特表2021-528326(P2021-528326A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2021-528326(P2021-528326A)
(43)【公表日】2021年10月21日
(54)【発明の名称】缶用の再密閉可能な蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 17/34 20060101AFI20210924BHJP
   B65D 17/32 20060101ALI20210924BHJP
   B65D 47/36 20060101ALI20210924BHJP
【FI】
   B65D17/34
   B65D17/32
   B65D47/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-570755(P2020-570755)
(86)(22)【出願日】2019年6月27日
(85)【翻訳文提出日】2021年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2019067214
(87)【国際公開番号】WO2020007713
(87)【国際公開日】20200109
(31)【優先権主張番号】18181702.4
(32)【優先日】2018年7月4日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】513053775
【氏名又は名称】エクソリューション ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ブラッチ,クリスチャン
【テーマコード(参考)】
3E084
3E093
【Fターム(参考)】
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC02
3E084DA01
3E084DB20
3E084DC02
3E084FA09
3E084FD08
3E084GA10
3E084GB30
3E084KB01
3E084LA24
3E084LB01
3E084LB09
3E084LD01
3E093AA02
3E093AA12
3E093BB02
3E093DD10
3E093EE13
(57)【要約】
本発明は、容器用、具体的に缶用の蓋に関し、該蓋は、所定の破断線に少なくとも部分的に囲まれた破断開封領域を有するとともに上に固定要素が配置されている蓋パネルと、蓋パネルの下側の方向に所定の破断線に沿って破断開封領域を破断開封し、それにより蓋パネルに取り出し口を設けるために固定要素に回転可能に取り付けられたレバータブとを含み、ここでレバータブは取り出し口をきつく密閉するための密閉要素を含み、ここで密閉要素は、蓋パネルの上側に取り付け可能で、取り出し口を部分的に密閉して取り囲む第1部分を有し、およびここで密閉要素は、蓋パネルの下側に取り付け可能で、取り出し口を部分的に密閉して取り囲む第2部分を有する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用、具体的に飲料缶用の蓋であって、
所定の破断線に少なくとも部分的に囲まれた破断開封領域を有するとともに上に固定要素が配置されている蓋パネルと、
前記蓋パネルの下側の方向に前記所定の破断線に沿って前記破断開封領域を破断開封し、それにより前記蓋パネルに取り出し口を設けるために前記固定要素に回転可能に取り付けられたレバータブとを含み、
ここで前記レバータブは前記取り出し口を密閉するための密閉要素を含み、
ここで前記密閉要素は、前記蓋パネルの上側に取り付け可能で、前記取り出し口を部分的に密閉して囲む第1部分を含みおよび、
ここで前記密閉要素は、前記蓋パネルの下側に取り付可能で、前記取り出し口を部分的に密閉して囲む第2部分を含む、蓋。
【請求項2】
前記破断領域を破断するための破断要素が前記レバータブの第1端部に配置され、および前記密閉要素が前記レバータブの第2端部に配置され、及び好ましくは第1端部および第2端部は前記固定要素に対して互いに対向して設けられる、請求項1に記載の蓋。
【請求項3】
前記レバータブは、具体的にアルミニウムを含むシート材のシート材およびプラスチック材を含む、請求項1または2に記載の蓋。
【請求項4】
前記密閉要素の前記第2部分はさらに、前記取り出し口が前記密閉要素によって密閉されるときに、前記密閉要素をロックするために設けられる、請求項1から3のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項5】
前記レバータブは、前記レバータブを前記固定要素に固定するための固定舌部を含み、請求項3との組み合わせで固定舌部は好ましくは前記シート材から形成される、請求項1から4のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項6】
前記取り出し口は、前記固定要素のまわりに前記レバータブを回転させることによって再密閉または再開封することができる、請求項1から5のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項7】
