(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528321(P2021-528321A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】手荷物ターンテーブルのための動的表示システム
(51)【国際特許分類】
B64F 1/36 20170101AFI20210924BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20210924BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20210924BHJP
【FI】
B64F1/36
G09F19/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2021-519012(P2021-519012)
(86)(22)【出願日】2019年6月10日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月5日
(86)【国際出願番号】IB2019054824
(87)【国際公開番号】WO2019239292
(87)【国際公開日】20191219
(31)【優先権主張番号】62/684,799
(32)【優先日】2018年6月14日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】520490680
【氏名又は名称】ジャルール,トニー ムーサ
【氏名又は名称原語表記】JALLOUL,Tony Moussa
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャルール,トニー ムーサ
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
ここに提供されているものは、手荷物受け取りエリアのターンテーブルから搭乗者が預け入れたバッグを回収することを、動的表示システムを介して効果的に容易にする方法および装置である。動的表示システムは、インストラクションをストアしているメモリと、1つまたは複数のディスプレイと、少なくとも1つのプロセッサであって、搭乗者の手荷物に対応する手荷物情報の獲得と、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物の移動の間にリアルタイムで獲得されたバッグ情報を、1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上において、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物と同期して移動させて表示するコントロールと、を行うインストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイムで手荷物情報を提供するための動的表示システムであって、
インストラクションをストアしているメモリと、
1つまたは複数のディスプレイと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
搭乗者の手荷物に対応する前記手荷物情報の獲得と、手荷物ターンテーブルに沿った対応する前記手荷物の移動の間にリアルタイムで前記獲得されたバッグ情報を、前記1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上において、前記手荷物ターンテーブルに沿った前記対応する手荷物と同期して移動させて表示するコントロールと、
を行う前記インストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を包含する、動的表示システム。
【請求項2】
前記バッグ情報は、前記手荷物に対応するフライト番号と、前記手荷物に対応する搭乗者の名前と、前記手荷物に対応する搭乗者の写真と、前記ターンテーブル上における前記対応する手荷物のバッグの続き番号と、前記搭乗者の回収未済の手荷物の数と、前記手荷物に対応する出発空港と、前記対応する手荷物が重いことを示す重量手荷物の通知、のうちの少なくとも1つを包含する、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項3】
前記スクリーンは、前記手荷物ターンテーブルの内側または外側周囲に沿って延びるか、または前記手荷物ターンテーブルの上方に吊り下げられるバナー・スクリーンか、ティッカー・スクリーンか、またはマルチディスプレイ・デバイスである、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項4】
前記手荷物情報は、前記対応する手荷物が前記手荷物ターンテーブルに沿って移動するときに前記対応する手荷物に随伴するように、前記対応する手荷物と同じ速度および同じ方向に移動するべくコントロールされる、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項5】
前記バッグ情報は、さらに、前記対応する手荷物が重いことを示す重量手荷物の通知を包含する、請求項2に記載の動的表示システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのハードウエア・プロセッサは、さらに、前記対応する手荷物が手荷物ターンテーブルから取り除かれたことに基づいて、前記表示されているバッグ情報を、前記搭乗者の前記回収未済の手荷物の数の表示および/または任意のそのほかのあらかじめ決定済みの通知に置き換え、かつ前記表示および/または前記あらかじめ決定済みの通知をあらかじめ決定済みの時間期間にわたって表示するコントロールを行うインストラクションを実行するべく構成される、請求項2に記載の動的表示システム。
【請求項7】
さらに、前記手荷物ターンテーブル上に載置された各手荷物を識別する少なくとも1つのスキャナを包含する、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項8】
さらに、前記手荷物が前記手荷物ターンテーブルに沿って移動するとき、前記手荷物を追跡するためのバッグ追跡ユニットを包含し、
それにおいて、前記バッグ追跡ユニットは、
ビデオ追跡処理デバイスおよび1つまたは複数のカメラと、
1つまたは複数の自動タグ読み取りデバイスと、
前記手荷物が前記手荷物ターンテーブルに沿って移動するとき、前記手荷物のRFIDタグを読み取るべく構成された1つまたは複数の無線周波数識別(RFID)リーダ、
のうちの少なくとも1つを包含する、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項9】
さらに、前記手荷物情報をユーザ端末デバイスおよびインタラクティブ表示デバイスのうちの少なくとも1つへ送信するべく構成されたクロス・プラットフォーム・アプリケーション・サーバを包含する、請求項1に記載の動的表示システム。
【請求項10】
搭乗者の手荷物に対応する手荷物情報を提供するための電子デバイスであって、
インストラクションをストアしているメモリと、
前記インストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサであって、前記インストラクションを実行して、
クロス・プラットフォーム・アプリケーション・サービスから前記手荷物情報を獲得し、かつ
前記搭乗者の前記手荷物に対応する前記獲得した手荷物情報の表示をコントロールする、少なくとも1つのプロセッサと、
を包含し、前記表示される手荷物情報は、手荷物ターンテーブル上における前記対応する手荷物のリアルタイムの所在を示す、電子デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、フライト・エリアから前記手荷物ターンテーブルまで前記搭乗者を案内する情報と、前記手荷物ターンテーブルが設置されている空港施設に関する情報と、エレベータの場所、エスカレータ、階段、税関および/または入国審査エリア、特別に指定されているか、または割り当てられている税関および/または入国審査レーンのうちの少なくとも1つに関する情報を包含する前記施設に関する情報の表示をコントロールするインストラクションを実行するべく構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記搭乗者が預け入れた手荷物が前記手荷物ターンテーブル上に載置される都度、通知を表示するコントロールを行うインストラクションを実行するべく構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記搭乗者が預け入れた手荷物が前記手荷物ターンテーブルから取り除かれる都度、通知を表示するインストラクションを実行するべく構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに、前記搭乗者が前記手荷物ターンテーブルから離れていると決定された場合に、前記搭乗者が預け入れた手荷物が前記手荷物ターンテーブルから取り除かれる都度、通知を表示するインストラクションを実行するべく構成される、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項15】
前記表示される手荷物情報は、前記手荷物ターンテーブルに対応する縮小概略平面図と、前記概略平面図上に位置し、かつそれに沿って、前記手荷物ターンテーブル上における前記手荷物のリアルタイムの所在に対応して移動する前記手荷物のインジケータと、を包含する、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項16】
前記表示される手荷物情報は、前記手荷物ターンテーブルに対応する縮小概略平面図と、前記手荷物が取り除かれたところに位置決めされる取り除き手荷物のインジケータと、前記手荷物が取り除かれた時刻と、を包含する、請求項10に記載の電子デバイス。
【請求項17】
リアルタイムで手荷物情報を提供する方法であって、
搭乗者の手荷物に対応する前記手荷物情報を獲得することと、
手荷物ターンテーブルに沿った対応する前記手荷物の移動の間にリアルタイムで、前記獲得されたバッグ情報を、1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上において、前記手荷物ターンテーブルに沿った前記対応する手荷物と同期して移動させて表示するコントロールを行うことと、
