【実施例】
【0054】
以下、実施例と併せて本発明をさらに詳細に説明する。
【0055】
本発明は、親環の10位および11位にメチレンジオキシ基を導入し、7位に異なる置換基を有する一連の新規構造のカンプトテシン誘導体を合成および試験した。これらの化合物のいくつかの例は例えば以下の表に示される:
【0056】
【化21】
【0057】
【化22】
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】
【化26】
【0062】
試験後、本発明の化合物によって合成された化合物は、一般に良好な水溶性を有する。
【0063】
図1は上記化合物の合成経路の概略図を示す。以下、具体的な実施例と併せて説明する:
【0064】
化合物1〜7の概略合成経路は次の通りである:
【化27】
【0065】
実施例1 20(S)-7-フェニルブタジエニル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物1)の調製
ステップ(1) (2E,4E)-1-(5-アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソ-6-イル)-5-フェニルペンタン-2,4-ジエン-1-ケトン(D1)の調製
室温で、濃硝酸(20.7ml)を3,4-メチレンジオキシアセトフェノン(8.1g,49.3mmol)のニトロメタン(80ml)溶液にゆっくりと滴下し、2時間攪拌し、反応溶液に飽和重炭酸ナトリウム溶液をゆっくりと滴下し、pHを中性に調整し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、飽和塩水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して黄色の油性液体を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=8:1)で分離し、濃縮後、淡黄色の固体6-ニトロ-3,4-メチレンジオキシアセトフェノン7.8gを得た。収率が76%で、mpが110〜112℃であった。
【0066】
6-ニトロ-3,4-メチレンジオキシアセトフェノン(7.8g,37.3mmol)を酢酸エチル(70ml)に溶解し、触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンを充填し、室温で12時間攪拌し反応させ、触媒を濾過により除去し、濃縮後、淡黄色固体6-アミノ-3,4-メチレンジオキシアセトフェノン5.5gを得た。収率が83%であった。mpが123〜124℃であった。
【0067】
6-アミノ-3,4-メチレンジオキシアセトフェノン(0.2g,1.1mmol)を100mlナス型フラスコに加え、無水エタノール(10ml)で溶解し、水酸化ナトリウム(0.4g,11mmol)およびシンナムアルデヒド(0.14g,1.3mmol)を加え、室温で12時間攪拌し反応させ、エタノールを濃縮により除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=4:1)で精製し、濃縮後、黄色の固体D1(0.21g)を得た。収率が71%であった。mpが130〜132℃であった。
【0068】
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 7.81(dd,J=8.5,5.7Hz,2H), 7.77(s,1H),7.35(d,J=16.3Hz,1H),7.25(t,J=7.4Hz,2H),7.23(s,1H),7.16(d,J=16.3Hz,1H),6.31(s,2H).
【0069】
13C NMR(126MHz,DMSO-d
6)δ 192.0,164.9,163.0,152.7,149.3,144.6,141.4,132.7,131.6,131.1,126.3,116.5,116.3,108.1,105.3,104.5.
【0070】
ステップ(2) 中間体(2E,4E)-1-(5-アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソ-6-イル)-5-フェニルペンタン-2,4-ジエン-1-ケトン(D1)(200mg,0.76mmol)を50mlナス型フラスコに加え、無水トルエン(25ml)に溶解し、次に(2E,4E)-1-(5-アミノベンゾ[d][1,3]ジオキソ-6-イル)-5-フェニルペンタン-2,4-ジエン-1-ケトン(M)(0.41g,1.4mmol)、p-トルエンスルホン酸(13.0mg,0.08mmol)を加え、窒素保護下にて110℃で24時間還流反応した後、室温まで冷却し、回転蒸発により溶媒を濃縮して除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で分離し、黄色の薄片状固体化合物1 60mgを得た。収率が15%であった。mpが206‐214℃であった。MS(ESI):m/z,521.4 [M+H]
+.
【0071】
1H NMR(600MHz,CF
3COOD)δ 8.23(s,1H),8.06−7.94(m,1H),7.92(s,1H),7.84(d,J=16.4Hz,1H),7.79(s,1H),7.72(d,J=7.4Hz,1H),7.67(d,J=18.5Hz,1H),7.53(d,J=8.1Hz,1H),7.48(d,J=15.6Hz,1H),7.43(d,J=9.7Hz,1H),7.36(s,2H),7.29−7.14(m,1H),6.57−6.43(m,2H),6.01(d,J=26.7Hz,2H),5.70(d,J=16.7Hz,1H),2.29(d,J=27.2Hz,2H),1.35(dd,J=117.8,12.9Hz,3H).
【0072】
13C NMR(151MHz,CF
3COOD)δ 176.5,161.1,157.5,157.6,149.3,147.4,146.5,145.5,134.3,131.7,130.3,129.5,128.7,128.5,128.0,127.9,127.4,126.9,121.0,117.9,115.7,113.8,111.2,105.5,97.4,74.0,66.5,65.5,31.7,11.8,5.4.
【0073】
実施例2 20(S)-7-(4-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物3)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを4-フルオロベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンの黄色の固体化合物3を調製することができた。mp>250℃、 MS(ESI):m/z,513.5 [M+H]
+.
【0074】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.23(s,1H),8.00(s,1H),7.95(dd,J=7.8,5.4Hz,1H),7.87(d,J=16.5Hz,1H),7.85−7.78(m,1H),7.73(s,1H),7.30(dd,J=22.8,14.3Hz,2H),7.10(dd,J=36.5,25.0Hz,1H),6.52(s,2H),6.03(t,J=11.9Hz,1H),6.01−5.83(m,2H),5.69(d,J=17.0Hz,1H),2.24(dd,J=17.8,11.0Hz,2H),1.33−1.16(m,3H).
【0075】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.2,157.4,152.1,151.8,148.9,145.0,140.1,139.8,138.8,130.6,130.0,130.0,126.1,126.0,121.0,117.3,116.1,116.0,105.0,103.4,101.1,97.3,73.9,66.2,52.5,31.0,11.7,5.8.
【0076】
実施例3 20(S)-7-(3-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物4)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3-フルオロベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンの黄色の固体化合物4を調製することができた。mp>250℃、 MS(ESI):m/z,513.5 [M+H]
+.
【0077】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.23(s,1H),8.00(s,1H),7.95(dd,J=7.8,5.4Hz,1H),7.87(d,J=16.5Hz,1H),7.85−7.78(m,1H),7.73(s,1H),7.30(dd,J=22.8,14.3Hz,2H),7.14(dd,J=36.5,25.0Hz,1H),6.56(s,2H),6.03(t,J=11.9Hz,1H),6.21−5.84(m,2H),5.69(d,J=17.0Hz,1H),2.24(dd,J=17.8,11.0Hz,2H),1.33−1.16(m,3H).
【0078】
13C NMR(126MHz,CF
3COOD)δ 176.2,157.4,152.1,151.8,148.9,145.0,140.1,139.8,138.8,130.6,130.4,130.0,126.8,126.0,121.0,117.5,116.1,116.0,105.0,103.4,101.1,97.3,73.9,66.2,52.5,31.0,11.7,5.8.
【0079】
実施例4 20(S)-7-(2-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物5)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを2-フルオロベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-フルオロフェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンの黄色の固体化合物5を調製することができた。mp>250℃、 MS(ESI):m/z,513.5 [M+H]
+.
