特表2021-525958(P2021-525958A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-525958(P2021-525958A)
(43)【公表日】2021年9月27日
(54)【発明の名称】熱伝導性電子機器パッケージング
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20210830BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20210830BHJP
   H01L 25/04 20140101ALI20210830BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20210830BHJP
【FI】
   H01L23/36 C
   H01L23/12 J
   H01L23/12 E
   H01L23/36 Z
   H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-566558(P2020-566558)
(86)(22)【出願日】2019年5月29日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月4日
(86)【国際出願番号】US2019034291
(87)【国際公開番号】WO2019231981
(87)【国際公開日】20191205
(31)【優先権主張番号】62/677,519
(32)【優先日】2018年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】518240255
【氏名又は名称】アペックス マイクロテクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APEX MICROTECHNOLOGY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ゴーリン、カービー
(72)【発明者】
【氏名】サタウア、エミリー
(72)【発明者】
【氏名】バーナー、アラン
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB05
5F136BB18
5F136DA05
5F136DA44
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
本明細書では、異なる底面電位を有する複数のダイを有するように回路基板を構成するための装置および方法が開示されている。装置は、金属ベースプレートと、熱伝導性誘電体と、複数の金属パッドとを備える回路基板を備える。装置の複数のダイの各々は、複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結され、複数のダイは、第1のダイおよび第2のダイを備える。複数の金属箔パッドのうちのそれぞれ1つに連結された複数のダイの各々に基づいて、第1のダイは、第1の底面電位を呈するように構成され、第2のダイは、第2の底面電位を呈するように構成される。装置は、複数のダイからの熱を、少なくとも金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを経由して複数のダイから逃がすようにさらに構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ベースプレートと、熱伝導性誘電体と、複数の金属パッドと、を備える回路基板と、
複数のダイであって、前記複数のダイの各々が、前記複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結され、第1のダイおよび第2のダイを含む、複数のダイと、を備える装置であって、
前記複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結された前記複数のダイの各々に基づいて、前記第1のダイが、第1の底面電位を呈するように構成され、かつ前記第2のダイが、第2の底面電位を呈するように構成され、かつ
前記装置が、前記金属ベースプレート、前記熱伝導性誘電体、または前記複数の金属パッドのうちの少なくとも1つを経由して、前記複数のダイから熱を逃がすように構成されている、装置。
【請求項2】
第2の装置および前記複数のダイのうちの少なくとも1つへと連結されるように構成された複数のリード線と、
