【実施例】
【0195】
以下の実施例は、本開示のある実施形態、並びにその作製及び使用の仕方を例証する。これらは、本発明の範囲を限定することを意図されていない。
【0196】
以下の実施例では、以下の略語が使用される。
【0197】
9-BBN 9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
Boc tert-ブチルオキシカルボニル
B
2pin
2 ビス(ピナコラト)ジボロン
BPO 過酸化ジベンゾイル
dba ジベンジリデンアセトン
DAST ジエチルアミノ硫黄三フッ化物
DCE 1,2-ジクロロエテン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EtOAc 酢酸エチル
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HOBt ヒドロキシベンゾトリアゾール
KHNDS カリウムヘキサメチルジシラジド
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LG 脱離基
MeOH メタノール
MsCl 塩化メタンスルホニル
NaHMDS ナトリウムヘキサメチルジシラジド
NBS N-ブロモスクシンイミド
NMP N-メチル-2-ピロリドン
(dppf)Cl
2 [1,1'ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
PE 石油エーテル
PG 保護基
PPTS p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
Prep-TLC 分取薄層クロマトグラフィー
PTSA p-トルエンスルホン酸
TBAF フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
TBAI ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム
TEA トリエチルアミン
TES トリエチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
TfOH トリフル酸
THF テトラヒドロフラン
THP テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TsCl 塩化4-トルエンスルホニル
キサントホス 4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン
【0198】
中間体1
(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート
【0199】
【化20】
【0200】
工程1. メチル2-(トリフルオロメチル)イソニコチネート
250-mLオートクレーブにおける、MeOH(150mL)中の4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(20g、88.5mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(1.44g、1.77mmol)、続いて TEA(17.9g、177.0mmol)を添加した。オートクレーブに、8atmまでCOを入れ、80℃にて18h撹拌し、8atmにてCOの圧力を維持した。混合物をrtに冷却し、MeOHを真空で除去した。残渣をEtOAc(500mL)に溶解し、水(200mL×2)及びブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をPE/EtOAc(10/1、50mL)に溶解し、シリカゲルの小型パッドを通して濾過して、触媒を除去した。濾液を濃縮して表題化合物(15.4g、収率:84%)を得た。
【0201】
工程2. (2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メタノール
氷水で冷却した、MeOH(100mL)中の上記工程1の生成物(15.4g、75.0mmol)の溶液に、内部温度を30℃未満に維持しつつ、NaBH
4(7.1g、187.7mmol)を少しずつ添加した。添加を完了した後で、混合物をrtにて2h撹拌してから、アセトン(20mL)でクエンチした。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAc(200mL)に溶解し、水(50mL×3)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(11.8g、収率:88%)を得た。
【0202】
工程3. (2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート
氷水で冷却した、DCM(3mL)中の上記工程2の生成物(50mg、0.282mmol)及びTEA(43mg、0.423mmol)の溶液に、MsCl(38mg、0.339mmol)を添加した。混合物を、rtにて1h撹拌した。反応混合物をDCM(20mL)で希釈し、これを飽和Na
2CO
3水溶液(10mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(69mg、収率:96%)を得た。MS(ESI)m/z=256.1[M+H]
+。
【0203】
中間体2
2-ブロモ-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0204】
【化21】
【0205】
工程1. 2-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)チオフェン-3-カルボン酸
窒素下で、-70℃までのドライアイス/アセトン浴中において、THF(1500mL)中のチオフェン-3-カルボン酸(75g、585mmol)の溶液に、内部温度を-55℃未満に維持しつつ、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5N、562mL、1404mmol)をゆっくり添加した。固体形態が、添加中に観察できた。添加を完了した後で、反応を-70℃にて30min撹拌してから、温度を-60℃未満に維持しつつ、アセトン(44.2g、761mmol)を滴下添加した。添加を完了した後で、反応混合物を-70℃にて10min、氷水浴中で2h撹拌した。反応混合物を、塩酸(4N、800mL)で0℃にてクエンチし、1h撹拌した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮して、粗生成物(約85g、液体及び半固体)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0206】
工程2. 6,6-ジメチルチエノ[2,3-c]フラン-4(6H)-オン
トルエン(1000mL)中の上記工程1の粗生成物(85g、液体及び半固体)に、PTSA一水和物(30g、160mmol)及び水(75mL)を添加した。混合物を100℃にて18h還流させた。反応混合物をrtに冷却し、EtOAc(1000mL)で希釈し、NaOH水溶液(2N、1000mL)及びブライン(1000mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮して、粗表題化合物(48g、収率:2工程で49%)を得た。
【0207】
工程3. 6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
3-Lオートクレーブに、上記工程2の生成物(110g、654mmol)及び濃縮水酸化アンモニウム(28%、1000mL)の溶液を入れた。混合物を170℃にゆっくり加熱し、この温度にて18h撹拌した。反応混合物をrtに冷却し、DCM/イソプロパノール(10/1、500mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗生成物を得、これをPE/EtOAc(10/1、1100mL)で粉砕し、固体を濾過し、真空で乾燥させて、表題化合物(77g、収率:70%)を得た。
【0208】
工程4. 2-ブロモ-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
アセトニトリル(720mL)中の、上記工程3の生成物(60g、358.8mmol)及び飽和塩化アンモニウム水溶液(36mL)の懸濁液に、少しずつ NBS(70.25g、394.7mmol)を添加した。rtにて18h撹拌した後で、混合物を真空で濃縮した。残渣をEtOAc(2L)に溶解し、これを飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(500mL×4)及びブライン(1000mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残渣をPE/EtOAc(1/2、200mL)で粉砕し、固体を濾過し、真空で乾燥させて、表題化合物(83.6g、収率:81%)を得た。MS(ESI)m/z=246.1&248.2[M+H]
+。
【0209】
中間体3
4-(1-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
【0210】
【化22】
【0211】
工程1. 1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エタノール
0℃に冷却した、THF(1.3L)中の4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(190g、840.7mmol)の溶液に、内部温度を<5℃に保つような速度で、イソプロピルマグネシウムクロリド(THF中の2N、462mL、924mmol)を添加した。添加を完了した後で、混合物を約10℃にて0.5h撹拌し、0℃に再度冷却し、内部温度を<10℃に保ちつつ、アセトアルデヒド(55.48g、1.26mol)を添加した。添加を完了した後で、混合物を約10℃にて30min撹拌してから、飽和水溶液NH
