【実施例】
【0220】
以下は、本発明の非限定的な化合物の合成を例示するものである。本発明の範囲内の追加の化合物は、これらの実施例に例示された方法を使用して、単独でまたは当技術分野で一般的に公知の技術と組み合わせて調製することができる。
【0221】
実験は、一般的には、特に酸素試薬または感湿試薬または中間体が利用される場合、不活性雰囲気(窒素またはアルゴン)下で行った。市販の溶媒および試薬は一般的にさらに精製せずに使用した。無水溶媒は、適切な場合には、一般的に、Acros Organics製AcroSeal(登録商標)製品、SIGMA−Aldrich製Aldrich(登録商標)Sure/Seal(商標)、またはEMD Chemicals製DriSolv(登録商標)製品を利用した。他の場合には、水に対する以下のQC基準が達成されるまで、市販の溶媒は、4Åモレキュラーシーブを充填したカラムに通した:a)ジクロロメタン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびテトラヒドロフランに対して<100ppm、b)メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、およびジイソプロピルアミンに対して<180ppm。非常に敏感な反応に対しては、溶媒は、金属のナトリウム、水素化カルシウム、またはモレキュラーシーブでさらに処理し、使用直前に蒸留した。生成物は、全般的に真空下で乾燥してから、さらなる反応に使用するか、または生物学的試験を施した。質量分析法データは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)、大気圧化学イオン化(APCI)またはガスクロマトグラフィー質量分析法(GCMS)装置から報告される。記号◆は、塩素同位体パターンが質量スペクトルにおいて観察されたことを表す。
【0222】
本発明の化合物の調製中、キラル分離を使用して、いくつかの中間体のエナンチオマーまたはジアステレオマーを分離した。キラル分離が完了した時点で、これらの溶出順序に従い分離したエナンチオマーをENT−1またはENT−2(またはDIAST−1またはDIAST−2)と命名した。一部の実施形態では、ENT−1またはENT−2と命名されたエナンチオマーは、出発材料として使用して、他のエナンチオマーまたはジアステレオマーを調製することができる。このような状況では、調製して得られたエナンチオマーは、これらの出発材料に従いそれぞれENT−X1およびENT−X2と命名される。同様に、調製したジアステレオマーは、DIAST−X1およびDIAST−X2(またはこれらの出発材料に従いDIAST−)とそれぞれ命名される。DIAST−YおよびDIAST−Z命名法は、複数の中間体を利用する合成で同様に使用されている。
【0223】
2つのキラル中心を有する化合物に対して、各立体中心において立体異性体を異なる時間で分離した。中間体または実施例のENT−1またはENT−2(またはDIAST−1またはDIAST−2)の命名は、そのステップで行われた分離に対する溶出の順序を指す。2つ以上の中心を持つ化合物においてキラル中心で立体異性体が分離した場合、分離したエナンチオマーは互いにジアステレオマーであることが認識されている。例として、ただしこれに限定されないが、実施例15および16は2つのキラル中心を有する。中間体C36が、中間体P17を与えるENT−1、および中間体P18を与えるENT−2へと分離された場合、シクロプロピル部分のキラル中心は分離される。次いで、P18をC70の調製に使用し、C70は、シクロプロピルキラル炭素において1つの立体異性体が富化されており、ジオキソラン炭素において立体異性体の混合となっていた。次いで、C70を、中間体C71を与える、ジオキソラン炭素におけるDIAST−Y1、および中間体C72を与える、ジオキソラン炭素におけるDIAST−Y2に分離した。これらの中間体は単一の立体異性体として富化されている。次いで、C71を使用して実施例15を調製した。実施例15は、2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X1、トリフルオロ酢酸塩[C71を介してP18から]の名称で特定される。これらの調製において、混合物を分離手順の対象下においた後、キラル中心は、分離したエナンチオマーはエナンチオマーとして純粋ではなくてもよいという了解の下、その中心付近の「abs」で特定する。通常、各キラル中心における富化されたエナンチオマーは単離した材料の90%超である。好ましくは、各中心における富化されたエナンチオマーは混合物の98%超である。
【0224】
いくつかの実施例では、旋光計を使用して、エナンチオマーの旋光度を測定した。その観察された旋光性データ(またはその比旋光度データ)によると、時計回りの旋光性を有するエナンチオマーは(+)−エナンチオマーと命名され、反時計回りの旋光性を有するエナンチオマーは(−)−エナンチオマーと命名された。ラセミ化合物は、描かれているまたは記載されている配置の不在、または構造に隣接する(+/−)の存在のいずれかにより示される。後者の場合、示された配置は、化合物の置換基の(絶対的というより)相対的な配置を表す。
【0225】
検出可能な中間体を介して進行する反応の後には、一般的にLCMSが行われ、その後の試薬の添加前に完全な変換まで進行することを可能にした。他の実施例または方法の手順を参照した合成に関しては、反応条件(反応時間および温度)は変動し得る。一般的に、反応に続いて薄層クロマトグラフィーまたは質量分析法を行い、適当な場合にはワークアップを行う。精製は実験により異なり得る。一般的に、溶出液/勾配に対して使用される溶媒および溶媒比は、適当なR
fsまたは保持時間が得られるように選択した。これらの調製および実施例におけるすべての出発材料は、市販のものであるか、または当技術分野で公知の方法または本明細書に記載されている通りに調製することもできる。
【0226】
調製P1
tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P1)
【0227】
【化37】
【0228】
ステップ1.2−ブロモ−6−[(4−クロロ−2−フルオロフェニル)(ヒドロキシ)メチル]フェノール(C1)の合成。
この実験は、同じスケールの2つのバッチで行った。反応混合物の温度を−60℃未満に維持しながら、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M溶液;32.8mL、82.0mmol)を、1−ブロモ−4−クロロ−2−フルオロベンゼン(17.2g、82.1mmol)のジエチルエーテル(100mL)中−70℃溶液にゆっくりと加えた。反応混合物を−70℃で20分間撹拌した後、反応温度を−60℃未満に維持しながら、ジエチルエーテル(100mL)中の3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(5.5g、27mmol)の溶液をゆっくりと加えた。−70℃でさらに1時間撹拌した後、塩化アンモニウム水溶液(50mL)を−70℃で添加することにより反応をクエンチし、生成した混合物を水(100mL)で希釈した。この時点で2つのバッチを合わせ、酢酸エチル(400mL)で抽出した。有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜7%酢酸エチル)により、C1を白色の固体として生成した。合わせた収率:15.7g、47.4mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.44 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.37 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H), 7.15 (br dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.12 - 7.05 (m, 2H), 6.80 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.31 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 4.9 Hz, 1H).
ステップ2.4−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール(C2)の合成。
【0229】
C1(15.7g、47.4mmol)のメタノール(450mL)中溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(25.4g、119mmol)の水(105mL)中溶液を加え、反応混合物を30℃で16時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(500mL)で希釈した後、これを水(500mL)で洗浄した。次いで、ジクロロメタン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル)を介した精製により、C2を白色の固体として得た。収率:10.0g、30.3mmol、64%。同じ方式ではあるが、より小さなスケールで行った実験から、以下の
1H NMRデータを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.67 - 7.61 (m, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.43 (br dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 8.3, 1.1 Hz, 1H), 7.01 (dd, J = 7.9, 1.1 Hz, 1H), 6.86 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C3)の合成。
【0230】
C2(8.00g、24.3mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(9.01g、29.1mmol)、炭酸ナトリウム(5.15g、48.6mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロ−パラジウム(II)[Pd(dppf)Cl
2;888mg、1.21mmol]の1,4−ジオキサン(80mL)および水(32mL)中懸濁液を含有する反応フラスコを真空排気し、窒素を投入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで反応混合物を90℃で16時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、残渣を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)との間で分割した。有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜4.3%酢酸エチル)で生成物を得た。これを、C2(2.00g、6.07mmol)を使用して行った類似の反応から得た材料と合わせて、C3を淡黄色のガム状物質として生成した。合わせた収率:10.3g、23.8mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (dd, J = 8.3, 7.8 Hz, 1H), 7.23 - 7.16 (m, 3H), 6.88 - 6.83 (m, 2H), 6.81 - 6.76 (m, 1H), 6.34 - 6.28 (br m, 1H), 4.10 - 4.05 (m, 2H), 3.61 (br dd, J = 6, 5 Hz, 2H), 2.59 - 2.50 (br m, 2H), 1.48 (s, 9H).
ステップ4.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P1)の合成。
【0231】
C3(10.3g、23.8mmol)およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(ウィルキンソン触媒;1.54g、1.66mmol)のメタノール(100mL)中溶液を水素(45psi)下、50℃で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を、珪藻土パッドを介して濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜9%酢酸エチル)の対象下においた。生成した材料を、C3(1.67g、3.87mmol)を使用して行った類似の反応から得たものと合わせて、無色のガム状物質としてP1を生成した。合わせた収率:10.3g、23.7mmol、86%。LCMS m/z 456.1◆[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.52 (dd, J = 8.5, 7.6 Hz, 1H), 7.23 - 7.17 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 6.83 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.78 - 6.69 (m, 2H), 4.35 - 4.10 (br m, 2H), 2.89 - 2.71 (m, 3H), 1.89 - 1.77 (m, 2H), 1.77 - 1.63 (m, 2H), 1.47 (s, 9H).
調製P2
tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P2)
【0232】
【化38】
【0233】
ステップ1.4−ブロモ−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール(C4)の合成。
3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(330g、1.75モル)のトルエン(1.5L)中溶液に、1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)エタノン(316g、1.83モル)およびp−トルエンスルホン酸(6.02g、35.0mmol)を加えた。反応装置にディーンスタークトラップを装着し、反応混合物を140℃で60時間加熱し、この時点で溶液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル)を使用して精製した。C4を黄色の油状物質と固体の混合物として得た。収率:158g、460mmol、26%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d): δ 7.54 (dd, J = 8.4, 8.4 Hz, 1H), 7.17 - 7.10 (m, 2H), 6.95 (dd, J = 7.9, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.70 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H), 2.11 (d, J = 1.1 Hz, 3H).
ステップ2.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C5)の合成。
【0234】
tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(62g、200mmol)および炭酸ナトリウム(100g、940mmol)を、C4(58.0g、169mmol)の1,4−ジオキサン(600mL)中溶液に加えた。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(6.0g、8.2mmol)の添加後、反応混合物を90℃に加熱し、16時間撹拌した。次いで、水(500mL)を加え、生成した混合物を酢酸エチル(2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(2×500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜9%酢酸エチル)によりC5を黄色の油状物質として得た。収率:56.0g、126mmol、75%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.50 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 6.83 - 6.77 (m, 2H), 6.74 (dd, ABXパターンの成分, J = 5.4, 3.6 Hz, 1H), 6.39 - 6.33 (br m, 1H), 4.14 - 4.08 (m, 2H), 3.70 - 3.56 (m, 2H), 2.66 - 2.45 (m, 2H), 2.07 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.50 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P2)の合成。
【0235】
C5(56.0g、126mmol)のメタノール(200mL)中溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(ウィルキンソン触媒;8.10g、8.75mmol)を加え、反応混合物を水素下(45psi)で18時間50℃に加熱した。次いで、これを25℃に冷却し、珪藻土を介して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを使用して2回精製して(第1のカラム−勾配:石油エーテル中0%〜9%酢酸エチル;第2のカラム−勾配:石油エーテル中0%〜2%酢酸エチル)、P2を黄色の固体として生成した。収率:37.0g、82.6mmol、66%。LCMS m/z 392.1◆[(M−2−メチルプロパ−1−エン)+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.51 (dd, J = 8.3, 8.0 Hz, 1H), 7.17 - 7.09 (m, 2H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.70 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.7, 1.3 Hz, 1H), 6.66 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 4.37 - 4.13 (br m, 2H), 2.92 - 2.73 (m, 3H), 2.05 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.90 - 1.63 (m, 4H), 1.49 (s, 9H).
調製P3
4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、p−トルエンスルホネート塩(P3)
【0236】
【化39】
【0237】
ステップ1.tert−ブチル4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C6)およびtert−ブチル4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C7)の単離。
【0238】
P2(75.2g、168mmol)のその構成成分エナンチオマーへの分離を、SFC(超臨界流体クロマトグラフィー)[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、5μm;移動相:4:1二酸化炭素/(0.2%1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール)]を介して行った。第1の溶出化合物をC6と命名し、第2の溶出エナンチオマーをC7と命名した。示された絶対配置は、C6から誘導されたC8に対して行った単結晶X線構造判定を基準にして帰属した(以下を参照されたい)。
【0239】
C6−収率:38.0g、84.8mmol、50%。保持時間3.64分間[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−H、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール;勾配:5%Bを1.00分間、次いで8.00分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール]。
【0240】
C7−収率:36.8g、82.2mmol、49%。保持時間4.19分間(C6に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
ステップ2.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、p−トルエンスルホネート塩(P3)の合成。
【0241】
C7(1.62g、3.62mmol)の酢酸エチル(36mL)中溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(791mg、4.16mmol)で処理し、45℃で加熱した。23時間後、反応混合物を室温まで冷却させておき、濾過を介して固体を収集した。これを、酢酸エチルとヘプタンの混合物(1:1、2×15mL)ですすいで、P3を白色の固体として生成した。収率:1.37g、2.63mmol、73%。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.53 (v br s, 1H), 8.29 (v br s, 1H), 7.65 - 7.55 (m, 2H), 7.47 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.88 - 6.81 (m, 2H), 6.75 - 6.68 (m, 1H), 3.42 - 3.33 (m, 2H), 3.11 - 2.93 (m, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.98 - 1.82 (m, 4H).
絶対配置の判定のための、C6の、4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、メタンスルホン酸塩(C8)への変換
【0242】
【化40】
【0243】
p−トルエンスルホン酸(377mg、2.19mmol)をC6(490mg、1.09mmol)の酢酸エチル(5.5mL)中溶液に加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。追加の酢酸エチルで希釈した後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、および塩化ナトリウム飽和水溶液で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。収率:375mg、1.08mmol、99%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.59 (dd, J = 8.3. 8.3 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (br dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.67 (m, 2H), 3.18 - 3.09 (m, 2H), 2.88 - 2.77 (m, 1H), 2.77 - 2.67 (m, 2H), 2.02 (d, J = 0.7 Hz, 3H), 1.85 - 1.73 (m, 4H).
この遊離塩基(4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン)の酢酸エチル中0.1M溶液を調製し、塩スクリーニングにかけた。メタンスルホン酸塩の形成のみをここで記載する。メタンスルホン酸(25μL、39μmol)と基質溶液(0.1M;0.25mL、25μmol)の混合物を終夜撹拌した。次いで、十分なメタノールを加えて、存在する固体を溶解し、酢酸エチル(3mL)を加えた。生成した溶液を、撹拌せずにゆっくりと蒸発させて、C8の結晶を生成した。これらのうちの1つを以下に記載されている単結晶X線構造判定に使用した。
【0244】
C8の単結晶X線構造判定
単結晶X線分析
Bruker D8 Quest回折計を用いて、データ収集を室温で実施した。データ収集はオメガおよびファイスキャンからなった。
【0245】
斜方晶クラス空間群P2
12
12
1において、SHELXソフトウエアスイートを使用して固有位相決定法により構造を解明した。続いて、完全行列最小二乗法で構造を精密化した。すべての非水素原子を発見し、異方性変位パラメーターを使用して精密化した。
【0246】
メタンスルホン酸塩の形成を、N1_H1X_O4プロトン移動を介して確認した。
窒素および酸素上に位置する水素原子をフーリエ示差マップから発見し、抑制された距離で精密化した。残留する水素原子を計算した位置に配置し、これらの担体原子上に乗せた。最終の精密化はすべての水素原子に対する等方性変位パラメーターを含んだ。
【0247】
尤度法(Hooft、2008年)を使用した絶対構造の分析を、PLATON(Spek)を使用して実施した。結果は、絶対構造が正しく帰属されたことを示している。この方法の計算では、構造が正しい確率は100%である。Hooftパラメーターは、esd0.0012で、0.02であると報告され、Parsonのパラメーターは、esd0.009で、0.07であると報告されている。C7における絶対配置は(R)と確認した。
【0248】
不斉単位は、C8のプロトン化遊離塩基の1個の分子と、脱プロトン化メタンスルホン酸の1個の分子とで構成される。最終R指数は4.6%であった。最終差異Fourierは、欠損したまたは誤った電子密度がないことを明らかにした。
【0249】
関連のある結晶、データ収集、および精密化情報が表Aに要約されている。原子座標、結合長、結合角度、および置換パラメーターは表B〜Dに列挙されている。
ソフトウエアおよび参考文献
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R. W. W. Hooft, L. H. Straver, and A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2008, 41, 96-103.
H. D. Flack, Acta Cryst. 1983, A39, 867-881.
【0250】
【表1】
【0251】
【表2】
【0252】
【表3-1】
【0253】
【表3-2】
【0254】
【表4】
【0255】
P3、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩の調製
4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(P3、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩)。
【0256】
【化41】
【0257】
C13、遊離塩基(519mg、1.49mmol)およびジ−p−トルオイル−L−酒石酸(278mg、0.719mmol)のアセトニトリル(7.5mL)中溶液を50℃で1.5時間撹拌した。混合物を0.2℃/分で室温まで冷却させた。室温で15時間後、混合物を65℃に加熱し、アセトニトリル(15mL)を投入した。混合物を0.2℃/分で室温まで冷却させた。室温で15時間後、混合物を54℃に加熱した。3時間後、固体を濾過によって収集し、真空オーブン内で、窒素下35℃で乾燥させて、P3、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を白色の固体として得た(217mg、0.296mmol、20%、82%ee)。
【0258】
50℃のP3、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩(217mg、0.296mmol、82%ee)のアセトニトリル(8.0mL)中溶液を0.2℃/分で室温まで冷却させた。15時間後、固体を濾過によって収集し、真空オーブン内、窒素下35℃で乾燥させて、P3、ジ−p−トルオイル−L−酒石酸塩を白色の固体として得た(190mg、0.259mmol、88%、88%ee)。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.9 - 8.5 (br s, 2H), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 7.64 - 7.54 (m, 2H), 7.34 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.87 - 6.78 (m, 2H), 6.69 (dd, J = 6.7, 2.5 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 3.37 - 3.28 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.05 - 2.89 (m, 3H), 2.33 (s, 6H), 2.02 (s, 3H), 1.92 - 1.80 (m, 4H).
保持時間:ピーク1(4.97分間、マイナー)およびピーク2(5.31分間、メジャー){カラム:Chiralpak IC−U 3.0×50mm、1.6μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:メタノール中0.1%イソプロピルアミン;勾配:10%Bで5.00分間、次いで45%Bで0.6分間;流速:1.7mL/分;逆圧:130バール}。
【0259】
調製P4
tert−ブチル4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P4)
【0260】
【化42】
【0261】
P2(2.00g、4.46mmol)、シアン化亜鉛(734mg、6.25モル)、亜鉛(70.1mg、1.07mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf;198mg、0.357mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(164mg、0.179mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(20mL)中懸濁液を120℃で16時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。濾液を水(50mL)と混合し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。次いで、合わせた有機層を水(30mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(20mL)で逐次的に洗浄し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル)により固体を生成し、これをアセトニトリル(15mL)および水(15mL)で処理し、凍結乾燥の対象下においた。これにより、P4を淡黄色の固体として得た。収率:1.17g、2.67mmol、60%。LCMS m/z 461.3[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) 7.71 (dd, J = 7.7, 7.6 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 10.0, 1.5 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.7, 7.6 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.68 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 4.37 - 4.14 (br m, 2H), 2.91 - 2.73 (m, 3H), 2.07 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 1.89 - 1.62 (m, 4H), 1.49 (s, 9H).
