特表2021-522275(P2021-522275A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-522275サイクリン依存性キナーゼ阻害剤としての2−アミノ−ピリジンまたは2−アミノ−ピリミジン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-522275(P2021-522275A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】サイクリン依存性キナーゼ阻害剤としての2−アミノ−ピリジンまたは2−アミノ−ピリミジン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20210802BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210802BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20210802BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20210802BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20210802BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20210802BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20210802BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20210802BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20210802BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   C07D401/14CSP
   A61P35/00
   A61K31/506
   C07D487/04 138
   C07D498/04 112Q
   A61K31/5383
   C07D405/14
   C07D487/04 144
   C07D471/04 107Z
   A61K31/4545
   A61K31/4439
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】317
(21)【出願番号】特願2020-560277(P2020-560277)
(86)(22)【出願日】2019年4月22日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月23日
(86)【国際出願番号】IB2019053314
(87)【国際公開番号】WO2019207463
(87)【国際公開日】20191031
(31)【優先権主張番号】62/663,096
(32)【優先日】2018年4月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/750,454
(32)【優先日】2018年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/826,609
(32)【優先日】2019年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ピン
(72)【発明者】
【氏名】チョー−シュルツ,スジン
(72)【発明者】
【氏名】ディール,ジュディス・ガイル
(72)【発明者】
【氏名】ギャレゴ,ギャリー・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ジャレイー,メーラン
(72)【発明者】
【氏名】カニア,ロバート・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ナイール,サジブ・クリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】ニンコビク,サシャ
(72)【発明者】
【氏名】オール,スビ・トゥーラ・マルジュッカ
(72)【発明者】
【氏名】パーマー,シンシア・ルイーズ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050AA07
4C050BB05
4C050CC04
4C050DD10
4C050EE02
4C050FF02
4C050FF10
4C050GG02
4C050HH04
4C063AA03
4C063AA05
4C063BB01
4C063BB02
4C063BB09
4C063CC29
4C063CC72
4C063CC73
4C063CC78
4C063DD10
4C063DD26
4C063DD29
4C063EE01
4C065AA04
4C065BB06
4C065CC01
4C065DD03
4C065EE02
4C065HH06
4C065JJ01
4C065KK02
4C065KK09
4C065LL01
4C065PP13
4C065PP14
4C072AA01
4C072AA06
4C072BB02
4C072BB06
4C072CC02
4C072CC11
4C072DD10
4C072EE07
4C072FF05
4C072GG06
4C072GG10
4C072HH05
4C072HH07
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC39
4C086BC42
4C086CB03
4C086CB05
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物:
[この文献は図面を表示できません]

またはその薬学的に許容可能な塩(式中、R基R〜R23、A、Q、U、V、W、X、Y、Z、n、pおよびqは、本明細書で定義された通りである)に、そのような化合物および塩類を含む医薬組成物に、そしてそのような化合物、塩類および組成物を対象における癌を含む異常な細胞増殖の処置のために使用する方法に関する。
【選択図】なし
[この文献は図面を表示できません]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
Aは、NまたはCHであり;
は、H、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
UがNRである場合、Vは、NまたはCRであり;かつ
UがCRである場合、Vは、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C(O)R、C(O)NR、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており、Rは、C〜Cアルキルであり、かつそれぞれのRは、独立してHもしくはC〜Cアルキルであり;かつ
は、H、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819により置換されており;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NR2223、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりさらにOH、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりさらにF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である化合物。
【請求項2】
式(II)の化合物:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
UがNRである場合、Vは、NまたはCRであり;かつ
UがCRである場合、Vは、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である化合物。
【請求項3】
式(III)の化合物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
UがNRである場合、Vは、NまたはCRであり;かつ
UがCRである場合、Vは、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Xが、CRであり、Yが、CRであり、かつZが、CRである化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Uが、NRであり、かつVが、CRである化合物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Uが、CRであり、かつVが、NRである化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Qが、Oである化合物。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Qが、NR11である化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、OHである化合物。
【請求項10】
式(IX)の化合物:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;かつ
nは、0、1、2、3または4である化合物。
【請求項11】
請求項10に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、R11が、SO14であり、かつR14が、C〜Cアルキルである化合物。
【請求項12】
式(XI)の化合物:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;かつ
nは、0、1、2、3または4である化合物。
【請求項13】
請求項10、11または12に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、Clである化合物。
【請求項14】
請求項10〜13のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、C〜Cアルキルであり、前記のC〜Cアルキルが、場合によりR20により置換されている化合物。
【請求項15】
請求項10〜14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、C〜Cアルキルであり、前記のC〜Cアルキルが、場合によりR20により置換されている化合物。
【請求項16】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、Fであり、Rが、Hであり、かつRが、Hである化合物。
【請求項17】
請求項10〜16のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、Rが、OHである化合物。
【請求項18】
(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールまたはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールまたはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項21】
癌の処置を必要とする対象における癌の処置のための方法であって、該対象に療法上有効量の請求項10〜19のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【請求項22】
請求項10〜19のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、それを必要とする対象における癌の処置における使用のための化合物。
【請求項23】
癌の処置における使用のための請求項10〜19のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、前記の処置が、第2の薬学的に有効な薬剤の投与を含む化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)〜(XII)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩類に、そのような化合物および塩類を含む医薬組成物に、そしてその使用に関する。本発明の化合物、塩類および組成物は、対象における異常な細胞増殖、例えば癌の処置に有用で有り得る。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)および関連するセリン/スレオニンタンパク質キナーゼは、細胞分裂および増殖の制御において本質的な機能を果たす重要な細胞酵素である。CDKの触媒ユニットは、サイクリン類として知られる制御サブユニットによって活性化される。少なくとも16種類の哺乳類のサイクリン類が、同定されている(Johnson DG, Walker CL. Cyclins and Cell Cycle Checkpoints. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. (1999) 39:295-312)。サイクリン/CDKヘテロダイン(heterodynes)の追加の機能は、転写、DNA修復、分化およびアポトーシスの制御を含む(Morgan DO. Cyclin dependent kinases: engines, clocks, and microprocessors. Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. (1997) 13:261-291)。
【0003】
CDK阻害剤は、癌の処置において有用であることが実証されている。CDKの増大した活性または時間的に異常な活性化は、結果としてヒト腫瘍の発生をもたらすことが示されており、ヒト腫瘍の発生は、一般にCDKタンパク質自体またはそれらの制御因子のどちらかにおける変化と関係している(Cordon Cardo C. Mutations of cell cycle regulators: biological and clinical implications for human neoplasia. Am. J. Pathol. (1995) 147:545-560; Karp JE, Broder S. Molecular foundations of cancer: new targets for intervention. Nat. Med. (1995) 1:309-320; Hall M, Peters G. Genetic alterations of cyclins, cyclin dependent kinases, and Cdk inhibitors in human cancer. Adv. Cancer Res. (1996) 68:67-108)。
【0004】
CDK4およびCDK6は、G1−Sチェックポイントにおける細胞周期進行の重要な制御因子であり、それは、D型サイクリン類およびINK4内因性CDK阻害因子、例えばp16INK4a(CDKN2A)によって制御される。サイクリンD−CDK4/6−INK4−網膜芽細胞腫(Rb)経路の制御不全は、内分泌療法抵抗性の発現と関係していることが報告されている。
【0005】
CDK4およびCDK6の変異は、メラノーマおよび他の腫瘍の部分群において記載されている(Zuo L, et al., Germline mutations in the p16INK4a binding domain of CDK4 in familial melanoma. Nature Genet. (1996) 12, 97-99; Ortega S, et al. Cyclin D dependent kinases, INK4 inhibitors and cancer. Biochim. Biophys. Acta (2002) 1602:73-87; Smalley KSM et al. Identification of a novel subgroup of melanomas with KIT/cyclin dependent kinase-4 overexpression. Cancer Res (2008) 68: 5743-52)。CDKおよびサイクリン類の制御サブユニットの増幅ならびに内因性INK4 CDK阻害因子の変異、遺伝子欠失または転写サイレンシングも、その経路が活性化され得るメカニズムとして報告されている(Smalley KSM (2008))。
【0006】
CDK阻害剤の開発は、文献において総説されている。例えば、Sanchez-Martinez et al. Cyclin dependent kinase (CDK) inhibitors as anticancer drugs, Bioorg. Med. Chem. Lett. (2015) 25: 3420-3435(およびそこで引用された参考文献)を参照。CDK4/6阻害剤の内分泌療法との組み合わせでの使用は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子2(HER2)陰性の進行性または転移性乳癌の処置において有意な有効性を実証しており、パルボシクリブ、リボシクリブおよびアベマシクリブを含むCDK4/6阻害剤は、第一選択または第二選択設定において内分泌療法との組み合わせで承認されている。
【0007】
しかし、CDK4/6阻害剤による処置は、結果として胃腸および/または血液学的毒性のような有害な作用をもたらす可能性があり、獲得抵抗性が、時間の経過とともに発現し得る。明らかになりつつあるデータは、サイクリンD3−CDK6が観察された血液学的毒性に関連している可能性があることを示唆している(Malumbres et al., Mammalian Cells Cycle without the D-type Cyclin-Dependent Kinases Cdk4 and Cdk6, (2004) Cell 118(4):493-504; Sicinska et al. Essential Role for Cyclin D3 in Granulocyte Colony-Stimulating Factor-Driven Expansion of Neutrophil Granulocytes (2006), Mol. Cell Biol 26(21): 8052-8060; Cooper et al. A unique function for cyclin D3 in early B cell development, (2006), Nat. Immunol. 5(7):489-497)。CDK4は、多くの乳癌において単一の(singular)発癌性ドライバーとして同定されている。従って、CDK4選択的阻害剤は、二重CDK4/6阻害剤と比較してより高用量および/または継続的な投与の可能性のため、向上した安全性プロファイルまたは高められた全体的有効性を提供し得る。
【0008】
従って、癌の処置のための向上した療法に関する必要性が、依然として存在する。本発明の化合物、組成物および方法は、1つ以上の利点、例えばより大きな有効性;副作用を低減する可能性;薬物−薬物相互作用を低減する可能性;向上した投与スケジュールを可能にする可能性;または抵抗機序を克服する可能性等を有すると信じられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Johnson DG, Walker CL. Cyclins and Cell Cycle Checkpoints. Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. (1999) 39:295-312
【非特許文献2】Morgan DO. Cyclin dependent kinases: engines, clocks, and microprocessors. Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. (1997) 13:261-291
【非特許文献3】Cordon Cardo C. Mutations of cell cycle regulators: biological and clinical implications for human neoplasia. Am. J. Pathol. (1995) 147:545-560
【非特許文献4】Karp JE, Broder S. Molecular foundations of cancer: new targets for intervention. Nat. Med. (1995) 1:309-320
【非特許文献5】Hall M, Peters G. Genetic alterations of cyclins, cyclin dependent kinases, and Cdk inhibitors in human cancer. Adv. Cancer Res. (1996) 68:67-108
【非特許文献6】Zuo L, et al., Germline mutations in the p16INK4a binding domain of CDK4 in familial melanoma. Nature Genet. (1996) 12, 97-99
【非特許文献7】Ortega S, et al. Cyclin D dependent kinases, INK4 inhibitors and cancer. Biochim. Biophys. Acta (2002) 1602:73-87
【非特許文献8】Smalley KSM et al. Identification of a novel subgroup of melanomas with KIT/cyclin dependent kinase-4 overexpression. Cancer Res (2008) 68: 5743-52
【非特許文献9】Sanchez-Martinez et al. Cyclin dependent kinase (CDK) inhibitors as anticancer drugs, Bioorg. Med. Chem. Lett. (2015) 25: 3420-3435
【非特許文献10】Malumbres et al., Mammalian Cells Cycle without the D-type Cyclin-Dependent Kinases Cdk4 and Cdk6, (2004) Cell 118(4):493-504
【非特許文献11】Sicinska et al. Essential Role for Cyclin D3 in Granulocyte Colony-Stimulating Factor-Driven Expansion of Neutrophil Granulocytes (2006), Mol. Cell Biol 26(21): 8052-8060
【非特許文献12】Cooper et al. A unique function for cyclin D3 in early B cell development, (2006), Nat. Immunol. 5(7):489-497
【発明の概要】
【0010】
本発明は、部分的には、式(I)〜(XII)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩類を提供する。そのような化合物は、CDK4および/またはCDK6を含むCDKの活性を阻害し、それにより生物学的機能に影響を及ぼすことができる。ある態様において、本発明は、CDK4に関して選択的である化合物を提供する。本発明の化合物または塩類を単独で、または追加の抗癌療法剤との組み合わせで含む医薬組成物および医薬品も、提供される。
【0011】
本発明は、部分的には、本発明の化合物、薬学的に許容可能な塩類および組成物を調製するための方法ならびに前記を単独で、または追加の抗癌療法剤との組み合わせで使用する方法も提供する。
【0012】
一側面において、本発明は、式(I)の化合物:
【0013】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0014】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
Aは、NまたはCHであり;
は、H、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C(O)R、C(O)NR、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており、Rは、C〜Cアルキルであり、かつそれぞれのRは、独立してHもしくはC〜Cアルキルであり;かつ
は、H、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819により置換されており;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NR2223、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりさらにOH、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりさらにF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0015】
別の側面において、本発明は、式(II)の化合物:
【0016】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0017】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0018】
別の側面において、本発明は、本明細書で記載される式のいずれかに従う本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、医薬組成物は、2種類以上の薬学的に許容可能なキャリヤーおよび/または賦形剤を含む。
【0019】
本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む療法的方法および使用も提供する。
一側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖、特に癌の処置のための方法であって、その対象に療法上有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。本発明の化合物は、単独の薬剤として投与されることができ、または癌の特定の形態に適切な標準治療薬剤を含む他の抗癌療法剤との組み合わせで投与されることもできる。
【0020】
さらなる側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖、特に癌の処置のための方法であって、その対象にある量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩をある量の追加の抗癌療法剤との組み合わせで投与することを含む方法を提供し、その量は、合わせて前記の異常な細胞増殖の処置において有効である。
【0021】
別の側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖、特に癌の処置における使用のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
さらなる側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖、特に癌の処置のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0022】
別の側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖、特に癌の処置における使用のための医薬組成物を提供し、その医薬組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む。
【0023】
別の側面において、本発明は、医薬品、特に異常な細胞増殖、例えば癌の処置のための医薬品としての使用のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0024】
さらに別の側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖、例えば癌の処置のための医薬品の製造のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0025】
別の側面において、本発明は、対象におけるCDK4により媒介される障害の処置のための方法であって、その対象に本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記の障害、特に癌を処置するために有効である量で投与することを含む方法を提供する。
【0026】
別の側面において、本発明は、本明細書で記載される式のいずれかに従う本発明の化合物および第2の薬学的に有効な薬剤を含む医薬組成物を提供する。
別の側面において、本発明は、癌の処置における使用のための本明細書で記載される式のいずれかに従う本発明の化合物を提供し、ここで、前記の処置は、第2の薬学的に有効な薬剤の投与を含む。
【0027】
下記の本発明の化合物の側面および態様のそれぞれは、それが組み合わせられる態様(単数または複数)と一致しない本明細書で記載される本発明の化合物の1以上の他の態様と組み合わせられることができる。
【0028】
加えて、本発明を記載する下記の態様のそれぞれは、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩類をその範囲内に想定している。従って、句“またはその薬学的に許容可能な塩”は、別途明示的にそうではないことが示されない限り、本明細書で記載される全ての化合物の記載において暗に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、本発明の好ましい態様の以下の詳細な記載および本明細書に含まれる実施例への参照により、より容易に理解され得る。本明細書で使用される用語法は、特定の態様を記載する目的でのみ提供されており、限定することは意図されていないことは、理解されるべきである。さらに、本明細書において別途具体的に定義されない限り、本明細書で使用される用語法は、関連する技術分野で知られているようなその伝統的な意味を与えられるべきであることは、理解されるべきである。
【0030】
本明細書で用いられる際、単数形“a”、“an”および“the”は、別途明確に示されない限り、複数の参照を含む。例えば、“a”置換基は、1以上の置換基を含む。用語“約”は、当業者により考慮される際、許容される平均値の標準誤差の範囲内に入る値を有することを意味する。
【0031】
本明細書で記載される発明は、本明細書で具体的に開示されていない要素(単数または複数)が一切存在しない場合でも実施されることができる。従って、例えば、本明細書におけるそれぞれの例において、用語“含むこと”、“から本質的になること”および“からなること”のいずれも、その他の2つの用語のどちらで置き換えられることもできる。
【0032】
“アルキル”は、明記された数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖基を含む飽和、一価脂肪族炭化水素基を指す。アルキル置換基は、典型的には1〜12個の炭素原子(“C〜C12アルキル”)、頻繁には1〜8個の炭素原子(“C〜Cアルキル”)またはより頻繁には1〜6個の炭素原子(“C〜Cアルキル”)、1〜5個の炭素原子(“C〜Cアルキル”)、1〜4個の炭素原子(“C〜Cアルキル”)もしくは1〜2個の炭素原子(“C〜Cアルキル”)を含有する。アルキル基の例は、メチル、エチル、N−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等を含む。
【0033】
場合により置換されていると本明細書で記載されているアルキル基は、特許請求の範囲によりさらに定義されているように、1個以上の置換基によって置換されていることができ、その置換基は、別途示されない限り、独立して選択される。置換基の総数は、そのような置換が化学的に理に適っている限り、アルキル部分上の水素原子の総数と等しいことができる。場合により置換されているアルキル基は、典型的には1〜6個の任意の置換基、時々1〜5個の任意の置換基、1〜4個の任意の置換基、または好ましくは1〜3個の任意の置換基を含有する。
【0034】
アルキルに関して適切である任意の置換基は、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールおよび5〜12員ヘテロアリール、ハロ、=O (オキソ)、=S (チオノ)、=N−CN、=N−OR、=NR、−CN、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)Rおよび−OC(O)NRを含むが、それらに限定されず;ここで、それぞれのRおよびRは、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールもしくは5〜12員ヘテロアリールであり、またはRおよびRは、それらが結合しているN原子とまとめられてそれぞれが場合によりO、NおよびS(O)から選択される1、2もしくは3個の追加の複素原子を含有する3〜12員ヘテロシクリルもしくは5〜12員ヘテロアリールを形成していることができ、ここで、qは、0〜2であり;それぞれのRおよびRは、場合により独立してハロ、=O、=S、=N−CN、=N−OR’、=NR’、−CN、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’、−NO、−NR’、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)NR’、−NR’C(O)OR’、−NR’SOR’、−NR’SONR’、−OR’、−OC(O)R’および−OC(O)NR’からなる群から選択される1〜3個の置換基で置換されており、ここで、それぞれのR’は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールまたはC〜C12ヘテロアリールであり;かつここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールおよび5〜12員ヘテロアリールは、場合によりさらに本明細書で定義されるように置換されている。
【0035】
アルキル上の典型的な置換基は、ハロ、−OH、C〜Cアルコキシ、−O−C〜C12アリール、−CN、=O、−COOR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NR、C〜Cシクロアルキル、C〜C12アリール、5〜12員ヘテロアリールおよび3〜12員ヘテロシクリルを含み;ここでそれぞれのRおよびRは、独立してHもしくはC〜Cアルキルであり、またはRおよびRは、それらが結合しているNとまとめられてそれぞれが場合によりO、NおよびS(O)から選択される1、2もしくは3個の追加の複素原子を含有する3〜12員ヘテロシクリルもしくは5〜12員ヘテロアリール環を形成していることができ、ここでqは、0〜2であり;ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキル、C〜C12アリール、5〜12員ヘテロアリールおよび3〜12員ヘテロシクリルは、場合により独立してハロ、−OH、=O、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、−CN、−NH、−NH(C〜Cアルキル)および−N(C〜Cアルキル)からなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されている。
【0036】
ある場合には、置換されたアルキル基は、置換基を参照して具体的に命名される。例えば、“ハロアルキル”は、利用可能な価数までの1個以上のハロ置換基によって置換されている明記された数の炭素原子を有するアルキル基を指す。典型的には、ハロアルキル基は、1〜6個の炭素原子、1〜5個の炭素原子、1〜4個の炭素原子または1〜2個の炭素原子および1、2、3、4または5個のハロ原子を含有する(すなわち、“C〜Cハロアルキル”、“C〜Cハロアルキル”または“C〜Cハロアルキル”)。
【0037】
より具体的には、フッ素化されたアルキル基は、典型的には1、2、3、4または5個のフルオロ原子(fluoro atom)により置換されている“フルオロアルキル”基(例えばC〜C、C〜CまたはC〜Cフルオロアルキル基)と具体的に呼ばれることができる。従って、C〜Cフルオロアルキルは、トリフルオロメチル (−CF)、ジフルオロメチル (−CFH)、フルオロメチル (−CFH)、ジフルオロエチル (−CHCFH)等を含む。そのような基は、本明細書でさらに記載されるように、アルキル基に関して適切な基によりさらに置換されていることができる。
【0038】
本発明のある態様において、アルキルおよびフルオロアルキル基は、場合により1個以上の任意の置換基により、好ましくは1〜3個の任意の置換基により置換されており、それは、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR’であり、ここでそれぞれのR’は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。
【0039】
同様に、“アルコキシアルキル”は、1個以上のアルコキシ置換基により置換されている明記された数の炭素原子を有するアルキル基を指す。アルコキシアルキル基は、典型的にはアルキル部分において1〜4個の炭素原子を含有し、1、2または3個のC〜Cアルコキシ(alkyoxy)置換基により置換されている。そのような基は、本明細書において時々C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル(C−C alkyoxy C−C alkyl)と記載される。
【0040】
“アミノアルキル”は、そのような基が本明細書においてさらに定義されるように、1個以上の置換または非置換アミノ基により置換されている明記された数の炭素原子を有するアルキル基を指す。アミノアルキル基は、典型的にはアルキル部分において1〜6個の炭素原子を含有し、1、2または3個のアミノ置換基により置換されている。従って、C〜Cアミノアルキルは、例えばアミノメチル (−CHNH)、N,N−ジメチルアミノエチル (−CHCHN(CH)、3−(N−シクロプロピルアミノ)−プロピル (−CHCHCHNH−Pr)およびN−ピロリジニルエチル (−CHCH−N−ピロリジニル)を含む。
【0041】
“ヒドロキシアルキル”は、1個以上のヒドロキシ置換基により置換されている明記された数の炭素原子を有するアルキル基を指し、典型的には1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子および1、2または3個のヒドロキシを含有する(すなわち“C〜Cヒドロキシアルキル”)。従って、C〜Cヒドロキシアルキルは、ヒドロキシメチル (−CHOH)および2−ヒドロキシエチル (−CHCHOH)を含む。
【0042】
“アルケニル”は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合からなる本明細書で定義されたようなアルキル基を指す。典型的には、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子(“C〜C20アルケニル”)、好ましくは2〜12個の炭素原子(“C〜C12アルケニル”)、より好ましくは2〜8個の炭素原子(“C〜Cアルケニル”)または2〜6個の炭素原子(“C〜Cアルケニル”)または2〜4個の炭素原子(“C〜Cアルケニル”)を有する。代表的な例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−、2−または3−ブテニル等を含むが、それらに限定されない。アルケニル基は、非置換であり、または本明細書においてアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されている。
【0043】
“アルキニル”は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合からなる本明細書で定義されたようなアルキル基を指す。アルキニル基は、2〜20個の炭素原子(“C〜C20アルキニル”)、好ましくは2〜12個の炭素原子(“C〜C12アルキニル”)、より好ましくは2〜8個の炭素原子(“C〜Cアルキニル”)または2〜6個の炭素原子(“C〜Cアルキニル”)または2〜4個の炭素原子(“C〜Cアルキニル”)を有する。代表的な例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−、2−または3−ブチニル等を含むが、それらに限定されない。アルキニル基は、非置換であり、または本明細書においてアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されている。
【0044】
“アルキレン”は、本明細書で使用される際、2個の他の基を繋ぎ合わせ得る明記された数の炭素原子を有する2価ヒドロカルビル基を指す。時々、それは、基−(CH−を指し、ここで、tは、1〜8であり、好ましくは、tは、1〜6であり、tは、1〜4であり、またはtは、1〜2である。そのような基は、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキレン、C〜Cアルキレン等と呼ばれることができる。明記されている場合、アルキレンは、他の基によって置換されていることもでき、1以上の不飽和度(すなわちアルケニレンまたはアルキニレン(alkynlene)部分)または環を含むこともできる。アルキレンの開放原子価(open valences)は、鎖の反対側の端にある必要はない。従って、分枝状アルキレン基、例えば−CH(Me)−、−CHCH(Me)−および−C(Me)−も、用語‘アルキレン’の範囲内に含まれ、環式基、例えばシクロプロパン−1,1−ジイルおよび不飽和基、例えばエチレン(−CH=CH−)またはプロピレン(−CH−CH=CH−)も、同様である。アルキレン基が場合により置換されていると記載されている場合、置換基は、本明細書で記載されたようなアルキル基上に典型的に存在する置換基を含む。
【0045】
“ヘテロアルキレン”は、上記のようなアルキレン基を指し、ここで、アルキレン鎖の1個以上の隣接しない炭素原子が−N(R)−、−O−または−S(O)−により置き換えられており、ここで、Rは、Hまたは第二級アミノ部分に関して適切である置換基であり、xは、0〜2である。例えば、−O(CH1〜3−は、‘C〜C’−ヘテロアルキレン基であり、ここで、対応するアルキレンの炭素原子の1個が、Oにより置き換えられている。
【0046】
“アルコキシ”は、一価の−O−アルキル基を指し、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有する。アルコキシ基は、典型的には1〜8個の炭素原子(“C〜Cアルコキシ”)または1〜6個の炭素原子(“C〜Cアルコキシ”)または1〜4個の炭素原子(“C〜Cアルコキシ”)を含有する。例えば、C〜Cアルコキシは、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブチルオキシ(すなわち−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OC(CH)等を含む。アルコキシ基は、非置換であるかまたはアルキル部分において本明細書でアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されている。特に、アルコキシ基は、場合によりアルキル部分上に存在する水素原子の総数まで1個以上のハロ原子、特に1個以上のフルオロ原子により置換されていることができる。そのような基は、明記された数の炭素原子を有し1個以上のハロ置換基によって置換された“ハロアルコキシ”(またはフッ素化されている場合はより具体的に“フルオロアルコキシ”)基と呼ばれる。典型的には、そのような基は、1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子、時々1〜2個の炭素原子および1、2または3個のハロ原子を含有する(すなわち“C〜Cハロアルコキシ”、“C〜Cハロアルコキシ”または“C〜Cハロアルコキシ”)。より具体的には、フッ素化されたアルコキシ基は、具体的に“フルオロアルコキシ”基、例えばC〜C、C〜CまたはC〜Cフルオロアルコキシ基と呼ばれることができ、それは、典型的には1、2または3個のフルオロ原子により置換されている。従って、C〜Cフルオロアルコキシは、トリフルオロメチルオキシ (−OCF)、ジフルオロメチルオキシ (−OCFH)、フルオロメチルオキシ (−OCFH)、ジフルオロエチルオキシ (−OCHCFH)等を含む。
【0047】
同様に、“チオアルコキシ”は、一価の−S−アルキル基を指し、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有し、場合によりアルキル部分において本明細書でアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されている。例えば、C〜Cチオアルコキシは、−SCHおよび−SCHCHを含む。
【0048】
“シクロアルキル”は、明記された数の炭素原子を含有する非芳香族の飽和炭素環式環系を指し、それは、シクロアルキル環の炭素原子を通してベース分子(base molecule)に連結されている単環式、スピロ環式、架橋または縮合二環式または多環式環系で有り得る。典型的には、本発明のシクロアルキル基は、3〜12個の炭素原子(“C〜C12シクロアルキル”)、好ましくは3〜8個の炭素原子(“C〜Cシクロアルキル”)を含有する。部分的に不飽和の炭素環式環は、“シクロアルケニル”環と呼ばれることができる。シクロアルキル環及びシクロアルケニル環の代表的な例は、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエン、アダマンタン等を含む。シクロアルキル基は、非置換であるかまたは本明細書でアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されており、ただし、シクロアルキル環は、明記された数の炭素原子を有するアルキル基により置換されていることもでき、それは、さらに場合により本明細書で記載されたように置換されていることができる。
【0049】
シクロアルキルおよびシクロアルケニル環の説明的な例は、以下のものを含むが、それらに限定されない:
【0050】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0051】
“シクロアルキルアルキル”は、シクロアルキル環、典型的にはC〜Cシクロアルキルを記載するために用いられており、それは、ベース分子にアルキレンリンカー、典型的にはC〜Cアルキレンを通して連結されている。シクロアルキルアルキル基は、時々炭素環式環およびリンカー中の炭素原子の総数により記載され、典型的には4〜12個の炭素原子を含有する(“C〜C12シクロアルキルアルキル”)。従って、シクロプロピルメチル基は、C−シクロアルキルアルキル基であり、シクロヘキシルエチルは、C−シクロアルキルアルキルである。シクロアルキルアルキル基は、非置換であるか、またはシクロアルキルおよび/もしくはアルキレン部分において本明細書でアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されている。
【0052】
用語“ヘテロシクリル”または“複素環式”は、環員としてN、OおよびSから選択される少なくとも1個の複素原子を含む明記された数の環原子を含有する非芳香族の飽和環系を指し、ここで、環S原子は、場合により1または2個のオキソ基により置換されており(すなわちS(O)、ここで、xは、0、1または2である)、かつここで、複素環式環は、CまたはNであり得る環原子を介してベース分子に連結されている。具体的に示されている場合、そのような複素環式環は、部分的に不飽和であることができる。複素環式環は、1個以上の他の複素環式環または炭素環式環に対してスピロ環式である、架橋されている、または縮合している環を含み、ここで、そのようなスピロ環式、架橋または縮合環は、不飽和または芳香族性が化学的に理に適っている限り、それら自体が飽和している、部分的に不飽和である、または芳香族であることができ、ただし、ベース分子への結合の点は、環系の複素環部分の原子である。好ましくは、複素環式環は、環員としてN、OおよびS(O)から選択される1〜4個の複素原子、より好ましくは1〜2個の環複素原子を含有し、ただし、そのような複素環式環は、2個の隣接する酸素原子を含有しない。
【0053】
ヘテロシクリル基は、非置換であるか、または適切な置換基、例えば本明細書でアルキルに関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されており、ただし、ヘテロシクリル環は、明記された数の炭素原子を有するアルキル基により置換されていることもでき、それは、さらに場合により本明細書で記載されたように置換されていることができる。そのような置換基は、ベース分子に結合した複素環式環上に、またはそれに結合したスピロ環式、架橋もしくは縮合環上に存在することができる。加えて、環N原子は、場合によりアミンに関して適切である基、例えばアルキル、アシル、カルバモイル、スルホニル等によって置換されている。
【0054】
複素環は、典型的には、本明細書における定義に従って3〜12員ヘテロシクリル基、3〜10員ヘテロシクリル基、3〜8員ヘテロシクリル基、より好ましくは3〜6員ヘテロシクリル基を含む。
【0055】
飽和複素環の説明的な例は、以下の飽和複素環を含むが、それらに限定されない:
【0056】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0057】

部分的に不飽和の複素環の説明的な例は、以下の部分的に不飽和の複素環を含むが、それらに限定されない:
【0058】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0059】

架橋、縮合およびスピロ複素環の説明的な例は、以下の架橋、縮合およびスピロ複素環を含むが、それらに限定されない:
【0060】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0061】

ある態様において、複素環基は、炭素および非炭素複素原子両方を含む3〜12個の環員、頻繁には3〜8または3〜6個の環員を含有する。特定の好ましい態様において、3〜12員複素環を含む置換基は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニルおよびチオモルホリニル環から選択され、そのそれぞれは、場合により、そのような置換が化学的に理に適っている限り、その特定の置換基に関して記載されたように置換されている。
【0062】
本発明のある態様において、シクロアルキルおよびヘテロシクリル基は、場合により1個以上の任意の置換基により、好ましくは1〜3個の任意の置換基により置換されており、それは、独立してF、OH、CN、NR’(ここで、それぞれのR’は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである)、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここで、それぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。
【0063】
オキソ基がNもしくはSに結合してニトロもしくはスルホニル基を形成する場合または特定のヘテロ芳香環、例えばトリアジン、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール等の場合を除いて、2個より多くのN、OまたはS原子が連続して連結されることは通常はないことは、理解されている。
【0064】
用語“ヘテロシクロアルキル”は、明記された長さのアルキレンリンカーを通してベース分子に連結されている明記された大きさの複素環基を記載するために用いられることができる。典型的には、そのような基は、C〜Cアルキレンリンカーを通してベース分子に結合した場合により置換された3〜12員複素環を含有する。そのように示された場合、そのような基は、場合によりアルキレン部分において本明細書でアルキル基に関して適切であると記載されている基と同じ基により置換されており、複素環部分において複素環式環に関して適切であると記載されている基により置換されている。
【0065】
“アリール”または“芳香族”は、芳香族性の周知の特徴を有する場合により置換された単環式または縮合二環式もしくは多環式環系を指し、ここで、少なくとも1個の環は、完全に共役したパイ電子系を含有する。典型的には、アリール基は、環員として6〜20個の炭素原子(“C〜C20アリール”)、好ましくは6〜14個の炭素原子(“C〜C14アリール”)、またはより好ましくは6〜12個の炭素原子(“C〜C12アリール”)を含有する。縮合アリール基は、別のアリールもしくはヘテロアリール環に縮合した、または飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式もしくは複素環式環に縮合したアリール環(例えばフェニル環)を含むことができ、ただし、そのような縮合環系におけるベース分子への結合の点は、環系の芳香族部分の原子である。アリール基の例は、限定ではなく、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルおよびテトラヒドロナフチルを含む。アリール基は、本明細書でさらに記載されるように、非置換であるかまたは置換されている。
【0066】
同様に、“ヘテロアリール”または“ヘテロ芳香族”は、明記された数の環原子を含有し、芳香環中の環員としてN、OおよびSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、芳香族性の周知の特徴を有する単環式または縮合二環式もしくは多環式環系を指す。複素原子を含むことは、5員環ならびに6員環において芳香族性を許容する。典型的には、ヘテロアリール基は、5〜20個の環原子(“5〜20員ヘテロアリール”)、好ましくは5〜14個の環原子(“5〜14員ヘテロアリール”)、より好ましくは5〜12個の環原子(“5〜12員ヘテロアリール”)を含有する。ヘテロアリール環は、芳香族性が維持されるように、ヘテロ芳香環の環原子を介してベース分子に結合している。従って、6員ヘテロアリール環は、環C原子を介してベース分子に結合していることができ、一方で5員ヘテロアリール環は、環CまたはN原子を介してベース分子に結合していることができる。ヘテロアリール基は、別のアリールもしくはヘテロアリール環に縮合している、または飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環式もしくは複素環式環に縮合していることもでき、ただし、そのような縮合環系におけるベース分子への結合の点は、環系のヘテロ芳香族部分の原子である。非置換ヘテロアリール基の例は、しばしばピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、イソキサゾール、オキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンズイミダゾール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアジン、ナフチリジン(naphthryidine)およびカルバゾールを含むが、それらに限定されない。頻繁な好ましい態様において、5または6員ヘテロアリール基は、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、ピリジニルおよびピリミジニル、ピラジニルまたはピリダジニル環からなる群から選択される。ヘテロアリール基は、本明細書でさらに記載されるように、非置換であるかまたは置換されている。
【0067】
本明細書で場合により置換されていると記載されているアリールおよびヘテロアリール部分は、別途示されない限り、独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていることができる。置換基の総数は、そのような置換が化学的に理に適っており、アリールおよびヘテロアリール環の場合に芳香族性が維持される限り、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル部分上の水素原子の総数と等しいことができる。場合により置換されたアリールまたはヘテロアリール基は、典型的には1〜5個の任意の置換基、時々1〜4個の任意の置換基、好ましくは1〜3個の任意の置換基、またはより好ましくは1〜2個の任意の置換基を含有する。
【0068】
アリールおよびヘテロアリール環と共に使用されるのに適した任意の置換基は、以下の置換基を含むが、それらに限定されず:C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールおよび5〜12員ヘテロアリール;ならびにハロ、=O、−CN、−C(O)R、−CO、−C(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OR、−OC(O)Rおよび−OC(O)NR;ここで、それぞれのRおよびRは、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールもしくは5〜12員ヘテロアリールであり、またはRおよびRは、それらが結合しているN原子とまとめられて3〜12員ヘテロシクリルもしくは5〜12員ヘテロアリールを形成しており、それぞれが、場合によりO、NおよびS(O)から選択される1、2または3個の追加の複素原子を含有し、ここで、zは、0〜2であり;それぞれのRおよびRは、場合により独立してハロ、=O、=S、=N−CN、=N−OR’、=NR’、−CN、−C(O)R’、−COR’、−C(O)NR’、SR’、−SOR’、−SOR’、−SONR’、−NO、−NR’、−NR’C(O)R’、−NR’C(O)NR’、−NR’C(O)OR’、−NR’SOR’、−NR’SONR’、−OR’、−OC(O)R’および−OC(O)NR’からなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されており、ここで、それぞれのR’は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールまたは5〜12員ヘテロアリールであり;かつそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリールおよび5〜12員ヘテロアリールは、場合により本明細書でさらに定義されたように置換されている。
【0069】
典型的な態様において、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル環上の任意の置換は、独立してハロ、C〜Cアルキル、−OH、C〜Cアルコキシ、−CN、=O、−C(O)R、−COOR、−OC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)R、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NRC(O)OR、−NRSO、−NRSONR、−OC(O)R、−OC(O)NR、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリール、5〜12員ヘテロアリール、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−O−(3〜12員ヘテロシクリル)、−O−(C〜C12アリール)および−O−(5〜12員ヘテロアリール)からなる群から選択される1個以上の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を含み;ここで、それぞれのRおよびRは、独立してHもしくはC〜Cアルキルであり、またはRおよびRは、それらが結合しているNとまとめられて3〜12員ヘテロシクリルもしくは5〜12員ヘテロアリール環を形成しており、それぞれが、場合によりO、NおよびS(O)から選択される1、2もしくは3個の追加の複素原子を含有し、ここで、qは、0〜2であり;かつここで、任意の置換基として記載されている、またはRもしくはRの一部であるそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキル、3〜12員ヘテロシクリル、C〜C12アリール、5〜12員ヘテロアリール、−O−(C〜Cシクロアルキル)、−O−(3〜12員ヘテロシクリル)、−O−(C〜C12アリール)および−O−(5〜12員ヘテロアリール)は、場合により独立してハロ、−OH、=O、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、−CN、−NH、−NH(C〜Cアルキル)、−N(C〜Cアルキル)およびN−ピロリジニルからなる群から選択される1〜3個の置換基により置換されている。
【0070】
単環式ヘテロアリール基の例は、以下の単環式ヘテロアリール基を含むが、それらに限定されない:
【0071】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0072】

縮合ヘテロアリール基の説明的な例は、以下の縮合ヘテロアリール基を含むが、それらに限定されない:
【0073】
【化8-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0074】
【化8-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0075】

“アリールアルキル”基は、アルキレンまたは類似のリンカーを通してベース分子に連結されている本明細書で記載されたようなアリール基を指す。アリールアルキル基は、環およびリンカー中の炭素原子の総数によって記載される。従って、ベンジル基は、C−アリールアルキル基であり、フェニルエチルは、C−アリールアルキルである。典型的には、アリールアルキル基は、7〜16個の炭素原子を含有し(“C〜C16アリールアルキル”)、ここで、アリール部分は、6〜12個の炭素原子を含有し、アルキレン部分は、1〜4個の炭素原子を含有する。そのような基は、−C〜Cアルキレン−C〜C12アリールと表わされることもできる。
【0076】
“ヘテロアリールアルキル”は、アルキレンリンカーを通してベース分子に結合しており、かつ芳香族部分の少なくとも1個の環原子がN、OおよびSから選択される複素原子である点で“アリールアルキル”とは異なる、上記のようなヘテロアリール基を指す。ヘテロアリールアルキル基は、本明細書において時々、置換基を除いて環およびリンカーを合わせた中の非水素原子(すなわちC、N、SおよびO原子)の総数に従って記載される。従って、例えばピリジニルメチルは、“C”−ヘテロアリールアルキルと呼ばれることができる。典型的には、非置換ヘテロアリールアルキル基は、6〜20個の非水素原子(C、N、SおよびO原子を含む)を含有し、ここでヘテロアリール部分は、典型的には5〜12個の原子を含有し、アルキレン部分は、典型的には1〜4個の炭素原子を含有する。そのような基は、−C〜Cアルキレン−5〜12員ヘテロアリールと表わされることもできる。
【0077】
同様に、“アリールアルコキシ”および“ヘテロアリールアルコキシ”は、ヘテロアルキレンリンカー(すなわち−O−アルキレン−)を通してベース分子に結合しているアリールおよびヘテロアリール基を指し、ここで、その基は、環およびリンカーを合わせた中の非水素原子(すなわちC、N、SおよびO原子)の総数に従って記載される。従って、−O−CH−フェニルおよび−O−CH−ピリジニル基は、それぞれC−アリールアルコキシおよびC−ヘテロアリールアルコキシ基と呼ばれるであろう。
【0078】
アリールアルキル、アリールアルコキシ、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロアリールアルコキシ基が場合により置換されていると記載されている場合、置換基は、基の2価リンカー部分またはアリールもしくはヘテロアリール部分のいずれかの上にあることができる。場合によりアルキレンまたはヘテロアルキレン部分上に存在する置換基は、上記でアルキルまたはアルコキシ基に関して一般的に記載された置換基と同じであり、一方で場合によりアリールまたはヘテロアリール部分上に存在する置換基は、上記でアリール基またはヘテロアリール基に関して一般的に記載された置換基と同じである。
【0079】
“ヒドロキシ”は、OH基を指す。
“アシルオキシ”は、一価の基−OC(O)アルキルを指し、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有し(典型的にはC〜C、好ましくはC〜CまたはC〜C)、それは、場合によりアルキルに適した基により置換されている。従って、C〜Cアシルオキシは、−OC(O)C〜Cアルキル置換基、例えば−OC(O)CHを含む。
【0080】
“アシル”は、一価の基−C(O)アルキルを指し、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有し(典型的にはC〜C、好ましくはC〜CまたはC〜C)、場合によりアルキルに適した基により、例えばF、OHまたはアルコキシにより置換されていることができる。従って、場合により置換された−C(O)C〜Cアルキルは、非置換のアシル基、例えば−C(O)CH(すなわちアセチル)および−C(O)CHCH(すなわちプロピオニル)ならびに置換されたアシル基、例えば−C(O)CF(トリフルオロアセチル)、−C(O)CHOH(ヒドロキシアセチル)、−C(O)CHOCH(メトキシアセチル)、−C(O)CFH(ジフルオロアセチル)等を含む。
【0081】
“アシルアミノ”は、一価の基−NHC(O)アルキルまたは−NRC(O)アルキルを指し、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有し(典型的にはC〜C、好ましくはC〜CまたはC〜C)、場合によりアルキルに適した基により置換されている。従って、C〜Cアシルアミノは、−NHC(O)C〜Cアルキル置換基、例えば−NHC(O)CHを含む。
【0082】
“アリールオキシ”または“ヘテロアリールオキシ”は、場合により置換されたO−アリールまたはO−ヘテロアリールを指し、それぞれの場合において、アリールおよびヘテロアリールは、本明細書でさらに定義された通りである。
【0083】
“アリールアミノ”または“ヘテロアリールアミノ”は、場合により置換された−NH−アリール、−NR−アリール、−NH−ヘテロアリールまたは−NR−ヘテロアリールを指し、それぞれの場合において、アリールおよびヘテロアリールは、本明細書でさらに定義された通りであり、Rは、アミンに適した置換基、例えばアルキル、アシル、カルバモイルまたはスルホニル基等を表す。
【0084】
“シアノ”は、−C≡N基を指す。
“非置換アミノ”は、基−NHを指す。アミノが置換されている、または場合により置換されていると記載されている場合、その用語は、−NRの形態の基を含み、ここで、それぞれまたはRおよびRは、独立してH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アシル、チオアシル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、アリールアルキルまたはヘテロアリールアルキルであり、それぞれの場合に、明記された数の原子を有し、場合により本明細書で記載されたように置換されている。例えば、“アルキルアミノ”は、基−NRを指し、ここで、RおよびRの一方は、アルキル部分であり、他方は、Hであり、“ジアルキルアミノ”は、−NRを指し、ここで、RおよびRの両方が、アルキル部分であり、ここで、アルキル部分は、明記された数の炭素原子を有する(例えば−NH−C〜Cアルキルまたは−N(C〜Cアルキル))。典型的には、アミン上のアルキル置換基は、1〜8個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する。その用語は、RおよびRがそれらが結合しているN原子とまとめられて3〜12員ヘテロシクリルまたは5〜12員ヘテロアリール環を形成している形態も含み、そのそれぞれは、それ自体が場合により本明細書においてヘテロシクリルまたはヘテロアリール環に関して記載されたように置換されていることができ、それは、N、OおよびS(O)から選択される1〜3個の追加の複素原子を環員として含有することができ、ここで、xは、0〜2であり、ただし、そのような環は、2個の隣接する酸素原子を含有しない。
【0085】
“ハロゲン”または“ハロ”は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード(F、Cl、Br、I)を指す。好ましくは、ハロは、フルオロまたはクロロ(FまたはCl)を指す。
【0086】
“任意の”または“場合により”は、その後に記載される事象または状況が発生することができるが発生する必要がないことを意味し、記載は、事象または状況が発生する場合およびそれが発生しない場合を含む。
【0087】
用語“場合により置換された”および“置換されているかまたは非置換の”は、記載されている特定の基が非水素置換基を有しない(すなわち非置換である)ことができること、またはその基が1個以上の非水素置換基を有する(すなわち置換されている)ことができることを示すために互換的に用いられることができる。別途明記されない限り、存在することができる置換基の総数は、記載されている基の非置換形態上に存在するH原子の数に等しい。任意の置換基が二重結合を介して結合している(例えばオキソ(=O)置換基)場合、その基は、2つの利用可能な結合価を占め、従って含まれる他の置換基の総数は、2低減する。
【0088】
しばしば、場合により置換された基は、独立して任意の置換基のリストから選択される1個以上の置換基によって置換されている。ある態様において、場合により置換された基は、独立して任意の置換基のリストから選択される1個、2個、3個または3個より多くの置換基によって置換されている。例えば、場合によりRにより置換されていると記載されているアルキル基は、そのアルキル基が、場合により独立してそのアルキル基に関して提供されたR置換基のリストから選択された1個以上のR置換基により置換されていることを意味する。必要と考えられる場合には、本明細書における場合により置換された基の記載は、その基が場合により示された置換基の1個以上によって置換されていることを述べるように修正されることができる。任意の置換基が代替物のリストから選択される場合、選択される基は、独立して選択され、同じであることも異なることもできる。
【0089】
本開示全体を通して、任意の置換基の数および性質は、そのような置換が化学的に理に適っている程度に限定されるであろうことは、理解されるであろう。
一側面において、本発明は、式(I)の化合物:
【0090】
【化9】
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【0091】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
Aは、NまたはCHであり;
は、H、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C(O)R、C(O)NR、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており、Rは、C〜Cアルキルであり、かつそれぞれのRは、独立してHもしくはC〜Cアルキルであり;かつ
は、H、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819により置換されており;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NR2223、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりさらにOH、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりさらにF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0092】
別の側面において、本発明は、式(II)の化合物:
【0093】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0095】
別の側面において、本発明は、式(III)の化合物:
【0096】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0097】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0098】
別の側面において、本発明は、式(IV)の化合物:
【0099】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;かつ
は、H、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0101】
別の側面において、本発明は、式(V)の化合物:
【0102】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0103】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Uは、NRまたはCRであり;
Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRであり;
Xは、CRまたはNであり;
Yは、CRまたはNであり;
Zは、CRまたはNであり;
およびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;かつ
は、H、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
Qは、NR11もしくはOであり;または
Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;
nは、0、1、2、3または4であり;
pは、1、2または3であり;かつ
qは、0、1、2または3であり;
ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。
【0104】
式(IV)および式(V)の頻繁な態様において、Rは、Rとまとめられて、またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。
【0105】
ある態様において、式(I)〜(V)の化合物は、式(I−A)、(I−B)、(I−C)または(I−D);(II−A)、(II−B)、(II−C)または(II−D);(III−A)、(III−B)、(III−C)または(III−D);(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)または(IV−D);および(V−A)、(V−B)、(V−C)または(V−D):
【0106】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
[ここで、式(I−A)〜(I−D)におけるAは、NまたはCHであり;式(II−A)〜(II−D)におけるAは、Nにより置き換えられており;式(III−A)〜(III−D)におけるAは、CHにより置き換えられており;式(IV−A)〜(IV−D)におけるAは、Nにより置き換えられており;かつ式(V−A)〜(V−D)におけるAは、CHにより置き換えられている]
の1つまたは前記の1つの薬学的に許容可能な塩において示されている絶対立体化学を有する。
【0108】
式(I)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(I−A)、(I−B)、(I−C)または(I−D)の化合物にも適用可能である。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(II−A)、(II−B)、(II−C)または(II−D)の化合物にも適用可能である。
【0109】
式(III)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(III−A)、(III−B)、(III−C)または(III−D)の化合物にも適用可能である。
【0110】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)または(IV−D)の化合物にも適用可能である。
式(V)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(V−A)、(V−B)、(V−C)または(V−D)の化合物にも適用可能である。
【0111】
式(I)の化合物において、Aは、NまたはCHである。ある態様において、Aは、Nである。他の態様において、Aは、CHである。
式(I)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜CフルオロアルキルまたはC〜Cアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、FまたはClである。一部のそのような態様において、Rは、Fである.一部のそのような態様において、Rは、Clである。
【0112】
式(I)の化合物において、Uは、NRまたはCRであり;Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。ある態様において、Uは、NRであり、かつVは、NまたはCRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。ある態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0113】
式(I)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。ある態様において、Xは、Nである。
式(I)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。ある態様において、Yは、Nである。
【0114】