を包含し、それにおいて、前記バッグ情報は、前記手荷物に対応するフライト番号と、前記搭乗者に対応する搭乗者の名前と、前記ターンテーブル上における前記対応する手荷物のバッグの続き番号と、前記搭乗者の回収未済の手荷物の数と、前記手荷物に対応する出発空港、のうちの少なくとも1つを包含する、方法。
【請求項18】
前記スクリーンは、前記手荷物ターンテーブルの内側周囲に沿って延びるか、または前記ターンテーブルの上方に吊り下げられるバナー・スクリーンか、ティッカー・スクリーンか、またはマルチディスプレイ・デバイスである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記手荷物情報は、前記対応する手荷物が前記手荷物ターンテーブルに沿って移動するときに前記対応する手荷物に随伴するように、前記対応する手荷物と同じ速度および同じ方向に移動するべくコントロールされる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのハードウエア・プロセッサによって請求項17に記載の前記方法を実施するべく実行可能なインストラクションが記録された、非一過性のコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2018年6月14日に米国特許商標庁に提出された米国仮特許出願第62/684,799号に基づいており、かつその恩典を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体がこれに援用される。
【0002】
例示的な実施態様と調和する装置および方法は、搭乗者が預け入れたバッグの、手荷物受け取りエリアのターンテーブルからの回収を容易にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
空港における手荷物取り扱いテクノロジは、開発がめざましく、高いセキュリティおよび効率的な手荷物取り扱いシステムが提供されている。これらの努力は、フライトの遅延を回避し、手荷物受け取りエリアにおける搭乗者の待機時間を最短化するために、バッグの取り扱い誤りの数を低減し、かつ手荷物の引き渡し時間の改善に焦点が当てられ、かつそれが引き続き行われている。
【0004】
このため、2018年6月までに発効することになっている非特許文献1は、預け入れポイントから開始して到着ベルトへ至るまで続く行程を通したすべてのバッグのためのクロス・インダストリ追跡を実装することによる手荷物取り扱い誤りのさらなる低減を航空会社に奨励することを意図している。
【0005】
このように、手荷物取り扱い業界の主要な関心事は、空港および航空会社のチームのための手荷物取り扱い機能を改善し、容易にすることが中心に置かれてきた。空港および航空会社の手荷物取り扱いの責任は、バッグが手荷物受け取りエリアのターンテーブル・ベルトコンベア上に卸されたときに終了する。しかしながら、搭乗者が手荷物取り扱いシステムと係り合い、搭乗者がもっともトラブルとストレスを経験するところは、主にターンテーブルの到着ベルトの手荷物受け取りエリアである。
【0006】
現行の手荷物受け取りシステムにおいては、多くの搭乗者が、フライトへの搭乗の遙か前からでさえ、自分のバッグの回収についての懸念を経験する。搭乗者は、ラゲージをパッキングするときに、手荷物受け取りエリアにおける容易な識別のため、および類似するバッグから見分けるために、たとえば、自分のバッグへの独特なラベル付けを試みる。これに関して言えば、色つきのリボンまたは独特なアクセサリをバッグのハンドルに結びつける搭乗者もいれば、バッグにステッカーを貼り付ける搭乗者もいる。
【0007】
搭乗者を心配させる懸念は、バッグの識別だけでない。搭乗者には、手荷物受け取りエリアにおける不正行為または盗難についての、または潜在的な誤りおよび手違いによる混乱からバッグが誤って識別され、ほかの搭乗者によって誤って持ち去られる結果への心配もある。搭乗者が、預け入れるバッグ内に貴重品を詰めた場合には、フライトの始めから終わりまで、手荷物受け取りエリアにおいてターンテーブルから自分のバッグの取り出しに成功するまで、心配し続けることになるかも知れない。
【0008】
自分のバッグの回収について心配する搭乗者は、到着すると可能な限りすばやく航空機を離れ、ほかの搭乗者のだれよりも先に手荷物受け取りエリアに到達したいであろう。搭乗者の一部は、だれかほかの人が自分のバッグのうちの1つを誤って持ち去る可能性を低減し、かつ待機時間を最短化するために、可能な限り戦略的に、たとえばベルト上においてバッグが最初に到着するエリアの可能な限り近くを位置取りするべく手荷物受け取りエリアへ突進するであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】国際民間航空輸送協会(IATA)決議753/A4$決議30.53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
要するに、現行の手荷物受け取りシステムを用いた場合には、搭乗者が多くの懸念を経験する可能性があり、それには:だれかほかの人が誤って自分のバッグを持ち去ること;だれかが自分のバッグを盗むこと;バッグが誤ってターンテーブルから取り除かれ、その後に続いて人混みの中、または空港内で紛失してしまうこと;だれかほかの人のバッグを誤って持って来てしまうこと;および、これは多数のバッグを伴って旅行する家族についての潜在的な問題であるが、バッグのうちの1つを取り忘れること、が含まれる。これらの懸念のすべては、搭乗者がリラックスして旅を楽しむことを妨げる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここに提供されているものは、手荷物受け取りエリアのターンテーブルから搭乗者が預け入れたバッグを回収することを、動的表示システムを介して効果的に容易にする方法および装置である。
【0012】
例示的な実施態様の側面によれば、リアルタイムで手荷物情報を提供するための動的表示システムが提供され、この動的表示システムは、インストラクションをストアしているメモリと、1つまたは複数のディスプレイと、少なくとも1つのプロセッサであって、搭乗者の手荷物に対応する手荷物情報の獲得と、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物の移動の間にリアルタイムで、獲得されたバッグ情報を、1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上において、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物と同期して移動させて表示するコントロールと、を行うインストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む。
【0013】
バッグ情報は、手荷物に対応するフライト番号と、手荷物に対応する搭乗者の名前と、手荷物に対応する搭乗者の写真と、ターンテーブル上における対応する手荷物のバッグの続き番号と、搭乗者の回収未済の手荷物の数と、手荷物に対応する出発空港と、対応する手荷物が重いことを示す重量手荷物の通知、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
スクリーンは、手荷物ターンテーブルの内側または外側周囲に沿って延びるか、または手荷物ターンテーブルの上方に吊り下げられるバナー・スクリーンか、ティッカー・スクリーンか、またはマルチディスプレイ・デバイスとすることができる。
【0015】
手荷物情報は、対応する手荷物が手荷物ターンテーブルに沿って移動するときにその対応する手荷物に随伴するように、対応する手荷物と同じ速度および同じ方向に移動するべくコントロールすることができる。
【0016】
バッグ情報は、さらに、対応する手荷物が重いことを示す重量手荷物の通知を含むことができる。
【0017】
少なくとも1つのハードウエア・プロセッサは、さらに、対応する手荷物が手荷物ターンテーブルから取り除かれたことに基づいて、表示されているバッグ情報を、搭乗者の回収未済の手荷物の数の表示および/または任意のそのほかのあらかじめ決定済みの通知に置き換え、かつそれらの表示および/またはあらかじめ決定済みの通知をあらかじめ決定済みの時間期間にわたって表示するコントロールを行うインストラクションを実行するべく構成することができる。
【0018】
この動的表示システムは、さらに、手荷物ターンテーブル上に載置された各手荷物を識別する少なくとも1つのスキャナを含むことができる。
【0019】
この動的表示システムは、さらに、手荷物が手荷物ターンテーブルに沿って移動するとき、手荷物を追跡するためのバッグ追跡ユニットを含むことができ、それにおいて、バッグ追跡ユニットは、ビデオ追跡処理デバイスおよび1つまたは複数のカメラと、1つまたは複数の自動タグ読み取りデバイスと、手荷物が手荷物ターンテーブルに沿って移動するとき、その手荷物のRFIDタグを読み取るべく構成された1つまたは複数の無線周波数識別(RFID)リーダと、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0020】
この動的表示システムは、さらに、手荷物情報をユーザ端末デバイスおよびインタラクティブ表示デバイスのうちの少なくとも1つへ送信するべく構成されたクロス・プラットフォーム・アプリケーション・サーバを含むことができる。
【0021】
別の例示的な実施態様の側面によれば、搭乗者の手荷物に対応する手荷物情報を提供するための電子デバイスが提供され、当該電子デバイスは、インストラクションをストアしているメモリと、インストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサであって、それらのインストラクションを実行して、クロス・プラットフォーム・アプリケーション・サービスから手荷物情報を獲得し、かつ搭乗者の手荷物に対応する獲得した手荷物情報の表示をコントロールする、少なくとも1つのプロセッサと、を含み、表示される手荷物情報は、手荷物ターンテーブル上における対応する手荷物のリアルタイムの所在を示す。
【0022】
