(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-527274(P2021-527274A)
(43)【公表日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】ブロックチェーンの分散アクセス、記憶、及び転送
(51)【国際特許分類】
G06F 21/64 20130101AFI20210913BHJP
G06F 16/28 20190101ALI20210913BHJP
【FI】
G06F21/64
G06F16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2020-570031(P2020-570031)
(86)(22)【出願日】2019年6月12日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月9日
(86)【国際出願番号】US2019036732
(87)【国際公開番号】WO2019241359
(87)【国際公開日】20191219
(31)【優先権主張番号】16/438,188
(32)【優先日】2019年6月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/684,553
(32)【優先日】2018年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520488492
【氏名又は名称】ダイナミック ブロックチェーン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,ジェームス,エー.
(72)【発明者】
【氏名】マキノ,リュータ,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】グレン−ジョセフ,スーザン,エイチ.
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175KA04
5B175KA12
(57)【要約】
ダイナミックブロックチェーンシステムは、完全アセットマネージャ及び完全アセット記憶域を含む少なくとも1つの完全アセットノードサーバと、ハッシュアセットマネージャ及びアセットブロックチェーンをそれぞれ含む複数のハッシュアセットノードサーバと、ブロックチェーンマネージャ、代表計算関数、及び複数のマップレコードを有するアセットマップを含むダイナミックブロックチェーン管理サーバと、ブロックチェーン管理装置とを含み、ダイナミックブロックチェーン管理サーバは、少なくとも1つの完全アセットノードサーバ内の探索によって、及び複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内のランダムサンプリングによるデジタルアセットの照合によってデジタルアセットを検証する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)デジタルアセットの完全バージョンを記憶するように構成される少なくとも1つの完全アセットノードサーバ、
b)複数のハッシュアセットノードサーバであって、各ハッシュアセットノードサーバは前記デジタルアセットの前記完全バージョンを安全に保管し検証するための前記デジタルアセットのハッシュを含むアセットブロックチェーンの複製を記憶する、複数のハッシュアセットノードサーバ、及び
c)前記デジタルアセットの完全バージョンを追加し、更新し、検証するための要求を受信し処理するように構成されるダイナミックブロックチェーン管理サーバ
を含む、ダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項2】
前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバは、統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内の各ハッシュアセットノードサーバについて前記アセットブロックチェーンのアセットブロックが探索アセット識別子、探索バージョン番号、及び前記デジタルアセットの暗号ハッシュと一致するように、前記少なくとも1つの完全アセットノードサーバ内の前記デジタルアセットの対応バージョンを取得するための前記探索アセット識別子及び前記探索バージョン番号による探索によって、並びに前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内のランダムサンプリングによる前記デジタルアセットの照合によって前記デジタルアセットのアセット検証を行うように構成される、請求項1に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項3】
前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内の少なくとも最小検証閾値のハッシュアセットノードサーバが前記デジタルアセットを検証する場合に前記デジタルアセットの前記アセット検証は成功する、請求項2に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項4】
ハッシュアセットノードサーバの前記最小検証閾値が50%〜99%の範囲内の検証比率閾値である、請求項3に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項5】
ユーザが前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバと対話することを可能にするダイナミックブロックチェーン管理装置
を更に含む、請求項1に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項6】
対応するユーザが前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバと対話することをそれぞれ可能にする複数のダイナミックブロックチェーン管理装置
を更に含み、
前記複数のダイナミックブロックチェーン管理装置内の各ダイナミックブロックチェーン管理装置は前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の対応するハッシュアセットノードサーバに関連する、
請求項1に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの完全アセットノードサーバが、
a)第1のプロセッサ、
b)第1の非一時的メモリ、
c)第1の入力/出力コンポーネント、
d)前記デジタルアセットの前記完全バージョンの処理を管理する完全アセットマネージャ、及び
e)前記デジタルアセットの前記完全バージョンを含む複数のレコードを記憶する完全アセット記憶域
を更に含み、これらは全て
f)第1のデータバス
によって接続される、請求項1に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項8】
前記完全アセット記憶域が複数のアセットレコードを含み、前記複数のアセットレコードが、
a)第1のアセット識別子、
b)アセットの種類、
c)第1のバージョン番号、
d)第1のトランザクション番号、及び
e)完全アセットオブジェクト
をそれぞれ含む、請求項7に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項9】
前記完全アセットオブジェクトが複数のアセット要素を更に含む、請求項8に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項10】
各ハッシュアセットノードサーバが、
a)第2のプロセッサ、
b)第2の非一時的メモリ、
c)第2の入力/出力コンポーネント、
d)アセットブロックのリンクされた構造を含む前記アセットブロックチェーンであって、各アセットブロックは前記デジタルアセットのバージョンのハッシュ表現を含む、前記アセットブロックチェーン、及び
e)前記アセットブロックチェーンの処理を管理するハッシュアセットマネージャ
を更に含み、これらは全て
f)第2のデータバス
によって接続される、請求項9に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項11】
前記アセットブロックのリンクされた構造内の各アセットブロックが、
a)前ブロックのハッシュ、
b)タイムスタンプ、
c)第2のアセット識別子、
d)第2のバージョン番号、
e)第2のトランザクション番号、及び
f)前記完全アセットオブジェクトの暗号ハッシュであるアセットハッシュ
を含む、請求項10に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項12】
前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバは、
探索アセット識別子が前記第1のアセット識別子と一致し、探索バージョン番号が前記第1のバージョン番号と一致するように、前記少なくとも1つの完全アセットノードサーバ内の前記デジタルアセットの対応バージョンを取得するための探索アセット識別子及び探索バージョン番号による探索によって、並びに
統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内の各ハッシュアセットノードサーバについて各アセットブロックが前記探索アセット識別子、前記探索バージョン番号、及び前記デジタルアセットの前記対応バージョンの暗号ハッシュと一致し、
前記探索アセット識別子が前記第2のアセット識別子と一致し、前記探索バージョン番号が前記第2のバージョン番号と一致し、
前記デジタルアセットの前記対応バージョンの計算された暗号ハッシュが前記アセットハッシュと一致するように、前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内のランダムサンプリングによる前記デジタルアセットの照合によって
前記デジタルアセットのアセット検証を行うように構成される、請求項11に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項13】
前記アセットブロックのリンクされた構造内の各アセットブロックが、
前記複数のアセット要素の暗号ハッシュである複数のアセット要素ハッシュ
を更に含む、請求項11に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項14】
前記アセットブロックのリンクされた構造内の各アセットブロックが、
暗号的証明
を更に含む、請求項11に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項15】
前記暗号的証明が、
プルーフオブワーク、
プルーフオブステーク、及び
前記プルーフオブワーク及び前記プルーフオブステークの組み合わせ
で構成される群から選択される、請求項14に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項16】
前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバが、
a)プロセッサ、
b)非一時的メモリ、
c)入力/出力コンポーネント、
d)ブロックチェーンマネージャ、及び
e)前記デジタルアセットに対応する、対応する完全アセットノードサーバ及び対応するハッシュアセットノードサーバの探索を可能にするように構成されるアセットマップ
を更に含み、これらは全て
f)データバス
によって接続される、請求項2に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項17】
