(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525677(P2021-525677A)
(43)【公表日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】航空機の騒音緩和システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B64C 27/08 20060101AFI20210830BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20210830BHJP
G10K 15/04 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
B64C27/08
B64D27/24
G10K15/04 301Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2020-567050(P2020-567050)
(86)(22)【出願日】2019年6月3日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月29日
(86)【国際出願番号】US2019035236
(87)【国際公開番号】WO2019232535
(87)【国際公開日】20191205
(31)【優先権主張番号】62/679,411
(32)【優先日】2018年6月1日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520437526
【氏名又は名称】ジョビー エアロ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】JOBY AERO,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ビヴァート,ジョーベン
(72)【発明者】
【氏名】ミキック,グレゴール,ヴェブル
(72)【発明者】
【氏名】ライアン,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ストール,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】トーダル,ロブ
(72)【発明者】
【氏名】ベイン,ジェレミー
(57)【要約】
航空機によって放出される音響ノイズの心理音響ペナルティを低減するためのシステムおよび方法において、航空機に結合された複数の推進アセンブリであって、それぞれが、モータと、プロペラによって規定される複数のブレードとを含み、ここで複数のブレードは非対称のブレード間隔を規定している、複数の推進アセンブリと;航空機に結合され、複数の推進アセンブリのそれぞれのモータに通信可能に結合された制御サブシステムであって、複数の推進アセンブリのそれぞれを異なる周波数で回転させて放出音響シグネチャの音響パワー分布を変調するように動作可能である制御サブシステムとを具える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機から放出される音響ノイズの音響心理学的ペナルティを低減するためのシステムにおいて、
・前記航空機に連結された複数の推進アセンブリであって、それぞれ、
モータと、
少なくとも第1のプロペラで規定される複数のブレードとを具え、当該第1のプロペラは前記モータに連結され、ある回転周波数で回転し、前記複数のブレードは非対称のブレード間隔を規定する、複数の推進アセンブリと、
・前記航空機に連結され、前記複数の推進アセンブリのそれぞれのモータに通信可能に結合された制御サブシステムであって、前記複数の推進アセンブリのそれぞれの第1のプロペラの回転周波数を制御するように動作可能である制御サブシステムと、
を具えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記複数の推進アセンブリのそれぞれの前記複数のブレードの非対称ブレード間隔が同一である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の推進アセンブリのそれぞれの第1のプロペラが正確に5つのブレードを規定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の推進アセンブリの少なくとも1つの複数のブレードの非対称ブレード間隔が、約68.5°の第1のブレード間角度、約76.3°の第2のブレード間角度、約68.5°の第3のブレード間角度、約73.3°の第4のブレード間角度、および約73.4°の第5のブレード間角度を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの前記推進アセンブリの複数のブレードが、前記第1のプロペラと同軸の第2のプロペラによってさらに規定され、前記第1のプロペラおよび第2のプロペラが動作中に同じ方向に回転し、動作中に前記第1のプロペラが前記第2のプロペラから方位角位相シフトされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のプロペラは、前記複数のブレードのうち正確に2つのブレードを規定し、前記第2のプロペラは、前記複数のブレードのうち正確に2つのブレードを規定する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のプロペラと前記第2のプロペラとの間の方位角位相シフトは、音響出力シグネチャに基づいて、動作中に前記制御サブシステムによって動的に制御される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
各プロペラの非対称のブレード間隔が、動作中に前記制御サブシステムによって独立して調整可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の推進アセンブリが、前記制御サブシステムによって複数のモード間で動作可能であり、当該複数のモードが拡散RPMモードを含んでおり、当該拡散RPMモードは、動作中に前記複数の推進アセンブリのそれぞれ前記第1のプロペラが異なる回転周波数で回転することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
航空機から放出される音響ノイズの音響心理学的ペナルティを低減するための方法において、
・複数の推進アセンブリを提供するステップであって、前記複数の推進アセンブリのそれぞれは、
モータと、
少なくとも第1のプロペラによって規定される複数のブレードとを具える、ステップと、
・前記航空機のオンボード制御システムにより、前記航空機の複数の推進アセンブリを制御して推力を生成するステップであって、前記複数の推進アセンブリが音響パワー分布を規定する音響シグネチャを生成し、前記複数の推進アセンブリが推力分布を生成する、ステップと、
・オンボード制御システムで音響シグネチャデータを特定するステップと、
・前記音響シグネチャデータに基づいて前記複数の推進アセンブリのそれぞれを異なる周波数で回転させて、前記推力分布を実質的に維持しながら、前記音響シグネチャの音響パワー分布を変調するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記複数の推進アセンブリのそれぞれの前記複数のブレードは、非対称のブレード間隔を規定する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の推進アセンブリのそれぞれの前記複数のブレードの非対称ブレード間隔は同一である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
動作中に、複数のうちの少なくとも1つの前記推進アセンブリの前記複数のブレードの非対称ブレード間隔を調整するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の推進アセンブリのそれぞれの回転周波数が、前記複数の推進アセンブリのうちの他の少なくとも1つの回転周波数から、回転周波数の少なくとも5%離れている、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
音響センサから前記オンボード制御システムで音響シグネチャデータを受信し、当該音響シグネチャデータに基づいて前記複数の推進アセンブリのうちの少なくとも1つの回転周波数を調整するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記音響センサが地上ベースの設備要素に配置されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記音響センサが前記航空機に配置され結合されている、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記オンボード制御システムでコマンド命令を受信することに応答して、前記音響シグネチャデータに基づいて前記推力分布を変調するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記推進アセンブリの複数のブレードが、前記第1のプロペラと同軸の第2のプロペラによってさらに規定されるとともに、前記第1のプロペラおよび前記第2のプロペラを同じ方向に回転させて推力を生成するステップをさらに含み、ここで前記第1のプロペラは、前記第1のプロペラと第2のプロペラの回転中に前記第2のプロペラから方位角位相シフトされている、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記音響シグネチャデータに基づいて前記方位角位相シフトを調整するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001]この出願は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年6月1日に出願された米国仮出願第62/679,411号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明は一般に航空機分野に関し、より具体的には、航空機分野における騒音緩和のための新規で有用なシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]航空機は本質的に可聴ノイズを生成する。