4Clでクエンチした。生じた溶液を濃縮して、THFの大半を除去し、水溶液を、EtOAc(1.0L×3)で抽出した。合わせた有機層を、水(500mL×3)及びブライン(500mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮して、表題化合物(150mg、収率:93%)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0212】
工程2. 4-(1-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
THF(2L)中の上記工程1の生成物(200g、1.05mol)及びCBr
4(524g、1.57mol)の溶液に、PPh
3(412g、1.57mol)を、rtにて数回に分けて添加した。添加を完了した後で、混合物をrtにて1h撹拌した。追加のCBr
4(87g、0.26mol)及びPPh
3(68.5g、0.26mol)を順次添加した。反応混合物をrtにて1h撹拌し、濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=2/1)により精製して、表題化合物(173g、収率:65%)を得た。MS(ESI)m/z=254.1&256.0[M+H]
+。
【0213】
中間体4
(R)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル メタンスルホネート
【0214】
【化23】
【0215】
工程1. (R)-1-(3-クロロフェニル)エタン-1,2-ジオール
t-BuOH/H
2O(60mL/60mL)中のAD-ミックス-ベータの溶液に、1-クロロ-3-ビニルベンゼン(4.8g、35mmol)をrtにて滴下添加した。混合物を、rtにて終夜撹拌してから、飽和NaHSO
3水溶液(100mL)でクエンチした。反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1)により精製して、表題化合物(5.2g、収率:86%)を得た。
【0216】
工程2. (R)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エタノール
0℃に冷却した、DCM(50mL)中の上記工程1の生成物(5.2g、30mmol)の溶液に、イミダゾール(5.1g、75mmol)及びTBSCl(4.5g、30mmol)を順次添加した。混合物を氷水浴上で1h撹拌し、DCM(200mL)で希釈し、水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)により精製して、表題化合物(7.3g、収率:85%)を得た。
【0217】
工程3. (R)-2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチルメタンスルホネート
氷水浴上で冷却した、DCM(10mL)中の上記工程2の生成物(200mg、0.548mmol)の溶液に、TEA(83mg、0.822mmol)を添加し、続いてMsCl(75mg、0.658mmol)を滴下添加した。混合物をrtにて1h撹拌し、DCM(100mL)で希釈し、飽和Na
2CO
3水溶液(30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗表題化合物(300mg)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。MS(ESI)m/z=365.2&367.1[M+H]
+
【0218】
中間体5
2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート
【0219】
【化24】
【0220】
工程1. 2-(トリフルオロメチル)-4-ビニルピリジン
DMF(50mL)中のビニルトリフルオロホウ酸カリウム(3.6g、27mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(0.9g、1.1mmol)の溶液に、4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(5.0g、22mmol)、続いてTEA(3.3g、33mmol)を添加した。混合物を、N
2下で105℃にて18h撹拌した。rtに冷却した後で、反応混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL×5)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣は、シリカゲルの小型パッド(PE/EtOAc=10/1から2/1)を通して濾過し、濃縮して、表題化合物(2.5g、収率:65%)を得た。
【0221】
工程2. 2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エタノール
THF(10mL)中の上記工程1の生成物(1.3g、7.5mmol)の溶液に、N
2下で、9-BBN(THF中0.5N、37.5mL、18.75mmol)を0℃にて滴下添加した。60℃にて2h撹拌した後で、混合物をrtに冷却し、これにNaOH(2.5N、15mL、37.5mmol)を添加し、続いてH
2O
2(30%、4.3g)をゆっくり添加した。生じた混合物をrtにて18h撹拌した。混合物を濾過し、濾液をEtOAc(100mL)で抽出し、これを水(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1から2/1)により精製して、表題化合物(800mg、収率:56%)を得た。
【0222】
工程3. 2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル 4-メチルベンゼンスルホネート
DCM(10mL)中の上記工程2の生成物(650mg、3.42mmol)の溶液に、TEA(691mg、6.84mmol)及びTsCl(978mg、5.13mmol)を0℃にて順次添加した。混合物をrtにて6h撹拌し、EtOAc(100mL)で希釈し、水(20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1から4/1)により精製して、表題化合物(940mg、収率:80%)を得た。MS(ESI)m/z=246.1[M+H]
+
【0223】
中間体6
4-(1-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン
【0224】
【化25】
【0225】
工程1. 4-(1-エトキシビニル)-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン
DMF(50mL)中の4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン(4.09g、22.43mmol)及びPd(PPh
3)
2Cl
2(315mg、0.449mmol)の溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(8.91g、24.7mmol)をrtにて添加した。N
2下で、85℃にて18h撹拌した後で、反応混合物をrtに冷却し、次いでKF(16g)及び水(70mL)を添加した。混合物をrtにて更に10min撹拌してから、EtOAc(150mL)で希釈した。有機層を分離し、水(100mL×2)及びブライン(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=15/1)により精製して、表題化合物(4.53g、収率:93%)を得た
【0226】
工程2. 1-(2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)エタノン
THF(40mL)中の上記工程1の生成物(4.53g、20.76mmol)の溶液に、4N HCl水溶液(10.4mL)をrtにて添加した。30℃にて18h撹拌した後で、混合物を濃縮して、THFを除去した。残留水溶液を、飽和NaHCO
3水溶液でpH=8〜9に調整し、これを、EtOAc(80mL)で抽出した。抽出物を水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(4.49g、粗製物)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0227】
工程3. 1-(2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル)エタノール
氷水で冷却した、MeOH(30mL)中の上記工程2の生成物(3.99g、20.99mmol)の溶液に、NaBH
4(953mg、26.19mmol)を少しずつ添加して、内部温度を<30℃に保った。混合物をrtにて0.5h撹拌し、アセトン(10mL)でクエンチし、EtOAc(80mL)で希釈し、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(3.21g、収率:71%)を得た。
【0228】
工程4. 4-(1-ブロモエチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン
氷水で冷却した、THF(10mL)中の上記工程3の生成物(2.71g、14.1mmol)及びCBr
4(7.02g、21.16mmol)の溶液に、PPh
3(5.6g、21.3mmol)をゆっくり添加した。40℃にて1.5h撹拌した後で、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1)により精製して、表題化合物(2.76g、収率:77%)を得た。MS(ESI)m/z=255.1&257.1[M+H]
+。
【0229】
中間体7
2-(1-ブロモエチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン
【0230】
【化26】
【0231】
