特表2021-523078(P2021-523078A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-523078(P2021-523078A)
(43)【公表日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】改良されたパイプスプレッダ
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/10 20060101AFI20210806BHJP
   B66C 1/42 20060101ALI20210806BHJP
【FI】
   B66C1/10 H
   B66C1/42 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2021-513749(P2021-513749)
(86)(22)【出願日】2019年5月3日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月5日
(86)【国際出願番号】SG2019050250
(87)【国際公開番号】WO2019216823
(87)【国際公開日】20191114
(31)【優先権主張番号】10201803886Q
(32)【優先日】2018年5月8日
(33)【優先権主張国】SG
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520438947
【氏名又は名称】ラム スマッグ リフティング テクノロジーズ プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RAM SMAG LIFTING TECHNOLOGIES PTE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイ、キャメロン
(72)【発明者】
【氏名】ムラリ、クリシュナ
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004AB01
3F004EA05
3F004KB00
(57)【要約】
パイプスプレッダは、フレームと、フレームに連結され、パイプに係合する一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリと、を備え、一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリのそれぞれは、少なくとも1つのスプレッダアセンブリを備え、スプレッダアセンブリは、スプレッダビームと、スプレッダビームに結合されるエンドマニピュレータとを含み、スプレッダアセンブリの少なくとも一部は、パイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能であるように配置される。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに連結され、パイプと係合するための一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリと、を備え、
前記一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリの各々が、
少なくとも1つのスプレッダアセンブリを含み、前記スプレッダアセンブリは、スプレッダビームと、前記スプレッダビームに結合されるエンドマニピュレータとを含み、
前記スプレッダアセンブリの少なくとも一部は、前記パイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能であるように配置されている、パイプスプレッダ。
【請求項2】
前記エンドマニピュレータは、選択的に取り外し可能である、請求項1に記載のパイプスプレッダ。
【請求項3】
前記スプレッダビームは、選択的に取り外し可能である、請求項1または2に記載のパイプスプレッダ。
【請求項4】
前記スプレッダアセンブリは、前記パイプスプレッダに係合可能なパイプの縦軸に対して直交方向に摺動するように配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパイプスプレッダ。
【請求項5】
前記パイプ係合アセンブリは、前記パイプが持ち上げられるときに、前記パイプスプレッダに係合可能なパイプに接触し、それを支持するように構成された支持アームをさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパイプスプレッダ。
【請求項6】
前記支持アームは、前記パイプに下向きの力を加えるように配置される、請求項5に記載のパイプスプレッダ。
【請求項7】
前記支持アームは、前記パイプに弾力性のある下向きの力を加えるようにばね荷重がかけられる、請求項5に記載のパイプスプレッダ。
【請求項8】
前記エンドマニピュレータは、前記エンドマニピュレータに選択的に係合するパイプ係合ピンをさらに備え、前記パイプ係合ピンは、前記パイプスプレッダに係合可能なパイプを持ち上げるように構成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパイプスプレッダ。
