特表2021-528240(P2021-528240A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2021-528240アルカリ水を生成するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528240(P2021-528240A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】アルカリ水を生成するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20060101AFI20210924BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20210924BHJP
【FI】
   C02F1/68 530A
   C02F1/68 510B
   C02F1/68 520B
   C02F1/68 530K
   C02F1/68 540Z
   C02F1/68 520D
   C02F1/68 530L
   A23L2/00 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2020-571651(P2020-571651)
(86)(22)【出願日】2019年6月17日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月1日
(86)【国際出願番号】GB2019000084
(87)【国際公開番号】WO2019243759
(87)【国際公開日】20191226
(31)【優先権主張番号】1809909.3
(32)【優先日】2018年6月17日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520498631
【氏名又は名称】ウェット ホールディングス(グローバル)リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー,ダレン
(72)【発明者】
【氏名】モハメド,アーメド
【テーマコード(参考)】
4B117
【Fターム(参考)】
4B117LC06
4B117LK01
4B117LT05
(57)【要約】
水処理用の装置及び方法には、水入口(31)及び水出口(28a、28b)がある容器(6)と、水入口を介して容器に給水するための手段と、が含まれる。容器には、水域と、水のpHを上げることのできる1つ以上の元素金属及びその酸化物を含む固体粒子又は顆粒状材料が入っている。容器を水が通過する間、水域内に固体材料を懸濁させるのに十分な容器に入る水の循環運動を引き起こし、それにより、水のpHを、7〜11の範囲内するための手段(32)が、容器内に位置し、水入口に接続されている。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水処理用の装置であって、水入口及び水出口を有する容器と、前記水入口を介して前記容器に給水する手段であって、前記容器には、水域と、前記水のpHを上げることができる1つ以上の元素金属又はその酸化物を含む、固体粒子又は顆粒状材料と、が入っている、給水する手段と、前記容器内に位置し、前記水入口に接続され、前記容器を水が通過する間、前記水域内に前記固体材料を懸濁させるのに十分な、前記容器に入る水の循環運動を引き起こし、それにより、前記水のpHを、7〜11の範囲内にする手段と、を備える装置。
【請求項2】
循環運動を引き起こす前記手段が、前記容器に入る水の流量を増加させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
循環運動を引き起こす前記手段が、ベンチュリ効果誘発デバイスを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
循環運動を引き起こす前記手段が、前記容器内に延在する管をさらに含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ベンチュリデバイスが、接続リブを介して前記入口に接続され、半長方形状の本体、上部通気孔、及び下部通気孔を有し得、直径が4.5〜6.5cmである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、請求項1に定義されるような複数の容器を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記材料が最高17個の金属及び/又はそれらの酸化物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記酸化物が、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニウム、鉄、亜鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、ホウ素、バナジウム、モリブデン、及びセレンの酸化物のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記容器又は各容器を通る流量が25〜150リットル/分である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、1つ以上のモジュールを含み、各モジュールが、入口給水用外部タンク、手動バタフライバルブ、入口給水用外部ポンプ、自動バタフライバルブ、請求項1において定義された容器、コントロールパネル、フィールドコントロールボックス、モジュール式ダイアフラムバルブ、出口水用タンク、出口水用外部ポンプ、外部取り付け枠、媒体交換ボックス、及び濾過カートリッジ、を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、複数のモジュールと、前記モジュールの構成要素を相互接続し、前記モジュールを瓶詰めプラントの機械類に接続する配管網と、を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記モジュール又は各モジュールには、オペレータが、データ情報を見るのを可能にする、タッチスクリーン表示画面が設けられたフィールドコントロールボックスを介してコントロールパネルに接続されたケーブルによってデータ情報を送信する複数の性能プローブ及び水質プローブが備えられている、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記モジュール又は各モジュールには、水pH、伝導性、温度、水圧、水流量、水存在、及び水位の計器用のプローブが備えられている、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記コントロールパネルには、複数の前記水質プローブからのデータ情報とともに、使用される適切な媒体の量、前記適切な媒体内の要素の化学的性質及び物理的性質、前記出口水の目標とする望ましい化学的性質及び物理的特性を計算することによって、前記モジュール内の反応条件を制御し、維持し、調整するアルゴリズムでプログラムされたPLC及びソフトウェアが備えられている、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記コントロールパネルが、遠隔局に無線フィードを提供する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記装置が、2〜16個以上のモジュールを備え、その両方又はすべてがコントロールパネルによってモニタされる、請求項12から15のいずれかに記載の装置。単一のコントロールパネルで、最高16個のモジュールを制御し、モニタすることができる、請求項12〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記容器又は各容器が、管状形状であり、食品用材料で製造され、外部金属枠内にボルト留めされている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記容器又は各容器が、約1.5m(L)、1.5m(W)、1.5m(H)の設置空間を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記容器又は各容器が、細長く、各端に開閉式蓋を備えている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記蓋が、ロック式Tri−クランプによって前記容器又はある容器に固定されている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記下蓋には、水及び/又は反応媒体を手動で解放するように、バルブが設けられている、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