前記レバータブが回転して前記取り出し口を密閉すると、前記密閉要素の前記第2部分は前記取り出し口を通って前記蓋パネルの下側へとガイドされ得る、請求項1から6のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項8】
前記密閉要素は、前記取り出し口が密閉されている間に、前記取り出し口において前記蓋パネルの縁領域と相互に作用し、それにより閉鎖中に前記レバータブの回転を制限する当接部を有する、請求項7に記載の蓋。
【請求項9】
前記密閉要素は、密閉された前記取り出し口が再開封される前に、容器の内部空間と外部空間との間に均圧化を引き起こすために、ユーザにより持ち上げ可能なハンドル部分を含む、請求項1から8のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項10】
前記密閉要素は、ユーザによる係合を可能にするための下方部分を有する、請求項1から9のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項11】
前記密閉要素の前記第1部分および前記第2部分の材料は、前記取り出し口を密閉するほど十分な可撓性を持ち、具体的に請求項3との組み合わせで、プラスチック材は十分な可撓性を持つ、請求項1から10のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項12】
上側から下側までの第1の移行点と第2の移行点は、前記取り出し口が密閉されているときに前記蓋パネルの上側に当接する前記密閉要素の前記第1部分、および前記取り出し口が密閉されているときに前記蓋パネルの下側に当接する前記密閉要素の前記第2部分によって画定され、前記第1の移行点と前記第2の移行点は、前記取り出し口を横切るラインを画定し、および望ましくは前記第2部分を有する下側から圧力を受ける前記密閉要素の第2のセクションのエリアは、前記第1部分を有する下側から圧力を受ける前記密閉要素の第1のセクションのエリアより大きい、請求項1から11のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項13】
前記第1部分は、前記取り出し口が前記密閉要素によって密閉されているときに、前記密閉要素をロックするためのロック要素を含んでおり、具体的には、前記ロック要素は、変位可能にまたは回転可能に設けられており、およびユーザによる作動のための作動部分とラッチ部分とを含んでおり、前記ラッチ部分は前記ラッチ部分と前記蓋パネルの下側との機械的相互作用によって前記密閉要素をロックするために前記作動部分に連結している、請求項1から12のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項14】
前記密閉要素は、前記取り出し口を少なくとも部分的に密閉するための弾性シールを含み、具体的に前記取り出し口が密閉されているときに、前記シールは前記取り出し口のまわりでしか部分的に延在しない、請求項1から13のいずれか1つに記載の蓋。
【請求項15】
容器、具体的に缶であって、
基体と、
請求項1から14のいずれか1つに記載の蓋とを含む、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用、具体的に飲料缶用の蓋に関し、該蓋は、所定の破断線に少なくとも部分的に囲まれた破断開封領域を有するとともに上に固定要素が配置されている蓋パネルと、蓋パネルの下側の方向に所定の破断線に沿って破断開封領域を破断開封し、それにより蓋パネルに取り出し口を設けるために固定要素に回転可能に取り付けられたレバータブとを含む。
【背景技術】
【0002】
上記のタイプの蓋は先行技術において知られており、例えば、飲料缶に使用されている。缶は、初めに開封される前にシート材(アルミニウム)で作られた蓋により完全に密閉されている。開封するには、ユーザは片方の手でレバータブを持ち上げ、それによりレバータブの反対側が破断開封領域を圧迫し、既存の所定の破断線(通常は蓋材料の上に凹部として形成されている)に沿って破断開封し、缶内部に押し込む。これにより取り出し口(注ぎ口、飲み口)が設けられる。缶を初めに開封した後、取り出し口を再び密閉することができないことが欠点である。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上述の欠点を解消することを課題とする。
【0004】
本課題は、請求項1に記載の容器用の蓋によって解決される。
【0005】
本発明による、容器用、具体的に缶用の蓋は、所定の破断線に少なくとも部分的に囲まれた破断開封領域を有するとともに上に固定要素が配置された蓋パネルと、蓋パネルの下側の方向に所定の破断線に沿って破断開封領域を破断開封し、このように蓋パネルにおいて取り出し口を設けるために固定要素に回転可能に取り付けられたレバータブとを含み、ここでレバータブは取り出し口をきつく密閉するための密閉要素を含み、ここで密閉要素は、蓋パネルの上側に取り付け可能で、取り出し口を部分的に密閉して取り囲む第1部分を有し、およびここで密閉要素は、蓋パネルの下側に取り付け可能で、取り出し口を部分的に密閉して取り囲む第2部分を有する。
【0006】
