(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525858(P2021-525858A)
(43)【公表日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】デュアルシーリングと圧縮要素を備えた光ファイバープローブ
(51)【国際特許分類】
G01K 11/3213 20210101AFI20210830BHJP
【FI】
G01K11/3213
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-565736(P2020-565736)
(86)(22)【出願日】2019年5月22日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月25日
(86)【国際出願番号】US2019033521
(87)【国際公開番号】WO2019226771
(87)【国際公開日】20191128
(31)【優先権主張番号】62/674,885
(32)【優先日】2018年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501162454
【氏名又は名称】ワットロー・エレクトリック・マニュファクチャリング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルゲン、ジョン
【テーマコード(参考)】
2F056
【Fターム(参考)】
2F056VF20
(57)【要約】
蛍光に基づいて、基板の温度を検出するための温度検出プローブが開示されている。温度検出プローブは、コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに基板に接触するための温度検出要素を有する光ファイバーケーブルを備える。シースは、光ファイバーケーブルのホットエンドの少なくとも一部を囲む。保持部材は、シースをサポート部材と確実かつ取り外し可能に係合する。シースは、温度検出要素と基板の間の接点の周りに真空シールを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに基板に接触するための温度検出要素を有し、前記温度検出要素は、蛍光物質を含む、光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルの前記ホットエンドの少なくとも一部を囲むシースと、
前記シースをサポート部材と確実かつ取り外し可能に係合するための保持部材とを備え、
前記シースと前記基板の間に、真空シールが与えられる、
温度検出プローブ。
【請求項2】
前記光インタフェースと光通信する光検出器、
をさらに備える、請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項3】
前記光インタフェースと光通信する光源、
をさらに備える、請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項4】
前記光インタフェースと光通信する光検出器と、前記光インタフェースと光通信する光源とを備えるコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記基板の温度を制御するように構成される、
請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項5】
前記シースは、シリコンを含む、
請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項6】
前記温度検出プローブは、真空で基板の温度を検出する、
請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項7】
前記温度検出プローブは、極低温環境で基板の温度を検出する、
請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項8】
前記サポート部材は、半導体プロセスで使用するための静電チャックである、
請求項1に記載の温度検出プローブ。
【請求項9】
コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに基板に接触するための温度検出要素を有し、前記基板は、蛍光物質を含む、光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルの前記ホットエンドの少なくとも一部を囲むシースと、
前記光インタフェースと光通信する光検出器と、
前記光インタフェースと光通信する光源と、
前記シースをサポート部材と確実かつ取り外し可能に係合し、前記シースと前記基板の間に、真空シールが与えられる、保持部材と
を備える、温度検出プローブ。
【請求項10】
前記光インタフェースと光通信する光検出器と、前記光インタフェースと光通信する光源とを備えるコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記基板の温度を制御するように構成される、
請求項9に記載の温度検出プローブ。
【請求項11】
前記シースは、シリコンを含む、
請求項9に記載の温度検出プローブ。
【請求項12】
前記温度検出プローブは、真空で基板の温度を検出する、
請求項9に記載の温度検出プローブ。
【請求項13】
前記温度検出プローブは、極低温環境で基板の温度を検出する、
請求項9に記載の温度検出プローブ。
【請求項14】
