(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525669(P2021-525669A)
(43)【公表日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】人造石プレートを形成する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B28B 13/00 20060101AFI20210830BHJP
B28B 5/02 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
B28B13/00
B28B5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2021-517081(P2021-517081)
(86)(22)【出願日】2019年5月27日
(85)【翻訳文提出日】2020年11月27日
(86)【国際出願番号】AT2019060176
(87)【国際公開番号】WO2019227114
(87)【国際公開日】20191205
(31)【優先権主張番号】A50433/2018
(32)【優先日】2018年5月28日
(33)【優先権主張国】AT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520467420
【氏名又は名称】エクテック エンジニアード クォーツ テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ボルフガング ヨハン ホルバート
【テーマコード(参考)】
4G054
4G055
【Fターム(参考)】
4G054CA01
4G054DA02
4G055AA01
4G055AA10
4G055AB01
4G055AC01
4G055CA04
4G055CA09
(57)【要約】
本発明は、人造石プレートを連続的に形成する方法と設備に関する。方法においては、少なくとも1つの鉱物の充填材と有機結合剤を有する原材料が混合されて、ダブルベルトプレス(2)の下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布されて、次に連続的に圧縮され、かつ結合剤が硬化される。連続的に得られる材料バンドが、人造石プレートに個別化される。少なくとも2つの別々の混合装置(15)による原材料の混合が、時間的にずれてバッチ混合工程で実施される。複数の混合装置(15)からの混合された原材料が、時間的にずれて1つ又は複数の拡散装置(16)内へ移送され、かつ1つ又は複数の拡散装置(16)によって連続的かつ中断なしに下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人造石プレートを連続的に形成する方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つの鉱物の充填材と少なくとも1つの有機結合剤を有する原材料を準備するステップと、
原材料を混合するステップと、
混合された原材料を、ダブルベルトプレス(2)の連続的に移動される下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた、連続的に移動される移送手段(8)上へ塗布するステップと、
混合された原材料を連続的に圧縮して、圧縮された材料バンド(24)とするステップと、
有機結合剤を硬化させるステップと
材料バンド(24)を人造石プレートに個別化するステップとを備える、方法において、
原材料の混合が、少なくとも2つの別々の混合装置(15)を用いて時間的にずらして第1のタイミングに従ってバッチ混合工程で実施され、少なくとも2つの混合装置(15)に、それぞれのバッチ混合プロセスの開始前に、定められた量の原材料が供給され、
かつ、少なくとも2つの混合装置(15)から混合された原材料が、時間的にずらされて第2のタイミングに従って1つ又は複数の拡散装置(16)内へ移送され、かつ混合された原材料が1つ又は複数の拡散装置(16)によって連続的かつ中断なしに下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布されることを特徴とする人造石プレートを連続的に形成する方法。
【請求項2】
混合装置(15)が、入口開口部(27)を介して原材料を装填され、かつ混合装置(15)から混合された原材料が出口開口部(28)を介して排出され、それぞれの混合のために入口開口部(27)と出口開口部(28)が閉鎖されるので、混合がそれぞれ混合装置(15)の閉鎖されたハウジング(26)内で実施される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの固定位置に配置された混合装置(15)から混合された原材料が、下側ベルト(3)の上方又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手(8)の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置(16)へ、混合された原材料を移送するための物理的な手段(17)、特にコンベヤベルト(29)、材料シュート(30)又は材料ホースを介して供給される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
原材料が少なくとも2つの変位可能な混合装置(15)によって混合され、それぞれの変位可能な混合装置(15)が、混合された原材料を、下側ベルト(3)の上方又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置(16)内へ移送するために、それぞれ少なくとも1つの拡散装置(16)の移送位置(41)へ変位される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
混合された原材料が、少なくとも2つの走行可能な拡散装置(16)によって下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布され、第4のタイミングに従って、混合装置(15)から混合された原材料をそれぞれの拡散装置(16)内へ移送するために、拡散装置(16)が時間的にずれてそれぞれの装填位置(42)内へ走行し、かつ第4のタイミングに従って拡散装置(16)が混合された原材料を塗布するために拡散装置(16)が時間的にずれて、下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)の上方のそれぞれの拡散位置(43)へ走行する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの走行可能な拡散装置(16)が、混合装置(15)から混合された原材料を拡散装置(16)内へ移送するために、混合装置(15)の下方のそれぞれの装填位置(42)へ走行し、そして次にそれぞれの混合装置(15)の出口開口部が開放される、ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
混合された原材料が、少なくとも2つの拡散装置(16)によって下側ベルト(3)上又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ少なくとも2つの互いに重ねて配置された原材料層(47、48)をなして塗布される、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
混合された原材料が、1つ又は複数の拡散装置(16)内に配置された均一化装置(31)によって均一かつ均質に分配されて、下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布される、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
下側ベルト(3)上へ塗布された原材料が、ダブルベルトプレス(2)の下側ベルト(3)と上側ベルト(4)の間へ進入する前に、1つ又は複数のプレ圧縮ローラ(11)又はプレ圧縮ローラペア(12)によって圧縮される、ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
人造石プレートを連続的に形成する設備(1)であって、
原材料を保管するための1つ又は複数のストック容器(18)を有し、
下側ベルト(3)と上側ベルト(4)及び下側ベルト(3)と上側ベルト(4)の間を移送される材料を加熱するための少なくとも1つの加熱手段(5)を備えたダブルベルトプレス(2)を有する、設備(1)において、
原材料を混合するために、別々に配置され、かつバッチ混合工程のために形成された少なくとも2つの混合装置(15)が配置されており、
かつ下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)に混合された原材料を連続的に装填するように形成された1つ又は複数の拡散装置(16)が配置されており、
少なくとも2つの混合装置(15)から混合された原材料を拡散装置(16)内へ移送するための少なくとも1つの手段(17)が設けられている、ことを特徴とする人造石プレートを連続的に形成する設備。
【請求項11】
制御装置(38)が設けられており、前記制御装置(38)が第1のタイミングに従って複数の混合装置(15)内で混合プロセスを時間的にずれて実施するように、かつ第2のタイミングに従って混合装置(15)から混合された原材料を拡散装置(16)内へ移送するプロセスを時間的にずれて実施するように形成されている、ことを特徴とする請求項10に記載の設備。
【請求項12】
混合装置(15)が、それぞれ、閉鎖可能な入口開口部(27)と閉鎖可能な出口開口部(28)とを備えたハウジング(26)を有している、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の設備。
【請求項13】
固定位置に配置された少なくとも2つの混合装置(15)及び下側ベルト(3)の上方の固定位置に、あるいは下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置(16)が設けられており、
かつ、混合装置(15)から混合された原材料を固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置(16)内へ移送するために、混合された原材料を移送するための少なくとも1つの物理的な手段(17)、特にコンベヤベルト(29)、材料シュート(30)又は材料ホースが配置されている、
ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の設備。
【請求項14】
少なくとも2つの変位可能な混合装置(15)及び下側ベルト(3)の上方又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの1つの拡散装置(16)が設けられており、それぞれの混合装置(15)が、少なくとも1つの拡散装置(16)の上方の放出位置へ変位可能に配置されている、ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の設備。
【請求項15】
