(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
光検出装置は、光子を吸収し、吸収した光子から光キャリアを生成するように構成される吸収層を含み、吸収層はゲルマニウムを含む。キャリアガイドユニットが吸収層に電気的に結合され、キャリアガイドユニットは、第1のゲート端子を含む第1のスイッチを含む。
前記キャリアガイドユニットが、前記第1のスイッチと物理的に分離される第2のスイッチをさらに備え、前記第2のスイッチが第2のゲート端子を備える、請求項1に記載の光検出装置。
前記第1のスイッチが第1のキャリア出力領域および第1のキャリア入力領域をさらに備え、前記第1のキャリア出力領域および前記第1のキャリア入力領域が前記第1のゲート端子の2つの対向する側にあり、前記第2のスイッチが第2のキャリア出力領域および第2のキャリア入力領域を備え、前記第2のキャリア出力領域および前記第2のキャリア入力領域が前記第2のゲート端子の2つの対向する側にあり、前記第1のキャリア出力領域、前記第1のキャリア入力領域、前記第2のキャリア出力領域、および前記第2のキャリア入力領域が同じ導電型のものである、請求項3に記載の光検出装置。
前記吸収層に接続される基板をさらに備え、前記基板が、第1の側および前記第1の側の反対にある第2の側を備え、前記第1のキャリア出力領域、前記第1のキャリア入力領域、前記第2のキャリア出力領域、および前記第2のキャリア入力領域が前記基板の前記第1の側にあり、前記第1のゲート端子および前記第2のゲート端子が前記第1の側を覆っている、請求項4に記載の光検出装置。
前記第2の領域から物理的に分離されて前記第3の領域によって取り囲まれる第4の領域をさらに備え、前記第4の領域が前記第2の領域の前記第2の導電型と異なる第4の導電型のものである、請求項9に記載の光検出装置。
第1の導電性ワイヤと第2の導電性ワイヤとをさらに備え、前記第1の領域が前記吸収層内に配置され、前記第1の領域が前記第1の導電性ワイヤを介して前記第1のキャリア入力領域に電気的に結合され、前記第1の領域が前記第2の導電性ワイヤを介して前記第2のキャリア入力領域に電気的に結合される、請求項5に記載の光検出装置。
前記第1の領域が前記基板と前記吸収層の間に配置され、前記第1の領域が前記吸収層の幅より広い幅を有し、前記第1の領域の前記第1の導電型が前記第1のキャリア出力領域の前記導電型と同じものである、請求項11に記載の光検出装置。
前記キャリアガイドユニットと前記吸収層を接続するため前記基板と前記吸収層の間に配置されるボンディング構造をさらに備え、前記ボンディング構造が、ボンディング層、第1の導電構造、および第2の導電構造を備え、前記第1の導電構造が前記ボンディング層を貫通して前記第1のキャリア入力領域と前記第1の領域を接続し、前記第2の導電構造が前記ボンディング層を貫通して前記第2のキャリア入力領域と前記第2の領域を接続する、請求項14に記載の光検出装置。
前記第1のスイッチが第1のキャリア出力領域をさらに備え、前記第2のスイッチが第2のキャリア出力領域をさらに備え、前記キャリアガイドユニットが、前記第1のゲート端子と前記第2のゲート端子の間に配置される共通領域をさらに備える、請求項2に記載の光検出装置。
前記共通領域が、前記第1のキャリア出力領域の第2の深さおよび前記第2のキャリア出力領域の第3の深さよりも深い第1の深さを有する、請求項18に記載の光検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の例示的な実施形態は、以降は、添付図面を参照して詳細に記載されることになる。以下の実施形態は、当業者が本開示の精神を十分に理解するのを助けるために例として与えられる。したがって、本開示が本明細書の実施形態に限定されず、様々な形で実現できることに留意されたい。さらに、図は、正確には原寸に比例しておらず、構成要素は、幅、高さ、長さなどの点で誇張されている場合がある。本明細書では、同様または同じ参照番号は、図を通して、同様または同じ構成要素を示すことになる。
【0011】
本開示では、光検出装置は、光信号を電気信号に変換する。「ゲルマニウム-シリコン(GeSi)」という用語は、Ge
xSi
1-xのことを呼び、ここで、0<x<1である。「真性」という用語は、意図的にドーパントを加えることのない半導体材料のことを呼ぶ。
【0012】
図1Aは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。光検出装置は、吸収層10および吸収層10を支持する基板20を含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、基板20によって支持される。いくつかの実施形態では、基板20の材料は、吸収層10の材料と異なる。いくつかの実施形態では、吸収層10は、上側101、および上側101の反対にある下側102を含む。いくつかの実施形態では、吸収層10の上側101は、上面103を含む。下側102は底面104を含む。
【0013】
吸収層10は、光子を吸収し、吸収した光子から光キャリアを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、吸収層10は、850nm、940nm、1050nm、1064nm、1310nm、1350nm、または1550nmなどといった、800nm以上の不可視波長範囲にピーク波長を有する光子を吸収するように構成される。いくつかの実施形態では、不可視波長範囲は、2000nm以下である。いくつかの実施形態では、吸収層10は、光信号を受け取り、光信号を電気信号に変換する。いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性である、p型ドーパントでドープされる、またはn型ドーパントでドープされる。いくつかの実施形態では、p型ドーパントは、III族元素を含む。いくつかの実施形態では、p型ドーパントはボロンである。いくつかの実施形態では、n型ドーパントは、V族元素を含む。いくつかの実施形態では、n型ドーパントはリンである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、多結晶材料を含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、GeSi、Si、またはGeを含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、アモルファスGeSiを含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、ゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、ゲルマニウムから構成される。いくつかの実施形態では、真性ゲルマニウムから構成される吸収層10は、吸収層10を形成する期間に形成される材料欠陥に起因して、p型のものであり、欠陥密度は、1×10
14cm
-3から1×10
16cm
-3である。
【0014】
いくつかの実施形態では、吸収層10は、検出する光子の波長および吸収層10の材料に依存する厚さを含む。いくつかの実施形態では、吸収層10がゲルマニウムを含み、800nm以上の波長を有する光子を吸収するように設計されるとき、吸収層10は、0.1um以上の厚さを有する。いくつかの実施形態では、吸収層10がゲルマニウムを含み、800nmと2000nmの間の波長を有する光子を吸収するように設計されるとき、吸収層10は、0.1umと2.5umの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、吸収層10は、量子効率をより高めるために、1umと2.5umの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、吸収層10は、ブランケットエピタキシャル、選択性エピタキシャル、または他の適用可能な技法を使用して成長させることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、基板20は、第1の側201、および第1の側201の反対にある第2の側202を含み、第1の側201は、吸収層10と第2の側202の間にある。第1の側201は第1の面203を含む。基板20は、吸収層10がその上に製造できる任意の好適な材料を含む。いくつかの実施形態では、基板20は、シリコンを含む。いくつかの実施形態では、基板20は、単一の材料から構成される。いくつかの実施形態では、基板20は、シリコンから構成される。いくつかの実施形態では、基板20は複数の材料を含み、たとえば基板20は絶縁材料および半導体材料を含む。いくつかの実施形態では、基板20は、SiO
2およびSiを含む。いくつかの実施形態では、基板20は、複数の層のスタックを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20に埋め込まれ、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20に部分的に埋め込まれる。
【0017】
光検出装置は、吸収層10に電気的に結合されるキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)をさらに含む。キャリアガイドユニットは、光検出装置の動作期間に、吸収層10によって生成された光キャリアを2つの異なる方向に案内するように構成される。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、入射光Lが吸収層10へと入り、吸収層10によって生成された光キャリアを入射光の方向に沿った2つの反対側に案内するようにキャリアガイドユニットが構成される。いくつかの実施形態では、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)は、両方とも吸収層10に電気的に結合される第1のスイッチ30と第2のスイッチ40を含む。第2のスイッチ40は、第1のスイッチ30から物理的に分離される。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30が第1のゲート端子301を含み、第2のスイッチ40が第2のゲート端子401を含む。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301と第2のゲート端子401は、両方とも吸収層10の上側101の上方にある。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301は、吸収層10の上面103の上方の第1の接触層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401は、吸収層10の上面103の上方の第2の接触層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、第1の接触層(図示せず)と吸収層10の間に、ショットキー接触が形成される。いくつかの実施形態では、第2の接触層(図示せず)と吸収層10の間に、ショットキー接触が形成される。いくつかの実施形態では、第1の接触層(図示せず)と吸収層10の間に、オーム接触が形成される。いくつかの実施形態では、第2の接触層(図示せず)と吸収層10の間に、オーム接触が形成される。いくつかの実施形態では、第1の接触層(図示せず)と吸収層10の間にオーム接触を形成するために、吸収層10の中で第1の接触層(図示せず)の直下の位置に第1のドープ領域(図示せず)が形成され、第1のドープ領域(図示せず)は、ピーク濃度を有するドーパントを含む。いくつかの実施形態では、第2の接触層(図示せず)と吸収層10の間にオーム接触を形成するために、吸収層10の中で第2の接触層(図示せず)の直下の位置に第2のドープ領域(図示せず)が形成され、第2のドープ領域(図示せず)は、ピーク濃度を有するドーパントを含む。第1のドープ領域のドーパントのピーク濃度は、第1の接触層(図示せず)の材料および吸収層の材料に依存し、たとえば、1×10
19cm
-3と5×10
20cm
-3の間である。第2のドープ領域のドーパントのピーク濃度は、第2の接触層(図示せず)の材料および吸収層の材料に依存し、たとえば、1×10
19cm
-3と5×10
20cm
-3の間である。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301は、第1の絶縁層(図示せず)、および第1の絶縁層(図示せず)上の第1の接触層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401は、第2の絶縁層(図示せず)、および第2の絶縁層(図示せず)上の第2の接触層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、第1の絶縁層(図示せず)は、第1の接触層(図示せず)と吸収層10の間に配置される。いくつかの実施形態では、第2の絶縁層(図示せず)は、第2の接触層(図示せず)と吸収層10の間に配置される。いくつかの実施形態では、第1の接触層(図示せず)および第2の接触層(図示せず)は金属または合金を含む。たとえば、第1の接触層(図示せず)および第2の接触層(図示せず)は、Al、Cu、W、Ti、Ta-TaN-Cuスタック、Ti-TiN-Wスタック、および様々なケイ素化合物、およびゲルマニウム化合物を含む。ケイ素化合物としては、限定しないが、ニッケルケイ化物が挙げられる。ゲルマニウム化合物としては、限定しないが、ニッケルゲルマニウム化合物が挙げられる。第1の絶縁層(図示せず)および第2の絶縁層(図示せず)は、それぞれ、第1の接触層(図示せず)から吸収層10へ、および第2の接触層(図示せず)から吸収層10へと直接電流が伝わるのを防ぐが、それぞれ、第1の接触層(図示せず)および第2の接触層(図示せず)への電圧の印加に応じて、吸収層10内に電場を確立させるのを可能にする。確立した電場は、吸収層10内の電荷を吸引または反発する。いくつかの実施形態では、第1の絶縁層(図示せず)および第2の絶縁層(図示せず)は、限定しないが、SiO
2を含む。いくつかの実施形態では、第1の絶縁層(図示せず)および第2の絶縁層(図示せず)は、限定しないが、Si
3N
4、SiON、SiN
x、SiO
x、GeO
x、Al
2O
3、Y
2O
3、TiO
2、Y
2O
3、HfO
2、またはZrO
2を含む高k材料を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30が第1のキャリア出力領域302をさらに含み、第2のスイッチ40が第2のキャリア出力領域402をさらに含む。キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)は、第1のゲート端子301と第2のゲート端子401の間に共通領域50をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302は、吸収層10によって生成される光キャリアの大部分を集めるように構成される。いくつかの実施形態では、第2のキャリア出力領域402は、吸収層10によって生成される光キャリアの大部分を集めるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301は、第1のキャリア出力領域302と共通領域50の間にある。第2のゲート端子401は、第2のキャリア出力領域402と共通領域50の間にある。いくつかの実施形態では、共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402は、吸収層10の上側101にある。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302はある導電型のものであり、第2のキャリア出力領域402は、第1のキャリア出力領域302の導電型と同じ導電型のものである。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302の導電型は共通領域50の導電型と同じであり、第2のキャリア出力領域402の導電型は共通領域50の導電型とやはり同じである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、共通領域50の導電型、第2のキャリア出力領域402の導電型、および第1のキャリア出力領域302の導電型と異なる導電型のものである。いくつかの実施形態では、共通領域50の材料、第1のキャリア出力領域302の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および吸収層10の材料は、同じである。たとえば、共通領域50の材料、第1のキャリア出力領域302の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および吸収層10の材料は、すべてゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、共通領域50はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第2のキャリア出力領域402はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50のドーパントは異なる。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50のドーパントは同じである。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50がn型のものであるとき、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50のドーパントとしては、限定しないが、リン、ヒ素、アンチモン、またはフッ素が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50はp型のものであるとき、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50のドーパントとしては、限定しないが、ボロンが挙げられる。いくつかの実施形態では、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)が単一の吸収層10と一体化され、したがって、光検出装置は、復調コントラストが改善される。
【0020】
