特表2021-523187(P2021-523187A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-523187リナグリプチンおよびその塩の製造のための中間体およびプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-523187(P2021-523187A)
(43)【公表日】2021年9月2日
(54)【発明の名称】リナグリプチンおよびその塩の製造のための中間体およびプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07D 473/06 20060101AFI20210806BHJP
【FI】
   C07D473/06CSP
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2020-563957(P2020-563957)
(86)(22)【出願日】2019年5月13日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月9日
(86)【国際出願番号】EP2019062229
(87)【国際公開番号】WO2019219620
(87)【国際公開日】20191121
(31)【優先権主張番号】102018000005383
(32)【優先日】2018年5月15日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520439221
【氏名又は名称】ケンブレックス プロファルマコ ミラノ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ
【氏名又は名称原語表記】CAMBREX PROFARMACO MILANO S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】チャンチミノ、 クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】トラグニ、 ミケーレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーゴ、 ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】ピッコロ、 オレステ
(57)【要約】
本発明は、リナグリプチンおよびその塩の合成のための新しい中間体、ならびに前記中間体を含むその製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(V)の化合物:
【化1】
ここで、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、H;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル;C1〜C4アルキル基で任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル;C3〜C9アルケニル;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、ハロゲン、−NO、−OR基から選択される1つ以上の基で任意に置換されたフェニル、ナフチル、ヘテロアリ−ルであり、ここで、Rは、H、直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、任意に置換されたベンジル、またはRおよびRが互いに連結して形成される任意に置換されたC5またはC6環である。
【請求項2】
RおよびRが、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、p−トリル、p−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH=CH−Ph、RとRが互いに連結してシクロヘキサンまたは3−メチルもしくは4−メチル置換シクロヘキサンを形成する、から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが水素であり、Rがフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
以下を含む、リナグリプチンの製造方法:
(a)適切な溶媒中の塩基、および任意に相間移動剤の存在下で、式(II)の化合物と式(VI)の化合物との反応により、式(V)の化合物を与える工程、
(b)式(V)の中間体の脱保護により、任意で単離して、リナグリプチンを与え、次いで、その塩を任意に形成する工程、
【化2】
ここで、XはClおよびBrから選択されるハロゲンであり、
RおよびRは請求項1に記載された意味を有する。
【請求項5】
工程(a)において、塩基は、アルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、およびリン酸塩、またはそれらの混合物から選択され;
溶媒は、非プロトン性の無極性もしくは極性であり、芳香族、脂肪族、エ−テル、エステル、ケト溶媒、またはそれらの混合物であって、0%〜6%(v/v)の範囲の含水量を有し;
任意の相間移動剤は、テトラ置換アンモニウムもしくはホスホニウム塩から選択され、
式(II)の化合物の式(VI)の化合物に対するモル比が、1/1〜1/1.5の範囲であり;
工程(b)における任意の単離は、非プロトン性の無極性または極性であり、芳香族、脂肪族溶媒またはそれらの混合物の存在下で、直鎖状もしくは分枝状のC1〜C4アルコ−ル、またはエステルまたはエ−テルまたはそれらの混合物の存在下での沈殿または結晶化によって行われ、
脱保護は穏やかな酸または塩基性条件下で行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(a)において、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムから選択され;
溶媒は、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、クメン、シメン、バレロラクトン、シクロペンチルメチルエ−テル、メチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物から選択され;
工程(b)における単離は、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、クメン、シメン、バレロラクトン、シクロペンチルメチルエ−テル、メチルイソブチルケトンまたはこれらの混合物の存在下で、任意で、メチル−t−ブチルエ−テルの存在下で、メタノ−ルまたは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルまたはこれらの混合物中で行われ、
脱保護は、酸の存在下、有機水性二相系を使用して、あるいは代替として塩基を有する有機系を使用して、0℃〜30℃の範囲の温度で行われる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程(a)において、塩基は炭酸カリウムまたはリン酸カリウムであり、
溶媒は、0%〜6%(v/v)の範囲の水分率および0%〜10%(v/v)の間のN−メチルピロリドン率を有するトルエンであり;
工程(b)において、ステップ(b)の単離は、メチル−t−ブチルエ−テルとの混和物中のトルエンおよびメタノ−ルの存在下での沈殿または結晶化および脱保護によって行われ、
酸の存在下で有機水性二相系を使用する場合、酸は、芳香族、脂肪族、エ−テル、塩素化溶媒またはそれらの混合物の存在下で、直鎖、分枝または環状C1〜C8から選択され;
塩基を有する有機系を使用する場合、塩基は、芳香族、脂肪族、アルコ−ル、エ−テル、塩素化溶媒またはそれらの混合物の存在下で、T−NHアミン(Tは直鎖状または分枝状のC1〜C8アルキルである)またはOZ基(ZはHまたはC1〜C6アルキルである);またはそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(b)において、酸の存在下で有機水性二塩基系を使用する場合、前記酸は、トルエンの存在下で酢酸であり、
塩基を有する有機系を使用する場合、前記塩基は、メチレンクロリド、メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエ−テル、アセトニトリル、エタノ−ル、メタノ−ル、イソプロパノ−ル、n−プロパノ−ル、n−ブタノ−ル、t−ブタノ−ル、sec−ブタノ−ル、トルエン、キシレン、クメン、シメンまたはそれらの混合物の存在下で、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、メトキシルアミン、エトキシルアミン、ヒドロキシルアミンまたはそれらの塩またはそれらの混合物から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(b)において、塩基を有する有機系を使用する場合、前記塩基は、トルエンまたはエタノ−ルまたはその混合物の存在下で、ヒドロキシルアミンまたはその塩である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