調製P5およびP6
4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール、ENT−1(P5)および4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール、ENT−2(P6)
【0262】
【化43】
【0263】
ステップ1.2−ブロモ−6−[ヒドロキシ(フェニル)メチル]フェノール(C9)の合成。
フェニルリチウム(1−ブトキシブタン中1.9M溶液;78.5mL、149mmol)を、3−ブロモ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(10.0g、49.7mmol)のテトラヒドロフラン(70mL)中−70℃溶液に、−60℃未満の反応温度を維持する速度でゆっくりと加えた。生成した懸濁液を−70℃で1時間撹拌し、次いで終夜室温まで温め、この時点でこれを0℃の塩化アンモニウム水溶液(30mL)に注ぎ入れた。この混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%酢酸エチル)により、C9を黄色の固体として得た。収率:6.11g、21.9mmol、44%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.45 - 7.28 (m, 6H), 7.22 - 7.18 (m, 1H), 7.06 (br d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H), 6.06 (br s, 1H), 2.89 (br s, 1H).
ステップ2.4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール(C10)の合成。
【0264】
C9(6.11g、21.9mmol)のメタノール(370mL)中溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(11.7g、54.7mmol)の水(175mL)中溶液を加えた。反応混合物を30℃で40時間撹拌し、この時点で真空下での濃縮を介して大部分のメタノールを除去した。生成した混合物をジクロロメタン(5×100mL)で抽出し、合わせた有機層を亜硫酸ナトリウム水溶液(100mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルによるクロマトグラフィー(溶出液:石油エーテル)により、C10を無色の油状物質として得た。収率:4.50g、16.2mmol、74%。LCMS m/z 278.5(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.62 - 7.57 (m, 2H), 7.49 - 7.43 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H).
ステップ3.4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール、ENT−1(P5)および4−ブロモ−2−フェニル−1,3−ベンゾジオキソール、ENT−2(P6)の単離。
【0265】
SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、10μm;移動相:3:1二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を使用してC10(5.00g、18.0mmol)を含むエナンチオマーを分離した。第1溶出エナンチオマーをENT−1(P5)と命名し、第2溶出エナンチオマーをENT−2(P6)と命名した。両方とも黄色の油状物質として得た。
P5収率:2.20g、7.94mmol、44%。LCMS m/z 277.0(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.51 - 7.42 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 6.80 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.8 Hz, 1H).保持時間3.28分間(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−H、4.6×150mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:5%〜40%Bを5.5分間;流速:2.5mL/分)。
P6収率:2.00g、7.22mmol、40%。LCMS m/z 276.9(臭素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 - 7.55 (m, 2H), 7.50 - 7.42 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 7.00 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.80 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H).保持時間3.73分間(P5に対して使用した条件と同一の分析用条件)。
【0266】
調製P7
tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P7)
【0267】
【化44】
【0268】
ステップ1.2−(4−ブロモ−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル)−5−クロロピリジン(C11)の合成。
5−クロロ−2−エチニルピリジン(1.80g、13.1mmol)、3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(2.47g、13.1mmol)、およびトリルテニウムドデカカルボニル(167mg、0.261mmol)のトルエン(25mL)中混合物を1分間脱気し、次いで100℃で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)で希釈し、珪藻土のパッドを介して濾過した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜1%酢酸エチル)を使用して精製して、C11を黄色の油状物質として得た。収率:1.73g、5.30mmol、40%。LCMS m/z 325.6(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.63 (dd, J = 2.4, 0.7 Hz, 1H), 7.71 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.60 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 0.7 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 8.0, 1.4 Hz, 1H), 6.76 (dd, ABXパターンの成分, J = 7.8, 1.4 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.0, 7.8 Hz, 1H), 2.10 (s, 3H).
ステップ2.tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C12)の合成。
【0269】
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(388mg、0.530mmol)を、C11(1.73g、5.30mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(1.64g、5.30mmol)、および炭酸セシウム(5.18g、15.9mmol)の1,4−ジオキサン(35mL)および水(6mL)中懸濁液に加えた。反応混合物を90℃で4時間撹拌し、この時点でこれを酢酸エチル(30mL)および水(5mL)を希釈した。有機層を真空中で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%酢酸エチル)の対象下において、C12を黄色のガム状物質として生成した。収率:1.85g、4.31mmol、81%。LCMS m/z 451.0◆[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.62 (dd, J = 2.5, 0.8 Hz, 1H), 7.69 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.57 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 0.8 Hz, 1H), 6.84 - 6.79 (m, 2H), 6.78 - 6.73 (m, 1H), 6.39 - 6.33 (br m, 1H), 4.13 - 4.07 (m, 2H), 3.68 - 3.58 (m, 2H), 2.60 - 2.51 (br m, 2H), 2.07 (s, 3H), 1.49 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(P7)の合成。
【0270】
C12(2.61g、6.08mmol)およびトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(ウィルキンソン触媒;563mg、0.608mmol)のメタノール(100mL)中溶液を真空下で脱気し、次いで水素でパージした。この排気−パージサイクルを合計3回行った。次いで、反応混合物を水素(50psi)下、60℃で16時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜10%酢酸エチル)を使用して残渣を精製した。生成した材料を、C12(110mg、0.256mmol)に対して行った類似の水素化から得た材料と合わせて、P7を淡黄色のガム状物質として得た。合わせた収率:2.05g、4.76mmol、75%。LCMS m/z 431.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.62 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.69 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.57 (d, AB四重線の半分, J = 8.4 Hz, 1H), 6.79 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.7 Hz, 1H), 6.72 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.3 Hz, 1H), 6.68 (br d, ABCパターンの成分, J = 7.9 Hz, 1H), 4.32 - 4.12 (br m, 2H), 2.91 - 2.73 (m, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.90 - 1.62 (m, 4H), 1.48 (s, 9H).
調製P8およびP9
tert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート、ENT−1(P8)およびtert−ブチル4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート、ENT−2(P9)
【0271】
【化45】
【0272】
SFC{カラム:Phenomenex Luxアミロース−1、5μm;移動相:9:1二酸化炭素/[0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール]}を使用した、P7(500mg、1.16mmol)のその構成成分エナンチオマーへの分離を実行した。第1溶出エナンチオマーをENT−1(P8)と命名し、第2溶出エナンチオマーをENT−2(P9)と命名した。
P8収率:228mg、0.529mmol、46%。保持時間4.00分間{カラム:Phenomenex Luxアミロース−1、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:[0.2%(メタノール中7Mアンモニア)を含有する2−プロパノール];勾配:5%Bで1.00分間、次いで8.00分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール}。
P9収率:229mg、0.531mmol、46%。保持時間4.50分間(P8に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0273】
調製P10
{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}酢酸(P10)
【0274】
【化46】
【0275】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、p−トルエンスルホネート塩(C13)の合成。
【0276】
P2(5.0g、11mmol)およびp−トルエンスルホン酸(4.81g、27.9mmol)の酢酸エチル(100mL)中溶液を60℃で2時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮して、C13を黄色のガム状物質として生成した。この材料をこれに続くステップでそのまま使用した。LCMS m/z 347.9◆[M+H]
+。
【0277】
ステップ2.エチル{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセテート(C14)の合成。
【0278】
炭酸カリウム(7.71g、55.8mmol)およびブロモ酢酸エチル(1.86g、11.2mmol)を、C13(過去のステップから得たもの;≦11mmol)のアセトニトリル(150mL)中溶液に加え、反応混合物を55℃で16時間撹拌した。次いでこれを濾過し、濾液を真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜30%酢酸エチル)を使用して精製して、C14を黄色のガム状物質として生成した。
1H NMR分析では、この材料は完全に純粋ではなかった。収率:3.57g、8.23mmol、2ステップにわたり75%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C14ピークのみ: δ7.52 (dd, J = 8.4, 8.0 Hz, 1H), 7.17 - 7.07 (m, 2H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.72 - 6.67 (m, 2H), 4.21 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.27 (s, 2H), 3.07 (m, 2H), 2.70 (tt, J = 12.1, 3.8 Hz, 1H), 2.35 (ddd, J = 11.5, 11.5, 2.7 Hz, 2H), 2.04 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 2.02 - 1.76 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
ステップ3.{4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}酢酸(P10)の合成。
【0279】
メタノール(80mL)とテトラヒドロフラン(40mL)の混合物中のC14(3.57g、8.23mmol)および水酸化ナトリウム水溶液(3M;13.7mL、41.1mmol)の溶液を25℃で16時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した後、1M塩酸の添加により、水性残渣をpH7に酸性化し、次いでジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、P10を黄色の固体として得た。収率:2.95g、7.27mmol、88%。LCMS m/z 406.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.61 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.29 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.22 (ddd, J = 8.4, 2.0, 0.8 Hz, 1H), 6.82 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.3, 7.1 Hz, 1H), 6.78 - 6.72 (m, 2H), 3.65 - 3.54 (br m, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.04 - 2.88 (m, 3H), 2.23 - 2.07 (m, 2H), 2.07 - 1.93 (m, 2H), 2.04 (d, J = 1.1 Hz, 3H).
調製P11
メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P11)
【0280】
【化47】
【0281】
ステップ1.メチル3−[(2−メトキシエチル)アミノ]−4−ニトロベンゾエート(C15)の合成。
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(50g、250mmol)のテトラヒドロフラン(400mL)中無色溶液に、トリエチルアミン(40.7g、402mmol、55.8mL)を加え、これに続いてテトラヒドロフラン(100mL)中の2−メトキシエタンアミン(30.2g、402mmol)を室温で滴下添加した。生成した黄色溶液を55℃で18時間撹拌した。溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮して、テトラヒドロフランを除去した。生成した黄色の固体を酢酸エチル(800mL)に溶解し、塩化アンモニウム飽和水溶液(250mL)で洗浄した。水相を分離し、酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3×250mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C15(60.2g、94%)を黄色の固体として生成した。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.23 (d, 1H), 8.17 (br s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.25 (dd, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.69-3.73 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 3.45 (s, 3H);LCMS m/z 255.4[M+H]
+。
【0282】
ステップ2.メチル4−アミノ−3−[(2−メトキシエチル)アミノ]ベンゾエート(C16)の合成。
C15(30g、118mmol)のメタノール(500mL)中溶液に、Pd/C(10g、94mmol)を加えた。この反応物を15psi水素下、室温で18時間撹拌した。黒色の懸濁液を、珪藻土を介して濾過し、フィルターケーキをメタノール(500mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮して、C16(26.5g、定量的)を褐色油状物質として得た。これを静置して固化した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.48 (dd, 1H), 7.36 (d, 1H), 6.69 (d, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.77 (br s, 2H), 3.68 (t, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.32 (t, 2H);LCMS m/z 224.7[M+H]
+。
【0283】
ステップ3.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P11)の合成。
C16(5.00g、22.3mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)中溶液に、2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(3.31mL、24.6mmol)を加え、これに続いてp−トルエンスルホン酸一水和物(84.8mg、0.446mmol)を加えた。反応混合物を45℃で5時間加熱し、この時点でこれを真空中で濃縮した。残留する油状物質を酢酸エチル(10mL)に溶解し、溶液が形成されるまで加熱した。これを、終夜室温まで冷却しながらゆっくりと撹拌した。濾過を介して、沈殿物を収集し、ヘプタンで洗浄して、P11を灰色の固体として生成した。収率:5.73g、20.3mmol、91%。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (br s, 1H), 8.01 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.96 (s, 2H), 4.52 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.74 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H).
ステップ4.メチル2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、塩酸塩(P11、HCl塩)の合成。
【0284】
C16(5.0g、24mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)中溶液を100℃に加熱し、クロロ酢酸無水物(4.1g、24.5mmol)の1,4−ジオキサン(60mL)中溶液を、滴下ロートを介して10時間にわたり加え、反応混合物を100℃でもう12時間撹拌した。翌日、反応物を室温に冷却し、1,4−ジオキサンを減圧下で除去した。粗製の反応混合物を酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。酢酸エチル層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。絶え間なく撹拌しながら、4M塩化水素の1,4−ジオキサン(1.1当量)中溶液を酢酸エチル溶液に加えた。P11の塩酸塩を薄黄色の固体として沈殿させた。懸濁液を1時間撹拌し、次いでP11の塩酸塩を濾過によって収集して、黄色の固体(6.1g、86%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CD
3OD) δ 8.64 (s, 1H), 8.30 (d, 1H), 7.92 (d, 1H), 5.32 (s, 2H), 4.84 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.83 (t, 2H), 3.31 (s, 3H).LCMS m/z 283.2[M+H]
+。
【0285】
調製P12
メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P12)
【0286】
【化48】
【0287】
ステップ1.メチル2−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C17)の合成。
【0288】
化合物P11(1.59g、5.62mmol)を、tert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(1.00g、5.37mmol)と炭酸カリウム(2.97g、21.5mmol)のアセトニトリル(15mL)中15℃混合物に加え、反応混合物を55℃で12時間撹拌した。次いでこれを、P11およびtert−ブチルピペラジン−1−カルボキシレート(200mg、1.07mmol)を使用して行った類似の反応物と合わせ、混合物を濾過した。濾液を真空中で濃縮した後、残渣を、シリカゲルによるクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%酢酸エチル)を介して精製して、C17を薄黄色の固体として得た。合わせた収率:2.30g、5.32mmol、83%。LCMS m/z 433.0[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.12 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.58 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 3.73 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 3.46 - 3.37 (br m, 4H), 3.28 (s, 3H), 2.54 - 2.44 (br m, 4H), 1.45 (s, 9H).
ステップ2.メチル1−(2−メトキシエチル)−2−(ピペラジン−1−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P12)の合成。
【0289】
C17(2.30g、5.32mmol)のジクロロメタン(80mL)中溶液に、塩化水素の酢酸エチル(20mL)中溶液を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液の添加によりpH9〜10に調節し、酢酸エチルとメタノールの混合物(10:1、15×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、P12を薄黄色の固体として生成した。収率:1.68g、5.05mmol、95%。LCMS m/z 332.8[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.13 (br s, 1H), 7.96 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.59 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.86 (s, 2H), 3.75 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.87 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.50 (br m, 4H).
調製P13
6−ブロモ−2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P13)
【0290】
【化49】
【0291】
ステップ1.5−ブロモ−N−(2−メトキシエチル)−2−ニトロピリジン−3−アミン(C18)の合成。
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロピリジン(400mg、1.81mmol)および2−メトキシエタンアミン(408mg、5.43mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液を25℃で2時間撹拌し、この時点でこれを酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(50mL)で洗浄した。有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮することによってC18を黄色の固体として生成した。収率:430mg、1.56mmol、86%。
【0292】
ステップ2.5−ブロモ−N
3−(2−メトキシエチル)ピリジン−2,3−ジアミン(C19)の合成。
メタノール(10mL)と水(2mL)の混合物中のC18(430mg、1.56mmol)、塩化アンモニウム(833mg、15.6mmol)、および鉄粉末(870mg、15.6mmol)の溶液を80℃で30分間撹拌した。生成した懸濁液を水(50mL)の中に注ぎ入れ、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、C19を褐色固体として得た。収率:350mg、1.42mmol、91%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.63 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.33 - 4.19 (br s, 2H), 3.65 (dd, J = 5.6, 4.6 Hz, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.22 (br t, J = 5 Hz, 2H).
ステップ3.6−ブロモ−2−(クロロメチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P13)の合成。
【0293】
C19(400mg、1.63mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中溶液を塩化クロロアセチル(0.284mL、3.57mmol)で処理し、LCMS分析がC19の中間体アミドへの完全な変換を示すまで室温で撹拌した。1,4−ジオキサンを真空下で除去した後、残渣をトリフルオロ酢酸(8mL)に溶解し、80℃で18時間加熱し、この時点で反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。生成した油状物質を酢酸エチル(50mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液の添加により中和した。水層を酢酸エチル(20mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中0%〜80%酢酸エチル)によりP13を固体として生成した。収率:176mg、0.578mmol、35%。LCMS m/z 306.1(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.58 (br s, 1H), 7.89 (br s, 1H), 4.92 (s, 2H), 4.44 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.71 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.28 (s, 3H).
調製P14
メチル2−{[4−(2,3−ジヒドロキシフェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P14)
【0294】
【化50】
【0295】
ステップ1.[(3−ブロモベンゼン−1,2−ジイル)ビス(オキシメタンジイルオキシエタン−2,1−ジイル)]ビス(トリメチルシラン)(C20)の合成。
同一スケールの2つのバッチでこの反応を行った。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.8mL、217mmol)を3−ブロモベンゼン−1,2−ジオール(10.0g、52.9mmol)のテトラヒドロフラン(300mL)中溶液に滴下添加した。混合物を20℃で10分間撹拌した後、[2−(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(19.2mL、108mmol)を5分間にわたり滴下添加し、撹拌を室温(18℃)で16時間継続した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(27.6mL、158mmol)を再度加え、これに続いて、[2−(クロロメトキシ)エチル](トリメチル)シラン(14.0mL、79.1mmol)を室温(18℃)で滴下添加した。室温でさらに2.5時間後、反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。この時点で、2つのバッチから得た粗生成物を合わせ、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜7%酢酸エチル)を使用して精製して、C20を無色の油状物質として生成した。
1H NMR分析によると、この材料は完全に純粋ではなかった。合わせた収率:22.9g、50.9mmol、48%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C20ピークのみ: δ7.19 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 8.3, 1.4 Hz, 1H), 6.90 (dd, J = 8.2. 8.2 Hz, 1H), 5.26 - 5.19 (m, 4H), 4.00 - 3.92 (m, 2H), 3.80 - 3.73 (m, 2H), 1.00 - 0.91 (m, 4H), 0.03 (s, 9H), 0.00 (s, 9H).
ステップ2.tert−ブチル4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(C21)の合成。
【0296】
C20(6.11g、13.6mmol)、tert−ブチル4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(5.04g、16.3mmol)、炭酸ナトリウム水溶液(1M;40.8mL、40.8mmol)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(497mg、0.679mmol)の1,4−ジオキサン(100mL)中懸濁液を含有する反応容器を真空排気し、窒素を投入した。この排気サイクルを2回繰り返し、次いで反応混合物を85℃で16時間撹拌し、この時点で反応混合物を水(40mL)で希釈し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜8%メタノール)を介した精製により、C21を黄色の油状物質として得た。収率:5.47g、9.91mmol、73%。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 7.10 (br d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.98 (dd, J = 7.9, 7.9 Hz, 1H), 6.81 (br d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.79 (br s, 1H), 5.23 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.03 (br s, 2H), 3.83 - 3.74 (m, 4H), 3.59 (br s, 2H), 2.52 (br s, 2H), 1.49 (s, 9H), 1.01 - 0.89 (m, 4H), 0.01 (s, 9H), 0.01 (s, 9H).
