(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-524365(P2021-524365A)
(43)【公表日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】ヘアカール器具および毛髪をカールさせる方法
(51)【国際特許分類】
A45D 2/02 20060101AFI20210816BHJP
A45D 7/02 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
A45D2/02
A45D7/02 Z
A45D7/02 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2021-515288(P2021-515288)
(86)(22)【出願日】2019年5月21日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月21日
(86)【国際出願番号】GB2019051398
(87)【国際公開番号】WO2019224529
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】1808306.3
(32)【優先日】2018年5月21日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520460649
【氏名又は名称】ザ ハウス オブ カールス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】THE HOUSE OF CURLS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】サンダーランド,ギャリー
(72)【発明者】
【氏名】テイラー,ギャリー
【テーマコード(参考)】
3B038
【Fターム(参考)】
3B038AA02
3B038AA05
3B038AA06
(57)【要約】
【課題】ヘアカール器具および毛髪をカールさせる方法を提供する。
【解決手段】ヘアカール器具は、コネクタ部を介して離間した関係で一緒に固定される第1の側部12および第2の側部14を含む。コネクタ部は、各側部12、14に対して中央に配置される。コネクタ部の長さは20mm以下である。側部12、14は、弾性および熱伝導性の両方を有する材料からなる。第1の側部12は平坦であり、第2の側部14は、第2の側部14が凸形状であって第1の側部12から離れるように屈曲した第1の固定状態と、第2の側部14が凹形状であってコネクタ部および第1の側部12の双方を覆うように折り返された第2の固定状態という2つの固定状態を有するように構成されている。第1の側部12には、第1の側部12から第2の側部14にかけてコネクタ部と実質的に同方向に延び、コネクタ部から離間している少なくとも1つのバリア部材が設けられている。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ部を介して互いに離間した関係で固定され、前記コネクタ部が各側部に対して中央に配置される第1の側部および第2の側部を含み、各前記側部は弾性および熱伝導性の両方の性質を有する材料からなる、ヘアカール器具であって、
前記第1の側部は平坦であり、前記第2の側部は、前記第2の側部が凸形状で前記第1の側部から離れるように屈曲した第1の固定状態および、前記第2の側部が凹形状で前記第2の側部が前記コネクタ部および前記第1の側部の両方を覆うように折り返された第2の固定状態という2つの固定状態を有するように構成され、
前記第1の側部は、前記第1の側部から前記第2の側部に向かって前記コネクタ部と同じ方向に延びて前記コネクタ部から離間している少なくとも1つのバリア部材を備え、少なくとも1つの前記バリア部材は高さを有し、前記コネクタ部は長さを有し、前記バリア部材の高さと前記コネクタ部の長さとの比は、少なくとも1:3である、ヘアカール器具。
【請求項2】
前記第2の側部には、少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のヘアカール器具。
【請求項3】
少なくとも1つの前記バリア部材は、前記コネクタ部の周りに延在する連続した壁であり、前記壁は、毛髪の一部を受け入れる少なくとも1つのスロットを含む、請求項1または2に記載のヘアカール器具。
【請求項4】
離間した別個の壁要素の形態をした複数の前記バリア部材を含む、請求項1または2に記載のヘアカール器具。
【請求項5】
間隔を置いて配置された細長い突起の形態をした複数の前記バリア部材を含む、請求項1または2に記載のヘアカール器具。
【請求項6】
少なくとも5つの細長い突起を含む、請求項5に記載のヘアカール器具。
【請求項7】
少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段は、前記第2の側部が前記第2の固定状態にあるときに、少なくとも1つの前記バリア部材と整列するように成形され、配置された複数の穴を備える、請求項2〜6のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項8】