中間体7は、2-ブロモ-6-(トリフルオロメチル)ピリジンから開始する中間体6について記載されている手順に従って、合成した。
【0232】
中間体8
2-(1-ブロモエチル)-4-(トリフルオロメチル)チアゾール
【0233】
【化27】
【0234】
工程1. 2-(1-エトキシビニル)-4-(トリフルオロメチル)チアゾール
DMF(50mL)中の2-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)チアゾール(4.5g、19.4mmol)及びPd(PPh
3)
2Cl
2(272mg、0.39mmol)の溶液に、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(7.7g、21.3mmol)をrtにて添加した。混合物を、N
2下で85℃にて4h撹拌した。rtに冷却した後で、KF(20g)及び水(70mL)を反応混合物に添加し、これをrtにて更に10min撹拌した。混合物をEtOAc(150mL)に溶解し、これを、水(80mL×2)及びブライン(80mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)により精製して、表題化合物(4.4g、収率:92%)を得た
【0235】
工程2. 1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エタノン
THF(40mL)中の上記工程1の生成物(3.9g、17.5mmol)の溶液に、4N HCl水溶液(8.7mL)をrtにて添加した。30℃にて4h撹拌した後で、反応混合物を濃縮して、THFを除去し、残留水溶液を、飽和NaHCO
3水溶液でpH=8〜9に調整し、DCM(80mL)で抽出した。抽出物を水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(4.85g、粗製物)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0236】
工程3. 1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エタノール
氷水で冷却した、MeOH(40mL)中の上記工程2の生成物(4.35g、22.3mmol)の溶液に、内部温度<30℃を保つように、NaBH
4(1.01g、26.76mmol)を少しずつ添加した。rtにて0.5h撹拌した後で、反応混合物をアセトン(2mL)でクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(3.5g、収率:80%)を得た。
【0237】
工程4. 2-(1-ブロモエチル)-4-(トリフルオロメチル)チアゾール
氷水で冷却した、THF(40mL)中の上記工程3の生成物(3.5g、17.8mmol)及びCBr
4(7.06g、21.30mmol)の溶液に、PPh3(5.6g、21.3mmol)をゆっくり添加した。40℃にて1.5h撹拌した後で、反応混合物を濾過した。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1)により精製して、表題化合物(2.49g、収率:54%)を得た。MS(ESI)m/z=260.0&262.1[M+H]
+
【0238】
中間体9
2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)酢酸
【0239】
【化28】
【0240】
工程1. エチル2-(2-ブロモ-6,6-ジメチル-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセテート
THF(15mL)中の中間体2(2.0g、8.126mmol)の撹拌した溶液に、N
2下でKHMDS(1N、9.75mL、9.75mmol)を0℃にて添加した。混合物を0℃にて1h撹拌してから、2-ブロモ酢酸エチル(1.63g、9.75mmol)を添加した。反応混合物を、N
2下で70℃にて18h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、これを、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1/1)により精製して、表題化合物(2.2g、収率:81%)を得た。
【0241】
工程2. エチル2-(2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセテート
ジオキサン(10mL)中の上記工程1の生成物(2.2g、6.62mmol)の溶液に、B
2pin
2(1.76g、6.95mmol)、KOAc(1.30g、13.24mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(270mg、0.331mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で90℃にて3h撹拌した。rtに冷却した後で、2,4-ジクロロピリミジン(986mg、6.62mmol)、K
2CO
3(2.28g、16.55mmol)及び水(2mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、110℃にて18h撹拌した。生じた混合物をrtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、100mL)で希釈し、水(60mL×2)及びブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=3/1から10/1、次いでDCM/MeOH=100/1から50/1)により精製して、表題化合物(538mg、収率:22%)を得た
【0242】
工程3. エチル2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセテート
ジオキサン(10mL)中の上記工程2の生成物(538mg、1.47mmol)の溶液に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(500mg、5.15mmol)、Cs
2CO
3(958mg、2.94mmol)、Pd
2(dba)
3(67mg、0.0735mmol)及びキサントホス(85mg、0.147mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で110℃にて2h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物をDCM/メタノール(10/1、80mL)で希釈し、水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から10/1)により精製して、表題化合物(444mg、収率:71%)を得た。
【0243】
工程4. 2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)酢酸
THF/EtOH/H
2O(5mL/5mL/1mL)中の上記工程3の生成物(444mg、1.04mmol)に、LiOH・H
2O(131mg、3.12mmol)を添加した。50℃にて1.5h撹拌した後で、反応混合物をrtに冷却し、HCl水溶液(4N)でPH=5〜6に調整した。混合物をDCM/i-PrOH(3/1、60mL)及び水(30mL)で希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗表題化合物(411mg、収率:99%)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。MS(ESI)m/z=399.2[M+H]
+
【0244】
中間体10
2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパン酸
【0245】
【化29】
【0246】
工程1. エチル2-(2-ブロモ-6,6-ジメチル-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパノエート
THF(15mL)中の中間体2(2.0g、8.126mmol)の撹拌した溶液に、N
2下でKHMDS(1N、9.75mL、9.75mmol)を0℃にて添加した。混合物を0℃にて0.5h撹拌してから、2-ブロモプロパン酸エチル(1.77g、9.75mmol)を添加した。反応混合物を、N
2下で70℃にて18h撹拌し、rtに冷却し、EtOAc(80mL)で希釈し、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(2.91g)を得た。
【0247】
工程2. エチル2-(2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパノエート
ジオキサン(15mL)中の上記工程1の生成物(2.91g、約8.13mmol)の溶液に、B
2pin
2(2.24g、8.83mmol)、KOAc(1.65g、16.8mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(343mg、0.42mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で90℃にて2.5h撹拌した。rtに冷却した後で、2,4-ジクロロピリミジン(1.25g、8.4mmol)、K
2CO
3(2.32g、16.8mmol)及び水(3mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、110℃にて18h撹拌した。生じた混合物をrtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、150mL)で希釈し、水(60mL×2)及びブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から80/1)により精製して、表題化合物(1.28g、収率:40%)を得た。
【0248】
