特表2021-525281(P2021-525281A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-525281抗心不全薬の製造におけるRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525281(P2021-525281A)
(43)【公表日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】抗心不全薬の製造におけるRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/16 20060101AFI20210827BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20210827BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20210827BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20210827BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20210827BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20210827BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20210827BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210827BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20210827BHJP
【FI】
   A61K38/16
   C12N15/63 ZZNA
   C07K14/705
   C12N5/10
   A61P9/04
   A61K48/00
   A61K35/76
   A61P43/00 121
   C12N15/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2021-517100(P2021-517100)
(86)(22)【出願日】2019年7月8日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月1日
(86)【国際出願番号】CN2019095015
(87)【国際公開番号】WO2020011120
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】201810744453.3
(32)【優先日】2018年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520473395
【氏名又は名称】▲ふぇん▼潮医薬科技(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】胡適
(72)【発明者】
【氏名】傅文燕
【テーマコード(参考)】
4B065
4C084
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA91X
4B065AA91Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4B065CA46
4C084AA01
4C084AA02
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA44
4C084MA02
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA371
4C084ZA372
4C084ZC751
4C087AA01
4C087AA02
4C087CA12
4C087MA02
4C087MA66
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA37
4C087ZC75
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA23
4H045FA74
(57)【要約】
生物医学工学の技術分野に関し、抗心不全薬の製造におけるRyR2タンパク質又はRy
R2組換えタンパク質の用途を提供し、RyR2組換えタンパク質は、天然に存在するR
yR2タンパク質断片又は変異体であり、たとえば、天然RyR2タンパク質のSPRY
1ドメインタンパク質、P1ドメインタンパク質、SPRY2ドメインタンパク質、SP
RY3ドメインタンパク質、Handleドメインタンパク質、HD1ドメインタンパク
質、HD2ドメインタンパク質、中央ドメインタンパク質、EF−handドメインタン
パク質、U−モチーフタンパク質、P2ドメインタンパク質、P2ドメイン断片タンパク
質1、P2ドメイン断片タンパク質2又はRyR2タンパク質P2変異体であってもよく
、外因性RyR2組換えタンパク質は、正常小動物モデル及び小動物疾患モデルのいずれ
においても高い発現レベルを示し、それにより、実験動物の左室駆出率は、程度が異なる
が、対照群と比べて向上し、また、疾患モデル動物では、程度が異なるが、βアドレナリ
ンでトリガーされる心室性頻脈性不整脈を減少することができ、程度が異なるが、各処理
群の心機能には回復が認められる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗心不全薬の製造における、RyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途。
【請求項2】
RyR2組換えタンパク質は、15個以上の連続するアミノ酸残基の長さを有する、天然
に存在するRyR2タンパク質断片又は変異体である、ことを特徴とする抗心不全薬の製
造における請求項1に記載のRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途。
【請求項3】
前記RyR2タンパク質断片は、天然RyR2タンパク質のSPRY1ドメインタンパク
質、P1ドメインタンパク質、SPRY2ドメインタンパク質、SPRY3ドメインタン
パク質、Handleドメインタンパク質、HD1ドメインタンパク質、HD2ドメイン
タンパク質、中央ドメインタンパク質、EF−handドメインタンパク質、U−モチー
フタンパク質、P2ドメインタンパク質、P2ドメイン断片タンパク質1又はP2ドメイ
ン断片タンパク質2であり、
RyR2タンパク質変異体はRyR2タンパク質P2変異体であり、
前記SPRY1ドメインタンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.1に示され
るアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記P1ドメインタンパク質のアミ
ノ酸配列はSEQ ID NO.3に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性
を有し、前記SPRY2ドメインタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.5に
示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記SPRY3ドメインタン
パク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.7に示されるアミノ酸配列と少なくとも6
0%の同一性を有し、前記Handleドメインタンパク質のアミノ酸配列はSEQ I
D NO.9に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記HD1ド
メインタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.11に示されるアミノ酸配列と
少なくとも60%の同一性を有し、前記HD2ドメインタンパク質のアミノ酸配列はSE
Q ID NO.13に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記
中央ドメインタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.15に示されるアミノ酸
配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記EF−handドメインタンパク質のアミ
ノ酸配列はSEQ ID NO.17に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一
性を有し、前記U−モチーフタンパク質のアミノ酸配列はSEQ ID NO.19に示
されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記P2ドメインタンパク質の
アミノ酸配列はSEQ ID NO.21に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の
同一性を有し、前記P2ドメイン断片タンパク質1のアミノ酸配列はSEQ ID NO
.23に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記P2ドメイン断
片タンパク質2のアミノ酸配列はSEQ ID NO.25に示されるアミノ酸配列と少
なくとも60%の同一性を有し、前記RyR2タンパク質P2変異体のアミノ酸配列はS
EQ ID NO.29に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%の同一性を有する、
ことを特徴とする抗心不全薬の製造における請求項2に記載のRyR2タンパク質又はR
yR2組換えタンパク質の用途。
【請求項4】
前記SPRY1ドメインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.2に
示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記P1ドメインタンパク質を
コードする遺伝子配列はSEQ ID NO.4に示される遺伝子配列と少なくとも60
%の同一性を有し、前記SPRY2ドメインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ
ID NO.6に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記SPR
Y3ドメインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.8に示される遺
伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記Handleドメインタンパク質をコ
ードする遺伝子配列はSEQ ID NO.10に示される遺伝子配列と少なくとも60
%の同一性を有し、前記HD1ドメインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ I
D NO.12に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記HD2ド
メインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.14に示される遺伝子
配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記中央ドメインタンパク質をコードする遺伝
子配列はSEQ ID NO.16に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を
有し、前記EF−handドメインタンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ ID
NO.18に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記U−モチーフ
タンパク質をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.20に示される遺伝子配列と
少なくとも60%の同一性を有し、前記P2ドメインタンパク質をコードする遺伝子配列
はSEQ ID NO.22に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、
前記P2ドメイン断片タンパク質1をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.24
に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有し、前記P2ドメイン断片タンパ
ク質2をコードする遺伝子配列はSEQ ID NO.26に示される遺伝子配列と少な
くとも60%の同一性を有し、前記RyR2タンパク質P2変異体をコードする遺伝子配
列はSEQ ID NO.30に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有す
る、ことを特徴とする抗心不全薬の製造における、請求項3に記載のRyR2タンパク質
又はRyR2組換えタンパク質の用途。
【請求項5】
前記P2ドメインタンパク質、前記P2ドメイン断片タンパク質1又は前記P2ドメイン
断片タンパク質2は、すべて少なくともP2コアペプチドセグメントを含み、該P2コア
ペプチドセグメントのアミノ酸配列はSEQ ID NO.27に示されるアミノ酸配列
と少なくとも60%の同一性を有し、該P2コアペプチドセグメントをコードする遺伝子
配列はSEQ ID NO.28に示される遺伝子配列と少なくとも60%の同一性を有
し、
前記P2コアペプチドセグメントは、RyR2S2808部位とS2814部位の一方又
は両方を含む、ことを特徴とする抗心不全薬の製造における、請求項3に記載のRyR2
タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途。
【請求項6】
請求項4に記載のRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコードする遺伝子
の送達ベクターであって、
前記送達ベクターには心臓組織特異的プロモーターが設けられている、ことを特徴とする
遺伝子の送達ベクター。
【請求項7】
前記送達ベクターは、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター、又は
ウイルスベクターであり、前記ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ随
伴ウイルスベクター、αウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベ
クター、ポックスウイルスベクター、水疱性口内炎ウイルスベクター、レトロウイルスベ
クター又はレンチウイルスベクターから選択され、
前記心臓組織特異的プロモーターは、心筋アクチンエンハンサ/伸長因子1プロモーター
、又はサイトメガロウイルスエンハンサ/ミオシン軽鎖2プロモーターから選択される、
ことを特徴とする請求項6に記載の送達ベクター。
【請求項8】
前記抗心不全薬は、RyR2タンパク質の心臓組織の細胞内レベルを上昇させるか、又は
細胞におけるRyR2タンパク質の特定部位の化学修飾レベルを低下させる医薬品である
、ことを特徴とする抗心不全薬の製造における請求項1に記載のRyR2タンパク質又は
RyR2組換えタンパク質の用途。
【請求項9】
前記RyR2タンパク質の特定部位は、S2808とS2814の一方又は両方であり、
前記化学修飾は、リン酸化、ニトロ化、メチル化又はアセチル化である、ことを特徴とす
る抗心不全薬の製造における請求項1に記載のRyR2タンパク質又はRyR2組換えタ
ンパク質の用途。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれかに記載のRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質を含
有する抗心不全薬組成物であって、
医学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤をさらに含む、ことを特徴とする抗心不全薬
組成物。
【請求項11】
請求項4に記載のRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコードする遺伝子
を含有する抗心不全薬組成物であって、
請求項6又は7に記載の送達ベクター及び医薬的に許容される担体をさらに含む、ことを
特徴とする抗心不全薬組成物。
【請求項12】
心筋細胞におけるRyR2タンパク質濃度の向上方法であって、
RyR2組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド又はRyR2組換えタンパク質
を含む組換えベクターを投与することにより、心筋におけるRyR2タンパク質濃度を増
加させる、ことを特徴とする心筋細胞におけるRyR2タンパク質濃度の向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物医学工学の技術分野に関し、具体的には、心筋細胞の収縮力を増強するた
めのII型リアノジン受容体(Ryanodine Receptor 2、RyR2)
組換えタンパク質、RyR2組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、それ
を含むベクター及び医薬品、並びにそれらの用途に関する。
【背景技術】
【0002】
心不全は大多数の心臓疾患の進行の終末段階であり、人間の発病率と死亡率の最も主要な
原因の1つであり、しかも全世界では、心不全の発病率は絶えず増加している。現在の薬
物治療は心不全の疾患症状と致死率を抑制するのに一定の役割を果たしているが、疾患の
進行を根本的に逆転することはできず、50%の心不全患者は5年以内に死亡する。細胞
レベルでは、心不全は主に心筋細胞の収縮異常及びリズム異常を示す。
【0003】
筋肉組織は骨格筋、心筋及び平滑筋組織に分けられ、脊椎動物の最大の器官であると考え
られる。骨格筋と心筋はともに横紋筋組織に属し、類似した生物学的調節作用を持ってい
る。たとえば、骨格筋細胞と心筋細胞の興奮-収縮結合プロセスは非常に類似している。
筋細胞の膜が脱分極し、活性化された電圧依存性L−型カルシウムチャネルが筋細胞の細
胞質(筋小胞体)へのカルシウムの流入を引き起こす。細胞質カルシウム濃度の上昇はさ
らにカルシウム誘導性カルシウム放出(calcium−induced calciu
m release、CICR)メカニズムを介して、リアノジン受容体(ryanod
ine receptors、RyR)を活性化する。これにより、筋小胞体(SR)か
らカルシウムが放出され、細胞質カルシウム濃度がさらに急速に上昇する。カルシウムイ
オンは細胞質を介して拡散し、トロポニンCなどのアクチン収縮タンパク質と結合し、筋
細胞の収縮を引き起こす。収縮後、主に筋小胞体/小胞体カルシウムATP酵素(sar
coplasmic/endoplasmic reticulum calcium
ATPase、SERCA)の作用により、筋小胞体にカルシウムイオンを再取り込みさ
せ、最終的に細胞質中のカルシウムを除去する。これらの生物学的プロセスは骨格筋細胞
と心筋細胞では基本的に同じであるが、これらの生物学的プロセスに関与するわずかな違
いもある。たとえば、RyR1タンパク質は骨格筋細胞における主要な筋小胞体カルシウ
ム放出チャネルであるが、RyR2は心筋細胞において優位である。同様に、骨格筋の筋
小胞体/小胞体カルシウムATP酵素はSERCA1aであり、SERCA2aは心筋細
胞に特異的なものである。
【0004】
心筋細胞のカルシウム循環とカルシウム定常状態は複数の重要なタンパク質によって維持
され、カルシウム循環の乱れはさまざまな筋細胞の病理学的プロセス、たとえば心不全、
収縮性心室機能障害、不整脈、心不全、心原性ショック、心筋梗塞や心臓弁膜機能障害を
招くことがある。心筋細胞の筋小胞体上の2型リアノジン受容体(Ryanodine
Receptor 2、RyR2、UniProtKB番号:Q92736)は主要なカ
ルシウム放出チャンネルであり、RyR2が放出するカルシウムイオンの数はカルシウム
過渡の程度を決定し、心筋細胞の収縮能力はカルシウム過渡の程度に依存する。心不全と
いう病理学的状態のプロセスにおいて、前期研究の結果から、心不全患者と疾患動物モデ
ルのいずれにもRyR2の特定部位の異常修飾、たとえばRyR2の2808位セリン残
基のリン酸化、2814位セリン残基のリン酸化などが観察された(Wehrens X H T,Lehn
art S E,Reiken S,et al.Ryanodine receptor/calcium release channel PKA phosphoryl
ation:a critical mediator of heart failure progression[J].Proceedings of the Nat
ional Academy of Sciences,2006,103(3):511-518;Respress J L,van Oort R J,Li N,et
al.Role of RyR2 phosphorylation at S2814 during heart failure progression[J].Ci