前記回路基板を少なくとも部分的に包囲するように構成された非導電性ハウジングと、をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記金属ベースプレートが、前記複数の金属パッドから電気的に絶縁されるように構成され、かつ前記複数の金属パッドの各々が金属箔を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記回路基板が絶縁金属基板を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の金属パッドが、互いに電気的に絶縁された第1の金属パッドおよび第2の金属パッドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の金属パッドが、第3の金属パッドおよび第4の金属パッドをさらに備え、前記第1の金属パッド、前記第2の金属パッド、前記第3の金属パッド、および第4の金属パッドは各々がそれぞれ互いに分離され、前記第1のダイが、前記第1の金属パッドへ、前記第2の金属パッドへ、および前記第3の金属パッドへと連結されるよう構成され、かつ前記第2のダイが、前記第2の金属パッドへと、および前記第4の金属パッドへと連結されるように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の金属パッドの各々が、前記複数のリード線のうちの少なくとも1つに連結されるように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の金属パッドの各々が前記熱伝導性誘電体に連結され、かつ前記熱伝導性誘電体が前記金属ベースプレートに連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数のダイに連結されたヒートシンクをさらに備え、前記装置が、前記複数のダイから前記ヒートシンクへと熱を逃がすようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のダイが第3のダイをさらに備え、前記第3のダイが、第3の底面電位を呈するように構成され、前記第1のダイが集積回路を備え、前記第2のダイがNMOSトランジスタ回路を備え、かつ前記第3のダイがPMOSトランジスタ回路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、複数の金属パッド、および複数のダイを備えるように回路基板を構成することと、
前記複数のダイの各々を前記複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結することであって、前記複数のダイが、第1のダイおよび第2のダイを含む、連結することと、
前記複数のダイの各々を前記複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結することに基づいて、前記第1のダイが第1の底面電位を呈するように構成し、かつ前記第2のダイが第2の底面電位を呈するように構成することと、を含み、前記回路基板が、前記金属ベースプレート、前記熱伝導性誘電体、または前記複数の金属パッドのうちの少なくとも1つを経由して前記複数のダイから熱を逃がす、方法。
【請求項12】
複数のリード線が、第2の装置へ、および前記複数のダイのうちの少なくとも1つへと連結されるように構成することと、
前記回路基板を少なくとも部分的に包囲するように非導電ハウジングを構成することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、前記金属ベースプレートが、前記複数の金属パッドから電気的に絶縁されるように構成することであって、前記複数の金属パッドの各々が金属箔を備える、構成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記回路基板が絶縁金属基板を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の金属パッドが、互いに電気的に絶縁された第1の金属パッドおよび第2の金属パッドを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の金属パッドが、第3の金属パッドおよび第4の金属パッドをさらに備え、前記第1の金属パッド、前記第2の金属パッド、前記第3の金属パッド、および第4の金属パッドの各々がそれぞれ互いに分離され、かつ前記第1のダイが、前記第1の金属パッドへ、前記第第2の金属パッドへ、および前記第第3の金属パッドへと連結されるように構成され、前記第2のダイが、前記第2の金属パッドへ、および前記第4の金属パッドへと連結されるように構成されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の金属パッドのうちの少なくとも1つを、前記複数のリード線のうちの少なくとも1つに連結するようにさらに構成する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の金属パッドの各々を前記熱伝導性誘電体にさらに連結し、かつ前記熱伝導性誘電体を前記金属ベースプレートに連結する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複数のダイにヒートシンクが連結されるようにさらに構成し、かつ前記回路基板が、前記複数のダイから前記ヒートシンクへと熱を逃がすようにさらに構成する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記複数のダイが、第3のダイをさらに備え、かつ前記方法が、第3の底面電位を呈するように前記第3のダイを構成することをさらに含み、前記第1のダイが集積回路を備え、前記第2のダイが、NMOSトランジスタ回路を備え、かつ前記第3のダイがPMOSトランジスタ回路を備える、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照について記載する。