特表2021-525168(P2021-525168A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-525168ろ過性能が向上した不織布の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525168(P2021-525168A)
(43)【公表日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】ろ過性能が向上した不織布の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/16 20060101AFI20210827BHJP
   D04H 3/018 20120101ALI20210827BHJP
   D04H 3/153 20120101ALI20210827BHJP
【FI】
   B01D39/16 A
   D04H3/018
   D04H3/153
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-565333(P2020-565333)
(86)(22)【出願日】2019年6月11日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月20日
(86)【国際出願番号】KR2019007014
(87)【国際公開番号】WO2019245216
(87)【国際公開日】20191226
(31)【優先権主張番号】10-2018-0071891
(32)【優先日】2018年6月22日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】518215493
【氏名又は名称】コーロン インダストリーズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウ−ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒ−ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨン−シン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジョン−スン
【テーマコード(参考)】
4D019
4L047
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019AA03
4D019BA13
4D019BB03
4D019BD01
4D019CB06
4D019DA02
4D019DA03
4D019DA04
4L047AA21
4L047AA28
4L047AB03
4L047AB07
4L047AB09
4L047BA09
4L047CC12
4L047DA00
(57)【要約】
本発明は、フィルタ材料に適用される場合にろ過性能を向上させる不織布の製造方法に関するものであり、不織布を構成するポリエステル長繊維のY型断面の異形度を調節することによって、不織布の比表面積を増大させ、フィルタに適用する場合に、ろ過対象物質の捕集量を増大させ低い差圧を維持させることで長期間使用が可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が250℃以上でY型断面を有するポリエステルの第1フィラメント、および、融点が150〜220℃で円形断面を有するポリエステルの第2フィラメントを含んでなる混繊糸長繊維不織布において、
前記Y型断面の異形度(外接円の半径(B)/内接円の半径(A))が2.0〜3.2であり、かつ断面積が0.11〜0.20mmであることを特徴とする、ろ過性能が向上した不織布。
【請求項2】
前記第1フィラメントの繊度は、3〜7デニールであることを特徴とする、請求項1に記載のろ過性能が向上した不織布。
【請求項3】
前記不織布の比表面積が0.2〜0.3m/gであることを特徴とする、請求項1に記載のろ過性能が向上した不織布。
【請求項4】
前記融点が250℃以上でY型断面を有するポリエステルの第1フィラメント80〜95重量%、および、融点が150〜220℃で円形断面を有するポリエステルの第2フィラメント5〜20重量%を含む、請求項1に記載のろ過性能が向上した不織布。
【請求項5】
前記第2フィラメントは、繊度が1〜5デニールである、請求項1に記載のろ過性能が向上した不織布。
【請求項6】
前記第1フィラメントの融点は、前記第2フィラメントの融点よりも40℃以上高い、請求項1に記載のろ過性能が向上した不織布。
【請求項7】
融点が250℃以上であるポリエステルの第1フィラメント80〜95重量%、および、融点が150〜220℃であるポリエステルの第2フィラメント5〜20重量%を含んで混繊紡糸するのであって、
前記第1フィラメントは、Y型断面で異形度(外接円の半径(B)/内接円の半径(A))が2.0〜3.2になり、かつ断面積が0.11〜0.20mmになるようにして、混繊糸を製造する段階;
