特表2021-524738(P2021-524738A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-524738(P2021-524738A)
(43)【公表日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】卵代替混合物
(51)【国際特許分類】
   A23L 15/00 20160101AFI20210820BHJP
   A23J 3/00 20060101ALI20210820BHJP
   A23J 3/14 20060101ALI20210820BHJP
   A23J 3/16 20060101ALI20210820BHJP
   A23L 29/20 20160101ALI20210820BHJP
   A23L 29/262 20160101ALI20210820BHJP
   A23L 29/256 20160101ALI20210820BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20210820BHJP
【FI】
   A23L15/00 Z
   A23J3/00 508
   A23J3/14
   A23J3/16
   A23L29/20
   A23L29/262
   A23L29/256
   A23L5/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2020-564404(P2020-564404)
(86)(22)【出願日】2019年5月13日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月15日
(86)【国際出願番号】IL2019050538
(87)【国際公開番号】WO2019220431
(87)【国際公開日】20191121
(31)【優先権主張番号】62/670,815
(32)【優先日】2018年5月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520442427
【氏名又は名称】ゼロ エッグ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】デービッド,アミエル
【テーマコード(参考)】
4B035
4B041
4B042
【Fターム(参考)】
4B035LC06
4B035LC16
4B035LE02
4B035LE03
4B035LG12
4B035LG15
4B035LG19
4B035LG25
4B035LG26
4B035LG33
4B035LG37
4B035LG50
4B035LG57
4B035LK01
4B035LK02
4B035LK03
4B035LK04
4B035LP21
4B041LC03
4B041LC10
4B041LD01
4B041LE01
4B041LH10
4B041LH11
4B041LH16
4B041LK11
4B041LK15
4B041LK24
4B041LK25
4B041LK28
4B041LK42
4B042AC05
4B042AC10
4B042AD37
4B042AE01
4B042AE08
4B042AK06
4B042AK08
4B042AK09
4B042AK12
4B042AK13
4B042AK16
4B042AP14
(57)【要約】
本発明は、とりわけ、タンパク質、Fabaceae粉および多糖を含む組成物、ならびに卵代替組成物などのそれらの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.25%〜80%(w/w)のタンパク質と、
b.5%〜50%(w/w)Fabaceae粉と、
c.5%〜60%(w/w)の多糖と、を含む組成物。
【請求項2】
1%〜20%(w/w)の酵母抽出物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1%〜20%(w/w)の繊維をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
前記タンパク質および前記多糖が、1:0.1〜1:1のw/w比である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記多糖が寒天、メチルセルロース、カラゲナン、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記タンパク質が、植物タンパク質、植物性タンパク質、マメ科植物タンパク質、種子タンパク質、穀粒タンパク質、塊茎タンパク質、根タンパク質、果実タンパク質、麻タンパク質、ナッツタンパク質、藻類タンパク質、海藻タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
(a)25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、またはそれらの両方と、(b)5%〜50%(w/w)の豆類粉と、(c)10%〜60%(w/w)のカラゲナン、メチルセルロース、またはそれらの両方と、(d)1%〜20%(w/w)の繊維と、(e)1%〜20%(w/w)の酵母抽出物と、を含む組成物。
【請求項8】
1%〜20%(w/w)のリョクトウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、豆類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項1〜7に記載の組成物。
【請求項9】
0.1%〜5%(w/w)の塩をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
安定剤、増粘剤、乳化剤、食品着色剤、香味料、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記安定剤、前記増粘剤、前記乳化剤、前記食品着色剤、前記香味料、またはそれらの任意の組み合わせが、全組成物の多くとも15%(w/w)の量である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が液体形態または乾燥粉末形態である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記液体が、水、油、またはそれらの両方を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物と、混合の説明書と、を含むキット。
【請求項15】
前記説明書が
a.前記組成物を液体と混合して、混合物を得ること、
b.前記混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それによって前記食品またはレシピで前記卵の代わりにすることの説明を含む、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
食品またはレシピで卵の代わりにするための方法であって、(a)請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を液体と混合して、混合物を得るステップと、(b)前記混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする前記食品、前記レシピの調製に適用し、それによって前記食品またはレシピで前記卵の代わりにするステップと、を含む方法。
【請求項17】
卵食品を調製するための方法であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物を、前記食品の前記調製に必要な卵黄、卵白、または全卵の代わりにすることを含む、方法。
【請求項18】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物を含む食品。
【請求項19】
前記食品が、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも80%の食感、色、および風味を有する、請求項18に記載の食品。
【請求項20】
卵またはそのいずれの部分もない、請求項18および19のいずれか一項に記載の食品。
【請求項21】
前記食品がビーガンである、請求項18〜20のいずれか一項に記載の食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月13日に出願された、米国仮特許出願第62/670,815号、表題「EGG SUBSTITUTE MIXTURE」の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、とりわけ、卵代替組成物および製造方法、ならびに食品の調製におけるその組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
卵は、世界で最も広く消費されている食品の1つである。卵は、タンパク質、ビタミン、鉄分、その他の栄養素の優れた供給源である。その優れた栄養価に加えて、卵はまた広く使用されており、風味豊かで甘いベーキングや料理など、さまざまな料理の用途に欠かせない材料の1つである。卵は、発酵、増粘、つなぎ、凝固、乳化、加湿などの幅広い料理特性を提供するので、料理に役立つ。
【0004】
天然卵の望ましい栄養的および料理的特徴を代用する卵代替物を作成するために多くの試みがなされてきた。いくつかの例は、ベーキングにおいて卵を代用するためのマッシュバナナおよび/またはアップルソース、発酵を提供するためのベーキングパウダー/重層の混合物、つなぎおよび発酵を提供するための穀粉/水の混合物がある。そのような代替物の欠点は、それらが調理において卵の1つの特性しか提供しないことである。
【0005】
一部の代用卵は市販されているが、そのすべての料理的および栄養的特徴において全卵を代用することができる優れた卵の代用が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
