特表2021-522090(P2021-522090A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-522090(P2021-522090A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】混合および混錬機
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/42 20060101AFI20210802BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   B29B7/42
   B29B7/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-561754(P2020-561754)
(86)(22)【出願日】2019年4月18日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月6日
(86)【国際出願番号】EP2019060209
(87)【国際公開番号】WO2019211109
(87)【国際公開日】20191107
(31)【優先権主張番号】18170447.9
(32)【優先日】2018年5月2日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520421558
【氏名又は名称】バス エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ショツァウ,マーティン
【テーマコード(参考)】
4F201
【Fターム(参考)】
4F201BA01
4F201BC02
4F201BC13
4F201BD05
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK25
4F201BK28
4F201BK33
4F201BK34
4F201BK36
4F201BK39
4F201BK40
(57)【要約】
本発明は、フィードおよび混合装置(12)と排出装置(14)とを有する、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルもしくはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形品を製造するためなどの連続調製プロセス用の混合および混練機に関し、フィードおよび混合装置は、ハウジング(18)、スクリューシャフト(34)、および接続要素(24)を含み、接続要素はハウジングの前側に配置され、また排出装置に接続され、中空内部がハウジングおよび接続要素の両方に形成され、スクリューシャフトは、少なくとも部分的に軸方向においてハウジングの内部を通って延在し、および少なくとも部分的に軸方向において接続要素の内部を通って延在し、ハウジングの内周面から内部に延びる複数の混練要素(40)がハウジング内に提供され、混錬要素(40)は接続要素の内周面にも配置され、接続要素の内部に延び、排出装置は脱気装置(26)を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィードおよび混合装置(12)を有し、かつ排出装置(14)を有する、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルまたはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形部品を製造するためなどの連続調製プロセス用の混合および混練機(10)であって、前記フィードおよび混合装置(12)は、ハウジング(18)、スクリューシャフト(34)、および接続要素(24)を備え、前記接続要素(24)は前記ハウジング(18)の前側に配置され、前記排出装置(14)に同じく接続され、中空内部が前記ハウジング(18)および前記接続要素(24)内に形成され、前記スクリューシャフト(34)は、少なくとも部分的に軸方向において前記ハウジング(18)の内部を通って延在し、および少なくとも部分的に軸方向において前記接続要素(24)の内部を通って延在し、前記ハウジング(18)内には、前記ハウジング(18)の内周面から前記内部に延びる複数の混練要素(40)が配置される混合および混錬機(10)において、
前記接続要素(24)の前記内部に延びる混練要素(40)が前記接続要素(24)の前記内周面に配置され、前記排出装置(14)が脱気装置(26)を有することを特徴とする混合および混錬機(10)。
【請求項2】
前記排出装置(14)が二軸スクリュー押出機であることを特徴とする、請求項1に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項3】
前記排出装置(14)が逆回転式二軸スクリュー押出機であることを特徴とする、請求項2に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項4】
軸方向で見た場合に前記二軸スクリュー押出機の2つのスクリューが平行に配置されず、0.1〜20°、好ましくは0.5〜10°、最も好ましくは2〜5°の角度で互いに傾けられ、前記2つのスクリューは好ましくは搬送方向において収束することを特徴とする、請求項2または3に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項5】
前記排出装置(14)の前記スクリューが円錐状に延在し、前記スクリューは前記搬送方向において先細になることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項6】
前記排出装置(14)の前記スクリューを水平面内で前記フィードおよび混合装置の前記スクリューシャフトに対して45°〜135°、好ましくは60°〜120°、より好ましくは80°〜100°、さらにより好ましくは85°〜95°、最も好ましくは90°ひねることにより、前記接続要素(24)の中に延びる前記スクリューシャフト(34)の前側端部が前記排出装置(14)の前記スクリューの外周面に向けられるようにすることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項7】
前記混練要素(40)が、前記接続要素(24)の内周面の少なくとも1つのセクションにわたって軸方向に延びる少なくとも2列(44、44’、44’’)で前記接続要素(24)の内周面上に配置され、少なくとも1列の最初の混錬要素(40)から最後の混錬要素(40)までの距離は、前記接続要素(24)の内周面の軸方向長さの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは90%、最も好ましくは全体をカバーすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項8】