前記アセットマップが複数のマップレコードを含み、前記複数のマップレコードが、
a)マップアセット識別子、
b)マップバージョン番号、
c)マップトランザクション番号、
d)完全ノード識別子、
e)完全ノードインターネットアドレス、
f)ハッシュノード識別子、及び
g)ハッシュノードインターネットアドレス
をそれぞれ含む、請求項16に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項18】
前記完全ノードインターネットアドレス及び前記ハッシュノードインターネットアドレスが統一資源ロケータである、請求項17に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項19】
前記探索アセット識別子が前記マップアセット識別子と一致し、前記探索バージョン番号が前記マップバージョン番号と一致するように前記アセットマップ内の前記完全ノード識別子を探索することにより、前記少なくとも1つの完全アセットノードサーバが検索され、
前記探索アセット識別子が前記マップアセット識別子と一致し、前記探索バージョン番号が前記マップバージョン番号と一致するように前記アセットマップ内の対応するハッシュノード識別子を探索することにより、前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバが検索される、請求項17に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項20】
前記ダイナミックブロックチェーン管理サーバが、
前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の前記ハッシュアセットノードサーバの総数の関数入力に基づいて、前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを計算するための代表計算関数
を更に含む、請求項16に記載のダイナミックブロックチェーンシステム。
【請求項21】
ダイナミックブロックチェーンシステムをプロビジョニングすることであって、前記ダイナミックブロックチェーンシステムは
デジタルアセットの完全バージョンを記憶するように構成される少なくとも1つの完全アセットノードサーバ、
複数のハッシュアセットノードサーバであって、各ハッシュアセットノードサーバは前記デジタルアセットの前記完全バージョンを安全に保管し検証するための前記デジタルアセットの暗号ハッシュを含むアセットブロックチェーンの複製を記憶する、複数のハッシュアセットノードサーバ、及び
前記デジタルアセットの前記完全バージョンを追加し、更新し、検証するための要求を受信し処理するダイナミックブロックチェーン管理サーバ
を含む、プロビジョニングすること
を含む、ダイナミックブロックチェーンの方法。
【請求項22】
前記複数のハッシュアセットノードサーバ内のハッシュアセットノードサーバの総数の関数入力に基づいて、前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを計算するための代表計算関数を使用することによって前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを選択すること
を更に含む、請求項21に記載のダイナミックブロックチェーンの方法。
【請求項23】
前記デジタルアセットを検証することであって、前記デジタルアセットは前記複数のハッシュアセットノードサーバ内の前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内のランダムサンプリングによって検証され、前記統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内の少なくとも所定の最小検証閾値のハッシュアセットノードサーバが前記デジタルアセットを検証する場合に前記デジタルアセットの前記検証は成功する、検証すること
を更に含む、請求項22に記載のダイナミックブロックチェーンの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この国際出願は、どちらも参照によりその全体を本明細書に援用する、2018年6月11日に出願された米国本出願第16/438,188号の利益を主張し、2018年6月13日に出願された米国仮特許出願第62/684,553号の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、アクセスポイントにおける、ネットワークにわたる伝送中の、及びネットワークにわたる単一の又は複数の箇所に記憶される間のデータのセキュリティ及び個人のプライバシを保護するダイナミック分散データ構造をもたらすために使用されるシステム、方法、及び手続きに関する。より具体的には、本発明は一般に理解されているブロックチェーンの概念に含まれ、様々なデジタルアセットの作成、それらのアセットの実行、記録、照合、及び検証、並びにそれらのアセット及びそのサブセット要素に関係する登録後の全てのトランザクションのための極めて効率的且つ安全な環境を与えるために、本発明はダイナミック記憶域のシステム、複数の記憶状態、アセットの所有者/受託者によって定められ得る階層セキュリティ、暗号法による暗号化、並びに数学的ハッシュアルゴリズム及び他の方法及び手続きを利用する。デジタルアセット全体の及び/又は或る既定のアセット要素(AE)の確度及び真正性を照合し、複雑な又は「バイナリ」の結果を報告するために。Monti Carlo理論の実装を使用して、インスタンス生成ランダム又は疑似ランダムサンプルサイズ及びサンプリングされるチェーンに沿ったノードのランダム選択を選択する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
個人及び企業は現在、公衆及び私設ネットワーク経由で記憶域にアクセスしデータを転送しており、それらのネットワークは安全性が一段と低くなっており個人のプライバシ及びセキュリティ、企業のセキュリティを危険にさらし、私設及び公衆ネットワーク経由の情報の流れを破損する。加えて、既存のネットワークデータの方法及びシステムは、それらのネットワークを介して移動するデータの有効性を照合すること及びアセットの所有者が安全に操作しながら自らのプライバシを保護することを困難にする。
【0004】
これらの公衆及び私設ネットワーク経由でアクセスされ、トランザクションの対象となり、記憶され、転送されるデータの増加率は毎年指数関数的速度で増加しており、予見できる未来でもそのように増加し続ける。この増加率は、益々混沌としたデジタル領域においてダイナミックスケーラビリティを伴って高レベルの効率で動作しながらアセットのセキュリティ及びアセットの所有者のプライバシを保護するやり方で、広く分散され高度にアクセス可能なデータアセットを提供することができるシステムを必要とする。
【0005】
現在、ブロックチェーンの実装は、デジタルアセット及びその情報のサブセットに対する柔軟なアクセス及び照合をシームレス且つ適時のやり方で提供するダイナミックな能力を欠く。既存の方法は参加者が全体的なプロセスの一環として実際のデジタルアセットを検証し参照する能力を制限し、代わりにトランザクション活動を確認するためにハッシュ表現だけを頼りにする。このことはブロックチェーン技術の全体的な実装並びにデジタルアセットを記憶し、管理し、転送し、照合し、検証するためのブロックチェーン技術の使用にとって非常に制限的であり、金融トランザクション及び支払いトランザクションをより複雑にしている。データフローの指数関数的増加を所与とし、今日想像されるブロックチェーンはスケーラビリティ、従って持続可能性の厳しい問題に直面する。そのため上記の内容を考慮し、効率的且つ安全な分散データアクセス、データ記憶、及びデータ転送を提供するためにブロックチェーンシステムのための新規且つ改善された装置及び方法の需要があり続けることを理解することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明によって上記の需要が大いに満たされ、本発明の態様では、効率的且つ安全な分散データアクセス、データ記憶、及びデータ転送を提供するためにブロックチェーンシステムの既存のモデルを向上させる。
【0007】
一態様では、ダイナミックブロックチェーンシステムは、企業及び個人が全体的なデータアセットの記憶を構成し、データアセットに対するアクセスを獲得及び付与し、全ドキュメントを照合及び検証し、それらの完全データアセット内のサブセットとして定められる、別々に定められたデータ要素を同時に又は独立に照合し検証するための安全且つ極めて効率的な手段を提供する。
【0008】
関連する態様では、ダイナミックブロックチェーンシステムは、データアセットを全部及び数値表現、ハッシュ関数として多数のデータ記憶箇所にわたって分散させ、それらのドキュメント又はその個々のデータ要素の照合を提供するための手段、又はアセットの所有者が全ドキュメントを安全且つ効率的にアクセスし比較する能力を提供する。完全及びハッシュ要素を利用する本発明の階層構造は、ブロックチェーン技術をより広範に使用できるようにするインフラを提供する。本明細書で詳述する構造は、アセットの所有者による参照のために複雑なデジタルアセットを完全に記憶することを可能にする一方、アセットの極めて効率的な照合及び検証、それらのアセット又はサブセットに関係するトランザクション、及び定められ得る追加のプロセスを提供するためにそれらのアセット及びサブセット要素を使用できるようにもする。
【0009】
関連する他の態様では、データがその指数関数的な増加軌道を続けても全システムが簡単な高速アクセス及び照合を提供できるようにする多層のセキュリティ、極めて効率的な親ファイル及びサブセット要素の照合及び/又は検証をダイナミックブロックチェーンシステムが提供しながら、既存の公衆及び私設ネットワーク並びに最新のネットワークインフラがデータを転送し記憶する手段を提供し続ける。
【0010】
関連する更に他の態様では、完全データアセット、データアセット内の独立に定められた完全要素、各データアセットに関係する照合可能情報のアルゴリズムによって導出されるハッシュ数表現、及びそれらのデータアセット内の個々のデータ要素の表現されたサブセットを記憶するために、ダイナミックブロックチェーンシステムが公衆及び/又は私設ネットワークの多数のノードにわたる極めて分散された記憶構造を利用する。
【0011】
関連する態様では、一致及び照合を求めて全データアセット又はサブセット要素を別個に記憶されているそれぞれの複製と比較することにより、及び/又はデータアセット若しくはサブセット要素のハッシュ表現にアクセスすることにより、それぞれの完全なデータアセット又はアセット内のデータ要素の検証を行う。
【0012】
関連する他の態様では、「Monti Carlo理論」等の数学的構造に従って導出される乱数生成アルゴリズムを使用し、迅速なデータ照合並びに所望の場合は元の結果を検証するための第2の及び/又は第3の関数反復を可能にするサンプリング関数を使用することにより、クエリする必要がある記憶ノードの数を大幅に減らす。このサンプリング方法は、定められた「最小及び最大」の限度内で照合すべきノードの数をランダムに又は疑似ランダムに決定し、アクセスし照合すべきそれらのノードをランダムに選択することによってデータ構造のセキュリティを高める。
【0013】
関連する態様では、任意の公衆又は私設ネットワークを介して転送する前に全てのデータアセット及びサブセットデータ要素を暗号化することができ、それぞれがそれらのネットワーク上で完全に暗号化された状態で記憶される。完全アセット、要素、又はその何れかのハッシュ表現の復号はネットワーク内の既定の位置で行われ、その位置は所有権の定義に応じて単一又は複数である。
