特表2021-525325(P2021-525325A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-525325引き戸用のロック、フィッティング、閉鎖プレート、および閉鎖装置、および引き戸システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525325(P2021-525325A)
(43)【公表日】2021年9月24日
(54)【発明の名称】引き戸用のロック、フィッティング、閉鎖プレート、および閉鎖装置、および引き戸システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/08 20060101AFI20210827BHJP
   E05C 3/00 20060101ALI20210827BHJP
【FI】
   E05B65/08 G
   E05C3/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2021-515280(P2021-515280)
(86)(22)【出願日】2019年5月23日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2019063284
(87)【国際公開番号】WO2019224284
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】00653/18
(32)【優先日】2018年5月24日
(33)【優先権主張国】CH
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520457133
【氏名又は名称】ハヴァ スライディング ソリューションズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユシュトル、サッシャ
(72)【発明者】
【氏名】クリガー、ビート
(72)【発明者】
【氏名】エトミュラー、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ハーブ、グレゴール
(72)【発明者】
【氏名】バイエラー、マリアンネ
(72)【発明者】
【氏名】ヌエ、マルティン
(72)【発明者】
【氏名】アウアー、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】レツ、ブルーノ
(57)【要約】
本発明は、引き戸の正面方向または横方向のロックを可能にする引き戸用の閉鎖装置に加えて、ロック、フィッティング、および閉鎖プレートに関する。同様に、本発明は、本発明の閉鎖装置を含む引き戸システムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き戸(100)用のロックであって、該ロックは、
ハウジング(101)、
枢動軸(A)の周りで伸長位置から後退位置へ回転可能な円形ラッチ(102)、および
スライドシステム(103)であって、前記円形ラッチ(102)の前記伸長位置から前記後退位置への回転は、前記スライドシステム(103)を介して達成可能である、前記スライドシステム(103)を備える、前記ロックにおいて、
前記スライドシステム(103)は、長手方向スライド(105)および横方向スライド(104)を備え、これらは、結合され、相互に変位可能であり、前記円形ラッチ(102)の前記伸長位置から前記後退位置への回転は、前記円形ラッチ(102)の方向への前記長手方向スライド(105)の変位によってトリガー可能であり、
前記長手方向スライド(105)および前記横方向スライド(104)は、前記円形ラッチ(102)の方向への前記長手方向スライド(105)の変位が、前記横方向スライド(104)の垂直方向の変位によって達成可能であるように相互作用し、
前記円形ラッチ(102)の前記伸長位置から前記後退位置への回転は、前記長手方向スライド(105)に加えられる押圧力、または前記横方向スライド(104)に加えられる牽引力のいずれかによって達成可能である、ロック。
【請求項2】
前記円形ラッチ(102)の前記伸長位置から前記後退位置への回転が阻害されるロック位置から、前記円形ラッチ(102)に向かう前記長手方向スライド(105)の変位により、前記円形ラッチ(102)が伸長位置から後退位置に回転可能であるロック解除位置へ前記円形ラッチ(102)が移動可能であるガードロッキングプレート(106)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のロック。
【請求項3】
前記円形ラッチ(102)が前記伸長位置から前記後退位置へ回転するとき、ロック解除位置からロック位置へ移動可能であるインターロッキングプレート(107)が設けられ、前記後退位置から前記伸長位置への前記円形ラッチ(102)の前記回転は、前記ロック位置の前記インターロッキングプレート(107)によって阻害することができるようになっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のロック。
【請求項4】
阻害ユニット(108)が、前記ハウジング(101)の前面プレート(111)と前記インターロッキングプレート(107)との間に設けられ、前記阻害ユニット(108)によって前記インターロッキングプレート(107)は前記ロック位置で阻害できるようになっていることを特徴とする、請求項3に記載のロック。
【請求項5】
前記阻害ユニット(108)によって前記ロック位置で阻害され得る前記インターロッキングプレート(107)は、前記阻害ユニット(108)を前記前面プレート(111)に向かって変位させることによって解放可能であり、前記後退位置から前記伸長位置への前記円形ラッチ(102)の前記回転は、前記インターロッキングプレート(107)の前記解放によってトリガー可能であることを特徴とする、請求項4に記載のロック。
【請求項6】
