(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
本発明は、医薬分野に属し、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの結晶形態、その溶媒和物及び結晶形態、及びそれを含む医薬組成物、ならびにそれらを製造する方法及びそれらの使用を提供する。
(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの結晶形態であって、
前記形態が形態Iであり、形態IのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):6.8、10.0、16.5、20.1及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有し;
又は、該形態が形態IVであり、形態IVのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):4.6、9.2、15.5、17.8及び19.0°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有し;
又は、該形態は形態Vであり、形態VのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):7.3、11.6、14.6、19.3、及び23.4°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する、上記形態。
前記形態が形態Iであり、形態IのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):6.8、10.0、13.7、14.4、15.3、16.5、20.1、21.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する、請求項1に記載の形態。
前記形態が形態IVであり、形態IVのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):4.6、9.2、11.5、12.0、13.2、15.5、16.0、17.8、19.0、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する、請求項1に記載の形態。
前記形態が形態Vであり、形態VのX線粉末回折図は、以下の回折角(2θ):4.6、7.3、8.9、11.6、13.5、14.6、15.5、18.0、19.3、及び23.4°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する、請求項1に記載の形態。
(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの他の結晶形態の含有量が、40重量%未満、好ましくは30重量%未満、好ましくは20重量%未満、好ましくは10重量%未満、好ましくは5重量%未満、又は好ましくは1重量%未満である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の形態。
【発明を実施するための形態】
【0022】
定義
別段の指示がない限り、本出願(本明細書及び特許請求の範囲を含む)において使用される下記の略語又は用語は、下記の意味を有する。本明細書及び請求項中の単数形及び物品「a」、「an」及び「the」は、明確に別段の指示がない限り、複数の引例を含むことに留意されたい。
【0023】
本明細書中で使用される「本発明の結晶形態」という用語は、式Aの化合物の形態I、形態IV、形態V、形態VI、又は形態VIII、又はその溶媒和物、又はそれらの任意の混合物を指す。「形態」、「結晶形態」及び「多形」は、本明細書において互換的に使用することができる。
【0024】
用語「式Aの化合物」又は「(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル」は、本明細書で使用される場合、式Aの以下の化学構造を有する化合物(「化合物A」とも称する)を指す。
【0026】
用語「C
1−6アルカノール」とは、本明細書で使用される場合、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有する完全に飽和した直鎖又は分枝鎖アルキルアルコールを指す。例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、n−ヘキサノールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
「C
5−8直鎖又は分枝鎖アルカン」という用語は、本明細書で使用される場合、5、6、7、又は8個の炭素原子を有する完全に飽和した直鎖又は分枝鎖炭化水素を指す。例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用される用語「約」は、±10%以下の所定の数値からの偏差を指す。
【0029】
本明細書中で使用される「他の形態を実質的に含まない」という用語は、該他の形態の含有量が、形態の総重量に基づいて、50重量未満、好ましくは40重量未満、好ましくは30重量未満、好ましくは20重量未満、好ましくは10重量未満、好ましくは5重量%未満、好ましくは1重量%未満であることを意味する。
【0030】
本明細書中で使用される「溶液」という用語は、特定の使用のために、1つ以上の溶媒中の1つ以上の溶質の混合物を意味する。溶液は、不溶性(溶解していない)物質を有するスラリー又は他の懸濁混合物のような不均一な混合物と同様に、均一な混合物を包含することを意図している。
【0031】
本明細書中で使用される「有機溶媒」という用語は、本明細書中に開示される特定の用途のための任意の適切な有機溶媒を意味することを広く意図している。
【0032】
本明細書中で使用される「溶解溶媒」という用語は、適当な量及び適当な温度、例えば室温又は高温などの適当な条件下で溶質の全部又は一部を溶解することができる任意の適当な有機溶媒を指す。
【0033】
本明細書中で使用される用語「溶解防止溶媒」は、溶解溶媒中よりも溶解度が低い任意の適当な有機溶媒を指す。
【0034】
式Aの化合物及びその結晶形態、溶媒和物及びその結晶形態の「有効量」という用語は、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌(好ましくは、血液学的悪性疾患)などのPI
3K活性の抑制に反応する疾患を緩和又は改善において、ヒト、動物又はその他であり得る個体に投与した場合に効果的な量を意味する。自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌(好ましくは、血液学的悪性疾患)などのPI
3K活性の抑制に反応する疾患には、限定されないが、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、喘息、リンパ腫(ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、小リンパ性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫、及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫など)、白血病(慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、及び慢性骨髄性白血病など)、多発性骨髄腫、及びワルデンストロームマクログロブリン血症が含まれる。「有効量」は、化合物、治療される疾患の状態、治療される疾患の重症度、個体の年齢及び健康状態、投与経路及び形態、主治医又は獣医開業医の判断などの様々な要因によって変化し得る。
【0035】
本明細書中で使用される「個体」又は「対象」という用語は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物とは、ヒト;チンパンジー及び他の類人猿及びサル種のような非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ及びブタのような家畜;ウサギ、イヌ及びネコのような家畜;ラット、マウス及びモルモットのようなげっ歯類を含む実験動物などを含む、哺乳動物クラスの任意のメンバーを意味するが、これらに限定されない。非哺乳動物の例としては、鳥類などが挙げられるが、これらに限定されない。「個体」又は「対象」という用語は、特定の年齢又は性別を意味しない。
【0036】
発明の詳細な説明
本発明は、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの新規な結晶形態、溶媒和物及びその結晶形態を提供する。
【0037】
本発明の結晶形態は、良好な結晶性及び良好な安定性を有し、非吸湿性である。本発明の結晶形態は、良好な再現性を有し、繰り返し可能な増幅生産を実現することができ、さらに、それらは、通常の製剤中で安定であり、したがって、それらが製剤の製造及び疾病の治療に使用されることが便利である。さらに、本発明の結晶形態は、高純度で溶媒残留物が少なく、ICH Q3Aのような原薬の品質要件を満たす。
【0038】
当業者は、薬局方に開示された試験方法及びその改変、又は当該技術分野における従来の方法に従って、本発明の結晶形態の上記の利点を検証することができる。
【0039】
本明細書に記載されるように、本発明の結晶形態は、1つ以上の固体分析方法によって同定することができる。例えば、本発明の結晶形態は、1つ以上の方法、例えば、X線粉末回折、単結晶の格子パラメータ、フーリエ赤外分光法、示差走査熱量分析データ、及び/又は熱重量曲線によって同定することができる。さらに、これらの方法の1つによる同定又は分析結果が本発明の形態の結果と一致する場合、他の方法による結果が本発明の形態の結果と一致することを意味しない。
【0040】
本明細書に記載されるように、新しい結晶形態は、X線粉末回折に従って同定することができる。しかしながら、X線粉末回折図におけるピーク強度及び/又は測定されたピークは、異なる実験条件、例えば、異なる回折試験条件及び/又は好ましい配向などによって変化し得ることが当技術分野で知られている。さらに、測定された2θ値は、機器の精度が異なるため、約±0.2θの誤差を受けることがある。しかしながら、ピークの位置と比較して、ピークの相対強度値は、試験された試料の特定の特性、例えば、試料中の結晶サイズ、結晶の配向効果及び分析された材料の純度により依存することが知られている。したがって、約±20%以上のピーク強度の偏差が生じることがある。しかしながら、実験誤差、計器誤差、好ましい方位などにもかかわらず、当業者は、本明細書に提供されるXRPDデータから、本発明の形態I及び任意の他の結晶形態を同定するのに十分な情報を得ることができる。
【0041】
形態I
本発明は、式Aの化合物の形態Iを提供する。
【0042】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Iは、X線粉末回折に従って同定することができる。いくつかの実施形態において、式Aの化合物IのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.8、10.0、16.5、20.1、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態IのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.8、10.0、13.7、14.4、15.3、16.5、20.1、21.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0044】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態IのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.8、8.0、10.0、12.1、13.7、14.4、15.0、15.3、16.5、18.7、20.1、21.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0045】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、形態Iの化合物6.8、7.6、8.0、10.0、12.1、12.6、13.7、14.4、15.0、15.3、16.2、16.5、17.0、18.7、20.1、21.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0046】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、形態Iの化合物6.8、7.6、8.0、10.0、12.1、12.6、13.7、14.4、15.0、15.3、16.2、16.5、17.0、17.9、18.7、20.1、21.3、22.6、23.1、25.4、26.1、及び29.0°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0047】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Iは、
図1に示す回折図を有する。
