特表2021-525938(P2021-525938A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525938(P2021-525938A)
(43)【公表日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】後付けスパイ防止部
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20210830BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20210830BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20210830BHJP
【FI】
   G06F1/16 312Q
   G06F1/16 312E
   G06F1/16 312G
   G02B7/02 Z
   G03B11/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-517105(P2021-517105)
(86)(22)【出願日】2019年5月29日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月22日
(86)【国際出願番号】DE2019000152
(87)【国際公開番号】WO2019228581
(87)【国際公開日】20191205
(31)【優先権主張番号】102018112763.4
(32)【優先日】2018年5月29日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】520469860
【氏名又は名称】グゼル,ユスフ
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(74)【代理人】
【識別番号】100182903
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武慶
(72)【発明者】
【氏名】グゼル,ユスフ
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H083BB11
2H083BB13
2H083BB17
2H083BB32
2H083CC07
2H083CC13
2H083CC23
2H083CC32
2H083CC36
(57)【要約】
カメラレンズ付き小型デジタルカメラを備えた電子通信機器または娯楽用機器、とりわけスマートフォンの後付けスパイ防止部を提供するが、これは、貫通凹部(6)を備えたフィルム(3;4)の下方で可動であるカメラレンズのレンズ被覆部(2)からなり、この後付けスパイ防止部は、これを装備した機器の空間体積が実質的にほぼより増加せず、これに加えて容易に動作開始および停止をすることができるものであるが、これは、フィルム(3;4)が、機器の片側の全面を覆い、かつこのフィルムには貫通凹部(6)の縁の周辺で、アンダーカット(16)が装備されていて、レンズ被覆部(2)が、アクセス面(8)とは逆側の接触面(10)で電子機器の表面上に載置され、側方の平坦部(18)でアンダーカット(16)の下方に伸張し、かつフィルム(3;4)により電子機器の表面上に形状締結で保持され、またアンダーカット(16)は、断面で貫通凹部(6)を通ってアリ溝状の輪郭を有することにより達成される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラレンズ付き小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば通信機器または娯楽用機器、例えばスマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビ用の後付けスパイ防止部であって、カメラレンズのレンズ被覆部(1;2)と、フィルム(3;4)とを有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記フィルム(3;4)の下方、後方または中で可動であるように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、貫通凹部(5;6)を有し、前記貫通凹部を通って、前記レンズ被覆部(1;2)のアクセス面(7;8)が外に向かって伸張していて、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記アクセス面(7;8)で、手動で前記フィルム(3;4)の下方で可動であるように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、少なくとも前記カメラレンズの周辺の領域中で、前記電子機器の表面上に配置可能である接触面(9;10)を有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、2つの動作状態、すなわち、前記カメラレンズの前方にある閉じた位置と、前記カメラレンズの横にある開いた位置とに可動であるように形成されている、
