特表2021-527568(P2021-527568A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 遵義師範学院の特許一覧

特表2021-527568臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法
<>
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000003
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000004
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000005
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000006
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000007
  • 特表2021527568-臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-527568(P2021-527568A)
(43)【公表日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】臭素含有ヒューム中のBr2を回収する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/68 20060101AFI20210917BHJP
   B01D 53/40 20060101ALI20210917BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20210917BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20210917BHJP
   C01B 7/09 20060101ALI20210917BHJP
【FI】
   B01D53/68 200
   B01D53/40ZAB
   B01D53/82
   B01D53/04 110
   B01D53/04 220
   C01B7/09 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2021-525349(P2021-525349)
(86)(22)【出願日】2019年7月9日
(85)【翻訳文提出日】2021年1月19日
(86)【国際出願番号】CN2019095219
(87)【国際公開番号】WO2020011151
(87)【国際公開日】20200116
(31)【優先権主張番号】201810754502.1
(32)【優先日】2018年7月11日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】521028305
【氏名又は名称】遵義師範学院
【氏名又は名称原語表記】ZUNYI NORMAL UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】肖▲ハン▼曦
(72)【発明者】
【氏名】肖仲久
(72)【発明者】
【氏名】朱巧梅
(72)【発明者】
【氏名】胡鳳林
(72)【発明者】
【氏名】李昭▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】石成
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
【Fターム(参考)】
4D002AA24
4D002AA40
4D002AB01
4D002AC10
4D002BA03
4D002BA04
4D002BA13
4D002DA02
4D002DA05
4D002DA11
4D002DA12
4D002DA16
4D002DA17
4D002DA46
4D002DA70
4D002EA02
4D002EA04
4D002EA07
4D002EA08
4D002FA01
4D002GA03
4D002GB20
4D002HA03
4D012BA01
4D012CA01
4D012CA12
4D012CB11
4D012CD05
4D012CD07
4D012CF01
4D012CG01
4D012CG04
4D012CG10
(57)【要約】
本発明によれば、吸着カラム、酸性ガス除去装置、Br凝縮装置及び液体臭素貯蔵装置を含み、吸着カラムのハウジング内に超極細繊維フィラー及び押付装置が設けられ、超極細繊維フィラーがハウジングに充填され、押付装置が駆動ユニット及び押圧プレートを含み、駆動ユニットが押圧プレートを駆動して超極細繊維フィラーを押し付けるか又は緩め、吸着システム及び脱着システムが設けられ、吸着システムが順に管路により接続された吸着カラム及び酸性ガス除去装置を含み、脱着システムが管路により接続された吸着カラム、Br凝縮装置、液体臭素貯蔵装置及び酸性ガス除去装置を含み、管路には吸着システム又は脱着システムを切り替えるための複数のバルブが設けられる回收臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置及び方法を提供される。本発明の装置及び方法は、吸着効率が高く、吸着剤再生周期が長く、実際の生産に適応し、操作が柔軟である利点を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置であって、
吸着システム及び脱着システムが設けられ、吸着カラム、酸性ガス除去装置、Br凝縮装置及び液体臭素貯蔵装置を含み、
前記吸着カラムのハウジング内には、超極細繊維フィラー及び押付装置が設けられ、前記超極細繊維フィラーが前記ハウジング内に充填され、前記押付装置は、駆動ユニット及び押圧プレートを含み、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートを駆動して、前記超極細繊維フィラーを押し付け又は緩め
前記吸着システムは、管路により順に接続される吸着カラム及び酸性ガス除去装置を含み、ヒューム出口は、前記吸着カラムの前通気口に接続され、酸性ガス除去装置は、前記吸着カラムの後通気口に接続され、
前記脱着システムは、管路により接続される吸着カラム、Br凝縮装置、液体臭素貯蔵装置及び酸性ガス除去装置を含み、クリーンガス出口は、前記吸着カラムの後通気口に接続され、前記Br凝縮装置は、それぞれ前記吸着カラムの前通気口、前記液体臭素貯蔵装置及び前記酸性ガス除去装置に接続され、
