特表2021-528052(P2021-528052A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-528052強力で選択的なインターロイキン模倣体のデノボ設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528052(P2021-528052A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】強力で選択的なインターロイキン模倣体のデノボ設計
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/19 20060101AFI20210924BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20210924BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20210924BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20210924BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20210924BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20210924BHJP
   C07K 14/52 20060101ALI20210924BHJP
   A61K 38/19 20060101ALI20210924BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20210924BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20210924BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20210924BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20210924BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210924BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210924BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20210924BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20210924BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20210924BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20210924BHJP
   G01N 33/68 20060101ALI20210924BHJP
   G16B 99/00 20190101ALI20210924BHJP
【FI】
   C12N15/19
   C12N15/63 ZZNA
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C07K14/52
   A61K38/19
   A61K45/00
   A61K35/17 Z
   A61K35/12
   A61K48/00
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P37/02
   A61K31/7088
   A61K47/64
   A61K47/60
   G01N33/68
   G16B99/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】160
(21)【出願番号】特願2020-567827(P2020-567827)
(86)(22)【出願日】2019年6月24日
(85)【翻訳文提出日】2020年12月23日
(86)【国際出願番号】US2019038703
(87)【国際公開番号】WO2020005819
(87)【国際公開日】20200102
(31)【優先権主張番号】62/689,769
(32)【優先日】2018年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/768,733
(32)【優先日】2018年11月16日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】517075883
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ ワシントン
【氏名又は名称原語表記】University of Washington
(71)【出願人】
【識別番号】503115205
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シルバ マンサノ,ダニエル,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ウルゲ,ウムット
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,ケナン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シュパングラー,ジェイミー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーキー,カール
(72)【発明者】
【氏名】キジャーノ ルビオ,アルフレード
(72)【発明者】
【氏名】ジュード,ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイツナー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マルコス,エンリケ
(72)【発明者】
【氏名】カステリャーノス,ハビエル
【テーマコード(参考)】
2G045
4B065
4C076
4C084
4C086
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
2G045AA26
2G045CB02
2G045DA36
2G045FB03
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA87Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA95
4C076CC07
4C076CC19
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C076FF63
4C076FF70
4C084AA02
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA11
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA44
4C084DA12
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZB071
4C084ZB072
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB27
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087CA04
4C087NA05
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZB07
4C087ZB26
4C087ZB27
4C087ZC75
4H045AA20
4H045BA17
4H045DA01
4H045DA04
4H045EA20
(57)【要約】
【課題】癌治療のためのIL−2およびIL−4などの中心的な免疫サイトカインであるインターロイキンの大きな可能性は、変異および/または化学修飾によってそれらの治療特性を改善するための多くの努力を誘発した。
【解決手段】IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)、またはIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)に結合するデノボ設計ポリペプチドが開示され、ならびに当該ポリペプチドを使用する方法および設計する方法が開示される。
【選択図】図3E
[この文献は図面を表示できません]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドメインX1、X2、X3、およびX4を含む、非天然ポリペプチドであって、
(a)X1は、
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(a)X3は、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号2)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(a)X4は、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号3)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、前記ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、前記ドメインのいずれかの間に存在し得、
前記ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)、またはIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)に結合する、ポリペプチド。
【請求項2】
(i)X1は、以下の、残基2にH、および残基5にY、のうちの片方または両方を含み、かつ/あるいは、
(ii)X3は、以下の、残基1にY、残基3にF、残基4にN、残基7にL、および残基8にI、のうちの1、2、3、4、または5つすべてを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
(iii)X4は、残基8にIを含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
(i)X1は、残基2にE、および残基5にKを含み、かつ
(ii)X3は、残基1にF、残基3にK、残基4にR、残基7にR、および残基8にNを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項5】
(iii)X4は、残基8にFを含む、請求項1または4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
X1は、ペプチド
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X3は、ペプチド
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、かつ
X4は、ペプチド
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項7】
(i)X1は、以下の、残基7にL、残基8にH、残基11にH、残基14にY、残基18にM、のうちの1、2、3、4、または5つすべてを含み、かつ/または
(ii)X3は、以下の、残基3にD、残基4にY、残基6にF、残基7にN、残基10にL、残基11にI、残基13にE、または残基14にE、のうちの1、2、3、4、5、6、7、または8つすべてを含む、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
(iii)X4は、残基19にIを含む、請求項6または7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
X1は、ペプチド
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号8)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X3は、ペプチド
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号9)と、その長さに沿って、少なくとも37%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X4は、ペプチド
【化9】
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(配列番号10)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(i)X1は、残基7にI、残基8にTまたはM、残基11にE、残基14にK、および残基18にSを含み、かつ
(ii)X3は、残基3にR、残基4にF、残基6にK、残基7にR、残基10にR、残基11にN、残基13にW、および残基14にGを含む、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項10】
(iii)X4は、残基19にFを含む、請求項9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
参照ペプチドドメインに対するアミノ酸置換が、太字でマークされたアミノ酸残基で生じない、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項12】
前記参照ペプチドドメインに対するアミノ酸置換が、保存的アミノ酸置換である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項13】
前記ドメインが、X1−X2−X3−X4、X1−X3−X2−X4、X1−X4−X2−X3、X3−X2−X1−X4、X4−X3−X2−X1、X2−X3−X4−X1、およびX2−X1−X4−X3からなる群から選択される配置で、N末端からC末端に配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項14】
配列番号4に対するアミノ酸残基が、以下からなる群から選択される、請求項6〜13のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【表1】
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【請求項15】
位置7はIであり、位置8はMまたはTであり、位置11はEであり、位置14はKであり、位置18はSである、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
以下の、位置7はI、位置8はMまたはT、位置11はE、位置14はK、および位置18はS、であるのうちの1、2、3、4、または5つが真ではない、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項17】
配列番号5に対するアミノ酸残基が、以下からなる群から選択される、請求項6〜16のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項18】
配列番号5に対する位置17または20にシステイン置換を含む、請求項6〜17のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項19】
位置3はR、位置4はF、位置6はK、位置7はR、位置10はR、位置11はN、位置13はW、および位置14はG、である、請求項17または18に記載のポリペプチド。
【請求項20】
以下の、位置3はR、位置4はF、位置6はK、位置7はR、位置10はR、位置11はN、位置13はW、位置14はG、であるのうちの1、2、3、4、5、6、7、または8つすべてが真ではない、請求項17または18に記載のポリペプチド。
【請求項21】
配列番号6に対するアミノ酸残基が、以下からなる群から選択される、請求項6〜20のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【表3】
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【請求項22】
配列番号6に対する位置3にシステイン置換を含む、請求項6〜21のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項23】
位置19はIである、請求項21または22に記載のポリペプチド。
【請求項24】
位置19はIではない、請求項21または22に記載のポリペプチド。
【請求項25】
X2は、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号7)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項1〜24のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項26】
配列番号7に対するアミノ酸残基が、以下からなる群から選択される、請求項25に記載のポリペプチド。
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項27】
配列番号7に対する位置1、2、5、9、12、または16にシステイン置換を含む、請求項25または26に記載のポリペプチド。
【請求項28】
位置11はIである、請求項26または27に記載のポリペプチド。
【請求項29】
位置11はIではない、請求項26または27に記載のポリペプチド。
【請求項30】
前記ポリペプチドは、配列番号11〜94、103〜184、190〜243および245〜247からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記ポリペプチドは、配列番号90および181からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む、請求項1〜29のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記ポリペプチドは、配列番号90のアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、以下の変異のうちの1つ、2つ、またはそれ以上が存在する、請求項1〜31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
R50C、
E53C、
E62C、
E69C、
R73Cおよび/または
E82C。
【請求項33】
前記ポリペプチドは、配列番号181のアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、以下の変異のうちの1つ、2つ、またはそれ以上が存在する、請求項1〜31のいずれか一項に記載のポリペプチド。
D56C、
K58C、
D59C、
R66C、
T77C、
E85C、
R50C、
E53C、
E62C、
E69C、
R73Cおよび/または
E82C。
【請求項34】
前記ポリペプチドは、配列番号190〜243からなる群から選択されるアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、あるいは、前記ポリペプチドは、配列番号195および222からなる群から選択されるアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、あるいは、前記ポリペプチドは、配列番号195のアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む、請求項32または33に記載のポリペプチド。
【請求項35】
前記ポリペプチドは、ポリエチレングリコール(「PEG」)含有部分を含むがこれに限定されない安定化化合物に連結されている、請求項1〜34のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項36】
PEG含有部分を含むがこれに限定されない前記安定化化合物は、前記ポリペプチドのシステイン残基に連結されている、請求項35に記載のポリペプチド。
【請求項37】
前記システイン残基が、X2に存在する、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
PEG含有部分を含むがこれに限定されない前記安定化化合物が、マレイミド基を介して、配列番号90に対するアミノ酸残基62に存在するシステイン残基に連結されていることを含むがこれに限定されない、前記システイン残基に連結されている、請求項35〜37のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
前記ポリペプチドは、配列番号92、93、183および184からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む、請求項1〜38のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
位置7はI、位置8はTまたはM、位置11はE、位置14はK、位置18はS、位置33はQ、位置36はR、位置37はF、位置39はK、位置40はR、位置43はR、位置44はN、位置46はW、および位置47はGである、請求項30〜39のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項41】
位置68はI、および位置98はFである、請求項40に記載のポリペプチド。
【請求項42】
以下の、位置7はI、位置8はTまたはM、位置11はE、位置14はK、位置18はS、位置33はQ、位置36はR、位置37はF、位置39はK、位置40はR、位置43はR、位置44はN、位置46はW、および位置47はG、であるのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個すべてが真ではない、請求項30〜39のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項43】
以下の、位置68はI、および位置98はF、であるのうちの片方または両方が真ではない、請求項42に記載のポリペプチド。
【請求項44】
前記ポリペプチドは、配列番号11〜94、103〜184、190〜243、および245〜247からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%同一のポリペプチドを含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項45】
前記ポリペプチドは、配列番号11〜94、103〜184、190〜243、および245〜247からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも90%同一のポリペプチドを含む、請求項44に記載のポリペプチド。
【請求項46】
前記ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合する、請求項44または45に記載のポリペプチド。
【請求項47】
(a)X1は、
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(c)X3は、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号2)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(d)X4は、
【化13】
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(配列番号3)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、前記ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、前記ドメインのいずれかの間に存在し得、
前記ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合する、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項48】
X1は、ペプチド
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X3は、ペプチド
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、かつ
X4は、ペプチド
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸を含むペプチドである、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項49】
X1は、ペプチド
【化17】
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(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X3は、ペプチド
【化18】
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(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、かつ
X4は、ペプチド
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸を含むペプチドである、請求項48に記載のポリペプチド。
【請求項50】
X2が、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号7)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである、請求項47〜49のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項51】
前記ポリペプチドが、前記ポリペプチドのX2のシステイン残基で、ポリエチレングリコール(「PEG」)含有部分に連結されている、請求項44〜50のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項52】
前記ポリペプチドは、配列番号195および222からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも90%同一のポリペプチドを含み、前記PEG含有部分は、配列番号195に対するアミノ酸残基62で、前記システイン残基に連結されている、請求項51に記載のポリペプチド。
【請求項53】
前記ドメインは、X1−X3−X2−X4からなる群から選択される配置で、N末端からC末端に配置されている、請求項44〜52のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項54】
天然IL−2の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う前記三次元構造を有する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜17、20〜21、24〜26、29〜38、42〜43および47〜53のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項55】
表E2の構造座標を有する三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う三次元構造を有する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜17、20〜21、24〜26、29〜38、42〜44および47〜53のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項56】
前記ポリペプチドは、マウスIL−2受容体βγとの三元複合体時に、前記マウスIL−2受容体βγとの三元複合体時に、天然IL−2の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う前記三次元構造を有する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜17、20〜21、24〜26、29〜38、42〜45および47〜53のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項57】
前記平均二乗偏差が、1.5Å未満である、請求項54〜56のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項58】
前記平均二乗偏差が、1Å未満である、請求項57に記載のポリペプチド。
【請求項59】
天然IL−4の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う前記三次元構造を有する、請求項4〜6、9〜15、17〜19、21〜23、25〜28、30、および39〜41のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項60】
前記平均二乗偏差が、1.5Å未満である、請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項61】
前記平均二乗偏差が、1Å未満である、請求項59または60に記載のポリペプチド。
【請求項62】
前記ポリペプチドの前記三次元構造は、計算モデリングを使用して決定される、請求項54〜61のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項63】
X1、X2、X3、およびX4は、αヘリックスドメインである、請求項1〜62のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項64】
X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、少なくとも約8アミノ酸長である、請求項1〜63のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項65】
X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、少なくとも約19アミノ酸長である、請求項1〜64のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項66】
X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、1000アミノ酸長以下、500アミノ酸長以下、400アミノ酸長以下、300アミノ酸長以下、200アミノ酸長以下、100アミノ酸長以下、または50アミノ酸長以下である、請求項1〜65のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項67】
X1は、ヒトIL−2受容体のβおよびγサブユニットに結合する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55および62〜66のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項68】
X2は、前記ヒトIL−2受容体に結合しない、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜555および62〜67のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項69】
X3は、前記ヒトIL−2受容体の前記βサブユニットに結合する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55および62〜68のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項70】
X4は、前記ヒトIL−2受容体の前記γサブユニットに結合する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55および62〜69のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項71】
前記ヒトまたはマウスIL−2受容体の前記αサブユニットに結合しない、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55および62〜70のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項72】
前記結合が、生物学的に適切な濃度で表面プラズモン共鳴によって決定される特異的結合である、請求項67〜71のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項73】
前記IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に、200nm以下、100nm以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で結合する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55、および62〜72のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項74】
前記ヒトおよびマウスIL−2受容体に対する前記ポリペプチドの親和性は、天然IL−2の親和性とほぼ同等か、またはそれを超える、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55、および62〜73のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項75】
前記IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)に、200nm以下、100nm以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で結合する、請求項4〜6、9〜15、17〜19、21〜23、25〜28、30、35〜37、39〜41、および59〜66のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項76】
前記ヒトおよびマウスIL−4受容体に対する前記ポリペプチドの親和性は、天然IL−4の親和性とほぼ同等か、またはそれを超える、請求項4〜6、9〜15、17〜19、21〜23、25〜28、30、35〜37、39〜41、59〜66、および75のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項77】
前記ポリペプチドは、天然IL−2とほぼ同等またはそれを超える効力で、前記IL−2受容体を発現する細胞において、STAT5リン酸化を刺激する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55、および62〜74のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項78】
前記ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体を発現するが前記IL−2受容体αを欠く細胞において、天然IL−2とほぼ同等またはそれを超える効力で、前記IL−2受容体を発現する細胞において、STAT5リン酸化を刺激する、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55、62〜74、および77のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項79】
前記ポリペプチドは、天然IL−2の熱安定性とほぼ同等か、またはそれを超える前記熱安定性を示す、請求項2〜3、6〜8、11〜14、16〜18、20〜22、24〜27、29〜38、42〜55、62〜74、および77〜78のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項80】
熱安定性試験後、そのフォールディングした構造の少なくとも70%を維持または回復する、請求項1〜79のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項81】
熱安定性試験後、そのフォールディングした構造の少なくとも80%を維持または回復する、請求項1〜80のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項82】
熱安定性試験後、そのフォールディングした構造の少なくとも90%を維持または回復する、請求項1〜81のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項83】
熱安定性試験後、その楕円率スペクトルの少なくとも80%を維持または回復する、請求項1〜82のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項84】
熱安定性試験後、少なくとも70%の活性を維持または回復する、請求項1〜83のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項85】
熱安定性試験後、少なくとも80%の活性を維持または回復する、請求項1〜84のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項86】
活性が、STAT5リン酸化アッセイによって決定される、請求項84または85のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項87】
熱安定性が、222nMで円二色性(CD)分光法によって測定される、請求項79〜85のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項88】
前記熱安定性試験が、前記ポリペプチドを、1時間の時間枠で、25℃から95℃に加熱することと、前記ポリペプチドを、5分間の時間枠で、25℃に冷却することと、222nmで、楕円率をモニターすることと、を含む、請求項87に記載のポリペプチド。
【請求項89】
前記ポリペプチドは、配列番号90、181、または247のアミノ酸配列と、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一または100%同一のポリペプチドを含み、前記ポリペプチドは、(i)ヒトまたはマウスIL−2Rαに結合せず、(ii)約11.2nMの親和性で、ヒトIL2RBに結合し、(iii)約16.1nmの親和性で、マウスIL2RBに結合し、(iv)約18.8nMの親和性で、ヒトIL−2Rβγに結合し、かつ(v)約3.4nMの親和性で、マウスIL−2Rβγに結合する、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項90】
前記ポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を含む、請求項1〜89のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項91】
前記ジスルフィド結合は、X1、X2、X3、およびX4ドメインのうちの2つを一緒に連結する、請求項90に記載のポリペプチド。
【請求項92】
前記ジスルフィド結合は、前記X1ドメインを、前記X4ドメインに連結する、請求項90または91に記載のポリペプチド。
【請求項93】
前記ジスルフィド結合は、2つのドメインを一緒に連結するジスルフィド結合を有さない実質的に類似のポリペプチドと比較して、前記ポリペプチドの前記熱安定性を改善する、請求項90〜92に記載のポリペプチド。
【請求項94】
前記ポリペプチドは、標的化ドメインをさらに含む、請求項1〜93のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項95】
前記標的化ドメインは、前記ポリペプチドとの翻訳融合物である、請求項94に記載のポリペプチド。
【請求項96】
前記標的化ドメインは、細胞表面タンパク質に結合する、請求項94または95に記載のポリペプチド。
【請求項97】
前記細胞表面タンパク質は、腫瘍細胞、血管構成要素、腫瘍微小環境(例えば、線維芽細胞、浸潤性免疫細胞、または間質要素)、他の癌細胞および免疫細胞(これらに限定されないが、CD8+T細胞、制御性T細胞、樹状細胞、NK細胞、またはマクロファージを含む)からなる群から選択される細胞の表面に存在し、このような免疫細胞表面マーカーは、これらに限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD21、CD25、CD37、CD30、CD33、CD40、CD68、CD123、CD254、PD−1、B7−H3、およびCTLA−4を含む、請求項96に記載のポリペプチド。
【請求項98】
前記標的化ドメインは、腫瘍細胞、腫瘍血管構成細胞、または腫瘍微小環境細胞の表面マーカーに結合する、請求項96に記載のポリペプチド。
【請求項99】
