特表2021-524959(P2021-524959A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-524959車両周辺部を表示するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-524959(P2021-524959A)
(43)【公表日】2021年9月16日
(54)【発明の名称】車両周辺部を表示するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20210820BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20210820BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20210820BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20210820BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20210820BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20210820BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20210820BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20210820BHJP
【FI】
   G06T19/00 A
   G06T1/00 330Z
   G06T7/00 650Z
   G06T7/20 100
   G06T5/50
   H04N7/18 J
   B60R1/00 A
   G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-562169(P2020-562169)
(86)(22)【出願日】2019年5月16日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月5日
(86)【国際出願番号】DE2019200044
(87)【国際公開番号】WO2019223840
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】102018207976.5
(32)【優先日】2018年5月22日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】フリーベ・マルクス
(72)【発明者】
【氏名】スリカント・スクマー
【テーマコード(参考)】
5B050
5B057
5C054
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA11
5B050DA07
5B050EA19
5B050FA02
5B057AA16
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB02
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC03
5B057CE08
5C054FE11
5C054HA30
5H181AA01
5H181CC04
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL08
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA05
5L096DA01
5L096FA67
5L096FA69
5L096HA02
(57)【要約】
本発明は、車両(1)の車両周辺部をその時点における第二の時点(t)において、車両内に表示するための装置(100)、並びに、方法に関する。本方法は、以下のステップを包含する:
−第二時点(t)よりも前の時点(t−1)における車載カメラ(140F,140R,140LL,140LR)の視野領域(141F,141R,141LL,141LR)外に配置されている車両周辺部のブラインド領域(B)の画像合成を包含する第一ブラインド領域画像(I_B[t])を提供するステップ(S1)、
−ブラインド領域(B)の各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])を、第二時点(t)用に推測された新ポジションに配置するステップ(S2)、
−各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])の新ポジションが、第二時点(t)においてもブラインド領域(B)内にあるか否かを割り出すステップ(S3)、及び、
−新ポジションが、ブラインド領域(B)内にあると割り出された場合には、各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])が、車両(1)の動きに関するデータ(v_x,v_y)に基づいて合成(S5A)されることにより、第二時点(t)用の各々の第二ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t])を生成するステップ(S4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップを包含していることを特徴とするその時点における第二時点(t)において、車両(1)内に車両周辺部を表示するための方法:
−第二時点(t)よりも前の時点(t−1)における車載カメラ(140F,140R,140LL,140LR)の視野領域(141F,141R,141LL,141LR)外に配置されている車両周辺部のブラインド領域(B)の画像合成を包含する第一ブラインド領域画像(I_B[t])を提供するステップ(S1)、
