(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-526977(P2021-526977A)
(43)【公表日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】マイクロ静電モータおよび微小機械力伝達デバイス
(51)【国際特許分類】
B81B 5/00 20060101AFI20210913BHJP
H02N 1/00 20060101ALI20210913BHJP
B81C 1/00 20060101ALI20210913BHJP
F16H 1/06 20060101ALI20210913BHJP
【FI】
B81B5/00
H02N1/00
B81C1/00
F16H1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2020-567755(P2020-567755)
(86)(22)【出願日】2019年6月5日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月18日
(86)【国際出願番号】US2019035517
(87)【国際公開番号】WO2019236667
(87)【国際公開日】20191212
(31)【優先権主張番号】62/681,725
(32)【優先日】2018年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/681,715
(32)【優先日】2018年6月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/418,109
(32)【優先日】2019年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/418,254
(32)【優先日】2019年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】319007583
【氏名又は名称】エンサイト エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マーシュ, スティーブン アラン
【テーマコード(参考)】
3C081
3J009
【Fターム(参考)】
3C081AA18
3C081BA29
3C081BA51
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3J009EA11
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3J009FA14
(57)【要約】
第1のチャンバおよび少なくとも1つのギヤ要素を画定する第1の本体フレームを有する第1の本体を含む力伝達デバイスが、開示される。ギヤ要素は、中心ギヤ要素領域を有する。第1の膜が、第1の本体フレームの表面に貼り付けられ、膜は、チャンバを覆い、ギヤ要素の中心ギヤ要素領域に貼り付けられる膜の中心領域を囲む環状開口を有する。開示される力伝達デバイスは、車軸またはシャフトベースであり得る。第1および第2の面を有するモータ本体を含むマイクロ静電モータも、開示され、モータ本体は、チャンバと中心領域を有するロータとを画定する。膜が、モータ本体の第1の面を覆って配置され、膜は、間隙によって電気的に絶縁された間隔を置かれた電極の対を支持し、膜は、ロータの中心領域に結合される膜の中心領域を画定する環状開口を有する。力伝達デバイスは、静電モータによって駆動されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小機械力伝達デバイスであって、前記微小機械力伝達デバイスは、
本体フレームを備えている本体であって、前記本体フレームは、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ要素を画定し、前記ギヤ要素は、中心領域を備えている、本体と、
前記本体フレームの表面に貼り付けられた膜と
を備え、
前記膜は、前記チャンバを覆い、前記膜は、前記中心領域の上の前記膜の領域内に環状開口を有し、前記環状開口は、前記膜の中心領域を画定し、前記膜のその中心領域は、前記ギヤ要素の前記中心領域に貼り付けられている、微小機械力伝達デバイス。
【請求項2】
少なくとも1つのギヤ要素は、シャフトに接続されている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項3】
前記シャフトは、前記環状開口によって囲まれた前記膜層の部分によって提供されている、請求項2に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項4】
少なくとも1つのギヤ要素は、車軸の周りに配置されている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項5】
前記中心領域は、前記少なくとも1つのギヤ要素から物理的に間隔を置かれ、その中心領域が、車軸を提供している、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項6】
前記中心領域の上の前記環状開口は、第1の環状開口であり、前記膜は、前記第1の環状開口から間隔を置かれた前記膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、前記第1および第2の環状開口は、前記車軸を提供するために、前記ギヤ要素の前記中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた前記膜の領域を画定する、請求項5に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項7】
前記膜の反対側の表面に貼り付けられたギヤ支持層をさらに備えている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項8】
前記ギヤ支持層は、本体フレームを備えている第2の本体をさらに備え、前記本体フレームは、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ支持要素を画定し、前記ギヤ支持要素は、前記ギヤの特徴にサイズおよび範囲において対応する特徴を有する、請求項7に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項9】
前記ギヤ本体に貼り付けられた第2の膜をさらに備え、前記第2の膜は、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域の上の前記第2の膜の領域内に第1の環状開口を有し、前記環状開口は、前記第2の膜の中心領域を画定し、前記第2の膜の前記中心領域は、前記第2の膜上にシャフトを提供するために、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域に貼り付けられている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項10】
前記ギヤ本体に貼り付けられた第2の膜をさらに備え、前記第2の膜は、前記少なくとも1つのギヤ要素の中心領域の上の前記第2の膜の領域内に第1の環状開口を有し、前記環状開口は、前記第2の膜の中心領域を画定し、前記第2の膜の前記中心領域は、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域に貼り付けられ、前記第2の膜の前記中心領域は、前記第1の環状開口から間隔を置かれた前記第2の膜の領域内に第2の環状開口を有し、前記第1および第2の環状開口は、前記ギヤ要素の前記中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた前記第2の膜の領域を画定する、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項11】
前記膜は、第1の膜であり、前記微小機械力伝達デバイスは、前記本体フレームの反対側の表面に貼り付けられた第2の膜層をさらに備えている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項12】
前記本体フレーム内に画定される前記チャンバ内の第2のギヤ要素をさらに備え、前記第2のギヤ要素は、前記本体フレーム内の前記第1のギヤ要素と噛み合わせられている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項13】
前記本体フレーム、前記膜、および前記ギヤ要素は、それぞれ、第1の本体フレーム、第1の膜、および第1のギヤ要素であり、前記デバイスは、
チャンバおよび第2のギヤ要素を画定する第2の本体フレームを画定する第2の本体と、
前記チャンバを覆っている前記第2の本体の第1の表面上の第2の膜と
をさらに備えている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項14】
前記ギヤ要素は、第1のギヤ要素であり、前記デバイスは、第2のギヤ要素をさらに備え、前記第1のギヤおよび前記第2のギヤ要素の各々は、前記本体フレームと同一の材料から成り、前記第1および第2のギヤ要素の各々は、ギヤ歯を有し、前記第1のギヤ要素のギヤ歯は、前記第2のギヤ要素のギヤ歯と噛み合わせられている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項15】
前記第1および第2のギヤは、第1の本体層内にあり、各々は、車軸の周りの幅狭いカラー部分に結合され、そのカラーは、第2の本体層にある、請求項14に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つのギヤ要素を有する前記本体および前記膜は、第1の段を構成し、前記デバイスは、本体および膜の複数の追加の段をさらに含み、前記段のうちの少なくともいくつかは、25ミクロン〜250ミクロンの範囲内の高さを有する、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項17】