式(I)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。ある態様において、Zは、Nである。
式(I)の頻繁な態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、かつZは、CRである。式(I)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。
【0115】
式(I)のある態様において、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0116】
一部のそのような態様において、RおよびRは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。他のそのような態様において、RおよびRは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0117】
式(I)のある態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。式(I)のある態様において、Rは、C〜Cアルキル(alky)またはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0118】
式(I)のある態様において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C(O)R、C(O)NR、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり;ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており、Rは、C〜Cアルキルであり、かつそれぞれのRは、独立してHまたはC〜Cアルキルである。
【0119】
一部のそのような態様において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、R20は、OHである。他のそのような態様において、R20は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0120】
他のそのような態様において、Rは、C(O)RまたはC(O)NRであり、ここでRは、C〜Cアルキルであり、それぞれのRは、独立してHまたはC〜Cアルキルである。さらに他のそのような態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0121】
式(I)のある態様において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0122】
式(I)の他の態様において、Rは、Rとまとめられて、またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。
【0123】
式(I)の他の態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0124】
式(I)のある態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0125】
式(I)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。ある態様において、Rは、FまたはClである。一部のそのような態様において、Rは、Fである。一部のそのような態様において、Rは、Clである。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。
【0126】
式(I)の化合物において、RおよびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、RおよびRは、Hである。
【0127】
式(I)の化合物において、Rは、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHである。式(I)の好ましい態様において、Rは、OHである。
式(I)の化合物において、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してFまたはCHである。
【0128】
式(I)のある態様において、Qは、NR11またはOである。ある態様において、Qは、Oである。ある態様において、Qは、Oであり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0129】
式(I)の他の態様において、Qは、NR11である。ある態様において、Qは、NR11であり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。他のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0130】
式(I)のある態様において、Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0131】
式(I)の化合物において、R11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819により置換されている。
【0132】
ある態様において、R11は、SO14である。他の態様において、R11は、COR17である。さらに他の態様において、R11は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819により置換されている。一部のそのような態様において、R11は、SO14またはCOR17により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R11は、R20により置換されたC〜Cアルキルである。
【0133】
式(I)の化合物において、R14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R14は、CHまたはCである。
【0134】
式(I)の化合物において、それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHである。
式(I)の化合物において、R17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。ある態様において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、R17は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0135】
式(I)の化合物において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0136】
式(I)の化合物において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NR2223、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0137】
ある態様において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223である。一部のそのような態様において、R20は、OHである。一部のそのような態様において、R20は、OH、C〜CアルコキシまたはNR2223である。一部のそのような態様において、R20は、OHであり、ある態様において、R20は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0138】
式(I)の化合物において、それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0139】
式(I)のある態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりさらにOH、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりさらにF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されている。
【0140】
一部のそのような態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。一部のそのような態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。
【0141】
式(I)のある態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されている。一部のそのような態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりF、OHまたはC〜Cアルキルにより置換されている。
【0142】
式(I)の化合物において、R24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930である。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。
【0143】
式(I)の化合物において、R25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R25は、C〜Cアルキルである。
式(I)の化合物において、それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHである。
【0144】
式(I)の化合物において、R28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、R28は、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、R28は、C〜Cアルキルである。
【0145】
式(I)の化合物において、それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキルは、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルである。
【0146】
式(I)の化合物において、mは、0、1または2である。ある態様において、mは、2である。
式(I)の化合物において、nは、0、1、2、3または4である。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。ある態様において、nは、1または2である。
【0147】
式(I)の化合物において、pは、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、pは、2である。他の態様において、pは、1である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0148】
式(I)の化合物において、qは、0、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、qは、1である。他の態様において、qは、0である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0149】
ある態様において、pは、2であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、0である。さらなる態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0150】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0151】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0152】
好ましい態様において、本発明は、式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0153】
別の好ましい態様において、本発明は、式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0154】
別の態様において、本発明は、式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0155】
別の好ましい態様において、本発明は、式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Aは、CHであり;Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0156】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(I)、(I−A)、(I−B)、(I−C)もしくは(I−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、CHであり;Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0157】
式(I)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(II)〜(XII)の化合物にも適用可能である。
式(II)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、FまたはClである。ある態様において、Rは、Fである。ある態様において、Rは、Clである。
【0158】
式(II)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。ある態様において、Xは、Nである。
式(II)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。ある態様において、Yは、Nである。
【0159】
式(II)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。ある態様において、Zは、Nである。
式(II)の頻繁な態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、Zは、CRである。式(II)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。
【0160】
式(II)の化合物において、Uは、NRまたはCRであり;Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。ある態様において、Uは、NRであり、かつVは、NまたはCRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。他の態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0161】
式(II)のある態様において、Uは、NRであり、かつRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0162】
式(II)の化合物において、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0163】
一部のそのような態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。特定の態様において、Rは、CH、C、n−C、i−C、n−C、s−C、i−C、t−C、CHFまたはCHCHF(すなわちメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ジフルオロメチルまたはジフルオロエチル)であり、それぞれ場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、イソプロピルまたはtert−ブチルである。特定の態様において、Rは、イソプロピル(i−C)である。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0164】
他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR21により置換された3〜6員ヘテロシクリルである。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルまたはアゼチジン−3−イルであり、それぞれ場合によりR21により置換されている。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルである。他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルであり、ここで前記のC〜Cシクロアルキルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0165】
UがNRである前記のある態様において、Vは、Nである。UがNRである前記の他の態様において、Vは、CRである。
式(II)の他の態様において、Uは、CRであり、かつRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0166】
一部のそのような態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHまたはNR2223である。一部のそのような態様において、R20は、OHである。一部のそのような態様において、Rは、CH、C、n−C、i−C、n−C、s−C、i−C、t−C、CHFまたはCHCHFであり、それぞれ場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、i−Cまたはt−C(すなわちイソプロピルまたはtert−ブチル)である。特定の態様において、Rは、イソプロピルである。
【0167】
他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR21により置換された3〜6員ヘテロシクリルである。特定の態様において、Rは、場合によりR21により置換されたオキセタン−3−イルまたはアゼチジン3−イルである。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルである。他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルであり、ここで前記のC〜Cシクロアルキルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0168】
UがCRである前記の態様において、Vは、NRである。
式(II)のある態様において、Vは、UがNRである場合、CRである。
式(II)の化合物において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OH、OCH、NH、NHCHまたはNH(CHである。一部のそのような態様において、R20は、OHまたはNHである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。特定の態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHまたはNHである。特定の態様において、場合によりR20により置換されたR(すなわちR−R20)は、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHまたはCHNH(すなわちメチル、エチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルまたはアミノメチル)である。ある態様において、R20により置換されたRは、CH(OH)CHまたはC(OH)(CHである。他のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。他の態様において、Rは、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。
【0169】
式(II)のある態様において、Vは、UがCRである場合、NRである。
式(II)の化合物において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。他のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、Rは、CH、C、CHFまたはCHCHF(すなわちメチル、エチル、ジフルオロメチルまたはジフルオロエチル)である。
【0170】
式(II)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、Fである。他の態様において、Rは、Clである。さらなる態様において、Rは、CNである。他の態様において、Rは、CH、CHF、CHFまたはCFである。
【0171】
式(II)の化合物において、RおよびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。
【0172】
式(II)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CHであり、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、CHである。
【0173】
式(II)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CHであり、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、CHである。
【0174】
ある態様において、RおよびRは、Hである。
式(II)の化合物において、Rは、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHである。一部の好ましい態様において、Rは、OHである。他の態様において、Rは、NH、NHCHまたはN(CHである。さらなる態様において、Rは、Hである。
【0175】
式(II)の化合物において、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1、2、3または4であり、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。他の態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してFまたはCHである。
【0176】
式(II)の化合物において、Qは、NR11もしくはOであり;またはQは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。
【0177】
式(II)のある態様において、Qは、NR11である。ある態様において、Qは、NR11であり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。他のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0178】
式(II)の化合物において、R11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、Hである。他の態様において、R11は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、C〜Cアルキルである。他の態様において、R11は、C〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、SO14またはSONR1516である。ある態様において、R11は、SO14である。他の態様において、R11は、SONR1516である。ある態様において、R11は、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、COR17である。ある態様において、R11は、COOR17である。他の態様において、R11は、CONR1819である。
【0179】
式(II)の他の態様において、Qは、Oである。ある態様において、Qは、Oであり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0180】
式(II)のさらなる態様において、Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、R12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11を含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。他のそのような態様において、R12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて4員の場合により置換された複素環式環を形成している。他のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて5員の場合により置換された複素環式環を形成している。他のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて6員の場合により置換された複素環式環を形成している。それぞれの場合に、前記の4〜6員複素環式環は、環員としてNR11またはOを含有し、かつ場合によりさらにR10により置換されており、ここでR10およびR11のそれぞれは、本明細書でさらに定義された通りである。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0181】
前記の態様において、それぞれのR10は、独立して本明細書で定義された基から選択される。
式(II)の化合物において、R14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R14は、CHまたはC(すなわちメチルまたはエチル)である。
【0182】
式(II)の化合物において、それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHである。
式(II)の化合物において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R17は、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、R17は、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R17は、CHまたはCである。
【0183】
式(II)の化合物において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してHまたは場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してHまたは場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、CHまたはCである。
【0184】
式(II)の化合物において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223である。ある態様において、R20は、OHである。一部のそのような態様において、R20は、OH、C〜CアルコキシまたはNR2223である。他の態様において、R20は、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシである。さらなる態様において、R20は、CNである。さらに他の態様において、R20は、NR2223である。
【0185】
式(II)の化合物において、それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、R21は、Fである。ある態様において、R21は、OHである。ある態様において、それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルである。他の態様において、R21は、CNである。他の態様において、R21は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。
【0186】
式(II)の化合物において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されている。
【0187】
ある態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してHまたはCHである。他の態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成しており、それは、場合によりFまたはOHにより置換されている。
【0188】
式(II)の化合物において、nは、0、1、2、3または4である。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1、2、3または4であり、R10は、本明細書で定義された通りである。ある態様において、nは、1または2である。
【0189】
式(II)の化合物において、pは、1、2または3であり;かつqは、0、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0190】
ある態様において、pは、2であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、2であり、かつqは、2である。ある態様において、pは、1であり、かつqは、0である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、1である。さらに他の態様において、pは、1であり、かつqは、2である。さらなる態様において、pは、1であり、かつqは、3である。ある態様において、pは、2である。他の態様において、pは、1である。ある態様において、qは、1である。他の態様において、qは、0である。
【0191】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;であり、かつqは、1である。
【0192】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0193】
好ましい態様において、本発明は、式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0194】
別の好ましい態様において、本発明は、式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0195】
式(III)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、FまたはClである。ある態様において、Rは、Fである。ある態様において、Rは、Clである。
【0196】
式(III)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。ある態様において、Xは、Nである。
式(III)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。ある態様において、Yは、Nである。
【0197】
式(III)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。ある態様において、Zは、Nである。
式(III)の頻繁な態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、Zは、CRである。式(III)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。
【0198】
式(III)の化合物において、Uは、NRまたはCRであり、Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。ある態様において、Uは、NRであり、かつVは、NまたはCRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。他の態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0199】
式(III)のある態様において、Uは、NRであり、かつRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0200】
式(III)の化合物において、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0201】
一部のそのような態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。特定の態様において、Rは、CH、C、n−C、i−C、n−C、s−C、i−C、t−C、CHFまたはCHCHF(すなわちメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ジフルオロメチルまたはジフルオロエチル)であり、それぞれ場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、イソプロピルまたはtert−ブチルである。特定の態様において、Rは、イソプロピルである。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0202】
他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR21により置換された3〜6員ヘテロシクリルである。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルまたはアゼチジン−3−イルであり、それぞれ場合によりR21により置換されている。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルである。他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルであり、ここで前記のC〜Cシクロアルキルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0203】
一部のそのような態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHまたはNR2223である。一部のそのような態様において、R20は、OHである。一部のそのような態様において、Rは、CH、C、n−C、i−C、n−C、s−C、i−C、t−C、CHFまたはCHCHFであり、それぞれ場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、i−Cまたはt−C(すなわちイソプロピルまたはtert−ブチル)である。特定の態様において、Rは、イソプロピルである。
【0204】
他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR21により置換された3〜6員ヘテロシクリルである。特定の態様において、Rは、場合によりR21により置換されたオキセタン−3−イルまたはアゼチジン3−イルである。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。特定の態様において、Rは、オキセタン−3−イルである。他の態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルであり、ここで前記のC〜Cシクロアルキルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、R21は、F、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0205】
UがCRである前記の態様において、Vは、NRである。
式(III)のある態様において、Vは、UがNRである場合、CRである。
式(III)の化合物において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OH、OCH、NH、NHCHまたはNH(CHである。一部のそのような態様において、R20は、OHまたはNHである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。特定の態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHまたはNHである。特定の態様において、R−R20は、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHまたはCHNH(すなわちメチル、エチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチルまたはアミノメチル)である。ある態様において、R20により置換されたRは、CH(OH)CHまたはC(OH)(CHである。他のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。他の態様において、Rは、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。
【0206】
式(III)のある態様において、Vは、UがCRである場合、NRである。
式(III)の化合物において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。他のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、Rは、CH、C、CHFまたはCHCHF(すなわちメチル、エチル、ジフルオロメチルまたはジフルオロエチル)である。
【0207】
式(III)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、Fである。他の態様において、Rは、Clである。さらなる態様において、Rは、CNである。他の態様において、Rは、CH、CHF、CHFまたはCFである。
【0208】
式(III)の化合物において、RおよびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。
【0209】
式(III)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CHであり、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、CHである。
【0210】
式(III)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CHであり、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、CHである。
【0211】
ある態様において、RおよびRは、Hである。
式(III)の化合物において、Rは、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHである。一部の好ましい態様において、Rは、OHである。他の態様において、Rは、NH、NHCHまたはN(CHである。さらなる態様において、Rは、Hである。
【0212】
式(III)の化合物において、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1、2、3または4であり、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。他の態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してFまたはCHである。
【0213】
式(III)の化合物において、Qは、NR11もしくはOであり;またはQは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11もしくはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。
【0214】
式(III)のある態様において、Qは、NR11である。ある態様において、Qは、NR11であり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。他のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0215】
式(III)の化合物において、R11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、Hである。他の態様において、R11は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、C〜Cアルキルである。他の態様において、R11は、C〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R11は、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、SO14またはSONR1516である。ある態様において、R11は、SO14である。他の態様において、R11は、SONR1516である。ある態様において、R11は、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、COR17である。ある態様において、R11は、COOR17である。他の態様において、R11は、CONR1819である。
【0216】
式(III)の他の態様において、Qは、Oである。ある態様において、Qは、Oであり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0217】
式(III)のさらなる態様において、Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。一部のそのような態様において、R12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11を含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。他のそのような態様において、R12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて4員の場合により置換された複素環式環を形成している。他のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて5員の場合により置換された複素環式環を形成している。他のそのような態様において、R12およびR13は、まとめられて6員の場合により置換された複素環式環を形成している。それぞれの場合に、前記の4〜6員複素環式環は、環員としてNR11またはOを含有し、かつ場合によりさらにR10により置換されており、ここでR10およびR11のそれぞれは、本明細書でさらに定義された通りである。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0218】
前記の態様において、それぞれのR10は、独立して本明細書で定義された基から選択される。
式(III)の化合物において、R14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R14は、CHまたはC(すなわちメチルまたはエチル)である。
【0219】
式(III)の化合物において、それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHである。
式(III)の化合物において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R17は、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、R17は、場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R17は、CHまたはCである。
【0220】
式(III)の化合物において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してHまたは場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してHまたは場合によりR20により置換されたC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、CHまたはCである。
【0221】
式(III)の化合物において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223である。ある態様において、R20は、OHである。一部のそのような態様において、R20は、OH、C〜CアルコキシまたはNR2223である。他の態様において、R20は、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシである。さらなる態様において、R20は、CNである。さらに他の態様において、R20は、NR2223である。
【0222】
式(III)の化合物において、それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、R21は、Fである。ある態様において、R21は、OHである。ある態様において、それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルである。他の態様において、R21は、CNである。他の態様において、R21は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。
【0223】
式(III)の化合物において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;またはR22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されている。
【0224】
ある態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してHまたはCHである。他の態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成しており、それは、場合によりによりFまたはOHにより置換されている。
【0225】
式(III)の化合物において、nは、0、1、2、3または4である。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1、2、3または4であり、かつR10は、本明細書で定義された通りである。ある態様において、nは、1または2である。
【0226】
式(III)の化合物において、pは、1、2または3であり;かつqは、0、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0227】
ある態様において、pは、2であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、2であり、かつqは、2である。ある態様において、pは、1であり、かつqは、0である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、1である。さらに他の態様において、pは、1であり、かつqは、2である。さらなる態様において、pは、1であり、かつqは、3である。ある態様において、pは、2である。他の態様において、pは、1である。ある態様において、qは、1である。他の態様において、qは、0である。
【0228】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0229】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0230】
好ましい態様において、本発明は、式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0231】
別の好ましい態様において、本発明は、式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0232】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;Xは、CRであり;Rは、HまたはFであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルであり;pは、2であり;かつqは、1である。
【0233】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり;またはRは、HもしくはCHであり;Xは、CRであり;Rは、HまたはFであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルであり;pは、2であり;かつqは、1である。
【0234】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(II)、(II−A)、(II−B)、(II−C)もしくは(II−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または式(III)、(III−A)、(III−B)、(III−C)もしくは(III−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Uは、NRであり、かつVは、Nであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Xは、CRであり;Rは、HまたはFであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルであり;pは、2であり;かつqは、1である。
【0235】
式(IV)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、FまたはClである。ある態様において、Rは、Fである。ある態様において、Rは、Clである。
【0236】
式(IV)の化合物において、Uは、NRまたはCRであり、Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつ
Vは、UがCRである場合、NRである。ある態様において、Uは、NRであり、かつVは、NまたはCRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。ある態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0237】
式(IV)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。ある態様において、Xは、Nである。
式(IV)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。ある態様において、Yは、Nである。
【0238】
式(IV)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。ある態様において、Zは、Nである。
式(IV)の頻繁な態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、Zは、CRである。式(IV)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。
【0239】
式(IV)のある態様において、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0240】
一部のそのような態様において、RおよびRは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。他のそのような態様において、RおよびRは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0241】
式(IV)のある態様において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0242】
式(IV)のある態様において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。
【0243】
式(IV)のある態様において、Rは、Rとまとめられて、またはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されている。Rは、Rと、またはRは、Rと、それらが結合している原子と合わせて、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンリンカーを通してまとめられており、そのリンカーは、場合により本明細書でさらに定義されるように置換されていることは、理解されるであろう。
【0244】
式(IV)のある態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0245】
ある態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない5員環(すなわちピロリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない6員環(すなわちピペリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、RとまとめられてNR24を含有する6員環(すなわちピペラジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、RとまとめられてOまたはSを含有する6員環(すなわちモルホリンまたはチオモルホリン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、Rとまとめられて7員環を形成しており、それは、追加の複素原子を含有しないことができ(すなわちホモピペリジン)、またはNR24を含有することができ(すなわちホモピペラジン)、それぞれの場合に、場合によりR21により置換されている。
【0246】
式(IV)の他の態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0247】
ある態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない5員環(すなわちピロリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない6員環(すなわちピペリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、RとまとめられてNR24を含有する6員環(すなわちピペラジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、RとまとめられてOまたはS(O)を含有する6員環(すなわちモルホリンまたはチオモルホリン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、Rとまとめられて7員環を形成しており、それは、追加の複素原子を含有しないことができ(すなわちホモピペリジン)、またはNR24を含有することができ(すなわちホモピペラジン)、それぞれの場合に、場合によりR21により置換されている。
【0248】
式(IV)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。ある態様において、Rは、FまたはClである。一部のそのような態様において、Rは、Fである。一部のそのような態様において、Rは、Clである。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。
【0249】
式(IV)の化合物において、RおよびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、RおよびRは、Hである。
【0250】
式(IV)の化合物において、Rは、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHである。式(IV)の好ましい態様において、Rは、OHである。
式(IV)の化合物において、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してFまたはCHである。
【0251】
式(IV)のある態様において、Qは、NR11またはOである。ある態様において、Qは、Oである。ある態様において、Qは、Oであり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0252】
式(IV)の他の態様において、Qは、NR11である。ある態様において、Qは、NR11、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。他のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0253】
式(VI)のある態様において、Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0254】
式(IV)の化合物において、R11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、SO14である。他の態様において、R11は、COR17である。
【0255】
式(IV)の化合物において、R14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R14は、CHまたはCである。
【0256】
式(IV)の化合物において、それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHである。
式(IV)の化合物において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、R17は、C〜Cアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0257】
式(IV)の化合物において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0258】
式(IV)の化合物において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223である。
式(IV)の化合物において、それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0259】
式(IV)のある態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルである。式(IV)の他の態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりFまたはOHにより置換されている。
【0260】
式(IV)の化合物において、R24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930である。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。
【0261】
式(IV)の化合物において、R25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R25は、C〜Cアルキルである。
式(IV)の化合物において、それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHである。
【0262】
式(IV)の化合物において、R28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、R28は、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、R28は、C〜Cアルキルである。
【0263】
式(IV)の化合物において、それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキルは、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルである。
【0264】
式(IV)の化合物において、mは、0、1または2である。ある態様において、mは、2である。
式(IV)の化合物において、nは、0、1、2、3または4である。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。ある態様において、nは、1または2である。
【0265】
式(IV)の化合物において、pは、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、pは、2である。他の態様において、pは、1である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0266】
式(IV)の化合物において、qは、0、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、qは、1である。他の態様において、qは、0である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0267】
ある態様において、pは、2であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、0である。さらなる態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0268】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0269】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0270】
好ましい態様において、本発明は、式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0271】
別の好ましい態様において、本発明は、式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0272】
特定の態様において、本発明は、式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Vは、CRであり;Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0273】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、Vは、NRであり;Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0274】
式(V)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、FまたはClである。ある態様において、Rは、Fである。ある態様において、Rは、Clである。
【0275】
式(V)の化合物において、Uは、NRまたはCRであり、Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。ある態様において、Uは、NRであり、かつVは、NまたはCRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。ある態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0276】
式(V)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。ある態様において、Xは、Nである。
式(V)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。ある態様において、Yは、Nである。
【0277】
式(V)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。ある態様において、Zは、Nである。
式(V)の頻繁な態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、Zは、CRである。式(V)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。
【0278】
式(V)のある態様において、RおよびRは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0279】
一部のそのような態様において、RおよびRは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。他のそのような態様において、RおよびRは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0280】
式(V)のある態様において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。
【0281】
式(V)のある態様において、Rは、H、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R20は、OHである。
【0282】
式(V)のある態様において、Rは、Rとまとめられて、もしくはRは、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されている。Rは、Rと、またはRは、Rと、それらが結合している原子と合わせて、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンリンカーを通してまとめられており、そのリンカーは、場合により本明細書でさらに定義されるように置換されていることは、理解されるであろう。
【0283】
式(V)のある態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0284】
ある態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない5員環(すなわちピロリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない6員環(すなわちピペリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、RとまとめられてNR24を含有する6員環(すなわちピペラジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、RとまとめられてOまたはSを含有する6員環(すなわちモルホリンまたはチオモルホリン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、Rとまとめられて7員環を形成しており、それは、追加の複素原子を含有しないことができ(すなわちホモピペリジン)、またはNR24を含有することができ(すなわちホモピペラジン)、それぞれの場合に、場合によりR21により置換されている。
【0285】
式(V)の他の態様において、Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてOを含有する。一部のそのような態様において、その5〜7員複素環式環は、追加の複素原子としてNR24を含有する。
【0286】
ある態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない5員環(すなわちピロリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、Rとまとめられて追加の複素原子を含有しない6員環(すなわちピペリジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。他の態様において、Rは、RとまとめられてNR24を含有する6員環(すなわちピペラジン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、RとまとめられてOまたはS(O)を含有する6員環(すなわちモルホリンまたはチオモルホリン)を形成しており、それは、場合によりR21により置換されている。さらなる態様において、Rは、Rとまとめられて7員環を形成しており、それは、追加の複素原子を含有しないことができ(すなわちホモピペリジン)、またはNR24を含有することができ(すなわちホモピペラジン)、それぞれの場合に、場合によりR21により置換されている。
【0287】
式(V)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。ある態様において、Rは、FまたはClである。一部のそのような態様において、Rは、Fである。一部のそのような態様において、Rは、Clである。ある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、CN、CH、CHF、CHFまたはCFである。
【0288】
式(V)の化合物において、RおよびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、Rは、Hである。一部のそのような態様において、RおよびRは、Hである。
【0289】
式(V)の化合物において、Rは、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHである。式(V)の好ましい態様において、Rは、OHである。
式(V)の化合物において、それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。他の態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、nは、1または2であり、かつR10は、独立してFまたはCHである。
【0290】
式(V)のある態様において、Qは、NR11またはOである。ある態様において、Qは、Oである。ある態様において、Qは、Oであり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0291】
式(V)の他の態様において、Qは、NR11である。ある態様において、Qは、NR11であり、pは、2であり、かつqは、1である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。他のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0292】
式(V)のある態様において、Qは、CR1213であり、ここでR12およびR13は、それらが結合しているC原子とまとめられて環員としてNR11またはOを含有する4〜6員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりさらにR10により置換されている。一部のそのような態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0293】
式(V)の化合物において、R11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819である。ある態様において、R11は、SO14である。他の態様において、R11は、COR17である。
【0294】
式(V)の化合物において、R14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cアルキルである。ある態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cフルオロアルキルである。特定の態様において、R14は、CHまたはCである。
【0295】
式(V)の化合物において、それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHである。
式(V)の化合物において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。ある態様において、R17は、C〜Cアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0296】
式(V)の化合物において、それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0297】
式(V)の化合物において、それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、またはNR2223である。
式(V)の化合物において、それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルである。
【0298】
式(V)のある態様において、それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルである。式(V)の他の態様において、R22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりFまたはOHにより置換されている。
【0299】
式(V)の化合物において、R24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930である。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。ある態様において、R24は、HまたはC〜Cアルキルである。
【0300】
式(V)の化合物において、R25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルである。ある態様において、R25は、C〜Cアルキルである。
式(V)の化合物において、それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHである。
【0301】
式(V)の化合物において、R28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、R28は、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されたC〜Cアルキルである。ある態様において、R28は、C〜Cアルキルである。
【0302】
式(V)の化合物において、それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキルは、場合によりOHまたはC〜Cアルコキシにより置換されている。ある態様において、それぞれのR29およびR30は、独立してHまたはC〜Cアルキルである。
【0303】
式(V)の化合物において、mは、0、1または2である。ある態様において、mは、2である。
式(V)の化合物において、nは、0、1、2、3または4である。ある態様において、nは、0であり、かつR10は、存在しない。ある態様において、nは、1または2である。
【0304】
式(V)の化合物において、pは、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、pは、2である。他の態様において、pは、1である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0305】
式(V)の化合物において、qは、0、1、2または3であり;ここで、pおよびqの合計は、1〜4の整数である。ある態様において、qは、1である。他の態様において、qは、0である。ある態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0306】
ある態様において、pは、2であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、1である。他の態様において、pは、1であり、かつqは、0である。さらなる態様において、pおよびqの合計は、1〜3の整数である。
【0307】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0308】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0309】
好ましい態様において、本発明は、式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0310】
別の好ましい態様において、本発明は、式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Vは、CRであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0311】
特定の態様において、本発明は、式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Uは、NRであり;Vは、CRであり;Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0312】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Uは、CRであり、Vは、NRであり;Rは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;それぞれのR21は、独立してF、OHまたはC〜Cアルキルであり;Xは、CRであり;Rは、Fであり;Yは、CRであり;Rは、Hであり;Zは、CRであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0313】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Uは、NRであり、かつVは、CRであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Xは、CRであり;Rは、HまたはFであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0314】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IV)、(IV−A)、(IV−B)、(IV−C)もしくは(IV−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩または式(V)、(V−A)、(V−B)、(V−C)もしくは(V−D)の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Uは、CRであり、かつVは、NRであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり;またはRは、HもしくはCHであり;またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;Xは、CRであり;Rは、HまたはFであり;Yは、CRであり;Zは、CRであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルであり;pは、2であり;かつqは、1である。