rculation research,2012:CIRCRESAHA.112.268094.)。一般には、RyR2の特定部位の
異常修飾後に、タンパク質のコンフォメーションに一定の変化を引き起こし、チャンネル
スイッチタンパク質FKBP12.6を解離させ、カルシウムイオンチャンネルの開放確
率を増加させ、毎回放出するカルシウムイオンの数を減少させ、カルシウム漏洩の病理学
的プロセスを増強すると考えられている。
【0005】
そのため、生物医学手段を利用して心筋の病理学的プロセスにおけるRyR2異常修飾を
減少することは急務となっている科学的課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記研究の背景に基づき、心筋細胞の収縮力を増強する新規なII型リアノジン
受容体(Ryanodine Receptor 2、RyR2)組換えタンパク質、Ry
R2組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列、それを含むベクター及び医薬
品、並びにそれらの用途を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、15個以上の連続するアミノ酸残基の長さを有する、天然に存在
するRyR2タンパク質断片又は変異体である、RyR2組換えタンパク質を提供する。
【0008】
本発明のRyR2組換えタンパク質は、心筋細胞の収縮能及び/又はカルシウム循環を増
強する能力を示す陽性変力ペプチドである(Inotropic Peptide)。
【0009】
好ましい実施形態では、前記断片又は変異体は、心臓能力を増強することができ、この断
片又は変異体は、以下詳述する抗不整脈、抗アポトーシス、心臓の自発的カルシウムスパ
ークの頻度の減少、筋小胞体カルシウム漏洩の予防及び/又は減少のうちの1つ又は複数
の機能を示し、また、心不全に罹患した対象において血行動態を回復する機能を有する。
【0010】
好ましくは、RyR2組換えタンパク質は、天然RyR2タンパク質のSPRY1ドメイ
ンタンパク質、P1ドメインタンパク質、SPRY2ドメインタンパク質、SPRY3ド
メインタンパク質、Handleドメインタンパク質、HD1ドメインタンパク質、HD
2ドメインタンパク質、中央ドメインタンパク質、EF−handドメインタンパク質、
U−モチーフタンパク質、P2ドメインタンパク質、P2ドメイン断片タンパク質1又は
P2ドメイン断片タンパク質2である。
【0011】
本発明の第2の態様は、RyR2組換えタンパク質、好ましくは、天然RyR2タンパク
質のSPRY1ドメインタンパク質、P1ドメインタンパク質、SPRY2ドメインタン
パク質、SPRY3ドメインタンパク質、Handleドメインタンパク質、HD1ドメ
インタンパク質、HD2ドメインタンパク質、中央ドメインタンパク質、EF−hand
ドメインタンパク質、U−モチーフタンパク質、P2ドメインタンパク質、P2ドメイン
断片タンパク質1又はP2ドメイン断片タンパク質2をコードする遺伝子を提供する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク
質をコードするポリヌクレオチドを用いて心臓の生物学的機能を増強することができ、前
記心臓の生物学的機能は、抗不整脈、抗心筋細胞アポトーシス、心臓の自発的カルシウム
スパークの頻度の減少、筋小胞体カルシウム漏洩の予防及び/又は減少、及び心不全に罹
患した対象における血行動態機能の回復から選択される1つ又は複数の機能である。
【0013】
したがって、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコードするポリ
ヌクレオチドは、心筋細胞に抗不整脈機能を達成させることに用いられ、このため、心筋
細胞及び心臓組織を不整脈、特に心臓突然死に関連する心室性不整脈などのカテコールア
ミンに起因する不整脈から保護することが好ましい。
【0014】
さらに、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコードするポリヌク
レオチドは、アドレナリン受容体(adrenergic receptor)によって
媒介される致死性心室頻拍やカテコールアミンによって媒介される致死性心室性頻脈性不
整脈から被験者を保護することができる。
【0015】
さらに好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク質
をコードするヌクレオチドは、心筋細胞におけるカルシウムスパークの頻度を低下させる
能力をさらに有する。
【0016】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のSPRY1ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、S
EQ ID NO.1に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくと
も65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好まし
くは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも
90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の
同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID N
O.2に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有する。
【0017】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のP1ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ
ID NO.3に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.4
に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好
ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくと
も80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さら
に好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有す
る。
【0018】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のSPRY2ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、S
EQ ID NO.5に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくと
も65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好まし
くは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも
90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の
同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID N
O.6に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有する。
【0019】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のSPRY3ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、S
EQ ID NO.7に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくと
も65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好まし
くは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも
90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の
同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID N
O.8に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有する。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のHandleドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、
SEQ ID NO.9に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なく
とも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ま
しくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくと
も90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして及び最も好ましくは少なくとも9
9%の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ I
D NO.10に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なく
とも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ま
しくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくと
も90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%
の同一性を有する。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のHD1ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ
ID NO.11に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも
65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも9
0%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同
一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO
.12に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有する。
【0022】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のHD2ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ
ID NO.13に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも
65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも9
0%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同
一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO
.14に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65
%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%
、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性
を有する。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質の中央ドメイン(Central domain)タンパク質である場合、前記タン
パク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.15に示されるアミノ酸配列と少なくと
も60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは
少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%
、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も
好ましくは少なくとも99%の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオ
チド配列は、SEQ ID NO.16に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも6
0%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少な
くとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さ
らに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ま
しくは少なくとも99%の同一性を有する。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパク質の
EF−handドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SE
Q ID NO.17に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくと
も65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好まし
くは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも
90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の
同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID N
O.18に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも6
5%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは
少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90
%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一
性を有する。
【0025】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のU−モチーフ(U−motif)タンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ
酸配列は、SEQ ID NO.19に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ま
しくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75
%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好まし
くは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少な
くとも99%の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、S
EQ ID NO.20に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましく
は少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、
より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは
少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくと
も99%の同一性を有する。
【0026】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のP2ドメインタンパク質である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ
ID NO.21に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも6
5%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは
少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90
%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一
性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.
22に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%
、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少な
くとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、
さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性を
有する。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のP2ドメイン断片タンパク質1である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、S
EQ ID NO.23に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なく
とも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ま
しくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくと
も90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%
の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID
NO.24に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも
65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも9
0%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同
一性を有する。
【0028】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質が天然RyR2タンパ
ク質のP2ドメイン断片タンパク質2である場合、前記タンパク質のアミノ酸配列は、S
EQ ID NO.25に示されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なく
とも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ま
しくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくと
も90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%
の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID
NO.26に示されるポリヌクレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも
65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも9
0%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同
一性を有する。
【0029】
なお、本発明の好ましい実施形態では、天然RyR2タンパク質P2ドメイン由来の断片
タンパク質は、少なくともP2コアペプチドセグメントを含む必要があり、このコアペプ
チドセグメントのアミノ酸配列は、SEQ ID NO.27に示されるアミノ酸配列と