リナグリプチンまたはその薬理学的に許容される塩の医薬組成物を、1種以上の従来の医薬添加剤と混合して調製することをさらに含む、請求項4〜9の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リナグリプチン(Linagliptin)およびその塩の合成のための新しい中間体、ならびに該中間体を含むその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(R)−8−(3−アミノピペリジン−1−イル)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−(4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-8-(3-Aminopiperidin-1-yl)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)、国際的な一般名称をリナグリプチン(式I)という、は、
【化1】
インクレチンであるGLP−1およびGIPを不活性化するDPP−4(ジペプチジルペプチダ−ゼ4)という酵素の選択的阻害薬である。
【0003】
前記インクレチンは、正常および上昇した血中グルコ−スレベルの存在下で、インスリン生合成および膵β細胞からのその分泌を増加させる;さらに、GLP−1はまた、膵α細胞からのグルカゴン分泌を減少させ、これは、肝グルコ−ス産生の減少につながる。
リナグリプチンは可逆的にDPP−4と結合し、活性型インクレチン濃度の持続的な上昇と延長をもたらし、その結果、グルコース依存性のインスリン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を減少させる。
【0004】
リナグリプチンはBoehringer Ingelheimによって2型糖尿病の治療用に開発され、Tradjenta(米国)とTrajentaの名称で市販された。
リナグリプチンの製造のためのいくつかの方法は、当該技術分野で公知である。
【0005】
US7,407,955およびJ.Med.Chem.2007,50,6450−6453は、BOC保護された(R)−ピペリジン−3−アミン(IIIa、PG=COOt−Bu)との8−ブロモ−7−(ブト−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)の縮合反応、トリフルオロ酢酸の存在下でのその後の保護基(PG)の除去、および任意の後続の有機酸または無機酸による塩化(salification)(スキーム1;PG=COOt-Bu)を介したリナグリプチンおよびその塩の合成を開示している。
【化2】
化合物(I)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する。この手順は、もちろん市販の製剤には適していない。
【0006】
本出願人は、上記の脱保護手順を実験的に検証した(参考実施例A参照)。この製造方法は、収率が極めて低く(50%未満)、十分な純度(99.5%未満)が得られることで特徴づけられる。
TFAの本質的危険性、前記手順から得られた最終製品の収率不良およびBOC保護アミノピペリジンの高コストが、工業目的のためのこのプロセスの使用における限界を構成することを強調する価値がある。
【0007】
US8,865,729には、リナグリプチンの薬理学的に許容される塩、特に有機溶媒和物、水和塩および有機溶媒和物および水和物の混合物が記載されている。
【0008】
US7,820,815は、スキーム1に示すものと同様の方法であるが、PGがフタルイミド基である化合物IIIbを使用する方法を記載している(スキーム2)。
【化3】
フタルイミド基で保護されたリナグリプチンは、US8,883,805に具体的に開示されている。脱保護反応は、トルエン中またはテトラヒドロフラン/水中でのエタノールアミンでの処理によって実施され、その後の相分離および結晶化処理は、高い収率で生成物を得るために必要である。上記文献には純度は示されていない。
【0009】
本出願人は、US8,883,805に報告された手順に従ってフタルイミド中間体の脱保護を実験的に実施した(参考実施例B−方法1および2を参照)。
上記の方法で得られたリナグリプチンは、除去が困難な量のフタルイミド分解生成物を含有する。
前記副生成物は、再結晶操作後でも、全収率(約75〜85%)および純度(約95.5〜97.5%)の低下を引き起こす。
【0010】
US9,353,114は、置換フタルイミド基を特徴とする中間体を介したリナグリプチンの製造を開示する。
化合物(I)は、ジベンゾイル−D−酒石酸を用いてリナグリプチン塩を調製し、結晶化し、その後、化合物(I)を放出(release)した後、高純度で得られる。
【0011】
US9,056,112は、化合物(II)と非保護化合物(IIIc、ここでPG=H)との反応について言及している。
【0012】
WO2016/207364は、(IIIc)と化合物(II)の塩素化またはヨウ素化類似体との反応を開示している。
しかし、(IIIc)を用いると、(I)の単純結晶化では除去しにくい副生成物として、リナグリプチンの位置異性体(IV)が生成する。
【化4】
したがって、化合物(I)をその塩、特に対応する(D)−酒石酸塩に変換し、その塩を結晶化し、続いて塩基性条件で化合物(I)を放出することが必要である。
リナグリプチン塩の形成を伴うこの精製手順は、高純度の化合物(I)を得るのに有効であるが、反応廃棄物処分によるコストや環境負荷の面でも悪化(worsening)を伴う。
【0013】
CN105541844は、保護されていない化合物(IIIc)を使用することによって、塩形成なしに高純度HPLC生成物(I)を得るための製造方法について言及しているが、使用されるクロマトグラフィー条件は示されておらず、位置異性体(IV)の含有量についての記載はない。
本出願人は、CN105541844に記載されている手順を用いて、位置異性体(IV)の最終含量が約0.2%であり、通常医薬品原薬(API)としては許容できないことを実験的に判定した。
【0014】
また、本出願人は、現在市販されている有効成分(トラゼンタ(Tradjenta))の純度分析も実施しており、不純物中にアレン副産物が存在することを強調している。
【化5】
最終製品中に約0.2%の量の不純物が存在することが知られている。
したがって、リナグリプチンおよびその塩の合成のための新しい中間体、ならびにその単離塩を形成することなく、高収率および高化学純度での製造方法を見出す必要がある。
【0015】
・本発明の記載
今回、リナグリプチンとその塩類の合成のための新しい中間体、および高収率と高化学純度を有する製造方法であり、化合物(II)との反応中に安定であり、穏和な条件下で除去できる、低コスト保護基を有する(R)−3−アミノ−ピペリジン誘導体の使用を含む。
【0016】
本発明の目的は、リナグリプチンおよびその塩の合成のための新規中間体(V)に関する。
【化6】
ここで、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、H;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル;C1〜C4アルキル基で任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル;C3〜C9アルケニル;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、ハロゲン、−NO、−OR基から選択される1つ以上の基で任意に置換されたフェニル、ナフチル、ヘテロアリ−ルであり、ここで、Rは、H、直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、任意に置換されたベンジル、またはRおよびRが互いに連結して形成される任意に置換されたC5またはC6環であり、
好ましくは、RおよびRは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、p−トリル、p−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH=CH−Ph、RとRが互いに連結してシクロヘキサンまたは3−メチルまたは4−メチル置換シクロヘキサンを形成する;より好ましくは、Rは水素であり、Rはフェニルである。
【0017】
本発明の別の目的は、以下を含む、リナグリプチン及びその塩の製造方法:
(a)適切な溶媒中の塩基、および任意に相間移動剤の存在下で、式(II)の化合物と式(VI)の化合物との反応により、式(V)の化合物を与える工程、
(b)式(V)の中間体の脱保護により、任意で単離して、リナグリプチンを与え、次いで、その塩を任意に形成する工程、
【化7】
ここで、Xはハロゲンであり、好ましくはCl、Br、Iから選択され、より好ましくはClまたはBrであり、RおよびRは、同じであっても異なっていてもよく、H;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル;C1〜C4アルキル基で任意に置換されたC5〜C6シクロアルキル;C3〜C9アルケニル;直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、ハロゲン、−NO、−OR基から選択される1つ以上の基で任意に置換されたフェニル、ナフチル、ヘテロアリ−ルであり、ここで、Rは、H、直鎖状または分枝状のC1〜C6アルキル、任意に置換されたベンジル、またはRおよびRが互いに連結して形成される任意に置換されたC5またはC6環であり、
好ましくは、RおよびRは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、p−トリル、p−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−ニトロフェニル、p−クロロフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2−チオフェニル、2−フラニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH=CH−Ph、RとRが互いに連結してシクロヘキサンまたは3−メチルもしくは4−メチル置換シクロヘキサンを形成する、より好ましくは、Rは水素であり、Rはフェニルである。