【0315】
式(II)および(IV)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0316】
式(II)および(IV)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。他の態様において、Rは、Clである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CHであり、場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、CHである。
【0317】
式(II)および(IV)の化合物において、U、V、X、YおよびZを含む環系は、縮合ビアリール環系である。
式(II)および(IV)の化合物において、Uは、NRまたはCRである。ある態様において、Uは、NRである。他の態様において、Uは、CRである。
【0318】
式(II)および(IV)の化合物において、Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。一部のそのような態様において、Vは、CRである。他のそのような態様において、Vは、Nである。さらなるそのような態様において、Vは、NRである。
【0319】
式(II)および(IV)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。他の態様において、Xは、Nである。
式(II)および(IV)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。他の態様において、Yは、Nである。
【0320】
式(II)および(IV)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。他の態様において、Zは、Nである。
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、Zは、CRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0321】
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、CRであり、かつZは、CRである。
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、Nであり、かつZは、CRである。
【0322】
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、かつZは、Nである。
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、Nであり、かつZは、CRである。
【0323】
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、Nであり、かつZは、Nである。
式(II)および(IV)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、CRであり、かつZは、Nである。
【0324】
式(II)および(IV)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0325】
式(II)および(IV)のさらなる態様において、X、YおよびZの2つは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0326】
式(III)および(V)の化合物において、Rは、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。
【0327】
式(III)および(V)のある態様において、Rは、Hである。他の態様において、Rは、FまたはClである。他の態様において、Rは、Clである。さらなる態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、CH、場合によりR20により置換されている。特定の態様において、Rは、CHである。
【0328】
式(III)および(V)の化合物において、U、V、X、YおよびZを含む環系は、縮合ビアリール環系である。
式(III)および(V)の化合物において、Uは、NRまたはCRである。ある態様において、Uは、NRである。他の態様において、Uは、CRである。
【0329】
式(III)および(V)の化合物において、Vは、UがNRである場合、NまたはCRであり;かつVは、UがCRである場合、NRである。一部のそのような態様において、Vは、CRである。他のそのような態様において、Vは、Nである。さらなる態様において、Vは、NRである。
【0330】
式(III)および(V)の化合物において、Xは、CRまたはNである。ある態様において、Xは、CRである。他の態様において、Xは、Nである。
式(III)および(V)の化合物において、Yは、CRまたはNである。ある態様において、Yは、CRである。他の態様において、Yは、Nである。
【0331】
式(III)および(V)の化合物において、Zは、CRまたはNである。ある態様において、Zは、CRである。他の態様において、Zは、Nである。
式(III)および(V)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、かつZは、CRである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0332】
式(III)および(V)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、CRであり、かつZは、CRである。
式(III)および(V)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、Nであり、かつZは、CRである。
【0333】
式(III)および(V)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、CRであり、かつZは、Nである。
式(III)および(V)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、Nであり、かつZは、CRである。
【0334】
式(III)および(V)のある態様において、Xは、CRであり、Yは、Nであり、かつZは、Nである。
式(III)および(V)のある態様において、Xは、Nであり、Yは、CRであり、かつZは、Nである。
【0335】
式(III)および(V)の他の態様において、X、YおよびZの少なくとも1つは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0336】
式(III)および(V)のさらなる態様において、X、YおよびZの2つは、Nである。一部のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、CRである。他のそのような態様において、Uは、NRであり、かつVは、Nである。さらに他のそのような態様において、Uは、CRであり、かつVは、NRである。
【0337】
式(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)のそれぞれの特定の態様において、U、V、X、YおよびZを含む縮合ビアリール環系は、以下の縮合ビアリール環系からなる群から選択され:
【0338】
【化15-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0339】
【化15-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
ここで、は、ピリミジン環またはピリジン環への結合の点を表わし、R、R、R、R、R、RおよびRは、本明細書でさらに定義される通りである。
別の側面において、本発明は、式(VI)の化合物:
【0341】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0342】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R23、Q、n、pおよびqは、式(II)に関して定義された通りであり;または
、R、R、R〜R30、Q、m、n、pおよびqは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0343】
特定の態様において、本発明は、式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R23およびnは、式(II)に関して定義された通りである。
【0344】
他の態様において、本発明は、式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R30、mおよびnは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0345】
ある態様において、式(VI)の化合物は、式(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D):
【0346】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0347】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VI)の化合物にも適用可能である。
【0348】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VI)の化合物にも適用可能である。
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0349】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0350】
好ましい態様において、本発明は、式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0351】
別の好ましい態様において、本発明は、式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0352】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0353】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VI)、(VI−A)、(VI−B)、(VI−C)もしくは(VI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0354】
別の側面において、本発明は、式(VII)の化合物:
【0355】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R〜R23、Q、n、pおよびqは、式(II)に関して定義された通りであり;または
、R、R〜R30、Q、m、n、pおよびqは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0357】
特定の態様において、本発明は、式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R23およびnは、式(II)に関して定義された通りである。
【0358】
他の態様において、本発明は、式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R30、mおよびnは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0359】
ある態様において、式(VII)の化合物は、式(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D):
【0360】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0361】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VII)の化合物にも適用可能である。
【0362】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VII)の化合物にも適用可能である。
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;R20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0363】
好ましい態様において、本発明は、式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0364】
別の好ましい態様において、本発明は、式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり、ここでR11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0365】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり;またはRは、HもしくはCHであり;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0366】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VII)、(VII−A)、(VII−B)、(VII−C)もしくは(VII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり;またはRは、HもしくはCHであり;またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0367】
別の側面において、本発明は、式(VIII)の化合物:
【0368】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R〜R23、Q、n、pおよびqは、式(II)に関して定義された通りであり;または
、R、R〜R30、Q、m、n、pおよびqは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0370】
特定の態様において、本発明は、式(VIII)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R23およびnは、式(II)に関して定義された通りである。
【0371】
他の態様において、本発明は、式(VIII)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R30、mおよびnは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0372】
ある態様において、式(VIII)の化合物は、式(VIII−A)、(VIII−B)、(VIII−C)もしくは(VIII−D):
【0373】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VIII)の化合物にも適用可能である。
【0375】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(VIII)の化合物にも適用可能である。
一態様において、本発明は、式(VIII)、(VIII−A)、(VIII−B)、(VIII−C)もしくは(VIII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0376】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(VIII)、(VIII−A)、(VIII−B)、(VIII−C)もしくは(VIII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;Qは、Oであり;またはQは、NR11であり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;pは、2であり;かつqは、1である。
【0377】
式(I)〜(VIII)の特定の態様において、Qを含む環は、以下の環からなる群から選択され:
【0378】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
ここで、は、2−アミノ置換基への結合の点を表わす。
式(I)〜(VIII)の特定の態様において、Qを含む環は、以下の環からなる群から選択され:
【0380】
【化23-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
【化23-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0382】
ここで、は、2−アミノ置換基への結合の点を表わす。
式(I)〜(VIII)の特定の態様において、Qを含む環は、以下の環からなる群から選択され:
【0383】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0384】
ここで、は、2−アミノ置換基への結合の点を表わす。
式(I)〜(VIII)の特定の態様において、Qを含む環は、以下の環からなる群から選択され:
【0385】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0386】
ここで、は、2−アミノ置換基への結合の点を表わす。
別の側面において、本発明は、式(IX)の化合物:
【0387】
【化26】
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【0388】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
、R、R、R〜R11、R14〜R23およびnは、式(II)に関して定義された通りであり;または
、R、R、R〜R11、R14〜R30、mおよびnは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0389】
ある態様において、本発明は、式(IX)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここでR、R、R、R〜R11、R14〜R23およびnは、式(II)に関して定義された通りである。
【0390】
置換基が式(II)に関して定義された通りである式(IX)の態様において、本発明は、式(IX)の化合物
【0391】
【化27】
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【0392】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;かつ
nは、0、1、2、3または4である。
【0393】
他の態様において、本発明は、式(IX’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここでR、R、R、R〜R11、R14〜R23およびnは、式(IV)に関して定義された通りである。
【0394】
置換基が式(IV)に関して定義された通りである式(IX)の態様において、本発明は、式(IX’)の化合物:
【0395】
【化28】
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【0396】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;かつ
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFまたはOHにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;かつ
nは、0、1、2、3または4である。
【0397】
ある態様において、式(IX)または(IX’)の化合物は、式(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)もしくは(IX−D)または式(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)もしくは(IX’−D):
【0398】
【化29】
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【0399】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(IX)、(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)または(IX−D)の化合物にも適用可能である。
【0400】
式(IX)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)または(IX−D)の化合物にも適用可能である。
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX)、(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)もしくは(IX−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0401】
好ましい態様において、本発明は、式(IX)、(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)もしくは(IX−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0402】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX)、(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)もしくは(IX−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルである。
【0403】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX)、(IX−A)、(IX−B)、(IX−C)もしくは(IX−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;Rは、Fであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;かつR20は、OHである。
【0404】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(IX’)、(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)または(IX’−D)の化合物にも適用可能である。
【0405】
式(IX’)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)または(IX’−D)の化合物にも適用可能である。
【0406】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX’)、(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)もしくは(IX’−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;またはRは、Rとまとめられて場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成しており、その環は、場合によりR21により置換されており;Rは、HまたはFであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルである。
【0407】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX’)、(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)もしくは(IX’−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、CHCHOHもしくはCHNHであり;またはRは、Rとまとめられて場合によりR21により置換された5員複素環式環を形成しており;それぞれのR21は、独立してF、OH、NH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;Rは、Fであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在せず;R11は、SO14であり;かつR14は、CHである。
【0408】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(IX’)、(IX’−A)、(IX’−B)、(IX’−C)もしくは(IX’−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;Rは、HまたはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており;Rは、Fであり;RおよびRは、Hであり;Rは、OHであり;R11は、SO14であり;R14は、C〜Cアルキルであり;かつR20は、OHである。
【0409】
別の側面において、本発明は、式(X)の化合物:
【0410】
【化30】
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【0411】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;かつ
nは、0、1、2、3または4である。
【0412】
別の側面において、本発明は、式(XI)の化合物:
【0413】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;または
は、Rとまとめられて、場合により環員としてNR24、OおよびS(O)から選択される追加の複素原子を含有する5〜7員複素環式環を形成していることができ、その環は、場合によりR21により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであり;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、それは、場合によりFもしくはOHにより置換されており;
24は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO25、SONR2627、COR28、COOR28またはCONR2930であり;
25は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR26およびR27は、独立してHまたはCHであり;
28は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR29およびR30は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
mは、0、1または2であり;かつ
nは、0、1、2、3または4である。
【0415】
ある態様において、式(X)または(XI)の化合物は、式(X−A)、(X−B)、(X−C)もしくは(X−D)もしくは(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)もしくは(XI−D):
【0416】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(II)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(X)、(X−A)、(X−B)、(X−C)または(X−D)の化合物にも適用可能である。
【0418】
式(X)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(X−A)、(X−B)、(X−C)または(X−D)の化合物にも適用可能である。
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(X)、(X−A)、(X−B)、(X−C)もしくは(X−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0419】
好ましい態様において、本発明は、式(X)、(X−A)、(X−B)、(X−C)もしくは(X−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0420】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(X)、(X−A)、(X−B)、(X−C)もしくは(X−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、C(OH)(CHもしくはCHCHOHであり;Rは、HまたはFであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0421】
式(IV)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(XI)、(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)または(XI−D)の化合物にも適用可能である。
【0422】
式(XI)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)または(XI−D)の化合物にも適用可能である。
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XI)、(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)もしくは(XI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0423】
好ましい態様において、本発明は、式(XI)、(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)もしくは(XI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0424】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XI)、(XI−A)、(XI−B)、(XI−C)もしくは(XI−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Rは、FまたはClであり;Rは、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり;またはRは、CH、i−C、i−C、s−C、t−C、CHF、CHF、CHCHFもしくはオキセタン−3−イルであり;Rは、HもしくはC〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりOH、NH、NHCHもしくはN(CHにより置換されており;またはRは、H、CH、C、CHOH、CH(OH)CH、C(OH)(CHもしくはCHCHOHであり;Rは、HまたはFであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、OHであり;nは、0であり、かつR10は、存在しない。
【0425】
別の側面において、本発明は、式(XII)の化合物:
【0426】
【化33】
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【0427】
またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、ここで:
Aは、NまたはCHであり;
は、H、FまたはClであり;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、C(O)R、C(O)NR、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており、それぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており、Rは、C〜Cアルキルであり、かつそれぞれのRは、独立してHまたはC〜Cアルキルであり;
は、HまたはFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり;
Qは、Oであり;または
Qは、NR11であり;
11は、SO14またはCOR17であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
17は、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CN、NR2223、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルもしくは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりさらにOH、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりさらにF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されており;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられてアゼチジニル環を形成していることができ、ここで前記の環は、場合によりF、OH、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシもしくはC〜Cフルオロアルコキシにより置換されている。
【0428】
ある態様において、式(XII)の化合物は、式(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)もしくは(XII−D):
【0429】
【化34】
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【0430】
またはその薬学的に許容可能な塩の1つにおいて示されているような絶対立体化学を有する。
式(I)〜(XI)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、そのような側面または態様と一致しない式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)の化合物にも適用可能である。
【0431】
式(XII)に関して本明細書で記載された側面および態様のそれぞれは、式(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)の化合物にも適用可能である。
【0432】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Aは、Nである。式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Aは、CHである。
【0433】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、Clである。
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、C〜Cアルキルである。特定の態様において、Rは、イソプロピルである。
【0434】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0435】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されている。
【0436】
一部のそのような態様において、R20は、OHである。ある態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、OHである。特定の態様において、Rは、CH(OH)CHまたはC(OH)(CHである。
【0437】
他のそのような態様において、R20は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。一部のそのような態様において、Rは、場合によりR20により置換されたC〜Cアルキルであり、ここでR20は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0438】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、C(O)R、C(O)NRであり、Rは、C〜Cアルキルであり、それぞれのRは、独立してHまたはC〜Cアルキルである。
【0439】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0440】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Rは、Fである。
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、RおよびRは、独立してHまたはFである。一部のそのような態様において、RおよびRは、Hである。
【0441】
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Qは、Oである。
式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)または(XII−D)のある態様において、Qは、NR11である。一部のそのような態様において、R11は、SO14である。一部のそのような態様において、R14は、C〜Cアルキルである。一部のそのような態様において、R11は、COR17である。一部のそのような態様において、R17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されている。一部のそのような態様において、R17は、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されている。
【0442】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)もしくは(XII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;かつQは、Oである。
【0443】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)もしくは(XII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、Nであり;Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルである。
【0444】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)もしくは(XII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、CHであり;Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;かつQは、Oである。
【0445】
特定の態様において、本発明は、以下の特徴の2つ以上、好ましくは3つ以上、より好ましくは4つ以上の組み合わせを有する式(XII)、(XII−A)、(XII−B)、(XII−C)もしくは(XII−D)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する:Aは、CHであり;Rは、Clであり;Rは、C〜Cアルキルであり;またはRは、i−Cであり;Rは、C〜Cアルキルであり、ここで前記のC〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されており、ここでR20は、OHであり;またはRは、CH(OH)CHもしくはC(OH)(CHであり;Rは、Fであり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Qは、NR11であり;R11は、SO14であり;かつR14は、C〜Cアルキルである。
【0446】
別の側面において、本発明は、以下の化合物またはその薬学的に許容可能な塩からなる群から選択される化合物を提供する:
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−フルオロ−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリミジン−2−アミン;
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−エチル−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾトリアゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−メチルピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−メトキシピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−(プロパン−2−イル)ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({4−[1−(アゼチジン−3−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール;
1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]エタノン;
(3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−フルオロピリミジン−2−イル]アミノ}−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3S,4S)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−メチルピペリジン−3−オール;
(3S,4S)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール;
1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール;
(2S)−1−[(3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−クロロピリミジン−2−イル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロパン−1−オン;
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;
(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール;および
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール。
【0447】
別の側面において、本発明は、A1〜A94、B1〜B2、C1〜C2、D1〜D6、E1、F1〜F33、G1およびH1〜H11(境界を含む)またはその薬学的に許容可能な塩を含む本明細書で提供される実施例において例示される化合物からなる群から選択される化合物を提供する。
【0448】
別の側面において、本発明は、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0449】
別の側面において、本発明は、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールを提供する。
【0450】
別の側面において、本発明は、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0451】
別の側面において、本発明は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールまたはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0452】
別の側面において、本発明は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールを提供する。
【0453】
別の側面において、本発明は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0454】
“医薬組成物”は、有効成分としての本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグの1種類以上および少なくとも1種類の薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤の混合物を指す。ある態様において、医薬組成物は、2種類以上の薬学的に許容可能なキャリヤーおよび/または賦形剤を含む。他の態様において、医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の追加の抗癌療法剤を含む。
【0455】
一側面において、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、医薬組成物は、2種類以上の薬学的に許容可能なキャリヤーおよび/または賦形剤を含む。
【0456】
ある態様において、医薬組成物は、さらに少なくとも1種類の追加の抗癌療法剤を含む。一部のそのような態様において、組み合わせは、相加的抗癌作用、相加的抗癌作用よりも大きい抗癌作用、または相乗的抗癌作用を提供する。
【0457】
用語“相加的”は、2種類の化合物、構成要素または標的化された薬剤の組み合わせの結果がそれぞれの化合物、構成要素または標的化された薬剤個々の合計より大きくないことを意味するために用いられる。
【0458】
用語“相乗作用”または“相乗的”は、2種類の化合物、構成要素または標的化された薬剤の組み合わせの結果がそれぞれの化合物、構成要素または標的化された薬剤個々の合計より大きいことを意味するために用いられる。処置されている疾患、病気または障害におけるこの向上は、“相乗的”作用である。“相乗的な量”は、“相乗的”が本明細書において定義されているように、結果として相乗的作用をもたらす2種類の化合物、構成要素または標的化された薬剤の組み合わせの量である。
【0459】
1種類または2種類の構成要素の間の相乗的相互作用、作用に関する最適範囲および作用に関する各構成要素の絶対的用量範囲の決定は、処置を必要とする患者に対する異なる用量範囲および/または用量比にわたる構成要素の投与によって決定的に測定されることができる。しかし、インビトロモデルまたはインビボモデルでの相乗的作用の観察は、ヒトおよび他の種における作用を予測することができ、本明細書に記載されるように、相乗的作用を測定するためのインビトロモデルまたはインビボモデルが、存在する。そのような研究の結果は、例えば薬物動態学的および/または薬力学的方法の適用によってヒトおよび他の種において必要とされる有効用量および血漿中濃度の比の範囲ならびに絶対用量および血漿中濃度を予測するために使用されることもできる。
【0460】
別途示されない限り、本明細書における本発明の化合物への全ての言及は、その多形、立体異性体および同位体標識されたバージョンを含め、その塩、溶媒和物、水和物および錯体への言及ならびにその塩の溶媒和物、水和物および錯体への言及を含む。
【0461】
本発明の化合物は、例えば本明細書で提供される式の1つの化合物の酸付加塩類および塩基付加塩類のような薬学的に許容可能な塩類の形態で存在することができる。本明細書で使用される際、用語“薬学的に許容可能な塩”は、親化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩類を指す。句“薬学的に許容可能な塩(類)”は、本明細書で使用される際、別途示されない限り、本明細書で開示される式の化合物中に存在することができる酸性または塩基性基の塩類を含む。
【0462】
例えば、本質的に塩基性である本発明の化合物は、様々な無機酸および有機酸と多種多様な塩類を形成することができる。そのような塩類は動物への投与に関して薬学的に許容可能でなければならないが、実際には、最初に本発明の化合物を薬学的に許容されない塩として反応混合物から単離し、次いでアルカリ性試薬での処理により後者を単純に変換して遊離塩基化合物に戻し、その後後者の遊離塩基を薬学的に許容可能な酸付加塩に変換することが、しばしば望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩類は、水性溶媒媒体中またはメタノールもしくはエタノールのような適当な有機溶媒中で、実質的に当量の選択された鉱酸または有機酸で塩基化合物を処理することによって調製されることができる。溶媒を蒸発させると、所望の固体塩が得られる。所望の酸塩は、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、適切な鉱酸または有機酸をその溶液に添加することにより沈殿させることもできる。
【0463】
非毒性の酸付加塩類、すなわち薬理学的に許容可能な陰イオンを含有する塩類、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩を形成するそれらのそのような塩基性化合物の薬学的に許容可能な酸付加塩類を調製するために使用されることができる酸。
【0464】
塩の例は、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(例えばクロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩およびメトキシ安息香酸塩)、重炭酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン−1,4−ジオエート、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、二塩酸塩、リン酸二水素塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩(glycollylarsanilate)、ヘプタン酸塩、ヘキシン−1,6−ジオエート、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イセチオン酸(isothionate)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル硫酸塩、リン酸一水素塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩および吉草酸塩を含むが、それらに限定されない。
【0465】
適切な塩類の例示的な例は、アミノ酸、例えばグリシンおよびアルギニン、アンモニア、第一級アミン、第二級アミンおよび第三級アミンならびに環状アミン、例えばピペリジン、モルホリンおよびピペラジンに由来する有機塩類、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩類を含む。
【0466】
アミノ基のような塩基性部分を含む本発明の化合物は、上記で言及された酸に加えて、様々なアミノ酸と薬学的に許容可能な塩類を形成することができる。
あるいは、本質的に酸性である有用な化合物は、様々な薬理学的に許容可能な陽イオンと塩基塩類を形成することができる可能性がある。そのような塩類の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩類、特にナトリウムおよびカリウム塩類を含む。これらの塩類は、全て従来の技法によって調製される。本発明の薬学的に許容可能な塩基塩類を調製するための試薬として使用される化学塩基は、本明細書における酸性化合物と非毒性の塩基塩類を形成する化学塩基である。これらの塩類は、あらゆる適切な方法、例えば遊離酸の無機塩基または有機塩基、例えばアミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物等による処理により調製されることができる。これらの塩類は、対応する酸性化合物を所望の薬理学的に許容可能な陽イオンを含有する水溶液で処理し、次いで結果として得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発させて乾燥させることにより調製されることもできる。あるいは、それらは、酸性化合物および所望のアルカリ金属アルコキシドの低級アルカノール溶液を一緒に混合し、次いで結果として得られた溶液を前と同じ方法で蒸発させて乾燥させることにより調製されることもできる。どちらの場合も、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を確実にするために、好ましくは化学量論量の試薬が利用される。
【0467】
本質的に酸性である本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩基塩類を調製するための試薬として使用されることができる化学塩基は、そのような化合物と非毒性の塩基塩類を形成する化学塩基である。そのような非毒性の塩基塩類は、そのような薬理学的に許容可能な陽イオン、例えばアルカリ金属陽イオン(例えばカリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属陽イオン(例えばカルシウムおよびマグネシウム)に由来する塩基塩類、アンモニウムまたは水溶性アミン付加塩類、例えばN−メチルグルカミン−(メグルミン)、ならびに薬学的に許容可能な有機アミンの低級アルカノールアンモニウムおよび他の塩基塩類を含むが、それらに限定されない。
【0468】
酸および塩基のヘミ塩類、例えばヘミサルフェートおよびヘミカルシウム塩類が、形成されることもできる。
適切な塩類に関する総説に関して、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use by Stahl and Wermuth (Wiley-VCH, 2002)を参照。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩類を作製するための方法ならびに塩の形態および遊離塩基形態の相互変換の方法は、当業者には既知である。
【0469】
本発明の塩類は、当業者に既知の方法に従って調製されることができる。本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩は、化合物の溶液および所望の酸または塩基を適宜一緒に混合することによって容易に調製されることができる。塩は、溶液から沈殿し、濾過により収集されることができ、または溶媒の蒸発により回収されることもできる。塩におけるイオン化の程度は、完全にイオン化されたものからほとんどイオン化されていないものまで様々であることができる。
【0470】
塩基性官能性を有する遊離塩基形態の本発明の化合物は、化学量論的過剰量の適切な酸で処理することにより酸付加塩類に変換されることができることは、当業者には理解されるであろう。本発明の化合物の酸付加塩類は、典型的には水性溶媒の存在下で、約0℃〜約100℃の温度で、化学量論的過剰量の適切な塩基、例えば炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウムで処理することにより、対応する遊離塩基に再変換されることができる。遊離塩基形態は、有機溶媒による抽出のような従来の手段によって単離されることができる。加えて、本発明の化合物の酸付加塩類は、差異のある塩類の溶解度、酸の揮発性もしくは酸性を利用して、または適切に装填されたイオン交換樹脂で処理することにより交換されることができる。例えば、交換は、本発明の化合物の塩の、出発塩の酸構成要素よりも低いpKの酸のわずかな化学量論的過剰量との反応により影響を受け得る。この変換は、典型的には約0℃〜手順のための媒体として使用されている溶媒の沸点の温度で実施される。類似の交換が、典型的には遊離塩基形態の中間性(intermediacy)を介して、塩基付加塩類に関して可能である。
【0471】
本発明の化合物は、非溶媒和形態および溶媒和形態の両方で存在し得る。溶媒または水が強固に結合している場合、複合体は、湿度に依存しない十分に定義された化学量論を有するであろう。しかし、チャンネル溶媒和物(channel solvates)および吸湿性化合物におけるように、溶媒または水が弱く結合している場合、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に依存するであろう。そのような場合、非化学量論が、標準となるであろう。用語‘溶媒和物’は、本明細書において、本発明の化合物および1種類以上の薬学的に許容可能な溶媒分子、例えばエタノールを含む分子複合体を記載するために使用される。用語‘水和物’は、溶媒が水である場合に使用される。本発明に従う薬学的に許容可能な溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体(例えばDO、d−アセトン、d−DMSO)置換されることができる水和物および溶媒和物を含む。
【0472】
錯体、例えばクラスレート、薬物−ホスト包接錯体も、本発明の範囲内に含まれ、ここで、前記の溶媒和物とは対照的に、薬物およびホストは、化学量論量または非化学量論量で存在する。化学量論量または非化学量論量であることができる2種類以上の有機性および/または無機性構成要素を含有する薬物の錯体も、含まれる。結果として得られる錯体は、イオン化されている、部分的にイオン化されている、またはイオン化されていないことができる。そのような錯体の総説に関して、J Pharm Sci, 64 (8), 1269-1288 by Haleblian (August 1975)を参照、その開示は、参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0473】
本発明は、本明細書で提供される式の化合物のプロドラッグにも関する。従って、それら自体はほとんどまたは全く薬理活性を有しない可能性がある本発明の化合物の特定の誘導体は、患者に投与された際に、例えば加水分解的開裂によって本発明の化合物に変換されることができる。そのような誘導体は、‘プロドラッグ’と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するさらなる情報が、‘Pro drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series (T Higuchi and W Stella)および‘Bioreversible Carriers in Drug Design’, Pergamon Press, 1987 (編者 E B Roche, American Pharmaceutical Association)において見付けられることができ、その開示は、参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0474】
本発明に従うプロドラッグは、例えば本発明の化合物中に存在する適切な官能性を、例えばH Bundgaardによる“Design of Prodrugs”(Elsevier, 1985)において記載されているような‘プロ部分(pro−moieties)’として当業者に知られている特定の部分で置き換えることにより生成されることができ、その開示は、参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0475】
本発明に従うプロドラッグのいくつかの限定的でない例は、以下のプロドラッグを含む:
(i)化合物がカルボン酸官能性−(COOH)を含有する場合、そのエステル、例えば水素の(C−C)アルキルによる置換;
(ii)化合物がアルコール官能性(−OH)を含有する場合、そのエーテル、例えば水素の(C−C)アルカノイルオキシメチルによる、またはホスフェートエーテル基による置換;および
(iii)化合物が第一級または第二級アミノ官能性(−NHまたは−NHR、ここで、R≠H)を含有する場合、そのアミド、例えば一方または両方の水素の適切に代謝的に不安定な基、例えばアミド、カルバメート、尿素、ホスホネート、スルホネート等による置換。
【0476】
前記の例および他のプロドラッグのタイプの例に従う置換基のさらなる例は、前記の参考文献において見付けられることができる。
最後に、特定の本発明の化合物は、それら自体が本発明の化合物の他のもののプロドラッグの役目を果たすことができる。
【0477】
本明細書で記載される式の化合物の代謝産物、すなわちその薬物の投与の際にインビボで形成される化合物も、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書で提供される式の化合物は、不斉炭素原子を有することができる。本発明の化合物の炭素−炭素結合は、本明細書において実線(
【0478】
【化35】
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【0479】
)、実線の楔(
【0480】
【化36】
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【0481】
)または点線の楔(
【0482】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0483】
)を用いて描写され得る。不斉炭素原子への結合を描写するための実線の使用は、その炭素原子における全ての可能な立体異性体(例えば特定の鏡像異性体、ラセミ混合物等)が含まれることを示すことが、意図されている。不斉炭素原子への結合を描写するための実線または点線の楔のどちらかの使用は、示された立体異性体のみが含まれることが意図されていることを示すことが、意図されている。本発明の化合物は、1個より多くの不斉炭素原子を含有することができる可能性がある。それらの化合物において、不斉炭素原子への結合を描写するための実線の使用は、全ての可能な立体異性体が含まれることが意図されていることおよび結合した立体中心を示すことが、意図されている。例えば、別途明記されない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーとして、またはラセミ体およびそれらの混合物として存在し得ることが、意図されている。本発明の化合物中の1個以上の不斉炭素原子への結合を描写するための実線の使用および同じ化合物中の他の不斉炭素原子への結合を描写するための実線または点線の楔の使用は、ジアステレオマーの混合物が存在していることを示すことが、意図されている。
【0484】
キラル中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマーのような立体異性体として存在することができる。
本明細書における式の化合物の立体異性体は、本発明の化合物のシスおよびトランス異性体、光学異性体、例えば(R)および(S)鏡像異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、配座異性体および互変異性体(1タイプより多くの異性を示す化合物を含む);ならびにそれらの混合物(例えばラセミ体およびジアステレオマー対)を含むことができる。
【0485】
対イオンが光学活性である酸付加塩類もしくは塩基付加塩類、例えばd−乳酸塩もしくはl−リジン、またはラセミ体、例えばdl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニンも、含まれる。
【0486】
いずれかのラセミ体が結晶化する場合、2つの異なるタイプの結晶が、可能である。第1のタイプは、上記で言及されたラセミ化合物(真のラセミ体)であり、ここで、等モル量の両方の鏡像異性体を含有する1種類の均質な形態の結晶が、生成される。第2のタイプは、ラセミ混合物またはコングロマリット(conglomerate)であり、ここで、それぞれが単一の鏡像異性体を含む2種類の形態の結晶が、等モル量で生成される。
【0487】
本発明の化合物は、互変異性および構造異性の現象を示すことができる。例えば、化合物は、エノールおよびイミン形態ならびにケトおよびエナミン形態ならびに幾何異性体ならびにそれらの混合物を含む、いくつかの互変異性形態で存在することができる。全てのそのような互変異性形態は、本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中で互変異性体セットの混合物として存在する。固体形態では、通常は1種類の互変異性体が、優勢である。たとえ1種類の互変異性体が記載されている可能性があるとしても、本発明は、提供される式の化合物の全ての互変異性体を含む。
【0488】
加えて、本発明の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば置換されたビアリール)を形成していることができる。アトロプ異性体は、分子の他の部分との立体的相互作用の結果として分子中の単結合に関する回転が妨げられるかまたは非常に遅くなり、かつ単結合の両端の置換基が非対称である場合に起こる配座立体異性体である。アトロプ異性体の相互変換は、予め決定された条件下で分離および単離を可能にするのに十分に遅い。熱ラセミ化に対するエネルギー障壁は、キラル軸を形成する1つ以上の結合の自由回転に対する立体障害によって決定されることができる。
【0489】
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が、可能である。シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えばクロマトグラフィーおよび分別結晶化によって分離されることができる。
【0490】
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技法は、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を用いたラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。
【0491】
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は、適当な光学活性化合物、例えばアルコール、または化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には酸もしくは塩基、例えば酒石酸もしくは1−フェニルエチルアミンと反応させられることができる。結果として得られるジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶化によって分離されることができ、ジアステレオ異性体の一方または両方が、当業者に周知の手段により対応する純粋な鏡像異性体(単数または複数)に変換されることができる。
【0492】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、0〜50%、典型的には2〜20%イソプロパノールおよび0〜5%のアルキルアミン、典型的には0.1%ジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、鏡像異性的に富化された形態で得られることができる。溶離液の濃縮は、富化された混合物を与える。
【0493】
立体異性体コングロマリットは、当業者に既知の従来の技法によって分離されることができる;例えばE L Elielによる“Stereochemistry of Organic Compounds”(Wiley, ニューヨーク, 1994)を参照、その開示は、参照によりそのまま本明細書に援用される。
【0494】
本明細書で記載された化合物の鏡像異性体純度は、鏡像異性体過剰率(ee)の観点から記載されることができ、それは、試料が一方の鏡像異性体を他方の鏡像異性体よりも大きい量で含有する程度を示す。ラセミ混合物は、0%のeeを有し、一方で単一の完全に純粋な鏡像異性体は、100%のeeを有する。同様に、ジアステレオマーの純度は、ジアステレオマー過剰率(de)の観点から記載されることができる。
【0495】
本発明は、提供される式の1つにおいて列挙された化合物と同一であるが、1個以上の原子が通常天然に存在する原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられているという事実に関する同位体標識された化合物も含む。
【0496】
本発明の同位体標識された化合物は、一般に当業者に既知の従来の技法により、または本明細書で記載されるプロセスに類似のプロセスにより、そうではない場合に利用される非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を用いて調製されることができる。
【0497】
本発明の化合物中に組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばH、H、13C、14C、15N、18O、17O、32P、35S、18Fおよび36Clを含むが、それらに限定されない。本発明の特定の同位体標識された化合物、例えばその中にHおよび14Cのような放射性同位体が組み込まれた化合物は、薬物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム標識されたもの(Tritiated)、すなわちHおよび炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出可能性に関して特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素、すなわちHによる置換は、より大きい代謝安定性、例えば増大したインビボ半減期または低減した投与量の要求の結果もたらされる特定の療法的利点を与えることができ、従ってある状況において好ましい可能性がある。本発明の同位体標識された化合物は、一般に、同位体標識されていない試薬の代わりに同位体標識された試薬を用いて下記のスキームにおいてならびに/または実施例および調製において開示されている手順を実施することにより調製されることができる。
【0498】
医薬的使用に関して意図されている本発明の化合物は、結晶質もしくは非晶質生成物またはそれらの混合物として投与されることができる。それらは、例えば沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥または蒸発乾燥のような方法により、固体のプラグ、粉末またはフィルムとして得られることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥が、使用されることができる。
【0499】
療法的方法および使用
本発明はさらに、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、単独で、または他の療法剤もしくは緩和剤との組み合わせで投与することを含む療法的方法および使用を提供する。
【0500】
一側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖の処置のための方法であって、その対象に療法上有効量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0501】
別の側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖の処置のための方法であって、その対象にある量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩をある量の追加の療法剤(例えば抗癌療法剤)との組み合わせで投与することを含む方法を提供し、その量は、合わせて前記の異常な細胞増殖の処置において有効である。
【0502】
別の側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖の処置における使用のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
さらなる側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖の処置のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0503】
別の側面において、本発明は、それを必要とする対象における異常な細胞増殖の処置における使用のための医薬組成物を提供し、その医薬組成物は、本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む。
【0504】
別の側面において、本発明は、医薬品、特に異常な細胞増殖の処置のための医薬品としての使用のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
さらに別の側面において、本発明は、対象における異常な細胞増殖の処置のための医薬品の製造のための本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0505】
本明細書で提供される方法の頻繁な態様において、異常な細胞増殖は、癌である。本発明の化合物は、単剤として投与されることができ、または他の抗癌療法剤との、特に特定の癌に関して適切な標準治療薬剤との組み合わせで投与されることができる。
【0506】
ある態様において、提供される方法は、結果として以下の作用の1つ以上をもたらす:(1)癌細胞の増殖を阻害すること;(2)癌細胞の浸潤性を阻害すること;(3)癌細胞のアポトーシスを誘導すること;(4)癌細胞の転移を阻害すること;または(5)血管新生を阻害すること。
【0507】
別の側面において、本発明は、対象におけるCDK4によって媒介される障害の処置のための方法であって、その対象に本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を前記の障害、特に癌を処置するために有効な量で投与することを含む方法を提供する。
【0508】
本明細書で記載される化合物、組成物、方法および使用の好ましい側面および態様において、本発明の化合物は、CDK6よりもCDK4に関して選択的である。頻繁な態様において、CDK6に関する結合親和性は、CDK4に関する結合親和性よりも少なくとも10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、60倍、75倍、100倍または100倍を超えて大きい。
【0509】
血液毒性、例えば好中球減少症または白血球減少症におけるCDK6の潜在的な役割を考慮すると、CDK4選択的阻害剤は、現在の二重CDK4/6阻害剤と比較して、より高い投与量、連続的な投与計画の使用および/または延長された全体的な処置の時間の可能性による向上した安全性プロファイル、向上した投与スケジュール(例えば用量の低減または投与休止期間の必要性を低下させることによる)および/または高められた全体的な有効性を提供し得る。好中球減少症を評価するための動物モデルは、当該技術で記載されている。例えば、Fine et al. A Specific Stimulator of Granulocyte Colony-Stimulating Factor Accelerates Recover from Cyclophophamide-Induced Neutropenia in the Mouse (1997) Blood, 90(2):795-802; Hu et al., Mechanistic Investigation of Bone Marrow Suppression Associated with Palbociclib and its Differentiation from Cytotoxic Chemotherapies (2016), Clin. Cancer Res. 22(8):2000-2008を参照。
【0510】
CDK1、CDK2またはCDK9のような他のCDKと比較したCDK4に関する選択性を得ることも、好ましい可能性がある。
本発明の化合物は、本明細書で記載された式のいずれかの化合物またはその薬学的に許容可能な塩類を含む。
【0511】
別の側面において、本発明は、対象において癌細胞の増殖を阻害する方法であって、その対象に細胞増殖を阻害するために有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0512】
別の側面において、本発明は、対象において癌細胞の浸潤性を阻害する方法であって、その対象に細胞の浸潤性を阻害するために有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0513】
別の側面において、本発明は、対象において癌細胞におけるアポトーシスを誘導する方法であって、その対象にアポトーシスを誘導するために有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0514】
別の側面において、本発明は、対象において癌細胞の転移を阻害する方法であって、その対象に細胞の転移を阻害するために有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0515】
別の側面において、本発明は、対象において血管新生を阻害する方法であって、その対象に血管新生を阻害するために有効な量の本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法を提供する。
【0516】
本明細書で提供される方法の頻繁な態様において、異常な細胞増殖は、癌である。一部のそのような態様において、癌は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌(NSCLC、SCLC、扁平上皮癌または腺癌を含む)、食道癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌(RCCを含む)、肝臓癌(HCCを含む)、膵臓癌、胃(stomach)(すなわち胃(gastric))癌および甲状腺癌からなる群から選択される。本明細書で提供される方法のさらなる態様において、癌は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌、食道癌、肝臓癌、膵臓癌および胃癌からなる群から選択される。
【0517】
他の態様において、癌は、例えばER陽性/HR陽性、HER2陰性乳癌;ER陽性/HR陽性、HER2陽性乳癌;トリプルネガティブ乳癌(TNBC);または炎症性乳癌を含む乳癌である。ある態様において、乳癌は、内分泌耐性乳癌、トラスツズマブもしくはペルツズマブ耐性乳癌、またはCDK4/CDK6阻害に対する一次もしくは後天性耐性を示す乳癌である。ある態様において、乳癌は、進行性または転移性乳癌である。
