(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、新規IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびその使用を対象とする。IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、癌を治療するために患者に投与することができる。いくつかの場合では、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体と組み合わせて投与される。
前記第1のバリアントFcドメインが、S364K/E357Q置換を有し、第2のバリアントFcドメインが、L368D/K370S置換を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
前記第1および第2のバリアントFcドメインがそれぞれ、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K置換を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および前記チェックポイント遮断抗体が、同時にまたは逐次的に投与される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24306またはXENP24045のアミノ酸配列を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24306(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ニボルマブである、請求項11に記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24306(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項11に記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24306(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ピジリズマブである、請求項11に記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24045(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ニボルマブである、請求項11に記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24045(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ペムブロリズマブである、請求項11に記載の方法。
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、XENP24045(配列番号XX)のアミノ酸配列を含み、前記抗PD−1抗体が、ピジリズマブである、請求項11に記載の方法。
前記癌が、乳癌、肺癌、結腸癌、卵巣癌、黒色腫癌、膀胱癌、腎臓癌(renal cancer)、腎臓癌(kidney cancer)、肝臓癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、黒色腫、膵臓癌、胃癌、食道癌、中皮腫、前立腺癌、白血病、リンパ腫、および骨髄腫からなる群から選択される、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質と、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択されるチェックポイント遮断抗体と、を含む併用療法であって、
前記IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質が、
a)N末端からC末端にかけて、
i)IL−15受容体アルファ(IL−15Rα)スシドメイン、
ii)第1のドメインリンカー、および
iii)CH2−CH3を含む第1のバリアントFcドメインを含む、第1のモノマーと、
b)N末端からC末端にかけて、
i)配列番号2のアミノ酸配列、ならびにN4D/N65D、D30N/N65D、およびD30N/E64Q/N65Dからなる群から選択されるアミノ酸置換のうちのいずれか1つを含むバリアントIL−15ドメイン、
ii)第2のドメインリンカー、ならびに
iii)CH2−CH3を含む第2のバリアントFcドメインを含む、第2のモノマーと、を含み、
前記第1および第2のバリアントFcドメインが、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/S364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有する、併用療法。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】IL−15とその受容体であるIL−15RΑ(CD215)、IL−15RΒ(CD122)、および共通ガンマ鎖(CD132)との複合体の構造を示す。
【
図2-2B】IL−15およびその受容体の配列を示す。
【
図3A-3E】Fcヘテロ二量体バリアントセット(スキューおよびpIバリアントを含む)の有用な対を示す。
図3Dおよび
図3Eにおいて、対応する「単量体2」のバリアントが存在しないバリアントがあり、これらはどちらの単量体でも単独で用いることのできるpIバリアントである。
【
図4】等配電子バリアント抗体定常領域およびそれらのそれぞれの置換の一覧を示す。pI_( )はより低いpIバリアントを示し、pI_(+)はより高いpIバリアントを示す。これらは、任意にかつ独立して、本発明の他のヘテロ二量体化バリアント(およびまた本明細書に概説されているように他のバリアントの種類)と組み合わせることができる。
【
図5】FcγR結合を切断する有用な切断バリアントを示す(時に「ノックアウト」または「KO」バリアントと呼ばれる)。一般に、切断バリアントは両方の単量体に見られるが、いくつかの場合においては、それらは一方の単量体のみにあってもよい。
【
図6A-6E】本発明の「非サイトカイン」構成要素の特に有用な実施形態を示す。
【
図7】いくつかの例示的な可変長リンカーを示す。いくつかの実施形態では、これらのリンカーは、IL−15および/またはIL−15Rα(スシ)のC末端をFc領域のN末端に連結する用途を見出す。いくつかの実施形態では、これらのリンカーは、IL−15をIL−15Rα(スシ)に融合する用途を見出す。
【
図8A-8D】サイトカイン配列(例えば、Il−15および/またはIL−15Rα(スシ))を含まない、ヒトIgG1に基づくいくつかの有用なIL−15/Rα−Fcフォーマット骨格の配列を示す。骨格1はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格2はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格3はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K:L368E/K370Sのスキューバリアント、L368E/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格4はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、D401K:K360E/Q362E/T411Eのスキューバリアント、K360E/Q362E/T411Eのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格5はヒトIgG1(356D/358Lアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格6はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖に、E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアント、ならびに両方の鎖にN297Aバリアントを含む。骨格7は、変異がN297Sであることを除いて6と同一である。骨格6および7の代替フォーマットは、両方の鎖において切断バリアントE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを除外することができる。骨格8はヒトIgG4に基づき、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、そして両方の鎖にS228P(EU付番によるもので、これはKabatではS241Pである)バリアントを含み、これは当該技術分野で既知であるように、Fabアーム交換を切断する。骨格9はヒトIgG2に基づき、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sのスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアントを含む。骨格10はヒトIgG2に基づき、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、L368D/K370Sスキューバリアントを有する鎖にQ295E/N384D/Q418E/N421DのpIバリアント、ならびに両方の鎖にS267Kのバリアントを含む。骨格11は、M428L/N434SのXtend変異を含むことを除いて、骨格1と同一である。骨格12はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の同一の鎖にC220S、両方の同一の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。骨格13はヒトIgG1(356E/358Mアロタイプ)に基づき、両方の鎖にC220S、S364K/E357Q:L368D/K370Sのスキューバリアント、S364K/E357Qのスキューバリアントを有する鎖にP217R/P229R/N276KのpIバリアント、そして両方の鎖にE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kの切断バリアントを含む。 当業者には理解され、以下に概説されるように、これらの配列は、
図9A〜9Gおよび39に概略的に示されるように、IL−15/Rα−ヘテロFc、ncIL−15/Rα、scIL−15/Rα、およびdsIL−15/Rαを含むがこれらに限定されない、本明細書に概説される任意のIL−15およびIL−15Rα(スシ)対と共に用いられ得る。さらに、任意のIL−15および/またはIL−15Rα(スシ)バリアントを、任意の組み合わせでこれらの
図8A〜8Eの骨格に組み込むことができる。 これらの骨格の各々内に含まれるのは、列挙された配列に対して(本明細書で定義されるように)90、95、98、および99%同一であり、および/または(当業者には理解されるように、親ヒトIgG1(または骨格に基づいてIgG2もしくはIgG4)と比較していくつかのアミノ酸修飾を既に含む図の「親」と比較して)1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の追加のアミノ酸置換を含む配列である。すなわち、列挙された骨格は、この図の骨格内に含まれるスキュー、pI、および切断バリアントに加えて、追加のアミノ酸修飾(一般にアミノ酸置換)を含み得る。
【
図9A-9G】本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のいくつかのフォーマットを示す。IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合体または「IL−15/Rα−ヘテロFc」(
図9A)は、ヘテロ二量体Ecの一方の側に組換え融合されたIL−15およびヘテロ二量体Fcの他方の側に組換え融合されたIL−15Rα(スシ)を含む。IL−15およびIL−15Rα(スシ)は、Fc領域のC末端とN末端との間に可変長Gly−Serリンカーを有し得る。一本鎖IL−15/Rα−Fc融合体または「scIL−15/Rα−Fc」(
図9B)は、可変長リンカーによってIL−15に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み(「一本鎖」IL−15/IL−15Rα(スシ)複合体または「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでヘテロ二量体Fc領域のN末端に融合され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。非共有結合のIL−15/Rα−Fcまたは「ncIL−15/Rα−Fc」(
図9C)はヘテロ二量体Fc領域に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み、一方、IL−15は別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。二価非共有結合のIL−15/Rα−Fc融合体または「二価ncIL−15/Rα−Fc」(
図9D)はホモ二量体Fc領域のN末端に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み、一方、IL−15は別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成される。二価一本鎖IL−15/Rα−Fc融合体または「二価scIL−15/Rα−Fc」(
図9E)は、可変長リンカーによってIL−15Rα(スシ)に融合されたIL−15を含み(「一本鎖」IL−15/IL−15Rα(スシ)複合体または「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでホモ二量体Fc領域のN末端に融合される。Fc非共有結合のIL−15/Rα融合体または「Fc−ncIL−15/Rα」(
図9F)はヘテロ二量体Fc領域のC末端に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み、一方、IL−15は別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。Fc−一本鎖IL−15/Rα融合体または「Fc−scIL−15/Rα」(
図9G)は、可変長リンカーによってIL−15Rα(スシ)に融合されたIL−15を含み(「一本鎖」IL−15/IL−15Rα(スシ)複合体または「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでヘテロ二量体Fc領域のC末端に融合され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。
【
図10】「IL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP20818およびXENP21475の配列を示し、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21476、XENP21477の追加の配列は、それぞれWO2018/071919の
図104A〜104Dにおいて、それぞれ配列番号418〜423、424〜429、430〜435、436〜441、442〜447、454〜459、および460〜465として列挙されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図11】「scIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP21478の配列を示し、XENP21993、XENP21994、XENP21995、XENP23174、XENP23175、XENP24477、およびXENP24480の追加の配列は、それぞれ
図104G、104H、104AG、104AU、および104AVのWO2018/071919において、それぞれ配列番号514〜518、519〜523、524〜528、849〜853、1063〜1067、および1078〜1082として列挙されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図12A-12B】「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP21479、XENP22366、およびXENP24348の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(sushi)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界を示す。
【
図13】「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP21978の配列を示し、XENP21979の追加の配列は、
図104EのWO2018/071919において、配列番号480〜483として列挙されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図14】「二価SCIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図15】「Fc−ncIL−15/Rα」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22637の配列を示し、XENP22638の追加の配列は、
図104TのWO2018/071919において、配列番号668として列挙されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図16】「FC−SCIL−15/Rα」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図17A-17E】XENP20818の例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットのデータを提供する。
図17Aは、XENP20818のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットを示す。
図17Bは、SECによって決定されたXENP20818の純度および均質性を示す。
図17Cは、CEFによって決定されたXENP20818の純度および均質性を示す。
図17Dは、Octetによって決定されたIL−2Rβに対するXENP20818の親和性を示す。
図17Eは、DSFによって決定されたXENP20818の安定性を示す。
【
図18A-18E】XENP21478の例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットのデータを提供する。
図18Aは、XENP21478のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットを示す。
図18Bは、SECによって決定されたXENP21478の純度および均質性を示す。
図18Cは、CEFによって決定されたXENP21478の純度および均質性を示す。
図18Dは、Octetによって決定されたIL−2Rβに対するXENP21478の親和性を示す。
図18Eは、DSFによって決定されたXENP21478の安定性を示す。
【
図19A-19E】XENP21479の例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットのデータを提供する。
図19Aは、XENP21479のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットを示す。
図19Bは、SECによって決定されたXENP21479の純度および均質性を示す。
図19Cは、CEFによって決定されたXENP21479の純度および均質性を示す。
図19Dは、Octetによって決定されたIL−2Rβに対するXENP21479の親和性を示す。
図19Eは、DSFによって決定されたXENP21479の安定性を示す。
【
図20A-20C】FACSにより測定された場合、Ki67発現に基づく、異なるリンカー長を有するIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による、NK(CD56
+/CD16
+)細胞(
図20A)、CD4
+T細胞(
図20B)、およびCD8
+T細胞(
図20C)の増殖の誘導を示す。
【
図21A-21C】FACSにより測定された場合、Ki67発現に基づく、scIL−15/Rα−Fcフォーマット(XENP21478)およびncIL−15/Rα−Fcフォーマット(XENP21479)の例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による、NK(CD56
+/CD16
+)細胞(
図21A)、CD4
+T細胞(
図21B)、およびCD8
+T細胞(
図21C)の増殖の誘導を示す。
【
図22】SEB刺激PBMCアッセイにおける例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質、アイソタイプ対照、およびPBS対照に対する二価抗PD−1抗体によるIL−2分泌の増強を示す。
【
図23】XENP20818および組換えIL−15による処置後のPBMC移植NSGマウスの生存曲線を示す。
【0063】
【
図24】ヒトPBMCの生着、および示された濃度のXENP20818による処置後7日目のNSGマウスの血清におけるIFNγの濃度を示す。
【
図25A-25C】示された濃度でのXENP20818による処置後7日のヒトPBMC移植NSGマウスの全血におけるCD4
+T細胞(
図25A)、CD8
+T細胞(
図25B)、およびCD45
+細胞(
図25C)の数を示す。
【
図26】操作されたジスルフィド結合対の位置を示すIL−15/Rαヘテロ二量体の構造モデルを示す。
【0064】
【
図27】システイン残基を操作するための足場として機能するようにC末端に追加の残基で操作された例示的なIL−15Rα(スシ)バリアントの配列を示す。
【
図28】システインによって操作されたIL−15Rα(スシ)バリアントと共有ジスルフィド結合を形成するためにシステインで操作された例示的なIL−15バリアントの配列を示す。
【
図29】システインによって操作されたIL−15バリアントと共有ジスルフィド結合を形成するためにシステインで操作された例示的なIL−15Rα(スシ)バリアントの配列を示す。
【
図30A-30C】IL−15およびIL−15Rα(スシ)の間に操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さないIL−15/Rαヘテロ二量体を示す。非共有結合のIL−15/Rαヘテロ二量体または「ncIL−15/Rαヘテロ二量体」(
図30A)は、別々にトランスフェクトされ、非共有結合するIL−15Rα(sushi)およびIL−15を含む。ジスルフィド結合しているIL−15/Rαヘテロ二量体または「dsIL−15/Rαヘテロ二量体」(
図30B)は、別々にトランスフェクトされ、操作されたシステインの結果として共有結合するIL−15Rα(sushi)およびIL−15を含む。一本鎖IL−15/Rαヘテロ二量体または「scIL−15/Rαヘテロ二量体」(
図30C)は、可変長Gly−SerリンカーによってIL−15に融合しているIL−15Rα(スシ)を含む。
【
図31】例示的なncIL−15/Rαヘテロ二量体であるXENP21996の配列を示す。これらの配列は、IL−15Rα(スシ)のC末端におけるポリヒスチジン(His×6またはHHHHHH(配列番号XX))C末端タグを使用して生成されたことに注目することが重要である。
【
図32】例示的なdsIL−15/Rαヘテロ二量体である、XENP22004、XENP22005、XENP22006、XENP22008、およびXENP22494の配列を示し、XENP22007、XENP22009、XENP22010、XENP22011、XENP22012、およびXENP22493の追加の配列は、それぞれWO2018/071919の
図104J、104K、および104Iにおいて、それぞれ配列番号543〜544、545〜546、547〜548、551〜552、553〜554、および647〜648として示されている。これらの配列は、IL−15Rα(sushi)のC末端におけるポリヒスチジン(His×6またはHHHHHH)C末端タグを使用して生成されたことに注目することが重要である。
【
図33】例示的なscIL−15/Rαヘテロ二量体であるXENP22049の配列を示す。これらの配列は、IL−15のC末端におけるポリヒスチジン(His×6またはHHHHHH)C末端タグを使用して生成されたことに注目することが重要である。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、およびリンカーの間の境界(複数可)を示す。
【
図34】CEFによって決定される、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rαヘテロ二量体の純度および均質性を示す。
【
図35】CEFによって決定される、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rαヘテロ二量体の純度および均質性を示す。
【
図36】DSFからの融解曲線によって示される、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rαヘテロ二量体の安定性および融解温度を示す。
【
図37】DSFからの融解曲線によって示される、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rαヘテロ二量体の安定性および融解温度を示す。
【
図38】発現収率、分子量、MOEソフトウェアにより算出されるときのIL−15およびIL−15Rα(スシ)の間の親和性の予測された変化、融解温度、ならびに操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さないIL−15/Rαヘテロ二量体についてのIL−2Rβに対する親和性を示す。変異を関連単量体の後の括弧内に示す。
【
図39A-39D】操作されたジスルフィド結合を有する本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の追加のフォーマットを示す。ジスルフィド結合したIL−15ヘテロ二量体Fc融合体または「dsIL−15/Rα−ヘテロFc」)(
図39A)は、「IL−15/Rα−ヘテロFc」と同じであるが、IL−15Rα(スシ)およびIL−15は、操作されたシステインの結果としてさらに共有結合的に連結されている。ジスルフィド結合したIL−15/RαFc融合体または「dsIL−15/Rα−Fc」(
図39B)は、「ncIL−15/Rα−Fc」と同じであるが、IL−15Rα(スシ)およびIL−15は、操作されたシステインの結果としてさらに共有結合的に連結されている。二価ジスルフィド結合したIL−15/Rα−Fcまたは「二価dsIL−15/Rα−Fc」(
図39C)は、「二価ncIL−15/Rα−Fc」と同じであるが、操作されたシステインの結果としてIL−15Rα(スシ)およびIL−15は、さらに共有結合的に連結されている。Fc−ジスルフィド結合したIL−15/Rα融合体または「Fc−dsIL−15/Rα」(
図39D)は、「Fc−ncIL−15/Rα」と同じであるが、操作されたシステインの結果としてIL−15Rα(スシ)およびIL−15は、さらに共有結合的に連結されている。
【
図40A-40B】「dsIL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22013、XENP22014、XENP22015、およびXENP22017の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図41A-41B】「dsIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22684、およびXENP22361の配列を示す。XENP 22360、22362、22363、22364、22365、22366の追加の配列は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる、それぞれWO2018/071919の
図104O、104P、104Q、および104Rに、それぞれ配列番号612〜616、622〜626、627〜631、632〜636、637〜641、および642〜646として示されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図42】「二価dsIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22634、XENP22635、およびXENP22636の配列を示す。XENP22687の追加の配列は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Vに、配列番号685〜688として示されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図43】「Fc−dsIL−15/Rα」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22639およびXENP22640の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図44】CEFによって決定される、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の純度および均質性を示す。
【
図45A-45C】FACSにより測定された場合、Ki67発現に基づく、操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による、NK(CD56+/CD16+)細胞(
図45A)、CD8
+T細胞(
図45B)、およびCD4
+T細胞(
図45C)増殖の誘導を示す。
【
図46】IL−15と、IL−15Rα、IL−2Rβ、および共通γ鎖との複合体の構造を示す。低減された効力のために操作された置換の位置が示される。
【
図47A-47C】低減された効力のために操作された例示的なIL−15バリアントの配列を示す。列挙された配列と(本明細書で定義されるように)90%、95%、98%、および99%同一である、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の追加のアミノ酸置換を含む配列がこれらのバリアントIL−15配列の各々内に含まれる。非限定的な例において、列挙された配列は、実施例2に記載されるように共有ジスルフィド結合の形成に寄与するものなどの追加のアミノ酸修飾を含み得る。
【
図48A-48H】より低い効力のために操作された「IL−15/Rα−R/R」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP22816、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22829、XENP22834、XENP23554、XENP23557、XENP23561、XENP24018、XENP24019、XENP24045、XENP24051、およびXENP24052の配列を示す。XENP 22815、22817、22818、22823、22824、22825、22826、22827、22828、22830、22831、22832、22333、23555、23559、23560、24017、24020、24043、および24048の追加の配列は、WO2018/071919の
図104Z、104AA、104AC、104AD、104AE、104AF、104AJ、104AK、104AM、104AN、および104AOに、それぞれ配列番号729〜734、741〜746、747〜752、777〜782、783〜788、789〜794、795〜800、801〜806、807〜812、819〜824、825〜830、831〜836、837〜842、887〜892、899〜904、905〜910、937〜942、955〜960、961〜966、および979〜984に示されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図49A-49D】より低い効力のために操作された「SCIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP24015、XENP24050、XENP24475、XENP24476、XENP24478、XENP24479、およびXENP24481の配列を示す。XENP 24013、24014、24016の追加の配列は、WO2018/071919の
図104AKおよび104ALに、配列番号914〜921、922〜926、および932〜936として示されている。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図50A-50B】より低い効力のために操作された「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP24349、XENP24890、およびXENP25138の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図51】より低い効力のために操作された例示的なncIL−15/Rαヘテロ二量体である、XENP22801およびXENP22802の配列を示す。XENP 22791、22792、22793、22794、22795、22796、22803、22804、22805、22806、22807、22808、22809、22810、22811、22812、22813、22814の追加の配列は、WO2018/071919の
図104V、104W、104X、104Y、および104Zに、それぞれ配列番号689〜690、691〜692、693〜694、695〜696、697〜698、699〜700、705〜706、707〜708、709〜710、711〜712、713〜714、715〜716、717〜718、719〜720、721〜722、723〜724、725〜726、および727〜728として示されている。これらの配列は、IL−15Rα(スシ)のC末端におけるポリヒスチジン(His×6またはHHHHHH)C末端タグを使用して生成されたことに注目することが重要である。
【
図52】低い効力のために操作された「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP24342の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図53】より低い効力のために操作された「dsIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP23472およびXENP23473の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図54A-54C】FACSによって測定された場合、Ki67発現に基づく、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質によるNK細胞(
図54A)、CD8
+(CD45RA−)T細胞(
図54B)、およびCD4
+(CD45RA−)T細胞(
図54C)増殖の誘導を示す。
【
図55】バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質によるNKおよびCD8
+T細胞増殖の誘導のEC50、およびXENP20818に対するEC50の倍数低減を示す。
【
図56A-56C】
図59A〜59Dに示されている実験におけるリンパ球および亜集団のゲーティングを示す。
図56Aは、ゲーティングされたリンパ球集団を示す。
図56Bは、CD3陰性およびCD3陽性亜集団を示す。
図56Cは、CD3陰性細胞のCD16陰性およびCD16陽性の亜集団を示す。
【
図57A-57C】
図59A〜59Dに示されている実験におけるCD3
+リンパ球亜集団のゲーティングを示す。
図57Aは、CD3
+T細胞のCD4
+、CD8
+、およびγδT細胞の亜集団を示す。
図57Bは、CD4
+T細胞のCD45RA(−)およびCD45RA(+)の亜集団を示す。
図57Cは、CD8
+T細胞のCD45RA(−)およびCD45RA(+)の亜集団を示す。
【
図58A-58B】XENP22821とのヒトPBMCのインキュベーション前(
図58A)および後(
図58B)のCD69およびCD25の発現を示す。
【
図59A-59D】示されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質と共に4日間インキュベートしたヒトPBMCにおける細胞増殖を示す。
図59A〜Cは、増殖しているNK細胞(CD3−CD16+)(
図59A)、CD8+T細胞(CD3+CD8+CD45RA−)(
図59B)、およびCD4+T細胞(CD3+CD4+CD45RA−)(
図59C)の割合を示す。
図59Dは、対照(XENP20818)に対する様々なIL−15/IL−15Rα Fc二量体のEC50の倍数変化を示す。
【
図60A-60D】示されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質と共に3日間インキュベートしたヒトPBMCにおける細胞増殖を示す。
図60A〜Cは、増殖中のCD8
+(CD45RA−)T細胞(
図60A)、CD4
+(CD45RA−)T細胞(
図60B)、γδT細胞(
図60C)、およびNK細胞(
図60D)の割合を示す。
【
図61A-61C】追加のIL−15/Rαバリアントによる処置後のCD8+T細胞(
図61A)、CD4+T細胞(
図61B)、およびNK細胞(
図61C)上のKi67発現の割合を示す。
【
図62A-62E】IL−15/Rαバリアントによる処置後の(
図62A)CD8+(CD45RA−)T細胞、(
図62B)CD4+(CD45RA−)T細胞、(
図62C)γδT細胞、(
図62D)NK(CD16+CD8α−)細胞、および(
図62E)NK(CD56+CD8α−)細胞上のKi67発現の割合を示す。
【
図63A-63E】IL−15/Rαバリアントによる処理後のCD8
+(CD45RA−)T細胞(
図63A)、CD4
+(CD45RA−)T細胞(
図63B)、γδT細胞(
図63C)、NK(CD16+CD8α−)細胞(
図63D)、およびNK(CD56+CD8α−)細胞(
図63E)上のKi67発現の割合を示す。
【
図64A-64D】異なるリンカー長を有する減少された効力のために操作された追加のIL−15/Rαバリアントによる処理後の(
図64A)CD8+T細胞、(
図64B)CD4+T細胞、(
図64C)γδT細胞、および(
図564D)NK(CD16+)細胞上のKi67発現の割合を示す。
【
図65A-65D】追加のIL−15/Rαバリアントによる処置後の(
図65A)CD8
+T細胞、(
図65B)CD4
+T細胞、(
図65C)γδT細胞、および(
図65D)NK(CD16+)細胞上のKi67発現の割合を示す。
【
図66A-66D】
図67A〜67Cに示されている実験におけるリンパ球およびその亜集団のゲーティングを示す。
図66Aは、リンパ球集団のゲーティングを示す。
図66Bは、CD4+およびCD8+のT細胞を示す。
図66Cは、CD4+T細胞の、CD45RAおよびCD27を発現する亜集団を示す。
図66Dは、CD8+T細胞のCD45RAおよびCD27発現亜集団を示す。
【
図67A-67C】示された濃度で、示されたIL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質と共にPBMCを4日間インキュベートした後の、CD8
+T細胞(CD45RA−CD27−)(
図67A)およびCD4
+T細胞(CD45RA−CD27−)(
図67B)のSTAT5リン酸化を示す。
図67Cは、対照(XENP20818)に対する様々なIL15/IL15RαFc二量体のEC50の倍数変化を示す。
【
図68A-68B】示された試験物質と共にインキュベーションした後のマウス脾臓細胞におけるCD8
+CD45RA
−T細胞(
図68A)およびCD4
+CD45RA
−T細胞(
図68B)のSTAT5リン酸化を示す。
【
図69】0.1mg/kgの単回投与でのC57BL/6マウスにおける様々なIL−15/RαFc融合タンパク質または対照のIV−TV投与時のPKを示す。
【
図71】IL−15/Rα−Fc親和性バリアントの半減期対マウスSTAT5シグナル伝達の相関を示す。
【
図72】C57BL/6アルビノマウスの投与後8日の試験物質の血清濃度を示す。
【
図73】示された試験物質の投与後のC57BL/6アルビノマウスの脾臓におけるCD8
+T細胞数を示す。
【
図74】CD45
+細胞レベルが疾患を予測する指標であることを示す。
【
図75A-75B】4日目(
図75A)および8日目(
図75B)のCD45
+細胞数によって示されるように、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による生着の増強を示す。
【
図76A-76C】示されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照による、ヒトPBMCを移植したNSGマウスの処置後の4日目(
図76A)、7日目(
図76B)、および11日目(
図76C)のIFNγレベルを示す。
【
図77A-77C】示されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照による、ヒトPBMCを移植したNSGマウスの処置後の4日目(
図77A)、7日目(
図77B)、および11日目(
図77C)のCD45
+リンパ球細胞数を示す。
【
図78A-78C】示されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照による、ヒトPBMCを移植したNSGマウスの処置後の4日目(
図78A)、7日目(
図78B)、および11日目(
図78C)のNK細胞(CD16+CD56+CD45RA+)数を示す。
【
図79A-79B】示されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照による、ヒトPBMCを移植したNSGマウスの処置後の7日目(
図79A)および11日目(
図79B)のCD8
+T細胞(CD8+CD45RA+)数を示す。
【
図80A-80B】示されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照による、ヒトPBMCを移植したNSGマウスの処置後の7日目(
図80A)および11日目(
図80B)のCD4+T細胞(CD4+CD45RA+)数を示す。
【
図81】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処理後のhuPBMC移植マウスの血清における4、7、および11日目のIFNγレベルを示す。
【
図82A-82C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処置後のhuPBMC移植マウスの全血における4日目(
図82A)、7日目(
図82B)、および11日目(
図82C)のCD8+T細胞数を示す。
【
図83A-83C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処理後のhuPBMC移植マウスの全血における4日目(
図83A)、7日目(
図83B)、および11日目(
図83C)のCD4+T細胞数を示す。
【
図84A-84C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処理後のhuPBMC移植マウスの全血における4日目(
図84A)、7日目(
図84B)、および11日目(
図84C)のCD45+細胞数を示す。
【
図85A-85C】追加のIL−15/Rαバリアントによる処理後の4日目(
図85A)、7日目(
図85B)、および11日目(
図85C)のhuPBMC移植マウスの初期体重の割合としての体重を示す。各点は単一のNSGマウスを表す。体重が初期体重の70%を下回ったマウスを安楽死させた。死亡したマウスは70%として表される。
【
図86A-86B】示された試験物質と共にインキュベーションした後のKi67を発現するカニクイザルCD8
+T細胞(
図86A)およびカニクイザルNK細胞(
図86B)の割合を示す。
【
図87A-87E】XENP22819をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図84A〜Eは、それぞれ、CD56+NK細胞(
図87A)、CD16+NK細胞(
図87B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図87C)、CD8+T細胞(
図87D)、およびCD4+T細胞(
図87E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図88A-88E】XENP22819をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図88A)、CD16+NK細胞(
図88B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図88C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図88D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図88E)の増殖を示す。
【
図89A-89E】XENP22819をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図89A〜Eは、CD56+NK細胞(
図89A)、CD16+NK細胞(
図89B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図89C)、CD8+T細胞(
図89D)、およびCD4+T細胞(
図89E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図90A-90E】XENP22819をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図90A)、CD16+NK細胞(
図90B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図90C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図90D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図90E)の増殖を示す。
【
図91A-91E】XENP22821をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図91A〜91Eは、CD56+NK細胞(
図91A)、CD16+NK細胞(
図91B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図91C)、CD8+T細胞(
図91D)、およびCD4+T細胞(
図91E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図92A-92E】XENP22821をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図92A)、CD16+NK細胞(
図92B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図92C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図92D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図92E)の増殖を示す。
【
図93A-93E】XENP22822をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図93A〜Eは、それぞれ、CD56+NK細胞(
図93A)、CD16+NK細胞(
図93B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図93C)、CD8+T細胞(
図93D)、およびCD4+T細胞(
図93E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図94A-94E】XENP22822をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図94A)、CD16+NK細胞(
図94B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図94C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図94D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図94E)の増殖を示す。
【
図95A-95E】XENP22834をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図95A〜Eは、それぞれ、CD56+NK細胞(
図95A)、CD16+NK細胞(
図95B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図95C)、CD8+T細胞(
図95D)、およびCD4+T細胞(
図95E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図96A-96E】XENP22834をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図96A)、CD16+NK細胞(
図96B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図96C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図96D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図96E)の増殖を示す。
【
図97A-97E】XENP23343をカニクイザルに投与した後のリンパ球数を示す。
図97A〜Eは、それぞれ、CD56+NK細胞(
図97A)、CD16+NK細胞(
図97B)、γδT細胞(CD45RA+CD3+CD4−CD8−)(
図97C)、CD8+T細胞(
図97D)、およびCD4+T細胞(
図97E)の絶対数の倍数変化を示す。
【
図98A-98E】XENP23343をカニクイザルに投与した後の、CD56+NK細胞(
図98A)、CD16+NK細胞(
図98B)、CD8+T細胞(CD45RA+)(
図98C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図98D)、およびCD4+T細胞(CD45RA−)(
図98E)の増殖を示す。
【
図99A-99C】M428L/N434S置換を有する「IL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP23343、XENP23504、XENP24113、XENP24301、XENP24306、およびXENP24341の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図100】M428L/N434S置換を有する「scIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP25938(XENP24294とも呼ばれる)の配列を示す。
【
図101】M428L/N434S置換を有する「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP24383の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図102】M428L/N434S置換を有する「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質である、XENP24346およびXENP24351の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が
図7に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、およびFc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図103A-103C】M428L/N434S Fc変異を有するIL−15/Rαバリアントによる処置後のヒトCD8
+T細胞(
図103A)、ヒトCD4
+T細胞(
図103B)、およびヒトNK細胞(
図103C)上のKi67発現の割合を示す。
【
図104A-104D】XmAb24306(XENP24306とも呼ばれる)による処置後のヒトCD8
+T細胞(
図104A)、ヒトCD4
+T細胞(
図104B)、ヒトNK細胞(
図104C)、およびヒトγδT細胞(
図104D)上のKi67発現の割合を示す。
【
図105A-105C】M428L/N434S変異を有するWT IL−15/Rα Fcおよび効力が低減したIL−15/Rαバリアントによる処置後の、カニクイザルCD8
+T細胞(
図105A)、カニクイザルCD4
+T細胞(
図105B)、およびカニクイザルNK細胞(
図105C)上のKi67発現の割合を示す。
【
図106】XENP20818またはXmAb24306による処理後のカニクイザルCD8α
+CD45RA
−T細胞上のKi67発現の割合を示す。
【
図107A-107C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処置後の、huPBMC移植マウスの全血における4日目(
図107A)および7日目(
図107B)、ならびに脾臓における8日目(
図107C)のCD4+T細胞数を示す。
【
図108A-108C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処置後の、huPBMC移植マウスの全血における(
図108C)4日目および(
図108B)7日目、ならびに脾臓における(
図108C)8日目のCD8
+T細胞数を示す。
【
図109A-109C】追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処置後の、huPBMC移植マウスの全血における4日目(
図109A)および7日目(
図109B)、ならびに脾臓における8日目(
図109C)のCD8+T細胞数を示す。
【
図110A-110F】追加のIL−15/Rαバリアントによる処置後の−2日目(
図110A)、1日目(
図110B)、5日目(
図110C)、8日目(
図110D)、および11日目(
図110E)の、huPBMC移植マウスの初期体重の割合としての体重を示す。各点は単一のNSGマウスを表す。
図110Fは、IL−15/Rαバリアントによる処置後のhuPBMC移植マウスにおける体重の時間経過を示す。
【
図111A-111D】示された試験物質と共にインキュベーションした後のKi67を発現するCD8+CD45RA−T細胞(
図111A)、CD4+CD45RA−T細胞(
図111B)、γδ T細胞(
図111C)、およびCD16+NK細胞(
図111D)の割合を示す。
【
図113A-113H】カニクイザルにおける示された試験物質の経時的な血清中濃度および半減期を示す。
【
図114A-114F】AF647標識化試験物質(XtendありおよびドメインリンカーなしのWT IL−15/Rα−FcおよびIL−15/Rα−Fc親和性バリアント)の、新鮮かつ活性化されたPBMC中のCD8+CD45RA−T細胞(
図114A)、CD8+CD45RA+T細胞(
図114B)、CD4+CD45RA−T細胞(
図114C)、CD4+CD45RA+T細胞(
図114D)、CD16+NK細胞(
図114E)、およびγδT細胞(
図114F)への結合を示す。
【
図115A-115F】AF647標識化試験物質(Xtendおよびドメインリンカーを含むWT IL−15/Rα−FcおよびIL−15/Rα−Fc親和性バリアント)の、新鮮かつ活性化されたPBMC中の(
図115A)CD8
+CD45RA
−T細胞、(
図115B)CD8
+CD45RA
+T細胞、(
図115C)CD4
+CD45RA
−T細胞、(
図115D)CD4
+CD45RA
+T細胞、(
図115E)CD16
+NK細胞、および(
図115F)γδT細胞への結合を示す。
【
図116A-116F】AF647標識化試験物質(FcRnバリアントなどのXtendバリアントを含むWT IL−15/Rα−FcおよびIL−15/Rα−Fc融合タンパク質)の、新鮮かつ活性化されたPBMC中の(
図116A)CD8
+CD45RA
−T細胞、(
図116B)CD8
+CD45RA
+T細胞、(
図116C)CD4
+CD45RA
−T細胞、(
図116D)CD4
+CD45RA
+T細胞、(
図116E)CD16
+NK細胞、および(
図116F)γδT細胞への結合を示す。
【
図117】AF647標識下試験物質(XENP24341およびXENP24113を含む)の、活性化されたPBMC中のCD8
+CD45RA
−T細胞への結合を示す。
【
図118A-118B】(
図118A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図118B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞上のCD25発現を示す。
【
図119A-119B】(
図119A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図119B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞上のCD25発現を示す。
【
図120A-120B】(
図120A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図120B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞上のCD69発現を示す。
【
図121A-121B】(
図121A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図121B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞上のCD69発現を示す。
【
図122A-122B】(
図122A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図122B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞における細胞内IFNγ発現を示す。
【
図123A-123B】(
図123A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図123B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞における細胞内IFNγ発現を示す。
【
図124A-124C】グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞の(
図124A)Ki−67
+/IFNγ
−、(
図124B)Ki−67
+/IFNγ
+、および(
図124C)Ki−67
−/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図125A-125C】グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞の(
図125A)Ki−67
+/IFNγ
−、(
図125B)Ki−67
+/IFNγ
+、および(
図125C)Ki−67
−/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図126A-126C】グループ1(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞の(
図126A)Ki−67
+/IFNγ
−、(
図126B)Ki−67
+/IFNγ
+、および(
図126C)Ki−67
−/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図127A-127C】グループ1(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞の(
図127A)Ki−67
+/IFNγ
−、(
図127B)Ki−67
+/IFNγ
+、および(
図127C)Ki−67
−/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図128A-128B】(
図128A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図128B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD8
+T細胞上のCD107a発現を示す。
【
図129A-129B】(
図129A)グループ1(親MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)および(
図129B)グループ2(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベートした精製されたT細胞)におけるCD4
+T細胞上のCD107a発現を示す。
【
図130A-130B】精製されたT細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の残りの標的細胞[
図130A:親MCF−7腫瘍細胞、
図130B:pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞]を示す。
【
図131A-131B】精製されたT細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の死細胞[
図131A:親MCF−7腫瘍細胞、
図131B:pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞]の数を示す。
【
図132】精製されたT細胞を、抗HLA−A抗体ありまたはなしで親MCF−7腫瘍細胞またはpp65を発現するMCF−7腫瘍細胞と共にインキュベートした後の、CD8