駆動装置段をさらに備えている、請求項1に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項18】
前記駆動装置段は、モータを含む、請求項17に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項19】
前記モータは、マイクロ静電モータである、請求項18に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項20】
プラテンを含む出力段をさらに備えている、請求項17に記載の微小機械力伝達デバイス。
【請求項21】
微小機械力伝達デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
接着剤の層とともに主面を有する可撓性材料のシートをパターン化し、前記シートから、本体を画定することであって、前記本体は、チャンバを画定する本体壁と、前記本体の一部に繋がれた少なくとも1つのギヤ要素と、前記少なくとも1つのギヤ要素の中心部分とを有する、ことと、前記本体壁および前記中心部分の表面上に前記接着剤を提供することと、
前記本体壁上に膜を提供し、前記チャンバを覆うことであって、前記膜は、前記本体壁および前記中心部分に付着させられる、ことと、
前記中心要素に貼り付けられた前記膜の一部を囲う環状開口を形成することと
を含む、方法。
【請求項22】
少なくとも1つのギヤ要素は、シャフトに接続されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記中心領域に貼り付けられた前記環状開口によって囲まれた前記膜層の前記部分は、前記シャフトを提供する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1つのギヤ要素は、車軸の周りに配置されている、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記シートをパターン化することは、前記シートをパターン化し、前記少なくとも1つのギヤ要素の残りの部分から物理的に間隔を置かれた前記中心領域を提供することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記環状開口は、第1の環状開口であり、前記膜は、前記第1の環状開口から間隔を置かれた前記膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、前記第1および第2の環状開口は、前記車軸を提供するために、前記ギヤ要素の前記中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた前記膜の領域を画定する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
第2の本体層をパターン化し、ギヤ支持要素を形成することと、
前記ギヤ支持要素を有する前記パターン化された第2の本体層を前記膜の反対側の表面に貼り付けることと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の本体は、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ支持要素を画定する本体フレームを画定するようにさらにパターン化され、前記ギヤ支持要素は、前記ギヤ要素の特徴にサイズおよび範囲において対応する特徴を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第2の膜を前記ギヤ本体に貼り付けることと、
前記第2の膜をパターン化し、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域の上の前記第2の膜の領域内に第1の環状開口を画定することと
をさらに含み、
前記環状開口は、前記第2の膜の中心領域を画定し、前記第2の膜の前記中心領域は、前記第2の膜上にシャフトを提供するために、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域に貼り付けられる、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
第2の膜を前記ギヤ本体に貼り付けることと、
前記第2の膜をパターン化し、前記第2の膜の領域内の第1の環状開口であって、前記第2の膜の領域は、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域の上にあり、前記第1の環状開口は、前記第2の膜の中心領域を画定し、前記中心領域は、前記少なくとも1つのギヤ要素の前記中心領域に貼り付けられる、第1の環状開口と、前記第1の環状開口から間隔を置かれた前記第2の膜の領域内の第2の環状開口とを画定することと
をさらに含み、
前記第1および第2の環状開口は、前記ギヤ要素の前記中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられる前記第2の膜の領域を画定する、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
装置であって、前記装置は、
微小機械力伝達デバイスであって、前記微小機械力伝達デバイスは、
第1の本体フレームを備えている第1の本体であって、前記第1の本体フレームは、第1のチャンバおよび少なくとも1つのギヤ要素を画定し、前記ギヤ要素は、中心ギヤ要素領域を備えている、第1の本体と、
前記第1の本体フレームの表面に貼り付けられた第1の膜と
を備え、
前記膜は、前記チャンバを覆い、前記膜は、前記膜の中心領域を囲む環状開口を有し、前記膜の前記中心領域は、前記ギヤ要素の前記中心ギヤ要素領域に貼り付けられている、微小機械力伝達デバイスと、
マイクロ静電モータと
を備え、
前記マイクロ静電モータは、
第1および第2の面を有する第2の本体であって、前記第2の本体は、第2のチャンバと中心領域を有するロータとを画定する、第2の本体と、
前記第2の本体の前記第1の面を覆っている第2の膜と
を備え、
前記第2の膜は、間隙によって電気的に絶縁された間隔を置かれた電極の対を支持し、前記第2の膜は、前記膜の中心領域を画定する環状開口を有し、前記膜の前記中心領域は、前記ロータの前記中心領域に結合されている、装置。
【請求項32】
前記ロータは、前記第2の本体の材料のディスクから成り、前記ディスクは、前記第2のチャンバ内に配置され、前記チャンバの内壁から物理的に間隔を置かれており、前記ディスクは、その第1の表面上に3つの互いに電気的に絶縁された電極の組を有し、前記電極の各々は、タブ部分を有し、前記中心部材から電気的に絶縁されている、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
シャフトが、前記第2の膜内の前記環状開口によって囲まれた前記膜層の部分によって提供されている、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
車軸が、前記環状開口によって囲まれた前記第2の膜層の部分によって提供され、前記ロータと前記ロータの中心領域とは、物理的に絶縁されている、請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記第2の膜内の前記環状開口は、第1の環状開口であり、前記第2の膜は、前記第1の環状開口から間隔を置かれた前記第2の膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、前記第1および第2の環状開口は、前記車軸を提供するために、前記ロータに貼り付けられた前記第2の膜の領域を画定する、請求項34に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、米国特許法§119(e)号に基づいて、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる2018年6月7日に出願され、「Micro Electrostatic Motor and Micro Mechanical Force Transfer Devices」と題された仮米国特許出願第62/681,715号、2018年6月7日に出願され、「Micro Electrostatic Motor and Micro Mechanical Force Transfer Devices」と題された仮米国特許出願第62/681,725号、2019年5月21日に出願され、「Micro Electrostatic Motor and Micro Mechanical Force Transfer Devices」と題された米国特許出願第16/418,109号、および2019年5月21日に出願され、「Micro Electrostatic Motor and Micro Mechanical Force Transfer Devices」と題された米国特許出願第16/418,254号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本明細書は、小型静電モータとギヤおよびギヤ列等の微小力伝達デバイスとに関する。
【0003】
電気モータは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機械である。種々のタイプの電気モータのみならず、そのようなモータを構築するために使用される種々の製作技法および技術が、存在する。モータタイプおよび製作技術の両方の選択は、性能、用途適合性、および費用検討事項によって決定される。殆どの電気モータは、ステータ(磁場を有する静止要素)と、回転し、電流を搬送する導体を有するロータとを含む。モータは、モータの磁場とロータの導体内で発生させられる電流との間の相互作用を通して動作する。
【0004】
別のタイプの電気モータは、静電モータである。静電モータは、電荷の誘引力と斥力とに基づく容量効果を使用して動作する。
【0005】
ギヤおよびそのようなデバイスを通した力伝達が、周知である。ギヤは、従動ギヤから駆動ギヤにトルクを伝えるために、別の機械部分の対応する歯と相互作用し得る部分に切り込まれた歯を有する機械部分である。ギヤ付きデバイスの組は、力の源の速度、トルク、および/または方向を変化させることができる。2つ以上のギヤの組が、トルクの変化を提供することができる。同一の形状を有し、順番に機能する2つの噛合ギヤ上の歯は、ギヤ列と称される。ギヤ列の一方のギヤが、他方より大きい場合、2つのギヤの回転速度およびトルクは、ギヤの直径に比例して異なるであろう。