【0014】
本明細書の本発明の詳細な説明をよりよく理解することができるように、及び当技術分野への本発明の寄与をよりよく理解することができるように、本発明の特定の実施形態を幾分広範に概説してきた。当然ながら、以下で説明し添付の特許請求の範囲の内容を形成する本発明の更なる実施形態がある。
【0015】
この点に関して、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は以下の説明に記載し又は図面に示す構造の詳細及びコンポーネントの構成への適用に限定されないことを理解すべきである。本発明は、記載する実施形態以外の実施形態、及び様々なやり方で実践され実行されることが可能である。加えて、本明細書で使用する語法及び用語並びに要約は説明を目的としており、限定的と見なすべきではないことを理解すべきである。
【0016】
そのため、本開示が基づく概念は本発明の幾つかの目的を実行するための他の構造、方法、及びシステムを設計するための基礎として容易に利用できることを当業者なら理解されよう。従って、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限りにおいて特許請求の範囲がかかる等価の構造を含むと考えることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面の簡単な説明
【
図1】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーンシステムを示す概略図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による、完全アセットノードサーバを示す概略図である。
【
図2B】本発明の一実施形態による、完全アセット記憶域を示す概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、ハッシュアセットノードサーバを示す概略図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、アセットブロックチェーンを示す概略図である。
【
図3C】本発明の一実施形態による、アセットブロックを示す概略図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーン管理サーバを示す概略図である。
【
図4B】本発明の一実施形態による、アセットマップを示す概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーン管理サーバを示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーンシステムに完全アセットを追加するためのデータフローを示す概略図である。
【
図7A】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーン管理サーバから完全アセットノードサーバ及びハッシュアセットノードサーバに伝搬するデジタルアセットのデータフローを示す概略図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーンシステム内のトランザクションのデータフローを示す概略図である。
【
図7C】本発明の一実施形態による、ダイナミックブロックチェーンシステム内のアセット照合要求のデータフローを示す概略図である。
【
図7D】本発明の一実施形態による、
図6、
図7A、
図7B、及び
図7Cに示すデータフローのためのダイナミックブロックチェーンシステム内のシステムデータフローを示す概略図である。
【
図8】ダイナミックブロックチェーンの方法又はプロセスの一実施形態による、従うことができるステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本発明は要素及びプロセスステップの新規且つ非自明の組み合わせに主にあることに注意を払うべきである。当業者に容易に明らかになる詳細によって本開示を不明瞭にしないために、従来の特定の要素及びステップはより大まかに提示している一方、本発明を理解することと関係のある他の要素及びステップを図面及び本明細書でより詳細に説明する。
【0019】
以下の実施形態は本発明の構造又は方法に関する限定を定めることは意図しておらず、例示的な構造を提供することだけを意図する。実施形態は義務的ではなく許容的であり、網羅的ではなく例示的である。
【0020】
以下、本明細書の残りの部分に用いる決まりである、全体を通して同様の参照番号が同様のコンポーネントを指すやり方で、
図1に関してダイナミックブロックチェーンシステム1100の一実施形態の構造を説明する。
【0021】
様々な実施形態において、ダイナミックブロックチェーンシステム1100は、単一の及び/又は複数の識別コンポーネント又は変数で構成されるデータアセットを広く分散して記憶することを可能にする分散記憶方法を提供する。複数のノードの全てがデータ情報を含むように、構築されるブロックチェーンオブジェクトの完全性が保たれ、第1の複数のノードはかかる情報の全体の完全な複製を保持する一方、追加の第2の(典型的には更に多い)複数のノードが基本情報の完全なハッシュ表現を含む。この形態は基本情報の単一の複製よりも多くをダイナミックブロックチェーンシステム1100が常に含むことを可能にする一方、記憶域の使用量及び処理の遅れを減らすためにかかる情報を含むノードの数を限定する。残りの情報は基本情報のハッシュ表現として記憶することができ、統計学的有意性及び乱数生成方法によって決定されるランダムベースでフル基本ドキュメント及びハッシュ表現の幾らかの組み合わせをポーリングすることができる。完全又はハッシュの全ての情報を各ノードにおいて暗号化された状態で記憶する。
【0022】
図1、
図2A、及び
図3Aに示す一実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100が、
a)ソース形式にあるドキュメント等のデジタルアセット1248の完全バージョンを記憶するように構成される少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、
b)複数のハッシュアセットノードサーバ1122であって、各ハッシュアセットノードサーバはデジタルアセット1248の完全バージョンを安全に保管し検証するためのデジタルアセット1248の暗号ハッシュを含むアセットブロックチェーンの複製を記憶する、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、
c)デジタルアセット1248の完全バージョンを追加し、更新し、検証するための要求を受信し処理するダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102、及び
d)ユーザ1150がダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102と対話することを可能にするダイナミックブロックチェーン管理装置1104
を含むことができ、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102は、統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ1122内の各ハッシュアセットノードサーバ1122についてアセットブロックチェーン1312のアセットブロック1330が探索アセット識別子1241、探索バージョン番号1244、及びデジタルアセット1248の暗号ハッシュと一致するように、少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112内のデジタルアセット1248の対応バージョンを取得するための探索アセット識別子1241及び探索バージョン番号1244による探索によって、並びに複数のハッシュアセットノードサーバ1122内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ1122内のランダムサンプリングによるデジタルアセットの照合によってデジタルアセット1248のアセット検証を行うことができ、統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ1122内の少なくとも所定の最小検証閾値のハッシュアセットノードサーバ1122がデジタルアセット1248を検証する場合にデジタルアセット1248の検証は成功する。
【0023】
関連する実施形態では、ハッシュアセットノードサーバ1122の最小検証閾値が50%〜99%の範囲内の検証比率閾値であり得る。
【0024】
関連する実施形態では、
図2Aに示すように完全アセットノードサーバ1112が、
a)プロセッサ1202、
b)非一時的メモリ1204、
c)入力/出力コンポーネント1206、
d)デジタルアセット1248の完全バージョンの処理を管理する完全アセットマネージャ1210、及び
e)デジタルアセットの完全バージョンを含む複数のレコードを記憶する完全アセット記憶域1212
を含むことができ、これらは全て
f)データバス1220
によって接続される。
【0025】
関連する更なる実施形態では、
図2Bに示すように完全アセット記憶域1212が複数1230のアセットレコード1232を含むことができ、そのそれぞれは
a)GUID又はUUID等の一意識別子であり得るアセット識別番号1241とすることができる第1のアセット識別子1241、
b)アセット名1242、
c)アセットの種類1243、
d)第1のバージョン番号1244、
e)第1のトランザクション番号1245、
f)ノード(サーバ)識別子1246、
g)ノードIP1247(又は統一資源ロケータ1247)、
h)完全アセットオブジェクト1248であって、
i.複数1250のアセット要素1252
を更に含み得る、完全アセットオブジェクト1248(デジタルアセット1248とも呼ぶ)、及び/又は
i)記述部、タイムスタンプ等の他のメタ情報1249
の組み合わせ又は全てを含み得る。
【0026】
完全アセットオブジェクト1248は、例えば名前1252、誕生日1252、運転免許証番号1252、パスポート番号1252、社会保障番号1252等を含む複数のアセット要素1252を含む識別ドキュメント1248であり得る。実施形態の別の例では、完全アセットオブジェクト1248はMICROSOFT WORD(商標)又は他の種類のドキュメントとすることができ、アセット要素1252はタイムスタンプ、作成者等、ドキュメントに関連するメタ情報であり得る。
【0027】
関連するまた更なる実施形態では、アセットレコード1232の全ての又は少なくとも一部のフィールド1241、1242、1243、1244、1245、1246、1247、1248、1249、1252を暗号化することができる。
【0028】
様々な実施形態において、完全アセット記憶域1212は、データベーステーブル1212、リンクされた構造1212、又は他のデータ構造1212、若しくはデータ構造1212の組み合わせとして実装することができる。複数のアセット要素1352は、固定数の任意選択的要素とすることができ、又は例えばリンクされたリスト形式の可変長/数の構造として実装することができる。
【0029】
関連する実施形態では、
図3A及び
図3Bに示すように、ハッシュアセットノードサーバ1122が、
a)プロセッサ1302、
b)非一時的メモリ1304、
c)入力/出力コンポーネント1306、
d)アセットブロックチェーン1312の処理を管理するハッシュアセットマネージャ1310、及び