工程3. エチル2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパノエート
ジオキサン(10mL)中の工程2の生成物(1.28g、3.37mmol)の溶液に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(1.15g、11.8mmol)、Cs
2CO
3(2.20g、6.74mmol)、Pd
2(dba)
3(154mg、0.168mmol)及びキサントホス(194mg、0.337mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で110℃にて2h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物をDCM/メタノール(10/1、100mL)で希釈し、水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から50/1)により精製して、表題化合物(640mg、収率:43%)を得た。
【0249】
工程4. 2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパン酸
THF/EtOH/H
2O(8mL/8mL/1.5mL)中の上記工程3の生成物(640mg、1.45mmol)の溶液に、LiOH・H
2O(183mg、4.36mmol)を添加した。混合物を50℃にて1.5h撹拌した。rtに冷却した後で、反応混合物をHCl水溶液(4N)でPH=5〜6に調整し、DCM/i-PrOH(3/1、60mL)及び水(30mL)で希釈した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗表題化合物(550mg、収率:92%)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。MS(ESI)m/z=413.1[M+H]
+
【0250】
中間体11
2-(2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)酢酸
【0251】
【化30】
【0252】
工程1. メチル5-ブロモ-2-(ジブロモメチル)チオフェン-3-カルボキシレート
CCl
4(80mL)中のメチル2-メチルチオフェン-3-カルボキシレート(8g、51.2mmol)の溶液に、NBS(27.3g、153.6mmol)、続いてBPO(1.24g、5.1mmol)を添加した。混合物を85℃にて終夜撹拌した。追加のNBS(9.1g、51.1mmol)を反応に添加した。混合物を85℃にて更に4h撹拌した。これをrtに冷却し、シリカゲルの小型パッドを通して濾過して(PEで溶出する)、所望の化合物(10g、収率:63%)を得た。
【0253】
工程2. メチル5-ブロモ-2-ホルミルチオフェン-3-カルボキシレート
EtOH/H
2O(200mL/30mL)中の上記工程1の生成物(10g、25.4mmol)の溶液に、AgNO
3をrtにて添加した。混合物を65℃にて18h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物を濾過した。濾液をEtOAc(500mL)で希釈し、水(200mL×2)及びブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=40/1)により精製して、表題化合物(6.25g、収率:98%)を得た。
【0254】
工程3. メチル5-ブロモ-2-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)チオフェン-3-カルボキシレート
DCM/HOAc(40/5mL)中の上記工程2の生成物(2.0g、8.0mmol)、(4-メトキシフェニル)メタンアミン(1.7g、12.0mmol)及びNaBH(OAc)
3(5.1g、24.0mmol)の溶液を50℃にて18h撹拌した。混合物をDCM(150mL)で希釈し、H
2O(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄し、Na
2SO
4により乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1から5/1)により精製して、表題化合物(1.9g、収率:64%)を得た。
【0255】
工程4. 5-ブロモ-2-(((4-メトキシベンジル)アミノ)メチル)チオフェン-3-カルボン酸
MeOH(40mL)中の上記工程3の生成物(1.9g、5.15mmol)の溶液に、NaOH水溶液(5N、10mL)を添加した。混合物をrtにて18h撹拌し、rtに冷却し、PHをHCl(6N)により5〜6に調整した。形成された沈殿物を濾取し、真空で乾燥させて、粗表題化合物(1.9g、定量的)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0256】
工程5. 2-ブロモ-5-(4-メトキシベンジル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
DMF(30mL)中の上記工程4の生成物(1.9g、粗製物、約5.15mmol)、HOBT(1.0g、7.7mmol)、EDCI(1.5g、7.7mmol)及びTEA(1.6g、15.5mmol)の溶液を50℃にて3h撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(50×2mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4により乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=6/1から3/1)により精製して、表題化合物(800mg、収率:46%)を得た。
【0257】
工程6. 2-ブロモ-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
TFA(10mL)中の上記工程5の生成物(750mg、2.23mmol)の溶液を、75℃にて3h撹拌した。混合物は、氷水(10mL)及び飽和Na
2CO
3水溶液(50mL)を添加した後で、DCM/MeOH(10/1、50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(30mL)により洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1から1/1)により精製して、表題化合物(450mg、収率:93%)を得た。
【0258】
工程7. エチル2-(2-ブロモ-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセテート
氷水で冷却した、THF(10mL)中の上記工程6の生成物(200mg、0.92mmol)の溶液に、NaH(鉱油中60%、45mg、1.1mmol)を添加した。混合物を0℃にて0.5h撹拌してから、2-ブロモ酢酸エチル(185mg、1.11mmol)を添加した。混合物をrtにて3h撹拌し、EtOAc(100mL)で希釈し、水(30mL)及びブライン(30mL)により洗浄し、Na
2SO
4により乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=2/1〜1/1)により精製して、表題化合物(220mg、収率:79%)を得た。
【0259】
工程8. エチル2-(2-(2-((tert-ブトキシカルボニル)(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセテート
ジオキサン(5mL)中の上記工程7の生成物(220mg、0.73mmol)、B
2pin
2(194mg、0.76mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(30mg、0.0365mmol)及びKOAc(143mg、1.46mmol)の混合物を、N
2下で80℃にて2h撹拌した。rtに冷却した後で、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(30mg、0.0365mg)、K
2CO
3(202mg、1.46mmol)及びジオキサン/H
2O(10mL/2mL)を添加した。混合物を、N
2下で100℃にて終夜撹拌した。rtに冷却した後で、これをEtOAc(100mL)で希釈し、水(30mL×2)及びブライン(30mL)により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をprep-TLC(シリカゲル、DCM/MeOH=30/1)により精製して、表題化合物(80mg、収率:24%)を得た。
【0260】
工程9. 2-(2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)酢酸
MeOH(2mL)中の上記工程8の生成物(80mg、0.16mmol)の溶液に、NaOH水溶液(5N、2mL)をrtにて添加した。混合物をrtにて終夜撹拌し、濃縮してMeOHを除去した。残渣を、氷水(5mL)で希釈し、6N HCl(aq)でPH=5〜6に調整し、DCM/MeOH(50mL)で抽出した。抽出物を無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、表題化合物(30mg、収率:50%)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。MS(ESI)m/z=371.0[M+H]
+
【0261】
中間体12
(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メタンアミン
【0262】
【化31】
【0263】
工程1.(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート
氷水で冷却した、DCM(40mL)中の中間体1中の工程2の生成物(2.0g、11.3mmol)の溶液に、TEA((1.7g、16.96mmol)を添加し、続いてMsCl(1.5g、13.56mmol)をゆっくり添加した。混合物を0℃にて1h撹拌し、EtOAc(100mL)で希釈し、水(30mL)、飽和Na
2CO
3水溶液(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗表題化合物(3.0g)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0264】
工程2. 4-(アジドメチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリジン
DMF(20mL)中の上記工程1の生成物(3.0g、粗製物、約11.3mmol)の溶液に、NaN
3(881mg、22.6mmol)を添加した。混合物をrtにて終夜撹拌し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(20mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、粗表題化合物(2.5g)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。
【0265】
工程3.(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メタンアミン
氷水で冷却した、MeOH(20mL)中の上記工程2の生成物(2.5g、粗製物、約11.3mmol)の溶液に、SnCl
2・2H
2O(7.6g、33.9mmol)をゆっくり添加した。混合物をrtにて2h撹拌し、これを、水(5mL)で希釈し、K
2CO
3でpH8〜9に塩基性化した。固体を濾別し、濾液を無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮して、粗表題化合物(695mg、収率:35%)を得、これを、更なる精製一切なしで次の工程に使用した。MS(ESI)m/z=377.1[M+H]
+
【0266】
中間体13
2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセトアルデヒド
【0267】
【化32】
【0268】
工程1. 2-ブロモ-5-(2,2-ジエトキシエチル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
無水THF(20mL)中の中間体2(4.0g、16.3mmol)の溶液に、KHMDS(THF中1.0N、17.9mmol)をrtにて添加した。混合物をrtにて30min撹拌してから、2-ブロモ-1,1-ジエトキシエタン(3.52g、16.3mmol)を添加した。生じた混合物を100℃にて18h撹拌し、rtに冷却し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(50×2mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1)により精製して、表題化合物(4.5g、収率:51%)を得た。
【0269】
工程2. 5-(2,2-ジエトキシエチル)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(8mL)中の上記工程1の生成物(1.1g、4.4mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(169mg、0.21mmol)及びKOAc(812mg、8.3mmol)の溶液に、N
2を入れた。混合物を90℃にて2h撹拌した。rtに冷却した後で、4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(781mg、3.7mmol)、Pd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(151mg、0.19mmol)、K
2CO
3(1.0g、7.4mmol)及びジオキサン/H
2O(10/2mL)を反応混合物に添加し、これを、100℃にて18h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(30×2mL)及びブライン(30mL)により洗浄し、Na
2SO
4により乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1)により精製して、表題化合物(410mg、収率:24%)を得た。
【0270】
工程3. 2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセトアルデヒド
THF(10mL)中の上記工程2の生成物(410mg、0.9mmol)の溶液に、HCl水溶液(6N、5mL)を添加した。rtにて3h撹拌した後で、氷水浴中で混合物を冷却され、Na
2CO
3(aq)によりPH=8〜9に調整し、EtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)により洗浄し、Na
2SO
4により乾燥させ、濃縮して、表題化合物(280mg、収率:81%)を得た。MS(ESI)m/z=383.2[M+H]
+。
【0271】
(実施例1)
6,6-ジメチル-2-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル)-5-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0272】
【化33】
【0273】
工程1. 2-ブロモ-6,6-ジメチル-5-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
THF(10mL)中の中間体2(139mg、0.565mmol)の溶液に、N
2下で、rtにて撹拌しながらKHMDS(1N、0.678mL、0.678mmol)を添加した。混合物をrtにて30min撹拌してから、中間体1(173mg、0.678mmol)を添加した。LC/MSが、反応の完了を示した後で、反応混合物を、N
2下で90℃にて18h撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(60mL)で希釈し、H
2O(30mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するprep-TLCを経由して精製して、粗表題化合物を黄色油状物(241mg、粗製物収率:>100%)として得た。
【0274】
工程2. 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(10mL)中の上記工程1の生成物(276mg、0.681mmol)の溶液に、B
2pin
2(182mg、0.715mmol)、酢酸カリウム(134mg、1.362mmol)及びPd
2(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(28mg、0.0341mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で100℃にて2.5h撹拌し、LC/MSが出発材料の消費を示した場合、rtに冷却した。次いで2,4-ジクロロピリミジン(101mg、0.681mmol)、炭酸カリウム(235mg、1.703mmol)及びH
2O(2mL)を反応混合物に順次添加した。TLCが、反応の完了を示した後で、反応混合物を、N
2下で110℃にて18h撹拌した。反応混合物をrtに冷却した、ジクロロメタン(80mL)で希釈し、H
2O(60mL×2)及びブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残渣は、ヘキサン/酢酸エチル(1:1〜1:2)のフラッシュカラムクロマトグラフィーを経由して精製して、粗生成物を得、これを、ヘキサン/酢酸エチル(1:2)で溶出するprep-TLCにより精製して、所望の化合物(50mg、収率:17%)を白色固体として得た。
【0275】
工程3. 6,6-ジメチル-2-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル)-5-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(5mL)中の上記工程2の生成物(50mg、0.114mmol)の溶液に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(12mg、0.125mmol)、炭酸セシウム(82mg、0.251mmol)、Pd
2(dba)
3(5mg、0.0057mmol)及びキサントホス(7mg、0.0114mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で110℃にて2h撹拌し、TLCが反応の完了を示した場合、rtに冷却した。混合物をジクロロメタン/メタノール(10:1、50mL)で希釈し、H
2O(30mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。生成物は、ジクロロメタン/メタノール(20:1)で溶出するprep-TLCを経由して精製して、所望の化合物を黄色固体として(23mg、収率:41%)得た。
MS (ESI) m/z: 500.1 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ/ppm: 9.54 (s, 1H), 8.67 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.61 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.50 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.79 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 1.49 (s, 6H).