【0018】
工程(a)において、塩基は、アルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびリン酸塩、またはそれらの混合物から選択される。好ましくは、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、より好ましくは炭酸カリウムおよびリン酸カリウムから選択される。
【0019】
工程(a)において、溶媒は非プロトン性の無極性または極性であり、芳香族、脂肪族、エーテル、エステル、ケトンまたはその混合物であり、0〜6%の水分を含む。
溶媒は、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、クメン、シメン、バレロラクトン、シクロペンチルメチルエ−テル、メチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物であって、0%〜6%の水分を含んでいるものから選択されてもよく、好ましくは、トルエン、キシレン、クメン、シメン、N−メチルピロリドンまたはその混合物であって、0%〜6%(v/v)の水分を含んでいるものから選択されてもよく、より好ましくは、0%〜6%(v/v)の範囲の水分量および0%〜10%(v/v)の間のN−メチルピロリドン量を有するトルエンである。
【0020】
工程(a)では、任意に使用される相間移動剤をアンモニウムまたは四置換ホスホニウム塩から選択する。
【0021】
工程(a)において、(VI)に対する(II)のモル比は、好ましくは1/1〜1/1.5の間である。
【0022】
工程(a)で得られた式(V)の化合物は任意に単離することができる。任意の単離は、非プロトン性の無極性または極性であり、芳香族、脂肪族溶媒またはそれらの混合物の存在下で、直鎖状もしくは分枝状のC1〜C4アルコ−ルまたはエステルまたはエ−テルまたはそれらの混合物の存在下での沈殿または結晶化によって行うことが好ましい。
好ましくは、工程(a)で得られた式(V)の化合物は、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン、クメン、シメン、バレロラクトン、シクロペンチルメチルエ−テル、メチルイソブチルケトンまたはこれらの混合物の存在下で、任意で、メチル−t−ブチルエ−テルの存在下で、メタノ−ルまたは酢酸エチルまたは酢酸イソプロピルまたはこれらの混合物中での沈殿または結晶化によって単離される。
【0023】
工程(a)で使用される式(VI)の化合物の形成は、(R)−3−アミノ−ピペリジンと式(VII)の化合物との反応によって、公知の手順によって、または任意に、適切な溶媒もしくは溶媒混合物中の酸触媒を使用して20℃〜150℃の温度で、好ましくは20℃〜110℃の温度で実施することができる。
【化8】
ここで、R及びRは上記の意味を有する。
溶媒の例は、C2〜C6アルコール、トルエン、キシレン、クメン、シメン、バレロラクトン、シクロペンチルメチルエーテル、メチルイソブチルケトンまたはそれらの混合物であり、好ましくはエタノールまたはトルエンが使用される。
式(VI)の化合物の形成反応において、任意に使用される酸は、均一または不均一相において、直鎖または分岐C1〜C6カルボン酸、スルホン酸、活性化シリカ、アルミナ、ベントナイト、ブレンステッド酸またはルイス酸またはそれらの混合物であり得る。
【0024】
酸の例としては、酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、プロピルスルホン酸、シリカに担持されたトルエンスルホン酸またはシリカに担持されたプロピルスルホン酸;HCl、TiCl、BF−エーテル酸、モンモリロナイトKまたはそれらの混合物であり、より好ましくはHClまたは酢酸が用いられる。
【0025】
公知の手順は、モレキュラーシーブまたは硫酸マグネシウムから選択される脱水剤の使用、またはギ酸トリアルキルもしくは塩基性触媒の使用を含む。
【0026】
ステップ(b)は穏やかな酸または塩基性条件下で実施される。ステップ(b)は、酸の存在下で有機水性二相系を使用して、又は代替的に、0℃〜30℃の温度で、塩基を有する有機系または有機水性二相系を使用して実施することができる。
【0027】
酸の存在下での有機水性二相系の場合、前記酸は、直鎖、分岐、環状C1〜C8カルボン酸から選択され、好ましくは酢酸である。好ましくは、前記二相系に用いる溶媒は芳香族、脂肪族、エーテル、塩素系およびそれらの混合物である。溶媒の例は、塩化メチレン、シクロペンチルメチルエーテル、トルエン、キシレン、クメン、シメンまたはそれらの混合物であり、好ましくは、芳香族溶媒は、トルエン、キシレン、クメン、シメンおよびそれらの混合物から選択され、より好ましくはトルエンである。
【0028】
塩基を有する有機系の場合、塩基は、T−NHアミン(Tは直鎖状または分枝状のC1〜C8アルキルである)またはOZ基(ZはHまたはC1〜C6アルキルである);またはそれらの混合物から選択されることが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、メトキシルアミン、エトキシルアミン、ヒドロキシルアミンおよびそれらの塩またはそれらの混合物から選択され、より好ましくはヒドロキシルアミンまたはその塩が使用される。
【0029】
好ましくは、塩基を有する前記有機系において、溶媒は、水の存在下で、芳香族、脂肪族、アルコール、エーテル、塩素系およびそれらの混合物である。
溶媒の例は、塩化メチレン、メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、アセトニトリル、エタノール、メタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、トルエン、キシレン、クメン、シメンまたはそれらの混合物であり、好ましくはエタノールおよびトルエン、キシレン、クメン、シメンまたはそれらの混合物から選択される芳香族溶媒が使用され、より好ましくはトルエンまたはエタノールまたはそれらの混合物である。
【0030】
本発明の好ましい実施態様において、工程(a)において、使用する塩基は炭酸カリウムまたはリン酸カリウムであり、使用する溶媒は、0%〜6%の間の水分率(v/v)および0%〜10%の間のN−メチルピロリドン率(v/v)を有するトルエンである。
【0031】
単離は、トルエンとメタノールの存在下、任意でメチル−t−ブチルエーテルの存在下で沈殿または結晶化を行う。工程(b)で酸の存在下で有機水性二相系の場合には、酢酸を用いて溶剤をトルエンとするか、または塩基を有する有機系の場合には、エタノールとの混合物中で、水性ヒドロキシルアミンまたはヒドロキシルアミン・HClまたは硫酸塩などの塩を用いる。
【0032】
次いで、本発明の製造方法によって得られるリナグリプチンは、公知のプロセスによって、特定の多形体に、またはその薬理学的に許容される塩に変換され得る。
【0033】
本発明の製造方法によって得られるリナグリプチンは、高い全収率(約80%)および高い化学純度(>99.5%)によって特徴付けられ、特に、0.04%より低いかまたは存在しない位置異性体(IV)含有量で特徴付けられる。
【0034】
本発明の製造方法は、アレン副産物を、市販されている製品中の前記副産物の含量よりもはるかに低い、0.05%よりも低い量で含有するリナグリプチンを提供する。
【0035】
式(V)の中間体の単離は、当該技術分野で知られている製造方法に関して、最終製品の純度の点でより効率的であることを特徴とする製造方法を提供し、他の不純物の含有量を減少させるか、または排除することさえある。
【0036】
本発明の製造方法は、他の保護基とは異なり、式(V)の化合物の保護基の除去が穏和な条件下で起こり、酸または塩基性pHでのリナグリプチンの既知の熱不安定性に由来する他の不純物を生成しないという、当業者にとって驚くべき先行技術の欠点および結果を克服する。
【0037】
従って、本発明は、当技術分野で知られている製造方法で開示されているように、適当な塩での形質転換および前記塩の結晶化に続くリナグリプチンのその後の放出によるリナグリプチンの精製を行わずに、驚くべきことに、高い化学的純度および優れた収率で、リナグリプチン(I)およびその薬学的に許容される塩を製造するための代替的、改良された持続可能な製造方法を提供するものである。
【0038】
本発明の製造方法は、低量の廃棄物を生産し、上記の適当な条件で操作される望ましくない副産物の含量を制御することを可能にする。
【0039】
本発明のさらなる目的は、1つ以上の従来の医薬添加物と混合された、リナグリプチンまたはその薬理学的に許容される塩を含む医薬組成物の調製も含む、上記に開示されたようなリナグリプチンの製造方法に関する。
本発明をよりよく説明するために、以下の実施例をここに報告する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】実施例5と同様にして得られたMeOHから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のXRPD回折像。
図2】実施例5と同様にして得られたMeOHから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のIRスペクトル。
図3】実施例5と同様にして得られたMeOHから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のDSC。
図4】実施例6と同様にして得られたAcOEtから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のXRPD回折像。