本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年5月29日に出願された米国仮特許出願第62/677,519号に対する優先権および利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、熱伝導性電子機器パッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
電子機器のパッケージングは、いくつかの目的に役立てることができる。例えば、パッケージングは、物理的損傷および腐食を防止し、電気的絶縁を提供し、パッケージング内に収容された電子機器の熱放散を可能にすることができる。集積回路(IC)製造の急速な進歩と、パワーエレクトロニクス、ポータブルエレクトロニクス、家電製品、家庭用電気製品、コンピューティングエレクトロニクス、自動車、鉄道、航空宇宙および防衛、産業用ドライバーおよびモーターコントロール、医療機器など、ほぼすべての用途で成長する市場の需要により、パッケージングはますます重要になっている。しかし、これらの電子機器の設計および性能要件には、例えば、過酷な機械的、熱的、および電気的環境内での厳しい要求がある。これは、電子機器の固有電力の放散が高いことに起因する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器業界におけるパッケージは、前述の問題に対処しているが、1つ以上の異なる裏側電位を有する複数のダイを組み込むことに対しても課題を呈している。例えば、これらのパッケージはスラグアップを使用している場合があり、表面実装(SMT)パッケージが有するダイからヒートシンクへの熱経路に対する性能特性は望ましいものではない。これらのパッケージは、プリント回路基板(PCB)の底部のパッドに取り付けられる外部ヒートパッドも必要とする場合もあり、またサーマルパッドとして標準的なリードフレーム材料を使用する場合があるが、それによって熱性能がPCB上の大きな銅エリアの熱性能に制限される可能性がある。そのような構成にはいくつかの欠点がある。これらの欠点としては、内部ダイからの熱を放散するための熱経路を最小化できないこと、内部ダイとヒートシンクに接続する任意の外部熱タブとの間の電気的絶縁が欠如していること、ヒートシンクが非ゼロ電位に維持されるのを防止すること、およびパッケージの完全な電力放散を防止することが挙げられるが、これらに限定されない。これらおよび他の欠点は、本明細書に記載の方法およびシステムによって対処される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例示的かつ説明的なものにすぎず、制限的なものではないことが理解されよう。熱伝導性電子機器パッケージのための方法およびシステムが提供される。
【0006】
装置は、金属ベースプレートと、熱伝導性誘電体と、複数の金属パッドとを有する回路基板を備える。装置は複数のダイをさらに備え、複数のダイの各々は複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結され、複数のダイは第1のダイおよび第2のダイを含む。
【0007】
複数のダイの各々が複数の金属箔パッドのうちのそれぞれ1つに連結されていることに基づいて、第1のダイは第1の底面電位を呈するように構成され、第2のダイは第2の底面電位を呈するように構成される。装置は、複数のダイからの熱を、少なくとも金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを経由して複数のダイから逃がすようにさらに構成される。
【0008】
方法は、金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを有する回路基板を製造することを含む。方法は、複数のダイを含むためのステップをさらに含み、複数のダイの各々は、複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結され、複数のダイは、第1のダイおよび第2のダイを含む。
【0009】