少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好
ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくと
も85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そ
して最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有し、このタンパク質をコードするポリ
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.28に示されるポリヌクレオチド配列と少な
くとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好まし
くは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも8
5%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、そして
最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。好ましくは、コアペプチドセグメン
トは、RyR2S2808部位及び/又はS2814部位を含んでいなければならない。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質は、RyR2タンパク
質P2変異体であり、前記タンパク質のアミノ酸配列は、SEQ ID NO.29に示
されるアミノ酸配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少な
くとも70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、よ
り好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは
少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有し、このタンパ
ク質をコードするポリヌクレオチド配列は、SEQ ID NO.30に示されるポリヌ
クレオチド配列と少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくと
も70%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好
ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少な
くとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
【0031】
本発明の第3の態様は、RyR2遺伝子と組換え、心筋細胞のゲノムに組み込まれ得るR
yR2遺伝子の送達ベクターを提供する。心臓組織におけるRyR2遺伝子の発現に対応
するために、送達ベクターに心臓組織特異的プロモーターが設けられている。
【0032】
ベクターは、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクターたとえばλバク
テリオファージ、糸状バクテリオファージベクター、ウイルスベクター、ウイルス様粒子
や細菌胞子などから選択される。ウイルスベクターが好ましく、このウイルスベクターは
、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、αウイルスベクタ
ー、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、水
疱性口内炎ウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びレンチウイルスベクターから
選択される。アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、たとえばAAV6及びAAV9が
最も好ましい。
【0033】
ウイルスベクターの適用用量は、5×10-1×1015tvp、より好ましくは1×
1011-1×1013tvp、最も好ましくは1×1012tvpである。
【0034】
RyR2タンパク質の発現は、心臓組織特異的プロモーターによって制御され、つまり、
好ましいベクターはさらに心臓組織特異的プロモーターを含む。好ましくは、心臓組織特
異的プロモーターは、心筋アクチンエンハンサ/伸長因子1プロモーター(Cardia
c Actin Enhancer/ElongationFactor 1 prom
oter)、サイトメガロウイルスエンハンサ/ミオシン軽鎖2プロモーター(Cyto
megolo−virusenhancer/Myosin light chain
ventricle 2 promoter)などから選択されるが、これらに限定され
ない。
【0035】
本発明の第4の態様は、RyR2組換えタンパク質を含み、さらに医学的に許容される賦
形剤、担体又は希釈剤を含む形態と、RyR2遺伝子を含み、さらに送達ベクター及び医
薬的に許容される担体を含む形態との2つの形態を含む抗心不全薬組成物を提供する。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質の細胞内レベルは、対象の心
臓組織の少なくとも30%の細胞において上昇し、RyR2タンパク質を発現させる心臓
細胞の具体的な数は、潜在的な疾患状態に依存する。RyR2の細胞内レベルは、治療さ
れた心臓領域において上記のように上昇することが好ましい。
【0037】
RyR2タンパク質の細胞内レベルが対象の心臓組織の細胞内で上昇すると、細胞内Ry
R2タンパク質の特定部位の化学修飾レベルの低下がさらに仲介され得る。好ましくは、
修飾は、リン酸化、ニトロ化、メチル化、アセチル化などであってもよい。最も好ましく
は、部位がS2808及び/又はS2814であり、修飾がリン酸化である。
【0038】
本発明の実施形態では、抗心不全薬組成物は、経口、静脈内、粘膜内、動脈内、筋肉内又
は冠動脈内で投与することができる。好ましくは静脈内投与である。
【0039】
本発明のさらなる実施形態では、RyR2タンパク質の細胞内レベルは、少なくとも7日
間、より好ましくは少なくとも14日間、さらに好ましくは少なくとも28日間上昇する
。この結果は、単回投与又は繰り返し投与の結果として得られることが好ましい。
【0040】
本発明において、被験者対象は、健康であるか、心臓疾患に罹患しているか、又は心臓疾
患に罹患するリスクがある。心臓疾患の発症メカニズムとしては、心筋細胞中のカルシウ
ム循環の定常状態の破壊及び/又は心筋細胞収縮能障害が関連している。好ましい実施形
態では、心臓疾患は、虚血後収縮機能障害から選択され、好ましくは虚血後右室及び/又
は左室収縮機能障害、うっ血性心不全、好ましくは代償性及び/又は非代償性うっ血性心
不全、心原性ショック、感染性ショック、心筋梗塞、心筋症、心臓弁機能障害や心室疾患
などである。たとえば、急性又は慢性の右心室機能障害である。特に好ましい心臓疾患は
、原発性又は続発性心筋症である。原発性心筋症は、好ましくは、遺伝性心筋症、自発変
異に起因する心筋症から選択される。続発性心筋症は、好ましくは、動脈硬化に起因する
虚血性心筋症、感染又は中毒に起因する拡張性心筋症、肺動脈及び/又は動脈高血圧に起
因する高血圧性心臓疾患や心臓弁疾患から選択される。
【0041】
本発明の第5の態様は、抗心不全薬の製造における、RyR2タンパク質、RyR2組換
えタンパク質、又はこれらのRyR2タンパク質、RyR2組換えタンパク質をコードす
る遺伝子の用途を提供する。
【0042】
好ましくは、この抗心不全薬は、心臓組織の細胞内におけるRyR2タンパク質のレベル
を上昇させるか、又は細胞におけるRyR2タンパク質の特定部位の化学修飾のレベルを
低下させる医薬品である。
【0043】
好ましくは、RyR2タンパク質の特定部位は、S2808とS2814の一方又は両方
であり、化学修飾は、リン酸化、ニトロ化、メチル化又はアセチル化である。
【0044】
したがって、本発明の第6の態様は、RyR2タンパク質、RyR2組換えタンパク質、
又はこのRyR2タンパク質、RyR2組換えタンパク質をコードする遺伝子のポリヌク
レオチドの、被験者の心臓機能を増強することによって心臓疾患を治療するという用途を
提供し、被験者は、心臓疾患に罹患しているか、又は心臓疾患に罹患するリスクがあり、
治療ウィンドウ内で対象の心筋細胞におけるRyR2タンパク質濃度を増加させることに
用いられる。
【0045】
好ましくは、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコードするポリ
ヌクレオチドは、心臓疾患に罹患しているか又は発症するリスクのある対象の心臓収縮力
を増強することによって心臓疾患を治療し、治療ウィンドウ内で対象の心筋細胞における
RyR2タンパク質濃度を増加させることに用いられる。
【0046】
心臓機能は、心臓の筋肉機能、収縮能及び/又はカルシウム処理能を改善することにより
、筋肉収縮機能を高めることができる。好ましい実施形態では、心臓機能は、対照群と比
べて、少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも35
%、最も好ましくは少なくとも45%、最も好ましくは少なくとも50%増強される。
【0047】
好ましくは、対照群は、健常者の筋肉機能、収縮能及び/又はカルシウム処理能、又は健
常者群の平均値とする。好ましい実施形態では、RyR2組換えタンパク質又はRyR組
換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドにより心臓機能が増強され、RyR2タン
パク質は、抗不整脈の可能性、抗アポトーシス能、カルシウムスパークの頻度減少能力、
筋小胞体カルシウム漏洩を予防及び/又は減少させる能力、及び好ましくは心不全に罹患
している対象において血行動態機能を回復させる能力から選択される1つ又は複数の機能
を示す。
【0048】
本発明の第7の態様は、RyR2組換えタンパク質又はRyR2組換えタンパク質をコー
ドするポリヌクレオチドを含む組換えベクターを投与することにより、心筋細胞における
RyR2タンパク質濃度を増加させる、心筋細胞におけるRyR2タンパク質濃度の向上
方法を提供する。
【発明の効果】
【0049】
発明の有益な保障及び効果
本発明は、抗心不全薬の製造におけるRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質
の用途を提供し、このRyR2タンパク質は、天然RyR2タンパク質断片又は変異体か
ら選択され、実験を通じて、外因性RyR2組換えタンパク質は、正常小動物モデル及び
小動物疾患モデルのいずれにおいても高い発現レベルを有することを証明し、それにより
、実験動物の左室駆出率は、程度が異なるが、対照群と比べて向上し、また、程度が異な
るが、疾患モデル動物はβアドレナリンによりトリガーされる心室性頻脈性不整脈を減少
することができ、程度が異なるが、各処理群の心機能には回復が認められた。したがって
、本発明のRyR2組換えタンパク質は、心不全に対して有効な緩和及び治療作用を奏す
ることができ、心不全治療薬の製造に用いることができ、臨床応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】ウイルスベクターの構築図である。
図2】正常マウスの各処理群の外因性RyR2組換えタンパク質の発現の状況である。
図3】正常マウスの各処理群の左室駆出率の結果である。
図4】疾患モデルマウスの各処理群の外因性RyR2タンパク質の発現の状況である。
図5】疾患モデルマウスの各処理群の左室駆出率の結果である。
図6】疾患モデルマウスの各処理群のCrp/ATP値の結果である。
図7A】疾患モデルマウスの各処理群のRyR2 2808のリン酸化程度の結果である。
図7B】疾患モデルマウスの各処理群のRyR2 2814のリン酸化程度の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の実施例、実験例は、本発明をさらに説明するものであり、本発明を限定するものと
理解すべきではない。実施例は、ベクター及びプラスミドを構築する方法、そのようなベ
クター及びプラスミドにタンパク質をコードする遺伝子を挿入する方法、又は宿主細胞に
プラスミドを導入する方法など、従来の方法の詳細な説明を含まない。このような方法は
、当業者に周知であり、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.and Maniais,T.(1989)Molecular Clo
ning:A Laboratory Manual,2 ndedition,Cold spring Harbor Laboratory Pressを含
む多くの刊行物に記載されている。
【0052】
実施例1、正常小動物モデルの心臓機能に対するRyR2タンパク質の心筋特異的外因性
発現の影響
AAV9によって仲介されたRyR2cDNA心筋遺伝子伝達による心機能増強効果を測
定するために、6月齢の正常C57B/6マウスを用いて処理群と対照群に群分けした。
すべてのRyR2の組換えタンパク質の細胞内伝達はpAAVベクターを用い、検出の容
易されからC−末端にFLAGタグを付加していた。ウイルスベクターの構築図を図1
示す。下記組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、図に示すようなベクター
組換えタンパク質領域であり、必要に応じて5’末端にATG開始コドンを付加した。群
分けは具体的には以下のとおりである。
【0053】
CTRL対照群は空ウイルス群であり、rSPRY1群は組換えSPRYドメイン発現タ
ンパク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオ
チドはSEQ ID NO.2に示されており、rP1群は組換えP1ドメイン発現タン
パク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチ
ドはSEQ ID NO.4に示されていおり、rSPRY2群は組換えSPRY2ドメ
イン発現タンパク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポ
リヌクレオチドはSEQ ID NO.6に示されており、rSPRY3群は組換えSP
RY3ドメイン発現タンパク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク
質領域のポリヌクレオチドはSEQ ID NO.8に示されており、rHandle群
は組換えHandleドメイン発現タンパク質群であり、すなわち、図1に示すベクター
組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQ ID NO.10に示されており、
rHD1群は組換えHD1ドメイン発現タンパク質群であり、すなわち、図1に示すベク
ター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQID NO.12に示されており
、rHD2群は組換えHD2ドメイン発現タンパク質群であり、すなわち、図1に示すベ
クター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQ ID NO.14に示されて
おり、rCentral domain群は組換え中央ドメイン発現タンパク質群であり
、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQID
NO.16に示されており、rEF−hand群はEF−handドメイン発現タンパ
ク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチド
はSEQ ID NO.18に示されており、rU−motif群はUドメイン発現タン
パク質群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチ
ドはSEQ ID NO.20に示されており、rP2群はP2ドメイン発現タンパク質
群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはS
EQ ID NO.22に示されており、
rP2−peptide−1群はP2ドメイン断片1発現群であり、すなわち、図1に示
すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQ ID NO.24に示さ
れており、rP2−peptide−2群はP2ドメイン断片2発現群であり、すなわち
図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSEQ ID NO.
26に示されており、rP2−Core−peptide群はP2ドメインコア断片発現
群であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはS
EQ ID NO.28に示されており、rP2−mut群はP2ドメイン発現変異体群
であり、すなわち、図1に示すベクター組換えタンパク質領域のポリヌクレオチドはSE
Q ID NO.30に示されている。
【0054】
ウイルス心筋細胞感染とタンパク質発現の特異的検出の技術は、非特許文献Voelkers et
al.Circ Res(2011)108:27-39を参照し、心エコー図を用いて心機能を評価する方法は、非
特許文献Most et al.JCI(2004)114:1550-1563を参照し、ウイルスベクターの構築及び心
筋特異的プロモーターの利用方法は、非特許文献Pleger et al.Science Translational M
edicine(2011)
を参照し、ウイルス粒子の注射量は1×1012tvp(total virus pa
rticles;tvp)である。心筋外因性RyR2タンパク質の発現レベルは、EL
SIA法又はWestern Blot法により検出された。
【0055】
各群のマウスの心筋外因性RyR2タンパク質の発現レベルは図2に示され、図2の結果
によると、対照群に比べて、各外因性RyR2組換え遺伝子はマウス心筋組織中で比較的
に高いレベルで発現している。
【0056】
各群のマウスの左室駆出率(left ventricular ejection f
raction)は図3に示され、結果により、各処理群のマウスの左室駆出率は対照群
と比べても異なる程度の増加があることを示し、このことから、各外因性RyR2組換え
タンパク質は心臓の血液ポンプ能力を高めることができ、心不全の予防に役立つことを示
した。
【0057】
実施例2、小動物疾患モデルの心臓機能に対するRyR2タンパク質の心筋特異的外因性
発現の影響
さらに、疾患モデルにおいて、AAV9によって仲介されたRyR2cDNA心筋遺伝子
伝達による心機能増強効果を以下のステップで評価した。
【0058】
まず、6月齢のC57B/6マウス心筋梗塞モデルを作成し、モデルの作成には、非特許
文献Brinks et al.Circ Res(2010)107:1140-1149を参照して左前冠動脈を一時的に閉塞さ
せ、その後、マウスを処理群と対照群に群分けし、検出の容易さからすべてのRyR2の
タンパク質のC−末端にFLAGタグを付加し、具体的な構築方法は実施例1と同様であ
った。ウイルス心筋細胞の感染技術、ウイルスベクターの構築と心筋特異性プロモーター
の利用方法は前記と同じであり、ウイルス粒子の注射量は1×1012tvp(tota
l virus particles;tvp)である。心筋外因性RyR2タンパク質
の発現レベルはELSIA法又はWestern Blot法により検出された。
【0059】
各群の疾患モデルマウスの心筋外因性RyR2タンパク質の発現レベルは図4に示され、
図4の結果によると、対照群に比べて、各外因性RyR2組換え遺伝子はマウスの心筋組
織中で高いレベルで発現している。
【0060】
各群の疾患モデルマウスの左室駆出率(left ventricular eject
ion fraction)は図5に示され、結果により、各処理群のマウスの左室駆出
率は対照群と比べてそれぞれ異なる程度の増加があり、P2ドメイン断片1組換えタンパ
ク質の増加程度が最も大きく、その次はP2ドメイン組換えタンパク質であることを示し
、このことから、各外因性RyR2組換えタンパク質は心臓の血液ポンプ能力を高めるこ
とができ、心不全を治療する効果が顕著であり、心機能の回復に役立つことを示した。
【0061】
図6は各疾患モデル処理群のマウスCRP/ATP比のレベルを示し、結果は各疾患モデ
ル処理群の心機能に異なる程度の回復があり、P2ドメイン組換えタンパク質処理群の回
復の程度が最も大きく、67%増加し、図5の結果と対応することを示した。
【0062】
図7は各疾患モデル処理群のマウスのELISAによるS2808(A)とS2814(
B)の測定を示している(アミノ酸コードは文献Shan J.et al,J Clin Invest.2010Dec;
120(12):4375-87)に記載)。
【0063】
以上、本発明の好適な実施例について具体的に説明したが、、本発明は前記実施例に限定
されるものではなく、当業者であれば、本発明の精神に反しないことなく、様々な等価変
形や置換を行うことができ、これらの等価変形や置換はいずれも本願の特許請求の範囲で
限定される範囲に含まれる。
[配列表]