【請求項9】
前記パイプ係合ピンに選択的に係合されるシースをさらに備える、請求項8に記載のパイプスプレッダ。
【請求項10】
前記一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリは、一体の本体を形成するように組み合わされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパイプスプレッダ。
【請求項11】
高さ検出システムをさらに備え、前記高さ検出システムは、前記フレームに対する前記パイプの高さを検出し、前記高さが所定の閾値を超えたときに警報をトリガするように構成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパイプスプレッダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパイプに係合し、パイプを搬送するように適合されたスプレッダに関する。
【背景技術】
【0002】
大型パイプの輸送は例えば、船舶・建設業において頻繁に必要とされる。典型的には、これらのパイプがスプレッダ上にクランプされ、クレーンによって必要な位置まで持ち上げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のパイプスプレッダは、パイプの直径の限られた範囲内で、固定された数のパイプを吊り上げるように設計されている。したがって、建設現場または波止場の通常の運転中に、パイプ直径の全範囲を有するパイプを吊り上げるために、いくつかのスプレッダが必要とされることがある。これらの追加のスプレッダは保管するためにかなりの保管スペースを必要とし、また、追加の保守費用および資本支出を招く。
【0004】
さらに、既存のパイプスプレッダ上のパイプのクランプは、通常、手作業で行われる。その結果、パイプの手動クランプ中に人為的ミスが発生することは珍しくない。これは事故を引き起こし、場合によってはオペレータに重傷を負わせる危険性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面において、フレームと、前記フレームに連結され、パイプと係合するための一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリと、を備え、前記一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリの各々が、少なくとも1つのスプレッダアセンブリを含み、スプレッダアセンブリはスプレッダビームと、スプレッダビームに結合されたエンドマニピュレータとを含み、スプレッダアセンブリの少なくとも一部は、パイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能であるように配置されるパイプスプレッダが提供される。本発明の実施形態では、エンドマニピュレータおよび/またはスプレッダビームがパイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能である。
【0006】
したがって、このような構成は、広範囲のパイプ直径およびパイプ長さに適合するように、スプレッダアセンブリの一部の選択的な除去および/または追加を可能にする。これにより、パイプスプレッダの柔軟性が強化され、広範囲のパイプ直径とパイプ長さを扱うことができる。
【0007】
一対の相互に協働するパイプ係合アセンブリを組み合わせて、一体の本体を形成することもできる。
【0008】
本発明の実施形態において、パイプスプレッダは、前記パイプスプレッダに係合可能なパイプの縦軸に対して直交方向に摺動するように配置される。
【0009】
従って、このような構成により、パイプスプレッダは、異なるサイズのパイプをクランプするように、フレームに対するその位置を調整することができる。
【0010】
本発明の実施形態において、パイプ係合アセンブリはパイプが持ち上げられるときに、パイプスプレッダに係合可能なパイプと接触し支持するように構成された支持アームを更に備えてもよい。支持アームはさらに、パイプに下向きの力を加えるように配置されてもよい。あるいは、支持アームが弾力性のある下向きの力をパイプに加えるように、ばね荷重がかけられる。
【0011】
したがって、支持アームはパイプを固定し、持ち上げプロセスの間、パイプが揺れないようにする。このため、パイプの安定性が確保され、吊上げ作業の安全性が向上する。
【0012】
本発明の実施形態において、エンドマニピュレータは、パイプスプレッダに係合可能なパイプを持ち上げるように配置されたパイプ係合ピンを更に備えることができる。本発明の実施形態では、パイプ係合ピンがエンドマニピュレータに選択的に係合されてもよい。本発明のさらなる実施形態では、エンドマニピュレータがパイプ係合ピンに選択的に係合されるシースをさらに備えてもよい。
【0013】
従って、このような構成は、パイプ係合ピンの直径が、持ち上げられるパイプの直径に基づいて調整され得ることを保証する。特に、上記の構成はパイプ係合ピンおよび/またはパイプ係合ピンおよびシーブアセンブリの結果として生じる直径がパイプの直径と一致することを保証し、それによって、パイプが持ち上げ中に良好に支持されることを保証する。
