(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-522150(P2021-522150A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】磁器質せっ器製品
(51)【国際特許分類】
C04B 35/622 20060101AFI20210802BHJP
B09B 5/00 20060101ALN20210802BHJP
E01C 5/04 20060101ALN20210802BHJP
【FI】
C04B35/622 040
B09B5/00 NZAB
E01C5/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2020-559399(P2020-559399)
(86)(22)【出願日】2019年4月18日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月20日
(86)【国際出願番号】IB2019053223
(87)【国際公開番号】WO2019207432
(87)【国際公開日】20191031
(31)【優先権主張番号】102018000004787
(32)【優先日】2018年4月23日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520409280
【氏名又は名称】サクサ グレストーン エッセ.ピ.ア.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボルゴメオ、フランチェスコ
【テーマコード(参考)】
2D051
4D004
【Fターム(参考)】
2D051AF17
2D051DA01
4D004AA36
4D004AC04
4D004BA02
4D004CA04
4D004CA09
4D004CA14
4D004CA30
4D004CB13
4D004CB16
4D004CB31
(57)【要約】
本発明は、車道を建設するための磁器質せっ器要素(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏面(2)と基底面(3)との間で測定した平均厚さ(Sm)が4.5cm以上であることで特徴づけられる、踏面(2)および基底面(3)を備える車道を建設するための磁器質せっ器要素(1)。
【請求項2】
前記磁器質せっ器が、0以外の割合(Pc)の一般廃棄物の処理から生じる再生材料を含む、請求項1に記載の要素(1)。
【請求項3】
廃棄物処理からの前記再生材料が、前記一般廃棄物の燃焼からの残留灰を含む、請求項2に記載の要素(1)。
【請求項4】
前記割合(Pc)が1%〜40%である、請求項3または4に記載の要素(1)。
【請求項5】
前記割合(Pc)が10%〜30%である、請求項4に記載の要素(1)。
【請求項6】
前記割合(Pc)が15%〜25%である、請求項4または5に記載の要素(1)。
【請求項7】
前記踏面(2)が約10×10cmの面積を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項9】
前記踏面(2)が、約20×20cm、または20×40cm、または40×60cmの面積を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項10】
前記踏面(2)が、およそ4.5×4.5cmの面積を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項11】
前記基底面(2)が、踏面(2)の伸長に対して0.1〜1.3の可変比である伸長を有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項12】
実質的角錐台形状を有し、前記踏面(2)が大きな基部となる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項13】
前記平均厚さ(Sm)が6cm以上である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の要素(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理プロセスが一般廃棄物の処理から生じる再生材料の再利用を可能にする、磁器質せっ器製品を製造するための技術に関する。
【0002】
特に、本発明は、車道を建設するための製品の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