少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段はチャネルを備え、前記チャネルは、前記第2の側部が前記第2の固定状態にあるときに、少なくとも1つの前記バリア部材が前記チャネル内に位置するように配置される請求項2〜6のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項9】
前記コネクタ部は、40mm以下の長さを有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項10】
少なくとも1つの前記バリア部材は、毛髪の一部が係合され得る少なくとも1つのスロットを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項11】
前記コネクタ部は、円筒形状であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項12】
各細長い突起は少なくとも5mmの長さを有する、請求項5または6に記載のヘアカール器具。
【請求項13】
各細長い突起は、5mm〜10mmの長さを有する、請求項5または6に記載のヘアカール器具。
【請求項14】
前記コネクタ部は、20mm以下の長さを有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項15】
前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さよりも大きい幅を有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項16】
前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さよりも少なくとも3倍大きい幅を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項17】
前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さの10倍未満の幅を有することを特徴とする、請求項16に記載のヘアカール器具。
【請求項18】
前記第1の側部および前記第2の側部は、形状が円形である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項19】
前記第1の側部および前記第2の側部の少なくとも一方には、複数の穴が設けられている、請求項1〜18のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項20】
シリコンゴム材料から製造されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のヘアカール器具。
【請求項21】
少なくとも前記第2の側部は、少なくとも1つのサーモクロミック顔料を含む、請求項20に記載のヘアカール器具。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載のヘアカール器具を用いて毛髪をカールさせる方法であって、
前記ヘアカール器具の前記コネクタ部の周りに毛髪の一部を巻く工程(a)と、
前記第2の側部を前記第1の固定状態から前記第2の固定状態に移動させる工程(b)と、
前記ヘアカール器具に熱を加える工程(c)と、
前記ヘアカール器具を冷却する工程(d)と、
毛髪から前記ヘアカール器具を取り外す工程(e)と、
を含む、毛髪をカールさせる方法。
【請求項23】
前記ヘアカール器具の前記第2の側部は、少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段を備え、前記工程(b)において、前記第1の側部に位置する少なくとも1つの前記バリア部材は、前記第2の側部に位置する前記協働手段と整列し、前記第2の側部に位置する前記協働手段の中に位置する、請求項22に記載の毛髪をカールさせる方法。
【請求項24】
熱は、一対の加熱されたプレートの間で前記ヘアカール器具を把持することによって前記ヘアカール器具に加えられる、請求項22または23に記載の毛髪をカールさせる方法。
【請求項25】
毛髪の一部の大部分は、前記コネクタ部と少なくとも1つの前記バリア部材との間に位置するチャネルに巻き付けられる、請求項22〜24のいずれか一項に記載の毛髪をカールさせる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアカール器具および毛髪をカールさせる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の一部にカールを付与するための公知の装置は加熱されたカーリングアイロン、カーリングトングおよびカーリングワンドを含み、これらの大部分は、ハンドルに取り付けられた円筒形加熱要素を含む。これらの装置を使用するために、カールされる各毛髪の一部は、加熱要素の周りに巻かれ、次いで、取り除かれ、頭部の周りの毛髪の異なるセクションに対する動作を繰り返す。
【0003】
