特表2021-527373(P2021-527373A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江蘇傲為控股有限公司の特許一覧

特表2021-527373ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン
<>
  • 特表2021527373-ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン 図000003
  • 特表2021527373-ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン 図000004
  • 特表2021527373-ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン 図000005
  • 特表2021527373-ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン 図000006
  • 特表2021527373-ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-527373(P2021-527373A)
(43)【公表日】2021年10月11日
(54)【発明の名称】ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/32 20060101AFI20210913BHJP
【FI】
   H04L9/00 675Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2021-516946(P2021-516946)
(86)(22)【出願日】2019年8月16日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月26日
(86)【国際出願番号】CN2019101059
(87)【国際公開番号】WO2020042937
(87)【国際公開日】20200305
(31)【優先権主張番号】201810986825.3
(32)【優先日】2018年8月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201910145999.1
(32)【優先日】2019年2月27日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521012474
【氏名又は名称】江蘇傲為控股有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】バイ、ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、シャンフェン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ドンユン
(57)【要約】
【課題】本願は、ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーンを提供し、前記方法は、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップと、パブリックチェーンの正規形に符合される、同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成するステップと、パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップと、を含む。
【解決手段】本願において、パラチェーンは、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成し、かつ、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックのブロックデータをパラチェーンブロックに含む。パラチェーンノード自身がパブリックチェーンノードであるので、パラチェーンは、パブリックチェーンのサブチェーンである。サブチェーンは、パブリックチェーンにおける一部として、ノードとネットワークシステムにおいてパブリックチェーンと一致しているので、サブチェーンにおけるブロックチェーンは、パブリックチェーンにより直接訪問されることができる。これにより、クロスチェーン取引を行う時に、パブリックチェーンは、サブチェーンのブロックデータの読み取り方に従って、パラチェーンからアクセスチェーンのブロックデータを読み取り、クロスチェーン取引を実現することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成するステップと、
前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップと、を含む、
ことを特徴とするブロックチェーンパラチェーンの保守方法。
【請求項2】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成するサブステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記インデックス識別子と、前記アクセスチェーンブロック識別子と、前記パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子と、を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
前記同期すべきブロックのブロックデータを前記ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックのブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成するサブステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
アクセスチェーンブロック識別子を前記ブロックヘッダの後ろの位置に加えるサブステップと、
取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含む前記ブロックデータのタイプによって、インデックス識別子を前記アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えるサブステップと、
前記ブロックデータを前記パブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それを前記インデックス識別子の後ろの位置に加えて、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成した後は、
パブリックチェーンに、前記ブロックデータに対応するアクセスチェーンブロック識別子とパラチェーンブロック識別子とインデックス識別子とを含む要約情報を送信して、パブリックチェーンが、前記要約情報によってパラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップは、
アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数をmと決定するサブステップと、
前記アクセスチェーンブロックチェーンにおける前のm−n個のブロックをコンセンサスブロックとして決定するサブステップであって、前記nは、予め設定された0よりも大きい正の整数の値であり、前記コンセンサスブロックは、アクセスチェーンブロックチェーンにおいて既にアクセスチェーンノードのコンセンサスを得たブロックであるサブステップと、
前記パラチェーンブロックチェーンにおけるアクセスチェーンブロック識別子によって、前記コンセンサスブロックにおけるブロックデータが同期されていないブロックを同期すべきブロックとして決定するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記同期すべきブロックの数は、2以上の正の整数のkであり、
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
予め設定された時間長さごとに、1つのパブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するサブステップであって、前記予め設定された時間長さは、前記アクセスチェーンがブロックを生成するために必要な時間長さのk倍であるサブステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