+T細胞のKi−67
+/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図133】精製されたT細胞を、抗HLA−A抗体ありまたはなしで親MCF−7腫瘍細胞またはpp65を発現するMCF−7腫瘍細胞と共にインキュベートした後の、標的細胞(すなわち、親MCF−7腫瘍細胞またはpp65を発現するMCF−7腫瘍細胞)の数を示す。
【
図134A-134B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図134A)CD8
+T細胞および(
図134B)CD4
+T細胞上のCD25発現を示す。
【
図135A-135B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図135A)CD8
+T細胞および(
図135B)CD4
+T細胞上のCD69発現を示す。
【
図136A-136B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図136A)CD8
+T細胞および(
図136B)CD4
+T細胞上のKi67発現を示す。
【
図137A-137B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図137A)CD8
+T細胞および(
図137B)CD4
+T細胞のKi−67
+/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図138A-138B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図138A)CD8
+T細胞および(
図138B)CD4
+T細胞のCD69
+/IFNγ
+画分の割合を示す。
【
図139A-139B】精製されたT細胞を、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、(
図139A)CD8
+T細胞および(
図139B)CD4
+T細胞のCD69+/Ki67+画分の割合を示す。
【
図140】精製されたT細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、残りの標的細胞(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞)を示す。
【
図141】精製されたT細胞および示された試験物質と共にインキュベーションした後の、死細胞(pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞)の数を示す。
【
図142A-142B】XmAb24306の非Xtend類似体である、XENP24045による処置後の、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞およびpp65反応性ヒトPBMCを移植したマウスにおける、平均腫瘍体積(
図142A)および腫瘍体積の変化(
図142B)を示す。
【
図143A-143D】XmAb24306の非Xtend類似体である、XENP24045による処置後の、pp65を発現するMCF−7腫瘍細胞およびpp65反応性ヒトPBMCを移植したマウスの全血における、CD45
+細胞(
図143A)、CD4
+細胞(
図143B)、CD8
+細胞(
図143C)、およびNK細胞(
図143D)数を示す。
【
図144】カニクイザルにおける様々な濃度での様々な試験物質の経時的な血清中濃度および半減期を示す。
【
図145】カニクイザルにおける1倍および3倍用量でのXENP22821の経時的なCmax正規化血清濃度を示す。
【
図147A-147B】3倍用量または0.6倍用量のいずれかのXENP24306の投与後の、経時的なカニクイザル全血におけるCD8
+T細胞(
図147A)およびγδT細胞(
図147B)の倍数変化を示す。
【
図148】0.3倍用量のXENP22821および0.6倍用量のXENP24306の投与後の、Ki67を発現するカニクイザルリンパ節におけるCD8α
+CD45RA
+T細胞の割合を示す。
【
図149】0.3倍用量のXENP22821および0.6倍用量のXENP24306の投与後の、Ki67を発現するカニクイザル全血におけるCD8α
+CD45RA
+T細胞の割合(左軸)および細胞数の倍数変化(右軸)を示す。
【
図150】0.3倍用量のXENP22821の投与後の、Ki67を発現するカニクイザルPBMC中の様々なリンパ球集団の割合を示す。
【
図151】0.6倍用量のXmAb24306の投与後の、Ki67を発現するカニクイザルPBMC中の様々なリンパ球集団の割合を示す。
【
図152】0.6倍用量のXmAb24306の投与後の、経時的なKi67を発現するカニクイザル全血におけるCD8α+CD45RA+T細胞の割合、およびXmAb24306の血清濃度のオーバーレイを示す。
【
図153】0.6倍用量のXmAb24306の投与後の、経時的なカニクイザル全血におけるCD8
+T細胞、CD4
+T細胞、CD56
+CD8α
+NK細胞、およびγδT細胞の数の倍数変化を示す。
【
図154】0.6倍用量のXmAb24306の投与後の、経時的なカニクイザル全血におけるCD8
+T細胞およびTregの数の倍数変化を示す。
【
図155A-155C】XENP20818またはXmAb24306のいずれかの投与後の、カニクイザルの全血における経時的なCD8
+T細胞(
図155A)、CD4
+T細胞(
図155B)、およびCD16
+NK細胞(
図155C)数のオーバーレイを示す。
【
図156A-156C】未処理と比較した、それらのEC
50濃度で、XENP20818またはXmAb24306のいずれかで24時間処理した後の、(
図156A)PBMC全体、(
図156B)精製されたNK細胞、および(
図156C)精製されたCD8
+T細胞における免疫関連遺伝子発現の倍数変化を示す。
【
図157A-157C】未処理と比較した、それらのEC
50濃度で、XENP20818またはXmAb24306のいずれかで48時間処理した後の、(
図157A)PBMC全体、(
図157B)精製されたNK細胞、および(
図157C)精製されたCD8
+T細胞における遺伝子発現の倍数変化を示す。
【
図158A-158B】未処理と比較した、それらのEC50濃度で、(
図158A)XmAb24306またはIL−15および(
図158B)XmAb24306またはIL−2で48時間処置した後のPBMC全体における遺伝子発現の倍数変化を示す。
【
図159A-159B】XmAb24306および様々な濃度のラパマイシン拡大Tregの存在下での(
図159A)CD8+および(
図159B)CD4+レスポンダーT細胞の増殖を示す。
【
図160】切断バリアント(E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、「IgG1_PVA_/S267k」)を有する二価抗PD−1 mAbであるXENP26842の配列を示す。CDRには下線が付されている。本明細書中に記載され、そして本明細書中のCDRを含むあらゆる配列に当てはまるように、CDR位置の正確な同定は表1に示されるように用いられる付番によってわずかに異なり得、したがって、下線が付されたCDRのみならず、他の付番システムを用いたVHおよびVLドメイン内に含まれるCDRもまた本明細書に含まれる。さらに、各CDRは配列表にその独自の配列番号または配列識別子を有し、各VHおよびVLドメインは配列表にその独自の配列番号または配列識別子を有する。
【
図161A-161B】示された試験物質の最初の投与後の、(
図161A)6日目および(
図161B)10日目のマウスの全血におけるCD8
+T細胞を示す。
【
図162A-162B】示された試験物質の最初の投与後の、(
図162A)6日目および(
図162B)10日目のマウスの全血におけるCD4
+T細胞を示す。
【
図163A-163B】示された試験物質の最初の投与後の、(
図163A)6日目および(
図163B)10日目のマウスの全血におけるCD45
+T細胞を示す。
【
図165】示された試験物質の最初の投与後7日目のNSGマウスの血清におけるIFNγを示す。
【
図167】XENP20818と共にインキュベーションした後の、Ki67を発現する示されたリンパ球集団の割合を示す。
【
図168】XENP20818、XENP22821、XENP24050、およびXENP24306と共にインキュベーションした後のCD8
+CD45RA
+T細胞上のSTAT5リン酸化を示す。
【
図169】XENP20818、XENP22819、XENP22821、およびXENP22834と共にインキュベーションした後のCD8
+CD45RA
+T細胞上のSTAT5リン酸化を示す。
【
図170】それらのぞれぞれのEC50でXENP20818またはXENP24306と共にインキュベーションした後の、経時的なKi67を発現するCD8
+CD45RA
−T細胞の割合を示す。
【
図171】それらのぞれぞれのEC50でXENP20818またはXENP24306と共にインキュベーションした後の、経時的なCD8
+CD45RA
−T細胞上のBCL2発現を示す。
【
図172】それらのぞれぞれのEC50でXENP20818またはXENP24306と共にインキュベーションした後の、経時的なCD8
+CD45RA
−T細胞上のCD25発現を示す。
【
図173】XENP24045またはXENP20818と共にインキュベーションした後の、新鮮なヒトPBMC対刺激されたヒトPBMCにおけるCD8
+T細胞のSTAT5リン酸化を示す。
【
図174】示された用量のXENP24306および示された用量のプレート結合抗CD3(OKT3)と共にヒトPBMCをインキュベーションした後の、CD8
+CD45RA
−増殖パーセント(CFSE希釈により決定される)を示す。
【
図175】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、10日目のhuPBMC移植NSGマウスの血清IFNγ濃度を示す。
【
図176】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、17日目のhuPBMC移植NSGマウスの血液中のCD45
+細胞数を示す。
【
図177】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、25日目のhuPBMC移植NSGマウスの体重(初期体重の割合として)を示す。
【
図178】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、7日目のhuPBMC移植NSGマウスの血清IFNγ濃度を示す。
【
図179A-179D】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、10日目のhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45
+細胞、B)CD3
+T細胞、C)CD4
+T細胞、D)CD8
+T細胞数を示す。
【
図180】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、11日目のhuPBMC移植NSGマウスの体重(初期体重の割合として)を示す。
【
図181】示された濃度での示された試験物質の最初の投与後の、huPBMC移植NSGマウスの体重(初期体重の割合として)の時間経過を示す。
【
図182】XENP16432および/またはXENP24045を投与したpp65−MCF7およびhuPBMC移植NSGマウスにおける21日目のCD45
+細胞数を示す。
【
図183】XENP16432および/またはXENP24045を投与したpp65−MCF7およびhuPBMC移植NSGマウスにおける31日目の腫瘍体積を示す。
【
図184】XENP16432および/またはXENP24045を投与したpp65−MCF7およびhuPBMC(1.5x10
6)移植NSGマウスにおける経時的な(huPBMC移植後の)腫瘍体積を示す。
【
図185】XENP16432および/またはXENP24045を投与したpp65−MCF7およびhuPBMC(5x10
6)移植NSGマウスにおける経時的な(huPBMC移植後の)腫瘍体積を示す。
【
図186】野生型IL−15を含むscIL−15/Rα−Fc融合体であるXENP21993の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が図に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、および定常/Fc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図187】野生型IL−15およびXtend Fc(M428L/N434S)バリアントを含むIL−15/Rα−ヘテロFc融合体であるXENP22853の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が図に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、および定常/Fc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図188】IL−15(N4D/N65D)バリアントおよびXtend Fc(M428L/N434S)置換を含むscIL−15/Rα−Fc融合体であるXENP24294の配列を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が図に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、および定常/Fc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図189】示された相対濃度での最初の投与後のカニクイザルにおける、経時的な示された試験物質の血清濃度を示す。
【
図190】経時的なXENP22853および対応するWT非Xtend XENP20818の相対血清濃度を示す。
【
図191】効力を低減するように操作され、かつD30N置換を含む例示的なIL−15バリアントの配列を示す。列挙された配列と(本明細書で定義されるように)90%、95%、98%、および99%同一である、および/または1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の追加のアミノ酸置換を含む配列がこれらのバリアントIL−15配列の各々内に含まれる。非限定的な例において、列挙された配列は、実施例2に記載されるように共有ジスルフィド結合の形成に寄与するものなどの追加のアミノ酸修飾を含み得る。
【
図192A-192C】D30N置換を含むIL−15バリアントを有する例示的なscIL−15/Rα−Fc融合体を示す。IL−15およびIL−15Rα(スシ)には下線が付され、リンカーには二重下線が付され(当業者には理解されるように、リンカーは、その一部が図に示される他のリンカーで置き換えられ得る)、スラッシュ(/)は、IL−15、IL−15Rα、リンカー、および定常/Fc領域の間の境界(複数可)を示す。
【
図193A-193G】示された試験物質と共にインキュベーションした後の、A)CD4+CD45RA−、B)CD4+CD45RA+、C)CD8+CD45RA−、D)CD8+CD45RA+、E)CD16+NK細胞、F)CD56+NK細胞、およびG)γδ細胞の発現Ki67の割合を示す。
【
図194A-194E】実施例18で議論されるように、機械的PK/RO/TMDDモデルが相対的なPD効果を示すことを示す。驚くべきことに、予測されたRO−AUC値は、実験的に決定されたPD−AUC(薬力学的AUC)と非常によく相関し、RO−AUCが最適化の標的値であることを示し、最適なKd値の予測を可能にする。
【
図195】受容体媒介内在化が、様々なIL−15のPK/PD関係に影響する重要な要因であるという仮説を説明する概略図を示す。k
増殖は増殖率を示す。k
死CTLは細胞死の割合を示す。K
dは解離定数を示す。k
除去は除去率を示す。k
注入は、中心血液への注入速度を示す。k
合成は、IL−15受容体の合成速度を示す。k
分解は、IL−15受容体の分解速度を示す。
【
図196】
図195に示されるモデルに基づくシミュレーションに入力された、複数のカニクイザル研究からのPKデータのオーバーレイを示す。
【
図197】
図1に示されるモデルに基づいて推定されたKD値が、実験的に測定された結合のEC50値と直線的に相関することを示す。
【
図198】
図195に示されるモデルに基づいて、シミュレーションされたPKプロファイル、受容体占有率(RO)曲線、および薬力学的プロファイルを示す。モデルは、低減された効力が曝露を延長すること、および最適なKDが最大の薬力学(すなわち、T細胞拡大)のために存在することを示す。
【
図199A-199F】A)実験的に決定されたPD−AUC(薬力学的AUC)による予測RO−AUC値、B)実験的に決定されたPD−Max(ピークCD8+T細胞数)による予測RO−AUC値、C)実験的に決定されたALB−min(最低血清アルブミン濃度)による予測RO−AUC値、D)実験的に決定されたPD−AUCによる予測RO−Max(最大受容体占有)値、E)実験的に決定されたPD−Maxによる予測RO−Max、およびF)実験的に決定されたALB−Minによる予測RO−Maxの間の相関を示す。注目すべきことに、予測RO−AUC値は実験的に決定されたPD−AUCおよびPD−maxと非常によく相関するが、一方で、予測RO−Max値は実験的に決定されたALB−Minと非常によく相関する。
【
図200】IL−15/Rα−ヘテロFc融合のXtendバージョンまたは非Xtendバージョンのいずれかに対して実行された様々なK
D値に対するシミュレーションスキャン(
図195に示されるモデルに基づく)を示し、予測された最適なK
Dは約200nMであり、XmAb24306の推定K
D値と同様であることを明らかにする。
【
図201A-201B】XENP16432および/またはXENP24045を投与したpp65−MCF7およびhuPBMC移植NSGマウスにおけるA)ヒトCD8+T細胞数およびB)ヒトCD8+T細胞上のCD25発現を示す。***は、対応のないt検定によって決定されるp≦0.001を示し、**は、p≦0.01を示す。XENP24045および抗PD−1 mAbの組み合わせによる処置は、後日、CD8+T細胞の拡大を著しく増強し、CD8+T細胞の早期の活性化を誘導したことが見出された。
【
図202A-202C】0.3倍用量のXENP20818、0.3倍用量のXmAb24306、および0.6倍用量のXmAb4306を投与した後のカニクイザルにおけるA)CD8+T細胞、B)CD16+NK細胞、およびC)リンパ球の拡大を示す。データは、効力が低減したXmAb24306によって付与された薬力学の向上を示す。
【
図203】0.3倍用量のXENP20818、0.3倍用量のXmAb24306、および0.6倍用量のXmAb24306を投与した後のカニクイザルにおける(血管漏出の指標としての)血清アルブミンの変化パーセントを示す。データは、効力が低減したXmAb24306によって付与された(アルブミンドロップの低減によって示される)忍容性の向上を示す。
【
図204A-204F】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、7日目のhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45+細胞、B)CD3+T細胞、C)CD4+T細胞、D)CD8+T細胞、E)CD16+CD56+NK細胞数、およびF)CD4対CD8比を示す。
【
図205A-205F】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、14日目のhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45+細胞、B)CD3+T細胞、C)CD4+T細胞、D)CD8+T細胞、E)CD16+CD56+NK細胞数、およびF)CD4対CD8比を示す。データは、14日目までに、0.3mg/kgまたは0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、3mg/kgのXENP16432単独による処置を超えて、CD3+T細胞の拡大を著しく増強したことを示す(対応のないt検定を使用して対数変換されたデータ上で統計を行った)。
【
図206A-206F】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、21日目のhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45+細胞、B)CD3+T細胞、C)CD4+T細胞、D)CD8+T細胞、E)CD16+CD56+NK細胞数、およびF)CD4対CD8比を示す。
【
図207A-207I】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、A)3日目、B)6日目、C)10日目、D)13日目、E)17日目、F)20日目、G)25日目、H)28日目、およびI)29日目のhuPBMC移植NSGマウスの体重の変化(GVHDの指標として)を示す。データは、10日目までに、0.3mg/kg、0.1mg/kg、または0.01mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、3mg/kgのXENP16432単独による処置を超えて、GVHDを著しく増強したことを示す(対応のないt検定を使用して統計を行った)。
【
図208】示された濃度での示される試験物質の投与後の、経時的なhuPBMC移植NSGマウスの体重の変化(GVHDの指標として)を示す。
【
図209A-209C】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、A)7日目、B)14日目、およびC)21日目のhuPBMC移植NSGマウスの血清IFNγ濃度を示す。
【
図210A-201F】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、14日目のpp65−MCF−7およびhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45+細胞、B)CD3+T細胞、C)CD4+T細胞、D)CD8+T細胞、E)CD16+CD56+NK細胞数、およびF)CD4対CD8比を示す。*はP<0.05、対応のないt検定、PBS処置グループと比較して示されたグループを指し、†は、p<0.04、対応のないt検定、XENP16432処置グループと比較して示されたグループを示す。データは統計分析の前に対数変換された。データは、14日目までに、XENP24306のみまたはXENP16432と組み合わせたXENP24306で処置したグループの各々が、PBS処置を超えてリンパ球の拡大を著しく増強したことを示す。特に、14日目までに、XENP24306の濃度に関係なく、XENP24306およびXENP16432の組み合わせ、ならびに高濃度のXENP24306のみで処置した各グループは、XENP16432処置を超えてリンパ球の拡大を著しく増強した。
【
図211A-211F】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、21日目のpp65−MCF−7およびhuPBMC移植NSGマウスの血液中のA)CD45+細胞、B)CD3+T細胞、C)CD4+T細胞、D)CD8+T細胞、E)CD16+CD56+NK細胞数、およびF)CD4対CD8比を示す。*はP<0.05、対応のないt検定、PBS処置グループと比較して示されたグループを指し、†は、p<0.04、対応のないt検定、XENP16432処置グループと比較して示されたグループを示す。データは統計分析の前に対数変換された。
【
図212A-212I】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、A)4日目、B)6日目、C)8日目、D)11日目、E)13日目、F)15日目、G)19日目、H)22日目、およびI)25日目のpp65−MCF−7およびhuPBMC移植NSGマウスにおける腫瘍体積の変化(ベースライン補正)を示す。データは、11日目までに、1.0mg/kg、0.3mg/kg、または0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、XENP16432単独による処置と比較して、腫瘍体積を著しく減少させたことを示す(ベースライン補正された腫瘍測定で対応のないt検定を使用して統計を行った)。
【
図213A-213B】示された濃度での示される試験物質の投与後の、経時的なpp65−MCF−7およびhuPBMC移植NSGマウスのA)腫瘍体積の変化およびB)体重の変化(GVHDの指標として)を示す。データは、グループC、F、およびGで全てのマウスが死亡したが、これはGVHDに対応していたことを示す(体重の変化で示される)。
【
図214A-214C】示された濃度で示された試験物質を最初に投与した後の、A)7日目、B)14日目、およびC)21日目のpp65−MCF−7およびhuPBMC移植NSGマウスの血清IFNγ濃度を示す。*はP<0.05、対応のないt検定、PBS処置グループと比較して示されたグループを指し、†は、p<0.04、対応のないt検定、XENP16432処置グループと比較して示されたグループを示す。データは統計分析の前に対数変換された。データは、7日目までに、1.0mg/kg、0.3mg/kg、または0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、XENP16432単独による処置と比較して、IFNγ分泌を著しく増強したことを示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
I.定義
本発明をより完全に理解できるようにするため、いくつかの定義を以下に示す。そのような定義は、文法的同等物を包含することを意図する。
【0066】
本明細書において「切断」とは、結合および/または活性の低下または除去を意味する。したがって、例えば、「FcγR結合を切断する」とは、Fc領域アミノ酸バリアントが、その特定のバリアントを含まないFc領域と比較して50%未満の開始結合を有することを意味し、70〜80〜90〜95〜98%未満の結合喪失が好ましく、一般に、結合はBiacoreアッセイにおいて検出可能な結合のレベル未満である。FcγR結合の切断において特に有用なものは、
図5に示されるバリアントである。しかしながら、他の記載がない限り、本発明のFcモノマーはFcRnへの結合を保持する。
【0067】
本明細書で使用される「ADCC」または「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、続いて標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介反応を意味する。ADCCは、FcγRIIIaへの結合と相関し、FcγRIIIaへの結合の増加はADCC活性の増加をもたらす。本明細書で論じるように、本発明の多くの実施形態はADCC活性を完全に切断する。
【0068】
本明細書で用いられる「ADCP」または抗体依存性細胞媒介食作用とは、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の連結抗体を認識し、続いて標的細胞の食作用を引き起こす細胞媒介反応を意味する。
【0069】
本明細書における「修飾」とは、ポリペプチド配列におけるアミノ酸の置換、挿入、および/もしくは欠失、またはタンパク質に化学的に連結された部分への改変を意味する。例えば、修飾は、タンパク質に結合した改変された炭水化物またはPEG構造であってもよい。本明細書における「アミノ酸修飾」は、ポリペプチド配列中のアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を意味する。明確にするために、別段の記載がない限り、アミノ酸修飾は常に、DNAによってコードされるアミノ酸、例えば、DNAおよびRNA中にコドンを有する20個のアミノ酸に対するものである。
【0070】
本明細書における「アミノ酸置換」または「置換」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置のアミノ酸を異なるアミノ酸で置換することを意味する。特に、いくつかの実施形態では、置換は、特定の位置で天然に存在しない(生物内で天然に存在しないか、またはいずれの生物中にも存在しないかのいずれか)アミノ酸に対するものである。例えば、置換E272Yまたは272Yは、272位のグルタミン酸がチロシンで置換されているバリアントポリペプチド、この場合はFcバリアントを指す。明確にするために、核酸コード配列を変化させるが、出発アミノ酸を変化させない(例えば、宿主生物発現レベルを上昇させるためにCGG(アルギニンをコードする)をCGA(アルギニンをなおコードする)に交換する)ように操作されたタンパク質は、「アミノ酸置換」ではない。すなわち、同じタンパク質をコードする新たな遺伝子の創出にもかかわらず、タンパク質は、それが開始する特定の位置に同じアミノ酸を有する場合、それはアミノ酸置換ではない。置換には、天然に存在するアミノ酸および場合によっては合成アミノ酸が含まれ得る。例としては、米国特許第6,586,207号、WO98/48032、WO03/073238、US2004−0214988A1、WO05/35727A2、WO05/74524A2、J.W.Chin et al.,(2002),Journal of the American Chemical Society 124:9026−9027、J.W.Chin,&P.G.Schultz,(2002),ChemBioChem 11:1135−1137、J.W.Chin,et al.,(2002),PICAS United States of America 99:11020−11024、およびL.Wang,&P.G.Schultz,(2002),Chem.1−10が挙げられ、全て全体が参照により組み込まれる。
【0071】
本明細書で使用される「アミノ酸挿入」または「挿入」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置にアミノ酸残基またはアミノ酸配列を付加することを意味する。例えば、−233Eは、233位の後、かつ234位の前のグルタミン酸の挿入を示す。さらに、−233ADEまたはA233ADEは、233位の後、かつ234位の前のAlaAspGluの挿入を示す。
【0072】
本明細書で使用される「アミノ酸欠失」または「欠失」は、親ポリペプチド配列中の特定の位置でアミノ酸残基またはアミノ酸配列を除去することを意味する。例えば、E233、E233#、E233()、またはE233delは、233位のグルタミン酸の欠失を示す。さらに、EDA233−またはEDA233#は、233位で始まる配列GluAspAlaの欠失を示す。
【0073】
本明細書で使用される「バリアントタンパク質」、「タンパク質バリアント」、または「バリアント」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親タンパク質のそれとは異なるタンパク質を意味する。タンパク質バリアントは、タンパク質自体、タンパク質を含む組成物、それをコードするアミノ配列、またはそれをコードするDNAもしくは核酸配列を指し得る。好ましくは、タンパク質バリアントは、親タンパク質と比較して少なくとも1つのアミノ酸修飾、例えば、親と比較して約1〜約70個のアミノ酸修飾、および好ましくは約1〜約5個のアミノ酸修飾を有する。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。以下に記載するように、いくつかの実施形態では、親ポリペプチド、例えばFc親ポリペプチドは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4由来のFc領域等のヒト野生型配列であるが、変異を有するヒト配列もまた、「親ポリペプチド」としての役割を果たすことができ、例えば、IgG1/2ハイブリッドを含めることができる。本明細書のタンパク質バリアントの配列は、好ましくは、親タンパク質配列と少なくとも約80%の同一性、最も好ましくは少なくとも約90%の同一性、より好ましくは少なくとも約95−98−99%の同一性を有する。
【0074】
したがって、本明細書で使用される「抗体バリアント」または「バリアント抗体」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親抗体とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「IgGバリアント」または「バリアントIgG」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親IgG(ここでも、多くの場合はヒトIgG配列に由来)とは異なる抗体を意味し、本明細書で使用される「免疫グロブリンバリアント」または「バリアント免疫グロブリン」とは、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親免疫グロブリン配列のそれとは異なる免疫グロブリン配列を意味する。本明細書で使用される「Fcバリアント」または「バリアントFc」とは、Fcドメインにアミノ酸修飾を含むタンパク質を意味する。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。本発明のFcバリアントは、それらを構成するアミノ酸修飾に従って定義される。したがって、例えば、N434Sまたは434Sは、親Fcポリペプチドに対して434位にセリン残基の置換を有するFcバリアントであり、付番はEUインデックスに従う。同様に、M428L/N434Sは、親Fcポリペプチドに対して置換M428LおよびN434Sを有するFc変異を定義する。WTアミノ酸の同一性は特定されていなくてもよく、その場合、前述のバリアントは428L/434Sと称される。置換が提供される順序は任意であり、すなわち、例えば、428L/434Sは434S/428Lと同一のFcバリアントなどであることが留意される。抗体またはその誘導体および断片に関連する本発明において論じられる全ての位置について、特に明記されない限り、アミノ酸位置の付番はEUインデックスに従う。EUインデックス、またはKabatもしくはEU付番スキームと同様のEUインデックスは、EU抗体の付番を指す(Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。修飾は、付加、欠失、または置換であり得る。置換には、天然に存在するアミノ酸および場合によっては合成アミノ酸が含まれ得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「タンパク質」は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、およびペプチドを含む、少なくとも2つの共有結合したアミノ酸を意味する。ペプチジル基は、天然に存在するアミノ酸およびペプチド結合、または合成ペプチド模倣構造、すなわち、ペプトイド(全体が参照により組み込まれるSimon et al.,PNAS USA89(20):9367(1992)を参照)等の「類似体」を含んでよい。アミノ酸は、当業者には理解されるであろうとおり、天然に存在するものでも合成物(例えば、DNAによってコードされるアミノ酸ではないもの)のいずれかであり得る。例えば、ホモフェニルアラニン、シトルリン、オルニチン、およびノレオロイシンは、本発明の目的では合成アミノ酸と考えられ、D−およびL−(RまたはS)立体配置のアミノ酸の両方を利用することができる。本発明のバリアントは、例えば、これらに限定されないが、全て全体が参照により組み込まれる、Cropp&Shultz,2004,Trends Genet.20(12):625−30、Anderson et al.,2004,Proc Natl Acad Sci USA 101(2):7566−71、Zhang et al.,2003,303(5656):371−3、およびChin et al.,2003,Science 301(5635):964−7によって説明される方法を含む、Schultzおよび共同研究者らによって開発された技術を使用して組み込まれた合成アミノ酸の使用を含む修飾を含み得る。さらに、ポリペプチドには、1つ以上の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、PEG化、円順列、環化、他の分子へのリンカー、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加が含まれ得る。生物学的に機能する分子が2つ以上のタンパク質を含む場合、各タンパク質は「モノマー」または「サブユニット」または「ドメイン」と呼ばれてもよく、生物学的に機能する分子は「複合体」と呼ばれてもよい。
【0076】
「残基」とは、本明細書で使用されるとき、タンパク質における位置およびその関連するアミノ酸素性を意味する。例えば、アスパラギン297(Asn297またはN297とも称される)は、ヒト抗体IgG1中の297位の残基である。
【0077】
本明細書で使用される「IgGサブクラス修飾」または「アイソタイプ修飾」とは、1つのIgGアイソタイプの1つのアミノ酸を、異なる、整合したIgGアイソタイプの対応するアミノ酸に変換するアミノ酸修飾を意味する。例えば、EU位置296においてIgG1はチロシンを含み、IgG2はフェニルアラニンを含むので、IgG2におけるF296Y置換は、IgGサブクラス修飾であると考えられる。
【0078】
本明細書で使用される「天然に存在しない修飾」とは、アイソタイプ性ではないアミノ酸修飾を意味する。例えば、IgGのうちのいずれも434位にセリンを含まないので、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4(またはそれらのハイブリッド)における置換434Sは、天然に生じない修飾であると見なされる。
【0079】
本明細書で使用される「アミノ酸」および「アミノ酸同一性」は、DNAおよびRNAによってコードされている20種の天然に存在するアミノ酸のうちの1つを意味する。
【0080】
本明細書で使用される「エフェクター機能」とは、抗体Fc領域とFc受容体またはリガンドとの相互作用から生じる生化学的事象を意味する。エフェクター機能には、ADCC、ADCP、およびCDCが含まれるが、これらに限定されない。
【0081】
本明細書で使用される「IgG Fcリガンド」または「Fcリガンド」とは、IgG抗体のFc領域に結合してFc/Fcリガンド複合体を形成する任意の生物由来の分子、好ましくはポリペプチドを意味する。Fcリガンドには、FcγRI、FcγRII、FcγRIII、FcRn、C1q、C3、マンナン結合レクチン、マンノース受容体、staphylococcalプロテインA、streptococcalプロテインG、およびウイルスFcγRが含まれるが、これらに限定されない。Fcリガンドにはまた、FcγRと相同なFc受容体のファミリーである、Fc受容体相同体(FcRH)が含まれる(参照により全体が組み込まれる、Davis et al.,2002,Immunological Reviews190:123−136)。Fcリガンドは、Fcに結合する未発見の分子を含み得る。特定のIgG Fcリガンドは、FcRnおよびFcガンマ受容体である。
【0082】
本明細書で使用される「Fcガンマ受容体」、「FcγR」、または「FcガンマR」とは、IgG抗体Fc領域に結合し、かつFcγR遺伝子によってコードされるタンパク質ファミリーの任意のメンバーを意味する。ヒトにおいて、このファミリーには、アイソフォームであるFcγRIa、FcγRIb、およびFcγRIcを含むFcγRI(CD64);アイソフォームであるFcγRIIa(アロタイプであるH131およびR131を含む)、FcγRIIb(FcγRIIb−1およびFcγRIIb−2を含む)、ならびにFcγRIIcを含むFcγRII(CD32);ならびにアイソフォームであるFcγRIIIa(アロタイプであるV158およびF158を含む)、ならびにFcγRIIIb(アロタイプであるFcγRIIb−NA1およびFcγRIIb−NA2を含む)を含むFcγRIII(CD16)(参照により全体が組み込まれる、Jefferis et al.,2002,Immunol Lett 82:57−65)、ならびに任意の発見されていないヒトFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。FcγRは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。マウスFcγRには、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、FcγRIII(CD16)、およびFcγRIII−2(CD16−2)、ならびに任意の未発見のマウスFcγRまたはFcγRアイソフォームもしくはアロタイプが含まれるが、これらに限定されない。
【0083】
本明細書で使用される「FcRn」または「新生児Fc受容体」とは、IgG抗体のFc領域に結合し、少なくとも部分的にFcRn遺伝子によってコードされるタンパク質を意味する。FcRnは、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、およびサルを含むが、これらに限定されない任意の生物由来であり得る。当技術分野で既知のとおり、機能性FcRnタンパク質は、しばしば重鎖および軽鎖と呼ばれる2つのポリペプチドを含む。軽鎖はβ−2−ミクログロブリン(β2−ミクログロブリン)であり、重鎖はFcRn遺伝子によってコードされる。本明細書において別段の記載がない限り、FcRnまたはFcRnタンパク質は、FcRn重鎖とβ2−ミクログロブリンとの複合体を指す。様々なFcバリアントを使用して、FcRnへの結合を増加させ、場合によっては、血清半減期を増加させることができる。概して、別段の記載がない限り、本発明のFcモノマーは、FcRnへの結合を保持する(および下記のように、FcRnへの結合を増加させるためのアミノ酸バリアントを含み得る)。
【0084】
本明細書で使用される「親ポリペプチド」とは、バリアントを生成するようにその後修飾される出発ポリペプチドを意味する。親ポリペプチドは、天然に存在するポリペプチド、または天然に存在するポリペプチドのバリアントもしくは改変されたバージョンであってもよい。親ポリペプチドとは、ポリペプチド自体、親ポリペプチドを含む組成物、またはそれをコードするアミノ酸配列を指し得る。したがって、本明細書で使用される「親免疫グロブリン」とは、バリアントを生成するように修飾される非修飾免疫グロブリンポリペプチドを意味し、本明細書で使用される「親抗体」とは、バリアント抗体を生成するように修飾される非修飾抗体を意味する。「親抗体」には、以下に概説するように、既知の市販の組み換えで産生した抗体が含まれることに注意すべきである。
【0085】
本明細書で使用される場合、「Fc」または「Fc領域」または「Fcドメイン」とは、いくつかの場合では、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1)またはその一部の全部または一部を除く、いくつかの場合では、ヒンジの全部または一部をさらに除く、抗体の定常領域を含むポリペプチドを意味する。このため、Fcは、IgA、IgD、およびIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH2およびCH3)、IgEおよびIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、および任意選択的にこれらのドメインに対する可動性ヒンジN末端のすべてまたは一部を指し得る。IgAおよびIgMの場合、FcはJ鎖を含んでもよい。IgGの場合、Fcドメインは免疫グロブリンドメインCH2およびCH3(Cγ2およびCγ3)と、CH1(Cγ1)とCH2(Cγ2)の間の下部ヒンジ領域を含む。Fc領域の境界は異なり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシ末端に残基E216、C226、またはA231を含むものと定義され、ここでの付番はKabatと同様のEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に説明されるように、例えば、1つ以上のFcγRまたはFcRnへの結合を変化させるために、Fc領域に対してアミノ酸修飾が行われる。
【0086】
当業者には理解されるように、重定常領域ドメインの正確な付番および配置は、異なる付番システムで異なり得る。EUおよびKabatによる重定常領域の付番の有用な比較は以下のとおり、参照によりその全体が組み込まれる、Edelman et al.,1969,Proc Natl Acad Sci USA 63:78−85、およびKabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,United States Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesdaを参照されたい。
【表1】
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【0087】
本明細書で使用される「融合タンパク質」とは、少なくとも2つのタンパク質の共有結合を意味する。本明細書に記載されるように、融合タンパク質は人工配列、例えば、ドメインリンカーを含み得る。本明細書における「Fc融合タンパク質」または「イムノアドヘシン」とは、概して、本明細書に記載されるように、IL−15および/またはIL−15Rなど、1つ以上の異なるタンパク質に連結された(任意に、本明細書に記載されるようにドメインリンカーを介して)Fc領域を含むタンパク質を意味する。いくつかの例では、2つのFc融合タンパク質がホモダイマーFc融合タンパク質またはヘテロダイマーFc融合タンパク質を形成することができ、後者が好ましい。いくつの場合では、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一方の単量体は、Fcドメインのみ(例えば、空のFcドメイン)を含み、他方の単量体は、バリアントFcドメインおよび受容体、リガンド、または他の結合パートナーなどのタンパク質ドメインを含むFc融合体である。
【0088】
本明細書で使用される「位置」は、タンパク質の配列中の場所を意味する。位置は、順番に付番されるか、または確立されたフォーマット、例えば、抗体付番のためのEUインデックスによって付番されてもよい。
【0089】
本明細書における本発明のヘテロ二量体タンパク質のモノマーの文脈における「鎖性(strandedness)」は、「整合」する二本鎖DNAと同様に、「整合」してヘテロ二量体を形成する能力を保持、生成、および/または増強するようにヘテロ二量体化バリアントを各モノマーに組み込むことを意味する。例えば、いくつかのpIバリアントが単量体Aへと操作される(例えば、pIをより高くする)場合、同様に利用され得る「電荷対」である立体バリアントはpIバリアントに干渉せず、例えば、pIを高くした電荷バリアントが同一の「鎖」または「単量体」に置かれ、両方の機能を保持する。同様に、以下により詳細に概説されるように、対のセットになる「スキュー」バリアントについて、当業者は、対の1つのセットを組み入れる鎖または単量体がどちらに入るかを決定する際にpIを考慮し、同様にスキューのpIを使用してpI分離を最大化するようにする。
【0090】
本明細書における「野生型またはWT」とは、対立遺伝子変異を含む、天然に見出されるアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を意味する。WTタンパク質は、意図的に修飾されていないアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を有する。
【0091】
本発明のヘテロ二量体タンパク質は一般に、単離されているか、または組換え体である。本明細書に開示される様々なポリペプチドを説明するために使用される場合、「単離された」とは、それが発現された細胞または細胞培養物から特定および分離および/または回収されたポリペプチドを意味する。通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製ステップによって調製されるであろう。「単離されたタンパク質」とは、宿主細胞タンパク質などの細胞培養由来の他のタンパク質を実質的に含まないタンパク質を指す。「組換え体」は、外来性宿主細胞において組換え核酸技術を用いてタンパク質が生成されることを意味する。
【0092】
タンパク質配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、最大の配列同一性パーセントを達成するために配列を整合し、必要ならギャップを導入した後の、特定の(親)配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義され、そして配列同一性の一部としていかなる保存的置換も考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に利用可能なコンピューターソフトウェアを使用して、当技術分野の範囲内である様々な方法で達成できる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大の整合を達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、整合を測定するための適切なパラメータを決定することができる。1つの特定のプログラムは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20160244525号の段落番号[0279]〜[0280]に概説されているALIGN−2プログラムである。
【0093】
本発明のアミノ酸配列(「本発明の配列」)と親アミノ酸配列との間の同一性の程度は、「本発明の配列」の長さまたは親配列の長さのうちの短い方で割った、2つの配列の整合における正確な一致の数として計算される。結果は同一性パーセントで表される。
【0094】
ある実施形態では、2つ以上のアミノ酸配列は少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%同一である。ある実施形態では、2つ以上のアミノ酸配列は少なくとも95%、97%、98%、99%、さらには100%まで同一である。
【0095】
本明細書における「抗原結合ドメイン」または「ABD」とは、抗原決定基にその結合特異性を付与する抗原結合分子の一部を意味する。
【0096】
本明細書で使用される場合、「抗原結合分子」という用語は、その最も広い意味で、抗原決定基に特異的に結合する任意の分子を指す。抗原結合分子は、タンパク質、炭水化物、脂質、または他の化学化合物であってもよい。抗原結合分子の例としては、免疫グロブリンおよびその誘導体またはフラグメント、例えばFabおよびscFvがある。抗原結合分子の追加の例は、受容体とリガンドである。
【0097】
特定の抗原またはエピトープとの「特異的結合」もしくは「〜に特異的に結合する」または特定の抗原またはエピトープ「〜に対して特異的である」とは、非特異的相互作用とは測定可能な程度に異なる結合を意味する。特異的結合は、例えば、一般に結合活性を有さない同様の構造の分子である対照分子の結合と比較した分子の結合を決定することによって、測定することができる。例えば、特異的結合は、標的と同様である対照分子との競合によって決定することができる。
【0098】
特異的結合の強度または親和性は、相互作用の解離定数(K
D)として表すことができ、K
Dが小さいほどより大きな親和性を表し、K
Dが大きいほどより低い親和性を表す。結合特性は、生体層干渉法および表面プラズモン共鳴に基づく方法などの当技術分野で周知の方法によって決定することができる。そのような方法の1つは、抗原結合部位/抗原または受容体/リガンド複合体の会合速度と解離速度を測定することを伴い、速度は、複合パートナーの濃度、相互作用の親和性、および両方向の速度に等しく影響を与える幾何学的パラメータに依存する。したがって、会合速度(ka)および解離速度(kd)の両方を決定することができ、kd/kaの比は、解離定数K
Dに等しい(例えば、Nature 361:186−187(1993)およびDavies et al.(1990)Annual Rev Biochem 59:439−473を参照されたい)。
【0099】
特定の抗原またはエピトープに対する特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対して少なくとも約10−4M、少なくとも約10−5M、少なくとも約10−6M、少なくとも約10−7M、少なくとも約10−8M、少なくとも約10−8M、代替的に少なくとも約10−10M、少なくとも約10−11M、少なくとも約10−12M、またはそれ以上のK
Dを有する抗体結合分子によって示され得る。典型的には、抗原に特異的に結合する抗体結合分子は、抗原またはエピトープと比べて、対照分子に対して20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きいK
Dを有することになる。
【0100】
また、特定の分子またはエピトープへの特異的結合は、例えば、抗原またはエピトープに対するKaまたは会合速度が、対照と比べたそのエピトープに対して少なくとも20倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、5,000倍、10,000倍、またはそれを超えて大きい抗原結合分子によって示され得る。
【0101】
「エピトープ」とは、本明細書では、特異的抗原結合ドメイン、例えばパラトープとして既知の抗体分子の可変領域と相互作用する決定基を意味する。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖などの分子の群分けであり、通常、特異的構造特性、ならびに特異的電荷特性を有する。単一分子は、2つ以上のエピトープを有してもよい。エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成要素とも称される)および結合に直接関与しない他のアミノ酸残基、例えば、特異的抗原結合ペプチドによって効果的に遮断されるアミノ酸残基、換言すると、特異的抗原結合ペプチドのフットプリント内にあるアミノ酸残基を含み得る。エピトープは、立体配座または直線状のいずれであってもよい。立体配座エピトープは、直線状のポリペプチド鎖の異なるセグメントからのアミノ酸の空間的な並置によって作り出される。直線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接アミノ酸残基によって作り出されるものである。立体配座エピトープおよび非立体配座エピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが、後者への結合は失われないという点で区別され得る。エピトープは、典型的には、固有の空間立体構造内に、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、または8〜10個のアミノ酸を含む。同一のエピトープを認識する抗原結合分子は、ある抗原結合分子の別の抗原結合分子の標的抗原への結合を遮断する能力、例えば、「ビニング」を示す単純な免疫アッセイにおいて検証され得る。以下に概説するように、本発明は、列挙された本明細書の抗原結合分子および抗原結合ドメインを含むだけでなく、列挙された抗原結合分子または抗原結合ドメインによって結合されるエピトープとの結合について競合するものも含む。
【0102】
「融合」または「共有結合」とは、本明細書で概説される構成要素(例えば、IL−15およびFcドメイン)が、直接またはドメインリンカーを介してのいずれかでペプチド結合により連結されることを意味する。
【0103】
本明細書で使用される場合、「一本鎖」という用語は、ペプチド結合によって直線的に連結されたアミノ酸モノマーを含む分子を指す。
【0104】
本発明をさらに説明する前に、本発明は記載された特定の実施形態に限定されず、よって当然のことながら変化し得ることが理解されるべきである。本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを目的とするものではないことも理解されるべきである。
【0105】
II.抗体
以下で考察するように、「抗体」という用語は全般的に使用される。本発明で使用される抗体は、本明細書に記載されているようにいくつかのフォーマットをとることができ、本明細書に記載され図に示される従来の抗体、および抗体誘導体、断片および模倣物を含む。
【0106】
従来の抗体構造単位は、典型的には四量体を含む。各四量体は、典型的には、2本の同一のポリペプチド鎖対からなり、各対は、1本の「軽」鎖(典型的には、約25kDaの分子量)と、1本の「重」鎖(典型的には、約50〜70kDaの分子量)とを有する。ヒト軽鎖は、カッパ軽鎖およびラムダ軽鎖として分類される。本発明は、一般にIgGクラスに基づく二重特異性抗体を対象とし、これは、IgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むがこれらに限定されない、いくつかのサブクラスを有する。一般に、IgG1、IgG2、およびIgG4が、IgG3よりも頻繁に使用される。IgG1は、356(DまたはE)および358(LまたはM)で多型を有する異なるアロタイプを有することに留意すべきである。本明細書に示される配列は356E/358Mアロタイプを使用するが、他のアロタイプも本明細書に含まれる。すなわち、本明細書に含まれるIgG1 Fcドメインを含む任意の配列は、356E/358Mアロタイプの代わりに356D/358Lを有することができる。
【0107】
さらに、本明細書中の配列の多くは、位置220の少なくとも1つのシステインをセリンで置換したものであり、これは一般に、本明細書に記載の配列の大部分について「scFv単量体」側にあるが、ジスルフィド形成を減少させるために「Fab単量体」側、またはその両方にすることもできる。本明細書中の配列内に具体的に含まれるのは、これらのシステインの一方または両方が置換されたもの(C220S)である。
【0108】
したがって、本明細書で使用されるとき、「アイソタイプ」は、それらの定常領域の化学的および抗原的特徴によって定義される免疫グロブリンの任意のサブクラスを意味する。治療用抗体は、アイソタイプおよび/またはサブクラスのハイブリッドも含み得ることを理解されたい。例えば、参照により組み込まれる米国公開第2009/0163699号に示されるように、本発明は、ヒトIgG1/G2ハイブリッドの使用である。
【0109】
超可変領域は、一般に、軽鎖可変領域においておよそ、アミノ酸残基24〜34(LCDR1、「L」は軽鎖を表す)、50〜56(LCDR2)、および89〜97(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域においてはおよそ約31〜35B(HCDR1、「H」は重鎖を表す)、50〜65(HCDR2)、および95〜102(HCDR3)からのアミノ酸残基(Kabat et al.,SEQUENCES OF PROTEINS OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))ならびに/または超可変ループを形成する残基(例えば、軽鎖可変領域における残基26〜32(LCDR1)、50〜52(LCDR2)、および91〜96(LCDR3)、ならびに重鎖可変領域における26〜32(HCDR1)、53〜55(HCDR2)、および96−101(HCDR3)を包含する(Chothia and Lesk(1987)J.Mol.Biol.196:901−917)。本発明の特定のCDRを以下に記載する。
【0110】
当業者には理解されるように、CDRの正確な付番および配置は、異なる付番系間で異なり得る。しかしながら、可変重鎖および/または可変軽鎖配列の開示は、関連する(固有の)CDRの開示を含むことが理解されるべきである。したがって、各可変重領域の開示は、vhCDR(例えば、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3)の開示であり、各可変軽領域の開示は、vlCDR(例えば、vlCDR1、vlCDR2、およびvlCDR3)の開示である。CDR付番の有用な比較は以下のとおりであり、Lafranc et al.,Dev.Comp.Immunol.27(1):55−77(2003)を参照されたい。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
本明細書全体を通して、Kabat付番系は一般に、可変ドメイン内の残基(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107および重鎖可変領域の残基1〜113)を参照するときに使用され、EU付番系は、Fc領域に対するものである(例えば、Kabat et al.、上述(1991))。
【0112】
重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本明細書において「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「ヒンジドメイン」とは、抗体の第1のおよび第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造的に、IgG CH1ドメインはEU位置215で終わり、IgG CH2ドメインは残基EU位置231で始まる。したがって、IgGについては、抗体ヒンジは、本明細書では、位置216(IgG1中のE216)〜230(IgG1中のP230)を含むように定義され、付番はKabatにあるようなEUインデックスによる。場合によっては、「ヒンジフラグメント」が使われ、それは、ヒンジドメインのN末端またはC末端のいずれかまたは両方でより少ないアミノ酸を含有する。本明細書に記載のとおり、pIバリアントはヒンジ領域にも同様に作製することができる。
【0113】
軽鎖は、一般に、可変軽鎖ドメイン(軽鎖CDRを含み、可変重鎖ドメインとともにFv領域を形成する)、および定常軽領域(しばしばCLまたはCκと称される)の2つのドメインを含む。
【0114】
以下に概説される追加の置換のための目的とする別の領域は、Fc領域である。
【0115】
本発明は、多数の異なるCDRセットを提供する。この場合において、「完全CDRセット」は、3つの可変軽鎖および3つの可変重鎖CDR、例えばvlCDR1、vlCDR2、vlCDR3、vhCDR1、vhCDR2、およびvhCDR3を含む。これらは、それぞれより大きな可変軽または可変重鎖ドメインの一部であり得る。さらに、本明細書により完全に概説されているように、可変重および可変軽鎖ドメインは、重鎖および軽鎖が使用されるとき(例えば、Fabが使用されるとき)には別個のポリペプチド鎖上に、またはscFv配列の場合には単一ポリペプチド鎖上にあり得る。