前記阻害ユニット(108)は永久磁石(109)を備え、その位置が前記阻害ユニット(108)内で調整可能であり、前記阻害ユニット(108)の変位および前記インターロッキングプレート(107)の解放は、カウンター磁石によって達成可能であることを特徴とする、請求項5に記載のロック。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のロック(100)を操作するためのフィッティング(200、600)であって、
ハウジング(212)と、
ベアリング(210)内に回転可能に取り付けられ、前記ベアリング(210)が前記ハウジング(212)にしっかりと接続されているハンドル(204、604)と、
前記ロック(100)に接続するための接続要素(112、113)を取り付けるための手段を備えるスライダー(206、606)とを備え、
前記ハウジング(212)に対する前記スライダー(206、606)および取り付けられた前記接続要素(112、113)の変位は、前記ハンドル(204、604)を回転させることによって達成可能であり、ロッキング要素(213、613)と、使用者との相互作用のために設計された作動要素(211、611)とを備えるロッキング機構(202、602)が設けられるフィッティング(200、600)であって、
前記作動要素(211、611)を前記接続要素(112、113)に平行な方向に変位させることにより、前記ロッキング要素(213、613)は、前記スライダー(206、606)の変位を阻害する位置に移動可能であることを特徴とする、フィッティング(200、600)。
【請求項8】
前記ハンドル(204、604)は、前記ハンドル(204、604)の軸に垂直に配置されたタブ(205、605)を備え、前記スライダー(206、606)の、ならびに前記スライダー(206、606)に取り付けられた前記接続要素(112、113)の前記ハウジングに対する変位は、前記ハンドル(204、604)の軸の周りで前記タブ(205、605)を回転させることによって達成可能であることを特徴とする、請求項7に記載のフィッティング(200、600)。
【請求項9】
長手方向軸(L)を有する前面プレート(411)を備えたハウジング(401)と、請求項1〜7のいずれか一項に記載のロック(100)の円形ラッチ(102)を受け入れるための開口部(404)と、プラスチックソケット(406)内に保持された磁石(405)とを備える閉鎖プレート(400)であって、前記磁石(405)は、前記プラスチックソケット(406)内に偏心して取り付けられ、前記磁石(405)の位置は、前記プラスチックソケット(406)を回すことにより、前記前面プレート(411)の前記長手方向軸(L)に対して調整可能であることを特徴とする、閉鎖プレート(400)。
【請求項10】
鉛直閉鎖プレートユニット(402)および水平閉鎖プレートユニット(403)が設けられ、これによって請求項1〜7のいずれか一項に記載のロック(100)の前記円形ラッチ(102)に前記開口部(404)の形状およびサイズを適合させることができることを特徴とする、請求項9に記載の閉鎖プレート(400)。
【請求項11】
引き戸用の閉鎖装置(1)であって、請求項1〜6のいずれか一項に記載のロック(100)と、請求項7または8に記載のフィッティング(200、600)と、前記ロック(100)を前記フィッティング(200、300)に接続し、前記引き戸の横方向および正面方向のロックを可能にする接続要素(112、113)とを備える、閉鎖装置(1)。
【請求項12】
前記フィッティング(600)は、ロッキング機構(602)を特徴とし、前記ロック(100)の前記円形ラッチ(102)が、その後退位置にある場合、前記ロッキング機構(602)は作動できないようになっていることを特徴とする、請求項11に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項13】
請求項9または10に記載の閉鎖プレート(400)を備えることを特徴とする、請求項11または12に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項14】
前記ロック(100)はセルフロック式であり、磁気的にトリガー可能であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の閉鎖装置(1)。
【請求項15】
引き戸と、請求項11〜14のいずれか一項に記載の閉鎖装置とを備える、引き戸システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き戸用の閉鎖装置に関する。本発明は、特に、引き戸の横方向および正面方向のロックを可能にする閉鎖装置に関する。さらに、本発明はまた、正面方向および横方向に設置および操作することができ、引き戸の横方向および正面方向のロックを可能にする引き戸用のロックに関する。それはまた、本発明の閉鎖装置の閉鎖プレートに関する。さらに、本発明はまた、ロックが正面方向または横方向に設置されているかどうかに関係なく、本発明のロックを操作するために使用することができるフィッティングに関する。最後に、本発明はまた、本発明の閉鎖装置および/または本発明のロックを含む引き戸システムに関する。
【背景技術】
【0002】
フィッティング、ロック、および閉鎖プレートを含む引き戸用の閉鎖装置は、多種多様な実施形態ですでに知られている。特に、セルフロック式のロック、すなわち、閉じるたびにドアを自動的にロックすることができ、ドアが開いているとき、すなわちロックラッチが引っ込められているときにフラッシュ設計を有するロックが知られている。
【0003】
しかしながら、例えば、特許文献1から知られている従来技術のロックは、いくつかの欠点を有する。ロックを操作するためのフィッティングは、通常、同じ場所でロックに直接接続される。しかしながら、ドア内の空間的に離れた、そしてしばしばより便利な位置にフィッティングを設置できることは、これが技術的および美的利点を提供するので、望ましいであろう。
【0004】
