特表2021-528286(P2021-528286A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クレックナー デスマ エラストマーテヒニク ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2021-528286射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法
<>
  • 特表2021528286-射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法 図000003
  • 特表2021528286-射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法 図000004
  • 特表2021528286-射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528286(P2021-528286A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20210924BHJP
【FI】
   B29C45/76
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-571577(P2020-571577)
(86)(22)【出願日】2019年6月14日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月4日
(86)【国際出願番号】EP2019065673
(87)【国際公開番号】WO2019243185
(87)【国際公開日】20191226
(31)【優先権主張番号】102018114974.3
(32)【優先日】2018年6月21日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520498402
【氏名又は名称】クレックナー デスマ エラストマーテヒニク ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Kloeckner Desma Elastomertechnik GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(72)【発明者】
【氏名】ツェベディン,ハラルド
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AA45
4F206AP03
4F206AP05
4F206AP16
4F206AP20
4F206JA07
4F206JL02
4F206JP11
4F206JP30
4F206JQ90
(57)【要約】
本発明は、射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法に関し、測定ツール(6)が、静止クランピングプレート(2)とモールドダイの代わりの可動クランピングプレート(3)との間の射出成形機(1)に配置され、測定ツール(6)は、そのコース上に少なくとも2つの圧力センサ(16)および少なくとも2つの温度センサ(17)が配置される測定チャネル(13)を含み、測定チャネル(13)中へ射出アセンブリ(5)により射出された材料の対応する測定値が、射出成形機(1)の一部であるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に送られ、これらの測定値が、PLC中のアルゴリズムにより処理され、評価され、実際の射出工程に利用できるようになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法であって、
測定ツール(6)が、静止クランピングプレート(2)とモールドダイの代わりの可動クランピングプレート(3)との間の射出成形機(1)に配置され、前記測定ツール(6)は、そのコース上に少なくとも2つの圧力センサ(16)および少なくとも2つの温度センサ(17)が配置される測定チャネル(13)を含み、前記測定チャネル(13)中へ射出アセンブリ(5)により射出された材料の対応する測定値が、前記射出成形機(1)の一部であるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に送られ、これらの測定値が、PLC中のアルゴリズムにより処理され、評価され、実際の射出工程に利用できるようになる、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
長方形の断面を有するスリット毛細管が、前記測定ツール(6)中に前記測定チャネル(13)として提供されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記温度および圧力の測定に加えて、前記射出された材料の混合状態および壁面滑り動作も特定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
