特表2021-522348(P2021-522348A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-522348(P2021-522348A)
(43)【公表日】2021年8月30日
(54)【発明の名称】チオフェン誘導体の結晶形
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20210802BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20210802BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210802BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20210802BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210802BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210802BHJP
【FI】
   C07D495/04 103
   C07D495/04CSP
   A61K31/407
   A61P29/00
   A61P31/00
   A61P35/00
   A61P43/00 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】68
(21)【出願番号】特願2021-510509(P2021-510509)
(86)(22)【出願日】2019年4月30日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月22日
(86)【国際出願番号】CN2019085327
(87)【国際公開番号】WO2019210864
(87)【国際公開日】20191107
(31)【優先権主張番号】201810407741.X
(32)【優先日】2018年5月2日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520426069
【氏名又は名称】ティエンジン・フーメイ・ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tianjin Hemay Pharmaceutical Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ドンレイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・リーユー
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ユークン
【テーマコード(参考)】
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA01
4C071BB01
4C071CC01
4C071CC21
4C071DD05
4C071EE13
4C071FF03
4C071HH08
4C071HH17
4C071JJ01
4C071KK16
4C071LL01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB27
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA03
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB31
4C086ZC20
(57)【要約】
化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項2】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項3】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表1】
である、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項4】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表2】
である、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項5】
実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項6】
示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、約136.0℃に吸熱ピークを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項7】
示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、136.0±6℃に吸熱ピークを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項8】
示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、実質的に図2に示すようなDSC曲線を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項9】
熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、実質的に図3に示すようなTGA曲線を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項10】
赤外スペクトル(IR)において、吸収ピーク位置と強度は約
【表3】
である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項11】
赤外スペクトル(IR)において、実質的に図4に示すような赤外スペクトル(IR)を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項12】
実質的に溶媒を含まない請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項13】
実質的に水を含まない請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項14】
実質的に純粋な請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項15】
溶媒を含まず、水を含まない請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項16】
請求項1〜15に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I及び薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項17】
非経口投与、経皮投与、粘膜投与、経鼻投与、バッカル投与、舌下投与又は経口投与の錠剤、溶液剤、顆粒剤、パッチ剤、軟膏剤、ゲル剤、カプセル剤、エアロゾル剤又は坐剤に処方される、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法。
【請求項19】
完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解すること、及び
ろ過し、ろ液を降温し、前記結晶形Iを析出することを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法。
【請求項21】
完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解すること、及び
熱時ろ過して降温し、前記結晶形Iを析出することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
更に、0-10℃まで降温を続け、ろ過し、真空で乾燥することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解すること、及び
熱時ろ過して降温し、等温で蒸留水と(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、前記結晶形Iを得ることを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法。
【請求項24】
更に、攪拌を続け、0℃までに降温し、ろ過して真空で乾燥し、前記結晶形Iを得ることを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記方法を必要する個体へ治療有効量の請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I或いは治療有効量の請求項16または17に記載の医薬組成物を投与することを含む、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患又は疾病状態を治療又は予防する方法。
【請求項26】
前記個体は哺乳動物であり、好ましくはヒトである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記疾患又は疾病状態は、炎症性疾患又は疾病状態、感染症又は疾病状態、免疫疾患又は疾病状態、及び癌疾患又は疾病状態からなる群から選ばれる、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記疾患又は疾病状態は、頭部癌、甲状腺癌、頸部癌、眼癌、皮膚癌、口腔癌、咽喉癌、食道癌、乳癌、骨癌、白血病、骨髄腫、肺癌、結腸癌、S状結腸癌、直腸癌、胃癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、脳腫瘍、腸癌、心臓癌、副腎癌、皮下組織癌、リンパ節癌、黒色腫、悪性神経膠腫、HIV、肝炎、成人性呼吸促迫症候群、骨吸収亢進、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎、皮膚炎、炎症性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎、嚢胞性線維症、敗血症性ショック、膿血症、エンドトキシンショック、血行動態ショック、敗血症候群、虚血再灌流障害、髄膜炎、乾癬、線維症、悪液質、移植片対宿主病の移植拒絶反応、自己免疫疾患、リウマチ性脊椎炎、関節炎症状(例えば関節リウマチ又は骨関節炎)、骨粗鬆症、クローン病、潰瘍性結腸炎、腸炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ハンセン病中の癩性結節性紅斑(ENL)、放射線障害、喘息、酸素誘発性肺障害、微生物感染症又は微生物感染症候群から選ばれる、請求項25〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項30】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項31】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表4】
である、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項32】
X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表5】
である、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項33】
実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I。
【請求項34】
前記方法を必要する個体へ有効量の請求項1〜15のいずれか1項に記載の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I又は有効量の請求項16または17に記載の医薬組成物を投与することを含む、PDE4酵素活性を低下させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本発明は、2018年5月2日に中華人民共和国知的財産局に提出した出願番号が201810407741.X、発明の名称が「(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶多形ならびにその製造および応用」という特許出願の全ての権益を要求し、上記特許出願の全ての内容を引用により本発明に援用する。
技術分野
本発明は、実質的に有機化学と医薬化学分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
PDE4酵素阻害剤は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎とアトピー性皮膚炎等を含む複数種の炎症性疾患に対して臨床効果を有する。動物モデルで、関節炎と敗血症等を含むその他の多くの疾患に対しても効果を有する。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0004】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0005】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表1】
である。
【0006】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表2】
である。
【0007】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0008】
また、本発明は、実質的に溶媒を含まない化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0009】
また、本発明は、実質的に水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0010】