前記管路には、吸着システム又は脱着システムを切り替えるための複数のバルブが設けられることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記吸着カラムは、2つ以上設けられ、前記吸着システムにおいて、2つ以上の前記吸着カラムは、管路により順に直列接続され、在前記脱着システムにおいて、2つ以上の記吸着カラムは、管路により並列接続されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吸着カラムは、2つ以上の吸着カラムが管路により並列接続されてなることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記吸着システムには、前記吸着カラムの後通気口と前記吸着カラムの前通気口とを連通するバイパス管路及びバルブが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記吸着システムには、前記吸着カラムの後通気口と前記ヒューム出口とを連通するバイパス管路及びバルブが設けられることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記吸着カラムのハウジングには、加熱装置が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記駆動ユニットは、電磁吸引制御装置であり、前記電磁吸引制御装置は、電磁石及びバネを含み、前記押圧プレートは、導磁性が良好な金属板であり、前記バネは、それぞれ前記電磁石及び前記金属板に接続され、前記電磁石が通電されると、前記金属板が前記バネを圧縮するように移動するように前記金属板を吸引することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法であって、
吸着システムを起動すると、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが超極細繊維フィラーを押し付けるように前記押圧プレートを駆動し、回収処理される臭素含有ヒュームをヒューム出口に接続される吸着カラムの前通気口から前記吸着カラムに導入し、吸着カラム内の超極細繊維フィラーにより吸着された後、吸着カラムの後通気口から排出され、Br2除去ヒュームが得られるステップaと、
Br2除去ヒュームを酸性ガス除去装置により濾過した後、ヒュームを排出するステップbと、
吸着が飽和するときに、管路中のバルブを切り替え、脱着システムを起動し、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが前記超極細繊維フィラーを緩めるように前記押圧プレートを駆動し、クリーンガスを前記吸着カラムの後通気口から吸着カラムに導入し、前記クリーンガスは前記吸着カラム内の超極細繊維フィラーを通過し、脱着したBrを運んで前記吸着カラムの前通気口から排出し、脱着ガスが得られるステップcと、
前記脱着ガスが前記Br凝縮装置に入った後、凝縮し、液体臭素及び臭素除去ヒュームが得られるステップdと、
凝縮して析出した液体臭素が前記液体臭素貯蔵装置に入り、臭素除去ヒュームが前記酸性ガス除去装置により濾過処理された後、ヒュームが排出されるステップeと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項2に記載の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法であって、
吸着システムを起動すると、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが超極細繊維フィラーを押し付けるように前記押圧プレートを駆動し、回収処理される臭素含有ヒュームをヒューム出口に接続される吸着カラムの前通気口から前記吸着カラムに導入し、直列接続された吸着カラム内の超極細繊維フィラーにより吸着された後、吸着カラムの後通気口から排出され、Br2除去ヒュームが得られるステップaと、
Br2除去ヒュームを酸性ガス除去装置により濾過した後、ヒュームを排出するステップbと、
吸着が飽和するときに、管路中のバルブを切り替え、脱着システムを起動し、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが前記超極細繊維フィラーを緩めるように前記押圧プレートを駆動し、クリーンガスをそれぞれ並列接続された前記吸着カラムの後通気口から吸着カラムに導入し、前記クリーンガスがそれぞれ前記吸着カラム内の超極細繊維フィラーに通過し、脱着したBrを運んで前記吸着カラムの前通気口から排出し、脱着ガスが得られるステップcと、
前記脱着ガスが前記Br凝縮装置に入った後、凝縮し、液体臭素及び臭素除去ヒュームが得られるステップdと、
凝縮して析出した液体臭素が前記液体臭素貯蔵装置に入り、臭素除去ヒュームが前記酸性ガス除去装置により濾過処理されてから排出されるステップeと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記ステップaにおいて、吸着カラムの後通気口には、ヒューム検出装置が設けられ、吸着カラムから排出されたヒュームの濃度が所定値に達したときに、バイパス管路により吸着カラムの後通気口から排出されたヒュームを吸着カラムの前通気口又はヒューム出口に戻すことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼生成物又は燃焼残渣の除去又は処理の技術分野に関し、特に臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
使用安全性の観点から、生産過程においてプリント回路板に難燃剤を添加する必要がある。有機臭素系難燃剤は難燃性に優れ、回路基板の基材の性能に影響を与えず、価格が適度であるため、ほとんどのプリント回路板メーカーによって使用されている。一部の臭素系難燃剤(ポリ臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカンなど)製品は多くの国で禁止されているが、様々なハロゲンフリー難燃剤が絶えず開発されている。テトラブロモビスフェノールAは、コストパフォーマンスが高く、回路基板の使用中において接触する人にとって比較的安全であると考えられているため、欧州連合を含むいくつかの国では依然として広く使用されている。同時に、難燃効果が高く、環境に対して安全性がより高い新品種は相付いで開発されている。したがって、臭素系難燃剤(BFR)は、長い間にはプリント回路板に用いる主要な難燃剤である。サンプル中のBr含有量は通常3.2〜8.5wt.%の範囲内である。1トンの回路板にはBrが数十キログラムとなり、これはかなりの量である。
【0003】
パイロ冶金法を用いて廃プリント回路板を処理する場合、貴金属の回収率が最も高く、樹脂の熱エネルギーを直接利用することができ、ガラス繊維をスラグ製造剤として利用することができる。高温燃焼家庭において、原料中のほとんどの有機臭素はHBrに変換してヒュームに入る(変換率は99.9%を超える)。91%以上のHBrは、アフターバーニングゾーンでBrに変換され、高濃度Brヒュームを形成する。原料にBrを6wt.%含むとして、1トンの回路板は約27kgのBr(ヒューム中のBr濃度は約5g/Nmである)を産生できる。凝縮プロセスと合わせて物理的方法により冷却ヒュームからBrを効果的に分離することにより、汚染物Brを直接利用可能な製品に変えて効率的に回収することができる。
【0004】
中国特許(特許番号:ZL201310251704.1)には、「臭素含有高温ヒュームの総合的処理回収利用プロセス及び装置」が開示されている。この発明では、高温燃焼室及び第2燃焼室から出た高温ヒュームを廃熱ボイラーに導入して冷却し、十分に冷却したヒュームを臭素吸着装置に送り込み、臭素吸着装置が飽和した後、少量の熱風を使用して吸着媒体を再生し、再生で産生した高濃度の臭素含有ガスをBr凝縮装置に導入する。この発明に用いる吸着剤は分子篩、活性炭などの伝統的な吸着剤である。