いくつかの実施形態では、共通領域50および吸収層10は、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。本開示では、「縦型フォトダイオード」という用語は、p端子からn端子への方向が、吸収層10の底面104から上面103への方向にほぼ平行であるフォトダイオードのことを呼ぶ。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301が吸収層10にショットキー接触する第1の接触層を含むとき、第1のスイッチ30および共通領域50は第1のMESFET(金属半導体電界効果型トランジスタ)と呼ばれる。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401が吸収層10にショットキー接触する第2の接触層を含むとき、第2のスイッチ30および共通領域50は第2のMESFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトダイオード、第1のMESFET、第2のMESFETは、共通領域50を共有する。言い換えると、共通領域50は、フォトダイオードの一方の端部、第1のMESFETの一方の端部、第2のMESFETの一方の端部である。言い換えると、共通領域50は、フォトダイオードの一方の端部、第1のMESFETのソース、および第2のMESFETのソースである。たとえば、共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402がn型のものであるとき、共通領域50は、フォトダイオードのn端子、第1のMESFETのソース、および第2のMESFETのソースである。共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402がp型のものであるとき、共通領域50は、フォトダイオードのp端子、第1のMESFETのソース、および第2のMESFETのソースである。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のMESFET、第2のMESFET、縦型フォトダイオードはすべてが単一の吸収層10と一体化され、したがって、光検出装置は、改善した復調コントラストを有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301が第1の接触層と吸収層10の間に第1の絶縁層を含むとき、第1のスイッチ30および共通領域50は、第1のMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)と呼ばれる。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401が第1の接触層と吸収層10の間に第2の絶縁層を含むとき、第2のスイッチ40および共通領域50は、第2のMOSFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のMOSFETおよび第2のMOSFETはエンハンスメントモードであってよい。いくつかの実施形態では、第1のMOSFETおよび第2のMOSFETはディプリーションモードであってよい。いくつかの実施形態では、フォトダイオード、第1のMOSFET、第2のMOSFETは、共通領域50を共有する。言い換えると、共通領域50は、フォトダイオードの一方の端部、第1のMOSFETの一方の端部、第2のMOSFETの一方の端部である。言い換えると、共通領域50は、フォトダイオードの一方の端部、第1のMOSFETのソース、第2のMOSFETのソースである。たとえば、共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402がn型のものであるとき、共通領域50は、フォトダイオードのn端子、第1のMOSFETのソース、および第2のMOSFETのソースである。共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402がp型のものであるとき、共通領域50は、フォトダイオードのp端子、第1のMOSFETのソース、および第2のMOSFETのソースである。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のMOSFET、第2のMOSFET、縦型フォトダイオードはすべてが単一の吸収層10と一体化され、したがって、光検出装置は、復調コントラストが改善される。
【0025】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、第1の制御信号60および第2の制御信号をさらに含む。第1の制御信号60は、第1のスイッチ30に電気的に結合される。第2の制御信号70は、第2のスイッチ40に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、第1の制御信号60は、第1のゲート端子301に電気的に結合される。第2の制御信号70は、第2のゲート端子401に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、第1の制御信号60と第2の制御信号70の各々が、電源から提供されるDC電圧信号またはAC電圧信号を含む。いくつかの実施形態では、第1の制御信号60がDC電圧信号を含み、第2の制御信号70がAC電圧信号を含む。第1の制御信号60および第2の制御信号70を使用して、第1のスイッチ30に向けてまたは第2のスイッチ40に向けて移動するキャリアの方向を制御するためにキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)を制御する。ここで、キャリアは、吸収した光子から吸収層10によって生成される。いくつかの実施形態では、第1の制御信号60は電圧値Vに固定され、第2の制御信号70は電圧値V±ΔVの間で交番する。バイアス値の向きがキャリアの動く方向を決定する。いくつかの実施形態では、第1の制御信号60が電圧値V(たとえば、0.5V)に固定され、第2の制御信号70は、変化する電圧信号(たとえば、正弦波信号、クロック信号、または0Vまたは1Vで動作するパルス信号)である。
【0026】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、第1の読出し回路80および第2の読出し回路90をさらに含む。第1の読出し回路80は、第1のキャリア出力領域302に電気的に結合される。第1の読出し回路80は、第1の読出し電圧を出力するように構成される。第2の読出し回路90は、第2のキャリア出力領域402に電気的に結合される。第2の読出し回路90は、第2の読出し電圧を出力するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の読出し回路80および第2の読出し回路90は、各々が、リセットゲート(図示せず)、ソースフォロワ(図示せず)、および選択ゲート(図示せず)からなる3つのトランジスタを含む。いくつかの実施形態では、第1の読出し回路80および第2の読出し回路90は、各々が、キャリアを処理するために、4つ以上のトランジスタ(図示せず)、または任意の好適な電子構成要素(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、共通領域50に電気的に結合される第1の外部発生源(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の外部発生源(図示せず)は、電源から提供されるAC電圧信号を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の読出し回路80は第1のコンデンサ(図示せず)を含む。第1のコンデンサは、第1のキャリア出力領域302によって集められた光キャリアを貯蔵するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサは、第1の読出し回路80のリセットゲートに電気的に結合される。いくつかの実施形態では、第1のコンデンサは、第1の読出し回路80のソースフォロワと、第1の読出し回路80のリセットゲートとの間にある。いくつかの実施形態では、第2の読出し回路90は第2のコンデンサ(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサは、第2のキャリア出力領域402によって集められた光キャリアを貯蔵するように構成される。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサは、第2の読出し回路のリセットゲートに電気的に結合される。いくつかの実施形態では、第2のコンデンサは、第2の読出し回路90のソースフォロワと、第2の読出し回路のリセットゲートとの間にある。第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの例としては、限定しないが、浮遊拡散コンデンサ、金属-酸化物-金属(MOM)コンデンサ、金属-絶縁体-金属(MIM)コンデンサ、および金属-酸化物-半導体(MOS)コンデンサが挙げられる。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は、第1のキャリア出力領域302に接続される第1の読出し端子303をさらに含む。第2のスイッチ40は、第2のキャリア出力領域402に接続される第2の読出し端子403をさらに含む。第1の読出し回路80は、第1の読出し端子303を介して第1のキャリア出力領域302に電気的に結合される。第2の読出し回路90は、第2の読出し端子を介して第2のキャリア出力領域402に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)は、共通領域50と第1の外部発生源の間に第1の端子100をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の端子100、第1の読出し端子303、および第2の読出し端子403は、限定しないが、金属を含む導電材料を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、入射光Lの方向に応じて、基板20の第2の側202の上方または吸収層10の上側101の上方に遮光体110をさらに含む。遮光体110は、入射光Lを吸収層10の中に入れて、吸収層10の中で光子を吸収する区域を限定するための窓111を含む。いくつかの実施形態では、入射光Lが基板20の第2の側202から吸収層10に入るとき、遮光体110は、基板20の第2の側202にある。いくつかの実施形態では、窓111の形状は、窓111の上から見て楕円、円、長方形、正方形、菱形、八角形、または任意の他の好適な形状であってよい。いくつかの実施形態では、入射光Lは、3次元のターゲットの面から反射される。
【0030】
いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に吸収層10内の電場が変化され、したがって、キャリアの一部が第2のキャリア出力領域402または第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。光検出装置の動作期間に、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に異なる電圧が印加され、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402からの光キャリアの一部を集める。
【0031】
いくつかの実施形態では、光検出装置が動作すると、入射光Lが吸収層10によって吸収され、次いで、電子および正孔を含む光キャリアが生成される。第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加され、第1の絶縁層(図示せず)または第2の絶縁層(図示せず)の下にチャネルを形成し、第1のスイッチ30または第2のスイッチ40をオンに切り換える。光キャリアの正孔または電子は、チャネルを通って第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされ、次いで集められる。本開示では、同じ光検出装置において、第1のキャリア出力領域302によって集められたキャリアのタイプと第2のキャリア出力領域402によって集められたキャリアのタイプは同じである。たとえば、光検出装置が電子を集めるように構成されるとき、第1のスイッチ30がオンに切り換えられ第2のスイッチ40がオフに切り換えられると、第1のキャリア出力領域302が光キャリアの電子を集め、第2のスイッチ40がオンに切り換えられ第1のスイッチ30がオフに切り換えられると、第2のキャリア出力領域402が光キャリアの電子をやはり集める。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30および共通領域50が第1のMOSFETと呼ばれ、第2のスイッチ40および共通領域50が第2のMOSFETと呼ばれる。基板20はシリコンを含み、吸収層10は真性ゲルマニウムを含み、共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402はn型ゲルマニウムを含む。たとえば、吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。光検出装置の動作期間に、入射光Lは、基板20の第2の側202から吸収層10へと入り、吸収層10によって吸収されて、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。吸収層10が第1の電圧(たとえば、0V)であり、第1のゲート端子301が第2の電圧(たとえば、1V)を受け、第2のゲート端子401が第2の電圧より低い第3の電圧(たとえば、0V)を受ける。共通領域50は、第1の電圧より高い第4の電圧である。第1の絶縁層(図示せず)の下にnチャネルが形成され、共通領域50と第1のキャリア出力領域302を電気的に結合し、こうして第1のスイッチ30をオンに切り換える。光キャリアの電子の一部が、第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。あるいは、第1のゲート端子301が第5の電圧(たとえば、0V)を受け取り、第2のゲート端子401が第5の電圧より高い第6の電圧(たとえば、1V)を受け取る。第2の絶縁層(図示せず)の下にnチャネルが形成され、共通領域50と第2のキャリア出力領域402を電気的に結合し、こうして第2のスイッチ40をオンに切り換える。光キャリアの電子の一部が、第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。いくつかの実施形態では、動作期間の光検出装置の復調コントラストを改善するために、第3の電圧は0Vより高く、第2の電圧より低い。同様に、いくつかの実施形態では、動作期間の光検出装置の復調コントラストを改善するために、第5の電圧は0Vより高く、第6の電圧より低い。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、共通領域50は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。浮遊した共通領域は、光検出装置の動作期間に、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流を減らす、または共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のリーク電流を減らす。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30および共通領域50が第1のMOSFETと呼ばれ、第2のスイッチ40および共通領域50が第2のMOSFETと呼ばれる。基板20はシリコンを含み、吸収層10はn型ゲルマニウムを含み、共通領域50の導電型、第1のキャリア出力領域302の導電型、および第2のキャリア出力領域402の導電型はp型である。たとえば、吸収層10は、1×10
14cm
-3と1×10
16cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。共通領域50、第1のキャリア出力領域302、および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。光検出装置の動作期間に、入射光Lは、基板20の第2の側202から吸収層10へと入り、次いで吸収層10によって吸収されて、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。吸収層10が第1の電圧V1(たとえば、3V)であり、第1のゲート端子301が第2の電圧(たとえば、0V)を受け、第2のゲート端子401が第2の電圧より高い第3の電圧(たとえば、3V)を受ける。共通領域50は、第1の電圧より低い第4の電圧である。第1の絶縁層(図示せず)の下にpチャネルが形成され、共通領域50と第1のキャリア出力領域302を電気的に結合し、こうして第1のスイッチ30をオンに切り換える。光キャリアの正孔の一部が、第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。あるいは、第1のゲート端子301が第5の電圧(たとえば、3V)を受け取り、第2のゲート端子401が第5の電圧より低い第6の電圧(たとえば、0V)を受け取る。第2の絶縁層(図示せず)の下にpチャネルが形成され、共通領域50と第2のキャリア出力領域402を電気的に結合し、こうして第2のスイッチ40をオンに切り換える。光キャリアの正孔の一部が、第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。いくつかの実施形態では、動作期間の光検出装置の復調コントラストを改善するために、第3の電圧は3Vより低く、第2の電圧より高い。同様に、いくつかの実施形態では、動作期間の光検出装置の復調コントラストを改善するために、第5の電圧は3Vより低く、第6の電圧より高い。
【0035】
いくつかの実施形態では、共通領域50は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。浮遊した共通領域は、光検出装置の動作期間に、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流を減らす、または共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のリーク電流を減らす。
【0036】
いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、光検出装置が電子を集めるように構成されると、第1の読出し回路80の第1のコンデンサおよび第2の読出し回路90の第2のコンデンサが、それぞれ第1の読出し回路80のリセットゲートおよび第2の読出し回路90のリセットゲートを介してプリセット電圧に充電される。第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの充電がひとたび完了すると、第1のコンデンサは第1のキャリア出力領域302から集められた光キャリアの一部を貯蔵するのを開始し、第2のコンデンサは第2のキャリア出力領域402から集められた光キャリアの一部を貯蔵するのを開始する。
【0037】
いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、光検出装置が正孔を集めるように構成されると、第1の読出し回路80の第1のコンデンサおよび第2の読出し回路90の第2のコンデンサが、それぞれ第1の読出し回路80のリセットゲートおよび第2の読出し回路90のリセットゲートを介してプリセット電圧へと放電される。第1のコンデンサおよび第2のコンデンサの放電がひとたび完了すると、第1のコンデンサは第1のキャリア出力領域302から集められた光キャリアの一部を貯蔵するのを開始し、第2のコンデンサは第2のキャリア出力領域402から集められた光キャリアの一部を貯蔵するのを開始する。
【0038】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10の中に第1のゾーン120をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、吸収層10の下側102にあり、したがって、第2のキャリア出力領域402、共通領域50、および第1のキャリア出力領域302の反対側にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、垂直方向D
1に沿って共通領域50とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、ドーパントを含み、導電型のものである。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120の導電型は、共通領域50の導電型と異なる。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120のドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、共通領域50、吸収層10、および第1のゾーン120が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。第1のゾーン120とともに第1のゲート端子301と第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加されると、第1のゾーン120と共通領域50の間のディプリーション領域が拡大される。したがって、光検出装置の量子効率がより高まり、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402に向けられるキャリアの量がやはりより多くなる。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120はp型ゲルマニウムを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10を貫通する第2の端子130をさらに含む。第2の端子130は、光検出装置の動作期間に、第1のゾーン120に電気的に結合され、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402によって集められなかった反対の型を有する光キャリアを空にして、光検出装置の信頼性を改善する。いくつかの実施形態では、第2の端子130は、第1のゾーン120と直接接触する。いくつかの実施形態では、第2の端子130は、限定しないが、銅、アルミニウム、またはタングステンを含む金属を含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第1のゾーン120に電気的に結合される第2の外部発生源(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、光検出装置が電子を集めるように構成されるとき、正孔を空にするために、第2の外部発生源は、電気接地を含む、または第1のキャリア出力領域302における電圧および第2のキャリア出力領域402における電圧より低いプリセット電圧を提供する。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、光検出装置が正孔を集めるように構成されるとき、電子を空にするために、第2の外部発生源は、第1のキャリア出力領域302における電圧および第2のキャリア出力領域402における電圧より高いプリセット電圧を提供する。
【0040】
いくつかの実施形態では、共通領域50は第1の深さd
1を含む。第1のキャリア出力領域302は第2の深さd
2を含む。第2のキャリア出力領域402は第3の深さd
3を含む。共通領域50の第1の深さd
1、第1のキャリア出力領域302の第2の深さd
2、および第2のキャリア出力領域402の第3の深さd
3は、吸収層10の上面103から測定される。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、共通領域50の第1の深さd
1は、第1のキャリア出力領域302の第2の深さd
2と第2のキャリア出力領域402の第3の深さd
3の両方よりも深い。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402より深い共通領域50とともに、第1のゲート端子301と第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加されると、共通領域50と第1のゾーン120の間のディプリーション領域がさらに拡大される。したがって、光検出装置の量子効率がさらに増大し、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402に向けられるキャリアの量がやはりさらに増加する。
【0041】
図1Bは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図1Bの光検出装置は
図1Aの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30、共通領域50、および第2のスイッチ40は、吸収層10の外側にある。いくつかの実施形態では、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)および吸収層10の両方が、基板20の第1の側201にある。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401は、第1の面203上にある。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402は、基板20の第1の側201にある。いくつかの実施形態では、共通領域50は、基板20の中にあり、吸収層10を取り囲む。第1のゾーン120は、吸収層10の上側101にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120の材料は、第1のキャリア出力領域302の材料と異なり、共通領域50の材料と異なり、また第2のキャリア出力領域402の材料と異なる。いくつかの実施形態では、共通領域50、第1のゾーン120、および吸収層10が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402はGeSiを含む。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、共通領域50および第1のゾーン120が異なる材料を含むために、ヘテロ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30、共通領域50、および第2のスイッチ40は、基板20と一体化される。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、第2の端子130は、吸収層10の幅以上の幅を含む。いくつかの実施形態では、第2の端子130は、入射光Lを吸収層10に戻して反射するための反射体と呼ばれる。したがって、光検出装置の量子効率がより高まる。いくつかの実施形態では、吸収層10の材料が基板20の材料と異なるために、吸収層10の外側に第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402を有して基板20と一体化することによって、第2のキャリア出力領域402と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流がより少なくなる。
【0042】
いくつかの実施形態では、基板20は、シリコンを含む。吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302はp型シリコンを含み、第2のキャリア出力領域402はp型シリコンを含み、共通領域50はp型シリコンを含む。第1のゾーン120はn型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたシリコンを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302がn型シリコンを含み、第2のキャリア出力領域402がn型シリコンを含み、共通領域50がn型シリコンを含む。第1のゾーン120はp型ゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。たとえば、吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、および共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたシリコンを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、共通領域50が全吸収層10を覆うために、光検出装置は量子効率が改善される。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、第1のスイッチ30と第2のスイッチ40が共通領域50を共有するために、キャリアの多くを、第2のキャリア出力領域402と第1のキャリア出力領域302のうちの1つへと向けて移動するように強いることができ、したがって、光検出装置は、復調コントラストが改善される。
【0043】
図1Bの光検出装置の動作方法は、
図1Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0044】
図1Cは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図1Cの光検出装置は
図1Bの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120の材料と共通領域120の材料が同じであり、第1のキャリア出力領域302の材料と第2のキャリア出力領域402の材料が同じである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、第1のゲート端子301と第2のゲート端子401の間にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120が吸収層10の下側102にあり、共通領域50が吸収層10の上側101にある。いくつかの実施形態では、
図1に記載されたような第2の端子(図示せず)が基板20の中にあり、第1のゾーン120と第2の外部発生源を電気的に結合する。いくつかの実施形態では、第2の端子の側面のうちの1つが、基板20の第1の側201に到達する。したがって、第2の端子、第1の読出し端子303、第1のゲート端子301、第2のゲート端子401、および第2の読出し端子403を、基板20の同じ側で処理することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、共通領域50、吸収層10、および第1のゾーン120が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、吸収層10の材料が基板20の材料と異なるために、吸収層10の外側に第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402を有して基板20と一体化することによって、第2のキャリア出力領域402と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流がより少なくなる。
【0046】
いくつかの実施形態では、基板20は、n型シリコンを含む。吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302がp型シリコンを含み、第2のキャリア出力領域402がp型シリコンを含む。共通領域50はp型ゲルマニウムを含み、第1のゾーン120はn型ゲルマニウムを含む。たとえば、基板20は、1×10
14cm
-3と5×10
16cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたシリコンを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたシリコンを含む。共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302がn型シリコンを含み、吸収層10が真性ゲルマニウムを含み、第2のキャリア出力領域402がn型シリコンを含み、共通領域50がn型ゲルマニウムを含む。第1のゾーン120はp型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたシリコンを含む。共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。
図1Cの光検出装置の動作方法は、
図1Bに開示される光検出装置の動作方法と同様である。同様に、いくつかの実施形態では、共通領域50は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。浮遊した共通領域は、光検出装置の動作期間に、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流を減らす、または共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のリーク電流を減らす。
【0048】
図2Aは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図2Aの光検出装置は
図1Cの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30と第2のスイッチ40は、吸収層10の2つの反対の側にある。いくつかの実施形態では、
図1Aから
図1Cの共通領域50の代わりに、第1のスイッチ30が第1のキャリア入力領域304を含み、第2のスイッチ40が第2のキャリア入力領域404を含む。第1のキャリア出力領域302および第1のキャリア入力領域304は、第1のゲート端子301の2つの反対の側にある。第2のキャリア出力領域402および第2のキャリア入力領域404は、第2のゲート端子401の2つの反対の側にある。第2のキャリア入力領域404は、第1のキャリア入力領域304と第2のゲート端子401の間にある。いくつかの実施形態では、吸収層10は第1のスイッチ30と第2のスイッチ40の間にある。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、基板20の第1の側201にある。第1のゲート端子301および第2のゲート端子401は、基板20の第1の面203上にある。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302の導電型、第2のキャリア出力領域402の導電型、第1のキャリア入力領域304の導電型、および第2のキャリア入力領域404の導電型は同じである。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は同じである。たとえば、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は、すべてシリコンを含む。別の例では、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は、すべてGeSiを含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10への接続体をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の領域140は吸収層10の中にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140は吸収層10の上側101にあり、第1のゾーン120の反対側にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140の材料と第1のゾーン120の材料は同じである。たとえば、第1の領域140の材料と第1のゾーン120の材料は、両方ともゲルマニウムを含む。第1の領域140は、第1のゾーン120の導電型と異なる第1の導電型のものである。いくつかの実施形態では、第1の領域140はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、吸収層10は、基板20の第1の面203から突き出る。いくつかの実施形態では、第2の端子130は、吸収層10を貫通して、第1のゾーン120に接続される。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第1の導電性ワイヤ150および第2の導電性ワイヤ160をさらに含む。いくつかの実施形態では、第1の導電性ワイヤ150は、第1の端子100と第1のキャリア入力領域304を接続する。いくつかの実施形態では、第2の導電性ワイヤ160は、第1の端子100と第2のキャリア入力領域404を接続する。第1の導電性ワイヤ150は、キャリアが第1の領域140から第1のキャリア入力領域304に流れるため、吸収層10の外側の経路を確立するためのものである。第2の導電性ワイヤ160は、キャリアが第1の領域140から第2のキャリア入力領域404に流れるため、吸収層10の外側の経路を確立するためのものである。いくつかの実施形態では、第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は第1のMOSFETと呼ばれる。第2のスイッチ40は第2のMOSFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は第1のMESFETと呼ばれる。第2のスイッチ40は第2のMESFETと呼ばれる。
【0049】
いくつかの実施形態では、基板20は、p型シリコンを含む。吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302がn型シリコンを含み、第2のキャリア出力領域402がn型シリコンを含む。第1のキャリア入力領域304がn型シリコンを含み、第2のキャリア入力領域404がn型シリコンを含む。第1のゾーン120はp型ゲルマニウムを含む。第1の領域140はn型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたシリコンを含む。第1の領域140は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、基板20は、n型シリコンを含む。吸収層10は真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302がp型シリコンを含み、第2のキャリア出力領域402がp型シリコンを含む。第1のキャリア入力領域304がp型シリコンを含み、第2のキャリア入力領域404がp型シリコンを含む。第1のゾーン120はn型ゲルマニウムを含む。第1の領域140はp型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたシリコンを含む。第1の領域140は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。