【0006】
種々の技法および技術が、性能、用途適合性、および費用検討事項に従ってギヤを生産するために使用されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある側面によると、微小機械力伝達デバイスは、本体フレームを備えている本体であって、本体フレームは、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ要素を画定し、ギヤ要素は、中心領域を備えている、本体と、本体フレームの表面に貼り付けられた膜であって、膜は、チャンバを覆い、膜は、中心領域を覆う膜の領域内に環状開口を有し、環状開口は、膜の中心領域を画定し、膜のその中心領域は、ギヤ要素の中心領域に貼り付けられている、膜とを含む。
上記の側面は、他の特徴の中でもとりわけ、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含み得る。
【0008】
微小機械力伝達デバイスにおいて、少なくとも1つのギヤ要素は、シャフトに接続される。微小機械力伝達デバイスにおいて、シャフトは、環状開口によって囲まれている膜層の部分によって提供される。微小機械力伝達デバイスにおいて、少なくとも1つのギヤ要素は、車軸の周りに配置される。微小機械力伝達デバイスにおいて、中心領域は、少なくとも1つのギヤ要素から物理的に間隔を置かれ、その中心領域は、車軸を提供する。微小機械力伝達デバイスにおいて、中心領域の上の環状開口は、第1の環状開口であり、膜は、第1の環状開口から間隔を置かれた膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、第1および第2の環状開口は、車軸を提供するために、ギヤ要素の中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた膜の領域を画定する。
【0009】
微小機械力伝達デバイスは、膜の反対側の表面に貼り付けられたギヤ支持層をさらに含む。微小機械力伝達デバイスにおいて、ギヤ支持層は、本体フレームを備えている第2の本体をさらに含み、本体フレームは、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ支持要素を画定し、ギヤ支持要素は、ギヤの特徴にサイズおよび範囲において対応する特徴を有する。微小機械力伝達デバイスは、ギヤ本体に貼り付けられた第2の膜をさらに含み、第2の膜は、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域の上の第2の膜の領域内に第1の環状開口を有し、環状開口は、第2の膜上にシャフトを提供するために、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域に貼り付けられている第2の膜の中心領域を画定する。微小機械力伝達デバイスは、ギヤ本体に貼り付けられた第2の膜をさらに含み、第2の膜は、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域の上の第2の膜の領域内に第1の環状開口を有し、環状開口は、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域に貼り付けられている第2の膜の中心領域を画定し、第1の環状開口から間隔を置かれた第2の膜の領域内に第2の環状開口を有し、第1および第2の環状開口は、ギヤ要素の中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた第2の膜の領域を画定する。
【0010】
微小機械力伝達デバイスにおいて、膜は、第1の膜であり、微小機械力伝達デバイスは、本体フレームの反対側の表面に貼り付けられた第2の膜層をさらに含む。微小機械力伝達デバイスは、本体フレーム内の第1のギヤ要素と噛み合わせられている本体フレーム内に画定されるチャンバ内の第2のギヤ要素をさらに含む。微小機械力伝達デバイスにおいて、本体フレーム、膜、およびギヤ要素は、それぞれ、第1の本体フレーム、第1の膜、および第1のギヤ要素であり、デバイスは、チャンバおよび第2のギヤ要素を画定する第2の本体フレームを画定する第2の本体と、チャンバを覆っている第2の本体の第1の表面上の第2の膜とをさらに含む。
【0011】
微小機械力伝達デバイスにおいて、ギヤ要素は、第1のギヤ要素であり、デバイスは、第2のギヤ要素をさらに備え、第1のギヤおよび第2のギヤ要素の各々は、本体フレームと同一の材料から成り、第1および第2のギヤ要素の各々は、ギヤ歯を有し、第1のギヤ要素のギヤ歯は、第2のギヤ要素のギヤ歯と噛み合わせられている。
【0012】
微小機械力伝達デバイスにおいて、第1および第2のギヤは、第1の本体層内にあり、各々は、車軸の周りの幅狭いカラー部分に結合され、そのカラーは、第2の本体層にある。微小機械力伝達デバイスにおいて、少なくとも1つのギヤ要素を有する本体および膜は、第1の段を構成し、デバイスは、本体および膜の複数の追加の段をさらに含み、段のうちの少なくともいくつかは、25ミクロン〜250ミクロンの範囲内の高さを有する。微小機械力伝達デバイスは、駆動装置段をさらに備えている。微小機械力伝達デバイスにおいて、駆動装置段は、モータを含む。微小機械力伝達デバイスにおいて、モータは、マイクロ静電モータである。微小機械力伝達デバイスは、プラテンを含む出力段をさらに含む。
【0013】
ある側面によると、微小機械力伝達デバイスを製造する方法であって、方法は、接着剤の層とともに主面を有する可撓性材料のシートをパターン化し、シートから、本体を画定することであって、本体は、チャンバを画定する本体壁と、本体の一部に繋がれた少なくとも1つのギヤ要素と、少なくとも1つのギヤ要素の中心部分とを有する、ことと、本体壁および中心部分の表面上に接着剤を提供することと、本体壁上に膜を提供し、チャンバを覆うことであって、膜は、本体壁および中心部分に付着させられる、ことと、中心要素に貼り付けられた膜の一部を囲う環状開口を形成することとを含む。
上記の側面は、他の特徴の中でもとりわけ、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含み得る。
【0014】
方法において、少なくとも1つのギヤ要素は、シャフトに接続される。方法において、中心領域に貼り付けられている環状開口によって囲まれている膜層の部分は、シャフトを提供する。方法において、少なくとも1つのギヤ要素は、車軸の周りに配置される。方法において、シートをパターン化することは、シートをパターン化し、少なくとも1つのギヤ要素の残りの部分から物理的に間隔を置かれた中心領域を提供することをさらに含む。方法において、環状開口は、第1の環状開口であり、膜は、第1の環状開口から間隔を置かれた膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、第1および第2の環状開口は、車軸を提供するために、ギヤ要素の中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられた膜の領域を画定する。方法は、第2の本体層をパターン化し、ギヤ支持要素を形成することと、ギヤ支持要素を有するパターン化された第2の本体層を膜の対向する表面に貼り付けることとをさらに含む。方法において、第2の本体は、チャンバおよび少なくとも1つのギヤ支持要素を画定する本体フレームを画定するようにさらにパターン化され、ギヤ支持要素は、ギヤ要素の特徴にサイズおよび範囲において対応する特徴を有する。方法は、第2の膜をギヤ本体に貼り付けることと、第2の膜をパターン化し、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域の上の第2の膜の領域内に第1の環状開口を画定することであって、環状開口は、第2の膜上にシャフトを提供するために、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域に貼り付けられている第2の膜の中心領域を画定する、こととをさらに含む。方法は、第2の膜をギヤ本体に貼り付けることと、第2の膜をパターン化し、第2の膜の領域内の第1の環状開口であって、第2の膜の領域は、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域の上にあり、第1の環状開口は、第2の膜の中心領域を画定し、中心領域は、少なくとも1つのギヤ要素の中心領域に貼り付けられる、第1の環状開口と、第1の環状開口から間隔を置かれた第2の膜の領域内の第2の環状開口とを画定することとをさらに含み、第1および第2の環状開口は、ギヤ要素の中心領域の周囲の環状領域に貼り付けられる第2の膜の領域を画定する。
【0015】
ある側面によると、装置は、微小機械力伝達デバイスであって、第1の本体フレームを備えている第1の本体であって、第1の本体フレームは、第1のチャンバおよび少なくとも1つのギヤ要素を画定し、ギヤ要素は、中心ギヤ要素領域を備えている、第1の本体と、第1の本体フレームの表面に貼り付けられた第1の膜であって、膜は、チャンバを覆い、ギヤ要素の中心ギヤ要素領域に貼り付けられる膜の中心領域を囲む環状開口を有する、第1の膜とを含む微小機械力伝達デバイスと、マイクロ静電モータであって、第1および第2の面を有する第2の本体であって、第2の本体は、第2のチャンバおよび中心領域を有するロータを画定する、第2の本体と、第2の本体の第1の面を覆っている第2の膜であって、第2の膜は、間隙によって電気的に絶縁された間隔を置かれた電極の対を支持し、第2の膜は、ロータの中心領域に結合される膜の中心領域を画定する、環状開口を有する、第2の膜とを含むマイクロ静電モータとを含む。
上記の側面は、他の特徴の中でもとりわけ、以下の特徴のうちの1つ以上のものを含み得る。
【0016】