【0005】
中国特許出願(出願番号:201510944067.5)には、「アフターバーニングゾーンでヒューム中のBrを分離、回収する方法」が開示されている。この発明では、超極細繊維を吸着剤とし、ヒューム中のBrを「吸着」により分離し、吸着されたBrを「脱着」し、「脱着剤」を分離するなどのステップを含み、最終的には臭素を得ることができる。
【0006】
本発明者の研究により、従来の吸着剤と異なり、超極細繊維フィラーは「軟質」吸着剤である。従来の「硬質」吸着剤(活性炭、分子篩など)に比べ、超極細繊維を吸着剤として使用するときに、その吸着特性及び吸着カラム層の透過極性は異なることが発見された。
【0007】
そのため、従来技術に存在する問題を解決するために、超極細繊維吸着剤の吸着容量空間を十分に利用し、実際の生産中でヒューム濃度の変化が比較的大きい場合の効率的な吸着の需要を満たし、システムの操作が簡単で、吸着剤の再生が便利である臭素含有ヒュームの回収技術を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、従来技術に存在する問題を解決するために、超極細繊維吸着剤の吸着容量空間を十分に利用し、実際の生産中でヒューム濃度の変化が比較的大きい場合の効率的な吸着の需要を満たし、システムの操作が簡単で、吸着剤の再生が便利である臭素含有ヒューム中のBr回収する装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の目的は、以下の技術的解決策により達成される。
臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置であって、吸着システム及び脱着システムが設けられ、吸着カラムと、酸性ガス除去装置と、Br凝縮装置と、液体臭素貯蔵装置とを含み、前記吸着カラムのハウジング内に超極細繊維フィラー及び押付装置が設けられ、前記超極細繊維フィラーは前記ハウジング内に充填され、前記押付装置は駆動ユニット及び押圧プレートを含み、前記駆動ユニットは前記押圧プレートを駆動して前記超極細繊維フィラーを押し付けるか又は緩め、前記吸着システムは管路により順に接続される吸着カラム及び酸性ガス除去装置を含み、ヒューム出口は前記吸着カラムの前通気口に接続され、酸性ガス除去装置は前記吸着カラムの後通気口に接続され、前記脱着システムは管路により接続される吸着カラム、Br凝縮装置、液体臭素貯蔵装置及び酸性ガス除去装置を含み、(他の工程の)クリーンガス出口は前記吸着カラムの後通気口に接続され、前記Br凝縮装置はそれぞれ前記吸着カラムの前通気口、前記液体臭素貯蔵装置及び前記酸性ガス除去装置に接続され、前記管路に吸着システム又は脱着システムを切り替えるための複数のバルブが設けられる、装置。
【0010】
好ましくは、吸風機がさらに設けられる。前記吸着システムにおいて、前記吸風機は前記酸性ガス除去装置の排気口に接続され、前記脱着システムにおいて、前記吸風機は前記酸性ガス除去装置の排気口に接続される。
【0011】
好ましくは、前記吸着システム及び脱着システム中の酸性ガス除去装置は同一の装置であってもよい。前記吸着システム及び脱着システム中の吸風機は同一の設備であってもよい。
【0012】
好ましくは、前記吸着カラムは2つ以上設けられ、前記吸着システムにおいて、2つ以上の前記吸着カラムは順に管路により直列接続され、前記脱着システムにおいて、2つ以上の前記吸着カラムは管路により並列接続される。
【0013】
好ましくは、前記吸着システムには、前記吸着カラムの後通気口と前記吸着カラムの前通気口とを連通するバイパス管路及びバルブが設けられる。前記吸着システムにおいて、各段階の吸着カラムの後通気口はいずれもバイパス管路により第1段階吸着カラムの前通気口に連通することができ、バイパス管路によりこの段階の吸着カラムの前通気口相に連通することもできる。バイパス管路にはバルブが設けられる。これによって、多段階で直列接続された吸着カラムにおける各段階の後通気口から排出されたヒュームは、一部が戻り2回目の吸着操作を行うことで、各段階の吸着カラム内の吸着剤の吸着容量は十分に利用される。また、吸着操作は異なる濃度のヒュームに適応でき、放出の需要に応じて柔軟に操作することができる。脱着操作を行う際に、吸着カラム内のガスの流れの方向が吸着操作時のヒュームの流れの方向と一致すると、前の吸着剤フィラーから脱着された吸着物は下流の吸着剤によって再度吸着され得る。これによって、脱着に必要な時間が延長される。同様に、真空引きにより脱着する場合において、前の吸着剤から脱着されたBrは後の吸着剤により吸着される。従って、脱着操作を行う際に、全ての吸着カラムは並列接続され、クリーンガスは吸着カラムの脱着ガス総入気口(又は各吸着カラムのクリーンガス入気口)から各吸着カラムに入り、Brを運んでいる脱着ガスは吸着カラムの脱着ガス総排気口から排出され、吸着カラム内のガスの流れの方向は吸着操作時のヒュームの流れの方向と逆であり、脱着ガス中のBr濃度が徐々に増大し、吸着カラム内のフィラーが段階的に脱着することにより、脱着速度が速くなる。
【0014】
好ましくは、前記吸着カラムは、2つ以上の吸着カラムが管路により並列接続されてなる。各段階は2つ以上の吸着カラムが並列接続されてなる場合、各段階の吸着カラムの後通気孔は、さらに1本のバイパス管路により吸着カラムのヒューム入気口に連通し、1本のバイパス管路によりこの段階の吸着カラムの前通気口に連通してもよい。バイパス管路にはバルブが設けられる。
【0015】
好ましくは、前記吸着システムにおいて、前記吸着カラムの後通気口と前記ヒューム出口とを連通するバイパス管路及びバルブが設けられる。バイパス管路により吸着操作を行う際に、ある段階の吸着カラムから出たヒューム中の一部が前の段階の吸着カラムから出た一部のヒュームと共に新たにこの段階の吸着カラムに入ることができ、又はある段階の吸着カラムから出たヒュームの一部が前の工程の臭素含有ヒュームと共に第1段階吸着カラムに入ることができる。これによって、この段階の吸着カラムが貫通され、吸着カラムに入ったヒューム中のBrの平均濃度がバイパス管路を使用しない場合より低く、これにより引き続き吸着カラムの残りの吸着能力を利用する。最後段階の吸着カラムに入った吸着濃度は低減し、最後段階の吸着カラムが貫通されるまでの時間が延長する。最終的には吸着カラムの吸着周期が長くなる。
【0016】
より好ましくは、前記吸着カラムは4つ設けられる。第3段階吸着カラムの後通気口にはヒューム検出装置が設けられる。第3段階吸着カラムから排出されたヒュームの濃度が所定値に達した時に、ヒュームは第3段階吸着カラムの後通気口から排出され、第1段階吸着カラムの前通気口に戻り、これによって、ヒューム中のBrを十分に吸着する目的が達成される。
【0017】
好ましくは、前記吸着カラムは細長い吸着カラムである。吸着カラムの断面積を減少させ、高さを増大させることにより、吸着容量の向上に有利である。吸着カラムの設計は、最適な吸着効果を達成するために、合理的な高さ/直径比(h/D)を選択すべきである。前記吸着カラムの総長さ(高さ)の確定は、物質送達単位の高さに準ずるものではない。所定の単位吸着剤の平均吸着容量及び再生周期によって確定することができる。