e)アセットブロック1330のリスト、ツリー、又はネットワークとすることができるリンクされた構造1312を含むアセットブロックチェーン1312であって、各アセットブロック1330はデジタルアセットのバージョンのハッシュ表現を含む、アセットブロックチェーン1312
を含むことができ、これらは全て
f)データバス1320
によって接続される。
【0030】
関連する更なる実施形態では、
図3Cに示すようにアセットブロック1330が、
a)前ブロックのハッシュ1362、
b)タイムスタンプ1364、
c)例えばプルーフオブワーク1366、プルーフオブステーク1366、照合可能な遅延機能の証明、又は他の種類の暗号的証明若しくはそれらのものの組み合わせとすることができる暗号的証明1366、
d)GUID又はUUID等の一意識別子であり得るアセット識別番号1341とすることができる第2のアセット識別子1341、
e)アセット名1342、
f)アセットの種類1343、
g)第2のバージョン番号1344、
h)第2のトランザクション番号1345、
i)ノード(サーバ)識別子1346、
j)ノードIP1347(又は統一資源ロケータ1347)、及び
k)完全アセットオブジェクト1248の暗号ハッシュであるアセットハッシュ1348であって、
i)アセット要素1252の暗号ハッシュである複数1350のアセット要素ハッシュ1352
を更に含み得る、アセットハッシュ1348
を含み得る。
【0031】
関連するまた更なる実施形態では、ダイナミックブロックチェーン管理サーバは、
探索アセット識別子が第1のアセット識別子と一致し、探索バージョン番号が第1のバージョン番号と一致するように、少なくとも1つの完全アセットノードサーバ内のデジタルアセットの対応バージョンを取得するための探索アセット識別子及び探索バージョン番号による探索によって、並びに
統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内の各ハッシュアセットノードサーバについて各アセットブロックが探索アセット識別子、探索バージョン番号、及びデジタルアセットの暗号ハッシュと一致し、探索アセット識別子が第2のアセット識別子と一致し、探索バージョン番号が第2のバージョン番号と一致し、
デジタルアセットのバージョンの計算された暗号ハッシュがアセットハッシュと一致するように、複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ内のランダムサンプリングによるデジタルアセットの照合によって
デジタルアセットのアセット検証を行うように構成され得る。
【0032】
関連するまた更なる実施形態では、アセットブロック1330の全ての又は少なくとも一部のフィールド1362、1364、1366、1341、1342、1343、1344、1345、1346、1347、1348、1352を暗号化することができる。
【0033】
関連する実施形態では、
図4Aに示すようにダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102が、
a)プロセッサ1402、
b)非一時的メモリ1404、
c)入力/出力コンポーネント1406、
d)ブロックチェーンマネージャ1410、
e)デジタルアセット1248に対応する、対応する完全アセットノードサーバ1112及び対応するハッシュアセットノードサーバ1122の探索を可能にするように構成されるアセットマップ1412、
f)ハッシュアセットノードサーバの総数の関数入力に基づいて、複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを計算するための代表計算関数1414、並びに
g)アセット及びアセット要素の暗号ハッシュを計算し、アセット及びアセット要素を暗号化及び復号するための暗号マネージャ1416
を含むことができ、これらは全て
h)データバス1420
によって接続される。
【0034】
関連する更なる実施形態では、統計学的に群を代表する数はブロックチェーンのサイズ及びノードの数の関数とすることができる。統計学的に群を代表する数に関する唯一の最低条件は、統計学的に有意な結果をもたらすための一般に認められた最低条件を統計学的に群を代表する数が満たすことである。統計学的に群を代表する数は、記憶情報の重要度又は障害リスクに基づいて調節可能なブロックチェーンの規則に基づく数を上回る任意の数とすることができる。
【0035】
関連する更なる実施形態では、代表計算関数1414は、サンプルサイズを決定する分野のよく知られている方法を使用するように構成することができ、例えばMeadのリソース方程式、累積分布関数、又は他の方法に基づき得るルックアップテーブルとして実装することができ、又はハッシュアセットノードサーバ1122の総数の割合/比率等の線形関数若しくは非線形関数とすることができ、かかる割合/比率は、例えばハッシュアセットノードサーバの統計学的に群を代表する数がハッシュアセットノードサーバ1122の総数の10%以下であるようにハッシュアセットノードサーバ1122の総数の10%未満、1%〜10%、若しくは0.1%〜10%の範囲内にあり、或いはハッシュアセットノードサーバ1122の総数の最大15%、20%、又は25%の範囲内にある。
【0036】
関連する更なる実施形態では、
図4Bに示すように、アセットマップ1412が複数1430のマップレコード1432を含むことができ、そのそれぞれは、
a)GUID又はUUID等の一意識別子であり得るアセット識別番号1441とすることができるマップアセット識別子1441、
b)アセット名1442、
c)アセットの種類1443、
d)マップバージョン番号1444、
e)マップトランザクション番号1445、
f)対応する完全アセットノードサーバ1112の識別子である完全ノード識別子1446、
g)IPアドレス1447、統一資源ロケータ1447、又はIPアドレス及びポート番号を含むソケット1447とすることができる完全ノードインターネットアドレス1447、
h)対応するハッシュアセットノードサーバ1122の識別子であるハッシュノード識別子1448、及び
i)IPアドレス1449、統一資源ロケータ1449、又はIPアドレス及びポート番号を含むソケット1449とすることができるハッシュノードインターネットアドレス1449
の組み合わせ又は全てを含み得る。
【0037】
関連するまた更なる実施形態では、探索アセット識別子がマップアセット識別子と一致し、探索バージョン番号がマップバージョン番号と一致するようにアセットマップ内の完全ノード識別子を探索することにより、少なくとも1つの完全アセットノードサーバを検索することができ、探索アセット識別子がマップアセット識別子と一致し、探索バージョン番号がマップバージョン番号と一致するようにアセットマップ内の対応するハッシュノード識別子を探索することにより、統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバが検索される。
【0038】
関連する別のまた更なる実施形態では、マップレコード1432の全ての又は少なくとも一部のフィールド1441、1442、1443、1444、1445、1446、1447、1448、1449を暗号化することができる。
【0039】
関連するまた更なる実施形態では、完全ノードインターネットアドレス1447及びハッシュノードインターネットアドレス1449が統一資源ロケータであり得る。
【0040】
関連するまた更なる実施形態では、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102が人工知能エンジン1418を更に含むことができ、人工知能エンジン1418は、効率的な処理を与えるためにダイナミックデータ記憶域、複数の記憶状態、階層セキュリティ、ハッシュ関数、暗号方式、並びに転送機能、記憶機能、及び通信機能を含むプロセスの実行を動的に管理するための機械学習及び人工知能をダイナミックブロックチェーンシステム1100が利用することを可能にし得る。そのような効率的な処理は、各トランザクションの速度、各トランザクションに必要な検証のレベル、最適化された転送チャネル、並びに転送及び記憶のセキュリティに関する可変的な検討を有する。人工知能エンジン1418は、様々なトランザクションの種類について一定の最小パラメータ及び最大パラメータを含むことができ、AIエンジンは、急速に変化する実行基準をしばしば含む変化の多い環境における最適な実行を得るために、トランザクションの実行によって学習し調節を行うことができる。
【0041】
関連する実施形態では、
図5に示すようにダイナミックブロックチェーン管理装置1104が、
a)プロセッサ1502、
b)非一時的メモリ1504、
c)入力/出力1506、及び
d)ユーザ1150がダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102と対話することを可能にするためにブロックチェーンマネージャ1410と通信する、ブロックチェーンコントローラ1510
を含むことができ、これらは全て
e)データバス1520
によって接続される。
【0042】
関連する実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100がn>1サンプリング技法を実装することによってリアルタイムトランザクションの能力を提供し、統計学的に有意なサンプルレートを与える数値的頻度でフルドキュメント情報ノードの少なくとも1つをサンプリングすることができ、幾つかの追加のノード(フルノード又はハッシュ表現ノードの組み合わせとすることができる)をサンプリングすることができる。
【0043】
本明細書で使用するとき、トランザクションは既存の情報を検査してその情報が真であることを検証するアクションを指し、情報は例えば勘定残高、人の年齢、住所、財産所有権等であり得る。複雑なトランザクションは、検証及び既存の情報を修正するデータベースへの新たな入力を含み得る。
【0044】
関連する実施形態では、既存の完全ドキュメント又はハッシュドキュメントが維持されるように情報を各ノードにおいて新たなドキュメントとして記録しなければならず、新たな情報の入力が各ノードにおいてそのノード(完全又はハッシュ)によって前に保持されていた形式で置かれるという点で、データベースへの書き込みがブロックチェーンの通則に従う。古典的なブロックチェーンの実装はシリアル読み書きによって動作するが、ダイナミックブロックチェーンシステム1100はシステム構成に応じてシリアル読み書き又はパラレル読み書きを用いて機能することができる。
【0045】
関連する更なる実施形態では、複数の読み取り及び書き込みの更新に対処するために、ダイナミックブロックチェーンシステム1100はブロックチェーンオブジェクト上のノードに書き込み(即ちかかるノードを更新し)、統計学的に有意な数のノードの位置のレコードを保つ。チェーン上の全てのノードが更新される時点まで、これらのノードは同じトランザクションアカウント又はトランザクションレコードに対して行われる追加の高速トランザクションのためのベースノードになる。
【0046】
制御ノードのサブセットがブロックチェーン内の追加のトランザクション照合のための基礎を作り出す一方、チェーン上の全てのノードに情報を書き込むプロセスがバックグラウンドで続く。最新情報を有するノードからノードの新たなサンプルを周期的に取ることができ、又はブロックチェーン上で全てのノードの更新を確認した後の最初のトランザクションについて新たなサンプルを取ることができる。どちらの場合にも、新たなサンプルのためのノードが、ダイナミックブロックチェーンプロセスの全体にわたって詳述するランダムプロセス及び他の基準を使用する、統計学的に有意な数のノードをサンプリングするプロセスに従う。