図5】実施例6と同様にして得られたAcOEtから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のIRスペクトル。
図6】実施例6と同様にして得られたAcOEtから単離された化合物(VにおいてR=HおよびR=Ph)のDSC。
図7】実施例18に従って得られたリナグリプチンのXRPD回折図、多形形態A/Bの混合物。
図8】実施例18に従って得られたリナグリプチンのXRPD回折図、多形形態A。
【0041】
・分析方法
X線回折分析−粉末法(XRPD)
分析する前に、試料を寒天モルタル中で穏やかに粉砕した後、以下の機器特性を有するX線回折(粉末法− XRPD)により分析した。
−Philips回折装置 モデルPW1800/10
−デ−タ処理ソフトウェアX’Pert High Score−v.2.0a(PANalytical)
−Cu Kα放射(Kα=1.54060Å Kα=1.54439Å)
−グラファイトモノクロメ−タ−
−発散自動スライド
−発電機出力:45Kv、35mA
−スキャン間隔:2°−65° 2θ
−スキャンスピ−ド(工程):0.02° 2θ/秒
−工程ごとのカウント時間:1.0秒
試料は、スキャン間隔:2°−65° 2θで分析した。
【0042】
DSC解析(示差走査熱量測定)
DSC 822e装置を用いて、METTLER TOLEDOによりDSC解析を行った。
実験は30〜250℃の範囲で5.0℃/分の加熱ランプと40ml/分の窒素流量で行った。
穿孔蓋付き40μLアルミニウムるつぼを用いた。
【0043】
IR解析(赤外分光法)
IRスペクトルはJASCO FT−IR 460 Plus分光光度計を用いて記録した。
試料は約5mgの試料を約500mgのKBrで粉砕して調製し、4cm−1の分解能で4000〜400cm−1の範囲で分析した。
【0044】
NMR解析(核磁気共鳴)
NMR分析はBruker Avance 300MHz装置を用いて行った。
【0045】
参考実施例A(米国特許第7,407,955号による)
tert−ブチル(R)−(1−(7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−2,6−ジオキソ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H−プリン−8−イル)ピペリジン−3−イル)カルバメ−ト(BOC保護リナグリプチン)(tert−butyl (R)−(1−(7−(but−2−yn−1−yl)−3−methyl−1−((4−methylquinazolin−2−yl)methyl)−2,6−dioxo−2,3,6,7−tetrahydro−1H−purin−8−yl)piperidin−3−yl)carbamate (BOC−protected Linagliptin))からのリナグリプチンの合成
不活性雰囲気下で、丸底フラスコに(R)−1−(4−メチル−キナゾリン−2−イルメチル)−7−(ブチ−2−イニル)−8−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピペリジン−1−イル)−キサンチン((R)−1−(4−methyl−quinazolin−2−ylmethyl)−7−(but−2−ynyl)−8−(3−tert−butoxycarbonylamino−piperidin−1−yl)−xanthine)20g(34.5mmol)と塩化メチレン140mlを仕込む。
トリフルオロ酢酸26.5ml(345mmol)を0〜5℃で徐々に加える。
温度を20〜25℃に上げ、混合物を同じ温度で24時間撹拌しながら保持する。
混合物を0〜5℃に冷却し、水200mLを加える。
相分離後、温度を5〜10℃に維持しながら、塩化メチレン100mlおよび30%水酸化ナトリウム水溶液27mlを次いで添加する(約10のpHまで)。
水相を分離した後、有機相を減圧下で濃縮する。
得られた残留物にエタノ−ル83mlを加え、混合物を加熱して還流する。
溶液を20〜25℃に冷却し、そして得られた懸濁液にメチル−t−ブチルエ−テル83mlを加える。
混合物を20〜25℃で1時間撹拌しながら保持した後、0〜5℃で2時間冷却する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエ−テル33mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥してリナグリプチン(I)7gを得た(収率44% HPLC純度99.4%)。
【0046】
参考実施例B(米国特許第8,883,805号による)
(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−8−(3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(フタルイミド保護リナグリプチン)((R)−7−(but−2−yn−1−yl)−8−(3−(1,3−dioxoisoindolin−2−yl)piperidin−1−yl)−3−methyl−1−((4−methylquinazolin−2−yl)methyl)−3,7−dihydro−1H−purine−2,6−dione(Phthalimido−protected Linagliptin))からのリナグリプチンの合成
方法1
不活性雰囲気下、20℃で、500mLフラスコに、(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−8−(3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−(4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-7-(but-2-yn-1-yl)-8-(3-(1,3-dioxoisoindolin-2-yl)piperidin-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(23.2mmol)14g及びトルエン140mLを仕込む。
この懸濁液を83℃に30分間加熱した後、エタノ−ルアミン(232.3mmol)14mLを滴加する。
溶液を83℃で2時間維持する。
エタノ−ルアミン相はトルエン相から分離される。
エタノ−ルアミンは20℃で、トルエン(2×31mL)で洗浄する。
トルエン相を合わせ、83℃で、水(2×62mL)で洗浄する。
トルエン160mLを減圧蒸留し、45℃でメチルter−ブチルエ−テル(31mL)を加えて生成物を沈殿させる。
この懸濁液を1時間で0℃に冷却した後、ろ過する。
固体を0℃でメチルter−ブチルエ−テル(31mL)で洗浄する。
湿式生成物を45℃で16時間減圧乾燥する(収率83%;HPLC純度95.6%)。
【0047】
方法2
不活性雰囲気下、20℃で、14gの(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−8−(3−(1,3−ジオキソイソインドリン−2−イル)ピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−(4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-7-(but-2-yn-1-yl)-8-(3-(1,3-dioxoisoindolin-2-yl)piperidin-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(23.2mmol)及び49mLのテトラヒドロフランを250mLフラスコに仕込む。
懸濁液を61℃に30分間加熱した後、水3.5mL及びエタノ−ルアミン14mL(232.3mmol)を順次加える。
3時間後、NaOHの30%(w/v)水溶液9mL及び水39mLを61℃で加える。
さらに30分間トルエンを加え(56mL)、得られた二相溶液を15分間撹拌する。
相を61℃に維持し、水相を排除する。
有機相は61℃で水(28mL)で洗浄する。
有機溶媒約60mLを減圧蒸留する。
残りの溶液にメチルシクロヘキサン(14mL)を加え、70℃に加熱し、生成物の結晶化を可能にする。
懸濁液を0℃に冷却し、生成物をろ過する。
固体をメチルシクロヘキサン(42mL)で洗浄し、続いて45℃で16時間減圧乾燥する(収率78%;HPLC純度97.5%)
【0048】
実施例1
(R)−3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン(VI,R=H,R=Ph)の合成
【化9】
1Lフラスコに(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩19.1g(110mmol)及びエタノール80mLを不活性雰囲気下で仕込む。
21%のエチル酸ナトリウムのエタノール溶液43ml(132mmol)を、20〜25℃で混合物に徐々に添加し;2.5時間後、エタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン200mlを加え、70℃に加熱した後、ベンズアルデヒド12.3ml(121mmol)及び酢酸0.5ml(8.8mmol)を加え、混合物を70℃、減圧(P=200〜300mbar)下で反応が完了するまで保持する(Dean Starkシステムを用いる)。
粗化合物(VI、R=H、R=Ph)を含む混合物をそのまま次の段階に用いる。
【0049】
実施例2
(R)3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン(VI,R=H,R=Ph)の合成
【化10】