【0116】
CDRは、抗原結合の形成、またはより具体的には、抗体のエピトープ結合部位の形成に寄与する。「エピトープ」とは、パラトープとして知られている抗体分子の可変領域内の特異的抗原結合部位と相互作用する決定基を指す。エピトープは、アミノ酸または糖側鎖などの分子の群分けであり、通常、特異的構造特性、ならびに特異的電荷特性を有する。単一抗原が、2つ以上のエピトープを有してもよい。
【0117】
エピトープは、結合に直接関与するアミノ酸残基(エピトープの免疫優性構成要素とも称される)および結合に直接関与しない他のアミノ酸残基、例えば、特異的抗原結合ペプチドによって効果的に遮断されるアミノ酸残基、換言すると、特異的抗原結合ペプチドのフットプリント内にあるアミノ酸残基を含み得る。
【0118】
エピトープは、立体配座または直線状のいずれであってもよい。立体配座エピトープは、直線状のポリペプチド鎖の異なるセグメントからのアミノ酸の空間的な並置によって作り出される。直線状エピトープは、ポリペプチド鎖内の隣接アミノ酸残基によって作り出されるものである。立体配座エピトープおよび非立体配座エピトープは、変性溶媒の存在下で前者への結合は失われるが、後者への結合は失われないという点で区別され得る。
【0119】
エピトープは、典型的には、固有の空間立体構造内に、少なくとも3個、より一般的には、少なくとも5個、または8〜10個のアミノ酸を含む。同一のエピトープを認識する抗体は、ある抗体の別の抗体の標的抗原への結合を遮断する能力、例えば、「ビニング」を示す単純な免疫アッセイにおいて検証され得る。以下に概説するように、本発明は、列挙された抗原結合ドメインおよび本明細書の抗体を含むだけでなく、列挙された抗原結合ドメインによって結合されるエピトープとの結合について競合するものも含む。
【0120】
したがって、本発明は異なる抗体ドメインを提供する。本明細書中に記載され、当技術分野において既知のとおり、本発明のヘテロ二量体抗体は、重鎖および軽鎖内に異なるドメインを含み、これもまた重複し得る。これらのドメインは、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重鎖定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)、可変重鎖ドメイン、可変軽鎖ドメイン、軽鎖定常ドメイン、Fabドメイン、およびscFvドメインを含むが、これらに限定されない。
【0121】
したがって、「Fcドメイン」は、−CH2−CH3ドメイン、任意選択的にヒンジドメイン(−H−CH2−CH3)を含む。本明細書の実施形態では、scFvがFcドメインに結合しているとき、Fcドメインのヒンジの全部または一部に結合しているのはscFv構築物のC末端であり、例えば、それは一般にヒンジの始まりである配列EPKSに結合している。重鎖は、可変重ドメインおよび定常ドメインを含み、これは、CH1−任意選択のCH2−CH3を含むヒンジ−Fcドメインを含む。軽鎖は、可変軽鎖および軽鎖定常ドメインを含む。scFvは、可変重鎖、scFvリンカー、および可変軽鎖ドメインを含む。本明細書に概説した構築物および配列のほとんどにおいて、可変重鎖のC末端はscFvリンカーのN末端に結合し、そのC末端は可変軽鎖のN末端に結合している(N−vh−リンカー−vl−C)が、これはスイッチすることができる(N−vl−リンカー−vh−C)。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態は、少なくとも1つのscFvドメインを含み、それは天然に生じないが、scFvリンカーによってともに連結した可変重鎖ドメインと可変軽鎖ドメインとを一般に含む。本明細書に概説されるように、scFvドメインは、一般に、vh−scFvリンカー−vlとしてN末端からC末端に向かう向きとされているが、これは、scFvドメイン(または、Fab由来のvhおよびvl配列を使用して構築されたドメイン)のいずれに関しても、フォーマットに応じて一方または両方の端部に任意選択のリンカーを用いて、vl−scFvリンカー−vhへと逆転させることができる。
【0123】
本明細書に示されるように、好適なリンカー(ドメインリンカーまたはscFvリンカーのいずれかとして使用)にはいくつかあり、列挙されたドメインに共有結合(組み換え技術により生成される従来型ペプチド結合を含む)するために使用することができる。いくつかの実施形態では、リンカーペプチドは、主に、以下のアミノ酸残基Gly、Ser、Ala、またはThrを含み得る。リンカーペプチドは、それらが所望の活性を保持するように互いに対して正しい立体配座をとるような方法で2つの分子を結合させるのに十分な長さを有するべきである。一実施形態では、リンカーは、約1〜50アミノ酸長、好ましくは約1〜30アミノ酸長である。一実施形態において、1〜20アミノ酸長のリンカーが使用され得、いくつかの実施形態において、約5〜約10アミノ酸が使用されている。有用なリンカーには、例えば、nが少なくとも1つの整数(一般に3〜4)である(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)n、グリシン−アラニンポリマー、アラニン−セリンポリマー、ならびに他の可動性リンカーを含むグリシンセリンポリマーが含まれる。代替的に、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、またはポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのコポリマーを含むがこれらに限定されない様々な非タンパク質性ポリマーが、リンカーとして有用であり得る。
【0124】
他のリンカー配列は、任意の長さのCL/CH1ドメインの任意の配列を含むが、CL/CH1ドメインの全ての残基を含まない場合があり、例えば、CL/CH1ドメインの最初の5〜12アミノ酸残基である。リンカーは、免疫グロブリン軽鎖、例えば、CκまたはCλに由来し得る。リンカーは、例えば、Cγ1、Cγ2、Cγ3、Cγ4、Cα1、Cα2、Cδ、Cε、およびCμを含む任意のアイソタイプの免疫グロブリン重鎖に由来し得る。リンカー配列はまた、Ig様タンパク質(例えば、TCR、FcR、KIR)、ヒンジ領域由来配列、および他のタンパク質由来の他の天然配列などの他のタンパク質に由来してもよい。
【0125】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインをともに連結するために使用される「ドメインリンカー」である。例えば、FabのCH1ドメインのC末端をscFvのN末端に結合するドメインリンカーがあり、別の任意のドメインリンカーはscFvのC末端をCH2ドメインに結合している(ただし、多くの実施形態では、このドメインリンカーとしてヒンジが使用される)。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも1(一般に3〜4〜5)の整数である、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nを含むドメインリンカーとしてグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組み換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。場合によっては、以下に概説する「鎖性(strandedness)」に注意を払って、scFvリンカーのいくつかの実施形態において使用されるように、荷電ドメインリンカーを使用することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書で考察されるvhおよびvlドメインを共有結合するために使用されるscFvリンカーである。多くの場合、scFvリンカーは、荷電scFvリンカーである。
【0127】
したがって、本発明はさらに、第1の単量体と第2の単量体との間のpIの分離を促進するための荷電scFvリンカーを提供する。すなわち、正または負のいずれかの荷電scFvリンカー(または異なる単量体に対してscFvを使用する足場の場合は両方)を組み込むことによって、Fcドメインをさらに変化させずに、荷電リンカーを含む単量体はpIを変えることを可能にする。これらの荷電リンカーは、標準的なリンカーを含む任意のscFv中に置換することができる。また、当業者には理解されるように、pIの所望の変化に従って、荷電scFvリンカーが正しい「鎖」または単量体上に使用される。例えば、本明細書で論じられるように、トリプルFフォーマットヘテロ二量体抗体を作製するために、所望の抗原結合ドメインのそれぞれについてのFv領域の元のpIが計算され、そしてscFvを作製するために1つが選択され、pIに応じて、正または負のリンカーのいずれかが選択される。
【0128】
荷電ドメインリンカーも同様に、本発明の単量体のpI分離を増加させるために使用することができ、したがって、本明細書に含まれるものは、リンカーが利用される、本明細書の任意の実施形態で使用することができる。
【0129】
具体的には、抗体のいくつかのフォーマットは、通常「ヘテロ二量体抗体」と称され、タンパク質が、ヘテロ二量体Fcドメインと、FabとしてであれscFvとしてであれ、少なくとも2つのFv領域とに自己集合した少なくとも2つの関連Fc配列を有することを意味する。
【0130】
III.キメラおよびヒト化抗体
ある特定の実施形態では、本発明のチェックポイント遮断抗体は、特定の生殖細胞系列重鎖免疫グロブリン遺伝子由来の重鎖可変領域および/または特定の生殖細胞系列軽鎖免疫グロブリン遺伝子由来の軽鎖可変領域を含む。例えば、そのような抗体は、特定の生殖細胞系列配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」重鎖または軽鎖可変領域を含むヒト抗体を含み得るかまたはそれからなり得る。ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、ヒト抗体のアミノ酸配列をヒト生殖細胞系列免疫グロブリンのアミノ酸配列と比較することと、ヒト抗体の配列に最も近い配列である(即ち、最も高い同一性%)ヒト生殖細胞系列免疫グロブリンを選択することとによって(本明細書に概説される方法を使用する)、そのようなものとして同定され得る。特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列「の産物」であるまたはそれ「に由来する」ヒト抗体は、例えば、天然に生じる体細胞突然変異または部位特異的突然変異の意図的導入に起因して、生殖細胞系列配列と比較してアミノ酸の相違を含み得る。しかしながら、ヒト化抗体は、典型的には、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とアミノ酸配列において少なくとも90%同一であり、他の種の生殖細胞系列免疫グロブリンアミノ酸配列(例えば、マウス生殖細胞系列配列)と比較したときに、抗体をヒト配列に由来するものとして特定するアミノ酸残基を含む。ある特定の場合にでは、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列において少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%、またはさらに少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であり得る。典型的には、特定のヒト生殖細胞系配列に由来するヒト化抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と10〜20個以下のアミノ酸差しか示さない(本明細書中の任意のスキューバリアント、pIバリアント、および切断バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。ある特定の場合には、ヒト化抗体は、生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列とは5個以下、またはさらには4、3、2、もしくは1個以下のアミノ酸差しか示さない場合がある(同様に、本明細書における任意のスキューバリアント、pIバリアント、および切断バリアントの導入前、すなわち、本発明のバリアントの導入前は、バリアントの数は一般に少ない)。
【0131】
一実施形態では、親抗体は、当技術分野で既知のとおり、親和性成熟されたものである。構造に基づく方法が、例えば、USSN11/004,590に記載されているように、ヒト化および親和性成熟のために用いられ得る。これらに限定されないが、全て全体が参照により組み込まれる、Wu et al.,1999,J.Mol.Biol.294:151−162、Baca et al.,1997,J.Biol.Chem.272(16):10678−10684、Rosok et al.,1996,J.Biol.Chem.271(37):22611−22618、Rader et al.,1998,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:8910−8915、Krauss et al.,2003,Protein Engineering 16(10):753−759に記載される方法を含む、選択に基づく方法が抗体可変領域のヒト化および/または親和性成熟のために用いられ得る。他のヒト化方法は、CDRの一部のみを移植することを含んでもよく、これには、これらに限定されないが、全て全体が参照により組み込まれる、USSN09/810,510、Tan et al.,2002,J.Immunol.169:1119−1125、De Pascalis et al.,2002,J.Immunol.169:3076−3084に記載される方法が含まれる。
【0132】
IV.ヘテロ二量体Fc融合タンパク質
本発明は、異なる方向でIL−15およびIL−15受容体アルファ(IL−15Rα)タンパク質ドメインを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質に関する。Fcドメインは、IgG Fcドメイン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 Fcドメインから誘導することができ、IgG1 Fcドメインが本発明において特に使用される。
【0133】
各鎖のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を定義する。Kabatらは、重鎖および軽鎖の可変領域の多数の一次配列を収集した。配列の保存の程度に基づき、Kabatらは、個々の一次配列をCDRおよびフレームワークに分類し、そのリストを作成した(参照により全体が組み込まれる、SEQUENCES OF IMMUNOLOGICAL INTEREST,5th edition,NIH publication,No.91−3242,E.A.Kabat et al.を参照されたい)。本明細書全体を通して、Kabat付番系は概して、可変ドメイン内の残基(およそ、軽鎖可変領域の残基1〜107および重鎖可変領域の残基1〜113)を参照するときに使用され、EU付番系は、Fc領域に対するものである(例えば、Kabat et al.,上述(1991)を参照)。
【0134】
免疫グロブリンのIgGサブクラスには、重鎖においていくつかの免疫グロブリンドメインがある。本明細書の「免疫グロブリン(Ig)ドメイン」とは、明確に異なる三次構造を有する免疫グロブリンの領域を意味する。定常重(CH)ドメインおよびヒンジドメインを含む重鎖ドメインが本発明における関心対象である。IgG抗体の関連において、IgGアイソタイプは、それぞれ3つのCH領域を有する。したがって、IgGの文脈における「CH」ドメインは以下のとおりである。「CH1」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って118〜215位を指す。「ヒンジ」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って216〜230位を指す。「CH2」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って231〜340位を指し、「CH3」は、KabatにあるようなEUインデックスに従って341〜447位を指す。表1に示されるように、重鎖ドメインの正確な付番および配置は、異なる付番システムで異なり得る。本明細書に示され、以下に記載されるように、pIバリアントは、以下に考察されるヒンジ領域と同様に1つまたは複数のCH領域にあり得る。
【0135】
重鎖のIgドメインの別の種類は、ヒンジ領域である。本明細書において「ヒンジ」または「ヒンジ領域」または「抗体ヒンジ領域」または「免疫グロブリンヒンジ領域」とは、抗体の第1のおよび第2の定常ドメイン間のアミノ酸を含む可動性ポリペプチドを意味する。構造的に、IgG CH1ドメインはEU位置215で終わり、IgG CH2ドメインは残基EU位置237で始まる。したがって、IgGについては、抗体ヒンジは、位置216(IgG1中のE216)から230(IgG1中のP230)を含むように本明細書で定義され、付番は、Kabatと同様にEUインデックスによるものである。いくつかの実施形態では、例えばFc領域に関連して、ヒンジが含まれ、一般に位置216〜230を指す。本明細書に記載のとおり、pIバリアントはヒンジ領域にも同様に作製することができる。
【0136】
したがって、本発明は異なる抗体ドメインを提供する。本明細書中に記載され、そして当該技術分野において既知であるように、本発明のヘテロ二量体タンパク質は異なるドメインを含み、これもまた重複し得る。これらのドメインは、Fcドメイン、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、ヒンジドメイン、重定常ドメイン(CH1−ヒンジ−FcドメインまたはCH1−ヒンジ−CH2−CH3)を含むが、これらに限定されない。
【0137】
したがって、「Fcドメイン」は、−CH2−CH3ドメイン、および場合によりヒンジドメインを含む。いくつかの実施形態では、Fcドメインはまた、CH1ドメインの一部も含む。いくつかの実施形態では、タンパク質フラグメント、例えば、IL−15またはIL−15RαがFcドメインに結合している場合、それは、Fcドメインのヒンジの全部または一部に結合しているのIL−15またはIL−15Rα構築物のC末端であり、例えば、それは、一般にヒンジの始まりである配列EPKSに結合している。本明細書における他の実施形態では、タンパク質フラグメント、例えば、IL−15またはIL−15RαがFcドメインに結合している場合、それは、CH3ドメインのC末端に結合しているタンパク質断片のN末端である。
【0138】
本明細書に概説したFcドメインタンパク質のコンストラクトおよび配列のいくつかにおいて、IL−15またはIL−15RαのC末端はドメインリンカーのN末端に結合し、そのC末端は定常FcドメインのN末端に結合している(N−IL−15またはIL−15Rαタンパク質断片−リンカー−Fcドメイン−C)が、これは切り替えることができる(N−Fcドメイン−リンカー−IL−15またはIL−15Rαタンパク質ドメイン−C)。本明細書に概説される他の構築物および配列において、第1のタンパク質断片のC末端は、場合によりドメインリンカーを介して、第2のタンパク質断片のN末端に結合し、第2のタンパク質断片のC末端は、場合によりドメインリンカーを介して定常FcドメインのN末端に結合する。本明細書に概説されるさらに他の構築物および配列において、第1のタンパク質断片または第2のタンパク質断片に結合していない定常Fcドメインが提供される。ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、本明細書に記載の2つ以上の例示的な単量体Fcドメインタンパク質を含み得る。さらに別の構築物では、第1のタンパク質断片のN末端は、任意にドメインリンカーを介して、第2のタンパク質断片のN末端に結合し、第2のタンパク質断片のC末端は、任意にドメインリンカーを介して定常FcドメインのN末端に結合する。
【0139】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインを共に連結するために使用される「ドメインリンカー」であり、そのいくつかは
図87に示されている。任意の適切なリンカーを用いることができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも1(および一般に0〜1〜2〜3〜4〜5)である、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nを含むグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。場合によっては、以下に概説する「鎖性(strandedness)」に注意を払って、リンカーは荷電ドメインリンカーである。
【0140】
したがって、いくつかの実施形態では、本発明は、自己集合してヘテロ二量体Fcドメイン融合ポリペプチドを形成する、2つの異なる重鎖バリアントFc配列の使用に依存するヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。
【0141】
一実施形態では、ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、それがpI操作などのヘテロダイマーを生成するように操作することができる少なくとも2つの定常ドメインを含む。使用され得る他のFcドメインは、pI操作された本発明のCH1、CH2、CH3、およびヒンジドメインのうちの1つ以上を含む断片を含む。特に、
図9A〜9Gおよび
図39A〜39Dに示すフォーマットは、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質であり、これは、このタンパク質が、ヘテロ二量体Fcドメインに自己集合した2つの結合したFc配列および少なくとも1つのタンパク質断片(例えば、1、2またはそれ以上のタンパク質断片)を有することを意味する。いくつかの場合において、第1のタンパク質断片は第1のFc配列に連結し、そして第2のタンパク質断片は第2のFc配列に連結する。他の場合では、第1のタンパク質断片は第1のFc配列に連結しており、第1のタンパク質断片はFc配列に連結していない第2のタンパク質断片に非共有結合的に付着している。場合によっては、ヘテロダイマーFc融合タンパク質は、第1のFc配列に連結している第2のタンパク質フラグメントに連結した第1のタンパク質フラグメント、および第1のまたは第2のタンパク質フラグメントのいずれにも連結していない第2のFc配列を含む。
【0142】
本発明は、1つ以上の結合パートナー、リガンド、または受容体への結合を可能にするヘテロダイマーFc融合タンパク質を提供するための新規構築物に関する。ヘテロダイマーFc構築物は、抗体の重鎖の2つのFcドメイン、例えば、「ダイマー」に組み立てられる2つの「モノマー」の自己組織化の性質に基づく。ヘテロダイマーFc融合体は、以下でさらに詳しく説明するとおり、各モノマーのアミノ酸配列を変えることによって作製される。したがって、本発明は概して、結合パートナー(複数可)またはリガンド(複数可)または受容体(複数可)をいくつかの方法で共結合することができるヘテロダイマーFc融合タンパク質の生成に関し、ヘテロダイマー形成を促進するために、かつ/またはホモダイマーよりもヘテロダイマーの精製を容易にするために、各鎖で異なる定常領域中のアミノ酸バリアントに依存している。
【0143】
本発明のヘテロ二量体を生成するために使用することができるいくつかのメカニズムが存在する。さらに、当業者には理解されるように、これらのメカニズムを組み合わせて高いヘテロ二量体化を確実にすることができる。したがって、ヘテロ二量体の産生をもたらすアミノ酸バリアントは、「ヘテロ二量体化バリアント」と称される。後述するように、ヘテロ二量体化バリアントは、ヘテロ二量体からのホモ二量体の精製を可能にする立体バリアント(例えば、後述の「ノブアンドホール」または「スキュー」バリアントおよび「電荷対」変異)ならびに「pIバリアント」を含み得る。その全体が参照により本明細書に組み込まれ、具体的には以下で「ヘテロ二量体化バリアント」の議論について本明細書に援用されるように、ヘテロ二量体化の有用な機構には、「ノブアンドホール」(「KIH」、時に「スキュー」バリアントとして本明細書に記載される(WO2014/145806中の議論を参照されたい)、WO2014/145806に記載されているような「静電ステアリング」または「電荷対」、WO2014/145806に記載されているようなpIバリアント、ならびにWO2014/145806および以下に概説されているような一般的な追加のFcバリアントが含まれる。
【0144】
本発明において、ヘテロ二量体タンパク質および抗体の精製を容易することができるいくつかの基本的な機構が存在し、その1つは、各単量体、続いて各二量体種が異なるpIを有することによって、A−A、A−B、およびB−B二量体タンパク質の等電点精製が可能になるように、pIバリアントの使用に依存する。代替的に、いくつかのフォーマットはまた、サイズに基づいて分離することも可能にする。以下にさらに概説するように、ホモダイマーよりもヘテロダイマーの形成を「スキューさせる」ことも可能である。したがって、立体的ヘテロ二量体化バリアントおよびpIバリアントまたは電荷対バリアントの組み合わせは、本発明において特に使用される。
【0145】
一般に、本発明において特に使用される実施形態は、2つのモノマー間および各ダイマー種間のpI差を増加させる、pIバリアントと組み合わせた、ホモダイマー形成に対するヘテロダイマー形成を促進するスキューバリアントを含むバリアントのセットに依存する。
【0146】
さらに、以下により完全に概説されるように、ヘテロダイマーFc融合タンパク質のフォーマットに応じて、pIバリアントはモノマーの定常ドメインおよび/またはFcドメイン内に含まれるか、またはドメインリンカーが使用されるかのいずれかであり得る。すなわち、本発明は、一方または両方のモノマー上にあるpIバリアント、および/または荷電ドメインリンカーも提供する。さらに、代替の機能性のためのさらなるアミノ酸操作もまた、Fc、FcRn、およびKOバリアントなどのpI変化を付与し得る。
【0147】
ヘテロ二量体タンパク質の精製を可能にするための分離機構としてpIを利用する本発明においては、アミノ酸変異を一方または両方の単量体のポリペプチドに導入することができ、すなわち、単量体の一方(本明細書では簡単のために「単量体A」と呼ぶ)のpIを単量体Bと異なるように操作でき、または、単量体AおよびBの両方を、単量体AのpIを増加させ、単量体BのpIを減少させるように改変できる。論じられるように、いずれかまたは両方の単量体のpI変化は、荷電残基を除去または付加することによって(例えば、中性アミノ酸を正または負に荷電したアミノ酸残基で置換する、例えば、グルタミンからグルタミン酸)、正または負から反対の電荷への荷電残基の変更によって(例えばアスパラギン酸からリジンへ)、または荷電残基の中性残基への変更によって(例えば、電荷の消失、リジンからセリン)、実施することができる。いくつかのこれらのバリアントを図に示す。
【0148】
したがって、本発明のこの実施形態は、ヘテロ二量体をホモ二量体から分離することができるように、少なくとも1つの単量体に十分なpIの変化を生じさせることを提供する。当業者には理解されるように、そして以下にさらに議論されるように、これは、「野生型」重鎖定常領域およびそのpI(wtA:+BまたはwtA:B−)を増加または減少させるように操作されたバリアント領域を使用することによって、または一方の領域を増加させて他方の領域を減少させることによって(A+:B−またはA−:B+)行うことができる。
【0149】
したがって、一般に、本発明のいくつかの実施形態の構成要素は、二量体タンパク質の単量体の両方ではないにしても、少なくとも1つの等電点(pI)を、アミノ酸置換(「pIバリアント」または「pI置換」)を単量体の一方または両方に組み込むことによって変化させることを目的とする定常領域におけるアミノ酸バリアントである。2つのホモ二量体からのヘテロ二量体の分離は、2つの単量体のpIが0.1pH単位とわずかに異なる場合に達成することができ、0.2、0.3、0.4、および0.5以上異なるものが全て本発明における使用を見出す。
【0150】
当業者には理解されるように、良好な分離を得るために各単量体または両方の単量体(複数可)に含まれるべきpIバリアントの数は、構成要素の出発pIに部分的に依存するであろう。すなわち、どの単量体を操作するか、またはどの「方向」(例えば、より陽性またはより陰性)かを決定するために、Fcドメインの配列、およびいくつかの場合では、Fcドメインに連結するタンパク質ドメイン(複数可)が計算され、そこから決定がなされる。当該技術分野において既知であるように、異なるFcドメインおよび/またはタンパク質ドメインは、本発明において利用される異なる出発pIを有するであろう。概して、本明細書に概説されるように、pIは、少なくとも約0.1logの各単量体の総pIの差異を生じるように操作され、本明細書に概説されるように0.2〜0.5が好ましい。
【0151】
さらに、当業者には理解され、本明細書に概説されるように、いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体はサイズに基づいてホモ二量体から分離することができる。図に示されるように、例えば、フォーマットのいくつかは、サイズに基づいてヘテロ二量体およびホモ二量体の分離を可能にする。
【0152】
Fcドメイン(複数可)の定常領域(複数可)を使用することによって、pIバリアントを使用してヘテロ二量体化を達成する場合、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を設計および精製するためのよりモジュール方式のアプローチが提供される。したがって、いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体化バリアント(スキューおよび精製ヘテロ二量体化バリアントを含む)を操作しなければならない。さらに、いくつかの実施形態では、pIバリアントから生じる免疫原性の可能性は、顕著な免疫原性を導入することなくpIが変化するように、異なるIgGアイソタイプからのpIバリアントを移入することによって著しく低減される。したがって、解決されるべき追加の問題は、高いヒト配列含有量を有する低pIの定常ドメインの解明、例えば、任意の特定の位置における非ヒト残基の最小化または回避である。
【0153】
このpI操作で起こり得る副次的な利益はまた、血清半減期の延長およびFcRn結合の増加である。すなわち、USSN13/194,904(その全体において参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、抗体定常ドメイン(抗体およびFc融合体に見られるものを含む)のpIを低下させるとインビボでより長い血清保持をもたらし得る。血清半減期の増加のためのこれらのpIバリアントはまた、精製のためのpI変化を促進する。
【0154】
さらに、ヘテロ二量体化バリアントのpIバリアントは、ホモ二量体が存在するときを排除、最小化、および区別する能力が顕著であるため、Fc融合タンパク質の分析および品質管理プロセスにさらなる利益を与える。同様に、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質生成の再現性を確実に試験する能力が重要である。
【0155】
A.ヘテロ二量体化バリアント
本発明は、ヘテロ二量体形成および/またはホモ二量体からの精製を可能にするためにヘテロ二量体化バリアントを利用する、様々なフォーマットのヘテロ二量体Fc融合タンパク質を含む、ヘテロ二量体タンパク質を提供する。ヘテロ二量体融合構築物は、2つのFcドメイン、例えば、「二量体」に組み立てられる2つの「単量体」の自己集合の性質に基づく。
【0156】
ヘテロ二量体化スキューバリアントのセットのいくつかの好適な対が存在する。これらのバリアントは、「セット」の「対」になる。すなわち、一方のセットの対が第1の単量体に組み込まれ、他のセットの対が第2の単量体に組み込まれる。注目すべきは、これらのセットは、一方の単量体上の残基と他方の単量体上の残基との間で一対一の対応関係を有する「ノブインホール」バリアントとして必ずしも振舞わないことであり、すなわち、これらのセットの対は、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げる2つの単量体間の界面を形成し、生物学的条件下で自発的に形成するヘテロ二量体の割合を予想される50%(25%ホモ二量体A/A:50%ヘテロ二量体A/B:25%ホモ二量体B/B)ではなく90%以上にする。
【0157】
B.立体バリアント
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体の形成は、立体バリアントの付加によって促進され得る。すなわち、各重鎖中のアミノ酸を変えることによって、異なる重鎖が会合して同じFcアミノ酸配列を有するホモ二量体を形成するよりもヘテロ二量体構造を形成する可能性が高い。好適な立体バリアントは、USSN15/141,350の
図29に含まれており、それらの全ては、その全体において参照により本明細書に組み込まれ、同様に
図84に含まれる。
【0158】
1つの機構は、それらの全てがそれらの全体において参照により本明細書に組み込まれる、USSN61/596,846、Ridgway et al.,Protein Engineering 9(7):617(1996)、Atwell et al.,J.Mol.Biol.1997270:26、米国特許第8,216,805号に記載されるように、当該技術分野において一般的に「ノブアンドホール」と呼ばれ、ヘテロ二量体形成を有利にし、ホモ二量体形成を不利にする立体効果を作り出すアミノ酸操作を指す。これらの図は、「ノブアンドホール」に依存するいくつかの「単量体A−単量体B」対を特定する。さらに、Merchant et al.,Nature Biotech.16:677(1998)に記載されているように、これらの「ノブアンドホール」変異は、ヘテロ二量体化に対するスキュー形成のためのジスルフィド結合と組み合わせることができる。
【0159】
ヘテロ二量体の生成に使用されるさらなる機構は、参照によりその全てが本明細書に組み込まれる、Gunasekaran et al.,J.Biol.Chem.285(25):19637(2010)に記載されているように、時に「静電ステアリング」と呼ばれる。これは、本明細書において、時に「電荷対」と称される。この実施形態では、静電学を使用して、ヘテロ二量体化に向けて形成をスキューさせる。当業者には理解されるように、これらはまた、pI、したがって精製に影響する場合があり、したがっていくつかの場合ではpIバリアントと見なすこともできる。しかしながら、これらはヘテロ二量体化を強制するために生成され、精製手段として使用されなかったため、それらは「立体バリアント」として分類される。これらには、これらに限定されないが、D221R/P228R/K409Rと対になったD221E/P228E/L368E(例えば、これらは「単量体の対応するセット」である)、およびC220R/E224R/P228R/K409Rと対になったC220E/P228E/368Eが含まれる。
【0160】
さらなるモノマーAおよびモノマーBのバリアントは、本明細書に概説されるpIバリアントまたは参照によりそのすべてが本明細書に明示的に組み込まれるUS2012/0149876の
図37に示される他の立体バリアントなどの他のバリアントと、任意選択的に独立して任意の量で組み合わせることができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に概説される立体バリアントは、任意のpIバリアント(またはFcバリアント、FcRnバリアント等の他のバリアント)を一方または両方の単量体に任意選択的にかつ独立して組み込むことができ、本発明のタンパク質に独立してかつ任意選択的に含むかまたは除外することができる。
【0162】
好適なスキューバリアントの一覧を
図3A〜3Eに示す。多くの実施形態において特に有用であるのは、これらに限定されないが、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、およびT366S/L368A/Y407V:T366W(任意に架橋ジスルフィド、T366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)を含むセットの対である。命名法に関して、対「S364K/E357Q:L368D/K370S」は、一方の単量体が二重バリアントセットS364K/E357Qを有し、他方が二重バリアントセットL368D/K370Sを有することを意味し、上述のように、これらの対の「鎖性(strandedness)」は出発pIに依存する。
【0163】
C.ヘテロ二量体のpI(等電点)バリアント
一般に、当業者には理解されるように、pIバリアントには2つの一般的なカテゴリー:タンパク質のpIを増加させるもの(塩基性変化)とタンパク質のpIを減少させるもの(酸性変化)がある。本明細書に記載されるように、これらのバリアントのすべての組み合わせを使用することができる。一方のモノマーは野生型、または野生型と顕著に異なるpIを示さないバリアントであってもよく、他方がより塩基性またはより酸性のいずれかであり得る。あるいは、各モノマーは、1つはより塩基性に、1つはより酸性へと変化し得る。
【0164】
pIバリアントの好ましい組み合わせはUSSN15/141,350の
図30に示されており、そのすべてはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に概説し、図に示すように、これらの変化はIgG1と比較して示されているが、すべてのアイソタイプをこのように変更することができ、アイソタイプハイブリッドも同様である。重鎖定常ドメインがIgG2〜4に由来する場合、R133EおよびR133Qもまた使用され得る。pIバリアントを
図4に示す。
【0165】
一実施形態では、Fcモノマーの1つがCH1ドメインを含む場合、pIバリアントの好ましい組み合わせは、208D/295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1と比較するときN208D/Q295E/N384D/Q418E/N421D)を含む1つのモノマーを有する。いくつかの例では、第2のモノマーは、(GKPGS)
4を含む、正荷電ドメインリンカーを含む。場合によっては、第1のモノマーは208位を含むCH1ドメインを含む。したがって、CH1ドメインを含まない構築物(例えば、ドメインの1つにCH1ドメインを利用しないヘテロダイマーFc融合タンパク質の場合)において、好ましい負のpIバリアントFcセットは、295E/384D/418E/421Dバリアント(ヒトIgG1と比較するときQ295E/N384D/Q418E/N421D)を含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、変異は、位置216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、および230を含む、Fcドメインのヒンジドメインで生じる。したがって、pI変異、特に置換は、本発明で使用されている1、2、3、4または5個の変異によって位置216〜230のうちの1つ以上で行うことができる。同様に、すべての可能な組み合わせが、単独で、または他のドメイン中の他のpIバリアントとともに企図されている。
【0167】
ヒンジドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、221位の欠失、222位の非天然バリンまたはトレオニン、223位の欠失、224位の非天然グルタミン酸、225位の欠失、235位の欠失、および236位の欠失または非天然アラニンが含まれるがこれらに限定されない。場合によっては、ヒンジドメインにおいてはpI置換のみが行われ、他の例では、これらの置換(複数可)は他のドメイン内の他のpIバリアントに任意の組み合わせで加えられる。
【0168】
いくつかの実施形態では、位置233、234、235、236、274、296、300、309、320、322、326、327、334、および339を含むCH2領域内に変異を生じさせることができる。同様に、これら14個の位置のすべての可能な組み合わせを作ることができ、例えば、pI抗体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のCH2のpI置換を有していてもよい。
【0169】
CH2ドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、274位の非天然グルタミンまたはグルタミン酸、296位の非天然フェニルアラニン、300位の非天然フェニルアラニン、309位の非天然バリン、320位の非天然グルタミン酸、322位の非天然グルタミン酸、326位の非天然グルタミン酸、327位の非天然グリシン、334位の天然グルタミン酸、339位の非天然トレオニン、およびCH2内および他のドメインとのすべての可能な組み合わせが含まれるがこれらに限定されない。
【0170】
この実施形態では、変異は位置355、359、362、384、389、392、397、418、419、444および447から独立して任意選択的に選択され得る。CH3ドメインのpIを低下させるのに使用される具体的な置換としては、355位の非天然グルタミンまたはグルタミン酸、384位の非天然セリン、392位の非天然アスパラギンまたはグルタミン酸、397位の非天然メチオニン、419位の非天然グルタミン酸、359位の非天然グルタミン酸、362位の非天然グルタミン酸、389位の非天然グルタミン酸、418位の非天然グルタミン酸、444位の非天然グルタミン酸、および447位の欠失または非天然アスパラギン酸が含まれるがこれらに限定されない。
【0171】
D.アイソタイプバリアント
さらに、本発明の多くの実施形態は、あるIgGアイソタイプから別のIgGアイソタイプへの特定の位置でのpIアミノ酸の「移入」に依存し、したがって、バリアントに望ましくない免疫原性が導入される可能性を低減または排除する。これらのいくつかは、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願公開第2014/0370013号の
図21に示されている。すなわち、IgG1は、高いエフェクター機能を含む様々な理由から治療用抗体の一般的なアイソタイプである。しかしながら、IgG1の重定常領域は、IgG2のそれよりも高いpIを有する(8.10対7.31)。特定の位置でIgG2残基をIgG1骨格に導入することによって、得られる単量体のpIは低下(または上昇)し、さらにより長い血清半減期を示す。例えば、IgG1は137位にグリシン(pI5.97)を有し、IgG2はグルタミン酸(pI3.22)を有し、グルタミン酸を移入すると、得られるタンパク質のpIに影響を与える。以下に記載されるように、バリアントFc融合タンパク質のpIに顕著な影響を与えるためには、一般にいくつかのアミノ酸置換が必要とされる。しかしながら、IgG2分子中の変化でさえも血清半減期の増加を可能にすることが以下に論じられるように留意されるべきである。
【0172】
他の実施形態では、非アイソタイプのアミノ酸変化を行って、(例えば、高pIのアミノ酸から低pIのアミノ酸へと変化させることによって)得られるタンパク質の全体的な荷電状態を低下させるか、または以下でさらに詳細に説明する安定性等のための構造の調整を可能にする。
【0173】
さらに、重定常ドメインと軽定常ドメインの両方をpI操作することによって、ヘテロ二量体の各単量体における顕著な変化を見ることができる。本明細書で考察されるように、2つの単量体のpIが少なくとも0.5だけ異なることが、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に高感度な他の方法による分離を可能する。
【0174】
E.pIの計算
各モノマーのpIは、バリアント重鎖定常ドメインのpIおよび全モノマーのpIに依存し、バリアント重鎖定常ドメインおよび融合パートナーを含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、pIの変化は、米国特許出願公開第2014/0370013号の
図19のチャートを用いて、バリアント重鎖定常ドメインに基づいて計算される。本明細書で論じるように、どのモノマーを操作するかは概して、各モノマーの固有のpIによって決定される。
【0175】
F.インビボ結合により良好なFcRnも付与するpIバリアント
pIバリアントが単量体のpIを減少させる場合、それらはインビボでの血清保持を改善するというさらなる利点を有することができる。
【0176】
まだ検討中ではあるが、エンドソーム内のpH6でFcRnに結合するとFcが隔離されるため、Fc領域はインビボでより長い半減期を有すると考えられている(参照により全体的に組み込まれる、Ghetie and Ward,1997 Immunol Today.18(12):592−598)。次いでエンドソーム区画はFcを細胞表面にリサイクルする。区画が細胞外空間に開くと、約7.4のより高いpHが、血中へのFcの放出を誘導する。マウスにおいて、Dall’Acquaらは、pH6およびpH7.4でのFcRn結合が増加したFc変異は実際に低下した血清濃度および野生型Fcと同一の半減期を有することを示した(参照により全体的に組み込まれる、Dall’Acqua et al.2002,J.Immunol.169:5171−5180)。pH7.4でのFcRnに対するFcの親和性の増加は、血中へのFcの放出を妨げると考えられる。したがって、インビボでのFcの半減期を増加させるFc変異は、理想的には、より高いpHでのFcの放出をなお可能にしながら、より低いpHでのFcRn結合を増加させる。アミノ酸ヒスチジンは、6.0〜7.4のpH範囲でその荷電状態を変化させる。それ故、Fc/FcRn複合体中の重要な位置にHis残基を見出すことは驚くべきことではない。
【0177】
G.追加機能のための追加のFcバリアント
pIアミノ酸変異に加えて、これらに限定されないが、1つ以上のFcγRへの結合を改変すること、FcRnへの結合の改変などを含む、様々な理由で実施され得るいくつかの有用なFcアミノ酸修飾が存在する。
【0178】
したがって、本発明のタンパク質は、pIバリアントおよび立体バリアントを含む、本明細書に概説したヘテロ二量体化バリアントを含むアミノ酸修飾を含むことができる。バリアントの各セットは独立して任意選択的に特定のヘテロ二量体タンパク質に含み得るかまたはそれから除外し得る。
【0179】
H.FcγRバリアント
したがって、FcγR受容体のうちの1つ以上への結合を改変するために実施され得るいくつかの有用なFc置換が存在する。結合の増加ならびに結合の減少をもたらす置換が有用であり得る。例えば、FcγRIIIaへの結合の増加は、一般に、ADCC(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性、すなわち、FcγRを発現する非特異的細胞傷害性細胞が標的細胞上の結合抗体を認識し、その後、標的細胞の溶解を引き起こす細胞媒介性反応)の増加をもたらすことが知られている。同様に、いくつかの状況下では、FcγRIIb(抑制性受容体)への結合の減少も有益であり得る。本発明で使用されるアミノ酸置換には、USSN11/124,620(特に
図41)、USSN11/174,287、USSN11/396,495、USSN11/538,406に列挙されるものが含まれ、それらのすべてはその全体が、具体的にはそこで開示されるバリアントが参照により、明示的に本明細書に組み込まれる。使用される特定のバリアントには、236A、239D、239E、332E、332D、239D/332E、267D、267E、328F、267E/328F、236A/332E、239D/332E/330Y、239D、332E/330L、243A、243L、264A、264V、および299Tが含まれるがこれらに限定されない。
【0180】
さらに、FcγRIIcに対する親和性を増加させるアミノ酸置換もまた、本明細書に概説されるFcドメインバリアントに含まれ得る。例えば、USSN11/124,620およびUSSN14/578,305に記載される置換は有用である。
【0181】
さらに、その全体が参照により本明細書に組み込まれるUSSN12/341,769に具体的に開示される、434S、434A、428L、308F、259I、428L/434S、259I/308F、436I/428L、436IまたはV/434S、436V/428L、および259I/308F/428Lを含むがこれらに限定されない、FcRnへの結合の増加および血清半減期の増加に使用される追加のFc置換が存在する。
【0182】
I.切断バリアント
同様に、機能性バリアントの別のカテゴリーは「FcγR切断バリアント」または「Fcノックアウト(FcKOまたはKO)」バリアントである。これらの実施形態では、いくつかの治療用途のために、さらなる作用機序を回避するために、1つ以上またはすべてのFcγ受容体(例えば、FcγR1、FcγRIIa、FcγRIIb、FcγRIIIaなど)へのFcドメインの正常な結合を低減または除去することが望ましい。すなわち、例えば、多くの実施形態では、特に、免疫調節タンパク質の使用において、Fcドメインのうちの1つが、1つ以上のFcγ受容体切断バリアントを含むように、FCγRIIIa結合を切断してADCC活性を排除または著しく低減することが望ましい。これらの切断バリアントは、それらのすべてが参照によりその全体が本明細書に組み込まれるUSSN15/141,350の
図31に示されており、EUインデックスに従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなる群から選択される切断バリアントを用いる好ましい態様で、それぞれが独立して任意選択的に含まれるか除外することができる。本明細書で言及される切断バリアントは、FcγR結合を切断するが、一般にはFcRn結合を切断しないことに留意されたい。FcγR結合を切断する有用な切断バリアント(時に「ノックアウト」または「KO」バリアントと呼ばれる)を
図5に示す。
【0183】
J.ヘテロダイマーおよびFcバリアントの組み合わせ
当業者には理解されるように、列挙されたヘテロ二量体化バリアント(スキューおよび/またはpIバリアントを含む)は全て、それらの「撚り度」または「単量体分配」を保持する限り任意の方法で任意に独立して組み合わせることができる。さらに、これらのバリアントは全て、ヘテロ二量体化フォーマットのいずれにも組み合わせることができる。
【0184】
pIバリアントの場合、特定の使用を見出す実施形態が図に示されているが、精製を促進するために2つの単量体間のpIの差異を変えるという基本的な規則に従って、他の組み合わせを生成することができる。
【0185】
さらに、ヘテロ二量体化バリアント、スキュー、およびpIのいずれも、本明細書で一般的に概説されるように、Fc切断バリアント、Fcバリアント、FcRnバリアントと独立して任意に組み合わせることができる。
【0186】
さらに、単量体Fcドメインは、C220S/S267K/L368D/K370SまたはC220S/S267K/S364K/E357Qを含むアミノ酸置換のセットを含み得る。
【0187】
さらに、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、スキューバリアント(例えば、USSN15/141,350号の
図1A〜1Cに示されるアミノ酸置換のセット、それらの全ては参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を含むことができ、特に有用なスキューバリアントは、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、K370S:S364K/E357Q、T366S/L368A/Y407V:T366W、およびT366S/L368A/Y407V:T366W(任意に、架橋ジスルフィド、T366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)からなる群から選択され、任意に切断バリアント、任意に荷電したドメインリンカー、および任意にpIバリアントを含むことができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、Fcドメインは、EU付番に従って、236R、S239D、S239E、F243L、M252Y、V259I、S267D、S267E、S67K、S298A、V308F、L328F、L328R、330L、I332D、I332E、M428L、N434A、N434S、236R/L328R、S239D/I332E、236R/L328F、V259I/V308F、S267E/L328F、M428L/N43S、Y436I/M428L、N436V/M428L、V436I/N434S、Y436V/N434S、S239D/I332E/330L、M252Y/S54T/T256E、V259I/V308F/M428L、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236_、およびE233P/L234V/L235A/G236del/S267Kからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を含む。
【0189】
一実施形態では、本発明における使用を見出すスキューおよびpIバリアントの特定の組み合わせは、T366S/L368A/Y407V:T366W(任意に、架橋ジスルフィド、T366S/L368A/Y407V/Y349C:T366W/S354Cを含む)であり、一方の単量体がQ295E/N384D/Q418E/N481Dを含み、他方が正に荷電されたドメインリンカーを含む。当該技術分野において理解されるように、「ノブインホール」バリアントは、pIを変化させず、したがって、どちらの単量体にも使用することができる。
【0190】
ある特定の実施形態では、Fcドメインは、M428L/N434Sを含むアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、非標的化IL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質の各Fcドメインは、M428L/N434Sを含むアミノ酸置換を含む。
【0191】
本明細書に記載されるIL−15およびIL−15Rαタンパク質を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質のFcドメインの有用な実施形態は、
図6A〜6Eに提供されている。
【0192】
V.IL−15およびIL−15Rαタンパク質ドメイン
本発明は、IL−15およびIL−15Rαタンパク質を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。図に示されるように、IL−15複合体は、いくつかの形態をとることができる。上述のように、IL−15タンパク質それ自体は、IL−15Rαタンパク質と複合体化するときよりも安定性が低い。当該技術分野において既知であるように、IL−15Rαタンパク質は、「スシドメイン」を含み、これはIL−15結合活性を保持する受容体の最も短い領域である。したがって、全IL−15Rαタンパク質を含むヘテロ二量体融合タンパク質を作製することができるが、本明細書における好ましい実施形態は、スシドメインのみを使用する複合体を含み、その配列を図に示す。
【0193】
したがって、IL−15複合体は一般に、IL−15タンパク質およびIL−15Rαのスシドメイン(完全長配列が使用されるという別段の記載がない限り、「IL−15Rα」、「IL−15Rα(スシ)」、および「スシ」は全体を通じて交換可能に使用される)を含む。この複合体は3つの異なるフォーマットで使用することができる。
図9A、9C、9D、および9Fに示されるように、IL−15タンパク質およびIL−15Rα(スシ)は、共有結合しているのではなく、むしろ通常のリガンド−リガンド相互作用によって自己集合している。本明細書でより十分に説明されるように、Fcドメインに共有結合的に連結されるのはIL−15ドメインまたはスシドメインのいずれかであり得る(一般に、任意のドメインリンカーを使用する)。代替的に、それらは、概して
図9B、9E、および9Gに示されるように、ドメインリンカーを使用して共有結合することができる。
図9Bは、スシドメインをN末端ドメインとして示すが、これは逆にすることもできる。最後に、IL−15ドメインおよびスシドメインの各々は、システインアミノ酸を含むように操作することができ、同様に、ジスルフィド結合を形成して、概して
図39A〜39Dに示されるように、Fcドメインに(任意のドメインリンカーを使用して)共有結合しているIL−15ドメインまたはスシドメインのいずれかと共に複合体を形成する。
【0194】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15タンパク質は、NCBI参照配列番号NP_000576.1または配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの場合では、ヒトIL−15のコード配列は、NCBI参照配列番号NM_000585に示される。本明細書に概説されるFc融合ヘテロ二量体タンパク質の例示的なIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列(成熟IL−15)または配列番号1のアミノ酸49〜162を有し得る。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2と少なくとも90%、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列、ならびにC42S、L45C、Q48C、V49C、L52C、E53C、E87C、およびE89Cからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。Fc融合タンパク質のIL−15タンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、または9個のアミノ酸置換を有し得る。
【0195】
アミノ酸置換(複数可)は、IL−15:IL−2βおよびIL−15:共通ガンマ鎖の界面での等配電子置換であり得る。いくつかの実施形態では、ヒトIL−15タンパク質は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、Q108E、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびアミノ酸置換N4D/N65Dを有する。いくつかの場合では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、N4D/N65D置換を含む配列番号2と少なくとも97%または98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびアミノ酸置換D30N/N65Dを有する。いくつかの場合では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、D30N/N65D置換を含む配列番号2と少なくとも97%または98%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびアミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有する。いくつかの場合では、Fc融合タンパク質のヒトIL−15タンパク質は、D30N/E64Q/N65D置換を含む配列番号2と少なくとも96%または97%の配列同一性を有する。
【0196】
いくつかの実施形態では、Fc融合タンパク質のヒト成熟IL−15タンパク質などのヒトIL−15タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列と同一である。いくつかの場合では、ヒト成熟IL−15タンパク質などのヒトIL−15タンパク質は、アミノ酸置換を有さない。
【0197】
いくつかの実施形態では、ヒト成熟IL−15バリアントタンパク質は、1つ以上のアミノ酸変異(例えば、置換、挿入、および/または欠失)を有する。いくつかの場合では、変異により、ヒトIL−15受容体アルファ(IL−15Rα)タンパク質とジスルフィド結合を形成することができるシステイン残基が導入される。
【0198】
いくつかの実施形態では、ヒトIL−15受容体アルファ(IL−15Rα)タンパク質は、NCBI参照配列番号NP_002180.1または配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する。いくつかの場合では、ヒトIL−15Rαのコード配列は、NCBI参照配列番号NM_002189.3に示示される。本明細書に概説されるFc融合ヘテロ二量体タンパク質の例示的なIL−15Rαタンパク質は、配列番号3のスシドメイン(例えば、配列番号3のアミノ酸31〜95)、または換言すると配列番号4のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなることができる。いくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列、ならびにD96、P97、A98、D96/P97、D96/C97、D96/P97/A98、D96/P97/C98、およびD96/C97/A98からなる群から選択されるアミノ酸挿入を有し、アミノ酸位置は、完全長ヒトIL−15Rαタンパク質または配列番号3に対するものである。例えば、D(例えば、Asp)、P(例えば、Pro)、A(例えば、Ala)、DP(例えば、Asp−Pro)、DC(例えば、Asp−Cys)、DPA(例えば、Asp−Pro−Ala)、DPC(例えば、Asp−Pro−Cys)、またはDCA(例えば、Asp−Cys−Ala)などのアミノ酸(複数可)は、配列番号4のIL−15Rαタンパク質のC末端に付加され得る。いくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、配列番号4のアミノ酸配列、ならびにK34C、A37C、G38C、S40C、およびL42Cからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有し、アミノ酸位置は、配列番号4に対するものである。配列番号4のIL−15Rα(スシ)タンパク質は、1、2、3、4、5、6、7、8、またはそれ以上のアミノ酸変異(例えば、置換、挿入、および/または欠失)を有し得る。
【0199】
配列番号1は、MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSである。
【0200】
配列番号2は、NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSである。
【0201】
配列番号3は、MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHLである。