周期的にパラチェーンのノードから、パラチェーンブロックを生成するためのパラチェーン保守者ノードを選択するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
パブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードから構成されるブロックチェーンパラチェーンであって、
前記パラチェーンは、周期的に前記パラチェーンのノードから選択されたパラチェーン保守者ノードを含み、
前記パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成することと、前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにすることと、に用いられる、
ことを特徴とするブロックチェーンパラチェーン。
【請求項9】
前記パラチェーン保守者ノードは、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記インデックス識別子と、前記アクセスチェーンブロック識別子と、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子と、を含むブロックヘッダを生成することと、
前記同期すべきブロックのブロックデータを前記ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、前記パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる、
請求項8に記載のブロックチェーンパラチェーン。
【請求項10】
前記パラチェーン保守者ノードは、
同期すべきブロックのブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成することと、
アクセスチェーンブロック識別子を前記ブロックヘッダの後ろの位置に加えることと、
取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含む前記ブロックデータのタイプによって、インデックス識別子を前記アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えることと、
前記ブロックデータをパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それをインデックス識別子の後ろの位置に加えて、前記パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる、
請求項8に記載のブロックチェーンパラチェーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2018年8月28日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201810986825.3であり、発明の名称が「ブロックチェーンの標準応用モデル及びその応用方法」である中国特許出願と、2019年2月27日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201910145999.1であり、発明の名称が「ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン」である中国特許出願と、の優先権を主張し、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ブロックチェーン技術分野に関し、特に、ブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーン(MAINTENANCE METHOD FOR BLOCKCHAIN PARACHAIN, AND BLOCKCHAIN PARACHAIN)に関する。
【背景技術】
【0003】
ブロックチェーンは、脱中央集権性のシステムの構想を提供しており、このような構想は、パブリックコンセンサスにより、比較的客観的な否認防止デジタル環境を作成することが最も根本的な原理である。ブロックチェーン技術は、ネットワーク情報が発表されると変更できないようにすることができ、例えば、ブロックチェーンネットワークに1件の取引が発生されると、ブロックチェーンネットワーク中のノードは、生成されたブロックに当該取引を記録し、そして、当該ブロックをブロックチェーンに加え、ネットワーク全体でブロードキャストして、変更不可のブロックチェーンを形成する。従って、ブロックチェーンは、実質的に、分散型のパブリック台帳であり、このパブリック台帳は、複数のデータブロックから構成され、各々のノードにより共同で保守される。同一のブロックチェーンを保守するノードにより、1つのパブリックチェーン、プライベートチェーン、コンソーシアムチェーンなどのような物理的チェーンが構成され、これらのノードは、共同でブロックチェーンを担持するピアツーピアネットワークを構成する。
【0004】
ブロックチェーン取引は、一般に、同一のブロックチェーンネットワーク範囲での2つのノード間に発生される。しかし、ブロックチェーン技術の応用につれて、取引は、2つ以上のブロックチェーンネットワークを跨いで、クロスチェーン取引を形成する必要がある。クロスチェーン取引を実現するために、互いに異なるブロックチェーンネットワークは、同一のパブリックチェーンにアクセスすることにより、相互間のクロスチェーン取引を実現することができる。例えば、ブロックチェーンネットワークN1とブロックチェーンネットワークN2は、共にパブリックチェーンN3にアクセスしている。ブロックチェーンネットワークN1におけるノードAから、ブロックチェーンネットワークN2におけるノードBに発起された取引である場合には、パブリックチェーンN3は、その間で調整制御し、2つのブロックチェーンネットワーク間で情報の伝送を行い、クロスチェーン取引を達成する。しかし、互いに異なるアクセスチェーン間のクロスチェーン取引でも、パブリックチェーンとアクセスチェーンとの間のクロスチェーン取引でも、パブリックチェーンは、クロスチェーン取引を実現するために、アクセスチェーンブロックチェーンにおける具体的な取引が記録されたブロックデータを取得しなければならない。
【0005】
パラチェーンを通じてパブリックチェーンにアクセスするようなアクセス方式において、パラチェーンをアクセスチェーンとパブリックチェーンとの共通ノードとして構成されたブロックチェーンネットワークは、アクセスチェーンのブロックチェーンとパブリックチェーンのブロックチェーンを同時に記憶している。しかし、互いに異なるブロックチェーンネットワーク間には、コンセンサスメカニズムの相違、通信メカニズムの相違などのような差異が存在するため、パブリックチェーンは、アクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができない。従って、互いに異なるブロックチェーンネットワーク間のクロスチェーン取引は実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、従来技術において、パブリックチェーンがアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができないことにより、互いに異なるブロックチェーンネットワーク間のクロスチェーン取引を実現することができなかった、という問題を解決するために利用可能なブロックチェーンパラチェーンの保守方法及びブロックチェーンパラチェーンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の形態では、本願に係るブロックチェーンパラチェーンの保守方法は、
アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成するステップと、
前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成するサブステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記インデックス識別子と、前記アクセスチェーンブロック識別子と、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子と、を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
