特表2021-524372(P2021-524372A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-524372(P2021-524372A)
(43)【公表日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】ミストエリミネータ
(51)【国際特許分類】
   B01D 45/08 20060101AFI20210816BHJP
【FI】
   B01D45/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-565300(P2020-565300)
(86)(22)【出願日】2019年5月11日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月13日
(86)【国際出願番号】DE2019000139
(87)【国際公開番号】WO2019223822
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】102018004170.1
(32)【優先日】2018年5月24日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】506374373
【氏名又は名称】ミュンタース・オイロフォルム・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Munters Euroform GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100174816
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 貴久
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,ユールゲン
(72)【発明者】
【氏名】ファントレス,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】アイヒホルン,フェレーナ
【テーマコード(参考)】
4D031
【Fターム(参考)】
4D031AB01
4D031AB24
4D031AB29
4D031BA01
4D031BA06
4D031EA01
(57)【要約】
ガス流から液体及び/又は固体粒子を析出するためのミストエリミネータを記載する。このミストエリミネータが備える様々な機能部は、前記ガス流の方向に沿って、三以上の段階(5,6,7)を構成するよう前記ガス流の経路内に配置されている。このうち、第一段階(5)は流れ偏向部(3)からなり、その他の段階(6,7)はそれぞれ液体/固体粒子回収・排出部(8,9)からなる。このミストエリミネータは、少ない圧力損失と小さな設置深さを実現しつつ、極めて優れた析出効率を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流から液体及び/又は固体粒子を析出するためのミストエリミネータであって、
前記液体/固体粒子を含んだ前記ガス流の入口領域と、
前記液体及び/又は固体粒子を除去された前記ガス流、並びに前記液体及び/又は固体粒子の出口領域と、
前記液体/固体粒子を含んだ前記ガス流のフロー経路内に配置された複数の機能部と、を備え、
前記ガスフロー経路内に配置された前記機能部は、フロー方向に三以上の段階(5,6,7)として設けられており、このうちフロー方向における第一段階(5)は、間隔を空けて並べられた複数の純粋な流れ偏向部(3)を含み、第二(さらに追加されても良い)段階(6)は、間隔を空けて並べられた複数の第一の液体/固体回収・排出部を含み、フロー方向における最終段階(7)は、間隔を空けて並べられた複数の第二の液体/固体粒子回収・排出部(9)を含み、これによって、互いにオフセットされた異なる段階(5,6,7)にある前記機能部が、互いの機能部がカバーする範囲と横方向に一部重なり合い、前記第一段階(5)の前記機能部(3)と、前記第二(さらに追加されても良い)段階(6)の前記第一の液体/固体粒子回収・排出部(8)とが、それぞれの後部(4,10)を次段階の前記機能部間に存在する中間領域の中心線に向かって傾斜又は湾曲させた状態で延在していることを特徴とする、ミストエリミネータ。
【請求項2】
前記流れ偏向部(3)及び前記液体/固体粒子回収・排出部(8)の前記後部(4,10)が先端部を有し、当該先端部が、前記次段階の前記機能部間に存在する前記中間領域の前記中心線の方向を向いていることを特徴とする、請求項1に記載のミストエリミネータ。
【請求項3】
前記流れ偏向部(3)が菱形の断面形状を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のミストエリミネータ。
【請求項4】
前記液体/固体粒子回収・排出部(8,9)が、その前側(フロー側)が少なくとも部分的に開放された箱型の回収部として形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のミストエリミネータ。
【請求項5】