特に回転翼航空機、およびその他のプロペラまたはロータ駆動の航空機や、回転空力アクチュエータによって駆動される航空機は、かなりの量の音響ノイズを出す場合がある。そのような航空機は典型的に、回転周波数、ブレード通過周波数(BPF)、およびそれらの高調波で可聴音響シグネチャを生成し得る少なくとも1つのプロペラ(またはロータ)を具え、これらはプロペラの毎分回転数(RPM)を変更することによってシフトされ得る。しかしながら、典型的なそのような航空機は、内燃機関ベースの機械的発電および伝達の本質的制限のために、広範囲のプロペラRPMにわたって適切に動作できないことがよくある。さらに、多くの従来の回転翼航空機は、航空機に揚力を提供するのに少数(例えば、1、2など)のプロペラに依存し、および/またはプロペラのみに依存しており、このため飛行性能に悪影響を与えることなくプロペラパラメータを調整して所望の音響シグネチャを実現する柔軟性が制限される場合がある。これらのような音響シグネチャはまた、音響心理学的ペナルティをもたらす可能性があり、音響シグネチャの高度の諧調および/または他の特性は、航空機の推進機構の可聴範囲にいる個人による音響シグネチャの否定的な心理的および/または生理学的知覚を引き起こす可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、航空機分野では、航空機の騒音を軽減するための新規で有用なシステムおよび方法を作成する必要がある。本発明は、そのような新規で有用なシステムおよび方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】[0005]
図1は、航空機の騒音緩和システムの一態様を示す。
【
図2】[0006]
図2は、航空機の騒音緩和方法の一態様を示す。
【
図3】[0007]
図3は、対称的に対になった非対称間隔を有する非対称プロペラブレード間隔の第1実施例を示す。
【
図4】[0008]
図4は、対称的に対になった非対称間隔を有する非対称プロペラブレード間隔の第2実施例を示す。
【
図5】[0009]
図5Aおよび5Bは、それぞれホバー構成および前進構成を規定するティルトロータ航空機との組み合わせで実装されるシステムの実施例を示す。
【
図6】[0010]
図6は、対称間隔のプロペラと非対称間隔のロータの例示的な相対ブレード間隔の比較を示す。
【
図7】[0011]
図7は、等間隔ブレードを有するプロペラによって放出される音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示す。
【
図8】[0012]
図8は、非対称ブレード間隔を有するプロペラによって放出される音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示す。
【
図9】[0013]
図9は、ある範囲のRPM値で動作する複数のプロペラによって放出される音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示す。
【
図10】[0014]
図10は、方法の例示的な実装例によるフィードバックに基づく動的音響ピーク拡散の例を示す。
【
図11】[0015]
図11は、方法の例示的な実装例による2つのプロペラ間の相対位置を制御する例を示す。
【
図12】[0016]
図12は、システムの例示的な実施形態と併せた方法の例示的な実装例による、ある範囲のRPM値で動作する非対称間隔ブレードを有する複数のプロペラによって放出される音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示す。
【
図13】[0017]
図13は、2つの同軸プロペラを有する推進アセンブリの変形例の側面図を示す。
【
図14】[0018]
図14は、共回転中に方位角位相シフトでシフトされた2つの同軸プロペラを具える推進アセンブリの一態様の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0019]本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、本発明をこれらの好ましい実施形態に限定する意図ではなく、むしろ当業者が本発明を製造し使用できるようにすることを意図するものである。
【0007】
1.概要
[0020]
図1に示すように、騒音緩和システム100は、航空機900に搭載された推進アセンブリ110を具える。システム100は好ましくは複数の推進アセンブリ110を具えるが、このシステムは代替的に、単一の推進アセンブリ110を具えてもよい。システム100はまた、音響センサ122(例えば、マイクロフォン、圧電変換器など)、および任意の他の適切な構成要素を有する制御サブシステム120を具えてもよい。推進アセンブリ(例えば、単一の推進アセンブリ、複数の推進アセンブリのうちの1の推進アセンブリなど)は、モータ112および少なくとも第1のプロペラ114を具える。
【0008】
[0021]システム100は、動作中に航空機(例えば、ロータ式航空機、回転翼航空機、ティルトロータ航空機、ティルトプロペラ航空機、プロペラ駆動航空機など)が発する音の音響心理学的ペナルティを低減することによって、騒音の影響を軽減するように機能する。音の音響心理学的ペナルティは、人間の聴覚の周波数範囲にわたる音の知覚に関連して、放出音の周波数スペクトルの形状(例えば、発された音響シグネチャの周波数範囲にわたる音響パワーの分布)、周波数スペクトルの階調性(例えば、ブレード通過周波数における音響パワーの集中度、およびその整数倍または分数倍)、および放出音の聴取者の経験に関連する放出音の他の任意の特性に関連し得る。大きな音響心理学的ペナルティは、放出音に対する聴取者の大きな否定的な反応(例えば、聴取者が音を不快であると知覚する場合)に関連し、一方で小さな音響心理学的ペナルティ(または音響心理学的ペナルティの減少)は、放出音に対する聴取者の小さな否定的な反応および/または肯定的な反応(例えば、聴取者がその音を不快または心地よいものとして知覚しない場合)に関し得る。しかしながら、音響心理学的ペナルティは別のように適切に定義されてもよい。このシステムは、追加的または代替的に、放出音の音響周波数スペクトルの拡散、放出音の音響周波数スペクトルのシフト、放出音の総音響パワーの低減(例えば、放出音を減衰させる)、放出音の音響周波数スペクトルの動的調整、それ以外には、航空機(回転翼航空機など)によって生成されるノイズの適切な軽減、および/または他の適切な機能を実行するように機能し得る。
【0009】
[0022]システムは、位置制御モード、可変RPMモード、位相制御モード、および拡散RPMモードを含む複数の動作モード間で動作することができる。位置制御モードでは、プロペラの方位角位置は、絶対的な意味で(in an absolute sense)能動的に制御される(例えば、モータに通信可能に連結されたコンピューティングシステムによって)。位相制御モードでは、各プロペラの方位角位置は、複数のプロペラ(例えば、複数の推進アセンブリ)の互いのプロペラの方位角位置に対して制御される。可変RPMモードでは、プロペラのRPMが能動的に制御される。拡散RPMモードでは、同時に作動する各プロペラ(例えば、複数の推進アセンブリの)のRPMの変動が能動的に制御される。
【0010】
[0023]いくつかの態様では、システムは、同時に拡散RPMモードと位相制御モードで動作し得る。同様に、さらなる変形例では、システムは、同時に可変RPMモードと位置制御モードで動作し得る。しかしながら、システムは、他の任意の適切な動作モードおよび/またはそれらの組み合わせで適切に動作することができる。
【0011】
[0024]航空機900は、好ましくは回転翼航空機であり、より好ましくは、前進構成とホバー構成との間で動作可能な複数の推進アセンブリを具えたティルトロータ航空機である。しかしながら、この航空機は代替的に、1以上の推進アセンブリを具える固定翼航空機、1以上の推進アセンブリを具えるヘリコプタ、および/またはプロペラによって推進される他の任意の適切な航空機または乗物であってもよい。回転翼航空機は、好ましくは1つまたは複数の推進アセンブリを駆動するための全電気パワートレイン(例えば、電池式電気モータ)を具えるが、追加的または代替的に、ハイブリッドパワートレイン(例えば、内燃機関を有するガス電気ハイブリッド)、内燃パワートレイン(例えば、ガスタービンエンジン、ターボプロップエンジンなどを具える)、および他の適切なパワートレインを具えてもよい。
【0012】
[0025]代替の変形例では、航空機900は、回転および/または分散推進システムを有する任意の適切な航空機を含むことができ、音響シグネチャは、回転する空力アクチュエータ(例えば、ターボファン要素、ターボジェット要素、タービン、プロペラなど)またはそのうちの複数から生じる(例えば、航空機の周りに分布している、航空機の近位に位置しているなど)。
【0013】
[0026]本明細書で使用される「ロータ」という用語は、ロータ、プロペラ、および/または他の任意の適切な回転空力アクチュエータ(例えば、回転翼航空機の主推進ユニット、回転翼航空機の補助推進ユニット、固定翼または傾斜翼航空機、あらゆる航空機タイプの推力提供要素など)。プロペラは、関節式または半剛性のハブを利用する回転式空力アクチュエータを指してもよいし(例えば、ブレードとハブの接続は、関節式、フレキシブル、剛性、および/または他の方法で接続できる)、このプロペラは、剛性ハブを利用する回転式空力アクチュエータを指してもよく(例えば、ブレードとハブの接続は、関節式、フレキシブル、剛性、および/またはその他の方法で接続できる)、そのような区別は、本書で用いる場合に明示または暗示されず、プロペラの使用はいずれかの構成、および関節式または剛性ブレードの他の可能な構成、および/または、中央部材またはハブへのブレード接続の他の可能な構成を指すことができる。したがって、ティルトロータ航空機は、ティルトプロペラ航空機、ティルトプロップ航空機と呼ばれてもよく、および/または他の方法で適切に言及または説明されてもよい。