【0518】
ある態様において、本発明の化合物は、第一選択療法として投与される。他の態様において、本発明の化合物は、第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。ある態様において、本発明の化合物は、内分泌療法剤および/またはCDK4/CDK6阻害剤による処置後に第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。ある態様において、本発明の化合物は、内分泌療法剤、例えばアロマターゼ阻害剤、SERMまたはSERDによる処置後に第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。ある態様において、本発明の化合物は、CDK4/CDK6阻害剤による処置後に第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。ある態様において、本発明の化合物は、1つ以上の化学療法計画、例えばタキサン類または白金薬剤を含む化学療法計画による処置後に第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。ある態様において、本発明の化合物は、HER2標的化薬剤、例えばトラスツズマブによる処置後に第2(またはそれ以降の)選択療法として投与される。
【0519】
本明細書で用いられる際、薬物、化合物または医薬組成物の“有効投与量”または“有効量”は、疾患、その合併症および疾患の発現の間に現れる中間的な病理学的表現型の生化学的、組織学的および/または行動的症状を含む、あらゆる1以上の有益なまたは所望の症状に影響を与えるために十分な量である。療法的使用に関して、“療法上有効量”は、処置されている障害の症状の1つ以上をある程度緩和するであろう投与されている化合物の量を指す。癌の処置に関して、療法上有効量は、(1)腫瘍の大きさを低減する、(2)腫瘍の転移を阻害する(すなわちある程度遅らせる、好ましくは停止させる)、(3)腫瘍の成長もしくは腫瘍の浸潤性をある程度阻害する(すなわちある程度遅らせる、好ましくは停止させる)、(4)癌と関係する1以上の徴候もしくは症状をある程度緩和する(または好ましくは排除する)、(5)疾患を処置するために必要とされる他の薬物療法の用量を減少させる、および/または(6)別の薬物療法の作用を増強する、および/または(7)患者における疾患の進行を遅らせる作用を有する量を指す。
【0520】
有効投与量は、1回以上の投与で投与されることができる。本発明の目的に関して、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、直接的または間接的のどちらかで予防的または療法的処置を成し遂げるために十分な量である。臨床的文脈において理解されるように、薬物、化合物または医薬組成物の有効投与量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と合わせて達成されることができ、またはそうでなくてもよい。
【0521】
癌を有すると診断された、または有する疑いがある対象に適用される“腫瘍”は、悪性または悪性の可能性のある新生物またはあらゆる大きさの組織塊を指し、原発性腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または塊である。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫およびリンパ腫である。白血病(血液の癌)は、一般に固形腫瘍を形成しない(国立癌研究所、癌用語辞典)。
【0522】
“腫瘍負荷”または“腫瘍量”は、体全体に分布した腫瘍性物質の総量を指す。腫瘍負荷は、リンパ節および骨髄を含む体全体にわたるがん細胞の総数または腫瘍(単数または複数)の大きさの合計を指す。腫瘍負荷は、当該技術で知られている様々な方法により、例えばカリパスを使用して、または体内にある間に画像化技法、例えば超音波、骨スキャン、コンピューター断層撮影(CT)もしくは磁気共鳴画像化(MRI)スキャンを使用して決定されることができる。
【0523】
用語“腫瘍の大きさ”は、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全体の大きさを指す。腫瘍の大きさは、当該技術で知られている様々な方法により、例えば腫瘍(単数または複数)の寸法を対象からの除去の際に例えばカリパスを使用して測定することにより、または体内にある間に画像化技法、例えば骨スキャン、超音波、CRもしくはMRIスキャンを使用して測定することにより決定されることができる。
【0524】
本明細書で用いられる際、“対象”は、ヒトまたは動物の対象を指す。特定の好ましい態様において、対象は、ヒトである。
癌を“処置する”または“処置すること”という用語は、本明細書で用いられる際、本発明の化合物を癌を有する対象または癌を有すると診断された対象に投与して少なくとも1つの肯定的な療法的作用、例えば低減した癌細胞の数、低減した腫瘍の大きさ、低減した癌細胞の末梢器官中への浸潤の速度または低減した腫瘍転移もしくは腫瘍成長の速度、そのような用語が適用される障害もしくは病気またはそのような障害もしくは病気の1以上の症状の逆行、緩和、その進行の阻害または予防を達成することを意味する。用語“処置”は、本明細書で用いられる際、別途示されない限り、“処置すること”が直前で定義されたように処置する行為を指す。“処置すること”という用語は、対象の免疫賦活薬処置および腫瘍免疫賦活薬(neo−adjuvant)処置も含む。
【0525】
本発明の目的に関して、有益な臨床結果または所望の臨床結果は、以下の1つ以上を含むが、それらに限定されない:新生物性細胞もしくは癌性細胞の増殖を低減すること(または破壊すること);転移もしくは新生物性細胞を抑制すること;腫瘍の大きさを縮小もしくは減少させること;癌の寛解;癌の結果もたらされる症状を減少させること;癌に罹患している人の生活の質を向上させること;癌を処置するために必要とされる他の薬物療法の用量を減少させること;癌の進行を遅らせること;癌を治癒させること;癌の1つ以上の耐性機序を克服すること;および/または癌患者の生存期間を延長すること。癌における肯定的な療法作用は、いくつかの方法で測定されることができる(例えばW. A. Weber, Assessing tumor response to therapy, J. Nucl. Med. 50 Suppl. 1:1S-10S (2009))。例えば、腫瘍成長阻害(T/C)に関して、国立癌研究所(NCI)の基準によれば、42%以下のT/Cが、抗腫瘍活性の最小レベルである。T/C<10%は、高い抗腫瘍活性レベルと考えられ、T/C(%)=処置された対象(treated)の腫瘍体積の中央値/対照の腫瘍体積の中央値×100である。
【0526】
ある態様において、本発明の化合物によって達成される処置は、部分奏効(PR)、完全奏効(CR)、全体的奏効(OR)、無増悪生存(PFS)、無病生存(DFS)および全生存(OS)のいずれかを参照することにより定義される。“腫瘍進行までの時間”とも呼ばるPFSは、癌が成長しない処置の間および後の時間の長さを示し、患者がCRまたはPRを経験した時間の長さならびに患者が疾患の安定(SD)を経験した時間の長さを含む。DFSは、患者が疾患を有しないままである処置の間および後の時間の長さを指す。OSは、ナイーブまたは未処置の対象または患者と比較した平均余命における延長を指す。ある態様において、本発明の組み合わせに対する応答は、PR、CR、PFS、DFS、ORまたはOSのいずれかであり、それは、固形腫瘍における応答評価基準(RECIST)1.1応答基準を用いて評価される。
【0527】
癌患者を処置するために有効である本発明の化合物に関する処置計画は、患者の疾患状態、年齢および体重のような要因ならびに対象において抗癌応答を引き出す療法の能力に応じて変動し得る。本発明の側面のいずれかの態様は、全ての対象において肯定的な療法作用を達成するのに有効ではない可能性があるが、それは、当該技術で知られているあらゆる統計検定、例えばスチューデントのt検定、カイ2検定、マンおよびホイットニーに従うU検定、クラスカル・ウォリス検定(H検定)、ヨンクヒール=タプストラ検定(Jonckheere−Terpstrat−testy)およびウィルコクソン検定(Wilcon on−test)によって決定された場合に統計的に有意な数の対象において有効であるべきである。
【0528】
用語“処置計画”、“投与プロトコル”および“投与計画”は、本発明の各化合物の単独または別の療法剤との組み合わせでの用量および投与のタイミングを指すために互換的に用いられる。
【0529】
“改善すること”は、本明細書で記載された組み合わせによる処置の際に組み合わせを投与しない場合と比較した1つ以上の症状の軽減または向上を意味する。“改善すること”は、症状の持続時間における短縮または低減も含む。
【0530】
“異常な細胞増殖”は、本明細書で用いられる際、別途示されない限り、正常な制御機序に依存しない細胞増殖(例えば接触阻害の喪失)を指す。異常な細胞増殖は、良性(癌性ではない)または悪性(癌性)であり得る。
【0531】
異常な細胞増殖は、以下の異常な増殖を含む:(1)CDK4および/またはCDK6の増大した発現を示す腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なCDK4および/またはCDK6活性化によって増殖する腫瘍;ならびに(3)内分泌療法、CDK4/6阻害またはHER2アンタゴニストに耐性である腫瘍。
【0532】
用語“追加の抗癌療法剤”は、本明細書で使用される際、癌の処置において使用されているかまたは使用されることができる本発明の化合物以外のあらゆる1種類以上の療法剤を意味する。ある態様において、そのような追加の抗癌療法剤は、以下のクラスに由来する化合物を含む:有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗腫瘍抗生物質、血管新生阻害剤、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、植物アルカロイド、ホルモン剤およびアンタゴニスト、成長因子阻害剤、放射線、シグナル伝達阻害剤、例えばタンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリン/スレオニンキナーゼの阻害剤、細胞周期阻害剤、生物学的応答調節剤、酵素阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体、細胞毒性薬剤、免疫腫瘍学薬剤(immuno−oncology agents)等。
【0533】
ある態様において、追加の抗癌剤は、内分泌剤、例えばアロマターゼ阻害剤、SERDまたはSERMである。一部のそのような態様において、本発明の化合物は、標準治療薬剤、例えばタモキシフェン、エキセメスタン、レトロゾール、フルベストラントまたはアナストロゾールとの組み合わせで投与されることができる。
【0534】
他の態様において、本発明の化合物は、化学療法剤、例えばドセタキセル、パクリタキセル、パクリタキセルタンパク結合粒子、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、カペシタビン、ゲムシタビンまたはビノレルビンとの組み合わせで投与されることができる。
【0535】
ある態様において、追加の抗癌剤は、例えば以下の血管新生阻害剤を含む血管新生阻害剤である:VEGF阻害剤、VEGFR阻害剤、TIE−2阻害剤、PDGFR阻害剤、アンジオポエチン(angiopoetin)阻害剤、PKCβ阻害剤、COX−2(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、インテグリン(アルファ−v/ベータ−3)阻害剤、MMP−2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤およびMMP−9(マトリックスメタロプロテイナーゼ9)阻害剤。好ましい血管新生阻害剤は、スニチニブ(Sutent(商標))、ベバシズマブ(Avastin(商標))、アキシチニブ(AG 13736)、SU 14813(Pfizer)およびAG 13958(Pfizer)を含む。追加の血管新生阻害剤は、バタラニブ(CGP 79787)、ソラフェニブ(Nexavar(商標))、ペガプタニブオクタナトリウム(Macugen(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、PF−0337210(Pfizer)、SU 14843(Pfizer)、AZD 2171(AstraZeneca)、ラニビズマブ(Lucentis(商標))、ネオバスタット(商標)(AE 941)、テトラチオモリブデート(tetrathiomolybdata)(Coprexa(商標))、AMG 706(Amgen)、VEGF Trap(AVE 0005)、CEP 7055(Sanofi−Aventis)、XL 880(Exelixis)、テラチニブ(BAY 57−9352)およびCP−868,596(Pfizer)を含む。他の血管新生阻害剤は、エンザスタウリン(LY 317615)、ミドスタウリン(CGP 41251)、ペリフォシン(KRX 0401)、テプレノン(Selbex(商標))およびUCN 01(Kyowa Hakko)を含む。血管新生阻害剤の他の例は、セレコキシブ(Celebrex(商標))、パレコキシブ(Dynastat(商標))、デラコキシブ(SC 59046)、ルミラコキシブ(Preige(商標))、バルデコキシブ(Bextra(商標))、ロフェコキシブ(Vioxx(商標))、イグラチモド(Careram(商標))、IP 751(Invedus)、SC−58125(Pharmacia)およびエトリコキシブ(Arcoxia(商標))を含む。さらに別の血管新生阻害剤は、エクシスリンド(Aptosyn(商標))、サルサレート(Amigesic(商標))、ジフルニサル(Dolobid(商標))、イブプロフェン(Motrin(商標))、ケトプロフェン(Orudis(商標))、ナブメトン(Relafen(商標))、ピロキシカム(Feldene(商標))、ナプロキセン(Aleve(商標)、Naprosyn(商標))、ジクロフェナク(Voltaren(商標))、インドメタシン(Indocin(商標))、スリンダック(Clinoril(商標))、トルメチン(Tolectin(商標))、エトドラク(Lodine(商標))、ケトロラク(Toradol(商標))およびオキサプロジン(Daypro(商標))を含む。さらに別の血管新生阻害剤は、ABT 510(Abbott)、アプラタスタット(TMI 005)、AZD 8955(AstraZeneca)、インサイクリニド(Metastat(商標))およびPCK 3145(Procyon)を含む。さらに別の血管新生阻害剤は、アシトレチン(Neotigason(商標))、プリチデプシン(aplidine(商標))、シレンジタイド(cilengtide)(EMD 121974)、コンブレタスタチンA4(CA4P)、フェンレチニド(4 HPR)、ハロフギノン(Tempostatin(商標))、Panzem(商標)(2−メトキシエストラジオール)、PF−03446962(Pfizer)、レビマスタト(BMS 275291)、カツマキソマブ(Removab(商標))、レナリドミド(Revlimid(商標))、スクアラミン(EVIZON(商標))、サリドマイド(Thallomid(商標))、Ukrain(商標)(NSC631570)、Vitaxin(商標)(MEDI 522)およびゾレドロン酸(Zoometa(商標))を含む。
【0536】
他の態様において、追加の抗癌剤は、(例えば細胞の増殖、分化および生存の根本的なプロセスを支配する制御分子が細胞内で伝達される手段を阻害する)シグナル伝達阻害剤である。シグナル伝達阻害剤は、小分子、抗体およびアンチセンス分子を含む。シグナル伝達阻害剤は、例えばキナーゼ阻害剤(例えばチロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤)および細胞周期阻害剤を含む。より具体的には、シグナル伝達阻害剤は、例えばファルネシルプロテイントランスフェラーゼ阻害剤、EGF阻害剤、ErbB−1(EGFR)、ErbB−2、pan erb、IGF1R阻害剤、MEK、c−Kit阻害剤、FLT−3阻害剤、K−Ras阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、JAK阻害剤、STAT阻害剤、Rafキナーゼ阻害剤、Akt阻害剤、mTOR阻害剤、P70S6キナーゼ阻害剤、WNT経路の阻害剤および多標的キナーゼ阻害剤を含む。
【0537】
本発明の化合物および本明細書で記載される医薬組成物と合わせて使用され得る抗癌剤の追加の例は、パルボシクリブ(Ibrance(登録商標))、リボシクリブ(Kisqali(登録商標))、アベマシクリブ(Verzenio(登録商標))、BMS 214662(Bristol−Myers Squibb)、ロナファルニブ(Sarasar(商標))、ペリトレキソール(AG 2037)、マツズマブ(EMD 7200)、ニモツズマブ(TheraCIM h−R3(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Zactima(商標))、パゾパニブ(SB 786034)、ALT 110(Alteris Therapeutics)、BIBW 2992(Boehringer Ingelheim)およびCervene(商標)(TP 38)を含む。他の例は、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、セツキシマブ(Erbitux(登録商標))、エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、ado−トラスツズマブ・エムタンシン(Kadcyla(登録商標))、ペルツズマブ(Perjeta(登録商標))、オシメルチニブ(Tagrisso(登録商標))、アテゾリズマブ(Tecentriq(商標))、スニチニブ(Sutent(登録商標))、イブルチニブ(Imbruvica(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、クリゾチニブ(Xalkor(登録商標))、ロルラチニブ(Lorbrena(登録商標))、ダコミチニブ(Vizimpro(登録商標))、ボスチニブ(Bosulif(登録商標))、グラスデギブ(Daurismo(商標))、カネルチニブ(CI 1033)、ラパチニブ(Tycerb(商標))、ペリチニブ(EKB 569)、ミルテフォシン(Miltefosin(商標))、BMS 599626(Bristol−Myers Squibb)、ラピュルーセル−T(Lapuleucel−T)(Neuvenge(商標))、NeuVax(商標)(E75癌ワクチン)、Osidem(商標)(IDM 1)、ムブリチニブ(TAK−165)、CP−724、714(Pfizer)、パニツムマブ(Vectibix(商標))、ARRY 142886(Array Biopharm)、エベロリムス(Certican(商標))、ゾタロリムス(Endeavor(商標))、テムシロリムス(Torisel(商標))、AP 23573(ARIAD)およびVX 680(Vertex)、XL 647(Exelixis)、ソラフェニブ(Nexavar(商標))、LE−AON(ジョージタウン大学)ならびにGI−4000(Globelmmune)を含む。他のシグナル伝達阻害剤は、ABT 751(Abbott)、アルボシジブ(フラボピリドール)、BMS 387032(Bristol Myers)、EM 1421(Erimos)、インジスラム(E 7070)、セリシクリブ(CYC 200)、BIO 112(Onc Bio)、BMS 387032(Bristol−Myers Squibb)およびAG 024322(Pfizer)またはPD−1もしくはPD−L1アンタゴニスト、例えばペムブロリズマブ(Keytruda(登録商標))、ニボルマブ(Opdivo(商標))もしくはアベルマブ(Bavencio(登録商標))、abraxaneを含む。
【0538】
他の態様において、追加の抗癌剤は、いわゆる古典的な抗新生物剤である。古典的な抗新生物剤は、ホルモン調節剤、例えばホルモン性、抗ホルモン性、アンドロゲンアゴニスト、アンドロゲンアンタゴニストおよび抗エストロゲン療法剤、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、サイレンシング剤または遺伝子活性化剤、リボヌクレアーゼ、プロテオソミクス(proteosomics)、トポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン誘導体、トポイソメラーゼII阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ−1(PARP−1)阻害剤(例えばタラゾパリブ(Talzenna(登録商標))、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、イニパリブ、ベリパリブ)、微小管(microtubulin)阻害剤、抗生物質、植物由来の紡錘体阻害剤、白金配位化合物、遺伝子療法剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、血管標的化剤(VTA)およびスタチン類を含むが、それらに限定されない。本発明の化合物との、場合により1種類以上の他の薬剤との併用療法で使用される古典的な抗新生物剤の例は、グルココルチコイド類、例えばデキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、およびプロゲスチン類、例えばメドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール(Megace)、ミフェプリストン(RU−486)、選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM;例えばタモキシフェン、ラロキシフェン、ラソフォキシフェン、アフィモキシフェン、アルゾキシフェン、バゼドキシフェン、フィスペミフェン、オルメロキシフェン、オスペミフェン、テスミリフェン、トレミフェン、トリロスタンおよびCHF4227(Cheisi))、選択的エストロゲン受容体下方制御薬(SERD;例えばフルベストラント)、エキセメスタン(Aromasin)、アナストロゾール(Arimidex)、アタメスタン、ファドロゾール、レトロゾール(Femara)、フォルメスタン;ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH;一般に黄体形成ホルモン放出ホルモン[LHRH]とも呼ばれる)アゴニスト、例えばブセレリン(Suprefact)、ゴセレリン(Zoladex)、リュープロレリン(Lupron)およびトリプトレリン(Trelstar)、アバレリクス(Plenaxis)、シプロテロン、フルタミド(Eulexin)、メゲストロール、ニルタミド(Nilandron)およびオサテロン、デュタステリド、エプリステリド、フィナステリド、セレノア・レペンス(Serenoa repens)、PHL00801、アバレリクス、ゴセレリン、リュープロレリン、トリプトレリン、ビカルタミド;抗アンドロゲン剤、例えばエンザルタミド(Xtandi(登録商標))、酢酸アビラテロン、ビカルタミド(Casodex);およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。本発明の化合物との組み合わせで使用される古典的な抗新生物剤の他の例は、PARP阻害剤、例えばタラゾパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、イニパリブ、ベリパリブ、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(suberolanilide hydroxamic acid)(SAHA、Merck Inc./Aton Pharmaceuticals)、デプシペプチド(FR90128またはFK2288)、G2M−777、MS−275、ピバロイルオキシメチル酪酸塩およびPXD−101;オンコナーゼ(ランピルナーゼ)、PS−341(MLN−341)、Velcade(ボルテゾミブ)、9−アミノカンプトテシン、ベロテカン、BN−80915(Roche)、カンプトテシン、ジフロモテカン、エドテカリン、エクサテカン(Daiichi)、ジャイマテカン、10−ヒドロキシカンプトテシン、イリノテカンHCl(Camptosar)、ラルトテカン、Orathecin(ルビテカン、Supergen)、SN−38、トポテカン、カンプトテシン、10−ヒドロキシカンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、SN−38、エドテカリン、トポテカン、アクラルビシン、アドリアマイシン、アモナフィド、アムルビシン、アナマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エルサミトルシン、エピルビシン、エトポシド、イダルビシン、ガラルビシン、ヒドロキシカルバミド、ネモルビシン、ノバントロン(ミトキサントロン)、ピラルビシン、ピキサントロン、プロカルバジン、レベッカマイシン、ソブゾキサン、タフルポシド(tafluposide)、バルルビシン、Zinecard(デクスラゾキサン)、ニトロゲンマスタードN−オキシド、シクロホスファミド、AMD−473、アルトレタミン、AP−5280、アパジクオン、ブロスタリシン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルボコン、カルムスチン、クロラムブシル、ダカルバジン、エストラムスチン、フォテムスチン、グルホスファミド、イホスファミド、KW−2170、ロムスチン、マホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、マイトマイシンC、ミトキサントロン、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、および白金配位アルキル化化合物、例えばシスプラチン、カルボプラチン、エプタプラチン(eptaplatin)、ロバプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、ストレプトゾシン、サトラプラチン(satrplatin)およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0539】
さらに他の態様において、追加の抗癌剤は、いわゆるジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤(例えばメトトレキサートおよびNeuTrexin(トリメトレキサートグルクロネート(trimetresate glucuronate)))、プリンアンタゴニスト(例えば6−メルカプトプリンリボシド、メルカプトプリン、6−チオグアニン、クラドリビン、クロファラビン(Clolar)、フルダラビン、ネララビンおよびラルチトレキセド)、ピリミジンアンタゴニスト(例えば5−フルオロウラシル(5−FU)、Alimta(ペメトレキセド二ナトリウム、LY231514、MTA)、カペシタビン(Xeloda(商標))、シトシンアラビノシド、Gemzar(商標)(ゲムシタビン、Eli Lilly)、テガフール(UFT OrzelまたはUforal;テガフール、ギメスタットおよびオトスタット(otostat)のTS−1配合を含む)、ドキシフルリジン、カルモフール、シタラビン(オクホスフェート、ホスフェートステアレート、持続放出形態およびリポソーム形態を含む)、エノシタビン、5−アザシチジン(Vidaza)、デシタビンおよびエチニルシチジンを含む)および他の代謝拮抗薬、例えばエフロルニチン、ヒドロキシウレア、ロイコボリン、ノラトレキセド(Thymitaq)、トリアピン、トリメトレキサート、N−(5−[N−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−N−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸、AG−014699(Pfizer Inc.)、ABT−472(Abbott Laboratories)、INO−1001(Inotek Pharmaceuticals)、KU−0687(KuDOS Pharmaceuticals)およびGPI 18180(Guilford Pharm Inc)ならびにそれらの組み合わせである。
【0540】
古典的な抗新生物性細胞毒性薬剤の他の例は、アブラキサン(Abraxis BioScience,Inc.)、バタブリン(Amgen)、EPO 906(Novartis)、ビンフルニン(Bristol−Myers Squibb Company)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、マイトマイシンC、ネオカルジノスタチン(ジノスタチン)、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン(Navelbine)、ドセタキセル(Taxotere)、オルタタキセル、パクリタキセル(DHA/パクリタキセルコンジュゲートであるタキソプレキシンを含む)、シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン(Eloxatin)、サトラプラチン、Camptosar、カペシタビン(Xeloda)、オキサリプラチン(Eloxatin)、タキソテール、アリトレチノイン、カンホスファミド(Telcyta(商標))、DMXAA(Antisoma)、イバンドロン酸、L−アスパラギナーゼ、ペグアスパラガーゼ(Oncaspar(商標))、エファプロキシラル(Efaproxyn(商標) − 放射線療法)、ベキサロテン(Targretin(商標))、テスミリフェン(DPPE − 細胞毒性物質の有効性を高める)、Theratope(商標)(Biomira)、トレチノイン(Vesanoid(商標))、チラパザミン(Trizaone(商標))、モテキサフィンガドリニウム(Xcytrin(商標))、Cotara(商標)(mAb)およびNBI−3001(Protox Therapeutics)、ポリグルタメート−パクリタキセル(Xyotax(商標))およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。古典的な抗新生物剤のさらなる例は、アドベキシン(ING 201)、TNFerade(Genevec、放射線療法に応答してTNFアルファを発現する化合物)、RB94(ベイラー医科大学)、Genassence(オブリメルセン(Oblimersen)、Genta)、コンブレタスタチンA4P(CA4P)、Oxi−4503、AVE−8062、ZD−6126、TZT−1027、アトルバスタチン(Lipititor、Pffizer Inc.)、プラバスタチン(Provastatin)(Pravachol,Bristol−Myers Squibb)、ロバスタチン(Mevacor,Merck Inc.)、シンバスタチン(Zocor,Merck Inc.)、フルバスタチン(Lescol,Novartis)、セリバスタチン(Baycol,Bayer)、ロスバスタチン(Crestor,AstraZeneca)、ロバスタチン(Lovostatin)、ナイアシン(Advicor,Kos Pharmaceuticals)、Caduet、Lipitor、トルセトラピブおよびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0541】
ある態様において、追加の抗癌剤は、後成的調節剤、例えば阻害剤またはEZH2、SMARCA4、PBRM1、ARID1A、ARID2、ARID1B、DNMT3A、TET2、MLL1/2/3、NSD1/2、SETD2、BRD4、DOT1L、HKMTsanti、PRMT1−9、LSD1、UTX、IDH1/2またはBCL6である。
【0542】
さらなる態様において、追加の抗癌剤は、免疫調節剤、例えば以下のものの阻害剤:CTLA−4、PD−1もしくはPD−L1(例えばペンブロリズマブ、ニボルマブまたはアベルマブ)、LAG−3、TIM−3、TIGIT、4−1BB、OX40、GITR、CD40またはCAR−T細胞療法である。
【0543】
本明細書で使用される際、“癌”は、異常な細胞増殖によって引き起こされるあらゆる悪性および/または浸潤性の増殖または腫瘍を指す。癌は、それらを形成する細胞のタイプに関する名前が付けられた固形腫瘍、血液、骨髄またはリンパ系の癌を含む。固形腫瘍の例は、肉腫および癌腫を含む。血液の癌は、白血病、リンパ腫および骨髄腫を含むが、それらに限定されない。癌は、体内の特定の部位で発生した原発癌、それが開始した位置から体の他の部分へと広がった転移癌、寛解後の元の原発癌からの再発および以前の癌の病歴を有する人における以前の癌とは異なるタイプの新しい原発癌である第2原発癌も含む。
【0544】
本明細書で提供される方法のある態様において、癌は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、肺癌(NSCLCを含む)、食道癌、頭頸部癌、肝臓癌、膵臓癌および胃癌からなる群から選択される。
【0545】
剤形および投与計画
本発明の化合物の投与は、作用部位への化合物の送達を可能にするあらゆる方法によって影響を受けることができる。これらの方法は、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所投与および直腸投与を含む。
【0546】
投与計画は、最適な所望の応答を提供するように調整されることができる。例えば、単一のボーラスが、投与されることができ、いくつかの分割された用量が、時間をかけて投与されることができ、または用量は、療法状況の緊急性によって示されるように比例的に低減もしくは増大させられることができる。投与の容易さおよび投与量の均一性のために非経口組成物を投与単位形態中に配合することが、特に好都合である。投与単位形態は、本明細書で使用される際、処置されるべき哺乳類の対象のための単位投与量として適合された物理的に分離した単位を指し;各単位は、必要とされる医薬用キャリヤーを伴なって所望の療法的作用をもたらすように計算された予め決定された量の有効化合物を含有する。本発明の投与単位形態に関する明細は、(a)化学療法剤の独特の特徴および達成されるべき特定の療法的または予防的作用、ならびに(b)個体における感受性(sensitivity)の処置に関するそのような有効化合物を調合する技術分野に本来備わっている限界によって規定され、直接依存する。
【0547】
従って、当業者は、本明細書で提供される開示に基づいて用量および投与計画が療法の技術分野において周知の方法に従って調節されることを理解するであろう。すなわち、最大耐容量は、容易に確立されることができ、患者に検出可能な療法的利益を提供する有効量も、決定されることができ、患者に検出可能な療法的利益を提供するために各薬剤を投与するための時間的要求も、決定されることができる。従って、特定の用量および投与計画が本明細書において例示されているが、これらの例が本発明の実施において患者に提供され得る用量および投与計画を限定することは、決してない。
【0548】
投与量の値は緩和されるべき病気のタイプおよび重症度によって変動する可能性があり、単一または複数の用量を含み得ることは、特筆されるべきである。さらに、あらゆる特定の対象に対して、特定の投与計画は、個々の必要性および組成物の投与を管理または監督する人の専門的判断に従って時間の経過とともに調整されるべきであること、そして本明細書で記載された投与量範囲は単に例示的なものであり、特許請求される組成物の範囲または実施を制限することは意図されていないことは、理解されるべきである。例えば、用量は、毒性作用および/または実験値のような臨床作用を含み得る薬物動態または薬力学的パラメーターに基づいて調整され得る。従って、本発明は、当業者によって決定される患者内の用量の段階的拡大を包含する。化学療法剤の投与のための適切な投与量および計画を決定することは、関連技術において周知であり、一度本明細書で開示された教示が提供されれば、包含されることが当業者により理解されるであろう。
【0549】
投与される本発明の化合物の量は、処置される対象、障害または病気の重症度、投与の速度、化合物の性質および処方する医師の裁量に依存するであろう。しかし、有効投与量は、単一または分割用量で、kg体重あたり1日あたり約0.001〜約100mg、好ましくは約1〜約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトに関して、これは、約0.05〜約7g/日、好ましくは約0.1〜約2.5g/日に相当するであろう。ある場合には、前記の範囲の下限未満の投与量レベルが、十分以上であり得るが、他の場合には、さらに大きい用量が、有害な副作用を一切引き起こすことなく利用されることができ、ただし、そのようなより大きい用量は、一日を通した投与のためにまずいくつかの小さい用量に分割される。
【0550】
配合物および投与経路
本明細書で使用される際、“薬学的に許容可能なキャリヤー”は、生物に著しい刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活性および特性を抑止しないキャリヤーまたは希釈剤を指す。
【0551】
薬学的に許容可能なキャリヤーは、あらゆる従来の医薬用キャリヤーまたは賦形剤を含むことができる。キャリヤーおよび/または賦形剤の選択は、特定の投与方式、可溶性および安定性に対するキャリヤーまたは賦形剤の作用、ならびに剤形の性質のような要因に大きく依存するであろう。
【0552】
適切な医薬用キャリヤーは、不活性な希釈剤または増量剤、水および様々な有機溶媒(例えば水和物および溶媒和物)を含む。医薬組成物は、所望であれば、追加の成分、例えば香味、結合剤、賦形剤等を含有することができる。従って、経口投与のために、様々な賦形剤、例えばクエン酸を含有する錠剤が、様々な崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸および特定の複雑シリケートと、そして結合剤、例えばスクロース、ゼラチンおよびアカシアと一緒に用いられることができる。賦形剤の例は、限定ではなく、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類および様々なタイプのデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油およびポリエチレングリコール類を含む。加えて、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクは、しばしば打錠目的で有用である。類似のタイプの固体組成物が、軟質および硬質充填ゼラチンカプセルにおいて利用されることもできる。従って、材料の非限定的な例は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコール類を含む。水性懸濁液またはエリキシル剤が経口投与のために望まれる場合、その中の有効化合物は、希釈剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組み合わせと一緒に、様々な甘味料または香味料、着色剤または染料、および所望であれば乳化剤または懸濁剤と組み合わせられることができる。
【0553】
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、持続放出配合物、溶液、懸濁液としての経口投与に適した形態で、無菌溶液、懸濁液もしくはエマルジョンとしての非経口注射に適した形態で、軟膏もしくはクリームとしての局所投与に適した形態で、または坐剤としての直腸投与に適した形態であることができる。
【0554】
例示的な非経口投与形態は、無菌水溶液、例えばプロピレングリコール水溶液またはデキストロース水溶液中の有効化合物の溶液または懸濁液を含む。そのような剤形は、所望であれば適切に緩衝されていることができる。
【0555】
医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であることができる。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物およびそれらの調製のための方法は、当業者には容易に明らかであろう。そのような組成物およびそれらの調製のための方法は、例えば‘Remington’s Pharmaceutical Sciences’第19版(Mack Publishing Company, 1995)において見付けられることができ、その開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0556】
本発明の化合物は、経口投与されることができる。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように嚥下することを含むことができ、または化合物が口から直接血流に入るバッカルもしくは舌下投与が、利用されることができる。
【0557】
経口投与に適した配合物は、固体配合物、例えば錠剤、微粒子、液体または粉末を含有するカプセル、ロゼンジ(液体が充填されたものを含む)、噛むもの(chews)、マルチおよびナノ粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着性のものを含む)、腔坐剤(ovules)、スプレーおよび液体配合物を含む。
【0558】
液体配合物は、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシル剤を含む。そのような配合物は、軟質カプセルまたは硬質カプセル中の充填剤として使用されることができ、典型的にはキャリヤー、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは適切な油ならびに1種以上の乳化剤および/または懸濁剤を含む。液体配合物は、例えば小袋からの固体の再構成によって調製されることもできる。
【0559】
本発明の化合物は、速溶性、速崩壊性の剤形、例えばLiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents, 11 (6), 981-986 (2001)において記載されている剤形において用いられることもでき、その開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0560】
錠剤剤形に関して、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には5重量%〜60重量%を構成し得る。薬物に加えて、錠剤は、一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を含むであろう。
【0561】
結合剤は、一般に、錠剤配合物に粘着性の品質を付与するために使用される。適切な結合剤は、微結晶セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、希釈剤、例えばラクトース(一水和物、噴霧乾燥された一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプンおよび二塩基性リン酸カルシウム二水和物を含有することもできる。
【0562】
錠剤は、場合により、表面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80、ならびに滑剤、例えば二酸化ケイ素およびタルクを含むこともできる。存在する場合、表面活性剤は、典型的には錠剤の0.2重量%〜5重量%の量であり、滑剤は、典型的には錠剤の0.2重量%〜1重量%の量である。
【0563】
錠剤は、一般に、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムのラウリル硫酸ナトリウムとの混合物も含有する。潤滑剤は、一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%の量で、好ましくは0.5重量%〜3重量%の量で存在する。
【0564】
他の従来の成分は、抗酸化剤、着色剤、香味料、保存剤および矯味剤を含む。
例示的な錠剤は、約80重量%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤および約0.25重量%〜約10重量%の潤滑剤を含有する。
【0565】
錠剤ブレンドは、錠剤を形成するために、直接またはローラーによって圧縮されることができる。あるいは、錠剤ブレンドまたはブレンドの一部は、打錠前に湿式、乾式もしくは溶融造粒、溶融凝固または押出成形されることができる。最終配合物は、1以上の層を含むことができ、コーティングされていることができ、もしくはコーティングされていないこともでき;またはカプセル封入されていることもできる。
【0566】
錠剤の配合は、H. LiebermanおよびL. Lachmanによる“Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1”, Marcel Dekker, ニューヨーク州ニューヨーク, 1980 (ISBN 0-8247-6918-X)において詳細に論じられており、その開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0567】
経口投与のための固体配合物は、即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラムされた放出を含む。
【0568】
適切な改変放出配合物は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散物ならびに浸透圧性粒子およびコートされた粒子のような他の適切な放出技術の詳細は、Verma et al, Pharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14 (2001)において見付けられることができる。制御放出を達成するためのチューインガムの使用が、国際公開第00/35298号において記載されている。これらの参考文献の開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0569】
本発明の化合物は、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与されることもできる。非経口投与のための適切な手段は、静脈内投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、脳室内投与、尿道内投与、胸骨内投与、頭蓋内投与、筋肉内投与および皮下投与を含む。非経口投与のための適切なデバイスは、針式(マイクロニードルを含む)注射器、針なし注射器および注入技法を含む。
【0570】
非経口配合物は、典型的には賦形剤、例えば塩類、炭水化物および緩衝剤を含有し得る水溶液(好ましくは3〜9のpHにする)であるが、一部の適用に関して、それらは、無菌の非水溶液として、または無菌の発熱物質を含まない水のような適切なビヒクルと合わせて用いられるための乾燥形態としてより適切に配合されることができる。
【0571】
無菌条件下での、例えば凍結乾燥による非経口配合物の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技法を用いて容易に成し遂げられることができる。
非経口溶液の調製において使用される本発明の化合物の可溶性は、可溶性増進剤の組み込みのような適切な配合技法の使用により増大させられ得る。
【0572】
非経口投与のための配合物は、即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラムされた放出を含む。従って、本発明の化合物は、有効化合物の改変放出を提供する埋め込み式デポーとしての投与のための固体、半固体またはチキソトロピー液体として配合されることができる。そのような配合物の例は、薬物でコートされたステントおよびPGLAマイクロスフィアを含む。
【0573】
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に投与される、すなわち皮膚投与または経皮投与されることもできる。この目的のための典型的な配合物は、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、粉剤、被覆物、泡状物質、フィルム、皮膚パッチ、カシェ剤、インプラント、スポンジ、繊維、包帯およびマイクロエマルジョンを含む。リポソームも、使用されることができる。典型的なキャリヤーは、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む。浸透増進剤が、組み込まれることができ;例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci, 88 (10), 955-958 (October 1999)を参照。局所投与の他の手段は、電気穿孔法、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよびマイクロニードルまたは針なし(例えばPowderject(商標)、Bioject(商標)等)注射を含む。これらの参考文献の開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0574】
局所投与のための配合物は、即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラムされた放出を含む。
【0575】
本発明の化合物は、鼻内に、または吸入により、典型的には乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾燥ブレンドでの混合物として、または例えばリン脂質、例えばホスファチジルコリンと混合された混合構成要素粒子としてのいずれか)の形態で、乾燥粉末吸入器から、または加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは電気流体力学を使用して微細なミストを生成する噴霧器)またはネブライザーからエアロゾルスプレーとして、噴射剤、例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを使用して、または使用せずに投与されることもできる。鼻内使用に関して、粉末は、生体付着性薬剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含むことができる。
【0576】
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーは、例えばエタノール、水性エタノール、または有効物質の分散、可溶化もしくは放出延長のための適切な代替薬剤、溶媒としての噴射剤(単数または複数)および任意の界面活性剤、例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸を含む本発明の化合物(単数または複数)の溶液または懸濁液を含有する。
【0577】
乾燥粉末または懸濁液配合物における使用の前に、薬物生成物は、吸入による送達に適した大きさ(典型的には5ミクロン未満)に微粒子化される。これは、あらゆる適切な粉砕法、例えばスパイラルジェット製粉、流動床ジェット製粉、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧均質化または噴霧乾燥によって達成され得る。
【0578】
吸入器または注入器における使用のための(例えばゼラチンまたはHPMCから作られた)カプセル、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、適切な粉末基剤、例えばラクトースまたはデンプンおよび性能調節剤、例えばl−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムの粉末混合物を含有するように配合されることができる。ラクトースは、無水または一水和物の形態であることができ、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを含む。
【0579】
微細なミストを生成するために電気流体力学を使用する噴霧器における使用のための適切な溶液配合物は、作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有することができ、作動量は、1μL〜100μLまで変動することができる。典型的な配合物は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用されることができる代替溶媒は、グリセロールおよびポリエチレングリコールを含む。
【0580】
適切な香料、例えばメントールおよびレボメントール(levomenthol)または甘味料、例えばサッカリンもしくはサッカリンナトリウムが、吸入/鼻内投与に関して意図される本発明の配合物に添加されることができる。
【0581】
吸入/鼻内投与のための配合物は、例えばポリ(DL−乳酸−コグリコール酸(PGLA))を使用して即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラムされた放出を含む。
【0582】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合、投与単位は、計量された量を送達する弁によって決定される。本発明に従う単位は、典型的には計量された用量または所望の量の本発明の化合物を含有する“一吹き”を投与するように配分される。全一日量は、単一の用量で、より通常には一日を通して分割された用量として投与されることができる。
【0583】
本発明の化合物は、例えば、坐剤、腟坐剤または浣腸剤の形態で、直腸または膣に投与されることができる。カカオバターは、伝統的な坐剤用基剤であるが、様々な代替物が、適宜使用されることができる。
【0584】
直腸/膣投与用配合物は、即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出およびプログラムされた放出を含む。
【0585】
本発明の化合物は、典型的には等張性のpH調整された滅菌生理食塩水中の微粒子化された懸濁液または溶液の液滴の形態で、眼または耳に直接投与されることもできる。眼および耳への投与に適した他の配合物は、軟膏、生分解性(例えば吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えばシリコーン)のインプラント、カシェ剤、レンズおよび粒子状または小胞状の系、例えばニオソームまたはリポソームを含む。ポリマー、例えば架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖類ポリマー、例えばゲランガムが、保存剤、例えば塩化ベンザルコニウムと一緒に組み込まれることができる。そのような配合物は、イオントフォレーシスによって送達されることもできる。
【0586】
眼/耳への投与のための配合物は、即時放出および/または改変放出であるように配合されることができる。改変放出配合物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出またはプログラムされた放出を含む。
【0587】
他の技術
本発明の化合物は、前記の投与方式のいずれかにおける使用に関するそれらの可溶性、溶解速度、矯味、生物学的利用能および/または安定性を向上させるために、可溶性高分子実体、例えばシクロデキストリンおよびその適切な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーと組み合わせられることができる。
【0588】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般にほとんどの剤形および投与経路に関して有用であることが分かっている。包接錯体および非包接錯体の両方が、使用されることができる。薬物との直接的な錯体形成の代替策として、シクロデキストリンは、補助的添加剤、すなわちキャリヤー、希釈剤または可溶化剤として使用されることができる。これらの目的のために最も一般的に使用されるのは、アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンであり、その例は、PCT公開国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号および国際公開第98/55148号において見付けられることができ、その開示は、参照により本明細書にそのまま援用される。
【0589】
投与される有効化合物の量は、処置される対象、障害または病気の重症度、投与の速度、化合物の性質および処方する医師の裁量に依存するであろう。しかし、有効投与量は、典型的には、単一または分割用量で、kg体重あたり1日あたり約0.001〜約100mg、頻繁には約0.01〜約35mg/kg/日の範囲である。70kgのヒトに関して、これは、約0.07mg/日〜約7000mg/日、より一般的には約10mg/日〜約1000mg/日に相当するであろう。時々、投与量は、約10、20、30、40、50、60、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、750、800、900または10000mg/日である。時々、投与量は、約10mg/日〜約1000mg/日、約10mg/日〜約750mg/日、約10mg/日〜約600mg/日、約10mg/日〜約300mg/日、約10mg/日〜約150mg/日、約20mg/日〜約750mg/日、約20mg/日〜約600mg/日、約20mg/日〜約300mg/日、約20mg/日〜約150mg/日、約50mg/日〜約750mg/日、約50mg/日〜約600mg/日、約50mg/日〜約300mg/日、約50mg/日〜約150mg/日、約75mg/日〜約750mg/日、約75mg/日〜約600mg/日、約75mg/日〜約300mg/日または約75mg/日〜約150mg/日である。
【0590】
ある場合には、前記の範囲の下限未満の投与量レベルが、十分以上であり得るが、他の場合には、さらに大きい用量が、有害な副作用を一切引き起こすことなく使用されることができ、そのようなより大きい用量は、典型的には一日を通した投与のためにいくつかのより小さい用量に分割される。
【0591】
部分のキット(Kit−of−Parts)
例えば特定の疾患または病気を処置する目的で、有効化合物の組み合わせを投与することが望ましい可能性があるため、2種類以上の医薬組成物(その少なくとも1種類が本発明に従う化合物を含有する)が組成物の同時投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせられることができることは、本発明の範囲内である。従って、本発明のキットは、2種類以上の別々の医薬組成物(その少なくとも1種類が本発明の化合物を含有する)および前記の組成物を別々に保持するための手段、例えば容器、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル等の包装に使用される周知のブリスターパックである。
【0592】
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口剤形および非経口剤形を投与するために、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するために、または別々の組成物を互いに対して用量設定するために特に適している。コンプライアンスを支援するために、キットは、典型的には投与のための指示を含み、記憶補助と共に提供されることができる。
【0593】
併用療法
本明細書で使用される際、“併用療法”という用語は、本発明の化合物を、少なくとも1種類の追加の医薬または薬剤(例えば抗癌剤)と一緒に、順次または同時のどちらかで投与することを指す。
【0594】
上述のように、本発明の化合物は、1種類以上の追加の抗癌剤との組み合わせで使用されることができる。特定の腫瘍における本発明の化合物の有効性は、他の認可された、または実験的な癌療法、例えば放射線、手術、化学療法剤、標的化療法、腫瘍において調節不能な他のシグナル伝達経路を阻害する薬剤および他の免疫増強剤、例えばPD−1またはPD−L1アンタゴニスト等との組み合わせにより増強され得る。
【0595】
併用療法が使用される場合、1種類以上の追加の抗癌剤は、本発明の化合物と順次または同時に投与されることができる。一態様において、追加の抗癌剤は、本発明の化合物の投与の前に哺乳類(例えばヒト)に投与される。別の態様において、追加の抗癌剤は、本発明の化合物の投与後に哺乳類に投与される。別の態様において、追加の抗癌剤は、本発明の化合物の投与と同時に哺乳類(例えばヒト)に投与される。
【0596】
本発明は、ヒトを含む哺乳類における異常な細胞増殖の処置のための医薬組成物であって、ある量の上記で定義された本発明の化合物(前記の化合物またはその薬学的に許容可能な塩類の水和物、溶媒和物および多形を含む)を1種類以上(好ましくは1〜3種類)の追加の抗癌療法剤との組み合わせで含む医薬組成物にも関する。
【0597】
合成法
本発明の化合物は、本明細書で提供される例示的な手順およびスキームならびに当業者に知られているその改変に従って調製される。スキーム1は、様々な飽和ヘテロシクリルまたはシクロアルキル部分(Qを含む)およびヘテロ芳香環(U、V、X、YおよびZを含む)を有するピリミジン化合物を作製するための一般的な経路を示す。工程の順序は逆にされ得ることは、理解されるであろう。
【0598】
一般スキーム1:
【0599】
【化38】
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【0600】
スキーム1において例示されるように、置換ジクロロピリミジン類は、適切な溶媒系(例えばジオキサン:水またはDME:水)中で適切な触媒(例えばPd(PPhまたはPd(PhCl)および適切な塩基(例えばNaCOまたはKCO)の存在下でアリールまたはヘテロアリールボロネートと共にスズキカップリング条件を受け、アリールまたはヘテロアリール置換クロロピリミジン類を与える。あるいは、アリールまたはヘテロアリールブロミドが、ブロモ化合物の適切な溶媒(例えばDMSOまたはジオキサン)中でのビス(ピナコラト)ジボロン、適切な触媒(例えばPd(OAc)またはPd(dppf)Cl)、配位子(例えばPCy)および塩基(例えばKOAcまたはNaOAc)による処理後に鈴木クロスカップリングにおいて利用されることができる。結果として得られたヘテロビアリール中間体は、求核塩化物置換条件下で適切な溶媒(例えばDMSO)中で適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下で第一級ヘテロシクリルアミンまたはシクロアルキルアミンにより処理され、アミノ置換ピリミジン化合物を与える。中間体が第一級ヘテロシリルアミンと反応させられる場合、および中のQは、適切に置換されたアミノ基(例えばNR11)、適切に保護されたアミノ基(例えばカルバモイル、テトラヒドロピラニルまたはトリアルキルシリルで保護されたアミン)または酸素を表す。中間体が第一級シクロアルキルアミンと反応させられる場合、および中のQは、場合により置換された炭素を表す。
【0601】
あるいは、ヘテロビアリール中間体は、適切な溶媒(例えばTHF、ジオキサンまたは2−メチル−2−ブタノール)中で適切なアミン、適切な触媒(例えばPd(dba)、クロロ−2−(ジメチルアミノメチル)−フェロセン−1−イル)−(ジノルボルニルホスフィン)−パラジウムまたはPd(OAc)、BINAP)および適切な塩基(例えばCsCO)の存在下でバックワルド・ハートウィッグカップリング条件を受けて化合物を与えることができる。
【0602】
中間体および末端から2番目の(penultimate)化合物のあらゆる位置に存在する反応性官能基は、当業者に知られている適切な保護基を用いてマスクされることができることは、理解されるであろう。例えば、そのような化合物は、適切な溶媒中で当該技術で知られている条件(例えばTFAまたはHCl)により除去されることができる保護基(例えばtert−ブチルカルバメートまたはテトラヒドロピラン)でマスクされたアミンまたはヒドロキシル部分を含有することができる。ある態様において、化合物中のQは、保護されたアミノ基を表すことができ、それは、標準的な条件下で除去されて遊離の第二級アミンを提供し、それは、さらにR11置換基を取り付けるために適切に反応性の試薬(例えばスルホニルハライド、アシルハライド、アルキルハライド等)と反応させられる。
【0603】
類似の反応が、本明細書における実施例において例示されるように、対応するピリジン誘導体を調製するために使用されることができるであろう。
一般的合成法:
略語:
以下の略語が、実施例全体を通して使用される:“Ac”は、アセチルを意味し、“AcO”または“OAc”は、アセトキシを意味し、“ACN”は、アセトニトリルを意味し、“aq”は、水性を意味し、“atm”は、気圧(単数または複数)を意味し、“BOC”、“Boc”または“boc”は、N−tert−ブトキシカルボニルを意味し、“Bn”は、ベンジルを意味し、“Bu”は、ブチルを意味し、“nBu”は、正ブチルを意味し、“tBu”は、tert−ブチルを意味し、“DBU”は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンを意味し、“Cbz”は、ベンジルオキシカルボニルを意味し、“DCM”(CHCl)は、塩化メチレンを意味し、“de”は、ジアステレオマー過剰率を意味し、“DEA”は、ジエチルアミンを意味し、“DIPEA”は、ジイソプロピルエチルアミンを意味し、“DMA”は、N,N−ジメチルアセトアミドを意味し、“DME”は、1,2−ジメトキシエタンを意味し、“DMF”は、N,N−ジメチルホルムアミドを意味し、“DMSO”は、ジメチルスルホキシドを意味し、“EDTA”は、エチレンジアミン四酢酸を意味し、“ee”は、鏡像体過剰率を意味し、”Et”は、エチルを意味し、“EtOAc”は、酢酸エチルを意味し、“EtOH”は、エタノールを意味し、“HOAc”または“AcOH”は、酢酸を意味し、“i−Pr”または“iPr”は、イソプロピルを意味し、“IPA”は、イソプロピルアルコールを意味し、“LAH”は、水素化アルミニウムリチウムを意味し、“LHMDS”は、リチウムヘキサメチルジシラジド(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド)を意味し、“mCPBA”は、メタ−クロロペルオキシ安息香酸を意味し、“Me”は、メチルを意味し、“MeOH”は、メタノールを意味し、“MS”は、質量分析を意味し、“MTBE”は、メチルtert−ブチルエーテルを意味し、“NCS”は、N−クロロスクシンイミドを意味し、“Ph”は、フェニルを意味し、“TBHP”は、tert−ブチルヒドロペルオキシドを意味し、“TFA”は、トリフルオロ酢酸を意味し、“THF”は、テトラヒドロフランを意味し、“SFC”は、超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、“TLC”は、薄層クロマトグラフィーを意味し、“Rf”は、保持割合(retention fraction)を意味し、“〜”は、おおよそを意味し、“rt”は、保持時間を意味し、“h”は、時間を意味し、“min”は、分を意味し、“equiv”は、当量を意味し、“sat.”は、飽和を意味する。
【0604】
スキームI:
【0605】
【化39】
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【0606】
スキームIで例示されるように、Iのような化合物(購入されたものまたは合成されたもの)は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサンまたはDMSO)中で適切な触媒系(例えばPdCl(dppf)またはPd(OAc)+PCy)の存在下で適切な塩基(例えばKOAc)を用いてBPinでホウ素化されてIIのような化合物を提供することができる。IIのような化合物は、その場で生成され、反応させられることができる。あるいは、IIのような化合物は、その後の反応の前に単離されて対応するボロン酸またはBPinエステルを提供することができる。IIのような化合物は、適切な溶媒(例えばDMSOまたは1,4−ジオキサン)中で適切な塩基(例えばKCOまたはNaCO)を用いて適切な触媒(例えばPd(PPhまたはPdCl(PPh)の存在下で標準的な鈴木クロスカップリング条件下でIIIのような塩化アリールを用いるアリール化を受けてIVのような化合物を提供することができる。IVのような化合物は、適切な溶媒(例えばDMSO)中で適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下で標準的な求核芳香族置換条件(SAr)の下でVのようなアミンとカップリングされてVIのような化合物を提供することができる。あるいは、IVのような化合物は、適切な溶媒(例えばTHFまたは1,4−ジオキサン)中で適切な塩基(例えばCsCO)を用いて適切な触媒系(例えばPd(OAc)+rac−BINAPまたはクロロ−2−(ジメチルアミノメチル)−フェロセン−1−イル−(ジノルボルニルホスフィン)パラジウム錯体)の存在下で標準的なバックワルド・ハートウィッグカップリング条件下でVのようなアミンとカップリングされてVIのような化合物を提供することができる。ある場合には、VIのような化合物は、保護基を含有することができ、それは、当該技術で知られている条件を用いた合成シーケンスにおける追加の工程によって除去されることができる(Protective Groups in Organic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication, 1981またはProtecting groups, 10 Georg Thieme Verlag, 1994)。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。必要であれば、VIの鏡像異性体の分離が、キラルSFCまたはHPLCのような当該技術で知られている標準的な方法の下で実施され、単一の鏡像異性体を得ることができる。変動する要素であるQ、U、V、X、Z、RおよびRおよびRは、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0607】
スキームII:
【0608】
【化40】
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【0609】
スキームIIにおいて示されているように、(スキームIにおけるように調製された)VIIのような化合物は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)中で適切な塩基(例えばKCO)を用いて適切な触媒系(例えばPd(t−BuP))を用いて標準的な鈴木クロスカップリング条件下でVIIIのような塩化アリールにカップリングされてIXのような化合物を提供することができる。IXのような化合物は、適切な酸化剤(例えばオキソン)で酸化されてXのような化合物を提供することができる。Xのような化合物は、適切な溶媒(例えばTHF)中で適切な塩基(例えばNaCO)の存在下で標準的なSAr条件の下でXIのようなアミンにカップリングされてXIIのような化合物を提供することができる。各工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。変動する要素であるRおよびRは、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0610】
スキームIII:
【0611】
【化41】
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【0612】
スキームIIIにおいて示されているように、化合物XIIIのような臭化アリールは、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)中で適切な塩基(例えばKOAc)を用いて適切な触媒(例えばPdCl(dppf))の存在下でBPinを用いて化合物XIVのようなホウ酸エステルに変換されることができる。XIVのような化合物は、その場で生成および使用されることができ、または単離されて対応するホウ酸エステルを提供することができる。XIVのような化合物は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)中で適切な触媒(例えばPdCl(PPh)および適切な塩基(例えばNaCO)を用いて標準的な鈴木クロスカップリング条件下で化合物IIIのような塩化アリールとカップリングされてXVのような化合物を提供することができる。XVのような化合物は、適切な溶媒(例えばDMSO)中で過剰なi−PrNHの存在下でXVIのような化合物に変換されることができる。XVIのような化合物は、適切な溶媒(例えばEtOH)中で適切な還元剤(例えばNa)の存在下でXVIIのようなアルデヒドを用いて環化されてXVIIIのような化合物を提供することができる。XVIIIのような化合物は、適切な溶媒系(例えば1,4−ジオキサンまたはTHF)中で適切な触媒系(例えばPd(OAc) + rac−BINAP)および適切な塩基(例えばCsCO)の存在下で標準的なバックワルド・ハートウィッグ条件下でXIXのようなアミンとカップリングされてXXのような化合物を提供することができる。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。変動する要素であるQ、R、R、RおよびRは、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0613】
スキームIV:
【0614】
【化42】
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【0615】
スキームIVにおいて示されるように、(スキームIにおけるように調製された)XXIのような化合物は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)中で適切な触媒(例えばPdCl(PPh)および適切な塩基(例えばNaCO)を用いて標準的な鈴木クロスカップリング条件下で化合物XXIIのような塩化アリールとカップリングされてXXIIIのような化合物を提供することができる。XXIIIのような化合物は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサンまたはPhMe)中で適切な塩基(例えばt−BuONa、CsCOまたはホスファゼンP−Et)を用いて適切なパラジウム触媒系(例えばBretphos−Pd−G3またはPd(dba) + rac−BINAP)を用いる標準的なバックワルド・ハートウィッグカップリング条件下でXIXのようなアミンとカップリングされてXXIVのような化合物を提供することができる。ある場合には、XXIVのような化合物は、保護基を含有することができ、それは、当該技術で知られている条件を用いる合成シーケンスにおける追加の工程により除去されることができる(Protective Groups in Organic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication, 1981またはProtecting groups, 10 Georg Thieme Verlag, 1994)。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。変動する要素であるQ、Z、R、RおよびRは、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0616】
スキームV:
【0617】
【化43】
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【0618】
スキームVにおいて示されるように、XIのようなアミンは、適切な溶媒(例えばDMSO)中で適切な塩基(例えばDIPEA)を用いて標準的なSAr条件下でXXVのようなフッ化アリールとカップリングされてXXVIのような化合物を提供することができる。XXVIのような化合物は、適切な溶媒(例えば1,4−ジオキサン)中で適切な塩基(例えばNaCO)を用いて適切な触媒(例えばPdCl(PPh)を用いる標準的な鈴木クロスカップリング条件下で(スキームIにおけるように調製された)XXVIIのような化合物とカップリングされてXXVIIIのような化合物を提供することができる。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。
【0619】
スキームVI:
【0620】
【化44】
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【0621】
スキームVIにおいて示されるように、(スキームIまたはスキームIVにおけるように調製された)XXIXのような化合物は、以下の条件を含む当該技術で周知の様々な条件下でXXXのような化合物に変換されることができる:
i. 適切な溶媒(例えばDCM)中で適切な塩基(例えばNEt)の存在下でクロロホルメートを用いてカルバメートを形成し、R11=CO17であるXXXのような化合物を提供する。
【0622】
ii. 適切な溶媒(例えばMeOH)中で適切な還元剤(例えばNaBHCN)を用いて標準的な還元的アミノ化条件下でアルデヒドの存在下で第三級アミンを形成し、または適切な溶媒(例えばEtOAc)中で適切な塩基(例えばNaHCO)を用いてハロゲン化アルキルでアルキル化し、R11=C〜CアルキルであるXXXのような化合物を提供する。
【0623】
iii. 適切な溶媒(例えばEtOAc)中で適切な塩基(例えばNaHCO)の存在下で塩化スルホニルを用いてスルホンアミドを形成し、R11=SO14であるXXXのような化合物を提供する。
【0624】
iv. 適切な溶媒(例えばDCM)中で適切な塩基(例えばTEA)の存在下で無水物を用いるアシル化によりアミドを形成し、または適切な溶媒(例えばDCMまたはDMF)中で適切なカップリング剤(例えばHATUまたはEDCI)および適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下でカルボン酸を用いるアシル化によりアミドを形成し、R11=COR17であるXXXのような化合物を提供する。