【0048】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Iは示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Iは、
図2に示すようなDSC曲線を有する。DSCプロフィールにおいて、式Aの化合物の形態Iの吸熱ピークは約261.2〜262.1℃である。
【0049】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Iは、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Iは、
図3に示されるようなTGA曲線を有し、これは、形態Iが無水材料又は純粋な結晶であることを示す。
【0050】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Iは、本明細書に記載の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば、式Aの化合物の形態Iの含有量は、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、又はさらに低いものから80%である。さらに、式Aの化合物の形態Iの含有量は、少なくとも70%、又は少なくとも60%である。さらに、式Aの化合物の形態Iの重量による含有量は、少なくとも50%である。
【0051】
形態Iの製造方法
方法A
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態Iを製造する方法に関する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを少なくとも1つの溶解溶媒と混合し、該混合物を加熱還流して溶液を得る;例えば、前記少なくとも1つの溶解溶媒は、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ブタノン、トルエン、ジクロロメタン、エタノールと酢酸の混合物、酢酸エチルとアセトンの混合物、酢酸エチルとi−プロパノールの混合物、又はブタノンとエタノールの混合物から選択される;
(2)工程(1)で得られた溶液を固体が沈殿するまで冷却する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態Iを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0052】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶解溶媒は、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ブタノン、トルエン、及びジクロロメタンから選択される。
【0053】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの溶解溶媒は、エタノール/酢酸(V/Vで約25/4)、酢酸エチル/アセトン(V/Vで約7/3〜約3/7)、酢酸エチル/i−プロパノール(V/Vで約7/3〜約3/7)、ブタノン/エタノール(V/Vで約1/1〜約1/4)などから選択される。
【0054】
いくつかの実施形態において、前記溶液の冷却は、例えば、50〜200rpmの範囲の速度で、中程度の速度で撹拌しながら、ゆっくりと冷却することによって行うことができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、溶液の冷却は、自然に、又は制御された温度で室温又はより低い温度、例えば25〜30℃、20〜25℃、5〜10℃などに冷却することによって行うことができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、固体が十分に乾燥され、所望の結晶特性が維持されるように、乾燥温度及び乾燥時間は、当業者によって慣用的に決定することができる。いくつかの実施態様において、乾燥温度は、55℃、58℃、又は60℃のような55〜60℃である。いくつかの態様において、乾燥時間は、1時間、1.5時間、2時間、又は16時間などの1〜24時間である。
【0057】
方法B
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態Iを製造するさらなる方法を提供する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを、少なくとも1つの溶媒、又はテトラヒドロフラン及び水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して第1の溶液を得る;例えば、前記少なくとも1つの溶媒は、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、エタノール及びテトラヒドロフランのうちの1つ以上から選択される;
(2)第1の溶液に少なくとも1つの溶解防止溶媒を添加して第2の溶液を得た後、第2の溶液を固体が沈殿するまで冷却するか、又は、第1の溶液を冷却した後、固体が沈殿するまで少なくとも1つの溶解防止溶媒を添加する;ただし、工程(1)の溶媒がエタノールの場合、溶解防止溶媒は水ではない;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態Iを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0058】
いくつかの実施形態において、該テトラヒドロフラン及び水は、適切な比率で混合される。いくつかの態様において、テトラヒドロフラン対水の体積比は、約4/1である。
【0059】
いくつかの実施形態において、該溶解防止溶媒は、水、C
5−8直鎖又は分枝鎖アルカン(n−ヘプタンなど)、及びイソプロピルエーテルから選択される。
【0060】
いくつかの実施形態において、該少なくとも1つの溶解溶媒又はテトラヒドロフラン及び水からなる混合溶媒の該少なくとも1つの溶解防止溶媒に対する体積比は、約1/2.7、1/1.33、1/1、1.2/1、5.4/1などの約1/3〜約6/1の範囲である。
【0061】
方法C
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態Iを製造するさらなる方法を提供する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの固体を溶媒中に懸濁させる;例えば、前記溶媒は、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、及びエタノールのうちの1つ以上から選択される;
(2)工程(1)で得られた懸濁液を撹拌する;ただし、工程(1)の溶媒がエタノールの場合は、撹拌時間が24時間未満であるべきではない;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態Iを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0062】
いくつかの態様において、工程(1)で使用される化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの該固体は、任意の形態、例えば、単結晶形態若しくは非晶質形態、例えば、形態IV若しくは形態V、又は結晶形態若しくは非晶質形態の2種以上の混合物であり得る。
【0063】
いくつかの実施態様において、前記工程(1)において、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルは、懸濁系に完全には溶解せず、すなわち化合物の一部は固体のままである。
【0064】
いくつかの態様において、該溶媒は、酢酸エチル及びトルエンのうちの1つ以上から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態において、懸濁液を撹拌する際に、前記工程(2)において加熱を適用することができ、加熱温度は、還流加熱などにより、溶媒系の沸点よりも高くない。
【0066】
当然のことながら、式Aの化合物の形態Iは、1つ以上の上記方法を介して製造することができる。
【0067】
形態IV
本発明は、式Aの化合物の形態IVを提供する。
【0068】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態IVは、X線粉末回折に従って同定することができる。いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態IVのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、4.6、9.2、15.5、17.8、及び19.0°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0069】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態IVのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、4.6、9.2、11.5、12.0、13.2、15.5、16.0、17.8、19.0、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0070】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物のX線粉末回折特性回折角(2θ)は、式Aの化合物の4.6、9.2、9.7、11.3、11.5、12.0、13.2、13.8、14.7、15.5、16.0、17.8、19.0、22.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0071】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、4.6、7.2、8.2、9.2、9.7、11.3、11.5、12.0、13.2、13.8、14.4、14.7、15.5、16.0、16.5、17.8、19.0、22.3、及び22.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0072】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、4.6、7.2、8.2、9.2、9.7、11.3、11.5、12.0、13.2、13.2、13.8、14.4、14.7、15.15、16.0、16.5、17.8、18.2、19.0、19.5、21.1、21.6、22.3、22.6及び23.6°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0073】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態IVは、
図4に示す回折図を有する。
【0074】
いくつかの態様において、式Aの化合物の形態IVは、示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態IVは、
図5に示すようなDSC曲線を有する。DSCプロフィールにおいて、式Aの化合物の形態IVの吸熱ピークは約261.8〜263.8℃である。
【0075】
いくつかの態様において、式Aの化合物の形態IVは、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。いくつかの態様において、式Aの化合物の形態IVは、
図6に示されるようなTGA曲線を有し、これは、形態IVが無水材料又は純粋な結晶であることを示す。
【0076】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態IVは、本明細書に記載の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば、式Aの化合物の形態IVの含有量は、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、又はさらに低いものから80%である。さらに、式Aの化合物の形態IVの含有量は、少なくとも70%、又は少なくとも60%である。さらに、式Aの化合物の形態IVの重量による含有量は、少なくとも50%である。
【0077】
形態IVの製造方法
方法A
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態IVを製造する方法に関する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを少なくとも1つの溶媒又は水混和性有機溶媒及び水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して溶液を得る;例えば、前記少なくとも1つの溶媒は、C
1−6アルカノール、i−プロパノールと酢酸の混合物又はメタノールと酢酸の混合物から選択され;前記水混和性有機溶媒は、前記水混和性有機溶媒がt−ブタノールでなければ、C
1−6アルカノールから選択される;
(2)工程(1)で得られた溶液を固体が沈殿するまで冷却する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態IVを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0078】