また、本発明は、実質的に純粋な化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0011】
また、本発明は、溶媒と水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0012】
また、本発明は、医薬組成物に関し、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I及び薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0013】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0014】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0015】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、
完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解すること、及び
熱時ろ過して降温し、等温で蒸留水と(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、前記結晶形Iを得ることを含み、
その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0016】
また、本発明は、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患又は疾病状態を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ治療有効量の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I或いは化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0017】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0018】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0019】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表3】
である。
【0020】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表4】
である。
【0021】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0022】
また、本発明は、PDE4酵素活性を低下させる方法に関し、前記方法を必要する個体へ有効量の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I或いは化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを含む有効量の医薬組成物を投与することを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。
図2図2は、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの示差走査熱量測定(DSC)曲線を示す。
図3図3は、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの熱重量分析(TGA)曲線を示す。
図4図4は、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの赤外スペクトル(IR)を示す。
図5図5は、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶Iの溶出曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明において、或る種の特定の詳細は、種々の開示実施形態の十分な理解を提供するために含まれる。しかしながら、実施形態は1つ又は複数のこれらの特定の詳細なしに、或いは他の方法、構成成分、材料等を用いて実行され得ると当業者は認識する。
【0025】
文脈から他の解釈が必要とされない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して、用語「含む」及び「含有」は、開放的、包括的意味で、「包含するが、限定されない」と解釈されるべきである。
【0026】
本発明及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、量の指示のない単数の指示対象は複数の指示対象が含まれる。
【0027】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「別の実施形態において」又は「実施形態において」又は「ある実施形態」という言及は、実施形態に関連して記載される特定の関連のある特徴、構造又は特質が少なくとも1つの実施形態に包含されるということを意味する。したがって本明細書全体を通して種々の箇所における「一実施形態」又は「実施形態」又は「別の実施形態」という語句の出現は、必ずしもすべてが同一実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特質は、1つ又は複数の実施形態において任意の好適な態様で組合せられ得る。
【0028】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いる場合、単数形の表現「一」(英語「a」、「an」及び「the」に対応する)は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示物を包含するということに留意すべきである。したがって、例えば「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」を含む医薬組成物は、1種類の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤、または2種類或いは2種類以上の医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
【0029】
定義
従って、反対の説明がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下の意味を有する。
【0030】
本発明において、用語「本発明の化合物」は、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドを指し、以下に示す構造を有する。
【化1】
【0031】
本発明において、用語「約」の使用は、数値またはパラメータ自体を含み、記述する。例えば、「約x」は、「x」自体を含み、記述する。ある実施形態では、測定と併せて、数値、単位、定数または数値範囲を修飾するために使用または使用される場合、用語「約」は、+/-5%の変動を指す。
【0032】
本発明において、X線粉末回折(XRPD)パターン、示差走査熱量測定(DSC)曲線、熱重量分析(TGA)曲線、赤外スペクトル(IR)に関する時に、用語「実質的に……に示すような」は、本発明に示されるものと必ずしも同一ではないことを示し、当業者が考慮すると、実験誤差またはバイアスの制限内に入る。
【0033】
本発明において、X線粉末回折(XRPD)のピーク位置に関連する「本質的に同一の」との用語は、典型的なピーク位置および強さの変動が考えられることを意味する。
例えば、当業者であれば、ピーク位置(2θ)が、使用される溶媒、さらに回折を測定するために使用される装置に応じて、多少の変動、典型的には0.1度から0.2度程度の変動を示すことが分かるであろう。さらに、当業者であれば、相対ピーク強度が、装置間の変動、さらに結晶度、好ましい配向度、調製された試料表面および当業者に知られている他の因子による変動を示し、これを、単に定性的な尺度とすべきであることが分かるであろう。
【0034】
本発明において、「2θ値」または「2θ」との用語は、X線粉末回折(XRPD)実験の実験設定に基づいて、度で示したピーク位置を指しており、回折パターンにおける共通の横座標単位である。実験設定は、入射光束が一定の格子面と角度シータ(θ)を形成するときに反射が回折される場合に、反射された光束が、角度2シータ(2θ)で記録されることを要する。特定の多形体形態に関する特定の2θ値に対する本明細書の言及は、本明細書に記載のX線粉末回折(XRPD)実験条件を使用して測定された2θ値(度)を意味することを意図していることを理解すべきである。例えば、本発明に記載されているように、CuKα(波長1.54056Å)を、放射線の源として使用した。
【0035】
本発明において、面間隔(d-spacing)の目的に対して、「約」という用語は±0.1Åを意味する。
【0036】
本発明において、「実質的に純粋」という用語は、化学的純度および形態純度を指す。
【0037】
本発明において、「実質的に含まない」という用語は、約20%重量比以下を含むことを指す。例えば、実質的に溶媒を含まないことは、約20%重量比以下の溶媒を含むことを指す。実質的に水を含まないことは、約20%重量比以下の水を含むことを指す。
【0038】
本発明において、「哺乳動物」という用語は、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマおよびヒトを含む動物を指す。ある実施形態において、哺乳動物はヒトを含む。
【0039】
本発明において、「患者」という用語は、ヒト、イヌ、ネコおよびウマなどのコンパニオンアニマル、ならびにウシ、ブタおよびヒツジなどの家畜などの動物を意味する。ある実施形態において、患者は、雄と雌の両方を包含する哺乳動物である。ある実施形態において、患者は、ヒトである。
【0040】
本発明において、「薬学的に許容できる」という用語は、担体、ビヒクル、希釈剤、賦形剤および/または塩が、製剤の他の成分と適合していなければならず、そのレシピエントに対して有害でないことを意味する。
【0041】
本発明において、「薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤」という用語は、既に米国食品医薬品局により許容され、人又は動物に投与できる、アジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、等張化剤、溶媒又は乳化剤等、医薬組成物を調製する場合、副作用がない各形態の担体を含むが、これらに限定されない。
【0042】
本発明において、「担体」という用語は、細胞又は組織中への化合物の結晶形Iの取込みを容易にする化合物を定義する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、被験体の細胞又は組織中への多くの有機化合物の取込みを容易にするので常用される担体である。
【0043】
本発明において、「医薬組成物」とは、本発明における前記化合物の結晶形Iと、通常、生物活性化合物をヒト等の哺乳動物へ輸送する本分野において許容される媒体とから製造される製剤である。このような媒体は薬理的に許容されるすべての担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
【0044】
本発明において、用語「治療有効量」は、特定の疾患又は状態および特定の疾患又は状態の症状を改善、減弱もしくは排除する、或いは特定の疾患又は状態又は特定の疾患又は状態の症状の発症を回避又は遅延させる、化合物の結晶形Iまたは化合物の結晶形I組み合わせの量を指す。「治療有效量」を構成する本願に記載した化合物の結晶形Iの量は、化合物の結晶形I、疾病状態及びその重症度、治療される哺乳動物の年齢、体重によって異なるが、当業者は自己の知識及び本願明細書により慣例に基づいて本願に記載した化合物の結晶形Iの量を確定できる。
【0045】
本発明に用いられる「治療する」又は「治療」は、関連疾病又は障害を罹患する哺乳動物、好ましく人の関連疾患又は疾病状態を治療することを意味する。更に、次のような場合も含まれる。
すなわち、
(i)疾患又は疾病状態が哺乳動物に生じることを予防し、特に当該哺乳動物は前記疾病状態になりやすいが、まだこのような疾病状態になることが診断されていない場合。
(ii)疾患又は疾病状態を抑制し、即ちその発生を阻害する場合。又は
(iii)疾患又は疾病状態を緩和し、即ち、疾患又は疾病状態を解消させる場合。
【0046】
本発明に用いられるように、「疾患」と「疾病状態」という用語は互いに交換して使用することができ、又は異なることもでき、特別の疾患又は疾病状態は既知の致病因子を有しない可能性がある(病因学的に解釈することができないため)ので、それを疾患と見なさなく、所望しない疾病状態又は障害と見なし、ただし臨床医者は既に多少の特定の症状を鑑定した。
【0047】
本発明において、用語「生理学的に許容される」という用語は、化合物の生物学的活性および特性を解消しない担体または希釈剤を指す。
【0048】
発明を実施するための形態
本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0049】
ある実施形態において、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0050】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0051】
ある実施形態において、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0052】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表5】
である。
【0053】
ある実施形態において、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表6】
である。
【0054】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表7】
である。
【0055】
ある実施形態において、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、面間隔d、回折ピーク相対強度は、約