前記同期すべきブロックのブロックデータを前記ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックのブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
アクセスチェーンブロック識別子を前記ブロックヘッダの後ろの位置に加えるサブステップ
と、
取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含む前記ブロックデータのタイプによって、インデックス識別子を前記アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えるサブステップと、
前記ブロックデータをパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それをインデックス識別子の後ろの位置に加えて、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む。
【0010】
好ましくは、前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成した後は、
パブリックチェーンに、前記ブロックデータに対応するアクセスチェーンブロック識別子とパラチェーンブロック識別子とインデックス識別子とを含む要約情報を送信して、パブリックチェーンが、前記要約情報によってパラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップをさらに含む。
【0011】
好ましくは、前記アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップは、
アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数をmと決定するサブステップと、
アクセスチェーンブロックチェーンにおける前のm−n個のブロックをコンセンサスブロックとして決定するサブステップであって、前記nは、予め設定された0よりも大きい正の整数の値であり、前記コンセンサスブロックは、アクセスチェーンブロックチェーンにおいて既にアクセスチェーンノードのコンセンサスを得たブロックであるサブステップと、
前記パラチェーンブロックチェーンにおけるアクセスチェーンブロック識別子によって、前記コンセンサスブロックにおけるブロックデータが同期されていないブロックを同期すべきブロックとして決定するサブステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記同期すべきブロックの数は、2以上の正の整数のkであり、
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
予め設定された時間長さごとに、1つのパブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するサブステップであって、前記予め設定された時間長さは、アクセスチェーンがブロックを生成するために必要な時間長さのk倍であるサブステップを含む。
【0013】
好ましくは、前記方法は、
周期的にパラチェーンのノードから、パラチェーンブロックを生成するためのパラチェーン保守者ノードを選択するステップをさらに含む。
【0014】
第2の形態において、本願に係るパブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードから構成されるブロックチェーンパラチェーンは、周期的に前記パラチェーンのノードから選択されたパラチェーン保守者ノードを含み、
前記パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成することと、前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにすることと、に用いられる。
【発明の効果】
【0015】
本願において、パラチェーンにおける保守者ノードは、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成し、かつ、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックのブロックデータをパラチェーンブロックに含ませる。パラチェーンノード自身がパブリックチェーンノードであるので、パラチェーンは、パブリックチェーンのサブチェーンである。サブチェーンは、パブリックチェーンにおける一部として、ノードとネットワークシステムにおいてパブリックチェーンと一致しているので、サブチェーンにおけるブロックチェーンは、パブリックチェーンにより直接訪問されることができる。これにより、アクセスチェーンに関連するクロスチェーン取引を行う時に、パブリックチェーンは、サブチェーンのブロックデータの読み取り方に従って、パラチェーンブロックからアクセスチェーンのブロックデータを読み取り、クロスチェーン取引を実現することができる。
【0016】
本願の実施例における技術案をより明瞭に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に紹介するが、以下の説明における図面は、単に本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働無しで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】1つの例示的な実施例に係るパブリックチェーンと、パラチェーンと、アクセスチェーンとの間のネットワークアーキテクチャの模式図である。
図2】1つの例示的な実施例に係るブロックチェーンパラチェーンの保守方法のフローチャートである。
図3】1つの例示的な実施例に係るパラチェーンブロックの生成の模式図である。
図4】別の1つの例示的な実施例に係るパラチェーンブロックの生成の模式図である。
図5】1つの例示的な実施例に係るアクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを取得する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施例について詳しく説明するが、その例は、図面に示されている。下記の説明が図面に言及する場合に、特段の説明がない限り、異なる図面中の同じ数字は、同様又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例で説明する実施形態は、本願に一致する実施形態の全てを代表するものではない。それらは、単に、特許請求の範囲に詳述された本願の幾つかの形態に一致する方法の例に過ぎない。
【0019】
本願に係る技術案において、ブロックチェーンネットワークとは、ブロックチェーンを保守するノードにより形成されたピアツーピアネットワークである。当該ブロックチェーンネットワークは、保守されるブロックチェーンに対して分散記憶、パブリックコンセンサス、デジタル暗号化、取引台帳記入及び検証などの操作を行うことができる。1つのブロックには、複数のブロックデータが含まれ、複数のブロックにより1つのブロックチェーンが形成される。ブロックチェーン又はブロックチェーンブロックにおけるブロックデータは、ブロックチェーンネットワークに取引が発生された場合に、当該ブロックチェーンを保守するノードが取引自身及び発生された結果に基づいて記録されたデータである。その中で、ブロックは、データブロックとも呼ばれ、例えば、パラチェーンデータブロック、パブリックチェーンデータブロックなどである。ブロックデータは、種々のタイプを含み、取引の具体的な内容、結果及び状態などを示すために用いられ、例えば、取引情報、状態情報、レシート情報やデータ情報である。取引情報は、取引の具体的な内容を示すために用いられる。例えば、ユーザAがユーザBに300人民元を振り替えた場合、ブロックチェーンのノードは、1つの取引情報を生成することになる。当該取引情報は、AがBに300人民元を振り替えたという取引内容を記録している。状態情報は、取引の状態を示すために用いられる。例えば、ユーザAがユーザBに300人民元を振り替える。AがBに300人民元を振り替えている中に、振替が行われていることを示すために、ブロックチェーンのノードは、当該振替取引が行われていることを記録するための1つの状態情報を生成する。レシート情報は、取引の結果を示すために用いられる。例えば、ユーザAがユーザBに300人民元を振り替えた場合に、ユーザAの口座では300人民元が低減された。これに応じて、ブロックチェーンのノードは、ユーザAの口座から300人民元が減算された後の口座残高を記録するための1つのレシート情報を生成する。データ情報は、ブロックチェーンネットワークに記憶されているデータを示すために用いられる。ブロックチェーンネットワークは、分散記憶機能を有する。ブロックチェーンを保守するノードは、ユーザが記憶しようとするデータを分散記憶することができる。データを記憶する時に、ブロックチェーンのノードは、記憶されるデータを記録するためのデータ情報を生成する。なお、以上の取引情報、状態情報、レシート情報とデータ情報についての解釈は、単にブロックデータのタイプについての例示的かつ解釈的な説明に過ぎず、本願を限定するものではない。上記の4つのタイプの他に、ブロックデータは、さらに他のタイプの情報を含むこともできる。本願は、それを一一に列挙しない。