【0202】
配列番号4は、ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRである。
【0203】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸バリアントD30Nを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびD30N置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともD30N置換を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸バリアントN1Dを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびN1D置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともN1D置換を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸バリアントN4Dを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびN4D置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともN4D置換を含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸バリアントE64Qを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびE64Q置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともE64Q置換を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸バリアントN65Dを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびN65D置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともN65D置換を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸置換N1D/D30Nを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびN1D/D30N置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともN1D/D30N置換を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸置換N4D/D30Nを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびN4D/D30N置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともN4D/D30N置換を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸置換D30N/E64Qを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびD30N/E64Q置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともD30N/E64Q置換を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸置換D30N/N65Dを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびD30N/N65D置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともD30N/N65D置換を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸置換D30N/E64Q/N65Dを有するヒトIL−15バリアントを含むタンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列およびD30N/E64Q/N65D置換を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、配列番号2のアミノ酸配列および少なくともD30N/E64Q/N65D置換を含む。
【0213】
VI.ドメインリンカー
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質は、リンカーを介して共に結合している。任意に、タンパク質は、リンカーを介して結合していない。他の実施形態では、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質は、非共有結合している。
【0214】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、リンカーを介してFcドメインに結合している。いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、例えば、リンカーなしで直接Fcドメインに結合している。特定の実施形態では、IL−15タンパク質は、ヒンジ領域またはその断片を介してFcドメインに結合している。いくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、リンカーを介してFcドメインに結合している。他の実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、例えば、リンカーなしで直接Fcドメインに結合している。特定の実施形態では、IL−15Rαタンパク質は、ヒンジ領域またはその断片を介してFcドメインに結合している。いくつかの場合では、リンカーは、IL−15タンパク質またはIL−15Rαタンパク質をFcドメインに結合するためには使用されない。
【0215】
いくつかの実施形態では、リンカーは、本明細書に概説される任意の2つのドメインを共に連結するために使用される「ドメインリンカー」である。任意の好適なリンカーを使用することができるが、多くの実施形態は、例えば、nが少なくとも0(および一般に0〜1〜2〜3〜4〜5)である、(GS)n、(GSGGS)n、(GGGGS)n、および(GGGS)nを含むグリシン−セリンポリマー、ならびに各ドメインがその生物学的機能を保持できるように十分な長さおよび柔軟性を有する2つのドメインの組換え結合を可能にする任意のペプチド配列を利用する。ある特定の場合では、有用なリンカーは、(GGGGS)
0または(GGGGS)
1または(GGGGS)
2を含む。有用なドメインリンカーを
図7に示す。いくつかの場合では、以下に概説されるように「撚り度」に注意が払われて、荷電ドメインリンカーは、
図7および本明細書において論議され示されるように使用され得る。
【0216】
VII.本発明の有用なフォーマット
図9A〜9Gおよび
図39A〜39Dに示されるように、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のいくつかの有用なフォーマットが存在する。一般に、本発明のヘテロ二量体融合タンパク質は、2つの機能的構成要素:IL−15/IL−15Rα(スシ)構成要素およびFc構成要素を有し、本明細書で概説されるようにその両方は異なる形態をとることができ、その両方が任意の構成で他の構成要素と組み合わされ得る。
【0217】
第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、a)S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、b)S364K/E357Q:L368D/K370S、c)L368D/K370S:S364K、d)L368E/K370S:S364K、e)T411E/K360E/Q362E:D401K、f)L368D/K370S:S364K/E357L、およびg)K370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し得る。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、L368D/K370S置換を有し、第2のFcドメインは、S364K/E357Q置換を有する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、S364K/E357Q置換を有し、第2のFcドメインは、L368D/K370S置換を有する。
【0218】
いくつかの実施形態では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含むアミノ酸置換の追加のセットを有する。
【0219】
任意に、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなるアミノ酸置換の追加のセットを有する。
【0220】
任意に、第1および/または第2のFcドメインは、半減期延長のために428L/434Sバリアントを有する。任意に、第1および/または第2のFcドメインは、半減期延長のためにM428L/N434Sバリアントを有する。いくつかの実施形態では、第1のFcドメインは、M428L/N434S置換を有し、第2のFcドメインは、M428L/N434S置換を有する
【0221】
A.IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマット
この実施形態では、
図9Bに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、2つの単量体(2つのFc単量体)を含む。第1の単量体は、(N末端からC末端にかけて)IL−15−任意のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部を時に含む。第2の単量体は、IL−15/Rα(スシ)ドメイン−任意のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部を時に含む。
【0222】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。いくつかの場合では、L368D/K370Sバリアントは第1の単量体にあり、S354K/E357Qバリアントは第2の単量体にある。
【0223】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアントを利用する。
【0224】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0225】
いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0226】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0227】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0228】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0229】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4Dバリアントを利用する。
【0230】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0231】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0232】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0233】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアントを利用する。
【0234】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0235】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0236】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットでは、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアントを利用する。
【0237】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0238】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0239】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントを利用する。
【0240】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0241】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0242】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のQ108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のQ108Eバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のQ108Eバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0243】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアントを利用する。
【0244】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0245】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15の野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Aに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15の野生型バリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15の野生型バリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0246】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、WO2018/071919の
図48A(鎖1(17693)および鎖2(15908)を含むXENP22822)、
図94A(鎖1および鎖2を含むXENP23504)、
図104AO(鎖1および鎖2を含むXENP24045)、
図104AQ(鎖1および鎖2を含むXENP24306)、
図48A(鎖1および鎖2を含むXENP22821)、
図94A(鎖1および鎖2を含むXENP23343)、
図104AJ(鎖1および鎖2を含むXENP23557)
図104AP(鎖1および鎖2を含むXENP24113)、
図104AP(鎖1および鎖2を含むXENP24051)、
図104AR(鎖1および鎖2を含むXENP24341)、
図104AP(鎖1および鎖2を含むXENP24052)、ならびに
図104AP(鎖1および鎖2を含むXENP24301)に示され、それらの全てはその全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0247】
IL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、
図10(鎖1(15902)および鎖2(15908)を含むXENP22822)および(鎖1(16479)および鎖2(16481)を含むXENP21475)に示される。
【0248】
B.scIL−15−Rα−Fc
この実施形態では、
図9Bに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、2つの単量体を含む。第1の単量体は、(N末端からC末端に向けて)IL−15/Rα(sushi)−ドメインリンカー−IL−15−任意選択のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部をしばしば含む。第2の単量体は、ヒンジ−CH2−CH3の全部または一部を含む、「空の」Fcを含む。これは「scIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」(例えば、IL−15/Rαスシ複合体の)を表す。
【0249】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0250】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0251】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0252】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖、ならびに
図6Bに示されるアミノ酸置換を含むFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc単量体を含む。
【0253】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0254】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0255】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0256】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖、ならびに
図6Bに示されるアミノ酸置換を含むFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc単量体を含む。
【0257】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0258】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0259】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0260】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖、ならびに
図6Bに示されるアミノ酸置換を含むFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc単量体を含む。
【0261】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0262】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0263】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0264】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖、ならびに
図6Bに示されるアミノ酸置換を含むFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc単量体を含む。
【0265】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0266】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0267】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0268】
いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖、ならびに
図6Bに示されるアミノ酸置換を含むFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65DバリアントおよびIL−15Rα(スシ)ドメインを含む一本鎖;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むscIL−15/Rα−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc単量体を含む。
【0269】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態には、鎖1(16478)および鎖2(8924)を含むXENP21478が含まれ、
図11に示される。このフォーマットの他の実施形態には、XENP21993、XENP21994、XENP21995、XENP23174、XENP23175、XENP24477、およびXENP24480が含まれ、WO2018/071919の
図104G、104H、104AG、104AU、および104AVに示され、アミノ酸配列はそれぞれ、配列番号514〜518、519〜523、524〜528、849〜853、1063〜1067、および1078〜1082に見出される。
【0270】
C.ncIL−15/Rα−Fc
この実施形態では、
図9Cに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、3つの単量体を含む。第1の単量体は、(N末端からC末端にかけて)IL−15/Rα(スシ)−ドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部を時に含む。第2の単量体は、ヒンジ−CH2−CH3の全部または一部を含む、「空の」Fcを含む。第3の単量体はIL−15である。これは「ncIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「nc」は「非共有結合」を表す。
【0271】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0272】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0273】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0274】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0275】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0276】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアントを利用する。
【0277】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアント、およびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0278】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N4Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4Dバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0279】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0280】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0281】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0282】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0283】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0284】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN4D/N65Dバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにIL−15Rα(スシ)−Fc単量体切断アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む。
【0285】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0286】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0287】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN1D/N65Dバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0288】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15バリアントQ108Eを利用する。
【0289】
nIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15バリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0290】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のバリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のバリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0291】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のQ108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 Q108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のQ108Eバリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0292】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントを利用する。
【0293】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。ncIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0294】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15の野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15の野生型バリアントを含む一本鎖;IL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含む空のFc;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0295】
ncIL−15/Rα−ヘテロFcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、その全てがその全体において参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104AS(鎖1および鎖2を含むXENP24349)および
図104AT(鎖1および鎖2を含むXENP24383)に示される。
【0296】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、鎖1(16484)および鎖2(8793)および鎖3(16481)を含むXENP21479、鎖1(16478)および鎖2(8924)および鎖3()を含むXENP22366、ならびに鎖1(16484)および鎖2(8793)および鎖3(15908)を含むXENP22366、ならびにXENP24348など、
図12Aおよび
図12Bに示される。
【0297】
D.二価ncIL−15/Rα−Fc
この実施形態では、
図9Dに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、4つの単量体を含む。第1および第2の単量体は、(N末端からC末端にかけて)IL−15/Rα(スシ)−ドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部を時に含む。第3および第4の単量体はIL−15を含む。これは「二価ncIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「nc」は「非共有結合」を表す。
【0298】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0299】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントを利用する。
【0300】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0301】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体;ならびにヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体;ならびにヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体を含む。
【0302】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0303】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0304】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0305】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0306】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N65Dバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N65Dバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体とを含む。
【0307】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0308】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0309】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0310】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0311】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体とを含む。
【0312】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントを利用する。
【0313】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のQ108Eバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0314】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 Q108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−Q108Eバリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体とを含む。
【0315】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントを利用する。
【0316】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0317】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15の野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0318】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Cに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15野生型バリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価ncIL/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−野生型バリアントと;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第1のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体と;ヒトIL−15Rα(切断)ドメインを含む第2のIL−15Rα(スシ)−Fc単量体、ならびにアミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体とを含む。
【0319】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、その全てがその全体において参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104E(鎖1および鎖2を含むXENP21979)および配列表に配列番号480〜483として示される。
【0320】
二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、実施形態は、鎖1(17023)および鎖2(16484)を含むXENP21978などの、
図13に示される。
【0321】
E.二価scIL−15/Rα−Fc
この実施形態では、
図9Bに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、2つの単量体を含む。第1および第2の単量体は、(N末端からC末端にかけて)IL−15/Rα(スシ)−ドメインリンカー−IL−15−任意のドメインリンカー−CH2−CH3を含み、ドメインリンカーは、ヒンジの全部または一部を時に含む。これは「二価scIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」(例えば、IL−15/Rαスシ複合体の)を表す。
【0322】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0323】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0324】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。
【0325】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0326】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0327】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0328】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0329】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0330】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各Fc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各Fc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0331】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N65Dバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0332】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0333】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0334】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0335】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0336】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0337】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0338】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。
【0339】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15 Q108Eバリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0340】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントを利用する。
【0341】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0342】
いくつかの実施形態では、二価ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、2つのヒト成熟IL−15野生型バリアント、2つのIL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Dに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220Sおよび切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。いくつかの実施形態では、二価scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFcモノマーに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第1のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体と;アミノ酸置換C220S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むFc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されたヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントを含む第2のIL−15/Rα(スシ)−Fc単量体とを含む。
【0343】
二価scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、
図14に示される。
【0344】
F.Fc−ncIL−15/Rα
この実施形態では、
図9Fに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、3つの単量体を含む。第1のモノマーは、(N末端からC末端にかけて)CH2−CH3−ドメインリンカー−IL−15/Rα(スシ)を含み、Fcは、ヒンジの一部の全てを含む。第2の単量体は、ヒンジ−CH2−CH3の全部または一部を含む、「空の」Fcを含む。第3の単量体はIL−15である。これは「ncIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「nc」は「非共有結合」を表す。
【0345】
ncIL−15/Rα−Fc(またはFc−ncIL−15/Rα)フォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0346】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントを利用する。
【0347】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0348】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 D30N/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 D30N/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0349】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0350】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0351】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0352】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアントを利用する。
【0353】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0354】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N4Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N4Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N4Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0355】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0356】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0357】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0358】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0359】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0360】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N4D/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N4D/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0361】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0362】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0363】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0364】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N1D/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 N1D/N65Dバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0365】
ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0366】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントを利用する。
【0367】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 Q108Eバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0368】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 Q108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 Q108Eバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15 Q108Eバリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0369】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントを利用する。
【0370】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0371】
いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15野生型バリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFcモノマーを含む。いくつかの実施形態では、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトIL−15野生型バリアント、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体のC末端に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体、ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFcモノマーを含む。
【0372】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、XENP22638を含む好ましい実施形態は、その全てがその全体において参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Tおよび配列表に配列番号668〜672として示される。
【0373】
Fc−ncIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、鎖1(17603)および鎖2(8927)および鎖3(16484)としてXENP22637を含み、
図15に示される。
【0374】
G.Fc−scIL−15/Rα
この実施形態では、
図9Gに示されるように、ヘテロ二量体融合タンパク質は、2つの単量体を含む。第1のモノマーは、(N末端からC末端にかけて)CH2−CH3−任意のドメインリンカー−IL−15/Rα(スシ)−ドメインリンカー−IL−15を含み、Fcは、ヒンジの一部の全てを含む。第2の単量体は、ヒンジ−CH2−CH3の全部または一部を含む、「空の」Fcを含む。これは「Fc−scIL−15/Rα」または「scIL−15/Rα−Fc」と呼ばれ、「sc」は「一本鎖」(例えば、IL−15/スシ複合体の)を表す。
【0375】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15バリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15バリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0376】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。
【0377】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のD30N/N65Dバリアントを利用する。
【0378】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0379】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0380】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを利用する。
【0381】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0382】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0383】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N65Dバリアントを利用する。
【0384】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15のN65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0385】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0386】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントを利用する。
【0387】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。ncIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N4D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0388】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0389】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントを利用する。
【0390】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 N1D/N65Dバリアント、スキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、および各々のFc単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0391】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 N1D/N65Dバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0392】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15バリアントQ108Eを利用する。
【0393】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15バリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 バリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15 バリアントQ108Eおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0394】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15 Q108Eバリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15 Q108Eバリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0395】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントを利用する。
【0396】
Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370Sを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体において428L/434Sバリアントを利用する。Fc−scIL−15/Rαフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、IL−15野生型バリアントおよびスキューバリアント対S364K/E357Q:L368D/K370S、ならびに両方の単量体においてM428L/N434Sバリアントを利用する。
【0397】
いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15野生型バリアント、IL−15Rα(スシ)ドメイン、および
図6Eに示されるアミノ酸置換を含む2つのFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15野生型バリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含む空のFc単量体を含む。いくつかの実施形態では、Fc−scIL−15/Rα融合タンパク質は、Fcドメインがヒト成熟IL−15野生型バリアントに連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインに連結されるように、アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントL368D/K370S、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含むFc単量体を含むFc−IL−15/Rα(スシ)単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pIバリアントS364K/E357Q、等配電子pI置換P217R/P228R/N276K、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N343Sを含む空のFc単量体を含む。
【0398】
scIL−15/Rα−Fcフォーマットにおいて、好ましい実施形態は、
図16に示される。
【0399】
VIII.本発明の特定の実施形態
異なるフォーマットの非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質およびチェックポイント遮断抗体を含む組成物が本明細書に提供される。非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質およびチェックポイント遮断抗体を、対象、例えば、ヒト対象に投与することを含む方法も提供される。
【0400】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物のチェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブからなる群から選択される。
【0401】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物の非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、IL−15/IL−15Rα−ヘテロFcフォーマット、scIL−15/Rα−Fcフォーマット、ncIL−15/Rα−Fcフォーマット、二価ncIL−15/Rα−Fcフォーマット、二価scIL−15/Rα−Fcフォーマット、Fc−ncIL−15/Rαフォーマット、またはFc−scIL−15/Rαフォーマットなどの、本明細書に記載されるフォーマットで編成される。いくつかの実施形態では、非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、IL−15/IL−15Rα−ヘテロFcフォーマットを有する。
【0402】
いくつかの実施形態では、組成物の非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質は、IL−15/IL−15Rα−ヘテロFcフォーマットを有し、ヒト成熟IL−15のD30N/E64Q/N65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα−ヘテロFc融合タンパク質は、ヒト成熟IL−15のN65Dバリアント;ヒトIL−15Rα(スシ)ドメイン;アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体;ならびにアミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体を含む。
【0403】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI0置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0404】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0405】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0406】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/E64Q/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0407】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI0置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0408】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0409】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0410】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 N4D/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0411】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI0置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、抗PD−1抗体と、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0412】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ニボルマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0413】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ペムブロリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0414】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、および切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267Kを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物または方法は、ピジリズマブと、(a)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換L368D/K370S、等配電子pI置換Q295E/N384D/Q418E/N421D、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15−Fc単量体に連結されたヒト成熟IL−15 D30N/N65Dバリアントを含む第1の単量体、ならびに(b)(N末端からC末端にかけて)アミノ酸置換C220S、ヘテロ二量体pI置換S364K/E357Q、切断置換E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、およびFcRn置換M428L/N434Sを含むIL−15Rα(スシ)−Fc単量体に連結されたヒトIL−15Rα(スシ)ドメインを含む第2の単量体を含む非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質とを含む。
【0415】
いくつかの実施形態では、組成物は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24306を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、組成物は、ニボルマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペムブロリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペジリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24045を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、組成物は、ニボルマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペムブロリズマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペジリズマブおよびXENP24045を含む。
【0416】
いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24306を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ニボルマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ペムブロリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ペジリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24045を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ニボルマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ペムブロリズマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、併用療法または治療は、ペジリズマブおよびXENP24045を含む。いくつかの場合では、併用療法は、癌の治療、T細胞の拡大の誘導に有用であり、かつ/または対象において最小の血管漏出をもたらす。いくつかの実施形態では、併用療法は、対象に投与され、対象においてT細胞拡大を誘導する。いくつかの場合において、拡大されたT細胞集団、例えば、TIL集団は、対象が抗PD−1抗体または非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のみのいずれかを投与される場合よりも多い。いくつかの実施形態では、併用療法は対象に投与され、抗PD−1抗体または非標的化IL−15/IL−15Rα−Fc融合タンパク質のみのいずれかの投与と比較して最小レベルの血管漏出をもたらす。
【0417】
いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24306を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ニボルマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ペムブロリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ペジリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24045を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ニボルマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ペムブロリズマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、癌を治療する方法は、ペジリズマブおよびXENP24045を含む。
【0418】
いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24306を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ニボルマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ペムブロリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ペジリズマブおよびXENP24306を含む。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、およびペジリズマブからなる群から選択される抗PD−1抗体、ならびにXENP24045を含む(当業者から理解されるように、それらの配列識別子を含む)。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ニボルマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ペムブロリズマブおよびXENP24045を含む。いくつかの実施形態では、対象においてT細胞を拡大する方法は、ペジリズマブおよびXENP24045を含む。
【0419】
抗PD−1抗体および例示的なIL−15/Rα−Fc融合バリアントによる治療の投与は、対象において活性化T細胞を含むT細胞の増殖を誘導する。実施例22に示されるように、抗PD−1抗体(例えば、XENP16432)およびIL−15/Rα−Fc融合バリアント(例えば、XENP24306)の組み合わせは、抗PD−1のみと比較してインビボでリンパ球の拡張された拡大を呈することができる。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体および例示的なIL−15/Rα−Fc融合バリアントの投与は、IFNγ生成を誘導する。いくつかの場合では、抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を投与することにより、IFNγ生成のレベルが増加する。抗PD−1抗体またはIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のみと比較して、抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を含む治療を投与すると、IFNγのレベルがより高くなる。
【0420】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体および例示的なIL−15/Rα−Fc融合バリアントの投与は、腫瘍サイズを減少させる。いくつかの場合では、抗PD−1抗体またはIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のみと比較して、抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を含む治療を投与すると、腫瘍サイズはより低くなる。
【0421】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体および本発明のヘテロ二量体融合タンパク質のうちのいずれかを含む。当業者によって理解され、以下でより完全に議論されるように、概して
図9A〜9Gおよび
図39A〜39Dに示されるように、本発明のヘテロ二量体融合タンパク質は、多種多様な構成をとることができる。例示的な融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図12A、12B、13、14、15、15、16、40A、40B、41A、41B、42、43、48A〜48H、49A〜49D、50A〜50B、51、52、53、99A〜99C、100、101、および102に提供される。
【0422】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体ならびに任意の例示的な「IL−15/RαヘテロFc」および「dsIL−15/RαヘテロFc」タンパク質を含む。本明細書に概説される実施形態の多くは、一般に、第1のドメインリンカーを用いて第1の第1のFcドメインのN末端に共有結合したIL−15タンパク質ドメインを含む第1の単量体(第1の融合タンパク質)、および第2のドメインリンカーを用いて第2のFcドメインのN末端に共有結合したIL−15Rαタンパク質ドメインを含む第2の単量体(第2の融合タンパク質)を含むフォーマットに依存する。このフォーマット(「IL−15/RαヘテロFc」および「dsIL−15/RαヘテロFc」)の例示的な実施形態には、これらに限定されないが、XENP20818、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21475、XENP21476、XENP21477、XENP22013、XENP22815、XENP22816、XENP22817、XENP22818、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22829、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP22834、XENP22815、XENP22816、XENP22817、XENP22818、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP23343、XENP23554、XENP23555、XENP23557、XENP23559、XENP23561、XENP24018、XENP24019、XENP24020、XENP24051、XENP24052、XENP23504、XENP24306、XENP24306、XENP23343、XENO24113、XENP24341、およびXENP24301(対応する配列識別子を含む)が含まれる。
【0423】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22360、XENP22362、XENP22363、XENP22364、XENP22365、XENP22366、XENP22684、XENP22361、XENP22816、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22829、XENP22834、XENP23554、XENP23557、XENP23561、XENP24018、XENP24019、XENP24045、XENP24051、XENP24052、XENP23343、XENP23504、XENP24113、XENP24301、XENP24306、XENP24341、XENP23472、XENP23473、XENP22815、XENP22817、XENP22818、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP23555、XENP23559、XENP23560、XENP24017、XENP24020、XENP24043、またはXENP24048(対応する配列識別子を含む)の「IL−15/RαヘテロFc」および「dsIL−15/RαヘテロFc」フォーマットを有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質とを含む。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図41A、41B、48A、48B、48C、48D、48E、48F、48G、48H、53、90A、99B、および99Cに示されている。
【0424】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、第2のドメインリンカーを介して第1のFcドメインN末端に共有結合した第1のドメインリンカーを介して第2のタンパク質ドメインのN末端に共有結合した第1のタンパク質ドメイン、および第2のFcドメイン(例えば、空のFcドメイン)を含む融合タンパク質を含むscIL−15/Rα−Fcヘテロ二量体融合タンパク質とを含む。いくつかの場合では、第1のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質ドメインであり、第2のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質ドメインである。このフォーマット(「scIL−15/Rα−Fc」)の例示的な実施形態は、これに限定されないが、XENP21478(対応する配列識別子を含む)を含む。
【0425】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、XENP24013、XENP24014、XENP24016、XENP24015、XENP24050、XENP24475、XENP24476、XENP24478、XENP24479、XENP24481、およびXENP25938(対応する配列識別子を含む)を有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質とを含む。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図49A、49B、49C、49D、および100に示されている。
【0426】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、ドメインリンカーを介して第1のFcドメインのN末端に共有結合した第1のタンパク質、第2のFcドメイン(例えば、空のFcドメイン)、および第1のタンパク質ドメインに非共有結合した第2のタンパク質ドメインを含むncIL−15/Rα−FcまたはdsIL−15/Rα−Fcヘテロ二量体融合タンパク質とを含む。いくつかの場合では、第1のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質ドメインであり、第2のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質ドメインである。このフォーマット(「ncIL−15/Rα−Fc」または「dsIL−15/Rα−Fc」)の例示的な実施形態には、これらに限定されないが、XENP21479、XENP22357、XENP22354、XENP22355、XENP22356、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22360、XENP22361、XENP22362、XENP22363、XENP22364、XENP22365、XENP22366、XENP22637、XENP24348、XENP24349、およびXENP24383(対応する配列識別因子を含む)が含まれる。
【0427】
いくつかの実施形態では、「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットを有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、XENP21479、XENP22366、XENP24348、XENP24383、XENP24349、XENP24890、およびXENP25138(対応する配列識別子を含む)である。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図12A、12B、50A、50B、および101に示されている。
【0428】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、第1のドメインリンカーを介して当該第1のFcドメインのN末端に共有結合した第1のタンパク質ドメインを含む第1の融合タンパク質、第2のドメインリンカーを介して当該第2のFcドメインのN末端に共有結合した第2のタンパク質ドメインを含む第2の融合タンパク質、当該第1の融合タンパク質の当該第1のタンパク質ドメインに非共有結合した第3のタンパク質ドメインを、および当該第2の融合タンパク質の当該第2のタンパク質ドメインに非共有結合した第4のタンパク質ドメイン含む二価ncIL−15/Rα−Fcまたは二価dsIL−15/Rα−Fc融合タンパク質とを含む。いくつかの場合では、第1および第2のタンパク質ドメインは、IL−15 Rαタンパク質ドメインであり、第3および第4のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質ドメインである。このフォーマット(「二価ncIL−15/Rα−Fc」または「二価dsIL−15/Rα−Fc」)の例示的な実施形態には、これらに限定されないが、XENP21978、XENP22634、XENP24342、およびXENP24346(対応する配列識別子を含む)が含まれる。
【0429】
いくつかの実施形態では、「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットを有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、XENP21978、XENP24342、XENP24346、およびXENP24351(対応する配列識別子を含む)である。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図13、52、および102に示されている。
【0430】
別の有用なフォーマット(「二価scIL−15/Rα−Fc」)は、配列識別子から明らかであるように、本明細書中で
図14に概説されている。
【0431】
いくつかの実施形態では、組成物または方法は、抗PD−1抗体と、ドメインリンカーを用いて第1のタンパク質ドメインのN末端に共有結合した第1のFcドメイン、第2のFcドメイン(例えば、空のFcドメイン)、および当該第1のタンパク質ドメインに非共有結合した第2のタンパク質ドメインを含む第1の融合タンパク質を含むFc−ncIL−15/Rα融合タンパク質またはFc−dsIL−15/Rα融合タンパク質とを含む。このフォーマット(「Fc−ncIL−15/Rα」または「Fc−dsIL−15/Rα」)の例示的な実施形態には、配列識別子から明らかであるように、これらに限定されないが、XENP22637およびXENP22639、ならびに
図16に示されるものが含まれる。いくつかの実施形態では、第1のタンパク質および第2のタンパク質は、リンカーを介して結合している(
図9G)。
【0432】
いくつかの実施形態では、「Fc−ncIL−15/Rα」フォーマットを有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、XENP22637およびXENP22638である。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図15に示されている。
【0433】
いくつかの実施形態では、「Fc−scIL−15/Rα」フォーマットを有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、配列識別子から明らかであるように、
図16に示されている。
【0434】
いくつかの実施形態では、「Fc−dsIL−15/Rα」を有するIL−15/Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、XENP22639およびXENP22640である。そのようなフォーマットの例示的なアミノ酸配列は、配列識別子から明らかであるように、
図42に示されている。
【0435】
本明細書に概説されるヘテロ二量体Fc融合タンパク質のうちのいずれについても、第1のドメインリンカーおよび第2のドメインリンカーは同じであっても異なっていてもよい。さらに、ヘテロ二量体タンパク質の第1のFcドメインおよび第2のFcドメインは、異なるアミノ酸配列を有し得る。
【0436】
本発明のFcドメインは、IgG Fcドメイン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4 Fcドメインを含み、IgG1、IgG2、およびIgG4 Fcドメインは、いくつかの実施形態において特定の用途を見出す。いくつかの実施形態では、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、L368D/K370SおよびS364K、L368D/K370SおよびS364K/E357L、L368D/K370SおよびS364K/E357Q、T411E/K360E/Q362EおよびD401K、L368E/K370SおよびS364K、K370SおよびS364K/E357Q、K370SおよびS364K/E357Q、S267K/L368D/K370SおよびS267K/S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを含む。いくつかの例では、本明細書に概説されるヘテロ二量体Fc融合体のフォーマットのうちのいずれかの第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含むさらなるアミノ酸置換のセットを有し得る。いくつかの実施形態では、第1のおよび/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなるアミノ酸置換の追加のセットを有する。
【0437】
追加のヘテロ二量体化バリアントは、独立してかつ任意に含まれ得、図に概説されるバリアントから選択され得る。これらの組成物は、切断バリアント、pIバリアント、荷電バリアント、アイソタイプバリアントなどをさらに含み得る。
【0438】
IL−15/Rα界面で操作されたジスルフィド結合を有する抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fcヘテロ二量体融合タンパク質を含む組成物が本明細書に提供される(例えば、実施例2を参照されたい)。そのようなIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、NK細胞、CD8
+T細胞、およびCD4
+T細胞を含む免疫細胞の増殖を誘導または促進することができる。
【0439】
効力の減少のために操作された抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を含む組成物も本明細書に提供される(「IL−15/Rα−Fc親和性バリアント」とも呼ばれる;例えば、実施例3を参照されたい)。いくつかの場合では、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質バリアントは、薬物動態の改善、効力の減少、および半減期の延長(例えば、増加)を示す。
【0440】
いくつかの実施形態では、効力の減少のために操作された抗PD−1抗体およびIL−15/Rα−Fc融合バリアントを含む組成物はまた、各Fc単量体がアミノ酸置換M428L/N434Sを含むように、Xtend(FcRn)Fc置換で操作される。そのようなIL−15/Rα−Xtend Fcバリアントの例示的な実施形態を、
図99A〜99C、100、101、および102に示す(表6もまた参照されたい)。IL−15/Rα−Xtend Fcバリアントの投与は、対象における活性化T細胞を含むT細胞の増殖を誘導する。実施例4Dに示されるように、ドメインリンカー(例えば、XENP24113)を有するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントは、リンカーなし(ヒンジのみ;例えば、XENP24341)の対応するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントと比較してインビボでリンパ球の拡張された拡大を呈することができる。IL−15/Rα−Fc親和性バリアントは、延長されたT細胞薬理学を提供することができる。
【0441】
本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、T細胞およびNK細胞に優先的に結合することができ、いくつかの場合では、対象の癌環境において活性化T細胞を選択的に標的とすることができる。特に、ドメインリンカーなし(ヒンジのみ;例えば、XENP24341)のIL−15/Rα−Fc融合バリアント(例えば、IL−15/Rα−Fc親和性バリアント)は、ドメインリンカー(例えば、XENP24113)を有する対応するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントよりも様々なリンパ球集団へのより少ない結合を示した(
図117を参照されたい)。
【0442】
本明細書に記載されるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、活性化T細胞の抗腫瘍効果を増強することができる(実施例5Bおよび5Cを参照されたい)。一実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CD8
+T細胞(例えば、活性化CD8
+T細胞)およびCD4
+T細胞(例えば、活性化CD4
+T細胞)の増殖を誘導することができる。いくつかの場合では、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CD4
+T細胞よりもCD8
+T細胞の増殖を誘導することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CD8
+T細胞(例えば、CD69
+/IFNγ
+画分および/またはCD8
+T細胞のCD69
+/Ki−67
+画分)およびCD4
+T細胞(例えば、CD69
+/IFNγ
+画分および/またはCD4
+T細胞のCD69
+/Ki−67
+画分)の増殖を誘導することができる。本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、腫瘍細胞の死滅を促進することができ、腫瘍浸潤リンパ球を含む活性化リンパ球を選択的に拡大することができる。特に、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CD8
+およびCD4
+T細胞の増殖を優先的に誘導することができる。
【0443】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、そのようなタンパク質を投与される対象において抗腫瘍効果を増強することができる。以下に記載される実施例に示されるように(実施例5Dを参照されたい)、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質による治療は、そのようなIL−15/Rα−Fc融合タンパク質なしの治療と比較して、腫瘍を有する対象における腫瘍成長を著しく低減した。
【0444】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるXtend−Fc置換ありおよびなしのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の効力の低減は、そのようなタンパク質を投与される対象における薬力学および薬物動態の両方を増強し得る。以下に記載される実施例(実施例6を参照されたい)に示されるように、XmAb24306およびXENP23343などの本発明のXtend(FcRn)置換(例えば、各Fc単量体におけるM428L/N434Sバリアント)を有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、Xtend置換なしの対応するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質と比較して、対象においてより長い血清半減期を呈した。いくつかの場合では、Xtend置換は、半減期の増加によって示されるように、著しく曝露を改善した。
【0445】
XENP22821などの効力が低減したIL−15/Rα−Fcバリアントは、XENP20818などの本明細書に記載される野生型IL−15/Rα−Fc融合タンパク質よりも長い期間リンパ球数を拡大することができることが以下に示される(実施例7を参照されたい)。特に、XENP22821のXtend類似体であるXENP23343は、XENP22821を超えたリンパ球拡大の期間をさらに増強した。
【0446】
以下に記載される実施例(実施例8を参照されたい)に示されるように、これに限定されないが、XmAb24306(XENP24306とも呼ばれる)などのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、抗CD3誘導エフェクターT細胞増殖のTreg抑制を克服することができる。
【0447】
本明細書に記載されるように(実施例9を参照されたい)、これに限定されないが、XENP24045などのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、白血球の拡大を促進し、ある範囲の用量レベルにわたって異種GVHDを悪化させることができる。特に、XENP24045とXENP13432などの抗PD−1抗体との併用療法は、特に低用量で相乗作用(相乗効果など)を示した。
【0448】
いくつかの実施形態では、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP23557である(
図48Eを参照されたい)。XENP23557は、鎖1(ヒト_IL15_N4D/N65D_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_pI(−)_等配電子_A_C220S/PVA_/S267K/L368D/K370S(18786))および鎖2(ヒト_IL15Ra(スシ)_(GGGGS)220_F)PVA_/S267K/S364K/E357Q(15908))を含む。
【0449】
いくつかの実施形態では、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP24045である(
図48Eを参照されたい)。XENP24045は、鎖1(ヒト_IL15_D30N/E64Q/N65D_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_pI(−)_等配電子_A_C220S/PVA_/S267K/L368D/K370S)および鎖2(ヒト_IL15Rα(スシ)_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_C220S/PVA_/S267K/S364K/E357Q)を含む。
【0450】
いくつかの実施形態では、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP24113である(
図99Bを参照されたい)。XENP24113は、鎖1(ヒト_IL15_N4D/N65D_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_pI(−)_等配電子_A_C220S/PVA_/S267K/L368D/K370S/M428L/N434S)および鎖2(ヒト_IL15Rα(スシ)_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_C220S/PVA_/S267K/S364K/E357Q/M428L/N434S)を含む。
【0451】
いくつかの実施形態では、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、XENP24306である(
図99Cを参照されたい)。XENP24306は、鎖1(ヒト_IL15_D30N/E64Q/N65D_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_pI(−)_等配電子_A_C220S/PVA_/S267K/L368D/K370S/M428L/N434S)および鎖2(ヒト_IL15Rα(スシ)_(GGGGS)1_Fc(216)_IgG1_C220S/PVA_/S267K/S364K/E357Q/M428L/N434S)を含む。
【0452】
したがって、一態様では、本発明は、a)第1のタンパク質ドメインが第1のドメインリンカーを用いて第1のFcドメインのN末端に共有結合されている、第1のタンパク質ドメインおよび第1のFcドメインを含む第1の融合タンパク質、b)第2のタンパク質ドメインが、第2のドメインリンカーを用いてFcドメインのN末端に共有結合されている、第2のタンパク質ドメインおよび第2のFcドメインを含む第2の融合タンパク質を含むヘテロ二量体タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含み、第2のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第1のタンパク質ドメインは、第1のドメインリンカーを用いずに第1のFcドメインのN末端に直接共有結合し、および/または、第2のタンパク質ドメインは、第2のドメインリンカーを用いずに第2のFcドメインのN末端に直接共有結合する。いくつかの実施形態では、本発明はまた、抗PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体を提供する。
【0453】
いくつかの例では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP20818、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21475、XENP21476、XENP21477、XENP22013、XENP22815、XENP22816、XENP22817、XENP22818、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22829、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP22834、XENP23343、XENP23554、XENP23555、XENP23557、XENP23559、XENP24019、およびXENP24020(対応する配列識別子を含む)からなる群から選択される。
【0454】
さらなる態様では、本発明は、a)第1のタンパク質ドメインが第1のドメインリンカーを用いて第2のタンパク質のN末端に共有結合されており、第2のタンパク質ドメインが第2のドメインリンカーを用いて第1のFcドメインのN末端に共有結合されている、第1のタンパク質ドメイン、第2のタンパク質ドメイン、および第1のFcドメインを含む融合タンパク質、b)第2のFcドメインを含むヘテロ二量体タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質を含み、第2のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含む。いくつかの場合では、抗PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体も提供される。
【0455】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP21478であり得る。
【0456】
別の態様では、本発明は、a)第1のタンパク質ドメインがドメインリンカーを用いて第1のFcドメインのN末端に共有結合されている、第1のタンパク質ドメインおよび第1のFcドメインを含む融合タンパク質、b)第2のFcドメイン、ならびにc)第1のタンパク質ドメインに非共有結合した第2のタンパク質ドメインを含むヘテロ二量体タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインは、IL−15Rαを含み、第2のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含む。いくつかの場合では、抗PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体も提供される。
【0457】
いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP21479、XENP22357、XENP22354、XENP22355、XENP22356、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22360、XENP22361、XENP22362、XENP22363、XENP22364、XENP22365、XENP22366、およびXENP22637(対応する配列識別子を含む)からなる群から選択され得る。
【0458】
さらなる態様では、本発明は、a)第1のタンパク質ドメインがドメインリンカーを用いて当該第1のFcドメインのN末端に共有結合されている、第1のタンパク質ドメインおよび第1のFcドメインを含む第1の融合タンパク質、b)第2のタンパク質ドメインがドメインリンカーを用いて第2のFcドメインのC末端に共有結合されている、第2のタンパク質ドメインを含む第2の重鎖および第2のFcドメインを含む第1の第2の重鎖を含む第2の融合タンパク質、c)第1の融合タンパク質の第1タンパク質ドメインに非共有結合した第3のタンパク質ドメイン、ならびにd)第2の融合タンパク質の第2のタンパク質ドメインに非共有結合した第4のタンパク質を含むヘテロ二量体タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインおよび第2のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質を含み、第3のタンパク質ドメインおよび第4のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、ヘテロ二量体タンパク質は、XENP21978またはXENP22634であり得る。いくつかの場合では、抗PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体も提供される。
【0459】
さらなる態様では、本発明は、a)第1のFcドメインがドメインリンカーを用いて第1のタンパク質ドメインのN末端に共有結合されている、第1のFcドメインおよび第1のタンパク質ドメインを含む第1の融合タンパク質、b)第2のFcドメイン、ならびにc)第1の融合タンパク質の第1のタンパク質ドメインに非共有結合した第2のタンパク質ドメインを含むヘテロ二量体タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411E/K360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質を含み、第2のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含む。いくつかの場合では、抗PD−1抗体などのチェックポイント遮断抗体も提供される。
【0460】
本発明の実施形態のうちのいずれかにおいて、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、Q295E/N384D/Q418E/N421Dを含むアミノ酸置換の追加のセットを有し得る。いくつかの場合では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなるアミノ酸置換の追加のセットを有する。
【0461】
本発明の実施形態のうちのいずれかにおいて、IL−15タンパク質は、完全長ヒトIL−15および短縮型ヒトIL−15からなる群から選択されるポリペプチド配列を有し、IL−15Rαタンパク質は、完全長ヒトIL−15RαおよびヒトIL−15Rαのスシドメインからなる群から選択されるポリペプチド配列を有する。いくつかの場合では、IL−15タンパク質およびIL1−5Rαタンパク質は、それぞれ、E87C:D96/P97/C98、E87C:D96/C97/A98、V49C:S40C、L52C:S40C、E89C:K34C、Q48C:G38C、E53C:L42C、C42S:A37C、およびL45C:A37Cからなる群から選択されるアミノ酸置換または付加のセットを有する。
【0462】
さらなる態様では、本発明は、チェックポイント遮断抗体と、XENP20818、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21475、XENP21476、XENP21477、XENP21478、XENP21479、XENP21978、XENP22013、XENP22015、XENP22017、XENP22354、XENP22355、XENP22356、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22360、XENP22361、XENP22362、XENP22363、XENP22364、XENP22365、XENP22366、XENP22637、およびXENP22639(対応する配列識別子を含む)からなる群から選択されるヘテロ二量体タンパク質とを提供する。いくつかの態様では、本発明は、XENP20818、XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21475、XENP21476、XENP21477、XENP22013、XENP22815、XENP22816、XENP22817、XENP22818、XENP22819、XENP22820、XENP22821、XENP22822、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22829、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP22834、XENP23343、XENP23554、XENP23555、XENP23557、XENP23559、XENP24019、およびXENP24020(対応する配列識別子を含む)からなる群から選択されるヘテロ二量体タンパク質を提供する。これらのタンパク質を作製する方法およびそれらを用いて患者を治療する方法に加えて、核酸、発現ベクター、および宿主細胞も全て同様に提供される。
【0463】
いくつかの態様では、癌の治療を必要とする患者において癌を治療し、当該患者において血管漏出のレベルを最小化する方法が本明細書に提供される。そのような方法は、治療有効量のチェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD−1抗体および治療有効量の本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質または本明細書に記載される薬学的組成物を患者に投与することを含む。
【0464】
いくつかの実施形態では、方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはダルバルマブである。
【0465】
いくつかの実施形態では、血管漏出のレベルは、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体の投与後、患者における血清アルブミンの20%以下の低減、例えば、20%低減、19%低減、18%低減、17%低減、16%低減、20%低減、20%低減、20%低減、20%低減、20%低減、15%低減、14%低減、13%低減、12%低減、11%低減、10%低減、またはそれ以下の低減の範囲である。いくつかの場合では、血清アルブミンのそのような低減は、投与後1日目〜15日目に生じる。いくつかの実施形態では、低減は、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体の投与後、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、またはそれ以降に生じる(または検出可能である)。
【0466】
いくつかの実施形態では、患者は、IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体の投与後、リンパ球の2倍〜15倍の増加、例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、または15倍の増加を呈する。いくつかの場合では、リンパ球のそのような増加は、投与後1日目〜15日目に生じる。いくつかの実施形態では、リンパ球の増加は、投与後1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、またはそれ以降に生じる(または検出可能である)。
【0467】
いくつかの実施形態では、患者は、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体の投与後、末梢CD8+T細胞の2倍〜13倍の増加、例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、または13倍の増加を呈する。いくつかの場合では、末梢CD8+T細胞のそのような増加は、投与後1日目〜15日目に生じる。いくつかの実施形態では、末梢CD8+T細胞の増加は、投与後1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、またはそれ以降に生じる(または検出可能である)。
【0468】
いくつかの態様では、低アルブミン血症を誘導する可能性を増加させることなく、T細胞拡大を誘導することを必要とする患者においてT細胞拡大を誘導する方法が本明細書に提供され、治療有効量の本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質または本明細書に記載される薬学的組成物を当該患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブである。
【0469】
いくつかの実施形態では、T細胞拡大は、T細胞の少なくとも2倍、例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、またはそれ以上の増加である。いくつかの実施形態では、T細胞拡大は、T細胞の2倍〜15倍の増加、例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、または15倍の増加の範囲である。いくつかの例では、T細胞のそのような拡大は、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合およびチェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD−1抗体の投与後、1日目〜15日目に生じる。いくつかの実施形態では、T細胞の拡大は、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびチェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD−1抗体の投与後、1日目、2日目、3日目、4日目、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目、15日目、またはそれ以降に生じる(または検出可能である)。
【0470】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体と組み合わせて本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、対照IL−15またはIL−15Rα含有タンパク質と比較してリンパ球拡大を増強し、またアルブミンドロップの低減をもたらす(
図203に示されるデータ)。アルブミンドロップの低減は、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体の優れた治療指数を示す。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体と組み合わせたIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、末梢CD8
+T細胞の少なくとも3倍(200%)の増加を促進する。いくつかの実施態様では、抗PD−1抗体と組み合わせたIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、15%の低減を超えないようにアルブミン減少の程度を媒介または促進した。いくつかの例では、抗PD−1抗体と組み合わせたIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、対照IL−15またはIL−15Ra含有タンパク質よりも低いアルブミンレベルの減少を引き起こしたか、または誘導した。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される患者は、20%の減少を上回るアルブミンレベルを維持しながら、末梢CD8
+T細胞の少なくとも11倍(1000%)の増加を促進するIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質および抗PD−1抗体を投与される。
【0471】
本発明は、チェックポイント遮断抗体およびIL−15Rαタンパク質と複合したIL−15タンパク質を投与することによって、患者におけるT細胞拡大を誘導する方法を提供し、改善には、抗PD−1抗体およびIL−15Rαタンパク質と複合したIL−15バリアントタンパク質を患者に投与することが含まれ、IL−15バリアントタンパク質は、患者が低アルブミン血症の低減された可能性を有するように低減された親和性を有する。
【0472】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、およびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N1D置換または少なくともN1D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N4D置換または少なくともN4D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N1D置換または少なくともN1D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、D30N置換または少なくともD30N置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、D61N置換または少なくともD61N置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、E64Q置換または少なくともE64Q置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N65D置換または少なくともN65D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、Q108E置換または少なくともQ108E置換を有する。
【0473】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、IL−15バリアントタンパク質は、N4D、N65D、N4D/N65D、D30N/N65D、およびD30N/E64Q/N65Dからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N4D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N65D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N4D/N65D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、D30N/N65D置換を有する。いくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、D30N/E64Q/N65D置換を有する。
【0474】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質と複合したIL−15バリアントタンパク質は、本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質のうちのいずれか1つである。
【0475】
したがって、一態様では、本発明は、(a)第1のタンパク質ドメインが第1のドメインリンカーを用いて第1のFcドメインのN末端に共有結合されている、第1のタンパク質ドメインおよび第1のFcドメインを含む第1の融合タンパク質、(b)第2のタンパク質ドメインが、第2のドメインリンカーを用いてFcドメインのN末端に共有結合されている、第2のタンパク質ドメインおよび第2のFcドメインを含む第2の融合タンパク質を含むIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供し、第1および第2のFcドメインは、EU付番に従って、S267K/L368D/K370S:S267K/LS364K/E357Q、S364K/E357Q:L368D/K370S、L368D/K370S:S364K、L368E/K370S:S364K、T411T/E360E/Q362E:D401K、L368D/K370S:S364K/E357L、およびK370S:S364K/E357Qからなる群から選択されるアミノ酸置換のセットを有し、第1のタンパク質ドメインは、IL−15タンパク質を含み、第2のタンパク質ドメインは、IL−15Rαタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、第1のタンパク質ドメインは、第1のドメインリンカーを用いずに第1のFcドメインのN末端に直接共有結合し、かつ/または、第2のタンパク質ドメインは、第2のドメインリンカーを用いずに第2のFcドメインのN末端に直接共有結合する。
【0476】
いくつかの実施形態では、第1のおよび/または第2のFcドメインは、EU付番によるQ295E/N384D/Q418E/N421Dを含むアミノ酸置換の追加のセットを有する。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、G236R/L328R、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K、E233P/L234V/L235A/G236del/S239K/A327G、E233P/L234V/L235A/G236del/S267K/A327G、およびE233P/L234V/L235A/G236delからなるアミノ酸置換の追加のセットを有する。いくつかの実施形態では、第1および/または第2のFcドメインは、EU付番に従って、追加のアミノ酸置換M428L/N434Sを有する。
【0477】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質は、完全長ヒトIL−15タンパク質および短縮型ヒトIL−15タンパク質からなる群から選択されるポリペプチド配列を有し、当該IL−15Rαタンパク質は、完全長ヒトIL−15Rαタンパク質およびヒトIL−15Rαタンパク質のスシドメインからなる群から選択されるポリペプチド配列を有する。ある特定の実施形態では、IL−15タンパク質は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、およびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。特定の実施形態では、IL−15タンパク質は、N4D、N65D、N4D/N65D、およびD30N/E64Q/N65Dからなる群から選択されるアミノ酸置換を有する。
【0478】
いくつかの実施形態では、IL−15タンパク質およびIL−15Rαタンパク質は、それぞれ、E87C:D96/P97/C98、E87C:D96/C97/A98、V49C:S40C、L52C:S40C、E89C:K34C、Q48C:G38C、E53C:L42C、C42S:A37C、およびL45C:A37Cからなる群から選択されるアミノ酸置換または付加のセットを有する。
【0479】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質ドメインは、第1のドメインリンカーを用いずに第1のFcドメインのN末端に直接共有結合し、および/または、第2のタンパク質ドメインは、第2のドメインリンカーを用いずに第2のFcドメインのN末端に直接共有結合する。
【0480】
いくつかの実施形態では、IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、XENP20818、XENP22013、XENP22014、XENP22015、XENP22017、XENP23343、XENP23504、XENP23557、XENP24045、XENP24113、XENP24301、XENP24306、およびXENP24341からなる群から選択される。
【0481】
これらのタンパク質を作製する方法およびそれらを用いて患者を治療する方法に加えて、核酸、発現ベクター、および宿主細胞も全て同様に提供される。
【0482】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rα Fc融合ヘテロ二量体タンパク質のうちのいずれか1つ、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、XENP20818、XENP22013、XENP22014、XENP22015、XENP22017、XENP23343、XENP23504、XENP23557、XENP24045、XENP24113、XENP24301、XENP24306、およびXENP24341からなる群から選択されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質、ならびに薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0483】
一態様では、本発明は、治療有効量の本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質のうちのいずれか1つ、またはその薬学的組成物を患者に投与することを含む、癌を治療することを必要とする患者において癌を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。ある特定の実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。いくつかの例では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブである。いくつかの例では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはダルバルマブである。
【0484】
追加のIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、例えば、2016年10月14日に出願された米国特許第62/408,655号、2016年11月1日に出願された米国特許第62/416,087号、2017年1月6日に出願された米国特許第62/443,465号、2017年3月28日に出願された米国特許第62/477,926号、2017年10月16日に出願された米国特許出願第15/785,401号、およびWO2018/071919に詳細に記載され、これらは、その中の図面、説明文、および特許請求の範囲を特に参照して、それら全体において参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0485】
一態様では、本発明は、癌の治療を必要とする患者において癌を治療し、患者において血管漏出のレベルを最小化する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量の本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質または本明細書に記載される薬学的組成物を患者に投与することを含む。
【0486】
いくつかの実施形態では、方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはダルバルマブである。
【0487】
いくつかの実施態様では、血管漏出のレベルは、投与後の患者における血清アルブミンの20%以下の低減の範囲である。
【0488】
いくつかの実施形態では、患者は、投与後にリンパ球の2倍〜15倍の増加を呈する。
【0489】
いくつかの実施形態では、患者は、投与後に末梢CD8+T細胞の2倍〜13倍の増加を呈する。
【0490】
一態様では、本発明は、低アルブミン血症を誘導する可能性を増加させることなく、T細胞拡大を誘導することを必要とする患者においてT細胞拡大を誘導する方法を提供し、治療有効量の本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質または本明細書に記載される薬学的組成物を患者に投与することを含む。
【0491】
いくつかの実施形態では、方法はまた、治療有効量のチェックポイント遮断抗体を投与することを含む。
【0492】
いくつかの実施形態では、チェックポイント遮断抗体は、抗PD−1抗体、抗PD−L1抗体、抗TIM3抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG3抗体、および抗CTLA−4抗体から選択される。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブである。いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブ、アベルマブ、またはダルバルマブである。
【0493】
いくつかの実施形態では、T細胞拡大は、T細胞の少なくとも2倍の増加である。いくつかの実施形態では、T細胞拡大は、T細胞の2倍〜15倍の増加の範囲である。
【0494】
いくつかの態様では、本発明は、IL−15Rαタンパク質と複合したIL−15タンパク質を投与することによって、患者におけるT細胞拡大を誘導する方法を提供し、改善には、IL−15Rαタンパク質と複合したIL−15バリアントタンパク質を患者に投与することが含まれ、IL−15バリアントタンパク質は、患者が低アルブミン血症の低減された可能性を有するように低減された親和性を有する。
【0495】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、バリアントIL−15は、N1D、N4D、D8N、D30N、D61N、E64Q、N65D、およびQ108Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸置換を有する。
【0496】
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、IL−15バリアントタンパク質は、N4D、N65D、N4D/N65D、およびD30N/E64Q/N65Dからなる群から選択されるアミノ酸置換(複数可)を有する。
本明細書に記載される方法のいくつかの実施形態では、IL−15Rαタンパク質と複合したIL−15バリアントタンパク質は、本明細書に記載されるIL−15/IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合タンパク質のうちのいずれか1つである。
【0497】
IX.本発明の核酸
本発明はさらに、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質をコードする核酸組成物(または、単量体Fcドメインタンパク質の場合はそれらをコードする核酸も)を提供する。
【0498】
当業者には理解されるように、核酸組成物はヘテロ二量体タンパク質のフォーマットに依存するであろう。したがって、例えば、フォーマットが3つのアミノ酸配列を必要とするとき、3つの核酸配列を発現のために1つ以上の発現ベクターに組み込むことができる。同様に、いくつかのフォーマットは2つの核酸のみを必要とし、同様に、それらを1つまたは2つの発現ベクターに入れることができる。
【0499】
当該技術分野において既知であるように、本発明の構成要素をコードする核酸は、当該技術分野において既知であるように、そして本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質を生成するために使用される宿主細胞に応じた発現ベクターに組み込まれ得る。一般に、核酸は任意の数の調節エレメント(プロモーター、複製起点、選択可能マーカー、リボソーム結合部位、インデューサーなど)に作動可能に連結されている。発現ベクターは、染色体外ベクターまたは組み込みベクターであり得る。
【0500】