採石場は玄武岩、花崗岩および大理石などの天然材料を生産することができることが知られており、ほぼ枯渇しているが、量の問題および量に関連する問題と、環境問題に関連する問題の両方で造ることがますます困難になっている。
【0004】
同様に、特に、例えばリューサイトでできた「サンピエトリーニ(sanpietrini)」などの製品の製造は、原材料の発見および採石場の影響に関連する環境問題に関する多くの困難にますます直面している。
【0005】
「サンピエトリーノ(sanpietrino)」は、典型的にはコッリ・アルバーニのたもとに位置する採石場(ただし、ヴィテルボの火山地域でも)から生じる採掘火山岩から得られる、角錐台形状に切り取られた岩の小さなブロックである。その名称は、最初はこれらがローマのサンピエトロ広場を舗装するために使用されたという事実に起因している。時間とともに、それらの使用は、特に旧市街で、広範に広まった。
【0006】
普及によって、同じ定義が、古典的なサンピエトリーノ(sanpietrino)と正確に等しくない形状を有する、および/または例えば斑岩などの他の材料でできた同様の小さなブロックにも使用されている。
【0007】
これらの理由から、今日では、伝統を守り、例えばサンピエトリーニ(sanpietrini)などの製品の使用の継続を可能にすることができ、同時に、採石場の枯渇を回避することにより、経済面と環境影響の面の両方に有益な効果を有する解決策の必要性が強く感じられている。
【発明の概要】
【0008】
そのため、本発明が直面し、解決する技術的課題は、サンピエトリーノ(sanpietrino)に代わる製品、ならびに形状および機械耐性のその構造的特徴を維持する他の同様の製品を提供することであり、これにより、サンピエトリーノ(sanpietrino)は伝統も有効性も失うことなく有効に取って代わられることができる。
【0009】
これは、請求項1で定義される車道のための要素を通して得られる。
【0010】
本発明の追加の特徴は、対応する従属請求項で定義される。
【0011】
本発明の根底にある考えは、様々な性質の岩の代替として、機械耐性、外観等などの点で、より優れていないにしても少なくとも同じ特徴を有する車道を建設するための製品を得ることを可能にし得る材料を検出することである。
【0012】
このような代替材料が、磁器質せっ器に見出された。
【0013】
知られているように、せっ器質は、混合物を初期のガラス化まで焼成することによって得られる、硬くて、緻密で、丈夫な防水ペーストを有するセラミック材料であり、これはしばしば防水釉薬で覆われている。出発混合物の性質は、種類および用途によって異なる。通常、標準的な(または一般的な)せっ器、精せっ器、磁器質せっ器、化学せっ器の区別がある。
【0014】
標準的なせっ器は、一般的に鉄を含有する耐火性塑性粘土を混合することによって得られ、時にはシリカ、石灰石、長石、焼成クレイ等などと混合される。レシピエントはこれらとともに、食器、液体用パイプ、床またはコーティングタイルに保存されるように加工される。
【0015】
磁器質せっ器または耐火粘土は、磁器などの塊にガラス化された不純なカオリンで製造され、審美的な必要性が制限され、良好な耐性特性が要求される衛生生理装置に使用される。
【0016】
しかしながら、今は、サンピエトリーノ(sanpietrino)(または同様の製品)の形状および構造などの形状および構造を有する特徴を有する磁器質せっ器製品を製造するための技術は知られていない。
【0017】
磁器質せっ器を製造するためのセラミック混合物の処理に関する現在の技術は、10〜20mmの厚さを有する製品を得ることを可能にする。
【0018】
実際、これよりも厚さが大きい磁器質せっ器製品を実装すると、当初の目的のためには明らかに使用できなくなるところまで製品自体の品質が損なわれるだろう。実際、耐性が低く、砕けやすい、割れやすいなどの製品が得られるだろう。
【0019】
別の制限は、非常に厚い磁器質せっ器を製造するには、異常な量の原材料が必要になるという事実によって構成される。例えば、厚さ10mmのせっ器1mqは重さ約20kgであるが、同じ技術で製造した場合、厚さ60mmの材料は重さ約140kg/mqになることに注意すべきである。
【0020】
したがって、厚さが増すほど、完成した材料の単一コストが増加し、おそらく理不尽な製造コストに達することが明らかになる。
【0021】
本発明では、現在の技術が伴う不利益なしに、実際に上に概説される結果を得ることを可能にする磁器質せっ器製品を製造する方法を開発することによって、これらの課題にさえ答えを出したいと考えた。