前記サポート部材は、半導体プロセスで使用するための静電チャックである、
請求項9に記載の温度検出プローブ。
【請求項15】
ビアを備えるサポート部材と、
前記サポート部材に隣接して配置される基板と、
コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに温度検出要素を有し、前記温度検出要素は、前記基板に接触する、光ファイバーケーブルと、
前記光ファイバーケーブルの前記ホットエンドの少なくとも一部を囲み、シースの少なくとも一部は前記ビア内に配置される、前記シースと、
前記サポート部材内に前記シースを確実かつ取り外し可能に係合する保持部材とを備え、
前記シースと前記基板の間に、真空シールが与えられる、
アセンブリ。
【請求項16】
前記温度検出要素は、蛍光物質を含む、
請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記基板は、前記真空シールの位置に蛍光物質を含む、
請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記光インタフェースと光通信する光検出器、及び、前記光インタフェースと光通信する光源を備えるコントローラをさらに備え、前記コントローラは、前記基板の温度を制御するように構成される、
請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記シースは、シリコンを含む、
請求項15に記載の温度検出プローブ。
【請求項20】
前記温度検出プローブは、真空で基板の温度を検出する、
請求項15に記載の温度検出プローブ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
この出願は、2018年5月22日に出願された米国仮出願第62/674,885号の優先権及び利益を主張する。上記の出願の開示は、参照によりここに組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、光センシング、より具体的には、密閉された環境に光センサを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションの記述は、単に本開示に関連する背景情報を提供するものであり、先行技術を構成しないことがある。
【0004】
サーミスタ、測温抵抗体(RTD)、及び、抵抗温度計などの温度検出プローブは、様々な基板の温度フィードバックを提供するために、多様な一連の用途で使用される。そのようなプローブは、例えば、工業プロセスで使用することができ、さらに、温度検出プローブにより検出される温度に応答することで、システムの温度を調整するコントローラと電気的に接続されてもよい。
【0005】
そのような環境では、温度を検出する温度検出プローブの端部は、ホットエンドと一般に呼ばれる。コールドエンドと一般に呼ばれるのは、通常、温度検出プローブを固定部材に機械的に取り付けるために使用される、温度検出プローブの部分である。コールドエンドは、プローブが取り付けられる、基板及び/又は通す開口部に実際に挿入されてもよいし、されなくてもよい。さらに、コールドエンドは、コントローラ又は温度の読み出しなど、リモートデバイスへの電気的インタフェースを備える。上記のように、コントローラは、システム内の温度をさらに制御し、プロセス中にシステム内に所定の温度プロファイルを提供し、プロセス中の温度が所定のプロファイルに従うことを保証するなどができる。
【0006】
温度検出プローブのそのようなグループの1つは、光ファイバーセンサである。このようなプローブは、光ファイバーケーブルの端部に通常配置される蛍光センサの蛍光減衰時間に基づいている。光ファイバーセンサ温度検出プローブは、高無線周波活動、マイクロ波放射、及び/又は、高電圧を有する環境でも、常に確実に温度を正確に測定する。その結果、光ファイバーセンサ温度検出プローブは、半導体基板が少なくとも半導体ウェーハに加工される半導体用途に関連してしばしば使用される。そのような半導体用途の多くでは、サセプタ、静電チャック、又は、他のサポート部材を使用して、半導体ウェーハを製造する間、少なくとも半導体基板を所定の位置に保持する。そして、そのようなサポート部材の多くは、一般にビアと呼ばれる開口部をさらに組み込んでおり、光ファイバーセンサ温度検出プローブは、プロセス中の半導体基板の温度をより正確かつ確実に測定するように配置され、それにより、結果として生じる半導体ウェーハは、許容温度で加工されることを確実にする。
【0007】
光ファイバーセンサ温度プローブを取り付けることは、特に、半導体プロセス装置に配置された他のシステムとともに、動作温度、圧力、及び、環境を考慮すると、難解なことがある。様々な動作環境における光ファイバーセンサ温度プローブなどのデバイスを確実に取り付けることに関するこれらの課題は、本開示により扱われる。
【発明の概要】
【0008】
本開示の一形態によれば、温度検出プローブは、コールドエンドに光インタフェースを、ホットエンドに温度検出要素を有する光ファイバーケーブルを備える。温度検出要素は、基板に接触するためのものであり、温度検出要素は、蛍光化合物を含む。シースは、光ファイバーケーブルのホットエンドの少なくとも一部を囲む。保持部材は、シースをサポート部材と確実かつ取り外し可能に係合し、温度検出要素と基板の間に、真空シールが与えられる。
【0009】
他の形態によれば、光検出器は、光インタフェースと光通信する。
【0010】
さらに他の形態では、光源は、光インタフェースと光通信する。
【0011】
