特表2021-522094(P2021-522094A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-522094セルフシーリング設計の造形物コンパートメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-522094(P2021-522094A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】セルフシーリング設計の造形物コンパートメント
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/255 20170101AFI20210802BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20210802BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20210802BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20210802BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20210802BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20210802BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   B29C64/255
   B29C64/153
   B29C64/165
   B33Y10/00
   B33Y30/00
   B22F3/105
   B22F3/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2021-508074(P2021-508074)
(86)(22)【出願日】2019年4月25日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月30日
(86)【国際出願番号】EP2019060622
(87)【国際公開番号】WO2019207049
(87)【国際公開日】20191031
(31)【優先権主張番号】62/663,282
(32)【優先日】2018年4月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520420584
【氏名又は名称】フリーメルト エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アケリッド、ウルフ
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL03
4F213WL72
4F213WL74
4K018CA33
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、粉末ベッドに基づく3D印刷システムにおいて使用される造形物コンパートメントに関する。造形物コンパートメントは、粉末の薄層を連続的に固着させることによって3Dオブジェクトが形成される、3D印刷機器における空間である。造形物コンパートメントは、互いに対して移動可能な少なくとも2つの垂直壁構造を有するように設計される。可動壁構造は、可動方向において少なくとも部分的に重なり、粉末を封入するための可変空間のためにセルフシーリングを提供する。他の利用可能な設計とは対照的に、この解決策では、粉末漏出が造形物コンパートメントから出ることを防止するために、例えばエラストマー、織物フェルト、または組紐などの圧縮性封止材を必要としない。封止の信頼性がより高く、封止材の破片が粉末に混入するリスクが無いという利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末から3次元オブジェクトを製造するための機器であって、
互いに対して移動可能な少なくとも2つの壁構造を有する造形物コンパートメントを備え、前記壁構造は、少なくとも部分的に可動方向において重なり、粉末を封入するための可変空間を提供する、機器。
【請求項2】
前記少なくとも2つの壁構造は垂直壁構造である、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記少なくとも2つの壁構造は内側壁構造および外側壁構造である、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記内側壁構造は固定位置を有し、前記外側壁構造は可動であり、前記外側壁構造には床面が取り付けられている、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記2つの壁構造は、内側シリンダおよび外側シリンダの形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記2つの壁構造は、内側円筒形シリンダおよび外側円筒形シリンダの形状を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の機器。
【請求項7】
前記造形物コンパートメントの前記3次元オブジェクトのための内部未使用空間を低減するための第3壁構造を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の機器。
【請求項8】
