(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
実施形態はデータ受信機を提供し、本データ受信機は、信号を受信するように構成され、信号は干渉が多い伝送チャネルの干渉を含み、本データ受信機は、受信信号の信号部分の受信情報のヒストグラムを形成し、ヒストグラムから平均受信情報および/または雑音尺度を決定するように構成される。
前記データ受信機(110)が、前記受信信号の受信シンボルのセットまたはサンプルのセットの受信情報を決定し、前記受信シンボルのセットまたは前記サンプルのセットの前記決定された受信情報の前記ヒストグラム(124)を形成するように構成される、請求項1に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記平均受信情報を、前記ヒストグラム(124)の受信情報の分布(128)の最大値に基づいて決定するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記ヒストグラム(124)の受信情報の前記分布(128)の半値幅に基づいて前記ヒストグラム(124)の受信情報の分布の最大値から開始して前記雑音尺度を決定するように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記ヒストグラム(124)をフィルタリングするように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、複数の部分的な信号部分(126)からなる、前記受信信号の信号部分の受信情報の前記ヒストグラム(124)を形成するように構成され、
前記複数の部分的な信号部分(126)が前記複数の部分データパケットを含む、請求項14に記載のデータ受信機(110)。
前記信号(120)が、前記干渉が多いチャネル上で転送された少なくとも2つのデータパケットまたは部分データパケット(142)を含み、前記少なくとも2つのデータパケット間または部分データパケット(142)間に転送休止期間があり、
前記データ受信機(110)が、前記信号部分(126)を、前記少なくとも2つのデータパケット間または部分データパケット間の転送休止期間に配置するように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記ヒストグラム(124)から前記雑音尺度のみを決定するように構成される、請求項17から20のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、さらなる処理において、前記受信振幅が前記閾値を下回り、前記受信振幅が前記閾値を上回るシンボルまたはサンプルまで所定の距離を含む前記信号部分(126)のシンボルまたはサンプルを考慮しないか、または少なく重み付けするように構成される、請求項22に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記ヒストグラム(124)の受信情報の分布(128)に基づいて、さらなる処理のために前記信号部分(126)のシンボルまたはサンプルに重み付けするように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記決定された平均受信情報および/または前記雑音尺度に基づいて前記信号部分(126)の前記シンボルまたはサンプルに重み付けするように構成される、請求項24に記載のデータ受信機(110)。
前記信号(120)が、前記干渉が多いチャネル上で転送される少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)を含み、前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)が同期シーケンスを含み、
前記データ受信機(110)が、前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記同期シーケンスに基づいて前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の反復的なさらなる処理を行い、前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記反復的なさらなる処理の少なくとも1つの反復ステップにおいて前記干渉が多いチャネルの干渉を抑制するように構成され、前記干渉が多いチャネルの前記干渉が、
請求項22の前記閾値超えを上回る前記同期シーケンスのシンボルまたはサンプルを考慮しないこと、
および/または請求項23のシンボルもしくはサンプルまでの前記距離超えがない前記同期シーケンスのシンボルもしくはサンプルに少なく重み付けすること、
および/または請求項24または25の前記同期シーケンスのシンボルもしくはサンプルに重み付けすることによって抑制される、請求項1から25のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記第1のシンボルベースの雑音尺度推定(164)の場合に、前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記受信データシンボル(146)の前記第1のサブセットの雑音値の前記雑音尺度を決定するように構成される、請求項29に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記第1のシンボルベースの雑音尺度推定(164)の場合に、前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記データシンボル(146)の第1のサブセットの第1の雑音尺度および前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記データシンボル(146)の第2のサブセットの第2の雑音尺度を決定するように構成される、請求項29または30に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記第2のシンボルベースの雑音尺度推定(166)の場合に、それぞれの前記データシンボルの雑音値および隣接するデータシンボルの少なくとも1つの雑音値に基づいて、シンボルごとに前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記受信データシンボル(146)の雑音尺度を決定するように構成される、請求項29に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記干渉が多いチャネルの干渉率を決定し、前記決定された干渉率に依存して、前記第1のシンボルベースの雑音尺度推定(164)に基づくか、または前記第2のシンボルベースの雑音尺度推定(166)に基づいて前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケットの前記受信シンボルについての前記信頼性情報を決定するように構成される、請求項29から32のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、第1の信頼性情報および第2の信頼性情報を取得し、前記第1の信頼性情報と第2の信頼性情報とを(復号のような)さらなる処理のために組み合わせるために、前記第1の雑音尺度推定(164)および前記第2の雑音尺度推定(166)に基づいて別々に前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記受信シンボルについての前記信頼性情報を決定するように構成される、請求項29から32のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、別々のさらなる処理のための第1の信頼性情報および第2の信頼性情報を取得するために、前記第1のシンボルベースの雑音尺度推定(164)および前記第2のシンボルベースの雑音尺度推定(166)に基づいて別々に前記少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット(142)の前記受信データシンボルについての前記信頼性情報を決定するように構成される、請求項29から32のいずれか一項に記載のデータ受信機。
前記データ受信機(110)が、前記それぞれの部分データパケット(142)の前記インパルス応答を、前記同期シンボルおよび前記同期シンボルを含む前記受信信号値を平均することによって決定するように構成される、請求項36に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記インパルス応答または前記インパルス応答の実数値バージョンに基づいて前記それぞれの部分データパケット(142)の雑音電力を決定するように構成される、請求項37に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記それぞれの部分データパケット(142)の前記雑音電力を、前記それぞれの部分データパケットの受信シンボルと、前記決定されたインパルス応答に基づいて再構築された受信シンボルのバージョンとの差の計算に基づいて決定するように構成される、請求項38に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記平均インパルス応答を、前記決定された雑音電力が所定の雑音電力を超えない、前記複数の部分データパケット(142)のうちの部分データパケット(142)の前記決定されたインパルス応答のみに基づいて決定するように構成される、請求項38または39に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、L個の最小雑音電力の前記平均値から開始してそれぞれの次に高い雑音電力までの差を、前記それぞれの差の増加係数が所定の閾値を超えるまで反復して決定するように構成され、前記増加係数が前記閾値を超える前記それぞれの次に高い雑音値、または前記それぞれの次に高い雑音値より大きい雑音値を含む部分データパケット(142)が、前記平均インパルス応答を決定するときに考慮されない、請求項40に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記少なくとも2つの信号部分(126_1、126_2)のサンプルまたはシンボルの少なくとも2つのセットの受信情報を決定し、前記サンプルまたはシンボルの少なくとも2つのセットの前記決定された受信情報の前記少なくとも2つのヒストグラム(124_1、124_2)を形成するように構成される、請求項42に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機(110)が、前記組み合わされたヒストグラム(182)の組み合わされた受信情報の分布の最大値に基づいて前記雑音電力情報を決定するように構成される、請求項42から46のいずれか一項に記載のデータ受信機(110)。
前記データ受信機が、前記合計雑音電力および前記最小雑音電力に基づいて雑音電力を決定するように構成される、請求項50または51に記載のデータ受信機(110)。
コンピュータプログラムがコンピュータまたはマイクロプロセッサ上で動作するときに、請求項54から58のいずれか一項に記載の方法を行うためのコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0068】
本発明の実施形態の以下の説明では、同じ参照番号は図において同一の要素または同様に働く要素に使用されており、そのためそれらの説明には共通性がある。
【0069】
<1.電信分割に基づく無線転送システム>
図1に、データ送信機100およびデータ受信機110を含むシステムの概略ブロック図を示す。データ送信機100は、信号120を送信するように構成することができ、信号120は、少なくとも2つの別々の部分データパケット142を含む。データ受信機110は、少なくとも2つの別々の部分データパケット142を含む信号120(または伝送チャネルによって変更された信号120のバージョン)を受信するように構成することができる。
【0070】
図1に示されるように、少なくとも2つの別々の部分データパケット142は、時間および/または周波数において互いに分離されるか、または間隔を置かれる。時間および/または周波数における少なくとも2つの別々の部分データパケット142の分散を、ホッピングパターン140に従って行うことができる。
【0071】
実施形態では、データ送信機100は、信号120を送信するように構成された送信手段(または送信機モジュール、または送信機)102を含むことができる。送信手段102を、データ送信機100のアンテナ104に接続することができる。データ送信機100は、信号を受信するように構成された受信手段(受信機モジュール、または受信機)106も含むことができる。受信手段106を、アンテナ104またはデータ送信機100の別の(分離した)アンテナに接続することができる。データ送信機100は組み合わされた送受信機も含むことができる。
【0072】
実施形態では、データ受信機110は、信号120を受信するように構成された受信手段(または受信モジュール、または受信機)116を含むことができる。受信手段116を、データ受信機110のアンテナ114に接続することができる。加えて、データ受信機110は、信号を送信するように構成された送信手段(または送信機モジュール、または送信機)112も含むことができる。送信手段112を、アンテナ114またはデータ受信機110の別の(分離した)アンテナに接続することができる。データ受信機110は組み合わされた送受信機も含むことができる。
【0073】
実施形態では、データ送信機100をセンサノードとすることができ、データ受信機110を基地局とすることができる。典型的には、通信システムは、少なくとも1つのデータ受信機110(基地局)と、いくつかのデータ送信機(センサノード、発熱計など)とを含む。当然ながら、データ送信機100が基地局であり、データ受信機110がセンサノードであることも可能である。データ送信機100とデータ受信機110の両方がセンサノードであることも可能である。データ送信機100とデータ受信機110の両方が基地局であることも可能である。
【0074】
データ送信機100およびデータ受信機110を、電信分割の方法を使用してデータを送信および/または受信するように構成することができる。データを含むデータパケット(または電信)が複数の部分データパケット(またはサブデータパケット)142に分割され、部分データパケット142は、データ送信機100からデータ受信機110に、時間および/または周波数において分散されたホッピングパターン140に従って伝送され、データ受信機110は、実際のデータパケットを取得するために部分データパケット142を再度組み立てる(組み合わせる)。各部分データパケット142は、データパケット120一部分のみを含む。データパケットの誤りのない復号に、すべての部分データパケット142ではなく、部分データパケット142の一部分のみがあれば済むように、データパケットをチャネル符号化することもできる。
【0075】
すでに述べたように、複数の部分データパケット142の時間的分散を、時間および/または周波数ホッピングパターン140に従って実行することができる。
【0076】
時間ホッピングパターンは、部分データパケットを伝送するために使用する伝送時点または伝送時間間隔のシーケンスを指定することができる。例えば、第1の部分データパケットを第1の伝送時点に(または第1の伝送タイムスロットにおいて)、第2の部分データパケットを第2の伝送時点に(または第2の伝送タイムスロットにおいて)伝送することができ、第1の伝送時点と第2の伝送時点とは異なる。時間ホッピングパターンは、第1の伝送時点および第2の伝送時点を定義(または事前決定または指定)することができる。あるいは、時間ホッピングパターンは、第1の伝送時点、および第1の伝送時点と第2の伝送時点との間の時間間隔を指定することもできる。当然ながら、時間ホッピングパターンは、第1の伝送時点と第2の伝送時点との間の時間間隔のみを指定することもできる。伝送が行われない部分データパケット間の伝送休止期間があり得る。部分データパケットは時間においてオーバーラップする可能性もある。