いくつかの実施形態において、該C
1−6アルカノールは、メタノール、エタノール、i−プロパノール、及びn−ブタノールから選択される。いくつかの実施形態において、該C
1−6アルカノールは、メタノール、エタノール、及びi−プロパノールから選択される。いくつかの実施形態において、該C
1−6アルカノールは、エタノールから選択される。
【0079】
いくつかの態様において、前記水混和性有機溶媒は、エタノール、i−プロパノール、及びn−ブタノールから選択される。
【0080】
いくつかの態様において、前記混合溶媒中の前記水混和性有機溶媒の体積百分率は、約95%以下、例えば95%、90%、80%、70%などである。
【0081】
いくつかの態様において、該少なくとも1つの溶解溶媒は、i−プロパノール/酢酸(V/Vで約22/1)、メタノール/酢酸(V/Vで約25/3)などから選択される。
【0082】
いくつかの実施形態において、前記溶液の冷却は、例えば、50〜200rpmの範囲の速度で、中程度の速度で撹拌しながら、ゆっくりと冷却することによって行うことができる。いくつかの実施形態において、撹拌は冷却後に適用され、撹拌時間は好ましくは24時間以下である。
【0083】
いくつかの実施形態において、溶液の冷却は、自然に又は制御された温度(例えば、0.2℃/分、0.5℃/分、2℃/分などの冷却速度)で、室温又は20〜25℃、0〜5℃などのより低い温度に冷却することによって行うことができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、固体が十分に乾燥され、所望の結晶特性が維持されるように、乾燥温度及び乾燥時間は、当業者によって慣用的に決定することができる。一部の実施形態において、乾燥温度は50〜60℃、例えば55℃である。いくつかの態様において、乾燥時間は、1.5時間、2時間、5時間、又は17時間などの1〜24時間である。
【0085】
方法B
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態IVを製造するさらなる方法を提供する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを少なくとも1つの溶媒又は水混和性有機溶媒及び水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して第1の溶液を得る;例えば、前記少なくとも1つの溶媒は、メタノール、エタノール、i−プロパノール、又は1,4−ジオキサンとエタノールの混合物から選択され;前記水混和性有機溶媒は、C
1−6アルカノール、又はテトラヒドロフランとエタノールの混合物から選択される;
(2)前記第1の溶液に少なくとも1つの溶解防止溶媒を加えて第2の溶液を得た後、固体が沈殿するまで第2の溶液を冷却するか、又は、第1の溶液を冷却し、次に、固体が沈殿するまで、少なくとも1つの溶解防止溶媒を加える;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態IVを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0086】
いくつかの態様において、該少なくとも1つの溶解溶媒は、1,4−ジオキサン/エタノール(V/Vで約1/5)などから選択される。
【0087】
いくつかの態様において、前記水混和性有機溶媒は、メタノール、エタノール、及びi−プロパノールなどのC
1−6アルカノールから選択される。いくつかの実施形態において、水混和性有機溶媒及び水からなる前記混合溶媒中の前記水混和性有機溶媒の体積百分率は、約95%以下、例えば95%、80%、70%などである。
【0088】
いくつかの態様において、前記水混和性有機溶媒及び水は、適切な比率で混合される。いくつかの実施形態において、水混和性有機溶媒の水に対する体積比は、メタノール/水(V/Vで約16/3)、テトラヒドロフラン/エタノール/水(約1/99/25、約5/95/25、又は約10/90/25インチV/V)などの約6/1〜4/1の範囲である。
【0089】
いくつかの態様において、該溶解防止溶媒は、水から選択される。
【0090】
いくつかの実施形態において、前記少なくとも1つの溶解溶媒又は水混和性有機溶媒及び水からなる混合溶媒の前記少なくとも1つの溶解防止溶媒に対する体積比は、1/2.1、1/1.4、1/1、1.36/1などの約1/3〜約2/1の範囲である。
【0091】
いくつかの実施形態において、該溶解防止溶媒は、全て1つの部分に加えることができ、又はバッチで加えることができる。
【0092】
方法C
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態IVを製造するさらなる方法を提供する:
(1)化合物(1−(S)−4−アミノ−4−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの固体を溶媒中に懸濁させ;前記溶媒は、C
1−6アルカノール、水、又は水混和性有機溶媒(メタノール、エタノール、及びi−プロパノールから選択されるものなど)及び水からなる混合溶媒から選択される;
(2)工程(1)で得られた懸濁液を撹拌する:ただし、工程(1)の溶媒がエタノールの場合は、撹拌時間が24時間未満であるべきである;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態IVを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0093】
いくつかの実施形態において、工程(1)で使用される化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの該固体は、任意の形態、例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、又は形態VIIIのような単結晶形態又は非晶質形態、又は2つ以上の結晶形態若しくは非晶質形態の混合物であり得る。
【0094】
いくつかの実施態様において、前記工程(1)において、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルは、懸濁系に完全には溶解せず、すなわち化合物の一部は固体のままである。
【0095】
いくつかの実施形態において、該C
1−6アルカノールは、メタノール、エタノール、及びi−プロパノールから選択される。
【0096】
いくつかの態様において、前記水混和性有機溶媒は、メタノールから選択される。いくつかの態様において、前記混合溶媒中の前記水混和性有機溶媒の体積百分率は、約25%未満、例えば、10%である。
【0097】
一部の実施形態において、上記工程(2)において、懸濁液を撹拌する際に加熱することができ、加熱温度は、溶媒系の沸点、例えば60〜70℃、70〜80℃、75〜85℃などより高くない。前記加熱は、懸濁系中の固体を式Aの化合物の形態IVに変換するのを容易にすることができる。
【0098】
当然のことながら、式Aの化合物の形態IVは、1以上の上記方法を介して調製することができる。
【0099】
形態V
本発明は、式Aの化合物の形態Vを提供する。
【0100】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Vは、X線粉末回折に従って同定することができる。いくつかの実施形態において、式Aの化合物VのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、7.3、11.6、14.6、19.3、及び23.4°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0101】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態VのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、4.6、7.3、8.9、11.6、13.5、14.6、15.5、18.0、19.3、及び23.4°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0102】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態VのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、4.6、7.3、8.9、10.0、11.2、11.6、13.5、14.6、15.5、16.0、18.0、18.0、19.3、20.0、及び23.4°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0103】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、4.6、7.3、8.9、10.0、11.2、11.6、13.5、14.5、15.5、16.0、18.0、19.3、20.0、22.7、23.4、25.1、26.0、及び27.2°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0104】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、4.6、7.3、8.9、10.0、11.2、11.6、13.5、14.5、14.15、16.5、16.0、17.7、18.0、19.3、20.0、22.7、23.4、23.4、24.0、25.1、26.0、27.0、27.2、28.4、及び29.7°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0105】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Vは、
図7に示す回折図形を有する。
【0106】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Vは示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Vは、
図8に示すようなDSC曲線を有する。DSCプロファイルにおいて、式Aの化合物Vの吸熱ピークは約261.4〜262.4℃である。
【0107】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の形態Vは、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Vは、
図9に示されるようなTGA曲線を有し、これは、形態Vが無水材料又は純粋な結晶であることを示す。
【0108】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の形態Vは、本明細書に記載の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば、式Aの化合物の形態Vの含有量は、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、又はさらに低いものから80%である。さらに、式Aの化合物の形態Vの含有量は、少なくとも70%、又は少なくとも60%である。さらに、式Aの化合物の形態Vの重量による含有量は、少なくとも50%である。
【0109】
形態Vの製造方法
方法A
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態Vを製造する方法に関する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを少なくとも1つの溶媒又はアセトニトリルと水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して溶液を得る;例えば、前記少なくとも1つの溶媒は、アセトニトリル、アセトニトリルと酢酸の混合物、アセトニトリルと酢酸エチルの混合物、アセトニトリルとブタノンの混合物、アセトニトリルとテトラヒドロフランの混合物、又はアセトンとエタノールの混合物から選択される;
(2)工程(1)で得られた溶液を固体が沈殿するまで冷却する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態Vを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0110】
いくつかの態様において、該少なくとも1つの溶解溶媒は、アセトニトリルから選択される。
【0111】
いくつかの態様において、アセトニトリル及び水からなる該混合溶媒において、該混合溶媒中の該アセトニトリルの体積百分率は90%である。
【0112】
いくつかの態様において、該少なくとも1つの溶解溶媒は、アセトニトリル/酢酸(V/Vで約14/1)、アセトニトリル/酢酸エチル(V/Vで約7/3)、アセトニトリル/ブタノン(V/Vで約1/1)、アセトニトリル/テトラヒドロフラン(V/Vで約7/3)、アセトン/エタノール(V/Vで約1/4)などから選択される。
【0113】
いくつかの実施形態において、前記溶液の冷却は、例えば、50〜200rpmの範囲の速度で、中程度の速度で撹拌しながら、ゆっくりと冷却することによって行うことができる。
【0114】