【0020】
ブロックチェーンネットワークにおける各々のノードは、例えば、端末や、サーバのような物理的ノードであってもよいし、仮想的ノードであってもよい。同一のブロックチェーンネットワークにおけるノードは、同一のコンセンサスメカニズムに基づき、共同でコミュニケーションしてブロックチェーンネットワークの動作を保守する。
【0021】
本願に係るパブリックチェーン、アクセスチェーン及びパラチェーンは、何れもブロックチェーン技術に適合する異なるブロックチェーンネットワークである。本願に係る技術案において、パブリックチェーンは、基本ネットワークプラットフォームとして、複数のパブリックチェーンノードから構成され、複数のブロックチェーンネットワークのアクセスを受け付けることができる。パブリックチェーンにアクセスしたブロックチェーンネットワークは、アクセスチェーンと呼ばれ、例えば、既存のブロックチェーンネットワークのビットコイン、イーサリアムなど、又は、ある業界で開発された業界チェーンとコンソーシアムチェーン、さらに、あるサービスの需要を満たすために構築されたプライベートチェーンである。これらの既存のブロックチェーン、業界チェーン、コンソーシアムチェーン及びプライベートチェーンは、一般に、直接パブリックチェーンに接続することができない。従って、本願では、パラチェーンによりパブリックチェーンとアクセスチェーンを接続することができる。
【0022】
本願において、パラチェーンは、パブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードから構成される。パラチェーンのノードは、パブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードであるので、パラチェーンは、パブリックチェーンとアクセスチェーンの機能を兼ね備え、両方のブロックチェーンを記憶している。図1には、例示的に、パブリックチェーンと、アクセスチェーンと、パラチェーンとの間のネットワークアーキテクチャの模式図が示されている。パラチェーンノード101は、パブリックチェーン11とアクセスチェーン12との共通ノードとして、パブリックチェーンノード111に接続して通信することもできるし、アクセスチェーンノード121に接続して通信することもできる。
【0023】
本願において、パブリックチェーンに係るクロスチェーン取引は、アクセスチェーンとパブリックチェーンとの間に発生される例えば問い合わせ取引、アクセス取引や、同期取引などのような取引を含むことができる。このようなクロスチェーン取引について、パブリックチェーンが直接アクセスチェーンと取引を行うので、パブリックチェーンは、アクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得する必要がある。パブリックチェーンに係るクロスチェーン取引は、パブリックチェーンにより中継又は転送される取引をさらに含むことができる。このようなクロスチェーン取引において、一方のアクセスチェーンは、取引元側とされ、他方のアクセスチェーンは、取引先側とされている。例示的には、アクセスチェーンAは、自分のトークンaを支払って他方ののアクセスチェーンBのトークンbを引き換える。当該クロスチェーン取引について、アクセスチェーンAは、アクセスチェーンBとは直接取引を行うことができず、パブリックチェーンCを介して取引に関連する情報及びデータを伝送しなければならない。クロスチェーン取引を順調に達成するために、パブリックチェーンCは、アクセスチェーンAとアクセスチェーンBとが各自のクロスチェーン取引で達成すべき取引内容を達成することができるか、例えばアクセスチェーンAが取引に必要なトークンaを支払えるかを確認しなければならない。従って、パブリックチェーンは、取引双方のブロックチェーンにおけるブロックデータを取得する必要がある。これにより、異なるアクセスチェーン間のクロスチェーン取引でも、パブリックチェーンとアクセスチェーンとの間のクロスチェーン取引でも、パブリックチェーンは、クロスチェーン取引を達成するために、アクセスチェーンブロックチェーンに記録されたブロックデータを取得しなければならないことが分かる。
【0024】
上記の内容から分かるように、クロスチェーン取引を達成するために、パブリックチェーンは、クロスチェーン取引におけるアクセスチェーンブロックチェーンに記録されたブロックデータを取得しなければならない。しかし、パブリックチェーンとアクセスチェーンとは、異なる2つのブロックチェーンネットワークであり、両方の間に異なるコンセンサスメカニズム、異なる通信メカニズムなどの差異が存在するので、パラチェーンに両方のブロックチェーンが記憶されていても、パブリックチェーンは、直接パラチェーンからアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができない。従って、本願に係るブロックチェーンパラチェーンの保守方法では、パラチェーンを保守することにより、パブリックチェーンがパラチェーンからアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができる。
【0025】
図2を参照すれば、本願におけるブロックチェーンパラチェーンの保守方法のフローチャートが例示的に示されている。当該方法は、下記のようなステップS20〜S22を含む。
【0026】
ステップS20では、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定する。
【0027】
本願では、パブリックチェーンがパラチェーンブロックチェーンからアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができるように、パラチェーンに対してすなわちパラチェーンブロックチェーンに対して保守を行う。従って、パラチェーンは、まずパラチェーンの保守を担当するパラチェーン保守者ノードを決定する必要がある。パラチェーン保守者ノードは、例えば、ブロックの生成、クロスチェーン取引の記録などのパラチェーンに関連する事件を保守するために用いられる。本願の実施例では、パラチェーンのノードにおいてパラチェーン保守者ノードを決定するには、2つの方式がある。
【0028】
1つの可能な実施形態では、パラチェーンのノードは、何れもパラチェーン保守者ノードである。パラチェーンは、各々のパラチェーンのノードが収益取得の権利をもつように、全てのノードをパラチェーン保守者ノードとして設置することで、パラチェーンのノードの全てがパラチェーンの保守に関与することを確保することができる。
【0029】
もう1つの可能な実施形態では、周期的にパラチェーンのノードからパラチェーン保守者ノードを選択する。選択されたパラチェーン保守者ノードは、次の周期においてパラチェーンを保守する。現在周期のパラチェーン保守者ノードは、次の周期のパラチェーン保守者ノードを選択し、また、現在周期のパラチェーン保守者ノードは、次の周期のパラチェーン保守者ノードを担当しない。従って、保守者となるノードは、動的なものであり、固定のノードがパラチェーン保守者ノードを担当するものではないので、パラチェーンが不正侵入される可能性が低減され、パラチェーンのセキュリティを向上させることができる。また、パラチェーンにおける一部のノードをパラチェーン保守者ノードとして選択することで、ネットワーク全般でのパラチェーン保守の操作を回避することができるので、パラチェーンの動作する効率を向上させることができる。上記周期の時間長さは、パラチェーン保守者ノードの選択に必要な時間長さよりも長く、かつ、パラチェーン保守者ノードへの不正侵入に必要な時間長さよりも短い。周期の時間長さに対する制限により、周期内で選択を達成可能なことが確保されるだけではなく、パラチェーン保守者ノードが不正侵入される可能性も低減される。選択方式について、現在周期のパラチェーン保守者ノードは、ランダムに選択してもよいし、各パラチェーンノードの演算効率によって選択してもよいし、各パラチェーンノードの安全性能によって選択してもよい、などである。選択方式については、本願の実施例では具体的に制限しない。