少なくとも2つの走行可能な拡散装置(16)が配置されており、前記走行可能な拡散装置(16)がそれぞれの混合装置(15)から混合された原材料を移送するためにそれぞれの装填位置(42)へ走行可能であって、かつ前記走行可能な拡散装置(16)が、混合された原材料を塗布するために、下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)の上方のそれぞれの拡散位置(43)へ走行可能である、ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の設備。
【請求項16】
走行可能な拡散装置(16)が、混合装置(15)の下方のそれぞれの装填位置(42)へ走行可能に配置されている、ことを特徴とする請求項15に記載の設備。
【請求項17】
制御装置(38)が設けられており、前記制御装置(38)は複数の拡散装置(16)に混合された原材料を装填するため、かつ混合された原材料を下側ベルト(3)上又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ塗布するために、第4のタイミングに従って走行可能な複数の拡散装置(16)の走行運動を時間的にずらして実施するように形成されている、ことを特徴とする請求項15又は16に記載の設備。
【請求項18】
1つ又は複数の拡散装置(16)は、下側ベルト(3)又は下側ベルト(3)の上流に位置決めされた移送手段(8)上へ混合された原材料を均一かつ均質に分配するために、特に実質的に水平回転軸線に沿って支承された逆方向に回転可能なローラ(32)の形態の、均一化装置(31)を有している、ことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の設備。
【請求項19】
原材料のために移送方向(6)においてダブルベルトプレス(2)の上側ベルト(4)と下側ベルト(3)の間の進入箇所(10)の前の下側ベルト(3)に、1つ又は複数の圧縮ローラ(11)又は圧縮ローラペア(12)が配置されている、ことを特徴とする請求項10〜18のいずれか1項に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人造石プレートを連続的に形成する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人造石プレートは、通常、鉱物の充填物質、例えば石英顆粒もしくは石英砂と、有機又はポリマーの結合剤、例えば化学的に重合可能かつ場合によっては架橋化可能な樹脂とからなる混合物を圧縮して硬化させることによって形成される。特性を適合させる可能性、例えば視覚的外見イメージを形作る可能性に基づいて、人工的に形成される人造石はますます人気を得ており、かつこの種の人造石プレートは、時とともに多くの領域において、例えば作業プレート、地面被覆、壁内装、ファサード構成要素などとして、天然石からなるプレートにとって代わっている。
【0003】
従来は、この種の人造石プレートは、原材料を混合し、混合された材料をネガ型へ挿入し、次に結合剤を硬化させながらプレスすることによってサイクル方法で、したがって非連続的に形成されている。原則的には、人造石プレートを連続的に形成する方法と設備も知られている。これらの連続的な方法においては、例えば材料を連続的にプレスするためにダブルベルトプレスが提案される。プレス工程後に、所定の幅と厚みを有するプレスされた人造石バンドが得られ、それがその後人造石プレートの所望の長手方向の延びに合わせて分割される。
【0004】
特許文献1(欧州特許第2780104号明細書)からは、ダブルベルトプレスを使用する、種概念に基づく方法と装置が知られており、その方法においてはダブルベルトプレスを用いて連続的な人造石バンドが形成される。この場合において、原材料からプレス前に連続的に装填装置を用いて5mmから30mmの間の直径を有する角丸の粒子からなる細粒が形成される。装填装置は、少なくとも2つの回転可能なドラムを有しており、それらのドラムは、それぞれ色を有する角丸の粒子からなる2つの細粒を形成するために設けられている。しかし、この特許文献1(欧州特許第2780104号明細書)に開示されている方法と装置は、大量の個数で人造石プレートを連続的に形成するには、適していない。例えばこの既知の方法においては、様々な原材料の特性のばらつき及びプレス材料が塊になる傾向に基づいて、形成の間に問題が生じるので、再現性とプロセス安定性が充分ではない。特にその限りにおいて、この既知の方法と装置における混合プロセスと装填プロセスには問題がある。というのは、それらは以降の連続的なプレス工程、例えばベルト速度に直接依存するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2780104号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服し、かつ、大量の個数と高い再現性及びプロセス安全性において人造石プレートを連続的に形成することを可能にする、装置と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項に記載の方法と装置によって解決される。
【0008】
人造石プレートを連続的に形成する方法は、
少なくとも1つの充填材と少なくとも1つの有機結合剤とを有する原材料を準備するステップと、
原材料を混合するステップと、
混合された原材料をダブルベルトプレスの連続的に移動される上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた、連続的に移動される移送手段上へ塗布するステップと、
混合された原材料を連続的に圧縮して、圧縮された材料バンドにするステップと、
有機結合剤を硬化させるステップと、
材料バンドを人造石プレートに個別化するステップとを備える。
【0009】
原材料の混合は、少なくとも2つの別々の混合装置によって時間的にずらして、かつ第1のあらかじめ定めることのできる、もしくはあらかじめ定められたタイミングに従って調整されて、バッチ混合工程で実施され、少なくとも2つの混合装置には、それぞれのバッチ混合プロセスの開始前にそれぞれ定められた量の原材料が供給される。
【0010】
さらに、少なくとも2つの混合装置からの混合された原材料が時間的にずらして、かつ第2のあらかじめ定めることのできる、もしくはあらかじめ定められたタイミングに従って調整されて、1つ又は複数の拡散装置内へ移送され、かつ混合された原材料が1つ又は複数の拡散装置によって連続的かつ中断なしに上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布される。
【0011】
特に、少なくとも2つの混合装置内の原材料の混合は、第1のタイミングに従って交互に行うことができる。同様に少なくとも2つの混合装置からの混合された原材料の、拡散装置内への移送は、第2のタイミングに従って交互に行うことができる。このようにして、連続的に移動される上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた、連続的に移動される移送手段への連続的かつ中断のない装填を保証することができる。
【0012】
一般的に、ここで、かつ以下で時間的にずらして、もしくは時間的なずれと言う場合に、それは、それぞれ記述されるプロセスが例えば交互に行うことができるが、該当するプロセスが時間的に少なくとも部分的に、もしくは時に、重なり合うことも可能である、ということである。
【0013】
上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段は、例えばコンベヤベルトによって形成することができる。各拡散装置に、少なくとも1つの混合装置を機能技術的に対応づけることができ、少なくとも2つの混合装置を、例えば個々の拡散装置に対応づけることができるので、少なくとも2つの混合装置から混合された原材料が、第2のタイミングに従ってクロック制御されて個々の拡散装置へ移送される。混合装置は、例えばいわゆる並流ミキサーとして形成することができる。
【0014】
鉱物の充填材の原材料として、例えば石英顆粒もしくは石英砂、ケイ石、石材料、大理石粉など、あるいは鉱物の充填材の混合物を準備することができる。1つ又は複数の充填材は、例えば顆粒状又は粉末状の形状で使用することができ、特に流動性である。有機結合剤の原材料として、例えば重合化可能もしくは化学的に硬化可能な樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシド樹脂又はフェノール樹脂を準備することができ、例えば架橋化剤もしくは硬化剤あるいは促進剤を含むことができる多成分システムも使用することができる。有機結合剤もしくはその成分は、原則的に液状でも、固体、例えば顆粒状又は粉末状の形態でも準備することができる。さらに、原材料としての付加的な物質、例えば顔料、色素、殺菌剤あるいは他の、例えばガラス破片のような充填材料を混合することができる。
【0015】
上記の記載の手段によって、特に人造石プレートを連続して大量生産するのに適した方法を提供することができる。特に、混合された原材料もしくはプレス材料を形成するための混合プロセスをクロック制御し、もしくはサイクルで実施することができる。それによって例えば混合期間のような混合パラメータは、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上のプレス材料の連続的な分配に関係なく、定めることができる。このようにして、例えば人造石バンドとして連続的にプレスすることに関係なく、原材料をベルト又は移送手段上へ塗布する前に充分に均質化することができる。さらに、それぞれ方法の実施もしくは製品に対する要請、例えば単位時間あたり必要とされる人造石プレートの量もしくは製造すべき人造石のタイプに応じて、それぞれ充分な混合容量を準備することができる。
【0016】
ベルト又は移送手段へ混合された原材料を装填し、もしくは拡散させることは、クロック制御されてバッチ工程で実施される混合プロセスから切り離して行われるので、中断なしで人造石プレートを絶え間なく連続して製造することが可能である。さらに、記述される手段によって、混合の間に発生する問題、例えば混合された原材料の塊の形成、不十分な混合あるいは材料ガイドの不具合、堆積の形成あるいは特に詰まりなどを早期に認識することができる。したがってその結果、欠陥のある人造石プレートの製造を回避し、もしくは望ましくない欠陥品の形成を防止することができる。さらに、選択可能な密度とプレート厚を有する人造石プレートの形成を、簡単なやり方で、しかも効率的かつ再現可能に行うことができる。記述される手段によって、全体として、製品に関して良好な再現性を有する、きわめてプロセス安定の方法を効果的に提供することができる。
【0017】
好ましくは本方法において、混合された原材料は、1つ又は複数のそれ用に形成され、かつ寸法設計された拡散装置を用いて上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段のベルト幅全体にわたって塗布することができる。さらに原材料は、それぞれのバッチ混合プロセスの開始前に第3のあらかじめ定められた、もしくはあらかじめ定めることのできるタイミングに従って少なくとも2つの混合装置へ供給することができる。それぞれ定められた量の原材料を混合装置内へ供給するために、それ自体知られた手段もしくは方法を使用することができ、例えば配量弁、配量フラップあるいは配量ウォームを使用することができる。原材料は、例えばストック容器から混合装置へ配量することができる。
【0018】
本方法の展開において、混合装置に入口開口部を介して原材料を装填することができ、かつ混合装置から混合された原材料を出口開口部を介して排出することができ、それぞれの混合のために入口開口部と出口開口部が閉鎖されるので、混合はそれぞれ混合装置の閉鎖されたハウジング内で実施される。