一態様によれば、25%〜80%(w/w)のタンパク質、5%〜50%(w/w)のFabaceae粉、および5%〜60%(w/w)の多糖を含む組成物が提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、組成物は、1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、組成物は、1%〜20%(w/w)の繊維を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、タンパク質および多糖は、1:0.1〜1:1のw/w比である。
【0010】
いくつかの実施形態では、多糖は、寒天、メチルセルロース、カラゲナン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0011】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、植物タンパク質、植物性タンパク質、マメ科植物タンパク質、種子タンパク質、穀物タンパク質、塊茎タンパク質、根タンパク質、果実タンパク質、麻タンパク質、ナッツタンパク質、藻類タンパク質、海藻タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0012】
いくつかの実施形態では、(a)25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、またはそれらの両方、(b)5%〜50%(w/w)の豆類粉;(c)10%〜60%(w/w)のカラゲナン、メチルセルロース、またはそれらの両方、(d)1%〜20%(w/w)の繊維、および(e)1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む組成物が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態では、組成物は、1%〜20%(w/w)のリョクトウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、豆類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、組成物は、0.1%〜5%(w/w)の塩を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物は、安定剤、増粘剤、乳化剤、食品着色剤、香味料、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、安定剤、増粘剤、乳化剤、食品着色剤、香味料またはそれらの任意の組み合わせは、全組成物の多くとも15%(w/w)の量である。
【0017】
いくつかの実施形態では、組成物は液体形態または乾燥粉末形態である。
【0018】
いくつかの実施形態では、液体は、水、油、またはそれらの両方を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物および混合説明書を含むキットが提供される。
【0020】
いくつかの実施形態では、説明書は、組成物を液体と混合して、混合物を得ること、この混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それにより食品またはレシピで卵の代わりにすることの説明を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、食品またはレシピで卵の代わりにするために、(a)本明細書に記載の組成物を液体と混合し、混合物を得るステップ、(b)この混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それによって食品またはレシピで卵の代わりにするステップを含む方法が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物を、食品の調製に必要とされる卵黄、卵白、または全卵の代わりにすることを含む、卵食品を調製するための方法が提供される。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物を含む食品が提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも80%の食感、色、および風味を有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、食品は、卵またはそのいずれの部分もない。
【0026】
いくつかの実施形態では、食品はビーガンである。
【0027】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または同等の方法および材料を本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に説明する。矛盾する場合は、定義を含む特許明細書が優先される。さらに、材料、方法、および例は、単なる例示であり、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0028】
本発明のさらなる実施形態および適用可能性の全範囲は、以下の詳細な説明から明らかになろう。しかし、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から当業者には明らかになるので、詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示としてのみ与えられると理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかの実施形態によれば、本発明は、25%〜80%(w/w)のタンパク質、5%〜50%(w/w)Fabaceae粉、および5%〜60%(w/w)の多糖を含む組成物を提供する。
【0030】
いくつかの実施形態では、組成物は、10%〜80%(w/w)のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質を28%〜80%(w/w)、30%〜80%(w/w)、40%〜80%(w/w)、50%〜80%(w/w)、20%〜50%(w/w)、30%〜60%(w/w)、20%〜70%(w/w)、25%〜70%(w/w)、または28%〜70%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質を少なくとも20%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、または少なくとも80%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、組成物は、Fabaceae粉を5%〜50%(w/w)、10%〜50%(w/w)、20%〜50%(w/w)、30%〜50%(w/w)、5%〜20%(w/w)、5%〜30%(w/w)、または10%〜30%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、組成物は、Fabaceae粉を少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、または少なくとも30%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、組成物は、多糖を5%〜60%(w/w)含む。いくつかの実施形態では、組成物は、多糖を10%〜60%(w/w)、20%〜60%(w/w)、30%〜60%(w/w)、40%〜60%(w/w)、10%〜30%(w/w)、10%〜40%(w/w)、20%〜40%(w/w)、5%〜30%(w/w)、5%〜25%(w/w)、5%〜20%(w/w)、5%〜18%(w/w)、または5%〜15%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、組成物は、多糖を少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、または少なくとも60%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、組成物は、酵母抽出物を1%〜20%(w/w)、1%〜10%(w/w)、5%〜10%(w/w)、1%〜15%(w/w)、5%〜15%(w/w)、または5%〜20%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、組成物は、酵母抽出物を少なくとも1%(w/w)、少なくとも2%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも4%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも6%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも9%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、または少なくとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、組成物は、繊維を1%〜20%(w/w)、1%〜10%(w/w)、5%〜10%(w/w)、1%〜15%(w/w)、5%〜15%(w/w)、または5%〜20%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、組成物は、繊維を少なくとも1%(w/w)、少なくとも2%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも4%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも6%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも9%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、または少なくとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質および多糖を1:0.1〜1:1のw/w比で