図4の光検出装置の動作方法は、
図1Bに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は下で記載される。光検出装置の動作期間に、キャリアが第1の導電性ワイヤ150を介して第1のスイッチ30に向けて移動し、同様に、キャリアが第2の導電性ワイヤ160を介して第2のスイッチ40に向けて移動する。光検出装置は、キャリアのために吸収層10の外側の経路を確立するため、第1の導電性ワイヤ150および第2の導電性ワイヤ160を含む。そのために、キャリアが吸収層10と基板20の界面を通して移動するのを防ぐことができ、したがって、光検出装置はより小さい暗電流を有し、キャリアがより高速で伝達する。
【0051】
図2Bは、いくつかの実施形態による、光検出装置の上面図を図示する。
図2Cは、
図2Bに示された光検出装置の断面図を図示する。
図2Cの光検出装置は
図2Aの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140と第1のゾーン120は両方とも吸収層10の上側101にある。第1の領域140は、第1のキャリア入力領域304と第2のキャリア入力領域404の間にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120から第1の領域140への向きは、第1のキャリア入力領域304から第2のキャリア入力領域404への向きにほぼ垂直である。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、垂直方向D
1に沿って第1の領域140とはオーバーラップしない。第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、横型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。「横型フォトダイオード」という用語は、p端子からn端子への方向が、吸収層10の底面104から上面103への方向にほぼ垂直であるフォトダイオードのことを呼ぶ。
図2Cの光検出装置の動作方法は、
図2Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0052】
図2Dは、いくつかの実施形態による、光検出装置の上面図を図示する。
図2Dの光検出装置は
図2Cの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は基板20の第1の側201にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120の材料は第1の領域140の材料と異なる。第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、横型フォトダイオードは、ヘテロ接合ダイオードである。
図2Dの光検出装置の動作方法は、
図2Cに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0053】
図2Eは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図2Eの光検出装置は
図2Aの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、第1の領域140は基板20と吸収層10の間にあり、吸収層10から露出される露出領域を含む。第1の端子100は、第1の領域140の露出領域上にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140は、基板20の第1の面203と吸収層10の間にある。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、第1の領域140は、吸収層10の幅より広い幅を含む。第1の領域140は、第1の導電性ワイヤ150および第1の端子100を介して第1のキャリア入力領域304に電気的に結合される。第1の領域140は、第2の導電性ワイヤ160および第1の端子100を介して第2のキャリア入力領域404に電気的に結合される。光検出装置を形成する方法は、ブランケット層を形成するステップと、ブランケット層の一部を除去して、底部および底部上の吸収層10を形成するステップであって、底部が吸収層10から露出される露出領域を含む、ステップと、底部にドープして第1の領域140を形成するステップとを含む。光検出装置は、キャリアのために吸収層10の外側の経路を確立するため、第1の導電性ワイヤ150および第2の導電性ワイヤ160を含む。そのために、キャリアが吸収層10と基板20の界面を通して移動するのを防ぐことができ、したがって、光検出装置はより小さい暗電流を有し、キャリアがより高速で伝達する。
【0054】
図2Eの光検出装置の動作方法は、
図2Cに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0055】
図2Fは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図2Fの光検出装置は
図1Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。吸収層10が基板20に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は
図2Aに記載されたような第1のキャリア入力領域304を含み、第2のスイッチ40は
図2Aに記載されたような第2のキャリア入力領域404を含む。吸収層10は、第1のキャリア入力領域304の導電型および第2のキャリア入力領域404の導電型と異なる導電型のものである。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、吸収層10の上側101にある。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は同じである。たとえば、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は、すべてp型ゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、吸収層10および第1のキャリア入力領域304が第1のフォトダイオードと呼ばれ、吸収層10および第2のキャリア入力領域404が第2のフォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のフォトダイオードおよび第2のフォトダイオードは両方ともホモ接合ダイオードである。
【0056】
図2Fの光検出装置の動作方法は、
図1Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。いくつかの実施形態では、入射光Lは、吸収層10の上側101から吸収層10に入る。
【0057】
図2Gは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図2Gの光検出装置は
図2Fの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。光検出装置は、
図1Aに記載されたような第1のゾーン120を含む。第1のゾーン120は吸収層10の中にある。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、吸収層10の上側101にある。第1のゾーン120は、第1のキャリア入力領域304の導電型および第2のキャリア入力領域404の導電型と異なる導電型のものである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性である。第1のキャリア入力領域304、吸収層10、および第1のゾーン120が、第1の横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第2のキャリア入力領域404、吸収層10、および第1のゾーン120が、第2の横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1の横型フォトダイオードおよび第2の横型フォトダイオードは両方ともホモ接合ダイオードである。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は第1のMESFETと呼ばれる。第2のスイッチ40は第2のMESFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のキャリア入力領域304は、第1のMESFETの一方の端部であり、第1の横型フォトダイオードの一方の端部でもある。いくつかの実施形態では、第2のキャリア入力領域404は、第2のMESFETの一方の端部であり、第2の横型フォトダイオードの一方の端部でもある。いくつかの実施形態では、第1のMESFET、第2のMESFET、第1の横型フォトダイオード、および第2の横型フォトダイオードは、単一の吸収層10と一体化される。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30は第1のMOSFETと呼ばれる。第2のスイッチ40は第2のMOSFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のキャリア入力領域304は、第1のMOSFETの一方の端部であり、第1の横型フォトダイオードの一方の端部である。いくつかの実施形態では、第2のキャリア入力領域404は、第2のMOSFETの一方の端部であり、第2の横型フォトダイオードの一方の端部である。いくつかの実施形態では、第1のMOSFET、第2のMOSFET、第1の横型フォトダイオード、および第2の横型フォトダイオードは、単一の吸収層10と一体化される。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第1のキャリア入力領域304、第2のキャリア出力領域402、および第2のキャリア入力領域404がn型のものであり、第1のゾーン120がp型のものであるとき、第1のキャリア入力領域304は、第1の横型フォトダイオードのn端子、第1のMOSFETまたは第1のMESFETのソースである。第2のキャリア入力領域404は、第2の横型フォトダイオードのn端子であり、第2のMOSFETまたは第2のMESFETのソースである。第1のゾーン120は、第1の横型フォトダイオードのp端子であり、第2の横型フォトダイオードのp端子である。いくつかの実施形態では、第1のMOSFETおよび第2のMOSFETはエンハンスメントモードであってよい。いくつかの実施形態では、第1のMOSFETおよび第2のMOSFETはディプリーションモードであってよい。
【0060】
別の例では、第1のキャリア出力領域302、第1のキャリア入力領域304、第2のキャリア出力領域402、および第2のキャリア入力領域404がp型のものであり、第1のゾーン120がn型のものであるとき、第1のキャリア入力領域304は、第1の横型フォトダイオードのp端子であり、第1のMOSFETまたは第1のMESFETのソースである。第2のキャリア入力領域404は、第2の横型フォトダイオードのp端子であり、第2のMOSFETまたは第2のMESFETのソースである。第1のゾーン120は、第1の横型フォトダイオードのn端子であり、同時に第2の横型フォトダイオードのn端子である。
【0061】
いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302はn型ゲルマニウムを含み、第2のキャリア出力領域402はn型ゲルマニウムを含み、第1のキャリア入力領域304はn型ゲルマニウムを含み、第2のキャリア入力領域404はn型ゲルマニウムを含む。第1のゾーン120はp型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302がp型ゲルマニウムを含み、第2のキャリア出力領域402がp型ゲルマニウムを含み、第1のキャリア入力領域304がp型ゲルマニウムを含み、第2のキャリア入力領域404がp型ゲルマニウムを含む。第1のゾーン120はn型ゲルマニウムを含む。たとえば、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のゾーン120は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。
図2Gの光検出装置の動作方法は、
図1Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、第1のゾーン120と第1のキャリア入力領域304の間のpn接合が逆バイアスされると、入射光Lが第1のゾーン120と第1のキャリア入力領域304の間の区域によって吸収され、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。第1のスイッチ30がオンに切り換えられ、光キャリアの正孔または電子の大部分を集める。光キャリアを生成する区域は、オンに切り換えられた第1のスイッチ30により近いため、光検出装置は復調コントラストが改善される。同様に、第1のゾーン120と第2のキャリア入力領域404の間のpn接合が逆バイアスされると、入射光Lが第1のゾーン120と第2のキャリア入力領域404の間の区域によって吸収され、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。第2のスイッチ40がオンに切り換えられ、光キャリアの正孔または電子の大部分を集める。光キャリアを生成する区域は、オンに切り換えられた第2のスイッチ40により近いため、光検出装置は復調コントラストが改善される。
【0063】
図2Hは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図2Hの光検出装置は
図2Gの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302、第2のキャリア出力領域402、第1のキャリア入力領域304、および第2のキャリア入力領域404は、基板20の第1の側201にある。いくつかの実施形態では、吸収層10は第1のスイッチ30と第2のスイッチ40の間にある。いくつかの実施形態では、第1のキャリア出力領域302の材料、第1のキャリア入力領域304の材料、第2のキャリア出力領域402の材料、および第2のキャリア入力領域404の材料は同じである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性である。第1のキャリア入力領域304、吸収層10、および第1のゾーン120が、第1の横型フォトダイオードと呼ばれる。第2のキャリア入力領域404、吸収層10、および第1のゾーン120が、第2の横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1の横型フォトダイオードおよび第2の横型フォトダイオードは両方ともヘテロ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、第2の端子130は、吸収層10の幅以上の幅を含む。いくつかの実施形態では、第2の端子130は、入射光Lを吸収層10に戻して反射するための反射体と呼ばれる。したがって、光検出装置の量子効率がより高まる。吸収層10の材料が基板20の材料と異なるために、吸収層10の外側に第1のスイッチ30および第2のスイッチ40を有して基板20と一体化することによって、第2のキャリア出力領域402と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流がより少なくなる。
【0064】
図2Hの光検出装置の動作方法は、
図2Gに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0065】
図3Aは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。光検出装置は、
図2Aに記載されたような、基板20、吸収層10、第1の読出し回路80、第2の読出し回路90、第1の制御信号60、第2の制御信号70、およびキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)を含む。キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)、第1の読出し回路80、第2の読出し回路90、第1の制御信号60、および第2の制御信号70は、基板20と一体化され、第1の読出し回路80、第2の読出し回路90、第1の制御信号60、および第2の制御信号70がキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される。キャリアガイドユニットは、