前記ハウジング(18)の内周面の前記混錬要素(40)が、前記軸方向に延びる少なくとも2列(44、44’、44’’)で前記ハウジング(18)の内周面の少なくとも1つのセクションにわたって同じく配置され、好ましくは、少なくとも前記ハウジング(18)の下流端の内周面の前記混錬要素(40)の列(44、44’、44’’)は、前記接続要素(24)の内周面の前記混錬要素(40)の列(44、44’、44’’)と整列され、前記接続要素(24)の内周面の軸方向に延びる混錬要素(40)の2〜8列、好ましくは2〜6列、より好ましくは2、3、4または6列(44、44’、44’’)が好ましくは前記接続要素(24)の内周面に配置されることを特徴とする、請求項7に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項9】
前記スクリューシャフト(34)が、前記接続要素(24)が前記ハウジング(18)に配置される前記ハウジング(18)の前側から軸方向に見た場合に、前記接続要素(24)の軸方向長さの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは90%、最も好ましくは全体にわたって延びることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項10】
前記接続要素(24)、および、少なくとも前記接続要素(24)に接する前記ハウジング(18)の領域であって、前記ハウジング(18)の軸方向長さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは全体にわたって延びる領域が、脱気装置を備えないことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項11】
前記フィードおよび混合装置(12)全体が脱気装置を備えないことを特徴とする、請求項10に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項12】
前記排出装置(14)の排出端に、造粒装置、フィルター、切断装置、ストランドダイ、プロファイルツール、シートダイ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される装置が配置され、好ましくは前記造粒装置(16)は空気/水造粒装置、水中造粒装置、またはストランド造粒装置であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項13】
前記脱気装置(26)が負圧を生成する装置を有し、または負圧を生成する装置に接続されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項14】
前記脱気装置(26)が、前記排出装置(14)内を800ミリバール未満、好ましくは600ミリバール未満、より好ましくは50〜500ミリバール、最も好ましくは200〜400ミリバールの絶対圧力に調整および維持できるように設計されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の混合および混錬機(10)。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の混合および混練機内で実施される、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルまたはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは同時に並進式に移動する回転スクリューシャフトが配置される中空内部を画定するハウジングを備えるフィードおよび混合装置、ならびに排出押出機などの排出装置を有する連続調製プロセスのための混合および混練機に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような混合および混練機は、特にプラスチックおよび/または粘性の塊の調製に使用される。例えば、それらは、粘性プラスチック塊の処理、プラスチックの均質化および可塑化、フィラーおよび補強材の混ぜ合わせ、ならびに食品産業で原材料の製造に使用される。これによってスクリューシャフトは、処理される材料を軸方向に前方に輸送または運搬し、これによって材料の成分を一緒にブレンドする作業要素を形成する。
【0003】
このような混合および混練機は、排出押出機などの適切な排出装置が使用され、これが間欠切断装置、ストランドダイ、プロファイルツール、シートダイまたは同様の装置になど、造粒装置または同様の装置に接続されている場合、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイル、ポリマー成形部品などの製造に特に適している。混合および混練機のフィードおよび混合装置によって、均質なポリマー溶融物または混合物(例えば、PVC、ゴム、食品、動物飼料、粉末コーティング、ハロゲンフリー難燃剤、医薬品その他)が製造され、その後排出装置に運ばれ、それによって例えば造粒装置に運ばれる。例えば、混合物の個々の成分は、混合および混練機のフィードおよび混合装置の前方セクションでブレンドおよび均質化され、こうして製造された均質な混合物から溶融物が製造され(混合物の少なくとも1種類の成分が溶融可能な限り)、この際、同じことがフィードおよび混合装置の中央および後方セクションで行われている。このように製造された溶融物は、次に、排出装置を介して、例えば水中造粒装置に運ばれ、そこで溶融物は、例えばダイプレートのダイを通して、200万パスカルでプレスされ、ダイプレートを出るときに回転カッターによって顆粒へと直接切断され、ダイプレートの前面を流れる処理水によって顆粒粒子へと固化される。あるいは、溶融物または粘性混合物(溶融物が生成されない場合)を、押出または成形ツールに押し通して、ポリマー成形品を製造することもできる。
【0004】
そのような混合および混練機のフィードおよび混合装置は、例えば、CH278 575A号およびCH464 656号から知られている。
【0005】
