【実施例】
【0103】
実施例1
3a−ヒドロキシ−1−フェニル−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1)の調製
工程a)3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸エチル(化合物1a)の調製
【化22】
【0104】
4.36g(27.08mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンをアルゴン下でジクロロメタン(35mL)に溶解し、4.15g(2.5mL、27.08mmol、1当量)のPOCl
3を加えた。室温で3時間撹拌した後、ジクロロメタン(35mL)中の5.0g(30.09mmol、1.1当量)の3−アミノピリジン−4−カルボン酸エチルの溶液を、滴下トップを通して5分間にわたって加えた。反応混合物を16時間還流した。還流の最後に、反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3溶液と共に撹拌して、水相をアルカリ性(pH=8)に維持した。泡立ちのため、溶液を穏やかに加えた。次に、有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過して濃縮した。5.80gの粗3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸エチル(化合物1a)を保持し、これをさらに精製することなく使用した。M+H
+ =310.35.
【0105】
工程b)1−フェニル−1H,2H,3H,4H,9H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1b)の調製
【化23】
【0106】
工程a)で得られた5.80gの粗生成物(化合物1a、18.76mmol)を無水テトラヒドロフラン(140ml)に溶解した。これをドライアイス−アセトン冷却混合物下でアルゴンで冷却し、20%テトラヒドロフラン中の9.42gのリチウムヘキサメチルジシラザン(39.2mL、56.27mmol、3当量)の溶液を−60℃未満で加えた。1時間後、反応混合物を室温まで温めた。3時間後、反応混合物を2M塩酸で処理して、すべての沈殿物(約100mL)を溶解した。次に有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機溶媒残留物が除去されるまで、水相を真空エバポレーターで濃縮した。次にこの溶液を、NaHCO
3溶液を加えて中和した。形成された沈殿物を濾別し、真空下で乾燥した。3.61gの粗生成物が得られ、これを30gのジメチルホルムアミドから再結晶化した。収率:1.74gの淡黄色の結晶(6.61mmol、1−フェニルピロリジン−2−オンに基づいて24%)1−フェニル−1H,2H,3H,4H,9H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1b)。M+H
+ = 264.30.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 3,22 (t, J = 8,8 Hz, 2H), 4,13 (t, J = 8,0 Hz, 2H), 7,05 (t, J = 7,3 Hz, 1H), 7,41 (dd, J = 7,6, 8,1 Hz, 2H), 7,80 (d, J = 5,3 Hz, 1H), 8,06 (d, J = 8,1 Hz, 2H), 8,28 (d, J = 5,3 Hz, 1H), 8,89 (br, 1H), 10,94 (br, 1H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 21,9, 48,2, 110,9, 114,3, 117,8, 121,6, 123,0, 128,6, 140,2, 141,6, 143,5, 149,2, 152,8, 160,9.
【0107】
工程c)3a−ヒドロキシ−1−フェニル−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1)の調製
【化24】
【0108】
263mg(1mmol)の1−フェニル−1H,2H,3H,4H,9H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1b)を無水テトラヒドロフラン(40ml)に懸濁し、これをアルゴン下でドライアイス−アセトン混合物で冷却した。20重量%テトラヒドロフラン中の334mg(1.8ml、2mmol、2当量)のリチウムヘキサメチルジシラザンの溶液を−60℃未満で加えた。次に、2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジン(522mg、2mmol、2当量)を加え、無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。30分後、冷却を停止し、混合物を一晩撹拌しながら室温まで温めた。反応混合物に1M HCl(40mL)を加え、これをメチル−tert−ブチル−エーテル(3×40mL)で抽出した。水相を真空下でその体積の半分に濃縮し、次にNaHCO
3で中和した。沈殿したオレンジ色の沈殿物をガラスフィルターP4で濾過し、メチル−tert−ブチル−エーテルで洗浄し、真空下で乾燥した。収率:131mg(0.47mmol、47%)のオレンジ色の粉末、3a−ヒドロキシ−1−フェニル−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(化合物1)。M+H
+ = 280.30.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =2,28 (dd, J = 5,8, 13,3 Hz, 1H), 2,39 (ddd, J = 9,2, 9,4, 13,3 Hz, 1H), 4,00 (dd, J = 9,2, 10,3 Hz, 1H), 4,13 (ddd, J = 5,8, 9,4, 10,3 Hz, 1H), 7,04 (s, 1H), 7,20 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,46 (t, J = 7,9 Hz, 2H), 7,56 (d, J = 4,5 Hz, 1H), 8,07 (d, J = 8,0 Hz, 2H), 8,32 (br, 1H), 8,56 (br, 1H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 27,8, 47,8, 73,7, 118,2, 120,3, 124,2, 125,9, 128,7, 140,1, 143,8, 145,9, 148,1, 166,9, 193,9.
【0109】
実施例2
9−ヒドロキシ−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2)の調製
工程a)2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル(化合物2a)の調製
【化25】
【0110】
9.23g(57.26mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンを70mlの無水ジクロロメタンに溶解し、8.78g(5.3ml、57.26mmol、1当量)のPOCl
3をアルゴン下で加えた。室温で3時間撹拌した後、ジクロロメタン(150mL)中の2−アミノチオフェン−3−カルボン酸メチル(10g、63.61mmol)の懸濁液を漏斗を介して加えた。反応混合物を16時間還流し、室温に冷却し、1M塩酸(5×100mL)で抽出した。合わせた水相を飽和Na
2CO
3溶液でpH9〜10に調整した。混合物をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥した。乾燥剤を濾別した後、蒸発させると、8.39gの粗生成物が残った。これを、ヘキサン−酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムで精製した。適切な画分を合わせ、残留物をヘプタン:酢酸エチルの1:1混合物から再結晶化した。収率:5.27g(17.53mmol、31%)の2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル(化合物2a)、淡黄色の結晶。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =2,05 (m, 2H), 2,68 (t, J = 7,8 Hz, 2H), 3,70 (s, 3H), 3,92 (t, J = 7,0 Hz, 2H), 6,91 (d, J = 6,0 Hz, 1H), 7,12 (tt, J = 1,1, 7,5 Hz, 1H), 7,13 (d, J = 6,0 Hz, 1H), 7,37 (dd, J = 7,5, 8,8 Hz, 2H), 7,83 (d, J = 8,8 Hz, 2H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 19,1, 29,3, 50,8, 50,9, 115,3, 115,7, 121,0, 123,7, 127,0, 128,3, 140,4, 162,3, 163,0, 163,5.
【0111】
工程b)12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2b)の調製
【化26】
【0112】
2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル(化合物2a)(3.38g、12.75mmol)を無水テトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。これに、テトラヒドロフラン中の2.86gのカリウム−tert−ブチレート(14ml、25.51mmol、2当量)の溶液を加え、次に反応混合物をアルゴン下で還流した。塩基の添加後、溶液は赤くなり、数分後に沈殿物が生成した。反応の後に、LCMSを行った。3時間還流した後、混合物を室温に冷却し、5mlの酢酸を撹拌しながら加えて沈殿物を溶解させた。混合物を真空下で濃縮後、褐色の粘性物質が残り、これを30mLのMeOHと30mLのトルエンの混合物で3回粉砕すると、結晶性物質が残った。これを水(30mL)で撹拌し、濾過し、水で洗浄した。3.25gの粗生成物が得られ、これを14gのアセトニトリルから結晶化し、40℃で真空乾燥した。収率:2.16g(8.06mmol、63%)の12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2b)、これは淡褐色の粉末。M+H
+=269.00.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =3,10 (t, J = 8,4 Hz, 2H), 4,07 (t, J = 8,4 Hz, 2H), 6,96 (t, J = 7,4 Hz, 1H), 7,22 (d, J = 6,0 Hz, 1H), 7,36 (d, J = 6,0 Hz, 1H), 7,35 (t, J = 7,5 Hz, 2H), 7,86 (d, J = 8,2 Hz, 2H), 10,60 (br, 1H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 21,5, 48,8, 104,8, 116,8, 118,4, 118,6, 118,7, 120,5, 128,5, 142,1, 154,2, 159,6, 160,1.