いくつかの実施形態において、溶液の冷却は、自然に、又は室温又は20〜25℃、−10〜−5℃などのような低い温度に制御された温度で冷却することによって行うことができる。
【0115】
いくつかの実施形態において、固体が十分に乾燥され、所望の結晶特性が維持されるように、乾燥温度及び乾燥時間は、当業者によって慣用的に決定することができる。一部の実施形態において、乾燥温度は50〜60℃、例えば50〜60℃である。いくつかの実施態様において、乾燥時間は、1時間又は16時間などの1〜24時間である。
【0116】
方法B
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態Vを製造するさらなる方法を提供する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの固体をアセトニトリルに懸濁させる;
(2)工程(1)で得られた懸濁液を撹拌する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態Vを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0117】
いくつかの態様において、工程(1)で使用される化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの該固体は、任意の形態、例えば、形態I、形態IV、又は形態Vのような単結晶形態又は非晶質形態、又は2種以上の結晶形態若しくは非晶質形態の混合物であり得る。
【0118】
いくつかの実施態様において、前記工程(1)において、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルは、懸濁系に完全には溶解せず、すなわち化合物の一部は固体のままである。
【0119】
いくつかの実施形態において、懸濁液を撹拌する際に、前記工程(2)において加熱を適用することができ、加熱温度は、70〜80℃のような溶媒系の沸点よりも高くない。
【0120】
当然のことながら、式Aの化合物の形態Vは、上記方法の1以上を介して調製することができる。
【0121】
アセトン溶媒和物
本発明はさらに、式Aの化合物のアセトン溶媒和物を提供する。
【0122】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物のアセトン溶媒和物は、モノアセトン溶媒和物である。
【0123】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物は、形態VIである。
【0124】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、X線粉末回折によって特徴付けることができる。形態VIのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、8.6、10.4、12.0、15.0、及び19.7°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0125】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.9、8.6、9.8、10.4、12.0、13.4、15.0、19.7、20.6、23.8、及び29.8°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0126】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物のX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.9、8.6、9.8、10.4、12.0、13.4、15.0、15.8、16.8、18.0、19.7、20.6、23.3、23.8、26.2、及び29.8°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0127】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物のX線粉末回折特性回折角(2θ)は、6.9、8.9、8.8、10.4、12.0、13.4、15.0、15.0、15.8、16.8、18.0、19.4、19.7、20.6、21.0、22.5、23.0、23.3、23.8、25.0、26.2、及び29.8°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0128】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物のX線粉末回折特性角度(2θ)は、6.9、8.9、8.9、10.4、12.0、13.4、15.0、15.0、15.8、16.2、16.2、16.8、17.3、18.0、18.2、18.2、18.9、19.4、19.7、20.6、21.0、21.6、21.6、22.5、23.0、23.3、23.8、23.5、24.5、25.0、26.2、及び29.8°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0129】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、
図10に示すような回折図形を有する。
【0130】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、
図11に示すようなDSC曲線を有する。DSCプロファイルにおいて、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIの吸熱ピークは、約97.3〜106.0℃及び約262.3〜265.0℃である。
【0131】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、
図12に示されるようなTGA曲線を有し、形態VIが溶媒和物であることを示す。さらなるガスクロマトグラフィー(GC)試験の結果は、形態が1分子のアセトンを含むことを示す。形態VIはモノアセトン溶媒和物である。
【0132】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIは、本明細書に記載の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIの含有量は、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、又はさらに低い〜80%である。さらに、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIの含有量は、少なくとも70%、又は少なくとも60%である。さらに、式Aの化合物のモノアセトン溶媒和物の形態VIの含有量は、少なくとも50%である。
【0133】
形態VIの製造方法
方法A
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態VIを製造する方法に関する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを少なくとも1つの溶媒又はアセトン及び水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して溶液を得て;前記少なくとも1つの溶媒がアセトンから選択されるか、又はアセトン及びi−プロパノールからなる混合溶媒から選択される;
(2)工程(1)で得られた溶液を固体が沈殿するまで冷却する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態VIを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0134】
いくつかの実施形態において、アセトン及び水からなる前記混合溶媒において、前記混合溶媒中の前記アセトンの体積百分率は、95%又は75%である。
【0135】
いくつかの実施形態において、該アセトン及びi−プロパノールは、適切な比率で混合される。いくつかの態様において、アセトン対i−プロパノールの体積比は、約7/3である。
【0136】
いくつかの実施形態において、溶液の冷却は、自然に、又は室温又は室温以下の温度、例えば25〜30℃、20〜25℃、0〜5℃などに制御された温度で冷却することによって行うことができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、固体が十分に乾燥され、所望の結晶特性が維持されるように、乾燥温度及び乾燥時間は、当業者によって慣用的に決定することができる。いくつかの実施態様において、乾燥条件は、空気中で30分間乾燥する。
【0138】
方法B
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態VIを製造するさらなる方法を提供する。
(1)化合物(S)−4−アミノ−4−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの固体をアセトン又はアセトンと水との混合溶媒に懸濁させる;
(2)工程(1)で得られた懸濁液を撹拌する;
(3)単離して式Aの化合物の固体形態VIを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を任意で乾燥する。
【0139】
いくつかの実施形態において、工程(1)で使用される化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの該固体は、任意の形態、例えば、形態I若しくは形態Vのような単結晶形態若しくは非晶質形態、又は結晶形態若しくは非晶質形態の2つ以上の混合物であり得る。
【0140】
いくつかの実施態様において、前記工程(1)において、化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルは、懸濁系に完全には溶解せず、すなわち化合物の一部は固体のままである。
【0141】
いくつかの態様において、該アセトン及び水は、適切な比率で混合される。いくつかの態様において、アセトン対水の体積比は、約3/1である。
【0142】
いくつかの態様において、該工程(2)において、懸濁液を撹拌する時間は、48時間以上、例えば6日間である。
【0143】
当然のことながら、式Aの化合物の形態VIは、1つ以上の上記方法を介して調製することができる。
【0144】
水及びi−プロパノール溶媒和物
本発明はさらに、式Aの化合物の水及びi−プロパノール溶媒和物を提供する。
【0145】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の水及びi−プロパノール溶媒和物は、3分子の水及び0.5分子のi−プロパノールを含む。
【0146】
いくつかの実施態様において、式Aの化合物の水及びi−プロパノール溶媒和物(3分子の水及び0.5分子のi−プロパノールを含む)は、形態VIIIである。
【0147】
いくつかの実施形態において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、X線粉末回折によって特徴付けることができる。形態VIIIのX線粉末回折特性回折角(2θ)は、7.0、8.3、11.4、15.3、及び23.1°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0148】
いくつかの実施形態において、形態VIIIの水のX線粉末回折特性回折角(2θ)及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、7.0、8.3、9.8、10.7、11.4、15.3、15.7、22.4、及び23.1°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0149】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性回折角(2θ)及び形態VIIIの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、7.0、8.3、9.8、10.7、11.4、13.3、14.2、15.3、15.7、17.7、22.4、23.1、25.4及び26.9°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0150】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性回折角(2θ)及び形態VIIIの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する7.0、8.3、9.8、10.7、11.4、13.3、13.8、14.2、15.3、15.7、17.7、19.0、19.4、20.3、22.4、23.1、23.5、25.4及び26.9°を含み、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する。
【0151】
いくつかの実施形態において、式Aの化合物のX線粉末回折特性回折角(2θ)及び形態VIIIの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有する、7.0、8.3、8.8、10.7、11.4、13.3、13.8、14.2、14.2、15.3、15.7、17.7、19.0、19.4、19.4、19.6、20.3、21.4、22.4、22.4、23.1、23.5、24.0、25.0、25.0、25.4、26.9及び27.2°を含む。
