEL細胞の新しいバックストックを使用した。
【0365】
J774細胞(継代20〜80)をT75フラスコ中で90%密集度に増殖させた後、剥離して、J774完全培地中で、5:1希釈で再播種した。1〜2日ごとに培地を変えた。
【0366】
動物及び動物の管理
the Guide for the Care and Use of Laboratory Animals of the National Institutes of Healthで概説される指針及び推奨事項に厳密に準拠して試験を行った。
【0367】
健常(+/+)及びフラットアイアン(ffe/+)マウスにおける試験に使用したプロトコルは、the Harvard Medical Animal Care and Use Committeによって承認された。フラットアイアンマウスの繁殖、食事、及び遺伝子型決定は、前述のように行った(55)。
【0368】
全てのゼブラフィッシュ実験は、the Institutional Animal Care and Use Committeeの規制に準拠して行った。以下の野生型AB株及びゼブラフィッシュ変異株を使用した:フラスカティ(frstq223)(10)、シャルドネ(cdyte216)(49)、及びソーテルヌ(sautb223)(51)。
【0369】
ベオグラード(+/+、+/b、またはb/b)ラットにおける試験のプロトコルは、the Division of Laboratory Animal Medicine(DLAM)及びthe Northeastern University−Institutional Animal Care and Use Committee(NU−IACUC)によって承認された。ヘテロ接合(+/b)及びホモ接合性(b/b)ベオグラードラット(Fischer F344バックグラウンド)の育種者は、Michael Garrick博士(SUNY Buffalo)によって厚意により提供され、12:12時間の明暗周期を維持し、水及び施設の食事を自由に摂取させた。59Fe腸鉄吸収実験前に、様々な予備試験を(3〜5ヵ月齢の範囲の)ベオグラードラットのコホートで行い、その間、500mg/kgの鉄を含有する鉄補充食(TD.02385,Harlan Teklad,Madison,WI)で、<15週間、ラットをビヒクルまたは様々な化合物で処理した。全てのラットに薬物を摂取させず、鉄添加食を少なくとも1週間受け続けた後、59Fe腸吸収実験を行った。
【0370】
統計
全てのデータは、平均または重量平均±SEMを示し、特に記載がない限り、最小で3つの生物学的反復を含む。統計分析は、スチューデントt検定または一元配置もしくは二元配置の分散分析(ANOVA)から得たP値を表し、必要に応じてテューキーの事後検定を行った。NS、有意ではない;特に記載がない限り、*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001。
【0371】
寒天プレート上の小分子による鉄欠乏酵母の増殖救出(図1C、D、図7A〜C、及び図8A、B)
酵母の増殖救出は、2%のアガロースゲル、10μMのFeCl、及び10μMのヒノキチオール(DMSO中の40×ストックから)を含有する、pH=7.0の50mM MES/トリス緩衝液中の低鉄SD寒天プレート上で、以前に報告されたものと同様に行った(20)。野生型対照及びビヒクル(DMSO)で処理したfet3Δftr1Δまたはfet3Δarn1−4Δ対照は、ヒノキチオールの不在下で、10μMのFeClを含有する同じ低鉄SD培地を用いて同一条件下で行った。酵母をYPD培地中で一晩増殖させて、低鉄SD培地中で1.0の600nMの光学密度(OD600)に希釈した後、10倍連続希釈し、DMSOビヒクルまたはヒノキチオール(40×DMSOストックから10μM)のいずれかを含有する上述の低鉄SD寒天プレート上に、これらの酵母懸濁液(1ドット当たり10μL)を接種した。
【0372】
ディスク拡散アッセイでは、酵母をYPD培地中で一晩増殖させて、低鉄SD培地中でOD600=0.1に希釈し、10μMのFeClを含有する低鉄SD寒天プレート上に画線した。ディスク拡散アッセイは、適当な酵母株(低鉄SD培地中でOD600=0.1から)で画線した10μMのFeClを含有する低鉄SD寒天プレート上で、ヒノキチオール、トロポロン(Sigma T89702)、α−ドラブリン(Specs Compound Handling AN−584/43416897)、マルトール(Sigma H43407)、デフェリプロン(DFP、Sigma 379409)、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン(PIH、Santa Cruz sc−204192)、サリシルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾン(SIH、以下の合成及び特徴付けを参照)、コメン酸(COMA、Obiter Research,LLCによって厚意にて寄付された)、アムホテリシンB(AK Scientific L970)、ノナクチン(Sigma N2286)、カルシマイシン(Sigma C7522)、またはプロジギオシン(Santa Cruz sc−202298)(ペーパーディスク当たり10μL)の≧10mMストック溶液(DMSO中)を用いて行った。非発酵性条件下の増殖回復は、2%デキストロースの代わりに3%グリセロールを用いて行った。特に記載がない限り、30℃での接種及びインキュベーションの48〜72時間後に画像を撮影した。
【0373】
液体培地中の小分子によるfet3Δftr1Δ酵母の増殖救出(図1E、F及び図S3G、H)
酵母の増殖救出は、特に記載がない限り、96ウェルプレート中で、10μMのFeClを含有する低鉄SD液体培地中の10μMヒノキチオールを用いて、以前に報告されたものと同様に行った(20)。ビヒクル(DMSO)で処理した野生型対照及びfet3Δftr1Δは、ヒノキチオールの不在下で、10μMのFeClを含有する同じ低鉄SD培地を用いて同一条件下で行った。酵母をYPD培地中で一晩増殖させて、SD培地中で0.1のOD600で希釈し、10倍希釈し、連続的に攪拌しながら(200rpm)30℃でインキュベートした。OD600は、特に記載がない限り、接種の24〜48時間後に得た。
【0374】
ヒノキチオール及びC2−デオキシヒノキチオール(C2deOHino、以下の合成を参照)による小分子用量応答(図1F)は、小分子(DMSO中の40×ストック溶液)を添加して、示された最終濃度を得ることによって決定した。
【0375】
鉄用量応答試験(図8G)は、10μMヒノキチオール(DMSO中の40×ストック溶液から)を含有するFeClなしで、同じ低鉄SD培地中で行った。FeCl(水中の40×ストック溶液)を添加して、最大10μMのFeClで、示された最終濃度を得た。
【0376】
FeClの投与量を増加させた用量依存的なヒノキチオール促進救出では(図8H)、10mM FeClストックから10、25、50、または100μMのFeClのいずれかを含有するSD培地を作製した後、ヒノキチオール(DMSO中の40×ストック溶液)を添加して、示された最終濃度を得た。
【0377】
持続可能性アッセイ(図8C
fet3Δftr1Δ酵母の持続可能なヒノキチオール促進増殖回復は、10μMのヒノキチオール及び10μMのFeClを含有する低鉄SD寒天プレートから、10μMのヒノキチオール及び10μMのFeClを含有する低鉄SD液体培地にヒノキチオール救出酵母を接種した後、寒天プレート上に酵母懸濁液(0.1のOD600に希釈)を画線したことによって、以前に報告されたものと同様に行った(20)。このプロセスを100日超繰り返した。ヒノキチオールのSD寒天プレートからの除去は、fet3Δftr1Δ酵母細胞増殖なしをもたらしたため、fet3Δftr1Δ酵母増殖に対するヒノキチオールの継続的な信頼が観察された。
【0378】
ヒノキチオールで処理したfet3Δftr1Δ酵母の倍化時間(図13D、E)
野生型及びヒノキチオール救出fet3Δftr1Δ酵母の倍加時間は、10μMのFeCl及びDMSOまたは10μMのヒノキチオール(DMSO中の40×ストックから)を含有する同じ低鉄SD培地中でOD600を毎時48時間にわたって追跡し、対数増殖期中に式Td=(t2−t1)×[log(2)/log(q2/q1)]を適用することによって、以前に報告されたものと同様に決定した(20)。
【0379】
Pma1の阻害剤、V−ATPaseによる酵母細胞増殖の化学的阻害(図19A〜C)
ヒノキチオール処理した野生型及びヒノキチオール救出fet3Δftr1Δ酵母細胞増殖の化学的阻害は、10μMのFeCl及び10μMのヒノキチオールを含有する低鉄SD培地中で、以前に報告されたように行った(20)。カスポファンギン(Sigma SML0425)、エブセレン(Sigma 70530)またはバフィロマイシンB1(Santa Cruz sc−202072)(DMSO中の40×ストック)の投与量を増やして、酵母懸濁液(OD600=0.1から10倍希釈)に添加して、示された最終用量を得た。EC50値は、GraphPad PRISMを用いて、酵母増殖曲線に適合させて計算した。
【0380】
酵母におけるFe3+取り込みアッセイ(図1G
野生型及びfet3Δftr1Δ酵母への鉄(III)の取り込みは、Kosmanとその同僚らから適応した(56)。一晩、酵母培養を繰り返し遠心分離して、水で濯いだ。細胞ペレットをMilliQ水中で再懸濁させて、FeClなしのSD培地中で希釈した。細胞を30℃で3時間インキュベートし、遠心分離して、水で2回濯いだ。その後、細胞を50mM クエン酸ナトリウム及び2%グルコースを含有するSD培地中に3×10個の細胞/mLで懸濁させた。ヒノキチオールまたはC2deOHino(DMSO中の40×ストックから)を添加して、100μMの最終濃度にした後、55FeCl(1.1μCi)を酵母懸濁液に添加した。懸濁液を継続的に均質化した後、アリコートを採取して、10mLの室温水で希釈した。その後、0.45μmニトロセルロースフィルター(Millipore HAWP)を通じた真空ろ過を介して細胞を回収し、室温水(100mLの×5)で濯いだ。次いで、3mLのシンチレーションカクテルを含有するシンチレーションバイアルにフィルターを移して、液体シンチレーション計数器を用いて、放射能を測定した。ヒノキチオールは、5〜100μMの55Fe取り込みの用量依存的増加を示した一方、C2deOHinoは、最大100μMの取り込みを示さなかった。
