(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-527800(P2021-527800A)
(43)【公表日】2021年10月14日
(54)【発明の名称】配合物の複数の画分の定量的割合を決定するための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 29/11 20060101AFI20210917BHJP
G01N 29/48 20060101ALI20210917BHJP
【FI】
G01N29/11
G01N29/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-561901(P2020-561901)
(86)(22)【出願日】2019年2月12日
(85)【翻訳文提出日】2020年10月29日
(86)【国際出願番号】EP2019053406
(87)【国際公開番号】WO2019238274
(87)【国際公開日】20191219
(31)【優先権主張番号】102018114481.4
(32)【優先日】2018年6月16日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520424010
【氏名又は名称】ティプコ・トゥデシュキ・インダストリアル・プロセス・コントロール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】519434400
【氏名又は名称】クナウフ ギプス コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】トゥデシュキ・ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】コーレイ・ヘサム
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AD16
2G047BC03
2G047BC15
2G047CA01
2G047EA10
2G047GG09
2G047GG20
2G047GG28
2G047GG33
2G047GG38
(57)【要約】
本発明は、配合物の複数の粒状体画分の定量的割合を連続的に決定するための方法に関する。定量的割合を高い精度かつリアルタイムで決定することを可能にするために、配合物の粒子の輸送および衝撃構造への衝撃によって生成される、配合物からの音響信号を信号処理に使用する、受動音響法を提案する。本発明は、定量的割合を決定するときに、取得した信号強度値に加えて、音響信号が、粒子サイズ、各画分の粒子の密度、ならびに搬送フローのフローエネルギーに依存するという事実に基づいている。このように、複数の粒状体画分の定量的割合を、高い精度で連続的に決定することができる。加えて、本発明は、本方法を実行するためのデバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配合物(2)の複数の粒状体画分の定量的割合を決定するための方法であって、
−前記配合物(2)を提供するステップであって、各画分の粒子が、異なる密度を有し、前記配合物(2)の全ての画分の前記粒子の粒子サイズの粒子が、同じ粒子等級で構成される、提供するステップと、
−既知または一定のフローエネルギーによって、搬送フロー(4)において搬送方向(3)に前記配合物(2)を輸送するステップであって、前記配合物(2)の粒子が、導波路として構成された少なくとも1つの衝撃構造(5)と衝突し、構造伝播音波として各衝撃構造(5)内に広がる音響信号を生成する、輸送するステップと、
−前記音響信号を取得し、振動トランスデューサ(6)を用いて電気信号に変換するステップと、
−前記振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号を信号処理して、定量的割合を決定するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
一定のフローエネルギーを有する搬送フロー(4)の場合、前記信号処理の開始前に、少なくとも1つの較正関数が生成され、該構成機能では、各振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号と、前記定量的割合を決定するための従来の方法を使用して決定される、または既知である前記粒状体の前記画分の前記定量的割合との相関関係を決定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
既知であるが、一定でないフローエネルギーを有する搬送フローの場合、前記信号処理の開始前に、
−少なくとも1つの正規化関数が生成され、前記フローエネルギーを検出するための少なくとも1つのトランスデューサ(14)からの前記電気信号と、前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーとの関係が、前記配合物(2)の異なる既知のフローエネルギーの下で決定され、
−少なくとも1つの較正関数が生成され、前記正規化関数によってエネルギー正規化された各振動トランスデューサ(14)からの電気信号と、従来の方法によって決定された、または既知である前記配合物(2)の前記画分の前記定量的割合との相関関係が決定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