ステップ3.tert−ブチル4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(C22)の合成。
【0297】
C21(12.5g、22.6mmol)のメタノール(300mL)中溶液を10%パラジウム担持炭素(2.94g、2.76mmol)で処理し、40psiおよび25℃で16時間水素添加した。LCMS分析は、この時点で生成物:LCMS m/z 576.0[M+Na
+]への変換を示した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをメタノール(2×100mL)で洗浄した後、合わせた濾液を真空中で濃縮して、C22を無色の油状物質として生成した。収率:11.2g、20.1mmol、89%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.05 - 6.97 (m, 2H), 6.83 (dd, J = 6.9, 2.5 Hz, 1H), 5.22 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.38 - 4.10 (br m, 2H), 3.90 - 3.82 (m, 2H), 3.81 - 3.73 (m, 2H), 3.22 (tt, J = 12.2, 3.5 Hz, 1H), 2.79 (br dd, J = 12.8, 12.8 Hz, 2H), 1.78 (br d, J = 13 Hz, 2H), 1.65 - 1.52 (m, 2H), 1.48 (s, 9H), 1.04 - 0.91 (m, 4H), 0.03 (s, 9H), 0.00 (s, 9H).
ステップ4.4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン(C23)の合成。
【0298】
C22(7.23g、13.0mmol)のジクロロメタン(90mL)中室温(15℃)溶液に、2,6−ジメチルピリジン(2.39g、22.3mmol)を加え、これに続いてトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(3.80g、17.1mmol)を滴下添加した。反応混合物を15℃で16時間撹拌し、この時点で追加の2,6−ジメチルピリジン(909mg、8.48mmol)およびトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.45g、6.52mmol)を加えた。室温で(15℃)もう5時間撹拌した後、反応混合物のLCMS分析は生成物:LCMS m/z 454.1[M+H]
+の存在を示した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を塩化アンモニウム水溶液(3×100mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(100mL)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C23を褐色油状物質(6.6g)として生成した。この材料を以下のステップでそのまま使用した
ステップ5.メチル2−{[4−(2,3−ビス{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メトキシ}フェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C24)の合成。
【0299】
C23(前のステップからのもの;6.6g、≦13mmol)のアセトニトリル(150mL)中溶液に、P11(3.08g、10.9mmol)を加え、これに続いて炭酸カリウム(10.1g、73.1mmol)を加え、反応混合物を室温(15℃)で16時間撹拌した。LCMS分析はこの時点で生成物:LCMS m/z 700.2[M+H]
+の存在を示した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中34%〜56%酢酸エチル)を介した精製により、C24を黄色の油状物質として生成した。収率:5.4g、7.7mmol、2ステップにわたり59%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.16 - 8.12 (m, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.04 - 6.96 (m, 2H), 6.86 (dd, J = 6.7, 2.6 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H), 5.12 (s, 2H), 4.63 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.93 - 3.83 (m, 4H), 3.80 - 3.72 (m, 4H), 3.31 (s, 3H), 3.17 - 3.06 (m, 1H), 2.99 (br d, J = 11.2 Hz, 2H), 2.35 - 2.22 (m, 2H), 1.81 (br d, AB四重線の半分, J = 12.6 Hz, 2H), 1.75 - 1.61 (m, 2H), 1.04 - 0.91 (m, 4H), 0.05 (s, 9H), -0.01 (s, 9H).
ステップ6.メチル2−{[4−(2,3−ジヒドロキシフェニル)ピペリジン−1−イル]メチル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P14)の合成。
【0300】
塩化水素の1,4−ジオキサン(4M;96mL、384mmol)中溶液をC24(6.40g、9.14mmol)の1,4−ジオキサン(120mL)中室温(18℃)溶液に加えた。添加の完了後、反応混合物を室温で(18℃)で16時間撹拌し、C24(1.00g、1.43mmol)を使用して行った類似の反応物と合わせ、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタンとメタノール(20:1、150mL)の混合物で処理し、室温(18℃)で1時間撹拌し、この時点で固体(4.85g)を、濾過を介して収集した。この材料を水(100mL)で処理し、炭酸水素ナトリウム水溶液の添加により混合物をpH7〜8に調節し、室温(18℃)で30分間撹拌し、濾過した。フィルターケーキを水(2×20mL)で洗浄し、次いでメタノール(100mL)と混合し、真空中で濃縮した。生成した材料を石油エーテル(100mL)で処理し、室温(18℃)で30分間撹拌した。濾過後、フィルターケーキをトルエン(30mL)と混合し、真空中で濃縮して、P14を灰色の固体として得た。合わせた収率:2.92g、6.64mmol、63%。LCMS m/z 440.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.64 - 6.51 (m, 3H), 4.63 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 3.75 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 3.22 (s, 3H), 2.97 - 2.78 (m, 3H), 2.18 (br dd, J = 11, 11 Hz, 2H), 1.75 - 1.64 (m, 2H), 1.64 - 1.49 (m, 2H).
調製P15
メチル2−(クロロメチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P15)
【0301】
【化51】
【0302】
この全体の順序を大きな規模で行った。一般的に、反応前ならびに試薬の添加後、反応器を−0.08〜−0.05MPaに真空排気し、次いで窒素を標準圧まで充填した。このプロセスを総じて3回繰り返し、次いで、これが確実に≦1.0%となるように酸素含有量を評価した。抽出および有機層の洗浄のプロセスのため、混合物を総じて15〜60分間撹拌し、次いで、層の分離前に15〜60分間沈降させておいた。
【0303】
ステップ1.(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキセタン(C25)の合成。
この反応をおよそ同じスケールの3つのバッチで行った。2000Lのグラスライニング反応器に2−メチルプロパン−2−オール(774.7kg)を投入した。カリウムtert−ブトキシド(157.3kg、1402モル)を、固体滴下ロートを介して加え、混合物を30分間撹拌した。次いで、ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(308.2kg、1400モル)を同じ方式で加え、反応混合物を55℃〜65℃で2〜3時間加熱し、この時点で(2S)−2−[(ベンジルオキシ)メチル]オキシラン(92.1kg、561モル)を5〜20kg/時の速度で加えた。反応混合物を55℃〜65℃で25時間維持した後、これを25℃〜35℃に冷却し、珪藻土(18.4kg)を介して濾過した。フィルターケーキをtert−ブチルメチルエーテル(3×340kg)ですすぎ、合わせた濾液を5000L反応器に移し、精製水(921kg)で処理し、15℃〜30℃で15〜30分間撹拌した。次いで、塩化ナトリウム(230.4kg)の精製水(920.5kg)中溶液を使用して、有機層を2回洗浄し、≦45℃で、減圧下で濃縮した(≦−0.08MPa)。n−ヘプタン(187kg)を加え、生成した混合物を減圧下(≦−0.08MPa)、≦45℃で濃縮した。カラム上の塩化ナトリウム(18.5kg)を用いた、シリカゲルクロマトグラフィー(280kg)を使用して、有機相を精製した。n−ヘプタン(513kg)を使用するカラムに粗材料をロードし、次いで、n−ヘプタン(688.7kg)と酢酸エチル(64.4kg)の混合物で溶出した。3つのバッチを合わせて、C25を純度85%の淡黄色の油状物質(189.7kg、906mmol、54%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C25ピークのみ: δ7.40 - 7.32 (m, 4H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 4.98 (dddd, J = 8.1, 6.7, 4.9, 3.7 Hz, 1H), 4.72 - 4.55 (m, 4H), 3.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 11.0, 4.9 Hz, 1H), 3.62 (dd, ABXパターンの成分, J = 11.0, 3.7 Hz, 1H), 2.72 - 2.53 (m, 2H).
ステップ2.(2S)−オキセタン−2−イルメタノール(C26)の合成。
【0304】
3000Lステンレススチールオートクレーブ反応器内で、10%パラジウム担持炭素(30.7kg)を、滴下ロートを介して、純度85%のC25(前のステップからのもの;185.3kg、884.8モル)のテトラヒドロフラン(1270kg)中10℃〜30℃溶液に加えた。滴下ロートを精製水およびテトラヒドロフラン(143kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを同様に水素でパージし、圧力を0.3〜0.5MPaに上げ、次いで0.05MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.3〜0.4MPaに上げた。次いで、反応混合物を35℃〜45℃に加熱した。13時間後、水素圧力を0.3〜0.5MPaで維持しながら、混合物をベントして0.05MPaにし、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、窒素で5回パージした。混合物を10℃〜25℃に冷却した後、これを濾過し、反応器をテトラヒドロフラン(2×321kg)ですすいだ。フィルターケーキをこのすすぎ液に2回浸漬し、次いで濾過した。減圧(≦−0.06MPa)での濃縮を≦40℃で行い、テトラヒドロフラン(251kg)中C26(62.2kg、706モル、80%)を生成した。
【0305】
ステップ3.(2S)−オキセタン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート(C27)の合成。
4−(ジメチルアミノ)ピリジン(17.5kg、143モル)を、テトラヒドロフラン(251kg)、およびジクロロメタン(1240kg)中トリエチルアミン(92.7kg、916モル)中のC26(前のステップからのもの;62.2kg、706モル)の10℃〜25℃溶液に加えた。30分後、p−トルエンスルホニルクロリド(174.8kg、916.9モル)を20〜40分間の間隔で少しずつ加え、反応混合物を15℃〜25℃で16時間20分間撹拌した。精製水(190kg)を加えた。撹拌後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(53.8kgの炭酸水素ナトリウムおよび622kgの精製水を使用して調製)で洗浄し、次いで塩化アンモニウム水溶液(230kgの塩化アンモニウムおよび624kgの精製水を使用して調製)で洗浄した。精製水(311kg)での最終洗浄後、シリカゲル(60.2kg)を予め充填しておいたステンレススチールのNutscheフィルターを介して有機層を濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン(311kg)に20分間浸漬し、次いで濾過した。合わせた濾液を減圧(≦−0.05MPa)および≦40℃で濃縮し、330〜400Lが残留するまでこれを続けた。次いで、テトラヒドロフラン(311kg)を15℃〜30℃で加え、混合物を同じ方式で最終容量330〜400Lまで濃縮した。再び、容量330〜400Lになるまで、テトラヒドロフランの添加および濃縮を繰り返し、C27(167.6kg、692mmol、98%)のテトラヒドロフラン(251.8kg)中淡黄色溶液を生成した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C27ピークのみ: δ7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.91 (ddt, J = 8.0, 6.7, 3.9 Hz, 1H), 4.62 - 4.55 (m, 1H), 4.53 - 4.45 (m, 1H), 4.14 (d, J = 3.9 Hz, 2H), 2.75 - 2.63 (m, 1H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.44 (s, 3H).
ステップ4.(2S)−2−(アジドメチル)オキセタン(C28)の合成。
【0306】
3000Lグラスライニング反応器内で、N,N−ジメチルホルムアミド(473kg)、アジ化ナトリウム(34.7kg、534モル)、およびヨウ化カリウム(5.2kg、31モル)を10℃〜25℃で合わせた。テトラヒドロフラン(125.4kg)中C27(83.5kg、344.6モル)の添加後、反応混合物を55℃〜65℃に17時間40分間加熱し、この時点でこれを25℃〜35℃に冷却し、底部の弁から窒素を15分間バブリングした。次いで、tert−ブチルメチルエーテル(623kg)および精製水(840kg)を加え、生成した水層をtert−ブチルメチルエーテル(312kgおよび294kg)で2回抽出した。温度を10℃〜25℃で維持しながら、合わせた有機層を精製水(2×419kg)で洗浄して、上記有機層の溶液(1236.8kg)中にC28(31.2kg、276モル、80%)を生成した。
【0307】
ステップ5.1−[(2S)−オキセタン−2−イル]メタンアミン(C29)の合成。
3000Lステンレススチールオートクレーブ反応器内で、滴下ロートを介して、10%パラジウム担持炭素(3.7kg)を、C28[前のステップからのもの;1264kg(31.1kgのC28、275モル)]のテトラヒドロフラン(328kg)中10℃〜30℃溶液に加えた。滴下ロートをテトラヒドロフラン(32kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを同様に水素でパージし、圧力を0.05〜0.15MPaに上げ、次いで0.03〜0.04MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.05〜0.07MPaに上げた。反応温度を25℃〜33℃に上げ、水素圧力を0.05〜0.15MPaで22時間維持し、その間水素を3〜5時間ごとに交換した。次いで、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、混合物を窒素で5回パージした。濾過後、テトラヒドロフラン(92kgおよび93kg)を使用して反応器を洗浄し、次いでフィルターケーキを浸漬した。合わせた濾液を減圧(≦−0.07MPa)および≦45℃で濃縮して、テトラヒドロフラン(57.8kg)中のC29(18.0kg、207モル、75%)を生成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6), C29ピークのみ: δ 4.62 (ddt, J = 7.6, 6.6, 5.1 Hz, 1H), 4.49 (ddd, J = 8.6, 7.3, 5.6 Hz, 1H), 4.37 (dt, J = 9.1, 5.9 Hz, 1H), 2.69 (d, J = 5.1 Hz, 2H), 2.55 - 2.49 (m, 1H), 2.39 (m, 1H).
ステップ6.メチル4−ニトロ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエート(C30)の合成。
【0308】
100Lグラスライニング反応器内で、炭酸カリウム(58.1kg、420モル)をメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(54.8kg、275モル)のテトラヒドロフラン(148kg)中溶液に加え、混合物を10分間撹拌した。C29(29.3kg、336モル)のテトラヒドロフラン(212.9kg)中溶液を加え、反応混合物を20℃〜30℃で12時間撹拌し、この時点で酢酸エチル(151kg)を加え、混合物を、シリカゲル(29kg)を介して濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル(150kgおよび151kg)ですすぎ、合わせた濾液を減圧(≦−0.08MPa)および≦45℃で、容量222〜281Lまで濃縮した。混合物を10℃〜30℃に冷却した後、n−ヘプタン(189kg)を加え、撹拌を20分間行い、混合物を減圧(≦−0.08MPa)および≦45℃で容量222Lまで濃縮した。n−ヘプタン(181kg)を混合物に100〜300kg/時の基準速度で再度加え、撹拌を20分間継続した。混合物をサンプリングし、残留するテトラヒドロフランが≦5%になるまで、および残留する酢酸エチルが10%〜13%になるまでこれを続けた。混合物を40℃〜45℃に加熱し、1時間撹拌し、この時点でこれを毎時5℃〜10℃の速度で15℃〜25℃に冷却し、次いで15℃〜25℃で1時間撹拌した。ステンレススチール遠心分離を使用した濾過によりフィルターケーキを得た。これを酢酸エチル(5.0kg)とn−ヘプタン(34kg)の混合物ですすぎ、次いで、テトラヒドロフラン(724kg)と共に10℃〜30℃で15分間撹拌した。濾過により、C30(57.3kg、210モル、76%)で主として構成される黄色の固体を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) 8.34 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.13 (dd, J = 8.9, 1.8 Hz, 1H), 4.99 (dddd, J = 7.7, 6.7, 5.3, 4.1 Hz, 1H), 4.55 (ddd, J = 8.6, 7.3, 5.8 Hz, 1H), 4.43 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.67 - 3.61 (m, 2H), 2.67 (dddd, J = 11.1, 8.6, 7.7, 6.2 Hz, 1H), 2.57 - 2.47 (m, 1H).
ステップ7.メチル2−(クロロメチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P15)の合成。
【0309】
3000Lオートクレーブ反応器内で、C30(前のステップからのもの;51.8kg、190モル)のテトラヒドロフラン(678kg)中溶液を、10℃〜30℃で、10%パラジウム担持炭素(5.2kg)で処理した。添加パイプをテトラヒドロフラン(46kg)ですすぎ、すすぎ液を反応混合物に加えた。反応器の内容物を窒素でパージした後、これらを水素で同様にパージし、圧力を0.1〜0.2MPaに上げて、次いで0.02〜0.05MPaまでベントした。この水素パージを5回繰り返し、この時点で水素圧力を0.1〜0.25MPaに上げた。反応混合物を20℃〜30℃で撹拌し、2〜3時間ごとに、混合物を窒素で3回パージし、次いで水素で5回パージした。それぞれの最終水素交換後、水素圧力を0.1〜0.25MPaに上げた。全反応時間11.25時間後、反応混合物を標準圧までベントし、0.15〜0.2MPaへの圧力増加、次いで0.05MPaまでのベントを介して、窒素で5回パージした。次いで、これを濾過し、フィルターケーキをテトラヒドロフラン(64kgおよび63kg)で2回すすいだ。合わせたすすぎ液および濾液を減圧下(≦−0.08MPa)および≦40℃で容量128〜160Lまで濃縮した。テトラヒドロフラン(169kg)を加え、混合物を容量128〜160Lまで再度濃縮した。このプロセスを合計4回繰り返して、中間体メチル4−アミノ−3−{[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]アミノ}ベンゾエートの溶液を生成した。
【0310】
テトラヒドロフラン(150kg)をこの溶液に加え、これに続いて2−クロロ−1,1,1−トリメトキシエタン(35.1kg、227モル)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(1.8kg、9.5モル)を加えた。反応混合物を25分間撹拌した後、これを40℃〜45℃で5時間加熱し、この時点でこれを減圧下で容量135〜181Lまで濃縮した。2−プロパノール(142kg)を加え、混合物を再度容量135〜181Lまで濃縮し、この時点で2−プロパノール(36.5kg)および精製水(90kg)を加え、溶液が得られるまで撹拌を継続した。直列の液体フィルターを用いてこれを濾過し、次いで、150〜400kg/時の基準速度で、20℃〜40℃で、精製水(447kg)で処理した。混合物を20℃〜30℃に冷却した後、これを2時間撹拌し、遠心分離しながら濾過を介して固体を収集した。フィルターケーキを2−プロパノール溶液(20.5kg)および精製水(154kg)ですすいだ。乾燥後、P15を白色の固体(32.1kg、109モル、57%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 - 8.11 (m, 1H), 8.01 (dd, J = 8.5, 1.1 Hz, 1H), 7.79 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.66 - 4.58 (m, 2H), 4.53 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.7, 2.7 Hz, 1H), 4.34 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.82 - 2.71 (m, 1H), 2.48 - 2.37 (m, 1H).
調製P16
メチル2−(クロロメチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P16)
【0311】
【化52】
【0312】
メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(206mg、1.14mmol)を1,4−ジオキサン(11.5mL)に溶解し、塩化クロロアセチル(109μL、1.37mmol)で処理した。混合物を100℃で3時間撹拌し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.8mL、7mmol)およびヘプタン(10mL)を加え、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗材料をシリカゲルによるクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン中40%酢酸エチル)により精製して、120mgのP16(44%)を生成した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.14 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 4.87 (s, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.94 (s, 3H);LCMS m/z 239.1[M+H]
+。
【0313】
調製P17およびP18
メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(P17)およびメチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(P18)
【0314】
【化53】
【0315】
ステップ1.tert−ブチル4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジン−1−カルボキシレート(C31)の合成。
カリウムtert−ブトキシド(65.9g、587mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)中溶液を、エチル(ジエトキシホスホリル)アセテート(132g、589mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)中0℃溶液に加え、生成した懸濁液を0℃で1時間撹拌し、この時点でこれを−50℃に冷却した。tert−ブチル4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(90.0g、452mmol)のテトラヒドロフラン(1.5L)中溶液を−50℃で滴下添加し、続いて反応混合物を20℃までゆっくりと温め、次いで20℃で16時間撹拌した。水(1L)の添加後、混合物を真空中で濃縮して、テトラヒドロフランを除去した。水性残渣を酢酸エチル(2×800mL)で抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成した材料を石油エーテル(200mL)で数回洗浄して、C31を白色の固体として得た。収率:95.0g、353mmol、78%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 5.71 (s, 1H), 4.16 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.55 - 3.43 (m, 4H), 2.94 (br t, J = 5.5 Hz, 2H), 2.28 (br t, J = 5.5 Hz, 2H), 1.47 (s, 9H), 1.28 (t, J = 7.0 Hz, 3H).