【0381】
小分子鉄キレートの親油性決定(図2A及び図8I
オクタノール−水分配係数は、平衡化したpH=5の水とオクタノールを等量で用いて、100μMの小分子及び33μMのFeCl(PIHは、2:1錯体を形成するため、PIHに対して50μMのFeCl)で、以前に報告されたように得た(57、58)。水中の小分子の濃度は、公知の初期基準と比較して、UV−Vis分光法を介して決定した。
【0382】
ヘキサン−水分配は、pH=7.0での50mM Mes−トリス緩衝液とヘキサンを等量で用いて、500μMの小分子及び50μMのFeClで、上述と同様に得た。
【0383】
ヒノキチオールのpKaの決定(図9L
ヒノキチオールのpKaは、pHを変化させた分光光度滴定によって決定した。ヒノキチオール(100μM)をHO中の0.1M KCl溶液中に溶解させて、(0.1M HClを用いて)pH=3.0に酸性化した。0.1M KOHの連続滴定を用いてUV−Visスペクトルを繰り返し得て、pH(3.0、3.4、3.9、4.2、4.6、4.9、6.0、6.4、7.0、7.2、7.6、8.4、9.3、9.7、10.4、10.9、11.7、12.0)の範囲を得た。明確な等吸収点は、365nmで観察され、新しいλmaxは、387nmで、pHの減少に伴って観察された。その後、OriginPro(R=0.996)でpH及びロジスティック適合に対するAbs387/Abs240のプロットを介して、pKaを決定し、変曲点(pKa=7.33)を計算した。
【0384】
小分子鉄結合の決定(図9A〜C)
小分子鉄(III)結合は、pH=7.0の10mM MES/トリス緩衝液中のFeCl(10μM)またはクエン酸鉄(III)(10μMの、Sigma F3388)の添加前後に、小分子(30μM)のUV−Vis分光法によって決定した。鉄(II)結合は、62.5mMのアスコルビン酸ナトリウムを含有するpH=7.0の25mM MES/トリス緩衝液中の小分子(30μM)及びFeCl(10μM)のUV−Vis分光法によって決定した。
【0385】
鉄(III)によるヒノキチオールの滴定(図2B及び図9N、O)
鉄(III)滴定試験は、50μMのヒノキチオールを添加して、pH=7.0の10mM MES/トリス緩衝液中のFeCl(0、1、5、10、12.5、15、16.67、17.5、20、25、30、35、37.5、40、及び50μM)の当量を増加させて行った。沈殿物は、全ての場合で観察されず、溶液は、鉄(III)の当量の増加に伴って、茶色い溶液に変化した。鉄の量を増加させると、λmaxは、約240から250nmにシフトし、420nmの吸光度は、最大で約3:1 Hino:Feに増加した。
【0386】
小分子による鉄(II)及び鉄(III)結合親和性の決定(図14E〜H及び表S2)
ヒノキチオール、デフェリプロン、トロポロン、マルトール、及び/またはEDTAの鉄(II)または鉄(III)との会合定数は、以前に報告されたものと同様に、競合試験を通じて決定した(59)。具体的に、鉄(II)に対する会合定数は、フェロジン競合アッセイ(フェロジンのKA=3.65×1015)によって決定した(60)。FeCl(25μM)を、62.5mMのアスコルビン酸ナトリウムを含有するpH=7.0の25mM MES/トリス緩衝液中のフェロジン(75μM)と事前に混合した。小分子の(DMSO中の40×ストックから)増加濃度を添加して、示された最終濃度にした。溶液を24時間平衡化した後、562nmで吸光度を読み取った。ヒノキチオール、トロポロン、及びデフェリプロンの鉄(III)に対する会合定数は、EDTA(KA=1.7×1024)競合アッセイ(59)、マルトールに対する会合定数は、クエン酸塩(KA=1×1017)競合アッセイ(61)によって決定した。各キレート剤を、0.1M KClを含有するpH=7.0の50mM MES/トリス緩衝液中で、FeClと3:1比で混合し、対応する鉄錯体を形成した。3:1キレート剤:鉄錯体に対応するピークのλmaxを、錯体ごとに決定した(約400〜500nM)。その後、このFe(キレート剤)ストックを、0.1M KClを含有するpH=7.0の50mM MES/トリス緩衝液中にEDTAまたはクエン酸塩の増加濃度を含有する溶液に添加し、示された最終濃度のキレート剤(75μM)、FeCl(25μM)、及び競合キレート剤を得た。系を一晩平衡化させて、Fe(キレート剤)錯体に対応する吸光度を決定した。キレート剤ごとのEC50値は、滴定液の濃度に対する吸光度をプロットすることで、OriginPro上の非線形曲線適合(Hill1)によって計算し、錯体ごとのKAは、KA、リガンド=(KA、競合物*[EC50])/[リガンド]の式から決定した。ここで、リガンドは、鉄にもともと結合している分子であり、競合物は、競合キレート剤である。
【0387】
ヒノキチオールによる鉄結合タンパク質からの55Feの除去(図14I〜K)
ヒノキチオールがトランスフェリンから鉄を除去する能力は、Cerami及び同僚らから適合した55Feアッセイを通じて決定した(62)。55Feを、PBS緩衝液中で、前述と同様にトランスフェリン(Tf)上に負荷した(63)。ヒノキチオールの増加用量(DMSO中の1000×ストックから)をPBS緩衝液中の55Fe2Tf(1nM)の溶液に添加し、示された最終濃度を得た。溶液を37℃で3時間インキュベートした。インキュベーション後、ヒノキチオール結合した任意の55Feを、EtOAcによる鉄:ヒノキチオール錯体の抽出によって単離した。有機層の放射性レベルは、シンチレーションカクテルで希釈後に決定した。55Feの抽出は、ヒノキチオールの不在下で観察されず、トランスフェリンは、PBS緩衝液中のEtOAc抽出の前後に、ホロ−トランスフェリンのUV−Vis分光法によって決定されるように、抽出プロセスから変性しなかった。
【0388】
以下に記載のように、野生型Caco−2単層のインキュベーション及び免疫沈降を通じたフェリチンの単離によって、フェリチンを55Feに負荷した。免疫沈降フェリチンを、pH=7.0の50mM MES/トリス緩衝液中で、2.5ngフェリチン/mL(以下に記載のように、ELISAによって決定)に希釈し、ヒノキチオールの増加濃度を添加し(DMSO中の1000×ストックから)、示された最終濃度を得た。懸濁液を室温で2時間混合した。インキュベーション後、遠心分離及びPBSでの濯ぎを繰り返し行って、フェリチンに結合しなかった任意の55Feを除去し、寒天ペレット中に残っている放射性レベルを、シンチレーションカクテルで希釈し、液体シンチレーション計数した後に決定した。
【0389】
Fe(Hino)の結晶構造(図2E図14P、及び表S8)
合成Fe(Hino)のX線品質結晶は、溶媒を一晩ゆっくりと平静に蒸発させることによる、キャップのない1mLバイアルにおけるアセトン(2mL)及びベンゼン(0.2mL)中のFe(Hino)(10mg)の再結晶から得た。X線単結晶分析は、イリノイ大学X線施設によって行った。
【0390】
ICP−MSによるヒノキチオール結合選択性の決定(図9D図15A、B、及び表S2)
多数の二価金属によるヒノキチオールの結合選択性は、前述と同様に決定した(32)。具体的に、pH=7.0の1:1 HO:MeOHにおける10mM MES/トリス緩衝液中のヒノキチオール2mM溶液を、pH=7.0の1:1 H2O:MeOHにおける10mM MES/トリス緩衝液中の2mM FeCl、2mM MnCl、2mM CoCl、2mM NiCl、2mM ZnCl、及び2mM CuClを含有する溶液と等量で混合し、二価金属及びヒノキチオールごとに1mM 最終濃度を得た。着色溶液を室温で4時間インキュベートした。溶液を緩衝液中で希釈し、1:1 ヘキサン:酢酸エチルを用いて抽出した(×3)。有機層を回収して、MgSOで乾燥させて、ろ過した。溶媒を真空で除去し、70%HNOで消化させて、金属含有量は、イリノイ大学SCS微量分析施設を通じて、ICP−MS分析によって決定した。
【0391】
対照実験は、ヒノキチオールの不在以外は上述のものと同様に行った。有機層中の金属は、ICP−MSによって検出されなかった。また、対照実験は、60mMヒノキチオールを用いた以外は上述のものと同様に行った。抽出後の金属含有量を、抽出前の水溶液中の初期金属含有量と比較して、金属:ヒノキチオール錯体が、有機層中で抽出されることを決定した。
【0392】
フェロジンを用いた、リポソームからの鉄流出の決定(図2C、D、図4F、G、及び図S17A〜D)
POPCリポソームからの鉄(III)流出は、以前に報告されたものと同様に決定した(64)。POPCリポソームは、25mM Mes/トリス緩衝液中のpH=7.0の30mM FeCl、62.5mMのクエン酸塩を用いて、報告されたものと同様に調製した(65)。Sephadex G−50を用いたサイズ排除クロマトグラフィー、及び外部緩衝液での溶出によって、外部鉄を除去した。外部緩衝液は、25mM Mes/トリス緩衝液中のpH=7.0の62.5mMのアスコルビン酸塩からなった。この緩衝液中の1mMのリンにリポソームを希釈した。フェロジン(Sigma 160601)を添加して(外部緩衝液中の100×ストック)、500μMの最終濃度にした。その後、リポソーム懸濁液を96ウェルプレートに移して、DMSOまたは5μMのヒノキチオール、C2deOHino、デフェリプロン、またはPIH(DMSO中の40×ストック溶液)のいずれかを添加して、実験を開始させた。30℃で連続的に攪拌しながらプレートリーダーを用いて、2時間の経過にわたって、OD562を毎分決定し、示された時間で、外部フェロジン−鉄キレートの相対量を検出した。2時間後、リポソームをTriton−Xで溶解して、100%の鉄流出を得た。ヒノキチオールは、POPCリポソームから鉄(III)流出を用量及び温度依存的に促進した一方、C2deOHinoは、最大100μMの流出を示さなかった。