【0014】
本発明の実施形態では、パイプスプレッダが高さ検出システムをさらに備えることができ、高さ検出システムは、フレームに対するパイプの高さを検出し、高さが所定の閾値を超えたときに警報を発するように構成される。
【0015】
従って、このような構成は、パイプがパイプ係合アセンブリから外れて地面に落下した場合の早期警告システムとしての役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の可能な構成を示す添付の図面に関して本発明をさらに説明することは便利であろう。本発明の他の構成も可能であり、その結果、添付の図面の特殊性は、本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものとして理解されるべきではない。
【0017】
図1A】本発明の一実施形態に係るパイプスプレッダの斜視図である。
図1B】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダの側面図である。
図2】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダのエンドマニピュレータの図である。
図3】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダの斜視図である。
図5A】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダの側面図である。
図5B図5Aに示すようなパイプスプレッダの支持アームの断面図である。
図6A-6C】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダの検知アセンブリを示す。
図7A-7B】本発明の一実施形態によるパイプスプレッダのエンドマニピュレータの図である。
図8】本発明の一実施形態による高さセンサを備えたパイプスプレッダの正面図である。
図9】本発明の一実施形態による検出システムを備えたパイプスプレッダの詳細図である。
図10】本発明の一実施形態による撮像システムを備えたパイプスプレッダの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1Aおよび図1Bは、本発明の一実施形態によるパイプスプレッダ5を示す。この実施形態では、パイプスプレッダ5がフレーム10と、フレーム10に摺動可能に係合する相互に協働する一対のパイプ係合アセンブリ20とを備える。各パイプ係合アセンブリ20は少なくとも1つのスプレッダアセンブリをさらに備え、スプレッダアセンブリ25はスプレッダビーム30およびエンドマニピュレータ50を備える。スプレッダビーム30は、入れ子式ビーム、またはエンドマニピュレータがスプレッダビーム30の長手方向に平行移動することを可能にする任意の他のビームとすることができる。加えて、スプレッダアセンブリ25は、パイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能であるように配置された取り外し可能な部分を有する。一実施形態では、取り外し可能な部分がエンドマニピュレータであってもよい。他の実施形態では、取り外し可能な部分がスプレッダアセンブリ全体であってもよい。
【0019】
図1Aに示すこの図示の実施形態では、パイプ係合アセンブリが3つのスプレッダアセンブリを備える。特に、パイプ係合アセンブリは2つのエンドスプレッダビーム30、40と、センタースプレッダビーム35と、3つのエンドマニピュレータ50、55、60とを備え、各エンドマニピュレータは1つのスプレッダビームに結合されている。センタースプレッダビーム35はCチャネル70に摺動可能に取り付けられており、これにより、センタースプレッダビーム35をパイプの長手方向軸に対して直交方向に移動させることができる。さらに、2つのエンドスプレッダビーム30、40は、フレーム10の本体上に形成されたチャネル85内に位置決めされた少なくとも1つのアーム80を備える。アクチュエータはアーム80と係合し、2つのエンドスプレッダビーム30、40、および結果的に対応するスプレッダアセンブリがチャネル85に沿って個々に平行移動することを可能にするように、2つのCチャネル70の間のフレーム上に設けられる。アクチュエータは、油圧アクチュエータ、リニアアクチュエータ、またはスプレッダビームの自動移動を可能にする任意の他のアクチュエータとすることができる。この目的のために、アクチュエータは、2つのエンドスプレッダビーム30、40が手動による介入を必要とせずに自動的に平行移動することを可能にする。特に、アクチュエータは、ハンドヘルドワイヤレスコントローラを使用して制御されてもよい。その後、オペレータは、コントローラーを使用してスプレッダビームの動きを制御し、パイプの直径に応じてエンドマニピュレータの位置を調整する。本発明の実施形態では、リニアエンコーダが提供される。リニアエンコーダは持ち上げるパイプのさまざまな直径に対応できるように、アクチュエータがアームを正しく位置決めできるように機能する。
【0020】