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質および多糖を1:0.5〜1:9のw/w比で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質および多糖を1:0.2〜1:1のw/w比で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、タンパク質および多糖を1:0.3〜1:1のw/w比で含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、組成物は、塩を0.1%〜5%(w/w)さらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、塩を0.1%〜1%(w/w)、0.1%〜0.2%(w/w)、0.1%〜0.3%(w/w)、0.1%〜0.5%(w/w)、0.1%〜0.7%(w/w)、0.1%〜2%(w/w)、0.1%〜3%(w/w)、0.1%〜4%(w/w)、1%〜2%(w/w)、1%〜3%(w/w)、1%〜4%(w/w)、または1%〜5%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、組成物は、25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質、5%〜50%(w/w)の豆類粉、10%〜60%(w/w)のカラゲナン、メチルセルロース、またはそれらの両方、1%〜20%(w/w)の繊維、および1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、組成物は、25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、またはそれらの両方、5%〜50%(w/w)の豆類粉、10%〜60%(w/w)のカラゲナン、メチルセルロースまたはそれらの両方、1%〜20%(w/w)の繊維、および1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、組成物は、1%〜20%(w/w)のリョクトウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、豆類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、組成物は、25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質およびジャガイモタンパク質、5%〜50%(w/w)の豆類粉、10%〜60%(w/w)のカラゲナンおよびメチルセルロース、1%〜20%(w/w)のセルロース繊維およびイヌリン繊維、ならびに1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、組成物は、25%〜80%(w/w)のダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、リョクトウタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、豆類タンパク質、またはそれらの任意の組み合わせ、10%〜60%(w/w)のカラゲナンおよび寒天、1%〜20%(w/w)のセルロース繊維およびイヌリン繊維、5%〜50%(w/w)の豆類粉、ならびに1%〜20%(w/w)の酵母抽出物を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、組成物は、ダイズタンパク質を少なくとも10%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、または少なくとも70%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ダイズタンパク質を多くとも85%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、組成物は、ジャガイモタンパク質を少なくとも0.5%(w/w)、少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、または少なくとも70%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ジャガイモタンパク質を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、組成物は、リョクトウタンパク質を少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、または少なくとも70%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、リョクトウタンパク質を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、組成物は、ヒヨコマメタンパク質を少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、または少なくとも70%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ヒヨコマメタンパク質を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、組成物は、豆類タンパク質を少なくとも0.5%(w/w)、少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、または少なくとも70%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、豆類タンパク質を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、組成物は、豆類粉を少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも25%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも35%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、豆類粉を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナン、メチルセルロース、またはそれらの両方を少なくとも10%(w/w)含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナン、メチルセルロースもしくはそれらの両方を少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、または少なくとも50%(w/w)含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナン、メチルセルロース、またはそれらの両方を多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、この間の任意の値で含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナンを少なくとも10%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、または少なくとも50%(w/w)、その間の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナンを多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の値で含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、組成物は、メチルセルロースを少なくとも10%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、または少なくとも50%(w/w)含む。いくつかの実施形態では、組成物は、メチルセルロースを多くとも80%(w/w)、多くとも70%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の任意の値で含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、組成物は、寒天を少なくとも5%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、または少なくとも50%(w/w)、その間の任意の値で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、寒天を多くとも70%(w/w)、多くとも65%(w/w)、多くとも60%(w/w)、多くとも50%(w/w)、多くとも40%(w/w)、多くとも30%(w/w)、多くとも25%(w/w)、または多くとも20%(w/w)、その間の値で含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は粉末形態である。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、約12ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、3〜36ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、3〜24ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、3〜18ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、6〜24ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、6〜18ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、3〜12ヶ月の自己寿命を有する。いくつかの実施形態では、粉末形態で本明細書に記載の組成物は、6〜18ヶ月の自己寿命を有する。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は液体形態である。いくつかの実施形態では、液体形態で本明細書に記載の組成物は、低温殺菌される。いくつかの実施形態では、液体形態で本明細書に記載の組成物は冷蔵で保持される。いくつかの実施形態では、液体形態の本明細書に記載の組成物は凍結状態で保持される。いくつかの実施形態では、凍結状態で保持された液体形態の本明細書に記載の組成物は、約12ヶ月の自己寿命を有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、液体を含む。いくつかの実施形態では、液体は水性である。いくつかの実施形態では、液体は、水、油、またはそれらの両方を含む。いくつかの実施形態では、液体組成物は、10,000cP〜300cP、8,000cP〜300cP、7,000cP〜300cP、6,900cP〜300cP、6,850cP〜300cP、6,000cP〜300cP、7,000cP〜400cP、7,000cP〜500cP、9,900cP〜500cP、または7,850cP〜500cP、この間の任意の範囲で粘度を有することによって特徴づけられる。