さらに、正面方向または横方向の設置およびロッキングのいずれかに適した引き戸ロックが知られている。しかしながら、例えば、引き戸に両方のロッキングのバリエーションを提供する場合は、2つの異なるタイプの引き戸ロックが必要になり、製造と保管にかなりのコストがかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102007041402号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を克服し、引き戸用の改良された閉鎖装置に加えて、そのような閉鎖装置を組み込んだ改良された引き戸システムを提供することである。
【0007】
特に、正面方向または横方向のロッキングを選択的に可能にする閉鎖装置および引き戸システムが提供される必要がある。
【0008】
さらに、本発明の目的は、任意選択で、正面方向または横方向に設置して操作することができるロックを提供することでもある。本発明はまた、ロックの最適なロッキングを達成することができる閉鎖プレートを提案することを目的としている。さらに、本発明のロックがドアの正面方向または横方向に設置されているかどうかに関係なく、本発明のロックを有利に操作することができるフィッティングを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、上記の目的のすべては、独立請求項に画定された解決策によって達成される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に画定され、説明に開示されている。
特に、本発明の目的は、ハウジング、伸長位置から後退位置まで枢動軸の周りで回転可能な円形ラッチ、およびスライドシステムを含むロックによって達成され、それを介して、伸長位置から後退位置への円形ラッチの回転を達成可能である。ロックは、スライドシステムが長手方向スライドおよび横方向スライドを含み、円形ラッチの伸長位置から後退位置への回転は、長手方向スライドを円形ラッチに向かって変位させることによってトリガー可能であり、長手方向スライドと横方向スライドは、長手方向スライドを円形ラッチに向かって変位させることが、横方向スライドをそれに垂直に変位させることによって達成可能となるように相互作用し、円形ラッチを伸長位置から後退位置への回転は、長手方向スライドに加えられる押圧力、または横方向スライドに加えられる牽引力のいずれかによって達成可能であることを特徴とする。
【0010】
これらの構成のために、本発明のロックは、ドアの前面または側面のいずれかに設置して操作することができる。同じロックを様々な状況で使用することができるので、この多様性は、従来技術に対する明確な利点を表す。ロックは、設置と操作の点で非常に柔軟性があり、したがって、幅広いアプリケーションにアクセスできる。特定の設置または操作のみを許可するロックを購入して保管する必要はない。
【0011】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、円形ラッチの伸長位置から後退位置への回転が阻止されるロック位置から、円形ラッチに向かう長手方向スライドの変位により、円形ラッチが伸長位置から後退位置に回転可能であるロック解除位置へ円形ラッチが移動可能であるガードロッキングプレートが提供される。ガードロッキングプレートは、円形ラッチの伸長位置から後退位置への回転を外部から駆動できないことを保証する。この種の機構は、その他の方法で、ドアリーフとドアフレームの間にクレジットカードなどの平らな物体を挿入して、円形ラッチを元に戻すことで、ロックを開くことができるので、有利である。
【0012】
本発明のさらに別の好ましい一実施形態では、円形ラッチを伸長位置から後退位置に回転させることによって、ロック解除位置からロック位置に移動可能であるインターロッキングプレートが提供され、後退位置から伸長位置への円形ラッチの回転は、ロック位置のインターロッキングプレートによって阻害することができる。
【0013】
これは、円形ラッチが後退位置に回転されたときに、この位置に保持されるという点で有利である。そのような機構は、ドアが開いているときのロックのフラッシュ設計を有利に可能にする。
【0014】
本発明のさらに別の好ましい一実施形態では、阻害ユニットが、ハウジングの前面プレートとインターロッキングプレートとの間に提供され、それによってインターロッキングプレートはロック位置で阻害され得る。阻害ユニットは、ロック位置に変位したインターロッキングプレートがこの位置に保持されることを保証する。このような機構により、インターロッキングプレートがロック位置からロック解除位置に戻るリスクなしに、引き戸を変位させることができる。
【0015】
本発明のさらに別の一実施形態では、阻害ユニットによってロック位置で阻害されるインターロッキングプレートは、阻害ユニットを前面プレートに向かって変位させることによって解放可能であり、後退位置から伸長位置への円形ラッチの回転は、インターロッキングプレート(107)の解放によってトリガーされ得る。結果として、本発明のロックは有利にはセルフロック式であり、円形ラッチの伸長は、単に阻害ユニットを変位させることによってトリガーされる。
【0016】
本発明の別の好ましい一実施形態では、阻害ユニットは永久磁石を含み、その位置が有利には阻害ユニット内で調整可能であり、阻害ユニットの変位およびインターロッキングプレートの解放は、カウンター磁石によって達成され得る、すなわち達成可能である。したがって、本発明のロックは、磁気的にトリガー可能である。磁気作動機構の利点は、ドアフレームまたは閉鎖プレートの側面に追加の複雑な機構を必要としないという事実にある。阻害ユニット内の磁石の位置を調整できる機能は、ロック内の磁石と閉鎖プレート内のカウンター磁石の間の力の量が、2つの磁石間の距離によって簡単に調整できることを意味する。
【0017】
本発明の目的はさらに、本発明のロックを操作するためのフィッティングによっても達成され、フィッティングは、ハウジングと、ハウジングに接続されたベアリング内で回転可能なハンドルと、ロックに接続するための接続要素を取り付けるための手段を提供し、ロックにフィッティングを接続するスライダーとを含み、ハウジングに対するスライダーおよび取り付けられた接続要素の変位は、ハンドルを回転させることによって達成可能であり、使用者による操作のために設計されたアクチュエータと、ロッキング要素とを含むロッキング機構が提供され、作動要素を接続要素に平行な方向に変位させることにより、ロッキング要素は、スライダーの変位を阻害する位置にもたらすことができる。