【0030】
パラチェーン保守者ノードを選択した後、現在周期のパラチェーン保守者ノードにより、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定する。パブリックチェーンがパラチェーンブロックチェーンからアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを取得することができるために、パラチェーンは、アクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックデータを自分のパラチェーンブロックに同期する必要があり、すなわちパラチェーン保守者ノードにより生成されたパラチェーンブロックにアクセスチェーンのブロックデータを加える必要がある。同期すべきブロックとは、ブロックデータがパラチェーンブロックにまだ同期されていないアクセスチェーンブロックである。
【0031】
パラチェーンにアクセスチェーンブロックチェーンが記憶されており、かつ、パラチェーンノード自身もアクセスチェーンノードであるので、パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックとブロックデータを直接取得することができる。同期すべきブロックを決定する時に、パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンのブロックデータから、パラチェーンブロックチェーンにまだ同期されていないブロックデータを決定し、さらにこれらのブロックデータの属するアクセスチェーンブロックを同期すべきブロックとする。
【0032】
ステップS21では、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成する。
【0033】
パラチェーン保守者ノードは、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成する。パラチェーンブロックを生成する時に、パラチェーン保守者ノードは、同期すべきブロックにおけるブロックデータを、生成されたパラチェーンブロックに加える。パラチェーンブロックを生成するには、本願の実施例は、2つの方式を提供する。
【0034】
1番目の方式は、直接同期すべきブロックにおけるブロックデータをパラチェーンブロックにおける一部の内容とすることである。具体的には、パラチェーン保守者ノードは、まずインデックス識別子及びアクセスチェーンブロック識別子を生成する。インデックス識別子は、同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すために用いられる。同期すべきブロックには、複数のブロックデータを含むことができる。パラチェーン保守者ノードは、同期すべきブロックにおける各ブロックデータに対して、それぞれ1つのインデックス識別子を生成する。1つのブロックデータのインデックス識別子は、当該ブロックデータを示す。パブリックチェーン又はパラチェーンは、当該インデックス識別子によって、対応するブロックデータを決定する。例えば、1つのブロックデータは1件の取引の取引情報であり、パラチェーン保守者ノードは、当該取引情報に対してハッシュ演算を行って、当該取引情報に対応するハッシュ値を得る。当該ハッシュ値がインデックス識別子である。アクセスチェーンブロック識別子は、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すために用いられる。パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックを生成するたびに、複数の同期すべきブロックを同期することができる。パラチェーン保守者ノードは、各同期すべきブロックに対して、それぞれ1つの対応するアクセスチェーンブロック識別子を生成する。例えば、アクセスチェーンブロック識別子は、同期すべきブロックのアクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロック番号であってもよく、又は、ブロック番号とブロックハッシュ値との組合せであってもよい。
【0035】
その後、パラチェーン保守者ノードは、パブリックチェーンの正規形に符合されるブロックヘッダを生成する。当該ブロックヘッダは、パラチェーン保守者ノードが生成しようとするパラチェーンブロックのブロックヘッダである。当該ブロックヘッダには、同期すべきブロックにおける各々のブロックデータのインデックス識別子、各々の同期すべきブロックに対応するアクセスチェーンブロック識別子及びパラチェーンブロック識別子が含まれる。パラチェーンブロック識別子は、アクセスチェーンブロック識別子と同様に、パラチェーンブロックのブロック番号であってもよく、又は、ブロック番号とブロックハッシュ値との組合せであってもよい。ブロックヘッダを生成した後、パラチェーン保守者ノードは、同期すべきブロックにおけるブロックデータを直接ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、パラチェーンブロックを生成する。
【0036】
例示的に、図3に示すように、同期すべきブロックは、アクセスチェーンブロックチェーンAにおける500番目のブロックとしてのブロック30及び501番目のブロックとしてのブロック31である。2つの同期すべきブロックには、それぞれ2つのブロックデータT1、T2とT3、T4とが含まれる。パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックチェーンBにおける250番目のブロックとしてのブロック32を生成する。ブロック32を生成する時に、パラチェーン保守者ノードは、ブロック30とブロック31とのブロックデータをブロック32に同期する必要がある。ブロック32において、ブロックヘッダ321は、4つのブロックデータのそれぞれのインデックス識別子を含む。4つのインデックス識別子は、4つのハッシュ値であり、それぞれ、T1−hash、T2−hash、T3−hash及びT4−hashである。ブロックヘッダ321には、ブロック30に対応するアクセスチェーンブロック識別子と、ブロック31に対応するアクセスチェーンブロック識別子とがさらに含まれる。本例において、アクセスチェーンブロック識別子は、ブロック番号とブロックハッシュ値との組合せである。従って、2つのブロックに対応するアクセスチェーンブロック識別子は、「500+A−Block500−hash」及び「501+A−Block501−hash」である。ブロックヘッダ321には、ブロック32に対応するアクセスチェーンブロック識別子である「250+B−Block250−hash」がさらに含まれる。ブロックヘッダ321を生成した後、パラチェーン保守者ノードは、ブロック30とブロック31とにおけるブロックデータを直接ブロックヘッダ321の後ろの位置にコピーして、最終的にパラチェーンブロック32を生成する。
【0037】
2番目の方式は、パラチェーン保守者ノードが同期すべきブロックを解体して再構築し、パブリックチェーンにより直接読み取り可能なデータのブロックを生成する。具体的には、同様に、パラチェーン保守者ノードは、まずインデックス識別子とアクセスチェーンブロック識別子とを生成する。しかし、ブロックヘッダを生成する時に、パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロック識別子のみを加え、、アクセスチェーンブロック識別子をブロックヘッダの後ろの位置に加える。なお、インデックス識別子については、パラチェーン保守者ノードは、それぞれのブロックデータのタイプによって、対応するインデックス識別子をアクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加える。例えば、アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置において、パラチェーン保守者ノードは、まず各々の取引情報のインデックス識別子を加え、次に各々の状態情報のインデックス識別子を加え、さらに各々のレシート情報のインデックス識別子を加え、最後に各々のデータ情報のインデックス識別子を加える。パラチェーン保守者ノードは、インデックス識別子を加えた後、ブロックデータをパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それをインデックス識別子の後ろの位置に加えて、パラチェーンブロックを生成する。