ステップ2.6−tert−ブチル1−エチル6−アザスピロ[2.5]オクタン−1,6−ジカルボキシレート(C32)の合成。
【0316】
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(140g、636mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)中溶液に、一度に20℃でカリウムtert−ブトキシド(71.2g、634mmol)を加えた。反応混合物を20℃で1.5時間撹拌した後、C31(95.0g、353mmol)のジメチルスルホキシド(800mL)中溶液を滴下添加し、20℃で16時間撹拌を継続した。次いで、塩化ナトリウム飽和水溶液(2.0L)を加えた。生成した混合物を塩化アンモニウムの添加により中和し、酢酸エチル(3.0L)で抽出した。合わせた有機層を水(2×1.0L)および塩化ナトリウム飽和水溶液(2.0L)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:10:1石油エーテル/酢酸エチル)を介した精製により、C32を黄色の油状物質として生成した。
1H NMR分析は、外来の脂肪族材料が存在することを示した。収率:80g、280mmol、79%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d), C32ピークのみ: δ4.19 - 4.09 (m, 2H), 3.55 - 3.39 (m, 3H), 3.27 (ddd, J = 13.0, 7.0, 4.5 Hz, 1H), 1.76 - 1.64 (m, 2H), 1.56 (dd, J = 8.0, 5.5 Hz, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 1.47 (s, 9H), 1.47 - 1.37 (m, 2H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.17 (dd, J = 5.0, 5.0 Hz, 1H), 0.93 (dd, J = 8.0, 4.5 Hz, 1H).
ステップ3.6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−1−カルボン酸(C33)の合成。
【0317】
C32(80g、280mmol)のテトラヒドロフラン(500mL)と水(500mL)中混合物に、水酸化リチウム一水和物(37.4g、891mmol)を一度に加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(600mL)で希釈し、酢酸エチル(3×300mL)で洗浄した。有機層を廃棄し、6M塩酸の添加により水層をpH3〜4に酸性化した。生成した混合物を酢酸エチル(3×600mL)で抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。石油エーテル(300mL)を用いた残渣の摩砕により、C33を白色の固体として得た。収率:42.0g、164mmol、59%。LCMS m/z 278.2[M+Na
+]。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.15 - 12.03 (br s, 1H), 3.43 - 3.25 (m, 3H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.23 - 3.12 (m, 1H), 1.64 - 1.50 (m, 2H), 1.52 (dd, J = 7.5, 5.5 Hz, 1H), 1.39 (s, 9H), 1.39 - 1.28 (m, 2H), 0.96 - 0.88 (m, 2H).
ステップ4.tert−ブチル1−({4−(メトキシカルボニル)−2−[(2−メトキシエチル)アミノ]フェニル}カルバモイル)−6−アザスピロ[2.5]オクタン−6−カルボキシレート(C34)の合成。
【0318】
C33(570mg、2.23mmol)、C16(500mg、2.23mmol)、およびO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU;1.27g、3.34mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中溶液を30℃で30分間撹拌し、この時点でトリエチルアミン(902mg、8.91mmol)を加え、撹拌を30℃で16時間継続した。次いで、反応混合物を水(60mL)の中に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(3×50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:1:1石油エーテル/酢酸エチル)により、C34を褐色油状物質として生成した。これを以下のステップでそのまま使用した。
【0319】
ステップ5.メチル2−[6−(tert−ブトキシカルボニル)−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C35)の合成。
【0320】
C34(前のステップからのもの、≦2.23mmol)の酢酸(15mL)中溶液を50℃で16時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮して、C35を褐色油状物質として得た。これの材料を次のステップでそのまま使用した。LCMS m/z 444.1[M+H]
+。
【0321】
ステップ6.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C36)の合成。
【0322】
トリフルオロ酢酸(5mL)を、C35(前のステップからのもの、≦2.23mmol)のジクロロメタン(10mL)中溶液に加え、反応混合物を25℃で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去後、飽和水性炭酸カリウム溶液(40mL)の添加を介して、残渣を塩基性化し、ジクロロメタンとメタノール(10:1、3×40mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:10:1:0.1ジクロロメタン/メタノール/濃縮水酸化アンモニウム)の対象下において、C36を黄色の固体として得た。収率:640mg、1.86mmol、3つのステップにわたり83%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。
【0323】
ステップ7.メチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(P17)およびメチル2−(6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(P18)の単離。
【0324】
SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:55:45二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、C36(630mg、1.83mmol)の、その構成成分エナンチオマーへの分離を行った。第1溶出ピークをENT−1(P17)と命名し、第2溶出エナンチオマーをENT−2(P18)と命名した。両方を薄黄色の固体として単離した。
【0325】
P17収率:300mg、0.874mmol、48%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。保持時間:5.10分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで3.0分間保持;流速:2.5mL/分)。
【0326】
P18収率:240mg、0.699mmol、38%。LCMS m/z 344.1[M+H]
+。保持時間:7.35分間(P17に対して使用されたものと同一の分析用条件)。
【0327】
調製P19
メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P19)
【0328】
【化54】
【0329】
ステップ1.メチル3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C37)の合成。
トリエチルアミン(3.65mL、26.2mmol)を、テトラヒドロフラン(12mL)とメタノール(8mL)の混合物中のメチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.00g、5.02mmol)および1−(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン、二塩化水素化物塩(1.00g、5.05mmol)の溶液に加えた。反応混合物を60℃で40時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜2%メタノール)を使用して精製して、C37をオレンジ色の固体として得た。収率:1.27g、4.17mmol、83%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.24 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.98 - 7.91 (m, 1H), 7.68 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.57 (br s, 1H), 7.33 (dd, J = 8.8, 1.7 Hz, 1H), 7.11 (br s, 1H), 4.53 (d, J = 4.9 Hz, 2H), 3.99 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 1.47 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(P19)の合成。
【0330】
湿性パラジウム担持炭素(144mg)およびC37(412mg、1.35mmol)のメタノール(13mL)中混合物を水素バルーン下、25℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を、珪藻土のパッドを介して濾過し、濾液を真空中で濃縮して、P19を灰色の固体として得た。収率:340mg、1.24mmol、92%。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.66 (br s, 1H), 7.38 - 7.29 (m, 2H), 6.97 (br s, 1H), 6.67 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 4.35 (s, 2H), 4.11 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H), 1.44 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
調製P20
メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(P20)
【0331】
【化55】
【0332】
ステップ1.メチル3−(メチルアミノ)−4−ニトロベンゾエート(D1)の合成。
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(5.10g、25.6mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)中溶液に、メチルアミン(38.4mL、76.8mmol、テトラヒドロフラン中2M)を10分間にわたり滴下添加した。添加により、薄黄色の溶液は直ちに深いオレンジ色に変わり、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、有機層を水(50mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(50mL)で逐次的に洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5.26gのメチル3−(メチルアミノ)−4−ニトロベンゾエート(98%)を深いオレンジ色の固体として生成した。LCMS m/z 211.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.22 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 8.00 (br s, 1H), 7.56 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 8.9, 1.7 Hz, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.95 (s, 3H), 3.09 (d, J = 5.1 Hz, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−(メチルアミノ)ベンゾエート(P20)の合成。
【0333】
D1(5.26g、25.0mmol)のエタノール(150mL)中溶液を、10%パラジウム担持炭素(50%水;1g)を事前に投入しておいた500mLのParr(登録商標)ビンに加えた。混合物を50psi水素雰囲気下、室温で1時間振盪し、この時点でこれを濾過し、フィルターケーキをエタノール(100mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮して、4.38gのP20(97%)をオフホワイト色の固体として生成した。LCMS m/z 181.1[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.46 (dd, J = 8.0, 1.9 Hz, 1H), 7.34 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.68 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.72 (br s, 2H), 3.21 (br s, 1H), 2.91 (s, 3H).
調製P21およびP22
5−ブロモ−N
3−メチルピリジン−2,3−ジアミン(P21)および5−ブロモ−N
3,6−ジメチルピリジン−2,3−ジアミン(P22)
【0334】
【化56】
【0335】
中間体P21を、文献の手順(Choi、J.Y.ら、J.Med.Chem.、2012年、55巻、852〜870頁)に従い合成した。同法を使用して中間体P22を合成した。
【0336】
調製P23
メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート
(P23)
【0337】
【化57】
【0338】
ステップ1.メチル3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(D2)の合成。
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(1.0g、5.0mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中無色の溶液に、1−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メタンアミン(670mg、6.0mmol)およびトリエチルアミン(762mg、7.53mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を60℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(30mL)の中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン中20%メタノール)で精製した。得られた黄色の固体を30:1石油エーテル/酢酸エチルで粉砕すると、D2(1.2g、82%)が黄色の固体としてもたらされた。LCMS m/z 290.9[M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.25 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 1H), 7.70 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.34 (dd, J = 8.9, 1.7 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 4.54 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.67 (s, 3H).
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(D3)の合成。
【0339】
D2(5.46g、18.8mmol)のメタノール(160mL)中懸濁液に、湿性の10%パラジウム担持炭素(1g)を加えた。混合物を水素1雰囲気下、20℃で36時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターケーキをメタノール(200mL)ですすいだ。濾液を減圧下で濃縮すると、D3(4.8g、98%)が褐色固体としてもたらされた。LCMS m/z 260.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 7.56 (s, 1H), 7.18 (br d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.12 (br s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.55 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.50 (s, 2H), 4.84 (t, J = 5.2 Hz, 1H), 4.23 (d, J = 5.0 Hz, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.63 (s, 3H).
ステップ3.メチル2−(ヒドロキシメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(D4)の合成。
【0340】
D3(780mg、3.00mmol)および2−ヒドロキシ酢酸(342mg、4.49mmol)の1,3,5−トリメチルベンゼン(8mL)中混合物を140℃で14時間撹拌し、25℃で48時間撹拌した。透明な黄色の溶液をデカントして、褐色残渣を得た。これをメタノール(50mL)に溶解し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタン中20%メタノール)で精製して、D4(318mg、35%)を黄色の泡状物質として得た。LCMS m/z 300.9[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 - 8.11 (m, 1H), 7.83 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.58 (s, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.75 (s, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.53 (s, 3H).
ステップ4.メチル2−(クロロメチル)−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(P23)の合成。
【0341】
D4(500mg、1.66mmol)のジクロロメタン(10mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中懸濁液に、塩化チオニル(990mg、0.60mL、8.32mmol)を室温で滴下添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。生成した褐色残渣をジクロロメタン(10mL)で粉砕した。固体を濾過によって収集し、ジクロロメタン(5mL)ですすいで、P23(431mg、73%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS m/z 318.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.17 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.93 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 5.92 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.87 (s, 3H).
調製P24
5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P24)
【0342】
【化58】
【0343】
ステップ1.6−クロロ−N−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(D5)の合成。
2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(200g、1.04モル)およびNa
2CO
3(132g、1.24モル)のエタノール(1L)中懸濁液に、メチルアミンのテトラヒドロフラン(2.0M;622mL,1.24モル)中溶液を、シリンジを介して0℃で滴下添加した。添加の完了後、反応混合物を18℃で6時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜5%酢酸エチル)で精製して、D5(158g、81%収率)を黄色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.72 (br s, 1H), 8.41 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 3.00 (d, J = 4.8 Hz, 3H).
ステップ2.6−クロロ−N
2−メチルピリジン−2,3−ジアミン(D6)の合成。
【0344】
D5(15.8g、84.2mmol)の酢酸(100mL)中混合物に、鉄粉末(15.4g、276mmol)を加えた。反応混合物を80℃で3時間撹拌し、この時点でこれを室温に冷却し、濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル(2×100)で洗浄した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液:1:1酢酸エチル/石油エーテル)で精製して、D6(8.40g、63%収率)を褐色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.79 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.00 (s, 3H).
ステップ3.5−クロロ−2−(クロロメチル)−3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(P24)の合成。
【0345】
D6(50.0g、317mmol)の1,4−ジオキサン(1.2L)中溶液に、塩化クロロアセチル(55.5mL、698mmol)を加え、反応混合物を15℃で50分間撹拌した。次いでこれを減圧下で濃縮して、褐色固体を得た。これをトリフルオロ酢酸(1.2L)に溶解させ、80℃で60時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、褐色油状物質を得た。これを酢酸エチル(1L)で希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液の添加で中和した。二酸化炭素の発生が弱まったら、層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗材料をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中10%〜25%酢酸エチル)で精製して、P24(61.0g、79%収率)を黄色の固体として得た。LCMS m/z 215.7(ジクロロ同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.13 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 3.84 (s, 3H).
実施例1および実施例2
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ENT−X1、トリフルオロ酢酸塩(1)[C39から];および2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ENT−X2、トリフルオロ酢酸塩(2)[C40から]
【0346】
【化59】
【0347】
ステップ1.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C38)の合成。
【0348】
この実験は同一のスケールの2つのバッチで行った。C2(500mg、1.52mmol)、P12(530mg、1.59mmol)、[2’,6’−ビス(プロパン−2−イルオキシ)ビフェニル−2−イル](ジシクロヘキシル)ホスファン(Ruphos;142mg、0.304mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(139mg、0.152mmol)、および炭酸セシウム(1.48g、4.54mmol)のトルエン(15mL)中混合物を含有する反応容器を真空排気し、窒素を投入した。この排気サイクルを2回繰り返し、この時点で反応混合物を100℃で16時間撹拌し、第2のバッチと合わせ、濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜60%酢酸エチル)の対象下におき、これに続いて分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:1:1石油エーテル/酢酸エチル)の対象下において、C38を薄黄色の固体として得た。合わせた収率:600mg、1.03mmol、34%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。
【0349】
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(C39)およびメチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(C40)の単離。
【0350】
SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウム)を含有するエタノール]を使用して、C38(780mg、1.34mmol)の、その構成成分エナンチオマーへの分離を実行した。ENT−1(C39)と命名された第1溶出エナンチオマーを白色の固体として得た。収率:282mg、0.485mmol、36%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。保持時間1.90分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×50mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5%Bで0.20分間、次いで1.4分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで1.05分間保持;流速:4.0mL/分)。
【0351】
ENT−2と命名された第2溶出エナンチオマー(C40)を、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、第2の精製の対象下においた。これにより、C40を薄茶色の固体として得た。収率:280mg、0.482mmol、36%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。保持時間2.18分間(C39に対して使用された条件と同一の分析用条件)。
【0352】
ステップ3.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ENT−X1、トリフルオロ酢酸塩(1)[C39から]の合成。
【0353】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.30mL、0.60mmol)を、メタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物中のC39(70mg、0.12mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水酸化リチウム水溶液(2M;0.30mL、0.60mmol)を再度加え、撹拌をさらに20時間継続した。次いで、1M塩酸の添加を介して反応混合物をpH7に調節し、続いて真空中で濃縮して、メタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。トリフルオロ酢酸の添加により、残渣をpH5〜6に調節し、次いで逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜60%B)を介して精製して、1を白色の固体として得た。収率:40.5mg、59.5μmol、50%。LCMS m/z 567.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.37 (br s, 1H), 8.07 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.30 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.87 (dd, J = 8.1, 8.1 Hz, 1H), 6.63 (br d, J = 8 Hz, 1H), 6.60 (br d, J = 8 Hz, 1H), 4.70 (s, 2H), 4.65 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.75 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.59 - 3.42 (m, 8H), 3.29 (s, 3H).
ステップ4.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペラジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ENT−X2、トリフルオロ酢酸塩(2)[C40から]の合成。
【0354】
メタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物中の水酸化リチウム水溶液(2M;0.30mL、0.60mmol)を、C40(69mg、0.12mmol)の溶液に加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した後、水酸化リチウム水溶液(2M;0.30mL、0.60mmol)を再度加え、撹拌をさらに20時間継続した。1M塩酸の添加を介して、反応混合物をpH7に調節し、次いで真空中で濃縮して、メタノールおよびテトラヒドロフランを除去した。トリフルオロ酢酸の添加により、残渣をpH5〜6に調節し、続いて逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜60%B)を介して精製して、2を白色の固体として得た。収率:22.9mg、33.6μmol、28%。LCMS m/z 567.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.40 - 8.35 (m, 1H), 8.07 (dd, J = 8.6, 1.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.31 (br dd, J = 8, 2 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.87 (dd, J = 8.3, 8.0 Hz, 1H), 6.63 (br d, J = 8 Hz, 1H), 6.60 (br d, J = 8 Hz, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.65 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.76 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.57 - 3.40 (m, 8H), 3.29 (s, 3H).
実施例3
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(3)
【0355】
【化60】
【0356】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン(C13、遊離塩基)の合成。
P2(300mg、0.670mmol)の酢酸エチル(3.5mL)中溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(318mg、1.67mmol)を加えた。反応混合物を60℃で1時間撹拌し、この時点でこれを炭酸カリウム飽和水溶液(20mL)の添加により塩基性化し、ジクロロメタンとメタノール(10:1、3×50mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C13、遊離塩基を褐色固体として得た。収率:230mg、0.661mmol、99%。
【0357】
ステップ2.6−ブロモ−2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(C41)の合成。
【0358】
C13、遊離塩基(130mg、0.374mmol)、P13(130mg、0.427mmol)、および炭酸カリウム(172mg、1.24mmol)のアセトニトリル(2mL)中懸濁液を50℃で16時間撹拌した。次いで、分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル)を使用して反応混合物を精製して、C41を褐色油状物質として得た。収率:114mg、0.185mmol、49%。LCMS m/z 617.1(臭素−塩素同位体パターンが観察された)[M+H]
+。
【0359】
ステップ3.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボキシレート(C42)の合成。
【0360】
メタノール(5mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)の混合物中のC41(114mg、0.185mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(15.3mg、37.1μmol)、酢酸パラジウム(II)(8.3mg、37μmol)、およびトリエチルアミン(187mg、1.85mmol)の溶液を一酸化炭素(50psi)下、80℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈した後、これを塩化ナトリウム飽和水溶液(2×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル)を使用した精製により、C42を無色の油状物質として得た。収率:60.0mg、0.101mmol、55%。LCMS m/z 617.2(塩素同位体パターンが観察された[M+Na
+]。
【0361】
ステップ4.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−(2−メトキシエチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸、トリフルオロ酢酸塩(3)の合成。
【0362】
C42(60.0mg、0.101mmol)のメタノール(2.0mL)中溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(3M;1.0mL、3.0mmol)を加え、反応混合物を20℃で2時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、これをpH7に調節し、ジクロロメタンとメタノール(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜95%B)を使用して精製して、3を白色の固体として得た。収率:29.6mg、42.6μmol、42%。LCMS m/z 581.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 9.13 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.74 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.63 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.24 (ddd, J = 8.4, 2.0, 0.7 Hz, 1H), 6.89 - 6.84 (m, 1H), 6.82 - 6.77 (m, 2H), 4.98 - 4.89 (m, 2H, 推定; 水ピークにより著しく不明確), 4.64 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 4.04 - 3.92 (br m, 2H), 3.75 (dd, J = 5.4, 4.2 Hz, 2H), 3.51 - 3.39 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.19 - 3.06 (m, 1H), 2.41 - 2.24 (m, 2H), 2.24 - 2.12 (m, 2H), 2.06 (d, J = 1.0 Hz, 3H).