−ブラインド領域(B)の各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])を、第二時点(t)用に推測された新ポジションに配置するステップ(S2)、
−各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])の新ポジションが、第二時点(t)においてもブラインド領域(B)内にあるか否かを割り出すステップ(S3)、及び、
新ポジションが、ブラインド領域(B)内にあると割り出された場合には、各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])が、車両(1)の動きに関するデータ(v_x,v_y)に基づいて合成(S5A)されることにより、第二時点(t)用の各々の第二ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t])を生成するステップ(S4)。
【請求項2】
新ポジションが、ブラインド領域(B)外にあると割り出された場合は、各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])が、少なくとも一つの第一時点(t−1)に撮影され、提供されたカメラ画像(I_F[t−1],I_R[t−1],I_LL[t−1],I_LR[t−1])を用いて合成(S5B)されることによって、第二時点(t)用の各々の第二ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t])が、生成される(S4)ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
動きに関するデータ(v_x,v_y)から得られた各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])の移動ベクトル(SP_V)に基づいて、異なる視野領域(141F,141R,141LL,141LR)を有する複数の車載カメラ(140F,140R,140LL,140LR)のうちのいずれの車載カメラからカメラ画像(I_F[t−1],I_R[t−1],I_LL[t−1],I_LR[t−1])が提供されるのかが割り出されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
提供されるに当たって、その視野領域(141F,141R,141LL,141LR)に、移動ベクトル(SP_V)が配置されている各々のカメラ(140F,140R,140LL,140LR)のカメラ画像(I_F[t−1],I_R[t−1],I_LR[t−1],I_RR[t−1])が選択されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
車載カメラ(140F,140R,140LL,140LR)毎に、それぞれ正に一枚のカメラ画像(I_F[t−1],I_R[t−1],I_LR[t−1],I_RR[t−1])のみが、提供するために維持されることを特徴とする請求項3或いは4に記載の方法。
【請求項6】
第一時点(t−1)の正に一枚のブラインド領域画像(IB_SP[t−1])のみを提供するために維持することを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
各々の第二ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t])から第二時点(t)用に生成された第二ブラインド領域画像(IB_SP[t])と第二時点(t)の少なくとも一枚のその時点のカメラ画像(I_F[t],I_R[t],I_LL[t],I_LR[t])が、車両(1)内における表示のために組み合わされることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
イニシャルスタート時は、視野領域(141F,141R,141LL,141LR)内の車両周辺部の表示画像(I)が、ブラインド領域(B)が、フェードアウトされる程度にずらされることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
ブラインド領域(B)が、車両(1)が、その上を走行したグランド・レベルに配置されていることを特徴とする先行請求項のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
以下を包含していることを特徴とするその時点における第二時点(t)において、車両(1)内に車両周辺部を表示するための装置(100):
−車両周辺部のそれぞれの視野領域(141F,141R,141LL,141LR)を捕捉するための、少なくとも一台の車載カメラ(140F,140R,140LL,140LR)、
−第二時点(t)以前の第一時点(t−1)における視野領域(141F,141R,141LL,141LR)外に配置されている車両周辺部のブラインド領域(B)の画像合成である正に一枚のブラインド領域画像(I_B[t−1])のみが維持されている保存手段(130)、並びに、
−以下を実施できるように構成されたデータ処理手段(120):
i)ブラインド領域(B)の各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])を、第二時点(t)用に推測された新ポジションに配置すること、
ii)各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])の新ポジションが、第二時点(t)においてもブラインド領域(B)内にあるか否かを割り出すこと、