【0014】
[0027]
図2に示すように、方法200は、動作中に音響シグネチャを生成する推進アセンブリを提供するステップS210と、当該推進アセンブリ(および/または複数の推進アセンブリ)を制御して、音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するステップS220とを含む。ブロックS210は、好ましくは複数の推進アセンブリを提供することを含み、ブロックS220は、好ましくは複数の推進アセンブリを制御することを含む。ただし、ブロックS210およびS220は、追加的または代替的に、それぞれ単一の推進アセンブリを提供し制御することを含み得る。方法200は、任意選択で、推進アセンブリ(および/または複数の推進アセンブリ)の音響シグネチャ(例えば、音響シグネチャデータ)を特定するステップS225、および/またはその他の適切なプロセスおよび/またはブロックを含み得る。
【0015】
[0028]方法200は、運航中に航空機が発する音の音響心理学的ペナルティを低減するように機能する。音響心理学的ペナルティは、好ましくは実質的に上記のように定義されるが、音響心理学的ペナルティは追加的または代替的に他の方法で適切に定義してもよい。この方法は、追加的または代替的に、放出音の音響パワーを音響周波数スペクトル全体に広げ、放出音の音響周波数スペクトルをシフトし、放出音の総音響パワーを低減し、放出音の周波数スペクトルを動的に調整し、および/または他の適切な機能を実行するように機能し得る。
【0016】
[0029]この方法は、好ましくは、実質的に上記および以下の第3章に記載されているシステム(例えば、システム100)によって実施される。しかしながら、この方法は、追加的または代替的に、他の任意の適切なシステムによって実施することができる。この方法は、通信システム(例えば、陸上通信システム、宇宙ベースの通信システム、航空通信システム、これらの通信システムの任意の組み合わせ)、音響シグネチャ評価システム(例えば、航空機および/または地上位置に配置された音響センサのネットワーク)、および他の任意の適切なシステムといった様々な関連システムと組み合わせて実施することができる。
【0017】
2.利点
[0030]本システムおよび方法ならびにそれらの変形例は、いくつかの利益および/または利点をもたらすことができる。
【0018】
[0031]第1に、システムおよび方法の態様は、運用中に航空機が発する音響スペクトルの諧調を低減することができる。スペクトルの諧調(例えば、音響パワーが基本周波数とその高調波に集中する程度、周波数の拡散量の逆など)は、音響心理学的ペナルティをもたらすことがあり、その場合、航空機によって生成される騒音は、同等の総音響の低音の音響スペクトルよりも、(例えば、乗客、地上の観察者などによって)大きくおよび/またはより顕著に(例えば、より耳障りな、より鈴なりな、より刺激的など)と知覚される。非対称ブレード間隔、RPM拡散、位置制御、位相シフトなどの1つまたは複数を使用して周波数シグネチャのピークを拡散することにより、本システムと方法の態様により、スペクトルの諧調を低減することができる。
【0019】
[0032]第2に、システムおよび方法の態様では、複数のプロペラを使用して航空機に推力を提供する際に広範囲のrpm値を利用可能とし、これによって航空機が発する音響スペクトルを拡散する能力を向上させることができる。例えば、航空機は、実質的に平坦なトルク曲線を有する電動プロペラ(例えば、電気駆動モータを含む推進アセンブリ)を具え、これにより、駆動トルクを犠牲にすることなく(例えば、従来の航空機の内燃エンジンおよび機械的動力伝達と比較して)プロペラを広いRPM範囲で駆動することができる。航空機は、追加的または代替的に可変ピッチプロペラブレードを具えてもよく、その結果、プロペラが、プロペラブレードのピッチを変化させることによって(例えば、所望の推力値に対して所与のrpmに対応するように)、ある範囲のRPM値で実質的に同等の推力を提供できるようになる。別の例では、航空機は少なくとも3つの推進アセンブリを具え、推力および/またはRPMは、全体的な推力およびモーメントの制約に基づいて(例えば、ホバー構成または配置で)それらの間で分配され得る。別の関連する例では、推力および/またはRPMは、全体的な推力の制約に基づいて(例えば、前進飛行構成または配置で)複数の推進アセンブリ間で分配され得るが、ここでモーメントの制約は、別の方法(例えば、推進アセンブリとは別の航空機の他のエフェクタを用いて)満たされ得る。
【0020】
[0033]第3に、本システムおよび方法の態様は、実質的にリアルタイムで動的音響周波数拡散を実現することができる。例えば、システムは、車内の場所で測定された音響シグネチャ(例えば、車載マイクロフォンを介して測定された)に応答して、動作中に複数の推進アセンブリの周波数拡散を調整する周波数拡散プロペラコントローラを具え得る。別の例では、方法は、所望する音響応答を示す制御入力(例えば、パイロットから受信)に基づいて、1つまたは複数のプロペラのブレードの相対方位角位置を動的に調整するステップを含み得る。
【0021】
[0034]第4に、本システムおよび方法の態様は、所定範囲のRPM値(例えば、各プロペラのRPM値の各分布が、制御入力と、推進アセンブリ全体の対応する推力分配または単一の推進アセンブリの推力値に関連付けられる)、非対称のブレード間隔(例えば、単一のプロペラ、単一のメインプロペラ、複数のプロペラなど)、および/または複数のプロペラにわたるブレード数を使用して静的音響周波数拡散を実現することができる。航空機の運航中に動的に調整できる(例えば、音響センサを有する閉ループフィードバック制御に基づいて、航空機の動作状態に基づいてなど)動的音響周波数拡散とは対照的に、静的音響周波数拡散は、航空機の各動作条件で固定(例えば、予め規定)することができる。
【0022】
[0035]第5に、本システムおよび方法の態様は、直接駆動を介して精密なプロペラ制御を実現することができる(例えば、モータが推進アセンブリのプロペラに直接結合される)。例えば、プロペラの位置(例えば、方位角位置など)は、モータの回転部分(例えば、モータの電気モータのプロペラ)に堅固に結合することができ、これによりプロペラの方位角位置およびモータの回転部分の方位角位置が同期され、プロペラの方位角位置および/または位相(例えば、回転中の他のプロペラと比較した相対的な方位角位置)の制御性は、(例えば、トランスミッション、あるいは他の脱着可能または可変のパワートランスミッションリンケージを具える間接モータとは対照的に)モータの制御性と同等となる。
【0023】
[0036]ただし、ティルトロータ航空機およびその変形例は、追加的または代替的に、他の適切な利益および/または利点を提供してもよい。
【0024】
3.システム
[0037]
図1に示すように、騒音緩和システム100は、航空機上に配置された(例えば、航空機と統合された)推進アセンブリ110を具える。システム100は、好ましくは複数の推進アセンブリ110を具えるが、システムは、代替的に単一の推進アセンブリを具えてもよい。システム100はまた、音響センサ(例えば、マイクロフォン)を具え得る。推進アセンブリ(例えば、単一の推進アセンブリ、複数の推進アセンブリのうちの1つの推進アセンブリなど)は、プロペラ114とモータ112とを具える。システムは、追加的または代替的に、航空機に適した他の任意の構成要素を具えることができる。
【0025】
3.1 推進アセンブリ
[0038]推進アセンブリ110は、モータ112およびプロペラ114を具える。この推進アセンブリ110は、航空機に推進力を提供するように機能する。推進アセンブリ110は、ティルトロータ航空機と組み合わせて実装されるシステム態様において、ティルト機構を具え得る。ティルト機構を含む態様では、推進アセンブリ110は、航空機に垂直と水平の推力能力を提供するように機能する。
【0026】
[0039]システムは、好ましくは、複数の推進アセンブリ110と、対応する複数のプロペラ114およびモータ112とを具え、複数の推進アセンブリ110のそれぞれが航空機に推力を提供する。しかしながら、追加的または代替的に、システムは単一の推進アセンブリ110を有するか、および/または複数のうちの1つのサブセットが航空機に推進力を提供しない(例えば、テールロータのように、複数のうちのサブセットが主に航空機に安定力を提供する)複数の推進アセンブリ110を具えてもよい。さらなる代替例では、システムは、任意の適切な数の推進アセンブリを具えることができる。
【0027】
[0040]システムは、位置制御モード、可変RPMモード、位相制御モード、および拡散RPMモードを含む複数の動作モード間で動作することができる。
【0028】
