特表2021-523062(P2021-523062A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-523062(P2021-523062A)
(43)【公表日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】安全装置
(51)【国際特許分類】
   B60B 3/16 20060101AFI20210806BHJP
   E05B 17/00 20060101ALI20210806BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20210806BHJP
【FI】
   B60B3/16 F
   E05B17/00 A
   E05B83/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2021-512976(P2021-512976)
(86)(22)【出願日】2018年5月10日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月9日
(86)【国際出願番号】BG2018000020
(87)【国際公開番号】WO2019213722
(87)【国際公開日】20191114
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520437342
【氏名又は名称】ハイト テクノロジー デベロップメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ジェコヴァ ヴィクトリヤ プラメノヴァ
(72)【発明者】
【氏名】マノロヴァ ナタリア イリエヴァ
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250HH07
2E250KK01
2E250LL19
(57)【要約】
本発明は、安全な状態に置かれる必要のある要素又は孔(S)を覆うように設計された安全装置(1000)であって、コード化本体(1100)と、安全カバー(1400)と、コード化本体(1100)と安全カバー(1400)との間に配置されたロック要素(1200)と、を備え、コード化本体(1100)は、第1の接触面(1130)及び第2の接触面(1131)を含み、ロック要素(1200)は、第1の接触面(1130)及び第2の接触面(1131)に当接するように構成された当接要素(1220)を含み、コード化本体(1100)が、第1の接触面(1130)と第2の接触面(1131)との間に配置された解放ロック要素(1140)を含む、安全装置(1000)に関する。
【選択図】図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全な状態に置かれる要素又は孔(S)を覆うように設計された安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)であって、
コード化本体(1100,7100)と、
安全カバー(1400,4400,6400)と、
前記コード化本体(1100,7100)と前記安全カバー(1400,4400,6400)との間に配置されたロック要素(1200,3200,4200,6200)と、
を備え、
前記コード化本体(1100,7100)は、第1の接触面(1130,7130)及び第2の接触面(1131,7131)を含み、
前記ロック要素(1200,3200,4200,6200)は、前記第1の接触面(1130,7130)及び前記第2の接触面(1131,7131)に当接するように構成された当接要素(1220,3220,4220,6220)を含み、
前記コード化本体(1100,7100)は、前記第1の接触面(1130,7130)と前記第2の接触面(1131,7131)との間に配置された解放ロック要素(1140,7140,7141)を含む、
ことを特徴とする、安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項2】
前記コード化本体(1100,7100)は、前記当接要素(1220,3220,4220,6220)及び前記解放ロック要素(1140,7140,7141)を少なくとも部分的に内部に配置することができるコーディングキャビティ(1160)を含む、請求項1に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項3】
前記コーディングキャビティ(1160)は、前記第1の接触面(1130,7130)と前記第2の接触面(1131,7131)との間に配置される、請求項1又は2に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項4】
前記コード化本体(1100,7100)は、前記コーディングキャビティ(1160)に接続された解放キャビティ(1170,7172)を含み、該解放キャビティ(1170,7172)を前記当接要素(1220,3220,4220,6220)が通過することができる、請求項1〜3の何れか1項に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項5】
前記解放ロック要素(1140,7140,7141)は、前記解放キャビティ(1170,7172)の長手延長部に沿って少なくとも部分的に配置される、請求項4に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項6】
前記安全カバー(1400,4400,6400)が溝(1411,6411)を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項7】
前記第1の接触面(1130,7130)と前記解放キャビティ(1170,7172)との間の距離及び/又は前記第2の接触面(1131,7131)と前記解放キャビティ(1170,7172)との間の距離は、前記溝(1411,6411)の位置によって決まり、好ましくは、複数の溝(1411,6411)の寸法に等しく、より好ましくは、前記溝(1411,6411)のうちの1つの溝の寸法の倍数に等しい、請求項4及び6に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項8】
前記安全カバー(1400,4400,6400)は、前記ロック要素(1200)のためのシート(1412)を含む、請求項1〜7の何れか1項に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項9】
前記ロック要素(1200,3200,4200)が本体(1210,3210,4210)を含み、前記本体(1210)が平面を描き、前記当接要素(1220,3220,4220)は、前記平面に対して傾斜している、請求項1〜8の何れか1項に記載の安全装置(1000,3000,4000,5000,12000)。
【請求項10】
