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特表2021-523775引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-523775(P2021-523775A)
(43)【公表日】2021年9月9日
(54)【発明の名称】引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20210813BHJP
【FI】
   A61M5/315 550A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-563500(P2020-563500)
(86)(22)【出願日】2019年5月16日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月21日
(86)【国際出願番号】IT2019050103
(87)【国際公開番号】WO2019224850
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】102018000005604
(32)【優先日】2018年5月22日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520430701
【氏名又は名称】ピー アンド ピー パテンツ アンド テクノロジーズ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カルティエーレ,カルメロ ラッファエレ
(72)【発明者】
【氏名】プロフィティ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレス,ロザリオ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ,パンタレオ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066FF05
4C066HH04
4C066HH12
4C066HH22
4C066LL25
(57)【要約】
本発明は、引込み式ニードルを伴うシリンジの再利用を確実に防止し、同時にピストンの内側に設定された機械式システムによってタンクを充填することを可能にする、革新的なシステムに関する。デバイスの再使用を防止する目的の動作は、ピストンが吸入の当初の位置に向かって戻るのを防止することで、その作用を単一方向に限定し、プランジャが当初の注入位置に戻るのを防止することで、その作用を単一方向に限定する、機械式システムを介して行われる。さらに、回転する機械式移行システムは、ピストンを前に使用された位置に再び位置付けるのを防止する。その代わりに、容器の充填は、ピストンの内側に配置された可撓性カニューレを介したシステムを使用して行われる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システムであって、小さい歯(102)及びノッチ付きの2つのフィン(104及び105)を伴う、内側頂部に設けられたバレル(101)と、外面に「U」型の溝システム(107)及び二重のラックシステム(108及び103)が存在し、その一方で内面には空洞(117)が装備され、前記空洞(117)の上部には、弁(112)が位置付けられた穴開きヘッド部(111)を有し、前記空洞(117)の内側には、連結ハウジング(109)、ばね(116)、及びアコーディオン状カニューレ(113)から構成される機械式システムが設置された、プランジャ(106)と、の存在を特徴とする、引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【請求項2】
前記バレル(101)の内部に存在する前記歯(102)に沿って摺動する前記プランジャ(106)の外部に存在する、前記溝付きガイド(107)は、前記プランジャ(106)が、初めに底部から頂部へ動き、次に頂部から底部へ動くのを可能にする、請求項1に記載の引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【請求項3】
前記プランジャ(106)における前記ラックシステム(103)は、前記バレル(101)に存在するノッチ付きの前記フィン(105)において重なり合い、それによって前記プランジャ(106)が当初の吸引位置に向かって戻るのを防止する、請求項1または2に記載の引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【請求項4】
前記プランジャ(106)における前記ラックシステム(108)は、前記バレル(101)に存在するノッチ付きの前記フィン(104)において重なり合い、それによって前記プランジャ(106)が当初の注入位置に向かって戻るのを防止する、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【請求項5】
前記穴開きヘッド部(111)から構成される機械式システムは、前記プランジャ(106)の凹部(117)の内側に設置され、次にストッパ(115)が載せられた弁(112)によって閉鎖され、その中で薬剤を注入するために、前記アコーディオン状カニューレ(113)に接続され、その下部においてニードル(114)と結合し、注入の終了において前記ニードル(114)を引込むのを可能にする前記連結ハウジング(109)に接続される、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【請求項6】