[0041]モータ112は、好ましくは、ある範囲のRPM値(例えば、100〜1000rpm、550〜850rpm、625〜675rpmなど)において、このRPM値の範囲にわたって高効率(例えば、推進効率、シャフト出力パワーと電気入力パワーの比率など)のRPM値で動作可能なダイレクトモータ112(例えば、ダイレクト駆動電気モータ112、可変ギアボックスまたは他の間接動力伝達機構を省略したパワープラント、常時ギアモータ112など)である。広範囲のRPM値でのモータ112(例えば、電気モータ)の高効率、および広範囲のRPM値での十分なシャフト出力(例えば、所望の動作条件に対して十分なシャフト出力)を生成する能力は、広範囲のRPM値にわたって(例えば、電力制限がないか、搭載電力の利用可能性によって制限されることなく、または操作を非実用的にし得る他の要因などによる制限なく)推進アセンブリ110の実際の動作(例えば、過度の電力消費なしに所望の推力を提供するための推進アセンブリ110の動作)を容易にすることができる。いくつかの態様では、モータ112は、低いRPM値で高いトルクを生成するように構成することができ(例えば、モータ112が実質的に平坦なトルク曲線を規定する、またはモータ112が他の任意の適切なトルク曲線を規定するなど)、高出力かつ低RPMレジームでの推進アセンブリ110の動作を可能にする(例えば、騒音を低減することができる)。しかしながら、モータ112は、出力パワー要件(例えば、所望の動作条件によって決定される)が動作範囲内の任意のRPM(例えば、RPM値の適切な範囲)に合致するように、RPM値の関数として任意の適切な出力トルクを生成する他の方法で適切に構成することができる。追加的または代替的な態様では、モータ112は、プロペラ114(例えば、複数のロータの各プロペラ114)の方位角位置の正確な制御を実現するように構成することができる。モータ112の直接駆動特性により、モータ112の回転出力を制御できるのと同じ程度にプロペラ114の方位角位置の制御を実現し得る。例えば、ステッピングモータ112を含むモータ112が、プロペラ114の方位角位置(および、複数のプロペラ114を具える態様では、複数のうちの他のプロペラ114に対する1のプロペラ114の位相)をステッピングモータ112の1段階以内に制御することができる。モータ112のトルク曲線は、他の性能特性(例えば、モータ112の動作効率、推進効率、空力効率、出力、トルク出力など)を過度に犠牲にすることなく、RPMを正確に制御することを可能にし、特に可変ピッチブレードと組み合わせて使用した場合の正確な制御を実現することができる(例えば、ブレードが失速状態でないときに、可変RPMに対して推力を一定に保つことができるように)。
【0029】
[0042]位置制御モードでは、プロペラ114の方位角位置は、好ましくはロータの音響放出に基づいて(例えば、制御サブシステム120によって)制御される。例えば、プロペラ114の方位角位置は、所望の周波数スペクトルを達成するために変調することができる。方位角位置変調は、時間の関数として一定の回転速度(例えば、一定の回転周波数)を維持すること、任意の適切な変調周波数で基本周波数の周りの瞬時周波数を変調すること(例えば、単一の回転周期内で)を含み、および/または他の方法でプロペラ114の方位角位置を制御するのに適している。しかしながら、位置制御モードは追加的または代替的に、任意の適切な方法でのプロペラ114の動作を含むことができる。
【0030】
[0043]可変RPMモードでは、RPMは、好ましくはプロペラ114のアコースティックエミッションに基づいてある範囲のRPM値の間で正確に制御され、より好ましくはロータによって生成される推力とは独立して制御される。例えば、実質的に同等の推力を維持しながら、基本周波数(例えば、ロータの1つのブレードの全回転の周波数)および放出音響シグネチャの関連する高調波を下げるために、ブレードピッチが増大され(例えば、ブレードスパンに沿った失速状態を最小化および/または回避しながら)、RPM値を減少させることができる。可変RPMモードにおいて、そしてプロペラ114の所与の直径に対して、プロペラ114は、好ましくは低先端速度レジームで動作される。しかしながら、プロペラ114は追加的または代替的に、高先端速度レジームおよび/または他の適切な範囲の先端速度で動作させることができる。特定の実施例では、低先端速度レジームおよびプロペラ114の直径は、航空機のホバーモードまたはホバー構成における約650RPM±約50RPMに対応し、航空機の前進モードまたは前進構成における650RPM未満に対応する。しかしながら、可変RPMモードは追加的または代替的に、任意の適切な方法でのプロペラ114の動作を含むことができる。
【0031】
[0044]複数の推進アセンブリ110を具えるシステム態様では、複数の動作モードは、拡散RPMモードと位相制御モードを含み得る。拡散RPMモードでは、各プロペラ114は、好ましくは、対応するモータ112によって、固有のRPMで(例えば、複数のロータのうちのそれぞれ別のプロペラ114に対して)駆動される。しかしながら、拡散RPMモードは追加的または代替的に、複数のうちの単一のプロペラ114が、複数のうちの他のプロペラ114のそれぞれが動作するRPMとは異なるRPMで動作したり(例えば、複数のうちの単一のプロペラ114のみが残りのロータとは異なるRPMで動作する)、複数のうちの1つのサブセットが第1のRPMで動作し、複数のうちの別のサブセットが第2のRPMで動作したり、および/または複数の推進アセンブリ110のプロペラとRPM値の適切な対応で動作したりすることができる。
【0032】
[0045]位相制御モードでは、各プロペラ114の位相(例えば、プロペラ114と、実質的に同じRPM値で回転する航空機の他の適切なプロペラ114との間の角位置の差)は、位置制御モードに関して説明されたのと実質的に同じ方法を、複数のプロペラ114の動作に適切に拡張させた方法で、好ましくは能動的に(例えば、自動的に)制御される。いくつかの変形例では、各プロペラ114の位相は、動作中に他のプロペラ114の位相とは異なるように制御してもよい(例えば、1つを除くすべてのプロペラ114の位相を非ゼロとしたり、少なくとも1つのプロペラ114の位相を非ゼロとしたりなど)。さらなる変形例では、1つまたは複数のプロペラ114の位相は、1つまたは複数のプロペラ114の音響シグネチャが、1つまたは複数のプロペラ114に対して所定の位置で打ち消すように干渉するように制御することができる。例えば、空間内のある点から等距離に配置された2つのプロペラ114の位相は、2つのプロペラ114の音響シグネチャがこの空間内の点において打ち消されるように、相補的な位相を有するように制御することができる。前述の例および関連する例の空間内の点は、航空機のキャビン内、地上、または航空機から離れた地上構造内にあり得るが、位相制御モードの代替例では、任意の適切な数のプロペラ114が、動作中に任意の適切な相対位相(例えば、互いのロータに対して)を有するように制御することができる。いくつかの態様では、システムは、同時に拡散RPMモードと位相制御モードで運用することができる。
【0033】
3.1.1 プロペラ
[0046]推進アセンブリ110のプロペラ114は、航空機に推進力を提供するように機能する。プロペラ114はまた、航空機に推進力を提供する結果として、音響シグネチャ(例えば、複数の推進アセンブリ110および/または、複数のプロペラ114を具える1つの推進アセンブリ110の場合の合計音響シグネチャの一部)を生成するように機能し得る。プロペラ114は、当該プロペラ114のディスクを規定し、これは回転中のプロペラ114の掃引領域および/または掃引体積を含み得る。プロペラ114はまた、任意の適切な値の直径、および任意の他の適切な幾何学的パラメータ(例えば、厚さ、深さ、形状など)を規定し得る。プロペラ114によって生成される音響シグネチャは、基本周波数でのプロペラ114ブレード(例えば、所与のRPMでのプロペラ114の1つのブレードの単一回転の周波数);プロペラ114ブレードの数およびプロペラ114が回転するRPMに基づき、等間隔のブレードを具えるプロペラ114に対して明確に規定されるブレード通過周波数(BPF);基本周波数の高調波(例:基本周波数の整数倍);およびBPFの高調波(例えば、2×BPF、3×BPF、BPFの整数倍など);からの寄与(例えば、音響パワースペクトルへの)を含み得る。音響シグネチャはまた、プロペラ114の振動モードからの寄与を含み得る(例えば、プロペラ114の歳差運動、プロペラ114のブレードの振動、プロペラ114のディスクの面外振動など)。音響シグネチャはまた、ブレード渦相互作用(BVI)からの、およびプロペラ114の動作に関連する他の適切な騒音源からの寄与を含み得る。
【0034】
[0047]プロペラ114は、任意の適切な数のブレードを有し得る。プロペラ114は、好ましくは5つのブレードを有するが、代替的に、3つのブレード、4つのブレード、6つのブレード、および他の任意の適切な数のブレードを有してもよい。ブレードはハブにしっかりと固定されるか、ハブに固定されて可変ピッチ機能を具えるか(例えば、適切な可変ピッチリンケージ、周期的ピッチ制御などによって)、および/または1つまたは複数のヒンジ(例えば、ドラッグヒンジ、フラップヒンジなど)によってハブまたはプロペラ114ヘッドに連結されて、空力負荷下でのプロペラ114の回転中にブレードのハブまたはプロペラ114ヘッドに対する進み、遅れ、および/またはフラップを実現する。しかしながら、ブレードは、他の方法で互いに適切に結合され、および/または他の方法で適切に機械的に連結されて、プロペラ114の少なくとも一部を構成してもよい。
【0035】
[0048]プロペラ114ブレードは、好ましくは、ブレード先端で(例えば、任意の種類の機械的構造によって)拘束されていない(例えば、囲まれていない)が、プロペラ114は追加的または代替的に、ブレード先端を囲むフェアリングを具えてもよい(例えば、ダクトやダクテッドファンのように)。そのような変形例では、フェアリングは、回転中にブレード先端から発する音響シグネチャ成分(例えば、音波)を減衰させるように機能し得る。しかしながら、プロペラ114ブレードは追加的または代替的に、任意の適切な様式で拘束されてもよいし、拘束されないでもよい。
【0036】
[0049]複数の推進アセンブリ110を具えるシステムの態様では、各プロペラ114は、好ましくは同数のブレードを具える。しかしながら、代替の変形例では、複数のうちの異なるプロペラ114が、音響スペクトルを拡散するように機能し得る異なる数のブレードを具えてもよい(例えば、異なるBPFおよび関連する高調波に対応する異なるブレード数のため)。第1の特定の実施例では、単一のBPF(および関連する高調波)に対応するピークから離れて一組のBPF(および関連する高調波)へと音響パワーを全音響スペクトル内で拡散するために、システムは、偶数(例えば、6つ)の推進アセンブリ110を具え、偶数の推進アセンブリ110の各ペアは、他の各ペアと異なる数のブレードを有し(例えば、6つのセットにおいて、2つのプロペラ114が3つの部レートを有し、2つのプロペラ114が4つのブレードを有し、2つのプロペラ114が5つのブレードを有する)、ここで各BPFは一対のプロペラ114に対応する。しかしながら、さらなる実施例では、システムは任意の適切な数の推進アセンブリを具え、各推進アセンブリは、任意の適切な数のブレードを有するプロペラ114を具えることができる(例えば、適切な拡散音響を生成するため)。