【0393】
鉄(II)流出は、上述のように行ったが、しかしながら、内部緩衝液は、あるいは、25mM Mes/トリス緩衝液中でpH=7.0の30mM FeSO、62.5mMのアスコルビン酸塩からなり、Triton−X溶解を1時間後に行った。
【0394】
リポソーム内鉄及び/またはヒノキチオールの濃度の増加に伴った鉄流出の速度は、示された濃度の鉄及びヒノキチオールを用いて、上述のように決定した。様々な濃度の鉄に対して、ヒノキチオール(10μM)をPOPCリポソームに添加し、562nmでの吸光度の変化を2時間にわたって決定した。様々な濃度のヒノキチオールに対して、30mMのリポソーム内鉄を上述のように使用した。リポソームの外側の鉄濃度は、フェロジン−鉄の消光係数(27,900M−1cm−1)を用いて決定した(66)。これを使用して、実験ごとの総容量を用いて、示された時間にリポソームから放出された鉄の量を決定した。鉄流出の速度は、ヒノキチオール処理の1時間後に決定した。
【0395】
PhenGreenを用いた、リポソームからの金属流出の決定(図15C〜I及び表S2)
POPCリポソームからの異なる二価金属のヒノキチオール促進放出は、以前に報告されたものと同様に、PhenGreen(Fisher P14312)の消失を追跡することによって行った(67、68)。
【0396】
リポソームは、(Fe2+に対して)pH=7.0の5mM MES/トリス緩衝液中の10mMのアスコルビン酸塩、(Cu2+に対して)pH=7.0の5mM MES/トリス緩衝液中の10mMのクエン酸塩、または(Mn2+、Co2+、Ni2+、及びZn2+に対して)pH=7.0の5mM MES/トリス緩衝液のいずれかからなる内部緩衝液で上述のように調製した。いずれの場合も、リポソームは、内部緩衝液に添加したFeCl、MnCl、CoCl、NiCl、ZnCl、またはCuClのいずれかの5mMを用いて調製した。外部緩衝液は、10μMのPhenGreenを含有するpH=7.0の5mM MES/トリス緩衝液(DMSO中の1000×ストックから)であった。リポソーム懸濁液を1mMのリンに希釈した。リポソーム懸濁液を96ウェルプレートに移して、DMSOまたは2μMのヒノキチオール(DMSO中の40×ストックから)のいずれかをt=2分で添加した。蛍光は、500nmの励起、及び530nmの発光を1時間にわたって監視した。1時間後、リポソームをTriton−Xで溶解して、蛍光を記録した。いずれの場合も、蛍光の消失は、溶解後のDMSO処理リポソーム中で観察され、溶解前のヒノキチオール処理リポソームのものと同様のレベルに到達した(Hino処理リポソームで流出が観察されなかったMn2+を除いて、蛍光消失は、Mn2+の溶解後に観察された)。DMSO処理リポソーム及びヒノキチオール処理リポソームは、溶解後に同様の蛍光消失レベルを有した。金属流出の総量は、10μMのPhenGreen及び各金属の公知濃度による外部緩衝液中の蛍光消失の標準曲線を用いて決定した。t1/2値は、OriginProで漸近適合を用いて計算した。t1/2値は、金属ごとの最大金属流出の半分への到達に要する時間を示す。
【0397】
酵母における金属選択性の決定(図10J
細胞内金属レベルのヒノキチオール媒介変化は、図13Hからの増殖救出条件、及び図1GのFe取り込み試験の適合を用いて決定した。具体的に、野生型及びfet3Δftr1Δ酵母をYPD培地中で一晩増殖させて、濯ぎ、FeClを有さないSD培地中で、30℃で3時間インキュベートした。次いで、酵母を、100μMのFeCl、及びDMSOビヒクルまたは10μMのヒノキチオールのいずれかを含有するSD培地(50mM MES/Tris、pH=7.0)中で、OD600=0.50で再懸濁させた。インキュベーションの2.5時間後、細胞を5℃で遠心分離して、50mM Tris/HCl緩衝液(pH=6.5)中の冷たい10mM EDTAで2回、冷たい金属遊離水で1回濯いだ。その後、細胞を48時間凍結乾燥させた。凍結乾燥細胞をHNO:HClの5:1混合物で消化させた後、CEM Discover SP−Dマイクロ波分解器中で、自動化された順次マイクロ波分解を施した。得られた澄明な溶液を金属遊離水中で希釈し、ICP−MSによって元素分析を行った。
【0398】
ヒノキチオールに結合した第二鉄の交換可能性(図14M
ヒノキチオールに結合した第二鉄の可逆的置換は、前述と同様に決定した(69)。非放射能FeCl(1000×ストックから100nM、56Feと称される)を、pH=7.0の10mM MES/トリス緩衝液中のヒノキチオール(1000×ストックから100nM)に添加した。溶液を37℃で1時間平衡化した後、等量の55FeCl(100nM)を添加した。溶液を37℃でインキュベートし、示された時点で、アリコートを採取し、水に添加した。鉄ヒノキチオール錯体は、酢酸エチルによる抽出を通じて、非結合鉄から直ちに分離し、放射性計数は、シンチレーション計数によって決定した。2%未満の鉄が、ヒノキチオールの不在下で、酢酸エチル層中で見られた。
【0399】
その後、平衡化率は、ヒノキチオール錯体(平衡状態で、1:1 55Fe:56Fe)で見られた理論上の最大値の55Feから放射性計数を正規化することによって決定した。
【0400】
ヒノキチオール及び他のキレート剤の電気化学的試験(図2F図11A〜J、及び表S2、4〜6)
定電位電気化学的方法は、3つの電極細胞で、CH機器電気化学ワークステーション(モデル760C、Austin、TX)で行った。Hg作用電極は、Barton et alによって前述された手順を利用して、Ptワイヤ上のHgの電極位置によって組み立てた(70)。全ての実験は、Ag/AgCl基準電極に対して報告され、グラファイト補助電極を利用した。電解質は、測定前にUHPアルゴンを注入した。アルゴンの陽圧を、実験全体を通じて維持した。
【0401】
特に断りのない限り、実験は、HNO及びKOHを滴定液として用いて、HOまたはpH=7.2の1:1 MeOH:HO中の0.1Mトリス緩衝液を使用した。特に断りのない限り、実験は、100mV/sの走査速度、100μMのFe(NO、及び500μMの小分子を使用した。全ての酸化還元電位は、正常な水素電極(NHE)に対して記録した。
【0402】
Fe(Hino)の推定酸化還元電位は、pH=7.2の0.1Mトリス緩衝液中のMeOHの濃度の関数として、Fe(Hino)の決定した酸化還元電位の最良適合線の外挿を通じて決定した。
【0403】
鉄(III)還元の速度(図11K、L)
ヒノキチオールの不在下または存在下での鉄(III)還元の速度は、フェロジンを用いて決定し、前述と同様に、鉄(II)の濃度を定量化した(71)。具体的に、鉄(III)またはFe(Hino)をHOの溶液中で事前に混合し、62.5mMのアスコルビン酸ナトリウム及びフェロジン(3mM)を含有するpH=7.0の25mM MES/トリス緩衝液に希釈し、10μMのFeCl及び30μMのヒノキチオールの最終濃度にした。Fe(フェロジン)に対応する562nmでの吸光度は、示された時点で決定した。その後、鉄(II)の濃度は、この緩衝液中のフェロジン−鉄の決定した消光係数を通じて計算した(ε=19,200M−1cm−1)。
【0404】
DMT1に対するCaco−2細胞及びMEL細胞のトランスフェクション
Caco−2細胞は、6ウェルプレート中に2×10個の細胞/ウェル(約30%コンフルエント)を播種した24時間後に、非標的化対照hRNAコンストラクトまたはヒトDMT1(Qiagen KH05760N)を標的化する4つの他のshRNAコンストラクトのいずれかの10μg/ウェルを有するリポフェクタミンLTX(Invitrogen 15338−100)及びPlus試薬(Invitrogen 11514−015)を用いて、以前に報告された(36)ようにトランスフェクトされた。トランスフェクション剤を除去し、細胞を24時間回復させた後、0.8g/LのG418を含有するCaco−2完全培地で処理した。細胞をG418培地中で約2週間インキュベートし、トランスフェクト細胞の選択を促進した一方、完全な細胞死が、非トランスフェクト細胞で観察された。非標的化対照コンストラクト=5’−GGAATCTCATTCGATGCATAC−3’;shDMT1コンストラクト(クローン4)=5’−AACCTATTCTGGCCAGTTTGT−3’。
【0405】
MEL細胞は、非標的化対照hRNA(Sigma、CMV−ネオベクターを用いた、5’−CAACAAGATGAAGAGCACCAA−3’)またはマウスDMT1を標的化する5つのshRNAコンストラクト(Sigma、クローン1〜5:TRCN0000332748、TRCN0000306610、TRCN0000079533、TRCN0000079535、及びTRCN0000079536)のいずれかを50μg有する2×10個の細胞/mLで、30mM NaClを有する400μLの血清遊離DMEMを含有する0.4cmキュベット(Biorad 1652081)中のエレクトロポレーション(0.28kV、975μFパルス)によってトランスフェクトした。トランスフェクション後、細胞を10mLのMEL完全培地を含有するT25フラスコに移して、6日間増殖させて、新鮮なMEL完全培地中に10:1の希釈で2日ごとに再播種した。この後、細胞を1g/LのG418を含有するMEL完全培地中に1×10個の細胞/mLの細胞で再播種し、非電気穿孔野生型(DS19)MEL細胞をもともと含有しているT25フラスコで細胞が観察されなくなるまで、新鮮なG418培地中に10:1の希釈で約2日ごとに再播種することによって、2週間の期間にわたって細胞を選択した。
【0406】
Mfrn1欠乏MEL細胞株は、前述のように、CRISPR/Cas9ゲノム編集を用いて発生させた(72〜74)。Mfrn1遺伝子座のエクソン2及び4を標的にした。エクソン2標的化配列は、5’−GATGCTTGTATACCGGGCTT−3’であり、エクソン4標的化配列は、5’−GAAGAACTCATAAACGGACC−3’であった。Mfrn1マウス遺伝子座の遺伝子内の欠失を文書化するのに使用したプライマーは、以下のものであった:エクソン4(フォワード)5’−GTTTGCCTCTGCGGTGTGATC−3’;エクソン2(フォワード)5’−GGAGGACGCTGTGGGGGGGGG−3’;エクソン2(リバース)5’−GTCCATCTTTTCTACAAGCC−3’。