【0019】
このようにして原材料のそれぞれの混合は、特にプロセス安全もしくはプロセス安定で実施することができる。
【0020】
方法の好ましい展開によれば、少なくとも2つの固定位置に配置された混合装置からの混合された原材料は、上側ベルトの上方の固定位置に、あるいは上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置へ、混合された原材料を移送するための少なくとも1つの物理的な手段を介して供給することができる。移送する手段は、例えば1つ又は複数のコンベヤベルト、材料シュート又は材料ホースによって形成することができる。
【0021】
この手段によって、特に簡単に実施でき、かつコスト的に好ましく、しかもプロセス安定の方法の実施が可能である。特に必要とする拡散装置の数を最小限に抑えることができる。さらに、比較的少ない数の駆動される機械コンポーネントで間に合わせることができ、それが駆動コストに関して好ましく、かつ潜在的なエラー源の数も低下させる。
【0022】
しかし方法変形例においては、原材料を少なくとも2つの変位可能な混合装置によって混合することができ、それぞれの変位可能な混合装置は、混合された原材料を上側ベルトの上方又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置内へ移送するために、それぞれ少なくとも1つの拡散装置の上方の放出位置へ変位される。さらにこの方法の実施において、少なくとも2つの混合装置が原材料を装填するために装填位置へ、あるいは次々と複数の装填位置へ変位することができる。装填位置は、例えば原材料のための材料放出の位置とすることができ、あるいは例えば原材料のためのストック容器の出口開口部の下方の位置とすることができる。
【0023】
利点として、複数の混合装置と1つ又は複数の拡散装置との間に設けられた移送区間に基づいて生じ得る問題が回避される。すなわち例えば製造の間に、この種の移送区間における堆積又は詰まりの形成に基づいて場合によっては生じる問題を回避することができる。さらにこの方法変形例においても、必要な拡散装置の数を最小限に抑えることができる。これは、2つの異なる混合装置は拡散装置の上方に同時に位置決めすることができないにもかかわらず、材料供給が行われない期間の間は、それぞれの拡散装置が材料バッファとして機能することができるからである。方法のこの実施変形例において、混合装置は例えばカルーセル状に配置することができるので、各混合装置はそれぞれ拡散装置の上方の放出位置と1つ又は複数の充填位置との間で場所を変えることができる。
【0024】
しかしある方法の実施も効果的であって、それにおいて混合された原材料は少なくとも2つの走行可能な拡散装置によって、上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布される。第4のタイミングに従って、拡散装置は混合装置から混合された原材料を拡散装置内へ移送するために、時間的にずれて、かつ調整されてそれぞれの装填位置へ走行することができ、かつ第4のタイミングに従って拡散装置は混合された原材料を塗布するために時間的にずれて、かつ調整されて、上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段の上方のそれぞれの拡散位置へ走行することができる。
【0025】
好ましくはこの方法変形例において、特に、ここでも混合装置と1つ又は複数の拡散装置との間の移送区間を回避することができる。拡散装置は、例えば電動、空気圧又は油圧で駆動されて、例えばレールガイドのような適切なガイド部材に配置することができる。上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上に材料の隙間が生じるのを回避するために、第4のタイミングに従って、各時点で混合された原材料を拡散装置によって上側ベルトもしくは上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布することができる。特に、少なくとも時々は少なくとも2つの拡散装置が同時に異なる箇所又は拡散位置において混合された原材料を上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へ塗布することができる。
【0026】
その結果、少なくとも2つの走行可能な拡散装置が、混合装置からの混合された原材料を拡散装置内へ移送するために、混合装置の下方のそれぞれの装填位置へ走行することもでき、続いてそれぞれの混合装置の出口開口部が開放される。
【0027】
これが、混合された原材料をそれぞれの拡散装置内へ特に簡単かつ同時にできる限りエラーのない、プロセス安全で移送することを可能にする。
【0028】
きわめて原則的に、ある方法の実施も可能であって、それにおいて混合された原材料は少なくとも2つの拡散装置によって、少なくとも2つの重ねて配置された原材料層として上側ベルト上又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布される。
【0029】
この種の方法の実施が、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へ塗布される原材料の質量流の増大を可能にし、したがって全体として単位時間あたりより多くの材料を上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布することができる。それによって全体として、大きいプレート厚みを有する人造石プレートを形成することができる。もちろんこの種の方法の実施においては、充分に混合容量を準備しなければならない。そのために、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段の上方に固定的又は固定位置に配置された拡散装置を伴う方法の実施においては、原則的に2つの拡散装置で充分である。走行可能な拡散装置を使用する場合には、この種の方法の実施のためには少なくとも3つの拡散装置が使用されなければならない。
【0030】
方法の展開において、混合された原材料は1つ又は複数の拡散装置内に配置された均一化装置によって均一かつ均質に分配し、かつ上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ塗布することもできる。
【0031】
均一化装置として、例えば、逆方向に回転するローラからなるローラペアを使用することができ、それらのローラは特に、実質的に水平の回転軸線に沿って支承されている。これらのローラは、さらに、例えばウォームプロフィールを有することができるので、均一に分配するために1つ又は複数の拡散装置内へ混合された材料を移送することも可能である。これは特に、混合された原材料が限られた狭い装填箇所において拡散装置内へ投入される場合に、効果的である。付加的に、例えば原材料の塊ができた場合にそれはこの種の均一化装置によって破砕することができるので、混合された原材料は拡散装置内でさらに均質化されて、その結果、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へ均一に分配して塗布もしくは拡散されることが可能である。代替的又は付加的に、この種の均一化装置もしくは破砕装置は、拡散装置の上流に接続することができる。
【0032】
そして方法の他の実施形態においては、上側ベルト上に塗布された原材料は、ダブルベルトプレスの上側ベルトと上側ベルトの間へ進入する前に、1つ又は複数のプレ圧縮ローラ又はプレ圧縮ローラペアによって圧縮することができる。
【0033】
特に、ダブルベルトプレス自体が材料進入領域内で大きすぎる摩耗に対して保護されていることが、効果的である。というのはすでにプレ圧縮された材料がダブルベルトプレス内へ進入するからである。結果として、このようにしてダブルベルトプレスの寿命を延長することができ、もしくはダブルベルトプレスのコストのかかる修理を延期することができる。それに対してプレ圧縮ローラもしくはプレ圧縮ローラペアは、摩滅が大きすぎる場合には、多大な手間なしで、かつ比較的費用をかけずに交換することができる。1つ又は複数のプレ圧縮ローラによるプレ圧縮の程度は、ダブルベルトプレスを通過した後の最終圧縮に関して、例えば90%以上とすることができる。
【0034】
そして方法の実施は、次のように行うことができる:すなわち混合装置内への原材料の配量と混合装置内の混合期間及び上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上への混合された原材料の塗布速度、上側ベルトのベルト速度及び混合された原材料へのプレス圧力が、人造石プレートのそれぞれの所望の密度と厚みに関して制御される。
【0035】
本発明の課題は、設備の提供によっても解決される。
【0036】
人造石プレートを連続的に形成する設備は、
原材料を保管するための1つ又は複数のストック容器と、
上側ベルトと上側ベルトと、上側ベルトと上側ベルトの間で移送される材料を加熱するための少なくとも1つの加熱手段を備えたダブルベルトプレスとを備える。
【0037】
原材料を混合するために、少なくとも2つの別々に配置され、かつバッチ混合工程用に構成された混合装置が配置されている。さらに、上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段に混合された原材料を連続的に装填するための1つ又は複数の拡散装置が配置されている。さらに少なくとも2つの混合装置から混合された原材料を拡散装置内へ移送するための少なくとも1つの手段が設けられている。
【0038】
上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段は、例えばコンベヤベルトによって形成することができる。各拡散装置に、少なくとも1つの混合装置を機能技術的に対応づけることができ、少なくとも2つの混合装置を、例えば個々の拡散装置に機能技術的に対応づけることができるので、設備の駆動において少なくとも2つの混合装置から混合された原材料は、クロック制御され、もしくは時間的にずらして個々の拡散装置内へ移送することができる。少なくとも2つの混合装置から混合された原材料を拡散装置内へ移送する少なくとも1つの手段は、例えば材料コンベヤベルトのような、物理的な移送手段とすることができる。しかし移送する手段は、設備の駆動において少なくとも2つの混合装置から混合された原材料が拡散装置内へ放出されることにより、重力であってもよい。
【0039】
記述された特徴によって、特に人造石プレートを連続的に大量生産するのに非常に適した設備を提供することができる。特に設備の駆動において、混合された原材料もしくはプレス材料を形成するための混合プロセスは、クロック制御され、もしくはサイクルにおいて実施することができる。それによって例えば混合期間のような混合パラメータは、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へのプレス材料の連続的な分配に関係なく、定めることができる。混合装置は、例えばいわゆる並流ミキサーによって形成することができる。
【0040】
設備の駆動においてバッチ混合プロセスと連続的な装填を結合する可能性によって、さらに、混合の間に発生する問題、例えば混合された原材料の塊の形成、不十分な混合又は欠陥のある材料供給、堆積の形成あるいは特に詰まりを早期に認識することができる。したがってその結果において、欠陥のある人造石プレートの製造を防止し、もしくは望ましくない欠陥品の製造を阻止することができる。全体として、記述された特徴によって、製品に関して良好な再現性を有する、設備のきわめてプロセス安定の駆動を好ましいやり方で行うことができる。