図2Aに記載されたキャリアガイドユニットと同様である。いくつかの実施形態では、第1の領域140は、吸収層10の下側102にある。第1のゾーン120は、吸収層10の上側101にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、光検出装置は、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)とフォトダイオードの間に電気的な接続を確立するために、基板20と吸収層10の間にボンディング構造170をさらに含む。いくつかの実施形態では、ボンディング構造170は、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と吸収層10を接続する。いくつかの実施形態では、ボンディング構造170は、第1の領域140とキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)を接続する。いくつかの実施形態では、ボンディング構造170は、ボンディング層171およびボンディング層171を貫通する第1の導電構造172を含む。第1の導電構造172は、フォトダイオードとキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)の間の電気的な接続を確立するために、第1のキャリア入力領域304と第1の領域140を接続し、第2のキャリア入力領域404と第1の領域140を接続する。光検出装置の動作期間に、キャリアが第1の導電構造172を通して第1のスイッチ30または第2のスイッチ40に向けて移動する。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401は、ボンディング層171によって覆われる。第1の読出し端子303および第2の読出し端子403は、ボンディング層171によって覆われる。いくつかの実施形態では、第1の読出し回路80、第2の読出し回路90、第1の制御信号60、および第2の制御信号70がボンディング層171によって覆われる。ボンディング層171は、個々の導電経路を分離するためのものである。いくつかの実施形態では、ボンディング層171は、互いに積み重なった複数のサブ絶縁層(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、ボンディング構造170は、複数の導電性トレンチ(図示せず)および内部接点(図示せず)をさらに含む。異なるサブ絶縁層内での電気的な接続を確立するために、複数の導電性トレンチの各々が、サブ絶縁層の少なくとも1つを垂直に貫く。内部接点の各々は、導電性トレンチのうちの2つを水平に接続するためにサブ絶縁層のうちの1つの中にある。いくつかの実施形態では、第1の導電構造172は、複数の導電性トレンチおよび内部接点をやはり含み、導電性トレンチのうちの1つが第1の領域140を接続し、導電性トレンチのうちの別の1つが、第1のキャリア入力領域304と第2のキャリア入力領域404の両方を接続する。いくつかの実施形態では、導電性トレンチの材料および内部接点の材料は、限定しないが、金属を含む。ボンディング層171は、酸化アルミニウム(AlO
x)、酸化シリコン(SiO
x)、酸窒化シリコン(SiO
xN
y)、窒化シリコン(Si
xN
y)、エポキシ、ポリイミド、ペルフルオロシクロブタン、ベンゾシクロブタン(BCB)、またはシリコーンを含む絶縁材料を含む。
【0066】
図3Aの光検出装置の動作方法は、
図2Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0067】
図3Bから
図3Eは、いくつかの実施形態による、
図3Aの光検出装置を製造するための方法を図示する。
図3Bを参照すると、方法は、成長基板180を提供するステップと、エピタキシャル成長または任意の好適な方法によって成長基板180上に吸収層10を形成するステップとを含む。
図3Cを参照すると、方法は、たとえば、イオン注入といった任意の好適な方法によって、吸収層10の中に、第1の領域140および第1のゾーン120を形成するステップをさらに含む。
図3Dを参照すると、方法は、吸収層10上にサブ絶縁層1711を形成するステップと、第1の領域140を接続するため吸収層10上のサブ絶縁層を貫通する導電性トレンチ1721を形成するステップとをさらに含む。
図3Eを参照すると、方法は、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)、第1の読出し回路80、第2の読出し回路90、第1の制御信号60、および第2の制御信号70と一体化される基板20を提供するステップであって、第1の制御信号60および第2の制御信号70がキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と電気的に結合される、ステップをさらに含む。基板20は、第1の側201および第1の側201の反対側にある第2の側202を含み、第1の側201が第1の面203を含み、基板20の第1の面203上にサブ絶縁層1711'を形成して第1のゲート端子301、第2のゲート端子401を覆い、第1のキャリア入力領域304と第2のキャリア入力領域404を接続するため基板20の第1の面203上のサブ絶縁層1711'を貫通する導電性トレンチ1721'を形成する。方法は、
図3Eの構造と
図3Dの構造をボンディングするステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、ボンディング構造170を形成するために、基板20上のサブ絶縁層1711'と吸収層10上のサブ絶縁層1711をボンディングするステップであって、2つの導電性トレンチ1721、1721'がボンディングするステップの後に接続される、ステップと、ICPまたは湿式エッチングなどといった任意の好適な方法によって成長基板180を除去するステップとを含む。ボンディングするステップの後、キャリアガイドユニットが吸収層10の中のフォトダイオードに電気的に結合される。いくつかの実施形態では、ボンディングするステップの後、キャリアガイドユニットが吸収層10の中の第1の領域140に電気的に結合される。
【0068】
いくつかの実施形態では、成長基板180は、吸収層10をエピタキシャル成長させるための面を提供する。成長基板180は、その上で成長する層または構造を支持するのに十分厚い厚さを有する。成長基板180は、単結晶であり、たとえば、IV族半導体材料といった半導体材料を含む。一実施形態では、成長基板180はSiを含む。
【0069】
一実施形態では、ボンディングするステップは、金属-金属接合および酸化物-酸化物接合を含む熱接合またはハイブリッド接合などといった、任意の好適な技法によって実行される。
【0070】
図3Fは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Fの光検出装置は
図3Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は、吸収層10の下側102にある。第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、横型フォトダイオードと呼ばれる。横型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。
図3Fの光検出装置の動作方法は、
図3Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
図3Fの光検出装置を製造するための方法は、
図3Aの光検出装置を製造するための方法と同様である。
【0071】
図3Gは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Gの光検出装置は
図3Fの光検出装置と同様である。
図3Fの実施形態と
図3Gの実施形態の間の差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のキャリア入力領域304が第2のキャリア入力領域404、第1のキャリア入力領域と物理的に分離される代わりに、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)は、第1のゲート端子301と第2のゲート端子401の間に共通領域50を含む。共通領域50は、
図1Aに記載された共通領域50と同様である。第1の導電構造172は、第1の領域140と共通領域50を接続する。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30および共通領域50は第1のMOSFETと呼ばれる。第2のスイッチ40および共通領域50は第2のMOSFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のMOSFETと第2のMOSFETは、共通領域50を共有する。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30および共通領域50は第1のMESFETと呼ばれる。第2のスイッチ40および共通領域50は第2のMESFETと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1のMESFETと第2のMESFETは、共通領域50を共有する。
【0072】
図3Hは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Hの光検出装置は
図3Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、ボンディング構造170は、ボンディング層171を貫通する第2の導電構造173をさらに含む。第1の導電構造172は、フォトダイオードと第1のスイッチ30の間の電気的な接続を確立するために、第1のキャリア入力領域304と第1の領域140を接続する。第2の導電構造173は、フォトダイオードと第2のスイッチ40の間の電気的な接続を確立するために、第2のキャリア入力領域404と第1の領域140を接続する。いくつかの実施形態では、第1の導電構造172は、複数の導電性トレンチ(図示せず)および内部接点(図示せず)を含み、導電性トレンチのうちの1つが第1の領域140を接続し、導電性トレンチのうちの1つが第2のキャリア入力領域404を接続する。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、吸収層10は、基板20の幅未満の広い幅を含む。光検出装置の動作期間に、キャリアが第1の導電構造172を通して第1のスイッチ30に向けて移動する。キャリアが第2の導電構造173を通して第2のスイッチ40に向けて移動する。
【0073】
図3Hの光検出装置を製造するための方法は、
図3Aに開示される光検出装置を製造するための方法と同様である。
図3Hの光検出装置の動作方法は、
図3Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0074】
図3Iは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Iの光検出装置は
図3Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。光検出装置は、第2の吸収層10'、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)、および第2のボンディング構造170'をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、光の入射方向に沿って吸収層10とオーバーラップする。第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)は基板20と一体化され、
図1Aまたは
図2Aに記載されたようなキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と同じ構造を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合されて基板20と一体化される、別の第1の読出し回路80'、第2の読出し回路90'、第1の制御信号60'、および第2の制御信号70'をさらに含む。言い換えると、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第1の読出し回路80、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第2の読出し回路90、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第1の制御信号60、キャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第2の制御信号70、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第1の読出し回路80'、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第2の読出し回路90'、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第1の制御信号60'、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)に電気的に結合される第2の制御信号70'がすべて同じ基板20と一体化される。
【0076】
第2のボンディング構造170'は、第2の吸収層10'と吸収層10を接続するため、および第2の吸収層10'と基板20をやはり接続するためにある。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170'は、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と第2の吸収層10'の間の電気的な接続を確立するためにある。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170'は、第2の吸収層10'と第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)を接続するためにある。第2の吸収層10は、光子を吸収し、吸収した光子から光キャリアを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、吸収層10によって吸収される光子のピーク波長と異なるピーク波長を有する光子を吸収するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、350nmと750nmの間の可視範囲のピーク波長を有する光子を吸収するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、800nm以上、2000nm以下のピーク波長を有する光子を吸収するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、吸収層10の材料と異なる材料を含む。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、GeSi、Si、またはゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'はSiから構成され、吸収層10はGeから構成される。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'は、検出する光子の波長および第2の吸収層10'の材料に依存する厚さを含む。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'がSiを含み、可視範囲の波長を有する光子を吸収するように設計されるとき、第2の吸収層10'は0.5umと10umの間の厚さを有する。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第2の吸収層10'の中に別の第1の領域140'および別の第1のゾーン120'を含む。同様に、第2の吸収層10'の中の第1のゾーン120'は、第2の吸収層10'の中の第1の領域140'の第1の導電型と異なる導電型のものである。第2の吸収層10'の中の第1のゾーン120'、第2の吸収層10'の中の第1の領域140'が、フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'の中の第1の領域140'を縦型フォトダイオードとして配置することができる。いくつかの実施形態では、第2の吸収層10'の中の第1の領域140'を横型フォトダイオードとして配置することができる。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170'は、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)とフォトダイオードの間の電気的な接続を確立するためにある。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170'は、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と第1の領域140'の間の電気的な接続を確立するためにある。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170'は、第1の領域140'と第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)を接続するためにある。
【0077】
第2のボンディング構造170'は、第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)と吸収層10の中のフォトダイオード間の電気的な接続を確立するために、第2のボンディング層171'および第2のボンディング層171'を貫通する第1の導電構造172'を含む。いくつかの実施形態では、第1の導電構造172'は、第2の吸収層10の中の第1の領域140'と第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)の第1のキャリア入力領域304を接続し、第2の吸収層10の中の第1の領域140'と第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)の第2のキャリア入力領域404をやはり接続する。いくつかの実施形態では、第1の導電構造172'は、複数の導電性トレンチ(図示せず)および内部接点(図示せず)を含み、導電性トレンチのうちの1つが第2の吸収層10の中の第1の領域140'を接続し、導電性トレンチのうちの別の1つが第2のキャリアガイドユニット(ラベル設定せず)の第2のキャリア入力領域404を接続する。いくつかの実施形態では、第2のボンディング層171は、互いに積み重なった複数のサブ絶縁層を含む。いくつかの実施形態では、第2のボンディング構造170は、複数の導電性トレンチ(図示せず)および内部接点(図示せず)をさらに含む。第2のボンディング層171の異なるサブ絶縁層内での電気的な接続を確立するために、複数の導電性トレンチの各々が、第2のボンディング層171のサブ絶縁層の少なくとも1つを垂直に貫く。第2のボンディング層171は、酸化アルミニウム(AlO
x)、酸化シリコン(SiO
x)、酸窒化シリコン(SiO
xN
y)、窒化シリコン(Si
xN
y)、エポキシ、ポリイミド、ペルフルオロシクロブタン、ベンゾシクロブタン(BCB)、またはシリコーンを含む絶縁材料を含む。いくつかの実施形態では、単一の光検出装置が異なる波長で光子を吸収するように構成される。
【0078】
図3Jは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Jの光検出装置は
図3Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置は、