【0037】
[0050]プロペラ114のブレードに関して、これらのブレードは非対称に間隔を空けることができる。各ブレード間の間隔(例えば、ブレード間隔)は、動作中に(例えば、回転中に)プロペラ114によって生成される音響スペクトルの諧調(例えば、それによる音響心理学的ペナルティ)を低減するために、様々な方法で変調することができる。ブレード間の間隔は、ランダムに変調したり、プロペラ114のモデルまたはブレードモデル(例えば、RPMの関数としての音響パワー生成の)に基づく計算予測に従って変調したり、および/または他の方法で適切に変調したりすることができる。
【0038】
[0051]間隔は、変調の大きさの制約の下でランダムに変調できる。例えば、対称間隔角度からの最大変動(例えば、3枚ブレードプロペラ114の場合は120°、4枚ブレードプロペラ114の場合は90°、5枚ブレードプロペラ114の場合は72°、6枚ブレードプロペラ114の場合は60°など)を最大値(例えば、5°、2°、10°など)に制約して、変調をランダムに生成することができる(例えば、疑似ランダム生成する、確率過程によって生成するなど)。制約付きランダム変調の別の実施例では、対称間隔角度からの変動を、対称間隔角度からの二乗平均平方根(RMS)値(例えば、5°、2°、10°など)に制約してもよい。しかしながら、ブレード間の間隔は、代替的に、制約のない方法でランダムに変調してもよいし、および/または代替の制約(例えば、最大ディスク負荷非対称性制約、最大プロペラ114シャフト負荷制約など)の下で変調してもよい。
【0039】
[0052]いくつかの態様では、2より大きい偶数のブレードを具えるプロペラ114の場合、非対称ブレード間隔が、対称的に対になった非対称間隔を有し得る。例えば、
図3に示すように、非対称のブレード間隔を有する4枚ブレードプロペラ114がX字形の配置を規定し、ブレード間の方位角間隔(例えば、ブレード間角度)は、第1の鋭角と、第1の鈍角、第1の鋭角、第1の鈍角で交互になっている。対称的に対になった非対称間隔の別の実施例では、
図4に示すように、6枚ブレードプロペラ114が、ブレード間の方位角間隔が第1の鋭角(例えば、60°)、第2の鋭角(例えば、58°)、第3の鋭角(例えば、62°)、第1の鋭角(例えば、60°)、第2の鋭角(例えば、58°)、および第3の鋭角(例えば、62°)とで交互になる配置を規定することができる。別の特定の実施例では、複数の推進アセンブリ110の少なくとも1つの複数のブレードの非対称ブレード間隔が、約68.5°の第1のブレード間角度、約76.3°の第2のブレード間角度、約68.5°の第3のブレード間角度、約73.3°の第4のブレード間角度、および約73.4°の第5のブレード間角度を有する。5枚のブレードを具える関連実施例では、ブレード間角度は、前述の5枚ブレード間角度からわずかに(例えば、±0.1°、±0.2°、±0.3°など)変化し、実質的に同一の機能を達成することができる。
【0040】
[0053]非対称ブレード間隔は、追加的または代替的に、プロペラ114の任意の2つのブレード間のブレード間隔(例えば、角度の値)が、プロペラ114の他の任意の2つのブレード間のブレード間隔と異なる、完全に非対称なブレード間方位角間隔を有することができる。非対称ブレード間隔は、追加的または代替的に、360°をブレードの数で割った値とは異なる(例えば、より大きい、より小さい)任意の適切な角度値のブレード間方位角間隔を有することができる。
【0041】
[0054]非対称ブレード間隔は、好ましくは、ベースプロペラ回転周波数のすべての倍数にわたる音響スペクトルの変動を最小化することによって、そして任意選択で様々な実際的な制約を伴って決定される。この方法による非対称ブレード間隔の決定は、好ましくは、プロペラの各ブレードが特徴的な周期圧力信号p(φ)=p(φ+2π)を生成すると仮定することを含み、ここでφ=2πt/Tであり、tは時間、Tは回転周期を表す。プロペラのセットの全体的な音響出力(例えば、騒音)は、段階的なそのような圧力信号の重ね合わせであり、
であり、Φ
iはハブ上のプロペラのブレードの角度、Nはブレードの数を表す。フーリエドメイン
で音響出力を表すと、
ここで、
が、
が最小となるようにCkの変動を最小化することで、非対称ブレード感覚を決定するタスクを削減することができる。p>2の場合、非対称ブレード間隔はそのような最小のソリューションにつながり、均一性がpとともに増加するより均一な分布を支持する。非対称ブレード間隔を決定するいくつかの変形例では、間隔のソリューションは、構造、性能、および/またはパッケージングの制約によってさらに制約され得る。好ましくは、最初のモーメント
である分布が使用され(例えば、バランス問題を回避するため)、あるいは、最初のモーメントがゼロに等しくない分布を使用することができる。ブレード間の最小間隔は68.5°以上である必要があり、最初のモーメントg
0=0であるという追加の制約の下で、5枚ブレードプロペラに適用される上記の特定の例では、ブレード角度分布{Φb}
0={0°、68.5°、144.791°、213.291°、286.645°}は、p≧3の妥当な値に対してパワーpに依存せず、単一ブレードスペクトル信号{c
k}に依存しない結果となり、本書記載のプロペラの態様および実施例において使用できる。変換Φ
b’=Φ
b+δ、Φ
b’=−Φ
b’、またはそれらの組み合わせの下において同様のブレード角度分布を追加的または代替的に使用することができる。ブレード角度分布の数十分の一程度の変化を追加的または代替的に使用して、同じまたは同様の効果を達成することができる。しかしながら、追加的または代替的な変形例において、非対称のブレード間隔は、他の方法で適切に決定してもよい。
【0042】
[0055]非対称ブレード間隔は、(例えば、複数の推進アセンブリ110に対応する複数のプロペラ114の)所与のプロペラ114については(例えば、プロペラ114ハブ、プロペラ114ヘッドなどで)固定されることが好ましいが、追加的または代替的に調整可能であってもよい(例えば、手動調整可能、アクチュエータによって自動調整可能など)。複数の推進アセンブリ110を具える航空機の態様では、複数のうちの各プロペラ114の非対称ブレード間隔は同一であってもよいし、複数のうちの各プロペラ114で異なってもよいし、複数のうち1のサブセットに同一であって複数のうちの別のサブセットで異なってもよいし、または他の方法で複数のプロペラ114によって適切に表されてもよい。各プロペラ114の非対称ブレード間隔は、制御サブシステム120による運用中に(例えば、音響シグネチャデータに基づいて)独立して調整することができる。(例えば、各ロータの)非対称ブレード間隔が固定の態様では、ブレード間間隔は、音響スペクトル分布の最適化に基づいて予め決定することができる。例えば、ブレード間の間隔は、周波数の関数としての音響強度の二乗の合計を最小化するように計算することができる(例えば、二乗された音響強度の積分を最小化するため)。前述の例では、周波数の関数としての音響強度は、回転ブレードの計算流体力学シミュレーションと、空間内のある点で生じる圧力摂動(例えば、音波)を使用して特定することできる。関連する実施例では、周波数の関数としての音響強度は、音響センサ122(例えば、回転ブレードに対して空間内のある点に固定される)、を使用して測定することができ、ブレード間の間隔は、音響強度の二乗の積分を最小化することによってプロペラ114で決定することができる(例えば、手動で、製造中に、製造後に、航行中に動的になど)。
【0043】
[0056]いくつかの態様では、複数のブレードを2以上のプロペラ114によって(例えば、2以上の同軸プロペラ114によって規定することができ、非対称ブレード間隔は、この2以上の同軸プロペラ114間の方位角シフトによって達成され得る(例えば、運用中に)。例えば、
図13および14に示すように、推進アセンブリ110の複数のブレードは、第1のプロペラ114と同軸の第2のプロペラ114によってさらに規定することができる。そのような例では、2つの同軸プロペラ114は動作中に同じ方向に回転し、プロペラ114は動作中に方位角位相シフトによってシフトされる(例えば、
図3に示すようなX字型構成および関連する放出音響シグネチャの諧調の縮小を達成するため)。複数の同軸の共回転プロペラ114間の方位角位相シフトは、可変の非対称ブレード間隔を達成するために動的に制御することができる。そのような動的制御は、音響出力シグネチャ(例えば、フィードバック制御を使用して自動的に)や、コマンド命令(例えば、手動で、開ループ制御を介してなど)に基づくか、または他に適切に基づくことができる。
【0044】
[0057]同軸の共回転構成の2以上のプロペラ114は、様々な数のブレードを具えることができる。一例では、第1および第2のプロペラ114のそれぞれが2枚のブレードを有し、推進アセンブリ110の第1および第2のプロペラ114によって規定される複数のブレードが4枚のブレードを含む。別の実施例では、第1および第2のプロペラ114のそれぞれが3枚のブレードを有し、推進アセンブリ110の第1および第2のプロペラ114によって規定される複数のブレードが6枚のブレードを含む。別の実施例では、第1のプロペラ114が3枚のブレードを有し、第2のプロペラ114が2枚のブレードを有し、結果として複数のブレードは5枚のブレードを含む。しかしながら、2以上のプロペラ114のうちの各プロペラ114は、推進アセンブリ110の複数のブレードを規定する任意の適切な数のブレードを含むことができる。追加的または代替的な態様では、任意の適切な数のブレード(例えば、2、3、4など)を有する任意の適切な数のプロペラ(例えば、2、3、4など)を、同軸かつ共回転構成で使用し、1つまたは複数の推進アセンブリのうちの単一の推進アセンブリの複数のブレードを規定することができる。
