特表2021-526020(P2021-526020A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-526020(P2021-526020A)
(43)【公表日】2021年9月30日
(54)【発明の名称】食品を乾燥させる装置
(51)【国際特許分類】
   A23N 12/08 20060101AFI20210903BHJP
   F26B 15/00 20060101ALI20210903BHJP
【FI】
   A23N12/08 Z
   F26B15/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-566658(P2020-566658)
(86)(22)【出願日】2019年6月5日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月27日
(86)【国際出願番号】NL2019050337
(87)【国際公開番号】WO2019235927
(87)【国際公開日】20191212
(31)【優先権主張番号】18020248.3
(32)【優先日】2018年6月5日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】500513033
【氏名又は名称】モバ グループ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ニールズ, ウィレム フランス
(72)【発明者】
【氏名】アヌカン, ウィレム ヘンリ
(72)【発明者】
【氏名】ベークラー, ヨハネス ミヒール マリア
【テーマコード(参考)】
3L113
4B061
【Fターム(参考)】
3L113AA03
3L113AB02
3L113AC36
3L113AC45
3L113AC46
3L113AC48
3L113AC49
3L113AC51
3L113AC63
3L113AC67
3L113BA16
3L113DA02
4B061BA01
4B061BB05
4B061BB13
4B061BB17
4B061CA25
(57)【要約】
本発明は、果物または卵等の食品を乾燥させるための装置に関する。当該装置は、食品に対して略上方から吹き付けられる乾燥ガスのための吸入部および排出部を持つ乾燥室(10)としてトンネル部と、乾燥室(10)まで、乾燥室(10)を通るように、乾燥室(10)から、濡れた製品を上部に載置して搬送方向Tに搬送する供給ローラー(3)を少なくとも一列有するローラーコンベヤ(1)とを備える。乾燥室(10)は、当該列について、食品の曲率に応じた曲率を持つ対応する少なくとも1つの天井部材(14)を備える。天井部材(14)において、少なくとも1つのスリット(15)が設けられており、搬送方向Tを略横切る方向を向いており、乾燥ガスを吹き付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物または卵等の食品を乾燥させる装置であって、
前記食品に対して略上方から吹き付けられる乾燥ガスのための吸入部および排出部を持つ乾燥室としてトンネル部と、
前記乾燥室まで、前記乾燥室を通るように、前記乾燥室から、濡れた製品を上部に載置して搬送方向Tに搬送する供給ローラーを少なくとも一列有するローラーコンベヤと
を備え、
前記乾燥室が、前記一列について、対象となる製品の曲率に応じた曲率を持つ対応する少なくとも1つの天井部材を備え、前記天井部材において、少なくとも1つのスリットが設けられ、前記搬送方向を略横切る方向を向いており、前記乾燥ガスを吹き付けることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記搬送方向に連続して配置されている複数の天井部材が、一の列について、カバー外形部を構成していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送方向に対して垂直に連続して配置されている所与の複数の天井部材が、前記所与の複数の前記列について、カバー外形部を構成していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記乾燥室の略全長にわたって、一の天井部材を配置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記スリットは、ガス供給外形部材の端部として形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ガス供給外形部材は漏斗を含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記漏斗は、略線形状の開口部を持つ前記スリットに一致する略楕円形の対称体を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの天井部材のうちの一の天井部材は略楕円形状の外形を持つことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記カバー外形部は、略楕円形状の外形を持つことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記乾燥室は、前記ローラーコンベヤの方向において乾燥ガスを吹き付ける一連の弓状のスリットが設けられている天井を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記スリットは連続して互いに隣り合うよう交互に設けられており、一のスリットが実質的に、前記一連の弓状のスリットの長手正中面の一方の側にあり、搬送方向Tに見た場合の次のスリットが、実質的に前記正中面の他方の側にある、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