実施例4および実施例5
アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(4)およびアンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5)
【0363】
【化61】
【0364】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、トリフルオロ酢酸塩(C43)の合成。
P1(300mg、0.691mmol)のジクロロメタン(5mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(1.3mL)を加えた。反応混合物を29℃で2時間撹拌し、この時点でこれを真空中で濃縮して、C43を褐色油状物質として得て、これを以下のステップでそのまま使用した。
【0365】
ステップ2.メチル2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C44)およびメチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C45)の合成。
【0366】
C43(前のステップからのもの、≦0.691mmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液にP15(204mg、0.692mmol)を加え、これに続いて炭酸カリウム(956mg、6.92mmol)を加えた。反応混合物を29℃で16時間撹拌し、この時点でこれを濾過した。濾液を真空中で濃縮して残渣を得た。これを分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:2:1石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、ジアステレオマー生成物の混合物を黄色のガム状物質(178mg)として得た。SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:55:45二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を介して2つの生成物への分離を行った。黄色の油状物質として得た第1溶出ジアステレオマーをC44と命名した。収率:44.3mg、74.8μmol、2ステップにわたり11%。LCMS m/z 592.1◆[M+H]
+。保持時間4.26分間(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:4.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで2.5分間保持した;流速:2.8mL/分)。
【0367】
第2溶出ジアステレオマーを、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するメタノール)]を介した第2の精製の対象下において、第2溶出ジアステレオマーを無色の油状物質として得た。これをC45と命名した。収率:38mg、64μmol、2ステップにわたり9%。LCMS m/z 592.1◆[M+H]
+。保持時間4.41分間(C44に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0368】
ジオキソランにおいて示された絶対的立体化学は、5と、5の試料、中間体C48から合成した遊離酸との作用強度の相関関係を介して帰属された。その中間体の絶対配置はC49、C48のヘミ硫酸塩の単結晶X線構造判定(以下を参照されたい)を介して決定した。
【0369】
ステップ3.アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(4)の合成。
【0370】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.80mL、1.6mmol)を、メタノール(1mL)とテトラヒドロフラン(1mL)の混合物中のC44(44.3mg、74.8μmol)の溶液に加え、反応混合物を26℃で3時間撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸の添加によりこれをpH7に調節し、生成した混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜50%B)を使用して精製して、4を白色の固体として得た。収率:26.6mg、44.7μmol、60%。LCMS m/z 578.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.31 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.1, 2.0 Hz, 1H), 7.29 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.86 - 6.79 (m, 1H), 6.77 (br dd, ABCパターンの成分, J = 7.9, 1.3 Hz, 1H), 6.73 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 5.29 - 5.18 (m, 1H), 4.9 - 4.78 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.68 (dd, J = 15.3, 2.7 Hz, 1H), 4.54 (td, J = 8.0, 5.9 Hz, 1H), 4.44 (dt, J = 9.2, 5.9 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 49.0 Hz, 2H), 3.18 - 3.08 (m, 1H), 3.05 - 2.96 (m, 1H), 2.81 - 2.68 (m, 2H), 2.56 - 2.45 (m, 1H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.03 - 1.88 (m, 2H), 1.88 - 1.79 (m, 2H).
ステップ4.アンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5)の合成。
【0371】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.80mL、1.6mmol)をメタノール(1mL)とテトラヒドロフラン(1mL)の混合物中のC45(38mg、64μmol)の溶液に加え、反応混合物を24℃で2.5時間撹拌した。次いで、1M塩酸の添加により、これをpH7に調節し、生成した混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:29%〜49%B)を使用して精製して、5を白色の固体として得た。収率:27.9mg、46.9μmol、73%。LCMS m/z 577.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.32 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.66 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 10.2, 2.0 Hz, 1H), 7.29 (br dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.85 - 6.80 (m, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 6.73 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.5, 1.4 Hz, 1H), 5.30 - 5.20 (m, 1H), 4.9 - 4.79 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.68 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.62 - 4.54 (m, 1H), 4.44 (dt, J = 9.2, 5.9 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 44.6 Hz, 2H), 3.18 - 3.09 (m, 1H), 3.06 - 2.97 (m, 1H), 2.80 - 2.67 (m, 2H), 2.55 - 2.30 (m, 3H), 2.02 - 1.78 (m, 4H).
実施例5、遊離酸の代替合成
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(5、遊離酸)
【0372】
【化62】
【0373】
ステップ1.tert−ブチル4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C46)およびtert−ブチル4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート(C47)の単離。
【0374】
逆相HPLC[カラム:Phenomenex Lux アミロース−1、5μm;移動相:9:1二酸化炭素/(0.2%1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール)]を使用して、P1(10g、23mmol)のその構成成分エナンチオマーへの分離を行った。第1溶出エナンチオマーをC46と命名し、第2溶出エナンチオマーをC47と命名した。両方とも無色の油状物質として得た。C46およびC47に対して示された絶対的立体化学は、C47から合成したC49について行った単結晶X線構造判定に基づいて帰属された(以下を参照されたい)。
C46収率:4.47g、10.3mmol、45%。保持時間:3.98分間[カラム:Phenomenex Lux Amylose−1、4.6×250mm、5μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.2%1−アミノプロパン−2−オールを含有する2−プロパノール;勾配:5%Bで1.00分間、次いで8.00分間にわたり5%〜60%B;流速:3.0mL/分;逆圧:120バール]。
C47収率:4.49g、10.3mmol、45%。保持時間:4.32分間(C46に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0375】
ステップ2.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン(C48)の合成。
p−トルエンスルホン酸一水和物(566mg、2.98mmol)をC47(1.12g、2.58mmol)の酢酸エチル(26mL)中溶液に加えた。反応混合物を45℃で16時間加熱した後、これを真空中で濃縮し、酢酸エチルに溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、C48を泡状白色固体(947mg)として得た。LCMS m/z 334.0◆[M+H]
+。いくらかのp−トルエンスルホン酸を依然として含有するこの材料中の一部分を、以下のC50の合成に使用した。
【0376】
泡状白色固体(440mg)の第2の部分を酢酸エチル(25mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×15mL)で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、C48(350mg)を無色の油状物質として得たが、これはもはやp−トルエンスルホン酸を含有しなかった。調節した収率:350mg、1.05mmol、88%。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.53 (dd, J = 8.4, 7.8 Hz, 1H), 7.22 - 7.13 (m, 3H), 6.87 - 6.80 (m, 1H), 6.79 - 6.71 (m, 2H), 3.23 - 3.14 (m, 2H), 2.86 - 2.69 (m, 3H), 1.90 - 1.68 (m, 4H).
ステップ3.4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、ヘミ硫酸塩(C49)の合成。
【0377】
C48(上記からの無色の油状物質)の酢酸エチル中0.1M溶液を調製し、塩スクリーニングの対象下においた。ここでは硫酸塩の形成のみを記載する。硫酸(25μmol)と基質溶液(0.1M、250μL、25μmol)の混合物を45℃に1時間加熱し、室温まで冷却させておき、15時間撹拌した。溶液が形成されるまで、生成した懸濁液をメタノール(およそ150μL)で処理した。これを終夜ゆっくりと蒸発させて、およそ50μLの溶媒が残留するまでこれを続けた。生成した結晶の1つを単結晶X線構造判定により分析し、示されているような絶対配置を確証した。
【0378】
C49の単結晶X線構造的判定
単結晶X線分析
データ収集をBruker D8 Venture回折計で、室温で実施した。データ収集はオメガおよびファイスキャンからなった。
【0379】
SHELXソフトウエアスイートを使用して、三斜晶クラス空間群P1において固有位相決定法により構造を解明した。続いて、完全行列最小二乗法により構造を精密化した。すべての非水素原子を発見し、異方性変位パラメーターを使用して精密化した。
【0380】
窒素上に位置する水素原子をフーリエ示差マップから発見し、抑制された距離で精密化した。残留する水素原子を計算した位置に配置し、これらの担体原子上に乗せた。最終の精密化は、すべての水素原子に対する等方性変位パラメーターを含んだ。
【0381】
不斉単位はプロトン化C48の2個の分子、二重に脱プロトン化した硫酸の1個の分子と、完全に水分子により占有された1個の分子とで構成される。よって、構造はヘミ硫酸塩および半水化物である。クロロフルオロフェニル環は無秩序であり、環が2つの位置でフリップし、60/40の占有状態でモデル化されている。
【0382】
尤度法(Hooft、2008年)を使用した絶対的構造の分析を、PLATON(Spek)を使用して実施した。結果は絶対的構造が正しく帰属されることを示している。この方法の計算では、構造が正しい確率は100.0である。Hooftパラメーターは、esd0.004で0.061と報告され、Parsonパラメーターは、esd0.005で0.063と報告されている。
【0383】
最終R指数は3.1%であった。最終差異Fourierは、欠損したまたは誤った電子密度がないことを明らかにした。
関連のある結晶、データ収集、および精密化情報が表Eに要約されている。原子座標、結合長、結合角度、および置換パラメーターは表F〜Hに列挙されている。
【0384】
ソフトウエアおよび参考文献
SHELXTL, Version 5.1, Bruker AXS, 1997.
PLATON, A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2003, 36, 7-13.
MERCURY, C. F. Macrae, P. R. Edington, P. McCabe, E. Pidcock, G. P. Shields, R. Taylor, M. Towler, and J. van de Streek, J. Appl. Cryst. 2006, 39, 453-457.
OLEX2, O. V. Dolomanov, L. J. Bourhis, R. J. Gildea, J. A. K. Howard, and H. Puschmann, J. Appl. Cryst. 2009, 42, 339-341.
R. W. W. Hooft, L. H. Straver, and A. L. Spek, J. Appl. Cryst. 2008, 41, 96-103.
H. D. Flack, Acta Cryst. 1983, A39, 867-881.
【0385】
【表5】
【0386】
【表6-1】
【0387】
【表6-2】
【0388】
【表7-1】
【0389】
【表7-2】
【0390】
【表7-3】
【0391】
【表7-4】
【0392】
【表7-5】
【0393】
【表7-6】
【0394】
【表7-7】
【0395】
【表7-8】
【0396】
【表7-9】
【0397】
【表8-1】
【0398】
【表8-2】
【0399】
ステップ4.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C50)の合成。
【0400】
C48(上記から得た500mgの泡状白色の固体、p−トルエンスルホン酸に対して補正:1.25mmol)のアセトニトリル(6mL)中溶液をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.68mL、3.9mmol)で処理し、45℃で5分間撹拌させておいた。P15(319mg、1.08mmol)の添加後、45℃での撹拌を7.25時間継続し、この時点で反応混合物を水(6mL)およびアセトニトリル(2mL)を45℃で希釈した。生成した不均一な混合物を室温まで冷却させておき、72時間撹拌した。さらなる水(5mL)を加え、さらに30分間撹拌した後、濾過を介して固体を収集し、アセトニトリルと水(15:85、3×5mL)の混合物で洗浄して、C50をわずかにピンク色の色合いを有する白色の固体として得た。収率:605mg、1.02mmol、82%。LCMS m/z 592.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.17 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.51 (dd, J = 8.0, 8.0 Hz, 1H), 7.19 (br s, 1H), 7.18 - 7.14 (m, 2H), 6.85 - 6.79 (m, 1H), 6.76 - 6.71 (m, 2H), 5.26 - 5.18 (m, 1H), 4.73 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 5.9 Hz, 1H), 4.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 3.5 Hz, 1H), 4.63 - 4.55 (m, 1H), 4.38 (ddd, J = 9.1, 6.0, 5.9 Hz, 1H), 3.94 (s, 5H), 3.03 - 2.89 (m, 2H), 2.77 - 2.65 (m, 2H), 2.51 - 2.39 (m, 1H), 2.34 - 2.20 (m, 2H), 1.91 - 1.76 (m, 4H).
ステップ5.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(5、遊離酸)の合成。
【0401】
C50(595mg、1.00mmol)のメタノール(10mL)中懸濁液を45℃に加熱し、水酸化ナトリウム水溶液(1M;2.01mL、2.01mmol)で処理した。45℃で21時間後、反応混合物を室温まで冷却させておいた。次いで、これをクエン酸水溶液(1M、1mL)で処理し、これによりpHが5〜6になった。水(10mL)を加え、混合物を1時間撹拌し、この時点で固体を濾過によって収集した。これをメタノールと水(1:10、3×5mL)の混合物で洗浄して、固体(433mg)を得た。この材料(300mg)の一部分を、ヘプタンと酢酸エチル(1:3、5mL)の混合物と共に40℃で1時間撹拌した。撹拌を継続しながら室温まで冷却後、濾過を介して固体を収集し、ヘプタンと酢酸エチル(3:1、3×3mL)の混合物で洗浄して、5、遊離酸を白色の固体として得た。収率:260mg、0.450mmol、全体の反応物の65%に対応する。LCMS m/z 578.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.75 (v br s, 1H), 8.26 (br s, 1H), 7.79 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.66 - 7.56 (m, 3H), 7.40 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.87 - 6.75 (m, 3H), 5.13 - 5.03 (m, 1H), 4.76 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 7.2 Hz, 1H), 4.62 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.46 - 4.38 (m, 1H), 4.34 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.8 Hz, 1H), 3.84 (AB四重線, J
AB = 13.5 Hz, Δν
AB = 67.7 Hz, 2H), 3.00 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.84 br (d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.71 - 2.56 (m, 2H), 2.45 - 2.34 (m, 1H), 2.28 - 2.08 (m, 2H), 1.84 - 1.65 (m, 4H).
この材料は、4と5の両方の生物学的活性と、その生物学的活性とを比較することにより、上記実施例5と同じ絶対配置であると判定された。アッセイ2において、この試料5、遊離酸は25nMのEC
50(幾何平均3の繰返し)を示した。実施例4および実施例5のアンモニウム塩に対するアッセイ2の活性は、それぞれ>20000nM(2の繰返し)および20nM(幾何平均3の繰返し)であった。
【0402】
実施例5、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(5、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)。
【0403】
【化63】
【0404】
5、遊離酸(0.50g、0.86mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)中混合物を2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(トリス、1.0M;0.5mL、1.0mmol)の水溶液で処理した。20時間後、混合物をエタノール(2×6mL)で、真空中で濃縮した。混合物をエタノール(4mL)で処理した。48時間撹拌後、固体を、濾過を介して収集し、エタノール(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、5、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を、白色の固体として得た。収率:410mg、0.586mmol、68%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 8.19 (s, 1H), 7.78 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.62 - 7.58 (m, 2H), 7.55 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.85 - 6.80 (m, 2H), 6.79 (dd, J = 6.9, 2.4 Hz, 1H), 5.11 - 5.05 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.60 (dd, J = 15.3, 2.9 Hz, 1H), 4.45 - 4.39 (m, 1H), 4.34 (ddd, J = 9.0, 6.0, 5.8 Hz, 1H), 3.91 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.74 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 2.99 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.85 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.68 - 2.59 (m, 2H), 2.44 - 2.37 (m, 1H), 2.25 - 2.18 (m, 1H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 1.80 - 1.69 (m, 4H).mp=168℃〜178℃。
【0405】
実施例6および実施例7
アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(6)およびアンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7)
【0406】
【化64】
【0407】
ステップ1.4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン、p−トルエンスルホネート塩(C13)の合成。
【0408】
P2(150mg、0.335mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(159mg、0.836mmol)の酢酸エチル(2.0mL)中溶液を60℃で3.5時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮して、C13を褐色油状物質として得た。これを以下のステップでそのまま使用した。LCMS m/z 348.1◆[M+H]
+。
【0409】
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C51)の合成。
【0410】
C13(前のステップからのもの;≦0.335mmol)および炭酸カリウム(232mg、1.68mmol)のアセトニトリル(5.0mL)中懸濁液に、P15(99.1mg、0.336mmol)を加えた。反応混合物を60℃で10時間撹拌し、この時点でこれを濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残渣(390mg)を、C13(≦0.11mmol)を使用して行った類似の反応から得た材料と合わせた後、これを水(20mL)で希釈し、ジクロロメタンとメタノール(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:1:1ジクロロメタン/メタノール)の対象下において、C51、ジアステレオマーの混合物を、無色の油状物質として得た。合わせた収率:80.6mg、0.133mmol、2ステップにわたり30%。LCMS m/z 606.2◆[M+H]
+。
【0411】
ステップ3.メチル2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C52)およびメチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C53)の単離。
【0412】
SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を繰り返し行うことにより、C51(180mg、0.297mmol)のその構成成分ジアステレオマーへの分離を行った。第1溶出ジアステレオマーをC52と命名した。収率:61.2mg、0.101mmol、34%。LCMS m/z 627.9◆[M+Na
+]。保持時間:5.03分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:5.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで3.0分間保持;流速:2.5mL/分)。
【0413】
第2溶出ジアステレオマーをC53と命名した。分析により、この材料には対応するエチルエステルが混入することが立証された。これを、この混合物として、加水分解ステップに取り入れた(7を生成するため)。収率:40.0mg、66.0μmol、22%。LCMS m/z 606.0◆[M+H]
+。保持時間:5.19分間(C52に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0414】
ジオキソランにおける示された絶対的立体化学は、7と、7の試料、中間体P3から合成された遊離酸との作用強度の相関関係を介して帰属された(以下の実施例7、遊離酸の代替合成を参照されたい)。P3の絶対配置は、C8の単結晶X線構造判定を介して確立された(上記を参照されたい)。
【0415】
ステップ4.アンモニウム2−({4−[(2R)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(6)の合成。
【0416】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.990mL、1.98mmol)を、メタノール(1.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物中のC52(60mg、99μmol)の溶液に加え、反応混合物を20℃で16時間撹拌した。反応混合物のpHが7に到達するまで、トリフルオロ酢酸を加え、この時点でこれを真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:29%〜49%B)を使用して残渣を精製して、6を白色の固体として得た。収率:14.4mg。23.6μmol、24%。LCMS m/z 592.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4), 特徴的ピーク: δ 8.35 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (br dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.68 (m, 2H), 5.33 - 5.25 (m, 1H), 4.72 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.49 (dt, J = 9.1, 6.0 Hz, 1H), 4.03 (AB四重線, J
AB = 13.9 Hz, Δν
AB = 47.8 Hz, 2H), 3.14 (br d, J = 11 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.88 - 2.78 (m, 1H), 2.77 - 2.68 (m, 1H), 2.60 - 2.50 (m, 1H), 2.47 - 2.32 (m, 2H), 2.03 (d, J = 1.1 Hz, 3H), 2.01 - 1.87 (m, 2H), 1.87 - 1.78 (br m, 2H).