前記混繊糸を積層してウェブを形成する段階;および
前記ウェブについてカレンダローラを通過させて熱接着するカレンダリング工程を行って不織布を製造する段階;を含む、ろ過性能が向上した不織布の製造方法。
【請求項8】
前記第1フィラメントは、繊度が3〜7デニールであることを特徴とする、請求項7に記載のろ過性能が向上した不織布の製造方法。
【請求項9】
前記第2フィラメントは、繊度が1〜5デニールであり、円形断面であることを特徴とする、請求項7に記載のろ過性能が向上した不織布の製造方法。
【請求項10】
前記第1フィラメントの融点は、前記第2フィラメントの融点よりも40℃以上高い、請求項7に記載のろ過性能が向上した不織布の製造方法。
【請求項11】
前記カレンダローラは、前記第2フィラメントを溶融させて接着機能を示し得る温度に加熱したことを特徴とする、請求項7に記載のろ過性能が向上した不織布の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ材料に適用される場合にろ過性能を向上させる不織布の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルタ(Filter)とは、異なる相を含んだ気体、液体が通過する隔壁の両側に圧力差を作って、気体、液体からその中に懸濁されている異なる相の粒子を効果的に分離する素材または装置と定義される。
【0003】
フィルタは、微細粉塵をはじめとする各種汚染と細菌およびウイルスなどを遮断することができる。
【0004】
フィルタはエアフィルタ、水処理フィルタ、ガスフィルタなどろ過対象によって区分される。
【0005】
ポリエステルスパンボンド不織布は、優れた機械的物性、折曲性、形態安定性、作業性が容易である点で、主にフィルタ用ろ過素材として多く使われている。
【0006】
プール・スパ用(Pool & Spa)フィルタの場合、プールなどで使われるポリエステルスパンボンド不織布が含まれた水処理用フィルタとして、水中の各種異物を効果的に除去して長時間の間使用できる能力が必要である。
【0007】
既存の水処理用フィルタ素材としてポリエステルスパンボンド不織布は、細繊度の円形断面フィラメントで構成されており、織物に比べて不織布を構成するフィラメントの表面積が広いためろ過効率と各種異物の捕集量が向上するが、差圧が高く寿命が短いという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2015−0132741号公報(ろ過効率と使用周期が改善されたろ過紙用湿式不織布およびその湿式不織布用短繊維)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記問題を解決するためのものであり、不織布を構成する繊維の比表面積を調節してろ過性能を向上させる不織布の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために本発明は、融点が250℃以上でY型断面を有するポリエステルの第1フィラメント、および、融点が150〜220℃で円形断面を有するポリエステルの第2フィラメントを含んでなる混繊糸長繊維不織布において、前記Y型断面の異形度(外接円の半径(B)/内接円の半径(A))が2.0〜3.2であり、かつ断面積が0.11〜0.20mmであることを特徴とするろ過性能が向上した不織布を提供する。
【0011】
一方、本発明は、融点が250℃以上であるポリエステルの第1フィラメント80〜95重量%、および、融点が150〜220℃であるポリエステルの第2フィラメント5〜20重量%を含むようにして混繊紡糸するのであり、前記第1フィラメントはY型断面で異形度(外接円の半径(B)/内接円の半径(A))が2.0〜3.2であり、かつ断面積が0.11〜0.20mmになるように混繊糸を製造する段階;前記混繊糸を積層してウェブを形成する段階;および前記ウェブについてカレンダローラを通過させて熱接着するカレンダリング工程を行うことで不織布を製造する段階;を含む、ろ過性能が向上した不織布の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、不織布を構成するポリエステル長繊維のY型断面の異形度を調節することによって、不織布の比表面積を増大させて、フィルタに適用する場合に、ろ過対象物質の捕集量を増大し、低い差圧を維持させて長期間使用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例によるポリエステル第1フィラメントのY型断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、融点および断面形態が互いに異なる2種のポリエステル繊維で構成された長繊維スパンボンド不織布において、繊維の断面の調節により不織布の比表面積を増大させて、フィルタ用素材に適用する場合にろ過性能が向上する不織布に関するものである。
【0015】