前記第二(さらに追加されても良い)段階(6)の前記液体/固体粒子回収・排出部(8)が、その後部(10)に、偏向隆起部を有していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のミストエリミネータ。
【請求項6】
前記偏向隆起部が小さい偏向ガセットとして形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のミストエリミネータ。
【請求項7】
前記ハウジング(1)内の前記最終段階(7)の後ろには、液体及び/又は固体粒子が除去された前記ガス流を横方向に偏向させるための空間(11)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のミストエリミネータ。
【請求項8】
前記流れ偏向部(3)の前側(フロー側)の開き角度が60〜120度、特に90度、であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のミストエリミネータ。
【請求項9】
前記流れ偏向部(3)の前記後部(4)が凹状に湾曲していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のミストエリミネータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス流から液体及び/又は固体粒子を析出するためのミストエリミネータに関する。このミストエリミネータは、ハウジング及び複数の機能部を備える。ハウジングは、液体/固体粒子を含んだガス流の入口領域と、液体及び/又は固体粒子が除去されたガス流並びにこの液体及び/又は固体粒子の出口領域と、を有する。複数の機能部は、液体/固体粒子を含むガス流のフロー経路内に配置されている。
【背景技術】
【0002】
ガス流から液体/固体粒子を析出するためのミストエリミネータは公知である。例えば、液滴及び/又は固体粒子を含んだ空気流がフローチャネルを通過することで複数回偏向し、それによって液滴及び/又は固体粒子(通常は水滴)を析出させるという技術は、多数の技術的応用を伴って利用されている。このガス流の偏向は、ミストエリミネータの機能部によって引き起こされるものである。これらの機能部は、蛇行形状のガス流フロー経路を形成している。同伴の液滴及び/又は固体粒子は機能部又は析出部に付着したままミストエリミネータの出口領域まで移動し、そこから排出される。
【0003】
上記タイプのミストエリミネータは、特許文献1から公知である。このミストエリミネータは、ガスフロー経路方向において、第一段階としての流れ偏向部を有し、それに続いて第二段階としての液体回収・排出部を有する。流れ偏向部は互いに間隔を空けて設けられている。液体回収・排出部によって同伴液滴の析出が行われる。この同伴液滴は、液体回収・排出部からダクトへ送られ、エリミネータから排出される。第一段階の流れ偏向部はV字型に形成されており、第二段階の液体回収・排出部は略逆V字型となっている。
【0004】
特許文献2から、二列に並んだオフセットロッドをガス流が蛇行通過する構成の凝集装置を備えた析出装置が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP0281981A2
【特許文献2】EP1059107A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記のようなミストエリミネータであって、極めて優れた析出効率を有するとともに、圧力損失が可能な限り少なく且つ設置深さの小さいミストエリミネータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、この目的は、上記で引用されたタイプのミストエリミネータであって、以下の特徴を有するミストエリミネータによって達成される。即ち、このミストエリミネータは、ガスフロー経路内にフロー方向に配置された機能部が三以上の段階として設けられており、このうちフロー方向における第一段階は、間隔を空けて並べられた複数の純粋な流れ偏向部を含み、フロー方向における第二段階(さらなる段階が追加されても良い)は、間隔を空けて並べられた複数の第一の液体/固体回収・排出部を含み、フロー方向における最終段階は、間隔を空けて並べられた複数の第二の液体/固体粒子回収・排出部を含み、これによって、オフセットされた上記機能部が、互いの機能部がカバーする領域と横方向に一部重なり合い、第一段階の流れ偏向部と、第二(さらに追加されても良い)段階の第一の液体/固体粒子回収・排出部とが、それぞれの後部を次段階の機能部間に存在する中間領域の中心線に向かって傾斜又は湾曲させた状態で延在していることを特徴とする。
【0008】
これにより、本発明のミストエリミネータでは、少なくとも三段階の機能部が、液体/固体粒子を含んだガス流のフロー経路内に順番に配置されている。第一段階は、析出及び液体/固体排出の機能をほとんど有さない純粋な流れ偏向部から形成されている。その後の段階では、液体/固体粒子回収・排出部としての機能部が設けられている。即ち、所望の液滴/粒子の析出と、析出された液滴/粒子の排出とが行われる。
【0009】