図3Hに記載されたような第2の導電構造173をさらに含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第2の領域190および第2のゾーン200をさらに含む。第2のゾーン200は、第1のゾーン120から物理的に分離される。第2の領域190は、第1の領域140から物理的に分離される。第2の領域190および第1の領域140は、吸収層10の下側102にある。第2のゾーン200および第1のゾーン120は、吸収層10の上側101にある。第2の領域190は、第1の領域140の第1の導電型と同じ第2の導電型のものである。第2のゾーン200は、第1のゾーン120の導電型と同じ導電型のものである。第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、第1の縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第2の領域190、吸収層10、および第2のゾーン200が、第2の縦型フォトダイオードと呼ばれる。第1の導電構造172は、第1の縦型フォトダイオードと第1のスイッチ30の間の電気的な接続を確立するために、第1のキャリア入力領域304と第1の領域140を接続する。第2の導電構造173は、第2の縦型フォトダイオードと第2のスイッチ40の間の電気的な接続を確立するために、第2のキャリア入力領域404と第2の領域190を接続する。いくつかの実施形態では、光検出装置は、光検出装置の動作期間に、第2のキャリア出力領域402によって集められなかった反対の型を有する光キャリアを空にするために、第2のゾーン200に電気的に結合される第3の端子(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、
図1に記載されたような第2の端子(図示せず)は、光検出装置の動作期間に、第1のキャリア出力領域302によって集められなかった反対の型を有する光キャリアを空にするために、第1のゾーン120に電気的に結合される。第3の端子は、限定しないが、銅、アルミニウム、またはタングステンを含む金属を含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第2のゾーン200に電気的に結合される第3の外部発生源(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、第3の外部発生源は、第3の外部発生源と第2のゾーン200の間に電気的な接続を確立するため、第3の端子に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、光検出装置が電子を集めるように構成されるとき、第3の外部発生源は、正孔を空にするために、電気接地を含む、または第2のキャリア入力領域404における電圧より低いプリセット電圧を提供する。いくつかの実施形態では、第2のゾーン200は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。
【0079】
図3Jの光検出装置の動作方法は、
図3Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間に、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加され、第2のゾーン200と第2の領域190の間、および第1の領域140と第1のゾーン120の間に異なるディプリーション領域を生成する。第1のスイッチ30がオンに切り換えられると、第1の領域140と第1のゾーン120の間により大きいディプリーションが形成され、第1のキャリア出力領域302が、第1の導電構造172を通して光キャリアの正孔または電子の大部分を集める。同様に、第2のスイッチ40がオンに切り換えられると、第2のゾーン200と第2の領域190との間により大きいディプリーションが形成され、第2のキャリア出力領域402が、第2の導電構造173を通して光キャリアの正孔または電子の大部分を集める。光検出装置が、より速い速度を備える。
【0080】
図3Kは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Kの光検出装置は
図3Fの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置が支持部材220をさらに含む。支持部材220は吸収層10を支持する。いくつかの実施形態では、吸収層10は、支持部材220の中に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、吸収層10は、支持部材220の一部と基板20の間にある。いくつかの実施形態では、支持部材220は、上側221、および上側221の反対にある下側222を含む。下側222は下面223を含む。いくつかの実施形態では、支持部材220の下面223は、吸収層10の底面104と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、支持部材は、吸収層10の材料と異なる材料を含む。支持部材220は、吸収層10をその上に製造できる任意の好適な材料を含む。いくつかの実施形態では、支持部材220は、基板20の材料と同じ材料を含む。いくつかの実施形態では、支持部材220はシリコンを含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、電圧を受け取るために第1のゾーン120に接続される、
図1に記載されたような第2の端子(図示せず)をさらに含む。
【0081】
図3Kの光検出装置の動作方法は、
図3Fの光検出装置を製造するための方法に対するものである。
図3Kの光検出装置を製造するための方法は、
図3Aに開示される光検出装置を製造するための方法と同様である。差異は下で記載される。成長基板20は、支持部材220であり、ボンディングするステップの後に残る。
【0082】
図3Lは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Lの光検出装置は
図3Kの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120は支持部材220の中にあり、吸収層10に接続される。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120の材料は第1の領域140の材料と異なる。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120はシリコンを含み、第1の領域140はゲルマニウムを含む。いくつかの実施形態では、第1の領域140、吸収層10、および第1のゾーン120が、縦型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型フォトダイオードは、ヘテロ接合ダイオードである。
【0083】
図3Lの光検出装置を製造するための方法は、
図3Kに開示される光検出装置を製造するための方法と同様である。
【0084】
図3Mは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Mの光検出装置は
図3Lの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。第1の領域140は支持部材220の中にある。第1のゾーン120は吸収層10の中にある。光検出装置は、第1の領域140と第1のゾーン120の間に増倍領域230をさらに含む。いくつかの実施形態では、増倍領域230は支持部材220の中にある。増倍領域230は、第1の領域140の第1の導電型と異なる導電型のものであり、第1のゾーン120の導電型と同じである。いくつかの実施形態では、増倍領域230はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
14cm
-3と1×10
18cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120のドーパントのピーク濃度は、増倍領域230のドーパントのピーク濃度より高い。いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性である。いくつかの実施形態では、第1のゾーン120、増倍領域230、吸収層10、および第1の領域140が、縦型アバランシェフォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、縦型アバランシェフォトダイオードは、ヘテロ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第1の領域140と第1の導電構造172の間に電気的な接続を確立するため、第1の領域140と第1の導電構造172を接続する導電領域300をさらに含む。いくつかの実施形態では、導電領域300は支持部材220の中にある。いくつかの実施形態では、導電領域300は金属を含む。いくつかの実施形態では、導電領域300は、第1の領域140の第1の導電型と同じ導電型の半導体材料を含む。たとえば、第1の領域140の第1の導電型がn型であるとき、導電領域300は、n型半導体材料を含む。これらの実施形態では、フォトダイオードが10Vと30Vの間などといった、高い逆バイアス電圧の下にあると、フォトダイオードは、内部利得を有する。いくつかの実施形態では、第1の領域140の材料および増倍領域230の材料はSiを含み、吸収層10の材料および第1のゾーン120の材料はGeを含む。
【0085】
図3Mの光検出装置の動作方法は、
図3Kに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は、光検出装置が、10Vと30Vの間などといった高い逆バイアス電圧で動作することが可能であり、したがって、フォトダイオードが内部利得を有するという点である。したがって、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402によって、より多くのキャリアが集められる。
【0086】
図3Nは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Nの光検出装置は
図3Kの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置は、第2の領域190および第3の領域240を含む。第2の領域190は、吸収層10の中にあり、第1の領域140から物理的に分離される。いくつかの実施形態では、第2の領域190および第3の領域240は、吸収層10の下側102にある。第2の領域190は、第1の領域140の第1の導電型と同じ第2の導電型のものである。いくつかの実施形態では、第2の領域190はドーパントを含み、ドーパントは、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第2の領域190のドーパントのピーク濃度は、第1の領域140のドーパントのピーク濃度より高い。第3の領域240は吸収層10の中にある。第3の領域240は、第1の領域140から物理的に分離され、第2の領域190を取り囲む。第3の領域240は、第1の領域140の第1の導電型と異なり、第2の領域190の第2の導電型と異なる第3の導電型のものである。いくつかの実施形態では、第3の領域240はドーパントを含み、第3の領域240のドーパントのピーク濃度は、第1の領域140のドーパントのピーク濃度より低く、第2の領域190のドーパントのピーク濃度より低い。いくつかの実施形態では、第3の領域240のドーパントは、1×10
15cm
-3と1×10
18cm
-3の間のピーク濃度を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域140の材料、第2の領域190の材料、および第3の領域240の材料は同じである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、真性である。いくつかの実施形態では、第1の領域140、第2の領域190、および第3の領域240はフォトトランジスタと呼ばれ、第1の領域140がコレクタと呼ばれ、第2の領域190がエミッタと呼ばれ、第3の領域240がベースと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、ホモ接合フォトトランジスタである。
【0087】
いくつかの実施形態では、第3の領域240は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。
【0088】
図3Nの光検出装置の動作方法は、
図3Kに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は下で記載される。光検出装置が動作するとき、光キャリアの一部が第3の領域240で蓄積され、これが、第2の領域190と第3の領域240の間のディプリーション領域を部分的に隠す。第2の領域190と第3の領域240の間の順方向にバイアスしたPN接合がもたらされ、それによって、第2の領域190により多くのキャリアを導入させて、第1の領域140が取り出す。したがって、光検出装置は、β利得を有する。光検出装置は、感度および信号対雑音比が改善される。
【0089】
図3Oは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Oの光検出装置は
図3Nの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第2の領域190および第3の領域240は、支持部材220の中で、吸収層10の外側にある。いくつかの実施形態では、第2の領域190および第3の領域240は、支持部材220の下側222にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140の材料は、第2の領域190の材料、および第3の領域240の材料と異なる。たとえば、第1の領域140の材料はGeを含み、第2の領域190の材料および第3の領域240の材料はSiを含む。いくつかの実施形態では、第1の領域140、第2の領域190、および第3の領域240はフォトトランジスタと呼ばれ、第1の領域140がコレクタと呼ばれ、第2の領域190がエミッタと呼ばれ、第3の領域240がベースと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、ヘテロ接合フォトトランジスタである。いくつかの実施形態では、第2の領域190が支持部材220の中にあるために、第2の領域190と第2の端子(図示せず)の間の接触抵抗がより低くなる。したがって、光検出装置は、より小さいRC遅延を備える。
【0090】
図3Oの光検出装置の動作方法は、
図3Nに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0091】
図3Pは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Pの光検出装置は
図3Oの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第3の領域240は、吸収層10と支持部材220の両方の中にある。いくつかの実施形態では、第3の領域240は、2つの異なる材料を含む。たとえば、第3の領域240は、SiおよびGeを含む。
図3Pの光検出装置の動作方法は、
図3Oに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0092】
図3Qは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Qの光検出装置は
図3Pの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10の中に第4の領域250をさらに含む。いくつかの実施形態では、第4の領域250は、第2の領域190から物理的に分離され、第1の領域140からやはり物理的に分離される。第4の領域250は、第1の領域140と第2の領域190の間にあり、第3の領域240によって取り囲まれる。いくつかの実施形態では、第4の領域250は、第1の領域140の材料、第2の領域190の材料、および第3の領域240の材料と同じ材料を含む。たとえば、第1の領域140の材料、第2の領域190の材料、第3の領域240の材料、および第4の領域250の材料はすべてGeを含む。いくつかの実施形態では、第4の領域250は、第1の領域140の第1の導電型および第2の領域190の第2の導電型と異なる第4の導電型のものである。第4の領域250の第4の導電型は、第3の領域240の第3の導電型と同じである。いくつかの実施形態では、第4の領域250は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を含むドーパントを含む。いくつかの実施形態では、第4の領域250のドーパントのピーク濃度は、第3の領域240のドーパントのピーク濃度より高い。いくつかの実施形態では、
図1に記載されたような第2の端子130(図示せず)は、光検出装置の動作期間に、第1の領域140によって集められなかった反対の型を有する光キャリアを空にするために、第4の領域250に結合される。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1の領域140、第2の領域190、および第3の領域240はフォトトランジスタと呼ばれ、第1の領域140がコレクタと呼ばれ、第2の領域190がエミッタと呼ばれ、第3の領域240がベースと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、ホモ接合フォトトランジスタである。
【0094】
図3Qの光検出装置の動作方法は、
図3Pに開示される光検出装置の動作方法と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置が電子を集めるように構成されるとき、正孔は、第4の領域250に接続される第2の端子(図示せず)から排出され、このことによって、より多くの電子に第3の領域240を越えて移動させ第1の領域140に到達させる。したがって、光検出装置は、β利得を有する。光検出装置は、感度および信号対雑音比が改善される。
【0095】
図3Rは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Rの光検出装置は
図3Qの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第2の領域190、第3の領域240、および第4の領域250は、吸収層10の外側で、支持部材220の下側222にある。いくつかの実施形態では、第1の領域140の材料は、第2の領域190の材料、第3の領域240の材料、および第4の領域250の材料と異なる。たとえば、第1の領域140の材料はGeを含み、第2の領域190の材料、第3の領域240の材料、および第4の領域250の材料はSiを含む。いくつかの実施形態では、第1の領域140、第2の領域190、および第3の領域240はフォトトランジスタと呼ばれ、第1の領域140がコレクタと呼ばれ、第2の領域190がエミッタと呼ばれ、第3の領域240がベースと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、ヘテロ接合フォトトランジスタである。いくつかの実施形態では、第2の領域190が支持部材220の中にあるために、第2の領域190と第2の端子(図示せず)の間の接触抵抗がより低くなる。したがって、光検出装置は、より小さいRC遅延を備える。
【0096】
図3Rの光検出装置の動作方法は、