複数のダイの各々が複数の金属箔パッドのうちのそれぞれ1つに連結されていることに基づいて、第1のダイは第1の底面電位を呈するように構成され、第2のダイは第2の底面電位を呈するように構成される。装置は、複数のダイからの熱を、少なくとも金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを経由して複数のダイから逃がすようにさらに構成される。
【0010】
追加の利点は、以下の説明で部分的に記載されたことになるか、または実践によって学習され得る。それらの利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘されている要素および組み合わせによって実現され、かつ達成されるであろう。
【0011】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、実施形態を例示し、説明と共に、方法およびシステムの原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の態様による分割パッドクワッドフラットパッケージング(QFP)である。
図2】本開示による態様のプロファイル図である。
図3】本開示による態様の断面図である。
図4】本開示による態様の等角図である。
図5】本開示による態様の上面図である。
図6】本開示による態様の例示的なダイ構成である。
図7】本開示による方法の態様のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本方法およびシステムが開示および説明される前に、本方法およびシステムは、特定の方法、特定の構成要素、または特定の実施に限定されないことが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。本明細書において、範囲は「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までであるとして表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態では、1つの特定の値からおよび/または他の特定の値までの範囲が含まれる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。範囲の各々の端点は、他の端点との関連において、および他の端点とは独立しての両方で、有意であることがさらに理解されるであろう。
【0015】
「任意選択的」または「任意選択的に」という用語は、後に説明される事象または状況が生じる場合もあり、または生じない場合もあることを意味し、また、その説明が先述の事象または状況が生じる事例および生じない事例を含むことを意味する。
【0016】
本明細書の説明および特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」ならびに「含む(comprising)」および「含む(comprises)」などのその単語の変化形は、「含むが、限定されない」を意味し、例えば、他の構成要素、整数またはステップを除外することを意図するものではない。「例示的」とは、「の実施例」を意味し、好ましいまたは理想的な実施形態の示唆を伝えることを意図していない。「など」は、制限的な意味でではなく、説明の目的で使用されている。
【0017】
開示された方法およびシステムを実施するために使用することができる構成要素が開示される。これらおよび他の構成要素が本明細書に開示され、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などが開示されるとき、これらの各様々な個別および集合的な組み合わせおよび並べ替えの具体的な参照が明示的に開示されない場合があるが、すべての方法およびシステムについて、各々は本明細書に具体的に意図され、かつ記載されていることが理解される。これは、開示された方法のステップを含むがこれに限定されない、本出願のすべての態様に適用される。したがって、実施することができる様々な追加的なステップがある場合、これらの追加ステップの各々は、本開示方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせを用いて実施することができることが理解される。
【0018】
本方法およびシステムは、好ましい実施形態の以下の詳細な説明およびそこに含まれる実施例、ならびに図およびそれらの前後の説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0019】
電子機器パッケージング内のダイの電気的絶縁を達成するためにある特定の試みがなされてきた。そのような構成の1つを図1に開示する。本開示のこの態様によれば、クワッドフラットパッケージング(QFP)100の単一の露出した銅パッドは、3つの別個のパッド105〜107に分割されている。それぞれのパッドの各々は、それぞれ個別のダイ102〜104に連結されてもよく、これらは次に外部リード101に連結される。図1の態様は、露出した銅QFPの既存の設計を修正して、ダイの電気的絶縁を達成する試みであったが、本開示の特定の態様と同様に、パッケージングの所望の熱伝導または完全な電力放散を達成しなかった。