一定のフローエネルギーを有する搬送フロー(4)に対する前記信号処理を開始する前に較正関数を生成する場合に、
−前記配合物(2)の複数のサンプルを試験するステップであって、前記個々のサンプルの前記画分の前記定量的割合が異なり、かつ以下のように、従来の方法によって決定されるか、または既知である、試験するステップと、
−各サンプルに対する前記振動トランスデューサ(6)からの前記変換した電気信号を時間窓に分割するステップと、
−各サンプルに対する全ての時間窓内の前記電気信号の負の最小強度値または前記電気信号の正の最大強度値を識別するステップと、
−各サンプルに対する前記電気信号の前記最大または最小強度値の累積相対度数を決定するステップと、
−各サンプルに対する前記電気信号の前記最大または最小強度値の前記累積相対頻度から強度値Inを決定するステップであって、前記値「n」が、前記強度値In以下である前記強度値のパーセンテージ割合であり、各サンプルに対する前記強度値Inの前記値「n」が、50%以上であり、かつ全てのサンプルについて一貫している、決定するステップと、
−各サンプルに対する前記以前に決定された強度値Inを前記それぞれのサンプルに対する前記粒状体の前記画分の前記既知の定量的割合に割り当てることによって、前記較正関数を生成するステップと、を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
非一定のフローエネルギーを有する搬送フロー(4)の前記信号処理を開始する前に較正関数を生成する場合に、
−少なくとも1つの正規化関数を生成するステップであって、前記フローエネルギーを取得するための少なくとも1つのトランスデューサ(14)からの前記電気信号と、前記配合物の異なる既知のフローエネルギーに対する前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーとの関係が決定される、生成するステップと、
−前記配合物(2)の複数のサンプルを試験するステップであって、前記個々のサンプルの前記画分の前記定量的割合が異なり、かつ以下のように、従来の方法によって決定されるか、または既知である、試験するステップと、
−前記正規化関数によって、各サンプルに対する前記振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号を変換するステップと、
−前記正規化関数によってエネルギー正規化された各サンプルに対する前記振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号を、時間窓に分割するステップと、
−各サンプルに対する全ての時間窓内の前記電気信号の負の最小強度値または前記電気信号の正の最大強度値を識別するステップと、
−各サンプルに対する前記電気信号の前記最大または最小強度値の累積相対度数を決定するステップと、
−各サンプルに対する前記電気信号の前記最大または最小強度値の前記累積相対頻度から強度値Inを決定するステップであって、前記値「n」が、前記強度値In以下である前記強度値のパーセンテージ割合であり、各サンプルに対する前記強度値Inの前記値「n」が、50%以上であり、かつ全てのサンプルについて一貫している、決定するステップと、
−各サンプルに対する前記以前に決定された強度値Inを前記それぞれの試料の前記画分の前記既知の定量的割合に割り当てることによって、前記較正関数を生成するステップと、を特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記定量的割合を決定するための前記電気信号の前記信号処理が、
−前記少なくとも1つの較正関数を、前記振動トランスデューサ(6)から取得した前記電気信号に適用することによって、前記定量的割合を測定するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記定量的割合を決定するための前記電気信号の前記信号処理が、
−前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーを取得し、前記少なくとも1つのトランスデューサ(14)を用いて電気信号に変換するステップと、
−前記少なくとも1つの較正関数を、前記振動トランスデューサ(6)から取得し、前記トランスデューサ(14)から取得した前記電気信号を考慮する前記正規化関数によって処理した前記電気信号に適用することによって、前記定量的割合を決定するステップと、を特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記定量的割合を決定するための前記電気信号の前記信号処理が、
−前記振動トランスデューサ(6)によって変換された前記電気信号を時間窓に分割するステップと、
−測定期間の各時間窓内の前記電気信号の負の最小強度値または前記電気信号の正の最大強度値を確認するステップと、
−前記測定期間中に、前記電気信号の前記最大または最小強度値について、累積相対頻度を決定するステップと、