本発明によると、容器が初めに開封された後、レバータブは固定要素のまわりを回転され、密閉要素の第2部分は取り出し口へとガイドされ、そうなることで、第2部分は蓋パネルの下側から取り出し口を部分的にカバーしてそれを密閉するよう部分的に取り囲み、密閉要素の第1部分は蓋パネル上に静置して配置され、取り出し口を密閉するように部分的に取り囲み、その結果、取り出し口は密閉(あるいは再密閉)される。再開封は、レバータブを反対方向に回転させ、それにより第2部分を再び引き上げることによって達成することができる。
【0007】
本発明による蓋は、破断領域を破断するための破断要素がレバータブの第1端部に配置され、および、密閉要素がレバータブの第2端部に配置されるように、さらに形成することができる。それによって、第1端部および第2端部は固定要素に対して互いに対向して設けられてもよい。したがって、破断要素および密閉要素は互いに間隔を空けて配置され、容器が初めに開封されたときに破断要素がどのように変形しても、密閉要素およびその密閉作用には影響しない。
【0008】
レバータブはシート材、具体的にアルミニウムを含むシート材およびプラスチック材を含んでもよい。シート材は、例えば、固定要素への取り付けに使用されてもよい。破断要素は、破断操作に優れた強度をもたらすために、シート材から形成されてもよい。代替的に、破断要素は、プラスチック材から形成されていてもよく、破断操作中に破断領域が局所的に接触して圧力がかけられる下側の方向に突出する押圧部を有することが好ましい。密閉要素はプラスチック材で作ることができる。製造工程では、射出成形によって板金フラップをプラスチック材で少なくとも部分的に取り囲むことができる。
【0009】
別の実施形態では、密閉要素の第2部分は、さらに取り出し口が密閉要素によって密閉されるときに、密閉要素をロックするために設けられる。蓋パネルの下側に第2部分を挿入することによって、密閉要素の偶発的な開封は、例えば、容器の内部圧力により、妨げられる。
【0010】
別の実施形態によると、レバータブはレバータブを固定要素に固定するための固定舌部を含んでもよい。レバータブのシート材に関連して、固定舌部はシート材で形成されてもよい。
【0011】
別の実施形態では、取り出し口は、固定要素のまわりにレバータブを回転させることによって再密閉または再開封することができる。このような方法で、固定要素のまわりでの回転によって、密閉要素は、部分的に取り出し口のまわりで蓋パネルの下側から当接するように取り出し口へとガイドされた第2部分、および部分的に取り出し口のまわりで蓋パネルの上側から当接する第1部分で取り出し口を覆うように配置することができ、そうなることで第1部分および第2部分はと一体となって取り出し口を完全に密閉する。
【0012】
したがって、別の実施形態によると、レバータブが回転して取り出し口を密閉すると、密閉要素の第2部分は取り出し口を通って蓋パネルの下側へとガイドされ得る。
【0013】
この場合、密閉要素は、取り出し口が密閉されているときに、取り出し口において蓋パネルの縁領域と相互に作用し、それにより、密閉中にレバータブの回転を制限する当接部を有することができる。
【0014】
別の実施形態では、密閉要素は、密閉された取り出し口が再開封される前に容器の内部空間と外部空間との間に均圧化を引き起こすために、ユーザにより持ち上げ可能なハンドル部分を有している。これにより、容器の最初の開封後、およびその後の密閉要素による取り出し口の密閉または再密閉の後、および取り出し口の再開封前に、容器内部の圧力減少を達成することができ、そうすることで、例えば、炭酸飲料の急な泡立ちまたは噴出を防ぐことができる。
【0015】
別の実施形態によると、密閉要素は、ユーザによる係合を可能にするために下方部分を有してもよい。これにより、レバータブを容易に握り回転されることができる。
【0016】
別の実施形態では、密閉要素の第1部分および第2部分の材料は、取り出し口を密閉するのに十分な可撓性を持ち、密閉要素のプラスチック材に関して、プラスチック材は十分な可撓性を持つ。したがって、取り出し口は、さらに密閉材料を必要とすることなく、きつく密閉することができる。
【0017】
別の実施形態によると、取り出し口が密閉されているときに蓋パネルの上側に当接する密閉要素の第1部分、および取り出し口が密閉されているときに蓋パネルの下側に当接する密閉要素の第2部分は、上側から下側への第1の移行点と第2の移行点を画定することができ、ここで第1の移行点と第2の移行点は、取り出し口を横切るラインを画定し、およびここで第2部分のエリアが第1部分のエリアより大きいことが好ましい。このラインは密閉要素を第1のセクションと第2のセクションに分ける。このように、内部圧力が生じる場合、例えば炭酸飲料の場合、第2部分を有する密閉要素の第2のセクションに対する圧力は、第1部分を有する密閉要素の第1のセクションに対する圧力より大きく、そうなることで、回転軸としてラインのまわりでの部分回転による密閉要素の圧力開封を防ぐことが確実となる。
【0018】