【0020】
ここで図2による本開示の態様を参照すると、装置200は回路基板240を備える。この態様によれば、回路基板240は、例えば、FR−4、ポリイミド、HTC誘電体、アルミニウム、または銅などの導電性材料と非導電性材料との任意の組み合わせで作製された、プリント回路基板(PCB)、マルチレベルPCB、可撓性または剛性PC、プリント配線基板(PWB)、またはIMSもしくは絶縁金属基板回路基板などの任意のタイプの回路基板であってもよい。
【0021】
また、この態様によれば、回路基板240は、金属ベースプレート243、熱伝導性誘電体242、および複数の金属パッド241、261、271、281もさらに備える。この態様によれば、金属ベースプレート243は、任意のタイプの導電性材料を含む層を備えることができる。例えば、銅、アルミニウム、または他の金属の1〜2mmの厚さの層。金属ベースプレートは、複数の金属パッドから電気的に絶縁されるように構成してもよい。また、この態様によれば、熱伝導性誘電体242は、任意のタイプの非伝導性または電気絶縁材料を含む層を備えることができる。誘電体材料として記載されているが、熱伝導性層は、絶縁金属基材も備えることができる。
【0022】
再び図2による本開示の態様を参照すると、回路基板240は、複数のダイ220〜221をさらに備えてもよく、ダイ220〜221の各々は、例えば、各々が金属箔を備え得る複数の金属パッド241、261、271、281のうちのそれぞれ1つに連結されてもよい。金属箔は、例えば、銅、銅メッキ、金、金メッキ、および任意の他の適切な導電性材料から作製されてもよい。この態様によれば、ダイ220〜221の各々が複数の金属箔パッド241、261、271、281のうちのそれぞれ1つに連結されていることに基づいて、第1のダイ220は第1の底面電位を呈するように構成され、第2のダイ221は第2の底面電位を呈するように構成される。例えば、この態様による第1の底面電位および第2の底面電位は、ダイが、例えば、異なる電力電圧レベルまたは接地基準レベルで動作するように、異なってもよく、または同じとすることもできる。他の態様では、ダイの底面電位は、3つすべて異なってもよく、3つすべて同じでもよく、2つが同じで1つが異なってもよく、またゼロ電位を含む任意の値であってもよい。
【0023】
装置200は、ダイ220〜221から熱を逃がすようにさらに構成されてもよい。この態様によれば、ダイ220〜221からの熱は、例えば、少なくとも金属ベースプレート243、熱伝導性誘電体242、および複数の金属パッド241、261、271、281を経由して伝導することができる。例えば、ダイ220?221からの電力放散またはその他の方法で生じた熱は、ダイ220〜221から金属パッド241、261、271、281へと、熱伝導性誘電体242を通って、金属ベースプレート243を通って、そして金属ベースプレート243の一部であってもよく、またはこれとは別個であってもよく、かつヒートシンク(図示せず)に連結することができる外部ヒートタブ244を経由して装置200から逃がされてもよい。
【0024】
本開示の別の態様によれば、装置200は、別個のPCBまたは他の電子機器などの第2の装置へ、およびダイ220または221の少なくとも1つへと連結されるように構成され得る複数のリード線210?211をさらに備える。リード線210?211は、例えば、リード線210?211が金属箔パッド241、261、271、281のうちの1つ以上に連結されるように構成されることにより、ダイ220または221のうちの1つ以上に電気的に結合されてもよく、これらは、今度は、それぞれ、1つ以上のワイヤボンド260?262を経由して、ダイ220または221の1つ以上に連結される。図1の態様によれば、リード線210は、ワイヤボンド262を経由してダイ220に連結され得る金属パッド281に連結されてもよい。この同じ態様によれば、リード線211は、ワイヤボンド260を経由してダイ221に連結され得る金属パッド241に連結されてもよい。リード線は、例えば、はんだ、焼結銀ペーストまたは銀充填導電性エポキシなどの導電性材料を介してダイ221に連結され得る金属パッド241に連結されてもよい。この態様によれば、リード線210〜211は、回路基板240を少なくとも部分的に包囲するように構成された非導電性ハウジング250に物理的に連結されるか、またはそれを通過するようにさらに構成されてもよい。ハウジング材料は、例えば、プラスチック、セラミック、金属などであってもよい。例えば、非導電性ハウジング250は、金属ベースプレート243を露出させたままで回路基板240の側面を包囲するように構成されたプラスチックまたは他の絶縁性または非導電性の材料を備えてもよく、装置の底部を包囲するように構成されたプラスチックリッド251をさらに備えてもよい。または、プラスチックハウジングは、例えば、非導電性封止材料で充填されてもよい。