iii)新ポジションが、ブラインド領域(B)内にあると割り出された場合には、各々の第一ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t−1])が、車両(1)の動きに関するデータ(v_x,v_y)に基づいて合成(S5)されることにより、第二時点(t)用の各々の第二ブラインド領域ピクセル(IB_SP[t])を生成すること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、該車両周辺部をその時点において、車両内に表示するための方法ならびに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両は、車両内にいる車両に乗っている人のために車両周辺部をディスプレーなどの表示手段に表示するないし再生するドライバーアシストシステムを有していることができる。この様なドライバーアシストシステムは、サラウンドビュー・システムとも呼ばれ、通常、該車両に取付けられ、様々な視野領域、乃至、視角を持ち得る一代乃至複数台の車載カメラを有している。
【0003】
複数の視野領域が、異なる車載カメラによって捕捉されるにもかかわらず、あらゆる視野領域の外側にあり、カメラが像内に含まれない少なくとも一つの死角、即ち、ブラインド領域が残存する。この様なブラインド領域の例としては、車両がその観察している正にその時点に通過し、覆われているグランド・レベルが挙げられる。なぜなら通常は、様々な車載カメラは、例えば、車両前方や後方、車両側方に配置され、そこから遠ざかる方向を向いているため、グランド・レベルは、車両自体乃至そのボディによって覆われている。よって、この領域は、表示において欠けており、例えば、プレースホルダが、そこに置かれている。このプレースホルダは、見た目が優れないのみならず、車両同乗者にとって紛らわしい場合もあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって本発明の課題は、車両内における車両周辺部の改善された表示を可能にする方法を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記目的は、独立請求項に記載されている対象によって達成される。有利な実施形態、並びに、発展形態は、従属請求項、明細書、並びに、図面によって示される。
【0006】
本発明の第一のアスペクトは、該車両周辺部をその時点における第二の時点において、車両内に表示するための方法に関する。ここで言う「その時点」とは、車両運転中、略リアルタイムに、車両周辺部の表示がなされると解釈することができる。該車両は、例えば、オドメトリ・データから求めることができる車両速度をもって、ある方向に動いている事ができるが、リアルタイム表示は、適した画像リフレッシュレートにおいて実施される。
【0007】
本発明に係る方法では、以下のステップが想定されている:
−先ず、第二時点よりも前の第一時点における車両周辺部の一台の車載カメラの可視領域外に配置されたブラインド領域の画像合成、例えばレンダリングを包含する多数のブラインド領域ピクセルを有する、例えば、合成した乃至レンダリングした画像である第一ブラインド領域画像が用意される。即ち、該第一時点は、観察されているその時点である第二時点よりも時間的に前にある。
−続いて、ブラインド領域のブラインド領域ピクセルの、第二時点用に、例えば、予測などによって推定された新しいポジションへの、例えば、転換(トランスフォーム)などによる配置が実施される。即ち、ブラインド領域画像は、そのブラインド領域画像内にあるままの旧ポジションから、推定、予測、転換、補完や同様の操作によって得られた新ポジションに配置された複数のブラインド領域ピクセルを有している。各々のブラインド領域ピクセルの代わりに、ブラインド領域ピクセルの組み合わせを、場合によっては起こり得るエイリアシング効果を減らすために用いる事も出来る。
−続いて、各々の第一ブラインド領域ピクセルの新ポジションが、第二時点においてもブラインド領域内にあるか否かを割り出す。この場合、観察され新しく配置されたブラインド領域ピクセルは、車両の動きに起因してブラインド領域外に位置し得る。
−これに続いて、新ポジションが、ブラインド領域内にあると割り出された場合には、各々の第一ブラインド領域ピクセルが、車両の動きに関するデータに基づいて動き補正しつつ合成されることにより、第二時点用の各々の、例えばレンダリングされたピクセルなど、第二ブラインド領域ピクセルの、例えば合成やレンダリングなど、生成が実施される。概車両は、ブラインド領域画像からブラインド領域画像に走行し移動する事が出来ることから、ブラインド領域ピクセルも、ポジションが変わり得るため、第二ブラインド領域ピクセルを生成するために、車両の動きに関するデータが考慮される。車両が動いていない場合、第二ブラインド領域ピクセルは、第一のものに相当する。該動きに関するデータは、例えば、車両制御システムのオドメトリや複数のカメラ画像からの挙動推定から得られることができる。
【0008】
このコンフィグレーションによれば、該提案された方法は、多くの長所を提供する。即ち、表示されるべき車両周辺と全く関係なくブラインド領域を覆うプレースホルダを必要としない車両周辺部のブラインド領域の経時的再現が、実施できる。更に、原理的には再帰的な方法であるため、一枚の第一ブラインド領域画像のみが維持され、提供されるため、例えば、メモリユニット及び/或いはデータ処理ユニットの有効なメモリリソースを節約することが可能である。これにより、この方法によって作動するドライバーアシストシステムを提供するコストを削減することができる。
【0009】