ローラーもまた、毛髪をカールさせるために一般的に使用される。ローラーは、加熱されていなくてもよく、または使用前に予熱されていてもよい。加熱されたローラーは、使用前に加熱される中空円筒ローラー本体を備える。毛髪の一部は、毛髪の端部から始まり頭皮に向かって回転するようにローラーの周りに巻き付けられる。次に、ローラーは頭皮に固定され、ローラーからの熱は、ローラーが冷えるにつれて、その周りに巻き付けられた毛髪に伝達される。加熱ローラーは、典型的には非常に重く、ローラーを毛髪に入れるときにユーザーが指を火傷する危険性が常にある。加えて、ローラーは一般に、毛髪を一方向、すなわち毛髪の端部から頭皮まで巻くためにのみ使用することができ、それによって、1つのタイプのカールのみを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8671957号
【特許文献2】国際公開第2017/098282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
米国特許第8671957号は、可撓性の平らなベース部と、ベース部に固定されたステムと、ステムから延在され、その上端から延在されるフランジを有する円錐台状部を備えるボウル部とを有するヘアカール装置を記載している。ステムに髪を巻きつけた状態で、円錐台状部を折り畳んで、フランジがベース部に合うようにする。円錐台状壁は、ステムから最も厚みが小さいフランジまで厚みが減少する。ヘアカール装置は、フランジとベースとの間の摩擦に依存して、ヘアカール装置がユーザーの髪の毛を引き伸ばして滑り落ちるのを防止する。ヘアカール装置は、直接加熱されるようには設計されていない。
【0006】
本出願人に対する国際公開第2017/098282号パンフレットには、中央ステムによって接合された第1および第2の側部を含み、第1および第2の側部の一方が凸形状および凹形状の構成を有するヘアカール装置が記載されている。毛髪がステムの周りに巻き付けられると、湾曲した側部が折り返されて閉構造を形成し、毛髪をヘアカール装置内に封入する。このヘアカール装置は熱伝導性であり、各々を個別に加熱することができる。このヘアカール装置は、内部フランジとベース部との間の摩擦に依存して、内部の毛髪の巻き戻しを防止する。
【0007】
サロンおよび家庭環境の両方で使用するための、毛髪をカールさせるための改良されたヘアカール器具を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コネクタ部を介して離間した関係で互いに固定され、前記コネクタ部が各側部に対して中央に配置される第1の側部および第2の側部を含み、各前記側部は弾性および熱伝導性の両方の性質を有する材料からなる、ヘアカール器具を提供する。
【0009】
前記第1の側部は平坦であり、前記第2の側部は、前記第2の側部が凸形状で前記第1の側部から離れるように屈曲した第1の固定状態および、前記第2の側部が凹形状で折り返されて前記コネクタ部および前記第1の側部の双方を覆う第2の固定状態という2つの固定状態を有するように構成されている。
【0010】
前記第1の側部は、前記第1の側部から前記第2の側部に向かって前記コネクタ部と同じ方向に延びて前記コネクタ部から離間している少なくとも1つのバリア部材を備え、少なくとも1つの前記バリア部材は高さを有し、前記コネクタ部は長さを有し、前記バリア部材の高さと前記コネクタ部の長さとの比は少なくとも1:3である。
【0011】
前記第2の側部は、毛髪が前記コネクタ部の周りに巻かれた後、前記第1の側部の上に折り畳まれる。これは、毛髪を適所に保持し、毛髪を迅速に加熱し、ヘアカール器具をユーザーの毛髪に固定するのに役立つ。典型的には、前記第2の側部が前記第1の側部よりもわずかに幅広である。少なくとも1つの前記バリア部材は、反回転重力を停止させるために閉じたゲートウェイを作り出すことによって、毛髪がヘアカール器具から巻き戻されるのを防止するのに役立つ。これは、ヘアカール器具内に毛髪を捕捉したままにするのに役立つ。また、少なくとも1つの前記バリア部材は、ヘアカール器具を通して、ヘアカール器具内に保持された毛髪に熱を伝導するのに役立つ。
【0012】
好ましくは、前記第2の側部には少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段が設けられている。
【0013】
少なくとも1つの前記バリア部材は前記コネクタ部の周りに延在する連続した壁であってもよく、壁は毛髪の一部が係合されてもよい少なくとも1つのスロットを含む。
【0014】
ヘアカール器具は、離間した別個の壁要素の形態の、複数の前記バリア部材を含んでいてもよい。
【0015】
ヘアカール器具は、間隔を置いて配置された細長い突起の形態の複数の前記バリア部材を備えてもよい。好ましくは、ヘアカール器具は少なくとも5つの細長い突起を含む。好ましくは、各細長い突起は少なくとも5mmの長さを有する。より好ましくは、各細長い突起は5mm〜10mmの長さを有する。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段は、前記第2の側部が前記第2の固定された状態にあるとき、少なくとも1つの前記バリア部材と整列するように成形され、配置された複数の穴を備える。