【0113】
工程c)9−ヒドロキシ−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2)
【化27】
【0114】
526mg(1.96mmol)の12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2b)及び30mlの無水テトラヒドロフランを、隔壁を充填した丸底フラスコに秤量し、その上にアルゴンバルーンを置いた。フラスコの他の2つの首部分に温度計とプラグを置いた。容器をドライアイス−アセトン混合物で冷却し、テトラヒドロフラン中の656mgのリチウム−ヘキサメチルジシラザン(3.6mL、3.92mmol、2当量)の溶液を−60℃未満の注射器で添加した。次に、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジン(563mg、2.15mmol、1.1当量)の溶液を−60℃未満で加えた。次に、これを1時間温めた。数時間後、黄色の沈殿物が現れた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。薄層クロマトグラフィーで反応を確認した。出発物質が消費されたら、40mlの2M塩酸及び40mlのメチル−tert−ブチル−エーテルを加えて振盪した。有機層を1M塩酸(3×40mL)で抽出し、合わせた水相を30mLのメチル−tert−ブチル−エーテルで抽出した。水相をジクロロメタン(3×40mL)で抽出し、有機相を合わせ、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗生成物をアセトニトリルから結晶化した。収率:207mg(0.73mmol、37%)の9−ヒドロキシ−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(化合物2)、オレンジ色の結晶。M+H
+=285.00.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =2,25 (m, 2H), 4,04 (m, 1H), 4,17 (m, 1H), 6,93 (s, 1H), 6,96 (d, J = 5,4 Hz, 1H), 7,10 (d, J = 5,4 Hz, 1H), 7,21 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,46 (t, J = 7,5 Hz, 2H), 7,95 (d, J = 8,0 Hz, 2H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 28,5, 49,0, 74,5, 117,2, 119,9, 120,4, 122,3, 124,7, 128,8, 139,6, 169,3, 170,6, 187,8.
【0115】
実施例3
7−ヒドロキシ−4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,11−トリエン−8−オン(化合物3)
工程a)3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−2−カルボン酸メチル(化合物3a)の調製
【化28】
【0116】
5.00g(31.02mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンを35mlの無水ジクロロメタンに溶解し、4.76g(2.83ml、31.02mmol、1当量)のPOCl
3を加えた。アルゴン下で3時間撹拌した後、35mlのジクロロメタン中の5.42g(34.46mmol、1.1当量)の3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルの溶液を加えた。次に、反応混合物を16時間還流した。10%Na
2CO
3溶液を加えて、5分間撹拌した後の水相のpHが約8〜9になるようにした。水相をジクロロメタン(3×50mL)で抽出し、有機相を合わせてから蒸発させた。こうして得られた粗生成物を50mlの酢酸イソプロピルに溶解し、5×40mlの1M塩酸で抽出した。水相のpHを10%Na
2CO
3で8に調整し、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。Na
2SO
4で乾燥した後、溶液を濾過し、約2mLに濃縮した。次にヘプタン20mlを加え、濁った溶液中に無色の板状結晶が現れるまで蒸発を続けた。これらを濾別し、ヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥した。収率:2.78g(9.24mmol、30%)、3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−2−カルボン酸メチル(化合物3a)。M+H
+=301.10.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =1,99 (m, 2H), 2,50 (m, 2H), 3,71 (s, 3H), 3,86 (t, J = 6,8 Hz, 2H), 6,70 (d, J = 5,2 Hz, 1H), 7,07 (tt, J = 1,1, 7,5 Hz, 1H), 7,35 (dd, J = 7,5, 8,5 Hz, 2H), 7,72 (d, J = 5,2 Hz, 1H), 7,86 (d, J = 8,5 Hz, 2H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 19,1, 29,3, 50,2, 51,2, 111,9, 120,4, 122,9, 125,5, 128,2, 131,3, 141,0, 157,1, 160,4, 162,0.
【0117】
工程b)4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),11−トリエン−8−オン(化合物3b)
【化29】
【0118】
3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−2−カルボン酸メチル(2.51g、8.35mmol)に、32mlの無水テトラヒドロフラン、続いてテトラヒドロフラン中の1.87g(10.3ml、16.69mmol、2当量)のカリウム−tert−ブチレートの溶液を加えた。反応混合物をアルゴン下で3時間還流した(TLCを使用してモニターした)。冷却後、20mlの1M塩酸を加え、テトラヒドロフランを真空下で蒸発させた。中性pHになるまで飽和NaHCO
3溶液を水性残留物に加え、30分間撹拌し、次に濾過し、水(2×10mL)で洗浄し、そして真空中で乾燥した。収率:2.05g(7.65mmol、92%)の4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),11−トリエン−8(化合物3b)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =3,15 (dd, J = 7,9, 8,2 Hz, 2H), 4,07 (t, J = 8,4 Hz, 2H), 6,96 (t, J = 7,3 Hz, 1H), 7,27 (d, J = 5,4 Hz, 1H), 7,35 (dd, J = 7,7, 8,5 Hz, 2H), 7,76 (d, J = 5,4, 1H), 7,92 (d, J = 8,5 Hz, 2H), 11,0 (w, 1H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 22,0, 48,9, 104,8, 115,9, 117,0, 120,5, 124,1, 128,0, 128,5, 142,3, 154,1, 160,2.
【0119】
工程c)7−ヒドロキシ−4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,11−トリエン−8−オン(化合物3)
【化30】
【0120】
537mg(2mmol、1当量)の4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),11−トリエン−8−オン(化合物3b)、784mg(3mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジン及び20mLの無水テトラヒドロフランを、隔壁で密封した容器に注いだ。容器を密閉し、アルゴン充填バルーンを隔壁に配置した。溶液を氷水で冷却し、この溶液に、注射器で20%テトラヒドロフラン中の669mg(3.6mL、4mmol、2当量)のリチウム−ヘキサメチルジシラザンの溶液を1分で加えた。溶液を室温まで温め、一晩撹拌した。この溶液は、1時間後に明るい黄色の沈殿物を有していた。次に、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル及び40mlの2M塩酸を加えて振盪した。有機相を20mlの2M塩酸でさらに2回抽出し、合わせた水相を40%NaOHでpH=8に調整した。混合物を2−メチル−テラヒドロフラン(3×40mL)で抽出し、有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。粗生成物をアセトニトリルから結晶化した。収率:333mg(1.17mmol、59%)の7−ヒドロキシ−4−フェニル−10−チア−2,4−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,11−トリエン−8−オン(化合物3)、明るい黄色の結晶。+H
+=285.00.
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ =2,23 (dd, J = 5,8, 12,9 Hz, 1H), 2,29 (ddd, J = 8,0, 9,8, 12,9 Hz, 1H), 4,02 (dd, J = 8,0, 9,5 Hz, 1H), 4,15 (ddd, J = 5,8, 9,5, 9,8 Hz, 1H), 6,94 (s, 1H), 7,05 (d, J = 5,1 Hz, 1H), 7,19 (tt, J = 1,1, 7,4 Hz, 1H), 7,44 (tdd, J = 2,1, 7,4, 8,8 Hz, 2H), 8,01 (td, J = 1,1, 8,8 Hz, 2H), 8,03 (d, J = 5,1 Hz, 1H).
DEPTq (500 MHz, DMSO-d
6): δ = 28,2, 48,7, 75,2, 117,2, 120,3, 124,3, 126,2, 128,7, 136,8, 140,0, 161,4, 170,7, 186,9.
【0121】
実施例4A
ピロロチエノピリジン及びピロロナフチリジン誘導体の合成
4A.1 1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−オンの調製
【0122】
4−クロロ−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−ブタンアミド:
【化31】
【0123】
アルゴン下の不活性フラスコ中の370mlの無水ジクロロメタン中の768g(554mmol、1当量)の4−メトキシベンジルアミンに、93ml(67.34g、665mmol、1.2当量)のトリエチルアミン及び39g(28mmol、5モル%)のN,N−ジメチルアミノピリジンを加え、反応混合物を5℃に冷却した。40mLの無水ジクロロメタン中の4−クロロブチリルクロリド(68.5mL、86.02g、610mmol、1.1当量)の溶液を、5〜15℃で反応混合物に滴加した。混合物を室温まで温め、次に室温で24時間撹拌した。混合物を水(400mL)、5%クエン酸溶液(2×400mL)、及びNaHCO
3の飽和溶液(100mL)で洗浄し、分離した。有機層をNa
2SO
4で乾燥した。次に、溶液を濾過し、蒸発させ、沈殿した結晶を200mlのヘプタンと共に一晩撹拌した。次に、これをガラスフィルターで濾過し、冷ヘプタンで洗浄した後、40℃で真空乾燥した。収率:107.27gの白色の固体(443mmol、80%)。Rf=0.66、ジクロロメタン:メタノール 95:5。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 2.12 (m, 2H), 2.37 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.60 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 5.87 (bs, 1H), 6.86 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.6 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (CDCl3, 500 MHz): δ 28.3, 33.4, 43.3, 44.7, 114.1, 114.3, 129.3, 130.4, 159.2, 171.5.