ある有利な発展形態では、各々の第一ブラインド領域ピクセルの特定の新ポジションが、ブラインド領域画像外にあると割り出された場合には、各々の第一ブラインド領域ピクセルを、少なくとも一つの第一時点に撮影され、提供されたカメラ画像が、合成されることによって、第二時点用の各々の第二ブラインド領域ピクセルを生成することができる。この場合に関しては、既に合成された、例えば、レンダリングされた画像ではなく、車両周辺部が撮影されたカメラ画像が、更なる画像合成、例えば、レンダリングのためのベースとして用いられる。これによっても、一枚のカメラ画像のみを保存し、用意すれば良いだけであるため、有意にメモリリソースを節約できる。該車両が、例えば、車両前方への視線方向、車両後方への視線方向、及び、各々の車両側方横方向への視線方向に向けられた複数のカメラを有している場合、一台の車載カメラ毎に、それぞれのカメラ画像を提供することができる。
【0010】
更なる実施形態では、動きに関するデータから得られた各々の第一ブラインド領域ピクセルの移動ベクトルによって、ピクセル合成に用いられるカメラ画像が、複数の配置、及び/或いは、向きが異なり、それぞれ異なる視野領域を有する車載カメラのうち、どの一台の車載カメラから提供されるのかを、割り出すことができる。これにより、例えば、車両の動きに伴って車両前方に向けられている視野領域内に動いた第一ブラインド領域ピクセルは、この車載カメラのカメラ画像によって、生成、乃至、合成、例えば、レンダリングされることができる。
【0011】
車両の移動方向、即ち、直進、後進、及び/或いは、カーブ走行などに応じて、移動ベクトルは、対応する車載カメラのそれぞれの視野領域内に配置されていることができる。その際、その視野領域内に移動ベクトルが配置されている正にそのカメラの対応するカメラ画像が、提供されるために、選択されることができる。
【0012】
有意にメモリリソースを節約するためには、存在している車載カメラ毎に正に一枚のカメラ画像、乃至、一つのフレームのみを提供するために用意することが有利である。
【0013】
これに関しては、第一時点用に正に一枚のブラインド領域画像のみが提供するために用意されることも有利である。
【0014】
例えば、車両のディスプレー上に表示する車両周辺部の表示画像を再生できる様にするためには、第二時点用に生成乃至合成された、例えば、レンダリングされた第二のブラインド領域ピクセルを、第二ブラインド領域画像と少なくとも一枚の第二時点のその時点におけるカメラ画像と組み合わせることで実施できる。この場合、視野領域は、リアルタイム・カメラ画像によって、ブラインド領域は、その時点における第二時点用の第二ブラインド領域画像によって描写される。
【0015】
特に、この方法に即して作動している手段、及び/或いは、ドライバーアシストシステムのイニシャルスタートにおいては、ブラインド領域の第一ブラインド領域画像が未だ無い様なシチュエーションが起こり得る。その場合、ブラインド領域をフェードアウトするために、車両内部において表示する表示画像を、対応する車載カメラ、例えば、フロントカメラの視野領域にずらすことができる。
【0016】
この方法は、ブラインド領域が、車両がそこを通過する、乃至、車両ボディによって覆われているグランド・レベルである場合に、特に有利に用いる事ができる。プレースホルダの代わりに、合成、例えば、レンダリングされた表示画像を表示することができる。
【0017】
上述した方法は、例えば、制御手段、具体的には、車両の制御装置に実装することができる。該制御手段は、保存手段とデータ処理手段を有していることができる。
【0018】
本発明の更なるアスペクトは、該車両周辺部をその時点における第二の時点において、車両内に表示するための装置に関する。該装置は、以下を装備している:
−車両周辺部の対応する視野領域を捕捉するための少なくとも一つの車載カメラ。
−第二時点以前の第一時点における視野領域外に配置されている車両周辺部のブラインド領域の画像合成である正に一枚のブラインド領域画像のみが維持されている保存手段。
−以下の様に構成されたデータ処理手段:
i)ブラインド領域の各々の第一ブラインド領域ピクセルを、第二時点用に推測された新ポジションに配置し、ii)各々のブラインド領域ピクセルの新ポジションが、第二時点においてもなおブラインド領域内にあるか否かを割り出し、続いて、iii)新ポジションが、ブラインド領域内にあると割り出された場合は、各々の第一ブラインド領域ピクセルを車両の動きに関するデータを用いて動き補正することにより、第二時点用の各々の第二ブラインド領域ピクセルを生成する。
【0019】
該装置は、上述の方法に応じて発展させることが可能であり、特に、原理的に、再帰的な方法によって有意にメモリリソースを節約できると言う長所を有している。
【0020】
本発明は、特に、車両内部に配置された表示手段、例えば、ディスプレーを備えた車両用のドライバーアシストシステムに適している。
【0021】
以下、本発明の有利な実施形態を、添付されている図を用いて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の更なるアスペクトの内の一つに係る車両周辺部を表示するための装置を備えた、該一つのアスペクトに係るドライバーアシストシステムを備えた車両を、示している。
図2A】ここでは合成ブラインド領域画像が、ベースに用いられているブラインド領域画像の生成の図解を、示している。
図2B】ここでは以前に撮影されたカメラ画像が、ベースに用いられているブラインド領域画像の生成の図解を、示している。
図2C】ここでは以前に撮影されたカメラ画像が、ベースに用いられているブラインド領域画像の生成の図解を、示している。