【0017】
あるいは、少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段はチャネルを備え、前記チャネルは、前記第2の側部が前記第2の固定状態にあるとき、少なくとも1つの前記バリア部材が前記チャネル内に位置するように配置されてもよい。
【0018】
少なくとも1つの前記バリア部材は、毛髪の一部を係合することができる少なくとも1つのスロットを含んでいてもよい。
【0019】
好ましくは、前記コネクタ部は、円筒形状である。使用時には、カールされる毛髪がヘアカール器具の前記コネクタ部の周りに巻かれる。毛髪は、前記コネクタ部と少なくとも1つの前記バリア部材との間に巻き付けられてもよい。前記バリア部材は、前記コネクタ部の周りに巻かれた毛髪の一部を貫通することができる。
【0020】
好ましくは、前記コネクタ部は40mm以下の長さを有する。より好ましくは、前記コネクタ部は20mm以下の長さを有する。有利には、前記コネクタ部の長さは10mm〜15mmであり、より有利には、前記コネクタ部の長さは13mmである。
【0021】
好ましくは、前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さよりも大きい幅を有する。より好ましくは、前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さよりも少なくとも3倍大きい幅を有し、さらに好ましくは、前記第1の側部および前記第2の側部は、前記コネクタ部の長さよりも10倍未満大きい幅を有する。前記コネクタ部の長さに対する、前記第1の側部および前記第2の側部の幅の比率は、カールされる毛髪の全てが前記第1の側部および前記第2の側部によって覆われることを確実にするのに役立ち、加熱中の毛髪への、および冷却中の毛髪からの、熱の均一な送達を確実にするのに役立つ。
【0022】
前記第1の側部および前記第2の側部は、幅60〜80mmであり、好ましくは幅65〜75mmであり、より好ましくは幅70mmである。
【0023】
前記第1の側部および前記第2の側部は、形状が円形であってもよい。
【0024】
前記第1の側部および前記第2の側部の一方または両方は、その中に複数の穴を含んでいてもよい。このような配置の利点は、加熱された毛髪がより迅速に冷却され得ることである。毛髪の冷却は、毛髪のカールを固定するために必要である。
【0025】
前記コネクタ部には、複数の穴が設けられていてもよい。好ましくは、前記コネクタ部は中空である。
【0026】
本発明の別の態様によれば、以下の工程を含む、上記のヘアカール器具を用いて毛髪にカールを形成する方法が提供される。
前記ヘアカール器具の前記コネクタ部の周りに髪の一部を巻く工程(a)と、
前記第2の側部を前記第1の固定状態から前記第2の固定状態に移動させる工程(b)と、
前記ヘアカール器具に熱を加える工程(c)と、
前記ヘアカール器具を冷却する工程(d)と、
毛髪から前記ヘアカール器具を取り外す工程(e)。
【0027】
有利には、ヒータを使用して前記ヘアカール器具に熱を加える。好ましくは、前記ヒータは、前記ヘアカール器具の形状に対応する形状の、加熱されたプレートを有することができる加熱ツールの形態である。毛髪矯正装置上のプレートのような、一対の加熱されたプレートの間で前記ヘアカール器具を把持することによって、前記ヘアカール器具に熱を加えることができる。
【0028】
有利には、前記ヘアカール器具の前記第2の側部は、少なくとも1つの前記バリア部材と協働する協働手段を備え、前記工程(b)において、前記第1の側部に位置する少なくとも1つの前記バリア部材は、前記第2の側部に位置する前記協働手段と整列し、その中に位置する。
【0029】
有利には、毛髪の一部の大部分は、前記コネクタ部と、少なくとも1つの前記バリア部材との間に位置するチャネルに巻き付けられる。
【0030】
図面は毛髪をカールさせるためのヘアカール器具の好ましい実施形態を例示するものであり、一例としてのものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1a】開放形態における、ヘアカール器具の実施形態の側面図である。
【
図1b】閉鎖形態における、
図1aのヘアカール器具の側面図である。
【
図2a】開放形態のヘアカール器具に巻き付けられた毛髪の一部を示す概略図である。
【
図2b】閉鎖形態のヘアカール器具に巻き付けられた毛髪の一部を示す概略図である。
【
図3a】開放形態における、ヘアカール器具のさらなる実施形態の等角図である。
【
図3b】
図3aのヘアカール器具を閉鎖形態で示す等角図である。
【
図3c】閉鎖形態における、
図3bのヘアカール器具を通る断面を示す。
【
図4】開放形態における、ヘアカール器具のさらなる実施形態の等角図である。
【
図5】開放形態における、ヘアカール器具のさらなる実施形態の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで
図1を参照すると、ヘアカール器具の実施形態は、一般的に10で示されているカーラーの形態をとる。カーラー10は、コネクタ部16によって連結された2つの離間した側部12、14を備える。第1の側部12は横から見て実質的に平坦であり、第2の側部14は曲線状である。この実施形態では、第1の側部12には、第2の側部14に向かってコネクタ部16と実質的に同じ方向に延びる5つの細長い突起(すなわちポスト)18の形態のバリア部材が設けられている。細長い突起18は、いずれの側部12、14に配置されてもよい。しかし、図示された例に示されるように、細長い突起18は、第1の側部12上で間隔を置いて配置され、コネクタ部16と、実質的に平坦な第1の側部12の外周との間に配置されることが好ましい。第2の側部14は、2つの固定状態を有するように構成されている。第1の固定状態は
図1aに示されている。第2の側部14は形状が凸形状であり、第1の側部12から離れて曲線状である。これは、カーラー10の開放形態であり、毛髪をコネクタ部16の周りに巻きつけることを可能にする。第2の固定状態を
図1bに示す。第2の側部14は折り畳まれて、コネクタ部16および第1の側部12の頂部上に、凹形状に湾曲している。これは、カーラー10の閉鎖形態であり、コネクタ部16の周りに巻かれた毛髪をカーラー10内に固定することを可能にする。図示された例では、カーラー10はおよそ70mmの直径を有し、コネクタ部16の長さはおよそ15mmであり、細長い突起18のそれぞれの長さはおよそ9mmである。各細長い突起18の幅は約4mmである。典型的には、第2の側部14は、第1の側部12よりもわずかに幅広である。細長い突起18の長さは、毛髪をコネクタ部16の周りに容易に巻き付けることができるように、コネクタ部16の長さ以下でなければならない。しかし、細長い突起18はまた、カーラー10が閉鎖形態にあるときに、第1の側部12と第2の側部14との間に、ブリッジを形成するのに十分な長さを有していなければならない。
【0033】
図2aは、カーラー10が開放形態で、カーラー10上に巻かれた毛髪22を示す。
図2bは、カーラー10が閉鎖形態で、カーラー10上に巻かれた毛髪22を示す。
図2aに示すように、毛髪22の大部分は、コネクタ部16と細長い突起18との間に位置する。カーラー10が閉鎖形態にあるとき、細長い突起18は、毛髪がカーラー10から巻き戻されるのを防止するバリアを形成し、毛髪がカーラー10内に捕捉された状態を維持するのを助ける。
【0034】
カーラー10は、熱伝導性のシリコンゴムから製造される。これにより、カーラー10が閉鎖形態にあると、カーラー10およびその中の毛髪を加熱することができる。通常の毛髪矯正アイロンを使用して、毛髪矯正アイロンのはさみ部分をカーラー10の周りにクランプすることによってカーラー10を加熱することができる。バリア部材すなわち細長い突起18はまた、毛髪矯正アイロンから毛髪へ熱を伝導するのを助ける。熱伝導性シリコンゴムはカーラー10が温度によって色を変えるように、サーモクロミック顔料を含むことができる。好ましくは、サーモクロミック顔料は約30℃で色を変化させ、毛髪が十分に冷却されてカールが硬化したことを示す。
【0035】
図3a、
図3bおよび
図3cに示すように、側部12、14の一方または両方に穴20を形成することができる。また、コネクタ部16にもまたそのような穴を設けることができる。設けられる場合、穴20は、典型的には側部12、14の一方または両方の全体にわたって形成される。穴20が存在する場合には、それらは好ましくは側部12、14および/またはコネクタ部16の周りに均等に間隔を置いて配置される。穴20は、カーラー10内の湿った毛髪の乾燥を早めるのに役立つか、または単にカーラー10内の加熱された毛髪の冷却を助けるために、コネクタ部16の周りに巻かれた毛髪への空気の循環を可能にする任意の特徴である。第2の側部14上の穴20の一部は、第1の側部12上に位置する細長い突起18と整列することができる。またその逆も同様であり、その結果、細長い突起18の少なくとも一部は、穴20の一部に位置する。
【0036】
図3cに示されるように、コネクタ部16は好ましくは中空である。これはカーラー10をより柔軟にし、カーラー10が2つの加熱された表面の間で圧縮されて、カーラー10内に位置する毛髪をより効率的に加熱することを可能にする。
【0037】
図4に示すように、バリア部材は実質的に連続した壁24の形態をとることができ、壁24には、コネクタ部16の周りに巻き付けられる髪の一部を受け入れるための、少なくとも1つのスロット26が設けられている。第2の側部14の下面は、第2の側部14が第2の固定状態に反転されたときに、壁24が位置するチャネル(図示せず)を含んでもよい。
【0038】
図5に示すように、バリア部材は一連の別個の壁部28の形態をとることができ、コネクタ部16の周りに巻き付けられる髪の一部は、壁部28の間のギャップを通過する。第2の側部14の下面は、第2の側部14が第2の固定状態に反転されたときに、壁部28が位置するチャネル(図示せず)または細長い穴を含んでもよい。
【符号の説明】
【0039】
10 カーラー
12 第1の側部
14 第2の側部
16 コネクタ部
18 細長い突起
20 穴
22 毛髪
24 壁
26 スロット
28 壁部
【国際調査報告】