【0022】
このプロセス解決策の基礎には、セラミック混合物、回収材料、または通常は実際に多くの場合高い輸送コストで特別な廃棄場に運ばれることを意図される他社のより良い廃棄物の調製における、再利用という考えがある。
【0023】
本発明は、既知の技術の課題を克服することによって、いくつかの明白な利点を含み、これらの利点は、本発明の特徴および使用様式とともに、限定する目的ではなく例として示されるその好ましい実施形態の以下の詳細な説明によって明らかになり、そのために添付の図面の図が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本発明によるサンピエトリーニ(sanpietrini)の例を示す図である。
【
図1B】本発明によるサンピエトリーニ(sanpietrini)の例を示す図である。
【
図1C】本発明によるサンピエトリーニ(sanpietrini)の例を示す図である。
【
図2A】本発明による方法の可能な実施のフローチャートを示す図である。
【
図2B】本発明による方法の可能な実施のフローチャートを示す図である。
【
図2C】本発明による方法の可能な実施のフローチャートを示す図である。
【
図3A】本発明に従って灰を脱金属するための可能なプラントを例として示す図である。
【
図3B】本発明に従って灰を脱金属するための可能なプラントを例として示す図である。
【
図3C】本発明に従って灰を脱金属するための可能なプラントを例として示す図である。
【
図3D】本発明に従って灰を脱金属するための可能なプラントを例として示す図である。
【
図3E】本発明に従って灰を脱金属するための可能なプラントを例として示す図である。
【
図4】本発明による可能な焼成曲線のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、上記の図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態を説明する。
【0026】
前置きとして、伝統的に磁器質せっ器の製造に使用されるセラミック混合物は、通常、以下の成分によって構成される:
−1つまたは複数のアルカリ長石;
通常、これらは、イタリア(カラブリアもしくはサルデーニャ)、トルコまたはピレネー山脈に見られるナトリウムまたはカリウム長石である。通常、長石は40〜45%以上の量で混合物に入り、このような原材料は混合物自体に可融性を与える目的があるので、結果として融解温度が1200℃未満の値のままとなる。これらの成分の投入、ならびにこれらの粉砕レベルが、製品の焼成曲線を最適化し、多孔性のない構造を製品に与えることを可能にする。
−1つまたは複数の塑性粘土;
これらは通常、アルミナの割合が高く(20〜25%)、酸化鉄の量が少ない(軽焼成)または鉄の量が多い(赤褐色焼成)粘土である。これらは約35%混合物に入る。これらは、焼成前に混合物に展性および加工性を提供するために、非塑性成分を一緒に保つ目的を有する。最も貴重な粘土は、ドイツおよびウクライナで見られ、スペインでは低い割合で見られる。
−不活性成分またはフィラー;
不活性成分は、石英または長石質砂、焼成済みカオリン、シャモットであり得る。通常、これらは、セラミック混合物に約15〜20%の割合で入り、通常、地元の採石場からのものであり、混合物のより安価な部分にさえなる。
【0027】
上に示された目的で、これまで強調した全ての要件を最良に満たすものを検出する目的で、磁器質せっ器を製造するための混合物に回収材料を組み込むための多くの解決策が試みられた。
【0028】
そのため、この目的のために、自動車のクリスタルガラス、医薬品の薬瓶、ボトルのガラス(全て適切に処理された)、または石炭燃焼段階中に火力発電所が産生する固体残留物を構成する灰である発電所の灰が試験された。
【0029】
しかしながら、これらの材料のいずれも、望んだ結果を得ることができなかった。
【0030】
そのため、本発明者らは、一般廃棄物の焼却炉によって産生される灰を利用することを考えた。
【0031】
実際、現代の焼却炉では、これらは、破砕され、切り刻まれた後、主生成物としての電気エネルギーおよび副産物(廃棄物)としての、現在は特別な廃棄場に仕向けられる燃焼灰を得ることによって、特定の自己燃焼炉で処理される。
【0032】
本発明により、本発明者らは、製品の技術的特徴を変化させることなく、(他の原材料の部分的な置換による)廃棄物発電から生じるこのような灰を、磁器質せっ器を製造するための混合物に導入することに到達した。結果として、この原材料(灰)の使用が、混合物のコストをかなり下げるという明白な利点を伴い、そのため、大きな厚さを製造するための混合物のコストの課題を解決する。