【0018】
ヒュームは、順に多段階で直列接続された吸着カラム中の超極細繊維フィラーに通過する。ヒューム中のBr濃度が放出要求を満たす場合、酸性ガス除去装置により処理された後、ヒュームを放出する。好ましくは、酸性ガス除去装置内にアルカリ試薬(例えば、CaO)、吸水試薬(例えば、シリカゲル、CaClなど)がある。これにより、残留可能な微量の酸性ガス及び水分を除去することができる。
【0019】
好ましくは、前記超極細繊維フィラーは超極細繊維織物である。超極細繊維織物をフィラーとして使用し、破片状、粒状又は団状の織物であることができる。さらに、好ましくは、前記超極細繊維フィラーは、ポリエステル超極細繊維織物、ポリアミド超極細繊維織物、ポリスチレン超極細繊維、ポリエチレン超極細繊維又はポリプロピレン超極細繊維中の1種又は2種以上である。
【0020】
好ましくは、前記酸性ガス除去装置は耐食性ドライ媒体フィルターである。濾過媒体は塩基性物質であり、前記塩基性物質はCaO、NaOH、NaCOのうちの1種であってもよい。
【0021】
好ましくは、前記ハウジングの内壁に耐食性材料が被覆されている。例えば、プラスチック防食層、ポリテトラフルオロエチレン、炭素繊維又は酸化銅である。処理されるヒューム中に比較的多い酸性又は塩基性物質が含まれる場合、腐食は通常金属材質の吸着カラムの内壁に発生し、装置の使用寿命を減少させる。プラスチック防食層を設けることにより、設備の安全性、使用寿命の向上に有利である。
【0022】
好ましくは、前記駆動ユニットは電磁吸引制御装置である。前記電磁吸引制御装置は電磁石及びバネを含む。前記押圧プレートは導磁性が良好な金属板である。前記バネはそれぞれ前記電磁石及び前記金属板に接続される。前記電磁石が通電されると、前記金属板が前記バネを圧縮するように移動するように前記金属板を吸引する。電磁吸引制御装置を使用し、吸着操作を行う際に、電磁石が断電されると、バネは自然に伸長し、押圧プレートを押し、超極細繊維織物を押し付ける。脱着操作を行う際に、電磁石が通電され、押圧プレートは電磁石により吸引されてバネを圧縮し、超極細繊維織物を緩める。電磁吸引制御装置は、作業体積が小さく、構造が簡単で、安全で信頼性が高い利点を有するとともに、その機械的構造はヒュームにより腐食されにくい。
【0023】
超極細繊維織物の吸着中の毛管凝縮メカニズムを十分に利用するとともに、吸着剤その自体は材質が軟質であり、吸着装置の容器内において、加える外部圧力が異なることにより、装填密度が異なり、吸着剤の内孔の孔径、比表面積も異なるため、吸着效果は異なる。超極細繊維フィラーの圧力が大きく、内孔孔径が小さい場合、毛管凝縮現象が発生しやすくなる。毛管凝縮により吸着剤の平衡吸着容量、吸着速度、脱着特性などはいずれも変化する。押付装置を設けることにより、脱着する際に押付装置を開放し、吸着剤を緩め、吸着剤の内孔が大きくなり、毛管凝縮による液体が迅速に気化して放出される。織物が押し付けられる程度及び緩められる程度を調整することにより、吸着、脱着操作時の吸着カラム内のフィラーの特性を柔軟に調整することができる。
【0024】
好ましくは、前記押圧プレートの一端に中心カラムが設けられ、前記中心カラムの円周方向に沿って分岐が設けられる。中心カラムは超極細繊維フィラーに挿入され、押圧プレートが吸引されて移動するときに、中心カラム上の分岐は超極細繊維フィラーの一部を引き動かし,元々緊密に押し付けられた超極細繊維フィラーを緩めることにより、超極細繊維フィラーが伸び、膨張し、脱着過程の促進に有利である。
【0025】
好ましくは、前記押圧プレートの一端にフレキシブルな接続が設けられる。前記超極細繊維フィラーに分布する複数の押圧シートがある。前記押圧シートの直径が前記押圧プレートよりも小さい。各前記押圧シートは互いにベルト又はチェーンにより接続されるとともに、押圧プレートに接続される。超極細繊維フィラーは押圧シートの間に充填される。押圧プレートが超極細繊維フィラーを押し付ける際に、押圧シート間のフレキシブル接続が緩み、超極細繊維フィラーがより緊密に押し付けられることに有利である。押圧プレートが超極細繊維フィラーを緩める方向へ移動する際に、押圧プレートは押圧シートを引っ張り、各押圧シート間のベルト接続又はチェーン接続が引き締まり、吸着カラム内の超極細繊維フィラーが均一に分散して緩くなり、脱着過程の促進に有利である。
【0026】
好ましくは、駆動ユニットはリニアシリンダ駆動装置である。敏感で爆発しやすいガスを処理する場合、リニアシリンダ駆動装置を使用することができる。リニアシリンダは吸着カラムの一端に固定され、シリンダのピストンロッドが押圧プレートの移動を駆動する。
【0027】
好ましくは、駆動ユニットは、モータラック駆動装置である。モータを吸着カラムの一端に固定し、モータ回転軸に固定されたピニオンによりリニアラックを駆動して押圧プレートを移動させる。モータにより押圧プレートを駆動することにより、超極細繊維フィラーの緊密程度をより柔軟に制御することができ、異なる状況に応じて調整することができる。
【0028】
好ましくは、吸着カラムハウジングには冷却装置が設けられる。吸着操作を行う際に冷却装置を起動する。冷却方式は水冷又は風冷であってもよい。
【0029】
好ましくは、吸着カラムハウジングには加熱装置が設けられる。脱着操作を行う際に加熱装置を起動する。
【0030】
好ましくは、前記Br凝縮装置は、間接熱交換冷却装置,冷却媒体は水、空気、アンモニア水溶液であってもよい。
【0031】
本発明の他の目的は、従来技術の不足を解決するために、臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法を提供することである。
【0032】
本発明の目的は、以下の技術的解決策により達成される。上記方法は、
吸着システムを起動するときに、クリーンガス出口と吸着カラムクリーンガス入気口又は吸着カラムの脱着ガス総入気口との間の管路上のバルブを閉め、或いはクリーン空気と脱着ガス総入気口とを連通する管路上のバルブを閉め、Br凝縮装置と酸性ガス除去装置との間の管路上のバルブを閉め、前記駆動ユニットは前記押圧プレートを駆動し、超極細繊維フィラーを押し付け、回収処理される臭素含有ヒュームをヒューム出口に接続される前記吸着カラムの前通気口から前記吸着カラムに送り込み、吸着カラム内の超極細繊維フィラーにより吸着した後、吸着カラムの後通気口から排出し、Br除去ヒュームを得るステップaと、
Br除去ヒュームを酸性ガス除去装置により濾過した後、ヒュームを排出するステップbと、
前記吸着カラムのヒューム出口のサンプリング口からサンプリングして分析し、サンプル中のBr濃度が吸着カラムの貫通濃度に達すると、最後段階の吸着カラムは貫通され始め、吸着が飽和し、管路中のバルブを切り替え、前記ヒューム出口と吸着カラムのヒューム入気口との間の管路のバルブを閉め、吸着カラムのヒューム出口と酸性ガス除去装置との間の管路上のバルブを閉め、クリーンガス出口と吸着カラムの後通気口又は吸着カラムの脱着ガス総入気口との間の管路上のバルブを開き、あるいはクリーン空気と吸着カラムの脱着ガス総入気口とを連通する管路上のバルブを開き、Br凝縮装置と酸性ガス除去装置との間の管路上のバルブを開き、管路中のバルブを切り替え、脱着システムを起動し、前記駆動ユニットにより前記押圧プレートを駆動して前記超極細繊維フィラーを緩め、クリーンガスを前記吸着カラムの後通気口から吸着カラムに送り込み、前記クリーンガスは前記吸着カラム内の超極細繊維フィラーを通過し、脱着されたBrを運んで前記吸着カラムの前通気口から排出され、脱着ガスを得るステップcと、