次いで、本発明の核酸および/または発現ベクターを、多くの実施形態において用途を見出す、哺乳動物、細菌、酵母、昆虫、および/または真菌細胞を含む当該技術分野において周知の任意の数の異なる種類の宿主細胞に哺乳動物細胞(例えば、CHO細胞)で形質転換する。
【0501】
いくつかの実施形態では、各単量体をコードする核酸は、フォーマットに応じて適用可能なように、それぞれ一般に異なるまたは同じプロモーター制御下で単一の発現ベクター内に含まれる。本発明において特に使用される実施形態では、これら2つまたは3つの核酸の各々は、異なる発現ベクターに含まれる。
【0502】
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、当該技術分野において周知のように、発現ベクター(複数可)を含む宿主細胞を培養することによって作製される。一旦生成されると、イオン交換クロマトグラフィーステップを含む従来の融合タンパク質または抗体精製ステップが実施される。本明細書で議論されるように、2つの単量体のpIが少なくとも0.5異なることは、イオン交換クロマトグラフィーもしくは等電点電気泳動、または等電点に感受性の他の方法による分離を可能にし得る。すなわち、各単量体が異なる等電点(pI)を有し、ヘテロ二量体も異なるpIを有するように、各モノマーのpIを変化させるpI置換を含むことによって、ヘテロ二量体の等電点精製(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー)を促進する。これらの置換はまた、精製後の任意の混入したホモ二量体の決定およびモニタリングにも役立つ(例えば、IEFゲル、cIEF、および分析用IEXカラム)。
【0503】
X.IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体免疫調節Fc融合タンパク質の生物学的および生化学的機能性
一般に、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、癌を有する患者に投与され、有効性は、本明細書に記載されるようないくつかの方法で評価される。このため、癌量、腫瘍のサイズ、転移の存在または程度の評価などの、有効性の標準的なアッセイが実行され得るが、免疫腫瘍学的治療もまた免疫状態評価に基づいて同様に評価され得る。これは、インビトロアッセイおよびインビボアッセイの両方を含むいくつかの方法で行うことができる。例えば、腫瘍量、サイズ、侵襲性、LN関与、転移などの「古典的な」測定と併せて、免疫状態(例えば、ipi治療後のICOS+CD4+T細胞の存在)の変化の評価を実施することができる。このため、以下のうちのいずれかまたは全てを評価することができる:CD4
+T細胞活性化もしくは増殖、CD8
+T(CTL)細胞活性化もしくは増殖、CD8
+T細胞媒介性細胞傷害性活性および/もしくはCTL媒介性細胞枯渇、NK細胞活性およびNK媒介性細胞枯渇に対するPVRIGの抑制効果、Treg細胞分化および増殖ならびにTreg細胞もしくは骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)媒介性免疫抑制もしくは免疫耐性に対するPVRIGの増強効果、ならびに/または免疫細胞による炎症性サイトカイン生成、例えば、T細胞もしくは他の免疫細胞によるIL−2、IFN−γ、もしくはTNF−α生成に対するPVRIGの効果。
【0504】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、例えば、CFSE希釈法、免疫エフェクター細胞のKi67細胞内染色、および
3H−チミジン取り込み法を使用して、免疫細胞増殖を評価することによって実施される。
【0505】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、CD25、CD69、CD137、ICOS、PD1、GITR、OX40、およびCD107Aの表面発現によって測定される細胞脱顆粒のうちの1つ以上を含む、遺伝子発現の増加または活性化関連マーカーの増加したタンパク質レベルを評価することによって実施される。
【0506】
一般に、遺伝子発現アッセイは、当該技術分野で既知であるように実施される。
【0507】
一般に、タンパク質発現測定も同様に、当該技術分野で既知であるように実施される。
【0508】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、酵素活性(プロテアーゼ活性を含む)、細胞膜透過性、細胞接着、ATP生成、補酵素生成、およびヌクレオチド取り込み活性などの多数の細胞パラメータを推測することを通した標的細胞生存検出によって測定される細胞傷害性活性を評価することによって実施される。これらのアッセイの具体的な例としては、これらに限定されないが、トリパンブルーまたはPI染色、
51Crまたは
35S放出法、LDH活性、MTTおよび/またはWSTアッセイ、カルセイン−AMアッセイ、発光系アッセイ、ならびに他のものが挙げられる。
【0509】
いくつかの実施形態では、治療の評価は、サイトカイン生成によって測定されるT細胞活性を評価することによって行われ、周知の技法を使用して、IFNγ、TNFα、GM−CSF、IL2、IL6、IL4、IL5、IL10、IL13を含むがこれらに限定されないサイトカインを使用して、細胞内、培養上清液中のいずれかで測定する。
【0510】
したがって、治療の評価は、以下のうちの1つ以上を評価するアッセイを使用して実施することができる:(i)免疫応答を増加させること、(ii)αβおよび/またはγδのT細胞の活性化を増加させること、(iii)細胞傷害性T細胞活性を増加させること、(iv)NKおよび/またはNKT細胞活性を増加させること、(v)αβおよび/またはγδのT細胞抑制を軽減させること、(vi)炎症誘発性サイトカイン分泌を増加させること、(vii)IL−2分泌を増加させること、(viii)インターフェロン−γ生成を増加させること、(ix)Th1応答を増加させること、(x)Th2応答を減少させること、(xi)制御性T細胞(Treg)のうちの少なくとも1つの細胞数および/または活性を減少させるかまたは排除すること。
【0511】
A.有効性および効力を測定するアッセイ
いくつかの実施形態では、T細胞活性化は、当該技術分野において既知であるように、混合リンパ球反応(MLR)アッセイを使用して評価される。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0512】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、異なる因子のリン酸化もしくは脱リン酸化によって、または他の翻訳後修飾を測定することによって測定される、免疫応答の増加または減少を測定する。IL−15は、STAT5のリン酸化を介してIFNγの発現および分泌を媒介する。したがって、いくつかの実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、STAT5のリン酸化によって示されるように、免疫応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0513】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞の活性化の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0514】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えば癌細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、細胞傷害性T細胞活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0515】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えば癌細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または例えば、CD107aなどのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、NKおよび/またはNKT細胞活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0516】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞抑制の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0517】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはMultiplexビーズに基づく方法によって、または細胞内染色およびFACS分析によって、またはAlispotなどによって測定される、炎症誘発性サイトカイン分泌の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0518】
一実施形態において、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはMultiplexビーズに基づく方法によって、または細胞内染色およびFACS分析によって、またはAlispotなどによって測定される、IL−2分泌の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0519】
一実施形態において、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、ELISAによって、またはLuminexによって、またはMultiplexビーズに基づく方法によって、または細胞内染色およびFACS分析によって、またはAlispotなどによって測定される、インターフェロン−γ生成の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0520】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th1応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0521】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th2応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0522】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される、制御性T細胞(Treg)のうちの少なくとも1つの細胞数および/または活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0523】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される、M2マクロファージ細胞数の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0524】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、M2マクロファージ腫瘍形成促進活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0525】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、フローサイトメトリーによって、またはIHCによって測定される、N2好中球増加の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0526】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、N2好中球腫瘍形成促進活性の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0527】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、T細胞活性化の阻害の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0528】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、癌細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、CTL活性化の阻害の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0529】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞疲労の増加または減少を測定する。応答の減少は免疫刺激活性を示す。適切な減少は、以下に概説される増加の場合と同じである。
【0530】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、αβおよび/またはγδ T細胞応答の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0531】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD45RA、CCR7などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される、抗原特異的メモリー応答の刺激の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0532】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、MTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えば、CFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、癌細胞のアポトーシスまたは溶解の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0533】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えば、CFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、癌細胞への細胞傷害性または細胞増殖抑制性の効果の刺激の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0534】
一実施形態において、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えば、CFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、癌細胞の直接殺傷の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0535】
一実施形態では、シグナル伝達経路アッセイ測定は、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される、Th17活性の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0536】
一実施形態において、シグナル伝達経路アッセイは、例えば、例えばMTT、Cr放出、カルサインAMなどの細胞傷害性アッセイによって、または例えば、CFSE希釈もしくはヨウ化プロピジウム染色などのようなフローサイトメトリーに基づくアッセイによって測定される、補体依存性細胞傷害性および/または抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性の誘導の増加または減少を測定する。活性の増加は免疫刺激活性を示す。活性の適切な増加を以下に概説する。
【0537】
一実施形態では、T細胞活性化は、例えば、例えば癌細胞のような標的細胞の直接殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または増殖によって、または例えば、CD137、CD107a、PD1などのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される。T細胞については、増殖、活性化の細胞表面マーカー(例えば、CD25、CD69、CD137、PD1)、細胞傷害性(標的細胞を殺傷する能力)、およびサイトカイン生成(例えば、IL−2、IL−4、IL−6、IFNγ、TNF−a、IL−10、IL−17A)の増加が、癌細胞の増強された殺傷と一致する免疫調節の指標となり得る。
【0538】
一実施形態では、NK細胞活性化は、例えば、例えば癌細胞のような標的細胞の直接的な殺傷によって、またはサイトカイン分泌によって、または例えば、CD107aなどのような活性化マーカーの発現の変化によって測定される。NK細胞については、増殖、細胞傷害性(標的細胞を殺傷し、CD107a、グランザイム、およびパーフォリン発現を増加させる能力)、サイトカイン生成(例えば、IFNγおよびTNF)、および細胞表面受容体発現(例えば、CD25)の増加が、癌細胞の増強された殺傷と一致する免疫調節の指標となり得る。
【0539】
一実施形態では、γδ T細胞活性化は、例えば、サイトカイン分泌によって、または増殖によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される。
【0540】
一実施形態では、Th1細胞活性化は、例えば、サイトカイン分泌によって、または活性化マーカーの発現の変化によって測定される。
【0541】
活性または応答の適切な増加(または減少、上で概説されるように適切なもの)は、基準試料または対照試料のいずれか、例えば、本発明の抗PVRIG抗体を含まない試験試料におけるシグナルと比べて、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または98〜99%パーセントの増加である。同様に、基準試料または対照試料と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、または5倍の増加が有効性を示す。
【0542】
XI.チェックポイント遮断抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15およびIL−15Rαタンパク質を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、これらに限定されないが、PD−1阻害剤、TIM3阻害剤、CTLA4阻害剤、PD−L1阻害剤、TIGIT阻害剤、LAG3阻害剤、またはそれらの組み合わせなどのチェックポイント遮断抗体を含む他の治療薬と組み合わされる。
【0543】
A.抗PD1抗体
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、チェックポイント遮断抗体、例えば、抗PD−1抗体と組み合わせて、癌を有する対象に投与することができる。いくつかの場合では、抗PD−1抗体には、XENP13432(エフェクター機能が切断されたニボルマブに基づく二価抗PD−1 mAb;XENP13432のアミノ酸配列が
図160に示されている)が含まれる。
【0544】
例示的な非限定的な抗PD−1抗体分子は、その全体において参照により組み込まれる、2015年7月30日に公開された“Antibody Molecules to PD−1 and Uses Thereof”と題するUS2015/0210769に開示されている。
【0545】
一実施形態では、抗PD−1抗体分子は、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、もしくはBAP049−クローン−Eのアミノ酸配列、またはUS2015/0210769の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列、あるいは前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、またはその両方を含む。US2015/0210769の表4に示されるように、抗PD−1抗体分子は、任意に、重鎖、軽鎖、またはその両方からのリーダー配列、またはそれと実質的に同一である配列を含む。
【0546】
さらに別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、本明細書に記載される抗体、例えば、BAP049−hum01、BAP049−hum02、BAP049−hum03、BAP049−hum04、BAP049−hum05、BAP049−hum06、BAP049−hum07、BAP049−hum08、BAP049−hum09、BAP049−hum10、BAP049−hum11、BAP049−hum12、BAP049−hum13、BAP049−hum14、BAP049−hum15、BAP049−hum16、BAP049−クローン−A、BAP049−クローン−B、BAP049−クローン−C、BAP049−クローン−D、もしくはBAP049−クローン−Eのいずれかから選択される抗体、または表1に記載されるか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされる抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域(CDR)、または前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)の配列を含む。
【0547】
さらに別の態様では、抗PD−1抗体分子は、US2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0548】
さらに別の態様では、抗PD−1抗体分子は、US2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある特定の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。一実施形態では、抗PD−1抗体分子は、軽可変領域の102位での軽鎖CDR3における置換、例えば、表1による軽可変領域の102位でのシステインからチロシンへの、またはシステインからセリン残基への置換を含む(例えば、マウスまたはキメラの非修飾については配列番号16もしくは24、または修飾された配列については配列番号34、42、46、54、58、62、66、70、74、もしくは78)。
【0549】
別の態様では、抗PD−1抗体分子は、US2015/0210769の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0550】
一実施形態では、抗PD−1抗体分子は、以下を含む:
【0551】
(a)各々がUS2015/0210769の表1に開示されている、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL);
【0552】
(b)各々がUS2015/0210769の表1に開示されている、配列番号1から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
【0553】
(c)各々がUS2015/0210769の表1に開示されている、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;または
【0554】
(d)各々がUS2015/0210769の表1に開示されている、配列番号224のVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL。
【0555】
別の実施形態では、抗PD−1抗体分子は、各々がUS2015/0210769の表1に開示されている、(i)配列番号1、配列番号4、または配列番号224から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2または配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに(ii)配列番号10または配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11または配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号32または配列番号33のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0556】
他の実施形態では、PD−1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、またはピジリズマブから選択される抗PD−1抗体である。
【0557】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブの代替名には、MDX−1106、MDX−1106−04、ONO−4538、またはBMS−936558が含まれる。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ニボルマブ(CAS登録番号:946414−94−4)である。ニボルマブは、PD1を特異的に遮断する完全ヒトIgG4モノクローナル抗体である。ニボルマブ(クローン5C4)およびPD1と特異的に結合する他のヒトモノクローナル抗体は、US8,008,449およびWO2006/121168に開示されている。一実施形態では、PD−1の阻害剤はニボルマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ペムブロリズマブである。ペムブロリズマブは(ラムブロリズマブ、MK−3475、MK03475、SCH−900475、またはKEYTRUDA(登録商標)とも呼ばれる;Merck)は、PD−1と結合するヒト化IgG4のモノクローナル抗体である。ペムブロリズマブおよび他のヒト化抗PD−1抗体は、Hamid,O.et al.(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134−44、US8,354,509、およびWO2009/114335に開示されている。
【0558】
一実施形態では、PD−1の阻害剤は、例えば、US8,354,509およびWO2009/114335に開示されている、ペムブロリズマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0559】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、ピジリズマブである。ピジリズマブ(CT−011;Cure Tech)は、PD1と結合するヒト化IgG1kモノクローナル抗体である。ピジリズマブおよび他のヒト化抗PD−1モノクローナル抗体は、US8,747,847およびWO2009/101611に開示されている。
【0560】
他の抗PD1抗体には、とりわけ、AMP 514(Amplimmune)、例えば、US8,609,089、US2010/028330、および/またはUS2012/0114649に開示されている抗PD1抗体が含まれる。
【0561】
いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD−L1またはPD−L2の細胞外またはPD−1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。いくつかの実施形態では、PD−1阻害剤は、AMP−224(B7−DCIg;Amplimmune;例えば、WO2010/027827およびWO2011/066342に開示されている)であり、PD−1およびB7−H1間の相互作用を遮断するPD−L2 Fc融合可溶性受容体である。
【0562】
いくつかの実施形態では、抗PD−1抗体は、本発明のIL−15/RαFc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。これらに限定されないが、現在FDAが承認している2つの抗体である、ペムブロリズマブおよびニボリズマブ、ならびに現在これらに限定されないが、チスレリズマブ、Sym021、REGN2810(Rengeneronにより開発)、JNJ−63723283(J and Jにより開発)、SHR−1210、ピジリズマブ、AMP−224、MEDIo680、PDR001、およびCT−001、ならびにLiu et al.,J.Hemat.&Oncol.(2017)10:136に概説される他のものを含む臨床試験におけるものを含むいくつかの抗PD−1抗体があり、その中の抗体は参照により明示的に組み込まれる。
【0563】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、PD−1阻害剤(例えば、抗PD−1抗体)と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/RαFc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、抗PD−1抗体と組み合わせて投与される。
【0564】
B.抗TIM3抗体
例示的な非限定的な抗TIM−3抗体分子は、その全体において参照により組み込まれる、2015年8月6日に公開された“Antibody Molecules to PD−1 and Uses Thereof”と題するUS2015/0210769に開示されている。
【0565】
一実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23のアミノ酸配列、またはUS2015/0218274の表1〜4に記載されているか、または表1〜4のヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列、あるいは前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、またはその両方を含む。US2015/0218274に示されるように、抗TIM−3抗体分子は、任意に、重鎖、軽鎖、またはその両方からのリーダー配列、またはそれと実質的に同一である配列を含む。
【0566】
さらに別の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、本明細書に記載される抗体、例えば、ABTIM3、ABTIM3−hum01、ABTIM3−hum02、ABTIM3−hum03、ABTIM3−hum04、ABTIM3−hum05、ABTIM3−hum06、ABTIM3−hum07、ABTIM3−hum08、ABTIM3−hum09、ABTIM3−hum10、ABTIM3−hum11、ABTIM3−hum12、ABTIM3−hum13、ABTIM3−hum14、ABTIM3−hum15、ABTIM3−hum16、ABTIM3−hum17、ABTIM3−hum18、ABTIM3−hum19、ABTIM3−hum20、ABTIM3−hum21、ABTIM3−hum22、ABTIM3−hum23のいずれかから選択されるか、または2015/0218274の表1〜4に記載されているか、または表1〜4のヌクレオチド配列によってコードされている抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つの相補性決定領域(CDR)、あるいは前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む。
【0567】
さらに別の態様では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0568】
さらに別の態様では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある特定の実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0569】
別の態様では、抗TIM−3抗体分子は、US2015/0218274の表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1〜4に示されるか、または表1〜4に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0570】
一実施形態では、抗TIM−3抗体分子は、以下を含む:
(a)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号10のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、ならびに配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL);
(b)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号4のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(c)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号25のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(d)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号24のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;
(e)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号9から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号31のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL;または
(f)各々がUS2015/0218274の表1〜4に開示されている、配列番号3から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号30のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号5のVHCDR3アミノ酸配列を含むVH、ならびに配列番号6のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号7のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号8のVLCDR3アミノ酸配列を含むVL。
【0571】
例示的な抗TIM−3抗体は、米国特許第8,552,156号、WO2011/155607、EP2581113、および米国公開第2014/044728号に開示されており、Sym023(Symphogenの臨床開発中)、TSR−22(Tesaroの臨床開発中)、LY3321367(Eli Lillyの臨床開発中)、BGTB−A425(BeiGeneの臨床開発中)、MBG453(Novartisの臨床開発中)、およびINCAGN02390(Incyteの臨床開発中)を含む。
【0572】
いくつかの実施形態では、抗TIM−3抗体は、本発明のIL−15/Rα Fc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。これらに限定されないが、MBG453およびTSR−022を含む、臨床開発中のいくつかのTIM−3抗体がある。
【0573】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、TIM−3阻害剤(例えば、抗TIM3抗体)と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/RαFc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、抗TIM3抗体と組み合わせて投与される。
【0574】
C.抗CTLA4抗体
例示的な抗CTLA4抗体には、トレメリムマブ(以前はチシリムマブ、CP−675,206として知られているPfizerから入手可能なIgG2モノクローナル抗体)、およびイピリムマブ(MDX−010、CAS番号477202−00−9としても知られているCTLA−4抗体)。他の例示的な抗CTLA−4抗体は、例えば、米国特許第5,811,097号に開示されている。
【0575】
一実施形態では、抗CTLA4抗体は、例えば、US5,811,097、US7,605,238、WO00/32231、およびWO97/20574に開示されている、イピリムマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0576】
一実施形態では、抗CTLA4抗体は、例えば、US6,682,736およびWO00/37504に開示されている、トレメリムマブであり、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0577】
いくつかの実施形態では、抗CTLA−4抗体は、本発明のIL−15/RαFc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書で概説される併用療法で使用するのに好適な抗CTLA−4抗体には、これらに限定されないが、現在FDAで承認している抗体イピリムマブの1つ、ならびにCP−675,206およびAGEN−1884を含む開発中のさらにいくつかが含まれる。
【0578】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、CTLA−4阻害剤(例えば、抗CTLA−4抗体)と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/RαFc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、抗CTLA−4抗体と組み合わせて投与される。
【0579】
D.抗PD−L1抗体
例示的な非限定的な抗PD−L1抗体分子は、その全体において参照により組み込まれる、2016年4月21日に公開された“Antibody Molecules to PD−L1 and Uses Thereof”と題するUS2016/0108123に開示されている。
【0580】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−クローン−K、BAP058−クローン−L、BAP058−クローン−M、BAP058−クローン−N、もしくはBAP058−クローン−Oのいずれかのアミノ酸配列、またはUS2016/0108123の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列、あるいは前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、またはその両方を含む。
【0581】
さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、本明細書に記載される抗体、例えば、BAP058−hum01、BAP058−hum02、BAP058−hum03、BAP058−hum04、BAP058−hum05、BAP058−hum06、BAP058−hum07、BAP058−hum08、BAP058−hum09、BAP058−hum10、BAP058−hum11、BAP058−hum12、BAP058−hum13、BAP058−hum14、BAP058−hum15、BAP058−hum16、BAP058−hum17、BAP058−クローン−K、BAP058−クローン−L、BAP058−Cクローン−M、BAP058−クローン−N、もしくはBAP058−クローン−Oのいずれかから選択される抗体、またはUS2016/0108123の表1に記載されるか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされる抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域(CDR)、または前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)の配列を含む。
【0582】
さらに別の態様では、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0583】
さらに別の態様では、抗PD−L1抗体分子は、US2016/0108123の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある特定の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0584】
別の態様では、抗PD−L1抗体分子は、表1に示されるか、またはUS2016/0108123の表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0585】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、以下を含む:
(i)各々がUS2016/0108123の表1に開示されている、配列番号1、配列番号4、または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
(ii)各々がUS2016/0108123の表1に開示されている、配列番号9のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号10のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号11のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)。
【0586】
別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、以下を含む:
(i)各々がUS2016/0108123の表1に開示されている、配列番号1、配列番号4、または配列番号195から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
(ii)各々がUS2016/0108123の表1に開示されている、配列番号12のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号13のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号14のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)。
【0587】
一実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、各々がUS2016/0108123の表1に開示されている、配列番号195のVHCDR1アミノ酸配列を含む。
【0588】
いくつかの実施形態では、PD−L1阻害剤は、抗体分子である。いくつかの実施形態では、抗PD−L1阻害剤は、YW243.55.S70、MPDL3280A、MEDI−4736、MSB−0010718C、MDX−1105、アテゾリズマブ、ダルバルマブ、アベルマブ、またはBMS936559から選択される。
【0589】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アテゾリズマブである。アテゾリズマブ(MPDL3280AおよびAtezo(登録商標)とも呼ばれる;Roche)は、PD−L1と結合するモノクローナル抗体である。アテゾリズマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体は、US8,217,149に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0590】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、アベルマブである。アベルマブ(A09−246−2とも呼ばれる;Merck Serono)は、PD−L1と結合するモノクローナル抗体である。アベルマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体は、US9,324,298およびWO2013/079174に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0591】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、デュルバルマブである。デュルバルマブ(MEDI4736とも呼ばれる;AstraZeneca)は、PD−L1と結合するモノクローナル抗体である。デュルバルマブおよび他のヒト化抗PD−L1抗体は、US8,779,108に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0592】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、BMS−936559である。BMS−936559(MDX−1105とも呼ばれる;BMS)は、PD−L1と結合するモノクローナル抗体である。BMS−936559および他のヒト化抗PD−L1抗体は、US7,943,743およびWO2007/005874に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0593】
いくつかの実施形態では、抗PD−L1抗体は、本発明のIL−15/RαFc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。現在FDAが承認している3つの抗体である、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、ならびにこれらに限定されないが、LY33000054およびCS1001、ならびにLiu et al.,J.Hemat.&Oncol.(2017)10:136に概説される他のものを含む現在臨床試験におけるものを含むいくつかの抗PD−L1抗体があり、その中の抗体は参照により明示的に組み込まれる。
【0594】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rαヘテロ二量体融合タンパク質は、PD−L1またはPD−L2阻害剤(例えば、抗PD−L1抗体)と組み合わせて使用され得る。
【0595】
E.抗TIGIT抗体
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、OMP−313M32である。OMP−313M32(OncoMed Pharmaceuticals)は、TIGITと結合するモノクローナル抗体である。OMP−313M32および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2016/0376365およびWO2016/191643に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0596】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、BMS−986207である。BMS−986207(ONO−4686とも呼ばれる;Bristol−Myers Squibb)は、TIGITと結合するモノクローナル抗体である。BMS−986207および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2016/0176963およびWO2016/106302に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0597】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、MTIG7192である。MTIG7192(Genentech)は、TIGITと結合するモノクローナル抗体である。MTIG7192および他のヒト化抗TIGIT抗体は、US2017/088613、WO2017/053748、およびWO2016/011264に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0598】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、本発明のIL−15/RαFc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。臨床開発中のいくつかのTIGIT抗体、BMS−986207(BMSによる臨床開発中)、OMP−313M32(OncoMedによる臨床開発中)、MTIG7192A(Genentechによる臨床開発中)、およびAB154(Arcus Biosciencesによる臨床開発中)がある。
【0599】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、TIGIT阻害剤(例えば、抗TIGIT抗体)と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/RαFc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、抗TIGIT抗体と組み合わせて投与される。
【0600】
いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、これらに限定されないが、BMS−986207(BMSによる臨床開発中)、OMP−313M32(OncoMedによる臨床開発中)、MTIG7192A(Genentechによる臨床開発中)、およびAB154(Arcus Biosciencesによる臨床開発中)を含む、XENP24306と組み合わせて使用され得る。
【0601】
F.抗LAG3抗体
例示的な非限定的な抗LAG−3抗体分子は、その全体において参照により組み込まれる、2015年9月17日に公開された“Antibody Molecules to LAG−3 and Uses Thereof”と題するUS2015/0259420に開示されている。
【0602】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−Ser、またはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−クローン−F、BAP050−クローン−G、BAP050−クローン−H、BAP050−クローン−I、もしくはBAP050−クローン−Jのいずれかのアミノ酸配列、またはUS2015/0259420の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列、あるいは前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む、少なくとも1つまたは2つの重鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、少なくとも1つまたは2つの軽鎖可変ドメイン(任意に定常領域を含む)、またはその両方を含む。
【0603】
さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、BAP050−hum01、BAP050−hum02、BAP050−hum03、BAP050−hum04、BAP050−hum05、BAP050−hum06、BAP050−hum07、BAP050−hum08、BAP050−hum09、BAP050−hum10、BAP050−hum11、BAP050−hum12、BAP050−hum13、BAP050−hum14、BAP050−hum15、BAP050−hum16、BAP050−hum17、BAP050−hum18、BAP050−hum19、BAP050−hum20、huBAP050(Ser)(例えば、BAP050−hum01−Ser、BAP050−hum02−Ser、BAP050−hum03−Ser、BAP050−hum04−Ser、BAP050−hum05−Ser、BAP050−hum06−Ser、BAP050−hum07−Ser、BAP050−hum08−Ser、BAP050−hum09−Ser、BAP050−hum10−Ser、BAP050−hum11−Ser、BAP050−hum12−Ser、BAP050−hum13−Ser、BAP050−hum14−Ser、BAP050−hum15−Ser、BAP050−hum18−Ser、BAP050−hum19−Ser、またはBAP050−hum20−Ser)、BAP050−クローン−F、BAP050−クローン−G、BAP050−クローン−H、BAP050−クローン−I、もしくはBAP050−クローン−Jのいずれかから選択される抗体、またはUS2015/0259420の表1に記載されているか、または表1のヌクレオチド配列によってコードされている抗体の重鎖可変領域および/または軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、もしくは3つの相補性決定領域(CDR)、または前述の配列のうちのいずれかと実質的に同一(例えば、少なくとも80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、99%以上同一)である配列を含む。
【0604】
さらに別の態様では、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0605】
さらに別の態様では、抗LAG−3抗体分子は、US2015/0259420の表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、または3つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。ある特定の実施形態では、抗PD−L1抗体分子は、軽鎖CDRにおける置換、例えば、軽鎖のCDR1、CDR2、および/またはCDR3における1つ以上の置換を含む。
【0606】
別の態様では、抗LAG−3抗体分子は、表1に示されるか、またはUS2015/0259420の表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされているアミノ酸配列を含む重鎖および軽鎖可変領域からの少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのCDR(またはまとめて全てのCDR)を含む。一実施形態では、CDR(またはまとめて全てのCDR)のうちの1つ以上は、表1に示されるか、または表1に示されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列に対して、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の変化、例えば、アミノ酸置換または欠失を有する。
【0607】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、以下を含む:
(i)各々がUS2015/0259420の表1に開示されている、配列番号1、配列番号4、または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号2のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
(ii)各々がUS2015/0259420の表1に開示されている、配列番号10のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号11のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号12のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)。
【0608】
別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、以下を含む:
(i)各々がUS2015/0259420の表1に開示されている、配列番号1、配列番号4、または配列番号286から選択されるVHCDR1アミノ酸配列、配列番号5のVHCDR2アミノ酸配列、および配列番号3のVHCDR3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH);ならびに
(ii)各々がUS2015/0259420の表1に開示されている、配列番号13のVLCDR1アミノ酸配列、配列番号14のVLCDR2アミノ酸配列、および配列番号15のVLCDR3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)。
【0609】
一実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、配列番号1のVHCDR1アミノ酸配列を含む。別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、配列番号4のVHCDR1アミノ酸配列を含む。さらに別の実施形態では、抗LAG−3抗体分子は、各々がUS2015/0259420の表1に開示されている、配列番号286のVHCDR1アミノ酸配列を含む。
【0610】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3抗体は、BMS−986016である。BMS−986016(BMS986016とも呼ばれる;Bristol−Myers Squibb)は、LAG−3と結合するモノクローナル抗体である。BMS−986016および他のヒト化抗LAG−3抗体は、US2011/0150892、WO2010/019570、およびWO2014/008218に開示されている。
【0611】
いくつかの実施形態では、抗LAG3抗体は、LAG525である。LAG525(IMP701とも呼ばれる;Novartis)は、LAG3と結合するモノクローナル抗体である。LAG525および他のヒト化抗LAG3抗体は、US9,244,059およびWO2008/132601に開示されており、本明細書に開示される配列(またはそれと実質的に同一もしくは類似の配列、例えば、指定された配列と少なくとも85%、90%、95%同一またはそれ以上の配列)を有する。
【0612】
他の例示的な抗LAG3抗体は、例えば、US2011/150892およびUS2018/066054に開示されている。
【0613】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3抗体は、本発明のIL−15/RαFc融合タンパク質と組み合わせて使用され得る。RegeneronによるREGN3767、TSR−033(Tesaro)、BMS−986016(BMS)、およびSym022(Symphogen)を含む臨床開発中のいくつかの抗LAG−3抗体がある。
【0614】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、LAG3阻害剤(例えば、抗LAG3抗体)と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/RαFc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、抗LAG3抗体と組み合わせて投与される。
【0615】
いくつかの実施形態では、抗LAG−3抗体は、これらに限定されないが、RegeneronによるREGN3767、TSR−033(Tesaro)、BMS−986016(BMS)、およびSym022(Symphogen)を含むXENP24306と組み合わせて使用され得る。
【0616】
XII.併用療法
いくつかの態様では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質は、別の治療薬と組み合わせて投与される。本明細書で使用される場合、「組み合わせて」投与されるとは、対象の障害の苦痛の経過中に2つ(またはそれ以上)の異なる治療が対象に送達されること、例えば、2つ以上の治療が、対象が障害があると診断された後、および障害が治癒または排除される前、または他の理由で治療が中止される前に送達されることを意味する。いくつかの実施形態では、1つの治療の送達は、2つ目の送達が開始する時に依然として行われているため、投与に関して重複がある。これは、本明細書では「同時」または「同時送達」と時に呼ばれる。他の実施形態では、1つの治療の送達は、他の治療の送達が開始する前に終了する。いずれかの場合のいくつかの実施形態では、併用投与のため、治療はより効果的である。例えば、1つ目の治療の不在下で2つ目の治療が投与された場合、または類似の状況が1つ目の治療で見られる場合に見られるよりも、2つ目の治療はより効果的であり、例えば、2つ目の治療を少なくしても同等の効果が見られるか、または2つ目の治療が症状を大幅な程度に低減する。いくつかの実施形態では、送達は、症状、または障害に関連する他のパラメータの低減が、他の不在下で送達される1つの治療で観察されるものよりも大きいようなものである。2つの治療の効果は、部分的に相加的、完全に相加的、または相加的よりも大きい場合がある。送達は、送達された1つ目の治療の効果が、2つ目の治療が送達されたときに依然として検出可能であるようなものであり得る。
【0617】
本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)および少なくとも1つの追加の治療薬は、同時に、同じもしくは別々の組成物で、または逐次的に投与され得る。逐次的投与の場合、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)を最初に投与し、追加の薬剤を2回目に投与するか、または投与順序を逆にすることができる。
【0618】
本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)および/または他の治療薬、手順または様式は、活動性障害の期間中、または寛解期間もしくはより低い活動性疾患の期間中に投与され得る。IL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、他の治療の前に、治療と同時に、治療後に、または障害の寛解中に投与され得る。
【0619】
組み合わせて投与する場合、IL−15/Rα Fc融合タンパク質(XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)および追加の薬剤(例えば、2つ目または3つ目の薬剤)、または全てを、例えば、単剤療法として個別に使用される各薬剤の量または投与量よりも低いかまたは同じである量または用量で投与され得る。いくつかの実施形態では、IL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)、追加の薬剤(例えば、2つ目または3つ目の薬剤)、または全ての投与される量または投与量は、例えば、単剤療法として個別に使用される各薬剤の量または投与量より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%)。他の実施形態では、IL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)、追加の薬剤(例えば、2つ目または3つ目の薬剤)、または全ての量または投与量は、同じ治療効果を達成するために必要な、例えば、単剤療法として個別に使用される各薬剤の量または投与量より低い(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%より低い)。