【0018】
そのような構成は、本発明のフィッティングが本発明のロックの操作を可能にすることを可能にする。また、スライダーの両側に接続要素を取り付けることができるため、フラップを回転させることで押圧力や牽引力を加えることができる。このようにして、本発明のフィッティングは、ロックが正面方向または横方向に取り付けられているかどうかに関係なく、本発明のロックを操作することができる。さらに、本発明のフィッティングは、ロッキング機構によりロックすることができる。
【0019】
本発明のフィッティングの第1の好ましい実施形態では、ハンドルは、ハンドルの軸に垂直に配置されたタブを含み、スライダーの、ならびにスライダーに取り付けられた接続要素のハウジングに対する変位は、ハンドルの軸の周りでタブを回転させることによって達成される。この有利な機構のために、鉛直軸の周りのハンドルの回転は、スライダーの、およびスライダーに取り付けられた接続要素の水平方向の変位に変換することができ、本発明のフィッティングは、機能的なシェルハンドルの形態をとることができる。また、スライダーの両側に接続要素を取り付けることができるため、フラップを回転させることで押圧力や牽引力を加えることができる。
【0020】
本発明のフィッティングの第1の好ましい実施形態の変形例では、ばねがスライダーとハウジングとの間に提供され、それによって、ハンドルの回転およびスライダーの変位に続いて、ハンドルおよびスライダーの元の位置への自動復帰が達成可能である。これにより、本発明のフィッティングのフラップが常に元の位置に戻ることが保証される。
【0021】
本発明のフィッティングの第2の好ましい実施形態では、フィッティングは、接続要素を取り付けるための穴を有する回転テーブルを含む。ハウジングに対する回転テーブルに取り付けられた接続要素の変位は、ハンドルの回転によって達成可能である。この好ましい実施形態では、水平方向軸の周りのハンドルの回転は、ロックの動作を開始することができる。また、接続要素を回転テーブルの両側に取り付けることができるので、ハンドルを回転させると、本発明のロックを操作するために押圧力または牽引力を生成することができる。
【0022】
本発明の目的はまた、ロックをロッキングするための閉鎖プレートによって達成され、閉鎖プレートは、長手方向軸を有する前面プレートを備えたハウジングと、本発明のロックの円形ラッチを受け入れるための開口部と、プラスチックソケット内に保持された磁石とを含み、磁石は、プラスチックソケット内に偏心して組み込まれ、前面プレートの長手方向軸に対する磁石の位置は、プラスチックソケット(406)を回すことにより調整可能である。
【0023】
閉鎖プレートの長手方向軸に対する磁石の位置を調整することにより、ロックがロッキングされるモーメントを設定することができる。閉鎖プレート内の磁石の位置を調整する機能は、ロックが横方向に取り付けられているか正面方向に取り付けられているかに関係なく、本発明のロックの最適なトリガーを保証する。これは、横方向に取り付けられたロックの場合に特に有利であり、ロックラッチが閉鎖プレートの開口部の前でロックしないことを保証することが不可欠である。正面方向に取り付けられたロックの場合、磁石の位置を調整して、円形ラッチを閉鎖プレートの開口部に最適に挿入することができる。
【0024】
本発明の閉鎖プレートの好ましい一実施形態では、鉛直閉鎖プレートユニットおよび水平閉鎖プレートユニットが提供され、これによってロックの円形ラッチに本発明の閉鎖プレートの開口部の形状およびサイズを適合させることができる。これにより、ロックの最適なロッキングを達成可能となる。
【0025】
本発明の閉鎖プレートのさらに好ましい一実施形態では、プラスチックソケットは、支持体を含み、それによって、ハウジング内のプラスチックソケットの回転を阻害することができる。これにより、ハウジングに対する磁石の相対位置が、時間の経過とともに自動的に変化する可能性がなくなることが保証される。
【0026】
本発明の目的はさらに、引き戸用の閉鎖装置であって、本発明のロックと、本発明のフィッティングと、ロックをフィッティングに接続し、引き戸の横方向および正面方向のロックを可能にする接続要素とを含む閉鎖装置によっても達成される。これにより、閉鎖装置の高レベルの設置の多様性が保証される。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態では、横方向に取り付けられたロックは、接続要素によって及ぼされる押圧力または牽引力によって操作することができる。これにより、本発明の閉鎖装置の設置の多様性がさらに高まる。
【0028】
本発明の別の好ましい一実施形態では、ロックを操作するために必要な押圧力または牽引力は、フィッティングのハンドルを回転させることによって生成することができる。その結果、フィッティングとロックは空間的に分離され、接続要素によってのみ接続することができる。
【0029】
本発明の別の好ましい一実施形態では、フィッティングはロッキング機構を含み、ロックの円形ラッチがその後退位置にあるとき、ロッキング機構は操作できない。
【0030】
本発明の別の好ましい一実施形態では、閉鎖装置は、本発明の閉鎖プレートを含む。これにより、閉鎖装置の、特に本発明のロックの最適なロッキングが保証される。
【0031】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、ロックはセルフロック式であり、有利には磁気的にトリガー可能である。その結果、ロックは、ドアが開いているときの美的および安全上の理由から特に有利なフラッシュ設計を有することができる。セルフロック式で磁気トリガー可能なロックを提供する可能性により、ドアフレームと閉鎖プレートの側面に簡単な構造でトリガー機構を作成できる。
【0032】
本発明の目的はさらに、本発明の閉鎖装置を含む引き戸システムによっても達成される。したがって、引き戸システムは、正面方向のロッキングまたは横方向のロッキングが必要な場合に使用できる。
【0033】