【0045】
3.1.2 モータ
[0058]推進アセンブリ110のモータ112は、プロペラ114にトルクを提供し、それによってプロペラ114を回転させるように機能する(例えば、航空機に推進力を提供するため)。モータ112はまた、動作中にプロペラ114のRPMを制御するように機能することができる。いくつかの態様では、モータ112は動作中に(例えば、制御命令に応答して)RPMを動的に調整するように機能することができる。モータ112は、好ましくは電気モータ112を含むが、追加的または代替的に、任意の他の適切なタイプのモータ112または回転アクチュエータ(例えば、内燃機関、ガスタービンエンジンなど)を含み得る。モータ112は、好ましくはプロペラ114に直接連結され(例えば、シャフト、直接リンケージによって)、あるいは動力伝達リンケージ(例えば、ギアボックス、オフセットシャフト、クラッチ、クラッチ、間接リンケージなど)を介してプロペラ114に接続され得る。モータ112はまた、プロペラ114の物理的配向(例えば、各ブレードのブレードピッチ、各ブレード対間のブレード間間隔など)を機械的に調整するように機能するトリム機構を具えることができる。
【0046】
[0059]モータ112が電気モータ112を含む態様では、電気モータ112は、電磁モータ112、静電モータ112、圧電モータ112、および他の任意の適切なタイプの電気モータ112といった任意の適切なタイプの電気モータ112を含み得る。電気モータ112は、自己転流モータ112(例えば、ブラシ付きDCモータ112、ブラシレスDCモータ112、スイッチドリラクタンスモータ112、ユニバーサルAC−DCモータ112、または転流電気励起直列または並列巻線モータ112など)、あるいは外部整流モータ112(例えば、誘導モータ112、トルクモータ112、同期モータ112、二重給電電動モータ112、単一給電電動モータ112など)であり得る。代替例では、電気モータ112は、コアレスプロペラ114モータ112、アキシャルプロペラ114モータ112、ステッピングモータ112、および任意の他の適切なタイプの電気モータ112を含み得る。いくつかの態様では、プロペラ114は、電気モータ112の一部を形成する(例えば、モータ112の二次巻線、モータ112の固定子とモータ112のプロペラが電磁通信するなど)。しかしながら、追加的または代替的な変形例では、推進アセンブリ110の部分で、モータ112の任意の適切な部分(例えば、プロペラ114、固定子、ハウジング、電源など)を形成することができる。
【0047】
[0060]推進アセンブリ110(例えば、複数のうちの各推進アセンブリ110)は、任意選択でティルト機構を具え得る。航空機がティルトロータ航空機として構成される態様では、ティルト機構は、推進アセンブリ110のプロペラ114を前進配向(例えば、プロペラ114の回転軸が航空機の縦軸に実質的に平行)とホバー配向(例えば、プロペラ114の回転軸が航空機の垂直軸に実質的に平行)の間で回動させるように機能する。
【0048】
3.2 制御サブシステム120
[0061]本システムは、システムの1つまたは複数の推進アセンブリを(例えば、前述のものなどの任意の適切な動作モードおよび/または他の適切な動作モードで)制御するように機能する制御サブシステム120を含むことができる。制御サブシステム120は、好ましくは搭載コンピュータを含むが、追加的または代替的に航空機およびその推進アセンブリ110ならびに任意の他の適切なコンピューティングシステムに(例えば、無線周波数トランシーバを介して)通信可能に結合されたリモートコンピュータを含み得る。制御サブシステム120は、追加的または代替的に、航空機の操縦翼面の制御および/または作動に関連する任意の他の適切な構成要素を含むことができる。
【0049】
[0062]制御サブシステム120は、1つまたは複数の音響センサ122を含むことができる。音響センサ122は、動作中にシステムによって放出される音響シグネチャをモニタリングするように機能する。音響センサ122はまた、制御サブシステム120にフィードバックを提供するように機能することができ、それによって(例えば、放出音響シグネチャに基づく)システムのフィードバック制御が実現する。音響センサ122は、コンデンサマイクロフォン、エレクトレットマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、リボンマイクロフォン、カーボンマイクロフォン、ピエゾマイクロフォン、光ファイバマイクロフォン、レーザマイクロフォン、MEMSマイクロフォンなどのマイクロフォン、マイクロフォンとして逆に利用されるスピーカなどの出力、および音響波を検出する他の適切な変換器を含むことができる。マイクは、単方向、双方向、多方向、および/または全方向のマイクにすることができる。音響センサ122は、推進アセンブリ110の近く(例えば、航空機に組み込まれる)、推進アセンブリ110の遠隔(例えば、地上の場所、地上の構造など)、航空機の内部(例えば、キャビン)または航空機の外面、当該航空機とは異なる航空機(例えば、監視用気球、別の航空機など)、およびその他の適切な場所に配置することができる。本システムは、任意の適切な数の音響センサ122(例えば、単一の音響センサ122、1つまたは複数の潜在的な飛行経路に沿ってシステムから離れて配置された音響センサ122のアレイ、航空機から離れた場所に配置された音響センサ122のセットなど)を含むことができる。
【0050】
3.3 その他の例−システム
[0063]システムの特定の実施例は、航空機に結合された複数の推進アセンブリ110を含み、複数の推進アセンブリ110のそれぞれは、モータ112と、非対称のブレード間隔を規定する少なくとも第1のプロペラ114(例えば、およびいくつかの態様では第2のプロペラ)によって規定される複数のブレードとを具える。この例では、第1のプロペラ114はモータ112に結合され、動作中にある回転周波数で回転する。この例はまた、航空機に結合され、複数の推進アセンブリ110のそれぞれのモータ112に通信可能に結合された制御サブシステム120を含み、制御サブシステム120は、各プロペラ114(例えば、第1のプロペラ114、第1および第2のプロペラ114など)の回転周波数を制御するように動作可能である。
【0051】
[0064]
図5A〜5Bに示すように、システムの特定の実施例は、ホバー構成と前進構成との間で動作可能な6つの推進アセンブリ110を有するティルトロータ航空機を含む。この例では、6つの推進アセンブリ110の各プロペラ114は、ホバー構成での動作中に、各プロペラ114の回転軸が航空機の垂直軸と平行になるように方向付けられ、6つの推進アセンブリ110の各プロペラ114は、前進構成での動作中に、各プロペラ114の回転軸が航空機の縦軸と平行になるように配向される。この例では、6つの推進アセンブリの各プロペラ114は、5枚のブレード間で非対称ブレード間隔を規定し(例えば、複数の推進アセンブリ110のそれぞれが単一のプロペラ114を含み、複数の推進アセンブリ110のそれぞれのプロペラ114が正確に5つのブレードを規定する)、ここで、各プロペラ114の非対称ブレード間隔は固定であって、各プロペラ114間で異なり、各プロペラ114の対称間隔角度のRMS値は5°以内である。この例の6つの推進アセンブリ110のプロペラ114のそれぞれは、制御可能な可変ピッチブレードを含み、シャフトによってプロペラ114(例えば、プロペラ114のプロペラ114ヘッド、プロペラ114のハブなど)に直接かつ堅固に結合された電気モータ112を含むモータ112によって駆動される。この例では、複数の推進アセンブリ110は、上記のように拡散RPMモードで動作可能である。
【0052】
[0065]前進構成とホバー構成との間で動作可能なティルトロータ航空機に実装されたシステム態様および実施例では、複数の推進アセンブリ110の制御可能な動作パラメータ(例えば、各プロペラ114のRPM、各プロペラ114の位相など)は、前進構成とホバー構成の動作において異なり得る。例えば、本システムは、ホバー構成での動作中は拡散RPMモードで動作し、前進構成での動作中は位相制御モードで動作することができる。別の例では、本システムは、ホバー構成での動作中に複数の推進アセンブリ110のプロペラ114に対応するRPM値の第1のセットを規定する拡散RPMモードで動作し、前進構成での動作中に複数の推進アセンブリ110のプロペラ114に対応するRPM値の第2の別個のセットを規定する拡散RPMモードで動作する。RPM値は、好ましくはホバー構成よりも前進構成の方が低いが、追加的または代替的に、前進またはホバー構成のいずれかに任意の適切な値を含めることができる。システムは追加的または代替的に、そのような構成で動作するように構成された航空機(例えば、ティルトロータ航空機)で実施されるシステムのそのような態様および実施例において、前進および/またはホバー構成での動作中に任意の適切な動作モードで適切に動作することができる。
【0053】
[0066]別の特定の実施例では、システムは、複数の推進アセンブリ110を有する固定翼航空機を含み、複数の推進アセンブリ110のそれぞれは、電気モータ112を含むモータ112によって駆動される。この例では、各プロペラ114は、対称角度(例えば、5枚ブレードロータの場合は72°)から5°のRMS角度でずれた非対称ブレード間隔を規定し、この非対称間隔は、複数のプロペラ114のいずれかの2つの隣接するブレードが、他の2つの隣接するブレードと同じ角度値によって分離されないように(例えば、同じプロペラ114上、異なるプロペラ114上など)、前述の拘束されたRMS値および調整された事後計算でランダムに決定(例えば、計算)される。
【0054】