別のさらなる開発では、第1部分は取り出し口が密閉要素によって密閉されているときに、密閉要素をロックするためのロック要素を含んでおり、具体的には、このロック要素は、変位可能にまたは回転可能に設けられており、およびユーザによる作動のための作動部分とラッチ部分とを含んでおり、このラッチ部分はラッチ部分と蓋パネルの下側との機械的相互作用によって密閉要素をロックするために作動部分に連結している。ロック要素は、密閉要素と形状が合うように射出成形プロセス(組立射出成形)によって形成することができる(また密閉要素内に移動可能、具体的に回転可能である)。
【0019】
ロック要素は、スライド可能または回転可能に設けられてもよく、およびユーザによる作動のための作動部分とラッチ部分とを含んでおり、このラッチ位部分はラッチ部分と蓋パネルの下側との機械的相互作用によって密閉要素をロックするために作動部分に連結している。
【0020】
ロック要素は、蓋パネルと少なくとも部分的に平行な軸のまわりを回転することができ、それによりラッチ部分を折り畳んで蓋パネルの下側と機械的に接触させることができ、または展開して機械的接触を開放することができる;あるいは、ロック要素は、蓋パネルと少なくとも部分的に垂直な軸のまわりを回転することができ、それによりラッチ部分を回転して蓋パネルの下側と機械的に接触させることができ、または回転して機械的接触を開放することができる。
【0021】
さらに、ロック要素の作動部分は、密閉要素の上側に配置することができ、およびラッチ部分は、密閉要素の下側に配置することができる。そうすると、ユーザは上側からロック要素の作動部分に容易にアクセスすることができる。
【0022】
別の実施形態によると、ロック要素は通気口を含んでもよい。
【0023】
この場合、通気口は、ロック要素によって実行可能なロックプロセス中に密閉することができ、ロック要素によって実行可能なアンロックプロセス中に開放することができる。このように、容器の内部と外部の間の均圧化は、アンロックプロセス中に行うことができる。
【0024】
通気口は、ロック要素のラッチ部分に設けることができる。具体的には、こうすることでラッチ部分と、蓋パネルの下側(容器の蓋パネルの内側)との機械的接触によって、密閉要素のロック状態中に通気口を密閉することができる。
【0025】
別の実施形態では、密閉要素は、取り出し口を少なくとも部分的に密閉するための弾性シールを含み、具体的に取り出し口が密閉されたときに、弾性シールは取り出し口のまわりでしか部分的に延在しない。
【0026】
弾性シールは、蓋パネルの上側に設置されて(第1のエリアに配置されて)取り出し口を部分的に密閉して取り囲み、および/または蓋パネルの下側に設置され(第2のエリアに配置されて)取り出し口を部分的に密閉して取り囲む。プラスチック材に関して、このシールはプラスチック材の上に、または部分的にプラスチック材の中に配置されてもよい。密閉効果は、弾性シールによって改善される。このシールは、密閉要素の下側および/またはこのために設けられた凹所にシールを接着し、溶接し、または挿入する/押し付けることによって単純にプラスチック材の上、またはプラスチック材の中に配置することができる。
【0027】
別の実施形態では、固定要素を取り囲むシールは、固定要素の下側に設けられる。レバータブのプラスチック材と連結して、このシールは、レバータブのプラスチック材に配置され、および/またはレバータブのプラスチック材と一体形成されてもよい。このシールは、レバータブのプラスチック材に配置され、および/またはレバータブのプラスチック材料と一体形成されてもよい。このシールは(例えばリベットの形式で)、固定要素のエリアにおいて汚染物をレバータブの下側から隔離するために使用される。
【0028】
本発明は、さらに容器、具体的に缶を提供し、この容器は基体と、本発明による蓋またはさらなる実施形態のうち1つによる蓋とを含んでいる。
【0029】
前述のさらなる発展型は、要求に応じて、個々に、または互い適切に組み合わせて使用することができる。
【0030】
本発明のさらなる特徴と典型的な実施形態の他、本発明の利点も、図面とともに以下の詳細な説明において説明される。実施形態は、本発明の範囲を制限する(exhaust)ものではないことが理解されるであろう。後述の特徴の一部またはすべては他の方法で組み合わされてもよいことがさらに理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1A図1Aは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
図1B図1Bは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
図1C図1Cは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
図1D図1Dは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
図1E図1Eは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
図1F図1Fは、本発明による蓋の第1実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面では、同一の参照番号は同一または同等の要素を表す。
【0033】
図1A、1B、1C、1D、1E、1Fは、本発明による飲料用缶用の蓋(100)の第1実施形態を概略的に示す。
【0034】