本発明の不織布を構成する繊維は、融点が250℃以上でY型断面を有するポリエステルの第1フィラメント80〜95重量%、および融点が150〜220℃で円形断面を有するポリエステルの第2フィラメント5〜20重量%を含んで混繊紡糸して延伸して製造される混繊糸である。
【0016】
前記第1フィラメントは、融点が250℃以上、または255℃以上、または250℃以上260℃以下、または255℃以上260℃以下であり、Y型断面を有するポリエステルであり得る。
【0017】
前記第1フィラメントは繊度が3〜7デニールであり得る。
【0018】
第1フィラメントの繊度が3デニール未満の場合、切糸が多く発生して紡糸作業性が低下するのであり、7デニールを超えると、冷却不足によりフィラメントの合体現象が発生して紡糸作業性が低下し、連続的につながる不織布ウェブの形成において均一性を維持することが難しい。
【0019】
前記第1フィラメントのY型断面の一例は、下記図1に示すとおりである。
【0020】
第1フィラメントのY型断面糸は、ポリエステル高分子が吐出される口金のノズルにて、Y型断面の幅(C)および腕(D)の長さを調節することにより、フィラメント断面の異形度(外接円の半径(B)/内接円の半径(A))を制御し、ノズル孔(hole)の断面積の調節により紡糸安定性を制御して製造することができる。
【0021】
本発明のY型断面糸の異形度が2.0〜3.2、または2.1〜3.0であり、かつ断面積が0.11〜0.20mm、または0.12〜0.19mm、または0.123〜0.189mmであることが好ましいが、Y型断面糸の異形度が3.2以上または断面積が0.11mm未満の場合、紡糸する際に口金の圧力が過度に増加して、口金の変形と損傷などが発生し得るのであり、異形度が2.0未満または断面積が0.20mm以上の場合、フィラメントの紡糸性が低下すると同時に、フィルタに適用する場合における性能(ろ過効率、圧力損失)が低下し得る。
【0022】
前記第2フィラメントは、繊度が1〜5デニールで、円形断面である。
【0023】
前記第2フィラメントは、融点が150〜220℃、または180〜220℃、または190〜220℃、または200〜220℃、または150〜210℃、または180〜210℃、または190〜210℃、または200〜210℃、または205〜210℃で、円形断面を有するポリエステルであり得る。
【0024】
前記第1フィラメントの融点は、前記第2フィラメントの融点よりも、40℃以上、または45℃以上、または40℃以上、50℃以下、または45℃以上50℃以下だけさらに高くのであり得る。すなわち、前記第1フィラメントの融点から前記第2フィラメントの融点を引いた差の値が、40℃以上、または45℃以上、または40℃以上で、50℃以下、または45℃以上50℃以下であり得る。
【0025】
前記第1フィラメントの融点から前記第2フィラメントの融点を引いた差の値が、40℃未満に減少すると、高温環境で成形性が減少し得る。
【0026】
融点が250℃以上でY型断面を有するポリエステルの第1フィラメント80〜95重量%、および融点が150〜220℃で円形断面を有するポリエステルの第2フィラメント5〜20重量%を含み得る。
【0027】
不織布において前記第2フィラメントの含有量比が5重量%未満であれば、フィラメント間の結合力の不足により不織布の機械的強度が低下し得る。
【0028】
前記第2フィラメントの含有量比が20重量%を超えると、混繊紡糸する際にフィラメントの冷却不足によりフィラメントの合体が発生して紡糸作業性が低下し得るのであり、不織布の比表面積の増大に限界があるため好ましくない。
【0029】
前記混繊糸を製造する際に、2成分のポリエステルが混繊紡糸の形態で紡糸されたフィラメントを、高圧の空気延伸装置を利用して延伸速度4,500〜5,500m/分で、十分に延伸することができる。
【0030】
この際、延伸速度が4,500m/分未満であれば、フィラメントの結晶化度が低いために不織布の強度と強力が低下するのであり、延伸速度が5,500m/分を超えると延伸エアーによってフィラメントが滑って、近接するフィラメントとのもつれが発生して、不織布の均斉度が低下し得る。
【0031】
その後、前記混繊糸を積層してウェブを形成する段階を実施する。
【0032】
この際、連続移動するコンベアネットの上に、前記混繊糸を通常の方法で積層してウェブを形成する。
【0033】
その後、前記ウェブについてカレンダリングローラを通過させて熱風処理するカレンダリング工程を実施し、フィラメントが熱接着することによって不織布の強度が付与され、不織布に適正な平滑性および厚さが付与される。
【0034】
この際、前記カレンダリングローラは、第2フィラメントを溶融させて接着機能を示し得る温度に加熱する。
【0035】
本発明は、不織布を構成するフィラメントの形態によって繊維の表面積が決定されることに着眼し、同じ太さであるならば、フィラメントの断面形態が、円形でないその他の形態、すなわち異形であるときに繊維の表面積が広くなるということを利用した技術である。
【0036】