【0077】
周波数ホッピングパターンは、部分データパケットを伝送するために使用される伝送周波数または伝送周波数ホップのシーケンスを指定することができる。例えば、第1の部分データパケットを第1の伝送周波数で(または第1の周波数チャネルにおいて)、第2の部分データパケットを第2の伝送周波数で(または第2の周波数チャネルにおいて)伝送することができ、第1の伝送周波数と第2の伝送周波数とは異なる。周波数ホッピングパターンは、第1の伝送周波数および第2の伝送周波数を定義(または事前決定または指定)することができる。あるいは、周波数ホッピングパターンは、第1の伝送周波数、および第1の伝送周波数と第2の伝送周波数との間の周波数間隔(伝送周波数ホップ)を指定することもできる。当然ながら、周波数ホッピングパターンは、第1の伝送周波数と第2の伝送周波数との間の周波数間隔(伝送周波数ホップ)のみを指定することもできる。
【0078】
当然ながら、複数の部分データパケット142を、データ送信機100からデータ受信機110に、時間と周波数の両方において分散させて伝送することもできる。複数の部分データパケットの時間および周波数における分散を、時間周波数ホッピングパターンと一致させて行うことができる。時間周波数ホッピングパターンは、時間ホッピングパターンと周波数ホッピングパターンの組み合わせ、すなわち、部分データパケット142を伝送するために使用する伝送時点または伝送間隔のシーケンスとすることができ、伝送周波数(または伝送周波数ホップ)は伝送時点(または伝送時間間隔)に関連付けられる。
【0079】
図2に、複数の部分データパケット142を時間周波数ホッピングパターンと一致させて転送するときの伝送チャネルの占有の図を示す。よって、縦軸は周波数を表し、横軸は時間を表す。
【0080】
図2に示されるように、データパケット120を、典型的にはn=7個の部分データパケットに分割し、時間周波数ホッピングパターンと一致して時間および周波数において分散させてデータ送信機100からデータ受信機110に転送することができる。
【0081】
やはり
図2に示されるように、複数の部分データパケット142は、データ(
図2のデータシンボル146)とは別に、データ受信機110が受信信号120または受信データストリーム内の部分データパケット142を検出するための基礎となるパイロットシーケンス(
図2のパイロットシンボル(または同期シンボル)144)も含むことができる。
【0082】
多くの関与者からのデータの非協調または非同期転送が原因で、転送中に関与者間の信号のオーバーラップが発生する。加えて、免許不要帯域を使用するときに、他のネットワークからの関与者との妨害も生じる。非協調転送が原因で、正確な受信時点および周波数が知られないか、または十分に正確な推定が通常は不可能であるために、受信機において、最強の信号を復号し、再符号化された信号を減算することによって連続した干渉除去を行うことは不可能である。この状況は、外部妨害に関してはデータレートに関する情報も変調方法も存在しないため、他のシステムの転送についても同様である。
【0083】
すでに前述したように、大部分のシステムは、誤り訂正にFECを使用し、本発明はこれを根拠としている。本発明は、FECを使用するシステムの妨害耐性を改善する技法を扱う。
【0084】
これらの場合、特に軟判定入力を用いるFECの場合には、どのシンボルを別の転送によって妨害されることになると仮定できるかを知ることは有益である。その場合、その影響を低減または除去するために、具体的にはFECに供給される前にこれらのシンボルに重み付けすることができる(これは、LLRのスケーリングと呼ばれる)。
【0085】
続いて、そのような干渉が多いチャネルで信号120を受信するデータ受信機110の実施形態を説明する。
【0086】
<2.静的チャネルにおける信号電力および雑音分散の決定>
図3に、一実施形態によるデータ受信機110の概略ブロック図を示す。データ受信機110は信号120を受信するように構成され、信号120は干渉が多い伝送チャネルの干渉122を含む。
【0087】
データ受信機110は、受信信号120の信号部分126の(例えばシンボルのセットまたはサンプルのセットの)受信情報(例えば電力情報または振幅情報)のヒストグラム124を形成し、ヒストグラム124から、(例えば、信号部分126の(例えばシンボルのセットまたはサンプルのセットの))平均受信情報および/または雑音尺度(例えば雑音分散)を決定するように構成される。
【0088】
実施形態では、ヒストグラム124を、受信情報の存在量分布のグラフ表現とすることができ、ここでの受信情報を、典型的には一定または可変の幅のビンに分類することができる。
【0089】
実施形態では、データ受信機110を、信号部分126のサンプルまたはシンボルのセットについての受信情報(例えば電力情報や振幅情報)を決定し、決定された受信情報(例えば電力情報や振幅情報)のヒストグラム124を形成するように構成することができる。
【0090】
例えば、データ受信機110を、信号部分126のサンプルまたはシンボルのセットについての決定された受信情報を取得し、決定された受信情報のヒストグラム124を形成するために、受信信号120の信号部分126のサンプルごとまたはシンボルごとに、受信情報(例えば、受信電力のような電力情報、または振幅の絶対値もしくは振幅のn乗根の絶対値のような振幅情報)を決定するように構成することができる。
【0091】
実施形態では、データ受信機110は、平均受信情報を、ヒストグラムの受信情報の分布128(例えばガウス曲線)の最大値に基づいて決定するように構成することができる。
【0092】
実施形態では、データ受信機110は、ヒストグラム124の受信情報の(ガウス曲線のような)分布128の半値幅に基づいてヒストグラム124の受信情報の(ガウス曲線のような)分布の最大値から開始して雑音尺度(例えば雑音分散)を決定するように構成することができる。
【0093】
実施形態では、受信情報を、受信電力(例えば、1シンボルまたは1サンプル当たりの受信電力値)、(サンプルまたはシンボルの振幅の絶対値または振幅のn乗根の絶対値のような)振幅の絶対値または振幅のn乗根の絶対値のような、電力情報または振幅情報とすることができる。
【0094】
実施形態は(準)静的チャネルを仮定し、これは、転送中にチャネルに時間的変化が全く/ほとんどないことを意味する。これは、例えば、データ送信機100とデータ受信機110の両方が固定式であるか、または非常に低速でのみ移動するためにチャネルの変化が転送の持続時間よりも遅い場合である。
【0095】
推定上妨害されるシンボルを認識できるようにするために、雑音の多いシンボルと分散されたシンボルとを区別できることが有利である。信号電力および雑音分散を使用することが静的チャネルにおける区別に適する。妨害されたシンボルがこれら2つのパラメータからどのように決定されるかの詳細な説明は、以下の、例えば第3章に記載される。
【0096】
実施形態では、信号電力および雑音分散の決定を、復号器における検出の後で、ただし同期(周波数、時間および位相推定)の前に行うことができる。粗い周波数および時間の推定が検出によって行われており、誤りは以下のパラメータよりも小さいと仮定することができる。
T
sは、シンボル時間を表し、f
sは、システムのシンボルレートを表す。
【0097】
以下の方法は、任意の種類の変調で機能する。等しい振幅の変調方法がすべてのコンステレーション点に用いられる場合には(すべてのシンボルが単位円上に位置する)(例えばMSK、M−PSK、FSK)、典型的には、パイロットシンボルは別として、未知のデータシンボルも信号電力および雑音分散を決定するために使用され得る。信号振幅が(QAMのような)変調方法のコンステレーション点に依存する場合には、パイロットシンボルのみを使用することが可能である。2番目の場合には、受信振幅を変調点に正規化することができるので、雑音なしの理想的な転送の場合にはすべてのシンボルが同じ電力を含む。
【0098】
整合フィルタリング後のシンボルを使用する代わりに、(FSKやMSKのような)一定のエンベロープの方法が使用される場合、整合フィルタリングの前の複素ベースバンドサンプルも使用することができる。ただし、この場合には、有用な帯域幅の外部の雑音の影響を制限するために、信号のオーバーサンプリングが比較的低いことが留意されなければならない。
【0099】
平均値計算によって信号振幅を決定する一般的な手法は、妨害により未知の振幅が提示され、ゆえに結果が損なわれるので、干渉チャネルにおいてはうまく働かない。
【0100】
この手法は、さらには、シンボルまたはサンプルの少なくとも一部分が妨害されないという仮定に基づくものであるが、この仮定は、ほぼすべてのシンボルが妨害される場合、妨害されたシンボルを完全に知っていたとしても、FECを使用してデータを再構築することが不可能であるため、制限条件にならない。
【0101】
図4に、信号が電信を含み、信号120が妨害(干渉)を含まない、受信信号120のコースの図を示す。よって、縦軸は振幅を表し、横軸はサンプルを表す。言い換えると、
図4には、妨害なしの電信の信号振幅の例示的なコースが示されている。これは(周波数オフセットありの)MSK変調の複素ベースバンド信号を扱い、信号振幅を二乗することによって信号電力を計算することができる。
【0102】
図5に、信号120が妨害(干渉122)を含む、受信信号120のコースの図を示す。よって、縦軸は振幅を表し、横軸はサンプルを表す。言い換えると、
図5には、特定の妨害122が部分的にかなり高い振幅でデータ受信機110に到達している場合が示されている。この場合には、信号電力および雑音分散が決定されることになる。
【0103】
変調方法のための正規化された信号振幅により、すべての受信シンボル/サンプルは(雑音なしの)同じ信号電力を含む。雑音により、信号電力はデータ受信機110においてガウス形に分布し、取得されたガウス曲線の最上部はチャネル減衰に依存し、幅は雑音電力に依存する。その電力がガウス曲線の範囲のはるか外側にある受信シンボルでは、例えば、これらは妨害される可能性が非常に高く、これらを廃棄できると仮定することができる。
【0104】
これらのシンボルを取得するために、まず、受信サンプルまたはシンボルの電力を計算することができる。これは例として、信号振幅を二乗することによって行うことができる。
【0105】
受信サンプルまたはシンボルの決定された電力のヒストグラムが形成される場合、ヒストグラムにおける分布の最大値は(例えば、厳密に)受信電力(=送信電力−チャネル減衰)である。曲線または分布の幅は雑音分散を指定することができる。
【0106】
妨害源122の任意の振幅分布(
図5参照)が原因で、妨害されたシンボルはヒストグラム内の値の分布にごくわずかな影響しか及ぼさない。
【0107】
図6に、追加の妨害(干渉)を含まない受信信号120のサンプルまたはシンボルの決定された電力のヒストグラム124の図を示す。よって、縦軸は確率を表し、横軸は電力を表す。言い換えると、
図6には、妨害なしの受信電信の典型的なヒストグラム(追加の妨害なしの−100dBmの受信電力および−120dBmの雑音電力を有する転送のヒストグラム)が示されている。ヒストグラム124において受信電力を表す最大値を決定することができる。雑音のガウス分布の半値幅から雑音分散σ[3]を決定することができ、これから、雑音電力を決定することができる。
【0108】
図7に、受信信号120が追加の妨害(干渉)を含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの決定された電力のヒストグラム124の図を示す。よって、縦軸は確率を表し、横軸は電力を表す。言い換えると、
図7には、同じチャネルパラメータを有する別のヒストグラム(−100dBmの受信電力および−120dBmの雑音電力を有する転送のヒストグラム)が示されており、ただし、この場合には、チャネルに追加の妨害122がある
図7に示されるように、最大値の位置および半値幅は妨害によって変更されない。
【0109】
実施形態では、シンボル/サンプルのヒストグラム124は、妨害されない受信シンボルの受信電力およびそれらの受信シンボルの雑音分散を決定するために形成することができる。このヒストグラム124から、最大値および最大値の前後の半値幅を使用して信号電力および雑音電力を決定することができる。
【0110】
図7に示されるように、妨害122の振幅の変動が原因で、ヒストグラム124の分解能は、最大値の領域において妨害の高いダイナミクスによって非常に強力に低減され得る。この場合、正確な最大値および半値幅を、特定の状況下では、非常に不十分にしか、または全く決定することができない。
【0111】
実施形態では、ヒストグラム124の分解能が十分に正確になるまで最大値の反復的近似を行うことができる。典型的には、半値幅を、ヒストグラム124の全体的な分解能の1/4から1/6とすることができる。ここでは、ヒストグラムの許容範囲の限界(上限および下限)を段階的に制限することができる。
【0112】
実施形態では、以下のコースを適用することができる。
1.限界を制限せずに初期ヒストグラムを形成する(最小値および最大値は、入力データからの最小値および最大値を表す)、
2.最大値およびおおよその半値幅を探索する、
3.限界(最小値および最大値)を制限する、
4.制限された限界を有する別のヒストグラムを形成する(限界外のすべてのサンプル/シンボルは考慮されない)、
5.半値幅がヒストグラムの規定幅以上になるまでステップ2からステップ4を繰り返す。
【0113】
例示として、
図8aから
図8cに、妨害122が有用な信号よりはるかに大きい動的領域を有する、
図7の例を取ったこの方式を示す。
【0114】
詳細には、
図8aから
図8cには、信号120が追加の妨害(干渉)を含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの決定された電力のヒストグラム124であって、異なる電力の上限および下限を含むヒストグラム124の図が示されている。よって、縦軸は確率を表し、横軸は電力を表す。
【0115】
図8aから
図8cに示されるように、ガウス曲線の分解能が所望の幅に到達するまで近似を段階的に行うことができる。
【0116】
実施形態では、ヒストグラムの限界を、ガウス曲線の幅が特定の閾値を超えるまで制限することができる。
【0117】
上記の方法は、有用な信号のSNR(信号対雑音比)が良好である限り問題なく機能することになる。しかしながら、SNRが減少する場合、ヒストグラムを形成するときに、特定の状況下では、
図9に示されるように、サンプルまたはシンボルの電力のヒストグラムの最大値が受信電力ではなくなり、ゼロになる場合がある。
【0118】
詳細には、
図9には、信号120が低SNRを含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの決定された電力のヒストグラム124の図が示されている。よって、縦軸は確率を表し、横軸は電力を表す。言い換えると、
図9には、SNRが不十分な場合の電信の電力のヒストグラム124の図が示されている。
【0119】
この影響を、シンボルが+1または−1の振幅にマップされる、二値変調の例を取って容易に示すことができる。
【0120】
雑音を含む振幅分布が両方のコンステレーション点について形成される場合、それぞれのコンステレーション点に最大値を有する2つのガウス曲線を認めることができる。これが、
図10に、第1の曲線129_1および第2の曲線129_2によって図示されている。
【0121】
詳細には、
図10には、信号が雑音を含む、二値変調信号の2つのコンステレーション点のサンプルまたはシンボルの振幅分布の図が示されている。よって、縦軸は数/確率を表し、横軸は振幅を表す。
