特表2021-521926(P2021-521926A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-521926(P2021-521926A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】ポーションカプセル
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/06 20060101AFI20210802BHJP
   A47J 31/44 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   A47J31/06 320
   A47J31/44 180
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-557932(P2020-557932)
(86)(22)【出願日】2019年4月18日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月16日
(86)【国際出願番号】EP2019060145
(87)【国際公開番号】WO2019202103
(87)【国際公開日】20191024
(31)【優先権主張番号】18168588.4
(32)【優先日】2018年4月20日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラインゾルゲ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ケルシュ,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】レーマー,フランク
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA02
4B104AA12
4B104BA43
4B104EA08
4B104EA29
(57)【要約】
ポーションカプセル(1)用のフィルタ要素(2)は、例えばビーカー状に設計された基部要素に挿入することができ、この基部要素はフィルタ要素の挿入後に基部要素に固定されるカプセルカバー(12)と共に外側カプセル壁を画定する。フィルタ要素(2)は、抽出材料領域と、フィルタ要素と外側カプセル壁との間に形成される収集領域との間でカプセル内部を分割するように設計される。フィルタ要素は、フィルタプレート(21)と、フィルタプレートに沿って延び、ある角度で互いに交わる支柱(26)からなる二次元フレームとを形成し、支柱は径方向外側に向かって減少する断面を有する。(図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部要素(11)およびカプセルカバー(12)を備えるポーションカプセル(1)用のフィルタ要素(2)であって、前記基部要素(11)および前記カプセルカバー(12)はともになって外側カプセル壁を画定し、前記フィルタ要素(2)は、カプセル内部において抽出材料領域(5)から収集領域(6)を分離する目的で、前記基部要素(11)内に挿入可能であり、前記フィルタ要素(2)は、流体透過性フィルタプレート(21)と、前記フィルタプレート(21)に沿って延びる複数の支柱(26)とを含み、前記支柱(26)は、ある角度で互いに交わる支柱(26)からなる二次元フレームを形成する、フィルタ要素(2)。
【請求項2】
前記支柱は、前記フィルタプレート(21)に関して、径方向外側に向かって減少する断面を有する、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
前記支柱(26)の前記断面は、前記支柱(26)の幅が一定である一方で前記フィルタプレート(21)に対して垂直な延在が減少することによって径方向外側に減少する、請求項2に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
中央要素(25)を備え、前記支柱からなる前記フレームは、前記中央要素まで延び、前記中央要素に接続される、先行する請求項のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
前記中央要素(25)は、抽出材料領域に向かう前記フィルタ要素の突出によって形成される、請求項4に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
前記フレームはハニカム構造を形成する、先行する請求項のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項7】