前記装置には、前記出口アルカリ水と相互作用してpH値を活性化し、高め、また、1つ以上の内部酵素プローブによって前記出口アルカリ水をさらにきれいにし、精製する媒体交換ボックスが備えられている、請求項1〜21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記水のpHを7〜11の範囲内にさせる水処理の方法であって、請求項1から22のいずれかに定義された装置に前記水を通すことを含む、方法。
【請求項24】
前記入口水が、70ppmを下回るTDS値を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ミネラル操作チャンバ内の前記ミネラル懸濁デバイスが、ベンチュリセクションを有し、前記ベンチュリセクションが、接続リブを介して排出オリフィス構成要素に接続され、半長方形状の本体、5.5cmの直径の上部通気孔及び下部通気孔を有する、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
出口アルカリ水が、瓶詰めプラントの機械類に流入する前に濾過カートリッジに通される、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
出口アルカリ水を飲料配合物と混合又はブレンドして、フレーバードリンク、スポーツドリンク、タンパク質リッチドリンク、THC有無のCBD含有ドリンクを含むが、これらに限定されない、人間の摂取に適したアルカリ飲料を製造する、請求項23〜26のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を処理するための装置及び方法とともに、飲み物の調製及び配合に関する。
【背景技術】
【0002】
アルカリ水は、pH値が7を超えるプレミアムウォータである。アルカリ水の摂取は、運動後の水分補給の増進、日中の有効な水分補給、身体活動及び運動中に失われたミネラルの補充、並びに血中の酸素濃度の上昇による身体エネルギレベルの上昇を含む、特定の健康上の利益をもたらすことが報告されている。アルカリ水は、癌や糖尿病の予防の助けとなり得、呑酸の治療とともに、他の多くの健康上の有益作用をもたらす助けとなり得る。
【0003】
アルカリ水は、生成方法に従って、自然高pH水と人工強化水との2つの範疇に分類され得る。自然高pH水は、天然泉又は天然帯水層を源とする。この水は、自然高pH値を有し、天然ミネラルを含んでいる。一方、人工強化水は、天然水源又は地方自治体水源を源とし、その後、そのミネラル含有量又はそのpH値を上げるために一種の人工的な処理又は加工を受ける。人工強化アルカリ水の生成に一般的に使用される加工方法の中には、水電解及び化学物質添加がある。
【0004】
アルカリ水電解は、2つの電極を液体電解質溶液(例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど)に浸し、生成ガスを分離し、1つの電極から別の電極へ水酸化物イオン(−OH)を運ぶために、隔壁によって分離させることによって特徴付けられる、一種の水電解である。この方法では、溶液中に化学物質が存在し、電気を伝導するために電極に電流を通す必要がある。結果として、電解槽の片側に酸性水が溜る一方、電解槽の他の側にアルカリ水が溜り、それにより、オペレータは、アルカリ水を集めながら、酸性水を吸い出すことができる。
【0005】
最近、合成酸化マグネシウム媒体又は炭酸カルシウム又はソーダなどの化学物質がアルカリ水を生成するのに使用されている。天然水又は地方自治体供給水は、炭酸カルシウム又は合成酸化マグネシウム媒体で満たされたフィルタを通して流される。材料は、水に溶解し、そのpH値を上げる。
【0006】
これらのプロセスは、維持費、電気の使用、廃水の生成、化学物質の持続不可能な使用、及び最終製品の化学的性質及び物理的性質、特に電解によってもたらされる水のpH値の不安定性を含む、多くの制限と欠点に悩まされる。また、多くの調査研究が、電解されたアルカリ水の摂取が、癌や心臓血管系の病理など、病気につながる場合あることを示している。
【0007】
通常、飲み物は、水、砂糖/甘味料、香味料、可溶化剤、安定剤、及びその他の成分で作られている。飲み物の製造時、規制基準に準拠するように有機成分及び無機成分を取り除くために、本管から引き込んだ水が最初に逆浸透(RO)と呼ばれる高圧プロセスを使用して濾過される。ただし、この水は、化学的に攻撃的であり、酸性pHは6.1、TDSは0.3mg/lである。一度配合されると、清涼飲料のpHは、2.5(強酸)になり、体の組織や臓器に有害である。また、添加された香料によって生じる苦味を中和するために、大量の砂糖/甘味料が添加される。しかし、清涼飲料中の砂糖/甘味料は、糖尿病、肥満、高血圧、及び心臓や腎臓の病気など、多くの医学的状態及び健康状態に結び付けられてきた。例えば、ユーロスタットのデータによると、EU−28内の成人人口の51.6%(≧ 18歳)は、2015年では太りすぎ(女性の44.7%、男性の59.1%)と見なされている。肥満は、医療費と生産性損失により、年間EUで700億ユーロの費用がかかると推定されている。欧州肥満研究協会(EASO)は、直接的な肥満関連費用がフランスの医療費の1.5〜4.6%からスペインの約7%の範囲であることを見出した。ヨーロッパの政府が体重管理に割り当てられるすべての既存及び将来のリソースを最も費用効果の高い取り組みに充てれば、一部のヨーロッパ諸国では、最大60%節約することができると示唆する予想がある。
【0008】
清涼飲料の摂取によるさらなる健康上の懸念は、高い酸性度と高い糖含有量の結果としての齲歯(虫歯)、果糖の過剰摂取による血圧の上昇(2015年には、EU28カ国の人口(≧ 15歳)の20.5%が高血圧であると自己申告(女性の21%、男性の20%))、清涼飲料の強酸性による胸焼け(又は胃食道逆流症GERD)(2016年には、ヨーロッパ人の9〜20%がGERDを患う(男女間で等しい有病率))、及び肝臓への有害な影響に関係している。長期的には、酸性質及び根本的なミネラル不均衡に起因する、2018年にヨーロッパで有病率が23.7%の非アルコール性脂肪性肝疾患(性差に関する研究者間の意見が一致していない)と、慢性腎臓病(CKD)を患うヨーロッパの人口の10%に腎臓障害のリスクがある。CKDステージG3−G5は、女性でより多く見られることが報告されている。さらに、エネルギスポーツ飲料では、酸性の液体を摂取すると、乳酸の蓄積を悪化させ、それによりアスリートのパフォーマンスを妨げる可能性がある。一人当たりの清涼飲料の典型的な摂取量227リットルに基づくと、これは、砂糖の摂取量約15.89kgに相当する。飲み物における目標である50%の適度な全体的な砂糖の削減は、7.945kg少ない砂糖又は30,747kcal p.a.(387kcal/100g砂糖に基づく)に相当する。これは、上記の健康問題を減らすのに役立つ。
【0009】
残念ながら、イオン交換及び/又は電解プロセスを使用してRO水のpHをアルカリ性に調整することは、実現できない。上で述べたように、後者の方法は、予備のアルカリ分がないため、安定したpHを維持することができない。また、RO水にアルカリ性溶液を加えると、塩折沈殿を引き起こし、風味が損なわれる。
【0010】
