(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、IL−15/IL−15RαFc融合タンパク質およびPD−1抗原結合ドメインを含む、新規PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質に関する。PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を患者に投与してがんを治療することができる。
前記第1のバリアントFcドメインおよび/または前記第2のバリアントFcドメインが、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含むアミノ酸置換を有する、請求項1に記載のヘテロダイマーFc融合タンパク質。
前記第1のバリアントFcドメインおよび前記バリアント第2のFcドメインがそれぞれ、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択されるアミノ酸置換を有する、請求項1または2に記載のヘテロダイマーFc融合タンパク質。
前記第1のバリアントFcドメインおよび前記第2のバリアントFcドメインはそれぞれ、EU付番に従って、アミノ酸置換M428L/N434Sを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘテロダイマーFc融合タンパク質。
前記バリアントIL−15ドメインが、配列番号2のアミノ酸配列と、N4D/N65D、D30N/N65D、およびD30N/E64Q/N65Dからなる群から選択されるアミノ酸置換とを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘテロダイマーFc融合タンパク質。
請求項1〜8のいずれか1項に記載のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質を産生する方法であって、請求項11に記載の宿主細胞を、前記ヘテロダイマーFc融合タンパク質が発現する適切な条件下で培養することと、前記タンパク質を回収することと、を含む、方法。
がんを治療することを必要とする患者においてがんを治療する方法であって、治療有効量の請求項1〜8および13のいずれか1項に記載のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質を前記患者に投与することを含む、方法。
前記チェックポイント遮断抗体が、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0036】
I.資料の組み込み
A.図および説明文
2018年4月18日に出願された米国仮出願第62/659,571号、2017年10月16日に出願された国際出願WO2018/071918、および2017年10月16日に出願された米国特許出願第2018/0118828号の全ての図面、付随する説明、および配列(それらの識別子および/または説明とともに)は、全て、参照によりその全体、特にそこに示されるアミノ酸配列が明示的かつ独立して本明細書に組み込まれる。
【0037】
追加のIL−15/IL−15RαヘテロダイマーFc融合タンパク質は、例えば、同時に出願された「IL−15/IL−Ra Heterodimeric Fc Fusion Proteins and Uses Thereof」という名称の米国仮出願、2016年10月14日に出願された米国仮出願第62/408,655号、2016年11月1日に出願された米国仮出願第62/416,087号、2017年1月6日に出願された米国仮出願第62/443,465、2017年3月28日に出願された米国仮出願第62/477,926号、2017年10月16日に出願された米国特許出願第15/785,401号、および2017年10月16日に出願されたPCT国際出願PCT/US2017/056829に詳述され、参照によりその全体、特にその中の図、説明および特許請求の範囲が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0038】
追加のPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、例えば、2016年10月14日に出願された米国仮出願第62/408,655号、2016年11月1日に出願された米国仮出願第62/416,087号、2017年1月6日に出願された米国仮出願第62/443,465、2017年3月28日に出願された米国仮出願第62/477,926号、2017年10月16日に出願された米国特許出願第15/785,393号、および2017年10月16日に出願されたPCT国際出願PCT/US2017/056826に詳述され、参照によりその全体、特にその中の図、説明および特許請求の範囲が明示的に本明細書に組み込まれる。
【0039】
B.配列
以下のように添付の配列表を参照する:ABDとしての使用に適した抗PD−1配列は、
図93A〜93SのPD−1 scFv配列の配列番号(その中のFv配列は、scFvとしてフォーマットすることができる)、および
図94A〜94APのPD−1 Fab配列の配列番号を含む(その中のFab配列は、scFvとしてフォーマットすることができる)。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0040】
PD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質での使用に適したIL−15配列には、
図3Aのヒト成熟IL−15の配列番号、アミノ酸置換N4D/N65Dを有する
図3Aのヒト成熟IL−15の配列番号、アミノ酸置換D30N/N65Dを有する
図3Aのヒト成熟IL−15の配列番号、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有する
図3Aのヒト成熟IL−15の配列番号が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のIL−15は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、Q108E、および
図44A〜44Cに示されているものと対応する配列識別子からなる群からされる1つ以上のアミノ酸置換を有する
図3Aのヒト成熟IL−15の配列番号を含む。PD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質での使用に適したIL−15Rα配列には、
図3AのヒトIL−15Rα(sushi)ドメインの配列番号が含まれる。
【0041】
C.命名法
本発明のPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、いくつかのフォーマットで列挙されている。いくつかの場合、各ポリペプチドには固有の「XENP」番号(もしくは場合によっては、「XENCS」番号)が付与されるが、当技術分野で理解されるように、より長い配列はより短い配列を含み得る。これらのXENP番号は、配列表ならびに識別子にあり、図で使用される。さらに、3つの構成要素を含む1つの分子は、複数の配列識別子を生成する。例えば、Fabモノマーのリストは全長配列、可変重鎖配列、および可変重鎖配列の3つのCDRを有し、軽鎖は全長配列、可変軽鎖配列、および可変軽鎖配列の3つのCDRを有し、scFv−Fcドメインは、全長配列、scFv配列、可変軽鎖配列、3つの軽CDR、scFvリンカー、可変重鎖配列、および3つの重CDRを有する。場合によっては、本明細書でscFvドメインを有する分子は、単一の荷電scFvリンカー(+H)を使用するが、他のものを使用することができる。さらに、特定の可変ドメインの命名法では、「Hx.xx_Ly.yy」タイプのフォーマットが使用され、番号は特定の可変鎖配列の一意の識別子である。したがって、XENP25937のFab側の可変ドメインは、「1C11[PD−1]_H3L3」であり、これは、可変重鎖ドメインH3が軽鎖ドメインL3と組み合わされたことを示す。XENP25812などのscFv配列の場合、「1C11_H3.240_L3.148」という指定は、可変重鎖ドメインH3.240が軽鎖ドメインL3.148と組み合わされ、N末端からC末端に向けてvh−リンカー−vlの向きであることを示す。重可変ドメインと軽可変ドメインの同一の配列を持つが逆順のこの分子は、「1C11_L3.148_ H3.240」と名付けられる。同様に、配列表および図から明らかなように、異なる構築物は重鎖および軽鎖を「混合および適合」し得る。
【0042】
II.定義
本出願をより完全に理解できるようにするため、いくつかの定義を以下に示す。そのような定義は、文法的同等物を包含することを意図する。
【0043】
本明細書において「除去」とは、活性の低下または排除を意味する。したがって、例えば、「FcγR結合を除去する」とは、Fc領域アミノ酸バリアントが、その特定のバリアントを含まないFc領域と比較して50%未満の開始結合を有することを意味し、70−80−90−95−98%未満の活性喪失が好ましく、一般に、活性はBiacoreアッセイにおいて検出可能な活性のレベル未満である。FcγR結合の除去において特に有用なものを、
図6に示す。しかしながら、他に断らない限り、本発明のFcモノマーはFcRn受容体への結合を保持している。
【0044】
本明細書で使用される「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を意味する。ADCCは、FcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合の増加はADCC活性の増加をもたらす。本明細書で論じるように、本発明の多くの実施形態はADCC活性を完全に除去する。
【0045】
本明細書で用いられる「ADCP」または抗体依存性細胞媒介食作用とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の連結抗体を認識し、続いて標的細胞の食作用を引き起こす細胞媒介反応を意味する。
【0046】
本明細書において「抗原結合ドメイン」または「ABD」とは、ポリペプチド配列の一部として存在する場合、本明細書で考察される標的抗原と特異的に結合する6つの相補性決定領域(CDR)のセットを意味する。したがって、「チェックポイント抗原結合ドメイン」は、本明細書に概説されるようにチェックポイント抗原に結合する。当該技術分野で知られているように、これらのCDRは、可変重鎖CDR(vhCDRまたはV
HCDR)の第1のセットおよび可変軽鎖CDRの第2のセット(vlCDRまたはV
LCDR)として一般に存在し、各々が3つのCDR、すなわち重鎖についてvhCDR1、vhCDR2、vhCDR3、軽鎖についてvlCDR1、vlCDR2およびvlCDR3を含む。CDRは、可変重および可変軽ドメインにそれぞれ存在し、一緒になってFv領域を形成する。したがって、いくつかの場合において、抗原結合ドメインの6つのCDRには、可変重および可変軽鎖が寄与する。「Fab」フォーマットにおいて、6つのCDRのセットには、2つの異なるポリペプチド配列、すなわち可変重鎖ドメイン(vhまたはV
H、vhCDR1、vhCDR2およびvhCDR3を含む)および可変軽鎖ドメイン(vlまたはV
L、vlCDR1、vlCDR2およびvlCDR3を含む)が寄与し、このうちvhドメインのC末端が重鎖のCH1ドメインのN末端に結合し、vlドメインのC末端が定常軽鎖ドメインのN末端に結合している(したがって、軽鎖を形成する)。scFvフォーマットでは、vhおよびvlドメインは、一般に本明細書に概説されているようなリンカーの使用によって、単一のポリペプチド配列に共有結合され、それは(N末端から開始して)vh−リンカー−vlまたはvl−リンカー−vhのいずれかであり得、前者が一般的に好まれる(使用されるフォーマット(例えば、US62/353,511の
図1からのもの)に応じて、両側の任意選択のドメインリンカーを含む)。
【0047】
本明細書における「修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/もしくは欠失、またはタンパク質に化学的に連結された部分への改変を意味する。例えば、修飾は、タンパク質に結合した改変された炭水化物またはPEG構造であってもよい。本明細書における「アミノ酸修飾」は、ポリペプチド配列中のアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を意味する。明確にするために、別段の記載がない限り、アミノ酸修飾は常に、DNAによってコードされるアミノ酸、例えば、DNAおよびRNA中にコドンを有する20個のアミノ酸に対するものである。
【0048】
本明細書における「アミノ酸置換」または「置換」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することを意味する。特に、いくつかの実施形態では、置換は、特定の位置で天然に存在しない(生物内で天然に存在しないか、またはいずれの生物中にも存在しないかのいずれか)アミノ酸に対するものである。例えば、置換E272Yは、272位のグルタミン酸がチロシンで置換されているバリアントポリペプチド、この場合はFcバリアントを指す。明確にするために、核酸コード配列を変化させるが、出発アミノ酸を変化させない(例えば、宿主生物発現レベルを上昇させるためにCGG(アルギニンをコードする)をCGA(なおもアルギニンをコードする)に交換する)ように操作されたタンパク質は、「アミノ酸置換」ではなく、すなわち、同一のタンパク質をコードする新たな遺伝子の創出にもかかわらず、タンパク質は、それが開始する特定の位置に同一のアミノ酸を有する場合、それはアミノ酸置換ではない。
【0049】
本明細書で使用される「アミノ酸挿入」または「挿入」は、親ポリペプチド配列の特定の位置にアミノ酸配列を付加することを意味する。例えば、−233Eまたは233Eは、233位の後、および234位の前のグルタミン酸の挿入を示す。さらに、−233ADEまたはA233ADEは、233位の後、かつ234位の前のAlaAspGluの挿入を示す。
【0050】
本明細書で使用される「アミノ酸欠失」または「欠失」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置でアミノ酸配列を除去することを意味する。例えば、E233−またはE233#、E233()またはE233delは、233位のグルタミン酸の欠失を示す。さらに、EDA233−またはEDA233#は、233位で始まる配列GluAspAlaの欠失を示す。
【0051】
本明細書で使用される「バリアントタンパク質」または「タンパク質バリアント」または「バリアント」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親タンパク質のそれとは異なるタンパク質を意味する。タンパク質バリアントは、タンパク質自体、タンパク質を含む組成物、またはそれをコードするアミノ配列を指し得る。好ましくは、タンパク質バリアントは、親タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾、例えば、親と比較して約1〜約70個のアミノ酸修飾、好ましくは約1〜約5個のアミノ酸修飾を有する。以下に記載するように、いくつかの実施形態では、親ポリペプチド、例えばFc親ポリペプチドは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来のFc領域などのヒト野生型配列であるが、バリアントを有するヒト配列もまた、「親ポリペプチド」としての役割を果たすことができ、例えば、IgG1/2ハイブリッドを含めることができる。本明細書のタンパク質バリアントの配列は、好ましくは、親タンパク質配列と少なくとも約80%の同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の同一性、より好ましくは少なくとも約95−98−99%の同一性を有する。バリアントタンパク質は、バリアントタンパク質それ自体、タンパク質バリアントを含む組成物、またはそれをコードするDNA配列を指すことができる。
【0052】
したがって、本明細書で使用される「抗体バリアント」または「バリアント抗体」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親抗体とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「IgGバリアント」または「バリアントIgG」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親IgG(ここでも、多くの場合はヒトIgGに由来)とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「免疫グロブリンバリアント」または「バリアント免疫グロブリン」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親免疫グロブリン配列のそれとは異なる免疫グロブリン配列を意味する。本明細書で使用される「Fcバリアント」または「バリアントFc」は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のFcドメインと比較してアミノ酸修飾を含むタンパク質を意味する。本発明のFcバリアントは、それらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。したがって、例えば、N434Sまたは434Sは、親Fcポリペプチドに対して434位に置換セリンを有するFcバリアントであり、ここで付番はEUインデックスに従う。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドに対して置換M428LおよびN434Sを有するFcバリアントを定義する。WTアミノ酸の同一性は特定されていなくてもよく、その場合、前述のバリアントは428L/434Sと呼ばれる。置換が提供される順序は任意であり、すなわち、例えば428L/434SはM428L/N434Sと同一のFcバリアントなどである。抗体に関連する本発明において論じられる全ての位置について、特に明記しない限り、アミノ酸位置の付番はEUインデックスに従う。EUインデックス、またはKabatもしくはEU付番スキームと同様のEUインデックスは、EU抗体の付番を指す(Edelman et al,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。修飾は、付加、欠失、または置換でよい。置換には、天然に存在するアミノ酸および場合によっては合成アミノ酸が含まれ得る。例としては、US6,586,207、WO98/48032、WO03/073238、US2004/0214988A1、WO05/35727A2、WO05/74524A2、J.W.Chin et al.,(2002),Journal of the American Chemical Society 124:9026−9027、J.W.Chin,& P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 11:1135−1137、J.W.Chin,et al.,(2002),PICAS United States of America 99:11020−11024、およびL.Wang,&P.G.Schultz,(2002),Chem.1−10が含まれ、参照により全体が組み込まれる。
【0053】
本明細書で使用される場合、本明細書における「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味する。さらに、ポリペプチドには、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、円順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加が含まれ得る。
【0054】
「残基」とは、本明細書で使用されるとき、タンパク質における位置およびその関連するアミノ酸素性を意味する。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも称される)は、ヒト抗体IgG1中の297位の残基である。
【0055】
本明細書で使用される「Fab」または「Fab領域」とは、VH、CH1、VL、およびCL免疫グロブリンドメインを含むポリペプチドを意味する。Fabは、単離におけるこの領域、または、全長抗体に関連するこの領域、抗体断片、またはFab融合タンパク質を指し得る。Fabの関連で、Fabは、CH1およびCLドメインに加えてFv領域を含む。
【0056】
本明細書で使用される「Fv」または「Fv断片」または「Fv領域」とは、単一抗体のVLおよびVHドメインを含むポリペプチドを意味する。当業者には理解されるように、これらは一般に、2つの鎖で構成されているか、または組み合わさって(一般に、本明細書で論じられるようなリンカーによって)、scFvを形成することができる。
【0057】
本明細書における「一本鎖Fv」または「scFv」は概して、本明細書で論じられるscFvリンカーを使用してscFvまたはscFvドメインを形成する、可変軽鎖ドメインに共有結合した可変重鎖ドメインを意味する。scFvドメインは、N末端からC末端に向かって(vh−リンカー−vlまたはvl−リンカー−vh)のいずれの向きにもあり得る。配列表および図に示す配列では、vhおよびvlドメインの順序が名前に示される。例えば、H.X_L.Yは、N末端からC末端方向に、vh−リンカー−vl、およびL.Y_H.Xがvl−リンカー−vhであることを意味する。
【0058】
本明細書で使用される「IgGサブクラス修飾」または「アイソタイプ修飾」とは、1つのIgGアイソタイプの1つのアミノ酸を、異なる、整合したIgGアイソタイプの対応するアミノ酸に変換するアミノ酸修飾を意味する。例えば、EU位置296においてIgG1はチロシンを含み、IgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス修飾であると考えられる。
【0059】
本明細書で使用される「天然に存在しない修飾」とは、アイソタイプ性ではないアミノ酸修飾を意味する。例えば、IgGのうちのいずれも434位にセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4(またはそれらのハイブリッド)における置換434Sは、天然に生じない修飾であると見なされる。
【0060】
本明細書で使用される「アミノ酸」および「アミノ酸同一性」は、DNAおよびRNAによってコードされている20種の天然に存在するアミノ酸のうちの1つを意味する。
【0061】
本明細書で使用される「エフェクター機能」とは、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能には、ADCC、ADCP、およびCDCが含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用される「IgG Fcリガンド」とは、IgG抗体のFc領域と結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。Fcリガンドには、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチン、マンノース受容体、staphylococcalプロテインA、streptococcalプロテインG、およびウイルスFcγRが含まれるが、これらに限定されない。Fcリガンドにはまた、FcγRと相同なFc受容体のファミリーである、Fc受容体相同体(FcRH)が含まれる(Davis et al.,2002,Immunological Reviews190:123−136(参照により全体が組み込まれる))。Fcリガンドは、Fcに結合する未発見の分子を含み得る。特定のIgG Fcリガンドは、FcRnおよびFcガンマ受容体である。本明細書で使用される「Fcリガンド」とは、抗体のFc領域と結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。
【0063】
本明細書で使用される「Fcガンマ受容体」、「FcγR」、または「FcガンマR」とは、IgG抗体Fc領域に結合し、かつFcγR遺伝子によってコードされるタンパク質ファミリーの任意のメンバーを意味する。ヒトにおいて、このファミリーには、アイソフォームであるFcγRIa、FcγRIb、およびFcγRIcを含むFcγRI(CD64);アイソフォームであるFcγRIIa(アロタイプであるH131およびR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb−1およびFcγRIIb−2を含む)、ならびにFcγRIIcを含むFcγRII(CD32);ならびにアイソフォームであるFcγRIIIa(アロタイプであるV158およびF158を含む)、ならびにFcγRIIIb(アロタイプであるFcγRIIb−NA1およびFcγRIIb−NA2を含む)を含むFcγRIII(CD16)(参照により全体が組み込まれるJefferis et al.,2002,Immunol Lett 82:57−65)、ならびに任意の発見されていないヒトFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。FcγRは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。マウスFcγRには、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIII−2(CD16−2)、ならびに任意の未発見のマウスFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。
【0064】
本明細書で使用される「FcRn」または「新生児Fc受容体」とは、IgG抗体のFc領域に結合し、少なくとも部分的にFcRn遺伝子によってコードされるタンパク質を意味する。FcRnは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。当該技術分野において既知のように、機能的FcRnタンパク質は、しばしば重鎖および軽鎖と称される2つのポリペプチドを含む。軽鎖はβ−2−ミクログロブリンであり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされている。本明細書において別段の記載がない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖とβ−2−ミクログロブリンとの複合体を指す。FcRn受容体への結合を増加させるために、そしていくつかの場合には血清半減期を増加させるために使用される様々なFcRnバリアントが使用できる。一般に、別段の記載がない限り、本発明のFcモノマーは、FcRn受容体への結合を保持する(そして、下記のように、FcRn受容体への結合を増大させるためのアミノ酸バリアントを含み得る)。
【0065】
本明細書で使用される「親ポリペプチド」とは、バリアントを生成するようにその後修飾される出発ポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは、天然に存在するポリペプチド、または天然に存在するポリペプチドのバリアントもしくは改変されたバージョンであってもよい。親ポリペプチドとは、ポリペプチド自体、親ポリペプチドを含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。したがって、本明細書で使用される「親免疫グロブリン」とは、バリアントを生成するように修飾される非修飾免疫グロブリンポリペプチドを意味し、本明細書で使用される「親抗体」とは、バリアント抗体を生成するように修飾される非修飾抗体を意味する。「親抗体」には、以下に概説するように、既知の市販の組み換えで産生した抗体が含まれることに注意すべきである。
【0066】
本明細書で使用されるとき、「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」とは、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1)を除く抗体の定常領域、および場合によってはヒンジの一部を含む、ポリペプチドを意味する。このため、Fcは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH2とCH3)、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、およびこれらのドメインに対する可動性ヒンジN末端を指す。IgAおよびIgMの場合、FcはJ鎖を含んでもよい。IgGの場合は、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCγ2およびCγ3(Cγ2およびCγ3)、ならびにCγ1(Cγ1)とCγ2(Cγ2)との間の下部ヒンジ領域を含む。Fc領域の境界は異なり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシ末端に残基C226またはP230を含むものと定義され、ここでの付番はKabatと同様のEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明されるように、例えば、1つ以上のFcγR受容体またはFcRn受容体との結合を変化させるために、Fc領域に対してアミノ酸修飾が行われる。
【0067】
本明細書における「重鎖定常領域」とは、抗体のCH1−ヒンジ−CH2−CH3部分を意味する。
【0068】
本明細書における「Fc融合タンパク質」または「イムノアドヘシン」とは、一般に(任意選択で本明細書に記載されるようなリンカー部分を介して)異なるタンパク質、例えば本明細書に記載されるようなIL−15および/またはIL−15Rに連結したFc領域を含むタンパク質を意味する。いくつかの場合では、2つのFc融合タンパク質がホモダイマーFc融合タンパク質またはヘテロダイマーFc融合タンパク質を形成することができ、後者が好ましい。場合によっては、ヘテロダイマーFc融合タンパク質の一方のモノマーは、Fcドメインのみ(例えば、空のFcドメイン)を含み、他方のモノマーは、バリアントFcドメインおよび受容体、リガンド、または他の結合パートナーなどのタンパク質ドメインを含むFc融合体である。
【0069】
本明細書で使用される「位置」は、タンパク質の配列中の場所を意味する。位置は、順番に付番されるか、または確立されたフォーマット、例えば、抗体付番のためのEUインデックスによって付番されてもよい。
【0070】
本明細書中の本発明のヘテロダイマー抗体のモノマーに関連して「撚り度(strandedness)」は、「マッチ」する2本鎖DNAと同様に、「マッチ」してヘテロダイマーを形成する能力を保持するようにヘテロダイマー化バリアントを各モノマーに組み込むことを意味する。例えば、いくつかのpIバリアントがモノマーAへと操作される(例えば、pIをより高くする)場合、同様に利用され得る「電荷対」である立体バリアントはpIバリアントを妨害せず、例えば、pIを高くした電荷バリアントが同一の「鎖」または「モノマー」に置かれ、両方の機能を保持する。同様に、以下により詳細に概説されるように、対のセットになる「スキュー」バリアントついて、当業者は、対の1つのセットを組み入れる鎖またはモノマーがどちらに入るかを決定する際に、同様にスキューのpIを使用してpI分離を最大化するようにpIを考慮する。
【0071】
本明細書で使用される「標的抗原」とは、所与の抗体の可変領域が特異的に結合する分子を意味する。標的抗原は、タンパク質、炭水化物、脂質、または他の化合物であってもよい。多数の好適な標的抗原が以下に記載されている。
【0072】
「標的細胞」は、本明細書で使用されるとき、標的抗原を発現する細胞を意味する。
【0073】
本明細書で使用される「可変領域」とは、κ、λ、および重鎖免疫グロブリン遺伝子座をそれぞれ構成するVκ、Vλ、および/またはVH遺伝子のいずれかによって実質的にコードされる1つ以上のIgドメインを含む免疫グロブリンの領域を意味する。
【0074】
本明細書における「野生型またはWT」とは、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
【0075】
本発明の二重特異性ヘテロダイマータンパク質は一般に、単離されているか、または組換え体である。本明細書に開示される様々なポリペプチドを説明するために使用されるとき、「単離された」とは、それが発現された細胞または細胞培養物から特定および分離および/または回収されたポリペプチドを意味する。通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップによって調製される。「単離されたタンパク質」とは、異なる結合特異性を有する他のタンパク質を実質的に含まないタンパク質を指す。「組換え体」は、外来性宿主細胞において組換え核酸技術を用いてタンパク質が生成されることを意味する。
【0076】
タンパク質配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントを達成するために配列を整合し、必要ならギャップを導入した後の、特定の(親)配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、そして配列同一性の一部としていかなる保存的置換も考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して、当技術分野の範囲内である様々な方法で達成できる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大の整合を達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、整合を測定するための適切なパラメータを決定することができる。1つの特定のプログラムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20160244525号の段落番号[0279]〜[0280]に概説されているALIGN−2プログラムである。
【0077】
本発明のアミノ酸配列(「本発明の配列」)と親アミノ酸配列との間の同一性の程度は、「本発明の配列」の長さまたは親配列の長さのうちの短い方で割った、2つの配列の整合における正確な一致の数として計算される。結果は同一性パーセントで表される。
【0078】
ある実施形態では、2つ以上のアミノ酸配列は少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%同一である。ある実施形態では、2つ以上のアミノ酸配列は少なくとも95%、97%、98%、99%、さらには100%まで同一である。
【0079】
特定の抗原またはエピトープへの「特異的結合」もしくはそれら「に特異的に結合する」またはそれら「に対して特異的である」とは、非特異的相互作用と測定可能に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、一般に結合活性を有しない類似の構造の分子である対照分子の結合と比較した分子の結合を決定することによって、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的と類似の対照分子との競合によって決定することができる。
【0080】
特定の抗原またはエピトープに対する特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対して少なくとも約10
−4M、少なくとも約10
−5M、少なくとも約10
−6M、少なくとも約10
−7M、少なくとも約10
−8M、少なくとも約10
−9M、代替的に少なくとも約10
−10M、少なくとも約10
−11M、少なくとも約10
−12M、またはそれ以上のKDを有する抗体によって示され得、KDとは特定の抗体−抗原相互作用の解離速度を指す。典型的には、抗原に特異的に結合する抗体は、抗原またはエピトープと比べて、対照分子に対して20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きいKDを有することになる。
【0081】
また、特定の抗原またはエピトープへの特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対するKAまたはKaが、対照と比べて、そのエピトープに対して少なくとも20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きい抗体によって示され得、KAまたはKaは、特定の抗体−抗原相互作用の会合速度を指す。結合親和性は一般に、Biacoreアッセイを用いて測定される。
【0082】
III.導入
本発明は、チェックポイント阻害剤PD−1抗原に結合することができ、そして共通のガンマ鎖(γc、CD132)および/またはIl−2受容体β鎖(IL−2Rβ、CD122)と複合体形成することができる標的化ヘテロダイマー融合タンパク質を提供する。一般に、本発明のヘテロダイマー融合タンパク質は、3つの機能的構成要素:本明細書で一般に「IL−15複合体」と呼ばれるIL−15/IL−15Rα(sushi)構成要素、抗PD−1構成要素、およびFc構成要素を有し、各々が異なる形態をとることができ、各々が任意の構成で他の構成要素と組み合わせることができる。IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、IL−15Rαに共有結合したIL−15タンパク質、およびFcドメインを含み得る。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質は非共有結合している。
【0083】
図に示されるように、IL−15複合体はいくつかの形態をとることができる。上述のように、IL−15タンパク質それ自体は、IL−15Rαタンパク質と複合体を形成するときよりも安定性が低い。当該技術分野において既知であるように、IL−15Rαタンパク質は「sushiドメイン」を含み、これはIL−15結合活性を保持する受容体の最も短い領域である。したがって、全IL−15Rαタンパク質を含むヘテロダイマー融合タンパク質を作製することができるが、本明細書における好ましい実施形態は、sushiドメインのみを使用する複合体を含み、その配列を図に示す。
【0084】
したがって、本発明のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質のIL−15複合体は、一般に、ヒト成熟IL−15タンパク質(ヒト成熟IL−15タンパク質バリアントを含む)およびIL−15Rαのsushiドメインを含む(特に断りのない限り、全長配列が使用されている場合、「IL−15Rα」、「IL−15Rα(sushi)」、および「sushi」は全体を通して互換可能に使用される)。この複合体は複数の異なるフォーマとで使用できる。
図22A、22C、22D、および22Fに示されるように、IL−15タンパク質およびIL−15Rα(sushi)は、共有結合的に付着しているのではなく、むしろ通常のリガンド−リガンド相互作用によって自己集合している。本明細書でより十分に説明されるように、Fcドメインに共有結合的に連結されるのはIL−15バリアントまたはIL−15Rα sushiドメインのいずれかであり得る(一般に任意選択のドメインリンカーを使用する)。フォーマットのアミノ酸配列は、
図23(「IL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマット)、
図24(「scIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、
図25A〜25B(「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、
図26(「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、
図27(「二価scIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、
図28(「Fc−ncIL−15/Rα」フォーマット)、および
図29(「Fc−scIL−15/Rα」フォーマット)に示される。代替的に、それらは、概して
図22B、22E、および22Gに示されるように、ドメインリンカーを使用して共有結合することができる。
図22Eは、sushiドメインをN末端ドメインとして示すが、これは逆にすることもできる。最後に、IL−15ドメインまたはIL−15Rα sushiドメインの各々は、システインアミノ酸を含むよう操作でき、同様に、概して
図36A、36B、36C、および36Dに示されるように、Fcドメインに(任意のドメインリンカーを用いて)共有結合しているIL−15ドメインまたはIL−15Rα sushiドメインのいずれかとともに複合体を形成するようにできる。フォーマットのアミノ酸配列は、
図37A−37B(「dsIL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマット)、
図38A−38B(「dsIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、
図39(「二価dsIL−15/Rα−Fc」フォーマット)、および
図40(「Fc−dsIL−15/Rα」フォーマット)に提示される。
【0085】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、それらの親構築物と比較して低下した効力を示すように操作されている。例えば、1つ以上のアミノ酸置換は、IL−15/Rα複合体のヒト成熟IL−15タンパク質のアミノ酸配列に導入することができる。いくつかの実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15タンパク質バリアントを含む。特定の実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15タンパク質バリアントを含む。特定の実施形態では、いくつかの実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15タンパク質バリアントを含む。効力が低下したPD−1標的化IL−15/RαFc融合タンパク質およびそのアミノ酸配列の例示的な実施形態を
図45A〜45D、46A〜46C、47A〜47B、48、49、50、126、および127に提示する。
【0086】
A. PD−1抗原結合ドメイン
本発明の抗PD−1抗原結合ドメイン(ABD)(例えば、抗PD−1構成要素)は、概して、ヒトPD−1に結合することができる、Fvドメインを形成する6個のCDRのセットおよび/または可変重鎖ドメインおよび可変軽鎖ドメインである。本明細書に示されるように、抗PD−1 ABDはscFvの形態であり得、ここでvhドメインおよびvlドメインはscFvリンカーを使用して結合され、これは任意選択で荷電されたscFvリンカーであり得る。当業者には理解されるように、scFvは、N末端からC末端に向けて、N−vh−scFvリンカー−vl−Cとして、またはN−vl−scFvリンカー−vh−Cとして、組み立てることができ、scFvドメインのC末端は概してヒンジ−CH2−CH3 Fcドメインに連結する。適切なFv(CDRセットおよび可変重鎖/可変軽鎖ドメインを含む)は、scFvフォーマットで使用することができ、またはFabフォーマットは、図面に示され、かつ2018年11月8日に出願されたWO2017/218707およびPCT/US2018/059887に開示されており、全体として、特に抗PD−1配列を表す図面、説明、および配列識別子について、本明細書に明示的に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 ABDは、図面、具体的には
図93A〜93Sおよび94A〜94APに示される1C11クローンに基づく。いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 ABDは、
図96A〜96Fに示される1C11クローン(XENP22553)の重鎖に基づくバリアント重鎖に基づく。いくつかの実施形態では、本発明のPD−1 ABDは、
図97A〜97Qに示される1C11クローン(XENP22553)の軽鎖に基づくバリアント軽鎖に基づく。
【0087】
有用な実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、ヒトPD−1に対するABDを含む。いくつかの実施形態では、PD−1への結合を与える6つのCDRは、
図93A〜93Sおよび94A〜94APのいずれかに示されているものから選択される。
【0088】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、scFvフォーマットにおけるヒトPD−1へのABDを含む。いくつかの実施形態では、ヒトPD−1に対するABDは、PD−1への結合を与える6つのCDRを含み、
図93A〜93Sのいずれかに示されるもの、または
図93A〜93Sの任意のABDのVHおよびVLドメインから選択される。
【0089】
特定の実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、FabフォーマットのヒトPD−1に対するABDを含む。いくつかの実施形態では、ヒトPD−1に対するABDは、PD−1への結合を与える6つのCDRを含み、
図94A〜94APのいずれかに示されるもの、または
図94A〜94APの任意のABDのVHおよびVLドメインから選択される。当業者から理解されるように、これらの配列識別子は、配列識別子から明らかであるように、可変重鎖および軽鎖について「対」になる。
【0090】
特定の実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質は、ヒトPD−1に対するABDを含む。場合によっては、ABDの可変重鎖ドメインのCDRは、
図95A〜95Jのいずれかに示されるものから選択され、ABDの可変軽鎖ドメインのCDRは、
図96A〜96Fのいずれかに示されるものから選択される。
【0091】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号578〜579を含む、
図93Rに示されるXENP25806 1C11 [PD−1]_H3.234_L3.144のABDである。したがって、XENP25806(配列番号578〜579)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0092】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号584を含む、
図93Rに示されるXENP25812 1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDである。したがって、XENP25812(配列番号584)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0093】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号585を含む、
図93Rに示されるXENP25813 1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDである。したがって、XENP25813(配列番号585)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0094】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号591を含む、
図93Sに示されるXENP25819 1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDである。したがって、XENP25819(配列番号591)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0095】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号642および1103を含む、
図94Nに示されるXENP26940 1C11[PD−1]_H3.303_L3.152のABDである。したがって、XENP26940(配列番号642および1103)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0096】
ヒトPD−1に対するFab ABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号708および1169を含む、
図94AEに示されるXENP28026 1C11[PD−1]_H3.329_L3.220のABDである。したがって、XENP28026(配列番号708および1169)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0097】
ヒトPD−1に対するscFvABDを有する多くの実施形態で特に使用されるのは、配列番号719および1180を含む、
図94AGに示されるXENP28652 1C11[PD−1]_H3.328_L3.152のABDである。したがって、XENP28652(配列番号719および1180)からの6つのCDRならびに/またはVHおよびVLドメインが、本発明の構築物において使用され得る。
【0098】
B.Fcドメイン
本発明のFcドメイン構成要素は本明細書に記載の通りであり、それは概して、スキューバリアントおよび/または任意選択のpIバリアントを含み、および/または除去バリアントが本明細書において概説される。
【0099】
Fcドメインは、IgG Fcドメイン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fcドメインから誘導することができ、IgG1 Fcドメインが本発明において特に使用される。以下は、本発明の二重特異性ヘテロダイマータンパク質のIL−15/IL−15RαFc融合モノマーおよびチェックポイント抗体断片に有用なFcドメインを記載する。
【0100】
各鎖のカルボキシ末端部分は、主にエフェクター機能を担う定常領域を規定し、Kabatらは、重鎖および軽鎖の可変領域の多数の一次配列を収集した。配列の保存の程度に基づき、Kabatらは、個々の一次配列をCDRおよびフレームワークに分類し、そのリストを作成した(参照により全体が組み込まれるSEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat et al.を参照されたい)。本明細書全体を通して、Kabat付番系は概して、可変ドメイン内の残基(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107および重鎖可変領域の残基1〜113)を参照するときに使用され、EU付番系は、Fc領域に対するものである(例えば、Kabat et al.,上述(1991)を参照)。
【0101】