【表8】
である。
【0056】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0057】
ある実施形態において、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図1に示すようなCuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0058】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも1つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0059】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも2つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0060】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも3つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0061】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも4つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0062】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも5つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0063】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも6つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0064】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも7つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0065】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも8つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0066】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも9つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0067】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも10つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0068】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも11つの実質的に図1中に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンの特徴的なピークが現れるX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0069】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは約136.0℃に吸熱ピークを有する。
【0070】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは約136.0℃に吸熱ピークを有する。
【0071】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±6℃に吸熱ピークを有する。
【0072】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±4℃に吸熱ピークを有する。
【0073】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±2℃に吸熱ピークを有する。
【0074】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±6℃に吸熱ピークを有する。
【0075】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±4℃に吸熱ピークを有する。
【0076】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは136.0±2℃に吸熱ピークを有する。
【0077】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図2に示すようなDSC曲線を有する。
【0078】
ある実施形態において、示差走査熱量測定(DSC)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図2に示すようなDSC曲線を有する。
【0079】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、以本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図3に示すようなTGA曲線を有する。
【0080】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図3に示すようなTGA曲線を有する。
【0081】
ある実施形態において、赤外スペクトル(IR)において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの吸収ピーク位置と強度は約
【表9】
である。
【0082】
ある実施形態において、赤外スペクトル(IR)において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図4に示すような赤外スペクトル(IR)を有する。
【0083】
ある実施形態において、他の固体形態と比較して、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、以下の少なくとも一種の有益な性質を有する。即ち、化学純度、流動性、溶解度、溶解速度、形態、結晶状態、高温安定性、加速安定性、光安定性、研磨安定性、圧力安定性、エタノール溶液の平衡安定性、水溶液の平衡安定性などの安定性、低残存溶媒含有量、低吸湿性、流動性及び圧縮性と嵩密度などの加工と処理特性である。
【0084】
また、本発明は、実質的に溶媒を含まない化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0085】
ある実施形態において、実質的に溶媒を含まない化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0086】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約20%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0087】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約20%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0088】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約10%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0089】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約10%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0090】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約5%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0091】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約5%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0092】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約3%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0093】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約3%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0094】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約1%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0095】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約1%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0096】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.5%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0097】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.5%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0098】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.2%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0099】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.2%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0100】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.1%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0101】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.1%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0102】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.01%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0103】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.01%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0104】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.001%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0105】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.001%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0106】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.0001%重量比以下の溶媒を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0107】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.0001%重量比以下の溶媒を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0108】
ある実施形態において、溶媒を含まない化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0109】
ある実施形態において、溶媒を含まない化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0110】
また、本発明は、実質的に水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0111】