射出アセンブリ(5)、静止クランピングプレート(2)、可動クランピングプレート(3)およびモールドクランピング装置を有し、測定ツール(6)が、前記静止クランピングプレートと前記可動クランピングプレートとの間に配置され、前記測定ツール(6)が、前記静止クランピングプレート(2)中のランナー(4)を介して前記射出アセンブリ(5)により熱可塑性および/またはエラストマー材料を供給されうる測定チャネル(13)を有し、前記測定チャネル(13)が、前記射出アセンブリ(5)の反対側の端部(15)において開口するように構成され、
前記測定チャネル(13)は、筐体(9、10)によって囲まれ、前記筐体は、2つの取付プレート(7、8)の間に配置され、前記測定チャネル(13)を形成する第1の2部品からなる円錐状にテーパした内側部分(10)および前記内側部分に補完的であり前記内側部分(10)を囲む外側部分(9)からなり、少なくとも2つの圧力センサ(16)および少なくとも2つの温度センサ(17)が、前記内側部分(10)に配置されて、前記圧力センサ(16)の少なくとも測定ダイヤフラムが、前記測定チャネル(13)の内壁と同一平面上にある、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法を実行するための射出成形機。
【請求項5】
前記測定チャネル(13)が、長方形の断念を有するスリット毛細管として形成されることを特徴とする、請求項4に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記筐体の前記第1の円錐状にテーパした内側部分(10)の2つのパーツ(11、12)の間の境界線が、前記測定チャネル(13)に沿って進むことを特徴とする、請求項4または5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記ランナー(4)から前記測定チャネル(13)への移行が、フロー最適化態様で対応する取付プレート(7)において形成されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記圧力センサ(16)が、前記温度センサ(17)の反対側に配置されることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記筐体の前記内側部分(10)が、前記可動クランピングプレート(3)上に固定された前記取付プレート(8)上に取り付けられ、前記外側筐体部分(9)が、前記静止クランピングプレート(2)に接続された前記取付プレート(7)上に取り付けられることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形部品の製造のための熱可塑性および/またはエラストマー材料のレオロジーのオンライン検知方法に関し、測定ツールが、静止クランピングプレートとモールドダイの代わりの可動クランピングプレートとの間の射出成形機に配置され、測定ツールは、そのコース上に少なくとも2つの圧力センサおよび少なくとも2つの温度センサが配置される、測定チャネルを含む。さらに、本発明は、本方法を実施するための射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
基本的概念として、特に未加工のゴム化合物の粘度、並びに他の材料特有のパラメータは、前処理中にかつ射出成形工程で支配的な条件に対応する剪断の下で測定されるべきである。これを可能にするために、射出成形機は、さまざまのセンサを備えた測定チャネルを含む形状が同様の設備を備える。スリット中では所定のフロープロセスが生じ、これはセンサによって測定される。測定されたデータから、レオロジー特性値が得られる。
【0003】
実際には、測定チャネル中の圧力低下を測定しさらに対応温度を測定することにより、レオロジー特性についてポリプロピレン材料をテストすることが非特許文献1の論文からすでに知られており、ここでは、射出成形機の静止クランピングプレートと可動クランピングプレートとの間に適切な測定ツールが設置され、測定チャネル中にポリプロピレン材料が導入され、チャネル内のプロファイルがチャネルの反対端によって分析された。特定された測定データは、外部の評価装置(LabVIEW Setup)で評価された。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】G. Ausias, c. Mobuchon, P. J. Carreau, M.-C. Heuzey, M. Sepehr, “Extensional properties of short glass fiber reinforced polypropylene”, Polymer Composites, 2005, 247
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、この装置の問題は、測定されたデータが射出成形パーツの製造のための実際の射出成形操作にすぐに利用できず、また、エラストマー材料をこの装置を用いてテストすることは確実でないことである。