【0041】
拡散装置、特に拡散装置の下方の放出開口部は、混合された原材料が上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段のベルト幅全体にわたって塗布できるように、形成し、かつ寸法設計することができる。そのために拡散装置の下方の放出開口部の幅方向の広がりは、上側ベルトのバルト幅に少なくともほぼ適合することができる。
【0042】
それぞれ定められた量の原材料を混合装置内へ供給するために、それ自体知られた手段を使用することができ、例えば配量弁、配量フラップ又は配量ウォームを配置することができる。原材料を保管し、もしくは中間貯蔵するために、1つ又は複数のストック容器を配置することができる。
【0043】
設備の実施変形例において、制御装置を設けることができ、その制御装置は、第1のタイミングに従って複数の混合装置内で混合プロセスを時間的にずらし、かつ調整して実施するように、かつ第2のタイミングに従って複数の混合装置から混合された原材料を1つ又は複数の拡散装置内へ移送する複数のプロセスを時間的にずらし、かつ調整して実施するように、形成されている。
【0044】
このように形成された制御装置によって、設備の駆動において例えば、人造石プレートへと連続的にプレスすることとは関係なく、原材料をベルト又は移送手段上へ塗布する前に、それを充分に均質化することができる。ベルト又は移送手段に混合された原材料を装填もしくは拡散させることは、クロック制御されてバッチ工程で実施される混合プロセスから切り離して連続的に行うことができるので、中断なしで人造石プレートを持続的、連続的に製造することが可能である。
【0045】
特に制御装置は、少なくとも2つの混合装置内で混合プロセスを第1のタイミングに従って交互の順序で実施するように、形成することができる。同様に制御装置は、少なくとも2つの混合装置から混合された原材料を1つ又は複数の拡散装置内へ移送するプロセスを、第2のタイミングに従って交代する順序で実施するように、形成することができる。このようにして、設備の駆動において、連続して移動される上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた、連続して移動される移送手段の連続的かつ中断のない装填を保証することができる。さらに、制御装置は、それぞれのバッチ混合プロセスの開始前に第3のあらかじめ定められた、もしくはあらかじめ定めることのできるタイミングに従って、特に交代する順序で、少なくとも2つの混合装置内へ原材料を供給するように、形成することができる。
【0046】
設備の他の実施形態において、混合装置はそれぞれ、閉鎖可能な入口開口部と閉鎖可能な出口開口部とを備えたハウジングを有することができる。
【0047】
それによって設備の駆動において、混合プロセスは特にプロセス安全もしくはプロセス安定で実施することができる。
【0048】
設備の好ましい実施変形例において、少なくとも2つの固定位置に配置された混合装置及び上側ベルトの上方の固定位置又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送装置の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置を設けることができ、混合装置から混合された原材料を少なくとも1つの固定位置に配置された拡散装置内へ移送するために、混合された原材料を移送する少なくとも1つの物理的な手段、特にコンベヤベルト、材料シュート又は材料ホースを配置することができる。
【0049】
それによって設備の特に簡単に実施でき、コスト的に好ましく、しかもプロセス安定の駆動が可能である。特に必要な拡散装置の数を最小限に抑えることができる。さらに比較的少ない数の駆動される機械コンポーネントで間に合わせることができ、それが駆動コストに関して効果的であり、かつ潜在的なエラー源も低下させる。
【0050】
しかしまた、少なくとも2つの変位可能な混合装置と上側ベルトの上方又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置とが設けられる、設備の形態も可能であって、それぞれの混合装置は、少なくとも1つの拡散装置の上方の放出位置へ変位可能に配置されている。少なくとも2つの変位可能な混合装置は、原材料を充填するために充填位置へ、あるいは次々と複数の充填位置へ変位可能に配置することができる。充填位置は、例えば原材料のための材料放出部における位置とすることができ、あるいは例えば原材料のためのストック容器の出口開口部の下方の位置とすることができる。
【0051】
設備の駆動においては、この特徴によって、複数の混合装置と1つ又は複数の拡散装置の間に設置された移送空間に基づいて、場合によっては生じ得る問題を回避することができる、という利点が得られる。さらに設備のこの実施変形例において、必要な拡散装置の数を最小限に抑えることができる。これは、2つの異なる混合装置を1つの拡散装置の上方に同時に位置決めすることはできないにも関わらず、それぞれの拡散装置は、材料供給が行われない期間の間、材料バッファとして機能することができるからである。設備のこの実施変形例において、複数の混合装置は例えばカルーセル形状に配置することができるので、各混合装置はそれぞれ拡散装置の上方の放出位置と1つ又は複数の充填位置との間で変位可能に配置することができる。
【0052】
しかしまた、少なくとも2つの走行可能な拡散装置が配置される、設備の形態も有意義であることができ、その走行可能な拡散装置は、それぞれの混合装置から混合された原材料を移送するためにそれぞれの装填位置へ走行することができ、かつその走行可能な拡散装置は、混合された原材料を塗布するために上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段の上方のそれぞれの拡散位置へ走行することができる。
【0053】
この実施形態においても、複数の混合装置と1つ又は複数の拡散装置との間の移送区間を回避することができ、したがって場合によっては発生する堆積又は詰まりをよりよく防止することができる。1つ又は複数の拡散装置は、例えば電動、空気圧又は油圧で駆動されて、例えばレールガイドのような適切なガイド部材に配置することができる。
【0054】
しかし設備のこの実施形態においても、走行可能な拡散装置が混合装置の下方のそれぞれの装填位置へ走行できるように配置することができる。
【0055】
それによって設備の駆動において、混合された原材料をそれぞれの拡散装置内へ特に簡単かつ同時にできるかぎりエラーなしで、プロセス安定で移送することができる。
【0056】
さらに、走行可能に配置された拡散装置を有する実施変形例において、制御装置を設けることもでき、その制御装置は、拡散装置に混合された原材料を装填するために、かつ上側ベルト上又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ混合された原材料を塗布するために、第4のタイミングに従って走行可能な複数の拡散装置の走行運動を時間的にずらし、かつ調整して実施するように形成されている。
【0057】
このように形成された制御装置を設けることによって、設備の駆動において上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上の材料の隙間を回避することができる。特に第4のタイミングに従って、各時点で拡散装置によって混合された原材料を上側ベルトもしくは上流に位置決めされた移送手段上へ塗布することができる。制御装置は、走行可能な拡散装置を制御するために、特に、設備の駆動において、少なくとも時々は少なくとも2つの拡散装置が同時に異なる箇所もしくは拡散位置において、混合された原材料を上側ベルト又は上流に位置決め移送手段上へ塗布するように、形成することもできる。
【0058】
好ましい実施形態において、1つ又は複数の拡散装置は、上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段上へ混合された原材料を均一かつ均質に分配するために、特に、実質的に水平の回転軸線に沿って支承された、逆方向に回転可能なローラの形態の、均一化装置を有することができる。
【0059】
これらのローラは、さらに、例えばウォームプロフィールを有することができるので、均一に分配する目的で1つ又は複数の拡散装置内で混合された原材料の移送が可能である。これは特に、混合された原材料が限定された狭い装填箇所において拡散装置内へ投入される場合に、効果的である。設備の駆動において、この種の均一化装置によって、例えば原材料が塊になってもそれを破砕することができるので、混合された原材料は1つ又は複数の拡散装置内でさらに均一化され、その結果として均一に分配して、上側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へ塗布する又は拡散させることができる。代替的又は付加的にこの種の均一化装置もしくは破砕装置を拡散装置の上流に接続して配置することもできる。
【0060】
他の実施形態において、原材料のための移送方向において、ダブルベルトプレスの上側ベルトと上側ベルトの間の進入箇所の前の上側ベルトに、1つ又は複数のプレ圧縮ローラ又はプレ圧縮ローラペアを配置することができる。
【0061】
設備の駆動において、ダブルベルトプレス自体は特に材料進入領域内で、大きすぎる摩滅に対して保護することができる。というのは、すでにプレ圧縮された材料がダブルベルトプレス内へ達することができるからである。その結果、このようにしてダブルベルトプレスの寿命を延長することができ、もしくはダブルベルトプレスのコストのかかる修理をできる限り遅延させることができる。それに対して1つ又は複数のプレ圧縮ローラもしくはプレ圧縮ローラペアは、摩滅がひどい場合には多大な手間なしで、かつ比較的コストをかけずに交換することができる。
【0062】
そして設備の実施形態において、制御装置は、混合装置内への原材料の配量、混合装置内の混合期間を少なくとも時間的に調整して制御し、かつ上側ベルト又は上側ベルトの上流に位置決めされた移送手段への混合された原材料の塗布速度、上側ベルトのベルト速度及び混合された原材料へのプレス圧を、人造石プレートのそれぞれ所望の密度と厚みに関して制御するように、形成することができる。
【0063】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
【0064】
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、人造石プレートを連続的に形成する設備の実施例を示す側面図である。
【
図2a】
図2aは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図2b】
図2bは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図3】
図3は、人造石プレートを連続的に形成する設備の実施例を上から示す上面図である。
【
図4】
図4は、拡散装置の実施例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、人造石プレートを連続的に形成する設備の他の実施例を上から示す上面図である。
【
図6】
図6は、人造石プレートを連続的に形成する設備の他の実施例を上から示す上面図である。
【
図7a】
図7aは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図7b】