さらなる形態では、温度検出プローブは、光インタフェースと光通信する光検出器、及び、光インタフェースと光通信する光源を備えるコントローラをさらに含む。コントローラは、基板の温度を制御するように構成される。
【0012】
さらに他の形態によれば、シースは、シリコーンを含む。
【0013】
他の形態では、温度検出プローブは、真空中の基板の温度を検出する。
【0014】
さらなる形態では、温度検出プローブは、極低温環境における基板の温度を検出する。
【0015】
さらに他の形態では、サポート部材は、半導体プロセスで使用するための静電チャックである。
【0016】
一形態によれば、温度検出プローブは、コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに温度検出要素を有する光ファイバーケーブルを備える。温度検出要素は、基板に接触するためのものであり、基板は、蛍光化合物を含む。シースは、光ファイバーケーブルのホットエンドの少なくとも一部を囲む。光検出器は、光インタフェースと光通信し、光源は、光インタフェースと光通信する。保持部材は、シースをサポート部材と確実かつ取り外し可能に係合し、シースと基板の間に、真空シールが与えられる。
【0017】
さらなる形態では、温度検出プローブは、光インタフェースと光通信する光検出器、及び、光インタフェースと光通信する光源を備えるコントローラをさらに含む。コントローラは、基板の温度を制御するように構成される。
【0018】
さらに他の形態によれば、シースは、シリコーンを含む。
【0019】
他の形態では、温度検出プローブは、真空中の基板の温度を検出する。
【0020】
さらなる形態では、温度検出プローブは、極低温環境における基板の温度を検出する。
【0021】
さらに他の形態では、サポート部材は、半導体プロセスで使用するための静電チャックである。
【0022】
一形態によれば、アセンブリは、ビアを備えるサポート部材を含む。基板は、サポート部材に隣接して配置される。光ファイバーケーブルは、コールドエンドに光インタフェースを有し、ホットエンドに温度検出要素を有する。温度検出要素は、基板に接触する。光ファイバーケーブルのホットエンドの少なくとも一部は、シースにより囲まれ、シースの少なくとも一部は、ビア内に配置される。保持部材は、サポート部材内にシースを確実かつ取り外し可能に係合する。シースと基板の間に、真空シールが与えられる。
【0023】
さらに他の形態では、温度検出要素は、蛍光物質を含む。
【0024】
さらなる形態では、基板は、真空シールの位置に蛍光物質を含む。
【0025】
さらに別の形態では、コントローラは、光インタフェースと光通信する光検出器、及び、光インタフェースと光通信する光源を備える。コントローラは、基板の温度を制御するように構成される。
【0026】
さらに他の形態によれば、シースは、シリコーンを含む。
【0027】
他の形態では、温度検出プローブは、真空中の基板の温度を検出する。
【0028】
さらなる適用範囲は、ここで提供される説明から明らかになる。説明及び具体例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定する意図ではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示が十分に理解できるようにするために、例として与えられる、以下の添付の図面を参照して、その様々な形態を説明する。
【
図1】
図1は、光センサの内部構成要素を見る目的で、光センサのシースを透明として示す、本開示による光センサの正面図である。
【
図2】
図2は、本開示による光センサの拡大斜視端面図である。
【
図3】
図3は、本開示に従って構成された、基板、静電チャック、及び、光学センサを示すアセンブリの側面断面図である。 ここに記載の図面は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を決して限定することを意図するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、用途又は使用を限定することを意図するものではない。図面全体を通して、対応する参照番号は、同様の又は対応する部品及び特徴を示すことを理解されたい。
【0031】
一般に、光ファイバー検出では、蛍光は、より短く、より高いエネルギー波長の照射後の材料により、光の形態でのエネルギーのゆっくりとした放出である。蛍光温度検出は、放出されるエネルギーの速度が蛍光物質の温度に依存するという原理に基づいている。この時間依存の性質は、適切に測定、調整及び制御されると、正確かつ繰り返し温度を測定するために利用できる。
【0032】
ここで使用される場合、用語「光学センサ」は、蛍光物質の温度を検出及び決定するために使用される光ファイバーライトガイド及び光信号コンディショナの両方を意味すると解釈されるべきである。
【0033】
図1を参照すると、本開示の第1の形態による温度検出プローブ10が図示されている。温度検出プローブ10は、一般に管状のシース20が周りに配置される光ファイバーケーブル12を含む。シース20は、この形態では管状として示されているが、シース20は、本開示の範囲内にとどまりながら、とりわけ、正方形又は多角形などのいくつかの形状をとることができる。
【0034】