この装置において、ロータは、第2の本体の材料のディスクから成り、ディスクは、第2のチャンバ内に配置され、チャンバの内壁から物理的に間隔を置かれ、ディスクは、その第1の表面上に3つの互いに電気的に絶縁された電極の組を有し、電極の各々は、タブ部分を有し、中心部材から電気的に絶縁される。この装置において、シャフトが、第2の膜内の環状開口によって囲まれている膜層の部分によって提供される。この装置において、車軸が、環状開口によって囲まれた第2の膜層の部分によって提供され、ロータおよびロータの中心領域は、物理的に絶縁される。この装置において、第2の膜内の環状開口は、第1の環状開口であり、第2の膜は、第1の環状開口から間隔を置かれた第2の膜の領域内に第2の環状開口をさらに有し、第1および第2の環状開口は、車軸を提供するために、ロータに貼り付けられる第2の膜の領域を画定する。
【0017】
下で説明されるギヤ列(力伝達)デバイスは、マイクロ加工方法を使用して作製されることができ、種々の工業、医療、および生物学的用途のために、高速、低トルク静電モータまたは低速高トルク静電モータのいずれかとともに使用されることができる。ギヤ列デバイスは、比較的に安価な技法を使用して作成される。特定の実施形態において、下で説明されるギヤ列デバイスは、ロールツーロール製造技法を使用して作成される。加えて、種々の工業、医療、および生物学的用途が、ギヤ列(力伝達)デバイスをモータ以外の他のデバイスと併用し得る、または他のデバイスを伴わずに使用されることができる。
【0018】
下で説明されるマイクロ静電モータは、マイクロ加工方法を使用して作製されることができ、種々の工業、医療、および生物学的用途のために、高速、低トルクモータまたは低速高トルクモータのいずれかとして使用されることができる。下で説明されるマイクロ静電モータデバイスは、比較的に安価な技法を使用して作成される。特定の実施形態において、下で説明されるマイクロ静電モータデバイスは、ロールツーロール製造技法を使用して作成される。
【0019】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、付随する図面および下記の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点が、説明および図面、および請求項から明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1−3は、構築の段階における静電モータの平面図である。
【
図2】
図1−3は、構築の段階における静電モータの平面図である。
【
図3】
図1−3は、構築の段階における静電モータの平面図である。
【0021】
【
図4】
図4−5は、それぞれ、構築のそれぞれの段階における静電モータのシャフト実装および静電モータの車軸実装の部分的に剥離される平面図である。
【0022】
【0023】
【
図4B】
図4Bは、層が一緒に取り付けられた
図4、4Aのマイクロ静電モータを示す断面図である。
【0024】
【
図5】
図4−5は、それぞれ、構築のそれぞれの段階における静電モータのシャフト実装および静電モータの車軸実装の部分的に剥離される平面図である。
【0025】
【
図5B】
図5Bは、層が一緒に取り付けられた
図5、5Aのマイクロ静電モータを示す断面図である。
【0026】
【
図6】
図6は、マイクロ静電モータの若干絵画的な等角図である。
【0027】
【
図7】
図7は、マイクロ静電モータのスタックされた配列を示す断面図である。
【0028】
【
図8】
図8A、8Bは、それぞれ、微小機械力伝達デバイスのある段の平面図および断面図である。
【0029】
【
図9】
図9は、微小機械力伝達デバイスのシャフト実装の断面分解図である。
【0030】
【
図10】
図10は、微小機械力伝達デバイスの車軸実装の断面分解図である。
【0031】
【
図11】
図11は、微小機械力伝達デバイスの第2の段の平面図である。
【0032】
【
図12】
図12は、それぞれ、スタックされた微小機械力伝達デバイスの斜視分解図である。
【0033】
【
図13】
図13は、モータおよび微小機械力伝達デバイス構造を生産するためのロールツーロール処理のフロー図である。
【0034】
【
図14】
図14A−Dは、微小機械力伝達デバイスのシャフト実装の構築の段階のうちのあるものを示す若干斜視的な図である。
【0035】
【
図15-1】
図15A−Fは、微小機械力伝達デバイスの車軸実装の構築の段階のうちのあるものを示す若干斜視的な図である。
【
図15-2】
図15A−Fは、微小機械力伝達デバイスの車軸実装の構築の段階のうちのあるものを示す若干斜視的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(マイクロ静電モータ概観)
本明細書に説明されるマイクロ静電モータは、安価なマイクロ加工方法を使用して作製され、種々の工業、商業、医療、および生物学的用途における電気エネルギーの機械エネルギーへの変換のために使用されることができる。マイクロ静電モータデバイスは、ミクロン/ミリメートルスケールで作成される。いくつかの製作技法が、開示される。
【0037】
従来の同期静電モータタイプは、入力、例えば、ステータ板とロータ板との間に印加される方形波電圧に応答して回転する可変コンデンサと見なされることができる。同期静電モータが、印加された方形波に対して同期した速度で回転すると、ロータは、方形波の1サイクルあたり半回転する。
【0038】
従来の非同期静電モータタイプにおいて、動作は、電場に表面上でトルクを働かせる表面上に誘発される電荷を生じる電場に依存する。この効果は、静止電極の異なる組における位相シフトさせられた電圧を使用して、静止電極の組に回転する磁場を電気的に結合することによって、非同期静電モータにおいて使用される。
【0039】
図1を参照すると、構築の段階におけるマイクロ静電モータデバイス10が、示される。
図1は、マイクロ静電モータデバイス10の前側10aを示す。マイクロ静電モータデバイス10は、キャリア層、例えば、ウェブ11またはウェブ11によって支持される層(下で議論されるロールツーロール処理に関して)上に示され、単一の円形チャンバ12を含む。マイクロ静電モータデバイス10のこの最初の議論は、マイクロ静電モータデバイス10のある詳細および動作の原理を解説するであろう。マイクロ静電モータデバイス10は、同期または非同期タイプのいずれかであり得る。
【0040】
マイクロ静電モータデバイス10は、複数の外壁、例えば、4つの壁14a−14dと、円形チャンバ12を画定する内部円形壁とを有する本体14(ロールツーロール処理に関してウェブによって支持されるか、またはウェブの一部としてかのいずれかである)を含む。壁のうちの2つ、例えば、本体14の壁14a、14cは、随意に、外部流体源および外部流体シンク(図示せず)からの流体進入または退出を提供するポート15a、15bを有することができる。動作時、随意のポート15a、15bのうちの1つは、流体流に対する入口としての機能を果たし、随意のポート15a、15bのうちの他のものは、流体流、例えば、モータの冷却のための空気に対する出口としての機能を果たす(ポートに対する入力対出力の割り当ては、モータのロータ部分の回転方向に従って決定される)。
【0041】
マイクロ静電モータデバイス10は、中心回転可能ディスク16(ディスク16)も含み、中心回転可能ディスク16は、本体層14の材料から生産され、非導電性であり、中心回転可能ディスク16は、3つの電気的に絶縁された金属電極16a−16cを支持する。この実装において、ディスク16は、中心円筒形部材18(部材18)の周りに配置される平坦板またはプラテン(ディスク16)であり、中心円筒形部材18は、シャフト18’(ディスク16に取り付けられた自由回転可能部材)として使用されるか、または、車軸18’’(回転しないが、それの周りにディスク16がチャンバ内で回転する固定部材)として使用される。シャフト18’としての部材18の構造の詳細が、
図4に記載され、車軸18’’としての部材18の構造の詳細が、
図5に議論されるであろう。
【0042】
電気的に絶縁された電極16a−16cは、120度の物理的分離によって間隔を置かれる。電気的に絶縁された電極16a−16cは、ディスク16上で電極をパターン化することによって提供される非伝導性チャネルによって間隔を置かれる。各絶縁された電極16a−16cは、導電性タブ突出部分、すなわち、それぞれ、タブ17a−17cを有する。電気的に絶縁された電極16a−16cおよび導電性タブ17a−17cを一緒に支持するディスク16は、ロータとして機能する(および以降において、ロータ20と称されるであろう)。
【0043】
車軸18’’として構成されるとき、部材18は、静止している部材18の周りに回転するロータ20を有する。車軸18’’実装において、ロータ20は、比較的に小さい間隙19aによって部材18から物理的かつ電気的に絶縁され、間隙19aは、電極16a−16cを形成するために使用される金属がなく、ディスク16を形成するために使用される材料がない。
【0044】
シャフト18’として構成されるとき、部材18は、部材18に物理的に取り付けられたロータ20を有し、比較的に小さい間隙19aによってシャフト18’から電気的に絶縁された電極16a−16cを有し、間隙19aは、電極16a−16cを形成するために使用される金属がない。比較的に小さい間隙とは、間隙が、ロータ20上の電極16a−16cが部材18から電気的に絶縁されることを可能にするために十分なサイズであることを意味する。間隙19aの間隙サイズは、サイズが数マイクロメートルであり、中心コア16aが、部材18に電気的に結合されないように、十分に大きい。
【0045】
ロータ20は、導電性の電気的に絶縁されるタブ17a−17cを伴って、120度の分離によって間隔を置かれた複数の絶縁された電極16a−16cとして3つの電極を有するように示されるが、いくつかの実装において、360度/nに従って間隔を置かれるであろう4つ以上の電極および対応するタブが、存在することができ、nは、電極の数である。
【0046】
ブリッジ部材25aおよび25b、例えば、本体14からパターン化され、製作プロセス中、本体14にロータ20を繋ぐために使用される要素も、
図1に示される。製作中、ロータ20に部材18を繋ぐために使用されるブリッジ部材27a、27b、および後側膜28も、
図1に示される。