前記コード化本体(7100)は、第1の当接リング(7133)及び第2の当接リング(7132)を含み、
前記第1の当接リング(7133)は、前記第1の接触面(7130)を含み、
前記第2の当接リング(7132)は、前記第2の接触面(7131)を含み、
前記第1の当接リング(7133)及び前記第2の当接リング(7132)は、前記コード化本体(7100)のコーディング位置において互いに対して移動可能であり、前記コード化本体(7100)のロック位置において互いに対して固定される、請求項1〜9の何れか1項に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項11】
前記コード化本体(7100)は、複数のロックリング(7191,7192,7193)を含み、これらの間に前記第1の当接リング(7133)及び前記第2の当接リング(7132)が配置され、
前記コード化本体(7100)は、前記第1の当接リング(7133)、前記第2の当接リング(7132)及び前記複数のロックリング(7191,7192,7193)が組み付けられる支持要素(7194)を含む、請求項10に記載の安全装置(1000,8000,9000,10000,12000)。
【請求項12】
前記ロック要素は、前記当接要素(1220)の当接要素の一方向での通過を可能にして、反対方向への通過を阻止するように構成された1又は2以上の一方向通過要素(12142)を含み、及び/又は前記ロック要素は、前記コード化本体における前記当接要素(1220)の挿入方向に対して傾斜した1又は2以上の面(12143)を含む、請求項1〜11の何れか1項に記載の安全装置(12000)。
【請求項13】
安全な状態に置かれる要素又は孔(S)を覆うように設計された安全装置(10000)であって、
安全カバー(10400)と、前記安全カバー(10400)と前記安全な状態に置かれる要素又は孔(S)との間に配置されたロック要素(1200,3200,4200,6200,10200)と、
を備え、
前記安全カバー(10400)が、第1の接触面(1130,7130)及び第2の接触面(1131,7131)を含み、前記ロック要素(1200,3200,4200,6200,10200)が、前記第1の接触面(1130,7130)及び前記第2の接触面(1131,7131)に当接するように構成された当接要素(1220,3220,4220,6220,10220)を含み、
前記安全カバー(10400)が、前記第1の接触面(1130,7130)と前記第2の接触面(1131,7131)との間に配置された解放ロック要素(1140,7140,7141)を含む、
ことを特徴とする、安全装置(10000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全な状態に置く必要のある要素又は孔を覆うように設計された安全装置に関する。より具体的には、本発明は、所定の組み合わせに従って移動させることにより取り外すことができる安全カバーを備えた、安全な状態に置く必要のある要素又は孔を覆うことを可能にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な応用分野において、許可されたオペレーター/ユーザによって排他的にアクセスできるように、安全な状態に置く必要のある要素を覆うことが必要となる場合が多い。
【0003】
一例として、安全な状態に置く必要のある要素は、自動車又はオートバイのホイールリムのロックボルト又はナットとすることができる。代替として、安全な状態に置く必要がある要素は、自動車又はオートバイのフィラーキャップとすることができる。別の代替として、安全な状態に置く必要がある要素は、ボルト、ナット、又は装置のボタンとすることができる。別の代替として、安全な状態に置く必要のある要素は、例えば、自動車又はオートバイのフィラーキャップの孔、又は電器コンセント、その他などの孔又はキャビティとすることができる。より一般的には、安全な状態に置く必要のある要素は、許可されていないオペレーター/ユーザによる回転、押し込み、取り外し、アクセス、その他が禁止されている要素とすることができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、安全カバーを通じて、安全カバーが取り外されない限りこのような要素へのアクセスを阻止するように要素を覆う安全装置によって、かかる要素を安全な状態に置くことを可能にする。安全カバーの取り外しは、予め定められた組み合わせに従って移動する必要であり、従って、この取り外しは、かかる要素がこの組み合わせを知っているスタッフよって排他的にアクセスできるようになる。
【0005】
本発明の一実施形態は、安全な状態に置く必要がある要素又は孔を覆うように設計された安全装置であって、安全装置は、コード化本体、安全カバー、及びコード化本体と安全カバーとの間に配置されるロック要素を含み、コード化本体は、第1の接触面及び第2の接触面を含み、ロック要素は、第1の接触面及び第2の接触面に当接するように構成された当接要素を含み、コード化本体は、第1の接触面と第2の接触面との間に配置される解放ロック要素を含む、安全装置に関することができる。
【0006】
幾つかの実施形態において、コード化本体は、当接要素及び解放ロック要素を少なくとも部分的に内部に配置することができるコーディングキャビティを備えることができる。
【0007】
幾つかの実施形態において、コーディングキャビティは、第1の接触面と第2の接触面との間に含めることができる。
【0008】
幾つかの実施形態において、コード化本体は、コーディングキャビティに接続された解放キャビティを含むことができ、該解放キャビティを当接要素が通過することができる。
【0009】
幾つかの実施形態において、解放ロック要素は、解放キャビティの長手方向延長に沿って少なくとも部分的に配置することができる。
【0010】
幾つかの実施形態において、安全カバーは溝を備えることができる。幾つかの実施形態において、第1の接触面と解放キャビティとの間の距離及び/又は第2の接触面と解放キャビティとの間の距離は、溝の位置によって決まることができ、好ましくは、複数の溝の寸法に等しく、更により好ましくは、溝のうちの1つの溝の寸法の倍数に等しくすることができる。
【0011】
幾つかの実施形態において、安全カバーは、ロック要素のためのシートを含むことができる。
【0012】
幾つかの実施形態において、ロック要素は本体を含むことができ、該本体は、平面を描くことができ、当接要素は、平面に対して傾斜することができる。
【0013】
幾つかの実施形態において、コード化本体は、第1の当接リング及び第2の当接リングを含むことができ、第1の当接リングは、第1の接触面を含むことができ、第2の当接リングは、第2の接触面を含むことができ、第1の当接リング及び第2の当接リングは、コード化本体のコーディング位置において互いに対して移動可能であり、コード化本体のロック位置で互いに対して固定することができる。
【0014】