前記フレームは、前記フィルタプレート(21)の抽出材料領域側に存在する、先行する請求項のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項8】
前記抽出材料領域側とは反対側にある、前記フィルタプレート(21)の収集領域側に、複数のスペーサ(29)が設けられる、請求項7に記載のフィルタ要素。
【請求項9】
全体としてビーカー状の態様で設計され、外側で前記フィルタプレート(21)に接続する側壁(23)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項10】
ビーカー状の基部要素(11)と、周縁に沿って前記基部要素(11)に接続されるカバー(12)とを備えるポーションカプセル(1)であって、先行する請求項のいずれか1項に記載のフィルタ要素が前記基部要素(1)内に挿入され、抽出材料で満たされる抽出材料領域(5)を収集領域(6)から分離する、ポーションカプセル(1)。
【請求項11】
前記フィルタ要素(2)は、前記基部要素(11)に嵌合接続、材料接続、および/または非嵌合接続で固定される、請求項10に記載のポーションカプセル。
【請求項12】
前記基部要素(11)に挿入され、前記抽出材料領域(5)を注入側に画定し、したがって分配領域(7)を画定する分配要素(3)を備える、請求項10または11に記載のポーションカプセル。
【請求項13】
前記基部要素(11)はカプセル基部(14)および側壁(15)を画定し、前記フィルタ要素(2)は前記カプセル基部(14)と前記抽出材料領域(5)との間に配置される、請求項10〜12のいずれか1項に記載のポーションカプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料カプセルに導入される流体によって飲料を調製するためのシステムの分野に関する。特に、水を注入することによって飲料または飲料成分を調製することができる可溶性食材物質を含むポーションカプセルに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するためのシステムのうち、抽出によってコーヒー飲料または茶飲料を調製するために、一般に、通常、圧力下の温水をカプセルに導入する、いわゆるコーヒーカプセルシステム(茶を調製するための変形物も存在する)が知られている。カプセルは、しばしば、温水を導入するために一方側(注入側)で穿孔される。一般にカプセルの他方側(抽出側)で淹出飲料を導き出すために、様々な可能性が知られている。一方では、好適な穿孔スパイクによる穿孔が抽出側でも想定されるシステムがある。他方では、内部圧力下でのカプセルの抽出側境界が、淹出プロセス中に穿孔または引き裂かれ、そのためのカプセル外部(対応のコーヒーマシンの淹出チャンバ内に存在する)またはカプセル内部手段が存在し得るシステムが知られている。最後に、既に開けられたカプセルも存在し、そのため、飲料を導き出すためにカプセル壁/膜を穿孔または引き裂く必要がない。
【0003】
とりわけ、コーヒー粉末(または茶葉)が淹出飲料に望ましくなく入り込むのを防ぐために、カプセルの内側にフィルタ要素が配置されたカプセルが知られており、前記フィルタ要素は、抽出材料領域を収集領域から分離し、好適な態様、例えば複数のフィルタ開口部を備えることによって、流体透過性である。
【0004】
そのようなフィルタ要素を有するポーションカプセルの例が、例えばEP 1 344 722およびWO2010/085824において見出される。後者の公報は、径方向に外側フレームから中央に向かって延在し、ここで中央に向かって薄くなる支持体を有するフィルタ要素を示す。これらは、フィルタ要素を補強するためのものである。このような補強材は、例えばエスプレッソおよびいわゆる「クレマ」を有する他のコーヒーの場合のように、特に加圧下での淹出飲料の調製に関して変位され得る。このような淹出により、カプセルの内圧は大部分がフィルタ要素に作用し、フィルタ要素はそれによって機械的変形を受け得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ポーションカプセル用のフィルタ要素および対応するポーションカプセルを提供することである。フィルタ要素は、機械的に安定であり、かつ安価で製造が容易である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ポーションカプセル用のフィルタ要素が提供される。これは、例えばビーカー状に設計された基部要素に挿入することができ、この基部要素はフィルタ要素の挿入後に基部要素に固定されるカプセルカバーと共に外側カプセル壁を画定する。フィルタ要素は、抽出材料領域と、フィルタ要素と外側カプセル壁との間に形成される収集領域との間でカプセル内部を分割するように設計される。フィルタ要素は、フィルタプレートと、フィルタプレートに沿って延び、ある角度で互いに交わる支柱からなる二次元フレームとを形成する。