1Lフラスコに(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩19.1g(110mmol)及びエタノール80mlを不活性雰囲気下で仕込む。
21%のエチル酸ナトリウムのエタノール溶液43ml(132mmol)を、20〜25℃で混合物に徐々に添加し;2.5時間後、エタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン200mlを加え、70℃に加熱した後、ベンズアルデヒド16ml(158.8mmol)及び酢酸0.5ml(8.8mmol)を加え、混合物を70℃、減圧(P=200〜300mbar)下で反応が完了するまで保持する(Dean Starkシステムを用いる)。
粗化合物(VI、R=H、R=Ph)を含む混合物をそのまま次の段階に用いる。
【0050】
実施例3
(R)−3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン(VI,R=H,R=Ph)の合成
【化11】
1Lフラスコに(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩17.2g(99.3mmol)及びエタノール60mlを不活性雰囲気下で仕込む。
21%のエチル酸ナトリウムのエタノール溶液38mL(119.2mmol)を20〜25℃で混合物に加え、2.5時間後、エタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン150mlを加え、70℃に加熱した後、ベンズアルデヒド15.1ml(149mmol)及び酢酸0.3ml(6.6mmol)を加え、混合物を70℃、減圧(P=200〜300mbar)下で反応が完了するまで保持する(Dean Starkシステムを用いる)。
粗化合物(VI、R=H、R=Ph)を含む混合物をそのまま次の段階に用いる。
【0051】
実施例4
(R)−3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン(VI,R=H,R=Ph)の合成
【化12】
1Lフラスコに(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩19g(110mmol)及びエタノール80mLを不活性雰囲気下で仕込む。
21%のエチル酸ナトリウムのエタノール溶液70.5ml(189mmol)を混合物に20〜25℃で徐々に添加し;2時間後、12.3ml(121mmol)のベンズアルデヒドを添加し、混合物を反応が完了するまで20〜25℃に保つ。
粗化合物(VI、R=H、R=Ph)を含む混合物をそのまま次の段階に用いる。
【0052】
実施例5
(R)−8−(3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン−1−イル)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−(4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7‐ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-8-(3-(benzylideneamino)piperidin-1-yl)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(V,R=H,R=Ph)の合成
【化13】
実施例1から得たトルエン中の粗化合物(VI、R=H、R=Ph)の混合物に、8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3、7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II、X=Br)40g(88.2mmol)、トルエン120ml及び炭酸カリウム24.4g(176mmol)を加える。
混合物を反応が終了するまで100℃に加熱し、その後50〜60℃まで冷やし、有機相は3×120mlの水で洗い、その後、混合物は減圧下で濃縮して残留物とする。
メタノール120mLを加えて減圧下で濃縮し、これを2回繰り返す。
得られた懸濁液にメチル−t−ブチルエーテル200mlを20〜25℃で加え、撹拌下、混合物を50℃に加熱し、温度を1時間維持し、次いで0〜5℃に冷却し、撹拌下、2時間維持する。
固体をろ過し、メチル−t−ブチルエーテル80mlで0〜5℃で洗浄した後、45℃で減圧乾燥し、45.1g(V、R=H、R=Ph)とする。収率は91.2%である。
XRPD回析図を図1に、IRスペクトルを図2に、DSCを図3に示す。
LC-ESI-MS: 561.3(M-H+)
1H-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.72 (3H, bs, CH3), 1.75-2.00 (4H, m); 2.88 (3H, s, CH3); 3.17 e 3.77 (2H, m); 3.23 e 3.80 (2H, m); 3.41 (3H, s, NCH3); 3.60 (1H, m); 4.91 (2H, bs); 5.34 (2H, s); 7.40-7.47 (3H, m); 7.66 (1H, dt, J = 8, 1 Hz); 7.76 (2H, m); 7.79 (1H, d, J=8 Hz); 7.90 (1H, dt, J = 8.1 Hz); 8.23 (1H, d, J = 8 Hz); 8.51 (1H, s)
13C-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ,多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.0 (CH3); 21.5 (CH3); 22.9 (CH2); 29.4 (-NCH3); 31.7 (CH2); 35.6 (CH2); 45.6 (CH2); 49.3 (CH2); 55.2 (CH2); 65.2 (CH); 73.8; 81.2; 103.3; 122.5; 125.6 (CH); 127.1 (CH); 127.9 (CH); 128.6 (CH); 130.7 (CH); 134.0 (CH); 136.1; 147.7; 149.1; 151.0; 153.3; 155.9; 160.9 (CH=N); 161.0; 168.7
【0053】
実施例6
(R)−8−(3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン−1−イル)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-8-(3-(benzylideneamino)piperidin-1-yl)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione) (V,R=H,R=Ph)の合成
【化14】
実施例3から得たトルエン中の粗化合物(VI、R=H、R=Ph)の混合物に、8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)30g(66.2mmol)、トルエン90mlおよび炭酸カリウム27.5g(199mmol)を添加した。
混合物を反応が完了するまで100℃に加熱し、続いて50〜60℃に冷却する。
有機相を3×90mlの水で洗浄した後、この混合物を減圧下で濃縮して残留物とする。
酢酸エチル90mlを加えて減圧下で濃縮し、これを2回繰り返す。
得られた懸濁液に、20〜25℃のメチル−t−ブチルエーテル90mlを加え、撹拌下、50℃に加熱し、温度を1時間維持した後、0〜5℃に冷却し、撹拌下、2時間維持する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル60mlで洗浄し、45℃で減圧乾燥したものを33.0g(V、R=H、R=Ph)とし、その収率は89.0%である。
XRPD回折図を図4に、IRスペクトルを図5に、DSCを図6に示す。
【0054】
実施例7
(R)−8−(3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン−1−イル)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-8-(3-(benzylideneamino)piperidin-1-yl)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione) (V,R=H,R=Ph)の合成
【化15】
実施例2から得たトルエン中の粗化合物(VI、R=H、R=Ph)の混合物に、8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(II、X=Br)40g(88.2mmol)、トルエン120ml及び炭酸カリウム36.5g(264mmol)を加える。
混合物を反応が完了するまで100℃に加熱し、続いて50〜60℃に冷却する。
有機相を3×120mlの水で洗い、その後、減圧下で濃縮して残留物とする。
粗化合物(V、R=H、R=Ph)を含む混合物をそのまま次の段階に用いる。
【0055】
実施例8
(R)−8−(3−(ベンジリデンアミノ)ピペリジン−1−イル)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-8-(3-(benzylideneamino)piperidin-1-yl)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(V,R=H,R=Ph)の合成
【化16】