図2は、エンドマニピュレータの一実施形態をさらに詳細に示す。図示のように、エンドマニピュレータは、持ち上げを可能にするようにパイプに係合するように配置されたパイプ係合ピン(67)をさらに備える。
【0021】
パイプスプレッダの基本動作を更に詳細に説明する。特に、持ち上げられるべきパイプは、地面または船甲板上に配置されている。パイプスプレッダは、まず、アームを正しい直交位置に操作することによって、パイプの正しい直径を取り扱うように設定される。それに続いて、パイプスプレッダ5が下げられ、その結果、エンドマニピュレータのパイプ係合ピン(67)がパイプの開口部に対応する。次いで、スプレッダビーム30、35、40の伸縮部分が収縮し、エンドマニピュレータ50、55、60をパイプに係合させる。最後に、パイプスプレッダが持ち上げられ、パイプ係合ピン(67)がパイプと係合し、それによって、リフティング動作が開始される。
【0022】
この目的のために、本発明のパイプスプレッダ5は、広範囲のパイプ直径およびパイプ長さに適合するように、スプレッダアセンブリおよび/またはエンドマニピュレータの選択的な除去および/または追加を可能にする。特に、スプレッダアセンブリの取り外し可能な部分は、パイプ係合アセンブリから選択的に取り外し可能であるように配置される。例えば、上述し、図1A及び図1Bに例示されているような3つのスプレッダビームを使用して、中型パイプのリフトにつき3つのパイプを取り扱うことができる。しかしながら、より大きな直径のパイプを持ち上げる場合、パイプスプレッダ5は、1つのリフトにつき2つのパイプしか取り扱うことができない。この場合、センタースプレッダビーム35およびその対応するエンドマニピュレータ55は、パイプ係合アセンブリ20から(図3に示すように)取り除かれて、スプレッダが1つのリフトにつき2つのパイプのみを取り扱えるようにしてもよい。同様に、図4に示すように、パイプスプレッダ5が1つのリフトにつき4つのパイプを取り扱えるようにより小さな直径のパイプを持ち上げる場合、追加のセンタースプレッダビーム57及びその対応するエンドマニピュレータ59をパイプ係合アセンブリ20に追加することができる。センタースプレッダビーム35と同様に、追加のセンタースプレッダビーム57も、その横軸に沿った移動を可能にするように、Cチャネル70上に取り付けることができる。この点に関して、センタースプレッダビーム35および追加のセンタースプレッダビーム57は小径パイプの異なる直径に適合するように、それらの横軸に沿って手動または自動的に操作されてもよい。
【0023】
従って、本発明は、パイプスプレッダの柔軟性を高めて、広範囲のパイプ直径及びパイプ長さを取り扱う。
【0024】
図1A図5Aおよび図5Bに示すような本発明の実施形態では、パイプ係合アセンブリ20がスプレッダビーム30、35、40のうちの少なくとも1つの下側に配置された支持アーム95をさらに備え、支持アーム95はパイプが持ち上げられるときにパイプと接触して支持するように配置される。この図示の実施形態では、支持アーム95は、持ち上げ動作中にパイプに下向きの力を加えるようにバネ荷重がかけられている。
【0025】
作動中、パイプスプレッダ5が下降してパイプ係合ピン(67)をパイプの開口部に合わせると、サポートアーム95がパイプに接触することになり、サポートアーム95内のスプリングを圧縮させ、パイプに下向きの力を加える。これはまた、パイプ係合アセンブリによるパイプの係合を開始するように、パイプスプレッダが所定の位置にあることをオペレータに知らせる着陸信号を作動させることになる。パイプ係合アセンブリがパイプと係合すると、パイプスプレッダ5は吊り上げられ、パイプは持ち上げられる。ばねの圧縮のために、支持アーム95は持ち上げプロセス全体の間、依然としてパイプと接触し、それにより、パイプを支持し、パイプがぐらつくのを防止する(図5Aおよび5Bに示されるように)。したがって、このような特徴はパイプの安定性を確保し、持ち上げ動作の安全性を高める。
【0026】
図6Aおよび図6Bに示す本発明の実施形態では、エンドマニピュレータが第1の感知アセンブリ110をさらに備えることができる。第1の感知アセンブリ110は、エンドマニピュレータがパイプ上に十分にクランプされているかどうかを判断し、LED装置にフィードバック信号を提供する役割を果たす。第1の感知アセンブリ110は、任意の機械的機構および/または圧力センサなどの電子センサとすることができ、パイプとエンドマニピュレータとの間の接触点に配置することができる。動作中、パイプがクランプされているとき、圧力が第1の感知アセンブリに加えられ、感知アセンブリ110をロック解除位置からロック位置に移動させる。圧力が所定の閾値に達すると、第1の感知アセンブリ110はスプレッダ制御システムに信号を送り、LED装置を点灯させ、パイプが適切にクランプされ、吊り上げることができることをオペレータに信号で伝える。したがって、このようなシステムは、パイプスプレッダの安全性をさらに高める。
【0027】