【0080】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.23(s,1H),8.00(s,1H),7.95(dd,J=7.8,5.4Hz,1H),7.87(d,J=16.5Hz,1H),7.81−7.78(m,1H),7.53(s,1H),7.30(dd,J=22.8,14.3Hz,2H),7.28(dd,J=36.5,25.0Hz,1H),6.56(s,2H),6.03(t,J=11.9Hz,1H),6.21−5.84(m,2H),5.69(d,J=17.0Hz,1H),2.24(dd,J=17.8,11.0Hz,2H),1.33−1.16(m,3H).
【0081】
13C NMR(126MHz,CF
3COOD)δ 176.2,157.4,152.1,151.8,148.9,145.0,140.1,139.7,138.8,130.9,130.4,130.0,126.8,126.0,121.0,117.5,116.1,116.0,105.0,103.4,101.1,97.3,73.9,66.2,52.5,31.0,11.7,5.8.
【0082】
化合物8-20の概略合成経路は次の通りである:
【化28】
【0083】
実施例 5 20(S)-7-(4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物8)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを4-モルホリンベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の固体20(S)-7-(4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物8)を得た。mp>250℃。
【0084】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.58(s,1H),7.46(s,1H),7.19(s,1H),6.95(d,J=8.3Hz,2H),6.74(d,J=8.1Hz,2H),6.25(s,2H),5.33(t,J=11.8Hz,2H),4.75(q,J=18.8Hz,2H),3.65(s,4H),3.26(s,2H),2.93(s,4H),2.83(s,2H),1.87−1.76(m,2H),0.83(t,J=7.2Hz,3H).
【0085】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.94,157.14,151.29,150.49,150.10,149.44,149.38,147.54,146.67,142.38,131.83,129.60,128.32,124.68,118.31,115.57,105.88,103.01,99.94,96.45,72.74,66.40,65.63,49.85,49.22,34.39,32.34,30.62,8.17.
【0086】
実施例6 20(S)-7-(4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物9)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを4-(1-ピロリジニル)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、黄色の粉末20(S)-7-(4-(4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物9)を得た。mp 205〜207℃。
【0087】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.61(s,1H),7.47(s,1H),7.19(s,1H),6.89(d,J=8.2Hz,2H),6.35(d,J=8.1Hz,2H),6.26(s,2H),5.35(s,2H),4.77(q,J=18.7Hz,2H),3.25(d,J=7.4Hz,2H),3.06(s,4H),2.80(s,2H),1.91−1.76(m,6H),0.83(t,J=7.3Hz,3H).
【0088】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.94,157.12,151.28,150.50,149.47,149.38,147.56,147.07,146.72,142.52,129.54,128.35,127.61,124.68,118.29,112.07,105.93,103.01,99.99,96.37,72.75,65.62,49.88,47.93,34.53,32.71,30.56,25.24,8.18.
【0089】
実施例7 20(S)-7-(3-フルオロ-4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物10)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3-フルオロ-4-(4-モルホリン)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、黄色の粉末20(S)-7-(3-フルオロ-4-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物10)を得た。mp>250℃.
【0090】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.56(s,1H),7.44(s,1H),7.20(s,1H),6.99(d,J=13.3Hz,1H),6.91−6.82(m,2H),6.23(s,2H),5.35(q,J=16.3Hz,2H),4.90(q,J=18.7Hz,2H),3.66(s,4H),3.27(s,2H),2.84(s,6H),1.81(dt,J=24.6,7.0Hz,2H),0.83(t,J=7.2Hz,3H).
【0091】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.98,157.24,151.31,150.56,149.53,149.40,147.54,146.67,142.16,136.18,128.15,125.36,124.72,119.24,118.35,116.75,116.59,105.81,103.02,99.99,96.56,72.77,66.54,65.65,51.07,49.91,34.12,31.77,30.64,8.16.
【0092】
実施例8 20(S)-7-(3-フルオロ-4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物11)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3-フルオロ-4-(1-ピロリジニル)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、黄色の粉末20(S)-7-(3-フルオロ-4-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物11)を得た。mp>250℃。
【0093】
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 7.60(s,1H),7.47(s,1H),7.23(s,1H),6.89(dd,J=14.9,1.9Hz,1H),6.75(d,J=8.2Hz,1H),6.59−6.53(m,1H),6.26(d,J=2.2Hz,2H),5.37(q,J=16.0Hz,2H),4.86(q,J=18.6Hz,2H),3.27(d,J=6.1Hz,2H),3.15(d,J=2.1Hz,4H),2.82(d,J=5.0Hz,2H),1.87−1.78(m,6H),0.85(t,J=7.3Hz,3H).
【0094】
13C NMR(151MHz,DMSO-d
6)δ 173.14,157.34,151.44,150.71,149.53,149.51,147.62,146.78,142.40,136.22,130.86,128.28,125.27,124.79,118.43,116.50,115.97,105.91,103.16,100.04,96.70,72.90,65.74,50.12,49.97,34.11,32.25,30.73,25.07,8.26.
【0095】
実施例9 20(S)-7-(3-フルオロ-4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物12)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3-フルオロ-4-(ピペリジン-1-イル)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、黄色の粉末20(S)-7-(3-フルオロ-4-(3-フルオロ-4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物12)を得た。mp>250℃。
【0096】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.61(s,1H),7.47(s,1H),7.20(s,1H),6.95(d,J=13.4Hz,1H),6.86−6.80(m,2H),6.25(s,2H),5.34(t,J=9.8Hz,2H),4.90(t,J=13.9Hz,2H),3.30(s,2H),2.82(d,J=25.5Hz,6H),1.82(td,J=14.2,6.7Hz,2H),1.56(s,4H),1.45(s,2H),0.83(t,J=7.3Hz,3H).
【0097】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.95,157.19,151.30,150.48,149.56,149.40,147.58,146.69,142.17,128.26,125.22,124.72,119.60,118.35,116.43,105.88,102.99,100.04,96.43,72.75,65.65,52.08,49.92,34.16,31.79,30.61,26.03,24.16,8.15.
【0098】
実施例10 20(S)-7-(3-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物14)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3-(4-モルホリン)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(3-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(3-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物14)を得た。mp 163-165℃。
【0099】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.61(s,1H),7.47(s,1H),7.20(s,1H),7.07(t,J=7.8Hz,1H),6.70(d,J=7.6Hz,1H),6.64(d,J=7.5Hz,1H),6.57(s,1H),6.25(s,2H),5.36(s,2H),4.84(d,J=18.7Hz,1H),4.73(d,J=18.7Hz,1H),3.62(s,4H),3.37−3.26(m,2H),2.87(s,6H),1.86−1.76(m,2H),0.83(t,J=7.2Hz,3H).
【0100】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.95,157.18,151.43,151.32,150.56,149.49,149.39,147.60,146.69,142.41,141.91,129.38,128.36,124.75,120.21,118.35,116.11,113.81,105.89,103.02,100.04,96.44,72.77,66.44,65.62,49.07,35.56,31.96,30.61,8.19.
【0101】
実施例11 20(S)-7-(2-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物15)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを2-(4-モルホリン)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(2-(4モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(2-(4-モルホリン)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物15)を得た。mp>250℃。
【0102】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.71(s,1H),7.47(s,1H),7.40(d,J=7.1Hz,1H),7.19−7.14(m,2H),7.07(dd,J=15.5,7.5Hz,2H),6.27(s,2H),5.36(s,2H),4.88(d,J=18.7Hz,1H),4.76(d,J=18.6Hz,1H),3.45(d,J=9.8Hz,4H),3.31−3.20(m,2H),3.00(t,J=7.4Hz,2H),2.55(dd,J=34.3,13.2Hz,4H),1.81(td,J=14.5,7.2Hz,2H),0.83(t,J=7.3Hz,3H).