【0060】
いくつかの実施形態では、液体油、水溶液、水、またはそれらの両方を含まない組成物と、液体油、水溶液、水、またはそれらの両方との間の比率は、1:15〜1:5、1:14〜1:5、1:13〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:6、1:12〜1:7、または1:12〜1:8、その間の任意の範囲である。
【0061】
いくつかの実施形態では、粉末組成物と油、水溶液、水、またはそれらの両方との間の比率は、1:15〜1:5、1:14〜1:5、1:13〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:6、1:12〜1:7、または1:12〜1:8、その間の任意の範囲である。
【0062】
いくつかの実施形態では、油は植物性ベースの油である。本発明に従って使用できる植物性油の例としては、ダイズ油、サフラワー油、アマニ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、オリーブ油、カノーラ油、ゴマ油、綿実油、パーム油、ナタネ油、キリ油、またはこれらの油の任意の混合が挙げられるが、これらに限定されないあるいは、部分水素添加植物性油または遺伝子組換え植物性油を使用することができる。部分水素添加植物性油または遺伝子組換え植物性油の例としては、高オレイン酸サフラワー油、高オレイン酸ダイズ油、高オレイン酸ピーナッツ油、高オレイン酸ヒマワリ油、および高エルカ酸ナタネ油(クランベ油)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
タンパク質
いくつかの実施形態では、タンパク質は植物タンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質源は植物ベースである。いくつかの実施形態では、タンパク質は、植物性タンパク質、マメ科植物タンパク質、種子タンパク質、穀粒タンパク質、塊茎タンパク質、根タンパク質、果実タンパク質、麻タンパク質、ナッツタンパク質、藻類タンパク質、および/または海藻タンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ダイズタンパク質、ジャガイモタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、豆類タンパク質、リョクトウタンパク質、およびそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質はダイズタンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質はジャガイモタンパク質である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ダイズタンパク質およびジャガイモタンパク質である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、高タンパク質含有量を含む組成物である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ダイズタンパク質、リョクトウタンパク質、ジャガイモタンパク質、ヒヨコマメタンパク質、および豆類タンパク質である。いくつかの実施形態では、ダイズタンパク質およびリョクトウタンパク質は、組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、ダイズタンパク質またはリョクトウタンパク質のいずれかが使用される。いくつかの実施形態では、ヒヨコマメタンパク質および豆類タンパク質は、組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、ヒヨコマメタンパク質または豆類タンパク質のいずれかが使用される。いくつかの実施形態では、ダイズタンパク質/リョクトウタンパク質:ヒヨコマメタンパク質/豆類タンパク質:ジャガイモタンパク質の比率は、20:3:0.9〜60:6:2、25:3:2〜55:6:0:2、30:5:1〜50:5:1.5、30:5:1.0〜25.5:4:1.5、34:5:1〜60:6:2、50:5:1.5〜60:6:2、または25.5:4:1.5〜60:6:2、その間の任意の範囲を含む比率である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、少なくとも1.5%のヒヨコマメタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、少なくとも1.5%のヒヨコマメタンパク質、およびジャガイモタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、少なくとも1.5%のヒヨコマメタンパク質、ジャガイモタンパク質、および豆類タンパク質を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ヒヨコマメタンパク質、ジャガイモタンパク質、および豆類タンパク質を5:1:0〜5:1.5:1の比率で含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、ヒヨコマメタンパク質、ジャガイモタンパク質、および豆類タンパク質を5:1:0、5:1:1、または5:1.5:1の比率で含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、1種または複数種の植物タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態では、1種または複数種の植物タンパク質としては、豆類タンパク質、分離物、および/または濃縮物;ガルバンゾ(ヒヨコマメ)タンパク質、分離物、および/または濃縮物;ソラマメタンパク質、分離物、および/または濃縮物;ダイズタンパク質、分離物、および/または濃縮物;米タンパク質、分離物、および/または濃縮物;ジャガイモタンパク質、分離物、および/または濃縮物;麻タンパク質、分離物、および/または濃縮物;またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、豆類タンパク質は、グリーンピース、イエローピース、またはそれらの組み合わせに由来し得る。本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、直鎖状に並んだアミノ酸からなる有機化合物を指す。
【0064】
穀粉
いくつかの実施形態では、組成物は、Fabaceae粉を含む。いくつかの実施形態では、穀粉はFabaceae粉である。いくつかの実施形態では、Fabaceae粉は豆類粉である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、豆類粉を5%〜30%(w/w)、8%〜30%(w/w)、10%〜30%(w/w)、12%〜30%(w/w)、15%〜30%(w/w)、5%〜25%(w/w)、5%〜20%(w/w)、8%〜25%(w/w)、10%〜25%(w/w)、または10%〜20%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。いくつかの実施形態では、穀粉は、豆、豆類、レンズマメ、ピーナッツ、ケツルアズキ、またはLeguminosae(Fabaceae)科の任意のメンバーに由来する。いくつかの実施形態では、穀粉は、穀物、種子、根、または他の供給源から粉砕された粉末である。本明細書で使用される場合、「Fabaceae」または「Leguminosae」という用語は、一般にマメ科、豆類科または豆科として知られている植物科を指す。本明細書で使用される場合、「豆類」という用語は、ヒヨコマメを含むすべての豆類を指す。
【0065】
多糖