【0047】
ここで
図2を参照すると、
図1のアセンブリは、ブリッジ部材25aおよび25bおよびブリッジ部材27a、27b(
図1)が除去され、製作の後続段階において部材18に取り付けられたロータ20を残すように示される。第1の膜層24も、
図2に示され、第1の膜層24は、モータ10の前側10aを覆って配置され、金属化表面37a(引き剥がされて示される)を支持し、その第1の膜層24は、電極36および38を形成するようにパターン化される。
【0048】
部材18とディスクとを繋ぐために使用されたブリッジ部材(図示せず)は、製作のこの段階に続いて除去された。
【0049】
ここで
図3を参照すると、製作の後続段階におけるマイクロ静電モータデバイス10が、示される。ロータ20は、ブリッジ(除去される)とともに透視して示される。マイクロ静電モータデバイス10は、本体14を覆う膜層24上に配置される電極36、38の対(ステータとして使用される)を含み、それらの電極は、間隙35によって電気的に絶縁される。電極36、38の各々は、孔36a、38aの対のうちの対応するものを有する。孔36aおよび38aは、それぞれ、電圧を電極36および38に供給するための電気接続を提供するための伝導性ビアを格納するであろう。
【0050】
第2の膜37は、孔37a、37bの対を有する。孔37aおよび37bは、ロータ20が回転するときにタブ17a−17cが進行する円形経路と整列している。電極36、38の対は、互いに電気的に絶縁されることに加えて、本体14上に配置される電極16a−16cおよびそれらの関連付けられたタブ17a−17cからも膜層24によって電気的に絶縁される。
図3において、タブ17a−17cは、下記の解説と併せて視認を容易にするために、暗めの二点鎖線において示される。電極36および38は、部材18からも物理的かつ電気的に絶縁されるように、部材18の周りの領域内でパターン化される。
(シャフト実装)
【0051】
ここで
図4、特に、
図4Aおよび4Bを参照すると、シャフト実装が、示される。シャフト実装において、モータ10の構築中、例えば、ロータ20の構築に続いて、かつ膜層24を追加することに先立って、接着層23が、パターン化され、その一部23a、2bが、本体14の壁(
図1に参照される)の上面上、かつロータ20の中心の周りの領域(シャフト18’を形成するであろうロータの中心の周りの領域)内に残っている。モータ10を覆って提供される膜層24は、本体14の壁の上面と、ロータ20の中心とに付着する。膜24の他の部分は、モータ10の他の部分、例えば、ロータ20と接触するが、それに付着しない。したがって、ロータ20は、自由に回転し、膜24(および後側膜28)によって1次元に制限される。膜層24は、示されるように、環状隙間(すなわち、間隙19a)を残すようにパターン化される。この環状隙間または間隙19aは、ロータ20の中心に付着させられる膜24の一部を自由に回転する状態のままにし、したがって、膜のその中心部分がシャフト18’の一部を提供することを可能にする。
【0052】
図4Bにおいて、第2の接着層(図示せず)が、本体14の壁の底面およびロータの中心領域上に残っている接着材料(図示せず)を有するようにパターン化される。第2の膜28が、本体14の壁の底面に付着し、モータ10の後側上の中心領域内に付着するように配置される。第2の膜層28は、例えば、本体14の壁の底面と、ロータ20の後側の中心とに付着する。第2の膜層28は、第2の環状隙間を残すようにパターン化される。この第2の環状隙間29aは、ロータ20の後側の中心に付着させられる膜28の一部を自由に回転する状態のままにし、したがって、シャフト18’をモータ10の底部に対して支持する。第2の膜28は、所望される場合、接地平面(示されるような)を支持することができる。前側および後側は、所望される場合、薄くされることができる。
【0053】
シャフト18’を伴うモータ要素10が、したがって、2つの本体膜層24と28との間に挟まれる本体層14によって提供される。シャフト18’は、モータ10の一方または両方の主要な対向する表面まで、かつ(いくつかの実施形態において、それを通して)延びていることができる。
(車軸実装)
【0054】
ここで
図5および5Aを参照すると、車軸実装において、モータ10の構築中、本体層14は、ロータ20およびロータ20から間隙19aを介して物理的に間隔を置かれる中心部材18(
図5A参照)を提供するようにパターン化される。ロータ20の構築に続き、膜24’(あるパターン化差異を除いて、膜24に機能的に類似する)の追加に先立つ。
【0055】
図5Aにおいて、接着層(図示せず)が、本体14の(
図1に参照される)壁の上面上の接着剤の第1の領域23a、中心部材18上の接着剤の第2の領域23b、および接着材料の第2の領域23bから間隔を置かれた接着剤の環状領域である第3の領域23cを残すようにパターン化される。膜層24’は、接着領域23a−23cを覆って配置される。膜層24’は、接着材料を有する領域内、すなわち、本体14の壁の上面に、ロータ20の中心領域に(接着材料の第2の領域23bに起因して)、および接着材料の環状領域である第3の領域18c内に付着する。膜24’の他の部分は、モータ10の他の部分、例えば、ロータ20と接触するが、それに付着させられず、したがって、ロータ20は、膜24’によって制限されながら自由に回転する。
【0056】
図5Aにおいて、別の接着層(図示せず)が、膜24’上に提供される。膜層24’は、(本体部材14の)接着材料の第1の領域23aと第2の領域23bとの間にある間隙19aと整列させられる第1の環状隙間19bを残すようにパターン化される。膜層24’は、示されるように、環状間隙19bから間隔を置かれる第2の環状隙間19cを残すようにさらにパターン化される。第1の環状隙間19bは、(本体部材14の)接着領域23bを介して部材18に付着させられる膜24’の一部の周りに配置される。膜24上の接着層(図示せず)は、領域47a、47b、および47c上に接着材料を残すようにパターン化される。
【0057】
本体層48が、パターン化された膜24’上に配置され、本体層48は、本体壁(参照されず)、本体層48の環状部材部分48bから間隙19dによって間隔を置かれる中心部分48a、および環状隙間19cによって本体壁(参照されず)から間隔を置かれる環状部材部分48bを残すようにパターン化される。部材18は、ロータ20から物理的に間隔を置かれるが、部材18は、膜24’(および対応する後側膜28’)に付着させられるので、部材18は、固定され、ロータ20が、回転するときに回転しないであろう。したがって、この実装における部材18は、車軸18’’としての機能を果たす。
【0058】
車軸18’’は、層48の上部に層24’および48を通して支持される。車軸18’’として、ロータ20が、固定車軸18’’の周りに回転するとき、モータ10および車軸18’’の配列は、(例えば、フィンまたはブレードをロータ要素20に追加することによって)ファンまたは送風機要素を提供することができる。
【0059】
図5Bを参照すると、膜層24’も、環状隙間19dと環状隙間19eとの間に本体層48の環状領域48bを残すようにパターン化されたので、環状領域48bは、(接着領域47cおよび18cを介して)ロータ20に付着させられる。この環状領域48bは、固定車軸18’’の周りの小さい(幅寸法の)カラー21を効果的に残す。カラー21は、ロータ20の回転とともに回転する。カラー21は、膜24’および本体層48からロータ20を絶縁する。
【0060】
第2の接着層(図示せず)が、本体の壁の底面上に残っている接着材料を有するようにパターン化され、第2の膜28’が、本体14の壁の底面上に配置される。この第2の膜28’(パターン化を除いて、
図4Aの膜28に類似する)は、示されるように、中心部分上に接着領域のみを具備することができる。いくつかの実装において、車軸18’’は、上で議論される処理を繰り返し、モータ10の後側まで延長されることができる。車軸18’’を伴うモータ要素10が、したがって、2つの5ミクロン本体層の間に挟まれる本体層14によって提供される。車軸18’’は、モータ10の一方または両方の主要な対向する表面まで延びていることができる。別の膜52が、本体層上の適切にパターン化された接着領域を用いて本体層48に貼り付けられることができる。
【0061】
車軸18’’を有する組み立てられたモータ10が、膜24’、本体層14、および膜28’の上にある本体層48とともに
図5Bに示される。組み立てられたモータ10(シャフト実装)の絵画的表現が、
図6に示される。
(動作原理)
【0062】
ロータ20は、電極16a−16cを有し、それらは、ロータ20が電極16a−16cと電極36および38との間で回転するとき、電荷を収集し、収集された電荷を放電する。したがって、事実上、電極16a−16cと電極36および38との間は、上で解説されるように、電荷を蓄積し、その電荷を放電するコンデンサ要素である。電荷は、動的であり、電極16a−16cと、電極36および38と、これらの電極間の誘電材料との組み合わせである事実上のコンデンサによって提供される静電容量に関連する。電極16a−16cと36および38との間の誘電材料の誘電率、これらの電極の重複の面積、および、これらの電極16a−16cおよび36および38の重複する対間の距離を考慮すると、これらのコンデンサは、以下のように与えられる、平行板コンデンサに関する公式によって少なくとも概算される静電容量を有するであろう。
【数1】
【0063】
式中、Cは、ファラド単位における静電容量であり、Aは、平方メートル単位における2つの電極の重複の面積であり、ε
rは、電極の間の材料の誘電率(膜および流体の誘電率の和)であり、ε
0は、電気的定数(ε
0≒8.854×10- 12 F・m- 1)であり、dは、メートル単位における板の間の分離であり、dは、Aの最も小さい弦に対して十分に小さい。
【0064】
類似する目的のために使用される従来の静電モータと比較して、静電モータ10は、より少ない材料を使用し得、したがって、より少ない応力を受ける。静電モータ10は、ミクロン〜ミリメートルスケールにおけるサイズを有する。
(非同期モータ動作)
【0065】