【0007】
本発明によるこのアプローチは、二次元フレームが、一般に、単に外側から内側に径方向に延びる支柱のシステムよりも安定性を伴うという認識に基づく。これは、実際の条件下では、カプセル内圧が時間または場所に関して厳密に一定ではなく、このため、フィルタプレートの曲げ振動も生じ得るという事実に起因する。二次元フレームは、比較的よりよい態様でこれに対応することができる。しかしながら、本発明は、この知見の特定の説明に依存するものではない。
【0008】
支柱は、径方向外側に向かって減少する断面を有する(すなわち、減少する断面積を有する)ことができる。
【0009】
支柱の断面のそのような減少は、フィルタ面の平面に対して垂直な延在の減少であり得る。断面の減少は、外側に向かって連続的であり得る。しかしながら、断面は、例えば、径方向位置の関数として局所的に一定であることを除外するものではない。しかしながら、平均して、フィルタプレートの中心に関して、外側に向かう断面は、内側に向かう断面よりも小さくなる。支柱からなるフレームが外側に向かって完全に終端しており、すなわち支柱がフィルタ要素の外縁に完全には到達しないことも可能である。
【0010】
外向きに減少する断面を有するこの好ましい実施形態は、カプセル内部において圧力を受けると、変形はフィルタ要素の中央領域において最大である、という見解に基づく。さらに、一般に、内側の支柱が外側の支柱よりも大きい断面を有する場合、逆のアプローチと比較して、幾何学的理由のため、必要とされる材料がより少ない。
【0011】
一群の実施形態では、フィルタ要素は中央要素を含む。これは、例えば、(抽出材料領域に向かって)カプセル内部への突起を形成することができ、そのような突起は、本質的に円錐形とすることができる。次いで、支柱からなるフレームは、好ましくは中央要素まで延び、すなわち、最も内側の支柱は、中央要素を安定化するために中央要素に接続される。中央要素は、例えば、抽出側穿孔スパイクのための自由空間を画定することができる。
【0012】
支柱からなるフレームが延びる中央要素は、特に、支柱が配置される側に(したがって、例えば、カプセル内部に向かって)膨らむように設計することができる。この実施形態における中央要素が膨らみによって形成されることによって、キャビティ状の延在が他方側に向かって(したがって、例えば、収集領域に向かって)生じる。中央要素のそのような膨らみ様またはドーム様設計は、一方では機械的安定性と他方では材料消費との間の比に関して特に好ましい。
【0013】
支柱からなるフレームは、特に支柱によって形成された内側から外側への経路上で、複数の分岐部を形成することができ、その結果、少なくとも中央領域に配置された支柱は、各々両端の側に安定化される。
【0014】
したがって、フレームを形成する支柱は、例えば中央要素と出会う中央とは別に、(それぞれ)1つのさらなる場所でさらに分岐されることができ、したがって、中央から端部に放射状に延びる支柱とは異なり、分岐によってさらに安定化される。
【0015】
特に、支柱からなるフレームはハニカム構造を形成することができる。このような構造を考えると、適用される材料と生じる安定性との間の比率が特に有利である。
【0016】
フィルタプレートは、それ自体公知の態様でフィルタ開口部を設けられることができ、これらは、フィルタプレートにわたって規則的または不規則に分布され、流体が通ることを可能にする。フィルタ開口部のサイズは、抽出材料の通過が防止されるようなサイズとすることができる。抽出材料がフィルタ開口部を通過するのを防ぐために、フィルタ開口部が例えば布地様のフィルタ材料によって覆われていることも除外されない。
【0017】
特に、支柱は、フィルタ要素のカプセル内部に向かう側、すなわち抽出材料領域に向かって配置することができる。後方側では、フィルタ要素は、カプセル内部の高い圧力が与えられるとフィルタプレートが外側カプセル壁に押し付けられるのを防止するのに役立つ複数のスペーサを備えることができる。
【0018】
フィルタ要素は、それ自体公知の態様でビーカー状の態様で設計することができ、外側で、具体的には特に抽出材料側で、フィルタプレート上に接続する周囲側壁を備えることによって、フィルタビーカー容積が抽出材料領域の一部を形成するようにする。周囲側壁は、径方向外向きに突出する周囲フランジを形成することができ、これは、カプセル基部要素(例えば、カプセルビーカー)におけるフィルタ要素の固定に役立つことができる。