【0103】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.89,157.14,151.93,151.26,150.54,149.51,149.35,147.50,146.62,142.41,137.09,131.07,128.00,127.89,125.10,124.97,121.01,118.40,105.96,103.07,99.98,96.39,72.75,66.77,65.61,53.52,49.80,32.39,30.55,30.44,8.20.
【0104】
実施例12 20(S)-7-(2-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物16)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを2-(1-ピロリジニル)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(2-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(2-(1-ピロリジニル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物16)を得た。mp 139〜140℃。
【0105】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.66(s,1H),7.47(s,1H),7.18(d,J=7.5Hz,2H),7.08(d,J=7.4Hz,1H),6.99(d,J=8.0Hz,1H),6.86(t,J=7.2Hz,1H),6.26(s,2H),5.37(s,2H),4.95(d,J=18.7Hz,1H),4.87(d,J=18.7Hz,1H),3.26(d,J=10.4Hz,2H),3.00(t,J=7.4Hz,2H),2.96−2.87(m,4H),1.86−1.75(m,6H),0.83(t,J=7.3Hz,3H).
【0106】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.88,157.19,151.20,150.44,149.58,149.28,147.56,147.46,146.72,142.52,134.59,131.16,128.35,127.61,125.03,122.68,118.97,112.07,105.90,103.01,99.99,96.35,72.75,65.59,52.49,34.53,32.71,30.56,25.24,8.18.
【0107】
実施例13 20(S)-7-(4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物17)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを4-(ピペリジン-1-イル)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(4-(ピペリジン-1-イル)フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物17)を得た。mp>250℃。
【0108】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.57(s,1H),7.45(s,1H),7.17(s,1H),6.84(s,2H),6.70(s,2H),6.24(s,2H),5.32(t,J=10.8Hz,2H),4.64(q,J=18.8Hz,2H),3.24(d,J=7.2Hz,2H),2.97(s,4H),2.81(d,J=4.8Hz,2H),1.80(dt,J=23.4,7.0Hz,2H),1.45(s,6H),0.83(t,J=7.3Hz,3H).
【0109】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.96,157.11,151.28,150.46,149.38,147.53,146.65,142.33,129.62,128.44,124.66,118.28,105.90,103.02,99.92,96.40,72.76,65.64,56.39,49.83,34.42,32.39,30.60,25.12,18.86,8.17.
【0110】
実施例14 20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(4-モルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物18)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3,5-ジフルオロ-4-(4-モルホリン))-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(4-モルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(4-モルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物18)を得た。mp 246〜347℃。
【0111】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.62(s,1H),7.47(s,1H),7.21(s,1H),7.03−6.94(m,2H),6.24(s,2H),5.36(d,J=16.8Hz,2H),5.10(t,J=11.5Hz,2H),3.63(s,4H),3.31(s,2H),2.98(s,4H),2.85(s,2H),1.82(d,J=10.8Hz,2H),0.83(t,J=7.1Hz,3H).
【0112】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.98,157.24,154.12,151.31,150.56,149.53,149.40,147.54,146.67,142.16,138.44,136.18,128.15,125.36,124.72,119.24,118.35,116.75,116.59,105.81,103.02,99.99,96.56,72.77,66.54,65.65,51.07,49.91,34.12,31.77,30.64,8.16.
【0113】
実施例15 20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(1-ピロリジニル))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物19)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを3,5-ジフルオロ-4-(1-ピロリジニル))-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(1-ピロリジニル))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(3,5-ジフルオロ-4-(1-ピロリジニル))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物19)を得た。mp>250℃。
【0114】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.57(s,1H),7.44(s,1H),7.21(s,1H),6.90−6.84(m,2H),6.24(d,J=1.6Hz,2H),5.37(t,J=11.8Hz,2H),5.01(d,J=1.9Hz,2H),3.27(d,J=17.6Hz,6H),2.82−2.76(m,2H),1.89−1.77(m,6H),0.86(t,J=7.3Hz,3H).
【0115】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.96,157.24,156.21,154.35,151.28,150.54,149.60,149.38,147.53,146.68,141.96,133.30,128.01,124.67,124.47,118.38,113.03,112.84,105.79,103.02,99.99,96.49,72.76,65.67,51.29,49.92,33.83,31.45,30.66,25.45,8.17.
【0116】
実施例16 20(S)-7-(4-(4-チオモルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物20)の調製
実施例1のステップ(1)中のシンナムアルデヒドを4-(4-チオモルホリン)-ベンズアルデヒドに置き換え、他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じであり、20(S)-7-(4-(4-チオモルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを調製することができ、次に酢酸エチルで触媒量のパラジウム炭素を加え、水素バルーンで水素ガスを供給し、室温で10時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、ろ液を回転蒸発により濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=10:1)で精製し、白色の粉末20(S)-7-(4-(4-チオモルホリン))フェネチル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物20)を得た。mp 154〜156℃。
【0117】
1H NMR(600MHz,DMSO-d
6)δ 7.63(s,1H),7.49(s,1H),7.20(s,1H),6.81(d,J=8.6Hz,2H),6.67(d,J=8.6Hz,2H),6.28(d,J=2.9Hz,2H),5.42−5.32(m,2H),4.58(q,J=18.2Hz,2H),3.44(d,J=4.9Hz,4H),3.30(d,J=8.0Hz,2H),2.90−2.84(m,2H),2.46(d,J=2.8Hz,4H),1.87−1.76(m,2H),0.85(t,J=7.4Hz,3H).
【0118】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.95,157.07,151.28,150.32,149.38,149.27,148.52,147.53,146.56,142.26,130.65,130.02,128.72,124.71,118.41,115.97,105.92,103.03,99.97,99.17,96.39,72.72,65.75,51.24,49.80,34.40,32.43,30.65,24.72,8.19.
【0119】
化合物21-42の概略合成経路は次の通りである:
【化29】
【0120】
実施例17 20(S)-7-(ピリジン-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物21)の調製
ステップ(1)実施例1のステップ(1)で得られた中間体Cを、実施例1のステップ(2)の方法に従って直接縮合環化反応に供し、次にピリジンおよびDMAPの存在下で無水酢酸とともにヒドロキシル基を保護し、中間体Eを得た。他の原料、試薬、調製方法は実施例1のステップ(1)および(2)と同じである。
【0121】
ステップ(2)20(S)-O-アセチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(0.24g,0.55mmol)、および氷酢酸(20ml)を50mlナス型フラスコに加え、攪拌しながら30%過酸化水素溶液(3.2ml,28mmol)を加え、75℃で3時間反応した後、反応溶液を濃縮し蒸発乾固させて、黄色の粉末中間体Fを得た。210mg、収率85%、
【0122】
ステップ(3)前のステップで得られた固体中間体F(0.21g,0.47mmol)とDMF(20ml)を50mlナス型フラスコに加え、溶液を0℃まで冷却し、臭化オキサリル(0.1ml,1.1mmol)を加え、15℃で3時間反応した後、反応溶液を氷水(50ml)に注ぎ、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥させた。ろ液を濃縮し、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1.0g/100.0mL、2ml)を加え、室温で2時間反応させたところ、TLCにより反応が完了したことが検出された。1Mの塩酸を加え、pHを2に調整し、30分攪拌し、減圧下で有機溶媒を蒸発乾固させ、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)を行って、0.16gの黄色の固体中間体Gを得た。0.16g、収率75%。mp>250℃。
【0123】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.14(s,1H),7.89(s,1H),7.71(s,1H),6.47(s,2H),5.93(d,J=17.2Hz,1H),5.72(s,2H),5.59(d,J=17.1Hz,1H),2.16(q,J=7.4Hz,2H),1.15(t,J=7.4Hz,3H).