非同期モータとしてのモータ10の動作が、以下のように解説されることができ、電極16a−16cと電極36および38との間に印加される電圧を考慮する。電極16a−16cと電極36、38との間に電位差を設置することは、例えば、電極16a−16c、例えば、16a上に正電荷、および、例えば、電極36、38、例えば、電極38上に負電荷を生じさせるであろう。電極16aが、正電荷を有し、電極38が、負電荷(16a上の電荷に対して)を有すると、この発生は、反対電荷の誘引力によってロータ20を回転させるであろう。ロータ20が、最初に回転するとき、電極38から電極16aを分離する材料の誘電性質に起因して、かつ電極38の縁からの電極16aの相対距離に起因して、いかなる電極16aから電極38への電荷の移動も、ない。
【0066】
しかしながら、誘引力またはトルクが、正荷電電極16aが負荷電電極38に誘引されることに起因して生成されると、ロータ20が(反時計回り方向に)回転することを引き起こし、正荷電電極16aが電極38の下に引き寄せられることも引き起こす。この正荷電電極16aを持つロータ20は、ある程度の勢いを有し、電極38の下で進行し続けるであろう。
【0067】
しかしながら、電極16a−16cのうちの1つのタブ17a−17cのうちの1つが、その上に電極36、38のうちのそれぞれのものがある膜内の孔37a、37bのうちの1つと整列すると、その整列は、ロータ20上の電極16a−16cのうちの対応するもののタブ17a−17cのうちの整列させられたものから、ステータ電極36または38への電荷の正味移動をもたらす。
【0068】
図3の状況において、電極38が、電極36に対して負であり、例えば、電極36上で+500V、例えば、電極38上で0Vであると仮定すると、電極16aのタブ17aが、孔37bと整列した状態になると(それが、最初に荷電可能であったと仮定して)、電荷の正味移動が、孔37bを通した電極16aから電極38への電荷のアーク放電によって、タブ17a(およびそれと付随して電極16a)とステータ電極38との間で起こる。タブ17aから電極38への電荷のアーク放電によって提供される電荷のこの移動は、電極16aを正味負電荷の状態のままにし、それは、ここで電極16aを電極38から離れるように、かつ正電荷である電極36に向かってはじく。したがって、電極16a−16cが、電極36、38の下にある間、電極のタブが、電極の36、38内の孔37a、37bのうちの1つの下に来る(それは、放電および反発力をもたらす)まで、電荷差、したがって、誘引力が、存在する。
【0069】
電荷の移動は、電荷のアーク放電、例えば、1つの電極、例えば、正電荷を有する電極16aから、孔、例えば、孔37bを通した、近傍の電極、例えば、孔37bに近接しているタブ17aからの負電荷を有する電極38へのアーク(図示せず)を介して起こる。アークは、タブ17aが孔37bに十分に近接していることと、孔37bが電極36、38から電極16a−16cを分離する材料の誘電率より低い低誘電率(例えば、空気のそれ)を有することとによって、電極16a−16cのうちのそれぞれのもの(本解説において、タブ17aを介した電極16a)と電極36、38のうちの対応するもの(本解説において、電極38)との間に生成される。
【0070】
アークは、電荷が、1つの電極から別の電極に移動させられるときに発生させられる。アークは、電極を分離する誘電体の破壊電圧が、克服されることを条件に起こる。50〜500オングストローム厚さの伝導性層を持つ5ミクロン厚さの膜を考慮すると、空気に関する絶縁破壊電圧は、1ミクロンあたり約3Vであり、したがって、空気に関して、約15ボルトを超える任意の電圧が、タブ17a−17cのうちの1つが、孔37aまたは37bのうちの1つの上に整列するとき、アークを生じさせるであろう。しかしながら、発生させられるアークは、モータ10を構成する材料のうちのいずれかに悪影響を及ぼさないように、十分に低いエネルギーである(すなわち、極めて低い電流、したがって、極めて低い電力)。したがって、15〜500ボルトの印加電圧が、印加されることができる。より具体的に、15〜250ボルト、より具体的に、20〜50ボルト等の範囲内の電圧が、使用されることができる。
【0071】
あえて言うなら、印加電圧は、上で規定される条件下のアーク放電を保証するために必要とされる最小電圧と、モータ10の材料に対してある程度の有害効果を引き起こすであろう電圧である最大電圧との間であろう。したがって、他の電圧範囲も、本教示の範囲内であろう。
(同期モータ動作)
【0072】
いくつかの実装において、モータ10は、同期モータとして動作させられることができる。同期モータ例は、モータを可変(回転)コンデンサと見なすことができる。方形波電圧または正弦波が、電極16a−16cと電極36および38とを横断して印加される。モータ10が、同期的に起動しているとき、ロータ20は、電圧の1サイクルにおいて2分の1回転する。4分の1回転において、ロータ20および電極16a−16cとステータ電極36、38とが、互いに接近しつつあるとき、例えば、電極16a−16cが正であり、ステータ電極36、38が負であることに起因して、互いに誘引し合う合う電圧が、その間に存在する。次の4分の1回転中、印加される電圧は、ゼロであるが、ロータ20は、慣性に起因して回転し続ける。
【0073】
図7を参照すると、
図4(シャフト18’を有するシャフト実装)のモータ10のうちの2つのスタックされた配列10’が、スペーサ層40(随意)とともに示される。スタックされた配列10’は、
図4の2つのモータ10(各々が膜24、28を伴う本体層14を有する)を含み、モータをシールするために提供される上部および底部キャップ(図示せず)またはケース(図示せず)を含むことができる。キャップは、パターン化されないが、完成されたモータ10の上部および底部層に貼り付けられる追加の本体層であり得る。
図5、すなわち、車軸実装の2つのモータ10のスタックされた配列も、上部および底部キャップ(図示せず)またはケース(図示せず)とともに提供され得る。
(微小機械力伝達デバイス概観)
【0074】
いくつかの実装において、マイクロ静電モータ10(シャフトまたは車軸バージョンのいずれか)は、微小機械力伝達デバイスとともに使用されることができる。
【0075】
本明細書に説明される微小機械力伝達デバイスは、マイクロ加工方法を使用して作製される。本明細書に説明される微小機械力伝達デバイスは、ギヤタイプであり、概して、1つ以上のギヤを含む。複数のギヤが、ギヤ列を提供するために、単一のモジュール内で一緒に噛み合わせられることができる。ギヤは、種々のタイプの複雑なギヤ式配列を提供するために、(ギヤモジュールの)繰り返し可能層内に構築されることができる。これらの微小機械力伝達デバイスは、機械力伝達の種々の側面を遂行するために使用されることができる。例えば、微小機械力伝達デバイスは、回転速さを増加または減少させること、トルクを増加または減少させること、または入力される力の回転面を変化させること、または回転の方向を変化させること(すなわち、回転の方向を逆転させること)を行うために使用されることができる。入力される力は、上で言及される静電モータのいずれかのバージョンに、または他の源に由来することができる。これらの微小機械力伝達デバイスは、種々の工業、商業、医療、および生物学的用途における用途を見出すことができる。微小機械力伝達デバイスは、下で議論されるであろうロールツーロール処理技法を使用して、ミクロン/ミリメートルスケールで作成される。
【0076】
図8Aおよび8Bを参照すると、構築の段階における微小機械力伝達デバイス110の第1の段110aが、示される。微小機械力伝達デバイス110は、本明細書では入力ギヤと称される1つの従動ギヤから、本明細書では出力ギヤと称される別のギヤに機械力を伝達するギヤ列デバイスである。第1の段110aは、出力ギヤ114と噛み合わせられる入力ギヤ112を含む。この例において、微小機械力伝達デバイス110(ギヤ列)の第1の段110aは、回転速度を低減させ、入力ギヤ112における入力される力と出力ギヤ114からの出力される力との間のトルクを増加させる。しかしながら、回転速度を増加させ、入力ギヤと出力ギヤとの間のトルクを低減させるギヤ列が、代替として、出力ギヤより多い歯を有する入力ギヤによって構築され得る。
【0077】
微小機械力伝達デバイス110は、膜140上に支持されたギヤ本体フレーム116を含む。ギヤ本体フレーム116は、複数の壁、例えば、4つの壁116a−116dを有し、それらの壁116a−116dの内部部分は、内部チャンバ118を画定する。壁、例えば、壁116a−116dは、随意に、外部流体源および外部流体シンク(図示せず)からの流体進入または退出を提供するポートを有し得る。他の実施形態において、壁116a−116dは、示されるように、ポートを伴わない固体壁である。
【0078】
テザー部材113a、113b、および115も、
図8Aに示される。これらのテザー部材は、ギヤ本体116からパターン化されるブリッジ要素であり、製作プロセス中にギヤ112および114をギヤ本体116に繋ぐために使用される。テザー(3つのみが示される)113a、113b、115は、製造の初期段階中に移動可能な回転可能部分を定位置に保つために使用されるが、最終組立に先立って除去される。歯の間に間隙を含むチャンバ118の内部部分は、流体潤滑および機械的減衰を提供するために、低粘度の潤滑流体を用いて充填されることができる。第1のギヤ112は、テザー要素113a、113bの対を介して第2のギヤ114に繋がれる。第2のギヤ114は、テザー要素115によって、壁116a−116dのうちの1つ、例えば、ギヤ本体116の壁116dに繋がれる。
【0079】
図8Bを参照すると、本体層116が、ギヤ支持構造125を提供するようにパターン化される。第1のギヤ112は、シャフトまたは車軸のいずれか(図示せず)に結合され、第1のギヤ支持要素122によって支持され、第2のギヤ114は、ギヤ支持構造125の第2のギヤ支持要素124によって支持される。第1のギヤ支持要素122および第2のギヤ支持要素124は、下で議論されるであろうように、それらのギヤを支持するために、それぞれのギヤ112、114の下に位置付けられる。
【0080】