従って、本発明によれば、少なくとも二段階が液体/固体粒子析出のために設けられているため、複合的な析出効果が得られる。最終段階の機能部による液体/固体粒子の析出及び排出を効率的に行えるようにするために、本発明では、第一段階の流れ偏向部の後部と、第二(さらに追加されても良い)段階の液体/固体粒子回収・排出部の後部とが、それぞれ、ガス流を案内するガイド機能を担う。即ち、ガス流が第二(さらに追加されても良い)段階の機能部間の中間領域を通って、最終段階の析出又は回収部に流入するか、あるいはそれらの間を通過するように、ガス流を案内する。これにより、第二段階(さらなる段階が追加されても良い)の機能部だけでなく最終段階の機能部によっても、液体/固体粒子の析出と、液体/固体粒子の排出とが行われる。従って、本発明のミストエリミネータでは、機能部がオフセットされているためガス流が阻害されにくいにもかかわらず、全体として効率的な析出が達成される。換言すると、エリミネータを通過するガス流は、わずかに設計された蛇行経路だけを通過する。その一方で、各段階の機能部は、ガス流が直線経路でエリミネータを通過しないように配置されている。
【0010】
このように、本発明によると、比較的阻害されにくい構成でありながら、後ろに配置された二つの析出段階によって、少ない圧力損失で効率的な析出ができる。これにより、好ましくは10〜30μm、特に20μm、の寸法の液滴を析出可能である。とりわけ、このようなミストエリミネータは、突然噴出してガス流に混入した液体を効率的に析出可能なガッシュセパレータ(gush separator)として好適である。
【0011】
好ましくは、上記のミストエリミネータは、個々の段階の距離及びミストエリミネータの機能部の距離を変えるか調整することにより、析出対象の液滴又は粒子の寸法に適合させることが可能である。
【0012】
第二(さらに追加されても良い)段階及び最終段階の機能部が効率的な析出を行えるようにするために、第一段階の流れ偏向部の後部と、第二(さらに追加されても良い)段階の液体/固体粒子回収・排出部の後部とが、それぞれ、フローガイド機能を担う。即ち、第二(さらに追加されても良い)段階の機能部間の中間領域、及び最終段階の機能部間の中間領域を通るように、ガス流を案内する。同伴液滴及び/又は同伴固体粒子は、異なる段階の機能部によって捕えられる。異なる段階の機能部同士はごくわずかにしか重なっていないため、発生する圧力損失は少ない。純粋な偏向部として設計されている第一段階の機能部がガスフローを加速し、これによって、以降の段階における液体及び/又は粒子の析出が簡素化される。
【0013】
好ましくは、流れ偏向部及び第一の液体/固体粒子回収・排出部の後部が先端部を有し、当該先端部が、次段階の機能部間に存在する中間領域の中心線の方向を向いている。原則として、この後部が次段階の中間領域へのガイド機能のみを果たすのであれば、後部を傾斜又は湾曲するように形成しても良い。上記の後部が先端部を有した屋根状にデザインされており、この先端部が中間領域の中心線の方向を向いていることが、より好ましい。これはその他の実施形態を排除するものではない。アーチ状のデザインを用いても良い。
【0014】
第一段階の流れ偏向部に関しては、菱形に形成されていることが好ましい。これにより、菱形の前側(フロー側)先端部に衝突したフローは分岐して、第二段階における隣接する二つの第一の液体/固体粒子回収・排出部に案内され、そこで液滴及び/又は固体粒子が捕えられ、排出される。ガス流は、菱形の流れ偏向部が有する傾斜した(好ましくはわずかに湾曲した)後部に沿って送られ、上記の第二段階における二つの機能部の間を通り、次段階の機能部に対して直線的に衝突する。そこで、残っている液滴及び/又は固体粒子が析出され、回収される。その後、ガス流は、第二(さらに追加されても良い)段階における機能部の後部に沿って案内され、最終段階における機能部間を通り、ミストエリミネータの出口領域に至る。
【0015】
これによれば、第一段階の菱形の流れ偏向部は以下の二つの機能を果たす。一つめの機能として、ガス流を第二段階の機能部に向けて導き、加速する。二つめの機能として、第二段階の機能部によって偏向されたガス流を次段階の対応する機能部に向けて導く。
【0016】
好ましくは、第二(さらに追加されても良い)段階及び最終段階の液体/固体粒子回収・排出部は、その前側(フロー側)が開放された箱型の回収部として形成されている。他の実施形態によると、これらの機能部は逆V字型をしている。概して、析出対象の液滴及び/又は固体粒子の回収領域のみが存在し、且つ機能部の後部に上記のガイド機能が設けられているのであれば、どのような形状も可能である。
【0017】
従って、例えば、第二(さらに追加されても良い)段階の液体/固体粒子回収・排出部は、その後部に偏向隆起部が設けられていても良い。この偏向隆起部は、小さな偏向ガセットであって良い。このガセットの先端部が次段階の機能部における中間領域の中心線に向いていることが好ましい。
【0018】
特定の実施形態によると、第一段階の流れ偏向部の後部は凹状に湾曲するように形成される。さらに、流れ偏向部の前側(フロー側)の開き角度は60〜120度、特に90度、であることが好ましい。
【0019】