ある実施形態において、実質的に水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0112】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約20%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0113】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約20%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0114】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約10%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0115】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約10%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0116】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約5%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0117】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約5%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0118】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約3%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0119】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約3%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0120】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約1%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.7°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0121】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約1%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.7°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0122】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.5%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0123】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.5%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0124】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.2%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0125】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.2%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0126】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.1%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0127】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.1%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0128】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.01%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0129】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.01%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0130】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.001%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0131】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.001%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0132】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.0001%重量比以下の水を含み、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0133】
ある実施形態において、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約0.0001%重量比以下の水を含み、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0134】
ある実施形態において、水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0135】
ある実施形態において、水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0136】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、溶融重量損失が5.0%以下まで加熱し、溶融前になんの吸/放熱ピークが現れないので、5.0%以下の重量損失は吸着水又は溶媒であることが分かる。
【0137】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、溶融重量損失が3.0%以下まで加熱し、溶融前になんの吸/放熱ピークが現れないので、3.0%以下の重量損失は吸着水又は溶媒であることが分かる。
【0138】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、溶融重量損失が2.0%以下まで加熱し、溶融前になんの吸/放熱ピークが現れないので、2.0%以下の重量損失は吸着水又は溶媒であることが分かる。
【0139】
ある実施形態において、熱重量分析(TGA)を使用して熱分析を行う場合に、10℃/分間の加熱速度で、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、溶融重量損失が1.0%以下まで加熱し、溶融前になんの吸/放熱ピークが現れないので、1.0%以下の重量損失は吸着水又は溶媒であることが分かる。
【0140】
また、本発明は、実質的に純粋な本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0141】
ある実施形態において、実質的に純粋な本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0142】
ある実施形態において、実質的に純粋な本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも約95%重量比、好ましくは少なくとも約98%重量比、より好ましくは少なくとも約99%重量比の結晶形Iと約5%重量比未満、好ましくは約2%重量比未満、より好ましくは約1%重量比未満の、化学構造が本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドと異なる他の化合物を含む。
【0143】
ある実施形態において、実質的に純粋な本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、少なくとも約95%重量比、好ましくは少なくとも約98%重量比、より好ましくは少なくとも約99%重量比の結晶形Iと約5%重量比未満、好ましくは約2%重量比未満、より好ましくは約1%重量比未満の本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの何らかの他の結晶形を含む。これは、本発明の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、約5%重量比未満の他の化合物及び約5%重量比未満の何らかの他の形態(「相均一性」とも言う)を含むことを意味する。
【0144】
また、本発明は、溶媒と水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0145】
ある実施形態において、溶媒と水を含まない(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0146】
また、本発明は、医薬組成物に関し、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I及び薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0147】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、非経口投与、経皮投与、粘膜投与、経鼻投与、バッカル投与、舌下投与又は経口投与の錠剤、溶液剤、顆粒剤、パッチ剤、軟膏剤、ゲル剤、カプセル剤、エアロゾル剤又は坐剤に処方される。
【0148】
医薬組成物
ある実施形態において、医薬組成物は、本発明の化合物の結晶形I、及び薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む。
【0149】
ある実施形態において、哺乳動物に投与される場合、PDE4酵素に関連する、好ましくはPDE4酵素媒介性疾患の治療または予防するための、本発明の化合物の結晶形Iの投与経路は、胃腸経路または非胃腸経路であってもいい。
【0150】
ある実施形態において、哺乳動物に投与される場合、PDE4酵素に関連する、好ましくはPDE4酵素媒介性疾患の治療または予防するための、本発明の化合物の結晶形Iの投与経路は、経口経路であってもいい。
【0151】
ある実施形態において、哺乳動物に投与される場合、PDE4酵素に関連する、好ましくはPDE4酵素媒介性疾患の治療または予防するための、本発明の化合物の結晶形Iの投与経路は、経皮経路であってもいい。
【0152】
本発明に記載される化合物は、錠剤、カプセル剤、粉剤、経口溶液、懸濁液、パッチ剤、軟膏剤、ゲル剤、またはエアロゾルなどの任意の適切な形態で得ることができる。錠剤の例示的な例には、プレーン錠剤、糖衣錠およびフィルムコーティング錠が含まれるが、これらに限定されない。
【0153】
本発明の医薬組成物に使用できる医薬的に許容される担体の例には、既に米国食品医薬品局により許容され、人又は動物に投与できる、アジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染料/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、等張化剤、溶媒又は乳化剤等、医薬組成物を組成する場合副作用がない各形態の担体を含むが、これらに限定されない。治療用途に使用される担体または希釈剤は、製薬分野でよく知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(レーミントン製薬学)、18th Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA(1990))に記載されている。本発明は、この記事は参照としてその内容全体を組み込んでいる。
【0154】
本発明における医薬組成物は、その意図された目的を達成する任意の方法によって投与することができる。 例えば、投与は、経口、非経口、局所、腸内、静脈内、筋肉内、吸入、経鼻、関節内、脊髄内、経気管、経眼、皮下、腹腔内、経皮または経口などの経路により行うことができる。投与経路は、非経口経路、経口経路および直腸内経路であっても良い。投与される用量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重に依存する。同時治療がある場合には、同時治療のタイプ、治療の頻度および所望の効果の性質にも依存する。
【0155】
適切な剤形には、カプセル剤、錠剤、ペレット、糖衣錠(dragee)、半固形製剤、散剤、顆粒剤、座薬、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、吸入剤、注射剤、パップ剤、ゲル剤、テープ剤(tape)、点眼剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤、懸濁液、乳剤が含まれるが、これらに限定されない。これらは、当技術分野で公知の方法に従って調製することができる。
【0156】
経口投与に特に適しているのは、通常の錠剤(プレーン錠)、糖衣錠、フィルムコーティング錠、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、ジュース(juice)またはドロップ剤であり、直腸投与に適しているのは坐剤、非経口投与に適しているのは溶液であり、また、油による溶液または水溶液であってもよく、さらに、懸濁液、乳剤または散剤であってもよく、局所投与に適しているのは軟膏剤、クリーム剤または散剤である。 本発明の製品は凍結乾燥されてもよく、得られる凍結乾燥製品は、例えば、注射剤の調製に用いる。示される製剤は滅菌されてもよく、および/または湿潤剤、防腐剤、安定化剤および/または湿潤剤、乳化剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝物質、染料、矯味剤、および/または1種類又は複数種類のビタミンなどの多数の他の有効成分などの助剤(assistant)を含むことができる。
【0157】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、非経口投与、経皮投与、粘膜投与、経鼻投与、バッカル投与、舌下投与又は経口投与の錠剤、溶液剤、顆粒剤、パッチ剤、軟膏剤、カプセル剤、エーロゾル剤又は坐剤に処方される。