安定しており、酸性水に変わることなく配合物、香料、及び他の成分の添加に耐えることもできる、飲料業界の市場需要を満たす商業的に大量のアルカリ水を製造することができることは有益であり得る。また、この安定したアルカリ水の製造中に、水のpH、伝導性、及び不純物レベルなどの品質及び重要パフォーマンス指標をモニタし、制御することは好都合であり得る。これは、添加砂糖や添加甘味料を排除するのに重要であり、市販の清涼飲料中の高レベルの砂糖及び人工甘味料に関連する病気に取り組むのに役立つであろう。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、単一のモジュール又は複数のモジュールの組立体で構成されるシステム[名称:活性化エンハンスメントシステム(AES]におけるミネラル操作チャンバ内で非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)によって精製水を処理することによって市販の大量の安定したアルカリ水が製造される、新規の水処理及び飲料配合の方法及び装置に関するものである。
【0012】
本発明により、水処理用の装置が提供され、この装置は、水入口及び水出口がある容器と、水入口を介して容器に給水する手段であって、容器には、水域、及び水のpHを上げることができる1つ以上の元素金属又はその酸化物を含む固体粒子又は顆粒状材料が入っている、給水する手段と、容器内に位置し、水入口に接続されて、容器を水が通過する間、水域内に固体材料を懸濁させるのに十分である、容器に入る水の循環運動を引き起こし、それにより、水のpHを7〜11の範囲内にする手段と、を備える。
【0013】
非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)は、容器内で行われ、容器は、ミネラル操作チャンバであるか又はそれを含み、それにより、入口精製水は、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニウム、鉄、亜鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、ホウ素、バナジウム、モリブデン、及びセレンを含む、最高17個の元素金属及び/又はそれらの酸化物、並びにこれらの元素同士の組合せ及びこれらの元素と他の元素との組み合わせ、を含むことが好ましい反応媒体と接触する。入口流水と懸濁反応媒体との反応により、水のpHが7〜11の範囲内になる。
【0014】
該ミネラルチャンバ内のn−MSAPによる入口水と反応媒体との反応は、装置の要素によってモニタされ、制御される。装置は、食品用材料で製造されている。
【0015】
この装置は、ミネラル懸濁デバイスによって、また外部ポンプ及びバルブの助けを借りて、入口精製水を反応媒体と絶えず懸濁させ、循環させることによって、入口精製水と反応媒体との密接な接触を確実にするように設計されている。該ミネラル懸濁デバイスは、チャンバ内の水を循環運動で移動させ、入口水域内で反応媒体の効果的な懸濁を促進し、維持する。
【0016】
装置は、1つ以上の容器を備えることがあり、その容器又は各容器及びその関連機器は、モジュールを構成し得る。各モジュールには、pHプローブ、伝導性プローブ、温度プローブ、水流量プローブなどを含むがこれらに限定されない、複数の反応性能及び水質プローブが備えられている場合がある。これらのデバイスは、入口精製水と該反応媒体との反応をモニタし、n−MSAPを最適化し、出口生成物のアルカリ水の水質が、生成されるアルカリ水のpH値、TDS値、温度、及び量を含むが、これらに限定されない、商業上の基準を満たしているか確認する。
【0017】
個々のAESモジュールが、ミネラル操作チャンバ、外部タンク、外部ポンプ、バルブ、反応プローブ、コントロールパネル、フィールドコントロールボックス、取り付け枠、媒体交換ボックス、及び0.2μm濾過カートリッジを収容するモジュール容器を含み得るのが好ましい。
【0018】
容器には、上端及び下端に開閉式蓋が備わっていることがある。両方の蓋は、ロック式Tri−クランプによって該容器に固定され得る。上蓋には、チューブが突き出る穴が設けられていることがある。各穴の周囲には封止ガスケットが設けられている。
【0019】
容器は、外部取り付け枠にボルト留めされ得、上蓋に位置するチューブによって外部水道管に接続され得、上蓋を通して、入口供給精製水が、ミネラル懸濁デバイス、並びに一連の外部ポンプ及びバルブの助けを借りて、ミネラル操作チャンバに流入される。エダクタノズルが、ミネラル懸濁デバイスとして利用され得るのが好ましい。
【0020】
入口給水が、濾過システムによって、モジュール容器の上流で75ppmを下回るTDS値に精製されるのが好ましい。
【0021】
個々のモジュールには、伝導性プローブ、pH計プローブ、水圧プローブ、及び水温プローブを含むがこれらに限定されない、モジュール内の様々な重要な箇所/場所に設置されている複数の水質プローブが備えられていることがある。
【0022】
入口給水の流量は、コントロールパネルによってモニタされ、制御され得る。コントロールパネルは、PLCで構成され、フィールドコントロールボックスを介して複数の水質プローブから入力フィードを受信する。これらのプローブは、外部ポンプの前及び該モジュール容器の前後を含むがこれらに限定されない重要な処理箇所/場所の水道管内に設置され得る。コントロールパネルには、プローブからの入力フィードデータを表示するデジタルディスプレイタッチスクリーンが備えられている。また、コントロールパネルには、プローブからのデータ入力フィードを計算して反応条件を制御し、維持し、望ましい化学的性質及び物理的性質で水を生成するアルゴリズムでプログラムされたPLCが設けられている。代替として、オペレータが、緊急時に入口給水の流量を調整することもできる。
【0023】
反応媒体は、上蓋を通して、又は該容器の上端に設置され得る媒体処方システムを通して、手作業で容器に注がれ得る。
【0024】
個々のモジュールは、50〜150リットル/分の流量の入口精製水を処理する能力があり得る。組立体にさらにモジュールを追加することによって、大量の入口水が処理され得る。例として、2400リットル/分の累積水処理量を処理する構成で、16個のモジュールが設置され得る。
【0025】
例として、50〜150リットル/分の水処理量を処理する個々のモジュールの場合、容器の設置空間は、約1.5m(L)×1.5m(W)×2.5m(H)であり得る。
【0026】
容器の底の蓋には、チューブが突き出る穴が設けられていることがある。チューブの端には、反応水及び反応媒体の制御下の手作業による廃棄又は緊急廃棄を可能にするように、ロック式バラフライバルブが固定され得る。
【0027】
容器にはまた、その側面に穴が設けられていることがあり、その穴を通って、収集チューブが出口水収集タンクと接続している外部水道管に延在する。穴には、ガスケット封止材が設けられ得る。
【0028】
収集チューブには、容器を出る出口水の流量を調節し、したがってミネラル操作チャンバ内の水位を調整するように、自動制御式外部バルブが備えられ得る。バルブは、コントロールフィールドボックスを介してコントロールパネルに接続され得る。アルゴリズムは、該バルブを自動的に制御することができる。また、オペレータが、コントロールパネル上の入力によってバルブを調整することができる。
【0029】
容器の上部の蓋には、水位プローブが備えられ、これは、水位計に取り付けられ、該ミネラル操作チャンバ内の水位をモニタする。水位計からの入力フィードは、コントロールフィールドボックスを介してコントロールパネルに送信される。ミネラル操作チャンバ内の水位が最大許容レベルを超えると、コントロールパネルPLCが、容器を出る出口アルカリ水の流量を増やすための信号を外部バルブに送信する。
【0030】
ミネラル操作チャンバ内での反応に続いて、出口アルカリ水(pH7〜11)は、該容器を出て、次に、重力によって、該収集チューブを介して出口水収集タンクに流入する。出ていく出口アルカリ水の流量は、上記のように外部バルブによって自動的に調節され得る。
【0031】
収集チューブには、容器を出る出口アルカリ水の水質をモニタするための複数の水質プローブが備えられ得る。水質プローブには、伝導性プローブ、温度プローブ、及びpH計プローブが含まれるが、これらに限定されない。プローブは、コントロールフィールドボックスを介してコントロールパネルに接続されている。
【0032】
PLCには、理想的な反応処理条件を制御し、維持するためのアルゴリズムでプログラムされたソフトウェアが備えられている。アルゴリズムは、ミネラル操作チャンバ内の専有反応媒体の量及び他の重要な反応変数からの入力データに加えて、該プローブからの入力フィードデータを処理する。また、生成された出口水の望ましい化学的性質及び物理的性質も考慮する。