【0124】
1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−オン:
【化32】
【0125】
アルゴン雰囲気下の不活性フラスコ中で、105.00g(434mmol、1当量)の4−クロロ−N−[(4−メトキシフェニル)メチル]ブタンアミドを330mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、テトラヒドロフラン中の321mlの20.1重量%のカリウム−tert−ブチレート溶液(58.49g、521mmol、1.2当量)を滴加し、滴下漏斗を40mlのテトラヒドロフランでフラスコ中に洗浄した。反応は発熱性であり、沸騰するまで温めた。反応混合物のやかな還流を維持するように、添加を制御した。次に、混合物を還流下で2時間撹拌した。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。冷却した反応混合物に、15ml(15.74g、262mmol、0.6当量)の酢酸を加えた。その後、発熱反応が起きた。次に、水(60mL)を加え、溶液を固形残留物からデカントした。固体を50mlのメチル−tert−ブチル−エーテルで洗浄し、合わせた有機相を蒸発させた。残留物を200mlのメチル−tert−ブチル−エーテルに溶解し、次に飽和NaHCO
3(100ml)溶液で抽出した。水相のpHを8に調整した。次に有機相を分離した。水相をさらに100mlの酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を100mlのNaClで、次にNa
2SO
4で乾燥した。次に、溶媒を真空下で蒸発させた。生成物は、真空蒸留により精製することができた。mp 151−158℃、0.64mbar。収率:77.03g(375mmol、86%)。Rf=0.24〜0.56パッチ、ジクロロメタン:メタノール 95:5。検出:アルカリ性KMnO
4溶液。ESI-MS (M+H
+)=206.
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 1.97 (m, 2H), 2.42 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 3.24 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.79 (s, 3H), 4.38 (s, 2H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 8.7 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 17.8, 31.2, 46.1, 46.6, 55.4, 114.2, 128.9, 129.6, 159.2, 174.9.
【0126】
4A.2 1−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オンの調製
4−クロロ−N−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ブタンアミド
【化33】
【0127】
1リットルの三つ口丸底フラスコに、26.72g(150mmol、1当量)の4−(4−アミノフェニル)−モルホリン、25mL(18.20g、180mmol、1.2当量)のトリエチルアミン、及び260mLの無水ジクロロメタンを入れた。フラスコに滴下トップ、CaCl
2管、及び温度計を取り付け、フラスコを氷水で5〜10℃に冷却した。次に、5−クロロ−酪酸−クロリド(18.5mL、23.27g、165mmol、1.1当量)を、5〜10℃で1時間25分かけて加えた。添加の最後に沈殿物が生成した。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。出発物質を消費した後(添加完了後1時間15分)、飽和NaHCO
3溶液(170ml)をゆっくり添加した(発泡!)。10分間撹拌した後、有機相を沈殿物と共に分離し、蒸発させた。スプーン5杯の木炭を加えることにより、粗生成物を300mlのエタノールから再結晶化した。収率:20.53g(72.60mmol、48%)。ESI-MS (M+H
+)=283. Rf=0.47ジクロロメタン:メタノール 10:2。
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 2.01 (m, 2H), 2.43 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.02 (m, 4H), 3.69 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.72 (m, 4H), 6.87 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 9.72 (s, 1H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 28.0, 33.2, 45.0, 49.0, 66.1, 115.4, 120.2, 131.5, 147.0, 169.4.
【0128】
1−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オン
【化34】
【0129】
18.64g(65.92mmol、1当量)の4−クロロ−N−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ブタンアミドを、250mlの三つ口丸底フラスコ中の140mlの無水テトラヒドロフランに溶解した。フラスコに温度計、滴下トップ、還流冷却器を取り付け、クーラーに隔壁とアルゴン充填バルーンを取り付けた。この溶液に、テトラヒドロフラン中のカリウム−tert−ブチレート(49ml、20.1%)(8.88g KOtBu、79.10mmol、1.2当量)をゆっくり加えた。次に、出発物質が消費されるまで溶液を沸騰させた。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。次に、水(50ml)及び飽和NaCl(50ml)を加え、混合物を振盪して分離した。水相を2−メチル−テトラヒドロフラン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過して濃縮した。この物質を抽出中に沈殿した結晶とともに、80gのエタノールから再結晶化した。収率:12.76g(51.82mmol、79%)の白色の結晶。ESI-MS (M+H
+)=247. Rf=0.30、酢酸イソプロピル:メタノール 10:1+1%TEA。
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 2.03 (m, 2H), 2.44 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.06 (m, 4H), 3.73 (m, 4H), 3.77 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 6.93 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 9.1 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 17.4, 32.0, 48.2, 48.7, 66.0, 115.1, 120.6, 131.8, 147.6, 173.0.
【0130】
4A.3 4−(4−ヨードフェニル)モルホリンの調製
【化35】
【0131】
25g(140mmol、1当量)の4−(4−アミノフェニル)モルホリンを、500mlの三つ口丸底フラスコ中の300mlの無水アセトニトリルに溶解した。温度計、滴下トップ、及び還流冷却器をフラスコに配置し、クーラー上にシリコーンオイルスクラバーを置いた。溶液にジヨードメタン(34mL、112.7g、420mmol、3当量)を加えた。アルゴンをゆっくり装置に通し、28ml(26.19g、210mmol、1.5当量)の90%tert−ブチル−亜硝酸塩を室温で撹拌しながら加えた。室温で1時間攪拌した後、混合物を60℃で2時間40分間攪拌した。この時点で、薄層クロマトグラフィーはもはや出発物質を示しなかった。次に、還流冷却器を20cmのビグリューカラム及び蒸留カラムと交換し、揮発性物質を真空下で留去した。残留物を200mlのジクロロメタンに溶解し、20mlの飽和NaHCO
3及び20mlの10%Na
2S
2O
3で抽出した。有機層を分離し、蒸発させて100mLにし、(150g)ジクロロメタンを用いてシリカゲルを通して濾過した。生成物がTLCによって濾液中に検出されるまで、ジクロロメタンで洗浄した。蒸発後、24.12gの粗生成物が得られ、これを280gのアセトンから再結晶化した。収率:18.28g(63mmol、45%)の淡黄色の結晶。Rf=0.53、酢酸エチル:シクロヘキサン 2:1。
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 3.08 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 3.71 (t, J = 5.0 Hz, 4H), 6.77 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 9.0 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 47.8, 65.9, 80.9, 117.4, 137.2, 150.6.
【0132】
4A.4 9−ヒドロキシ−12−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オンの調製
2−{[(2E)−1−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル
【化36】
【0133】
アルゴン下の不活性三つ口フラスコにおいて、7.11g(28.89mmol、1当量)の1−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−オンを40mlの無水ジクロロメタンに溶解した。フラスコに、滴下トップ、還流冷却器を取り付け、CaCl
2管をフラスコの上部に置いた。5mlの無水ジクロロメタン中の4.9ml(8.15g、28.89mmol、1当量)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物の溶液を、室温で5分間かけて滴加した。温度を35℃に上げ、次に混合物を室温まで冷却させた。数分で、黒色のタールが放出され、次に、40mlの無水ジクロロメタン中の4.99g(31.78mmol、1.1当量)の2−アミノチオフェン−3−カルボン酸−メチルエステルの溶液を5分間にわたって加えた。反応混合物を還流下で24時間撹拌した。冷却した反応混合物に、60mLの飽和Na
2CO
3溶液をゆっくり加え、これを10〜15分間撹拌した。相の分離後、有機相を濃縮した。これをNa
2SO
4で乾燥し、濾過して蒸発させた。残留物をさらに精製することなく使用した。収率:10.00gの暗褐色の油状の粗生成物。LCMS (M+H
+)=386.
【0134】
12−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9)、3(7)、5−トリエン−8−オン
【化37】
【0135】
前の反応で得られた粗2−{[(2E)−1−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチルを50mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、三つ口丸底フラスコに注いだ。フラスコに滴下トップと還流冷却器を取り付け、後者にはCaCl
2管を取り付けた。装置をアルゴンで不活性にし、32mlの20.1重量%カリウム−tert−ブチレート溶液(5.82g KOtBu、51.88mmol)を滴下トップから5分かけて滴加した。次に、溶液を6時間沸騰させた。次に、これを冷却し、中和し、蒸発させた。残留物を、80倍重量のシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより1%ピリジン−酢酸−水の20:6:1混合物を含む酢酸エチルを用いて精製した。収率976mg(2.76mmol、9.6%)。ESI-MS (M+H
+)=354.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 3.04 (m, 4H), 3.07 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.74 (m, 4H), 4.01 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 6.96 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 6 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 6.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 10.47 (s, 1H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 21.6, 49.1, 49.3, 66.1, 104.3, 115.7, 117.7, 117.9, 118.1, 118.7, 134.9, 145.5, 149.5, 153.8, 159.9, 160.3.