【0124】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.01,158.41,153.96,151.23,139.54,139.37,138.51,138.21,131.56,128.70,125.52,122.45,109.98,105.38,102.83,97.44,73.68,66.17,53.26,31.09,5.76.
【0125】
ステップ(4)20(S)-7-ブロモ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(G)(37.6mg、0.08mmol)、4-ピリジンホウ酸(20mg、0.16mmol)およびフッ化セシウム(25mg、0.16mmol)を25mLの二首フラスコに加え、窒素の供給・放出を3回行った後テトラトリフェニルホスフィンパラジウム(9.2mg、8×10
-3mmol)を加えて、次にジオキサン、エタノールおよび水(9.2mL、1.9mL、3.2mL)を順次加え、窒素の供給・放出を6回行った後、105℃まで加熱し、6時間マイクロ波反応した。TLCにより反応が完了したことが検出された後、回転蒸発により溶媒を濃縮し除去して、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)を行って、19mg褐色の固体20(S)-7-(ピリジン-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物21)を得た。収率50.3%。mp>250℃。
【0126】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 9.32(s,2H),8.48(dd,J=13.7,5.3Hz,2H),8.22(s,1H),7.84(d,J=11.1Hz,1H),7.13(d,J=6.5Hz,1H),6.45(s,2H),5.87(d,J=17.5Hz,1H),5.56(t,J=14.9Hz,3H),2.19−2.10(m,2H),1.13(dd,J=16.1,8.7Hz,3H).
【0127】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 175.93,162.76,160.89,158.41,154.08,151.76,151.25,144.14,143.34,141.25,139.92,138.84,128.06,126.43,124.82,114.19,105.68,104.70,100.41,97.95,73.62,66.04,51.11,31.06,5.67.
【0128】
実施例18 20(S)-7-(3-ピリジン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物22)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を3-ピリジンホウ酸に置き換え、黄色の粉末状固体23mgを得た。収率62%。mp 245〜246℃。
【0129】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 9.39(d,J=23.3Hz,1H),9.26(d,J=5.8Hz,1H),8.98(dd,J=14.9,8.0Hz,1H),8.51(t,J=7.1Hz,1H),8.18(s,1H),7.80(d,J=4.7Hz,1H),7.13(d,J=2.4Hz,1H),6.42(d,J=5.7Hz,2H),5.85(d,J=17.3Hz,1H),5.58−5.49(m,3H),2.12(d,J=7.6Hz,2H),1.12(t,J=7.3Hz,3H).
【0130】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 175.96,158.35,157.70,154.05,151.22,147.63,143.39,142.60,141.88,141.12,139.87,138.95,133.06,128.98,127.58,122.52,109.99,105.65,104.68,100.55,97.86,73.66,66.09,31.07,18.44,5.67.
【0131】
実施例19 20(S)-7-(3-フラン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物23)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を3-フランホウ酸に置き換え、黄色の粉末状固体化合物23 22mgを得た。収率62%。mp 246〜247℃。
【0132】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.14(s,1H),8.07(s,1H),7.85(s,1H),7.77(s,1H),7.69(d,J=12.2Hz,1H),6.88(s,1H),6.42(d,J=24.8Hz,2H),5.89(d,J=16.6Hz,1H),5.61(dd,J=50.1,25.2Hz,3H),2.13(s,2H),1.13(s,3H).
【0133】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.07,157.97,157.61,152.85,151.26,145.88,144.05,140.68,140.07,139.79,139.13,128.06,127.08,109.47,105.36,104.93,103.85,102.25,97.47,97.24,73.74,66.15,52.07,31.01,5.71.
【0134】
実施例20 20(S)-7-(3-チオフェン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物24)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を3-チオフェンホウ酸に置き換え、他の原料、試薬は同じである。mp 237〜238℃。
【0135】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.15(s,1H),7.91(s,1H),7.84(s,1H),7.69(s,1H),7.63(s,1H),7.45(d,J=4.6Hz,1H),6.40(s,2H),5.90(d,J=17.1Hz,1H),5.56(d,J=15.6Hz,2H),2.15(q,J=7.2Hz,2H),1.14(t,J=7.3Hz,3H).
【0136】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.08,157.58,152.77,151.24,149.15,140.04,139.83,139.33,131.51,128.93,128.64,128.31,127.41,126.44,121.64,109.99,104.88,103.77,102.55,97.08,73.74,66.14,51.89,30.98,5.68.
【0137】
実施例21 20(S)-7-(4-(1-メチルピラゾール))-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物25)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を4-(1-メチルピラゾール)-ホウ酸に置き換え、他の原料、試薬は同じである。 mp 237〜238℃。
【0138】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.76(s,1H),8.70(s,1H),8.17(s,1H),7.75(s,1H),7.59(s,1H),6.45(s,2H),5.91(d,J=17.2Hz,1H),5.72(d,J=3.1Hz,2H),5.57(d,J=17.1Hz,1H),4.50(s,3H),2.16(q,J=7.3Hz,2H),1.15(t,J=7.3Hz,3H).
【0139】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.02,158.09,157.73,153.71,151.21,140.58,139.68,139.52,139.23,136.11,135.92,129.22,127.27,122.20,109.99,105.41,104.17,101.01,97.61,73.68,66.09,51.85,38.46,31.03,5.67.
【0140】
実施例22 20(S)-7-(2-チオフェン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物26)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を2-チオフェン-ホウ酸に置き換え、他の原料、試薬は同じである。mp 240〜241℃。
【0141】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.15(s,1H),7.99(d,J=5.0Hz,1H),7.87(s,1H),7.69(d,J=4.2Hz,2H),7.51(t,J=4.1Hz,1H),6.42(s,2H),5.91(d,J=17.0Hz,1H),5.68(s,2H),5.57(d,J=17.0Hz,1H),2.16(q,J=7.3Hz,2H),1.15(t,J=7.3Hz,3H).
【0142】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.08,157.57,153.02,151.24,146.96,140.00,139.77,139.42,132.81,132.01,131.02,128.78,128.19,127.21,121.69,109.99,104.97,103.75,102.77,97.17,73.75,66.15,52.35,30.99,5.68.
【0143】
実施例23 20(S)-7-(2-フラン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物27)の調製
調製および精製方法は化合物21と同じであり、実施例17のステップ(4)の4-ピリジンホウ酸を2-フラン-ホウ酸に置き換え、他の原料、試薬は同じである。mp>250℃。
【0144】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.19(s,1H),8.12(d,J=15.7Hz,2H),7.71−7.67(m,1H),7.64(s,1H),7.00(s,1H),6.44(d,J=16.8Hz,2H),5.93(d,J=23.4Hz,3H),5.59(d,J=16.9Hz,1H),2.16(d,J=7.2Hz,2H),1.15(t,J=7.1Hz,3H).