【0407】
qRT−PCR条件(図12A図13A図14A、及び図22G、L)
Dmt1 mRNAレベルは、以下に記載のように処理を行った後、製造者のプロトコルに従って、SYBR Green(Agilent 600825)を用いたqRT−PCRを介して決定した。分化Caco−2単層におけるDmt1 mRNAレベルを決定するため(播種後の21〜28日目)、mRNAは、製造者の指示に従って、RNeasy Mini Kit(Qiagen 74104)を用いて単離した。Dmt1の閾値サイクル(Ct)値は、Pfaffl法を用いて、Dmt1(Origene HP200584)及びアクチン(Origene HP204660)に対するプライマーを用いて内部対照アクチンに正規化した後、sh対照レベルに正規化した。
【0408】
MELクローンにおける相対Dmt1 mRNAレベルを決定するため、mRNAは、製造者の指示に従って、RNeasy Mini Kit(Qiagen 74104)を用いて、2%DMSO及び10μMのクエン酸鉄(III)で3日間かけて分化させたMELクローンから単離した。Dmt1のCt値は、Pfaffl法を用いて、Dmt1(Origene MP215650)及びHprt1(Origene MP206455)に対するプライマーを用いて内部対照Hprt1に正規化した後、sh対照レベルに正規化した。
【0409】
上述のように、4時間、25μMのFeClで処理し、ヒノキチオール濃度(0、0.5、1、3、5、10、25、及び50μM)を増加させた際のshDMT1 Caco−2単層におけるFpn1及びFth1 mRNAレベルは、上述のように、mRNAの単離後に決定した。閾値サイクル値は、Pfaffl法を用いて、Fpn1(Origene HB210988)及びFth1(Origene HP205786)に対するプライマーを用いて内部対照アクチンに正規化した後、ヒノキチオールの不在下で、shDMT1レベルに正規化した。
【0410】
相対Mfrn1 mRNAレベルは、前述のように、TaqManプローブ(Applied Biosystems)を用いて、qRT−PCRを介して決定した(75)。
【0411】
ウェスタンブロット条件(図5A、G、図12B、C、図13B、C、J、図14G〜J、図19D、F〜K、N、O、及び図22C〜F、H〜N)
Caco−2単層、分化MEL細胞、またはJ774細胞に、救出実験で記載された処理を行った後、プロテアーゼ阻害剤(Thermo 88266)を含有するRIPA緩衝液(Thermo 89901)で溶解した。BCAキット(Thermo 23225)によってタンパク質濃度を決定し、同じRIPA緩衝液中で2mg/mLに希釈した。その後、相対タンパク質レベルは、室温で2時間、5%BSAで遮断する10または20μgのタンパク質溶解物のウェスタンブロットを介して、かつ、5℃で一晩、5%BSA中のヒト抗DMT1(1:3,000希釈、Santa Cruz sc−30120)、マウス抗DMT1(1:1,000希釈、Santa Cruz sc−166884)、ヒト抗FTL1(1:1,000希釈、Santa Cruz sc−74513)、ヒト抗FPN1 HRPコンジュゲート(1:10,000希釈、Novus Biologicals NBP1−21502H)、マウス抗グロビンα HRPコンジュゲート(100℃で加熱しない、1:10,000希釈、Lifespan Biosciences LS−C212172)、ヒト抗TfR1 HRPコンジュゲート(1:10,000希釈、Abcam ab10250)、ヒト抗IRP1(1:1,000希釈、Santa Cruz sc−14216)、ヒト抗IRP2(1:1,000希釈、Santa Cruz sc−33682)、ヒト抗Hif1α HRPコンジュゲート(1:1,000希釈、Novus Biologicals NB100−105H)、ヒト抗Hif2α HRPコンジュゲート(1:1,000希釈、Novus Biologicals NB100−122H)、ヒト抗PCBP1(1:1,000希釈、Santa Cruz sc−393076)、またはヒト抗アクチンHRPコンジュゲート(1:10,000希釈、Cell Signaling 5125S)のいずれかからなる一次抗体を用いて決定した後、TBSTで徹底的に濯ぎ、ヤギ抗ウサギIgG HRPコンジュゲート(1:5,000希釈−DMT1、Cell Signaling 7074、5%乳汁中)、ヤギ抗マウス IgG1 HRPコンジュゲート(1:1,000希釈−PCBP1、1:5,000希釈−IRP2、1:3,000希釈−DMT1、Santa Cruz sc−2060、5%BSA中)、ロバ抗ヤギIgG HRPコンジュゲート(1:1,000希釈−IRP1、Santa Cruz sc−2020、5%BSA中)、またはヤギ抗マウスIgG2a HRPコンジュゲート(1:10,000希釈−FTL1、Santa Cruz sc−2061、5%BSA中)のいずれかからなる二次抗体で(非HRPコンジュゲートではない場合には)室温にて2時間インキュベーションした。ブロットをTBSTで徹底的に濯ぎ、製造者の指示に従って、フェムト秒化学発光溶液の添加後に撮像した(Thermo Fisher 34095)。
【0412】
ELISAによるフェリチンレベルの決定(図19E及び図22A
sh対照及びshDMT1 Caco−2単層溶解物における絶対フェリチンタンパク質レベルは、製造者の指示に従って、市販のサンドイッチELISAキット(Abcam ab108837)を用いて決定した。
【0413】
図19Eで見られる結果について、タンパク質溶解物は、以下に記載のように、500nM FeClで処理後に単離した。図22Aで見られる結果について、Caco−2単層は、以下に記載のように、25μMのFeCl及び0,0.5、1、3、5、10、25、または50μMのヒノキチオールで処理した。
【0414】
分化Caco−2単層における55Fe取り込み及び輸送(図3A〜C、H、I、図5B、D〜F、図12E〜G、図14K図19M、P、Q、図21、及び図23A、D)
6ウェルプレート中のPETインサート上で増殖させた分化Caco−2単層(P25〜50、播種後の21〜28日目)からの培地を吸引し、単層をPBSで濯いだ。2mLの側底液(10mM HEPES緩衝液中のpH=7.4の血清遊離DMEM)を側底側に添加し、200nMの55FeClまたは示された濃度のFeClと、DMSOビヒクル、ヒノキチオール、C2deOHino、デフェリプロン、PIH、SIH、またはメシル酸デフェロキサミン(Sigma D9533)(DMT1欠乏では、500nMのHino/C2deOHino、FPN1欠乏では、1μMのHino/C2deOHino、または、DMSO中の1000×ストックの示された濃度の小分子)のいずれかとを含有する1mLの頂端液(10mM MES緩衝液中のpH=5.5の血清遊離DMEM)を、細胞単層を混乱させることなく、膜インサートの壁への添加を介して、頂端側に添加した。その後、特に記載がない限り、単層を37℃で4時間インキュベートした。側底液の100μLアリコートを除去し、シンチレーションカクテル中で希釈し、液体シンチレーション計数器で放射能を決定し、55Fe輸送の相対量を定量化した。細胞内55Feを決定するため、側底側及び頂端側培地を除去し、単層をPBS(×2)で濯いだ。その後、細胞を500μLの200mM NaOHで溶解して、ニューテーターを一晩混合し、シンチレーションカクテル中で細胞溶解物を希釈後に、液体シンチレーション計数器で放射能を決定した。特に記載がない限り、全ての値をsh対照単層に正規化した。絶対鉄レベルは、公知の基準による55Fe放射能レベルの較正を通じて決定し、1枚の膜当たりのタンパク質の平均mgは、プロテアーゼ阻害剤を含有するRIPA緩衝液によるタンパク質溶解によって決定し、製造者の指示に従って、BCAキットを通じて定量化した。
【0415】
pHの関数としての55Fe輸送の決定(図12E)には、DMEM中の10mM PIPES(pH=6.5)または10mM HEPES(pH=7.4)を含有する頂端液の使用を除いて、上述のプロトコルを使用した。
【0416】
一方向取り込み及び輸送の決定(図5B及び図19M)は、55FeCl(200nM)の側底添加、及びDMSOまたはヒノキチオール(500nM)の側底添加を除いて、上述のように決定した。その後、頂端液のアリコートを採取して、側底側から頂端側への輸送を決定した。細胞内55Feは、上述のように決定した。
【0417】
鉄及び/またはヒノキチオールの濃度の関数としての55Fe輸送の決定(図5E及び図21)は、示された濃度の鉄(濃度ごとに20:1 56Fe:55Fe)またはヒノキチオール(DMSO中の1000×ストックから)の使用を除いて、上述のように行った。ヒノキチオール濃度を増加させて添加した際の内因性タンパク質の翻訳及び転写調節変化の実験(図5F〜J、図21、及び図22A〜L)には、25μMの非放射能FeCl、及び示された濃度のヒノキチオール(DMSO中の1000×ストックから)を使用した。
【0418】
鉄の不在下でヒノキチオール濃度を増加させる際のフェロポーチンレベルの決定(図22M、N)は、200nMの非放射能FeClを含有する上述のような手順を使用した。
【0419】
FPN1ノックダウン後の55Fe輸送の決定(図5D及び図19N〜P)は、以下に記載のように、ケルセチンをインキュベートして、FPN1をノックダウンした後、200nMの55FeClを用いて、上述のように決定した(40)。
【0420】
Caco−2単層におけるフェリチンの55Fe免疫沈降(図5C図19L、及び図22B
フェリチンの免疫沈降は、ヒト抗FTL1(Santa Cruz sc−74513)及びタンパク質G PLUS−アガロースビーズ(Santa Cruz sc−2002)を用いて行った。細胞溶解物は、上述のように、DMSOまたはヒノキチオール(図19Lでは、500nM、図22Bでは、0、0.5、1、3、5、10、25、または50μM)及びFeCl図19Lでは、200nMの55Fe、25μMの20:1 56Fe:55Fe)で4時間頂端処理した後、sh対照及びshDMT1 Caco−2単層から得た。細胞溶解物を一次抗体(1:100希釈)で室温にて1時間インキュベートした後、一定混合しながら、二次抗体(1:10希釈)で室温にて1時間インキュベートした。遠心分離、及びPBSによる濯ぎを繰り返し行い、アガロースペレット中の放射性レベルは、シンチレーション液中の希釈によって決定した。