【0152】
いくつかの実施態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、
図13に示す回折図を有する。
【0153】
いくつかの態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、
図14に示すようなDSC曲線を有する。DSCプロファイルでは、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物の吸熱ピークは、約64.1〜81.7℃及び約261.5〜262.2℃である。
【0154】
いくつかの態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、熱重量分析(TGA)によって特徴付けることができる。いくつかの実施態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、
図15に示されるようなTGA曲線を有し、形態VIIIが溶媒和物であることを示す。さらなるカールフィッシャー水分測定(KF)及びガスクロマトグラフィー(GC)試験の結果は、形態が3分子の水及び0.5分子のi−プロパノールを含むことを示した。形態VIIIは、3分子の水及び0.5分子のi−プロパノールを含有する水及びi−プロパノール溶媒和物である。
【0155】
いくつかの実施態様において、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物は、本明細書に記載の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物の含有量は、少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、又はさらに低い〜80%である。さらに、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物の重量による含有量は、少なくとも70%、又は少なくとも60%である。さらに、形態VIIIの水及び式Aの化合物のi−プロパノール溶媒和物の重量による含有量は、少なくとも50%である。
【0156】
形態VIIIの製造方法
本発明は、以下を含む、式Aの化合物の形態VIIIを製造する方法に関する:
(1)化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルを、i−プロパノール及び水からなる混合溶媒と混合し、混合物を加熱還流して溶液を得る;
(2)工程(1)で得られた溶液を固体が沈殿するまで冷却し、混合物を撹拌する(72時間以上が望ましい);
(3)単離して式Aの化合物の固体形態VIIIを得る;
(4)場合により工程(3)で得られた固体を乾燥する。
【0157】
いくつかの態様において、i−プロパノール及び水からなる該混合溶媒において、該混合溶媒中の該i−プロパノールの体積百分率は70%である。
【0158】
いくつかの実施形態において、固体が十分に乾燥され、所望の結晶特性が維持されるように、乾燥温度及び乾燥時間は、当業者によって慣用的に決定することができる。いくつかの実施態様において、乾燥条件は、空気中で50〜100分間乾燥する。
【0159】
式Aの化合物又はその溶媒和物の結晶形態を調製する上述の方法の各実施形態の特徴は、任意に組み合わせることができる。このような任意の組み合わせから得られる各実施形態は、そのような任意の組み合わせから得られるこれらの実施形態が、本明細書に具体的かつ個別に列挙されるかのように、本発明の範囲内に含まれる。
【0160】
医薬組成物及び治療方法
式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)は、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌などの疾患の治療に有用である。癌は血液学的悪性腫瘍であることが好ましい。自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌には、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、アレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、喘息、リンパ腫(例えば、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫、及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫など)、白血病(慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、及び慢性骨髄性白血病など)、多発性骨髄腫、及びワルデンストロームマクログロブリン血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0161】
本発明は、PI
3K活性の抑制に反応する疾患を治療する方法を提供し、式Aの化合物、又は式Aの化合物の結晶形態の1つ以上、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI又は形態VIII)を含む活性医薬成分を投与することを含む。
【0162】
いくつかの態様において、治療法は、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌(好ましくは、血液学的悪性腫瘍)などのPI
3K活性の抑制に応答する少なくとも1つの疾患に関する。本発明の医薬組成物の有効量は、それを必要とする対象に投与され、医薬組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、及び式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、又は形態VIII)の1つ以上を含む。
【0163】
所望の生物学的効果を達成するために、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びそれらの結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、又は形態VIII)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分の投与量は、多くの要因、例えば、意図された用途、投与の形態、及び患者の臨床状態に依存し得る。1日用量は、例えば、0.01mg〜3g/日(例えば、0.05mg〜2g/日、さらには100mg〜1g/日)の範囲であり得る。経口投与され得る単位投与処方は、例えば、錠剤又はカプセルを含む。
【0164】
上記条件の治療のためには、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分を、1つ以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤と共に製剤化された医薬組成物の形で、そのような形で投与することができる。
【0165】
代表的な担体又は賦形剤は、組成物の他の成分と適合し、患者の健康に有害な影響を及ぼさないものでなければならない。担体又は賦形剤は、固体又は液体又はその両方であり得、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び/又は形態VIII)と共に、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、又はその結晶形態を0.05重量%〜95重量%含有し得る医薬組成物又は単位投与形態(例えば、錠剤、カプセル)に処方することができる。本明細書に記載される医薬組成物は、医薬上許容される担体及び/又は賦形剤及び希釈剤との混合を含むもののような公知の医薬処方方法によって製造することができる。
【0166】
いくつかの態様において、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIIIなど)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分は、甘味料、香味剤、着色剤、染料、及び乳化剤から選択され得る担体及び/又は賦形剤及び/又は希釈剤などの少なくとも1つの成分と組み合わせることができる。
【0167】
いくつかの態様において、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIIIなど)の変換は、1以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤及び/又は希釈剤と共に処方する場合には起こらないであろう。他の実施形態において、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI又は形態VIII)は、1以上の薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤及び/又は希釈剤を用いて調製する場合、全体的に又は部分的に、1以上の他の結晶形態又は非固体形に変換することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される形態I又は他の結晶形態は、医薬組成物に製剤化される場合に溶解され得る。したがって、このような「溶解した」場合、形態I又は他の結晶形態は、もはや医薬組成物中のそれぞれの形態で存在しない。
【0168】
いくつかの態様において、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIIIなど)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分は、適当な投与形態に製剤化される。
【0169】
本明細書に記載される医薬組成物は、経口及び経口(例えば、舌下)投与に適した投与形態であり得る。投与の適切な形態は、個々のケースにおける状態及び処置される状態の重症度だけでなく、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及び医薬組成物の調製に使用されるそれらの結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)から選択される活性医薬成分の特定の形態の性質にも依存し得る。
【0170】
式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分から調製される経口投与のための適切な医薬組成物は、カプセル、カシェ剤、及び錠剤のような単位投与形(それぞれ本明細書に記載される少なくとも1つの活性薬学的成分の規定された量で調製される)、ならびに粉末、顆粒、溶液、水又は非水性液体中の懸濁液、及び水中油及び油中水エマルジョンから選択される形であり得る。これらの組成物は、既に述べたように、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びそれらの結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)、ならびに担体及び/又は賦形剤及び/又は希釈剤(1つ以上の添加成分から構成され得る)が組み合わされる工程を含む工程などの任意の適切な医薬処方方法によって調製することができる。組成物は、一般に、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分を、液体又は微粉砕した固体担体と均一かつ均一に混合した後、生成物を成形することによって製造することができる。
【0171】
式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI及び形態VIII)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分は、1つ以上の他の活性成分と組み合わせて(例えば、相乗療法において)投与することもできる。組み合わせとして投与される場合、活性成分は、同一又は異なる投与経路を介して、同時に又は異なる時間で連続的に投与される(例えば、任意の順序で連続的に投与される)別々の組成物として処方することができ、又は活性成分は、同じ医薬組成物中で投与することができる。
【0172】
いくつかの態様において、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分は、既知の治療効果を有する1以上の他の活性成分と組み合わせて、例えば、自己免疫疾患、炎症性疾患、及び癌(好ましくは、血液学的悪性腫瘍)のようなPI
3K活性の抑制に応答する疾患の治療と組み合わせて投与することができる。
【0173】