【0006】
特に生ゴムは、不連続法(通常は内部ミキサ)での処理のために最終形態にされる(「混合済み(ready mixed)」)。原料におけるこのおよび変動する品質によって、バッチ間の原材料の特性および例えばエラストマー射出成形によりそこから製造される成形パーツにおいて高いばらつきが生じる。したがって、これらの特定のばらつきを特定し、そこから、特定のバッチをブロックする、それを用いる、または加工または二次処理工程へ適応させることが、処理業者にとって常に懸念であった。
【0007】
通常、この目的のために以下の方法が現在使用されている:
・バルカメトリー
・ムーニービスコメトリ―/RPA測定
・密度テスト(レオロジー関連パラメータではない)
・IR分光法(レオロジー関連パラメータではない)。
【0008】
また使用頻度の低い:
・測定ニーダー(kneader)
・(高圧)毛細管粘度計
・デフォ(defo)テスト。
【0009】
これらの方法はすべて、混合物の流動性を特徴づけない、または実際の射出成形プロセスに関して不十分にのみ特徴づけるという不利点がある。以下の理由が文献において議論されてきた。
【0010】
・不正確な剪断速度範囲
射出成形において、材料は、100〜10,00 1/sの範囲の非常に高い剪断速度にさらされる。特に、1000 1/s未満の範囲で、および1000 1/s超のHPCVの場合、上記の方法は標準的な方法と連動しない。したがって、関連する範囲での特性は、部分的にのみ測定される。
【0011】
・材料の他の前処理(サーモ−レオロジーヒストリー)
射出成形機において、材料は、スクリューを用いて可塑化されしたがって予備剪断され、同時に80℃の範囲の均質処理温度にもたらされる。予備剪断は、例えばフィルタ集塊を粉砕し、均質な溶融物を生じる。上述の方法の場合にはこうではない。材料は冷たい状態で入れられ可塑化されない。
【0012】
・テストの場所および時間
検査は、使用(同じ環境条件)の場所に可能な限り近くかつ処理時に行われる。バッチは例えば供給の際にテストされ、その後2か月間解放される。
【0013】
・剪断加熱
高い剪断速度範囲における方法では、化合物は通常、制御されていない態様で加熱され、テスト中に公称温度を超える。このため、射出成形に移った場合に大きい偏差を生じうる絶対的な測定値は得られない。
【0014】
・レオロジー特殊効果
多くのレオロジーの特殊効果は、ゴムが射出成形により加工される場合に関連するが、通常は特徴づけにおいて調べられない。これらには、壁面滑り、入口および出口圧力低下/弾性効果/伸長流、粘性の圧力依存性。
【0015】
・設備における高い投資費用
上述の実験室設備の構成は、それぞれ100,000ユーロのオーダーで費用がかかり、したがって著しい投資費用を示す。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらの不利点を克服するために、製造に用いるための新しい測定方法が所望である。このため、測定器具として加工射出成形機自体の使用の既存文献に多くの議論がすでになされてきた。材料流路、センサおよび評価に関する適合により、上述の不利点(の多く)が克服できる。適切な材料搬送路を使用することにより、最大10,000/sの非常に高い剪断速度が達成できる。これに必要な圧力は通常、射出成形機で利用できる。同じ射出ユニットおよびスクリューが使用されるので、前処理は実際の処理におけるように正確に行われる。位置は生産におけるものであり、テスト時間は製造において生産が実際に開始する際に都合よく選択できる。レオロジー特殊効果は、処理中の射出ユニットに見られる実際の条件に対応し、仮説および転移が行われる必要はない。したがって、そのような方法の開発が所望である。
【0017】
本発明によれば、標準的なエラストマー射出成形機は、形態において類似し、圧力および温度センサを有する測定チャネルとして(長方形の)スリットを含むセットアップを備える。スリット中で所定の流れ工程が生じ、これはセンサにより測定される。測定されたデータから、射出成形機の制御システム(いわゆるPLC)中でレオロジー固有値が直接得られる。材料は、機械の射出ユニットで可塑化され、スリット状チャネルを介してフリースペースに射出される。
【0018】
この技術は、炭素系のエラストマー並びに固体および液体のシリコンエラストマー(ATVおよびLSR)に使用されることが意図される。
【0019】
測定配置が生産において使用されるが、生産中ではない。これは生産モールドを交換する。したがって、転換は常に必要である。
【0020】
測定原理は以下のようである:可塑化の後、適切な入口を介して長方形の断面を有するスリット毛細管中に材料を供給し、純粘性剪断にさらす。スリット壁中に平らに設置された2つ以上の圧力センサにより、スリットに沿った圧力低下が測定される。圧力低下およびスリットの構造から、ハーゲン・ポアズイユの法則から類推して粘性が計算される。測定原理は、基本的には毛細管粘度計のものに対応する。
【0021】