前記細胞表面マーカーは、これらに限定されないが、EGFR、EGFRvIII、Her2、HER3、EpCAM、MSLN、MUC16、PSMA、TROP2、ROR1、RON、PD−L1、CD47、CTLA−4、CD5、CD19、CD20、CD25、CD37、CD30、CD33、CD40、CD45、CAMPATH−1、BCMA、CS−1、PD−L1、B7−H3、B7−DC、HLD−DR、癌胎児性抗原(CEA)、TAG−72、EpCAM、MUC1、葉酸結合タンパク質、A33、G250、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、フェリチン、GD2、GD3、GM2、Le、CA−125、CA19−9、上皮増殖因子、p185HER2、IL−2受容体、EGFRvIII(de2−7 EGFR)、線維芽細胞活性化タンパク質、テネイシン、メタロプロテイナーゼ、エンドシアリン、血管内皮増殖因子、avB3、WT1、LMP2、HPV E6、HPV E7、Her−2/neu、MAGE A3、p53非変異体、NY−ESO−1、メランA/MART1、Ras変異体、gp100、p53変異体、PR1、bcr−abl、チロンシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、肉腫転座ブレークポイントタンパク質、EphA2、PAP、ML−IAP、AFP、ERG、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、RhoC、TRP−2、フコシルGM1、メソテリン(MSLN)、PSCA、MAGE Al、sLe(動物)、CYP1B1、PLAV1、GM3、BORIS、Tn、GloboH、ETV6−AML、NY−BR−1、RGS5、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、PAX5、OY−TESL精子タンパク質17、LCK、HMWMAA、AKAP−4、SSX2、XAGE1、レグマイン、Tie3、VEGFR2、MAD−CT−1、PDGFR−B、MAD−CT−2、ROR2、TRAIL1、MUC16、MAGE A4、MAGE C2、GAGE、EGFR、CMET、HER3、MUC15、CA6、NAPI2B、TROP2、CLDN6、CLDN16、CLDN18.2、CLorf186、RON、LY6E、FRA、DLL3、PTK7、STRA6、TMPRSS3、TMPRSS4、TMEM238、UPK1B、VTCN1、LIV1、ROR1、Fos関連抗原1、および下記に列挙されたマーカーを含む群から選択される、請求項98に記載のポリペプチド、
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質受容体タイプIB、Genbank受入番号NM.sub.−−001203)、
(2)E16(LAT1、SLC7A5、Genbank受入番号NM.sub.−−003486)、
(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通型上皮抗原、Genbank受入番号NM.sub.−−012449)、
(4)0772P(CA125、MUC16、Genbank受入番号AF361486)、
(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン、Genbank受入番号NM.sub.−−005823)、
(6)Napi3b(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸トランスポーター3b、Genbank受入番号NM.sub.−−006424)、
(7)Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、semaドメイン、7つのトロンボスポンジンリピート(タイプ1およびタイプ1様)、膜貫通ドメイン(TM)および短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B、Genbank受入番号AB040878)、
(8)PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEN cDNA 2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子、Genbank受入番号AY358628)、
(9)ETBR(エンドセリンB型受容体、Genbank受入番号AY275463)、
(10)MSG783(RNF124、仮想タンパク質FLJ20315、Genbank受入番号NM.sub.−−017763)、
(11)STEAP2(HGNC−8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通型上皮抗原2、6回膜貫通型前立腺タンパク質、Genbank受入番号AF455138)、
(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容器電位カチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4、Genbank受入番号NM.sub.−−017636)、
(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形腫由来増殖因子、Genbank受入番号NP.sub.−−003203またはNM.sub.−−003212)、
(14)CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタインバーウイルス受容体)またはHs.73792、Genbank受入番号M26004)、
(15)CD79b(IGb(免疫グロブリン関連β)、B29、Genbank受入番号NM.sub.−−000626)、
(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(ホスファターゼアンカータンパク質1aを含むSH2ドメイン)、SPAP1B、SPAP1C、Genbank受入番号NM.sub.−−030764)、
(17)HER2(Genbank受入番号M11730)、
(18)NCA(Genbank受入番号M18728)、
(19)MDP(Genbank受入番号BC017023)、
(20)IL20R.α.(Genbank受入番号AF184971)、
(21)ブレビカン(Genbank受入番号AF229053)、
(22)Ephb2R(Genbank受入番号NM.sub.−−004442)、
(23)ASLG659(Genbank受入番号AX092328)、
(24)PSCA(Genbank受入番号AJ297436)、
(25)GEDA(Genbank受入番号AY260763)、
(26)BAFF−R(Genbank受入番号NP.sub.−−443177.1)、
(27)CD22(Genbank受入番号NP−001762.1)、
(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連α、Igβ(CD79B)と共有結合的に相互作用し、IgM分子と表面で複合体を形成するB細胞特異的タンパク質は、B−細胞分化に関与するシグナルを伝達する、Genbank受入番号NP.sub.−−001774.1)、
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、CXCL13ケモカインによって活性化されるGタンパク質共役型受容体は、リンパ球の遊走と体液防御に機能し、HIV−2感染、およびおそらくAIDS、リンパ腫、骨髄腫、および白血病の発症に関与する。Genbank受入番号NP−−001707.1)、
(30)HLA−DOB(ペプチドに結合してそれらをCD4+Tリンパ球に提示するMHCクラスII分子(Ia抗原)のβサブユニット、Genbank受入番号NP.sub.−−002111.1)、
(31)P2X5(細胞外ATPによって開口するイオンチャネルであるプリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5は、シナプス伝達および神経新生に関与している可能性があり、欠損は特発性排尿筋不安定性の病態生理学に寄与する可能性がある。Genbank受入番号NP_−−002552.2)、
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2、Genbank受入番号NP.sub.−−001773.1)、
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質は、B細胞の活性化およびアポトーシスを調節し、機能の喪失は全身性エリテマトーデスの患者で疾患活動性の上昇と関連している。Genbank受入番号NP.sub.−−005573.1)、
(34)FCRH1(C2型Ig様およびITAMドメインを含む免疫グロブリンFcドメインに対する推定受容体であるFc受容体様タンパク質1は、Bリンパ球の分化に役割を有する可能性がある。Genbank受入番号NP.sub.−−443170.1)、および
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2、B細胞の発生およびリンパ腫形成に役割を有する可能性がある推定免疫受容体、転座による遺伝子の調節解除が、一部のB細胞悪性腫瘍で生じる。Genbank受入番号NP.sub.−−112571.1)。
【請求項100】
前記標的化ドメインは、免疫細胞表面マーカーに結合し(これらに限定されないが、CD8+T細胞、制御性T細胞、樹状細胞、NK細胞、またはマクロファージを含む)、前記免疫細胞表面マーカーは、これらに限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD21、CD25、CD37、CD30、CD33、CD40、CD68、CD123、CD254、PD−1、B7−H3、およびCTLA−4を含み得、かつ/あるいは、前記標的化ドメインは、PD−1、PDL−1、CTLA−4、TROP2、B7−H3、CD33、CD22、炭酸脱水酵素IX、CD123、ネクチン−4、組織因子抗原、CD154、B7−H3、B7−H4、FAP(線維芽細胞活性化タンパク質)またはMUC16に結合する、請求項96に記載のポリペプチド。
【請求項101】
前記標的化ドメインは、これらに限定されないが、scFv、F(ab)、F(ab’)、B細胞受容体(BCR)、DARPin、アフィボディ、モノボディ、ナノボディ、ダイアボディ、抗体(単一特異性または二重特異性抗体を含む)、これらに限定されないがRGDを含む細胞標的化オリゴペプチド、インテグリン結合ペプチド、デノボ設計バインダー、アプタマー、二環ペプチド、コノトキシン、葉酸などの小分子、および前記細胞表面に結合するウイルスを含み得る、請求項94〜100のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項102】
請求項1〜101のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする、組換え核酸。
【請求項103】
プロモーターに作動可能に連結された、請求項102に記載の組換え核酸を含む、発現ベクター。
【請求項104】
請求項102に記載の核酸および/または請求項103に記載の発現ベクターを含む、組換え宿主細胞。
【請求項105】
請求項1〜101のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項102に記載の組換え核酸、請求項103に記載の発現ベクター、または請求項104に記載の組換え宿主細胞、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項106】
癌を治療するための方法であって、癌を有する対象に、腫瘍を治療するのに有効な量の、請求項1〜101のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項102に記載の組換え核酸、請求項103に記載の発現ベクター、請求項104に記載の組換え宿主細胞、または請求項105に記載の医薬組成物を、投与することを含む、方法。
【請求項107】
前記癌は、結腸癌、黒色腫、腎細胞癌、頭頸部扁平上皮細胞癌、胃癌、尿路上皮癌、ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肝細胞癌、膵臓癌、メルケル細胞癌、大腸癌、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮頸癌、および、マイクロサテライト不安定性、腫瘍遺伝子変異量、PD−L1発現レベル、またはイムノスコアアッセイ(Society for Immunotherapy of Cancerによって開発された)などの診断検査で選択された任意の腫瘍タイプ、からなる群から選択される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
対象における癌を治療するためのおよび/または免疫応答を調節するための薬剤としての使用のための、請求項1〜101のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項102に記載の組換え核酸、請求項103に記載の発現ベクター、請求項104に記載の組換え宿主細胞、または請求項105に記載の医薬組成物。
【請求項109】
対象における免疫応答を調節するための方法であって、前記対象に、請求項1〜101のいずれか一項に記載のポリペプチド、請求項102に記載の組換え核酸、請求項103に記載の発現ベクター、請求項014に記載の組換え宿主細胞、または請求項105に記載の医薬組成物、を投与することを含む、方法。
【請求項110】
前記免疫応答は、抗癌免疫応答、組織修復免疫応答、または創傷治癒免疫応答である、請求項109に記載の方法。
【請求項111】
前記ポリペプチド、組換え核酸、発現ベクター、組換え宿主細胞、または医薬組成物が、生体材料の成分として投与される、請求項109または110に記載の方法。
【請求項112】
前記対象に、第2の治療剤を投与することをさらに含む、請求項109〜111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記ポリペプチドは、前記第2の治療剤に対する前記対象の免疫応答を増強する、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記第2の治療剤は、化学療法剤またはキメラ抗原受容体T細胞を含むがこれに限定されない抗原特異的免疫療法剤を含む、請求項112〜113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
方法であって、
計算装置を使用して、タンパク質の複数の残基の構造を決定することであって、前記複数の残基の前記構造は、特定の受容体結合界面を提供する、タンパク質の複数の残基の構造を決定することと、
前記計算装置によって提供される模倣設計プロトコルを使用して、複数の設計された残基を決定することであって、前記複数の設計された残基は、前記特定の受容体結合界面を提供し、前記複数の設計された残基は、前記複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定することと、
前記計算装置を使用して、前記複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することと、
前記計算装置を使用して、複数の組み合わせにわたって、前記1つ以上の連結ヘリックス構造および前記複数の設計された残基を組み立てることによって、前記タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、
前記計算装置を使用して、前記第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のために、前記タンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することと、
少なくとも前記第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することと、を含む、方法。
【請求項116】
前記模倣設計プロトコルを使用して前記複数の設計された残基を決定することは、理想化された残基のデータベースを使用して、理想化された残基を決定することを含み、前記理想化された残基は、前記複数の設計された残基の設計された残基に関連する、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記理想化された残基のデータベースを使用して前記理想化された残基を決定することは、
前記理想化された残基のデータベースから、前記理想化された残基に関連する1つ以上の理想化された断片を検索することと、
前記1つ以上の理想化された断片を使用して、前記関連する設計された残基を再構築することによって、前記理想化された残基を決定することと、を含む、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記1つ以上の理想化された断片を使用して前記関連する設計された残基を再構築することは、
前記1つ以上の理想化された断片の対を、前記1つ以上の理想化された断片の前記対のコンビナトリアル断片アセンブリを使用することによって、再連結することと、
デカルト制約骨格最小化を使用して、前記1つ以上の理想化された断片の前記対が、前記複数の設計された残基のうちの2つ以上をリンクするかどうかを決定することと、を含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記1つ以上の理想化された断片を使用して前記関連する設計された残基を再構築することは、
前記理想化された残基のデータベースを使用して、前記理想化された残基の重複する断片が、理想化された断片であることを検証することと、
前記理想化された残基が、前記特定の受容体結合界面に関連する標的受容体と衝突しないかどうかを検証することと、
前記理想化された残基が前記特定の受容体結合界面に関連する標的受容体と衝突しないことを検証した後、前記理想化された残基のデータベースを使用して、前記理想化された残基の各位置で最も可能性の高いアミノ酸を決定することと、を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記1つ以上の連結ヘリックス構造および前記複数の組み合わせにわたる前記複数の設計された残基を組み立てることによって前記タンパク質の前記第1のタンパク質骨格を決定することは、
前記1つ以上の理想化された断片の前記対を組み合わせて再結合することによって、前記1つ以上の理想化された断片の前記対を再結合することと、
前記1つ以上の理想化された断片の前記組換え対を使用して、前記タンパク質の前記第1のタンパク質骨格を決定することと、を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項121】
前記1つ以上の理想化された断片の前記対を組み合わせて再結合することは、前記1つ以上の理想化された断片の前記対の理想化された断片間の相互連結長に基づいて、前記1つ以上の理想化された断片の前記対をランク付けすることを含む、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
前記模倣設計プロトコルを使用して前記複数の設計された残基を決定することは、
前記複数の設計された残基の設計された残基の形状を表す1つ以上のパラメトリック方程式を使用して、理想化された残基を決定することと、
前記複数の設計された残基のうちの少なくとも1つの設計された残基で前記理想化された残基を閉じる単一の断片を決定することと、を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項123】
前記設計された残基は、ヘリックス構造を含み、前記1つ以上のパラメトリック方程式は、前記ヘリックス構造のφ角およびψ角に関連する方程式を含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記ヘリックス構造のφ角およびψ角に関連する前記方程式は、前記ヘリックス構造の前記φ角およびψ角の角度ピッチに関連する1つ以上の項を含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格に関連する前記出力を生成することは、前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格に基づいて、1つ以上の分子を設計することを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項126】
前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格に関連する前記出力を生成することは、
前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格に基づく前記タンパク質の合成遺伝子を生成することと、
前記合成遺伝子を使用して、インビボで特定のタンパク質を発現させることと、
前記特定のタンパク質を精製することと、を含む、請求項115に記載の方法。
【請求項127】
前記合成遺伝子を使用してインビボで前記特定のタンパク質配列を発現させることは、前記合成遺伝子を含む1つ以上の大腸菌で、前記特定のタンパク質配列を発現させることを含む、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格に関連する前記出力を生成することは、前記タンパク質の前記第2のタンパク質骨格の少なくとも一部を含む1つ以上の画像を生成することを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項129】
前記計算装置は、タンパク質合成装置を含み、前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格に関連する前記出力を生成することは、前記タンパク質合成装置を使用して、前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格を合成することを含む、請求項115に記載の方法。
【請求項130】
前記方法は、タンパク質模倣体を設計するためのものである、請求項115〜129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
請求項130に記載の方法によって同定された、非天然タンパク質模倣体。
【請求項132】
サイトカイン模倣体である、請求項131に記載の非天然タンパク質。
【請求項133】
IL−2模倣体またはIL−4模倣体である、請求項122に記載の非天然タンパク質。
【請求項134】
計算装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
データストレージであって、少なくともコンピュータ可読命令を記憶するように構成され、実行されると、前記計算装置に、
特定の受容体結合界面を提供するタンパク質の複数の残基の構造を決定することと、
模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することであって、前記複数の設計された残基が、前記特定の受容体結合界面を提供し、前記複数の設計された残基が、前記複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定することと、
前記複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することと、
複数の組み合わせにわたって、前記1つ以上の連結ヘリックス構造および前記複数の設計された残基を組み立てることによって、前記タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、
前記第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のために、前記タンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することと、
前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することと、を含む機能を実行させるデータストレージと、を含む、計算装置。
【請求項135】
前記模倣設計プロトコルを使用して前記複数の設計された残基を決定することは、理想化された残基のデータベースを使用して、理想化された残基を決定することを含み、前記理想化された残基は、前記複数の設計された残基の設計された残基に関連する、請求項134に記載の計算装置。
【請求項136】
前記模倣設計プロトコルを使用して前記複数の設計された残基を決定することは、
前記複数の設計された残基の設計された残基の形状を表す1つ以上のパラメトリック方程式を使用して、理想化された残基を決定することと、
前記複数の設計された残基のうちの少なくとも1つの設計された残基で前記理想化された残基を閉じる単一の断片を決定することと、を含む、請求項134に記載の計算装置。
【請求項137】
前記計算装置は、タンパク質合成装置をさらに含み、前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格に関連する前記出力を生成することは、前記タンパク質合成装置を使用して、前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格を合成することを含む、請求項135に記載の計算装置。
【請求項138】
非一時的コンピュータ可読媒体であって、少なくともコンピュータ可読命令を記憶するように構成され、計算装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記計算装置に、
特定の受容体結合界面を提供するタンパク質の複数の残基の構造を決定することと、
模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することであって、前記複数の設計された残基が、前記特定の受容体結合界面を提供し、前記複数の設計された残基が、前記複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定することと、
前記複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することと、
複数の組み合わせにわたって、前記1つ以上の連結ヘリックス構造および前記複数の設計された残基を組み立てることによって、前記タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、
前記第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のために、前記タンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することと、
前記タンパク質の少なくとも前記第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することと、を含む機能を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2018年6月25日に出願された米国仮特許出願第62/689,769号および2018年11月16日に出願された同第62/768,733号の優先権を主張し、各々は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
癌治療のためのIL−2およびIL−4などの中心的な免疫サイトカインであるインターロイキンの大きな可能性は、変異および/または化学修飾によってそれらの治療特性を改善するための多くの努力を誘発した。しかしながら、これらのアプローチは、天然IL−2またはIL−4と密接に繋がっているため、それらは、IL−2受容体αサブユニット(IL−2Rα)、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)、およびIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)との低い安定性や結合などの、望ましくない特性を排除することができない。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、方法が提供される。計算装置は、タンパク質の複数の残基の構造を決定し、複数の残基の構造が特定の受容体結合界面を提供する。計算装置は、計算装置によって提供される模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定し、複数の設計された残基は、特定の受容体結合界面を提供し、複数の設計された残基は、複数の残基とは異なる。
【0004】
計算装置は、複数の設計された残基を連結する(connect)1つ以上の連結ヘリックス構造を決定する。計算装置は、複数の組み合わせにわたって、1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の設計された残基を組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定する。計算装置は、第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のために、タンパク質の第2のタンパク質骨格を設計する。計算装置は、少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成する。
【0005】
また、本明細書に記載の方法によって調製された非天然タンパク質も含まれる。非天然タンパク質は、サイトカイン、例えば、非天然IL−2またはIL−4(本明細書ではIL−2、IL−2/15模倣体またはIL−4模倣体とも呼ばれる)であり得る。
【0006】
別の態様では、計算装置が提供される。計算装置は、1つ以上のプロセッサと、少なくともコンピュータ可読命令を記憶するように構成されたデータストレージとを含み、1つ以上のプロセッサによって実行されると、計算装置に機能を実行させる。機能は、特定の受容体結合界面を提供するタンパク質の複数の残基の構造を決定することと、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することであって、複数の設計された残基は、特定の受容体結合界面を提供し、複数の設計された残基は、複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定することと、複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することと、複数の組み合わせにわたって1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の設計された残基を組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のためにタンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することと、タンパク質の少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することと、を含む。
【0007】
別の態様では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、計算装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、計算装置に機能を実行させる少なくともコンピュータ可読命令を記憶するように構成される。機能は、特定の受容体結合界面を提供するタンパク質の複数の残基の構造を決定することと、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することであって、複数の設計された残基は、特定の受容体結合界面を提供し、複数の設計された残基は、複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定することと、複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することと、複数の組み合わせにわたって1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の設計された残基を組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のためにタンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することと、タンパク質の少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することと、を含む。
【0008】
別の態様では、装置が提供される。装置は、特定の受容体結合界面を提供するタンパク質の複数の残基の構造を決定する手段と、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定する手段であって、複数の設計された残基は、特定の受容体結合界面を提供し、複数の設計された残基は、複数の残基とは異なる、複数の設計された残基を決定する手段と、複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定する手段と、複数の組み合わせにわたって1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の設計された残基を組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定する手段と、第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のためにタンパク質の第2のタンパク質骨格を設計する手段と、タンパク質の少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成する手段と、を含む。
【0009】
別の態様では、ドメインX1、X2、X3、およびX4を含む、非天然ポリペプチドが提供され、
(a)X1は、
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(a)X3は、
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号2)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(a)X4は、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号3)と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、ドメインのいずれかの間に存在し得、
ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)、またはIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)に結合する。
【0010】
他の態様では、医薬組成物が提供され、本明細書に開示される1つ以上のポリペプチドおよび薬学的に許容される担体と、本明細書に開示されるポリペプチドをコードする組換え核酸と、本明細書に開示される組換え核酸を含む発現ベクターと、本明細書に開示される1つ以上の発現ベクターを含む組換え宿主細胞と、を含む。さらなる態様では、癌を治療する方法が提供され、癌を有する対象に、腫瘍を治療するのに有効な量で、1つ以上のポリペプチド、組換え核酸、組換え核酸を含む発現ベクター、および/または本明細書に開示される組換え宿主細胞、あるいはその医薬組成物を、投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以下の図は、例示的な実施形態による。
【0012】
図1】デノボサイトカイン模倣体の計算設計。図1A)設計された模倣体は、4つのヘリックスを有し、3つの模倣IL−2は、hIL−2Rβγと相互作用し、4つ目は、最初の3つを所定の位置に保持する。上:第1世代の設計では、IL−2のコア要素(ヘリックスH1〜H4)の各々が独立して、クラスタ化された理想的な断片データベース(サイズ:4aa)からの断片アセンブリを使用して、理想化された。下:第2世代の設計では、コア要素は、代わりに、各ヘリックスの長さを+/−8aa変更できるように、各非実体化ヘリックスの形状を再現するパラメトリック方程式を使用して構築された。図1B)ヘリックスの対は理想的なループ断片(サイズ:4aaまたは7aa、それぞれgen−1およびgen−2、「方法」を参照)を使用して再連結された。代表的な例は、ヘリックスの各対を連結する新しく構築された要素とともに示されている。図1C図1Bで生成されたヘリックスヘアピンは、完全に連結されたタンパク質骨格を生成するために、すべての可能な組み合わせで組み立てられた。図1D)設計および実験的に成熟したバージョンを酵母ディスプレイによる結合について試験し、高親和性結合を示すものを組換え発現し(大腸菌)、表面プラズモン共鳴およびIL−2様ホスホ−STAT5(pSTAT5)を使用して結合について試験した)。第1世代の3個の設計と第2世代の10個の設計の結果を、2Dプロットにおいて塗りつぶした記号で示している。中空の星印は、Neoleukin−2/15であり、矢印は、その親(最適化されていない)設計に由来する。
図2】Neoleukin−2/15の特性評価。図2A)上から下へ:表面プラズモン共鳴実験では、Neoleukin−2/15は、ヒトまたはマウスのIL−2Rαに結合しないが、ヒトおよびマウスのIL−2Rβの両方に、同様な親和性で結合する(ヒトおよびマウスの受容体について、それぞれKが、約11.2nMおよび16.1nM)。天然(natural)IL−2のように、Neoleukin−2/15は、γ受容体にあまり結合しないが、ヒトおよびマウスのIL−2Rβγの両方について協同的結合を示す(ヒトおよびマウスのヘテロ二量体受容体について、Kが、約18.8nMおよび38.4nMであり、一方、天然hIL−2およびSuper−2では、約193.6nMおよび300.9nMである。表E1を参照)。図2B)上:インビトロpSTAT5シグナル伝達の研究は、Neoleukin−2/15が、ヒト細胞でIL−2様シグナル伝達を誘発し(EC50)、IL−2Rαの発現の有無にかかわらず(CD25)、ヒトYT−1 NK細胞を、ほぼ同一の効力で活性化することを実証する(CD25+およびCD25−細胞で、それぞれEC50が、約73.0PMおよび49.2pM)。下:同様に、マウスCD4+初代細胞でのエクスビボ実験は、Neoleukin−2/15が、マウス細胞で強力なIL−2様シグナル伝達を誘発することもでき、IL−2Rαの発現とは無関係であることを実証する(CD25+およびCD25−細胞で、それぞれEC50が、約24pMおよびで129pM)。図2C)上:結合実験(OCTET)は、Neoleukin−2/15は、顕著な結合の喪失もなく、80℃で2時間インキュベートされ得るが、ヒトおよびマウスのIL−2は、すぐに活性を失うことを示す。下:生存にIL−2を必要とする培養マウス脾細胞でのエクスビボ実験は、Neoleukin−2/15が、95℃で1時間インキュベートしてもまだ、効果的に細胞生存を駆動するが(10ng/mlで、約70%の相対発光)、mIL2とSuper−2は、事実上非活性である(10ng/mlで、それぞれ約10%および0.1%)ことを実証する。
図3】Neoleukin−2/15(Neo−2/15)およびmIL−2Rβγとのその三元複合体の構造。図3A)上:Neoleukin−2/15(Neo−2/15)A鎖と設計モデル(r.m.s.d.1.11Å、100個のCα原子について)の構造整列。下:界面ヘリックスH1、H3、およびH4の詳細(hIL−2に従って番号が付けられている。図1を参照)。界面側鎖は棒で示されている。図3B)Neo−2/15とmIL−2Rβおよびγとの三元複合体の結晶構造(r.m.s.d 1.27Å、三元複合体におけるNeo−2/15の93個のモデル化されたCα原子について)。図3C)三元複合体における単量体Neo−2/15(A鎖)とNeo−2/15との構造整列(r.m.s.d 1.71Å、三元複合体における93個のモデル化されたCα原子について)。ヘリックスH4は、単量体の結晶構造と比較して、三元複合体構造で、ヘリックスH4が約4.0Åシフトしていることを示す。図3D):hIL−2の結晶構造(模式的表現)。IL−2Rβおよびγと相互作用する領域が表示されている。IL−2Rαと相互作用するhIL−2のループリッチ領域は、デノボ模倣Neo−2/15には存在しない。図3E):「b)」の三元複合体からのNeoleukin−2/15の結晶構造(模式的表現)。IL−2Rβおよびγと相互作用する領域が表示されている。IL−2Rαと相互作用するhIL−2のループリッチ領域は、デノボ模倣Neo−2/15には存在しない。