【0625】
ある場合には、XXXのような化合物は、保護基を含有することができ、それは、当該技術で知られている条件を用いる合成シーケンスにおける追加の工程によって除去されることができる(Protective Groups in Organic Synthesis, A. Wiley-Interscience Publication, 1981またはProtecting groups, 10 Georg Thieme Verlag, 1994)。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。必要であれば、XXXの鏡像異性体の分離が、キラルSFCまたはHPLCのような当該技術で知られている標準的な方法の下で実施され、単一の鏡像異性体を得ることができる。
【0626】
変動する要素であるU、V、W、X、Z、R、R、R11、R14およびR17は、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0627】
スキームVII:
【0628】
【化45】
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【0629】
スキームVIIにおいて示されるように、(スキームIにおけるように調製された)XXXIのような化合物は、適切な溶媒(例えばCHClまたはDCM)中で適切な酸化剤(例えばMnO、SO・pyr、またはTEMPO/NaClO)で酸化されてXXXIIのような化合物を提供することができる。XXXIIのような化合物は、適切な溶媒(例えばDMSO)中で適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下で標準的なSAr条件下でXIのようなアミンとカップリングされてXXXIIIのような化合物を提供することができる。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。
【0630】
スキームVIII
【0631】
【化46】
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【0632】
スキームVIIIにおいて示されるように、(スキームIにおけるように調製された)XXXIVのような化合物は、適切な溶媒(例えばMeOH)中で適切な酸化剤(例えばMnO)を用いて酸化した後適切な溶媒(例えばMeCN)中で適切な還元剤(例えばNaBHCN)を用いてアミンの存在下で還元的アミノ化を行うことにより、XXXVのような化合物に変換されることができる。あるいは、XXXIVのような化合物は、適切な溶媒(例えばDCM)中の適切な塩基(例えばTEA)の存在下での塩化メタンスルホニルでの処理により活性化されることができる。その後の適切な溶媒(例えばMeCN)中でのNaIおよび適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下でのアミンによるメシレートの置換は、XXXVのような化合物を提供することができる。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。変動する要素であるQ、R22およびR23は、本明細書における態様、スキーム、実施例および特許請求の範囲において定義されている通りである。
【0633】
スキームIX:
【0634】
【化47】
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【0635】
スキームIXにおいて示されているように、(スキームVIIにおけるように調製された)XXXIIのようなケトンは、適切な溶媒(例えばTHF)中でグリニャール試薬(例えばMeMgBr)で処理されて、XXXVIのような化合物を提供することができる。XXXVIのような化合物は、適切な溶媒(例えばDMSO)中で適切な塩基(例えばDIPEA)の存在下で標準的なSNAr条件下でXIのようなアミンとカップリングされてXXXVIIのような化合物を提供することができる。全ての工程における化合物は、標準的な技法、例えばカラムクロマトグラフィー、結晶化または逆相SFCもしくはHPLCによって精製されることができる。
【実施例】
【0636】
中間体の調製
スキーム1に従う(1S)−1−(6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エタン−1−オール (Int−01)の調製。
【0637】
スキーム1:
【0638】
【化48】
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【0639】
工程1:5−ブロモ−N−tert−ブチル−3−フルオロ−2−ニトロアニリン (1b)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1a)(5.0g、21.0mmol)のDMSO(40.0mL)中における溶液に、2−メチルプロパン−2−アミン(1.54g、21.0mmol)およびCsCO(13.7g、42mmol)を添加した。反応を40℃で3時間撹拌した。TLC分析(石油エーテル)は、出発物質の消費を示した。反応をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、SiO、0〜10% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−N−tert−ブチル−3−フルオロ−2−ニトロアニリン (1b)(5.5g、収率90%)が赤色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.13 - 7.01 (m, 2H), 6.94 (dd, J = 1.9, 11.1 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H)。
【0640】
工程2:(1S)−1−(6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エタン−1−オール (Int−01)の合成
5−ブロモ−N−tert−ブチル−3−フルオロ−2−ニトロアニリン (1b)(1.5g、5.2mmol)および(2S)−2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパナール(1.94g、10.3mmol)のEtOH(30.0mL)およびDMSO(7.5mL)中における溶液に、Na(4.5g、25.8mmol)を添加した。反応を80℃で16時間撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発物質の消費を示した。EtOAc(10mL)およびHO(5mL)を添加し、層を分離した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜20% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、(1S)−1−(6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エタン−1−オール (Int−01)(400mg、収率18%)が黄色の油として得られた。(C1930BrFNOSi)に関するm/z (ESI)、431.1 (M+H)+
【0641】
スキーム2に従う6−ブロモ−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン−2−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−02)の調製。
【0642】
スキーム2:
【0643】
【化49】
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【0644】
工程1:5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (2b)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1a)(25.0g、105mmol)およびイソプロピルアミン(8.95mL、105mmol)のDMSO(525mL)中における溶液を周囲温度で4日間撹拌し、その後その混合物を濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜30% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (2b)(20.3g、収率70%)が赤色/橙色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.07 - 6.98 (m, 2H), 6.89 (dd, J = 2.0, 11.1 Hz, 1H), 3.88 (dd, J = 6.4, 13.9 Hz, 1H), 1.26 - 1.13 (m, 6H)。(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、278.1 (M+H)+
【0645】
工程2:6−ブロモ−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン−2−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−02)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (2b)(1.0g、3.2mmol)および2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−2−メチルプロパナール(655mg、3.2mmol)のEtOH(8.0mL)およびDMSO(2.0mL)中における溶液に、Na(2.82g、16.2mmol)を添加した。懸濁液を90℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物をHO(200mL)で希釈し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(150mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、40g SiO、1/10 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン−2−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−02)(1.2g、収率86%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.51 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 1.5, 9.7 Hz, 1H), 5.62 (td, J = 7.0, 14.0 Hz, 1H), 1.85 (s, 6H), 1.71 - 1.60 (m, 6H), 0.92 (s, 9H), 0.21 - 0.17 (m, 6H)。
【0646】
スキーム3に従う6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−03)の調製。
スキーム3:
【0647】
【化50】
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【0648】
工程1:N−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)オキセタン−3−アミン (3a)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1.5g、6.3mmol)(1a)のDMSO(15.0mL)中における溶液に、オキセタン−3−アミン(507mg、6.93mmol)およびCsCO(2.46g、7.56mmol)を添加した。反応を25℃で2時間撹拌した。TLC分析(1/4 EtOAc/石油エーテル)は、出発物質の消費を示した。反応をブライン(10mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、SiO、0〜30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、N−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)オキセタン−3−アミン (3a)(1.0g、収率55%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.59 (br d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.04 (dd, J = 1.8, 10.8 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 4.87 - 4.81 (m, 2H), 4.80 - 4.71 (m, 1H), 4.60 - 4.47 (m, 2H)。
【0649】
工程2:6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−03)の合成
N−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)オキセタン−3−アミン (3a)(500mg、1.72mmol)のEtOH(16.0mL)およびHO(4.0mL)中における溶液に、アセトアルデヒド(2.0mL、8.6mmol)およびNa(1.5g、8.6mmol)を添加した。反応を密閉し、マイクロ波照射を用いて80℃で10時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。溶液を冷却し、EtOAc(40mL)およびHO(20mL)の間で分配した。層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−03)(100mg、収率20%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (s, 1H), 7.34 (br d, J = 10.0 Hz, 1H), 5.66 (br t, J = 5.5 Hz, 1H), 5.11 (br t, J = 7.7 Hz, 2H), 5.03 - 4.88 (m, 2H), 2.55 (s, 3H)。(C1110BrFNO)に関するm/z (ESI+), 284.9 (M+H)。
【0650】
下の表中の中間体は、(1S)−1−(6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)エタン−1−オール (Int−01)、6−ブロモ−2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン−2−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−02)および6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−03)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。以下の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0651】
【表1-1】
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【0652】
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0653】
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0654】
【表1-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0655】
スキーム4に従う[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (Int−19)の調製。
スキーム4:
【0656】
【化51】
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【0657】
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (2b)(994mg g、3.59mmol)、Na(3.12g、17.9mmol)およびグリコールアルデヒド二量体(517mg、4.30mmol)のEtOH/HO(4:1、50mL)中における混合物を、80℃で21時間撹拌した。混合物を濃縮し、HO(100mL)およびEtOAc(100mL)の間で分配した。層を分離し、水相をEtOAc(3×100mL)で抽出した。有機相を合わせて水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、40〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (Int−19)(790mg、収率77%)が白色の蝋様の固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 10.1, 1.6 Hz, 1H), 5.71 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 4.95 (7重線, J = 6.8 Hz, 1H), 4.72 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 1.56 (d, J = 6.9 Hz, 6H);(C1112BrFNO)に関する(APCI+)、286.8 (M+H)+
【0658】
スキーム5に従う6−ブロモ−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−20)の調製。
【0659】
スキーム5:
【0660】
【化52】
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【0661】
[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (Int−19)(590mg、2.05mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(1.21g、1.3mL、14.4mmol)およびp−TSA酸一水和物(35.4mg、0.205mmol)のTHF(21mL)中における溶液を、還流温度で4時間撹拌した。混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、20〜50% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、6−ブロモ−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−20)(710mg、収率93%)が粘性の黄色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.85 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 4.95 - 4.85 (m, 2H), 4.77 - 4.72 (m, 2H), 3.81 - 3.73 (m, 1H), 3.56 - 3.49 (m ,1H), 1.74 - 1.61 (m, 2H), 1.58 (d, J = 6.9 Hz, 6H), 1.55 - 1.45 (m, 4H);(C1620BrFN)に関するm/z (APCI+)、370.9 (M+H)+
【0662】
スキーム6に従う6−ブロモ−4−フルオロ−2−(メトキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−21)の調製
スキーム6:
【0663】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0664】
[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (Int−19)(134mg、0.467mmol)の1,4−ジオキサン(4.67mL)中における溶液に、KOtPn(トルエン中25%、0.265mL、0.560mmol)を添加した。結果として得られた黒ずんだ反応混合物に、0℃においてMeI(66.2mg、0.029mL、0.467mmol)を添加した。15分後、LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。HO(5mL)を添加し、混合物をDCM(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、(Int−21)(85mg、収率60%)が得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.50 (d, J = 1.47 Hz, 1H) 7.12 (dd, J = 9.54, 1.47 Hz, 1H) 4.91 (dt, J = 13.94, 6.97 Hz, 1H) 4.75 (s, 2H) 3.38 (s, 3H) 1.63 (d, J = 6.97 Hz, 6H)。
【0665】
スキーム7に従う6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−22)の調製
スキーム7:
【0666】
【化54】
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【0667】
工程1:5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (2b)(25.0g、90.2mmol)のMeOH(300mL)中における溶液に、飽和水性NHCl(150mL)およびFe(25.2g、451mmol)を添加した。反応懸濁液を60℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。反応懸濁液を濾過し、フィルターケーキをEtOAcで洗浄した。濾液を濃縮した。残留物をEtOAc(200mL)中で溶解させ、濾過した。濾液をHO(200mL)で洗浄した。水性洗浄液を合わせてEtOAc(2×200mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(21.0g、収率94%)が得られた。(C12BrFN)に関するm/z (ESI+)、246.7 (M+H)+
【0668】
工程2:6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−22)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(3.86g、15.6mmol)のHC(OEt)(100mL)中における溶液を、150℃で15時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液を室温まで冷却し、濃縮すると、6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−22)(4.02g、収率>99%)が黒色の油として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 2.0, 10.0 Hz, 1H), 6.54 (s, 1H), 3.69 - 3.56 (m, 1H), 1.15 (d, J = 6.2 Hz, 6H);(C1010BrFN)に関するm/z (ESI+)、258.7 (M+H)+
【0669】
スキーム8に従う6−ブロモ−1−tert−ブチル−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール (Int−23)の調製
スキーム8:
【0670】
【化55】
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【0671】
6−ブロモ−1−tert−ブチル−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール (Int−23)の合成
4−ブロモ−N−tert−ブチルベンゼン−1,2−ジアミン (8a)(1.3g、5.35mmol)およびオルト酢酸トリエチル(8.7g、53.5mmol)の混合物を、148℃で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液を室温まで冷却し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20g SiO、20% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−1−tert−ブチル−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール (Int−23)(1.23g、収率95%)が黄色の油として得られた。(C1215BrN)に関するm/z (ESI+)、268.7 (M+H)+
【0672】
スキーム9に従う6−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−24)の調製。
スキーム9:
【0673】
【化56】
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【0674】
工程1:5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (9b)の合成
1−ブロモ−2,5−ジフルオロ−4−ニトロベンゼン (9a)(1.0g、4.2mmol)のTHF(10mL)中における懸濁液に、KCO(581、4.2mmol)およびi−PrNH(248mg、4.2mmol)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応溶液をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、10% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (9b)(900mg、収率77%)が黄色固体として得られた。(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、276.7 (M+H)+
【0675】
工程2:
5−ブロモ−4−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (9c)の合成
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (9b)(1.9g、6.9mmol)のMeOH(30mL)中における溶液に、飽和水性NHCl(15mL)およびFe(1.9g、34.3mmol)を添加した。反応懸濁液を60℃で16時間一夜撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応懸濁液を濾過し、フィルターケーキをEtOH(50mL)で洗浄した。濾液を合わせてHO(100mL)で希釈し、EtOAc(2×80mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40g SiO、1:2 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−4−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (9c)(900mg、収率53%)が褐色のゴム状物質として得られた。(C12BrFN)に関するm/z (ESI+)、246.7 (M+H)+
【0676】
工程3:6−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−24)の合成
5−ブロモ−4−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (9c)(800mg、3.24mmol)およびオルト酢酸トリエチル(5.3g、32.4mmol)の混合物を、148℃で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の形成を示した。溶液を室温まで冷却し、濃縮した。残留物を100mgスケールで行われた並行する反応と合わせてフラッシュクロマトグラフィー(20g SiO、100% EtOAc)により精製すると、6−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−24)(500mg、収率51%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.99 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.74 (spt, J = 6.9 Hz, 1H), 2.55 (s, 3H), 1.53 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1112BrFN)に関するm/z (ESI+)、270.9 (M+H)+
【0677】
下の表中の中間体は、6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−22)、6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−23)および6−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−24)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。以下の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0678】
【表2-1】
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【0679】
【表2-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0680】
スキーム10に従うtert−ブチル {[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メチル}メチルカルバメート (Int−29)の調製。
【0681】
スキーム10:
【0682】
【化57】
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【0683】
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(300mg、1.2mmol)およびtert−ブチル メチル(2−オキソエチル)カルバメート(421mg、2.43mmol)のEtOH(4.0mL)およびDMSO(1.0mL)中における溶液に、Na(1.1g、6.1mmol)を添加した。懸濁液を80℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、20g SiO、25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、tert−ブチル {[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メチル}メチルカルバメート (Int−29)(400mg、収率82%)が黄色の油として得られた。(C1723BrFN)に関するm/z (ESI+)、401.6 (M+H)+
【0684】
下の表中の中間体は、tert−ブチル {[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メチル}メチルカルバメート (Int−29)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。以下の中間体は、
当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0685】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0686】
スキーム11に従う6−ブロモ−4−フルオロ−N−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド (Int−32)の調製。
スキーム11:
【0687】
【化58】
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【0688】
工程1:エチル 6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレート (11a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(1.0g、4.05mmol)および2−オキソ酢酸エチル(1.65g、8.09mmol)のEtOH(20.0mL)およびDMSO(5.0mL)中における溶液に、Na(3.5g、20.2mmol)を添加した。懸濁液を80℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をHO(15mL)で希釈し、EtOAc(15mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、25% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、エチル 6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレート (11a)(500mg、収率38%)が固体として得られた。(C1314BrFN)に関するm/z (ESI+)、328.7 (M+H)+
【0689】
工程2:6−ブロモ−4−フルオロ−N−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド (Int−32)の合成
エチル 6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレート (11a)(200mg、0.608mmol)、DIPEA(236mg、1.82mmol)およびMeNH(22.6mg、0.729mmol)のDMA(8.0mL)中における混合物を80℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をEtOAc(15mL)で希釈し、HO(15mL)で洗浄した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた物質を、48mgのエチル 6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレートを用いて行われた並行する反応の生成物と合わせて、6−ブロモ−4−フルオロ−N−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド (Int−32)(200mg、収率83%)が得られた。(C1213BrFNO)に関するm/z (ESI+)、313.7 (M+H)+
【0690】
スキーム12に従う6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキサミド (Int−33)の調製
スキーム12:
【0691】
【化59】
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【0692】
エチル 6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−カルボキシレート (11a)(200mg、0.608mmol)を、アンモニアのMeOH中における溶液(7.0N、15mL)中で溶解させ、85〜90℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮すると、(Int−33)(190mg、収率>99%)が固体として得られた。(C1111BrFNO)に関するm/z (ESI+)、299.7 (M+H)+
【0693】
スキーム13に従うtert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル}カルバメート (Int−34)の調製。
【0694】
スキーム13:
【0695】
【化60】
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【0696】
工程1:tert−ブチル (4−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−2−メチル−4−オキソブタン−2−イル)カルバメート (13a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(1.1g、4.5mmol)のピリジン(10.0mL)中における撹拌溶液に、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタン酸(967mg、4.5mmol)およびEDCI(1.7g、8.9mmol)を0℃においてNの雰囲気下で添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、0〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−アミン (13a)(1.6g、収率81%)が白色固体として得られた。(C1929BrFN)に関するm/z (ESI+)、446.1 (M+H)+
【0697】
工程2:1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−アミン (13b)の合成
この反応は、3つの並行するバッチで行われた。固体1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−アミン (13a)(600mg、1.8mmol)に、HClの溶液(1,4−ジオキサン中4.0M、10.0mL)を添加した。混合物をマイクロ波照射の下で130℃で15分撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。3つの反応バッチを合わせ、濃縮して乾燥させた。残留物をHO(10mL)中で溶解させ、その混合物をNHOHでpH約9に塩基性化した。混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−アミン (13b)(1.2g、収率>99%)が得られた。(C1419BrFN)に関するm/z (ESI+)、329.9 (M+H)+
【0698】
工程3:tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル}カルバメート (Int−34)の合成
1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−アミン (13b)(1.2g、3.7mmol)のDCM(20mL)中における溶液に、DIPEA(473mg、3.7mmol)およびBoCO(958mg、4.4mmol)を0℃で添加した。溶液を25℃で18時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をHO(15mL)で希釈し、層を分離した。水層をDCM(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、0〜51% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル}カルバメート (Int−34)(1.6g、収率>99%)が褐色固体として得られた。(C1927BrFN)に関するm/z (ESI+)、430.0 (M+H)+
【0699】
下の表中の中間体は、tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−2−メチルプロパン−2−イル}カルバメート (Int−34)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0700】
【表4】
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【0701】
スキーム14に従う6−ブロモ−4−フルオロ−2−(オキセタン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−36)の調製。
スキーム14:
【0702】
【化61】
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【0703】
工程1:N−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]フェニル}オキセタン−2−カルボキサミド (14a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(1.0g、4.05mmol)のDMF(10.0mL)中における溶液に、オキセタン−2−カルボン酸(413mg、4.05mmol)を添加した。次いで、DIPEA(1.6g、12.1mmol)およびHATU(2.3g、6.1mmol)を添加し、その混合物を16時間撹拌した。TLC分析(25% EtOAc/石油エーテル)は、出発物質の消費を示した。溶媒を真空中で除去した。残留物を飽和水性NaCO(100mL)で希釈した。溶液をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、N−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]フェニル}オキセタン−2−カルボキサミド (14a)(1.5g、収率100%)が得られ、それを直接次の工程に用いた。
【0704】
工程2:3−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−3−ヒドロキシプロピル アセテート (14b)の合成
N−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]フェニル}オキセタン−2−カルボキサミド (14a)(1.5g、4.5mmol)のAcOH(20mL)中における褐色の溶液を、110℃で1.5時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮して乾燥させると、3−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−3−ヒドロキシプロピル アセテート (14b)(1.5g、収率62%)が得られ、それをそれ以上精製せずに直接次の工程に用いた。(C1518BrFN)に関するm/z (ESI+)、374.9 (M+H)+
【0705】
工程3:1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−1,3−ジオール (14c)の合成
3−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−3−ヒドロキシプロピル アセテート (14b)(1.5g、2.8mmol)のMeOH(30mL)中における褐色の溶液に、KCOを添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、40g SiO、0〜30% MeOH/EtOAc)により精製すると、1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−1,3−ジオール (14c)(660mg、収率44%、2工程)が淡褐色固体として得られた。(C1316BrFN)に関するm/z (ESI+)、332.9 (M+H)+
【0706】
工程4:6−ブロモ−4−フルオロ−2−(オキセタン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−36)の合成
1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−1,3−ジオール (14c)(600mg、1.81mmol)およびTEA(275mg、2.72mmol)のDCM(5.0mL)およびTHF(5.0mL)中における溶液に、0℃においてMsCl(208mg、7.25mmol)のDCM中における溶液を滴加した。2時間後、固体のt−BuOK(813mg、7.25mmol)を一度に添加した。結果として得られた溶液を、室温で2時間撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発物質の消費を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、EtOAc、Rf約0.5)により精製すると、6−ブロモ−4−フルオロ−2−(オキセタン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−36)(300mg、収率53%)が褐色のゴム状物質として得られた。
【0707】
スキーム15に従う6−ブロモ−4−フルオロ−2−(オキセタン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−37)の調製。
スキーム15:
【0708】
【化62】
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【0709】
工程1:tert−ブチル (2−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−2−オキソエチル)カルバメート (15a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(504mg、2.4mmol)、N−(tert−ブトキシカルボニル)グリシン(393mg、2.2mmol)およびHATU(1.2g、3.1mmol)のTHF(10.0mL)中における溶液に、0℃においてDIPEA(0.72mL、4.1mmol)を添加した。混合物を0℃で30分間、次いで室温で18時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の完全な消費を示した。反応混合物を水で停止させ、次いでEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、tert−ブチル (2−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−2−オキソエチル)カルバメート (15a)(810mg、収率98%)が泡状固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.06 (s, 1H), 7.22 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 4.98 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.68 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.62 (dd, J = 6.6, 13.8 Hz, 1H), 1.40 (s, 9H), 1.13 (d, J = 6.2 Hz, 6H);(C1623BrFN)に関するm/z (APCI+)、404.0、406.1 (M+H)+
【0710】
工程2:tert−ブチル {[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メチル}カルバメート (Int−37)の合成
tert−ブチル (2−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−2−オキソエチル)カルバメート (15a)(809mg、2.0mmol)のAcOH(4.0mL)中における溶液を、90℃で3.5時間撹拌した。LCMS分析は、いくらかの残留する出発物質を示した。反応を100℃でさらに2.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、tert−ブチル {[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メチル}カルバメート (Int−37)(547mg、収率70%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.79 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.51 (br. s., 1H), 7.28 (dd, J = 1.3, 10.1 Hz, 1H), 4.97 - 4.78 (m, 1H), 4.45 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 1.53 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.39 (s, 9H);(C1621BrFN)に関する(APCI+)、388.0 (M+H)+
【0711】
スキーム16に従うtert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エチル}カルバメート (Int−38)の調製:
スキーム16:
【0712】
【化63】
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【0713】
工程1:tert−ブチル (1−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート (16a)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(900mg、3.2mmol)のDMF(8.0mL)中における溶液に、N−(tert−ブトキシカルボニル)アラニン、DIPEA(1.26g、9.7mmol)およびHATU(1.85g、4.9mmol)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、30〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、tert−ブチル (1−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート (16a)(1.14g、収率84%)が白色固体として得られた。
【0714】
工程2:tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エチル}カルバメート (Int−38)の合成
tert−ブチル (1−{4−ブロモ−2−フルオロ−6−[(プロパン−2−イル)アミノ]アニリノ}−1−オキソプロパン−2−イル)カルバメート (16a)(4.4g、10.5mmol)のAcOH(20mL)中における混合物を、120℃で2時間撹拌した。溶液をEtOAc(50mL)で希釈し、HO(50mL)で抽出した。水溶液にTHF(100mL)およびBoCO(1.09g、5.0mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。TLC分析は、中間体の消費を示した。溶液をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エチル}カルバメート (Int−38)(1.1g、収率26%)がゴム状固体として得られた。(C1723BrFN)に関するm/z (ESI+)、401.7 (M+H)+
【0715】
下の表中の中間体は、tert−ブチル {1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エチル}カルバメート (Int−38)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0716】
【表5】
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【0717】
スキーム17に従う(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)の調製。
【0718】
スキーム17:
【0719】
【化64】
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【0720】
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)(5.74g、23.2mmol)および(2R)−2−ヒドロキシプロパン酸(17.4g、193mmol)の混合物を、82℃で44時間撹拌した。その黒ずんだ粘性の混合物を、DCM(100mL)および飽和NaHCO(250mL)の撹拌混合物中に注意深く添加した(ガス発生)。その2相混合物を、周囲温度でガス発生が止まるまで撹拌した。層を分離し、水相をDCM(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、20〜80% MTBE/ヘプタン類)により精製した。生成物を含有する画分を、まず最小限の体積まで濃縮することによりさらに精製した。結果として生じた残留物を、少量のMTBE中で溶解させ、次いで等量のヘプタン類中で希釈した。溶液を超音波処理し、沈殿させた。結果として得られた懸濁液を、ごく少量の溶媒が残るまで濃縮した。上清をデカンテーションして除いた。固体を10% MTBE/ヘプタン類で、続いてヘプタン類ですすぎ、次いで真空下で乾燥させると、(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)(4.97g、収率71%)が黄褐色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.79 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 1.5, 10.1 Hz, 1H), 5.71 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 5.17 - 5.00 (m, 2H), 1.62 - 1.51 (m, 9H);(C1214BrFNO)に関するm/z (APCI+) 300.8 (M+H)+
【0721】
下の表中の中間体は、(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。以下の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0722】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0723】
スキーム18に従う1−[6−ブロモ−1−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−43)の調製
スキーム18
【0724】
【化65】
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【0725】
工程1:N−{4−ブロモ−2−[(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)アミノ]−6−フルオロフェニル}−2−ヒドロキシプロパンアミド (18b)の合成
5−ブロモ−N−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−3−フルオロベンゼン−1,2−ジアミン (18a)(スキーム7におけるように調製された、1.0g、3.5mmol)および2−ヒドロキシプロパン酸(10.0mL)の混合物を、85℃で16時間撹拌した。LCMSは、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。HO(15mL)およびEtOAc(15mL)を添加し、混合物を0℃に冷却した。混合物を50%水性NaOHでpH約7に調整した。層を分離した。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(20g SiO、0〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、N−{4−ブロモ−2−[(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)アミノ]−6−フルオロフェニル}−2−ヒドロキシプロパンアミド (18b)(1.0g、収率84%)が黒ずんだ油として得られた。(C1214BrF)に関するm/z (ESI)、356.6 (M+H)+
【0726】
工程2:1−[6−ブロモ−1−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1− (Int−43)の合成
N−{4−ブロモ−2−[(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)アミノ]−6−フルオロフェニル}−2−ヒドロキシプロパンアミド (18b)(1.0g、3.0mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)中における溶液を、マイクロ波照射しながら130℃で15分撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液を濃縮して乾燥させた。残留物をHO(3mL)中で溶解させ、次いで水性NHOH(1mL)でpH約8に塩基性化した。溶液をEtOAc(3×5mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、1:1 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、(Int−43)(400mg、収率42%)が黒ずんだ油として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.16 (dd, J = 1.5, 9.5 Hz, 1H), 6.31 - 5.98 (m, 1H), 5.14 (br dd, J = 6.8, 10.3 Hz, 2H), 3.69 - 3.58 (m, 1H), 1.83 - 1.70 (m, 6H);(C1212BrFO)に関するm/z (ESI)、338.7 (M+H)+
【0727】
スキーム19に従う6−ブロモ−2−(ジフルオロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−44)の調製。
スキーム19:
【0728】
【化66】
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【0729】
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (7a)およびジフルオロ酢酸無水物(1.47mL、11.8mmol)のAcOH(4.6mL)中における混合物を、90℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発により除去した。残留物をDCM(30mL)中に溶解させた。混合物を1.0N水性NaOHでpH約8〜9に調整し、層を分離した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−2−(ジフルオロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−44)(523mg、収率72%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.02 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.63 - 7.28 (m, 2H), 5.04 - 4.84 (m, 1H), 1.60 (d, J = 6.8 Hz, 6H);(C1110BrF)に関するm/z (APCI+)、309.1 (M+H)+
【0730】
スキーム20に従う6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール (Int−45)の調製。
スキーム20:
【0731】
【化67】
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【0732】
工程1:N−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−N’−tert−ブチルメタンイミドアミド (20b)の合成
4−ブロモ−2,6−ジフルオロアニリン (20a)(5.00g、24.0mmol)、トリエチルアミン(4.86g、6.7mL、48.1mmol)およびN−tert−ブチルホルムアミド(2.92g、3.2mL、28.8mmol)のPhMe(50mL)中における溶液を、0℃においてPOCl(5.53g、3.36mL、36.1mmol)で処理した(内部温度を20℃未満に維持した)。混合物を、周囲温度で15時間撹拌し、次いで水性NaCO(80mL)で停止した。有機層を収集した。水層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をEtOAc(5mL)および石油エーテル(40mL)中で懸濁し、10分間スラリー化し、濾過により収集すると、N−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−N’−tert−ブチルメタンイミドアミド (20b)(4.50g、収率64%)が黄色固体として得られた。(C1113BrF)に関するm/z (ESI+)、292.6 (M+H)+
【0733】
工程2:6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール (Int−45)の合成
N−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−N’−tert−ブチルメタンイミドアミド (20b)(4.50g、15.5mmol)のDMF(40mL)中における溶液に、KOtBu(2.60g、23.2mmol)を添加し、混合物を80℃で14時間撹拌した。HO(100mL)を添加し、その混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物を2段階で、まずフラッシュクロマトグラフィー(SiO、20% EtOAc/石油エーテル)により、次いでPhenomenex Synergi Max−RPカラム(250×80mm、10μm粒径、25℃のカラム温度)上での分取HPLCにより精製し、それを35〜65% MeCN/HO(+0.225%ギ酸)で、80mL/分の流速で溶離すると、6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール (Int−45)(1.5g、収率36%)が灰色固体として得られた。(C1112BrFN)に関するm/z (ESI+)、270.9 (M+H)+
【0734】
下の表中の中間体は、6−ブロモ−1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール (Int−45)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0735】
【表7】
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【0736】
スキーム21に従うtert−ブチル 3−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート (Int−47)の調製。
【0737】
スキーム21:
【0738】
【化68】
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【0739】
6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール (21a)(271mg、1.18mmol)およびtert−ブチル 3−ヨードアゼチジン−1−カルボキシレート (670mg、2.37mmol)のDMF(5.9mL)中における溶液に、KCO(491mg、3.55mmol)を添加した。反応混合物を100℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、SiO上に装填した。粗製の物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン)により精製すると、位置異性体の混合物が得られた。これらの化合物を、続いてWaters SFC 200 Glacier/Two ZymorSPHER HADPカラム(150×21.1mm I.D.、5μm粒径)上での分取SFCにより分離し、それを10〜35% MeOH/CO(100bar、35℃)で、80mL/分の流速で溶離すると、tert−ブチル 3−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)アゼチジン−1−カルボキシレート (Int−47)(106mg、収率23%)が固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.55 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 1.5, 10.1 Hz, 1H), 5.41 (s, 1H), 4.48 - 4.37 (m, 2H), 4.28 (dd, J = 5.1, 10.0 Hz, 2H), 2.56 (s, 3H), 1.46 (s, 9H);(C1619BrFN)に関するm/z (APCI+)、384.0 (M+H)+
【0740】
スキーム22に従う6−ブロモ−2,4−ジメチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−48)の調製。
スキーム22:
【0741】
【化69】
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【0742】
6−ブロモ−2,4−ジメチル−1H−ベンズイミダゾール (22a)(250mg、1.11mmol)の無水DMF(8.0mL)中における溶液に、2−ヨードプロパン(189mg、1.11mmol)およびNaH(鉱油中60%分散物、222mg、5.55mmol)を添加した。その反応混合物を、周囲温度で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をHO(3mL)で停止し、次いで真空下で濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、70% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−2,4−ジメチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−48)(260mg、収率88%)が得られた。(C1215BrN)に関するm/z (ESI+)、268.8 (M+H)+
【0743】
下の表中の中間体は、6−ブロモ−2,4−ジメチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−48)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴なって合成された。
【0744】
【表8】
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【0745】
スキーム23に従うtert−ブチル [1−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−50)の調製。
【0746】
スキーム23:
【0747】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0748】
6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール (23a)(500mg、2.18mmol)の無水THF(15.0mL)中における溶液に、固体のt−BuOK(294mg、2.62mmol)を添加した。混合物を、周囲温度で10分間撹拌した後、1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン−2−イル メタンスルホネート(888mg、3.51mmol)を添加した。混合物を、Arの雰囲気下で60℃で17時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の約50%の消費を示した。反応を室温まで冷却し、追加のt−BuOK(122mg、1.09mmol)を添加し、続いて追加の1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン−2−イル メタンスルホネート(730mg、1.46mmol)を添加した。混合物を、60℃で18時間撹拌した。LCMS分析は、約65%の変換を示した。混合物をHO(30mL)で希釈し、DCM(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の混合物をフラッシュクロマトグラフィー(20g SiO、10〜65% EtOAc/石油エーテル)により精製した。所望の生成物を含有する画分を収集し、YMC−Actus Triart C18カラム(150x40mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより再精製し、それを33〜73% MeCN/HO(0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、tert−ブチル [1−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−50)(112mg、収率16%)が得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.58 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 11.1, 1.6 Hz, 1H), 4.48 (s, 1H), 4.21 (td, J= 16.1, 14.5, 6.9 Hz, 2H), 4.06 (p, J= 7.0 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 1.28 - 1.20 (m, 12H);(C1621BrFN)に関するm/z (ESI+)、387.8 (M+H)+
【0749】
スキーム24に従うtert−ブチル [1−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−49)の調製。
【0750】
スキーム24:
【0751】
【化71】
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【0752】
6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−22)(500mg、1.94mmol)のTHF(20.0mL)中におけるN雰囲気下の溶液を、ドライアイス/アセトン浴で−65℃に冷却した。LDAの溶液(THF中2.0M、1.94mL、3.89mmol)を滴加した。反応混合物を同じ温度で1時間撹拌した後、シクロプロピルメチルケトン(327mg、3.89mmol)を添加した。−65℃で1時間後、LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量への変換を示した。反応混合物を飽和水性NHCl(10mL)で停止した。相を分離した。水相をEtOAc(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、1:3 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、[1−(6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−51)(420mg、収率63%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 1.5, 9.7 Hz, 1H), 5.46 - 5.22 (m, 1H), 3.71 (s, 1H), 1.72 (s, 3H), 1.67 (dd, J = 6.1, 6.8 Hz, 6H), 1.41 - 1.30 (m, 1H), 0.77 - 0.67 (m, 1H), 0.64 - 0.53 (m, 2H), 0.52 - 0.44 (m, 1H);(C1518BrFNO)に関するm/z (ESI+)、340.7 (M+H)+
【0753】
スキーム24に従う(4R)−7−ブロモ−9−フルオロ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−50)の調製。
【0754】
スキーム25:
【0755】
【化72】
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【0756】
工程1:(5R)−4−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25a)の合成
(5R)−5−メチルモルホリン−3−オン(500mg、4.34mmol)のDMF(10.0mL)中における溶液に、NaH(鉱油中60%分散物、208mg、5.21mmol)を添加した。反応懸濁液を周囲温度で30分間撹拌し、次いで5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1a)(1.03mg、4.34mmol)を添加した。反応懸濁液を1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。HO(2mL)を添加し、反応懸濁液を濃縮して乾燥させた。残留物をEtOAc(80mL)中に溶解させ、HO(60mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、1:3 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、(5R)−4−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25a)(760mg、収率53%)が淡黄色固体として得られた。(C1110BrFN)に関するm/z (ESI+)、334.3 (M+H)+
【0757】
工程2:(5R)−4−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25b)の合成
(5R)−4−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25a)(760mg、2.28mmol)のEtOH(16.0mL)およびHO(4.0mL)中における溶液に、Fe(637mg、11.4mmol)およびNHCl(610mg、11.4mmol)を添加した。反応懸濁液を、80℃においてN雰囲気下で4時間撹拌した。LCMS分析は、完全な出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:3 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、(5R)−4−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25b)(420mg、収率61%)が褐色のゴム状物質として得られた。(C1112BrFN)に関するm/z (ESI+)、303.1 (M+H)+
【0758】
工程3:(4R)−7−ブロモ−9−フルオロ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−52)の合成
(5R)−4−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロフェニル)−5−メチルモルホリン−3−オン (25b)(420mg、1.39mmol)のAcOH(6.0mL)中における溶液を、110℃で2時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をEtOAc(50mL)中で溶解させ、水性飽和NaHCO(30mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、(4R)−7−ブロモ−9−フルオロ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−52)(360mg、収率91%)が淡黄色固体として得られた。(C1110BrFNO)に関するm/z (ESI+)、286.6 (M+H)+
【0759】
下の表中の中間体は、(4R)−7−ブロモ−9−フルオロ−4−メチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−52)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。以下の中間体は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴なって合成された。
【0760】
【表9-1】
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【0761】
【表9-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0762】
スキーム26に従う7−ブロモ−9−フルオロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−57)の調製。
【0763】
スキーム26:
【0764】
【化73】
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【0765】