【0033】
コントロールパネルには、オペレータによる組み立て時に1つ以上のモジュールをモニタし、制御するのを容易にするようにディスプレイタッチスクチーンが備えられている。該ディスプレイタッチスクリーンは、モジュールに取り付けられた複数のプローブからの入力フィードデータからの読み取り値を提供する。
【0034】
AES装置を出る出口アルカリ水は、水収集タンクに集められ、次に、保持タンクに貯蔵することにより、瓶詰めライン設備又は清涼飲料製造施設に間接的にポンプで送られ得る。代替として、AES装置は、瓶詰めライン設備又は清涼飲料製造施設内に簡単かつ直接に設置することができる後付け技術をもたらすことができる。
【0035】
個々のモジュールには、一体型不正加工防止システムが備えられ得る。不正加工防止システムは、正規サービスエンジニアによるその点検整備を可能にしながら、認められていない者による、モジュール容器、任意のモジュール構成要素を取り外す、それらにアクセスする、また懸濁専有反応媒体の除去といったいずれの試みも、検出し、防止することができる。不正加工防止システムは、複数のロック式Tri−クランプ、視覚的検出装置、及び他のデバイスを含み得る。
【0036】
不正加工防止視覚的検出装置は、モジュールのいずれの箇所にも取り付けられ、リモートSIM接続性技術を介してディスプレイプラットフォームに遠隔接続するように、内蔵バッテリ、メモリ、及び追加機能が備えられている。
【0037】
個々のモジュールには、モジュールを電圧低下や停電から保護するために、安全バッテリバックアップUPSシステムが備えられ得る。
【0038】
個々のモジュールには、懸濁専有反応媒体又は任意のモジュール構成要素を変更するときに、サービスエンジニアが流れを止めることができるように、マニュアルオーバーライドが設けられ得る。
【0039】
個々のモジュールには、CIPシステムが備わっている場合があり、CIPシステムは、洗浄に使用される試薬が何であれ、清浄度の問題として、又は懸濁反応媒体の効力が失われたときに、それを注ぎ足すか又は入れ替えるように、手作業の介入を必要とする可能性がある。
【0040】
遠隔計測システムを利用すると、ある妥当な媒体閾値に達すると、「アラート」電子メールがシステムオペレータに送信され、懸濁反応媒体の取り替えが必要であり得ると事前通知され得る。補充されない場合、効力のしきい値に達すると、懸濁反応媒体が補充されていない、またシステムがシャットダウンし、マニュアルオーバーライドを必要とし得ることを知らせる別の電子メールが送信される。
【0041】
マニュアルオーバーライドが有効にされると、サービスレベルアグリーメント(SLA)が無効になり、SLAが有効に戻り得る前に、サービスエンジニアが補充とリセットに来なければならない場合がある。アラート電子メールに加えて、アラームコード化されたライトシステムがユニットで点灯し、点検整備実施間隔が反故にされようとしていることを知らせる場合がある。シャットダウンを無効にするには、「権限」キー、RFIDタグ、又はコードを、おそらく電子メール又はWebサイトの顧客エリアを介して、また遠隔計測システムを利用して、送信する必要がある。これで、確実に、関連する費用を認可し、CIPなしで稼働する責任を受け入れることができる適切な人だけが、シャットダウンを無効にして、SLAを反故にすることができるようになる。
【0042】
複数の個別のAESモジュールを含む組立体は、より大きな流量の入口給水(>150リットル/分)を処理するように構成され得る。例として、750リットル/分の入口給水を処理する構成で、5つのモジュールが設置され得る。
【0043】
複数のモジュール構成の該組立体では、入口給水をマニホールドにポンプで送って、入口給水をモジュールに分配することができる。マニホールドは、その構成のモジュールのそれぞれで外部ポンプの上流に取り付けられ得る。
【0044】
入口給水が、濾過システムによって、マニホールドの上流で、75ppmを下回るTDS値に精製され得るのが好ましい。
【0045】
複数のモジュールの組立体では、出口水収集タンクの上流で、水道管にマニホールドが取り付けられ得る。これは、構成内の各モジュールによって生成された出口アルカリ水を収集し、それを水収集タンクに向けるためのものである。
【0046】
複数のモジュールの該組立体では、単一のコントロールパネルが、構成内の最高16個のモジュールの性能をモニタし、制御することができる。コントロールパネルは、コントロールフィールドボックス(組立体内のそれぞれの個々のモジュールで)から入力フィードバックを受信し得る。
【0047】
個々のモジュール内、又は複数のモジュールの組立体内のコントロールパネルは、動作中の1つ以上のモジュールの遠隔モニタリング及び制御を容易にするための無線フィードバックを、遠隔制御局に提供することができる。
【0048】
瓶詰めライン又は飲料製造施設では、厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で出口アルカリ水を瓶詰め/パック詰めして、pHが7〜11の範囲である瓶詰め/パック詰めプレーンアルカリ水を製造することができる。代替として、瓶詰めライン又は飲料製造施設における厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で出口アルカリ水を飲料配合物と混合して、フレーバーアルカリ水、清涼飲料、フレーバードリンク、機能性飲料、プロテインリッチ飲料、及びスポーツドリンクを含むがこれらに限定されない飲料を製造することができる。
【0049】
さらに、瓶詰めライン又は飲料製造施設での厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で、出口アルカリ水を飲料配合物と混合して、砂糖及び人工甘味料が添加されていないか、又は添加が抑えられた飲料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
添付の図面は、以下の通りである。
図1A】は、本発明の単一モジュールAES装置の計装及び配管の概略図である。
図1B】は、図1Aの単一モジュールAES装置の概略二次元図である。
図2A図1Aの装置のAES容器の斜視図である。
図2B図2AのAES容器の立面図である。
図2C】は、外部金属枠に取り付けられた図2AのAES容器の立面図である。
図3A】は、図1の装置のAES容器の縦断面である。
図3B】は、容器に入る水の循環運動を引き起こす、図1の装置の容器内のデバイスの縦断面である。
図3C】は、図3Bと同様のデバイスの概略図であるが、それが容器の半径方向内向きの水入口に取り付けられていることを示す。
図4】は、本発明の単一モジュールAES装置において使用する遠隔モニタリング及び制御装置の概略図である。
図5A】は、計装及び配管を備える構成の2つのAESモジュールを有する本発明のAES装置の概略図である。
図5B】は、図5Aの装置の側方立面である。
図6A】は、図5A及び図5Bの装置の遠隔モニタリング及び制御装置の概略図である。
図6B】は、図5A及び図5Bの装置の遠隔モニタリング及び制御装置の概略図である。
図6C】は、図5A及び図5Bの装置の遠隔モニタリング及び制御装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
次に、添付図面を参照して、単に例として、本発明について述べる。
【0052】
添付図面の図1A及び図1Bを参照すると、本発明のAES装置は、入口給水用タンク1、手動バタフライバルブ2及び3、入口給水用外部ポンプ4、自動バタフライバルブ5,AESモジュール容器6,コントロールパネル7、フィールドコントコールボックス8、モジュール式ダイアフラムバルブ9、出口水用タンク10、出口水用外部ポンプ11、外部取り付け枠22、手動バタフライバルブ12、媒体交換ボックス13、濾過カートリッジ14、及び装置を瓶詰めプラントの機械類に接続し、また装置自体の構成要素を接続する配管網を備える単一のモジュールから成る。
【0053】
水と直接接触する装置の構成要素は、食品用材料から製造されている。
【0054】