図4】Neoleukin−2/15の免疫原性、免疫賦活性および治療活性。図4A)ナイーブマウスT細胞におけるNeoleukin−2/15(Neo−2/15)の用量漸増効果。ナイーブC57BL/6マウスを、示された濃度のNeoleukin−2/15またはmIL−2で毎日処置した(群あたりn=2〜3)。14日後、脾臓を採取し、示されたマーカーを使用したフローサイトメトリーによって分析した。棒グラフは、mIL−2が、CD4+Tregの増殖を用量依存的に増強させたのに対し、Neo−2/15は、Treg細胞の増殖にほとんどまたはまったく影響を与えなかったことを示す。Neoleukin−2/15は、mIL−2と比較して高いCD8+:Treg比をもたらした。図4B)気道炎症モデルのマウスにおけるNeo−2/15の効果(20μg/日/マウス、7日)。ナイーブマウスと同様に、Neo−2/15は、リンパ器官における抗原特異的CD4+Foxp3+Tregの頻度を増加させず、肺常在性CD8+T細胞(Thy1.2−、血管内標識化による)の頻度の増加において、mIL−2と同等に効果的である。図4C)Neoleukin−2/15は、検出可能な免疫原性を有さない。C57BL/6マウスに、皮下注射により、5×10個のB16F10細胞を接種した。1日目から、マウスを、腹腔内(i.p.)注射により、Neoleukin−2/15(10μg)または等モルのmIL−2で毎日処置した(各群についてn=10)。14日後、血清(抗血清)を収集し、ウシ胎児血清(FBS 10%、陰性対照)、Neoleukin−2/15、mIL−2、hIL−2、または陰性対照としてのオボアルブミン(OVA)でコーティングされたプレートで、ELISAによってIgGを検出した(点線は、陰性対照の平均を示す)。抗Neo−2/15ポリクローナル抗体は、陽性対照として使用され(黒、n=2)、mIL−2またはh−IL2と交差反応しなかった。図4D)C57BL/6マウスを、完全フロイントアジュバント中の500μgのKO Neo−2/15で免疫し、7日目と15日目に不完全フロイントアジュバント中の500μgのKO Neo−2/15で追加免疫した。示されるように、KO Neo−2/15および天然Neo−2/15に対する反応性、ならびにマウスIL−2との交差反応性は、血清(PBSで1:1,000に希釈)を、プレートに結合したKO Neo−2/15、Neo−2/15またはマウスIL−2と、インキュベートすることよって決定した。HRPに結合した(conjugated)抗マウス二次抗体を使用して、血清の結合(binding)を検出し、続いてTMBとインキュベートした。データは、450nmでの光学密度として報告されている。上、ナイーブマウス血清、下、免疫したマウス血清。図4E〜4G)Neoleukin−2/15の治療効果。図4E)BALB/Cマウスに、CT26腫瘍を接種した。6日目から、マウスを、mIL−2またはNeoleukin−2/15(10μg)の腹腔内注射で毎日処置するか、あるいは未処置のまま放置した(群あたりn=5)。腫瘍増殖曲線(上、生存マウスのデータのみを示す)。生存曲線(下)。体重の減少が初期体重の10%を超えたとき、または腫瘍サイズが1,300mmに達したときに、マウスを安楽死させた。図4F)「a)」のように、C57BL/6マウスにB16腫瘍を接種した。1日目から、マウスをNeoleukin−2/15(10μg)または等モルのmIL−2(群あたりn=10)の腹腔内注射で、毎日処置した。TA99による週2回の処置が3日目に追加された。体重の減少が初期体重の10%を超えたとき、または腫瘍サイズが2,000mmに達したときに、マウスを安楽死させた。腫瘍増殖曲線(上および左下)。生存曲線、挿入図は平均体重変化を示す(右上)。死因の定量(右下)。図4G)Neo−2/15は、マウスIL−2よりも高いCD8+:Treg比を誘発する。示されるように、C57BL/6マウスにB16腫瘍を接種し、毎日腹腔内注射により処置した。TA99による処置(下のプロット)は5日目に開始され、週2回継続された。腫瘍が2,000mmに達したとき、マウスから腫瘍を採取し、フローサイトメトリーで分析した。CD8:Treg細胞比は、CD8であったCD45CD3細胞のパーセンテージを、CD4CD25FoxP3であったもののパーセンテージで割ることによって計算された。
図5】結腸癌に対するNeoleukin−2/15の治療効果。図5A)BALB/Cマウスに、CT26腫瘍を接種した。9日目に開始し、14日目に終了するまで、マウスを、指定された濃度のmIL−2またはNeoleukin−2/15の腹腔内注射で毎日処置するか、または未処置のまま放置した(群あたりn=5)。腫瘍増殖曲線(上、生存マウスのデータのみを示す)。生存曲線(下)。体重の減少が初期体重の10%を超えたとき、または腫瘍サイズが1,300mmに達したときに、マウスを安楽死させた。図5B〜5D)棒グラフは、CT26腫瘍を接種し、6日目に開始して10μgのNeolukin−2/15または10μgのmIL−2を毎日腹腔内注射して処置した、あるいは未処置(No Tx)のBALB/Cマウス(群あたりn=3)のT細胞集団を比較する。14日目に、Treg細胞のパーセンテージ(CD4 CD45 FoxP3、上のグラフ)およびCD8:Treg細胞比((CD45 CD3 CD8)/Treg、下のグラフ)を、腫瘍(図5B)、隣接する鼠径リンパ節(LN)(図5C)、および脾臓(図5D)で、評価した。
図6】黒色腫に対するNeoleukin−2/15の治療効果。図6A−6E)B16腫瘍を接種し、低用量(1μg/マウス/日、a〜b)または高用量(10μg/マウス/日、c〜d)のNeoleukin−2/15で処置したC57BL/6マウスの腫瘍増殖曲線(下)および生存曲線(上)。1日目から、マウス(群あたりn=5)を、1μg/マウスの単剤Neoleukin−2/15、または等モルのmIL−2(群あたりn=5)の腹腔内注射で毎日処置し(図6A)、あるいはTA99による週2回の処置(5日目から)と組み合わせて、同じく処置した(図6B)。腫瘍サイズが、2,000mmに達したときに、マウスを安楽死させた。示されるように、C57BL/6マウスにB16腫瘍を接種し、毎日腹腔内注射により処置した。図6C〜6D)「a〜b)」と同様に、4日目から、マウスに、10μg/マウスのNeoleukin−2/15、または等モルのmIL−2を、いずれか単独で(図6C)、または4日目に開始する週2回のTA99と組み合わせて(図6D)、毎日腹腔内注射により処置した。腫瘍サイズが、2,000mmに達したときに、マウスを安楽死させた。Neoleukin−2/15の治療効果は用量依存的であり(高用量がより良好)、抗体TA99の存在下で増強される。実験は、1回行われた。すべての成長曲線において、データは平均±標準誤差(s.e.m.)である。マンテル・コックス検定(95%信頼区間)を使用して評価された生存曲線を除いて、結果は、一元配置分散分析(95%信頼区間)によって分析した。
図7】ヒトインターロイキン−4(hIL−4)模倣体(Neoleukin−4)への、Neoleukin−2/15の再操作。図7A)IL−4Rαおよびγ(PDBコード 3BPL)と複合体化したIL−4の構造へ、構造的に整列されたNeo−2/15。IL−4Rαと接触し、Neo−2/15に移植された14個のIL−4残基が標識されている。図7B)Neo−2/15と比較して16個のアミノ酸変異を有する、新しいタンパク質Neoleukin−4(Neo−4)。これらの変異は標識されており、これらのうちの13個は、IL−4Rαとの接触を媒介するIL−4残基に由来し(パネル「a)」に示されている)、そのうちの3個は(H8M、K68I、およびI98F、図中の下線)、ランダム変異誘発および高結合親和性バリアントのスクリーニングを使用した定向進化によって導入された。図7C)バイオレイヤー干渉データは、Neo−4が、IL−4と同様に、単独でIL−4Rαに結合し、単独ではγに対する親和性を有さないが、溶液中にIL−4Rαが存在すると、γに結合することを示す。
図8】ヒトCAR−T細胞に対するNeoleukin−2/15の刺激効果。抗CD3/CD28刺激(図8A)または刺激されていない(図8B)ヒト初代CD4(上)またはCD8(下)T細胞を、示された濃度のヒトIL2またはNeoleukin−2/15で培養した。T細胞の増殖は、IL2の補充なしで培養されたT細胞に対する倍率変化として測定される。Neo−2/15は、刺激されたCAR−T細胞の増殖を誘導するのに天然(native)IL−2と同じくらい効果的であり、刺激されていないCAR−T細胞、特に刺激されていないCD8 CAR−T細胞、の増殖を誘導するのに天然IL−2よりも効果的である。
図9】3つの異なるデノボ設計IL−2模倣体からの情報を組み合わせた、4つの一般的なヘリックスの各々の結合残基における全体的な配列保存。配列ロゴは、G2_neo2_40_1F_seq27、G2_neo2_40_1F_seq29、およびG2_neo2_40_1F_seq36(図11〜13)の3つの独立したSSM変異誘発ライブラリからの結合実験(ヘテロ二量体マウスIL−2Rβγcを使用)からの組み合わせデータを使用して生成された。これらのタンパク質はすべて、マウスおよびヒトIL−2の機能的高親和性デノボ模倣体であり、Neo−2/15とは異なるトポロジを有するものもあるが、すべては、4つのヘリックスH1(図9A、Neo−2/15の1〜22は配列番号248、IL−2の6〜27は配列番号249、IL−15の1〜15は配列番号250)、H3(図9B、Neo−2/15の34〜55は配列番号251、IL−2の82〜103は配列番号252、IL−15の59〜80は配列番号253)、H2’(図9C、Neo−2/15の58〜76は配列番号254、IL−2の50〜68は配列番号255、IL−15の34〜52は配列番号256)、およびH4(図9D、Neo−2/15の80〜100は配列番号257、IL−2の111〜131は配列番号258、IL−15の93〜113は配列番号259)を含有する。ロゴは、独立して、各ヘリックスの組み合わせ情報を示す。各ロゴの下の折れ線グラフは、Neo−2/15配列の各アミノ酸の確率スコアを示す(高いほど保存されていることを意味する)。横の実線は、Neo−2/15アミノ酸が30%以上の確率スコアを有する位置を強調する(つまり、これらのアミノ酸は、試験されたすべてのデノボIL−2模倣体にわたって結合集団で全体的に濃縮されているため、より一般的に受容体との結合に寄与する)。Neo−2/15の各ヘリックスのトポロジは、各ロゴの左側に示されている。ヒトIL−2およびIL−15におけるNeo−2/15ヘリックスの配列および対応するヘリックスの配列(構造的に整列した)をグラフの下に示し、Neo−2/15ヘリックスおよび結合界面の特徴を強調している。
図10】G1_neo2_40の実験的最適化。図10A〜10C)50nM(図10A)、2nM(図10B)、および0.1nM(図10C)のIL−2Rβγヘテロ二量体を用いて選択を増加する連続ラウンド後の、特定の位置での濃縮を示すG1_neo2_40単一部位変異誘発ライブラリのヒートマップ。これらの濃縮データに基づいて、コンビナトリアルライブラリは、1.5×10のヌクレオチド多様性で設計された。図10D)最初のコンビナトリアルライブラリで利用可能なアミノ酸残基は、有利(元の配列の上に示されている)および有害(元の配列の下に示されている)であると予測される残基を示すように描写され、元の配列の描写では、黒は、コンビナトリアルライブラリに表される残基を示し、グレーは、コンビナトリアルライブラリに表されない残基を示す。
図11】G2_neo2_40_1F_seq27の実験的最適化。10nM(図11A)、1nM(図11B)、0.1nM(図11C)、および0.1nM(図11D)のIL−2Rβγヘテロ二量体を用いて選択を増加する連続ラウンド後の、特定の位置での濃縮を示すG2_neo2_40_1F_seq27の単一部位変異誘発ライブラリのヒートマップ。これらの濃縮データに基づいて、コンビナトリアルライブラリは、5.3×10のヌクレオチド多様性で設計された。図11E)最初のコンビナトリアルライブラリで利用可能なアミノ酸残基が描写され、有利であると予測される残基を示し、黒は、コンビナトリアルライブラリで表される開始配列の残基を示す。
図12】G2_neo2_40_1F_seq29の実験的最適化。10nM(図12A)、1nM(図12B)、0.1nM(図12C)、および0.1nM(図12D)のIL−2Rβγヘテロ二量体を用いて選択を増加する連続ラウンド後の、特定の位置での濃縮を示すG2_neo2_40_1F_seq29の単一部位変異誘発ライブラリのヒートマップ。これらの濃縮データに基づいて、コンビナトリアルライブラリは、2.9×10のヌクレオチド多様性で設計された。図12E)最初のコンビナトリアルライブラリで利用可能なアミノ酸残基が描写され、有利であると予測される残基を示し、黒は、コンビナトリアルライブラリで表される開始配列の残基を示す。
図13】G2_neo2_40_1F_seq36の実験的最適化。10nM(図13A)、1nM(図13B)、0.1nM(図13C)、および0.1nM(図13D)のIL−2Rβγヘテロ二量体を用いて選択を増加する連続ラウンド後の、特定の位置での濃縮を示すG2_neo2_40_1F_seq36の単一部位変異誘発ライブラリのヒートマップ。これらの濃縮データに基づいて、コンビナトリアルライブラリは、2.7×10のヌクレオチド多様性で設計された。図13E)最初のコンビナトリアルライブラリで利用可能なアミノ酸残基が描写され、有利であると予測される残基を示し、黒は、コンビナトリアルライブラリで表される開始配列の残基を示す。
図14】複数のIL−2/IL−15デノボ設計模倣体(第1世代)の円二色性(CD)熱変性実験。図14A)熱変性曲線および図14B)波長スキャン。
図15A-B】複数のIL−2/IL−15デノボ設計模倣体(第1世代)が実験的に最適化された円二色性(CD)熱変性実験。図15A)熱変性曲線および図15B)波長スキャン。
図16】IL−2/IL−15模倣設計(第2世代)の円二色性熱融解。図16Aおよび図16C)熱変性曲線、ならびに図16Bおよび図16D)波長スキャン。
図17】Neoleukin−2/15の発現、精製、熱変性の特性評価。図17A)発現およびアフィニティカラムでの精製を示すSDS Tris−Tricineゲル電気泳動。図17B)222nmでの円二色性は、25℃から95℃までの熱融解中で頑強な温度安定性を示す。図17C)25℃、95℃、次いで再度25℃での円二色性波長スキャンは、Neoleukin−2/15が95℃でも完全に融解せず、25℃に冷却後は、完全にリフォールディングすることを示している。
図18】より高い熱安定性を有するNeoleukin−2/15の単一ジスルフィドステープルバリアント。Neoleukin−2/15のジスルフィド安定化バリアントの構造モデルが、標識された変異残基の位置および示されるジスルフィド結合とともに示されている。2つの戦略が、ジスルフィドバリアントを生成するために使用された。図18A)残基38および75での内部配置および末端結合。図18B)末端バリアントについては、そうでなければジスルフィド結合を形成するために必要だったであろう開始構造へのいかなる歪みも制限するために、3つの残基が各末端に付加された。内部および末端ジスルフィドバリアントについて、25℃、95℃および冷却後25℃でのCDスペクトルをそれらの構造モデルの下に示す。両方のバリアントは、95℃でのごくわずかなシグナルの損失を示し、冷却するとリフォールディングを完了する。図18C)各バリアントの熱溶融は、ある範囲の温度にわたって222.0nmでCDシグナルをモニターすることによって行われた。各ジスルフィドバリアントは、天然のものと比較して、改善された安定性を示す。図18D)IL−2Rβγcへの各バリアントの結合強度は、バイオレイヤー干渉測定によって測定された。結合相互作用を破壊するのとは対照的に、これらのデータは、ジスルフィド結合の導入が模倣体のIL−2Rβγcへの結合を改善することを示している。両方のジスルフィド結合バリアントは、IL−2Rβγcへの結合の改善を示し(同じ実験条件下でNeo−2/15の6.9±0.61nMと比較して、内部および外部のジスルフィドステープルについて、それぞれKdが、約1.3±0.49および1.8±0.26nM)、タンパク質の結合部位のジスルフィド誘導安定化の期待された効果と一致している。
図19】非結合界面位置での単一点システイン変異体に対するNeoleukin−2/15の頑強性。図19A)タンパク質の発現またはIL−2Rβγcへの結合を干渉することなく、システインに個別に変異させることができるNeolukin−2/15の点変異体の位置を示す概略図。受容体結合への干渉を避けるために位置が選択された。図19B)IL−2RβγとのNeolukin−2/15システイン変異体の会合動態はバイオレイヤー干渉測定を用いて測定する。すべてのバリアントは、Neo−2/15とほぼ同様に受容体と会合する。
図20】Neoleukin−4の発現、精製、熱変性の特性評価。図20A)発現およびアフィニティカラムでの精製を示すSDS Tris−Tricineゲル電気泳動。図20B)222nmでの円二色性は、25℃から95℃まで熱融解中で頑強な温度安定性を示す。図20C)25℃、95℃、次いで再度25℃での円二色性波長スキャンは、Neoleukin−4が95℃でも完全に融解せず、25℃に冷却後は、完全にリフォールディングすることを示している。
図21】Neo−2/15またはNeo−2/15−PEGに応答する非ヒト霊長類のサイトカインレベル。群ごとに2個体の非ヒト霊長類(NHP)、群ごとに1個体の雄と1個体の雌が、ビヒクル、Neo−2/15またはNeo−2/15−PEG(PEG40Kに結合したE62Cの単一システイン変異を有するNeo−2/15を含む)のいずれかによる処置に割り当てられた。動物は、0(ビヒクル)、0.1、0.2、もしくは0.3mg/kgのNeo−2/15、または0.05、0.10、もしくは0.15mg/kgのNeo−2/15−PEGのいずれかを、静脈内ボーラスにより投与された。Neo−2/15 PEGで処置された動物は、静脈内ボーラスにより投与された。サイトカイン試料は、投与後0、4、8、および24時間で採取した。サイトカインの血清試料を調製し、−70℃未満で凍結し、分析用に出荷した。試料は、Luminexマルチプレックスイムノアッセイシステムで分析された。IL−10(図21A〜21B)およびIL−15(図21C〜21D)を含むいくつかのサイトカインは、PEG化分子のより持続的な薬力学的効果と一致して、サイトカイン産生の時間経過における顕著な違いを実証した。
図22】例示的な計算ネットワークのブロック図。
図23】例示的な計算装置のブロック図。
図23】クラウドベースのサーバーシステムとして配置された計算装置の例示的なネットワークのブロック図。
図24】方法のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「a」および「an」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈される。文脈上特に必要がない限り、本明細書で使用される単数形には複数形が含まれ、複数形には単数形が含まれるものとする。
【0014】
文脈上明らかに別段に必要でない限り、発明を実施するための形態および特許請求の範囲全体を通して、「comprise(備える)」、「comprising(備えている)」などの語は、排他的意味の対語としての包括的意味、または網羅的意味で、すなわち、「including、but not limited to(含むがそれらに限定されない)」の意味で解釈されたい。単数または複数を使用する単語は、それぞれ、複数および単数も含む。さらに、「本明細書における(herein)」、「上に(above)」、および「以下に(below)」という単語、ならびに類似の趣旨の単語は、本出願で使用される場合、全体としての本出願を指すものであり、本出願のいずれの特定の部分を指すものではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、アミノ酸残基は以下のように省略される:アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、スレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、およびバリン(Val;V)。
【0016】
本発明の任意の態様のすべての実施形態は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、組み合わせて使用することができる。
【0017】
一態様では、本発明は、ドメインX1、X2、X3、およびX4を含む、非天然ポリペプチドを提供し、
(a)X1は、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)と、少なくとも25%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(c)X3は、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号2)と、少なくとも25%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(d)X4は、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号3)と、少なくとも25%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、ドメインのいずれかの間に存在し得、
ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)、またはIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)に結合する。様々な実施形態では、ポリペプチドは、200nM以下、100nM以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で、IL−2RβγまたはIL−4Rαγに結合する。
【0018】
一態様では、本発明は、ドメインX1、X2、X3、およびX4を含む、非天然ポリペプチドを提供し、
(a)X1は、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(c)X3は、
【化8】
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(配列番号2)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
(d)X4は、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号3)と、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、ドメインのいずれかの間に存在し得、
ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合する。様々な実施形態では、ポリペプチドは、200nM以下、100nM以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で、IL−2Rβγに結合する。
【0019】
一態様では、本発明は、ドメインX1、X2、X3、およびX4を含む、非天然ポリペプチドを提供し、
(a)X1は、アミノ酸配列
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号1)を含むペプチドであり、
(b)X2は、少なくとも8アミノ酸長のヘリックスペプチドであり、
(c)X3は、アミノ酸配列
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号2)を含むペプチドであり、
(d)X4は、アミノ酸配列
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号3)を含むペプチドであり、
X1、X2、X3、およびX4は、ポリペプチド内で任意の順序であり得、
アミノ酸リンカーが、ドメインのいずれかの間に存在し得、
ポリペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合する。様々な実施形態では、ポリペプチドは、200nM以下、100nM以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で、IL−2Rβγに結合する。
【0020】
以下の実施例に示されるように、本開示のポリペプチドは、(a)IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合するが、IL−2RαもしくはIL−15Rαの結合部位を有さない、IL−2およびインターロイキン−15(IL−15)の模倣体、または(b)IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)もしくはIL−13受容体αサブユニット(IL−13Rα)に結合するIL−4の模倣体である(天然IL−4および本明細書に記載のIL−4模倣体は、IL−13受容体と交差反応し、IL−4Rα/IL13Rαヘテロ二量体を形成する)。この設計は、超安定で、天然のサイトカインよりも高い親和性で、ヒトおよびマウスIL−2RβγまたはIL−4Rαγに結合し、IL−2RαおよびIL−15Rαとは無関係に、あるいはIL−13Rαとは無関係に、下流の細胞シグナル伝達を誘発する。このポリペプチドは、例えば、癌を治療するために使用することができる。
【0021】
本明細書で使用されるタンパク質模倣体という用語は、別のタンパク質の機能の特定の側面を模倣するタンパク質を指す。2つのタンパク質は、通常、異なるアミノ酸配列および/または異なる構造を有する。とりわけ、IL−2およびIL−15のデノボ模倣体が、本明細書で提供される。これらの模倣体が模倣するIL−2およびIL−15の機能の側面は、STAT5のリン酸化につながるIL−2Rβγcのヘテロ二量体化の誘導である。IL−2とIL−15は両方ともIL−2Rβγcのヘテロ二量体化を通してシグナルを伝達するため、これらの模倣体は、IL−2とIL−15の両方のこの生物学的機能を模倣する。これらの模倣体は、本明細書では、IL−2の模倣体、IL−15の模倣体、またはIL−2とIL−15の両方の模倣体と呼ばれ得る。
【0022】
また、IL−4のデノボ模倣体も提供される。これらの模倣体は、IL−4の特定の機能を模倣することができる。これらの模倣体が模倣するIL−4の機能は、IL−4Rαγのヘテロ二量体化(および/またはIL−4Rα/IL−13Rαのヘテロ二量体化)の誘導である。
【0023】
天然hIL−2は、長い不規則なループで連結された4つのヘリックスで構成されている。N末端ヘリックス(H1)は、βサブユニットおよびγサブユニットの両方と相互作用し、3番目のヘリックス(H3)は、βサブユニットと相互作用し、C末端ヘリックス(H4)は、γサブユニットと相互作用する。αサブユニットの相互作用表面は、不規則な2番目のヘリックス(H2)および2つの長いループによって形成され、片方は、H1をH2に連結し、他方は、H3とH4を連結する。理想化タンパク質を設計および作製し、H1、H3およびH4は、理想化された構造ドメインで置き換えられ、限定されないがヘリックスおよびβ鎖を含み(それぞれ、ドメインX1、X3およびX4と称する)、H1、H3およびH4に触発されてIL−2RβγまたはIL−4Rαγ界面を呈し、H2は、より良好な充填を提供する理想化ヘリックス(ドメインX2と称する)で置換される。実施例に示されるように、広範な変異研究が実施され、各ペプチドドメインのアミノ酸配列は、それぞれ、IL−2またはIL−4受容体への結合を失うことなく広範に修飾でき、ドメインは、IL−2またはIL−4受容体への結合を保持しながら、任意の順序で配置され得ることを実証している。ポリペプチドは、Lアミノ酸およびグリシン、D−アミノ酸およびグリシン、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0024】
したがって、X1、X2、X3、およびX4は、ポリペプチド内で任意の順序であり得、非限定的な実施形態では、順序は、X1−X2−X3−X4、X1−X3−X2−X4、X1−X4−X2−X3、X3−X2−X1−X4、X4−X3−X2−X1、X2−X3−X4−X1、X2−X1−X4−X3などであり得る。
【0025】
ドメインは、任意の長さのアミノ酸組成のアミノ酸リンカーによって分離され得る。リンカーの必要性はなく、一実施形態では、いずれのドメイン間にもリンカーが存在しない。他の実施形態では、アミノ酸リンカーは、ドメインX1、X2、X3、およびX4の間の1、2、または3つすべての接合部の間に存在し得る。リンカーは、意図された用途に適切とみなされる任意の長さであり得る。
【0026】
様々な実施形態では、X1は、配列番号1と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。他の実施形態では、X3は、配列番号2と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。さらなる実施形態では、X4は、配列番号3と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0027】
一実施形態では、ポリペプチドは、IL−2/15模倣体であり、(i)X1は、以下の、残基2にH、および残基5にY、のうちの片方もしくは両方を含み、かつ/または(ii)X3は、以下の、残基1にY、残基3にF、残基4にN、残基7にL、および残基8にI、のうちの1、2、3、4、または5つすべてを含む。さらなる実施形態では、(iii)X4は、残基8にIを含む。
【0028】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−4模倣体であり、(i)X1は、残基2にEおよび残基5にKを含み、かつ(ii)X3は、残基1にF、残基3にK、残基4にR、残基7にR、および残基8にNを含む。さらなる実施形態では、(iii)X4は、残基8にFを含む。
【0029】
これらの実施形態のすべてにおいて、X1、X3、およびX4は、任意の好適な長さであり得、各ドメインが、それぞれ配列番号1、2、および3のペプチド以外の任意の好適な数の追加のアミノ酸を含み得ることを意味する。一実施形態では、X1は、ペプチド
【化13】
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(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化14】
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(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化15】
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(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0030】
一実施形態では、X1は、ペプチド
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化18】
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(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0031】
一実施形態では、X1は、ペプチド
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化21】
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(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0032】
一実施形態では、X1は、ペプチド
【化22】
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(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化24】
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(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0033】
一実施形態では、X1は、ペプチド
【化25】
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(配列番号4)と、その長さに沿って、少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化27】
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(配列番号6)と、その長さに沿って、少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0034】
一実施形態では、X1は、ペプチド
【化28】
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(配列番号4)と、その長さに沿って、100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X3は、ペプチド
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号5)と、その長さに沿って、100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、X4は、ペプチド
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号6)と、その長さに沿って、100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0035】
一実施形態では、ポリペプチドは、IL−2/15模倣体であり、(i)X1は、以下の、残基7にL、残基8にH、残基11にH、残基14にY、残基18にM、のうちの1、2、3、4、または5つすべてを含み、かつ/あるいは(ii)X3は以下の、残基3にD、残基4にY、残基6にF、残基7にN、残基10にL、残基11にI、残基13にE、または残基14にE、のうちの1、2、3、4、5、6、7、または8つすべてを含む。さらなる実施形態では、(iii)X4は、残基19にIを含む。
【0036】
IL−2模倣体の一実施形態では、参照ペプチドドメイン(すなわち、配列番号1、2、3、4、5、または6)に対するアミノ酸置換は、太字でマークされたアミノ酸(AA)残基では起こらない。
【0037】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−4/IL−13模倣体であり、
X1は、ペプチド
【化31】
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(配列番号8)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X3は、ペプチド
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号9)と、その長さに沿って、少なくとも37%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
X4は、ペプチド
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号10)と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドであり、
【0038】
(i)X1は、残基7にI、残基8にTまたはM、残基11にE、残基14にK、および残基18にSを含み、
(ii)X3は、残基3にR、残基4にF、残基6にK、残基7にR、残基10にR、残基11にN、残基13にW、および残基14にGを含む。
【0039】
さらなる実施形態では、(iii)X4は、残基19にFを含む。
【0040】
一実施形態では、参照ペプチドドメインに対するアミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」は、所与のアミノ酸を、同様の生理化学的特性を有する残基で置換することができ、例えば、1つの脂肪族残基を別のものに置換すること(Ile、Val、Leu、またはAlaなどを互いに)、または、1つの極性残基の別のものとの置換(LysとArg間、GluとAsp間、またはGlnとAsn間など)ができる。他のそのような保存的置換、例えば、類似の疎水性特性を有する領域全体の置換は既知である。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、本明細書に記載のアッセイのいずれか1つで試験して、所望の活性、例えば、抗原結合活性および天然または参照ポリペプチドの特異性、が保持されていることを確認することができる。アミノ酸は、それらの側鎖の特性の類似性に従ってグループ化することができる(A.L.Lehninger,in Biochemistry,second ed.,pp.73−75,Worth Publishers,New York (1975)):(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M)、(2)無荷電極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q)、(3)酸性:Asp(D)、Glu(E)、(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)。あるいは、天然残基は、一般的な側鎖の特性に基づいてグループに分けることができる:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、(3)酸性:Asp、Glu、(4)塩基性:His、Lys、Arg、(5)鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro、(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。非保存的置換では、これらのクラスのうちの1つのメンバーを、別のクラスに交換する必要があろう。特定の保存的置換には、例えば、AlaをGlyまたはSerに、ArgをLysに、AsnをGlnまたはHisに、AspをGluに、CysをSerに、GlnをAsnに、GluをAspに、GlyをAlaまたはProに、HisをAsnまたはGlnに、IleをLeuまたはValに、LeuをIleまたはValに、LysをArg、Gln、またはGluに、MetをLeu、Tyr、またはIleに、PheをMet、Leu、またはTyrに、SerをThrに、ThrをSerに、TrpをTyrに、TyrをTrpに、および/またはPheをVal、Ile、またはLeuに、置換することを含む。
【0041】
一実施形態では、配列番号4に対するX1のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択される。
【表1】
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【0042】
一実施形態では、ポリペプチドは、IL−4模倣体であり、位置7はI、位置8はMまたはT、位置11はE、位置14はK、および位置18はSである。
【0043】
別の実施形態では、ポリペプチドはIL−2模倣体であり、以下の、位置7はI、位置8はMまたはT、位置11はE、位置14はK、および位置18はS、であるのうちの1、2、3、4、または5つが真ではない。
【0044】
別の実施形態では、配列番号5に対するX3のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択される。
【表2】
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【0045】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−4/IL−13模倣体であり、位置3はR、位置4はF、位置6はK、位置7はR、位置10はR、位置11はN、位置13はW、および位置14はGである。
【0046】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−2模倣体であり、以下の、位置3はR、位置4はF、位置6はK、位置7はR、位置10はR、位置11はN、位置13はW、および位置14はG、であるのうちの1、2、3、4、5、6、7、または8つすべてが真ではない。
【0047】
そのような実施形態のいずれにおいても、ポリペプチドはさらに、配列番号5に対する位置17には、H、K、L、NおよびRのアミノ酸残基に加えて、システインを可能にする。したがって、配列番号5に対するX3のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択することができる。
【表3】
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【0048】
別の実施形態では、配列番号6に対するX4のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択される。
【表4】
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【0049】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−4/IL−13模倣体であり、位置19はIである。別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−2模倣体であり、位置19はIではない。
【0050】
そのような実施形態のいずれにおいても、ポリペプチドはさらに、配列番号6に対する位置3には、E、G、HおよびKのアミノ酸残基に加えて、システインを可能にする。
【0051】
したがって、配列番号6に対するX4のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択することができる。
【表5】
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【0052】
本明細書に記載されるように、ドメインX2は、構造ドメインであり、したがって、関連する他のドメインを連結し(ドメインの順序に応じて)、それらをフォールディングすることを可能にする任意のアミノ酸配列を使用することができる。必要な長さは、作製されるタンパク質の構造によって異なり、8アミノ酸以上にすることができる。例示的かつ非限定的な一実施形態では、X2は、
【化34】
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(配列番号7)と、その長さに沿って、少なくとも20%、27%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のアミノ酸配列を含むペプチドである。さらなる実施形態では、配列番号7に対するX2のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択される。
【表6】