とりわけ、本明細書に記載のミストエリミネータは、特に熱交換器の背後で使用可能な安価なデザインの小型ユニットとして設計されている。例として、燃料電池に基づく車両のモータが挙げられる。モータの始動中に加えて動作中にも、交換膜から水滴を除去することが可能である。この水滴は背後にあるタービンのブレードを損傷して故障させるおそれがあるが、本発明のミストエリミネータはこれを防ぐことができる。
【0020】
ミストエリミネータをできるだけ小型に設計するために、特定の実施形態によると、液体又は固体粒子が除去されたガス流を横方向に偏向させるための空間が、ハウジング内における最終段階の後ろに設けられている。これにより、液体又は固体粒子が除去されたガス流は、横方向にハウジングから排出される。
【0021】
好ましくは、上記ミストセパレータが水平方向に抗して振られ(flown)、析出された液体及び/又は固体粒子が重力によって下方向又は横方向に排出される。このために適切なダクト構造が設けられても良い。
【0022】
以下、図面に基づき、例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】横方向の入口領域を有し、水平方向に流体が通過する構成のミストエリミネータを示す二つの空間図。
図2】上記ミストエリミネータにおける三段階機能部の概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1の二つの空間図に示されたミストエリミネータはハウジング1を有する。このハウジング1の寸法は、例えば、280mm×140mm×75mmである。ハウジングの一方の側面に設けられた開口領域2にわたって、鉛直方向に延在する複数の流れ偏向部3が互いに間隔を空けて並んでいる。液体及び/又は固体粒子を含んだガス流はミストエリミネータの開口領域2に流入し、その内部で液体及び/又は粒子が除去される。そして、このガス流と、除去された液体及び/又は粒子とが、適切な出口領域(図示せず)により、ハウジングから排出される。このようなミストエリミネータは、例えば、熱交換器の背後に配置可能である。
【0025】
図2の平面図は、上述のミストエリミネータの内部構成を示すものである。矢印はガス流のフロー方向を表している。液体及び/又は粒子を含んだガス流は、概略的に示された開口領域2からミストエリミネータのハウジングに流入し、ガスフロー方向に少なくとも三段階5,6,7の機能部を順番に通過する。
【0026】
第一段階では、複数の菱形の流れ偏向部3が間隔を空けて並んでいる。これらは純粋な流れ偏向機能を有し、ガス流の流入を加速するものである。流れ偏向部3は、断面形状が菱形であり、わずかに凹状湾曲した後部4を二つ有する。二つの後部4は先端部で繋がっている。この先端部は、第二段階6の機能部8における中間領域の中心線上に配置されている。第二段階6の機能部は、第一の液体/固体粒子回収・排出部8として形成されている。詳細には、これらの機能部は、箱型の断面形状を有しており、その前側(フロー側)は略完全に開放されて、析出された液滴及び/又は粒子を回収するようになっている。第二段階6における機能部の後部には、先端部を有するガセット10が設けられている。このガセットはガイド機能を果たし、ガス流を次の段階、つまり最終段階7の機能部間に位置する中間領域に案内する。これらの機能部も、液体/固体粒子回収・排出部9として設計されており、その前側(フロー側)が略完全に開放された箱型断面を有している。
【0027】
上述のミストエリミネータは、以下のように機能する。
【0028】
液体及び/又は固体粒子を含んだガス流は、開口領域2からミストエリミネータのハウジング1に流入する。そして菱形の流れ偏向部に衝突することで分岐して、開放された前側(フロー側)を通って、隣接する第二段階6の液体/固体粒子回収・排出部8に送られる。この液体/固体粒子回収・排出部8によって液滴及び/又は固体粒子が析出され、液体/固体粒子回収・排出部8の内部で下向きに偏向される。即ち、図面の紙面に対して垂直方向に偏向される。その後、偏向ガス流は流れ偏向部3における湾曲後部4に沿って案内され、第二段階6における機能部8間の中間領域(二つ以上であっても良い)に流入する。そして第三段階7の液体/固体粒子回収・排出部9の開放された前側(フロー側)に衝突する。ここで、さらなる液滴の析出が発生する。この液滴は、液体/固体粒子回収・排出部9の内部で下向きに排出される。その後、偏向ガス流は、先端部を有するガセット10を備えた液体/固体粒子回収・排出部8の後部を過ぎて、液体/固体粒子回収・排出部9間の中間領域に流入する。そこから横方向に移動し、液体除去後ガス流の出口領域へと向かう。
【0029】
少なくとも三段階5,6,7の機能部は互いにオフセットされており、ごくわずかにしか重なっていないため、ガス流が機能部を通過することが阻害されにくい。これにより、わずかな圧力損失しか発生しない。第二(さらに追加されても良い)段階6及び最終段階7の機能部により、液滴又は固体粒子の析出が二段階で連続的に行われるため、ガス流を阻害されにくくしつつも、少ない圧力損失で非常に優れた析出効果を得られる。そのうえ、設置深さを極めて小さくできる。
図1
図2
【国際調査報告】