実施例4から得た粗化合物(VI、R=H、R=Ph)の混合物のエタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン320mlを加え、120mlを減圧蒸留する。
得られた混合物に、8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)40g(88.2mmol)、トルエン96ml、リン酸カリウム56g(264mmol)、N−メチルピロリドン24mlを加えた。
混合物を反応が完了するまで103℃に加熱し、続いて20〜25℃に冷却する。
有機相を3×120mlの水で洗い、次に混合物を減圧下で濃縮して残留物とする。
メタノール320mlとトルエン20mlを40〜45℃で加え、溶液を20〜25℃に冷却する。
得られた懸濁液にメタノール160mlを加え、混合物を撹拌下、40℃に加熱し、温度を2時間保持した後、0〜5℃に冷却し、撹拌下、1時間保持する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル80mlで洗浄した後、45℃で減圧乾燥し、44.2g(V、R=H、R=Ph)とする。収率は90.1%である。
【0056】
実施例9
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例4と同様に得た(V、R=H、R=Ph)30g(80.4mmol)をトルエン120mlとエタノ−ル30mlとともに1Lフラスコに仕込む。
50%ヒドロキシルアミン水溶液10.6ml(161mmol)を20〜25℃で徐々に加え、混合物を撹拌下、同じ温度で2時間保持する。
有機相を水150mlで洗浄し、次いで、有機相を5〜10℃に冷却し、水210mlおよび氷酢酸4.3ml(約4.5のpHまで)を添加する。
相分離後、温度を5〜10℃に維持した水相をトルエン150mlで抽出する。
次にトルエン150mlと30%水酸化アンモニウム水溶液(pH約9.0まで)12.5mlを水相に加える。
二相混合物を60℃に加熱し、相分離後、有機相を減圧下で濃縮する。
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、メチル−t−ブチルエ−テル120mlを加え、混合物を50℃に加熱する。
混合物を50℃で1時間攪拌後、0〜5℃で2時間冷却する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエ−テル60mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥し、リナグリプチン(I)21.8g(収率86%)、HPLC分析による化学純度>99.5%、位置異性体(IV)含量<0.04%を得た。
【0057】
実施例10
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例4と同様にして得られた45g(80.4ミリモル)の(V、R=H、R=Ph)を、トルエン180ml及びエタノ−ル45mlと共に1Lフラスコに仕込む。
50%ヒドロキシルアミン水溶液40ml(603mmol)を20〜25℃で徐々に添加し、混合物を撹拌下、同じ温度で2時間保持する。
有機相を水225mlで洗浄した後、5〜10℃に冷却し、水315mlと氷酢酸6.7mlを加える(約4.5のpHまで)。
相分離後、温度を5〜10℃に維持した水相をトルエン225mlで抽出する。次にトルエン225mLと30%水酸化アンモニウム水溶液15mLを水相に加える(約9.0のpHまで)。
二相混合物を60℃に加熱し、水相の分離後、有機相を減圧下で濃縮する。
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、メチル−t−ブチルエ−テル180mlを加え、混合物を50℃に加熱する。
混合物を50℃で1時間撹拌した後、0〜5℃に2時間冷却する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエ−テル90mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥し、リナグリプチン(I)32.5g(収率85.5%)、HPLC分析による化学純度>99.5%、位置異性体含量(IV)が0.04%未満、を得た。
1H-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.24 (1H, m); 1.40-1.75 (4H, m); 1.78 (3H, bs, CH3); 1.85 (1H, m); 2.71 - 2.80 (2H, m); 2.87 (3H, s, CH3); 3.02 (1H, m); 3.41 (3H, s, -NCH3); 3.57 - 3.70 (2H, m); 4.91 (2H, bs); 5.34 (2H, s); 7.65 (1H, t, J = 8 Hz); 7.80 (1H, d, J = 8 Hz); 7.92 (1H, dt, J=8, 1Hz); 8.21 (1H, d, J = 8 Hz)
13C-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ,多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.0 (CH3); 21.5 (CH3); 23.3 (CH2); 29.3 (-NCH3); 33.3 (CH2); 35.5 (CH2); 45.6 (CH2); 47.3 (CH); 49.5 (CH2); 57.7 (CH2); 73.8; 81.1; 103.2; 122.5; 125.6 (CH); 127.0 (CH); 127.9 (CH); 134.0 (CH); 147.8; 149.1; 151.0; 153.3; 156.2; 161.0; 168.7
【0058】
実施例11
リナグリプチンの合成
20〜25℃の不活性雰囲気下で実施例4と同様に得た化合物(V、R=H、R=Ph)20g(35.8mmol)、炭酸ナトリウム53g(501mmol)、ヒドロキシルアミン・HCl18.7g(268.5mmol)及びジクロロメタン150mlを、250mlフラスコに仕込む。
混合物を撹拌下、同じ温度で3時間保持する。
有機相を150mlの水で洗浄し、次いで、それを5〜10℃に冷却し、150mlの水および30%塩酸溶液5.8mlを添加する(約2のpHまで)。
有機相の分離後、温度を5〜10℃に維持し、ジクロロメタン100mlおよび30%水酸化ナトリウム水溶液17.4ml(約10のpHまで)を水相に添加する。
相分離後、有機相を真空下で濃縮して残留物とし、そのままリナグリプチンの結晶化に使用する(収率44%)。
【0059】
実施例12
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例6と同様にして得られた粗化合物の残留物(VI,R=H,R=Ph)に、トルエン200mlとエタノール50mlを加える。
50%ヒドロキシルアミン水溶液44ml(662mmol)を20〜25℃で徐々に添加し、混合物を同じ温度で19時間撹拌下に維持する。
有機相を水250mlで洗浄し、次いで、有機相を5〜10℃に冷却し、水345mlおよび氷酢酸8.1ml(約4.5のpHまで)を添加する。
相分離後、温度を5〜10℃に維持した水相をトルエン250mlで抽出する。
次にトルエン250mlと30%水酸化アンモニウム水溶液17.4ml(pH約9.0まで)を水相に加える。
二相混合物を60℃に加熱し、水相の分離後、有機相を減圧下で濃縮する。
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、メチル−t−ブチルエーテル200mlを加え、混合物を50℃に加熱する。
混合物を50℃で1時間攪拌後、0〜5℃で2時間冷却する。
固体を濾過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル100mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥して、リナグリプチン(I)34.95g(収率84%)、HPLC分析による化学純度78.2%、位置異性体含有量(IV)0.04%未満、アレン含量0.05%未満、を得た。
【0060】
実施例13
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例4と同様にして得た化合物(V、R=H、R=Ph)10g(17.9mmol)および75mlのトルエン75mlを250mlフラスコに仕込む。
混合物にブチルアミン17.8mL(179mmol)を20〜25℃で徐々に加え、攪拌下、同じ温度で48時間保持する。
得られた固体をろ過し、トルエン10mlで洗浄した後、65℃で16時間減圧乾燥して(I)3.9g(収率46%)を得た。
【0061】
実施例14
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下で、実施例4と同様にして得た化合物(V、R=H、R=Ph)10g(17.9mmol)、アセトニトリル50mlおよびトルエン25mlを、250mlフラスコに仕込む。
メチルアミンの33%エタノール溶液10.1ml(107.4mmol)を20〜25℃で徐々に加える。混合物を75℃に加熱し、攪拌下、同じ温度で8時間保持する。
得られた溶液を減圧濃縮して残留物とし、ジクロロメタン50mL及び水50mLを加える。
水相の分離後、有機相を5〜10℃に冷却し、水50mlおよび37%塩酸3.5mlを添加する(約2のpHまで)。
有機相の分離後、温度を5〜10℃に維持し、ジクロロメタン50mlおよび30%水酸化ナトリウム水溶液10.5ml(約10のpHまで)を水相に添加する。