これらの混合および混練機に関して、フィードおよび混合装置のスクリューシャフトは、好ましくは、回転運動を実行するだけでなく、同時に、軸方向、すなわちスクリューシャフトの方向に並進的に前後に移動する。したがって、運動シーケンスは、好ましくは、軸方向で見たときに、スクリューシャフトが回転に重ね合わされた振動運動を実行することを特徴とする。この運動シーケンスにより、内部要素、すなわち、混錬ボルトまたは混錬コグなどの混錬要素を、フィードおよび混合装置のハウジングに導入することが可能になる。混錬ボルトまたは混錬コグの存在により、メインシャフト、いわゆるシャフトロッドに配置されたスクリューは、シャフトロッドの断面で見た場合に、連続的に延在せず、複数の個別のブレード要素に細分され、そのそれぞれがシャフトロッドの断面円周の特定の角度セクターに広がる。隣接するブレード要素は、シャフトロッドの軸方向および外周方向の両方で互いに離間している。すなわち、いずれの場合も、隣接するブレード要素の間に、シャフトロッドの軸方向および外周方向の両方でギャップが設けられている。例えば、スクリューシャフトのシャフトロッド全体、または断面円周に対してスクリューシャフトのシャフトロッドの軸方向断面が、それぞれが例えばシャフトロッドの断面円周の100°の角度セクターにわたって延びる3つのブレード要素を含む場合、3枚ブレードのスクリューシャフトまたは3枚ブレードのスクリューシャフトセクションと呼ばれる。スクリューシャフトの軸方向の回転および並進運動は、個々のブレード要素とその側面が対応する混練要素に近づき、混合および混練される材料を圧縮し、せん断作用を及ぼし、したがって、混練要素がブレード要素と衝突することなく、混合および/または混練プロセスを促すように制御される。それに加えて、混練要素はブレード要素に非常に接近するので、混練要素はブレード要素の側面への混合成分の堆積を防止し、その結果、混練要素はまた、最終的にブレード要素のクリーニングをもたらす。当然、ブレード要素の数と形状は、混練要素の数に合わせて調整する必要がある。従来、個々の混練要素は、フィードおよび混合装置のハウジングの内周面に軸方向に配置され、ブレード要素の形状および数に一致し、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクションにわたって延びる複数の列において配置されている。例えば、4列の混練要素がハウジングの内周面に配置されている場合、スクリューシャフトは、その外周面に、断面で見た場合、4つのブレード要素を有することができ、その間にそれぞれ十分に広いスペースが設けられ、その結果、混練要素はこれらのスペースを通って移動することができる。
【0006】
説明したように、混合および混錬機のフィードおよび混合装置の下流端(搬送方向で見た場合)には、フィードおよび混合装置で製造された均質な混合物をさらなる処理のためにフィードおよび混合装置の外へ、例えば造粒装置などの追加の処理装置へ搬送するための排出装置が配置される。フィードおよび混合装置のハウジングを排出装置に接続するために、接続要素が、通常、搬送方向で見たときにフィードおよび混合装置のハウジングの下流の前側端部に配置される。一般的に、接続要素はフランジである。接続要素の目的は、混合物が機械的または熱的影響によって移送中に損傷を受けることなく混合物をそこまでさらに搬送できるように混合物をフィードおよび混合装置から排出装置に搬送できるように、ハウジングの下流端と排出装置の入力側とを一緒に接続することである。この目的のために、フィードおよび混合装置のハウジングに配置されたスクリューシャフトは、混合物を接続要素を通して排出装置に直接搬送するために、接続要素の端から端まで延在する。
【0007】
既知の混合および混練機では、フィードおよび混合装置で製造された混合物または溶融物は、混合物または溶融物から、含有されているガスおよび残留水分およびモノマーなどの他の揮発性成分を除去するために、排出装置に移される前に脱気される。既知の混合および混練機の1つの変形例では、この目的のために、フィードおよび混合装置のハウジングの下流端(搬送方向で見た場合)に脱気装置が設けられ、前記脱気装置は負圧を溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)に適用し、それにより揮発性成分を溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)から引き抜く。しかしながら、これには特に熱に敏感な溶融物または混合物に関していくつかの欠点がある。一方では、混錬要素は、脱気装置の下流、すなわち、ハウジングの最終セクションおよび接続要素において、もはや使用することができない。そうしないと、すでに脱気された溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)に過剰なエネルギーが導入される可能性があり、これは溶融物の温度上昇をもたらし、このため、脱気された溶融物に熱的損傷をもたらし得るからである。このため、混錬要素は、この変形の既知の混合および混錬機において、脱気装置の下流に配置されたハウジングセクションに、および特に接続要素にもはや提供されず、その結果、混錬要素がもはや提供されていないフィードおよび混合装置の下流領域は、混合物の成分を混合して混合物を均質化する場合に、少なくとも大部分が使われない。代わりに、それは搬送セクションだけを含む。この変形の別の不利な点は、脱気される混合物が、排出装置に入る前にすでに、すなわち、脱気装置が提供されるハウジングセクションの接続要素の上流ですでに、溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)として存在しなければならないことである。そうでなければ効果的な脱気は不可能である。これによりまた、脱気装置の下流のスクリューシャフトが通過する混合および混練機のフィードおよび混合装置の部分は、搬送セクションとしてのみ使用することができるという結果が生じる。さらに、下流の接続要素内の溶融物は、混練要素がないにもかかわらず、さらにせん断され、これは、溶融温度の上昇に、さらには、ポリ塩化ビニル(PVC)など特に熱に敏感な材料の場合になど、溶融物の熱的損傷にさえつながる可能性がある。それに加えて、この変形では、接続要素に混練要素がないため、スクリューシャフトのブレード要素のすべての側面を完全にクリーニングすることは不可能である。これは、ブレード要素の側面およびブレード要素のシャフトロッドへの移行部に堆積物を堆積させる。その結果、混錬ボルトによる「セルフクリーニング効果」がないため、今度は混合および混錬機のすすぎ時間が長くなり、出発原料を変更する際の廃棄物の量は相当なものになる。多くの場合、混合および混練機のフィードおよび混合装置全体は、すすぎがうまく適用できない場合に無駄を防ぐために、または最初に出発材料の変更を可能にするためにさえ、開いてクリーニングする必要がある。
【0008】