SEQUENCE LISTING

<110> ▲ふぇん▼潮医薬科技(上海)有限公司

<120> 抗心不全薬の製造におけるRyR2タンパク質又はRyR2組換えタンパク質の用途

<130> 特許請求の範囲 明細書

<160> 30

<170> PatentIn version 3.3

<210> 1
<211> 189
<212> PRT
<213> SPRY1

<400> 1

Val Ser Ser Met Arg Pro Asn Ile Phe Leu Gly Val Ser Glu Gly Ser
1 5 10 15


Ala Gln Tyr Lys Lys Trp Tyr Tyr Glu Leu Met Val Asp His Thr Glu
20 25 30


Pro Phe Val Thr Ala Glu Ala Thr His Leu Arg Val Gly Trp Ala Ser
35 40 45


Thr Glu Gly Tyr Ser Pro Tyr Pro Gly Gly Gly Glu Glu Trp Gly Gly
50 55 60


Asn Gly Val Gly Asp Asp Leu Phe Ser Tyr Gly Phe Asp Gly Leu His
65 70 75 80


Leu Trp Ser Gly Cys Ile Ala Arg Thr Val Ser Ser Pro Asn Gln His
85 90 95


Leu Leu Arg Thr Asp Asp Val Ile Ser Cys Cys Leu Asp Leu Ser Ala
100 105 110


Pro Ser Ile Ser Phe Arg Ile Asn Gly Gln Pro Val Gln Gly Met Phe
115 120 125


Glu Asn Phe Asn Ile Asp Gly Leu Phe Phe Pro Val Val Ser Phe Ser
130 135 140


Ala Gly Ile Lys Val Arg Phe Leu Leu Gly Gly Arg His Gly Glu Phe
145 150 155 160


Lys Phe Leu Pro Pro Pro Gly Tyr Ala Pro Cys Tyr Glu Ala Val Leu
165 170 175


Pro Lys Glu Lys Leu Lys Val Glu His Ser Arg Glu Tyr
180 185


<210> 2
<211> 567
<212> DNA
<213> SPRY1

<400> 2
gtgagcagca tgagacccaa catcttcctg ggcgtgagcg agggcagcgc ccagtacaag 60

aagtggtact acgagctgat ggtggaccac accgagccct tcgtgaccgc cgaggccacc 120

cacctgagag tgggctgggc cagcaccgag ggctacagcc cctaccccgg cggcggcgag 180

gagtggggcg gcaacggcgt gggcgacgac ctgttcagct acggcttcga cggcctgcac 240

ctgtggagcg gctgcatcgc cagaaccgtg agcagcccca accagcacct gctgagaacc 300

gacgacgtga tcagctgctg cctggacctg agcgccccca gcatcagctt cagaatcaac 360

ggccagcccg tgcagggcat gttcgagaac ttcaacatcg acggcctgtt cttccccgtg 420

gtgagcttca gcgccggcat caaggtgaga ttcctgctgg gcggcagaca cggcgagttc 480

aagttcctgc ccccccccgg ctacgccccc tgctacgagg ccgtgctgcc caaggagaag 540

ctgaaggtgg agcacagcag agagtac 567


<210> 3
<211> 205
<212> PRT
<213> P1

<400> 3

Phe Thr Pro Ile Pro Val Asp Thr Ser Gln Ile Val Leu Pro Pro His
1 5 10 15


Leu Glu Arg Ile Arg Glu Lys Leu Ala Glu Asn Ile His Glu Leu Trp
20 25 30


Val Met Asn Lys Ile Glu Leu Gly Trp Gln Tyr Gly Pro Val Arg Asp
35 40 45


Asp Asn Lys Arg Gln His Pro Cys Leu Val Glu Phe Ser Lys Leu Pro
50 55 60


Glu Gln Glu Arg Asn Tyr Asn Leu Gln Met Ser Leu Glu Thr Leu Lys
65 70 75 80


Thr Leu Leu Ala Leu Gly Cys His Val Gly Ile Ser Asp Glu His Ala
85 90 95


Glu Asp Lys Val Lys Lys Met Lys Leu Pro Lys Asn Tyr Gln Leu Thr
100 105 110


Ser Gly Tyr Lys Pro Ala Pro Met Asp Leu Ser Phe Ile Lys Leu Thr
115 120 125


Pro Ser Gln Glu Ala Met Val Asp Lys Leu Ala Glu Asn Ala His Asn
130 135 140


Val Trp Ala Arg Asp Arg Ile Arg Gln Gly Trp Thr Tyr Gly Ile Gln
145 150 155 160


Gln Asp Val Lys Asn Arg Arg Asn Pro Arg Leu Val Pro Tyr Thr Leu
165 170 175


Leu Asp Asp Arg Thr Lys Lys Ser Asn Lys Asp Ser Leu Arg Glu Ala
180 185 190


Val Arg Thr Leu Leu Gly Tyr Gly Tyr Asn Leu Glu Ala
195 200 205


<210> 4
<211> 615
<212> DNA
<213> P1

<400> 4
ttcaccccca tccccgtgga caccagccag atcgtgctgc ccccccacct ggagagaatc 60

agagagaagc tggccgagaa catccacgag ctgtgggtga tgaacaagat cgagctgggc 120

tggcagtacg gccccgtgag agacgacaac aagagacagc acccctgcct ggtggagttc 180

agcaagctgc ccgagcagga gagaaactac aacctgcaga tgagcctgga gaccctgaag 240

accctgctgg ccctgggctg ccacgtgggc atcagcgacg agcacgccga ggacaaggtg 300

aagaagatga agctgcccaa gaactaccag ctgaccagcg gctacaagcc cgcccccatg 360

gacctgagct tcatcaagct gacccccagc caggaggcca tggtggacaa gctggccgag 420

aacgcccaca acgtgtgggc cagagacaga atcagacagg gctggaccta cggcatccag 480

caggacgtga agaacagaag aaaccccaga ctggtgccct acaccctgct ggacgacaga 540

accaagaaga gcaacaagga cagcctgaga gaggccgtga gaaccctgct gggctacggc 600

tacaacctgg aggcc 615


<210> 5
<211> 134
<212> PRT
<213> SPRY2

<400> 5

Arg Phe Arg Ile Phe Arg Ala Glu Lys Thr Tyr Ala Val Lys Ala Gly
1 5 10 15


Arg Trp Tyr Phe Glu Phe Glu Thr Val Thr Ala Gly Asp Met Arg Val
20 25 30


Gly Trp Ser Arg Pro Gly Cys Gln Pro Asp Gln Glu Leu Gly Ser Asp
35 40 45


Glu Arg Ala Phe Ala Phe Asp Gly Phe Lys Ala Gln Arg Trp His Gln
50 55 60


Gly Asn Glu His Tyr Gly Arg Ser Trp Gln Ala Gly Asp Val Val Gly
65 70 75 80


Cys Met Val Asp Met Asn Glu His Thr Met Met Phe Thr Leu Asn Gly
85 90 95


Glu Ile Leu Leu Asp Asp Ser Gly Ser Glu Leu Ala Phe Lys Asp Phe
100 105 110


Asp Val Gly Asp Gly Phe Ile Pro Val Cys Ser Leu Gly Val Ala Gln
115 120 125


Val Gly Arg Met Asn Phe
130


<210> 6
<211> 402
<212> DNA
<213> SPRY2

<400> 6
agattcagaa tcttcagagc cgagaagacc tacgccgtga aggccggcag atggtacttc 60

gagttcgaga ccgtgaccgc cggcgacatg agagtgggct ggagcagacc cggctgccag 120

cccgaccagg agctgggcag cgacgagaga gccttcgcct tcgacggctt caaggcccag 180

agatggcacc agggcaacga gcactacggc agaagctggc aggccggcga cgtggtgggc 240

tgcatggtgg acatgaacga gcacaccatg atgttcaccc tgaacggcga gatcctgctg 300

gacgacagcg gcagcgagct ggccttcaag gacttcgacg tgggcgacgg cttcatcccc 360

gtgtgcagcc tgggcgtggc ccaggtgggc agaatgaact tc 402


<210> 7
<211> 398
<212> PRT
<213> SPRY3

<400> 7

Asn Arg Asp Ile Thr Met Trp Leu Ser Lys Arg Leu Pro Gln Phe Leu
1 5 10 15


Gln Val Pro Ser Asn His Glu His Ile Glu Val Thr Arg Ile Asp Gly
20 25 30


Thr Ile Asp Ser Ser Pro Cys Leu Lys Val Thr Gln Lys Ser Phe Gly
35 40 45


Ser Gln Asn Ser Asn Thr Asp Ile Met Phe Tyr Arg Leu Ser Met Pro
50 55 60


Ile Glu Cys Ala Glu Val Phe Ser Lys Thr Val Ala Gly Gly Leu Pro
65 70 75 80


Gly Ala Gly Leu Phe Gly Pro Lys Asn Asp Leu Glu Asp Tyr Asp Ala
85 90 95


Asp Ser Asp Phe Glu Val Leu Met Lys Thr Ala His Gly His Leu Val
100 105 110


Pro Asp Arg Val Asp Lys Asp Lys Glu Ala Thr Lys Pro Glu Phe Asn
115 120 125


Asn His Lys Asp Tyr Ala Gln Glu Lys Pro Ser Arg Leu Lys Gln Arg
130 135 140


Phe Leu Leu Arg Arg Thr Lys Pro Asp Tyr Ser Thr Ser His Ser Ala
145 150 155 160


Arg Leu Thr Glu Asp Val Leu Ala Asp Asp Arg Asp Asp Tyr Asp Phe
165 170 175


Leu Met Gln Thr Ser Thr Tyr Tyr Tyr Ser Val Arg Ile Phe Pro Gly
180 185 190


Gln Glu Pro Ala Asn Val Trp Val Gly Trp Ile Thr Ser Asp Phe His
195 200 205


Gln Tyr Asp Thr Gly Phe Asp Leu Asp Arg Val Arg Thr Val Thr Val
210 215 220


Thr Leu Gly Asp Glu Lys Gly Lys Val His Glu Ser Ile Lys Arg Ser
225 230 235 240


Asn Cys Tyr Met Val Cys Ala Gly Glu Ser Met Ser Pro Gly Gln Gly
245 250 255


Arg Asn Asn Asn Gly Leu Glu Ile Gly Cys Val Val Asp Ala Ala Ser
260 265 270


Gly Leu Leu Thr Phe Ile Ala Asn Gly Lys Glu Leu Ser Thr Tyr Tyr