図3Qに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0097】
図3Sは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図3Sの光検出装置は
図3Rの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、第3の領域240は、吸収層10と支持部材220の両方の中にある。第3の領域240は2つの異なる材料を含む。たとえば、第4の領域250は、SiまたはGeを含む。いくつかの実施形態では、第4の領域250は吸収層10の中にあり、第2の領域190は支持部材220の中にある。第1の領域140、第2の領域190、および第3の領域240はフォトトランジスタと呼ばれ、第1の領域140がコレクタと呼ばれ、第2の領域190がエミッタと呼ばれ、第3の領域240がベースと呼ばれる。いくつかの実施形態では、フォトトランジスタは、ヘテロ接合フォトトランジスタである。
【0098】
図3Sの光検出装置の動作方法は、
図3Rに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0099】
図4Aは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Aの光検出装置は
図1Aの光検出装置と同様である。差異は下で記載される。第1のキャリア出力領域302は、共通領域50の導電型と異なる導電型のものである。第2のキャリア出力領域402は、共通領域50の導電型と異なる導電型のものである。いくつかの実施形態では、吸収層10は、共通領域50の導電型と同じ導電型のものである。いくつかの実施形態では、共通領域50および第1のキャリア出力領域302は、第1の横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、共通領域50および第2のキャリア出力領域402は、第2の横型フォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、第1の横型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。第2の横型フォトダイオードは、ホモ接合ダイオードである。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ30、第2のスイッチ40、および共通領域50が単一の吸収層10と一体化され、したがって、光検出装置は、復調コントラストが改善される。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301が第1の接触層と吸収層10の間に第1の絶縁層を含み、第2のゲート端子401が第1の接触層と吸収層10の間に第2の絶縁層を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、
図4Aの光検出装置が動作すると、入射光Lが吸収層10によって吸収され、次いで、電子および正孔を含む光キャリアが生成される。第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加され、第1の絶縁層(図示せず)の下または第2の絶縁層(図示せず)の下に反転区域を形成する。しかし、第1のキャリア出力領域302の導電型および第2のキャリア出力領域402の導電型が共通領域50と異なるために、形成される反転区域を有する第1のスイッチ30または形成される反転区域を有する第2のスイッチ40はオンへと切り換わらない。その代わり、ディプリーション領域は、形成される反転区域のない他のスイッチと比較してより小さいために、光キャリアの正孔または電子の大部分は、より大きいディプリーション領域中の電場によって、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。たとえば、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加され、第1の絶縁層(図示せず)の下に反転区域を形成するとき、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のディプリーション領域は、共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のディプリーション領域より小さく、したがって光キャリアの正孔または電子の大部分は、より大きい電場によって第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。別の例では、第1のゲート端子301および第2のゲート端子401に2つの異なる電圧が印加され、第2の絶縁層(図示せず)の下に反転区域を形成するとき、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のディプリーション領域は、共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のディプリーション領域より大きく、したがって光キャリアの正孔または電子の大部分は、より大きい電場によって第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。共通領域50の2つの反対の側に異なるサイズのディプリーション領域を生成するため反転層を形成することによって、キャリアの大部分は、反転層の反対の方向に向けて移動するように動かされる。
【0101】
本開示では、同じ光検出装置において、第1のキャリア出力領域302によって集められたキャリアのタイプと第2のキャリア出力領域402によって集められたキャリアのタイプは同じである。たとえば、光検出装置が電子を集めるように構成されるとき、反転層が第1の絶縁層(図示せず)の下に形成されると、第2のキャリア出力領域402が光キャリアの電子を集め、反転層が第2の絶縁層(図示せず)の下に形成されると、第1のキャリア出力領域302が光キャリアの電子の大部分を集める。
【0102】
いくつかの実施形態では、基板20はシリコンを含み、吸収層10はn型ゲルマニウムを含み、共通領域50はp型ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402はn型ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402の各々は、吸収層10のドーパントのピーク濃度より高いピーク濃度を有するドーパントを有する。たとえば、吸収層10は、1×10
14cm
-3と5×10
16cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。
【0103】
光検出装置の動作期間に、吸収層10は第1の電圧V1(たとえば、3V)であり、共通領域50は、第1の電圧より低い第2の電圧(たとえば、0V)である。入射光Lは、基板20の第2の側202から吸収層10へと入り、次いで吸収層10によって吸収されて、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。第1のゲート端子301が第3の電圧(たとえば、0V)を受け、第2のゲート端子401が第3の電圧より高い第4の電圧(たとえば、1V)を受ける。光キャリアの正孔が第1のゲート端子301に向けて移動するように動かされ、第1の絶縁層(図示せず)の下に反転区域が形成される。反転区域が形成されるために、第1のキャリア出力領域302と共通領域50の間のディプリーション領域は、第2のキャリア出力領域402と共通領域50の間のディプリーション領域より小さい。光キャリアの電子の大部分は、次いで、より強い電場によって第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。あるいは、第1のゲート端子301が第5の電圧(たとえば、1V)を受け取り、第2のゲート端子401が第5の電圧より低い第6の電圧(たとえば、0V)を受け取る。光キャリアの正孔が第2のゲート端子401に向けて移動するように動かされ、第2の絶縁層(図示せず)の下に反転区域が形成される。反転区域が形成されるために、第2のキャリア出力領域402と共通領域50の間のディプリーション領域は、第1のキャリア出力領域302と共通領域50の間のディプリーション領域より小さい。光キャリアの電子の大部分は、次いで、より強い電場によって第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。これらの実施形態では、光検出装置は、電子を集めるように構成される。
【0104】
いくつかの実施形態では、基板20はシリコンを含み、吸収層10は真性ゲルマニウムを含み、共通領域50はn型ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402はp型ゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402の各々は、吸収層10のドーパントのピーク濃度より高いピーク濃度を有するドーパントを有する。たとえば、共通領域50は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するリンでドープしたゲルマニウムを含む。第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402は、1×10
18cm
-3と5×10
20cm
-3の間のピーク濃度を有するボロンでドープしたゲルマニウムを含む。光検出装置の動作期間に、吸収層10は第1の電圧V1(たとえば、0V)であり、共通領域50は、第1の電圧より高い第2の電圧(たとえば、3V)である。入射光Lは、基板20の第2の側202から吸収層10へと入り、次いで吸収層10によって吸収されて、電子および正孔を含む光キャリアを生成する。第1のゲート端子301が第3の電圧(たとえば、1V)を受け、第2のゲート端子401が第3の電圧より低い第4の電圧(たとえば、0V)を受ける。光キャリアの電子が第1のゲート端子301に向けて移動するように動かされ、第1の絶縁層(図示せず)の下に反転区域が形成される。反転区域が形成されるために、第1のキャリア出力領域302と共通領域50の間のディプリーション領域は、第2のキャリア出力領域402と共通領域50の間のディプリーション領域より小さい。光キャリアの正孔の大部分は、次いで、より強い電場によって第2のキャリア出力領域402に向けて移動するように動かされる。あるいは、第1のゲート端子301が第5の電圧(たとえば、0V)を受け取り、第2のゲート端子401が第5の電圧より高い第6の電圧(たとえば、1V)を受け取る。光キャリアの電子が第2のゲート端子401に向けて移動するように動かされ、第2の絶縁層(図示せず)の下に反転区域が形成される。反転区域が形成されるために、第2のキャリア出力領域402と共通領域50の間のディプリーション領域は、第1のキャリア出力領域302と共通領域50の間のディプリーション領域より小さい。光キャリアの正孔の大部分は、次いで、より強い電場によって第1のキャリア出力領域302に向けて移動するように動かされる。これらの実施形態では、光検出装置は、正孔を集めるように構成される。
【0105】
いくつかの実施形態では、光検出装置が、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間、または共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間でアバランシェが発生する電圧より上で動作すると、衝突イオン化によって多数の2次キャリアが生成される結果となる。2次キャリアは、次いで、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402によって集められる。したがって、光検出装置は、内部利得を備える。
【0106】
図4Bは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Bの光検出装置は
図4Aの光検出装置と同様であって、差異は、吸収層10が基板20の中に埋め込まれるという点である。いくつかの実施形態では、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。
図4ABの光検出装置の動作方法は、
図4Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0107】
図4Cは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Cの光検出装置は
図4Bの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20に部分的に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、基板20の第1の面203は、吸収層10の底面104と上面103の間にある。いくつかの実施形態では、吸収層10は、上面103と底面104の間に側壁105を含む。側壁105の一部は基板20から露出される。
図4Cの光検出装置の動作方法は、
図4Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。
【0108】
図4Dは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Dの光検出装置は
図4Aの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置の動作期間にアバランシェ降伏を経験する機会をより高めるために、第1のゲート端子301は、垂直方向D
1に沿って第1のキャリア出力領域302とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401は、垂直方向D
1に沿って第2のキャリア出力領域402とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、光検出装置は、内部利得を生成するように、アバランシェ降伏を経験するのに十分高い逆バイアスで動作するように構成される。
【0109】
図4Eは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Eの光検出装置は
図4Cの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、吸収層10の上面103が、基板20の第1の面203と同一平面上にある。第1のキャリア出力領域302の材料と第2のキャリア出力領域402の材料は同じである。共通領域50の材料は、第1のキャリア出力領域302の材料および第2のキャリア出力領域402の材料と異なる。
【0110】
図4Fは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Fの光検出装置は
図4Cの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。光検出装置は、共通領域50を取り囲む保護リング260をさらに含む。保護リング260は、共通領域50の導電型と同じ導電型のものである。いくつかの実施形態では、保護リング260は、共通領域50のドーパントのピーク濃度より低いピーク濃度を有するドーパントを含む。いくつかの実施形態では、保護リング260のドーパントのピーク濃度は、1×10
14cm
-3と5×10
16cm
-3の間である。いくつかの実施形態では、保護リング260は、SiO
2を含む酸化物などといった絶縁材料を含む。保護リング260は、光検出装置が高い逆バイアス電圧の下にあるときに、共通領域50のエッジ降伏を防ぐためにある。
【0111】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10の中に増倍領域230をさらに含む。いくつかの実施形態では、増倍領域230は、共通領域50および保護リング260を取り囲む。増倍領域230は、共通領域50の導電型と異なる導電型のものである。いくつかの実施形態では、増倍領域230は、第1のキャリア出力領域302のドーパントのピーク濃度より低いピーク濃度を有するドーパントを含む。いくつかの実施形態では、増倍領域230のドーパントのピーク濃度は、1×10
14cm
-3と5×10
18cm
-3の間である。いくつかの実施形態では、共通領域50、増倍領域230、および吸収層10が、縦型アバランシェフォトダイオードと呼ばれる。いくつかの実施形態では、増倍領域230は、垂直方向D
1に沿って第1のゲート端子301および第2のゲート端子401とオーバーラップする。いくつかの実施形態では、増倍領域23は、光検出装置の復調コントラストを改善するために、垂直方向D
1に沿って第1のキャリア出力領域302および第2のキャリア出力領域402とオーバーラップしない。
【0112】
図4Gは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図4Gの光検出装置は
図4Eの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。共通領域50は、吸収層10の下側102にある。いくつかの実施形態では、
図1Aに記載されたような第1の端子(図示せず)は、基板20の中にあり、光検出装置の動作期間に、第1のキャリア出力領域302または第2のキャリア出力領域402によって集められなかった反対の型を有する光キャリアを空にするために、共通領域50に電気的に結合される。いくつかの実施形態では、第1の端子の側面のうちの1つが、吸収層10の上側101に到達する。したがって、第1の端子、第1の読出し端子303、第1のゲート端子301、第2のゲート端子401、および第2の読出し端子403を、吸収層10の同じ側で処理することができる。
【0113】
図5は、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。
図5の光検出装置は
図1Aの光検出装置と同様であって、差異が下で記載される。いくつかの実施形態では、光検出装置は、吸収層10の上面103上に、界面層270をさらに含む。界面層270は誘電体材料を含み、いくつかの実施形態では、界面層270としては、限定しないが、シリコン、酸化物、窒化物が挙げられる。いくつかの実施形態では、酸化物としては、限定しないが、GeO
x、Al
2O
3、SiO
2が挙げられる。いくつかの実施形態では、界面層270は、アモルファスシリコン(a-Si)を含む。いくつかの実施形態では、界面層270は、第1のゲート端子301の第1の接触層と吸収層10の間にある。いくつかの実施形態では、界面層270は、第2のゲート端子401の第2の接触層と吸収層10の間にある。いくつかの実施形態では、第1のゲート端子301が第1の絶縁層を含むとき、界面層270は、第1のゲート端子301の第1の絶縁層と吸収層10の間にある。いくつかの実施形態では、第2のゲート端子401が第2の絶縁層を含むとき、界面層270は、第2のゲート端子401の第2の絶縁層と吸収層10の間にある。
【0114】