後付けスパイ防止部において、
前記貫通凹部(5;6)中で、前記レンズ被覆部(1;2)の摺動路中に、双方の動作状態をラッチするための弾性を有する狭窄部(11)が形成されていることを特徴とする、後付けスパイ防止部。
【請求項2】
カメラレンズ付き小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば通信機器または娯楽用機器、例えばスマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビ用の後付けスパイ防止部であって、カメラレンズのレンズ被覆部(1;2)と、フィルム(3;4)とを有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記フィルム(3;4)の下方、後方または中で可動なように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、貫通凹部(5;6)を有し、前記貫通凹部を通って、前記レンズ被覆部(1;2)のアクセス面(7;8)が外に向かって伸張していて、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記アクセス面(7;8)で、手動で前記フィルム(3;4)の下方で可動であるように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、少なくとも前記カメラレンズの周辺の領域中で、前記電子機器の表面上に配置可能である接触面(9;10)を有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、2つの動作状態、すなわち、前記カメラレンズの前方にある閉じた位置と、前記カメラレンズの横にある開いた位置とに可動であるように形成されている、
後付けスパイ防止部において、
前記フィルム(3)は、前記貫通凹部(5)の周辺で、空間的なエンボス成型部(13)が装備されていて、前記エンボス成型部は、その下に作られた自由空間であって前記レンズ被覆部(1)用の自由空間を作る隆起部の形状であり、かつ、
前記レンズ被覆部(1)は、前記自由空間中で前記貫通凹部(5)に沿って摺動可能に取り付けられていて、かつ
前記レンズ被覆部(1)は、前記アクセス面(7)とは逆側の接触面(9)で、前記電子機器の表面上に載置されていて、前記フィルム(3)により、前記表面上に形状締結で保持されていることを特徴とする、後付けスパイ防止部。
【請求項3】
カメラレンズ付き小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば通信機器または娯楽用機器、例えばスマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビ用の後付けスパイ防止部であって、カメラレンズのレンズ被覆部(1;2)と、フィルム(3;4)とを有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記フィルム(3;4)の下方、後方または中で可動なように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、貫通凹部(5;6)を有し、前記貫通凹部を通って、前記レンズ被覆部(1;2)のアクセス面(7;8)が外に向かって伸張していて、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、前記アクセス面(7;8)で、手動で前記フィルム(3;4)の下方で可動であるように取り付けられていて、
・前記フィルム(3;4)は、少なくとも前記カメラレンズの周辺の領域中で、前記電子機器の表面上に配置可能である接触面(9;10)を有し、
・前記レンズ被覆部(1;2)は、2つの動作状態、すなわち、前記カメラレンズの前方にある閉じた位置と、前記カメラレンズの横にある開いた位置とに可動であるように形成されている、
後付けスパイ防止部において、
前記フィルム(4)には、前記貫通凹部(6)の縁の周辺で、前記電子機器の表面に対して広がるアンダーカット(16)が装備されていて、かつ
前記レンズ被覆部(2)は、前記アクセス面(8)とは逆側の接触面(10)で、前記電子機器の表面上に載置され、かつ側方の平坦部(18)で、前記アンダーカット(16)の下方に伸張して、かつ前記フィルム(4)により形状締結で前記表面上に保持されていることを特徴とする、後付けスパイ防止部。
【請求項4】
前記フィルム(3;4)は、粘着によって自己粘着性を有するまたは粘着剤により付着するフィルム(3;4)として形成されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項5】