275 280 285


Gln Val Glu Pro Ser Thr Lys Leu Phe Pro Ala Val Phe Ala Gln Ala
290 295 300


Thr Ser Pro Asn Val Phe Gln Phe Glu Leu Gly Arg Ile Lys Asn Val
305 310 315 320


Met Pro Leu Ser Ala Gly Leu Phe Lys Ser Glu His Lys Asn Pro Val
325 330 335


Pro Gln Cys Pro Pro Arg Leu His Val Gln Phe Leu Ser His Val Leu
340 345 350


Trp Ser Arg Met Pro Asn Gln Phe Leu Lys Val Asp Val Ser Arg Ile
355 360 365


Ser Glu Arg Gln Gly Trp Leu Val Gln Cys Leu Asp Pro Leu Gln Phe
370 375 380


Met Ser Leu His Ile Pro Glu Glu Asn Arg Ser Val Asp Ile
385 390 395


<210> 8
<211> 1194
<212> DNA
<213> SPRY3

<400> 8
aacagagaca tcaccatgtg gctgagcaag agactgcccc agttcctgca ggtgcccagc 60

aaccacgagc acatcgaggt gaccagaatc gacggcacca tcgacagcag cccctgcctg 120

aaggtgaccc agaagagctt cggcagccag aacagcaaca ccgacatcat gttctacaga 180

ctgagcatgc ccatcgagtg cgccgaggtg ttcagcaaga ccgtggccgg cggcctgccc 240

ggcgccggcc tgttcggccc caagaacgac ctggaggact acgacgccga cagcgacttc 300

gaggtgctga tgaagaccgc ccacggccac ctggtgcccg acagagtgga caaggacaag 360

gaggccacca agcccgagtt caacaaccac aaggactacg cccaggagaa gcccagcaga 420

ctgaagcaga gattcctgct gagaagaacc aagcccgact acagcaccag ccacagcgcc 480

agactgaccg aggacgtgct ggccgacgac agagacgact acgacttcct gatgcagacc 540

agcacctact actacagcgt gagaatcttc cccggccagg agcccgccaa cgtgtgggtg 600

ggctggatca ccagcgactt ccaccagtac gacaccggct tcgacctgga cagagtgaga 660

accgtgaccg tgaccctggg cgacgagaag ggcaaggtgc acgagagcat caagagaagc 720

aactgctaca tggtgtgcgc cggcgagagc atgagccccg gccagggcag aaacaacaac 780

ggcctggaga tcggctgcgt ggtggacgcc gccagcggcc tgctgacctt catcgccaac 840

ggcaaggagc tgagcaccta ctaccaggtg gagcccagca ccaagctgtt ccccgccgtg 900

ttcgcccagg ccaccagccc caacgtgttc cagttcgagc tgggcagaat caagaacgtg 960

atgcccctga gcgccggcct gttcaagagc gagcacaaga accccgtgcc ccagtgcccc 1020

cccagactgc acgtgcagtt cctgagccac gtgctgtgga gcagaatgcc caaccagttc 1080

ctgaaggtgg acgtgagcag aatcagcgag agacagggct ggctggtgca gtgcctggac 1140

cccctgcagt tcatgagcct gcacatcccc gaggagaaca gaagcgtgga catc 1194


<210> 9
<211> 458
<212> PRT
<213> HANDLE

<400> 9

Lys Phe His Tyr His Thr Leu Arg Leu Tyr Ser Ala Val Cys Ala Leu
1 5 10 15


Gly Asn His Arg Val Ala His Ala Leu Cys Ser His Val Asp Glu Pro
20 25 30


Gln Leu Leu Tyr Ala Ile Glu Asn Lys Tyr Met Pro Gly Leu Leu Arg
35 40 45


Ala Gly Tyr Tyr Asp Leu Leu Ile Asp Ile His Leu Ser Ser Tyr Ala
50 55 60


Thr Ala Arg Leu Met Met Asn Asn Glu Tyr Ile Val Pro Met Thr Glu
65 70 75 80


Glu Thr Lys Ser Ile Thr Leu Phe Pro Asp Glu Asn Lys Lys His Gly
85 90 95


Leu Pro Gly Ile Gly Leu Ser Thr Ser Leu Arg Pro Arg Met Gln Phe
100 105 110


Ser Ser Pro Ser Phe Val Ser Ile Ser Asn Glu Cys Tyr Gln Tyr Ser
115 120 125


Pro Glu Phe Pro Leu Asp Ile Leu Lys Ser Lys Thr Ile Gln Met Leu
130 135 140


Thr Glu Ala Val Lys Glu Gly Ser Leu His Ala Arg Asp Pro Val Gly
145 150 155 160


Gly Thr Thr Glu Phe Leu Phe Val Pro Leu Ile Lys Leu Phe Tyr Thr
165 170 175


Leu Leu Ile Met Gly Ile Phe His Asn Glu Asp Leu Lys His Ile Leu
180 185 190


Gln Leu Ile Glu Pro Ser Val Phe Lys Glu Ala Ala Thr Pro Glu Glu
195 200 205


Glu Ser Asp Thr Leu Glu Lys Glu Leu Ser Val Asp Asp Ala Lys Leu
210 215 220


Gln Gly Ala Gly Glu Glu Glu Ala Lys Gly Gly Lys Arg Pro Lys Glu
225 230 235 240


Gly Leu Leu Gln Met Lys Leu Pro Glu Pro Val Lys Leu Gln Met Cys
245 250 255


Leu Leu Leu Gln Tyr Leu Cys Asp Cys Gln Val Arg His Arg Ile Glu
260 265 270


Ala Ile Val Ala Phe Ser Asp Asp Phe Val Ala Lys Leu Gln Asp Asn
275 280 285


Gln Arg Phe Arg Tyr Asn Glu Val Met Gln Ala Leu Asn Met Ser Ala
290 295 300


Ala Leu Thr Ala Arg Lys Thr Lys Glu Phe Arg Ser Pro Pro Gln Glu
305 310 315 320


Gln Ile Asn Met Leu Leu Asn Phe Lys Asp Asp Lys Ser Glu Cys Pro
325 330 335


Cys Pro Glu Glu Ile Arg Asp Gln Leu Leu Asp Phe His Glu Asp Leu
340 345 350


Met Thr His Cys Gly Ile Glu Leu Asp Glu Asp Gly Ser Leu Asp Gly
355 360 365


Asn Ser Asp Leu Thr Ile Arg Gly Arg Leu Leu Ser Leu Val Glu Lys
370 375 380


Val Thr Tyr Leu Lys Lys Lys Gln Ala Glu Lys Pro Val Glu Ser Asp
385 390 395 400


Ser Lys Lys Ser Ser Thr Leu Gln Gln Leu Ile Ser Glu Thr Met Val
405 410 415


Arg Trp Ala Gln Glu Ser Val Ile Glu Asp Pro Glu Leu Val Arg Ala
420 425 430


Met Phe Val Leu Leu His Arg Gln Tyr Asp Gly Ile Gly Gly Leu Val
435 440 445


Arg Ala Leu Pro Lys Thr Tyr Thr Ile Asn
450 455


<210> 10
<211> 1374
<212> DNA
<213> HANDLE

<400> 10
aagttccact accacaccct gagactgtac agcgccgtgt gcgccctggg caaccacaga 60

gtggcccacg ccctgtgcag ccacgtggac gagccccagc tgctgtacgc catcgagaac 120

aagtacatgc ccggcctgct gagagccggc tactacgacc tgctgatcga catccacctg 180

agcagctacg ccaccgccag actgatgatg aacaacgagt acatcgtgcc catgaccgag 240

gagaccaaga gcatcaccct gttccccgac gagaacaaga agcacggcct gcccggcatc 300

ggcctgagca ccagcctgag acccagaatg cagttcagca gccccagctt cgtgagcatc 360

agcaacgagt gctaccagta cagccccgag ttccccctgg acatcctgaa gagcaagacc 420

atccagatgc tgaccgaggc cgtgaaggag ggcagcctgc acgccagaga ccccgtgggc 480

ggcaccaccg agttcctgtt cgtgcccctg atcaagctgt tctacaccct gctgatcatg 540

ggcatcttcc acaacgagga cctgaagcac atcctgcagc tgatcgagcc cagcgtgttc 600

aaggaggccg ccacccccga ggaggagagc gacaccctgg agaaggagct gagcgtggac 660

gacgccaagc tgcagggcgc cggcgaggag gaggccaagg gcggcaagag acccaaggag 720

ggcctgctgc agatgaagct gcccgagccc gtgaagctgc agatgtgcct gctgctgcag 780

tacctgtgcg actgccaggt gagacacaga atcgaggcca tcgtggcctt cagcgacgac 840

ttcgtggcca agctgcagga caaccagaga ttcagataca acgaggtgat gcaggccctg 900

aacatgagcg ccgccctgac cgccagaaag accaaggagt tcagaagccc cccccaggag 960

cagatcaaca tgctgctgaa cttcaaggac gacaagagcg agtgcccctg ccccgaggag 1020

atcagagacc agctgctgga cttccacgag gacctgatga cccactgcgg catcgagctg 1080

gacgaggacg gcagcctgga cggcaacagc gacctgacca tcagaggcag actgctgagc 1140

ctggtggaga aggtgaccta cctgaagaag aagcaggccg agaagcccgt ggagagcgac 1200

agcaagaaga gcagcaccct gcagcagctg atcagcgaga ccatggtgag atgggcccag 1260

gagagcgtga tcgaggaccc cgagctggtg agagccatgt tcgtgctgct gcacagacag 1320

tacgacggca tcggcggcct ggtgagagcc ctgcccaaga cctacaccat caac 1374


<210> 11
<211> 569
<212> PRT
<213> HD1

<400> 11

Gly Val Ser Val Glu Asp Thr Ile Asn Leu Leu Ala Ser Leu Gly Gln
1 5 10 15


Ile Arg Ser Leu Leu Ser Val Arg Met Gly Lys Glu Glu Glu Lys Leu
20 25 30


Met Ile Arg Gly Leu Gly Asp Ile Met Asn Asn Lys Val Phe Tyr Gln
35 40 45