免疫グロブリンのIgGサブクラスには、重鎖においていくつかの免疫グロブリンドメインがある。本明細書の「免疫グロブリン(Ig)ドメイン」とは、明確に異なる三次構造を有する免疫グロブリンの領域を意味する。定常重(CH)ドメインおよびヒンジドメインを含む重鎖ドメインが本発明における関心対象である。IgG抗体の関連において、IgGアイソタイプは、各々、3つのCH領域を有する。したがって、IgGの関連における「CH」ドメインは以下の通りである。「CH1」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って118〜220位を指す。「CH2」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って237〜340位を指し、「CH3」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って341〜447位を指す。本明細書において示され、以下に記載されるように、pIバリアントは、CH領域、および以下に論じられるように、ヒンジ領域のうちの1つ以上に存在し得る。
【0102】
重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本明細書において、「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「免疫グロブリンヒンジ領域」とは、抗体の第1および第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造に関して、IgG CH1ドメインはEUの220位で終了し、IgG CH2ドメインは残基EUの237位で開始する。したがって、IgGについては、抗体ヒンジは、位置221(IgG1中のD221)から236(IgG1中のG236)を含むように本明細書で定義され、付番は、Kabatと同様にEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域に関連して、下側ヒンジが含まれ、「下側ヒンジ」は一般に位置226または230を指す。本明細書に記載のとおり、pIバリアントはヒンジ領域にも同様に作製することができる。
【0103】
したがって、本発明は、異なる抗体ドメイン、例えば異なるFcドメインを提供する。本明細書中に記載され、当技術分野において既知のとおり、本発明のヘテロダイマータンパク質は異なるドメインを含み、これもまた重複し得る。これらのドメインは、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含むが、これらに限定されない。
【0104】
したがって、「Fcドメイン」は、−CH2−CH3ドメイン、および任意選択でヒンジドメインを含み、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来であり得る。IgG1に由来する場合、Fcドメインは、例えばアミノ酸置換427L/434Sを含むバリアントヒトIgG1ドメインであり得る。さらに、バリアントIgG1 Fcドメインは、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換などの除去バリアントを含んでもよい。
【0105】
本明細書のいくつかの実施形態では、タンパク質断片、例えばIL−15またはIL−15RαがFcドメインに結合している場合、Fcドメインのヒンジの全部または一部に結合しているのはIL−15またはIL−15Rα構築物のC末端であり、例えば、それは一般にヒンジの始まりである配列EPKSに結合している。他の実施形態では、タンパク質断片、例えば、IL−15またはIL−15RαがFcドメインに結合しているとき、それは、IL−15またはIL−15Rα構築物のC末端であり、FcドメインのCH1ドメインに結合している。
【0106】
本明細書に概説したFcドメインタンパク質の構築物および配列のいくつかにおいて、IL−15またはIL−15Rαタンパク質断片のC末端はドメインリンカーのN末端に結合し、そのC末端は定常FcドメインのN末端に結合している(N−IL−15またはIL−15Rαタンパク質断片−リンカー−Fcドメイン−C)が、これはスイッチできる(N−Fcドメイン−リンカー−IL−15またはIL−15Rαタンパク質断片−C)。本明細書に概説される他の構築物および配列において、第1のタンパク質断片のC末端は、場合によりドメインリンカーを介して、第2のタンパク質断片のN末端に結合し、第2のタンパク質断片のC末端は、場合によりドメインリンカーを介して定常FcドメインのN末端に結合する。本明細書に概説されるさらに他の構築物および配列において、第1のタンパク質断片または第2のタンパク質断片に結合していない定常Fcドメインが提供される。ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、本明細書に記載の2つ以上の例示的なモノマーFcドメインタンパク質を含み得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインをともに連結するために使用される「ドメインリンカー」であり、そのいくつかを
図9に示す。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも1(一般に1〜2〜3〜4〜5)の整数である、(GS)n、(GSGGS)n(配列番号1217)、(GGGGS)n(配列番号1218)、および(GGGS)n(配列番号1219)を含むグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組み換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。いくつかの場合において、以下に概説するように、「撚り度」に注意を払って、荷電ドメインリンカーである。
【0108】
一実施形態では、ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、それがpI操作などのヘテロダイマーを生成するように操作することができる少なくとも2つの定常ドメインを含む。使用され得る他のFcドメインは、pI操作された本発明のCH1、CH2、CH3、およびヒンジドメインのうちの1つ以上を含む断片を含む。特に、
図21および
図64に示すフォーマットは、ヘテロダイマーFc融合タンパク質であり、これは、以下により完全に記載されるように、このタンパク質が、ヘテロダイマーFcドメインに自己集合した2つの結合したFc配列および少なくとも1つのタンパク質断片(例えば、1つ、2つまたはそれ以上のタンパク質断片)を有することを意味する。いくつかの場合では、第1のタンパク質断片は第1のFc配列に連結し、そして第2のタンパク質断片は第2のFc配列に連結する。他の場合では、第1のタンパク質断片は第1のFc配列に連結しており、第1のタンパク質断片はFc配列に連結していない第2のタンパク質断片に非共有結合的に付着している。いくつかの場合では、ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、第1のFc配列に連結している第2のタンパク質断片に連結している第1のタンパク質断片、および第1または第2のタンパク質断片のいずれにも連結していない第2のFc配列を含む。
【0109】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、自己組織化してヘテロダイマーFcドメイン融合ポリペプチドを形成する、2つの異なる重鎖バリアントFc配列の使用に依存するヘテロダイマーFc融合タンパク質を提供する。
【0110】
本発明は、1つ以上の結合パートナー、リガンド、または受容体への結合を可能にするヘテロダイマーFc融合タンパク質を提供するための新規構築物に関する。ヘテロダイマーFc構築物は、抗体の重鎖の2つのFcドメイン、例えば、「ダイマー」に組み立てられる2つの「モノマー」の自己組織化の性質に基づく。ヘテロダイマーFc融合体は、以下でさらに詳しく説明するとおり、各モノマーのアミノ酸配列を変えることによって作製される。したがって、本発明は概して、結合パートナー(複数可)またはリガンド(複数可)または受容体(複数可)をいくつかの方法で共結合することができるヘテロダイマーFc融合タンパク質の生成に関し、ヘテロダイマー形成を促進するために、かつ/またはホモダイマーよりもヘテロダイマーの精製を容易にするために、各鎖で異なる定常領域中のアミノ酸バリアントに依存している。
【0111】
本発明のヘテロダイマーを生成するために使用することができるいくつかの機序が存在する。さらに、当業者には理解されるように、これらの機序を組み合わせて高いヘテロダイマー化を確実にすることができる。したがって、ヘテロダイマーの産生をもたらすアミノ酸バリアントは、「ヘテロダイマー化バリアント」と称される。後述するように、ヘテロダイマー化バリアントは、ヘテロダイマーからのホモダイマーの精製を可能にする立体バリアント(例えば、後述の「ノブアンドホール」または「スキュー」バリアントおよび「電荷対」バリアント)ならびに「pIバリアント」を含み得る。一般にWO2014/145806に記載されたように、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、具体的には以下で「ヘテロダイマー化バリアント」の考察について本明細書に援用されるように、ヘテロダイマー化の有用な機序には「ノブアンドホール」(「KIH」、本明細書において時折「スキュー」バリアントとして(WO2014/145806中の考察を参照)、「WO2014/145806に記載されているような「静電ステアリング」または「電荷対」、WO2014/145806に記載されるようなpIバリアント、およびWO2014/145806および以下に概説されているような一般的なさらなるFcバリアントが含まれる。
【0112】
本発明において、ヘテロダイマー抗体の精製を容易にすることができるいくつかの基本的な機序が存在し、その1つは、各モノマーが異なるpIを有することによって、A−A、A−BおよびB−Bダイマータンパク質の等電点精製が可能になるpIバリアントの使用に依存する。代替的に、いくつかのフォーマットはまた、サイズに基づいて分離することも可能にする。以下にさらに概説するように、ホモダイマーよりもヘテロダイマーの形成を「スキューさせる」ことも可能である。したがって、立体的ヘテロダイマー化バリアントおよびpIバリアントまたは電荷対バリアントの組み合わせは、本発明において特に使用される。
【0113】
一般に、本発明において特に使用される実施形態は、2つのモノマー間のpI差を増加させる、pIバリアントと組み合わせた、ホモダイマー形成に対するヘテロダイマー形成を促進するスキューバリアントを含むバリアントのセットに依存する。
【0114】
さらに、以下により完全に概説されるように、ヘテロダイマーFc融合タンパク質のフォーマットに応じて、pIバリアントはモノマーの定常ドメインおよび/またはFcドメイン内に含まれるか、またはドメインリンカーが使用されるかのいずれかであり得る。すなわち、本発明は、一方または両方のモノマー上にあるpIバリアント、および/または荷電ドメインリンカーも提供する。さらに、代替の機能性のためのさらなるアミノ酸操作もまた、Fc、FcRn、およびKOバリアントなどのpI変化を付与し得る。
【0115】
ヘテロダイマータンパク質の精製を可能にするための分離機序としてpIを利用する本発明においては、アミノ酸バリアントを一方または両方のモノマーのポリペプチドに導入することができ、すなわち、モノマーの一方(本明細書では簡単のために「モノマーA」と呼ぶ)のpIをモノマーBと異なるように操作でき、または、モノマーAとBの両方の変化を、モノマーAのpIを増加させ、モノマーBのpIを減少させるように改変できる。論じられるように、いずれかまたは両方のモノマーのpI変化は、荷電残基を除去または付加することによって(例えば中性アミノ酸を正または負に荷電したアミノ酸残基で置換する、例えばグリシンからグルタミン酸)、正または負から反対の電荷への荷電残基の変更によって(例えばアスパラギン酸からリジンへ)、または荷電残基の中性残基への変更によって(例えば電荷の消失、リジンからセリン)、実施することができる。いくつかのこれらのバリアントを図に示す。
【0116】
したがって、本発明のこの実施形態は、ヘテロダイマーをホモダイマーから分離することができるように、少なくとも1つのモノマーに十分なpIの変化を生じさせることを提供する。当業者には理解されるように、そして以下にさらに論じるように、これは、「野生型」重鎖定常領域およびそのpI(wtA−+BまたはwtA−−B)を増加または減少させるように操作されたバリアント領域を使用することによって、または一方の領域を増加して他方の領域を減少させることによって(A+−B−またはA− B+)、実施できる。
【0117】
したがって、一般に、本発明のいくつかの実施形態の構成要素は、ダイマータンパク質のモノマーの両方ではないにしても少なくとも1つの等電点(pI)を、アミノ酸置換(「pIバリアント」または「pI置換」)をモノマーの一方または両方に組み込むことによって変化させることを目的とする定常領域におけるアミノ酸バリアントである。本明細書中に示されるように、2つのホモダイマーからのヘテロダイマーの分離は、2つのモノマーのpIが0.1pH単位とわずかに異なる場合に達成でき、0.2、0.3、0.4、および0.5以上異なるものがすべて本発明において使用される。
【0118】
当業者には理解されるように、良好な分離を得るために各モノマーまたは両方のモノマー(複数可)に含まれるべきpIバリアントの数は、構成要素の出発pIに部分的に依存するであろう。当該技術分野において知られているように、異なるFcは、本発明において利用される異なる出発pIを有するであろう。一般に、本明細書に概説されるように、pIは、少なくとも約0.1logの各モノマーの総pI差をもたらすように操作され、本明細書に概説されるように0.2〜0.5が好ましい。
【0119】
当業者には理解されるように、良好な分離を得るために各モノマーまたは両方のモノマー(複数可)に含まれるべきpIバリアントの数は、構成要素の出発pIに部分的に依存するであろう。すなわち、どのモノマーを操作するか、またはどの「方向」(例えば、より陽性またはより陰性)かを決定するために、Fcドメインの配列、場合によっては、Fcドメインに連結するタンパク質ドメイン(複数可)が計算され、そこから決定がなされる。当技術分野において既知のとおり、異なるFcドメインおよび/またはタンパク質ドメインは、本発明において利用される異なる出発pIを有するであろう。一般に、本明細書に概説されるように、pIは、少なくとも約0.1logの各モノマーの総pI差をもたらすように操作され、本明細書に概説されるように0.2〜0.5が好ましい。
【0120】
さらに、当業者には理解され、本明細書に概説されるように、いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーはサイズに基づいてホモダイマーから分離することができる。図に示されるように、例えば、フォーマットのいくつかは、サイズに基づいてヘテロダイマーおよびホモダイマーの分離を可能にする。
【0121】
pIバリアントを使用してヘテロダイマー化を達成する場合、Fcドメイン(複数可)の定常領域(複数可)を使用することによって、ヘテロダイマーFc融合タンパク質を設計および精製するためのよりモジュール方式のアプローチが提供される。したがって、いくつかの実施形態では、ヘテロダイマー化バリアント(スキューバリアントおよび精製ヘテロダイマー化バリアントを含む)を操作しなければならない。さらに、いくつかの実施形態では、pIバリアントから生じる免疫原性の可能性は、顕著な免疫原性を導入することなくpIが変化するように、異なるIgGアイソタイプからのpIバリアントを移入することによって顕著に低下する。したがって、解決されるべきさらなる問題は、高いヒト配列含有量を有する低pIの定常ドメインの解明、例えば、任意の特定の位置における非ヒト残基の最小化または回避である。
【0122】
このpI操作で起こり得る副次的な利益はまた、血清半減期の延長およびFcRn結合の増加である。すなわち、US8,637,641(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、抗体定常ドメイン(抗体およびFc融合体に見られるものを含む)のpIを低下させるとインビボでより長い血清保持をもたらし得る。血清半減期を延長するためのこれらのpIバリアントはまた、精製のためのpI変化を促進する。
【0123】
さらに、ヘテロダイマー化バリアントのpIバリアントは、ホモダイマーが存在するとき、排除、最小化、および区別する能力が顕著であるので、Fc融合タンパク質の分析および品質管理プロセスにさらなる利益を与える。同様に、ヘテロダイマーFc融合タンパク質の製造の再現性を確実に試験する能力は重要である。
【0124】
C.ヘテロダイマー化バリアント
本発明は、ヘテロダイマー形成および/またはホモダイマーからの精製を可能にするためにヘテロダイマー化バリアントを利用する、様々なフォーマットのヘテロダイマーFc融合タンパク質を含む、ヘテロダイマータンパク質を提供する。ヘテロダイマー融合構築物は、2つのFcドメイン、例えば、「ダイマー」に組み立てられる2つの「モノマー」の自己組織化の性質に基づく。
【0125】
ヘテロダイマー化スキューバリアントのセットのいくつかの好適な対がある。これらのバリアントは、「セット」の「対」になる。すなわち、一方のセットの対が第1のモノマーに組み込まれ、他のセットの対が第2のモノマーに組み込まれる。注目すべきは、これらのセットは、一方のモノマー上の残基と他方のモノマー上の残基との間で一対一の対応関係を有する「ノブインホール」バリアントとして必ずしも振舞わないことであり、すなわち、これらのセットの対は、ヘテロダイマー形成を促進し、ホモダイマー形成を妨げる2つのモノマー間の境界面を形成し、生物学的条件下で自発的に形成するヘテロダイマーの割合を予想の50%(25%ホモダイマーA/A:50%ヘテロダイマーA/B:25%ホモダイマーB/B)ではなく90%以上にする。
【0126】
D.立体バリアント
いくつかの実施形態では、ヘテロダイマーの形成は、立体バリアントの付加によって促進され得る。すなわち、各重鎖中のアミノ酸を変えることによって、異なる重鎖が会合して同一のFcアミノ酸配列を有するホモダイマーを形成するよりもヘテロダイマー構造を形成する可能性が高い。好適な立体バリアントは、US2016/0355608の
図29に含まれており、それらの全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、同様に
図1A〜1Eにも含まれる。
【0127】
1つの機序は、当該技術分野において一般的に「ノブアンドホール」と呼ばれ、ヘテロダイマー形成を有利にし、ホモダイマー形成を不利にする立体効果をもたらすアミノ酸操作を指し、任意選択で使用することもできる。これは、ときに「ノブアンドホール」と呼ばれ、Ridgway et al.,Protein Engineering 9(7):617(1996)、Atwell et al.,J.Mol.Biol.1997 270:26、米国特許第8,216,805号に記載されるようなものであり、それらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。これらの図は、「ノブアンドホール」に依存するいくつかの「モノマーA−モノマーB」対を特定する。さらに、Merchant et al.,Nature Biotech.16:677(1998)に記載されているように、これらの「ノブアンドホール(knobs and hole)」変異は、ヘテロダイマー化に対するスキュー形成へのジスルフィド結合と組み合わせることができる。
【0128】
ヘテロダイマーの生成に使用される追加の機序は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるGunasekaran et al.,J.Biol.Chem.285(25):19637(2010)に記載されているように、時折「静電ステアリング」と称される。これは、本明細書において、時折「電荷対」と称される。この実施形態では、静電学を使用して、ヘテロダイマー化に向けて形成をスキューさせる。当業者には理解されるように、これらは、pI、すなわち精製にも影響を及ぼす可能性があり、したがって場合によってはpIバリアントと見なすこともできる。しかしながら、これらはヘテロダイマー化を強制するために生成され、精製手段として使用されなかったので、それらは「立体バリアント」として分類される。これらには、D221R/P228R/K409Rと対になったD221E/P228E/L368E(例えば、これらは「モノマーの対応セット」である)、およびC220R/E224R/P228R/K409Rと対になったC220E/P228E/368Eが含まれるがこれらに限定されない。
【0129】
さらなるモノマーAおよびモノマーBのバリアントは、本明細書に概説されるpIバリアントまたは参照によりそれらの全てが本明細書に明示的に組み込まれるUS2012/0149876の
図37に示される他の立体バリアントなどの他のバリアントと、任意の量で任意選択で独立して組み合わせることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に概説される立体バリアントは、任意のpIバリアント(またはFcバリアント、FcRnバリアントなどの他のバリアント)を一方または両方のモノマーに任意選択的にかつ独立して組み込むことができ、本発明のタンパク質に独立してかつ任意選択的に含むかまたは除外することができる。
【0131】
好適なスキューバリアントの一覧を
図4A〜4Cに示す。多くの実施形態において特に有用であるのは、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、およびT366S/L368A/Y407V:T366W(任意選択的に架橋ジスルフィドT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)を含むがこれらに限定されないセットの対である。命名法に関して、対「S364K/E357Q:L368D/K370S」は、一方のモノマーが二重バリアントセットS364K/E357Qを有し、他方が二重バリアントセットL368D/K370Sを有することを意味し、上述のように、これらの対の「鎖性(strandedness)」は出発pIに依存する。
【0132】
E.ヘテロダイマーのpI(等電点)バリアント
一般に、当業者には理解されるように、pIバリアントには2つの一般的なカテゴリーがある:タンパク質のpIを増加させるもの(塩基性変化)とタンパク質のpIを減少させるもの(酸性変化)。本明細書中に記載されるように、これらのバリアントの全ての組み合わせがなされ得る:一方のモノマーは野生型、または野生型と顕著に異なるpIを示さないバリアントであり得、他方がより塩基性またはより酸性のいずれかであり得る。代替的に、各モノマーは、1つがより塩基性に、1つがより酸性へと変化する。
【0133】
pIバリアントの好ましい組み合わせはUS2016/0355608の
図30に示されており、そのすべてはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に概説し、図に示すように、これらの変化はIgG1と比較して示されているが、すべてのアイソタイプをこのように変更することができ、アイソタイプハイブリッドも同様である。重鎖定常ドメインがIgG2〜4に由来する場合、R133EおよびR133Qもまた使用され得る。
【0134】
一実施形態では、Fcモノマーの1つがCH1ドメインを含む場合、pIバリアントの好ましい組み合わせは、208D/295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1と比較するときN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D)を含む1つのモノマーを有する。いくつかの例では、第2のモノマーは、(GKPGS)
4を含む、正荷電ドメインリンカーを含む。場合によっては、第1のモノマーは208位を含むCH1ドメインを含む。したがって、CH1ドメインを含まない構築物(例えば、ドメインの1つにCH1ドメインを利用しないヘテロダイマーFc融合タンパク質の場合)において、好ましい負のpIバリアントFcセットは、295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1と比較するときQ295E/N384D/Q418E/N421D)を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、変異は、位置221、222、223、224、225、233、234、235、および236を含む、Fcドメインのヒンジドメインでなされる。233〜236における変化は、IgG2骨格における(327Aとともに)エフェクター機能を増加させるためになされ得ることに留意されたい。したがって、pI変異、特に置換は、本発明で使用されている1、2、3、4または5個の変異によって位置221〜225の1つ以上で行うことができる。同様に、すべての可能な組み合わせが、単独で、または他のドメイン中の他のpIバリアントとともに企図されている。
【0136】
ヒンジドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、221位の欠失、222位の非天然バリンまたはトレオニン、223位の欠失、224位の非天然グルタミン酸、225位の欠失、235位の欠失、および236位の欠失または非天然アラニンが含まれるがこれらに限定されない。場合によっては、ヒンジドメインにおいてはpI置換のみが行われ、他の例では、これらの置換(複数可)は他のドメイン内の他のpIバリアントに任意の組み合わせで加えられる。
【0137】
いくつかの実施形態では、位置274、296、300、309、320、322、326、327、334、および339を含む変異をCH2領域内に生じさせることができる。同様に、これら10個の位置の全ての可能な組み合わせを作ることができ、例えば、pI抗体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のCH2のpI置換を有していてもよい。
【0138】
CH2ドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、274位の非天然グルタミンまたはグルタミン酸、296位の非天然フェニルアラニン、300位の非天然フェニルアラニン、309位の非天然バリン、320位の非天然グルタミン酸、322位の非天然グルタミン酸、326位の非天然グルタミン酸、327位の非天然グリシン、334位の天然グルタミン酸、339位の非天然トレオニン、およびCH2内および他のドメインとのすべての可能な組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0139】
この実施形態では、変異は位置355、359、362、384、389、392、397、418、419、444および447から独立して任意選択的に選択され得る。CH3ドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、355位の非天然グルタミンまたはグルタミン酸、384位の非天然セリン、392位の非天然アスパラギンまたはグルタミン酸、397位の非天然メチオニン、419位の非天然グルタミン酸、359位の非天然グルタミン酸、362位の非天然グルタミン酸、389位の非天然グルタミン酸、418位の非天然グルタミン酸、444位の非天然グルタミン酸、および447位の欠失または非天然アスパラギン酸が含まれるがこれらに限定されない。pIバリアントの例示的な実施形態は
図5を含む図面に提示されている。
【0140】
F.アイソタイプバリアント
さらに、本発明の多くの実施形態は、あるIgGアイソタイプから別のIgGアイソタイプへの特定の位置でのpIアミノ酸の「移入」に依存し、したがって、バリアントに望ましくない免疫原性が導入される可能性を低減または排除する。これらのいくつかは、参照により本明細書に組み込まれている、US2014/0370013の
図21に示されている。すなわち、IgG1は、高いエフェクター機能を含む様々な理由から治療用抗体の一般的なアイソタイプである。しかしながら、IgG1の重定常領域は、IgG2のそれよりも高いpIを有する(8.10対7.31)。特定の位置でIgG2残基をIgG1骨格に導入することによって、得られるモノマーのpIは低下(または上昇)し、さらにより長い血清半減期を示す。例えば、IgG1は137位にグリシン(pI5.97)を有し、IgG2はグルタミン酸(pI3.22)を有し、グルタミン酸を移入すると、得られるタンパク質のpIに影響を与える。以下に記載されるように、バリアントFc融合タンパク質のpIに顕著な影響を与えるためには、一般にいくつかのアミノ酸置換が必要とされる。しかしながら、IgG2分子中の変化でさえも血清半減期の増加を可能にすることが以下に論じられるように留意されるべきである。
【0141】
他の実施形態では、非アイソタイプのアミノ酸変化を行って、(例えば、高pIのアミノ酸から低pIのアミノ酸へと変化させることによって)得られるタンパク質の全体的な荷電状態を低下させるか、または以下でさらに詳細に説明する安定性などのための構造の調整を可能にする。
【0142】
さらに、重定常ドメインと軽定常ドメインの両方をpI操作することによって、ヘテロダイマーの各モノマーにおける顕著な変化を見ることができる。本明細書で論じるように、2つのモノマーのpIが少なくとも0.5だけ異なることは、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に感受性の他の方法による分離を可能にし得る。
【0143】
G.pIの計算
各モノマーのpIは、バリアント重鎖定常ドメインのpIおよび全モノマーのpIに依存し、バリアント重鎖定常ドメインおよび融合パートナーを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、pIの変化は、US2014/0370013の
図19のチャートを用いて、バリアント重鎖定常ドメインに基づいて計算される。本明細書で論じるように、どのモノマーを操作するかは概して、各モノマーの固有のpIによって決定される。
【0144】
H.より良好なFcRnインビボ結合を付与するpIバリアント
pIバリアントがモノマーのpIを減少させる場合、それらはインビボでの血清保持を改善するというさらなる利点を有することができる。
【0145】
まだ検討中ではあるが、エンドソーム内のpH6でFcRnに結合するとFcが隔離されるため、Fc領域はインビボでより長い半減期を有すると考えられている(Ghetie and Ward,1997 Immunol Today18(12):592−598、全体が参照により組み込まれる)。次いでエンドソーム区画はFcを細胞表面にリサイクルする。区画が細胞外空間に開くと、約7.4のより高いpHが、血中へのFcの放出を誘導する。マウスにおいて、Dall’Acquaらは、pH6およびpH7.4でのFcRn結合が増加したFc変異体は、実際に血清濃度の低下および野生型Fcと同一の半減期を有することを示した(Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180、参照によりその全体が組み込まれる)。pH7.4でのFcRnに対するFcの親和性の増加は、血中へのFcの放出を妨げると考えられる。したがって、インビボでのFcの半減期を増加させるFc変異は、理想的には、より高いpHでのFcの放出をなお可能にしながら、より低いpHでのFcRn結合を増加させる。アミノ酸ヒスチジンは、6.0〜7.4のpH範囲でその荷電状態を変化させる。それ故、Fc/FcRn複合体中の重要な位置にHis残基を見出すことは驚くべきことではない。
【0146】
pIバリアントの例示的な実施形態は
図5を含む図面に提示されている。
【0147】
I.追加の機能性のための追加のFcバリアント
pIアミノ酸バリアントに加えて、1つ以上のFcγR受容体への結合の改変、FcRn受容体への結合の改変などを含むがこれらに限定されない、様々な理由で実施することができるいくつかの有用なFcアミノ酸修飾が存在する。
【0148】
したがって、本発明のタンパク質は、pIバリアントおよび立体バリアントを含む、本明細書に概説したヘテロダイマー化バリアントを含むアミノ酸修飾を含むことができる。バリアントの各セットは独立して任意選択的に特定のヘテロダイマータンパク質に含み得るかまたはそれから除外し得る。
【0149】
J.FcγRバリアント
FcγR受容体のうちの1つ以上への結合を改変するために実施され得るいくつかの有用なFc置換が存在する。結合の増加ならびに結合の減少をもたらす置換が有用であり得る。例えば、FcγRIIIaへの結合の増加は、一般に、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性、すなわち、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応)の増加をもたらすことが知られている。同様に、いくつかの状況下では、FcγRIIb(抑制性受容体)への結合の減少も有益であり得る。本発明で使用されるアミノ酸置換には、USSN11/124,620(特に
図41)、USSN11/174,287、USSN11/396,495、USSN11/538,406に列挙されるものが含まれ、それらのすべてはその全体が、具体的にはそこで開示されるバリアントが参照により、明示的に本明細書に組み込まれる。使用される特定のバリアントには、236A、239D、239E、332E、332D、239D/332E、267D、267E、328F、267E/328F、236A/332E、239D/332E/330Y、239D、332E/330L、243A、243L、264A、264V、および299Tが含まれるがこれらに限定されない。
【0150】
さらに、FcγRIIcに対する親和性を増加させるアミノ酸置換もまた、本明細書に概説されるFcドメインバリアントに含まれ得る。例えば、USSN11/124,620およびUSSN14/578,305に記載される置換は有用である。
【0151】
さらに、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUSSN12/341,769に具体的に開示されているように、434S、434A、428L、308F、259I、428L/434S、259I/308F、436I/428L、436IまたはV/434S、436V/428L、および259I/308F/428Lを含むがこれらに限定されない、FcRn受容体への結合の増加および血清半減期の増加に使用される追加のFc置換が存在する。
【0152】
K.除去バリアント
同様に、機能性バリアントの別のカテゴリーは「FcγR除去バリアント」または「Fcノックアウト(FcKOまたはKO)」バリアントである。これらの実施形態では、いくつかの治療用途のために、さらなる作用機序を回避するために、1つ以上または全てのFcγ受容体(例えば、FcγR1、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIaなど)へのFcドメインの正常な結合を低減または除去することが望ましい。これは、例えば、多くの実施形態では、特に、Fcドメインのうちの1つが1つ以上のFcγ受容体除去バリアントを含むように、FCγRIIIa連結を除去してADCC活性を排除または顕著に減少させることが望ましい二重特異性免疫調節抗体の使用においてである。これらの除去バリアントは、全て参照により全体が本明細書に組み込まれるUSSN15/141,350の
図31に示されており、EUインデックスに従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択される除去バリアントを用いる好ましい態様で、各々が独立して任意選択で含まれても除外されてもよい。本明細書で言及される除去バリアントは、FcγR結合を除去するが、FcRn結合を除去しないことに留意されたい。
【0153】
L。ヘテロダイマーとFcバリアントとの組み合わせ
当業者には理解されるように、列挙されたヘテロダイマー化バリアント(スキューバリアントおよび/またはpIバリアントを含む)はすべて、それらの「鎖性(strandedness)」または「モノマー分割」を保持する限り、任意の方法で任意選択的にかつ独立して組み合わせることができる。さらに、これらのバリアントはすべて、ヘテロダイマー化フォーマットのいずれにも組み合わせることができる。
【0154】
pIバリアントの場合、特に使用される実施形態が図面に示されているが、精製を促進するために2つのモノマー間のpIの差異を変えるという基本的な規則に従って、他の組み合わせを生成できる。
【0155】
さらに、ヘテロダイマー化バリアント、スキュー、およびpIのいずれも、本明細書で一般的に概説されるように、Fc除去バリアント、Fcバリアント、FcRnバリアントと、独立して任意選択的に組み合わせることができる。
【0156】
さらに、モノマーFcドメインは、C220S/S267K/L368D/K370SまたはC220S/S267K/S364K/E357Qを含むアミノ酸置換のセットを含み得る。
【0157】
さらに、ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、スキューバリアント(例えば、USSN15/141,350号の
図1A〜1Cに示されるようなアミノ酸置換の一組、それらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を含むことができ、特に有用なスキューバリアントは、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366WおよびT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cからなる群から選択され、任意選択で除去バリアント、任意選択で荷電したドメインリンカーを含むことができ、重鎖はpIバリアントを含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、236R、239D、239E、243L、M252Y、V259I、267D、267E、298A、V308F、328F、328R、330L、332D、332E、M428L、N434A、N434S、236R/328R、239D/332E、M428L、236R/328F、V259I/V308F、267E/328F、M428L/N434S、Y436I/M428L、Y436V/M428L、Y436I/N434S、Y436V/N434S、239D/332E/330L、M252Y/S254T/T256E、V259I/V308F/M428L、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、G236R/L328R、およびPVA/S267Kからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。いくつかの場合では、Fcドメインはアミノ酸置換239D/332Eを含む。他の場合において、Fcドメインはアミノ酸置換G236R/L328RまたはPVA/S267Kを含む。
【0159】
一実施形態では、本発明で使用されるスキューおよびpIバリアントの特定の組み合わせは、T366S/L368A/Y407V:T366W(任意選択で、架橋ジスルフィドT366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)であり、一方のモノマーがQ295E/N384D/Q418E/N481Dを含み他方が正に荷電したドメインリンカーである。当技術分野において理解されるように、「ノブインホール」バリアントはpIを変化させず、したがってどちらのモノマーにも使用することができる。
【0160】
Fcダイマー化バリアントセット(スキューおよびpIバリアントを含む)の有用な対を
図4A〜4Eに示す。さらなるpIバリアントを
図5に提示する。有用な除去バリアントを
図6に提示する。本発明のPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質の非サイトカイン成分の有用な実施形態を
図7A〜7Eおよび8A〜8Fに提示する。さらに、有用なIL−15/Rα−Fcフォーマットの骨格は、IL−15およびIL−15Rα(sushi)ドメイン配列を含まない、ヒトIgG1に基づく。
【0161】
IV.本発明の有用なフォーマット
図65A〜65Kに示されるように、本発明のPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質(PD−1標的化IL−15/IL−15Rαヘテロダイマータンパク質またはヘテロダイマー融合タンパク質とも呼ばれる)には多くの有用なフォーマットがある。一般に、本発明のヘテロダイマー融合タンパク質は、3つの機能的構成要素:IL−15/IL−15Rα(sushi)構成要素、抗PD−1構成要素、およびFc構成要素を有し、本明細書で概説されるように各々が異なる形態をとることができ、各々が任意の構成で他の構成要素と組み合わせることができる。
【0162】
Fc成分の第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、a)S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、b)S364K/E357Q:L368D/K370S、c)L368D/K370S:S364K、d)L368E/K370S:S364K、e)T411E/K360E/Q362E:D401K、f)L368D/K370S:S364K/E357L、およびg)K370S:S364K/E357Qからなる群から選択される一組のアミノ酸置換を有することができる。
【0163】
場合によっては、第1および第2のFcドメインには、それぞれ置換L368D/K370S:S364K/E357Qを有する。特定の例では、第1および第2のFcドメインには、それぞれ置換S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、第1のおよび/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含む追加の一組のアミノ酸置換を有する。
【0165】
任意選択的に、第1のおよび/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる追加の一組のアミノ酸置換を有する。
任意選択で、第1および/または第2のFcドメインは、半減期延長のためにM428L/N434Sバリアントを有する。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のFcドメインは、半減期延長のために428L/434Sバリアントを有する。いくつかの実施形態では、第1および第2のFcドメインはそれぞれ、M428L/N434Sバリアントを有する。
【0166】
A.scIL−15/Rα×scFv
一実施形態は
図65Aに示されており、2つのモノマーを含む。これは一般に「scIL−15/Rα×scFv」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」を表し、共有結合リンカーを用いたIL−15およびIL−15Rαsushiドメインの結合を指す。「scIL−15/Rα×scFv」フォーマット(
図65Aを参照されたい)は、可変長リンカーによってヒト成熟IL−15に融合されたヒトIL−15Rα(sushi)ドメインを含み(「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いで、第1のFcモノマーのN末端に融合され、scFvは第2のFcモノマーのN末端に融合される。いくつかの実施形態では、第2のFcモノマーは、ヒンジ−CH2−CH3の全部または一部を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rα sushiドメイン−ドメインリンカー−ヒトIL−15−任意選択のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、第2のモノマーは、vh−scFvリンカー−vl−ヒンジ−CH2−CH3またはvl−scFvリンカー−vh−ヒンジ−CH2−CH3を含み、どちらの方向でもよく、ドメインリンカーをヒンジの代わりに使用することができる。この実施形態のためのFcバリアントのそのような組み合わせは、
図8Aおよび8Bに見られる。
【0168】
図93A〜93S、
図94A〜94AP、
図95A〜95J、および
図96A〜96Fに記されそして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、各CDRには独自の配列番号または配列の識別子を有し、各々のVHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号または配列識別子を有する。
【0169】
scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、一実施形態は、配列識別子を含む
図66に示されるように、配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。XENP21480などのscIL−15/Rα×scFvフォーマットの例示的なPD−1標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を
図66に提示する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、一実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、一実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8Aのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(scFv−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(IL−15複合モノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0170】
scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、一実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の1C11[PD−1]_H3L3からの可変重鎖および可変軽鎖の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、一実施形態は、
図93Aに示されるような配列XENP22538の1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Aのフォーマットで利用する。一実施形態は、配列識別子を含む、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11 [PD−1] _H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。一実施形態は、配列識別子を含む
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、配列識別子を含む
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABDを利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFv融合タンパク質の抗PD−1 ABDは、配列識別子を含む
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列のCDRと、配列識別子を含む
図96A〜
図96Fに示されている1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列のCDRと、を含む。
【0171】
scIL−15/Rα×scFv融合タンパク質のいくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、
図93A〜93Sに示されるXENPまたは対応する配列番号のいずれか1つのABDの配列を利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、対応する配列番号を含む、XENP22538、XENP23577、XENP23579、XENP23589、XENP23601、XENP23605、XENP23609、XENP23615、XENP23616、XENP23624、XENP23626、XENP23628、XENP23629、XENP23633、XENP23636、XENP23640、XENP23755、XENP23758、XENP23760、XENP23765、XENP23770、XENP23776、XENP23779、XENP23780、XENP23781、XENP23789、XENP23793、XENP23796、XENP23811、XENP24201、XENP24207、XENP24208、XENP24209、XENP24210、XENP24211、XENP24212、XENP24213、XENP24214、XENP24215、XENP24216、XENP24217、XENP24218、XENP24221、XENP24222、XENP24226、XENP24227、XENP24228、XENP24247、XENP42450、XENP24254、XENP24256、XENP24263、XENP24266、XENP24267、XENP24268、XENP24270、XENP24274、XENP24278、XENP24279、XENP24287、XENP24291、XENP24372、XENP24373、XENP24374、XENP24375、XENP24376、XENP24377、XENP24378、XENP24379、XENP24380、XENP24381、XENP24382、XENP24414、XENP24415、XENP24416、XENP24417、XENP24418、XENP24419、XENP24420、XENP24421、XENP24422、XENP24423、XENP24424、XENP24425、XENP24426、XENP24427、XENP24428、XENP24429、XENP24430、XENP24431、XENP24432、XENP24433、XENP24434、XENP24435、XENP24436、XENP24437、XENP24438、XENP24439、XENP24440、XENP24441、XENP24442、XENP24443、XENP24827、XENP24828、XENP24829、XENP24830、XENP24831、XENP24832、XENP24833、XENP24834、XENP24835、XENP24836、XENP24837、XENP24838、XENP24839、XENP24840、XENP24841、XENP24842、XENP24843、XENP24844、XENP24845、XENP24846、XENP24847、XENP24848、XENP24849、XENP24850、XENP24851、XENP24852、XENP24853、XENP24854、XENP24855、XENP24856、XENP24857、XENP24858、XENP25295、XENP25296、XENP25301、XENP23502、XENP25303、XENP25304、XENP25305、XENP25306、XENP25307、XENP25308、XENP25309、XENP25310、XENP25311、XENP25312、XENP25313、XENP25314、XENP25315、XENP25316、XENP25317、XENP25318、XENP25319、XENP25320、XENP25321、XENP25802、XENP25803、XENP25804、XENP25805、XENP25806、XENP25807、XENP25808、XENP25809、XENP25810、XENP25811、XENP25812、XENP25813、XENP25814、XENP25815、XENP25816、XENP25817、XENP25818、およびXENP25819からなる群から選択されるABDの配列を有する。