既知の混合および混練機の別の変形では、フィードおよび混合装置の接続要素と排出装置との間に脱気ドームが設けられ、それに対して混合物が、フィードおよび混合装置から排出された後、上から円筒タワーに導入され、その内部で排出装置のスクリューに下向きに落下する。しかしながら、この変形は、溶融物の処理にはあまり適していないか、まったく適していない。それに加えて、排出装置のスクリューは、そこを出て脱気ドームへ落下するすべての材料を搬送するために非常に大きくなるように寸法を決める必要がある。これによりこの変形の投資コストが高くなる。
【発明の概要】
【0009】
これに基づいて、本発明の目的は、連続調製プロセス向けの、特に、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルもしくはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形部品を製造するための、適切な混合および混練機を代わりに提供することであり、前記機械は、最小の長さのフィードおよび混合装置で混合物の成分の最適な混合および均質化を可能にし、その結果、混合および混練機は、フィードおよび混合装置の長さに関して最適な効率によって特徴付けられ、これはまた、混合および混練機で使用される出発材料を変更するときに、フィードおよび混合装置のセルフクリーニングを容易にする。
【0010】
本発明によれば、この目的は、フィードおよび混合装置を有し、かつ排出装置を有する、連続調製プロセス向けの、特に、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルもしくはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形部品を製造するための混合および混練機によって達成され、フィードおよび混合装置は、ハウジング、スクリューシャフト、および接続要素を含み、接続要素はハウジングの前側に配置され、また排出装置に接続され、中空内部がハウジングおよび接続要素のそれぞれに設計され、スクリューシャフトは、少なくとも部分的に軸方向においてハウジングの内部を通って延在し、および少なくとも部分的に軸方向において接続要素の内部を通って延在し、ハウジング内には、ハウジングの内周面から内部に延びる複数の混練要素が提供され、混合および混練機は、接続要素の内部に延在する混練要素が接続要素の内周面に同じく配置され、排出装置が脱気装置を有することを特徴とする。
【0011】
この解決策は以下の認識に基づいている。すなわち、脱気装置を搬送方向で見た場合にフィードおよび混合装置のハウジングの下流端でなく排出装置に最初に配置することによって、溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)が、混練要素を接続要素の内周面上に形成できるようにさらに下流に最初に形成され、この際PVCなどのそこで処理される混合物の熱に敏感な材料でさえ熱的に損傷されないという認識に基づいている。本発明による混合および混練機では、脱気は、フィードおよび混合装置内の急速に回転および振動するスクリューシャフトの領域ではなく、排出装置の領域で、すなわちフィードおよび混合装置内の急速に回転および振動するスクリューシャフトの下流で起こる。接続要素の内周面にも混練要素を配置することにより、フィードおよび混合装置のこの領域は、混合物の成分をブレンドし、混合物を均質化するために同じく利用可能であり、その結果、フィードおよび混合装置の長さをそれに応じて短縮して、それにもかかわらず、接続要素が混練要素を持たない、対応してより長いフィードおよび混合装置と同じ混合および均質化レベルを達成することができる。このようにして、混合および混練機の投資コストが大幅に削減されるだけでなく、運用コストも大幅に削減される。これは特に、フィードおよび混合装置がそのより短い全長のために摩耗が少なく必要なスペースも少なくなるためである。説明したように、本発明による混合および混練機では、溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)を処理しなければならない場合、溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)は最初に搬送方向で見た場合に接続要素の下流で形成されることで十分である。これはまた、混合および混練機のフィードおよび混合装置の全長が同じ混合および均質化レベルで大幅に短縮され得るという事実に寄与する。これとは別に、本発明による混合および混練機は、接続要素にも混練要素を設けることにより、スクリューシャフトのブレード要素のすべての側面をその下流端に至るまで完全にクリーニングすることを可能にする。このようにして、ブレード要素の側面の堆積物、およびブレード要素のスクリューシャフトのシャフトロッドへの移行部の堆積物が、接続要素においても確実に抑制される。これにより、出発材料を変更するときに、混合および混練機のすすぎ時間が大幅に短縮される。全体として、本発明は、特に、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルもしくはポリマー成形部品などの顆粒、押出プロファイル、または成形部品を製造するためなどの、連続調製プロセスに適した混合および混練機を提供し、これはフィードおよび混合装置の最小の長さで混合物の出発材料を最適にブレンドおよび均質化することを可能にするので、混合および混練機は、フィードおよび混合装置の長さに関して最適な効率によって特徴付けられ、それはまた、混合および混錬機で使用される成分を変更するときにフィードおよび混合装置のクリーニングを容易にする。
【0012】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、排出装置は、好ましくは逆回転する二軸スクリュー押出機である。二軸スクリュー押出機では、両方のスクリューが回転すると、スクリュー間にチャンバーが形成され、排出装置内の混合物は前記チャンバーを通って前方に運ばれる。これは、二軸スクリュー押出機のスクリューのねじ山とシャフトロッドが互いに対応して設計され、2つのスクリューが回転すると、2つのスクリューのねじ山と波形ロッドの間にチャンバーが形成され搬送方向に移動するように噛み合うように配置されるからである。これにより、2つのスクリューがゆっくりと回転し、排出装置を介して混合物を確実に搬送できる強制搬送が行われるため、混合物の一部の最小限の逆流のみが搬送方向に対して発生する。2つのスクリューの回転が遅いため、排出装置内、つまり脱気領域内の混合物は、比較的滞留時間が長く脱気面が大きいため、高いせん断力が混合物に及ぼされることなく効率的な脱気が実現される。このようにして、混合物への熱による損傷を確実に防ぐことができる。したがって、排出装置内に移された脱気装置は、逆回転式二軸スクリュー押出機としての排出装置の好ましい設計と相乗的に作用する。二軸スクリュー押出機の別の利点は、二軸スクリュー押出機内のねじ山が噛み合うため、混合物成分の堆積物が単軸押出機と比較して大幅に減少することである。