この装置は、図1A図1Bに示されるように、水pHプローブ20、水伝導性プローブ19a及び19b、水圧プローブ18a及び18b、水流量計プローブ17、水温プローブ21、水存在プローブ16、並びに水位プローブ15a〜cの複数の水質プローブを含む。これらは、装置を通過する水の流量をモニタし、入口給水及び出口生成水の両方の水質をモニタし、制御するためのものである。
【0055】
水質プローブは、PLCが設けられているコントロールパネル7に接続されているケーブルを介してフィールドコントロールボックス8に接続されている。コントロールパネル7は、水質プローブによって生成されたデータフィードを受信し、水質プローブからの入力フィードデータを表示するデジタルディスプレイタッチスクリーンを介したデータフィードの提示及びモニタリングを容易にする。
【0056】
入口給水タンク1には、手動バタフライバルブ2を通して水が供給される。水は、泉、川、掘削孔、もしくはその他の天然源を源とするか、又は代替として、逆浸透(RO)処理による浄水に続いて、瓶詰めプラントから供給される。入口RO精製水のTDSは、75ppmである。
【0057】
外部ポンプ4とバルブ3及び5により、水は入口給水タンク1から配管網を通ってモジュール容器6中に流れ、そこで非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)による処理が行われ、水のpHが7〜11の範囲になる。装置を通過する水の経路が、添付図に矢印の方向で表されている。
【0058】
非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)は、入口水が、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニウム、鉄、亜鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、ホウ素、バナジウム、モリブデン、及びセレンを含む17元素の元素金属及び/又は酸化物、並びにこれらの元素同士の組み合わせ及びこれらの元素と他の元素との組み合わせを含む、反応媒体と接触すると、行われる。入口流水と懸濁反応媒体との反応により、水のpHが7〜11の範囲内になる。
【0059】
該コントロールパネル7を介して、望ましいpH値及び望ましい流量を含むがこれらに限定されない、n−MSAPのパラメータが、オペレータによって設定され得る。入口給水の流れは、該反応アルゴリズムによって自動的に、又は外部ポンプ4の圧力を変えることによって入口給水の流量を調整することによる、該コントロールパネル7のデジタルタッチスクリーンを介したオペレータからの入力によって手動で、制御され、維持され得る。
【0060】
コントロールパネル7は、動作中のAESモジュールの遠隔モニタリング及び制御を容易にするための無線フィードバックを遠隔制御局に提供することができる。
【0061】
この単一モジュール装置は、50〜150リットル/分の流量の入口水を処理することができる。装置にモジュールをさらに追加することで、大量の入口水が処理され得る。例として、16個のモジュールが、2400リットル/分の累積水処理量を処理する構成に設定され得る。
【0062】
この単一モジュール装置の容器6は、約1.5m(L)×1.5m(W)×2.5m(H)の設置空間を有する。
【0063】
容器6内のn−MSAPによる入口水の処理に続いて、出口アルカリ水(pH7〜11)が、容器6を出て、次に重力によって収集チューブ23を通って出口水タンク10に流入する。出て行く出口アルカリ水の流量はまた、水位計に取り付けられた水位プローブ15bからの入力フィードを介して該モジュール式ダイアフラムバルブ9、及びコントロールパネル7内のPLCによって自動的に調節され得る。
【0064】
収集チューブ23には、容器6を出る出口アルカリ水の流量を調節し、したがって、容器内の水位を調節するための自動制御式モジュール式ダイアフラムバルブ9が備えられている。バルブ9は、コントロールフィールドボックス8を介してコントロールパネル7に接続されている。オペレータが、緊急時に、コントロールパネル7上の入力によってバルブを調整することもできる。
【0065】
図1Aに示されるように、次に、出口水タンク10内のアルカリ生成水を、外部出口水ポンプ11によって、出口アルカリ水のpHを活性化し、維持する反応媒体を収容し、出口アルカリ水をさらにきれいにするように、内部の酵素攪拌機が設けられた、媒体交換ボックス13に流入させることができる。次に、出口アルカリ水を0.2μmフィルタ14に供給して、粒子を取り除くことができる。代替として、出口水タンク10内のアルカリ生成水を、手動バタフライバルブ12を介して媒体交換ボックス13を迂回して、0.2μmフィルタ14に直接流入させることができる。
【0066】
図1Aに示されるように、装置は、後続の瓶詰め/パック詰めに向けて出口からのアルカリ水が貯蔵される保持タンクを通して瓶詰めプラントに間接的に接続されている。代替として、瓶詰めプラントの機械類にAES機械を後付けすることができ、瓶詰めプラントの機械類を通して、アルカリ水が瓶詰め/パック詰めに向けて瓶詰めプラントに直接送達される。
【0067】
個々のモジュールには、一体型不正加工防止システムが備えられ得る。不正加工防止システムは、正規サービスエンジニアによるその点検整備を可能にしながら、認められていない者による、モジュール容器6、任意のモジュール構成要素を取り外し、又はそれにアクセスする、また懸濁専有反応媒体の除去といったいずれの試みも検出し、防止することができる。不正加工防止システムは、複数のロック式Triクランプ及び視覚的検出装置を備え得る。
【0068】
個々のモジュールには、モジュールを電圧低下や停電から保護するための安全バッテリバックアップUPSシステムが備えられ得る。
【0069】
個々のモジュールには、懸濁反応媒体又は任意のモジュール構成要素を変えるときに、サービスエンジニアが水流を止めることができるように、マニュアルオーバーライドが設けられ得る。
【0070】
個々のモジュールには、CIPシステムが備わっている場合があり、CIPシステムは、洗浄用の試薬が何であれ、清浄度の問題として、又は懸濁反応媒体の効力が失われたときに、それを注ぎ足すか又は入れ替えるように、手作業の介入を必要とする可能性がある。
【0071】
遠隔計測システムを利用すると、ある反応媒体閾値に達すると、「アラート」電子メールがシステムオペレータに送信され、懸濁反応媒体を取り替えることが必要であり得ると事前通知され得る。補充されない場合、効力のしきい値に達すると、懸濁反応媒体が補充されていない、またシステムがシャットダウンし、マニュアルオーバーライドを必要とし得ることを知らせる別の電子メールが送信される。
【0072】
手動オーバーライドが有効にされると、サービスレベルアグリーメント(SLA)が無効になり、SLAが有効に戻り得る前に、サービスエンジニアが補充とリセットに来なければならない場合がある。アラート電子メールに加えて、アラームコード化されたライトシステムがユニットで点灯し、点検整備実施間隔が反故にされようとしていることを知らせる場合がある。シャットダウンを無効にするには、「権限」キー、RFIDタグ、又はコードを、おそらく電子メール又はWebサイトの顧客エリアを介して、また遠隔計測システムを利用して、送信する必要がある。これで、確実に、関連する費用を認可し、CIPなしで稼働する責任を受け入れることができる適切な人だけが、シャットダウンを無効にして、SLAを反故にすることができるようになる。
【0073】
添付図面の図2A図2B及び図2Cを参照すると、容器は、形状が管状であり、外部取り付け枠22にボルト留めされ得る。容器は、ミネラル操作チャンバを収容し、それにより、入口流水が、該非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)によって処理される。
【0074】
容器には、上端と下端とにそれぞれ開閉式蓋24、25が設けられている。両方とも、ロック式Triクランプによって容器に固定されている。
【0075】
容器の下蓋25には、チューブ26が突き出る穴が設けられている。チューブの端には、反応水の制御下の手作業の廃棄又は緊急廃棄を可能にするように、ロック式バタフライバルブが固定され得る。
【0076】