図10では、第1の曲線129_1は第1のコンステレーション点のサンプルまたはシンボルの振幅分布を示し、第2の曲線129_2は第2のコンステレーション点のサンプルまたはシンボルの振幅分布を示す。加えて、
図10では、第3の曲線129_3が、第1の曲線129_1と第2の曲線129_2のオーバーラップ(合計振幅分布)を示す。言い換えると、
図10には、−100dBmの雑音および受信電力を有する受信サンプルまたはシンボルの振幅分布が示されている。
【0122】
ガウス曲線129_1および129_2の幅は雑音電力によって設定される。比較的少ない雑音では、2つの曲線129_1と129_2とはほとんどオーバーラップしないか、または全くオーバーラップせず、(
図10に示されるように)雑音がより高い場合には、2つの曲線129_1と129_2との間にかなりのオーバーラップがある。このオーバーラップは復号器において誤った判定をもたらし得る。
【0123】
図11に、
図10の合計振幅分布の電力分布の図を示す。よって、縦軸は数/確率を表し、横軸は電力を表す。
図11に示されるように、最大値は、受信電力の位置に位置せず、ゼロである。この最大値からはもはや信号の受信電力を決定することができない。
【0124】
この問題をさらに分析するために、((1,2,3,4,5,6,7…)*1e−5のように)線形に増加する信号振幅を有する入力ベクトルを生成することができる。続いて、このベクトルを二乗することができ、これは電力の計算に対応し、
図12に図示されている。
【0125】
詳細には、
図12には、線形の振幅コースを有する例示的な電信の電力分布が示されている。よって、縦軸は数/確率を示し、横軸は電力を示す。
【0126】
信号振幅を二乗することによって生じた、下部範囲における信号電力の累積を確認することができる。電力のヒストグラム計算に適用されると、これは、ゼロ領域において、上部領域におけるよりも高い累積があり、最大値は比較的低い雑音電力値ですでにゼロであることを意味する。
【0127】
実施形態では、ヒストグラムにおいて電力の代わりに信号振幅の絶対値を使用することができる。
図9のヒストグラムの同じ入力データについて信号振幅の絶対値を有する新しいヒストグラムが形成される場合、
図13が得られることになる。
【0128】
詳細には、
図13には、信号120が低SNRを含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの振幅の決定された絶対値のヒストグラム124の図が示されている。よって、縦軸は確率を表し、横軸は振幅を表す。
【0129】
図9と比較すると、最大値の前後の分解能はかなり良好であるが、絶対最大値は依然としてゼロに近いかまたはゼロである。
【0130】
振幅の絶対値の代わりに、振幅の絶対値の根(またはn乗根)が使用される場合、分解能における別の改善を達成することができる。これが、線形に増加する振幅を有する入力ベクトルについて
図14に示されている。
【0131】
詳細には、
図14には、
図12からのデータを用いた振幅の根の分布の図が示されている。よって、縦軸は数/確率を表し、横軸は振幅を表す。
【0132】
図14に示されるように、ゼロの前後の累積はなくなるが、振幅値の増加を有する。
図9からのデータを用いて別のヒストグラムが形成される場合、
図15に示されるように、ヒストグラムから雑音の最大値および幅を読み取ることができる。
【0133】
詳細には、
図15には、信号120が低SNRを含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの振幅のn乗根の決定された絶対値のヒストグラム124の図が示されている。よって、縦軸は確率を表し、横軸は振幅のn乗根を表す。言い換えると、
図15には、信号振幅からの根の絶対値を用いた
図9からのデータによるヒストグラム124が示されている。
【0134】
ヒストグラムから受信振幅の根および雑音分散のn乗根を決定した後、信号振幅および雑音分散を、n乗根の反転によって抽出することができる。電力は信号振幅の二乗によって得られる。
【0135】
実施形態では、電力の代わりに、ヒストグラムを形成するために振幅の絶対値またはn乗根の絶対値を計算することができる。
【0136】
上記の技法を使用して、n乗根が、受信電力および雑音を決定するために使用されるシンボル/サンプルごとに計算されなければならない。大量のデータでは、これは、かなりの計算量を伴う。
【0137】
実施形態では、根を計算する代わりに、ヒストグラムのビン(ヒストグラムのクラス)の量子化を調整することができる。
【0138】
以前は、すべてのビンが等しい量子化を含んでおり、すなわち間隔が線形であった。今では、信号振幅の根計算に対応し、同じ結果を有する量子化を行うことができる。ここでは、ゼロに近いビンは、高い値のビンよりも小さい幅を呈する。
【0139】
実施形態では、ヒストグラムのビン(ヒストグラムのクラス)は、典型的には信号振幅のn乗根の計算に対応し得る非線形分布を含むことができる。ヒストグラム124における入力データは、(シンボルまたはサンプルの)振幅の絶対値とすることができる。
【0140】
特定の状況下では、利用可能なシンボルまたはサンプルの数が限られているために、最大値から外部に向かう厳密に単調なコースを保証することができないことが、前述のヒストグラム124から認められる。加えて、特定の状況下では、最大値がわずかにずれ、正しい値にない可能性もある。特定の状況下では、そのようなヒストグラムから最大値および半値幅を正しく決定することが比較的困難であるかまたは不可能である。
【0141】
実施形態では、それゆえに、例えば、低域フィルタを使用してヒストグラムをフィルタリングすることができる。これにより曲線が平滑化され、最大値および半値幅の決定がより容易になる。フィルタリングなしとフィルタリングありのヒストグラム124の比較が
図16aおよび
図16bに示されている。
【0142】
詳細には、
図16aには、信号120が低SNRを含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの振幅のn乗根の決定された絶対値のフィルタリングされていないヒストグラム124の図が示されており、
図16bには、信号120が低SNRを含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの振幅のn乗根の決定された絶対値のフィルタリングされたヒストグラム124の図が示されている。
図16aおよび
図16bでは、縦軸は確率を表し、横軸は振幅のそれぞれのn乗根を表す。
【0143】
フィルタの係数をヒストグラム124の長さに調整することができる。入力データの長さと一致させて、より強いかまたはより弱いフィルタリングが必要とされ得る。計算の後、結果を損なわないように、フィルタの群遅延を考慮または除去することができる。反復的探索の場合には、すべて/特定のヒストグラムステップでフィルタリングも行われ得る。
【0144】
実施形態では、2つのパラメータ(最大値および半値幅)のより容易な読み出しを可能にするために、ヒストグラムの計算の結果にフィルタリングを施すことができる。
【0145】
<3.静的チャネルにおける信号電力の決定>
実施形態では、データ受信機110を、ヒストグラム124から雑音分散を決定するように構成することができ、データ受信機110を、受信信号120の信号部分126の(例えばシンボルのセットまたはサンプルのセットの)受信情報(例えば、受信電力、振幅の絶対値または振幅のn乗根の絶対値)の中央値を形成し、((例えばシンボルまたはサンプルのセットの)信号部分の)平均受信情報を取得するように構成することができる。
【0146】
実施形態では、よって(第2項からのヒストグラム計算の代替として)、すべての受信シンボル電力の中央値を形成することによって信号電力を形成することもできる。受信シンボルの半分未満が妨害されるか、または50%を上回る妨害されたシンボルを有するパケットは通常復号できないと仮定することができる。これにより、すべてのシンボル電力の中央値によって妨害されないシンボルのおおよその信号電力を概算することが可能になる。これが可能なのは、妨害されたシンボルの大きな電力が平均値を計算するときほど重視されないからである。受信シンボルの半分未満が妨害されるとき、中央値は常に妨害されないシンボルのガウス曲線の領域内にあることになり、これによりその電力の大まかな決定が可能になる。
【0147】
この推定を、当然ながら、振幅の絶対値または振幅の絶対値の根を使用して行うこともできる。
【0148】
実施形態では、電力の中央値を、受信シンボルまたはサンプルの電力に基づいて決定することができる。この値は、妨害されない受信シンボルの電力の推定を提供することができる。
【0149】
<4.伝送休止期間からの静的チャネルにおける雑音分散の決定>
実施形態では、信号120は、干渉が多いチャネル上で転送された少なくとも2つのデータパケットまたは部分データパケット142を含むことができ、少なくとも2つのデータパケット間または部分データパケット間には(伝送休止期間のような)転送休止期間があり、データ受信機110を、信号部分126を、少なくとも2つのデータパケット間または部分データパケット142間の転送休止期間に配置するように構成することができる。
【0150】
実施形態では、よって(第2項の手法の代替として)、雑音電力を、伝送休止期間中の受信信号から決定することもできる。ここでは、受信シンボルは第2項と同様に考慮されるが、ただし、雑音と、おそらくは、妨害源のみが受信されるという違いがある。平均値はゼロ振幅であるとは予期されず、これが、第2項と同様に、シンボル振幅の平均値の決定が省略される理由である。雑音分散を決定するために、受信機電力(または振幅)のヒストグラムの分散または幅を決定することができる。これもやはり第2項と同様に行うことができ、ヒストグラムの限界は特定の半値幅が達成されるまで反復して制限される。代替として/加えて、妨害の場合には、受信振幅の中央値を形成することにより、雑音電力の粗い推定が提供され得る。
【0151】
実施形態では、妨害されない受信シンボルの雑音分散を決定するために伝送休止期間時のシンボルまたはサンプルのヒストグラムを形成することができる。雑音電力を、最大値の前後の半値幅を使用してこのヒストグラムから決定することができる。
【0152】
<5.送信電力および雑音分散に基づく静的チャネルにおける妨害されたシンボルの検出>
実施形態では、データ受信機110は、決定された平均受信情報および雑音分散に基づいて受信振幅の(例えば絶対値の)平均値および雑音の標準偏差を決定するように構成することができ、データ受信機110は、受信振幅の(例えば絶対値の)決定された平均値および雑音の標準偏差に基づいて閾値(例えば受信振幅閾値)を決定するように構成することができ、データ受信機110は、その受信振幅(例えばその受信振幅の絶対値)が閾値を上回る信号部分126のシンボルまたはサンプルを、例えば、干渉が多いチャネルの干渉を抑制するために、(例えば、受信データパケットや部分データパケットの)(検出または復号のような)さらなる処理において考慮しないように構成することができる。
【0153】
すでに上述したように、干渉チャネルにおいて、どのシンボルが妨害されるかを知っていれば、FECの性能を改善することができる。
【0154】
(準)静的チャネルでは、等しい振幅の変調方法がすべてのコンステレーション点に使用される(すべてのシンボルが単位円上に位置する)、例えば、M−PSK、FSK、MSKの場合には、すべての妨害されないシンボルの受信振幅は雑音およびチャネル減衰のみに依存する。
【0155】
これが当てはまらない変調方法が使用される場合、既知のパイロットシンボルに対して、これらのパイロットシンボルの電力が予期されるコンステレーション点と一致して正規化されるときに、以下の方法を適用することができる。
【0156】
理論上、正規分布した雑音(例えば、[4]参照)では、すべての振幅の99.7%がμ±3σ内にあることが知られており、μはコンステレーション点の受信振幅の平均値を表し、σは雑音の標準偏差を表す。
【0157】
コンステレーション点に対する平均値の依存をなくすために、受信振幅の絶対値を使用して、受信振幅のすべての絶対値の99.7%が|μ|±3σ内にあるようにすることができる。
【0158】
受信振幅の絶対値の平均値および標準偏差が(例えば第2項から)知られている場合、上記の理論の助けを借りて、シンボル/サンプルが雑音分散内にあるか否かを定義する閾値を設定することができる。
【0159】
第2項からの受信電力および雑音分散を、受信振幅の平均値および雑音の標準偏差に変換することができる。
【0160】
閾値内にないすべてのシンボルは、推定上妨害され、それらをゼロに設定することができる。これらのシンボルはFECの以下の復号に影響を与えない。
【0161】
すべての妨害されないシンボルの99.7%が限界内にあることにより、妨害されていないすべてのシンボルの0.3%が妨害されると誤って仮定され、廃棄されるが、これは性能にさほどの影響を及ぼさない。
【0162】
実際には、受信振幅の絶対値の平均値および標準偏差を決定するときに推定誤りが発生し得ることが示されている。よって、いくつかのシナリオでは、例えば、理想的な閾値|μ|±3σではなく、|1.2・μ|±4σなどのわずかに高い閾値を選択することによって、閾値をわずかに調整することがより合理的である。
【0163】
例えば、復号器が正しいCRCを報告するまでいくつかの閾値を反復して使用することも可能である。
【0164】
実施形態では、受信振幅の平均値および雑音の標準偏差に基づいて閾値を決定することができ、閾値を上回るシンボルは妨害されたとマークされる。これらの妨害されたシンボルは、FECを復号するときに考慮に入れられないか、またはゼロに設定され得る。
【0165】
図17に、妨害があるパケットセクションの振幅の絶対値のコースの図を示す。縦軸は振幅を表し、横軸はシンボル番号を表す。
図17では、線130は決定された閾値を表し、よってこの閾値を上回るすべてのシンボルは推定上妨害される。
【0166】
図17に示されるように、妨害されたシンボルの間に、閾値を下回る少数のシンボルがある。しかしながら、1または2シンボルの間しか続かない短い妨害は、通常、発生しないか、またはごくまれにしか発生しないので、2つの妨害されたシンボル間のシンボルも妨害されると仮定することができる。
【0167】
妨害源の未知の変調タイプおよび未知の変調レートが原因で、データ受信機110におけるフィルタリングにより、妨害されたシンボルが許容可能な範囲内の受信振幅を有することが起こり得る。
【0168】
FECを復号するときにこれらのシンボルも抑制されるようにするために、「中央値フィルタ」を使用することができる。
【0169】
このフィルタリングでは、妨害されたシンボルの近隣のシンボルも妨害されたとマークすることができる。すなわち、前と後のシンボルが妨害される場合、現在のシンボルも妨害されるとみなされる。
【0170】
あるいは、前または後のシンボルが妨害されたとマークされている場合にのみシンボルを妨害されたとマークすることもできる。これを、最後から2番目および1つおいて次のシンボルまで拡張することができる。
【0171】
過去/将来において複数のシンボルを使用する場合、距離に従ってシンボルに重み付けすることができる(例えば、現在のシンボルにより近いシンボルがより高い重み付けを有する)。
【0172】
実施形態では、例えば、近隣のシンボルについての、それらが妨害されるかどうかに関する規則を使用して、妨害されたとマークされたシンボルに基づいて判定を行うこともできる。この場合には、閾値を下回るシンボルを、妨害されたとマークし、かつ/または少なく重み付けすることもできる。
【0173】
この規則は、前のシンボル、後のシンボル、または両方のシンボルを含むことができる。任意選択で、判定のために過去および将来にいくつかのシンボルを挿入することもできる。
【0174】
<6.シンボルが妨害される確率に従った送信電力および雑音分散に基づく静的チャネルにおける妨害されるシンボルの重み付け>