図7bは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図7c】
図7cは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図7d】
図7dは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図8a】
図8aは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図8b】
図8bは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図8c】
図8cは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図8d】
図8dは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図8e】
図8eは、人造石プレートを連続的に形成する設備の駆動における時間的にずれた瞬間記録である。
【
図9】
図9は、人造石プレートを連続的に形成する設備の他の実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、例えば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0067】
図1には、人造石プレートを連続的に形成する設備1が示されている。図示される実施例によれば、設備1は、下側ベルト3と上側ベルト4を備えたダブルベルトプレス2を有している。
図1からさらに明らかなように、下側ベルト3は上側ベルト4よりも大きい長さを有しており、かつ上側ベルト4に対して変位して配置されているので、圧縮すべき材料もしくは原材料は材料投入領域5内で下側ベルト3上に塗布して、次に移送方向6において下側ベルト3と上側ベルト4の間の加工領域7内へ移送することができる。圧縮すべき材料を下側ベルト3上へ塗布する代わりに、
図1の左に破線で示すように、原材料を移送方向6において下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上に塗布することもできる。下側ベルト3の上流に位置決めされたこの種の移送手段は、例えば別体のコンベヤベルトによって形成することができる。このような場合においては、下側ベルト3の長さをより短く選択することができる。設備1の駆動中に、下側ベルト3及び場合によっては上流に位置決めされた移送手段8は連続的に移動されるので、塗布された原材料は移送方向6に運ばれ、もしくは移送される。
【0068】
さらに、ダブルベルトプレスは、下側ベルト3と上側ベルト4の間で移送される材料を加熱するための少なくとも1つの加熱手段9を有しており、
図1に示す実施例においては、圧縮すべき材料もしくは原材料を上からと下から加熱するために2つの加熱手段9が配置されている。加熱手段9は、例えば抵抗加熱部材によって、あるいは加熱流体によって貫流される加熱部材によって、形成することができる。
【0069】
図1からさらに明らかなように、移送方向6において原材料のために、ダブルベルトプレス2の上側ベルト4と下側ベルト3の間の進入箇所10の前の下側ベルト3に、1つ又は複数のプレ圧縮ローラ11又はプレ圧縮ローラペア12を配置することができる。図示されるように、プレ圧縮ローラペア12は、圧縮ローラ13及びそれに比較して小さいカウンターローラ14からなることができ、圧縮ローラ13は、耐摩耗性に形成することができ、例えばクロムメッキ又はゴム引きすることができ、あるいは耐摩耗性の人造石層を有することができる。設備1の駆動中に、下側ベルト3上に塗布された原材料は、ダブルベルトプレス2の上側ベルト4と下側ベルト3の間に進入する前に、この種の、あるいは複数の、プレ圧縮ローラ11又はプレ圧縮ローラペア12によって圧縮することができるので、ダブルベルトプレス2自体は特に進入箇所10において余りに大きい摩耗に対して保護することができる。プレ圧縮の程度は、きわめて大きく選択することができ、ダブルベルトプレスを通過後の原材料の最終圧縮に関して、例えば70%以上、特に90%以上とすることができる。
【0070】
ダブルベルトプレス2内へ進入する前に、もしくはプレ圧縮の前に、原材料が混合されて、下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上に塗布される。
図1に示すように、原材料を混合するために、少なくとも2つの別々に配置された、バッチ混合工程用に形成された混合装置15が配置されている。混合装置15は、例えばいわゆる並流ミキサーによって形成することができる。さらに、下側ベルト3に、あるいは下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8に混合された原材料を連続的に装填するように形成された1つ又は複数の拡散装置16が配置されており、
図1に示す実施例においては、1つの拡散装置16のみが示されている。同様に示されるように、1つ又は複数の拡散装置16によって、それぞれ混合された原材料がダブルベルトプレス2の下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上に塗布され、もしくは拡散させられる。このようにして形成された原材料層44が、設備1の駆動中に、連続的に移動される下側ベルト3及び場合によっては移送手段8によって連続的に移送方向6へ移送される。
【0071】
さらに、混合された原材料を少なくとも2つの混合装置15から拡散装置16内へ移送するための少なくとも1つの手段17が設けられている。
図1に示す実施例において、混合された原材料を2つの混合装置15から図示される拡散装置16内へ移送するための共通の手段17が図式的に示されており、手段17は、この場合においてコンベヤベルトによって形成されている。後述するように、混合された原材料を移送するために、例えば材料シュート又は材料ホースのような、他の物理的な手段17を設けることもできる。さらに、変位可能な混合装置15が拡散装置16の上方に位置決めされ、あるいは走行可能な拡散装置16が混合装置16の下方に位置決めされることにより、混合された材料を移送する手段が重力もしくは地球引力によって形成されることも、可能である。
【0072】
各拡散装置16に、機能技術的に少なくとも1つの混合装置15を対応づけることができ、
図1に示す実施例によれば、設けられた2つの混合装置15が唯一の拡散装置16に機能技術的に対応づけられている。設備1が2つより多い混合装置15と1つより多い拡散装置16を有することができるのはもちろんであって、ここでも各拡散装置16に機能技術的に少なくとも1つの混合装置15を対応づけることができる。混合装置15もしくは拡散装置16の数を増大させることによって、単位時間あたり特に大量の混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布することができ、それによって例えば、より大きいプレート厚みを有する人造石プレートを製造することができる。
【0073】
図1に示す実施例に示されるように、設備1は原材料を収容し、もしくは中間貯蔵する1つ又は複数のストック容器18を有しており、ストック容器18は複数の原材料を共通に保管するように形成することができ、あるいはそれぞれ1つの原材料を別々に保管するための複数のストック容器18を設けることができる。さらに、1つ又は複数のストック容器18から混合装置15内へ原材料を配量するために配量装置19、例えば調節可能な弁又はフラップを配置することができる。
図1に示す実施例においては、2つのストック容器18が設けられており、それらから原材料をそれぞれの混合装置15へ供給することができる。
【0074】
さらに、例えば原材料を下側ベルト3上へ分配するための鋤部材20及び下側ベルト3上で原材料をならすためのレーキ21を配置することができる。
図1に示すように、設備1はさらに、移送方向6においてダブルベルトプレス2の後方にさらに冷却ゾーン22と、それ自体知られたように個別化装置、例えば切断装置23を有することができる。切断装置23は、1つ又は複数の鋸装置を有することができる。例えば、それぞれ所望のプレート長さを有する人造石プレートを得るために、この種の鋸装置は、プレスされて硬化された原材料から移送方向6に対して横方向に材料バンド24を分割するために設けることができる。そして付加的に、ダブルベルトプレス2を通過した後に得られる材料バンド24を移送方向6において縁処理し、あるいは分割するために設けられた鋸装置を設けることもできる。これは、例えばそれぞれ所望のプレート幅を有する人造石プレートを得るためである。
【0075】
同様に
図1から図式的に認識されるように、人造石プレートを連続的に形成する方法は、
少なくとも1つの鉱物の充填物質と少なくとも1つの有機結合剤とを有する原材料を準備するステップと、
原材料を混合するステップと、
ダブルベルトプレス2の連続的に移動される下側ベルト3又は移送方向6において下側ベルト3の上流に位置決めされた、連続的に移動される移送手段8上に、混合された原材料を塗布するステップと、
混合された原材料を連続的に圧縮して、プレスされた材料バンド24を形成するステップと、
有機結合剤を硬化させるステップと、
かつ材料バンド24を人造石プレートに個別化するステップと。
【0076】
鉱物の充填物質の原材料として、例えば石英顆粒もしくは石英砂、石材料、大理石粉など、あるいは鉱物の充填物質の混合物が挙げられる。1つ又は複数の鉱物の充填物質は、例えば顆粒又は粉末の形態で使用することができ、かつ特に流動可能である。有機結合剤の原材料として、重合化可能もしくは化学的に硬化可能な樹脂、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシド樹脂又はフェノール樹脂を準備することができ、多成分系も使用することができ、その多成分系は例えば架橋化剤もしくは硬化剤又は促進剤を含むことができる。有機結合剤もしくはその成分は、原則的に液状の形状でも、あるいは固体の、例えば顆粒又は粉末の形態でも準備することができる。さらに、原材料として付加的な物質、例えば顔料、色素、殺菌剤あるいは他の、例えばガラス破片のような充填材料を混合することができる。
【0077】
原材料の混合は、少なくとも2つの別々の混合装置15を用いて時間的にずらして第1のあらかじめ定められた、もしくはあらかじめ定めることのできるタイミングに従ってバッチ混合工程で実施され、少なくとも2つの混合装置15には、それぞれのバッチ混合プロセスの開始前に、定められた量の原材料が供給される。少なくとも2つの混合装置からの混合された原材料は、第2のタイミングに従って時間的にずらして1つ又は複数の拡散装置16へ移送される。1つ又は複数の拡散装置16によって、混合された原材料が連続的に、かつ中断なしで下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布される。
【0078】
図2aと2bには、
図1に示す実施例に基づく設備の駆動の、時間的にずれた2つの瞬間記録を用いて、クロック駆動される混合のための実施例が示されている。
【0079】
図2aに示す瞬間記録によって明らかなように、混合された原材料がまさに第2のタイミングに従って、右手に示される混合装置15から混合された原材料を移送する手段17を介して図示される拡散装置16内へ移送され、かつ拡散装置16によって下側ベルト3上に原材料層44を形成しながら塗布される。その間に左手に示す混合装置15内の原材料は、第1のタイミングに従ってまさに混合される。代替的に、