【0620】
さらなる態様では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、化学療法、放射線、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸塩、およびFK506などの免疫抑制剤、チェックポイント阻害剤に対する抗体、またはCAMPATH、他の抗体療法、シトキサン、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR90165、サイトカイン、および放射線などの他の免疫抑制剤、Izumoto et al.2008 J Neurosurg 108:963−971に記載されているようなペプチドワクチンと組み合わせた治療計画で使用することができる。
【0621】
ある特定の例では、本発明の化合物は、他の抗癌剤、抗アレルギー剤、抗悪心剤(または制吐剤)、鎮痛剤、細胞保護剤、およびそれらの組み合わせなどの他の治療剤と組み合わされる。
【0622】
一実施形態では、本明細書に記載されるIL−15/Rα Fc融合タンパク質(例えば、XENP24113、XENP24306、XENP23557、またはXENP24045)は、化学療法剤と組み合わせて使用することができる。例示的な化学療法剤には、アントラサイクリン(例えば、イダルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン(例えば、リポソームドキソルビシン))、アントラセンジオン誘導体(例えば、ミトキサントロン)、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンノレルビン)、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、ダカルバジン、メルファラン、イホスファミド、テモゾロミド)、免疫細胞抗体(例えば、アレムツザマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、オファツムマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ)、代謝拮抗剤(例えば、葉酸拮抗薬、シタラビン、ピリミジン類似体、プリン類似体、およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤(例えば、フルダラビン)を含む)、mTOR阻害剤、TNFRグルココルチコイド誘発TNFR関連タンパク質(GITR)アゴニスト、プロテアソーム阻害剤(例えば、アクラシノマイシンA、グリオトキシン、またはボルテゾミブ)、サリドマイドもしくはサリドマイド誘導体(例えば、レナリドマイド)などの免疫調節剤、イブルチニブ(例えば、イムブルビカ)などのキナーゼ阻害剤、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾン)、ならびにCVP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、およびプレドニゾンの組み合わせ)、エトポシド(例えば、VP−16)ありまたはなしのCHOP(シクロホスファミド、ヒドロキシダウノルビシン、Oncovin(登録商標)(ビンクリスチン)、およびプレドニゾンの組み合わせ)、シクロホスファミドおよびペントスタチンの組み合わせ、クロラムブシルおよびプレドニゾンの組み合わせ、フルダラビンおよびシクロホスファミドの組み合わせ、または塩酸メクロレタミン(例えば、Mustargen)、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、メトトレキサート、オキサリプラチン、もしくはシタラビン(ara−C)などの別の薬剤が含まれる。
【0623】
併用療法での使用が検討されている一般的な化学療法剤には、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、硫酸ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ブスルファン注射(Busulfex(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4−ペントキシカルボニル−5−デオキシ−5−フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)またはNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar−U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC−Dome(登録商標))、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD、コスメガン)、塩酸ダウノルビシン(Cerubidine(登録商標))、ダウノルビシンクエン酸リポソーム注射(DaunoXome(登録商標))、デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、塩酸ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vepesid(登録商標))、リン酸フルダラビン(Fludara(登録商標))、5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、フルタミド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イダルビシン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド(IFEX(登録商標))、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L−アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標))、6−メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、マイロターグ、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、フェニックス(Yttrium90/MX−DTPA)、ペントスタチン、カルムスチンインプラントを含むポリフェプロザン20(Gliadel(登録商標))、クエン酸タモキシフェン(Nolvadex(登録商標))、テニポシド(Vumon(登録商標))、6−チオグアニン、チオテパ、チラパザミン(Tirazone(登録商標))、注射用塩酸トポテカン(Hycamptin(登録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、およびビノレルビン(Navelbine(登録商標))が含まれる。
【0624】
XIII.治療
一旦作製されると、本発明の組成物は、一般に本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の結合によって、一般にT細胞活性化を促進すること(例えば、T細胞はもはや抑制されない)によって癌を治療することによって、いくつかの腫瘍学用途に使用される。
【0625】
したがって、本発明のヘテロ二量体組成物は、これに限定されないが、転移性癌を含むこれらの癌の治療において用途を見出す。
【0626】
A.インビボ投与のためのヘテロ二量体タンパク質組成物
本発明に従って使用される抗体の製剤は、所望の純度の抗体を任意の薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.[1980]に一般に概説されるような)と混合することによって、保存のために、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製される。許容される担体、緩衝剤、賦形剤、または安定剤は、使用される投薬量および濃度において、レシピエントに対して非毒性でありリン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、またはベンジルアルコール;メチルまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体);および/またはTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。
【0627】
B.投与様式
本発明のヘテロ二量体タンパク質および化学療法剤は、ボーラスとしての静脈内投与またはある期間にわたる持続注入などの既知の方法に従って対象に投与される。
【0628】
C.治療様式
本発明の方法において、治療は、疾患または状態に関して肯定的な治療応答を提供するために使用される。「肯定的な治療応答」は、疾患もしくは状態の改善、および/または疾患または状態に関連する症状の改善を意図する。例えば、肯定的な治療応答は、疾患における以下の改善のうちの1つ以上を指す:(1)新生細胞の数の低減、(2)新生細胞死の増加、(3)新生細胞の生存の阻害、(5)腫瘍成長の阻害(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止)、(6)患者生存率の増加、および(7)疾患または状態に関連する1つ以上の症状からのいくらかの解放。
【0629】
任意の所与の疾患または状態における肯定的な治療応答は、その疾患または状態に特有の標準化された応答基準によって決定され得る。腫瘍応答は、磁気共鳴画像(MRI)スキャン、X線撮影、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、骨スキャン撮影、内視鏡検査、ならびに骨髄穿刺(BMA)および循環中の腫瘍細胞の計数を含む腫瘍生検サンプリングなどのスクリーニング技法を使用して、腫瘍形態(例えば、全身腫瘍組織量、腫瘍サイズなど)の変化について評価され得る。
【0630】
これらの肯定的な治療応答に加えて、治療を受けている対象は、疾患に関連する症状の改善の有益な効果を経験し得る。
【0631】
本発明に従う治療には、使用される医薬品の「治療有効量」が含まれる。「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するために、必要な投与量および期間で有効な量を指す。
【0632】
治療有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体において所望の応答を誘発する医薬品の能力などの要因によって異なり得る。治療有効量はまた、タンパク質またはタンパク質部分のいずれの毒性または有害な効果よりも治療上有益な効果が勝る量である。
【0633】
腫瘍療法のための「治療有効量」は、疾患の進行を安定化するその能力によっても測定することができる。癌を阻害する化合物の能力は、ヒト腫瘍における有効性を予測する動物モデル系において評価してもよい。
【0634】
あるいは、組成物のこの特性は、当業者に知られているインビトロアッセイによって、化合物が細胞成長を阻害するか、またはアポトーシスを誘導する能力を検査することによって評価してもよい。治療有効量の治療用化合物は、腫瘍サイズを減少させるか、さもなければ対象の症状を軽減し得る。当業者であれば、対象のサイズ、対象の症状の重症度、および選択される特定の組成物または投与経路などの要因に基づいて、そのような量を決定することができるであろう。
【0635】
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調節される。例えば、単回のボーラスを投与してもよく、いくつかの分割用量を経時的に投与してもよく、または治療状況の緊急性によって示されるように用量を比例して低減または増加させてもよい。非経口組成物は、投与の容易性および投与量の均一性のために、単位剤形で処方され得る。本明細書で使用される単位剤形は、治療される対象のための単一投与量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的担体に関連して所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。
【0636】
本発明の単位剤形形態の仕様は、(a)活性化合物の固有の特徴および達成すべき特定の治療効果、ならびに(b)個体における感受性の治療に対してそのような活性化合物を調合する分野に付いて回る制限に影響され、またそれらに直接的に依存する。
【0637】
本発明で使用されるヘテロ二量体タンパク質の効率的な投与量および投与計画は、治療される疾患または状態に依存し、当業者によって決定され得る。
【0638】
本発明で使用されるヘテロ二量体タンパク質の治療有効量の例示的な非限定的な範囲は、約0.1〜100mg/kgである。
【0639】
全ての引用文献は、本明細書にそれらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0640】
本発明の特定の実施形態を例示の目的で上に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載されるように本発明から逸脱することなく詳細の多数の変形をなし得ることが当業者には理解されよう。
【実施例】
【0641】
本発明を説明するために実施例を以下に提供する。これらの実施例は、本発明を任意の特定の用途または動作理論に限定することを意味するものではない。本発明で議論される全ての定常領域位置について、付番は、Kabat(Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.,United States Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda、参照により全体が組み込まれる)と同様のEUインデックスに従う。抗体の技術分野の当業者は、この規則が免疫グロブリン配列の特定の領域における非連続的な付番からなり、免疫グロブリンファミリーにおける保存された位置への標準的な基準を可能にすることを理解するであろう。したがって、EUインデックスによって定義されるような任意の所与の免疫グロブリンの位置は、必ずしもその連続配列に対応しない。
【0642】
一般的および具体的な科学技術は、米国特許出願公開第2015/0307629号、第2014/0288275号、およびWO2014/145806に概説されており、それらの全ては、特にその中に概説されている技術に関して、それらの全体において参照により明示的に組み込まれる。
【0643】
XIV.実施例1:IL−15/IL−15Rα(スシ)Fc融合タンパク質
IL−15/IL−15Rαヘテロ二量体の短い半減期に対処するために、生成の促進および複合体のFcRn媒介リサイクルの促進および半減期の延長を目的として、Fc融合体としてIL−15/IL−15Rα(スシ)複合体(以下、IL−15/Rα−Fc融合体と呼ばれる)を生成した。
【0644】
A.1A:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の操作
IL−15またはIL−15Rαスシドメインをコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナー(例えば、
図8A〜8Dに示される定常領域)を含むpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質フォーマットの漫画の概略図を
図9A〜9Gに示す。
【0645】
IL−15Rαヘテロ二量体Fc融合体または「IL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマットは、ヘテロ二量体Fcの一方の側に組み換え的に融合されたIL−15、およびヘテロ二量体Fcの他方の側に組み換え的に融合されたIL−15Rαスシドメインを含む(
図9A)。IL−15およびIL−15Rαは、それらのそれぞれの、Fc領域のC末端とN末端との間に可変長リンカー(
図7を参照されたい)を有し得る。このフォーマットの例示的なタンパク質は、XENP20818およびXENP21475を含み、それらの配列を
図10に示す(表2も参照されたい)。XENP20819、XENP21471、XENP21472、XENP21473、XENP21474、XENP21476、XENP21477を含む、このフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、それぞれWO2018/071919の
図104A〜104Dに、それぞれ配列番号418〜423、424〜429、430〜435、436〜441、442〜447、454〜459、および460〜465として示されている。
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0646】
一本鎖IL−15/Rα−Fc融合体または「scIL−15/Rα−Fc」フォーマットは、可変長リンカーによってIL−15に融合しているIL−15Rαスシドメインを含み(「一本鎖」IL−15/IL−15Rα複合体または「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでヘテロ二量体Fc領域のN末端に融合され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」ヘテロ二量体Fcである(
図9B)。例示的なリンカーの配列を
図7に示す。このフォーマットの例示的なタンパク質はXENP21478であり、その配列は
図11に示されている(表3も参照されたい)。XENP21993、XENP21994、XENP21995、XENP23174、XENP24477、およびXENP24480を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、それぞれWO2018/071919の
図104G、104H、104AG、104AU、および104AVに、それぞれ配列番号514〜518、519〜523、524〜528、849〜853、1063〜1067、および1078〜1082として示されている。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0647】
非共有結合のIL−15/Rα−Fc融合体または「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットは、ヘテロ二量体Fc領域に融合しているIL−15Rαスシドメインを含むが、一方で、IL−15は、別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/IL−15Rα複合体が形成され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」ヘテロ二量体Fcである(
図9C)。このフォーマットの例示的なタンパク質には、XENP22634、XENP22635、およびXENP22636が含まれ、それらの配列は
図12A〜12Bに示されている。
【0648】
二価非共有結合のIL−15/Rα−Fc融合体または「二価ncIL−15/Rα−Fc」フォーマット(
図9D)はホモ二量体Fc領域のN末端に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み、一方、IL−15は別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成される。このフォーマットの例示的なタンパク質はXENP21978であり、その配列は
図13に示されている。XENP21979を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Eに、配列番号480〜483として示されている。
【0649】
二価一本鎖IL−15/Rα−Fc融合体または「二価scIL−15/Rα−Fc」フォーマット(
図9E)は、可変長リンカーによってIL−15Rα(スシ)に融合されたIL−15を含み(「一本鎖」IL−15/IL−15Rα(スシ)複合体または「scIL−15/Rα」と呼ばれる)、これは次いでホモ二量体Fc領域のN末端に融合される。例示的なリンカーの配列を
図7に示す。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図14に示す。
【0650】
Fc非共有結合のIL−15/Rα融合体または「Fc−ncIL−15/Rα」フォーマット(
図9E)はヘテロ二量体Fc領域のC末端に融合されたIL−15Rα(スシ)を含み、一方、IL−15は別々にトランスフェクトされて非共有結合のIL−15/Rα複合体が形成され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。このフォーマットの例示的なタンパク質はXENP22637であり、その配列は
図15に示されている。XENP22638を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Tに、配列番号668〜672として示されている。
【0651】
Fc−一本鎖IL−15/Rα融合体または「Fc−scIL−15/Rα」フォーマット(
図9G)は、可変長リンカーによってIL−15Rα(スシ)に融合されたIL−15を含み(「scIL−15/Rα」)、これは次いでヘテロ二量体Fc領域のC末端に融合され、分子の反対側は「Fcのみ」または「空のFc」である。例示的なリンカーの配列を
図7に示す。このフォーマットの例示的なタンパク質の配列を
図16に示す。
【0652】
タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって生成され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5および1M NaClを含む50mM Tris pH8.5の5〜40%勾配を有するHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製した。
【0653】
B.1B:純度および均質性についてのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の特徴付け
上に記載されるようないくつかのフォーマットで生成されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、以下に一般的に記載されるように、純度および均質性についてサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)およびキャピラリー等電点電気泳動(CEF)によって特徴付けした。
【0654】
タンパク質をSECを用いて分析して、それらのサイズ(すなわち流体力学的容積)を測定し、精製された試料の非変性の挙動を決定した。分析は、Agilent 1200高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムで実施した。4℃で25分間、移動相として1×PBS、pH7.4を1.0mL/分で用いて、280nMのUV検出波長で、Superdex(商標)200 10/300GLカラム(GE Healthcare Life Sciences)に試料を注入した。Agilent OpenLabクロマトグラフィーデータシステム(CDS)ChemStation Edition AICバージョンC.01.07を使用して分析を行った。選択したIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のクロマトグラムを
図17B、18B、および19Bに示す。
【0655】
製造者の使用説明書を使用して実施したProtein Express Assay LabChipおよびProtein Express Assay Reagent Kitを使用するLabChip GXII Touch HT(PerkinElmer、Waltham,Mass)を使用するCEFによってタンパク質を電気泳動的に分析した。試料は、一方を還元下(ジチオトレイトールを用いて)、および他方を非還元条件下で二重に試験した。選択したIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のゲル画像を
図17C、18C、および19Cに示す。
【0656】
融合タンパク質の各々について、ピークの対称性および他の種の比較的少ない集団は、様々なフォーマットがロバストであったことを示す。
【0657】
C.1C:親和性および安定性についてのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の分析
IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の親和性スクリーニングは、Octet、BioLayer Interferometry(BLI)に基づく方法を用いて行った。Octetの実験ステップは、一般的に以下を含んでいた:固定化(バイオセンサー上へのリガンドまたは試験物質の捕捉)、会合(対応する試験物質またはリガンドの連続希釈物を含むウェルへのリガンドまたは試験物質をコーティングしたバイオセンサーの浸漬)、試験物質の親和性を決定するための解離(緩衝液を含むウェルにバイオセンサーを戻すこと)。緩衝液のみを含む基準ウェルもまた、データ処理中のバックグラウンド補正のための方法に含まれた。特に、抗ヒトFc(AHC)バイオセンサーを使用して試験物質を捕捉し、次いでKD決定のために複数濃度のIL−2Rβ(R&D Systems、Minneapolis,Minn.)に浸漬した。親和性の結果および対応するセンサーグラムを
図17D、18D、および19Dに示す。3つの構築物の各々は、IL−1Rβに対して高い親和性結合(3〜8nM)を示した。
【0658】
IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の安定性を、示差走査蛍光光度法(DSF)を用いて評価した。DSF実験は、Bio−Rad CFX Connect Real−Time PCR Detection Systemを用いて行った。タンパク質をSYPROオレンジ蛍光色素と混合し、PBSで0.2mg/mLに希釈した。SYPROオレンジの最終濃度は10倍であった。25℃で最初の10分間のインキュベーション期間の後、タンパク質を1℃/分の加熱速度で25〜95℃に加熱した溶融温度(Tm)は機器のソフトウェアを用いて計算した。安定性の結果および対応する融解曲線を
図17E、18E、および19Eに示す。構築物の各々は、Tmが約68℃で良好な全体的な安定性を示した。
【0659】
D.1D:細胞増殖アッセイにおけるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の活性
上に記載されるような様々なフォーマットのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、細胞増殖アッセイで試験した。ヒトPBMCを示された濃度で試験物質を用いて処理した。処理の4日後、PBMCを抗CD8−FITC(RPA−T8)、抗CD4−PerCP/Cy5.5(OKT4)、抗CD27−PE(M−T271)、抗CD56−BV421(5.1H11)、抗CD16−BV421(3G8)、および抗CD45RA−BV605(Hi100)で染色し、以下の細胞型についてゲーティングした:CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびNK細胞(CD56+/CD16+)。Ki67は細胞増殖と厳密に関連するタンパク質であり、細胞内Ki67についての染色は抗Ki67−APC(Ki−67)およびFoxp3/転写因子染色緩衝液セット(Thermo Fisher Scientific、Waltham,Mass)を使用して行った。上述の細胞型に対するKi67の割合は、FACSを使用して測定した(
図20A〜20Cおよび
図21A〜21Cに示す)。
【0660】
様々なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、CD8+T細胞およびNK細胞の強い増殖を誘導した。特に、増殖活性の差異は、IL−15−Fc側のリンカーの長さに依存していた。特に、XENP21471、XENP21474、およびXENP21475を含む、リンカーを有さない(ヒンジのみ)構築物は、より弱い増殖活性を示した。
【0661】
E.1E:SEB刺激PBMCアッセイにおけるIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の活性
上に記載されるように、IL−15/Rαヘテロ二量体はT細胞を強力に活性化することができる。上述に記載されるような様々なフォーマットのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、SEB刺激PBMCアッセイで試験した。ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)は、T細胞受容体(TCR)を介した活性化によって達成されるのと同様にT細胞の活性化および増殖を引き起こす超抗原である。SEBを用いたヒトPBMCの刺激は、T細胞活性化および増殖をアッセイするための一般的な方法である。
【0662】
複数のドナーからのヒトPBMCを、20μg/mLの様々なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質または対照(PBS、アイソタイプ対照、および二価抗PD−1抗体)と組み合わせて10ng/mLのSEBで72時間刺激した。処理後、上清を回収してIL−2についてアッセイし、そのデータを
図22に示す。データは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質が、PBSおよびアイソタイプ対照よりもIL−2分泌を増強したことを明らかに示す。特に、いくつかのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、抗PD−1抗体と同等またはそれ以上の活性を有する。
【0663】
F.1F:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトPBMCを移植NSGマウスにおける生着および疾患活動性を増強する。
IL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP20818を、雌のNSG(NOD−SCID−ガンマ)免疫不全マウスにおいて実施された移植片対宿主病(GVHD)モデルにおいて評価した。NSGマウスにヒトPBMCを注射したとき、ヒトPBMCはマウス細胞に対して自己免疫応答を引き起こす。ヒトPBMC、続いてIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を注射したNSGマウスの処置は、移植されたT細胞の増殖を増強する。
【0664】
1000万のヒトPBMCを、0日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いてXENP20818(1日目に1mg/kg、次いでその後は毎週)および組換えIL−15(Biolegend、1日目に0.17mg/kg、次いでその後は毎週)を投与した。生存曲線を
図23に示す。データは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を投与されたマウスが、組換えIL−15を投与されたマウス(14日目まで全て生存)と比較して急速な罹患率および死亡率(10日目までに全て死亡)を実証したことを示す。これはおそらくIL−15/Rα−Fc融合タンパク質で予測された、より長い半減期によるものである。
【0665】
別の実験では、0日目にIV−OSPを介して1000万のヒトPBMCをNSGマウスに移植し、続いて1日目にXENP20818(1mg/kg、0.3mg/kg、0.1mg/kg、または0.03mg/kg、次いでその後毎週)またはPBSを投与した。マウスにPBMCを移植しなかった対照群を含めて、野生型NSGマウスに対するXENP20818の効果を調べた。血液を7日目に採取して、IFNγを測定し、そのデータを
図24に示し、CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびCD45+細胞の数を測定し、そのデータを
図25A〜25Cに示す。データはXENP20818に対する明らかな用量応答を示す。
【0666】
XV.実施例2:操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rα−Fcヘテロ二量体融合タンパク質
IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の安定性をさらに向上させ、半減期を延長させるために、IL−15/Rα界面においてジスルフィド結合を操作した。
【0667】
A.2A:操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rαヘテロ二量体の操作および特徴付け
IL−15/Rα複合体の結晶構造を調べることによって、ならびにMolecular Operating Environment(MOE、Chemical ComputingGroup、Montreal,Quebec,Canada)ソフトウェアを用いてモデリングすることによって、
図26に示されるように、IL−15/Rα界面の残基が共有ジスルフィド結合を形成するためにシステインで置換され得ることを予測した。
【0668】
IL−15またはIL−15Rα(スシ)をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。IL−15Rα(スシ)鎖は、C末端ポリヒスチジンタグを含んでいた。上に記載されるように同定された残基を、標準的な変異導入技術によってシステインで置換した。さらに、IL−15Rαのスシドメインに続く3個までのアミノ酸を、操作するシステインの足場としてIL−15Rα(スシ)のC末端に付加した(その例示的な配列を
図27に示す)。システインで操作された例示的なIL−15およびIL−15Rα(スシ)バリアントの配列を、それぞれ
図28および29、ならびに配列表に示す。
【0669】
操作されたジスルフィドを有するかまたは有さないIL−15/Rαヘテロ二量体の漫画の概略図を
図30A〜30Cに示す。
【0670】
例示的なncIL−15/Rαヘテロ二量体XENP21996の配列を
図31に示す。例示的なdsIL−15/Rαヘテロ二量体XENP22004、XENP22005、XENP22006、XENP22008、およびXENP22494の配列を
図32に示す。例示的なscIL−15/Rαヘテロ二量体XENP22049の配列を
図33に示す。
【0671】
C末端に追加の残基を有するが操作されたシステインを有さない「野生型」IL−15/Rαヘテロ二量体を対照として生成した。XENP22001、XENP22002、およびXENP22003を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、それぞれWO2018/071919の
図104Hおよび104Iに、それぞれ配列番号531〜532、533〜534、および535〜536として示されている。
【0672】
タンパク質をHEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって生成し、Ni−NTAクロマトグラフィーによって精製した。
【0673】
概して実施例1Bに記載されるように、タンパク質が精製された後、それらを純度および均質性についてキャピラリー等電点電気泳動(CEF)によって特徴付け、そのゲル画像を
図34〜35に示す。次いで、概して実施例1Cに記載されるように、DSFを用いてタンパク質を安定性についてスクリーニングし、そのデータを
図36〜38に示す。最後に、概して実施例1Cに記載されるように、Octetによりタンパク質をIL−2Rβに対する結合についてスクリーニングし、そのデータを
図38に示す。
【0674】
変性非還元CEFによって示されるように、多くのジスルフィド結合が正しく形成され、ここで、操作されたジスルフィド結合を含まない対照と比較したとき、共有結合複合体のより大きい分子量が観察され得る(
図34〜35)。ジスルフィド結合しているIL−15/Rαヘテロ二量体は、+13℃までの高い熱安定性を有した(
図38)。IL−2Rβに対する結合は、操作されたジスルフィド結合を含むことによって影響されなかった(
図38)。好ましいジスルフィド結合対は、XENP22005、XENP22006、XENP22008、およびXENP22494であり、以下に記載されるようにFc融合タンパク質として構築した。
【0675】
B.2B:操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の特徴付け
上に記載される変異を有する、IL−15またはIL−15Rαスシドメインをコードするプラスミドを、Fc融合パートナー(例えば、
図8に示される定常領域)を含むpTT5発現ベクターへとサブクローニングした。操作されたジスルフィド結合を有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の漫画の概略図を
図39A〜39Dに示す。
【0676】
ジスルフィド結合したIL−15ヘテロ二量体Fc融合体または「dsIL−15/Rα−ヘテロFc」)(
図39A)は、「IL−15/Rα−ヘテロFc」と同じであるが、IL−15Rα(スシ)およびIL−15は、操作されたシステインの結果としてさらに共有結合的に連結されている。このフォーマットの例示的なタンパク質は、XENP22013、XENP22014、XENP22015、およびXENP22017を含み、それらの配列を
図40A〜40Bに示す。
【0677】
ジスルフィド結合したIL−15/RαFc融合体または「dsIL−15/Rα−Fc」(
図39B)は、「ncIL−15/Rα−Fc」と同じであるが、IL−15Rα(スシ)およびIL−15は、操作されたシステインの結果としてさらに共有結合的に連結されている。このフォーマットの例示的なタンパク質は、XENP22357、XENP22358、XENP22359、XENP22684、およびXENP22361を含み、それらの配列を
図41A〜41Bに示す。XENP22360、XENP22362、XENP22363、XENP22364、XENP22365、XENP22366を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、それぞれWO2018/071919の
図104O、104P、104Q、および104Rに、それぞれ配列番号612〜616、622〜626、627〜631、632〜636、637〜641、および642〜646として示されている。
【0678】
二価ジスルフィド結合したIL−15/Rα−Fcまたは「二価dsIL−15/Rα−Fc」(
図39C)は、「二価ncIL−15/Rα−Fc」と同じであるが、操作されたシステインの結果としてIL−15Rα(スシ)およびIL−15は、さらに共有結合的に連結されている。このフォーマットの例示的なタンパク質は、XENP22634、XENP22635、およびXENP22636を含み、それらの配列を
図42に示す。XENP22687を含むこのフォーマットの追加のタンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Vに、配列番号685〜688としてである。
【0679】
Fc−ジスルフィド結合したIL−15/Rα融合体または「Fc−dsIL−15/Rα」(
図39D)は、「Fc−ncIL−15/Rα」と同じであるが、操作されたシステインの結果としてIL−15Rα(スシ)およびIL−15は、さらに共有結合的に連結されている。を
図43を示すこのフォーマットの例示的なタンパク質は、XENP22639およびXENP22640を含み、それらの配列を
図43に示す。
【0680】
C末端に追加の残基を有するが操作されたシステインを有さない「野生型」IL−15/Rα−Fc融合タンパク質を対照として生成した。XENP21988、XENP21989、XENP21990、XENP21991、XENP21992、XENP22354、およびXENP22355を含むこれらの対照IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104F、104G、104L、および104Mに、それぞれ配列番号484〜489、490〜495、496〜501、502〜507、508〜513、582〜586、および587〜591として示されている。
【0681】
タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって生成され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5および1M NaClを含む50mM Tris pH8.5の5〜40%勾配を有するHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製した。
【0682】
概して実施例1Bに記載されるように、タンパク質が精製された後、それらを純度および均質性についてキャピラリー等電点電気泳動(CEF)によって特徴付けた。上述のように、変性非還元CEFによって示されるように、多くのジスルフィド結合が正しく形成され、ここで、操作されたジスルフィド結合を含まない対照と比較したとき、共有結合複合体のより大きい分子量が観察され得る(
図44)。
【0683】
次いで、タンパク質を細胞増殖アッセイで試験した。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作されたジスルフィド結合を有するかまたは有さない)または対照をPBMCと共に4日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD4−PerCP/Cy5.5(RPA−T4)、抗CD8−FITC(RPA−T8)、抗CD45RA−BV510(HI100)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD56−BV421(HCD56)、抗CD27−PE(O323)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるNK細胞、CD4+T細胞、およびCD8+T細胞の増殖を
図45A〜45Cに示す。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質およびIL−15対照の各々が、NK細胞、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の強い増殖を誘導した。
【0684】
XVI.実施例3:より低い効力ならびにPKおよび半減期の増加のために操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質
PKをさらに改善しそして半減期を延長するために、IL−15の効力を減少させることが抗原シンクを減少させ、それによって、半減期を増加させるであろうと推論した。
【0685】
A.3A:バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の操作および生成
IL−15:IL−2RβおよびIL−15:共通ガンマ鎖の界面の結晶構造を調べることによって、ならびにMOEソフトウェアを用いてモデリングすることによって、効力を低減させるために置換され得るこれらの界面の残基を予測した。
図46は、(免疫原性のリスクを低減するために)等配電子置換を操作した予測された残基の位置を示すIL−15:受容体複合体の構造モデルを示す。低減された効力のために操作された例示的なIL−15バリアントの配列を
図47A〜47Cに示す。
【0686】
IL−15またはIL−15Rα(スシ)をコードするプラスミドを、標準的な遺伝子合成、続いてFc融合パートナー(例えば、
図8A〜8Dに示される定常領域)を含むpTT5発現ベクターへのサブクローニングによって構築した。上に記載されるように同定された置換を、標準的な変異導入技術によって組み込んだ。
【0687】
低減された効力のために操作された「IL−15/Rα−ヘテロFc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図48A〜48Hに示し、XENP22815、XENP22817、XENP22818、XENP22823、XENP22824、XENP22825、XENP22826、XENP22827、XENP22828、XENP22830、XENP22831、XENP22832、XENP22833、XENP23555、XENP23559、XENP23560、XENP24017、XENP24020、XENP24043、およびXENP24048を含む追加の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104Z、104AA、104AC、104AD、104AE、104AF、104AJ、104AK、104AM、104AN、および104AOに、それぞれ配列番号729〜734、741〜746、747〜752、777〜782、783〜788、789〜794、795〜800、801〜806、807〜812、819〜824、825〜830、831〜836、837〜842、887〜892、899〜904、905〜910、937〜942、955〜960、961〜966、および979〜984として示されている。
【0688】
低減された効力のために操作された「scIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図49A〜49Dに示し、XENP24013、XENP24014、およびXENP24016を含む追加の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104AKおよび104ALに、それぞれ配列番号914〜921、922〜926、および932〜936として示されている。
【0689】
低下した効力のために操作された「ncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図50A〜50Bに示す。低下した効力のために操作された例示的なncIL−15/Rαヘテロ二量体の配列を
図51に示し、XENP22791、XENP22792、XENP22793、XENP22794、XENP22795、XENP22796、XENP22803、XENP22804、XENP22805、XENP22806、XENP2209XENP2209XENP2209XENP22807、XENP22811、XENP22812、XENP22813、およびXENP22814を含む追加の配列は、参照により本明細書に組み込まれる、WO2018/071919の
図104V、104W、104X、104Y、および104Zに、それぞれ配列番号689〜690、691〜692、693〜694、695〜696、697〜698、699〜700、705〜706、707〜708、709〜710、711〜712、713〜714、715〜716、717〜718、719〜720、721〜722、723〜724、725〜726、および727〜728として示されている。
【0690】
低下した効力のために操作された「二価のncIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図52に示す。低下した効力のために操作された「dsIL−15/Rα−Fc」フォーマットの例示的なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の配列を
図53に示す。
【0691】
タンパク質は、HEK293E細胞における一過性トランスフェクションによって生成され、プロテインAクロマトグラフィー(GE Healthcare)および陰イオン交換クロマトグラフィー(50mM Tris pH8.5および1M NaClを含む50mM Tris pH8.5の5〜40%勾配を有するHiTrapQ 5mLカラム)を含む二段階精製プロセスによって精製した。
【0692】
B.3B:効力の減少のために操作されたバリアントIL−15/Rα−ヘテロFcおよびscIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のインビトロ活性
バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をいくつかの細胞増殖アッセイで試験した。
【0693】
最初の細胞増殖アッセイでは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作された置換ありまたはなし)または対照をPBMCと共に4日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD4−Evolve605(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD56−eFluor450(TULY56)、抗CD3−FITC(OKT3)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるNK細胞、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の増殖を
図54A〜54Cおよび
図55に示す。ほとんどのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は各細胞集団の増殖を誘導したが、しかしながら、活性は特定の操作された置換に応じて変化した。
【0694】
第2の細胞増殖アッセイでは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質(操作された置換ありまたはなし)をPBMCと共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4−Evolve604(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD56−CD56−eFluor450(TULY56)、抗CD27−PE(O323)、抗CD45RA−APC/Cy7(Hl100)、および抗Ki67−APC(20Raj1)抗体で染色して様々な細胞集団をマークした。
図56A〜56Cおよび57A〜57Cは、FACSによってXENP22821と共にインキュベーションした後の様々な細胞集団の選択を示す。リンパ球を最初に側方散乱(SSC)および前方散乱(FSC)に基づいてゲーティングした(
図56A)。次に、リンパ球をCD3発現に基づいてゲーティングした(
図56B)。CD3発現について陰性の細胞を、CD16発現に基づいてさらにゲーティングして、NK細胞(CD16+)を同定した(
図56C)。CD4+T細胞、CD8+T細胞、およびγδT細胞(CD3+CD4−CD8−)を同定するために、CD3+T細胞をCD4およびCD8発現に基づいてさらにゲーティングした(
図57A)。
図57B〜Cにそれぞれ示すように、CD4+およびCD8+T細胞をCD45RA発現についてゲートした。最後に、様々な細胞集団の増殖を、Ki67発現の割合に基づいて決定し、データを
図59A〜59Dに示す。NKおよびCD8+T細胞は、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質に対してCD4+T細胞よりも感受性であり、上述のように、増殖活性は特定の操作された置換に応じて変化した。
図59Dは、対照XENP20818に対する様々なIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のEC50の倍数変化を示す。
図58Aおよび58Bは、PBMCのXENP22821とのインキュベーション前後にCD69およびCD25(T細胞活性化マーカー)の発現についてゲーティングすることによる、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質による処理後のリンパ球の活性化をさらに示す。
【0695】
第3の実験において、追加のバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCと共に37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4−SB600(SK−3)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD25−PE(M−A251)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるCD8+(CD45RA−)T細胞、CD4+(CD45RA−)T細胞、γδT細胞、およびNK細胞の増殖を
図60A〜60Dに示す。
【0696】
第4の実験において、ヒトPBMCを示された濃度で追加のIL−15/Rα−Fcバリアントと共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4(SB600)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(RPA−T8)、抗CD16−eFluor450(CB16)、抗CD25−PE(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(Hl100)、および抗Ki67−APC(Ki67)で染色し、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。処理後のCD8+T細胞、CD4+T細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図61A〜61Cに示す。
【0697】
第5の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCと共に37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8α−BV510(SK1)、抗CD8β−APC(2ST8.5H7)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD56−BV605(NCAM16.2)、および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図62A〜62Eに示す。
【0698】
第6の実験において、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質をヒトPBMCと共に37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8α−BV510(SK1)、抗CD8β−APC(SIDI8BEE)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)、抗CD56−BV605(NCAM16.2)、および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK細胞に対するKi67の割合を
図63A〜63Eに示す。
【0699】
C.3C:IL−15およびIL−15Rαの間に異なるリンカー長を有する、減少された効力のために操作されたバリアントscIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のインビトロ活性
上に記載される置換のうちのいくつかを有し、さらにIL−15およびIL−15Rαの間に異なる長さのリンカーを有するIL−15/Rα−Fc融合タンパク質(表4に示される)を、示された濃度でヒトPBMCと共に37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−APC(RPA−T8)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK(CD16+)細胞に対するKi67の割合を
図64A〜Dに示す。データは、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21479がCD8+T細胞、CD4+T細胞、NK(CD16+)細胞、およびγδT細胞の増殖の最も強力な誘導因子であることを示す。scIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の各々は、増殖を誘導することにおいてXENP21479よりも効力が弱かったが、差異はリンカーの長さ、ならびに特定の操作された置換の両方に依存していた。
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
D.3D:さらなるフォーマットの減少された効力のために操作されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のインビトロ活性
異なるフォーマットのバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質(表5に示される)を、示された濃度でヒトPBMCと共に37℃で3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−APC(RPA−T8)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD25−PerCP/Cy5.5(M−A251)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。CD8+T細胞、CD4+T細胞、γδT細胞、およびNK(CD16+)細胞に対するKi67の割合を、それぞれ
図65A〜65Dに示す。上述のように、データは、ncIL−15/Rα−Fc融合タンパク質XENP21479がCD8+T細胞、CD4+T細胞、NK(CD16+)細胞、およびγδT細胞の増殖の最も強力な誘導因子であることを示している。特に、ncIL−15/Rα−Fcフォーマット(XENP24349)へのQ108E置換の導入は、野生型(XENP21479)と比較してその増殖活性を劇的に低減させる。
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0701】
E.3E:バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質によるSTAT5リン酸化
IL−15およびIL−15Rαのトランス提示は、STAT5のリン酸化およびそれに続くNK細胞およびT細胞(CD4+およびCD8+)の増殖を促進する。したがって、CD8+およびCD4+T細胞を、示されたIL−15/Rα−Fc試験試料と共に15分間インキュベートした後、STAT5リン酸化について分析した。PBMCを、抗CD4−BV421(RPA−T4)および抗CD8−A700(SK1)で、室温で30〜45分間染色した。細胞を洗浄し、予め冷却した(−20℃)90%メタノールと共に20〜60分間インキュベートした。メタノールと共にインキュベートした後、細胞を再度洗浄し、抗CD45RA−BV510(HI100)、抗CD27−BV605(L128)、抗CD25−PE(M A251)、抗pSTAT5−Alexa647(pY687)、および抗FoxP3−Alexa488(259D)で染色し、様々な細胞集団およびSTAT5リン酸化をマークした。
図66A〜66Dは、XENP22821と共にインキュベートした後の様々な細胞集団の選択を示す。リンパ球を最初にSSCおよびFSCに基づいてゲーティングした(
図66A)。次いで、リンパ球をCD4およびCD8発現に基づいてゲーティングして、CD4+およびCD8+T細胞を同定した(
図66B)。次いで、CD4+およびCD8+T細胞をさらにCD45RAおよびCD27の発現に基づいてゲーティングして、それぞれ
図66C〜66Dに示されるさらなる亜集団を同定した。最後に、様々な細胞集団におけるSTAT5のリン酸化を判定し、データを
図67A〜67Cに示す。T細胞におけるSTAT5リン酸化は用量依存的に誘導され、また特定の操作された置換に応じて変動した。
図67Cは、対照に対するバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のSTAT5リン酸化についてのEC50の倍数変化を示す。
【0702】
別の実験では、B6マウスからの脾臓細胞を、示された濃度で試験物質と共に15分間インキュベートした。インキュベーション後、脾臓細胞を抗CD44−BV605(IM7)で染色した。細胞を洗浄し、予め冷却した(−20℃)90%メタノールと共に20〜60分間インキュベートした。メタノールインキュベーション後、細胞を再度洗浄し、抗CD3−BV421(145−2C11)、抗CD4−PE(GK1.5)、抗CD8−FITC(53−6.7)、および抗pSTAT5−Alexa647(pY694)で、室温で30から45分間染色して、様々な細胞集団およびSTAT5リン酸化をマークした。マウスCD8+CD45RA−およびCD4+CD45RA−でのSTAT5リン酸化を示すAlexa647 MFIを
図68A〜68Bに示す。
【0703】
F.3F:低下した効力のために操作されたバリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質のPK
低減された効力のために操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が半減期およびPKを改善したかどうかを調べるために、C57BL/6マウスにおけるPK研究においてこれらのバリアントを調べた。0日目に、2コホートのマウス(1コホートあたり試験物質あたり5匹のマウス)にIV−TVによって0.1mg/kgの示された試験物質を投与した。投与の60分後に、次いで、コホート1では2、4、および7日目、ならびにコホート2では1、3、および8日目に血清を採取した。IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の血清レベルを、サンドイッチELISAにおいて抗IL−15および抗IL−15Rα抗体を用いて決定した。結果を
図69に示す。
図70は、試験物質のヒトNK細胞の効力および半減期の間の相関関係を示す。
図71は、試験物質のマウスSTAT5シグナル伝達効力および半減期の間の相関関係を示す。
【0704】
予想通り、効力が低減したバリアントは実質的により長い半減期を示した。特に、半減期は、野生型対照XENP20818の0.5日と比較して、約9日まで改善された(XENP22821およびXENP22822を参照されたい)。
【0705】
G.3G:効力が低減したIL−15/Rα−Fc融合タンパク質がリンパ球の拡大を促進する