実施形態では、データ受信機110は、(例えば、干渉が多いチャネルの干渉を抑制するために)(例えば受信データパケットまたは部分データパケットの)さらなる処理(例えば復号または検出)について、ヒストグラムの受信情報の分布(例えばガウス曲線)に基づいて信号セクション126のシンボルまたはサンプルに重み付けするように構成することができる。
【0175】
図18に、受信信号120が妨害(干渉)を含む、受信信号120のサンプルまたはシンボルの受信電力のヒストグラム124の図を示す。言い換えると、
図18には、妨害がある受信電信のシンボルの電力のヒストグラムのセクションが示されている。
【0176】
図18に示されるように、妨害されないシンボルを有するガウス曲線は電力1e−10の前後に分布する。その電力が
図18の右端に示されているシンボルは、明らかに妨害され、これらを廃棄することができる。その電力が妨害されないシンボルのガウス曲線により近いシンボルについては、それらが妨害されるか妨害されないかを明確に判断することができない。シンボルが妨害される確率はガウス曲線までの距離と共に増加すると仮定することができる。電力が高いほど、シンボルが妨害される確率が高い(ガウス曲線の平均値より高い電力を有するシンボルに当てはまる)。復号するときに、この情報を、軟判定復号(信頼性情報を用いた復号)の形で各受信シンボルに重み付けするために使用することができる。ここでは、妨害される確率に従って各シンボルに重み付けすることができる。例えば、シンボルに少なく重み付けできるほど、そのシンボルの電力はガウス曲線の中心から遠ざかる。
【0177】
実施形態では、チャネルにおける前に決定された信号電力および雑音電力の分布に基づき、すべてのシンボルに、それらが妨害される確率に従って重み付けすることができる。
【0178】
<7.同期の前後のマルチレベル妨害検出>
実施形態では、信号120は、干渉が多いチャネル上で転送される少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット142を含むことができ、少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット142は同期シーケンスを含み、データ受信機は、少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット142の同期シーケンスに基づいて少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット142の反復的なさらなる処理(例えば同期および/または復調)を行い、少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケット142の反復的な検出の少なくとも1つの反復ステップにおいて干渉が多いチャネルの干渉を抑制するように構成することができる。
【0179】
例えば、干渉が多いチャネルの干渉を、閾値(例えば受信振幅閾値)を上回る同期シーケンスのシンボルまたはサンプルを無視することによって抑制することができる。例えば、データ受信機は、決定された平均受信情報および雑音分散に基づいて受信振幅の絶対値などの平均値および雑音の標準偏差を決定し、受信振幅の(例えば絶対値の)決定された平均値および雑音の標準偏差に基づいて閾値(例えば受信振幅閾値)を決定するように構成することができる。
【0180】
例えば、干渉が多いチャネルの干渉を、妨害されたシンボルまで所与の距離を保持しない同期シーケンスのシンボルまたはサンプルにより少なく重み付けすることによって抑制することができる。例えば、データ受信機110は、その受信振幅(例えばその受信振幅の絶対値)が閾値を下回り、その受信振幅(例えばその受信振幅の絶対値)が閾値を上回るシンボルまたはサンプルから所定の距離(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つのシンボルまたはサンプル)を有する信号部分のシンボルまたはサンプルを、(例えば、その受信振幅(例えばその受信振幅の絶対値)が閾値を下回る)信号部分のシンボルまたはサンプルとして)(例えば受信データパケットまたは部分データパケットの)検出または復号中に考慮しないか、またはそれらに少なく重み付けするように構成することができる。
【0181】
例えば、干渉が多いチャネルの干渉を、同期シーケンスのシンボルまたはサンプルに重み付けすることによって抑制することができる。例えば、データ受信機110は、(例えば受信データパケットまたは部分データパケットの)さらなる処理(例えば復号または検出)について、ヒストグラムの受信情報の分布(例えばガウス曲線)に基づいて信号部分126のシンボルまたはサンプルに重み付けするように構成することができる。
【0182】
ただし、実施形態では(第2項に記載されるように)、アルゴリズムは、検出の後、同期の前に開始することができる。
【0183】
周波数、時間および位相オフセットは一般に未知であるため、(例えば最初は)妨害されたチャネルの場合にも同期を行うことができる。同期が妨害検出の前に入力シンボルに基づいて実行される場合、妨害されたシンボルが原因で推定誤りが発生し得る。これらの誤りは、例えば、(たとえ続いて妨害源が抑制されても)後続の復号が不可能なほど大きい可能性もある。
【0184】
したがって、同期の前に干渉源抑制を実行するか、または(同期シンボルの起こり得る干渉を考慮に入れて)同期後に干渉源抑制を再度実行することが有益である。(第5項および第6項によれば)この場合も、やはり妨害された同期シンボルに関する知識を活用する以下の2つの可能な方法がある。
―閾値を使用した妨害された同期シンボルの完全な抑制(第5項)、および/または
―同期シンボルの信頼性に従った同期シンボルの重み付け(第6項)。
【0185】
このプロセスを、例えば以下のステップによって、いくつかの段階において反復して実行することができる。
―妨害源(または干渉源)の検出および抑制、
―新しい位相同期、
―新しく位相同期された受信シンボルを使用した新しい妨害源の検出および抑制、
―新しい周波数同期、
―新しく周波数同期された受信シンボルを使用した新しい妨害源の検出および抑制、
―新しい時間同期、
―新しく時間同期された受信シンボルに基づく新しい妨害源の検出および抑制、
―情報シンボルの最終的な復号。
【0186】
実施形態では、時間、周波数および位相推定について各々1つの反復ステップを行うか、または代替として、3種類すべてもしくは2種類のみの同期に1つの反復ステップを行うことができる。
【0187】
これに加えて、例えば以下のように、1種類の同期にいくつかの反復ステップを行うこともできる。
―妨害源の検出および抑制、
―新しい位相同期、
―新しく位相同期された受信シンボルを使用した新しい妨害源の検出および抑制、
―更新された位相同期。
【0188】
同期の前に疑わしい干渉を抑制する必要がある場合もある。妨害されたシンボルを抑制することにより、利用可能なシンボルがより少なくなるが、それらのシンボルが妨害されない確率は高くなる。
【0189】
これがなされると、以下の場合が発生し得る。
―パイロットシーケンスが妨害されない、
―パイロットシーケンスが部分的に妨害される、または
―パイロットシーケンスが完全に妨害される
【0190】
周波数推定では、妨害されないパイロットシーケンスのみを使用することが有利である。ここでは、十分なパイロットシーケンスが残っていることを確認することが重要であり、そうでない場合、周波数推定が十分に正確ではなくなる。
【0191】
実施形態では、周波数推定に残りのパイロットシーケンスを使用することができる。
【0192】
時間および位相推定では、部分的に妨害された、したがって、パイロットシンボルの一部のみが利用可能なパイロットシーケンスも使用することができる。ただし、前に定義された最小数のパイロットシンボルが利用可能であることが有利である。
【0193】
その場合、残りのパイロットシーケンスを用いて、時間推定を行うことができる。位相推定では、信号部分ごとに単一の値を通常計算することができる。よって、パイロットシーケンスが完全に、またはほぼ完全に破壊されている場合、この部分についての位相推定パラメータは利用できない。
【0194】
完全に破壊されているか、または前に定義された量よりも多くのシンボルが破壊されているすべてのシーケンスを、完全に妨害されたとマークすることができる。この情報は将来のプロセスにおいて必要とされ得る。
【0195】
実施形態では、新しい同期をいくつかのステップで反復して行うことができる。各反復ステップで、まず妨害源検出および干渉抑制を行い、次いでメッセージの同期を行うことができ、同期シンボルの妨害に関する情報が考慮される。
【0196】
同期が完了した後、データ受信機においてシンボルをさらに処理することができる。例えば、MSKまたはM−PSKにおいてISIを除去することができる。
【0197】
これがなされた後、データシンボルのための妨害検出および妨害抑制を第3項に従って再度行うことができる。パイロットシンボルに妨害検出および抑制を施すこともできるが、パイロットシンボルには通常、それ以上さらなる処理は不要である。
【0198】
すべてのデータシンボルが妨害検出を受けた後、最初の妨害検出で取得された、妨害されたパイロットシーケンスに関する情報を再度使用することができる。パイロットシーケンスが完全に妨害されるか、または定義された値を超えて妨害されるすべてのデータ領域を、これらの領域については少なくとも位相推定を利用できないので、完全に抑制することができる。
【0199】
電信分割の方法[1]が使用される場合、そのような範囲は通常、部分データパケット142を、または2つのパイロットシーケンスの場合には、部分データパケットの半分を含むことができる。
【0200】
このステップが実行された後、残りのシンボルを、さらなる処理そして復号のためにFECに供給することができる。
【0201】
実施形態では、データシンボルの同期の後、さらなる妨害検出および抑制を行うことができる。前に検出された(完全に)妨害されたパイロットシーケンスは、完全な領域を妨害されたとマークすることができる。
【0202】
<8.AWGNおよび干渉妨害のための静的チャネル上での最適化されたLLRスケーリング>
以下の実施形態では、すでに上述したような時間、周波数および位相位置に関する検出および同期が行われていると仮定する。検出および同期は、第2項から第7項の実施形態のうちの1つに基づくものとすることができる。しかしながら、検出および同期が第2項から第7項の実施形態のうちの1つに基づくものではなく、別の検出および/または同期が行われたとすることも可能である。
【0203】
非同期転送では、これらのタスクは、前に受信されたパケットとは無関係に、パケットごとのコヒーレント復調の前に行う必要がある。例えば、第4項で上述した実施形態のうちの1つを使用して、周波数および位相同期を改善することができるが、他の方法を適用することもできる。
【0204】
本発明の実施形態を、伝送休止期間がパケット時間よりもかなり長く、電信分割(TSMA)が適用される、非同期パケット転送を用いた無線ベースのシステムで使用することができる。電信分割は、独国特許 10 2011 082098 B4および[1]に記載されている。実施形態は、例えば、遠隔計測システム、センサネットワークおよびモノのインターネット(IoT)というキーワードの下でのあらゆる将来の用途の場合と同様に、複数のデータ送信機100が、単一のデータ受信機110によって受信および復号されるべきである非協調電信を送信する干渉制限システムにおいて特にロバストであることが判明している。
【0205】
実施形態は、主に、ブロック符号、畳み込み符号、およびそれらの連結された変形[5]などの様々なFEC(前方誤り訂正)符号の復号に必要とされる、復調器によって提供された軟判定値(例えば、信頼性情報を有するビット)のスケーリングに関し、というのは、それらは、純粋な硬判定値(例えば(信頼性情報なしの)硬判定値)よりも著しく多くの情報を含み、よって著しく低いパケット誤り率を提供するからである。軟判定値を、例えば、対数尤度比(LLR)[5]と呼ぶことができる。
【0206】
電信分割では、各パケットをA個の部分データパケット142(サブパケットまたはホップとも呼ばれる)に分割することができ、各部分データパケット142は、データ受信機110に知られているP個の変調シンボルを有するそれ自体のパイロットシーケンス(多くの場合訓練シーケンスまたは同期シーケンスと呼ばれる)を含むことができる。パイロットシーケンスは、それが部分データパケット142の先頭または中間に位置する場合には、プリアンブルまたはミッドアンブルとも呼ばれる。パイロットシーケンスを、その間でデータシンボルが転送される2つ以上の部分シーケンスの形で部分データパケット142内に分散させることもできる。パイロットシンボルをデータシンボルと同じ変調アルファベットから取ることが一般的なやり方である。
【0207】
図19に、P個のパイロットシンボル144(または同期シンボル)を有するパイロットシーケンス(または同期シーケンス)およびDL+DRデータシンボル146を有する2つのデータシーケンスを含む複数の部分データパケット142の概略図を示す。言い換えると、
図19には、A個の部分パケット142の可能な構造(ミッドアンブルおよびデータブロックを有する部分データパケット142への例示的なパケット分割)が示されている。パイロットシーケンスのP個のシンボル144は、個々の部分データパケット142のほぼ中間に位置し、2つのデータブロックで囲まれており、データブロックは異なる長さ(ここではDLおよびDRとマークされている)を有し得る。
【0208】
以下で説明される方法は静的チャネルを仮定しており、静的チャネルは、すべての部分データパケット142の転送中にチャネルの時間的変化がないことを意味する。これは、例えば、データ送信機100とデータ受信機110の両方が固定式である場合にほぼ満たされることになる。さらに、すべてのコンステレーション点に同じ振幅での変調方法が仮定される(例えばMSKやFSKの場合と同様に、すべてのシンボルが単位円上に位置する)。次いで、既知のパイロットシンボル144に加えて、未知のデータシンボル146も妨害分散を決定するために使用することができる。
【0209】
無線ベースのシステムのより新しいデータ受信機110では、受信信号120をバンドパスフィルタリング後にベースバンドに混合し、アナログ・デジタル変換器(ADC)を使用してそれを時間的に等距離をおいてサンプリングおよび量子化することが一般的なやり方である。各サンプル値は、複素数値とすることができ、実数部および虚数部を有し得る。サンプリングを、少なくともシンボルクロックで、またはシンボルクロックの倍数で(オーバーサンプリング)行うことができる。P個の既知のパイロットシンボルp144およびそれらの位置における受信信号値rを用いて、第1のステップで以下のようにインパルス応答を推定することが可能であり、
式中、A個の部分データパケット142の各々について、インデックスμは、部分データパケット142内のシンボル位置を指し、インデックスaは、それぞれの部分データパケットを指す。さらに、インパルス応答の複素係数は長さ1を有し、よって、シンボル間干渉は存在しないと仮定することができる。部分データパケット142ごとの雑音電力の推定を、次式に従って受信信号と再構築された信号との間の差分信号の計算に基づいて行うことができる。
【0210】
純粋な白色ガウス分布AWGN(付加白色ガウス雑音)妨害の場合には、A個すべての推定雑音電力がそれらの平均精度内でほぼ等しくなるはずである(
図20aも参照)。しかしながら、A個すべてのパイロットシーケンスに干渉妨害がないと仮定することはできない。負荷に応じて、ますます多くのパイロットシーケンスが干渉によって妨害されることになる。干渉によって妨害されるパイロットシーケンスの数を推定するために、部分データパケット142当たりの推定妨害電力
を以下のように昇順でソートすることができる。
【0211】