幾つかの実施形態において、コード化本体は、複数のロックリングを含むことができ、これらの間に第1の当接リング及び第2の当接リングがあり、コード化本体は、第1の当接リング、第2の当接リング、及び複数のロックリングが組み付けられる支持要素を備えることができる。
【0015】
幾つかの実施形態において、ロック要素は、当接要素の一方向での通過を可能にして、反対方向への通過を阻止するような1又は2以上の一方向通過要素を含むことができ、及び/又はロック要素は、コード化本体における当接要素の挿入方向に対して傾斜した1又は2以上の表面を含むことができる。
【0016】
本発明の更なる実施形態は、安全な状態に置く必要がある要素又は孔を覆うように設計された安全装置であって、安全装置は、安全カバーと、該安全カバーと安全な状態に置かれる要素又は孔との間に配置されるロック要素とを含み、安全カバーは、第1の接触面及び第2の接触面を含み、ロック要素は、第1の接触面と第2の接触面に当接するように構成された当接要素を含み、安全カバーは、第1の接触面と第2の接触面との間に配置される解放ロック要素を含む、安全装置に関することができる。
【0017】
本発明の更なる特徴及び利点は、非排他的な幾つかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明の分析を通じて明らかになり、これらは、添付図面の助けを借りて例示的且つ非限定的な実施例として例証される。図面では、同じ参照番号が同じ構成要素を表している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】本発明の1つの実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図1B】本発明の1つの実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図1C】本発明の1つの実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図1D】本発明の1つの実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図2】安全装置1000の使用方法を概略的に示す図である。
図3】本発明の代替の実施形態による複数のロック要素を概略的に示す図である。
図4】本発明の代替の実施形態による複数のロック要素を概略的に示す図である。
図5】本発明の代替の実施形態による複数のロック要素を概略的に示す図である。
図6】本発明の代替の実施形態による複数のロック要素を概略的に示す図である。
図7A】本発明の代替の実施形態によるコード化本体7100を概略的に示す図である。
図7B】本発明の代替の実施形態によるコード化本体7100を概略的に示す図である。
図7C】本発明の代替の実施形態によるコード化本体7100を概略的に示す図である。
図8】本発明の代替の実施形態による安全装置8000を概略的に示す図である。
図9】本発明の代替の実施形態による安全装置9000を概略的に示す図である。
図10A】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図10B】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置1000を概略的に示す図である。
図11A】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置11000を概略的に示す図である。
図11B】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置11000を概略的に示す図である。
図12A】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置12000を概略的に示す図である。
図12B】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置12000を概略的に示す図である。
図12C】本発明の1つの代替の実施形態による安全装置12000を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1A〜1Dは、本発明の1つの実施形態を概略的に示す図である。図1Aは、安全装置1000の分解図を概略的に示し、図1Bは、安全な状態に置く必要がある要素Sへの安全装置1000の適用を概略的に示している。図1Bに示す事例では、安全な状態に置かれる要素Sはボルトである。しかしながら、本発明は、このタイプの要素を安全な状態に置くことに限定されるものではなく、例えば、回転、押し付け、取り外し、又はアクセスされてはならない何らかの要素を安全な状態に置くのに使用することができる。
【0020】
図1Aで分かるように、安全装置1000は、コード化本体1100、安全カバー1400、及びロック要素1200を備える。一般的に、ロック要素1200は、所定の組み合わせによる安全カバー1400の簡単な動きによって、安全カバー1400をコード化本体1100から取り外すことができるように構成されている。
【0021】
本明細書に示される実施形態では、安全カバー1400は、内側カバー1410、穿孔防止要素1420、及び外側カバー1430を備える。しかしながら、以下の記載において明確に説明するように、安全カバー1400は単一の要素として作ることができることは理解できる。内側カバー1410は、安全装置1100をロック及び解除するのを可能にする特性を説明するために、本明細書の残りの部分においてより詳細に説明される。
【0022】
穿孔防止要素1420は、安全カバー1400を取り外すのを許可されていないスタッフによる穿孔を阻止する機能を有する。従って、穿孔防止要素1420は、例えば、穿孔防止金属で作られた特別なプレートとすることができる。従って、穿孔に対する阻止が不必要であると考えられる実施形態が可能となるか、又は内側カバー1410及び/又は外側カバー1430が穿孔防止金属で作られている実施形態が可能となるので、穿孔防止要素1420は任意と見なされることは明らかである。
【0023】
外側カバー1430は、内側カバー1410及び外側カバー1430に異なる材料及び/又は金型を使用することができるので、装置の製造を容易にすることに加えて、内側カバー1410を保護する同様の機能を有する。しかしながら、穿孔防止要素1420の場合と同様に、外側カバー1430は任意選択と見なされ、外側カバー1430の機能が内側カバー1410によって提供される実施形態を提供可能となる。
【0024】
ロック要素1200は、コード化本体1100と安全カバー1400との間に配置される。具体的には、本明細書に示される実施形態では、ロック要素1200は、コード化本体1100と内側カバー1410との間に配置される。更に具体的には、本明細書に示される実施形態では、以下の記載においてより明確になるように、ロック要素1200は、それぞれのシート(seat、着座部)の内側で内側カバー1410に事前に挿入されて、安全カバー1400がコード化本体1100上に配置されるときに、ロック要素1200は2つの要素の間に配置されるようになる。