本明細書に記載される「組み合わせ」という語句は、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI、及び形態VIII)と、自己免疫疾患又は炎症性疾患(例えば、免疫抑制剤、ステロイドと組み合わせた)の治療における組み合わせ使用、癌、特に血液悪性腫瘍の治療における組み合わせ使用(例えば、BTK阻害剤、SYK阻害剤、JAK阻害剤、Bcl−2阻害剤、抗CD20モノクローナル抗体、レナリドミドと組み合わせた)などの1以上の他の活性成分との組み合わせ使用を定義する。BTK阻害剤の例としては、イブルチニブ、ACP−196(Acalabrutinib)、CC−292(Sperutinib)、ONO−4059(Tirabrutinib)、BGB−3111、及びGDC−0853が挙げられるが、これらに限定されない。SYK阻害剤の例としては、GS−9973(エントスプレチニブ)及びHMPL−523が挙げられるが、これらに限定されない。JAK阻害剤の例としては、ルキソリチニブが挙げられるが、これらに限定されない。Bcl−2阻害剤の例としては、ベネトクラックス(ABT−199)、ABT−263(ナビトクラックス)、及びBCL201(S55746)が挙げられるが、これらに限定されない。抗CD20モノクローナル抗体の例としては、リツキシマブ、オファツムマブ、及びオビヌツズマブが挙げられるが、これらに限定されない。
【0174】
免疫抑制剤の例には、限定されないが、コルチコイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、又はブデソニド)疾患修飾剤(例、抗マラリア薬、メトトレキサート、スルファサラジン、メサラミン、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、メトロニダゾール、又はD−ペニシラミン)、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、アセトミノフェン、アスピリン、サリチル酸ナトリウム、クロモグリケートナトリウム、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸サリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、ピロキシカム、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタミン、メクロフェナム酸、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ナブメトン、オキサプロジン、フェニルブチルニトロン(PBN)、スリンダク、又はトルメチン)、COX−2阻害剤、サイトカイン合成/放出阻害剤(例えば、抗サイトカイン抗体、抗サイトカイン受容体抗体など)が含まれる。
【0175】
ステロイドの例としては、ブデソニド、ベクロメルタゾンジプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、シクレソニド、モメタゾンフロエートなどのグルココルチコイドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0176】
さらに、本発明の結晶形態、溶媒和物、及びその結晶形態から選択される少なくとも1つの活性薬学的成分を、他の抗腫瘍剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書中で使用される場合、用語「抗腫瘍剤」は、癌を治療するのに有用な任意の薬剤を指す。抗腫瘍剤の例としては、放射線療法剤、免疫療法剤、DNA損傷化学療法剤、及び細胞複製を破壊する化学療法剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
DNA損傷化学療法剤には、例えば、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン及びそれらの類似体又は代謝産物、ならびにアドリアシン);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、ダウノルビシン);アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシン、及びシクロホスファミド);DNAインターカレーター(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、及びカルボプラチン);DNAインターカレーター及びブレオマイシンなどのフリーラジカルジェネレーター。及びヌクレオシド模倣物(例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、アザシチジン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及びヒドロキシ尿素)が含まれるが、これらに限定されない。
【0178】
細胞複製を妨害する化学療法剤には、以下が含まれるが、これらに限定されない:パクリタキセル、ドセタキセル、及び関連する類似体;ビンクリスチン、ビンブラスチン、及び関連する類似体;サリドマイド及び関連する類似体(例えば、CC−5013及びCC−4047);プロテインチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブ及びゲフィチニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ);IカッパBキナーゼの阻害剤を含むNF−カッパB阻害剤;癌で過剰発現し、それによって細胞複製をダウンレギュレートするタンパク質に結合する抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、及びベバシズマブ);及び癌において上方制御、過剰発現、又は活性化されることが知られているタンパク質又は酵素の他の阻害剤(それらの阻害は細胞複製を下方制御する可能性がある)。
【0179】
さらに、本明細書に記載される方法は、投与の順序によって制限されず、1つ以上の他の活性成分を、少なくとも1つの活性薬理学的成分の投与の前後に同時に投与することができる。上記の組み合わせにおける少なくとも1つの活性薬学的成分は、式Aの化合物の結晶形態、式Aの化合物の溶媒和物、及びその結晶形態(例えば、形態I、形態IV、形態V、形態VI及び形態VIII)から選択される。
【実施例】
【0180】
以下の非限定的な実施例が提供される。
【0181】
実験
実施例で使用した化合物(S)−4−アミノ−6−((1−(3−クロロ−6−フェニルイミダゾ[1,2−b]ピリダジン−7−イル)エチル)アミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル原料をWO2016/045591A1に従って調製した。
【0182】
本開示で使用される中間体を除く全ての試薬は、市販されている。試薬以外のすべての化合物の名前はChemDraw Professional 16.0によって生成された。
【0183】
特に断らない限り、ドイツのBruker D8 ADVANCE X線回折計(ターゲット:Cu;電圧:40kV;電流:40mA;走査速度:4℃/分;ステップサイズ:0.02℃;走査範囲:3〜45℃)を用いてX線粉末回折像を得た。
【0184】
特に断らない限り、ドイツのNETZSCH DSCH 204F1(パージガス:窒素;流速:20〜60mL min
−1;加熱速度:5〜10℃/min;温度範囲:30〜300℃)で示差走査熱量測定(DSC)を行った。サンプルは、穿刺したアルミニウム製パンで測定した。温度校正にはインジウムを使用した。あるいは、DSCは、米国のTA会社のDSC Q2000上で実施された。
【0185】
特に断らない限り、熱重量分析(TG)は、ドイツNETZSCH TGA 209F1(パージガス:窒素;加熱速度:10℃/分)を用いて、又は米国TA社のTG Q500を用いて得た。
【0186】
実施例1:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物0.86gを酢酸エチル28mLに加熱下に溶解し、撹拌した。次に、溶液を室温に冷却し、中程度の速度で17時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下60℃で1.5時間乾燥して固体0.53gを得た。
【0187】
得られた粉末試料は、式Aの化合物の形態Iであり、そのX線粉末回折像を
図1に示す。 図から選ばれたピーク(2θ)は、6.8、7.8、8.0、10.0、12.1、12.1、12.6、13.7、14.4、15.0、15.0、15.3、16.2、16.5、17.0、17.9、17.0、17.9、18.7、18.7、20.1、21.3、22.6、23.1、25.4、26.1、29.0°であり、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有し、特徴的なピーク(2θ)は6.8、10.0、16.5、20.1、22.6°である。DSCの結果を
図2に示し、形態Iの吸熱ピークが約261.2〜262.1℃であることを示す。
【0188】
実施例2:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの適当量の化合物を、それぞれ表1に列挙した適当量の溶媒中に懸濁した。懸濁液を表1にリストした温度に加熱して溶解させた。その後、溶液を20〜25℃に冷却した。次に、沈殿物をそれぞれ濾過して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0189】
【表1】
【0190】
実施例3:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの適当量の化合物を、それぞれ表2に列挙した適当量の溶媒中に懸濁した。懸濁液を表2にリストした温度に加熱して溶解させた。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、適度な速度で時間撹拌した。次に、沈殿物をそれぞれ濾過して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0191】
【表2】
【0192】
実施例4:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物0.55gを酢酸エチル15.5mLに懸濁し、70〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を5〜10℃に冷却し、適度な速度で1時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で16時間乾燥して、0.36gの試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0193】
実施例5:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物2.4gをトルエン265mLに懸濁し、100〜110℃に加熱して溶解した。その後、溶液を20〜25℃に冷却した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で16時間乾燥して、2.19gの試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0194】
実施例6:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物130mgをジクロロメタン20mLに懸濁し、加熱して穏やかに還流して溶解した。この溶液を加熱還流下で1時間撹拌し、次に20〜25℃に冷却した。少量の固体が沈殿した。ジクロロメタン5mLを加え、4時間撹拌した。固体試料を濾過により得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0195】
実施例7:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物100mgを混合溶媒(テトラヒドロフラン/水、体積比4/1)2mLに懸濁し、60〜70℃に加熱して溶解した。この溶液を25〜30℃に冷却したが、1時間後に固形物は沈殿しなかった。次に水2mLを加え、18時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0196】
実施例8:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物1.08gを酢酸エチル37mLに懸濁し、70〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を25〜30℃に冷却し、2時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下58℃で2時間乾燥し、最初のバッチの試料を得た。次に、100mLのイソプロピルエーテルを濾液に加え、17時間撹拌した。次に、沈殿物を再度濾過し、真空下58℃で2時間乾燥して、2番目のバッチの試料を得た。測定時に、得られた2バッチの試料のX線粉末回折像は、両方とも実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0197】
実施例9:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物120mgをエタノール4.5mLに懸濁し、75〜85℃に加熱して溶解し、熱時に濾過した。次に、6mLのn−ヘプタンを濾液に添加した。溶液を25〜30℃に冷却し、16時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0198】