前記造形物コンパートメントから、固められていない粉末を除去するための機構を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の機器。
【請求項9】
前記造形物コンパートメントを冷却するための装置を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の機器。
【請求項10】
前記造形物コンパートメントを加熱するための装置を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の機器。
【請求項11】
前記3次元オブジェクトは、上記粉末から1層ずつ製造される、請求項1から10のいずれか一項に記載の機器。
【請求項12】
前記3次元オブジェクトは付加製造によって製造される、請求項1から11のいずれか一項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状材料、より具体的には粉末材料から、粉末ベッドにおいて粉末材料を1層ずつ固着することによって3次元オブジェクトを作成するための付加製造機に関する。固着は様々な手段、例えば、エネルギー線を用いる融合もしくは焼結、または、バインダージェッティングによる接着によって実行できる。
【背景技術】
【0002】
現在利用可能な粉末ベッド付加製造機は通常、製造プロセス中に造形物コンパートメント内において、連続的に造形された3次元オブジェクトを下降させるための可動テーブルを有する。粉末の漏出を防止するべく、可動テーブルと、粉末および3次元オブジェクトを囲む造形物コンパートメントとの間に圧縮性封止材、例えばエラストマー、織物フェルト、または組紐を設けることが一般的な慣行である。そのような機械ではしばしば、封止の欠陥に起因する粉末漏出の問題がある。これは、例えば機械における過酷な環境(摩擦、熱、真空、放射線など)に起因し得、封止材の劣化、および、その封止特性の喪失を引き起こす。更なる課題は、粉末および3次元オブジェクトに、劣化した封止からの破片が混入し得ることである。そのような混入が起きると、3次元オブジェクトの材料特性が劣化し得、また、造形物コンパートメントからの過剰な粉末を再使用することが不可能になり得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、粉末から3次元オブジェクトを製造するための機器であって、互いに対して移動可能な少なくとも2つの壁構造を有する造形物コンパートメントを備え、上記壁構造は、少なくとも部分的に可動方向において重なり、粉末を封入するための可変空間を提供する、機器に関する。実施形態において、上記少なくとも2つの壁構造は垂直壁構造である。実施形態において、上記少なくとも2つの壁構造は内側壁構造および外側壁構造である。
【0004】
実施形態において、上記内側壁構造は固定位置を有し、上記外側壁構造は可動であり、上記外側壁構造には床面が取り付けられる。
【0005】
実施形態において、上記2つの壁構造は、内側シリンダおよび外側シリンダの形状を有する。
【0006】
実施形態において、上記2つの壁構造は、内側円筒形シリンダおよび外側円筒形シリンダの形状を有する。
【0007】
実施形態において、機器は、上記造形物コンパートメントの3次元オブジェクトのための内部未使用空間を低減するための第3壁構造を含む。
【0008】
実施形態において、機器は固められていない粉末を上記造形物コンパートメントから除去するための機構を含む。実施形態において、機器は、上記造形物コンパートメントを冷却するための装置を含む。実施形態において、機器は、上記造形物コンパートメントを加熱するための装置を含む。実施形態において、上記3次元オブジェクトは、上記粉末から1層ずつ製造される。実施形態において、上記3次元オブジェクトは、付加製造によって製造される。
【0009】
本発明の範囲は、参照によって本章に組み込まれる特許請求の範囲によって定義される。当業者であれば、1または複数の実施形態の以下の詳細な説明を考慮することによって、本発明の複数の実施形態をより完全に理解し、それらの追加の利点を認識するであろう。最初に簡潔に説明される添付の図面のページを参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
発明の説明においては、以下の図を参照する。
図1A】粉末が容器における開口から流れ出し、安息角αの静止粉末斜面を生成することを模式的断面図において示す。容器における開口からの粉末の連続的な流れは無い。
図1B】容器における開口から流れ出す液体を模式的断面図において示す。図1Aとは対照的に、容器が空になるまで液体は流れ続ける。
図2A】本発明の好ましい実施形態を模式的断面図において示す。製造プロセスの初期段階を表す。
図2B】本発明の好ましい実施形態を模式的断面図において示す。製造が完了した最終段階を表す。
図3A】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造プロセスの初期段階を表す。
図3B】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造が完了した最終段階を表す。
図4A】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造プロセスの初期段階を表す。
図4B】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造が完了した最終段階を表す。