図2aの瞬間記録に示すように、まさに第3のタイミングに従って原材料がストック容器18から左手に示される混合装置15内へ充填されて、それに続いて初めて混合プロセスが第2のタイミングに従って開始されるようにすることができる。
図2aに示す実施例においては、例えば、ストック容器18からの充填区間を2つの混合装置15のそれぞれ1つへ切り替えるために切り替えフラップ25を使用することができる。
【0080】
図2bには、設備1の駆動における
図2aの瞬間記録に対して時間的にずれた瞬間記録が示されている。見てわかるように、この瞬間記録においては混合された原材料はまさに第2のタイミングに従って左手に示す混合装置15から混合された原材料を移送する手段17を介して図示される拡散装置16内へ移送され、かつ拡散装置16によって下側ベルト3上へ塗布される。その間に右手に示す混合装置15内の原材料は第1のタイミングに従ってまさに混合される。代替的に、
図2bの瞬間記録に基づいてここでも、まさに第3のタイミングに従って原材料がストック容器18から右手に示す混合装置15内へ充填されて、その後に初めて混合プロセスが第2のタイミングに従って開始されるようにすることができる。
【0081】
図2aと2bを一緒に見ることによって認識できるように、ここに示される実施例においては、それぞれ交互に第1のタイミングに従って原材料を混合装置15内で混合することができ、かつ同様にそれぞれ交互に、混合された原材料を第2のタイミングに従って拡散装置16内へ移送することができる。第1、第2及び第3のタイミングは、第1のタイミングに従う異なる混合装置15内の個々の混合プロセスと、異なる混合装置15から1つ又は複数の拡散装置16内への個々の移送プロセスが、少なくとも一部時間的に重なり合うことができ、したがって少なくとも部分的に同時に実施できるように、定めることができることは、もちろんである。これは特に、1つより多い拡散装置16と2つより多い混合装置15が使用される場合である。もちろん同じことは、第3のタイミングに基づく混合装置15内への原材料の供給についても当てはまる。個々の供給プロセス、混合プロセス及び移送プロセスのそれぞれの開始点と時間長さは、好ましくはそれぞれ、下側ベルト3上に材料の隙間が生じないように、定め、もしくは設定することができる。
【0082】
図2aと2bにはさらに、混合装置15がそれぞれ、閉鎖可能な入口開口部27と閉鎖可能な出口開口部28とを備えたハウジング26を有することができることが、示されている。設備の駆動において、混合装置15に入口開口部27を介して原材料を装填し、混合された原材料を混合装置15から出口開口部28を介して排出することができ、混合するために、入口開口部27と出口開口部28は閉鎖される。このようにして混合は、それぞれ混合装置15の閉鎖されたハウジング26内で実施することができる。
【0083】
人造石プレートを連続的に形成するための設備1もしくは方法の種々の他の視点を、以下で他の実施例を用いて詳細に説明する。
【0084】
図3には、人造石プレートを連続的に形成する設備1の実施例が、上からの上面図で示されている。
図3においては、先行する
図1−2と同じ部分には同一の参照符号もしくは構成部品名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、先行する
図1−2内の詳細な説明を参照するよう指示し、ないしは参照する。
【0085】
図3に明らかなように、設備1において少なくとも2つの固定位置に配置された混合装置15と、下側ベルト3の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置16を設けることができる。代替的に、
図1に破線で示すように、下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置16を設けることもできる。混合装置15から混合された原材料を少なくとも1つの固定位置に配置された拡散装置16内へ移送するために、混合された原材料を移送するための少なくとも1つの物理的な手段17、特にコンベヤベルト29、材料シュート30又は材料ホースを配置することができる。
【0086】
図示される実施例において、ダブルベルトプレス2の下側ベルト3の側方に2つの混合装置15が固定位置に配置されている。混合装置15には、図示されるように、原材料を供給するためのそれぞれ2つのストック容器18を対応づけることができ、例えばそれぞれ鉱物の充填材を保管もしくは中間貯蔵するためのストック容器18と有機結合剤を保管するためのそれぞれ他のストック容器18を設けることができる。さらに、下側ベルト3の上方の固定位置に配置された拡散装置16を設けることができる。
【0087】
設備の駆動において、少なくとも2つの固定位置に配置された混合装置15から混合された原材料を、下側ベルト3の上方の固定位置に、あるいは下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8(
図1を参照)の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置16へ、混合された原材料を移送するための少なくとも1つの物理的な手段17、特にコンベヤベルト29、材料シュート30又は材料ホースを介して供給することができる。
【0088】
図示された実施例によれば、混合装置15から混合された原材料を移送するために、2つの移送する手段17が設けられている。図示されるように、設備1の駆動中に混合された原材料はまずコンベヤベルト19を介して材料シュート30へ、そしてその後材料シュート30を介して拡散装置16内へ移送することができる。
【0089】
もちろん、固定位置に配置された混合装置15と拡散装置16及び混合された原材料を移送するための手段17を有する、
図3に示すのとは異なる配置も考えられる。例えば、ある配置が可能であって、それにおいて下側ベルト3の両側にそれぞれ混合装置15が配置されており、かつ混合された原材料がそれぞれ物理的な手段17を介して交互に混合装置15から拡散装置16内へ移送される。さらに、下側ベルト3の上方の固定位置に配置された1つより多い混合装置15を有する設備1も、又は、移送方向6において下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8を有する設備1も、固定位置に配置された2つより多い混合装置15を有する設備1も、もちろん考えられる。
【0090】
図3によってさらに明らかなように、1つの拡散装置16もしくは場合によって複数の拡散装置16は、混合された原材料を下側ベルト3あるいは下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上で均一かつ均質に分配するために、特に実質的に水平の回転軸に沿って支承された、逆方向に回転可能なローラ32の形態の、均一化装置31を有することができる。逆方向に回転可能なローラ32は、拡散装置16内へ混合された原材料を移送するために、それぞれ付加的に、これも同様に
図3から明らかなように、ウォームプロフィールを有することができる。このように形成された均一化装置31は、下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段上に混合された原材料を均一に分配することに加えて、例えば塊を破砕することにより、混合された原材料をさらに均質化するために用いることができる。設備1の駆動において、混合された原材料はダブルベルトプレス2の下側ベルト3上へ、あるいは下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布する間に、1つ又は複数の拡散装置16内でこの種の均一化装置31によって、下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ均一かつ均質に分配することができる。代替的又は付加的に、この種の均質化装置もしくは破砕装置31を拡散装置16の上流に接続して配置することもできる。
【0091】
図4には、拡散装置16の可能な実施形態が断面で示されている。拡散装置16は、特に漏斗形状に形成することができる。
図4の双方向矢印によって示されるように、均一化装置31のローラ32は互いに変位可能に支承することができるので、ローラ32の間の間隙は拡大又は縮小することができる。これは、下側ベルト3あるいは移送手段8上へ混合された原材料を配量して拡散もしくは塗布する手段である。さらに、拡散装置16は変位可能な操作フラップ33を有することができ、その操作フラップは特に、操作フラップ33の閉鎖位置34において拡散装置16がその内周面全体にわたって閉鎖されることができるように、寸法設計し、かつ配置することができる。操作フラップ33の閉鎖位置においては、混合された原材料は下側ベルト3又は移送手段8上へ達することはできず、したがって設備の駆動における塗布プロセスもしくは拡散プロセスの開始時点は所望に制御することができる。さらに、それによって拡散装置16の入口側に、混合された原材料の材料バッファを形成することができる。そして、
図4を用いて明らかにするように、拡散装置16の出口側35に他の操作フラップ36を設けることができる。この種の他の操作フラップ36を用いて、一方で、下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ単位時間あたり塗布され、もしくは拡散される混合された原材料の量を調節し、もしくは制御することができる。さらに、それによって拡散装置16の出口領域内に、すでにほぐされ、もしくは破砕された、混合された原材料を有する材料バッファを準備することができる。
【0092】
図3に戻って、ダブルベルトプレス2の下側ベルト3の両側に、下側ベルト3からの混合された原材料の落下を防止するために、サイド仕切り37を配置することができる。この種のサイド仕切り37は、例えば固定的に設置された、下側ベルト3と結合されて一緒に移動される、あるいは固定位置に設置されて、下側ベルト3とは結合されずに、例えば片持ち配置された端縁バーによって形成することができる。特にプレ圧縮ローラ11又はプレ圧縮ローラペア12の領域内で、この種のサイド仕切り37は混合された原材料が下側ベルト3を越えて逃げるのを阻止することができるので、混合された原材料はこの種のプレス領域内で特に空気を押し出しもしくは逃がすことによって圧縮することができる。
【0093】
図3に示す設備1の駆動において、原材料は混合装置15内で第1のタイミングに従って混合されて、第2のタイミングに従って拡散装置16内へ移送される。これらのタイミングを制御し、かつ他のプロセスもしくは設備コンポーネントを制御するためにも、
図3に示すように、制御装置38を使用することができる。示唆されるように、制御装置38はそのために設備1の種々のコンポーネントもしくはコンポーネントのための駆動装置と信号技術的に接続することができる。
【0094】
特に、この種の制御装置38は、第1のタイミングに従って混合装置15内で混合プロセスを時間的にずらして実施し、かつ第2のタイミングに従って混合装置15から混合された原材料を拡散装置16内へ移送するプロセスを時間的にずらして実施するように形成することができる。示されるように、そのために制御装置38は、混合装置15と拡散装置16の開閉コンポーネントのための駆動装置及び混合装置15の混合器具と信号技術的に接続することができる。
【0095】
しかし制御装置38は、