【0172】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvフォーマットは、配列番号を含む
図93Rに示される、XENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25806からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なscIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0173】
特定の実施形態では、scIL−15/Rα×scFvフォーマットは、配列番号を含む
図93Rに示される、XENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25812からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なscIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0174】
特定の実施形態では、scIL−15/Rα×scFvフォーマットは、配列番号を含む
図93Rに示される、XENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25813からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なscIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0175】
他の実施形態では、scIL−15/Rα×scFvフォーマットは、配列番号を含む
図93Sに示される、XENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25819からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なscIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0176】
scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、配列番号を含む
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、別の好ましい実施形態は、
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を利用する。scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、別の好ましい実施形態は、
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を利用する。
【0177】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。場合によっては、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を持つ抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示すようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。他の例では、Fc融合タンパク質は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDおよび
図126Aに示すようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。場合によっては、Fc融合タンパク質は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を持つ抗PD−1 ABDと
図124Cに示すようなXENP29286のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0178】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態において、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1ABDおよび
図69Aに示すようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。他の実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよび
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。特定の実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を持つ抗PD−1 ABDおよび
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0179】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態は、
図95A−
図95Jに示されるような、1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1 scFv Fc融合タンパク質は、
図95A〜
図95Jに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列を有する抗PD−1 ABD、ならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。他の実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図95A〜
図95Jに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列を有する抗PD−1 ABD、ならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメインリンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態ではそのような融合タンパク質は、
図95A−
図95Jに示されるような、1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0180】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態は、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の配列を有する抗PD−1ABDおよび
図69Aに示すようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示すようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図126Aに示すようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の配列を持つ抗PD−1 ABDおよび
図124Cに示すようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0181】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態は、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148の配列を有する抗PD−1ABDおよび
図69Aに示すようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示すようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示されるように、XENP25812または1C11 [PD−1] _H3.240_L3.148の配列を有する抗PD−1 ABDおよびIL−15複合体(sushiドメインリンカー)を含む。 −
図126Aに示すXENP29482のチェーン1のIL−15バリアントD30N / N65D)。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148の配列を持つ抗PD−1 ABDおよび
図124Cに示すようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0182】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態は、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の配列を有する抗PD−1ABDおよび
図69Aに示すようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示すようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示されるように、XENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図126Aに示されるXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の配列を持つ抗PD−1 ABDおよび
図124Cに示すようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0183】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットでは、いくつかの実施形態は、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の配列を有する抗PD−1ABDおよび
図69Aに示すようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1scFv Fc融合タンパク質は、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Cに示すようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Sに示されるように、XENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図126Aに示されるXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、そのようなFc融合タンパク質は、
図93Sに示すような配列XENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92を持つ抗PD−1 ABDおよび
図124Cに示すようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0184】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0185】
scIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0186】
scIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0187】
B.scFv×ncIL−15/Rα
この実施形態は、
図65Bに示され、3つのモノマーを含む。これは一般に「ncIL−15/Rα×scFv」または「scFv×ncIL−15/Rα」と呼ばれ、「nc」はIL−15およびIL−15Rα sushiドメインの自己組織化非共有結合を指す「非共有」を表す。「scFv×ncIL−15/Rα」フォーマット(
図65Bを参照されたい)は、第1のFcモノマーのN末端に融合したscFvと、第2のFcモノマーに融合したヒトIL−15Rα(sushi)を含み、一方でヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)は、非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。
【0188】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に向かって、sushiドメイン−ドメインリンカー−CH2−CH3を含み、第2のモノマーは、vh−scFvリンカー−vl−ヒンジ−CH2−CH3またはvl−scFvリンカー−vh−ヒンジ−CH2−CH3を含むが、いずれの方向にも、ドメインリンカーをヒンジの代わりに置換することができる。第3のモノマーは成熟IL−15ドメインである。この実施形態のためのバリアントの好ましい組み合わせは、
図8Aおよび8Bに見られる。
【0189】
ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。scFv×ncIL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図67に提示する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図67の鎖1に示されるように、配列1G6_L1.194_H1.279_scFvを有する。
【0190】
ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα×scFvのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。
【0191】
ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の1C11[PD−1]_H3L3からの可変重鎖および可変軽鎖の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0192】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示される、XENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25806からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なncIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0193】
特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示される、XENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25812からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なncIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148抗PD−1のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0194】
特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示される、XENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25813からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なncIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFV ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0195】
他の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Sに示される、XENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25819からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なncIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0196】
いくつかの実施形態では、本明細書に概説されるncIL−15/Rα×scFv融合タンパク質のいずれかの抗PD−1scFvは、
図94Nに示されるようなXENP26940もしくは1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列、
図94AEに示されるようなXENP28026もしくは1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列、または
図94AGに示されるようなXENP28652もしくは1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびヒト成熟IL−15を含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0198】
ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の1C11[PD−1]_H3L3からの可変重鎖および可変軽鎖の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。ncIL−15/Rα×scFvフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABDを利用する。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびヒト成熟IL−15を含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインおよびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0199】
ncIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0201】
特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0202】
特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0203】
他の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、ncIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0204】
C.scFv×dsIL−15/Rα
この実施形態は、
図65Cに示され、3つのモノマーを含む。これは一般に「scFv×dsIL−15/Rα」または「dsIL−15/Rα×scFv」と呼ばれ、「ds」は「ジスルフィド」を表す。「scFv×dsIL−15/Rα」フォーマット(
図65C)は、「scFv×ncIL−15/Rα」フォーマットと同一であるが、IL−15Rα(sushi)およびIL−15は操作されたシステインの結果として共有結合している。「scFv×dsIL−15/Rα」フォーマットは、第1のFcモノマーのN末端に融合したscFvと、第2のFcモノマーに融合したヒトIL−15Rα(sushi)を含み、一方でヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)は、共有結合したIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。
【0205】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に向かって、sushiドメイン−ドメインリンカー−CH2−CH3を含み、sushiドメインが操作されたシステイン残基を有し、第2のモノマーは、vh−scFvリンカー−vl−ヒンジ−CH2−CH3またはvl−scFvリンカー−vh−ヒンジ−CH2−CH3を含むが、いずれの方向にも、ドメインリンカーをヒンジの代わりに置換することができる。第3のモノマーは、システインバリアントアミノ酸を有するようにも操作されたIL−15ドメインであり、それにより、sushiドメインとIL−15ドメインとの間にジスルフィド架橋を形成することが可能になる。この実施形態のためのバリアントの好ましい組み合わせは、
図8Aおよび8Bに見られる。
【0206】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。scFv×dsIL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図68に提示する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図66の鎖1に示されるように、配列1G6_L1.194_H1.279_scFvを含む。
【0207】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。dsIL−15/Rα×scFvのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図66に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。
【0208】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。
【0209】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の1C11[PD−1]_H3L3からの可変重鎖および可変軽鎖の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93Aに示されるようなXENP22538の配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Bのフォーマットで利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。dsIL−15/Rα×scFvフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0210】
いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。換言すると、XENP25806からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なdsIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0211】
特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示される、XENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを利用する。換言すると、XENP25812からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なdsIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0212】
特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFV ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。換言すると、XENP25813からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なdsIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0213】
他の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABDを
図8Bのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントS364K/E357Q(IL−15Rα(sushi)−Fcモノマーにおいて)およびL368D/K370S(scFv−Fcモノマーにおいて)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(scFv−Fcモノマーにおいて)、両方のモノマー除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。換言すると、XENP25819からの6つのCDRおよび/またはVHおよびVLドメインは、例示的なdsIL−15/Rα×抗PD−1scFvフォーマットで使用することができる。
【0214】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアントの配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93A〜
図93Sに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のscFvバリアント、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0215】
dsIL−15/Rα×scFvフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントなど)を利用する。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図95A〜
図95Jに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図95A〜
図95Jに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列および
図96A〜
図96Fに示されるような1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図95A〜
図95Jに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変重鎖配列と、
図96A〜
図96Fに示される1C11[PD−1]_H3L3のバリアントの可変軽鎖配列と、を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15バリアントを利用する。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0217】
特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15バリアントを利用する。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0218】
特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15バリアントを利用する。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0219】
他の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvフォーマットは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15バリアントを利用する。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。特定の実施形態では、dsIL−15/Rα×scFvは、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92のABDの配列を有するヒトPD−1に対するscFv ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0220】
いくつかの実施形態では、本明細書に概説されるdsIL−15/Rα×scFv融合タンパク質のいずれかの抗PD−1scFvは、
図94Nに示されるようなXENP26940もしくは1C11_H3.303_L3.152のVHおよびVLの配列、
図94AEに示されるようなXENP28026もしくは1C11_H3.329_L3.220のVHおよびVLの配列、または
図94AGに示されるようなXENP28652もしくは1C11_H3.328_L3.152のVHおよびVLの配列を含む。
【0221】
D.scIL−15/Rα×Fab
この実施形態は、
図65Dに示され、3つのモノマーを含む。これは、一般に、互換可能に使用されるように「scIL−15/Rα×Fab」または「Fab×scIL−15/Rα」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」を表す。「scIL−15/Rα×Fab」フォーマット(
図65D)は、可変長リンカーによってIL−15に融合したIL−15Rα(sushi)を含み(「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いで第1のFcモノマーのN末端に融合し、可変重鎖(VH)は第2のFcモノマーの他方側に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。
【0222】
図94A〜94AP、
図95A〜95J、
図96A〜96F、
図126A〜126D、
図127A〜127D、および
図128A〜128Lに記され、そして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、太字とされたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、各CDRには独自の配列番号または配列の識別子を有し、各々のVHおよびVLドメインには配列表に独自の配列番号または配列識別子を有する。
【0223】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に、ヒトIL−15Rα sushiドメイン−ドメインリンカー−ヒト成熟IL−15−任意選択のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、第2のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第3のモノマーは軽鎖、VL−CLである。この実施形態のためのFcバリアントの好ましい組み合わせは、
図8Cに見られる。
【0224】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabフォーマットの例示的なPD−1標的化×IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP22022、XENP25849、XENP24535、XENP24536、XENP25850、およびXENP25937のアミノ酸配列を含み、
図69A〜69Cに提示される。
【0225】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、スキューバリアントS364K/E357Q(第2のモノマーまたは重鎖−Fcモノマー上)およびL368D/K370S(第1のモノマーまたはIL−15複合体−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択で両側の428L/434Sバリアントを含む。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0226】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるように、配列1G6_H1.279_L1.194を有する抗PD−1 ABDを利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、1G6_H1.279_L1.194のCDRおよび/またはVHおよびVLドメインを有する。scIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_H1.279_L1.194を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(IL−15複合体Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(重鎖−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_H1.279_L1.194を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_H1.279_L1.194を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0227】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69AのXENP22022の鎖2に示される配列1G6_H1.278[PD−1]およびXENP22022の鎖3に示される1G6_L1.188[PD−1]を利用する。特定の実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69AのXENP25849の鎖1に示される配列1C11[PD−1]_H3およびXENP25849の鎖3に示される1C11[PD−1]_L3を利用する。他の実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69BのXENP24535の鎖1に示される配列1C11[PD−1]_H3およびXENP24535の鎖3に示される1C11[PD−1]_L3を利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69BのXENP24536の鎖1に示される配列1C11[PD−1]_H3およびXENP24536の鎖3に示される1C11[PD−1]_L3を利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69CのXENP25850の鎖1に示される配列1C11[PD−1]_H3L3およびXENP25850の鎖3に示される1C11[PD−1]_L3を利用する。特定の実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図69CのXENP259357の鎖1に示される配列1C11[PD−1]_H3およびXENP25937の鎖3に示される1C11[PD−1]_L3を利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図94Aに示されるようなXENP22553または1C11_H3L3の配列を利用する。場合によっては、抗PD−1 Fabは、XENP22553または1C11_H3L3のCDRおよび/またはVHおよびVLドメインを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94に示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。scIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図94に示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(IL−15複合体Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(重鎖−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0228】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を利用する。場合によっては、抗PD−1 Fabは、XENP26940または1C11_H3.303_L3.152のCDRおよび/またはVHおよびVLドメインを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、XENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。scIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(IL−15複合体Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(重鎖−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0229】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を利用する。場合によっては、抗PD−1 Fabは、XENP28026または1C11_H3.329_L3.220のCDRおよび/またはVHおよびVLドメインを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、配列1C11_H3.329_L3.220を有する抗PD−1 ABDを利用する。scIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(IL−15複合体Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(重鎖−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0230】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を利用する。場合によっては、抗PD−1 Fabは、XENP28652または1C11_H3.328_L3.152のCDRおよび/またはVHおよびVLドメインを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、XENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを利用する。scIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(IL−15複合体Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(重鎖−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(IL−15複合体側において)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを
図8Cのフォーマットで利用する。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0231】
一実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図94A〜94APに示されるようなXENPまたは対応する配列番号識別子のうちのいずれか1つの配列を利用する。いくつかの実施形態では、抗PD−1 Fabは、対応する配列番号識別子を含む、XENP22553、XENP25338、XENP25339、XENP26321、XENP26322、XENP26323、XENP26324、XENP26325、XENP26326、XENP26327、XENP26328、XENP26329、XENP26330、XENP26331、XENP26332、XENP26333、XENP26334、XENP26335、XENP26336、XENP26337、XENP26338、XENP26339、XENP26340、XENP26341、XENP26342、XENP26343、XENP26344、XENP26917、XENP26918、XENP26919、XENP26920、XENP26921、XENP26922、XENP26923、XENP26924、XENP26925、XENP26926、XENP26927、XENP26928、XENP26929、XENP26930、XENP26931、XENP26932、XENP26933、XENP26934、XENP26935、XENP26936、XENP26937、XENP26938、XENP26939、XENP26940、XENP26941、XENP26942、XENP26943、XENP26944、XENP26945、XENP26946、XENP26947、XENP26949、XENP26950、XENP26951、XENP26952、XENP26953、XENP26954、XENP26955、XENP27643、XENP27644、XENP27645、XENP27646、XENP27647、XENP47648、XENP27649、XENP27650、XENP27651、XENP27652、XENP27839、XENP27840、XENP27841、XENP27842、XENP27843、XENP27844、XENP27845、XENP27846、XENP27847、XENP27848、XENP27849、XENP27850、XENP27851、XENP27852、XENP27853、XENP27854、XENP27855、XENP27856、XENP27857、XENP27858、XENP27859、XENP27860、XENP27861、XENP27862、XENP27863、XENP27864、XENP27865、XENP27866、XENP27867、XENP27868、XENP27869、XENP27870、XENP27871、XENP27872、XENP27959、XENP27960、XENP27961、XENP27962、XENP27963、XENP28024、XENP28025、XENP28026、XENP28027、XENP28028、XENP28029、XENP28030、XENP28031、XENP28032、XENP28033、XENP28034、XENP28035、XENP28651、XENP28652、XENP28653、XENP28654、XENP28655、XENP28656、XENP28657、XENP28658、XENP28659、XENP29029、XENP29030、XENP29031、XENP29032、XENP29033、XENP29034、XENP29035、XENP29036、XENP29037、XENP29038、XENP29039、XENP29040、XENP29041、XENP29042、XENP29043、XENP29044、XENP29045、XENP29046、XENP29047、XENP29048、XENP29049、XENP29050、XENP29051、XENP29052、XENP29053、XENP29054、XENP29055、およびXENP29056からなる群から選択されるABDの配列を有する。
【0232】
別の実施形態では、抗PD−1 Fabは、
図95A〜95Jに示されるようなXenDまたは対応する配列番号識別子のうちのいずれか1つの可変重鎖配列および
図96A〜96Fに示されるようなXenDまたは対応する配列番号識別子のうちのいずれか1つの可変軽鎖配列を利用する。場合によっては、可変重鎖の配列は、対応する配列番号識別子を含む、XenD17478、XenD18576、XenD22097、XenD22098、XenD22099、XenD22100、XenD22101、XenD22102、XenD22103、XenD22104、XenD22105、XenD22106、XenD22107、XenD22108、XenD22109、XenD22110、XenD22111、XenD22112、XenD22113、XenD22114、XenD22115、XenD22116、XenD22117、XenD22118、XenD22119、XenD22120、XenD22121、XenD22122、XenD22123、XenD22124、XenD22125、XenD22126、XenD22127、XenD22128、XenD22129、XenD22130、XenD22131、XenD22132、XenD22133、XenD22134、XenD22135、XenD22136、XenD22137、XenD22138、XenD22139、XenD22140、XenD22141、XenD22142、XenD22143、XenD22144、XenD22145、XenD22146、XenD22147、XenD22148、XenD22149、XenD22150、XenD22150、XenD22152、XenD22153、XenD22154、XenD22155、XenD22156、XenD22157、XenD22158、XenD22159、XenD22160、XenD22161、およびXenD22162からなる群から選択される。場合によっては、可変軽鎖の配列は、対応する配列番号識別子を含む、
図96のXenD17482、XenD18472、XenD22163、XenD22164、XenD22165、XenD22166、XenD22167、XenD22168、XenD22169、XenD22170、XenD22157、XenD22158、XenD22159、XenD22161、XenD22162、XenD22171、XenD22172、XenD22173、XenD22174、XenD22175、XenD22176、XenD22177、XenD22178、XenD22179、XenD22180、XenD22181、XenD22182、XenD22183、XenD22184、XenD22185、XenD22186、XenD22184、XenD22185、XenD22186、XenD22187、XenD22188、XenD22189、XenD22190、XenD22191、XenD22192、XenD22193、XenD22194、XenD22195、XenD22196、XenD22197、XenD22198、XenD22199、XenD22200、XenD22201、XenD22202、XenD22203、XenD22204、XenD22205、XenD22206、XenD22207、XenD22208、XenD22209、XenD22210、XenD22211、XenD22212、XenD22213、XenD22214、XenD22215、XenD22216、XenD22217、XenD22218、XenD22219、XenD22220、XenD22221、XenD22222、およびXenD22223からなる群から選択される。
【0233】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような1G6_H1.279_L1.194(1G6_L1.194_H1.279)の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図14に示されるような1G6_H1.279_L1.194(1G6_L1.194_H1.279)の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図14に示されるような1G6_H1.279_L1.194(1G6_L1.194_H1.279)の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図14に示されるような1G6_H1.279_L1.194(1G6_L1.194_H1.279)の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなコンストラクトの鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0234】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0235】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を利用する。
【0236】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0237】
scIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1のIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabフォーマットの抗PD−1 Fabは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を有する。
【0239】
E. ncIL−15/Rα×Fab
この実施形態は、
図65Eに示され、3つのモノマーを含む。これは、一般に、互換可能に使用されるように「ncIL−15/Rα×Fab」または「Fab×ncIL−15/Rα」と呼ばれ、「nc」はIL−15とIL−15Rα sushiドメインの自己組織化非共有結合を指す「非共有」を表す。ncIL−15/Rα×Fabフォーマット(
図65Eを参照)は、ヘテロダイマーFc領域のN末端に融合したVHを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFcの他方側に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされ、一方、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。XENP22112などのFab×ncIL−15/Rαフォーマットの例示的なPD−1標的化×IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を
図70に提示する。
【0240】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に、IL−15Rα sushiドメイン−任意選択のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、第2のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第3のモノマーはIL−15ドメインである。この実施形態のためのFcバリアントの好ましい組み合わせは、
図8Dに見られる。
【0241】
ncIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるように、配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。ncIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279(1G6_H1.279_L1.194)を有する抗PD−1 ABDを
図8Dのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(重鎖−Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(sushiドメイン−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(重鎖−Fcモノマー上)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0242】
ncIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Dのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(重鎖−Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(sushiドメイン−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(重鎖−Fc−モノマー上)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0243】
いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0244】
いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のncIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα×Fabフォーマットの抗PD−1 Fabは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を有する。
【0247】
F. dsIL−15/Rα×Fab
この実施形態は、
図65Fに示され、3つのモノマーを含む。これは、一般に、互換可能に使用されるように「dsIL−15/Rα×Fab」または「Fab×dsIL−15/Rα」と呼ばれ、「ds」はIL−15とsushiドメインの自己組織化非共有結合を指す「ジスルフィド」を表す。dsIL−15/Rα×Fabフォーマット(
図65Fを参照)は、「ncIL−15/Rα×Fab」フォーマットと同一であるが、IL−15Rα(sushi)およびIL−15は操作されたシステインの結果として共有結合している。XENP22641などのFab×dsIL−15/Rαフォーマットの例示的なPD−1標的化×IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を
図71に提示する。
【0248】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、N末端からC末端に向かって、sushiドメイン−ドメインリンカー−CH2−CH3を含み、sushiドメインがシステイン残基を含むよう操作されており、第2のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第3のモノマーは、天然の細胞条件下でジスルフィド架橋が形成されるようにシステイン残基を有するように操作されたIL−15ドメインである。この実施形態のためのバリアントの好ましい組み合わせは、WO2018/071918の
図7に見られる。
【0249】
dsIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。dsIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるように、配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。dsIL−15/Rα×Fabのフォーマットで、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279(1G6_H1.279_L1.194)を有する抗PD−1 ABDを
図8Dのフォーマットで利用し、例えば、スキューバリアントL368D/K370S(重鎖−Fc−モノマー上)およびS364K/E357Q(IL−15複合体−Fcモノマー上)、pIバリアントQ295E/N384D/Q418E/N421D(重鎖−Fcモノマー上)、両方のモノマーの除去バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kに、および任意選択で両側に428L/434Sバリアントを利用する。
【0250】
dsIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。dsIL−15/Rα×Fabフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8Dのフォーマットで利用する。
【0251】
いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0254】
いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、本発明のdsIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、dsIL−15/Rα×Fabフォーマットの抗PD−1 Fabは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を有する。
【0256】
G.mAb−scIL−15/Rα
この実施形態は、
図65Gに示され、3つのモノマーを含む(しかし融合タンパク質はテトラマーである)。これは一般に「mAb−scIL−15/Rα」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」を表す。mAb−scIL−15/Rαフォーマット(
図65Gを参照)は、第1のおよび第2のヘテロダイマーFcのN末端に融合したVHを含み、IL−15はIL−15Rα(sushi)に融合し、これは次いでさらにヘテロダイマーFc領域の一方のC末端に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。mAb×scIL−15/Rαフォーマットの例示的なPD−1標的化×IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列を
図72A〜72Bに提示する。
【0257】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第2のモノマーは、scIL−15複合体を有する重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−ドメインリンカー−IL−15Rα sushiドメイン−ドメインリンカー−IL−15を含む。第3の(および第4の)モノマーは軽鎖、VL−CLである。これは一般に「mAb−scIL−15/Rα」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」を表す。
【0258】
mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0259】
mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0260】
mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0261】
いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、本明細書に記載の抗PD−1 ABDのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を含む、抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、本発明のmAb−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0262】
mAb−scIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびヒト成熟IL−15ドメイン(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0263】
mAb−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDおよび
図69Aに示されるようなXENP22022の鎖1におけるようなIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15)を利用する。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図69Cに示されるようなXENP25850の鎖2におけるようなIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントN4D/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図126Aに示されるようなXENP29482の鎖1におけるようなIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/N65D)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Aに示されるような1C11_H3L3の配列を有する抗PD−1 ABDならびに
図124Cに示されるようなXENP29286の鎖1におけるようなIL−15複合体(sushiドメイン−リンカー−IL−15バリアントD30N/E64Q/N65D)を含む。
【0264】
いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.1303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0266】
いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0267】
H.mAb−ncIL−15/Rα
この実施形態は、
図65Hに示され、4つのモノマーを含む(しかしヘテロダイマー融合タンパク質はペンタマーである)。これは一般に「mAb−ncIL−15/Rα」と呼ばれ、「nc」は「非共有結合」を表す。mAb−ncIL−15/Rαフォーマット(
図65H)は、第1のおよび第2のヘテロダイマーFcのN末端に融合したVHを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFc領域の一方のC末端に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされ、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。XENP22642およびXENP22643などのmAb×ncIL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図73A〜73Bに提示する。
【0268】
いくつかの実施形態では、第1のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第2のモノマーは、IL−15Rα(sushi)ドメインを有する重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−ドメインリンカー−sushiドメインを含む。第3のモノマーはIL−15ドメインである。第4の(および第5の)モノマーは軽鎖、VL−CLである。この実施形態のためのFcバリアントの好ましい組み合わせは、
図8A−8Fに見られる。
【0269】
mAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。mAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。mAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0270】
MAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0271】
mAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。mAb−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0272】
いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、本明細書に記載の抗PD−1 ABDのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を含む、抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、本発明のmAb−ncIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AGに示されるような配列XENP28652または1C11_H3.328_L3.152を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0273】
mAb−ncIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。
【0274】
mAb−ncIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびヒト成熟IL−15ドメイン(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0275】
いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0276】
いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−ncIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0278】
I.mAb−dsIL−15/Rα
この実施形態は、
図65Iに示され、4つのモノマーを含む(しかしヘテロダイマー融合タンパク質はペンタマーである)。これは一般に「mAb−ncIL−15/Rα」と呼ばれ、「nc」は「非共有結合」を表す。mAb−ncIL−15/Rαフォーマット(
図65Hを参照)は、第1のおよび第2のヘテロダイマーFcのN末端に融合したVHを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFc領域の一方のC末端に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされ、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。XENP22644およびXENP22645などのmAb×dsIL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図74A〜74Bに提示する。
【0279】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図74Aおよび74Bの鎖2および鎖3に示されるような配列ニボルマブ_H0を含む。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図74Aおよび74Bの鎖4に示されるような配列ニボルマブ_L0を含む。
【0280】
第1のモノマーは、重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第2のモノマーは、IL−15Rα(sushi)ドメインを有する重鎖、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3−ドメインリンカー−sushiドメインを含み、sushiドメインがシステイン残基を含むように操作されている。第3のモノマーは、IL−15複合体が生理学的条件下で形成されるようにシステイン残基を含むように操作されたIL−15ドメインである。第4の(および第5の)モノマーは軽鎖、VL−CLである。この実施形態のためのFcバリアントの有用な組み合わせは、
図8A−8Fに見られる。
【0281】
mAb−dsIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0282】
mAb−dsIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで含む。
【0283】
mAb−dsIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0284】
いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。mAb−dsIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0285】
いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、本明細書に記載の抗PD−1 ABDのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を含む、抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、本発明のmAb−dsIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0286】
mAb−dsIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。mAb−dsIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびヒト成熟IL−15ドメイン(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AEに示されるような配列XENP28026または1C11_H3.329_L3.220を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AEに示されるような配列XENP28026または1C11_H3.329_L3.220を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AEに示されるような配列XENP28026または1C11_H3.329_L3.220を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0290】
J.セントラル−IL−15/Rα
この実施形態は、
図65Jに示され、テトラマーを形成する4つのモノマーを含む。これは一般に「central−IL−15/Rα」と呼ばれる。セントラル−IL−15/Rαフォーマット(
図65Jを参照)は、IL−15(ヘテロダイマーFcの一方側にさらに融合する)のN末端に組み換えで融合したVHと、IL−15Rα(sushi)(ヘテロダイマーFcの他方側にさらに融合する)のN末端に組み換えで融合したVHとを含むが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。セントラル−IL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図75に提示する。
【0291】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図75の鎖1および鎖2に示されるような配列1C11[PD−1]_H3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図75の鎖3に示されるような配列1C11[PD−1]_L3を含む。
【0292】
セントラル−IL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0293】
central−IL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、mAb−dsIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで含む。
【0294】
セントラル−IL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0295】
いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。セントラル−IL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0296】
いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、本明細書に記載の抗PD−1 ABDのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図93Rに示すようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示すようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示すようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を含む、抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−IL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−IL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態ではセントラル−IL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0297】
セントラル−IL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。セントラル−IL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびヒト成熟IL−15ドメイン(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、ヒトIL−15Rαsushiドメインおよびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0300】
いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AGに示されるような配列XENP28652または1C11_H3.328_L3.152を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラルIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0301】
K.セントラルscIL−15/Rα
この実施形態は
図64Kに示されており、そしてテトラマーを形成する4つのモノマーを含む。これは一般に「セントラル−scIL−15/Rα」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」を表す。セントラル−scIL−15/Rαフォーマット(
図65Kを参照)は、IL−15(ヘテロダイマーFcの一方側にさらに融合される)に融合したIL−15Rα(sushi)のN末端に融合したVHと、ヘテロダイマーFcの他方側に融合したVHとを含むが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。セントラル−scIL−15/Rαフォーマットの例示的なIL−15/Rα×抗PD−1ヘテロダイマータンパク質のアミノ酸配列を
図76に提示する。
【0302】
いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図76の鎖1および鎖2に示されるような配列1C11[PD−1]_H3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD−1 ABDは、
図76の鎖3に示されるような配列1C11[PD−1]_L3を含む。
【0303】
第1のモノマーは、VH−CH1−[任意選択のドメインリンカー]−sushiドメイン−ドメインリンカー−IL−15−[任意選択のドメインリンカー]−CH2−CH3を含み、第2の任意選択のドメインリンカーはしばしばヒンジドメインである。第2のモノマーは、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む。第3の(および第4の)モノマーは軽鎖、VL−CLである。この実施形態のためのバリアントの好ましい組み合わせは、
図8A〜8Fに見られる。
【0304】
セントラル−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0305】
central−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図14に示されるような配列1G6_L1.194_H1.279を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで含む。
【0306】
セントラル−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを利用する。
【0307】
いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを有する抗PD−1 ABDを含む。セントラル−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、1つの好ましい実施形態は、
図20Cに示されるような配列1C11[PD−1]_H3L3を有する抗PD−1 ABDを
図8A〜8Fの有用なフォーマットで利用する。
【0308】
いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、本明細書に記載の抗PD−1 ABDのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図93Rに示されるようなXENP25806または1C11[PD−1]_H3.234_L3.144の重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示されるようなXENP25812または1C11[PD−1]_H3.240_L3.148のABDの重鎖および軽鎖の配列、
図93Rに示されるようなXENP25813または1C11[PD−1]_H3.241_L3.148の重鎖および軽鎖の配列、
図93Sに示されるようなXENP25819または1C11[PD−1]_H3.241_L3.92の重鎖および軽鎖の配列を含む、抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、図」94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABDを含む。
【0309】
セントラル−scIL−15/Rαフォーマットでは、1つの好ましい実施形態は、本明細書に記載のIL−15複合体配列のうちのいずれかを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびヒト成熟IL−15ドメイン(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、IL−15複合体は、N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rαsushiドメイン、ドメインリンカー、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94Nに示されるようなXENP26940または1C11_H3.303_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AEに示されるようなXENP28026または1C11_H3.329_L3.220の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびヒト成熟IL−15(ヒト成熟IL−15バリアントを含む)を含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。いくつかの実施形態では、セントラル−scIL−15/Rαは、
図94AGに示されるようなXENP28652または1C11_H3.328_L3.152の配列を有する抗PD−1 ABD、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒト成熟IL−15バリアントを含む。
【0313】
V.IL−15/IL−15Rα−Fc融合モノマー
本発明のFc融合タンパク質は、IL−15/IL−15受容体アルファ(IL−15Rα)−Fc融合モノマーを含み、2016年10月14日に出願されたWO2018/171918、WO2018/071919、US2018/0118805、US2018/0118828、USSN62/408,655、2017年1月6日に出願されたUSSN62/443,465、および2017年3月28日に出願されたUSSN62/477,926を参照し、これらの全ての内容は、特にそれらに概説された図面、図面の説明、配列について、参照により本願に組み込まれる。
【0314】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15タンパク質は、NCBI基準配列番号NP_000576.1または配列番号1に示すアミノ酸配列を有する。いくつかの場合では、ヒトIL−15のコード配列を、NCBI基準配列番号NM_000585に示す。本明細書に概説されるFc融合ヘテロダイマータンパク質の例示的なIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列または配列番号1のアミノ酸49〜162を有し得る。
【0315】
配列番号1は、MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSである。
【0316】
配列番号2は、NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSである。
【0317】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも90%、例えば90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列ならびにC42S、L45C、Q48C、V49C、L52C、E53C、E87C、およびE89Cからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、およびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。Fc融合タンパク質のIL−15タンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、9個、またはそれ以上のアミノ酸置換を有することができる。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列ならびにN1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、およびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。他の実施形態では、アミノ酸置換はN4D/N65Dである。他の実施形態では、アミノ酸置換はD30N/E64Q/N65Dである。いくつかの事例においては、アミノ酸置換はD30N/N65Dである。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2およびN4D/N65D置換に対して少なくとも97%または98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2およびD30N/N65D置換に対して少なくとも97%または98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2およびD30N/N65D置換に対して少なくとも96%または97%の配列同一性を有する。
【0318】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15受容体α(IL−15Rα)タンパク質は、NCBI基準配列番号NP_002180.1または配列番号3に示したアミノ酸配列を有する。いくつかの場合では、ヒトIL−15Rαのコード配列を、NCBI基準配列番号NM_002189.3に示す。本明細書に概説されるFc融合ヘテロダイマータンパク質の例示的なIL−15Rαタンパク質は、配列番号3のsushiドメイン(例えば、配列番号3のアミノ酸31〜95)、換言すると、配列番号4のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなることができる。
【0319】
配列番号3は、MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHLである。
【0320】
配列番号4は、ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRである。
【0321】
いくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列ならびにD96、P97、A98、D96/P97、D96/C97、D96/P97/A98、D96/P97/C98、およびD96/C97/A98からなる群から選択されるアミノ酸挿入を有し、アミノ酸位置は完全長ヒトIL−15Rαタンパク質または配列番号3に対してである。例えば、D(例えばAsp)、P(例えばPro)、A(例えばAla)、DP(例えばAsp−Pro)、DC(例えばAsp−Cys)、DPA(例えば、Asp−Pro−Ala)、DPC(例えば、Asp−Pro−Cys)、またはDCA(例えば、Asp−Cys−Ala)のようなアミノ酸(複数可)は、配列番号4のIL−15Rαタンパク質のC末端に付加され得る。いくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列ならびにK34C、A37C、G38C、S40C、およびL42Cからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有し、ここでアミノ酸位置は配列番号4に対してである。IL−15Rαタンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のアミノ酸変異(例えば、置換、挿入および/または欠失)を有することができる。
【0322】
VI.ドメインリンカー
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質はFcドメインのN末端に結合しており、IL−15Rαタンパク質はIL−15タンパク質のN末端に結合している。他の実施形態では、IL−15Rαタンパク質はFcドメインのN末端に結合しており、IL−15Rαタンパク質はIL−15タンパク質に非共有結合している。さらに他の実施形態では、IL−15Rαタンパク質はFcドメインのC末端に結合しており、IL−15Rαタンパク質はIL−15タンパク質に非共有結合している。
【0323】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質はリンカーを介してともに結合している(例えば、「scIL−15/Rα」フォーマット)。任意選択で、タンパク質はリンカーを介して結合せず、本明細書に概説されるように天然の自己集合またはジスルフィド結合のいずれかを利用する。他の態様において、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質は非共有結合している。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質はリンカーを介してFcドメインに結合している。特定の実施形態では、IL−15タンパク質は、例えばリンカーを有さずに直接Fcドメインに結合している。特定の実施形態では、IL−15タンパク質は、ヒンジ領域またはその断片を介してFcドメインに結合している。他の実施形態では、IL−15Rαタンパク質はリンカーを介してFcドメインに結合している。他の実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、例えばリンカーを有さずに直接Fcドメインに結合している。特定の実施形態では、IL−15Rαタンパク質はヒンジ領域またはその断片を介してFcドメインに結合している。任意選択的に、リンカーは、IL−15タンパク質またはIL−15Rαタンパク質をFcドメインに結合するためには使用されない。
【0324】
いくつかの場合では、PD−1 ABDはドメインリンカーなどのリンカーを介してFcドメインのN末端に共有結合している。いくつかの実施形態では、PD−1 ABDは、例えばリンカーを有さずに直接Fcドメインに結合している。特定の実施形態では、PD−1 ABDは、ヒンジ領域またはその断片を介してFcドメインに結合している。
【0325】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインをともに連結するために使用される「ドメインリンカー」である。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも1(一般に1〜2〜3〜4〜5)の整数である、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nを含むグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組み換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。場合によっては、以下に概説する「鎖性(strandedness)」に注意を払って、荷電ドメインリンカーは、本明細書において考察し
図9および10に示すように使用することができる。
【0326】
VII.PD−1抗体モノマー
本発明は、PD−1およびIL−2Rβおよび共通のガンマ鎖(γc、CD132)を発現する細胞に結合する二重特異性ヘテロダイマータンパク質の生成に関する。二重特異性ヘテロダイマータンパク質は、免疫チェックポイント抗原に結合することができる任意の有用な抗体フォーマットの抗体モノマーを含み得る。いくつかの実施形態では、抗体モノマーは、Fcドメインに連結したFabまたはscFvを含む。いくつかの場合では、PD−1抗体モノマーは抗PD1(VH)−CH1−Fcおよび抗PD−1 VL−Cκを含む。いくつかの場合において、PD−1抗体モノマーは抗PD−1 scFv−Fcを含む。
【0327】
いくつかの実施形態では、本発明のヘテロダイマーFc融合タンパク質のPD−1標的化アームは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる群のCDRから選択されるVHCDR1、VHCDR2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3の配列を含む。いくつかの実施形態では、VHCDR1、VHCD2、およびVHCDR3の配列は、
図95A〜95Jに示される配列、および対応する配列識別子から選択される。いくつかの実施形態では、VHCDR1、VHCD2、およびVHCDR3の配列は、
図96A〜96Fに示される配列、および対応する配列識別子から選択される。
【0328】
いくつかの実施形態では、本発明のヘテロダイマーFc融合タンパク質のPD−1標的化アームは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる群から選択される対からの可変重鎖ドメインおよび可変軽鎖ドメインを含む。いくつかの実施形態では、PD−1標的化アームの可変重鎖ドメインは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152、および対応する配列識別子からの対からなる群から選択される可変軽鎖ドメインの配列に対し、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有するPD−1標的化アームの可変重鎖ドメインおよび可変軽鎖ドメインの配列に対し、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の配列同一性を有する。
【0329】
追加の例示的な抗体断片の例示的な実施形態は、XENP21480(鎖2、
図65A)、XENP22022(鎖2および3、
図65D)、XENP22112(鎖1および4、
図65E)、XENP22641(鎖1および3、
図65F)、XENP22642(鎖1〜3、
図65H)、およびXENP22644(鎖1〜3、
図65I)に提示される。
【0330】
ABDは、FabフォーマットまたはscFvフォーマットなどの様々なフォーマットであり得る。本発明で使用するための例示的なABDは、WO2017/218707およびPCT/US2018/059887に開示されており、図、図の説明、および配列表を含む内容は、全ての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0331】
場合によっては、PD−1に結合する適切なABDは、US2018/0118836の
図11および12、ならびに本明細書の
図13および
図14および配列番号に概説されているものに示されている。当業者には理解されるように、好適なABDは、下線が付されているものとしてか、または、上述されるような、異なる付番スキームが使用される場合、US2018/0118836の
図11および12のvhおよびvlの配列内の他の整合を使用して同定されるCDRかのいずれかとして、本明細書の図に描かれているような6個のCDRのセットを含み得る。好適なABDはまた、scFvまたはFabとして使用される、これらの図に示されるようなvhおよびvlの全体の配列をも含み得る。特定のscFv配列は、特定の荷電リンカーとともに、US2018/0118836の
図11に示されているが、
図7に示されているものなどの他のリンカーも使用することができる。PD−1に対するFvを含む本明細書中の実施形態の多くにおいて、PD−1に結合するのはscFvモノマーである。US2018/0118836では、
図11は好ましいscFv配列を示し、
図12は好適なFab配列を示すが、本明細書で論じるように、vhおよびvlはいずれかの構成でも使用できる。
【0332】
B.抗体
以下で考察するように、「抗体」という用語は全般的に使用される。本発明で使用される抗体は、本明細書に記載されているようにいくつかのフォーマットをとることができ、本明細書に記載され図に示される従来の抗体、および抗体誘導体、断片および模倣物を含む。本発明は、チェックポイント抗原結合ドメインおよびFcドメインを含む抗体融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、抗体融合タンパク質は、本明細書に記載のIL−15/IL−15Rα−Fcタンパク質と二重特異性ヘテロダイマータンパク質を形成する。他の実施形態では、抗体融合タンパク質は、チェックポイント抗原結合ドメインおよびFcドメインを含む別の抗体融合タンパク質と二重特異性ヘテロダイマータンパク質を形成する。そのようなPD−1標的化ヘテロダイマータンパク質の実施形態には、XENP21480、XENP22022、XENP22112、XENP22641、XENP22642、XENP22644、XENP25850、およびXENP25937が含まれるが、これらに限定されない。
【0333】
従来の抗体構造単位は、典型的にはテトラマーを含む。各テトラマーは、典型的には、2本の同一のポリペプチド鎖対からなり、各対は、1本の「軽」鎖(典型的には、約25kDaの分子量)と、1本の「重」鎖(典型的には、約50〜70kDaの分子量)とを有する。ヒト軽鎖は、カッパ軽鎖およびラムダ軽鎖として分類される。本発明は概して、IgGクラスに基づく抗体または抗体断片(抗体モノマー)に関し、これは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むがこれらに限定されない、いくつかのサブクラスを有する。一般に、IgG1、IgG2、およびIgG4が、IgG3よりも頻繁に使用される。IgG1は、356(DまたはE)および358(LまたはM)で多型を有する異なるアロタイプを有することに留意すべきである。本明細書に図示される配列は356D/358Mアロタイプを使用するが、他のアロタイプが本明細書に含まれる。すなわち、本明細書に含まれるIgG1 Fcドメインを含む任意の配列は、356D/358Mアロタイプの代わりに356E/358Lを有することができる。
【0334】
さらに、本明細書中の配列の多くは、位置220の少なくとも1つのシステインをセリンで置換したものであり、これは一般に、本明細書に記載の配列の大部分について「scFvモノマー」側にあるが、ジスルフィド形成を減少させるために「Fabモノマー」側、またはその両方にすることもできる。本明細書中の配列内に具体的に含まれるのは、これらのシステインの一方または両方が置換されたもの(C220S)である。
【0335】
したがって、本明細書で使用されるとき、「アイソタイプ」は、それらの定常領域の化学的および抗原的特徴によって定義される免疫グロブリンの任意のサブクラスを意味する。治療用抗体は、アイソタイプおよび/またはサブクラスのハイブリッドも含み得ることを理解されたい。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、US2009/0163699に示されるように、本発明は、IgG1/G2ハイブリッドのpI工学を包含する。
【0336】
各鎖のアミノ末端部分は、「Fvドメイン」または「Fv領域」として当該技術分野および本明細書では一般に称される、抗原認識に主に関与する約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。可変領域において、重鎖および軽鎖のVドメインの各々について3つのループが集約されて、抗原結合部位を形成する。ループの各々は、相補性決定領域(これ以降「CDR」と称される)と称され、ここではアミノ酸配列における変形が最も顕著である。「可変」とは、可変領域のある特定のセグメントが抗体間で配列において大きく異なるという事実を指す。可変領域内の可変性は均一に分布していない。その代わり、V領域は、各々が9〜15アミノ酸長またはそれ以上長い「超可変領域」と称される極可変性のより短い領域によって隔てられた15〜30のアミノ酸のフレームワーク領域(FR)と称される比較的不変の区間からなる。
【0337】
各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へとFR1−CDR1−FR2−CDR2−FR3−CDR3−FR4の順序で配列された3つの超可変領域(「相補性決定領域」、「CDR」)および4つのFRで構成される。
【0338】
超可変領域は、一般に、軽鎖可変領域においておよそ、アミノ酸残基24〜34(LCDR1、「L」は軽鎖を表す)、50〜56(LCDR2)、および89〜97(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域においてはおよそ約31〜35B(HCDR1、「H」は重鎖を表す)、50〜65(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)からのアミノ酸残基(Kabat et al.,SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))ならびに/または超可変ループを形成する残基(例えば、軽鎖可変領域における残基26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)、および91〜96(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域における26〜32(HCDR1)、53〜55(HCDR2)、および96−101(HCDR3)を包含する(Chothia and Lesk (1987)J.Mol.Biol.196:901−917)。本発明の特定のCDRを以下に記載する。
【0339】
当業者には理解されるように、CDRの正確な付番および配置は、異なる付番システムで異なり得る。しかしながら、可変重鎖および/または可変軽鎖配列の開示は、関連する(固有の)CDRの開示を含むことが理解されるべきである。したがって、各可変重領域の開示は、vhCDR(例えば、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3)の開示であり、各可変軽領域の開示は、vlCDR(例えば、vlCDR1、vlCDR2、およびvlCDR3)の開示である。
【0340】
CDR付番の有用な比較は以下のとおりであり、Lafranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27(1):55−77(2003)を参照されたい。
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0341】
本明細書全体を通して、Kabat付番系は一般に、可変ドメイン内の残基(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107および重鎖可変領域の残基1〜113)を参照するときに使用され、EU付番系は、Fc領域に対するものである(例えば、Kabat et al.、上述(1991))。
【0342】
本発明は、多数の異なるCDRセットを提供する。この場合において、「完全CDRセット」は、3つの可変軽鎖および3つの可変重鎖CDR、例えばvlCDR1、vlCDR2、vlCDR3、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3を含む。これらは、それぞれより大きな可変軽または可変重鎖ドメインの一部であり得る。さらに、本明細書により完全に概説されているように、可変重および可変軽鎖ドメインは、重鎖および軽鎖が使用されるとき(例えば、Fabが使用されるとき)には別個のポリペプチド鎖上に、またはscFv配列の場合には単一ポリペプチド鎖上にあり得る。
【0343】
CDRは、抗原結合の形成、またはより具体的には、抗体のエピトープ結合部位の形成に寄与する。「エピトープ」とは、パラトープとして知られている抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する決定基を指す。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖などの分子の群分けであり、通常、特異的構造特性、ならびに特異的電荷特性を有する。単一抗原が、2つ以上のエピトープを有してもよい。
【0344】
エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成要素とも称される)および結合に直接関与しない他のアミノ酸残基、例えば、特異的抗原結合ペプチドによって効果的に遮断されるアミノ酸残基、換言すると、特異的抗原結合ペプチドのフットプリント内にあるアミノ酸残基を含み得る。
【0345】