いくつかの実施形態によれば、本発明は、多糖を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、多糖は、安定剤として作用する。いくつかの実施形態では、多糖は、カラゲナン、メチルセルロース、寒天、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナン、メチルセルロース、寒天、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、寒天を1%〜30%(w/w)、2%〜30%(w/w)、1%〜20%(w/w)、1%〜15%(w/w)、3%〜15%(w/w)、または5%〜15%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、カラゲナンを1%〜30%(w/w)、2%〜30%(w/w)、1%〜20%(w/w)、1%〜15%(w/w)、3%〜15%(w/w)、または5%〜15%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、寒天およびカラゲナンを1%〜30%(w/w)、2%〜30%(w/w)、1%〜20%(w/w)、1%〜15%(w/w)、3%〜15%(w/w)、または5%〜15%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、メチルセルロースを3%〜10%(w/w)、3.5%〜9%(w/w)、4%〜8%(w/w)、4.5%〜8%(w/w)、または4.5%〜7.5%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。いくつかの実施形態では、組成物は、5%〜15%(w/w)の寒天、カラゲナン、またはそれらの両方、および4.5%〜7.5%(w/w)のメチルセルロースを含む。いくつかの実施形態では、寒天とメチルセルロースとの間の比率は、7:1〜1.5:1、5:1〜1.5:1、4:1〜1.5:1、3:1〜1.5:1、その間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、カラゲナンとメチルセルロースとの間の比は、7:1〜1.5:1、5:1〜1.5:1、4:1〜1.5:1、3:1〜1.5:1、その間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、寒天とカラゲナンおよびメチルセルロースの間の比率は、7:1〜1.5:1、5:1〜1.5:1、4:1〜1.5:1、3:1〜1.5:1、その間の任意の範囲である。本明細書で使用される場合、「カラゲナン」という用語は、通常、紅藻から抽出される直鎖状の硫酸化多糖のファミリーを指す。すべてのカラゲナンは、硫酸化および非硫酸化の両方で、ガラクトース単位と3,6アンヒドロガラクトースの繰り返しで構成される高分子量の硫酸化多糖である。単位は、α1−3およびβ1−4のグリコシド結合を交互に繰り返すことによって結合される。さまざまな種類のカラゲナンが存在する。それらの構造は、3,6アンヒドロガラクトースおよび硫酸エステルの含有量が異なる。主な種類はκ、λ、ιである。κ−カラゲナン、ι−カラゲナン、λ−カラゲナンの特性に影響を与える主な違いは、繰り返しガラクトース単位上の硫酸エステル基の数と位置である。本明細書で使用される場合、「多糖」とは、グリコシド結合によってつながっている複数の単糖を含む化合物を指す。
【0066】
繊維
いくつかの実施形態では、繊維は食物繊維である。いくつかの実施形態では、繊維は、セルロース、イヌリン、またはそれらの両方を含む。いくつかの実施形態では、食物繊維はセルロースである。いくつかの実施形態では、食物繊維はイヌリンである。いくつかの実施形態では、食物繊維はセルロースおよびイヌリンである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、5%〜15%(w/w)の繊維を含む。いくつかの実施形態では、繊維は、ふすま、例えば、小麦ふすま、オートムギふすま、トウモロコシふすま、米ぬか、または他のふすまである。いくつかの実施形態では、ふすまを微粒子化して微粉末にすることができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、多糖の形態の非デンプン炭水化物を指す。繊維は水に溶けることも、水に溶けないこともあり得る。多くの微細藻類は、通常は細胞壁に存在する可溶性繊維および不溶性繊維の両方を生成する。本明細書で使用される場合、「食物繊維」という用語は、微細藻類を含む、植物および他の細胞壁含有生物中に見られる非デンプン炭水化物を指す。食物繊維は、可溶性(水に溶解)または不溶性(水に溶解できない)であり得る。可溶性繊維および不溶性繊維が全食物繊維を構成する。
【0068】
pH
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約5〜9の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約5.5〜8.5の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約6〜8の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約6.5〜7.5の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約7.5〜8.5の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約6のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約6.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約7のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約7.5のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約8のpHを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、約8.5のpHを有する。
【0069】
着色剤
いくつかの実施形態では、組成物は、1種または複数種の着色剤を含む。様々な天然または人工の着色剤が当業者に知られており、例えば、ベータカロチン、ターメリック、アナトー、マンゴーイエロー、またはパームベースの油などのカロテノイドを含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、ベータカロチンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.1%〜20%(w/w)、0.5%〜15%(w/w)、0.3%〜15%(w/w)、0.4%〜15%(w/w)、0.5%〜15%(w/w)、0.4%〜10%(w/w)、0.5%〜5%(w/w)、または0.4%〜2%(w/w)の着色剤を含む。
【0070】
香味料
いくつかの実施形態では、組成物は、1種または複数種の香味料を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、酵母、シュガー、塩、およびそれらの任意の組み合わせを含む。種々の天然または人工の香味料が当業者に知られており、例えば、塩、香辛料、シュガー、甘味料、グルタミン酸一ナトリウム、黒塩などの硫酸香料、または他の香味料を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、0.1%〜20%(w/w)の香味料を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、0.5%〜15%(w/w)の香味料を含む。
【0071】
他の薬剤
いくつかの実施形態では、組成物は乳化剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、乳化剤はレシチンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、乳化剤を0.1%〜5%(w/w)、0.2%〜5%(w/w)、0.3%〜5%(w/w)、0.4%〜5%(w/w)、0.5%〜5%(w/w)、0.5%〜4%(w/w)、または0.5%〜3%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、組成物は増粘剤を含む。いくつかの実施形態では、増粘剤は、ジェランガムを含む。本明細書で使用される場合、「ジェランガム」とは、適切な栄養培地中での微生物Pseudomonas elodeaの好気性発酵によって得られる細胞外多糖を指す。ジェランガムは、天然のもの、脱アセチル化したもの、脱アセチル化し清澄化したもの、部分的脱アセチル化したもの、および部分的脱アセチル化し清澄化したものなどの種々の形態を指す。
【0073】
いくつかの実施形態では、組成物は、油を0.5%〜15%(w/w)、1%〜15%(w/w)、0.5%〜12%(w/w)、0.5%〜10%(w/w)、または1%〜10%(w/w)、その間の任意の範囲で含む。
【0074】
食品
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の組成物を含む食品を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の組成物を使用して調製された食品を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物で調製された食品は、卵で調製された同等の食品と見分けがつかない。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物で調製された食品は、卵を使用して調製された食品の特徴および官能特性の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも80%の食感、色、および風味を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも85%の食感、色、および風味を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも90%の食感、色、および風味を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の匂いプロファイルの少なくとも60%を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の匂いプロファイルの少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも60%の粘稠度を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の粘稠度の少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を有する。いくつかの実施形態では、食品は、卵を使用して調製された同等の製品の少なくとも95%の食感、色、および風味を有する。
【0076】
いくつかの実施形態では、食品は、卵またはそのいずれの部分もない。
【0077】