温度検出プローブ10の一端は、ホットエンド14と呼ばれることがあり、これは、一般に、サポート部材(サセプタ又は静電チャックなど)のビア(以下で説明される)に挿入される。温度検出要素16は、基板の温度を検出するために光ファイバーケーブル12のホットエンド14に配置される。以下で説明されるように、温度検出要素16は、一般に、蛍光化合物を含む。温度検出プローブ10の他端は、コールドエンド18と呼ばれることがあり、任意で固定構造に取り付けることができる。限定しない例として、そのような取り付けは、ゴムグロメット、圧縮継手、及び、溶接継手などを含めてもよく、これらは、固定構造に機械的に取り付けられてもよい。
【0035】
温度検出プローブ10は、温度検出プローブ10をサポート部材のビアの中に固定するために使用することができる保持要素22をさらに含み、それにより、サポート部材の対応するビア内に温度検出プローブ10を取り外し可能だが確実に接続する。適切な保持要素は、ねじとナットのアセンブリ、及び、サポート部材内の温度検出プローブを取り外し可能だが確実に接続するその他の任意のアセンブリを含む。この形態では、保持要素22は、雄ねじナットである。一形態では、取り外し可能だが確実な接続の場合の保持要素22は、温度検出プローブ10のホットエンド14で又はその近くで、シース20の弾性変形を引き起こすのに十分な力を温度検出プローブ10に及ぼすように構成されるので、温度検出プローブ10の温度検出要素16と基板の間に、実質的に不浸透性の真空シールされた接点が形成される。シース20の弾性変形により、改善される対面接触、それによるより正確な温度測定値のために、温度検出要素16に軸方向の圧縮を与えることを加えて、シース20とその周囲環境、例えば、以下に図示及び説明するビアなど、の間にシールが形成される。このようにして、温度検出要素16と基板の間に強固な接続が形成され、これは、外部の低圧環境、真空環境、実質的な温度変動、及び、低温環境に対する保護を与える。
【0036】
さらに示されるように、光インタフェース24は、限定しない例として、温度検出プローブ10を、温度コントローラ、及び/又は、温度ディスプレイなどの遠くに離れて取り付けられた機器に接続するために備えられる。光インタフェース24は、さらに、光学センサ及び光源に光接続される。光インタフェース24は、光ファイバーケーブル12と光接続される。光インタフェース24は、光ファイバーケーブル12と電気的に接続されてもよい。保持要素22は、光ファイバーケーブル12が光インタフェース24まで通過して通り越すのに通り抜ける1つ又は複数の開放コア部分(例えば、保持要素22の長手方向軸に沿った貫通穴)を含めてもよい。このようにして、温度検出要素16は、光インタフェース24と光接続される(かつ、電気的に接続されてもよい)。
【0037】
図2とともに
図1を再度参照すると、シース20は、温度検出プローブ10の光ファイバーケーブル12のホットエンド14の部分の周りに配置される。一形態では、シース20は、シリコーン材料を含み、以下でさらに論じられるように、保持要素22からの軸方向の圧縮の適用を介して弾性的に変形可能である。したがって、シース20は、温度測定値の精度を改善するために、即ち、温度検出要素16と隣接する表面との間の改善された接触を与えることにより、シール及び圧縮要素の二重の機能を提供する。一態様によれば、シリコーン材料は、少ないガス放出、高い圧縮性、及び、熱的に広い使用可能範囲を有するという特性の少なくとも1つを示す。これらの特性を示すシリコーン材料は、ヌシルテクノロジーから市販されているNusilCV1−1142−4である。
【0038】
温度検出要素16は、シース20により少なくとも部分的に囲まれており、シース20に少なくとも部分的に収容されてもよい。温度検出要素16は、通常、温度検出プローブ10の隣接するホットエンド14に存在する。温度検出要素16は、温度検出プローブ10のホットエンド14の温度を示す信号を供給する。一態様によれば、温度検出要素16は、熱検出材料から構成される。さらなる他の態様によれば、動作中、温度検出要素16は、熱検出材料からなる基板に対して押し下げられるので、以下に説明するように、熱検出プローブ(熱検出プローブ10など)が使用されるシステムは、基板の温度を正確に測定できる。一形態では、熱検出材料は、蛍光化合物を含むので、以下に説明するように、熱検出プローブ(熱検出プローブ10など)が使用されるシステムは、基板の温度を正確に測定することができる。多くの場合、適切な蛍光化合物は、光源から向けられた光を別の波長に変換し(例えば、光の波長をアップコンバート又はダウンコンバート)、変換された光を反射して、反射光を検出するセンサに戻すものである。多くの態様では、蛍光物質は、一般に、分子種及び原子種など、基底状態から励起された電子状態の様々な振動状態の1つまで、光子吸収により励起できる任意の種である。種は、その過程で光子を放出すると、その振動エネルギーを失う。適切な蛍光物質の例には、限定しない例として、用途の必要な温度範囲にわたる温度に強い減衰依存性を有し、約350nmから約550nmの間の吸収帯、及び、約550nmから約100nmの間の励起帯を示すものが含まれる。特定の温度でより短い減衰時定数が選択された物質は、更新速度が速くなる可能性がある。温度範囲、蛍光減衰速度、コスト、及び、商業的入手性に対するそれらの用途の適合性に基づいて、様々な他の物質が採用されてもよいし、選択されてもよい。同様に、蛍光化合物により変換された光を測定するためのセンサは、蛍光化合物により変換された光波長についての光波長を測定することに限定されず、それにより、変換されないが反射してセンサに戻ってくる光の不正確な測定を防ぐ。このような用途では、原子種タイプの蛍光は、使用される原子種タイプの振動レベルを引き起こすために使用される同一の波長と実質的に同様の減衰中の波長で、原子蛍光光子が放出されるので、それほど効率的ではない。