【0019】
代替の実施形態では、フィルタ要素は、全体として、周囲側壁を伴わず、ほぼ円盤状であり得る。そのようなフィルタ要素は、例えば、溶接または他の材料接続によってカプセル基部要素(例えば、カプセルビーカー)の肩部に固定されるのに適している。代替的に、そのような円盤状フィルタ要素は、嵌合接続的に、例えばカプセル基部要素の周囲溝内にクリック止めすることによって、および/またはカプセル内に非嵌合接続的に、受容されることもできる。
【0020】
本発明は、そのようなフィルタ要素を有するポーションカプセルにも関する。フィルタ要素は、ポーションカプセルの外側カプセル壁内に配置される。これは、例えばビーカー状の基部要素とそれに固定されるカバーとによって形成することができる。基部要素は、一般に、カプセル基部およびカプセル側壁を画定する。フィルタ要素は、抽出材料、特にコーヒー粉末で満たされる抽出材料領域とカプセル基部との間、または抽出材料領域とカプセルカバーとの間に位置する。フィルタ要素は、基部要素またはおそらくカバーに固定され得るか、または、単に基部要素内に挿入され、例えば抽出材料によって基部要素に対して安定化され得る。フィルタ要素の基部要素またはカバーへの考えられ得る固定は、嵌合接続、非嵌合接続、および/または材料接続で行うことができる。カプセルビーカーにおけるフィルタ要素の固定はそれ自体公知であり、本発明は、フィルタ要素が固定される態様とは無関係である。
【0021】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】フィルタ要素を有するポーションカプセルの概略断面図である。
図2】抽出側から見たフィルタ要素の図である。
図3】フィルタ要素を反対側(収集領域側)から見た、縮小した図である。
図4】上から見た図2および図3のフィルタ要素の図である。
図5図4の平面V−Vに沿ったフィルタ要素の断面図である。
図6図4の平面VI−VIに沿ったフィルタ要素の断面図である。
図7】抽出材料側からの代替フィルタ要素の図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図2図3図7および図4図6においてそれぞれ異なる縮尺が使用されている。図面において、同じ参照番号は、同等または類似の要素を示す。
【0024】
図1によるカプセル1は、ビーカー11(軸20を有する)の形態の基部要素と、周囲フランジ13に沿ってその上に固定されるカバー12とを備え、これらはともになって外側カプセル壁を形成し、カプセル内部を画定する。ビーカー11は、それ自体公知のように、ここではわずかに弓状であるカプセル基部14と、周囲側壁15とを形成する。
【0025】
ビーカーおよびカバーは、それ自体公知の態様でプラスチックで製造されるが、本発明は、他の材料、例えばアルミニウムのカプセルにも適用することができる。ビーカーへのカバーの固定は、同様に、公知の方法、例えば超音波溶接または場合によっては接合によっても行われる。
【0026】
ビーカー内に挿入されるフィルタ要素2はカプセル内部に存在し、その特徴は以下でより詳細に説明される。示される実施形態では、ビーカーは、周囲側壁15によって形成される肩部16に、例えば溶接によって、すなわち材料接続によって、固定される。他の固定方法、特に嵌合接続および非嵌合接続も同様に可能であろう。
【0027】
フィルタ要素は、抽出材料を充填される抽出材料領域5を収集領域6から分離する。提示される実施形態では、フィルタ要素2は、カプセル基部14の近傍に配置され、収集領域6は、カプセル基部の側に配置される。淹出プロセスのためのカプセル内への水の注入も、一般に、カバー側から行われる。逆の配置も考えられ、これに関して、水が基部から注入され、フィルタ要素はカバー側に配置される。
【0028】
図1は、カプセル内に同様に挿入される任意選択の分配要素3も概略的に破線で表しており、分配要素3は抽出材料領域5を注入側に画定し、かつそれ自体とカプセルカバー12との間に(または、それ自体とカプセル基部との間において逆の構成で)分配領域7を画定する。
【0029】
フィルタ要素2およびおそらく分配要素3は、好適な態様で、特に抽出材料が通過できないように、流体に対して透過性である。
【0030】
そのようなフィルタ要素および分配要素の機能の態様は、例えばEP 1 792 850に記載されており、この点に関して、この文献を参照されたい。
【0031】