本明細書で使用される場合、例えば、「卵のない製品」組成物を説明するときに使用される「卵」という用語は、動物性製品(すなわち、ニワトリ、ウズラ、またはアヒルなどの鳥または家禽によって産卵された卵)または動物性製品の任意の構成成分を指す。「卵またはそのいずれかの部分」という用語は、全卵、卵黄、もしくは卵白またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の食用卵またはその一部を指す。
【0078】
いくつかの実施形態では、食品はビーガンである。
【0079】
本明細書で使用される場合、「ビーガン」という用語は、構成成分の特性を指し、構成成分が動物または動物性製品から供給されない、または由来しないことを示す。そのようなものとして、「ビーガン」である構成成分には、動物性製品または動物性副産物が含まれていない。動物性の製品または副産物を構成するものは、この分野において、および菜食またはビーガン食に従う人々に周知である。特に、「動物性製品」という用語は、任意の動物の部分、動物の副産物、または動物によって生産された製品を指す。「動物性製品」と見なされる材料のいくつかの例としては、消費可能である、または通常は人間による消費のために調製されている動物の部分(例えば、脂肪、肉、血液などを含む)が挙げられる。動物によって生産された製品は、本明細書で使用される「動物性製品」とも見なされ、動物を屠殺せずに動物によって生産された製品(例えば、乳、卵、蜂蜜など)を指す。「動物性副産物」は、通常はそれ自体では消費できない製品であるが、消費するために動物を屠殺した副産物、例えば、骨や胴体などである。しかし、動物性副産物は人間の消費可能な食料品に加工されることが多く、そのいくつかのよく知られた例としては、ゼラチン、カゼイン、ホエイ、レンネットなどが挙げられる。本明細書で使用される場合、これらの加工された動物性副産物(例えば、ゼラチン、カゼイン、ホエイ、レンネットなど)は、「動物性副産物」という用語に包含される。本明細書に記載のように、「ビーガン」および「植物ベース」の構成成分または成分は、そのような動物性の製品および副産物を実質的に含まない(またはいくつかの実施形態では完全に含まない)。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物および食品は、ビーガン食および/または菜食に適している。例えば、組成物がビーガン食に適している実施形態では、組成物が動物性製品、動物性副産物を実質的に含まない、またはこれらの動物源に由来する構成成分を実質的に含まないように、組成物は主に植物ベースの成分を含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、組成物は、エマルション(例えば、マヨネーズおよび同様のエマルション)中の、またはベーキングミックス中の卵の代替物として使用することができる。さらに、組成物は、スクランブルエッグ、オムレツ、フリッタータなどの従来の用途において生卵の代わりに使用することができる。いくつかの実施形態では、食品は焼成食品である。いくつかの実施形態では、食品は、クッキー、マフィン、カップケーキ、ブラウニー、ケーキ、カスタード、パンケーキ、パン、ワッフル、ペストリー、パイ、タルト、スコーン、プレッツェル、クラッカースクランブル、オムレツ、キッシュ、パスタ、ソース、ドレッシングなどの焼成商品であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、食品中の全卵、卵黄、および/または卵白の代用として使用される。本明細書に記載の組成物は、卵(すなわち、動物性製品)を模倣する料理特性を含む。具体的には、本発明の実施形態による卵代替物は、天然卵(すなわち、動物性製品)の発酵、つなぎ、加湿および増粘の特性を模倣する。
【0082】
キット
いくつかの実施形態によれば、本発明は、本明細書に記載の組成物を含むキットを提供する。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、キットは、本明細書に記載の組成物を液体と混合して、混合物を得ること、混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それによって食品またはレシピで卵の代わりにすることによって、利用される。
【0084】
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の組成物を液体と混合して、混合物を得ること、混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それによって食品またはレシピで卵の代わりにすることの説明書を含む。
【0085】
いくつかの実施形態では、主題のキットの本明細書に記載の組成物は、容器にパッケージされている。
【0086】
いくつかの実施形態では、容器は、薄壁フィルムまたはプラスチック(透明または不透明)、板紙ベース、箔、硬質プラスチック、金属(例えば、アルミニウム)、ガラスなどからなる群から選択される材料でできている。
【0087】
いくつかの実施形態では、キットの内容物は、以下に説明するように、必要になるまで構成成分を保存できるようにパッケージされている。
【0088】
いくつかの実施形態では、キットのいくつかまたはすべての構成成分は、無菌状態を維持するために適切にパッケージされていてよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、主題のキットのうち本明細書に記載の組成物は、例えば、箱または類似の構造などの主キット格納要素内の別個の容器に保存され、例えば、キットのいくつかのまたはすべての構成成分の無菌状態をさらに維持するように密閉容器であってもよく、なくてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、キットで提供される本明細書に記載の組成物の適量は、単一の適用または複数の適用に十分であり得る。
【0091】
それらの実施形態では、キットは、単一の容器、例えば、単一の箱、チューブ、ボトル、バイアルなどにパッケージされた本明細書に記載の組成物の複数の適量を有し得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、キットは、特定のキットが本明細書に記載の組成物の2つ以上の容器を有し得るように、個別にパッケージされた本明細書に記載の組成物の複数の適量を有し得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物の複数の適量は、単一の別個の容器にパッケージされてよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、キットは、使用される組成物を調製するための説明書、および本発明の方法を実施する方法についての説明書を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、キットは、計量スプーンまたは計量カップなどの計量器具をさらに含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、説明書は、適切な記録媒体または被印刷物に記録され得る。例えば、説明書は、紙またはプラスチックなどの被印刷物に印刷され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、説明書は、添付文書としてキット内に、キットの容器またはその構成成分のラベリング(すなわち、パッケージングまたはサブパッケージングに付随する)内などに存在し得る。他の実施形態では、説明書は、CD−ROM、ディスケットなどの適切なコンピュータ可読記憶媒体上に存在する電子記憶装置データファイルとして存在する。他の実施形態では、実際の説明書はキット内に存在しないが、遠隔ソースから、例えばインターネットを介して、説明書を取得するための手段が提供される。この実施形態の一例は、説明書を表示することができる、および/または説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。説明書と同様に、説明書を取得するためのこの手段は、適切な被印刷媒体に記録されている。
【0098】
方法
いくつかの実施形態では、本発明は、食品の調製に必要な卵黄、卵白、全卵またはそれらの任意の組み合わせの代わりに、本明細書に記載の組成物を用いることを含む、食品を調製するための方法を提供する。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明は、食品の調製に必要な卵黄の代わりに本明細書に記載の組成物を用いることを含む、食品を調製するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、食品の調製に必要な卵白の代わりに本明細書に記載の組成物を用いることを含む、食品を調製するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、食品の調製に必要な全卵の代わりに本明細書に記載の組成物を用いることを含む、食品を調製するための方法を提供する。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明は、食品の調製に必要な卵黄の代わりに本明細書に記載の液体組成物を用いることを含む、卵食品を調製するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、食品を調製するために必要な体積の卵の量の代わりに、本明細書に記載と同じ体積の液体組成物を用いる。
【0101】