例えば、請求項1から11の何れか一項に記載の装置を利用して、製品を乾燥させる方法であって、
製品は、ローラーコンベヤによって乾燥室を通過し、
前記乾燥ガスを、前記乾燥室の少なくとも1つの天井部材に設けられる少なくとも1つの、好ましくは、一連の弓状のスリットを介して、略上方から前記製品に対して吹き付ける、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果物または卵等の食品を乾燥させる装置に関する。当該装置は、食品に対して略上方から吹き付けられる乾燥ガスのための吸入部および排出部を持つ乾燥室としてトンネル部と、乾燥室まで、乾燥室を通るように、乾燥室から、濡れた製品を上部に載置して搬送方向Tに搬送する供給ローラーを少なくとも一列有するローラーコンベヤとを備える。
【背景技術】
【0002】
当該装置は、例えば、食品を洗浄して乾燥させる装置であり、例えば乾燥機でさる。この種類の装置は米国特許第4173831号で公知である。本特許文献では、エンドレスローラーコンベヤが有する複数の回転ローラー列の上に載置されている卵について、洗浄後に、搬送方向に乾燥機を通過させる方法を説明している。この乾燥機は、ローラーコンベヤの一部分の上方に配置されているトンネルカバーを備える。当該トンネルカバーは、卵を乾燥機に搬入出する場合を除き、コンベヤのうちこの部分を閉鎖する。具体的には、卵のはるか上方であって、このカバーの天井において、搬送方向に互いに隣り合うように複数のU字形状の外形部材を配列している。これらの外形部材は、U字形状の端部において縦長の開口部が得られるように、互いに取り付けられている。上方からこれらの外形部材に空気が供給されると、これらの開口部がノズルとして機能して、縦長の空気ナイフとして扱われる。
【0003】
このような空気ナイフは、吹き付け位置における卵に残っている残留水分について、拡散させるので通常は抑制する可能性があることが分かっている。これにもかかわらず、薄膜が残ることが多く、水滴が卵の端部に残ることも多い。
【0004】
米国特許第6357140号によると、ローラーコンベヤ上の乾燥室が同様に公知である。当該乾燥室は、洗浄後に卵を乾燥させるために空気を吹き付けるノズルが設けられている。ノズルは実質的に、卵の端部に向けて方向付けられている。卵の端部に水滴が形成されないように追加でブラシおよび吸引ラインが設けられている。ブラシおよび吸引ラインは、卵の端部およびローラーの上にある水滴を、ブラシで除去すると共に吸引する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような乾燥は維持することが望ましいことだけでなく、この水準の乾燥を実現するためには比較的大量のエネルギーが用いられることが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような製品を洗浄後に乾燥させる機能をさらに改善するべく、本発明は上述したような装置を提供する。当該装置は、乾燥室が、上記の列に対応して、対象となる製品の曲率に応じた曲率を持つ少なくとも1つの天井部材を備えることを特徴とする。天井部材には少なくとも1つのスリットが設けられており、当該スリットは、乾燥ガスを吹き付けるべく搬送方向を略横切る方向を向いている。
【0007】
このようにすることで、乾燥機能が改善され得ると共に、食品の乾燥を効率的に行うことが可能でありつつ、エネルギー消費量は比較的少ない。
【0008】
さらに詳細を述べると、複数の天井部材が搬送方向に順次配置されており、上述したような一列について、カバー外形部を構成している。
【0009】
さらに詳細を述べると、所与の複数の天井部材が搬送方向に対して垂直に隣り合うように配置されており、上述した所与の複数の列について、カバー外形部を構成している。
【0010】
さらに詳細を述べると、上記の乾燥室の略全長にわたって、一の天井部材を配置する。
【0011】
特に有益な詳細について述べると、上記のスリットは、ガス供給外形部材の端部として形成される。ガス供給外形部材は、漏斗を含むことが好ましい。この漏斗は、略線形状の開口部を持つスリットと位置合わせされた、略楕円形状の対称体を含むことが好ましい。
【0012】
さらに詳細を述べると、このような天井部材は略楕円形状の外形を持つ。
【0013】
さらに詳細を述べると、カバー外形部は略楕円形状の外形を持つ。
【0014】
乾燥室は、例えば、ローラーコンベヤに向かって乾燥ガスを吹き付ける一連の弓状のスリットが設けられている天井を有するとしてよい。
【0015】