【0145】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.08,157.58,152.77,151.24,149.15,140.04,139.83,139.33,131.51,128.93,128.64,128.31,127.41,126.44,121.64,110.80,104.88,103.77,102.55,97.08,73.74,66.14,51.89,30.98,5.68.
【0146】
化合物43-46の概略合成経路は次の通りである:
【化30】
【0147】
実施例24 20(S)-7-モルホリニル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物43)の調製
実施例17のステップ(1)、(2)、(3)で調製された中間体G 20(S)-7-ブロモ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(37.6mg、0.08mmol)、モルホリン(1mL)および炭酸セシウム(52mg、0.16mmol)を25mL二首フラスコに加え、1,4-ジオキサン(15mL)を加えて、窒素雰囲気下で、85℃まで加熱し、一晩で攪拌し反応した。TLCにより反応が完了したことが検出された後、回転蒸発により溶媒を濃縮し除去して、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)を行って、19mg褐色の固体化合物43を得た。収率50.3%。mp>250℃。
【0148】
1H NMR(500MHz,CF
3COOD)δ 8.14(s,1H),7.89(s,1H),7.71(s,1H),6.47(s,2H),5.93(d,J=17.2Hz,1H),5.72(s,2H),5.59(d,J=17.1Hz,1H),3.37−3.26(m,2H),2.87(s,6H)、2.16(q,J=7.4Hz,2H),1.15(t,J=7.4Hz,3H).
【0149】
13C NMR(125MHz,CF
3COOD)δ 176.01,158.41,153.96,151.23,139.54,139.37,138.51,138.21,131.56,128.70,125.52,122.45,109.98,105.38,102.83,97.44,73.68,66.17,53.26,35.56,31.96,31.09,30.61,5.76.
【0150】
化合物47-50の概略合成経路は次の通りである:
【化31】
【0151】
実施例25 20(S)-7-モルホリンメチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物47)の調製
ステップ(1)中間体20(S)-7-クロロメチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(H)の調製
【0152】
実施例17のステップ(1)、(2)で調製された中間体F(37.6mg、0.06mmol)を25mL二首フラスコに加え、氷浴下で氷酢酸(1mL)を加え、十分に攪拌して溶解した後、2-クロロアセトアルデヒド(0.5mL)を加え、室温で一晩攪拌し反応した。TLCにより反応が完了したことが検出された後、回転蒸発により溶媒を濃縮し除去して、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)を行って、21mg黄色の固体中間体Hを得た。収率60.3%。mp>250℃。
【0153】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 8.45(s,1H),7.49(s,2H),7.24(s,1H),6.47(s,1H),6.27(s,2H),5.39(d,J=16.5Hz,2H),5.20(s,2H),4.52(s,2H),1.90−1.79(m,2H),0.91−0.81(m,3H).
【0154】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.98,157.28,151.78,150.50,150.41,149.09,147.03,146.37,130.60,128.88,126.06,118.54,105.29,103.56,103.03,96.34,72.85,65.69,62.21,50.63,30.68,8.23.
【0155】
ステップ(2)上記ステップ(1)で調製された中間体H(26.4mg、0.08mmol)を25mL二首フラスコに加え、室温でモルホリン(3mL)およびDMF(10mL)を順次加え、室温で一晩攪拌し反応した。TLCにより反応が完了したことが検出された後、回転蒸発により溶媒を濃縮し除去して、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1)を行って、13mg黄色の固体化合物47を得た。収率33.3%。mp>250℃。
【0156】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 8.45(s,1H),7.49(s,2H),7.24(s,1H),6.47(s,1H),6.27(s,2H),5.39(d,J=16.5Hz,2H),5.20(s,2H),4.52(s,2H),3.37−3.26(m,2H),2.87(s,6H)、1.90−1.79(m,2H),0.91−0.81(m,3H).
【0157】
13C NMR(125MHz,DMSO)δ 172.98,157.28,151.78,150.50,150.41,149.09,147.03,146.37,130.60,128.88,126.06,118.54,105.29,103.56,103.03,96.34,72.85,65.69,62.21,50.63,35.56,31.96,31.09,30.68,30.61,8.23.
【0158】
化合物51-54の概略合成経路は次の通りである:
【化32】
【0159】
実施例26 20(S)-7-モルホリンエチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物51)の調製
ステップ(1)中間体6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシモルホリンエチルベンゾフェノンの調製
【0160】
実施例1で調製された中間体C(7.6g,37.3mmol)を適切な量のN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF-DMA)に溶解し、110℃で2時間加熱還流した後、反応溶液を室温まで冷却し、n-ヘキサンを加え、黄色の固体を沈殿させ、吸引濾過し、固体9.4gを得た。収率95%、上記の固体(9.4g,35.6mmol)をジオキサン(60ml)に溶解し、モルホリン(3.6ml,36mmol)を加え、6時間加熱還流した後、反応溶液を減圧下で濃縮して黄色の油性液体を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)で分離し、濃縮した後淡黄色の固体8.7gを得た。収率80%、上記の固体(8.0g,26.1mmol)を氷酢酸(20ml)に溶解し、反応溶液を0℃まで冷却し、ホウ水素化ナトリウム(493.1mg,13.1mmol)を加え3時間攪拌し、反応溶液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル=1:2)で精製し、濃縮した後淡黄色の固体中間体6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシモルホリンエチルベンゾフェノン5.6gを得た。収率70%。
【0161】
1H NMR(500MHz,DMSO)δ 7.34(s,2H),7.24(s,1H),6.29(s,1H),5.92(s,2H),3.57−3.50(m,2H),2.94(t,J=7.4Hz,2H),2.57(t,J=7.3Hz,2H),2.37(s,4H).
【0162】
ステップ(2)化合物5′(S)-1,5-ジオキソ-(5′-エチル-5′-ヒドロキシ-2′H,5′H,6′H-6-オキソピラン)-[3′,4′,f]-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン M(200mg,0.76mmol)を250mlナス型フラスコに加え、無水トルエン(70ml)に溶解し、上記調製された6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシモルホリンエチルベンゾフェノン(0.38g,1.37mmol)、p-トルエンスルホン酸(26.2mg,0.15mmol)をさらに加え、窒素保護下で110℃で24時間還流反応し、室温まで冷却し、回転蒸発により溶媒を濃縮し除去して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=97:3)で精製し、淡黄色の粉末状固体化合物51 0.15gを得た。収率40%。mp>250℃。
【0163】
1H NMR(CF
3COOD,600MHz)δ:7.26(s,1H),6.98(s,1H),6.74(s,1H),5.9(s,2H),4.76(d,1H),4.74(d,1H),4.22(s,2H),3.67(m,4H),2.69(d,2H),2.65(d,2H),2.37(d,4H),1.87(m,2H),0.96(t,3H).
【0164】
13C NMR(CF
3COOD,150MHz)δ:178.6,159.4,157.7,156.9,151.7,149.4,145.8,141.4,139.2,126.2,123.5,120.9,108.3,102.2,101.5,101.4,73.0,66.8,58.1,55.5,53.7,45.6,30.2,28.5,28.4,26.2,5.6.