本明細書で使用される場合、「卵食品」という用語は、その調製のために卵を必要とし得る任意の食品、および卵を含み得る任意の食品を指す。食品の非限定的な例としては、エマルション(例えば、マヨネーズおよび同様のエマルション)、スクランブルエッグ、オムレツ、フリッタータ、クッキー、マフィン、カップケーキ、ブラウニー、ケーキ、カスタード、パンケーキ、パン、ワッフル、ペストリー、パイ、タルト、スコーン、プレッツェル、クラッカー、キッシュ、パスタ、ソース、ドレッシングが挙げられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明は、食品またはレシピにおいて代替卵を調製するための方法を提供し、該方法は、(a)本明細書に記載の組成物を液体と混合して、混合物を得るステップと、(b)この混合物を、いくらかの量の卵黄、卵白、または全卵を必要とする食品、レシピの調製に適用し、それによって食品またはレシピで卵の代わりにするステップとを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、組成物と液体との混合は、1:15〜1:5、1:14〜1:5、1:13〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:5、1:12〜1:6、1:12〜1:7、または1:12〜1:8、この間の任意の範囲である。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから1日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから2日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから3日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから4日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから5日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから6日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷蔵保存されてから7日後に使用することができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから1日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから2日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから3日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから4日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから5日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから6日後に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから7日後に使用することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の液体組成物は、冷凍保存されてから20日後、1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後、5ヶ月後、7ヶ月後、8ヶ月後または12ヶ月後、その間の任意の値後に使用できる。
【0107】
いくつかの実施形態では、液体は水である。いくつかの実施形態では、液体は、水、油、またはそれらの両方である。いくつかの実施形態では、油は、本明細書に記載の植物性ベースの油である。
【0108】
いくつかの実施形態では、液体は、任意の植物ベースの液体である。いくつかの実施形態では、液体は、人間の消費に適した任意の液体である。いくつかの実施形態では、液体は、豆乳、アーモンドミルク、ココナッツミルク、ライスミルク、ジュース、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0109】
本明細書で使用される場合、「植物ベース」という用語は、構成成分のビーガン特性を指し、構成成分が動物または動物性製品から供給されない、または由来しないことを示す。
【0110】
本明細書で使用される場合、「卵」という用語は、動物性製品(すなわち、ニワトリ、ウズラ、またはアヒルなどの鳥または家禽によって産卵された卵)または動物性製品の任意の構成成分を指す。
【0111】
本明細書で使用される場合、「卵代替物」、「卵代替組成物」などの用語は、動物性製品を含まないが、種々の用途において動物性製品(またはその任意の構成成分)を模擬する、動物性製品を代用する、または動物性製品の代わりにするために使用できる組成物を指す。
【0112】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の卵代替組成物は、卵(すなわち、動物性製品)の料理特性を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の卵代替組成物は、天然卵(すなわち、動物性製品)の発酵、つなぎ、加湿および増粘の特性に適合する。
【0113】
一般的用語
本明細書で使用する場合、「約」という用語は、±10%を指す。
【0114】
「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語およびこれらの同根語は、「含むが、限定されない」ことを意味する。
【0115】
「からなる」という用語は、「含みかつ限定される」ことを意味する。
【0116】
「から本質的になる」という用語は、組成、方法、または構造が追加の成分、ステップ、および/または部分を含むことができるが、追加の成分、ステップ、および/または部分が請求した組成、方法または構造の基本的かつ新規の特徴を実質的に変えない場合にのみであることを意味する。
【0117】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、事例、または例示として役立つ」ことを意味するために使用される。「例示的」として説明されるいかなる実施形態も、他の実施形態よりも好ましいかもしくは有利であると必ずしも解釈されるべきではなく、および/または他の実施形態からの特色の組み込みを必ずしも除外するものではない。
【0118】
「任意選択的に」という単語は、本明細書では、「いくつかの実施形態では提供され、かつ他の実施形態では提供されない」ことを意味するために使用される。本発明のいかなる特定の実施形態も、このような特色が矛盾しない限り、複数の「任意選択の」特色を含み得る。
【0119】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「1つの化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、これらの混合物を含む、複数の化合物を含み得る。
【0120】
本願全体を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜性および簡潔性のためであり、本発明の範囲に関する確固たる限定として解釈するべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1〜6などの範囲の説明は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6などの部分範囲、ならびに、その範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示していると考えるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0121】
本明細書で数値範囲が示される場合は常に、表示範囲内の任意の引用数字(分数または整数)を含むことを意味している。第1の表示数〜第2の表示数の「間の範囲にある/範囲」および第1の表示数「〜」第2の表示数の「範囲にある/範囲」という表現は、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の表示数ならびにそれらの間のすべての分数と整数の数字を含むことを意味する。
【0122】
本明細書で使用する場合、「方法」という用語は、化学分野、薬理学分野、生物学分野、生化学分野および医学分野の実務者に既知であるかまたは実務者によって既知の様式、手段、技術および手順から容易に開発されるかのいずれかである様式、手段、技術および手順を含むがこれらに限定されない、所与の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を指す。
【0123】
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は、状態の進行を抑制する、実質的に阻害する、遅くする、もしくは後退させる、状態の臨床的もしくは審美的症状を実質的に寛解させる、または状態の臨床的もしくは審美的症状の出現を実質的に防止することを含む。
【0124】
明確にするために別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態では組み合わせて提供することもできることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の種々の特色はまた、別々に、または何らかの適切な部分組み合わせで、または本発明の何らかの他の説明された実施形態では適切なものとして提供され得る。様々な実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは効力がない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0125】
本明細書の上記において説明し、以下の特許請求の範囲で請求する本発明の様々な実施形態および態様に関して、以下の実施例において実験的裏付けが認められる。
【実施例】
【0126】
ここで、上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的に例示している以下の実施例を参照する。
【0127】
実施例1
液体混合物の調製説明
粉末を水と混合した後、調製説明に従って、製品を冷凍庫(−18℃)に保管した。解凍後、液体製品は7日間安全に使用できる。
【0128】
調製説明:混合粉末1kgあたり、9リットルの冷水(0〜4℃)を加える。最初に水を、次いで粉末をミキサー(Stephan)に加え、滑らかでクリーミーな食感が得られるまで4〜6分間高速で混合する。