実施例10:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物110mgを1,4−ジオキサン1.2mLに懸濁し、80〜85℃に加熱して溶解した。n−ヘプタン1mLを加えた。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、18時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で4時間乾燥し、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0199】
実施例11:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物0.52gを酢酸エチル27mLに懸濁し、75〜85℃に加熱して溶解し、熱時ろ過して少量の不溶性物質を除去した。次に、濾液を75〜85℃に再加熱して全固体を溶解させ、n−ヘプタン5mLを加えた。その後、混合物を20〜25℃に冷却し、17時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で2時間乾燥し、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0200】
実施例12:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)をそれぞれ酢酸エチル及びトルエンに懸濁し、加熱還流した。次に、式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)を、過剰な固体が各系に存在するまで添加した。得られた懸濁液を加熱還流下で2時間撹拌し、20〜25℃に冷却し、18時間放置した。次に、固体をそれぞれ濾過して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0201】
実施例13:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)をテトラヒドロフラン0.7mLに懸濁し、加熱還流した。次に、式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)を、システム中に過剰な固体が存在するまで添加した。得られた懸濁液を加熱還流下で2時間撹拌し、10分間放置した。次に、上清0.5mLを別のバイアルに除去し、バイアル中のテトラヒドロフランを窒素パージにより除去し、次に真空下60℃で1時間乾燥して固体試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0202】
実施例14:式Aの化合物の形態Iの製造
式Aの化合物の適当量の固体(表3に列挙した形態)を、それぞれ表3に列挙した適当量の溶媒中に懸濁させた。懸濁液を25〜30℃で一定時間撹拌し、それぞれ濾過して各固体試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例1で得られた式Aの化合物の形態Iのものと一致する。
【0203】
【表3】
【0204】
実施例15:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物3.59gを90%エタノール100mLで70〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を室温までゆっくりと冷却し、適度な速度で撹拌した。次に、沈殿物を濾過により集め、乾燥して固体1.64gを得た。
【0205】
得られた固体試料は、式Aの化合物の形態IVであり、そのX線粉末回折像を
図4に示す。図から選ばれたピーク(2θ)は、4.6、7.2、8.9、2.9、2.9、7.7、11.3、11.5、12.0、13.2、13.2、13.8、14.4、14.7、14.7、15.5、16.0、16.5、16.5、17.5、18.8、18.2、19.0、19.5、21.1、21.6、22.3、22.6、23.6°であり、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)であり、特徴的なピーク(2θ)は4.6、9.2、15.5、17.8、19.0°である。DSCの結果を
図5に示し、形態IVの吸熱ピークが約261.8〜263.8℃であることを示す。
【0206】
実施例16:式Aの化合物の形態IVの製造
81.2mgの式Aの化合物を加熱還流下でエタノール3mLに溶解し、20分間撹拌した。 加熱を停止した後、溶液を20〜25℃に自然冷却し、適度な速度で1時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0207】
実施例17:式Aの化合物の形態IVの製造
81.4mgの式Aの化合物を2.2mLの95%エタノールに加熱還流下に溶解し、30分間撹拌した。加熱を停止した後、溶液を20〜25℃に自然冷却し、適度な速度で1時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0208】
実施例18:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物の適当量を加熱条件下で種々の溶媒にそれぞれ溶解した。次に、得られた各溶液を所定の温度に冷却し、それぞれ適度な速度で時間撹拌した。次に、沈殿物をそれぞれ濾過して、各試料を得た(特定の条件を表4にリストした)。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0209】
【表4】
【0210】
実施例19:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物の適当量を加熱条件下で種々の溶媒にそれぞれ溶解した。次に、得られた各溶液を所定の温度に冷却し、それぞれ適度な速度で時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、乾燥させて、各試料を得た(特定の条件を表5に列挙した)。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0211】
【表5】
【0212】
実施例20:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物100mgをメタノール/水混合溶媒(8.0mL/1.5mL)に60〜65℃で溶解し、60〜65℃で30分間保持した。その後、溶液を20〜25℃に冷却したところ、少量の固体しか沈殿しなかった。次に、7mLの水を混合物に加え、撹拌を17時間続けた。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0213】
実施例21:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物0.99gを95%エタノール24mLに75〜85℃で溶解し、水40mLを加え、75〜85℃で30分間保存した。その後、混合物を20〜25℃に冷却し、さらに10mLの水を加え、1時間撹拌した。その後、混合物をさらに0〜5℃に冷却し、2時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で1.5時間乾燥して、0.80gの試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0214】
実施例22:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物6.05gを80%エタノール90mLに加熱還流下に溶解した。0.5℃/minの冷却速度で70℃に冷却したところ、固形物は沈殿せず、80分以内に水90mLを徐々に加えると大量の固形物が沈殿した。混合物を70℃で100分間撹拌し、0.5℃/minの冷却速度で60℃まで冷却し、2時間撹拌した後、0.5℃/minの冷却速度で50℃まで冷却し、2時間撹拌した後、0.2℃/minの冷却速度で0℃まで冷却し、5.5時間撹拌した。その後、混合物を0〜5℃でさらに5時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、室温で3日間乾燥し、更に真空下55℃で2時間乾燥して試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0215】
実施例23:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物5.04gを加熱還流下に70%のi−プロパノール65mLに溶解した。この溶液に水90mLを急速に加えた。次に、溶液を2℃/分の速度で20〜25℃に冷却し、5時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で16時間乾燥して、4.96gの試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0216】
実施例24:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物190mgを混合溶媒(1,4−ジオキサン/エタノール、体積比1/5)3.3mLに80〜85℃で溶解した。この溶液に水6mLを加え、20〜25℃に冷却し、18時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で4時間乾燥し、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0217】
実施例25:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物4gを60mLの混合溶媒(テトラヒドロフラン/エタノール/水、体積比は、それぞれ1/99/25、5/95/25、10/90/25)に80〜85℃で30分間溶解し、撹拌した。次に、溶液をそれぞれ0.5℃/分の速度で60℃に冷却し、60℃で1.5時間撹拌した。水60mLを各溶液に滴下(添加時間は1時間)した。水を加えた後、60℃で1時間撹拌し、25℃までそれぞれ0.5℃/minで冷却し、17.5時間撹拌し、0℃までそれぞれ0.5℃/minで冷却し、2時間撹拌した。次に、固体をそれぞれ濾過し、5mLの40%エタノールで洗浄し、真空下55℃で18時間乾燥して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0218】
実施例26:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物(形態I)120mgの固体を水4mLで75〜85℃で1時間スラリーにした。その後、懸濁液を20〜25℃に冷却し、3時間撹拌した。0.8mLのエタノールを混合物に加え、16時間撹拌し続けた。次に、固体を濾過して生成物を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0219】
実施例27:式Aの化合物の形態IVの製造
表6に列挙した適量の溶媒をそれぞれ20〜25℃のフラスコに入れ、溶液中に過剰の固体が存在するまで式Aの化合物(形態IV及び形態Vの混合物)の固体を加えた。次に、混合物をそれぞれ表6に列挙した温度まで加熱し、式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)を、各系に過剰な固体が存在するまで添加した。次に、混合物を、表6にリストした温度下で2時間撹拌し、20〜25℃に冷却し、そしてそれぞれ18時間放置した。次に、固体をそれぞれ濾過して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0220】
【表6】
【0221】
実施例28:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物の適当量の固体(表7に列挙した形態)を、それぞれ適当量の水に懸濁した。次に、懸濁液を一定の温度下で一定時間撹拌し、濾過して、各固体試料を得た(特定の条件は表7に列挙したとおりであった)。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0222】
【表7】
【0223】
実施例29:式Aの化合物の形態IVの製造
式Aの化合物(形態VI)の適当量を真空下120℃で3時間加熱して試料を得た。あるいは、式Aの化合物(形態VI)の適当量を真空下でまず50℃で0.5時間乾燥し、次に55℃で4時間乾燥し、最後に120℃で0.5時間乾燥して試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例15で得られた式Aの化合物の形態IVのものと一致する。
【0224】
実施例30:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの化合物0.83gをアセトニトリル85mLに懸濁し、70〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、中程度の速度で17時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下60℃で1時間乾燥させ、固体0.62gを得た。
【0225】
得られた粉末試料は、式Aの化合物の形態Vであり、そのX線粉末回折像を