−前記電気信号の前記最大または最小強度値について、前記累積相対頻度から強度値Inを決定するステップであって、前記値「n」が、前記強度値In以下である前記強度値のパーセンテージ割合であり、前記較正関数の前記生成に基づいて、前記強度値Inの前記値「n」が、前記強度値Inと一致する、決定するステップと、
−前記較正関数を決定された前記強度値Inに適用することによって、前記配合物(2)の前記画分の前記定量的割合を測定するステップと、を特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記定量的割合を決定するための前記電気信号の前記信号処理が、
−前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーを取得し、前記少なくとも1つのトランスデューサ(14)を用いて電気信号に変換するステップと、
−前記取得したフローエネルギーを考慮する前記正規化関数によって、前記振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号を変換するステップと、
−前記振動トランスデューサによって変換された前記エネルギー正規化された電気信号を時間窓に分割するステップと、
−測定期間の各時間窓内の前記電気信号の負の最小強度値または前記電気信号の正の最大強度値を確認するステップと、
−前記測定期間中に、前記電気信号の前記最大または最小強度値について、累積相対頻度を決定するステップと、
−前記電気信号の前記最大または最小強度値について、前記累積相対頻度から強度値Inを決定するステップであって、前記値「n」が、前記強度値In以下である前記強度値のパーセンテージ割合であり、前記較正関数の前記生成に基づいて、前記強度値Inの前記値「n」が、前記強度値Inと一致する、決定するステップと、
−前記較正関数を決定された前記強度値Inに適用することによって、前記配合物(2)の前記画分の前記定量的割合を測定するステップと、を特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記配合物(2)を提供する前記ステップが、粒子サイズによる分類を含むことを特徴とする、請求項1〜9のうちの一項に記載の方法。
【請求項11】
前記配合物(2)の前記粒子等級が、15未満の均等係数CUを有する粒子を含むことを特徴とする、請求項1〜10のうちの一項に記載の方法。
【請求項12】
前記粒子の前記粒子サイズが、0mm〜60mmの前記粒子等級の前記配合物(2)の全ての画分を含む、請求項1〜10のうちの一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜12のうちの一項に記載の方法を実行するためのデバイス(1)であって、
−搬送フロー(4)において搬送方向(3)に前記配合物を輸送するためのコンベア装置と、
−前記配合物(2)の粒子を衝突させることにより音響信号を生成する、前記搬送フロー(4)内に配置された少なくとも1つの衝撃構造(5)と、
−前記音響信号を取得し、電気信号に変換するための、前記衝撃構造(5)に接続された振動トランスデューサ(6)と、
−前記定量的割合の前記連続決定のために、各振動トランスデューサ(6)からの前記電気信号を信号処理するように構成された信号処理ユニット(8)と、を備える、デバイス(1)。
【請求項14】
前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーを一定に保つように構成された制御手段を特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記搬送フロー(4)の前記フローエネルギーを検出するように構成された少なくとも1つのトランスデューサ(14)を特徴とする、請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配合物の粒状体の複数の画分の定量的割合を決定するための方法、ならびにその方法を実行するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
配合物の本質的特徴は、プロセス監視、品質管理、品質保証、機械およびプラント監視、ならびに機械および設備制御の測定可能なパラメータとして多数の産業分野で使用される、粒状体の様々な画分の定量的割合によって構成される。特に被覆材プロセスの制御に関しては、様々な鉱物の原料の顆粒画分の定量的割合または質量割合を認識することに特定の重要性がある。
【0003】
配合物は、様々な輸送システムによって輸送され、概して、輸送は、油圧で、空気圧で、連続コンベアによって、または自由落下によってフローを搬送することによって実行される。
【0004】
定量的割合は、質量割合としても知られており、粒状体の様々な画分によって形成された配合物の定量的組成物を説明する。質量割合は、質量m
i、考察中の画分i、および考察中の配合物の他の画分(複数可)jの質量m
jによって形成される商として定義される。
【0005】
定量的割合を決定するための既知の方法は、配合物からサンプリングし、次いで、それを研修室においてオフラインで調査することを必要とする。サンプリングすることと、それを試験して結果を得ることとの間のタイムラグは、定量的割合の変動が、その後の時点においてしか検出されないことを意味する。このタイムラグのため、関係するプロセスのタイムリーな制御は不可能である。