本発明のさらなる詳細は、添付の図面に示される本発明の好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。この説明はまた、本発明のさらなる利点、ならびに本発明の主題を特許請求の範囲内でどのように修正またはさらに発展させることができるかに関する提言および提案を示している。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a】ロックのラッチを伸ばした本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図1b】ラッチを伸ばした本発明のロックのガードロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図1c】ラッチを伸ばした本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視断面図を示す。
図1d】ラッチを伸ばした本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略側面断面図を示す。
図2a】ラッチを格納して長手方向のスライドを備えた本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図2b】ラッチを格納して長手方向のスライドを備えた本発明のロックのガードロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図2c】ラッチを格納して長手方向のスライドを備えた本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視断面図を示す。
図2d】ラッチを格納して長手方向のスライドを備えた本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略側面断面図を示す。
図3a】ラッチを格納して長手方向のスライドが伸長位置にある本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図3b】ラッチを格納して長手方向のスライドが伸長位置にある本発明のロックのガードロッキングプレートの側面からの概略斜視図を示す。
図3c】ラッチを格納して長手方向のスライドが伸長位置にある本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略斜視断面図を示す。
図3d】ラッチを格納して長手方向のスライドが伸長位置にある本発明のロックのインターロッキングプレートの側面からの概略側面断面図を示す。
図4a】シェルハンドルおよびロックが横方向に取り付けられ、ロックが正面方向に取り付けられたロックの形態の本発明のフィッティングの第1の実施形態を備えた本発明の引き戸用の閉鎖装置の概略斜視図を示す。
図4b図4aの閉鎖装置を示しているが、シェルハンドルの前面プレートが隠されている。
図4c】本発明のシェルハンドルのスライダーおよびフラップの概略斜視図を示す。
図4d図4aの閉鎖装置を示しているが、シェルハンドルのハウジングが隠されており、フラップが回転している。
図5a】ロック解除位置にある本発明のシェルハンドルのロッキング機構の概略側面断面図を示す。
図5b】ロック位置にある本発明のシェルハンドルのロッキング機構の概略側面断面図を示す。
図6a】本発明の閉鎖プレートの概略斜視図を示す。
図6b】本発明の閉鎖プレートの概略斜視断面図を示す。
図6c】本発明の閉鎖プレートのハウジングの概略斜視図を示す。
図7】本発明のフィッティングの第2の実施形態の概略斜視図を示す。
図8】本発明の引き戸システムの好ましい一実施形態の概略斜視図を示す。
図9】ロック解除位置にあるシェルハンドルの形態の本発明のフィッティングの第2の実施形態に係るロッキング機構の概略断面図を示す。
図10】ロック位置にあるシェルハンドルの形態の本発明のフィッティングの第2の実施形態に係るロッキング機構の概略側面断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1aは、その閉位置にある本発明のロック100の概略斜視図を示し、これは、とりわけ、インターロッキングプレート107の側面から見た、円形ラッチ102、インターロッキングプレート107、ガードロッキングプレート106、スライドシステム103、および前面プレート111を特徴とする。図1bは、ガードロッキングプレート106の側面から見た、本発明のロック100のその閉鎖位置にある概略斜視図を示す。図1aおよび図1bでは、ロックのハウジング101が隠されている。ロックのハウジング101は、図1cおよび図1dに示されている。
【0036】
図1aおよび図1bは、軸Aの周りで回転可能な円形ラッチ102に加えて、横方向スライド104および長手方向スライド105を示す。横方向および長手方向スライド104、105は、共にスライドシステム103を形成する。円形ラッチ102の一部は、その伸長位置で、ハウジング101の前面を形成するプレート111から突出している。
【0037】
図1bに見られるように、円形ラッチ102は、ガードロッキングプレート106の側面に突起部102’を有する。ガードロッキングプレート106は、その一部において、鉛直断面および湾曲セクションを含む溝106’’を有する。ロック100が閉位置にあるとき、円形ラッチ102の突起部102’は、ガードロッキングプレート106の溝106’’の鉛直セクションにあり、それにより、円形ラッチ102の自由回転を防止する。したがって、ガードロッキングプレート106は、ハウジング101の外側からロック100を開くことを禁止する安全要素を構成する。
【0038】
円形ラッチ102の伸長位置において、長手方向スライド105は、図1dに示されるように、ガードロッキングプレート106の斜めの下縁部106’に隣接する。長手方向スライド105をプレート111に向かって変位させると、最初に、ガードロッキングプレート106の鉛直変位が生じ、その結果、突起部102’に対して溝106’’の鉛直変位が生じ、この変位に続いて、突起部102’は、溝106’’の湾曲セクションの上端部に位置する。この位置では、突起部102’は、円形ラッチ102’が軸Aを中心に回転することをもはや妨げない。