図7に示す。図から選ばれたピーク(2θ)は、4.6、7.3、8.9、10.0、11.2、11.6、13.5、14.5、14.5、16.5、16.0、17.7、18.0、18.0、19.3、20.0、20.7、22.7、22.7、23.4、24.0、25.1、26.0、27.0、27.2、28.4、29.7°であり、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)の誤差を有し、特徴的なピーク(2θ)は7.3、11.6、14.6、19.3、23.4°である。DSCの結果を
図8に示し、形態Vの吸熱ピークが約261.4〜262.4℃であることを示す。
【0226】
実施例31:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの化合物700mgをアセトニトリル/酢酸の混合溶媒(20mL/1.4mL)に懸濁し、75〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、適度な速度で1時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下55℃で1時間乾燥して、300mgの固体を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例30で得られた式Aの化合物の形態Vのものと一致する。
【0227】
実施例32:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの化合物1gを90%アセトニトリル50mLに懸濁し、70〜80℃に加熱して溶解した。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、中程度の速度で15時間撹拌した後、−10〜−5℃にさらに冷却し、中程度の速度で3時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、真空下60℃で16時間乾燥させ、固体0.72gを得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例30で得られた式Aの化合物の形態Vのものと一致する。
【0228】
実施例33:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの適当量の化合物を、それぞれ表8に列挙した適当量の溶媒中に懸濁した。懸濁液を表8にリストした温度に加熱して溶解させた。次に、溶液を20〜25℃に冷却し、適度な速度で時間撹拌した。次に、沈殿物をそれぞれ濾過して、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例30で得られた式Aの化合物の形態Vのものと一致する。
【0229】
【表8】
【0230】
実施例34:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)を適量のアセトニトリルに懸濁し、加熱還流した。次に、式Aの化合物の固体(形態IV及び形態Vの混合物)を、システム中に過剰な固体が存在するまで添加した。得られた懸濁液を加熱還流下で2時間撹拌し、20〜25℃に冷却し、18時間放置した。次に、固体を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例30で得られた式Aの化合物の形態Vのものと一致する。
【0231】
実施例35:式Aの化合物の形態Vの製造
式Aの化合物160mg及び式Aの化合物180mgの試料をそれぞれ8mLのアセトニトリルと混合し、70〜80℃で4時間撹拌した後、22〜28℃に冷却し、7日間撹拌した。別の3mLのアセトニトリルを各混合物にそれぞれ添加した。混合物を70〜80℃に再加熱し、4時間撹拌した後、22〜28℃に冷却し、16時間撹拌した。次に、固体をそれぞれ濾過し、真空下50℃で30分間乾燥させて、各試料を得た。測定時に、得られた試料のそれぞれのX線粉末回折像は、実施例30で得られた式Aの化合物の形態Vのものと一致する。
【0232】
実施例36:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物3gをアセトン130mLに懸濁し、55〜60℃に加熱して溶解した。次に、溶液を25〜30℃に冷却し、約18時間撹拌を続けた。次に、沈殿物を濾過し、空気中で30分間乾燥させ、生成物2.15gを得た。アセトン(ガスクロマトグラフィー、GC)の含量は10.86%である。
【0233】
得られた粉末試料は、式Aの化合物の形態VIであり、そのX線粉末回折像を
図10に示す。図から選ばれたピーク(2θ)は、6.9、8.9、8.8、10.9、10.4、12.4、13.4、13.4、15.0、15.0、15.8、16.2、16.2、16.8、17.3、18.0、18.2、18.2、18.2、18.2、18.9、19.4、19.4、19.7、20.7、21.0、21.6、21.0、21.6、22.5、23.0、23.3、23.8、23.8、23.5、25.0、25.0、26.2、29.8°であり、特徴的ピーク(2θ)は8.6、10.4、12.0、15.0、19.0、19.7°である。DSCの結果を
図11に示し、形態VIの吸熱ピークは約97.3〜106.0℃、約262.3〜265.0℃であることを示している。
【0234】
実施例37:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物を2.5mLの95%アセトンに40〜45℃で飽和まで溶解し、加熱しながら濾過して不溶性物質を除去した。その後、ろ液を20〜25℃に冷却し、2時間撹拌を続けた。次に、沈殿物を濾過して生成物を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例36で得られた式Aの化合物の形態VIのものと一致する。
【0235】
実施例38:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物80mgをアセトン3.7mLに懸濁し、50〜60℃に加熱して溶解し、30分間撹拌した。次に、混合物を濾過した。次に、溶液を氷浴で急速に0〜5℃に冷却し、さらに1時間撹拌した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例36で得られた式Aの化合物の形態VIのものと一致する。
【0236】
実施例39:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物80mgをアセトン/i−プロパノール混合溶媒(体積比7/3)8mLに懸濁し、50〜60℃に加熱して溶解した。その後、加熱を停止し、20〜25℃まで自然冷却した。次に、沈殿物を濾過して、試料を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例36で得られた式Aの化合物の形態VIのものと一致する。
【0237】
実施例40:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物700mgを、アセトン/水の混合溶媒(体積比3/1)20mLに懸濁し、50〜60℃に加熱して溶解し、熱時に濾過した。次に、濾液を20〜25℃に冷却し、更に1時間撹拌し、更に0〜5℃に冷却し、30分間撹拌した。次に、少量の試料を濾過して、最初のバッチの試料を得た。その後、残りの混合物に水30mLを加え、20〜25℃で17時間撹拌を続けた。次に、沈殿物を濾過して、第2バッチの試料を得た。測定時に、得られた2バッチの試料のX線粉末回折像は、実施例36で得られた式Aの化合物の形態VIのものと一致する。
【0238】
実施例41:式Aの化合物の形態VIの製造
式Aの化合物の固体70mg(形態I及び形態Vの混合物)を、アセトン/水の混合溶媒(体積比3/1)0.9mLに懸濁し、25〜30℃で6日間撹拌し、濾過して固体を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例36で得られた式Aの化合物の形態VIのものと一致する。
【0239】
実施例42:式Aの化合物の形態VIIIの製造
式Aの化合物10.2gを70%のi−プロパノール130mLと混合し、還流加熱して溶解し、75〜80℃で30分間撹拌した。次に、溶液を45〜55℃に冷却し、さらに2時間撹拌し、さらに23〜30℃に冷却し、約6日間撹拌した。次に、沈殿物を濾過し、空気中で100分間乾燥させ、生成物を得た。水(KF)含量は10.8%、i−プロパノール(ガスクロマトグラフィー、GC)含量は6.8%であった。
【0240】
得られた粉末試料は、式Aの化合物の形態VIIIであり、そのX線粉末回折像を
図13に示す。図から選ばれたピーク(2θ)は、7.0、8.3、8.7、10.7、11.4、13.3、13.8、14.2、14.2、15.3、15.7、17.7、17.7、19.0、19.4、19.4、19.4、19.6、20.3、20.3、21.4、22.4、22.4、23.1、23.5、24.0、25.0、25.4、25.4、26.9、27.2°であり、測定された2θ値は、それぞれ約±0.2°(2θ)であり、特徴的なピーク(2θ)は7.0、8.3、11.4、15.3、23.1°である。DSCの結果は
図14に示されており、形態VIIIの吸熱ピークは約64.1〜81.7℃、約261.5〜262.2℃であることが示されている。
【0241】
実施例43:式Aの化合物の形態VIIIの製造
式Aの化合物の試料3.9gを70%のi−プロパノール50mLに懸濁し、室温で3日間撹拌して、試験のための最初のバッチの試料を得た。懸濁液をさらに3日間撹拌した。10mLの70%のi−プロパノールを懸濁液に添加し、撹拌を2日間続けた。次に、固体を濾過により回収し、室温で空気中で50分間乾燥させて、第2バッチの試料を得た。測定時に、得られた2バッチの試料のX線粉末回折像は、実施例42で得られた式Aの化合物の形態VIIIのものと一致する。
【0242】
実施例44:式Aの化合物の形態VIIIの製造
式Aの化合物の200mgのサンプルを、4mLの90%のi−プロパノールに懸濁した。混合物を20〜25℃で4日間撹拌し、濾過して固体を得た。測定時に、得られた試料のX線粉末回折像は、実施例42で得られた式Aの化合物の形態VIIIのものと一致する。
【0243】
実施例45:高温、高湿度及び照明条件下における形態I、形態IV及び形態Vの安定性
定量方法:形態I、形態IV及び式Aの化合物の形態Vの試験サンプルをそれぞれ培養皿上に置き、蓋を開け、密封した清浄な容器に入れた。容器を60℃、温度25℃、相対湿度92.5%±5%、照度4500lx±500lxの条件下で10日間置いた。次にサンプルを採取し、サンプルの純度と結晶形態を調べ、調査結果を比較した。結果を表9に示した。
【0244】
【表9】
【0245】
結論:表9のデータは、形態Iの化学純度及び結晶形態、形態IV及び式Aの化合物の形態Vは、高温、高湿度及び照射条件下で10日間放置しても変化しないことを示し、形態I、形態IV及び形態Vは安定であることを示す。
【0246】
実施例46:賦形剤と混合された形態IVの安定性
定量方法:式Aの化合物の形態IVのサンプル50mgを、それぞれ200mgの賦形剤デンプン及び微結晶セルロースと混合した。混合物を試験サンプルとして使用し、培養皿上にそれぞれ置き、蓋を開け、密封された清潔な容器に入れた。その後、60℃、25℃、相対湿度92.5%±5%、照度4500lx±500lxの条件で30日間容器を置いた。その後、サンプルをサンプリングし、サンプルの結晶形態の変化を調べ、調査結果を比較した。結果を表10に示した。
【0247】
【表10】
【0248】
結論:表10のデータは、式Aの化合物とデンプン又は微結晶セルロースとの混合物が、高温、高湿度及び照射条件下で安定であり、形態IVが試験条件下で安定であることを示す。
【0249】
実施例47:種々の緩衝液中の形態I、形態IV、及び形態Vの溶解度
定量方法:形態I、形態IV及び式Aの化合物の形態Vのサンプルの過剰量を、それぞれ異なるpHの緩衝液中に懸濁した。システムを一定温度の水浴中で37℃で一定時間振盪することにより飽和させた。次に、システムを濾過し、濾液をサンプルの溶解度を決定するために使用した。各形態の溶解度を表11に示した。異なるpHの緩衝液は、米国薬局方(USP40−NF35)に従って調製した。
【0250】
【表11】
【0251】
結論:表11のデータは、式Aの化合物の試験緩衝液、形態I、形態IV及び形態Vにおいて、全て良好な溶解度を有することを示す。
【0252】
実施例48:形態I、形態IV、及び形態Vの吸湿性
定量方法:形態I、形態IV及び式Aの化合物の形態Vの試験サンプルを、それぞれ動的蒸気収着装置(DVS−INTRINSIC)のサンプル皿に入れた。その後、25℃で0〜95%の相対湿度で試料の吸湿による体重増加を測定した。結果を
図16、
図17及び
図18に示した。
【0253】
結論:
図16、
図17、及び
図18の曲線は、形態I、形態IV、及び式Aの化合物の形態Vのすべてが非吸湿性であることを示す。
【0254】
本明細書に記載される実施例及び実施形態は、解釈の目的に過ぎず、これらを考慮して種々の改良又は修正が当業者に示唆され、本出願及び添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にあることを理解されたい。本明細書に引用される全ての刊行物、特許及び特許出願は、全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。