相分離後、有機相を減圧下で濃縮して残留物とし、そのままリナグリプチンの結晶化に用いる(収率85.7%)。
【0062】
実施例15
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例4と同様にして得た化合物(V、R=H、R=Ph)10g(17.9mmol)、トルエン40mlおよびエタノール10mlを250mlフラスコに仕込む。
懸濁液にメトキシルアミン塩酸の25%水溶液36.5ml(134.3mmol)を20〜25℃で徐々に加え、混合物を同じ温度で40時間撹拌しながら保持する。
このようにして得られた懸濁液に、水50mlを加える。
得られた固体をろ過し、トルエン10mlで洗浄した後、65℃で16時間減圧乾燥して(I)4.5gを得た(収率53%)。
【0063】
実施例16
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下で、実施例4と同様にして得た化合物(V、R=H、R=Ph)10g(17.9mmol)、トルエン50mlおよび水50mlを、250mlフラスコに仕込む。
懸濁液に、氷酢酸10.2ml(178.6mmol)を5〜10℃で徐々に加え、攪拌下、同温度で6時間保持する。
上相の分離後、温度を5〜10℃に維持し、水相をトルエン50mlで洗浄し、これを廃棄する。
次に水相にトルエン50mlと30%水酸化アンモニウム水溶液23ml(約9.0のpHまで)を加える。
二相混合物を60℃に加熱し、水相の分離後、有機相を減圧下で濃縮する。
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、メチル−t−ブチルエーテル40mlを加え、混合物を60℃に加熱する。60℃で1時間攪拌後、0〜5℃に冷却し、攪拌を2時間保持する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル20mLで洗浄後、45℃で16時間減圧乾燥し、リナグリプチン6.7gを得る(収率79.7%)。
【0064】
実施例17
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下、実施例8と同様にして得た(V)40g(71mmol)(R=H、R=Ph)をトルエン160mL及びエタノール40mLとともに1Lフラスコに仕込む。
50%ヒドロキシルアミン水溶液6.6ml(107mmol)を20〜25℃で徐々に添加し、混合物を撹拌下、同じ温度で2時間保持する。
有機相を水200mlで洗浄した後、15℃に冷却し、水240mlと氷酢酸5.7mlを加える(約4.5のpHまで)。
相分離後、温度を15℃に維持し、水相をトルエン200mlで抽出する。
次にトルエン200mlと30%水酸化アンモニウム水溶液18.9mlを水相(約9.5のpHまで)に加える。
二相混合物を60℃に加熱し、水相の分離後、有機相を減縮下で濃縮する。
得られた懸濁液を20〜25℃に冷却し、メチル−t−ブチルエーテル160mlを加え、混合物を60℃に加熱する。
混合物を60℃で2時間撹拌下に保ち、次いで20〜25℃に冷却する。
固体をろ過し、20〜25℃でメチル−t−ブチルエーテル80mlで洗浄し、60℃で16時間減圧乾燥し、リナグリプチン(I)30g(収率89.9%)、HPLC分析による化学純度>99.5%、位置異性体含量(IV)0.04%未満、アレン含量0.05%未満、を得た。
【0065】
実施例18
リナグリプチンの合成
不活性雰囲気下で実施例9に従って得た(I)30g(63.5mmol)及びエタノール150mlを500mlフラスコに仕込む。
懸濁液は、完全に溶解するまで加熱して還流する。
溶液を1時間で20℃に冷却し、20〜25℃で沈殿を観察する。次いで、メチル−t−ブチルエーテル150mlを添加し、得られた懸濁液をさらに0〜5℃に冷却し、2時間攪拌下に保持する。
固体を濾過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル60mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥して、(I)25,4g(収率84.5%)、HPLC分析による化学純度>99.5%を有し、図7に報告されるXRPD回折図を有する(混合多形形態AおよびB)、を得た。
【0066】
実施例19
リナグリプチンの結晶化
不活性雰囲気下で実施例9に従って得た(I)30g(63.5mmol)及びエタノール150mlを500mlフラスコに仕込む。
懸濁液は、完全に溶解するまで加熱して還流する。
溶液を1時間で20℃に冷却し、20〜25℃で沈殿を観察する。次いでメチル−t−ブチルエーテル150mlを加え、得られた懸濁液を2時間攪拌下に保存する。
固体をろ過し、メチル‐t‐ブチルエーテル60mlで洗浄し、45℃で16時間減圧乾燥して、(I)25.4g(収率84.0%)、HPLC分析による化学純度>99.5%を有し、図8に示すXRPD回折図を有する(多形型A)、を得た。
【0067】
実施例20〜23
式VIの化合物の合成
【化17】
実施例4の手順に従って、反応物間で同じモル比を維持し、7.16g(41mmol)の(R)−3−アミノピペリジン二塩酸塩を使用し、表1に示す式(VII)のカルボニル化合物を使用して、式(VI)の化合物をそれぞれ得た。
【0068】
【表1】
【0069】
実施例24
(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−8−(3−((4−メチリベンジリデン)アミノ)ピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-7-(but-2-yn-1-yl)-8-(3-((4- methylibenzylidene)amino)piperidin-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)の合成
【化18】
粗化合物(VI、R=H、R=4−Me−Ph)の混合物のエタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン120mlを加え、45mlを減圧蒸留する。
得られた混合物に8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)15g(33mmol)、トルエン36ml、リン酸カリウム21.1g(99mmol)及びN−メチルピロリドン9mlを加える。
混合物を反応が完了するまで103℃に加熱し、続いて20〜25℃に冷却する。
有機相を3×45mlの水で洗浄し、次いで混合物を減圧下で濃縮して残渣とする。
メタノール120mlとトルエン8mlを40〜45℃で加え、溶液を20〜25℃に冷却する。
得られた懸濁液にメタノール60mLを加え、混合物を0〜5℃に冷却した後、1時間攪拌しながら維持する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエーテル30mlで洗浄し、45℃で減圧乾燥して10.3g(V,R=H,R=4−Me−Ph)、収率54.7%を得た。
LC-ESI-MS: 575.1 (M-H+).
1H-NMR (DMSO, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.71 (3H, bs,), 1.75 - 2.00 (4H, m); 2.32 (3H, s, -CH3); 2.86 (3H, s, -CH3); 3.10 - 3.26 (2H, m); 3.40 (3H, s, -NCH3); 3.55 (1H, m); 3.76 (2H, m); 4.91 (2H, bs); 5.34 (2H, s); 7.23 e 7.63 (4H, J = 8 Hz); 7.65 (1H, m); 7.78 (1H, d, J = 8 Hz); 7.88 (1H, dt, J = 8, 1 Hz); 8.20 (1H, d, J = 8 Hz); 8.43 (1H, s, -CH=N)
13C-NMR (DMSO, 300MHz) (TMSに対するppmのδ,多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.0 (CH3); 21.0 (CH3); 21.5 (CH3); 23.0 (CH2); 29.4 (-NCH3); 31.8 (CH2); 35.6 (CH2); 45.6 (CH2); 49.3 (CH2); 55.3 (CH2); 65.1 (CH); 73.8; 81.2; 103.3; 122.5; 125.6 (CH); 127.0 (CH); 127.8 (CH); 127.9 (CH); 129.1 (CH); 133.5; 134.0 (CH); 140.6; 147.6; 149.0; 150.9; 153.2; 155.8; 160.7 (CH=N); 161.0; 168.7
【0070】
実施例25
(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−8−(3−((4−ニトロベンジリデン)アミノ)ピペリジン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methyilquinazolin-2-yl)methyl)-8-(3-((4-nitrobenzyliden)amino)piperidin-1-yl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)の合成
【化19】
粗化合物(VI、R=H、R=4−NO−Ph)の混合物のエタノールを減圧蒸留する。
残留物にトルエン120mlを加え、45mlを減圧蒸留する。