【0038】
例示的に、図4に示すように、同期すべきブロックは、アクセスチェーンブロックチェーンAにおける500番目のブロックとしてのブロック40及び501番目のブロックとしてのブロック41である。各々の同期すべきブロックには、それぞれ4つのタイプのブロックデータとしての、取引情報E1とE2、状態情報F1とF2、レシート情報G1とG2、及びデータ情報H1とH2が含まれる。パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックチェーンBにおける250番目のブロックとしてのブロック42を生成する。ブロック42を生成する時に、パラチェーン保守者ノードは、ブロック40とブロック41とのブロックデータをブロック42に同期する必要がある。ブロック42には、ブロックヘッダ421と、アクセスチェーンブロック識別子422である「500+A−Block500−hash」及び「501+A−Block501−hash」と、取引情報E1及びE2のインデックス識別子423であるE1−hash及びE2−hashと、状態情報F1及びF2のインデックス識別子424であるF1−hash及びF2−hashと、レシート情報G1及びG2のインデックス識別子425であるG1−hash及びG2−hashと、データ情報H1及びH2のインデックス識別子426であるH1−hash及びH2−hashと、パブリックチェーンの正規形に符合されるように変換された8つのブロックデータである取引情報e1及びe2、状態情報f1及びf2、レシート情報g1及びg2、データ情報h1及びh2と、が順に含まれる。ブロックヘッダ421には、ブロック42に対応するパラチェーンブロック識別子である「250+B−Block250−hash」が含まれる。
【0039】
上記の2つの方式により、同期すべきブロックにおけるブロックデータを、パブリックチェーンにより訪問可能なパラチェーンブロックチェーンに同期させることができる。1番目の方式でも、2番目の方式でも、パブリックチェーンは、ブロックデータを読み取る時に、パラチェーンブロック識別子によってブロックデータの存在するパラチェーンブロックを決定し、そして、アクセスチェーンブロック識別子によってブロックデータが属するアクセスチェーン内のアクセスチェーンブロックを検証し、最後にインデックス識別子によってブロックデータを決定して読み取る。しかし、1番目の方式で生成されたパラチェーンブロックを読み取る場合は、ブロックデータがアクセスチェーンブロックから直接コピーされてきたので、パブリックチェーンは、アクセスチェーンのデータ読み取りのルールに従ってブロックデータを読み取らなければならない。2番目の方式で生成されたパラチェーンブロックを読み取る場合は、ブロックデータが既にパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換されたので、パブリックチェーンは、ブロックデータを直接読み取ることができる。
【0040】
1番目の方式について、パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックを速く生成することができ、効率が高い。しかし、パブリックチェーンがブロックデータを読み取る速度が遅くて、クロスチェーン取引の効率が低減される。2番目の方式について、パラチェーン保守者ノードがパラチェーンブロックを生成する効率が低い。しかし、パブリックチェーンがブロックデータを読み取る速度が速くて、クロスチェーン取引の効率を向上させることができる。
【0041】
説明すべきことであるが、同期すべきブロックに関連する各種の識別子とブロックデータの他に、パラチェーンブロックは、パラチェーン自身に関連する情報とデータをさらに含むことができる。例えば、クロスチェーン取引に関連する取引情報や、パラチェーンに配置されたスマートコントラクトなどである。
【0042】
1つの可能な実施形態において、パラチェーン保守者ノードは、1回に1つのパラチェーンブロックのみを生成する。1つのパラチェーンブロックにおいてk個の同期すべきブロックを同期することができる。kは、2以上の正の整数である。従って、毎回パラチェーンブロックを生成するときに、パラチェーン保守者ノードは、最多2つの同期すべきブロックを同期する。kの値が2よりも大きいと、毎回パラチェーンブロックを生成するときに、パラチェーン保守者ノードの同期すべきブロックデータが多すぎるので、パラチェーンブロックを生成する効率が低減される。また、1つのパラチェーンブロックに含まれるアクセスチェーンブロックのブロックデータが多すぎると、パブリックチェーンは、あるブロックデータを読み取る時に、当該パラチェーンブロックにおいて調べるために必要な時間が長すぎて、クロスチェーン取引の効率に影響を与えてしまう。具体的に、パラチェーン保守者ノードは、予め設定された時間長さごとに、1つのパブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成することができる。予め設定された時間長さは、アクセスチェーンがブロックを生成するために必要な期間のk倍である。例えば、アクセスチェーンがブロックを生成するために必要な時間長さは、10分間である。そうすると、パラチェーンブロックに3つの同期すべきブロックのブロックデータが含まれるように設置すると、パラチェーン保守者ノードは、30分間ごとに1つのパラチェーンブロックを生成する。パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックの生成頻度を制御することにより、1回に同期するブロック数を制御することができる。
【0043】
ステップS22では、パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加える。
【0044】
パラチェーンブロックを生成した後、パラチェーン保守者ノードは、当該パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加え、さらにパラチェーンで同期して、他のパラチェーンノードのコンセンサスを得る。
【0045】
クロスチェーン取引を行う時に、パブリックチェーンは、アクセスチェーンの1つ又は複数のブロックデータを取得する必要がある。何れのブロックデータについて、パブリックチェーンは、1グループの要約情報によって当該ブロックデータを読み取らなければならない。1グループの要約情報には、ブロックデータの存在するパラチェーンブロックを決定するためのパラチェーンブロック識別子と、ブロックデータの属するアクセスチェーンブロックを検証するためのアクセスチェーンブロック識別子と、当該ブロックデータのインデックス識別子と、が含まれる。従って、1つのブロックデータを読み取る前に、パブリックチェーンは、まずブロックデータに対応する1グループの要約情報を取得しなければならない。これに対して、パブリックチェーンがパラチェーンブロックチェーンを直接訪問可能であるので、パブリックチェーンは、パラチェーンブロックチェーンに記憶された各々のブロックデータに対応する要約情報を周期的に取得することができる。他の幾つかの実施例において、パラチェーン保守者ノードは、1つのパラチェーンブロックを生成した後、当該パラチェーンブロックにおける各々のデータに対応する要約情報をパブリックチェーンに送信する。
【0046】
さらに、図5に示すように、パラチェーン保守者ノードがアクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定すること上記ステップS20は、下記のようなサブステップS201〜S203を含む。
【0047】
サブステップS201では、アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数をmと決定する。
【0048】
サブステップS202では、アクセスチェーンブロックチェーンにおける前のm−n個のブロックをコンセンサスブロックとして決定する。
【0049】
サブステップS203では、パラチェーンブロックチェーンにおけるアクセスチェーンブロック識別子によって、コンセンサスブロックにおけるブロックデータが同期されていないブロックを同期すべきブロックとして決定する。
【0050】
まず、パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンにおけるノードとして、アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数をmと決定する。例えば、アクセスチェーンは、自分のブロックチェーンにおける10005番目のブロックを生成していると、mの値を10005と決定する。