少なくとも1つのプロセッサは、さらに、フライト・エリアから手荷物ターンテーブルまで搭乗者を案内する情報と、手荷物ターンテーブルが設置されている空港施設に関する情報と、エレベータの場所、エスカレータ、階段、税関および/または入国審査エリア、特別に指定されているか、または割り当てられている税関および/または入国審査レーンのうちの少なくとも1つに関する情報を含む施設に関する情報の表示をコントロールするインストラクションを実行するべく構成することができる。
【0023】
少なくとも1つのプロセッサは、さらに、搭乗者が預け入れた手荷物が手荷物ターンテーブル上に載置される都度、通知を表示するコントロールを行うインストラクションを実行するべく構成することができる。
【0024】
少なくとも1つのプロセッサは、さらに、搭乗者が預け入れた手荷物が手荷物ターンテーブルから取り除かれる都度、通知を表示するインストラクションを実行するべく構成することができる。
【0025】
少なくとも1つのプロセッサは、さらに、搭乗者が手荷物ターンテーブルから離れていると決定された場合に、搭乗者が預け入れた手荷物が手荷物ターンテーブルから取り除かれる都度、通知を表示するインストラクションを実行するべく構成することができる。
【0026】
表示される手荷物情報は、手荷物ターンテーブルに対応する縮小概略平面図と、当該概略平面図上に位置し、かつそれに沿って、手荷物ターンテーブル上における手荷物のリアルタイムの所在に対応して移動する手荷物のインジケータと、を含むことができる。
【0027】
表示される手荷物情報は、手荷物ターンテーブルに対応する縮小概略平面図と、その手荷物が取り除かれたところに位置決めされる取り除き手荷物のインジケータと、その手荷物が取り除かれた時刻と、を含むことができる。
【0028】
別の例示的な実施態様の側面によれば、リアルタイムで手荷物情報を提供する方法が提供され、当該方法は、搭乗者の手荷物に対応する手荷物情報を獲得することと、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物の移動の間にリアルタイムで、獲得されたバッグ情報を、1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上において、手荷物ターンテーブルに沿った対応する手荷物と同期して移動させて表示するコントロールを行うことと、を含み、それにおいて、バッグ情報は、手荷物に対応するフライト番号と、搭乗者に対応する搭乗者の名前と、ターンテーブル上における対応する手荷物のバッグの続き番号と、搭乗者の回収未済の手荷物の数と、手荷物に対応する出発空港、のうちの少なくとも1つを含む。
【0029】
スクリーンは、手荷物ターンテーブルの内側または外側周囲に沿って延びるか、またはターンテーブルの上方に吊り下げられるバナー・スクリーンか、ティッカー・スクリーンか、またはマルチディスプレイ・デバイスとすることができる。
【0030】
手荷物情報は、対応する手荷物が手荷物ターンテーブルに沿って移動するときにその対応する手荷物に随伴するように、対応する手荷物と同じ速度および同じ方向に移動するべくコントロールすることができる。
【0031】
別の例示的な実施態様の側面によれば、少なくとも1つのハードウエア・プロセッサによって、リアルタイムで手荷物情報を提供する方法を実施するべく実行可能なインストラクションが記録された、非一過性のコンピュータ可読記録媒体が提供される。
【0032】
追加の側面は、以下のこの明細書の一部に示され、かつ部分的にはこの明細書から明らかになるか、または提示される実施態様の実践によって学び取ることができる。
【0033】
上記の、およびそのほかの、この開示の特定の実施態様の側面、特徴、および利点は、添付図面と併せて理解される以下の説明からより明らかなものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルのための直付けバナー・スクリーンの配置図である。
【
図2】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルのための直付けバナー・スクリーンの断面図である。
【
図3】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルの最上部に取り付けられた吊り下げバナー・スクリーンの配置図である。
【
図4】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルの最上部に取り付けられた吊り下げバナー・スクリーンの断面図である。
【
図5】ある実施態様に従った、動的表示ユニットによって表示可能なバッグ情報の例を図解した説明図である。
【
図6】ある実施態様に従った、動的表示ユニットによって表示可能なバッグ情報の例を図解した説明図である。
【
図7】1つまたは複数の実施態様に従った、動的表示ユニットによって表示可能な通知メッセージの例を図解した説明図である。
【
図8】1つまたは複数の実施態様に従った、動的表示ユニットによって表示可能な通知メッセージの例を図解した説明図である。
【
図9】1つまたは複数の実施態様に従った、動的表示ユニットによって表示可能な通知メッセージの例を図解した説明図である。
【
図10】手荷物ターンテーブルを示した縮小概略平面図である。
【
図11】手荷物ターンテーブルを、バッグ所在識別とともに示した縮小概略平面図である。
【
図12】ある実施態様に従った、フラット・プレート式ターンテーブル・ユニットを有する手荷物ターンテーブルのための動的表示システム(DDS)の概念的レイアウトを図解した平面図である。
【
図13】ある実施態様に従った、動的表示システムのユニット間における関係および手荷物取り扱いシステムの動作方法を図解した説明図である。
【
図14】ある実施態様に従った、手荷物受け取りエリアまで搭乗者を案内する方法のフローチャートである。
【
図15】ある実施態様に従った、DDSスキャナ構成要素を図解した平面図である。
【
図16】ある実施態様に従った、シミュレートされた追跡参照の見本を図解した説明図である。
【
図17】ある実施態様に従った、DDSスキャナを動作させる方法のフローチャートである。
【
図18】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブル上のバッグを追跡する方法のフローチャートである。
【
図19】ある実施態様に従った、動的表示ユニットを動作させる方法のフローチャートである。
【
図20】ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルからバッグが取り除かれるときの、動的表示ユニットを動作させる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
この開示の中で使用される用語は、具体的な実施態様の記述に使用されているだけであり、この開示を限定することは意図されていない。数が示されない表現は、文脈に従って明らかな違和がない限り、複数の表現を含むことができる。ほかの形での定義がなされない限り、この中で使用される、技術的および科学的用語も含めたすべての用語は、この開示が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0036】
表現「Aおよび/またはB」、「AまたはB」、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AまたはBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つまたは複数」、および「AまたはBのうちの1つまたは複数」は、この中で使用されるとき、一緒に列挙されている項目の可能性のあるあらゆる組み合わせを含むことができる。たとえば、述語「Aおよび/またはB」または「AおよびBのうちの少なくとも1つ」は、(1)少なくとも1つのA、(2)少なくとも1つのB、または(3)少なくとも1つのAおよび少なくとも1つのBの両方を指定することができる。
【0037】
以下においては、ハードウエア実装に基づいて多様な実施態様を説明する。しかしながら、多様な実施態様は、ハードウエアおよびソフトウエアの両方を使用するテクノロジを含み、したがって、多様な実施態様がソフトウエア実装を除外することは尤もでない。
【0038】
1つまたは複数の例示的な実施態様は、搭乗者が預け入れたバッグの、手荷物受け取りエリアに届いた後の情報をリアルタイムで送信するシステムを提供する。このシステムは、リアルタイム手荷物情報の大きな表示を使用する実践的応用を通じて搭乗者が預け入れた手荷物の効率的かつ容易な回収を促進する、具体的かつ有用な、かつ実体的な結果を提供する。表示される情報は、ターンテーブル上におけるバッグの移動を通してそれに随伴する。このため、システムは、リアルタイムで、バッグがターンテーブル上に載置された時刻、ターンテーブルからバッグが取り除かれた時刻、および/またはターンテーブル上における各バッグの正確な所在に関係する情報を送信する。また、このシステムは、搭乗者に、預け入れたバッグの総数について思い起こさせ、まだ回収していないバッグがいくつあるかを搭乗者に知らせて、バッグの取り忘れ誤りおよびほかのだれかのバッグの意図しない回収等を回避する。
【0039】
1つまたは複数の実施態様に従った動的表示システム(DDS)は、4つの主要構成要素または機能:すなわち、動的表示ユニット(DDU);スマートフォンおよびタブレットのためのBagClaim(バッグクレーム)クロス・プラットフォーム・アプリケーション・ユニット;ショート・メッセージ・サービス・ユニット;および、インタラクティブ表示ユニットをコントロールし、管理する処理ユニット(たとえば、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの処理デバイス、少なくとも1つのコントロール・ステーション等)を含む。
【0040】
1. 動的表示ユニット
ここでは、
図1乃至9を参照して1つまたは複数の実施態様に従った動的表示ユニット(DDU)を説明する。特に、
図1および2は、ある実施態様に従った手荷物ターンテーブルのための直付けバナー・スクリーンの図である。
図3および4は、ある実施態様に従った手荷物ターンテーブルの最上部に取り付けられた吊り下げバナー・スクリーンの図である。
図5および6は、ある実施態様に従ったDDUによって表示可能なバッグ情報の例を図解している。