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【0053】
別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−4/IL−13模倣体であり、位置11はIである。別の実施形態では、ポリペプチドは、IL−2模倣体であり、位置11はIではない。
【0054】
そのような実施形態のいずれかにおいても、ポリペプチドはさらに、配列番号7に対する位置5または16には、システインを可能にする。
【0055】
あるいは、そのような実施形態のいずれかにおいても、ポリペプチドはさらに、配列番号7に対する位置1、2、5、9または16には、システインを可能にする。
【0056】
したがって、配列番号7に対するX2のアミノ酸残基は、以下からなる群から選択することができる。
【表7】
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【0057】
別の実施形態では、ポリペプチドは、以下のポリペプチド(すなわち、配列番号11〜94、103〜184、190〜243、および245〜247)からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。下線が引かれた残基は、リンカーであり、任意選択的であり、リンカーの各残基は、存在する場合、任意のアミノ酸を含み得る。以下の各バリアントについて、2つの配列番号、任意選択的かつ可変的であるリンカー位置を含む第1の配列番号および以下に示される配列を列挙する第2の配列番号、が提供される。
【表8-1】
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【表8-2】
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【表8-3】
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【表8-4】
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【表8-5】
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【表8-6】
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【表8-7】
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【表8-8】
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【0058】
以下の各バリアントについて、2つの配列番号、以下に示される配列を列挙する第1の配列番号および任意選択的かつ可変的であるリンカー位置を含む第2の配列番号、が提供される。
>Neoleukin−2/15_R50C(配列番号190)
【化35】
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>Neoleukin−2/15_R50C(配列番号217)
【化36】
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>Neoleukin−2/15_E53C(配列番号191)
【化37】
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>Neoleukin−2/15_E53C(配列番号218)
【化38】
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>Neoleukin−2/15_D56C(配列番号192)
【化39】
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>Neoleukin−2/15_D56C(配列番号219)
【化40】
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>Neoleukin−2/15_K58C(配列番号193)
【化41】
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>Neoleukin−2/15_K58C(配列番号220)
【化42】
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>Neoleukin−2/15_D59C(配列番号194)
【化43】
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>Neoleukin−2/15_D59C(配列番号221)
【化44】
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>Neoleukin−2/15_E62C(配列番号195)
【化45】
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>Neoleukin−2/15_E62C(配列番号222)
【化46】
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>Neoleukin−2/15_R66C(配列番号196)
【化47】
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>Neoleukin−2/15_R66C(配列番号223)
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
>Neoleukin−2/15_E69C(配列番号197)
【化49】
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>Neoleukin−2/15_E69C(配列番号224)
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
>Neoleukin−2/15_R73C(配列番号198)
【化51】
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>Neoleukin−2/15_R73C(配列番号225)
【化52】
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>Neoleukin−2/15_T77C(配列番号199)
【化53】
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>Neoleukin−2/15_T77C(配列番号226)
【化54】
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>Neoleukin−2/15_E82C(配列番号200)
【化55】
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>Neoleukin−2/15_E82C(配列番号227)
【化56】
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>Neoleukin−2/15_E85C(配列番号201)
【化57】
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>Neoleukin−2/15_E85C(配列番号228)
【化58】
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>Neoleukin−2/15_R50C_R73C(配列番号202)
【化59】
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>Neoleukin−2/15_R50C_R73C(配列番号229)
【化60】
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>Neoleukin−2/15_E53C_R73C(配列番号203)
【化61】
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>Neoleukin−2/15_E53C_R73C(配列番号230)
【化62】
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>Neoleukin−2/15_D56C_R73C(配列番号204)
【化63】
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>Neoleukin−2/15_D56C_R73C(配列番号231)
【化64】
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>Neoleukin−2/15_K58C_R73C(配列番号205)
【化65】
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>Neoleukin−2/15_K58C_R73C(配列番号232)
【化66】
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>Neoleukin−2/15_D59C_R73C(配列番号206)
【化67】
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>Neoleukin−2/15_D59C_R73C(配列番号233)
【化68】
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>Neoleukin−2/15_E62C_R73C(配列番号207)
【化69】
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>Neoleukin−2/15_E62C_R73C(配列番号234)
【化70】
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>Neoleukin−2/15_R66C_R73C(配列番号208)
【化71】
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>Neoleukin−2/15_R66C_R73C(配列番号235)
【化72】
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>Neoleukin−2/15_R50C_E82C(配列番号209)
【化73】
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>Neoleukin−2/15_R50C_E82C(配列番号236)
【化74】
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>Neoleukin−2/15_E53C_E82C(配列番号210)
【化75】
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>Neoleukin−2/15_E53C_E82C(配列番号237)
【化76】
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>Neoleukin−2/15_D56C_E82C(配列番号211)
【化77】
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>Neoleukin−2/15_D56C_E82C(配列番号238)
【化78】
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>Neoleukin−2/15_K58C_E82C(配列番号212)
【化79】
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>Neoleukin−2/15_K58C_E82C(配列番号239)
【化80】
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>Neoleukin−2/15_D59C_E82C(配列番号213)
【化81】
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>Neoleukin−2/15_D59C_E82C(配列番号240)
【化82】
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>Neoleukin−2/15_E62C_E82C(配列番号214)
【化83】
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>Neoleukin−2/15_E62C_E82C(配列番号241)
【化84】
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>Neoleukin−2/15_R66C_E82C(配列番号215)
【化85】
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>Neoleukin−2/15_R66C_E82C(配列番号242)
【化86】
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>Neoleukin−2/15_E69C_E82C(配列番号216)
【化87】
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>Neoleukin−2/15_E69C_E82C(配列番号243)
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0059】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号90、181、および247からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0060】
別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号90、181、または247のアミノ酸配列と同一のポリペプチドを含み、ポリペプチドは、(i)ヒトまたはマウスIL−2Rαに結合せず、(ii)約11.2nMの親和性で、ヒトIL2RBに結合し、(iii)約16.1nMの親和性で、マウスIL2RBに結合し、(iv)約18.8nMの親和性で、ヒトIL−2Rβγに結合し、かつ(v)約3.4nMの親和性で、マウスIL−2Rβγに結合する。
【0061】
全長ポリペプチドのこれらの実施形態のいずれにおいても、ポリペプチドは、IL−4/IL−13模倣体であり得、位置7はI、位置8はTまたはM、位置11はE、位置14はK、位置18はS、位置33はQ、位置36はR、位置37はF、位置39はK、位置40はR、位置43はR、位置44はN、位置46はW、および位置47はGである。さらなる実施形態では、位置68はIであり、位置98はFである。
【0062】
全長ポリペプチドのこれらの実施形態のいずれかにおいて、ポリペプチドは、IL−2模倣体であり得、以下の、位置7はI、位置8はTまたはM、位置11はE、位置14はK、位置18はS、位置33はQ、位置36はR、位置37はF、位置39はK、位置40はR、位置43はR、位置44はN、位置46はW、および位置47はG、であるのうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個すべてが真ではない。さらなる実施形態では、以下の、位置68はI、および位置98はF、であるのうちの片方または両方が真ではない。
【0063】
一実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドは、天然IL−2の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満、1.5Å未満、または1Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う三次元構造を有する。
【0064】
別の実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドは、表E2の構造座標を有する三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満、1.5Å未満、または1Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う三次元構造を有する。
【0065】
さらなる実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドは、マウスIL−2受容体βγとの三元複合体時に、マウスIL−2受容体βγとの三元複合体時に、天然IL−2の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満、1.5Å未満、または1Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を有する構造座標を伴う三次元構造を有する。
【0066】
別の実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−4模倣ポリペプチドは、天然IL−4の三次元構造の骨格原子またはα炭素原子に重ね合わせた場合、2.5Å未満、1.5Å未満、または1Å未満の共通残基の骨格原子またはα炭素原子の平均二乗偏差を含む構造座標を伴う三次元構造を有する。
【0067】
これらの実施形態の各々において、ポリペプチドの三次元構造は、計算モデリングを使用して決定され得るか、または、代替的に、ポリペプチドの三次元構造は、結晶学的に決定された構造データを使用して決定され得る。
【0068】
本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせの一実施形態では、X1、X2、X3、およびX4は、αヘリックスのドメインである。別の実施形態では、X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、独立して、少なくとも約8、10、12、14、16、19、またはそれ以上のアミノ酸長である。他の実施形態では、X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、独立して、1000、500、400、300、200、100、または50以下のアミノ酸長である。様々なさらなる実施形態では、X1、X2、X3およびX4の各々のアミノ酸長は、独立して、約8〜1000、8〜500、8〜400、8〜300、8〜200、8〜100、8〜50、10〜1000、10〜500、10〜400、10〜300、10〜200、10〜100、10〜50、12〜1000、12〜500、12〜400、12〜300、12〜200、12〜100、12〜50、14〜1000、14〜500、14〜400、14〜300、14〜200、14〜100、14〜50、16〜1000、16〜500、16〜400、16〜300、16〜200、16〜100、16〜50、19〜1000、19〜500、19〜400、19〜300、19〜200、19〜100、または約19〜50アミノ酸長である。
【0069】
別の実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチド、X1は、ヒトIL−2受容体のβおよびγサブユニットに結合する。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドの別の実施形態では、X2は、ヒトIL−2受容体に結合しない。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドの別の実施形態では、X3は、ヒトIL−2受容体のβサブユニットに結合する。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドのさらなる実施形態では、X4は、ヒトIL−2受容体のγサブユニットに結合する。別の実施形態または本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドでは、ポリペプチドは、ヒトまたはマウスIL−2受容体のαサブユニットに結合しない。一実施形態では、受容体への結合は、生物学的に適切な濃度での表面プラズモン共鳴によって決定されるような特異的結合である。別の実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組合せのIL−2模倣ペプチドは、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ)に結合し、200nM以下、100nM以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で結合する。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドのさらなる実施形態では、ヒトおよびマウスIL−2受容体に対するポリペプチドの親和性は、天然IL−2の親和性とほぼ同等かまたはそれを超える。
【0070】
本明細書に開示される任意の実施形態または組合せのIL−4模倣ポリペプチドの一実施形態では、IL−4受容体αγヘテロ二量体(IL−4Rαγ)に結合し、200nM以下、100nM以下、50nM以下、または25nM以下の結合親和性で結合する。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−4模倣ポリペプチドの別の実施形態では、ヒトおよびマウスIL−4受容体に対するポリペプチドの親和性は、天然IL−4の親和性とほぼ同等かまたはそれを超える。
【0071】
本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、天然IL−2とほぼ同等かまたはそれを超える効力で、IL−2受容体を発現する細胞において、STAT5のリン酸化を刺激する。本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、天然IL−2とほぼ同等かまたはそれを超える効力で、IL−2受容体を発現する細胞において、IL−2受容体βγヘテロ二量体を発現するが、IL−2受容体αを欠く細胞において、STAT5のリン酸化を刺激する。
【0072】
別の実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのIL−2模倣ポリペプチドは、天然IL−2の熱安定性とほぼ同等かまたはそれを超える熱安定性を実証する。
【0073】
さらなる実施形態では、本明細書に開示される任意の実施形態または実施形態の組み合わせのポリペプチドは、ポリペプチドが、熱安定性試験後に、それらのフォールディングした構造の少なくとも70%、80%、または90%を維持または回復し、かつ/あるいは、熱安定性試験後に、少なくとも80%のそれらの楕円率スペクトルを維持または回復し、かつ/あるいは、熱安定性試験後に、少なくとも70%または80%のそれらの活性を維持または回復する。一実施形態では、そのような活性は、STAT5リン酸化アッセイによって決定される。別の実施形態では、熱安定性は、222nmでの円二色性(CD)分光法によって測定される。さらなる実施形態では、熱安定性試験は、ポリペプチドを1時間の時間枠で25℃から95℃に加熱し、ポリペプチドを5分の時間枠で25℃に冷却し、222nmで楕円率をモニターすることを含む。
【0074】
本明細書に記載のポリペプチドは、化学合成または組換え発現することができる(ポリペプチドが遺伝的にコード可能な場合)。ポリペプチドは、インビボで半減期の増加を促進する安定化化合物などの他の化合物に連結され得、限定されないが、アルブミン、PEG化(1つ以上のポリエチレングリコール鎖の結合)、HES化、PAS化、グリコシル化を含み、あるいはFc融合または脱免疫バリアントとして産生され得る。このような結合は、共有結合または非共有結合であり得る。例えば、部分を含むポリエチレングリコール(「PEG」)の付加は、ポリペプチドのシステイン残基への、マレイミド基(「PEG−MAL」)に連結された(linked)PEG基の結合を含み得る。PEG−MALの好適な例は、メトキシPEG−MAL 5kD、メトキシPEG−MAL 20kD、メトキシ(PEG)2−MAL 40kD、メトキシPEG(MAL)2 5kD、メトキシPEG(MAL)2 20kD、メトキシPEG(MAL)2 40kD、またはそれらの任意の組み合わせである。米国特許第8,148,109号も参照のこと。他の実施形態では、PEGは、分岐鎖PEGおよび/または複数のPEG鎖を含み得る。
【0075】
一実施形態では、安定化化合物は、限定されないが、PEG含有部分を含み、ポリペプチドのシステイン残基で連結されている。別の実施形態では、システイン残基は、X2ドメインに存在する。一部の実施形態では、システイン残基は、例えば、X2ドメインのいくつかの位置のいずれか1つに存在する。一部のこのような実施形態では、X2ドメインは、少なくとも19アミノ酸長であり、システイン残基は、それらの19アミノ酸に対する位置1、2、5、9または16にある。さらなる実施形態では、PEG含有部分を含むがこれに限定されない安定化化合物は、マレイミド基を介して、配列番号90に対するアミノ酸残基62に存在するシステイン残基に連結されることを含むがこれに限定されない、システイン残基に連結される。
【0076】
一部の態様では、ポリペプチドは、Neo−2/15ポリペプチドであり、Neo−2/15のアミノ酸は、安定化部分(例えば、PEG含有部分)をそれに結合するためにシステイン残基に変異している。一部の態様では、ポリペプチドは、Neo−2/15ポリペプチドであり、配列番号90、181、または247に対する位置50、53、62、69、73、82、56、58、59、66、77、または85のアミノ酸、あるいはそれらの組み合わせは、安定化部分(例えば、PEG含有部分)をそれらに結合するためにシステイン残基に変異している。したがって、さらなる実施形態では、ポリペプチドは、配列番号90、181、または247[Neo−2/15]のアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、以下の変異のうちの1、2、3、4、5、または6つすべてが存在する。
R50C、
E53C、
E62C、
E69C、
R73Cおよび/または
E82C。
【0077】
さらなる実施形態では、ポリペプチドは、配列番号90、181、または247のアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、以下の変異のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個すべてが存在する。
D56C、
K58C、
D59C、
R66C、
T77C、
E85C、
R50C、
E53C、
E62C、
E69C、
R73Cおよび/または
E82C。
【0078】
さらなる実施形態では、ポリペプチドは、配列番号190〜243からなる群から選択されるアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0079】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号190および217からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号190のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0080】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号191および218からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号191のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0081】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号192および219からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号192のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0082】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号193および220からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号193のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0083】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号194および221からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号194のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0084】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号195および222からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号195のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0085】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号196および223からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号196のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0086】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号197および224からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号197のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0087】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号198および225からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号198のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0088】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号199および226からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号199のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0089】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号200および227からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号200のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0090】
一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号201および228からなる群から選択されるアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。一態様では、ポリペプチドは、配列番号201のアミノ酸配列と、その長さに沿って、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0091】
別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号195、207、214、222、234、および241からなる群から選択されるアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含み、あるいは、ポリペプチドは、配列番号195、207、および214からなる群から選択されるアミノ酸配列の全長と、少なくとも25%、27%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または100%同一のポリペプチドを含む。
【0092】
さらなる実施形態では、ポリペプチドは、標的化ドメインをさらに含む。この実施形態では、ポリペプチドは、目的の標的を対象とすることができる。標的化ドメインは、ポリペプチドに共有結合または非共有結合し得る。標的化ドメインがポリペプチドに非共有結合している実施形態では、そのような非共有結合のための任意の好適な手段を使用することができ、限定されないが、ストレプトアビジン−ビオチンリンカーが含まれる。
【0093】
別の実施形態では、標的化ドメインは、存在する場合、ポリペプチドとの翻訳融合物である。この実施形態では、ポリペプチドおよび標的化ドメインは、翻訳融合物において互いに直接隣接してもよく、または意図された目的に好適なポリペプチドリンカーによって連結されてもよい。例示的なそのようなリンカーとしては、WO2016/178905、WO2018/153865(特に、13ページ目)、およびWO2018/170179(特に、段落[0316]〜[0317])に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、好適なリンカーとしては、これらに限定されないが、GGGGG(配列番号95)、GSGGG(配列番号96)、GGGGGG(配列番号97)、GGSGGG(配列番号98)GGSGGSGGGSGGSGSG(配列番号99)、GSGGSGGGSGGSGSG(配列番号100)、GGSGGSGGGSGGSGGGGSGGSGGGSGGGGS(配列番号101)、および[GGGGX](配列番号102)が挙げられ、ここで、Xは、Q、EまたはSであり、nは、2〜5である。
【0094】
標的化ドメインは、目的の標的に結合するポリペプチドドメインまたは小分子である。1つの非限定的な実施形態では、標的化ドメインは、細胞表面タンパク質に結合する。この実施形態では、細胞は、好適な標的化ドメインによって結合され得る表面タンパク質を含む、目的の任意の細胞型であり得る。一実施形態では、細胞表面タンパク質は、腫瘍細胞、腫瘍血管構成細胞、腫瘍微小環境細胞(例えば、線維芽細胞、浸潤性免疫細胞、または間質要素)、他の癌細胞および免疫細胞(CD8+T細胞、制御性T細胞、樹状細胞、NK細胞、またはマクロファージを含むが、これらに限定されない)からなる群から選択される細胞の表面に存在する。細胞表面タンパク質が、腫瘍細胞、血管構成細胞、または腫瘍微小環境細胞(例えば、線維芽細胞、浸潤性免疫細胞、または間質要素)の表面にある場合、任意の好適な腫瘍細胞、血管構成細胞、または腫瘍微小環境細胞の表面マーカーとしては、限定されないが、EGFR、EGFRvIII、Her2、HER3、EpCAM、MSLN、MUC16、PSMA、TROP2、ROR1、RON、PD−L1、CD47、CTLA−4、CD5、CD19、CD20、CD25、CD37、CD30、CD33、CD40、CD45、CAMPATH−1、BCMA、CS−1、PD−L1、B7−H3、B7−DC、HLD−DR、癌胎児性抗原(CEA)、TAG−72、MUC1、葉酸結合タンパク質、A33、G250、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、フェリチン、GD2、GD3、GM2、Le、CA−125、CA19−9、上皮増殖因子、p185HER2、IL−2受容体、EGFRvIII(de2−7 EGFR)、線維芽細胞活性化タンパク質、テネイシン、メタロプロテイナーゼ、エンドシアリン、血管内皮増殖因子、avB3、WT1、LMP2、HPV E6、HPV E7、Her−2/neu、MAGE A3、非変異p53、NY−ESO−1、メランA/MART1、Ras変異体、gp100、p53変異体、PR1、bcr−abl、チロンシナーゼ、サバイビン、PSA、hTERT、肉腫転座ブレークポイントタンパク質、EphA2、PAP、ML−IAP、AFP、ERG、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、ポリシアル酸、MYCN、RhoC、TRP−2、フコシルGM1、メソテリン(MSLN)、PSCA、MAGE Al、sLe(動物)、CYP1B1、PLAV1、GM3、BORIS、Tn、GloboH、ETV6−AML、NY−BR−1、RGS5、SART3、STn、炭酸脱水酵素IX、PAX5、OY−TESL精子タンパク質17、LCK、HMWMAA、AKAP−4、SSX2、XAGE1、レグマイン、Tie3、VEGFR2、MAD−CT−1、PDGFR−B、MAD−CT−2、ROR2、TRAIL1、MUC16、MAGE A4、MAGE C2、GAGE、EGFR、CMET、HER3、MUC15、CA6、NAPI2B、TROP2、CLDN6、CLDN16、CLDN18.2、CLorf186、RON、LY6E、FRA、DLL3、PTK7、STRA6、TMPRSS3、TMPRSS4、TMEM238、UPK1B、VTCN1、LIV1、ROR1、およびFos関連抗原1、が挙げられる。
【0095】
他の実施形態では、細胞表面タンパク質が、腫瘍細胞、血管構成細胞、または腫瘍微小環境細胞(例えば、線維芽細胞、浸潤性免疫細胞、または間質要素)の表面にある場合、任意の好適な腫瘍細胞、血管構成細胞、または腫瘍微小環境細胞の表面マーカーを標的とすることができ、限定されないが、以下のリストの標的を含む:
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質受容体タイプIB、Genbank受入番号NM.sub.−−001203)、
(2)E16(LAT1、SLC7A5、Genbank受入番号NM.sub.−−003486)、
(3)STEAP1(前立腺の6回膜貫通型上皮抗原、Genbank受入番号NM.sub.−−012449)、
(4)0772P(CA125、MUC16、Genbank受入番号AF361486)、
(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン、Genbank受入番号NM.sub.−−005823)、
(6)Napi3b(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、溶質輸送体ファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、II型ナトリウム依存性リン酸トランスポーター3b、Genbank受入番号NM.sub.−−006424)、
(7)Sema 5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5b Hlog、semaドメイン、7つのトロンボスポンジンリピート(タイプ1およびタイプ1様)、膜貫通ドメイン(TM)および短い細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B、Genbank受入番号AB040878)、
(8)PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKEN cDNA 2700050C12、RIKEN cDNA 2700050C12遺伝子、Genbank受入番号AY358628)、
(9)ETBR(エンドセリンB型受容体、Genbank受入番号AY275463)、
(10)MSG783(RNF124、仮想タンパク質FLJ20315、Genbank受入番号NM.sub.−−017763)、
(11)STEAP2(HGNC−8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌関連タンパク質1、前立腺の6回膜貫通型上皮抗原2、6回膜貫通型前立腺タンパク質、Genbank受入番号AF455138)、
(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、一過性受容器電位カチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4、Genbank受入番号NM.sub.−−017636)、
(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形腫由来増殖因子、Genbank受入番号NP.sub.−−003203またはNM.sub.−−003212)、
(14)CD21(CR2(補体受容体2)またはC3DR(C3d/エプスタインバーウイルス受容体)またはHs.73792、Genbank受入番号M26004)、
(15)CD79b(IGb(免疫グロブリン関連β)、B29、Genbank受入番号NM.sub.−−000626)、
(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(ホスファターゼアンカータンパク質1aを含むSH2ドメイン)、SPAP1B、SPAP1C、Genbank受入番号NM_−−030764)、
(17)HER2(Genbank受入番号M11730)、
(18)NCA(Genbank受入番号M18728)、
(19)MDP(Genbank受入番号BC017023)、
(20)IL20R.α.(Genbank受入番号AF184971)、