【0421】
Caco−2単層におけるTEER決定(図12D及び図14L
Caco−2膜完全性を決定するため、輸送試験は、55FeClの代わりに非放射能鉄の使用を除いて、上述のように行った。示された時点で、経上皮電気抵抗(TEER)は、上皮電圧抵抗計で決定し、実験の開始時に、膜のTEERと比較した。
【0422】
細胞株におけるWST−8毒性(表S7)
Caco−2、MEL、及び/またはJ774細胞における小分子媒介毒性の決定は、DMSO中の1000×ストックの示された小分子を用いて、示された最終濃度を得た以前に報告されたものと同様に(76)、WST−8キット(Cayman Chemical 10010199)を用いて、製造者の指示に従って行った。
【0423】
DMSOによるMEL細胞の分化(図3D
MEL細胞による分化実験(39)を行うため、示されたMEL細胞を、12ウェルプレート中の1μMのヒノキチオールまたはC2deOHino(DMSO中の1000×ストックから添加)の不在下または存在下で、10μMのクエン酸鉄(III)及び2%DMSOを含有するMEL完全培地中で1×10個の細胞/mLに希釈した。その後、特に記載がない限り、細胞を37℃で72時間インキュベートした。DMSOの不在下、同一条件下で対照実験を行い、以下に記載のように、分化が、o−ジアニシジン染色によって観察されなかったことが分かった。
【0424】
ジアニシジンによる誘導MEL細胞の染色(図3E、G、図13D、E、G、H、L、図14D、及び図23B、E)
以前に報告されたものと同様に、o−ジアニシジン染色を介したDMSO誘導の3日後に、ヘモグロビン化MEL細胞を定量化した(74)。誘導の3日後に細胞を遠心分離して、PBSで濯いだ。その後、細胞を、水中に7.5mM o−ジアニシジン、900mM H、及び150mM 酢酸を含有する溶液中に、約1×10個の細胞/mLで懸濁させた。その後、細胞をAXIO Zoom V16顕微鏡で撮像し、カラー画像を得た。その後、染色細胞の数を、ImageJ分析を介して定量化し、各画像の総細胞数と比較した。ヒノキチオールがヘモグロビン化のためにDMSO誘導を必要とすることを決定するため、2%DMSOは、72時間インキュベーション及びo−ジアニシジン染色の前に、実験の開始時に添加しなかった。
【0425】
MEL細胞における55Fe取り込み(図13F、K及び図14B、E)
MEL細胞を上述のように誘導して、分化させ、37℃で70時間インキュベートした後、飽和鉄トランスフェリン(55FeTf)溶液(10μMの55FeTfストックから40nMの最終濃度)を添加した。細胞をさらに2時間インキュベートした。完了後、細胞を血球計算器で計数し、遠心分離後に培地を除去し、細胞をPBS(×3)で濯ぎ、細胞懸濁液をシンチレーションカクテル中で希釈し、放射能を決定した。放射性レベルは、野生型(DS19)レベルに比べて、細胞ごとに正規化した(血球計算器によって計数した)。
【0426】
MEL細胞における55Feヘム組み込み(図3F図13K、及び図14C、F)
MEL細胞を上述のように誘導して、分化させ、37℃で64時間インキュベートした後、飽和55FeTf溶液(10μMの55FeTfストックから250nMの最終濃度)を添加した。細胞をさらに8時間インキュベートした。完了後、細胞を血球計算器で計数し、遠心分離後に培地を除去し、細胞をPBS(×3)で濯いだ。その後、細胞をRIPA緩衝液で溶解して、水で希釈し、3:1 酢酸エチル:酢酸溶液を用いて、ヘムを抽出した。有機抽出物のアリコートをシンチレーションカクテル中で希釈し、放射能を決定した。放射性レベルは、野生型(DS19)レベルに比べて、細胞ごとに正規化した(血球計算器によって計数した)。
【0427】
ヘモグロビンレベルの決定(図13I、J)
MEL細胞を上述のように誘導して、分化させ、37℃で72時間インキュベートした。完了後、細胞を血球計算器で計数し、遠心分離後に培地を除去し、細胞をPBS(×2)で濯いだ。その後、水による凍結/解凍サイクルを繰り返して、細胞を溶解し、10個の細胞ごとのヘモグロビンレベルは、遠心分離後にOD415を決定することによって、前述のように決定した(77)。ウェスタンブロットによるグロビンレベルは、上述のように、分化後に決定した。インキュベーションの72時間後、細胞を溶解し、グロビンレベルは、上述のように、ウェスタンブロットによって決定した。
【0428】
Caco−2細胞及びJ774細胞におけるFPN1のノックダウン(図3H〜K、図5D図14G〜M、及び図19N〜P)
野生型Caco−2細胞におけるFPN1レベルをノックダウンするため、分化上皮単層を、前述と同様に、G418を含有するCaco−2完全培地中の150μMのケルセチン(Sigma 337951)で18時間インキュベートした(40)。sh対照及びshDMT1 Caco−2単層におけるFPN1レベルをノックダウンするため、インキュベーションは、250μMのケルセチンを除いて、上述のように行った。インキュベーションの完了後、頂端液及び側底液を吸引し、PBSで濯いだ後、55Fe輸送及び取り込みは、上述のように決定した。
【0429】
野生型J774細胞におけるFPN1レベルをノックダウンするため、前述と同様に(41)、細胞を、J774完全培地中の2μg/mLマウスヘプシジン(Peptides International PLP−3773−PI)で1時間インキュベートした後、55FeをJ774細胞に負荷し、55Fe放出を決定した。
【0430】
J774マクロファージからの55Fe放出(図3J、K、図14M、及び図23C、F)
J774細胞を12ウェルプレート中で増殖させて、約80%の密集度にした。その後、細胞を新鮮なJ774完全培地(1mL)中でビヒクルまたはヘプシジンで処理し、37℃で1時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を吸引した後、ビヒクルまたはヘプシジンを含有するJ774完全培地(1mL)中の55FeTf(50nM)溶液を添加した。細胞を37℃で10分間インキュベートし、培地を除去した。細胞をPBS(×2)で濯いだ後、37℃で10分間、J774完全培地(1mL)で濯いだ。培地を吸引した後、DMSOまたは小分子(特に記載がない限り、5μM、1000×希釈液)を含有するJ774完全培地(1mL)を、ヘプシジンの存在下または不在下で添加した。示された時間で、培地のアリコート(≦100μL)を除去し、シンチレーションカクテル中で希釈し、放射能は、液体シンチレーション計数によって決定した。実験の完了後、培地を除去し、細胞をPBSで濯ぎ、連続的に攪拌しながら(50rpm)、細胞を500μLの200mM NaOHで、37℃で2時間溶解した。細胞溶解物をシンチレーションカクテル中で希釈し、細胞内55Feレベルは、液体シンチレーション計数によって決定した。%55Fe放出は、示された時間での細胞外55Feの総(細胞内+細胞外)55Feに対する比によって決定した。
【0431】
J774マクロファージへの55Feの取り込み(図4D、E)
J774細胞を12ウェルプレート中で増殖させて、約80%の密集度にした。その後、細胞を、50μMのFeCl(100:1 56Fe:55Fe)を含有する10mM HEPES緩衝液(1mL)中のpH=7.4の血清遊離DMEM培地におけるビヒクルまたはヘプシジンで処理した。37℃でのインキュベーションの4時間後、細胞をPBS(×2)で濯ぎ、プロテアーゼ阻害剤を含有する500μL RIPA緩衝液で溶解した。細胞溶解物をシンチレーションカクテル中で希釈し、細胞内55Feは、液体シンチレーション計数によって決定し、各ウェル中の総タンパク質に正規化した。
【0432】
細胞外鉄の関数としてのヒノキチオール促進鉄の取り込み(図4E)は、1μMのヒノキチオール(DMSO中の1000×ストックから)、及び示された最終濃度のFeCl(20:1 56Fe:55Fe)を用いて、野生型J774マクロファージにおいて上述と同様に行った。示された時間で、細胞をPBS(×2)で濯ぎ、200mM NaOHで溶解した。細胞溶解物をシンチレーションカクテル中で希釈し、細胞内55Feは、液体シンチレーション計数によって決定し、各ウェル中の総タンパク質に正規化した。
【0433】
MEL細胞の生細胞蛍光イメージング(図4A及び図16A、B、E、H)
サイトゾル及びミトコンドリア鉄を視覚化するため、カルセイングリーン及びRPA蛍光の共焦点イメージングをそれぞれ行った。MEL細胞を誘導して、上述のように分化させた。インキュベーションの70時間後、クエン酸鉄(III)(10μMの最終濃度)を添加した。細胞をさらに2時間インキュベートした後、遠心分離して、PBSで濯いだ。その後、細胞を、1μMのカルセイングリーン−AM(Thermo Fisher C34852)及び1μMのRPA(Axxora SQX−RPA.1)を含有するPBS中に再懸濁させた。その後、細胞を37℃で15分間インキュベートした。細胞を遠心分離して、PBSで濯ぎ、10μMのFeTfを含有するDMEM中に再懸濁させた。その後、LSM710顕微鏡で10分以内に細胞を撮像した。細胞ごとの相対カルセイングリーン及びRPA蛍光は、実験ごとに100超個の細胞を用いて、ImageJ分析によって決定した。
【0434】
エンドソーム鉄レベルを視覚化するため、oxyburstグリーン−BSAコンジュゲート(Thermo Fisher O13291)の共焦点イメージングを行った。MEL細胞を誘導して、上述のように分化させた。70時間後、クエン酸鉄(III)(10μMの最終濃度)及びoxyburstグリーン−BSAコンジュゲート(200μg/mL)を添加した。細胞をさらに2時間インキュベートした後、遠心分離して、PBSで濯いだ。その後、細胞をDMEM−HEPES緩衝液中に再懸濁させて、H(50mMの最終濃度)を添加した。細胞を室温でインキュベートした後、oxyburstグリーン蛍光は、LSM710顕微鏡で、Hを添加した10分後に決定した。細胞ごとの相対oxyburstグリーン蛍光は、実験ごとに100超個の細胞を用いて、ImageJ分析によって決定した。