[0067]システムの別の特定例では、複数の推進アセンブリ110のそれぞれは、非対称に(例えば、不均一に)間隔を空けたブレードを規定する同一の5枚ブレードプロペラ114を含み、その中心線(例えば、基部から先端まで)は
図6に示すように対称間隔から揺らいでいる。
図7は、所与のRPM値で対称的に(例えば、等間隔に)間隔を空けた5枚羽根プロペラ114に対応する音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示し、これとは対照的に、
図8は、前述のように、また
図6に示されているように、非対称に間隔を置いた5枚羽根のプロペラ114に対応する音響シグネチャの例示的な周波数スペクトルを示す。
【0055】
4.方法
[0068]
図2に示すように、方法200は、動作中に音響シグネチャを生成する推進アセンブリを提供するステップS210と、推進アセンブリを制御して、音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するステップS220とを含む。
【0056】
4.1 推進アセンブリを提供するステップS210
[0069]ブロックS210は、推進アセンブリを提供するステップを含み、この推進アセンブリは動作中に音響シグネチャを生成する。ブロックS210は、航空機に推進機構を提供するように機能し、ここで推進機構はプロペラを含む。提供される推進アセンブリは、好ましくは、実質的に第3章で上記された推進アセンブリおよび/またはその変形例である。しかしながら、推進アセンブリは追加的または代替的に、乗物に推進力を提供する任意の適切な機構を含むことができ、その機構はプロペラを含む。
【0057】
[0070]ブロックS210は、好ましくは、複数の推進アセンブリを提供することを含み、ここで複数の推進アセンブリのそれぞれは、航空機に推進力(例えば、ホバーモードでの航空機動作中の垂直力、前進モードでの航空機動作中の水平力など)を提供するように構成される。しかしながら、ブロックS210は代替的に、単一の推進アセンブリ(例えば、航空機がヘリコプタである場合の単一のメインプロペラに対応)および/または複数のうちの1つのサブセットが推進力の代わりに航空機に安定化力を提供するように構成された複数の推進アセンブリ(例えば、複数のプロペラのうちの1つがテールプロペラとして構成され、および/またはそうでなければ、残りの複数のプロペラの回転軸に平行でない軸の周りを回転)を提供することを含むことができる。
【0058】
[0071]ブロックS210は、推進アセンブリのプロペラのブレードが非対称間隔で配置されている推進アセンブリを提供することを含み得る(例えば、1つまたは複数の推進アセンブリの複数のブレードが非対称のブレード間隔を規定する)。このように提供される推進アセンブリは、好ましくは実質的に第3章に記載された推進アセンブリであり、実質的に上記の方法および/または他の任意の適切な方法で非対称に間隔を空けられたブレードを含むことができる。
【0059】
[0072]特定の実施例では、ブロックS210は、非対称ブレード間隔を有する複数の推進アセンブリを提供することを含むことができ、ここで複数の推進アセンブリのそれぞれの複数のブレードの非対称ブレード間隔は同一である。代替的な特定の実施例では、2つ以上の複数の推進アセンブリの複数のブレードの非対称ブレード間隔は異なっていてもよい。
【0060】
[0073]一態様では、ブロックS210は、調整可能なブレード間隔を有するプロペラを具える推進アセンブリを提供することを含む。このブレード間隔は手動調整可能であってもよいし(例えば、航空機が着陸しているか、動作していない期間中であって、ブレードは円周方向の固定具または溝を含むハブに拘束され、その周りでブレードの方位角位置を手動で調整し、1つまたは複数の固定具によって固定できる)、動的に調整可能であってもよいし(例えば、航空機が動作している期間中であって、ブレードの方位角位置は電動アクチュエータによって制御され得るなど)、および/またはそうでなければ適切に調整可能であり得る。代替例では、ブロックS210は、固定のブレード間隔(例えば、対称ブレード間隔、非対称ブレード間隔など)を有するプロペラを具える推進アセンブリを提供することを含み得る。
【0061】
4.2 推進アセンブリを制御するステップS220
[0074]ブロックS220は、音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するように推進アセンブリを制御するステップを含む。ブロックS220は、動作中に推進アセンブリによって生成される音響シグネチャの音響心理学的ペナルティが低減されるように、推進アセンブリを操作するように機能する(例えば、ブロックS210の1つまたは複数の態様に従って提供される)。方法200が実施される航空機が複数の推進アセンブリを具える態様では、ブロックS220は、好ましくは複数の推進アセンブリを制御することを含む(例えば、複数の推進アセンブリによって生成される音響シグネチャの心理音響ペナルティを低減するため)。しかしながら、ブロックS220は代替的に、航空機が複数の推進アセンブリを具える場合でも単一の推進アセンブリを制御すること、または他の方法で1つまたは複数の推進アセンブリを適切に制御することを含み得る。
【0062】
[0075]変形例では、ブロックS220は、ある範囲のRPM値で複数の推進アセンブリを制御することを含むことができ、ここで少なくとも1つのプロペラが、少なくとも1つの他のプロペラが回転するRPM値とは異なるRPM値で回転する。この変形例では、ブロックS220は、拡散RPM動作モードに関して上記したように実質的に音響スペクトルを拡散するように機能し得る。しかしながら、ブロックS220は、追加的または代替的に、モータにより可能な任意の適切なRPM値、あるいはRPM値の範囲(例えば、モータの動作特性、モータのトルク曲線など)で推進アセンブリを制御することを含み得る。
図9は、ブロックS220の特定の実施例に従って動作する6つのプロペラによって放出される音響シグネチャの周波数スペクトルの例を示し、ここで各プロペラのRPM値は公称値に対して±5%ずれている(例えば、各プロペラの回転周波数は、複数の推進アセンブリのうちの他の1つの回転周波数から、公称回転周波数、中央回転周波数、平均回転周波数などの少なくとも5%だけ離れている。
【0063】
[0076]ブロックS220は、航空機の運航中に1つまたは複数のプロペラのRPM値を動的に調整することを含むことができ、これは、放出音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するように機能し得る。1つまたは複数のプロペラのRPM値を動的に調整することで、航空機の飛行を制御することもできる(例えば、ロータによって生成される推力を調整することによって)。しかしながら、RPM値の調整は、追加的または代替的に、ブレードピッチまたは他のプロペラの空気機械的特性の調整と同時におよび/または組み合わせて(例えば、推進アセンブリのモータのトリム機構を使用して)、可変RPMにおいて推力を実質的に一定に保つために実行することができる。いくつかの態様では、ブロックS220は、推力分布を調整するために(例えば、ホバー構成で航空機の1つまたは複数の軸周りにモーメントを生成するように)複数のプロペラのそれぞれを同時に制御し、同じ動作によって音響心理学的ペナルティを低減する(例えば、ピークを拡散するか、音響スペクトルの諧調を下げることによって)。2つ以上のプロペラのRPM値の広がりを動的に調整することは、測定された(または適切に取得された)フィードバックに基づいて実行することができる。例えば、ブロックS220は、航空機の飛行経路に沿った遠隔の観測者から知覚される放出音響シグネチャの音響パワースペクトルを(例えば、地上ベースの音響センサから)受信するステップと(例えば、リアルタイムで、ほぼリアルタイムでなど)、音響パワースペクトルの1つまたは複数のピークが所定の閾値より大きいかを判定するステップと(例えば、オンボードコンピューティングシステムで判定する、リモートコンピューティングシステムで判定するなど)、そして1つまたは複数のピークが所定の閾値を下回るまで、2以上のプロペラ間のRPM値の拡散を調整するステップとを含み得る。関連する実施例では、閾値は動的に決定することができる(例えば、受信した命令に基づいて、時刻や関連する騒音条例に基づいてなど)。
【0064】
[0077]ブロックS220は、1つまたは複数のプロペラのブレード間隔を調整することを含むことができ、これは1つまたは複数のプロペラによって放出される音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するように機能し得る。例えば、ブロックS220は、動作中に複数のうちの少なくとも1つの推進アセンブリの、複数のブレードの非対称ブレード間隔を調整することを含み得る。このブレード間隔の調整は、測定された(または適切に取得された)フィードバックに基づいて実行することができる。例えば、ブロックS220は、プロペラのBPFの高調波に対応するスペクトル帯域での音響パワースペクトルを検出するステップと(例えば、オンボード音響センサ、地上ベースの音響センサを使用して、ブロックS225の1つまたは複数の態様に従ってなど)、帯域内のピークパワーが閾値レベル(例えば、閾値dBレベル)より大きいかを判定するステップと、
図10に示すように、帯域内のピークパワーが閾値を下回るまで、1つまたは複数のプロペラ(例えば、フィードバックの測定に使用する音響センサに最も近いプロペラ)のブレード間隔を調整するステップを含み得る。しかしながら、ブレード間隔の調整は、追加的または代替的に、任意の他の適切な基準で、飛行に関連する任意の適切な時間に実行することができる(例えば、温度、湿度などの状況または環境特性に基づく飛行前モデリングで)。いくつかの態様では、ブレードの間隔は固定であってもよく、ブロックS220はブレード間隔の調整を省略することができる。
【0065】