【0047】
情報=情報の確認及び検証
a)情報を確認するための要求を行う
b)クエリすべき統計学的に有意な数のノードを決定する
c)クエリすべきノードの位置をランダムに決定する
d)被選択ランダムノードをクエリする
e)情報が一致するかどうかを判定するために結果が送り返される
f)情報の送り返しは真又は偽である
g)所定の最小数(但し50%+1以上)のノードからの情報が
i.真で返され検証される
ii.偽で返され検証されない
h)結果が正/真又は負/偽として報告される
i)このプロセスはシステムの規則及びトランザクションに対して当事者が望む確認のレベルに応じて数回のパスにわたってループすることができる。
【0048】
上記の内容は、ブロックチェーン内に含まれる任意のドキュメント又は情報のサブセットを極めて安全且つ極めて効率的なやり方で検証するためのプロセスとして使用することができる。
【0049】
この情報は、個人、財産、又は新たなトランザクションを記録するための前触れであり得る:
【0050】
情報が検証/確認され、
a)上記のステップが行われ、
b)新たなトランザクションが入力され、ブロックチェーンに書き込む準備が整い、
c)書き込むための統計学的に有意な数のノードが決定され、
d)書き込むためのノードの位置がランダムに決定され、
e)書き込むための初期ノードの非永続レコードが作成され、
f)新たに記録されたものが初期位置に書き込まれ、
g)新たな情報が全てのノードに書き込み続け、
h)新たな情報/ドキュメントを全てのノードが記録したら、初期書き込みの非永続レコードが破棄され、
i)全てのノードが更新される前の書き込みを必要とするトランザクションが生じる場合:
i.初期書き込みノードのレコード、及び存在している情報を検証するためにクエリされる
ii.初期書き込みノードが新たなレコードで更新され、全てのノードを最新のトランザクションで更新するために2番目の又はxのプロセスが作成され、
iii.加えて、更新されるプロセス中に及び新たな統計学的に有意な数のノードが更新されるとき初期ノードの書き込みを展開することができ、それによりランダムプロセスを実行して新たな検証、及び更新されている全てのノードにとって仮の1組の新たな初期ノードを作り出すことができる
ように今度は新たなトランザクションが記録される。
【0051】
関連する実施形態では、本明細書で開示するダイナミックブロックチェーンのシステム及び方法は、公衆及び私設ネットワークにわたる分散データアクセス、データ記憶、及びデータ転送のための、デジタルアセット1248を取得し管理するための極めて効率的且つ安全なインフラを提供し、それにより全てのトランザクションを記録するようにアセットを更新することができ、ブロックチェーンの任意のメンバがアセット及びその要素を照合し、それらの照合を容易に検証することができる。ダイナミックブロックチェーンシステム1100は、ネットワークのノードにわたる広範な分散のために、アセットの種類、完全アセット(全ドキュメント又はレコード)、既定の要素(特定の情報を照合するための完全アセットのサブセット)、並びにそれらの完全及び要素レコードの数学的に導出されるハッシュ表現の組み合わせと共に、統計学的有意性を用いて決定される最低条件によって導かれるランダム選択を使用する。
【0052】
関連する実施形態では、アセットは
a)ドキュメント、
b)記録、
c)金融トランザクション、不動産の記録
のデジタル表現、又は
d)画像表現及びグラフィカル表現を含む、物的アセット又はそのアセットに関する情報の任意の種類のデジタル表現
とすることができる。
【0053】
関連する実施形態では、要素はプライマリアセットにとっての既定の属性又はサブセットの組み合わせであり得る。要素は親フォルダ内に完全アセットと共に含めることができ、各要素にはメタデータが指定され、そのメタデータは各要素を独立に照合できるようにしながら各要素を完全アセットに対して識別する。完全ハッシュ及び要素ハッシュファイルは同じ親ファイル形式で構築することができ、完全親ファイルに関する照合を提供することができる。要素の例は、
a)氏名、誕生日、居住している州及び都市、住所情報、市民権等を含み得る個人識別要素、並びに
b)医療記録情報:ワクチン記録、保険、血液型、個人識別情報、検査結果、現在の及び過去の診断等、
c)金融情報:資産一覧、資産のローン及び債務、勤労所得、
d)配当所得、経費、
e)金融トランザクション及び支払い、並びに
f)不動産:不動産所有権、税、査定、ローン、抵当権等
を含み得る。
【0054】
関連する更なる実施形態では、デジタルアセットがブロックチェーン自体の中で作成され、ブロックチェーンと直接インタフェースする特定のプログラムからインポートされ、及び/又はブロックチェーンに対するアクセス特権を有する者によって提出され得る。デジタルアセットは、新たに作成されるアセット又は旧来のアセットとすることができる。
【0055】
関連する別の実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100が数多くのアセットの種類の管理を可能にすることができ、要素を使用することにより、それらのアセットの所有者が公表することを可能にし、完全ドキュメントが公開され又は照合されることを必要とすることなしに、それらの所有者の個人、企業、金融、医療、又は他のレコードのディスクリート要素(discreet elements)を照合することを可能にし得る。この方法はそれらのデジタルアセットの所有者がアセット関連情報の公開をより詳細に制御することを可能にし、従って極めてスケーラブル且つ効率的な環境において個人及び企業にセキュリティ及びプライバシの向上を提供する。
【0056】
関連する更なる実施形態では、主に所有者若しくは規制上の要件を有する者又は所有者によってそれらの権利を付与された者がダイナミックブロックチェーン内で完全親ドキュメントファイルを入手することができるように、完全ドキュメント及び要素ファイルの数が相対的に少なく定められる。これらの専用完全ファイルは、とりわけアセットが破損した場合にアセットを照合し検証する追加の能力を提供する。これらの専用ノードの数を制限することは、極めて効率的な及び容易にスケール変更することができるダイナミックブロックチェーンを構築する。
【0057】
関連する実施形態では、ブロックチェーン内のノードにわたって親ハッシュファイルを広く分散させることができる。これらの軽量で極めて効率的なハッシュファイルは、アセットを照合するための及び/又は照合するための非常に迅速且つ安全なやり方を提供し、年齢、所有権、ワクチン、及び市民権等の要素。
【0058】
関連する別の実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100内のトランザクションは、金融又は支払いトランザクション、レコードの更新、アセットの移動等を含む、完全アセット又はアセットの任意の要素の任意の変更を指す。システムにとっての最初のトランザクションは、アセットがブロックチェーン自体の中で作成されようがインポートされようが、ブロックチェーンにアセットを提出することである。この最初のアセット及びもしある場合はその要素は、代表ハッシュファイルを作成するために処理され、ブロックチェーンのノードにわたる分散のために準備される。ブロックチェーン内の分散のためのノードは、全ての登録ノードに対するもの又はノードの一部のサブセットに対するものであり得る。上記で述べたように、完全アセットを限られた数のノードに分散させることができる一方、ハッシュファイルは多くのノードに広く分散されることが予期され、統計学的有意性の原理によって最低限の分散が決定される。
【0059】
関連する更なる実施形態では、分散がノードの限られたサブセットに対するものである場合、ダイナミックブロックチェーンシステム1100はそれぞれのアセットの種類を記憶するために使用するノードを乱数生成器が決定することを可能にすることができ、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102はそれらのノードの位置を記録することができる。
【0060】
関連する別の更なる実施形態では、将来のトランザクションが、過去の全てのトランザクションに関する記録情報並びにそれらの完全及びハッシュ親ファイルを維持しながら、前回のトランザクションにおいてアセットが記憶されている全てのノードを更新することができ、又は所定のパラメータを有する乱数生成器を使用して一連の新たなノードにトランザクションの更新を指定することができる。ノード位置のランダム指定はファイルに更なるセキュリティを与え、ファイルが追跡可能である、アクセス可能である、削除可能である、又は他の何らかの方法で破損可能である確率を下げる。検証の更なる照合を行うために、過去の全てのファイルが残り、必要に応じてアクセスされ得る。
【0061】
関連する別の実施形態では、本発明の照合及び検証機能が所定のパラメータによるランダムサンプリングを使用して、及びブロックチェーンマネージャの乱数生成器機能を使用して実行される。照合要求が受信されるとき検査すべきノードの数に関する所定の上限及び下限を使用し、ブロックチェーンマネージャはサンプリングすべきノードをランダム選択するためのプロセスを生成し、そのプロセスはランダムスキップ機能のように単純なものとすることができ、又はより複雑なランダム決定アルゴリズムとすることができる。ノードを選択するプロセスが決定されると、モンテカルロ理論又は他の種類の証明されたランダム決定方法を使用するランダムジェネレータが選択すべきノードの数を決定する。照合しようとするファイルの種類に関係なく本発明のサンプリング方法を使用し、このプロセスは著しく高速になり、サンプリングすべきノードのランダム選択によって追跡並びにデータのハッキング及び破損に対して著しく安全になる。本発明の更なる利点は、最初の照合を検証するために、及び必要な場合は破損しているシステムノードを突き止めるために、プロセスの複数の反復を可能にするシステムの高効率の性質である。
【0062】
関連する更に別の実施形態では、暗号化された状態にあるトランザクション情報を複製し、所定の規則に従って比較し照合するためにブロックチェーンマネージャxxxに返すことができ、又はノードにおいて各ファイルを比較するために使用される暗号鍵が正の結果又は負の結果を報告し、完了時に比較ファイルを破壊しながらノードファイルを再び暗号化するように、比較ファイルが提供され又はそのファイルと共にランダムにアクセスされ得る。完全親ファイルであろうとハッシュ親ファイルであろうと、ブロックチェーン上の全てのアセットは完全に暗号化された状態で記憶することができる。
【0063】
関連する実施形態では、
図6はダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102にアセットを提出することができるデータフロープロセスを示し、アセットは少なくとも完全アセット20として記載されており、完全アセット20は、必要な全ての情報を含み、完全アセットのサブセットとして記憶され完全アセット内に含まれるが高速のシステム動作、全体的なセキュリティの改善、及びプライバシの向上をもたらすために個別アクセスが望ましいアセット要素30、40、50を含む能力を保持する。このデータフロープロセスは以下を含むことができる:
a)提出され処理されると、アセットをハッシュアルゴリズム70によって処理することができ、それぞれの完全アセット20及びアセット要素30、40、50の数学的ハッシュ表現60、80、90、100が作成される。
b)ブロックチェーンマネージャ1410と通信する暗号マネージャ1416によって完全アセット、アセット要素、及びハッシュ表現を処理して、各完全アセット、各アセット要素、及び各ハッシュを暗号化することができる。