図20aに、部分データパケットが妨害源によって妨害されない、受信部分データパケット142のソートされた妨害電力のコース132_1の図を示す。
図20bに、異なる数の部分データパケット142が妨害源によって妨害される、受信部分データパケット142のソートされた妨害電力のコース132_2および132_3の図を示す。
図20aおよび
図20bでは、縦軸は妨害電力を表し、横軸はインデックスを表す。
図20bにおいて、第1の曲線132_2は、わずかな部分データパケット142が妨害源によって妨害される場合のソートされた妨害電力のコースを示し、第2の曲線132_3は、多くの部分データパケット142が妨害源によって妨害される場合のソートされた妨害電力のコースを示す。
【0212】
言い換えると、
図20aおよび
図20bには、3つの概略的コース132_1から132_3が示されている。
図20aには干渉なしの事例が示されており、
図20bには異なる負荷の2つのコース132_2および132_3が示されている。パイロットシーケンスが干渉源によって妨害される場合、この部分データパケットにおける推定干渉電力は、より多くのパイロットシンボルが干渉源によって妨害されるほど、干渉源の干渉電力に依存して増加する。
【0213】
図20aおよび
図20bに示されるように、干渉によって損なわれないM
sub∈L
u…A−1個の部分パケットが決定される。一般性を制限することなく、A個すべての部分パケットが干渉によって妨害されるわけではなく、最小数のLu個の部分パケットがAWGNによって妨害されるにすぎないと仮定することができる。
【0214】
M
subの決定には、異なる可能な方法がある。例えば、
の最初のL
u個のソートされた値にわたって、初期平均値
を形成することができる。次いで、この平均値を利得係数X(例えばX=2.5)で乗算し、次いでソートされた(L
u+1)番目の妨害電力と比較することができる。この(L
u+1)番目の妨害電力がXで重み付けされた平均値より大きい場合には、ループが中断され、M
sub=L
uが適用される。そうでない場合、ループカウンタをL
uからL
u+1に増やし、新しい平均値
を、
の最初の(L
u+1)個のソートされた値にわたって形成することができる。次いで、(L
u+2)番目の妨害電力がXで重み付けされた新しい平均値と再度比較される。このループは、A−1の最大値まで動作することができ、干渉によって損なわれないM
sub個の部分データパケット142の可能な最大数を決定する。次いで最終的なインパルス応答を、M
sub個の選択された部分データパケット142によって以下のように決定することができる。
【0215】
次いで、受信信号r120を複素スカラー
でスケーリングして、結果として得られるインパルス応答がh=1になるようにすることができる。
【0216】
雑音なしの場合には、妨害されないRX個のシンボルはその場合+1または−1と等しい。次いでシンボルクロックkごとのシンボルベースの二乗雑音値の推定を、部分データパケットのすべてのパイロットおよびデータシンボルについて、次式で計算することができる。
(1)
実際上の理由で、二乗雑音値を、以下のように閾値0≦θ(例えばθ=0.1)によって下方に制限することが有益であることが判明している。
(2)
【0217】
部分データパケット142のA個すべての(D
L+D
R)データシンボルのシンボルベースの対数尤度比は、例えば、次式に従って計算され、
(3)
式中、rkは、妨害されないRX個のシンボルを表し、
は、実数部および虚数部の直交成分のシンボルベースの雑音分散を表す。
【0218】
次に実施形態は、シンボルクロックkごとの雑音分散
を下方に制限されたシンボルベースの二乗雑音値n
kから開始して、どのようにして最善に推定することができるかという問題を扱う。
【0219】
純粋な白色ガウス分布雑音(AWGN)の場合には、以下のように、完全なパケットのすべての雑音値、すなわち、A・(D
L+D
R+P)の値の平均が最も好適になるはずである。
【0220】
次いですべてのLLR値がこの1つの値でスケーリングされる。しかしながら、多くの関与者からのデータが非協調転送であるために、他の関与者からの信号による妨害重畳が常に発生する可能性があり、これは自己ネットワークと他のネットワークの両方から発生し得る。そのような干渉妨害は未知の時刻に開始し、しかも様々な持続時間を有し得る。しかしながら、隣接する部分データパケット142における妨害は通常互いに独立していると仮定することができる。したがって、より雑音の多いAWGN妨害と、強力な干渉優位の場合の両方に可能な最善のLLRスケーリングを見つける必要がある。
【0221】
図21に、一実施形態によるデータ受信機110の概略ブロック図を示す。データ受信機110は、信号120を受信し、受信シンボル162を取得するために信号120を(例えばスケーラを使用して)平均インパルス応答160でスケーリングするように構成することができ、信号120は干渉が多い伝送チャネルの干渉を含み、信号120は、干渉が多いチャネル上で伝送された少なくとも1つの部分データパケット142(例えば複数の部分データパケット)を含む。
【0222】
データ受信機110は、(例えば、第1の雑音尺度推定器による)第1のシンボルベースの雑音尺度推定164(例えばAWGN最適化LLRスケーリング)および/または(例えば、第2の雑音尺度推定器による)第2のシンボルベースの雑音尺度推定166(例えば干渉最適化LLRスケーリング)に基づいて、(例えば部分データパケット142当たりの)少なくとも1つの部分データパケット142の受信データシンボル162についての信頼性情報(例えばLLR値)を決定するように構成することができる。
【0223】
データ受信機110は、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164(例えばAWGN最適化LLRスケーリング)の場合に、少なくとも1つの部分データパケット142の受信データシンボルのサブセット(例えば、
図19の右データブロックまたは左データブロック)の雑音尺度を決定するように構成することができ、サブセットは少なくとも2つのシンボルを含む。
【0224】
データ受信機110は、第2のシンボルベースの雑音尺度推定(例えば干渉最適化LLRスケーリング)の場合に、少なくとも1つの部分データパケット142の受信データシンボルの雑音尺度をシンボルごとに(例えば各データシンボルについて)決定するように構成することができる。
【0225】
以下で、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164(例えばAWGN最適化LLRスケーリング)および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166(例えば干渉最適化LLRスケーリング)の実施形態をより詳細に説明する。
【0226】
<AWGN最適化LLRスケーリング>
実施形態では、各部分データパケット142の右半分および左半分を別々に考察することができ、別々の平均化を行うことができ、すなわち、各部分データパケット142の左データブロックについては、
部分データパケット当たりの右データブロックについては、
である。
これらの式では、インデックスkはもはや、完全なパケットのインデックスを指すのではなく、各部分データパケット142内のシンボルインデックスを指す。D
LおよびD
Rのデータブロックの長さが等しくなく異なる場合、Pの異なる長さの差を、右と左の合計平均長が2つの式において同一になるような方法で補償することができる。よって、1パケット当たり2A個の異なる雑音分散が推定される。2A個のデータブロックのうちの1つにおけるすべてのLLRが、雑音分散の単一の値に従ってスケーリングされる。純粋なAWGN妨害を用いたパケット誤り率シミュレーションは、考慮中の事例について、最適なAWGNスケーリングとデータブロック別のスケーリングとの差は0.2dB未満であることを示している。
【0227】
<干渉最適化LLRスケーリング>
実施形態では、干渉優位の場合に、妨害比率がシンボルごとに著しく変化し得るので、シンボル別のLLRスケーリングを行うことができる。したがって、近隣のn
kの値の平滑化を行うことができる。最もよく知られた平滑化は、SavitzkyおよびGolay[6]による多項式平滑化である。FIRフィルタ係数を使用することにより、データは通常、二次多項式または三次多項式によって重み付けされる。しかしながら、SavitzkyおよびGolayの方法は、測定データの最も単純な平滑化法、すなわち、(重み付き)移動平均も可能にする。ここでは、データ点は近隣の点(またはその重み付きの形)の算術平均値で置き換えられる。
【0228】
移動窓のサイズは2F+1であり、w
μは対応する重みである。本発明者らの例では、F=4であり、窓幅は9個の値である。各部分データパケット142の先頭と末尾との雑音分散の最初のF個の値は特殊な処理を必要とする。各部分データパケットの最初のF=4個のシンボルの雑音分散は次式として計算され、
最後のF=4個の雑音分散は、対応して減少する窓幅を示し、対応した同様の方法で計算することができる。窓幅Fが増加または減少することになる場合、先頭と末尾の特殊事例の数もしかるべく調整されなければならなくなる。
【0229】
<さらなる処理>
パケットの決定されたLLRが、インターリーバに、次いでFEC復号器に供給される前に、以下のように、軟出力値の制限、いわゆるクリッピングを行うことができる。
(4)
【0230】
例えば、L
mは13の値を取ることができる。式(2)と同様に、式(4)は、単一のLLR値が自由に大きくなるのを回避しようとする。そのような措置は、パケット誤り率にプラスの影響を及ぼす。
【0231】
式(2)および式(4)からの閾値θおよびL
m、ならびに窓サイズFおよび重み係数w
μなどのすべての自由度は、シミュレーションに基づき、必要とされる負荷シナリオおよび異なる回路バリアントについてのパケット誤り率が可能な限り低く保たれるような方法で選択されなければならない。
【0232】
2つのスケーリングバリアント(AWGN最適化LLRスケーリングおよび干渉最適化LLRスケーリング)の適切な相互接続によってのみ、満足のいくパケット誤り性能を、純粋なAWGNの場合と干渉優位および負荷依存の場合の両方で達成できることは明らかである。本質的に、以下の4つの異なる組み合わせ変形がある。
(1)オプションを選択するための上流検出(
図22)、
(2)後続の復号と組み合わせたLLR(
図23)、
(3)後選択を伴う二重処理(
図24)、
(4)後選択を伴う多重処理。
【0233】
変形(1)〜変形(4)は、それらの複雑さの増加に従って配置され、ランクが上がるにしたがってますます良い性能を示すことが予期される。
【0234】
第1の変形によれば、実施形態のデータ受信機110を、干渉が多いチャネルの干渉率を決定し、決定された干渉率に依存して、
図22に示されるように、第1のシンボルベースの雑音尺度推定(AWGN最適化LLRスケーリング)に基づくか、または第2のシンボルベースの雑音尺度推定(干渉最適化LLRスケーリング)に基づいて少なくとも1つの部分データパケット142の受信シンボルについての信頼性情報(LLR値)を決定するように構成することができる。
【0235】
詳細には、
図22には、干渉率に基づいて第1のシンボルベースの雑音尺度推定164または第2のシンボルベースの雑音尺度推定166を選択するための、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166に先行する干渉検出168の概略図が示されている。
【0236】
言い換えると、
図22には、オプションを選択するための上流での雑音または干渉検出の概略図が示されている。
図22による変形1は、部分データパケット142がより雑音が多いものかそれとも干渉が多いものかの選択を、例えば、第2項および第3項の実施形態に基づいて、評価によって行おうとする。したがって、第1のシンボルベースの雑音尺度推定(AWGN最適化LLRスケーリング)または第2のシンボルベースの雑音尺度推定(干渉最適化LLRスケーリング)が次いで行われる。このハードスイッチングによる手法は最悪の性能を達成する可能性が高い。計算リソースが非常に限られる場合にのみ使用されるべきである。
【0237】
第2の変形によれば、実施形態のデータ受信機110は、第1の信頼性情報および第2の信頼性情報を取得し、
図23に示されるように、さらなる処理(例えば、復号172(例えばFEC復号またはターボ復号)および検証174(例えばCRC検査))のために組み合わせる170ために、第1の雑音尺度推定(AWGN最適化LLRスケーリング)および第2の雑音尺度推定(干渉最適化LLRスケーリング)に基づいて別々に少なくとも1つの部分データパケット142の受信データシンボルについての信頼性情報(例えばLLR値)を決定するように構成することができる。
【0238】
詳細には、
図23には、一実施形態による、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166の下流での組み合わせ170と、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164によって提供される第1の信頼性情報および第2のシンボルベースの雑音尺度166によって提供される第2の信頼性情報167のさらなる処理172、174の概略図が示されている。
【0239】
言い換えると、
図23には、後続の復号を伴うLLR組み合わせが示されている。
図23に示されるように、第2の変形では、両方のLLRスケーリング変形164および166が行われ、次いで、両方のプロセス164と166のLLRが(等しくまたは異なる重み付けで)合計されるような方法で組み合わせ170が行われる。この第2の変形は、パケット誤り率に関して、第1の変形よりも著しくうまく機能するはずである。
【0240】
第3の変形によれば、データ受信機110は、
図24に示されるように、第1の信頼性情報165および第2の信頼性情報167を取得し、これらを別々に処理するために、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164(AWGN最適化LLRスケーリング)および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166(干渉最適化LLRスケーリング)に基づいて別々に少なくとも1つの部分データパケット142の受信データシンボルについての信頼性情報(例えばLLR値)を決定するように構成することができる。
【0241】
詳細には、
図24には、一実施形態による、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164によって提供される第1の信頼性情報165、および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166によって提供される第2の信頼性情報167の、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164および第2のシンボルベースの雑音尺度推定166の下流での、別々のさらなる処理176および178の概略図が示されている。
【0242】
図24に示されるように、第1のシンボルベースの雑音尺度推定164によって提供される初期信頼性情報165のさらなる処理176は、復号172_1(例えばFEC復号またはターボ復号)および検査174_1(例えばCRC検査)を含むことができる。第2のシンボルベースの雑音尺度推定166によって提供される第2の信頼性情報167のさらなる処理178は、復号172_2(例えばFEC復号またはターボ復号)および検査174_2(例えばCRC検査)を含むことができ、検査にパスした値を出力する。
【0243】
言い換えると、