【0158】
防腐剤、安定化剤、染料、甘味料、フレグランス、着香料などを、医薬組成物に供給してもよい。例えば、安息香酸ナトリウム、アスコルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルを、防腐剤として添加することができる。さらに、酸化防止剤および懸濁化剤を用いることができる。
【0159】
種々の態様において、アルコール、エステル、硫酸化脂肪族アルコールなどを界面活性剤として用いてもよく、スクロース、グルコース、ラクトース、デンプン、結晶セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸塩、アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、酸性炭酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどを賦形剤として用いてもよく、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油などを平滑剤として用いてもよく、ココナッツ油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、大豆油を懸濁化剤または滑沢剤として用いてもよく、例えばセルロースまたは糖などの誘導体としての酢酸フタル酸セルロース、またはポリビニルの誘導体としてのメチルアセテート-メタクリレートコポリマーを懸濁化剤として用いてもよく、フタル酸エステルなどの可塑剤などを懸濁化剤として用いてもよい。
【0160】
好適な投与経路は、例えば、経口投与、直腸投与、膜透過投与、非経口輸送、経皮投与、局所投与または腸内投与を含み、非経口輸送は、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射、骨髄内注射、ならびに、髄腔内注射、直接心室内注射、腹腔内注射、鼻腔内注射、または眼内注射を含む。化合物はまた、デポ注射(depot injections)、浸透圧ポンプ、ピル、経皮パッチ(エレクトロトランスポートパッチを含む)などを含む、持続性または制御放出剤形で、所定の速度での、長期間および/または持続的な、パルス状の投与のために投与することができる。
【0161】
本発明における医薬組成物は、それ自体知られた方法で、例えば、慣用の混合、溶解、造粒、錠剤の作製、研磨、乳化、カプセル化、封入または打錠処理などの操作方法によって製造することができる。
【0162】
従って、本発明によって、使用された医薬組成物は、活性な化合物を、薬学的に使用可能な調製物にプロセシングするのを容易にする賦形剤および補助剤を含む1以上の生理的に許容し得るキャリアを用いて、従来の様式で製剤化されうる。適切な製剤化は、選択される投与経路に依存する。当該分野において適切かつ理解されているように、周知の手法、キャリアおよび賦形剤のいずれかを、使用することができる。
【0163】
注射剤は、溶液または懸濁液として、注射前に液体に溶解または懸濁するのに適した固体形態として、またはエマルジョンとして、従来の形態に調製することができる。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レシチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システインなどである。さらに、注射可能な医薬組成物は、必要に応じて、少量の無毒性補助物質、例えば湿潤剤、pH緩衝剤などを含んでもよい。生理学的に適合するバッファーは、限定されずに、ハンクス液、リンゲル液または生理食塩水バッファーを含む。所望により、吸収増強製剤(例えばリポソーム)を利用してもよい。
【0164】
経口投与の場合、前記の活性化合物を当該技術分野で周知の薬学的に許容される担体と組み合わせることによって、前記化合物を容易に製剤することができる。治療対象の患者で経口摂取するために、そのような担体により、本発明の化合物を錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル、液剤、ゲル剤、シロップ剤、膏剤、懸濁液、溶液、粉剤などに処方することを可能にする。経口用途のための医薬製剤は、活性化合物を固形賦形剤と組合わせ、得られる混合物を任意に研磨し、顆粒の混合物を、必要に応じて好適な助剤を添加した後に、錠剤または糖衣剤コアを得るために処理することにより得ることができる。好適な賦形剤は、特に、充填剤、例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖など、セルロース調製物、例えばトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)などである。必要に応じて、崩壊剤、例えば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムなどを添加してもよい。糖衣剤のコアは、好適なコーティングを備えている。この目的のために、濃縮した糖液を用いることができ、これは、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル(carbopol gel)、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ゼラチン溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい。染料または顔料を、識別のため、または、活性化合物用量の異なる組合わせを特徴づけるために、錠剤または糖衣剤コーティングに加えてもよい。この目的のために、濃縮した糖液を用いることができ、これは、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ゼラチン溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含んでもよい。
【0165】
経口的に使用可能な薬学的調製物は、ゼラチンで作製された押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤で作製された密閉型ソフトカプセルを含む。押し込み型カプセルは、活性成分を、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに必要に応じて安定化剤との混合物として含むことができる。ソフトカプセルでは、活性な化合物を、適当な液体(例えば、脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコール)に溶解してもよいし、懸濁してもよい。さらに、安定化剤を加えてもよい。経口投与用のすべての処方物が、そのような投与に適したドーズ量であるべきである。
【0166】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、0.1%-95%の本発明の化合物の結晶形Iを含有してもいい。
【0167】
ある実施形態において、本発明の医薬組成物は、1%-70%の本発明の化合物の結晶形Iを含有してもいい。
【0168】
いずれの場合でも、投与される組成物または製剤は、ある量の本発明の化合物の結晶形Iを含み、その量は、治療されている対象の疾患/状態を有効に治療できる。
【0169】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.7°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0170】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、及び、熱時ろ過して降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0171】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、及び、熱時ろ過して、ろ液を-10℃至-30℃までに降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0172】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、及び、ろ過して、ろ液を-20℃までに降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0173】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、及び、ろ過し、ろ液を-20℃までに降温し、結晶を析出し、及び、結晶をi-プロパノールに加え、ろ過して真空で乾燥し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得る。
【0174】
ある実施形態において、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、還流温度に加熱し、完全に溶解するまで攪拌し、熱時ろ過した後、ろ液を急速に-20℃までに降温し、攪拌し、結晶を析出し、i-プロパノールを加えて攪拌し、ろ過し、及び真空で乾燥して(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得る。
【0175】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に結晶させることで、前記結晶形Iを得ることを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.7°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0176】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解し、及び熱時ろ過して降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0177】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解し、及び熱時ろ過して35-45℃までに降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0178】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解し、及び熱時ろ過して40℃までに降温し、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iが析出する。
【0179】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解し、熱時ろ過して35-45℃までに降温し、結晶を析出し、0-10℃まで降温を続け、及びろ過し、真空で乾燥して(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得る。
【0180】
ある実施形態において、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをジクロロメタンとn-ヘキサンとの混合物に溶解し、45℃に加熱し、完全に溶解するまで攪拌し、熱時ろ過した後、ろ液を40℃までに降温し、等温で攪拌し、結晶を析出し、5℃まで降温を続け、等温で攪拌し、及びろ過し、真空で乾燥して(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得る。
【0181】
また、本発明は、化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの調製方法に関し、
完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解すること、及び
熱時ろ過して降温し、等温で蒸留水と(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、前記結晶形Iを得ることを含み;
その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.7°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0182】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、熱時ろ過して降温し、等温で蒸留水と(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、及び0℃までに攪拌降温し、ろ過して真空で乾燥し、前記結晶形Iを得ることを含む。
【0183】
ある実施形態において、完全に溶解するまで、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、熱時ろ過して25-40℃までに降温し、等温で蒸留水と(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、及び0℃までに攪拌降温し、ろ過して真空で乾燥し、前記結晶形Iを得ることを含む。
【0184】
ある実施形態において、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドをアセトニトリルに溶解し、45℃に加熱し、完全に溶解するまで攪拌し、熱時ろ過した後、ろ液を32℃までに降温し、蒸留水を加え、等温で攪拌し、そして、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの種結晶を加え、32℃で等温で攪拌し、0℃までに降温し、等温で攪拌し、及びろ過し、真空で乾燥して(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得る。
【0185】
また、本発明は、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患又は疾病状態を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ治療有効量の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I或いは化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0186】