【0165】
実施例27 20(S)-7-チオモルホリンエチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物54)の調製
調製および精製方法は化合物51と同じであり、実施例24のステップ(1)のモルホリンをチオモルホリンに置き換え、他の原料、試薬は同じであり、6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシチオモルホリンエチルベンゾフェノンを調製した。さらに、実施例24のステップ(2)と同じ方法によって20(S)-7-チオモルホリンエチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物54)を調製した。mp>250℃。
【0166】
1H NMR(CF
3COOD,600MHz)δ:7.26(s,1H),6.98(s,1H),6.74(s,1H),5.9(s,2H),4.76(d,1H),4.74(d,1H),4.22(s,2H),2.73(m,4H),2.69(d,2H),2.65(d,2H),2.54(d,4H),1.87(m,2H),0.96(t,3H).
【0167】
13C NMR(CF
3COOD,150MHz)δ:172.6,159.4,157.7,156.9,151.7,149.4,145.8,141.4,139.2,126.2,123.5,120.9,108.3,102.2,101.5,101.4,73.0,65.1,58.3,58.1,55.5,45.6,30.2,28.5,28.4,26.2,5.6.
【0168】
実施例28 20(S)-7-ピペリジンエチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物52)、20(S)-7-((2-メチル)-ピペリジン)-エチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物53)の調製
調製および精製方法は化合物51と同じであり、実施例24のステップ(1)のモルホリンをピペリジンに置き換え、他の原料、試薬は同じであり、6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシピペリジンエチルベンゾフェノンを調製した。さらに、実施例24のステップ(2)とおなじ方法によって20(S)-7-ピペリジンエチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物52)を調製した。
【0169】
調製および精製方法は化合物51と同じであり、実施例24のステップ(1)のモルホリンを2-メチルピペリジンに置き換え、他の原料、試薬は同じであり、6′-アミノ-3′,4′-メチレンジオキシ-((2-メチル)-ピペリジン)-エチルベンゾフェノンを調製した。さらに、実施例24のステップ(2)と同じ方法によって20(S)-7-((2-メチル)ピペリジン)-エチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物53)を調製した。
【0170】
7位に異なるトリアゾール置換基が導入された10,11-メチレンジオキシカンプトテシン誘導体の概略合成経路は次の通りである:
【化33】
【0171】
実施例29 20(S)-7-(1-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(化合物55)の調製
ステップ(1)中間体20(S)-O-アセチル-7-エチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(K)の調製
実施例17のステップ(1)、(2)、(3)で調製された中間体G、20(S)-7-ブロモ-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを原料として、まず無水酢酸と反応してヒドロキシル基を保護し、次に酢酸パラジウム、rac-BINAPおよび炭酸カリウムの存在下で、窒素保護下で、脱気したトリメチルシリルアセチレンに溶解したトルエン溶液を加え、反応混合液を100℃まで加熱し、9時間反応した。反応が完了した後、反応溶液を濃縮し蒸発乾固させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=30:1)で精製し、濃縮した後固体20(S)-O-アセチル-7-(2-トリメチルシリルアセチレン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンを得た。収率65%、三首フラスコに上記合成された固体20(S)-O-アセチル-7-(2-トリメチルシリルアセチレン)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(0.35g,0.66mmol)、フッ化カリウム(77mg,1.32mmol)および無水メタノール(25ml)を加え、室温で12時間攪拌し反応した。反応が完了した後、反応溶液を減圧下で濃縮した後適切な量の水を加え、クロロホルムで3回抽出し、有機相を合わせ、無水硫酸マグネシウムで有機相を乾燥した。有機相を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=30:1)で精製し、濃縮した後黄色の固体中間体K、0.24gを得た。収率80%。
【0172】
1H NMR(CF
3COOD,600MHz)δ:7.29(s,1H),6.88(s,1H),6.74(s,1H),5.90(s,2H),4.76(d,1H),4.74(d,1H),4.22(s,2H),3.06(s,1H),2.04(d,1H),1.96(m,2H),0.96(t,3H).
13C NMR(CF
3COOD,150MHz)δ:172.5,170.3,159.7,157.3,157.0,150.7,149.9,145.5,141.0,130.6,129.1,126.8,120.0,108.1,106.3,101.6,101.2,76.0,73.5,69.7,65.5,43.8,27.0,21.1,5.8.
【0173】
ステップ(2) 20(S)-7-(1-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシンの調製
20(S)-O-アセチル-7-エチル-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(0.24g,0.52mmol)、t−ブタノール(10ml)および水(10ml)を50mlナス型フラスコに加え、攪拌しながらアジド1-ブチル(0.10g,1.04mmol)、硫酸銅溶液(10mmol/L,0.005mmol)およびアスコルビン酸ナトリウム(0.02g,0.1mmol)を加えた。反応溶液を60℃までゆっくりと加熱し、6時間反応した。反応が完了した後、反応溶液を氷水に流し込み、クロロホルムで抽出した。有機相を合わせ、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥した有機相を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=30:1)で精製し、濃縮した後黄色の固体0.23gを得た。収率80%。20(S)-O-アセチル-7-(1-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン(0.23g,0.41mmol)およびメタノール(20ml)を50mlナス型フラスコに順次加え、攪拌しながらナトリウムメトキシド(0.05g、0.84mmol)を加え、室温で3時間攪拌反応した。反応が完了した後、反応溶液をpH=7.0に調整し、反応溶液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:アセトン=30:1)で精製し、濃縮した後黄色の固体20(S)-7-(1-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-10,11-メチレンジオキシカンプトテシン0.18gを得た。収率85%。
【0174】
1H NMR(CF
3COOD,600MHz)δ:7.6(s,1H),7.29(s,1H),6.88(s,1H),6.74(s,1H),5.90(s,2H),4.76(d,1H),4.74(d,1H),4.22(s,2H),3.73(t,2H),1.87(m,2H),1.77(m,2H),1.33(m,2H),0.98(t,2H),0.96(t,3H).
【0175】
13C NMR(CF
3COOD,150MHz)δ:172.5,159.7,157.3,157.0,151.6,149.9,146.3,145.5,141.9,141.0,130.4,124.0,120.0,119.1,108.1,106.3,101.6,101.2,73.5,65.8,52.2,44.6,30.6,30.3,30.3,20.3,13.8,5.8.
【0176】
実施例30 本発明に関与する重要な中間体Mの合成
中間体Mの概略合成経路は次の通りである:
【化34】
【0177】
試薬と反応条件:(g)CO(OEt)
2,t-BuOK,THF、(h)C
2H
5Br,K
2CO
3,CH
3CN、(i)H
2,Raney Ni,HOAC,Ac
2O、(j)NaNO
2,0℃、(k)CCl
4,reflux、(l)1)O
2,Raney Ni ,CuCl,2)H
2SO
4、(m)CuCl,CH
2Cl
2、(n)KOH,CH
3OH、(o)CF
3COOH,r.t.