ステップ5.アンモニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7)の合成。
【0417】
水酸化リチウム水溶液(2M;0.642mL、1.28mmol)を、メタノール(1.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物中のC53(38.9mg、64.2μmol)の溶液に加えた。反応混合物を20℃で16時間撹拌した後、トリフルオロ酢酸の添加によりこれをpH7に調節し、真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:0%〜80%B)を使用して精製して、7を白色の固体として得た。収率:25.1mg、41.2μmol、64%。LCMS m/z 591.9◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4), 特徴的ピーク: δ 8.34 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.98 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.68 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.58 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.20 (br dd, J = 8.4, 1.9 Hz, 1H), 6.81 - 6.74 (m, 1H), 6.74 - 6.67 (m, 2H), 5.33 - 5.23 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.4, 2.7 Hz, 1H), 4.68 - 4.61 (m, 1H), 4.48 (dt, J = 9.1, 5.9 Hz, 1H), 4.05 (AB四重線, J
AB= 13.9 Hz, Δν
AB = 44.1 Hz, 2H), 3.15 (br d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.03 (br d, J = 11.6 Hz, 1H), 2.87 - 2.69 (m, 2H), 2.60 - 2.49 (m, 1H), 2.48 - 2.33 (m, 2H), 2.03 (br s, 3H), 2.01 - 1.77 (m, 4H).
実施例7の代替合成、遊離酸
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(7、遊離酸)
【0418】
【化65】
【0419】
ステップ1.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C53)の合成。
【0420】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.1mL、86.9mmol)を、P3(8.22g、15.8mmol)のアセトニトリル(185mL)中混合物に加えた。5分間撹拌した後、P15(4.57g、15.5mmol)を加え、反応混合物を45℃で加熱した。4時間後、反応混合物を真空中で、その元の容量の半分まで濃縮し、生成した混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘプタン中50%〜100%酢酸エチル)により、C53を白色の固体として生成した。収率:8.4g、13.9mmol、88%。LCMS m/z 606.1◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.30 (s, 1H), 7.82 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.58 - 7.53 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.80 - 6.76 (m, 2H), 6.76 - 6.72 (m, 1H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.81 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.67 (dd, J = 15.3, 2.8 Hz, 1H), 4.51 - 4.44 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 8.9, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.97 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.78 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.74 - 2.60 (m, 2H), 2.48 - 2.41 (m, 1H), 2.29 - 2.22 (m, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.73 (m, 2H), 1.73 - 1.64 (m, 2H).
ステップ2.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(7、遊離酸)の合成。
【0421】
C53(8.40g、14.0mmol)のメタノール(135mL)中混合物を45℃に加熱し、水酸化ナトリウム水溶液(1M;27.7mL、27.7mmol)で処理した。20時間後、反応混合物を真空中でその元の容量の半分まで濃縮した。生成した混合物を水(100mL)で希釈し、クエン酸水溶液(1M、15mL)を使用して、pHを5〜6に調節した。生成した固体を濾過し、水(2×15mL)で洗浄し、酢酸エチル(50mL)中溶液として分液ロートに移した。残留する水をこのような方式で除去した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、類似の手順で事前に調製した4つのバッチ(これらの反応物に使用されているC53の量は987mg、1.63mmol;1.15g、1.90mmol;8.57g、14.1mmol;および12.6g、20.8mmolであった)と合わせ、真空中で濃縮した。生成した粘着性固体をヘプタン(500mL)中10%酢酸エチルで処理した。4時間後、濾過を介して固体を収集し、ヘプタン(2×25mL)中10%酢酸エチルで洗浄して、7、遊離酸を白色の固体として得た。収率29.4g、0.527mmol、合わせた反応物に対して74%。LCMS 592.2◆[M+H]+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6): δ 12.74 (br s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.80 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.76 (m, 2H), 6.76 - 6.72 (m, 1H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.79 (dd, J = 15.3, 7.3 Hz, 1H), 4.65 (dd, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.51 - 4.45 (m, 1H), 4.38 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.96 (br d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.78 (br d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.02 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.74 - 2.60 (m, 2H), 2.48 - 2.41 (m, 1H), 2.29 - 2.21 (m, 1H), 2.21 - 2.14 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.74 (m, 2H), 1.74 - 1.64 (m, 2H).この材料は、6と7の両方の生物学的活性をその生物学的活性と比較することにより、上記実施例7と同じ絶対配置を有すると判定された。アッセイ2において、この7の試料、遊離酸は、4.3nMのEC
50(幾何平均3の繰返し)を示した。実施例6および実施例7のアンモニウム塩に対するアッセイ2の活性は、それぞれ2400nM(幾何平均5の繰返し)および2.9nM(幾何平均8の繰返し)であった。
【0422】
合成7S−1.実施例7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)。
【0423】
【化66】
【0424】
7、遊離酸(2.00g、3.38mmol)のテトラヒドロフラン(16mL)中混合物を2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(トリス,1.0M;3.55mL、3.55mmol)の水溶液で処理した。18時間後、反応混合物を真空中で濃縮し、エタノール(30mL)で処理した。この混合物を23時間撹拌した後、濾過を介して固体を収集し、酢酸エチル(2×10mL)で洗浄して、7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。収率:1.41g、1.98mmol、59%。LCMS m/z 592.3◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6), 特徴的ピーク: δ 8.20 (s, 1H), 7.79 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 3H), 7.33 (br d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.72 (m, 3H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.76 (dd, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.63 (br d, J = 15.4 Hz, 1H), 4.50 - 4.44 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 8.9, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.94 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.76 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.73 - 2.60 (m, 2H), 2.5 - 2.41 (m, 1H), 2.27 - 2.20 (m, 1H), 2.20 - 2.13 (m, 1H), 2.02 (s, 3H), 1.83 - 1.64 (m, 4H).mp=175℃〜180℃。
【0425】
合成7S−2.実施例7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の代替合成
2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(1.0当量、1.93L)の水中3.3M溶液を、7、遊離酸(3.74kg)のイソプロパノール(20L)中溶液に65℃で加えた。温度を65℃で維持しながら、追加のイソプロパノール(19L)を加え、これに続いてメタノール(19L)を加えた。混合物を2時間にわたり45℃にゆっくりと冷却し、次いで45℃で少なくとも12時間保持した。次いで、混合物を3時間にわたり5℃に冷却し、次いで5℃で少なくとも3時間保持した。次いで、混合物を濾過し、固体を収集し、酢酸エチル(2×10mL)で洗浄して、7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た(収率:3.64kg、80.9%)。LCMSおよび
1H NMRデータを得た。これは、上記に示されている合成7S−1のデータと実質的に同じである。
【0426】
実施例7、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の形態Iに対する粉末エックス線回折(PXRD)データの取得
実施例7のトリス塩の白色固体(合成7S−1および合成7S−2の両方からのもの)をPXRD分析にかけると、結晶性材料であると判明した(この無水結晶形の形態Iと命名)。粉末エックス線回折分析は、Cu照射源を備えたBruker AXS D8 Endeavor回折計を使用して行った。発散スリットは15mmでの連続照射に設定した。検出器PSD開口を2.99度に設定して、回析した放射線をPSD−Lynx Eye検出器で検出した。X線チューブ電圧およびアンペア数は40kVおよび40mAにそれぞれ設定した。0.01度のステップサイズおよび1.0秒のステップ時間を使用して、3.0〜40.0度2シータからシータ−シータゴニオメーターのCu波長(CuK
α=1.5418λ)においてデータを収集した。抗分散スクリーニングは1.5mmの固定距離に設定した。データ収集の間、試料を回転させた。これらをケイ素の低バックグランドのサンプルホルダーに配置することにより試料を調製し、収集中は回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウエアを使用してデータを収集し、分析をEVA diffractプラスソフトウエアで実施した。ピーク探究の前には、PXRDデータファイルを処理しなかった。EVAソフトウエアのピーク探究アルゴリズムを用いて、閾値1で選択したピークを使用して、初期のピーク帰属を行った。有効性を確実にするために、調節を手作業で行った。自動化された帰属の出力を目視によりチェックし、ピーク位置をピーク最大に調節した。相対強度≧3%を有するピークが全般的に選択された。通常、分割されなかったまたはノイズと一致したピークは選択されなかった。USPにおいて述べられているPXRDからのピーク位置に伴う典型的な誤差は、+/−0.2°の2−シータまでである(USP−941)。1つの回折パターンを常に観察し、
図1に提供している。度2θおよび相対強度として表現された回折ピークのリストが、合成7S−2で得られた試料からのPXRDの相対強度≧3.0%と共に、上記表X1に提供されている。
【0427】
【表9】
【0428】
実施例8および実施例9
2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X1(8)[C56から];および2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2(9)[C57から]
【0429】
【化67】
【0430】
ステップ1.3−フルオロ−4−[2−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]ベンゾニトリル、p−トルエンスルホネート塩(C54)の合成。
【0431】
P4(161mg、0.367mmol)の酢酸エチル(8mL)中溶液に、p−トルエンスルホン酸(158mg、0.919mmol)を加え、反応混合物を65℃で16時間撹拌した。真空下での溶媒の除去により、C54を暗黄色のガム状物質として得た。この材料を次のステップでそのまま使用した。
【0432】
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C55)の合成。
【0433】
C54(前のステップからのもの;≦0.367mmol)のアセトニトリル(3.7mL)中溶液に、炭酸カリウム(219mg、1.58mmol)を加え、これに続いてP15(115mg、0.390mmol)を加えた。反応混合物を50℃で20時間撹拌し、この時点でこれを酢酸エチル(10mL)で希釈し、濾過した。フィルターケーキを酢酸エチル(3×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:石油エーテル中0%〜100%酢酸エチル)により、C55を暗黄色の油状物質として生成した。収率:191.0mg、0.320mmol、2ステップにわたり87%。LCMS m/z 619.1[M+Na
+]。
【0434】
ステップ3.メチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(C56)およびメチル2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(C57)の単離。
【0435】
C55(191mg、0.320mmol)の、ジオキソランにおけるその構成成分立体異性体への分離を、SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:3:2二酸化炭素/2−プロパノール]を介して行った。白色のガム状物質として得た第1溶出異性体をENT−1(C56)と命名した。収率:114mg;この材料は残留エタノールを含有した。LCMS m/z 597.1[M+H]
+。保持時間4.40分間(カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有する2−プロパノール;勾配:4.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで2.5分間保持;流速:2.8mL/分)。
【0436】
SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、5μm;移動相:55:45二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有する2−プロパノール)]を使用して第2溶出異性体を再精製して、無色のガム状物質を得た。これをENT−2(C57)と命名した。収率:50mg、83.8μmol、26%。LCMS m/z 597.1[M+H]
+。保持時間4.74分間(C56に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0437】
ステップ4.2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X1(8)[C56から]の合成。
【0438】
C56(114mg、0.191mmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液を1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(0.97M、394μL、0.382mmol)の水溶液で処理し、反応混合物を室温で23時間撹拌した。1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(0.97M、394μL、0.382mmol)のさらなる水溶液を加え、撹拌を6時間継続し、この時点で、1M塩酸の添加によりpHを7〜8に慎重に調節した。真空下での揮発物の除去後、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:30%〜50%B)を使用して精製を行い、8を白色の固体として得た。収率:22.2mg、38.1μmol、20%。LCMS m/z 583.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4): δ 8.19 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 8.4, 1.5 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 10.6, 1.6 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.75 (m, 1H), 6.75 - 6.68 (m, 2H), 5.34 - 5.25 (m, 1H), 4.73 (dd, J = 15.3, 3.0 Hz, 1H), 4.67 - 4.59 (m, 1H), 4.49 (dt, J = 9.2, 6.0 Hz, 1H), 3.96 (AB四重線, J
AB = 13.7 Hz, Δν
AB = 41.2 Hz, 2H), 3.06 (br d, J = 11 Hz, 1H), 2.95 (br d, J = 11 Hz, 1H), 2.87 - 2.76 (m, 1H), 2.71 (tt, J = 12.0, 3.9 Hz, 1H), 2.61 - 2.50 (m, 1H), 2.36 - 2.21 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.95 - 1.72 (m, 4H).
ステップ5.2−({4−[2−(4−シアノ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2(9)[C57から]の合成。
【0439】
C57(50mg、84μmol)のアセトニトリル(10mL)中溶液を1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(0.97M;173μL、0.168mmol)の水溶液で処理した。反応物を室温で(約25℃)16時間撹拌し、この時点で追加量の1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン(0.97M;173μL、0.168mmol)の水溶液を加え、撹拌を25℃で29時間継続した。次いで、1M塩酸の添加により、反応混合物をpH7〜8に慎重に調節した。生成した混合物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(カラム:Xtimate(商標)C18、5μm;移動相A:水中0.05%水酸化アンモニウム;移動相B:アセトニトリル;勾配:27%〜67%B)の対象下において、9を白色の固体として得た。収率:18.0mg、30.9μmol、37%。LCMS m/z 583.3[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.36 - 8.33 (m, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.78 (dd, J = 7.7, 7.7 Hz, 1H), 7.70 - 7.63 (m, 2H), 7.57 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 6.83 - 6.76 (m, 1H), 6.76 - 6.71 (m, 2H), 5.34 - 5.25 (m, 1H), 4.95 - 4.85 (m, 1H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 4.73 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 2.7 Hz, 1H), 4.68 - 4.60 (m, 1H), 4.50 (dt, J = 9.2, 6.0 Hz, 1H), 4.02 (AB四重線, J
AB = 13.8 Hz, Δν
AB = 48.2 Hz, 2H), 3.13 (br d, J = 11 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.5 Hz, 1H), 2.89 - 2.78 (m, 1H), 2.78 - 2.68 (m, 1H), 2.60 - 2.50 (m, 1H), 2.45 - 2.30 (m, 2H), 2.07 (br s, 3H), 2.00 - 1.86 (m, 2H), 1.83 (m, 2H).
実施例10
2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2(10)[P9から]
【0440】
【化68】
【0441】
ステップ1.5−クロロ−2−[2−メチル−4−(ピペリジン−4−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−2−イル]ピリジン、ENT−X2、p−トルエンスルホネート塩(C58)[P9から]の合成。
【0442】
P9(228mg、0.529mmol)の酢酸エチル(2.7mL)中溶液をp−トルエンスルホン酸一水和物(116mg、0.610mmol)で処理し、反応混合物を50℃で16時間加熱した。次いで、これを室温で終夜撹拌させ、この時点で濾過を介して、沈殿物を収集し、酢酸エチルとヘプタン(1:1、2×20mL)の混合物ですすいで、C58を白色の固体として得た。収率:227mg、0.451mmol、85%。LCMS m/z 331.0◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.73 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.61 - 8.46 (br m, 1H), 8.35 - 8.18 (br m, 1H), 8.02 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.8, 2H), 7.11 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 6.89 - 6.81 (m, 2H), 6.72 (五重線, J = 4.0 Hz, 1H), 3.45 - 3.27 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.10 - 2.91 (m, 3H), 2.28 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.97 - 1.80 (m, 4H).
ステップ2.メチル2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、DIAST−Y2(C59)[P9から]の合成。
【0443】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.234mL、1.34mmol)を、C58(225mg、0.447mmol)のアセトニトリル(2.2mL)中溶液に加えた。この混合物を45℃で5分間撹拌した後、P15(120mg、0.407mmol)を加え、撹拌を45℃で16時間継続し、この時点でP15(11mg、37μmol)を再度加えた。追加の3時間の撹拌後、反応混合物を水(2.5mL)で処理し、室温まで冷却させておいた。さらなる水(5mL)を加え、生成したスラリーを2時間撹拌し、この時点で濾過を介して、固体を収集し、アセトニトリルと水(15:85、3×5mL)の混合物で洗浄して、C59をオフホワイト色の固体として(252mg)得た。
1H NMR分析によると、この材料はいくらかのN,N−ジイソプロピルエチルアミンを含有し、これを以下のステップでそのまま使用した。LCMS m/z 589.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) 8.61 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.96 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.67 (dd, ABXパターンの成分, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.51 (m, 1H), 6.82 - 6.75 (m, 1H), 6.74 - 6.66 (m, 2H), 5.28 - 5.19 (m, 1H), 4.75 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 6.0 Hz, 1H), 4.68 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.3, 3.4 Hz, 1H), 4.67 - 4.58 (m, 1H), 4.41 (ddd, J = 9.1, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.07 - 2.89 (m, 2H), 2.81 - 2.69 (m, 2H), 2.53 - 2.41 (m, 1H), 2.37 - 2.22 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.93 - 1.74 (m, 4H).
ステップ3.2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2(10)[P9から]の合成。
【0444】
C59(前のステップからのもの;250mg、≦0.407mmol)のメタノール(2mL)中懸濁液を40℃に加熱し、この時点で水酸化ナトリウム水溶液(1M;0.81mL、0.81mmol)を加えた。17時間後、反応混合物を室温まで冷却させておき、1Mクエン酸水溶液でpHを5〜6に調節した。生成した混合物を水(2mL)で希釈し、2時間撹拌し、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化ナトリウム飽和水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、泡状固体を得た。この材料を酢酸エチルとヘプタン(1:1、4mL)の混合物中に溶解させ、50℃に加熱し、次いで冷却させて、終夜撹拌した。濾過により10を白色の固体として生成した。収率:179mg、0.311mmol、2ステップにわたり76%。LCMS m/z 575.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.73 (br s, 1H), 8.71 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 8.00 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.80 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 6.83 - 6.72 (m, 3H), 5.14 - 5.06 (m, 1H), 4.77 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 7.2 Hz, 1H), 4.63 (dd, ABXパターンの成分, J = 15.2, 2.8 Hz, 1H), 4.50 - 4.42 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.85 (AB四重線, J
AB = 13.6 Hz, Δν
AB = 71.5 Hz, 2H), 3.01 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.85 (br d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.74 - 2.57 (m, 2H), 2.47 - 2.38 (m, 1H), 2.29 - 2.10 (m, 2H), 2.01 (s, 3H), 1.81 - 1.64 (m, 4H).