C57BL/6アルビノマウスでのさらなる実験では、示された濃度で示された試験物質を動物に投与した(グループあたり5匹のマウス)。マウスを採血し、8日目に屠殺して、試験物質の血清濃度(
図146A〜146D)および脾臓におけるCD8+T細胞数(
図73)を評価した。
【0706】
データは、XENP22818およびXENP22829などの効力が低減したバリアントがより大きなリンパ球の拡大を促進することを示す。しかしながら、効力の過度の低減(XENP22821で見られるような)は、リンパ球の拡大の増強を無効にする。
【0707】
H.3H:バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、ヒトPBMC移植NSGマウスにおける生着および疾患活動性を増強する
バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を、概して実施例1Fに記載されているように、雌のNSG免疫不全マウスにおいて実施されたGVHDモデルにおいて評価した。
【0708】
最初の研究では、1000万個のヒトPBMCを、0日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いて1日目に示された濃度でIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を投与した。CD45+の増殖は体重減少と相関し(
図74に示すように)、そのため、この研究における疾患活動性の指標としてCD45+細胞を4日目および8日目に測定した(
図75A〜75B)。データは、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の各々が、対照(PBS)と比較して、ヒトPBMC移植NSGマウスにおいてCD45+細胞の増殖を増強することを示す。
【0709】
別の研究では、1000万個のヒトPBMCを、0日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いて1日目に示された濃度でIL−15/Rα−Fc融合タンパク質を投与した。IFNγレベルならびにヒトNK細胞、CD45+リンパ球、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の数を、4、7、および11日目に測定した(
図76A〜76C、77A〜77C、78A〜78B、79A〜79B、および80A〜80B)。データは、バリアントIL−15/Rα−Fc融合タンパク質がIFNγ分泌およびヒトNK細胞およびT細胞の増殖を用量依存的に増強することを示す。特に、観察された活性は各バリアントのインビトロ効力と相関している。
【0710】
さらに別の研究では、1000万個のヒトPBMCを、−8日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いて0日目に示された濃度で示された試験物質を投与した。IFNγレベルならびにヒトNK細胞、CD45+リンパ球、CD8+T細胞、およびCD4+T細胞の数を、4、7、および11日目に測定した。
図81は、4、7、および11日目のマウス血清中のIFNγレベルを示す。
図82A〜82Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD8+T細胞数を示す。
図83A〜83Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD4+T細胞数を示す。
図84A〜84Cはそれぞれ、4、7、および11日目のCD45+細胞数を示す。マウスの体重もまた、4、7、および11日目に測定し、
図85A〜85Cに初期体重の割合として示した。
【0711】
I.3I:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はカニクイザルリンパ球を増殖させる
臨床開発を容易にするために、カニクイザルにおける薬力学、薬物動態、および毒性など、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の様々なパラメータを評価することが有用である。したがって、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質がカニクイザルリンパ球を増殖させることができたかどうかを調査した。カニクイザルPBMCを示された試験物質と共にインキュベートし、様々なリンパ球集団でのKi67の発現を評価し、そのデータを
図86に示す。
【0712】
J.3J:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質はカニクイザルにおいて活性である
カニクイザルに、XENP20818(n=3)、XENP22819(n=1)、XENP22821(n=3)、XENP22822(n=3)、XENP22834(n=3)、およびXENP23343(n=3)の単回静脈内(iv)用量を投与した。リンパ球数(
図87A〜87E、89A〜89E、91A〜91E、93A〜93E、95A〜95E、および97A〜97E)および増殖(
図88A〜88E、90A〜90E、92A〜92E、94A〜94E、96A〜96E、および98A〜98E)を、経時的に評価した。データは、6日目にピークに達し、その後に回復および正常化するXENP22821による処理後の、D56
+NK細胞(
図91A)、CD16
+NK細胞(
図91B)、γδ T細胞(
図91C)、CD8
+T細胞(CD45RA+)(
図91D)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図91E)、およびCD4
+T細胞(
図91F)における著しい変化を示す。最後に、
図92A〜92Eは、XENP22821による処理後の増殖活性を示す、CD56
+NK細胞(
図92A)、CD16
+NK細胞(
図92B)、CD8
+T細胞(CD45RA
+)(
図92C)、CD8+T細胞(CD45RA−)(
図92D)、およびCD4
+T細胞(
図92E)におけるKi67の著しい発現を示す。XENP20818、XENP22819、XENP22822、およびXENP23343による処理後に同様の増殖活性が観察され、本発明のほとんどのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質がカニクイザルにおいて活性であることを実証している。
【0713】
XVII.実施例4:Xtend Fcで操作されたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質
上に記載されるように減少された効力のために操作されたIL−15/Rα−Fcバリアントを、IL−15および/またはIL−15Rα(スシ)をコードするプラスミドを、M428L/N434S置換を有するFc融合パートナーを含むpTT5発現ベクター(
図8A〜8D、骨格11を参照されたい)へとサブクローニングすることによって、半減期をさらに増加させるためにXtend Fc(以下、「IL−15/Rα−XtendFc」融合タンパク質と呼ばれる)でさらに操作した。例示的なIL−15/Rα−XtendFcの配列を
図99A〜99C、100、101、および102に示す(表6も参照されたい)。
【表7】
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【0714】
A.4A:さらなるIL−15/Rα−Fcバリアントのインビトロ活性
1.4A(a):ヒトリンパ球の増殖
ヒトPBMCを示された濃度でIL−15/Rα−XtendFcバリアントと共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(OKT3)、抗CD4−PE(RPA−T4)、抗CD8−eFluor450(SK−1)、抗CD45RA−PE/Cy7(HI100)、抗CD16−PerCP/Cy5.5(3G8)、抗CD25−APC/Fire750(M−A251)、および抗Ki67−APC(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるような処理後のCD8+T細胞、CD4+T細胞、およびNK細胞の増殖を
図103A〜103Cに示す。
【0715】
別の実験では、ヒトPBMCを示された濃度で、XENP20818およびXENP24306で処理した。処理の3日後、最初にPBMCを抗CD3−PerCP/Cy5.5(OKT3)、抗CD4−BV786(RPA−T4)、抗CD8β−PE/Cy7(SIDI8BEE)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD56−BV605、および抗CD45RA−APC/Cy7(HI100)で染色した。細胞を再度洗浄し、eBioscience(商標)Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set(Thermo Fisher Scientific、Waltham,Mass.)を使用して、抗FoxP3−AF488(259D)および抗Ki67−APCで染色した。Ki67発現によって示されるような処理後のCD8+T細胞、CD4+T細胞、NK細胞、およびγδ T細胞の増殖を
図104A〜104Dに示す。
【0716】
2.4A(b):Ki67で示されるカニクイザルリンパ球の増殖
Xtendバリアントがカニクイザルにおける活性を調べるために選択されたため、カニクイザルT細胞を増殖させるそれらの能力を調べた。カニクイザルPBMCを示された濃度で選択された試験物質と共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(SP34)、抗CD4−PE/Cy7(OKT4)、抗CD8−APC(RPA−T8)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD25−BV421(M−A251)、および抗Ki67−PerCP/Cy5.5(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるような処理後のCD8+T細胞、CD4+T細胞、およびNK細胞の増殖を
図105A〜105Cに示す。さらに、実施例1Dに示されるデータと一致するように、ドメインリンカーなし(ヒンジのみ;すなわち、XENP24341)のIL−15/Rα−Fc親和性バリアントは、対応するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントよりもカニクイザルリンパ球の増殖においてより低い効力を示した。別の実験では、3匹の動物のカニクイザルPBMCを、示された濃度でXENP20818およびXMAb24306と共に4日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを抗CD3−FITC(SP34)、抗CD4−PE/Cy7(OKT4)、抗CD8α−PB(BW135)、抗CD8b−eF660(SIDI8BEE)、抗CD45RA−APC/H7(5H9)、抗CD16−BV605(3G8)、抗CD56−PerCP/Cy5.5(B159)、および抗Ki67−PerCP/Cy5.5(Ki−67)で染色して様々な細胞集団をマークし、概して実施例1Dに記載されるようにFACSによって分析した。Ki67発現によって示されるような処理後のCD8+CD8α+CD45RA−T細胞の増殖を
図106に示す。
【0717】
B.4B:GVHDモデルにおけるIL−15/Rα−XtendFcバリアントのインビボ活性
1000万個のヒトPBMCを、−7日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いて0日目に示された試験物質(0.3mg/kg)を投与した。全血を4日目および7日目に採取し、マウスを5〜8日目または11日目にそれらの脾臓のために屠殺して、FACSを使用してCD4+T細胞、CD8+T細胞、およびCD45+細胞の数を測定した。
図107A 107Cはそれぞれ、4日目および7日目の全血における、ならびに8日目の脾臓における、CD4+T細胞の数を示す。
図108A 108Cはそれぞれ、4日目および7日目の全血における、ならびに8日目の脾臓における、CD8+T細胞の数を示す。
図109A 109Cはそれぞれ、4日目および7日目の全血における、ならびに8日目の脾臓における、CD4+T細胞の数を示す。マウスの体重もまた、
図102A 102Fに示されるように、−8、−2、1、5、8、および11日目に測定した。各点は1匹の雌のNSGマウスを表す。
【0718】
C.4C:カニクイザルPBMCにおけるバリアントIL−15/Rα−XtendFc融合タンパク質のインビトロ活性
バリアントIL−15/Rα−XtendFc融合タンパク質がカニクイザルを増殖させる能力は、概して実施例3Iに記載されるように行った。特に、カニクイザルPBMCを示された試験物質と共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を、抗CD3 FITC(OKT3)、抗CD4−PE(RPA−T4)、抗CD8−Efluor450(SK−1)、抗CD15 PerCP/Cy5.5(3G8)、抗CD3 CD25−APC/Fire750(M−A251)、抗CD45RA−PE/Cy7(HI100)、および抗Ki67−APCで染色し、フローサイトメトリーによって評価した。Ki67を発現する様々なリンパ球集団の割合を示すデータを
図111A〜111Dに示す。
【0719】
D.4D:カニクイザルにおけるバリアントIL−15/Rα−XtendFc融合タンパク質のインビボ活性
サル(n=3)に示された試験物質の単回静脈内(i.v.)投用量を投与し(1日目)、血液を毎日採取した。血液中のCD8+T細胞、CD4+T細胞およびNK細胞の数を、
図112A〜112Cにそれぞれ示されるように経時的に評価した。各点は3匹のカニクイザルの平均である。データは、バリアントの各々が増殖性免疫細胞において活性であることを示し、これは本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質がヒトの癌の治療薬として有用であり得ることを示している。さらに、実施例1Dおよび4Aに示されるデータと一致して、ドメインリンカー(すなわち、XENP24113)を有するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントは、リンカーなし(ヒンジのみ、すなわち、XENP24341)の対応するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントと比較して、カニクイザルリンパ球の拡張された拡大を示した。試験物質の血清濃度も経時的に評価し、
図113に示されるように半減期を決定した。データは、XENP24306が最も延長されたT細胞薬理学を示すことを示す。XENP24113はまた、延長されたT細胞薬理学を示す。今後の研究では、XENP24113をより低い用量で評価するであろう。
【0720】
XVIII.実施例5:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、活性化されたT細胞の抗腫瘍活性を増強する
A.5A:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は活性化T細胞と優先的に結合する
免疫腫瘍学の文脈において、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が癌環境において活性化T細胞を選択的に標的とすることが重要である。これを調査するために、新鮮な活性化PBMCを使用して結合実験を行った。腫瘍環境で活性化リンパ球の代用として使用される活性化PBMCを、100ng/mLプレート結合抗CD3(OKT3)および1μg/ml抗IL−2で2日間、新鮮なPBMCを刺激することによって調製した。新鮮な活性化PBMCを、示されたAF647標識試験物質と共に氷上で1時間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを、抗CD3−PE/Cy7(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−PerCP/Cy5.5(SK1)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD45RA−PE−HI100で染色し、様々な細胞集団を同定した。AF647 MFIで示される様々な細胞集団への試験物質の結合は、
図114A〜114F(Xtendあり、およびドメインリンカーなしのIL−15/Rα−Fc親和性バリアント)、
図115A〜115F(Xtendおよびドメインリンカーを有するIL−15/Rα−Fc親和性バリアント)、および
図116A〜116F(Xtendを含む追加のフォーマットのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質)に示される。データは、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が活性化PBMCにおいてT細胞およびNK細胞と優先的に結合し、免疫腫瘍学におけるそれらの使用の適合性を示唆していることを示す。さらに、実施例1D、4A、および4Dに示されるデータと一致して、ドメインリンカーなし(ヒンジのみ;例えば、XENP24341)のIL−15/Rα−Fc親和性バリアントは、
図117を参照に示されるように、リンカー(例えば、XENP24113)を有する対応するIL−15/Rα−Fc親和性バリアントよりも様々なリンパ球集団へのより少ない結合を示した。
【0721】
B.5B:XmAb24306は活性化T細胞の抗腫瘍効果を増強する
製造業者の指示に従って、EasySep(商標)Human T Cell Enrichment Kit(STEMCELL Technologies、Vancouver,Canada)を使用して、T細胞をヒトPBMC(CMV+HLA−A0201)から精製した。精製されたT細胞を、CFSE標識化親MCF−7腫瘍細胞(この実施例ではグループ1と指定)またはCFSE標識化pp65発現MCF−7腫瘍細胞(この実施例ではグループ2と指定)を、20:1のE:T比で、示された試験物質と共に4日間インキュベートした。3日目に、ブレフェルジンA(BioLegend、San Diego,Calif.)および抗CD107a−PerCP/Cy5.5(LAMP−1)を細胞に添加した。インキュベーション後、細胞をZombie Aqua(商標)Fixable Viability Kit(BioLegend、SanDiego,Calif.)と共に室温で30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、抗CD4−APC/eFluor780(RPA−T4)、抗CD8b−PE/Cy7(SIDI8BEE)、抗CD25−PE(M−A251)、および抗CD69−BV605(FN50)で、氷上で1時間染色した。細胞を再度洗浄し、eBioscience(商標)Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set(Thermo Fisher Scientific、Waltham,Mass.)を使用して、抗IFNγ−BV421(4S.B3)および抗Ki67−APCで染色した。様々な細胞集団について、フローサイトメトリーにより細胞を分析した。標的細胞をCFSE染色に基づいて同定し、死亡標的細胞をZombie染色に基づいて同定した。エフェクター細胞(CFSE−)を、CD4およびCD8発現に基づいてゲーティングした。
【0722】
CD25およびCD69はT細胞活性化マーカーである。
図118Aおよび118Bは、それぞれ2つのグループのCD8+T細胞上のCD25発現(PE MFIで示される)を示し、
図119Aおよび119Bはそれぞれ、CD4+T細胞上のCD25発現を示す。
図120Aおよび120Bは、それぞれ2つのグループのCD8+T細胞上のCD69発現(BV605 MFIで示される)を示し、
図121A 121Bはそれぞれ、CD4+T細胞上のCD69発現を示す。
【0723】
Ki67は、タンパク質の増殖に厳密に関連するタンパク質である。
図122A〜122Bは、それぞれ2つのグループのCD8+T細胞上の細胞内IFNγ発現(BV421 MFIで示される)を示し、
図123A〜123Bは、それぞれCD4+T細胞上の細胞内IFNγ発現を示す。
図124A〜124Cは、それぞれグループ1のCD8+T細胞のKi−67+/IFNγ−、Ki−67+/IFNγ+、およびKi−67−/IFNγ+画分を示す。
図125A〜125Cは、それぞれグループ1のCD4+T細胞のKi−67+/IFNγ−、Ki−67+/IFNγ+、およびKi−67−/IFNγ+画分を示す。
図126A〜126Cは、それぞれグループ1のCD8+T細胞のKi−67+/IFNγ−、Ki−67+/IFNγ+、およびKi−67−/IFNγ+画分を示す。
図127A〜127Cは、それぞれグループ1のCD4+T細胞のKi−67+/IFNγ−、Ki−67+/IFNγ+、およびKi−67−/IFNγ+画分を示す。
【0724】
CD107aは、脱顆粒および細胞溶解活性のさらなる指標に関連している。
図128Aおよび128Bは、それぞれ2つのグループのCD8
+T細胞上のCD107a発現(PerCP/Cy5.5 MFIで示される)を示し、
図129A〜129Bはそれぞれ、CD4
+T細胞上のCD107a発現を示す。
【0725】
図130A〜130Bは、それぞれ2つのグループの残りの標的細胞(すなわち、親MCF−7腫瘍細胞またはpp65発現MCF−7腫瘍細胞)の数を示し、
図131A〜131Bは、死亡標的細胞の数を示す。
【0726】
全体として、データは、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が腫瘍細胞の殺傷を促進するだけでなく、融合タンパク質が活性化リンパ球を選択的に拡大し、腫瘍浸潤リンパ球に対する選択性の可能性を示していることを示す。特に、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質は、Ki67
+IFNγ
+である各集団の割合で示されるように、CD8+およびCD4+T細胞の増殖を優先的に誘導する。
【0727】
活性化T細胞の優先的増殖を確認する同様の実験で、ヒトPBMC(CMV+HLA−A0201)から精製されたT細胞を、抗HLA−A抗体(W6/32)ありまたはなしで、親またはpp65発現MCF−7腫瘍細胞と共に30:1のE:T比でインキュベートした(TCRを介したT細胞の活性化を低減/排除するため)。Ki67
+/IFNγ
+であるCD8
+T細胞の割合を示すデータを
図132に示す。残りの標的細胞(例えば、親MCF−7腫瘍細胞またはpp65発現MCF−7腫瘍細胞)の数を示すデータを
図133に示す。抗HLA−A抗体とのインキュベーションおよびその後のT細胞活性化の低減により、CD8
+Ki67
+IFNγ
+T細胞の割合が低下し、標的細胞の殺傷力が低下し、活性化リンパ球の選択的拡大がさらに示された。
【0728】
C.5C:XENP24113は活性化T細胞の抗腫瘍効果を増強する
製造業者の指示に従って、EasySep(商標)Human T Cell Enrichment Kit(STEMCELL Technologies、Vancouver,Canada)を使用して、T細胞をヒトPBMC(CMV+HLA−A0201)から精製した。精製されたT細胞を、20:1のE:T比でのCFSE標識化pp65発現MCF−7腫瘍細胞および示された試験物質と共に4日間インキュベートした。3日目に、ブレフェルジンA(BioLegend、San Diego,Calif.)および抗CD107a−PerCP/Cy5.5(LAMP−1)を細胞に添加した。インキュベーション後、細胞をZombie Aqua(商標)Fixable Viability Kit(BioLegend、SanDiego,Calif.)と共に室温で30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、抗CD4−APC/eFluor780(RPA−T4)、抗CD8b−PE/Cy7(SIDI8BEE)、抗CD25−PE(M−A251)、および抗CD69−BV605(FN50)で、氷上で1時間染色した。細胞を再度洗浄し、eBioscience(商標)Foxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set(Thermo Fisher Scientific、Waltham,Mass.)を使用して、抗IFNγ−BV421(4S.B3)および抗Ki67−APCで染色した。様々な細胞集団について、フローサイトメトリーにより細胞を分析した。標的細胞をCFSE染色に基づいて同定し、死亡標的細胞をZombie染色に基づいて同定した。エフェクター細胞(CFSE−)を、CD4およびCD8発現に基づいてゲーティングした。
【0729】
CD25およびCD69はT細胞活性化マーカーである。
図134Aおよび134Bは、それぞれCD8
+T細胞およびCD4
+T細胞上の(PE MFIで示されるような)CD25発現を示す。
図135Aおよび135Bは、それぞれCD8
+T細胞およびCD4
+T細胞上の(BV605 MFIで示されるような)CD69発現を示す。
【0730】
Ki67は、タンパク質の増殖に厳密に関連するタンパク質である。
図136Aおよび136Bは、それぞれCD8
+T細胞およびCD4
+T細胞における(APC MFIで示されるような)Ki67発現を示す。
図137Aおよび137Bは、それぞれCD8+T細胞およびCD4
+T細胞のKi−67
+/IFNγ
+画分を示す。
図138Aおよび138Bは、それぞれCD8+T細胞およびCD4
+T細胞のCD69
+/IFNγ
+画分を示す。
図139Aおよび139Bは、それぞれCD8+T細胞およびCD4
+T細胞のCD69
+/Ki−67
+画分を示す。
図140は残りの標的細胞(例えば、pp65発現MCF−7腫瘍細胞)の数を示し、
図141は死亡標的細胞の数を示す。
【0731】
実施例5Bと一致して、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の各々は、Ki67発現によって示されるように、CD4
+T細胞よりもCD8
+T細胞の増殖を優先的に誘導する。特に、CD69
+KI67
+およびCD69
+IFNγ
+画分の両方の増加は、pp65−MCF7標的殺傷と相関していた。したがって、活性化T細胞の増殖においてXmAb24306よりも高い効力を有するXENP24113も、標的殺傷においてより強力である。
【0732】
D.5D:IL−15/Rα−Fcはマウスにおいて抗腫瘍効果を増強する
実施例4Bに示される研究では、XmAb24306を含むいくつかの低効力バリアントは、GVHDを増強することに失敗した。Xtend置換(M428L/N434S)は、ヒトおよびカニクイザルのPKを増強するが、一方で、置換は実際にマウスにおいて曝露を減少させる。したがって、この実施例に示される研究では、XmAb24306の非Xtend類似体であるXENP24045を、マウスにおけるその抗腫瘍効果について評価した。
【0733】
NOD SCIDガンマ(NSG)マウス(1グループあたり10匹)に、−14日目に、背腹部に3×10
6個のpp65発現MCF−7細胞を皮内移植した。0日目に、マウスに、T細胞pp65反応性(または対照マウスのPBS)に対して陽性とスクリーニングされたHLA適合CMV
+ドナーからの5×10
6個のヒトPBMCを腹腔内移植した。マウスを示された試験物質またはPBS(対照マウス用)で4週間(合計4回用量)毎週処置した。腫瘍体積はキャリパー測定によりモニタリングし、そのデータを
図142Aおよび142Bに示す(初回投与後の日数)。
図143A〜143Dに示されるように、7、12、19、および26日目に血液を採取し、フローサイトメトリーによって分析して、様々なリンパ球集団を計数した。このモデルでは、XENP24045はPBMCのみと比較して腫瘍成長を著しく低減した。
【0734】
XIX.実施例6:Xtend−FcありまたはなしのIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の効力の低減は、カニクイザルにおける薬力学および薬物動態の両方を増強する
実施例3Jに示されるように、いくつかの効力が低減したIL−15/Rα−Fcバリアント、ならびにXENP22821のXtend類似体であるXENP23343は、カニクイザルにおいて活性であった。
【0735】
経時的な試験物質の血清濃度および半減期を
図144に示す。データは、効力がカニクイザルにおける曝露と逆相関し、最も長い半減期を有する不活性IL−15/Rα−Fc融合バリアントXENP22834であることを示す。これは、実施例3Fに示されるマウスのデータと一致している。特に、XENP22821の1倍および3倍の用量でのCmax正規化血清濃度(
図145に示される)で示されるように、用量の増加はPKへの最小の影響を有する。さらに、Xtend置換は、XENP23343の半減期によって示されるように、曝露を著しく改善する。
【0736】
さらに、
図87A〜87E、91A〜91E、および97A〜97Eに示されるように、XENP20818、XENP22821、およびXENP23343による処置後のカニクイザルにおけるリンパ球数は、
図146A〜146Eのそれらの平均倍数変化のオーバーレイとして再プロットされ、薬力学の改善を強調した。データは、効力が低減したIL−15/Rα−FcバリアントXENP22821が、野生型IL−15/Rα−Fc融合XENP20818より長い期間リンパ球数を拡大させることを明確に示す。特に、XENP22821のXtend類似体であるXENP23343は、XENP22821を超えたリンパ球拡大の期間をさらに増強した。
【0737】
さらなる研究では、カニクイザルに0.3倍用量のXENP22821(n=3)または0.6倍用量のXmAb24306の単回静脈内(iv)用量を投与し、様々なパラメータを経時的に評価した。データは、XmAb24306が、良好な忍容性と共により低い0.6倍用量で同様のPK/PDを示す(実施例4Dに示される3倍用量と比較して;
図147Aおよび147Bに示される2つの研究のリンパ球拡大のオーバーレイ)。特に、XENP22821(0.3倍用量)と同様の用量にもかかわらず、XmAb24306(0.6倍用量)は、より強力なXENP22821より優れたPK/PDを示し、10日目まで末梢Ki−67陽性(
図149〜151)および15日目までリンパ節Ki−67陽性(研究終了;
図148)である。さらに、XmAb24306は、Tregを含むCD4+T細胞よりも優先的にCD8+T細胞を拡大する(
図153および154を参照されたい)。
図155A〜155Cは、この研究(XmAb24306の投与後)および実施例3J(XENP20818、WT IL−15/Rα−Fcの投与後)に示される研究からのCD8+T細胞、CD4+T細胞、CD16+NK細胞数のオーバーレイを示し、効力の低減によってもたらされる増強された薬力学をさらに説明する。
【0738】
XX.実施例7:効力の低減は、IL−15/Rα−Fc融合タンパク質の免疫機構に影響を与えない
XmAb24306の効力の低減は、WT XENP20818などのより効力の高いIL−15/Rα−Fc融合タンパク質で同じレベルのT細胞拡大を達成するために、より高い濃度を必要とする。しかしながら、効力の低減および/またはより高い濃度が、IL−15/Rα−Fc治療に関連する免疫機構を変化させるであろうという懸念があった。したがって、PBMC、単離されたCD8+T細胞、および単離されたNK細胞における免疫関連遺伝子のプロファイルを、それらのそれぞれのEC50でのXENP20818(WT IL−15/Rα−Fc融合)およびXmAb24306のいずれかとのインキュベーション後に調査した。
【0739】
製造業者の指示に従って、EasySep(商標)Human T Cell Enrichment Kit(STEMCELL Technologies、Vancouver,Canada)を使用して、CD8+T細胞を濃縮した。製造業者の指示に従って、EasySep(商標)Human CD56 Positive Selection Kit II(STEMCELL Technologies、Vancouver,Canada)を使用して、NK細胞を濃縮した。200万個の新鮮なPBMC、CD8+T細胞、またはNK細胞を、XENP20818、XmAb24306、組換えIL−15、または組換えIL−2と共に24時間または48時間インキュベートした。インキュベーション後、RNeasy Plus Mini Kit(Qiagen、Hilden,Germany)を使用してRNAを抽出した。試料あたり100ngのRNAを、nCounter(登録商標)PanCancer Immune Profiling Panel(NanoString Technologies、Seattle,Wash.)でアッセイした。XENP20818およびXmAb24306による処理後の遺伝子発現の倍数変化を、
図156Aアラ156Cおよび
図157A〜157Cに示されるように、様々な条件でプロットした。データは、各場合で、遺伝子発現プロファイルがXENP20818およびXmAb24306の間でよく相関していることを示し、より高い濃度でより低い効力のIL−15/Rα−ヘテロFc融合を投与した後、免疫機構に変化がないことを示唆する。対照的に、XmAb24306対IL−15で48時間処理した後の遺伝子発現の倍数変化の相関を
図158Aに示す。より低い相関は、IL−15Rα受容体を有する細胞にも結合する組換えIL−15によるものと推定される。さらに対照的に、XmAb24306対IL−2で48時間処理した後の遺伝子発現の倍数変化の相関を
図158Bに示す。より低い相関は、異なる受容体(すなわち、IL−2Rα)への組換えIL−2の結合によるものと推定される。
【0740】
XXI.実施例8:IL−15/Rα−Fc融合タンパク質およびTreg
エフェクターT細胞の増殖に加えて、IL−15は、Treg上の受容体と結合して、それらの増殖を増強することもできるが、しかしながら、Tregは、免疫応答を抑制するため、腫瘍治療には好ましくないと考えられている。実施例6に示される研究では、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質が、TregよりもCD8+T細胞を選択的に拡大したことを見出した。ここでは、エフェクターT細胞のTreg抑制に対する本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質の影響も調査した。
【0741】
ラパマイシンは、インビトロでCD4+CD25+FOXP3+Tregの増殖を促進し、結果として生じる拡大したTregは、CD4+およびCD8+T細胞の増殖を抑制することが以前に報告されている(例えば、Battaglia et al.(2006)Rapamycin promotes expansion of functional CD4+CD25+FOXP3+ regulatory T cells of both healthy subjects and type 1 diabetic patients.J Immunol.177(12) 8338−8347、およびStrauss et al.(2007)Selective survival of naturally occurring human CD4+CD25+Foxp3+regulatory T cells cultured with rapamycin.J Immunol.178(1)320−329を参照されたい)。したがって、CD4+細胞を、EasySep(商標)Human CD4+ T Cell Enrichment Kit(STEMCELL Technologies、Vancouver,Canada)を使用して、ネガティブ選択によりヒトPBMCから濃縮した。Tregを、RPMI1640+10%ウシ胎児血清+0.1μg/mlラパマイシン+500U/ml IL−2で、Dynabeads(商標)Human Treg Expander(Thermo Fisher Scientific、Waltham,Mass.)を使用して1〜4日間拡大させた。Tregを、0.5μg/mlの抗CD3(OKT3、Biolegend、San Diego,Calif.)でコーティングしたT75フラスコに移し、RPMI1640+10%ウシ胎児血清+0.1μg/mlラパマイシン+100U/ml IL−2+0.5μg/ml抗CD28 mAbで培養した。PBMC由来のCD4+T細胞の初回の濃縮から少なくとも8日後に実験を行った。
【0742】
1x10
5個のCFSE標識化PBMC(自己由来)を、プレート結合抗CD3(100ng/ml;OKT3)上に、Tag−it Violet標識化Tregの2倍希釈液で、10μg/mlのXmAb24306で3日間、37℃で共培養した。CD8+およびCD4+レスポンダー細胞の増殖を、CFSEまたはTag−it Violet希釈によって測定し、Zombie Aqua(商標)Fixable Viability Kit(BioLegend、San Diego,Calif.)で染色して、死細胞を除外し、データを
図159Aおよび159Bに示す。データは、XmAb24306が抗CD3誘導エフェクターT細胞増殖のTreg抑制を克服することを示す。
【0743】
XXII.実施例9:チェックポイント遮断抗体と組み合わせたIL−15/Rα−Fc融合タンパク質
次に、本発明のIL−15/Rα−Fc融合タンパク質がチェックポイント遮断と合わせるのに好適であるかどうかを調査した。実施例5Bと同様に、XmAb24306の非Xtend類似体を使用した。使用したチェックポイント遮断抗体は、XENP16432(エフェクター機能が切断されたニボルマブに基づく二価抗PD−1 mAbであり、配列は
図160に示される)であった。1000万個のヒトPBMCを、−1日目にIV−OSPを介してNSGマウスに移植し、続いて0、7、14、および21日目に示された濃度で示された試験物質を投与した。全血を6日目および10日目に採取し、FACSを使用してCD4+T細胞、CD8+T細胞、CD45+細胞、およびNK細胞の数、ならびにIFNγの血清濃度を測定し、体重を週2回測定した。6日目および10日目の細胞数を
図161Aおよび161B、162Aおよび162B、163Aおよび163B、ならびに164Aおよび164Bに示し、7日目の血清IFNγ濃度を
図165に示し、7、11、14、および18日目までの体重の変化を
図166A〜166Dに示す。各点は1匹の雌のNSGマウスを表す。データは、XENP24045が白血球の拡大を促進し、全ての用量レベルで異種GVHDを悪化させることを示す。特に、XENP24045は、特により低い0.3mg/kgのXENP24045用量で、PD−1遮断(XENP16432)との強い相乗効果を示す。
【0744】
XXIII.実施例10:様々なリンパ球集団に対するWT IL−15/Rα−Fc増殖効果
WT IL−15/Rα−Fc(XENP20818)とのインキュベーション後の、Ki67を発現する様々なリンパ球集団の割合を、本明細書に記載される実施例の他の場所に概して記載されるように調査し、そのデータを
図167に示す。
【0745】
XXIV.実施例11:XENP24306は、CD8
+CD25
+T細胞上のSTAT5リン酸化を刺激することにおける効力の減少を実証する
XENP24306、WT IL−15/Rα−Fc(XENP20818)、および他の効力のバリアントとのインキュベーション後の、CD8+CD45RA+T細胞上のSTAT5リン酸化を、実施例の他の場所に概して記載されるように調査し、そのデータを
図168および169に示す。
【0746】
XXV.実施例12:効力の低減は、用量を調節したときに同様のシグナル伝達動態を示す
ヒトPBMCは、XENP20818またはXENP24306のEC50用量で刺激され、6日間毎日アッセイした。3日後に細胞を試験物質から洗浄した。Ki67を発現するCD8
+CD45RA
−T細胞の割合を示すデータ、ならびにCD8
+CD45RA
−T細胞上のBCL−2およびCD25発現を、
図170、171、および172にそれぞれ示す。データは、効力の低減が、用量を調節したときに、WTと比較して同様のシグナル伝達動態を示すことを示す。
【0747】
XXVI.実施例13:XENP24045は、活性化T細胞上でSTAT5リン酸化を優先的に誘導する
XENP24045(XENP24306の非Xtendアナログ)およびWT IL−15/Rα−Fcとのインキュベーション後の、新鮮なヒトPBMC対刺激されたヒトPBMCにおけるCD8
+T細胞上のSTAT5リン酸化を、本明細書に記載される実施例の他の場所に概して記載されるように調査し、そのデータを
図173に示す。データは、XENP20818およびXENP24045の両方が、刺激されたPBMCにおけるCD8
+T細胞上にSTAT5リン酸化を優先的に誘導し、活性化T細胞の優先を示していることを示す。
【0748】
XXVII.実施例14:XENP24306は活性化T細胞を優先的に拡大する
2x10
5個のCFSE標識化ヒトPBMCを、示された用量のXENP24306と共に、示された用量のプレート結合抗CD3(OKT3)で4日間インキュベートした。T細胞の増殖をCFSE希釈によって測定し、Zombie色素を使用して死細胞を除外した。増殖するCD8
+CD45RA
−T細胞の割合を示すデータを
図174に示し、T細胞の活性化の増加(αCD3のより高い濃度による)が、XENP24306によるCD8
+T細胞のより大きな増殖を可能したことを示す。
【0749】
XXVIII.実施例15:XENP24045およびXENP23557は、huPBMC移植NSGマウス(GVHDモデル)におけるT細胞増殖およびIFNγ生成を増強し、チェックポイント遮断と組み合わせる。
XENP24045(XENP24306の非Xtend類似体)およびXENP23557(XENP24113の非Xtend類似体)を、単独で、または抗PD−1 mAbと組み合わせて、別のGVHD研究で調査した。NSGマウスに、1日目にIV−OSPを介して5x10
6個のヒトPBMCを移植し、0、7、14、および21日目に示された濃度の示された試験物質を投与した。
図175は、10日目の血清IFNγ濃度を示し、
図176は、17日目のCD45
+細胞数を示し、
図177は、25日目の体重(初期体重の割合として)を示す。
【0750】
データは、XENP24045およびXENP23557がT細胞の増殖およびIFNγ生成を増強し、GVHDも増強することを示す。特に、データは、T細胞増殖およびIFNγ生成の両方の明らかな用量応答がさらに増強され、XENP23557の0.1mg/kgおよびXENP23557の0.1mg/kg対0.03mg/kgと比較して0.3mg/kg用量で、GENVが体重の変化によって示されるようにさらに悪化したことを示す。さらに、データは、IL−15/Rα−Fc融合が、T細胞増殖およびIFNγセクションの増強およびGVHDの増強によって示されるように、チェックポイント遮断と十分に合うことを示す。
【0751】
XXIX.実施例16:XENP24045は、huPBMC移植NSGマウス(GVHDモデル)におけるT細胞増殖およびIFNγ生成を増強し、チェックポイント遮断と組み合わせる。
XENP24045(XENP24306の非Xtend類似体)を単独で、または抗PD−1 mAbと組み合わせて調査する別のGVHD研究では、NSGマウスに、1日目にIV−OSPを介して10x106個のヒトPBMCを移植し、0、7、14、および21日目に示された濃度の示された試験物質を投与した。
【0752】
図178は、7日目の血清IFNγ濃度を示し、
図179は、10日目の様々なリンパ球集団の数を示し、
図180および181は、それぞれ11日目および試験期間中にわたる体重(初期体重の割合として)を示す。実施例15と一致して、データは、XENP24045がT細胞増殖およびIFNγ生成を増強することを示す。さらに、データはまた、XENP24045が、T細胞増殖およびIFNγセクションの増強およびGVHDの増強によって示されるように、チェックポイント遮断と十分に合うことを示す。
【0753】
XXX.実施例17:IL−15−Fc融合は、マウス腫瘍モデルにおけるPD−1遮断の抗腫瘍活性を増強する
NSGマウス(グループあたり10匹)に、−14日目に3x106個のpp65形質導入MCF−7細胞を皮内接種した。次いで、マウスに1.5x106または5x106個のpp65反応性ヒトPBMC(または対照にはPBS)を腹腔内注射し、0日目に試験物質(PBS、3.0mg/kgのXENP16432、または3mg/kgのXENP16432と組み合わせた0.5mg/kgのXENP24045)で処置し、7、14、および21日目に示された試験物質でさらに処置した。1.5x106個のhuPBMCを移植したマウスにおける、huPBMC移植後21日目のCD45+細胞数を
図182に示す。1.5x106個のhuPBMCを移植したマウスにおけるHuPBMC移植後31日目、ならびに研究期間中にわたる腫瘍体積を
図183および184に示す。研究期間中にわたる5x106個のhuPBMCを移植したマウスにおける腫瘍体積を
図185に示す。データは、IL−15−Fc融合XENP24045が、1.5x106個のhuPBMCを移植したマウスにおける抗PD−1遮断の抗腫瘍活性を増強することを示す。特に
図185に示されるように、5x106個のhuPBMCを移植したマウスでは、XENP24045およびXENP16432を組み合わせても、XENP16432単独での処置よりも抗腫瘍活性は増強されなかった。これは以下を示唆する:a)IL−15−Fc融合とチェックポイント遮断とを組み合わせると、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の数が少ない腫瘍の治療に大きな利益を提供し得ること;ならびにb)チェックポイント遮断免疫療法単独に対する反応が最適ではない患者において、本発明のIL−15−Fc融合体などのサイトカイン免疫療法の追加は、抗腫瘍応答を増強し得ること。
【0754】
XXXI.実施例18:カニクイザルにおけるIL−15−Fc効力バリアントの薬物動態の調査
XtendによるIL−15−Fc効力バリアントの薬物動態を調査する別の研究では、カニクイザルに、XENP22853(Xtendを含むWT IL−15/Rα−ヘテロFc)、XENP24306(Xtendを含むIL−15(D30N/E64Q/N65D)/Rα−ヘテロFc)、XENP24113(Xtendを含むIL−15(N4D/N65D)/Rα−ヘテロFc)、およびXENP24294(Xtendを含むscIL−15(N4D/N65D)/Rα−Fc)を様々な濃度で投与した。
【0755】
図189は、最初の投与後の経時的な試験物質の血清濃度を示す。
図190は、XENP22853および対応するWT非Xtend XENP20818(カニクイザルの以前の研究からの)の相対的な血清中濃度を経時的に示す。実施例6に示されるデータと一致して、データは、Xtend置換のみ(XENP22853のように)が、IL−15−Fc融合の薬物動態にいくらかの改善を提供することを示す。特に、Xtend置換(XENP24306およびXENP24113のように)に加えて効力のバリアントを組み込むと、IL−15−Fc融合の薬物動態が大幅に改善される。予期せぬことに、XENP24113は、XENP24306と比較して大幅に劣った薬物動態を示した。同様に、scIL−15/Rα−Fc融合XENP24294(XENP24113と同じIL−15(N4D/N65D)効力バリアントを有する)もまた、XENP24306と比較して実質的に劣った薬物動態を示した。XENP24113(およびXENP24294)の薬物動態の減少は、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体よりも高いインビトロ効力を示すIL−15(N4D/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体に基づいて予測されたが(実施例3Bおよび
図61に示されるように)、一方で、薬物動態の減少は、効力の増加に対して予想外に不釣り合いであった。
【0756】
サルの研究では、効力が低減したIL−15/Rα−ヘテロFc融合体で数日の半減期が示され、IL−15の<1時間の半減期よりも著しく長い。さらに、薬力学およびクリアランスの顕著な逆相関が観察され、効力が低減したバリアントは、より持続的な曝露により、より高い多くの忍容用量およびリンパ球増殖の増強を可能にする。これらの観察に基づいて、受容体媒介内在化は、様々なIL−15のPK/PD関係に影響する重要な要因であると仮定した(
図195に概略的に示される)。
【0757】
これをさらに調査するために、最適な薬物受容体親和性を予測する機構に基づくPK/PDモデルを開発し、効力対標的媒介クリアランスのバランスを取る。一部の結果を
図194に示す。複数のカニクイザル研究からのPKデータ(
図196)を、これらのシミュレーションに入力し、PKデータのグローバルフィットで複数の追加パラメータを変化(浮動)させた。驚くべきことに、シミュレーションは、結合の実験的に測定されたEC50値と直線的に相関する推定K
D値に収束した(
図197)。推定されたK
D値を利用して、シミュレートされたPKプロファイル、受容体占有率(RO)曲線、および薬力学的プロファイルを生成し(
図198に示されるように)、それはRO(RO−AUC)の曲線下の予測面積、ならびに最大受容体占有率(RO−Max)の決定を可能にした。実験的に決定されたPD−AUCに対して推測RO−AUC値(薬力学的AUC:経時的なCD8
+T細胞の倍数増加の曲線下面積)(
図199A)、実験的に決定されたPD−Maxに対する推測RO−AUC値(ピークCD8
+T細胞の増加(倍数対ベースライン))(
図199B)、実験的に決定されたALB−minに対する予測RO−AUC値(ベースラインレベルに対するアルブミンの低減%の最低)(
図199C)、実験的に決定されたPD−AUCに対する予測RO−Max(最大受容体占有率)値(
図199D)、実験的に決定されたPD−Maxに対する予測RO−Max(
図199E)、および実験的に決定されたALB−Minに対する予測RO−Max(
図199F)をプロットした。驚くべきことに、予測されたRO−AUC値は、
図199Aに示される実験的に決定されたPD−AUC(薬力学的AUC)、ならびに
図198Bに示されるPD−Maxと非常によく相関し、RO−AUCが最小化するための標的値であることを示す。
【0758】
最後に、IL−15/Ra−ヘテロFc融合のXtendバージョンまたは非Xtendバージョンのいずれかに対して実行された様々なK
D値に対するシミュレーションスキャンを行い、予測された最適なK
Dは約200nMであり、XmAb24306の推定K
D値と同様であることを明らかにする。
【0759】
XXXII.実施例19:効力が低減したIL−15/Rα−ヘテロFc融合は、抗PD−1と生成的に組み合わされ、末梢T細胞を拡大する
実施例17に記載されるマウス腫瘍モデルでは、XENP24045および抗PD−1 mAbの組み合わせによる処置は、抗PD−1 mAb単独による処置と比較して、抗腫瘍活性を著しく増強した(対応のないt検定に従って、21、27、38、41、および43日でp≦0.05、ならびに24、29、31、34、36日目にp≦0.01)。さらに末梢T細胞の拡大を調査した。ヒトCD8
+T細胞の増殖を示すデータ(研究の7、14、21、および28日目の数で示される)を
図201Aおよび
図201Bに示す。特に14、21、および28日目に、CD8
+T細胞数は、抗PD−1 mAb単独での処置と比較して、XENP24045および抗PD−1 mAbの組み合わせでの治療によって著しく増強された。さらに、
図201Bに示されるように、XENP24045および抗PD−1 mAbの組み合わせでの処置は、抗PD−1 mAb単独により処置よりも遥かに早くCD8
+T細胞の活性化を増強した(CD8 T細胞によるCD25の発現によって示されるように)。
【0760】
XXXIII.実施例20:効力が低減したIL−15/Rα−ヘテロFc融合は、薬力学を増強するだけでなく、忍容性も改善する
様々なカニクイザルの研究から収集されたデータに基づいて、IL−15/Rα−ヘテロFc融合体の低減された効力を操作することにより、リンパ球の最大1000%増加と共に、WT IL−15を含むIL−15/Rα−ヘテロFc融合体よりも薬力学を増強することを見出した(データは、0.3倍用量のXENP20818、0.3倍用量のXmAb24306、および0.6倍用量のXmAb24306を投与することによって、CD8
+T細胞、CD16
+NK細胞、およびリンパ球の拡大を示す
図202A〜
図202Cにオーバーレイされる)。血管漏出症候群は、IL−2などのサイトカインによる治療に関連する特徴的な毒性副作用である。血管漏出の1つの兆候は低アルブミン血症、血清アルブミン濃度の低下である。したがって、上に記載されるように投与されたカニクイザルにおけるアルブミンドロップを調査し、XmAb24306が、XENP20818と比較してリンパ球の拡大を増強するだけでなく、アルブミンドロップの低減(データは
図203に示される)ももたらすことが著しく見出され、XmAb24306の優れた治療インデックスを示す。例えば、XmAb24306およびXENP20818の両方が、末梢CD8
+T細胞の少なくとも3倍(200%)の増加を促進したが(同じレベルで投与した場合)、一方で、XmAb24306によって媒介されるアルブミンの減少の程度は15%を超えなかったのに対し、XENP20818少なくとも25%のアルブミンの減少を引き起こした。さらに、2倍高い(0.6倍)用量のXmAb24306は、20%の減少を上回るアルブミンレベルを維持しながら、末梢CD8
+T細胞の少なくとも11倍(1000%)の増加を促進した。さらに、実施例18に記載されるモデリングでは、予測RO−Max値が実験的に決定されたALB−Minと非常によく相関しているように見え(
図199Fを参照されたい)、RO−MaxがIL−15および他のサイトカインの忍容性を微調整するのに最適化するための標的値であることを示す。
【0761】
XXXIV.実施例21:IL−15:CD132界面での修飾を含む効力がさらに低下したIL−15バリアントの操作
実施例3Bおよび
図55に示されるように、野生型scIL−15/Rα−Fc融合XENP21478は、NK細胞およびCD8+T細胞の増殖を誘導することにおいて、野生型IL−15/Rα−ヘテロFc XENP20818よりも効力が低かった。したがって、IL−15/Rα−ヘテロFc融合での使用に好適な効力が低減したIL−15バリアントは弱すぎる場合があり、scIL−15/Rα−Fc融合などの他のIL−15融合フォーマットでの使用には好適でない場合があると推論した。したがって、IL−15(N4D/N65D)バリアントを有するIl−15/Rα−ヘテロFc融合体が、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを有するIL−15/Rα−ヘテロFc融合体よりも高いインビトロ効力を示したため、そのような他のフォーマットで使用するIL−15(N4D/N65D)バリアントに興味があった。
【0762】
しかしながら、上に示されるように、IL−15(N4D/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体は、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを有するIL−15−Fc融合体と比較して劣った薬物動態を示した。IL−15(N4D/N65D)には、CD122への結合を担うIL−15界面での両方のその置換がある一方で、IL−15(D30N/E64Q/N65D)にはIL−15:CD122界面での2つの置換(E64QおよびN65D)、およびCD132へ結合を担うIL−15界面での1つの置換(D30N)があることに留意した。したがって、IL−15:CD132界面での修飾が、XENP24306で観察された優れた薬物動態に寄与し得ると推論した。
【0763】
上記を考慮して、D30N置換を組み込んだIL−15効力バリアントの追加ライブラリを生成した。例示的なそのようなIL−15バリアントの配列は
図191に示され、これらのバリアントを含む例示的なscIL−15/Rα−Fc融合体(配列は
図192に示される)を生成し、細胞増殖アッセイで調査した。
【0764】
ヒトPBMCを示された濃度で示された試験物質と共に3日間インキュベートした。インキュベーション後、PBMCを、抗CD3−PE(OKT3)、抗CD4−FITC(RPA−T4)、抗CD8−eF660(SIDI8BEE)、抗CD16−BV421(3G8)、抗CD45RA−APC/Fire750(HI100)、抗CD56−BV605(5.1H11)、および抗Ki67−PE/Cy7(Ki−67)で染色し、フローサイトメトリーによって分析した。
図193A〜
図193Gは、増殖を示すKi67を発現する様々なリンパ球集団の割合を示す。
【0765】
予想通り、データは、IL−15(D30N/E64Q/N65D)バリアントを含むscIL−15/Rα−Fc融合体は、IL−15バリアントを含むIL−15/Rα−ヘテロFcIL−15ならびにIL−15(N4D/N65D)バリアントを含むscIL−15/Rα−Fc融合体の両方と比較して、様々なリンパ球集団の増殖において活性がなかったか、または劇的に低減された活性を有した。しかしながら、D30N置換を含むIL=15バリアントを有するscIL−15/Rα−Fc融合体の多くは、WT scIL−15/Rα−FcXENP21993と同様の活性を示した。特に、IL−15:CD132界面の修飾だけでなく、IL−15(N4D/N65D)バリアントと同様の効力も含む特定のIL−15(D30N/N65D)バリアントを同定した(scIL−15/Rα−Fc融合の文脈において)。
【0766】
XXXV.実施例22:追加の研究
A.22A:XENP24306は、ヒトPBMC移植NSGマウス(GVHDモデル)におけるT細胞増殖およびIFNγ生成を増強し、チェックポイント遮断と生成的に組み合わせる
GVHD研究では、様々濃度のXENP24306を、単独または抗PD−1 mAb XENP16432と組み合わせて調査した。NSGマウスに、1日目にIV−OSPを介して10x10
6個のヒトPBMCを移植し、0、7、14、および21日目に示された濃度の示された試験物質を投与した。3、7、14、および21日目に血液を採血し、リンパ球の増殖(データは
図204〜206に示される)およびIFNγ濃度(データは
図209に示される)を調査し、体重をGVHDの指標として週2回評価した(データは
図207〜208に示される)。
【0767】
データは、10日目までに、0.3mg/kg、0.1mg/kg、または0.01mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、3mg/kgのXENP16432単独による処置を超えて、GVHDを著しく増強したことを示す(対応のないt検定を使用して統計を行った)。14日目までに、0.3mg/kgまたは0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、3mg/kgのXENP16432単独による処置を超えて、CD3+T細胞の拡大を著しく増強した(対応のないt検定を使用して対数変換されたデータ上で統計を行った)。
【0768】
B.22B:XENP24306はマウス腫瘍モデルにおけるPD−1遮断の抗腫瘍活性を増強する
マウス腫瘍モデルにおいて、様々濃度のXENP24306を、単独または抗PD−1 mAb XENP16432と組み合わせて調査した。NSGマウスに、−15日目に3x10
6個のpp65形質導入MCF−7を皮内接種した。次いで、0日目に、マウスに1.5x10
6個のヒトPBMCを腹腔内注射し、0、7、14、および21日目に示される試験物質でさらに処置した。7、14、および21日目に血液を採取して、リンパ球の拡大(データは
図210〜211に示される)およびIFNγ濃度(データは
図214に示される)を調査した。腫瘍体積を、キャリパー測定によって週3回測定し(データは
図212および213Aに示される)、重量をGVHDの指標として週2回評価した(データは
図213Bに示される)。
【0769】
データは、11日目までに、1.0mg/kg、0.3mg/kg、または0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、XENP16432単独による処置と比較して、腫瘍体積を著しく減少させたことを示す(ベースライン補正された腫瘍測定で対応のないt検定を使用して統計を行った)。7日目までに、1.0mg/kg、0.3mg/kg、または0.1mg/kgのXENP24306および3mg/kgのXENP16432の組み合わせによる処置が、XENP16432単独による処置と比較して、IFNγ分泌を著しく増強した。14日目までに、XENP24306のみまたはXENP16432と組み合わせたXENP24306で処置したグループの各々が、PBS処置を超えてリンパ球の拡大を著しく増強した。特に、14日目までに、XENP24306の濃度に関係なく、XENP24306およびXENP16432の組み合わせ、ならびに高濃度のXENP24306のみで処置した各グループは、XENP16432処置を超えてリンパ球の拡大を著しく増強した。
【0770】
上記の実施例は、当業者に本発明の組成物、システム、および方法の実施形態をどのように作製および使用するかについての完全な開示および説明を与えるために提供されており、本発明者らがそれらの発明とみなすものの範囲を限定することは意図されていない。当業者に明らかである本発明を実施するための上に記載される様式の修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。本明細書中で言及されている全ての特許および刊行物は、本発明が関係する当業者の技術水準を示している。本開示において引用された全ての参考文献は、あたかも各参考文献が参照によりその全体が個別に組み込まれているのと同程度に参照により組み込まれる。
【0771】
全ての見出しおよびセクションの指定は、明確さおよび参照目的のためだけに使用されているにすぎず、決して限定的であると見なされるべきではない。例えば、当業者は、本明細書に記載される本発明の趣旨および範囲に従って、必要に応じて異なる見出しおよびセクションからの様々な態様を組み合わせることの有用性を認識するであろう。
【0772】
本明細書に引用された全ての参考文献は、あたかも各個々の刊行物または特許または特許出願が全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されるのと同程度にそれらの全体が全ての目的のために本明細書に参照により組み込まれる。
当業者には明らかなように、本出願の趣旨および範囲から逸脱することなく、本出願の多くの修正および変形をなすことができる。本明細書に記載された特定の実施形態および実施例は例としてのみ提供され、特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲の用語によってのみ限定されるべきである。