c)ブロックチェーンマネージャ1410によって各完全アセット及び要素にメタデータを指定することができ、メタデータは完全親ファイルの一部である各コンポーネントを識別し、各親ファイル要素を後で識別するための追加情報を指定し、それにより各親ファイル要素は完全ファイルの一部として及び/又は独立に見つけ照合することができる。ハッシュ親ファイルは完全ファイルと同じ原理を使用して作成することができ、各ハッシュ親ファイルは親ファイル及び/又は各コンポーネント要素として検索され照合され得る完全アセットハッシュ及び各要素ハッシュを含み、それにより各々を独立に又は定められ得る任意の組み合わせで検索し、識別し、検証することができる。
d)記載したプロセスを使用して完全親ファイルの複数の複製350を作成することができ、各親ファイルには所有者によって又はランダムプロセスによって異なるノード位置が指定され、そのノード位置はブロックチェーンマネージャ1410によって記録され、記憶し必要に応じて後で参照するためにファイルが公衆又は私設クラウド等の転送接続120、130、140、150を含むネットワークによって指定ノード位置に送信される。完全ファイルのレプリケーション及び記憶はファイルの所有者が定めることができる。転送、
e)記載したプロセスを使用するハッシュ親ファイルの複数の複製370、各ハッシュ親ファイル370にはブロックチェーンマネージャ1410によって記録される異なるノード位置が指定され、ファイルは記憶し必要に応じて後で参照するためにネットワーク/クラウド220によって指定ノード位置240、250、260、270に送信される(120、130、140、150)。ハッシュ親ファイルのレプリケーションはファイルの所有者が、及び/又はハッシュ情報と共にアドレス指定されなければならない既定の最小数の及び最大数のノード280、290、300、310、320の範囲内のランダム選択を使用して定められる。
【0064】
関連する別の実施形態では、
図7Aはクラウド106を通る親ファイルの伝搬500、400、410、420、430、440、450を示し、クラウド220は私設及び/又は公衆ネットワークとそれらの公衆及び私設ネットワーク内の個々のサーバ及び記憶位置の「ノード」600、610、620、630、640、650との何らかの組み合わせで構成され得る。各クラウド220は完全に私設の又は完全に公衆のネットワーク上に含まれ得る。親ファイルは、完全親ファイル及びハッシュ親ファイルを含む。従って
図5は、完全アセット及びサブセット要素のデジタルハッシュ70表現を作成することによる提出の瞬間からのデジタルアセット及びデジタルアセットの個別要素の論理的転送、並びにノードにわたって安全に記憶するためにそれらのアセット及び要素をブロックチェーンマネージャ1410と通信して暗号化し、クラウド及び個々のノード600、610、620、630、640、650に分散する(500)ときのそれらのアセット及び要素の分散の概要を示す。
【0065】
関連する更なる実施形態では、各親ファイル及び親ファイルのプライマリ及びサブファイル(要素)のそれぞれを完全に暗号化した状態で指定ノード240、250、260、270、280、290、300、310に記憶することができる。
【0066】
関連する更なる実施形態では、
図7Bはブロックチェーン内で行われたトランザクション900を示す。このトランザクションは、新たなブロックチェーンアセットを作成するための最初のトランザクションとすることができ、又は更新を引き起こすトランザクション及びブロックチェーン内の既存のアセットとすることができる。トランザクション900が開始され、クラウド220経由でブロックチェーンマネージャ1410のクラウド接続500に伝送される(550)。アセットの更新及びトランザクションの記録がダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102によって行われ、処理され被選択ノードにクラウド220経由で分散される(500)。全ての台帳エントリにおいて新たなファイルがそれぞれのアセットの種類に追加される。過去の全てのエントリが残る。トランザクションの更新は、関連するアセットハッシュ及びアセット要素ハッシュの更新と共に、完全アセットの更新、アセット要素の更新、又はその両方を含み得る。
【0067】
関連する更なる実施形態では、新たなアセットを作成することが
図6及び
図7Aに関して上記で説明した手続きに従い、それによりトランザクションが作成され、親ファイル及び要素ファイルが作成され、それらの完全及びハッシュ親ファイルが処理され、公衆及び私設ネットワークとそれらの公衆及び私設ネットワークの個々のサーバ及び記憶位置との何らかの組み合わせにわたるクラウドを介して指定ノードに分散され、その結果以下の通りになる:
a)新たな(最初の)トランザクションでは、完全又はハッシュアセットであり得る記憶されているアセットの種類及び対応するアセット記憶位置600、610、620、629、645、650、660、670、679をブロックチェーンマネージャが指定し記録する。各アセットの記憶位置600、610、620、629、645、650、660、670、679はチェーン上の全てのノードを含むことができ、又は各ノードがランダムに選択されるように乱数生成器を使用してランダムに選択される幾つかのノードにアセットを指定することができる。
b)2番目以降のトランザクションでは、
図1及び
図2の全てのステップが完了され、加えてブロックチェーンマネージャがアセットの種類及び位置ファイルを参照し、それらのファイルの種類の新たな更新済みの複製を過去に指定されたノード600、610、620、629、645、650に送信する。
【0068】
関連するまた更なる実施形態では、更新済みのファイルをプライマリとして識別するための追加のメタデータと共に、更新済みの親ファイル及びその要素をノード位置に記憶することができる。アセットの更なる照合又はそのアセットに対する任意のトランザクションが必要な場合に使用するために、既存のファイルは全ての位置においてそのまま保つことができる。
【0069】
関連するまた更なる実施形態では、上記で説明したプロセスの代わりに、第2のトランザクションが
図6及び
図7Aに関して上記で説明した全てのプロセスを経ることができるが、記憶されるアセットの種類ごとにブロックチェーンマネージャ1410が乱数生成器アルゴリズムを使用して1組の新たなノードを選択して、親ファイルを記憶すべき1組のノードを選択する。この代替的実施形態では、ブロックチェーンマネージャ1410が新たなトランザクションの親ファイルのノード位置についての注記(即ち記録簿/レコード)を作成し、それを更新済みのファイルとしてブロックチェーンマネージャのアセットマップ1412に追加することができる。ブロックチェーンマネージャ1410は、更なる照合又はアセットの回復に必要な場合に過去のアセットを後で参照するために過去の全てのアセット及び位置マップエントリを保つ。ブロックチェーン上の全てのアセットは、完全に暗号化された状態で自らの記憶ノードにとどまることができる。
【0070】
関連する更に別の実施形態では、
図7Cは、或るアセットの特権を有する又は特権を付与されている当事者が完全アセット600、610、620、629、アセットの要素640、660、679、又はアセット要素640、660、679及び/又は表されたハッシュファイル及び関連する要素の組み合わせの照合を要求しているアセット照合910を示し、その結果以下の通りになる:
a)アセットの所有者又は譲受人は自身を照合することができ、又は完全アセット親ファイル600、610、620、及び/又はハッシュアセット親ファイル630、640、650の任意のコンポーネント又は組み合わせを照合する権利を他者に付与することができる。
b)ダイナミックブロックチェーンシステム1100のアセット及び/又はアセット要素を照合するために、ブロックチェーンマネージャ1410に照合要求910を送信することができ、要求はブロックチェーンマネージャ1410で処理される。
c)単一のアセット親ファイルであろうとアセット親ファイルの組み合わせであろうと、照合プロセスは、ダイナミックブロックチェーンシステム1100上の最低でも幾らかの統計学的に有意な数のノードをサンプリングして、サンプリングされるそれらのノードのそれぞれに記憶される情報について正又は負の一致を判定することによってダイナミックブロックチェーンシステム1100内のアセットを照合する。
d)サンプリングした各ノードのレコードを完全に暗号化された状態でブロックチェーンマネージャ1410に返すことができ(500)、ブロックチェーンマネージャ1410はレコードを復号し、そのレコードをサンプリングされている他のノードと比較して、照合のための要求と共に提供されるベースアセット識別子との正又は負の一致を判定し、又はかかるベースユニットはブロックチェーンマネージャ内で使用される乱数生成器の選択によってベースユニットであるようにランダムに選択される。或いは、ベース識別子が提供されようとランダムに選択されようと、ベース識別子はそれぞれの選択されたサンプリング済みノードに対し、情報を各ノードにおいて開き、比較し、再暗号化するための適切な暗号鍵と共に暗号化された状態で転送することができる。
【0071】
関連する更なる実施形態では、照合の要求910があると、ブロックチェーンマネージャ1410がモンテカルロシミュレーション等の数学アルゴリズムの乱数生成を使用する暗号マネージャ1416の内部の乱数生成器をクエリしてサンプリングするノードの数、及びそのノードの数に関してサンプリングする具体的なノードを生成する。サンプリングするノードの数は、統計学的、システムの完全性及びシステムの効率のためにサンプリングしなければならない最小ノード数の要求の釣り合いを取る最小から最大までの所定の範囲であり得る。照合の要求は完全アセットに対するものとすることができ、又は全ての若しくは一部のアセット要素、又はそれらのものの組み合わせに対するものであり得る。
【0072】
関連する別の更なる実施形態では、各要求に関する照合のプロセスを1回又は複数回行うことができ、過去の照合機能に対する検証を行いデータストリーム内の破損を更に制限する追加の照合と共にランダム選択がそれぞれ使用される。照合は新たなトランザクションを記録する前に、及び/又はトランザクションの記録を照合するために新たなトランザクションを記録した後で、及び/又はファイル若しくは特定の要素(情報片)を照合するために特定のトランザクション又は更新と独立に行うことができる。
【0073】
関連する別の実施形態では、
図7Dは
図6、
図7A、
図7B、及び
図7Cで詳述したダイナミックブロックチェーンシステム1100のプロセスを示し、本発明の構成がトランザクション及びシステムアセットの照合の要求920を受信し、アセット、その要素、並びに後の代表ハッシュファイル及び親ファイルの最初の作成がトランザクションの種類765を構成し、その種類は記憶及び/又は照合されるアセットの種類に応じて記述され詳述される。ダイナミックブロックチェーンシステム1100は、公衆若しくは私設ネットワーク又はその一部の組み合わせ上の何らかの位置にあり、クラウド220によってアクセスされるノード600、640、645、620等の論理構造であり、クラウドはそれらの公衆及び私設ネットワーク並びにそこに接続されるサーバ及び記憶装置の何らかの組み合わせである。
【0074】
関連する実施形態では、
図7A、
図7B、
図7C、及び
図7Dのノードはネットワーク/クラウド経由でアクセスされる任意の数のノードを表し、ノードの数は1+nの複数とすることができ、ノード600、610、620、629、630、640、650、660、670、679は多数であり得ることが予期される。
【0075】