圧力および温度センサからの測定データは、射出成形機の一部であるPLCによって直接処理されるので、かなり高額である上述の実験室設備を省くことができる。駆動/圧力発生、制御システムおよび材料供給システムのような高額な構成要素は、射出成形機においてすでに存在し、したがって測定能力だけがわずかな価格のために後から取り付けられなければならない。
【0022】
本発明による方法において、以下の測定ツールが使用される:
2つの取付プレートからなり、そのうち1つは入口プレートとして設計され、静止クランピングプレート上に固定される。静止クランピングプレート中にランナーが提供され、それを介して、射出アセンブリはテストされる材料を入口プレート中の開口を介して測定ツール中に導入する。入口プレート中の開口は、丸いランナー断面が測定ツール中に存在する測定チャネルの長方形の断面に変換されるように構成される。この場合、デッドスポットを避けかつ層流を確保するため、入口プレート中の開口の断面は、スリット幅に拡大され、次いで、同じ幅を維持しながら、適切なスリット高さに低減される。変遷は均一かつ丸くなるように構成される。
【0023】
長方形の測定チャネルは、筐体内に収容され、筐体は、2つの取付プレートの間に配置され、測定チャネルを形成する第1の2部品からなる円錐状にテーパした内側部分、および、内側部分に補完的であり内側部分を囲む外側部分からなり、少なくとも2つの圧力センサおよび少なくとも2つの温度センサが、内側部分の内部に配置され、圧力センサの少なくとも測定ダイヤフラムが、測定チャネルの内壁と同一平面上にある。
【0024】
外側の筐体部分は、外側で円筒状に構成され、内側に開口を有し、開口は固定されたクランピングプレートに向かって円錐状にテーパする。内側の凹部は、円錐台の凹部に対応する。この構成要素の対象は、内側筐体部分の中心である。測定チャネルは、この内側筐体部分に配置される。これは、円錐台の外側形状を有する。これは、二等分からなり、例えば洗浄のために測定チャネルを開口することを可能とする。各半分は、長さに従って分けられた測定チャネルの側を含むが、わずかに非対称である。圧力センサ側では、測定チャネルの高さ(例えば1.5mm)は等しいが、反対側は可変であり例えば0.5mm(非対称的)または1.5mm(対照的)のいずれかの高さを有する。内側筐体部分の一方の半分では、例えば3つの孔が圧力センサを取り付けるために導入される。孔は、圧力センサの測定ダイヤフラムがチャネル壁と同一平面上になるように配置される。孔のより深くに(例えば約5mm)に位置する段差は、シーリングエッジを形成し、壁上のさらに後ろのネジ山は、ロックナットを用いてセンサが固定されることを可能とする。半円錐台の外周上で、孔の上の材料が取り除かれ、センサの測定ケーブルが外側に供給される。測定チャネルの端部において、フリースペース中への開口があり、テスト材料はその内部に抜けることができ次いで手動で除去できる。半円錐台の内側は、測定スリットの平らな外側であり、滑らかな相互の連結を可能とする。構成要素は、入口プレートの反対側の取付プレート(支持プレート)上にネジで取り付けられ、圧力センサの繊細なケーブル配線により通常は洗浄のために取り外されない。
【0025】
測定チャネルを形成する半円錐台の他の半分において圧力センサの反対側に、例えば3つの温度センサを収容するために孔が提供される。これらもまた、測定チャネル壁と同一平面上になるように導入される。この半円錐台は、支持プレートではなく圧力センサを含む半円錐台にネジで取り付けられ、測定中の安定性を確保しかつこの半分が洗浄のために取り外されることを可能とする。
【0026】
支持プレートは、クランピングユニットの可動クランピングプレート上に2つの半円錐台を固定するために使用される。したがって、2つの半円錐台は互いに関して位置合わせされる。圧力センサ側の半円錐台は、中心化のための圧痕中に沈められ、後方から支持プレートにネジで取り付けられる。
【0027】
全体の設備は、T溝によって射出成形機のクランピングプレート中に固定され、ノズル点によって中心化される。個々の構成要素は、テーパ状の中心化によって互いに中心化される。
【0028】
一方、加熱は、成形型と同様の射出成形機の熱盤によって行われる;かつ他方では、バンドヒーターによって行われ、これは、外側筐体部分の周りに配置され、最大限の温度均一性を達成する。バンドヒーターは、射出成形機の追加の加熱モジュールに接続される。
【0029】
すべての必要なセンサからの信号は、中央機械制御システム(PLC)に供給され、ここで評価される。射出成形機自体から、射出プランジャのストロークが記録される。これは、ストローク測定ロッドにより測定され、CAN busにより機械制御システムに送られる。これは、射出成形機の通常動作について行われる。
【0030】
例えば圧電原理を用いて測定しワイヤ(「信号線」)を介して測定配置の表面上の端子に信号を送る圧力センサが、圧力センサとして用いられる。センサへのフィードバックは、測定配置を介して行われる。配置の表面上の分岐点から、信号がシールドケーブルを介して測定用増幅器へ送られる。測定用増幅器は、クランピングユニットのフェアリングプレート上または機械スイッチキャビネット中に配置される。増幅器中で、信号は電流信号に変換され、単純なケーブル配線を介して制御システムのアナログ入力に供給される。ここで、信号はデジタル化され、制御プログラムに利用可能となる。温度センサの場合、信号は、サーモカップルに適したケーブルを介して、制御システムに直接供給され、対応するアナログ入力で登録されデジタル化される。