随意に、第2のギヤ114は、いくつかの事例において、機械的インターフェース142のシャフト(図示せず)または車軸(図示せず)のいずれかに結合され得るが、典型的に、随意の第2の機械的インターフェース(図示せず)が、第2のギヤ114に結合するために、デバイス110の上に位置付けられるであろう。
【0081】
機械的インターフェース142の一実装において、微小機械力伝達デバイス110は、ここで説明されるであろうように、モータ10(
図4、4A、4B)のシャフト18’に結合され、モータ10から構築される。
【0082】
ここで
図9を参照すると、
図4、4A、および4B(
図4Bのビューが示される)のモータから開始して、膜層24は、本体層14の壁14a−14d(
図1)を覆う膜24の周囲の接着領域129aおよび中心領域129bを提供するようにパターン化された接着層(図示せず)を具備する。簡略化のために、ロータ、導体等は、示されるが、参照されない。本体14の下側に、膜28がある。
【0083】
本体層128が、膜24の上に配置され、接着剤を有する領域129a、129bにおいて膜に付着する。本体層128は、提供されるであろうギヤに従って構成される適切なギヤ本体支持構造125(
図8Bの支持構造125に類似する)を提供するようにパターン化される。ギヤ本体支持構造125は、ギヤ、例えば、112、114(
図8)のそれらに類似するサイズの特徴を有する。本体層128は、本体層128の材料の中心領域を提供する環状間隙127を提供するようにパターン化される。(これは、各ギアに関して提供され、ギヤ112のみが、断面において示される。)接着層(図示せず)が、領域129aおよび129bを提供するようにパターン化される。別の膜131が、パターン化された接着層132a、132bとともに本体層128上に提供され、ギヤ本体層116が続く(
図8Aおよび8B参照)。接着剤129bを有するそれと反対側の本体層128の中心領域の表面が、モータ10のシャフト18’に付着する。
【0084】
別の膜層、ギヤ本体支持体、膜、およびギヤ本体層(全てが適切なパターン化された接着層および間隙を伴う)の組み合わせが、垂直次元においてギヤ列を構築するために、
図9に示されるそれの上に提供されることができる。加えて、膜、ギヤ支持体、ギヤ層、および膜のより多くのそのような組み合わせが、複雑なギヤ式構造を構築するために提供され得る。加えて、より多くのそのようなギヤが、対応するギヤ支持層特徴を伴う特定のギヤ本体層内に提供され得る。
【0085】
機械的インターフェース142の別の実装において、微小機械力伝達デバイス110は、ここで説明されるであろうように、モータ10(
図5、5A、5B)の車軸18’に結合され、モータ10から構築される。
【0086】
ここで
図10を参照すると、
図5、5A、および5B(
図5Bのビューが示される)のモータ10から開始して、モータ10は、車軸18’’を伴う本体層14、膜24’、および膜28’を含み、本体層48は、本体層14の壁14a−14d(
図1)の上に整列させられた本体層48の周囲の接着領域152a、環状接着領域152b、および中心領域152cを提供するようにパターン化された接着層(図示せず)を具備する。簡略化のために、ロータ、導体等は、示されるが、参照されない。パターン化された環状隙間(参照されず)を有する膜154’が、本体層48の上に提供され、接着領域152a−152cにおいて本体層48に付着する。
【0087】
いくつかの実装において、本体層158が、膜154’の上に配置され、接着剤を有する、示されるが参照されない領域内で膜24’に付着する。本体層158は、ギヤ本体支持体を提供するようにパターン化される。ギヤ本体支持体は、提供されるであろうギヤの特徴に類似するサイズおよび範囲の特徴を有する。特徴は、本体層158の材料の中心領域159を提供する環状間隙157aおよび157bを提供するようにパターン化される。(これは、各ギアに関して提供され、ギヤ112のみが、断面において示される。)いくつかの実装において、層48は、ギヤ支持層として提供されることができ、その場合、本体層158は、使用されないであろう。
【0088】
示されない接着層が、領域159aおよび159bを提供するようにパターン化される。別の膜160が、パターン化された接着層162a、中心領域162b、および環状領域162cとともに本体層上に提供され、ギヤ本体層116が続く(
図8A、8B)。
【0089】
別の膜層、ギヤ本体支持体、膜、およびギヤ本体層(全てが適切なパターン化された接着層および間隙を伴う)の組み合わせが、垂直次元においてギヤ列を構築するために、
図10に示されるそれの上に提供されることができる。加えて、膜、ギヤ支持体、ギヤ層、および膜のより多くのそのような組み合わせが、複雑なギヤ式構造を構築するために提供され得る。加えて、より多くのそのようなギヤが、対応するギヤ支持層特徴を伴う特定のギヤ本体層内に提供され得る。
【0090】
ここで
図11を参照すると、微小機械力伝達デバイス110の第2の段111bが、構築の段階において示される。第2の段111bは、チャンバ167を封入する壁166a−166dを伴うギヤ本体166、および別のギア列を有し、別のギア列は、第3のギヤ172、例えば、駆動ギヤまたは入力ギヤからの機械力を第4のギヤ174、例えば、第2の段の従動または出力ギヤに伝達する。この例において、示される微小機械力伝達デバイス段111bは、さらに回転速度を低減させ、入力ギヤ172と出力ギヤ174との間のトルクを増加させる第2のギヤ列である。第2の段111bは、
図9または
図10(シャフトまたは車軸バージョン)に関して議論される原理のいずれかを使用して提供され得る膜層(図示せず)と、ギヤ支持層(図示せず)と、ギヤ層111bとを含む。ギヤは、テザー(示されるが、参照されない)を用いて繋がれる。
【0091】
動作時、ギヤのうちの一方、例えば、ギヤ172は、入力または駆動ギヤとしての機能を果たし、他方のギヤ、例えば、ギヤ174は、出力または従動ギヤとしての機能を果たす。説明される微小機械力伝達デバイス10において、入力ギヤ172は、第1の段111a(
図1)から、微小機械力伝達デバイス110の出力ギヤ114から駆動され、力を第1の段111aから、微小機械力伝達デバイス110の第2の異なる段111bに伝達する。ギヤ172、174は、車軸または回転シャフトのいずれかの周りに回転可能である。
【0092】
ここで
図12を参照すると、静電モータ10とともに3つのギヤ層(絵画的に表わされるが、それぞれ、
図8A−10に従って構築される)を有するスタックされた微小機械力伝達デバイス110’が、示される。二点鎖線は、隣接する段のギヤの間の段間接続点を表し、矢印は、回転方向を表す。段1(S1)は、
図4または5のシャフトまたは車軸バージョン等のモータを含む駆動装置段である。段2および3(S2およびS3)の各々は、速度低減、トルク増加段であり、それらは、回転方向を逆転させる。段4(S4)は、段への入力における入力方向および速度と同一の出力における方向および速度を維持する緩衝装置段である。
(製造)
【0093】
上で説明される特徴を有する静電モータ10および微小機械力伝達デバイス10は、MEMS処理技法およびいわゆるロールツーロール処理(R2R)処理等の種々の方法を使用して製造されることができる。静電モータ10のための材料は、静電モータ10によって提供されるべき特徴および静電モータ10の製造の方法に基づいて選定される。下記は、静電モータ10の異なる部分の材料を選定するためのいくつかの基準である。
【0094】
モータ力伝達デバイス本体−モータ本体14(および本体24および44および力伝達本体)のために使用される材料は、要件によって定義され得る。一般に、材料は、チャンバを生産するようにその形状を保持するために十分に強い、または堅くある必要がある。いくつかの実装において、材料は、その特徴、例えば、ロータ20およびチャンバ12等が、画定および機械加工/現像され得るように、エッチング可能または感光性である。時として、材料が、静電モータ10内の他の材料と良好に相互作用すること、例えば、それに付着することも、望ましい。さらに、材料は、非導電性である。好適な材料の例は、SU8(ネガティブ型エポキシレジスト)およびPMMA(ポリメチルメタクリレート)レジストを含む。
【0095】
膜:この部分のための材料は、本体14または力伝達本体とともに、それから種々の電極が提供される伝導性層を支持する弾性材料であり得る。したがって、材料は、弾性である場合、前後に曲がることまたは伸びることができるが、そのような弾性特性は、要求されない。膜材料は、ガスおよび液体を含む着目流体に対して不浸透性であり、非導電性であり、低または高破壊電圧特性のいずれかを有することができる。好適な材料の例は、窒化ケイ素およびテフロン(登録商標)を含む。堅い他の材料も、可能である。
【0096】
電極:電極の材料は、導電性である。電極は、大きい量の電流を伝導しないので、材料は、高電気シート抵抗を有することができるが、高抵抗特徴は、必ずしも望ましいわけではない。電極は、膜とともに曲がりおよび伸びを受け、したがって、材料は、疲労および故障を伴わずに曲がりおよび伸びに対処するために柔軟であることが、望ましい。加えて、電極材料および膜材料は、動作条件下で、良好に付着し、例えば、互いに剥離しない。好適な材料の例は、金および白金の非常に薄い層を含む。その他も、可能である。
【0097】
電気相互接続:静電容量測定回路からの電圧は、各チャンバの各膜上の電極に伝導される。これらの電極への電気伝導経路が、伝導性材料、例えば、金および白金を使用して構築されることができる。
【0098】
他の材料:MEMS処理が、マイクロ静電モータ10を製造することにおいて使用されるとき、犠牲充填材料、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)が、使用されることができる。犠牲充填材料は、R2R処理においても使用され得る。いくつかの実装において、溶剤が、製造プロセスにおいて使用され、それは、マイクロ静電モータ10の種々の構築材料に対して追加の要件をもたらし得る。電気回路構成要素のうちのいくつかを膜上に印刷することが、可能であり得る。一般に、ある材料が、上で規定されたが、言及されるものに類似する性質を有する他の材料も、使用され得る。
【0099】