ある実施形態において、前記個体は哺乳動物である。
【0187】
ある実施形態において、前記個体はヒトである。
【0188】
ある実施形態において、本発明の疾患又は疾病状態で使用され得る例示的な例は、炎症性疾患又は疾病状態、感染症又は疾病状態、免疫疾患又は疾病状態、及び癌疾患又は疾病状態を含むが、これらに限定されない。
【0189】
ある実施形態において、本発明の疾患又は疾病状態で使用され得る例示的な例は、頭部癌、甲状腺癌、頸部癌、眼癌、皮膚癌、口腔癌、咽喉癌、食道癌、乳癌、骨癌、白血病、骨髄腫、肺癌、結腸癌、S状結腸癌、直腸癌、胃癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、肝臓癌、膵臓癌、脳腫瘍、腸癌、心臓癌、副腎癌、皮下組織癌、リンパ節癌、黒色腫、悪性神経膠腫、HIV、肝炎、成人性呼吸促迫症候群、骨吸収亢進、慢性閉塞性肺疾患、慢性肺炎、皮膚炎、炎症性皮膚疾患、アトピー性皮膚炎、嚢胞性線維症、敗血症性ショック、膿血症、エンドトキシンショック、血行動態ショック、敗血症候群、虚血再灌流障害、髄膜炎、乾癬、線維症、悪液質、移植片対宿主病の移植拒絶反応、自己免疫疾患、リウマチ性脊椎炎、関節炎症状(例えば関節リウマチ又は骨関節炎)、骨粗鬆症、クローン病、潰瘍性結腸炎、腸炎、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、ハンセン病中の癩性結節性紅斑(ENL)、放射線障害、喘息、酸素誘発性肺障害、微生物感染症又は微生物感染症候群を含むが、これらに限定されない。
【0190】
ある実施形態において、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ1mg-10gの本発明の化合物の結晶形Iを投与することを含む。
【0191】
ある実施形態において、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ10mg-3000mgの本発明の化合物の結晶形Iを投与することを含む。
【0192】
ある実施形態において、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ1mg-200mgの本発明の化合物の結晶形Iを投与することを含む。
【0193】
ある実施形態において、PDE4酵素に関連する疾患、好ましくはPDE4媒介性の疾患を治療又は予防する方法に関し、前記方法を必要する個体へ1mg、5mg、10mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、90mg、100mg、120mg、150mg、或は200mgの本発明の化合物の結晶形Iを投与することを含む。
【0194】
投与方法
本発明の少なくとも1種類の化合物の結晶形I又は本発明の少なくとも1種類の化合物の結晶形Iを含む医薬組成物を、対象に任意の好適なシステムおよび/または局所的に本発明の化合物の結晶形Iを運送する任意の方法で投与することができる。投与方法の非限定例は、(a)経口経路を介した投与、当該投与は、カプセル、錠剤、顆粒剤、スプレー剤、シロップ剤などの形態での投与を含む、(b)非経口経路を介した投与、例えば、直腸投与、膣内投与、尿道内投与、眼内投与、鼻腔内投与または耳介内投与など、当該投与は、水性懸濁液もしくは油性製剤などとしての、または、滴剤、スプレー剤、坐薬、膏薬、軟膏などとしての投与を含む、(c)注射、例えば、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射、眼窩内注射、嚢内注射、脊髄内注射、胸骨内注射など(注入ポンプ送達を含む)、(d)局部(locally)投与、例えば、腎臓領域または心臓領域における直接注射、例えば、デポ移植によるもの、ならびに(e)局所(topically)投与を含む。当業者が認める適切な投与方式は、本発明に記載される化合物の結晶形Iを生体組織と接触させることである。例えば、経皮投与が挙げられ、当該投与は、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、エアロゾル剤、懸濁液、乳濁液または他のそのような形態で投与を行う。
【0195】
最適な経路は、治療される疾患状態の性質及び重症度に依存する。当業者は、投与方法(口腔、静脈内、吸入、皮下、直腸など)、剤形、適切な医薬賦形剤の決定、及び化合物の結晶形を必要とする対象への送達に関連する他の事項にも精通している。
【0196】
投与に適した医薬組成物は、有効成分がその意図される目的を達成するために有効な量で含まれる組成物を含む。用量として要求される本発明に開示する医薬化合物の治療有効量は、投与経路、処置する動物種(ヒトを含む)、および対象とする特定の動物の身体的特徴に依存する。用量は所望の効果を達成するように調整することができるが、重量、食事、併用薬物などの要因、および医学分野の当業者が認識する他の要因に依存する。より具体的には、治療有効量は、疾患の徴候を予防、緩和もしくは改善するか、処置する対象の生存を延長するのに有効な化合物の結晶形の量を意味する。治療有効量の決定は、特に本発明に提供される詳細な開示を考慮すれば、十分に当業者の能力の範囲内である。
【0197】
当業者に直ちに明らかなように、投与すべき有用なin vivoの投薬量および投与の特定の方法は、年齢、重量および処置する哺乳動物種、用いた具体的な化合物の結晶形、および用いたこれらの化合物の結晶形の具体的な用途によって異なる。有効投薬量レベル、すなわち所望の結果を達成するのに必要な投薬量レベルの決定は、当業者が通常の薬理学的方法を用いて行なうことができる。典型的には、製剤のヒト臨床適用は低い投薬量レベルで開始し、所望の効果が達成されるまで投薬量レベルを増大させる。あるいは、確立した薬理学的方法を用いた許容し得るin vitro実験を、本方法によって特定された組成物の有用な用量および投与経路を確立するのに用いることができる。
【0198】
非ヒト動物試験において、潜在的製剤の適用は高い投薬量レベルで開始し、所望の効果がもはや達成されなくなるまで、または副作用が消失するまで投薬量レベルを低減させる。投薬量は、所望の効果および治療適応に応じて広い範囲に及んでもよい。典型的に、投薬量は、約10マイクログラム/kg〜約100mg/体重kg、好ましくは約100マイクログラム/kg〜300mg/体重kgであってもよい。あるいは、当業者によって理解されるように、投薬量は患者の表面積に基づいて計算してもよい。
【0199】
医薬組成物のための正確な剤形、投与経路および投薬量は、個々の医師が患者の状態を考慮して選択することができる。典型的には、患者に投与される組成物の用量範囲は、約0.5〜約1000mg/患者体重kgであってもよい。投薬量は、患者の必要に応じて、1日または2日間以上の間に与えられる、単回のものであっても、一連の2回または3回のものであってもよい。化合物の結晶形のヒトの投薬量が少なくともいくつかの状態に対して確立されている場合、投薬量はほぼ同じであるか、または、確立されたヒトの投薬量の約0.1%〜約500%、より好ましくは25%〜約250%である投薬量である。ヒトの投薬量が確立されていない場合、例えば、新規に見出された医薬組成物などの場合、好適なヒトの投薬量は、ED 50もしくはID 50値、または、動物における毒性試験および有効性試験によって認定された、in vitroまたはin vivo試験に由来する他の適切な値から推定することができる。
【0200】
主治医が、毒性または臓器機能不全によって、どのように、および、いつ投与を終了するか、中断するか、調整するかを知っている点に留意する必要がある。逆に、主治医は、臨床効果が適切ではない(毒性を除く)場合に、処置をより高いレベルに調整することも知っている。対象となる障害の管理における投与量の程度は、処置する状態の重篤度および投与経路によって異なる。状態の重篤度は、例えば、部分的に、標準的な予後評価方法によって評価することができる。さらに、用量およびおそらく投与頻度もまた、個々の患者の年齢、体重および反応によって異なる。上記で論じたのと同等の手法を、獣医学で用いることができる。
【0201】
正確な投薬量は1つずつの薬物分析(drug-by-drug)ごとに決定するが、ほとんどの場合、投薬量に関するある程度の一般化を行なうことができる。成人ヒト患者のための1日の投薬レジメンは、例えば、0.1mg〜2000mgであり、ある実施形態では1mg〜2000mgであり、例えば5〜1500mgの各々の有効成分の経口用量であってもよい。他の態様において、0.01mg〜1000mg、ある実施形態では0.1mg〜1000mg、例えば1〜800mgの各々の有効成分の静脈内、皮下、筋肉内用量を用いる。薬学的に許容し得る塩の投与の場合、投薬量は遊離塩基として計算することができる。いくつかの態様において、組成物は1日あたり1〜4回投与される。あるいは、組成物は、静脈内持続点滴によって、2000mg/日までの各々の有効成分の用量で投与することができる。当業者によって理解されるように、特定の状況において、特に悪性の疾患または感染症を効果的かつアグレッシブに治療するために、本発明に開示する化合物を、上記の好ましい投薬量範囲を超える量、さらにはそれをはるかに超える量で投与しなければならないことがある。いくつかの態様において、化合物は、持続治療の期間中、例えば1週間もしくはそれ以上、または数ヶ月もしくは数年にわたって投与される。
【0202】
投薬量および投薬間隔は、調節効果、または最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分な活発部分の血漿レベルをもたらすために、個々に調整することができる。MECは各々の化合物について異なるが、in vitroデータから推定することができる。MECを達成するのに必要な投薬量は、個々の特徴および投与経路に依存する。しかしながら、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)アッセイまたはバイオアッセイを、血漿濃度を決定するのに用いることができる。
【0203】
投薬間隔はまた、MEC値を用いて決定することができる。組成物は、10〜90%、ある実施形態では30〜90%、およびある実施形態では50〜90%の時間、血漿レベルをMECより上に維持するレジメンで投与すべきである。
【0204】
局部投与または選択的取り込みの場合、薬物の有効な局部濃度は、血漿濃度と関連しないことがある。
【0205】
勿論、投与する組成物の量は、処置する対象、対象の重量、苦痛の重篤度、投与の様式、および処方医の判断に依存し得る。
【0206】
本明細書に開示される組成物(例えばターゲティング剤と治療剤とを含み得る治療組成物)は、既知の方法を用いて、有効性および毒性について評価することができる。例えば、特定の化合物、または、特定の化学部分を共有する化合物のサブセットの毒性学は、細胞系、例えば哺乳動物などの細胞系、好ましくはヒト細胞系に対するin vitro毒性を決定することにより確立することができる。かかる試験の結果は、しばしば、動物、例えば哺乳動物など、またはより具体的にはヒトにおける毒性を予測するものである。あるいは、動物モデル、例えばマウス、ラット、ウサギまたはサルなどにおける特定の化合物の毒性は、既知の方法を用いて測定することができる。特定の化合物の有効性は、いくつかの認められた方法、例えばin vitro方法、動物モデルまたはヒト臨床試験などによって確立することができる。認められたin vitroモデルは、限定することなく、がん、心血管疾患および種々の免疫機能障害を含む、ほとんどすべての種類の状態について存在する。同様に、許容し得る動物モデルは、かかる状態を処置するための化学品の有効性を確立するのに用いることができる。有効性を決定するためにモデルを選択する場合、当業者は、従来技術に基づいて、適切なモデル、用量および投与経路、ならびにレジメンを選ぶことができる。当然ながら、ヒト臨床試験によってヒトにおける化合物の有効性を決定することができる。
【0207】
組成物は、必要に応じて、有効成分を含む1個または2個以上の単位投薬形態を含み得るパックまたはディスペンサー装置中に提供することができる。パックは、例えば、金属またはプラスチックのホイル、例えばブリスターパックなどを含み得る。パックまたはディスペンサー装置には、投与のために指示が付属していてもよい。パックまたはディスペンサーにはまた、医薬の製造、使用または販売を規制する政府機関が規定する様式の、容器に関連した通知が付属していてもよく、この通知は、ヒトまたは獣医学的な投与のための薬物形態に対する当局による承認を反映したものである。かかる通知は、例えば、中国食品医薬品局と米国食品医薬品局により承認された処方薬についてのラベルまたは製品説明書であってもよい。本発明の化合物、その立体異性体またはその薬学的に許容される塩を含む組成物を、好適な容器内に調製及び入れられ、特定の疾患状態の治療のために標識することができる。
【0208】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0209】
ある実施形態において、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0210】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0211】
ある実施形態において、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有する。
【0212】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、d間隔、回折ピーク相対強度は、約
【表10】
である。
【0213】
ある実施形態において、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、d間隔、回折ピーク相対強度は、約
【表11】
である。
【0214】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、d間隔、回折ピーク相対強度は、約
【表12】
である。
【0215】