【0435】
MEL細胞のフローサイトメトリー(図16C、D、F、G、I、J)
フローサイトメトリーによる細胞カルセイングリーン及びRPA蛍光の中央値を定量化するため、細胞の染色は、0.1μMのカルセイングリーン−AM及び0.1μMのRPAの使用を除いて、上述のように行った。その後、カルセイングリーン及びRPA蛍光は、実験ごとに≧10,000個の細胞を計数するBD FACS Aria IIソーターを用いて、37℃で決定した。次いで、蛍光の中央値を、色素ごとにshDMT1に正規化した。
【0436】
フローサイトメトリーによる細胞oxyburstグリーン蛍光の中央値を定量化するため、細胞の染色は、500μg/mLのoxyburstグリーン−BSAコンジュゲートの使用、5mM Hの使用を除いて、上述のように行い、Hの添加後に細胞を37℃で20分間インキュベートした後、実験ごとに20,000個の細胞を計数するBD LSR IIフローサイトメーターを用いて、蛍光分析をした。次いで、蛍光の中央値を、色素ごとにshDMT1に正規化した。
【0437】
J774マクロファージにおけるサイトゾル鉄レベルの一時的イメージング(図4B、C、H、I、図18A〜C)
ヒノキチオールが、人工鉄勾配の生成を通じて血漿膜を横断して、鉄を可逆的かつ自律的に輸送する能力を評価するため、J774マクロファージをIbidi皿(Ibidi NC0723624)中で増殖させて、約80%の密集度にした後、5mMアスコルビン酸及び200μM FeSOを含有するJ774完全培地でインキュベートした。細胞を1.5時間インキュベートし、培地を吸引し、細胞をPBSで濯いだ。その後、細胞を、37℃で20分間、DMEM中でカルセイングリーン−AM(1μM)でインキュベートした。培地を吸引し、細胞をPBS(×2)で濯いだ後、DMEM(10mM HEPES中でpH=7.4)及び1mMプロベネシド(Sigma P8761)を添加した。その後、カルセイングリーン蛍光を、示された30分の時点で、5%CO、37℃で、LSM880顕微鏡で撮像した。ヒノキチオール(100μMの最終濃度)、C2deOHino(100μMの最終濃度)、またはDMSO(全ては、50μL DMEM中の1000×ストックから)を5分で添加し、FeCl(100μMの最終濃度、DMEM中の50μL)の溶液を12分で添加した。各時点での各画像の蛍光をImageJ分析によって分析した後、実験ごとに100超個の細胞を用いて、画像ごとにt=0での蛍光に正規化した。
【0438】
野生型及びFPN1欠乏J774細胞における鉄の取り込みの一時的な生細胞イメージングは、上述のように、カルセイングリーンによる細胞の染色後に行った。その後、細胞をPBS(×2)で濯ぎ、ヘプシジンの存在下または不在下で、200μM FeSO、5mMアスコルビン酸、及び5mMプロベネシドを含有するJ774完全培地中でインキュベートした。カルセイングリーン蛍光は、示された時点で得られ、各時点での各画像の蛍光をImageJ分析によって分析した後、実験ごとに100超個の細胞を用いて、画像ごとにt=0での蛍光に正規化した。
【0439】
Caco−2単層におけるカルセイングリーンによるサイトゾル鉄の一時的イメージング(図5H〜J)
shDMT1 Caco−2単層における不安定な鉄レベルの一時的な生細胞イメージングは、pH=7.4 DMEM中の頂端液及び側底液におけるカルセイングリーン−AM(5μM)によるCaco−2単層の30分間の染色後に行った。PBS(×2頂端側及び側底側)で濯いだ後、単層を、DMEM(側底側)中のpH=7.4 HEPES緩衝液と、25μMのFeCl及び0、0.5、1、3、5、10、25、または50μMのヒノキチオール(DMSO中の1000×ストックから)のいずれかを含有する頂端液(DMEM中のpH=5.5 MES緩衝液)とによるCaco−2輸送実験と同様に処理した。カルセイングリーン蛍光は、t=0分及びt=60分で得られ、各画像の蛍光をImageJ分析によって定量化した。
【0440】
59Fe腸吸収(図6A、B及び図24A〜C)
健常(+/+)及びffe/+マウスにおける鉄の胃腸吸収に対するヒノキチオールの効果を特徴付けるため、胃内強制投与前には、4時間(8am〜12pm)食事を控えた。マウスに最大で2%のイソフルランで麻酔をかけて、20ゲージの1.5インチ強制経口投与針を用いて、59FeClを投与した。59FeCl(200μCi/kg体重)は、6mMヒノキチオールの存在下または不在下で、10mMアスコルビン酸を含有するトリス緩衝生理食塩水中で希釈した。投与した最終容量は、マウスごとに1.5mL/kgであり、個々の体重ごとに補正した。投与した60、120、及び240分後に血液を回収し、59Feレベルを決定した。6時間後にイソフルランを過剰投与することで、マウスをヒトの手で犠牲にし、心臓穿刺によって血液を回収した。放射能は、ガンマ計数によって定量化し、強制経口投与用量のパーセンテージ(±SEM)として計算した。4匹の遺伝子型一致マウス/日で実験を行った;予備分析を決定し、胃内強制投与後の59Feの取り込みに対する性別間の効果はなかった;示した実験で性別混合を使用した。
【0441】
3〜5ヵ月齢のb/bラットにおける鉄の59Fe胃腸吸収は、6mMヒノキチオールまたは6mM C2deOHinoのいずれかの存在下で、上述の手順と同様に特徴付けた。正常な鉄の取り込みの速度と比較するため、同齢の兄弟対照(+/+または+/b)ベオグラードラットは、小分子なしで59Feを投与したことを除いて、同じ手順で試験した。投与した15、30、60、120、180、240、及び360分後に、尾静脈から血液(50μL)を採取した。放射能は、ガンマ計数によって定量化し、強制経口投与用量のパーセンテージ(±SEM)として計算した。動物は、6時間でヒトの手で安楽死させた。
【0442】
モルファントゼブラフィッシュにおけるノックダウン(図6C、E及び図24D
モルホリノ(MO)は、GeneTools,LLC(Philomath,OR)から購入した。使用したMoの配列は、以下の通りであった:dmt1 MO:5’−GAGTGTGAAACGTGACGCACCCCTT−3’;mfrn1 MO:5’−TAAGTTGCATTACCTTGACTGAATC−3’。1細胞期でのゼブラフィッシュ胚に、前述のように、MOを注入した(72、78)。胚中のヘモグロビン化細胞のo−ジアニシジン染色は、前述の通りであった(79)。トランスジェニックTg(グロビンLCR:eGFP)株由来の蛍光標識赤血球を用いたフローサイトメトリーによる定量化(50)は、前述のように行った(72、75)。モルファントにおけるdmt1 mRNAの半定量的RT−PCRは、前述のように、カスタム仕様のプローブを用いて行った(80)。dmt1プライマーの配列は、以下の通りである:5’−CTGAACCTGCGCTGGTCCC−3’(フォワード);5’−TCCGTTAGCGAAGTCGTGCATG−3’(リバース)。対照actbプライマーの配列は、以下の通りであった:5’−GTTGGTATGGGACAGAAAGACAG−3’(フォワード);5’−ACCAGAGGCATACAGGGACAG−3’(リバース)。
【0443】
トランスポーター欠乏ゼブラフィッシュにおけるヘモグロビン化の回復(図6C〜F及び図24E
変異型胚またはモルファント胚のいずれかを、受精後の(hpf)24時間超に発生させた後、前述のように、プロナーゼで絨毛膜除去した(81)。その後、絨毛膜除去した胚またはモルファントを、1μMのヒノキチオール(またはビヒクル)及び10μMのクエン酸鉄(III)の存在下で、さらに48時間インキュベートした。ビヒクル処理胚を0.01mM DMSOに暴露した。クエン酸鉄(III)(10μM)によるC2deOHino(1μM)は、陰性対照として使用した。対照胚、及び約72hpfの変異型またはモルファント胚のいずれかを、(a)o−ジアニシジンによる直接染色(79)または(b)フローサイトメトリーのために前述のように機械的に均質化(75、78)のいずれかで行った。
【0444】
ヘテロ接合性交配からの変異型ゼブラフィッシュの遺伝子型決定及びイメージング(図6G、H)
ヒノキチオール救出frstq223胚の遺伝子型決定は、前述のように行った(10)。
【0445】
小分子の合成及び特徴付け
材料
市販試薬は、Sigma−Aldrichから購入し、特に記載がない限り、さらに精製せずに使用した。Pangborn及び同僚らによって記載されるように、充填カラムを通じた継代を介して、溶媒を精製した(82)。全ての水を使用前に脱イオン化した。
【0446】
一般的実験手順
特に記載がない限り、反応は、アルゴンの陽圧下で、ゴム隔膜を装備した、火炎乾燥丸底フラスコまたは改変シュレンクフラスコを行った。特に記載がない限り、有機溶液は、20〜35℃の浴温で、減圧下で、回転蒸発を介して濃縮した。E.Merckシリカゲル60 F254プレート(0.25mm)上で示された溶媒を用いて、薄層クロマトグラフィー(TLC)を分析することによって、反応を監視した。化合物は、UVランプ(λ=254nmまたは366nM)への暴露、及び/またはKMnOの溶液による染色によって視覚化した後、Varitempヒートガンを用いて加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲルグレード9385 60Å(230〜240メッシュ)を用いて行った。分取HPLC精製は、SunFire 5μm C18カラムによるAgilent 1260 Infinityシリーズ分取HPLCを用いて行った(Waters Corporation)。
【0447】
構造分析