【0136】
9−ヒドロキシ−12−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(188)
【化38】
【0137】
600mg(1.69mmol、1当量)の12−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),3(7),5−トリエン−8−オン及び665mg(2.55mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジンを、スクリューガラスジャーに秤量した。無水テトラヒドロフラン(30ml)を加え、アルゴンで不活性にし、隔壁キャップで密封した。アルゴン充填バルーンを隔壁に配置した。次に容器を氷水で冷却した。テトラヒドロフラン中の3.1gの20.7%LiHMDS溶液(568mg LiHMDS、3.39mmol、2当量)を、注射器で隔壁を通して加えた。室温で24時間攪拌した。次に、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル及び40mlの2M塩酸を加え、振盪し、分離した。有機層を20mlの2M塩酸で2回抽出し、合わせた水相を40mlのメチルtert−ブチルエーテルで抽出した。水相を10%Na
2CO
3で中和した(発泡!)。その間、オレンジ色の沈殿物が生成した。これを濾過し、水で洗浄し、40℃で真空乾燥した。収率:230mg(0.62mmol、37%)。さらに、水相から250mgの生成物を、3×40mlの2−メチル−テトラヒドロフランで抽出することができた。合わせた収率は488mg(1.32mmol、49%)であった。-MS (M + H +) = 370.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 2.22 (m, 2H), 3.12 (m, 4H), 3.75 (m, 4H), 3.99 (m, 1H), 4.13 (m, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.88 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.02 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 7.06 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 9.1 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 28.7, 48.3, 49.3, 66.0, 74.6, 114.9, 116.4, 119.4, 121.7, 122.3, 131.4, 148.3, 168.7, 171.5, 187.7.
【0138】
4A. 5,9−ヒドロキシ−5−メチル−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オンの調製
5−メチル−2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル
【化39】
【0139】
アルゴン下の不活性三つ口フラスコ中で、5.00g(31.02mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンを35mlの無水ジクロロメタンに溶解した。滴下トップ、還流冷却器、及びCaCl
2管をフラスコ上に置いた。5mLの無水ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.2mL、8.75g、31.02mmol、1当量)の溶液を、室温で5分間かけて滴加した。沸騰するまで温度を上昇させ、次に室温まで冷却し、15分間撹拌した。35mlの無水ジクロロメタン中の4.99g(31.78mmol、1.1当量)の2−アミノ−5−メチルチオフェン−3−カルボン酸−メチルエステルの溶液を5分かけて滴加した。反応混合物を還流下で24時間撹拌した。冷却した反応混合物に、100mLの飽和NaHCO
3溶液をゆっくり加え、10〜15分間撹拌した(発泡!)。相を分離した後、水相を30mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をさらに精製することなく使用した。収率:4.59gの暗褐色の油状物。ESI-MS (M+H
+)=315. Rf=0.52、シクロヘキサン:酢酸エチル 1:1。
【0140】
5−メチル−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール
【化40】
【0141】
4.21g(13.39mmol、1当量)の5−メチル−2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチルを40mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、三つ口丸底フラスコに注いだ。フラスコに滴下トップと還流冷却器を取り付け、後者にCaCl
2管を取り付けた。装置をアルゴンで不活性にし、15mlの20.1重量%カリウム−tert−ブチレート溶液(2.73g、KOtBu、24.34mmol、1.8当量)を5分かけて滴加した。塩基を計算するために、前の工程の生産物を純粋であると見なした。5時間還流した後、混合物を室温に冷却し、60mlの飽和NH
4Cl溶液を加えた。次に、有機相をNaClの飽和溶液(2×30mL)で抽出し、分離し、Na
2SO
4で乾燥した。濾過及び蒸発後、3.87gの褐色の固体が残り、これをさらに精製することなく使用した。ESI-MS (M+H
+)=283. Rf=0.40、シクロヘキサン:酢酸エチル 1:1。
【0142】
9−ヒドロキシ−5−メチル−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(198)
【化41】
【0143】
1.00g(3.55mmol、1当量)の粗5−メチル−12−フェニル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−ol及び1.39g(5.32mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジンを、100mLの丸底フラスコに秤量した。無水テトラヒドロフラン(30ml)を加え、アルゴンで不活性にし、隔壁で密封した。アルゴン充填バルーンを隔壁に配置した。次に、容器を氷水で冷却した。テトラヒドロフラン中の6.5mlの20.7%LiHMDS溶液(1.19g LiHMDS、7.09mmol、2当量)を注射器で加えた。黄色の沈殿物が生成した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。次に、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル及び40mlの2M塩酸を加えた。有機層を20mlの2M塩酸で2回抽出し、合わせた水相を真空下で濃縮して有機溶媒を除去した。水相を飽和Na
2CO
3溶液で中和し(発泡!)、次に飽和NaHCO
3溶液で8に調整した。その間、黄色の沈殿物が生成した。これを濾過し、水で洗浄し、40℃で真空乾燥した。収率:574mg(1.92mmol、54%)。-MS (M+H
+) = 299. Rf=0.54、シクロヘキサン:酢酸エチル 1:1。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ =2.22 (m, 2H), 2.34 (s, 3H), 4.03 (m, 1H), 4.15 (m, 1H), 6,79 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 7.20 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.45 (dd, J
1 = 7.4, J
2 = 8.0 Hz, 2H), 7.93 (d, J = 7.4 Hz, 2H).
13C DEPTq (500 MHz, DMSO-d6): δ = 15.1, 28.6, 48.9, 74.4, 119.6, 119.8, 120.3, 124.6, 128.8, 130.1, 139.6, 169.0, 169.2, 187.5.
【0144】
4A.6 9−ヒドロキシ−5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オンの調製
2−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}−5−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチル:
【化42】
【0145】
アルゴン雰囲気下の不活性フラスコ中で、1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−オン(24.95g、121.54mmol、1当量)を100mlの無水ジクロロメタンに溶解し、5〜10℃に冷却した。20mlの無水ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(20.45ml、34.29g、121.54mmol、1当量)の溶液を約20分で滴加した。室温まで温め、1時間攪拌した。反応混合物を5〜15℃に冷却し、160mLの無水ジクロロメタン中の22.89g(133.7mmol、1.1当量)の2−アミノ−5−メチルチオフェン−3−カルボン酸−メチルエステルの溶液を、15分で混合物に滴加した。反応混合物を還流下で24時間撹拌した。反応を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 7:3)でモニターした。冷却した反応混合物に、140mlの飽和Na
2CO
3溶液をゆっくり加え、10〜15分間撹拌した(発泡!)。相を分離した後、有機層を水(2×100mL)で洗浄し、蒸発させた。残留物を100mlの酢酸イソプロピルに溶解し、10%クエン酸(10×60ml)で抽出した。合わせた水性抽出物を60mLの酢酸イソプロピルで洗浄した。水相を飽和Na
2CO
3(100mL)及び50%NaOH(50mL)でpH約9に塩基性化し、酢酸イソプロピル(3×100mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。収率:20.1gの黄色の油状物(56.07mmol、46%)。ESI-MS (M+H
+) = 359.
1H-NMR (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): δ 1.90 (m, 2H), 2.27 (d, J = 1.2 Hz, 3H), 2.49 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.27 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 4.51 (s, 2H), 6.77 (q, J
1= 1.2 Hz, 1H), 6.91 (m, J
1= 8.6 Hz, 2H), 7.30 (m, J
1= 8.6 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 15.0, 19.0, 27.9, 46.2, 48.1, 50.7, 55.0, 113.8, 114.7, 124.4, 126.8, 129.0, 129.2, 158.5, 163.0, 163.6.
【0146】
12−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール:
【化43】
【0147】
30.28g(84.47mmol、1当量)の2−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}−5−メチルチオフェン−3−カルボン酸メチルを750mlのトルエンに溶解し、水分離器を使用して500mlのトルエンを蒸留除去した。残留溶媒を真空下で蒸発させた。アルゴン下の不活性フラスコ中で、蒸発残留物を340mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、続いてテトラヒドロフラン中の94.31g(18.96gのKOtBu、168.9mmol、2当量)の20.1m/m%カリウム−tert−ブチレート溶液を加えた。反応混合物を還流下で撹拌し、反応を薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル 7:3)によってモニターした。出発物質を消費した後、38ml(39.9gの664.4mmol、7.8当量)の酢酸を冷却した反応混合物に加え、反応混合物を真空下で濃縮した。蒸発残留物を200mlのトルエンに懸濁し、溶媒を真空中で蒸発させ、そして残留物を300mlの水に懸濁した。続いて、混合物のpHを飽和NaHCO
3溶液(600mL)で約8に調整し、少なくとも30分間撹拌した。ガラスフィルターで濾過し、3×150mLの水、3×150mLのメチル−tert−ブチル−エーテルで洗浄した。濾過した材料を室温で真空乾燥した。収率:18.83g(57.69mmol、68.29%)。-MS (M+H
+)=327.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 2.42 (s, 3H), 2.87 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.32 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.41 (s, 2H), 6.88 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 6.94(s, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 10.17(s, br, 1H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 15.8, 22.5, 48.2, 48.9, 54.9, 102.2, 113.7, 116.4, 117.4, 129.2, 129.4, 129.8, 153.3, 158.3, 159.9, 163.0.