上蓋24には、チューブが突き出し得る穴27a、b及びdが設けられている。各穴の周囲には封止ガスケットが設けられている。上蓋24は、湾曲したチューブ27cによって外部水道管に接続されており、このチューブ27cを通して、ミネラル懸濁デバイス並びに一連の外部ポンプ及びバルブの助けを借りて、入口給水をミネラル操作チャンバに流入させることができる。
【0077】
反応媒体は、チューブ27bを介して上蓋を通して該AESモジュール容器に手作業で注がれる。代替として、反応媒体は、湾曲したチューブ27cを介してミネラル懸濁デバイスに接続され得る媒体処方システムを通して容器に注がれ得る。
【0078】
容器6はまた、その側面に穴28a及び28bが設けられ得、穴28a及び28bを通して収集チューブが出口水タンクと接続する外部水道管に延在する。穴には、反応媒体の漏れを防ぐために、フィルタが組み込まれたガスケット封止材が備えられている。
【0079】
添付図面の図3A及び図3Bを参照すると、容器6は、非磁性懸濁攪拌プロセス(n−MSAP)が行われるミネラル操作チャンバ29、並びにミネラル懸濁デバイス30、及び水位計を備える。
【0080】
ミネラル操作チャンバ29は、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニウム、鉄、亜鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、ホウ素、バナジウム、モリブデン、及びセレンを含む最高17個の元素金属及び/又はそれらの酸化物、並びにこれらの元素同士の組み合わせ及びこれらの元素と他のミネラルとの組み合わせを含む、反応媒体を収容する。入口流水と懸濁反応媒体との反応により、水のpHが7〜11の範囲内になる。
【0081】
ミネラル操作チャンバ29には、入口流水を該ミネラル操作チャンバ29内に絶えずポンプで送り込み、入口水を循環運動で移動させ、循環移動入口水中に反応媒体を懸濁させるミネラル懸濁デバイス32が備えられている。これは、循環する入口流水における反応媒体の効果的な懸濁を確実にし、該チャンバ内で懸濁専有反応媒体との密接な接触を維持するためのものである。
【0082】
ミネラル操作デバイス30は、2つの区画、管31及び水循環器実施形態32を含み、配管網を通して外部入口給水ポンプに接続され、食品用のステンレス鋼を含む食品用材料で製造されている。
【0083】
水循環器実施形態32は、管31の端に溶接されている。実施形態32は、排出オリフィス33構成要素及びベンチュリセクション34構成要素を含む。実施形態32は、水が実施形態を通過するに従って周囲の流体を引き込み、その結果、通常、チャンバ内で動き始める水の量は、実際にチャンバに入る水の量の5倍となる。
【0084】
排出オリフィス33は、雄型突出セクション35及びノズル36を備え得る。雄型突出セクションは、排出オリフィス36を入口管31内に接続し、外部入口水ポンプの圧力の影響下で、ポンプ送りされた入口水の送達を容易にする。
【0085】
ベンチュリセクション34は、上部通気孔37及び下部通気孔38を備えた半長方形状の本体を有する。ベンチュリセクションは、接続リブ39〜41を介して排出オリフィス構成要素に接続されている。
【0086】
水循環器実施形態32は、高さが20〜24cmであり、最大幅が9.8cmである。下部通気孔38の直径は、5.5cmであり得る。
【0087】
入口水は、外部入口水ポンプ圧力の影響下で、排出オリフィス36を通してベンチュリセクション34内にポンプで送られる。ミネラル操作チャンバに入口流水を満たした後、入口水は、排出オリフィス33を通して、ベンチュリセクション34内にポンプで送られ続ける。ポンプ送りされた水の噴射がベンチュリセクション34に入り、上部通気孔37を介してミネラル操作チャンバ29内の周囲の水域から追加の水を取り出し、それをベンチュリに通して移動させる。排出ノズル36からポンプ送りされた水とミネラル操作チャンバから取り出された水を合わせた排出プルームは、下部通気孔38を通ってベンチュリから出て、これにより、水域を循環運動で移動させる。これにより、入口流水と反応媒体との密接な接触を維持しながら、入口水域内での反応媒体の要素の効果的かつ連続的な懸濁が可能になる。
【0088】
代替として、エダクタノズル147が、図3Cに示されるように、入口管146の半径方向内向きの端に固定され得る。この図では、水流が矢印で示されている。
【0089】
ソフトウェアは、n−MSAP中に理想的な反応処理条件を確立し、制御するように、反応アルゴリズムにプログラムされている。ソフトウェアは、PLCにインストールされ、ミネラル操作チャンバ29内の専有反応媒体の量、専有反応媒体に含まれる元素金属及び/又はそれらの酸化物の化学的性質及び物理的性質を含むがこれらに限定されない入力データに加えて、該複数の水質プローブからの入力フィードデータを処理する。反応アルゴリズムは、水処理の目標期間、またpH、TDS、温度、体積、及び流量を含むがこれらに限定されない、目標出口アルカリ水の化学的性質及び物理的性質も考慮する。
【0090】
容器6の上部の蓋24には、ミネラル操作チャンバ29内の水位をモニタするように、水位計に取り付けられた水位プローブも備えられ得る。次に、水位プローブからの入力フィードが、該コントロールフィールドボックスを介して該コントロールパネルに送信され得る。ミネラル操作チャンバ内の水位がオペレータによって設定された最高許容レベルを超える場合、該コントロールパネルPLCは、容器6を出る出口アルカリ水の流量を増加させるための信号を、該外部自動ダイアフラムバルブに送信する。
【0091】
添付図面の図3Cを参照すると、エダクタ147が水を半径方向内向きに向けるように、入口146が半径方向内向きに向けられた端セクションを有する代替の配置が示されている。エダクタに流入し、そこを通る水は、この図面に矢印で示されている。
【0092】
添付図面の図4を参照すると、本発明による単一モジュールを備えるAES装置の連続制御及びモニタリング用の装置が示されている。この装置は、水pH、伝導性、温度、水位、水存在、及び装置の構成要素を通過する水の流量を絶えず測定し、モニタすることができる。装置には、5つの試験箇所が含まれ得、第1の試験箇所42は、入口供給タンク1と外部入口水ポンプ4との間に位置し、第2の試験箇所43は、容器6の上流に位置し、第3の試験箇所44は、容器6内部に位置し、第4の試験箇所45は、容器6の下流に位置し、第5の試験箇所46は、出口水タンク10と媒体交換ボックス13との間に位置する。
【0093】
試験箇所は、pH計プローブ20、流量計プローブ17、水圧プローブ18a及び18b、水位プローブ15a〜c、伝導性プローブ19a及び19b、水温プローブ21、並びに水存在プローブ16を含む。プローブは、フィールドボックス66(図1A及び1Bの項目8)に位置する送信機にケーブルを介して接続されている。送信機は、ケーブルを介してコントロールパネル7にデータを送信するデータロガーエピセンサ46〜57に接続されている。送信機はまた、電波を介してゲートウェイ67にデータを送信し、今度はゲートウェイ67が、データをオンライン制御及びモニタリングプラットフォーム68に送信する。
【0094】
水圧プローブ18a及び18b、流量計プローブ17、水pHプローブ20、及び温度プローブ21からのデータ情報は、オペレータが、出口アルカリ水の望ましいpHを維持するように流量を直接調整するのを助けるために、フィールドボックス66を介してコントロールパネル7に送られる。代替として、アルゴリズムが、装置のポンプ及びバルブを調整することによって、出口アルカリ水の望ましいpHを自動的に維持し、制御することもできる。
【0095】
水温、pH、伝導性、流量、圧力、及び水位に関するデータ情報は、ローカルに又は遠隔に表示され得る。データは、上記のようにコントロールパネル7に送信され得る。また、データは、携帯電話上のテキストを介して地元のサービスエンジニアに送信される場合がある。代替として、情報が分析されて、いずれの問題も対処され得る、ローカル又は遠隔の制御室にデータが送信され得る。情報は、例えば、従来のケーブル、オンライン技法、又は衛星通信を使用して中継され得る。メッセージが、携帯電話上のテストを介して地元のサービスエンジニアに送信される場合がある。
【0096】