いくつかの実施形態では、界面層270は、吸収層10の導電型と異なる導電型のゲルマニウムを含む。界面層270は、表面リーク電流を減らすためにある。いくつかの実施形態では、光検出装置は、界面層270および吸収層10の上面103を貫通する処理区域280をさらに含む。処理区域280は、表面リーク電流のさらなる抑制をするためにある。処理区域280は、界面層270の特性と異なる特性を含む。特性としては、材料、抵抗値、または格子構造が挙げられる。たとえば、処理区域280は、界面層270のものより高い抵抗値を有する。いくつかの実施形態では、処理区域280は、界面層270の材料および吸収層10の材料と異なる材料を注入することによって形成される。いくつかの実施形態では、処理区域280は、界面層270の一部、および界面層270の一部の下の吸収層10の区域に、Si、Ge、C、H
2、Fなどといったイオンをイオン注入することによって形成される。いくつかの実施形態では、イオン注入のプロセス期間に、加速されたイオンが界面層270と衝突し、注入区域の中の格子構造に損傷を引き起こす。損傷は、イオンまたは注入エネルギーの選択に依存した深さで吸収層10の中に延びる場合がある。格子構造への損傷は、より高い抵抗値をもたらす。処理区域280は任意の場所に形成することができる。たとえば、処理区域280は、第2のキャリア出力領域402の隣であってよい。いくつかの実施形態では、光検出装置は、複数の処理区域280を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、処理区域280の代わりに、光検出装置は、界面層270の部分上に導電層(図示せず)をさらに含む。導電層の直下の吸収層10の中にディプリーション領域を生成するため、電圧を導電層に印加することができる。いくつかの実施形態では、光検出装置は、界面層の部分上に、互いに物理的に分離される複数の導電層を含む。導電層に印可することができる電圧は、ディプリーション領域を生成するためにバイアスをかけることができる。いくつかの実施形態では、導電層に印可する電圧は、異なってよく、または同じでよい。実施形態のうちのいくつかでは、導電層のうちのいくつかは浮遊している。導電層は、限定しないが、金属を含む。導電層と界面層の組合せにより生成されるディプリーション領域は、第1のキャリア出力領域302と第2のキャリア出力領域402の間の暗電流を減少させる。さらに、導電層は入射光を吸収層10の中に戻して反射し、したがって、光検出装置の量子効率がより高くなる。
【0116】
いくつかの実施形態では、光検出装置は、界面層の中に極性化領域(図示せず)をさらに含む。いくつかの実施形態では、光検出装置は、極性化領域の上方に導電層をさらに含む。極性化領域は、分極した誘電体材料を含む。分極した誘電体材料は、自発分極を有する。分極した誘電体材料とは、限定しないが、酸化アルミニウム(Al
xO
y、x:yは、1:1から2:3)、アルミニウム酸窒化物(AlO
xN
y)、酸化ハフニウム(HfO
x、xは、1から2)、ランタン/タンタル酸化物((La,Ta)
xO
y、x:yは、1:1から2:5)、酸化チタン(TiO
x、xは、1から2)、ランタンシリコン酸化物(LaSiO)、鉛/ストロンチウム/バリウムチタン酸塩(Pb,Sr,Ba)TiO
3、酸化ジルコニウム(ZrO
x、xは、1から2)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO
4あるいはZiSi
xO
y)、またはシリコン酸窒化物(SiO
xN
y)が挙げられる。光検出装置が極性化領域を含むために、そこに電圧を印加することなく、またはそこに小さい電圧を印加することで、極性化領域の直下の吸収層10の中にディプリーション領域が形成される。極性化領域または導電層と界面層の組合せによって生成されるディプリーション領域は、第1のキャリア出力領域302と第2のキャリア出力領域402の間の暗電流を減少させる。いくつかの実施形態では、ディプリーション領域は、光検出装置の性能を改善するため、10nm未満の深さを有する。ディプリーション領域の深さは、吸収層10の上面103から測定される。いくつかの実施形態では、極性化領域は、ディプリーション領域の深さを制御するために吸収層10の中に部分的に埋め込まれる。いくつかの実施形態では、吸収層10が基板20の中に埋め込まれるとき、極性化領域は、基板20の第1の面203上に形成される。いくつかの実施形態では、極性化領域は基板20の中に部分的に埋め込まれる。
【0117】
図5の光検出装置の動作方法は、
図1Aに開示される光検出装置の動作方法と同様である。同様に、いくつかの実施形態では、共通領域50は、外部制御に結合されず、したがって浮遊している。浮遊した共通領域は、光検出装置の動作期間に、共通領域50と第1のキャリア出力領域302の間のリーク電流を減らす、または共通領域50と第2のキャリア出力領域402の間のリーク電流を減らす。
【0118】
図6Aは、いくつかの実施形態による、光検出装置の上面図を図示する。
図6Bは、
図6Aに示された光検出装置の断面図を図示する。いくつかの実施形態では、光検出装置は、入射光Lの伝播方向を変えるため、吸収層10の隣に光学要素290をさらに含む。いくつかの実施形態では、光学要素290は、入射光Lが上面103と底面104の間の側壁105から吸収層10に入るように、入射光Lの伝播方向を変えるためにある。光学要素290は、基板20の第1の面203上にある。いくつかの実施形態では、光学要素290は、
図6Aに示されるように、吸収層10、第1のスイッチ30、および第2のスイッチ40の同じ側にある。いくつかの実施形態では、光学要素290は、導波構造を含む。いくつかの実施形態では、導波構造としては、限定しないが、埋込導波路、拡散導波路、リッジ導波路、リブ導波路、スロット導波路、またはストリップ型導波路が挙げられる。いくつかの実施形態では、導波構造は、第1の部分および第1の部分上の第2の部分を含むリッジ導波路を含む。いくつかの実施形態では、光検出装置の断面図から、第1の部分が第1の幅W
1を含み、第2の部分が第1の幅W
1より狭い第2の幅W
2を含む。リッジ導波路は、限定しないが、SiまたはSiO
2を含む材料を含む。
【0119】
図6Cは、いくつかの実施形態による、光検出装置の断面図を図示する。光検出装置は、基板20、第1の吸収層10、第2の吸収層10、第1のスイッチ30a、第2のスイッチ40a、および光学要素290を含む。いくつかの実施形態では、光学要素290は、第2のスイッチ40aと第1のスイッチ30aの間にある。いくつかの実施形態では、第2のスイッチ40aおよび第1のスイッチ30aは、第1の吸収層10と第2の吸収層10の間にある。光学要素290は、
図37に記載された光学要素290と同様である。第2のスイッチ40aおよび第1のスイッチ30aは、各々が電解吸収変調器を含む。電解吸収変調器は、活性領域310、および、活性領域310中の電場を変えるように活性領域310に電圧を印加するための2つの端子(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、活性領域310は、エネルギー状態を有する任意の好適な材料を含む。いくつかの実施形態では、活性領域310は半導体材料を含む。光検出装置が動作するとき、入射光Lが光学要素290に入る。第1のスイッチ30aおよび第2のスイッチ40aに2つの異なる電圧が印加され、第1のスイッチ30aまたは第2のスイッチ40aが入射光Lを吸収し、こうしてオンに切り替わる。入射光Lは、次いで、第1のスイッチ30aおよび第2のスイッチ40aを通して第1の吸収層10または第2の吸収層10に入る。たとえば、第1のスイッチ30aが入射光Lを吸収してオンに切り替わると、入射光Lは、次いで、第1の吸収層10に入り、第1の吸収層10によって吸収される。いくつかの実施形態では、第1の吸収層10、第2の吸収層10、第1のスイッチ30a、第2のスイッチ40a、および光学要素290は、すべて基板20と一体化される。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された任意の実施形態を備える光検出装置は、3D撮像に適用可能である。任意の実施形態による光検出装置とターゲットの物体の間にある距離に起因して、ターゲットの物体の表面から反射される入射光Lは、伝送器によって伝送される伝送光に対する位相遅延を有する。伝送光が変調信号によって変調され、電子-正孔対が、別の変調信号によって第1の制御信号60および第2の制御信号70を通して変調されると、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサに貯蔵される電子または正孔は距離に従って変化することになる。したがって、光検出装置は、第1の読出し回路80によって出力される第1の読出し電圧および第2の読出し回路によって出力される第2の読出し電圧に基づいて距離情報を得ることができる。
【0121】
上で記載された光検出装置は単一画素である。
【0122】
本開示は、複数の光検出装置を含む光検出配列をさらに開示する。ここでは、光検出装置は、上述したような実施形態のうちの任意の1つである。複数の光検出装置は、1次元または2次元配列で配置される。
【0123】
いくつかの実施形態では、光検出配列は、たとえば、同じ波長もしくは異なる波長を有する、同じ変調もしくは複数の変調が行われた、または異なる時間枠で動作される、同じまたは異なる光学信号を受け取るように設計することができる。
図7Aは、いくつかの実施形態による、光検出配列の上面図を図示する。光検出配列1200aは、例として4つの光検出装置12021、12022、12023、12024を含む。各光検出装置は、本明細書に記載される任意の実施形態にしたがう。一実施形態では、ピーク波長λ1を有する入射光Lは、光検出装置12021、12024によって受け取られ、ピーク波長λ2を有する別の入射光は、光検出装置12022、12023によって受け取られる。いくつかの実施形態では、λ1はλ2と異なる。いくつかの実施形態では、λ1はλ2とほぼ同じである。いくつかの実施形態では、複数の変調周波数f
mod1およびf
mod2(または、より多く)を有する入射光Lは、4つの光検出装置12021、12022、12023、12024に入射し、光検出装置12021、12022、12023、12024の異なるグループは、入射光中の異なる周波数を復調するように構成される。たとえば、光検出装置12021、12024は、変調周波数f
mod1が印可され、入射光中のこの周波数成分を復調し、光検出装置12022、12023は、変調周波数f
mod2が印可され、入射光中のこの周波数成分を復調する。いくつかの実施形態では、同様に、複数の変調周波数f
mod1およびf
mod2(または、より多く)を有する入射光が、4つの光検出装置12021、12022、12023、12024に入射する。しかし、時間t
1において、光検出装置の第1の部分は、変調周波数f
mod1によって動かされ、入射光中のこの周波数成分を復調する一方、別の時間t
2において、光検出装置の第2の部分は、変調周波数f
mod2によって動かされ、入射光中のこの周波数成分を復調し、こうして光検出配列1200aは、時間多重モードで動作される。
【0124】
いくつかの実施形態では、ピーク波長λ
1およびλ
2は、それぞれ、f
mod1およびf
mod2によって変調され、次いで光検出配列1200aによって集められる。時間t
1において、光検出配列1200aは、f
mod1で動作してピーク波長λ
1を有する入射光を復調し、一方時間t
2において、光検出配列1200aは、f
mod2で動作してピーク波長λ
2を有する入射光を復調する。いくつかの実施形態では、ピーク波長λを有する入射光がf
mod1およびf
mod2によって変調され、光検出装置12021、12024がf
mod1によって動かされ、一方で光検出装置12022、12023がf
mod2によって動かされて、入来した変調光学信号を時間分割モードで復調する。当業者なら、光の波長、変調方式、および時分割の他の組合せを実装できることを容易に認識するであろう。
【0125】
図7Bは、いくつかの実施形態による、光検出配列の上面図を図示する。光検出配列1200bは、4つの光検出装置12021、12022、12023、12024を含む。各光検出装置は、本明細書に記載される任意の実施形態にしたがう。
図7Bの光検出装置の配置は、
図7Aの光検出装置の配置と異なる。いくつかの実施形態では、光検出装置は、
図7Bに示されるように千鳥配置に配置され、光検出装置のうちの1つの幅を有する2つの対向する側面が、隣接する光検出装置の幅を有する2つの対向する側面と垂直な方向に置かれる。
【0126】
図8Aは、いくつかの実施形態による、位相変調方式を使用する光検出システム1300aのブロック図を図示する。光検出システム1300aは、ターゲットにした物体1310との距離情報を検出することが可能な、間接的な飛行時間ベースの深度画像センサである。光検出システム1300aは、光検出配列1302a、レーザーダイオードドライバ1304、レーザーダイオード1306、およびクロックドライバ13081、13082を含むクロックドライブ回路1308を含む。光検出配列1302は、本明細書に開示される任意の実施形態による複数の光検出装置を含む。一般的に、クロックドライバ13081は、(1)レーザーダイオードドライバ1304により伝送された光学信号を変調し、(2)光検出配列1302によって受け取られ/吸収された光学信号を復調するため、クロック信号を生成して送出する。深度情報を得るため、光検出配列中のすべての光検出装置は、同じクロックを参照することによって変調され、クロックは、時系列で、たとえば、0°、90°、180°、および270°といった可能な4つの直角位相に変わり、伝送器側には位相変化はない。しかし、本実施形態では、4つの直角位相変化は、伝送器側に実装され、受信側には位相変化はない。
【0127】
クロックドライバ13081、13082によってそれぞれ生成されるクロック信号CLK1、CLK2のタイミング図を描く
図8Bを参照されたい。クロック信号CLK1は、たとえば、0°、90°、180°、および270°といった4つの直角位相変化を有する変調信号であり、クロック信号CLK2は、位相変化なしの復調信号である。具体的には、クロック信号CLK1は、レーザーダイオード1306が変調伝送光TLを生成できるように、レーザーダイオードドライバ1304を駆動する。クロック信号CLK2およびその反転信号CLK2'(
図8Bでは図示せず)は、それぞれ、復調のための、第1の制御信号60および第2の制御信号70(本明細書の任意の実施形態に示される)として使用される。言い換えると、第1の制御信号および第2の制御信号は、本実施形態では異なる信号である。本実施形態は、寄生抵抗-容量が誘起したメモリ効果に起因して、画像センサに固有に発生しうる時間的な干渉性を回避することができる。
図8Cは、いくつかの実施形態による、位相変調方式を使用する光検出システム1300bのブロック図を図示する。
【0128】
図8Dは、いくつかの実施形態による、位相変調方式を使用する光検出システム1300bのタイミング図を図示する。
図40Cの光検出システムの実施形態は、
図40Bの光検出システムと同様であり、差異は下で記載される。光検出システム1300bは、受信側で2つの復調方式を使用する。光検出配列1302は、第1の配列1302aおよび第2の配列1302bを含む。第1の配列1302aに適用される第1の復調方式と第2の配列1302bに適用される第2の復調方式は時系列が異なる。たとえば、第1の配列1302aには第1の復調方式が適用され、時系列における位相変化は、0°、90°、180°、および270°である。第2の配列1302bには第2の復調方式が適用され、時系列における位相変化は、90°、180°、270°、および0°である。正味の効果は、第1の配列1302a中の位相変化は第2の配列1302b中の位相変化に対して位相が直交し、一方で伝送側に位相変化がないことである。この動作によって、復調波形が理想的な方形波でないときに電源から流れる最大瞬間電流を減らすことができる。
【0129】
図8Eは、いくつかの実施形態による、位相変調方式を使用する光検出システム1300bのタイミング図を図示する。
図40Eのタイミング図の実施形態は、
図40Dのタイミング図と同様であり、差異は下で記載される。いくつかの実施形態では、適用位相変化は、伝送側に適用されるが、第1の配列1302aと第2の配列1302bのそれぞれに2つの異なる一定の位相を設定することを除いて、受信側の第1の配列および第2の配列には適用されず、2つの異なる一定の位相は互いに位相が直交する。たとえば、伝送側の変調信号は、クロック信号CLK1であり、ここでは、時系列での位相変化は、0°、90°、180°、および270°である。受信側の復調信号は、クロック信号CLK2、CLK3である。クロック信号CLK2は、第1の配列1302aによって吸収される入射光Lを復調するために使用され、0°の一定の位相を有する。クロック信号CLK3は、第2の配列1302bによって吸収される入射光Lを復調するために使用され、90°の一定の位相を有する。
【0130】
図9は、いくつかの実施形態による、位相変化での変調方式を使用する光検出方法を図示する。他の実施形態では、方法は、本明細書に示されるものより少ないまたは小さいステップを含むことができ、またはステップを異なる順番で実施することができる。
図9に示される光検出方法は、第1の変調信号によって変調される光学信号を伝送するステップ1401であって、光学信号が、複数の時間枠について1つまたは複数の予め決められた位相を有する第1の変調信号によって変調される、ステップ1401と、光検出装置が反射された光学信号を受け取るステップ1402と、1つまたは複数の復調信号によって反射された光学信号を復調するステップ1403であって、1つまたは複数の復調信号が複数の時間枠について1つまたは複数の予め決められた位相を有する信号である、ステップ1403と、少なくとも1つの電圧信号を出力するステップ1404とを含む。本方法では、光検出装置は、本明細書に記載される任意の実施形態またはその等価物にしたがう。
【0131】
図8Aから
図8Eに図示される実施形態は、変調信号および復調信号として50%のデューティサイクルを有するクロック信号を使用するが、他の可能な実施形態では、デューティサイクルが異なってよい(たとえば、30%デューティサイクル)。いくつかの実施形態では、方形波の代わりに、正弦波が変調信号および復調信号として使用される。
【0132】
いくつかの用途では、任意の実施形態による光検出装置、光検出配列、および光検出システムは、3D撮像に適用可能である。いくつかの用途では、本開示の任意の実施形態による光検出装置、光検出配列、および光検出システムは、ロボット工学、ナビゲーションシステム、または仮想現実に適用可能である。
【0133】
本発明が例として好ましい実施形態に関して記載されてきた一方で、本発明は、それに限定されないことを理解されたい。逆に、様々な変更形態および同様の配置構成および手順をカバーすることが意図され、したがって添付される特許請求の範囲は、すべてのそのような変更形態および同様の配置構成および手順を包含するように最も幅広い解釈が与えられるべきである。