【0006】
この問題を解決するために、特許文献1(DE102015101537(A1))は、搬送フロー中の配合物を連続的に分析するための方法および装置を提案しており、これは、搬送フロー中に含有される成分を検出すること、および少なくとも1つの成分の質量画分を決定することを可能にする。搬送フローは、石膏および無水石膏画分からなり、例えば、連続コンベアの構成要素であり得るコンベアライン上を連続的に移動する。音響放出、構造伝播音、および空気伝播音を検出するための音響センサが、コンベアのラインと関連付けられている。配合物の単一成分の検出、ならびに搬送フロー中のそれぞれの成分の質量画分の決定は、配合物の個々の成分の個々の際立った特徴に基づいて実行され、制御システムに記憶され、そしてセンサ信号と比較される。
【0007】
その方法は、もっぱらセンサ信号の分析に基づいているので、既知の方法では、定量的割合を十分な正確さで決定することができない。
【0008】
特許文献2(WO2016/026503(A1))によって、成分の定量的割合によって可能な限り均一である配合物を生成するために、浮石材料と変動組成の様々な鉱物成分とを混合するための方法および装置が知られている。変動組成を有する浮石材料が、第1の容器からコンベアベルト上へ堆積される。
【0009】
搬送方向において第1の容器の下流に配置された音響センサユニットを用いて、岩石材料の異なる量の個々の成分が、様々な容器からコンベアベルト上へ堆積される。制御された追加は、様々な成分からなる配合物の一定の混合を生じさせることを意図している。具体的には、第1の容器内の配合物は、鉱物の原料石膏および無水石膏を含む。音響センサは、変動する信号強度および周波数に基づいて、配合物中の無水石膏および石膏の異なる周波数を検出する。第1の容器からの配合物の石膏および無水石膏の定量的割合は、これらの信号に基づいて決定される。石膏および無水石膏から形成された配合物の可能な限り均一な混合物を得るために、この決定の関数として、第2および第3の容器から石膏または無水石膏が非常に低い精度で加えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015101537号明細書
【特許文献2】国際公開第2016/026503号
【発明の概要】
【0011】
この先行技術を発端として、本発明の目的は、配合物の粒状体の複数の画分の定量的割合を決定するための受動的音響法を提供することであり、この方法によって、先行技術とは対照的に、はるかに高い精度によってリアルタイムで定量的割合を決定することができる。加えて、本方法を実行するためのデバイスを提案する。
【0012】
受動音響法は、音響信号が信号処理に使用されるときに提供され、音響信号は、粒状体の粒子が衝撃構造と衝突するので、配合物の輸送中に生成される。衝撃構造は、プローブであり得るか、または実際には、輸送システムの構成要素であり得る。
【0013】
本発明は、受動音響信号が、粒子サイズ、各画分の粒子の密度、ならびに搬送フローのフローエネルギーに依存するという認識に基づいている。本発明は、取得した信号強度値に加えて、上述した要因の全てを考慮するので、粒状体の複数の画分の定量的割合を、高い精度で連続的に決定することができる。配合物の全ての粒状体の粒子は、同じ粒子等級に含まれる。粒子等級は、全ての粒子サイズが、上限および下限プルーフ粒子サイズの間に含まれる。本発明は、配合物の粒状体の全ての画分の粒子を含む粒子等級の下限および上限プルーフ粒子サイズの差がより小さくなるにつれて、定量的割合の決定がさらに正確になるという認識に基づいている。これに関して、原則として、画分の粒子間の密度のより大きい差は、その粒子等級における粒子のより幅の広いスペクトルを可能にする。上述した要因を考慮することは、配合物が実際に1種の測定可能な粒状体の画分のみしか含まない場合であっても、本方法を適用することができることを意味する。一例として、連続的に地質学的穿孔中に、または生産井において放出される岩石材料の定量的割合を決定するときに、実際には、一度に1つの画分のみしか放出することができない。この場合、本方法は、取得した信号強度値に加えて、上述した要因、すなわち、密度、粒子等級、およびフローエネルギーを考慮するので、この単一の岩石成分の質量画分を確実に検出することが可能である。
【0014】
調査される配合物のフローエネルギーは、一定に保たれなければならないか、または信号処理のために既知でなければならない。配合物のフローエネルギーは、配合物の粒子の速度および濃度またはかさ密度に依存する。これに関して、フローエネルギーは、速度の上昇およびより高い濃度またはかさ密度と共に増加する。かさ密度は、粒子(バルク材料)および粒子間の空隙を満たす連続流体によって形成された、配合物の単位体積当たりの質量である。かさ密度は、連続コンベア上を輸送される配合物のフローエネルギーに関連する。濃度は、配合物の油圧輸送中の固体液体混合物および配合物の空気輸送中の固体気体混合物の輸送された容量に関する、配合物の粒子の質量である。
【0015】
詳細に、この目的は、請求項1に記載の特徴を有する方法、ならびに請求項13に記載の特徴を有する、本方法を実行するためのデバイスによって達成される。