His Pro Asn Leu Met Arg Ala Leu Gly Met His Glu Thr Val Met Glu
50 55 60


Val Met Val Asn Val Leu Gly Gly Gly Glu Ser Lys Glu Ile Thr Phe
65 70 75 80


Pro Lys Met Val Ala Asn Cys Cys Arg Phe Leu Cys Tyr Phe Cys Arg
85 90 95


Ile Ser Arg Gln Asn Gln Lys Ala Met Phe Asp His Leu Ser Tyr Leu
100 105 110


Leu Glu Asn Ser Ser Val Gly Leu Ala Ser Pro Ala Met Arg Gly Ser
115 120 125


Thr Pro Leu Asp Val Ala Ala Ala Ser Val Met Asp Asn Asn Glu Leu
130 135 140


Ala Leu Ala Leu Arg Glu Pro Asp Leu Glu Lys Val Val Arg Tyr Leu
145 150 155 160


Ala Gly Cys Gly Leu Gln Ser Cys Gln Met Leu Val Ser Lys Gly Tyr
165 170 175


Pro Asp Ile Gly Trp Asn Pro Val Glu Gly Glu Arg Tyr Leu Asp Phe
180 185 190


Leu Arg Phe Ala Val Phe Cys Asn Gly Glu Ser Val Glu Glu Asn Ala
195 200 205


Asn Val Val Val Arg Leu Leu Ile Arg Arg Pro Glu Cys Phe Gly Pro
210 215 220


Ala Leu Arg Gly Glu Gly Gly Asn Gly Leu Leu Ala Ala Met Glu Glu
225 230 235 240


Ala Ile Lys Ile Ala Glu Asp Pro Ser Arg Asp Gly Pro Ser Pro Asn
245 250 255


Ser Gly Ser Ser Lys Thr Leu Asp Thr Glu Glu Glu Glu Asp Asp Thr
260 265 270


Ile His Met Gly Asn Ala Ile Met Thr Phe Tyr Ser Ala Leu Ile Asp
275 280 285


Leu Leu Gly Arg Cys Ala Pro Glu Met His Leu Ile His Ala Gly Lys
290 295 300


Gly Glu Ala Ile Arg Ile Arg Ser Ile Leu Arg Ser Leu Ile Pro Leu
305 310 315 320


Gly Asp Leu Val Gly Val Ile Ser Ile Ala Phe Gln Met Pro Thr Ile
325 330 335


Ala Lys Asp Gly Asn Val Val Glu Pro Asp Met Ser Ala Gly Phe Cys
340 345 350


Pro Asp His Lys Ala Ala Met Val Leu Phe Leu Asp Arg Val Tyr Gly
355 360 365


Ile Glu Val Gln Asp Phe Leu Leu His Leu Leu Glu Val Gly Phe Leu
370 375 380


Pro Asp Leu Arg Ala Ala Ala Ser Leu Asp Thr Ala Ala Leu Ser Ala
385 390 395 400


Thr Asp Met Ala Leu Ala Leu Asn Arg Tyr Leu Cys Thr Ala Val Leu
405 410 415


Pro Leu Leu Thr Arg Cys Ala Pro Leu Phe Ala Gly Thr Glu His His
420 425 430


Ala Ser Leu Ile Asp Ser Leu Leu His Thr Val Tyr Arg Leu Ser Lys
435 440 445


Gly Cys Ser Leu Thr Lys Ala Gln Arg Asp Ser Ile Glu Val Cys Leu
450 455 460


Leu Ser Ile Cys Gly Gln Leu Arg Pro Ser Met Met Gln His Leu Leu
465 470 475 480


Arg Arg Leu Val Phe Asp Val Pro Leu Leu Asn Glu His Ala Lys Met
485 490 495


Pro Leu Lys Leu Leu Thr Asn His Tyr Glu Arg Cys Trp Lys Tyr Tyr
500 505 510


Cys Leu Pro Gly Gly Trp Gly Asn Phe Gly Ala Ala Ser Glu Glu Glu
515 520 525


Leu His Leu Ser Arg Lys Leu Phe Trp Gly Ile Phe Asp Ala Leu Ser
530 535 540


Gln Lys Lys Tyr Glu Gln Glu Leu Phe Lys Leu Ala Leu Pro Cys Leu
545 550 555 560


Ser Ala Val Ala Gly Ala Leu Pro Pro
565


<210> 12
<211> 1707
<212> DNA
<213> HD1

<400> 12
ggcgtgagcg tggaggacac catcaacctg ctggccagcc tgggccagat cagaagcctg 60

ctgagcgtga gaatgggcaa ggaggaggag aagctgatga tcagaggcct gggcgacatc 120

atgaacaaca aggtgttcta ccagcacccc aacctgatga gagccctggg catgcacgag 180

accgtgatgg aggtgatggt gaacgtgctg ggcggcggcg agagcaagga gatcaccttc 240

cccaagatgg tggccaactg ctgcagattc ctgtgctact tctgcagaat cagcagacag 300

aaccagaagg ccatgttcga ccacctgagc tacctgctgg agaacagcag cgtgggcctg 360

gccagccccg ccatgagagg cagcaccccc ctggacgtgg ccgccgccag cgtgatggac 420

aacaacgagc tggccctggc cctgagagag cccgacctgg agaaggtggt gagatacctg 480

gccggctgcg gcctgcagag ctgccagatg ctggtgagca agggctaccc cgacatcggc 540

tggaaccccg tggagggcga gagatacctg gacttcctga gattcgccgt gttctgcaac 600

ggcgagagcg tggaggagaa cgccaacgtg gtggtgagac tgctgatcag aagacccgag 660

tgcttcggcc ccgccctgag aggcgagggc ggcaacggcc tgctggccgc catggaggag 720

gccatcaaga tcgccgagga ccccagcaga gacggcccca gccccaacag cggcagcagc 780

aagaccctgg acaccgagga ggaggaggac gacaccatcc acatgggcaa cgccatcatg 840

accttctaca gcgccctgat cgacctgctg ggcagatgcg cccccgagat gcacctgatc 900

cacgccggca agggcgaggc catcagaatc agaagcatcc tgagaagcct gatccccctg 960

ggcgacctgg tgggcgtgat cagcatcgcc ttccagatgc ccaccatcgc caaggacggc 1020

aacgtggtgg agcccgacat gagcgccggc ttctgccccg accacaaggc cgccatggtg 1080

ctgttcctgg acagagtgta cggcatcgag gtgcaggact tcctgctgca cctgctggag 1140

gtgggcttcc tgcccgacct gagagccgcc gccagcctgg acaccgccgc cctgagcgcc 1200

accgacatgg ccctggccct gaacagatac ctgtgcaccg ccgtgctgcc cctgctgacc 1260

agatgcgccc ccctgttcgc cggcaccgag caccacgcca gcctgatcga cagcctgctg 1320

cacaccgtgt acagactgag caagggctgc agcctgacca aggcccagag agacagcatc 1380

gaggtgtgcc tgctgagcat ctgcggccag ctgagaccca gcatgatgca gcacctgctg 1440

agaagactgg tgttcgacgt gcccctgctg aacgagcacg ccaagatgcc cctgaagctg 1500

ctgaccaacc actacgagag atgctggaag tactactgcc tgcccggcgg ctggggcaac 1560

ttcggcgccg ccagcgagga ggagctgcac ctgagcagaa agctgttctg gggcatcttc 1620

gacgccctga gccagaagaa gtacgagcag gagctgttca agctggccct gccctgcctg 1680

agcgccgtgg ccggcgccct gcccccc 1707


<210> 13
<211> 547
<212> PRT
<213> HD2

<400> 13

Tyr Phe Leu Ser Ala Ala Ser Arg Pro Leu Cys Ser Gly Gly His Ala
1 5 10 15


Ser Asn Lys Glu Lys Glu Met Val Thr Ser Leu Phe Cys Lys Leu Gly
20 25 30


Val Leu Val Arg His Arg Ile Ser Leu Phe Gly Asn Asp Ala Thr Ser
35 40 45


Ile Val Asn Cys Leu His Ile Leu Gly Gln Thr Leu Asp Ala Arg Thr
50 55 60


Val Met Lys Thr Gly Leu Glu Ser Val Lys Ser Ala Leu Arg Ala Phe
65 70 75 80


Leu Asp Asn Ala Ala Glu Asp Leu Glu Lys Thr Met Glu Asn Leu Lys
85 90 95


Gln Gly Gln Phe Thr His Thr Arg Asn Gln Pro Lys Gly Val Thr Gln
100 105 110


Ile Ile Asn Tyr Thr Thr Val Ala Leu Leu Pro Met Leu Ser Ser Leu
115 120 125


Phe Glu His Ile Gly Gln His Gln Phe Gly Glu Asp Leu Ile Leu Glu
130 135 140


Asp Val Gln Val Ser Cys Tyr Arg Ile Leu Thr Ser Leu Tyr Ala Leu
145 150 155 160


Gly Thr Ser Lys Ser Ile Tyr Val Glu Arg Gln Arg Ser Ala Leu Gly
165 170 175


Glu Cys Leu Ala Ala Phe Ala Gly Ala Phe Pro Val Ala Phe Leu Glu
180 185 190


Thr His Leu Asp Lys His Asn Ile Tyr Ser Ile Tyr Asn Thr Lys Ser
195 200 205


Ser Arg Glu Arg Ala Ala Leu Ser Leu Pro Thr Asn Val Glu Asp Val
210 215 220


Cys Pro Asn Ile Pro Ser Leu Glu Lys Leu Met Glu Glu Ile Val Glu
225 230 235 240


Leu Ala Glu Ser Gly Ile Arg Tyr Thr Gln Met Pro His Val Met Glu
245 250 255


Val Ile Leu Pro Met Leu Cys Ser Tyr Met Ser Arg Trp Trp Glu His
260 265 270


Gly Pro Glu Asn Asn Pro Glu Arg Ala Glu Met Cys Cys Thr Ala Leu
275 280 285


Asn Ser Glu His Met Asn Thr Leu Leu Gly Asn Ile Leu Lys Ile Ile
290 295 300


Tyr Asn Asn Leu Gly Ile Asp Glu Gly Ala Trp Met Lys Arg Leu Ala
305 310 315 320


Val Phe Ser Gln Pro Ile Ile Asn Lys Val Lys Pro Gln Leu Leu Lys