【0025】
複数の金属パッド241、261、271、281は、電気的に絶縁された金属パッドの対またはセットをさらに備えてもよい。一態様では、第1の金属パッド271および第2の金属パッド261は、互いに電気的に絶縁されているだけでなく、第3のパッド281および第4のパッド241も互いに電気的に絶縁されている。この態様によれば、第1のダイ220は、第1のパッド271、第2のパッド261、および第3のパッド281に連結されるように構成されてもよく、第2のダイ221は、第2のパッド261および第4のパッド241に連結されるように構成されてもよい。例えば、ダイ220?221は、例えば、上記および本明細書に開示されているように、1つ以上のワイヤボンド260?262を経由して、またははんだ、焼結銀ペーストまたは銀充填エポキシなどの導電性ダイアタッチ材料を経由して、金属パッドに連結されるように構成されてもよい。
【0026】
さらに別の態様によれば、装置240の複数の金属パッド241、261、271、281の各々は、複数のリード線210?211のうちの少なくとも1つに連結されるように構成されてもよく、また複数の金属パッド241、261、271、281の各々は、熱伝導性誘電体242に連結されてもよく、一方で熱伝導性誘電体242は、金属ベースプレート244に連結されてもよい。別の態様によれば、装置240は、ダイ220〜221に連結されたヒートシンク(図示せず)をさらに備えてもよく、装置240は、ダイ220〜221からヒートシンクに熱を逃がすようにさらに構成される。装置200は、説明を簡単にするために2つのダイ220および221を参照しながら説明されているが、当業者であれば、装置200が任意の数のダイを備えることができることを理解するであろう。
【0027】
図3および図4は、図2による態様に従って、非導電性ハウジング250、350、450およびリード線210?211、301?303、401?402の構成の様々な有利な点を開示している。例えば、金属ベースプレート344、444は、装置200、300、400の上部に配置されてもよく、またヒートシンク、外部ヒートタブ、またはヒートシンクに接続され得る装置のためのサーマルパッド230として機能してもよい。ヒートシンクは、装置200、300、400の外側とすることができる。ダイ320〜321、パッド341〜343、およびリード線301〜303は、次いで、図2の態様により、またはその他の方法で構成または接続されてもよい。図4および図5による態様では、非導電性ハウジングは、金属ベースプレート344、444を除く回路基板の全体を、装置の側面および底部を含めて包囲してもよく、装置の底部は、図2の態様によるプラスチックリッド251または非導電性エポキシもしくはプラスチック封止体などのプラスチックリッドを含んでもよい。
【0028】
ここで図5および図6を参照すると、装置500および600のダイ520〜522、620〜622は、第3のダイ522、622をさらに備えてもよく、ここで、第3のダイ522、622は、第3の底面電位を呈するように構成される。第3の底面電位は、他の2つのダイ520〜521、620〜621の第1または第2の底面電位のいずれかまたは両方と同一であってもよく、または異なってもよい。この態様によれば、第1のダイ520、620は集積回路を備え、第2のダイ521、621はNMOSトランジスタ回路を備え、第3のダイ522、622はPMOSトランジスタ回路を備える。この構成では、第2のダイおよび第3のダイ521〜522、621〜622は、第1のダイ520、620のそれぞれ正および負の出力信号の駆動回路として機能してもよい。ICダイは、ハーフブリッジまたはフルHブリッジスイッチングアンプ構成で2?4個のNMOS、または2?2個のNMOSおよび1?2個のPMOSトランジスタを駆動してもよい。アナログIC、デジタルIC、ミックスドシグナルIC、またはこれら3つの組み合わせを含む、ICダイとディスクリート半導体コンポーネントとの任意の組み合わせを使用してもよい。
【0029】
図5は、回路基板540に連結された少なくとも3つのダイ520〜522を有するボトムアップの有利な点からの例示的な実施形態における、図2による本開示の態様を示す。回路基板540は、図5の詳細Aに示すように、金属ベースプレート543、誘電体層542および金属箔パッド531〜533などの3つの層を備えてもよく、ダイ520〜522は、金属箔パッド531〜533のうちのそれぞれ1つに連結されてもよい。この態様によれば、装置500は、金属箔パッド531〜533にそれぞれ連結されてもよい少なくとも3つのダイ520〜522を備え、その各々は、互いに電気的に絶縁されてもよく、それにより3つのダイ520〜522は異なるまたは同一の底面電位を備える場合がある。代替的には、2つのダイは同一の底面電位を有してもよく、一方で第3のダイは異なる底面電位を有する。