[0078]ブロックS220は、1つまたは複数のプロペラによって放出される音響シグネチャの音響心理学的ペナルティを低減するように機能し得る、1つまたは複数のプロペラの位相(例えば、相対方位角位置)をシフトおよび/または正確に制御するステップを含み得る。例えば、ブロックS220は、プロペラのブレードの方位角位置間の位相差を最大化するために、プロペラのセットのそれぞれの相対位相をシフトするステップを含み得る(例えば、
図11に示すように、2つの3枚ブレードプロペラ間に60°の相対位相シフトを設定する)。これにより、プロペラのセットに対して固定の場所で聴取者が受ける、プロペラのセットによって生成される可聴音の知覚を変更し、音の音響心理学的ペナルティを減らすことができる。
【0066】
[0079](例えば、第3章で前述したように)可変ブレード間隔が複数の同軸プロペラによって達成される態様では、ブロックS220は、回転中の同軸プロペラ間の位相シフトを維持および/または変更するステップを含み得る。例えば、少なくとも1つの推進アセンブリの複数のブレードが、第1のプロペラと同軸の第2のプロペラによってさらに規定される場合、ブロックS220は、第1のプロペラと第2のプロペラを同じ方向に回転させて推力を生成するステップを含み、ここで第1のプロペラと第2のプロペラの回転中に、第1のプロペラは第2のプロペラから方位角位相がシフトしている。この方位角位相シフトは、ブロックS220の機能と合致して、動作中に動的および/または自動的に変化させることができる(例えば、ブロックS220は、音響シグネチャデータ、コマンド命令などに基づいて方位角位相シフトを調整するステップを含む)。
【0067】
[0080]変形例では、ブロックS220は、推力分布を調整するために推進アセンブリを制御するステップを含み得る。この推力分布は、コマンド目標(例えば、特定の乗物操縦)を達成しながら、同時に音響出力制約(例えば、ブロックS225の1つまたは複数の態様のように測定された音響シグネチャデータに対してとられる)を満たすように調整することができる。例えばブロックS220は、オンボード制御システムでコマンド命令を受信することに応答して、音響シグネチャデータに基づいて推力分布を変調するステップを含み得る。
【0068】
4.3 音響シグネチャを特定するステップS225
[0081]方法200は、推進アセンブリの音響シグネチャを特定するステップを有するブロックS225を含み得る。ブロックS225は、方法200の他のブロックで使用するための音響メトリックを提供するように機能する(例えば、ブロックS220の1つまたは複数の態様へのフィードバック入力として)。ブロックS225はまた、乗物の音響出力に関する情報を乗物オペレータ(例えば、航空機に搭乗しているパイロット、遠隔遠隔操作者など)に提供するように機能し得る(例えば、地理的領域に関する音響条例に従って乗物の動作を制御するため、異常な音響シグネチャや騒音がないか乗物の動作をモニタリングするためなど)。
【0069】
[0082]ブロックS225は、音響センサを使用して音響シグネチャを測定するステップを含むことができ、その場合に実質的に上記第3章で説明したように、ブロックS225は好ましくは音響センサで少なくとも部分的に実行されるが、追加的または代替的に、任意の他の適切なセンサまたは機構(例えば、人間の観察者の音の知覚を記録するためのユーザ入力デバイス)を使用して実行してもよい。センサは、航空機センサ(例えば、音響センサが航空機に配置され結合されている)、地上センサ(例えば、音響センサが地上ベースの設備要素に配置されている)、および/または他の任意の適切なセンサまたはセンサの組み合わせであり得る(例えば、1のサブセットが地上センサであり、別のサブセットが航空機センサであるセンサセット)。
【0070】
[0083]ブロックS225は、追加的または代替的に、航空機の音響モデルを利用して音響シグネチャデータを特定するステップを含み得る。音響モデルは、好ましくは、航空機の推進アセンブリの動作状態(例えば、RPM、ブレードピッチ、ブレード間隔など)の関数として航空機によって出力される音響シグネチャを記述するものである。音響モデルは、予め規定されてもよいし(例えば、シミュレートされた音響出力に基づくか、経験的な測定値に基づくなど)、動的に決定してもよく(例えば、オンライントレーニング方法を使用して更新する、通常動作中に収集された音響測定値に対して検証するなど)、あるいは他の方法で適切に特定してもよい。
【0071】
[0084]変形例では、ブロックS225は、オンボード制御システムで(例えば、音響シグネチャデータを測定する)音響センサから音響シグネチャデータを受信するステップを含むことができ、この方法は、ブロックS220の変形として音響シグネチャデータに基づいて複数の推進アセンブリのうちの少なくとも1つの回転周波数を調整することを含み得る。例えば、音響シグネチャデータは、閾値よりも大きい音響出力の諧調の度合を示すことができ、ブロックS220は、この諧調を閾値以下に低減するために、複数の推進アセンブリのそれぞれのRPM値の拡散を自動的に増大させるステップを含み得る。
【0072】
[0085]上記の方法200およびそのブロックの変形例では、単一の推進アセンブリに関して説明した任意のブロック(例えば、ブロックS210、S220、S225など)の態様を、複数の推進アセンブリに適用することができる。例えば、非対称ブレード間隔を有するプロペラを具える推進アセンブリを提供するステップを含むブロックS210の変形例は、各プロペラが非対称ブレード間隔(例えば、複数のロータにわたり同等に非対称なブレード間隔、複数のプロペラのそれぞれについて非対称ブレード間隔パターンが異なるなど)を規定する複数の推進アセンブリを提供することを含み得る。しかしながら、単一のプロペラまたは推進アセンブリに関連して説明されたブロックの態様は、他の方法で複数の推進アセンブリに適切に適用してもよい。
【0073】
4.4 さらなる実施例−方法
[0086]特定の実施例において、方法200は、複数の推進アセンブリを提供するステップを含み、ここで複数の推進アセンブリのそれぞれは、モータと、少なくとも第1のプロペラによって規定される複数のブレードとを具える。この実施例では、方法は、航空機の複数の推進アセンブリを制御して推力を生成するステップを含み、この推力が推力生成の副産物として音響シグネチャを生成する。したがって、複数の推進アセンブリは、推力分布(例えば、航空機にかかる力とモーメントのセットを規定するための航空機周りの推力の幾何分布)に加えて、音響パワー分布(例えば、周波数の関数としての音響パワーの分布)を規定する音響シグネチャを生成する。この実施例において、方法は、オンボード制御システムで(例えば、航空機の音響シグネチャを示す)音響シグネチャデータを特定するステップと、音響シグネチャデータに基づいて異なる周波数で複数の推進アセンブリのそれぞれを回転させて、同時に推力分布を実質的に維持しながら、音響シグネチャの音響パワー分布を変調するステップとを含む。音響出力分布を変更しながら推力分布を維持するステップは、プロペラの複数のブレードのブレードピッチを変更することを含み得る(例えば、回転周波数の減少または増加に比例して、ブレードの迎え角をそれぞれ増大または減少させる)。別の実施例では、方法は、音響パワー分布を変調するために推力分布を変更できるようにすることを含み得る(例えば、音響シグネチャの心理音響ペナルティを低減する副産物で航空機に意図的にモーメントまたは正味の力を作り出す)。
【0074】
[0087]別の特定の実施例では、方法200は、6つの推進アセンブリのセットを提供するステップであって、6つの推進アセンブリのそれぞれのプロペラは、非対称に間隔が空けられ、各プロペラは、5つのブレード間間隔値によって離てられた5つのブレードを含み、当該5つの値は対称間隔角度からのずれが5°未満である、ステップと、複数の推進アセンブリを制御して、公称RPM値のずれが5%以下である範囲のRPM値で複数のうちの各プロペラを回転させるステップであって、この公称RPM値は、推進アセンブリの所望の推力出力に基づいて決定され、RPM値の範囲の各値は、そのRPM値で所望の推力出力を達成するために、調整されたピッチ角度と組み合わせて決定される、ステップとを含む。
図12は、この方法の例に従って生成された音響シグネチャの周波数スペクトルの例を示し、非対称に間隔を空けたブレードを具える6つの推進アセンブリが、放出音響シグネチャの心理音響ペナルティを低減するためにある範囲のRPM値で動作する(例えば、音響スペクトルの諧調を下げることによって)。
【0075】
[0088]好ましい実施形態のシステムおよび方法、ならびにその変形例は、コンピュータ可読命令を格納するコンピュータ可読媒体を受容するように構成された装置として少なくとも部分的に実施および/または実装することができる。命令は、好ましくは、システムおよびその1つまたは複数のコンポーネントと統合されることが好ましいコンピュータ実行可能コンポーネントによって実行される。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、または任意の適切なデバイスなど、任意の適切なコンピュータ可読媒体に格納され得る。コンピュータ実行可能コンポーネントは、好ましくは一般的またはアプリケーション固有のプロセッサであるが、任意の適切な専用ハードウェアまたはハードウェア/ファームウェアの組み合わせデバイスが、代替的または追加的に命令を実行するようにしてもよい。
【0076】
[0089]簡潔のために省略されているが、好ましい実施形態は、様々なシステム構成要素のあらゆる組み合わせおよび順列、ならびに様々な方法ブロックのあらゆる組み合わせおよび順序を含み、これらは任意の適切な順列または組み合わせで組み合わせることができ、および/または好ましい実施形態の態様から全体または一部を省略することができる。
【0077】
[0090]当業者は、上記の詳細な説明および図面および特許請求の範囲から理解するように、以下の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に修正および変更を加えることができる。
【国際調査報告】