【0013】
この点に関して、排出装置が逆回転式二軸スクリュー押出機である場合、特に良好な結果が達成される。これらには、2〜3Dのスクリュー長さ(つまり、スクリューシャフト直径の2〜3倍に対応する長さ)で250〜300バールの高圧蓄積容量があり、同時に溶融物または混合物(溶融物が生成されない場合)の温度の上昇が最小限に抑えられるという利点がある。対照的に、一方向性二重スクリュー押出機は速く回転する。これが、これらが逆回転式二軸スクリュー押出機よりも高いせん断力を及ぼし、大幅に低い圧力を蓄積する理由である。
【0014】
逆回転式二軸スクリュー押出機のスクリューは、互いに平行に配置することができる。
【0015】
本発明の概念の発展において、二軸スクリュー押出機の2つのスクリューが、軸方向で見た場合に、0.1〜10°、好ましくは0.5〜7.5°、より好ましくは2〜5°、最も好ましくは2〜3°の角度で互いに向かって傾けられて配置され、この際好ましくは2本のスクリューは搬送方向において収束していることが提案される。この実施形態では、ねじ山深さは、搬送方向においてスクリューの長さにわたって減少するかまたは一定であるように設計することができる。二軸押出機のスクリューのこのような設計では、排出装置を作動するときに2つのスクリューの間に形成されるチャンバーは、搬送方向に連続的に小さくなる、すなわちこれらのチャンバーの容積は減少する。チャンバー内で搬送される混合物は、搬送方向にますます圧縮されるため、混合物中に残っている特にガス、残留水分、およびモノマーなどの揮発性化合物は、排出装置の搬送方向と反対に、したがって脱気装置に向かって押される。これは決定的な方法で脱気を支援するので、排出装置に移動した脱気装置の相乗的相互作用は、二軸スクリュー押出機としての排出装置の設計によってさらに増加する。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、排出装置のスクリューは円錐状に延び、ここでスクリューは搬送方向において先細になっていることが提供される。これは、二軸スクリュー押出機の2つのスクリューが、軸方向から見たときに、平行ではなく、互いにある角度で配置される前述の実施形態の効果を支持する。
【0017】
機械全体の長さの観点から、省スペースで大幅に短縮された混合および混練機を実現するために、本発明の概念の発展において、水平面内の排出装置の2つのスクリューを(それらの軸方向の長手方向に対して)フィードおよび混合装置のスクリューシャフトに対して45°〜135°、好ましくは60°〜120°、より好ましくは80°〜100°、さらにより好ましくは85°〜95°、最も好ましくは排出装置がフィードおよび混合装置に対して直角に配置されるように90°ひねることにより接続要素内に延びるスクリューシャフトの前側端が排出装置のスクリューの外周面に向けられることが提案される。それによって達成されるスペースの節約に加えて、この実施形態は、フィードおよび混合装置内で生成された混合物が、フィードおよび混合装置のハウジングの反対側の接続要素端部から、排出装置の2つのスクリューの間に直接スクリューシャフトによって搬送されることができるという利点を有する。これにより、フィードおよび混合装置から排出装置への混合物の効果的な移行が達成され、混合物の成分が他の成分に堆積したり、そこに焼き付いたりしないことが保証される。脱気装置が排出装置の反対側に配置可能であることにより、混合物が排出装置に入るときに脱気を直接行うこともできる。
【0018】
説明したように、混練要素は、フィードおよび混合装置の接続要素の内周面にも配置され、接続要素の内部に延在し、そこでシャフトロッドに配置されたブレード要素と共に、スクリューシャフトによって搬送される混合物の最適なブレンドおよび均質化を引き起こすだけでなく、特に、ブレード要素の側面の、特にブレード要素の側面のシャフトロッドの外周面への移行部の混合物成分の蓄積または焼き付きを防止する。好ましくは、混練要素は、接続要素の軸方向で見た場合に、接続要素内に深く延び、それにより混合物をブレンドおよび均質化するために接続要素の長さを最良に使用する。加えて、混練要素は、接続要素の内周面の少なくとも1つのセクションにわたって軸方向に延びる少なくとも2列で接続要素の内周面上に配置され、かくして接続要素内のマルチブレードスクリューシャフトセクションの使用を可能にすることが好ましい。好ましくは、接続要素内の少なくとも1列の最初から最後の混錬要素までの距離は、接続要素の内周面の軸方向長さの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは全体をカバーする。好ましくは、接続要素内のすべての列の最初から最後の混練要素までの距離は、接続要素の内周面の軸方向長の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは全体をカバーする。
【0019】
本発明の意味において、接続要素またはハウジングの内周面の少なくとも1つのセクションにわたって混合および混練機のフィードおよび混合装置の接続要素またはハウジングの軸方向に延びる列は、軸方向に互いに間隔を置いた混練要素全体に延びる接続線が少なくとも本質的に直線であり、接続線の直線からの最大のずれは、混合および混錬機のフィードおよび混合装置の接続要素またはハウジングの内周面の断面円周に対して、10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは2°未満であるという事実に言及する。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、混錬要素はまた、ハウジングの内周面上に、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクションにわたって軸方向に延びる少なくとも2列で配置されることが提供される。少なくともハウジングの下流端の内周面上の混練要素の列は、同じスクリューシャフトブレード形状が両方のセクションで使用される場合、接続要素の内周面上の混練要素の列と整列させることができる。しかしながら、これは必要ではない。それというのも、例えば、ハウジングの下流端で3つのブレードのスクリューシャフトセクションを使用することができ、4つのブレードのスクリューシャフトセクションを接続要素で使用することができ、またはその逆が可能なためである。
【0021】