【0033】
最初に
図1A〜
図1Cを参照することによって、本発明による磁器質せっ器製品、特にサンピエトリーニ(sanpietrini)のいくつかの例を示す。
【0034】
例えば、
図1は、車道の要素として使用可能な磁器質せっ器でできたサンピエトリーノ(sanpietrino)1を示している。
【0035】
サンピエトリーノ(sanpietrino)1は、踏面2および基底面3を有し、踏面2と基底面3との間で測定した平均厚さSmが平均で4.5cm以上であることを特徴とする。
【0036】
踏面および基底面が(サンピエトリーノ(sanpietrino)に特定の側面を与えるために意図的にさえ)完全に規則的となり得ないことを考慮して、平均厚さの指標が提供される。
【0037】
既に説明されるように、有利には、磁器質せっ器でできた本発明による車道を建設するための要素は、その組成に0以外の割合Pcの廃棄物の処理から生じる再生材料を含むことができるだろう。
【0038】
特に、再生材料は、一般廃棄物を処理するプロセスから有利に生じ、このような廃棄物の燃焼からの残留灰を実質的に含み得る。
【0039】
好ましくは、再生材料、特に灰の割合Pcは、磁器質せっ器の製造に使用される混合物の体積の1%〜40%である。
【0040】
好ましい実施形態によると、このような割合Pcは、10%〜30%、さらにより好ましくは15%〜25%である。
【0041】
幾何学的観点から、可能な実施形態によると、本発明による要素は、そのサイズが約10×10cmである踏面2を有する。
【0042】
しかしながら、例えば舗装用の特別なピースなどの異なる形状、角度等などを有する要素さえ、同じ化学的/物理的特徴で実施できることになっている。
【0043】
例えば、その踏面(2)が約20×20cmまたは20×40cmまたは40×60cmのサイズを有する要素を提供することができるだろう。
【0044】
さらに、追加の実施形態によると、その踏面2がおよそ4.5×4.5cmのサイズを有する要素を提供することができる。
【0045】
一般に、本発明に従って製造された全ての要素が、その伸長が踏面2の伸長に対して0.1〜1.3の可変比であり、割合が示差的に1×1cm〜13×13cmで変動することができるサイズに対応する基底面3を有する。
【0046】
好ましい実施形態によると、本発明の要素が、実質的角錐台形状を有し、その踏面2がその大きな基部となる。そのため、いくつかの特別なピースを除いて、この場合、基底面3は踏面2の伸長よりも低い伸長を常に有する。
【0047】
しかしながら、基底面3は0に等しい、またはほぼ0の伸長を有することもでき、これは実質的錐体形状を伴うことにならなければならない。
【0048】
最後に、既に気づかれるように、このような要素に起因する形状は、厳密に数学的な意味で必ずしも規則的であると見なされる必要はない。実際、規則的な幾何学形状から逸脱したものを希望し、意図的に挿入することで、より「工芸的」で「非標準的」な側面をピースに提供することもできる。
【0049】
既に述べられているように、このような要素の平均厚さSmは4.5cm以上である。しかしながら、その好ましい実施形態は、6cm以上の平均厚さSmを提供する。
【0050】
図2A〜
図2Cのフローチャートを参照すると、これは本発明による方法の主要な段階を示している。
【0051】
特に、使用される前に焼却炉から生じる灰は、炭酸化反応によりそのPHを低下させる目的で、少なくとも20〜30日間貯蔵庫に留まっていなければならない。
【0052】
この時点で、灰を場合によって処理してサイズを小さくし、除鉄し、脱金属することができる。
【0053】
灰へのこの種の処理のための装置が存在するが、この段階を実施するために、本発明者らはまた、それ自体が革新的な、プロセスおよび革新的な装置を考案および開発し、先行技術よりも有効なより良い性能結果を提供した。これらは、本発明以外の他の分野でも使用することもできるだろう。
【0054】
結果として、この除鉄プロセスを実施するためのプラントが考案された。
図3A〜
図3Eは、本発明による脱金属プラントに関する。このような図を参照する場合、プラント要素を以下の凡例に示される番号によって特定する:
【表1】
【0055】
このようなプロセスによると、灰が2つの除鉄段階に供される。
【0056】
一次除鉄段階は、材料が入口ホッパーから引き出され、粗い鉄部分を分離する永久磁石を備えた強力な除鉄装置が取り付けられているベルト5で再起動される。
【0057】