前記アコーディオン状カニューレ(113)は、前記ばね(116)の内側に囲まれ、前記穴開きヘッド部(111)及び前記連結ハウジング(109)に接続され、前記連結ハウジング(109)は、薬剤を接種及び吸入する間に、伸長して引込む、請求項1または5に記載の引込み式ニードルシリンジの安全及び充填システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引込み式ニードルを伴うシリンジの再利用を確実に防止し、同時にピストンの内側に設定された機械式システムによってタンクを充填することを可能にする、革新的なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
看護師、医師、獣医師、歯科医師などの医療専門家、ならびに廃棄物処理作業者は、薬物治療などのために既に使用された接種システムからの、過失による穿刺の危険に日々晒されている。それは、伝染する感染症を運ぶ可能性のある生物の生体液と、直接接触することになる。
【0003】
既に使用された接種システムによって起こる過失による穿刺は、伝染病に晒される最も頻繁かつ危険な態様である。実際、過失による穿刺の後で、血液または生体液を介する40以上の伝染する病原菌が存在する。それらの中には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、及びC型肝炎ウイルス(HCV)が含まれる。公共及び民間の医療システムによる、生態学的危険を管理することに関連する課題は、過失による穿刺の肉体的危害を被る人によって、経済的及び心理的見地の両方から、非常に高く、かつ持続不能なコストを伴う。
【0004】
しかし、非自然的な方法によって、薬剤を導入または抽出するための容器は、過失による穿刺の危険から安全を保証するだけではなく、再使用が不可能であることも保証しなければならない。
【0005】
実際、特に経済的に貧しい国々において、ワクチンまたは他の薬物を投与した後、薬理物質を再導入するために容器を再使用することは、一般的慣習である。
【0006】
市場では、様々なタイプの引込み式ニードルシリンジが存在し、いくつかは特別の特許を受けており、それらの安全システムは、よく起こることだが、容器内でピストンストロークを完了しないことによって無視される場合があり、それによってデバイスの再使用を可能にする。
【0007】
薬物が予め充填された容器自体が医療施設に供給される、予防接種及び抗血栓剤の投与のために、薬剤容器を使用する事例も強調するべきである。
【0008】
薬剤の充填は、容器が完全に分解されて供給される製薬会社によって実施される。その後製薬会社は、薬剤を充填した後で、別の段階において容器を組み立てる。
【0009】
オペレータの操作を大幅に増やすことによって、このアプローチは、多くの準備段階において汚染の危険を増加させる。
【0010】
欧州特許第2445554号明細書、米国特許第3998224号明細書、米国特許第4252118号明細書、米国特許第4391273号明細書、米国特許第4687467号明細書、米国特許第5062833号明細書、米国特許第5205825号明細書、ならびにロシア国特許出願公開第2236873号明細書、及び国際公開第1998/001174号を含むいくつかの特許において、これらの課題を制限するための試みが、あらゆる面で成されてきたが、それらはいずれも、シリンジの再利用を完全に阻止できず、ニードルを使用せずにシリンジを簡単かつ効率的に充填する方法も提案できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第2445554号明細書
【特許文献2】米国特許第3998224号明細書
【特許文献3】米国特許第4252118号明細書
【特許文献4】米国特許第4391273号明細書
【特許文献5】米国特許第4687467号明細書
【特許文献6】米国特許第5062833号明細書
【特許文献7】米国特許第5205825号明細書
【特許文献8】ロシア国特許出願公開第2236873号明細書
【特許文献9】国際公開第1998/001174号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述の危険な状態は、本発明によって克服される。本発明は、物質を導入すること、及び人体または動物の体から抽出することを可能にし、実質的に違反されない方法によってデバイスの再使用を防止して、使用するために準備された薬剤を容器に充填するための、別個の方法を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
デバイスの再使用を防止する目的の動作は、下記の機械式システムを介して行われる:
a)一旦デバイス内で薬物の吸入作用を始めると、ピストンが吸入の当初の位置に向かって戻るのを防止し、それによってピストンの作用を単一方向に限定する。
b)一旦デバイス内の薬剤の注入が始まると、プランジャが注入の当初の位置に戻るのを防止し、それによってプランジャの作用を単一方向に限定する。同様に、吸引動作と注入動作との間に配置され、ピストンを誘導するブロックで構成される、回転する機械式移行システムは、ピストンを前に使用された位置に再び位置付けるのを防止する。
【0014】