前記脱着ガスが前記Br凝縮装置に入った後、凝縮し、液体臭素及び臭素除去ヒュームを得るステップdと、
凝縮して析出した液体臭素が前記液体臭素貯蔵装置に入り、臭素除去ヒュームが前記酸性ガス除去装置により濾過処理された後、ヒュームを放出するステップeと、
を含む。
【0033】
好ましくは、吸着操作を行う際に、第2段階吸着カラムは貫通され始め、第2段階吸着カラムから出た一部のヒュームは直接バイパス管路を通過し、吸着カラムの前通気口から新たに第2段階吸着カラムに入ることができる。同様に、ある段階の吸着カラムから出た一部のヒュームも直接バイパス管路を通過し、この段階の吸着カラムの前通気口から新たにこの段階の吸着カラムに入り、再度吸着を行うことができる。
【0034】
本発明の他の目的は、従来技術の不足を克服するために、臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法を提供することである。
【0035】
本発明の目的は、以下の技術的解決策により達成される。上記方法は、
吸着システムを起動すると、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが超極細繊維フィラーを押し付けるように前記押圧プレートを駆動し、回収処理される臭素含有ヒュームをヒューム出口に接続される前記第1段階吸着カラムの前通気口から前記吸着カラムに導入し、ヒュームを順に直列接続される各段階の吸着カラムを通過させ、吸着カラム内の超極細繊維フィラーにより吸着された後、最後段階の吸着カラムの後通気口から排出し、臭素除去ヒュームが得られるステップaと、
臭素除去ヒュームを酸性ガス除去装置により濾過した後、ヒュームを排出するステップbと、
吸着が飽和するときに、管路中のバルブを切り替え、脱着システムを起動し、前記駆動ユニットは、前記押圧プレートが前記超極細繊維フィラーを緩めるように前記押圧プレートを駆動し、クリーンガスをそれぞれ並列接続された前記吸着カラムの後通気口から吸着カラムに導入し、前記クリーンガスがそれぞれ前記吸着カラム内の超極細繊維フィラーに通過し、脱着したBrを運んで前記吸着カラムの前通気口から排出し、脱着ガスが得られるステップcと、
前記脱着ガスが前記Br凝縮装置に入った後、凝縮し、液体臭素及び臭素除去ヒュームが得られるステップdと、
凝縮して析出した液体臭素が前記液体臭素貯蔵装置に入り、臭素除去ヒュームが前記酸性ガス除去装置により濾過処理されてからヒュームを放出するステップeと、
を含む。
【0036】
好ましくは、前記ステップaにおいて、吸着カラムの後通気口には、ヒューム検出装置が設けられ、吸着カラムから排出されたヒュームの濃度が所定値に達したときに、バイパス管路により吸着カラムの後通気口から排出されたヒュームの一部を吸着カラムの前通気口又はヒューム出口に戻す。
【0037】
さらに好ましくは、ステップbにおいて、加熱されたクリーンガス(予め約80℃に加熱する)を用いて超極細繊維フィラーをパージする。
【0038】
好ましくは、ステップbにおいて、真空引きにより超極細繊維フィラーを脱着することができる。
【0039】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1.本発明装置システムの多段階吸着カラムにおいて、最後段階の吸着カラム以外、各段階の吸着カラムの、次の段階の吸着カラムに直列接続された管路には、バイパス管路がさらに設けられ、この段階の吸着カラムヒューム入気口に連通し、又は第1段階吸着カラムヒューム入気口に連通する。バイパス管路にはバルブが設けられる。バイパス管路により、最後段階の吸着カラム以外、吸着カラムが貫通されたとしても、比較的良好に引き続きこれらの吸着カラムの残りの吸着能力を使用することができ、最後段階の吸着カラムに入った吸着濃度は低減し、最後段階の吸着カラムが貫通されるまでの時間が延長する。最終的には吸着カラム全体の吸着周期が長くなる。
【0040】
2.実際の生産において、バイパス管路によりヒュームは逆流して逆混合することにより、吸着プロセスは実際の生産におけるヒューム中のBr濃度の変動が比較的大きな現場条件に適応することができる。
【0041】
3.脱着操作を行う際に、全ての吸着カラムは並列接続され、吸着カラム内のガスの流れの方向は吸着操作時のヒュームの流れの方向と逆である。これによって、流れの方向が一致するときに、前の吸着剤フィラーから脱着された吸着物が下流の吸着剤によって再度吸着される現象が回避され、脱着速度が向上する。
【0042】
4.最後段階の吸着カラムにおけるポリエステル超極細繊維フィラーの押圧密度が前の各段階のポリエステル超極細繊維フィラーの押圧密度よりも大きく、この段階の吸着カラムの吸気濃度が比較的低い動作環境により適応し、最後段階の吸着カラムの吸着効率が向上し、吸着カラムの動作時間が延長する。
【0043】
5.ポリエステル超極細繊維フィラーを吸着剤として使用することにより、ヒューム中のBrに対する吸着効率が高くなる。
【0044】
6.吸着カラム内の調整可能な押付装置により超極細繊維フィラーの装填密度を調整することにより、異なる段階の吸着カラムの押圧密度が異なり、より高い吸着効率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図面により本発明をさらに説明するが、図面に係る実施例は、本発明を制限するものではない。
図1】本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法のプロセスのフローチャートである。
図2】本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法の吸着システムの構成及び吸着操作のプロセスのフローチャートである。
図3】本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置における脱着システムの構成及び脱着操作プロセスのフローチャートである。
図4】本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置の吸着カラムの一実施形態の構造模式図である。
図5図4における「A−A」に沿う断面構造の模式図である。
図6】本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
【0047】
実施例1
本発明の吸着システムの構成模式図及び吸着操作プロセスのフローチャートを図1、2に示す。吸着カラム、酸性ガス除去装置、吸風機を含む。図1は、各段階の吸着カラムに単一の吸着カラムのみがある場合を示す。図2は、各段階の吸着カラムに並列接続された2つの吸着カラムがある場合を示す。理解できるように、各段階には複数の吸着カラムが並列接続されてもよい。具体的な数は、実際の処理されるヒューム量、特性により確定される。脱着システムの構成模式図及び脱着操作プロセスのフローチャートを図3に示す(各段階に並列接続された2つの吸着カラムがあることを例とする)。吸着カラム、酸性ガス除去装置、吸風機に加えて、Br凝縮装置、液体臭素貯蔵装置をさらに含む。