エンドプレート(図に図示せず)が、電極および膜等を周囲から保護するために、完成されたモータ10の上方および下方に設置されることができる。完成されたモータ10は、集積回路のために使用されるそれら等の種々のタイプの包装内に包装されることができる。
【0100】
上で言及されるように、MEMS処理(微小電気機械システム)等のいくつかのアプローチが、静電モータ10を製作するために使用されることができるが、下で議論される技法は、他のタイプのデバイス/システムの形成にも適用され得るロールツーロール処理による製作に関する技法であろう。
(マイクロ静電モータおよび微小機械力伝達デバイスを生産するためのロールツーロール処理)
【0101】
ロールツーロール処理ラインは、堆積、パターン化、および他の処理が行われる封入されたチャンバであるか、または、それを含み得るいくつかのステーションを備えていることができる。高レベルにおいて見られる処理は、したがって、加法的(必要な場所で正確に材料を追加すること)または減法的(不要な場所で材料を除去すること)であり得る。堆積処理は、必要に応じて、蒸発、スパッタリング、および/または化学蒸着(CVD)、および印刷を含む。パターン化処理は、技法に応じて、パターン化される特徴の分解能に応じて、走査レーザおよび電子ビームパターン発生、機械加工、光リソグラフィ、グラビアおよびフレキソ(オフセット)印刷を含むことができる。インクジェット印刷およびスクリーン印刷が、導体等の機能性材料を堆積させるために使用されることができる。パンチング、インプリント、およびエンボス加工等の他の技法も、使用されることができる。
【0102】
元の未加工材料ロールは、可撓性材料のウェブである。ロールツーロール処理において、可撓性材料のウェブは、任意のそのような材料であり得、典型的に、ガラスまたはプラスチックまたはステンレス鋼である。これらの材料(またはその他)のうちのいずれかが、使用され得るが、プラスチックは、ガラスおよびステンレス鋼に優るより低い費用検討事項の利点を有する。具体的材料が、マイクロ静電モータ10の用途に従って決定されるであろう。用途において、遭遇する温度に耐え得るテフロン(登録商標)(登録商標)および他のプラスチック等、遭遇する温度に耐え得るステンレス鋼または他の材料等の材料が、使用されるであろう。しかしながら、ステンレス鋼の場合、種々の要素間の電気的絶縁を確実にするための誘電体の必要性の検討事項が、存在するであろう。
【0103】
示される構造に関して、ロールツーロール処理ライン内のステーションは、要求される処理に従って設定される。したがって、端部キャップおよび上部キャップが、一実装において、ウェブまたはプラスチックシート上に形成され得るが、端部および上部キャップは、説明されるであろうように、マイクロ静電モータ10スタックの形成後に提供される。
【0104】
ここで
図13を参照すると、モータ10を提供するためのロールツーロール処理180を描写するフロー図が、示される(類似する処理が、微小機械力伝達デバイス110のために使用される)。非金属化50ミクロン厚さのシート等の可撓性材料のシート(図示せず)が、主面上に両面接着剤を具備し182、それは、本体層14(
図1)として使用されるであろう。接着剤は、タイプ1801である。モータ10の特定の実装に関して、材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。他の材料も、使用され得る。
【0105】
接着剤を伴うシートは、可動部分に対応するであろう全ての領域から接着剤を取り除くようにパターン化される184。したがって、例えば、シートの一部は、ロータ20に対応し、部材18部分(
図1)は、接着剤の領域を有していない。マスク(図示せず)が、それらの特徴が形成されるであろうシートのエリアから接着剤を除去するためのレーザアブレーションステーションを構成するために使用される。
【0106】
シートは、
図1に議論されるようなチャンバ12および繋がれるロータ20を画定または形成するためのレーザアブレーションステーションを構成するための別のマスク(図示せず)または直接書き込みを使用して、微細加工される186。ビアも、電気接続のために提供される。微細加工は、プラスチックを切除し、本体14(
図1)内にチャンバ12、ロータ16、および部材18を形成する。
【0107】
部材18が固定されないが、回転する実施形態において、(金属を通してであるが、本体層を通してではない)ロータ20上の電極と部材18との間の小さい間隙が、存在し、接着剤18aの層は、使用されない。部材18が固定される実施形態において、(金属および本体層を通した)ロータ20と部材18との間の小さい間隙が、存在し、接着剤18aの層は、使用される。
【0108】
微細作成されたチャンバ12、ロータ20、および部材18を伴うシートは、膜シートの対、例えば、100A厚さのAlの金属層を伴うPETの5ミクロン厚さのシートに両側で積層される188。シートは、それらのシートの金属層が本体から外向きに向いた状態で、膜シートに両側で積層され188、複合シートを提供する。
【0109】
膜シートは、膜によって支持されるパターン化された電極16a−16cおよびタブ17a−17cを形成し、本体14のチャンバ12内に配置されるロータ20を提供するようにパターン化される190。ロータ20は、部材18に取り付けられ、両方がチャンバ12内で自由に回転することを可能にする(
図4)。シートは、金属層を用いてコーティングすることに先立って、またはそれに続いて、整列孔(図示せず)を提供するように機械作成される。
【0110】
パターン化された電極を支持するシートは、シートの両側に配置される事前作成されたシール層の対の間に積層される7192。シール層は、1801接着剤を有する50ミクロンシートである。事前作成されたシール層は、電気接続のために電極アクセス切り欠きを切断するようにパターン化される74。
【0111】
複合シートは、ロータ20および部材18等の可動部分を解放するための解放点を切断し、モータ10を固定具に位置付けるために使用される整列ピン孔(図示せず)を切断し、シートアレイからモータを個片化するために使用されるステッチを切断するように処理される196。複合シートは、シート170の両側に配置される事前作成されたシール層の第2の対(層182のみが示される)とともに積層され198、シール層は、1801接着剤を有する50ミクロンシートである。
【0112】
図14A−14Dおよび15A−15Fは、それぞれ、モータ10上のシャフトおよび車軸実装に関するギヤ列を形成するためのロールツーロール処理の例示的な段階を示す。
【0113】
図14A−14Dは、それぞれ、モータ本体上のパターン化された接着剤、パターン化された膜層、ギヤ支持層特徴を伴うパターン化された本体層、およびシャフトバージョンに関するテザーを伴うギヤの段を示す。
【0114】
特に、本体14へのテザーを伴わない中心ディスク16が、
図14Aに示され、
図14Bにおいて、
図14Aの配列を覆う膜層が、示される。
図14Cにおいて、4つのテザー202a−202dを有するテザー配列が、示され、4つのテザーは、中心ディスク16の上のギヤ支持本体の壁にギヤ支持体を固定し、4つのテザー200a−200dは、ギヤ支持体にシャフトを繋ぐ。
図14Dにおいて、別のテザー配列が、示され、それは、ギヤモジュールの壁にギヤを固定し、
図14Cのギヤ支持体の上でギヤを支持する4つのテザー210a−210dを有する。
【0115】
図15A−15Fは、それぞれ、モータ本体上のパターン化された接着剤、パターン化された膜層、ギヤ支持層特徴を伴うパターン化された本体層、カラー形成層、膜層、および車軸バージョンに関するテザーを伴うギヤの段を示す。
【0116】
特に、
図15Aに示されるものは、本体14へのテザーを伴わない中心ディスク16であり、
図14Bにおいて、2つの環状間隙19b、19c(
図5A)を提供するようにパターン化される
図14Aの配列を覆う膜層24’が、示される。
図15Cにおいて、中心ディスク16の上のギヤ本体の壁にギヤを固定する4つのテザー(参照されず)を有するテザー配列が、示される。
図15Dにおいて、切断された4つのテザー(参照されず)を有するテザー配列が、示される。
図15Eおよび15Fにおいて、車軸実装の外部インターフェースの形成が、示される。
【0117】
図14A−14Dおよび
図15A−15Fの図は、対応する特徴のエッチングのための例示的マスクにほぼ対応する。
【0118】
上記の技法は、データファイルを生成するマシンビジョンシステムを使用することもでき、データファイルは、レーザアブレーションステーションをマスク(または直接書き込み)と整列させることにおいてレーザアブレーションシステムによって使用され、それによって、レーザアブレーションシステムからのレーザビームは、議論されるような本体の対応する部分との位置合わせにおいて使用されるマスクに従って特徴を提供する。電極は、電極および導体の部分ではない領域内の金属を切除し、シート上に絶縁された電極および導体を残すことによって形成される。
【0119】
治具または試験固定具(図示せず)が、整列ピン孔とともに使用されることができる。組立のための他のスタック技法も、整列ピン孔の有無を問わず、可能である。
【0120】
スタックされたモータ10上のパターン化された電極を相互接続するためのビア導体が、キャステラ構造であり、すなわち、電極タブに接触する比較的に広い面積と、電極内の孔を通した比較的に狭い面積とを伴う導体を介して接続される。この配列は、電極部分を通した孔より大きい本体部分内の孔を有することによって提供される。これは、それぞれ、本体および電極のパターン化段階中に遂行されることができる。ビア導体は、孔の中への上で言及される伝導性インクの導入によって形成される。
【0121】
本明細書に説明される異なる実装の要素は、上で具体的に記載されない他の実施形態を形成するために組み合わせられ得る。要素は、それらの動作に悪影響を及ぼすことなく、本明細書に説明される構造から除外され得る。さらに、種々の別個の要素が、本明細書に説明される機能を実施するために、1つ以上の個々の要素に組み合わせられ得る。
【0122】
他の実施形態も、以下の請求項の範囲内である。例えば、レーザ溶接等、層を一緒に接着(すなわち、貼り付け)するための他の技法も、使用され得る。
【国際調査報告】