その代わりに、容器の充填は、ピストンの内側に配置された可撓性カニューレを介したシステムを使用して行われる。それによって、所望の物質が容器の内側に注がれるように移され、注入される準備が整う。
【0015】
次に本発明を、例示目的で好ましい実施形態に従って説明するが、いかなる限定としても理解するべきではなく、数字及び添付の図を詳細に参照し、使用される全ての実施形態は、それらの機能を侵害することなしに、本発明を限定することなく、サイズ、数、及び形状は変化し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】フィン及びラチェットを上から見て強調したボックス内の図を伴う、容器を示す図である。
図2】フィン及びラチェットを伴う容器の一部を示す図である。
図3】フィン及びラチェットを伴う容器の別の図である。
図4】ピストンにおける「U」形状のチャネルシステム、及びラックシステムを示す図である。
図5】ピストンにおける「U」形状のチャネルシステム、及びラックシステムを示す別の図である。
図6】ピストンに存在する空洞を示す図である。
図7】ピストンの内側に収容された機械式システムを示す図である。
図8】ピストンの内側に収容された機械式システムの詳細図である。
図9】圧縮されたときの、ピストンの内側に収容された機械式システムの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
示された図を参照すると、システムの重要な要素は、容器(101)によって形成されることが明白である。その頂部には、歯(102)及びノッチ付きの2つのフィン(104及び105)が装着される。それらは各々、ピストン(106)が摺動及び係止するのを可能にし、そのためピストン(106)の外面は、「U」型形状のチャネルシステム(107)及び二重ラックシステム(108及び103)の存在によって特徴付けられる。
【0018】
より正確には、容器(101)の内側には歯(102)が位置付けられ、それがピストンを、溝付きライン(107)に沿って容器(101)内で摺動させる。歯(102)に沿って摺動する溝付きガイド(107)は、薬物を吸入できるよう、初めにピストン(106)を底部から上方へ動かし、次にピストン(106)を回転させた後、薬物を注入するために頂部から底部へ動かすのを可能にする。
【0019】
ピストン(106)の、逆行できない吸引及び注入運動は、容器(101)に存在するノッチ付きの2つのフィン(104及び105)と、ピストン(106)に存在する2つのラックシステム(108及び103)とが重なり合うことによって可能にされる、係止システムの結果である。これによって、互いに作用することで、ピストン(106)は元に戻らなくなる。
【0020】
このように、一旦デバイスにおいて薬剤の吸引作用が開始されると、ラックシステム(103)がノッチ付きのフィン(105)と重なり合うことで、ピストン(106)が当初の吸引位置に向かって戻るのを防止し、ピストン(106)を一方向のみに摺動させる。同様に、一旦デバイスへの薬剤の注入作用が開始されると、ラックシステム(108)がノッチ付きのフィン(104)と重なり合うことで、ピストンが当初の注入位置に戻るのを防止する。
【0021】
上記で説明したシステムは、予め充填された引込み式ニードルデバイスの事例において、過失による薬剤の放出も防止する。
【0022】
ピストン(106)は特別な空洞(117)も有し、その基部には、ニードル(114)を接続し、一旦注入段階が終了されるとニードル(114)を引込める連結ハウジング(109)が存在し、パッド(110)から薬物の吸引段階及び注入段階を誘導する。
【0023】
ピストン(106)の空洞(117)の内側において、穴開きヘッド部(111)によって上部を構成する機械式システムが設置される。穴開きヘッド部(111)は、システム全体をピストン(106)の内側に固定するのを可能にする。穴開きヘッド部(111)は、薬剤をシリンジの中に注入するのを可能にし、その上端部に弁(112)を有する。弁(112)は、容器内に存在する薬剤が外側に向けて逆流するのを防止する。
【0024】
穴開きヘッド部(111)は、任意の生体適合性材料で作られたアコーディオン状カニューレ(113)に接続され、次にその下部において連結ハウジング(109)に接続される。連結ハウジング(109)は、注入端部において、ニードル(114)の結合、及び引込みを可能にする。
【0025】
穴開きヘッド部(111)及び連結ハウジング(109)は、ばね(116)によって互いに接続される。ばね(116)は、アコーディオン状カニューレ(113)を収容し、薬剤を接種及び吸入する動作の間に、伸長して引込む。
【0026】
オペレータまたは特別な機械は、ピストン(106)の中に存在するアコーディオン状カニューレ(113)を介して、ピストン(106)を容器の中に挿入した後で、穴開きヘッド部(111)を介して薬剤を容器(101)の中に注入し、次に防護キャップ(115)を用いてピストン(106)を閉鎖することができる。
【0027】
本発明を、限定目的ではなく例示のためにその機能に関して説明した。したがって、本発明の形状、寸法、及び測定値、ならびに発明を構成する構成要素の配置、及び材料に関する変形及び/または変更も、保護の相対的範囲から逸脱することなく成され得ることを、理解されたい。
図1
図2
図3
図4-5】
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】