【0025】
このために、本明細書に示される実施形態では、ロック要素1200は、実質的に円形形状及び/又は弾性圧縮を可能にする形状を有する。より具体的には、本明細書に示される実施形態では、ロック要素1200はスナップリングであり、これは、周知のように、弾性的に動作することを意味する。具体的には、ロック要素1200は、圧縮、それぞれのシートへの挿入及び解除をすることができ、その結果、安全カバー1400に作用する弾性スラスト動作により、安全カバー1400に対してロック要素1200が所定位置に維持される。具体的には、それぞれのシートにロック要素1200を挿入することにより、安全カバー1400のキャビティの長手延長方向に移動するのが阻止される。逆に、ロック要素1200が安全カバー1400に押し付けられても、十分な力の印加を受けて、以下に説明するように安全カバー1400に対して回転することができる。
【0026】
図1Bで分かるように、安全な状態に置かれる要素Sへの安全装置1000の適用は、安全な状態に置かれる要素Sへのコード化本体1100の最初の適用と、その後でロック要素1200が事前に内部に配置されていた安全カバー1400のコード化本体1100への適用によって得られる。具体的には、本明細書に示される実施形態では、図1Cで分かるように、コード化本体1100は、安全な状態に置かれる要素S内に拘束させることができる形状の固定要素1110を備える。本明細書に示される実施形態では、固定要素1110は、複数の小さなブレードによって構成され、これらは、安全な状態に置かれる要素Sに設けられた対応する孔に挿入することによって圧縮されて、コード化本体1100と安全な状態に置かれる要素Sとの間の結合を確実にするようになる。しかしながら、固定要素1110の異なる実施形態が可能であることは明らかであろう。例えば、固定要素1110を異なる形状にすることは可能であるが、しかしながら、コード化本体1100を安全な状態に置かれる要素Sに互いに実質的に一体であるように接合することを可能にするはずである。代替の実施形態では、安全装置1000を安全な状態に置かれる要素Sに接着又は溶接することも実施可能であり、その結果、固定要素1110は、接着剤、溶接又は同様のシステムからなる。幾つかの実施形態において、構成要素1100及び構成要素Sは、互いに接合されるのではなく、例えば、金型によって構成される単一部品で置き換えることができる。
【0027】
図1Cに示されるように、コード化本体1100は、接触面1130及び接触面1131を備えている。本明細書に示される実施形態では、接触面1130、並びに接触面1131は、コード化本体1100の長手延長方向軸に対して実質的に半径方向に延びる。しかしながら、この実施形態は必須ではない。実際に、以下の説明から明らかなように、接触面1130及び/又は接触面1131が、ロック要素1200の動きをロックできるような形状を有することで十分であろう。
【0028】
ロック要素1200は、接触面1130及び接触面1131に当接するように構成された当接要素1220を備える。この特定の実施形態では、ロック要素1200は、スナップリングの形状、すなわち実質的に円弧の形状の本体1210を実質的に備えており、好ましくは210度から350度の間に半径方向の延長部が含まれる。
【0029】
本明細書に示される実施形態では常に、ロック要素1200はまた、対応する接触面に当接するように構成された当接要素1220を備えている。具体的には、本明細書に示される実施形態では、当接要素1220は、本体1210に対して実質的に半径方向に配向された本体1210の延長部を介して得られる。より具体的には、本明細書に示される実施形態では、当接要素1220の延長部は、本体1210の内側に向けられている。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されるものではなく、本体1210の外側に向けた延長部も実施可能である。
【0030】
コード化本体1100は更に、接触面1130と接触面1131との間に配置された解放ロック要素1140を備える。この特性により、以下の説明で明確に説明されるように、コード化本体1100のコーディングを知っているスタッフによってのみ、安全カバーを安全な状態に置かれる要素Sから取り出すことができる。
【0031】
内側カバー1410の断面を示す図1Dで分かるように、内側カバー1410は、シート1412を備える。ロック要素1200は、ロック要素1200の圧縮、シート内でのロック要素1200のそれぞれの位置決め、及びその弾性解放によってシート1412に挿入される。図でも分かるように、内側カバー1410は内部溝1411を備える。溝1411は、安全な状態に置かれる要素Sの外形と一致する形状を有する。具体的には、溝1411の形状は、クリックとともに、安全な状態に置かれる要素S上の内側カバー1410の回転を可能にするようなものである。換言すると、溝1411のサイズは、安全な状態に置かれる要素Sの表面に対する内側カバー1410の移動を可能にするようなものであるが、これは、溝1411と安全な状態に置かれる要素Sの外形との間の相互作用に打ち勝つのに十分であることが必要な力を加えることによってのみ可能である。この相互作用は、上述のクリックによって構成され、これにより、以下に明確に説明するように、安全カバー1400の取り外しを許可されたスタッフが、安全カバー1400を取り外すようにコード化本体1100に関連付けられた組み合わせを実行できるようになる。しかしながら、安全カバー1400の回転角度を目視で簡単に測定することにより、溝1411がなくても本発明を実施できることは明らかである。この操作を容易にするために、安全カバー1400及び/又はコード化本体及び/又は安全な状態に置かれる要素Sは、本明細書に示されていない1又は2以上の位置合わせマークを含むことができる。
【0032】
図1Cで分かるように、コード化本体1100は、当接要素1220を内部に配置することができるコーディングキャビティ1160を備える。当接要素1220の移動方向において、コーディングキャビティは、接触面1130と接触面1131との間に含まれる。
【0033】
図1Cで分かるように、コード化本体1100は、コーディングキャビティ1160に接続された解放キャビティ1170を含み、該解放キャビティ1170を当接要素1220が通過することができる。具体的には、以下に説明するように位置合わせがなされると、ロック要素1200又は少なくとも当接要素1220は、安全装置1000を解放するために解放キャビティ1170を通過することができる。
【0034】