図3から明らかなように、他のコンポーネント及びプロセスを制御するために形成することもでき、もしくは駆動するために他の設備コンポーネントと信号接続することができる。特に制御装置38は少なくとも、混合装置15内への原材料の配量、混合装置15内の混合期間を時間的に調整して制御するため、かつ、混合された原材料の塗布速度もしくは下側ベルト3又は下側ベルトの上流に位置決めされた移送手段8上へ単位時間あたり塗布される原材料の量、下側ベルト8のベルト速度及び混合された原材料へのプレス圧をそれぞれ人造石プレートの所望の密度と厚みに関して制御するように形成することができる。さらに制御装置38は、設備1の駆動中に混合された原材料の温度を、例えば
図1に示す加熱手段9を適切に駆動することによって、適合させるように形成することができる。
【0096】
図5には、人造石プレートを連続的に形成するための設備1の他の、場合によってはそれ自体自立した実施変形例が示されている。
図5において、先行する
図1−4におけるのと同一の部分には同一の参照符号もしくは構成部品名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、先行する
図1−4内の詳細な説明を参照するよう指示し、もしくは参照する。
【0097】
図5に示す実施例によれば、少なくとも2つの変位可能な混合装置15と下側ベルト3の上方又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方の固定位置に配置された少なくとも1つの拡散装置16を設けることができ、それぞれの混合装置15は、少なくとも1つの拡散装置16の上方の放出位置へ変位することができるように配置されている。
図5に示す実施例において、全部で3つの変位可能な混合装置15が配置されており、本方法は、混合プロセスもしくは混合された原材料を拡散装置16内へ移送するプロセスのために第1もしくは第2のタイミングを適切に適合させることによって、2つ又は3つより多い混合装置によっても実施可能であることは、自明である。
【0098】
図5に示すように、3つの混合装置15をカルーセル状に配置することができるので、各混合装置が交互に、もしくは時間的にずれた順序において、ストック容器18が1つ又は複数である場合に充填位置39から、混合位置40及び混合された原材料を拡散装置16内へ移送する移送位置41へ、例えば拡散装置16の上方へ変位することができる。2つの混合装置15を有する設備1の代替的な実施変形例において、例えば、1つの混合装置15は混合プロセスの間充填位置29に留まることもできる。混合プロセスと移送プロセスは、それぞれここでも第1の設定可能な、もしくは第2の設定可能なタイミングに従って実施することができる。
【0099】
その後、
図5に示す設備1の実施例の駆動において、原材料は少なくとも2つの変位可能な混合装置15によって混合することができ、それぞれ変位可能な混合装置15は、混合された原材料を下側ベルト3の上方又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方の固定位置に配置された拡散装置16内へ移送するために、それぞれ少なくとも1つの拡散装置16の上方の移送位置41へ変位することができる。
【0100】
拡散装置16を1つだけ使用する場合には、もちろん2つの混合装置15が同時に拡散装置16の上方の移送位置41を占めて、混合した原材料を拡散装置16内へ移送することはできない。しかし、それにもかかわらず特に、
図4に示すように、拡散装置16がしかるべく形成されている場合には、拡散装置16自体が材料バッファとして作用することができるので、混合された原材料による拡散装置16の充填状態がそれなりである場合には、下側ベルト3又は移送手段8に連続的かつ中断なしで拡散させることが可能である。代替的にこの実施変形例においては、もちろん下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方の固定位置に複数が使用することもできる。この場合において、これらの拡散装置16は、例えば少なくとも時々は、下側ベルト3又は移送手段8に混合された原材料を拡散させるために重畳して使用することができる。
【0101】
図5においてさらに認識できるように、この実施例において制御装置38は混合装置15のための変位駆動装置とも信号接続することができ、かつそれぞれの位置(39、40、41)への混合装置15の変位を制御することができる。
【0102】
図6には、人造石プレートを連続的に形成するための設備1の他の、場合によってはそれ自体自立した実施変形例が示されている。
図6においても、先行する
図1−5におけるのと同一の部分には同一の参照符号もしくは構成部品名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、先行する
図1−5内の詳細な説明を参照するよう指示し、もしくは参照する。
【0103】
図6を用いて示すように、人造石プレートを連続的に形成する設備1の実施形態において、少なくとも2つの走行可能な拡散装置16が配置されており、それらの走行可能な拡散装置16は、混合装置15から混合された原材料をそれぞれの装填位置42へ移送するために走行可能であり、かつこれらの走行可能な拡散装置16は混合された原材料を下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方のそれぞれの拡散位置43へ投入するために走行可能である。
【0104】
装填位置42は、例えば混合装置15から離れるように案内される、混合された原材料のための移送区間の端部に設けることができる。しかし好ましくは、走行可能な拡散装置16は、混合装置15の下方のそれぞれの装填位置42へ走行可能に配置することができ、それが、
図6に示す実施例を用いて示されている。この場合においては、例えば
図3に示す実施例におけるような、物理的な手段17は必要とされず、混合装置15から混合された原材料を拡散装置16内へ移送するための手段は、重力又は地球引力によって形成されている。
【0105】
拡散装置16は、
図6から明らかなように、例えば水平かつ移送方向6に対して垂直にガイド部材44、例えばガイドレール上に走行可能に支承することができ、かつ例えば電動、空気圧又は油圧で走行可能とすることができる。
図6を用いて示唆するように、ここでも制御装置38を設けることができ、その制御装置38は、拡散装置16に混合された原材料を装填し、かつ混合された原材料を下側ベルト3上へ、あるいは下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布し、第4のタイミングに従って走行可能な拡散装置16の走行移動を時間的にずらして実施するように形成されている。この目的のために制御装置38は、拡散装置16のためのしかるべきアクチュエータ及びセンサと信号技術的に接続することができる。
【0106】
図6に示す実施例において、各走行可能な拡散装置16にそれぞれ2つの混合装置15が対応づけられており、それらの混合装置15はそれぞれ下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段の両側に配置されている。この実施例において、それぞれの拡散装置16は、混合された原材料を装填するために2つの対応づけられた混合装置15の間で双方向に場所を変えることができる。もちろん、設備1の代替的な実施形態において、混合容量及び特に必要な混合期間に従って各拡散装置16に原則的に1つの混合装置15のみを対応づけることもできる。もちろんきわめて原則的に、2つより多い走行可能な拡散装置16と2つより多い固定位置に配置された混合装置15とを有する設備1も考えられ、各拡散装置16に少なくとも1つの混合装置15が対応づけられなければならない。
【0107】
設備1の駆動において、混合された原材料は少なくとも2つの走行可能な拡散装置16によって下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布することができ、混合装置15から混合された原材料をそれぞれの拡散装置16内へ移送するために、第4のタイミングに従って拡散装置16が時間的にずれてそれぞれの装填位置42へ走行し、かつ拡散装置16は第4のタイミングに従って混合された原材料を塗布するために、時間的にずれて、下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8の上方の拡散位置43へ走行する。特に
図6に示すように、少なくとも2つの走行可能な拡散装置16が混合装置15から混合された原材料を拡散装置16内へ移送するために、混合装置15の下方のそれぞれの装填位置42内へ走行することができ、続いてそれぞれの混合装置15の出口開口部28(
図2aと2bを参照)が開放される。
【0108】
走行可能な拡散装置16を使用する場合に、下側ベルト3上の材料の隙間を防止するために、もちろん少なくとも2つのしかるべき拡散装置16が使用されなければならない。2つの異なる拡散装置16が下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8の上方の同一の位置を占めることはできないので、第4のタイミングに従って、2つの拡散装置16は少なくとも時には同時に、下側ベルト3の上方の、あるいは上流に位置決めされた移送手段8(
図1を参照)の上方の拡散位置43を占めることができる。
【0109】
図7a、7b、7c及び7dには、2つの走行可能な拡散装置16を有する設備において、可能な4のタイミングを明らかにするために、設備の駆動における複数の時間的にずれた瞬間記録が図式的かつ著しく簡略化して示されている。表示において、実線で示す拡散装置16は、それぞれ拡散位置43にあって、まさに下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ拡散している拡散装置16を特徴づけており、破線で示す拡散装置は下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8の上方のそれぞれの拡散位置にはなく、例えば装填位置又は保持位置へ走行している。
【0110】
図7aは、符号Iを有する拡散装置16を示しており、それを用いてまさに混合された原材料が下側ベルト3上又は移送方向6において下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布される。
図7bに示す瞬間記録においては、Iで示す拡散装置16による下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8への拡散は終了しており、この拡散装置16は例えば装填位置へ走行している。
図7b内で第4のタイミングに従って、符号IIで示す他の拡散装置16が下側ベルト3の上方の拡散位置43内へ走行している。符号IIで示す拡散装置16の拡散位置43は、
図7bから明らかなように、符号Iで示す拡散装置16の拡散位置43に対して移送方向6に変位することができる。同様に
図7bから明らかなように、符号IIで示す拡散装置16による拡散プロセスもしくは塗布プロセスは、時間的にクロック制御されて、符号Iで示す拡散装置16によって下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布されて、移送方向6に移送された原材料層44の層終端45が下側ベルト3又は移送手段8上でまさに符号IIで示す拡散装置16の拡散位置43を通過する時に、開始することができる。
【0111】
図7cには、本方法の瞬間記録が示されており、それにおいて符号Iで示す拡散装置16も符号IIで示す拡散装置16もそれぞれ下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8の上方の拡散位置43内に位置している。