前記レンズ被覆部(1;2)は、平面視では丸いまたは長い摺動片として形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項6】
前記貫通凹部(5;6)は、真っすぐまたは屈曲していて、かつ前記レンズ被覆部(1;2)もこれに応じて真っすぐまたは屈曲したレーン上を摺動可能に形成されていて、または垂直の垂直軸の周りで前記電子機器の表面に対して回転可能に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項7】
前記レンズ被覆部(1;2)は、前記カメラレンズの前方にある閉じた位置の領域中では、色付きで形成され、かつ、
前記フィルム(3;4)も、前記カメラレンズの周辺の領域中では、色付きで形成されていて、
閉じた位置では、双方の領域が、閉じたユニットとして補完しあって共通の領域を作るか、または部分的に視覚的に重複して、その結果、閉じた位置は、それ自体視覚的に強調されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項8】
開いた位置では、前記色付きの領域の局所的な分離が行われ、かつ、前記開いた位置もそれ自体視覚的に強調されていることを特徴とする、請求項7に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項9】
前記レンズ被覆部(1;2)は、不透明、乳白ガラス様式、またはサテン状の半透明で実施されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項10】
前記レンズ被覆部(1;2)は、前記フィルム(3;4)の方向に突出するつめ(12)が、双方の動作状態をラッチするために形成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項11】
前記フィルム(3;4)は、前記カメラレンズの周辺の部分的な面、または電子機器の片側の全面を被覆することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項12】
前記レンズ被覆部(1;2)は、前記電子機器に据え付けられた状態では、そのアクセス面(7;8)で、前記貫通凹部(5;6)から突出し、または前記フィルム(3;4)と同じ面で、またはその下方に置かれて形成されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の後付けスパイ防止部。
【請求項13】
前記アンダーカット(16)は、断面図で前記貫通凹部(6)を通ってアリ溝状の輪郭を有することを特徴とする、請求項3に記載の後付けスパイ防止部。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主請求項の前提部に記載の、小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば通信用機器または娯楽用機器、とりわけスマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビ用の後付けスパイ防止部に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器用例えばスマートフォン用のカバーは公知であり(特許文献1)、これは柔軟性がなく形成されていて、壁部中にくぼみがスライダーと共に設けられていて、これらのスライダーにより、操作部材またはカメラをロックまたは覆うことができる。
【0003】
この公知のカバーの欠点は、特に、これを装備したスマートフォンの体積が、実質的により増加し、その結果、狭い衣服のポケットにうまく押し入れることができず、また扱いにくくもなりうる点である。さらに、狭い衣料品中に押し入れられた状態では非常に着ぶくれすることになり、その結果、視覚的に不利となり、また衣料品への機械的な負荷ともなる。
【0004】
さらに、ノートブックパソコンまたはスマートフォンのカメラレンズを、自己粘着性粘着テープ片で目張りすることが知られていて、これにより、カメラを備えたハイテク機器が有害なソフトウェアに感染して、利用者の知らない間にカメラが起動が可能になる場合に、利用者が、簡単な自己防衛手段を確実に利用しうる。
【0005】