図6A及び図6Cに示すような本発明の実施形態では、エンドマニピュレータが、エンドマニピュレータとスプレッダビームとの間に位置決めされた第2の感知アセンブリ120を備えることもできる。第2の感知アセンブリ120は、任意の機械的機構および/または圧力センサなどの電子センサとすることができる。動作中、機械的リンク機構を使用することによって、第2の感知アセンブリ120は、エンドマニピュレータがパイプを十分にクランプしたかどうかを検出することができる。したがって、このようなシステムは、パイプスプレッダの安全性をさらに高める。
【0028】
図7Aおよび7Bに示されるような本発明のさらなる実施形態において、パイプ係合ピン167のサイズは、異なるパイプ直径に適合するようにカスタマイズされてもよい。例えば、図7Bに示すように、パイプ係合ピン167には、ピンの直径を拡大するためにシーブ168を取り付けることができる。従って、これは、パイプ係合ピン167及びシーブ168アセンブリの合成直径がパイプの直径に合致することを確実にし、これにより、パイプがリフティング中に良好に支持されることを確実にする。他の実施形態では、パイプ係合ピン全体は取り外し可能であってもよく、それによって、持ち上げられるパイプの直径に適合するようにパイプ係合ピンの容易な切り換えを確実にする。
【0029】
図8に示すような本発明のさらなる実施形態では、パイプスプレッダが、パイプスプレッダ205のフレーム210の中央本体部分に配置された高さセンサ220を更に備えることができる。高さセンサ220は、超音波センサであってもよく、又は2つの物体間の距離を検出することができる任意の他の形態のセンサであってもよい。従って、オペレータがスプレッダを下げてパイプをピックアップすると、高さセンサは、スプレッダが所定の高さに達すると、オペレータにアラーム信号をトリガし、それにより、オペレータに下降速度を下げるように促す。したがって、これは、スプレッダがパイプに偶発的に高速で衝撃を与えることを回避し、したがって、パイプスプレッダの安全性を高める。
【0030】
次に図9を参照すると、パイプスプレッダは、パイプが吊り上げられているときにパイプの存在を検出するように配置された検出システムを更に備えることができる。例えば、検出システムは、パイプとセンサとの間の距離を監視するように配置された少なくとも1つのセンサ305を備える。このセンサは、光電センサ、超音波センサ、または2つの物体間の距離を検出することができる任意の他の形態のセンサであってもよい。検知距離は、パイプスプレッダの巻上速度に応じて所定の距離に予め設定される。したがって、パイプとセンサとの間の距離が検知距離よりも大きい場合、センサ信号は失われ、これは、オペレータに巻上げを禁止するアラームをトリガする。本発明のさらなる実施形態では、誤警報をバイパスするために、バイパス機能を提供することもできる。従って、このような構成は、パイプがパイプ係合アセンブリから外れて地面に落下した場合の早期警告システムとしての役割を果たす。
【0031】
本発明のさらなる実施形態ではパイプスプレッダが図10に示すような撮像システムを更に含んでもよく、具体的にはカメラ310がスプレッダのエンドマニピュレータの近くに取り付けられてもよく、ビデオフィードは診断システムまたはモバイル装置にライブ送信されてもよい。従って、カメラシステムは、オペレータの視界を拡張して、スプレッダとパイプの整列をより良好に推定することを可能にする。さらに、損傷したパイプを明確に識別して、エンドマニピュレータとパイプの間の誤った係合を防止することもできる。従って、撮像システムはオペレータがスプレッダをできるだけ短い時間でパイプに着陸させるのを補助することができ、同時に、装置の安全性を高めることができる。
本発明の実施形態では、パイプスプレッダが診断システムと通信し、パイプスプレッダから受信した診断情報を、表示および分析のために診断システムに送信することができる。診断情報は上記のセンサからのデータ、環境データ、または分析目的に必要とされ得る他のデータを含み得るが、これらに限定されない。実施形態において、センサ状態および故障情報を監視するために、また、保守要員が故障のトラブルシューティングを支援するために、パイプスプレッダ上に診断パネルを設けることもできる。これらのデータは、データおよび傾向分析のためにデータベースに記録することもできる。したがって、診断システムは、故障の場合に迅速な回復および問題識別を提供する。さらに、記録されたデータは、インシデント根本原因分析および故障前警告にも非常に有用である。
【0032】
上記の実施形態はパイプに係合するためにタンデムに働く相互に協働するパイプ係合アセンブリの対を描いているが、当業者は2つのパイプ係合アセンブリを組み合わせて1つの一体のアセンブリを形成することができることを理解するのであろう。また、当業者は2つのパイプ係合アセンブリの代わりに、2つの相互に協働するスプレッダアセンブリまたは2つの相互に協働するスプレッダビームを組み合わせて、1つの一体のアセンブリを形成することもできることを理解するのであろう。
【0033】
本発明は単なる例として本明細書に記載されており、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、設計および/または詳細における様々な修正がなされ得ることが理解されるのであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A-6C】
図7A
図7B
図8
図9
図10
【国際調査報告】