(21)ブレビカン(Genbank受入番号AF229053)、
(22)Ephb2R(Genbank受入番号NM_−−004442)、
(23)ASLG659(Genbank受入番号AX092328)、
(24)PSCA(Genbank受入番号AJ297436)、
(25)GEDA(Genbank受入番号AY260763)、
(26)BAFF−R(Genbank受入番号NP_−−443177.1)、
(27)CD22(Genbank受入番号NP−001762.1)、
(28)CD79a(CD79A、CD79α、免疫グロブリン関連α、Igβ(CD79B)と共有結合的に相互作用し、IgM分子と表面で複合体を形成するB細胞特異的タンパク質は、B−細胞分化に関与するシグナルを伝達する。Genbank受入番号NP_−−001774.1)、
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫受容体1、CXCL13ケモカインによって活性化されるGタンパク質共役型受容体は、リンパ球の遊走と液性防御において機能し、HIV−2感染、おそらくAIDS、リンパ腫、骨髄腫および白血病の発症に関与する。Genbank受入番号NP_−−001707.1)、
(30)HLA−DOB(ペプチドに結合し、それらをCD4+Tリンパ球に提示するMHCクラスII分子(Ia抗原)のβサブユニット、Genbank受入番号NP_−−002111.1)、
(31)P2X5(細胞外ATPによって開口するイオンチャネルであるプリン受容体P2Xリガンド開口型イオンチャネル5は、シナプス伝達および神経新生に関与している可能性があり、欠損は特発性排尿筋不安定性の病態生理学に寄与する可能性がある。Genbank受入番号NP_−−002552.2)、
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2、Genbank受入番号NP_−−001773.1)、
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチリピート(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質は、B細胞の活性化およびアポトーシスを調節し、機能の喪失は全身性エリテマトーデスの患者で疾患活動性の上昇と関連している。Genbank受入番号NP_−−005573.1)、
(34)FCRH1(C2型Ig様およびITAMドメインを含む免疫グロブリンFcドメインに対する推定受容体であるFc受容体様タンパク質1は、Bリンパ球の分化に役割を有する可能性がある。Genbank受入番号NP_−−443170.1)、または
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリー受容体転座関連2、B細胞の発生およびリンパ腫形成に役割を有する可能性がある免疫受容体、転座による遺伝子の調節解除が、一部のB細胞悪性腫瘍で生じる。Genbank受入番号NP_−−112571.1)。
【0096】
別の実施形態では、標的化ドメインは、免疫細胞表面マーカーに結合する。この実施形態では、標的は、限定されないが、CD8+T細胞、制御性T細胞、樹状細胞、NK細胞またはマクロファージを含む、任意の好適な免疫細胞上の細胞表面タンパク質であり得る。標的化ドメインは、任意の好適な免疫細胞表面マーカーであり得(内在性または操作免疫細胞で、限定されないが、改変CAR−T細胞を含む)、限定されないが、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD21、CD25、CD37、CD30、CD33、CD40、CD68、CD123、CD254、PD−1、B7−H3、およびCTLA−4を含む。別の実施形態では、標的化ドメインは、PD−1、PDL−1、CTLA−4、TROP2、B7−H3、CD33、CD22、炭酸脱水酵素IX、CD123、ネクチン−4、組織因子抗原、CD154、B7−H3、B7−H4、FAP(線維芽細胞活性化タンパク質)またはMUC16に結合する、および/または、標的化ドメインは、PD−1、PDL−1、CTLA−4、TROP2、B7−H3、CD33、CD22、炭酸脱水酵素IX、CD123、ネクチン−4、組織因子抗原、CD154、B7−H3、B7−H4、FAP(線維芽細胞活性化タンパク質)またはMUC16に結合する。
【0097】
これらすべての実施形態では、標的化ドメインは、目的の標的に結合する任意の好適なポリペプチドであり得、本開示のポリペプチドに組み込まれ得る。非限定的な実施形態では、標的化ドメインは、限定されないが、scFv、F(ab)、F(ab’)、B細胞受容体(BCR)、DARPin、アフィボディ、モノボディ、ナノボディ、ダイアボディ、抗体(単一特異性または二重特異性抗体を含む)、限定されないがRGDを含む細胞標的化オリゴペプチド、インテグリン結合ペプチド、デノボ設計バインダー、アプタマー、二環ペプチド、コノトキシン、葉酸などの小分子、および細胞表面に結合するウイルス、を含み得る。
【0098】
別の実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも1つのジスルフィド結合を含む(すなわち、1、2、3、4、またはそれ以上のジスルフィド結合)。2つの異なるヘリックスを連結するジスルフィド結合など、任意の好適なジスルフィド結合を使用することができる。一実施形態では、ジスルフィド結合は、ヘリックス1(X1)およびヘリックス4(X4)を連結するジスルフィド結合を含む。ジスルフィド結合は、例えば、2つのドメインを一緒に連結するジスルフィド結合を有さない実質的に類似のポリペプチドと比較して、ポリペプチドの熱安定性を改善し得る。
【0099】
本発明のポリペプチドおよびペプチドドメインは、本開示のポリペプチドまたはペプチドドメインに存在しない、N末端、C末端、またはその両方に追加の残基を含み得る。これらの追加の残基は、参照ポリペプチドに対する本開示のポリペプチドまたはペプチドドメインのパーセント同一性の決定には含まれない。そのような残基は、限定されないが、検出タグ(すなわち、蛍光タンパク質、抗体エピトープタグなど)、アダプター、精製の目的に好適なリガンド(Hisタグなど)、ポリペプチドなどに機能性を付加する他のペプチドドメインを含む、意図された用途に好適な任意の残基であり得る。そのような基の結合に好適な残基は、システイン、リジンまたはp−アセチルフェニルアラニン残基を含み得るか、または米国特許第9,676,871号および同第9,777,070号に開示されるトランスグルタミナーゼとの反応に好適なアミノ酸タグなどのタグであり得る。
【0100】
さらなる態様では、本発明は、遺伝的にコードされ得る本発明のポリペプチドをコードする、単離された核酸を含む核酸を提供する。単離された核酸配列は、RNAまたはDNAを含み得る。そのような単離された核酸配列は、限定されないが、ポリA配列、修飾コザック配列、およびエピトープタグをコードする配列、輸送シグナル、および分泌シグナル、核局在化シグナル、および細胞膜局在化シグナルを含み、精製を促進するおよび/またはコードされたタンパク質を発現するのに有用な追加の配列を含み得る。本明細書の教示に基づいて、どの核酸配列が本開示のポリペプチドをコードするかは、当業者には明らかであろう。
【0101】
別の態様では、本発明は、好適な制御配列に作動可能に連結された本発明の任意の態様の単離された核酸を含む組換え発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」は、核酸コード領域または遺伝子を、遺伝子産物の発現をもたらすことができる任意の制御配列に機能的に連結するベクターを含む。本発明の核酸配列に機能可能に連結された「制御配列」は、核酸分子の発現をもたらすことができる核酸配列である。制御配列が核酸配列と隣接している必要がないのは、それらがその発現を指示するように機能する場合である。したがって、例えば、介在する非翻訳であるが転写された配列は、プロモーター配列と核酸配列との間に存在し得、プロモーター配列は、依然としてコード配列に「作動可能に連結されている」とみなされ得る。他のそのような制御配列には、ポリアデニル化シグナル、終結シグナル、およびリボソーム結合部位が含まれるが、これらに限定されない。そのような発現ベクターには、プラスミドおよびウイルスベースの発現ベクターが含まれるが、これらに限定されない。プロモーターは、構成的でもよく(限定されないが、CMV、SV40、RSV、アクチン、EFを含む様々なプロモーターのいずれかによって駆動される)、または誘導性でもよい(限定されないが、テトラサイクリン、エクジソン、ステロイド応答性を含むいくつかの誘導性プロモーターのいずれかによって駆動される)。発現ベクターは、エピソームとして、または宿主染色体DNAへの組み込みにより、宿主生物において複製可能でなければならない。様々な実施形態では、発現ベクターは、プラスミド、ウイルスベースのベクター(限定されないが、レトロウイルスベクターまたは腫瘍溶解性ウイルスを含む)、または任意の他の好適な発現ベクターを含んでもよい。一部の実施形態では、発現ベクターは、治療上の利益のためにインビボでポリペプチドを発現するように、本開示の方法で投与され得る。非限定的な実施形態では、発現ベクターは、細胞治療標的(限定されないが、CAR−T細胞または腫瘍細胞を含む)をトランスフェクトまたは形質導入して、本明細書に開示される治療方法を実施するために使用され得る。
【0102】
さらなる態様において、本開示は、本明細書に開示される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を提供し、宿主細胞は原核生物または真核生物のいずれでもよい。細胞は、限定されないが、細菌の形質転換、リン酸カルシウム共沈、エレクトロポレーション、またはリポソーム媒介、DEAEデキストラン媒介、ポリカチオン媒介、またはウイルス媒介トランスフェクションを含む技術を使用して、本発明の発現ベクターを組み込むように、一時的または安定的に操作することができる。(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrook,et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshney.1987.Liss,Inc.New York,NY)を参照のこと)。.本発明によるポリペプチドを産生する方法は、本発明の追加的な部分である。この方法は、(a)本開示のこの態様に従って、ポリペプチドの発現を促す条件下で、宿主を培養するステップと、(b)任意選択的に、発現した融合タンパク質を回収するステップと、を含む。発現されたポリペプチドは、無細胞抽出物から回収することができるが、好ましくは、それらは培地から回収される。
【0103】
さらなる態様では、本開示は、本開示のポリペプチドに選択的に結合する抗体を提供する。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、およびそれらの断片であり得、当業者に既知の技術を使用して作製され得る。本明細書で使用される場合、「選択的に結合する」とは、当業者によく理解されているように、1つ以上の他の生体分子、構造、細胞、組織などとは対照的に、本開示のポリペプチドへの抗体の優先的結合を意味する。
【0104】
別の態様では、本開示は、本開示の1つ以上のポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞、および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。本開示の医薬組成物は、例えば、以下に記載される本開示の方法において使用することができる。医薬組成物は、本開示のポリペプチドに加えて、(a)凍結乾燥保護剤、(b)界面活性剤、(c)増量剤、(d)張度調整剤、(e)安定剤、(f)防腐剤、および/または(g)緩衝剤を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の緩衝剤は、トリス緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、または酢酸緩衝剤である。医薬組成物はまた、凍結乾燥保護剤、例えば、スクロース、ソルビトール、またはトレハロースも含み得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、防腐剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、およびそれらの様々な混合物を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、グリシンのような増量剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤、例えば、ポリソルベート−20、ポリソルベート−40、ポリソルベート−60、ポリソルベート−65、ポリソルベート−80ポリソルベート−85、ポロキサマー−188、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ソルビタントリオレアスト(sorbitan trioleaste)、またはそれらの組み合わせを含む。医薬組成物はまた、張度調整剤、例えば、製剤をヒトの血液と実質的に等張または等浸透圧にする化合物も含み得る。例示的な張度調整剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニン、および塩酸アルギニンが含まれる。他の実施形態では、医薬組成物は、安定剤、例えば、目的のタンパク質と組み合わせると、凍結乾燥または液体の形態での目的のタンパク質の化学的および/または物理的不安定性を実質的に防止または低減する分子、をさらに含む。例示的な安定剤には、スクロース、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニン、および塩酸アルギニンが含まれる。
【0106】
ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、医薬組成物中の唯一の活性剤であり得るか、または、組成物は、意図された使用に好適な1つ以上の他の活性剤をさらに含み得る。
【0107】
さらなる態様では、本開示は、癌を治療および/または制限するための方法を提供し、それを必要とする対象に、癌を治療および/または制限するための、治療有効量の本開示の1つ以上のポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞、その塩、そのコンジュゲート、またはその医薬組成物、を投与することを含む。この方法が癌の治療を含む場合、1つ以上のポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、すでに癌を有すると診断された対象に投与される。本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療すること」は、以下のうちの1つ以上を達成することを意味する。(a)対象における腫瘍および/または転移のサイズまたは体積を低減する、(b)対象における腫瘍および/または転移のサイズまたは体積の増加を制限する、(c)生存率の向上する、(d)癌に関連する症状の重症度を軽減する、(e)癌に関連する症状の発生を制限または予防する、(f)癌に関連する症状の悪化を抑制する。
【0108】
この方法が癌の発症を制限することを含む場合、1つ以上のポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、癌を有することが知られていないが癌のリスクがあり得る対象に、予防的に投与される。本明細書で使用される場合、「制限する」とは、癌のリスクがある対象における癌の発症を制限することを意味し、限定されないが、癌の家族歴を有する対象、遺伝的に癌になりやすい対象、癌の症状を示す対象などを含む。
【0109】
この方法は、任意の好適な癌の発生を治療または制限するために使用することができ、限定されないが、結腸癌、黒色腫、腎細胞癌、頭頸部扁平上皮癌、胃癌、尿路上皮癌、ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肝細胞癌、膵臓癌、メルケル細胞癌、大腸癌、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、卵巣癌、子宮頸癌、および、マイクロサテライト不安定性、腫瘍遺伝子変異量(tumor mutational burden)、PD−L1発現レベル、またはイムノスコアアッセイ(Society for Immunotherapy of Cancerによって開発された)などの診断検査で選択された任意の腫瘍タイプ、が含まれる。
【0110】
対象は、癌を有する、または癌が発生するリスクのある、任意の対象であり得る。一実施形態では、対象は、哺乳動物であり、限定されないが、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシが含まれる。
【0111】
さらなる態様では、本開示は、対象に、ポリペプチド、組換え核酸、発現ベクター、組換え宿主細胞、または本開示の医薬組成物を投与することにより、対象における免疫応答を調節するための方法を提供する。
【0112】
本明細書で使用される場合、調節される「免疫応答」は、刺激に対する、B細胞、T細胞(CD4またはCD8)、制御性T細胞、抗原提示細胞、樹状細胞、単球、マクロファージ、NKT細胞、NK細胞、好塩基球、好酸球、または好中球などの免疫系の細胞による応答を指す。一部の実施形態では、応答は、特定の抗原に特異的であり(「抗原特異的応答」)、それらの抗原特異的受容体を介したCD4 T細胞、CD8 T細胞、またはB細胞による応答を指す。一部の実施形態では、免疫応答は、CD4+応答またはCD8+応答などの、T細胞応答である。これらの細胞によるそのような応答は、例えば、細胞毒性、増殖、サイトカインまたはケモカイン産生、輸送、またはファゴサイトーシスを含み得、応答を受ける免疫細胞の性質に依存し得る。本明細書に記載の組成物および方法の一部の実施形態では、調節される免疫応答は、T細胞媒介性である。
【0113】
一部の態様では、免疫応答は、抗癌免疫応答である。一部のそのような態様では、本明細書に記載のIL−2模倣体は、対象における抗癌免疫応答を調節するために、癌を有する対象に投与される。
【0114】
一部の態様では、免疫応答は、組織修復免疫応答である。一部のそのような態様では、本明細書に記載のIL−4模倣体は、それを必要とする対象に投与されて、対象における組織修復免疫応答を調節する。
【0115】
一部の態様では、免疫応答は、創傷治癒免疫応答である。一部のそのような態様では、本明細書に記載されるIL−4模倣体は、それを必要とする対象に投与されて、対象における創傷治癒免疫応答を調節する。
【0116】
一部の態様では、対象における第2の治療剤に対する免疫応答を調節するための方法が提供される。一部のそのような態様では、この方法は、有効量の第2の治療剤と組み合わせて、本開示のポリペプチドを、対象に投与することを含む。第2の治療剤は、例えば、化学療法剤または抗原特異的免疫療法剤であり得る。一部の態様では、抗原特異的免疫療法剤は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR−T細胞)を含む。一部の態様では、本開示のポリペプチドは、治療剤に対する対象の免疫応答を増強する。免疫応答は、例えば、T細胞応答(CAR−T細胞応答を含む)の改善、先天性T細胞免疫応答の増強、炎症の低減、制御性T細胞活性の阻害、またはそれらの組み合わせ、によって増強することができる。
【0117】
一部の態様では、本発明のサイトカイン模倣体、例えば、本明細書に記載のIL−4模倣体は、生体材料に含浸されるか、そうでなければ付随して、生体材料は、対象に導入される。一部の態様では、生体材料は、移植可能な医療装置の構成要素であり、装置は、例えば、生体材料でコーティングされるであろう。そのような医療装置には、例えば、血管および動脈の移植片が含まれる。IL−4および/またはIL−4随伴生体材料は、例えば、創傷治癒および/または組織修復および組織再生を促進するために使用することができる。
【0118】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」は、癌を治療するおよび/または制限するのに有効な、ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞の量を指す。ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、典型的には、従来の薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する単位投与量の製剤中に、上に開示されたものなどの医薬組成物として処方され、限定されないが、経口、吸入スプレーで、静脈内、皮下、腹腔内、および膀胱内を含む任意の好適な経路を介して投与することができる。特定の一実施形態では、ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、粘膜投与され、限定されないが、眼内、吸入、または鼻腔内投与を含む。別の特定の実施形態では、ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、経口投与される。そのような特定の実施形態は、液滴、ネブライザ、スプレー、または他の好適な製剤を介して投与され得る。
【0119】
担当の医療関係者によって決定されるように、任意の好適な投与量範囲を使用することができる。投薬計画は、最適な所望の応答(例えば、療法的または予防的応答)を提供するように調整され得る。好適な用量範囲は、例えば、0.1ug/kg〜100mg/kg体重であり得、あるいは、それは、0.5ug/kg〜50mg/kg、1ug/kg〜25mg/kg、または5ug/kg〜10mg/kg体重であり得る。一部の実施形態では、推奨用量は、特に、局所的に投与される場合、0.1mcg/kg未満であり得る。他の実施形態では、推奨用量は、体重/m(すなわち、体表面積)に基づくことができ、および/またはそれは、一定用量(例えば、0.5〜100mg)で投与することができる。ポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、担当の医療従事者により決定されるように、単回ボーラスで送達され得るか、または2回以上(例えば、2、3、4、5回以上)投与され得る。
【0120】
作製されたポリペプチド、核酸、発現ベクター、および/または宿主細胞は、唯一の予防剤または治療剤として投与されるか、または1つ以上の他の予防剤または治療剤と一緒に(すなわち、組み合わせてまたは別々に)投与され得、限定されないが、腫瘍切除、化学療法、放射線療法、免疫療法などが含まれる。
【0121】
計算環境の例
図22は、計算ネットワークの例のブロック図である。限定されないが、一部として開示される技術、および/またはソフトウェアであるロゼッタソフトウェアスイート、ロゼッタスクリプト、Pyロゼッタ、ロゼッタアプリケーション、および/または他の本明細書に記載のコンピュータソフトウェアおよびコンピュータハードウェアによって実行される技術などの、本明細書に開示される上記の技術の一部またはすべては、計算装置の一部である、および/または計算装置によって実行され得る。例えば、図X1は、ネットワーク106を介して、クライアント装置104a、104b、および104cおよびタンパク質データベース108と通信するように構成されたタンパク質設計システム102を示している。一部の実施形態では、タンパク質設計システム102および/またはタンパク質データベース108は、限定されないが、ロゼッタの一部であるまたはロゼッタに関連するものとして記載された方法300および機能性などの、本明細書に記載の方法および技術の一部またはすべてを実行するように構成された計算装置であり得る。タンパク質データベース108は、一部の実施形態では、ロゼッタに関連するおよび/またはロゼッタによって使用される情報を記憶することができる。
【0122】
ネットワーク106は、LAN、広域ネットワーク(WAN)、企業内イントラネット、パブリックインターネット、またはネットワーク化された計算装置間の通信パスを提供するように構成された任意の他のタイプのネットワークに対応し得る。ネットワーク106はまた、1つ以上のLAN、WAN、企業イントラネット、および/またはパブリックインターネットの組み合わせに対応し得る。
【0123】
図22は、3つのクライアント装置104a、104b、104cのみを示しているが、分散型アプリケーションアーキテクチャは、数十、数百、または数千のクライアント装置にサービスを提供し得る。さらに、クライアント装置104a、104b、104c(または任意の追加のクライアント装置)は、通常のラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ネットワーク端末、無線通信装置(例えば、携帯電話またはスマートフォン)などの、任意の種類の計算装置であり得る。一部の実施形態では、クライアント装置104a、104b、104cは、問題解決/ロゼッタソフトウェアスイートの使用専用にすることができる。他の実施形態では、クライアント装置104a、104b、104cは、いくつかのタスクを実行するように構成され、問題解決/ロゼッタソフトウェアスイートの使用に専念する必要のない汎用コンピュータとして使用することができる。さらに他の実施形態では、タンパク質設計システム102および/またはタンパク質データベース108の機能性の一部またはすべてを、クライアント装置104a、104b、および/または104cなどのクライアント装置に組み込むことができる。
【0124】
計算環境アーキテクチャ
図23Aは、例示的な計算装置(例えば、システム)のブロック図である。特に、図23Aに示される計算装置200は、ロゼッタの一部であるまたはロゼッタに関連するものとして記載された方法300および機能性などの、本明細書に記載の方法および技術の一部またはすべての、構成要素を含むようにおよび/または1つ以上の機能を実行するように、構成され得る。計算装置200は、ユーザインターフェースモジュール201、ネットワーク通信インターフェースモジュール202、1つ以上のプロセッサ203、データストレージ204、およびタンパク質合成装置220を含み得、これらはすべて、システムバス、ネットワーク、または他のコネクションメカニズム205を介して一緒に連結され得る。
【0125】
ユーザインターフェースモジュール201は、外部ユーザの入力/出力装置にデータを送信するおよび/またはそれからデータを受信するように動作可能であり得る。例えば、ユーザインターフェースモジュール201は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、コンピュータマウス、トラックボール、ジョイスティック、カメラ、音声認識モジュール、および/または他の同様の装置などのユーザ入力デバイスにデータを送信する、ならびに/あるいは、それにまたは/それからデータを受信するように構成することができる。ユーザインターフェースモジュール201はまた、1つ以上のブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、デジタル光処理(DLP)技術を使用するディスプレイ、プリンタ、電球、および/または現在知られている、または後に開発される他の同様の装置などのユーザディスプレイ装置に出力を提供するように構成することができる。ユーザインターフェースモジュール201は、スピーカ、スピーカジャック、オーディオ出力ポート、オーディオ出力装置、イヤホン、および/または他の類似の装置などの、可聴出力を生成するように構成することもできる。
【0126】
ネットワーク通信インターフェースモジュール202は、図22に示されるネットワーク106などのネットワークを介して通信するように構成可能な1つ以上の無線インターフェース207および/または1つ以上の有線インターフェース208を含むことができる。無線インターフェース207は、Bluetooth送受信器、Zigbee送受信器、Wi−Fi送受信器、WiMAX送受信器、および/または無線ネットワークを介して通信するように構成可能な他の同様のタイプの無線送受信器などの1つ以上の無線送信器、受信器、および/または送受信器を含むことができる。有線インターフェース208は、イーサネット送受信器、ユニバーサルシリアルバス(USB)送受信器、またはツイストペア、1つ以上のワイヤー、同軸ケーブル、光ファイバ連結、または有線ネットワークへの同様の物理的連結を介して通信するように構成可能な同様の送受信器などの、1つ以上の有線送信器、受信器、および/または送受信器を含むことができる。
【0127】
一部の実施形態では、ネットワーク通信インターフェースモジュール202は、信頼できる、安全な、および/または認証された通信を提供するように構成することができる。本明細書に記載の各通信について、信頼できる通信(すなわち、保証されたメッセージ配信)を確実にするための情報は、おそらく、メッセージヘッダーおよび/またはフッターの一部として提供することができる(例えば、パケット/メッセージ配列情報、カプセル化ヘッダー(複数可)および/またはフッター(複数可)、サイズ/時間情報、ならびにCRCおよび/またはパリティチェック値などの送信検証情報)。通信は、限定されないが、DES、AES、RSA、Diffie−Hellman、および/またはDSAなどの、1つ以上の暗号プロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用して、安全にし(例えば、コード化または暗号化する)、および/または復号/解読することができる。同様に、他の暗号プロトコルおよび/またはアルゴリズムを使用することもでき、または、通信を安全にするために(次いで復号/解読する)、本明細書に列挙されたものに加えて、それらを使用することもできる。
【0128】
プロセッサ203は、1つ以上の汎用プロセッサおよび/または1つ以上の特殊目的プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ、特定用途向け集積回路など)を含むことができる。プロセッサ203は、データストレージ204に含まれるコンピュータ可読プログラム命令206および/または本明細書に記載される他の命令を実行するように構成することができる。データストレージ204は、プロセッサ203の少なくとも1つによって読み取られ、および/またはアクセスされ得る1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体は、全体的または部分的に少なくとも1つのプロセッサ203と統合することができ、光学、磁気、有機または他のメモリまたはディスクストレージなどの揮発性および/または不揮発性記憶構成要素を含むことができる。一部の実施形態では、データストレージ204は、単一の物理装置(例えば、1つの光学、磁気、有機または他のメモリまたはディスクストレージユニット)を使用して実装することができ、他の実施形態では、データストレージ204は、2つ以上の物理装置を使用して実装することができる。
【0129】
データストレージ204は、コンピュータ可読プログラム命令206およびおそらく追加のデータを含むことができる。例えば、一部の実施形態では、データストレージ204は、タンパク質設計システムおよび/またはタンパク質データベース(例えば、タンパク質設計システム102、タンパク質データベース108)、によって利用されるデータの一部またはすべてを記憶することができる。一部の実施形態では、データストレージ204は、本明細書に記載の方法および技術の少なくとも一部、および/または本明細書に記載の装置およびネットワークの機能性の少なくとも一部を実行するために必要なストレージをさらに含むことができる。
【0130】
一部の実施例では、計算装置200は、タンパク質合成装置220を含む。タンパク質合成装置は、プロセッサ203および/またはデータストレージ204によって提供されるコマンドおよび/またはデータを使用して、タンパク質合成装置220に提供される入力データに基づいて、ポリペプチドを合成(または生成する)することができる。例えば、タンパク質合成装置220の機能性の一部または全部は、半自動または自動化されたペプチドシンセサイザーによって実行することができる。
【0131】
図23Bは、例示的な実施形態による、クラウドベースのサーバーシステムとして配置された計算クラスタ209a、209b、209cのネットワーク106を示している。タンパク質設計システム102のデータおよび/またはソフトウェアは、クラウドベースのアプリケーションおよび/またはサービスのプログラム論理および/またはデータを記憶する1つ以上のクラウドベースの装置に記憶することができる。一部の実施例では、タンパク質設計システム102は、単一の計算センターに常在する単一の計算装置であり得る。他の実施例では、タンパク質設計システム102は、単一の計算センター内の複数の計算装置、または異なる地理的位置にある複数の計算センターに配置された複数の計算装置でさえ含むことができる。
【0132】
一部の実施例では、タンパク質設計システム102のデータおよび/またはソフトウェアは、有形のコンピュータ可読媒体(またはコンピュータ可読記憶媒体)に記憶され、クライアント装置104a、104b、および104c、および/または他の計算装置によってアクセス可能な、コンピュータ可読情報として符号化することができる。一部の実施例では、タンパク質設計システム102のデータおよび/またはソフトウェアは、単一のディスクドライブまたは他の有形記憶媒体に記憶することができ、または1つ以上の異なる地理的位置に位置する複数のディスクドライブまたは他の有形記憶媒体に実装することができる。
【0133】
図23Bは、例示的な実施形態による、クラウドベースのサーバーシステムを示している。図23Bでは、タンパク質設計システム102の機能は、3つの計算クラスタ209a、209b、および209cの間で分散され得る。計算クラスタ209aは、ローカルクラスタネットワーク212aによって連結された1つ以上の計算装置200a、クラスタストレージアレイ210a、およびクラスタルータ211aを含むことができる。同様に、計算クラスタ209bは、ローカルクラスタネットワーク212bによって連結された1つ以上の計算装置200b、クラスタストレージアレイ210b、およびクラスタルータ211bを含むことができる。同様に、計算クラスタ209cは、ローカルクラスタネットワーク212cによって連結された1つ以上の計算装置200c、クラスタストレージアレイ210c、およびクラスタルータ211cを含むことができる。
【0134】
一部の実施例では、計算クラスタ209a、209b、および209cの各々は、同数の計算装置、同数のクラスタストレージアレイ、および同数のクラスタルータを有することができる。ただし、他の実施例では、各計算クラスタは、異なる数の計算装置、異なる数のクラスタストレージアレイ、および異なる数のクラスタルータを有することができる。各計算クラスタ内の計算装置、クラスタストレージアレイ、およびクラスタルータの数は、各計算クラスタに割り当てられた計算タスク(複数可)によって異なる。
【0135】
計算クラスタ209aでは、例えば、計算装置200aは、タンパク質設計システム102の様々な計算タスクを実行するように構成することができる。一実施例では、タンパク質設計システム102の様々な機能性は、1つ以上の計算装置200a、200b、および200cの間で分散され得る。計算クラスタ209bおよび209c内の計算装置200bおよび200cは、計算クラスタ209a内の計算装置200aと同様に構成することができる。他方、一部の実施例では、計算装置200a、200b、および200cは、異なる機能を実行するように構成することができる。
【0136】
一部の実施例では、タンパク質設計システム102に関連する計算タスクおよび記憶されたデータは、タンパク質設計システム102の処理要件、計算装置200a、200b、および200cの処理能力、各計算クラスタ内の計算装置間および計算クラスタ自体間のネットワーク連結の待ち時間、および/またはコスト、速度、フォールトトレランス、レジリエンス、効率に寄与し得る他の要因、および/またはシステムアーキテクチャ全体の他の設計目標、に少なくとも部分的に基づいて、計算装置200a、200b、および200cの間で分散され得る。
【0137】
計算クラスタ209a、209b、および209cのクラスタストレージアレイ210a、210b、および210cは、データストレージアレイであり得、ハードディスクドライブのグループへの読み取りアクセスおよび書き込みアクセスを管理するように構成されたディスクアレイコントローラを含む。ディスクアレイコントローラは、単独で、またはそれぞれの計算装置と組み合わせて、クラスタストレージアレイに記憶されているデータのバックアップまたは冗長コピーを管理して、ディスクドライブまたはその他のクラスタストレージアレイ障害および/またはネットワーク障害から保護するように構成することもでき、1つ以上の計算装置が1つ以上のクラスタストレージアレイにアクセスするのを防止する。
【0138】
タンパク質設計システム102の機能を計算クラスタ209a、209b、および209cの計算装置200a、200b、および200cに分散させ得る様式と同様に、これらの構成要素の様々なアクティブ部分および/またはバックアップ部分を、クラスタストレージアレイ210a、210b、および210cの間で分散することができる。例えば、一部のクラスタストレージアレイは、タンパク質設計システム102のデータおよび/またはソフトウェアの一部を記憶するように構成することができ、一方、他のクラスタストレージアレイは、タンパク質設計システム102のデータおよび/またはソフトウェアの別個の部分を記憶することができる。さらに、一部のクラスタストレージアレイは、他のクラスタストレージアレイに記憶されたデータのバックアップバージョンを記憶するように構成することができる。
【0139】
計算クラスタ209a、209b、および209c内のクラスタルータ211a、211b、および211cは、計算クラスタに内部および外部通信を提供するように構成されたネットワーク機器を含むことができる。例えば、計算クラスタ209aのクラスタルータ211aは、(i)ローカルクラスタネットワーク212aを介して計算装置200aとクラスタストレージアレイ201aとの間のローカルエリアネットワーク通信、および(ii)ネットワーク106への広域ネットワーク連結213aを介した、計算クラスタ209aと計算クラスタ209bおよび209cとの間の広域ネットワーク通信、を提供するように構成された1つ以上のインターネットスイッチングおよびルーティング装置を含むことができる。クラスタルータ211bおよび211cは、クラスタルータ211aと同様のネットワーク機器を含むことができ、クラスタルータ211bおよび211cは、クラスタルータ211aが計算クラスタ209aに関して実行するように、計算クラスタ209bおよび209bに関して同様のネットワーク機能を実行することができる。
【0140】
一部の実施例では、クラスタルータ211a、211b、および211cの構成は、計算装置およびクラスタストレージアレイのデータ通信要件、クラスタルータ211a、211b、および211cのネットワーク機器のデータ通信能力、ローカルネットワーク212a、212b、212cの待ち時間およびスループット、広域ネットワーク連結213a、213b、および213cの待ち時間、スループット、およびコスト、および/またはコスト、速度、フォールトトレランス、レジリエンス、効率に寄与し得る他の要因、および/またはモデレーションシステムアーキテクチャのその他の設計目標、に少なくとも部分的に基づき得る。
【0141】
操作方法の実施例
図24は、例示的な方法300のフローチャートである。方法300は、少なくとも図2Aの文脈で説明される計算装置200などの計算装置によって実行することができる。少なくとも、以下に述べる方法300の例は、上で議論されている。
【0142】
方法300は、ブロック310で開始することができ、計算装置は、計算装置を使用してタンパク質の複数の残基の構造を決定することができ、複数の残基の構造は、特定の受容体結合界面を提供する。熟練した開業医によって理解されるように、複数の残基の構造が特定の受容体結合界面を提供する、タンパク質の複数の残基の構造の決定は、典型的には、特定の受容体結合界面に結合する天然タンパク質の元の残基の同定であり、複数の設計される残基は、同じ受容体結合界面に結合し得る同定された残基である。
【0143】
ブロック320において、計算装置は、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することができ、複数の設計された残基は、特定の受容体結合界面を提供し、複数の設計された残基は、複数の残基とは異なる。
【0144】