例として、この段階では、以下の特徴を有するベルト磁気分離機5を使用することができる:
・ネオジム製の永久磁石を備えたプレート(サイズ900×700h 180mm);
・直径50mmのシャフトを介して指示される、交換可能な直径300mmのドラム;
・軸間ドラム1,500mm;
・ラバーマットクラス400、ストリップh=30mmピッチ400の3つの布4+2;
・設置電力2.2Kw
【0058】
このように大まかに除鉄された材料は、ベルトシステムを介して、細かい画分0÷8mmを粗い画分8÷80mmから分離する振動スクリーン7に運ばれる。
【0059】
例として、振動スクリーン7は、好ましくは以下の特徴を有することができる。
・スクリーニング面:2
・スクリーニング面のサイズ1,200×3,000mm
・各面のスクリーニング表面:3.60mq
・電力動力化:5.5kw
【0060】
この時点で、粗い画分がインパクトミル10に移され、そこで粉砕段階に供され、(約1/6〜1/8の減少比で)粒度分布減少に供される。MPS(二次原材料)として不活性成分を再利用することを目的としない場合、破砕を進めれば進めるほど、分離レベルがより有効になり、可能な限り高い粒度分布減少が好ましい。
【0061】
例として、インパクトミルは、以下の特徴を有するハンマーミル10であり得る:
・適切に補強されたシートでできたケーシング
・クロム合金製の内部装甲板
・リバーシブルクロム合金製のハンマー
・スチール製のサイドプレート
・完全な動力化(モーター、ベルト、プーリーおよび保護カーター)
・コーティングされた排出ケーソン
・供給ベント
・サスペンションを完備した振動フィーダー
・機械を開くための油圧プラント
・持続的な構造を完備
・ハンドレールを完備したサイドランプ
・アクセスラダー
【0062】
ミル10の下方で、破砕された材料は、前に分離された細かい画分と再び合わせられ、その後、二次除鉄段階で処理される。
【0063】
この二次除鉄段階では、好ましくは振動フィーダー13を通して、材料が、鉄画分のさらなる分離を行う一対の高効率磁気ドラム14、15に供給される。
【0064】
例として、振動フィーダー13は、以下の特徴を有することができる。
・プレートサイズ1,400×1,500mm。
・質量調整可能な2つの電気機械式バイブレーター
・弾性スプリングを備えたサスペンション
・耐摩耗性材料でコーティングされた振動ケーシング
・設置電力2×1.5kw
【0065】
さらに例として、磁気ドラム14、15は、以下の特徴を有することができる。
・直径300mm。
・ドラム長1.400mm。
・高い磁力を有するネオジム製の永久磁石で構築される
・表面に鉄脱離用のクロスストリップを備えた、ステンレス鋼AISI 304製の回転構造
・回転支持および締付用の固定支持
・モーターおよび減速機
【0066】
次いで、磁気ドラムの下方で、材料が、好ましくは振動フィーダー16(第1の振動フィーダー13と同様)によって、誘導電流を用いるシステムを通して、材料中に存在するアルミニウム部分を分離する分離機EMC17に供給される。
【0067】
例として、誘導分離機17は、以下の特徴を有することができる:
・磁気ローター:直径350mm。−有効幅1.500mm。−動釣合レベルG 0.4(最大精度レベル)−シャフトを介して指示され、交換可能−ネオジム製の特別な磁石、最大限の安全性ならびに鉄粉の侵入およびその結果としての損傷を防ぐため機械的にロックされ、外部環境から密閉されている−ステンレス鋼製シリンダーで実装された磁気ローターの補充的保護−ベルトローリングのためのグラスファイバー製の外側シリンダー−CONCENTRIC technology−
・ベルト牽引ローラー:ベルトの自動センタリング用にバイコニカル回転を備えた鋼−シャフトを介して指示され、交換可能
・コンベヤーベルト:処理される材料の封じ込めのための「Bandebord」を備えた2つの帯電防止布を備えたPVC材料
・動力化:磁気ローターの牽引用−コンベヤーベルトの牽引用
・配電盤:ベルトおよび磁気回転子の速度を調整するための2つのインバータを装備−停電の場合にベルト上に存在する材料を除去することを可能にする緊急システム。
【0068】
好ましくは本発明による前処理段階から生じる灰は、以下の表1に示されるものと同様の組成を有する。
【表2】
【0069】
好ましくは、本発明により使用される灰の割合Pcは、磁器質せっ器の製造に使用される混合物の体積の1%〜40%である。
【0070】
好ましい実施形態によると、このような割合Pcは、10%〜30%、さらにより好ましくは15%〜25%である。
【0071】