325 330 335


Thr His Phe Leu Pro Leu Met Glu Lys Leu Lys Lys Lys Ala Ala Thr
340 345 350


Val Val Ser Glu Glu Asp His Leu Lys Ala Glu Ala Arg Gly Asp Met
355 360 365


Ser Glu Ala Glu Leu Leu Ile Leu Asp Glu Phe Thr Thr Leu Ala Arg
370 375 380


Asp Leu Tyr Ala Phe Tyr Pro Leu Leu Ile Arg Phe Val Asp Tyr Asn
385 390 395 400


Arg Ala Lys Trp Leu Lys Glu Pro Asn Pro Glu Ala Glu Glu Leu Phe
405 410 415


Arg Met Val Ala Glu Val Phe Ile Tyr Trp Ser Lys Ser His Asn Phe
420 425 430


Lys Arg Glu Glu Gln Asn Phe Val Val Gln Asn Glu Ile Asn Asn Met
435 440 445


Ser Phe Leu Ile Thr Asp Thr Lys Ser Lys Met Ser Lys Ala Ala Val
450 455 460


Ser Asp Gln Glu Arg Lys Lys Met Lys Arg Lys Gly Asp Arg Tyr Ser
465 470 475 480


Met Gln Thr Ser Leu Ile Val Ala Ala Leu Lys Arg Leu Leu Pro Ile
485 490 495


Gly Leu Asn Ile Cys Ala Pro Gly Asp Gln Glu Leu Ile Ala Leu Ala
500 505 510


Lys Asn Arg Phe Ser Leu Lys Asp Thr Glu Asp Glu Val Arg Asp Ile
515 520 525


Ile Arg Ser Asn Ile His Leu Gln Gly Lys Leu Glu Asp Pro Ala Ile
530 535 540


Arg Trp Gln
545


<210> 14
<211> 1656
<212> DNA
<213> HD2

<400> 14
agatacagac acgactactt cctgagcgcc gccagcagac ccctgtgcag cggcggccac 60

gccagcaaca aggagaagga gatggtgacc agcctgttct gcaagctggg cgtgctggtg 120

agacacagaa tcagcctgtt cggcaacgac gccaccagca tcgtgaactg cctgcacatc 180

ctgggccaga ccctggacgc cagaaccgtg atgaagaccg gcctggagag cgtgaagagc 240

gccctgagag ccttcctgga caacgccgcc gaggacctgg agaagaccat ggagaacctg 300

aagcagggcc agttcaccca caccagaaac cagcccaagg gcgtgaccca gatcatcaac 360

tacaccaccg tggccctgct gcccatgctg agcagcctgt tcgagcacat cggccagcac 420

cagttcggcg aggacctgat cctggaggac gtgcaggtga gctgctacag aatcctgacc 480

agcctgtacg ccctgggcac cagcaagagc atctacgtgg agagacagag aagcgccctg 540

ggcgagtgcc tggccgcctt cgccggcgcc ttccccgtgg ccttcctgga gacccacctg 600

gacaagcaca acatctacag catctacaac accaagagca gcagagagag agccgccctg 660

agcctgccca ccaacgtgga ggacgtgtgc cccaacatcc ccagcctgga gaagctgatg 720

gaggagatcg tggagctggc cgagagcggc atcagataca cccagatgcc ccacgtgatg 780

gaggtgatcc tgcccatgct gtgcagctac atgagcagat ggtgggagca cggccccgag 840

aacaaccccg agagagccga gatgtgctgc accgccctga acagcgagca catgaacacc 900

ctgctgggca acatcctgaa gatcatctac aacaacctgg gcatcgacga gggcgcctgg 960

atgaagagac tggccgtgtt cagccagccc atcatcaaca aggtgaagcc ccagctgctg 1020

aagacccact tcctgcccct gatggagaag ctgaagaaga aggccgccac cgtggtgagc 1080

gaggaggacc acctgaaggc cgaggccaga ggcgacatga gcgaggccga gctgctgatc 1140

ctggacgagt tcaccaccct ggccagagac ctgtacgcct tctaccccct gctgatcaga 1200

ttcgtggact acaacagagc caagtggctg aaggagccca accccgaggc cgaggagctg 1260

ttcagaatgg tggccgaggt gttcatctac tggagcaaga gccacaactt caagagagag 1320

gagcagaact tcgtggtgca gaacgagatc aacaacatga gcttcctgat caccgacacc 1380

aagagcaaga tgagcaaggc cgccgtgagc gaccaggaga gaaagaagat gaagagaaag 1440

ggcgacagat acagcatgca gaccagcctg atcgtggccg ccctgaagag actgctgccc 1500

atcggcctga acatctgcgc ccccggcgac caggagctga tcgccctggc caagaacaga 1560

ttcagcctga aggacaccga ggacgaggtg agagacatca tcagaagcaa catccacctg 1620

cagggcaagc tggaggaccc cgccatcaga tggcag 1656


<210> 15
<211> 385
<212> PRT
<213> Central domain

<400> 15

Tyr Phe Glu Asp Lys Leu Ile Glu Asp Leu Ala Lys Pro Gly Ala Glu
1 5 10 15


Pro Pro Glu Glu Asp Glu Gly Thr Lys Arg Val Asp Pro Leu His Gln
20 25 30


Leu Ile Leu Leu Phe Ser Arg Thr Ala Leu Thr Glu Lys Cys Lys Leu
35 40 45


Glu Glu Asp Phe Leu Tyr Met Ala Tyr Ala Asp Ile Met Ala Lys Ser
50 55 60


Cys His Asp Glu Glu Asp Asp Asp Gly Glu Glu Glu Val Lys Ser Phe
65 70 75 80


Glu Glu Lys Glu Met Glu Lys Gln Lys Leu Leu Tyr Gln Gln Ala Arg
85 90 95


Leu His Asp Arg Gly Ala Ala Glu Met Val Leu Gln Thr Ile Ser Ala
100 105 110


Ser Lys Gly Glu Thr Gly Pro Met Val Ala Ala Thr Leu Lys Leu Gly
115 120 125


Ile Ala Ile Leu Asn Gly Gly Asn Ser Thr Val Gln Gln Lys Met Leu
130 135 140


Asp Tyr Leu Lys Glu Lys Lys Asp Val Gly Phe Phe Gln Ser Leu Ala
145 150 155 160


Gly Leu Met Gln Ser Cys Ser Val Leu Asp Leu Asn Ala Phe Glu Arg
165 170 175


Gln Asn Lys Ala Glu Gly Leu Gly Met Val Thr Glu Glu Gly Ser Gly
180 185 190


Glu Lys Val Leu Gln Asp Asp Glu Phe Thr Cys Asp Leu Phe Arg Phe
195 200 205


Leu Gln Leu Leu Cys Glu Gly His Asn Ser Asp Phe Gln Asn Tyr Leu
210 215 220


Arg Thr Gln Thr Gly Asn Asn Thr Thr Val Asn Ile Ile Ile Ser Thr
225 230 235 240


Val Asp Tyr Leu Leu Arg Val Gln Glu Ser Ile Ser Asp Phe Tyr Trp
245 250 255


Tyr Tyr Ser Gly Lys Asp Val Ile Asp Glu Gln Gly Gln Arg Asn Phe
260 265 270


Ser Lys Ala Ile Gln Val Ala Lys Gln Val Phe Asn Thr Leu Thr Glu
275 280 285


Tyr Ile Gln Gly Pro Cys Thr Gly Asn Gln Gln Ser Leu Ala His Ser
290 295 300


Arg Leu Trp Asp Ala Val Val Gly Phe Leu His Val Phe Ala His Met
305 310 315 320


Gln Met Lys Leu Ser Gln Asp Ser Ser Gln Ile Glu Leu Leu Lys Glu
325 330 335


Leu Met Asp Leu Gln Lys Asp Met Val Val Met Leu Leu Ser Met Leu
340 345 350


Glu Gly Asn Val Val Asn Gly Thr Ile Gly Lys Gln Met Val Asp Met
355 360 365


Leu Val Glu Ser Ser Asn Asn Val Glu Met Ile Leu Lys Phe Phe Asp
370 375 380


Met
385


<210> 16
<211> 1155
<212> DNA
<213> Central domain

<400> 16
tacttcgagg acaagctgat cgaggacctg gccaagcccg gcgccgagcc ccccgaggag 60

gacgagggca ccaagagagt ggaccccctg caccagctga tcctgctgtt cagcagaacc 120

gccctgaccg agaagtgcaa gctggaggag gacttcctgt acatggccta cgccgacatc 180

atggccaaga gctgccacga cgaggaggac gacgacggcg aggaggaggt gaagagcttc 240

gaggagaagg agatggagaa gcagaagctg ctgtaccagc aggccagact gcacgacaga 300

ggcgccgccg agatggtgct gcagaccatc agcgccagca agggcgagac cggccccatg 360

gtggccgcca ccctgaagct gggcatcgcc atcctgaacg gcggcaacag caccgtgcag 420

cagaagatgc tggactacct gaaggagaag aaggacgtgg gcttcttcca gagcctggcc 480

ggcctgatgc agagctgcag cgtgctggac ctgaacgcct tcgagagaca gaacaaggcc 540

gagggcctgg gcatggtgac cgaggagggc agcggcgaga aggtgctgca ggacgacgag 600

ttcacctgcg acctgttcag attcctgcag ctgctgtgcg agggccacaa cagcgacttc 660

cagaactacc tgagaaccca gaccggcaac aacaccaccg tgaacatcat catcagcacc 720

gtggactacc tgctgagagt gcaggagagc atcagcgact tctactggta ctacagcggc 780

aaggacgtga tcgacgagca gggccagaga aacttcagca aggccatcca ggtggccaag 840

caggtgttca acaccctgac cgagtacatc cagggcccct gcaccggcaa ccagcagagc 900

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cagatgaagc tgagccagga cagcagccag atcgagctgc tgaaggagct gatggacctg 1020