エピトープは、立体配座または直線状のいずれかであってもよい。立体配座エピトープは、直線状のポリペプチド鎖の異なるセグメントからのアミノ酸の空間的な並置によって作り出される。直線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接アミノ酸残基によって作り出されるものである。立体配座エピトープおよび非立体配座エピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが、後者への結合は失われないという点で区別され得る。
【0346】
エピトープは、典型的には、固有の空間立体構造内に、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、または8〜10個のアミノ酸を含む。同一のエピトープを認識する抗体は、ある抗体の別の抗体の標的抗原への結合を遮断する能力、例えば、「ビニング」を示す単純な免疫アッセイにおいて検証され得る。以下に概説するように、本発明は、列挙された抗原結合ドメインおよび本明細書の抗体を含むだけでなく、列挙された抗原結合ドメインによって結合されるエピトープとの結合について競合するものも含む。
【0347】
各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を定義する。Kabatらは、重鎖および軽鎖の可変領域の多数の一次配列を収集した。配列の保存の程度に基づき、Kabatらは、個々の一次配列をCDRおよびフレームワークに分類し、そのリストを作成した(参照により全体が組み込まれるSEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat et al.を参照されたい)。
【0348】
免疫グロブリンのIgGサブクラスには、重鎖においていくつかの免疫グロブリンドメインがある。本明細書の「免疫グロブリン(Ig)ドメイン」とは、明確に異なる三次構造を有する免疫グロブリンの領域を意味する。定常重(CH)ドメインおよびヒンジドメインを含む重鎖ドメインが本発明における関心対象である。IgG抗体の関連において、IgGアイソタイプは、各々、3つのCH領域を有する。したがって、IgGの関連における「CH」ドメインは以下の通りである。「CH1」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って118〜220位を指す。「CH2」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って237〜340位を指し、「CH3」は、Kabatと同様のEUインデックスに従って341〜447位を指す。本明細書において示され、以下に記載されるように、pIバリアントは、CH領域、および以下に論じられるように、ヒンジ領域のうちの1つ以上に存在し得る。
【0349】
重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本明細書において、「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「免疫グロブリンヒンジ領域」とは、抗体の第1および第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造に関して、IgG CH1ドメインはEUの220位で終了し、IgG CH2ドメインは残基EUの237位で開始する。したがって、IgGについては、抗体ヒンジは、位置221(IgG1中のD221)から236(IgG1中のG236)を含むように本明細書で定義され、付番は、Kabatと同様にEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、Fc領域に関連して、下側ヒンジが含まれ、「下側ヒンジ」は一般に位置226または230を指す。本明細書に記載のとおり、pIバリアントはヒンジ領域にも同様に作製することができる。
【0350】
軽鎖は、一般に、可変軽鎖ドメイン(軽鎖CDRを含み、可変重鎖ドメインとともにFv領域を形成する)、および定常軽領域(しばしばCLまたはCκと称される)の2つのドメインを含む。
【0351】
上に概説される追加の置換のための別の目的とする領域は、Fc領域である。
【0352】
本明細書中に記載され、当技術分野において既知のとおり、本発明のABDは、重鎖および軽鎖内に異なるドメインを含み、これもまた重複し得る。これらのドメインは、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重鎖定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)、可変重鎖ドメイン、可変軽鎖ドメイン、軽鎖定常ドメイン、Fabドメイン、およびscFvドメインを含むが、これらに限定されない。
【0353】
したがって、「Fcドメイン」は、−CH2−CH3ドメイン、および場合によりヒンジドメインを含む。本明細書の実施形態では、scFvがFcドメインに結合しているとき、Fcドメインのヒンジの全部または一部に結合しているのはscFv構築物のC末端であり、例えば、それは一般にヒンジの始まりである配列EPKS(配列番号1220)に結合している。重鎖は、可変重鎖ドメインおよび定常ドメインを含み、これは、CH1−任意選択的なCH2−CH3を含むヒンジ−Fcドメインを含む。軽鎖は、可変軽鎖および軽鎖定常ドメインを含む。scFvは、可変重鎖、scFvリンカー、および可変軽鎖ドメインを含む。本明細書に概説した構築物および配列のほとんどにおいて、可変軽鎖のC末端はscFvリンカーのN末端に結合し、そのC末端は可変重鎖のN末端に結合している(N−vh−リンカー−vl−C)が、これは切り替えることができる(N−vl−リンカー−vh−C)。
【0354】
本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのscFvドメインを含み、それは天然に生じないが、scFvリンカーによってともに連結した可変重鎖ドメインと可変軽鎖ドメインとを一般に含む。本明細書に概説されるように、scFvドメインは、一般に、VH−scFvリンカー−VLとしてN末端からC末端に向かう向きとされているが、これは、scFvドメイン(または、Fab由来のVHおよびVL配列を使用して構築されたドメイン)のいずれに関しても、フォーマットに応じて一方または両方の端部に任意選択のリンカーを用いて、VL−scFvリンカー−VHへと逆転させることができる(全体的にUS62/353,511の
図4A〜4Bを参照)。
【0355】
本明細書に示されるように、組換え技術によって生成される従来のペプチド結合を含めて、使用され得る好適なscFvリンカーは、ある数存在する。リンカーペプチドは、主に、以下のアミノ酸残基:Gly、Ser、Ala、またはThrを含み得る。リンカーペプチドは、それらが所望の活性を保持するように互いに対して正しい立体配座をとるような方法で2つの分子を結合させるのに十分な長さを有するべきである。一実施形態では、リンカーは、約1〜50アミノ酸長、好ましくは約1〜30アミノ酸長である。一実施形態では、1〜20アミノ酸長のリンカーが使用され得、いくつかの実施形態において、約5〜約10アミノ酸が使用されている。有用なリンカーには、例えば、nが少なくとも1つの整数(一般に3〜4)である(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)n、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、ならびに他の可動性リンカーを含むグリシンセリンポリマーが含まれる。代替的に、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマーを含むがこれらに限定されない様々な非タンパク質性ポリマーが、リンカーとして有用であり得、すなわちリンカーとして有用であり得る。
【0356】
他のリンカー配列は、任意の長さのCL/CH1ドメインの任意の配列を含むが、CL/CH1ドメインの全ての残基を含まない場合があり、例えば、CL/CH1ドメインの最初の5〜12アミノ酸残基である。リンカーは、免疫グロブリン軽鎖、例えば、CκまたはCλに由来し得る。リンカーは、例えば、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、Cε、およびCμを含む任意のアイソタイプの免疫グロブリン重鎖に由来し得る。リンカー配列はまた、Ig様タンパク質(例えば、TCR、FcR、KIR)、ヒンジ領域由来配列、および他のタンパク質由来の他の天然配列などの他のタンパク質に由来してもよい。
【0357】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインをともに連結するために使用される「ドメインリンカー」である。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも1(および一般に3〜4〜5)である、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nを含むグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。。場合によっては、以下に概説する「鎖性(strandedness)」に注意を払って、scFvリンカーのいくつかの実施形態において使用されるように、荷電ドメインリンカーを使用することができる。
【0358】
いくつかの実施形態では、scFvリンカーは、荷電scFvリンカーであり、そのいくつかは
図10に示されている。したがって、本発明はさらに、第1のモノマーと第2のモノマー(例えば、IL−15/IL−15RαモノマーとPD−1 ABDモノマー)との間のpIの分離を促進するための荷電scFvリンカーを提供する。すなわち、正または負のいずれかの荷電scFvリンカー(または異なるモノマー上にscFvを使用する足場の場合は両方)を組み込むことによって、これは、Fcドメインをさらに変化させることなく、荷電リンカーを含むモノマーのpIを変えることを可能にする。これらの荷電リンカーは、標準的なリンカーを含む任意のscFv中に置換することができる。また、当業者には理解されるように、pIの所望の変化に従って、荷電scFvリンカーが正しい「鎖」またはモノマー上に使用される。例えば、本明細書で論じられるように、トリプルFフォーマットヘテロダイマー抗体を作製するために、所望の抗原結合ドメインのそれぞれについてのFv領域の元のpIが計算され、そしてscFvを作製するために1つが選択され、pIに応じて、正または負のリンカーのいずれかが選択される。
【0359】
荷電ドメインリンカーも同様に、本発明のモノマーのpI分離を増加させるために使用することができ、したがって、
図10に含まれるものは、リンカーが利用される、本明細書の任意の実施形態で使用することができる。
【0360】
一実施形態では、抗体は、それがpI工学などのヘテロダイマーを生成するように操作することができる少なくとも1つの定常ドメインを含む限り、抗体断片である。使用され得る他の抗体断片は、pI操作された本発明のCH1、CH2、CH3、ヒンジおよびCLドメインのうちの1つ以上を含む断片を含む。特に、
図65A〜65Kに示すフォーマットは、「二重特異性ヘテロダイマー融合タンパク質」と呼ばれるPD−1標的化ヘテロダイマーFc融合タンパク質であり、タンパク質が、ヘテロダイマーFcドメインに自己集合した少なくとも2つの関連Fc配列、およびFabとしてまたはscFvとしてであれ少なくとも1つのFv領域を有することを意味する。
【0361】
C.キメラおよびヒト化抗体
いくつかの実施形態では、本明細書の抗体は、異なる種由来の混合物、例えばキメラ抗体および/またはヒト化抗体に由来し得る。一般に、「キメラ抗体」と「ヒト化抗体」の両方は、2つ以上の種由来の領域を組み合わせる抗体を指す。例えば、「キメラ抗体」は伝統的に、マウス(または場合によってはラット)由来の可変領域(複数可)およびヒト由来の定常領域(複数可)を含む。「ヒト化抗体」は一般に、可変ドメインフレームワーク領域がヒト抗体に見出される配列でスワップされた、非ヒト抗体を指す。一般に、ヒト化抗体において、CDRを除く抗体全体は、ヒト由来のポリヌクレオチドによってコードされるか、またはそのCDR内を除いてそのような抗体と同一である。非ヒト生物を起源とする核酸によって一部またはすべてがコードされるCDRを、ヒト抗体可変領域のベータシートフレームワークにグラフティングして、その特異性がグラフティングされたCDRによって決定される抗体を作製する。そのような抗体の生成は、例えば、WO92/11018、Jones,1986,Nature321:522−525、Verhoeyen et al.,1988,Science 239:1534−1536に記載され、参照により全体が組み込まれる。選択されたアクセプターフレームワーク残基の、対応するドナー残基への「逆変異」が、最初の移植された構築物において失われた親和性を回復するためにしばしば必要とされる(US5530101、US5585089、US5693761、US5693762、US6180370、US5859205、US5821337、US6054297、US6407213、参照により全体が組み込まれる)。ヒト化抗体はまた、最適には、免疫グロブリン定常領域、典型的にはヒト免疫グロブリンの免疫グロブリン定常領域の少なくとも一部分、通常は全部を含み、したがって典型的にはヒトFc領域を含むであろう。ヒト化抗体はまた、遺伝子操作された免疫系を有するマウスを用いて生成され得る。Roque et al.,2004,Biotechnol.Prog.20:639−654、参照により全体が本明細書に組み込まれる。非ヒト抗体をヒト化および再形成するための様々な技法および方法は、当技術分野で周知である(参照により全体が組み込まれる、Tsurushita & Vasquez,2004,Humanization of Monoclonal Antibodies,Molecular Biology of B Cells,533−545,Elsevier Science(USA)、およびそこで引用される参考文献を参照されたい)。ヒト化方法には、Jones et al.,1986,Nature 321:522−525、Riechmann et al.,1988、Nature 332:323−329;Verhoeyen et al.,1988,Science,239:1534−1536、Queen et al.,1989,Proc Natl Acad Sci,USA 86:10029−33、He et al.,1998,J.Immunol.160:1029−1035、Carter et al.,1992,Proc Natl Acad Sci USA89:4285−9,Presta et al.,1997,Cancer Res.57(20):4593−9、Gorman et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA88:4181−4185、O’Connor et al.,1998,Protein Eng 11:321−8に記載される方法が含まれ、参照により全体が組み込まれる。ヒト化、または非ヒト抗体の可変領域の免疫原性を低下させる他の方法には、例えば、参照により全体が組み込まれるRoguska et al.,1994,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:969−973に記載されているような表面再構成法が含まれ得る。特定の実施形態では、本発明の抗体は、特定の生殖細胞系列重鎖免疫グロブリン遺伝子由来の重鎖可変領域および/または特定の生殖細胞系列軽鎖免疫グロブリン遺伝子由来の軽鎖可変領域を含む。例えば、そのような抗体は、特定の生殖細胞系列配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」重鎖または軽鎖可変領域を含むヒト抗体を含み得るかまたはそれからなり得る。ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖細胞系列免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することと、ヒト抗体の配列に最も近い配列である(すなわち、最も高い同一性%)ヒト生殖細胞系列免疫グロブリンを選択することとによって、そのようなものとして特定され得る。特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、例えば、天然に生じる体細胞変異または部位特異的変異の意図的導入に起因して、生殖細胞系列配列と比較してアミノ酸の相違を含み得る。しかしながら、ヒト化抗体は、典型的には、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも90%同一であり、他の種の生殖細胞系列免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、マウス生殖細胞系列配列)と比較したときに、抗体をヒト配列に由来するものとして特定するアミノ酸残基を含む。ある特定の場合には、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列において少なくとも95、96、97、98もしくは99%、または少なくとも96%、97%、98%、または99%までも同一であり得る。典型的には、特定のヒト生殖細胞系配列に由来するヒト化抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10〜20個以下のアミノ酸差しか示さない(本明細書中の任意のスキューバリアント、pIバリアント、および除去バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。ある特定の場合には、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とは5個以下、またはさらには4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸差しか示さない場合がある(同様に、本明細書における任意のスキューバリアント、pIバリアント、および除去バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。一実施形態では、親抗体は、当技術分野で既知のとおり、親和性成熟されたものである。構造に基づく方法が、例えば、US7,657,380に記載されているように、ヒト化および親和性成熟のために用いられ得る。Wu et al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162;Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684;Rosok et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618;Rader et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8910−8915;Krauss et al.,2003,Protein Engineering 16(10):753−759に記載される方法を含むがこれらに限定されない選択に基づく方法が抗体可変領域のヒト化および/または親和性成熟のために使用でき、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。他のヒト化方法は、CDRの部分のみを移植することを含んでもよく、これには、参照によりすべての内容が組み込まれる、USSN09/810,510、Tan et al.,2002,J.Immunol.169:1119−1125、De Pascalis et al.,2002,J.Immunol.169:3076−3084に記載される方法が含まれるがこれらに限定されない。
【0362】
VIII.本発明の有用な実施形態
当業者には理解され、以下でより詳細に説明するように、概して
図65A〜65Kに示すように、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fcヘテロダイマー融合タンパク質は、多種多様な立体配置をとることができる。例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列は、
図66、67、68、69A、69B、69C、70、71、72A、72B、73A、73B、74A、74B、75、76、126A〜126D、127A〜127D、および128A〜128Lに提示されている。
【0363】
本明細書で提供されるのは、scIL−15/Rα×FabフォーマットのPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:(a)N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、ヒト成熟IL−15バリアント、ドメインリンカー、およびCH2−CH3を含む第1のFcバリアントドメインを含む、第1のモノマー、(b)N末端からC末端に向けて、第2のモノマーのCH2−CH3が第2のFcバリアントドメインであるようなVH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖を含む第2のモノマー、(c)VHおよびVLがヒトPD−1に結合する抗原結合ドメインを形成するようなVL−CLを含む軽鎖。いくつかの実施形態では、VHおよびVLは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる対の群から選択される。いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインのVHおよびVLの配列は、
図93A〜93Sおよび
図94A〜94AP、ならびに対応する配列識別子に示されている。
【0364】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインは、配列番号4である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、配列番号2である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換N4D/N65Dを有する配列番号2である。特定の実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換D30N/N65Dを有する配列番号2である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有する配列番号2である。
【0365】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×Fabフォーマットの第1のFcバリアントドメインは、アミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、およびE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含み、第2のFcバリアントドメインは、アミノ酸置換S364K/E357Q、およびE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む。
【0366】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、N4D/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;CH2−CH3がアミノ酸置換S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインである、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖を含む第2のモノマー;ならびにVL−CLを含み、VHおよびVLが、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのものである軽鎖。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、VHおよびVLは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインは、配列識別子および対応する
図93A〜93Sおよび
図94A〜94APから明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0367】
他の実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、D30N/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;CH2−CH3がアミノ酸置換S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインである、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖を含む第2のモノマー;ならびにVL−CLを含み、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLが、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのものである軽鎖。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインは、配列識別子および対応する
図93A〜93Sおよび
図94A〜94APから明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0368】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、D30N/E64Q/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;CH2−CH3がアミノ酸置換S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインである、VH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3を含む重鎖を含む第2のモノマー;ならびにVL−CLを含み、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLが、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのものである軽鎖。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインは、配列識別子および対応する
図93A〜93Sおよび
図94A〜94APから明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0369】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×抗PD−1 Fabは、
図126A〜126D、
図127A〜127K、
図128A〜128L、ならびに配列表の対応する配列識別子および配列番号に示されている。
【0370】
本明細書で提供されるのは、scIL−15/Rα×scFvフォーマットのPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:(a)N末端からC末端に向けて、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、ヒト成熟IL−15バリアント、オプションのドメインリンカー、およびCH2−CH3を含む第1のFcバリアントドメインを含む、第1のモノマー、(b)N末端からC末端に向けて、scFvが可変重鎖ドメイン(VH)、scFvリンカー、および可変軽ドメイン(VL)を含むようにされた(例えば、場合によっては、scFvは、N末端からC末端に向けて、VH−scFvリンカー−VLを含むか、または他の場合において、scFvは、N末端からC末端に向けて、VL−scFvリンカー−VHを含む)ヒトPD−1に結合するscFvドメインを含む第2のモノマー、ならびに第2のFcバリアントドメイン。いくつかの実施形態では、VHおよびVLは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる対の群から選択される。いくつかの実施形態では、抗原結合ドメインのVHおよびVLの配列は、
図93A〜93Sおよび
図94A〜94AP、ならびに対応する配列識別子に示されている。
【0371】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15Rα(sushi)ドメインは、配列番号4である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、配列番号2である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換N4D/N65Dを有する配列番号2である。特定の実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換D30N/N65Dを有する配列番号2である。いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントは、アミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有する配列番号2である。
【0372】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα×scFvフォーマットの第1のFcバリアントドメインは、アミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、およびE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含み、第2のFcバリアントドメインは、アミノ酸置換C220S、S364K/E357Q、およびE233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む。
【0373】
特定の実施形態では、PD−1−標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、任意選択のドメインリンカー、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;抗PD−1 scFvならびにアミノ酸置換C220S、S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択の、M248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインを含む第2のモノマー。いくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのVHCDR1、VHCD2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3の配列を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインのCDRは、配列識別子から明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0374】
いくつかの実施形態では、PD−1−標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、N4D/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、任意選択のドメインリンカー、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;抗PD−1 scFVならびにアミノ酸置換C220S、S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインを含む第2のモノマー。いくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのVHCDR1、VHCD2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3の配列を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインのCDRは、配列識別子から明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0375】
いくつかの実施形態では、PD−1−標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、D30N/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、任意選択のドメインリンカー、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;抗PD−1 scFVならびにアミノ酸置換C220S、S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインを含む第2のモノマー。いくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのVHCDR1、VHCD2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3の配列を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインのCDRは、配列識別子から明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0376】
特定の実施形態では、PD−1−標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、以下を含む:N末端からC末端に向けて、配列番号4のヒトIL−15Rα(sushi)ドメイン、ドメインリンカー、D30N/E64Q/N65D置換を有する配列番号2のヒト成熟IL−15バリアント、任意選択のドメインリンカー、およびアミノ酸置換C220S、L368D/K370S、Q295E/N384D/Q418E/N421D、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第1のFcバリアントドメインを含む第1のモノマー;抗PD−1 scFv、ならびにアミノ酸置換C220S、S364K/E357Q、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、および任意選択のM248L/N434Sを含む第2のFcバリアントドメインを含む第2のモノマー。いくつかの実施形態では、抗PD−1 scFvは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3からのVHCDR1、VHCD2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3の配列を含む。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220からのものである。いくつかの実施形態では、CDRは、XENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からのものである。当業者から理解されるように、scFvの可変の重鎖ドメインおよび軽鎖ドメインのCDRは、配列識別子から明らかであるように、「対」でもたらされる。場合によっては、第1のFcバリアントドメインはCH2−CH3を含む。他の例では、第1のFcバリアントドメインは、ヒンジ−CH2−CH3を含む。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメイン(例えば、第1および/または第2のFcバリアントドメイン)は、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1、IgG2、およびIgG4のFcドメインからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Fcバリアントドメインは、ヒトIgG1のFcドメインからなる群から選択される。
【0377】
いくつかの実施形態では、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、患者、例えば、がんを有するヒト患者に投与される。
【0378】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、本発明の第1のモノマーをコードする核酸および本発明の第2のモノマーをコードする核酸を含む核酸組成物である。
【0379】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、本発明の第1のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、本発明の第2のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第1のモノマーをコードする核酸および第2のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載の発現ベクターのうちの1つ以上を含む。
【0380】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、本発明の第1のモノマーをコードする核酸、本発明の第2のモノマーをコードする核酸、および軽鎖をコードする核酸を含む核酸組成物であり、例えば、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、PD−1に結合できるようにされる。
【0381】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第1のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第2のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第1のモノマーをコードする核酸および第2のモノマーをコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、軽鎖をコードする核酸を含む発現ベクターであり、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のVHおよびVLは、PD−1に結合することができるようにされる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第1のモノマーをコードする核酸および軽鎖をコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第2のモノマーをコードする核酸および軽鎖をコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、第1のモノマーをコードする核酸、第2のモノマーをコードする核酸、および軽鎖をコードする核酸を含む発現ベクターである。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される1つ以上の発現ベクターを含む宿主細胞である。
【0382】
本明細書で提供されるのは、本明細書に概説されるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のいずれか1つを作製する方法であって、細胞がPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を発現するような細胞培養条件下などの条件下で宿主細胞を培養することと、融合タンパク質を回収することとを含む、方法である。
【0383】
本明細書で提供されるのは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を患者に投与することを含む、患者のがんを治療する方法である。
【0384】
IX.本発明の他の実施形態
当業者には理解され、以下でより詳細に説明するように、概して
図65A〜65Kに示すように、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fcヘテロダイマー融合タンパク質は、多種多様な立体配置をとることができる。例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のアミノ酸配列は、
図66、67、68、69A、69B、69C、70、71、72A、72B、73A、73B、74A、74B、75、76、126A〜126D、127A〜127D、および128A〜128Lに提示されている。
【0385】
本発明は、融合タンパク質と抗体融合タンパク質とを含むPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を提供する。融合タンパク質は、第1のタンパク質ドメイン、第2のタンパク質ドメイン、および第1のFcドメインを含む。いくつかの場合では、第1のタンパク質ドメインが第1のドメインリンカーを用いて第2タンパク質ドメインのN末端に共有結合し、第2のタンパク質ドメインが第2のドメインリンカーを用いて第1のFcドメインのN末端に共有結合し、第1のタンパク質ドメインがIL−15Rαタンパク質を含み、第2のタンパク質ドメインがIL−15タンパク質を含む。抗体融合タンパク質はPD−1抗原結合ドメインおよび第2のFcドメインを含み、PD−1抗原結合ドメインが第2のFcドメインのN末端に共有結合し、PD−1抗原結合ドメインが単鎖可変断片(scFv)またはFab断片である。いくつかの実施形態では、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、L368D/K370S:S364K/E357Q、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有する。いくつかの例では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含む追加の一組のアミノ酸置換を有する。いくつかの場合では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327GおよびE233P/L234V/L235A/G236delからなる追加の一組のアミノ酸置換を有する。
【0386】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、全長ヒトIL−15および成熟ヒトIL−15からなる群から選択されるポリペプチド配列を有し、IL−15Rαタンパク質は、全長ヒトIL−15RαおよびヒトIL−15Rαのsushiドメインからなる群から選択されるポリペプチド配列を有する。Fc融合タンパク質のIL−15タンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個のアミノ酸置換を有することができる。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質はアミノ酸置換N4Dを有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、アミノ酸置換N65Dを有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、N4D/N65Dのアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、アミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有する。IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質が、それぞれ、E87C:D96/P97/C98、E87C:D96/C97/A98、V49C:S40C、L52C:S40C、E89C:K34C、Q48C:G38C、E53C:L42C、C42S:A37C、およびL45C:A37Cからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し得る。
【0387】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質ドメインは、第1のドメインリンカーを用いずに第1のFcドメインのN末端に直接共有結合し、および/または、第2のタンパク質ドメインは、第2のドメインリンカーを用いずに第2のFcドメインのN末端に直接共有結合する。
【0388】
いくつかの実施形態では、PD−1抗原結合ドメインのVHおよびVLは、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる対の群から選択される。いくつかの実施形態では、PD−1抗原結合ドメインのVHCDR1、VHCD2、VHCDR3、VLCDR1、VLCDR2、およびVLCDR3は、XENP22553からの1C11[PD−1]_H3L3、XENP25806からの1C11[PD−1]_H3.234_L3.144、XENP25812からの1C11[PD−1]_H3.240_L3.148、XENP25813からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.148、XENP25819からの1C11[PD−1]_H3.241_L3.92、XENP26940からの1C11[PD−1]_H3.303_L3.152、XENP28026からの1C11[PD−1]_H3.329_L3.220、およびXENP28652からの1C11[PD−1]_H3.328_L3.152からなる群のCDRから選択される。いくつかの実施形態では、VHCDR1、VHCD2、およびVHCDR3の配列は、
図95A〜95Jに示される配列、および対応する配列識別子から選択される。いくつかの実施形態では、VHCDR1、VHCD2、およびVHCDR3の配列は、
図96A〜96Fに示される配列、および対応する配列識別子から選択される。
【0389】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のN末端に融合される可変長リンカーによってIL−15タンパク質に融合されたIL−15Rα(sushi)タンパク質、ならびにヘテロダイマーFcポリペプチドの第2のFcドメインのN末端に融合した抗PD−1 scFvを含む(「scIL−15/Rα×scFv」フォーマットおよび
図65Aを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はXENP21480である。特定の例において、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、各Fcモノマーにアミノ酸置換M428L/N434Sを含むXENP21480のバリアントである。
【0390】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のN末端に融合される可変長リンカーによってIL−15タンパク質に融合されたIL−15Rα(sushi)タンパク質、ならびにヘテロダイマーFcポリペプチドの第2のFcドメインのN末端に融合した抗PD−1抗体の可変重鎖(VH)を含む。抗PD−1抗体の対応する可変軽鎖(VL)は別々にトランスフェクトされ(例えば、導入され)、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したVHと抗PD−1 Fabを形成する(「scIL−15/Rα×Fab」フォーマットおよび
図65Dを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15 /Rα−Fc融合タンパク質は、XENP22022、XENP25849、XENP24535、XENP24536、XENP25850、およびXENP25937からなる群から選択される。
【0391】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のFcドメインのN末端に融合された抗PD−1抗体の可変重鎖(VH)、ならびにヘテロダイマーFcの第2のFcドメインのN末端に融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質を含む。抗PD−1抗体の対応する可変軽鎖(VL)は別々にトランスフェクトすることができ、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したVHとFabを形成する。IL−15タンパク質は別々にトランスフェクト(例えば、導入)することができ、非共有結合のIL−15/Rα複合体は、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質と形成される(「Fab×ncIL−15/Rα」フォーマットおよび
図65Eを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はXENP22112からなる群から選択される。
【0392】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のFcドメインのN末端に融合された抗PD−1抗体の可変重鎖(VH)、ならびにヘテロダイマーFcの第2のFcドメインのN末端に融合した、1つ以上の操作されたシステイン置換を含むIL−15Rα(sushi)タンパク質を含む。抗PD−1抗体の対応する可変軽鎖(VL)は別々にトランスフェクト(例えば、導入)することができ、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したVHとFabを形成する。1つ以上の操作されたシステイン置換を含むIL−15タンパク質は、別々にトランスフェクト(例えば、導入)することができ、IL−15/Rα複合体は、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質とのジスルフィド結合を介して形成される(「dsIL−15/Rα×Fab」フォーマットおよび
図65Fを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はXENP22641からなる群から選択される。
【0393】
特定の実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のFcドメインのN末端に融合された抗PD−1抗体の第1の可変重鎖(VH)、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第2のFcドメインのN末端に融合した抗PD−1抗体の第2の可変重鎖(VH)、およびヘテロダイマーFc領域の第1のFcドメインまたは第2のFcドメインのいずれかのC末端に融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質を含む。抗PD−1抗体の対応する可変軽鎖(VL)をトランスフェクト(例えば、導入)して、ヘテロダイマーFcポリペプチドの抗PD−1抗体の第1の可変重鎖(VH)とともに第1のFabを、およびヘテロダイマーFcポリペプチドの抗PD−1抗体の第2の可変重鎖(VH)とともに第2のFabを形成することができる。IL−15タンパク質は別々にトランスフェクト(例えば、導入)することができ、非共有結合のIL−15/Rα複合体は、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質と形成される(「mAb×ncIL−15/Rα」フォーマットおよび