【0039】
蛍光物質からなる基板が検討される場合、基板(以下に説明するように、基板34など)は、温度検出要素16が基板の温度を光学的に検出できる位置内で、光学的に透明な母材内に配置された蛍光物質から構成されてもよい。必要に応じて、母材は、基板の結合材料にしてもよく、必要に応じて、蛍光物質及び母材は、結合材料に混合されてもよく、及び/又は、蛍光物質は、任意の母材(もし、存在すれば)に混合又は分離されてもよい。したがって、特定の開示は、単なる例示としてみなされるべきであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。蛍光物質を基板に混合するプロセスは、蛍光物質が基板の一部のみに配置されるのか、基板全体に配置されるのかによる。例えば、温度検出要素16に触れられる基板の部分にのみ蛍光物質を混合することが望ましいことがある。任意で、蛍光物質は、基板が形成された後に、基板の位置を覆うように混合又は塗布することができる。
【0040】
ここで
図3を参照すると、温度検出プローブ10を備えるアセンブリ30が図示されている。アセンブリ30は、温度検出プローブ10、サポート部材32、基板34、及び、プロセスコントローラ36を含む。特に、温度検出プローブ10は、サポート部材32のビア38内に配置されている。光ファイバーケーブル12のホットエンド14を取り囲むシース20は、ビア38内にぴったりとはまる。さらに、温度検出プローブ12の保持要素22は、取り外し可能であるが確実に係合すると、シース20の末端を基板34に押し付ける。次に、シース20は、温度検出要素16と基板34との間にシールを形成し、ビア38に沿ってシールを形成し、温度検出要素16に圧縮を加える。したがって、温度検出要素16と基板34の間に少なくとも実質的に凝縮物は形成されない。プロセスコントローラ36は、少なくとも光源40及び光検出器42を含む。さらに、プロセスコントローラ36は、電気インタフェース24と電気的に通信する。
【0041】
プロセスコントローラ36は、加熱されるチャンバ(アセンブリ30など)の監視及び/又は制御に関連する制御デバイスを監視及び/又は制御するようにさらに構成されてもよく、これは、米国特許第9,625,923号で説明され、これは、本出願と共に本発明の譲受人に譲渡され、その内容は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0042】
さらに、それらの位置で基板34の表面の温度を検出するために、基板34の選択された表面の全体を覆うように向けられた複数の温度検出プローブ10があってもよい。同様に、本開示に従って加工される複数の基板があってもよく、基板の一部又は全部が、本開示に従って検出される対応する温度を有してもよいことが意図される。
【0043】
本開示による温度検出プローブは、静電チャック又はサセプタなどの少なくともサポート部材に関連して使用するために説明されてきたが、そのような温度検出プローブは、チャンバーの蓋、チャンバーバッフル、エッジリング、シャワーヘッド、真空チャック、又は、その他の任意の用途であって、真空及び/又は極低温環境で光ファイバー温度検出が望ましい用途、及び/又は、光ファイバー温度センサのホットエンドの温度検出要素と基板の表面の間に蓄積される凝縮物を防ぐのに望ましい用途とともに使用するのに望ましい場合があることを理解されたい。
【0044】
ここで特に明確に示されない限り、機械的/熱的特性、組成パーセンテージ、寸法/許容差、又は、その他の特性を示す全ての数値は、本開示の範囲を説明する際に「約」又は「おおよそ」という言葉により修正されるものとして理解されたい。
【0045】
ここで説明された様々なモジュール及び/又は回路(例えば、コントローラ、マイクロコントローラ、プロセッサなど)は、単一の処理装置又は複数の処理装置でもよいことに留意されたい。このような処理装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルロジックデバイス、状態機械、ロジック回路、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、動作命令に基づく信号(アナログ及び/又はデジタル)を操作する任意のデバイスでもよい。動作命令は、メモリに保存されてもよい。メモリは、単一のメモリデバイス又は複数のメモリデバイスでもよい。そのようなメモリデバイスは、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、静的メモリ、動的メモリ、フラッシュメモリ、及び/又は、デジタル情報を保存する任意のデバイスでもよい。処理モジュールが、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、論理回路を介してその機能の1以上を実装する場合、対応する動作命令を保存するメモリは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は、論理回路を備える回路に埋め込まれてもよいことにも留意されたい。そのような形態では、メモリが保存して、それに結合された処理モジュールが、ここに図示及び/又は説明されるステップ及び/又は機能の少なくとも一部に対応する動作命令を実行する。
【0046】
本開示の説明は、本質的に単なる例示的なものであり、したがって、本開示の実体から逸脱しない変形は、本開示の範囲内にあることが意図されている。そのような変形は、開示の精神及び範囲からの逸脱とみなされるべきではない。
【国際調査報告】