【0276】
Table 1(表1)は、当業者により達成できる適切な条件下で、対応する中間体及び試薬を使用することにより、実施例1に記載されている手順に従って調製された実施例を列挙している。
【0277】
【表1A】
【0278】
【表1B】
【0279】
(実施例8)
6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0280】
【化34】
【0281】
工程1. 2-ブロモ-6,6-ジメチル-5-(2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
THF(8mL)中の中間体2(810mg、3.3mmol)の溶液に、N
2下でKHMDS(THF中の1N、3.96mL、3.96mmol)を0℃にて添加した。混合物をrtにて0.5h撹拌してから、THF(2mL)中の中間体5(1.14g、3.3mmol)の溶液を添加した。混合物を80℃にて終夜撹拌し、rtに冷却し、飽和水溶液NH
4Clでクエンチし、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=8/1から4/1)により精製して、表題化合物(570mg、収率:39%)を得た。
【0282】
工程2. 6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(2-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(0.5mL)中の上記工程1の生成物(100mg、0.24mmol)の溶液に、B
2pin
2(64mg、0.25mmol)、KOAc(47mg、0.478mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(10mg、0.012mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で90℃にて2.5h撹拌した。rtに冷却した後で、4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(50mg、0.24mmol)、K
2CO
3(66mg、0.48mmol)及びH
2O(0.2mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、110℃にて18h撹拌した。生じた混合物をrtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、20mL)で希釈し、水(15mL×2)及びブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をprep-TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して、表題化合物(5.9mg、収率:5%)を得た。
MS (ESI) m/z: 514.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.61 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.63 (d, J = 4.9 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.73 (m, 2H), 3.22 - 3.17 (m, 2H), 1.56 (s, 6H).
【0283】
(実施例9)
6,6-ジメチル-2-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0284】
【化35】
【0285】
工程1. 2-ブロモ-6,6-ジメチル-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
THF(100mL)中の中間体2(5.5g、22.34mmol)の撹拌した溶液に、N
2下で、KHMDS(1N、26.8mL、26.8mmol)を0℃にて添加した。rtにて30min撹拌した後で、中間体3(6.8g、26.8mmol)を反応混合物に添加した。反応を、N
2下で70℃にて18h撹拌した。冷却した後で、混合物をEtOAc(80mL)に溶解し、これを、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=8/1から3/1)により精製して、表題化合物(6.8g、収率:73%)を得た。
【0286】
工程2. 2-(2-クロロピリミジン-4-イル)-6,6-ジメチル-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(20mL)中の上記工程1の生成物(3.8g、9.06mmol)に、B
2pin
2(2.37g、9.33mmol)、KOAc(2.66g、27.2mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(370mg、0.453mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で90℃にて4h撹拌した。rtに冷却した後で、2,4-ジクロロピリミジン(1.35、9.06mmol)、K
2CO
3(2.5g、18.12mmol)及びH
2O(5mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、110℃にて10h撹拌した。生じた混合物をrtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、100mL)で希釈し、水(60mL×2)及びブライン(60mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から50/1)により精製して、表題化合物(1.6g、収率:25%)を得た。
【0287】
工程3. 6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(40mL)中の上記工程2の生成物(1.8g、3.97mmol)に、1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(1.35g、13.9mmol)、Cs
2CO
3(2.58g、7.94mmol)、Pd
2(dba)
3(182mg、0.198mmol)及びキサントホス(229mg、0.397mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で110℃にて10h撹拌した。rtに冷却した後で、混合物をDCM/メタノール(10/1、80mL)で希釈し、水(50mL×2)及びブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から10/1)により精製して、表題化合物(1.45g、収率:71%)を得た。
MS (ESI) m/z: 514.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.65 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.73 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.02 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 1.93 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.75 (s, 3H), 1.61 (s, 3H).
【0288】
(実施例9a及び9b)
(R)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
及び
(S)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ラセミ実施例9は、15% MeOHで溶出するChiralpak OJ-Hカラムで、超臨界流体キラルクロマトグラフィーを使用して分離した。
実施例9a:RTが2.29minの鏡像異性体
MS (ESI) m/z: 514.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.65 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.73 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.02 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 1.93 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.75 (s, 3H), 1.61 (s, 3H).
実施例9b:RTが2.98minの鏡像異性体。
MS (ESI) m/z: 514.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.65 (d, J = 5.1 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.73 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 5.02 (q, J = 7.0 Hz, 1H), 3.77 (s, 3H), 1.93 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.75 (s, 3H), 1.61 (s, 3H).
【0289】
(実施例10)
6,6-ジメチル-2-(2-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0290】
【化36】
【0291】
工程1. 2-ブロモ-6,6-ジメチル-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
THF(20mL)中の中間体2(1.23mg、5.01mmol)の溶液に、KHMDS(THF中1N、7.52mL、7.52mmol)を0℃にて添加した。混合物をrtにて0.5h撹拌し、中間体8(1.56g、6.01mmol)を添加した。混合物を90℃にて終夜撹拌し、rtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、100mL)で希釈し、水(40mL×2)及びブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=3/1)により精製して、表題化合物(1.21g、収率:57%)を得た。
【0292】
工程2. tert-ブチル(4-(6,6-ジメチル-4-オキソ-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-2-イル)ピリミジン-2-イル)(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)カルバメート
ジオキサン(5mL)中の上記工程1の生成物(1.21g、2.85mmol)の溶液に、B
2pin
2(759mg、2.99mmol)、KOAc(558mg、5.69mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(116mg、0.142mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で90℃にて3h撹拌した。rtに冷却した後で、tert-ブチル(4-クロロピリミジン-2-イル)(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)カルバメート(705mg、2.28mmol)、K
2CO
3(786mg、5.69mmol)及びジオキサン/H
2O(5mL/2mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、100℃にて4h撹拌した。反応混合物をrtに冷却し、DCM/MeOH(10/1、120mL)で希釈し、水(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をNa
2SO
4により精製し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100/1から50/1)により精製して、表題化合物(1.03g、収率:58%)を得た。
【0293】
工程3. 6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
DCM/MeOH(10mL)中の上記工程2の生成物(1.03g、1.66mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4N、6mL)を添加した。rtにて2h撹拌した後で、反応混合物を少量に濃縮し、pH8〜9まで飽和Na
2CO
3水溶液を添加した。混合物を、DCM/MeOH(10/1、100mL)で抽出した。抽出物を水(50mL)及びブライン(50mL)により洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣を、逆相フラッシュカラムクロマトグラフィー(H
2O/MeOH=80/20から20/80)により精製して、表題化合物(617mg、収率:71%)を得た。
MS (ESI) m/z: 520.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.52 (s, 1H), 8.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.49 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 5.27 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 1.82 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.66 (d, J = 3.6 Hz, 6H).