本発明による磁器質せっ器を実装するために使用することができる他の原材料(灰を除く)は、このような目的で通常および典型的に使用されるものの中から明らかに選択できることになっているが、好ましい実施形態によると、特定の物理的/化学的特徴を有する原材料を使用することができる。
【0072】
これらの材料を、以下の表2に従って、市場で見つけることができるものの中からも選択した。
【表3】
【0073】
商品の製造業者を括弧内に示しているが、同様の特徴を有する原材料を使用することができることは明らかである。表1に示される原材料の特徴を以下に示す。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0074】
配合物に属する全ての原材料は、前置き部分に投入され、例えば、連続的に機能する一連の計量ケーソンを通して粉砕区画に運ばれる。ここで、これらは細かく粉砕され、粒度分析は好ましくは120ミクロン未満である。
【0075】
この目的のために、例えば、「硬い」原材料(例えば、灰、Sasifo砂、MF/TV)は、小石および/または高密度アルミナ球などの粉砕物体を含有するミルに、その底から連続的に入り、粒度分析は好ましくは150ミクロン未満、好ましくは120μm未満で、細かく粉砕されて出てくる。
【0076】
エネルギー作用を必要としない他の「柔らかい」原材料(例えば、粘土)は、例えばボウルミルで細かく分散される。
【0077】
この時点で、まだ制御された投入に従って、成分の単一の混合物を形成することによって、2つの原材料チャネルが再び合流する。
【0078】
次いで、このような混合物は均質化され、その後、回転段階での湿潤作用によって、「造粒」され、4%〜8%、好ましくは約6%の湿度にもっていかれ、正確な均一性を提供するために基本的に球状または粒状にされ、これは、例えば、水中に分散したベントナイトで濡らすことによる。
【0079】
この時点で、混合物は後の工程に進む準備ができている。
【0080】
混合物はサイロに貯蔵され、そこで静置し、熟成することができる。サイロへの蓄積により、後のプロセス段階で常に利用可能な材料の予備である「ラング(lung)」をさらに実装することができる。
【0081】
このような貯蔵後、プロセスは、2つの異なる方法:押付および押出に従うことができる製品を形成するための段階を提供する。
【0082】
例えばプレスSACMI PH 690で行われる、押付は、混合物粉末を硬化鋼製の型内に運び、ここでこれらの粉末を100Kg/cmq〜400Kg/cmq、好ましくは130Kg/cmq〜250Kg/cmqに含まれる荷重での押付に供して、ピースに形状を提供することにある。
【0083】
例えば、典型的なサンピエトリーノ(sanpietrino)の場合、各ピースは、踏面が約11×11cm、基底面が8×8cmのサイズ、および約7cmの厚さを有する。ピースを調製する際、焼成中に製品が受ける収縮が考慮されるので、最終製品は、踏面が10×10cm、基底面が7×7cmのサイズ、および平均厚さ約6cmを有する。
【0084】
一部のタイプの製品は、製品を押付による処理に適さなくする幾何学的特徴および複雑な形状を提供する。
【0085】
例えば、なおサンピエトリーノ(sanpietrino)を参照する場合、舗装の特定の領域の建設には、いくつかの特定のピース(舗装石、20×20、20×40、40×60形式のタイル、小さい立方体4.5×4.5×4.5)が必要になる場合がある。
【0086】
これらのピースについては、貯蔵サイロから取り出した混合物粉末に、事前にターボ溶解した特定の粘土を添加して、混合物をより弾力性のあるものにし、これを引き出す、すなわちこれを、適切な形状およびサイズが製品に提供されるスクリューダイまたは押出機に強制的に通過させることを可能にすることが好ましい。
【0087】
例えば、同じSIGILLO、またはさらには他の粘土(例えば、English ball Clay)などの可塑化粘土を5〜12%添加することができる。
【0088】
本発明による主な押出パラメータは、65〜71mmHgの押下、および18〜21kg/cmqの圧力である。
【0089】
実際、押し出すためには、混合物の可塑性または展性(20%の湿度)を増加させなければならず、その後、適切な押下によって空気が除去され、混合物が、スクリューを使用して、材料が望んだ形状を帯びるスリットに押し込まれる。
【0090】
プレスおよび/または押出機から出たら、炉の高温に耐えるのに適した材料で製造されたワゴンにピースが置かれる。
【0091】
本発明においては、磁器質せっ器の処理に伝統的に使用されている単層のローラーを備える炉では、ピースを十分に焼成することができないことが分かった。