ある実施形態において、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、CuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、その回折角2θ、d間隔、回折ピーク相対強度は、約
【表13】
である。
【0216】
また、本発明は、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iに関し、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0217】
ある実施形態において、PDE4酵素阻害活性を有する化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iは、実質的に図1に示すようなCuKα照射条件を採用したX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0218】
また、本発明は、PDE4酵素活性を低下させる方法に関し、前記方法を必要する個体へ投与する有効量の化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形I或いは化合物(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを含む有効量の医薬組成物を投与することを含み、その中で、前記結晶形Iは、X線粉末回折(XRPD)パターンにおいて、回折角2θが約5.3°、9.2°、16.1°、17.7°、20.6°、26.2°、26.7°に特徴的なピークを有する。
【0219】
以下、本発明は、本発明の様々な態様およびその利点をよりよく理解するために、以下の実施形態を通して詳細に説明される。しかしながら、以下の実施例は非限定的であり、本発明の特定の実施形態を例示するためだけのものであることを理解されたい。
【実施例】
【0220】
調製例
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの調製
【0221】
略語
CDI:1,1’-カルボニルジイミダゾール
DCM:ジクロロメタン
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
DMAP:4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン
TEA:トリエチルアミン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
HOBt:1- ヒドロキシ-ベンゾトリアゾール
DCC:N,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド
TBFA:テトラブチルフッ素化アンモニウム
EDC・HCl:1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
Fmoc:9-フルオレニルメトキシカルボニル
MOM:メトキシメチル
MEM:メトキシエトキシメチル
MTM:メチルチオメチル
SEM:2-(トリメチルシリル)エトキシメチル
TMSE:2-(トリメチルシリル)エチル
DIC:N,N’-ジi-プロピル基カルボジイミド
HOAt:1- ヒドロキシ-7-アゾベンゾトリアゾール
BOP:カストロ試薬(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリ-(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩)
Cl-HOBt:6-クロロ-1- ヒドロキシ基ベンゾトリアゾール
DEPBT:3-(ジエトキシホスホノオキシ)-1,2,3-ベンゾトリアジン-4-オン
HATU:ジ(ジメチルアミノ)メチリデン-トリアゾール[4,5-B]ピリジン-3-オキシドヘキサフルオロリン酸塩
HBTU:ベンゾトリアゾール-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスファート
HCTU:6-クロロベンゾトリアゾール-1,1,3,3-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスファート
HOOBt:3- ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアジン-4(3H)-オン
PyBOP:ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジニルホスホニウム
TATU:O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアテトラフルオロボレート
TBTU:O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアテトラフルオロボレート
OMS:メタンスルホネート基
OTS:パラトルエンスルホネート基
【0222】
化合物1
4-メトキシ-3-エトキシベンズアルデヒド
機械的攪拌機と不活性ガス導入管とを備える500ml三つ口フラスコに、30.5gイソバニリン、55.2g炭酸カリウム、49.9gエチルヨージド、140ml DMFを添加し、室温で一晩攪拌する。1400ml水に注ぎ、酢酸エチルで一回あたり600mlで2回抽出する。酢酸エチル層を合わせて、飽和NaCOで一回あたり200mlで3回洗浄し、200ml水で洗浄し、200ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、淡黄色固体が得られ、酢酸エチル:石油エーテル=1:4の混合溶媒で再結晶し、白い針状結晶32.9gが得られた。MS(m/z):181[M+1]+
【0223】
化合物2
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)-N-(トリメチルシリル)エチルアミン
磁気攪拌機と不活性ガス導入管とを備える500ml三つ口フラスコに、ジメチルスルホン3.7g、160ml THFを添加し、-78℃までに冷却し、22mln-ブチルリチウムリチウム(2.2Mn-ヘキサン溶液)を滴下し、滴下した後、-78℃を保持して30分間攪拌し、Aが得られる。磁気攪拌機と不活性ガス導入管とを備える250ml三つ口フラスコに、7.1g化合物1を添加し、氷塩浴で冷却し、43mlヘキサメチルジシラザンリチウム(1.06M THF溶液)を滴下し、滴下した後、15分間攪拌し、10mlトリフルオロ化ホウ素ジエチルエーテル溶液を滴下し、滴下した後、5分間攪拌し、Bが得られる。BをAに投入し、投入した後、室温までに徐々に昇温し(約1.5時間)、200ml 1.6N KCO溶液を加えて反応をクエンチし、30分間攪拌した後分液し、水層をさらに酢酸エチルで一回あたり200mlで3回抽出し、すべての有機層を合わせて、200ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、淡黄色泡沫状固体10gが得られた。
【0224】
化合物3
1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチルアミン
磁気攪拌機を備える500ml一つ口フラスコに、10g化合物2、100mlジエチルエーテル、100ml 4N HClを添加し、室温で30分間攪拌し、分液し、有機層を4N HClで一回あたり100mlで3回抽出し、水層を合わせて、氷浴下に4N NaOHでpH=12を調節し、酢酸エチルで一回あたり200mlで3回抽出し、有機層を合わせて、200ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、カラムクロマトグラムにより精製した後、白い固体1.5gが得られた。H NMR(CDCl):δ 6.93-6.84(m,3H),4.60(d,1H,J=8Hz),4.12(q,2H,J=4Hz),3.87(s,3H),3.37-3.21(m,2H),2.92(s,3H),1.86(s,2H),1.48(t,3H,J=4Hz);MS(m/z):274[M+1]+;キラルHPLC(i-プロパノール/n-ヘキサン/ジエチルアミン=35/65/0.1、chiralcel(商標) OJ-Hカラム、250×4.6mm、1.0mL/min、@234nm):15.2min(R-isomer、49.8%)、17.3min(S-isomer、50.2%)。
【0225】
化合物4a
(S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチルアミン・N-アセチル-L-バリン塩
磁気攪拌機、還流冷却器と不活性ガス導入管とを備える100ml一つ口フラスコに、6.920g化合物3、2.418gN-アセチルL-バリン、50ml無水メチルアルコールを添加し、1時間加熱還流し、室温で3時間攪拌し、吸引ろ過し、白い固体が得られ、その固体にさらに無水メチルアルコール25mlを加入して1時間還流し、室温で3時間攪拌し、吸引ろ過し、白い固体6.752gが得られた。
【0226】
化合物4b
(S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)-エチルアミン
磁気攪拌機を備える250ml一つ口フラスコに、6.752g化合物4a、150mlジクロロメタンと150ml水を添加し、氷浴下に5% NaOH水溶液を滴下し、pH=11を調節し、分液し、水層をさらに150mlジクロロメタンで一回抽出し、ジクロロメタン層を合わせて、100ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、白い固体2.855gが得られた(99.0% ee)。MS(m/z):274[M+1]+;キラルHPLC(i-プロパノール/n-ヘキサン/ジエチルアミン=35/65/0.1、chiralcel(商標) OJ-Hカラム、250×4.6mm、1.0mL/min、@234nm):15.2min(R-isomer、0.5%)、17.3min(S-isomer、99.5%)。
【0227】
化合物5
3,4-ジシアノチオフェン
機械的攪拌機、還流冷却器と不活性ガス導入管とを備える2000ml三つ口フラスコに、96.8g3,4-ジブロモチオフェン、104gシアン化第1銅と100ml乾燥のDMFを添加し、4時間加熱還流した後、室温までに冷却し、400gFeCl・6HOを700ml 1.7N塩酸に溶解した溶液を反応液に添加し、60-70℃に保持して30分間反応し、十分に冷却した後、500ml DCMを添加する。得られた反応混合物を300mlずつ分けて、DCM(300ml×2)で抽出し、すべてのDCM層を合わせて、抽出液を600mlずつ分けて、6Nの塩酸(50ml×2)、水、飽和NaCO水溶液及飽和食塩水溶液で順次に洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、黄色固体が得られ、酢酸エチル:石油エーテル=1:1の混合溶媒で洗浄し、ろ過し、白い固体21gが得られた。H NMR(CDCl):δ 8.07(s,2H)。
【0228】
化合物6
チオフェン-3,4-ジカルボン酸
電磁攪拌機と還流冷却器とを備える500ml丸底フラスコにおいて、15.978g化合物5、43.997gKOH及び174mlエチレングリコールを添加し、4時間還流する。冷却した後、反応混合物に350ml水を添加し、ジエチルエーテル(100ml×2)で抽出し、ジエチルエーテル層を捨て、氷浴冷却下に、白い沈殿が出るまでに水層に過量の濃塩酸を添加し、ろ過した後、固体をジエチルエーテル(約2000ml)に溶解し、ろ液をジエチルエーテル(300ml×3)で抽出し、すべてのジエチルエーテル層を合わせて、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、白い固体15gが得られ、水で再結晶した。H NMR(DMSO-d):δ 10.35(brs,2H),8.17(s,2H);MS(m/z):171[M-1]+
【0229】
化合物7
チオフェン[3,4-c]フラン-1,3-ジケトン
電磁攪拌機、還流冷却器と乾燥管とを備える250ml丸底フラスコにおいて、15g化合物6和120ml無水酢酸を添加し、3時間還流し、溶媒を蒸発乾固させて、褐色固体13gが得られた。
【0230】
化合物8
2-ニトロチオフェン-3,4-ジカルボン酸
電磁攪拌機と乾燥管とを備える250ml丸底フラスコに、40ml発煙硝酸(含有量95%)を添加し、氷浴下に0-5℃までに冷却し、1gずつ合計10g化合物7を添加した後、同じ温度で30分間反応する(黄色固体として析出した)。反応混合物を80g氷・水混合液に入れ、酢酸エチル(100ml×3)で抽出し、すべての酢酸エチル層を合わせて、50ml×2水及び飽和食塩水溶液で順次に洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、黄色固体10gが得られた。MS(m/z):216[M-1]+
【0231】
化合物9
4-ニトロチオフェン[3,4-c]フラン-1,3-ジケトン
電磁攪拌機、還流冷却器と乾燥管とを備える250ml丸底フラスコに、10g化合物8と100ml無水酢酸を添加し、3時間還流し、溶媒を蒸発乾固させて、褐色固体9gが得られた。
【0232】
化合物10
(S)-1-ニトロ-5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-5H-チオフェン[3,4-c]ピロール-4,6-ジケトン
電磁攪拌機と乾燥管とを備える250ml丸底フラスコに、1.99g4-ニトロチオフェン[3,4-c]フラン-1,3-ジケトン(化合物9)、2.73g(S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)-エチルアミン(化合物4b)、100ml THFを添加し、室温で一晩攪拌する。1.944g CDIを添加し、油浴下に2時間還流する。室温までに置いて、200ml酢酸エチルと150ml水を添加し、抽出し、分液し、有機層を100ml 0.5 N HClで洗浄し、100ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、カラムクロマトグラムにより精製した後、淡黄色固体3.485gが得られた。MS(m/z):453[M-1]+
【0233】