合成10S−1.実施例10、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の合成
1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム2−({4−[2−(5−クロロピリジン−2−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(2S)−オキセタン−2−イルメチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、DIAST−X2(10、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩)[P9から]の合成。
【0445】
【化69】
【0446】
10(1.54g、2.68mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中混合物を2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(トリス、1.0M;2.81mL、2.81mmol)の水溶液で処理した。24時間後、反応混合物をエタノール(2×50mL)で、真空中で濃縮した。残渣をエタノール(15mL)で処理した。20時間撹拌した後、濾過を介して、固体を収集し、冷たいエタノール(5mL)で洗浄し、10、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。収率:1.41g、2.03mmol、76%。LCMS m/z 575.3◆[M+H]
+。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.71 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 8.21 (br s, 1H), 8.00 (dd, J = 8.5, 2.5 Hz, 1H), 7.79 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.82 - 6.73 (m, 3H), 5.13 - 5.07 (m, 1H), 4.74 (dd, J = 15.3, 7.2 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 15.3, 2.9 Hz, 1H), 4.49 - 4.43 (m, 1H), 4.37 (ddd, J = 9.0, 5.9, 5.9 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.75 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.01 (br d, J = 11.3 Hz, 1H), 2.86 (br d, J = 11.4 Hz, 1H), 2.73 - 2.59 (m, 2H), 2.48 - 2.37 (m, 1H), 2.27 - 2.20 (m, 1H), 2.19 - 2.12 (m, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.82 - 1.66 (m, 4H).mp=184℃〜190℃。
【0447】
合成10S−2.実施例10、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩の代替合成
37℃水槽内で、10(8.80gm、15.3mmol)の2−メチルテトラヒドロフラン(90ml)の混合物を回転式エバポレーター上で、真空中で濃縮して、全容量を約54mlに減少させた。イソプロパノール(90ml)を混合物に加え、次いで生成した混合物の容量を約54mlまで再度濃縮した。イソプロパノール(135ml)を混合物に加え、これに続いて水性トリスアミン(3M;5.0ml、0.98当量)を加えた。生成した混合物/溶液を周辺温度で撹拌し、固体の沈殿物が約15分以内に形成し始めた。次いで混合物を周辺温度でさらに5時間撹拌した。生成した混合物/スラリーを0℃に冷却し、冷却したスラリーをもう約2時間撹拌した。スラリーを濾過し、冷たいイソプロパノール(3×15ml)で洗浄した。収集した固体を収集漏斗上で約90分間風乾させておき、次いで終夜乾燥のために真空オーブンに移した。50℃/23inHgの真空で約16時間後(わずかな窒素流出と共に)、8.66gmの10、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩を白色の固体として得た。UPLCによる99.8領域%(収率:12.5mmol、81%)。LCMSおよび
1H NMRデータを得た。このデータは上記に示されている合成10S−1のデータと実質的に同じである。
【0448】
実施例10の形態A、1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−アミニウム塩(また化合物実施例10の無水トリス塩の形態Aとしても知られている)に対する粉末エックス線回折(PXRD)データの取得
実施例10のトリス塩の白色の固体(合成10S−1および合成10S−2の両方からのもの)をPXRD分析にかけると、結晶性材料であると判明した(形態Aと命名)。粉末エックス線回折は、Cu照射源を備えたBruker AXS D8 Endeavor回折計を使用して行った。発散スリットは15mmでの連続照射に設定した。検出器PSD開口を2.99度に設定して、回析した放射線をPSD−Lynx Eye検出器で検出した。X線チューブ電圧およびアンペア数は40kVおよび40mAにそれぞれ設定した。0.01度のステップサイズおよび1.0秒のステップ時間を使用して、3.0〜40.0度2シータからシータ−シータゴニオメーターのCu波長(CuK
α=1.5418λ)においてデータを収集した。抗分散スクリーニングは1.5mmの固定距離に設定した。データ収集の間、試料を回転させた。これらをケイ素の低バックグランドのサンプルホルダーに配置することにより試料を調製し、収集中は回転させた。Bruker DIFFRAC Plusソフトウエアを使用してデータを収集し、分析をEVA diffract プラスソフトウエアで実施した。ピーク探究の前には、PXRDデータファイルを処理しなかった。EVAソフトウエアのピーク探究アルゴリズムを用いて、閾値1で選択したピークを使用して、初期のピーク帰属を行った。有効性を確実にするために、調節を手作業で行った。自動化された帰属の出力を目視によりチェックし、ピーク位置をピーク最大に調節した。相対強度≧3%を有するピークが全般的に選択された。通常、分割されなかったまたはノイズと一致したピークは選択されなかった。USPにおいて述べられているPXRDからのピーク位置に伴う典型的な誤差は、+/−0.2°の2−シータまでである(USP−941)。度2θおよび相対強度として表現された回折ピークのリストが、合成10S−2で得られた試料からのPXRDの相対強度≧3.0%と共に、上記表X2に提供されている。
【0449】
【表10】
【0450】
実施例11
1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ギ酸塩(11)
【0451】
【化70】
【0452】
この全合成順序はライブラリーフォーマットで行った。
ステップ1.メチル1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C60)の合成。
【0453】
P14(44mg、100μmol)と3−エチニルピリジン(21mg、200μmol)のトルエン(800μL)中混合物を炭酸水素ナトリウム(100μmol)で処理し、これに続いてトリルテニウムドデカカルボニル(6mg、9μmol)で処理した。次いで反応バイアルに蓋をして、120℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用した溶媒除去によりC60を得た。これを以下のステップでそのまま使用した。
【0454】
ステップ2.1−(2−メトキシエチル)−2−({4−[2−メチル−2−(ピリジン−3−イル)−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、ギ酸塩(11)の合成。
【0455】
水酸化ナトリウム(1.0M;200μL、200μmol)の水溶液を、メタノール(400μL)とテトラヒドロフラン(400μL)の混合物中のC60(前のステップからのもの、≦100μmol)の溶液に加えた。反応バイアルに蓋をして、80℃で16時間振盪し、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用してこの時点で反応混合物を蒸発させ、逆相HPLC(カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中0.225%ギ酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:12%〜52%B)を使用して精製して、11を得た。収率:2.2mg、4.2μmol、2ステップにわたり4%。LCMS m/z 529[M+H]
+。保持時間:2.47分間(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:0.6分間にわたり1%〜5%B;3.4分間にわたり5%〜100%B;流速:0.8mL/分)。
【0456】
実施例12
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(12)
【0457】
【化71】
【0458】
この全合成順序はライブラリーフォーマットで行った。
ステップ1.メチル3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4−ニトロベンゾエート(C61)の合成。
【0459】
メチル3−フルオロ−4−ニトロベンゾエート(N,N−ジメチルホルムアミド中0.2M溶液;1mL、200μmol)をN,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミン(18mg、200μmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(78mg、600μmol)で処理した。次いで反応バイアルに蓋をして、50℃で16時間振盪し、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して、この時点で反応混合物を蒸発させて、C61を得た。この材料を以下のステップでそのまま使用した。
【0460】
ステップ2.メチル4−アミノ−3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ベンゾエート(C62)の合成。
希釈塩酸を使用して亜鉛ダストを活性化した。メタノール(2mL)をC61(前のステップからのもの、≦200μmol)に加え、これに続いて塩化カルシウムの水溶液(1.0M;200μL、200μmol)および活性化亜鉛ダスト(130mg、2.0mmol)を加えた。反応バイアルに蓋をして、70℃で16時間振盪し、この時点で反応混合物を濾過した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して濾液を濃縮し、残渣を水(2mL)中に溶解させ、次いで酢酸エチル(2×3mL)で抽出した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して、合わせた有機層を蒸発させて、C62(150μmolであると予測)を得た。これを次のステップでそのまま使用した。
【0461】
ステップ3.メチル4−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−3−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ベンゾエート(C63)の合成。
【0462】
化合物P10(41mg、100μmol)をC62(前のステップからのもの、およそ150μmol)に加え、混合物を2−ヒドロキシピリジン1−オキシドおよび1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩のN,N−ジメチルアセトアミド溶液(それぞれ0.1M;それぞれ1mL、100μmol)で処理した。次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(39mg、300μmol)を加え、反応バイアルに蓋をして、50℃で16時間振盪した。次いで、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して反応混合物を濃縮し、分取薄層クロマトグラフィーを使用して精製して、C63を得た。以下のステップに進み、これをそのまま使用した。
【0463】
ステップ4.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C64)の合成。
【0464】
蓋をしたバイアル内で、酢酸(500μL)とC63(前のステップからのもの、≦100μmol)の混合物を150℃で2時間振盪し、この時点で、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して反応混合物を蒸発させた。以下のステップに進んで、生成したC64をそのまま使用した。
【0465】
ステップ5.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(12)の合成。
【0466】
C64(前のステップからのもの、≦100μmol)のエタノール(500μL)中溶液を水酸化リチウムの水溶液(2.0M;500μL、1mmol)で処理し、密閉したバイアル内で反応混合物を50℃で2時間振盪した。1.0M塩酸の添加により混合物のpHを7に調節した後、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して生成した混合物を濃縮し、次いで逆相HPLC[カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中水酸化アンモニウム(pH10);移動相B:アセトニトリル;勾配:25%〜65%B]を介して精製して、12を得た。収率:7.0mg、12μmol、3ステップにわたり12%。LCMS m/z 593[M+H]
+。保持時間:2.45分間(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:4.0分間にわたり10%〜100%B;流速:0.8mL/分)。
【0467】
実施例13
2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸(13)
【0468】
【化72】
【0469】
ステップ1.メチル6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]−5−ニトロピリジン−2−カルボキシレート(C65)の合成。
トリエチルアミン(532mg、5.26mmol)を1−(1,3−オキサゾール−2−イル)メタンアミン、塩酸塩(236mg、1.75mmol)およびメチル6−クロロ−5−ニトロピリジン−2−カルボキシレート(386mg、1.78mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中懸濁液に加えた。反応混合物を25℃で14時間撹拌した後、これを水(30mL)の中に注ぎ入れ、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ジクロロメタン中0%〜5%メタノール)により、C65を黄色の固体として生成した。収率:310mg、1.11mmol、63%。LCMS m/z 278.7[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.69 - 8.61 (br m, 1H), 8.58 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 3.97 (s, 3H).
この合成順序の残りはライブラリーフォーマットで行った。
【0470】
ステップ2.メチル5−アミノ−6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−2−カルボキシレート(C66)の合成。
塩化アンモニウム水溶液(5.0M;400μL、2.0mmol)、これに続いて活性化亜鉛(131mg、2.0mmol)を、C65(56mg、200μmol)のメタノール(2.0mL)中溶液に加えた。次いで、反応バイアルに蓋をして、30℃で16時間振盪し、この時点で反応混合物を濾過した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して濾液を濃縮し、次いで水(1.0mL)で混合し、ジクロロメタン(3×1.0mL)で抽出した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して、合わせた有機層を蒸発させて、C66を得た。これを以下のステップでそのまま使用した。
【0471】
ステップ3.メチル5−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)アミノ]ピリジン−2−カルボキシレート(C67)の合成。
【0472】
P10(81mg、200μmol)とC66(前のステップからのもの、≦200μmol)の混合物をN,N−ジメチルアセトアミドと混合し、次いでN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100μL、600μmol)で処理した。1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.24M)および2−ヒドロキシピリジン1−オキシド(0.1M)を、N,N−ジメチルアセトアミド(1.0mL、240μmolの1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩および100μmolの2−ヒドロキシピリジン1−オキシドを含有)中に含有する溶液を加え、反応バイアルに蓋をして、50℃で16時間振盪した。次いで、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して揮発物を除去し、残渣を分取薄層クロマトグラフィー対象下において、C67を得た。次のステップに進み、これをそのまま使用した。
【0473】
ステップ4.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボキシレート(C68)の合成。
【0474】
酢酸(1.0mL)とC67(前のステップからのもの、≦200μmol)の混合物を150℃で2時間振盪し、この時点で、Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して反応混合物を蒸発させた。生成したC68を以下のステップでそのまま使用した。
【0475】
ステップ5.2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸(13)の合成。
【0476】
水酸化リチウム水溶液(2.0M;1.0mL、2.0mmol)をC68(前のステップからのもの、≦200μmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)中混合物に加えた。メタノール(500μL)の添加後、反応バイアルに蓋をして、50℃で16時間振盪した。Speedvac(登録商標)濃縮装置を使用して揮発物を除去した後、ジメチルスルホキシド(1.0mL)を加え、pHを濃塩酸で7〜8に調節した。生成した混合物を逆相HPLC[カラム:Agela Durashell C18、5μm;移動相A:水中水酸化アンモニウム(pH10);移動相B:アセトニトリル;勾配:24%〜64%B]を使用して精製して、13を得た。収率:3.9mg、6.5μmol、4ステップにわたり3%。LCMS m/z 604[M+H]
+。保持時間:3.14分間(カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:0.6分間にわたり1%〜5%B;3.4分間にわたり5%〜100%B;流速:0.8mL/分)。
【0477】
実施例14
2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(14)
【0478】
【化73】
【0479】
ステップ1.メチル2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C69)の合成。
【0480】
N,N−ジイソプロピルエチルアミン(683μL、3.92mmol)をP3(680mg、1.31mmol)のアセトニトリル(5.2mL)中混合物に加えた。これを45℃で5分間撹拌させておき、この時点でP16(319mg、1.34mmol)を加えた。45℃で2.75時間撹拌を継続し、次いで水(6mL)を加えてから、反応混合物を室温に冷却させ、30分間撹拌した。濾過を介して固体を収集し、アセトニトリルと水(1:4、3×5mL)の混合物で洗浄して、C69を白色の固体として得た。収率:635mg、1.15mmol、88%。LCMS m/z 550.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.15 - 8.12 (m, 1H), 7.97 (dd, J = 8.5, 1.6 Hz, 1H), 7.74 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 8.2, 8.2 Hz, 1H), 7.16 - 7.07 (m, 2H), 6.79 - 6.73 (m, 1H), 6.72 - 6.65 (m, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 3.88 (s, 2H), 3.04 - 2.93 (m, 2H), 2.76 - 2.66 (m, 1H), 2.37 - 2.25 (m, 2H), 2.04 (br s, 3H), 1.89 - 1.78 (m, 4H).
ステップ2.2−({4−[(2S)−2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(14)の合成。
【0481】
C69(600mg、1.09mmol)のメタノール(11mL)中混合物を45℃に加熱し、次いで水酸化ナトリウム水溶液(1M;2.2mL、2.2mmol)で処理した。24時間後、水性クエン酸(1M;1.1mL)の添加を介して、反応混合物をpH5〜6に調節し、次いで水(10mL)で希釈した。生成した混合物を室温まで冷却させておき、1時間撹拌し、濾過を介して、この時点で沈殿した固体を収集し、メタノールと水(1:4;3×5mL)の混合物で洗浄した。これにより、14を白色の固体として生成した。収率:535mg、0.998mmol、92%。LCMS m/z 536.1◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.81 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.59 - 7.52 (m, 2H), 7.33 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 6.81 - 6.70 (m, 3H), 3.94 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 3.01 - 2.91 (m, 2H), 2.70 - 2.59 (m, 1H), 2.28 - 2.16 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.73 (m, 4H).
実施例15および実施例16
2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X1、トリフルオロ酢酸塩(15)[C71を介してP18から];および2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2、トリフルオロ酢酸塩(16)[C72を介してP18から]
【0482】
【化74】
【0483】
ステップ1.メチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C70)[P18から]の合成。
【0484】
P18(240mg、0.699mmol)、C4(275mg、0.800mmol)、炭酸セシウム(455mg、1.40mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(40.0mg、43.7μmol)、および1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスファン)(BINAP;52.2mg、83.8μmol)のトルエン(5mL)中混合物を窒素で5分間脱気し、次いで90℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:1:1石油エーテル/酢酸エチル)によりC70、ジアステレオマーの混合物を黄色の油状物質として生成した。収率:165mg、0.272mmol、39%。LCMS m/z 628.1◆[M+Na
+]。
【0485】
ステップ2.メチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、DIAST−Y1(C71)[P18から];およびメチル2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、DIAST−Y2(C72)[P18から]の単離。
【0486】
SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、C70(165mg、0.272mmol)において、ジオキソランでの立体異性体の分離を行った。第1溶出異性体をDIAST−Y1(C71)と命名し、第2溶出異性体をDIAST−Y2(C72)と命名した。両方とも白色の固体として単離した。
【0487】
C71収率:55.0mg、90.7μmol、33%。LCMS m/z 605.9◆[M+H]
+。保持時間4.47分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:4.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで2.5分間保持;流速:2.8mL/分)。
【0488】
C72収率:58.0mg、95.7μmol、35%。LCMS m/z 628.0◆[M+Na
+]。保持時間は4.88分間(C71に対して使用されている条件と同一の分析用条件)。
【0489】
ステップ3.2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X1、トリフルオロ酢酸塩(15)[C71を介してP18から]の合成。
【0490】
メタノール(2.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物中のC71(55.0mg、90.7μmol)の溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(3M;1.0mL、3.0mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した後、1M塩酸の添加によりpHを7に調節し、生成した混合物をジクロロメタンとメタノール(10:1、3×30mL)の混合物で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:10%〜95%B)により、15を白色の固体として得た。収率:35.8mg、50.7μmol、56%。LCMS m/z 592.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.46 (s, 1H), 8.21 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.78 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.16 - 7.08 (m, 2H), 6.76 (dd, J = 8.2, 8.1 Hz, 1H), 6.55 - 6.47 (m, 2H), 4.9 - 4.70 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.82 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.66 - 3.56 (m, 1H), 3.50 - 3.41 (m, 1H), 3.19 - 3.09 (m, 1H), 3.15 (s, 3H), 3.08 - 2.99 (m, 1H), 2.63 - 2.57 (m, 1H), 2.27 - 2.17 (m, 1H), 2.01 (s, 3H), 1.76 - 1.66 (m, 2H), 1.62 - 1.50 (m, 2H), 1.35 - 1.26 (m, 1H).
ステップ4.2−{6−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]−6−アザスピロ[2.5]オクタ−1−イル}−1−(2−メトキシエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸、DIAST−X2、トリフルオロ酢酸塩(16)[C72を介してP18から]の合成。
【0491】
メタノール(2.0mL)とテトラヒドロフラン(1.0mL)の混合物中のC72(58.0mg、95.7μmol)の溶液に、水酸化ナトリウムの水溶液(3M;1.0mL、3.0mmol)を加えた。反応混合物を20℃で2時間撹拌した後、1M塩酸の添加によりpHを7に調節し、生成した混合物をジクロロメタンとメタノールの混合物(10:1、3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。逆相HPLC(カラム:Boston Green ODS、5μm;移動相A:水中0.1%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル;勾配:35%〜95%B)により、16を白色の固体として得た。収率:33.4mg、47.3μmol、49%。LCMS m/z 592.2◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.53 - 8.50 (m, 1H), 8.25 (dd, J = 8.6, 1.4 Hz, 1H), 7.80 (br d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.57 (dd, J = 8.4, 8.2 Hz, 1H), 7.25 (dd, J = 10.8, 2.0 Hz, 1H), 7.19 (br dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H), 6.77 (dd, J = 8.2, 8.1 Hz, 1H), 6.55 - 6.50 (m, 2H), 4.9 - 4.72 (m, 2H, 推定; 水ピークにより一部不明確), 3.93 - 3.80 (m, 2H), 3.68 - 3.58 (m, 1H), 3.41 - 3.3 (m, 1H, 推定; 溶媒ピークにより一部不明確), 3.25 (s, 3H), 3.22 - 3.12 (m, 1H), 3.07 - 2.97 (m, 1H), 2.67 (dd, J = 8.3, 5.8 Hz, 1H), 2.28 - 2.17 (m, 1H), 2.01 (d, J = 1.0 Hz, 3H), 1.86 - 1.71 (m, 2H), 1.69 - 1.56 (m, 2H), 1.36 - 1.26 (m, 1H).