【0092】
したがって、本発明によると、焼成プロセスは、好ましくは、衛生器具および建設用製品(レンガおよびレンガタイル)に使用されるタイプのトンネル状炉で行われる。
【0093】
次いで、ピースが、1%未満、好ましくは0.7%未満、さらにより好ましくは約0.5%の湿度で調整され、その後、トンネル状炉に入り、ここで6/12時間以内に、約1150℃にされ、その後、低温に戻される。これの全体が事前に定義された焼成曲線に従っている。
【0094】
一般に、本発明による焼成曲線は、ピースを、6〜10時間の加熱時間Thで、50℃〜100℃の炉入口での入口温度Tiから、1,100℃〜1,300℃の最高温度Tmまで加熱することを可能にするためのものである。
【0095】
したがって、40分〜90分間のこの最大圧力Tmでの焼成時間Tcが提供される。
【0096】
その後、6時間〜8時間に含まれる冷却時間Tlで、100℃〜200℃に含まれる炉からの出口温度Tuに戻すように、ピースが制御された冷却に供される。
【0097】
当然、推移の全ての段階で、温度の正確な制御が提供されるため、結果として得られる焼成曲線は特に急な推移を有する道を通らず、3つの主要な段階(加熱、焼成、冷却)で推移を実質的に単調(増加、一定、減少)に保つ。
【0098】
図4は、本発明による焼成曲線の好ましい例を示しており、グラフから分かるように、パラメータは以下のとおりである:
加熱段階
Ti:約70℃;
Tm:約1,200℃;
Tr:約9時間;
焼成段階:
Tc:約1時間;
冷却段階;
Tu:約120℃;
Ti:約7時間。
【0099】
図4では、炉内に存在する熱電対の各々での温度の曲線HTが示されている。明らかに、これらの曲線HTが実質的かつ理想的にはそれらの間で全て一致すべきであることになっている。
【0100】
下の曲線LTは、炉面未満の温度の読み取り値であり、高温に敏感な材料があるので、これらの領域で、損傷を避けるために温度が上昇しすぎないことが必要である。
【0101】
炉の出口に、欠陥ピースを取り除くための選択段階を設けることができる。
【0102】
最後に、完成品を倉庫に送る前に、ピースをパッケージ化することができる。
【0103】
本発明をここまで、その好ましい実施形態を参照して説明してきた。例として本明細書に記載される実施形態で実施される技術的解決策の各々を、有利にその間で異なって組み合わせて、同じ発明のコアに属するが、全て以下に報告される特許請求の範囲の保護範囲内にある他の実施形態を作成することができることになっている。
【手続補正書】
【提出日】2020年5月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
踏面(2)と基底面(3)との間で測定した平均厚さ(Sm)が4.5cm以上であることで特徴づけられる、踏面(2)および基底面(3)を備える車道を建設するための磁器質せっ器要素(1)であって、前記磁器質せっ器が、0以外の割合(Pc)の一般廃棄物の焼却により生じる灰を含む磁器質せっ器要素(1)。
【請求項2】
前記割合(Pc)が1%〜40%である、請求項1に記載の要素(1)。
【請求項3】
前記割合(Pc)が10%〜30%である、請求項2に記載の要素(1)。
【請求項4】
前記割合(Pc)が15%〜25%である、請求項2または3に記載の要素(1)。
【請求項5】
前記踏面(2)が約10×10cmの面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項6】
前記踏面(2)が、約20×20cm、または20×40cm、または40×60cmの面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項7】
前記踏面(2)が、およそ4.5×4.5cmの面積を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項8】
前記基底面(2)が、踏面(2)の伸長に対して0.1〜1.3の可変比である伸長を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項9】
実質的角錐台形状を有し、前記踏面(2)が大きな基部となる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の要素(1)。
【請求項10】
前記平均厚さ(Sm)が6cm以上である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の要素(1)。
【国際調査報告】