【0051】
ブロックチェーンネットワークにおいて台帳記入権をもつ保守者ノードは、一般に1つだけではないので、同一番目におけるブロックは、保守者ノードによって異なるブロックが生成される可能性がある。そうすると、同一番目におけるブロックが異なるので、同一のブロックチェーンネットワークには、異なるブロックチェーンが現れてしまう。この場合、ブロックチェーンネットワークは、自身のコンセンサスメカニズムを利用して、上記異なるブロックチェーンのうちの1つだけが認められるように、全てのノードにコンセンサスを達成させ、保守されるブロックチェーンの唯一性を確保する。コンセンサスブロックとは、アクセスチェーンブロックチェーンにおいて既に全てのアクセスチェーンノードのコンセンサスを得たブロックである。全てのノードのコンセンサスを得たブロックになると、当該ブロックは、書き直されるか又は変更されることはない。
【0052】
パラチェーン保守者ノードは、同期されるブロックデータが正確で変更されないことを確保しなければならないので、同期されるブロックデータは、コンセンサスブロックのブロックデータである。アクセスチェーンブロックチェーンにおけるブロックは増加しつつあり、また、ブロックチェーンは、ノードにおいてコンセンサスを得るために一定の時間が必要である。これにより、パラチェーン保守者ノードにより取得されたアクセスチェーンブロックチェーンには、ノードのコンセンサスがまだ得られていないブロックを含む可能性がある。しかし、パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける前のm−n個のブロックをコンセンサスブロックとして決定することができる。nは、実際の経験によって予め設定された値であり、0よりも大きい正の整数である。異なるアクセスチェーンには、ノード数が異なり、ブロックを生成する時間長さが異なり、コンセンサスメカニズムが異なるため、nの具体的な値も異なる。例えば、イーサリアムのブロックチェーンでは、nの値が10であり、ビットコインのブロックチェーンでは、nの値が6である。
【0053】
例示的には、nの値は6である。保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数を10005と決定すると、アクセスチェーンブロックチェーンにおける前の9999個のブロックをコンセンサスブロックとして決定することができる。
【0054】
アクセスチェーンにおけるコンセンサスブロックが決定された後、パラチェーン保守者ノードは、パラチェーンブロックチェーンにおける各々のブロックに含まれるアクセスチェーンブロック識別子によって、ブロックデータがまだ同期されていないコンセンサスブロックを決定する。例えば、アクセスチェーンブロックチェーンにおける前の9999個のブロックが、コンセンサスブロックである。パラチェーンは、既に前の9997個のアクセスチェーンブロックを同期した。そうすると、各々のパラチェーンブロックには、当該前の9997個のアクセスチェーンブロックを示すアクセスチェーンブロック識別子が含まれている。パラチェーン保守者ノードは、9998番目及び9999番目のアクセスチェーンブロックが、対応するアクセスチェーンブロック識別子がないと決定し、パラチェーン保守者ノードは、この2つのブロックを同期すべきブロックとすることができる。
【0055】
本願において、パラチェーンにおける保守者ノードは、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成し、かつ、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックのブロックデータをパラチェーンブロックに含ませる。パラチェーンノード自身がパブリックチェーンノードであるので、パラチェーンは、パブリックチェーンのサブチェーンである。サブチェーンは、パブリックチェーンにおける一部として、ノードとネットワークシステムにおいてパブリックチェーンと一致しているので、サブチェーンにおけるブロックチェーンは、パブリックチェーンにより直接訪問されることができる。これにより、アクセスチェーンに関連するクロスチェーン取引を行う時に、パブリックチェーンは、サブチェーンのブロックデータの読み取り方に従って、パラチェーンブロックからアクセスチェーンのブロックデータを読み取り、クロスチェーン取引を実現することができる。
【0056】
本願は、パブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードから構成され、周期的にパラチェーンのノードから選択されたパラチェーン保守者ノードを含むブロックチェーンパラチェーンをさらに提供する。当該パラチェーンは、上記の方法例を実現するために用いられることができる。
【0057】
上記パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、同期すべきブロックにおけるブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成することと、パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンがパラチェーンブロックチェーンから同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにすること、とに用いられる。
【0058】
1つの可能な実施形態において、パラチェーン保守者ノードは、具体的に、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、インデックス識別子と、アクセスチェーンブロック識別子と、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子とを含むブロックヘッダを生成することと、同期すべきブロックのブロックデータをブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる。
【0059】
もう1つの可能な実施形態において、パラチェーン保守者ノードは、具体的に、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成することと、アクセスチェーンブロック識別子をブロックヘッダの後ろの位置に加えることと、取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含むブロックデータのタイプによって、インデックス識別子をアクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えることと、ブロックデータをパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それをインデックス識別子の後ろの位置に加えて、パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる。
【0060】
本願に係るブロックチェーンパラチェーンにおいて、パラチェーンにおける保守者ノードは、パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成し、かつ、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックのブロックデータは、パラチェーンブロックに含まれる。パラチェーンノード自身がパブリックチェーンノードであるので、パラチェーンは、パブリックチェーンのサブチェーンである。サブチェーンは、パブリックチェーンにおける一部として、ノードとネットワークシステムにおいてパブリックチェーンと一致しているので、サブチェーンにおけるブロックチェーンは、パブリックチェーンにより直接訪問されることができる。これにより、アクセスチェーンに関連するクロスチェーン取引を行う時に、パブリックチェーンは、サブチェーンのブロックデータの読み取り方に従って、パラチェーンブロックからアクセスチェーンのブロックデータを読み取り、クロスチェーン取引を実現することができる。
【0061】
当業者あれば、本願の実施例における技術が、ソフトウェアと必要な汎用のハードウェアプラットフォームとの組合せによって実現可能であることを明らかに理解することができる。このような理解に基づき、本願の実施例における技術案は、実質的に、又は、従来技術に寄与する一部が、ソフトウェア製品の形で具現されることができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなどの記憶媒体に記憶され、1つのコンピュータ機器(パソコン、サーバや、ネットワーク機器などであってもよい)に本願の各実施例又は実施例のある部分に記載される方法を実行させるための幾つかのコマンドを含むことができる。