【0031】
測定の前に、測定設備が組み立てられ、互いにネジで取り付けられて機械に導入され接続される。射出ユニットおよび設備は、例えば80℃の均一な測定温度に加熱される。エラストマー化合物は、ストリップとして射出ユニットに供給され、少なくとも3回ノズル点を介してフリースペース中に(測定設備中ではなく)投与および射出される。
【0032】
次いで、射出ユニットは、設備まで移動され、例えば500ccmの量が投与される。射出は、測定チャネルを通って一定の低い射出速度で行われるが、以下になるまで圧力、温度およびストロークが記録される:
(a)測定ギャップにおいて測定される圧力が一定である、または
(b)容量が使い果たされ、この場合、一定の最終圧力に(急激に)圧力変化が挿入されなければならない。
【0033】
測定チャネル中の温度がもう一度公称温度の2℃の範囲内になるまで待機した後、さらに500ccmが可塑化される。次いで、テストがより高速で繰り返され、より高い剪断速度でデータを得る。これは、所定の剪断速度範囲について昇順で調整される(測定点は対数的に均一に分布され、通常は10につき5つの点)。第1の測定点は、測定シリーズの終わりに繰り返され、ドリフト(drift)または硫化(焦げ(scorch))についてテストされる。次いで、異なる温度においてテストが繰り返される。
【0034】
本発明は、以下の図面を用いて説明および例証される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】射出成形機の概略図
図2】測定ツールの断面図
図3】測定ツールのカットアウトの透視図
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、非常に概略的な形態で、一般的な参照番号1を付けられた水平方向に動作する射出成形機の基本的構造を図示する。静止クランピングプレート2が、可動クランピングプレート3と共に図示され、可動クランピングプレート3はクランピングプレート2に関して移動する。静止クランピングプレート2において、ランナー4が提供され、同様に概略的に図示された射出ユニット5が適合する。可動クランピングプレート3の移動する動きおよびクランピング圧力の増加を担うクランピングユニットは、明確性の理由により図示されない。静止クランピングプレート2と可動クランピングプレート3との間に測定ツールが導入され、これは参照番号6により言及され図2および3においてより詳細に説明される。測定ツール6は、取付プレート7および8の間に配置され、取付プレート7は入口プレートと称され取付プレート8は支持プレートと称される。
【0037】
図2および3において、測定ツール6がより詳細に図示される。測定ツール6は、2つの筐体部分9および10からなる。外側筐体部分9は外部に円筒形状を有するのに対し、固定されたクランピングプレート2に向かって円錐状にテーパする内側には開口が存在する。この筐体部分9は、取付プレート7上に取り付けられる。2部品からなる内側筐体部分10は、取付プレート8上に固定され、基本的には筐体部分9に補完的に構成され、筐体部分9の円錐状の開口中に導入される。したがって、外側筐体部分9は、筐体部分10を中心化するのに役立つ。筐体部分10の2つのパーツは、円錐台の半分11および12として構成され、組立て状態において、断面が長方形である測定チャネル13の間に入る。測定チャネル13は、取付プレート7中の開口14を介して、固定されたクランピングプレート2中のゲート4に接続される。測定チャネル13は、反対端15においてフリースペースにつながる。
【0038】
円錐台の半分12において、3つの圧力センサ16が縦に並んで設置され、その圧力測定ダイヤフラムは、測定チャネル壁と同一平面上である。円錐台の半分11において、圧力センサ16の反対側に、温度センサ17が設置され、これもまた測定チャネル壁と同一平面上である。それぞれの半円錐台の外周において、センサの測定ケーブルを外部に供給できるように、センサを収容する孔の上で材料が取り除かれる。これらの領域には、参照番号18が付けられる。
【0039】
入口プレート7中に提供される開口14は、ランナー4の丸い断面から測定チャネルの長方形の断面に移行するように構成される。圧力センサ16を収容する半円錐台12は、中心化のために支持プレート8中の圧痕に沈められ、後方から支持プレートにネジで取り付けられる(図示せず)。円錐台の半分11は、支持プレート8に固定されないが、円錐台の半分12にネジで取り付けられ、これは、安定性の理由のためであり、測定チャネル13を洗浄するためにより容易に取り外しできる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】