本第1の実施形態では、本発明による蓋(100)は、破断開封領域(11)が設けられたアルミニウムシート製の蓋パネル(10)を含む。破断開封領域(11)は、所定の破断線(12)に部分的に囲まれている。さらに、固定要素(20)(リベット(20))が蓋パネル(10)上に配置されており、およびレバータブ(30)は固定素子(20)に回転可能に取り付けられ、このレバータブによって蓋パネル(10)の下側(10b)の方向に所定の破断線(12)に沿って破断開封領域(11)を破断開封することで蓋パネル(10)に取り出し口(15)が設けられる。レバータブは、取り出し口を密閉するための密閉要素(40)を含んでおり、この密閉要素(40)は蓋パネル(10)の上側(10a)に取り付け可能であり、かつ取り出し口(15)を部分的に密閉して取り囲む第1部分を有しており、前記密閉要素(40)は蓋パネル(10)の下側に取り付け可能であり、かつ取り出し口(15)を部分的に密閉して取り囲む第2部分(42)を有している。
【0035】
破断領域(11)を破断するための破断要素(31)は、レバータブ(30)の第1端部に配置され、および、ロック要素(40)は、レバータブ(30)の第2端部(32)に配置される。第1端部(31)および第2端部(32)は、固定要素(20)に対して互いに対向して設けられる。
【0036】
容器が初めに開封された後、レバータブ(30)は固定要素(20)のまわりを回転し、密閉要素(40)の第2部分(42)は取り出し口(15)へとガイドされ、そうなることで、第2部分は蓋パネル(10)の下側から取り出し口(15)を部分的にカバーしてそれを密閉するよう部分的に取り囲み、密閉要素(40)の第1部分(41)は蓋パネル(10)の上に静置して配置され、取り出し口(15)を密閉するように部分的に取り囲み、その結果、取り出し口(15)が密閉(または再密閉)される。再開封は、レバータブ(30)を反対方向に回転させることによって達成してもよく、それにより密閉要素(40)の第2部分(42)を取り出し口(15)から再び引き上げられる。
【0037】
レバータブ(30)は、アルミニウムを含むシート材等のシート材、およびプラスチック材を含む。シート材は、レバータブ(30)を固定要素(20)へ取り付けるために使用され、およびレバータブは、レバータブ(30)を固定要素(20)に固定するための固定舌部(60)を含む。固定舌部(60)はシート材から形成される。破断要素(31)はプラスチック材から形成されており、ここで下側の方向に突出する押圧部が圧力をかけて、破断操作中に破断領域(11)を破断開封する。密閉要素(40)もプラスチック材で作られる。製造工程では、射出成形によって板金フラップをプラスチック材で少なくとも部分的に取り囲む。
【0038】
密閉要素(40)は、取り出し口(15)の密閉中に、取り出し口(15)において蓋パネル(10)の縁部分と相互に作用し、それにより、密閉中にレバータブ(30)の回転を制限する当接部(45)を含む。
【0039】
さらに、密閉要素(40)は、密閉された取り出し口(15)が再開封される前に容器の内部空間と外部空間との間に均圧化を引き起こすために、ユーザにより持ち上げ可能なハンドル部分(47)を含む。それ故に、例えば、炭酸飲料の急な泡立ちまたは噴出を防ぐために、容器の最初の開封後、およびその後の密閉要素(40)による取り出し口(15)の密閉または再密閉の後、および取り出し口(15)の再開封前に、容器内部の圧力減少を達成することが可能である。
【0040】
ロック要素(40)は、ユーザによる係合を可能にするために下方部分(46)を含んでもよい。これにより、レバータブ(30)を容易に握り回転させることができる。
【0041】
密閉要素(40)の第1部分(41)および第2部分(42)のプラスチック材は、取り出し口(15)を密閉するほど十分な可撓性(または弾性)を持つ。したがって、取り出し口(15)は、さらに密閉材料を必要とすることなく、きつく密閉することができる。
【0042】
図1Fは、密閉要素(40)が取り出し口(15)を密閉する蓋パネル(10)の下側(10)を示す。取り出し口が密閉されているときに蓋パネル(10)の上側(10a)に係合する密閉要素の第1部分(41)、および取り出し口が密閉されているときに蓋パネルの下側に係合する密閉要素の第2部分(42)は、上側(10a)から下側(10b)までの第1の移行部分(43a)と第2の移行部分(43b)を画定し、ここで第1の移行部分(43a)と第2の移行部分(43b)は、取り出し口(15)を横切るライン(43)を画定する。このライン(43)は、密閉要素(40)を、下側から圧力を受ける第1部分(40a)と第2部分(40b)とに分ける。望ましくは、第2部分のエリアが第1部分のエリアより大きい。このように、内部圧力が生じる場合、例えば炭酸飲料の場合、第2部分(42)を有する密閉要素(40)の第2の部分(40b)に対する圧力は、第1部分(41)を有する密閉要素(40)の第1の部分(40a)に対する圧力より大きく、その結果、回転軸としてライン(43)のまわりでの部分的な回転による密閉要素(40)の圧力開封を防ぐことが確実となる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
【国際調査報告】