【0129】
シナモンロールレシピでの使用例:必要量の卵を同量の液体代用卵で代用する。
【0130】
マヨネーズでの使用例:必要量の卵を14%の量の液体代用卵で代用する。
【0131】
オムレツでの使用例:卵の体積あたりに使用されるのと同量の液体代用卵をフライパンに注ぐ。
【0132】
実施例2
卵代替組成物
表1は、卵代替混合物の組成物1を示す。
【表1】
【0133】
表2は、卵代替混合物の組成物2を示す。
【表2】
【0134】
表3は、第1世代の卵代替混合物である組成物3を示す。
【表3】
【0135】
表4は、卵代替混合物の高タンパク質調合乳である組成物4を示す。
【表4】
【0136】
表5は、卵代替混合物のメチルセルロースを含まない調合乳である組成物5を示す。
【表5】
【0137】
実施例3
卵代替組成物中の成分の影響
植物ベースの卵代替物の開発における主な技術的課題は、(a)比較的低粘度の流動性流体を得ること、(b)熱安定性があり、フライ時に、崩れない(高温でのつなぎ力と接着力のため)こと、(c)オムレツの外観、風味、および食感をもたらすこと、(d)栄養価が高いことである。
【0138】
卵をやめて独特の組成物を模倣するのは難しいことが立証されている。オボアルブミン、オボトランスフェリン、オボムコイド、オボムシンなどのタンパク質の機能性は、つなぎ、泡形成、ゲル形成、および特定の食感においてほぼ独占的である。さらに、卵はパルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、アラキドン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、EPA、DPA、DHAなどの脂肪酸も豊富である。
【0139】
したがって、全範囲の代替卵を提供する植物ベースの卵代替物の組成は複雑である。
【0140】
タンパク質
タンパク質含有量が比較的高い機能性タンパク質(良好な発泡、つなぎおよびオムレツ食感)を得るには、以下のパラメーターを維持する必要がある。
【0141】
タンパク質含有量が少なくとも30%で、それらの組み合わせ間の比率が次のとおりである:ダイズタンパク質/リョクトウタンパク質:ヒヨコマメタンパク質/豆類タンパク質:ジャガイモタンパク質−34.0:5.0:1.0;50.0:5.0:1.5;または25.5:4.0:1.5。
【0142】
ダイズおよびリョクトウのタンパク質は、それぞれ単独で、または組み合わせて使用できる。
【0143】
ヒヨコマメタンパク質と豆類タンパク質は、それぞれ単独で、または組み合わせて使用できる。
【0144】
調合乳成分の影響
粉末調合乳成分(基本調合乳に対して0%〜150%の範囲内)が卵代替組成物の卵液オムレツ(外観、味、風味、および食感)に及ぼす影響(流動性、広がり性、および反転性)を試験した。タンパク質の量を30%以上に維持した。
【0145】
調合乳中の成分量の増加の作用として得られた以下の主な結果を表6に示す。
【表6-1】

【表6-2】
【0146】
1.少なくとも30%のタンパク質を含む流動性の液体調合乳を得るために:
−安定剤は、粉末の5.0〜15.0%の範囲の濃度の寒天もしくはカラゲナン、それらの1つまたはそれらの組み合わせである必要がある。さらに、メチルセルロースを4.5%〜7.5%の濃度で加える必要があり、したがって、寒天とカラゲナン(またはそれらの1つ)およびメチルセルロースの比率を3:1〜1.5:1にする必要がある。
【0147】
−増粘剤の濃度は多くて2.5%にする必要がある。
【0148】
−水または油と水および卵代替組成物卵粉末の間の希釈比は、12.0:1.0〜7.0:1.0の範囲内にする必要がある。
【0149】
2.フライ時に少なくとも30%のタンパク質を含む高機能調合乳を得るために:
−調合乳には、ヒヨコマメタンパク質、ジャガイモタンパク質、または豆類タンパク質の組み合わせを少なくとも1.5%含む必要があり、それらの間の比率は約5.0:1:0.0、5.0:1.0:1.0、5.0:1.5:1.0の範囲内にする必要がある。
【0150】
−安定剤は、粉末の5.0〜15.0%の範囲の濃度の寒天もしくはカラゲナン、それらの1つまたはそれらの組み合わせである必要がある。さらに、メチルセルロースを4.5%〜7.5%の濃度で加える必要があり、したがって、寒天とカラゲナン(またはそれらの1つ)およびメチルセルロースの比率を3:1〜1.5:1にする必要がある。
【0151】
3.少なくとも30%のタンパク質を含む卵ベースのオムレツと比較して、おいしい植物ベースのオムレツ(外観、味と風味、および食感)を得るために:
−安定剤は、粉末の5.0〜15.0%の範囲の濃度の寒天もしくはカラゲナン、それらの1つまたはそれらの組み合わせである必要がある。さらに、メチルセルロースを4.5%〜7.5%の濃度で加える必要があり、したがって、寒天とカラゲナン(またはそれらの1つ)およびメチルセルロースの比率を3:1〜1.5:1にする必要がある。
【0152】
−増粘剤は、粉末の0.5〜2.5%の範囲の濃度のジェランである必要がある。
【0153】
−繊維含有量(セルロース、イヌリン、またはそれらの組み合わせ)は、粉末の5.0〜15.0%の範囲内である必要がある。
【0154】
−レシチン(0.5%〜3.0%)と油(1.0〜10.0%)を加えて、オムレツの品質を高めることができる。
【0155】
−オムレツのバイトを改善するために、粉末の10.0〜20.0%の範囲の豆類粉。
【0156】
−オムレツの外観、味および匂いのプロファイルを改善するために、乾燥酵母(5.0%〜13.0%、シュガー0.0%〜8.0%、塩3.0%〜6.0%)および風味パウダー(0.5〜5.0%)を加える必要がある。
【0157】
−オムレツの色を改善するために、着色料を植物ベースの卵代替粉末の0.4〜2.0%の濃度で加える必要がある。
【0158】
レオロジーデータ
レオロジーデータを表7に示す。
【表7】
【0159】
実施例4
卵代替物オムレツの食感
以下の試験は、卵で調製されたオムレツと比較して、卵代替混合物−卵植物ベースのオムレツ(基準調合乳)の食感を客観的に示した。
【0160】
試験手順:各卵代替混合物オムレツを、TPA食感アナライザー(AMETEK、モデルTA1、LLOYD)を使用して、次のように三つ組みで分析した:直径3.0cmの3つの試料を各オムレツから切り取り、食感アナライザーに配置した。試料の高さが30%変形に達するまで試料を20mm/秒の速度で1秒間プレスした。次いで、2回目のプレスを実施し、1回目と2回目のバイトを例示する。
【0161】
カラゲナン除去の卵代替混合物−卵植物ベースのオムレツの食感に対する影響を表8および表9に示す。
【表8】
【表9】
【0162】
基準調合乳は、新鮮な卵と比較して近い食感値を示した。
【0163】
カラゲナンをダイズで代用すると、ほとんどの試験パラメーターが示すように、食感が劣化した。
【0164】
実施例5
味覚パネルの結果
異なる卵代替混合調合乳を使用して官能評価およびヘドニック試験を実施した。各味覚セッションで、少なくとも5名の訓練を受けた健康な参加者を割り当てた(年齢範囲:27〜70歳)。
【0165】
各試食の前に、参加者にミネラルウォーターで少なくとも2回うがいするように求めた。
【0166】
参加者に、卵と比較して、次のパラメーター(フライ時の平なべ上での流体の流れ、広がり性、フライ時の反転性、最終オムレツ評価:外観、風味、味、食感)を1〜10で評価するよう求めた。評価では10が最高スコアである。
【0167】
流れ、広がり性、反転性のスコアは、参加者が各Zero−egg調合乳調製のビデオを観た後に評価された。
【0168】
結果:
調合乳:基準調合乳
流体:液化:8.0;広がり性:8.3;反転性:9.5
オムレツ:外観:9.3;食感:7.2;味:7.3;匂い:8.7
【0169】
実施例6
焼成製品における卵代替組成物の適用
表10に示す次のレシピを使用して、チョコレートケーキ、バニラケーキ、マーブルケーキ、メレンゲ、マフィンの調製に成功した。
【表10】
【0170】
味覚試験を実施した。18名の健康な参加者(24〜70歳)に、最初のケーキに関連して、ケーキを味わい、質問者に答えるように求めた。試験は、参加者全員が昼食をとった後、午後に実施した。
【0171】
外観の全般的なスコアは、とても良好である(>9)。全般的な意見および食感は、良好である(>8)(表11)。
【表11】
【0172】
試食者の50%は、ケーキが本来あるべき十分な甘さのように感じた(表12)。
【表12】
【0173】
ほとんどの試食者は、軽やかさが本来あるべき軽やかさであると感じた(表13)。
【表13】
【0174】
ケーキの風味は全体的に典型的であった(表14)。
【表14】
【0175】
ケーキの食感は全体的に典型的であった(表15)。
【表15】
【0176】
ほとんどの試食者は異臭を感じなかったが、わずかにまたは強い後味を感じた(表16)。
【表16】
【0177】
ほとんどの試食者は、週に2回以上の頻度でケーキを消費しない(表17)。
【表17】
【0178】
わずか1名の試食者がビーガンであった(表18)。
【表18】
【0179】
本発明は、その特定の実施形態と併せて説明されてきたが、多くの代替物、改変物、および変形物が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に収まるこのような代替物、改変物、および変形物をすべて包含することが意図されている。
【0180】
本明細書で言及するすべての出版物、特許、および特許出願は、各個々の出版物、特許、または特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個々に示されているのと同程度に、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本出願における参考文献の引用または確認は、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることの承認として解釈されてはならない。節の見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも制限しているものとして解釈されるべきではない。

【国際調査報告】