図1Cで分かるように、コード化本体1100は更に、解放ロック要素1140を含み、解放キャビティ1170の長手延長方向に沿って少なくとも部分的に配置されるようになる。解放ロック要素1140の寸法は、解放キャビティ1170の反対側の解放ロック要素1140側の位置から解放キャビティ1170に向かって当接要素1220が移動するのを阻止するようなものである。具体的には、解放ロック要素1140の存在は、この移動を阻止し、解放キャビティ1170の外に移動するために、当接要素1220は、以下に説明するように、解放キャビティ1170の反対側の解放ロック要素1140側の位置から開始して迷路形状の経路をたどるように強制される。解放ロック要素1140の形状及び位置は、迷路形状の経路を少なくとも部分的に定め、従って、安全装置1000を解除する必要がある人に知らせる必要がある組み合わせを定める。
【0035】
図1Dで分かるように、内側カバー1410の末端部分は、1又は2以上のスラスト要素1414、例えば、弾性タブを含み、コード化本体1100に対して内側カバーを反対方向にスラストするように構成されている。スラスト要素1414は、安全カバー1400をコード化本体から離れて移動させることを可能にする。これにより、有利には、ロック要素1200の一部、例えば当接要素1220を適切な溝1120に挿入することが可能になる。その結果、コード化本体1100に対する安全カバー1400の偶発的な移動を阻止することが可能になる。図2は、図1Aから図1Dに示される本発明の実施形態の使用方法を概略的に示す。具体的には、図2は、ロック要素1200の上面図と、ロック要素1200と相互作用するコード化本体1100の一部分の簡略図とを概略的に示している。図2は、様々な動作ステップS20〜S27を示している。コード化本体1100に対する安全カバー1400の移動は、各ステップの左側に概略的に示されている。
【0036】
図2で分かるように、ステップS20において、安全カバー1400は、コード化本体1100の方向に移動され、その結果、キャビティ1700を通してロック要素1200が挿入される。すなわち、ステップS21において、ロック要素1200は、キャビティ1160の内側にある。このステップから、安全カバー1400が右又は左に十分に回転すると、安全カバー1400がコード化本体1100にロックされる。
【0037】
例として、ステップS23において、安全カバー1400は、コード化本体1100に対して左に、すなわち反時計回りに回転される。ロック要素1200は、安全カバー1400においてシート内部に配置されているので、他の力が作用しない場合、ロック要素1200は、上記で示されるように、安全カバー1400と一緒に平行に移動する。具体的には、ロック要素1200が、安全カバー1400において弾性的に取り付けられていると、ロック要素1200は、安全カバー1400に対して摩擦を発生する。これは、ロック要素1200の位置が固定されているときに、これらの要素間に存在する摩擦を超える力が加えられた場合、どのような場合でも安全カバー1400が回転できることを意味する。逆に、ロック要素1200の位置が固定されていない場合には、ロック要素1200は、安全カバー1400と一緒に回転する。
【0038】
この時点では、ステップS23及びS24に示されるように、安全カバーは、コード化本体1100から分離することができない。実際には、当接要素1220は、溝1120と、又は溝1120が存在しない場合はコード化本体と接触し、従って、安全カバー1400がコード化本体1100から分離するのを防ぐ。スラスト要素1414は、当接要素1220を溝1120に挿入し、これにより、有利には、コード化本体1100に対する安全カバー1400のあらゆる動きが阻止される。従って、安全装置は、要素又は孔Sにロックされる。
【0039】
この時点で、安全カバー1400を時計回り又は反時計回りにランダムに回転させると、安全カバー1400をコード化本体1100から分離することができない。第一に、これは、ロック要素1200が溝1120内に配置されていることにより、ロック要素1200の回転が不可能であって阻止されることに起因して発生する。何れの場合も、この問題を克服するためにスラスト要素1414に圧力が加えられたとしても、解放ロック要素1140が存在するために、当接要素1220をキャビティ1170からランダムな動きで取り出すことは不可能である。詳細には、ステップS25、S26、S27に示すように、安全カバーを取り出す唯一の方法は、接触面1130、1311と解放キャビティ1170の相対位置により与えられ、並びに解放ロック要素1140の形状及び位置によって与えられる所定のコーディングに従って迷路形状の経路を移動することに基づく。このように、組み合わせは、回転要素及びスラスト要素を含み、上述の要素の形状及び位置を変えることによって、多数の実施可能な組み合わせに従って構成することができる。
【0040】
上記の状況において、スラスト要素1414の存在下で、スラスト動作がロック要素1220を溝1120から解放することを可能にする場合にのみ、回転ステップが実施可能であることは明らかであろう。従って、スラスト要素1414の存在下での組み合わせの使用は、スラスト運動と回転運動を一緒に適正に適用することを必要とする。更に、安全カバー1400をスラストしてロック要素1220を解放し、安全カバー1400とロック要素1220を共に回転できるようにするのではなく、安全カバー1400を引く必要があるように装置を構成することができる代替の実施形態を実施できることは明らかであろう。
【0041】
幾つかの実施形態において、正しい組み合わせの入力を容易にするために、接触面1130と解放キャビティ1170との間の距離、及び/又は接触面1131と解放キャビティ1170との間の距離は、溝1411の位置によって決まり、好ましくは、複数の溝1411の角度寸法に等しく、更により好ましくは、溝1411のうちの1つの溝の角度寸法の倍数に等しい。組み合わせを定義する距離は、溝の寸法の関数であるので、従って、組み合わせは、1又は2以上の方向の所与のクリック数として記憶するのが容易である。図3は、上記のロック要素1200の実施可能な変形形態であるロック要素3200を概略的に示している。具体的には、ロック要素3200は、ロック要素1200に関して上記で記載されたように、本体3210の一端に配置されるのではなく、2つの端部の間に含まれる本体3210の一部、好ましくは2つの端部に対して実質的に中央の位置に配置される当接要素3220を備える。ロック要素1200がロック要素3200と交換された場合、本発明は同様に機能できることは明らかであろう。
【0042】
図4は、上記のロック要素1200及び/又はロック要素3200の実施可能な変形形態であるロック要素4200を概略的に示している。具体的には、ロック要素4200は、本体4210の両端の間に含まれる本体4210の一部に配置された当接要素4220を備える。この場合、本体4210は、好ましくは180°よりも小さく、より好ましくは90°よりも小さい角度を有する円弧の形状を有する。この場合、上記の場合と同様の弾性挿入は実施可能でないので、ロック要素4200が安全プラグ4400に対して移動するのを防ぐために、2つのシールリング4230、4231が使用され、これらの間にロック要素4200が押されたままである。圧力は、安全カバー4400の長手延長方向で弾性スラスト作用を発揮するような形状のスラストリング4250と、ロックリング4240(例えば、スナップリング)とによって得られる。従って、安全カバー4400は、図示されていなくても、ロックリング4240用の少なくとも1つのシートを含むことは明らかであろう。ロック要素1200、3200のうちの1又は2以上がロック要素4200と交換された場合、本発明が同様にして機能できることは明らかであろう。