一部の実施例では、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することは、理想化残基のデータベースを使用して、理想化残基を決定することを含むことができ、理想化残基は、複数の設計された残基の設計された残基に関連する。これらの実施例の一部において、理想化された残基のデータベースを使用して理想化された残基を決定することは、理想化された残基のデータベースから、理想化された残基に関連する1つ以上の理想化された断片を検索することと、1つ以上の理想化された断片を使用して、関連する設計された残基を再構築することによって、理想化された残基を決定することと、を含み得る。これらの実施例の一部において、1つ以上の理想化された断片を使用して関連する設計された残基を再構築することは、1つ以上の理想化された断片の対のコンビナトリアル断片アセンブリの使用によって、1つ以上の理想化された断片の対を再連結することと、デカルト制約付き骨格最小化を使用して、1つ以上の理想化された断片の対が、複数の設計された残基のうちの2つ以上を連結するかどうかを決定することと、を含み得る。これらの実施例の一部では、1つ以上の理想化された断片を使用して関連する設計された残基を再構築することは、理想化された残基のデータベースを使用して、理想化された残基の重複する断片が理想化された断片であることを検証することと、理想化された残基が、特定の受容体結合界面に関連する標的受容体と衝突しないかどうかを検証することと、理想化された残基が、特定の受容体結合界面に関連する標的受容体と衝突しないことを検証した後、理想化された残基のデータベースを使用して、理想化された残基の各位置で最も可能性の高いアミノ酸を決定することと、を含み得る。これらの実施例の一部では、1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の組み合わせにわたる複数の設計された残基を組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することは、1つ以上の理想化された断片の対を、組み合わせて再結合することによって、1つ以上の理想化された断片の対を再結合することと、1つ以上の理想化された断片の再結合された対を使用して、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することと、を含み得る。これらの実施例の一部では、1つ以上の理想化された断片の対を組み合わせて再結合することは、1つ以上の理想化された断片の対の理想化された断片間の相互連結長に基づいて、1つ以上の理想化された断片の対をランク付けすることを含み得る。
【0145】
他の実施例では、模倣設計プロトコルを使用して複数の設計された残基を決定することは、複数の設計された残基の設計された残基の形状を表す1つ以上のパラメトリック方程式を使用して、理想化された残基を決定することと、複数の設計された残基のうちの少なくとも1つの設計された残基で理想化された残基を閉じる、単一の断片を決定することと、を含み得る。これらの実施例の一部では、設計された残基は、ヘリックス構造を含むことができ、1つ以上のパラメトリック方程式は、ヘリックス構造のファイ(φ)およびプサイ(ψ)角度に関連する方程式を含むことができる。これらの実施例の一部では、ヘリックス構造のφおよびψ角度に関連する方程式は、ヘリックス構造のφおよびψ角度の角度ピッチに関連する1つ以上の項を含むことができる。
【0146】
ブロック330では、計算装置は、複数の設計された残基を連結する1つ以上の連結ヘリックス構造を決定することができる。
【0147】
ブロック340では、計算装置は、1つ以上の連結ヘリックス構造および複数の設計された残基を、複数の組み合わせにわたって組み立てることによって、タンパク質の第1のタンパク質骨格を決定することができる。
【0148】
ブロック350では、計算装置は、第1のタンパク質骨格に基づいて、柔軟性および低エネルギー構造のために、タンパク質の第2のタンパク質骨格を設計することができる。
【0149】
ブロック360では、計算装置は、少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することができる。一部の実施例では、タンパク質の第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することは、タンパク質の第2のタンパク質骨格に基づいて、1つ以上の分子を設計することを含み得る。
【0150】
他の実施例では、タンパク質の第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することは、タンパク質の第2のタンパク質骨格に基づくタンパク質の合成遺伝子を生成することと、合成遺伝子を使用して、インビボで特定のタンパク質を発現させることと、特定のタンパク質を精製することと、を含み得る。これらの実施例の一部では、合成遺伝子を使用して、インビボで特定のタンパク質配列を発現させることは、合成遺伝子を含む1つ以上の大腸菌で、特定のタンパク質配列を発現させることを含み得る。
【0151】
他の実施例では、タンパク質の第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することは、タンパク質の第2のタンパク質骨格の少なくとも一部を含む1つ以上の画像を生成することを含み得る。
【0152】
他の実施例では、計算装置は、タンパク質合成装置を含むことができる。次いで、タンパク質の少なくとも第2のタンパク質骨格に関連する出力を生成することは、タンパク質合成装置を使用して、タンパク質の少なくとも第2のタンパク質骨格を合成することを含み得る。
【0153】
一実施形態では、本方法は、本明細書に例示されるように、タンパク質模倣体を設計するためのものである。
【0154】
本明細書に記載の計算方法によって調製された非天然タンパク質も含まれる。非天然タンパク質は、サイトカイン、例えば、非天然IL−2またはIL−4模倣体であり得る。
【0155】
本明細書に示されている項目は、例示であり、単に本発明の実施形態の例示的な考察を目的とするもので、本発明の様々な実施形態の原理および概念的側面の、最も有用で理解しやすい説明であると考えられるものを提供するために提示されている。この点に関して、本発明の基本的な理解に必要であるよりも詳細に本発明の構造上の詳細を示そうとはせず、本発明のいくつかの形態がどのように実際に具体化され得るかを当業者に明らかにする図面および/または例により、発明を実施するための形態を示す。
【0156】
上記の定義および説明は、以下の実施例で明瞭かつ明確に変更されない限り、または意味の適用によって構成が無意味または本質的に無意味になる場合を除いて、任意の将来の構成で制御することを意図および意図している。用語の構成によって無意味になる、または本質的に無意味になる場合、定義はWebster’s Dictionary,3rd Edition、またはthe Oxford Dictionary of Biochemistry and Molecular Biology(Ed.Anthony Smith,Oxford University Press,Oxford,2004)などの当業者に既知の辞書から取得する必要がある。
【0157】
上記の説明は、本開示の実施形態を完全に理解し、その説明を実施可能にするための具体的な詳細を提供する。しかしながら、当業者は、これらの詳細なしに、開示が実施され得ることを理解するであろう。他の実施例では、本開示の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、既知の構造および機能は詳細に示されていないか、または説明されていない。本開示の実施形態の説明は、網羅的であるようにも、本開示を、開示された正確な形態に限定するようにも意図されていない。本開示の特定の実施形態および実施例が例示的な目的で本明細書に記載されているが、当業者であれば認識するであろうが、本開示の範囲内で、様々な同等の修正が可能である。
【0158】
本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照により援用される。開示の態様は、必要であれば、上記の参考文献およびアプリケーションのシステム、機能、および概念を使用して、開示のまたさらなる実施形態を提供するように変更することができる。これらおよび他の変更は、詳細な説明に照らして、開示に加えることができる。
【0159】
前述の実施形態のいずれかの特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わせるか、または置き換えることができる。さらに、本開示の特定の実施形態に関連する利点は、これらの実施形態の文脈で説明されてきたが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、本開示の範囲に該当するために、すべての実施形態が、必ずしもそのような利点を示す必要はない。
【0160】
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。図面において、文脈から明らかでない限り、類似の記号は、通常、類似の構成要素を特定する。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意味していない。本明細書に提示される対象の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書に一般的に記載され、図面に例解されるような本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、これらのすべてが本明細書に明示的に企図されていることは容易に理解される。
【0161】
本明細書で説明するように、図面におけるラダー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかまたはすべてに関して、各ブロック、および/または通信は、例示的な実施形態に従って、情報の処理および/または情報の送信を表し得る。代替的な実施形態は、これらの例示的な実施形態の範囲内に含まれる。これらの代替的な実施形態では、例えば、ブロック、送信、通信、要求、応答、および/またはメッセージとして説明される機能は、関連する機能性に応じて、示されたまたは議論された順序とは異なる順序で実行することができ、実質的に同時または逆の順序を含む。さらに、より多いかまたは少ないブロック、および/または機能が、本明細書に記載されるラダー図、シナリオ、およびフローチャートのいずれかとともに使用することができ、これらのラダー図、シナリオ、およびフローチャートは、一部または全体で、互いと組み合わせることができる。
【0162】
情報の処理を表すブロックは、本明細書で説明する方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成することができる回路に対応し得る。代替的または追加的に、情報の処理を表すブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部(関連データを含む)に対応し得る。プログラムコードは、方法または技術において特定の論理機能または動作を実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスクドライブもしくはハードドライブ、または他の記憶媒体を含む記憶装置などの、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶することができる。
【0163】
コンピュータ可読媒体はまた、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)のような短期間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、光学ディスクもしくは磁気ディスク、および/またはコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)のような二次的または永続的な長期ストレージなどの、プログラムコードおよび/またはデータをより長期間記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムでもあり得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶装置と見なされ得る。さらに、1つ以上の情報送信を表すブロックは、同じ物理装置中のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュール間の情報送信に対応し得る。しかしながら、異なる物理デバイスにおけるソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュール間で、他の情報送信が行われ得る。
【0164】
上記の教示に照らして、本開示の多数の修正および変形が可能である。
【実施例】
【0165】
天然サイトカインの機能部位が繰り返されるものの、それ以外はトポロジまたはアミノ酸配列において無関係である、デノボサイトカイン模倣体を設計するための計算アプローチを説明する。この戦略は、IL−2およびインターロイキン−15(IL−15)15のデノボ模倣体を設計するために使用されたもので、IL−2受容体βγヘテロ二量体(IL−2Rβγ16,17に結合するが、IL−2RαまたはIL−15Rαの結合部位を有さない。設計は、超安定で、天然のサイトカインよりも高い親和性でヒトおよびマウスIL−2Rβγに結合し、IL−2RαおよびIL−15Rαとは無関係に、下流の細胞シグナル伝達を誘発する。実験的に最適化された模倣体であるNeoleukin−2/15の結晶構造は、設計モデルに非常に近く、マウスIL−2Rβγ複合体についての最初の構造情報を提供する。Neoleukin−2/15は、黒色腫および結腸癌のマウスモデルにおいて、IL−2と比較して非常に効果的な治療活性を有し、毒性が低減され、免疫原性の兆候を有さない。超安定なデノボ模倣体を構築するためのこの戦略は、多数の天然サイトカインおよび他のシグナル伝達タンパク質に容易に適用でき、強化された臨床プロファイルを有する、優れた治療候補の生成を可能にする。
【0166】
天然のタンパク質ホルモンおよびサイトカインの強力な生物学的活性のために、タンパク質操作を通して、それらの潜在的な治療効果を改善するための広範な努力がなされてきた。そのような努力によって、製造を簡素化し、半減期を延長し、受容体相互作用を調節しようとしてきた18−20。しかしながら、天然に存在する生物活性タンパク質から始める場合、新しい治療剤の開発には固有の課題がある。第一に、ほとんどの天然タンパク質はほんのわずかしか安定でないため21−25、有効性を高めることを目的としたアミノ酸置換は、発現を低下させたり、凝集を引き起こしたりして、製造と保管を困難にする可能性がある。機能ドメインまたは標的化ドメインの欠失または融合などのより大幅な変更は、しばしば実行不可能であり、薬物動態特性および組織浸透を劇的に変化させる可能性がある19。第二に、操作されたバリアントに対する免疫応答は、内因性分子26−35と交差反応し、壊滅的な結果をもたらす可能性を有する。計算設計アプローチは、これらの課題を回避する改善された治療特性を備えた天然タンパク質の類似体を生成するために開発され、疾患の治療に最適な受容体結合界面の特定のサブセットを呈するデノボサイトカイン模倣体の操作に注力している。
【0167】
多くのサイトカインは、複数の異なる受容体サブユニット15、16、36−39と相互作用し、ほとんどの天然に存在するタンパク質と同様に、安定性が損なわれるものの機能にとっては重要な、非理想的な構造的特徴を含んでいる。所望の受容体サブユニットと相互作用する構造要素が、空間的に固定され、理想化された球状タンパク質構造が、これらの要素を支持するように構築される、計算プロトコルが開発された。知識ベースのループ閉環と組み合わせた非実体化ヘリックスのパラメトリック構築で短鎖線状エピトープを支持するために、コンビナトリアル断片アセンブリを使用して、以前の取り組みを拡張した(図1a〜b)。このアプローチは、ヒトIL−2Rβγ(hIL−2Rβγ)に対するヒトIL−2(hIL−2)およびヒトIL−15(hIL−15)の相互作用表面を模倣するが、IL−2受容体α(IL−2Rα)の相互作用表面を完全に欠いている、相互作用表面を有する安定な理想化されたタンパク質をデノボ設計することによって、試験された。変異9,44,45(例えば、Super−2のF42A変異、H9としても知られている)またはPEG化(例えば、NKTR−2149,13)のいずれかによって、hIL−2のα相互作用領域を除去する以前の取り組みは、hIL−2Rβγ受容体に対する安定性、結合および/またはサイトカインの効力を著しく減少させ、一方で、α相互作用を完全に除去することに失敗した。
【0168】
IL−2Rβγに結合して活性化するIL−2/IL−15模倣体の計算設計:天然hIL−2は、長い不規則なループによって連結された4つのヘリックスで構成される。N末端ヘリックス(H1)は、IL−2受容体のβサブユニットおよびγサブユニットの両方と相互作用し、3番目のヘリックス(H3)は、βサブユニットと相互作用し、C末端ヘリックス(H4)は、γサブユニットと相互作用する。αサブユニットの相互作用表面は、不規則な2番目のヘリックス(H2)および2つの長いループによって形成され、片方は、H1をH2に連結し、他方は、H3とH4を連結する。H1、H3、H4によって形成された界面をβとγで再現し、H2をより良いパッキングを提供する通常のヘリックスに置き換える理想的なタンパク質が設計された。ヘリックスH1、H3、およびH4(図1aを参照)を、結合部位のテンプレートとして使用し、一方、ヘリックスH2は、高度に表現されたクラスタ断片(方法を参照)のデータベースを使用して再構築した(H2’)。ヘリックスの対は、同じデータベースから抽出されたループで連結され(図1bを参照)、得られたヘリックスヘアピンは、完全に連結された骨格に結合され(図1cを参照)、ロゼッタ46−48コンビナトリアルフレキシブル骨格配列の設計計算を、hIL−2Rβγの存在下で実行した(方法を参照)。酵母ディスプレイによる実験的特性評価のために、上位の4つの計算設計、および8つの単一ジスルフィドステープルバリエーション(表S1を参照)を選択した(方法を参照)。8つの設計が、低ナノモル濃度で、蛍光タグ付きβ−γキメラIL−2受容体に結合することがわかった。最良の非ジスルフィド設計(G1_neo2_40)を、部位飽和変異誘発に供し、続いてマウスIL−2Rβγ(mIL−2Rβγ図10を参照)に対する親和性を増加させる置換を選択し、組み合わせた。最適化された設計(大腸菌で組換え発現された)は、低ナノモル濃度またはピコモル濃度でさえ、IL−2応答性のマウス細胞で、インビトロでpSTAT5シグナル伝達を誘発することがわかった(表E1を参照)ものの、熱安定性が比較的低かった(Tm約45℃未満、図14および15を参照)。安定性を改善するために、計算設計プロトコルを繰り返し、最も親和性の高い第1ラウンド設計の骨格(G1_neo2_40_1F、トポロジ:H1→H4→H2’→H3)から開始し、ループ構築プロセスとヘリックス長のパラメトリック変動を組み合わせた(+/−8アミノ酸、図1aの下部パネルを参照)。この第2のアプローチは、ヘリックスの各対を連結するループの実質的により多くの組み合わせの探索を可能にすることで、モデルの品質を改善した。G1_neo2_40_1Fの27のロゼッタ配列の再設計(表S3を参照)とともに、第2世代の14の最良の設計が、実験的に特徴付けられ、1つを除くすべてが、低ナノモル濃度でIL−2受容体に結合することがわかった(図1d、表E1、および図16)。3つの最も高い親和性および安定性の設計(1つの配列再設計と2つの新しい模倣体)を、mIL−2Rβγ結合について部位飽和変異誘発に供し(図11〜13)、続いてヒトおよびマウスIL−2Rβγの両方に対して親和性を増加させる置換を選択し、組み合わせた。成熟した設計(表S4を参照)は、超安定性を維持しながら、増強された結合を示した(表E1を参照)。最上位の設計であるNeoleukin−2/15(本明細書ではNeo−2/15とも呼ばれる)は、ヒトまたはマウスのIL−2とはまったく異なる新しいトポロジおよび配列を有する、100残基のタンパク質である(構造トポロジ非依存ベースの整列において、hIL−2と89残基にわたる29%の配列同一性、およびmIL−2と整列した76残基にわたる16%の配列同一性、表E1を参照)。
【0169】
Neoleukin−2/15の機能的特性評価:Neoleukin−2/15は、高い親和性で、ヒトおよびマウスIL−2Rβγに結合するが(それぞれ、Kdが、約38nMおよび約19nM)、IL−2Rαとは相互作用しない(図2a)。ヒトおよびマウスIL−2受容体(IL−2RβおよびIL−2Rβγ)に対するNeoleukin−2/15の親和性は、対応する天然IL−2サイトカインの親和性よりも有意に高い。天然IL−2とは対照的に、Neoleukin−2/15は、ヒトとマウスのIL−2応答細胞の両方で(図2b、上)、およびマウスの初代T細胞(図2b、下)で、IL−2Rα非依存性のシグナル伝達を誘発する。Neoleukin−2/15は、その高い結合親和性により、天然のヒトまたはマウスのIL−2よりも強力に、IL−2Rα細胞を活性化する。初代細胞では、Neoleukin−2/15は、おそらくIL−2Rα結合性が完全に欠如しているため、Super−2と比較して、IL−2Rα−細胞に対してより活性が高く、IL−2Rα+細胞に対してより活性が低い。Neoleukin−2/15は、超安定であり(図17を参照)、80℃で2時間インキュベーションした後もhIL−2Rβγに対する結合親和性を失わないが、hIL−2およびSuper−2は、10分で完全に失活する(失活の半減期は、それぞれ約4.2分および約2.6分、図2c)。同様に、エクスビボ初代細胞培養では、Neoleukin−2/15は、95℃で60分間煮沸した後も、T細胞の生存を効果的に促進したが、これらの条件は、IL−2とSuper−2の両方を不活化した(図2c、下)。他の多くの設計された模倣体について、熱変性研究が実施され、それらの熱安定性も同様に実証された(図14〜16を参照)。サイトカイン様分子の、この前例のない安定性は、コールドチェーンストレージの必要性を排除するだけでなく、天然IL−2のものをはるかに超える、変異(図13および18〜19を参照)、遺伝子融合、および化学修飾に対する堅牢性を示唆し、改善された、または新しい治療特性の開発に貢献する可能性がある(図7を参照)。
【0170】
単量体Neoleukin−2/15およびmIL−2Rβγとの三元複合体の構造:Neoleukin−2/15のX線結晶構造が決定され、それが、計算設計モデルと非常に近いことがわかった(r.m.s.d.Cα=1.1〜1.3Å、非対称単位の6つのコピー、図3a)。マウスIL−2Rβγ図3B、表E2)との三元複合体におけるNeoleukin−2/15の結晶構造が解明された。これは、デノボ設計タンパク質が、これまで未解決であった天然受容体複合体の構造決定を可能にした最初の例であり得る。Neoleukin−2/15設計モデル、およびマウス三元複合体構造との結晶構造整列、r.m.s.d.Cαが、それぞれ1.27および1.29Å(図3c)。Neoleukin−2/15(IL−2番号付け)のヘリックスの順序は、H1→H3→H2’→H4である(図1aおよび図3a、dを参照)。H1−H3ループは、三元複合体で無秩序であるが、ヘリックスH3は、予測された構造と密接に一致している。単量体構造と比較して、ヘリックスH4とH2’−H4ループの外向きの動きもある(図3c)。Neoleukin−2/15は、ヘリックスH1およびH3を介してmIL−2Rβと相互作用し、H1およびH4へリックスを介してγと相互作用する(図3c)。これらの領域は、計算設計モデル(図3a)および単量体結晶構造の両方と密接に整列する(図3c)。以前に報告されたhIL−2受容体複合体49の結晶構造への構造整列は、2つのタンパク質のトポロジが異なっているにもかかわらず、結合部位におけるNeoleukin−2/15とhIL−2のヘリックス骨格間の密接な一致を明らかにする(図3d−e)。hIL−2−hIL−2Rβγ複合体において、Neoleukin−2/15とmIL−2Rβγの間にいくつかの側鎖相互作用が存在するが、他のものは、例えば、L19Yは、計算設計プロセス中に生じたものである。
【0171】
Neoleukin−2/15の治療用途:IL−2は、主に毒性によって臨床的使用が制限されていた50−52。ヒトにおけるIL−2の毒性の原因となる相互作用は、完全には理解されていないが、マウスモデルにおいて、毒性はT細胞に依存せず、IL−2Rα鎖(CD25+)を欠損した動物では緩和される。したがって、IL−2Rαとの相互作用を弱めるために、IL−2を再操作することに多くの努力が向けられてきたが、CD25結合部位の変異は、非常に不安定化させる可能性がある。IL−2の固有の低い安定性と、CD25に対する密接に進化した依存性は、再操作されたIL−2化合物の翻訳に対して障壁となっている。他の取り組みでは、IL−1553,54に焦点が当てられてきたが、なぜならIL−15が、CD25に対して親和性を有さないが、IL−2Rβγを二量体化することによって、IL−2と同様のシグナル伝達を誘発するためである。しかしながら、IL−15は、主に抗原提示細胞とナチュラルキラー細胞が呈するIL−15α(CD215)受容体による、トランス提示に依存している。天然IL−15の安定性の低さと、トランス提示への依存も、再操作の取り組みに対する実質的な障壁となっている53−55
【0172】
ナイーブマウスの用量漸増研究では、mIL−2は、CD25+細胞への優先的な結合と一致して41,56,57、制御性T細胞を優先的に増殖させるのに対して、Neoleukin−2/15は、主にCD8T細胞の増殖を促進させる(図4a)、試験した最高用量でさえ、制御性T細胞の増殖を誘導しないか、または最小限しか誘導しない。同様に、気道炎症のマウスモデルでは、通常、組織に常在するCD8+T細胞をわずかな割合で誘導するが、Neoleukin−2/15は、リンパ器官のCD4Foxp3抗原特異的Tregを増加させることなく、Thy1.2CD44CD8T細胞の増加をもたらす(図4b)。
【0173】
デノボタンパク質設計により、天然サイトカインの構造的制限を回避できるが、抗薬物抗体を誘発する可能性がある。Neoleukin−2/15が抗薬物反応を誘発するかどうかを試験するために、担癌マウスを2週間にわたって毎日Neoleukin−2/15で処置し、処置されたどの動物にも抗薬物抗体の証拠は観察されなかった(図4c、左パネル、他のデノボ設計の治療剤候補について同様の免疫応答の欠如が観察された41)。Neoleukin−2/15に対するポリクローナル抗体は、完全フロイントアジュバント中の不活性Neoleukin−2/15変異体(K.O.Neoleukin)をマウスにワクチン接種することによって産生された。これらのポリクローナル抗Neoleukin−2/15抗体は、ヒトまたはマウスのIL−2と交差反応しなかった(図4c)。天然IL−2への結合がないことは、Neoleukin−2/15に対する免疫応答があったとしても、この応答が内因性IL−2と交差反応する可能性が低いことを示唆している。さらに、Neoleukin−2/15とhIL−2の間の配列同一性が低いため(<30%、表E1を参照)、宿主IL−2に対する自己免疫応答は、以前に操作されたhIL−2バリアント(例えば、Super−2、表E1を参照)で、はるかに可能性が高く、ほんのわずかの変異による内因性IL−2とは異なっている。
【0174】
Neoleukin−2/15の治療効果は、免疫原性が低いB16F10黒色腫、および免疫原性がより高いCT26結腸癌マウスモデルで試験された。Neoleukin−2/15による単剤処置は、両方の癌モデルにおいて腫瘍増殖の用量依存的な遅延をもたらした。CT26結腸癌では、単剤処置は組換えmIL−2で観察されたものよりも改善された有効性を示した(図4dおよび図5)。B16F10黒色腫では、抗黒色腫抗体TA99(抗TRP1)との併用処置により、腫瘍の成長が有意に遅延したが、TA99処置のみではほとんど効果がなかった(図4eおよび図6)。長期生存実験(8週間)では、TA99と組み合わせたNeoleukin−2/15は、mIL−2と比較して、毒性が大幅に低下し、全体的に優れた治療効果を示した(図4e)。mIL−2とTA99の組み合わせで処置されたマウスは着実に体重が減少し、全体的な健康状態は安楽死を必要とするところまで減少したが、Neoleukin−2/15とTA99の組み合わせではほとんど減少は観察されなかった(図4e)。治療上の利点と一致して、Neoleukin−2/15処置は、腫瘍内CD8:Treg比の有意な増加をもたらし(図4fおよび図5を参照)、これは以前、効果的な抗腫瘍免疫応答と相関していた58。Neoleukin−2/15によるCD8:Treg比の増加は、用量と抗原に依存する(図4f)。最適な治療効果は、高用量で、および他の免疫療法と組み合わせて得られた(図6を参照)。まとめると、これらのデータは、Neoleukin−2/15が、免疫増強活性のようなIL−2に由来する予測される恒常性の利益を示すが、CD25の優先的結合に関連する有害な効果がないことを示している。これらの強化された特性と低毒性により、組換えIL−2が広く使用されていない他の免疫療法のために、Neoleukin−2/15を日常的に使用できるようになる可能性がある。そのような使用の例として、CAR−T細胞療法を増強するためのNeoleukin−2/15の潜在的な適用を調査した(図8を参照)。0.5×10個のRAJI腫瘍細胞を接種したNSGマウスを、未処置のままにしたか、0.8×10個の抗CD19 CAR−T細胞(腫瘍細胞接種後に7日間の注入)で処置したか、あるいは、腫瘍接種後の8〜14日目での20μg/日のヒトIL−2またはNeoleukin−2/15のいずれかに加えて、抗CD19 CAR−T細胞で同様に処置した。予想通り、Neoleukin−2/15は、このモデルで、CAR−T細胞療法の抗腫瘍効果を有意に増強し、腫瘍の増殖を遅らせ、マウスの生存を延長した(データは示さず)。
【0175】
タンパク質模倣体のデノボ設計は、タンパク質ベースの治療法の分野を変革する可能性を有し、サイトカインだけでなく、既知または正確に予測可能な構造を持つ事実上あらゆる生物学的に活性な分子に対して、治療特性が強化され、副作用が低減された、バイオスーペリア分子の開発を可能にする。現在の従来の操作アプローチの漸進的な性質のために(例えば、1〜3アミノ酸置換、単一部位での化学修飾)、親分子の欠点のほとんどは、必然的に、しばしば悪化した形で、得られる操作されたバリアントに受け継がれる。模倣体をデノボ構築することによって、これらの欠点を完全に回避することができる。組換えIL−2およびhIL−2の操作されたバリアントとは異なり、Neoleukin−2/15は大腸菌で可溶的に発現でき(図17を参照)、高温で活性を保持し、IL−2Rαと相互作用せず、新しい機能の操作を可能にする実質的な配列変化に対して頑強である(図7)。デノボ設計タンパク質は、サイズが小さく、安定性が高いため、免疫原性は低いようであり、hIL−2の漸増的バリアントとは対照的に、模倣体に対するいずれの抗体反応も、天然の親サイトカインと交差反応する可能性が低い。それらの高い安定性と頑強性、およびそれらの仕立てられた相互作用表面のために、設計された模倣体は、異なるタンパク質の機能性を組み合わせた次世代治療法、例えば、Neoleukin−2/15の標的バージョン、において特に強力である可能性が高い。
【0176】
Neoleukin−2/15の頑強なモジュール性。ジスルフィドステープリングとIL−4模倣体への再操作:Neoleukin−2/15は、高度にモジュール性であるため、その安定性を増加させる、または結合優先度を変更するなど、その性質を容易に調整することができる。このモジュール性と頑強性は、計算設計で、Neoleukin−2/1559の機能を保持する安定性強化の単一ジスルフィドステープルを導入することによる利点が活用された。このために、2つの直交的戦略を使用した。最初に、好ましい幾何学的配置を有する位置の対を検索し、続いて柔軟な骨格を最小化することによって、ジスルフィド架橋を導入した。最終的な設計では、残基38と75の間に単一ジスルフィドが導入され、ヘリックスH3およびH2が安定化された。第2のアプローチでは、Neoleukin−2/15のN末端とC末端をリモデリングして、タンパク質全体を包含する単一ジスルフィドステープルを導入できるようにした(末端PおよびS残基の除去後、N末端およびC末端について、それぞれ、配列CNSN(配列番号260)およびNFQC(配列番号261)を付加した、図18を参照)。両方のジスルフィドステープリング戦略は、Neoleukin−2/15の配列と機能にほとんど影響を与えないまま、Neoleukin−2/15の安定性を高めた(融解温度Tm>95℃)(図18を参照)。Neoleukin−2/15のモジュール性の特性を使用して、その結合優先度を改変した。インターロイキン2ファミリーのすべてのサイトカインは、γと相互作用し、共通のアーキテクチャを共有する。したがって、Neoleukin−2/15は、IL−2Rβ(ヘリックスH1およびH3)と相互作用する結合部位の半分のアミノ酸のみを変更することによって、IL−2ファミリーの別のサイトカイン模倣体に変換できるものと仮定された。概念の証拠として、ヒトインターロイキン−4(hIL−4)を、標的として選択した。なぜなら、それがIL−2と広範な構造的相同性を共有し、再生医療で潜在的な用途があるためである60,61。Neo−2/15モデルを、ヒトIL−4がそのIL−4受容体に結合した構造に整列すること、およびNeo−2/15の14残基を変異させ、IL−4とIL−4rの間の相互作用を媒介するそれらの構造的位置でIL−4のアミノ酸と一致させることによって、Neo−2/15が、ヒトIL−4受容体に結合するが(IL−4Rαおよびγを含む)、ヒトIL−2受容体には結合しない(IL−2Rβおよびγを含む)ように改変した(図7)。結合を、ランダム変異誘発を使用した定向進化および高結合親和性バリアントのスクリーニングによって、さらに最適化した。2つの追加のアミノ酸置換を導入し、IL−4タンパク質から移植した14個の元の残基のうちの1つを改変することによって、Neoleukin−2/15から、合計16個の変異を有する新しいタンパク質Neoleukin−4を生成した。得られた最適化された設計であるNeoleukin−4(表S5を参照)を、大腸菌から組換え発現および精製し、結合について試験した。Neoleukin−4は、IL−4Rα受容体に高い親和性で結合し、IL−4Rαγに協同して結合し(図7参照)、IL−2受容体には結合せず、なんら親和性を有さない(データは示さず)。Neoleukin−4は、Neoleukin−2/15の優れた熱安定性を保持し(図20b、cを参照)、IL−4のIL−13受容体に対する天然の交差反応性を考慮すると、予想通り、IL−13受容体に結合する(データは示さず)。全体として、これは、Neoleukin−2/15がモジュール的な足場として機能するのに十分頑強であり、その機能または物理的特性を非常に予測可能な方法で改変するために、かなりの合理的な配列変更が、導入され得ることを示している。
【0177】
方法
デノボサイトカイン模倣体の設計計算:デノボサイトカイン模倣体の設計は、設計のためのテンプレートとしてのIL−2Rβγ受容体との四次複合体中のhIL−2の構造を定義することによって開始した。検査後、結合部位を構成する残基は、Rosetta(ロゼッタ)のメタデータ(PDBInfoLabels)を使用してホットスポットとして定義された。構造は、PyRosettaでプログラムされた新しい模倣設計プロトコルに送り込まれ、標的テンプレートを構成するコア−二次構造要素を自動的に検出し、設計用の完全なRosettaScripts互換情報を含む、結果として得られるデノボ模倣骨格を産生することができる。簡単には、模倣構築アルゴリズムは、次のように機能する。第1世代の設計では、非常に理想的な断片(断片サイズが4アミノ酸)のクラスタ化されたデータベースからのループを使用して再構築することにより、各コア要素が理想化された。理想化後、模倣構築プロトコルは、理想化された要素を、すべての可能な組み合わせの対により、再連結することを目的としている。これを行うには、データベースからの配列非依存的断片のコンビナトリアル断片アセンブリを使用し、続いて潜在的なソリューションのデカルト制約骨格最小化を使用する(すなわち、構築された断片のN端とC端が2つの二次構造を連結するのに十分近い場合)。最小化後、ソリューションに、非常に理想的な断片が含まれること(すなわち、2つの連結された要素を構成するあらゆる重複する断片もデータベース内に含まれる)、および骨格が標的(コンテキスト)受容体と衝突しないことを検証する。次に、通過する骨格ソリューションを、断片の同じデータベースを使用して特性を明らかにし、各位置で最も可能性の高いアミノ酸を決定した(この情報は設計のメタデータにコード化された)。次に、連結された二次構造の対のソリューションを組み合わせて再結合し、グラフ理論の連結された構成要素を使用することによって、完全に連結された骨格を産生した。ソリューションの数は要素の対ごとに指数関数的に増加するため、断片の組み合わせの各ステップで、コア要素の対間の相互連結が短いものを優先するように設計をランク付けし、次のステップに進むために最上位のソリューションのみを保持した。次に、完全に連結されたソリューションを、層(界面、コア、非コア表面、表面)ごとに特性を明らかにして、可能なアミノ酸の同一性を、層と互換性のあるものに制限した。最後に、ホットスポット、互換性のある構築断片のアミノ酸および層に関するすべての情報が組み合わされた(ホットスポットはアミノ酸の確率よりも優先され、アミノ酸の確率はレイヤーよりも優先される)。次に、これらの完全に特性が明らかにされた骨格は、柔軟な骨格の設計とフィルタリングのためにRosettaScriptsに渡された(付録Aのrosetta−scriptを参照)。第2世代の設計については、2つのアプローチを採用した。最初のアプローチでは、最良の第1世代の最適化設計の配列再設計が実行された(G1_neo2_40_1F、付録Bを参照)。第2のアプローチでは、G1_neo2_40_1Fを標的テンプレートとして使用して、新しい模倣体が操作された。この第2世代の模倣設計プロトコルは、第1世代で説明されたものと似ているが、2つの重要な違いがある。まず、コア断片は、もはや断片から構築されなくなったが、代わりに、標的ヘリックスの各々をできる限り近くに再現させた繰り返しの二次構造をもたらす繰り返しのφ角およびψ角(ωは180°に固定)のパラメトリック方程式を見出すことによって、ヘリックスに曲率を有する可能性を与えるために(最終パラメータ:H1、H2、H3、H4)、あらゆるX−アミノ酸についてφ角およびψ角での「ピッチ」を可能にし、これらのパラメトリック方程式を使用することで、ループ構築プロセスと組み合わせて(最大/最小8アミノ酸)、標的構造中のコア要素の各々のサイズを随意に変更することが可能になり(サイズを拡大または縮小する)、コア要素のサイズが減少しても、ホットスポットが結合部位から除去されないようにした。第2世代の設計における2つ目の違いは、二次構造のコア要素を再連結する代わりに、7アミノ酸の断片サイズが使用され、2つ以上の断片のコンビナトリアルアセンブリは許容されなかったことである(すなわち、単一の断片で、二次構造の対を閉じることができるはずである)。残りの設計アルゴリズムは、本質的に、第1世代で採用されたものと同様であった(付録Cを参照)。使用されたロゼッタエネルギー関数は、第1世代と第2世代の設計で、それぞれ「talaris2013」と「talaris2014」であった。
【0178】
デノボ模倣体の骨格の設計に使用される非常に理想的な断片のデータベースは、RCSBタンパク質データバンクからの非冗長な一般に利用可能なタンパク質構造の広範なデータベースを使用して(第1世代の設計に使用した4−merデータベース用の16767個のPDB、および第2世代の設計に使用した7−merデータベース用の7062個のPDBからなる)、新しいロゼッタアプリケーションである「kcenters_clustering_of_fragments」を用いて構築された。
【0179】
酵母ディスプレイ:酵母を、線状化pETcon3ベクターと一緒に、ディスプレイ用のタンパク質をコードする遺伝子で形質転換した。ベクターを、NdeIおよびXhoI(New England Biolabs)による100倍の過剰消化によって線状化し、次いで、ゲル抽出(Qiagen)で精製した。遺伝子は、5’および3’末端の両方に、ベクターとの50塩基の重複を含み、相同組換えによって、遺伝子が、ベクター上のAGA2遺伝子とmycタグとの間に、インフレームで配置されるようにした。前述のように、酵母を、C−Trp−Ura培地で増殖させた後、SGCAA培地で誘導した。誘導の12〜18時間後、細胞を冷したディスプレイ緩衝液(50mMのNaPO pH8、20mMのNaCl、0.5%BSA)で洗浄し、4℃で撹拌しながら、さまざまな濃度のビオチン化受容体(いずれかヒトもしくはマウスIL−2Rα、IL−2Rβ、IL−2Rγ、またはヒトIL−4Rα)とともにインキュベートした。約30分後、細胞を、冷やした緩衝液中で再度洗浄し、次いでFITC結合抗c−Myc抗体(3×10細胞あたり1uL)およびストレプトアビジン−フィコエリトリン(酵母の100μLの体積当たり1μLの)とともに、氷上で5分間インキュベートした。次に、酵母を洗浄し、フローサイトメトリー(Accuri C6)でカウントするか、またはFACS(Sony SH800)で選別した。最初の受容体インキュベーションが、ビオチン化IL−2Rγと非ビオチン化IL−4Rαとの組み合わせで行った実験では、非ビオチン化受容体が、モル過剰で提供された。
【0180】
変異誘発および親和性成熟:エラープローンPCRベースの変異誘発の場合、変異させる設計をpETcon3ベクターにクローニングし、MutaGene II変異誘発キット(Invitrogen)を製造元の指示に従って使用して増幅し、ヌクレオチドあたり約1%の変異頻度を得た。1μgのこの変異遺伝子を、1μgの線状化されたpETcon3ベクターとともに、10程度の形質転換効率で、EBY100酵母にエレクトロポレーションした。その酵母を、集団が収束するまで、受容体の濃度を徐々に減少させながら、連続して複数回誘導および選別した。各選別間で、酵母を、C−Trp−Ura培地で再増殖させた。
【0181】
部位飽和変異誘発(SSM)ライブラリは、Genscriptの合成DNAから構築された。各設計テンプレートの各アミノ酸について、フォワードプライマーとリバースプライマーを設計し、PCR増幅で、縮重NNKコドンを含む5’PCR産物、および3’PCR産物、が得られるようにした。COFおよびCORプライマーによる「左」および「右」産物の増幅から、一連のテンプレート産物が得られ、それぞれ、異なる残基位置での縮重NNKコドンからなっていた。各設計について、これらの産物をプールして、SSMライブラリを得た。SSMライブラリは、Benatuilらによって以前に記載されたプロトコルを使用して、線状化pETCON3ベクターとともに、Saccharomyces cerevisiae株であるEBY100細胞にエレクトロポレーションすることによって、形質転換された。