この欠点は、機器の利用の快適度が下がる点であるが、この理由は、カメラを利用するために、貼り付けられた物を、毎回除去せねばならず、これにより、一方では筐体またはカメラレンズが粘着剤の残滓により汚れる可能性があり、他方では、続いて粘着テープ片を新しい粘着片と置き換えて、スパイ活動から個人を確実に保護する必要性がある点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国実用新案出願公開第20 2016 008 109 U 1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば通信機器または娯楽用機器、とりわけスマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビの後付けスパイ防止部であって、これを装備した電子機器の空間体積を実質的に増加させず、かつこれに加えて容易に動作開始および停止をすることができる後付けスパイ防止部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決方法は、特許請求項1の前提部の特徴を、その特徴部の技術的な特徴と組み合わせると明らかであり、とりわけ、小型デジタルカメラを備えた電子通信用機器または娯楽用機器の小型デジタルカメラのカメラレンズのレンズ被覆部が、フィルムの下方、後方またはこの中で可動であるように取り付けられていて、このフィルムは貫通凹部を有し、この貫通凹部を通って、レンズ被覆部のアクセス面が外に向かって伸張し、レンズ被覆部は、アクセス面で、手動でフィルムの下方で可動であるように取り付けられていて、かつフィルムが、少なくともカメラレンズの周辺の領域中で、電子機器の表面上に配置可能である接触面を有し、レンズ被覆部は、2つの動作状態、すなわち、カメラレンズの前方にある閉じた位置と、カメラレンズの横にある開いた位置とに可動であるように形成されていることによる。
【0009】
レンズ被覆部を備えたこのフィルムの利点は、その厚さ寸法が数十分の一ミリと小さいことにあり、その結果、これを装備したスマートフォンの体積は、気が付かない程度にしか増加せず、後付けスパイ防止部を装備した電子機器の操作は、公知の機器の操作と変わることがない。さらに、レンズ被覆部上へのアクセス面により、レンズ被覆部をフィルムの下方、後方または中で摺動させることができ、その結果、カメラレンズを閉じる粘着フィルム片の粘着剤の残滓が機器上面上またはカメラレンズ自体の上にさえ残留することがないので、カメラレンズは、必要な場合には、直ちに、残滓なしにおよび単純に再び開くことができる。また有利であるのは、カメラ被覆部をカメラレンズの前方に単にスライドし戻すだけで、スパイ行為に対する個人保護を、再び迅速かつ容易に行うことができる。
【0010】
本発明の対象物の有利な構成は、後続の従属請求項の組み合わせから明らかである。
【0011】
本発明の特に好適な実施形態によれば、このフィルムは、粘着による自己粘着性フィルムとして形成されていて、その結果、必要な場合には、残滓がないように、電子機器から除去することができる。このような実施形態により、この後付けスパイ防止部を様々な機器上で利用することができるが、この理由は、粘着力が長期に渡って弱まることがなく、その結果、本発明による後付けスパイ防止部は、長年複数世代の電子機器に渡っても利用することができる。しかし、接着剤により付着するフィルムの使用が排除されるべきではなく、この使用は後付けスパイ防止部を固定するためには、とりわけ電子機器との間に小さい接触面しかないような実施形態では有利になりうる。
【0012】
好適には、レンズ被覆部は、平面視では円形のまたは長い摺動片として形成されていて、その結果、異なる電子機器上にモデル毎に合わせることができ、これにより、この後付けスパイ防止部をほとんど普遍的に使用することができる。
【0013】
この際、フィルム中の貫通凹部は、真っすぐまたは屈曲して形成されていることができ、かつレンズ被覆部もこれに応じて真っすぐまたは屈曲したレーン上を摺動可能に形成されていることができ、電子機器の表面に対して垂直である軸の周りを回転可能なレンズ被覆部を備えたバージョンも有利でありえ、これにより、本発明の後付けスパイ防止部の実施可能な変形例の可能性をさらに多様化させることができる。
【0014】
本発明の対象物の特に好適な構成によれば、レンズ被覆部は、カメラレンズの前方にある閉じた位置にある領域中で、色付きで形成されていて、かつ、フィルムも、カメラレンズの周辺の領域中で、色付きで構成されていて、その結果、閉じた位置では、双方の領域が、閉じたユニットとして補完しあって共通の領域を作るか、または部分的に重複して、その結果、閉じた位置は、全体としてそれ自体視覚的に強調されている。例えば、レンズ領域の周辺でフィルム上に色付きリングが配置されていることができ、かつレンズ被覆部には同じ色のまたは異なる色のアクセス面が設けられていることができ、これらが共になって、より大きな単色の円を形成することができ、または、アクセス面が黒くかつレンズ領域が青色で実施されている場合には、閉じた位置では、黒い瞳孔と青い虹彩とを有する目を表すことができる。例えば、後付けスパイ防止部が今は閉じた位置で機能していて、その結果、この小型カメラを用いて意識的に写真を撮るためには、この閉じた位置を開いた位置にせねばならないことを、電子機器の利用者は迅速にかつ明確に認識することができる。これにより、小型デジタルカメラの誤った操作が効果的に回避される。
【0015】