【0039】
長手方向スライド105の変位は、例えば、長手方向スライド105に直接加えられる剛性ロッドによる方向Bの押圧力によって、または、例えば、横方向スライド104に加えられるロッドまたはケーブルによる方向Cの牽引力によって達成可能である。方向Cにおける横方向スライド104の変位は、横方向スライド104の突起部104’および長手方向スライド105の斜めに整列した溝105’のために、方向Bにおける長手方向スライド105の移動に変換される。したがって、スライドシステム103に加えられた押圧力または牽引力のいずれかによって、ロック100を操作および開放することが可能である。なお、引っ張り方向Cは、長手方向スライド105を180°回転させることにより容易に変更することができることに留意すべきである。
【0040】
ガードロッキングプレート106が長手方向スライド105によって持ち上げられた後、長手方向スライド105は、円形ラッチ102の下縁部102’’を押し、図2a〜図2cに示される位置に到達するまで、円形ラッチ102を軸Aの周りおよび方向Dに回転させる。図1aに見られるように、円形ラッチ102はまた、インターロッキングプレート107の側面に突起部102’’を有する。インターロッキングプレート107は、水平方向および斜めの断面を有する溝107’を有する。円形ラッチ102の回転は、突起102’’およびインターロッキングプレート107の溝107’の形状のために、インターロッキングプレート107を下げる。
【0041】
本発明のロック100はまた、磁石190を運ぶ阻害ユニット108を含む。阻害ユニット108は、本発明のロック100のロック解除するために必要である。阻害ユニット108の機能原理を以下に説明する。
【0042】
ロック100が閉位置にあるとき、図1a〜図1dから明らかなように、磁石190を含む阻害ユニット108は、インターロッキングプレート107の縁部107’’に当接する。
【0043】
インターロッキングプレート107を下げることにより、阻害ユニット108は解放され、阻害ユニット108と前面プレート111との間に配置されたばね110のばね力の作用下で、それがインターロッキングプレート107の縁部107’’に当接するまで、方向Eに押しのけられる。この位置における阻害ユニット108は、インターロッキングプレート107の上昇を防ぎ、したがって、円形ラッチ102が回転して伸長位置に戻るのを防ぐ。
【0044】
阻害ユニット108によるインターロッキングプレート107のロッキングは、図3a〜図3dに示されるように、円形ラッチ102の回転なしに、長手方向スライド105がその元の位置に戻ることを可能にする。したがって、ロック100が設置されているドアは、スライドシステム103に力を加える必要なしに、円形ラッチを後退位置にして移動することができる。
【0045】
ロック100をロッキングするために、インターロッキングプレート107を再び解放しなければならない。本発明のこの好ましい実施形態では、これは、磁石190を引き付け、ばね110を圧縮するカウンター磁石405の作用によって達成される。このカウンター磁石405は、例えば、ドアフレームまたは閉鎖プレート400内に設置することができる。カウンター磁石405をロック100の磁石109に近づけることにより、ロック100の磁石109を、前面プレート111に向かって引くことができる。その結果、阻害ユニット108も前面プレート111に向かって移動し、インターロッキングプレート107が解放される。
【0046】
インターロッキングプレート107が解放されると、それは再び持ち上げることができる。前面プレート111と円形ラッチ102との間に配置された円形ラッチばね114は、円形ラッチ102を軸Aの周りに回転させて伸長位置に戻す。ガードロッキングプレートばね115の作用により、ガードロッキングプレート106も元の位置に戻る(図1a〜図1d)。結果として、ロック100は有利にはセルフロック式であり、円形ラッチ102の伸長は、単に阻害ユニット108を変位させることによってトリガーされる。
【0047】
好ましくは、阻害ユニット108内の磁石109の位置は、調整することができる。これにより、2つの磁石109、405間の引力を容易に調整することができる。本発明の好ましい一実施形態では、磁石109は、磁石109の所望の位置が達成されるまで、阻害ユニット108にねじ込まれるねじ付きロッド108’に接続される。
【0048】
図6aは、本発明の閉鎖プレート400の好ましい一実施形態を示す。閉鎖プレート400は、ハウジング401と、鉛直方向に変位可能である鉛直閉鎖プレートユニット402と、水平方向に変位可能である水平閉鎖プレートユニット403とを含む。鉛直閉鎖プレートユニット402および水平閉鎖プレートユニット403を変位させることにより、ドアの最適なロックを保証するために、閉鎖プレート400の開口部404のサイズおよび位置を、本発明のロック100の円形ラッチ102の位置およびサイズに適合させることができる。本発明の閉鎖プレート400では、カウンター磁石405がプラスチックソケット406内に設置され、好ましくは偏心して保持される。プラスチックソケット406は、ばね407によってハウジング401内に保持されている。これにより、ロック100の左右の横方向の取り付けまたはロック100の正面方向の取り付けのために、カウンター磁石405の偏心位置を適合させることができる。カウンター磁石405の位置の調整は、円形ラッチ102がいかなる場合でも開口部404の前でロックされないことを保証するために横方向の設置にとって特に重要である。ロック100の正面設置の場合、カウンター磁石405の位置は、もう一度、ロック100をロッキングする時点に影響を及ぼし、これは、使用の利便性を改善することができる。
【0049】
磁石405の位置が時間とともに自動的に変化しないことを保証するために、プラスチックソケット406は、いくつかの支持体410と、ロッキング面409を備えた空洞408とを含む。プラスチックソケット406がハウジング401の前面プレート411と同一平面にあるとき、支持体410はロッキング面409上にあり、プラスチックソケットは回転できない。磁石405の位置を再調整できるようにするために、プラスチックソケット406は、支持体410がもはや表面409上に載らないように、空洞408内のばね407に対して押し付けられなければならない。プラスチックソケット406は、回転された後、再度解放することができる。