さらに詳細に述べると、これらのスリットは連続して互いに隣り合うよう交互に設けられているとしてよく、一のスリットが実質的に、当該一連のスリットの長手正中面の一方の側にあり、搬送方向に見た場合に次のスリットが実質的に、対照的に、当該正中面の他方の側にある。
【0016】
さらに、本発明の一の態様は、例えば、本発明に係る装置を利用して製品を乾燥させる方法を提供する。
製品は、ローラーコンベヤによって乾燥室を通過する。
乾燥ガスを、乾燥室の少なくとも1つの天井部材に設けられる少なくとも1つの、好ましくは一連の弓状のスリットを介して、略上方から製品に対して吹き付ける。天井部材および少なくとも1つのスリットのそれぞれは、乾燥予定の製品の曲率に対応する、または、当該曲率に従った屈曲形状を持つことが好ましい。
【0017】
本発明を以下で、図面に基づき、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一例に係る装置を示す等大図である。
図2】本発明に係る天井部材、特に図1に図示した装置の天井部材の実施形態例を示す等大図である。
図3】本発明に係る天井部材、特に図1に図示した装置の天井部材の実施形態例を示す等大図である。
図4図1に示す装置の乾燥室の別の部分を示す等大図である。
図5】本発明に係る装置の天井の別の部分のさらなる実施形態例を示す等大図である。
図6】本発明に係る装置の天井の別の部分のさらなる実施形態例を示す等大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
これらさまざまな図面において、同一または対応する参照番号および参照符号は、同一または対応する部分を指し示す。
【0020】
図面は、果物または卵等の食品を乾燥させる装置、例えば、洗浄後、より具体的には、濡れた食品を乾燥させる装置を示す。図示している本実施形態例において、当該装置は、卵Eを乾燥させるために用いられる。当該装置は、乾燥ガスのための吸入部および排出部を持つ乾燥室10としてトンネル部が設けられている。(動作中)乾燥ガスは、略上方から食品に対して吹き付けられる。これについてはさらに以下で説明する。
【0021】
さらに、当該装置は、乾燥室10まで、乾燥室10を通るように、乾燥室10から、濡れている製品を上部に載置して搬送方向Tに搬送する供給ローラー3を少なくとも一列有するローラーコンベヤ1とを備える。
【0022】
大きな利点として、乾燥室10は、上記の一列(特に、上述した供給ローラー3の各列)について、乾燥させる予定の製品の曲率に合った曲率の天井部材14を少なくとも1つ備える。天井部材14には、少なくとも1つのスリット15があり、搬送方向に対して略横切る方向に向けられており、(その下方に延在しているローラーコンベヤ10の方向において)乾燥ガスを吹き付けるために設けられている。
【0023】
特に図1から分かるが、以下に記載するように、(使用時には)卵Eをローラーコンベヤ1上で、乾燥室10まで、乾燥室10を通るように、乾燥室10から、搬送方向Tに搬送する。一般的に知られているように、卵Eは、ローラーコンベヤ1の場合、いわゆる砂時計の形状をしたローラー3の上に載置されている。ローラー3は、図1において、並置された複数の列(本例では6列)を成すように並置され、シャフト4に取り付けられている。これらのシャフトは、両側で、エンドレスチェーンを用いて接続される。エンドレスチェーンは、例えば、コンベヤ1の一方の端部において、駆動モーターに接続されている鎖車で駆動される。必要に応じて、これらのシャフトは、当業者に公知の方法で回転させることが可能であり、これによって卵Eは、それぞれが2つの連続するローラーに載置されているが、同様に回転する。このコンベヤ1は、全体がキャリッジまたはフレーム2に配置され取り付けられている。この装置は、図1の等大図で最も明瞭に図示している。
【0024】
上記の乾燥室10は、ハウジング11を備える。図示している実施形態例では、乾燥ガス制御部12はこのハウジング11の上に配置されている。この乾燥室10をどのようにしてローラー3の上方に(つまり、ローラーコンベヤ1の上方に)配置するかを示している一方、これらのローラー3の上に載置されている卵Eが乾燥室10を通過し、これらの卵Eの形状に一致するトンネル開口13を通過する。乾燥ガス12aの吸入口および乾燥ガス12bを調整する調整部を図1に概略的に図示している。このような調整は、例えば、これに限定されるものではないが、乾燥ガスの温度、乾燥ガスの湿度および乾燥ガスのハウジング11への吸入速度を含む。最も明瞭に図示しているのは、同図で図示している本発明の実施形態例は卵Eについて説明しているが、洗浄予定の(または、洗浄済みの)任意のその他の製品、例えば、別の食品、例えば果物または野菜、例えば、リンゴまたはトマト等についても利用および適用されるとしてよい。本発明に係る装置の利用はこのような食品に限定されないことに再度言及しておく。
【0025】