工程1:2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26a)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1a)(8.0g、33.6mmol)のDMF(30mL)中における黄色の溶液に、KCO(9.3g、67.2mmol)および2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール(3.0g、33.6mmol)を添加した。混合物を、80℃で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を室温に冷却し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80g SiO、15% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26a)(7.0g、収率68%)が黄色固体として得られた。(C1012BrFN)に関するm/z (ESI+)、307.0 (M+H)+
【0766】
工程2:2−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26b)の合成
2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26a)(7.0g、22.8mmol)のEtOH(50mL)中における溶液に、飽和水性NHCl(10mL)およびFe(6.36mg、114mmol)を添加し、混合物を80℃で1時間撹拌した。TLC分析は、出発物質の消費を示した。混合物を濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80g SiO、30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26b)(5.4g、収率86%)が黒色の油として得られた。(C1014BrFNO)に関するm/z (ESI+)、277.0、279.0 (M+H)+
【0767】
工程3:2−[6−ブロモ−2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール (26c)の合成
2−(2−アミノ−5−ブロモ−3−フルオロアニリノ)−2−メチルプロパン−1−オール (26b)(1.8g、6.5mmol)および2−クロロ−1,1,1−トリエトキシエタン(1.5g、9.7mmol)のAcOH(10.0mL)中における黄色の溶液を、55℃で8分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と生成物の質量の形成を示した。室温に冷却した後、反応混合物をより小さいスケール(5×100mg)で行われた並行する反応と合わせた。合わせた反応混合物を飽和水性NaHCOで塩基性化してpH約7〜8に調整し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[6−ブロモ−2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール (26c)(2.0g、収率72%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.90 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.36 (dd, J = 1.3, 9.8 Hz, 1H), 5.41 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 5.18 (s, 2H), 3.87 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 1.78 (s, 6H)。(C1213BrClFNO)に関するm/z (ESI+)、336.9 (M+H)+
【0768】
工程4:7−ブロモ−9−フルオロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−57)の合成
2−[6−ブロモ−2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール (26c)のTHF(5.0mL)中における溶液に、t−BuOK(251mg、2.23mmol)を0℃で添加した。溶液を、0℃で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、7−ブロモ−9−フルオロ−4,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−57)(420mg、収率94%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.47 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 1.5, 9.5 Hz, 1H), 4.98 (s, 2H), 3.84 (s, 2H), 1.67 (s, 6H);(C1212BrFNO)に関するm/z (ESI+)、298.7 (M+H)+
【0769】
スキーム27に従う7−ブロモ−9−フルオロ−2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンズイミダゾール (Int−58)の調製。
【0770】
スキーム27:
【0771】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0772】
2−[6−ブロモ−2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール (26c)(500mg、1.49mmol)およびDIPEA(578mg、4.47mmol)のMeCN(5.0mL)中における溶液に、MsCl(256mg、2.23mmol)を滴加した。添加後、結果として得られた溶液を室温まで温まらせ、1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。その溶液にDIPEA(963mg、7.45mmol)およびメチルアミン塩酸塩(201mg、2.98mmol)を添加した。結果として得られた溶液を、60℃で14時間撹拌した。LCMS分析は、メシレート中間体の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、7−ブロモ−9−フルオロ−2,4,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]ベンズイミダゾール (Int−58)(200mg、収率43%)が黄色のゴム状物質として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.46 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 1.4, 9.6 Hz, 1H), 3.77 (s, 2H), 2.68 (s, 2H), 2.50 (s, 3H), 1.67 (s, 6H);(C1315BrFN)に関するm/z (ESI+)、314.0 (M+H)+
【0773】
スキーム28に従う7−ブロモ−9−フルオロ−1,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−59)の調製。
【0774】
スキーム28:
【0775】
【化75】
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【0776】
工程1:2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)プロパン−1−オール (28a)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (1a)(4.0g、16.8mmol)のDMF(40.0mL)中における溶液に、KCO(4.65g、33.6mmol)および2−アミノプロパン−1−オール(1.26g、16.9mmol)を添加した。混合物を80℃で1時間撹拌した。TLC分析(3:1 石油エーテル/EtOAc)は、出発物質の消費を示した。室温に冷却した後、反応混合物をHO(150mL)で希釈し、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)プロパン−1−オール (28a)(4.7g、収率93%)が黄色の油として得られた。(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、294.6 (M+H)+
【0777】
工程2:2−[6−ブロモ−2−(1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28b)の合成
2−(5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロアニリノ)プロパン−1−オール (28a)(1.3g、3.3mmol)および2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパナール(1.0g、5.3mmol)のEtOH(10.0mL)およびDMSO(3.0mL)中における黄色の溶液に、Na(2.9g、16.4mmol)を添加した。懸濁液を80℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮してEtOHを除去した。溶液をEtOAc(100mL)で希釈し、HO(50mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[6−ブロモ−2−(1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28b)(1.0g、収率71%)が白色固体として得られた。(C1828BrFNSi)に関するm/z (ESI+)、432.8 (M+H)+
【0778】
工程3:2−[6−ブロモ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28c)の合成
2−[6−ブロモ−2−(1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28b)(1.0g、2.32mmol)のTHF(5.0mL)中における溶液に、TBAF(1.2g、4.64mmol)を周囲温度で添加した。1時間後、TLC分析(100% EtOAc)は、出発物質の消費を示した。反応溶液をEtOAc(100mL)で希釈し、HO(2×50mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、80% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[6−ブロモ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28c)(400mg、収率54%)が白色固体として得られた。(C1214BrFN)に関するm/z (ESI+)、316.7 (M+H)+
【0779】
工程4:7−ブロモ−9−フルオロ−1,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−59)の合成
2−[6−ブロモ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロパン−1−オール (28c)(400mg、1.26mmol)およびTsOH(434mg、2.52mmol)のPhMe(5.0mL)中における溶液を、120℃で16時間撹拌した。その溶液に飽和水性NaHCO(20mL)を添加した。混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、80〜90% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、7−ブロモ−9−フルオロ−1,4−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−a]ベンズイミダゾール (Int−59)(300mg、収率80%、ジアステレオ異性体混合物)が黄色の油として得られた。(C1212BrFNO)に関するm/z (ESI+)、298.7 (M+H)+
【0780】
スキーム29に従う6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾトリアゾール (Int−60)の調製。
スキーム29:
【0781】
【化76】
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【0782】
4−ブロモ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (29a)(3.00g、13.1mmol)の臭化水素酸(HO中2.0M、30mL)中における溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.36g、19.6mmol)のHO(15mL)中における溶液を0℃で添加した。反応混合物を、この温度で30分間撹拌し、次いで2時間の期間をかけて周囲温度まで温まらせた。反応混合物を飽和水性NaCO(150mL)中に注ぎ、EtOAc(2×150mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾトリアゾール (Int−60)(2.50g、収率80%)が褐色の油として得られた。(C10BrN)に関するm/z (ESI+)、239.6 (M+H)+
【0783】
スキーム30に従う2−(5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−オール (Int−61)の調製。
スキーム30:
【0784】
【化77】
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【0785】
5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール (30a)(300mg、1.42mmol)のTHF(10.0mL)中における撹拌溶液に、LDA(THF中2.0M、2.13mL、4.26mmol)を−78℃で添加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで−78℃に冷却した。アセトン(124mg、2.14mmol)をその反応混合物に−78℃で添加した。次いで反応を周囲温度まで温まらせ、18時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を飽和水性NaHCO(10mL)で停止し、層を分離した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−(5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−オール (Int−61)(120mg、収率31%)が無色の油として得られた。(C1113BrNO)に関するm/z (ESI+)、270.9 (M+H)+
【0786】
スキーム31に従う5−ブロモ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−2H−インダゾール (Int−62)の調製
スキーム31:
【0787】
【化78】
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【0788】
2−(5−ブロモ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−オール (Int−61)のDCM(10mL)中における撹拌溶液に、TFA(847mg、7.43mmol)およびEtSiH(846mg、7.43mmol)を0℃で添加した。混合物を25℃で36時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。反応をHOで停止し、飽和水性NaHCOでpH約8に調整し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、4g SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−2H−インダゾール (Int−62)(140mg、収率74%)が黄色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.91 - 7.88 (m, 1H), 7.50 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.12 (s, 3H), 3.40 (td, J = 7.2, 14.2 Hz, 1H), 1.49 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1113BrN)に関するm/z (ESI+)、252.8 (M+H)+
【0789】
スキーム32に従う9−ブロモ−7−フルオロ−1,1−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−b]インダゾール (Int−61)の調製。
スキーム32:
【0790】
【化79】
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【0791】
工程1:2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2H−インダゾール−2−イル)エタン−1−オール (32b)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−1H−インダゾール (32a)(2.5g、11.6mmol)のMeOH(10.0mL)中における溶液に、NaOMe(1.26g、23.3mmol)および2−ブロモエタン−1−オール(2.0g、11.6mmol)をNの雰囲気下で添加した。結果として生じた溶液を85℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)は、出発物質の部分的な消費を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80g SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2H−インダゾール−2−イル)エタン−1−オール (32b)(950mg、収率32%)が白色固体として得られた。(CBrFNO)に関するm/z (ESI+)、260.8 (M+H)+
【0792】
工程2:2−[5−ブロモ−7−フルオロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−インダゾール−3−イル]プロパン−2−オール (32c)の合成
2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2H−インダゾール−2−イル)エタン−1−オール (32b)(550mg、2.12mmol)のTHF(10.0mL)中における溶液を、Nでパージし、次いでLDAの溶液(THF中2.0M、2.34mL、4.67mmol)を−78℃で添加した。溶液を−10℃で30分間撹拌し、次いで冷却して−78℃に戻した。その溶液にアセトン(247mg、4.25mmol)を添加した。結果として得られた溶液を室温で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の完全な消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をHO(30mL)で停止し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、50〜70% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[5−ブロモ−7−フルオロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−インダゾール−3−イル]プロパン−2−オール (32c)(490mg、収率73%)が無色の油として得られた。
【0793】
工程3:9−ブロモ−7−フルオロ−1,1−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−b]インダゾール (Int−63)の合成
2−[5−ブロモ−7−フルオロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−2H−インダゾール−3−イル]プロパン−2−オール (32c)(490mg、0.61mmol)のPhMe(10.0mL)中における溶液に、p−TSA(210mg、1.22mmol)を0℃で添加した。混合物を120℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、9−ブロモ−7−フルオロ−1,1−ジメチル−3,4−ジヒドロ−1H−[1,4]オキサジノ[4,3−b]インダゾール (Int−63)(100mg、収率55%)が黄色の油として得られた。(C1212BrFNO)に関するm/z (ESI+)、298.6 (M+H)+
【0794】
スキーム33に従うtert−ブチル [2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−64)の調製。
【0795】
スキーム33:
【0796】
【化80】
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【0797】
工程1:5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール (33a)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−1H−インダゾール (32a)(550mg、2.12mmol)のEtOAc(30.0mL)中における溶液に、トリメチルオキソニウム テトラフルオロボレート(trimethyloxonium tertrafluoroborate)(1.97g、13.3mmol)を添加した。結果として得られた溶液を、周囲温度で5時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応溶液をHO(20mL)で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、20〜25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール (33a)(1.6g、収率68%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.45 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.22 (dd, J = 1.3, 11.0 Hz, 1H), 4.20 (s, 3H);(CBrFN)に関するm/z (ESI+)、230.9 (M+H)+
【0798】
工程2:N−[2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−イル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド (33b)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール (33a)(1.0g、4.4mmol)のPhMe(10mL)中における溶液に、LDAの溶液(THF中2.0M、2.6mL、5.24mmol)を−78℃で添加した。反応混合物を、−78℃で1時間撹拌した。次いで2−メチル−N−(プロパン−2−イリデン)プロパン−2−スルフィンアミド(704mg、4.4mmol)をその反応混合物に−78℃で添加した。反応混合物を室温に温まらせ、24時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の完全な消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を飽和水性NHCl(10mL)の添加により停止させ、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、30〜40% MeOH/EtOAc)により精製すると、N−[2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−イル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド (33b)(420mg、収率25%)が黄色のゴム状物質として得られた。(C1521BrFNOS)に関するm/z (ESI+)、392.0 (M+H)+
【0799】
工程3:2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−アミン (33c)の合成
N−[2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−イル]−2−メチルプロパン−2−スルフィンアミド (33b)(420mg、1.08mmol)のMeOH(5.0mL)中における黄色の溶液に、濃HCl(1.0mL)を室温で添加した。反応混合物を2時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物をDCM(10mL)中で溶解させ、TEA(2mL)を添加した。混合物を20分間撹拌した。反応溶液をDCM(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−アミン (33c)(300mg、収率97%)が黄色固体として得られた。(C1113BrFN)に関するm/z (ESI+)、268.9 (M+H)+
【0800】
工程4:tert−ブチル [2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−イル]カルバメート (Int−64)の合成
2−(5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール−3−イル)プロパン−2−アミン (33c)(300mg、0.75mmol)のTHF(3.0mL)中における黄色の溶液に、飽和水性NaHCO(3.0mL)およびBoCO(659mg、3.0mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。反応溶液をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機相を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、EtOAc/石油エーテル)により精製すると、(Int−64)(240mg、収率82%)が黄色の油として得られた。(C1621BrFN)に関するm/z (ESI+)、387.6 (M+H)+
【0801】
スキーム34に従う5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−2H−インダゾール (Int−65)の調製。
スキーム34:
【0802】
【化81】
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【0803】
工程1:5−ブロモ−7−フルオロ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール (34a)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−2H−インダゾール (33a)(500mg、2.18mmol)のDCM(10.0mL)中における溶液に、ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼン(1.13g、2.62mmol)およびピリジン(259mg、3.27mmol)を添加した。混合物を30℃で30分間撹拌し、次いでI(556mg、2.62mmol)を添加した。混合物を30℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、次いで濾過した。濾液を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、30〜40% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−7−フルオロ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール (34a)(700mg、収率90%)が淡黄色固体として得られた。(CBrFIN)に関するm/z (ESI+)、354.8 (M+H)+
【0804】
工程2:5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール (34b)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−3−ヨード−2−メチル−2H−インダゾール (34a)(400mg、1.13mmol)、イソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(189mg、1.13mmol)、KCO(467mg、3.38mmol)およびPd(dppf)Cl(82.5mg、0.113mmol)の1,4−ジオキサン(6.0mL)およびHO(1.0mL)中における混合物を、Nの雰囲気下で100℃で3時間撹拌した。反応懸濁液は黒色になった。LCMS分析は、完全な出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。懸濁液をEtOAc(50mL)で希釈し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール (34b)(270mg、収率89%)が黄色の油として得られた。(C1110BrFN)に関するm/z (ESI+)、268.9 (M+H)+
【0805】
工程3:5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−2H−インダゾール (Int−65)の合成
5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパ−1−エン−2−イル)−2H−インダゾール (34b)(270mg、1.0mmol)およびRh(PPhCl(92.8mg、0.1mmol)のMeOH(10.0mL)およびTHF(10.0mL)中における溶液に、Hを注入してかき混ぜ、次いで50psiの圧力のH下で50℃において16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させ、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、1:1 EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−7−フルオロ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−2H−インダゾール (Int−65)(300mg、収率>99%)が淡褐色のゴム状物質として得られた。(C1110BrFN)に関するm/z (ESI+)、270.8 (M+H)+
【0806】
スキーム35に従う6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−66)の調製。
スキーム35:
【0807】
【化82】
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【0808】
工程1:5−ブロモ−N−(プロパン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミン (35b)の合成
5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン (35a)(2.51g、13.4mmol)およびアセトン(1.2mL、16mmol)のi−PrOAc(20mL)中における溶液に、TFA(2.25mL、29.3mmol)およびNaBH(OAc)(4.25g、20mmol)を0℃で添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。EtOAc(50mL)を添加して反応を停止させた。混合物を飽和水性NaHCO(40mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40g SiO、0〜65% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−N−(プロパン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミン (35b)(2.7g、収率89%)が褐色のゴム状物質として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.28 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.97 (br. s., 1H), 3.55 (td, J = 6.1, 12.3 Hz, 1H), 1.15 (d, J = 6.2 Hz, 6H);(C12BrN)に関するm/z (APCI)、230.1、232.2 (M+H)+
【0809】
工程2:6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−66)の合成
5−ブロモ−N−(プロパン−2−イル)ピリジン−2,3−ジアミン (35b)(1.5g、6.52mmol)およびACO(30.8mL、32.6mmol)のAcOH(12.5mL)中における混合物を、90℃で一夜撹拌した。溶媒を蒸発により除去した。残留物をDCM(50mL)中で溶解させ、水性NaOH(1.0N)でpH約8〜9に調整した。有機層を集め、ブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(24g SiO、10% MeOH/EtOAc)により精製すると、6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−66)(866mg、収率52%)が薄褐色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 - 8.32 (m, 2H), 4.76 (td, J = 6.9, 13.8 Hz, 1H), 2.61 (s, 3H), 1.54 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C10BrN)に関するm/z (APCI)、254.2、256.1 (M+H)+
【0810】
スキーム36に従う5−クロロ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−67)の調製。
スキーム36:
【0811】
【化83】
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【0812】
CO(4.1g、29.8mmol)のDMSO(6.0mL)中におけるスラリーに、5−クロロ−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (36a)(1.0g、5.7mmol)および2−ブロモプロパン(2.8mL、29.8mmol)を添加した。混合物を室温で20時間撹拌し、60℃でさらに1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成(位置異性体の約4:1混合物)を示した。混合物をHO(25mL)およびEtOAc(25mL)の間で分配した。水層をEtOAc(3×25mL)で抽出した。有機層を合わせてHO(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、SiO上に直接濃縮した。粗製の物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、80〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、5−クロロ−2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−67)(950mg、収率76%)が最初に溶離する位置異性体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.85 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.84 (p, J = 7.0 Hz, 1H), 2.68 (s, 3H), 1.69 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1012ClN)に関するm/z (APCI)、209.9 (M+H)+
【0813】
スキーム37に従う6−ブロモ−1−(プロパン−2−イル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−68)の調製。
スキーム37:
【0814】
【化84】
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【0815】
工程1:N−tert−ブチル−6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−アミン (37b)の合成
2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン (37a)のPhMe(30mL)中における溶液に、2−メチルプロパン−2−アミン(3.8g、51.8mmol)を0℃で添加した。黄色の溶液を室温で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、100% 石油エーテル)により精製すると、N−tert−ブチル−6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−アミン (37b)(4.7g、収率79%)が黄色固体として得られた。(C12ClN)に関するm/z (ESI)、229.9 (M+H)+
【0816】
工程2:N−tert−ブチル−6−クロロピリジン−2,3−ジアミン (37c)の合成
N−tert−ブチル−6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−アミン (37b)(4.7g、20.5mmol)のEtOH(200mL)中における溶液に、飽和水性NHCl(60mL)およびFe(5.7g、102mmol)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濾過し、濃縮してEtOHを除去した。混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を合わせて無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、N−tert−ブチル−6−クロロピリジン−2,3−ジアミン (37c)(3.9g、収率95%)が黒色の油として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。(C14ClN)に関するm/z (ESI)、199.9 (M+H)+
【0817】
工程3:3−tert−ブチル−5−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−68)の合成
−tert−ブチル−6−クロロピリジン−2,3−ジアミン (37c)(3.0g、15.0mmol)およびCH(OEt)(4.5g、30.0mmol)のPhMe(40.0mL)中における黒色の混合物に、p−TSA一水和物(286mg、1.5mmol)を添加した。混合物を、110℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を飽和水性NaHCO(60mL)で洗浄した。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、3−tert−ブチル−5−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン (Int−68)が黒色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。(C1012ClN)に関するm/z (ESI)、209.8 (M+H)+
【0818】
スキーム38に従う(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)の調製。
スキーム38:
【0819】
【化85】
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【0820】
工程1:tert−ブチル (3R,4R)−4−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (38b)の合成
tert−ブチル (3R,4R)−4−アミノ−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (38a)(13.0g、60.1mmol)のDCM(100mL)および飽和NaCO(100mL)中における溶液に、クロロギ酸ベンジル(24.1mL、72.1mmol、PhMe中50%)を0℃で滴加した。混合物を4時間撹拌し、次いで有機相を収集した。水相をDCM(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせてHO(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜60% EtOAc/ヘキサン類)により精製すると、tert−ブチル (3R,4R)−4−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (38b)(18.0g、収率85%)が淡黄色の油として得られた。(C1826)に関するm/z (ESI+)、251.3 (M+H-Boc)+
【0821】
工程2:ベンジル [(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]カルバメート (38c)の合成
tert−ブチル (3R,4R)−4−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(38b)(18.0g、51.4mmol)およびHClのEtOH中における溶液(EtOH中1.25M、123mL、154mmol)を、周囲温度で6時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物をEtOAc(100mL)で希釈した。飽和水性NaHCO(100mL)を添加し、その混合物を0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(6.5mL、83.9mmol)を滴加し、混合物をこの温度で4時間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。有機相を合わせてHO(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をペンタンで摩砕処理すると、ベンジル [(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]カルバメート (38c)(12.0g、収率71%)が白色固体として得られた。(C1420S)に関するm/z (ESI+)、329.4 (M+H)+
【0822】
工程3:(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)の合成
ベンジル [(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]カルバメート (38c)(12.0g、36.5mmol)のDCM:MeOH(5:4、180mL)中における溶液を、15% Pd/C(0.583g、5.48mmol)の存在下で、水素のバルーンの下で周囲温度で16時間撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、メタノール(100mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮すると、(Int−69)(6.41g、収率90%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 3.83 (ddd, J = 11.6, 5.0, 2.2 Hz, 1H), 3.73 (ddt, J = 12.3, 4.8, 2.5 Hz, 1H), 3.46 (td, J = 9.8, 5.0 Hz, 1H), 2.89 - 2.75 (m, 5H), 2.58 (dd, J = 11.6, 10.1 Hz, 1H), (ddt, J = 13.1, 5.0, 2.7 Hz, 1H) 1.66 - 1.54 (m, 1H);(C14S)に関するm/z (APCI+)、195.0 (M+H)+;[α]D -19° (c 0.1、MeOH)。
【0823】
スキーム39に従う(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸塩 (Int−70)の調製
スキーム39:
【0824】
【化86】
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【0825】
工程1:1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(39b)の合成
tert−ブチル 3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート (39a)(150g、819mmol)にHClの溶液(MeOH中4.0N、500mL)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。反応を濃縮して乾燥させると、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(39b)(97.9g、収率>99%)が得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 5.96 (tdd, J = 1.7, 3.9, 10.5 Hz, 1H), 5.80 - 5.61 (m, 1H), 3.65 (br s, 2H), 3.31 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.49 - 2.28 (m, 2H)。
【0826】
工程2:1−(メタンスルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン (39c)の合成
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩(39b)(97.9g、818mmol)のDCM(1.0L)中におけるスラリーに、TEA(248g、2.5mol)を添加した。混合物を0〜5℃に冷却し、次いで塩化メタンスルホニル(112g、982mmol)でゆっくりと1滴ずつ処理し、反応温度を20℃未満に維持した。添加後、その混合物を室温でさらに16時間撹拌した。HO(1L)をゆっくりと添加することにより反応を停止させた。相を分離した。水層をDCM(1.5L)で抽出した。有機性物質を合わせて飽和水性NHCl(500mL)、飽和水性NaHCO(500mL)、飽和水性NHCl(500mL)およびブライン(500mL)で連続して洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。結果として生じた黄色固体をDCM/石油エーテル(1:15、500mL)で摩砕処理した。固体を濾過により収集し、真空下で乾燥させると、1−(メタンスルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン (39c)(116g、収率88%)が淡黄色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.86 (dtd, J =1.7, 4.0, 8.1 Hz, 1H), 5.71 (dtd, J =1.2, 3.4, 8.5 Hz, 1H), 3.76 (5重線, J = 2.8 Hz, 2H), 3.37 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.26 (tt, J = 2.9, 5.7 Hz, 2H)。
【0827】
工程3:3−(メタンスルホニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン (39d)の合成
1−(メタンスルホニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン (39c)(116g、720mmol)のDCM(1.5L)中における溶液に、m−CPBA(175g、863mmol)を一部ずつ添加した。混合物を周囲温度で48時間撹拌した。TLC分析は、出発物質の消費を示した。不均一な混合物を濾過して固体を除去した。濾液を飽和水性NaCO(1.0L)で塩基性化し、飽和水性NaSO(1.5L)で洗浄した。水層をDCM(2×1.5L)で抽出した。有機性物質を合わせてブラインで洗浄し(1.5L)、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、3−(メタンスルホニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン (39d)(120g、収率94%)が淡黄色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.84 (ddd, J = 1.0, 3.6, 14.3 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 14.3 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 2.0, 3.7 Hz, 1H), 3.34 - 3.26 (m, 2H), 3.09 (ddd, J=4.7, 8.4, 12.9 Hz, 1H), 2.82 (s, 3H), 2.21 - 2.04 (m, 2H)。
【0828】
工程4:(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸塩(Int−70)の合成
3−(メタンスルホニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン (39d)(10.0g、56mmol)のMeCN(100mL)中における溶液に、LiBr(1.96g、22.6mmol)およびNHOH(14.1g、113mmol)を添加した。混合物を周囲温度で48時間撹拌した。TLC分析(1:1 石油エーテル/EtOAc)は、残留する出発物質を示した。反応混合物を40℃に温め、この温度で36時間撹拌した。TLC分析(1:1 石油エーテル/EtOAc)は、出発物質の消費を示した。反応を濃縮して乾燥させると、rac−(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール(11g、粗製)が得られた。rac−(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール(11g)を含有する粗製の混合物をMeOH(120mL)中で溶解させ、その混合物を、溶液が透明になるまで温めて還流させた。混合物を室温まで冷却し、(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸 (9.41g、56.6mmol)のMeOH(30mL)中における溶液を添加した。溶液は、濁った状態になり、続いて膨大な沈殿が生じた。混合物を還流状態で10分間撹拌し、次いでゆっくりと室温まで放冷した。溶液を室温で16時間撹拌した。沈殿を濾過により収集した。固体をMeOH(30mL)中で溶解させ、10分間還流状態で撹拌した。溶液をゆっくりと室温に冷却した。結果として生じた沈殿を濾過により収集すると、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール(2S)−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン酸塩(Int−70)(5.0g、収率25%)が白色固体として得られた。鏡像体過剰率(97%ee)を、対応するN−CBz保護された誘導体に関して、Chiralpak AS−3カラム(4.6×150mm、3μm粒径、35℃)を用いたキラルSFCにより決定し、それを5〜40% EtOH/CO(+0.05%ジエチルアミン)で、2.5mL/分の流速で溶離した。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.35 - 7.13 (m, 5H), 4.14 (dd, J = 3.5, 8.2 Hz, 1H), 3.89 (ddd, J = 2.1, 5.0, 11.7 Hz, 1H), 3.83 - 3.73 (m, 1H), 3.60 (dt, J = 5.1, 10.0 Hz, 1H), 3.13 (dd, J = 3.4, 13.8 Hz, 1H), 2.98 (ddd, J = 4.5, 9.8, 12.1 Hz, 1H), 2.92 - 2.77 (m, 5H), 2.69 - 2.56 (m, 1H), 2.18 - 2.02 (m, 1H), 1.78 - 1.60 (m, 1H)。
【0829】
実施例の調製
実施例1 (スキームA−1):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−1:
【0830】
【化87】
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【0831】
工程1:4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)の合成
6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−46)(90g、331.95mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(126g、498mmol)、AcOK(80g、815.15mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(14g、49.8mmol)およびPd(OAc)(7.45g、33.2mmol)のDMSO(1.0L)中における懸濁液にNを注入してかき混ぜ、次いで100℃で16時間撹拌した。TLC分析(1:1 石油エーテル/EtOAc)は、出発物質の完全な消費を示した。黒色の懸濁液をHO(3.0L)中に注ぎ、EtOAc(2×3L)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、1.0kg、0〜40% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)(77g、収率73%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.69 (s, 1H), 7.33 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.77 - 4.61 (m, 1H), 2.65 (s, 3H), 1.65 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.36 (s, 12H);(C1724BFN)に関するm/z (ESI+)、319.2 (M+H)+
【0832】
工程2:6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−2)の合成
4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)(300mg、0.943mmol)、2,4,5−トリクロロピリミジン(259mg、0.16mL、1.41mmol)およびKCO(260mg、1.89mmol)の1,4−ジオキサン(9mL)およびHO(3mL)中における混合物に、Nを注入して5分間かき混ぜた。Pd(PPh(54.5mg、0.047mmol)を添加し、その混合物にNを注入してさらに10分間かき混ぜた。混合物を90℃で16時間撹拌した後、周囲温度に冷却し、HO(15mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗製の混合物に、100mgスケールで類似の様式で行われた反応からの第2の粗製の混合物を添加した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、100% EtOAc)により精製すると、6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−2)(420mg、収率98%)が得られた。(C1513FCl)に関するm/z (ESI+)、338.9 (M+H)+
【0833】
工程3:(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A1)の合成
6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−2)(210mg、0.619mmol)のDMSO(5mL)中における黄色の懸濁液に、DIPEA(240mg、0.331mL、1.86mmol)および(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(241mg、1.24mmol)を添加した。混合物を120℃で16時間撹拌し、次いでHO(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物を、Agela Durashell C18カラム(150×25mm、5μm粒径;カラム温度25℃)を用いる分取HPLCにより精製し、それを34〜54% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A1)(54.7mg、収率19%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (s, 1H), 8.02 - 7.79 (m, 1H), 7.54 - 7.27 (m, 2H), 5.24 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.86 - 4.71 (m, 1H), 3.86 - 3.74 (m, 1H), 3.60 (br d, J = 9.5 Hz, 2H), 3.53 - 3.45 (m, 1H), 2.94 - 2.79 (m, 4H), 2.69 - 2.59 (m, 4H), 2.07 (s, 1H), 1.62 - 1.46 (m, 7H);(C2126ClFNS)に関するm/z (ESI+)、497.3 (M+H)+
【0834】
下の表中の実施例は、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A1)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴なって合成された。必要であれば、単一の鏡像異性体を得るために鏡像異性体の分離が、当該技術で知られている標準的な方法、例えばキラルSFCまたはHPLCの下で実施された。
【0835】
【表10-1】
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【0836】
【表10-2】
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【0837】
【表10-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0838】
【表10-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0839】
【表10-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0840】
【表10-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0841】
【表10-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0842】
【表10-8】
[この文献は図面を表示できません]
【0843】
【表10-9】
[この文献は図面を表示できません]
【0844】
【表10-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0845】
【表10-11】
[この文献は図面を表示できません]
【0846】
【表10-12】
[この文献は図面を表示できません]
【0847】
【表10-13】
[この文献は図面を表示できません]
【0848】
【表10-14】
[この文献は図面を表示できません]
【0849】
【表10-15】
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【0850】
【表10-16】
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【0851】
【表10-17】
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【0852】
実施例A37 (スキームA−2):(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−2:
【0853】
【化88】
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【0854】
tert−ブチル (3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (A−3)(実施例A1におけるように調製された、1.25g、2.49mmol)のDCM(10mL)中における溶液を、TFA(10mL)で処理し、次いで周囲温度で1時間撹拌した。混合物を濃縮し、粗製の残留物をDCM(10mL)中に溶解させた。pHをNHOHにより約7〜8に調整した。生成物を水(20mL)で抽出した。水相をDCM(3×15mL)で洗浄した。白色固体が水層中で形成され、それを濾過により収集すると、(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール (実施例A37)(880mg、収率88%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.73 - 7.57 (m, 1H), 7.51 - 7.39 (m, 1H), 5.69 - 5.62 (m, 1H), 4.90 - 4.72 (m, 1H), 4.43 - 4.30 (m, 1H), 4.08 - 3.93 (m, 1H), 3.90 - 3.77 (m, 1H), 3.50 - 3.39 (m, 2H), 3.07 - 2.96 (m, 1H), 2.95 - 2.82 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.28 - 2.15 (m, 1H), 1.74 - 1.64 (m, 1H), 1.59 (d, J = 6.8 Hz, 6H);(C2024O)に関するm/z (ESI+)、403.1 (M+H)+
【0855】
実施例A38 (スキームA−3):(3R,4R)−4−[(4−{1−[(2R)−1−アミノプロパン−2−イル]−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−3:
【0856】
【化89】
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【0857】
tert−ブチル {(2R)−2−[6−(5−クロロ−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]プロピル}カルバメート (A−4)(実施例A1におけるように調製された、130mg、0.212mmol)のMeOH(2.5mL)中における溶液に、HClの溶液(1,4−ジオキサン中4.0M、2.5mL)を0℃で滴加した。添加後、反応溶液を室温で2時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより精製し、それを7〜37% MeCN/HO(+0.05% HCl)で、30mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−[(4−{1−[(2R)−1−アミノプロパン−2−イル]−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A38)(39.5mg、収率34%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.39 (s, 1H), 8.06 - 7.97 (m, 1H), 7.67 - 7.52 (m, 1H), 5.06 - 4.79 (m, 1H), 3.81 - 3.70 (m, 1H), 3.66 - 3.54 (m, 3H), 3.51 - 3.43 (m, 1H), 3.42 - 3.33 (m, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.82 - 2.77 (m, 1H), 2.74 (s, 3H), 2.68 - 2.56 (m, 1H), 2.05 - 1.96 (m, 1H), 1.64 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.58 - 1.45 (m, 1H);(C2127ClFNS)に関するm/z (ESI+)、512.2 (M+H)+
【0858】
下の表中の実施例は、(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール ((3R,4R)-4-({5-hloro-4-[4-fluoro-2-methyl-1-(propan-2-yl)-1H-benzimidazol-6-yl]pyrimidin-2-yl}amino)-1-(methanesulfonyl)piperidin-3-ol)(実施例A37)(スキームA−2)および(3R,4R)−4−[(4−{1−[(2R)−1−アミノプロパン−2−イル]−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A38)(スキームA−3)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。必要であれば、単一の鏡像異性体を得るために、鏡像異性体の分離が、当該技術で知られている標準的な方法、例えばキラルSFCまたはHPLCの下で実施された。
【0859】
【表11-1】
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【0860】
【表11-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0861】
【表11-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0862】
【表11-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0863】
【表11-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0864】
【表11-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0865】
【表11-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0866】
【表11-8】
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【0867】
【表11-9】
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【0868】
【表11-10】
[この文献は図面を表示できません]
【0869】
実施例A60 (スキームA−4):1,5−アンヒドロ−3−[(4−{1−tert−ブチル−4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームA−4
【0870】
【化90】
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【0871】
1,5−アンヒドロ−3−[(4−{1−tert−ブチル−2−[(1R)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル]−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (A−5)(実施例A1におけるように調製された、70.0mg、0.121mmol)のMeOH(1.0mL)中における溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中4.0N、3.0mL)を0℃で滴加した。溶液を30℃で4時間撹拌した。TLC分析は、出発物質の消費を示した。溶液をNHOHでpH約9に塩基性化し、次いで濃縮して乾燥させた。残留物をBoston Uni C−18カラム(40×150mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより精製し、それを13〜53% MeCN/HO(+0.05% HCl)で、60mL/分の流速で溶離した。物質をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより再精製し、それを27〜47% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−[(4−{1−tert−ブチル−4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A60)(4.2mg、収率8%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.41 (s, 1H), 8.04 (br s, 1H), 7.54 - 7.32 (m, 1H), 5.53 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 5.28 - 5.20 (m, 1H), 4.95 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 3.86 - 3.76 (m, 3H), 3.50 (br d, J = 1.2 Hz, 1H), 3.03 (br t, J = 10.3 Hz, 1H), 2.07 (s, 1H), 2.01 - 1.91 (m, 1H), 1.88 (s, 9H), 1.67 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.56 - 1.44 (m, 1H);1個のプロトンが溶媒のピークにより不明瞭;(C2227ClFN)に関するm/z (ESI+)、464.1 (M+H)+
【0872】
下の表中の実施例は、1,5−アンヒドロ−3−[(4−{1−tert−ブチル−4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−5−クロロピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A60)の合成に関して用いられた方法(スキームA−4)に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0873】
【表12-1】
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【0874】
【表12-2】
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【0875】
【表12-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0876】
実施例A67 (スキームA−5):1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームA−5
【0877】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0878】
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (A−6)(実施例A1におけるように調製された、200mg、0.33mmol)のTHF(10.0mL)中における黄色の溶液に、TBAF(174mg、0.67mmol)を室温で添加した。混合物を2時間撹拌し、その時点でLCMS分析は、完全な出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮した。残留物をEtOAc(50mL)中で溶解させ、HO(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより精製し、それを26〜46% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A67)(34.2mg、収率21%)が白色固体として得られた。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.56 - 7.34 (m, 2H), 6.41 (tt, J = 55.9, 4.3 Hz, 1H), 5.98 (s, 1H), 5.04 (td, J = 14.0, 4.2 Hz, 2H), 4.93 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 3.88 - 3.74 (m, 3H), 3.55 - 3.46 (m, 1H), 3.03 (t, J = 10.4 Hz, 1H), 2.04 - 1.83 (m, 1H), 1.68 (d, J = 1.8 Hz, 6H), 1.56 - 1.42 (m, 1H);1個のプロトンが溶媒のピークにより不明瞭;(C2123ClF)に関するm/z (ESI+)、486.0 (M+H)+
【0879】
下の表中の実施例は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[1−(2,2−ジフルオロエチル)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A67)の合成に関して用いられた方法(スキームA−5)に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0880】
【表13】
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【0881】
実施例A69 (スキームA−6):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−(ジフルオロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−6:
【0882】
【化92】
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【0883】
6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−2−(ジフルオロメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−7)(実施例A1におけるように調製された、49.6mg、0.132mmol)のTHF(1.32mL)中における溶液に、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(38.5mg、0.198mmol)、CsCO(129mg、0.397mmol)、Pd(OAc)(6mg、0.0264mmol)およびrac−BINAP(17mg、0.0264mmol)を添加した。混合物にNを注入して10分間かき混ぜ、次いでマイクロ波照射しながら80℃で105分間撹拌した。LCMS分析は、完全な出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をMeOHで希釈し、次いでフィルターディスク(0.2μm)を通して濾過した。物質をNacalai Cosmosil 3−ヒドロキシフェニル結合カラム(150×20mm)上での分取SFCにより精製し、それを12〜23% MeOH/COで、85mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−(ジフルオロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A69)(33.1mg、収率47%)が固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 80℃) δ = 8.43 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.57 - 7.23 (m, 3H), 5.14 - 5.02 (m, 1H), 4.97 (br. s., 1H), 3.90 - 3.75 (m, 2H), 3.73 - 3.63 (m, 2H), 3.55 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 2.89 - 2.86 (s, 3H), 2.78 - 2.66 (m, 1H), 2.18 - 2.08 (m, 1H), 1.68 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.63-1.59 (m, 1H);(C2124ClFS)に関するm/z (APCI)、533.0 (M+H)+