図7乃至9は、1つまたは複数の実施態様に従ったDDUによって表示可能な通知メッセージの例を図解している。
【0041】
多様な実施態様に従った動的表示ユニット(DDU)は、対応する手荷物(たとえば、ラゲージ)がターンテーブルに沿って移動するとき、それと随伴して大きく表示されるバッグ情報(たとえば、対応する手荷物が手荷物ターンテーブルに沿って移動するときの、1つまたは複数のディスプレイのスクリーン上におけるそれとのリアルタイム同期)を提供する。たとえば、DDUは、表示オプションとして、
図1および2に示されているとおり、ターンテーブルの内側周囲全体に沿って取り付けられて並んでいる(たとえば、ターンテーブルの内側周囲に隣接して延びている)か、または
図3および4に示されているとおり、ターンテーブル・ベルトコンベアの上方に吊り下げられるバナー・スクリーンを使用することができる。このバッグ情報のバナー表示の結果として、手荷物の監視が容易になり、かつ改善されて、搭乗者が、見た目がよく似ているバッグ(すなわち、見た目がよく似ているけれどもその搭乗者本人のものではないバッグ)に関する混乱を回避することが可能である。
【0042】
ターンテーブル上においてバッグが移動するとき、バナー・スクリーンが、そのバッグに関係する情報を表示する。この情報は、スクリーン上において、ターンテーブル上における対応するバッグの移動全体を通してそれと随伴するように、そのバッグと同じ速度および同じ方向に移動することができる。しかしながら、理解されるものとするが、これは単なる例に過ぎず、1つまたは複数のこのほかの実施態様は、バッグと同じ速度における情報の移動に限定されなくてもよい。たとえば、別の実施態様によれば、情報が、あらかじめ決定済みの間隔でスクリーン上を移動することができる(たとえば、あらかじめ決定済みの時間間隔で、またはバッグが1つの距離間隔から別のそれへ移動するとき、たとえば5メートルの移動毎に、バナー・スクリーンの1つの部分からそのバナー・スクリーンの別の部分へ移動することができる)。さらに、この実施態様は、バナー・スクリーンまたはティッカー・スクリーンを参照して説明されているが、1つまたは複数のほかの実施態様が、それに限定されないとし得ることは理解されるものとする。たとえば、別の実施態様によれば、複数の表示デバイスまたはスクリーンを手荷物ターンテーブルに沿って(たとえば、あらかじめ決定済みの距離間隔で)位置決めし、各表示デバイスまたはスクリーンに、手荷物ターンテーブルの対応する部分内に所在する1つまたは複数の対応するバッグのバッグ情報を表示することができる。
【0043】
上に述べられているとおり、DDUによるバッグ情報の表示の結果として、手荷物がターンテーブルに沿って移動するとき、対応するバッグ情報が手荷物に関係して(たとえば、上に)表示されることから(たとえば、バナー・スクリーン上に)、見た目がよく似ている手荷物に関する搭乗者の混乱または誤りを低減することが可能である。またこれは、移動しているバッグに付けられている印刷されたタグを慌ててチェックする必要性を低減し、そのラベルを読み取るためにターンテーブルからバッグを取り上げる必要性も排除する。
【0044】
例として述べるが、バッグ情報は、
図5および6に図解されているとおり、フライト番号、搭乗者の名前、搭乗者の写真、ターンテーブル上におけるバッグの続き番号、搭乗者の回収未済のバッグの数(たとえば、バッグ5個のうちの3個が回収済み、バッグ5個のうちの2個が回収未済など)、出発空港等のうちの少なくとも1つを含むことが可能である。理解されるものとするが、1つまたは複数のそのほかの実施態様は、それに限定されないとすることができ、表示される情報を、たとえば、航空会社および/または空港当局の希望および要件に従って変更することが可能である。これに関して言えば、ほかの実施態様において、メッセージのデザイン、レイアウト、および内容のいずれも変更し得ることは理解されるものとする。
【0045】
上で述べたとおり、表示されるメッセージ(すなわち、バッグ情報)は、明確に、かつ間違えなくバッグの所有者を識別する。さらに、バッグの続き番号情報もまた提供されて、搭乗者に、ターンテーブルに対してその者が位置しているところより先にバッグがあるか否かを知らせることができる。それに加えて、その表示は、搭乗者(たとえば、疲労している搭乗者または多数のバッグを預け入れた搭乗者)が誤ってバッグを取り忘れることのないように、回収未済のバッグの残数(すなわち、搭乗者の回収未済のバッグの数)も示すことができる。
【0046】
表示されるメッセージは、
図7に例示的に図解されているように、重い、または重量超過のバッグ(たとえば、あらかじめ決定済みの重量より重い重量を有するか、かつ/またはオペレータまたはユーザによって重い、または重量超過のバッグであるとして指定されたバッグ)の通知を提供することもできる。このタイプの情報は、重いバッグを拾い上げるか、または取り出す搭乗者に、より多くの空間が確保されるよう、ほかの搭乗者に知らせることが可能である。
【0047】
バッグがターンテーブルから取り除かれるとき、ディスプレイ(たとえば、バナー・スクリーン)上に表示されているバッグ情報を、
図8および9に例示的に図解されているように、通知(たとえば、短い通知メッセージ)に置き換えて、回収未済のバッグの残数(すなわち、搭乗者がまだ取り出していないバッグの数)を搭乗者に知らせることができる。このメッセージは、消える前までに、あらかじめ決定済みの時間期間(たとえば、5秒間)にわたって現れるようにできる。
【0048】
1つまたは複数の実施態様においては、DDU(たとえば、DDUのバナー・スクリーン)を、広告メッセージ、一般的なフライト情報、ニュース情報、放送コンテンツ等の表示といったほかの目的のために使用することもできる。その種のほかの使用は、バッグ情報の表示と同時に(たとえば、バッグ情報によって占められていない表示スクリーンのエリア内、またはバッグ情報と重ねて、またはほかのコンテンツと重ね合わせて)、またはターンテーブルがバッグの引き渡しに使用されていない時間の間に行うことができる。
【0049】
2. ユーザ端末デバイスのためのクロス・プラットフォーム・アプリケーション
ここでは、1つまたは複数の実施態様に従った、手荷物の回収において搭乗者を支援するためのユーザ端末アプリケーションについて
図10および11を参照して説明する。この実施態様においては、スマートフォンおよびタブレットのためのクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)が、例として説明されているが、1つまたは複数のほかの実施態様がそれに限定されないことは理解されるものとする。すなわち、1つまたは複数のほかの実施態様は、インストラクションをストアしているメモリおよびそれらのインストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサを含む任意のユーザ端末デバイス(たとえば、ポータブル・マルチメディア・プレーヤ、ウェアラブル・デバイス、スマート・ウォッチ、スマート・アクセサリ、ラップトップ・コンピュータ等)のためのアプリケーションとして実装することができる。
【0050】
この実施態様によれば、スマートフォンおよびタブレットのためのクロス・プラットフォーム・アプリケーションが、次に挙げる動作:すなわち、搭乗者が容易に手荷物受け取りエリアに到達して自分のフライトに割り振られたターンテーブルを見つける案内;搭乗者が預け入れたバッグのうちの1つがターンテーブル上に載置される都度(または、それに基づく)その者への通知;ターンテーブル上(または、ターンテーブルの上流における、たとえば、まだ航空機に積載されている間、および/または航空機から手荷物受け取りエリアまたはターンテーブルへの移送中)における搭乗者のバッグ(1つまたは複数)のリアルタイムの所在情報のその者への送信;および、(たとえば、搭乗者が手荷物またはターンテーブル・エリアから離れているとして検出されている間に、たとえば、手荷物ターンテーブル・エリアに対応するあらかじめ決定済みのエリア外にいるとして検出されている間に)搭乗者以外のほかのだれかによってターンテーブルからその搭乗者のバッグのうちの1つが取り除かれた場合のその搭乗者へのアラームまたは通知、のうちの少なくとも1つを実施する少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なインストラクションとして構成される。
【0051】
1つまたは複数の実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションは、スタンドアロン・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)として機能することが可能であり、または別のアプリケーション内に、たとえば、航空会社の専用モバイル・アプリケーション、空港のモバイル・アプリケーション、ウェブサイト等に、対処のためのシングル・プラットフォームをエンド・ユーザに提供するサブモジュールとして統合すること、およびその逆の形で統合することが可能である。
【0052】
2.1 ターンテーブル案内機能
最初に、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションのターンテーブル案内機能(たとえば、ターンテーブル案内モジュール)を説明する。ターンテーブル案内機能またはモジュールは、搭乗者のフライトに割り振られたターンテーブルまたは対応する受け取りエリアに到達するまでの搭乗者通知および方向誘導を提供する。
【0053】
このモジュールは、それぞれの空港毎にカスタム化することができ、搭乗者が、人混みの中を殆ど混乱することなく、より確信を持ってたどり着く補助を行うことが可能である。これは、搭乗者があまり使い慣れていないかも知れない新しい空港の場合に特に有用である。さらにまた、このモジュールは、提供されることになる詳細情報の程度について種々のモードまたは設定を提供するべく構成することができる。
【0054】
たとえば、1つのモードまたはオプションは、
図10に示されているとおり、割り振られているターンテーブルの実際の配置図を反映する、割り振られているターンテーブルの番号(たとえば、参照番号)を識別する小さいテキスト・ボックスを伴ったターンテーブルの縮小概略平面図を提供することができる。このモードは、空港を使い慣れており、手荷物受け取りエリアに到達するまでの何らかの詳細な誘導(たとえば、方向誘導)を必要としない搭乗者のために有用となり得る。