図2および図3において、上述した、本発明に係る天井部材14の実施形態例、特に、図1に図示する装置の天井部材14を示す等大図を示す。このような天井部材14は、スリット(乾燥ガス流出スリット)15を有する。当該スリット15を通じて、使用時において、その下方を(つまり、スリットの下方に延在しているローラーコンベヤ1の方向に)通過する卵Eに対して乾燥ガスを吹き付ける。スリット15は、本例において、天井レリーフ16に設けられている。天井レリーフ16の曲率は、乾燥予定の製品の曲率に一致している。本実施形態の場合、これは楕円円筒の曲率であり、卵Eの曲率に一致する。スリット15は、搬送方向Tに垂直な方向に延在することが好ましい。特に、図から明らかだが、以下に説明するように、天井部材14はローラーコンベヤ1に対向する下面14aを持つ。下面14aは、スリット15が設けられており、上記の曲率を持つ(天井部材の下面14aにおいて、スリットの下流端は、搬送方向Tに対して垂直な上記の方向に延在する)。
【0026】
乾燥ガスを所望の状態にするべく、本例において、スリット15は、(本実施形態の天井部材14の)取付エッジ17とレリーフ16との間の漏斗形状の本体の端部を形成している。これらの図面において図示するように、このような漏斗または漏斗形状の本体は、略対称形で楕円形状であり、使用時において乾燥ガス(例えば、空気)を天井部材14へと吸入する部分である。ここで図示している実施形態例において、この天井部材14の略楕円形状の漏斗は、楕円の両長辺側における側壁の高さが不均一である。しかし、試験して適用した実施形態例は他にもあり、これらの側壁の高さが略等しい場合もある。このような実施形態例は同じ発明概念に含まれるものと理解されたい。
【0027】
天井部材14は概して、上記の列の上方に、連続して互いに隣り合わせになるよう取り付けられている(例えば、図4を参照のこと)。このように、列毎に、ほぼ形状が一致した楕円形状のトンネル通路が得られる。このような通路はまさに、吹き込まれた乾燥ガスを卵Eの周囲において最も適切な方法で誘導する通路となることが分かっている。この結果、さらに、従来の乾燥室での乾燥ガスの通路に比べて、乾燥ガスの滞留時間、そして、残留洗浄液体についての乾燥ガスの摂取効率が高くなる。特に図4から分かるが、以下で説明するように、天井部材14は例えば列を成すように設置されるとしてよい。これにより、天井部材14は、搬送方向Tに見た場合、交互に配置されているので、第1の弓状の排気スリット15(1)は実質的に天井部材14の長手の鉛直垂直正中面の第1の側において延在しており、隣りの弓状の排気スリット15(2)は実質的に天井部材14の長手の鉛直垂直正中面の第1の側とは反対側の第2の側において延在している(図4を参照のこと)。
【0028】
乾燥ガスとして空気を通常利用することは当業者には明らかである。上述したように、湿度、流量、温度および組成等の条件は制御部12で、より詳しくは、調整部12bで設定することが可能である。
【0029】
図4において、具体的には、等大図において、天井部材14を連続して互いに隣り合うように設置/取り付ける取付プレートまたは担持プレート18を図示している。図4に係る例を鑑みると、このような構成によって一列が得られる。搬送方向Tにおいて係数すると、単位長さ当たりに配置されている部材14の数を要望に応じて増減させるとしてよい。図示されている部材は、スリット15を有する。スリット15は、列の幅の一部分のみにわたって延在するので、連続して互いに隣接するように交互に配置されている(上記と同様であり、一のスリットは実質的に、長手正中面の一方側に配置されており、(搬送方向Tに見た場合)次のスリットはこれとは逆に正中面の他方側に設けられている。スリットが天井の一方側から他方側へと延在することもあり得る。この場合、複数の部材14が設けられていれば、これらは連続して配置されているに過ぎない。
【0030】
図5および図6の等大図において、さらなる実施形態例に係る、天井、特に、ローラーコンベヤ1の上方に延在している乾燥室10の天井を構成する部材が図示されている。
【0031】
図5において、実施形態例は、スリット21を有する天井カバー20を備える。この上方には、天井部材14を有する担持プレート18を配置するとしてよい(特に、ガスをローラーコンベヤ1に向かって供給することを目的として、カバー20のスリット21が天井部材14の排気スリット15と一致するように配置するとしてよい)。
【0032】
図6において、スリット31を有する天井ユニット30が、上述したように、担持プレート18に直に配置されている実施形態例が図示されている。図から分かるが、以下に説明するように、天井ユニット30のスリット31は、弓状のスリットで、(ローラーコンベヤ1にまで気体を供給する目的で)担持プレート18の天井部材14のスリット15にぴったり合う。
【0033】
本発明に係る天井外形部が得られる限りにおいて、適切な材料で実現し図示した部材を、一体的であろうとなかろうと、組み合わせ得ることは当業者には明らかである。さらに、図示した部分および構成要素の寸法、特に、外形部材の曲率の寸法、および、スリットの長さおよび幅の寸法は、所望の乾燥条件にしたがって決定され利用される。
【0034】
上述した設計によりモジュラー式の構造を利用することが容易に可能になる。このようなモジュールは、サイズおよび寸法決めにおいて互いに異なるとしてよく、満たすべき要件に応じて決まるとしてよい。さらに、このような組み立てモードにより、製造および組み立てが大幅に容易になると共に高速化される。
【0035】