cagaaggaca tggtggtgat gctgctgagc atgctggagg gcaacgtggt gaacggcacc 1080

atcggcaagc agatggtgga catgctggtg gagagcagca acaacgtgga gatgatcctg 1140

aagttcttcg acatg 1155


<210> 17
<211> 61
<212> PRT
<213> EF-HAND

<400> 17

Leu Thr Ser Ser Asp Thr Phe Lys Glu Tyr Asp Pro Asp Gly Lys Gly
1 5 10 15


Val Ile Ser Lys Arg Asp Phe His Lys Ala Met Glu Ser His Lys His
20 25 30


Tyr Thr Gln Ser Glu Thr Glu Phe Leu Leu Ser Cys Ala Glu Thr Asp
35 40 45


Glu Asn Glu Thr Leu Asp Tyr Glu Glu Phe Val Lys Arg
50 55 60


<210> 18
<211> 183
<212> DNA
<213> EF-HAND

<400> 18
ctgaccagca gcgacacctt caaggagtac gaccccgacg gcaagggcgt gatcagcaag 60

agagacttcc acaaggccat ggagagccac aagcactaca cccagagcga gaccgagttc 120

ctgctgagct gcgccgagac cgacgagaac gagaccctgg actacgagga gttcgtgaag 180

aga 183


<210> 19
<211> 117
<212> PRT
<213> U-motif

<400> 19

Pro Ala Lys Asp Ile Gly Phe Asn Val Ala Val Leu Leu Thr Asn Leu
1 5 10 15


Ser Glu His Met Pro Asn Asp Thr Arg Leu Gln Thr Phe Leu Glu Leu
20 25 30


Ala Glu Ser Val Leu Asn Tyr Phe Gln Pro Phe Leu Gly Arg Ile Glu
35 40 45


Ile Met Gly Ser Ala Lys Arg Ile Glu Arg Val Tyr Phe Glu Ile Ser
50 55 60


Glu Ser Ser Arg Thr Gln Trp Glu Lys Pro Gln Val Lys Glu Ser Lys
65 70 75 80


Arg Gln Phe Ile Phe Asp Val Val Asn Glu Gly Gly Glu Lys Glu Lys
85 90 95


Met Glu Leu Phe Val Asn Phe Cys Glu Asp Thr Ile Phe Glu Met Gln
100 105 110


Leu Ala Ala Gln Ile
115


<210> 20
<211> 351
<212> DNA
<213> U-motif

<400> 20
cccgccaagg acatcggctt caacgtggcc gtgctgctga ccaacctgag cgagcacatg 60

cccaacgaca ccagactgca gaccttcctg gagctggccg agagcgtgct gaactacttc 120

cagcccttcc tgggcagaat cgagatcatg ggcagcgcca agagaatcga gagagtgtac 180

ttcgagatca gcgagagcag cagaacccag tgggagaagc cccaggtgaa ggagagcaag 240

agacagttca tcttcgacgt ggtgaacgag ggcggcgaga aggagaagat ggagctgttc 300

gtgaacttct gcgaggacac catcttcgag atgcagctgg ccgcccagat c 351


<210> 21
<211> 207
<212> PRT
<213> P2

<400> 21

Asn Phe Asn Pro Gln Pro Val Asp Thr Ser Asn Ile Thr Ile Pro Glu
1 5 10 15


Lys Leu Glu Tyr Phe Ile Asn Lys Tyr Ala Glu His Ser His Asp Lys
20 25 30


Trp Ser Met Asp Lys Leu Ala Asn Gly Trp Ile Tyr Gly Glu Ile Tyr
35 40 45


Ser Asp Ser Ser Lys Val Gln Pro Leu Met Lys Pro Tyr Lys Leu Leu
50 55 60


Ser Glu Lys Glu Lys Glu Ile Tyr Arg Trp Pro Ile Lys Glu Ser Leu
65 70 75 80


Lys Thr Met Leu Ala Trp Gly Trp Arg Ile Glu Arg Thr Arg Glu Gly
85 90 95


Asp Ser Met Ala Leu Tyr Asn Arg Thr Arg Arg Ile Ser Gln Thr Ser
100 105 110


Gln Val Ser Val Asp Ala Ala His Gly Tyr Ser Pro Arg Ala Ile Asp
115 120 125


Met Ser Asn Val Thr Leu Ser Arg Asp Leu His Ala Met Ala Glu Met
130 135 140


Met Ala Glu Asn Tyr His Asn Ile Trp Ala Lys Lys Lys Lys Met Glu
145 150 155 160


Leu Glu Ser Lys Gly Gly Gly Asn His Pro Leu Leu Val Pro Tyr Asp
165 170 175


Thr Leu Thr Ala Lys Glu Lys Ala Lys Asp Arg Glu Lys Ala Gln Asp
180 185 190


Ile Leu Lys Phe Leu Gln Ile Asn Gly Tyr Ala Val Ser Arg Gly
195 200 205


<210> 22
<211> 621
<212> DNA
<213> P2

<400> 22
aacttcaacc cccagcccgt ggacaccagc aacatcacca tccccgagaa gctggagtac 60

ttcatcaaca agtacgccga gcacagccac gacaagtgga gcatggacaa gctggccaac 120

ggctggatct acggcgagat ctacagcgac agcagcaagg tgcagcccct gatgaagccc 180

tacaagctgc tgagcgagaa ggagaaggag atctacagat ggcccatcaa ggagagcctg 240

aagaccatgc tggcctgggg ctggagaatc gagagaacca gagagggcga cagcatggcc 300

ctgtacaaca gaaccagaag aatcagccag accagccagg tgagcgtgga cgccgcccac 360

ggctacagcc ccagagccat cgacatgagc aacgtgaccc tgagcagaga cctgcacgcc 420

atggccgaga tgatggccga gaactaccac aacatctggg ccaagaagaa gaagatggag 480

ctggagagca agggcggcgg caaccacccc ctgctggtgc cctacgacac cctgaccgcc 540

aaggagaagg ccaaggacag agagaaggcc caggacatcc tgaagttcct gcagatcaac 600

ggctacgccg tgagcagagg c 621


<210> 23
<211> 156
<212> PRT
<213> P2-peptide-1

<400> 23

Gln Pro Val Asp Thr Ser Asn Ile Thr Ile Pro Glu Lys Leu Glu Tyr
1 5 10 15


Phe Ile Asn Lys Tyr Ala Glu His Ser His Asp Lys Trp Ser Met Asp
20 25 30


Lys Leu Ala Asn Gly Trp Ile Tyr Gly Glu Ile Tyr Ser Asp Ser Ser
35 40 45


Lys Val Gln Pro Leu Met Lys Pro Tyr Lys Leu Leu Ser Glu Lys Glu
50 55 60


Lys Glu Ile Tyr Arg Trp Pro Ile Lys Glu Ser Leu Lys Thr Met Leu
65 70 75 80


Ala Trp Gly Trp Arg Ile Glu Arg Thr Arg Glu Gly Asp Ser Met Ala
85 90 95


Leu Tyr Asn Arg Thr Arg Arg Ile Ser Gln Thr Ser Gln Val Ser Val
100 105 110


Asp Ala Ala His Gly Tyr Ser Pro Arg Ala Ile Asp Met Ser Asn Val
115 120 125


Thr Leu Ser Arg Asp Leu His Ala Met Ala Glu Met Met Ala Glu Asn
130 135 140


Tyr His Asn Ile Trp Ala Lys Lys Lys Lys Met Glu
145 150 155


<210> 24
<211> 468
<212> DNA
<213> P2-peptide-1

<400> 24
cagcccgtgg acaccagcaa catcaccatc cccgagaagc tggagtactt catcaacaag 60

tacgccgagc acagccacga caagtggagc atggacaagc tggccaacgg ctggatctac 120

ggcgagatct acagcgacag cagcaaggtg cagcccctga tgaagcccta caagctgctg 180

agcgagaagg agaaggagat ctacagatgg cccatcaagg agagcctgaa gaccatgctg 240

gcctggggct ggagaatcga gagaaccaga gagggcgaca gcatggccct gtacaacaga 300

accagaagaa tcagccagac cagccaggtg agcgtggacg ccgcccacgg ctacagcccc 360

agagccatcg acatgagcaa cgtgaccctg agcagagacc tgcacgccat ggccgagatg 420

atggccgaga actaccacaa catctgggcc aagaagaaga agatggag 468


<210> 25
<211> 69
<212> PRT
<213> P2-peptide-2

<400> 25

Ile Tyr Arg Trp Pro Ile Lys Glu Ser Leu Lys Thr Met Leu Ala Trp
1 5 10 15


Gly Trp Arg Ile Glu Arg Thr Arg Glu Gly Asp Ser Met Ala Leu Tyr
20 25 30


Asn Arg Thr Arg Arg Ile Ser Gln Thr Ser Gln Val Ser Val Asp Ala
35 40 45


Ala His Gly Tyr Ser Pro Arg Ala Ile Asp Met Ser Asn Val Thr Leu
50 55 60


Ser Arg Asp Leu His
65


<210> 26
<211> 207
<212> DNA
<213> P2-peptide-2

<400> 26
atctacagat ggcccatcaa ggagagcctg aagaccatgc tggcctgggg ctggagaatc 60

gagagaacca gagagggcga cagcatggcc ctgtacaaca gaaccagaag aatcagccag 120

accagccagg tgagcgtgga cgccgcccac ggctacagcc ccagagccat cgacatgagc 180

aacgtgaccc tgagcagaga cctgcac 207


<210> 27
<211> 17
<212> PRT
<213> P2-Core-peptide

<400> 27

Thr Arg Arg Ile Ser Gln Thr Ser Gln Val Ser Val Asp Ala Ala His
1 5 10 15


Gly



<210> 28
<211> 51
<212> DNA
<213> P2-Core-peptide

<400> 28
accagaagaa tcagccagac cagccaggtg agcgtggacg ccgcccacgg c 51

<210> 29
<211> 206
<212> PRT
<213> P2-mut

<400> 29

Asn Phe Asn Pro Gln Pro Val Asp Thr Ser Asn Ile Thr Ile Pro Glu
1 5 10 15


Lys Leu Glu Tyr Phe Ile Asn Lys Tyr Ala Glu His Ser His Asp Lys
20 25 30


Trp Ser Met Asp Lys Leu Ala Asn Gly Trp Ile Tyr Gly Glu Ile Tyr
35 40 45


Ser Asp Ser Ser Lys Ile Gln Pro Leu Met Lys Pro Tyr Lys Leu Leu
50 55 60


Ser Glu Lys Glu Lys Glu Ile Tyr Arg Trp Pro Ile Lys Glu Ser Leu
65 70 75 80


Lys Thr Met Leu Ala Trp Gly Trp Arg Ile Glu Arg Thr Arg Glu Gly
85 90 95


Asp Ser Met Ala Leu Tyr Asn Arg Thr Arg Arg Ile Ser Gln Thr Ser
100 105 110


Gln Val Ser Ile Asp Ala Ala His Gly Tyr Ser Pro Arg Ala Ile Asp
115 120 125


Met Ser Asn Val Thr Leu Ser Arg Asp Leu His Ala Met Ala Glu Met
130 135 140


Met Ala Glu Asn Tyr His Asn Ile Trp Ala Lys Lys Lys Lys Leu Glu
145 150 155 160


Leu Glu Ser Lys Gly Gly Gly Asn His Pro Leu Leu Val Pro Tyr Asp
165 170 175


Thr Leu Thr Ala Lys Glu Lys Ala Lys Asp Arg Glu Lys Ala Gln Asp
180 185 190


Ile Leu Lys Phe Leu Gln Ile Asn Gly Tyr Ala Val Ser Arg
195 200 205


<210> 30
<211> 618
<212> DNA
<213> P2-mut

<400> 30
aacttcaacc cccagcccgt ggacaccagc aacatcacca tccccgagaa gctggagtac 60

ttcatcaaca agtacgccga gcacagccac gacaagtgga gcatggacaa gctggccaac 120

ggctggatct acggcgagat ctacagcgac agcagcaaga tccagcccct gatgaagccc 180

tacaagctgc tgagcgagaa ggagaaggag atctacagat ggcccatcaa ggagagcctg 240

aagaccatgc tggcctgggg ctggagaatc gagagaacca gagagggcga cagcatggcc 300

ctgtacaaca gaaccagaag aatcagccag accagccagg tgagcatcga cgccgcccac 360

ggctacagcc ccagagccat cgacatgagc aacgtgaccc tgagcagaga cctgcacgcc 420

atggccgaga tgatggccga gaactaccac aacatctggg ccaagaagaa gaagctggag 480

ctggagagca agggcggcgg caaccacccc ctgctggtgc cctacgacac cctgaccgcc 540

aaggagaagg ccaaggacag agagaaggcc caggacatcc tgaagttcct gcagatcaac 600

ggctacgccg tgagcaga 618
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
【国際調査報告】