【0055】
それに代えて、別のモードまたはオプションは、搭乗者が手荷物受け取りエリアに到達するまでにとらなければならない、到着ターミナルのゲートから開始して手荷物受け取りエリアへ至るまでの全経路の2次元(2D)または3次元(3D)配置図を搭乗者に提供することができる。このモードの下においては、ターンテーブル案内モジュールが、割り振られているターンテーブルを、たとえば、その割り振られているターンテーブルを強調表示することによって識別または区別することが可能である。このモードまたはサブモジュールの1つの利点は、ある実施態様によれば、エレベータの場所、エスカレータ、階段、税関および/または入国審査エリア、特別に指定されているか、または割り当てられている税関および/または入国審査レーン(たとえば、民間人、非民間人、優先処理、グローバル・エントリ等)といった、空港に備えられた使用可能なすべての施設に関する情報の提供が可能であることである。
【0056】
2.2 通知機能
次に、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションの通知機能(たとえば、メッセージ通知モジュール)を説明する。この機能またはモジュールは、搭乗者のバッグが手荷物受け取りエリアに届いたことを、たとえば、プッシュ通知、電子メール、ショート・メッセージ・サービス(SMS)メッセージ等のうちの少なくとも1つを介して、あらかじめ決定済みの行き先にバッグが届く都度(たとえば、バッグがターンテーブル上に載置される都度)その者に通知することが可能である。また、通知機能またはモジュールは、搭乗者に、その者の回収未済のバッグの残数、たとえば、「XXX様は、ターンテーブル番号5番に載せられた3個のバッグのうちの1個が受け取り済みです」を通知することも可能である。
【0057】
この通知機能によって、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)は、ユーザ経験およびユーザ便宜を強化することが可能である。たとえば、預け入れたラゲージに関する通知が提供されることによって、搭乗者は、割り振られているターンテーブルへ突進し、または直行し、自分のバッグのために待機する必要がなくなる。むしろ搭乗者は、ショッピング、食事、休息、社交等の空港のアメニティを気軽に楽しむことが可能である。この機能は、手荷物受け取りエリアまたはターンテーブル・エリアにおける混雑を低減し、搭乗者満足を改善または増加させることも可能である。
【0058】
2.3 バッグ・ロケータ機能
次に、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションのリアルタイムのバッグ・ロケータ機能(たとえば、バッグ案内モジュール)を説明する。バッグがターンテーブルに載置されたときは、この機能またはモジュールが搭乗者に、ターンテーブル上におけるその者のバッグの所在をリアルタイムで通知する。たとえば、この機能によって、クロス・プラットフォーム・アプリケーションは、実際に割り振られているターンテーブルを反映する縮小概略平面図を、点滅しながら移動してそのバッグが何処にあるかをリアルタイムで識別する黄色のポイントとともに表示することができる。この場合においては、点滅しながら移動する黄色のポイントが、
図11に示されているとおり、実際のバッグと同じ方向に、同じ比例速度で移動する。しかしながら、理解されるものとするが、1つまたは複数のほかの実施態様は、この例に限定されず、任意の態様で(たとえば、アイコン、マーク、記号、画像、搭乗者の名前、バッグの参照番号等の任意の識別子の使用を介して)搭乗者のバッグを識別し、または区別することができる。それに加えて、1つまたは複数のほかの実施態様においては、バッグの所在のリアルタイムの識別を、そのバッグの識別子の連続的に移動する表示とする必要がない。たとえば、別の実施態様によれば、リアルタイムのバッグ・ロケータが、搭乗者のバッグが所在するターンテーブルのあらかじめ決定済みのセクションまたは部分を識別することができる。究極的には、リアルタイムのバッグ・ロケータ機能は、割り振られているターンテーブルに到達したときに、搭乗者が自分のバッグ(1つまたは複数)をすばやく見つけて取り出すことを可能にする。したがって、バッグを、より効率的かつ迅速に取り出すことを可能にし、待機時間、ターンテーブル周囲の人混み、およびターンテーブル上のバッグを探さなければならない不便さを低減する。
【0059】
さらに、ターンテーブルからバッグが拾い上げられるとき(または、バッグが拾い上げられることに基づいて)、そのバッグの識別子が消えるか、または変化して、そのバッグがターンテーブルから取り除かれた場所を示すことができる。たとえば、概略図上において点滅して移動する黄色のポイントを、連続点灯する赤色のポイントに変化させてバッグがターンテーブルから取り除かれたところを示すことができる。
図11に示されているとおり、連続点灯する赤色のポイントの近くに現れてバッグが取り除かれた時刻を提供するテキスト・ボックス等の追加の情報も提供することができる。1つまたは複数のほかの実施態様においては、追加の、または異なる情報(残りの、または回収未済の手荷物の残数等)も提供することができる。
【0060】
バッグがターンテーブルから(たとえば、誤って、または航空会社もしくは空港の係員によって)取り除かれ、それがターンテーブルへ戻されない場合においては、そのバッグが取り除かれた場所のインジケータ(たとえば、上で述べた連続点灯する赤色のポイント)は、そのバッグを見つけられるかも知れない周囲のエリアを、すなわち、そのバッグが取り除かれたターンテーブルの場所の近くのエリアを、搭乗者がすばやく識別することを可能にすることができる。言い換えると、搭乗者のバッグが誤ってターンテーブルから持ち去られ、ターンテーブルへ戻されなかった場合にはそのインジケータが、その搭乗者のバッグが取り除かれたエリアについてその者に即座に通知することが可能である。
【0061】
2.4 バッグ取り除きアラーム機能
次に、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションのバッグ取り除きアラームまたは通知機能(たとえば、バッグ取り除きアラーム)を説明する。この実施態様によれば、クロス・プラットフォーム・アプリケーションは、搭乗者に、その者のバッグのうちの1つがターンテーブルから取り除かれたとき(または、その者のバッグのうちの1つが取り除かれたことに基づいて)アラーム通知をアクティブ化して(たとえば、サウンドまたは触覚アラーム)その者へ注意喚起するオプションを提供することが可能である。たとえば、クロス・プラットフォーム・アプリケーションが、搭乗者に、その者のバッグをターンテーブルから拾い上げることが可能になった旨を通知するとき(たとえば、上に述べられている通知機能を介して)、当該アプリケーションは、搭乗者に、バッグ取り除きアラームをアクティブ化するオプションを提供することも可能である。
【0062】
このアラームを介してバッグの取り除きに対して即座に注意喚起されることによって、搭乗者は、自分の手荷物が持ち去られた状況にすばやく対処することが可能である。たとえば、搭乗者は、バッグが取り除かれたインジケータ(たとえば、上に述べられている赤色が連続点灯しているポイント)の場所へ直行して周囲を見渡すことが可能である。搭乗者が自分のバッグを見つけることが不可能な場合に、搭乗者は、即座に航空会社またはセキュリティにバッグが持ち去られたことを数分内に通知することが可能である。
【0063】
上に述べられているとおり、1つまたは複数の実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションは、搭乗者便宜を増加し、かつ手荷物ターンテーブルから離れているときの搭乗者の懸念を減少させることが可能である。さらに、このクロス・プラットフォーム・アプリケーションは、手荷物ターンテーブル周囲の人混みを低減し、手荷物を取り出す効率を増加させ、かつ手荷物を追跡するための正確な参照時刻を伴ったリアルタイムおよび/または即座の通知を提供して、手荷物が誤って持ち去られるかまたは盗まれることを防止するか、またはそのリスクを最小化することが可能である。
【0064】
3. ショート・メッセージ・サービス
上に示されているとおり、1つまたは複数の実施態様に従ったDDSは、ショート・メッセージ・サービス(SMS)ユニットまたは機能を含むことができる。この機能は、搭乗者が登録した携帯電話またはSMS番号を使用して、その搭乗者へ、その者のバッグ(1つまたは複数)がコンベアまたはターンテーブル(または、別のあらかじめ決定済みのポイント)に載置されたときにそれに関係する通知を送信することが可能である。それに代えて、またはそれに追加して、この機能は、搭乗者への通知を、その者のバッグ(1つまたは複数)がターンテーブルから卸されたときにバッグ毎のベースで(たとえば、各バッグについて送信されるメッセージ)、または搭乗者の最初のバッグおよび/または搭乗者の最後のバッグが取り除かれるか、または卸されたことに基づいて行うことができる。
【0065】
4. インタラクティブ表示ユニット
1つまたは複数の実施態様に従ったDDSは、インタラクティブ表示ユニット(または、インタラクティブ表示デバイス)も含むことができる。インタラクティブ表示ユニットは、インタラクティブ・タッチスクリーン(または、そのほかの、キーボード、複数のボタン、回転可能なダイアル、音声入力デバイス等のユーザ入力を獲得するための入力デバイス)、バーコード・リーダ、および無線周波数識別(RFID)リーダのうちの少なくとも1つを含むことができる。インタラクティブ表示ユニットは、インストラクションをストアしているメモリ、およびそのインストラクションを実行して搭乗者に、1つまたは複数の実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーションを参照して上で述べた機能のうちの少なくとも1つへのアクセスを提供するべく構成された少なくとも1つのプロセッサを含むこともできる。たとえば、インタラクティブ表示ユニットは、上に述べられているクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)へのアクセスが提供されるように、搭乗者が、インタラクティブ・タッチスクリーンを使用して自分のフライトまたはチケット(たとえば、電子チケット)番号を直接入力すること、および/または自動タグ・リーダ(たとえば、バーコード・リーダ)によって搭乗券またはバッグ受け取りチケットをスキャンすることを可能にすることができる。