図7cに示す瞬間記録においては、まさに符号Iで示す拡散装置16によって混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布することが開始され、さらに符号IIで示す拡散装置16によっては混合された原材料が下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布される。符号Iで示す拡散装置16によって下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段88上へ塗布された原材料層の層始端46が移送方向6において、符号IIで示す拡散装置16の拡散位置43へ達した場合に、符号IIで示す拡散装置16による混合された原材料の塗布を終了することができ、符号IIで示す拡散装置16は、例えば
図7dの瞬間記録に示すように、装填位置又は保持位置へ走行することができる。次に、
図7a、7b、7c及び7dの瞬間記録を用いて示すような時間的な順序に基づくサイクルを連続的に繰り返すことができる。
【0112】
すでに説明したように、例えば、それぞれの混合装置の混合容量及び個々の混合装置のそれぞれ必要な、あるいは所望の混合期間に従って、2つより多い混合装置15と拡散装置16を使用することができる。
図8a、8b、8c、8d及び8eには、設備1の駆動においてそれぞれ図示される瞬間記録を用いて、3つの走行可能な拡散装置16を使用しながら、第4のタイミングに基づく可能な方法シーケンスのための他の実施例が示されている。
図7a、7b、7c及び7dにおけるように、
図8a、8b、8c、8d及び8eにおいても、実線で示す拡散装置16はそれぞれ拡散位置43内に位置し、かつまさに混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布する拡散装置16を表し、破線で示す拡散装置は、下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8の上方のそれぞれの拡散位置には存在せず、例えば装填位置又は保持位置へ走行している。
【0113】
図8aに示す瞬間記録は、下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8の上方にある、符号Iで示す拡散装置16を示しており、その拡散装置16はまさに混合された原材料を下側ベルト又は上流に位置決めされた移送手段上へ塗布している。時間的に次の、
図8bに示す瞬間記録において、符号IIで示す他の拡散装置16が、移送方向6に変位された拡散位置43内へ走行しており、かつまさにこの符号IIで示される拡散装置16が混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布している。塗布はここでも、符号Iで示す拡散装置16によって下側ベルト3又は移送手段8上へ塗布された原材料層44の層終端46が、下側ベルト3又は移送手段8上で符号IIで示す拡散装置16の拡散位置を通過する時に、開始することができる。
【0114】
図8cに示す次の瞬間記録は、さらに、符号IIを有する拡散装置16を示しており、その拡散装置はあいかわらず混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布している。さらにこの実施例によれば、符号Iで示す拡散装置16もふたたび拡散位置43内へ走行しており、符号Iで示す拡散装置16によっても混合された原材料が塗布される。これは時間的に、
図7cに示す実施変形例におけるように、符号IIで示す拡散装置16によって、下側ベルト3又は移送手段8上に材料の隙間又は材料の過剰が生じないように行われる。
【0115】
図8dには、次の瞬間記録が示されており、それにおいて符号Iで示す拡散装置16がさらに混合された原材料を下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上へ塗布する。符号IIで示す拡散装置は、下側ベルト3又は移送手段8から離れるように走行している。符号IIIで示す他の拡散装置16が、他の、もしくは第3の拡散位置43内へ走行しており、かつまさにこの拡散装置16によって混合された原材料の塗布が開始されている。符号IIIで示す拡散装置による混合された原材料の塗布は、図に示すように、時間的に調整されて、符号IIで示す拡散装置16により塗布された原材料層44の層終端45が下側ベルト3又は移送手段8上で、符号IIIで示す拡散装置16の拡散位置43を通過する時に、開始することができる。
【0116】
そして、
図8eに示す瞬間記録を用いて明らかにされるように、符号IIIで示す拡散装置16は、符号Iで示す拡散装置16によって塗布された原材料の層始端46が下側ベルト3又は上流に位置決めされた移送手段8上で、符号IIIで示す拡散装置16の拡散位置43に達した場合に、その拡散位置43から離れるように走行することができる。符号IIIで示す拡散装置16は、
図8a−8eに示す実施例において、可能な方法の実施のために、符号11で示す拡散装置と符号1で示す拡散装置16の間の材料の隙間を埋める。
【0117】
もちろん、
図8a−8eに示す方法シーケンスの代わりに、3つ又はそれより多い拡散装置16を走行させるための他の遂行シーケンスを適用することもできる。例えば
図8cに示す瞬間記録の代わりに、符号IIで示す拡散装置16に続いて符号IIIで示す拡散装置16が混合された原材料を下側ベルト3又は移送手段8上へ塗布し、それに続いて初めて再び符号Iで示す拡散装置16によって塗布することができる。
【0118】
そして
図9には、本方法の他の実施変形例が図式的に示されている。
図9から明らかなように、混合された原材料は、少なくとも2つの拡散装置16を用いて下側ベルト3又は下側ベルト3の上流に位置決めされた移送手段8上へ少なくとも2つの互いに重ねて配置された原材料層47、48として塗布することができる。これは、固定位置に配置された混合装置15と拡散装置16が使用されるか、あるいは変位可能又は走行可能なそれらが使用されるかに依存しない。
【0119】
図示される実施例において、下側ベルト3の上方の固定位置に配置された拡散装置16と、固定位置に配置された全部で4つの混合装置15が示されており、1つの拡散装置16にそれぞれ2つの混合装置15が機能技術的に対応づけられている。
図9に示す実施例において、それぞれの混合装置15からそれぞれの拡散装置16内への混合された原材料の引き渡しもしくは移送は、混合された原材料を移送するための、コンベヤベルト29として形成された物理的な手段17によってもたらされる。
【0120】
図9に示すように、左手に示す拡散装置16を用いて第1の原材料層47を直接下側ベルト3上へ塗布することができ、移送方向6においてこの第1の原材料層47に続いて第2の原材料層48が、
図9の右手に示す拡散装置16によって第1の原材料層47上へ塗布することができる。この種の方法の実施もしくは設備1は、特にダブルベルトプレスの下側ベルト3と上側ベルトのより高いベルト走行速度を可能にし、それに伴って人造石プレートのためのより高い生産率を可能にする。混合装置15内の混合プロセスもしくは拡散装置16内への混合された原材料の移送プロセスは、もちろん、複数の原材料層47、48を塗布することによる方法の実施の場合においても、それぞれ第1もしくは第2のタイミングに従って実施される。
【0121】
もちろんこの種の方法の実施は、変位可能な混合装置15あるいは走行可能な拡散装置16によっても、可能である。さらに2つより多い材料層47、48の塗布も、もちろん原則的に可能である。
【0122】
それとは関係なく、下側ベルト3上の原材料層44又は原材料層47、48は、場合によってはダブルベルトプレス2の下側ベルト3と上側ベルト4の間でプレ圧縮ローラ11及び/又はプレ圧縮ローラペア12によるプレ圧縮後に、移送方向6に移送され、これは
図1によってもっともよく理解される。原材料層47、48は、ダブルベルトプレス2内で例えばプレスジョウ又は例えばロッドプレスカーペットのようなプレスカーペット49によって、人造石プレートの最終的な、それぞれ所望の最終厚みもしくは密度に圧縮することができる。すでに説明したように、下側ベルト3と上側ベルト4の間に進入する前の混合された原材料のプレ圧縮は、もちろんすでにきわめて高度にすることができるので、ダブルベルトプレス2の下側ベルト3と上側ベルト4の間では、もはやわずかな層厚減少もしくは圧縮しか行うことができず、あるいは特に少なくともほぼ行われない。有機結合剤は、ダブルベルトプレス2内で混合された原材料の加熱により、例えば
図1に示す加熱手段9によって、硬化させることができる。最後に、場合によっては冷却ゾーン22を通過した後に、結果として得られる人造石材料バンド24は、それぞれ所望の寸法に従って、切断装置23によって人造石プレートに個別化することができる。
【0123】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、ここに記録しておくが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性はこの発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0124】
保護領域は、請求項によって定められる。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用されるべきである。図示され、かつ説明された様々な実施例からなる個別特徴及び特徴の組合せは、それ自体自立した進歩的解決を表すことができる。自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0125】
具体的な説明内の値領域についてのすべての記載は、その任意の部分領域とすべての部分領域を共に含むものであって、例えば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分領域、すなわち下限の1又はそれ以上で始まり、上限の10又はそれ以下で終了する、例えば1から1.7、又は3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分領域、を一緒に含んでいるものとする。
【0126】
最後に形式的に指摘しておくが、構造の理解を高めるために部材は一部縮尺どおりではなく、拡大かつ/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0127】
1 設備
2 ダブルベルトプレス
3 下側ベルト
4 上側ベルト
5 材料塗布領域
6 移送方向
7 加工領域
8 移送手段
9 加熱手段
10 進入箇所
11 プレ圧縮ローラ
12 プレ圧縮ローラペア
13 圧縮ローラ
14 カウンタープレスローラ
15 混合装置
16 拡散装置
17 手段
18 ストック容器
19 配量装置
20 鋤部材
21 レーキ
22 冷却ゾーン
23 切断装置
24 材料バンド
25 切替えフラップ
26 ハウジング
27 入口開口部
28 出口開口部
29 コンベヤベルト
30 材料シュート
31 均一化装置
32 ローラ
33 操作フラップ
34 閉鎖位置
35 搬出側
36 操作フラップ
37 サイド仕切り
38 制御装置
39 充填位置
40 混合位置
41 移送位置
42 装填位置
43 拡散位置
44 原材料層
45 層終端
46 層始端
47 原材料層
48 原材料層
49 プレスカーペット
【国際調査報告】