図3】本発明のある一つの更なるアスペクトに係る方法用のフローチャートを、示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これらの図は、概略的な描写に過ぎず、本発明を説明するためだけのものである。同じ、乃至、同様の作用をするエレメントには、一貫して、同じ符号が振られている。
【0024】
図1は、グランド・レベル上にあり、本質的に、xとy方向に移動自在な、ドライバーアシストシステム乃至サラウンドビュー・システムとして実施されている該装置100を装備した車両1を示している。これにより、車両同乗者にとって、その時点の車両周辺部のサラウンドビューを、表示乃至画像的再現として、車両内部に表示させることが可能になる。
【0025】
そのため、該装置100は、車両1の内部に配置された表示手段110を、表示画像Iを視覚的に描写するディスプレーとして有している。更に該装置100は、該表示手段110と共に作用する少なくとも一つの(詳しくは説明しない)プロセッサを備えたデータ処理手段120と、これも共に作用する保存手段130を装備している。更に、該装置100は、複数の車両1の異なる位置に設けられ、異なる視角乃至視野領域141F,141R,141LL,141LRを有する車載カメラ140F,140R,140LL,140LRも装備している。尚、車載カメラ140Fは、車両前方に、車載カメラ140Rは、車両後方に、車載カメラ140LLは、横方向左に、車載カメラ140LRは、横方向右に配置されている。視野領域141F,141R,141LL,141LRにより、各々のカメラ画像I_F,I_R,I_LL,I_LRが捕捉され、直接的に表示手段110に再生され、必要に応じて、保存手段130に(一時的に)保存される。カメラ画像I_F,I_R,I_LL,I_LRを表示するに当たっては、データ処理手段120によって、表示画像Iに合成される乃至組み合わされる(図2A〜2C参照)。
【0026】
図1からは、グランド・レベルに、その上に車両1乃至その車体があるがために、いずれの視野領域141F,141R,141LL,141LR内にもあらず、車体によってその視野が遮られているためいずれの車載カメラ140F,140R,140LL,140LRによっても捕捉できないブラインド領域Bがあることが見て取れる。その結果、ブラインド領域Bには、直接的なカメラ画像を、表示手段110の表示画像Iのブラインド領域画像I_Bとして再生することはできない。
【0027】
それでも尚、ブラインド領域Bに実質的に写真現実的な表示を、ブラインド領域画像I_Bとして、表示手段110に描写することができる様にするために、該装置100は、以下、図2A〜2Cと3に記述されている方法によって作動されることができる。
【0028】
原則としては、表示手段110への車両周辺部の表示は、時点tにおける実質的にリアルタイムに実施され、該表示画像Iは、その時点tの車両周辺を包含しているべきである。これを、以下の説明及び図2A〜2Cでは、時間変数[t]並びに同じ符号によって示唆する。同様に、その時点の第二時点tよりも前の第一次点t−1は、図2A〜2Cでは、[t−1]と示されている。
【0029】
該装置100のイニシャルスタート時には、オプション的ステップS0において、表示手段110の表示画像I内のブラインド領域Bは、車載カメラ140F,140R,140LL,140LRの視野領域141F,141R,141LL,141LR内の車両周辺部の表示画像Iを、ブラインド領域Bがこれによって隠される程度にずらされることにより、フェードアウトされる。視野領域141F,141R,141LL,141Lrの選択は、車両の例えば走行方向x,y、即ち、車両速度v_x,v_y、舵角、トランスミッションのギヤ選択などの動きに関するデータに応じて実施されることができる。具象的に表現すると、時点tにおける実際の車両周辺部の表示画像Iは、例えば、一台の車体の長さ分先行し、ブラインド領域Bをフェードアウトしている。これにより、ブラインド領域Bがそれぞれのカメラ画像の一部IF[t−1],IR[t−1],ILL[t−1],ILR[t−1]を包含する代わりに、イニシャル・ブラインド領域画像I_B[t−1]を保存して維持することができる
【0030】
ステップS1では、その時点tにおいて、保存手段130から、装置100のイニシャルスタート直後の一回目にのみ上述のブラインド内容を包含し、一方作動中は、以下の説明の如く連続的に更新される時点t−1のブラインド領域画像I_B[t−1]が提供される。車両1が、例えば、15m/sでx方向に動いている場合、ブラインド領域画像I_Bの画像内容は、リフレッシュレートに応じて更新され、各々のその時点t用に提供された時は、それに先行する時点t−1の画像内容を包含している。
【0031】
ステップS2では、データ処理手段120によって、ブラインド領域画像I_B[t−1]の各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]は、その時点t用に推定された乃至予測された新ポジションに、例えば、特に、車両1の動きに関するデータv_x,v_yを考慮した、転換やそれに似通った方法によって配置される。これらは、例えば、車両システム、例えば、車両バスによって提供される、或いは、カメラ画像I_F,I_R,I_LL,I_LRから割り出される。新ポジションの推定や予測は、適した画像処理方法によって実施される。車両1が、例えば、v_x=15m/sで、x方向に走行を続けている場合、各々のブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]用の対応する運動ベクトルSP_Vが割り出され、これが、第二ブラインド領域ピクセルIB_SP[t]として、図2Aに示唆されている如く、それぞれの新ポジションに配置される。