関連する実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100が2つ以上のプライマリアセットの種類:
a)完全アセット、並びにアセットの全詳細及びそのアセットに関係する全てのトランザクションレコードを含む完全アセットの完全要素と、
b)極めて効率的なアセットの照合又は要素情報の照合及び/又は検証を提供する、独立に照合可能な何らかの既定の情報片並びに完全ファイル及び要素情報と独立に記憶されるそれぞれの数学的ハッシュ表現を含む完全アセット要素と
を含み得る。
【0076】
関連する実施形態では、位置マップ及びアセットの種類マップは、ダイナミックブロックチェーンシステム1100内のメンバ1150の数及び種類に基づいて予め定めることができる論理構造である。アセットマップへのアクセスは公衆又は私設ブロックチェーンの規則に従って付与することができる。ファイルはハッシュされ暗号化されたままである。
【0077】
特定の実施形態及び応用に関してダイナミックブロックチェーンシステム1100について要約した形及び詳細な形の両方で説明してきたが、それらの説明がダイナミックブロックチェーンシステム1100の範囲をかかる任意の実施形態及び応用に多少なりとも限定することは意図しておらず、本明細書で示す方法及びシステム並びにその動作について記載する実施形態、応用、及び詳細において、本発明の趣旨から逸脱することなしに多くの置換、変更、及び改変が当業者によって行われ得ることが理解されよう。
【0078】
関連する様々な実施形態において、ダイナミックブロックチェーンシステム1100は、単純な及び複雑なデジタルアセット、それらのアセットに関係するトランザクション、並びにアセット全体を又はサブセット要素の一部のサブセット若しくは組み合わせを照合し検証するためのトランザクション要求及び独立した要求をダイナミックブロックチェーンが記憶することを可能にするシステム、方法、及び手続きを提供する。完全アセットレコードで構成される親アセット並びにランダム指定及びランダムサンプリングの使用を伴う確定したアセット要素を導入し利用することは、様々な種類のデジタルアセット及びアセット要求を処理するように容易に適合することができる極めて効率的且つスケーラブルなシステムを作り出す。
【0079】
関連する代替的実施形態では、アセットブロック1330が以下のメタデータ情報を含み得る:
a)トランザクション/バージョンの番号付け
b)ハッシュかフルかを判定するための識別情報
i.識別要素Hash及び
ii.識別要素full
c)IP/URL位置情報
d)(暗号化されたノードのための)暗号化された新たなハッシュ情報
e)暗号化要素のハッシュ情報(可変フィールドの更新)
f)(限られた数のfull docフィールドのための)暗号化されたフルドキュメント情報
g)追加のネットワーク転送情報、及び/又は
h)個々のブロックチェーンに応じて可変とすることができる、ブロックチェーンマネージャにアクセスするためのセキュアアクセス情報
【0080】
関連する実施形態では、ダイナミックブロックチェーンシステム1100を使用するためのワークフローが以下を含み得る:
a)個人又はエンティティがトランザクションプラットフォーム(銀行、企業、政府NGO等)にアクセスすることであって、
i.アクセスされるプラットフォームに適切な資格情報が提示されること、
ii.ドキュメント(標準化)がアクセスされること、
iii.ドキュメント要素を照合するための要求が行われること(残高、年齢、住所等)、
iv.要素(可変フィールド)の変更を表すトランザクションが(所望の場合)開始されること、
v.トランザクションがブロックチェーンマネージャに安全に伝送されること、
vi.メタデータ及び情報を記憶するための適切なブロックチェーンを含めること、
vii.新たなユーザドキュメントがバージョン1である場合、
viii.ドキュメントのバージョンを更新することが後続の番号に改訂される場合、
を含む、トランザクションプラットフォームにアクセスすること、
b)ブロックチェーンマネージャ(BCM)1410が
i.ブロックチェーンマネージャが有効なアクセス及びトランザクションを確認すること、
ii.ブロックチェーンマネージャが元のブロックチェーン位置についてデータマップを参照すること、
iii.又はnewが適切なブロックチェーン上のノードにアセットを指定する場合、
iv.書き込まれているブロックチェーンの全てのノードが新たなドキュメントとして記録されること、
v.又は更新及び古いドキュメント、
vi.BCMはフルドキュメントに関して予め指定されたノードにフルドキュメント及びフル要素を送信すること、
vii.及びハッシュとして指定されたノードにハッシュを
を含む処理を行うこと、
c)更新前の照合:
i.BCMは照合のためにクエリすべきブロックチェーンを決定する
ii.BCMは照合される情報を読み出す
iii.BCMはアクセスしアルゴリズムを実行して、照合のためにサンプリングされる統計学的に有意なNを選択する
iv.BCMの乱数生成器がアクセスされ、サンプリングされるノードを選択するためのランダム選択ノード識別番号
v.最初にアクセスするためのフルドキュメントノード(少なくとも1つ存在しなければならない)が選択される
1)確認される情報(要素)についてフルアクセスノードがクエリされる
2)関連情報が取得される
3)非暗号化されハッシュが作成される
4)これが参照ハッシュである
vi.BCMがランダムに選択されたノードをクエリする
1)決定された統計有意数が達成されるまでノードがクエリされる
2)ノードはシリアルに又はパラレルにクエリすることができる
vii.ノード上に記憶されるハッシュはBCMに取り込まれてもよく、それらはBCMにおいて
1)非暗号化され(フル要素から作成される)参照ハッシュと比較される
2)又は参照は暗号化され、クエリされる各ノードに伝わることができる
3)復号及び比較の両方が行われ、正又は負の結果が返される
viii.コンセンサス規則に従って照合が正又は負で達成される:
1)最後に、クエリされるノードの50%+1が確認に対して正である
2)BCMは規則に従って高いレベルを設定することができる
ix.照合は正又は負の確認を返すことができる
x.又は負の場合はトランザクションを拒否し、又は
xi.正の場合、確認は新たなトランザクションを記録することに進み、
xii.この形態は複雑なブロックチェーンからの非常に高速で安全な結果をもたらし、ノードの数又はブロックチェーンの数が増えるにつれてシステムの利点が増加する
d)新たな(トランザクションの更新)を記録する
i.正の確認の後
ii.BCMは更新済みの情報を書き込むための1組の新たなランダムノードを選択する
iii.選択されるノードの数は統計学的に有意の規則に従う
iv.少なくとも1つのノードがフルドキュメントノードでなければならない
v.フルドキュメントノードが更新される:
1)新たなフルドキュメントによる
2)それぞれの更新済み要素による
vi.統計学的に有意な数のハッシュノードが更新される:
3)フルドキュメントのハッシュ、及び
4)更新済み要素のハッシュによる
vii.BCMは、ステップ5及びステップ6から全ての更新済みノードの非永続レコードを作成する
viii.非永続レコードはチェーン上の全てのノードが更新されるまで保たれる
ix.そのブロックチェーン内に含まれるブロックチェーンの全てのノードに新たなデータブロックが追加される
e)フルブロックチェーンの更新中の複数のトランザクション:
x.BCMは全てのノードが更新されるまでE−6に従って選択され書き込まれるノードのレコードを保つ
xi.残りのノードが更新されている間に行われるトランザクションはBCMによってランダムに選択される参照ノードを使用して更なるトランザクションを照合する
xii.E−6からの非永続ファイルはまで、又はノードが最新に更新される
xiii.少なくとも1つのフルドキュメントノードを含む新たな第2の1組の統計学的に有意な数のノードが更新されるまで、それにより:
1)全ブロックチェーンが依然として更新している期間中、サブセグメントトランザクションを照合するためにこの更新済み非永続ファイルが作成され使用される(これは長期間にわたって新しい全てのトランザクションで全てのノードを更新しない非常に高ボリューム向けであり得る)
2)非永続ノードは、更新ごとのバージョン管理を含むフルメタデータを保つ
3)照合は非永続記録ノード内の最新のバージョンを使用して常に行われる、又は
4)新たなトランザクションが受信される前に全てのノードが更新されている場合は新たなランダムサンプルを使用する
5)論理及びメタデータ管理バージョンの番号付け及びバージョンの書き込み、これにより
−非永続照合レコードごとの参照アドレスをBCMが常に知り、
−BCMはブロックチェーンへのそれらのレコードの書き込みを最古から最新のバージョン順に管理する、及び
f)非永続ノードの後のブロックチェーンへの書き込み後、古典的なブロックチェーンの検証技法を使用するためにプルーフオブワーク又はプルーフオブステークを下流で使用することができる
【0081】
関連する実施形態では、ダイナミックブロックチェーン管理装置1104が以下のような構成を含み得る:
a)ウェブブラウザ内で実行されるウェブアプリケーション、
b)例えばANDROID(商標)又はIOS(商標)タブレット装置等のタブレット装置上で実行されるタブレットアプリケーション、
c)例えばANDROID(商標)フォン又はIPHONE(商標)又は任意のウェアラブルモバイルデバイス等のモバイルデバイス上で実行されるモバイルアプリケーション、
d)パーソナルコンピュータ又は同様の装置上で実行されるデスクトップアプリケーション、
e)例えばスマートTV、ゲーム機、又は他のシステム等の処理装置上で実行される埋め込みアプリケーション
【0082】
図1に示すダイナミックブロックチェーンシステム1100の実施形態の実行例は、対応するユーザ1150又は複数のユーザ1150にそれぞれ結び付けられる複数のダイナミックブロックチェーン管理装置1104を含むことができ、それにより各ダイナミックブロックチェーン管理装置1104は対応するユーザ1150がダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102と対話することを可能にすることを理解すべきである。
【0083】
図1に示すダイナミックブロックチェーンシステム1100の実施形態の実行例は、同様に複数のダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102を含むことができる。
【0084】
一実施形態では、
図8に示すようにダイナミックブロックチェーンの方法800が、
a)ダイナミックブロックチェーンシステムをプロビジョニングすること802であって、ダイナミックブロックチェーンシステム1100は
ソース形式にあるドキュメント等のデジタルアセットの完全バージョンを記憶するように構成される少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、
複数のハッシュアセットノードサーバ1122であって、各ハッシュアセットノードサーバはデジタルアセットの完全バージョンを安全に保管し検証するためのデジタルアセットの暗号ハッシュを含むアセットブロックチェーンの複製を記憶する、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、及び
デジタルアセットの完全バージョンを追加し、更新し、検証するための要求を受信し処理するダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102
を含み得る、プロビジョニングすること802、