【0148】
5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール:
【化44】
【0149】
18.82g(57.66mmol、1当量)の12−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]−ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール及び62ml(61.69g、570.46mmol、9.89当量)のアニソールを、アルゴン下で不活性フラスコ内に秤量した。トリフルオロ酢酸(35.5mL、52.56g、461.26mmol、8当量)を室温で滴加し、溶液を70℃で19時間撹拌した。反応を薄層クロマトグラフィー(トルエン:ジオキサン:酢酸 10:3:1)でモニターした。出発物質が消費された後、反応混合物を0〜5℃に冷却した。340mlの濃塩酸を加えることによって。生成物の塩酸塩が沈殿した。懸濁液を10〜15分間撹拌し、次にガラスフィルターで濾過し(この最初の濾液をpH約9にアルカリ化し、濾過し、水性及び冷アセトニトリルで洗浄することにより、4.65gの生成物を得ることができた)、50mlの冷アセトニトリルと50mlの冷ジエチルエーテルを加え、30℃で真空乾燥した。このようにして得られた7.76gのHCl塩を90mlの飽和NaHCO
3溶液に懸濁し、30分間撹拌した。これを濾過し、2×40mlの水及び20mlのメチル−tert−ブチル−エーテルでガラスフィルター上で洗浄し、次に真空下で乾燥した。収率:11.33gの白色固体(54.93mmol、95.29%)。
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 2.38 (s, 3H), 2.91 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.44 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 6.0-3.5 (s, br, 1H), 6.05 (s, br, 1H), 6.93 (s, 1H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 15.8, 24.5, 44.0 101.8, 116.8, 117.8, 128.6, 154.7, 159.9, 165.3.
【0150】
9−ヒドロキシ−5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン(231):
【化45】
【0151】
アルゴン下の不活性フラスコ中で、3.0g(14.55mmol、1当量)の5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール及び5.70g(21.81mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジンを30mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、撹拌しながら0〜5℃に冷却した。20.7m/m%テトラヒドロフラン中の26.5ml(23.51g、4.87g、29.09mmol、2当量)のLiHMDSの溶液を反応混合物に滴加し、室温まで温めた。反応を薄層クロマトグラフィー(トルエン:ジオキサン:酢酸 10:3:1)でモニターした。反応の完了後、50mlの飽和塩化アンモニウム溶液を反応混合物に加えた。150mlの2−メチルテトラヒドロフランと50mlの水を加えてエマルジョンを除去した。相を分離した後、水層をメチルテトラヒドロフラン(4×50mL)で抽出した。合わせた有機相において、沈殿した黄色の粉末をガラスフィルターで濾過し、真空下で乾燥した(0.339g)。有機濾液を室温で一晩放置し、水相から分離した。Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空下で蒸発させて約100mlにした。沈殿した生成物を濾紙で濾過し、2×0mLの2−メチル−テトラヒドロフランで洗浄し、真空下で30℃で乾燥した(0.869g)。濾液を再び約30mLに濃縮し、沈殿した生成物を再び濾紙で濾過し、真空下で乾燥した(1.265g)。収率:2.473g(11.13mmol、76.56%)。ESI-MS (M+H
+)=223.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 2.02 (ddd, J
1 = 13.3 Hz, J
2=J
3= 8.4 Hz, 1H,), 2.12 (dd, J
1 = 13.3Hz, J
2 = 5.2Hz, 1H), 2.27 (d, J = 0.9 Hz, 3H), 3.42 (dd, J
1 = 10.7 Hz, J
2 = 8.4 Hz, 1H), 3.57(m, 1H), 6.57 (s, br, 1H), 6.64 (q, J = 0.9 Hz, 1H), 8.96 (s, br, 1H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6): 15.0, 31.6, 42.3, 72.9, 118.4, 119.3, 127.2, 174.1, 187.5.
【0152】
4A.7 9−ヒドロキシ−5−メチル−12−[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7)5−トリエン−8−オン(220)の調製:
【化46】
【0153】
400mg(1.80mmol、1当量)の9−ヒドロキシ−5−メチル−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7)5−トリエン−8−オンを100mlの丸底フラスコに入れ、412mg(2.15mmol、1.2当量)のヨウ化銅(I)、304mg(2.15mmol、1.2当量)のN,N’−ジメチル−シクロヘキサンジアミン、676mg(3.60mmol、2当量)の4−(4−ヨードフェニル)モルホリン、1.76g(5.40mmol、3当量)の炭酸セシウム、20mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド、及び8gの乾燥モレキュラーシーブ。炭酸セシウムは、あらかじめ120℃でP
2O
5を使用して真空下で2時間乾燥した。フラスコを窒素で不活性にし、隔壁で密封した。窒素を充填したバルーンを隔壁に置いた。出発物質が消費されるまで、反応混合物を60℃で撹拌した。反応を、酢酸エチルで溶出する薄層クロマトグラフィーによってモニターした。3日後、反応はもはや進行せず、次に混合物を冷却し、セライトを通して濾過し、濾液が黄色になるまでメタノールで洗浄した。メタノールを真空下で蒸発させ、残留物を飽和NaCl(100mL)に注いだ。これを2−メチルテトラヒドロフラン(3×100mL)で抽出した。エマルジョンが形成されたら、さらに100mlのNaCl溶液と100mlの2−メチルテトラヒドロフランを加えた。合わせた有機相を50mlの飽和NaCl溶液で抽出し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。1.6gの粗生成物から溶媒を蒸発させて5gのセライトにし、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製した。適切な画分を蒸発させ、ジエチルエーテルで粉砕し、オレンジ色の沈殿物を濾別した。収率:308mg。次にこれを、必要に応じて分取HPLCで精製した。ESI-MS (M+H
+) = 384.
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 2.20 (m, 2H), 2.32 (s, 3H), 3.11 (m, 4H), 3.74 (m, 4H), 3.97 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 6.75 (s, 1H), 6.80 (s, 1H), 7.02 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.76 (d, J = 9.0 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 15.1, 28.8, 48.3, 49.1, 74.4, 114.9, 119.3, 119.5, 121.6, 129.2, 131.4, 148.2, 168.5, 170.2, 187.3.
【0154】
4A.8 9−ヒドロキシ−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オンの調製
2−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル
【化47】
【0155】
乾燥した4つ口の500ml丸底フラスコに、磁気攪拌棒、温度計、滴下トップ、還流冷却器、ガス入口を取り付けた。還流冷却器の上に、シリコーンオイル充填ガス洗浄機とCaCl
2管を置いた。25.02g(122mmol、1当量)の1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−オンをフラスコに加え、150mlの無水ジクロロメタンに溶解した。アルゴンガスをゆっくり装置に導入した。溶液を5〜10℃に冷却し、20mLの無水ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(20.5mL、34.39g、122mmol、1当量)の溶液を20分かけて滴加した。反応は発熱性であり、5〜15℃の温度に維持した。次に、溶液を室温で2時間撹拌し、次に氷水で再び冷却した。100mlの無水ジクロロメタン中の2−アミノチオフェン−3−カルボン酸メチル(21.08g、134mmol、1.1当量)の溶液を、5〜15℃で15分間にわたって加えた。反応は発熱性であり、添加後24時間、混合物を還流した。一方、アルゴンの導入はもはや必要なかった。
【0156】
次に、140mlの飽和Na
2CO
3溶液を、発泡に注意しながら、室温まで冷却した溶液にゆっくり加えた。有機層を分離し、水(100mL)で2回洗浄し、そして真空下で濃縮した。残留物を酢酸イソプロピルに溶解し、70mlの10%クエン酸溶液で7回抽出した。有機相をさらなる処理のために廃棄した。合わせた水相を60mlの酢酸イソプロピルで抽出し、飽和Na
2CO
3溶液でpH9に調整し、発泡を観察した。次に、混合物を100mlの酢酸イソプロピルで3回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン/酢酸イソプロピルの勾配を用いて精製した。収率:10.70g。
【0157】
クエン酸で抽出した後、分離した有機相を乾燥後に蒸発させ、同じクロマトグラフィー法で精製した。6.84gの純粋な生成物を回収することができ、合計収率は17.54g(51mmol、41.7%)の黄色の油状物であった。Rf=0.49、シクロヘキサン−酢酸エチル 1:1。: 1. ESI-MS (M+H
+) = 345.
1H-NMR (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): δ 1.90 (m, 2H), 2.48 (m, 2H), 3.29 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 4.53 (s, 2H), 6.81 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.09 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 8.6 Hz, 2H).