【0048】
吸着システムと脱着システム中の吸着カラム、酸性ガス除去装置、吸風機は同一/同セットの設備であるが、異なる管路システムにより接続され、バルブにより吸着操作と脱着操作を切り替える。
【0049】
吸着操作を図1で説明する。吸着操作の初期では、ヒューム出口からのBr含有ヒュームが初期冷却、浄化された後、順に各段階の吸着カラムに入り、ヒューム中のBrが吸着カラム内の超極細繊維織物フィラーにより吸着される。Brが除去されたヒュームが酸性ガス除去装置に入り、ヒューム中の残留可能な微量の酸性ガスが除去される。酸性ガス除去装置から出たガスは吸風機により排出される。吸着操作の進行につれて、各段階の吸着カラムが徐々に貫通される。最後段階の吸着カラム以外の各段階の吸着カラムが順に貫通された後、この吸着カラムから出たヒュームは、一部がバイパス管路を通過して第1段階吸着カラムに戻って入り、残りの部分が次の段階の吸着カラムに入る。さらに、図1に示されないが、この吸着カラムから出たヒュームの一部がバイパスによりこの吸着カラムの前通気口から戻り、新たにこの吸着カラムに入ることもできる。
【0050】
最後段階の吸着カラムが貫通された後、ヒューム出口及び吸着カラムのヒューム入気口管路上のバルブを閉め、ヒュームの吸着カラムへの導入を停止させる。クリーン空気(必要に応じて事前に予熱する)は各吸着カラムのクリーンガス入気口21から入り、逆方向で各吸着カラムを通過する。吸着剤層中のBrが放出され、入ったガスと共に脱着ガスを形成し、脱着ガスが吸着カラムの脱着ガス排気口22から出た後、順にBr凝縮装置、酸性ガス除去装置に入り、そして吸風機により排出される。Br凝縮装置で凝縮して出た液体臭素が液体臭素貯蔵装置に入る。
【0051】
吸着カラムにおける各吸着カラムの吸着カラムハウジング11内には、ポリエステル超極細繊維フィラー14及び電磁吸引制御装置15が設けられる(図4図5を参照)。電磁吸引制御装置15は、電磁石16、バネ17、押圧プレート18を含む。押圧プレート18は導磁性が良好な金属板である。押圧プレート18の一端には、中心カラム19が設けられ、中心カラム19の円周方向に沿って分岐20が設けられる。バネ17は、それぞれ電磁石16及び金属板に接続される。電磁石16に通電すると、金属板がバネ17を圧縮するように移動するように金属板を吸引する。吸着操作を行う際に、電磁石16が断電されるか又は電流を減少されると、バネ17は自然に伸長し又は適度に伸長し、ポリエステル超極細繊維織物フィラー14を押し付けるように押圧プレート18を押圧する。脱着操作を行う際に、電磁石16に通電し、押圧プレート18が電磁石16により吸引されてバネ17を圧縮することにより、中心カラム19上の分岐20はポリエステル超極細繊維織物フィラー14を緩める。電磁石16及び押圧プレート18のいずれにもガスが通過するための通路が形成されている。
【0052】
本実施例において、4段階の吸着カラム(図6を参照。図における各管路上のSはバルブ、Mは駆動モータ、Tは温度計を示す)が設けられ、第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300及び第4段階の吸着カラム400を含む。第1吸着入気口101は管路により前の工程のヒューム出口に接続され、第1吸着排気口102は、第2吸着入気口201に連通する。同様に、第2吸着排気口202は、第3吸着入気口301、第3吸着排気口302及び第4吸着入気口401に連通する。また、最後の段階の吸着カラムである第4段階の吸着カラム400を除き、第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300の出口、第1吸着排気口102、第2吸着排気口202、第3吸着排気口302は、いずれもそれぞれのバイパス管路を有し、管路は、それぞれ第1吸着入気口101に連通し、各バイパス管路にはバルブSが設けられ、必要なときに開く。さらに、他の工程のクリーンガス出口は、管路により吸着カラムの脱着ガス総入気口603に連通する。管路にはバルブSが設けられる。脱着ガス総入気口603は、並列接続された異なる管路によりそれぞれ吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300、第4段階吸着カラム400の末端の第1クリーンガス入気口103、第2クリーンガス入気口203、第3脱着入気口303、第4クリーンガス入気口403に連通する。各吸着カラムの前端には、第1脱着排気口104、第2脱着排気口204、第3脱着排気口304、第4脱着排気口404があり、管路によりBr凝縮装置の入気口31に連通する。Br凝縮装置排気口32は、管路により酸性ガス除去装置2の入気口に連通する。Br凝縮装置の液体臭素出口33は、管路により液体臭素貯蔵装置4に連通する。Br凝縮装置には、冷却媒体入口34、冷却媒体出口35がさらに設けられている。
【0053】
吸着操作を行う際に、クリーンガス管路バルブSが閉められ、脱着ガス関連管路バルブSが閉められる。また、各吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300、第4段階吸着カラム400中の電磁吸引制御装置15が通電されていないので、バネは自然伸長の状態にあり、押圧シートを押して、吸着カラム中のポリエステル超極細繊維織物を押し付ける。
【0054】
室温まで冷却され、埃が除去されたヒューム(濃度は約1500mg/Nm)は、前の工程のヒューム出口を経て、直列接続された第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300、第4段階吸着カラム400を順に通過する。ヒューム中のBrは、吸着カラム中のポリエステル超極細繊維織物により吸着される。Brが除去されたヒュームは、酸性ガス除去装置2を経て吸風機5により排出される。酸性ガス除去装置にはアルカリ試薬(CaO)、吸水試薬(シリカゲル又はCaCl)が内蔵されている。吸着の進行につれて、順に第1吸着排気口102、第2吸着排気口202、第3吸着排気口302、第4吸着排気口402からサンプルを採取して分析する。前の3つの吸着カラムからのヒューム中のBr濃度がそれぞれ75mg/Nm、50mg/Nm、25mg/Nmを超えた場合、対応するバイパス管路バルブを開き、対応する吸着カラム出口のヒュームの一部がバイパス管路により戻し、前の工程の吸着処理されていないヒュームと共に再度吸着カラム100に入る。
【0055】
長時間吸着した後、吸着カラムヒューム出口でのヒュームにはほとんどBrが含まない(サンプリング分析した結果、ヒューム中のBr濃度が2mg/Nm未満である)。吸着が特定の時間進行すると、吸着カラムヒューム出口でのヒューム中のBr濃度は顕著に迅速に増加し、Br濃度が20mg/Nmを超えると、最後段階の吸着カラムである第4段階吸着カラム400も貫通され、この臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置システムは脱着操作段階に入ると考えることができる。