【0884】
実施例A70 (スキームA−7):(3R,4R)−4−({5−エチル−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−7:
【0885】
【化93】
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【0886】
6−(2−クロロ−5−エチルピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール(A−8)(実施例A1におけるように調製された、80.0mg、0.240mmol)の2−メチル−2−ブタノール(6mL)中における溶液を、CsCO(157mg、0.481mmol)および(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(60.7mg、0.312mmol)で処理し、Nを注入してかき混ぜた。クロロ−2−(ジメチルアミノメチル)−フェロセン−1−イル−(ジノルボルニルホスフィン)パラジウム (SK−CC02−A)(14.6mg、0.024mmol)を添加し、混合物に再度Nを注入してかき混ぜた。反応混合物を、120℃で16時間撹拌した。粗製の混合物を30mgスケールで類似の様式で行われた第2反応と合わせて濃縮した。残留物を水(30mL)およびEtOAc(30mL)の間で分配した。水相をEtOAc(30mL)で抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物を2段階で、まず分取TLC(SiO、10:1 DCM/MeOH、R=0.5)により、次いでXbridgeカラム(150×30mm、10μm粒径、カラム温度25℃)を用いる分取HPLCにより精製し、それを15〜55% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−エチル−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A70)(25.4mg、収率22%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.12 (br d, J = 11.5 Hz, 1H), 6.99 (br d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.84 - 4.75 (m, 1H), 3.81-3.74 (m, 1H), 3.65 - 3.55 (m, 2H), 3.49 - 3.44 (m, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.87 - 2.81 (m, 1H), 2.71 - 2.64 (m, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.59 - 2.54 (m, 2H), 2.12 - 2.04 (m, 1H), 1.57 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.54 - 1.45 (m, J = 10.0 Hz, 1H), 1.04 (t, J = 7.5 Hz, 3H);(C2331FNS)に関するm/z (ESI+)、491.1 (M+H)+
【0887】
下の表中の実施例は、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−(ジフルオロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A70)(スキームA−6)および(3R,4R)−4−({5−エチル−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A65)(スキームA−7)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0888】
【表14-1】
[この文献は図面を表示できません]
【0889】
【表14-2】
[この文献は図面を表示できません]
【0890】
【表14-3】
[この文献は図面を表示できません]
【0891】
【表14-4】
[この文献は図面を表示できません]
【0892】
【表14-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0893】
【表14-6】
[この文献は図面を表示できません]
【0894】
【表14-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0895】
実施例A87 (スキームA−8):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−8
【0896】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0897】
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (A−9)(実施例A69におけるように調製された、88mg、0.15mmol)のMeOH(3.0mL)中における0℃の溶液に、HClの溶液(1,4−ジオキサン中4.0N、0.55mL、2.2mmol)を添加した。2.5時間後、LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をPrinceton Ha−モルホリンカラム(150×21.1mm、5μm粒径、カラム温度35℃)上での分取SFCにより精製し、それを22〜50% MeOH/COで、60mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A87)(15mg、収率20%)が白色固体として得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.52 - 7.31 (m, 2H), 5.73 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 5.20 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 5.02 (7重線, J = 7.0 Hz, 1H), 4.77 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.86 - 3.75 (m, 1H), 3.68 - 3.56 (m, 2H), 3.53 - 3.46 (m, 1H), 2.94 - 2.80 (m, 4H), 2.71 - 2.60 (m, 1H), 2.06 (s, 1H), 1.66 - 1.47 (m, 7H);(C2126ClFNS)に関するm/z (ESI+)、512.8 (M+H)+
【0898】
実施例A88 (スキームA−9):(3R,4R)−4−({4−[1−(アゼチジン−3−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−9:
【0899】
【化95】
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【0900】
tert−ブチル 3−[6−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−1−イル]アゼチジン−1−カルボキシレート (A−10)(実施例A1におけるように調製された、75.0mg、0.170mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(50.1mg、0.258mmol)、Pd(OAc)(7.73mg、0.034mmol)、rac−BINAP(21.4mg、0.034mmol)およびCsCO(168mg、0.516mmol)のTHF(1.7mL)中における溶液を、マイクロ波照射下で80℃で30分間撹拌した。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、DCM(5mL)中に溶解させ、HCl(1,4−ジオキサン中4.0M、1.0mL)で処理した。混合物を周囲温度で4時間撹拌した。溶液を濃縮し、粗製の残留物をPhenomenex Gemini NX C18カラム(150×21.2mm、5μm粒径)上での分取HPLCにより精製し、それを20〜100% MeCN/H2O(+10mM NHOAc)で、40mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({4−[1−(アゼチジン−3−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A88)(76mg、収率89%)が固体として得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.70 (s, 1H), 8.47 - 8.29 (m, 1H), 7.64 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.43 (s, 1H), 4.27 - 3.87 (m, 4H), 3.79 (s, 1H), 3.71 - 3.54 (m, 2H), 3.50 (s, 1H), 3.01 - 2.78 (m, 5H), 2.68 (t, J = 10.3 Hz, 1H), 2.56 (d, J = 1.4 Hz, 3H), 2.12 (s, 1H), 1.62 - 1.43 (m, 1H);(C2125S)に関するm/z (APCI+)、494.2 (M+H)+
【0901】
実施例A89 (スキームA−10):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−10:
【0902】
【化96】
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【0903】
工程1:6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−11)の合成
6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−03)(63.0mg、0.220mmol)、BPin(84.2mg、0.331mmol)、KOAc(65.1mg、0.663mmol)およびPdCl(dppf)(18.0mg、0.022mmol)の1,4−ジオキサン(1.1mL)中における混合物に10分間Nを注入してかき混ぜ、次いでマイクロ波中で90℃で1時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、PdCl(PPh(7.71mg、0.011mmol)、水性NaCO(2.0M、0.33mL、0.659mmol)および2,4,5−トリクロロピリミジン(60.5mg、37.8uL、0.330mmol)を加えた。混合物に10分間窒素を注入してかき混ぜ、次いでマイクロ波中で110℃で70分間加熱した。混合物を水(2mL)およびEtOAc(2mL)の間で分配した。水相をEtOAc(3×2mL)で抽出した。有機相を合わせて濃縮すると、6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−11)が得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。(C1511ClFNO)に関するm/z (APCI+)、352.8 (M+H)+
【0904】
工程2:(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A89)の合成
粗製の6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−11)を、THF(1.8mL)中で溶解させた。(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(64.4mg、0.331mmol)、Pd(OAc)(9.9mg、0.044mmol)、rac−BINAP(27.5mg、0.044mmol)およびCsCO(216mg、0.663mmol)を添加し、その混合物に10分間Nを注入してかき混ぜた。混合物をマイクロ波照射を用いて90℃で1.5時間撹拌した。混合物を周囲温度に冷却し、DMSOで希釈し、0.2ミクロンフィルターディスクを通して濾過した。粗製の物質をPrinceton HA−モルホリンカラム(150×21.1mm、5μmカラム粒径、35℃のカラム温度)を用いる分取SFCにより精製し、それを15〜50% MeOH/CO (+10mM NH)で、80g/分の流速で溶離し、物質をDiacel DC pak SFC−B(150×21.1mm、5μm粒径、35℃のカラム温度)を用いる分取SFCにより再精製し、それを18〜45% MeOH/COで、80g/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A89)(15.9mg、2工程にわたる収率14%)が白色固体として得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6,75 ℃ ) δ 8.40 (s, 1H), 8.35 (b s, 1H), 7.49 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 5.76 - 5.71 (m, 1H), 5.16 (td, J = 7.6, 2.7 Hz, 2H), 5.09 - 5.04 (m, 2H), 5.01 (b s, 1H), 3.85 - 3.78 (m, 1H), 3.70 - 3.62 (m, 2H), 3.55 - 3.50 (m, 1H), 2.91 - 2.85 (m, 4H), 2.72 - 2.66 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.15 - 2.10 (m, 1H), 1.62 - 1.46 (m, 1H);(C2124ClFNS)に関するm/z (APCI+)、510.8 (M+H)+
【0905】
実施例A90 (スキームA−11):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−11
【0906】
【化97】
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【0907】
バイアルに6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンズイミダゾール (A−12)(実施例A89に従って調製された、121mg、0.25mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(73.6mg、0.38mmol)、Pd(OAc)(11.3mg、0.051mmol)、rac−BINAP(31.4mg、0.051mmol)、CsCO(247mg、0.76mmol)およびTHF(2.5mL)を添加した。混合物をマイクロ波照射を用いて80℃で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をSiO上で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製した。生成物を含有する画分を濃縮した。残留物をMeOH(5mL)中で溶解させ、HCl(1,4−ジオキサン中4.0N、1.0mL)で処理し、混合物を周囲温度で16時間一夜撹拌した。LCMS分析は、部分的な出発物質の消費を示した。HClの追加の分割量(1,4−ジオキサン中4.0N、1.0mL)を添加した。混合物を6時間撹拌し、その時点でLCMS分析は出発物質の消費を示した。混合物を濃縮し、Princeton HA−モルホリンカラム(150×21.1mm、5μm粒径、カラム温度35℃)を用いる分取SFCにより精製し、それを80g/分で14〜50% MeOH/COで溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A90)(17mg、収率12%)がゴム状物質として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.46 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.58 - 7.41 (m, 2H), 5.93 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 5.49 (q, J = 9.1 Hz, 2H), 5.21 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.82 (d, J = 5.8 Hz, 2H), 3.81 (s, 1H), 3.68 - 3.56 (m, 2H), 3.49 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 2.94 - 2.77 (m, 4H), 2.72 - 2.61 (m, 1H), 2.02 (s, 1H), 1.60 - 1.44 (m, 1H);(C2021ClFS)に関するm/z (ESI+)、522.9 (M+H)+
【0908】
実施例A91 (スキームA−12):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−12
【0909】
【化98】
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【0910】
2−(2−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}プロパン−2−イル)−6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−13)(実施例A89におけるように調製された、294mg、0.590mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(149mg、0.767mmol)およびDIPEA(0.55mL、2.95mmol)のDMSO(2.8mL)中における混合物を、90℃で18時間撹拌した。結果として得られた溶液を周囲温度に冷却し、水(30mL)およびEtOAc(30mL)の間で分配した。層を分離し、水相をEtOAc(5×30mL)で抽出した。有機相を合わせて水(3×20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。結果として生じた黄色の泡状物質をTHF中で溶解させ、0℃に冷却し、TBAF(THF中1.0M、1.2mL、1.2mmol)で処理した。結果として得られた溶液を周囲温度に温まらせ、2.5時間撹拌した後、濃縮した。残留物をZymorSpher HADPカラム(150×21.2mm、5μm粒径、40℃カラム温度)を用いる分取SFCにより精製し、それを18% MeOH/COで、90mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A91)(137mg、収率43%)が固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 80 ℃) δ 8.39 (s, 1H), 7.98 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 11.8, 1.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.80 (h, J = 6.8 Hz, 1H), 5.56 (s, 1H), 4.97 (d, J = 4.5 Hz, 1H), 3.87 - 3.78 (m, 1H), 3.71 - 3.63 (m, 2H), 3.57 - 3.51 (m, 1H), 2.93 - 2.85 (m, 4H), 2.75 - 2.67 (m, 1H), 2.16 - 2.09 (m, 1H), 1.70 (s, 6H), 1.63 (d, J = 7.0 Hz, 7H);(C2330ClFNS)に関するm/z (APCI+)、540.8 (M+H)+
【0911】
実施例A92 (スキームA−13):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[1−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール
スキームA−13
【0912】
【化99】
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【0913】
バイアルに2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−1−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール (A−14)(実施例A89に従って調製された、81mg、0.16mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(46.7mg、0.24mmol)、Pd(OAc)(7.2mg、0.032mmol)、rac−BINAP(20.0mg、0.032mmol)、CsCO(157mg、0.48mmol)およびTHF(1.6mL)を添加した。混合物をマイクロ波中で80℃において30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をSiO上に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、MeOH(5.0mL)中で溶解させた。混合物をHCl(1,4−ジオキサン中4.0N、2.0mL)で処理し、周囲温度で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮して乾燥させ、次いでChiralPak AS−Hカラム(100×4.6mm、3μm粒径)を用いるキラルSFCにより精製し、それを5〜60% MeOH/COで、4.0mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[1−(1,1−ジフルオロプロパン−2−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A92)(7.4mg、収率8%)が最初に溶離する画分として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 80 ℃) δ 8.41 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.47 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.52 (td, J = 55.3, 3.7 Hz, 1H), 5.65 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 5.40 - 5.26 (m, 1H), 4.97 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 4.83 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.87 - 3.76 (m, 1H), 3.72 - 3.62 (m, 2H), 3.59 - 3.51 (m, 1H), 2.95 - 2.84 (m, 4H), 2.75 - 2.66 (m, 1H), 2.17 - 2.09 (m, 1H), 1.75 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.65 - 1.54 (m, 1H);(C2124ClFS)に関するm/z (ESI+)、522.9 (M+H)+;[α]D22 = -26.5 (c=0.1M、MeOH)。
【0914】
実施例A93 (スキームA−14):(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームA−14:
【0915】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0916】
工程1:5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)の合成
この変換は、4つの並行するバッチで行われた。5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (A−15)(100g、420.2mmol)のMeCN(2L)中における溶液に、i−PrNH(27.5g、441.2mmol)を20〜25℃(氷浴冷却)で添加すると、黄色の反応溶液が得られた。結果として得られた混合物を、35℃で60時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮して乾燥させた。4つの並行する反応からの粗製の残留物を合わせてフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜2% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(350g、収率75%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.09 - 7.00 (m, 2H), 6.90 (dd, J = 11.1, 2.0 Hz, 1H), 3.94 - 3.84 (m, 1H), 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 6H);(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、247.0 (M+H)+; 19F NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -116.9。
【0917】
工程2:5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (A−17)の合成
AcOH(2L)およびt−AmylOH(2L)の撹拌混合物に、5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(200g、721mmol)を35℃で添加した。Fe(282g、5.05mol)を25〜35℃(氷浴冷却)で一部ずつ添加した。結果として得られた混合物を35℃で16時間撹拌すると、灰白色のスラリーが得られた。TLC分析(1:9 EtOAc/石油エーテル、R = 0.8、UV254)は、出発物質の消費を示した。混合物をEtOAc(2L)およびHO(2L)で希釈した。混合物を、固体のNaCOをゆっくりと添加することにより中和した。スラリーを濾過し、混合物を分離した。水層をEtOAc(3×1L)で抽出した。有機層を合わせて飽和水性NaHCO(2×1L)およびブライン(2×1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、150gの5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)を用いる同一の様式の並行する反応と合わせた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (A−17)(230g、収率74%)が褐色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.55 (dd, J = 10.0, 2.1 Hz, 1H), 6.38 - 6.34 (m, 1H), 4.93 - 4.41 (m, 3H), 3.55 (7重線, J = 6.2 Hz, 1H), 1.14 (d, J= 6.3 Hz, 6H); 19F NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -132.8;(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、247.0 (M+H)+
【0918】
工程3:(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (A−17)(200.0g、809.4mmol)および(2R)−2−ヒドロキシプロパン酸(605.1g、6.72mol)の混合物を25℃から85℃に加熱し、次いで85℃で16時間撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)、R = 0.5、UV254)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を25℃に冷却し、EtOAc(1L)およびHO(1L)で希釈した。混合物を水性NaOH(50%、〜300mL)でpH約8〜9に塩基性化し、氷浴で冷却することにより内部温度を30℃未満で維持した。混合物を分離し、水層をEtOAc(2×1L)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物にMTBE(400mL)および石油エーテル(200mL)を添加した。沈殿が形成された。結果として生じたスラリーを25℃で1時間撹拌した。スラリーを濾過し、フィルターケーキを石油エーテル(2×80mL)で洗浄した。フィルターケーキを真空中で乾燥させると、(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)(150g、収率62%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.80 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 5.17 - 5.00 (m, 2H), 1.63 - 1.49 (m, 9H)。
【0919】
工程4:(1R)−1−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−18)の合成
(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−40)(150.0g、498.1mmol)、BPin(164.4g、647.5mmol)、PdCl(dppf)(18.2g、24.9mmol)およびKOAc(146.6g、1.49mmol)の1,4−ジオキサン(1.2L)中における撹拌混合物を、25℃から90℃まで加熱した。反応混合物をN下で90℃において3時間撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル、R = 0.46、UV254)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を25℃に冷却し、HO(800mL)で停止した。混合物を真空中で濃縮して1,4−ジオキサンを除去した。残留物を濾過し、フィルターケーキをEtOAc(2×100mL)で洗浄した。濾液をEtOAc(2×800mL、400mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:5 EtOAc/石油エーテル − 100% EtOAc)により精製すると、(1R)−1−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−18)(160g、収率92%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.73 (s, 1H), 7.35 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.17 (5重線, J = 6.4 Hz, 1H), 4.95 (sept, J = 7.0 Hz, 1H), 4.10 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 1.70 - 1.63 (m, 9H), 1.36 (s, 12H);(C1826BFN)に関するm/z (ESI+)、348.9 (M+H)+
【0920】
工程5:(1R)−1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−19)の合成
この変換は、2つの並行するバッチで実施された。(1R)−1−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−18)(80g、230mmol)、2,4,5−トリクロロピリミジン(54.7g、299mmol)、Pd(PPh(26.5g、22.9mmol)およびKCO(63.5g、459mmol)の1,4−ジオキサン(600mL)およびHO(250mL)中における撹拌混合物に、Nを注入してかき混ぜた。混合物をN下で90℃で3時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を室温に冷却し、HO(500mL)で希釈した。2つの並行する反応を合わせ、濃縮して1,4−ジオキサンを除去した。残留物を濾過し、フィルターケーキをEtOAc(2×150mL)で洗浄した。混合物を分離した。有機層をブライン(2L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:5 EtOAc/石油エーテル → 100% EtOAc)により精製した。生成物を含有する画分を約400mLまで濃縮し、結果として沈殿が生じた。固体を濾過により集めた。フィルターケーキを石油エーテル(200mL)で洗浄し、真空中で乾燥させると、(1R)−1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−19)(70g、収率39%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.68 (s, 1H), 7.98 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 1.3, 11.3 Hz, 1H), 5.19 (5重線, J = 7.0 Hz, 1H), 4.96 (sept, J = 6.8 Hz, 1H), 3.11 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 1.75 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.71 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1615ClFNO)に関するm/z (ESI+)、368.8 (M+H)+
【0921】
工程6:(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A93)の合成
この変換は、2つの並行するバッチで実施された。(1R)−1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−19)(50g、135mmol)および(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)のDMSO(350mL)中における撹拌溶液に、DIPEA(85.7g、664mmol)を添加した。反応混合物を60℃で56時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。2つの並行する反応を合わせ、セライトのパッドを通して濾過した。濾液を撹拌している飽和水性NaHCO(2L)中に注いだ。混合物をDCM(3×2L)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc(2L)中で溶解させた。スルフヒドリルシリカゲル(Accela、20g、0.7〜1.4mmol/g)を添加し、その混合物を30℃で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:10 EtOAc/石油エーテル → 100% EtOAc)により精製した。生成物をEtOH(200mL)およびHO(800mL)中で溶解させ、次いで濃縮してEtOHを除去した。水溶液を凍結乾燥により乾燥させた。固体を真空下で50℃において48時間乾燥させると、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例A93)(95g、収率67%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, 80℃, DMSO-d6) δ 8.40 (s, 1H), 7.99 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.42 (dd, J = 11.8, 1.3 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.50 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 5.23 (7重線, J = 6.9 Hz, 1H), 5.16 - 5.07 (m, 1H), 4.97 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 3.88 - 3.77 (m, 1H), 3.73 - 3.62 (m, 2H), 3.58 - 3.52 (m, 1H), 2.94 - 2.86 (m, 4H), 2.76 - 2.68 (m, 1H), 2.17 - 2.08 (m, 1H), 1.69 - 1.54 (m, 10H);(C2228ClFNS)に関するm/z (ESI+)、526.8 (M+H)+;[α]D22= -11.4 (c=0.1、MeOH)。
【0922】
実施例A94 (スキームA−15):1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームA−15:
【0923】
【化101】
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【0924】
工程1:5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)の合成
この反応は、3つの並行するバッチにおいて実施された。5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (A−15)(166g、697mmol)のTHF(1.7L)中における撹拌溶液に、i−PrNH(41.2g、697mmol)およびCsCO(455g、1.40mol)を15〜30℃で添加した。添加の際に発熱が検出された。反応混合物を30℃で6時間撹拌した。TLC分析(100% 石油エーテル、UV254、R = 0.35)は、出発物質の消費を示した。3つの反応バッチを合わせた。合わせた混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜2% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(420g、収率72%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.09 - 7.00 (m, 2H), 6.90 (dd, J = 11.1, 2.0 Hz, 1H), 3.94 - 3.84 (m, 1H), 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 6H);(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、276.1 (M+H)+
【0925】
工程2:5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (A−17)の合成
この反応は、2つの並行するバッチにおいて実施された。5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(210g、758mmol)のMeOH(1.8L)中における撹拌溶液に、HO(0.9L)中のNHCl(81.1g、1.52mol)およびFe粉末(212g、3.79mol)を15℃で添加した。結果として得られた混合物を68℃(内部温度)に加熱し、同じ温度で8時間撹拌した。TLC分析(10% EtOAc/石油エーテル、UV254、R = 0.8)は、出発物質の消費を示した。2つの反応バッチを室温まで冷却し、合わせた。2つの反応混合物を合わせ、濾過した。フィルターケーキをMeOH(3×500mL)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮してMeOHのほとんどを除去した。結果として生じた水性混合物をEtOAc(3×1L)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2×800mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(A−17)(350g、収率88%)が紫色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.55 (dd, J = 10.0, 2.1 Hz, 1H), 6.38 - 6.34 (m, 1H), 4.93 - 4.41 (m, 3H), 3.55 (7重線, J = 6.2 Hz, 1H), 1.14 (d, J= 6.3 Hz, 6H);19F NMR (377 MHz、DMSO-d6) δ -132.8;(C12BrFN)に関するm/z (ESI+)、246.6 (M+H)+
【0926】
工程3:(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−20)の合成
2Lの三つ口丸底フラスコに、(2R)−2−ヒドロキシプロパン酸(951g、9.71mol)を15℃で添加し、化合物を85℃(内部温度)に加熱した。その撹拌溶液に、85℃で5−ブロモ−3−フルオロ−N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン (A−17)(300g、1.21mol)を一部ずつ添加した。結果として得られた混合物を、85℃(内部温度)で40時間撹拌すると、紫色の反応溶液が得られた。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル、UV254、R = 0.8)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を室温に冷却し、THF(1.5L)で希釈した。混合物を氷水浴冷却を用いて10〜15℃において飽和水性LiOHでpH約8に調整した。混合物をMTBE(3×1.5L)で抽出した。有機層を合わせてブライン(2×800mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮すると、(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−18)(330g、収率90%)が褐色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに次の工程に用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.80 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.27 (dd, J = 10.1, 1.5 Hz, 1H), 5.74 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 5.17 - 5.00 (m, 2H), 1.63 - 1.49 (m, 9H);19F NMR (376 MHz、DMSO-d6) δ -126.3;(C1214BrFNO)に関するm/z (ESI+)、302.6 (M+H)+
【0927】
工程4:1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−20)の合成
化合物(1R)−1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (Int−20)(365g、1.21mol)のCHCl(3L)中における撹拌溶液に、活性化MnO(738g、8.48mol)を室温で添加した。反応混合物を58℃(内部温度)に加熱し、同じ温度で16時間撹拌した。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル、UV254、R = 0.3)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過した。フィルターケーキをEtOAc(3×500mL)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜30% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−20)(362g、収率99%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.54 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 9.5, 1.5 Hz, 1H), 5.82 (7重線, J = 7.0 Hz, 1H), 2.79 (s, 3H), 1.56 (d, J = 7.0 Hz, 6H); 19F NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -124.1;(C1212BrFNO)に関するm/z (ESI+)、300.6 (M+H)+
【0928】
工程5:2−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−21)の合成
この反応は、2つの並行するバッチにおいて実施された。1−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−20)(165g、552mmol)のTHF(1.7L)中における溶液を脱気し、Nで3回パージした。撹拌溶液を、氷−ブライン浴冷却を用いて0〜5℃(内部温度)に冷却し、MeMgBr(EtO中3.0M、221mL)の溶液を滴加した。添加の間、紫色の溶液は灰色のスラリーに変わった。結果として得られた混合物を、氷−ブライン浴冷却を用いて0〜5℃で3時間撹拌した。TLC分析(20% EtOAc/石油エーテル、UV254、R = 0.8)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を氷−ブライン浴冷却を用いて0〜5℃でゆっくりと飽和水性NHCl(400mL)で停止し、次いで室温で1時間撹拌した。2つの反応バッチを合わせ、EtOAc(1L)で希釈した。有機層を分離した。水層をEtOAc(2×1L)で抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−21)(316g、収率91%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.49 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 9.7, 1.5 Hz, 1H), 5.45 (7重線, J = 7.0 Hz, 1H), 2.87 (s, 1H), 1.77 (s, 6H), 1.63 (d, J = 7.0 Hz, 6H);19F NMR (377 MHz、DMSO-d6) δ -126.3;(C1316BrFNO)に関するm/z (ESI+)、314.7 (M+H)+
【0929】
工程6:2−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−22)の合成
3Lの三つ口丸底フラスコに、2−[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−21)(300g、952mmol)、BPin(290g、1.14mol)、Pd(dppf)Cl(34.8g、47.6mmol)、KOAc(280g、2.86mol)および1,4−ジオキサン(2L)を入れた。反応混合物を脱気し、Nで3回パージした。反応混合物を90℃(内部温度)に加熱し、この温度で3時間撹拌すると、橙色のスラリーが得られた。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル、UV254、R = 0.4)は、出発物質の消費を示した。反応混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液をEtOAc(2L)で希釈し、ブライン(2×1L)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、10〜50% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、2−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−22)(210g、収率61%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3 ) δ 7.77 (s, 1H), 7.34 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.41 (7重線, J = 6.9 Hz, 1H), 3.10 (s, 1H), 1.79 (s, 6H), 1.69 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.36 (s, 12H); 19F NMR (377 MHz, DMSO-d6) δ -129.5;(C1316FNO)に関するm/z (ESI+)、362.9 (M+H)+
【0930】
工程7:2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)の合成
この反応は、2つの並行するバッチにおいて実施された。化合物2−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−22)(100g、276mmol)およびNaCO(87.8g、828mmol)の1,4−ジオキサン(1L)およびHO(300mL)中における混合物に、2,4,5−トリクロロピリミジン(67.2g、359mmol)を添加した。混合物を脱気し、Nで3回パージした。Pd(PPh(31.9g、27.6mmol)を添加し、その混合物を脱気し、Nで3回パージした。反応混合物を100℃で予熱した油浴中に置き、90℃(内部温度)で24時間撹拌した。LCMSは、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を室温に冷却した。2つの反応混合物を合わせた。合わせた混合物を濾過し、真空下で濃縮して1,4−ジオキサンを除去した。残留物をEtOAc(1L)で希釈し、有機層を収集した。水層をEtOAc(3×1L)で抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:5 石油エーテル/DCM中0〜50% EtOAc)により精製した。生成物を含有する画分を真空下で約200mLに濃縮し、同時に白色固体が沈殿した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキを石油エーテル(2×300mL)で洗浄した。フィルターケーキを集め、真空下で乾燥させると、2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)(112g)が得られた。濾液を濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、1:5 石油エーテル/DCM中0〜50% EtOAc)により再精製した。生成物を含有する画分を真空下で約50mLまで濃縮し、追加の生成物が沈殿した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキを石油エーテル(2×100mL)で洗浄した。フィルターケーキを集め、真空下で乾燥させると、2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)(41g)の追加のバッチが得られた。生成物のバッチを合わせて、2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)(153g、収率71%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.01 (s, 1H), 8.06 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 11.5, 1.3 Hz, 1H), 5.85 - 5.72 (m, 2H), 1.67 (s, 6H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H); 19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -128.2;(C1717ClFNO)に関するm/z (ESI+)、383.0 (M+H)+
【0931】
工程8:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A94)の合成
2Lの三つ口丸底フラスコに、2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)(112g、292mmol)、3−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール 塩酸塩(51.6g、336mmol)およびMeCN(1.1L)を入れた。DIPEA(132g、1.02mol、178mL)を室温で添加した。反応混合物を80℃(内部温度)に加熱し、同じ温度で40時間撹拌すると、褐色の溶液が得られた。LCMS分析は、残留する出発物質を示した。追加の3−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール 塩酸塩(6.73g、43.8mmol)を80℃(内部温度)で添加し、反応を80℃(内部温度)でさらに10時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮した。残留物を1:1 EtOAc/HO(1.5L)中で溶解させた。いくらかの固体が沈殿した。EtOH(100mL)を添加した。有機層を集め、水層をEtOAc(2×500mL)で抽出した。有機層を合わせてHO(2×300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した。濾液にスルフヒドリルシリカゲル(Accela、8g、0.7〜1.4mmol/g)を添加した。結果として得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いでセライトのパッドを通して濾過した。スルフヒドリルシリカゲルによる処理を同一の様式で繰り返し、濾液を濃縮して乾燥させた。粗製の残留物をMeCN(500mL)中で室温において16時間スラリー化した。懸濁液を濾過し、フィルターケーキをMeCN(2×100mL)で洗浄した。フィルターケーキを再度MeCN(300mL)で室温において6時間スラリー化した。混合物を濾過し、フィルターケーキをMeCN(2×100mL)で洗浄した。フィルターケーキを集め、真空下で乾燥させ、次いで乾燥オーブン中で乾燥させると(45℃で20時間、50℃で64時間)、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例A94)(90g、収率66%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, 80℃, DMSO-d6) δ 8.38 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.43 (d, J = 11.8 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.80 (7重線, J = 7.0 Hz, 1H), 5.56 (s, 1H), 4.71 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 3.91 - 3.79 (m, 3H), 3.61 - 3.52 (m, 1H), 3.41 - 3.31 (m, 1H), 3.12 - 3.07 (m, 1H), 2.09 - 2.00 (m, 1H), 1.70 (s, 6H), 1.67 - 1.52 (m, 7H); 19F NMR (377 MHz, CDCl3) δ -127.2;(C2227ClFN)に関するm/z (ESI+)、464.2 (M+H)+;[α]D22= -12.6 (c=0.2、MeOH)。
【0932】
スキームA−16の代わりの2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)の調製
【0933】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0934】
工程1:1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−19)の合成
(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (A−19)(3.86g、10.5mmol)のDMSO(130mL)中における溶液に、EtN(10.6g、105mmol)を添加した。三酸化硫黄ピリジン錯体(10g、62.7mmol)を添加し、混合物を周囲温度で撹拌した。4時間後、LCMS分析は、約10%の残留する出発物質を示した。追加の三酸化硫黄ピリジン錯体(4.7g)を添加した。1時間後、LCMS分析は、出発物質の消費を示した。混合物をHOおよびEtOAcの間で分配した。水層をEtOAc(3×)で抽出した。有機層を合わせてHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80g SiO、10〜40% EtAOc/ヘプタン)により精製すると、1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−24)(3.1g、収率80%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.06 (s, 1H), 8.20 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.55 (dd, J = 11.4, 1.3 Hz, 1H), 5.77 (7重線, J = 7.1 Hz, 1H), 2.79 (s, 3H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1613ClFNO)に関するm/z (APCI)、366.8 (M+H)+
【0935】
工程2:2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)の合成
1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (A−24)(3.1g、8.7mmol)のTHF(87mL)中における溶液を、Nの雰囲気下で0℃に冷却した。臭化メチルマグネシウムの溶液(EtO中3.0M、4.0mL、12mmol)を滴加した。混合物を0℃で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を飽和水性NHClで停止し、EtOAcおよびHOの間で分配した。水層をEtOAc(2×)で抽出した。有機性物質を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、80g SiO、20〜60% EtOAc/ヘプタン)により精製すると、2−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]プロパン−2−オール (A−23)(3.11g、収率93%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.01 (s, 1H), 8.06 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.41 (dd, J = 11.5, 1.3 Hz, 1H), 5.85 - 5.72 (m, 2H), 1.67 (s, 6H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H);(C1717ClFNO)に関するm/z (APCI)、382.8 (M+H)+
【0936】
実施例B1 (スキームB):4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−5−カルボニトリルの調製
スキームB:
【0937】
【化103】
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【0938】
工程1:4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−1)の合成
4−クロロ−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−5−カルボニトリル(150mg、0.808mmol)、4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)(257mg、0.808mmol)およびKCO(335mg、2.42mmol)の1,4−ジオキサン(15.0mL)およびHO(2.1mL)中における混合物に、Pd(t−BuP)(41.3mg、0.0808mmol)を添加した。反応にNを注入してかき混ぜ、次いで80℃で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を、85.7mgの4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)を用いて同一の様式で行われた第2反応と合わせた。混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、HO(5mL)で洗浄した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、SiO、1:1 石油エーテル/EtOAc)により精製すると、4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−1)(280mg、収率76%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.78 (s, 1H), 8.31 - 8.22 (m, 1H), 7.82 - 7.72 (m, 1H), 2.71 (s, 3H), 2.69 (s, 3H), 2.67 - 2.64 (m, 1H), 1.72 (d, J = 6.8 Hz, 6H);(C1716FNS)に関するm/z (ESI)、342.0 (M+H)+
【0939】
工程2:4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メタンスルフィニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−2)の合成
4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−1)(200mg、0.586mmol)のTHF(9.0mL)およびHO(4.5mL)中における溶液に、オキソン(540mg、0.879mmol)を10℃で添加した。結果として生じた混合物を、同じ温度で1.5時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を、80mgの4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メチルスルファニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−1)を用いて同一の様式で行われた並行する反応と合わせた。合わせた溶液をEtOAc(20mL)で希釈し、ブライン(10mL)で洗浄した。水層をEtOAc(4×10mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メタンスルフィニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−2)(250mg、収率85%)が灰白色固体として得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。(C1716FNOS)に関するm/z (ESI)、358.3 (M+H)+
【0940】
工程3:4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−5−カルボニトリル (実施例B1)の合成
4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−(メタンスルフィニル)ピリミジン−5−カルボニトリル (B−2)(120mg、0.336mmol)および(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)のTHF(15.0mL)中における混合物に、NaCO(71.2mg、0.672mmol)を添加した。結果として生じた混合物を、65℃で12時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、HO(10mL)で洗浄した。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取TLC(SiO、10:1 DCM/MeOH、R = 0.55)により精製した。物質をさらにYMC−Actus Triart C18カラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを8〜48% MeCN/HO(+0.225%ギ酸)で溶離すると、4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−5−カルボニトリル (実施例B1)(50mg、収率31%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.82 - 8.74 (m, 1H), 8.43 - 8.32 (m, 1H), 8.21 - 8.11 (m, 1H), 7.59 - 7.48 (m, 1H), 5.35 - 5.28 (m, 1H), 4.88 - 4.76 (m, 1H),4.05 - 3.90 (m, 1H), 3.70 - 3.59 (m, 2H), 3.56 - 3.47 (m, 1H), 2.91 - 2.81 (m, 4H), 2.71 - 2.59 (m, 4H), 2.10 - 1.95 (m, 1H), 1.65 - 1.51 (m, 7H);(C2327FNS)に関するm/z (ESI)、488.1 (M+H)+
【0941】
下の表の実施例は、4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−5−カルボニトリル (実施例B1)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0942】
【表15】
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【0943】
実施例C1 (スキームC−1):(3R,4R)−4−({4−[5−クロロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームC−1:
【0944】
【化104】
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【0945】
工程1:2−クロロ−4−(2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロフェニル)−5−フルオロピリミジン (C−2)の合成
1−ブロモ−2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロベンゼン (C−1)(0.5g、1.97mmol)の1,4−ジオキサン(10.0mL)中における溶液に、KOAc(579mg、5.9mmol)およびBPin(749mg、2.95mmol)を添加した。混合物にNを注入してかき混ぜ、次いでPdCl(dppf)を添加した。混合物を、マイクロ波照射を用いて70℃で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費とボロン酸エステルへの変換を示した。混合物に2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン、水性NaCO(2.0M、2.95mL)およびPdCl(dppf)(80mg、0.1mmol)を添加した。混合物を、マイクロ波照射を用いて50℃で2時間撹拌した。LCMS分析は、ボロン酸エステルの消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を、100mgの1−ブロモ−2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロベンゼン (C−1)を用いて同一の様式で行われた並行する反応と合わせた。合わせた混合物をEtOAcおよびHOの間で分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、SiO上に濃縮した。粗製の物質をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、0〜30% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、2−クロロ−4−(2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロフェニル)−5−フルオロピリミジン (C−2)(120mg、収率20%)が灰白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 9.19 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 11.0 Hz, 1H);(C10Cl)に関するm/z (ESI)、304.7 (M+H)+
【0946】
工程2:5−クロロ−6−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (C−3)の合成
2−クロロ−4−(2−クロロ−5−フルオロ−4−ニトロフェニル)−5−フルオロピリミジン (C−2)(55mg、0.018mmol)およびi−PrNH(0.016mL、0.018mmol)のDMSO(1mL)中における混合物を、マイクロ波照射を用いて50℃で1.5時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。室温に冷却した後、混合物をEtOH(0.5mL)で希釈し、アセトアルデヒド(39.6mg、0.05mL、0.899mmol)およびNa(156mg、0.899mmol)で処理した。混合物を80℃で16時間一夜撹拌した。LCMS分析は、所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濃縮してEtOHを除去した。残留しているDMSO中の溶液を、飽和水性NaHCOに滴加した。結果として生じた黄色固体を濾過により集め、HOで洗浄した。固体をDCM/MeOH中に溶解させ、濃縮すると、5−クロロ−6−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (C−3)(28mg、収率46%)が得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.05 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 4.79 (spt, J = 6.8 Hz, 1H), 2.62 (s, 3H), 1.55 (d, J = 7.0 Hz, 6H)。(C10Cl)に関するm/z (ESI)、304.7 (M+H)+
【0947】
工程3:(3R,4R)−4−({4−[5−クロロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例C1)の合成
5−クロロ−6−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (C−3)(28mg、0.083mmol)のTHF(1.0mL)中における溶液に、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(24.1mg、0.124mmol)およびCsCO(81mg、0.25mmol)を添加した。混合物にNを注入してかき混ぜ、次いでPd(OAc)(3.71mg、0.0165mmol)およびrac−BINAP(10mg、0.0165mmol)を添加した。混合物を80℃に一夜加熱した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をEtOAcおよびHOの間で分配した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をHA−モルホリンカラム(150×21.1mm、5μm粒径、35℃カラム温度)を用いる分取SFCにより精製し、それを10〜50% MeOH/COで、80g/分の流速で溶離した。物質をNacalai Cosmosil 3−ヒドロキシフェニルカラム(150×20mm、5μm粒径、35℃カラム温度)を用いる分取SFCにより再精製し、それを12〜50% MeOH/COで、80g/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({4−[5−クロロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−フルオロピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例C1)(16mg、収率38%)が固体として得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6, 75 ℃) δ 8.35 - 8.33 (m, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 6.84 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 4.78 - 4.72 (m, 1H), 2.86 - 2.81 (m, 4H), 2.69 - 2.63 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.14 - 2.09 (m, 1H), 1.59 - 1.43 (m, 7H);4つのプロトンが残留する溶媒のピークにより不明瞭。(C2126ClFNS)に関するm/z (ESI)、496.9 (M+H)+
【0948】
実施例C2 (スキームC−2):1,5−アンヒドロ−3−({4−[2−(アゼチジン−3−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−クロロピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームC−2:
【0949】
【化105】
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【0950】
(C−4)(実施例C1におけるように調製された、155.0mg、0.22mmol)、3−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール(49.8mg、0.324mmol)およびDIPEA(126mg、0.173mmol、0.973mmol)のDMSO(2mL)中における溶液を、80℃に16時間一夜加熱した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をSiO上に直接装填し、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製した。生成物を含有する画分を濃縮し、DCM(5mL)中に溶解させ、HClの溶液(1,4−ジオキサン中4.0N、1.0mL)で処理した。15分後、LCMS分析は、所望の生成物への変換を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をChiralPak ICカラム(21×250mmカラム、10μm粒径、35℃カラム温度)を用いる分取SFCにより精製し、それを60% MeOH/CO(+10mM NH)で、82mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−({4−[2−(アゼチジン−3−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]−5−クロロピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例C2)(72mg、収率72%)が固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6, 80 ℃) δ 8.39 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.45 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.78 - 4.58 (m, 2H), 4.39 - 4.29 (m, 1H), 4.15 - 3.99 (m, 2H), 3.92 - 3.77 (m, 5H), 3.66 - 3.52 (m, 2H), 3.39 - 3.31 (m, 1H), 2.09 - 1.97 (m, 1H), 1.64 - 1.53 (m, 7H);(C2226ClFN)に関するm/z (ESI)、461.1 (M+H)+