化合物11
(S)-1-アミノ-5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-5H-チオフェン[3,4-c]ピロール-4,6-ジケトン
電磁攪拌機、還流冷却器と乾燥管とを備える250ml丸底フラスコに、2.27g(S)-1-ニトロ-5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-5H-チオフェン[3,4-c]ピロール-4,6-ジケトンと100ml THFを添加し、加熱還流し、1.4g還元鉄粉を添加し、2時間還流する。吸引ろ過し、ろ液を蒸発し、200ml酢酸エチルと150ml水を添加し、抽出し、分液し、有機層を100ml水で洗浄し、100ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、カラムクロマトグラムにより精製した後、黄褐色固体1.53gが得られた。MS(m/z):425[M+1]+
【0234】
化合物12
(S)-N-(5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チオフェン[3,4-c]ピロール-1-イル)アセトアミド
方法一:電磁攪拌機、還流冷却器と乾燥管とを備える50ml丸底フラスコに、0.1g(S)-1-アミノ-5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-5H-チオフェン[3,4-c]ピロール-4,6-ジケトンと0.005gDMAP、10ml無水酢酸を添加し、60℃に加熱し、6時間攪拌する。溶媒を蒸発乾固させて、カラムクロマトグラムにより精製した後、標題化合物0.022gが得られた。
方法二:電磁攪拌機、還流冷却器と乾燥管とを備える50ml丸底フラスコに、0.1g(S)-1-アミノ-5-(1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル)-5H-チオフェン[3,4-c]ピロール-4,6-ジケトンと5mlピリジンを添加し、氷浴下に0.2ml塩化アセチルを滴下し、室温で1時間攪拌する。溶媒を蒸発乾固させて、50ml酢酸エチルと20ml水を添加し、抽出し、分液し、有機層を20ml 2N HClで洗浄し、20ml飽和NaClで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発乾固させて、カラムクロマトグラムにより精製した後、標題化合物0.083gが得られた。MS(m/z):465[M-1]+;キラルHPLC(無水エタノール /n-ヘキサン/ジエチルアミン=40/60/0.1、chiralcel(商標) OJ-Hカラム、250×4.6mm、1.0mL/min、@230nm):9.8min(R-isomer、1.2%)、13.8min(S-isomer、98.8%)。H NMR(CDCl):δ 9.27(s,1H),7.30(s,1H),7.07(s,1H),7.05(s,1H),6.81(d,1H,J=6Hz),5.81(dd,1H,J=3Hz,J=7Hz),4.54(dd,1H,J=8Hz,J=11Hz),4.08(q,2H,J=3Hz),3.84(s,3H),3.73(dd,1H,J=8Hz,J=11Hz),2.86(s,3H),2.27(s,3H),1.45(t,3H,J=5Hz )。
【0235】
実施例1
結晶形Iの調製
5.00g(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドを10mLアセトニトリルに溶解し、還流温度に加熱し、完全に溶解するまで攪拌する。熱時ろ過した後、ろ液を急速に零下20℃までに降温し、5分間攪拌して結晶を析出する。30分間攪拌後ろ過し、真空で乾燥して白い粉末固体4.20g(収率84%)、つまり(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得た。
【0236】
実施例2
結晶形Iの調製
0.527g(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドを20mLジクロロメタンと30mLのn-ヘキサンの混合溶液に溶解し、45℃までに加熱し、完全に溶解するまで攪拌する。熱時ろ過した後、ろ液を40℃までに降温し、等温で30分間攪拌し、結晶を析出する。5℃まで降温を続け、等温で0.5時間攪拌し、ろ過し、真空で乾燥して白い固体粉末0.388g(収率74%)、つまり(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得た。
【0237】
実施例3
結晶形Iの調製
2.439g(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドを30mLアセトニトリルに溶解し、45℃に加熱し、完全に溶解するまで攪拌する。熱時ろ過した後、ろ液を32℃までに降温し、50mL蒸留水を加え、等温で15分間攪拌した後、0.100g(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを加える。32℃等温で30分間攪拌し、0℃までに降温し、等温で1時間攪拌し、ろ過し、真空で乾燥して白い固体粉末1.566g(収率62%)、つまり(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを得た。
【0238】
実施例4
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折(XRPD)試験パラメータは、以下の通りである。Cuアノード(40mA、45kV)を配置したBruker D8 Advance X線粉末回折計を使用してX線粉末回折(XRPD)パターンが得られる。走査范囲は2-Theta = 2-40°、ステップサイズは0.02°、走査速度は8°/分間である。
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのX線粉末回折(XRPD)パターンを図1に示す。
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのX線粉末回折(XRPD)パターンは、2θ=5.3±0.2°、9.2±0.2°、16.1±0.2°、17.7±0.2°、20.6±0.2°、26.2±0.2°、26.7±0.2°に特徴的なピークを有し、他の角度で明らかな回折ピークはない。
実施例2に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのX線粉末回折(XRPD)パターンは、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンと同じである。
実施例3に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのX線粉末回折(XRPD)パターンは、実質的に図1に示すようなX線粉末回折(XRPD)パターンと同じである。
【0239】
実施例5
示差走査熱量測定(DSC)試験
示差走査熱量測定(DSC)試験のパラメータは、以下の通りである。日本精工のSII 6220示差走査熱量計(DSC)を使用して、昇温過における試料の吸放熱情報を取得する。昇温速度は10℃/min、窒素ガスで保護する。
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのDSC曲線を図2に示す。
実施例2に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのDSC曲線は、実質的に図2に示すようなDSC曲線と同じである。
実施例3に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのDSC曲線は、実質的に図2に示すようなDSC曲線と同じである。
結晶形Iは昇温の過程に136.0±6℃(ピーク値融点)に1つの吸熱溶融ピークを有する。
【0240】
実施例6
熱重量分析(TGA)試験
熱重量分析(TGA)試験のパラメータは、以下の通りである。日本精工のSII 6200熱重量検出器(TG)を使用して、昇温過における試料の重量損失情報を取得する。昇温速度は10℃/min、窒素ガスで保護する。
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのTGA曲線を図3に示す。
実施例2に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのTGA曲線は、実質的に図3に示すようなTGA曲線と同じである。
実施例3に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形IのTGA曲線は、実質的に図3に示すようなTGA曲線と同じである。
結晶形Iを、溶融重量損失が1.0%まで加熱する。溶融前になんの吸放熱ピークが現れないので、1.0%の重量損失は吸着水又は溶媒であることが分かる。結晶形Iは水和物ではなく、溶媒和物でもない。
【0241】
実施例7
赤外スペクトル(IR)
赤外試験パラメータは、以下の通りである。試験機器はPerkinElmer、Spectrum 65である。
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの赤外スペクトル(IR)を図4に示す。
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの赤外スペクトル(IR)において、吸収ピーク位置と強度は約
【表14】
である。
実施例2に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの赤外スペクトル(IR)は、実質的に図4に示すような赤外スペクトル(IR)と同じである。
実施例3に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの赤外スペクトル(IR)は、実質的に図4に示すような赤外スペクトル(IR)と同じである。
【0242】
実施例8
溶出率
実施例1に記載の方法により調製した(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを使用して、試験を行う。
約25mg(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを900mL水に添加し、37℃で90分間等温で攪拌し、回転数が100rpm/分間である。上清液を取り、ろ過して希釈し、紫外分光光度計により希釈した後の溶液の濃度(amg/mL)を測定する。式900a/25×100%に従って溶出率を算出する。
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの溶出率を表1に示す。
表1. 溶出率測定結果
【表15】
溶出曲線を図5に示す。
【0243】
実施例9
圧力安定性
シングルプレス機を使用して、(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを打錠する。錠剤の直径は6mmであり、硬さは25-30Nである。打錠した後の粉末に対しDSC試験を行い、図2とほぼ同じDSC曲線を有する。結果から、結晶形Iともに良い安定性を有することが分かる。
【0244】
実施例10
エタノール溶液バランス安定性
0.2g(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを10mLエタノールに加え、25℃で等温で3時間攪拌し。懸濁液をろ過し、湿った固相を乾燥した後、X線粉末回折(XRPD)試験を行う。結晶形結果を表2に示す。
表2. エタノール バランス結晶形安定性試験結果
【表16】
【0245】
実施例11
高温及び高温高湿安定性
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、それぞれに40℃(高温)又は40℃とRH=75%(高温高湿)に1ヵ月放置し、期限後(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iの類縁物質の含有量を検測し、結果を表3に示す。
表3. 高温安定性と高温高湿安定性試験結果
【表17】
結果から、結晶形Iは高温及び高温高湿の条件で良い化学安定性を有することが分かる。
【0246】
実施例12
吸湿安定性
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを、塩化アンモニウム溶液(RH=80%)が入れたデジケーターに放置し、重量バランスまでに保管し、期限後(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形の安定性を検測し、結果を表4に示す。
表4. 吸湿安定性試験結果
【表18】
結果から、結晶形Iは高湿条件下で良い結晶形安定性を有することが分かる。
【0247】
実施例13
光照安定性
(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形Iを4500lux光箱中1ヵ月放置し、期限後(S)-N-[5-[1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-4,6-ジオキソ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[3,4-c]ピロール-1-イル]アセトアミドの結晶形の化学安定性を検測し、結果を表5に示す。
表5. 光照安定性試験結果
【表19】
結果から、結晶形Iは光条件で良い化学安定性を有することが分かる。
【0248】
本発明において、第一や第二などのような関係用語はただ一つの実体又は操作と別の実体又は操作を区分するのに用いられただけであり、必ずしもこれらの実体又は操作の間には如何なるこのような実際の関係や順序が存在することを要求又は暗示するものではない。
上記の内容から、本発明の具体的な実施形態が例示的な目的で説明されているが、本発明の精神および範囲を逸脱しな条件で、当業者は多様な変更または改良を加えることが可能であることが理解できる。これらの変更または改良は、本発明の添付の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】