【0178】
一言で言えば、中間体M6はカリウムtert-ブトキシドの作用下で炭酸ジエチルと反応して、中間体M7を得、中間体M7はブロモエタンと反応して中間体M8を得、中間体M8は高圧下でラネーニッケルと接触水素化して中間体M9を得、中間体M9は亜硝酸ナトリウムと反応して中間体M10を得、中間体M10は四塩化炭素で還流し再配列して中間体M11を得、中間体M11は酸素で酸化されて中間体M12を得、中間体M12はキラル化合物であり、キラルイソシアナート誘導体化法を使用してキラル分解し、中間体M12は塩化第一銅触媒下でキラルイソシアナートと反応して2つのジアステレオ異性体13Rおよび13Sを得、カラムクロマトグラフィーで両者を分離・精製し、中間体13Sはアルカリ性条件下で加水分解して中間体M14を得、中間体14はトリフルオロ酢酸条件下での脱保護により立体特異的三環式中間体M(すなわち本発明の上記の中間体M)を得た。具体的な合成ステップは以下の通りである:
【0179】
ステップ(1):6-シアノ-1,1-エチレンジオキシ-7-エトキシカルボニルメチル-5-オキソ-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M7)の調製
M6(20g,86mmol)を無水テトラヒドロフラン(120ml)に溶解し、室温でカリウムtert-ブトキシド(43.43g,387mmol)を加え、攪拌しながら炭酸ジエチル(40.6g,344mmol)をゆっくりと滴下し、加熱還流され5時間反応し、室温まで冷却し、氷酢酸(5ml)を加え反応をクエンチし、濃縮して暗褐色の固体を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(ジクロロメタン:酢酸エチル=6:1)、白色の固体23.65gを得た。収率90%、mp 172〜173℃。
【0180】
ステップ(2):6-シアノ-1,1-エチレンジオキシ-7-(1′-エトキシカルボニル)プロピル-5-オキソ-Δ6(中間体8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M8)の調製
【化35】
【0181】
上記合成されたM7(20.00g,65.64mmol)をアセトニトリル(300ml)に溶解し、炭酸カリウム(24.00g,172mmol)およびブロモエタン(17.58g,162mmol)を順次加え、85℃で3時間還流反応し、室温まで冷却し、濾過で無機塩を除去し、濾過残留物をアセトニトリルで3回洗浄し、ろ液を回転蒸発により濃縮して黄土色の固体21.82gを得た。収率95%。
【0182】
ステップ(3):6-アセトキシメチル-1,1-エチレンジオキシ-7-(1′-エトキシカルボニル)プロピル-5-オキソ-[3′,4′,f]-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M11)の調製
【化36】
【0183】
中間体M8(12.00g,36.1mmol)を無水酢酸(150mL)と氷酢酸(50mL)の混合溶液に溶解し、ラネーニッケル(6g)を加え、水素ガスを4×10
5Paまで供給し、45℃で6時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、濾過残留物を氷酢酸で3回洗浄し、ろ液を濃縮して黄色油性液体を得、無水酢酸(150mL)および氷酢酸(50mL)を加え、氷浴下で亜硝酸ナトリウム(13.0g,188mmol)を加え、2時間攪拌し、吸引濾過により無機塩を除去し、濾過残留物を氷酢酸で3回洗浄し、ろ液を回転蒸発により濃縮して黄色油性液体を得、四塩化炭素(200ml)を加え、12時間還流反応し、室温まで冷却し、蒸留水、飽和塩水で3回洗浄し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過濃縮して黄色油性液体16.2gを得た。収率80%。
【0184】
ステップ(4):1,1-エチレンジオキシ-5-オキソ-(5′-エチル-5′-ヒドロキシ-2′H,5′H,6′H-6-オキソピラン)-[3′,4′,f]-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M12)の調製
【化37】
【0185】
Raney Ni(3.0g,51.1mmol)、塩化第一銅(0.2g,2mmol)および無水炭酸カリウム(8.0g,57.9mmol)を無水メタノール(300ml)に加え、室温で窒素ガスを供給し1時間バブリングし、中間体M11(21.0g,53mmol)を加え、酸素ガスを供給し6時間バブリングし反応して、触媒を濾過により除去し、有機相を濃縮して黄色油性液体を加え、蒸留水(200ml)を加え、1Nの希硫酸でPHを2〜3に調整し、ジクロロメタンで3回抽出し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=8:1)で精製し、濃縮した後白色の固体8gを得た。収率49%、mp 177〜179℃。
【0186】
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ:6.57(s,1H,Ar-H),5.16−5.63(m,2H,ArCH
2O),4.16(m,6H,OCH
2CH
2O,NCH
2),3.69(s,1H,OH),2.42(t,2H,NCH
2CH
2),1.81(m,2H,CH
2CH
3),0.98(t,3H,CH
3).
【0187】
ステップ(5):(4′S)-4′-エチル-3′,10′-ジオキソ-3′,4′,7′,8′-テトラヒドロスピロ[1,3-エチレンジオキシ-2,6′-1′H,6′H-ピラン[3,4,f]インドリジン]-4′-イルN-(1-フェニルエチル)カルバメート(中間体M13S)の調製
【化38】
【0188】
中間体M12(5.5g,17.90mmol)を無水ジクロロメタン(200ml)に溶解し、(R)-α-フェニルエチルイソシアナート(5.26g,35.80mmol)および塩化第一銅(3.54g,35.80mmol)を加え、室温で8時間攪拌反応し、触媒を濾過により除去し、濾過残留物をジクロロメタンで3回洗浄し、ろ液を順次蒸留水、飽和塩水で洗浄し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸マグネシウムで一晩乾燥し、濾過して、ろ液を濃縮した後黄色油性液体を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1)で分離し、2つのジアステレオマーM13RおよびM13Sを得た。
【0189】
化合物M13R 3.92gを得た。収率50%。[α]20D −9.36°(c 0.5、CHCl
3)、 MS(ESI):m/z,455.3 [M+H]
+.
【0190】
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ:7.30(m,5H,Ar-H),6.10(s,1H,Ar-H),5.23、5.55(s,2H,ArCH
2O),4.78(m,1H,ArCH),4.0-4.2(m,6H,OCH
2CH
2O,NCH
2),2.38(t,2H,NCH
2CH
2),1.95、2.13(s,2H,CH
2CH
3),1.52(d,3H,CHCH
3),0.95(t,3H,CH
3).
【0191】
化合物M13S 2.86gを得た。収率45%。[α]20D +139°(c 0.5、CHCl
3)、 MS(ESI):m/z,455.1 [M+H]
+.
【0192】
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ:7.31(m,5H,Ar-H),6.12(s,1H,Ar-H),5.20、5.55(s,2H,ArCH
2O),4.71(m,1H,ArCH),3.9-4.1(m,6H,OCH
2CH
2O,NCH
2),2.38(t,2H,NCH
2CH
2),1.98、2.17(s,2H,CH
2CH
3),1.55(d,3H,CHCH
3),0.95(t,3H,CH
3).
【0193】
ステップ(6):(5′S)-1,1-エチレンジオキシ-5-オキソ-(5′-エチル-5′-ヒドロキシ-2′H,5′H,6′H-6-オキソピラン)-[3′,4′-f]-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M14)の調製
【化39】
【0194】
水酸化カリウム(0.56g,9.9mmol)を化合物M13S(1.1g,2.4mmol)のメタノール(25ml)溶液に加え、67℃まで加熱し5時間攪拌反応し、反応溶液を1Mの希塩酸でpHを3〜4に調整し、濃縮して、ジクロロメタン(25ml)を加え、順次蒸留水、飽和塩水で3回洗浄し、有機相を合わせ、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1)で精製し、白色の固体0.58gを得た。収率80%。mp 163〜164℃、MS(ESI):m/z,308.4 [M+H]
+.
【0195】
ステップ(7):(5′S)-1,5-ジオキソ-(5′-エチル-5′-ヒドロキシ-2′H,5′H,6′H-6-オキソピラン)-[3′,4′,f]-Δ
6(8)-テトラヒドロインドリジン(中間体M)の調製
【化40】
【0196】
中間体M14(1.0g,3.26mmol)をトリフルオロ酢酸(30ml)に溶解し、室温で6時間攪拌反応し、回転蒸発により濃縮して暗褐色の油性液体を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1)で精製し、淡黄色の固体0.88gを得た。収率93%。mp 183〜185℃、 [α]20D +101°(c 0.5,CHCl
3)、 MS(ESI):m/z,264.3 [M+H]
+.