当業者には明らかであるが、上述した構成および詳細に説明した実施形態例に関しては、請求の範囲に記載する保護の範囲に含まれるさまざまな修正ができるものと理解されたい。
【参照番号の説明】
【0036】
1 ローラーコンベヤ
2 フレーム
3 砂時計形状のローラー
4 シャフト
10 乾燥室
11 ハウジング
12 乾燥ガス制御部
12a 乾燥ガス吸入口
12b 調整部
13 トンネル開口
14 天井部材
14a 天井部材下面
15 スリット
16 天井レリーフ
17 取付エッジ
18 取付プレート
20 天井カバー
21 天井カバースリット
30 天井ユニット
31 天井ユニットスリット
E 卵
T 搬送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2020年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果物または卵等の、曲率を持つ食品を乾燥させる装置であって、
前記食品に対して略上方から吹き付けられる乾燥ガスのための吸入部および排出部を持つ乾燥室(10)としてトンネル部と、
前記乾燥室(10)まで、前記乾燥室(10)を通るように、前記乾燥室(10)から、濡れた製品を上部に載置して搬送方向Tに搬送する供給ローラー(3)を少なくとも一列有するローラーコンベヤ(1)
を備え、
前記乾燥室(10)が、前記一列について、曲率を持つ対応する少なくとも1つの天井部材(14)を備え、前記天井部材(14)において、少なくとも1つの弓状のスリット(15)が設けられ、前記搬送方向を略横切る方向を向いており、前記乾燥ガスを吹き付けることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記搬送方向に連続して配置されている複数の天井部材(14)が、一の列について、カバー外形部を構成していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記搬送方向に対して垂直に連続して配置されている所与の複数の天井部材(14)が、前記所与の複数の前記列について、カバー外形部を構成していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記乾燥室(10)の略全長にわたって、一の天井部材(14)を配置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記スリット(15)は、ガス供給外形部材の端部として形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記ガス供給外形部材は漏斗を含むことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記漏斗は、略線形状の開口部を持つ前記スリット(15)に一致する略楕円形の対称体を含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記天井部材(14)は略楕円形状の外形を持つことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記カバー外形部は、略楕円形状の外形を持つことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記乾燥室(10)は、前記ローラーコンベヤの方向において乾燥ガスを吹き付ける一連の弓状のスリットが設けられている天井を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記スリット(15)は連続して互いに隣り合うよう交互に設けられており、一のスリット(15(1))が実質的に、前記一連の弓状のスリットの長手正中面の一方の側にあり、搬送方向Tに見た場合の次のスリット(15(2))が、実質的に前記正中面の他方の側にある、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記一のスリット(15(1))および前記次のスリット(15(2))の少なくとも一方、好ましくは両方は、前記長手正中面と交差している、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記一または複数の弓状のスリット(15)はそれぞれ、特に下流端部において、対応して弓状面(14a)を持ち、前記弓状面(14a)は実質的に前記搬送方向Tに沿って延在している、請求項1から12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ローラーコンベヤ(1)は、上方に、特に前記ローラーコンベヤ(1)の砂時計形状のローラー(3)の上に、卵を載置して搬送するよう構成されており、請求項1から13の何れか一項に記載の装置。
【請求項15】
例えば、請求項1から14の何れか一項に記載の装置を利用して、曲率を持つ製品を乾燥させる方法であって、
曲率を持つ製品は、ローラーコンベヤ(1)によって乾燥室(10)を通過し、
前記乾燥ガスを、前記乾燥室(10)の少なくとも1つの天井部材(14)
に設けられる少なくとも1つの、好ましくは、一連の弓状のスリット(15)
を介して、略上方から前記製品に対して吹き付ける、方法。
【国際調査報告】