【0043】
例えば図3に見られる幾つかの実施形態において、ロック要素3200は、平面を描く本体3210を備える。換言すると、本体3210を含む平面が存在する。当接要素3220はまた平面に属することができ、或いは、好ましくは5°〜20°の間に含まれる角度で上記平面に対して傾斜することができる。当接要素3220の傾斜により、安全カバー1400は、コード化本体1100に取り付けられている間弾性的に動作し、安全カバー1400をコード化本体1100から分離する試みに応答して、溝1120に対して、又は何れの場合においても溝が提供されていない場合には対応する表面に対してスラストすることができる。この特性により、有利には、当接要素3220と解放キャビティ1170との間の位置合わせとは無関係に、コード化本体1100に安全カバー1400を取り付けることが可能になる。逆に、解放動作は、上記の内容が当てはまる。
【0044】
図11A及び11Bは、同様の動作モードを可能にする、本発明の代替の実施形態による安全装置11000を概略的に示しており、すなわち、安全カバーを当接要素の位置とは無関係に挿入することを可能にするが、代替タイプの当接要素を備えている。図示の実施形態では、2つの当接要素が存在するが、提供される当接要素の数に関係なく、同じ原理を明らかに適用することができる。この実施形態では、ロック要素は、安全な状態に置かれる要素Sに取り付けられ、当接要素11220、11230は、シールリング11330、13331、13332、11333によって所定位置に保持された球体によって得られる。解放動作に関する限り、この実施形態は、図10A及び10Bに関連して説明したことと同様の方法で動作し、ロック要素は、安全な状態に置かれる要素S上に配置される。従って、この場合でも、解放は、安全カバー11400内に設けられたそれぞれのキャビティ内の当接要素11220、11230の位置合わせによって行われる。
【0045】
しかしながら、図10A及び10Bとは異なり、この実施形態は、異なる実施形態を互いにどのように組み合わせることができるかを明らかにする目的でも、図6に示される実施形態で使用されるものと同様の当接要素11220、11230を使用する。
【0046】
更に、この実施形態は、このタイプの当接要素11220、11230が当接要素3220と同様に動作することを可能にする特性を追加する。換言すると、この実施形態は、必ずしも解放キャビティ11170と位置合わせされていない当接要素11220、11230の存在下でも、安全な状態に置かれる要素Sに安全カバー11400を取り付けることを可能にする。
【0047】
これが可能なのは、ロックリングの少なくとも幾つかが、安全な状態に置かれる要素Sに沿って移動可能であり、スラストリング11250(例えば、ばね)によって押し付けられたまま保持されることに起因する。具体的には、図10Bでより容易に分かるように、当接要素11230は、安全カバー11400に接触すると、安全な状態に置かれる要素Sに向かって押し付けられる。シールリング11332が左側に移動でき、従って、シールリング11332と11333の間に当接要素11230を挿入できるより多くのスペースが残されるので移動可能である。
【0048】
当接要素11230がコーディングキャビティ11460に入ると、スラストリング11250によって作用するスラスト力が、当接要素11230をその最も外側の位置に戻し、当接要素がコーディングキャビティに収まるようにする。同じ仕組みは、コーディングキャビティ11461への当接要素11230の挿入、及びコーディングキャビティ11460への当接要素11220の挿入にも適用することができる。従って、当接要素3220の場合と同様に、解放キャビティ11170を通過する必要なしに、当接要素をそれぞれのコーディングキャビティに挿入することが可能である。
【0049】
更に、有利には、当接要素11220、11230が解放キャビティ11170と位置合わせされていない場合、取り出しを防止することが可能である。これは、有利には、シールリング11330及び11331、並びにシールリング11332及び11333を非対称的に作製することによって得られる。
【0050】
具体的には、図10Bでより容易に分かるように、シールリング11330は、傾斜面11235を含み、シールリング11331は、当接要素11220の形状に少なくとも部分的に相補的な表面12236を含む。
【0051】
挿入中、当接要素11220は、相補面11236の外側で傾斜面11235に沿って押し出される。このことは、傾斜面11235の角度位置のお陰で、シールリング11330の左側へのスラスト作用をもたらし、従って、上述のように、シールリング11330と11331との間にスペースが空けられる。安全カバー11400の取り出し中に、当接要素11220が相補面11236に押し付けられる。当接要素11220の外形が相補面11236の外形と一致するお陰で、当接要素11220は、相補面11236によって閉じ込められたまま移動できず、安全カバー11400の取り出しを防止する。この挙動は、当接要素11230と同様の方法で適用できることは明らかであろう。更に、幾つかの実施形態において、シールリングの回転を回避するために回転防止歯状部11232と協働する回転防止ノッチ1121を設けることができる。更に、安全な状態に置かれる要素Sに沿った様々な回転防止ノッチ11215の長さは、安全な状態に置かれる要素Sに沿ってシールリングによって到達できる最大位置を定めるように異なることができる。
【0052】
図5は、本発明の代替の実施形態によるロック要素を概略的に示している。具体的には、図5に示される実施例及び前述の説明から明らかなように、ロック要素、より具体的には当接要素の形状は、コーディングキャビティに向かって、又はそれぞれの接触面に向かって、或いは解放ロック要素に向かって突出していれば十分である。従って、前述のロック要素の代替として、図5に示すロック要素の何れかを使用することができる。
【0053】
図6は、ロック要素6200を概略的に示しており、これは、上記のロック要素1200及び/又はロック要素3200及び/又はロック要素4200の実施可能な変形形態である。具体的には、ロック要素6200は、実質的に球形の当接要素6220を備える。当接要素6220が安全プラグ6400に対して移動するのを防ぐために、2つのシールリング6230、6231が使用され、その間で当接要素6220が押されたまま保持される。従って、シールリング6230、6231と当接要素6220との組み合わせがロック要素6200を生成する。本発明は、ロック要素1200、3200、4200のうちの1又は2以上がロック要素6200と交換された場合、同様の方法で機能できることは明らかであろう。