【0050】
上で説明したように、本発明のロック100は、押圧力または牽引力のいずれかによって操作することができる。これにより、図4aに示されるように、ロック100をドア、好ましくは引き戸に横方向および正面に取り付けることが可能になる。
【0051】
ロック100用のフィッティング200の第1の実施形態は、図4a〜図4dに示されている。本発明のシェルハンドル200は、横方向に取り付けられているか正面に取り付けられているかに関係なく、ロック100の操作を可能にする。図4a、図4b、および図4dの左側にある正面に取り付けられたロック100は、剛性ロッド112によってシェルハンドル200に接続されている。これらの図の右側にある横方向に取り付けられたロック100は、ケーブル113および必要に応じてロッドによって、シェルハンドル200に接続されている。ロッド112は、長手方向スライド105または横方向スライド104に固定され、ケーブル113が横方向スライド104に固定される。シェルハンドル200は、ロック100を操作するための機能コンポーネント201およびロッキング機構202からなる。
【0052】
前面プレート203が隠されている図4bは、シェルハンドル200の内側を示している。他の要素の中でも、この好ましい実施形態ではフラップの形態をとるハンドル204と、スライダー206が見える。フラップ204は、シェルハンドル200のハウジング212にしっかりと接続されているベアリング210に回転可能に取り付けられている。図4cは、タブ205およびスライダー206を備えたフラップ204をより詳細に示している。
【0053】
フラップ204を回転させると、スライダー206は、タブ205の作用下で方向Fに変位する。スライダー206は、スライダー206の溝206’を通過するねじ207によって水平に変位可能に保持される。ロッド112および/またはケーブル113は、例えばねじ付きピンなどの取り付け手段208によってスライダー206に接続されているので、ロッド112およびケーブル113も方向Fに移動し(図4aを参照)、ロックを操作する。スライダー206が変位すると、ハウジング212とスライダー206との間に設置されているばね209が圧縮される。フラップ204が解放されると、ばね209は、スライダー206を元の位置に押し戻し、フラップ204を元に戻す。シェルハンドル200の対称構造は、正面方向および横方向に取り付けられたロック100を交換できることを意味する。このような場合、ロックは、フラップ204をGと反対方向に回転させることによって操作される。
【0054】
ロッキング機構202は、図5aおよび図5bに基づいてより詳細に説明されている。機構202は、3つの部分、すなわち、アクチュエータ211(図4aおよび図4b)と、スライド要素215と、ラグ214を備えたロッキング要素213とからなる。
【0055】
図5aは、ロッキング要素213のラグ210が、スライド206の最下縁部よりも低いロック解除位置にある機構202を示している。スライド要素215に接続されているアクチュエータ211を変位させることによって、方向Hにおいて、ロッキング要素213は上昇される。図5bに示されるように、アクチュエータ211の変位後、ロッキング要素213のラグ210は、スライド206の最下縁部よりも再び高くなり、それによって、スライダー206の方向Fへの変位を防止する。ロック100は、この位置で操作することはできない。ロック解除は、スライド要素211を押し戻し、ロッキング要素213を下げることによって実行される。
【0056】
閉鎖装置1用のフィッティングの第2の実施形態が図7に示されている。本発明のフィッティング300は、横方向または正面方向に設置されているかどうかに関係なく、ロック100の操作を可能にする。フィッティング300は、ハウジング301と、ベアリング310に回転可能に取り付けられたハンドル302とを含む。この図では、ハウジング301の前面プレートは隠されている。この好ましい実施形態で回転テーブルの形態をとるスライダー303は、ハンドル302と一体になってハウジング302に組み込まれ、したがってハンドル302と共に回転する。閉鎖装置1のロッド112またはケーブル113は、回転テーブル303の穴304に取り付けることができる。接続要素112、113は、回転テーブル303の両側に、したがってハウジングの両側に取り付けることができる。ハンドル302を回転させると、ロッド112またはケーブル113が変位し、それによってロック100が動作する。
【0057】
フィッティング300はまた、ロッキング機構305を含む。ロッキング機構305は、この実施形態では、突起部307を有するロックシリンダー306を特徴とする。シリンダー306の回転は、第1のロッキングプレート308の横方向変位を駆動し、したがって、第2のロッキングプレート309の鉛直変位を駆動する。ロック位置では、第2のロッキングプレート309は、回転テーブル303の下縁部に当接し、それにより、回転テーブル303の回転を禁止する。
【0058】
ロック100を操作するためのフィッティングの第2の実施形態が、図9および図10に示されている。本発明のこの実施形態に係るシェルハンドル600は、図4a、図4b、図4c、図4d、図5a、および図5bのシェルハンドル200と同様であり、ロック100が横方向に取り付けられているか正面方向に取り付けられているかに関係なく、同様にロック100の操作を可能にする。フィッティング200とフィッティング600との違いは、ロッキング機構のみにある。
【0059】
フィッティング600のロッキング機構602の要素は、図9および図10にさらに詳細に示されている。フィッティング600の他の要素は、フィッティング200の要素に対応するため、ここでは再度説明しない。機構602は、3つの要素、すなわち、スライド要素615に接続されたアクチュエータ611と、ラグ614を備えたロッキング要素613とからなる。