H NMR、13C NMR、及び19F NMRは、Unity Inova 500NB、Varian XR500、またはUnity 500機器上で、20℃で記録した。化学シフト(δ)を、テトラメチルシランからの百万分率(ppm)低磁場で報告し、NMR溶媒中の残留プロチウムを基準とする(CHCl、δ=7.26;DMSO−d6、δ=2.50)。データを以下の通りに報告する:化学シフト、多重度(s=一重項、d=二重項、t=三重項、m=多重項、app=見かけ)、ヘルツ(Hz)の結合定数(J)、及び積分。13C NMRは、NMR溶媒中の炭素共鳴を基準とする(CDCl、δ=77.16;DMSO−d6、δ=39.52)。19F NMRは、外部標準中のフッ素共鳴を基準とする(CFCl、δ=0.00)
【0448】
鉄(III)ヒノキチオール錯体
【化349】
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攪拌棒を装備した火炎乾燥20mLバイアルに、硝酸鉄(III)非水和物(819.8mg、2.03mmol)を添加した後、ヒノキチオール(1.0092g、6.15mmol)を添加した。その後、エタノール(10mL)を添加した。反応を2時間激しく攪拌し、紫色の懸濁液を得た。生成物を、ろ過を介して回収し、アセトン中で再結晶して、紫色固体(959.9mg、1.76mmol、86.7%収率)として生成物を得た。
【0449】
HRMS(ESI+)
3034Fe(M+H)に対する算出値:546.1705;観測値:546.1703
元素分析
算出値[C]:66.06%;観測値[C]:65.88%
算出値[H]:6.10%;観測値[H]:6.21%
算出値[Fe]:10.24%;観測値[Fe]:10.19%
【0450】
ヒノキチオールのトリフラート化
攪拌棒を装備したオーブン乾燥300mL丸底フラスコに、ヒノキチオール(3.014g、18.27mmol)を添加した後、無水CHCl(200mL)添加した。システムを窒素下に置き、蒸留したてのルチジン(2.54mL、21.92mmol)を、シリンジを介して添加した。システムを氷/水浴中で0℃に冷却し、トリフラート無水物(3.38mL、20.10mmol)を、シリンジを介して滴下して加えた。溶液を0℃で15分間攪拌した後、室温に温めて、さらに3時間攪拌した。完了後、反応物を飽和水性NHCl溶液でクエンチした。生成物をCHCl中で抽出し、CuSOで洗浄し、ブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させた。生成物をろ過し、溶媒を回転蒸発によって除去した。その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(3:1 ヘキサン:EtOAc)によって、C−2及びC−7異性体の分離できない混合物として生成物を精製し、わずかに着色した油(4.819g、16.27mmol、C−2及びC−7異性体の53:47混合物として88.6%収率)を得た。
TLC(1:1 ヘキサン:EtOAc)
Rf=0.68,UV(254nm)及びKMnO染色によって視覚化
1H NMR(500MHz,CDCl
δ 7.34−7.24(m,5H),7.14(dt,J=11.5,0.7Hz,1H),7.08(dt,J=8.6,0.6Hz,1H),6.99(dd,J=11.4,9.4Hz,1H),2.91−2.80(app.m,2H),1.26(d,J=6.8Hz,6H),1.26(d,J=6.8Hz,6H)
13C NMR(126MHz,CDCl
δ 178.0,177.7,158.7,155.9,152.3,139.0,138.2,137.9,137.8,131.9,129.9,129.3,127.6,38.8,38.2,22.9,2.8
19F NMR(470.2MHz,CDCl
δ−74.76,−74.84
HRMS(ESI+)
C11H12F3O4S(M+H)+に対する計算値:297.0408;観測値:297.0408
【0451】
ヒノキチオール−トリフラート水素化分解
酢酸ナトリウム(1.11g、13.4mmol)、トリフラート化ヒノキチオール(2.00g、6.76mmol)、炭素上の10重量%パラジウム(71.8mg)、及びメタノール(75mL)を、攪拌棒を含有する火炎乾燥200mL丸底フラスコに添加した。懸濁液をNで脱ガスした後、溶液を通じてHをバブリングせずにH雰囲気下に置いた。反応物を攪拌し、TLC(EtO)によって30分間分析した。完了後、Nを、システムを通じてバブリングし、黒色懸濁液をセライト上でろ過した。メタノールを回転蒸発によって除去し、生成物をジエチルエーテル中で抽出し、ブラインで洗浄した。無水MgSOで乾燥後、溶媒を回転蒸発によって除去し、わずかに着色した油を得た。分取HPLC(283nm、HO中の20%MeCN)によって生成物を精製し、C2−デオキシヒノキチオール及びC7−デオキシヒノキチオールを透明油(C2deOHino:325mg、2.21mmol、32.4%収率;C7deOHino:204mg、1.38mmol、20.4%収率)として得た。
TLC(EtO)
Rf=0.49,UV(254nm)及びKMnO染色によって視覚化
1H NMR(500MHz,CDCl
δ C2:7.10−6.97(m,3H),6.91(ddd,J=12.0,2.6,0.8Hz,1H),6.81(ddd,J=8.7,1.5,0.7Hz,1H),2.73(7重項,J=6.8Hz,1H),1.19(d,J=6.9Hz,6H)
δ C7:7.09−7.01(m,3H),6.93−6.92(m,2H),2.74(7重項,J=6.8Hz,1H),1.21(d,J =6.9Hz,6H)
13C NMR(126MHz,CDCl
δ C2:188.0,156.2,141.9,140.1,138.1,137.2,130.5,38.1,23.0
δ C7:188.0,157.4,141.9,138.7,137.1,136.1,133.8,38.4,22.9
HRMS(ESI+)
C10H13O(M+H)+に対する計算値:149.0966;観測値:149.0973
【0452】
サリシルアルデヒドイソニコチノイルヒドラゾンの合成
イソニコチン酸ヒドラジド(198mg、1.4mmol)を、攪拌棒及びEtOH(3mL)を含有する火炎乾燥7mLバイアルに添加した。その後、サリシルアルデヒド(175mg、1.4mmol)を、シリンジを介して滴下して加えた。溶液を、N下で、75℃で6時間攪拌した。溶液を0℃に冷却し、真空ろ過によって固体を回収した。生成物を冷EtOHで濯ぎ、EtOH中で再結晶して、真空ろ過後に白色固体(237mg、1.0mmol、69%収率、>95%純度)を得た。特徴付けは、以前に報告されたものと一致した(83)。
TLC(EtOAc)
Rf=0.38,UV(254nm)及びKMnO染色によって視覚化
1H NMR(500MHz,DMSO−d6)
δ 11.08(s,1H),8.80(dd,J=4.5,1.7Hz,2H),8.68(s,1H),7.85(dd,J=4.4,1.7Hz,2H),7.61(dd,J=7.7,1.7Hz,1H),7.32(ddd,J=8.2,7.2,1.7Hz,1H),6.97−6.90(m,2H),−1.76(s,1H)
13C NMR(126MHz,DMSO−d6)
δ 161.4,157.5,150.4,149.0,140.0,131.8,129.3,121.6,119.5,118.7,116.5
HRMS(ESI+)
C13H12N3O2(M+H)+に対する計算値:242.0930;観測値:242.0924
【0453】
イオン輸送タンパク質の定義
本明細書で使用される場合、「イオン輸送タンパク質」は、膜を横断してイオンを輸送する細胞によって使用されるタンパク質を意味するものであり、これらは、「能動イオン輸送タンパク質」及び「受動イオン輸送タンパク質」にさらに分枝する。語句「能動イオン輸送タンパク質」とは、ATP(一次性能動)などのエネルギー源への「上り坂」輸送プロセスまたは別のイオンまたは基質分子(二次性能動)の「下り坂」移動を連結することによって、これらの電気化学的勾配に対してイオンを輸送するものと定義することを意味する。これらの能動イオン輸送タンパク質は、「ポンプ」または「交換体」と代替的に呼ばれることが多い。語句「受動イオン輸送タンパク質」とは、イオンの下り坂移動を単に触媒する受動的なタンパク質イオンチャンネル及び他のイオン輸送タンパク質を記述することを意味する。これらの受動イオン輸送タンパク質は、「チャンネル」及び/または「(受動)トランスポーター」と代替的に呼ばれることが多い。
【0454】

表1.鉄吸収、恒常性、及び代謝の障害。鉄吸収、恒常性、及び代謝の欠陥と関連する、ヒトにおける遺伝性疾患の非包括的一覧。これらの疾患は、3つのカテゴリーに大きく分類することができる:(i)欠陥鉄吸収の疾患、(ii)異常な組織鉄レベルと関連する鉄関連タンパク質の疾患、及び(iii)異常な組織鉄レベルと関連する二次障害。他の効果に加えて、これらの疾患は、ある特定の細胞内コンパートメント、細胞、または組織における鉄の異常なレベルと関連し、小分子鉄トランスポーターは、異常な鉄恒常性の効果の改善に役立ち得る。
【表1-1】
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【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0455】
表2.鉄キレート剤の物理的特性。ヒノキチオール及び他のキレート剤の結合親和性及び酸化還元電位は、それぞれ、競合アッセイ及びサイクリックボルタンメトリーを通じて決定した。ヒノキチオールは、デフェリプロンを含む多くの他の鉄キレート剤より強力に鉄(II)及び鉄(III)に結合する。鉄:ヒノキチオール錯体は、そのオクタノール−水分配係数によって決定されるように、無極性溶媒中に可溶性である。
【表2】
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【0456】
表3.ヒノキチオール結合及び輸送の選択性。ヒノキチオールは、抽出後の有機可溶性ヒノキチオール:金属錯体のICP−MS分析、かつ、リポソームからの金属流出の速度の決定によって決定されるように、多くの他の二価金属に結合し、輸送する。生物系における結合及び輸送の選択性は、細胞の内部の他の金属によりも不安定な鉄のメタロミクス存在度が高いため、高くなる可能性が高い。(参考文献33及び34を参照)。ND=未決定;値は、少なくとも3つの独立した実験の平均を表す。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0457】