【0054】
上記の実施形態では、安全カバー6400は、上記の溝14111と同様の機能を有する溝6411を備えている。この場合もまた、本発明は、溝6411がなくても実施できることは明らかである。
【0055】
上記に示した実施形態では、安全カバー6400は、1又は2以上の回転防止ノッチ6322に対応する1又は2以上の回転防止歯状部6415を備える。これらの特性は、任意選択と考えるべきであり、安全カバー6400に対してシールリング6230、6231の回転を阻止する。
【0056】
図7Aから7Cは、本発明の代替の実施形態によるコード化本体7100を概略的に示している。具体的には、コード化本体7100は、コード化本体の組み合わせ又はコーディングをプログラムできるという点で、コード化本体1100とは異なる。
【0057】
より具体的には、コード化本体7100は、少なくとも1つの当接リング7132及び1つの当接リング7133を含み、当接リング7132は接触面7311を含み、当接リング7133は接触面7130を含む。2つの接触面7130及び7131の機能は、上記の接触面1130及び1131の機能と同様である。上記に加えて、コード化本体7100は、当接リング7142及び当接リング7143を含み、当接リング7142は、解放ロック要素7140を含み、当接リング7143は、解放ロック要素7141を含む。上記の実施形態では、各々が単一の接触面を有する2つの当接リングが存在するが、単一の当接リングに2つの接触面を実装することが可能となり、従ってコード化本体を構成する可能性を低減するが、多少なりとも構成の可能性を維持することは明らかである。更に、上記の実施形態では、各々がそれぞれの解放ロック要素を有する2つの当接リングが使用されるが、単一の当接リングを備えた解放ロック要素を作製することが可能となり、従って、コード化本体を構成する可能性を低減するが、解放ロック要素の角度位置を変更することができるので、多少なりとも構成の可能性を維持することは理解されるであろう。逆に、解放ロック要素を備えた複数のリングは、解放の組み合わせがより複雑になるようにして、解放ロック要素の形状も変更すること、又はコーディングキャビティ内に複数の解放ロック要素を配置することを可能にする。
【0058】
コード化本体7100の組み合わせの変更を可能にするために、当接リングは、コード化本体7100のコーディング位置で互いに対して移動することができ、コード化本体7100のロック位置で互いに対して固定される。ロック位置とコーディング位置の間の通路は、例えば、発生する摩擦に起因してリングがロックされるようにリングに圧力を作用することによるか、又は相互移動を妨げるような方法で当接リングに設けられた図示されていない適切なスロットにロック要素を挿入することにより、様々な方法で取得することができる。図示の実施形態では、コード化本体7100は、複数のロックリング7191、7192、193を含み、その間に当接リングが配置されている。図示されているロックリングの数は3つであるが、本発明はロックリング7191及び7193でのみ実施できることは明らかである。図示の実施形態では、ロックリングは、摩擦を生じ、従って、当接リング7132、7133、7142、7143をロックし、支持要素7194に取り付けられる。支持要素7194は、ロックリング7191−7193のうちの1又は2以上、好ましくはロックリング7191をネジ留めできるようにするためにネジ付きにすることができ、当接リングに圧力を作用させて、従って、緩めたときのコーディング位置から締め付けたときにロック位置にまで通過するようにする。
【0059】
図示の実施形態では、支持要素7194は、安全な状態に置かれる孔Sへのアクセスを可能にするように、中空の円筒形を有する。しかしながら、代替として、当接リングとロックリングの組み立てを可能にする任意の形状を実装できることは明らかである。
【0060】
図示の実施形態では、ロックリングは相補的な面を有し、その結果、ロック位置では、2つの隣接するロックリングの相補的な面が互いに噛み合って、ロックリングの相互回転が阻止されるようになる。図示の実施形態では、相補面は、支持要素7194の長手延長方向においてロックリングの各々の表面から延在する半円筒部を介して得られる。この構成は、有利には、ロックリング間の回転を回避することを可能にし、また、2つの相補的な半円筒部が完全な円筒部を形成するので、当接リング7132、7133、7142、7143を組み付けることができる円筒部を提供する。
【0061】
本明細書に示されていない幾つかの実施形態において、当接リング7132、7133、7142、7143に設けられたロックキャビティと相互作用することを意図したロック歯状部を少なくとも部分的に含む半円筒部の外面を作成することが可能である。このように、コード化本体7100の組み立て中にロック歯状部とロックキャビティとの間に得られた固定のお陰で、当接リングを特定の位置にロックすることが可能になる。
【0062】
図7A〜7Cに示される実施形態では、ロックリング7193は、溝7120を備え、その機能は上記の溝1120の機能と同様である。従って、溝1120の機能及び任意選択の存在に関する観察は、溝7120にも当てはまる。
【0063】
図8及び9は、本発明の代替の実施形態による安全装置8000及び9000を概略的に示している。
【0064】
具体的には、安全装置8000、9000の各々は、図6を参照して上記で記載されたものと同様の当接要素6220を備える。上記の記載とは異なり、安全要素は、小さなブレード形状のスラスト要素1414を含まない。図8の場合、圧力は、内側カバー8410と外側カバー8430との間に配置されたスラスト要素8414、例えば環状ばねによって作用される。図9に示す場合、スラスト要素9414は、互いに反発して内側カバー8410を外側カバー8430から離れるように移動させるよう、内側カバー9410と外側カバー9430との間に配置された2つの磁石により構成される。スラスト要素8414、9414はまた、ロック要素6200とは異なるロック要素を含む実施形態でも使用できることは明らかであろう。また、これらの実施形態では、スラスト作用は、上記の状況に対して反対方向に作用するので、すなわち、当接要素をコード化本体の方向に押すことによって、有利には溝1120の位置が反転することができ、溝1120を解放キャビティ1170に向かうキャビティ1160の側ではなく、キャビティ1160の反対側に形成されることは、明らかであろう。必要とされる幾何学的形状に基づいて、全ての実施形態は、開口部が安全カバーを押す又は引くことを必要とするようにできることは明らかである。図10A及び10Bに示す実施形態は、ロック要素10200が安全カバー上ではなく、安全な状態に置かれる要素S上に組み付けられ、コード化本体は安全カバー10400で達成されるという点で、上記の全ての実施形態とは異なる。図示の実施形態では、ロック要素10200は、ロック要素1200と同様であるが、唯一の相違点は、当接要素10220が安全カバー10400の方向に向けられているという点である。