【0951】
実施例D1 (スキームD−1):(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームD−1:
【0952】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0953】
工程1:(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (D−2)の合成:
(1S)−1−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (D−1)(実施例A1におけるように調製された、650mg、1.87mmol)のHO(2.0mL)および1,4−ジオキサン(7.0mL)中における溶液に、2,5−ジクロロ−4−ヨードピリジン(562mg、2.05mmol)、NaCO(396mg、3.73mmol)およびPd(PPh(216mg、0.187mmol)を添加した。反応混合物をNの雰囲気下で90℃で撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、2:1 石油エーテル/EtOAc)により精製すると、(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (D−2)(490mg、収率71%)が淡黄色固体として得られた。(C1716ClFNO)に関するm/z (ESI+)、368.0 (M+H)+
【0954】
工程2:(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例D1)の合成:
(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (D−2)(390mg、1.06mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(411mg、2.12mmol)、CsCO(1.04g、3.18mmol)およびBrettphos−Pd−G3(96mg、0.106mmol)の1,4−ジオキサン(4.0mL)およびDMF(2.0mL)中における不均一な混合物に、Nを3分間注入してかき混ぜ、次いで110℃で4時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、0〜15% MeOH/EtOAc)により精製し、次いでXtimate C18カラム(250×80mm、10μm粒径)を用いる分取HPLCにより再精製し、それを30〜50% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離した。HPLC分析は、鏡像異性体純度のいくらかの衰え(erosion)(93%ee)を見出した。物質をDiacel Chiralpak AD−Hカラム(250×30mm、5μm粒径)を用いるキラル分取SFCにより再精製し、それを45% IPA/CO(+0.1% NH)で、50mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例D1)(40.1mg、収率7%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6 + D2O) δ 7.99 (br s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.07 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 6.62 (s, 1H), 5.13 - 5.02 (m, 2H), 3.70 - 3.66 (m, 1H), 3.65 -3.45 m, 3H), 2.85 - 2.80 (m, 4H), 2.70 - 2.62 (m, 1H), 2.05 2.00 (m, 1H), 1.59 - 1.4 (m, 10H);(C2329ClFNS)に関するm/z (ESI+)、525.8 (M+H)+
【0955】
実施例D2 (スキームD−2):1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームD−2:
【0956】
【化107】
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【0957】
(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (D−3)(実施例D1におけるように調製された、680mg、1.85mmol)、3−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール(324mg、2.77mmol)、BINAP(92mg、0.148mmol)、t−BuONa(532mg、5.54mmol)およびPd(dba)(84.6mg、0.092mmol)のPhMe(15.0mL)中における懸濁液に、Nを注入して3分間かき混ぜ、次いで110℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、40g SiO、0〜20% MeOH/EtOAc)により精製した。物質をXtimate C18カラム(250×80mm、10μm粒径)を用いる分取HPLCにより再精製し、それを30〜50% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例D2)(67mg、収率8%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (s, 1H), 7.58 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.07 (dd, J = 11.5, 1.3 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.65 (s, 1H), 5.74 (d, J = 6.5 Hz, 1H), 5.24 - 5.01 (m, 3H), 3.84 - 3.71 (m, 3H), 3.08 (dd, J = 9.5, 10.8 Hz, 1H), 2.06 - 1.98 (m, 1H), 1.64 - 1.55 (m, 9H), 1.44 - 1.33 (m, 1H);2つの水素は残留する溶媒のピークにより不明瞭;(C2226ClFN)に関するm/z (ESI+)、449.1 (M+H)+
【0958】
下の表の実施例は、1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例D2)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0959】
【表16】
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【0960】
実施例D4 (スキームD−3):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]ピリジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームD−3:
【0961】
【化108】
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【0962】
(D−4)(実施例D1におけるように調製された、78mg、0.24mmol)、(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(41mg、0.27mmol)、Pd(OAc)(3.4mg、0.015mmol)およびrac−BINAP(9.45mg、0.73mmol)の溶液にホスファゼン塩基P−Etを添加すると、明るい橙色の反応溶液が得られた。混合物にNを注入してかき混ぜ、次いで110℃で16時間一夜撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。残留物をZymorSPHER HADPカラム(150×21.1mm、5μm粒径、35℃カラム温度)を用いる分取SFCにより精製し、それを12〜50% MeOH/COで、80g/分の流速で溶離した。物質をPhenomenex Gemini−NX C18カラム(150×21mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより再精製し、それを15〜70% MeCN/HO(+10nM NHOAc)で、40mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]ピリジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例D4)(20mg、収率21%)が固体として得られた。1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 8.08 (s, 1H), 8.00 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.81 (s, 1H), 5.28 - 5.24 (m, 1H), 4.82 (7重線, J = 6.7 Hz, 1H), 3.80 - 3.73 (m, 1H), 3.61 - 3.52 (m, 2H), 3.49 - 3.44 (m, 1H), 2.95 - 2.87 (m, 4H), 2.72 (dd, J = 11.4, 8.7 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.15 - 2.10 (m, 1H), 1.67 (dd, J = 6.8, 1.6 Hz, 6H), 1.48 - 1.40 (m, 1H);(C2127ClNS)に関するm/z (APCI+)、478.9 (M+H)+
下の表の実施例は、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[2−メチル−3−(プロパン−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]ピリジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例D4)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0963】
【表17】
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【0964】
実施例D6 (スキームD−4):(3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}ピペリジン−3−オールの調製
スキームD−4:
【0965】
【化109】
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【0966】
tert−ブチル (3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (D−5)(実施例D1におけるように調製された、3.4g、5.9mmol)のDCM(20.0mL)中における溶液に、HClの溶液(EtOAc中1.0M、50mL)を添加した。18時間後、LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を濃縮して乾燥させた。固体をHO(50mL)中で溶解させ、EtOAc(50mL)で洗浄した。水層を凍結乾燥させると、(3R,4R)−4−{[4−(1−tert−ブチル−4−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−6−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}ピペリジン−3−オール 塩酸塩(実施例D6)(2.7g、収率99%)が黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 9.35 (s, 1H), 8.12 (d, J = 0.6 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.56 (dd, J = 10.3, 1.2 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 4.02 - 3.92 (m, 2H), 3.63 - 3.48 (m, 2H), 3.17 (td, J = 12.9, 3.3 Hz, 1H), 3.05 (dd, J = 12.7, 9.8 Hz, 1H), 2.42 - 2.34 (m, 1H), 1.98 - 1.79 (m, 10H);(C2125ClFNO)に関するm/z (ESI+)、418.2 (M+H)+
【0967】
実施例E1 (スキームE−1):(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームE−1:
【0968】
【化110】
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【0969】
工程1:(1S)−1−[6−(2,5−ジクロロピリジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (E−1)の合成:
5−クロロ−2−フルオロ−4−ヨードピリジン(200mg、0.78mmol)、(3S,4S)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)(181mg、0.93mmol)およびDIPEA(301mg、0.415mL、2.33mmol)のDMSO(3.9mL)中における溶液を、100℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をSiO上に直接装填し、フラッシュクロマトグラフィー(ISCO、12g SiO、0〜100% EtOAc/ヘプタン類)により精製すると、(3S,4S)−4−[(5−クロロ−4−ヨードピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (E−1)(147mg、収率44%)がゴム状物質として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 4.85 - 4.73 (m, 1H), 4.01 - 3.90 (m, 1H), 3.85 - 3.74 (m, 1H), 3.67 - 3.58 (m, 2H), 3.44 (p, J= 6.7 Hz, 1H), 2.83 (s, 3H), 2.77 (dd, J= 12.2, 2.8 Hz, 1H), 2.68 - 2.52 (m, 1H), 2.14 - 2.08 (m, 1H), 1.75 - 1.56 (m, 1H);(C1115ClINS)に関するm/z (ESI+)、431.8 (M+H)+
【0970】
工程2:(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例E1)の合成:
(3S,4S)−4−[(5−クロロ−4−ヨードピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (E−1)(147mg、0.341mmol)の1,4−ジオキサン(4.7mL)中における溶液に、4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (A−1)(108mg、0.341mmol)、水性NaCO(2.0M、0.51mL)、PdCl(PPh(12mg、0.017mmol)およびHO(0.4mL)を添加した。混合物を95℃で5時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をセライトを通して濾過し、濃縮した。物質をDCPak SFC−Bカラム(150×21.2mm、5μm粒径、カラム温度35℃)を用いる分取SFCにより精製し、それを25〜35% MeOH/COで、62mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例E1)(66mg、収率39%)が白色固体として得られた。1H NMR (700 MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.03 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 5.29 (br. s, 1H), 4.83 - 4.76 (m, 1H), 3.78 - 3.71 (m, 1H), 3.60 - 3.50 (m, 2H), 3.48 - 3.41 (m, 1H), 2.95 - 2.87 (m, 4H), 2.74 - 2.68 (m, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.14 - 2.09 (m, 1H), 1.56 (d, J= 6.8 Hz, 6H), 1.46 - 1.39 (m, 1H);(C2227ClFNS)に関するm/z (APCI)、495.9 (M+H)+
【0971】
実施例F1 (スキームF−1):メチル (3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレートの調製
スキームF−1:
【0972】
【化111】
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【0973】
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール (実施例A37)(スキームA−1におけるように調製された、50mg、0.12mmol)およびTEA(18.9mg、0.186mmol)のDCM(3.0mL)中における溶液に、0℃においてクロロギ酸メチル(11.7mg、0.124mmol)を滴加した。反応を室温で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液を濃縮した。残留物をHO(20mL)およびEtOAc(20mL)の間で分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、50mgの(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール (実施例A37)を用いて同一の様式で行われた並行する反応から得られた第2バッチと合わせた。混合物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを22〜72% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、メチル (3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (実施例F1)(48mg、収率42%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.13 (br s, 1H), 7.61 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 4.87 - 4.75 (m, 1H), 4.08 - 3.75 (m, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.51 - 3.45 (m, 1H), 3.01 - 2.67 (m, 2H), 2.63 (s, 3H), 2.10 - 1.92 (m, 1H), 1.59 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.45 -1.30 (m, 1H);(C2226)に関するm/z (ESI)、461.4 (M+H)+
【0974】
下の表中の実施例は、メチル (3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート (実施例F1)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。必要であれば、単一の鏡像異性体を得るために、鏡像異性体の分離が、当該技術で知られている標準的な方法、例えばキラルSFCまたはHPLCの下で実施された。
【0975】
【表18】
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【0976】
実施例F4 (スキームF−2):(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−メチルピペリジン−3−オールの調製
スキームF−2:
【0977】
【化112】
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【0978】
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール (実施例A37)(スキームA−1におけるように調製された、50mg、0.12mmol)のMeOH(3mL)中における溶液に、パラホルムアルデヒド(100mg、1.11mmol)およびNaBHCN(100mg、1.59mmol)を添加した。結果として生じた溶液を、室温で30分間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。溶液を濾過し、濾液を50mgの(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−メチルピペリジン−3−オール (実施例A37)を用いて同一の様式で行われた並行する反応と合わせ、濃縮した。残留物をAgela Durashell C18カラム(150×20mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを0〜38% MeCN/HO(0.225%ギ酸)で、25mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−メチルピペリジン−3−オール ギ酸塩(実施例F4)(60.2mg、収率58%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (d, J= 4.1 Hz, 1H), 8.21 - 8.13 (m, 2H), 7.61 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 5.22 - 4.57 (m, 2H), 3.65 - 3.52 (m, 2H), 2.99 - 2.88 (m, 1H), 2.81 - 2.72 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.24 (s, 3H), 2.08 - 1.85 (m, 3H), 1.64 - 1.42 (m, 7H);(C2126O)に関するm/z (ESI)、417.1 (M+H)+
【0979】
下の表中の実施例は、(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−メチルピペリジン−3−オール (実施例F4)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0980】
【表19-1】
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【0981】
【表19-2】
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【0982】
実施例F8 (スキームF−3):(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(エタンスルホニル)ピペリジン−3−オールの調製
スキームF−3:
【0983】
【化113】
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【0984】
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール (F−1)(スキームA−1におけるように調製された、70mg、0.152mmol)およびNaHCO(204mg、2.43mmol)のEtOAc(1.0mL)およびHO(1.0mL)中における混合物を、0℃に冷却した。塩化エタンスルホニル(20.8mg、0.162mmol)のEtOAc(1.0mL)中における溶液を10分間の期間をかけて滴加した。反応を0℃で16時間撹拌した。LMCS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応層を分離した。水層をEtOAc(3×10mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを28〜48% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(エタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例F8)(7mg、収率8%)が白色固体として得られた。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 8.61 ( br. s, 1H), 8.36 (s, 1H), 7.70 - 7.55 ( br. m, 1H), 5.81 - 5.72 (m, 1H), 5.30 - 5.25 (m, 2H), 5.22 - 5.17 (m, 2H), 3.96 - 3.90 (m, 1H), 3.88 - 3.82 (m, 1H), 3.73 - 3.66 (m, 2H), 3.11 - 3.03 (m, 2H), 3.02 - 2.95 (m, 1H), 2.83 - 2.77 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.26 - 2.17 (m, 1H), 1.68 - 1.58 (m, 1H), 1.39 - 1.27 (m, 3H);(C2226ClFNS)に関するm/z (ESI)、525.3 (M+H)+
【0985】
下の表中の実施例は、(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(オキセタン−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(エタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (実施例F8)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴なって合成された。必要であれば、単一の鏡像異性体を得るために、鏡像異性体の分離が、当該技術で知られている標準的な方法、例えばキラルSFCまたはHPLCの下で実施された。
【0986】
【表20-1】
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【0987】
【表20-2】
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【0988】
【表20-3】
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【0989】
実施例F16 (スキームF−4):1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]エタン−1−オンの調製
スキームF−4:
【0990】
【化114】
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【0991】
(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール トリフルオロアセテート (実施例A37)(300mg、0.581mmol)およびトリエチルアミン(226mg、0.31mL、2.24mmol)のDCM(5mL)中における撹拌溶液に、ACO(152mg、0.14mL、1.49mmol)を添加した。混合物を周囲温度で2時間撹拌した後、水(10mL)で希釈し、DCM(3×10mL)で抽出した。有機相を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をAgela Durashell C18カラム(150×25mm、5μm粒径、25℃カラム温度)を用いる分取HPLCにより精製し、それを15〜55% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]エタン−1−オン (実施例F16)(22.0mg、収率9%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (br s, 1H), 8.13 (br s, 1H), 7.61 (br d, J = 12.0 Hz, 1H), 7.28 - 7.13 (m, 1H), 5.18 - 5.01 (m, 1H), 4.89 - 4.75 (m, 1H), 3.91 - 3.70 (m, 2H), 3.18 - 2.75 (m, 2H), 2.69 - 2.60 (m, 3H), 2.33 (br s, 1H), 2.01 (br d, J = 4.3 Hz, 4H), 1.59 (br d, J = 6.5 Hz, 7H), 1.36 (br d, J = 14.1 Hz, 1H);(C2226)に関するm/z (ESI+)、445.4 (M+H)+
【0992】
実施例F17 (スキームF−5):1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシエタン−1−オンの調製
スキームF−5:
【0993】
【化115】
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【0994】
DMF(4.0mL)中の(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)ピペリジン−3−オール トリフルオロアセテート (実施例A37)(50mg、0.12mmol)およびグリコール酸(9.45mg、0.124mmol)に、DIPEA(48.2mg、0.373mmol)およびHATU(70.9mg、0.186mmol)を添加した。混合物を周囲温度で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物をHO(20mL)および飽和水性NaHCO(20mL)で洗浄した。水層を合わせてEtOAc(20mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを12〜52% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシエタン−1−オン (実施例F17)(8mg、収率14%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.44 (t, J = 4.0 Hz, 1H), 8.14 (br s, 1H), 7.62 (br d, J = 12.0 Hz, 1H), 7.32 - 7.21 (m, 1H), 5.15 (dd, J = 4.8, 9.3 Hz, 1H), 4.83 (7重線, J = 6.9 Hz, 1H), 4.56 (t, J = 5.0 Hz, 1H), 4.33 (br d, J = 9.3 Hz, 1H), 4.17 - 4.04 (m, 2H), 4.04 - 3.81 (m, 2H), 3.73 - 3.40 (m, 2H), 3.10 - 2.95 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.09 - 1.97 (m, 1H), 1.60 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.48 - 1.33 (m, 1H);(C2226)に関するm/z (ESI+)、461.3 (M+H)+
【0995】
下の表中の実施例は、1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシエタン−1−オン (実施例F17)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【0996】
【表21-1】
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【0997】
【表21-2】
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【0998】
【表21-3】
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【0999】
実施例F23 (スキームF−6):1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−(メチルアミノ)エタン−1−オンの調製
スキームF−6:
【1000】
【化116】
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【1001】
(F−2)(実施例F17におけるように調製された、160mg、0.279)のDCM(10.0mL)およびTFA(10.0mL)中における溶液に。混合物を周囲温度で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応溶液を濃縮して乾燥させた。残留物をMeOH(5mL)中で溶解させ、NH・HOで処理してpH約7〜8に調整した。溶液を濃縮した。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを22〜42% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−(メチルアミノ)エタン−1−オン (実施例F23)(35.2mg、収率27%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.43 (t, J= 4.1 Hz, 1H), 8.13 (br s, 1H), 7.61 (br d, J = 12.1 Hz, 1H), 7.31 - 7.11 (m, 1H), 5.10 (br d, J = 4.5 Hz, 1H), 4.82 (td, J = 6.8, 13.8 Hz, 1H), 4.11 - 3.65 (m, 3H), 3.60 - 3.38 (m, 2H), 3.26 - 2.98 (m, 3H), 2.70 - 2.53 (m, 4H), 2.27 (d, J = 1.3 Hz, 3H), 2.02 (br s, 1H), 1.59 (d, J = 6.8Hz, 6H), 1.45 - 1.29 (m, 1H);(C2329)に関するm/z (ESI+)、474.5 (M+H)+
【1002】
下の表中の実施例は、1−[(3R,4R)−4−({5−フルオロ−4−[4−フルオロ−2−メチル−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−(メチルアミノ)エタン−1−オン (実施例F23)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。必要であれば、単一の鏡像異性体を得るために、鏡像異性体の分離が、当該技術で知られている標準的な方法、例えばキラルSFCまたはHPLCの下で実施された。
【1003】
【表22-1】
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【1004】
【表22-2】
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【1005】
【表22-3】
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【1006】
【表22-4】
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【1007】
【表22-5】
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【1008】
実施例F33 (スキームF−7):2−[(3R,4R)−4−{[4−(3−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−N−メチルアセトアミドの調製
スキームF−7:
【1009】
【化117】
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【1010】
(3R,4R)−4−{[4−(3−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}ピペリジン−3−オール(実施例D3におけるように調製された、100mg、0.249mmol)のEtOH(6.0mL)中における溶液に、2−ブロモ−N−メチルアセトアミド(56.7mg、0.374mmol)およびNaHCOの飽和水溶液(3.0mL)を添加した。混合物を70℃で16時間撹拌した。TLC分析(1:3 MeOH/EtOAc)は、出発物質の消費を示した。混合物をHO(10mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDuraShellカラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを21〜41% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、2−[(3R,4R)−4−{[4−(3−tert−ブチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル)−5−クロロピリジン−2−イル]アミノ}−3−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−N−メチルアセトアミド (実施例F33)(45.5mg、収率39%)が白色固体として得られた。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 8.54 (s, 1H), 8.17 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.72 (br d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.85 - 6.80 (m, 2H), 4.91 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 3.60 - 3.49 (m, 2H), 2.91 (d, J = 2.0 Hz, 2H), 2.89 - 2.85 (m, 1H), 2.68 (br d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.62 (d, J = 4.7 Hz, 3H), 2.18 - 2.09 (m, 1H), 2.06 - 1.98 (m, 2H), 1.80 (s, 9H), 1.50 - 1.39 (m, 1H);(C2330ClN)に関するm/z (ESI+)、472.2 (M+H)+
【1011】
実施例G1 (スキームG−1):1−[6−(5−クロロ−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン
スキームG−1:
【1012】
【化118】
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【1013】
工程1:1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (G−2)の合成
1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オール (G−1)(実施例A1におけるように調製された、500mg、1.35mmol)のCHCl(10mL)中における溶液に、MnO(824mg、9.48mmol)を添加した。混合物を50℃で6時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(Biotage、SiO、25% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (G−2)(480mg、収率97%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.73 (s, 1H), 8.10 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.64 (dd, J = 1.3, 10.9 Hz, 1H), 6.06 - 5.92 (m, 1H), 2.93 (s, 3H), 1.71 (d, J = 7.1 Hz, 6H);(C1613ClFNO)に関するm/z (ESI+)、367.0 (M+H)+
【1014】
工程2:1−[6−(5−クロロ−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (実施例G1)の合成
1−[6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (G−2)(100mg、0.272mmol)のDMSO(5.0mL)中における溶液にDIPEA(106mg、0.817mmol)および(3R,4R)−4−アミノ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (Int−69)を添加した。混合物を70℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をHO(30mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取TLC(SiO、50% EtOAc/石油エーテル、R = 0.4)により精製すると、1−[6−(5−クロロ−2−{[(3R,4R)−3−ヒドロキシ−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−4−イル]アミノ}ピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]エタン−1−オン (実施例G1)(58.2mg、収率41%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (s, 1H), 8.21 - 8.03 (m, 1H), 7.67 - 7.41 (m, 2H), 5.86 - 5.72 (m, 1H), 5.23 (d, J= 4.6 Hz, 1H), 3.88 - 3.75 (m, 1H), 3.68 - 3.56 (m, 2H), 3.53 - 3.44 (m, 1H), 2.90 (s, 3H), 2.87 - 2.81 (m, 1H), 2.79 (s, 3H), 2.66 - 2.60 (m, 1H), 2.14 - 1.98 (m, 1H), 1.61 (d, J = 7.0 Hz, 6H), 1.57 - 1.45 (m, 1H);(C2226ClFNS)に関するm/z (ESI+)、525.2 (M+H)+
【1015】
実施例H1 (スキームH−1):1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトールの調製
スキームH−1:
【1016】
【化119】
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【1017】
工程1:5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)の合成
5−ブロモ−1,3−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン (A−15)(35.0g、147mmol)のTHF(700mL)中における溶液に、i−PrNH(8.7g、147mmol)およびCsCO(57.5g、176mmol)を添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をHO(300mL)で希釈し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(40.0g、収率98%)が赤色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.09 - 6.98 (m, 2H), 6.89 (dd, J = 1.9, 11.1 Hz, 1H), 6.17 (s, 1H), 3.88 (br d, J = 7.5 Hz, 1H), 1.19 (d, J = 6.4 Hz, 6H);(C10BrFN)に関するm/z (ESI+)、276.7 (M+H)+
【1018】
工程2:[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (H−1)の合成
5−ブロモ−3−フルオロ−2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン (A−16)(40.0g、144mmol)のEtOH/HO(4:1、700mL)中における溶液に、1,4−ジオキサン−2,5−ジオール(20.8g、173mmol)およびNa(126g、722mmol)を添加した。混合物を80℃で16時間還流状態で撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(3×300mL)で抽出した。有機層を合わせて飽和水性NaHCOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (H−1)(19.0g、収率46%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.81 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.28 (dd, J = 1.5, 10.0 Hz, 1H), 5.72 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.01 - 4.87 (m, 1H), 4.72 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 1.56 (d, J = 6.8 Hz, 6H);(C1112BrFNO)に関するm/z (ESI+)、286.8 (M+H)+
【1019】
工程3:6−ブロモ−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−20)の合成
[6−ブロモ−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]メタノール (H−1)(19.0g、66.2mmol)のTHF(250mL)中における溶液に、p−TSA(1.7g、6.62mmol)およびDHP(22.3g、265mmol)を添加した。混合物を90℃で4時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をHO(100mL)で希釈し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機層を合わせてNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−ブロモ−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (Int−20)(18.0g、収率73%)が淡黄色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.85 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.31 (dd, J = 1.5, 10.1 Hz, 1H), 4.97 - 4.84 (m, 2H), 4.78 - 4.68 (m, 2H), 3.83 - 3.71 (m, 1H), 3.57 - 3.46 (m, 1H), 1.72 - 1.63 (m, 2H), 1.57 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.53 - 1.46 (m, 4H);(C1620BrFN)に関するm/z (ESI+)、372.6 (M+H)+
【1020】
工程4:4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−2)の合成
6−ブロモ−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−2)(8.0g、21.6mmol)、BPin(6.6g、25.9mmol)およびKOAc(6.3g、64.6mmol)の1,4−ジオキサン(160mL)中における懸濁液に、PdCl(dppf)(0.788g、1.08mmol)をN下で添加した。混合物をN下で80℃において16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、濃縮して乾燥させた。残留物をHO(150mL)中で溶解させ、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機性物質を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(360g SiO、0〜100% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−2)(9.4g、収率73%)が黄色の溶液として得られた。(C2232BFN)に関するm/z (ESI+)、419.1 (M+H)+
【1021】
工程5:6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−3)の合成
4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−2)(6.0g、14.3mmol)、2,4,5−トリクロロピリミジン(3.95g、21.5mmol)およびKCO(3.96g、28.7mmol)の1,4−ジオキサン(90mL)およびHO(30mL)中における混合物を、Nで5分間脱気した。Pd(PPh(829mg、0.717mmol)を添加し、その混合物をさらに10分間脱気した。反応をN下で90℃において16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応を室温に冷却し、HO(30mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40g SiO、0〜60% EtOAc/石油エーテル)により精製すると、6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−3)(7.4g、収率99%)が白色固体として得られた。(C2232BFN)に関するm/z (ESI+)、461.0 (M+H)+
【1022】
工程6:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−4)の合成
6−(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)−4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール (H−3)(2.3g、19.8mmol)のDMSO(150mL)中における溶液に、DIPEA(10.6g、82.4mmol)および3−アミノ−1,5−アンヒドロ−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール(7.2g、16.5mmol)を添加した。混合物を120℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応溶液をHO(200mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(360g SiO、0〜10% MeOH/DCM)により精製すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−4)(4.8g、収率56%)が黄色固体として得られた。(C2531ClFN)に関するm/z (ESI+)、520.1 (M+H)+
【1023】
工程7:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−5)の合成
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−{[(オキサン−2−イル)オキシ]メチル}−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−4)(4.7g、9.2mmol)のMeOH(40.0mL)中における溶液に、HClの溶液(1,4−ジオキサン中4N、10.0mL)を0℃で滴加した。溶液を20℃で1時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応混合物を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(80g SiO、1:10 MeOH/DCM)により精製すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−5)(3.2g、収率80%)が黄色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.77 - 1.78 (m, 1H) 1.80 (dd, J = 6.90, 2.89 Hz, 5H) 2.06 - 2.16 (m, 1H) 3.18 - 3.27 (m, 1H) 3.44 - 3.54 (m, 1H) 3.65 (s, 1H) 3.99 (br dd, J=11.29, 5.02 Hz, 3 H) 5.07 (s, 2H) 5.21 (s, 2H) 7.92 (d, J = 11.04 Hz, 1H) 8.36 (s, 1H) 8.49 (s, 1H);(C2023ClFN)に関するm/z (ESI+)、436.2 (M+H)+
【1024】
工程8:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−6)の合成
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−5)(800mg、1.8mmol)のDCM(10mL)中における溶液に、TEA(557mg、5.5mmol)を添加した。混合物を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(328mg、2.2mmol)で一滴ずつ処理した。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。反応をHOで洗浄した。水層をDCM(3×10mL)で抽出した。有機性物質を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−6)(800mg、収率96%)が得られ、それをそれ以上精製せずに用いた。(C2022ClFN)に関するm/z (ESI+)、454.1 (M+H)+
【1025】
工程9:1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−イル)メチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H1)の合成
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−6)(100mg、0.22mmol)のMeCN(2.0mL)中における溶液に、3−メチルアゼチジン−3−オール(19.2mg、0.22mmol)、NaI(33.0mg、0.22mmol)およびDIPEA(142mg、1.1mmol)を添加した。混合物をNの雰囲気下で25℃で3時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応溶液をHO(5mL)で洗浄した。水層をDCM(3×5mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の残留物をYMC Triartカラム(30×150mm、7μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを30〜50% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(3−ヒドロキシ−3−メチルアゼチジン−1−イル)メチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H1)(23.5mg、収率21%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.35 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.49 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 5.16 (app p, J = 7.0 Hz, 1H), 4.03 - 3.87 (m, 5H), 3.61 (dt, J = 4.8, 9.4 Hz, 1H), 3.48 (dt, J = 2.2, 11.7 Hz, 1H), 3.30 - 3.27 (m, 2H), 3.24 - 3.19 (m, 1H), 3.18 - 3.14 (m, 2H), 2.19 - 2.08 (m, 1H), 1.68 (d, J = 6.8 Hz, 6H), 1.67 - 1.59 (m, 1H), 1.46 (s, 3H);(C2430ClFN)に関するm/z (ESI+)、505.2 (M+H)+
【1026】
下の表中の実施例は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(クロロメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H1)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴って合成された。
【1027】
【表23-1】
[この文献は図面を表示できません]
【1028】
【表23-2】
[この文献は図面を表示できません]
【1029】
【表23-3】
[この文献は図面を表示できません]
【1030】
実施例H8 (スキームH−2):1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−2−{[(プロパン−2−イル)アミノ]メチル}−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール
スキームH−2:
【1031】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【1032】
工程1:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(ジヒドロキシメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−7)の合成
(3R,4R)−4−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール (H−5)(900mg、2.1mmol)およびMnO(2.7g、31mmol)のMeOH(20.0mL)中における混合物を、60℃で16時間撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費を示した。反応を濾過し、フィルターケーキをMeOH(20mL)で洗浄した。濾液を濃縮して乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO、20g SiO、1:10 MeOH/DCM)により精製すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(ジヒドロキシメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−7)(162mg、収率26%)が無色の油として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 1.69 (t, J = 5.77 Hz, 7H) 2.00 - 2.23 (m, 1H) 3.18 - 3.26 (m, 1H) 3.50 (br d, J = 2.26 Hz, 1H) 3.63 (td, J = 9.29, 5.02 Hz, 1H) 3.98 (br. dd, J = 11.29, 4.52 Hz, 3H) 5.44 - 5.53 (m, 1H) 5.88 (s, 1H) 7.53 (br d, J = 11.54 Hz, 1H) 8.07 (s, 1H) 8.37 (s, 1H);(C2023ClFN)に関するm/z (ESI+)、452.2 (M+H)+
【1033】
工程2:1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−2−{[(プロパン−2−イル)アミノ]メチル}−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H8)の合成
1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[2−(ジヒドロキシメチル)−4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (H−7)(50mg、0.11mmol)およびi−PrNH(12.7mg、0.215mmol)のMeOH(5.0mL)中における溶液に、AcOH(6.4mg、0.107mmol)を添加した。周囲温度で2時間撹拌した後、NaBHCN(13.5、0.215mmol)を添加し、その混合物を16時間一夜撹拌した。LCMS分析は、出発物質の消費と所望の生成物の質量の形成を示した。反応をNaCO水溶液(1.0M、5mL)中に注ぎ、DCM(3×5mL)で抽出した。有機層を合わせてブライン(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をXtimate C18カラム(250×80mm、10μm粒径)を用いる分取HPLCにより精製し、それを35〜55% MeCN/HO(+0.05% NHOH)で、25mL/分の流速で溶離すると、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−2−{[(プロパン−2−イル)アミノ]メチル}−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H8)(10.9mg、収率21%)が白色固体として得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.37 (s, 1H) 8.05 (s, 1H) 7.51 (d, J = 11.8 Hz, 1H) 5.05 - 5.17 (m, 1H) 4.15 (s, 2H) 3.90 - 4.03 (m, 3H) 3.64 (m, 1H) 3.50 (m, 1H) 3.13 - 3.26 (m, 1H) 2.85 -2.95 (m, 1H) 2.15 (m, 1H) 1.71 (d, J = 7.0 Hz, 6H) 1.66 (m, 1H) 1.16 (d, J = 6.2 Hz, 6H);(C2330ClFN)に関するm/z (ESI+)、477.1 (M+H)+
【1034】
下の表中の実施例は、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−1−(プロパン−2−イル)−2−{[(プロパン−2−イル)アミノ]メチル}−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール (実施例H8)の合成に関して用いられた方法に従って合成された。下記の実施例は、当業者が実現できるであろう例示された手順に対する重要ではない変更または置換を伴なって合成された。
【1035】
【表24-1】
[この文献は図面を表示できません]
【1036】
【表24-2】
[この文献は図面を表示できません]
【1037】
生物学的アッセイおよびデータ
CDK4/サイクリンD1移動度シフトアッセイ
CDK4/サイクリンD1アッセイの目的は、蛍光ベースの微少流体移動度シフトアッセイを用いることにより小分子阻害剤の存在下での阻害(%阻害、KiappおよびK値)を評価することである。CDK4/サイクリンD1は、基質ペプチド5−FAM−Dyrktide(5−FAM−RRRFRPASPLRGPPK)(SEQ ID NO:1)へのホスホリル転移を伴うATPからのADPの産生を触媒する。移動度シフトアッセイは、キナーゼ反応の後に蛍光標識されたペプチド(基質およびリン酸化された生成物)を電気泳動的に分離する。基質および生成物の両方が、測定され、これらの値の比率は、LabChip EZリーダーにより基質の生成物への%変換を生成するために使用される。典型的な反応溶液は、2% DMSO(±阻害剤)、10mM MgCl、1mM DTT、3.5mM ATP、0.005% TW−20、3μM 5−FAM−Dyrktide、3nM(活性部位)活性化CDK4/サイクリンD1をpH7.5の40mM HEPES緩衝液中に含有していた。
【1038】
活性化CDK4/サイクリンD1(2007 E1/2008 +PO4)に関する阻害剤のKの決定は、酵素および阻害剤を反応混合物中で22℃で18分間プレインキュベーションした後ATPの添加(50μLの最終反応体積)により開始された。反応は、195分後に50μLの30mM EDTAの添加により停止された。Kの決定は、酵素濃度を変数としたモリソン式に当てはめられた阻害剤濃度の関数としての分画速度のプロットからなされた。
【1039】
CDK6/サイクリンD3移動度シフトアッセイ
CDK6/サイクリンD3アッセイの目的は、蛍光ベースの微少流体移動度シフトアッセイを用いることにより小分子阻害剤の存在下での阻害(%阻害、KiappおよびK値)を評価することである。CDK6/サイクリンD3は、基質ペプチド5−FAM−Dyrktide(5−FAM−RRRFRPASPLRGPPK)(SEQ ID NO:1)へのホスホリル転移を伴うATPからのADPの産生を触媒する。移動度シフトアッセイは、キナーゼ反応の後に蛍光標識されたペプチド(基質およびリン酸化された生成物)を電気泳動的に分離する。基質および生成物の両方が、測定され、これらの値の比率は、LabChip EZリーダーにより基質の生成物への%変換を生成するために使用される。典型的な反応溶液は、2% DMSO(±阻害剤)、2%グリセロール、10mM MgCl、1mM DTT、3.5mM ATP、0.005% Tween−20(TW−20)、3μM 5−FAM−Dyrktide、4nM(活性部位)活性化CDK6/サイクリンD3をpH7.5の40mM HEPES緩衝液中に含有していた。
【1040】
活性化CDK6/サイクリンD3(LJIC−2009G1/2010 +PO4)に関する阻害剤のKの決定は、酵素および阻害剤を反応混合物中で22℃で18分間プレインキュベーションした後ATPの添加(50μLの最終反応体積)により開始された。反応は、95分後に50μLの30mM EDTAの添加により停止された。Kの決定は、酵素濃度を変数としたモリソン式に当てはめられた阻害剤濃度の関数としての分画速度のプロットからなされた。
【1041】
CDK4およびCDK6の移動度シフトアッセイに関して、Morrison, J. F. (1969) Kinetics of the reversible inhibition of enzyme-catalysed reactions by tight binding inhibitors, Biochimica et biophysica acta 185, 269-286;およびMurphy, D. J. (2004) Determination of accurate KI values for tight-binding enzyme inhibitors: an in silico study of experimental error and assay design, Analytical biochemistry 327, 61-67も参照。
【1042】
ホスホ−セリン 795 Rb ELISAアッセイ
JEKO−1またはMV4−11細胞を、それぞれ1ウェルあたり15,000または20,000細胞で、100μLの増殖培地中で播き、37℃、5%COで一夜インキュベートした。次の日に、化合物を10mMの最大用量から11点の3倍希釈曲線のためにDMSO中で系列希釈した。化合物を、中間的に増殖培地中に1:200希釈した後、細胞上での0.1% DMSO中10μM〜0.1nMの終濃度のために細胞上で1:5希釈した。JEKO−1およびMV4−11細胞を37℃、5%COで一夜処理した。細胞を氷上で100μL/ウェルのCST溶解緩衝液中で溶解させ、4℃で一夜のインキュベーションのために予めコートされブロッキングされた抗ホスホ−Ser795 Rb ELISAプレートに移した。プレートを洗浄して残留する未結合の細胞性タンパク質を除去し、総Rb検出抗体を37℃で90分間添加した。洗浄して未結合の総Rb抗体を除去した後、HRPタグ化抗体を37℃で30分間結合させた。洗浄して未結合のHRP抗体を除去した後、Glo基質試薬を添加し、光から保護して5〜10分間インキュベートした。プレートを発光モードで読み取り、IC50値を計算した。
【1043】
生物学的活性
本発明の代表的な化合物に関する生物学的活性データが、表6において提供されている。CDK4およびCDK6のインビトロKi(nM)データは、熱量測定アッセイを用いて提供された。CDK4およびCDK6の細胞ベースのIC50(nM)データは、CDK4およびCDK6に関して、JEKO−1およびMV4−11細胞におけるホスホRb S795 ELISAアッセイを用いて提供された。
【1044】
【表25-1】
[この文献は図面を表示できません]
【1045】
【表25-2】
[この文献は図面を表示できません]
【1046】
【表25-3】
[この文献は図面を表示できません]
【1047】
【表25-4】
[この文献は図面を表示できません]
【1048】
本明細書において引用された全ての刊行物および特許出願は、参照によりそのまま本明細書に援用される。当業者には、特定の変更および修正が添付された特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなくそれに対してなされることができることは、明らかであろう。
【配列表】
2021522275000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021年1月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(X)の化合物:
【化1】
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またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであるか;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられて、FもしくはOHにより場合により置換されるアゼチジニル環を形成していることができ;そして
nは、0、1、2、3または4である、
化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項2】
式(X−A)を有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】
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またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項3】
(IX)の化合物:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中:
は、H、F、Cl、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cシクロアルキルまたは3〜6員ヘテロシクリルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており、かつそれぞれの前記のC〜Cシクロアルキルおよび3〜6員ヘテロシクリルは、場合によりR21により置換されており;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、F、Cl、CN、CH、CHF、CHFまたはCFであり;
およびRは、独立してH、F、Cl、CN、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりR20により置換されており;
は、H、OH、NH、NHCHまたはN(CHであり;
それぞれのR10は、独立してF、CN、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、SO14、SONR1516、COR17、COOR17またはCONR1819であり;
14は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり;
それぞれのR15およびR16は、独立してHまたはCHであり;
17は、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR18およびR19は、独立してH、C〜CアルキルまたはC〜Cフルオロアルキルであり、ここでそれぞれの前記のC〜CアルキルおよびC〜Cフルオロアルキルは、場合によりR20により置換されており;
それぞれのR20は、独立してOH、C〜Cアルコキシ、C〜Cフルオロアルコキシ、CNまたはNR2223であり;
それぞれのR21は、独立してF、OH、CN、NR2223、C〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシまたはC〜Cフルオロアルコキシであり、ここでそれぞれの前記のC〜Cアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜CアルコキシおよびC〜Cフルオロアルコキシは、場合によりさらにOH、NH、NHCHまたはN(CHにより置換されており;
それぞれのR22およびR23は、独立してH、C〜CアルキルもしくはC〜Cフルオロアルキルであるか;または
22およびR23は、それらが結合している窒素原子とまとめられて、FもしくはOHにより場合により置換されたアゼチジニル環を形成することができ;そして
nは、0、1、2、3または4である
化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項4】
式(IX−A)を有する、請求項3に記載の化合物:
【化4】
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またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項5】
が、Clである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
が、C〜Cアルキルであり、当該C〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
が、C〜Cアルキルであり、当該C〜Cアルキルは、場合によりR20により置換されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
20が、OHである、請求項7に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
が、Fであり;Rが、Hであり;Rが、Hである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
以下の構造:
【化5】
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を有する、1,5−アンヒドロ−3−({5−クロロ−4−[4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル]ピリミジン−2−イル}アミノ)−2,3−ジデオキシ−D−トレオ−ペンチトール、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
以下の構造:
【化6】
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を有する、(3R,4R)−4−[(5−クロロ−4−{4−フルオロ−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}ピリミジン−2−イル)アミノ]−1−(メタンスルホニル)ピペリジン−3−オール、またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項10の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項11の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能なキャリヤーまたは賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項15】
癌の処置を必要とする対象における癌の処置のための方法であって、該対象に療法上有効量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む方法。
【国際調査報告】
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