【0066】
5. 動作
上に述べられているとおり、1つまたは複数の実施態様に従ったDDSは、動的表示ユニット(DDU);スマートフォンおよびタブレットのためのBagClaim(バッグクレーム)クロス・プラットフォーム・アプリケーション・ユニット;ショート・メッセージ・サービス・ユニット;およびインタラクティブ表示ユニットのうちの少なくとも1つを含む。
【0067】
ユーザ(または、搭乗者)のためのインターフェースを提供するこれらの構成要素に加えて、DDSは:DDSスキャナ;バッグ追跡ユニット(たとえば、バッグ・トラッカ);および、DDS処理ユニット(たとえば、DDSプロセッサまたは処理デバイス)のうちの少なくとも1つを含むこともできる。
【0068】
図12は、ある実施態様に従った、フラット・プレート式ターンテーブル・ユニットを有する手荷物ターンテーブルのための動的表示システム(DDS)の概念的レイアウトである。
図12は、ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルのためのDDSの概念的レイアウトを図解している。
図12においては、ターンテーブルの内側部全体に沿って並んでいるバナー・スクリーンDDUを伴ったフラット・プレート式ターンテーブルが例として提供されているが、1つまたは複数のほかの実施態様がそれに限定されないことは理解されるものとする。また
図12には、3つのインタラクティブ表示ユニットの見本セットも示されている。例として述べるが、これらのインタラクティブ表示ユニットは、到着着陸ゲートおよび手荷物受け取りエリアに取り付けて、クロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)へのアクセスを有していないかも知れない搭乗者が容易にアクセスできるようにすることが可能である。しかしながら、理解されるものとするが、1つまたは複数のほかの実施態様は、これらに限定されず、任意の数のインタラクティブ表示ユニットおよびそれのための場所を提供することができる。
図13は、ある実施態様に従った、動的表示システムのユニット間における関係および手荷物取り扱いシステムの動作方法を図解している。
【0069】
図12および13を参照すると、DDSシステムのための各手荷物受け取りターンテーブルに、少なくとも1つのDDSスキャナが装備されている。DDSスキャナは、空港のサービス・エリア内に取り付けることができ、手荷物取り扱いチームがターンテーブル・ベルトコンベアに届く前の各バッグをDDSスキャナに通してスキャンすることを可能にする。
【0070】
ある実施態様に従ったバッグ追跡ユニットは、ビデオ追跡処理ユニット(VTU)(たとえば、ビデオ追跡処理デバイス)と、手荷物受け取りエリアおよび空港のサービス・エリアの両方において手荷物受け取りターンテーブルを覆うべくターンテーブルの周囲に備えられる1つまたは複数のカメラとを含むビデオ追跡システムとして提供することができる。カメラの数、レイアウト、および位置は、1つまたは複数の実施態様毎に変動することがあり、ターンテーブルのタイプ、ターンテーブルのサイズ、ターンテーブルのデザイン等に基づくことができる。1つまたは複数のほかの実施態様によれば、バッグ追跡ユニットが、ビデオ追跡デバイスおよびカメラに加えて、またはそれに代えて、ターンテーブル上のバッグの所在を突き止める目的のために、自動タグ・リーダおよび/またはRFIDリーダを含むことができる。たとえば、バッグを預け入れるときに(たとえば、手荷物受け取りチェック・タグの一部として)追加されるRFIDタグを各バッグに含めることが可能であり、またターンテーブルは、あらかじめ決定済みの間隔で、または手荷物受け取りエリアおよび/またはターンテーブルの全体に沿ってRFIDリーダを含むことが可能である。理解されるものとするが、1つまたは複数のほかの実施態様は、バッグ追跡ユニットについて、カメラおよび/またはRFIDリーダに限定されず、物体の所在突き止め、および/または追跡のために任意の手段を使用することが可能である。
【0071】
次に、全体としてDDSをコントロールおよび/または管理するために、コンピュータ・ベースのソフトウエア(たとえば、メモリ内にストアされているインストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサ)としてDDS処理ユニットを実装することができる。たとえば、DDS処理ユニットは、DDSスキャナおよびDDUを動作させるか、かつ/またはコントロールすることができる。さらに、DDS処理ユニットは、ショート・メッセージ・サービス・ユニット(たとえば、SMSサーバ)およびクロス・プラットフォーム・アプリケーション・サーバ(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション・サーバ)とインターフェースすること、および/またはそれらを走らせる情報を提供することができる。またDDS処理ユニットは、バッグ追跡ユニットとインタラクションしてバッグの所在およびステータスに関するリアルタイムの最新情報を受け取ることもできる。さらにDDS処理ユニットは、2Dおよび3Dの空港マップのアップロード、ストア、および/または更新、フライト情報データのアップロード、ストア、および/または更新、割り振られているゲートおよびターンテーブルの設定、DDUおよび/またはクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)のためのメッセージのカスタム化、任意のそのほかの動作パラメータの設定および修正等を行うために、管理者(たとえば、運用チーム)に簡単なインターフェースを提供することができる。
【0072】
各空港の独自性に合わせるために、1つまたは複数の実施態様に従ったDDS処理ユニットは、インストール時に、たとえばシミュレートされたターンテーブルのための場所参照およびDDUのための表示参照を生成し、かつ/または定義する目的に合わせた設定を有することができる。
【0073】
これにおいては、シミュレートされた場所参照を、DDS処理ユニットによって生成または提供されてターンテーブルの外側境界を定義し、かつターンテーブル上の定義済みの場所参照を正確に反映する仮想的にシミュレートされた位置参照ラインのセットとすることができる。場所参照の設定は、バッグ追跡ユニットの、たとえば、ターンテーブルの完全な画像視野を提供するビデオ追跡カメラの取り付けを完了した後に行うことができる。
図12は、R1、・・・R89のラベルが付けられた、ターンテーブル上のシミュレートされた場所参照(LR)の見本を図解しており、R0は、空港のサービス・エリア内側のターンテーブルの場所を参照する。これらの場所参照の数および間隔は、ターンテーブルのサイズ、レイアウト、および/または要求精度のレベルに基づいて定義することができる。この設定によって、バッグ追跡ユニットは、定義済みのバッグが特定の場所参照に到達する都度、DDS処理ユニットに注意喚起することが可能である。
【0074】
ある実施態様によれば、DDS処理ユニットは、場所参照ラインのそれぞれに面するDDUのためのシミュレートされた表示参照(DR)を確立するか、または提供する。図の簡略化のために、
図12には、D1、D2、D・・・、D87、D88、およびD89とラベル付けされている最初の3つの表示参照および最後の3つの表示参照だけが図解されているが、ターンテーブル上のそれぞれの定義された場所参照(LR)が、DDUにおいて同等の一意的な表示参照を有することは理解されるものとする。1つまたは複数のほかの実施態様によれば、場所参照対表示参照の比を多対一(たとえば、5つの場所参照毎に1つの表示参照)とすることができる。
【0075】
5.1 電子受け取りチケットおよびターンテーブル案内
図14は、ある実施態様に従って搭乗者を手荷物受け取りエリアまで案内する方法(100)のフローチャートである。
図14を参照すると、航空機への搭乗前に搭乗者は、通常、3つの主要なステップ:すなわち、搭乗者の書類の妥当性確認;航空機の貨物エリア行きの手荷物の預け入れ(101);および、搭乗券および手荷物受け取りチケットの発行(102)を含むチェックイン・プロセスを完了しなければならない。
【0076】
空港における伝統的なチェックイン・カウンタに加えて、空輸業界は、より柔軟性および利便性のあるチェックイン・プロセスを搭乗者に提供する新しいテクノロジおよび新しいタイプのサービスに投資している。たとえば、自動化されたチェックイン/セルフ・チェックイン・サービスおよびインタウン・チェックイン・サービスがより一般的になり、かつ普及している。チェックイン・サービスのタイプによらず、すべてのそれらのサービス・タイプは、上に述べられているチェックイン・プロセスの3つのステップを達成するための機能を提供する。
【0077】
手荷物を預け入れた後、搭乗者は、通常、自分のバッグに取り付けられたそれぞれのタグの情報(たとえば、搭乗者の氏名、行き先、バッグを受け取る日、バッグの数、各バッグの重量等)を反映した手荷物受け取りチケットを受け取る。搭乗者には、行き先に着いて自分のバッグを取り出すまで受け取りチケットを持っていることが期待される。搭乗者は、ある実施態様に従ったクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)を使用して、印刷された受け取りチケットに代えて(または、それに加えて)電子受け取りチケット(たとえば、eclaim(イークレーム)チケット)を受け取ることが可能である。電子受け取りチケットは、クロス・プラットフォーム・アプリケーションを介したメッセージ、SMSメッセージ、電子メール等のうちの少なくとも1つとして提供することができる。これを達成するため、クロス・プラットフォーム・アプリケーションのアプリケーション・サーバは、航空会社または空港のサーバに接続して通信し、電子受け取りチケット(または、電子受け取りチケット内に提供されることになるか、電子受け取りチケットを生成するためにアプリケーション・サーバにおいて、または直接アプリケーションによって使用されることになる情報)を要求し、かつ/または受信することが可能である。それに代えて、クロス・プラットフォーム・アプリケーションは、単純に、航空会社または空港のサーバと直接接続して電子受け取りチケット(または、電子受け取りチケット内に提供されることになるか、電子受け取りチケットを生成するためにアプリケーションによって使用されることになる情報)を要求し、かつ/または受信することが可能である。このサービスは、印刷された受け取りチケットをフライトの始めから終わりまで保持しておく必要性を排除し、かつ印刷された受け取りチケットを紛失する懸念を排除することになる。