【0016】
定量的割合の正確かつ好ましくは連続的な決定について、配合物の粒子等級が、もっぱら、C
U<15、好ましくはC
U<10またはC
U<5の均等係数を有する粒子を含むことが示されている。均等係数は、配合物の粒子サイズがどのくらい均一に分布しているかを記述する、無次元パラメータである。均等係数は、DIN EN ISO14688−2:2004において、60質量パーセントが篩を通過する直径d
60と、10質量パーセントが通過する直径d
10との比、すなわち、C
U=d
60/d
10、として定義されている。
【0017】
C
U<15、好ましくはC
U<10またはC
U<5に対する値は、配合物の均一な粒度分布を保証する。
【0018】
試験は、配合物(2)の全ての画分の粒子の粒子サイズが、好ましくは0mm〜60mmの粒子等級に、特に好ましくは0mm〜32mmの粒子等級に含まれることを示している。
【0019】
搬送フローにおける一定の搬送方向の個体粒子の輸送は、好ましくは、輸送システムを用いて実行される。具体的には、輸送システムは、空気圧すなわち固体液体混合物または油圧すなわち固体気体混合物のいずれかとして粒子を運搬する、ベルトコンベアまたはフローコンベアである。加えて、粒子は、自由落下の運搬フローとして、搬送方向に輸送され得る。
【0020】
定量的割合に関して信頼性の高い結果をリアルタイムで得るために、本発明の変形形態では、搬送フローのフローエネルギーが一定に保たれ、それにより、搬送フロー内の粒子が、一定のフローエネルギーで音響センサの衝撃構造と衝突する。
【0021】
フローエネルギーは、例えば、分散ユニットの混合チャンバ内の配合物の粒子と、混合チャンバに供給される気体状の分散媒体とを、一定の体積フローで連続的に混合することによって一定に保つことができ、分散ユニットからの放出口は、衝撃構造の上へ分散するように構成される。分散ユニットは、ジェットポンプの様態で動作し、混合チャンバに供給される気体の分散媒体が、運動量の交換によって配合物の粒子を吸い込み、それらを加速し、そしてそれらを放出口の方向に衝撃構造へと搬送する。分散媒体は、一定の体積フローで混合チャンバに供給される。この結果、分散ユニットの吸引力は一定であり、そのため、分散相は、一定の速度および濃度で、すなわち衝撃構造の方向において一定のフローエネルギーで、分散ユニットの吸引側に均一な吸引条件の下で搬送される。
【0022】
配合物の粒子が連続コンベア、具体的にはベルトコンベアで搬送される場合、配合物のフローエネルギーは、コンベアのフレーム上に固定して載置されるスクレーパを用いてベルトコンベア上の粒子の搬送フローを一定に保つことによって、一定に保つことができる。コンベアの全ての動作条件の下でフローエネルギーを一定に保つために、スクレーパは、ある高さに固定して載置され、その高さでは、スクレーパの上流の搬送フローの高さにおける最大予想変動を考慮したときに、スクレーパが恒久的にその表面の上にある。搬送フローを一定に保つためのさらなる可能性は、WO2017/055064に含まれている。
【0023】
プロセス環境のため、または他の技術的な理由で搬送フローを一定に保つことができない場合、信号処理の目的で、フローエネルギーに対する変動値を知り、考慮しなければならない。配合物のフローエネルギーの取得は、少なくとも1つのトランスデューサを用いて実行される。トランスデューサは、好ましくは、弾性変形可能な変形構造を有する力トランスデューサとして構成され、そこには、少なくとも1つの歪みゲージが、特に接合によって適用される。搬送フローで輸送される配合物の粒子は、力トランスデューサの変形構造と衝突し、その後に弾性的に変形し、それにより、歪みゲージの電気抵抗が変化する。ベルトコンベアによる配合物の輸送中に、フローエネルギーに対する少なくとも1つのトランスデューサは、配合物の質量およびベルトの速度を連続的に取得するためのコンベア型秤量器および速度センサを含み得る。配合物のフローエネルギーは、質量および速度から導出することができる。
【0024】
音響信号を取得し、電気信号に変換するために、振動トランスデューサとして、具体的には圧電素子が考慮され得る。
【0025】
定量的割合を決定するための方法は、従来の較正を必要とする。
一定のフローエネルギーを有する搬送フローの場合、較正関数(複数可)は、各振動トランスデューサからの電気信号と、サンプルを用いて配合物の画分の定量的割合を決定するための従来の方法によって決定される、またはサンプル中の混合物から既知である定量的割合との相関関係を決定することによって、制御信号処理の開始前に生成される。考慮され得る、定量的割合を決定するための従来の方法の例は、化学的および/または物理的特性に基づいてサンプルの様々な画分の粒子を分離することに基づく等級付け法である。分離は、例えば、密度、着磁性、または電気的特性に従って実行することができる。
【0026】
搬送フローのフローエネルギーが一定でない場合、第1のステップで、制御信号処理を開始する前に、正規化関数は生成しなければならず、第2のステップで、較正関数を生成しなければならない。