実施例17および実施例18
アンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(17)およびアンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(18)
【0492】
【化75】
【0493】
ステップ1.メチル4−[({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}アセチル)アミノ]−3−{[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]アミノ}ベンゾエート(C73)の合成。
【0494】
O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(566mg、1.49mmol)をP19(340mg、1.24mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中混合物に加え、混合物を25℃で10分間撹拌した。次いで、P10(503mg、1.24mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(615μL、3.53mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(7.7mL)中溶液を加え、反応混合物を25℃で16時間撹拌し、この時点でこれを水(10mL)の中に注ぎ入れ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を塩化アンモニウム水溶液(3×20mL)および塩化ナトリウム飽和水溶液(2×20mL)で逐次的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:酢酸エチル中0%〜5%メタノール)を使用して精製して、C73を薄茶色のガム状物質として得た。収率:316mg、0.477mmol、38%。LCMS m/z 662.2◆[M+H]
+。
【0495】
ステップ2.メチル2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート(C74)の合成。
【0496】
C73(316mg、0.477mmol)の酢酸(14mL)中溶液を55℃で16時間撹拌した。高真空下で溶媒を除去し、分取薄層クロマトグラフィー(溶出液:10:1ジクロロメタン/メタノール)を使用して残渣を精製して、C74を無色の油状物質として得た。収率:200mg、0.310mmol、65%。LCMS m/z 644.3◆[M+H]
+。
【0497】
ステップ3.アンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−1(17)およびアンモニウム2−({4−[2−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−2−メチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)−1−[(1−エチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボキシレート、ENT−2(18)の合成。
【0498】
メタノール(3mL)とテトラヒドロフラン(3mL)の混合物中のC74(150mg、0.233mmol)と水酸化ナトリウム水溶液(2M;233μL、0.466mmol)の混合物を45℃で16時間撹拌した。1M塩酸の添加により反応混合物をpH7に調節した後で、これを真空中で濃縮して、17と18の混合物を得た。SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD、10μm;移動相:1:1二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を介してこれらのエナンチオマーを分離した。第1溶出エナンチオマーをENT−1(17)と命名し、第2溶出エナンチオマーをENT−2(18)と命名した。両方とも白色の固体として単離した。
【0499】
17収率:45.0mg、69.5μmol、30%。LCMS m/z 630.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.15 (br s, 1H), 8.00 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.3, 2.1 Hz, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 8.0, 7.7 Hz, 1H), 6.69 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 6.67 - 6.60 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB= 14.3 Hz, Δν
AB = 6.9 Hz, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.74 - 2.64 (m, 1H), 2.32 - 2.21 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.82 - 1.61 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.3 Hz, 3H).保持時間5.66分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD−3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:5.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで3.0分間保持;流速:2.5mL/分)。
【0500】
18収率:32.8mg、50.7μmol、22%。LCMS m/z 630.3◆[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 8.15 (s, 1H), 8.00 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 8.3, 8.3 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.9, 2.0 Hz, 1H), 7.21 (dd, J = 8.3, 2.0 Hz, 1H), 6.77 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.69 (dd, ABCパターンの成分, J = 7.9, 1.2 Hz, 1H), 6.67 - 6.60 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 4.12 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.89 (AB四重線, J
AB = 14.1 Hz, Δν
AB = 7.4 Hz, 2H), 3.01 - 2.90 (m, 2H), 2.74 - 2.63 (m, 1H), 2.31 - 2.21 (m, 2H), 2.02 (s, 3H), 1.82 - 1.60 (m, 4H), 1.29 (t, J = 7.3 Hz, 3H).保持時間5.34分間(17に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0501】
表2に特定された適当な中間体(複数可)を使用して、表2に特定された実施例と類似の手順を使用して表1に列挙された化合物を調製した。本明細書で考察された方法を使用して、化合物を精製した。最終化合物は、中性塩または酸性塩または塩基性塩として単離され得る。
【0502】
【表11-1】
【0503】
【表11-2】
【0504】
【表11-3】
【0505】
【表11-4】
【0506】
【表11-5】
【0507】
【表11-6】
【0508】
【表11-7】
【0509】
【表11-8】
【0510】
【表11-9】
【0511】
【表11-10】
【0512】
【表11-11】
【0513】
【表11-12】
【0514】
【表11-13】
【0515】
【表11-14】
【0516】
【表11-15】
【0517】
【表12-1】
【0518】
【表12-2】
【0519】
【表12-3】
【0520】
【表12-4】
【0521】
【表12-5】
【0522】
【表12-6】
【0523】
【表12-7】
【0524】
【表12-8】
【0525】
【表12-9】
【0526】
【表12-10】
【0527】
【表12-11】
【0528】
1. SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD-H、5μm;移動相:7:3二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有する2-プロパノール)]を介して、ラセミメチルエステル[メチル2-({4-[2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]ピペリジン-1-イル}メチル)-1-(2-メトキシエチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレート]をその構成成分エナンチオマーに分離した。第1溶出エナンチオマー、ENT-1(C76)は実施例21の合成に使用し、第2溶出エナンチオマー、ENT2(C77)は実施例20に変換した。C76保持時間:5.72分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak OD-3、4.6×150mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有する2-プロパノール;勾配:5.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで3.0分間保持;流速:2.5mL/分)。C77保持時間:6.01分間(C76に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0529】
2. C4とP17のカップリングから誘導されたメチルエステル(メチル2-{6-[2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]-6-アザスピロ[2.5]オクタ-1-イル}-1-(2-メトキシエチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレート)を、SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を介して、ジオキソランにおいてその構成成分立体異性体へと分離した。第1溶出異性体、DIAST-1(C78)は実施例26に変換した。
1H NMRデータ調査から、この材料は実施例15のエナンチオマーであった。第2溶出異性体、DIAST-2(C79)は実施例25の合成に使用した。
1H NMRデータ調査から、この材料は実施例16のエナンチオマーであった。C78保持時間:3.60分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:4.5分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで2.5分間保持;流速:2.8mL/分)。C79保持時間:3.82分間(C78に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0530】
3. Dean-Stark装置を使用した水の除去と共にトルエン中p-トルエンスルホン酸による3-フルオロ-4-ホルミルベンゾニトリルおよび3-ブロモベンゼン-1,2-ジオールの処理を介して、4-(4-ブロモ-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル)-3-フルオロベンゾニトリルを調製した。次いで、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)およびヨウ化銅(I)の存在下でこの材料を[1-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-4-イル](ヨード)亜鉛と反応させ、これに続いてp-トルエンスルホン酸を使用してエステル切断を行うことにより、必要な3-フルオロ-4-[4-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル]ベンゾニトリルを得た。
【0531】
4. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:4.0分間にわたり10%〜100%B;流速:0.8mL/分。
【0532】
5. 分析HPLCに対する条件。カラム:Waters XBridge C18、2.1×50mm、5μm;移動相A:水中0.0375%トリフルオロ酢酸;移動相B:アセトニトリル中0.01875%トリフルオロ酢酸;勾配:0.6分間にわたり1%〜5%B;3.4分間にわたり5%〜100%B;流速:0.8mL/分。
【0533】
6. 調製P7においてC12の合成に対して記載されている手順を使用して、tert-ブチル4-[2-メチル-2-(ピリジン-2-イル)-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]-3,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを3-ブロモベンゼン-1,2-ジオールおよび2-エチニルピリジンから合成した。パラジウム担持炭素上でのその後の水素化、これに続く酢酸エチル中塩化水素での処理により、必要な2-[2-メチル-4-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル]ピリジン、塩酸塩を生成した。
【0534】
7. SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD、10μm;移動相:65:35二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を介して、ラセミメチルエステル[メチル1-(2-メトキシエチル)-2-({4-[2-メチル-2-(ピリジン-2-イル)-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]ピペリジン-1-イル}メチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレート]をその構成成分エナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーENT-1(C80)は実施例90の合成に使用し、第2溶出エナンチオマーENT-2(C81)は実施例89に変換した。C80保持時間:4.11分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak AD-3、4.6×100mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するエタノール;勾配:4.5分間にわたり5%〜40%B、次いで、40%Bで2.5分間保持;流速:2.8mL/分)。C81保持時間:4.62分間(C80に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0535】
8. 調製P4においてP2からのP4の合成に対して記載されている方法を使用して、P8およびP9の対応するシアノ置換誘導体への変換を行った。
9. オルトギ酸トリメチルおよびp-トルエンスルホン酸による1-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)エタノンの処理により、4-クロロ-1-(1,1-ジメトキシエチル)-2-フルオロベンゼンを得た。これを、p-トルエンスルホン酸の存在下で、3-ブロモ-6-フルオロベンゼン-1,2-ジオールと反応させて、4-ブロモ-2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-7-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソールを得た。C2からのP1の合成に対して調製P1に記載されている方法を使用して、この材料を必要なtert-ブチル4-[2-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-7-フルオロ-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]ピペリジン-1-カルボキシレートに変換した。
【0536】
10. SFC[カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、5μm;移動相:3:1二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有する2-プロパノール)]を使用して、96および97においてジオキソランでの立体異性体の分離を行った。第1溶出異性体をDIAST-1(96)と命名し、第2溶出異性体をDIAST-2(97)と命名した。
【0537】
11. 分析用SFCに対する条件。カラム:Chiral Technologies Chiralpak IG、4.6×100mm、5μm;移動相:7:3二酸化炭素/(0.2%水酸化アンモニウムを含有する2-プロパノール);流速:1.5mL/分;逆圧:150バール。
【0538】
12. P11の合成に対して記載されている方法を使用して、tert-ブチル2-(クロロメチル)-1-(1,3-オキサゾール-2-イルメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレートをtert-ブチル3-フルオロ-4-ニトロベンゾエートおよび1-(1,3-オキサゾール-2-イル)メタンアミンから合成した。トリエチルアミンを使用して、C54でのその後の反応物を行い、tert-ブチル2-({4-[2-(4-シアノ-2-フルオロフェニル)-2-メチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル]ピペリジン-1-イル}メチル)-1-(1,3-オキサゾール-2-イルメチル)-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレートを得た。SFC[カラム:Chiral Technologies ChiralCel OD-H、5μm;移動相:55:45二酸化炭素/(0.1%水酸化アンモニウムを含有するエタノール)]を使用して、これをその構成成分エナンチオマーへと分離した。第1溶出エナンチオマーENT-1(C82)を99の合成に使用し、第2溶出エナンチオマーENT-2(C83)を98に変換した。C82保持時間:1.47分間(カラム:Chiral Technologies Chiralpak OD-3、4.6×50mm、3μm;移動相A:二酸化炭素;移動相B:0.05%ジエチルアミンを含有するメタノール;勾配:5%Bで0.2分間、次いで1.4分間にわたり5%〜40%B、次いで40%Bで1.05分間保持;流速:4mL/分)。C83保持時間:1.85分間(C82に対して使用された条件と同一の分析用SFC条件)。
【0539】
13. 1-ブロモ-2,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゼンと1-メチルピロリジン-2-オン中銅(I)シアニドとの高温での反応により、2,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゾニトリルを得た。これを塩化チオニルおよびメタノールに供し、メチル2,3-ジフルオロ-4-ニトロベンゾエートを得た。C29の使用を介して、メチル3-フルオロ-4-ニトロベンゾエートからのP11の合成に対して調製P11に記載されている方法を介して、この材料を必要なメチル2-(クロロメチル)-7-フルオロ-1-[(2S)-オキセタン-2-イルメチル]-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキシレートに変換した。
【0540】
14. C13の合成に対して記載されている方法に類似の方法により、必要な[2-フェニル-4-(ピペリジン-4-イル)-1,3-ベンゾジオキソール-2-イル]メタノールを2-オキソ-2-フェニルエチルアセテートから合成した。
【0541】
CHO GLP−1RクローンH6−アッセイ1
細胞内のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光(Homogeneous Time−Resolved Fluorescence))cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit;CisBio cat#62AM6PEJ)を利用した細胞ベースの機能的アッセイを用いて、GLP−1R媒介性アゴニスト活性を決定した。この方法は、細胞により生成される天然cAMPと、色素d2で標識した外部からのcAMPとの間の競合性イムノアッセイである。トレイサー結合を、クリプテート標識したmAb抗−cAMPにより視覚化する。特定のシグナル(すなわちエネルギー移動)は、基準または実験的試料のいずれかにおいてcAMPの濃度と反比例する。
【0542】
ヒトGLP−1Rコード配列(天然由来の変異型Gly168Serを含むNCBI参照配列NP_002053.3)をpcDNA3(Invitrogen)にサブクローニングし、受容体を安定的に発現する細胞株を単離した(Clone H6と命名)。
125I−GLP−1
7−36(Perkin Elmer)を使用した飽和結合分析(濾過アッセイ手順)は、この細胞株由来の原形質膜が、高いGLP−1R密度(K
d:0.4nM、B
max:1900fmol/mgタンパク質)を発現することを示した。
【0543】
細胞を凍結保存状態から解凍し、40mLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS−Lonza Cat#17−512Q)に再懸濁させ、800×gで、22℃で5分間遠心分離した。次いで、細胞ペレットを10mLの増殖培地[DMEM/F12のHEPES、L−Glnとの1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonza Cat#12−719F)、10%熱失活ウシ胎児血清(Gibco Cat#16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibco Cat#15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibco Cat#25030−081)および500μg/mLのジェネテシン(G418)(Invitrogen #10131035)]に再懸濁させた。増殖培地内の1mLの細胞懸濁液の試料をBecton Dickinson ViCell上でカウントして、1mL当たりの細胞生存度および細胞カウント数を決定した。次いで、Matrix Combi Multidrop試薬ディスペンサーを使用して、1ウェル当たり2000個の生存細胞が送達されるように、残留する細胞懸濁液を増殖培地で調節し、白色384ウェルの組織培養物で処理したアッセイプレート(Corning3570)に細胞を分注した。次いで、アッセイプレートを、5%二酸化炭素中の加湿環境内で、37℃で48時間インキュベートした。
【0544】
試験する異なる濃度の各化合物(DMSO中)を、100μM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX;Sigma cat#I5879)を含有するアッセイ緩衝液(HBSSとカルシウム/マグネシウム(Lonza/BioWhittaker cat#10−527F)/0.1%BSA(Sigma Aldrich cat#A7409−1L)/20mM HEPES(Lonza/BioWhittaker cat#17−737E)で希釈した。最終DMSO濃度は1%である。
【0545】
48時間後、増殖培地をアッセイプレートウェルから除去し、5%二酸化炭素内の加湿環境内で、細胞をアッセイ緩衝液中の20μLの連続希釈化合物で、37℃で30分間処理した。30分間のインキュベーション後、10μLの標識したd2 cAMPおよび10μLの抗−cAMP抗体(両方とも細胞溶解緩衝液中で1:20希釈。製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、励起330nmならびに発光615および665nmを使用して、Envision 2104マルチ−標識プレートリーダーでHTRFシグナルの変化を読み取った。生データをcAMP検量線からの内挿によりnM cAMPに変換し(製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)、各プレートに含まれていた完全アゴニストGLP−1
7−36(1μM)の飽和濃度に対して、パーセント作用を決定した。4パラメーターロジスティック用量反応方程式を使用したカーブフィッティングプログラムを用いて分析したアゴニスト用量反応曲線からEC
50の決定を行った。
【0546】
CHO GLP−1RクローンC6−アッセイ2
細胞内のcAMPレベルを測定するHTRF(均一時間分解蛍光)cAMP検出キット(cAMP HI Range Assay Kit;Cis Bio cat#62AM6PEJ)を利用した細胞ベースの機能的アッセイを用いて、GLP−1R媒介性アゴニスト活性を決定した。この方法は、細胞により生成される天然cAMPと、色素d2で標識した外部からのcAMPとの間の競合性イムノアッセイである。トレイサー結合をクリプテート標識したmAb抗−cAMPにより視覚化する。特定のシグナル(すなわちエネルギー移動)は、基準または実験的試料のいずれかにおいてcAMPの濃度と反比例する。
【0547】
ヒトGLP−1Rコード配列(天然由来の変異型Leu260Pheを含むNCBI参照配列NP_002053.3)をpcDNA5−FRT−TOにサブクローニングし、製造業者(ThermoFisher)により記載されている通り、低い受容体密度を安定的に発現するクローンのCHO細胞株を、Flp−In(商標)T−Rex(商標)Systemを使用して単離した。
125I−GLP−1(Perkin Elmer)を使用した飽和結合分析(濾過アッセイ手順)は、この細胞株(クローンC6と命名)由来の原形質膜が、クローンH6細胞株に対して、低いGLP−1R密度(K
d:0.3nM、B
max:240fmol/mgタンパク質)を発現することを示した。
【0548】
細胞を凍結保存状態から解凍し、40mLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS−Lonza Cat#17−512Q)に再懸濁させ、800×gで、22℃で5分間遠心分離した。DPBSを吸引し、細胞ペレットを10mLの完全増殖培地(DMEM:F12のHEPES、L−Glnとの1:1混合物、500mL(DMEM/F12 Lonza Cat#12−719F)、10%熱失活ウシ胎児血清(Gibco Cat#16140−071)、5mLの100X Pen−Strep(Gibco Cat#15140−122)、5mLの100X L−グルタミン(Gibco Cat#25030−081)、700μg/mLハイグロマイシン(Invitrogen Cat#10687010)および15μg/mLブラスチシジン(Gibco Cat#R21001)に再懸濁させた。増殖培地内の1mLの細胞懸濁液の試料をBecton Dickinson ViCell上でカウントして、1mL当たりの細胞生存度および細胞カウント数を決定した。次いで、Matrix Combi Multidrop試薬ディスペンサーを使用して、1ウェル当たり1600個の生存細胞が送達されるように、残留する細胞懸濁液を増殖培地で調節し、白色384ウェルの組織培養物で処理したアッセイプレート(Corning3570)に細胞を分注した。次いで、アッセイプレートを、加湿環境(95%O
2、5%CO
2)内で、37℃で48時間インキュベートした。
【0549】
試験する異なる濃度の各化合物(DMSO中)を、100μM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX;Sigma cat#I5879)を含有するアッセイ緩衝液[HBSSとカルシウム/マグネシウム(Lonza/BioWhittaker cat#10−527F)/0.1%BSA(Sigma Aldrich cat#A7409−1L)/20mM HEPES(Lonza/BioWhittaker cat#17−737E)]で希釈した。化合物/アッセイ緩衝液混合物中の最終DMSO濃度は1%である。
【0550】
48時間後、増殖培地をアッセイプレートウェルから除去し、加湿環境(95%O
2、5%CO
2)内で、細胞をアッセイ緩衝液中の20μLの連続希釈化合物で、37℃で30分処理した。30分間のインキュベーション後、10μLの標識したd2 cAMPおよび10μLの抗−cAMP抗体(両方とも細胞溶解緩衝液中で1:20希釈。製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)をアッセイプレートの各ウェルに加えた。次いで、プレートを室温でインキュベートし、60分後、励起330nmならびに発光615および665nmを使用して、Envision 2104マルチ−標識プレートリーダーでHTRFシグナルの変化を読み取った。生データをcAMP検量線からの内挿によりnM cAMPに変換し(製造業者のアッセイプロトコルに記載の通り)、各プレートに含まれていた完全アゴニストGLP−1(1μM)の飽和濃度に対して、パーセント作用を決定した。4−パラメーターロジスティック用量反応方程式を使用したカーブフィッティングプログラムを用いて分析したアゴニスト用量反応曲線からEC
50の決定を行った。
【0551】
表3において、列挙された繰返し数(数)に基づき、アッセイデータを幾何平均(EC
50)および算術平均(Emax)として2つの有意な数字で表す。ブランク細胞とは、その実施例に対してデータは存在しない、またはEmaxが計算されなかったことを意味する。
【0552】
【表13-1】
【0553】
【表13-2】
【0554】
【表13-3】
【0555】
【表13-4】
【0556】
本明細書で参照されたすべての特許、特許出願および参考文献は、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。