【0078】
フライトの搭乗が完了した後、出発空港の航空会社の代理人は、機内の搭乗者の完全なリストを、預け入れられた手荷物のリストとともに有することになる。この情報は、ある実施態様に従った手荷物ターンテーブルのための動的表示システム(DDS)に、たとえば、データベースまたはDDS処理ユニットへアップロードすることによって提供される(103および104)。1つまたは複数の実施態様においては、顧客がラゲージを預け入れる都度、またはすべての搭乗者のためのフライトの搭乗が完了した時点において、この情報を提出することができるが、1つまたは複数のほかの実施態様がそれに限定されないことは理解されるものとする。たとえば、
図13の実施態様内に示されているとおり、DDS処理ユニット(または、それのデータベース)への提出またはアップロードのために、この情報を、到着空港の航空会社または空港の代理人に提供することができる。表1は、DDSによって使用される情報の見本を示している。例として述べるが、下の表1に例示されている情報は、フライトの行き先へ(たとえば、フライトの行き先の航空会社または空港の代理人へ)搭乗および手荷物の積載の完了から間を置くことなく送信することができる。
【0080】
図14の実施態様においては、上に述べられている情報を到着空港の航空会社の代理人が受け取り、それをDDSデータベースへアップロードする(104)。しかしながら、上に述べられているとおり、1つまたは複数のほかの実施態様は、これに限定されない。たとえば、1つまたは複数のほかの実施態様によれば、出発空港の代理人から、または航空会社もしくは空港のサーバから直接この情報をDDSへ提供すること(たとえば、DDSデータベースへのアップロード)ができる。
【0081】
DDSシステムは、割り当てられた手荷物ターンテーブルについての情報も獲得する。たとえば、空港の運用チームが、到着時に、着陸した航空機のためのゲート、および搭乗者が自分たちの手荷物を受け取るための手荷物受け取りエリアのターンテーブルを割り当てる(105)。この情報が、DDS、たとえばDDSデータベースへアップロードされるか、または入力され(106)、クロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)が、搭乗者を、着陸ゲートから開始して割り振られているターンテーブルまで案内することを可能にする(107)。
【0082】
5.2 DDSスキャナ
図15は、ある実施態様に従ったDDSスキャナ・システムを図解しており、
図16は、ある実施態様に従ったシミュレートされた追跡参照の見本を図解しており、
図17は、ある実施態様に従ったDDSスキャナを動作させる方法(200)のフローチャートである。
図15乃至17を参照するが、航空機の貨物エリアから、典型的な、または従来的な卸下プロセスに従って手荷物が卸下された後(201)、バッグが1つずつDDSスキャナに、たとえば、
図15に例示的に示されているとおり、DDSスキャナのコントロール付きのフィーダ・コンベア上に載置される(202)。DDSスキャナは、ターンテーブル全体にわたるバッグ追跡のための参照をDDSシステムへ、たとえば、DDS処理ユニットに対してそれらの参照を送信することによって提供し、それらの参照と、出発空港において預け入れられたバッグの情報とを紐付けする。このため、ある実施態様に従ったDDSスキャナ(
図15)は、コントロール付きのフィーダ・コンベア;コントロール付きのディスパッチ・コンベア;自動タグ・リーダ(ATR);自動バーコード・リーダ;ビデオ・コーディング・システム(VCS);ハンドヘルド・バーコード・リーダ;RFIDリーダ;ビデオ追跡システムと紐付けされたビデオ追跡カメラ等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0083】
コントロール付きのフィーダ・コンベアには、載置されている手荷物を検出するセンサが装備されている。したがって、コントロール付きのフィーダ・コンベアにバッグが載置されることに基づいて(たとえば、バッグが載置された時点で)システム(たとえば、DDSスキャナ内に含まれている、DDSスキャナの方法または機能を実施するインストラクションを実行するべく構成されたプロセッサ)が、DDS処理ユニットへ知らせる(203)。たとえば、スキャンのための準備が整っているバッグの存在を示す信号、データ、または情報がDDS処理ユニットへ送信される。DDS処理ユニットは、DDSスキャナの利用可否をチェックまたは確認することが可能である(204)。
【0084】
DDSスキャナの準備が整っているとき(または、DDSスキャナの準備が整っていると決定されるか、または確認されたことに基づいて)(204)、DDS処理ユニットは、コントロール付きのフィーダ・コンベアにDDSスキャナ内へのバッグの引き渡しを指示するか、またはそのようにコントロールする(205および206)。
【0085】
バッグがコントロール付きのフィーダ・コンベアに沿って移動すると、DDSスキャナ(たとえば、自動タグ・リーダ(ATR)および/または無線周波数識別(RFID)リーダ)が、バッグに取り付けられたタグをスキャンし、検出し、かつ/または読み取って、DDS処理ユニットがバッグを識別することを可能にする(207)。
【0086】
バッグに取り付けられているタグが損傷している場合、および/または何らかの理由によってATRまたはRFIDリーダによって読み取ることが不可能であった場合(208におけるNO)には、DDS処理ユニットが、コントロール付きのフィーダ・コンベアおよびディスパッチ・コンベアのうちの少なくとも1つに停止を指示する(218)。この場合においては、DDS処理ユニットが、管理者またはコントロール・ルームへ、ビデオ・コーディング・システム(VCS)を使用してバッグのタグを読み取ること、またはそのほかの形でバッグを識別することを知らせるか、あるいは通知することができる。さらに、コンベアを停止し、DSSスキャナのアラーム(たとえば、サウンドおよび/または警告ライト)をトリガして、バッグを卸し、現場用ハンドヘルド・バーコード・リーダを使用してタグを読み取るか、またはタグ情報をマニュアル入力することを従業員または作業員に通知することができる(209)。バッグのタグの読み取りの後、DDS処理ユニットは、前もって獲得されたバッグに関係する(たとえば、
図14を参照して提供されたとおりの)情報を(たとえば、DDSデータベースから)取り出す(217)。
【0087】
バッグがDDSスキャナを通って移動するとき、DDSスキャナの内側のビデオ追跡システムのカメラが、バッグの1つまたは複数の画像を取り込むことが可能である(210)。バッグの1つまたは複数の画像は、ビデオ追跡処理ユニット(VTU)によって処理されて、追跡参照方法を確立するか、または獲得すること(211)および、
図16に図解されているとおり、バッグ・コード(BC)およびバッグ参照ポイント(BR)を確立するか、または獲得することが可能である。VTUが追跡参照を確立するプロセスを完了した時点において、DDS処理ユニットは、BC、BR、およびステータスを更新する(212)。
【0088】
DDS処理ユニットは、ビデオ追跡処理ユニットの新しいフィールドの情報またはデータを、関係のあるDDSデータベースのフィールドと合併するか、またはそこへ入力する。バッグに取り付けられている識別タグを使用し、かつビデオ追跡処理ユニットの入力を受信すると、DDS処理ユニットは、表2に詳しく示されているとおり、DDSデータベースを更新して、バッグ情報と追跡バッグ・コードとをまとめて紐付けする(213)。
【0090】
DDS処理ユニットは、ターンテーブル上へのバッグの引き渡しをコントロール付きのディスパッチ・コンベアに指示するか、またはそのコントロールを行う(214)。バッグがDDSスキャナから出た時点、またはバッグがDDSスキャナ(または、あらかじめ決定済みのエリア)から出たと決定されたことに基づいて、DDS処理ユニットは、スキャナ準備完了をアクティブ化する(215)。この時点において、DDS通知メカニズム(たとえば、SMS通知サービスまたはクロス・プラットフォーム・アプリケーション、たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーションの通知機能)が、搭乗者に、送り出されたバッグについて知らせる(216)。この場合において、DDS処理ユニットは、インストラクションを実行して、情報および/またはコントロール信号をSMSサービス(たとえば、サーバ)および/またはクロス・プラットフォーム・アプリケーションもしくはアプリケーション・サーバへ送信することができる。
【0091】
5.3 バッグ追跡システム
ある実施態様に従ったバッグ追跡システムが、参照情報、たとえば、バッグ・コード(BC)(たとえば、ある実施態様に従ってDDSスキャナを通ったバッグ・コード)によってバッグをターンテーブルにわたって追跡し、バッグ場所参照(LR)およびバッグのステータスのうちの少なくとも1つを用いてDDS処理ユニットを更新する。
【0092】
バッグ追跡システムは、ビデオ追跡システムおよび自動タグ・リーダ(ATR)のうちの少なくとも1つを使用することができる。たとえば、自動タグ・リーダは、バッグの場所参照(LR)の定義または決定に使用することができる。
【0093】
ある実施態様に従ったビデオ追跡システムは、物体追跡テクノロジを使用して、ターンテーブルにわたってバッグを追跡する。たとえば、DDSスキャナのビデオ追跡システムのカメラが、バッグの画像を取り込み、その後に続いてビデオ追跡処理ユニット(VTU)がそれを使用して、1つまたは複数の追跡参照(たとえば、物体認識画像処理テクノロジを介して追跡される)を確立することができる。
【0094】