【0182】
コンビナトリアルライブラリは、あいまいなヌクレオチドを含むGenscriptからの合成DNAから構築され、同様に、線状化pETCON3ベクターに形質転換された。
【0183】
タンパク質発現:設計されたタンパク質配列をコードする遺伝子を合成し、pET−28b(+)E.coliプラスミド発現ベクター(GenScript、N末端6xHisタグおよびトロンビン切断部位)にクローニングした。次いで、プラスミドを化学的にコンピテントな大腸菌Lemo21細胞(NEB)に形質転換した。Terrific BrothおよびM塩を使用してタンパク質発現を行い、OD600が約0.8に達するまで、培養物を37℃で増殖させた後、1mMのイソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)で発現を誘導し、温度を18℃に下げた。約18時間の発現後、細胞を回収し、Microfluidics M110Pマイクロフルイダイザを用いて、18,000psiで溶解し、24,000gで20分間遠心分離して、可溶性画分を澄ませた。可溶性画分は、Immobilized Metal Affinity Chromatograpy(Qiagen)、続いてFPLCサイズ排除クロマトグラフィー(Superdex 75 10/300 GL、GE Healthcare)によって精製した。精製されたNeoleukin−2/15は、溶液中の分子量種の質量分析(MS)検証(Thermo Scientific)、単量体状態および分子量を検証するためのサイズ排除−多角度レーザー光散乱(SEC−MALLS)(Agilent、Wyatt)、SDS−PAGE、ならびにエンドトキシンレベル(Charles River)によって特徴づけられた。
【0184】
hIL−2(1〜133アミノ酸)、hIL−2Rα(1〜217アミノ酸)、hIL−2Rβ(1〜214アミノ酸)、hIL−2Rγ(1〜232アミノ酸)、mIL−2(1〜149アミノ酸)、mIL−2Rα外部ドメイン(1〜213アミノ酸)、mIL−2Rβ外部ドメイン(1〜215アミノ酸)、およびmγ外部ドメイン(1〜233アミノ酸)を含むヒトおよびマウスIL−2複合体成分は、以前に記載されているように17,49、バキュロウイルス発現システムを使用して、分泌および精製された。すべてのタンパク質は、HBSで平衡化されたSuperdex 200サイジングカラム(GE Healthcare)を使用して>98%の均一性まで精製された。純度は、SDS−PAGE分析によって確認した。ビオチン化ヒトIL−2およびマウスIL−2受容体サブユニットの発現については、C末端ビオチンアクセプターペプチド(BAP)−LNDIFEAQKIEWHE(配列番号262)を含むタンパク質を発現させ、Ni−NTAアフィニティクロマトグラフィーを介して記載されたように精製し、次いで、0.5mMのBicine pH8.3、100mMのATP、100mMの酢酸マグネシウム、および500mMのビオチン(Sigma)中で、可溶性BirAリガーゼ酵素を用いてビオチン化した。過剰なビオチンは、HBSで平衡化したSuperdex200カラムでのサイズ排除クロマトグラフィーによって除去した。
【0185】
Neoleukin−2結晶および共結晶構造:C末端6xHisタグ付きエンドグリコシダーゼH(endoH)とマウスIL−2RβおよびIL−2Rγを、前述のように、バキュロウイルスシステムを使用してHi−five細胞で別々に発現させた。IL−2Rγは、5μMキフネンシンの存在下で増殖させた。約72時間後、分泌されたタンパク質を、Ni−NTAアガロースカラムに通すことによって培地から精製し、HBS緩衝液(150mMのNaCl、10mMのHEPES pH7.3)中の200mMのイミダゾールで溶出した。EndoHは、透析濾過によりHBS緩衝液に交換した。mIL−2Rγを、1:75(w/w)のendoHとともに一晩インキュベーションすることによって、脱グリコシル化した。mIL−2RβおよびmIL−2Rγを、さらに精製し、S200カラム(GE Life Sciences)を使用して、FPLCで緩衝液交換した。
【0186】
単量体のNeoleukin−2/15を、12mg/mlに濃縮し、2.4Mのマロン酸ナトリウムpH7.0からの蒸気拡散によって結晶化し、結晶を回収し、さらなる凍結保護せずに急速冷凍した。結晶は、スタンフォードシンクロトロン放射光研究所のビームライン12−2で、2.0Åの分解能で回折し、XDSを使用して、指数付けて積分した(Kabsch,2010)。空間群は、Pointless(Evans,2006)で割り当てられ、スケーリングは、CCP4 suite(Winn et al.,2013)のAimless(Evans and Murshudov,2013)で実行した。本発明者らの予測モデルを検索アンサンブルとして使用して、非対称ユニットに配置された6つのプロトマーを用いて、Phaser(McCoy et al.,2007)の分子置換によって構造を解析した。Autobuild(Terwilliger et al.,2008)で最初に再構築した後、Coot(Emsley et al.,2010)とPhenix(Adams et al.,2010)を使用して、手動の再構築と精密化の反復サイクルを実行した。
【0187】
三元Neoleukin:mIL−2Rβ:mIL−2Rγ複合体を結晶化するために、3種類のタンパク質を等モル比で組み合わせ、1:100(w/w)のカルボキシペプチダーゼAおよびBで一晩消化して精製タグを除去し、S200カラムを使用してFPLCで精製した。3種類のタンパク質すべてを含む画分をプールし、20mg/mlに濃縮した。最初の針状微結晶は、0.1MイミダゾールpH8.0、1Mクエン酸ナトリウムからの蒸気拡散によって形成され、マイクロシードマトリックススクリーニングで後に使用するための、マイクロシードストックの調製に使用した(MMS、(D’Arcy et al.,2014))。MMSを1回繰り返した後、同じ沈殿剤で成長させた結晶を、30%エチレングリコールで凍結保護し、収穫して、Advanced Photon Sourceのビームライン23ID−Bで、3.4Åx3.8Åx4.1Åの分解能で異方的に回折した。この構造は、検索アンサンブルとしてヒトIL−2RβおよびIL−2Rγ構造(pdb ID 2B5I)を使用したPhaserでの分子置換によって解析された。これによって、2つのポリアラニンアルファヘリックスを手動で構築できる電子密度マップが得られた。Phenixでの剛体精密化(rigid body refinement)に続いて、2つのモデル化されていないαヘリックスの電子密度が、BCループといくつかの芳香族側鎖とともに可視化され、単量体Neoleukinのドッキングが可能になった。MMSをさらに2回繰り返し、添加剤スクリーン(Hampton Research)を使用すると、150nlのタンパク質、0.1MのTris pH7.5を含む125nlのウェル溶液、5%デキストラン硫酸、2.1M硫酸アンモニウム、および1.3M硫酸アンモニウム、50mMのTris pH7.5、50mMイミダゾールpH8.0、300mMクエン酸ナトリウムを含む25nlのマイクロシードストックを使用して、蒸気拡散によって成長した結晶が産生された。3Mマロン酸ナトリウムで凍結保護された結晶を瞬間冷凍し、Advanced Light Sourceのビームライン5.0.1で、異方的に2.5Åx3.7Åx3.8Åに回折した。XDSでデータを処理した後、STARANISOサーバー(Bruhn et al.,2017)を使用して、楕円分解能限界が適用された。モデルの迅速な収束は、TLSを使用したこれらの反射に対する精密化と、Buster(Smart et al.,2012、Bricogne et al.,2016)での高分解能ヒト受容体(PDB id 2B5I)およびNeoleukin−2/15構造への標的拘束によって得られ、Cootでの手動再構築、続いてPhenixでの標的拘束なしの最終ラウンドの精密化を用いた。構造図は、PyMol(Schrodinger,LLC.2010.The PyMOL Molecular Graphics System,Version 2.1.0)で作成された。このプロジェクトで使用されたソフトウェアは、SBGridによってインストールされ、構成された(Morin et al.,2013)。
【0188】
細胞株:非修飾YT−164およびIL−2RαYT−1ヒトナチュラルキラー細胞65は、RPMI完全培地で培養した(10%ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、最小非必須アミノ酸、ピルビン酸ナトリウム、25mMのHEPES、およびペニシリン−ストレプトマイシン[Gibco]を補充したRPMI1640培地)。ATCCから購入したCTLL−2細胞は、ConA(Corning)を含む10%T−STIM培養の補充で補完されたRPMIで培養した。全ての細胞は、5%COを含む加湿雰囲気中、37℃で維持した。IL−2Rαを発現するYT−1細胞の亜集団は、以前に記載されているように、磁気選択を介して精製した17。IL−2Rα発現の濃縮と持続性は、PE結合抗ヒトIL−2Rα(Biolegend)抗体の結合をAccuri C6フローサイトメーター(BD Biosciences)で分析することによってモニターした。
【0189】
円二色性(CD):遠紫外CD測定は、AVIV分光計モデル420を用いて、1mm光路長のキュベット内のPBS緩衝液(pH7.4)中、約0.20mg/ml(本文で特に明記しない限り)のタンパク質濃度で行った。温度を25から95℃へと融解し、222nmでの吸収シグナルをモニターした(2℃/分のステップ、ステップごとに30秒の平衡化)。波長スキャン(195〜260nm)を、25℃と95℃で収集し、急速リフォールディング後(〜5分)、25℃で再び収集した。
【0190】
結合研究:表面プラズモン共鳴(SPR):IL−2受容体親和性滴定研究では、ビオチン化ヒトまたはマウスIL−2Rα、IL−2Rβ、およびIL−2Rγ受容体を、ストレプトアビジンでコーティングされたチップに固定化して、BiacoreT100機器(GE Healthcare)で分析した。非特異的結合を差し引くために、無関係なビオチン化タンパク質を、参照チャネルに固定化した。物質移動効果を最小限に抑えるために、100応答ユニット(RU)未満の各リガンドを固定化した。hIL−2、mIL−2、Super−2、または操作IL−2模倣体の3倍段階希釈液を、固定化リガンド上に60秒間流し、解離を240秒間測定した。IL−2Rβγ結合研究については、飽和濃度のhIL−2Rβ(3uM)またはmIL−2Rβ(5uM)を、それぞれ、示された濃度のhIL−2またはmIL−2に加えた。表面の再生は、すべての相互作用について、10mM酢酸ナトリウムpH5.5中の1MのMgCl2への15秒間の曝露を使用して行った。SPR実験は、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)を補充したHBS−P+緩衝液(GE Healthcare)で25℃で実施し、すべての結合研究は、分析物の再結合を防ぐために、50L/minの流速で実施した。データは、Biacore T100評価ソフトウェアバージョン2.0(GE Healthcare)を使用して、視覚化および処理した。平衡滴定曲線のフィッティングと平衡結合解離(KD)値の決定は、すべての結合相互作用が一次であると仮定して、GraphPadPrismを使用して実行された。バイオレイヤー干渉測定(biolayer interferometry):結合データはOctet RED96(ForteBio,Menlo Park,CA)で収集され、1:1結合モデルを使用して、機器の統合ソフトウェアを使用して処理された。ビオチン化標的受容体、ヒトまたはマウスのIL−2Rα、IL−2Rβ、IL−2Rγ、もしくはヒトIL−4Rαのいずれかを、結合緩衝液(10mMのHEPES [pH7.4]、150mMのNaCl、3mMのEDTA、0.05%界面活性剤P20、0.5%脱脂粉乳)中、1μg/mlで、300秒間、ストレプトアビジンでコーティングされたバイオセンサ(SA ForteBio)に機能化した。分析物タンパク質を、濃縮ストックから結合緩衝液へと希釈した。結合緩衝液のみでベースラインを測定した後、バイオセンサを100nMの設計タンパク質を含むウェルに浸し(結合)、次いで、そのセンサを、ベースラインウェルに再度浸して(解離)、結合速度をモニターした。結合実験では、IL−2Rγがセンサに結合している間に、IL−2RβまたはIL−4Rαのいずれかを溶液に補充し、補充タンパク質は、2.5倍モル過剰で提供された。
【0191】
STAT5リン酸化研究:インビトロ研究:約2x10個のYT−1、IL−2RαYT−1、またはCTLL−2細胞を、96ウェルプレートの各ウェルにプレーティングし、hIL−2、mIL−2、Super−2、または操作IL−2模倣体の段階希釈を含むRPMI完全培地に再懸濁した。細胞を、37℃で15分間刺激し、ホルムアルデヒドを1.5%まで添加することによって直ちに固定し、室温で10分間インキュベートた。細胞の透過処理は、氷冷した100%メタノールに4℃で30分間再懸濁することで達成された。固定および透過処理した細胞を、FACS緩衝液(0.1%ウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水[PBS]pH7.2)で2回洗浄し、FACS緩衝液で希釈したAlexaFluor(登録商標)647結合抗STAT5pY694(BD Biosciences)と2時間インキュベートした。次に、細胞をFACS緩衝液で2回洗浄し、CytoFLEXフローサイトメーター(Beckman−Coulter)でMFIを測定した。用量反応曲線をロジスティックモデルに適合させ、未刺激細胞の平均蛍光強度(MFI)を差し引き、最大シグナル強度に正規化した後、GraphPad Prismデータ分析ソフトウェアを使用して半最大有効濃度(EC50値)を計算した。実験を3重で行い、3回実施したところ、同様の結果が得られた。エクスビボ研究:脾臓およびリンパ節は、Jackson Laboratoryから購入した野生型C57BL/6JマウスまたはB6;129S4−Il2ratm1Dw(CD25KO)マウスから採取し、ソート緩衝液(pH7.2のリン酸緩衝生理食塩水中2%ウシ胎児血清)中の、単一の細胞懸濁液に調製した。CD4+T細胞は、細胞懸濁液を、ビオチン結合抗B220、CD8、NK1.1、CD11b、CD11c、Ter119、およびCD19抗体(1:100)で、氷上で30分間染色することによって、負の選択を通して濃縮した。ソート緩衝液で洗浄後、抗ビオチンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を、10個の全細胞あたり20μL、細胞懸濁液に添加し、氷上で20分間インキュベートした。細胞を洗浄し、再懸濁し、EasySep Magnet(STEMCELL Technologies)を使用して、負の選択を行った。約1x10個の濃縮細胞を、96ウェルプレートの各ウェルへ、mIL−2、Super−2、またはNeoleukin−2/15の10倍段階希釈を含む5%FCS含有RPMI完全培地中に添加した。細胞を、5%CO中、37℃で20分間刺激し、4%PFAで固定し、4℃で30分間インキュベートした。固定後、細胞を回収し、ソート緩衝液で2回洗浄し、透過処理のために、dHO中の90%氷冷メタノール500μLで、30分間氷上で再度固定した。細胞を、Perm/Wash緩衝液(BD Biosciences)で2回洗浄し、Perm/Wash緩衝液中の抗CD4−PerCP(1:300)、抗CD44−Alexa Fluor 700(1:200)、抗CD25−PE−Cy7(1:200)、および試料あたり5μLの抗pSTAT5−PE pY694で、暗中室温で45分間染色した。細胞を、Perm/Washで洗浄し、BD LSR IIフローサイトメーター(BD Biosciences)で分析するためにソート緩衝液に再懸濁した。
【0192】
インビボマウス気道炎症実験:C57BL/6Jは、Jackson Laboratoryから購入した。マウスに、PBSに再懸濁した20μLの全ハウスダストダニ抗原(Greer)を、マウス1匹あたりDerp1が計23μgになるように、鼻腔内接種した。1〜7日目から、マウスに、滅菌PBS(pH7.2)中の20μgのmIL−2、滅菌PBS中のモル当量のNeoleukin−2/15、または注射なしで、腹腔内注射を毎日行った。8日目に、以前に記載されているように(Hondowicz,Immunity,2016)、循環T細胞を、血管内標識し、リンパ節および脾臓または肺から、四量体陽性細胞を濃縮した。フローサイトメトリー分析のために、カラムの素通り画分と結合画分の両方を保存した。細胞を抗体で表面染色し、BD LSR IIフローサイトメーター(BD Biosciences)で分析した。動物モデル:C57BL/6マウスは、Jackson Laboratoryから購入するか、社内で飼育した。BALB/cマウスは、Charles Riverから購入した。動物は、Dana−Farber Cancer Institute(DFCI)のInstitutional Animal Care and Use Committee、Direcao Geral de Veterinaria、およびiMM Lisboa ethical committeeによって承認されたプロトコルに従って維持した。
【0193】
結腸直腸癌のインビボマウス実験:CT26細胞は、ポルトガルのIGC(Instituto Gulbenkian de Ciencia)にあるJocelyne Demengeotの研究グループから供給された。0日目に、5x10^5細胞を、50μLのダルベッコ改変イーグル培地(Gibco)とMatrigel(Corning)の1:1混合液とともに、BALB/cマウスの側腹部に皮下(s.c.)注射した。腫瘍体積が約100mm3に達した6日目から、50μLのPBS(Gibco)中のNeoleukin−2/15およびmIL−2(Peprotech)を、毎日腹腔内(i.p.)注射することによって投与した。抗PD−1抗体(Bio X Cell)による処置は、マウスあたり200μg(PBS中)を、週に2回、腹腔内注射することによって実施した。腫瘍体積が1,300mm3に達したとき、マウスを犠牲にした。
【0194】
黒色腫のインビボ実験:B16F10細胞は、ATCCから購入した。0日目に、500μLのハンクス平衡塩類溶液(Gibco)中の5×10細胞を、皮下注射することによって接種した。1日目から、200μLのLPSフリーPBS(Teknova)中のNeoleukin−2/15およびmIL−2(Peprotech)を、毎日腹腔内(i.p.)注射することによって投与した。示されているように、数日後に、150μg/マウスのTA99(マサチューセッツ工科大学のNoor MominおよびDane Wittrup両氏からの寄贈)による処置を追加した。腫瘍体積が2,000mm3に達したとき、マウスを犠牲にした。
【0195】
フローサイトメトリー:切除した腫瘍を細かく切り刻み、酵素で消化し(Miltenyi Biotec)、40μmフィルターを通した。脾臓および腫瘍流入領域リンパ節からの細胞を、1mLシリンジプランジャーの背面を使用して、40μmセルストレーナを通してPBSに分散させた。すべての細胞懸濁液を、PBSで1回洗浄し、細胞ペレットを、フルオロフォア結合抗体を含有する2%不活化ウシ胎児血清に再懸濁した。細胞を、4℃で15分間インキュベートした後、固定し、透過処理し、BioLegend FoxP3染色キットを使用して染色した。試料は、BD Fortessaフローサイトメーターで分析した。黒色腫実験で使用された抗体(BioLegend)は、CD45−BV711(クローン30−F11)、CD8−BV650(53−6.7)、CD4−BV421(GK1.5)、TCRβ−BV510(H57−597)、CD25−AF488(PC61)、FoxP3−PE(MF−14)であった。結腸癌実験で使用された抗体(eBioscience)は、CD45−BV510(30−F11)、CD3−BV711(17A2)、CD49b−FITC(DX5)、CD4−BV605(GK1.5)、CD8−PECy7(53−6.7)、Foxp3−APC(FJK−16s)であった。Fixable Viability Dye eFluor 780(eBioscience)を使用して、死細胞を除外した。
【0196】
抗Neoleukin−2/15ポリクローナル抗体の生成:マウスに、PBSと完全フロイントアジュバントの1:1エマルジョン200μL中の500μgのK.O.Neoleukinを、腹腔内注射した。7日目および15日目に、マウスに、PBSと不完全フロイントアジュバントの1:1エマルジョン200μL中の500μgのKONeoleukinを、追加免疫した。20日目に、血清を採取し、ELISAにより、Neoleukin−2/15の認識を確認した。
【0197】
酵素結合免疫吸着測定法(ELISA):高結合96ウェルプレート(Corning)を、炭酸緩衝液中の100ng/mLのNeoleukin−2/15、mIL−2(Peprotech)、hIL−2(Peprotech)またはオボアルブミン(Sigma−Aldrich)を用いて、4℃で一晩コーティングした。標的タンパク質への抗体結合は、75ng/mLのHRP結合ヒツジ抗マウスIgG(GE Healthcare)を使用して検出した。プレートは、テトラメチルベンジジンおよびHClで現像した。EnVisionマルチモードプレートリーダー(PerkinElmer)を使用して、450nmで吸光度を測定した。
【0198】
T細胞増殖アッセイ:EasySep T Cell Isolation Kit(Stemcell Technologies)を使用して、マウスの脾臓から細胞を単離した。それらを、96ウェル培養プレートのRPMI中に、10,000細胞/ウェルの密度でプレーティングした。培地には、通常または熱処理されたNeoleukin−2/15、rmIL−2、またはSuper−2が補充された。37℃で5日間培養した後、CellTiter−Glo Luminescent Cell Viability Assay(Promega)で細胞の生存と増殖を測定した。
【0199】
統計分析および検定力分析:インビボでのマウス気道炎症実験:MIKELインビボでのマウス結腸癌実験:CARLOSインビボでのマウス黒色腫実験:担癌マウスの生存率の比較は、ログランク(マンテル・コックス)検定を使用して行った。担癌マウスの体重減少の比較は、両側t検定を使用して行った。0.05未満のP値を、有意であると見なした。最小群サイズは、予想される大きな効果量(Cohenのd=1.75)について、G*Powerを使用して決定した。
【0200】
Neoleukin−2/15とのマウス血清アルブミン(MSA)融合のバイオレイヤー干渉測定分析。半減期の延長のためにNeoleukin−2/15をMSAに遺伝子融合しても、サイトカイン模倣体は、マウスIL−2RBetaおよびIL−2RGammaに対する元々の結合親和性(33.5±0.2nM)を維持する(データ未掲載)。この研究で利用した構築物は以下の通りであった:
任意選択的:(括弧内のHisTag TEV切断部位)
マウス血清アルブミン(イタリック体)
リンカー
Neo2/15(太字)
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号244)
【0201】
ビオチン−mIL2γをストレプトアビジンバイオセンサに固定化し、MSA−Neo2の濃度を、飽和濃度のmIL2Betaの存在下で、729から1nMに滴定した。バイオレイヤー干渉測定は、上記のように実行された。結合データは、Octet RED96(ForteBio,Menlo Park,CA)で収集され、1:1の結合モデルを使用して、機器の統合ソフトウェアを使用して処理された。ビオチン化標的受容体、ヒトまたはマウスのIL−2Rα、IL−2Rβ、IL−2Rγ、もしくはヒトIL−4Rαのいずれかを、結合緩衝液(10mMのHEPES [pH7.4]、150mMのNaCl、3mMのEDTA、0.05%界面活性剤P20、0.5%脱脂粉乳)中、1μg/mlで、300秒間、ストレプトアビジンでコーティングされたバイオセンサ(SA ForteBio)に機能化した。分析物タンパク質を、濃縮ストックから結合緩衝液へと希釈した。結合緩衝液のみでベースラインを測定した後、バイオセンサを100nMの設計タンパク質を含むウェルに浸し(結合)、次いで、そのセンサを、ベースラインウェルに再度浸して(解離)、結合速度をモニターした。
【0202】
CAR−T細胞のインビボ実験:インビトロT細胞増殖アッセイ。初代ヒトT細胞は、健康なドナーから入手した。末梢血単核細胞(PBMC)は、Ficoll−Hypaque(Sigma)上で遠心分離によって分離した。T細胞は、EasySep(商標)CD8またはCD4ネガティブ単離キット(STEMCELL Technologies)を使用して単離した。T細胞を刺激するために、T細胞を解凍し、50IU/ml(3.1ng/ml)のIL2を補充した培地中で、抗CD3/CD28 Dynabeads(Gibco)と、1:1の比率でインキュベートした。4日間のインキュベーション後、ビーズを除去した。刺激した、または新たに解凍して刺激していないT細胞を、96ウェルフォーマットで、それぞれ30000または50000細胞/ウェルでプレーティングし、示された濃度のIL2またはNeoleukin−2/15で、3重で培養した。3日後、CellTiter−Glo2.0を使用して、増殖を測定した(プロメガ)。
【0203】
インビボRAJI実験:6〜8週齢のNSGマウスは、Jackson Laboratoryから入手した。ffluc/eGFPで形質導入された0.5*10^6個のRAJI腫瘍細胞は、NSGマウスに尾静脈注射された。腫瘍注射の7日後、(Liu et al,2016)に記載されているように調製したレンチウイルス形質導入抗CD19 CAR T細胞(0.4*10^6個のCD4、0.4*10^6個のCD8)を、マウスに静脈内注入した。20μg/マウスのhIL2またはNeoleukin−2/15を、腫瘍注射後8〜16日目に腹腔内投与した。
【0204】
PEG化ポリペプチドの調製:単一または二重のシステイン変異を有するNeo−2/15ストックをリン酸緩衝液(pH7.0)に透析し、1.0〜2.0mg/mlに調整した。TCEPを、タンパク質に対して10:1のモル比で添加し、RTで10分間インキュベートして、ジスルフィドを還元した。マレイミド修飾PEG40k(PEG40k−MA)またはPEG30k(PEG30k−MA)粉末を、還元タンパク質溶液に、10:1のPEG:システインのモル比で直接添加し、撹拌しながら2時間インキュベートした。SDS−PAGE用に一定分量を、反応混合物から直接採取した。これらのデータは、予想される化学量論において、PEG40k−MAまたはPEG30k−MAとNeo−2/15システイン変異体との間の共有結合の迅速で、自発的で、かつほぼ定量的な形成を実証している。
【0205】
Neo−2/15およびPEG化Neo−2/15−E62C(Neo−2/15−PEG)による処置は、複数の炎症マーカーのレベルの変化を実証した:2個体の非ヒト霊長類(NHP)、1群あたり1人の男性および1人の女性は、いずれか、ビヒクル(群1)、Neo−2/15(PEGなし)(群2〜4)またはNeo−2/15 PEG(群5〜7、E62Cの単一システイン変異およびPEG40K)による治療に割り当てられた。ビヒクルまたはNeo−2/15(PEGなし)で処置された動物は、研究1、2、3、4、5、6および7日目(1日1回を1週間)に、いずれか、0(ビヒクル)、または0.07、0.21もしくは0.14mg/kg/日のNeo2/15(PEGなし)(それぞれ、群2、3および4)の用量調整値の用量レベルで、静脈内(IV)ボーラスにより投与された。Neo−2/15 PEGで処置された動物は、研究1日目および7日目に、0.05、0.15、または0.10mg/kg/日のNeo−2/15PEG(それぞれ、群5、6および7)の用量レベルで、静脈内ボーラスにより投与された。サイトカイン試料は、1日目および7日目に、投与後0、4、8、および24時間の時点で、採取された。サイトカインの血清試料を調製し、−70℃未満で凍結し、分析用に出荷した。試料は、Luminexマルチプレックスイムノアッセイシステムで分析された。IL−15およびIL−10を含むいくつかのサイトカインは、サイトカイン産生の時間経過で顕著な違いを実証し、PEG化分子のより持続的な薬力学的効果と一致していた。
【0206】
標的化Neo−2/15融合体は、それらのIL−2R結合親和性を保持し、抗腫瘍効果を実証した。選択された標的化ドメインは、ペプチドリンカーを介してNeo−2/15のN末端またはC末端に融合され、バイオレイヤー干渉測定によって、ヒトおよびマウスIL−2Rへのそれらの結合親和性を特徴づけるために、インビトロで試験された。その結果、N末端またはC末端のいずれかにNeo−2/15を融合しても、IL−2Rに結合するその能力が妨げられないことを確認した。その後のインビトロのフローサイトメトリー研究から、これらの融合タンパク質が、細胞の表面上の標的受容体に結合できることを確認した。標的構築物の有効性は、インビボのマウス実験で評価され、腫瘍細胞または免疫細胞に対する標的Neo−2/15部分が、非標的対照よりも有益な抗腫瘍効果を有することが実証された(データは示さず)。
【0207】
試験された融合としては、限定されないが、以下が含まれる:(i)配列番号100のリンカーを介したNeo 2/15のC末端への抗CD47ナノボディの融合、(b)配列番号100のリンカーを介したNeo2/15のN末端への抗CD47ナノボディの融合、(c)配列番号100のリンカーを介したNeo2/15のC末端への抗CTLA4ナノボディの融合、(d)配列番号100のリンカーを介したNeo2/15のN末端への抗CTLA4ナノボディの融合、(e)配列番号100のリンカーを介したNeo2/15のC末端への抗PDL−1ナノボディの融合、(f)配列番号100のリンカーを介したNeo2/15のN末端への抗PDL−1ナノボディの融合。
【0208】
Neo−2/15へのアルブミンの融合は、IL−2R結合親和性を維持した。マウス血清アルブミン(MSA)を、ペプチドリンカーを介してNeo 2/15のN末端に融合し、バイオレイヤー干渉測定によってインビトロで試験して、マウスIL−2Rへのその結合親和性を特徴づけた。ビオチン−mIL2γをストレプトアビジンバイオセンサに固定化し、MSA−Neo2の濃度を、飽和濃度のmIL2Betaの存在下で、729から1nMに滴定した。これらの融合は、IL−2R結合能力を維持した(データは示さず)。
【0209】
PEG化および非PEG化Neo−2/15は、非ヒト霊長類(NHP)で意味のある抗薬物抗体(ADA)応答を誘発しない。PEG化および非PEG化Neo−2/15(PEG化Neo−2/15の場合:E62Cの単一システイン変異およびPEG40K)が、ADAを誘発する可能性について、非ヒト霊長類で試験した。動物に、いずれかの化合物を1週間静脈内投与した:PEG化Neo−2/15を1目および7日目に、野生型Neo−2/15を1〜7日目に。その後、様々な時点で採血し、投与した化合物に特異的な抗体の存在について分析した。各用量群は、1匹のオスと1匹のメスのマカクで構成された。非PEG化Neo−2/15は、0.1m/kg、0.2mg/kg、または0.3mg/kgで、7日間連続で、毎日の静脈内ボーラス注射を介して投与した。PEG化Neo−2/15は、1日目と7日目に、0.015mg/kg、0.050mg/kg、0.10mg/kgの静脈内ボーラス注射を介して投与された。ビヒクル対照群には、等量の生理食塩水を、7日間連続で、毎日投与した。研究1日目(投与前)、22、29、および43日目のADA分析のために、橈側皮静脈または伏在静脈を介して各動物から約750ulの血液を採取した。湿った氷上で、血清分離管を使用して血液から血清を抽出し、その後、分析するまで−80℃で保存した。ビヒクルまたはPEG化Neo−2/15のいずれかを投与されたすべてのカニクイザルでは、22、29、および43日目のADAが、試験で陰性であり、PEG化Neo−2/15が、マカクの免疫系に対してまったく外来的な計算上設計されたタンパク質であるにもかかわらず、反復投与後であっても、検出可能な免疫応答が誘発されなかったことを実証している。ビヒクル対照を投与された両方(雄1匹、雌1匹)のマカクは、1、15、22、および28日目において、野生型Neo−2/15に対するADAが、試験で陰性であった。非PEG化Neo−2/15を投与された群のすべての動物(雄3匹、雌2匹)は、1日目(投与前)に、ADAが試験で陰性であった。これらのうち、5匹のうちの3匹(60%)は、22、29、および43日目に、ADAに対して陰性のままであった。残りの2匹の動物では、その後、22、29、または43日目に、ADAに対して試験で陽性であった。1人の対象は、22日目と29日目に試験で陽性であったが、43日目には陰性に戻った。その対象の場合、ADA応答は低くて一過性であり、臨床的意義が最小限であることを示唆している。別の対象は、22、29、および43日目に試験で陽性であった。その対象の場合、測定されたADA濃度は100ng/mlをはるかに下回っていたため、臨床的関連性は不明であった。
【0210】
データ表
表E1。IL−2/IL−15のいくつかのデノボ設計模倣体の特性評価。この表は、デノボIL−2/IL−15模倣体および参照サイトカイン:mIL−2Rβ、mIL−2Rβγc、のKd、EC50、hIL−2(PDB:2B5I)およびmIL−2(PDB:)に対する構造整列(MICAN63)による配列類似性、各分子の親、そのアミノ酸長、ならびにデノボIL−2模倣体の配列を示している。「N/S」は有意差なし(non−significant)を意味し、「N/A」はデータなし(non−available)を意味する。
【表9-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表9-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表9-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【表13-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表13-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表13-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
Neoleukin−2/15−H8Y−K33E:H1−>H3−>H2’−>H4
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
(配列番号94)
【0211】
Neoleukin−2/15−H8Y−K33EのIL2受容体への結合を、バイオレイヤー干渉測定によって測定したところ、IL2Rbetaのみに対して試験した場合と、IL2Rbeta−gamma複合体に対して試験した場合との両方で、IL2−Rbetaに対して、Neoleukin−2よりも結合親和性が高いことがわかった。この親和性の増加は、主に、IL2−Rbetaからの解離速度(off−rate)の改善に起因していた。
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
付録A.模倣体第1世代の配列設計のためのRosettaScriptsXMLプロトコル。
<ROSETTASCRIPTS>
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付録B.G1_Neo2_40_1F(すなわち、第2世代)の配列再設計のためのRosettaScriptsXMLプロトコル。
<ROSETTASCRIPTS>
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<Reweight scoretype=fa_elec weight=1.0 />
</SFXN6dA_norep_elect >
<SFXN6dA_elect weights=“./talaris2014_cart_downAla.wts” symmetric=0 >
<Reweight scoretype=fa_elec weight=2.0 />
</SFXN6dA_elect >
</SCOREFXNS>
<MOVERS>
<SwitchChainOrder name=“keep_only_chain_A” chain_order=“1”/>
</MOVERS>
<FILTERS>
<!−−Not Enabled−−>
<Holes name=“holes_disabled” threshold=“1.2” confidence=“0”/>
<ScoreType name=“score_disabled” scorefxn=“SFXN6_vanilla” score_type=“total_score” threshold=0.0 confidence=“0” />
<ResidueCount name=“nres_disabled” confidence=“0” />
<PackStat name=packstat_disabled threshold=“0.65” repeats=“3” confidence=“0” />
<SSPrediction name=“sspred_disabled” cmd=“/work/dadriano/PROGRAMS/psipred/runpsipred_single” use_probability=“0” use_svm=“0” threshold=0.85 confidence=“0”/>
<BuriedUnsatHbonds name=“unsat_core_disabled” cutoff=0 task_operations=“only_core_residues” jump_number=0 confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd1_chainA_disabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd2_chainA_disabled“reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd3_chainA_disabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<CalculatorFilter name=“score_res_disabled” equation=“SCORE/NRES” threshold=“−1.8” confidence=“0”>
<SCORE name=“SCORE” filter_name=“score_disabled” />
<NRES name=“NRES” filter_name=“nres_disabled” />
</CalculatorFilter>
<!−−Enabled−−>
<PackStat name=“packstat_enabled” threshold=“0.65” repeats=“3” confidence=“1” />
<SSPrediction name=“sspred_enabled” cmd=“/work/dadriano/PROGRAMS/psipred/runpsipred_single” use_probability=“0” use_svm=“0” threshold=0.85 confidence=“1”/>
<CalculatorFilter name=“score_res_enabled” equation=“SCORE/NRES” threshold=“−1.8” confidence=“1”>
<SCORE name=“SCORE” filter_name=“score_disabled” />
<NRES name=“NRES” filter_name=“nres_disabled” />
</CalculatorFilter>
<CavityVolume name=“cav_vol_disabled” />
<BuriedUnsatHbonds name=“unsat_core_enabled” cutoff=0 task_operations=“only_core_residues” jump_number=0 confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd1_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd2_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd3_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<CompoundStatement name=all_enabled_filters >
<AND filter_name=sspred_enabled />
<AND filter_name=score_res_enabled />
<AND filter_name=packstat_enabled />
<AND filter_name=unsat_core_enabled />
</CompoundStatement>
</FILTERS>
<FILTERS>
<!−−Chain A Filters−−>
<!−−Not Enabled−−>