通常、ここで記載する混合および混練機のフィードおよび混合装置は、様々なプロセスセクションに分割され、各プロセスセクションにおいて、スクリューシャフトは、その動作中にプロセスセクションに割り当てられたタスクに応じて、対応する数または形状のブレード要素で占められ、ハウジング壁の内周面はそれに対して調整された複数の混錬要素で占められている。例えば、スクリューシャフトを部分的に3つのブレードで、部分的に4つのブレードで設計し、それに応じて、混合および混練機のハウジング内壁の対応するセクションに3列または4列の混練要素を装備することが知られている。プロセスセクションがハウジングの下流端を越えて、フィードおよび混合装置の接続要素の上流領域まで延びるか、またはプロセスセクションがハウジングの下流端で終了し、次のプロセスセクションが接続要素の上流領域で開始するかに応じて、少なくともハウジングの下流端の内周面にある混練要素の列は、接続要素の内周面にある混練要素の列と整列される、またはされない。
【0022】
接続要素の内周面の方向に延びる好ましくは2〜8列、より好ましくは2〜6列、最も好ましくは2、3、4または6列の混練要素が、接続要素の内周面に配置される。さらに、接続要素の内周面の軸方向に延びる2〜8列、より好ましくは2〜6列、最も好ましくは2、3、4または6列の混錬要素がハウジングの内周面上に配置されることが好ましい。ハウジングのすべてのセクションが、ハウジングの軸方向長さで見た場合に、同じ数の列を有している必要はない。むしろ、ハウジングの個々のセクションは、異なる数の混練要素を有することができるが、好ましくは、すべてのセクションが、2〜8、より好ましくは2〜6、最も好ましくは2、3、4または6個の混練要素を有する。
【0023】
接続要素の領域でも混合物を効果的に混合および均質化し、混合物をフィードおよび混合装置から排出装置に効果的に移送できるようにするために、本発明の概念の発展において、スクリューシャフトが、軸方向で見た場合に接続要素がハウジングに配置されるハウジングの前側から、接続要素の軸方向長さの少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは全体にわたって延びることが提案される。
【0024】
説明したように、本発明によれば、脱気は、混合および混練機のフィードおよび混合装置のハウジングの下流端ではなく、最初に排出装置で行われることが提供される。したがって、本発明によれば、接続要素と、少なくとも接続要素に接し、接続要素の軸方向長さの少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは全体にわたって延びる少なくともハウジング領域とが脱気装置を備えないことが提供される。これにより、特定の用途に応じて、追加の脱気装置がハウジングの上流領域に存在することが可能になるが、これは好ましくない。
【0025】
したがって、フィードおよび混合装置全体が脱気装置を備えないことが非常に特に好ましい。
【0026】
説明したように、本発明による混合および混練機は、顆粒、ポリマー押出プロファイル、またはポリマー成形部品を製造するのに特に適している。したがって、混合および混練機において、排出装置の排出端に、言い換えると、搬送方向で見た場合に排出装置の下流端に、造粒装置、フィルター、切断装置、ストランドダイ、プロファイルツール、シートダイ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される装置が配置されることが好ましい。これにより、フィードおよび混合装置で生成され、排出装置によって排出される均質な混合物、特に均質なポリマー溶融物などを、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイル、またはポリマー成形部品に加工することが可能になる。
【0027】
好ましくは、水中造粒装置またはストランド造粒装置が、排出装置の排出端に配置される。空気/水造粒装置は、例えば、加熱された造粒ダイプレートを備えたダイ本体、造粒カッターおよびカッタードライブ、ならびに空気、空気/水ミストまたは水接続部を備えた顆粒収集ハウジングからなり得る。このような造粒装置は、PVC、エラストマー、他の高粘度溶融物または高充填ポリマー配合物に特に適している。あるいは、ダイプレートおよびそれに隣接する水槽を備える水中造粒装置が排出装置の排出端に造粒装置として配置される。水中造粒装置は、粘着性および/または低粘度の溶融物に特に適している。これに代わるものとして、排出装置の排出端に、例えば、ストランドダイ、水槽、および取り入れローラーおよびカッターローラーを備えたストランド造粒装置が造粒装置として配置される。ストランド造粒装置は、低粘度の溶融物に特に適している。
【0028】
あるいは、間欠切断装置、ストランドダイ、シートダイ、プロファイルツールまたは同様の装置を、排出装置の排出端に配置することもできる。
【0029】
脱気装置の設計に関して、本発明は制限されない。したがって、混合および混練機の排出装置に接続することができるすべての脱気装置を使用することができる。脱気装置は、負圧を発生させる装置を有することが好ましい。あるいは、正圧を生成する装置に脱気装置を接続することもできる。
【0030】
例えば、排出装置の脱気装置が、排出ハウジングの開口部、脱気ドーム、脱気ドームに接続された真空ユニット、脱気ドームに接続された分離器、任意選択的に逃げ空気弁、任意選択的に1つまたは複数のサイトグラス、および任意選択的に負圧インジケータを有することが適切であると証明されている。分離器と真空ユニットの両方は2回以上存在する可能性がある。真空ユニットとして真空ポンプを使用することが好ましい。例えば、真空ポンプとしては、ドライランニングポンプ(ルーツ式コンプレッサー、サイドチャンネルコンプレッサー、クローポンプなど)または水封ポンプが適している。大量のガスおよび/または液体を吸引する必要がある場合、および/または50ミリバール未満の比較的低い最終圧力が設定される場合、直列に接続された2つ以上の真空ポンプが好ましくは使用される。
【0031】
脱気装置は、貫流システムまたは循環システムとして設計することができる。貫流システムは、例えば、接続ホースを有する脱気ドーム、分離器、真空ポンプおよび清水供給部を備え、清水供給部は、水接続部、フローモニター、2/2電磁弁、および水の量を調整するためのスロットル弁から構成され得る。開回路システムとしての循環システムは、例えば、接続ホースを有する脱気ドーム、分離器、真空ポンプ、および熱交換器を備えた容器を含むことができる。真空ポンプは容器から水を吸引し、混合物から抜き取られた水および成分を容器に戻す。容器内の水は熱交換器で冷却される。容器内の水位は監視され、必要に応じて水が補充される。容器が過充填されないように、圧力のない溢流管が提供される。