フィルタ要素の一実施形態が、図2図6に示される。フィルタ要素2は、フィルタプレート21を形成し、フィルタプレート21は、フィルタプレート21を貫通する複数のフィルタ開口部22を有し、複数のフィルタ開口部22は、図示の実施例では、コーヒーの小さな粒による詰まりを防ぐために、抽出材料領域から遠ざかる方向に(収集領域側に向かって)わずかに広がるように設計されている。収集領域側にはスペーサ29が複数存在し、これらのスペーサは、以下に説明する補強フレームに加えて、大きなカプセル内圧下でフィルタプレート21がカプセル基部14に押し付けられるのを防ぎ、収集領域内における径方向における流れを防ぐことができる。
【0032】
示される実施形態において、フィルタ要素は全体としてビーカー状の態様で設計され、周囲側壁23を有し、周囲側壁23は、外側でフィルタプレート21に接続し、フィルタプレートと共に抽出材料領域の一部であるフィルタビーカー容積を画定する。外側において、周囲側壁23上には、外側へフランジ状に突出し、示される実施形態においてはカプセルビーカー11内でフィルタ要素2を固定するための周縁24が形成されている。
【0033】
フィルタプレート21の中心には、内側、すなわち抽出材料領域に向かって突出する突起の形状を有する中央要素25が形成されている。中央要素25を形成するこの突起は、複数の突起を有する本質的に円錐形である。
【0034】
フィルタプレート21の抽出材料側では、フィルタ要素は、六角形構造、すなわちハニカム構造を形成する支柱26のフレームを備える。そのような構造の性質は、個々の支柱26の長さが均等であり、3つの支柱が各分岐27に隣接するように分岐27で交わることである。このようなハニカム構造は、特に安定した二次元フレームを形成する。
【0035】
ハニカム構造および他の安定した二次元フレーム構造のさらなる特徴は、径方向最外側から径方向最内側まで支柱に沿った任意の経路上に、複数の分岐部が常に存在すること、すなわち、フレーム内には、複数の分岐部27によって横方向に支持されることもなく最外側から最内側へ到達する支柱が存在しないことである。同じことが、周方向における任意の経路にも当てはまり、すなわち、完全な周囲部分の周りにおいて、支柱がいくつかの位置で分岐しないような経路は、フレーム内には見られないことになる。
【0036】
フレームは、径方向内側(本明細書における「放射状」または「周方向」または「中央において」などの方向の詳細は、特に明記しない限り、常にカプセルの軸20に関連している)で中央要素に接続する。
【0037】
支柱の強度(すなわち、支柱のそれぞれが走る方向に対して垂直な断面積)は、径方向外向きに減少する。これは、フィルタプレートに垂直な寸法における支柱の延在が径方向外向きに徐々に減少する一方で、幅、すなわちそれぞれの支柱が走る方向に垂直でフィルタプレートに平行な延在が一定であることによって実現される。図示した実施形態の支柱の強度は、最外側で径方向にゼロになる傾向があり、これは図5および図6に特によく見られる。しかしながら、支柱の強度は、径方向最外側で完全にゼロではなく、支柱が周囲側壁23まで到達することも可能である。
【0038】
図7は、フィルタ要素2の代替実施形態を示し、特に、フィルタ要素2は、周囲側壁を含まず、したがってビーカー状に設計されないが、全体として円盤形状であるという点で、図2図6のものと異なる。フィルタ要素の径方向外側の縁部領域28は、フレームを有するフィルタプレート21と接続する。これは、外側(すなわち、収集領域に向かう側、図7では下側であり、したがって見えない)に周囲リブを含むことができ、このリブは、超音波溶接方法におけるエネルギーダイレクタとして機能する。したがって、フィルタ要素は、例えば、図1に概略的に表される肩部16よりもやや顕著な態様で設計されるカプセル基部要素によって形成される肩部に溶接することができる。
【0039】
図7の実施形態の中央要素、支柱26からなるフレーム、およびフィルタプレート21は全体として前述の実施形態と機能的に等しい。
【0040】
とりわけ、他のカプセル形状でもさらなる実施形態が可能である。
支柱からなるフレームを、外側、すなわち収集領域方向を向くフィルタプレート21の側に設けることも可能である。
【0041】
実施例:図2図6によるフィルタ要素を用いて数値シミュレーションを行った。内側で12バールの圧力で100℃の温度にさらされるフィルタ要素をシミュレートした。比較のために、支柱からなるフレームを備えていないが、それ以外は同じ態様で設計されたフィルタ要素について、同じシミュレーションを行った。双方のフィルタプレートが同等であるとして、変形は中央領域、特に中央要素の位置およびその直接環境において最大であることが見出された。しかしながら、本発明によるフィルタ要素での最大変形は、本発明に従って設計されていないフィルタ要素と比較して約3分の1に低減される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】