b)ハッシュアセットノードサーバの総数の関数入力に基づいて、複数のハッシュアセットノードサーバ内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを計算するための代表計算関数1414を使用することによって統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバを選択すること804、
c)デジタルアセットを検証すること806であって、デジタルアセットは複数のハッシュアセットノードサーバ1122内の統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ1122内のランダムサンプリングによって検証される、検証すること806
を含むことができ、統計学的に群を代表する数のハッシュアセットノードサーバ1122内の少なくとも所定の最小検証閾値のハッシュアセットノードサーバ1122がデジタルアセットを検証する場合にデジタルアセットの検証は成功する。
【0085】
図1〜
図8は、本発明の様々な実施形態によるブロック図及び流れ図、方法、装置、システム、機器、並びにコンピュータプログラム製品である。ブロック図、流れ図、及び制御流れ図の各ブロック又はステップ、並びにブロック図、流れ図、及び制御流れ図の中のブロックの組み合わせはコンピュータプログラム命令又は他の手段によって実装され得ることを理解すべきである。コンピュータプログラム命令について論じたが、本発明による機器又はシステムは、開示した機能を実行するための1つ又は複数のプロセッサ又はコントローラを含む、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアとの何らかの組み合わせ等の他の手段を含むことができる。
【0086】
この点に関して
図1〜
図7Dは、本発明の実施形態を実装することができる汎用コンピュータの主要コンポーネントの幾つかをそれぞれ含む様々な実施形態のコンピュータ装置を示す。コンピュータは多くのコンポーネントを含み得ることを当業者なら理解されよう。但し、本発明を実践するための例示的実施形態を開示するためにそれらの一般に従来型のコンポーネントの全てを示す必要はない。汎用コンピュータは処理ユニット、並びにランダムアクセスメモリ(RAM)及び読取専用メモリ(ROM)等の様々な形式の非一時的記憶媒体を含み得るシステムメモリを含むことができる。コンピュータは、追加のデータを記憶することができるハードディスクドライブ等の不揮発性記憶メモリも含むことができる。
【0087】
図1は、少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102、及びダイナミックブロックチェーン管理装置1104を含むダイナミックブロックチェーンシステム1100の一実施形態の図を示す。これに関連してサーバは、1つ又は幾つかの物理的な位置にある1つ、2つ、又は複数の個別の物理計算装置として物理的に表現することができる一般的な計算能力を表すと理解すべきである。サーバは、例えば単一のデスクトップコンピュータ、専用サーバ、ラックマウント式の物理サーバ群、データセンタ若しくはデータセンタのネットワークであって、かかる各データセンタは複数の物理サーバを含む、データセンタ若しくはデータセンタのネットワーク、又はAMAZON EC2(商標)若しくはMICROSOFT AZURE(商標)等の計算クラウドを計算的に共用することとして表現することができる。
【0088】
少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102、及びダイナミックブロックチェーン管理装置1104の上述のコンポーネントは最も大まかな方法で解釈されるべきであることを理解すべきである。
【0089】
例えばプロセッサ1202、1302、1402、1502は、単一の物理マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、プロセッサ群、データセンタ又はデータセンタ群、計算クラウドサービス等をそれぞれ含むことができる。
【0090】
更なる例では、非一時的メモリ1204、1304、1404、1504は、ランダムアクセスメモリ及び他の形式のダイナミック記憶域、並びにハードディスク、ハードディスク群、クラウドストレージサービス、及び他の形式の長期記憶域を含む様々な形式の非一時的記憶媒体をそれぞれ含み得る。同様に、入力/出力1206、1306、1406、1506は、スクリーン、キーボード、ポインティングデバイス、モーショントラッカ、通信ポート等の複数のよく知られている入力/出力装置をそれぞれ含むことができる。
【0091】
更に、少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102、及びダイナミックブロックチェーン管理装置1104は一般的なコンピュータ装置の分野でよく知られており、従って本明細書で更に説明することのない幾つかの他のコンポーネントをそれぞれ含み得ることを理解すべきである。これは例えばWINDOWS(商標)、LINUX(商標)、及び同様のオペレーティングシステムソフトウェア等のオペレーティングシステム層等による共通機能及びハードウェアへのシステムアクセスを含み得るが、アプリケーションサービスがサーバハードウェア上で直接又は完全オペレーティングシステム以外のハードウェアアブストラクション層を介して実行される構成も含むことができる。
【0092】
本発明の一実施形態は、マウス、キーボード、モニタ等の1つ又は複数の入力コンポーネント又は出力コンポーネントも含むことができる。テキスト及びグラフィカルデータ、並びにユーザが特定の操作を要求することを可能にするユーザインタフェースを閲覧するためのディスプレイを設けることができる。更に本発明の一実施形態は、ネットワークインタフェースによって1つ又は複数のリモートコンピュータに接続され得る。接続は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)上とすることができ、かかる接続に必要な回路の全てを含み得る。
【0093】
関連する実施形態では、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102がネットワーク上で少なくとも1つの完全アセットノードサーバ1112、複数のハッシュアセットノードサーバ1122、及びダイナミックブロックチェーン管理装置1104と通信し、かかるネットワークは一般的なインターネット、広域ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク、又は有線接続若しくは無線接続上で伝送される別の形式の通信ネットワークを含み得る公衆又は私設クラウドとして構成され得る。無線ネットワークは、例えばイーサネット、Wi-Fi、BLUETOOTH(商標)、ZIGBEE(商標)、及びNFCを含み得る。通信は安全で暗号化された通信プロトコルによって転送することができる。
【0094】
典型的には、専用マシンをもたらすためにコンピュータ又は他の汎用プログラマブルマシン上にコンピュータプログラム命令をロードすることができ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルマシン上で実行される命令がブロック図、概略図、又は流れ図の中で示す機能を実装するための手段を作り出す。かかるコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルマシン内にロードされるとき特定のやり方で機能するようにマシンに指示することができるコンピュータ可読媒体の中に記憶することもでき、それにより、コンピュータ可読媒体の中に記憶される命令がブロック図、概略図、又は流れ図の中で示す機能を実装する命令手段を含む製品をもたらす。
【0095】
加えて、一連の操作ステップをコンピュータ又は他のプログラマブルマシンに実行させてコンピュータによって実装されるプロセスをもたらすために、コンピュータプログラム命令をコンピュータ又は他のプログラマブルマシン内にロードすることができ、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブルマシン上で実行される命令がブロック図、概略図、流れ図のブロック又はステップの中で示す機能を実装するためのステップをもたらす。
【0096】
従って、ブロック図、流れ図、又は制御流れ図のブロック又はステップは、指定の機能を実行するための手段の組み合わせ、指定の機能を実行するためのステップの組み合わせ、及び指定の機能を実行するためのプログラム命令手段に対応する。ブロック図、概略図、又は流れ図の各ブロック又はステップ、並びにブロック又はステップの組み合わせは、指定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装できることも理解されよう。
【0097】
例示目的で示すに過ぎない一例として、検索エンジンアプリケーションのデータ入力ソフトウェアツールが、1つ又は複数の検索語を含むクエリを受け付けるための代表的な手段であり得る。アプリケーションの同様のソフトウェアツール、又は本発明の実施形態の実装は指定の機能を実行するための手段であり得る。例えば本発明の一実施形態は、マウス、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、スキャナ等のユーザによって制御される入力装置と処理要素をインタフェースするためのコンピュータソフトウェアを含み得る。同様に、本発明の一実施形態の出力は、例えばディスプレイソフトウェア、ビデオカードハードウェア、及びディスプレイハードウェアの組み合わせを含み得る。処理要素は、例えば中央処理装置(CPU)、演算論理ユニット(ALU)、又は制御ユニット等のコントローラ又はマイクロプロセッサを含み得る。
【0098】
本明細書では、数多くの使用モードで用いることができる装置及び装置に関係する方法の多数の実施形態を説明してきた。
【0099】
本発明の多くの特徴及び利点が詳細な本明細書から明らかであり、従って本発明の真の趣旨及び範囲に含まれる本発明のそのような全ての特徴及び利点を対象として含むことが添付の特許請求の範囲によって意図される。
【0100】
例えば代替的実施形態は、ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102及びダイナミックブロックチェーン管理装置1104のコンポーネントを再構成し又は組み合わせることができる。ダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102のコンポーネントは複数の物理サーバ、論理サーバ、又は仮想サーバ上に分散させることができる。ダイナミックブロックチェーン管理装置1104のコンポーネントの一部又は全てをダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102内で動作するように構成することができ、それにより、ダイナミックブロックチェーン管理装置1104は例えばグラフィカルユーザインタフェースの提示及び入力/出力機能だけを実行するシンクライアントとして機能し得る。或いはダイナミックブロックチェーン管理サーバ1102のコンポーネントの一部又は全てをダイナミックブロックチェーン管理装置1104内で動作するように構成することができる。
【0101】
そのような多くの代替的構成が容易に明らかになり、本明細書及び添付の特許請求の範囲に完全に含まれると考えるべきである。従って当業者なら数多くの修正及び改変を容易に思い付くので、本発明は図示し説明した厳密な構成及び動作に限定されず、従って本発明の範囲に含まれる全ての適切な修正及び等価物を用いることができる。
【国際調査報告】