表S4.異なるHino:Fe比のヒノキチオール:鉄錯体の標準酸化還元電位。2つの異なる酸化還元波は、ヒノキチオールのサイクリックボルタモグラム(CV)で観察された。酸化還元電位は、ヒノキチオール濃度の増加に伴って減少した。CVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、及び100μMのFe(NOを用いて、Hg電極、Ag/AgCl基準、及びグラファイト補助による100mV/sの走査速度で得られた。ND=未決定;値は、3つの独立した実験の平均を表す。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
表5.異なるpHのヒノキチオール:鉄錯体の標準酸化還元電位。1つの電子酸化還元プロセス(E)に対応する酸化還元波の酸化還元電位は、様々なpHで決定した。酸化還元電位は、pHの減少に伴って増加し、恐らくは、2:1または1:1ヒノキチオール:鉄錯体への種形成の増加によるものである。CVは、示されたpHの1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、及び500μMのヒノキチオール及び100μMのFe(NOを用いて、Hg電極、Ag/AgCl基準、及びグラファイト補助による100mV/sの走査速度で得られた。ND=未決定;値は、1〜3の独立した実験の平均を表す。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0459】
表6.NADPに関する異なる鉄錯体の酸化還元電位。酸化還元電位は、多くの異なる鉄:キレート剤錯体のサイクリックボルタンメトリーによって観察された。CVは、pH=7.2の1:1 MeOH:HOの0.1Mトリス緩衝液、及び500μMの小分子及び及び100μMのFe(NOを用いて、Hg電極、Ag/AgCl基準、及びグラファイト補助による100mV/sの走査速度で得られた。値は、1〜3の独立した実験の平均を表す。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0460】
表7.小分子毒性の評価。小分子処理の>24時間の後のWST−8アッセイによって決定されるように、異なる細胞型におけるヒノキチオール、C2deOHino、デフェリプロン、及びPIH EC90値。値は、3つの独立した実験の平均を表す。
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0461】
表8.Fe(Hino)(cm63dsa)の結晶データ及び構造精密化
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
参考文献
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【0463】
実施例2:ヒノキチオール誘導体の合成−β置換ブロミド
【化350】
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200mgのブロミドで約15個の誘導体を作製することができる。
【0464】
実施例3:ヒノキチオール誘導体の合成−100mgのスケール反応
【化351】
[この文献は図面を表示できません]
【0465】
実施例4:ヒノキチオールのモジュラー4工程の全合成
【化352】
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代替ボルネート:
【化353】
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式中、
Rは独立して、C1−20−アルキル、C2−20−アルケニル、C3−9−シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、各々は、未置換であるか、または、ハロ、NO、CN、C1−6−アルキル、C1−6−ハロアルキル、及びC1−6−アルコキシからなる群から選択される置換基で置換される。
【0466】
実施例5:ヒノキチオール誘導体一次ボロン酸の合成
【化354】
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【0467】
実施例6:ヒノキチオール誘導体の合成−親油性試験
【化355】
[この文献は図面を表示できません]
【0468】
実施例7:ヒノキチオール誘導体の合成
【化356】
[この文献は図面を表示できません]
【0469】
実施例8:ヒノキチオール誘導体の合成
【化357】
[この文献は図面を表示できません]
【0470】
実施例9:3−ブロモ、4−ブロモ、及び5−ブロモトロポロンの合成
【化358-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化358-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0471】
実施例10:ブロモトロポロンのクロスカップリング
【化359】
[この文献は図面を表示できません]
【0472】
実施例11:ヒノキチオール誘導体の合成−β置換ブロミド
【化360】
[この文献は図面を表示できません]
【0473】
実施例12:ヒノキチオール誘導体の合成−二次ボロン酸
【化361】
[この文献は図面を表示できません]
【0474】
実施例13:ヒノキチオール誘導体によるfetΔftr1Δ増殖の回復
【化362】
[この文献は図面を表示できません]
【0475】
実施例14:fetΔftr1Δ増殖の回復におけるヒノキチオール誘導体の構造−活性関係試験
この試験は、最適活性のための、トロポロン環上の炭化水素置換基のサイズの最適なウィンドウを特定する。側鎖が長くなりすぎると、具体的には、4個を超える炭素になると、欠如しているタンパク質鉄トランスポーター機能を置き換える能力において大きな損失がある。このデータセットは、炭化水素置換基(すなわち、1〜4個の炭素が、最適であると思われる)の最適なウィンドウの有界性に対する強力なエビデンスを付加する。(図25A〜25D)
【0476】
実施例15:ヒノキチオールは、FPN欠乏マウスの肝臓から鉄を放出する
フラットアイアンマウスにおける、鉄動員及び分布に対するヒノキチオールの効果を特徴付けるため、腹腔内(IP)注射を介して、用量(1〜50mg/kg)の増加に伴って、ヒノキチオールを投与した。投与の4時間後にマウスを安楽死させて、血液及び組織の範囲を回収した。肝臓非ヘム鉄の用量依存的減少が観察された。肝臓及び脾臓を含む様々な組織中の全鉄はさらに、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)によって測定した。データは、ヒノキチオール(10mg/kgで)によるフラットアイアンマウスの処理が、肝臓からの鉄を放出させることを示す(図26B)。これらのデータは、ヒノキチオールが、FPN欠乏マウスの肝臓から鉄を放出することを示す。他の組織は、非ヘム鉄中の還元を示唆するデータが得られた(図26C〜26E)。
【0477】
実施例16:テレビン油の注射によって誘導された低鉄血症は、ヒノキチオール処理によって軽減された
テレピン油(TO)の注射は、マウスにおける炎症を誘導する一般的な方法である。単回用量のTOは、十二指腸及び脾臓におけるFPNタンパク質レベルの下方調節(図27B)と付随して、肝臓におけるヘプシジンmRNAレベルを急速に増加させた(図27A)。結果として、鉄蓄積は、十二指腸及び脾臓で生じた。さらに、血清鉄は、ヘマトクリット値(図27D)に影響を与えることなく減少した(図27C)。TO注射によって誘導された低鉄血症は、ヒノキチオール処理によって軽減された一方、他のFDA承認薬は、その効果を提供できなかった(図27E)。
【0478】
実施例17:TOを用いた慢性AIの動物モデル
慢性AIは臨床的に関連するので、TOを用いた慢性AIの動物モデルを発生させて、最適化した。C57BL/6マウスにおいてTOの週1回注射を3週間することが、最良モデルであると分かった(図28A)。慢性炎症の際に、肝臓ヘプシジンの上方調節は、最後の注射の4日後に消失し、血清鉄は、ベースラインレベルに戻った(図28B)。しかしながら、脾臓及び十二指腸におけるFPN下方調節(図28C)及び組織鉄蓄積(図28D)は、少なくとも2週間持続した。重要なことに、貧血が発生した(図28E)。
【0479】
実施例18:fetΔftr1Δ増殖の回復におけるヒノキチオール誘導体の構造−活性関係試験
AIにおけるヒノキチオールの薬力学(効果)の評価に加えて、ヒノキチオールの薬物動態を特徴付けて、処理の最適な用量スキームをガイドした。腹腔内注射(図29A)及び強制経口投与(図29B)による単回用量は、ヒノキチオールの迅速な処分を示した。ヒノキチオールは、用量依存的な薬物動態を呈し;半減期の増加は、高用量(100mg/kg)で観察され、これは、ヒノキチオール代謝の飽和による可能性が高い。
【0480】
参照による組み込み
本明細書に記載した全てのUS特許及びUS及びPCT公開特許出願は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合は、ここに記載されている如何なる定義も含めて本出願が優先する。
【0481】
等価物
本発明の特定の実施形態について論述してきたが、上記明細書は例示的であって限定するものではない。本発明の多くの変形は、本明細書及び後述する特許請求の範囲を鑑みれば当業者には明らかなものである。本発明の完全な範囲は、特許請求の範囲、並びにその完全な範囲の等価物、及び明細書並びにその変形例を参照することにより決定されるべきである。
図1A
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【配列表】
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【国際調査報告】
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