得られた混合物に8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)15g(33mmol)、トルエン36ml、リン酸カリウム21.1g(99mmol)及びN−メチルピロリドン9mlを加える。
混合物を反応が完了するまで103℃に加熱し、続いて20〜25℃に冷却する。
有機相を3×45mlの水で洗浄した後、混合物を減圧下で濃縮して残留物とする。
ジクロロメタン150mlを加え、減圧下で濃縮して粗固形物19.0g(V,R=H,R=4−NO−Ph)、収率95.5%を得た。
LC-ESI-MS: 606.1 (M-H+)
1H-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.72 (3H, bs, CH3), 1.75-2.00 (4H, m); 2.86 (3H, s, CH3); 3.17 e 3.76 (2H, m); 3.25 e 3.80 (2H, m); 3.40 (3H, s, NCH3); 3.67 (1H, m); 4.90 (2H, bs); 5.33 (2H, s); 7.64 (1H, m); 7.78 (1H, d, J = 8 Hz); 7.88 (1H, dt, J = 8, 1 Hz); 8.00 e 8.28 (4H, J = 8 Hz); 8.21 (1H, d, J = 8 Hz); 8.65 (1H, s, -CH=N)
13C-NMR (DMSO d6, 300MHz) (TMSに対するppmのδ, 多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.0 (CH3); 21.5 (CH3); 22.8 (CH2); 29.3 (-NCH3); 31.5 (CH2); 35.5 (CH2); 45.6 (CH2); 49.3 (CH2); 55.0 (CH2); 65.1 (CH-B); 73.8; 81.2; 103.3; 122.5; 123.8 (CH); 125.6 (CH); 127.1 (CH); 127.8 (CH); 128.9 (CH); 133.9 (CH); 141.5; 147.6; 148.6; 149.0; 150.9; 153.2; 155.8; 159.5 (CH=N); 161.0; 168.7
【0071】
実施例26
7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−8−((R)−3−(((1E、2E)−3−フェニルアリリデン)アミノ)ピペリジン−1−イル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-8-((R)-3-(((1E,2E)-3-phenylallylidene)amino)piperidin-1-yl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)の合成
【化20】
粗化合物(VI、R=H、R=(CH=CH−Ph))の混合物のエタノ−ルを減圧蒸留する。
残留物にトルエン120mlを加え、45mlを減圧蒸留する。
得られた混合物に8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)15g(33mmol)、トルエン36ml、リン酸カリウム21.1g(99mmol)及びN−メチルピロリドン9mlを加える。
混合物を反応が完了するまで103℃に加熱し、続いて20〜25℃に冷却する。
有機相を3×45mLの水で洗い、混合物を減圧で濃縮して残留物とする。ジクロロメタン150mLを加え、溶液を減圧で濃縮する。
得られた固体を20〜25℃でジエチルエ−テル150mlに懸濁し、撹拌しながら4時間維持する。
固体をろ過し、ジエチルエ−テル30mlで20〜25℃で洗浄し、45℃で減圧乾燥して10.9g(V,R=H,R=CH=CH−Ph)、収率56.5%を得た。
LC-ESI-MS: 587.1 (M-H+)
1H-NMR (DMSO, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.75 (3H, bs), 1.60 - 2.00 (4H, m); 2.86 (3H, s, -CH3); 3.10 e 3.75 (2H, m); 3.15 e 3.75 (2H, m); 3.35 (1H, m); 3.40 (3H, s, -NCH3); 4.89 (2H, bs); 5.34 (2H, s); 6.93 (1H, dd, J = 16, 8 Hz); 7.13 (1H, d, J = 16 Hz); 7.59 e 7.40 (5H, m); 7.64 (1H, m); 7.79 (1H, d, J = 8 Hz); 7.89 (1H, t, J = 8 Hz); 8.22 (2H, d, J = 8 Hz)
13C-NMR (DMSO, 300MHz) (TMSに対するppmのδ, 多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.0 (CH3); 21.5 (CH3); 23.1 (CH2); 29.4 (-NCH3); 31.8 (CH2); 35.6 (CH2); 45.6 (CH2); 49.3 (CH2); 55.2 (CH2); 65.3 (CH); 73.8; 81.2; 103.3; 122.5; 125.6 (CH); 127.0 (CH); 127.2 (CH); 127.8 (CH); 127.9 (CH); 128.1 (CH); 128.5 (CH); 128.8 (CH); 129.1 (CH); 134.0 (CH); 135.5; 141.8 (CH); 147.6; 149.0; 150.9; 153.2; 155.7; 161.0; 162.5 (CH=N); 168.7
【0072】
実施例27
(R)−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−8−(3−((シクロヘキシルメチレン)アミノ)ピペリジン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン((R)-7-(but-2-yn-1-yl)-8-(3-((ciclohexylmethylen)amino)piperidin-1-yl)-3-methyl-1-((4-methyilquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purin-2,6-dione)の合成
【化21】
粗化合物(VI、R=H、R=シクロヘキシル)の混合物のエタノ−ルを減圧蒸留する。
残留物にトルエン120mlを加え、45mlを減圧蒸留する。
得られた混合物に8−ブロモ−7−(ブチ−2−イン−1−イル)−3−メチル−1−((4−メチルキナゾリン−2−イル)メチル)−3,7−ジヒドロ−1H−プリン−2,6−ジオン(8-bromo-7-(but-2-yn-1-yl)-3-methyl-1-((4-methylquinazolin-2-yl)methyl)-3,7-dihydro-1H-purine-2,6-dione)(II,X=Br)15g(33mmol)、トルエン36ml、リン酸カリウム21.1g(99mmol)及びN−メチルピロリドン9mlを加える。
混合物を反応が完了するまで103℃に加熱し、続いて20〜25℃に冷却する。
有機相を3×45mlの水で洗浄し、次いで混合物を真空下で濃縮して残渣とする。
40〜45℃でメタノ−ル120mlを加え、20〜25℃に冷却する。
得られた懸濁液にメタノ−ル60mLを加え、混合物を0〜5℃に冷却した後、1時間攪拌しながら維持する。
固体をろ過し、0〜5℃でメチル−t−ブチルエ−テル30mlで洗浄し、45℃で減圧乾燥して12g(V,R=H,R=シクロヘキシル)、収率64.2%を得る。
LC-ESI-MS: 567.1 (M-H+).
1H-NMR (CDCl3, 300MHz) (TMSに対するppmのδ): 1.76 (3H, bs, CH3), 1.15 -2.00 (14H, m); 2.18 (1H, m); 2.86 (3H, s, -CH3); 3.26 (1H, m); 3.54 (3H, s, -NCH3); 3.08 e 3.70 (2H, m); 3.15 e 3.65 (2H, m); 4.86 (2H, bs); 5.56 (2H, s); 7.49 (1H, t, J = 8 Hz); 7.73 (1H, t, J = 8 Hz); 7.82 (1H, d, J = 8 Hz); 7.98 (1H, d, J = 8 Hz); 7.84 (1H, d, J = 5.5 Hz, -CH=N)
13C-NMR (CDCl3, 300MHz) (TMSに対するppmのδ, 多重度はスペクトルDEPT-135から導出される。): 3.5 (CH3); 21.6 (CH3); 23.6 (CH2); 25.2 (CH2); 25.7 (CH2); 29.5 (-NCH3); 29.6 (CH2); 32.0 (CH2); 35.7 (CH2); 43.4 (CH-P); 46.1 (CH2); 49.8 (CH2); 55.8 (CH2); 65.9 (CH-B); 73.1; 81.0; 104.3; 123.0; 124.6 (CH); 126.4 (CH); 129.8 (CH); 133.0 (CH); 148.0; 149.8; 151.8; 154.3; 156.1; 161.1; 168.2; 169.3 (CH=N)
実施例24〜27に従って得られた式(V)の化合物は、実施例9で報告した手順に従い、リナグリプチンに変換されており、同等の結果が得られている。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
【国際調査報告】