【0032】
本発明の概念の発展において、脱気装置が排出装置内を800ミリバール未満、より好ましくは600ミリバール未満、さらにより好ましくは50〜500ミリバール、そして最も好ましくは200〜400ミリバールの絶対圧力に調整および維持できるように脱気装置を設計することが提案される。
【0033】
本発明のさらなる主題は、上記の混合および混練機内で実施される、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイルまたはポリマー成形部品などの、顆粒、押出プロファイル、または成形部品の製造方法である。
【0034】
本発明は、図面を参照して以下でより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による混合および混錬機の概略平面図を示す。
図2図1に示される混合および混錬機のフィードおよび混合装置の利用されるスクリューシャフトを備えるハウジングの斜視図を示す。
図3図1に示される混合および混錬機のフィードおよび混合装置ならびに排出装置の下流部分のセクションの概略断面図を示す。
図4図1に示される混合および混錬機のフィードおよび混合装置の下流部分の斜視および部分断面図を示す。
図5】真空ポンプおよび分離器を備える、貫流システムとして設計された脱気装置セクションの概略図を示す。
図6】真空ポンプおよび分離器を備える、循環システムとして設計された脱気装置セクションの概略図を示す。
図7】従来技術による混合および混錬機のフィードおよび混合装置の下流部分ならびに排出装置のセクションの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
概略平面図として図1に示される本発明による混合および混練機10は、フィードおよび混合装置12、排出装置14、および水中造粒装置16を含む。フィードおよび混合装置12はハウジング18を含み、その上面には、混合および混練される出発材料を供給するための上部フィーダ20および充填ホッパ20’が配置されている。フィードおよび混合装置12は、図2に開いた形で斜視図で詳細に示されており、フィードおよび混合装置12の下流端(搬送方向で見た場合)は図3および図4の断面図に示されている。ハウジング18の上流端には、モータおよびギアボックスを含む駆動ブロック22が配置されている。さらに、ハウジング18は、ハウジングの前側の下流端にフランジ付けされた接続要素24を備える。本発明によれば、脱気装置26が、排出装置14に、特に接続要素24の反対側の排出装置14の側に提供される。さらに、排出装置14もまた、駆動ブロック22’を備える。
【0037】
図2〜4に詳細に示されているように、ハウジング18は、2つのハウジング半部28、28’を含み、これらは、軸方向に隣接して配置されるいくつかのハウジングシェル部分32、32’、32’’から構成される、いわゆるハウジングシェル30で内側が裏打ちされている。本特許出願において、ハウジングシェル30はハウジング18の一部であると見なされる。2つのハウジング半部28、28’が閉じられると、ハウジング18の内周面は、スクリューシャフト34が配置された円筒形の中空内部を画定する。スクリューシャフト34は、その円周面上にブレード要素38が配置されたシャフトロッド36を備える。2つのハウジング半部28、28’の内周面には、混錬ボルト40として設計された混錬要素40が設けられている。これらの混練要素のそれぞれは、ハウジング18の壁にそれぞれ設けられたボアを固定するように配置され、前記ボアは、ハウジングシェル30の内周面からハウジング18の壁を通って延びる。各リセス42の下方の半径方向内側端部は、正方形の断面を有するように設計することができ、ここで各混練ボルト40は、レセプタクル42の正方形の半径方向内側端部に正確に嵌合する端部を有し、したがって、レセプタクル42内で回転不能式に利用状態で固定される。混練ボルト40は、レセプタクル42内にあるその端部で、レセプタクル42の上にある端部内で使用される固定要素にねじ込みによって接続されている。特に図2から分かるように、互いに等間隔に配置された混錬ボルト40は、軸方向で見たときに、3列44、44’、44”の形で2つのハウジング半部28、28’のそれぞれの中へと延びる。ハウジング18は、好ましくは、1つまたは複数の熱装置によって温度制御されるか、またはハウジングの外側に取り付けられた電気加熱カートリッジまたは加熱プレートを用いて加熱可能であり、水冷または空冷され、必要に応じて、油または別の液体または特殊なガスなどの別の流体によって同じく冷却される。
【0038】
図2に示されるように、混合および混練機は、軸方向にいくつかのプロセス段階46、46’、46”に分割され、各プロセス段階46、46’、46”は、混錬ボルト40の数およびシャフトロッド34上のブレード要素38の数および寸法に関して、個々のプロセス段階46、46’、46’’の機能に適合されている。図2に示されるように、混錬ボルト40用のレセプタクル42の3列44、44’、44”のうちの上部ハウジング半部28の左側セクション46および右側セクション46”において、2つの列、具体的には、上部列44および下部列44’’は、混練ボルト40を備えているが、中央列44’は、混練ボルト40を備えていない。これとは対照的に、上部ハウジング半部28の中央セクション46’では、混錬ボルト40用のレセプタクル42の3列44、44’、44’’のうち、1列、具体的には中央列44’は、混錬ボルト40を備えているが、上部列44および下部列44”は、混錬ボルト40を備えていない。
【0039】
従来技術による混合および混練機を示す図7に示すように、従来技術によるこのタイプの混合および混練機において、脱気装置26がハウジング18の下流端に設けられ、排出装置14に移す前にフィードおよび混合装置12で製造された混合物または溶融物を脱気して、混合物または溶融物に含まれるガスおよび残留水分およびモノマーなどの他の揮発性成分を除去する。そこに配置された脱気装置26により、この混合および混練機の接続要素24に混練要素40は提供されない。そうしないと、すでに脱気された溶融物に過剰なエネルギーが導入され、溶融物の温度上昇を、ひいては熱損傷をもたらし得るからである。結果として、混練要素40が提供されていないフィードおよび混合装置12の下流領域は、混合物の成分をブレンドし、混合物を均質化するために大部分使用されない。この変形例の別の欠点は、脱気用の混合物が、排出装置に入る前にすでに、具体的には、脱気装置26が提供されるハウジング18のセクションの接続要素24のすでに上流で、溶融物として存在しなければならないことである。そうでなければ、効果的な脱気は不可能なためである。これはまた、スクリューシャフト34によって貫通され脱気装置26の下流に位置するフィードおよび混合装置12の部分が、純粋な搬送セクションとしてしか使用できないという事実につながる。さらに、接続要素24に混練要素40がないため、スクリューシャフト34のブレード要素38のすべての側面を完全にクリーニングすることは不可能である。これは、ブレード要素38の側面およびブレード要素38のシャフトロッド36への移行部に堆積物を堆積させる。これにより今度は、出発材料が変更されるときに混合および混練機のすすぎ時間が長くなり、廃棄物の量が増える。