【0062】
当業者は、明細書を考えてここで開示された発明を実行した後、本開示の他の実施案を容易に考え出すはずである。本願は、本開示の一般的な原理に従うとともに、本開示に開示されていない本技術分野における公知の常識又は慣用の技術的手段を含む、本開示の任意の変形、用途、又はアダプテーションをカバーすることを意図する。明細書及び実施例は、単に例示とされているが、本願の本当の範囲と精神は、特許請求の範囲によって指摘される。
【0063】
理解すべきことであるが、本願は、以上記載されて図面に示された内容に制限されず、その範囲から逸脱することなく様々な修正や変更を行うことができる。本願の範囲は、添付する特許請求の範囲だけによって制限される。
【0064】
なお、本願の説明において、特段の説明がない限り、「複数の」とは、2つ以上のことを指す。また、本願の実施例の技術案を明らかに説明するために、本願の実施例では、「第1の」、「第2の」などの言葉により、機能と作用がほぼ同じ同様項又は類似項を区別する。当業者は、「第1の」、「第2の」などの言葉が数量と実行順番を制限するものではなく、「第1の」、「第2の」などの言葉が、必ず異なると制限するものでもない、ということを理解することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップと、
周期的にパラチェーンのノードから、パラチェーンブロックを生成するためのパラチェーン保守者ノードを選択するステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成するステップと、
前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップと、を含む、
ことを特徴とするブロックチェーンパラチェーンの保守方法。
【請求項2】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成するサブステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記インデックス識別子と、前記アクセスチェーンブロック識別子と、前記パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子と、を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
前記同期すべきブロックのブロックデータを前記ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
同期すべきブロックのブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成するサブステップと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成するサブステップと、
アクセスチェーンブロック識別子を前記ブロックヘッダの後ろの位置に加えるサブステップと、
取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含む前記ブロックデータのタイプによって、インデックス識別子を前記アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えるサブステップと、
前記ブロックデータを前記パブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それを前記インデックス識別子の後ろの位置に加えて、前記パラチェーンブロックを生成するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成した後は、
パブリックチェーンに、前記ブロックデータに対応するアクセスチェーンブロック識別子とパラチェーンブロック識別子とインデックス識別子とを含む要約情報を送信して、パブリックチェーンが、前記要約情報によってパラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにするステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定するステップは、
アクセスチェーンブロックチェーンにおける現在ブロック数をmと決定するサブステップと、
前記アクセスチェーンブロックチェーンにおける前のm−n個のブロックをコンセンサスブロックとして決定するサブステップであって、前記nは、予め設定された0よりも大きい正の整数の値であり、前記コンセンサスブロックは、アクセスチェーンブロックチェーンにおいて既にアクセスチェーンノードのコンセンサスを得たブロックであるサブステップと、
前記パラチェーンブロックチェーンにおけるアクセスチェーンブロック識別子によって、前記コンセンサスブロックにおけるブロックデータが同期されていないブロックを同期すべきブロックとして決定するサブステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記同期すべきブロックの数は、2以上の正の整数のkであり、
前記パブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するステップは、
予め設定された時間長さごとに、1つのパブリックチェーンの正規形に符合されるパラチェーンブロックを生成するサブステップであって、前記予め設定された時間長さは、前記アクセスチェーンがブロックを生成するために必要な時間長さのk倍であるサブステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
パブリックチェーンとアクセスチェーンとの共通ノードから構成されるブロックチェーンパラチェーンであって、
前記パラチェーンは、周期的に前記パラチェーンのノードから選択された、パラチェーンブロックを生成するためのパラチェーン保守者ノードを含み、
前記パラチェーン保守者ノードは、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを決定することと、パブリックチェーンの正規形に符合される、前記同期すべきブロックのブロックデータを含むパラチェーンブロックを生成することと、前記パラチェーンブロックをパラチェーンブロックチェーンに加えて、パブリックチェーンが前記パラチェーンブロックチェーンから前記同期すべきブロックのブロックデータを読み取るようにすることと、に用いられる、
ことを特徴とするブロックチェーンパラチェーン。
【請求項8】
前記パラチェーン保守者ノードは、
同期すべきブロックにおけるブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、前記インデックス識別子と、前記アクセスチェーンブロック識別子と、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子と、を含むブロックヘッダを生成することと、
前記同期すべきブロックのブロックデータを前記ブロックヘッダの後ろの位置にコピーして、前記パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる、
請求項に記載のブロックチェーンパラチェーン。
【請求項9】
前記パラチェーン保守者ノードは、
同期すべきブロックのブロックデータを示すためのインデックス識別子と、アクセスチェーンブロックチェーンにおける同期すべきブロックを示すためのアクセスチェーンブロック識別子と、を生成することと、
パブリックチェーンの正規形に符合される、パラチェーンブロックチェーンにおけるパラチェーンブロックを示すためのパラチェーンブロック識別子を含むブロックヘッダを生成することと、
アクセスチェーンブロック識別子を前記ブロックヘッダの後ろの位置に加えることと、
取引情報、状態情報、レシート情報及びデータ情報を含む前記ブロックデータのタイプによって、インデックス識別子を前記アクセスチェーンブロック識別子の後ろの位置に加えることと、
前記ブロックデータをパブリックチェーンの正規形に符合されるデータに変換し、それをインデックス識別子の後ろの位置に加えて、前記パラチェーンブロックを生成することと、に用いられる、
請求項に記載のブロックチェーンパラチェーン。
【国際調査報告】