図24には、後選択を伴う二重並列処理が示されている。第3の変形では、各LLRスケーリング変形が、その独自のCRC検査を有するその独自の復号パスも有する。これらの変形のうちの少なくとも1つでCRC誤りが発生しない場合には、部分データパケットは正常に転送されている。この二重の解決策を順次に渡すことができる。干渉最適化スケーリングから開始して、そのCRC値が検査される。「成功」しない場合、次のスケーリング変形(AWGN)が渡され、そのCRCが検査される。この第3の(二重の)変形を第4の変形を用いて、各々異なるパラメータ設定を有するさらなる分岐によって拡張することができる。例えば、例えば、より高い負荷でより良い性能を示す、異なる窓サイズおよび/または他の重み係数を有する他のLLRスケーリング変形を使用することができる。また多分岐の変形には、
を用いるAWGN事例のための最適なスケーリングを含めることもできる。これは、利用可能な処理リソースにのみ依存する。
【0244】
<9.広帯域信号からの雑音電力決定>
実施形態では、パケット転送のある無線転送システムのデータ受信機110において干渉源が抑制される。無線転送システムは、非協調的にデータ受信機110によって受信および評価されることになるデータパケットを発信する、多数のデータ送信機100を有する可能性がある。この文脈における非協調とは、データ送信機100のデータパケット発信の時間的位置および周波数位置がデータ受信機110において知られないこと、およびデータ送信機のデータパケット発信間に時間的関係または周波数関係がないことを意味する。周波数に関する不確実性は、他の無線転送システムによっても使用される、無線転送システムに割り当てられた周波数帯域内の周波数位置を指す。データ受信機110に到達する特定のデータ送信機100のデータパケット発信の受信信号は以下の2つの方法で妨害され得ることになる。
1.同じシステムの別のデータ送信機のデータパケット発信との時間および/または周波数におけるオーバーラップがあり得る。
2.別のシステムの発信との時間および/または周波数におけるオーバーラップがあり得る。
【0245】
協調発信を用いるシステムでは、オーバーラップ発信の相互妨害を抑制するために第1の事例に特殊な手順が利用可能である。しかしながら、この場合には、必要な前提条件が該当しない。
【0246】
さらに、データ受信機110におけるシンボル処理中に妨害を検出および抑制するための方法がある。しかしながら、これは、周波数、位相および時間に関して十分に正確な同期を必要とする。しかしながら、妨害は、同期に使用されるアルゴリズムにも干渉するので、この場合も、前提条件は容易には満たされない。
【0247】
必要なのは、データ受信機110でのあらゆる関連処理ステップにおいて妨害を検出および抑制できる概念である。以下では、受信データパケットの受信レベルがパケット時間中にごくわずかにしか変動しない、すなわち、いわゆるフェージングが存在しないすべてのシナリオにおける要件を満たす実施形態を説明する。
【0248】
図25に、一実施形態によるデータ受信機110の概略ブロック図を示す。データ受信機110は信号120を受信するように構成され、信号120は干渉が多い伝送チャネルの干渉122を有する。
【0249】
実施形態では、データ受信機110は、受信信号の(例えばサンプルのセットまたはシンボルのセットの)2つの異なる信号部分126_1および126_2の受信電力情報(例えば、受信電力、対数受信電力)の少なくとも2つのヒストグラム124_1および124_2を形成するように構成され得る(例えば、パケット検出器180を含み得る)。
【0250】
例えば、データ受信機110(またはパケット検出器180)は、受信信号の第1の信号部分126_1の受信電力情報の第1のヒストグラム124_1および受信信号の第2の信号部分126_2の受信電力情報の第2のヒストグラム124_2を形成することができる。
【0251】
データ受信機は、ビンごとに少なくとも2つのヒストグラム124_1および124_2または少なくとも2つのヒストグラム124_1および124_2の受信電力情報の分布128_1および128_2を組み合わせて(例えば加算して)組み合わされたヒストグラム182を取得し、組み合わされたヒストグラム182から雑音電力情報(例えば雑音電力)を決定するようにさらに構成することができる。
【0252】
実施形態では、データ受信機110は、第1の信号部分126_1のサンプルまたはシンボルのセットについての第1の受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)を決定し、決定された第1の受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)の第1のヒストグラム124_1を形成するように構成することができる。
【0253】
例えば、データ受信機110は、受信信号120の第1の信号部分126_1のサンプルまたはシンボルごとの受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)を決定し、第1の信号セクション126_1のサンプルまたはシンボルのセットについての決定された第1の受信情報を取得し、決定された第1の受信情報の第1のヒストグラム124_1を形成するように構成することができる。
【0254】
実施形態では、データ受信機110は、第2の信号部分126_2のサンプルまたはシンボルのセットについての第2の受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)を決定し、決定された第2の受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)の第2のヒストグラム124_2を形成するように構成することができる。
【0255】
例えば、データ受信機110は、受信信号120の第2の信号部分126_2のサンプルまたはシンボルごとの受信情報(例えば、受信電力、対数受信電力)を決定し、第2信号部分126_2のサンプルまたはシンボルのセットについての決定された第2の受信情報を取得し、決定された第2の受信情報の第2のヒストグラム124_2を形成するように構成することができる。
【0256】
実施形態では、受信電力情報は、受信電力または対数受信電力とすることができる。
【0257】
実施形態では、データ受信機110は、組み合わされたヒストグラム182の組み合わされた受信電力情報の分布の最大値に基づいて雑音電力情報を決定するように構成することができる。
【0258】
以下でデータ受信機110の詳細な実施形態を説明する。
【0259】
図26に、一実施形態によるデータ受信機110の概略ブロック図を示す。言い換えると、
図26には、データ受信機110における処理が示されている。パケット検出器180が、入力において広帯域信号を処理し、既存のパケットを検出し、パケットの時間および周波数位置が近似される。この位置のこの情報に基づき、パケット復号器184が、広帯域信号からのパケットを処理するために必要な時間および周波数信号部分を抽出し、次いでそれらを処理する。
【0260】
パケット検出器180とパケット復号器184とはどちらも、好ましくは、妨害に対して十分な耐性を有する。パケット検出器180における必要な措置は本発明には含まれない。したがって以下では、予期される妨害の影響下でさえもパケットを十分に正確に検出することができるものと仮定する。
【0261】
とはいえ、パケット復号器184における必要な措置は雑音電力を知っていることから恩恵を受け、パケット検出器180はこの量をパケット復号器184よりずっと容易かつ正確に推定することができるため、いくつかの実施形態はパケット検出器180にも関する。したがって、検出されたパケットの時間および周波数位置に加えて、パケット検出器180は、パケット検出器180によって推定された雑音電力もメタデータとしてパケット復号器184に転送する。
図27に、雑音電力を推定するためのパケット検出器180の拡張を示す。
【0262】
詳細には、
図27には、一実施形態による、データ受信機110のパケット検出器180の概略ブロック図が示されている。データ受信機110のパケット検出器180は、フィルタバンク(例えば多相フィルタバンク)190、相関およびパケット検出192、ならびに雑音電力PRの推定194を含む。
【0263】
以下では、まず、パケット検出器180における雑音電力の推定を説明する。続いてパケット復号器184における処理を説明する。
【0264】
<拡張されたパケット検出器における雑音電力の推定>
実施形態では、パケット検出器180は、高周波数分解能の多相フィルタバンク190を有することができ、多相フィルタバンク190を使用して広帯域信号の電力密度スペクトルを計算することができる。以下では、雑音電力P
Rは、フィルタバンク190の1つのチャネルにおける雑音電力、すなわち、フィルタの雑音電力密度と雑音帯域幅との積であると理解される。したがって、これを、さらなるスケーリングなしで、フィルタバンクの出力信号の絶対値の二乗から直接計算することができる。
【0265】
スペクトル分析器と同様に、値の分散を減らすために、連続した電力密度スペクトルにわたる時間的平均化がまず行われる。しかしながら、評価される周波数帯域の高い占有率が予期されなければならず、時間的平均化が大きすぎると認識可能な雑音ベースの形成が妨げられる可能性があるため、この目的で使用される平均係数をここでは比較的低く保つことができる。加えて、提供される周波数帯域では、他のシステムからの比較的短い広帯域妨害が予期されることになる。これらの妨害は、非常に近接して次から次へと発生する可能性があり、評価可能な雑音ベースが形成され得るように時間的に分解されなければならない。この場合には、平均係数M=4が使用される。
【0266】
平均化は、M個の連続した電力密度スペクトルの加重加算によって行われる。すでに述べた理由により、時間方向にはアンダーサンプリングが行われず、すなわち、アンダーサンプリングによって引き起こされる余分な時間的不明瞭さがない。
【0267】
図28に、広帯域信号の自己信号280、外部信号282および評価範囲284(例えばチャネル、帯域1、帯域2)の図を示す。縦軸は周波数を表し、横軸は時間を表す。
【0268】
言い換えると、
図28には、例示的な信号シナリオを含む評価領域の一例の図が示されている。取得された周波数範囲は、サンプリングレートf
sでは、間隔[−f
s/2 f
s/2]である。この範囲内で、いくつかの部分範囲を評価に使用することができ、通常は、中心周波数を下回る部分範囲(帯域1)および中心周波数を上回る部分範囲(帯域2)である。端の範囲(f<f
1,lowおよびf>f
2,high)は、これらの範囲における広帯域信号の周波数応答が広帯域信号の先行するフィルタリングにより低下するので、評価されない。中心周波数の前後の狭い領域(f
1,high<f<f
2,low)も評価されず、特定の受信機トポロジーにおける妨害DC成分または妨害低周波数信号成分を含み得る。
【0269】
M重平均電力密度スペクトルの時間および周波数分解能はグリッドによって指示される。信号シナリオは、自己無線システムの発信(固有信号)とその他の無線システムの伝送(外部信号)とからなる。固有信号は帯域の帯域幅と比較して狭帯域であり、外部信号は、狭帯域または広帯域であり得る。広帯域外部信号は通常、固有信号より短い時間を有し、狭帯域外部信号は通常、より長い時間を有する。
図28では、信号の影響を受けるグリッドのすべてのセルがマークされている。他方、信号自体は、一般に、時間方向にも周波数方向にも、グリッド内に位置しない。
【0270】
したがって、
図28の説明から、一定の雑音ベース(いわゆる白色広帯域雑音)の条件の下で、非常に類似した電力値が発生し、その予期される値が求められる雑音電力P
Rに対応する、信号の影響を受けない特定の数のセルが常にあることになる。他方、信号の影響を受けるセルには、通常、非常に異なる電力値がある。したがって、雑音電力P
Rは、電力値のヒストグラムによって決定することができるということになる。
図28の例よりもかなり多くの信号を含むシナリオにおいてさえも、小さい電力値の範囲で明確な最大値が形成され、その位置を雑音電力P
Rの推定値として使用することができる。このことは、これがヒストグラムの局所的な最大値にすぎず大域的な最大値ではない場合にも当てはまる。
【0271】
図29に、異なる平均係数MについてのP
R=1またはP
R=0dBでの雑音信号の電力値の正規化分布の図を示す。縦軸はPDF(確率密度関数)を表し、横軸は電力を表す。
【0272】
非常に高い平均係数では、dB単位の電力の対数表現または電力の線形表現がほぼガウス分布になる。これはM=100の場合である。しかしながら、M=4では、分布は非対称である。また
図29から、M=4のヒストグラムの分解能は0.5dBのオーダになるはずであり、約8個の値が−2dBから2dBの範囲内にあることが分かる。
【0273】
図30に、
図29と比較して以下の2つのずれが生じる、P
R=0dB、M=4での測定されたヒストグラム124の図を示す。
1.測定されたヒストグラム124がより幅広い。
2.最大値が0dBではなく、わずかに下回る。
【0274】
どちらのずれも、時間および周波数方向における測定された電力値の相関によって生じる。幅がより大きいことは重要ではないが、最大値の変位は定数係数による補正を必要とし、この係数は、分析項が利用できないので、シミュレーションによって決定されなければならない。
【0275】
最大値の近傍の値を使用して放物線近似によって最大値を決定することができる。分布が非対称であるため、小さい誤差が発生し、これも上記の補正係数によって補正することができる。
【0276】
特に高い精度が必要とされる場合、基準曲線を使用することができ、ヒストグラム124の値を基準曲線の値と相関させることによって最大値の位置を決定することができる(最尤法)。基準曲線の値をシミュレーションによって決定することができ、シミュレーションでは、特定の用途においてよりもずっと大きな信号長が使用される。
【0277】
実際には、雑音電力P
Rのゆっくりとした変化が予期される。これらの変化を追跡できるようにするために、実施形態では、
図31に示されるように、電力値をブロックごとに評価することができる。
【0278】
図31に、一実施形態による、ヒストグラムの計算および評価の概略図を示す。
図31に示されるように、ブロック時間T
B内に発生するすべての平均電力密度スペクトルの電力値を組み合わせてブロック126_1から126_Nを形成することができる。126_1から126_Nのブロックごとに、別々のヒストグラム124_1から124_Nを計算することができる。続いて、N個の連続したヒストグラム124_1から124_Nが加算され181、評価される。これらのヒストグラムを循環的に記述することができ、すなわち、ヒストグラム1 124_1がブロックN+1に再度使用される。
図31に指示されるブロック別のシフトから雑音電力P
Rの連続した値が得られる。ヒストグラムの循環的な使用により、このシフトを実現するための特別な措置は不要である。
【0279】
ただし、実際には、雑音電力P
Rは、
図27に従ってパケットが検出され、雑音電力P
Rが実際に必要とされる場合にのみ、N個のヒストグラム124_1から124_Nを加算し、結果として得られる合計ヒストグラム182を評価することによって推定される。一度推定されると、雑音電力P
Rは、別のブロックが処理されるまで有効のままであり、すなわち、雑音電力P
Rは、多数のパケットが検出される場合でさえも、ブロック時間T
B当たり1回だけ推定される。
【0280】
ヒストグラム124_1から124_Nの計算では、電力値の対数を使用することができる。この対数形成の精度要件はヒストグラムの粒度のために非常に低いので、対数に非常に大まかな近似を使用することができる。プロセッサにおける固定小数点および浮動小数点の数値の2進表現のために、10進対数ではなく2を底とする2進対数を使用することが推奨される。これは浮動小数点値では特に容易に行うことができ、というのはこれらの値はすでに、
値=仮数2
指数
として表されており、仮数および指数を単純なビット演算を用いて2進表現から抽出することができるからである。以下の式が適用される。