【0197】
1H NMR(CDCl
3,600MHz)δ:6.85(s,1H,Ar-H),5.34-5.42(ABq,2H,ArCH
2O),4.13(m,2H,NCH
2),2.89(t,2H,NCH
2CH
2),1.78(m,2H,CH
2CH
3),0.80(t,3H,CH
3).
【0198】
実施例31 本発明の化合物のインビトロ抗腫瘍活性試験
当業者に知られている方法を使用して、本発明の化合物の様々な腫瘍細胞株の増殖抑制情况を試験し、その抗腫瘍活性を示した。選択された腫瘍細胞株は、A549細胞(ヒト非小細胞肺癌細胞株)、K562細胞(ヒト慢性骨髄性白血病細胞)、NCI-H1975細胞(ヒト非小細胞肺腺癌細胞)、MDA-MB-231細胞(ヒト乳癌細胞)およびHCT-116細胞(ヒト結腸癌細胞)を含む。
【0199】
【表1】
【0200】
表1に示すように、本発明に係る化合物は市販されている薬物であるカンプトテシン誘導体トポテカンと比較して、ほとんどは良好な細胞抑制活性を示した。化合物3、11、16、20、42、43および51は、A549細胞に対して1−10nMの抑制IC
50を有し、化合物12、14、18、32、41および43は、A549細胞に対して10−50nMの抑制IC
50を有し、K562ヒト赤白血病細胞株と比較すると、試験された標的化合物は、A549ヒト肺腺癌細胞に対して良好な抑制活性を有し、本発明の化合物の抗腫瘍活性が選択的であることを示した。
【0201】
【表2】
【0202】
表2に示すように、本発明に係る化合物21−30は、3つの腫瘍細胞(NCI-H1975細胞、MDA-MB-231細胞およびHCT-116細胞)に対する活性は、すべてトポテカンよりも優れ、そのうち化合物26はNCI-H1975およびMDA-MB-231細胞株に対して最も強い細胞毒性活性を持っていた。化合物24はHCT-116細胞株に対して最も強い細胞毒性活性を持っていた。IC
50値から分かるように、HCT-116細胞株は化合物21−29化合物に対して最も敏感であった。
以上のインビトロ試験から分かるように、本発明の化合物は顕著な抗腫瘍活性を有し、癌を予防または治療する薬物を調製するために使用することができる。
【0203】
実施例32 本発明の化合物は、高分子相互作用実験を通じて、化合物とEGF、FGFの組み合わせが細胞増殖に影響を与えることを実証した。
【0204】
実験スキーム:
1、小分子をチップ上に固定し、化合物は
【表2-1】
移動サンプル:EGF(1μM)、FGF(1μM)、HSP90(100nM)、FKBP12(100nM)
陽性対照:RAPAと FKBP12
【0205】
2、テスト指標
提供された小分子化合物が熱ショックタンパク質HSP90、上皮成長因子EGFおよび線維芽細胞成長因子FGFと結合されているかどうかを検出し、結合動態に関連するデータを提供する。
【0206】
3、テスト結果
【表3】
【0207】
表3に示すように、高分子相互作用装置の検出を通じて、測定されたサンプルは熱ショックタンパク質Hsp90に結合しなかった。化合物3、7、51、21はEGFに結合し、化合物6、7、51、52および21はFGFに結合し、これらの化合物は細胞増殖関連するタンパク質に結合できるのは、化合物が線維芽細胞成長因子(FGFs)、上皮成長因子(EGF)との結合を介して腫瘍細胞の増殖を抑制し影響を与え、これらの2つのタンパク質を標的とした。したがって、本発明の化合物は、FGFまたはEGF阻害剤として使用されることが期待される。
【0208】
実施例33 インビボ抗腫瘍活性試験
本発明者は、当該技術分野で知られている技術を使用して、インビボでの化合物の抗腫瘍活性を、昆明マウス移植腫瘍モデルで試験した。試験の移植腫瘍モデルはA549(肺癌)移植腫瘍モデルおよびRM-1(前立腺癌)移植腫瘍モデルを含む。本発明の化合物は腹腔内注射により投与され、低濃度(9mg/kg)でも腫瘍増殖を効果的に抑制でき(阻害率70%以上)、同時にマウスに対する毒性が小さく、薬物となる可能性がある。
【0209】
本発明の化合物11、15、23および51はトポテカンよりも優れた抗腫瘍活性を有し、薬物となる可能性がある。
【0210】
実施例34 化合物23のインビボ抗腫瘍活性試験
本発明者は、当該技術分野で知られている技術を使用して、マウス移植腫瘍モデルを通じて、本発明の化合物23のインビボ抗腫瘍活性を試験した。
【0211】
試験方法は次の通りである:
マウス結腸癌細胞株HCT‐116を液体窒素で蘇生し、10%ウシ胎児血清を含む5A培地で培養し、培養フラスコで細胞を増殖させ、必要な細胞容量に達した後、消化して細胞を回収した。10%ウシ胎児血清を含む5A培地で25000万/mlの細胞懸濁液に希釈し、一般的な消毒後、1匹約0.1mlごとBALB/c‐nuマウスの右前肢脇の下の皮下に接種した。腫瘍が約1gの組織塊に増殖したら、約1mm角の腫瘍塊に切り、カテーテル法を用いて皮下に移植し、移植後6日目に薬物を投与し始めた。マウスを腫瘍体積で、溶媒対照組、イリノテカン組(6mg/kg)、5‐フルオロウラシル組(20mg/kg)、化合物23低用量組(2.5mg/kg)および高用量組(5mg/kg)のようにランダムに7組に分けた。化合物23低用量組および高用量組では、それぞれ胃内に週1回投与し、イリノテカン組、5‐フルオロウラシル組では、それぞれ3日に1回静脈内投与し、週3回マウスの体重変化および腫瘍体積の大きさを記録した。
【0212】
結果の観察:
BALB/c‐nuマウスにHCT‐116腫瘍塊を皮下接種した後、腫瘍体積が1.01±0.65mm
3に達し、ランダムに各組に投与した。23日目に、溶媒対照組の腫瘍組織が771.70±101.05mm
3に増殖し、すべてのマウスを犠牲にし、腫瘍組織を剥がし、−80℃で保存した。
【0213】
図2に示すように、投与日数を横軸とし、腫瘍体積の増殖曲線を描いた。溶媒対照組および陽性薬物組と比較すると、化合物23の低用量および高用量投与の両方は、マウスHCT‐116移植腫瘍の増殖を顕著に抑制でき、23日投与した後、阻害率はそれぞれ95.45%および87.04%であった(表4)。
【0214】
【表4】
注:*p<0.01vs溶媒対照組:aは投与23日後のデータに基づいて算出される。
【0215】
投与日数を横軸とし、マウス体重変化曲線を描き、結果が
図3に示される。溶媒対照組ではマウス体重が徐々に増加した。
【0216】
化合物23の投与後、高、低用量組では、マウス体重が減少し、10日後に徐々に回復したが、対照組マウス体重よりも低く、一定の毒性と副作用があることを示唆し、わずかな毒性の副作用は、カンプトテシン化合物に共通の問題である。