13C DEPTq NMR (126 MHz DMSO-d
6): δ 19.0, 27.9, 46.3, 48.1, 50.8, 55.0, 113.8, 114.5, 115.1, 127.1, 128.9, 129.2, 158.5, 163.2, 163.7, 165.4.
【0158】
12−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール
【化48】
【0159】
2−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}チオフェン−3−カルボン酸メチル及び150mlのトルエンを、250mLの丸底フラスコに加えた。水分離器と還流冷却器をフラスコに置き、水が除去されなくなるまで還流した。5時間還流した後、水の含量を測定し、これが0.04%未満である場合は、冷却し、トルエンを真空中で蒸発させた。次に、残留物を75mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、還流冷却器、滴下トップ、及びガス入口を備えた3口フラスコに移した。次に、20.1%テトラヒドロフラン中のカリウム−tert−ブチレート(30mL)(5.35g KOtBu、47.7mmol、1.7当量)を室温でゆっくり加えた。添加中に黄色の沈殿物が生成した。次に、出発物質が消費されるまで溶液をアルゴン下で還流し、反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。反応完了後、フラスコの内容物を室温まで冷却し、10mlの酢酸を滴加した。次に、反応混合物を単口丸底フラスコに注ぎ、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を50mlのトルエンに懸濁し、そして溶媒を再び真空中で蒸発させた。残留物を50mlの水に懸濁し、160mlの飽和NaHCO
3でpHを8に調整した(発泡!)。懸濁液を30分間撹拌し、次に濾過した。沈殿物を100mlの水で3回洗浄し、次に50mlのメチル−tert−ブチル−エーテルで洗浄し、そして真空中で乾燥した。収率:7.19g(23.0mmol、82%)の淡褐色の粉末。Rf=0.56、トルエン:ジオキサン:酢酸 10:3:1。ESI-MS (M+H
+) = 313.
1H-NMR (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): δ 2.90 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.35 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.45 (s,2H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.26 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 10.36 (bs, 1H).
13C DEPTq NMR (126 MHz DMSO-d
6): δ 22.4, 48.0, 48.8, 55.0, 102.3, 113.8, 116.4, 117.3, 118.9, 129.2, 129.7, 153.9, 158.3, 160.9, 163.7.
【0160】
4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オール
【化49】
【0161】
4.95g(15.9mmol、1当量)の12−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1(9),2,5,7−テトラエン−8−オールを、丸底フラスコに秤量した。固体を15.5ml(15.43g、143mmol、9当量)のアニソールに懸濁した。滴下トップと還流冷却器をフラスコ上に置いた。CaCl
2管はクーラーの上に置いた。蒸気室をアルゴンですすぎ、10mL(14.90g、130mmol、8.2当量)のトリフルオロ酢酸を5分かけて加えた。その間、固形物は溶解した。溶液を70℃で72時間撹拌し、反応を薄層クロマトグラフィーでモニターした。出発物質が消費された後、フラスコを氷水で冷却し、10mlの濃塩酸を0〜5℃で加えた。混合物を10分間冷攪拌して、生成物の塩酸塩を得た。次にこれを濾過し、冷アセトニトリル及びジエチルエーテルで洗浄した。塩酸塩を20mlの飽和NaHCO
3溶液に懸濁し、30分間撹拌し、次に沈殿物を濾別した。これを水(20mL)及びメチル−tert−ブチル−エーテル(10mL)で洗浄した。収率:1.61g(8.4mmol、53%)の淡褐色の粉末。Rf=0.19、トルエン:ジオキサン:酢酸 10:3:1。ESI-MS (M+H
+) = 193.
1H-NMR (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): δ 2.94 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.49 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 6.32 (bs, 1H), 7.00 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 10.21 (bs, 1H).
13C DEPTq NMR (126 MHz DMSO-d
6): δ 24.2, 43.9, 101.8, 116.1, 116.9, 118.8, 153.8, 160.6, 166.0.
【0162】
9−ヒドロキシ−4−チア−2,12−ジアザトリシクロ[7.3.0.0
3,7]ドデカ−1,3(7),5−トリエン−8−オン
【化50】
【0163】
アルゴン充填バルーンを隔壁内に置いた。次に、容器を氷水で冷却した。注射器を使用して、テトラヒドロフラン中の2.6mlの20.7%LiHMDS溶液(437mg LiHMDS、2.83mmol、2当量)を隔壁を介して加えた。その後、反応混合物は褐色に変わり、固体が溶解した。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターし、出発物質が消費されるまで室温で撹拌した。次に、飽和NH
4Cl(15mL)を加え、混合物を2−メチル−テトラヒドロフラン(3×15mL)で抽出した。有機相を合わせ、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。収率:74mg(0.36mmol、25%)の赤色の固体。次にこれを分取HPLCによって精製した。Rf=0.32、トルエン:ジオキサン:酢酸 10:3:1。Rf=0.38、酢酸エチル。ESI-MS (M+H
+)=209.
【0164】
4A.9 8a−ヒドロキシ−6−フェニル−6H,7H,8H,8aH,9H−ピロロ[2,3−b]1,5−ナフチリジン−9−オンの調製
3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−2−カルボン酸メチル
【化51】
【0165】
アルゴン下の不活性三つ口丸底フラスコ中で、5.00g(31.02mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンを35mlの無水ジクロロメタンに溶解した。滴下トップ、還流冷却器、及びCaCl
2管をフラスコ上に置いた。10mLの無水ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.2mL、8.75g、31.02mmol、1当量)の溶液を2分かけて滴加した。溶液がわずかに沸騰するまで、温度を上昇させた。室温まで冷却し、3時間攪拌した。次に、35mlの無水ジクロロメタン中の5.19g(34.12mmol、1.1当量)の3−アミノピリジン−2−カルボン酸−メチルエステルの懸濁液を、大径の漏斗を通して注意深く加えた。装置をアルゴンで再注入し、反応混合物を還流温度で24時間撹拌した。冷却した反応混合物に、撹拌しながら60mLの飽和Na
2CO
3溶液をゆっくり加えた。相を分離した後、水相をジクロロメタン(2×40mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をさらに精製することなく使用した。収率:10.12gの黒色の油状物、放置すると固化した。
【0166】
6−フェニル−6H,7H,8H−ピロロ[2,3−b]1,5−ナフチリジン−9−オール
【化52】
【0167】
前の工程で得られた粗3−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−2−カルボン酸メチルを80mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、三つ口丸底フラスコに注いだ。フラスコに滴下トップと還流冷却器を取り付け、後者にCaCl
2管を取り付けた。装置をアルゴンで不活性にし、42.5mlの20.1m/m%カリウム−tert−ブチレート溶液(7.68g KOtBu、68.53mmol、2当量)を5分かけて滴加した。塩基を計算するために、前の工程を100%と見なした。反応混合物が沈殿し、沈殿物は加温中に溶解した。24時間還流した後、混合物を室温に冷却し、5mlの酢酸を加えた。反応混合物を水(300mL)で希釈し、沈殿物を濾別し、水で洗浄し、50℃で真空下で乾燥した。粗生成物をさらに精製することなく使用した。収率:4.11gの褐色の粉末。-MS (M+H
+)=264.
【0168】
8a−ヒドロキシ−6−フェニル−6H,7H,8H,8aH,9H−ピロロ[2,3−b]1,5−ナフチリジン−9−オン(190):
【化53】
【0169】
1.06g(4.00mmol、1当量)の粗6−フェニル−6H,7H,8H−ピロロ[2,3−b]1,5−ナフチリジン−9−オール及び1.57g(6、00mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニル−オキサジリジンを、100mlの丸底フラスコに秤量した。無水テトラヒドロフラン(50ml)を加え、アルゴンで不活性にし、隔壁で密封した。アルゴン充填バルーンを隔壁に置いた。次に容器を氷水で冷却した。テトラヒドロフラン中の7.5mlの20.7%LiHMDS溶液(1.34g LiHMDS、8.00mmol、2当量)を注射器で加えた。室温で5日間攪拌した。次に、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル及び40mlの2M塩酸を加えた。褐色の沈殿物が生成し、これを濾過して除去した。濾液を分離し、有機相を20mlの2M塩酸で2回抽出し、合わせた水相を真空下で濃縮して、有機溶媒を除去した。水相を10%Na
2CO
3で中和した(発泡!)。その間、濃いオレンジ色の沈殿物が生成した。これを濾過し、水で洗浄し、40℃で真空下で乾燥した。収率:185mgの粗生成物、これは分取HPLCにより精製された。ESI-MS (M+H
+)=280.