このように視覚的に閉じた位置を識別することにより、当然、色付きの領域を局所的に分離した開いた位置も、それ自体視覚的に強調され、その結果、小型カメラが保護されていない位置にあることも、利用者は明らかに認識し、かつ必要な場合には、再び閉じた位置にしうるという利点をもたらされる。
【0016】
本発明のさらなる有利な実施形態では、レンズ被覆部は不透明または不明瞭な半透明で実施されることもでき、その結果、光は、確かに小型デジタルカメラに入射しうるが、それは、非常に拡散的であるので、人または物を認識できない。
【0017】
開いた位置または閉じた位置に摺動したレンズ被覆部が、その位置中に確実に留まるようにするために、貫通凹部の摺動路中に、好適には、双方の動作状態をラッチするための弾性を有する狭窄部が、例えばネック形状で形成されていることができ、代替的にまたは追加的に、レンズ被覆部は、双方の動作状態をラッチするために、フィルムの方向に突出する少なくとも1つのつめを備えて形成されていることもでき、このつめは、単純な摩擦締結でフィルムの下方に置かれていることもでき、その結果、このフィルム中にその強度に対して悪影響を与えるスリットまたは凹部を設ける必要はない。
【0018】
この後付けスパイ防止部のさらなる特別な利点は、フィルムが、カメラレンズ周辺の部分的な面の周りで狭い範囲でのみ伸張するように小さく造形される可能性、または、電子機器の片側の全面に渡って、いわばディスプレイ保護フィルムの部分として伸張している(これは、様々なスマートフォンに対して提案されている通りである)という可能性である。
【0019】
本発明の後付けスパイ防止部のさらなる有利な構成は、レンズ被覆部が電子機器上に据え付けられた状態で、そのアクセス面で、貫通凹部から突出することができ、または別のバージョンでは、平面フィルムと同じ面で、またはその下方に置かれていて、その結果、個人的な優先順位に基づいて、後付けスパイ防止部の操作を簡略化するか、または可能な限りかさばらない後付けスパイ防止部に優先順位を与えることができる点にある。
【0020】
本発明の特に好適なある実施形態によれば、フィルムは、貫通凹部の周辺で、空間的に盛り上がったエンボス成型部を装備していることができ、このエンボス成型部は、その下に作られた自由空間であるレンズ被覆部用の自由空間を作る隆起部の形状をしているが、この自由空間中で、レンズ被覆部が貫通凹部に沿って摺動可能に取り付けられていて、かつこのレンズ被覆部が、アクセス面とは逆側の接触面で、電子機器の表面上に載置されていて、フィルムにより形状締結でこの表面上に保持されている。
【0021】
本発明の後付けスパイ防止部の別の有利なある実施形態によれば、フィルムには、貫通凹部の縁の周辺で、電子機器の表面に対して広がるアンダーカットが装備されていて、レンズ被覆部は、この場合もアクセス面とは逆側の接触面で、電子機器の表面上に載置され、側方にありかつアンダーカットに合わされた平坦部で、アンダーカットの下方に伸張して、かつ同様にフィルムにより形状締結でこの電子機器の表面上に保持されている。
【0022】
好適には、この場合レンズ被覆部の高さ寸法は、フィルムの厚さに等しく、その結果、後付けスパイ防止部は、フィルムの表面を超えて突出することはなく、これにより本発明の後付けスパイ防止部が可能な限り平坦となる実施形態が得られる。有利な場合、フィルムの貫通凹部の周辺のアンダーカットは、断面図中では、アリ溝状の輪郭で装備されていて、また、レンズ被覆部のスライド面は、空間的なエンボス成型部の下で、平坦な傾斜面として形成されていることができ、その結果、互いに平行である双方の面間の規定の遊び、というかこれらの間の空気間隙が、約0.05mmで作られている。
【0023】
以下に、本発明のいくつかの実施形態を、図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】機器を被覆するフィルム中で、空間的に隆起したエンボス成型部を有する後付けスパイ防止部の部分図である。
図2図1による後付けスパイ防止部のレンズ被覆部である。
図3図1による後付けスパイ防止部の部分空間図である。
図4】機器を被覆するフィルム中にあるさらなる後付けスパイ防止部の部分図である。
図5図4による後付けスパイ防止部のレンズ被覆部の拡大側面図である。
図6図5によるレンズ被覆部の平面図である。
図7】後付けスパイ防止部の可能な限り小さい実施形態の空間図である。
図8図7による後付けスパイ防止部の拡大平面図である。
図9図8の線9−9に沿った後付けスパイ防止部の側面断面図である。
図10図9の断面の拡大部分図である。
図11図7〜10による後付けスパイ防止部のフィルムを下から見た図である。
図12図11の線12−12に沿った後付けスパイ防止部の断面側面図である。
図13図11の線13−13に沿った後付けスパイ防止部の長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