第1のステップでは、正規化関数が生成され、少なくとも1つのトランスデューサからの電気信号と、配合物の異なる既知のフローエネルギーに対する搬送フローのフローエネルギーとの関係が決定される。この方法で、均一なかさ密度または濃度、一貫した粒子等級、および均一な定量的割合に対して、正規化関数の関連する相関関係を決定するために、唯一の可変パラメータとして搬送フローの速度を変化させることができる。
【0027】
較正関数を生成するために、第2のステップでは、エネルギーに関してフローエネルギーを考慮して正規化関数によって正規化される振動トランスデューサからの電気信号と、サンプルを用いて配合物の画分の定量的割合を決定するための従来の方法によって決定された、またはサンプル中の混合物により既知である、定量的割合との相関関係が決定される。
【0028】
考慮され得る、定量的割合を決定するための従来の方法の例は、化学的および/または物理的特性に基づいた様々な画分の粒子を分離することに基づく等級付け法である。分離は、例えば、密度、着磁性、または電気的特性に従って実行することができる。
【0029】
一定および非一定の搬送フローの両方に対して、較正中の音響信号の取得および定量的割合の従来の決定は、搬送フローからの粒子の本質的に一貫した集合体に関連し、すなわち、定量的割合を決定するための従来の方法に対する各サンプルは、音響信号の取得中に、振動トランスデューサの空間的にすぐ近くから得られる。
【0030】
信号分類に基づく有利な較正方法は、請求項4に記載の特徴によって定義される。信号分類は、より高い信号強度値の領域において定量的割合の変動をより良好に検出することができるという認識に基づいている。較正に対して、複数のサンプルが試験されるが、試験サンプル中の粒状体の画分の定量的割合は、異なるはずである。各サンプルからの複数の粒状体画分の粒子は、異なる密度を有する。複数のサンプルの全ての粒子は、同じ粒子等級で含まれ、複数の粒状体画分の粒子の密度の違いは全てのサンプルにおいて一貫している。信号分類に基づいた較正中のフローエネルギーが一定でない場合、請求項5に記載の特徴によって定義されるような各振動トランスデューサからのエネルギー正規化電気信号を使用して、各較正関数が生成される。
【0031】
搬送フローのフローエネルギーが一定である場合、定量的割合を決定するための電気信号の制御信号処理が、請求項6または請求項8に記載の特徴に従って実行される。
【0032】
搬送フローのフローエネルギーが一定でない場合、請求項7または請求項9に記載の特徴に従って、定量的割合を決定するための電気信号の制御信号処理が実行される。搬送フローのフローエネルギーは、連続的に取得され、正規化関数による電気信号のエネルギー正規化によって考慮される。
【0033】
試験される配合物の粒状体の全ての画分の粒子が同じ粒子等級に属していることを確実にするために、本発明の1つの実施形態では、配合物を提供するためのステップは、粒子サイズに従う分類を含む。次に、予め分類した配合物の音響信号を取得する。この分類は、例えば、篩分類または風力分離中に実行される。
【0034】
以下、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】a)からd)は、本発明による方法を実行するためのデバイスの様々な例示的な実施形態を示す。
【
図8】制御信号処理の基準としての複数の較正関数を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1a)〜1d)は、配合物(2)の複数の粒状体画分の定量的割合を連続的に決定するための方法を本発明に従って実行するための異なるデバイス(1)を示す。全てのデバイス(1)は、搬送フロー(4)において搬送方向(3)に配合物(2)を輸送するためのコンベア装置と、配合物(2)の粒子の衝突により音響信号を生成する、搬送フロー(4)内に配置された衝撃構造(5)と、各衝撃構造(5)に接続された振動トランスデューサ(6)と、信号線(7)を介して信号処理ユニット(8)に接続されている振動トランスデューサ(6)と、を備える。その粒子が同じ粒子等級に属しているが、密度が異なる配合物(2)の様々な画分の定量的割合を連続的に決定するために、信号処理ユニット(8)は、各振動トランスデューサ(6)の電気信号を信号処理するように構成されている。
【0037】
図1a)の実施形態では、コンベア装置は、搬送方向(3)に配合物(2)を移動させるために、ベルトコンベアとして構成されている。ロッド形状の衝撃構造(5)は、ベルトコンベアの上側に配置された固定具(9)に配設され、衝撃構造は、ベルトコンベア上を輸送される配合物(2)の中へ垂直方向に延在する。ベルトコンベアは、一定のフローエネルギーで配合物(2)を搬送し、コンベアベルト上の配合物(2)の粒子の搬送フロー(4)は、衝撃構造(5)の上流に配置され、コンベアのフレームに固定的に載置されたスクレーパ(図示せず)を用いて一定に保たれる。ロッド形状の衝撃構造(5)は、導波路として作用して、振動トランスデューサ(6)が締結されるその上端面の方向に音響信号を伝達する。
【0038】
図1b)は、
図1a)のデバイスの変形形態を示し、衝撃構造(5)が、配合物(2)の自由落下搬送フロー(4)においてベルトコンベアのハンドオーバ(10)の背面に配置される。この場合、スクレーパは、搬送フロー(4)を一定に保つために、好ましくは、ハンドオーバ(10)のすぐ上流に取り付けられる。
【0039】