さらに、この実施態様のVTUまたは後方追跡システムが、ターンテーブル・コンベア全体を通してバッグ・コード(BC)によって定義済みのバッグを追跡し、バッグが新しい場所参照(LR)に到達する都度、またはバッグがターンテーブルの限界ラインと交差するとき(ステータス)バッグの場所に関してDDS処理ユニットを更新する。したがって、バッグが新しい場所参照に到達する都度、VTUまたは後方追跡システムが、バッグ・コード(BC)および更新済みの場所参照(LR)を、DDS処理ユニットへ送信し、またバッグがターンテーブルから出る都度、VTUまたはバッグ追跡システムが、関係するバッグ・コードのステータスを、第1の状態(たとえば、オン)から第2の状態(たとえば、オフ)へ変更することによって直接DDS処理ユニットに注意喚起する。
【0095】
図18は、ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブル上のバッグを追跡する方法(300)のフローチャートである。
図13を参照すると、あらかじめ決定済みのポイント(たとえば、DDSスキャナの出口または終端部)到達したときに(301)、バッグ追跡システム(たとえば、ビデオ追跡ユニットまたは、ターンテーブル上のラゲージを追跡するインストラクションを実行するべく構成された少なくとも1つのプロセッサを伴った処理デバイス)が、あらかじめ定義済みのバッグ・コード(たとえば、“BC=01”)によってバッグの追跡を開始する。この例においては、DDSスキャナから送り出された後に、バッグが、場所参照LR=R0を有する空港のサービス・エリアのターンテーブルに到達して、バッグ・ステータス=ONになる(303)。その後、バッグ・ステータスが継続的にチェックされ、更新される。ステータスがオフに変化した場合には、ステータスがオンからオフへ変化したことについてバッグ追跡システムがDDS処理ユニットに(たとえば、信号、データ、または情報の送信を介して)注意喚起するか、または通知する(307)。DDS処理ユニットは、
図20を参照して詳細を後述するバッグ取り除きプロセスを実行する(308)。バッグ・ステータスがオンであれば(304)、バッグ追跡システムは、バッグが新しい場所参照(LR)に到達する都度、LRパラメータを更新する(たとえば、内部的に更新する)(305および306)。場所参照の内部的な更新の完了に基づいて、バッグ追跡システム(たとえば、VTU)は、DDS処理ユニットに対して新しいバッグLRを、関係するバッグ・コードおよび新しい場所参照を送信することによって注意喚起するか、または通知する(309)。DDS処理ユニットは、その後、DDUおよびクロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)のうちの少なくとも1つを更新する(310)。
【0096】
ある実施態様に従ったバッグ追跡システムは、自動タグ・リーダまたはRFIDリーダを使用して、ターンテーブル上のバッグの場所参照(LR)を定義することができる。たとえば、ATRを、ターンテーブルにおけるシミュレートされた、またはあらかじめ定義済みの場所参照(LR)のそれぞれに、またはそれに関連して取り付けるか、または備えることができる。この場合においては、すべてのATRが、シミュレートされた場所参照と等価な具体的な場所参照を有することになる。シミュレートされた場所参照にわたるターンテーブル上のバッグの通過全体を通して、対応するATRが、取り付けられたタグによってバッグを識別し、DDS処理ユニットが、ターンテーブル上におけるバッグの所在を定義または決定することを可能にする。
【0097】
図12に示されている例においては、89個のATRが使用されている。これらのATRを、信号処理ユニットに接続してバッグの場所参照を正確に定義することができる。
【0098】
5.4 DDS表示ユニット
ある実施態様に従った動的表示ユニット(DDU)は、ターンテーブル上を移動するバッグについての情報を表示して、搭乗者が遠くから、見た目がよく似ているバッグの中から自分のバッグを見分けることを補助する。上に述べられているとおり、具体的なバッグの表示される情報は、ターンテーブル上におけるバッグの移動を通してそれと随伴する。
【0099】
さらに、ある実施態様に従ったDDUは、搭乗者に、回収未済のバッグの残数に関して知らせるか、または通知し、ターンテーブル上におけるバッグの続き番号を示し、警告メッセージを表示し、かつ/またはDDUの機能についてのヒントを搭乗者に提供する。いくつかの実施態様においては、DDUを使用して、広告メッセージ等の追加の情報を表示することも可能である。理解されるものとするが、DDU上に表示されることになるメッセージの内容、フォーマット、デザイン、およびレイアウトは、DDS処理ユニットによる調整、選択、および/またはコントロールが可能である。
【0100】
図19は、ある実施態様に従った動的表示ユニットを動作させる方法(400)のフローチャートである。
図19を参照すると、空港のサービス・エリアの内側においてDDSスキャナがバッグをターンテーブル・ベルトコンベアへ送り出すとき、DDS処理ユニットが、たとえば、クロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)および/または通知(たとえば、SMS)を通じて、そのバッグを所有する搭乗者に対して、その者のバッグのうちの1つがターンテーブルに到達したことを知らせるか、またはそれを知らせるべくコントロールする(401および402)。バッグがバッグ受け取りエリアへ到達する前は、DDU上にバッグに関して何も表示されなくてもよい(407)。
【0101】
ターンテーブル上においてバッグが移動している限り、バッグ・ステータスは、第1の状態(たとえば、オン)に設定され、手荷物受け取りエリア内においては(
図12に示されている例においては、LR=R1乃至LR=R89、またはR0<LR<R90)、DDS処理ユニットがコントロールして、動的表示ユニットに、バッグの場所参照と等価な表示参照(DR)に表示されることになる関係情報を提供する(403乃至405)。
【0102】
動的表示ユニットは、バッグに関係するメッセージまたは情報を、ターンテーブルの移動と同じ方向に、かつターンテーブルの移動と同じ速度で移動させる(406)。
【0103】
図20は、ある実施態様に従った、手荷物ターンテーブルからバッグが取り除かれるときの、動的表示ユニットを動作させる方法(500)のフローチャートである。
図20を参照すると、ターンテーブルからバッグ(バッグ・コードBC=01)が取り除かれたことに基づいて、バッグ追跡システム(たとえば、ビデオ追跡処理ユニット(VTU))が、シミュレートされた外側境界参照を通過したか、またはそれを出たバッグ参照ポイント(BR)を検出する(501)(たとえば、
図16参照)。これは、バッグ追跡システム(たとえば、VTU)が、内部の対応するバッグ・ステータスをオンからオフへ変更し(502)、その後に続いて、バッグのステータスの変化に関してDDS処理ユニットを更新することをトリガするか、またはそれを生じさせる(503)。DDS処理ユニットは、DDSデータベースを更新し(504)、DDUに対して、関係する割り当て済みの通知メッセージによる表示情報メッセージの置き換えを指示し(506)、それがあらかじめ定義済みの表示持続時間にわたってDDU上に現れた後に、その表示を終了する。また、DDS処理ユニットは(たとえば、同時に)、DDUに対して関係のあるすべての表示情報の更新、たとえば、回収未済のバッグの残数の値を調整すること、ターンテーブル上におけるバッグの続き番号を調整することなども指示する(505)。さらに、DDS処理ユニットは、クロス・プラットフォーム・アプリケーション(たとえば、BagClaim(バッグクレーム)アプリケーション)に対して、バッグ・ステータスの変更について通知する(507)。
【0104】
5.5 インライン・スキャナ
搭乗者が誤ってバッグをターンテーブルから取り除いた後にそのバッグをターンテーブルまたはベルト上に戻した場合においては、ある実施態様に従ったバッグ追跡システム(たとえば、VTU)が、戻されたバッグに新しいバッグ・コード(BC)を提供することができる。この場合においては、DDS処理ユニットが、バッグのタグ情報を読み取るインライン・スキャナを使用することによってバッグを識別することが可能である。これにおいては、ある実施態様に従ったインライン・スキャナが、新しいバッグ・ステータスの搭乗者を更新し、かつ追跡プロシージャを再開するために、そのバッグのタグ情報を読み取る自動タグ・リーダおよび/またはビデオ・コーディング・システムを含むことができる。
【0105】
上に述べられているとおりの多様な例の実施態様に従った動作、コントロール方法および/または機能は、プログラムとして具体化し、1つまたは複数の多様なタイプの記録媒体内にストアすることができる。言い換えると、多様なプロセッサによって処理されて上に述べられている方法および/または機能を実行することが可能なコンピュータ・プログラムは、使用のために、非一過性のコンピュータ可読媒体等の記録媒体にストアすることができる。
【0106】
非一過性のコンピュータ可読媒体は、レジスタ、キャッシュ、およびメモリ等のように、非常に短い時間にわたってデータをストアするというよりは、むしろデータを半永続的にストアし、装置によって読み出すことが可能な媒体を指す。特に、上に述べられている多様なアプリケーションまたはインストラクションは、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)、ハードディスク、ブルーレイ・ディスク、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)メモリ・スティック、メモリ・カード、および読出し専用メモリ(ROM)等の非一過性のコンピュータ可読媒体にストアすることができる。
【0107】
以上、特定の実施態様を示し、説明してきたが、この分野の当業者には、開示の原理および精神からの逸脱を伴うことなく、これらの実施態様に対して変更が行われ得ることは認識されるであろう。したがって、開示の範囲は、説明した実施態様に限定されるとして解釈されることなく、付随する特許請求の範囲をはじめそれの均等によって定義される。
【符号の説明】
【0108】
100 搭乗者を案内する方法
200 DDSスキャナを動作させる方法
300 バッグを追跡する方法
400 動的表示ユニットを動作させる方法
500 動的表示ユニットを動作させる方法
【国際調査報告】