【0065】
従って、安全装置1000は、安全な状態に置かれる要素又は孔Sを覆うために使用することができ、安全カバー10400と、安全カバー10400と安全な状態に置かれる要素又は孔Sとの間に配置されるロック要素10200と、を備える。明らかに、上に示したロック要素10200の代替として、当業者には明らかであろう好適な修正を加えて、ロック要素1200、3200、4200、6200の何れかを使用することが可能である。
【0066】
安全カバー10400は、例えば、接触面1130、7130に類似する第1の接触面と、例えば、接触面1131、7131に類似する第2の接触面とを備える。ロック要素10200は、上記と同様の方法で、第1の接触面及び第2の接触面に当接するように構成された当接要素10220を備える。安全カバー10400は更に、上記の条件と同様に、第1の接触面と第2の接触面との間に配置された解放ロック要素を備える。上記の場合と同様に、解放ロック要素の位置及び形状により、例えば図2に関連して説明したように、適正な組み合わせを知っている人だけが安全装置を解放することができる。
【0067】
図12A、12B及び12Cは、本発明の代替の実施形態による安全装置12000を概略的に示している。安全装置12000は、コーディングキャビティ1160内に配置された、1又は2以上の一方向通過要素12142及び/又は1又は2以上の傾斜面12143を含むことを特徴とする解放ロック要素を備える。
【0068】
これら2つの特徴は、安全装置12000をより快適でより安全に使用できるようにするのに有利である。
【0069】
具体的には、一方向通過要素12142は通常、当接要素1220を一方向に通過させるが反対方向には通過させない要素である。有利には、通過が許容される方向は、コーディングキャビティ1160内の当接要素1220の挿入方向である。
【0070】
図示の実施形態では、一方向通過要素12142は、当接要素1220が許容方向に移動するときに曲がるが、当接要素1220の反対方向での通過を停止及び阻止するように配置された小さな可撓性ブレードとして実装される。しかしながら、他の形状の一方向通過要素12142を代替的に実装できることは明らかであろう。
【0071】
傾斜面12143は、有利には、当接要素をロック方向に向けることを可能にする。換言すると、傾斜面12143は、装置をロック方向に配置するのをより容易にする。
【0072】
装置12000の動作は、上述の説明及びそれぞれの図面に明確に示されている。例として、ステップS120〜S132は、装置をロック及び解放することができる方法の実施例を示している。理解できるように、一方向通過要素の存在は、解放経路をロック経路と区別し、よって、装置を解放するために当接要素1220が通過しなければならない迷路がより複雑になる。
【0073】
ステップS133〜S136は、装置をロックすることができる方法の実施例を示し、ステップS137〜S140は、装置をロックすることができる方法の別の実施例を示す。理解できるように、一方向通過要素が一方向に移動することに起因して、当接要素を迷路状経路で反対方向に移動させることにより装置を解放することはできない。
【0074】
ステップS141〜S144、S145〜S148、及びS149〜S151は、装置をリセットすることができる方法の3つの実施例を示している。具体的には、位置が不明な装置が存在する場合、ユーザは、当接要素が解放迷路形経路を通って移動できるようにする正確な組み合わせを適用するための既知の開始点を定義するように、装置をリセットする必要がある。
【0075】
解放ロック要素における一方向通過要素12142及び/又は傾斜面12141の存在は、有利には、リセットステップを単純化することを可能にする。具体的には、理解できるように、当接要素1220の位置に関係なく、解放ロック要素の下方又は側方であるかどうかに関係なく、安全カバーを単に押して回転させるだけで、当接要素1220を容易にリセット位置に戻すことができる。
【0076】
明確にするために、上記の記載では、異なる実施形態が独立して説明されており、各々が特定の特性のセットを有するが、新しい実施形態を得るように任意の実施形態の特性のサブセットを実施できることは明らかである。また、新しい実施形態が得られるように、実施形態の任意の数の特性は、1又は2以上の他の実施形態の任意の数の特性と一緒に実装できることも明らかであろう。従って、本発明の実施可能な実施形態は、上記のものに限定されず、添付の特許請求の範囲によって定められる範囲に含まれる任意の実施形態を含む。
【符号の説明】
【0077】
1000 安全装置
1100 コード化本体
1110 固定要素
1120 溝
1130、1131 接触面
1140 解放ロック要素
1150 外面
1160 コーディングキャビティ
1170 解放キャビティ
1180 外面
1200 ロック要素
1210 本体
1220 当接要素
1400 安全カバー
1410 内側カバー
1411 溝
1412 シート
1414 スラスト要素
1420 穿孔防止要素
1430 外側カバー
S 安全な状態に置かれる要素
S20〜S27 使用方法
3200 ロック要素
3210 本体
3220 当接要素
4200 ロック要素
4210 本体
4220 当接要素
4230、4231 シールリング
4240 ロックリング
4250 スラストリング
4400 安全カバー
6200 ロック要素
6220 当接要素
6230、6231 シールリング
6232 回転防止ノッチ
6400 安全カバー
6411 溝
6415 回転防止歯状部
7100 コード化本体
7120 溝
7130、7131 接触面
7140、7141 解放ロック要素
7132、7133、7142、7143 当接リング
7172 解放キャビティ
7191、7192、7193 ロックリング
7194 支持要素
8000 安全装置
8410 内側カバー
8430 外側カバー
8414 スラスト要素
9000 安全装置
9410 内側カバー
9430 外側カバー
9414 スラスト要素
10000 安全装置
10170 解放キャビティ
10200 ロック要素
10220 当接要素
10400 安全カバー
11000 安全装置
11170 解放キャビティ
11215 回転防止ノッチ
11220、11230 当接要素
11232 回転防止歯状部
11235 傾斜面
11236 相補面
11240 ロックリング
11250 スラストリング
11330、11331、11332、11333 シールリング
11400 安全カバー
11460、11461 コーディングキャビティ
12000 安全装置
12142 一方向通過要素
12143 傾斜面
S120〜S132 装置をロック及び解放することができる方法の実施例
S133〜S136 装置をロックすることができる方法の実施例
S145〜S148 リセット例
S149〜S151 リセット例
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
【国際調査報告】