【0032】
続いてステップS3では、データ処理手段120が、各々のブラインド領域ピクセルIB_SPの新ポジションが、その時点tにおいてもなおブラインド領域B内にあるか否かを割り出す。図2Aに示されている実施例では、運動ベクトルSP_V分移動した乃至トランスフォームされたブラインド領域ピクセルIB_SPは、その時点においてもブラインド領域B内にある。
【0033】
この場合、データ処理手段120でステップS4において、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]が、車両1の動きに関するデータを元に、ステップS5Aにおいて、動き補正され、即ち、特に運動ベクトルSP_V分移動されることによって各々の第二ブラインド領域ピクセルIB_SP[t]が、その時点t用に生成、例えば、レンダリングされる。図2Aでは、例として二つのブラインド領域ピクセルIB_SP用に示唆したが、これは、好ましくは、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]が、各々の新ポジションに配置されるまで続けられ、それから、第二ブラインド領域画像I_B[t]を生成し、例えば、レンダリングし、表示画像I[t]内に、ブラインド領域Bの代わりに表示される。続いて、第二ブラインド領域画像I_B[t]は、保存手段130に保存され、ステップS1から始まる該方法の次のラン時に、内容的に更新された更なる第二時点t+n用の第一ブラインド領域画像I_B[t−1]として提供される。
【0034】
これは、以下の如く一般化できる:
I_B[x,y,t]=I_B[x+v_x,y+v_y,t−1],
尚式中、I_Bは、ブラインド領域画像、v_xとv_yは、x方向とy方向への動きに関するデータ、t−1は、第一時点、tは、その時点の第二時点である。
【0035】
図2Bでは、ステップS3において起こり得る他のケース、即ち、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]の新ポジションが、その時点tにおいて、ブラインド領域B内に無い、即ち、その外にある場合が示されている。よって、図2Bに示されている実施例では、各々の運動ベクトルSP_V分移動された乃至トランスフォームされたブラインド領域ピクセルIB_SPは、車両のx方向への動きによって、車載カメラ140Fの視野領域141Fに入っている。
【0036】
この場合、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t]が、第一時点t−1に撮影され、提供されたカメラ画像I_F[t−1]をステップS5Bにおいて、合成、例えば、レンダリングすることによって、その時点t用の各々の第二ブラインド領域ピクセルIB_SP[t]をステップS4において生成、例えば、レンダリングしている。
【0037】
図2Cは、右カーブを走行している例、即ち、x方向へののみならずy方向への動きに関するデータv_x,v_yが包含されるケースにおけるステップS3での割り出しを示している。図2Cに示されている如く、各々の運動ベクトルSP_V分移動された乃至トランスフォームされたブラインド領域ピクセルIB_SPは、車両のx方向への動きによって、車載カメラ140LRの視野領域141LRに入っている。
【0038】
この場合、ステップS4において、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB[t−1]が、第一時点t−1に撮影され、提供されたカメラ画像I_LR[t−1]をステップS5Bにおいて、合成、例えば、レンダリングすることによって、その時点t用の各々の第二ブラインド領域ピクセルIB_SP[t]を生成、例えば、レンダリングしている。図2Bでは、例として二つのブラインド領域ピクセルIB_SP用に示唆したが、これは、好ましくは、各々の第一ブラインド領域ピクセルIB_SP[t−1]が、各々の新ポジションに配置されるまで続けられ、それから、第二ブラインド領域画像I_B[t]を生成し、例えば、レンダリングし、表示画像I[t]内に、ブラインド領域Bの代わりに表示される。続いて、第二ブラインド領域画像I_B[t]は、保存手段130に保存され、ステップS1から始まる該方法の次のラン時に、内容的に更新された更なる第二時点t+n用の第一ブラインド領域画像I_B[t−1]として提供される。
【0039】
図2Bと2Cによれば、ステップS5Bでは、表示されるブラインド領域ピクセルIB_SP[t]の生成が、ここでは、画像合成、例えば、時点t−1に撮影されたカメラ画像I_F[t−1]乃至I_LR[t−1]のレンダリングによって実施される。この原理は、言うまでもなく、他のカメラ画像I_RやI_LL同様に実施できる。
【0040】
これは、以下の如く一般化できる:
I_B[x,y,t]=I_F,I_R,I_LL,I_LR[x+v_x,y+v_y,t−1],
尚式中、I_Bは、ブラインド領域画像、I_F−I_LRは、車載カメラ140F−140LRのカメラ画像、v_xとv_yは、x方向とy方向への動きに関するデータ、t−1は、第一時点、tは、その時点の第二時点である。
【0041】
オプション的ステップS6では、第二ブラインド領域画像I_B[t]と第二時点tにおけるその時点のカメラ画像I_F[t],I_R[t],I_LL[t],I_LR[t]から、表示画像Iが、表示手段110用に組み合わされる。
【0042】
図3は、オプションであるステップS0、ステップS1〜S5、並びにオプションであるステップS6を含む上述の方法が、再度、フローチャートとしてまとめられている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
【国際調査報告】