図65Hを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はXENP22642およびXENP22643からなる群から選択される。
【0394】
特定の実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第1のFcドメインのN末端に融合された抗PD−1抗体の第1の可変重鎖(VH)、ヘテロダイマーFcポリペプチドの第2のFcドメインのN末端に融合した抗PD−1抗体の第2の可変重鎖(VH)、およびヘテロダイマーFc領域の第1のFcドメインまたは第2のFcドメインのいずれかのC末端に融合した、1つ以上の操作されたシステイン置換を含むIL−15Rα(sushi)タンパク質を含む。抗PD−1抗体の対応する可変軽鎖(VL)をトランスフェクト(例えば、導入)して、ヘテロダイマーFcポリペプチドの抗PD−1抗体の第1の可変重鎖(VH)とともに第1のFabを、およびヘテロダイマーFcポリペプチドの抗PD−1抗体の第2の可変重鎖(VH)とともに第2のFabを形成することができる。1つ以上の操作されたシステイン置換を含むIL−15タンパク質は、別々にトランスフェクト(例えば、導入)することができ、IL−15/Rα複合体は、ヘテロダイマーFcポリペプチドに融合したIL−15Rα(sushi)タンパク質とのジスルフィド結合を介して形成される(「mAb×dsIL−15/Rα」フォーマットおよび
図65Hを参照されたい)。場合によっては、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はXENP22644およびXENP22645からなる群から選択される。
【0395】
本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質をコードする核酸組成物も提供される。いくつかの例において、発現ベクターは本明細書に記載の1つ以上の核酸組成物を含む。いくつかの実施形態では、本明細書で概説した1つまたは2つの発現ベクターを含む宿主細胞が提供される。
【0396】
本明細書で提供されるのは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のPD−1標的化アームとして使用することができるPD−1抗原結合ドメイン(PD−1 ADB)または抗PD−1抗体の例示的な実施形態である(例えば、実施例1を参照されたい)。
【0397】
本明細書で提供されるのは、IL−15タンパク質の1つ以上の操作されたアミノ酸置換を有するPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はまた、IL−15/Rαインターフェースでの1つ以上の操作されたシステイン修飾を含む(例えば、実施例2を参照されたい)。このようなPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、NK細胞、CD8
+T細胞、およびCD4
+T細胞を含む免疫細胞の増殖を誘導または促進することができる。特に、IL−15Fc側にリンカーを持たない(例えば、ヒンジ領域のみ)融合タンパク質を含むIL−15/Rα−Fcは、より弱い増殖活性を示した。
【0398】
本明細書で提供されるのは、より低い効力、増加した薬物動態、および/または増加した血清半減期を有するPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質である。本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、親構築物と比較してそれらの効力を低下させるように操作された(実施例2および
図44A〜44C、45A〜45D、47A〜47B、51A〜51C、52、53A〜53Cなどであるがこれらに限定されない図を参照されたい)。いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換は、IL−15/Rα複合体および/またはヘテロダイマーFc融合タンパク質のFcドメイン(複数可)に導入された。いくつかの実施形態では、対照構築物(例えば、親構築物)と比較して効力が低下したPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、実質的により長い血清半様を有する。特定の実施形態では、血清半減期は、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、25倍またはそれ以上増加した。
【0399】
本明細書で提供されるのは、対照の効力を低下させるように設計されたscIL−15/Rα−FcヘテロダイマーFc融合タンパク質と抗PD−1抗体の組み合わせ療法と比較して動物モデル(例えば、ヒトPBMC移植NSGマウス)においてGVHDを増強したPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質である。例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の投与は、IL−15およびPD−1遮断の組み合わせと比較してより大きな効果をもたらした。
【0400】
本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、活性化リンパ球、活性化T細胞(例えば、活性化CD4+T細胞および活性化CD8+細胞)、および活性化腫瘍浸潤リンパ球を含むがこれらに限定されない免疫細胞においてSTAT5リン酸化を誘導することができる。
【0401】
いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質は、XENP22022、XENP25849、XENP24535、XENP24536、XENP25850、およびXENP25937からなる群から選択される。特定の実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP25850およびXENP25937からなる群から選択される。
【0402】
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、XENP22022、XENP25849、XENP24535、XENP24536、XENP25850、およびXENP25937からなる群から選択されるPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物である。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質は、XENP25850およびXENP25937からなる群から選択される。
【0403】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質のうちのいずれか1つと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物である。
【0404】
いくつかの態様では、本明細書で提供されるのは、がんの治療を必要とする患者においてがんを治療する方法であって、治療有効量の、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質のいずれか1つ、または本明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを上記患者に投与することを含む、方法である。
【0405】
いくつかの実施形態では、この方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。特定の実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、またはピジリズマブである。特定の実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはダルバルマブである。
【0406】
X.本発明の核酸
本発明はさらに、本発明のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質をコードする核酸組成物(または、モノマーFcドメインタンパク質の場合はそれらをコードする核酸)も提供する。
【0407】
当業者には理解されるように、核酸組成物はPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質のフォーマットに依存するだろう。したがって、例えば、フォーマットが3つのアミノ酸配列を必要とするとき、3つの核酸配列を発現のために1つ以上の発現ベクターに組み込むことができる。同様に、いくつかのフォーマットは2つの核酸のみを必要とし、同様に、それらを1つまたは2つの発現ベクターに組み込むことができる。
【0408】
当該技術分野において既知であるように、本発明の構成要素をコードする核酸は、当該技術分野において既知であるように、そして本発明のPD−1標的化IL−15/Rα Fc融合タンパク質を産生するために使用される宿主細胞に応じた発現ベクターに組み込まれ得る。一般に、核酸は任意の数の調節エレメント(プロモーター、複製起点、選択可能マーカー、リボソーム結合部位、インデューサーなど)に作動可能に連結されている。発現ベクターは、染色体外ベクターまたは組み込みベクターであり得る。
【0409】
次いで、本発明の核酸および/または発現ベクターを、哺乳動物細胞、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞および/または真菌細胞を含む当該技術分野で周知の任意の数の異なる種類の宿主細胞に形質転換するが、哺乳動物細胞(例えばCHO細胞)が、多くの実施形態において使用される。
【0410】
いくつかの実施形態では、各モノマー、またはPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の構成要素をコードする核酸は、フォーマットに応じて適用可能なように、それぞれ一般に異なるまたは同じプロモーター制御下で単一の発現ベクター内に含まれる。本発明において特に使用される実施形態では、これら2つまたは3つの核酸の各々は異なる発現ベクターに含まれる。
【0411】
本発明のPD−1標的化IL−15/RαヘテロダイマーFc融合タンパク質は、当該技術分野において周知のように、発現ベクター(複数可)を含む宿主細胞を培養することによって作製される。一旦製造されると、イオン交換クロマトグラフィーステップを含む従来の融合タンパク質または抗体精製ステップが実施される。本明細書で論じるように、2つのモノマーのpIが少なくとも0.5だけ異なることは、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に感受性の他の方法による分離を可能にし得る。すなわち、各モノマー異なるpIを有し、かつヘテロダイマーも異なるpIを有するようになるように各モノマーの等電点(pI)を変化させるpI置換を含むことによって、ヘテロダイマーの等電点精製(例えば、陰イオン交換カラム、陽イオン交換カラム)を促進する。これらの置換はまた、精製後の任意の混入したホモダイマーの特定およびモニタリングにも役立つ(例えば、IEFゲル、cIEF、および分析用IEXカラム)。
【0412】
XI.PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の生物学的および生化学的機能性
一般に、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、がんを有する患者に投与され、そして有効性は、本明細書中に記載されるようないくつかの方法で評価される。このため、がん量、腫瘍のサイズ、転移の存在または程度の評価などの、有効性の標準的なアッセイを実行し得るが、免疫腫瘍学的治療もまた免疫状態評価に基づいて評価され得る。これは、インビトロアッセイおよびインビボアッセイの両方を含むいくつかの方法で行うことができる。例えば、腫瘍量、サイズ、侵襲性、LN関与、転移などといった「古典的な」測定と併せて、免疫状態(例えば、ipi治療後のICOS+CD4+T細胞の存在)の変化の評価を実施することができる。このため、以下のいずれかまたは全てを評価することができる:CD4
+T細胞活性化もしくは増殖、CD8
+T(CTL)細胞活性化もしくは増殖、CD8
+T細胞媒介性細胞傷害性活性および/もしくはCTL媒介性細胞枯渇、NK細胞活性およびNK媒介性細胞枯渇に対するPVRIGの阻害効果、Treg細胞分化および増殖ならびにTreg細胞もしくは骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)媒介性免疫抑制もしくは免疫耐性に対するPVRIGの増強効果、ならびに/または免疫細胞による炎症性サイトカイン産生、例えば、T細胞もしくは他の免疫細胞によるIL−2、IFN−γもしくはTNF−α産生に対するPVRIGの影響。
【0413】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、例えば、CFSE希釈法、免疫エフェクター細胞のKi67細胞内染色、および
3H−チミジン取り込み法を使用して、免疫細胞増殖を評価することによって実施される。
【0414】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、CD25、CD69、CD137、ICOS、PD1、GITR、OX40、およびCD107Aの表面発現によって測定される細胞脱顆粒のうちの1つ以上を含む、遺伝子発現の増加または活性化関連マーカーの増加したタンパク質レベルを評価することによって行われる。
【0415】
一般に、遺伝子発現アッセイは、当該技術分野で既知であるように行われる。
【0416】
一般に、タンパク質発現測定も同様に、当該技術分野で知られているように実施される。
【0417】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、酵素活性(プロテアーゼ活性を含む)、細胞膜透過性、細胞接着、ATP産生、補酵素産生、およびヌクレオチド取り込み活性などの多数の細胞パラメータを推測することを通した標的細胞生存検出によって測定される細胞傷害性活性を評価することによって行なわれる。これらのアッセイの具体的な例としては、トリパンブルーまたはPI染色、
51Crまたは
35S放出法、LDH活性、MTTおよび/またはWSTアッセイ、カルセイン−AMアッセイ、発光系アッセイ、ならびに他のものが含まれるが、これらに限定されない。
【0418】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、サイトカイン産生によって測定されるT細胞活性を評価することによって行われ、周知の技法を使用して、IFNγ、TNFα、GM−CSF、IL2、IL6、IL4、IL5、IL10、IL13を含むがこれらに限定されないサイトカインを使用して、培養上清液中で細胞内のいずれかで測定する。
【0419】
したがって、治療の評価は、以下のうちの1つ以上を評価するアッセイを使用して行うことができる:(i)免疫応答を増加させる、(ii)αβおよび/またはγδ T細胞の活性化を増加させる、(iii)細胞傷害性T細胞活性を増加させる、(iv)NKおよび/またはNKT細胞活性を増加させる、(v)αβおよび/またはγδ T細胞抑制を軽減させる、(vi)炎症促進性サイトカイン分泌を増加させる、(vii)IL−2分泌を増加させる;(viii)インターフェロン−γ産生を増加させる、(ix)Th1応答を増加させる、(x)Th2応答を減少させる、(xi)調節T細胞(Treg)の少なくとも1つの細胞数および/または活性化を減少させるかまたは排除する。
【0420】
A. 有効性を測定するためのアッセイ
いくつかの実施形態では、T細胞活性化は、当該技術分野において既知のように、混合リンパ球反応(MLR)アッセイを使用して評価される。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0421】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、異なる因子のリン酸化または脱リン酸化によって、または他の翻訳後修飾を測定することによって測定される、免疫応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0422】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD−1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞の活性化の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0423】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、がん細胞のような標的細胞の直接的な殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD−1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、細胞傷害性T細胞活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0424】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、がん細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、またはCD107aなどの例のような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、NKおよび/またはNKT細胞活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0425】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD−1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞抑制の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0426】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはマルチプレックスビーズ系方法によって、または細胞内染色およびFACS分析によって、またはAlispotなどによって測定される、炎症促進性サイトカイン分泌の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0427】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはMultiplexビーズに基づく方法によって、または細胞内染色およびFACS解析によって、またはAlispotなどによって測定されるIL−2分泌の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0428】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはMultiplexビーズ系方法によって、または細胞内染色およびFACS解析によって、またはAlispotなどによって測定されるインターフェロン−γ産生の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0429】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th1応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0430】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th2応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0431】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される調節性T細胞(Treg)のうちの少なくとも1つの細胞数および/または活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0432】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される、M2マクロファージ細胞数の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0433】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、M2マクロファージ腫瘍形成促進活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0434】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される、N2好中球増加の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0435】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定されるN2好中球腫瘍形成促進活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0436】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1等のような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、T細胞活性化の阻害の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0437】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、標的細胞、例えばがん細胞の直接的な殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1等のような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、CTL活性化の阻害の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0438】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞枯渇の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説する増加の場合と同じである。
【0439】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、またはCD137、CD107a、PD1などの例のような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0440】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD45RA、CCR7などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、抗原特異的メモリー応答の刺激の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。。
【0441】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えばCFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリー系アッセイによって測定される、がん細胞のアポトーシスまたは溶解の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0442】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えばCFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、がん細胞の細胞傷害性または細胞増殖抑制性の効果の刺激の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0443】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えばCFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリー系アッセイによって測定される、がん細胞の直接殺傷の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0444】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイ測定は、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th17活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0445】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えばCFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、補体依存性細胞傷害性および/または抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性の誘導の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0446】
一実施形態では、T細胞活性化は、例えば、がん細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、またはCD137、CD107a、PD1などの例のような活性化マーカーの発現の変化によって測定される。T細胞については、増殖、活性化の細胞表面マーカー(例えば、CD25、CD69、CD137、PD1)、細胞傷害性(標的細胞を殺傷する能力)、およびサイトカイン産生(例えば、IL−2、IL−4、IL−6、IFNγ、TNF−a、IL−10、IL−17A)の増加が、がん細胞殺傷の増強と一致する免疫調節を示し得る。
【0447】
一実施形態では、NK細胞活性化は、例えば、標的細胞、例えばがん細胞の直接的な殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または例えばCD107aなどのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される。NK細胞については、増殖、細胞傷害性(標的細胞を殺傷し、CD107a、グランザイム、およびパーフォリン発現を増加させる能力)、サイトカイン産生(例えば、IFNγおよびTNF)、および細胞表面受容体発現(例えば、CD25)の増加が、がん細胞の強化された殺傷と一致する免疫調節の指標となり得る。
【0448】
一実施形態では、γδ T細胞活性化は、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される。
【0449】
一実施形態では、Th1細胞活性化は、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される。
【0450】
活性または応答の適切な増加(または減少、上で概説したように適切なもの)は、基準試料または対照試料のいずれか、例えば、本発明の抗PVRIG抗体を含まない試験試料におけるシグナルと比べて、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98〜99%パーセントの増加である。同様に、参照対象または対照試料と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍または5倍の増加が有効性を示す。
【0451】
XII.チェックポイント遮断抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、PD−1阻害剤、TIM3阻害剤、CTLA4阻害剤、PD−L1阻害剤、TIGIT阻害剤、LAG3阻害剤、またはそれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されないチェックポイント遮断抗体を含む他の治療薬と組み合わされる。
【0452】
A.抗PD1抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、チェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD−1抗体と組み合わせて、がんを有する対象に投与することができる。場合によっては、抗PD−1抗体にはXENP13432(エフェクター機能が除去されたニボルマブに基づく二価の抗PD−1mAbが含まれる。XENP13432のアミノ酸配列を
図86に示す。その他の場合、抗PD−1抗体にはXENP25951(XENP25850からのPD−1標的化アームに基づく一価の抗PD−1Fab−Fc、XENP25951のアミノ酸配列を
図87に示す)が含まれる。
【0453】
例示的な非限定的な抗PD−1抗体分子は、参照によりその全体が組み込まれる、「Antibody Molecules to PD−1 and Uses Thereof」という名称の、2015年7月30日に公開されたUS2015/0210769に開示されている。
【0454】
一実施形態では、抗PD−1抗体分子は、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、またはその両方を含み、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−D、またはBAP049−Clone−Eのアミノ酸配列、US2015/0210769の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているようなもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一)の配列を含む。抗PD−1抗体分子は、任意選択で、US2015/0210769の表4に示されているように、重鎖、軽鎖、またはその両方からのリーダー配列、またはそれと実質的に同一の配列を含む。
【0455】
さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−Clone−A、BAP049−Clone−B、BAP049−Clone−C、BAP049−Clone−D、またはBAP049−Clone−Eのいずれかから選択される抗体;または表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)の配列の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0456】
さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、US 2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0457】
さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、US 2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。特定の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。一実施形態では、抗PD−1抗体分子は、軽鎖可変領域の位置102での軽鎖CDR3の置換、例えば、システインからチロシンへの置換、または表1による軽鎖可変領域(例えば、マウスまたはキメラの場合は配列番号16または24、未修飾;または改変された配列の場合は、配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74、または78のいずれか)の位置102でのシステインからセリン残基への置換を含む。
【0458】
別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、US2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1のヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0459】
一実施形態では、抗PD−1抗体分子は以下を含む:
【0460】
(a)配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々はUS2015/0210769の表1に開示されている、
【0461】
(b)配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0210769の表1に開示されている、
【0462】
(c)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0210769の表1に開示されている、または
【0463】
(a)配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0210769の表1に開示されている。
【0464】
別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2または配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);および(ii)配列番号10または配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11または配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32または配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々はUS2015/0210769の表1に開示されている。
【0465】
他の実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、またはピジリズマブから選択される抗PD−1抗体である。
【0466】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体はニボルマブである。ニボルマブの別名には、MDX−1106、MDX−1106−04、ONO−4538、またはBMS−936558が含まれる。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4)である。ニボルマブは、PD1を特異的にブロックする完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD1に特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、US8,008,449およびWO2006/121168に開示されている。一実施形態では、PD−1の阻害剤はニボルマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列)を有する。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブは(ランブロリズマブ、MK−3475、MK03475、SCH−900475、またはKEYTRUDA(登録商標)と呼ばれる;Merck)は、PD−1に結合するヒト化IgG4のモノクローナル抗体である。ペンブロリズマブおよび他のヒト化抗PD−1抗体は、Hamid,O.et al.(2013)New England Journal of Medicine 369 (2):134−44、US8,354,509、およびWO2009/114335に開示されている。
【0467】
一実施形態では、PD−1の阻害剤は、例えば、US8,354,509およびWO2009/114335に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一の配列)を有する。
【0468】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ピジリズマブである。ピジリズマブ(CT−011、Cure Tech)は、PD1に結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピジリズマブおよび他のヒト化抗PD−1モノクローナル抗体は、US8,747,847およびWO2009/101611に開示されている。
【0469】
他の抗PD1抗体には、とりわけ、AMP514(Amplimmune)、例えば、US8,609,089、US2010/028330、および/またはUS2012/0114649に開示されている抗PD1抗体が含まれる。
【0470】
いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合されたPD−L1またはPD−L2の細胞外またはPD−1結合部分を含む免疫アドヘシン)である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、AMP−224(B7−DCIg;Amplimmune;例えば、WO2010/027827およびWO2011/066342に開示される)であり、PD−1とB7−H1の間の相互作用を遮断するPD−L2 Fc融合可溶性受容体である。
【0471】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。現在FDAが承認している2つの抗体、ペンブロリズマブとニボリズマブを含むがこれらに限定されないいくつかの抗PD−1抗体、およびチスレリズマブ、Sym021、REGN2810(Rengeneronによって開発)、JNJ−63723283(J and Jによって開発)、SHR−1210、ピジリズマブ、AMP−224、MEDIo680、PDR001、およびCT−001、ならびに参照により明示的に組み込まれる、Liu et al.,J.Hemat.&Oncol.2017)10:136に概説される他のものを含むがこれらに限定されない、現在臨床試験中のものが存在する。
【0472】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0473】
B.抗TIM3抗体
例示的な非限定的な抗TIM−3抗体分子は、参照によりその全体が組み込まれる、「Antibody Molecules to TIM−3 and Uses Thereof」という名称の、2015年8月6日に公開されたUS2015/0218274に開示されている。
【0474】
一実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、またはその両方を含み、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23のアミノ酸配列、US2015/0218274の表1〜4に記載されているか、または表1〜4のヌクレオチド配列によってコードされているようなもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一)の配列を含む。抗TIM−3抗体分子は、任意選択で、US2015/0218274に示されているように、重鎖、軽鎖、またはその両方からのリーダー配列、またはそれと実質的に同一の配列を含む。
【0475】
さらに別の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、本明細書に記載の抗体、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23のいずれかから選択される抗体;またはUS2015/0218274の表1〜4に記載されているか、または表1〜4のヌクレオチド配列によってコードされているもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)の配列の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0476】
さらに別の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1〜4に示されるかまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0477】
さらに別の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1〜4に示されるかまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。特定の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0478】
別の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1〜4に示されるかまたは表1〜4に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0479】
一実施形態では、抗TIM−3抗体分子は以下を含む:
(a)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号10のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むを含む重鎖可変領域(VH);ならびに、配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々は、US2015/0218274の表1〜4に開示されている、
(b)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号4のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、
(c)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号25のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、
(d)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号24のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、
(e)配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号31のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、または
(f)配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号30のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH;配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL、この各々はUS2015/0218274の表1〜4に開示されている。
【0480】
例示的な抗TIM−3抗体は、米国特許出願第8,552,156号、WO2011/155607、EP2581113、および米国特許出願公開第2014/044728号に開示されている。
【0481】
いくつかの実施形態では、抗TIM−3抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。MBG453およびTSR−022を含むがこれらに限定されない、臨床開発中のいくつかのTIM−3抗体がある。
【0482】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、TIM−3阻害剤(例えば、抗TIM3抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のTIM3標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0483】
C.抗CTLA4抗体
例示的な抗CTLA4抗体には、トレメリムマブ(Pfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体、以前はチシリムマブ、CP−675,206として知られていた)、およびdim(CTLA−4抗体、MDX−010、CAS番号477202−00−9としても知られている)が含まれる。他の例示的な抗CTLA−4抗体は、例えば、米国特許第5,811,097号に開示されている。
【0484】
一実施形態では、抗CTLA4抗体は、例えば、米国特許第5,811,097号、米国特許第7,605,238号、WO00/32231、およびWO97/20574に開示されるイピリムマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0485】
一実施形態では、抗CTLA4抗体は、例えば、US6,682,736およびWO00/37504に開示されるトレメリムマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0486】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に概説されるような組み合わせ療法で使用するのに適した抗CTLA−4抗体には、現在FDAが承認した抗体イピリムマブが、およびCP−675,206およびAGEN−1884を含むさらにいくつかのものが含まれるが、これらに限定されない。
【0487】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のCTLA−4標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CTLA−4阻害剤(例えば、抗PD−1抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のCTLA−4標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0488】
D.抗PD−L1抗体
例示的な非限定的な抗PD−L1抗体分子は、参照によりその全体が組み込まれる、「Antibody Molecules to PD−L1 and Uses Thereof」という名称の、2016年4月21日に公開されたUS2016/0108123に開示されている。
【0489】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、またはその両方を含み、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−Clone−K、BAP058−Clone−L、BAP058−Clone−M、BAP058−Clone−N、またはBAP058−Clone−Oのアミノ酸配列、US2016/0108123の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているようなもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一の配列(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%、またはそれ以上同一)の配列を含む。
【0490】
さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、本明細書に記載の抗体、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−Clone−K、BAP058−Clone−L、BAP058−Clone−M、BAP058−Clone−N、またはBAP058−Clone−Oのいずれかから選択される抗体;またはUS2016/0108123の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているもの、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)の配列の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0491】
さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0492】
さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。特定の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0493】
別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、表1に示されるか、またはUS2016/0108123の表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0494】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は以下を含む:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、この各々は、US2016/0108123の表1に開示されている、
(ii)配列番号9のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号10のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号11のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々は、US2016/0108123の表1に開示されている。
【0495】
別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は以下を含む:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、この各々は、US2016/0108123の表1に開示されている、
(ii)配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々は、US2016/0108123の表1に開示されている。
【0496】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、配列番号195のVHCDR1アミノ酸配列を含み、この各々は、US2016/0108123の表1に開示されている。
【0497】
いくつかの実施形態では、PD−L1阻害剤は抗体分子である。いくつかの実施形態では、抗PD−L1阻害剤は、YW243.55.S70、MPDL3280A、MEDI−4736、MSB−0010718C、MDX−1105、アテゾリズマブ、ダルバルマブ、アベルマブ、またはBMS936559から選択される。