【0040】
これらの不利な点を克服するために、本発明によれば、図1、3および4に示すように、脱気装置26が排出装置14に設けられ、混練要素40も接続要素24の内周面に配置され、接続要素24の中へと延びる。したがって、本発明による混合および混練機では、脱気は、フィードおよび混合装置12内の急速に回転および振動するスクリューシャフト34の領域ではなく、排出装置14の領域、言い換えると、フィードおよび混合装置12の急速に回転および振動するスクリューシャフト34の下流で起こる。脱気装置26を、フィードおよび混合装置12のハウジング18の下流端ではなく、排出装置14に最初に配置することにより、溶融物はさらに下流に最初に形成され、その結果、混錬要素40を接続要素24の内周面にも配置することができ、この際PVCなどその中で処理される混合物の感熱性材料でさえも熱的に損傷されない。その結果、フィードおよび混合装置12の長さをそれに応じて短縮することができ、その結果、混合および混錬機10の投資コストと運用コストの両方が大幅に削減される。さらに、他の利点に加えて、ブレード要素38の側面への、およびブレード要素38のスクリューシャフト34のシャフトロッド36へ移行部への堆積物もまた確実に抑制される。
【0041】
図3および4に示されるように、排出装置14は、逆回転する二軸スクリュー押出機である、すなわち、排出装置14を運転しているときに反対方向に回転する長手方向に延びて噛み合う2つのスクリュー48、48’を有するものである。スクリュー48、48’は、ねじ山50、50’およびシャフトロッド52、52’を有し、スクリュー48、48’は互いに対応するように設計され、そして噛み合うように配置され、その結果、2つのスクリューが回転するときに2つのスクリュー48、48’のねじ山50、50’およびシャフトロッド52、52’の間にチャンバーが形成され、搬送方向に移動するようにする。これにより、両方のスクリュー48、48’がゆっくりと回転しながら、排出装置を通して混合物を確実に搬送できる強制搬送が行われるため、搬送方向に対抗する混合物の一部の逆流は最小限に抑えられる。2つのスクリューの回転が遅いため、排出装置14内、つまり脱気領域内の混合物は、滞留時間が比較的長く、脱気面が大きいため、高いせん断力が混合物に及ぶことなく効率的な脱気が実現される。これにより、混合物への熱による損傷は確実に防止される。
【0042】
図4から分かるように、軸方向で見た二軸スクリュー押出機の2つのスクリュー48、48’は平行ではなく、0.1〜20°、好ましくは0.5〜10°、より好ましくは2〜5°の角度で互いに向かって傾斜して配置され、2つのスクリュー48、48’は搬送方向に収束する。
【0043】
図3および4に同じく示されるように、排出装置14の脱気装置26は、開口部(図示せず)を介して排出装置14のハウジング56に接続された脱気ドーム54を備える。真空ポンプおよび分離器を含む装置60が、ホース58を介して脱気ドーム54上に配置される。さらに、脱気ドーム54は、サイトグラス62、負圧用のインジケータ64、および漏れ空気弁66を含む。装置60に設けられた真空ポンプによって脱気ドーム54内に必要な負圧は調整される一方、残留ガスおよび/または残留液体は装置60に設けられた分離器によって脱気ドーム54から抜き取られ分離される。これによって装置60は図5に示されるように貫流システムとして、または図6に示されるように循環システムとして設計することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、図5に示され貫流システムとして設計された装置60は、ホースライン72を介して互いに接続された真空ポンプ68としての水封ポンプおよび分離器70を含む。さらに、この設計の装置60は、清水を供給するために、水接続部74、フローモニター76、2/2電磁弁78、および水の量を調整するためのスロットル弁80を含む。
【0045】
本発明の別の実施形態によれば、図6に示され循環システムとして設計された装置60は、真空ポンプ68としての水封ポンプおよび分離器70を含む。さらに、この実施形態の装置60は、熱交換器を備えた容器81、清水を供給するために、水接続部74、ろ過器82、制御弁84、2/2遮断弁86、排水弁88、溢流管90、逆止弁92および温度制御装置94を備える。真空ポンプ68は容器81から水を吸引し、混合物から抽出された水および成分を容器81に戻す。容器81内の水は熱交換器によって冷却される。容器81内の水位は監視され、必要に応じて水が補充される。圧力のない溢流管90は、容器81が過充填されないように提供される。
【符号の説明】
【0046】
10 混合および混錬機
12 フィードおよび混合装置
14 排出装置
16 (水中)造粒装置
18 ハウジング
20 上部フィーダ
20’ 充填ホッパ
22、22’ 駆動ブロック
24 接続要素
26 脱気装置
28、28’ ハウジング半部
30 ハウジングシェル
32、32’、32’’ ハウジングシェル部分
34 スクリューシャフト
36 シャフトロッド
38 ブレード要素
40 混錬要素/混錬ボルト
42 混錬要素のレセプタクル
44、44’、44’’ 混錬要素の列
46、46’、46’’ プロセスセクション
48、48’ 排出装置のスクリュー
50、50’ 排出装置のスクリューのねじ山
52、52’ 排出装置のスクリューのシャフトロッド
54 脱気ドーム
56 排出装置のハウジング
58 ホース
60 真空ポンプおよび分離器を含む装置
62 サイトグラス
64 負圧インジケータ
66 漏れ空気弁
68 真空ポンプ
70 分離器
72 ホースライン
74 (清)水接続部
76 フローモニター
78 2/2電磁弁
80 スロットル弁
81 熱交換器を備えた容器
82 ろ過器
84 制御弁
86 2/2遮断弁
88 排水弁
90 溢流管
92 逆止弁
94 温度制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】