【0030】
装置500は、ダイ520〜522から熱を逃がすようにさらに構成されてもよい。この態様によれば、ダイ520〜522からの熱は、例えば、少なくとも金属ベースプレート543、熱伝導性誘電体542、および複数の金属パッド531〜533を経由して伝導することができる。例えば、ダイ520?522からの電力放散またはその他の方法で生じた熱は、ダイから金属パッド531〜533へ、熱伝導性誘電体542を通って、金属ベースプレート543を通って、そしてヒートシンク(図示せず)に連結され得る外部ヒートタブを介して装置500から逃がされてもよい。本開示の別の態様によれば、装置500は、別個のPCBまたは他の電子機器などの第2の装置へと、およびダイ520〜522のうちの少なくとも1つへと連結されるように構成され得る複数のリード線510〜512をさらに備える。
【0031】
ここで図6を参照すると、代替的な態様では、第1のダイ620は、カスタム集積回路(IC)またはプログラマブル論理デバイスとなるように構成または製造されてもよい。例えば、第1のダイ620は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA、DSP、パワーアンプ、オペアンプ、パルス幅変調器(PWM)、電圧基準、トランジスタ(例えば、NMOS、PMOS、バイポーラジャンクション、MOSFET)、アナログ、デジタル、混合信号、または任意の他のタイプのICとすることができる。一態様によれば、第2のダイ621は、NMOSトランジスタ回路を備えてもよく、第3のダイ622は、PMOSトランジスタ回路を備えてもよい。代替的には、第2のダイ621がPMOSトランジスタ回路を備え、第3のダイ622がNMOSトランジスタ回路を備えるように、第2のダイ621または第3のダイ622を入れ替えてもよい。第2のダイおよび第3のダイ621〜622は、金属酸化物電界効果トランジスタ、バイポーラ接合トランジスタ、ダイオード、または任意の他のタイプの半導体デバイスなどの任意のタイプのトランジスタまたは関連回路を備えてもよい。図6の態様によれば、NMOSダイ621は、ダイ621のNMOSトランジスタソース電圧または電流を経由して第1のダイ620の出力に連結されてもよく、一方でPMOSダイ622は、ダイ622のPMOSドレイン電圧または電流を経由して第1のダイ620の出力に連結されてもよい。この態様によれば、第2のダイおよび第3のダイ621〜622は、第1のダイ620の出力のための出力段電圧または電流増幅回路として構成されてもよい。さらに、装置600は、1つ以上の追加構成要素(例えば、IC、トランジスタ、抵抗器、または任意の電気構成要素)、装置、または任意の電気デバイスに連結することができるリード610〜611を含むことができる。例えば、装置600は、1つ以上の追加の構成要素、装置、または電気装置に電気的に連結することができる。
【0032】
他の態様では、装置600は、互いに電気的に絶縁され、かつ熱伝導性誘電体および金属ベースプレートを経由してそれぞれのダイの各々から熱を逃がし、装置から熱を逃がすように構成された追加の金属パッドにそれぞれ連結された、1つ以上の追加のカスタムIC、トランジスタ、または他のタイプの半導体デバイスを含み得る追加のダイをさらに備えてもよい。
【0033】
ここで図7による態様を参照すると、方法は、金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、複数の金属パッド、および複数のダイを含むように回路基板を構成するためのステップ701を含んでもよい。例えば、ステップ701は、絶縁金属基板(IMS)回路基板を製造、生産、または使用することを含むことができ、これは異なる層としてIMS回路基板内に統合されるように製造された金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを含む。
【0034】
方法700は、複数のダイの各々を、複数の金属パッドのうちのそれぞれ1つに連結するためのステップ702をさらに含んでもよく、複数のダイは、第1のダイおよび第2のダイから構成される。例えば、ステップ702は、第1のダイおよび第2のダイをIMSボードの金属パッドにはんだ付けするか、または別の方法で電気的に連結することを含むことができる。他の態様によれば、方法700は、例えば、IMSボードの熱伝導性誘電体層の一部とすることができる誘電体材料またはセラミック基板によって分離されることによって、その各々が互いに電気的に絶縁された4つのパッドを含むように複数の金属パッドを構成するステップを含んでもよい。この態様によれば、方法は、第1のダイが、第1のパッド、第2のパッド、および第3のパッドに、すべてワイヤボンディングまたは他の電気的連結を経由して連結されるように、そして次に、第2のダイを、第2のパッドに、および第4のパッドに、これもワイヤボンディングまたは他の電気的連結を介して連結することができるように構成することを含んでもよい。次いで、パッドは、それらを溶接するか、互いにはんだ付けするか、または別の方法で電気的に接続することによって、回路基板のリード線のうちの少なくとも一つに連結されてもよい。