【0170】
4A.10 3a−ヒドロキシ−1−フェニル−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,8−ナフチリジン−4−オンの調製
2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸メチル
【化54】
【0171】
アルゴン下の不活性三つ口フラスコ中で、5.00g(31.02mmol、1当量)の1−フェニルピロリジン−2−オンを35mlの無水ジクロロメタンに溶解した。滴下トップ、還流冷却器、及びCaCl
2管をフラスコ上に置いた。10mLの無水ジクロロメタン中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.2mL、8.75g、31.02mmol、1当量)の溶液を2分かけて滴加した。溶液がわずかに沸騰するまで、温度を上昇させた。その後、室温まで冷却し、3時間攪拌した。次に、無水ジクロロメタン(35mL)中の2−アミノピリジン−3−カルボン酸−メチルエステル(5.19g、34.12mmol、1.1当量)の溶液を加え、反応混合物を48時間還流撹拌した。冷却した反応混合物に、60mLの飽和Na
2CO
3溶液を撹拌しながらゆっくり加えた。相を分離した後、有機相を40mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をさらに精製することなく使用した。収率:3.31gの褐色の油状物、放置すると部分的に固化した。-MS (M+H
+)=296.
【0172】
1−フェニル−1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]−1,8−ナフチリジン−4−オール
【化55】
【0173】
前の工程で得られた粗2−{[(2E)−1−フェニルピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−3−カルボン酸メチルを無水テトラヒドロフラン(40ml)に溶解し、三つ口丸底フラスコに注いだ。フラスコに滴下トップと還流冷却器を取り付け、後者にCaCl
2管を取り付けた。装置をアルゴンで不活性にし、13.9mlの20.1m/m%カリウム−tert−ブチレート溶液(2.51g KOtBu、22.38mmol、2当量)を5分かけて滴加した。塩基を計算するために、前の工程を100%と見なした。褐色の沈殿物が生成した。3時間還流した後、混合物を室温に冷却し、5mlの2M塩酸を加えた。次に、飽和NaHCO
3でpHを8に調整した。黄色の沈殿物が形成され、これを濾別し、水で洗浄し、次に真空下で乾燥した。粗生成物をさらに精製することなく使用した。収率:1.35gの黄色い粉末。ESI-MS (M+H
+)=264.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 3.25 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 4.27 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.21 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.45 (dd, J
1 = 7.5, J
2 = 8.5 Hz, 2H), 7.56 (dd, J
1 = 5.7 Hz, J
2 = 7.9 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.68 (dd, J
1 = 1.5 Hz, J
2 = 5.6 Hz, 1H), 8.81 (dd, J
1 = 1.5 Hz, J
2 = 7.9 Hz, 1H), 10.91 (s, 1H).
13C DEPTq NMR δ (126 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 21.8 50.0, 110.4, 117.0, 117.3, 120.1, 124.3, 128.8, 138.6, 139.7, 141.8, 150.6, 153.6, 163.7.
【0174】
3a−ヒドロキシ−1−フェニル−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,8−ナフチリジン−4−オン(189)
【化56】
【0175】
0.79g(3.00mmol、1当量)の粗1−フェニル−1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]1,8−ナフチリジン−4−オール及び1.18g(4.50mmol、1.5当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジンを、50mLの丸底フラスコに秤量した。無水テトラヒドロフラン(30ml)を加え、アルゴンで不活性にし、隔壁で密封した。アルゴン充填バルーンを隔壁に配置した。次に、容器を氷水で冷却した。テトラヒドロフラン中の5.5mlの20.7%LiHMDS溶液(1.00g LiHMDS、6.00mmol、2当量)を注射器で加えた。室温で8日間攪拌した。次に、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル及び40mlの2M塩酸を加えた。濾液を分離し、有機相を20mlの2M塩酸で2回抽出した。合わせた水相を飽和NaHCO
3溶液でpH=8に調整した(発泡!)。その間、黄色の沈殿物が生成した。これを濾過し、水で洗浄し、40℃で真空下で乾燥した。収率:414mg(1.48mmol、49%)。-MS (M+H
+)=280.
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 2.27 (dd, J
1 = 5.7 Hz, J
2 = 13.2 Hz, 1H), 2.37 (ddd, , J
1 = 9.0 Hz, J
2 = 9.3 Hz, J
1 = 13.2 Hz, 1H), 4.02 (dd, J
1 = 9.1 Hz, J
2 = 9.3 Hz, 1H), 4.17 (ddd, J
1 = 6.0 Hz, J
2 = 9.0 Hz, J
3 = 9.4 Hz, 1H), 7.04 (s, 1H), 7.10 (dd, J
1 = 5.0 Hz, J
2 = 7.4 Hz, 1H), 7.22 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.46 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 8.06 (dd, J
1 = 1.6 Hz, J
2 = 7.1 Hz, 1H), 8.08 (d, J = 8.4, 2H), 8.54 (dd, J
1 = 1.6 Hz, J
2 = 5.0 Hz, 1H).
13C-NMR DEPTq δ (126 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 27.9, 48.1, 73.1, 116.4, 118.5, 120.6, 124.5, 128.6, 135.0, 139.9, 154.7, 162.7, 168.0, 193.7.
【0176】
4A.11 3α−ヒドロキシ−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オンの調製
3−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸エチル
【化57】
【0177】
乾燥した500mlの四つ口丸底フラスコに、還流冷却器、温度計、滴下トップ、ガス入口を取り付けた。28.53g(139mmol、1.05当量)の1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−オンと50mlの無水クロロホルムをフラスコに秤量した。アルゴンをゆっくり導入し、オキシ塩化リン(13mL、21.31g、139mmol、1.05当量)を滴下トップから5分かけて加えた。反応はわずかに発熱性であった。次に室温まで冷却し、3時間攪拌した。次に、50mLの無水クロロホルム中の3−アミノ−イソニコチン酸エチル(22.00g、132mmol、1当量)の溶液を5分かけて加えた。溶液が沸騰したら、添加を遅くしてわずかに沸騰させた。添加後、反応混合物をアルゴン雰囲気下でさらに48時間還流した。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターした。48時間後、反応混合物を室温に冷却し、220mlの飽和Na
2CO
3溶液(発泡!)を撹拌しながらゆっくり加えた。次に、さらに150mlの水を加え、相を分離した。水相を100mlのクロロホルムで2回洗浄し、合わせた有機相を水(100ml)で抽出し、Na
2SO
4で乾燥した。濾過後、これを濃縮し、50mlの酢酸エチルに溶解した。ガラスフィルター上で、200gのシリカゲルを酢酸エチルで湿らせ、これを通して生成物の溶液を濾過した。薄層クロマトグラフィーにより濾液中に生成物が検出されるまで、酢酸エチルで洗浄した。次に、合わせた溶液を濃縮し、残留物を酢酸イソプロピルに溶解し、Na
2SO
4で乾燥した。濾過後、これを真空下で濃縮した。収率:40.99g(115mmol、88%)。-MS (M + H +) = 354.Rf=0.55、同じプレートを酢酸エチルで3回実行。
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 1.20 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.87 (m, 2H), 2.30 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.26 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.74(s, 3H), 4.21 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 4.50 (s, 2H), 6.90 (m, J
1 = 8.5 Hz, 2H), 7.28 (m, J
1 = 8.5 Hz, 2H), 7.45 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.16 (s, br, 1H), 8.21 (d, J = 5.0Hz, 1H).
13C-NMR δ (126 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 13.9, 19.1, 27.7, 46.2, 48.0, 55.0, 60.8, 113.7, 122.0, 129.2, 129.3, 130.1, 141.9, 145.9, 147.0, 157.5, 158.4, 162.1, 166.1.
【0178】
1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オール
【化58】
【0179】
39.41g(112mmol、1当量)の3−{[(2E)−1−[(4−メトキシフェニル)メチル]ピロリジン−2−イリデン]アミノ}ピリジン−4−カルボン酸エチルを500mLの丸底フラスコに加え、300mlのトルエンに溶解した。水分離器をフラスコ上に置き、水分離器上に還流冷却器を取り付け、これを水分離が観察されるまで沸騰した。2時間後、溶液の水含有量は0.01m/m%に達した。次に混合物を室温に冷却し、トルエンを真空下で蒸発させた。残留物を300mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、三つ口丸底フラスコに注いだ。還流冷却器、滴下トレイ、及び温度計をフラスコ上に置いた。アルゴン雰囲気中で、テトラヒドロフラン中のカリウムtert−ブチレートの20.1m/m%溶液(18.76g KOtBu、167mmol、1.5当量)105mlを、撹拌しながら10分間かけて滴加した。この間に、溶液は35℃に温まり、淡褐色の沈殿物が生成した。反応を薄層クロマトグラフィーによってモニターし、出発物質が消費されるまで還流した(出発物質の消費は、溶出液中の前の中間体で記載された)。室温まで冷却した後、20mlの酢酸を加えた。反応混合物を単口丸底フラスコに注ぎ、溶媒を真空下で蒸発させた。残留物を500mlの水に懸濁し、飽和Na
2CO
3溶液(発泡!)でpH=9に調整した。固体を濾別し、水(2×250mL)で洗浄し、真空中で乾燥した。収率:33.01g(107mmol、96%)の淡褐色の粉末。ESI-MS (M+H
+) = 308. Rf=0.78、ジクロロメタン:メタノール 10:1、中性E2 Al
2O
3。
1H-NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T=300K): 3.01 (t, br, J = 8.0 Hz, 2H), 3.45 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.59 (s, 2H), 6.88 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.24(d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.18 (d, J = 5.2Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 11.3-10.1 (br, 1H).