【0498】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブである。アテゾリズマブ(MPDL3280AおよびAtezo(登録商標);Rocheとも呼ばれる)は、PD−L1に結合するモノクローナル抗体である。アテゾリズマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体はUS8,217,149に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0499】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体はアベルマブである。アベルマブ(A09−246−2;Merck Seronoとも呼ばれる)は、PD−L1に結合するモノクローナル抗体である。アベルマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体は、US9,324,298およびWO2013/079174に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0500】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、デュルバルマブである。デュルバルマブ(MEDI4736;AstraZenecaとも呼ばれる)は、PD−L1に結合するモノクローナル抗体である。デュルバルマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体はUS8,779,108に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0501】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、BMS−936559である。BMS−936559(MDX−1105;BMSとも呼ばれる)は、PD−L1に結合するモノクローナル抗体である。BMS−936559および他のヒト化抗PD−L1抗体は、US7,943,743およびWO2007/005874に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0502】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。現在FDAが承認している3つの抗体、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、およびLY33000054とCS1001を含むがこれらに限定されない現在臨床試験中の抗体、ならびにLiu et al.,J.Hemat.& Oncol.(2017)10:136に概説されるいくつかの抗PD−L1抗体が存在し、その中の抗体は、参照により明示的に組み込まれる。
【0503】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−L1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、PD−L1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のPD−L1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0504】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、PD−L1またはPD−L2阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体)と組み合わせて使用することができる。
【0505】
E.抗TIGIT抗体
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体はOMP−313M32である。OMP−313M32(OncoMed Pharmaceuticals)は、TIGITに結合するモノクローナル抗体である。OMP−313M32および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2016/0376365およびWO2016/191643に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0506】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体はBMS−986207である。BMS−986207(ONO−4686;Bristol−Myers Squibbとも呼ばれる)は、TIGITに結合するモノクローナル抗体である。BMS−986207および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2016/0176963およびWO2016/106302に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0507】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体はMTIG7192である。MTIG7192(Genentech)は、TIGITに結合するモノクローナル抗体である。MTIG7192および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2017/088613、WO2017/053748およびWO2016/011264に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0508】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。臨床開発中のいくつかのTIGIT抗体、BMS−986207、OMP−313M32、およびMTIG7192Aがある。
【0509】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、TIGIT阻害剤(例えば、抗TIGIT抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗TIGIT抗体と組み合わせて投与される。
【0510】
F.抗LAG−3抗体
例示的な非限定的な抗LAG−3抗体分子は、参照によりその全体が組み込まれる、「Antibody Molecules to LAG−3 and Uses Thereof」という名称の、2015年9月17日に公開されたUS2015/0259420に開示されている。
【0511】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−Ser、またはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−Clone−F、BAP050−Clone−G、BAP050−Clone−H、BAP050−Clone−I、またはBAP050−Clone−J、またはUS2015/0259420の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているか、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)の配列のうちの任意のアミノ酸配列を含む、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意選択で定常領域を含む)、またはその両方を含む。
【0512】
さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、例えば、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−Ser、またはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−Clone−F、BAP050−Clone−G、BAP050−Clone−H、BAP050−Clone−I、またはBAP050−Clone−J、またはUS2015/0259420の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているか、または、前述の配列のいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%またはそれ以上同一)の配列のうちの任意のアミノ酸配列の、本明細書に記載の抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つの相補性決定領域(CDR)を含む。
【0513】
さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、US 2015/0259420の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0514】
さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420の表1に示されるか、または表1に示すヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。特定の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0515】
別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、表1に示されるか、またはUS2015/0259420の表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのCDR(または集合的に全てのCDR)を含む。一実施形態では、1つ以上のCDR(または集合的に全てのCDR)は、表1に示されるかまたは表1に示すヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0516】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は以下を含む:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、この各々は、US2015/0259420の表1に開示されている、
(ii)配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号12のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々は、US2015/0259420の表1に開示されている。
【0517】
別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は以下を含む:
(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、この各々は、US2015/0259420の表1に開示されている、
(ii)配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号15のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)、この各々は、US2015/0259420の表1に開示されている。
【0518】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、配列番号286のVHCDR1アミノ酸配列を含み、この各々は、US2015/0259420の表1に開示されている。
【0519】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3抗体は、BMS−986016である。BMS−986016(BMS986016;Bristol−Myers Squibbとも呼ばれる)は、LAG−3に結合するモノクローナル抗体である。BMS−986016および他のヒト化抗LAG−3抗体は、US2011/0150892、WO2010/019570、およびWO2014/008218に開示されている。
【0520】
いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体は、LAG525である。LAG525(IMP701;Novartisとも呼ばれる)は、LAG3に結合するモノクローナル抗体である。LAG525および他のヒト化抗LAG3抗体は、US9,244,059およびWO2008/132601に開示され、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一または類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%またはそれ以上同一である配列)を有する。
【0521】
他の例示的な抗LAG−3抗体は、例えば、US2011/150892およびUS2018/066054に開示されている。
【0522】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3抗体は、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。RegeneronによるREGN3767およびTSR−033(Tesaro)を含む、臨床開発中のいくつかの抗LAG−3抗体がありまる。
【0523】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、LAG阻害剤(例えば、抗LAG−3抗体)と組み合わせて使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に記載のLAG3標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(例えば、XENP25937およびXENP25850)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0524】
XIII.組み合わせ療法
いくつかの態様では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、別の治療薬と組み合わせて投与される。本明細書で使用される「組み合わせて」投与されるとは、対象が障害に苦しんでいる過程で2つ(またはそれ以上)の異なる治療が対象に提供されることを意味し、例えば、対象が障害があると診断された後に、障害が治癒もしくは解消される前、または他の理由で治療が中止される前に、2つ以上の治療が提供される。いくつかの実施形態では、1つの治療の送達は、第2の治療の送達が開始されたときにまだ起こっているので、投与に関して重複がある。これは、本明細書では「同時」または「同時送達」と呼ばれることもある。他の実施形態では、一方の治療の送達は、他方の治療の送達が始まる前に終了する。いずれかの場合のいくつかの実施形態では、治療は、併用投与のためにより効果的である。例えば、第2の治療はより効果的であり、例えば、第2の治療がより少なくて同等の効果が見られるか、または第2の治療が第1の治療の非存在下で投与された場合に見られるよりも症状を大幅に軽減するか、または同様の状況が第1の治療で見られる。いくつかの実施形態では、送達は、症状の減少、または障害に関連する他のパラメータが、他方の非存在下で送達された一方の治療で観察されるものよりも大きいようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的、完全に相加的、または相加的より大きくあり得る。送達は、送達された第1の治療の効果が、第2の治療が送達されたときに依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0525】
本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(XENP25937およびXENP25850などであるがこれらに限定されない)ならびに少なくとも1つの追加の治療薬は、同じまたは別々の組成物で同時に、または逐次的に投与することができる。逐次的な投与の場合、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を1番目に投与し、追加の薬剤を2番目に投与するか、または投与の順序を逆にすることができる。
【0526】
本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質および/または他の治療薬、手順またはモダリティは、活動性の高い障害の期間中、または寛解期間または活動性の低い疾患の期間中に投与することができる。PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、他の治療の前、治療と同時に、治療後、または障害の寛解中に投与することができる。
【0527】
組み合わせて投与される場合、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(XENP25937およびXENP25850などであるが、これらに限定されない)ならびに追加の薬剤(例えば、第2または第3の薬剤)、または全てが個別に使用される、例えば単剤療法として使用される各薬剤の量または投与量よりも少ないかまたは同じ量または投与量で投与できる。いくつかの実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質、追加の薬剤(例えば、第2または第3の薬剤)、または全ての投与量または投与量は、個別に使用される、例えば単剤療法として使用される各薬剤の量または投与量よりも、より少ない(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。他の実施形態では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質、追加の薬剤(例えば、第2または第3の薬剤)、または全ての、所望の効果(例えば、がんの治療)をもたらす量または投与量は、同じ治療効果を達成するために必要とされる個別に使用される、例えば単剤療法として使用される量または投与量よりも低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%低い)。
【0528】
さらなる態様では、本明細書に記載されるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(XENP25937およびXENP25850などであるが、これらに限定されない)は、化学療法、放射線、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノラート、およびFK506など、チェックポイント阻害剤に対する抗体、または他の免疫除去剤、例えば、CAMPATH、他の抗体療法、サイトキサン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR90165、サイトカイン、および照射、Izumoto et al.2008 J Neurosurg 108:963−971に記載されているようなペプチドワクチンと組み合わせた治療レジメンで使用され得る。
【0529】
特定の例において、本発明の化合物は、他の抗がん剤、抗アレルギー剤、抗悪心剤(または制吐剤)、鎮痛剤、細胞保護剤、およびそれらの組み合わせなどの他の治療薬と組み合わされる。
【0530】
一実施形態では、本明細書に記載のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(XENP25937およびXENP25850などであるが、これらに限定されない)は、化学療法剤と組み合わせて使用することができる。例示的な化学療法剤には、アントラサイクリン(例えば、イブルチニブ、ダウノルビシン、ドキソルビシン(例えば、リポソームドキソルビシン))、アントラセンジオン誘導体(例えば、ミトキサントロン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、ダカルバジン、メルファラン、イフォスファミド、テモゾロミド)、免疫細胞抗体(例えば、アレムツザマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸拮抗薬、シタラビン、ピリミジン類似体、プリン類似体およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、フルダラビン)を含む)、mTOR阻害剤、TNFRグルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質(GITR)アゴニスト、プロテアソーム阻害剤(例えば、アクラシノマイシンA、グリオトキシンまたはボルテゾミブ)、サリドマイドまたはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドマイド)などの免疫調節剤誘導体、イブルチニブ(例えば、インブルビカ)などのキナーゼ阻害剤、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニソン)、およびエトポシド(例えば、VP−16)を含むかまたは含まないCVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、およびプレドニゾンの組み合わせ)、CHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、Oncovin(登録商標)(ビンクリスチン)、およびプレドニゾンの組み合わせ)、シクロホスファミドとペントスタチンの組み合わせ、クロラムブシルとプレドニソンの組み合わせ、フルダラビンとシクロホスファミドの組み合わせ、または塩酸メクロレタミン(例えば、Mustargen)、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、メトトレキサート、オキサリプラチン、またはシタラビン(ara−C)などの別の薬剤が含まれる。
【0531】
組み合わせ療法での使用が検討されている一般的な化学療法剤には、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、硫酸ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ブスルファン注射(Busulfex(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4−ペントキシカルボニル−5−デオキシ−5−フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar−U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン(Actinomycin D、Cosmegan)、塩酸ダウノルビシン(Cerubidine(登録商標))、クエン酸ダウノルビシンリポソーム注射(DaunoXome(登録商標))、デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、塩酸ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vepesid(登録商標))、リン酸フルダラビン(Fludara(登録商標))、5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イフォスファミド(IFEX(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L−アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標))、6−メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、マイロターグ、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、フェニックス(Yttrium90/MX−DTPA)、ペントスタチン、カルムスチンインプラントを含むポリフェプロサン20(Gliadel(登録商標))、クエン酸タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、6−チオグアニン、チオテパ、チラパザミン(Tirazone(登録商標))、注射用塩酸トポテカン(Hycamptin(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、およびビノレルビン(Navelbine(登録商標))が含まれる。
【0532】
XIV.治療
一旦生成されると、本発明の組成物は、一般に、本発明のヘテロダイマーFc融合タンパク質の結合T細胞活を用いて性化を促進すること(例えば、T細胞はもはや抑制されない)による、がん治療によって、いくつかの腫瘍学適用に使用される。
【0533】
したがって、本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質組成物はこれらのがんの治療に使用される。
【0534】
A.インビボ投与用のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質組成物
本発明に従って使用される抗体の製剤は、所望の純度の抗体を任意選択の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤と混合することによって、保存のために、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製される(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.[1980]に概説されるように)。許容される担体、緩衝剤、賦形剤、または安定剤は、使用される投薬量および濃度において、レシピエントに対して非毒性でありリン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質錯体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
【0535】
B.投与様式
本明細書に開示されるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質および本発明の化学療法剤は、ボーラスとしての静脈内投与またはある期間にわたる持続注入などの公知の方法に従って対象に投与される。
【0536】
C.治療法
本発明の方法において、治療は、疾患または病状に関して肯定的な治療応答を提供するために使用される。「肯定的な治療応答」は、疾患もしくは病状の改善、および/または疾患または病状に関連する症状の改善を意図する。例えば、肯定的な治療応答は、疾患における以下の改善のうちの1つ以上を指し得る:(1)腫瘍細胞の数の減少、(2)腫瘍細胞死の増加、(3)腫瘍細胞の生存の阻害、(5)腫瘍増殖の阻害(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止)、(6)患者生存率の増加、および(7)疾患または病状に関連する1つ以上の症状からのいくらかの解放。
【0537】
任意の所与の疾患または病状における肯定的な治療応答は、その疾患または病状に特有の標準化された応答基準によって決定され得る。腫瘍応答は、磁気共鳴画像(MRI)スキャン、X線撮影、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、骨スキャン撮影、内視鏡検査、ならびに骨髄穿刺(BMA)および循環中の腫瘍細胞の計数を含む腫瘍生検サンプリングなどのスクリーニング技法を使用して、腫瘍形態(すなわち、全身腫瘍組織量、腫瘍サイズなど)の変化について評価され得る。
【0538】
これらの肯定的な治療応答に加えて、治療を受けている対象は、疾患に関連する症状の改善の有益な効果を経験し得る。
【0539】
本発明に従う治療には、使用される医薬品の「治療有効量」が含まれる。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するために、必要な投薬量および期間で有効な量をいう。
【0540】
治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する薬剤の能力などの因子によって異なり得る。治療有効量はまた、抗体または抗体部分のいずれの毒性または有害な効果よりも治療上有益な効果が勝る量である。
【0541】
腫瘍療法のための「治療有効量」は、疾患の進行を安定化する能力によっても測定することができる。がんを阻害する化合物の能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測する動物モデル系において評価してもよい。
【0542】
あるいは、組成物のこの特性は、当業者に知られているインビトロアッセイによって、化合物が細胞増殖を阻害するか、またはアポトーシスを誘導する能力を検査することによって評価してもよい。治療有効量の治療用化合物は、腫瘍サイズを減少させるか、さもなければ対象の症状を軽減し得る。当業者であれば、対象のサイズ、対象の症状の重症度、および選択される特定の組成物または投与経路などの因子に基づいて、そのような量を決定することができるであろう。
【0543】
投薬レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調節される。例えば、単回のボーラスを投与してもよく、いくつかの分割用量を経時的に投与してもよく、または治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例して減少または増加させてもよい。非経口組成物は、投与の容易性および投薬量の均一性のために、単位剤形で処方され得る。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象のための単一投薬量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体に関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含有する。
【0544】
本発明の単位剤形形態の仕様は、(a)活性化合物の固有の特徴および達成すべき特定の治療効果、ならびに(b)個体における感受性の治療に対してそのような活性化合物を調合する分野に付いて回る制限に影響され、またそれらに直接的に依存する。
【0545】
本発明で使用されるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の効率的な投薬量および投薬レジメンは、治療される疾患または病態に依存し、当業者によって決定され得る。
【0546】
本発明で使用されるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の治療有効量の例示的かつ非限定的な範囲は、約0.1〜100mg/kgである。
【0547】
すべての引用文献は、本明細書にそれらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0548】
本発明の特定の実施形態を例示の目的で上述のように説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載の本発明から逸脱することなく詳細の多数の変形をなし得ることが当業者には理解されよう。
【実施例】
【0549】
本発明を説明するために実施例を以下に提供する。これらの実施例は、本発明を任意の特定の用途または動作理論に限定することを意味するものではない。本発明で論じられるすべての定常領域位置について、付番は、Kabat(Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,United States Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda、参照により全体が組み込まれる)と同様のEUインデックスに従う。抗体の技術分野の当業者は、この規則が免疫グロブリン配列の特定の領域における非連続的な付番からなり、免疫グロブリンファミリーにおける保存された位置への標準的な基準を可能にすることを理解するであろう。したがって、EUインデックスによって定義されるような任意の所与の免疫グロブリンの位置は必ずしもその連続配列に対応しない。
【0550】
一般的および具体的な科学技術は、米国特許出願公開第2015/0307629号、同第2014/0288275号、およびWO2014/145806に概説されており、それらは全て、特にその中に概説されている技術に関して、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。2016年11月1日に出願された米国特許出願第62,416,087号の実施例1および2は、対応する図も含めて、それらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0551】
XV. 実施例1:抗PD−1 ABD
A.1A:例示的な抗PD−1 ABD
PD−1に結合する抗原結合ドメインの例は、WO2017/218707に記載されており、参照により本明細書に組み込まれ、例えば、その可変ドメインの例示的な配列は
図14に示される。本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質で使用され得るPD−1ABDの追加の非限定的な例を
図15に示す。
【0552】
B.1B:抗PD−1クローン1C11の生成
1.1B(a):抗PD−1ハイブリドーマの生成およびスクリーニング
さらなるPD−1標的化アームの本発明のPD−標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を開発するために、モノクローナル抗体を、それらの標準法およびラピッドプライム法によって、ImmunoPrecise Antibodies Ltd.によってハイブリドーマ技術によって最初に作成した。標準法では、抗原(複数可)を3匹のBALB/cマウスに注射した。ハイブリドーマ生成のために犠牲にされる7〜10日前に、免疫されたマウスは抗原追加免疫を受けた。抗体力価を抗原に対するELISAによって評価し、そして最も応答のよいマウスを融合のために選択する。最後の抗原追加免疫は融合の4日前に与えられた。マウス由来のリンパ球をプールし、精製し、次いでSP2/0骨髄腫細胞と融合させた。融合細胞をHAT選択的シングルステップクローニング培地上で10〜12日間増殖させ、その時点でハイブリドーマはスクリーニングの準備ができていた。ラピッドプライム法では、抗原(複数可)を3匹のBALB/cマウスに注射した。19日後、全てのマウス由来のリンパ球をプールし、精製し、次いでSP2/0骨髄腫細胞と融合させた。融合細胞をHAT選択的シングルステップクローニング培地上で10〜12日間増殖させ、その時点でハイブリドーマはスクリーニングの準備ができていた。使用した抗原(複数可)は、ヒトPD−1のマウスFc融合体(huPD−1−mFc)、カニクイザルPD−1のマウスFc融合体(cynoPD−1−mFc)、Hisタグ付きヒトPD−1(huPD−1−His)、Hisタグ付きカニクイザルPD−1(cynoPD−1−His)またはそれらの混合物であった。
【0553】
上述のようにして生成した抗PD−1ハイブリドーマクローンを、Octet、BioLayer干渉法(BLI)に基づく方法を用いて2回のスクリーニングにかけた。Octetの実験ステップは、一般的に以下を含んでいた:固定化(バイオセンサ上へのリガンドまたは試験物質の捕捉)、会合(対応する試験物質またはリガンドの連続希釈物を含むウェルへのリガンドまたは試験物質をコーティングしたバイオセンサの浸漬)、および試験物質の親和性を決定するための解離(緩衝液を含むウェルにバイオセンサを戻すこと)。緩衝液のみを含む参照ウェルもまた、データ処理中のバックグラウンド補正のための方法に含まれた。
【0554】
1回目のラウンドでは、抗マウスFc(AMC)バイオセンサを用いてクローンを500nMの二価ヒトおよびカニクイザルPD−1−Fc−Hisに浸漬して捕捉した。2回目のラウンドでは、1回目のラウンドで同定された、ヒトとカニクイザルのPD−1の両方に陽性のクローンをAMCバイオセンサに捕捉し、500nMの一価ヒトとカニクイザルのPD−1−Hisに浸した。
【0555】
2.1B(b):クローン1C11の分析
実施例1B(a)で同定された1つのハイブリドーマクローンはクローン1C11であった。ハイブリドーマクローン1C11のVHおよびVLをコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有するヒトIgG1定常領域を含む発現ベクターpTT5に標準的な分子生物学技術を用いてサブクローニングしてXENP21575を生成し、その配列を
図16に示す。
1B(b)(i):クローン1C11によるPD−L1遮断
【0556】
チェックポイント受容体/リガンド相互作用の遮断はT細胞活性化に必要である。細胞結合アッセイにおいてXENP21575の遮断能力を調べた。PD−1を発現するようにトランスフェクトしたHEK293T細胞を、XENP21575、および対照抗体とともにインキュベートした。インキュベーション後、PD−L1のマウスFc融合体を添加してインキュベートした。HEK293T細胞へのPD−L1−mFcの結合を抗マウスIgG二次抗体で検出し、そのデータを
図17に示す。
1B(b)(ii):クローン1C11のT細胞表面結合
【0557】
T細胞への抗PD−1クローン1C11の結合をSEB刺激PBMCアッセイで測定した。ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、PD−1などのチェックポイント受容体の発現を含む、T細胞受容体(TCR)を介した活性化によって達成されるのと同様にT細胞の活性化および増殖を引き起こす超抗原である。ヒトPBMCを100ng/mLで3日間刺激した。刺激後、PBMCを示された濃度の指示された試験物質とともに4℃で30分間インキュベートした。PBMCを抗CD3−FITC(UCHT1)およびヒト免疫グロブリンκ軽鎖のためのAPC標識抗体で染色した。FITC+細胞上のAPC MFIによって示されるような試験物質のT細胞への結合を
図18に示す。
1B(b)(iii):クローン1C11によるT細胞活性化
【0558】
サイトカイン分泌によって示されるように、クローン1C11によるT細胞活性化を、SEB刺激PBMCアッセイにおいて調べた。ヒトPBMCを500ng/mLのSEBで2日間刺激した。次いで細胞を培地中で2回洗浄し、示された試験物質の示された量と組み合わせた500ng/mLのSEBで24時間刺激した。次いで上清を細胞によってIL−2およびIFNγについてアッセイし、そのデータを
図19A〜19Bに示す。
【0559】
3.1B(c):クローン1C11のヒト化
クローン1C11は、ストリング含有量最適化を用いてヒト化した(例えば、2010年2月2日に発行された米国特許第7,657,380号を参照)。重鎖および軽鎖をコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、そして標準的な分子生物学技術を用いて発現ベクターpTT5にサブクローニングした。二価抗体フォーマットのクローン1C11の例示的ヒト化バリアントの配列を
図20A〜20Cに示す。
【0560】
XENP22553の親和性は、概して実施例1B(a)に記載されているように、Octetを用いて決定した。特に、抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して、試験物質を複数濃度のヒスチジンタグ付きPD−1に浸漬して捕捉した。親和性の結果および対応するセンサグラムを
図21に示す。
【0561】
XVI.実施例2:IL−15/Rα−Fc
A.2A:IL−15Rα−Fc融合タンパク質の操作
IL−15/IL−15Rαヘテロダイマーの短い半減期に対処するために、発明者らは、産生の促進および複合体のFcRn媒介リサイクルの促進および半減期の延長を目的として、Fc融合体としてIL−15/IL−15Rα(sushi)複合体(以下、「IL−15/Rα−Fc融合タンパク質」と呼ぶ)を生成した。
【0562】
IL−15またはIL−15Rαsushiドメインをコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナー(例えば、
図8A〜
図8Fに示す定常領域)を含むpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットの略図を
図22A〜22
図Gに示す。
【0563】
IL−15/RαヘテロFcフォーマット(
図22A)の例示的タンパク質には、XENP20818およびXENP21475が含まれ、その配列を
図23に示す。scIL−15/Rα−Fcフォーマット(
図22B)の例示的タンパク質はXENP21478であり、その配列は
図24に示す。ncIL−15/Rα−Fcフォーマット(
図22C)の例示的タンパク質には、XENP21479、XENP22366、およびXENP24348が含まれ、それらの配列を
図25A〜25Bに示す。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットの(
図22D)の例示的タンパク質はXENP21978であり、その配列は
図26に示す。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマット(
図22E)の例示的タンパク質の配列を
図27に示す。Fc−ncIL−15/Rαフォーマット(
図22F)の例示的タンパク質はXENP22637であり、その配列は
図28に示す。Fc−scIL−15/Rαフォーマット(
図22G)の例示的タンパク質の配列を
図29に示す。
【0564】
タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって産生され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5と1M NaClを含む50mM Tris pH8.5との5〜40%勾配によるHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製された。
【0565】
上述のような様々なフォーマットのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を細胞増殖アッセイで試験した。ヒトPBMCを指定濃度で試験物質を用いて処理した。処理の4日後、PBMCを抗CD8−FITC(RPA−T8)、抗CD4−PerCP/Cy5.5(OKT4)、抗CD27−PE(M−T271)、抗CD56−BV421(5.1H11)、抗CD16−BV421(3G8)、および抗CD45RA−BV605(Hi100)で染色し、以下の細胞型についてゲートした:CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびNK細胞(CD56+/CD16+)。Ki67は細胞増殖と厳密に関連するタンパク質であり、そして細胞内Ki67についての染色は抗Ki67−APC(Ki−67)およびFoxp3/転写因子染色緩衝液セット(Thermo Fisher Scientific,Waltham,Mass)を使用して実施された。上述の細胞型に対するKi67の割合を、FACSを使用して測定した(
図30A〜30Cおよび31A〜31Cに示す)。様々なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質はCD8+T細胞およびNK細胞の強い増殖を誘導した。特に、増殖活性の差異は、IL−15−Fc側のリンカーの長さに依存していた。特に、XENP21471、XENP21474、およびXENP21475を含む、リンカーを有さない(ヒンジのみ)構築物は、より弱い増殖活性を示した。
【0566】
B.2B:操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質
IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の安定性をさらに向上させ、半減期を延ばすために、IL−15/Rα界面においてジスルフィド結合を操作した。IL−15/Rα複合体の結晶構造を調べることによって、およびMolecular Operating Environment(MOE、Chemical Computing Group,Montreal,Quebec,Canada)ソフトウェアを用いてモデリングすることによって、
図32に示されるように、共有ジスルフィド結合を形成するためにシステインで置換し得るIL−15/Rα界面の残基を予測した。さらに、IL−15Rαのsushiドメインに続く3個までのアミノ酸を、操作するシステインの足場としてIL−15Rα(sushi)のC末端に付加した(その例示的な配列を
図33に示す)。システインで操作された例示的なIL−15およびIL−15Rα(sushi)バリアントの配列をそれぞれ
図34および
図35に示す。
【0567】
IL−15またはIL−15Rα(sushi)をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナー(例えば、
図11A〜11Cに示す定常領域)を含むpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。上述のように同定された残基を、標準的な変異導入技術によってシステインで置換した。操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の略図を
図36A〜
図36Dに示す。
【0568】
dsIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマット(
図36A)の例示的タンパク質には、XENP22013、XENP22014、XENP22015、およびXENP22017が含まれ、それらの配列を
図37A〜37B示す。dsIL−15/Rα−Fcフォーマット(
図36B)の例示的タンパク質には、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22684、およびXENP22361が含まれ、それらの配列を
図38A〜38Bに示す。二価dsIL−15/Rα−Fcフォーマット(
図36C)の例示的タンパク質には、XENP22634、XENP22635、およびXENP22636が含まれ、それらの配列を
図39に示す。Fc−dsIL−15/Rαフォーマット(
図36D)の例示的タンパク質には、XENP22639およびXENP22640が含まれ、それらの配列を
図40に示す。
【0569】
タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって産生され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5と1M NaClを含む50mM Tris pH8.5との5〜40%勾配によるHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製された。
【0570】
タンパク質が精製された後、それらは純度および均質性についてキャピラリー等電点電気泳動(CEF)によって分析された。製造者の使用説明書を使用して実施したProtein Express Assay LabChipおよびProtein Express Assay Reagent Kitを使用するLabChip GXII Touch HT(PerkinElmer,Waltham,Mass)を使用してCEFを実施した。試料は、一方を還元下(ジチオトレイトールを用いて)、他方を非還元条件下で二重に試験した。変性非還元CEFによって示されるように、多くのジスルフィド結合が正しく形成され、操作されたジスルフィド結合を含まない対照と比較した場合、共有結合複合体のより大きい分子量が観察され得る(
図41)。
【0571】
次いでタンパク質を細胞増殖アッセイで試験した。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない)または対照をPBMCとともに4日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD4−PerCP/Cy5.5(RPA−T4)、抗CD8−FITC(RPA−T8)、抗CD45RA−BV510(HI100)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD56−BV421(HCD56)、抗CD27−PE(O323)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるNK細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞の増殖を
図42A〜42Cに示す。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質およびIL−15対照のそれぞれが、NK細胞、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の強い増殖を誘導した。
【0572】
C.2C:より低い効力およびPKおよび半減期を増加させるために操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質
PKをさらに改善しそして半減期を延長するために、我々はIL−15の効力を減少させることが抗原シンクを減少させ、そしてそれ故、半減期を増加させるであろうと推論した。IL−15:IL−2RβおよびIL−15:共通のガンマ鎖界面の結晶構造を調べることによって、ならびにMOEソフトウェアを使用してモデリングすることによって、効力を低減するために置換され得るこれらの界面における残基を予測した。
図43は、(免疫原性のリスクを低減するために)等価置換を操作した予測された残基の位置を示すIL−15:受容体複合体の構造モデルを示す。効力を低減するために操作された例示的なIL−15バリアントの配列を
図44A〜
図44Cに示す。
【0573】
IL−15またはIL−15Rα(sushi)をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナー(例えば、
図11に示す定常領域)を含むpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。上述のように同定された置換を、標準的な変異導入技術によって組み込んだ。効力低下のために操作された「IL−15/RαヘテロFc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図45A〜45Dに示す。効力低下のために操作された「scIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図46A〜46Cに示す。効力を低減するために操作された「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図47A〜
図47Bに示す。効力低下のために操作された例示的なncIL−15/Rαヘテロダイマーの配列を
図48に示す。効力低下のために操作された「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図49に示す。効力低下のために操作された「dsIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図50に示す。タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって産生され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5と1M NaClを含む50mM Tris pH8.5との5〜40%勾配によるHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製された。
【0574】
D.