【0035】
方法700は、複数のダイの各々を複数の金属箔パッドのうちのそれぞれ1つに連結することに基づいて、第1のダイが第1の底面電位を呈するように構成し、第2のダイが第2の底面電位を呈するように構成するためのステップ703をさらに含んでもよい。第1のダイに連結された金属パッドは、第1の底面電位を生成するために第1の外部ソースに連結された第1のリード線に連結されてもよく、第2のダイに連結された金属パッドは、第2の底面電位を生成するために第2の外部ソースに連結された第2のリード線に連結されてもよい。一態様によれば、第1のダイの第1の底面電位と第2のダイの第2の底面電位は、異なる値を有してもよい。回路基板は、複数のダイから熱を逃がすことができる。例えば、熱は、金属ベースプレート、熱伝導性誘電体、および複数の金属パッドを経由して、第1のダイおよび第2のダイから放散する。この態様によれば、例えば、回路基板の層は、第1のダイおよび第2のダイから放散される電力が、ダイから金属パッドへと、熱伝導性誘電体を通って熱伝導され、次いで、金属ベースプレートを通って回路基板の外へ出て、そして外部ヒートシンクの中へと熱伝導され得るように、構成または配設されてもよい。
【0036】
他の態様によれば、方法700は、リード線を第2の装置と、はんだ付けまたは別の方法で電気的に連結することによってダイのうちの少なくとも1つに連結するように構成するステップをさらに含んでもよい。方法は、プラスチックなどの非導電性ハウジングを構成して、回路基板を少なくとも部分的に包囲するステップも含んでもよい。方法は、金属ベースプレートが、複数の金属パッドから電気的に絶縁されるように構成する(複数の金属パッドの間に誘電体材料を含むことによるなど)ためのステップと、金属パッドの各々を箔または他の導電材料から作製するステップと、をさらに含んでもよい。
【0037】
本開示のさらに別の態様によれば、方法700は、ダイに連結されるようにヒートシンクを構成するステップと、ダイからヒートシンクに熱を逃がすように回路基板をさらに構成するステップとをさらに含んでもよい。例えば、一態様によれば、ヒートシンクは、ファン冷却式、液冷式、コールドプレート式、ペルチェ冷却装置または熱ヒートパイプであってもよく、またアルミニウム、銅、または他の熱伝導性材料から作製されてもよい、ダイから過剰なまたは不必要な熱を吸収するための装置または物質とすることができる。別の態様によれば、方法700は、第1のダイおよび第2のダイの底面電位とは異なってもよく、または同じであってもよい第3の底面電位を呈するように第3のダイを構成するためのステップをさらに含んでもよい。この態様によれば、第1のダイは、はんだ付け、または他の方法でパッドに電気的に結合されるカスタムIC、または他の半導体もしくは電子回路であってもよい。また、この態様によれば、第2のダイは、NMOSトランジスタもしくは任意の他のタイプのトランジスタまたは電子回路であってもよく、また第3のダイは、PMOSトランジスタもしくは任意の他のタイプのトランジスタまたは電子回路であってもよい。
【0038】
方法およびシステムを、好ましい実施形態および具体的な実施例に関連して説明してきたが、本明細書の実施形態は、制限的ではなく例示的であるようにあらゆる点において意図されているので、記載された特定の実施形態に範囲が限定されることを意図していない。
【0039】
別途明示的に記載されない限り、本明細書に記載されたいずれの方法も、そのステップが特定の順序で実施されることを要求していると解釈されることは決して意図されない。したがって、方法の請求項が、そのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されることを特許請求の範囲または説明において別途具体的に記載されていない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されない。これは、ステップの配設または操作フローに関する論理的な問題、文法的な構成または句読点に由来する平易な意味、明細書に記載されている実施形態の数またはタイプを含む、解釈のためのあらゆる可能性のある不明確な根拠にも当てはまる。
【0040】
範囲または趣旨から逸脱することなく、様々な修正および変形をなすことができることが、当業者には明らかであろう。他の実施形態は、明細書および本明細書に開示された実施の検討から当業者には明らかであろう。明細書および実施例は、単に例示的なものとして考慮され、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】