図5A】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造プロセスの初期段階を表す。
図5B】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造が完了した最終段階を表す。
図6A】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造プロセスの初期段階を表す。
図6B】本発明の実施形態を模式的断面図において示す。製造が完了した最終段階を表す。
【0011】
本開示の実施形態およびその利点は、以下の詳細な説明を参照することによってもっとも良く理解される。参照番号は、1または複数の図において示される同様の要素を識別するために使用されることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の理解を容易にするべく、以下において、いくつかの用語を定義する。「粉末」という用語は、この文脈において、粒状材料の構成物である個別の粒子または顆粒のサイズ、形、組成に関係なく、任意の種類の粒状材料を指す。
【0013】
「3次元オブジェクト」という用語は、この文脈において、付加製造機において粉末から形成できる、任意の種類の3次元プリフォーム、または、3次元プリフォームの任意の組み合わせを指す。付加製造機から出てきたものなどの3次元オブジェクトは、意図される用途のための準備ができた状態に到達するために、1または複数の段階の更なる処理を必要とし得ることが理解される。
【0014】
この文脈において、「製造」という用語は単に、付加製造機において、粉末粒子を共に接着して3次元オブジェクトにする処理を指す。接着は、例えば、エネルギー線を用いた融合または焼結によって、または、液体の結合剤を添加することによって実行できる。したがって、この文脈において、「製造」という用語は、3次元オブジェクトが最終状態に到達したことを意味するものではない。3次元オブジェクトは、意図される用途のための準備ができた状態に到達するために、1または複数の段階の更なる処理を必要とし得る。
【0015】
開示される発明は、粉末材料は上方に流れることができないので、互いに重なる容器の側壁によって封止を達成できるという理解に基づく。粉末は、気体および液体とは異なり、せん断応力を支えることができる。容器の底の近くにある開口から粉末を流すとき、図1Aに図示されるように、粉末は0度より大きい安息角αを示す。このことは、粉末中の粉末粒子間で内部的にせん断応力を支えることにより、粉末斜面が生成され、粉末斜面が開口の上端に到達したときに容器からの粉末の流出が停止することを意味する。一方で、図1Bに図示するように、液体は通常、0度に等しい安息角を有する。液体は、その流出を防止する静止斜面を生成しない。したがって、液体は容器が空になるまで流れ続ける。
【0016】
本発明の目的は、粉末を混入させず、容易に掃除でき、多くの異なる粉末材料に対応するセルフシーリング式の造形物コンパートメントを提供することである。この目的は、独立請求項において定義される機器によって達成される。独立請求項は、本発明の有利な実施形態、さらなる展開、および変形を含む。
【0017】
本発明の実施形態は、図2Aおよび図2Bに示される。粉末および製造された3次元オブジェクトを格納するための造形物コンパートメントを有する機器が提供される。造形物コンパートメントは、上記造形物コンパートメントの空間を拡大させるために、固定的な第1の内側垂直壁構造203と、下方向へ移動可能な第2の外側垂直壁構造204とを有し、これによって可変空間を生じさせる。可変空間は、3次元オブジェクト206を1層ずつ製造している間に、床面208を連続的に下降させることによって、造形物のための空間を拡大させるために使用される。上記造形物コンパートメントの可動部分は、第2壁構造204と、上記第2壁構造204に取り付けられた床面208とから構成され、それらは粉末がコンパートメントから流れ出すことを防止するための漏出防止接続を有する。第2壁構造204および床面208が第1壁構造203に対して下向きに移動するとき、造形物コンパートメントの空間が拡大する。造形物コンパートメントの空間を形成するために適切な水平面の断面、例えば円形または正方形の断面を有する第1壁構造203および第2壁構造204を形成できる。造形物コンパートメントの空間は、粉末およびオブジェクト206が造形物コンパートメントから出ることを制限するための第1壁構造203および床面208によって形成される。コンパートメントは最上部に開放端を有し、エネルギー線207を用いて粉末層を融解して3次元オブジェクト206を連続的に造形するための粉末表面を提供する。3次元オブジェクト206の製造中、上記造形物コンパートメントの上記可動部分は、1層ずつ降下される。第1垂直壁203および第2垂直壁204は、互いに実質的に平行に配置され、垂直方向において互いに重なり、ある距離だけ離れることによって、第1壁203と第2壁204との間に水平方向の間隙を生じさせる。粉末ベッド付加製造システムにおいて一般に使用される粉末サイズの場合、上記間隙の距離は、0.3〜3.0mmの範囲にあることが好ましい。水平方向の間隙がある場合でも、粉末は上方向に流れないという事実に起因して、粉末が上記造形物コンパートメントから流れ出すことが防止される。上記可動部分が連続的に降下されるとき、第1垂直壁203と第2垂直壁204との間の重なりによって、上記第1壁構造203の下端と上記第2壁構造204の上端との間の垂直方向の距離が生じることに起因して、粉末がコンパートメントから流れ出ることが防止される。粉末が造形物コンパートメントから流れ出ることを回避するために、可動部分のもっとも低い位置は、粉末が第1壁構造203および第2壁構造204によって造形物コンパートメントから流れ出ることを防止される位置に制限される。