図2C(a):効力を低減するために操作されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のインビトロ活性
バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をいくつかの細胞増殖アッセイで試験した。
【0575】
最初の細胞増殖アッセイでは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作された置換を有する場合または有さない場合)または対照をPBMCとともに4日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD4−Evolve605(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD56−eFluor450(TULY56)、抗CD3−FITC(OKT3)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるNK細胞、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の増殖を
図51A〜
図51Cおよび52に示す。ほとんどのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は各細胞集団の増殖を誘導したが、活性は特定の操作された置換に依存して変化した。
【0576】
第2の細胞増殖アッセイでは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作された置換を有する場合または有さない場合)をPBMCとともに3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4−Evolve 604(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD56−eFluor450(TULY56)、抗CD27−PE(O323)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)および抗Ki67−APC(20Raj1)抗体で染色して様々な細胞集団をマークした。
図53A〜53Cおよび54A〜54Cは、FACSによるXENP22821とのインキュベーション後の様々な細胞集団の選択を表す。リンパ球を最初に側方散乱(SSC)および前方散乱(FSC)に基づいてゲートした(
図53A)。次にリンパ球をCD3発現に基づいてゲートした(
図53B)。CD3発現について陰性の細胞をさらにCD16発現に基づいてゲートしてNK細胞(CD16+)を同定した(
図53C)。CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびγδT細胞(CD3+CD4−CD8−)を同定するために、CD3+T細胞をCD4およびCD8発現に基づいてさらにゲートした(
図54A)。
図54B〜
図54Cにそれぞれ示されるように、CD4+およびCD8+T細胞をCD45RA発現についてゲートした。最後に、様々な細胞集団の増殖を、Ki67発現の割合に基づいて決定し、データを
図56A〜56Dに示す。NKおよびCD8+T細胞は、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質に対してCD4+T細胞よりも感受性であり、そして上述のように、増殖活性は特定の操作された置換に応じて変化した。
図56Dは、対照XENP20818に対する様々なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のEC50の倍率変化を示す。
図55AおよびBは、PBMCとXENP22821とのインキュベーション前後のCD69およびCD25(T細胞活性化マーカー)の発現についてゲートすることによって、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処理後のリンパ球の活性化をさらに示す。
【0577】
第3の実験において、追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCとともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4−SB600(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD25−PE(M−A251)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるCD8+(CD45RA−)T細胞、CD4+(CD45RA−)T細胞、γδT細胞、およびNK細胞の増殖を
図57A〜57Dに示す。
【0578】
第4の実験において、ヒトPBMCを示された濃度の追加のIL−15/Rα−Fcバリアントとともに3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4(SB600)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD25−PE(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、および抗Ki67−APC(Ki67)で染色し、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。処理後のCD8+T細胞、CD4+T細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図58A〜
図58Cに示す。
【0579】
第5の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCとともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8α−BV510(SK1)、抗CD8β−APC(2ST8.5H7)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD56−BV605(NCAM16.2)、および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図59A〜
図59Eに示す。
【0580】
第6の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCとともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8α−BV510(SK1)、抗CD8β−APC(SIDI8BEE)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD56−BV605(NCAM16.2)、および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図60A〜
図60Eに示す。
【0581】
第7の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を示された濃度でヒトPBMCとともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−APC(RPA−T8)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK(CD16+)細胞に対するKi67の割合を
図61A〜61Dに示す。データは、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21479がCD8+T細胞、CD4+T細胞、NK(CD16+)細胞、およびγδT細胞の増殖の最も強力な誘導因子であることを示している。各scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、増殖を誘導することにおいてXENP21479よりも効力が弱かったが、差異はリンカーの長さと特定の操作された置換の両方に依存していた。
【0582】
第8の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を指定濃度でヒトPBMCとともに37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−APC(RPA−T8)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例2Aに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK(CD16+)細胞に対するKi67の割合を、それぞれ
図62A〜62Dに示す。上述のように、データは、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21479がCD8+T細胞、CD4+T細胞、NK(CD16+)細胞、およびγδT細胞の増殖の最も強力な誘導因子であることを示している。特に、ncIL−15/Rα−Fcフォーマット(XENP24349)へのQ108E置換の導入は、野生型(XENP21479)と比較してその増殖活性を劇的に減少させる。
【0583】
E.
図2C(b):効力を低減するために操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のPK
効力を低減するために操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が半減期およびPKを改善したかどうかを調べるために、我々はC57BL/6マウスにおけるPK研究においてこれらのバリアントを調べた。0日目に、2コホートのマウス(1コホートあたり試験試料あたり5匹のマウス)にIV−TVによって0.1mg/kgの示された試験試料を投与した。投与60分後に、次いでコホート1では2、4、および7日目、そしてコホート2では1、3、および8日目に血清を採取した。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の血清レベルは、サンドイッチELISAにおいて抗IL−15および抗IL−15Rα抗体を用いて決定した。結果を
図63に示す。
図64は、試験物質の効力と半減期の間の相関関係を示す。効力が低下したバリアントは実質的により長い半減期を示した。特に、半減期は、野生型対照XENP20818の0.5日と比較して、約9日まで改善された(XENP22821およびXENP22822を参照)。
【0584】
XVII.実施例3:PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体
A.3A:PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の生成と物理的特性評価
IL−15、IL−15Rαsushiドメイン、または抗PD−1可変領域をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナーを含むpTT5発現ベクター(例えば、
図12に示す定常領域)へのサブクローニングによって構築した。例示的PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の略図を
図65A〜
図65Kに示す。
【0585】
「scIL−15/Rα×scFv」フォーマット(
図65A)は、可変長リンカーによってIL−15に融合したIL−15Rα(sushi)を含み(「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでヘテロダイマーFc領域のN末端に融合し、scFvはヘテロダイマーFcの他方側に融合している。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図66に示す。
【0586】
「scFv×ncIL−15/Rα」フォーマット(
図65B)は、ヘテロダイマーFc領域のN末端に融合したscFvを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFcの他方側に融合するが、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図67に示す。
【0587】
「scFv×dsIL−15/Rα」フォーマット(
図65C)は、「scFv×ncIL−15/Rα」フォーマットと同一であるが、IL−15Rα(sushi)およびIL−15は操作されたシステインの結果として共有結合している。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図68に示す。
【0588】
「scIL−15/Rα×Fab」フォーマット(
図65D)は、可変長リンカーによってIL−15に融合したIL−15Rα(sushi)を含み(「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでヘテロダイマーFc領域のN末端に融合し、可変重鎖(VH)はヘテロダイマーFcの他方側に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図69A〜
図69Dに示す。
【0589】
「ncIL−15/Rα×Fab」フォーマット(
図65E)は、ヘテロダイマーFc領域のN末端に融合したVHを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFcの他方側に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされ、一方、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図70に示す。
【0590】
「dsIL−15/Rα×Fab」フォーマット(
図65F)は、「ncIL−15/Rα×Fab」フォーマットと同一であるが、IL−15Rα(sushi)およびIL−15は操作されたシステインの結果として共有結合している。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図71に示す。
【0591】
「mAb−scIL−15/Rα」フォーマット(
図65G)は、第1のおよび第2のヘテロダイマーFcのN末端に融合したVHを含み、IL−15はIL−15Rα(sushi)に融合し、これは次いでさらにヘテロダイマーFc領域の一方のC末端に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図72に示す。
【0592】
「mAb−ncIL−15/Rα」フォーマット(
図65H)は、第1のおよび第2のヘテロダイマーFcのN末端に融合したVHを含み、IL−15Rα(sushi)はヘテロダイマーFc領域の一方のC末端に融合するが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされ、IL−15は非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成されるように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図73に示す。
【0593】
「mAb−dsIL−15/Rα」フォーマット(
図65I)は、「mAb−ncIL−15/Rα」フォーマットと同一であるが、IL−15Rα(sushi)およびIL−15は操作されたシステインの結果として共有結合している。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図74に示す。
【0594】
「セントラル−IL−15/Rα」フォーマット(
図65J)は、IL−15(ヘテロダイマーFcの一方側にさらに融合する)のN末端に組み換えで融合したVHと、IL−15Rα(sushi)(ヘテロダイマーFcの他方側にさらに融合する)のN末端に組み換えで融合したVHとを含むが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図75に示す。
【0595】
「セントラル−scIL−15/Rα」フォーマット(
図65K)は、IL−15(ヘテロダイマーFcの一方側にさらに融合される)に融合したIL−15Rα(sushi)のN末端に融合したVHと、ヘテロダイマーFcの他方側に融合したVHとを含むが、対応する軽鎖はVHを含むFabを形成するように別々にトランスフェクトされる。このフォーマットの例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図76に示す。
【0596】
PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、純度および均一性についてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)およびキャピラリー等電点電気泳動(CEF)によって分析した。
【0597】
タンパク質をSECを用いて分析してそれらのサイズ(すなわち流体力学的容積)を測定し、精製試料の非変性の挙動を決定する。分析は、Agilent 1200高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムで実施した。4℃で25分間、移動相として1×PBS、pH7.4を1.0mL/分で用いて、280nMのUV検出波長で、Superdex(商標)200 10/300GLカラム(GE Healthcare Life Sciences)に試料を注入した。Agilent OpenLabクロマトグラフィーデータシステム(CDS)ChemStation Edition AICバージョンC.01.07を使用して分析を実施した。IL−15/Rα×scFvフォーマットにおける例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21480のクロマトグラムを
図77Bに示す。
【0598】
製造者の使用説明書を使用して実施したProtein Express Assay LabChipおよびProtein Express Assay Reagent Kitを使用するLabChip GXII Touch HT(PerkinElmer,Waltham,Mass)を使用するCEFによってタンパク質を電気泳動的に分析した。試料は、一方を還元下(ジチオトレイトールを用いて)、他方を非還元条件下で二重に試験した。XENP21480のゲル画像を
図77Cに示す。
【0599】
IL−2RβおよびPD−1に対するヘテロダイマーFc融合タンパク質の親和性スクリーニングは、概して実施例1B(a)に記載されているようにOctetを用いて実施した。最初のスクリーニングでは、抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して試験試料を捕捉し、次いでKD決定のために複数濃度のIL−2Rβ(R&D Systems,Minneapolis,Minn)またはヒスチジンタグ付きPD−1に浸漬した。XENP21480についての親和性の結果および対応するセンサグラムを
図77D〜77Eに示す。第2のスクリーニングでは、HIS1Kバイオセンサを使用して、ヒスチジンタグ付きIL−2Rβ:共通のガンマ鎖複合体−Fc融合体またはヒスチジンタグ付きPD−1−Fc融合体のいずれかを捕捉し、次いで2つの異なるバッチのXENP25850に浸漬し、それらのセンサグラムを
図78A〜
図78Bに示す。
【0600】
ヘテロダイマーFc融合タンパク質の安定性は、示差走査蛍光光度法(DSF)を用いて評価した。DSF実験は、Bio−Rad CFX Connect Real−Time PCR Detection Systemを用いて実施した。タンパク質をSYPROオレンジ蛍光色素と混合し、PBSで0.2mg/mLに希釈した。SYPROオレンジの最終濃度は10倍であった。25℃で最初の10分間のインキュベーション期間の後、タンパク質を1℃/分の加熱速度で25℃から95℃に加熱した。蛍光測定は30秒ごとに行った。溶融温度(Tm)は機器のソフトウェアを用いて計算した。XENP21480についての安定性の結果および対応する融解曲線を
図77Fに示す。
【0601】
B.3B:細胞増殖アッセイにおけるPD−1標的IL−15/Rα−Fc融合体の活性
例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21480および対照を細胞増殖アッセイで試験した。ヒトPBMCを指定濃度で試験物質を用いて処理した。処理の4日後、PBMCを抗CD8−FITC(RPA−T8)、抗CD4−PerCP/Cy5.5(OKT4)、抗CD27−PE(M−T271)、抗CD56−BV421(5.1H11)、抗CD16−BV421(3G8)、および抗CD45RA−BV605(Hi100)で染色し、以下の細胞型についてゲートした:CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびNK細胞(CD56+/CD16+)。Ki67は細胞増殖と厳密に関連するタンパク質であり、そして細胞内Ki67についての染色は抗Ki67−APC(Ki−67)およびFoxp3/転写因子染色緩衝液セット(Thermo Fisher Scientific,Waltham,Mass)を使用して実施された。上記の細胞型に対するKi67の割合をFACSを用いて測定した(
図79A〜
図79Cに示す)。
【0602】
C.3C:SEB刺激PBMCアッセイにおけるPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の活性
複数のドナー由来のヒトPBMCを、20μg/mLのPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照と組み合わせた10ng/mLのSEBで72時間刺激した。処理後、上清を回収してIL−2についてアッセイし、そのデータを
図80に示す。
【0603】
D.3D:PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体は、ヒトPBMC移植NSGマウスの生着と疾患活動性を増強する
例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、メスのNSG(NOD−SCID−ガンマ)免疫不全マウスにおいて実施された移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて評価した。NSGマウスにヒトPBMCを注射すると、ヒトPBMCはマウス細胞に対して自己免疫応答を引き起こす。ヒトPBMCを注射したNSGマウスに続くPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の処理は、移植されたT細胞を増殖させて、移植を増強する。
【0604】
第1の試験において、−8日目に1000万個のヒトPBMCをIV−OSPによってNSGマウスに移植し、続いて0日目に示された濃度で示された試験試料を投与した。IFNγレベルならびにヒトCD45+リンパ球、CD8+T細胞およびCD4+T細胞数を4、7および11日目に測定した。
図81は、4、7、および11日目のマウス血清中のIFNγレベルを示す。
図82A〜
図82Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD8+T細胞数を示す。
図83A〜
図83Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD4+T細胞数を示す。
図84A〜
図84Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD45+細胞数を示す。マウスの体重も4、7、および11日目に測定し、
図85A〜
図85Cに初期体重の割合として示した。
【0605】
2番目の研究では、7日目に1,000万個のヒトPBMCをIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、0日目と19日目に次の試験品を指定の濃度で投与した:XENP16432(ニボルマブに基づくエフェクター機能を除去した二価抗PD−1 mAb)、
図86に示す配列、3.0mg/kg、XENP24050(0.61mg/kg)、XENP25951(XENP25850のPD−1標的化アームに基づく一価抗PD−1 Fab−Fc、
図87に示配列、0.82mg/kg)、XENP25951と組み合わせたXENP24050(それぞれ、0.61および0.82 mg/kg)、ならびにXENP25850(1.0mg/kg)。細胞数は4、7、および11日目に測定され、CD45+細胞、CD3+細胞、CD4+細胞、およびCD8+細胞についてそれぞれ
図88〜
図91に示す。データは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体が7日目までにCD45+、CD3+、CD4+、およびCD8+細胞数を増加させたことを示しており、GVHDの増強を示している。特に、XENP25850はXENP25951と組み合わせたXENP24050よりもはるかに大きな程度でGVHDを強化した。これは、増強されたGVHDが、IL−15とPD−1遮断の単なる複合効果ではなく、IL−15/Rα−Fc融合体のPD−1標的化に起因することを示している。
【0606】
E.3E:本発明のPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、活性化リンパ球を優先的に増殖させる
サイトカインがその受容体に結合した後、受容体に関連するヤヌスキナーゼ(JAK)がSTATタンパク質をリン酸化し、STATタンパク質が核に移行してさらに下流のプロセスを調節する。したがって、STATタンパク質(特に、STAT5aおよびSTAT5bを含むSTAT5)のリン酸化は、IL−15がその受容体に結合することによって引き起こされる最も初期のシグナル伝達現象の1つである。したがって、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体が様々な細胞タイプでSTAT5リン酸化を誘導する能力を調べた。
【0607】
この実験では、新鮮なPBMCと活性化されたPBMCの両方を使用した。腫瘍環境で活性化リンパ球の代理として使用される活性化PBMCは、新鮮なPBMCを100ng/mLのプレート結合抗CD3(OKT3)で2日間刺激することによって調製した。新鮮な活性化PBMCを、指定の濃度の次の試験品とともに37℃で15分間インキュベートした:XENP20818(WT IL−15/Rα−Fc)、XENP24050(例示的な効力の低下したIL−15/Rα−Fc)、およびXENP25850(例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体)。インキュベーション後の様々な細胞集団をゲートするために、PBMCを室温で30〜45分間、抗CD3−BUV395(UCHT1)、抗CD4−BV605(RPA−T4)、および抗CD8−Alexa700(SK1)で染色した。細胞を洗浄し、予め冷却した(−20℃)90%メタノールとともに20〜60分間インキュベートした。メタノールインキュベーション後、細胞を再度洗浄し、抗CD25−BV421(M−A251)、抗CD45RA−BV510(HI100)、および抗pSTAT5−Alexa647(pY687)で染色し、様々な細胞集団およびSTAT5リン酸化を標識した。様々なCD8+およびCD4+のT細胞集団におけるSTAT5リン酸化の誘導を示すデータは、
図92A〜
図92Hに示す。特に、データは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(XENP25850)が、活性化PBMCからのT細胞に対する効果の増加を示した(PD−1発現の増加による)一方で、場合によっては、同等の非標的化効力の低下したIL−15/Rα−Fc融合体(XENP24050)と比較して、新鮮なPBMCからのT細胞への効果の低下をしめした。これは、臨床環境では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体が、PD−1の発現が高い腫瘍環境で活性化された腫瘍浸潤リンパ球に対して選択的であることを示唆している。
【0608】
XVIII.実施例4:PD−1親和性が調整されたPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体
A.4A:親和性操作したPD−1標的化アーム
次に、PD−1標的化アームの親和性を最適化しようとした。抗PD−1クローン1C11ヒト化バリアントH3L3(XENP22553のように)の可変領域に基づいて、scFvs(その配列を
図93A〜
図93Tに示す)に関連した、二価mAb(その配列を
図94A〜
図94APに示す)に関連した、ならびに可変重鎖および可変軽鎖(その配列を、それぞれ
図95A〜
図95Jおよび
図96A〜
図96Fに示す)に関連した、バリアントのライブラリを生成した。
【0609】
バリアントの親和性を決定するために、scFvからの可変領域を、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を有する二価IgG1のFabとしてフォーマットした。重鎖および軽鎖をコードするDNAを遺伝子合成によって生成し、そして標準的な分子生物学技術を用いてIgG1定常領域を含むpTT5発現ベクターにサブクローニングした。HEK293E細胞に一時的にトランスフェクトした。上清の親和性スクリーニングは、Octetを使用して行った。抗ヒトFc(AHC)バイオセンサを使用して、各上清の1:2希釈を2.0nmの密度まで捕捉し、KD決定のためにPD−1−Hisに浸漬した。親和性の結果を、
図97A〜
図97Qに示す。
【0610】
二価mAbライブラリからのバリアントの親和性スクリーニングも、上述のようにOctetを使用した多くの実験で実行され、その結果を
図98〜
図104に示す。
【0611】
二価IgG1フォーマットでフォーマットされた可変重鎖および可変軽鎖バリアントの組み合わせに基づくバリアントの親和性スクリーニングもまた、上述のようにOctetを使用したいくつかの実験で実行され、その結果を
図105A〜
図105Eおよび
図106に示す。
【0612】
選択した1C11バリアント(およびニボルマブ(XENP16432)およびペンブロリズマブ(XENP21461)に基づく対照mAb)の親和性スクリーニングも、表面プラズモン共鳴(SPR)ベースの技術であるBiacoreを使用して決定した。Biacoreの実験手順には、一般的に次のものが含まれた:固定化(センサチップへのリガンドの捕捉)、会合(センサチップ上での様々な濃度の検体の流れ)、および試験物質の親和性を決定するための解離(センサチップ上を流れる緩衝液)。緩衝液のみを含む参照流れもまた、データ処理中のバックグラウンド補正のための方法に含まれた。結合親和性と速度定数は、1:1結合モデルを使用して処理されたデータを分析することにより得られた。特に、抗PD−1 mAbがプロテインAセンサチップに捕捉させ、次に複数の濃度のヒスチジンタグ付きヒトPD−1またはヒスチジンタグ付きカニクイザルPD−1がセンサチップ上に流された。得られた解離定数(KD)を
図107に示す。
【0613】
最終的に、親和性最適化1C11バリアントのT細胞表面結合を調査した。T細胞への親和性最適化1C11バリアントの結合は、SEB刺激PBMCアッセイで測定された。ヒトPBMCを500ng/mLのSEBで3日間刺激した。刺激後、PBMCを示された濃度の指示された試験物質とともに30分間インキュベートした。PBMCを抗CD3−FITC(UCHT1)およびヒトFcのためのA647標識抗体で染色した。FITC+細胞上のA647 MFIによって示されるような試験物質のT細胞への結合を
図108に示す。
【0614】
B.4B:PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の活性はPD−1親和性と相関する
実施例3Aに概して記載されているように親和性操作されたPD−1標的化アームを含む例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体を操作および産生し、その配列を
図109A〜
図109Dに示し、それらの活性を調査した。
【0615】
ヒトPBMCを500ng/mlのプレート結合抗CD3(OKT3)で48時間刺激し、CFSEで標識し、次の試験品とともに37℃で4日間インキュベートした:XENP25850(1C11_H3L3に基づくPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体)、XENP29159(親和性成熟1C11_H3.329_L3.220に基づくPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体)、XENP24306(D30N/E64Q/N65D IL−15バリアントを含む対照の非標的化IL−15(D30N/E64Q/N65D)/Rα−Fc融体)、およびXENP26007(N4D/N65D IL−15バリアントを有する対照のRSV標的化IL−15/Rα−Fc融合体)。細胞を次の抗体:抗LAG−3−PE(3DS223H)、抗CD8−PerCP−Cy5.5(SK1)、抗CD3−PE−Cy7(OKT3)、抗CD45RO−APC−Fire750(UCHL1)、抗HLA−DR−Alexa700(L243)、抗CD16−BV605(3G6)、抗CD56−BV605(HCD56)、抗CD25−BV711(M−A251)、抗CD45RA−BV785(HI100)、抗CD4−BUV395(SK3)、およびZombie Aqua−BV510−BV510で染色し、様々な細胞集団のフローによって分析された。
【0616】
CFSE希釈(死細胞を除外するZombie Aqua)に基づいて、様々なT細胞およびNK細胞集団の増殖を調査した。そのデータを
図110A〜
図110B、
図111A〜
図111B、
図112A〜
図112B、
図113A〜
図113B、
図114A〜
図114B、
図115A〜
図115Bに示す。データは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体が、非標的化IL−15(D30N/E64Q/N65D)/Rα−Fc融合体(ならびに対照のRSV標的化IL−15/Rα−Fc融合体)と比較して、CD4+T細胞の増殖を誘導するのにはるかにより強力であることを示す。特に、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体はメモリーT細胞を優先的に標的とし、臨床環境では、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合が腫瘍環境における活性化腫瘍浸潤リンパ球に選択的であることを示唆する。
【0617】
また、CD25(後期T細胞活性化マーカー)およびHLA−DR(別の活性化マーカー)の発現に基づいて、様々なT細胞集団の活性化を調査した。そのデータを
図116A〜
図116D、
図117A〜
図117D、および
図118A〜
図118Dに示す。データは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体が、概して、非標的化IL−15(D30N/E64Q/N65D)/Rα−Fc融合体(および、対照のRSV標的化IL−15/Rα−Fc融合体)と比較して、様々なT細胞集団の活性化を誘導するのにより強力であるように見えることを示す。
【0618】
まとめると、データは、PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の活性がPD−1親和性と相関していることを示す。例えば、
図110A〜
図110Dに示されるように、XENP29159(親和性が強化されたPD−1標的化アームを有する)は、XENP25850よりも強力にCD8+とCD4+のT細胞の両方の増殖を誘導する。
【0619】
XIX.実施例5:IL−15効力が調整されたPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体
A.5A:IL−15(D30N/N65D)バリアント
XtendによるIL−15−Fc効力バリアントの薬物動態を調査する研究では、カニクイザルに、XENP22853(WT IL−15/Rα−ヘテロFcとXtend;配列を
図119に示す)、XENP24306(IL−15(D30N/E64Q/N65D)/Rα−ヘテロFcとXtend;配列を
図122に示す)、XENP24113(IL−15(N4D/N65D)/Rα−ヘテロFcとXtend;配列を
図120に示す)、XENP24294(scIL−15(N4D/N65D)/Rα−FcとXtend;配列を
図121に示す)を、初回の単回静脈内(i.v.)用量を様々な濃度で投与した。
【0620】
図123は、初回投与後の経時的な試験品の血清濃度を示す。予想通り、Xtend置換に加えて効力バリアントを組み込むと(XENP24306およびXENP24113のように)、IL−15−Fc融合体の薬物動態が大幅に改善される(XENP22583と比較して)。しかしながら、予期せぬことに、IL−15/Rα−ヘテロFc融合体XENP24113およびscIL−15/Rα−Fc融合体XENP24294(同じIL−15(N4D/N65D)効力バリアントを有する)は、XENP24306と比較して薬物動態の低下を示した。これは、薬物動態の低下が、IL−15−Fc融合体のフォーマットではなく、特定のIL−15効力バリアントによるものであることを示唆している。XENP24113およびXENP24294の薬物動態の低下は、IL−15(N4D/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体が、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体よりも大きいインビトロ効力を有していたという以前の発見に基づいて予想されていたが、薬物動態の低下は、効力の増加に予想外に不相応であった。したがって、本発明のLAG−3標的化IL−15−Fc融合体で使用するための代替のIL−15効力バリアントを同定しようとした。
【0621】
IL−15(N4D/N65D)は、CD122への結合を担当するIL−15インターフェースで両方の置換を有し、IL−15(D30N/E64Q/N65D)はIL−15:CD122インターフェースで2つの置換(E64QとN65D)と、CD132への結合を担当するIL−15インターフェースでの1つの置換(D30N)とを有することに留意されたい。したがって、IL−15:CD132インターフェースでの改変が、XENP24306で観察された優れた薬物動態に寄与する可能性があると考えられた。特に、IL−15(N4D/N65D)バリアントとIL−15(D30N/N65D)バリアントを含むscIL−15/Rα−Fc融合体は、
図125に示されるように、インビトロで非常に類似した効力を示すことが実証された。上述を考慮して、本発明者らは、IL−15(D30N/N65D)バリアントを含む例示的なPD−1標的化IL−15−Fc融合体を考案し、その配列を
図126A〜
図126Dに示す。また、IL−15(D30N/N65D)バリアントを含む対照のRSV標的化IL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP29481を生成し、その配列を
図129A〜
図129Bに示す。
【0622】
B.5B:IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアント
PD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体は、PD−1標的化アームを介して腫瘍環境を標的とすることを目的として設計されたが、サイトカイン部分は腫瘍部位に到達する前にシグナル伝達することができ、全身傷害性に寄与し得る。したがって、本発明者らは、実施例2Cおよび
図125に示されるように、活性を劇的に低下させたIL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントとのPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体を構築することにより、IL−15効力をさらに低下させようとした。IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを含む例示的なPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の配列を
図127A〜
図127Dに示す。さらに、腫瘍環境外でのIL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを含むPD−1標的化IL−15/Rα−Fc融合体の挙動の調査の代理として機能するための、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアント(その配列を
図129A〜
図129Bに示す)を含むRSV標的化IL−15/Rα−Fc融合体であるXENP30432を構築した。