【0060】
図9は、ロック解除位置にある機構602を示しており、ロッキング要素613のラグ614は、スライダー606の最下縁部よりも低い。図9のスライダー606の位置は、ロック100の円形ラッチ102が後退している状態、つまり、ロック100がロック解除されたときを示している。図9に見られるように、機構602は、ロッキング要素613がスライダー606によって阻害されるため、フィッティングをこの位置にロックすることが不可能となるように設計されている。すなわち、円形ラッチが後退した場合、フィッティングをロックできないことが有利である。フィッティングをロックできたとしても、これはロックのセルフロッキングを不可能にする。
【0061】
ここでロック100の円形ラッチ102がその伸長位置にある場合、スライダー606は、接続要素112(ここには図示されていない)によって方向Fに変位される。ここで、図10に示されるスライダー606の位置で、フィッティング600をロックすることができる。スライド要素615に接続されたアクチュエータ611を方向Hに変位させることにより、案内穴616の非対称形状により、ロッキング要素613が上昇する。図10に示されるように、アクチュエータ611の変位後、ロッキング要素613のラグ614は、再びスライダー606の最下縁部よりも高くなり、それにより、スライダー606の方向Hへの変位を防止する。フィッティング600はこの位置で操作できず、ロック100はロック解除できない。フィッティング600のロック解除は、アクチュエータ611を押し戻し、ロッキング要素613を下げることによって実行される。
【0062】
フィッティング600は、ロック100が(図9のように)左または右に配置できるように設計されていることに留意することが重要である。実際、この図のラグ614が左側になるように、ロッキング要素613を単に回転させることができる。
【0063】
図8は、本発明の引き戸システム500の好ましい一実施形態を示す。引き戸システム500は、引き戸501に正面方向(位置I)または横方向(位置J)に設置することができる本発明のロック100を含む。引き戸システム500はまた、ロック100を操作するためのフィッティング200を含む。引き戸システム500の本実施形態では、フィッティング200は、本発明のシェルハンドル200の形態をとる。フィッティング200およびロック100は、接続要素112、113によって接続され、これらは、ドア501のボア502内に配置される。ドア501はまた、ドアフレームに対してドア501を移動させるためのレール503を有する(ここには示されていない)。
【0064】
最後に、例としてここに記載された実施形態は、本発明の実現の可能性を表すだけであり、決して限定的であると見なされるべきではないことがもう一度指摘されるべきである。当業者は、本発明の他の実装形態およびさらなる要素が、本発明の本質的な特徴を無視することなく可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0065】
1 閉鎖装置
100 ロック
101 ロックハウジング
102 円形ラッチ
102’ ガードロッキングプレートと相互作用するための円形ラッチの突起部
102’’ インターロッキングプレートと相互作用するための円形ラッチの突起部
102’’’ 円形ラッチの下縁部
103 スライドシステム
104 横方向スライド
104’ 横方向スライドの突起部
105 長手方向スライド
105’ 長手方向スライドの溝部
106 ガードロッキングプレート
106’ ガードロッキングプレートの斜めの下縁部
106’’ ガードロッキングプレートの溝部
107 インターロッキングプレート
107’ インターロッキングプレートの溝部
107’’ インターロッキングプレートの第1の上縁部
107’’’ インターロッキングプレートの第2の上縁部
108 阻害ユニット
109 永久磁石
110 阻害ユニットばね
111 ロックの前面プレート
112 ロッド
113 ケーブル
114 円形ラッチばね
115 ガードロッキングプレートばね
200 フィッティング
201 フィッティングの機能コンポーネント
202 ロッキング機構
203 フィッティングの前面プレート
204 フラップ
205 タブ
206 スライダー
206’ スライダーの溝
207 ねじ
208 接続要素を取り付けるための手段
209 ばね
210 ベアリング
211 アクチュエータ
212 フィッティングハウジング
213 ロッキング要素
214 ラグ
215 スライド要素
300 フィッティング
301 ハウジング
302 ハンドル
303 回転テーブル
304 回転テーブルの穴
305 ロッキング機構
306 ロックシリンダー
307 ロックシリンダーの突起部
308 第1のロッキングプレート
309 第2のロッキングプレート
400 閉鎖プレート
401 ハウジング
402 鉛直閉鎖プレートユニット
403 水平閉鎖プレートユニット
404 開口部
405 磁石
406 プラスチックソケット
407 ばね
408 キャビティ
409 ロッキング面
410 プラスチックソケットの支持部
411 前面プレート
500 引き戸システム
501 引き戸
502 ボア
503 レール
600 フィッティング
602 ロッキング機構
604 フラップ
606 スライダー
611 アクチュエータ
613 ロッキング要素
614 ラグ
615 スライド要素
616 ガイド穴
A 円形ラッチの枢動軸
B スライドシステムへの押圧方向
C スライドシステムの牽引方向
D ロック時の円形ラッチの回転方向
E 阻害ユニットの押圧方向
F 操作方向
G フラップの回転方向
H スライド要素の変位方向
I 正面方向の位置
J 横方向の位置
図1a
図1b
図1c
図1d
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021年1月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1b
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6a
【国際調査報告】