【0018】
明確性と完全性のために、図2Aおよび図2Bはまた、粉末の小部分の提供元となる粉末容器202と、粉末の薄層を供給するために粉末ベッドおよび粉末テーブル205の上を移動する粉末供給器201とを含む模式的な粉末供給システムを示す。粉末供給システムは、多くの異なる方式で具現化でき、図2Aおよび図2Bの模式図は例示を目的とするものに過ぎないことに留意すべきである。本発明の機能とは関係ないため、粉末供給システムについてはさらに説明しない。
【0019】
図3Aおよび図3Bにおいて示される別の実施形態において、造形物コンパートメントは、互いにスライドする複数の壁構造303、304、307を有する入れ子構造である。図3Aおよび図3Bでは3つの壁構造303、304、307が図示されているが、より多くの壁構造が使用されてもよい。この実施形態の機能は、前の実施形態と同一であるが、造形物コンパートメントの全体的な高さを減らしながら、高さが増加した3次元オブジェクト206を製造できるという利点が追加される。
【0020】
図4Aおよび図4Bにおいて示される、さらに別の実施形態において、可動部分は、互いに接続された第2壁構造404、第3壁構造409、および床面208から成る。可動部分に第3垂直壁構造409が設けられるとき、造形物コンパートメントにおいて床面208の位置を高くすることが可能になる。このようにすることで、3次元オブジェクト206の製造を開始する前にコンパートメントを充填するために必要な粉末が少なくなる。なぜなら、このようにしない場合、オブジェクト206を製造できるようになる前に、粉末供給器201は、造形物コンパートメントの未使用空間を粉末で充填する必要があるからである。第3壁構造409が設けられるとき、製造されるオブジェクトの下における粉末の無駄な未使用空間が回避される。この場合、第1垂直壁409と、第2垂直壁403と、第3垂直壁404との間に2つの水平方向の間隙が存在することになる。第2壁構造404および第3壁構造409は両方とも、可動方向において第1壁構造403と少なくとも部分的に重なる。第3壁構造409を設けることによって、造形物コンパートメントの内部空間を低減することにより未使用の粉末空間を回避できる。したがって、造形物コンパートメントの大部分が3次元オブジェクトによって使用され、上記造形物コンパートメントの内部未使用空間が低減される。
【0021】
図5Aおよび図5Bに示される、さらに別の実施形態において、可動部分が最下部位置に到達したとき、可動部分の最外壁構造504は、昇降機構510によって持ち上げられる。この機構により、造形物コンパートメントから固められていない粉末を除去するために、第2壁構造504が第3壁構造409および床面208から分離可能である。このようにして、製造が完了した直後に、固められていない粉末を重力によって造形物コンパートメントから除去することができる。これにより、次の造形物のために付加製造機の準備を行うとき、過剰な粉末を一掃することが容易になる。すぐに粉末を除去することのさらなる利点は、3次元オブジェクト206の冷却速度が向上することである。なぜなら、3次元オブジェクト206の周りに残った粉末はいずれも、断熱材として作用するからである。
【0022】
図6Aおよび図6Bに示される、さらに別の実施形態において、床面208は、例えば銅または別の金属などの熱伝導性が高い材料の厚いブロックとして設計される。床面208の内部には冷却または加熱するための装置611がある。冷却する場合、上記装置611は、冷たい水、油、または空気などの流れる冷却媒体が充填された内部チャネルであり得る。加熱する場合、上記装置611は、熱い油などの流れる加熱媒体が充填された内部チャネルであり得る。代替的に、加熱する場合、上記装置611は、内部電気加熱装置であり得る。図6Aおよび図6Bの実施形態の利点は、上記の巨大な床面208が、造形物コンパートメントのための熱緩衝材として作用し、製造プロセスを通して安定した温度を維持することを助けることである。さらに、製造プロセスを安定化し、3次元オブジェクトの品質を最適化するべく、上記加熱/冷却装置611は、造形物温度を制御するのに使用することができる。さらに、上記装置611は、製造が完了した直後の冷却速度を改善するために使用することができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、造形物コンパートメントの可動部分は、図2B図4Bおよび図6Bの最下部位置において、垂直壁構造の間の垂直方向の負の重なりの位置に来てよい。小さな負の重なりでも、粉末の安息角に起因して、粉末が流れ出すことを依然として防止できる。しかしながら、粉末がコンパートメントから流れ出るときに位置に余裕をもたせるために、垂直壁構造の間に正の重なりを維持することが望ましい。
【0024】
これらの異なる実施形態は、単に例としてみなされるべきであり、造形物コンパートメントの可能な異なる形状を制限するものとみなされるべきでない。実施形態は、互いに様々な組み合わせにおいても採用され得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】