AESモジュール容器内の反応媒体が望ましいpH値に出口水を生成することができなくなった場合、上記のように、容器6の上蓋の穴を介して追加の反応媒体を手作業で注ぐことができる。
【0097】
先に述べたように、装置には、視覚的検出装置及びロック式Tri−クランプを含むがこれらに限定されない不正加工防止手段が備えられ得る。不正加工防止視覚的検出装置は、第1の試験局と第5の試験局との間の任意の箇所、又は任意の他のAES機械構成部分に取り付けられる。視覚的検出装置は、内蔵バッテリ、内部メモリを有している場合があり、SIMカード技術を通して視覚フィードを遠隔に送信することができる場合もある。
【0098】
複数のモジュールで構成される組立体が、より大きな流量の入口給水(>150リットル/分)を処理する構成に設定され得る。例として、最大750リットル/分の入口給水を処理する構成に5つのモジュールが設定され得る。
【0099】
添付図面の図5A及び図5Bを参照すると、2つのモジュールの構成が示されている。外部入口給水タンク69からの入口給水が、マニホールド及び自動抽気バルブ71を介して2つのモジュールに流入させられる。マニホールド及び自動抽気バルブ71は、モジュールのそれぞれで外部ポンプ73a及び73bの上流に取り付けられ得る。
【0100】
入口給水は、図1図4の装置に関連して説明したのと同様に、逆浸透(RO)又は他の任意の濾過プロセスによって外部入口給水タンク69の上流で75ppmを下回るTDS値に精製され得る。
【0101】
マニホールド及び自動抽気バルブ71による入口給水の分配に続いて、外部入口水ポンプ73a及び73bによって、水が各AESモジュール容器76a及び76bに流入する。各AESモジュールには、別個の外部入口水ポンプが必要となる。例として、5つのAESモジュールを有するAES装置には、5つの外部入口水ポンプが必要である。
【0102】
図5A及び図5Bの装置は、各AESモジュールに含まれる構成要素に加えて、外部入口給水タンク69、マニホールド、及び自動抽気バルブ71を含む。これらには、手動バタフライバルブ86a及び86b、入口給水用外部ポンプ73a及び73b、自動バタフライバルブ74a及び74b、AESモジュール容器76a及び76b、コントロールパネル83、フィールドコントロールボックス75a及び75b、モジュール式ダイアフラムバルブ77a及び77b、出口水用タンク78、出口水用外部ポンプ79、外部取り付け枠84、手動バタフライバルブ80、媒体交換ボックス81、0.2μm濾過カートリッジ82、並びにAES機械構成部分を瓶詰めプラントの機械類に接続し、またそのAES機械構成要素も接続する配管網、が含まれる。
【0103】
AESモジュール容器76a及び76bの設計、構造、及び働きは、図1図4の装置に関連して説明されたAESモジュール容器のものと同様である。
【0104】
図1図4のAES装置と同様に、n−MSAPが、容器76a及び76bのミネラル操作チャンバ内で行われ、これにより、入口給水が反応媒体と接触し、水のpHが7〜11の範囲内になる。
【0105】
入口給水は、ポンプ及びバルブの助けを借りて、外部入口給水タンク69から瓶詰めプラントの機械類まで、装置の構成要素を通って流れるようにされる。装置を通過する流水の経路は、図5A及び図5Bに矢印の方向で提示されている。
【0106】
水と直接接触する図5A及び図5Bの装置の構成要素は、食品用材料で製造されている。
【0107】
各AESモジュールには、水pHプローブ90a及び90b、水伝導性プローブ89a〜d、水圧プローブ88a〜c、水流量計プローブ87、水位プローブ85a〜d、水存在プローブ86a及び86b、並びに水温プローブ91a及び91bを含むがこれらに限定されない、複数の性能及び水質プローブが備えられている。これは、装置を通過する水の流れをモニタし、入口給水及び出口生成水の両方の水質をモニタし、制御するためのものである。
【0108】
水質プローブは、ケーブルを介してフィールドコントールボックス75a及び75bに接続され、今度は、フィールドコントロールボックス75a及び75bが、PLCが設けられているコントロールパネル83にケーブルを介して接続されている。コントロールパネル83は、水プローブによって生成されたデータフィードを受信し、該水質プローブからの入力フィードデータを表示するデジタルディスプレイタッチスクリーンを介してデータフィードの提示及びモニタリングを容易にする。
【0109】
単一のコントロールパネルで、最高16個のモジュール構成の性能をモニタし、制御することができる。したがって、図5A及び図5Bでは、コントロールパネル83は、2つのAESモジュールを制御し、モニタする。16個を超えるAESモジュールを有する装置の場合、最高16個の追加のAESモジュールを制御し、モニタするように、さらにコントロールパネルが追加され得る。
【0110】
図1図4の装置と同様に、コントロールパネル83は、PLC、ソフトウェア、及びディスプレイタッチスクリーンを備える。ソフトウェアは、装置の性能を自動的に制御し、維持するアルゴリズムでプログラムされている。ソフトウェアは、他の重要な反応変数及び望ましい出口水生成品質に加えて、複数の該プローブから受信したデータ情報を計算する。
【0111】
入口給水の流れは、入口給水の流量を適宜調整することにより、該コントロールパネル83のデジタルタッチスクリーンを介したオペレータからの手動入力によっても、制御し、維持され得る。
【0112】
該AESモジュール容器76a及び76b内のn−MSAPによる入口水の処理に続いて、出口アルカリ水(pH7〜11)は、容器を出て、次に、重力により、収集チューブ92a及び92bを通って出口水タンク78に流入する。これは、各モジュールによって生成された出口アルカリ水を収集し、出口アルカリ水の外部出口水タンク78への流入を確実にするためである。
【0113】
出て行く出口アルカリ水の流量は、該モジュール式ダイアフラムバルブ77a及び77bによって自動的に調節され得る。収集チューブには、AESモジュール容器76a及び76bを出る出口アルカリ水の流量を調節し、それによって該AESモジュール容器内の水位を調節するための自動制御式モジュール式ダイアフラムバルブが備えられている。バルブ77a及び77bは、コントロールフィールドボックス75a及び75bを介してコントロールパネル83に接続され得る。オペレータは、緊急時に、コントロールパネル83上の入力によって該バルブを調整することができる。
【0114】
出口水タンク78内の出口アルカリ生成水は、出口水のpHを活性化、維持するように外部出口水ポンプ79によって媒体交換ボックス81に流入させられて、次に、いずれの粒子も取り除くように0.2μm濾過カートリッジ82に流入させられる。代替として、出口水タンク78内の出口アルカリ生成水を、手動バタフライバルブ80を介して媒体交換ボックス81を迂回して、0.2μmフィルタ82に直接流入させることができる。
【0115】
媒体交換ボックス81が、水のpH値を活性化し、それを7〜11の範囲内に維持するための反応媒体を収容するのが好ましい。媒体交換ボックス81は、出口アルカリ水をさらにきれいにし、精製するための内部酵素プローブも備える。
【0116】
装置は、出口生成アルカリ水が、後続の瓶詰め/パック詰めに向けて貯蔵される、保持タンクを通して瓶詰めプラントに間接的に接続されている。代替として、装置を瓶詰めプラントの機械類に後付けすることができ、この機械類を通して、出口生成アルカリ水が瓶詰め/パック詰めのために、瓶詰めプラントに直接送達される。装置を通過する流水の経路は、図5Aに示される矢印で示されている。
【0117】
一体型不正加工防止システムが提供され得る。不正加工防止システムは、正規サービスエンジニアによるその点検整備を可能にしながら、認められていない者による、該AESモジュール容器76a及び76b、任意の組立構成要素を取り外す、又はそれにアクセスする、また懸濁専有反応媒体の除去といったいずれの試みも検出し、防止することができる。不正加工防止システムは、複数のロック式Triクランプ及び視覚的検出装置を備え得る。
【0118】
モジュールを電圧低下や停電から保護するために、それぞれ個々のAESモジュールには、安全バッテリバックアップUPSシステムが備えられ得る。また、懸濁専有反応媒体又は任意のモジュール構成部分を変更するときに、サービスエンジニアが水流を止めることができるように、個々のAESモジュールには、マニュアルオーバーライドが設けられ得る。