log
2(値)=指数+log
2(仮数)
仮数の2進対数もまた、仮数が以下の値範囲に制限されるため、容易に決定することができる。
0.5≦仮数<1
実際には、最上位ビット(MSB)が仮数から取られ、補正テーブルを使用してマップされる。実施される相関は以下のとおりである。
log
2(値)=指数+テーブル(MSB(仮数)
【0281】
以下のCプログラムコードは、この手順は、仮数の8つの最上位ビットが256の値を有する補正テーブルへのインデックスとして使用される場合に実施し、得られる結果は小数点以下4ビットを有し、すなわち、2進対数は1/16まで正確である。
int LogApprox::log2FracTab[256]=
{
0,0,0,0,0,0,
1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1,
2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,2,
3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,3,
4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,4,
5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,5,
6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,6,
7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,7,
8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,8,
9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,9,
10,10,10,10,10,10,10,10,
10,10,10,10,10,10,10,10,10,
11,11,11,11,11,11,11,11,11,
11,11,11,11,11,11,11,11,11,
12,12,12,12,12,12,12,12,12,
12,12,12,12,12,12,12,12,12,
13,13,13,13,13,13,13,13,13,13,
13,13,13,13,13,13,13,13,13,13,
14,14,14,14,14,14,14,14,14,14,
14,14,14,14,14,14,14,14,14,14,
15,15,15,15,15,15,15,15,15,15,15,
15,15,15,15,15,15,15,15,15,15,15,
16,16,16,16,16,16,16,16,16,16
};
int log2int4(float x)
{
union
{
int32_t i;
float f;
} xif;
xif.f=x;
return((xif.i>>19)&4080)
+log2FracTab[(xif.i>>15)&255];
}
【0282】
固定小数点の数値では、仮数および指数を有する表現への変換をまず行うことができ、この目的で、固定小数点値の先行するゼロビットの数を決定し、値をしかるべくシフトさせることができる。多くのプロセッサは先行するゼロビットの数を決定する専用コマンド、例えばCLZ(Count Leading Zeros(先行するゼロを数える))を有する。
【0283】
1/16までの精度の制限は、0.188dBの電力値の分解能に対応し、したがって、ヒストグラム計算にはすでに十分過ぎるほどである。用途に応じて、丸めにより精度を1/8または1/4まで下げることができる。
【0284】
精度の制限により、電力値の事前の範囲検査なしの効率的な計算も可能になる。C関数log2int4の固定小数点の結果は、直接、または3つもしくは2つの10進ビットへの丸め後に計算されるべきヒストグラムへのインデックスとして使用される。この場合には、ヒストグラムは、以下のテーブルに示される長さおよび分解能を有する。
(表1)
【0285】
しかしながら、これらの長さは実際の計算にのみ適用される。
図31に示されるN個のヒストグラムメモリにおける格納では、値範囲を制限することができ、N個のヒストグラムメモリはその場合、計算されたヒストグラムの関連セクションおよびシフト値のみを含む。この場合には、シフト値を考慮してN個のヒストグラムの加算が行われる。それぞれの関連セクションの選択には、いくつかの効率的な方法があり、それらの方法はこの考察の主題ではない。
【0286】
<雑音電力の簡略化された推定>
すべての利用可能な電力値に基づくヒストグラム処理は、特定の状況下では、かなりの計算労力につながり得る。このために、以下では、特定の条件下で計算時間の短縮を達成できる実施形態を説明する。
【0287】
実施形態では、平均電力密度スペクトルのすべての関連する電力値がヒストグラム計算に含められるのではなく、まず固有値が形成され、これらの固有値のみがヒストグラムによって評価される。以下は固有値として使用される。
1.関連する電力値の合計
2.関連する電力値の最小値
【0288】
これらの変数の選択は、SIMD(Single Instruction Multiple Data(単一命令複数データ))命令セットを用いる最新のプロセッサにおける処理能力によって動機付けられる。DFTフィルタバンクの複素数値の出力値の絶対二乗形成、M=4での平均化、合計の形成、および最小値の決定による電力値の計算を、SIMD命令を使用して非常に効率的に行うことができる。しかしながら、これには特殊なアセンブラプログラミングが必要である。
【0289】
図31に示される処理は、合計値および最小値について並列に実行される。しかしながら、これによりブロックで処理されるべき値の数が減り、よってヒストグラム内の値の数も、電力密度スペクトルにおける関連する電力値の数に対応するだけ減る。言い換えると、
図28の周波数次元が消え、2つの値だけがタイムステップごとに処理される。
図32aは通常のヒストグラム計算、
図32bは簡略化されたヒストグラム計算を示す。
【0290】
図32bに示されるように、実施形態では、データ受信機110(例えばデータ受信機110のパケット検出器180)は、例えば、電力情報の二次元配列200を取得するために、複数のサブバンド信号の時間的に等しい信号部分のサンプルまたはシンボルの電力情報(例えば、受信電力、対数受信電力)を決定するように構成することができ、二次元配列200の第1の次元(
図32bではy軸(周波数軸))は複数のサブバンド信号を表し、二次元配列200の第2の次元(
図32bではx軸(時間軸))はサンプリング時点を表す。
【0291】
さらに、データ受信機110(例えばデータ受信機110のパケット検出器180)は、信号部分についての合計電力情報のセットを取得するために信号部分のサンプリング時点ごとの二次元配列200のそれぞれの電力情報を合計し、合計電力情報のセットの合計ヒストグラムを形成するように構成することができる。例えば、決定された電力情報は電力情報の行列を形成することができ、行列の行は複数のサブバンド信号を記述し、行列の列はサンプリング時点を記述し、データ受信機110は、列ごとにそれぞれの電力情報を合計するように構成することができる。
【0292】
さらに、データ受信機110(例えばデータ受信機110のパケット検出器180)は、信号部分についての最小電力情報のセットを取得するために信号部分のサンプリング時点ごとの二次元配列200のそれぞれの電力情報の最小値形成(例えば最小値探索)を行い、最小電力情報のセットの最小値ヒストグラムを形成するように構成することができる。例えば、決定された電力情報は電力情報の行列を形成することができ、行列の行は複数のサブバンド信号を記述し、行列の列はサンプリング時点を記述し、データ受信機110は、列ごとにそれぞれの電力情報の最小値形成を行うように構成することができる。
【0293】
言い換えると、
図32bに示されるように、雑音電力P
Rの推定は、以下の2つの雑音電力の並列推定によって行うことができる。
1.N個の合計ヒストグラムから雑音電力P
R,sum
2.N個の最小値ヒストグラムから雑音電力P
R,min
雑音電力P
R,sumは、非常に正確であるが、固有信号または外部信号が全く存在しないか、弱い固有信号または外部信号しか存在しない十分な数の時点またはf列がある場合にのみ実際の雑音電力P
Rと一致する。これは、例えば、
図28に示される信号シナリオの左部分の場合である。しかしながら、
図28に示されるシナリオの右部分では、2つの水平方向に走る外部信号が長い期間にわたってアクティブであり、関連する帯域内の合計雑音電力の範囲内の、またはそれを超える電力を併せ持つ場合には、高すぎる値が常に推定されることになる。比較的高い電力を有するかなり多くの固有信号がある場合にも同じ問題が発生する。この場合には、2つの外部信号の場合のような一定の電力はないが、関連する帯域内の電力は常に合計雑音電力より高い。どちらの場合にも、推定雑音電力P
R,sumは、実際の雑音電力P
Rより大きい。
【0294】
上記の問題の場合には、雑音電力P
R,minが代替値として機能する。その精度ははるかに低くなる。よって、雑音電力P
R,sumとの比較および選択が、閾値係数k
P=1.2…1.4を使用して行われる。
if(P
R,sum>k
P・P
R,min)
P
R=P
R,min
else
P
R=P
R,sum
end
N個の加算された合計ヒストグラムまたは最小値ヒストグラムから決定された最大値と電力
R,sumまたは電力P
R,minとの間には以下の関係が存在する。
1.合計ヒストグラムでは、すべての値はf列において加算された。したがって、最大値から得られる値を値の数で除算して雑音電力P
R,sumを得ることができる。通常、補正係数は不要である。
2.最小値ヒストグラムでは、相関はずっと複雑である。多数のシミュレーションにより、K=0.4…0.45である(値の数)
Kの形の係数が提示されるが、係数をシミュレーションによって決定することが推奨される。
【0295】
図33に、合計ヒストグラムの一例の図を示し、
図34に、最小値ヒストグラムの一例を示す。
図33および
図34の例では、合計ヒストグラムは、4つの10進ビットを有する高分解能を使用し、最小値ヒストグラムは、2つの10進ビットまで減らされた分解能を使用する。
図33および
図34には、これが最大値の決定に関して相当する条件をもたらすことが示されている。合計ヒストグラムでは0.1dB未満の精度を期待することができるのに対し、0.5dBの範囲内の最小値ヒストグラムにおける偏差を予期することができることも分かる。
【0296】
前項で説明された簡略化された手順を使用すべきかそれとも通常の手順を使用すべきかの判定は、状況に依存する。多数の固有信号および外部信号を伴うシナリオでは、簡略化された方法で推定された雑音電力が周波数帯域の利用の増加と共にどのように作用するかを確認するために、適切な妨害源モデルが使用されなければならない。これは、信号の信号対雑音比(SNR)に大きく依存する。高いSNRを有する信号は、ヒストグラムにおいて、探索された最大値の右側に示され、実際には評価に影響を及ぼさない。対照的に、0dB前後の範囲内のSNRを有する信号は、評価に関連した範囲内に入る。
【0297】
<パケット復号器における処理>
図35に、一実施形態による、データ受信機110のパケット復号器184の概略ブロック図を示す。パケット復号器184は、信号抽出212と、t/f同期214と、シンボルサンプリング216と、チャネル推定218と、シンボル評価220と、チャネル復号222とを含む標準処理210を含む。さらに、パケット復号器184は、推定信号電力P
Sを取得するために信号電力を推定するように構成された信号電力推定230と、推定信号電力P
Sおよびパケット検出器180によって推定された雑音電力P
Rに基づいて妨害源閾値P
Limitを取得するように構成された妨害源閾値推定232とを含む。
【0298】
妨害源抑制の中心的な量は、パケット検出器180から取られる推定雑音電力P
Rと、関連する信号部分から取得される推定信号電力P
Sとからの妨害源閾値P
Limitの推定である。関連する信号部分は、パケットの時間的位置(t
PKT,Ci)および周波数位置(f
PKT,Ci)に関してパケット検出器180によって提供される指示に基づくものである信号抽出によって提供される。この値の対(t
PKT,Ci,f
PKT,Ci)は、パケットの信号部分を位置特定するのに必要なすべてのパラメータを表す。時間および周波数方向に分散された部分パケットからなるパケットの場合には、これは、部分データパケット142の位置に関する情報または部分データパケット142の位置を導出するために使用されるホッピングパターンに関する情報を含む。
【0299】
処理上の理由で、パケット検出器180のDFTフィルタバンクの信号は、通常、パケット復号器184では使用されず、広帯域信号に基づく別個の処理が行われる。関連する信号部分が信号抽出の過程でどのように提供されるかは、パケット復号器184におけるさらなる処理には無関係であり、よって妨害源抑制にも無関係である。
【0300】
信号電力P
Sの推定は、関連する信号部分の電力値に基づくものである。この目的で、パケット検出器180において雑音電力P
Rの決定と同じ方法が使用される。しかしながら、関連する信号部分のすべての電力値を含む単一のヒストグラムのみが形成される。
【0301】
妨害源閾値P
Limitの計算は、電力値のガウス分布を仮定して行われ、分布の平均値μは信号電力P
Sの根によって与えられ、分布の標準偏差σは、雑音電力P
Rと「固有雑音」P
RSの和の根によって与えられる。この場合には、
P
Limit=(μ+3・σ)
2=(sqrt(P
S)+3・sqrt(P
R+P
RS))
2
を超える電力値の確率は無視できるほど低いと仮定することができる。ただし、実際には、この相関が機能するのはシミュレーションによる最適化のための開始点としてのみである。最適値は、パケットの変調と妨害源閾値の推定誤りに対する処理ステップのロバスト性とに依存する。
【0302】
パケット復号器184における処理の一例として、帯域2において
図28の信号シナリオで示される固有信号が5個の部分データパケット142を有するパケットを形成すると仮定することができる。これにより
図36に示される信号部分が得られる。この場合には、部分1および部分4が外部信号によって妨害される。他のパケットの固有信号による妨害の可能性もあるが、ここでは存在しない。
【0303】
妨害源閾値P
Limitは、その電力が妨害源閾値を超える信号成分またはシンボルを処理から除外するために、
図35でP
Limitが割り当てられている処理ステップ214、処理ステップ218、処理ステップ220で使用することができる。これが行われる方法は以下のようにその処理ステップに依存する。
・t/f同期では、その電力が妨害源閾値を超える信号部分の各部分を処理から除外することができる。各部分データパケット142が同期シンボルを含む多くの部分データパケット142を有するパケットについて、代替として、t/f同期から、信号が同期シンボルの範囲において妨害源閾値を超えるすべての部分データパケット142を完全に除外することも可能である。
・チャネル推定では、その電力が妨害源閾値を超えるシンボルを処理から除外するか、またはゼロに設定することができる。
・シンボル評価では、その電力が妨害源閾値を超えるシンボルの対数尤度比(LLR)をゼロに設定することができる。
【0304】
妨害源抑制の効果は、関連する信号部分の電力と比較した妨害源の電力に依存する。妨害源が低い電力を有する場合、妨害源を検出することはできないが、その場合それらは通常、深刻な影響を及ぼさない。妨害源が著しく高い電力を有する場合、それらは、信号電力P
Sを決定するためのヒストグラムにおいてはっきりと見え、したがって同時に妨害源閾値P