13C-HMBC NMR δ (126 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 22.7 47.1, 47.6, 55.0, 108.0, 113.9, 114.7, 123.7, 129.2, 139.3, 143.4, 147.0, 153.4, 158.4, 162.7.
【0180】
1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オール
【化59】
【0181】
26.00g(85mmol、1当量)の1−[(4−メトキシフェニル)メチル]−1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オールを、250mlの三つ口丸底フラスコに秤量した。フラスコに滴下トップと還流冷却器を取り付け、その上にCaCl
2管を取り付けた。蒸気室をアルゴンで洗い流した。出発物質をアニソール(83mL、82.33g、761mmol、9当量)に懸濁し、52mL(77.16g、677mmol、8当量)のトリフルオロ酢酸を撹拌しながらゆっくり加えた。その間、固形物が溶解した。出発物質が消費されるまで反応混合物を70℃で撹拌し、続いて薄層クロマトグラフィーを行った。約10日間で反応が起きた。溶液を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)及びヘキサン(40mL)を加え、混合物を80mLの2M塩酸で抽出した。生成した沈殿物を濾別し、水に溶解し、塩酸抽出物に加えた。有機相を40mLの2M塩酸でさらに4回抽出した。合わせた水相を1:1のヘキサン−酢酸エチル(80mL)で抽出し、分離した。10%NaOHでpHを8に調整し、沈殿物を濾別し、冷水(100mL)で洗浄し、そして真空下で乾燥した。収率:13.97g(75mmol、88%)の黄色の粉末。Rf=0.17、ジクロロメタン:メタノール 10:1、中性E型Al
2O
3。
1H NMR δ (500 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 2.96 (t, br J= 8.4 Hz, 2H), 3.57 (t, J = 8.4 Hz, 2H), 7.06 (s, br, 1H), 7.74 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.22 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.67 (s, br, 1H), 12.5-10.0 (br, 1H).
13C (DEPTq, HMBC) NMR δ (126 MHz DMSO-d
6 T = 300K): 24.3, 43.6, 105.1, 115.9, 126.1, 139.1, 140.4, 143.8, 160.2, 161.4.
【0182】
3α−ヒドロキシ−1H,2H,3H,3aH,4H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オン(255)
【化60】
【0183】
2.00g(10.7mmol、1当量)の1H,2H,3H−ピロロ[2,3−b]1,7−ナフチリジン−4−オール及び5.18g(19.8mmol、1.9当量)の2−(ベンゼンスルホニル)−3−フェニルオキサジリジンを100mlの三口丸底フラスコに秤量し、20mlの無水テトラヒドロフランを加えた。次にフラスコをアルゴンで不活性にし、アルゴン充填バルーン、温度計、プラグをフラスコ上に置いた。混合物を氷水中で0〜5℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の19.3mlの20.7m%LiHMDS溶液(4.87g LiHMDS、29.1mmol、2当量)を注射器で加えた。次に反応混合物を、出発物質が消費されるまで室温で撹拌した。反応を薄層クロマトグラフィー(10:1のクロロホルム−メタノール、2回実行)によってモニターした。41時間後に水(2mL)を加え、混合物を10分間撹拌し、次にセライト(6g)を加え、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した(ジクロロメタン、0〜25%MeOH)。適切な画分を蒸発させ、残留物を10mLのメタノールに取った。沈殿物を濾別した(660mg)。濾液を蒸発させ、5mlのメタノール中の残留物を用いて操作を繰り返した。固形物を合わせた。収率:807mg(3.97mmol、37%)。ESI-MS (M+H
+)=204.
1H NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 2.11 (dd, J = 5.4, 13.5 Hz, 1H), 2.21 (m, 1H), 3.51 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 6.75 (s, 1H), 7.45 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.14 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 9.22 (bs, 1H).
13C DEPTq NMR (DMSO-d
6, 500 MHz): δ 30.8, 44.5, 118.5, 124,7, 141.4, 145.1, 194.0.
【0184】
実施例4
本発明の化合物の有効性の証明
有効性を証明するために、以下の方法が使用された:以下のミオシン2アイソフォームについてアクトミオシン定常状態ATPアーゼ測定:
a)3つすべてのアイソフォーム(NM2A、NM2B、NM2C)上の組換えヒト非筋肉ミオシン2、
b)単離されたブタの心室心筋(心筋)、
c)単離されたウサギの骨格筋ミオシン(骨格筋)、
d)単離されたシャモアの平滑筋ミオシン
e)組換えタマホコリカビ(Dictyostelium miozin)(タマホコリカビ)。
【0185】
我々は、(i)すべてのミオシンアイソフォーム及びすべての化合物について、ATPアーゼ活性の阻害の最大値(阻害の程度は、50マイクロモル濃度で少なくとも20%であった)、(ii)半最大阻害に必要な濃度、を測定した。結果は以下の表にまとめる。
【0186】
以下の表は、以下の有効性例における化合物の名前、構造、及び参照番号を示している。
【表3A-1】
【表3A-2】
【表3A-3】
【表3A-4】
【表3A-5】
【表3A-6】
【表3-1】
【表3-2】
【表4-1】
【表4-2】
【表5-1】
【表5-2】
【表6-1】
【表6-2】
【0187】
実施例6
本発明の化合物の有効性の提示
有効性の証明は、以下の方法に従って実施された:実施例4のミオシン2アイソフォームでのアクトミオシン定常状態ATPアーゼ測定。
各ミオシン−2アイソフォームについて、最大阻害値を微調整できる狭いIC50範囲を測定できることを示し、これは、薬物治療にとって非常に重要であり得る。結果は以下の表にまとめられる。
【表7-1】
【表7-2】
【0188】
実施例7
本発明の化合物の有効性の証明
有効性の証明は、以下の方法に従って実施された:電気刺激による生きた麻酔されたラットの大腿四頭筋の等尺性力測定。
刺激によって誘発された最大等尺性力は、本発明のいくつかの化合物の腹腔内注射後に測定された。測定中、生きた麻酔されたラットの以下のパラメータを継続的に監視した。
a)心拍数
b)首の動脈の血流
c)呼吸数
d)血中酸素飽和度
生きた麻酔されたラットの結果を以下の表に要約する。
【表8】
【0189】
実施例8
本発明の化合物の有効性の証明
有効性を証明するために、以下の方法を使用した:188化合物の6mgを生きたラットに腹腔内注射し、特定の時間に以下の組織で組織濃度を測定した。
a)血
b)脳
c)肺
d)心筋
e)肝臓
f)腎臓
g)脾臓
h)骨格筋
i)尿
ラット組織の結果を以下の表に要約する。
【表9】
【0190】
実施例9
本発明の化合物の溶解度の証明
リン酸緩衝生理食塩水(ダルベッコーのリン酸緩衝生理食塩水、Mg、Caを含まない(PBS))の化合物の溶解度を、1%DMSOの存在下で試験した。指定された溶解度の値を以下の表に示す。
【表10】
【0191】
実施例10
本発明の化合物の変異原性の証明
化合物の変異原性は、OECD、EMA、及びFDAによって承認されたAmes Reverse Mutagenicityアッセイ(Ames MPF Test, Xenometrix Inc.)で、S9ラット肝臓画分の非存在下又は存在下で、サルモネラ菌(S.typhimurium)TA98及びTA100株について測定された。相対的変異原性の値は、製造元から提供された表を使用して作成された。OECD、EMA、及びFDA基準による相対的変異原性の値は、どの濃度でも2を超えてはならない。そのような場合、変異原性の可能性があるためである。相対的な変異原性の値を下の表と図に示す。
【表11】
【0192】
実施例11
本発明の化合物の例には以下の化合物が含まれるが、これらは本発明を限定すると解釈されるべきではない。
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【表12-6】
【表12-7】
【表12-8】
【表12-9】
【表12-10】
【表12-11】
【表12-12】
【表12-13】
【表12-14】
【表12-15】
【表12-16】
【表12-17】
【表12-18】
【表12-19】
【表12-20】
【0193】
産業上の利用可能性
本発明の化合物は、上記の適応症のための薬剤として使用することができる。