カメラレンズ付き小型デジタルカメラを備えた電子機器、例えば電子通信機器または娯楽用機器、特に、スマートフォン、タブレット、ノートブックパソコンまたはスマートテレビの後付けスパイ防止部は、実質的にカメラレンズのレンズ被覆部1;2からなり、このレンズ被覆部は、フィルム3;4の下方、後方またはこの中で、可動で取り付けられていて、このフィルム3;4は貫通凹部5;6を有し、この貫通凹部を通ってレンズ被覆部1;2のアクセス面7;8が外に向かって伸張していて、その結果、レンズ被覆部1;2は、アクセス面7;8において手動でフィルム3;4の下方で、可動で取り付けられていて、フィルム3;4は、少なくともカメラレンズの周りの狭い領域中で、電子機器の表面上で配置可能な接触面を有し、かつこのレンズ被覆部1;2は、2つの動作状態で、すなわちカメラレンズの前方の閉じた位置と、カメラレンズの横の開いた位置とに可動であるように形成されている。
【0026】
この際、フィルム3;4は、粘着力による自己粘着性フィルムとして形成されていて、その結果、このフィルムの除去後に、電子機器の表面上に粘着剤の残滓が残らない。レンズ被覆部1;2は、図1〜3中で図示するように、平面視で円形の摺動片からなり、および図4〜11中で図示するように、長い摺動片からなる。
【0027】
フィルム3;4中の貫通凹部5;6は、図1、3、4、7、8、11、12、13、14中では直線の凹部として図示されているが、不図示ではあるが、屈曲して形成されていることも可能である。これに対応して、レンズ被覆部1;2は、電子機器の表面上の真っすぐなレーン上を摺動可能であるように実施されていて、その垂直軸の周りで回転可能なレンズ被覆部も可能であるが、これも不図示である。
【0028】
レンズ被覆部1;2は、不透明または少し半透明に実施されていてもよく、半透明のレンズ被覆部1;2は、ぼやけた光の入射のみを許容するように形成されている。レンズ被覆部1;2は、カメラレンズの前方にある領域中で色付きで形成されていることもでき、フィルム3;4は、カメラレンズの周辺の領域中で色付きで実施されていることもでき、その結果、閉じた位置が視覚的に強調されている。
【0029】
貫通凹部5;6の中でレンズ被覆部1;2の摺動路中では、後付けスパイ防止部の双方の動作状態をラッチするために、ネック形状の弾性を有する狭窄部11が配置されていて、または、レンズ被覆部1;2が、フィルム3;4の方向に突出するつめ12を装備していて、このつめが、レンズ被覆部1;2を摩擦によりその双方の動作状態中に保持させ、フィルム3;4中につめ凹部を設ける必要はない。
【0030】
後付けスパイ防止部のフィルム3;4は、図1および図4中で示唆しているように、電子機器、例えばスマートフォンの片側の全面を被覆し、したがって保護フィルムの一部分であっても良いし、フィルム3;4が、カメラレンズの周辺の小さな部分的な面のみを覆うこともできるが、これは、図7〜13中に図示されたような後付けスパイ防止部により可能である。
【0031】
不図示のある実施形態では、レンズ被覆部1;2は、フィルム3;4の平面を突出することができ、または、図1、3、4および7中で図示されているように、フィルム3;4の輪郭を超えて突出して形成されることはできず、レンズ被覆部1;2の高さ寸法は、フィルム3;4の厚さ寸法に等しい。
【0032】
後付けスパイ防止部のある実施形態では、図1〜3中で図示しているように、フィルム3中に空間的に隆起したエンボス成型部13が、カメラレンズの上方に配置するように装備されていて、このエンボス成型部13は、貫通凹部5の周りで伸張していて、その結果、その下に、数百分の1ミリメートルの小さな遊びを備えた自由空間がレンズ被覆部1のために作られていて、その中に、レンズ被覆部1が摺動可能に取り付けられて、このレンズ被覆部は、アクセス面7とは逆側の接触面9で電子機器の表面上に載置され、かつレンズ被覆部1の側方にあるガイド面15を介して、フィルム3により形状締結でこの上に保持されている。貫通凹部5の縁領域では、この貫通凹部には、ネック形状の弾性を有する狭窄部11が装備されていて、これが、レンズ被覆部1を形状締結で双方の機能位置のうちの1つに保持する。
【0033】
図4〜13に示した後付けスパイ防止部では、貫通凹部6の縁の周辺に、電子機器の表面に対して広がるアンダーカット16が、アリ溝状の輪郭の形状で装備されていて、レンズ被覆部2は、アクセス面8とは逆側の接触面10で、電子機器の表面上に載置され、かつ側方で平坦部14を有し、この平坦部が、アンダーカット16の下に伸張し、その結果、レンズ被覆部2が、形状締結でフィルム4により電子機器の表面上で保持されている。

図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
図9
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図11
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図13
【国際調査報告】