図1c)の実施形態では、搬送フロー(4)のフローエネルギーは、気体の分散媒体を混合チャンバ(11)に一定の体積フローで供給して、分散ユニットの混合チャンバ(11)内で、配合物(3)の粒子を混合することによって一定に保たれる。分散ユニットは、ジェットポンプのように動作する。混合チャンバ(11)に供給された気体の分散媒体が、運動量の交換によって配合物(2)の粒子を混合チャンバ(11)の吸引側(12)で吸い込み、配合物(2)をロッド形状の衝撃構造(5)の方向に加速し、搬送する。分散媒体の一定の体積フローは、吸引側(12)において定常吸引条件を生じさせ、それにより、搬送フロー(4)が、一定の速度および濃度(すなわち一定のフローエネルギー)で衝撃構造(5)の方向に搬送される。ロッド形状の衝撃構造(5)は、導波路として作用して、振動トランスデューサ(6)が締結されるその上端面の方向に音響信号を伝達する。分散ユニットに供給される配合物(2)は、例えば、配合物の連続ベルトリンクされた搬送フローから吸い込むことができる。吸引は、例えば、搬送フロー上に浮かぶ吸引装置によって実行することができる。
【0040】
図1d)は、配合物(2)の空気輸送のためのデバイスを示す。振動トランスデューサ(6)が、空気輸送のためのパイプライン(13)のシース上に配置される。パイプライン(13)は、同時に衝撃構造(5)でもあり、それと配合物(2)の粒子が衝突し、構造拘束音波としてパイプライン(13)内を伝播し、振動トランスデューサ(6)によって電気信号に変換される音響信号を生成する。パイプの断面を満たす搬送フロー(4)のフローエネルギーは、空気運搬中に変動し得る。したがって、搬送フロー(4)のフローエネルギーを取得することが必要である。フローエネルギーの取得は、パイプライン(13)上の振動トランスデューサ(6)のすぐ近くに、かつ搬送フロー(4)に対して固定位置に配置された力トランスデューサ(14)によって、
図1d)の例示的な実施形態において実行される。搬送フロー(4)では、輸送された配合物(2)の粒子が、パイプライン(13)の内部に延在している力トランスデューサ(14)のロッド形状の弾性変形構造と衝突し、変形構造を弾性的に変形させ、それにより、変形構造に印加された力トランスデューサ(14)の少なくとも1つの歪みゲージの電気抵抗が、搬送フロー(4)のフローエネルギーの大きさの関数として、より大きくまたはより小さく変動する。歪みゲージの変動する信号は、さらなる信号線(15)によって信号処理ユニット(8)に送信される。配合物(2)の画分の定量的割合の決定は、振動トランスデューサ(6)ならびに力トランスデューサ(14)の電気信号を考慮して、信号処理ユニット(8)において実行される。
【0041】
図1d)の例示的な実施形態の場合のように、運搬フローのフローエネルギーが一定でない場合、定量的割合を決定するために、所定の正規化関数を使用して、振動トランスデューサ(6)からの電気信号の信号処理が実行される。搬送フロー(4)のフローエネルギーは、力トランスデューサ(14)によって連続的に取得され、振動トランスデューサ(6)からの電気信号の正規化関数によるエネルギー正規化中に考慮される。
【0042】
しかしながら、
図1a)〜1c)の例示的な実施形態の場合のように、搬送フローのフローエネルギーが一定である場合、少なくとも1つの以前に決定された較正関数を適用することによって、定量的割合を決定するための電気信号の制御信号処理が実行される。振動トランスデューサからの電気信号の取得および評価中にフローエネルギーを取得し、それを考慮することは不要である。
【0043】
制御信号処理前に必要とされる較正関数の生成は、好ましくは、以下のように、信号の強度値を考慮して実行される。
随意のエネルギー正規化較正のために、複数のサンプルが試験されるが、試験サンプル中の粒状体画分の定量的割合は、異なるはずである。各サンプルの複数の粒状体画分の粒子は、異なる密度を有する。複数のサンプルの全ての粒子は、同じ粒子等級で含まれ、複数の粒状体画分の粒子の密度の違いは全てのサンプルにおいて一貫している。しかしながら、様々なサンプルにおいて個々の画分の定量的割合を完全に一定に保つことは困難である。これらの変動を無効にするために、較正では、個々の画分の起こり得る変動を考慮する統計的に有意な数のデータ点を使用しなければならない。
【0044】
定量的割合の変動を、取得された電気信号の累積相対頻度の高い強度値I
nで、より良好に検出することができることが示されており、ここで、「n」は、強度値I
n以下である強度値のパーセンテージ割合である。これに関して、較正中に、好ましくは、様々なサンプルに対して、取得された電気信号の累積相対頻度の上限範囲から強度値I
nが、例えば、強度値の上限領域から3つの強度値I
n、例えばI50、I75、およびI95が選択される。強度値I50の場合、強度値の50%が強度値I50よりも小さい。強度値I75の場合、強度値の75%が強度値I75よりも小さく、I95の強度値の場合、強度値の95%が強度値I75よりも小さい。
【0045】
以下、較正中の信号処理のための手順を、
図2〜
図7を用いてより詳細に説明する。