Limitを著しく上回る。その電力が部分データパケット142の電力の範囲内にあるか、またはわずかに上回る妨害源は重要である。この場合には、成分がヒストグラムにおいてオーバーラップし、信号電力の正確な決定が不可能になる。ただし、この場合には、処理から特定の信号成分またはシンボルを除外することによる妨害源抑制は実際上不可能なので、この方法はこの場合にはいずれにせよ適さなくなる。
【0305】
実施形態は、
図27によるフィルタバンクの出力値に基づくヒストグラム形成による雑音電力の推定を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0306】
実施形態は、上記のCプログラムコードによる電力値の2進数表現を使用したヒストグラムの効率的な計算を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0307】
実施形態は、
図31による雑音電力の浮動推定を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0308】
実施形態は、2つの推定雑音電力値PR,sumおよびPR,min間での上記の選択を含む、
図32bに示される配置による電力値の合計および最小値についての別々のヒストグラムを用いた任意選択の簡略化された計算を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0309】
実施形態は、
図35による関連する信号部分に基づくヒストグラム形成による信号電力の推定を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0310】
実施形態は、
図35による妨害源閾値の決定を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0311】
実施形態は、処理から妨害された信号部分もしくはシンボルを除外するか、またはそれらをゼロに設定することを目的とした、パケット復号器の関連する処理ステップにおける妨害源閾値の使用を特徴とする、パケット指向の無線伝送システムにおいてパケットを受信する場合の妨害源抑制のための方法を提供する。
【0312】
<10.さらなる実施形態>
図37に、干渉が多い伝送チャネルの干渉を含む信号を受信するための方法400のフローチャートを示す。方法400は、受信信号の信号部分のヒストグラムを形成するステップ402を含む。さらに、方法400は、ヒストグラムから平均受信情報および/または雑音尺度を決定するステップ404を含む。
【0313】
図38に、干渉が多い伝送チャネルの干渉を含む信号を受信するための方法410のフローチャートを示す。方法410は、平均受信情報を取得するために受信信号の信号部分の受信情報の中央値を形成するステップ412を含む。
【0314】
図39に、干渉が多い伝送チャネルの干渉を含み、干渉が多いチャネル上で転送された少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケットを含む信号を受信するための方法420のフローチャートを示す。方法420は、正規化された受信データシンボルを取得するために信号を平均インパルス応答でスケーリングするステップ422を含む。方法420は、第1のシンボルベースの雑音尺度推定および/または第2のシンボルベースの雑音尺度推定に基づいて少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケットの受信データシンボルについての信頼性情報を決定するステップ424をさらに含み、第1のシンボルベースの雑音尺度推定の場合には、雑音尺度が、少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケットの受信データシンボルのサブセットにわたって決定され、サブセットは少なくとも2つのシンボルを含み、第2のシンボルベースの雑音尺度推定の場合には、雑音尺度が、少なくとも1つのデータパケットまたは部分データパケットの受信データシンボルについてシンボルごとに決定される。
【0315】
図40に、干渉が多い伝送チャネルの干渉を含む信号を受信するための方法430のフローチャートを示す。方法430は、受信信号の2つの異なる信号部分の受信電力情報の少なくとも2つのヒストグラムを形成するステップ432を含む。さらに、方法430は、組み合わされたヒストグラムを取得するために少なくとも2つのヒストグラムをビンごとに組み合わせるステップ434をさらに含む。方法430は、組み合わされたヒストグラムから雑音電力情報を決定するステップ436をさらに含む。
【0316】
図41に、干渉が多い伝送チャネルの干渉を含む信号を受信するための方法440のフローチャートを示す。方法440は、信号を、信号の異なるサブバンドを含む複数のサブバンド信号に分割するステップ442を含む。方法440は、複数のサブバンド信号の時間的に等しい信号部分のサンプルまたはシンボルの電力情報を決定するステップ444をさらに含む。さらに、方法440は、信号部分についての合計電力情報のセットを取得するためにそれぞれの電力情報を信号部分のサンプリング時点ごとに合計するステップ446を含む。方法440は、信号部分についての最小電力情報のセットを取得するためにそれぞれの電力情報の信号部分のサンプリング時点ごとの最小値形成を行うステップ448をさらに含む。方法440は、合計電力情報のセットの合計ヒストグラムを形成するステップ450をさらに含む。方法440は、最小電力情報のセットの最小値ヒストグラムを形成するステップ452をさらに含む。
【0317】
本発明の実施形態は、送信機から受信機にデータを転送するためのシステムにおいて使用される。本明細書に記載される概念は、チャネルが協調されず(ALOHAもしくはスロットALOHAのアクセス方法)、かつ/または転送が非排他的帯域(例えばISM帯域)で行われる場合の任意の転送に適用される。
【0318】
これらの場合には、データの伝送中に、同じネットワークの別の関与者との、または別の転送の関与者との干渉が発生し得る。
その他の当事者によるこの妨害中に、転送されたデータ(シンボル)が損なわれる。これらの損なわれたデータをFEC(前方誤り訂正)の助けを借りて復元することができ、FECの性能は、どのデータが妨害されるかが知られているかどうかに大きく依存する。
【0319】
本発明の実施形態は、転送の妨害されたシンボルを決定することに関する。これには様々な手法がある。
【0320】
実施形態では、静的チャネルにおける送信電力および雑音分散を決定することができる。
【0321】
実施形態では、静的チャネルにおける妨害の検出および抑制を、送信電力および雑音分散に基づいて行うことができる。
【0322】
実施形態では、妨害の2段階検出および抑制を、同期前の適用中に行うことができる。
【0323】
いくつかの態様を装置の文脈で説明したが、これらの態様が対応する方法の説明も表しており、装置のブロックまたは要素がそれぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴としても理解されるべきであることは明らかである。同様に、方法ステップの文脈でまたは方法ステップとして説明された態様も、対応するブロックもしくは項目または対応する装置の特徴を表している。方法ステップの一部または全部が、例えば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路のようなハードウェア装置によって(またはハードウェア装置を使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップのうちのいくつかまたは複数がそのような装置によって実行され得る。
【0324】
特定の実施要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェアまたはソフトウェアで実施することができる。その実施態様は、それぞれの方法が行われるようにプログラマブル・コンピュータ・システムと協働するかまたは協働することができる、電子的に読み取り可能な制御信号が格納されたデジタル記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、DVD、Blu−Rayディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROMまたはフラッシュメモリ、ハードドライブまたは別の磁気もしくは光メモリを使用して実行することができる。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ可読であり得る。
【0325】
本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つが行われるようにプログラマブル・コンピュータ・システムと協働することができる、電子的に読み取り可能な制御信号を含むデータキャリアを含む。
【0326】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実現することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で動作すると、方法のうちの1つを行うように動作する。
【0327】
プログラムコードは、例えば、機械可読キャリア上に格納され得る。
【0328】
他の実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためのコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは機械可読キャリアに格納される。
【0329】
言い換えると、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で動作するときに本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためのプログラムコードを含むコンピュータプログラムである。
【0330】
本発明の方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うための、記録されたコンピュータプログラムを含むデータキャリア(またはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体またはコンピュータ可読媒体は通常、有形もしくは実在のものであり、かつ/または非一時的である。
【0331】
本発明の方法のさらなる実施形態は、したがって、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続によって、例えばインターネットによって転送されるように構成され得る。
【0332】
さらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うように構成または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラマブル・ロジック・デバイスを含む。
【0333】
さらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0334】
本発明によるさらなる実施形態は、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためのコンピュータプログラムを受信機に転送するように構成された装置またはシステムを含む。伝送は、例えば、電子的または光学的に行うことができる。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイスなどであり得る。装置またはシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバを含み得る。
【0335】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法の機能の一部または全部が行うためにプログラマブル・ロジック・デバイス(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、FPGA)が使用され得る。いくつかの実施形態では、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイが、本明細書に記載される方法のうちの1つを行うためにマイクロプロセッサと協働し得る。一般に、いくつかの実施形態では、これらの方法は任意のハードウェア装置によって実行される。これは、コンピュータプロセッサ(CPU)などの、普遍的に適用できるハードウェアとすることもでき、ASICなどの、この方法に固有のハードウェアとすることもできる。
【0336】
本明細書に記載される装置は、例えば、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実施され得る。
【0337】
本明細書に記載される装置または本明細書に記載される装置の任意の構成要素は、少なくとも一部は、ハードウェアとして、かつ/またはソフトウェア(コンピュータプログラム)として実施され得る。
【0338】
本明細書に記載される方法は、例えば、ハードウェア装置を使用して、またはコンピュータを使用して、またはハードウェア装置とコンピュータの組み合わせを使用して実施され得る。
【0339】
本明細書に記載される方法または本明細書に記載される方法の任意の構成要素は、少なくとも一部は、ハードウェアによって、かつ/またはソフトウェアによって実行され得る。
【0340】
上述した実施形態は、単に本発明の原理の例示である。当業者には、本明細書に記載される構成および詳細の改変および変形が明らかであることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書において実施形態の記述および説明によって提示された具体的な詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
【0341】
<略語のリスト>
FEC 前方誤り訂正
LLR 対数尤度比
【0342】
<参考文献>
[1]G.Kilian,H.Petkov,R.Psiuk,H.Lieske,F.Beer,J.Robert,and A.Heuberger,“Improved coverage for low−power telemetry systems using telegram splitting,” in Proceedings of 2013 European Conference on Smart Objects,Systems and Technologies(SmartSysTech),2013
[2]G.Kilian,M.Breiling,H.H.Petkov,H.Lieske,F.Beer,J.Robert,and A.Heuberger,“Increasing Transmission Reliability for Telemetry Systems Using Telegram Splitting,” IEEE Transactions on Communications,vol.63,no.3,pp.949−961,Mar.2015.
[3]https://de.wikipedia.org/wiki/Halbwertsbreite,最終検索:31.01.2018
[4]https://de.wikipedia.org/wiki/Normalverteilung,最終検索:05.02.2018
[5]B.Friedrichs,“Kanalcodierung.Grundlagen und Anwendungen in modernen Kommunikationssystemen”,Springer−Verlag,1994.
[6]Hans Lohninger:Savitzky−Golay−Filter−Koeffizienten.Grundlagen der Statistik,March 19,2011
[7]独国特許DE1020011082098.1
[8]国際出願PCT/EP2015/053947