すなわち、異形断面の第1フィラメントおよび円形断面の第2フィラメントで構成されたポリエステルスパンボンド不織布を製造し、このように製造された不織布を、プールなどに使われる水処理用フィルタとして適用すると、不織布の比表面積の向上によって各種異物の捕集量が増加し、差圧を減少させてフィルタの寿命が向上しうる。
【0037】
以下、本発明を下記の実施例と比較例に基づいてさらに詳細に説明する。
【0038】
ただし、下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明は下記実施例によって限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、置換および均等の他の実施例に変更できることは、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとり明白であろう。
【0039】
[実施例1]
第1フィラメントとして255℃の融点のポリエチレンテレフタレート(PET)と、第2フィラメントとして210℃の融点の共重合ポリエステル(CoPET)を、それぞれ、紡糸温度285℃にて連続押出機を利用して溶融させた。
【0040】
その後、それぞれの溶融物について、第1フィラメントは下記表1の異形断面を形成し、第2フィラメントは円形断面を形成するようにする、紡糸口金の毛細孔を通じて吐出して、放出された連続フィラメントを冷却風で固化させた後、高圧の空気延伸装置を利用して、紡糸速度が5,000m/minになるように延伸させてフィラメント繊維を製造した。
【0041】
この際、第1フィラメントと第2フィラメントとの含有量比が80:20wt%になるように混繊紡糸して混繊糸を製造するとともに、第1フィラメントの繊度が下記表1に示すようになり、第2フィラメントの繊度は3デニールになるように、吐出量と、紡糸口金の毛細孔の数を調節した。
【0042】
次に、前記混繊糸を連続してコンベアネット(net)上にウェブの形態で積層させた後、通常の方法で、130℃に予熱したカレンダローラの間を通過させて熱風接着するカレンダリング工程を経て、単位面積当たりの重量が100g/m(gsm)であり、厚度が0.43mmである不織布を製造した。
【0043】
[実施例2〜3]および[比較例1〜4]
前記実施例1で前記第1フィラメントを下記表1のように形成したことを除いては、実施例1と同様の方法を用いて不織布を製造した。
【0044】
【表1】
【0045】
前記実施例および比較例の不織布に対して下記の試験方法を利用して特性を測定し、その結果を下記の表2に示した。
【0046】
1.第1フィラメントの異形度および幅と長さの比率測定
走査電子顕微鏡(SEM)断面イメージを通じて、異形(Y型)フィラメントの幅と腕の長さを計算して、異形度および比率を測定する。
【0047】
2.第1フィラメントの比表面積の測定
ASTM F316法を利用して測定する。
【0048】
直径2cm大きさの試験片を用い、Porous Materials Inc.社のESA測定装備を用いて、測定部に固定された試験片に、0.019cPの粘度を有する流体を通過させて、圧力による流量で試験片の比表面積を測定する。
【0049】
3.不織布のろ過性能
TOPAS AFC−131(エアフィルタ(Air Filter)ろ過性能装置)を用いて不織布のろ過性能を評価する。
【0050】
フィルタ濾材として、横x縦=0.525x0.225cmの大きさの試験片を利用して、75.6m/hの風速で測定する。この際に使われる粉塵粒子にはISO−12103−1 A2 Fine TEST Dustを使用し、濃度は20mg/mで実施する。
【0051】
3−1.捕集率
フィルタ濾材に3.0〜5.0μmの粉塵粒子を通過させた際に、フィルタ濾材に捕集される比率を測定する。
【0052】
3−2.圧力損失(Pa)
75.6m/hの風速でフィルタ濾材の通過の前後の初期圧力損失を測定する(RS K 0011)。
【0053】
3−3.D.H.C(Dust Holding Capacity):
同一のサンプル規格及び風速で、粉塵粒子の濃度を70mg/mとし、最終圧力が100Paになった時、フィルタに捕集された粉塵粒子の重量を測定する(RSK K 0011)。
【0054】
3−4.ろ過時間
同一のサンプル規格及び風速で、粉塵粒子の濃度を70mg/mとし、最終圧力が100Paに到達するときまでの時間を測定する。
【0055】
この時間が長くなるほどフィルタにおける不織布の使用寿命が長くなる。
【0056】
【表2】
【0057】
前記表2の結果から、異形度が本発明の範囲にある場合に、捕集量、ろ過効率、圧力損失およびろ過時間の性能がバランスよく発現することが確認される。
【0058】
反面、異形度が過度に大きくなると、比表面積も過度に広くなって、かえって捕集量が減少するのであり(比較例2参照)、異形度が過度に小さくなると、比表面積も過度に狭くなって、捕集量は増加するが、圧力損失とろ過効率が悪くなるということ(比較例2参照)が確認される。
【符号の説明】
【0059】
A:Y型断面における内接円の半径
B:Y型断面における外接円の半径
C:Y型断面における幅
D:Y型断面における長さ
図1
【国際調査報告】