【0056】
脱着操作を行う際に、前の工程のヒューム出口と第1段階吸着装置100を連通するヒューム管路上のバルブSが閉められ、最後段階の吸着カラムと酸性ガス除去装置との間に接続される管路上のバルブSが閉められる。また、第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300、第4段階吸着カラム400中の電磁吸引制御装置15に通電し、吸着カラム中のポリエステル超極細繊維織物フィラー14は緩い状態にある。
【0057】
少量のクリーン空気(予め約80℃に加熱された)は、脱着ガス総入気口603からそれぞれ異なる管路を経て第1クリーンガス入気口103、第2クリーンガス入気口203、第3クリーンガス入気口303、第4クリーンガス入気口403より逆方向で吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300、第4段階吸着カラム400に入り、ポリエステル超極細繊維織物フィラーをパージする。そして、Brを運んでいる脱着ガスはそれぞれ第1脱着排気口104、第2脱着排気口204、第3脱着排気口304、第4脱着排気口404から排出され、脱着ガス総排気口604及び管路を経てBr凝縮装置3に入る。Br凝縮装置3内において、脱着ガス中の高濃度のBrは凝縮析出して液体臭素を形成し、最終的に液体臭素貯蔵装置4に流入する。脱着ガスはBr凝縮装置3から排出された後、酸性ガス除去装置2に入り、吸風機5から排出される。
【0058】
上記のように一部ヒューム戻りプロセスによりヒュームを処理することにより、吸着周期は延長し、単位質量あたりの吸着剤に吸着されたBrは、ヒューム戻しプロセスを採用しない方法よりも25%以上多くなる。
【0059】
実施例2
本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置の実施形態の一つ:本発明の吸着システムの構成模式図及び吸着操作プロセスのフローチャートを図4図5に示す。吸着カラム1を含む。吸着カラム1をは、柱形ハウジング11、及びハウジング11の両端にある前通気口12及び後通気口13を含む。ハウジング11内には超極細繊維フィラー14及び押付装置が設けられる。超極細繊維フィラー14填充于ハウジング11内;押付装置包括有駆動ユニット和押圧プレート18,駆動ユニットは、押圧プレート18を駆動して超極細繊維フィラー14を押し付けるか又は緩める。理解できるように、ハウジング11の両端にある前通気口12及び後通気口13は対称して配置されてもよいが、実際の状況に応じて調製してもよい。例えば、ハウジング11の中央に配置されてもよい。前通気口12及び後通気口13は、1つ以上設けることができるが、前通気口12又は後通気口13に入った又は排出されたガスを切替制御するための2位置3方向制御バルブが設けられてもよい。本実施例において、前通気口12及び後通気口13は、図1に示すように設けられる。
【0060】
具体的には、超極細繊維フィラー14は、超極細繊維織物である。超極細繊維織物をフィラーとして使用し、破片状、粒状又は団状の織物であることができる。本実施例において、破片状のポリエステル超極細繊維織物とポリスチレン超極細繊維織物との混合物である。
【0061】
具体的には、駆動ユニットは、電磁吸引制御装置15である。図1に示すように、電磁吸引制御装置15は、電磁石16及びバネ17を含む。押圧プレート18は、導磁性が良好な金属板である。バネ17はそれぞれ電磁石16及び金属板に接続される。電磁石16が通電されると、金属板がバネ17を圧縮するように移動するように金属板を吸引する。電磁吸引制御される弾力押付装置を使用し、吸着操作を行う際に、電磁石16が断電されると、バネ17は自然に伸長し、押圧プレート18を押し、超極細繊維織物を押し付ける。脱着操作を行う際に、電磁石16が通電され、押圧プレート18は電磁石16のもう一方の極により吸引されてバネ17を圧縮し、超極細繊維織物を緩める。電磁吸引制御装置15は、作業体積が小さく、構造が簡単で、安全で信頼性が高い利点を有するとともに、その機械的構造はヒュームにより腐食されにくい。
【0062】
具体的には、押圧プレート18の一端には中心カラム19が設けられる。中心カラム19の円周方向に分岐20が設けられる(図2)。中心カラム19は超極細繊維フィラー14に挿入され、押圧プレート18が吸引されて移動するときに、中心カラム19上の分岐20は、一部の超極細繊維フィラー14を引き動かし、元々緊密に押し付けられた超極細繊維フィラー14を緩めることにより、超極細繊維フィラー14が伸び、膨張し、脱着過程の促進に有利である。
【0063】
ヒュームの処理方法の実施形態の一つは、
ヒューム吸着する際に、駆動ユニットが押圧プレート18を駆動して押圧し、回収処理されるヒュームをヒューム出口に接続される吸着カラム1の前通気口12から導入し、吸着カラム1内の超極細繊維フィラー14により吸着した後、吸着カラム1の後通気口13から排出するステップaと、
ヒューム脱着する際に、駆動ユニットが押圧プレート18を駆動し、超極細繊維フィラー14を緩め、クリーンガスを吸着カラム1の後通気口13を導入し、吸着カラム1の超極細繊維フィラー14により脱着した後、吸着カラム1の前通気口12から排出し、脱着ガスを得るステップbと、
脱着ガスを凝縮して回収するステップcと、
を含む。
【0064】
これによって、超極細繊維フィラーによる充填圧力が大きい場合、毛管凝縮現象が発生しやすい。ヒューム吸着際の超極細繊維フィラーに外力を加え、吸着効率を向上させる。脱着する際に、超極細繊維フィラーを緩めることにより脱着過程を速くすることができる。
【0065】
本実施例において、超極細繊維織物の吸着中の毛管凝縮メカニズムを十分に利用するとともに、吸着剤その自体は材質が軟質であり、圧縮性を有し、吸着装置の容器内で電磁吸引制御装置15に応じてその装填密度を調整可能であり、吸着剤の内孔の孔径、比表面積がそれによって変化するため、異なる吸着效果が得られる。押付装置を設けることにより、脱着する際に押付装置を開放し、吸着剤を緩め、吸着剤の内孔が大きくなり、毛管凝縮による液体が迅速に気化して放出される。これによって、吸着カラム1内に押付装置を設けることにより、異なる使用状況に応じて超極細繊維フィラーに対する圧力及び装填密度を柔軟に調整することができ、実際の吸着及び脱着状況に適することができ、吸着効果が高く、操作が柔軟である。
【0066】
実施例3
本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置の実施形態の一つ:本実施例3の主な技術解決策は実施例2と基本的に同じである。本実施例3で解釈されない特徴は、実施例2の説明を参照されないので、ここで説明を省略する。本実施例は、押圧プレート18の一端に超極細繊維フィラーに分布され、フレキシブルに接続された複数の押圧シートが設けられ、押圧シートの直径が押圧プレート18よりも小さい点で実施例2と相違する。各押圧シートは、互いにベルト又はチェーンにより接続されるとともに、押圧プレート18に接続される。超極細繊維フィラーは押圧シートの間に充填される。押圧プレート18が超極細繊維フィラーを押し付ける際に、押圧シート間のフレキシブル接続が緩み、超極細繊維フィラーがより緊密に押し付けられることに有利である。押圧プレート18が超極細繊維フィラーを緩める方向へ移動する際に、押圧プレート18は押圧シートを引っ張り、各押圧シート間のベルト接続又はチェーン接続が引き締まり、吸着カラム内の超極細繊維フィラーが均一に分散して緩くなり、脱着過程の促進に有利である。