【0294】
(実施例10a及び10b)
(R)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
及び
(S)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5-(1-(4-(トリフルオロメチル)チアゾール-2-イル)エチル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0295】
ラセミ実施例10は、25% MeOHで溶出するセルロース-SCカラムで、超臨界流体キラルクロマトグラフィーを使用して分離した。
実施例10a:RTが1.92minの鏡像異性体
MS (ESI) m/z = 520.0 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.51 (s, 1H), 8.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.49 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.27 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 1.82 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.67 (s, 3H), 1.66 (s, 3H).
実施例10b:RTが2.46minの鏡像異性体
MS (ESI) m/z = 520.0 [M+H]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.52 (s, 1H), 8.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.49 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.36 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.29 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 5.27 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 3.69 (s, 3H), 1.82 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.67 (s, 3H), 1.66 (s, 3H).
【0296】
(実施例11)
(S)-5-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0297】
【化37】
【0298】
工程1.(S)-2-ブロモ-5-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6,6-ジメチル-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
THF(5mL)中の中間体2(156mg、0.63mmol)の溶液に、KHMDS(THF中1N、0.75mL、0.75mmol)をrtにて添加した。混合物をrtにて0.5h撹拌し、THF(2mL)中の中間体4(300mg、0.548mmol)の溶液を添加した。混合物を80℃にて終夜撹拌し、rtに冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、水(15mL×2)及びブライン(15mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をシリカゲル上で、フラッシュカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1)により精製して、表題化合物(125mg、収率:43%)を得た。
【0299】
工程2.(S)-5-(2-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3-クロロフェニル)エチル)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
ジオキサン(2mL)中の上記工程1の生成物(125mg、0.24mmol)の溶液に、B
2pin
2(65mg、0.25mmol)、KOAc(125mg、27.2mmol)及びPd(dppf)Cl
2・CH
2Cl
2(10mg、0.012mmol)を順次添加した。反応混合物を、N
2下で100℃にて2h撹拌した。rtに冷却した後で、4-クロロ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリミジン-2-アミン(50mg、0.24mmol)、炭酸ナトリウム(50mg、0.48mmol)及びジオキサン/H
2O(2mL/0.4mL)を順次添加し、反応混合物をN
2でフラッシュし、100℃にて18h撹拌した。生じた混合物をrtに冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、H
2O(15mL×2)及びブライン(15mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をprep-TLC(PE/EtOAc=1/2)により精製して、表題化合物(55mg、収率:38%)を得た。
【0300】
工程3.(S)-5-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
MeOH(3mL)中の上記工程2の生成物(55mg、0.09mmol)の溶液に、HCl(MeOH中4N、1mL)をrtにて添加した。混合物をrtにて18h撹拌し、濃縮した。残渣をDCM/MeOH(10/1、50mL)に溶解し、飽和Na
2CO
3水溶液(15mL)、水(15mL)及びブライン(15mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をprep-TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して、表題化合物(26mg、収率:58%)を得た。
MS (ESI) m/z: 495.3 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ 8.42 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.45 (dd, J = 10.7, 4.7 Hz, 2H), 7.34 - 7.24 (m, 3H), 6.35 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.70 - 4.54 (m, 2H), 4.03 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 1.70 (s, 3H), 1.40 (s, 3H).
【0301】
Table 2(表2)は、当業者により達成できる適切な条件下で、対応する中間体及び試薬を使用することにより、実施例9〜11に記載されている手順に従って調製された実施例を列挙している。
【0302】
【表2】
【0303】
(実施例14)
(S)-N-(1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)アセトアミド
【0304】
【化38】
【0305】
DMF(5mL)中の中間体9(100mg、0.25mg)及び(S)-2-アミノ-2-(3-クロロフェニル)エタノール(47mg、0.28mmol)の溶液に、HATU(142mg、0.38mmol)及びDIPEA(96mg、0.75mmol)を添加した。混合物をrtにて終夜撹拌し、濃縮した。残渣をDCM/MeOH(10/1、60mL)に溶解し、水(30mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残渣をprep-TLC(シリカゲル、DCM/MeOH=10/1)により精製して、表題化合物(102mg、収率:74%)を得た。
MS (ESI) m/z: 552.3 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.50 (s, 1H), 8.47 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.35 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.27 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 4.92 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.84 (dd, J = 13.8, 6.1 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H), 3.68 (s, 3H), 3.57 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 1.49 (s, 3H), 1.45 (s, 3H).
【0306】
(実施例15)
N-((S)-1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)-2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)プロパンアミド
【0307】
【化39】
【0308】
DMF(5mL)中の中間体10(100mg、0.242mg)及び(S)-2-アミノ-2-(3-クロロフェニル)エタノール(46mg、0.27mmol)の溶液に、HATU(138mg、0.363mmol)及びDIPEA(94mg、0.726mmol)を添加した。混合物をrtにて終夜撹拌し、真空で濃縮した。残渣をDCM/MeOH(10/1、60mL)に溶解し、水(30mL×2)及びブライン(30mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をprep-TLC(シリカゲル、DCM/MeOH=10/1)により精製して、表題化合物(50mg、収率:37%)を得た。
MS (ESI) m/z: 566.2 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.50 (s, 1H), 8.47 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.18 (s, 0.5H), 8.14 (s, 0.5H), 7.83 (d, J = 7.9 Hz, 0.5H), 7.73 (d, J = 8.0 Hz, 0.5H), 7.50 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.41 (s, 0.5H), 7.36 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.33 - 7.22 (m, 3.5H), 6.28 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.92 - 4.72 (m, 2H), 4.40 - 4.17 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.57 (dd, J = 9.4, 5.3 Hz, 2H), 1.61 - 1.52 (m, 9H).