【0119】
装置には、CIPシステムが備わっている場合があり、CIPシステムは、清浄度の問題として、又は懸濁反応媒体の効力が失われたときに、反応媒体が確実に注ぎ足される又は入れ替えられるように、手作業による介入を必要とする可能性がある。
【0120】
遠隔計測システムを利用することにより、ある妥当な媒体閾値に達すると、「アラート」電子メールがシステムオペレータに送信され、懸濁反応媒体の取り替えが必要であり得ると事前通知され得る。補充されない場合、効力の閾値に達すると、懸濁反応媒体が補充されていないこと、またシステムがシャットダウンし、マニュアルオーバーライドを必要とし得ることを知らせる別の電子メールが送信される。
【0121】
手動オーバーライドが有効にされると、サービスレベルアグリーメント(SLA)が無効になり、SLAが有効に戻り得る前に、サービスエンジニアが補充とリセットに来なければならない場合がある。アラート電子メールに加えて、アラームコード化されたライトシステムがユニットで点灯し、点検整備実施間隔が反故にされようとしていることを知らせる場合がある。シャットダウンを無効にするには、「権限」キー、RFIDタグ、又はコードを、おそらく電子メール又はWebサイトの顧客エリアを介して、また遠隔計測システムを利用して、送信する必要がある。これで、確実に、関連する費用を認可し、CIPなしで稼働する責任を受け入れることができる適切な人だけが、シャットダウンを無効にして、SLAを反故にすることができるようになる。
【0122】
瓶詰めライン又は飲料製造施設では、出口アルカリ水は、pHが7〜11の範囲の瓶詰め/パック詰めプレーンアルカリ水を製造するように、厳格な製造及び瓶詰め/バック詰め条件下で瓶詰め/パック詰めされる。
【0123】
添付図面の図6A図6B、及び図6Cを参照すると、2つのAESモジュールを備えるAES装置の連続制御及びモニタリング用の装置が示されている。この装置は、構成内のAES組立構成部分を通過する水の水pH、伝導性、温度、水位、水圧、水存在、及び流量を絶えず測定し、モニタすることができる。装置には、6つの試験箇所が含まれ得、1つの試験箇所93は、入口供給タンク69と外部入口水ポンプ73a及び73bとの間に位置し、4つの試験箇所94〜101は、組立体内の各AESモジュールに位置し、1つの試験箇所102は、出口水タンク78と媒体交換ボックス81との間に位置する。
【0124】
試験箇所は、pH計プローブ90a及び90b、流量計プローブ87、水圧プローブ88a〜c、水位プローブ85a〜d、伝導性プローブ89a〜d、水存在プローブ86a及び86b、並びに水温プローブ91a及び91bを備える。プローブは、各AESモジュールのフィールドボックス122及び143(図5Aの項目75a及び75b)に位置する送信機にケーブルを介して接続され得る。送信機は、ケーブルを介してコントロールパネル83にデータを送信することができるデータロガーエピセンサ103〜113及び125〜134に接続されている。送信機はまた、電波を介してゲートウェイ123及び144にデータを送信し、今度はゲートウェイ123及び144が、そのデータをオンライン制御及びモニタリングプラットフォーム124及び145に送信する。
【0125】
水圧プローブ88a〜c、流量計87、水pHプローブ90a及び90b、並びに温度プローブ91a及び91bからのデータ情報は、先に説明したように、オペレータが、入口流量を調整することによって、出口アルカリ水の望ましいpHに装置を手作業で調整するのを助けるために、フィールドボックス122及び142を介してコントロールパネル83に送信される。これはまた、プローブからのデータ入力フィードを計算して、先に説明したように装置の構成要素を調整することによって装置内の反応条件を自動的に制御し、維持する反応アルゴリズムによって自動的に実現され得る。
【0126】
水温、pH、伝導性、流量、圧力、存在、及び水位に関するデータ情報は、ローカルに又は遠隔に表示され得る。データは、上記のようにコントロールパネルに送信され得る。また、データは、携帯電話上のテキストを介して地元のサービスエンジニアに送信される場合がある。代替として、情報が分析されて、いずれの問題も対処され得る、ローカル又は遠隔の制御室にデータが送信され得る。情報は、例えば、従来のケーブル、オンライン技法、又は衛星通信を使用して中継され得る。メッセージが、携帯電話上のテストを介して地元のサービスエンジニアに送信される場合がある。
【0127】
反応媒体が望ましいpH値に出口水を生成できなくなった場合、先に説明したように、各AESモジュール容器の上蓋の穴を介して追加の反応媒体を手作業で注ぐことができる。代替として、それらのそれぞれの上蓋を通して、各容器76a及び76bに接続され得る媒体処方システムの助けを借りて、追加の反応媒体が添加される。
【0128】
先に説明したように、装置には、視覚的検出装置及びロック式Tri−クランプを含むがこれらに限定されない不正加工防止手段が備えられている。不正加工防止視覚的検出装置は、第1の試験局と第6の試験局との間の任意の箇所、又はAES組立構成部分内の任意の箇所に設置される。該視覚的検出装置には、内蔵電池、データメモリが備えられている場合があり、また、SIM接続性を介してオンラインで接続され得る。
【0129】
瓶詰めプラントの機械類への出口アルカリ水の送達に続き、出口アルカリ水を厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で瓶詰め/パック詰めし、7〜11の範囲の安定したpHの瓶詰め/パック詰めプレーンアルカリ水を製造する。
【0130】
本発明においてn−MSAPによって生成された出口アルカリ水は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)、メトロームコンパクトイオンクロマトグラフィ(Metrohm Compact IC)、及びプロトン核磁気共鳴(H−NMR)を含む、最先端の化学・微生物分析方法を使用することにより、飲水性について化学的に分析されている。出口アルカリ水は、様々な標準化された最先端の微生物汚染方法を使用して、微生物汚染についても分析されている。化学分析及び微生物分析の両方の試験が、独立公認研究所及び独立認定研究所によって実施された。本発明の装置内の反応媒体に逆浸透(RO)濾過によって精製された水を接触させることによって生成された出口アルカリ水の飲水性試験の結果は、以下の通りである。
【表1】
【0131】
さらに、本発明のn−MSAPによって生成された出口アルカリ水は、栄養証明書及び化学証明書に使用される最先端の方法によって栄養学的かつ化学的に分析されている。栄養証明書及び化学証明書が、独立公認研究所及び独立認定研究所によって発行された。上記のn−MSAPで説明されているように、逆浸透(RO)濾過によって精製された水をAESモジュール内の反応媒体と接触させることによって生成された出口アルカリ水の栄養証明書及び化学証明書の結果は、次の通りである。
【表2】
【0132】
図1図4又は図5及び図6の装置から瓶詰めプラントの機械類への出口アルカリ水の送達に続いて、出口アルカリ水を厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で瓶詰め/パック詰めし、7〜11の範囲の安定したpHの瓶詰め/パック詰めプレーンアルカリ水を製造する。
【0133】
さらに、出口アルカリ水を、瓶詰めライン又は飲料製造施設での厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で、飲料配合物と混合かつ/又はブレンドして、プレーバーアルカリ水、清涼飲料、フレーバードリンク、機能性飲料、プロテインリッチ飲料、スポーツドリンク、浸出液、CBD又はCBD及びTHC含有飲料を含むがそれらに限定されない、飲料を製造することができる。
【0134】
さらに、出口アルカリ水を、瓶詰めライン又は飲料製造施設での厳格な製造及び瓶詰め/パック詰め条件下で、飲料配合物と混合かつ/又はブレンドして、砂糖及び人工甘味料を添加しないか又は添加を抑えて飲料を製造することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】