【0067】
具体的には、駆動ユニットはリニアシリンダ駆動装置である。敏感で爆発しやすいガスを処理する場合、リニアシリンダ駆動装置を使用することができる。リニアシリンダは吸着カラムの一端に固定され、シリンダのピストンロッドが押圧プレート18の移動を駆動する。
【0068】
本実施例で使用される超極細繊維フィラーはポリアミド超極細繊維織物である。
【0069】
実施例4
本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する装置の実施形態の一つ:本実施例4の主な技術的解決策は実施例2と基本的に同じである。本実施例は、ハウジング11の内壁にプラスチック防食層となる耐食性材料が被覆されている点で実施例2と相違する。より具体的には、耐食性材料は、ポリテトラフルオロエチレン、炭素繊維又は酸化銅であってもよい。処理されるヒュームに多くの酸性又は塩基性物質が含まれる場合、通常の金属である吸着カラムの内壁が腐食されるため、吸着カラムの使用寿命が短くなる可能性がある。そのため、プラスチック防食層を設けることにより、設備の安全性が向上し、使用寿命が延長する。
【0070】
具体的には、超極細繊維フィラーはポリスチレン超極細繊維織物と、ポリエチレン超極細繊維と、ポリプロピレン超極細繊維織物との混合フィラーである。
【0071】
具体的には、吸着カラムは、細長い吸着カラムであり、その高さ/直径比は6〜20である。本実施例において、吸着カラムの高さ/直径比は10である。吸着カラムの断面積を減少させ、高さを増大させることにより、吸着容量の向上に有利である。吸着カラムの設計は、最適な吸着効果を達成するために、合理的な高さ/直径比(h/D)を選択すべきである。
【0072】
具体的には、駆動ユニットは、モータラック駆動装置である。モータを吸着カラムの一端に固定し、モータ回転軸に固定されたピニオンによりリニアラックを駆動して押圧プレート18を移動させる。モータにより押圧プレート18を駆動することにより、超極細繊維フィラーの緊密程度をより柔軟に制御することができ、異なる状況に応じて調整することができる。
【0073】
実施例5
本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法
本実施例5の主な技術的解決策は実施例2と基本的に同じである。本実施例5で解釈されない特徴は、実施例2の説明を参照されないので、ここで説明を省略する。本実施例は、ステップaにおいて、吸着カラムの後通気口13が管路により酸性ガス除去装置2に接続され、濾過処理した後、ヒュームを排出し、残留可能な微量の酸性ガス及び水分を除去するために酸性ガス除去装置2内にアルカリ試薬(例えば、CaO)、吸水試薬(例えば、シリカゲル、CaClなど)が充填される点で実施例2と相違する。ステップbにおいて、真空引きにより超極細繊維フィラーに対して脱着する。
【0074】
実施例6
本発明の臭素含有ヒューム中のBrを回収する方法の実施形態の一つ:図1から6に示すように、本実施例6の主な技術的解決策は実施例5と基本的に同じである。本実施例6で解釈されない特徴は、実施例5の説明を参照されないので、ここで説明を省略する。本実施例は、4段階の吸着カラム(図6)が設けられ、第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300及び第4段階吸着カラム400を含み、第4段階吸着カラム400が第4吸着入気口401、第4吸着排気口402、第4クリーンガス入気口403、第4脱着排気口404を含み、ステップaにおいて、第3段階吸着カラム300の第3吸着排気口302にヒューム検出装置が設けられ、第3段階吸着カラム300から排出されたヒュームの濃度が所定値に達すると、第3段階吸着カラム300の第3吸着排気口302から排出されたヒュームが第1段階吸着カラム100の第1吸着入気口101に戻る点で実施例5と相違する。
【0075】
より具体的には、高温燃焼室及び第2燃焼室から出た臭素含有高温ヒュームは室温に冷却され、埃除去された後、多段階で直列接続された第1段階吸着カラム100、第2段階吸着カラム200、第3段階吸着カラム300を順に通過する。ヒューム中のBr濃度が非常に高く(5000mg/Nm)、空塔速度をヒュームの濃度が比較的低いときの空塔速度よりも小さくするように吸着カラムを通過するヒュームの流量を調整する。ヒューム中のBrが吸着カラムにおける超極細繊維織物により吸着される。ヒューム中のBr濃度が比較的高いため、空塔速度が低いが、この3段階の吸着カラム層が比較的速く貫通され(出口ヒューム濃度が20mg/Nmを超える)。吸着操作の進行につれて、第3段階吸着カラム300の第3吸着排気口302の出口ヒューム濃度の増加が非常に少なく、一部のヒュームが戻る前の濃度よりも低い可能性もある。吸着カラムに戻るヒューム以外、第3段階吸着カラム300から出たヒュームは第4段階吸着カラム400に入り、さらに吸着された後、出口ヒューム濃度が放出要求を満たすようになる。そして、放出要求を満たした浄化ガスは、酸性ガス除去装置2を経て、吸風機5から放出される。
【0076】
なお、以上の実施例は本発明の技術的解決策を説明するものに過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。好適な実施例により本発明を詳しく説明したが、当業者に理解され得るように、本発明の技術的解決策の本質及び範囲を逸脱しない限り、本発明の技術的解決策を修正又は同等置換することができる。
【符号の説明】
【0077】
1:吸着カラム
11:ハウジング
12:前通気口
13:後通気口
14:超極細繊維フィラー
15:電磁吸引制御装置
16:電磁石
17:バネ
18:押圧プレート
19:中心カラム
20:分岐
21:クリーンガス入気口
22:脱着ガス排気口
100:第1段階吸着カラム
101:第1吸着入気口
102:第1吸着排気口
103:第1クリーンガス入気口
104:第1脱着排気口
200:第2段階吸着カラム
201:第2吸着入気口
202:第2吸着排気口
203:第2クリーンガス入気口
204:第2脱着排気口
300:第3段階吸着カラム
301:第3吸着入気口
302:第3吸着排気口
303:第3クリーンガス入気口
304:第3脱着排気口
400:第4段階吸着カラム
401:第4吸着入気口
402:第4吸着排気口
403:第4クリーンガス入気口
404:第4脱着排気口
2:酸性ガス除去装置
3:Br凝縮装置
31:Br凝縮装置入気口
32:Br凝縮装置排気口
33:Br凝縮装置液体臭素出口
34:冷却媒体入口
35:冷却媒体出口
4:液体臭素貯蔵装置
5:吸風機
603:脱着ガス総入気口
604:脱着ガス総排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】