振動トランスデューサ(6)を使用することで、各サンプルからの粒子が衝撃構造(5)に衝突することに起因する構造伝播音を、アナログ信号として取得する。アナログ信号を、例えばアナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)を使用して、51200ヘルツのサンプリングレートでサンプリングし、時間依存デジタル電気生信号に変換する。
【0046】
搬送フロー(4)の非一定のフローエネルギーの場合、振動トランスデューサ(6)からの電気生信号のフローエネルギーに対する依存性を排除するために、以前に生成された正規化関数によって電気生信号を正規化する。一定のフローエネルギーの場合、正規化は、省略される。
【0047】
図2は、100%ケイ砂、90%ケイ砂および10%クロム鉄鉱砂、80%ケイ砂および20%クロム鉄鉱砂、ならびに100%クロム鉄鉱砂の4つの異なるサンプルに対する、随意にエネルギー正規化し、フィルタ処理した生信号を示す。フィルタリングは、配合物の粒子の衝撃によってではなく環境ノイズによって生じる干渉ノイズを低減させるために、帯域通過フィルタで実行することができる。
【0048】
図3は、サンプルからのフィルタ処理された生信号の窓処理を示す。電気生信号が分割される時間窓の長さは、窓処理によって設定される。例示的な実施形態では、電気生信号は、一貫した長さ、例えば10msを有する時間窓に分割される。
【0049】
図4および
図5は、各時間窓の電気信号の負の最小強度値または正の最大強度値の識別情報を示す。最も顕著な強度値が正の領域により多いか、負の領域により多いか、または正および負の両方の領域でバランスが保たれているかは、振動トランスデューサ(6)の配列および搬送フロー(4)の衝撃構造(5)に依存する。
【0050】
図6は、4つ全てのサンプルに対する窓内の決定された正の最大強度値の累積相対頻度を示す。
図7は、4つのサンプルに対する上限強度値領域内の正の最大強度値、すなわち、I50、I75、およびI95の強度値の累積相対頻度のセクションを記述している。
【0051】
最後に、
図8は、配合物中のクロム鉄鉱砂の割合を決定するための3つの較正関数を示し、以下のように、4つのサンプルに対して窓内で決定された正の最大強度値の累積相対頻度に対するI50、I75、I95の強度値に基づいて生成されている。各サンプルに対して、既知のクロム鉄鉱砂のパーセンテージとしての割合を、各サンプルに対するI50の強度値に割り当てる。4つのサンプルに対するI50の強度値およびクロム鉄鉱砂の割合によって形成された値の対の関係は、I50強度値に対する較正関数を生成する。同じ様態で、4つのサンプルに対するI75、I95の強度値およびクロム鉄鉱砂の割合によって形成された値の対から、I75、I95強度値に対する較正関数が生成される。各サンプルに対するクロム鉄鉱砂の割合およびケイ砂の割合は、定量的割合を決定するための従来の方法を使用して決定されるか、またはサンプルの混合物が既知であるので既知である。
【0052】
定量的割合を決定するための、振動トランスデューサ(6)からの電気信号の制御信号処理は、以下のステップを含む。
振動トランスデューサ(6)によって、配合物の粒子が衝撃構造(5)に衝突することに起因する構造伝播音を、アナログ信号として取得する。アナログ信号を、例えばアナログ−デジタル変換器(A/Dコンバータ)を使用して、51200ヘルツのサンプリングレートでサンプリングし、デジタル時間依存電気生信号に変換する。
【0053】
搬送フロー(4)の非一定のフローエネルギーの場合、振動トランスデューサ(6)から取得した電気生信号のフローエネルギーからの依存性を排除するために、電気生信号は、以前に生成された正規化関数によって正規化される。一定のフローエネルギーの場合、正規化は、省略される。
【0054】
随意にエネルギー正規化し、フィルタ処理した電気生信号は、配合物の粒子の衝撃によってではなく、代わりに環境ノイズによって生じる干渉ノイズを低減させるために、帯域通過フィルタでフィルタ処理され得る。
【0055】
例えば、測定期間からの電気生信号は、電気信号を10msの一貫した長さを有する時間窓に分割することによって窓化される。
【0056】
次に、測定期間の時間窓に対して、電気生信号の正の強度値の最大強度値を決定する。決定された最大強度値の数は、生信号を取得するための測定期間中の時間窓の数に対応する。
【0057】
続いて、窓内の決定された正の最大強度値の累積相対頻度を決定する。
【0058】
窓内の決定された正の最大強度値の累積相対頻度から、強度値の上限領域から複数の強度値I
nを決定し、ここで、「n」は、強度値I
n以下である強度値のパーセンテージ割合であり、例示的な実施形態では、これらは、I50、I75、およびI95の強度値である。
【0059】
配合物の粒状体の画分の定量的割合は、
図8の対応する較正関数から、決定されたI50、I75、I95強度値を用いて決定される。次いで、異なる較正関数によって決定される定量的割合に対する3つの値を平均する。この平均は、高い精度を有する最終結果の定量的割合を反映する。
【符号の説明】
【0060】
デバイス 1
配合物 2
搬送方向 3
搬送フロー 4
衝撃構造 5
振動トランスデューサ 6
信号線 7
信号処理ユニット 8
固定具 9
ハンドオーバ 10
混合チャンバ 11
吸引側 12
パイプライン 13
力トランスデューサ 14
信号線 15
【国際調査報告】