<MoveBeforeFilter name=“packstat_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=packstat_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“sspred_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=sspred_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“score_res_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=score_res_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“cav_vol_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=cav_vol_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“unsat_core_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=unsat_core_disabled confidence=“0”/>
<!−−Enabled−−>
<MoveBeforeFilter name=“packstat_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=packstat_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“sspred_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=sspred_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“score_res_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=score_res_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“all_enabled_filters_chainA” mover=“keep_only_chain_A” filter=all_enabled_filters confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“unsat_core_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=unsat_core_enabled confidence=“1”/>
</FILTERS>
<RESIDUE_SELECTORS>
<ResiduePDBInfoHasLabel name=“hotspots” property=“HOTSPOTB” />
</RESIDUE_SELECTORS>
<TASKOPERATIONS>
<InitializeFromCommandline name=“init”/>
<IncludeCurrent name=“inclcur”/>
<LimitAromaChi2 name=limitchi2 />
<DisallowIfNonnative name=“only_native_H” disallow_aas=“H”/>
<ReadResfile name=“resfile” filename=“./input.resfile” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_B” chain=“2” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_C” chain=“3” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_D” chain=“4” />
<!−−Select designable residues by sasa and packable by flag−−>
<SelectBySASA name=“only_core_residues” mode=“mc” probe_radius=2.0 core_asa=20.0 surface_asa=30.0 core=1 boundary=0 surface=0 verbose=1 />
<!−−Restrict Hotspots to Repacking−−>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack” selector=“hotspots” >
<RestrictToRepackingRLT/>
</OperateOnResidueSubset>
<!−−Layer Design as Tom Helped to set omit operations.Thanks Tom L.:)−−>
<LayerDesign name=“layer_all” layer=“all” use_sidechain_neighbors=“True” pore_radius=“2.0” verbose=“true” >
<NoRepackDisulfides name=“disulf” >
<all aa=“c” specification=“fixed” operation=“omit” />
</NoRepackDisulfides>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack_layerdesignOmit” selector=“hotspots” >
<PreventRepackingRLT/>
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</OperateOnResidueSubset>
<ReadResfile name=“resfile_layerdesignOmit” filename=“./input_fix.resfile” >
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</ReadResfile>
<core>
<all append=“M” />
</core>
<boundary>
<all append=“M” />
</boundary>
</LayerDesign>
<LayerDesign name=“layer_boundary_surface” layer=“boundary_surface” use_sidechain_neighbors=“True” pore_radius=“2.0” verbose=“true” >
<NoRepackDisulfides name=“disulf” >
<all aa=“c” specification=“fixed” operation=“omit” />
</NoRepackDisulfides>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack_layerdesignOmit” selector=“hotspots” >
<PreventRepackingRLT/>
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</OperateOnResidueSubset>
<ReadResfile name=“resfile_layerdesignOmit” filename=“./input_fix.resfile” >
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</ReadResfile>
<core>
<all append=“M” />
</core>
<boundary>
<all append=“M” />
</boundary>
</LayerDesign>
</TASKOPERATIONS>
<MOVERS>
<SavePoseMover name=“save_RMSDreference_conformation” reference_name=“reference_conformation”/>
<AddConstraintsToCurrentConformationMover name=constrainCA task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” CA_only=1 />
<ClearConstraintsMover name=clearAllConstraints />
<PackRotamersMover name=“design_all_norep” scorefxn=“SFXN6dA_norep_elect” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<PackRotamersMover name=“design_onlyCore_norep” scorefxn=“SFXN6dA_norep_elect” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,only_core_residues,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<TaskAwareMinMover name=“min_vanilla_SC” scorefxn=“SFXN6_vanilla” bb=“0” chi=“1” jump=“1” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<TaskAwareMinMover name=“min_vanilla_BBSC” scorefxn=“SFXN6_vanilla” bb=“1” chi=“1” jump=“1” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<FastDesign name=“fdesign_all_elec” scorefxn=“SFXN6dA_vanilla” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” only_design_worst_region=“0” design_by_psipred=“0” design_by_frag_qual=“0” repeats=“3” clear_designable_residues=“0” max_redesigns=“2000” >
<FastRelax name=fast_relax_vanilla scorefxn=“SFXN6dA_vanilla”>
<MoveMap name=“mappyfr”>
<Chain number=1 chi=1 bb=1/>
<Chain number=2 chi=0 bb=0/>
<Chain number=3 chi=0 bb=0/>
<Chain number=4 chi=0 bb=0/>
<Jump number=1 setting=0/>
</MoveMap>
</FastRelax>
<ParsedProtocol name=“design_all_w_minimize_vanilla” >
<Add mover_name=“constrainCA” /> <!−− START CA−contraints −−>
<Add mover_name=“design_all_norep” />
<Add mover_name=“min_vanilla_SC” />
<Add mover_name=“min_vanilla_BBSC” />
Add filter_name=“rmsd_chainA_enabled” /> <!−− Check RMSD −−>
<Add mover_name=“clearAllConstraints” /> <!−− END CA−contraints −−>
</ParsedProtocol>
<GenericSimulatedAnnealer name=“SA_DesignProtein”
mover_name=“design_onlyCore_norep” trials=“100”
periodic_mover=“design_all_w_minimize_vanilla” eval_period=“20” history=“10”
bolz_rank=“1” recover_low=“1” preapply=“0” drift=“1”
checkpoint_file=“mc” keep_checkpoint_file=“0”
filter_name=“cav_vol_chainA_disabled” temperature=“1.5” sample_type=“low”
stopping_condition=“all_enabled_filters_chainA” >
<Filters>
<AND filter_name=unsat_core_chainA_disabled sample_type=“low” temperature=0.05 />
<AND filter_name=“score_res_chainA_disabled” sample_type=“low” temperature=0.05 />
</Filters>
</GenericSimulatedAnnealer>
<GenericMonteCarlo name=“MC_FastDesignProtein”
mover_name=“fdesign_all_elec”
filter_name=“cav_vol_chainA_disabled”
sample_type=“low”
trials=“3” preapply=“0”
stopping_condition=“all_enabled_filters_chainA” >
<Filters>
<AND filter_name=“unsat_core_chainA_disabled” sample_type=“low” />
<AND filter_name=“score_res_chainA_disabled” sample_type=“low” />
</Filters>
</GenericMonteCarlo>
</MOVERS>
<APPLY_TO_POSE>
</APPLY_TO_POSE>
<PROTOCOLS>
<Add mover_name=save_RMSDreference_conformation />
<Add mover_name=SA_DesignProtein />
<Add filter_name=rmsd1_chainA_enabled />
<Add mover_name=MC_FastDesignProtein />
<Add filter_name=rmsd2_chainA_enabled />
<Add mover_name=fast_relax_vanilla />
<Add filter_name=rmsd3_chainA_enabled />
<Add filter_name=unsat_core_chainA_enabled />
<Add filter_name=score_res_chainA_enabled />
<Add filter_name=sspred_chainA_enabled />
<Add filter_name=packstat_chainA_disabled />
<Add filter_name=cav_vol_chainA_disabled />
</PROTOCOLS>
</ROSETTASCRIPTS>
付録C.新しい模倣体第2世代(すなわち、テンプレートとしてG1_Neo2_40_1Fに基づくミメティック)の配列設計のためのRosettaScriptsXMLプロトコル。
<ROSETTASCRIPTS>
<SCOREFXNS>
<SFXN6_vanilla weights=“./talaris2014_cart.wts” symmetric=0 />
<SFXN6dA_vanilla weights=“./talaris2014_cart_downAla.wts” symmetric=0 />
<SFXN6dA_norep_elect weights=“./talaris2014_cart_downAla.wts” symmetric=0 >
<Reweight scoretype=fa_rep weight=0.05 />
<Reweight scoretype=fa_elec weight=1.0 />
</SFXN6dA_norep_elect >
<SFXN6dA_elect weights=“./talaris2014_cart_downAla.wts” symmetric=0 >
<Reweight scoretype=fa_elec weight=2.0 />
</SFXN6dA_elect >
</SCOREFXNS>
<MOVERS>
<SwitchChainOrder name=“keep_only_chain_A” chain_order=“1”/>
</MOVERS>
<FILTERS>
<!−−Not Enabled−−>
<Holes name=“holes_disabled” threshold=“1.2” confidence=“0”/>
<ScoreType name=“score_disabled” scorefxn=“SFXN6_vanilla” score_type=“total_score” threshold=0.0 confidence=“0” />
<ResidueCount name=“nres_disabled” confidence=“0” />
<PackStat name=packstat_disabled threshold=“0.65” repeats=“3” confidence=“0” />
<SSPrediction name=“sspred_disabled” cmd=“/work/dadriano/PROGRAMS/psipred/runpsipred_single” use_probability=“0” use_svm=“0” threshold=0.85 confidence=“0”/>
<BuriedUnsatHbonds name=“unsat_core_disabled” cutoff=0 task_operations=“only_core_residues” jump_number=0 confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd1_chainA_disabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd2_chainA_disabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<RmsdSimple name=“rmsd3_chainA_disabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“0”/>
<CalculatorFilter name=“score_res_disabled” equation=“SCORE/NRES” threshold=“−1.8” confidence=“0”>
<SCORE name=“SCORE” filter_name=“score_disabled” />
<NRES name=“NRES” filter_name=“nres_disabled” />
</CalculatorFilter>
<!−−Enabled−−>
<PackStat name=“packstat_enabled” threshold=“0.65” repeats=“3” confidence=“1” />
<SSPrediction name=“sspred_enabled” cmd=“/work/dadriano/PROGRAMS/psipred/runpsipred_single” use_probability=“0” use_svm=“0” threshold=0.85 confidence=“1”/>
<CalculatorFilter name=“score_res_enabled” equation=“SCORE/NRES” threshold=“−1.8” confidence=“1”>
<SCORE name=“SCORE” filter_name=“score_disabled” />
<NRES name=“NRES” filter_name=“nres_disabled” />
</CalculatorFilter>
<CavityVolume name=“cav_vol_disabled” />
<BuriedUnsatHbonds name=“unsat_core_enabled” cutoff=0 task_operations=“only_core_residues” jump_number=0 confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd1_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd2_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<RmsdSimple name=“rmsd3_chainA_enabled” reference_name=“reference_conformation” chain=“1” align=“1” threshold=“1.0” confidence=“1”/>
<CompoundStatement name=all_enabled_filters >
<AND filter_name=sspred_enabled />
<AND filter_name=score_res_enabled />
<AND filter_name=packstat_enabled />
<AND filter_name=unsat_core_enabled />
</CompoundStatement>
</FILTERS>
<FILTERS>
<!−−Chain A Filters−−>
<!−−Not Enabled−−>
<MoveBeforeFilter name=“packstat_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=packstat_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“sspred_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=sspred_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“score_res_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=score_res_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“cav_vol_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=cav_vol_disabled confidence=“0”/>
<MoveBeforeFilter name=“unsat_core_chainA_disabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=unsat_core_disabled confidence=“0”/>
<!−−Enabled−−>
<MoveBeforeFilter name=“packstat_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=packstat_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“sspred_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=sspred_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“score_res_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=score_res_enabled confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“all_enabled_filters_chainA” mover=“keep_only_chain_A” filter=all_enabled_filters confidence=“1”/>
<MoveBeforeFilter name=“unsat_core_chainA_enabled” mover=“keep_only_chain_A” filter=unsat_core_enabled confidence=“1”/>
</FILTERS>
<RESIDUE_SELECTORS>
<ResiduePDBInfoHasLabel name=“hotspots” property=“HOTSPOTB” />
</RESIDUE_SELECTORS>
<TASKOPERATIONS>
<InitializeFromCommandline name=“init”/>
<IncludeCurrent name=“inclcur”/>
<LimitAromaChi2 name=limitchi2 />
<DisallowIfNonnative name=“only_native_H” disallow_aas=“H”/>
<ReadResfile name=“resfile” filename=“./input.resfile” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_B” chain=“2” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_C” chain=“3” />
<PreventChainFromRepacking name=“not_chain_D” chain=“4” />
<!−−Select designable residues by sasa and packable by flag−−>
<SelectBySASA name=“only_core_residues” mode=“mc” probe_radius=2.0 core_asa=20.0 surface_asa=30.0 core=1 boundary=0 surface=0 verbose=1 />
<!−−Restrict Hotspots to Repacking−−>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack” selector=“hotspots” >
<RestrictToRepackingRLT/>
</OperateOnResidueSubset>
<!−−Layer Design as Tom Helped to set omit operations.Thanks Tom L.:)−−>
<LayerDesign name=“layer_all” layer=“all” use_sidechain_neighbors=“True” pore_radius=“2.0” verbose=“true” >
<NoRepackDisulfides name=“disulf” >
<all aa=“c” specification=“fixed” operation=“omit” />
</NoRepackDisulfides>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack_layerdesignOmit” selector=“hotspots” >
<PreventRepackingRLT/>
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</OperateOnResidueSubset>
<ReadResfile name=“resfile_layerdesignOmit” filename=“./input_fix.resfile” >
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</ReadResfile>
<core>
<all append=“M” />
</core>
<boundary>
<all append=“M” />
</boundary>
</LayerDesign>
<LayerDesign name=“layer_boundary_surface” layer=“boundary_surface” use_sidechain_neighbors=“True” pore_radius=“2.0” verbose=“true” >
<NoRepackDisulfides name=“disulf” >
<all aa=“c” specification=“fixed” operation=“omit” />
</NoRepackDisulfides>
<OperateOnResidueSubset name=“hotspot_onlyrepack_layerdesignOmit” selector=“hotspots” >
<PreventRepackingRLT/>
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</OperateOnResidueSubset>
<ReadResfile name=“resfile_layerdesignOmit” filename=“./input_fix.resfile” >
<all specification=“fixed” operation=“omit” />
</ReadResfile>
<core>
<all append=“M” />
</core>
<boundary>
<all append=“M” />
</boundary>
</LayerDesign>
</TASKOPERATIONS>
<MOVERS>
<SavePoseMover name=“save_RMSDreference_conformation” reference_name=“reference_conformation”/>
<AddConstraintsToCurrentConformationMover name=constrainCA task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” CA_only=1 />
<ClearConstraintsMover name=clearAllConstraints />
<PackRotamersMover name=“design_all_norep” scorefxn=“SFXN6dA_norep_elect” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<PackRotamersMover name=“design_onlyCore_norep” scorefxn=“SFXN6dA_norep_elect” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,only_core_residues,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<TaskAwareMinMover name=“min_vanilla_SC” scorefxn=“SFXN6_vanilla” bb=“0” chi=“1” jump=“1” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<TaskAwareMinMover name=“min_vanilla_BBSC” scorefxn=“SFXN6_vanilla” bb=“1” chi=“1” jump=“1” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” />
<FastDesign name=“fdesign_all_elec” scorefxn=“SFXN6dA_vanilla” task_operations=“init,resfile,inclcur,limitchi2,only_native_H,layer_all,hotspot_onlyrepack,not_chain_B,not_chain_C,not_chain_D” only_design_worst_region=“0” design_by_psipred=“0” design_by_frag_qual=“0” repeats=“3” clear_designable_residues=“0” max_redesigns=“2000” >
<FastRelax name=fast_relax_vanilla scorefxn=“SFXN6dA_vanilla”>
<MoveMap name=“mappyfr”>
<Chain number=1 chi=1 bb=1/>
<Chain number=2 chi=0 bb=0/>
<Chain number=3 chi=0 bb=0/>
<Chain number=4 chi=0 bb=0/>
<Jump number=1 setting=0/>
</MoveMap>
</FastRelax>
<ParsedProtocol name=“design_all_w_minimize_vanilla” >
<Add mover_name=“constrainCA” /> <!−− START CA−contraints −−>
<Add mover_name=“design_all_norep” />
<Add mover_name=“min_vanilla_SC” />
<Add mover_name=“min_vanilla_BBSC” />
Add filter_name=“rmsd_chainA_enabled” /> <!−− Check RMSD −−>
<Add mover_name=“clearAllConstraints” /> <!−− END CA−contraints −−>
</ParsedProtocol>
<GenericSimulatedAnnealer name=“SA_DesignProtein”
mover_name=“design_onlyCore_norep” trials=“100”
periodic_mover=“design_all_w_minimize_vanilla” eval_period=“20” history=“10”
bolz_rank=“1” recover_low=“1” preapply=“0” drift=“1”
checkpoint_file=“mc” keep_checkpoint_file=“0”
filter_name=“cav_vol_chainA_disabled” temperature=“1.5” sample_type=“low”
stopping_condition=“all_enabled_filters_chainA” >
<Filters>
<AND filter_name=unsat_core_chainA_disabled sample_type=“low” temperature=0.05 />
<AND filter_name=“score_res_chainA_disabled” sample_type=“low” temperature=0.05 />
</Filters>
</GenericSimulatedAnnealer>
<GenericMonteCarlo name=“MC_FastDesignProtein”
mover_name=“fdesign_all_elec”
filter_name=“cav_vol_chainA_disabled”
sample_type=“low”
trials=“3” preapply=“0”
stopping_condition=“all_enabled_filters_chainA” >
<Filters>
<AND filter_name=“unsat_core_chainA_disabled” sample_type=“low” />
<AND filter_name=“score_res_chainA_disabled” sample_type=“low” />
</Filters>
</GenericMonteCarlo>
</MOVERS>
<APPLY_TO_POSE>
</APPLY_TO_POSE>
<PROTOCOLS>
<Add mover_name=save_RMSDreference_conformation />
<Add mover_name=SA_DesignProtein />
<Add filter_name=rmsd1_chainA_enabled />
<Add mover_name=MC_FastDesignProtein />
<Add filter_name=rmsd2_chainA_enabled />
<Add mover_name=fast_relax_vanilla />
<Add filter_name=rmsd3_chainA_enabled />
<Add filter_name=unsat_core_chainA_enabled />
<Add filter_name=score_res_chainA_enabled />
<Add filter_name=sspred_chainA_enabled />
<Add filter_name=packstat_chainA_disabled />
<Add filter_name=cav_vol_chainA_disabled />
</PROTOCOLS>
</ROSETTASCRIPTS>
図1A
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図1B
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図1C
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図1D
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図2A
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図2B
[この文献は図面を表示できません]
図2C
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図3A
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図3B
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図3C
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図3D
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図3E
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図4A
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図4B
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図4C
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図4D
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図4E
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図4F
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図4G
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図5A
[この文献は図面を表示できません]
図5B
[この文献は図面を表示できません]
図5C
[この文献は図面を表示できません]
図5D
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図6A
[この文献は図面を表示できません]
図6B
[この文献は図面を表示できません]
図6C
[この文献は図面を表示できません]
図6D
[この文献は図面を表示できません]
図7A
[この文献は図面を表示できません]
図7B
[この文献は図面を表示できません]
図7C
[この文献は図面を表示できません]
図8A
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図8B
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図9A
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図9B
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図9C
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図9D
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図24
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【配列表】
2021528052000001.app
【手続補正書】
【提出日】2021年2月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】変更
【補正の内容】
【配列表】
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【国際調査報告】
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