【0309】
(実施例16)
2-(6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-4-オキソ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-5(6H)-イル)-N-((2-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-イル)メチル)アセトアミド
【0310】
【化40】
【0311】
化合物は、(S)-2-アミノ-2-(3-クロロフェニル)エタノールを中間体12に置き換えた、実施例14に記載されている方法に従って調製した。
MS (ESI) m/z: 557.1 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.49 (s, 1H), 8.68 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.47 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.60 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.49 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 6.28 (s, 1H), 4.42 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 4.10 (s, 2H), 3.69 (s, 3H), 1.53 (s, 6H).
【0312】
(実施例17)
(S)-5-(2-((1-(3-クロロフェニル)-2-ヒドロキシエチル)アミノ)エチル)-6,6-ジメチル-2-(2-((1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-チエノ[2,3-c]ピロール-4-オン
【0313】
【化41】
【0314】
DCM(5mL)中の中間体13(76mg、0.20mmol)及び(S)-2-アミノ-2-(3-クロロフェニル)エタノール(34mg、0.20mmol)の溶液に、NaBH(OAc)
3(85mg、0.40mmol)、続いてAcOH(40mg、0.6mmol)を添加した。混合物をrtにて終夜撹拌し、DCM/MeOH(10/1、50mL)で希釈し、H
2O(15mL×3)及びブライン(15mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。残渣をPrep-TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製して、表題化合物(45mg、収率:42%)を得た。
MS (ESI) m/z: 538.3 [M+1]
+;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.50 (s, 1H), 8.48 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.47 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 7.36 (d, J = 1.7 Hz, 4H), 6.28 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.49 (m, 4H), 2.67 (m, 2H), 1.50 (s, 3H), 1.48 (s, 3H).
【0315】
酵素アッセイ
化合物を、Invitrogen社製LanthaScreen(商標)時間分解蛍光エネルギー移動(TR-FRET)酵素アッセイでテストした。アッセイは、E. coliから精製し、in vitroでMAP2K1により活性化した、GST-タグ付き全長タンパク質として組換え発現させたヒトERK2(マイトジェン活性化キナーゼ1、Invitrogen社、Cat. PV3311)を使用した。基質は、緑色蛍光タンパク質(Invitrogen社、Cat. PV4445)に融合したATF2の組換えトランケート型のバージョン(残基19〜96)であった。テスト化合物を調製し、DMSO中において、3倍段階希釈で最終テスト濃度の100×に希釈した。化合物を、次いで、キナーゼ反応緩衝液(Invitrogen社、Cat. PV3189)により4×に更に希釈した。化合物テストのための酵素反応は、20ng/ml ERK2、400nM基質、及びほぼK
mである5μM ATPを含有する全反応体積が10μlの白色384ウェルポリプロピレンプレート(Packard社、Cat. 6005214)で行った。アッセイは、キナーゼ反応緩衝液中で希釈した2.5μlのERK2をウェルに入れ、続いて、前処理のため、室温における15-minのインキュベーションに向けて、等体積の4×化合物を添加して開始した。酵素反応は、キナーゼ反応緩衝液中で調製した、5μlの基質及びATPの混合物を添加することにより始めた。1時間の反応後、TR-FRET抗体希釈緩衝液(Invitrogen社、Cat. PV3574)中で調製した、10μlのEDTA(最終10μM)及びテルビウム-標識抗pATF2(pThr71)抗体(最終2nM)(Invitrogen社、Cat.PV4451)の混合物を添加して、酵素反応を止め、TR-FRETシグナルを生成した。室温にてインキュベーションした30分後、以下の設定のTecan Infinite F200 Proでプレートを読み取った:励起340nm(30)/発光1 495nm(10)/発光2 520nm(25)。TR-FRET値は、アクセプター(緑色蛍光タンパク質)シグナルのドナー(テルビウム)シグナルに対する比として計算された無次元数であった。対照の割合を、化合物での処理vs 1% DMSOビヒクルでの処理のパーセンテージとして計算した。用量反応曲線を生成し、IC
50は、GraphPad Prismを使用して非直鎖状のシグモイドカーブフィッテングにより計算した。
【0316】
開示されている化合物に対するERK2阻害のIC
50値は、Table 3(表3)で列挙されている、A:≦10nM、B:>10nM及び≦100nM、C:>100nM及び≦1μM、D:>1μM。
【0317】
Colo205細胞増殖アッセイ
本明細書で開示されている化合物は、通例MTTアッセイとして公知のColo205細胞増殖アッセイにより、ERK2の阻害についてテストした。このアッセイでは、完全培地は、10%ウシ胎仔血清をRPMI-1640培地(Life technology社)に添加することにより調製した。結腸癌細胞(Colo205細胞株)を、96ウェルプレートのうち、88ウェルのそれぞれに、5,000細胞/ウェル/90μLの播種密度で添加した。細胞を、37℃にて24時間インキュベーションすることによりプレートに付着させた。化合物をDMSO(SIGMA社)に溶解した。テスト化合物の溶液を、段階希釈により完全培地中で調製して、以下の濃度を得た:500μM、150μM、50μM、15μM、5μM、1.5μM、0.5μM、0.15μM及び0.05μM。テスト化合物溶液(10μL)を、細胞を含有する80ウェルのそれぞれに添加した。化合物の最終濃度は、以下であった:50μM、15μM、5μM、1.5μM、0.5μM、0.15μM、0.05μM、0.015μM及び0.005μM。DMSOの最終濃度は、0.5%である。最大増殖を測定するために、細胞を含有する残りの8ウェルに、完全培地のみ(0.5%DMSOを含有する)を添加して、対照群を形成した。バックグラウンドを測定するために、空の残りの8ウェルに、完全培地を添加して、ビヒクル対照群を形成した。プレートを、37℃にて72時間インキュベートした。10μL WST-8溶液(DOJINDO社、Cell Counting KIT-8)を各ウェルに添加した。プレートを、37℃にて2時間更にインキュベートし、次いで、マイクロプレートリーダーを450nmにて使用して、吸光度について読み取った。
【0318】
開示されている化合物に対するColo 205細胞における成長阻害のIC
50値は、Table 3(表3)で列挙されている、A':≦0.5μM、B':>0.5μM及び≦1μM、C':>1.0μM及び≦5μM、D':>5μM。
【0319】
【表3】